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2000/05/30 第147回国会 参議院 参議院会議録情報 第147回国会 国民福祉委員会 第26号
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2000/05/30 第147回国会 参議院

参議院会議録情報 第147回国会 国民福祉委員会 第26号

#1
第147回国会 国民福祉委員会 第26号
平成十二年五月三十日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月三十日
    辞任         補欠選任   
     佐藤 昭郎君     中島 啓雄君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         狩野  安君
    理 事
                田浦  直君
                山崎 正昭君
                勝木 健司君
                山本  保君
                小池  晃君
    委 員
                入澤  肇君
                久野 恒一君
                中島 啓雄君
                中原  爽君
                南野知惠子君
                水島  裕君
                今井  澄君
                佐藤 泰介君
                松崎 俊久君
                柳田  稔君
                沢 たまき君
                井上 美代君
                清水 澄子君
                堂本 暁子君
                西川きよし君
   衆議院議員
       発議者      安倍 晋三君
       発議者      鴨下 一郎君
       発議者      福島  豊君
   国務大臣
       厚生大臣     丹羽 雄哉君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大貫 延朗君
   政府参考人
       厚生省老人保健
       福祉局長     大塚 義治君
       厚生省保険局長  近藤純五郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
〇老人医療受給対象者に対する臨時老人薬剤費特
 別給付金の支給に関する法律案(衆議院提出)

    ─────────────
#2
○委員長(狩野安君) ただいまから国民福祉委員会を開会いたします。
 まず、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 老人医療受給対象者に対する臨時老人薬剤費特別給付金の支給に関する法律案の審査のため、本日の委員会に厚生省老人保健福祉局長大塚義治君及び厚生省保険局長近藤純五郎君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(狩野安君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(狩野安君) 次に、老人医療受給対象者に対する臨時老人薬剤費特別給付金の支給に関する法律案を議題といたします。
 まず、発議者衆議院議員安倍晋三君から趣旨説明を聴取いたします。安倍晋三君。
#5
○衆議院議員(安倍晋三君) ただいま議題となりました老人医療受給対象者に対する臨時老人薬剤費特別給付金の支給に関する法律案について、その提案理由及び内容を御説明申し上げます。
 今国会に政府より提出されている健康保険法等の一部を改正する法律案においては、老人医療について、薬剤一部負担金を廃止し、月額上限を設けた上で定率一割負担制を導入することとされ、その施行日は七月一日とされております。あわせて、国が老人の薬剤一部負担金を肩がわりする臨時特例措置について、本年度予算においては六月中まで実施するための経費が計上されているところであります。しかしながら、今国会の残された審議日程を踏まえますと、健康保険法等の一部を改正する法律案の今国会会期中の成立は極めて困難であると言わざるを得ない状況にあります。
 このため、薬剤一部負担金を含む老人医療の一部負担金の見直しまでの間、臨時特例措置を引き続き実施するため、本法律案において、国は老人が医療機関等に支払うべき薬剤一部負担金相当額を臨時老人薬剤費特別給付金として老人に支給するための措置を講ずることとし、本年七月一日より実施することとしております。
 以上が、本案の提案理由及び内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#6
○委員長(狩野安君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○今井澄君 おはようございます。民主党・新緑風会の今井澄でございます。
 ただいま議題となりました法律案等について質疑をさせていただきます。
 まず最初に、厚生大臣にお伺いしたいんですが、一九九七年の九月一日からこの薬剤費の一部自己負担、私はこれを薬剤数による別途自己負担というふうに呼んでいるわけでありますけれども、こういう制度が導入されて別途負担を徴収するようになった。そもそも自己負担の中で薬剤費は負担してきているわけですね、これまでも。それのほかに、さらに薬剤の数によって負担を徴収するその根拠、また、薬剤数が一剤だと負担しなくていい、二剤、三剤だと一日につき三十円と、こう段階を設けてやっているわけですが、その算定の根拠は何なのか、お答えをいただければと思います。
#8
○国務大臣(丹羽雄哉君) 委員も御承知のことと存じますけれども、平成九年の健康保険法の改正におきましては、医療保険制度の安定的な運営の確保、これを図るために実施されたわけでございます。
 その中で、特に当時、薬剤の一部負担につきましては、医療保険制度の安定的な運営を確保するとともに、薬剤についてのコスト意識、これを喚起しなければならない、さらに薬剤の使用の適正化を図る、こういう観点から薬剤の種類数や日数に応じた負担をお願いしたと、こういうような経緯があるわけでございます。
 そこで、薬剤の一部負担の額につきましては、老人の外来が、平均的薬剤負担というのは一種類一日分の薬剤費が大体およそ百五十円でございます。こういったことで、一種類一日につきその一割相当額の十五円を基本としたものでございますが、なお、御案内のように、多剤投与の抑制などの観点から一種類につきましては薬剤負担を求めないこととするとともに、六歳未満の小児や一定所得以下の老齢福祉年金の受給者につきましては対象外と、こういうような措置をとらせていただいたような次第でございます。
#9
○今井澄君 いや、私は、薬剤の数による別途の負担というのも本来非常に非論理的で筋が悪い。しかも、それにかかる費用を今度のような議員提案でやることも筋が悪い。筋が悪い上に筋の悪さを重ねているのが今回の法改正だと思うわけです。非常に国民にわかりにくい。
 それで、この薬剤費の自己負担、コスト意識ということを今、大臣おっしゃいましたね。私もコスト意識というのは非常に大事だと思うんです。老人医療費無料、これは古今東西どの国でも、いざ病気になったときにそれを負担なくかかれるというのは理想とはされてきたわけで、そういう制度をやっている国もあるわけですけれども、我が国も老人医療費を無料化した、やっと理想の制度に近づいたと思ったらまた大変なモラルハザードが生じたという現実も私たち目の当たりにしたわけです。
 そこで、コスト意識というのは非常に大事なことだということから老人医療も再び有料化の道を来たし、そういう意味で、お薬についても、いわゆる薬漬け批判に対して薬の自己負担をしていただくこともこれは必要だと。これは議論としていまだにあると思うんです。
 ですから、薬代については、例えば健康保険本人は二割負担、その中に薬代も二割負担しているわけです。国保は三割負担している。お年寄りだって定額負担の中で薬代も当然負担しているという考え方ですが、中には、薬については別途の負担で、一般、二割であれば薬代は三割なり五割なり負担してもらってコスト意識を高めようという案も現にあるわけですね。それはそれで一つの議論の筋道だと思うんです。
 一種類だと負担がないのに種類がふえると負担がふえるというのは、私はこれは非常におかしな考え方じゃないかと思うんです。少なくとも医学的でないんですよ、全く。例えば、血圧が高くてコレステロールが高くて尿酸が高いと三種類お薬が出る。そうすると、自己負担が種類で出てくるけれども、血圧だけの人は負担がないというのは、これは非常に科学的に医学的に言ってもおかしい。
 こういう制度は、どこかよその国でやっているところを大臣は御承知でしょうか。
#10
○国務大臣(丹羽雄哉君) 今、今井委員がおっしゃったいわゆる医学的でないという観点からおっしゃれば、委員の考え方というのも私なりに理解をいたしておるわけでございますけれども、率直に申し上げて、大変厳しい保険財政の中において、特に薬剤の占める割合があの当時大変ウエートが高まっておったわけでございます。
 そういう中において、薬剤に私どもはむだはないということを信じたいわけでございますけれども、一部にはいわゆる薬漬け、こういうようなことが指摘されている中において、さらに、特にお年寄りの薬の占める割合が全体の中でも非常に高い、こういうことに着目をいたしまして、いわゆる保険財政の健全化、こういうような観点からこのような措置をとらせていただいたような次第でございます。
 そこで、世界でこのようなことをとっている国はあるかないかということでございますが、世界的にそういうようなことをとった国があるかどうか私自身は承知しておりませんが、かつてこのような形で、我が国において薬剤の別途徴収をとった経験があるということは承知しております。
#11
○今井澄君 私も薬代の償還率をいろいろ高くしたり薬によって償還率を変えたりしている国があるのは知っているんですが、数がふえると負担がふえるというのは私はちょっと不勉強ながら知らないのです。これは日本独自のあれですが、いかに保険財政が厳しいから、その中で薬剤費が高いからといって、やはりこういう制度というのは大変根拠が薄い。少なくとも、やはりある程度理屈に合っているものでなければならないと思うわけです。
 ところで、この制度は、年齢によって区別するという制度として導入されたわけではないわけですね、六歳未満の問題はありますけれども。普通の大人の人たち、若年者からは薬の数による別途自己負担というのはいまだに徴収し続けているわけです。一方で、老人の負担については、昨年度の予算措置から国が肩がわりするということでこの負担を免除したということになっているわけです。そしてまた、実は先ほど安倍衆議院議員の方からの提案理由説明の中で、健康保険法等の一部を改正する法律案の今国会会期中の成立は極めて困難だからということが言われたんですが、まさに提出されている法案の中でも老人についてだけ負担を廃止するとなっているんですね。
 若人からは徴収をし続けるのにどうして老人だけ廃止するのか、なぜ若人からは徴収するのか、この矛盾についてどういうふうにお考えでしょうか。
#12
○国務大臣(丹羽雄哉君) 先ほど来経緯については御説明を申し上げさせていただいたわけでございますが、政府といたしましては、いわゆるお年寄りの方は若年世代と異なりまして、先生も御指摘のように幾つかの病気をあわせ持っていらっしゃる、しかもどちらかというと慢性的な病で完治しない病気が多く長期間の療養が必要になる、こういうような特性が多く見られるわけでございます。それと同時に、今なお厳しい経済情勢でございますけれども、高齢者に対する薬剤の一部負担の免除を打ち出したときには特に厳しい経済情勢、二年連続というマイナス経済成長の中において、現実問題としてお年寄りの生活の六割近くが年金に依存せざるを得ない、こういう中においてできるだけ負担の軽減を図る必要があるのではないか、こういうようなことで、医療保険改革の抜本改革がなされるまでの間のいわゆる応急的な措置として臨時特例的に軽減することを決定した、こういうことでございます。
 もう一つの問題でございます。若年者の一部負担はそれではなぜやらないのかということでございますが、私は、筋から申し上げますならば、これも本来ならばわかりやすく煩雑ではない、今先生の御指摘のあったような御懸念を受けないためにも、やはり別途負担というものはできるだけ早く解消すべきではないかなと考えておりますけれども、現実問題といたしまして、薬剤の一部負担の廃止に伴います医療費の波及増、特に今大変健保財政などが厳しい状況の中にあるわけでございますけれども、医療保険財政への影響、こういうことを配慮いたしまして継続した、こういう経緯があるわけでございます。
 と同時に、何と申し上げましても、この健保財政全体、特に国保なんかが非常に大きな問題でございます。委員も御専門家でありますので私から申し上げるまでもないわけでございますけれども、要するにどういうような絵を描くかということにおいて、あるいは運営主体をどうするかということについてさまざまな意見があってなかなか集約されておらない、こういうこともありまして、私どもとしては今、省内で検討いたしておるわけでございますが、平成十四年までに所要の財源を確保した上で若人の薬剤の一部負担についても廃止する方向で検討していきたい、こう考えているような次第であります。
#13
○今井澄君 今御答弁のあったことについて、私は二点、ちょっとやはり矛盾しているんじゃないか、おかしいんじゃないかと思う点を申し上げたいんです。
 最初は、言葉の問題かもしれませんけれども、この老人の負担を、昨年、予算措置で負担を免除したということは抜本改革までの臨時的な措置なんだというお話でしたが、臨時的措置ということを言われるならば、最初の質問でお聞きしましたように、そもそも世界に例を見ないような、薬剤の値段の自己負担ではなくて、薬剤の数による別途自己負担なんというこんな変な措置ですね。
 これは、最初の御答弁の中で、何しろ健保財政が厳しいのでとにかく薬の問題を何とかしなきゃならないから、医学的にはおかしいかもしれないけれどもこういう制度を入れたと言われたわけですね。その薬剤数による別途負担というのが臨時的な措置だと思うんですね、根本的に。その上にさらに、抜本改革までの臨時的措置として薬剤数による別途負担を入れておきながら、厳しい経済情勢、年金暮らしが大変だろうということでまた臨時的に措置したというのは、これはいかに何でも、一体何を考えて、抜本改革を考えての臨時的措置なのか、あるいは健保財政を考えての臨時的措置なのか、あるいは、こういう不況の中で金利が下がっている中でのお年寄りに対する臨時的措置なのか、その辺がさっぱりわからないんですね。何かますますわからなくなる。その辺はいかがでしょうか。
#14
○国務大臣(丹羽雄哉君) まず、委員も御案内のように経緯があるわけでございます。
 今、国民医療は大体年間三十兆円と言われております。そのうち大体三分の一、老人保健制度というものができましたものですから十兆円というのがお年寄りの医療費と言われておるわけでございます。その中においても薬剤の占める割合が三分の一近くになるのではないか、こういうことでございまして、これはさまざまな形で、薬剤にむだがないかどうか、果たして効率的かどうか、こういう観点から、お年寄りの皆さん方にも御協力をいただくという形でこのような別途負担というものをお願い申し上げたわけでございます。
 あの当時、委員もよく御理解いただけると思いますが、これは正式な議論ではありませんけれども、いわゆるワン・ツー・スリーというのがありまして、要するにお年寄りは一割だ、被用者は二割だ、それから薬は三割だと、こんなような話も行ったり来たりしたわけであります。
 いずれにいたしましても、そういうような議論がありまして、こういうことで政管健保財政、こういう保険財政を維持していくために、そしてお年寄りの皆さん方にもコスト意識というものを持っていただくためにこのような措置をとったわけでございますが、率直に申し上げて、コンピューターなどを備えておる医療機関というものは対応が十分できたわけでございますけれども、いわゆる診療所であるとか中小病院の中においては、なかなかこれが複雑である、こういうような声が医療現場あるいは患者さんの中から寄せられてきたわけでございます。
 それから、一部には、今、委員も御指摘のように、片方の医療費の中で取って片方でまた取るということは、言葉が適当だとは思いませんが、二重取りだというような厳しい御指摘も受けたわけでございまして、私どもといたしましてはやはり本来の姿に戻すべきことが筋ではないか、こういうようなことがあったわけでございます。
 時、ちょうど非常に経済状況が悪化してまいりまして、橋本内閣のもとでいわゆる健保法の保険料も引き上げをしないで凍結をしようじゃないか、減税分というものが引き上げることによって減ってしまうんじゃないか、こういうような背景の中においてお年寄りの負担の軽減ということも考えてはどうかと、こういう政治的な判断もこれありまして、とりあえずお年寄りに関してこの一部負担というものを国の予算措置で免除する、こういうような措置をとらせていただいたような次第でございます。
 そして、この予算措置を決めるに当たりまして、これは次の改革までの間のつなぎ措置ですよということでございまして、ことしの六月までであると、こういうことであったわけでございます。先ほど安倍議員の方から提案理由の説明がなされたわけでございますが、残念ながらこの国会、十法案を抱えまして、これは国会でお決めいただくことでございますけれども、非常にタイトでございまして、しかも現実問題としてさまざまな重要法案があって、私どもはこの法案をイの一番に御審議をしていただきたいということを個人的には願っておったわけでございますが、それが現実問題として不可能になってしまったということでございます。
 まだ国会の方に提出させていただいておりませんけれども、今政府が予定しておりますものは、一本化していくんだ、こういうのをなくしていくんだと、こういうことでありますので、それまでの間、要するに今の措置というものを継続してお年寄りの負担を免除する、こういうねらいがあるわけでございまして、御理解を賜りたいと思っております。
#15
○今井澄君 いろいろ御答弁いただいてあれなんですけれども、やっぱり基本的には矛盾の上に矛盾を重ねるというか、筋悪の上に筋悪を重ねてますますわけがわからなくなってきているというのが現状なんじゃないかと思うんです。
 どうも今の御答弁でも、何でお年寄り、七十歳以上とそれ以下とを区別するのかあるいは差別するのかというのは一向に明らかにならない。むしろ九七年の別途負担の導入というのが、先ほどの御答弁のように、健保財政がもう大変だったと、あのときたしか政管健保がその年度にも支払い不能になるかもしれないということをお聞きしたわけですが、そういうときの緊急やむを得ざる措置として、筋は悪いけれども、薬について、特に薬代が多過ぎるということから減らそうということだとすれば、むしろお年寄りの薬剤数による別途負担を廃止するというのは私は逆効果だと思うんです。お薬をたくさんもらっているのはお年寄りですね、先ほどの御答弁にもありましたように。幾つも病気を持っている、しかも慢性的でずっと飲み続ける、ここのところに一番やっぱり薬漬けというか薬のむだ遣いがあるんじゃないかということがずっと言われてきているわけですね。
 特に、当時ももう問題になっていたと思いますが、脳の薬、脳の血液の流れを改善する脳血液循環改善剤だとか脳の細胞の働きを活性化する脳代謝賦活剤だとか、動脈硬化とかあるいはいわゆる軽いぼけとかそういうものに効くと言われて次々と薬が発売されてどんどん使われて、その中には非常に副作用のあるものもあってすぐに中止になったり、結果的には再評価や何かで効かないということがわかった。そういう脳機能を改善するんじゃないかと言われた薬が十年間で一兆円使われたんじゃないかということが既に当時言われていたわけですね。
 そうしますと、やっぱりお薬というところに着目をして、むだがあるんじゃないか、またお薬はたくさん使い過ぎればむだだけじゃなくて害もあると。そういうことから緊急避難的に、もしそのお薬代を何とかして医療費を適正化して健保財政の窮状も救おうとすれば、老人の薬剤数による別途自己負担こそ残して、若者は余り関係ないわけですから、用もないのにたくさん薬をもらっていったり、そういうことというのは、それはないわけじゃないにしても、若人の方はそういう薬を用もないのにむだにたくさん使うということがそうあるわけではなく、老人にそれが顕著だったわけですから、老人の一部負担を廃止するんじゃなくて、国が肩がわりするんじゃなくて、むしろそこに焦点を合わせて、逆に若者の方は廃止しましょうと、もし財源的にこれだけしか財源が出ないんだとすれば。逆だと思うんですよ、私は、やっぱりね。だから、一体どこに焦点があるのか。健保財政の問題なのか、薬の使い過ぎを何とかしようと思ったのか、それとも実はお年寄りが大変だからと思ったのか。
 実は、今度の法律だって、審議がまだされていない健保法の改正だって、老人の一割負担というのが出されているわけでしょう、厚生省から。その根拠は何かというと、コスト意識を持ってもらうということと、お年寄りもそれなりに平均すれば収入を得ておられると。当然低所得者には配慮しなきゃならないし、高齢者は所得の格差があるから配慮しなければならないけれども、平均すればお年寄りも負担能力が出てきているという認識が背景にあるんじゃないですか。
 そういう認識が背景にありながら、そして薬の問題の焦点は老人医療にあるということなのに、何で老人だけを国費で肩がわりしたんですか。やっぱりおかしいじゃないですか。
#16
○国務大臣(丹羽雄哉君) まず、委員の前段の御指摘でございますが、若人はそれほどむだが少ない、年寄りはむだが多いからむしろ逆にすべきだと、こういうような一つの御識見だと思います。そういうような御意見も現場の方々から私もお聞きすることがありますけれども、私どもといたしましては、若人だからむだがなくて年寄りだからむだがあると、こういうような考え方ではなくて、やはり若人、年寄りをたがわず、要するに医療費の、薬剤のむだを適正化していくと、こういうような基本的なまず認識に立っておるわけでございます。
 そこで、なぜお年寄りの方を免除したかということでございますが、先ほど申し上げましたように、お年寄りの場合は幾つかの病気をあわせ持っておりまして、なかなか慢性的な病気だということで長期間にわたりまして費用というものがかかるんだということ、それから先ほど申し上げたような経済情勢というようなものを勘案してまずお年寄りの皆様方の負担を軽減しようではないか、こういうようなねらいからこういう措置をとらせていただいたような次第であります。
#17
○今井澄君 これ以上お聞きしてもあれですけれども、要するに完全に矛盾しているわけですね。こういう科学的、論理的に考えておかしな、種類が多ければ負担をしてもらうというのは臨時的な健保財政のためのものだったというふうに言いながら、一方ではそれを何でお年寄りだけ免除したかというと、それはお年寄りの負担が大変だからと、こういうことで、全く矛盾しているというか、関係がない、その都度その都度違う論理に立っておられるということは大変やっぱり問題だと思うんです。
 お年寄りの薬の問題というのは、これはもう厚生省なんかも積極的に宣伝しておられましたが、例えば介護力強化病院というのをつくってマルメにしたら、お薬を減らしてレクリエーションをふやして、お年寄りはかえって元気になったというデータを厚生省はあっちこっちへ宣伝して回っていたわけですね。
 そういうことから考えると、やっぱりとにかくお年寄りだけを、七十歳以上だけを負担を免除したのは非常に理屈に合わないというふうに思うんです。しかもこの理屈に合わないようなことを、次にこれは本来厚生省にお聞きすべきかもしれませんけれども、やはり自由民主党が主導してやられたと思いますので提案者にお聞きしたいと思いますが、そもそもこの老人の免除は、一昨年の暮れ、十二月二十五日、予算編成の最後の日にたしかお決めになられたわけですね。与党主導でお決めになられたと思うんです。
 本来は、こういう制度がまずいんだったら、薬剤の数による別途負担がまずいんだったら法改正をするなりして廃止する、免除するというのが筋だと思うんですね。まだ法律だって翌年通常国会があるわけですから間に合ったわけですね。これを予算措置でやったということが非常に不明朗だと思うんです。
 それはやはり業界団体との談合で行われたということが批判されましたし、私もそれは見え見えだと思うんです。あの措置がされてから各種審議会で非常な不信感が出て、議論がまともに行われなくなった直接のきっかけは、やはり十二月二十五日にこういうことがある業界の団体と与党との話し合いで予算措置で決められたということにあると思うんですけれども、このこと自身が非常に政治の信頼を損なった、その後の抜本改革の審議にも非常な支障を来したと思っているんです。
 さらに今回こういうことで、政府の方からの提案でなく議員提案としてやらざるを得ない、しかも予備費を使おうというわけですね。しかも、その予備費を使おうということで財政当局とかけ合ったところ、財政当局がなかなかうんと言わずに、法制局の見解を聞いたところが、法制局の方は、六月三十日までやっているこの措置をさらに七月一日以降続けることには新たな立法措置がなければだめだと法制局長官了解というのが出ているわけですね。非常にまたこれ自身が不明朗だと思うんですよ。何でこういうふうに不明朗な形になってきたのか。このことが非常に政治的不信を招いていると思うんですけれども、いかがでしょうか。
#18
○衆議院議員(安倍晋三君) 一九九八年の予算措置でございますが、当時自民党でいろんな議論がございました。私も、今は社会部会長を務めておりますが当時は副部会長でございますので、最後の決定の瞬間ということについては立ち会っていないわけでございますが、議論から推測をいたしますと、この薬剤の一部負担につきましては、これはもう老人、若人両方合わせまして、医療現場におきましても、徴収するに際して大変負荷が多いという意見もございました。またさらには、先ほど今井委員が御指摘のとおり、二重負担ではないかという指摘もありました。我が党の中でもこれは強い意見としてあったわけでございます。
 そういう中にありまして、大変経済の状況も悪化している中で、やはり医療機関にかかる機会の多いお年寄り、またさらには経済状況が厳しい中において稼得収入のないお年寄りに着目をして、お年寄りの分ということで予算措置でやっていこうということを決定したわけであります。しかし、もちろんその後には、最初に申し上げましたような理由から抜本的な改革を行っていくべきではないかということで、今般の健保法の改正の中において老人、お年寄りにつきましては今までの定額から一割を負担していただくと。これは私はかなり大きな改革であったんだろう、こういうふうに思います。一割を負担していただくということの中で、当然負担増になっていくという面もあるわけでありますから、最初に申し上げましたいろんな問題のあるこの薬剤の一部負担については、廃止をするという決定がこの連続の過程の中でなされたわけでございました。
 しかしながら、この健保法が残念ながら成立をしないという中において、昨年の七月からことしの六月まで、そういう経緯の中で予算措置をしている。そして、本来であれば七月から薬剤の一部負担が廃止になるという予定でありました。一割負担になるということと同時にそうなる予定でありましたが、残念ながら成立をしないわけでございますので、端境期ができてしまってまた復活をするということは、大変また医療現場を混乱させることにもなるわけでございますし、まだ残念ながら経済情勢も本格的に好転をしていないわけでございます。
 その中で、大変やむを得ない措置といたしまして、これは予備費の中からこの臨時特例措置を継続するための法的な措置を行わなければいけないということでございまして、私どもそういう判断をしたわけでございますが、これは私は、当然政治家としてとるべき責任ある決定であったと、このように確信をいたしております。
#19
○今井澄君 やはり政治というのは透明でなければなりませんし、筋が通ったものでなければならないと思うんです。
 先ほどから質疑で申し上げているように、一体どこに問題があって国民に負担をお願いするのか、あるいはあえてこういう国家財政が厳しい折でも国家財政で負担しなければならないのか、そういう説明責任があると思うんですけれども、一向に先ほどからその辺が明らかになっていないと思うんです。
 例えば、健保財政が厳しいからとりあえず自己負担で切り抜けさせてほしいということなのか、あるいはお年寄りの負担が厳しいからお年寄りには国のお金を使ってでもやるのか、その辺のところが全然明らかでないままに来ているというのが非常に問題なんだと思うんです。その辺、大変不透明で理屈が通らない。このことが政治不信を招いているということは、やはり政府及び与党の皆さんは責任を十分に感じていただかないと、近いうちに総選挙があると言われていますけれども、国民は何を選択していいかわからない。ここがやっぱり一番問題なんではないかと思います。
 ところで、この薬剤数による別途負担の問題で最後の質問をちょっともう一つしたいと思っているんですけれども、今審議がまだされていない健保法改正案の中では、老人の薬剤費の別途負担は廃止すると、先ほどからのお話にありますようになっていますが、若人に係る薬剤一部負担は平成十四年度までに所要の財源を確保した上で廃止する、こういうことになっているわけですね、そういう方針で政府はおられるようですけれども。
 では、改めて伺いますが、薬剤費が多過ぎる、医療費が急増している、これが非常に問題だ、それを何とか抑制しようという形で入れたにもかかわらず、なぜ廃止するのかということをもう一度はっきり言っていただきたいのと、なぜそれが二〇〇二年度からなのかということについて御説明をいただきたいと思います。なぜ今じゃなくて二〇〇二年度からなのか。
#20
○国務大臣(丹羽雄哉君) 先ほど来御説明を申し上げさせていただいておるわけでございますけれども、今回このような措置をとらせていただきましたのは、あくまでも今政府が、今国会では日の目を見ることができませんでしたけれども用意をいたしております政府案というものは、いわゆる懸案の定率制というものを導入しておるわけでございます。上限つきでございますけれども、定率制の中において、そして、これまでのような別途徴収というのをレベニュー・ニュートラルということで盛り込んでおるわけでございます。
 しかし、若人の方々に対しては、これを吸収できるということは現実問題として不可能であることは委員も十分に御承知のことだと思います。つまり、この医療費負担二割に、この中でさらにその分だけ、二三%にするとかそういうことは現実問題としてあり得るべきではないと。
 全体的な中において特に一番大きな問題は、何と申し上げましても医療保険財政の中で高齢者の問題、そして先ほどもちょっと申し上げましたけれども、国保財政。こういったものを全般的に十分に総括した上で、要するに長期的に安定的な制度をつくっていくということが、最も私どもにとりまして今後の医療改革の中において国民の皆さん方の信頼を得るにたえる。こういう観点から、二〇〇二年を目途にいたしまして若人の薬剤の別途負担というものを廃止する方向で検討させていただいている。その前提として、繰り返して恐縮でございますけれども、医療改革の中の四本柱の中の大変重要な柱でございます高齢者の医療制度につきまして今省内で検討をいたしておる、こういうところでございます。
#21
○今井澄君 どうもはっきりわからないんですけれども、若人についてもこの制度を廃止するということは、この薬剤の数によって別途負担をいただくということはやっぱり本来好ましい負担のあり方ではないと考えるから廃止したいというふうに考えているのかどうか、それをちょっと確認したいのと、なぜそれが、老人はことしというふうに法案には書いてあるんですが、若人については二年後なのか。この二つ、もう一度明確に。
#22
○国務大臣(丹羽雄哉君) 率直に申し上げて、この薬剤の別途負担をした背景といたしましては、厳しい保険財政、こういうものがございまして、そういう中で、要するに若人の方々の保険料をこれ以上引き上げるわけにいかない、こういうような問題であるとか、限られた医療資源というものを有効的に使っていくためにこういうような措置をとらせていただいたわけでございますけれども、率直に申し上げて、薬剤の別途徴収につきましては、医療現場で煩雑である、複雑であると。
 先ほどから申し上げましたけれども、一部には、片方の医療費の中でまず二割を取ってそしてまたこちらで取るということは二重取りではないかという御批判があるわけでございます。私どもとしてはやはり一本に絞っていくことの方が筋ではないか、こういうような配慮があるわけでございまして、二〇〇四年までの間の経過的な措置と受けとめさせていただきたいと思っております。
#23
○今井澄君 もう一つ、何で同時にやらないで二〇〇二年からですか。今の健保法改正案の説明の中では老人の薬剤数による一部別途自己負担、これを廃止するのに七月からで一千四百五十億円という財源がちゃんと確保されているわけですね。若人はもっと少なくて済むと思うんですけれども、どうして先延ばしなんですか。
#24
○国務大臣(丹羽雄哉君) 先ほどから申し上げておるわけでございますが、今回の御審議はいただかなかった政府案におきましては、お年寄りにつきまして長年の懸案でございます定率制というものを上限つきでございますが導入することができました。そのほか、さまざまな施策においていわゆる健全な財政というものを維持していくという観点から政府案というものを提出させていただいたわけでございますけれども、若人の問題の場合、今現に薬剤の別途徴収があるわけでございますが、これを廃止して同じレベルの、レベニュー・ニュートラルということは医療費において、先ほども申し上げましたけれども、二割を二三%にするとか、こういう話に当然なってくるわけでございますので、これは国民の皆さん方から御理解をいただけない、こういう観点もございます。
 保険財政への影響、こういったような観点から平成十四年までの間に医療保険の所要の見直しを行っていくということであります。あくまでも健全な保険財政を堅持するという立場からこのような策をとらせていただいたような次第でございます。
#25
○今井澄君 そうすると、あれはこの理由、こっちはこれの理由というんで、一つ一つが全部理由立てが違うんですね。だから非常にわかりにくいことだと思います。レベニュー・ニュートラルにしなければならないということは必ずしもないわけでありまして、まさに抜本改革というのはレベニュー・ニュートラルが前提ではないと思うんです。とにかく一本筋が通っていないということだけははっきりしていると思います。
 それで、先ほどから健保法改正がもうできないできないというお話なんですけれども、できないことはないんですね。これは政府にとっても最重要法案だったと思います。今でも最重要法案ですし、これは予算関連法案です。どうしてこれを与党側は、あるいは政府は審議を進めないんですか。これはおかしいんじゃないですか。どうして健保法改正案の審議を進めないんでしょうか。
#26
○国務大臣(丹羽雄哉君) 先ほども申し上げさせていただきましたけれども、私どもとしてはこの医療改革の問題について、個人的な見解でございますけれども、イの一番に御審議を賜りたい、こういうような願いを持っておったわけでございますが、国会の審議をお決めいただくのは議院運営委員会であり、国会でお決めをいただくわけでございまして、私どもはそれに従って御審議をいただくわけでございます。
 これは私の個人的なある程度の想像といいますか推測でございますが、今国会には十本の法案がありまして、この国民福祉委員会においてもさまざまな重要法案が山積をいたしておるわけでございます。極めてタイトな日程の中においてこの健保法の改正案というのが残念ながら今回は審議されずに次回の国会において審議されることになったのではないかと思っております。
 しかし、私どもはこの医療改革につきましては、診療報酬体系、薬価制度、高齢者の医療制度、医療提供体制、この四つの問題につきまして、もうかれこれ五年ぐらい取りかかってきておるわけでございます。先生も現場でいらっしゃるからよく御理解いただけると思いますが、昭和三十六年に導入された皆保険制度でございます。さまざまな形でこの改革を行うということは、大変な関係者の皆さん方、そして患者の皆さん方にも御理解をいただかなければならないということで、やはり竹を割るような形ではなかなか現実問題としてできないんだと。
 そして、何と申し上げましてもこの世界に冠たる皆保険制度というものが、平均寿命の世界一に見られますように、概して国民の皆さん方に良質な医療の貢献について御理解をいただいている、そういう中において、今後の少子高齢化社会を迎えて、今後ともいわゆる皆保険制度を堅持していくためにどうしたらいいか、こういう観点からいわゆる抜本改革というものを取りまとめておるわけでございますので、今後とも、いずれにいたしましても粘り強く一歩一歩進めていく決意でございます。
#27
○今井澄君 実は質疑通告してないんですが、安倍先生あるいは福島先生、よろしければ、今大臣はああおっしゃって、イの一番にやってもらいたかったと、この健保法を。
 私どももこれは重要法案でやりましょうというふうに言っていたわけです。ところが、これは現実に野党側が引き延ばしたんじゃなくて、与党側の御判断で審議の順序を後回し後回しにして結局はこういう事態になったと思うんですけれども、なぜでしょうか。
#28
○衆議院議員(安倍晋三君) 私は党の社会部会長は務めておりますが、国会運営につきましては、党におきましては幹事長また国対の中で、今十本ある法案、できれば全部通過せしむべくスケジュールを考えるわけでございますが、その中でおのずと優先順位もあるわけでございまして、どの法案も極めて重要法案には変わりはないわけでございます。
 特に、この健保法につきましては予算関連法案であるわけでございますから、私といたしましては、その中で当然抜本的な改革も含まれているわけでありますからもっと早く審議をしていただきたかったと、このように思っているわけでございます。ただ他方、社会福祉事業法の改正等も当然重要であり、またその中で審議時間等の関連においてもむしろそれを先にやった方がスムーズにこの法案は成立をして、うまくいけば健保法もいくのではないか、私はそういう判断があったのではないかと、このように思っております。
#29
○今井澄君 これは率直に言って、やっぱり抜本改革でないという批判にさらされるから私は先延ばししたんだと理解しているわけです。これはことし二月七日の社会保障制度審議会の答申にも「今回も抜本改革が先送りされたのは遺憾というほかない。」ということで、一応この医療保険制度の改正についての答申を出しているわけですね。やはり私はそこが真実だと思うんですよ、先延ばしをしたのは。年金法で批判を受け、さらに抜本改革でない、ただ自己負担が上がる、そういう法案だから私は先延ばししたんだと思うんです。
 そこで、この社会保障制度審議会、これは大臣も、それから安倍先生、福島先生も私も過去に、あるいは現在なさっているかもしれませんが、政治家も参加している最も権威ある審議会なわけですね。この審議会で今回も抜本改革が先送りされたのは遺憾だということをこの健保法の答申に書いて、「医療保険制度の抜本改革は、もはや一刻も猶予すべきではない。」と。
 今私どもが厚生省から漏れ聞くところでは、また二年半前、三年前と同じ状況で政管健保その他が非常な危機になってきている。当時は政管健保が一番問題でしたけれども、今組合健保だってどんどん赤字になってきている。健保財政はますます危機になってきているんです。
 だから、一刻も猶予すべきでないとこの審議会は言って、そしていろいろ書いた後に、「これまでと同様、関係者間において意見の対立が解消されず、改革内容の取りまとめとその実現が遅れるようでは、国民の医療保険制度に対する不信が強まるだけでなく、医療保険制度が崩壊し、国民の生活にも重大な影響を及ぼす事態が来ないとも限らない。」、この認識は恐らく一致していると思うんですね、皆さん方も。
 そこで、この社会保障制度審議会はこういう提案をしているわけです。「特別の法律に基づき、独立かつ中立の立場から抜本改革案を作成する「臨時医療制度改革調査会(仮称)」のような組織を設け、関係者の利害や既得権を離れて、問題の解決を図るという方法を提案したい。」と。これについてこれまでこの委員会でも、あるいは本会議でしたか、質疑がありまして、厚生大臣は極めて木で鼻をくくったような答弁でしたけれども、ここに本質があらわれていると思うんです。
 皆さん方だって抜本改革したいわけですね。だけれども、先ほど質疑してきたように、実はこの間抜本改革が進まなかったのは、率直に言えば一昨年の十二月二十五日、予算の最後の日に、自民党とある業界団体との話し合いで、予算措置で老人だけ薬剤費を負担しないということをやった、そこから審議会の審議はがたがたになったわけです。もうもろに審議会は利害関係団体の、金を支払う団体と医療費をいただく団体との間の利害がむき出しでぶつかる場になって、半年以上進まなかったじゃないですか。ようやく去年の秋になってから、今度は厚生省主導で進めざるを得なくなりましたね。
 国民の利益を本当にどうするかという議論じゃなくて、先ほどからだってそうですよ、何で老人の薬剤費を老人だけ若人と別にしたかというと、やっぱりそこが一番ある意味で言ったら、ある業界団体にしてみれば一番おいしい市場だからですよ。そこを守ろうとしたということじゃないですか。私はこういうことでは抜本改革はできないと。若者の方だけが負担がふえ、いじめられている業界だって医療業界の中にあるわけですね。若人の患者さんが減って、それはしようがないことかもしれないけれども、非常に困っているところもあるけれども、老人を抱え込んで収入がふえている業界団体だってあるわけです。こういうことをやってちゃだめなわけでしょう。
 どうでしょうか、もうそういう業界団体を排除して、臨調みたいなのをつくるお考えはないですか、大臣。
#30
○国務大臣(丹羽雄哉君) まず、恐縮でございますが、前段の委員が御指摘になりました社会保障制度審議会の中での御意見でございますが、私どもは抜本改革ではないという言葉については私どもとしての御意見も申し上げさせていただかなければならない、こう思っております。
 御案内のように、今回の私どもの政府案におきましては、懸案でございましたいわゆる薬価差、これが薬価差五あったのを薬価差二に縮小いたしました。あわせて、医療の質の向上を図るために、いわゆる小児科であるとか緊急医療とかリハビリとか、こういったものを重点的に診療報酬をつけていく。さらに、先ほどから申し上げておりますような懸案の問題でございますお年寄りのいわゆる定率負担、上限つきでございますけれども、これも盛り込んでおるわけでございます。
 さらに、医療法の関係でございますけれども、これも実は五十年ぶりの改正でございますが、入院患者四人に対しまして看護婦一人という現行制度から看護婦を三人に一人、こういうことでありまして、抜本改革に向けて一歩一歩進めておるわけでございます。
 それから、私はこれは前から、今井委員も十分に御承知だと思いますが、高齢者の医療制度はこの四月から介護保険制度が始まるのに、そこでまた高齢者の医療選択はもう現場はごちゃごちゃになっちゃって大変なことになるから延ばした方がいいんじゃないかということを申し上げておりましたが、これも二〇〇二年ということになったわけでございます。
 こういうようなあくまでも国民サイド、利用者サイドに立って一歩一歩進めておるわけでございまして、こういった観点から私どもは今後とも粘り強くこの抜本改革というものを進めていく決意でございます。
 そこで、今委員から御指摘のあったいわゆる医療臨調もつくるべきではないか、こういうことでございますが、先生も医師会員だと思いますけれども、現実にさまざまな施策を実行する場合には、やはりこの会員の皆さん方、関係者の皆さん方の理解と協力が得られなければ実際問題、現実問題絵にかいたもちに終わる可能性があるわけでございます。
 ですから、そういうところにおきまして私どもは、関係審議会が設置されてもう既にあるわけでございますし、新たな組織の設置についてはこれは屋上屋であって、要は医療の抜本改革を国民、さらに関係者の御理解を得ながら一歩一歩粘り強くつくることが一番の先決であって、今医療臨調をつくったからといってすぐに抜本改革が特急列車ででき上がるとは私は決して思っておりません。三十六年に導入されて以来大変な歴史といろいろな経緯があって、これを一つ一つ国民の皆さん方の理解と合意を得ながら進めていくことがまさに私どもがとるべき手法ではないか、このように考えているような次第であります。
#31
○今井澄君 私は、もうこの間医療制度及び医療保険制度の抜本改革についての議論、論点はほとんど出尽くしていると思うんです。どれを選ぶかということ、やっぱりそういうところにもうこの何年か前から来ていると思うんです。それが与党協ができたときの認識でもあったと思うんです。それがやっぱり進んでいないというところにいろいろな問題があるということで、私は制度的にも医療臨調的なことをやっていく方がむしろ正しいんではないかというふうに思っております。
 さて、もう時間がなくなりましたので最後に一つだけお聞きしたいんですが、私どもも高齢者の定率一割負担、低所得者対策、一定の上限等設けながら、これは一歩前進だと思っているわけです。しかし一方、国民が非常に不安なのは、一方で年金は減らされる、もらう年齢は先延ばしされる、介護保険はいい制度だけれども自己負担もある、保険料も払う、医療保険もこれでまた自己負担がどんどんふえるのかと。こういう先が見えない、逃げ水のように社会保障制度がだんだん遠くへ行ってしまうというのが一番心配だと思うんです。
 それで、厚生省からいただいた資料でも、日本の医療費の自己負担というのはヨーロッパに比べると格段に高いわけです。基礎データいろいろ難しいですが、ドイツは六%、フランスが一一・七%、イギリスはNHSですから二・四%、それに対して日本は一六・九%、これは一九九七年の数字ですね。
 その後、実効自己負担率は随分上がっていると思うんです。これ以上当面、例えばこの先五年とか十年とか自己負担率はふやさないとか、そういうことというのは私はある程度宣言しないとまずいんじゃないかと思うんですけれども、そういうお考えはありませんですか。
#32
○国務大臣(丹羽雄哉君) 今まさに総理のもとで有識者によります社会保障構造有識者会議というのが行われております。きょうも実は五時から二時間あります。大変御熱心に二時間単位で御議論をいただく。そういう中において、今委員が御懸念のような問題というものも十分に国民の皆様方の御期待にこたえられるような結論というものをできるだけ早く出さなければならない、こう考えているような次第でございます。
#33
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 老人の薬剤費特別給付金の支給に関する今提出されている法律案につきましては、高齢者への負担軽減措置の延長ということでありまして、私たちは当然必要な措置であるというふうに考えております。さらに、今国会に提出されています、今も議論ありました健康保険法の改悪については、これは中でも高齢者医療への定率負担の導入ということはお年寄りの受診抑制をもたらす大改悪である、そのことを指摘したいというふうに思うんです。この間、介護保険の負担増があった、そして年金は改悪で給付減がなされた。こういう中でさらに医療保険でも大幅な負担増ということでは、やはり現在の景気の足も引っ張るし、将来の不安もこれは高めるという危険性があることを指摘せざるを得ないわけであります。
 そこでお聞きしたいんですけれども、老人医療費に対する負担割合なんですが、患者自己負担と国庫負担、これはそれぞれあると思うんですが、一九八三年、それと九八年でどのように変化してきているか、実額と割合で示していただきたいと思います。
#34
○政府参考人(大塚義治君) 老人保健制度自体がその時点で変わってきておりますけれども、計数ということですので、計数のみを御報告いたしますと、ただいま一九八三年と一九九八年、昭和五十八年度と平成十年度の御指摘でございましたので、その計数を申し上げます。
 まず、昭和五十八年度でございますけれども、老人医療費の全体額が約三兆三千億円余りでございます。そのうち患者負担が五百億強でございまして、率にいたしますと一・六%でございます。その時点におきます国庫負担でございますが、これは拠出金に対する国庫負担なども含めた実質ベースの国庫負担で一兆四千九百億円程度、率にいたしますと四四・九%でございます。
 同様に、平成十年度でございます。これは現時点では見込みということになりまして、最終計数ではございませんけれども、総医療費が十兆九千億円程度、そのうち患者負担は約七千八百億円、率にいたしまして七・二%でございます。この時点における国庫負担でございますが、総計で三兆七千四百億円、率にいたしまして三四・四%という数字でございます。
#35
○小池晃君 今の数字で明らかなように、高齢者医療に対する国庫負担というのは八三年から九八年の間に約一〇%減少しているわけであります。
 その一方で、患者負担は一・六%から七・二%と増大の一途をたどっているわけでありまして、ここにその定率負担を導入すればこの傾向にさらに拍車がかかるということは私は明らかだと思うんです。こうした国庫負担を抑制し、患者負担をふやす医療政策はやはり根本的に改める必要があるんじゃないだろうか。さらに、製薬企業の高利潤構造の問題もあります。
 こういう根本的な問題にメスを入れることなく安易に患者負担を押しつけるという今回の健康保険法の改悪案は、私は断じて撤回すべきであるというふうに思いますし、たとえ今回廃案になったとしても、今後この形で再提出すべきではないということをまず最初に申し上げたいというふうに思っております。
 その上で、きょうは診療報酬の問題について幾つかお聞きをしていきたいというふうに思います。
 まず初めに取り上げたいのは、この四月の診療報酬の改定で、在宅医療の推進という点から見て大変問題な出来事があった。水を差すといいますか、そういう事態が起こっております。この点についてただしたいというふうに思います。
 これは、寝たきり老人在宅総合診療料と在宅療養指導管理料、このことであります。これ名前は非常に似ていて、ちょっと聞いただけではなかなかわかりにくいんですが、前者は寝たきり老人の在宅医療の基本的な診療料という位置づけであります。後者の在宅療養指導管理料というのは、在宅酸素療法とか在宅血液透析、在宅中心静脈栄養であるとかかなり特殊な医療管理に対する報酬ということになると思うんです。これは、決して細かい問題ではなくて、政府の在宅医療に対する姿勢を私は示すものではないかというふうに思っておりますので、今回取り上げたいというふうに思うんです。
 今回の改定に際して、三月十七日に老人保健課長名で通知が出されております。在宅総合診療料の算定者については在宅療養指導管理料を別に算定できないという通知ですね。なぜこのような併算定の禁止という措置を行ったんでしょうか。
#36
○政府参考人(大塚義治君) ただいまお話のございました寝たきり老人在宅総合診療料、いわゆる在総診と略しておりますが、在総診と在宅療養指導管理料との関係でございます。
 御承知と存じますけれども、実はこの扱いにつきましては若干の経緯がございます。経緯と申しますか、これまで現場におきまして多少意見、取り扱いが異なる部分がございまして、何年か前から私どもといたしましてはこの二つの診療料、寝たきり老人在宅総合診療料と在宅療養指導管理料につきましては、双方に指導管理に関する部分が含まれますので、これらをあわせて算定することはできないという考え方を折々示してまいりましたけれども、ただいま申し上げましたように多少現場においての混乱、取り扱いの違いというのもございまして、議論がございました。したがいまして、今回の診療報酬の改定に際しましてここを改めて通知という形で明確にし、両者の併算定はできないということを明らかにした、こういう性格のものでございます。
#37
○小池晃君 厚生省としての姿勢は変わっていないんだ、以前から併算定はできないという見解を持っていると言うんですが、これは診療報酬告示のどこで併算定を禁止しているのか、併算定できないというふうに示しているのか、お聞きしたいと思います。
#38
○政府参考人(大塚義治君) 申すまでもございませんが、診療報酬の内容は相当膨大な、なおかつ詳細な内容でございます。さらに、具体的な現場での実態はさまざまございますから、どうしても解釈にゆだねられる部分が出てまいります。今回の二つの診療料の関係におきましては、それぞれの診療料の性格、目的、趣旨というところになるんだろうと思います。
 繰り返しになりますけれども、寝たきり老人在宅総合診療料、これは総括的にあるいは総合的に在宅における寝たきり老人に対しまして経常的な、また総合的な医学的な指導管理を行うという性格のものでございますから、これに関連するあるいは重複する部分があるものにつきましては併算定ができないというのが私どもとしては極めて基本的な整理になるという考え方でございます。
#39
○小池晃君 厚生省としてはそういう整理をしていたと言うんですけれども、要するにどこにも書いていないと。告示に書いてあるんですかと聞いたら答えられないわけですね。
 さらに、厚生省はずっとそういうふうに考えていたんだと、それが基本的な考え方だとおっしゃるが、九八年十月に広島県に対して厚生省の老人保健課の事務連絡が出されております。この事務連絡では従前の例により併算定を可としているわけですね。厚生省の見解はずっと変わってないんだ、最初から基本的にこれは併算定できないものだというふうに厚生省は考えていたと言うならば、九八年十月に何でこのような併算定をそのまましてもいいですよという事務連絡、指導を行ったんでしょうか。そのことについて説明していただきたい。
#40
○政府参考人(大塚義治君) 私どもとしては基本的な考え方に変更はないつもりではございましたが、いろいろお聞きをしてみますと、現場におきましては実は取り扱いに差異があるということがわかってまいりました。具体的に申しますと、ただいまお示しの広島県のケースでございました。
 広島県のケースでは、取り扱いを認めるというようなケースもあると。したがいまして、広島県からどう扱うべきかと御照会がございました。そのお問い合わせに対します事務連絡という形でお答えを申し上げたわけでございますけれども、この中では併算定はできませんと。易しく申しますと、やわらかい言葉で申しますとできませんと。ただ、現実、これまでの実態がございますので、特に何か制度的な改正でありますとか診療報酬の改定でありますとか、そういう節目に取り扱いが変わることは比較的容易ではございますけれども、年度の途中で、あるいは一つの解釈という形で現場の実態と異なるお示しをしますと現場の混乱というのも生じ得る。したがいまして、当面は従前どおりの対応をしてもよろしい、扱っていっていいのではないかという内容でございます。
 繰り返しになりますけれども、基本は併算定はできないけれども、当面現状に応じた取り扱いをして差し支えない、こういう趣旨の事務連絡をし、なおかつ冒頭に申し上げましたが、今回の機会にこれを通知という形で明らかにした、こういう経過でございます。
#41
○小池晃君 大変一貫性と合理性に欠ける対応ではないかと思うんです。
 現場では従前から当然のように併算定されていたわけです。だからこそ、厚生省もこういう対応をせざるを得なかったということだと思うんです。それなのに以前から変わっていないんだということでは、これは開き直りとしか言いようがないと思うんです。
 私、これは点数自体を見ても大変矛盾だらけだというふうに思うんです。というのは、そもそも在宅療養指導管理料を見ると、例えば在宅自己腹膜灌流三千八百点、在宅中心静脈栄養というのは三千点です。これが二千三百点の在宅総合診療料に包括される、併算定できないというのは、これは論理矛盾じゃないだろうかというふうに率直に思うんです。
 それからさらに、この在宅療養指導管理料、かなり点数にも大きな差があるわけです。例えば、二百五十点の在宅持続陽圧呼吸、これから三千八百点の在宅腹膜灌流まで、こういうバラエティーに富んだ技術料が二千三百点の在総診にいわば包括されているというのは、これはどう考えても合理性に欠けるんじゃないだろうかというふうに思わざるを得ないんです。
 こういう点数を見て現場でこれは併算定するものだというふうに考えたのは、私はこれは余りにも当然のことではないかと思いますし、今回こういう措置をとったことに対して、これは理不尽きわまりないとか全く道理に合わないという声が現場の開業医の先生方から上がっている。これは私は当然のことだと思うんです。
 大臣に申し上げたいんですが、これは決して小さい問題じゃない。この併算定の禁止というのは、現場で在宅医療に情熱的に取り組んでいる医師の情熱を決定的に失わせるような内容なんじゃないかと思うんです。
 特にこの問題で被害を受けているところというのはどういうところかというと、在宅酸素療法とか在宅の中心静脈栄養、経管栄養、いわゆるハイテク在宅医療というような医療を積極的に進めている意欲的な開業医に打撃を与えているという事態があります。
 私、お電話である開業医からこの件についてお話を聞きました。その先生がおっしゃっていたのは、こうした高度な医療というのは今まで病院の中でしかできなかったんだと。ところが、これは患者本人、御家族はもちろんなんですが、地域の開業医とか訪問看護婦が必死でこういう高度医療を在宅でやるということを頑張ってやってきた、それを支えてきたのがこの在宅療養指導管理料だったんだと。入院期間が長過ぎる、できるだけ入院から在宅へというのが厚生省の方針だったはずじゃないか、そういうことでやってきたんだと。それなのに今回のこのような仕打ちをする。まさにはしごを外されたような思いだというふうにおっしゃっていまして、こんなことをされたら在宅重視というのもうそだったんじゃないかというふうに思わざるを得ないというふうに言われていました。
 私、この間の厚生省の対応も含めた事実経過から見ても、今回のこの併算定の禁止の措置に納得できないという声が上がってくるのは当然のことではないかというふうに思うんです。
 大臣にお伺いしたいんですが、これは従前の取り扱いを後退させないような配慮が必要なんじゃないか、そういう行政上の配慮を何としてもやるべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
#42
○国務大臣(丹羽雄哉君) 高度な医学的な管理を必要とするお年寄りにつきましても、患者の方が御希望なさる場合には可能な限り在宅で療養を行っていただける環境を整えていく、これが大変重要である、まさに在宅重視であります。
 こういう観点に立ちまして、平成十二年四月の診療報酬改定におきましては、いわゆる在宅医療の推進を柱の一つにして掲げておりまして、具体的には訪問診療の評価の充実を図ってきたところでございます。
 今後とも、在宅医療の推進に向けて適切に対応してまいりたいと思いますが、いずれにいたしましても、幅広く在宅医療推進という観点から総合的な検討を行う必要があると考えております。
 先ほど来、局長の方から併算定の禁止について御答弁がございましたけれども、その基本的な考え方は考え方としながらも、いずれにいたしましても、今後、関係審議会の中で御議論をいただきたい、このように考えております。
#43
○小池晃君 今の御答弁では、この問題に対する対応をどういうふうに具体的にやっていくのかということについていま一つちょっと不明確なわけであります。
 私は、取り扱い上何らかの行政上の配慮をしていく必要がどうしてもあるんじゃないかと思うんですが、参考人でも結構ですけれども、この点についてどのようにされていくつもりなのか、御答弁願いたいと思います。
#44
○政府参考人(大塚義治君) 先ほども、これまでの取り扱いにつきまして地域によって取り扱いが異なっていたことは事実でございますが、逆に申しますと併算定をしない形で進めておられた地域もございます。
 そういう意味で今回整理をしたわけでございますが、これも改めて私から申し上げるのも僣越でございますけれども、在宅総合診療料の考え方、幅広く、特に高齢者の場合には総合的な医学的管理、日常的な医学的管理、一言で申し上げればかかりつけ医機能の強化、そういう中で高齢者の健康維持あるいは必要な医療の確保を図っていこうということでございますから、そういう一つの考え方、それと個別の事情との調整ということになるわけでございますが、私どもは基本的にはやはりこうした総合的な包括的な仕組みでの医療体制というのを進めるべきであると考えておりますし、基本的に現在の考え方を変更する必要はないだろうと思っております。
 ただ、いずれにいたしましても、診療報酬に絡む問題でございますから、在宅医療の推進のための方策という意味で幅広く検討することは当然でございますけれども、この問題についてということでございますと、私どもは今後とも原則としては現在の取り扱いを維持したいというふうに考えておるところでございます。
#45
○小池晃君 大臣の先ほどの答弁で今後関係審議会にというふうにおっしゃった趣旨は、これは診療報酬の改定に向けた一つの課題として検討していくというふうな意味として理解させていただいてよろしいですか。
#46
○国務大臣(丹羽雄哉君) 私が申し上げましたことは、いずれにいたしましても、幅広く在宅医療を推進する観点から総合的な検討をしていかなければならない、こういった問題について関係審議会で十分に御理解をいただきたい、こういうことを申し上げたわけであります。
#47
○小池晃君 次に、この四月の診療報酬改定の基礎資料となりました九九年の医療経済実態調査について取り上げたいと思います。
 この医療経済実態調査で、個人立の一般診療所の収支差額で前回調査よりも一八%増、二百三十五万円と報道されたわけであります。これが診療報酬抑制の宣伝にいわば使われたわけでありますけれども、この数字に合理性があったのかどうかという問題です。
 実は、前回の調査は九七年の九月なんです、そして今回は九九年の六月、これは平日日数が二日分多いわけです。これで収入が伸びたというふうに宣伝するのは問題があるんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
#48
○政府参考人(近藤純五郎君) 確かに、九年の九月とそれから十一年の六月ということで、平日日数では二日差があるわけでございまして、単純にこれを比較するというのはよくないということで、速報値を報告するときにも平日数の違いというものを注記いたしまして私どもとしては留意をしたわけでございますけれども、単純に比較すると確かに誤解を招いた面がある、こういうふうに考えております。
#49
○小池晃君 これは厚生省は、全国保険医団体連合会などの関係団体の指摘を受けて日数の補正値を示したわけです。その結果どうなったかというと、これは医科無床診は一五・七%増と言われていたのが四・四%増だと、それから歯科診療所では四・九%増が六・二%減、逆に減収になると。この補正でも不十分だという声があるわけです。今言われたように、診療日数などの補正を行わずにこれを発表したということにはやはり問題があったのではないかというふうに思うわけであります。
 ところで、この発表の仕方についてなんですが、一部のマスコミではこの収支差額をもって開業医の月収であるかのような報道がされているわけでありますけれども、これは収支差額を開業医の月収というふうにするのは私は不適切ではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
#50
○政府参考人(近藤純五郎君) 実態調査におきまして、個人立の病院、それから診療所等につきましては、いわゆる自営業に相当する形態であるわけでございまして、収支差額のうち開設者の報酬に相当する部分は直接には把握していないわけでございます。
 ただ、この収支差額でございますけれども、医業の収入から給与費、医薬品費、減価償却、それから経費等のコストは全部入れておりまして、したがいましていわゆる事業所得的なものではないのかなというふうに認識しているわけでございます。ただ、この開設者の報酬以外にやっぱり建物とか設備をよくしていくいわゆる拡大再生産、こういうふうな要素、そういうための内部留保の資金というものも含んでいるのではないかな、こういうことで、その速報値の報告の際にもその旨を注記いたしてございます。
#51
○小池晃君 要するに月収というふうに単純にするのは不適切だということですね。
#52
○政府参考人(近藤純五郎君) 事業所得と給与所得をどう見るかということだろうと思いますけれども、やはりこれから現在あるものの価値をさらに高めていくための事業所得の場合には内部留保的な要素も要るだろう、それも含まれているのではないかな、こういうふうに私ども考えております。
#53
○小池晃君 不適切だと、簡単に言えばそういうことです。
 医療経済実態調査は診療報酬改定の基礎資料となるわけであります。客観性、科学性が要求されると思うんですが、今回のやり方、二日分違う月で比較したというやり方ですが、その点で疑念を招く、誤解を招くやり方であったと局長もおっしゃっておられると思うんです。
 大臣にお伺いしたいんですが、今後この医療経済実態調査、やはりこういう疑念を招かないためにも同一月に統一してやっていくというふうにすべきじゃないかと思うんですが、いかがですか。
#54
○国務大臣(丹羽雄哉君) 医療経済実態調査でございますが、医療機関におきます経営の実態を把握する目的で中医協が御案内のように実施をいたしておるところでございます。
   〔委員長退席、理事山崎正昭君着席〕
 この調査は近年は二年ごとに、年末の予算編成もございますし、六月を調査月として実施されておりますが、委員が御指摘の平成九年の九月から実施された健康保険法の改正の状況を正確に把握する必要がある、こういうような理由から平成九年におきましては九月を調査月として実施をしたような次第でございます。平成十一年度におきましてはこのような事情がなかったわけでございますので、私どもとしては従来どおり六月を調査月として実施したと、こう考えております。
 今後の調査に当たりましては、御指摘の点も踏まえまして、中医協において十分に検討をしていただきたい、このように考えているような次第であります。
#55
○小池晃君 次に、歯科の診療報酬についてお伺いしたい。医療経済実態調査でも一九八一年は医科の無床診と歯科診療所の収支差額は百五十万円でほぼ同じだった。しかし、昨年の調査では、先ほどの問題の補正をされた数字を見ても医科が二百万円に対して歯科が百二十三万円と格差が広がっていると。歯科は十八年たっているのに実額で下がっているという実態があります。これは歯科診療所の経営が年々厳しくなりつつある、そういう認識をお持ちかどうか、政府参考人にお伺いします。
#56
○政府参考人(近藤純五郎君) 確かに、実額で比較いたしますと先ほど申し上げましたように日数の差がある場合もございますので、収益率ということで医療収支差額の医業収入に対します比率で経年を若干言ってみますと、平成七年で収益率が三三・一%、それから九年の調査では三二・三%、それから十一年度、まだ速報値でございますが、三三・三%ということで、この収益率から見るとほぼ横ばいということになろうかと思うわけでございますけれども、歯科診療所の経営状況につきましては、診療報酬というだけではなくて、歯科医師数の動向でございますとかあるいは患者数の動向、こういったものを踏まえてその実態把握というのをする必要があるのかな、こういうふうに考えております。
#57
○小池晃君 収益率は変わらないと言いますけれども、全体の事業規模が縮小している中で、収支差額の縮小に向かっているというのが現実なんだろうと思うんです。
 そういった中で、いわゆる初診料、再診料の医科歯科格差の問題がこの間この委員会でも議論されてきたわけであります。やはり全体として初診料、再診料の医科歯科格差の是正の方向での努力が求められているのではないかというふうに思うんですが、その点でこの四月の診療報酬の改定でかかりつけ歯科医の初診料が新設されています。医科と同じ点数にしているわけですが、さまざまな条件を設けているわけです。
 私は、本来これは初診料、再診料の点数上の格差はそれはそれとして是正の方向での努力を行う、それとは別個の問題として、やはりインフォームドコンセントのための情報提供などは別個の報酬できちっと評価すべきだというふうに考えるんですけれども、いかがでしょうか。
#58
○政府参考人(近藤純五郎君) 初再診料につきましては、確かに医科と歯科ではかなりの差が出てきておりまして、この原因はいろいろあろうかと思うんですけれども、根本的にはどちらかといえばその改定の枠の中で、歯科の場合には補綴等の技術料を中心に改定した経緯があったのではないか、こういうことであるわけですが、初再診というのはなるべく近づけた方がいい、こういうことで今回の改定に当たったわけでございます。
 財源の枠の中で歯科の場合には医科の場合よりもかかりつけ歯科医の割合というのは多いというふうにお聞きしているわけでございまして、これについての特別の制度ということでかかりつけ歯科医初診料というものを新設したわけでございまして、再診料につきましても若干ではございますけれども同じような制度を設けたわけでございます。かかりつけ医たる者にふさわしい情報提供、あるいは治療計画をつくるとか、こういったものをあわせましてほとんどの歯科医の方がこれに該当するのではないか、こういうふうに考えております。
#59
○小池晃君 実態は大分違うんじゃないかと思うんです。アンケートなんかを見ても、これなかなか請求できないという声が大変多いんです。やはり、今言われたように格差をなるべく近づけた方がいいというのであれば、それはそれとしてきちっとやるべきで、それとは別に情報提供の問題を位置づけるべきで、何か格差是正の見返りに情報提供を義務づけるというようなやり方に対しては現場からも批判が強いわけでありまして、こういうやり方は私はすべきではないというふうに思います。
 最後に、さまざまな観点から診療報酬の問題を取り上げてきましたけれども、私は現場の努力に報いるような報酬になっていないということを非常に痛感するわけです。今も限られた財源の中でというお話もありました。しかし、私たちは以前から主張しているように、むだな公共事業を削ってやはり医療への国庫負担をふやすことが今本当は求められているんだというふうに思うんです。そうすれば、患者負担をふやさずに、また一方で十分な診療報酬を適正なものにしていくということも十分可能なんだというふうに思うんです。
 その点で、医療サービスの生産波及効果について興味深い研究がなされております。これは、医療経済研究機構が昨年十二月に発表した医療と福祉の産業連関分析報告書というものです。
 この報告書では、産業連関表に基づいて医療サービスと公共事業の生産波及効果を比較しております。消費支出ベースで、医療法人などの医療サービスの方が公共事業よりも生産波及効果が大きいという結果が得られているんですね。それから家計現実消費ベースでは、一九九〇年には公共事業の生産波及効果は医療サービス活動より大きかったが、九五年には立場が逆転し、医療サービス活動の生産波及効果が公共事業を上回ったというふうにしているんです。
 大臣にお聞きしたいんですが、私、この医療経済研究機構の研究を見ても、景気対策から見ても医療サービスの充実に力を注ぐ、公的支出を注ぐということの重要性、有効性というのは科学的に証明されているんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
#60
○国務大臣(丹羽雄哉君) 医療や福祉が景気や雇用拡大に持つ波及効果について、委員の御指摘のような研究が近年行われておりますことは私も承知をいたしておるわけでございます。
 確かに、医療、福祉の分野は今後の雇用対策の中で増大する分野として期待をされているわけでございますけれども、私は、これも一つの考え方ではございますけれども、医療を含め社会保障そのものはそういった観点から論ずることではなくて、やはり私どもが真に豊かな生活を送っていくためにはどうあるべきか、そしてそのためには何をすべきか、こういう観点から議論をしていくべきではないか、こう考えておるわけでございますし、また財源の分配をどうするかという問題をこの問題と直接結びつけることについてはいささかいかがかな、こう考えているような次第であります。
#61
○小池晃君 一つの考え方というふうにおっしゃいますけれども、厚生白書でも社会保障の経済効果については論じているんですよ。さらに言えば、今言われたように経済効果ばかりではなくて、私が言っているのは経済効果でもあるんじゃないかと。ほかの効果はもちろんあるんですよ。厚生白書でも、地域住民の生活に安心感をもたらすことを通じて、住民活動が生き生きとしたものになり、新たな地域文化を生み出す可能性がある、経済効果ばかりでなくてこういう面もあると。その上で、経済効果については、厚生白書では、雇用創出効果、就労支援効果、地域間の所得再分配効果、地域経済に与える効果、全面的に評価をしているわけです。
 それから、再分配の問題については別の考え方があるとおっしゃるが、この医療経済研究機構の報告書で何と言っているかというと、「これは今後の景気浮揚のための公共支出のあり方を考える上で、興味深い結果である。」、興味深い結果なんだと、公共支出のあり方を考える上で。そういうふうにまとめているんですよ。
 やはりそういう点から見て、もちろん全体で見れば社会保障には限りない可能性があるということは私も当然だと思うんです。景気対策、雇用対策、経済効果だけ見ても私は社会保障に十分な効果があるということは否定できないんじゃないかと思うんですが、どうですか。
#62
○国務大臣(丹羽雄哉君) 介護保険の四月からの導入に当たりまして、昨年の予算編成で私どもはゴールドプラン21というものを新たにつくりました。これは五年間でございますけれども、これに伴いますマンパワーであるとか、それから施設をつくれば職員であるとか、こういった方々が必要になるわけでございまして、年間大体八万人ぐらいの雇用が確保されるわけでありまして、将来的にはこれが総じて百万人の確保と。そういう意味においては、確かに雇用の確保、そういったような経済的な波及効果に与える影響は少なくないということは私も認めるわけでございます。
 私どもは、そういった側面もさることながら、先ほども申し上げましたけれども、これだけ上乗せすればこれだけ経済効果が出るという観点ではなくて、今私たちは、例えば寝たきりのお年寄りのためにはこういった施設が必要であってこういったようなヘルパーさんが必要だという観点から論ずるべきだ、こういうことを申し上げたわけでございまして、認識そのものが委員とずれておるわけではないんだということを御理解賜りたいと思っております。
#63
○小池晃君 景気対策といえば公共事業上積みというやり方だけではだめだということを申し上げたいと思います。
 以上です。
#64
○清水澄子君 社会民主党の清水です。
 この法案のもととなっている薬剤費の臨時特例措置というのは平成十一年七月にできているものですけれども、この臨時特例措置というのは法的にはどういう性格のものなのか。これは法律ではないと思います。まず、十一年度はどのように処理されたのでしょうか。
#65
○国務大臣(丹羽雄哉君) この薬剤の臨時特例措置でございますが、先ほどから答弁を申し上げさせていただいておるわけでございますが、厳しい経済状況が続く中において、医療機関にかかる機会の多いお年寄りの方々の負担の軽減を図るために、医療保険制度の抜本改革の応急的な措置として臨時特例的に実施をいたしたものでございます。
 この措置の性格でございますが、お年寄りの方々が医療機関などに支払うこととされております薬剤の一部負担について、法律とは別の形の予算事業として国がお年寄りにかわって臨時特例的に支払うものでございまして、いわゆる老人保健法による薬剤の一部負担の仕組みそのものを変更しているものではございません。
#66
○清水澄子君 ですから、やはり予算措置なんですね。これは十一年の七月から十二年の三月まで予算で実施された。では、十二年度はどうなんですか。これは、やっぱり同じく法律ではなくて予算措置で出されていたんじゃないんですか。
#67
○国務大臣(丹羽雄哉君) この六月まで同じような措置がとられることになっております。
#68
○清水澄子君 本体が予算措置であるわけですから、仮に期間延長するとすれば、それは本体と同じく七月から例えば来年三月までの予算措置、つまり補正予算の提案として出されるのが筋ではないんでしょうか。
#69
○国務大臣(丹羽雄哉君) どういう形で予算を捻出するかにつきましてはさまざまな議論があるところでございますが、私どもといたしましては、議員の方々のこれを継続すべきだという法案が現に今審議されておるわけでございますけれども、この法案の成立を受けまして政府としてしかるべき措置をとるべきものだ、このように心得ているような次第でございます。
#70
○清水澄子君 だけれども、この平成十一年度の支出というのは七月から始まってなぜことしの六月までと想定されたのでしょうか。たまたま年度をまたがって七月から六月だから十二カ月というだけで、何もその間のそれについての根拠はないんじゃないでしょうか。
 先ほど大臣は今回の国会は非常にたくさんの、十本に余る法案があったと、だからそれを慎重審議すれば六月分までの予算措置では当然無理だというのは全然お考えにはならなかったんでしょうか。これは、もう六月までにはとっくに法案は通って、そして七月から実施は可能という、そういう政治判断をされた上での対応なんでしょうか。
#71
○国務大臣(丹羽雄哉君) 予算関連法案でございますので、これは先ほどから申し上げておるわけでございますが、私ども行政側の立場に立つ者といたしまして、どの法案を審議するかということについては国会の御判断にお任せをいたしておるわけでございますが、できますことならばいち早く御審議を賜りたい、こう願っておったわけでございます。
 もう時間がないわけでございますけれども、残されたこの会期の期間も迫られてきておるわけでございますが、この法案について御議論をいただいて、もしこの法案が仮に御審議の上成立をさせていただけるならば、当然常識的に考えて六月ごろまでとっておけば十分間に合うだろう、こういうような判断に基づいてこのような措置をとったのではないか、このように私は受けとめておるような次第でございます。
#72
○清水澄子君 六月までの予算措置といい、それから今年度初めに成立するだろうと見込んでいたということを考えますと、やはりそれは与党内と政府との食い違いなんですか。連休明けの五月八日には与党国会対策委員長会談を開かれて、そこではもう今国会での健康保険法等改正案の審議は断念するということを決めていらっしゃるわけですね。
 ですから、そうなると今大臣の言っておられることと全く違うわけで、早くからこの法案は非常に無理だという、そういうやはり政策判断というのがあったんじゃないんでしょうか。
 そうなると、政府・与党は国会に対して非常に勝手な判断をしていると私は思いますけれども、しかもそれを今度は議員立法でつないでおくというのは、もう本当に一体国会というものについてどう考えるのかという点で、私は、まず提案者の与党の責任者としてこういうことにした真意というのは一体何なのかということをお聞かせいただきたい。
 そして、大臣もこれについて、それは国会がお決めになるなんてと、国会というと私どもも国会の側ですから、何か野党の方もみんな問題があるみたいな問いかけですので、ここも大臣は、はっきり何が問題かということをお聞かせいただきたいと思うんです。
 まず、提案者の方の安倍さん。
#73
○衆議院議員(安倍晋三君) この通常国会は六月の中旬までまず行われるという会期があるわけでございましたから、その中でスケジュールを立てるわけでございますが、私はその立場にはいないわけでありますが、しかしながら恐らく我が党の判断といたしましてはできればこの十本を全部通したいということであったんだろうと思います。
 ただ、その中で、例えば年金法案につきましてもかなり我々が予想をしていたよりは多くの時間がかかってしまったということでございます。その中で、できる限り多くの法律を通したいという中にあってこういう順位になったのではないか、こういうふうに思う次第でございます。
 この健保法というか、例えば衆議院で最後に審議を行いましたのは社会福祉事業法でございますが、この社会福祉事業法につきましてはほとんどの政党に賛成をしていただける、速やかに成立が見込まれるということでございましたので、この社会福祉事業法につきまして速やかに審議をいただいたわけでございますが、その後この健保法ということも考えていたようでございますが、しかしながら解散という運びになってこんな結果になってしまったということなんだろうと思います。
 その中で、予備費においてこの継続を行おうということになったわけでございますが、そのための立法が必要であるということでありましたので、当然これは政治家としての責任を果たすべく、ちゃんと法的措置をするべきであろうという考えのもとに提出をさせていただいたということであります。
#74
○国務大臣(丹羽雄哉君) 先ほどから申し上げておるわけでございますが、私どもといたしましては、予算関連法案でもございますし、この健保法の改正案をイの一番に御審議いただきたいという願いは私個人としては持っておったわけでございますが、これはあくまでも国会がお決めをいただく問題でございますし、私自身がとやかくこのことについて申し上げる立場にないということは委員も御理解、御了承をいただきたいと思っておるような次第でございます。
 そういう中におきまして、会期末が六月十七日でございます。そういうことで、現実問題としてこの委員会での審議というのが非常に不可能になってきている。しかも、率直に申し上げて総選挙云々の話も出てきている。そういう中で今この法案というものを仮に御審議いただいたとしても、例えば一日ぐらいで上がってしまうとかそういうような法案でもございませんし、十分に御議論をいただかなければならない法案ではないか、こう考えておるわけでございます。
 そういった観点から、議員の有志の皆様方、安倍先生、福島先生などを中心として、やはりお年寄りの皆さん方のこれまで負担を軽減してきたのを、この法案が通らないことを理由にまたもとへ戻すということは社会的な常識から見て好ましくないという御判断のもとにこのような議員提案の法案を提出していただいたものと、このように受けとめているような次第でございます。
#75
○清水澄子君 先ほど何か年金などももっと早く審議されると思ったなどというお考えを述べられましたが、全く今国会は非常に意見の分かれる重い法案が多くありましたから、その中ではむしろどちらかといえば、私たち野党の方は異例のスピード審議と不十分な審議を強いられてきたわけであって、しかしこの医療の抜本改正というのはもう前から三年間ずっとここで主張し審議をしてきておりますので、そういう考え方というのは非常に国会軽視そのものではないかと私は考えております。
   〔理事山崎正昭君退席、委員長着席〕
 そして、ちまたで言われているのは、結局この本音は、衆議院の選挙前に高齢者の定率一割負担増導入は選挙に不利になるからきっとあれはやめるんじゃないかなんというのがずっとあったんですが、本当にそうなってしまっているという点で、私はやっぱりもう少し、こういう国民生活全般にかかわる大きな問題ですから十分な時間を持った審議ができるように提案者も考慮すべきだと思います。
 そういう意味で、そもそも予算関連法を国会会期途中で断念するというそのやり方自身が、政府・与党というのは政権担当者として果たしてそういう言いわけでいいのかというところを厳しく私は糾弾しておきたいと思います。
 次に、そうであるならば、今この現行制度のできた平成九年度の改正自体の意味が問われてくるんじゃないかと思うんです。あの平成九年のときには老人の薬剤費の一部自己負担と外来一日につき五百三十円が決められたわけですけれども、その理由が薬剤費の抑制のためということだったわけです。その後、平成十一年七月からは老人薬剤費給付金によって自己負担は事実上廃止されたわけです。これは先ほど今井議員がどうもこの薬剤費負担のあり方そのものが非常に本筋ではない、医療的または政策的にも非常に矛盾が多いということを何回もおっしゃっておられましたけれども、私も全くそういう立場から非常に矛盾が多いと思います。
 そして、現在政府が提出している健康保険法では、今回廃案になりますけれども、少なくとも薬剤費という形では二度と出てこない。そうであるならば、二年前の老人薬剤費の自己負担というのをなぜ導入したのか。わずか二年間の短命でしたけれども、これをどのように総括しておられるのか、大臣にお尋ねします。
#76
○国務大臣(丹羽雄哉君) まずその前に御理解をいただきたいのは、今回の健康保険法の一部改正が要するに選挙を意識して負担がふえるから何か審議を先送りといいますか、そう言ったんじゃないかというような御懸念をお示しになったと思います。
 私はそのことにつきまして、私どもは先ほどから申し上げておりますように早く御審議をいただきたいということを申し上げたわけでございますが、ただ一点だけ御理解をいただきたいのは、御案内のように定率制の導入でございますので、定額制というのは手厚い介護を受けた場合も簡単ないわゆる手当てを受けた場合も同じ五百三十円、こういうことでございますが、要するに定率制でございますので、確かに手厚い手当てを受けた場合には上限の限度額がございますけれども、例えば風邪を引いて初めて医療機関にかかった場合にはこれまでは一回五百三十円でございましたが、今度の場合には定率制でございますので三百四十円でございます。
 ですから、これがすぐに負担増につながるということは論理的にちょっと誤った見方ではないか、こう考えておりますし、それからさまざまなケースがございますけれども、例えば高血圧などで再診の場合においても今言われておるような五百三十円以下の負担で済むわけでございます。
 ただ、先ほどから申し上げましたように、いわゆる手厚い介護、要するに手厚い治療を受けた場合には定率制でその上限の中において負担がふえるというもので、定率制というものは市場といいますかそういったものを十分に左右しながら、手厚い医療を受けた者については重くなる、軽い者については軽くなるということでありますので、直ちに負担増につながるというような見方というのは必ずしも正確ではないのではないか、こう考えているような次第でございます。
 それから、委員が御指摘の問題でございますけれども、何の問題でしたか。一言言ってください。
#77
○清水澄子君 政府として、提案者として、これでいいのかということを申し上げているんです。今度のこういう、取り下げる、そういうことは政権担当者としてその責任はどうなのかと。
#78
○国務大臣(丹羽雄哉君) 今回の法案を事実上もし仮に六月の十七日の会期末までに審議されなかった場合には、事実上もし仮に衆議院が解散になれば廃案という取り扱いになるわけでございますが、できるだけ早く、これは院の構成が変わりました後も政府という立場から申しますと御審議をいただきたい、こういうことで、一番早い時期の臨時国会になるんですか、臨時国会において再度同じこの中身の法案を提出させて御審議、御審判を仰ぎたい、このように考えているような次第でございます。
#79
○清水澄子君 ちょっとお答えが違う、お尋ねしたことと違うんですが、時間がありません。もう一つだけお願いします。
 さっき負担増にはならないとおっしゃったんですけれども、病気を本人は選べません。ですから、負担増になる病気にならなければいいんですけれども、そういうことを選べないわけですから、これは非常に皆さんの不安はあるわけです。
 しかし、それはやっぱり一部は負担せざるを得ないということはあっても、やはりこの医療制度の抜本改革の九七年公約というのがあります。
#80
○委員長(狩野安君) 時間がありませんので、まとめてください。
#81
○清水澄子君 その中ではやっぱり抜本改革のない負担増はしないということを決めてきたわけですが、今度の厚生省の本体の法案も医療改革を先送りしているわけです。
 ですから、ここで最後の大臣の御決意を伺いたいのは、やはり利用者の立場に立った医療提供体制と医療保険制度の両面にわたって抜本的な改革をするということを公約したその医療制度改革の抜本改革をどのようにどういう内容でいつ出していかれるか、その決意を伺って終わりたいと思います。
#82
○国務大臣(丹羽雄哉君) 委員も御参加を賜りまして、この問題について、この抜本改革について御議論を賜ったわけでございます。基本的に私どもは、医療費のむだはないかどうか、効率的かどうかということについて四本の柱を中心にして検討をしてきたところでございます。
 ですから、今回の法案におきましても、この定率制の問題以外にも医療法の提供によりますいわゆる療養環境の改善であるとか、さまざまな問題について法案に盛り込ませていただいておるわけでございますし、抜本改革に向けて第一歩を進めたわけでございます。
 それからもう一つよく言われますことは、高齢者の医療制度の見直しでございますが、これも先ほども申し上げましたけれども、この四月から介護保険制度が実施されまして、市町村の現場は大変な過重な負担を強いられておるわけでございますし、そういったようなことを踏まえますと、ちょっと時差を置いた方がいいのではないか、こういうことをかねがね私は申し上げておったわけでございますけれども、平成十四年度を目標にいたしまして精力的に検討を進めている最中でございます。
 いずれにいたしましても、大切なことは、世界に冠たる皆保険制度というものを堅持して良質な医療を守る、こういうような基本的な認識の立場に立って、国民の皆さん方そして関係者の皆さん方の理解を得ながら医療制度改革の実を上げることに尽きる、このように考えているような次第でございます。
    ─────────────
#83
○委員長(狩野安君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、佐藤昭郎君が委員を辞任され、その補欠として中島啓雄君が選任されました。
    ─────────────
#84
○堂本暁子君 今までの議論と申しますか質疑を聞きながら、つらつら四年前ぐらいのことを考えていたんですが、大臣がちょうど医療協のまさに座長をしておられたときに、健康保険の保険料の一割から二割増ということを、私たちもそのときは与党の立場におりましたから、決める際に医療制度の抜本改革、そして今まさに大臣がおっしゃったように、医療にむだがないかどうかということを検討するということで作業をスタートしたわけですが、そのとき既に医療の改革というのは恐らく十年、もっと言えば二十年おくれていたのではないかというふうな感じがありました。
 しかし、やっぱり保険財政の立場からいうと、もう破綻してしまうということで二〇%への増額というのが実施されたわけですけれども、きょう伺っていてとても情けないと思いますのは、そのときやはり診療報酬体系の問題もありましたし、薬価制度が一番大きい問題だったことは大臣が一番よく御存じだと思いますけれども、高齢者医療とかそれから医療提供体制の問題もありましたが、またさらに三年の歳月がたってしまった。
 どんどん事が先送りされて、泥縄というか自転車操業的な運営を国としてやっているわけですけれども、その際に、先ほども今井先生がおっしゃった、やはり利用者の立場よりはむしろ医師会とかそれからお薬の会社とかそういった利害の対立、それは審議会でも中医協でもずっと続いてきたことで、そのことで先に動かないというのは非常に残念なことですが、もっと私が残念だと思うのは、私たち政治家が本当に国民の立場に立って中立の立場で医療の抜本改革ができないというこの現状なんです。
 きょうは安倍先生がいらして、自民党の社会部会の責任者でいらっしゃるとしたら、私、それは第一与党の自民党の責任も大変大きいと思いますけれども、この二十年間おくれてきたことがさらにまた一年、二年、三年先に延ばされて、決して国民一人一人にとって幸福な医療制度ではないということをずっと続けているというこのことが、私は、丹羽大臣の心中をお察しすると、多分、いろいろ流暢に御説明は下さいますけれども、これでいいと思っていらっしゃるとはどうしても考えられません。
 だから、あえて答弁を伺おうとは思いませんけれども、通告はしていないんですけれども発議者の安倍さんに、むしろ自民党の責任者として、こういう状態をずっと続けていることがどんなにこの国の医療のあり方を、医療というよりも国民の健康そのものに対して政治家として私たち責任があるという立場から、やはり相当責任のある立場にいらっしゃるというふうに思いますので、御答弁いただきたいと思います。
#85
○衆議院議員(安倍晋三君) 抜本改革についてどう考えるかという御質問だと思います。
 我が党といたしましては、もう既に医療の抜本改革についての基本的な考え方を、ここに今大臣として座っておられます丹羽先生が当時医療基本問題調査会の会長でございましたから、丹羽会長のもとでまとめさせていただいたわけでございます。その中で私ども既に一歩一歩着実に歩みを進めている、私はこのように考えております。
 例えば薬価差の問題でございますが、R幅につきましては、もう既に昨年五から二に、二というのはスムーズな流通体制を維持するためにはやむを得ない幅であると私は考えております。事実上、R幅はそういう意味ではゼロに近い最低限の段階まで押し下げたと、このように考えておりますので、薬価差問題につきましては一定の大きな進歩があって、議論に決着をつけさせたと、私はこのように考えております。
 また、負担の問題におきましては、このたび提出をさせていただきました健保法におきましては、お年寄りの方々に一割の御負担をいただく、各世代間の負担の公平性をどう考えるべきかという観点から一割の負担をしていただくということ、そういう決断をさせていただいて法律に盛ったわけでございます。
 また、医療法の改正におきましては、医療提供体制の中におきまして、今までの看護婦さんの配置基準を四対一から三対一にしたわけでございます。
 そういう改正を行ってまいりまして、薬剤メーカーあるいは医師会とも、当然現場の事情をよく知っておられる方々であって、できればその方々にも納得をしていただくということがむしろこうした改正をスムーズに行うことになる、このような確信のもとに私どもはそうした団体とも交渉を重ねてきたわけでございますが、その中で、例えば三対一基準につきましては相当激しいやりとりの中で納得をしていただいているわけでございます。
 また、薬価差、R幅の問題におきましても、製薬メーカーが強く反対する中、私どもは納得をしていただくために大変な苦労をしたわけでございますが、そういう形になったわけでございます。
 また、昨年、診療報酬の改定におきましても我が党と医師会との交渉を行ったわけでございますが、その結果、例えば医師会の副会長は自民党との交渉の結果は惨敗であったというコメントを出したわけでございます。これは私どもが医師会の側に立ってそういう団体の利益を図ったことではないという証左ではないか、このように私は考えているわけでございまして、私どももそうした団体と交渉するときにも国民の視点というのは決して忘れていないつもりでございます。
#86
○堂本暁子君 努力をしていらっしゃるということですけれども、私が問題にしたのは、そうではなくて、このおくれなんですね。
 今、発議者の安倍さんがおっしゃったのと同じようなことを私どもも本当に週に二回、三回と集まって検討したわけですよ。まさに老人の医療費の一部負担というのは実施もしていた。その結果、インセンティブがきいて幾らか高齢者の薬価が減りかけたときにこれを廃止された。そうですね。私は、介護保険についても、今御答弁にあったように、利用する立場でもって、保険料を先送りしたことがいいとは全然思っていません。
 どうしてこんなに猫の目のように決めたことをくるくる変えてしまうのか、やはり決めたら最後まできちっとやり通すべきだというふうに思いますし、交渉でやっているというふうにおっしゃいますけれども、それならば何度も何度もやってきた、それを繰り返してきて、結局一番大きな負担を担うのは一人一人の国民という立場に立っているんだということで伺ったわけですけれども、今やっているということではなくて、もう十年、二十年おくれているということを今やっていらっしゃるというふうに私は感想として述べさせていただきます。もうあえてお話しいただく必要はないと思います。
 当時から私は、やはり日本の医療制度の中で一番大事なことは寝たきりの方をつくらないということだろうと思うんです。どうして諸外国に比べてこんなに寝たきりの人が多いのか。やはりそれは、大変予防的な医療あるいはリハビリというような医療というのが軽いということが、結局は高度医療、それだけが悪いとは思いませんけれども、に偏ったようなものになっているのではないかというふうに思います。
 もっと一人一人の高齢者が幸福であるためには、もう少し予防とかリハビリといったところに十分に保険が適用されることが大事だと思いますけれども、これはやはり厚生大臣にお答えいただきたい。
#87
○国務大臣(丹羽雄哉君) まず、諸外国と比べて果たして我が国は寝たきりの方が多いかどうかということにつきましては、正確な資料、資料といいますか調査は把握しておりませんけれども、いずれにいたしましても、私どもは当然のことながらこの予防というものを大変重視していかなければならない、こう考えているような次第でございます。
 寝たきりの原因といたしましては、脳卒中であるとか、最近では骨折などの疾患によります要因に加えまして、いわゆる家の中に閉じこもる、こういう方が社会的な要因として挙げられておるわけでございます。
 こういう要因を踏まえました施策を推進するために、これまでの新寝たきり老人ゼロ作戦、これを発展させまして、元気な高齢者づくりを推進する対策といたしましてヤング・オールド作戦、こういうのをゴールドプランの中に位置づけた、こういうことでございまして、現在、この寝たきりゼロ作戦に向けて予防の充実に力を入れているところでございます。
#88
○堂本暁子君 この問題は、ことしの三月十五日に、国際的には二〇〇〇年から骨と関節の十年という国際キャンペーンが始まってもおりますし、それから当然大臣は御存じだと思いますが、我が国の医療費は、循環器系の疾患、それから次にがんの類、そして何とこういった骨の病気とか筋肉の病気が三番目に来ているんですね。にもかかわらず、そこの領域についての保険適用が何とも今のところはきいていない。
 だから、例えば運動療法、それからそういったリハビリテーション、それからぐあいが悪くなる前に予防的にやるようなことについてはほとんど保険が適用されていません。そういったようなものをきちっとやれば、相当の方が寝たきりにならないで済む。この点については、運動療法などに医療保険の適用を検討するべきだと考えるんです、もうそういう段階に来ていると。ですから、そこの見解を伺いたい。
#89
○国務大臣(丹羽雄哉君) 予防やリハビリテーションにつきましては、もう申すまでもなく、今後の高齢社会の進展が見込まれる中におきまして、これの充実を図っていくということが大変重要である、こう考えておるわけでございますし、今後の医療制度改革の論議に当たりましても、当然のことながら検討すべき論点の一つであると考えておるわけでございます。
 そこで、平成十二年度の診療報酬の改定におきましては、寝たきり状態の患者の発生を防止する、こういうような観点から回復期のリハビリテーションの病棟入院料を新たに新設いたしました。それから、入院、外来、さらに在宅におきますリハビリテーションにおける体系的な評価を行ってきたところでございます。
 御指摘の問題のほかに、医療機関外におきます運動療法のこういったようなさまざまな保険適用につきましては、リハビリテーションについて医療機関以外の者が行うことの是非、それから医療費財源、そのほかの枠組み、そういった問題を十分に勘案して総合的に検討すべきだと考えておるような次第でございます。
 なお、予防につきましては、これは実は厚生大臣になる前に私自身が関心を持って手がけてきたわけでございますが、健康日本21、この問題の推進であるとか、あるいは保険者による保健事業の推進、こういったような施策を進める中において、さらに今委員が御指摘のような、いわゆる元気なお年寄りの実現というものを目指していかなければならない、こう考えているような次第でございます。
#90
○堂本暁子君 前向きの御答弁がいただけたというふうにちょっと理解したいと思います。
 特に、医療機関以外で、例えば退院してしまった場合にやはり病院のリハビリだけではなくて外でできるということがとても大事だと思いますが、ちょっと確認させていただきたいのは、今までの適用疾患というのは、高脂血症ですとか高血圧、それから糖尿病のようなものに限られていたんですけれども、そうではなくて、むしろ筋骨、骨格系と、それらの結合組織に関しての疾患、易しい言葉で言えば骨折とか関節症のようなものになりますけれども、そういったものについて、例えば作業療法士とか運動の指導士、トレーナーさんとかそういう人たちが、外でドクターの指示によってそういった運動を、訓練をすることが可能になるというふうに考えてよろしいでしょうか。
#91
○国務大臣(丹羽雄哉君) 今、委員が御指摘になりました例えば理学療法士であるとか、それから作業療法士の方が直接自宅を訪問して行われますいわゆる訪問リハビリ、こういうものについては在宅訪問リハビリテーションの指導管理料というものを、それから退院をした後に患者みずからが行いますリハビリテーションに関する指導につきましては退院時リハビリテーション指導料、これを設けておるところでございます。
 いずれにいたしましても、今後とも、寝たきりの防止に向けて、委員の御指摘の問題、こういうものを、中医協であるとか審議会を踏まえまして今後さらに促進していく考え方に立つものでございます。
#92
○堂本暁子君 やはり総合的な制度と申しますか総合的な福祉をやっていくことが大事だろうというふうに思うんです。
 ですから、特に高齢者は、一つの疾患ではなくて幾つもの疾患を持っている。しかし、今は歩けないことの原因の非常に大きい部分がやっぱり骨折という形で起きている以上は、やはりそういった複合的な中でも、今まで軽視されてきた分野にも大いに力を入れていただきたいというふうに思います。
 それからもう一つは、やはり福祉は福祉、それから医療は医療、介護は介護というように、それから事によったら年金は年金というように大変縦割りになっているわけですけれども、こういったものをやはりもっと包括的な制度に改革していく必要があると思います。
 ですから、医療の抜本改革、それ自体も大事なんですけれども、もう医療から一歩、今私が申し上げたようなところは、医療の面でいえば、もっと外で丁寧にリハビリをすることが大事ですけれども、同時にそこに、福祉、介護、それから事によったらもう失業対策まで入れてでも、いろいろなことを総合的にやっていくのがこれからの日本の、高齢化社会だけではありません、児童福祉でも同じようなことが言えると思うんですけれども、それから女性の問題ではさんざんいつも主張しているとおりのことですが、いささかまだ、制度の縦割りがそういった一人一人の高齢者にとって非常に弊害になっている。それから、むだが大変多い。時間のむだ、労力のむだが大変多い。
 そういったところでの総合的な施策について最後に伺いたいと思います。
#93
○国務大臣(丹羽雄哉君) 私は、昨年厚生大臣に就任をいたしましてから、衆参の厚生委員会あるいは国民福祉委員会において、これからのいわゆるお年寄りに老後を安心して、そして元気で過ごしていただくためには、今委員が御指摘のような、年金は年金、医療は医療、介護は介護というような、とかく縦割り行政的に議論されてきたというような批判を国民の皆さん方に十分に納得していただくために総合的なそういう場を設けたらどうかということで、恐れ多いものですから厚生大臣の私的諮問機関としてどうかということを申し上げたわけでございますが、前総理が、大変いい発想であるからということで、総理大臣のもとでこういった有識者懇というものをおつくりになりまして、私もそれに参加させていただいております。きょうも五時から七時まで二時間ほど議論があるわけでございますし、選挙期間、選挙期間中と言っちゃいけないんですかね、何か二十日ごろも予定されておるようでございますけれども、いずれにしても大変御熱心に議論を進めておるわけでございます。
 私としては、できるだけ早くその一つの方向性というものを出していただいて、そういう中において国民の皆さん方の御理解を得ながら、これからの少子高齢化社会においても安心して老後を過ごせるような、こういったような環境というものをつくっていかなければならない、こう考えておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、少子高齢化社会を迎えまして、これから社会保障のあり方というものが大変重要な役割を果たしてくるわけでございますけれども、私たちの代だけではなく私たちの子供や私たちの孫の代においても、将来にわたって安定した効率的な社会保障の制度というものの道筋をきちっと示すことが何よりも私どもの使命ではないか、このように考えているような次第でございます。
#94
○堂本暁子君 期待をしたいところです。そして、その医療臨調ですか、そういったものができても、そういうところでは前進する抜本的な改革の道筋は今大臣おっしゃったように示されるだろうと思うし、それから、大臣と御一緒にやった、私たち政治家がやった与党協でもそれはできたわけです。でも最後のところでやはり政治家が利害の対立している団体に、業界に負けてしまうという図をさんざん経験してきたと思いますので、きょうは衆議院の先生方もいらしているので、こういうことを申し上げるチャンスというのはめったにありませんが、やはり私たち政治家が負けては、結局、また十年おくれ二十年おくれになってしまう。これは行政の方にできないことだろうというふうに思いますので、やはり第一与党の先生方そして今与党の先生方には、どうしてもそこのところで今大臣のおっしゃったことを勇気を持って実行していただきたいというお願いをして、私は終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#95
○西川きよし君 よろしくお願いいたします。
 まず、平成九年の薬剤費一部負担の導入ですけれども、少しそのころを思い出していただきまして、背景から一言まずお伺いしたいと思います。
#96
○政府参考人(近藤純五郎君) 平成九年の健保法の改正でございますが、当時も医療保険財政は大変な危機的な状況にあったわけでございまして、医療保険制度の安定的な運営の確保等を図るために実施されたわけでございますが、その中で薬剤の一部負担につきましては、薬剤につきましてのコスト意識を喚起いたしまして、薬剤使用の適正化を図ると、こういう見地から薬剤の種類数とか日数に応じました御負担をお願いしたわけでございます。これによりまして、医療保険制度の財政の安定的な運営が図られることになったというふうに考えられておるわけでございます。
#97
○西川きよし君 この薬剤費一部負担の導入を提案されたわけです。そのときの政府の説明では、薬剤の多量投与というものに対する歯どめ、これに効果があるのだというふうにあのころ我々もお伺いをいたしました。
 そこで、今回提案者の先生方にお伺いしたいのですけれども、それぞれの立場から、この一部負担の導入に対しまして当時どのような認識をお持ちであったのかということを、まず安倍先生と福島先生にお伺いしたいと思います。
#98
○衆議院議員(安倍晋三君) 平成九年当時でございますが、この当時は橋本内閣時代でございまして、財政構造改革をやっていこうということでございました。この法案をつくった後、この財政構造改革法が通ったわけでございます。
 その中にありまして、特にこの医療保険財政は非常に厳しい状況にありました。やはり医療保険制度というのは安定的、持続的なものでなければ国民の皆様に安心をしていただけないわけでございますから、そうした意味でこの医療保険財政を立て直し、また安定的なものにしなければいけないという観点から一部負担をしていただく。さらには、先ほど先生から御指摘がございましたように、多剤投与という傾向もございました。そういう中にあって、患者さんまた医療側にも双方にコスト意識を持っていただく。そういう観点からこの制度を導入したわけでございまして、私はこのことは当時も当然であろうと、このように考えていたわけでございます。
 ただ、その後、経済の状況が大きく変わりまして、稼得収入のないお年寄りの方々にこのまま負担をしていただいていいのかどうかという議論があって、予算措置になったという次第でございます。
#99
○衆議院議員(福島豊君) 当時、私どもは野党でございましたが、この法案が提出されましたときに薬剤使用の適正化ということについては、そこだけ取り出して別途一部負担を設けるというようなやり方ではなくて、むしろその治療行為のあり方、そしてまた医療全体としてどうするのかというアプローチをすべきだというふうに私は考えておりました。制度としても非常に複雑ですからいずれ見直しはせざるを得ないことになるだろうというふうに考えておりました。
#100
○西川きよし君 諸先生方からもいろいろな角度から質問が出たんですけれども、本当に猫の目のようにとか、そしてまたいろいろな法律によりまして御質問させていただく中でも、本当にこの国会というところは難しいところだなというふうに自分自身、年金のときもそうでございましたし、せんだっての事業法もそうでございます。そこで、今でもまだ賛成をさせていただこうか、反対をしようかというふうに自分では悩んでおります。
 そこで、この一部負担導入の一年前と導入後の一年間、老人医療費の伸び率、そしてまた老人の受診率がどうであるのか、厚生省といたしましてこの一部負担導入の効果をどういうふうに評価をされておられるのか、これは政府参考人からの御答弁をお願いいたします。
#101
○政府参考人(大塚義治君) お尋ねの平成九年九月から一部負担が導入されたわけでございますので、その前の一年間とその後の一年間、それぞれとりまして計数を整理いたしてみますと、まず外来の老人医療費の伸び率でございますが、導入前は平均で七・三%の伸びでございました。導入後は平均で三・〇%でございます。
 受診率でございますが、この受診率はいわばある医療機関に通院したそれを一件と見た率でございますが、そういう意味での受診率は導入前が年平均一・六%の伸びが導入後二・三%と伸びておりますけれども、一医療機関当たりの通院の日数を見ますと導入前は二・八%減、導入後が七・〇%減でございますから、トータルといたしましては一医療機関当たりの通院回数は減少していると見てよろしいかと思います。
 ただ、当時、薬剤一部負担と同時に薬剤以外のいわゆる外来の一部負担、これの手直しもございました。したがいまして効果は、影響は複合的でございますので、薬剤一部負担導入のみの影響を取り出すのは非常に難しゅうございますけれども、もう一つ別のデータでございますと、投薬時の一件当たり、一月当たりと言っていいんでしょうか、薬剤種類数を見ますと、これも導入前は三・九三でございましたが、導入後は三・四九というふうに減少しております。
 こうしたもろもろの要素を総合勘案いたしますと、薬剤一部負担の導入ということによります医療費あるいは薬剤使用への一定の影響というのはやはりあったというふうに私どもは分析をいたしているところでございます。
#102
○西川きよし君 本当に少しのことで全国の皆さん方の心は本当に正直に動いているというふうな結果がたくさん出ているわけですけれども、私どもも日々の生活者の皆さん方といろいろ接する機会があるんです。
 これは全く本当に余分な話ですけれども、私は長い間漫才というお仕事をやらせていただきまして、芸能界でもお世話になりました。そしてこちらへ参りましてずっと福祉のお仕事、こちらの方でお世話になっているんですけれども、どちらが難しいかというのは甲乙はつけがたいんです。本当に皆さん方の、全国の皆さん方にいろいろ少しでも、お一人でもたくさんの皆さん方にお出会いさせていただいて、本当に日々の生活の、お暮らしの話をお伺いする、その中できょうもこうして御質問をさせていただけるというのは大変ありがたいことですけれども、本当に悩みます。反対をしても反対で通りますし、賛成であっても賛成という理由づけは私自身できるわけでもあります。
 そういった中で、日々の生活者と接する中でこの数字や統計、こういう部分では読み取れないという皆さん方の直接の声ですね、これを本当に日々もう胸が痛いほど感じるわけですけれども、この導入後の高齢者の薬剤費負担に対する意識と申しましょうか、それぞれのお立場からどのように感じておられるのか、これはまず厚生大臣、そして改めて安倍先生と福島先生にお伺いしたいと思います。
#103
○国務大臣(丹羽雄哉君) まず、全般的な話としてさせていただきますならば、我が国のいわゆる国民医療費の中に占める薬剤費の割合というものはかつては三分の一、三〇%近かったと、こう言われておるわけでございますが、近年、御案内のようないわゆる薬価差の縮小、こういうものもございまして、正確な数字は私覚えておりませんが、二二、三%ぐらいまで薬剤の占める比率そのものというのは低下をいたしてきておるわけでございます。
 今の御負担の問題でございますけれども、先生自身がいろいろお悩みなさっているということは率直な御意見として私ども胸にしみるものがあるわけでございますけれども、私どもといたしましては、今国会でできますならばこの法案を提出させていただいて、七月から定率制のもとで負担はレベニュー・ニュートラルで進めさせていただきたい、こういうようなあれがあったわけでございますけれども、残念ながら、こういうことで今国会での成立を期すということが不可能でありますので、何カ月になるか、またこれも予断を持って言えないわけでございますけれども、できるだけ早い機会にこの定率制というのを導入したい。そのときだけまたお年寄りの負担がふえるということは余りにもお年寄りに対しましてぐるぐる負担が変わるのではないか、こういうような配慮で今回の措置というものを議員立法で出させていただいて、私どもは、もしこれが議員立法という形で可決成立をさせていただきますならば、これを受けとめまして、政府として予算措置をとらせていただきたい、こういう経緯でございます。
 いずれにいたしましても、私どもが対応するのに必要なことは、先ほど来お話が出ておりますけれども、昭和三十六年以来国民皆保険制度というのが導入されておりまして、さまざまなしがらみもあるし、関係者も多いし、いろんな問題点がありますけれども、しかし、やはりこれからの少子高齢化社会を迎えて医療費にむだがないか、効率的かどうかということで一歩一歩粘り強くこれからも進めていきたい、このように考えているような次第でございます。
#104
○衆議院議員(鴨下一郎君) ただいま厚生大臣の方からお答えがありましたけれども、今、西川委員の御質問の中で、現場で高齢者の皆さんがどういうふうに感じたかと、こういうようなことにつきましては、一つは、高齢者の医療負担が余りにも過重になったら現役世代に対して負担がかかってしまって申しわけない、こういうような意味でその一部負担について協力しようじゃないかと、こういうような高齢者の方もたくさんいらっしゃいます。
 一方で、例えば定額負担のときに五百円、それから五百三十円を月はなに払うということすら非常につらいお年寄りもいらっしゃいまして、そういう方にとってみると、今度は例えば高血圧で来て、その後に例えばひざが痛い、それからちょっとした風邪を引いたと、そのときに負担がふえていく、このことについては非常に皆さんつらいというようなことをおっしゃる方もいらっしゃいますので、先生おっしゃるように、非常にその辺の負担等、それから高齢者に対してどういうような形で御負担をお願いしていくかというのは難しい問題だろうというふうに思います。
 今回は、今の経済状況の中でとりあえず高齢者の薬剤の一部負担については国が肩がわりする、こういうようなことで今まで経過してきたわけでございますので、そのことにつきまして御理解をいただきたいというふうに思います。
#105
○衆議院議員(福島豊君) 高齢者がどのように感じたかということですが、これは所得の多い少ないによっても私は随分違ったんだろうと思います。
 ただ、共通して言えますことは、私もみずからの母親から、わかりにくい、どのようになっておるんだという話は聞きました。また、所得の低い方にとりましては、一回一回幾ら払うのかということを前もって計算をして、このぐらいとっておかぬとあかんわなと考えておられるわけですね。そうしますと、やはりこの負担がどうなのかよくわからないということは不安だということもありますし、先ほども鴨下議員の方からお話ございましたけれども、おのずと受診を控えるというようなこともあったようにも聞いております。状況としてはさまざまだったんだと思います。
 ただ、その中で、じゃマイナスばかりだったのかという話になりますと、必ずしもそうではない面もありまして、例えば医薬品に対してのコスト意識のようなものはやっぱり一定高齢者の方は感じていただいたんではないかというような気がいたします。決してこれはただではない、一定のコストがあるものだという意識ですね。それから、高齢者としても若人の世代、現役世代との関係もありまして、いかなる負担をすべきであるのかということについても意識を喚起するような結果になったのではないか、そんなように私は考えております。
#106
○西川きよし君 ありがとうございました。
 私も当然負担がふえたことに対しての声というのはたくさんお伺いするわけですけれども、またお便りも寄せてはいただくわけですけれども、一方で、お若い人たちに負担ばかりかけてはいけない、西川さん、きよしさん、我々も少々のことだったら辛抱してやっぱり頑張らなければいけない、若い人たちばかりに負担をかけてはいけないという御年輩の方々も僕の周囲には実はたくさんいらっしゃいます。
 そうした中で、例えば新聞とかテレビでそうですけれども、先ほど堂本先生の方からもお話が出ましたけれども、医師会の要望を受けての対応ではないかなとかしばしば伝えられるところではありますけれども、こういった点について、やはり全国の皆さん方がどうかなと首をかしげるようなところが多々あるわけです。与党の立場として、こういう観点からの御答弁をひとついただきたいと思いますが、安倍議員、お願いいたします。
#107
○衆議院議員(安倍晋三君) 平成九年に薬剤の一部負担を導入したときの経緯については御説明したわけでございますが、平成十一年に予算措置を行いまして、国が肩がわりをするという臨時特例的な措置を行ったわけでございますが、これは経済の状況が大きく変わったということがもちろん一点でございます。しかし、その前に、先般も申し上げましたように、医療現場がそこの徴収をするのに対して大変混乱をしているというのが一点、そしてまた、二重負担ではないかという指摘もあったというわけでございます。その中にありまして、経済情勢が厳しくなっていく中で収入のないお年寄りの皆様、特に医療機関にかかる機会が多いわけでございますから、そこに着目をいたしまして、国が肩がわりをするという決断をしたわけでございます。
 また今、医師会との関係、御指摘をいただいたわけでございまして、確かに医師会の皆様には私ども支持をしていただいております。ただ、お医者様の数よりも圧倒的に患者さんの数の方が多いわけでございますし、国民の数の方が多いわけでございます。これはよく私ども新聞で申し上げまして一部から厳しい批判も浴びたわけでありますが、ただ、それは当然私ども常識として頭の中に入っておりまして、その上で、医療当事者としての意見ということで、私どももそういう意見には耳を傾けているということでございまして、私どもがこうした政策を決めるときに医師会の言いなりになっているということは全くないということは申し上げておきたいと思います。
#108
○西川きよし君 ありがとうございました。
 最後の質問にさせていただきます。
 僕といたしましては、少子高齢化の中で、医療費の負担ということにつきましては、今もお話をさせていただきましたが、高齢者の特性、そしてまた、弱い立場の人たち、低所得者の皆様方、十分といいますか、十二分に配慮しなければいけないというふうに思います。そしてまた、そうする中で、費用負担にも、この部分も担っていただかなくてはならないというふうにも思います。
 今後の高齢者負担のあり方、大変今こうして御質問をさせていただいても、次のときにはまた本当に抜本改革をしていただけるのか、何か毎回毎回胸のつかえがとれないというような、そんな気持ちで質問をさせていただくというのが大変自分自身もつろうございます。
 今後の高齢者の負担、最後に大臣にお答えをいただきまして、そしてもう一人福島さんにもお答えをいただきまして、最後の質問にしたいと思います。よろしくお願いいたします。
#109
○国務大臣(丹羽雄哉君) 今回の措置は、御案内のように、健保法の改正案が残念ながら可決成立を見ない、それまでのいわゆる過渡的な措置として議員の立法によりましてこのような法案が提出されておるわけでございます。
 これは、利用者の方々の立場に立って、その仕組みというものが余り目まぐるしく変わらない、そして何月に臨時国会が開かれてこの法案の審議が行われますか、まだ予測がつきがたいわけでございますけれども、その中において、きちんとレベニュー・ニュートラルを範囲としながら、お年寄りの今度は別途徴収から定率制というものが導入されると、こういうことでございます。
 それで、問題は、現在的な問題と中長期的な問題がお話を聞いているとあると思います。私も全く委員と同じ認識でございます。
 ただ、言えますことは、お年寄りというのはどちらかというと非常に貧富の格差があって、二極構造に分かれているのではないかと思います。例えば、国民年金を三万円、四万円しかもらっていない方もいらっしゃれば、七十歳を過ぎて二千万円、三千万円の所得のある自営業者であるとか会社の役員の方もまたいらっしゃると思います。
 これまでは、お金のある方もお金のない方も一律五百三十円、そして五回目からは無料だと、こういうことでございますけれども、私は率直に申し上げて、若い方の負担というものも大変過重になってきておるわけでございますので、所得のある程度ある方については、私は将来的には国民の皆さん方の合意を得ながら、お年寄りも所得のある方については若い方と同じような負担をしていただかなければならない時期がやがて来るのではないか、こう考えているような次第でございます。
 いずれにいたしましても、これまでのお年寄りは社会的弱者である、社会的弱者であるから一律に経済的に弱者である、こういった考え方というものを私どもは今考え直す時期に来ているのではないか、このように考えているような次第でございます。
#110
○衆議院議員(福島豊君) 大臣の御答弁と基本的に認識は同じでございます。
 まず、医療におきます高齢者の負担につきましては、今国会では時間の限りということで健康保険法の成立を断念せざるを得なかったわけでございますが、定率負担への移行ということで大変大きな変化がこの中には盛り込まれているわけでございまして、次の臨時国会でできるだけ早くこれは成立をさせていかなきゃいけないと。
 当然、その定率負担に当たりましては過度の負担を高齢者に課さないように上限を設けるということが盛り込まれておりますけれども、そういうことに配慮した上で定率負担への移行を図るということが必要だと思っております。
 さらに進みまして、介護保険における高齢者の負担も同時に考えていく必要もあると思います。一般に高齢者の負担を考えるに当たって、高齢者の所得の分布というのが二方性であると。低所得のところに一つ山があって、高い所得のところにもう一つ山があると。平均値で考えてはいけないと。それぞれに応じた負担をどう考えるのかということが必要だと思います。
 そしてまた、先ほど堂本委員からもお話しございましたように、年金制度との関連がございます。年金の水準が一体いかなるものなのか。そしてまた、老齢基礎年金、国民年金の水準との関連でどのような負担を求めることが適切なのかと。こういう議論をしっかりとこれから進めていく必要があると思っております。
#111
○西川きよし君 よろしくお願いいたします。
#112
○委員長(狩野安君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 老人医療受給対象者に対する臨時老人薬剤費特別給付金の支給に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#113
○委員長(狩野安君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#114
○委員長(狩野安君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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