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2000/02/22 第147回国会 参議院 参議院会議録情報 第147回国会 文教・科学委員会 第1号
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2000/02/22 第147回国会 参議院

参議院会議録情報 第147回国会 文教・科学委員会 第1号

#1
第147回国会 文教・科学委員会 第1号
平成十二年二月二十二日(火曜日)
   午後一時一分開会
    ─────────────
   委員氏名
    委員長         佐藤 泰三君
    理 事         岩瀬 良三君
    理 事         橋本 聖子君
    理 事         石田 美栄君
    理 事         松 あきら君
    理 事        日下部禧代子君
                阿南 一成君
                有馬 朗人君
                井上  裕君
                亀井 郁夫君
                仲道 俊哉君
                長谷川道郎君
                江本 孟紀君
                小宮山洋子君
                本岡 昭次君
                福本 潤一君
                畑野 君枝君
                林  紀子君
                菅野  壽君
                扇  千景君
                田名部匡省君
    ─────────────
   委員の異動
 二月七日
    辞任         補欠選任
     阿南 一成君     尾辻 秀久君
 二月八日
    辞任         補欠選任
     尾辻 秀久君     阿南 一成君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         佐藤 泰三君
    理 事
                岩瀬 良三君
                橋本 聖子君
                石田 美栄君
                松 あきら君
               日下部禧代子君
    委 員
                阿南 一成君
                井上  裕君
                亀井 郁夫君
                仲道 俊哉君
                長谷川道郎君
                江本 孟紀君
                小宮山洋子君
                福本 潤一君
                畑野 君枝君
                林  紀子君
                扇  千景君
                田名部匡省君
   政務次官
       文部政務次官   河村 建夫君
       科学技術政務次
       官        斉藤 鉄夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        巻端 俊兒君
   政府参考人
       科学技術庁研究
       開発局長     池田  要君
       文部省学術国際
       局長       工藤 智規君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○国政調査に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○教育、文化、学術及び科学技術に関する調査
 (ロケット打ち上げの結果並びに経過に関する
 件)
 (派遣委員の報告)

    ─────────────
#2
○委員長(佐藤泰三君) ただいまから文教・科学委員会を開会いたします。
 国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、教育、文化、学術及び科学技術に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(佐藤泰三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(佐藤泰三君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 教育、文化、学術及び科学技術に関する調査のため、本日の委員会に科学技術庁研究開発局長池田要君及び文部省学術国際局長工藤智規君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(佐藤泰三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#6
○委員長(佐藤泰三君) 教育、文化、学術及び科学技術に関する調査を議題といたします。
 まず、ロケット打ち上げの結果並びに経過に関する件について、政府から報告を聴取いたします。河村文部政務次官。
#7
○政務次官(河村建夫君) 文部総括政務次官の河村建夫でございます。
 御案内のように大臣は予算委員会へ参っておりまして、私が参りました。ロケット打ち上げの結果並びに経過について御報告を申し上げます。
 それに当たりましては、文教・科学委員会の皆様、文教行政の推進につきまして日ごろより格別の御支援、また御協力を賜っております。まず、そのことを衷心より感謝申し上げる次第であります。
 きょうは、文部省宇宙科学研究所の第十九号の科学衛星打ち上げ失敗につきまして、これまでの経過及び現状について御報告申し上げます。
 宇宙科学研究所は、平成十二年二月十日午前十時三十分に、鹿児島宇宙空間観測所からミューXロケット四号機により、我が国五番目のエックス線天文衛星であります第十九号科学衛星ASTRO―Eを打ち上げましたが、第一段目ロケットモーターの燃焼中に異常が発生をし、所定の軌道に投入することができませんでした。
 今回の打ち上げは、昨年十一月の宇宙開発事業団のHUロケット八号機の事故原因究明を注視しながら、改めて精密な点検を行うなど、関係者一同万全を期していたところでありますが、このような結果になりましてまことに残念であります。
 文部省といたしましては、今回の失敗を非常に厳しく受けとめさせていただいて、宇宙科学研究所に対しまして早急な原因究明を大臣のもとで指示を発したところであります。同研究所では、直ちに所外の専門家を加えた調査特別委員会を設置し、調査を開始いたしました。
 また、宇宙開発委員会、これは科学技術庁長官が委員長でございますが、におきましても、失敗後の二月十日午後五時に臨時会議を、また、その翌日に同委員会の技術評価部会を開催して、事故原因の究明に向けて審議が行われてまいっておるところであります。
 現時点における事故原因の調査結果を御報告申し上げますと、宇宙科学研究所が、失敗後、直ちにロケットからの地上受信データ及び画像データの解析作業を行った結果、打ち上げ直後に、第一段ロケットのモーターノズル部の耐熱及び形状維持の役割を果たすグラファイトが、炭素粉末を固めたものでありますが、数回にわたり剥落をし、また、そのために高温のガスがノズル側壁から流出し、ノズルの方向を変えて姿勢制御を行う装置を故障せしめることとなったのであります。その結果、ロケットの姿勢が乱れ、所定の軌道に投入することができなかったというふうに推定をされておるところでございます。
 なお、今後さらに地上受信データ、画像データ、製造過程等を詳細に調査するなど、徹底的な失敗の原因究明を行うことといたしており、その結果を踏まえ、今後の宇宙科学の発展に生かしてまいりたいと考えておりますので、文教・科学委員会の先生方には引き続き御指導、御協力をお願い申し上げる次第であります。
 なお、後ほど斉藤科学技術総括政務次官からも詳細な御説明があろうと思いますが、文部省宇宙科学研究所、科学技術庁航空宇宙技術研究所及び宇宙開発事業団の三機関がより一層の連携協力のもとに研究開発を推進していくため、文部省、科学技術庁及びこれら三機関による協議会を設けることにいたしておるところであります。
 以上であります。
#8
○委員長(佐藤泰三君) 次に、斉藤科学技術政務次官。
#9
○政務次官(斉藤鉄夫君) 科学技術総括政務次官の斉藤鉄夫でございます。
 文教・科学委員会の皆様におかれましては、日ごろより科学技術行政に格段の御理解、御支援を賜り、本当にありがとうございます。心より御礼申し上げます。
 本日は、HUロケット八号機の打ち上げ失敗への対応と宇宙開発体制の立て直しについて、私から御説明させていただきます。
 HUロケット八号機は、運輸多目的衛星を搭載し、平成十一年十一月十五日十六時二十九分に宇宙開発事業団種子島宇宙センターより打ち上げられましたが、第一段エンジンの異常停止により、衛星を所定の軌道に投入することに失敗し、打ち上げ後約七分四十一秒後に指令破壊信号が送信されました。
 事故発生後直ちに、種子島宇宙センターにおいて打ち上げに立ち会っていた中曽根大臣から小渕総理に報告の上、科学技術庁に事故対策本部を設置し、関係機関との連絡調整を開始するとともに、宇宙開発事業団に対して徹底的な原因究明及びその対策に全力を注ぐよう指示をいたしました。
 また、事故発生当日の十一月十五日夜には宇宙開発委員会の臨時会議が、また、その翌日には同委員会の技術評価部会が開催され、事故原因の究明に向けて審議が開始されました。
 この技術評価部会においては、宇宙科学研究所、金属材料技術研究所、航空宇宙技術研究所、さらには大学の専門家の協力を得まして事故原因の調査審議が進められております。
 この部会は、昨年末、ロケットの飛行データをもとに事故原因の中間的な取りまとめを行いました。また、宇宙開発事業団と海洋科学技術センターは、事故原因の究明に最善を尽くすとの観点から、太平洋の海底に落下したエンジンの探査活動を行い、昨年末にエンジンを発見し、本年一月末に回収するに至りました。技術評価部会では、現在、回収されたエンジンの分解調査、破損箇所の詳細調査などを実施しており、今後、それらの調査結果とエンジン停止までの飛行データの解析等をあわせて、原因究明のための審議を行っていくこととなっております。
 HUロケット八号機の打ち上げ失敗は、今後の我が国の宇宙開発の展開に少なからぬ影響を及ぼすものです。二十一世紀を目前に控え、本格的な宇宙利用の時代の到来が展望される中、そうした時代の要請に確実にこたえ、国民の理解を得て宇宙開発を進めていくためには、一層の信頼性の確保を図ることが求められております。そのためには、今回の事故を踏まえて、宇宙開発体制の立て直しのための抜本的な対策を講じていくことが必要だと考えております。
 この一環として、昨年十二月には、宇宙開発事業団の平成十二年度の計画について所要の見直しを行い、宇宙開発委員会に審議を依頼いたしました。
 この見直しでは、宇宙開発プロジェクトの重点化を図ることとし、今後の我が国の主力ロケットであるHUAロケットの開発及び緊急性の高い事業を重視し、これらを確実に実施することを主眼としており、この旨、昨年十二月十五日の宇宙開発委員会において決定がなされました。
 また、宇宙開発委員会では、昨年十二月二十二日より、宇宙開発体制の立て直しに向け、第三者の有識者にも御参加いただいた特別会合を開催しており、宇宙開発事業団の組織、体制のみならず、産業界の製造現場における品質保証、検査等のあり方にも踏み込んで、宇宙開発事業団と産業界が一体となって取り組むべき信頼性確保の方策についての検討が進められております。
 さらに、当事者みずからが率先して努力すべきとの観点から、文部省宇宙科学研究所、科学技術庁航空宇宙技術研究所及び宇宙開発事業団の三機関がより一層の連携協力のもとに研究開発を推進していくこととし、そのため、科学技術庁、文部省及び先ほどのこれら三機関から成る五者の協議会を設けることといたしました。
 宇宙開発につきましては、欧米諸国も二十一世紀の人類の発展に不可欠なものとして取り組んでいるところであり、我が国も先進国の一員として積極的に取り組む必要があると考えております。
 今後、宇宙関係機関の連携強化の強化策も含め、宇宙開発体制の立て直しに全力を尽くしてまいりますので、文教・科学委員会の皆様の御指導、御協力を心よりお願い申し上げます。
 以上でございます。
#10
○委員長(佐藤泰三君) 以上で報告の聴取は終わりました。
 これよりただいまの報告に対する質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#11
○岩瀬良三君 自民党の岩瀬でございますが、それでは私から御質問申し上げたいと存じます。
 今、アメリカのスペースシャトル・エンデバーに日本人宇宙飛行士の毛利さんが乗りまして、いろいろな画像、データを送ってきていただいて非常な関心を呼んでいるわけでございます。関心のほかに感動も呼んでいるわけでございますが、そういう中で、宇宙ロケットが相次いで打ち上げられなかったというようなことで国民の不安と申しますか、失望感も大きいものがあろうかと思うわけでございます。
 今、両次官からお話しのように、今後詳細な調査も行って対応してまいりたいというようなことでございますけれども、新しいところで、河村次官にお聞きしますけれども、基本的な技術上の問題があったというふうには考えておらないのか。ロケット技術の将来にとってちょっと心配でございますので、そういう点で御回答いただければと思うわけでございます。
#12
○政務次官(河村建夫君) 今回の打ち上げの失敗、相当な自信のもとに、これまでの成功例をもとにしてやってまいりまして、細心の注意を払った打ち上げであったことがこのような結果になった。まことに申しわけないと思いますし、また、タックスペイヤーである国民の皆さんにもそういう面でも大変申しわけない次第であります。
 文部省は、自信作がこういう結果になりまして、非常にこの現状を厳しく受けとめておりまして、この原因究明に徹底を期さなきゃならぬわけでございます。
 今御指摘のように、その原因に、基本的なところにミスがあったんではないかという御指摘でございます。技術の基本的なところではないかという御指摘でございますが、現時点で、先ほど御説明申し上げましたように、第一段ロケットのモータノズルのグラファイト、ここにかなり特定して原因があるというところまでわかってきておるわけでございます。それをさらに徹底究明をしていかなきゃなりません。特に基本設計につきましてはこれまで、平成九年、平成十年と成功してまいったそのままのものを使っておるわけでございますので、その点については自信を持っておったわけでございます。
 その基本的なことの問題につきましては、今後さらに製造過程等も含めて詳細に調査をして、その結果によりましてさらに我が国の宇宙科学、宇宙開発に対する信頼を高めていく、それに全力を尽くしていかなきゃならぬ、このように考えております。
#13
○岩瀬良三君 私の若いころ、東京大学の研究所時代でしょうけれども、糸川博士がペンシルロケットを宇宙に飛ばしたということで、みんな若い人の興味と関心を呼んだのをまだ覚えておるわけでございます。その後、こういう研究者の皆さんの努力によって世界と肩を並べるまでの宇宙技術を持ってきているんだろうと思うわけでございます。
 今度は斉藤次官にお伺いしたいんですけれども、前の失敗のときにも商業衛星の問題が出てまいったわけでございます。これへの影響が心配されたわけでございます。今度は天文研究の問題についての支障が生ずるんじゃないか、こういうことも言われておるわけでございますが、今まで世界で主要な地位を占めてきた日本の宇宙技術と申しましょうか、こういうものについて影響がどうなのか、こういう点についてお伺いいたしたいと思います。
#14
○政務次官(斉藤鉄夫君) HU八号機の打ち上げ失敗、実はこれは八号機ですけれども実際には七つ打ち上げてまいりました。そのうちの最初の五つは成功。六機目が、いわゆる二段ロケットが失敗をいたしました。第一段ロケットの失敗は七回やって初めての失敗でございます。ある意味で確立された部分と思っていたところが失敗をしたということで、品質管理という面で問題がなかったかということを、宇宙開発事業団、産業界一体となってこれから原因究明をしていこうと今努力をしているところでございます。
 日本のロケット打ち上げ、将来は商業打ち上げを目標にしているわけでございまして、これによって日本の宇宙技術に対して、ロケット打ち上げ技術に対して世界からの評価が下がったのではないか、こういう御趣旨の御質問だと思いますが、全体、非常に長いレンジで見ますと、こう言うとちょっと言いわけめいて聞こえますけれども、日本の失敗率はまだ世界に比べてそんなに遜色がないわけでございまして、今後この信頼性を取り戻すべく一生懸命頑張っていきたい、このように決意をしております。
#15
○岩瀬良三君 それから、我々も非常に期待しておる分野でございますけれども、どうも今まで官と申しますか国、こういうものが全面的に推してきた。そういう中で、今後、効率性、経済性を持って民間の方もこれに参入しようというような時期でもあるわけでございまして、国、官と民とが一緒になって今後上げていかなければならない問題だろうというふうに思うわけでございます。
 時間の関係で最後の質問にさせていただきますけれども、この宇宙開発、今後どういう予定でこれをやっていくのか。予算から見ますといろんなのをやるようになっているようですけれども、もう少し簡単にちょっとお話しいただきたいんです。
 今後の予定はどうなっているのかという点と、今後の宇宙開発の体制をどう立て直して皆さんの信頼を得ていくような過程、そういう民間を含めた、応用技術は日本は上手だけれども、いろんなところの部署が合計した形での総合的な力というのを発揮するのがなかなか難しいということも言われておるわけでございますが、そういう中でどう信頼を回復していくのか、この辺のところを全体的な立場から、斉藤次官の方からお答えいただきたいと思います。
#16
○政務次官(斉藤鉄夫君) 今後の予定でございますけれども、本来であればこの二月には、新しいロケットでございましたHUAロケットを打ち上げる予定でございました。これまでは旧HUロケットとHUAロケット、二つのシリーズを並行して開発してきた。現場の技術者にとって二つのシリーズが併存をしているということも一つの混乱の原因であったのではないかという反省も踏まえまして、今後は、将来のHUの打ち上げは中止をし、HUAロケットの開発に全力を注ぐ、重点化をするという形で信頼性回復に努めていきたい、このように宇宙開発委員会でも御了承いただいたところでございます。したがいまして、HUAロケットの打ち上げを一年延期いたしまして、万全の準備をして来年の冬季にぜひ打ち上げたい、そのために全力を挙げていきたい、このように考えております。
 宇宙開発体制の立て直しにつきましては、先ほども御報告申し上げましたけれども、宇宙開発事業団と文部省の宇宙科学研究所、これまである意味で省庁も二つで縦割りでやってきた、そこに問題があったのではないかという批判もございました。この二つの機関、それから航空宇宙技術研究所、この三者の研究所がより密接な連携をとって、また、先ほど申し上げました産業界との品質管理、その連携も深めていく、その抜本的な立て直しを図る。そのための宇宙開発委員会の特別会合も今鋭意、私もその議論に加わらせていただいておりますけれども、進めているところでございます。その結果も三月には出ますので、その結果も踏まえて対処をしていきたい、立て直していきたい、このように決意をしております。
#17
○石田美栄君 HUロケット八号機の第一エンジンは世界最高水準の性能を誇ると言われていますし、ミューXは固体燃料ロケットとして世界最大級であるというふうに、このような日本で誇るべき科学技術が昨年十一月、そしてことし明けて二月と接近して続いて失敗があったということは本当に残念だと思います。
 今度のミューXはグラファイトに原因があるのではないかというふうなことを先ほど河村政務次官はおっしゃいましたし、HUロケット八号機のエンジンは一月末に回収されて今調査中ということですので、近いうちにトラブルが一体どこで起きたのかというはっきりとした解明ができて、また御報告いただきたいなと思います。
 それで、このミューXについては、昭和五十六年以前、二機の失敗があり、その原因は何だったのでしょうか。また、その後十四年もたって平成七年に失敗があり、そして五年たって今回の失敗ということですけれども、この一連の失敗の原因は、違うものなのか、あるいは共通性があったのか、そのあたりの原因についてお伺いいたします。
#18
○政務次官(河村建夫君) 委員御指摘のように、過去三例、失敗をいたしております。
 最初の失敗例は、昭和四十五年九月のミュー4S一号機でございます、試験衛星が搭載されておったのでありますが。これの失敗につきましては、これはロケットの姿勢制御装置の不調と言われておりますが、電磁弁、電気系統の不調によって第四段ロケットが点火せずに太平洋に落下したというものでございます。
 二つ目の失敗は、五十年度であります、五十一年二月に打ち上げたミュー3C三号機であります。これはエックス線の天文観測衛星が載っかっておったのでありますが、第二段ロケットの姿勢制御装置、特にこれはコンピューターの不調と言われております。いわゆる発射のショックからきたのではないかと言われておりますが、コンピューターの不調によりまして高度が上がらずに、地上からの指令によって太平洋に落下させた。
 三つ目は、ただいま御指摘ありました平成七年一月のミュー3SU八号機。回収型カプセル衛星エクスプレスが載っておったのでありますが、これは第二段ロケットの燃焼末期にロケットの姿勢が上方に乱れたと言われております。そして、予定の軌道を外れてガーナ国に落下したものでございます。これは特に、打ち上げた燃焼末期にロケットの機体の振動が起きました。これは回収型カプセル衛星エクスプレスの重量が重過ぎたという指摘を受けて、そういう結果というふうに言われておるわけであります。
 以上、それぞれ微妙にといいますか、原因は違っておるわけでありますが、そういうことを踏まえながら今回の打ち上げに臨んだ、こういうことでございます。
#19
○石田美栄君 それぞれに違っていて、私も専門的なことはよくわからないんですけれども、何だか今回のが一番単純なのかなというような、そんな感じもいたしますが、また後ほどはっきりとした原因がわかりましたら知りたいと思います。
 HUの打ち上げ失敗で、運輸多目的衛星を今春から運用する予定であったのができなくなったことによって、今後の気象観測は一体どうなるのでしょうか。先日も新聞で見ましたが、ひまわり四号は運用が停止されて、今、ひまわり五号を続けて使っている。でも、それにもし故障が起きたときには気象観測等にどうなるんだろうという不安がありますが、どうでしょうか。
#20
○政務次官(斉藤鉄夫君) 現在、ひまわり五号が運用されております。このひまわり五号は設計寿命が五年で設計をされ製造されたものですが、その五年がこの三月に参ります。しかし、過去の例からしますと、設計寿命が来たらすぐ終わりということではなくて、四号の場合は十年近く動きましたし、今後この五号、燃料を節約するなどしてできる限り寿命を延ばしていくという方策に万全を期したい、このように考えております。
 この後継機、ひまわり六号と言えばいいんでしょうか、後継機につきましては、現在、運輸省におきまして平成十一年度中に調達に着手すべく準備が進められている、このように聞いております。科学技術庁といたしましても、この運輸省の状況を踏まえつつ、できることがあれば協力をしていきたい、このように考えております。
#21
○石田美栄君 どうぞ国民の皆さんが気象観測はどうなるんだろうという不安のないように、よろしくお願いしたいと思います。
 そうしますと、このたびのミューXの打ち上げ失敗でASTRO―Eを打ち上げることができなかったということで、今観測を行っている「あすか」は既に七年を経過して、どうやら寿命を超過して何年か、新聞で見ると三、四年を大きく過ぎているというふうにも書いてあったりしましたが、今後、日本のエックス線天文学もどうなるのでしょうか。
#22
○政務次官(河村建夫君) 御指摘のように、エックス線の天文観測の分野では世界をリードしてきた日本でございまして、それだけにこの失敗というものは、日本はもちろんでありますが、世界じゅうにも大きな衝撃になっておるわけでございます。
 「あすか」について今御指摘がございました。平成五年二月に打ち上げた「あすか」があと二年程度の運用ではないか、こう言われておりまして、大気圏にそのうち突入するであろうと言われておりますので、この二年間、寿命が続く限り十分利用しなきゃなりません。さらに、欧米との協力関係がございまして、NASAあるいはESA、欧州の方でありますが、の衛星を利用した共同研究もあわせてやっていくわけでございまして、宇宙科学研が引き続いて、これまでの実績を生かしながら、世界のエックス線天文研究の推進のために貢献をしていかなきゃならぬわけでございます。
 したがいまして、今後ASTRO―Eの代替機の問題等々もあるわけでございますが、これはかなり専門的な部分がございまして、今後とも文部省、宇宙研としては平成十四年度には第二十号、第十七号の打ち上げも予定されておりますし、平成十五年度、十六年度とさらに計画がございます。それと、さらにそれへ進むためには代替機を打ち上げなければ次の研究は進まないのかどうか、その辺も踏まえて、宇宙科学研の専門家の皆さん、また科学プロジェクトの進行の状況等、研究グループの皆さんの判断を待って今後のあり方については検討していく、こういうことになろうかというふうに思います。
#23
○石田美栄君 世界的に見ても非常に重要なようにお伺いいたします。ぜひ原因究明と同時に今後本当に、失敗のないことはないのかもしれませんが、でもどうも今、世の中、警察一つ考えても、新潟のああいう県警のこともなぜ初期のころにという、そういう思いが国民にございます。ぜひ宇宙のこともしっかりお願いしたいと思うのです。
 このHUの失敗もミューXの失敗についても、何か共通の問題があるのではないかというふうなことが言われています。一連の失敗は、宇宙開発技術の低下ととらえるよりも、国の宇宙開発体制に問題があるんじゃないかというふうな指摘も行われておりますが、所見をお伺いしたいんです。
 というのは、経済不振で予算が抑制されていて、商業衛星打ち上げを急ぐためのコスト削減要求が厳しくなっているんじゃないかというふうなことも一部に出ております。アメリカの宇宙開発の予算に比べると日本は一割くらいと言われますが、この点について、では斉藤政務次官、御所見をお願いいたします。
#24
○政務次官(斉藤鉄夫君) 現場の技術者の方ともお話をさせていただきました。率直な御意見として、プロジェクトばかりたくさんふえて非常に忙しい、しかし人員も予算もなかなかふえない。アメリカのNASA等に行って、あの豊富な予算と人員の中で研究をしている人たちに比べると大変厳しい、こういう率直な意見もございました。
 しかし、そういう限られた予算の中で国民の皆様から負託を受けた事業を成功させるのが使命でございますので、今後できるだけの研究環境、また宇宙開発の環境を整えていきたいと思っておりますけれども、限られた中で努力をして成功させる、そういう姿勢で今後も頑張っていきたい、このように思っております。
#25
○松あきら君 HUロケットに引き続きまして今回の科学衛星の打ち上げ失敗は、国民の皆様にとって非常にショックだったというふうに思います。
 今も種々お話を伺っているんですけれども、一番大事なことは、もちろんいろんな原因があります。人員が少ない、予算が少ない、あるいは企業のリストラも関係ある云々、いろいろあると思います。しかし、何か根本的なところが議論されていないのではないか、根本的なところの考え方をまずきちんとしなければいけないんじゃないか。
 それは、なぜ宇宙開発をやるのか、なぜ日本がこれをやらなければいけないのか、あるいはなぜ宇宙開発を目指すのか、こういうところの議論をきちんとして、そして国民に対してきちんとした将来ビジョンというものを指し示さない限り、予算をふやしましょう、あるいは人員をふやすことが必要ですと言っても、私はこの今の厳しい経済状況の中で国民の支持は得られないのではないかというふうに思うわけでございます。やはり私は、そこの一番基本的なことがまず、両方の省庁に申し上げたいんですけれども、一番大事なところが何か欠けているのではないかというふうに思います。
 その上で、今もお話しございましたように、科技庁の宇宙開発事業団、あるいは航空宇宙技術研究所、また文部省の宇宙科学研究所、この三者が協議会をつくったということで、きのうもテレビ等でこれは放映されておりましたし、それにプラス、今政務次官に伺いましたら、科技庁と文部省、五者の協議会が開かれる、これはもう当たり前のことだと思うんです。つまり、三十六年前のねじれ、これをきちんとたださなければやはりもうだめだ、今協議会をして云々やっている場合じゃないぞというのが正直に言って多くの国民の声ではないかというふうに思います。
 これを踏まえまして、それぞれの政務次官からまずお答えをいただきたいと思います。
#26
○政務次官(河村建夫君) 日本が科学技術創造立国の道を目指してこれから行く、これは一つの大きな国策でもありますし、今委員御指摘のように、宇宙開発といいますか、人間の未知の世界に向かってこれを進めることは、まさに人間といいますか人類の起源等々にも突き当たる、こういうふうに言われておりますが、そうした夢のある開発といいますか、そういうものに向かっていく、これは日本のこれからのあり方の一つの大きな方策であろうと我々は理解をしておりまして、それを進めていかなきゃなりません。
 しかしそれについては、委員も御指摘のように、国民への理解、しっかりとした教育に根差した、また広い底辺といいますか広い理解の上に立って頂点があるんだという考え方に立たなければならないだろう、こういうふうに思っておりまして、そういう観点に立ってこの宇宙開発を進めていく。
 しかし、それにはやはり、国民の税金を使うわけでございますからむだがあってはならぬわけでありまして、幸いといいますか、二〇〇一年にはこれまで別々にやってまいりました科学技術庁と文部省が一体になるわけでありますから、もちろんそれぞれの技術、今回の問題でも、科学技術庁の事業団のやっている液体燃料、固体燃料という大きな一つの違いはございますが、しかし、共通の共有する技術というものはあると思いますから、そういうものをしっかりこの際再認識をして進めていくべきであろう、このように考えております。
#27
○政務次官(斉藤鉄夫君) 日本の宇宙開発予算がNASAの十分の一、アメリカの十分の一と言われておりますけれども、私は、それは正直に国民の宇宙に対する関心をあらわしたものだろう、このように思っております。宇宙に対する夢、青少年、子供たちにつきましても全くアメリカに比べて少ないというのが現状でございます。そういう現状の中で一つ一つ私たちが頑張ってこの宇宙開発について理解をいただく、夢を持っていただくということを進めていかなければならない、その理解があって初めて予算もふえてくる、このように思っております。
 それから、NASDAと宇宙科学研究所の二元体制でございますが、宇宙科学研究所は天文学等の基礎科学研究、NASDAは宇宙空間利用ということ、それからまた、NASDAは液体燃料ロケット、宇宙科学研究所は固体燃料ロケット、それぞれに分かれていて二本立てで競争しながらやっていくというところによさもあるという意見もあるわけでございまして、今後、この五者協議の中で、いいところは残し悪弊はなくし、来年一月からは文部科学省になって一局長のもとにこの両機関が入るわけでございますので、理想的な体制に持っていくように今後も頑張っていきたいと思っております。
#28
○松あきら君 私もいろいろ伺いたいことはいっぱいあるんですけれども、今のお答えのように、本当に国民の皆様が納得できるような形でビジョンを示していただきたいというふうに思います。
 それから、HUロケットに関しまして水谷教授が、失敗したときに、全く予想していなかった、試験では何も問題がなかった、今回新しくした点も思い当たらないというふうにお答えなさっていらっしゃるわけなんですけれども、この日本で試験をしたということは、つまりチェックしたということだと思うんです。ですけれども、その日本の、試験と言っているチェックの体制と、今回のエンデバーでもそうですけれども、何回もチェックが入ってそして打ち上げられたわけでございます。このアメリカのチェックの体制とどういうふうに違うのか、技術的なことですけれども、これを御説明願いたいと思います。
#29
○政務次官(斉藤鉄夫君) 基本的にそのチェックの体制に大きな差はございません。その信頼性確保、ぎりぎり詰めるその詰め方に大きな差はございません。
 しかし、現実問題として、今回失敗が連続をした。ミューXもそうでございますが、これまでずっと成功していたところが、ある意味では非常にベースのところで失敗をした。HUロケットもそうでございます。設計と製造現場も含めたトータルな品質保証体制にどこか緩みが生じていなかったのかということも、今回原因の一つとして調査をしているところでございまして、チェック体制そのものに大きな差はなかった、このように考えております。
#30
○松あきら君 チェックにほとんど差がないということはすごくショックですね。そうするとやっぱりチェックが甘かったということしかないというふうに思うわけです。ですから、その点は本当に、とにかくコストがかかるわけですから、ではアメリカのように、またアメリカを見習って、厳しいチェック体制をぜひとっていただきたいというふうに思います。
 最後の質問になるわけですけれども、今アメリカなどではこの宇宙開発、ロケット等に民間のビジネスが入ってきているというふうに私も聞きました。ニュースでも、実はカリフォルニアのベンチャー企業のロータリーロケット社が紹介されておりまして、ロケットを打ち上げてそのロケットを何回も使える、こんなことがもう開発されているわけですね。もちろん日本は国が今やっているわけですけれども、何かアメリカはここまで進んでいるんだなという思いなわけでございます。アメリカなんかではもう二十社ぐらいが参入していて、百兆円のマーケットを目指しているというふうに聞いております。やはり私は、日本もここまで行かなければ本来ならばいけないんじゃないかなというふうに思うわけでございます。
 そのためには、国がベンチャーを育てる側に回ってある種の支援もすべきだというふうにも思うわけでございますけれども、この辺の宇宙産業のすそ野に広がる政策、これは国と、もちろん民というふうにもそれぞれの政務次官おっしゃっておりましたけれども、例えばアメリカのこのロータリーロケット社のようなベンチャー企業に対しまして、お二人の政務次官からのお考えを伺って終わりにしたいと思います。
#31
○政務次官(斉藤鉄夫君) アメリカでは、タイタン、デルタ等、打ち上げロケットはすべて民間がつくって民間打ち上げでございまして、そういう中で、これまでの蓄積を使って、いわゆる使い捨てではない再利用可能なロケットということが旧マクダネル・ダグラスを中心にベンチャー化しているということでございます。
 日本も、NASDAでHUAロケット研究開発をした暁には、十分な信頼性が得られた暁にはこれを民間移転して、民間としての打ち上げビジネスを日本で大きく育てたい、このように決意をしておりました。
 そういう中でいろいろなその周辺にベンチャービジネスが出てくるかと思いますけれども、ベンチャービジネス育成事業も科学技術庁、通産省と協力しながらやっておりますので、宇宙開発関係のベンチャーにつきましてもできる限りの支援をしていく方策をこれからつくっていきたいと思っております。
#32
○林紀子君 ロケットの打ち上げ失敗というのは、お金的にも非常に大きな損失でありますけれども、今回のミューXのように、宇宙の基礎研究についても大変大きな損失があるということになるのではないかと思います。どうしても失敗の原因というのを徹底的に究明をしていく、その上に立たないと今後のロケットの打ち上げというのはもう進まないんじゃないかというふうに思うわけです。
 このミューXの失敗が行われた直後の新聞紙上でいろいろな方がいろいろな論評をなさっておりますけれども、技術評論家の桜井淳さんという方が日経新聞紙上で、「事故が続発したのは結局のところ人の問題だ。設計に問題がなくても製造技術や品質管理がガタガタになっている。」、「日本の製造技術や品質管理の質の低下は根が深く、憂慮すべき問題だ。」という指摘をなさっていらっしゃいましたし、それからHUロケットの宇宙開発委員会の基本問題懇談会でも、技術者、研究者を育てることの重要性や、失敗の背景として開発メーカーのリストラによる意欲の低下があったのではないか、こういう指摘もされているということです。
 今回のミューXというのは日産に発注されたと思いますけれども、今、日産といいますと私などはすぐにリストラの一番の代表者という、こういうことがぱっと思い浮かぶわけです。ゴーン・ショックということが言われていて、東京だけでも二万人以上解雇するということで大変な会社だということになっているわけですが、日産がリストラを始めたのはいつのころかということはよくわかりませんけれども、日産に発注するからには、こういうことを十分研究して、そして大丈夫なんだなという上で発注をなさったと思うんですけれども、日産のこういう大リストラというようなことについてはどの程度知っていて、どの程度勘案したのか、その辺をぜひ聞かせていただきたいと思います。
#33
○政務次官(河村建夫君) この原因究明につきましては、先ほど御報告申し上げた点でございますが、技術評価部会において宇宙科学研から報告を聴取しておるところでございます。
 特に、二月二十一日の技術評価部会において報告があった主要事項の中に、ロケット発射点の近くでグラファイト類似破片約七十点が収集をされている、その結果、グラファイト製のノズル・スロート・インサート材、こういうふうに言っておりますが、この材に大きな原因があるということがほぼ断定されつつあるわけであります。
 特に、このグラファイトをつくった、今御指摘の日産のロケット技術部がつくったわけでありますが、製造・加工工程、品質管理を製造企業において調査、いわゆる製造の履歴であるとか品質管理等も調査をしておるわけでありますが、現時点では原因を特定できるような問題点は認められなかったということでございますが、さらにこれは今後、技術評価部会からの指摘もございますので、そこにはまだグラファイトの使っていない残材も残っておりますから、そういうものをさらに詳細に調査、あるいは製造工程の追加調査、設計精度の分析等を行ってこの結果を待つ、こういうことになっておるわけでございます。
 委員の御指摘がございました日産につきましては、これまでの実績を踏まえて、少なくとも九年、十年これまでの設計に基づきまして成功を来してきた、この自信を持って臨んだわけでございまして、そのリストラ等々がこういうことに及んだんではないかという新聞紙上でのお話等御指摘がございました。そういう指摘があることは現時点ではやむを得ない御指摘かと思いますが、少なくとも技術陣としては自信作、これまでの実績を踏まえて日産にお願いをした、このように伺っておるわけであります。
#34
○林紀子君 また、新聞紙上ではこういう論評もなされているわけです。
 これはHUAについてなんですけれども、コスト削減、スケジュール厳守が至上命令、限られた現場の人員で無理をするから品質管理の水準はいや応なく下がるという指摘もされているわけです。
 私は、これはミューXと直接関係ある日産の職場ではありませんけれども、日産のリストラというのがどういうものかということを日産の労働者からもお話を聞いたんですけれども、例えばこのように、それは車の場合もそうなんでしょうけれども、限られた現場の人員でスケジュール厳守の至上命令がやってくる。しかし、今まではそれぞれの職場に本当に長い間技術を蓄えた経験豊かな人がいて、職場の神様と言われていて、幾らスケジュールでこれでやれと言われても、例えば雨が降るような日の戸外で溶接をしなくちゃいけないような作業なんというのがあった場合、そんなことをしたら品質が低下してオシャカになるのは当たり前なんだから、幾ら時間厳守、スケジュール厳守を言われても、それは無理だということをちゃんとその事実も示しながら命令をした人たちに返していく、そういうことで品質管理が守られていたのに、今度のこのリストラということで、そういう本当に職場の技術者の中心となる人たちがみんな外に出されてしまう、その職場にはいなくなってしまう、やめさせられた人もいるんだと思うんですけれども。そういうことで本当に品質管理ががたがただ、こういう実情なんだということなんです。
 先ほど斉藤政務次官は、宇宙開発事業団の組織、体制のみならず、産業界の製造現場における品質保証、検査等のあり方にも踏み込んで信頼性確保の方策について検討していくということですけれども、その踏み込んだ検討というのは、こういう職場の働き方についても本当に踏み込んで考えていくのか、踏み込んでという意味はどういうことなのかというのをぜひお聞かせいただきたいと思います。
#35
○政務次官(斉藤鉄夫君) 製造現場の品質管理のあり方にまで踏み込んで調査をするということでございます。
 昨年、ものづくり基盤技術振興基本法案、皆様の御賛同を得て通過させていただきましたが、そのときの議論にも、現場を支えている技能レベルが大変今、昔に比べて落ちてきている、今の日本の科学技術の根底を支えている部分のレベルダウンが問題ではないかという議論もさせていただきました。まさに今、林委員おっしゃった問題意識だと思います。そういう問題意識を持って原因調査もしております。
#36
○林紀子君 そういう話ですと、むちゃくちゃに現場のことも考えないで、仕事の中身も考えないでリストラをやっていくような企業にはもうお任せできないという結論にもなることかと思いますけれども、その辺も含めて十分御検討、論議をいただきたいというふうに思うわけです。
 最後にお聞きしたいことは、これは中曽根大臣も記者会見をなさったということでまた今お話ありましたけれども、文部省の宇宙科学研究所、科学技術庁の航空宇宙技術研究所、そして宇宙開発事業団の三機関が一緒になって協議会を設けると。それに科学技術庁の研究開発局長と文部省の学術国際局長も加わるというお話があって、協議会を設けて検討をしていく、原因を探っていく、徹底究明をしていく、それから今後のあり方も考えるということだと思うわけなんです。
 私は、そこで一つどうしても申し上げたいのは、これは大学なんかでもよく言われるところですけれども、実用化になるところは大変優遇をされる。NASAの十分の一の開発研究費と言いましたけれども、科学技術庁に比べて文部省の方はまた十分の一の予算なわけですよね。そういう意味では、やはり基礎研究があってこそ実用化というのにも大きく貢献するし、花開くと。こういうところが一緒になっちゃうと、どうしても基礎研究の部分というのが非常に肩身が狭くなって、実際はそれが縮小されていくということがあるんじゃないか。
 文部大臣は衆議院の質問には、これらの組織は目的、性格、生い立ちが違うということもおっしゃっておりましたから、基礎研究を縮小していってしまうというのはこれから大きく花開く宇宙の問題に一番マイナスになることだと思いますので、その辺は本当は大臣に伺わないと、二人にそれぞれというのもあれかなと思ったんですが、きょうはいらしていただいておりませんので、お二人にそれぞれ伺っておきたいと思います。
#37
○政務次官(河村建夫君) 御指摘は重要な視点であるというふうに思います。
 これから日本が科学技術創造立国で生きていく一つの大きな目標を立てるという段階では、まず基礎研究といいますか、いわゆるすそ野の広い基礎研究の上に立って、そして最高のまさに針の穴を一本通すような高い技術が生まれてくる、そういうふうに私も理解をいたしております。
 今御指摘のように、これから一つの文部科学省ということになってまいります。当然、予算等々の問題もあるわけでございますが、大臣もそういうことでこれまで基礎研究の重要性についてはあらゆる面で申し上げてきていると思いますが、さらに私どももそういう視点に立ってこれからの文部科学省の予算等々については十分な配慮をしていかなきゃいかぬ、このように思っております。
#38
○政務次官(斉藤鉄夫君) 平成七年に全党で科学技術基本法を成立させていただきました。その基本精神は、基礎技術に力を注いでいくと。これまでの日本はどちらかというと民間の応用研究に力が入ってきた、それを国が先導して基礎研究に力を入れていく、これが科学技術基本法の基本精神でございました。この基本精神にのっとって科学技術基本計画を今実行しております。そういう意味で、林委員のおっしゃいました基礎研究をおろそかにするなということは大臣も所信でおっしゃっておりますし、その方向で一生懸命頑張っていきたいと思っております。
#39
○日下部禧代子君 社民党の日下部禧代子でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 昨年のHUロケットに続きまして、今回のミューXロケットの打ち上げが失敗に終わったということは非常に残念でございます。この際、徹底的に事故原因の究明、そして宇宙開発体制に対する再構築をきちっとすべきだということをまず最初に申し上げておきたいと思います。
 ところで、平成十年四月二十七日に、総務庁の行政監察局から「宇宙開発に関する行政監察結果報告書」というのが出されております。
 それによりますと、我が国の宇宙関係予算は年々増加してきたが、厳しい財政状況の中で宇宙開発に要する経費等は極力抑制することとされというふうに、先ほど日本の宇宙開発に関する予算というのはアメリカの十分の一で少ないということが議題になりましたけれども、この行政監察結果はそれと相矛盾するようなことを指摘しております。
 特に、今回失敗に終わりましたミューXロケットに関しましては、ミューXロケットの価格は約七十二億円、宇宙開発事業団が開発中の人工衛星打ち上げ用のHUAロケットの見込み価格八十五億円以下に比べて相対的に高価であるというふうに述べまして、そして勧告として、三つの勧告を文部省に対してしております。
 一、M―Xロケットの開発について、宇宙開発事業団との連携を図ることなどにより、ロケット価格の低減化方策を策定し、その価格の低減化に努めること。
 二、科学衛星のH―UAロケットによる打上げを積極的に検討すること。
 三、M―Xロケットの開発状況、我が国の宇宙開発体制を取り巻く情勢の変化等を踏まえ、宇宙科学研究所の組織・体制の在り方について検討すること。
と、三つの勧告が出されております。
 これに対しまして文部省は、まずどのようにこの勧告を受けとめられたのか。二番目に、どのように対応なさったのか。その中に、勧告に基づいてコストダウンというものが図られたのか。その次に、今回の打ち上げ失敗というのは、このコストダウン、もしなされるとすれば、それと関係があるというふうに考えていらっしゃるか。まずこの三点についてお伺いいたします。
#40
○政務次官(河村建夫君) 今御指摘がございました三点については、文部省もこれを受けとめさせていただいて、部内におきましてこの三点の指摘をどのように受けとめていくかということで、これからの対策の中に含めておるわけでございます。
 これは、これまでの実績をもとにして積算をし、要求をし、予算を獲得してきたものでありますが、そのコスト削減については当然留意しなければいけないことでございます。これまではそういうことでやってきたわけでありますが、今後このロケット打ち上げをやっていく上でだんだん研究開発するわけでございますので、そういう意味で価格の低減という視点を持ってこれからの研究開発を進めていくということになろうというふうに思っておるわけでございまして、即それによってすぐ下げるところがあるかと言われた場合に、これまで目いっぱいの形でやってきておるわけでございますから、それによって即この部分はむだであった、そういうことはあり得ないわけでございます。しかし、実績を積む、回を重ねるごとに研究開発、改良されていくものでございますから、当然、価格低減ということを視点に置けばそれは可能であろうというのが省内の研究グループの基本的な考え方になっておりまして、そのような形で進めていこうというふうに思っております。
 なお、それによって今回の失敗が起きたのではないかという御指摘でございますが、これは何度も申し上げますように、九年、十年の実績をもとにして自信を持ってやってきたわけでございます。また、予算もそれに応じてつけていただいて実行したものでありますから、リストラ等々に基づいた、その結果によってこれが生まれたというふうには考えておりません。
#41
○日下部禧代子君 科技庁の方は、コストダウンの問題について、この行政監察は文部省だけではなく科技庁に対しても勧告がなされておりますけれども、どのように受けとめていらっしゃいますか。
#42
○政務次官(斉藤鉄夫君) 日本のロケット打ち上げはコストが高くかかり過ぎるという、世界的に見てそのような評価を受けております。したがいまして、HUロケットを世界的なコストにするためにHUAロケットへステップアップしよう、コストを半分にしようということで今努力をしております。そうしないと、ある意味で打ち上げビジネスに参入できない、ここを研究開発目標としているわけでございまして、コストダウンそのものが研究開発目標でございます。
 したがいまして、このコストダウンを図ったこと自体が今回のロケットの打ち上げ失敗ということでは決してございません。むだな部分、コストダウンを図りながら研究開発を進めていく、これは先ほど河村政務次官がおっしゃったのと同じ姿勢で科学技術庁としても取り組んでおります。
#43
○日下部禧代子君 今、リストラとかコストダウンということが何か正義の御旗のように言われておりますけれども、コストダウンということの意味というのはかなりいろいろなことがあるんだろうというふうに私は思うんです。したがって、効率的ということの意味もかなりさまざまな要因、さまざまな意義があるというふうに思います。したがいまして、どのようにこの勧告を受けとめていくのかということは、これから論議をきちっと深めていただきたいというふうに思います。
 それで、もう一点お伺いいたしますが、科学技術基本法が制定されておりますし、それに基づきまして科学技術基本計画が今実行されつつあります。それによって科学技術振興に関する予算というものも非常にふえていっているというふうに思います。目標値十七兆円でございますか、それも今年度予算で達成間近というふうに言うことができると思うんです。そして、日本は科学技術創造立国を目指すということが、二十一世紀の我が国の大きな国家目標とされております。
 しかしながら、今回の相次ぐロケットの打ち上げ失敗、昨年の東海村の臨界事故、それから新幹線トンネルのコンクリート落下問題というふうに、非常に我が国の科学技術の水準を問うようなさまざまな問題や事故が出てきております。そしてまた、子供たちの理科離れということも非常にこれは問題視されております。
 そういう中で、やはり私は、我が国の科学技術の現状を踏まえて、今後の科学技術のあり方、あるいはまた教育のあり方ということに関しても考え直さなきゃならない、そういう問題点がいっぱいあるんじゃないかなというふうに思うわけでございます。この点につきまして文部省そして科学技術庁のお考えをいただきまして、私の時間が多分なくなると思いますので、よろしくお願いいたします。
#44
○政務次官(河村建夫君) 御指摘のように、日本は科学技術創造立国を目指す、やはり知的創造力の拡大というのは日本にとって大きな一つの力になっておるわけでございますので、今御指摘のように、学校における理科教育の充実が極めて重要な課題であるというふうに認識をしております。
 御指摘のように、最近統計等をとりますと、理科離れということが指摘をされておるわけでございます。これまでの調査等によりますと、国際理科教育調査というのがあるのでありますが、成績は日本は最高レベルにあるわけでございます。しかし、理科が好きとか、あるいは将来科学を扱う仕事がしたいとか、理科の勉強が楽しいか、こういうことになりますと国際平均値を下回っている、こういう指摘もあるわけでございまして、これをこのまま放置するわけにいかないというふうに考えております。
 ただ、これからの考え方としては、やはりどうしても受験本位の詰め込みの中で物理や化学が嫌いになったというようなことも指摘をされておりますので、もっと青少年、子供たち、児童生徒に知的好奇心を高めていく、あるいは問題解決能力をつくっていく、このように学習のあり方というものを今後変えていかなきゃならない。総合的な学習の時間というものも創設されるわけでございます。その中で観察、実験、自然体験等々、そしてみずから問題を考え解決していく、そういう能力を高めるように努めながら、今後とも文部省としても、子供たちが理科を楽しく学んで将来の生活等にも生かしていく、このような理科教育の充実に努めていかなきゃならぬ、御指摘を踏まえてそのように考えておるわけであります。
#45
○政務次官(斉藤鉄夫君) 最近、一見相矛盾する二つの現象が起きているような気がいたします。一つは、科学技術基本法が成立し、科学技術の基礎研究にお金が投入されるようになったということで第一線の研究機関が大変活性化しておりまして、例えばイギリスの「ネイチャー」に日本人投稿者が載る、その数は今急激にふえてきております。第一線の最先端技術、この部分は大変活性化している。
 ところが、その反面、先ほど日下部委員がおっしゃいましたように、ジェー・シー・オーの事故、今回の二つのロケットの原因も非常に基本的なところではないかと今のところ目されております。また、トンネルのコンクリート剥離、こういう現象が多発している。一見、科学技術にお金をつぎ込みながら、二つの現象が起きているわけでございます。
 私は、ある意味で非常に根本的な社会的な構造変化がこの二つの現象の底に潜んでいる、このように思います。それは、現場を重視しない、技能を重視しない、そういう社会的な風潮であり、雰囲気だと思っております。そういうものをもう一度根底から見直さない限り、この二分化の現象は進んでいくのではないか。
 そういう意味で今、科学技術庁の中では大臣のイニシアチブによりまして、現場の科学技術に光を当てるその政策をもう一度考え直そうということで、大臣が私的諮問機関をつくられまして今鋭意研究努力をしているところでございまして、この結果もまとまりましたら御報告させていただき、一緒に議論をさせていただきたい、このように思っております。
#46
○扇千景君 きょうは、一月二十日にこの国会が始まって初めての委員会でございます。やっと開かれたという感をぬぐえません。
 私は、まず冒頭に質問に立ちましたときには、東海村の核燃料加工施設、いわゆるジェー・シー・オーのあの事故によって、昨年十二月二十一日に、事故から八十三日目に大内久さんという貴重な若者の命を奪うことになりました。三十五歳でございました。私は、初めての委員会ですから大臣が御出席になって、御本人の冥福を祈るとともに、残された御家族に心から哀悼の意を申し上げたい、まず冒頭に申し上げておきます。
 大臣が委員会に御出席になる、きのうの理事懇ではそういう予定でございました。ですから、きょうの議題になっておりますロケット打ち上げの結果に対する質疑ではございますけれども、このロケット打ち上げの失敗も、原因の究明を含めて、私が今申し上げた、少なくともジェー・シー・オーの原因も解明しなければ、事故というものはどこにでもあるんですけれども、その事故究明をいかにするかということが、すべての科学技術も含めて、政務次官が先ほど同僚委員の質問にトンネルの落下事故の話もなさいましたけれども、欠落の話もなさいましたけれども、きょうはロケットに関する質疑とはなっておりますけれども、私は基本的には大臣の御出席がなければならないものと思っております。
 ところが、大臣が御出席になれば所信を聞くのは反対だという政党がございます。国会が開会して一カ月余になるのに大臣の所信も聞かない。きょう聞こうと言ったら、いや、参議院の予算委員会の総括が済んでからでないと大臣の所信は聞かない。それまで国会議員は委員会を参議院は開かないんですか。しかも、文教関係で著作権の参議院先議も二本来ることに、一生懸命衆議院と話し合っているんです。にもかかわらず、この委員会は大臣の所信を聞くまでは一切開かさないという。サボタージュでございます。
 そういうことが国民の前に公にされないで理事懇だけであやふやになってしまって、一カ月もたって委員会も開かないし、しかも、HUロケットというのは昨年の十一月十五日のことでございました。それが今初めてこうして委員会の議題にのる。しかも死者まで出したこの事故に関しても、やっと今私が残念ながら委員会で哀悼の意を表さなきゃならないというような、国会が始まって一カ月間、私たち参議院は何をしていたんでしょうか。
 そういう意味から含めまして、少なくともきょうも本来であれば大臣はお体があくはずでございます。また、今ごろもう終わっているかもしれません。それは、きのう大臣が御出席だと聞いておりましたけれども、きょう衆議院の予算委員会が朝十時から夜六時まで行われます。けれども、きょうは大臣を要求しているのは、ちょうど私どもがこの委員会を一時から開くと決めたその後に、衆議院のきょう一時から三時間二十五分の民主党さんの質問の中に科学技術庁長官の出席要求をしたんです。そうなれば、私たちは衆参でけんかしているわけじゃないんですから、衆議院で一時に民主党さんがお呼びになれば、民主党さん三人も質問にお立ちになるんですから、少しずらしていただいて、この委員会にたとえ一時間おくらせてでも大臣は御出席は可能だったはずでございます。
 それほど私どもは、この参議院の委員会の開催の事実というものを国民の前にはっきりと申し上げたいと思うし、大臣の所信は、参議院の予算委員会の総括が終わるまでは聞きたくないし、委員会も開くのは、質疑するのは反対だみたいなことでは、私は参議院の前途は真っ暗で参議院無用論が出るのもむべなるかなという意見を言わざるを得ません。
 きょうはそういう日でございますので、残念ながら大臣が御出席ではございませんけれども、私が先ほど申しましたようなジェー・シー・オーの事故の原因というものも究明しなければ、すべてのHUロケットであろうとかミューXの事故の原因というものも、これは時間がたたなければわからないことでございます。ですから、私はその体制について今時間を割いて言う時間はございません。
 けれども、少なくとも私は、我が国の科学技術政策の中の宇宙開発というものに対する世界の注目度、また、今国民の意識が低いから事故が起きるみたいなことは、そんなことは絶対ございませんで、私どもは宇宙にかける夢というものは国民すべからく持っていると思いますし、資源のない日本が今度宇宙ステーションも計画しております。そこで我々人間が想像できないようなものが宇宙の中で新しい未来の第三の世界というものの扉を開く、そういう意味では、私は今後の宇宙開発というものに大変まだ夢を持っていますし、日本はそうせざるを得ない状況にあろうと思います。
 ですから、少なくとも私が心配しておりますのは、今度のこういう事故があるからということで宇宙開発の日本の腰が引けないか。それではいけないんだと。一つ失敗したら次の予算を削って、ここはだめよ、それでは第二の進歩、第二歩目は行けません。一歩出たからには次の二歩、三歩が出なければ成功しない。最初から成功するんだったらどの国もやっています。そういう成功しない部分があるからこそ、私どもは大事にしなければいけないと思いますので、どうぞそういう意味では、私はぜひ失敗にくじけることなく世界に冠たる宇宙開発の研究を進めるべきであるということを声を大にして申し上げたいと思いますし、私は、日本のロケット開発によって、日本のロケットで物を上げてくださいというような外国からのオファーもあるような、そういう宇宙開発事業に邁進しなければならないということも第二点目として申し上げておきたいと思います。
 それから、時間がきょうはございませんから一気に申し上げます。
 先ほど同僚議員から新しい機構に関してお話ございました。きのう科学技術庁長官、いわゆる文部大臣が三機関の共同の機関を設置して協議会でするというお話を伺いました。私は御注意申し上げておきたいと思います。それは、行政改革によって国のあり方、行政のあり方を全部改革しようといって通した法案によってこれからいろんな部署が新しくなります。けれども、これから例えば原子力一つとってみても、安全については新しい内閣府、経済産業省で所管することになります。技術については文部科学省でございます。完全に分割の管轄になるわけでございます。また、内閣府の中で総合科学技術会議、それができるんですね。これは内閣府でございます。そしてまた、総合科学技術政策部門というのもできるんです。
 私は、せっかく科学技術庁と文部省が統括されて一本になるから、これはむだがなくなるし、知恵も二つを足せばもっと三倍にも四倍にも、四乗にもなる、三乗にもなるという期待を抱いているんですけれども、編成することによって新たに分散されてしまっては、きのう発表になったこの三機関の協議会というものも意味をなさないんじゃないか。特に私は、この三機関の協議会ができることによっては、次の省庁再編に向けての大いなる勉強にしていただきたい、そのように申し上げておきたいと思います。
 少なくとも、すべての監視機構というものの充実が最重要課題であるというのは当然のことなんです。きょうは時間がありませんから次回に譲りますけれども、今ある原子力委員会のあり方、少なくとも私は、このジェー・シー・オーの責任問題に関しても、原子力委員会の果たせる役割と、そして責任と、今後の科学技術に関するあるいは原子力関係に関する重要な課題をどう決定していくのかということも今後の時間に追及していきたいと思いますので、私が今申し上げたことにお答えがあってもなくても結構でございますけれども、もしもお答えがいただければ幸いです。
#47
○政務次官(河村建夫君) 大変な御激励をいただいたと受けとめさせていただきますが、一言だけ、それでは私からも所信を申し上げたいと思います。
 残念ながら失敗が続きました。しかし、これにめげてはならぬという思いがございます。特に今、毛利さんが宇宙で活躍している状況、恐らく子供たちにも大きな夢を駆り立てておると思います。あのアメリカでさえ、かつてチャレンジャーで我々の目前で死んでいった。あれからしかし、とうとい犠牲の上に立って、アメリカのこの宇宙開発にかける熱意というのは一段と力強くなった、またその攻勢はすごいものがあるというふうに聞いております。我々はそれを学ばなきゃならぬのではないか。今の御指摘を伺いながら、そういう思いでおるわけでございます。
 それから、今回もああいう形で科学技術庁それから文部省、我々の方が事務局になりまして、三つの機関が一緒に共同開発体制をつくっていこうとしております。しかしこれは、いわゆる科学技術面でありますが、いわゆる宇宙産業開発という視点も必要になってくるので、お役所仕事ではありますが、縦割り行政と言われますが、通産省の産業に対する考え方、そういうものも広く考えていく必要が私はこの中にあるのではないかという思いもいたしておるところでございます。当然、二〇〇一年からの行政改革によりまして、それによって科学技術が後退するということがあっては意味がございません。これによって、おっしゃるとおり二倍、三倍、四倍、二乗倍になるように最大の努力をしていかなきゃいかぬと強く感じておるわけであります。ありがとうございました。
#48
○政務次官(斉藤鉄夫君) 扇委員からジェー・シー・オーの事故について言及がございました。科学技術庁はジェー・シー・オーの事故を本当に深刻に受けとめております。これまでの原子力行政、また安全規制のあり方について今抜本的に見直していかなくてはならない、反省すべきところは反省し、改革をしていかなければならない、このように深く決意をしているところでございます。今後とも、御指導いただきながら国民に信頼される原子力となるように頑張っていきたいと思っております。
#49
○扇千景君 今、各政務次官がお答えになりましたように、先ほども同僚議員から今宇宙を飛んでいる毛利さんの話もございました。私は、成功したときよりも失敗したときの方が大事だと思いまして、オニヅカ宇宙飛行士というのを覚えていらっしゃいますでしょうか。あえなく爆発をして命を失いました。それで、アメリカのハワイ島にオニヅカ宇宙飛行士の研究所、思い出の記念館がございます。私は、大体成功しているときより失敗しているときの方が注目しなきゃいけないので、オニヅカさんの記念館にも行ってまいりました。
 私は、あそこを見たときに胸がいっぱいになりました。それは、彼は日系人ですけれども、少なくとも今の毛利さんのように、はたまた次の宇宙飛行士も日本から出るようでございますし、私たち女性の誇りであります向井千秋さんも含めまして、失敗があるかもしれない。私は、どんなに人間すばらしい境地に達していても、やっぱり打ち上げられるときは御本人に不安が皆無だとは思えないんですね。にもかかわらず、果敢に宇宙に飛び立っていってくれるそれらの人たちの勇気をたたえたいと思いますし、その中に日本人がいるということを我々は胸を張って、私たちはそれに向かって声援を送りたいと思います。
 ですから、失敗は成功のもとというんですから、どうか科学技術庁も文部省も元気を出して、我々日本人が成功した人たちの夢をまた子供たちが追うように、そういう意味を含めて私はぜひこういう機会を多くしてほしいと思いますので、最後にもう一度委員長に、少なくとも国会が開会して一カ月以上、大臣を早く呼んで所信を聞いて本来の正常な質問時間をいただけることを望んで、質問を終わります。
#50
○委員長(佐藤泰三君) 本件に対する質疑はこの程度といたします。
    ─────────────
#51
○委員長(佐藤泰三君) 次に、先般本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。石田美栄君。
#52
○石田美栄君 一月十七日から十八日までの二日間、兵庫県、岡山県に委員派遣が行われましたので、その調査の概要を御報告申し上げます。
 派遣委員は、佐藤委員長、阿南委員、有馬委員、仲道委員、長谷川委員、大森委員、林委員、そして私、石田でございます。
 一日目は、まず大型放射光施設SPring8を訪問いたしました。
 大型放射光施設SPring8は、兵庫県が開発を進める同県西播磨テクノポリスの播磨科学公園都市内北部に位置します。同都市内には、ほかに兵庫県立姫路工業大学、民間企業の研究所など、次世代の科学技術を担う研究機関が相次いで設立されております。
 同施設は、日本国内はもとより世界じゅうの研究者にも広く開かれた共同利用施設として科学技術庁が企画し、平成三年から日本原子力研究所と理化学研究所が共同で建設を開始し、平成九年十月に完成し、運転を開始いたしました。同施設の運営は、SPring8の共同利用の促進のため、特定放射光施設の共用の促進に関する法律に基づき、放射光利用研究促進機構に指定された財団法人高輝度光科学研究センターが行っております。
 同施設は、電子ビームの加速エネルギー八十ギガ電子ボルトの加速器を有し、世界で最も高いエネルギーを有する放射光を発生させることができる世界最高性能の放射光施設であり、発生した放射光を、物質の分析、反応、解析などのための手段として、材料科学、地球科学、生命科学、医療等の幅広い分野の研究へ活用しております。
 まず、同施設に向かう途上において、以上のような概要説明を高輝度光科学研究センターの関係者から聴取するとともに、兵庫県関係者から播磨科学公園都市の概要、及び同都市内に県が設置する県立姫路工大附属高等学校について説明を受けました。
 現地に到着し、同施設の設備は世界の他の大型放射光施設と比べて最も高い電子エネルギーを有する放射光が発生するが、エネルギーが高いほど波長が短く、輝度の高い放射光が発生するため、より小さいものを見ることができるとの説明を受けた後、主要施設である蓄積リング、放射光を取り出して実験を行う実験ハッチ内部、研究をバックアップする研究交流施設及び医学利用実験施設等の周辺施設の外観を視察することにより、基礎研究の最先端の現場に触れることができました。
 同施設を出発した後、文化財保護法に基づく国の史跡として指定されております赤穂城址を視察いたしました。同史跡は、明治維新の際にそのほとんどが取り壊されましたが、今後は計画的に整備が図られようとしているとのことであります。
 二日目は、まず岡山県庁を訪問し、県の教育概要、岡山市立後楽館中学校・高等学校、岡山後楽園及び岡山県立博物館等について説明を受けました。
 岡山県の教育行政は、古くから吉備文化と言いならわされるすぐれた文化を持つ同県の伝統や独自性を踏まえ、生涯にわたって心豊かにたくましく生きていく力を持つとともに、豊かで活力ある社会を築き、支えていく意欲と実践力を備えた人材の育成を図るため、昨年度策定された「おかやま教育ビジョン」に基づき、総合的に計画を推進しているとのことであります。
 次に、岡山市立後楽館中学校・高等学校を訪問いたしました。同校は、平成十一年四月に、市内の二高等学校を統合して一つの高校とし、併設された中学校との間で中高一貫教育を目指して設置されたものであります。中学校は、各学年二学級から成り、生徒数は一学年八十名を募集しております。高等学校は、各学年二学級から成る単位制総合学科であり、生徒数は一学年百六十名を募集しておりますが、そのうちの半数を併設された中学校から選抜なしで募集し、残りの半数を他から選抜により募集しております。
 また、習熟度に応じた学習を実施するとともに、主体的な教科等の選択を重視する教育を行うことにより、生徒のゆとりと意欲的な学校生活を実現し、豊かな人間性や自立心をはぐくむことを目的としています。
 同校は、平成十一年四月に全国初の公立併設型の中高一貫校として開校しましたが、六年間教育のゆとりや自主学習の尊重などが魅力となって、新しい学校への取り組みとして県内の各方面から大きな期待が寄せられているとのことであります。
 さらに、不登校児受け入れのため中学入学定員の一割を特別枠としていますが、習熟度別学習によるゆとりのある授業の実施等により、かつての不登校児の大部分が入学後は学校に通うようになったとのことであります。
 同校において以上のような説明を受けた後、外国語の選択教科のうち、生徒同士が英語でインタビューを行う中学校一年生の英語の授業を参観し、生徒の自主性を重んじた授業風景を視察いたしました。
 次に、岡山県立博物館を訪問いたしました。同館は岡山後楽園の正面に位置し、原始・古代から近世に至るまでの文化遺産を収集保存し、長く後世に伝えるとともに、その代表的なものを展観するための歴史博物館であり、県政百年の記念事業の一環として昭和四十六年に開館しました。
 吉備国として栄えた岡山の考古、美術工芸、古文書、民俗資料、備前焼、備前刀などを収蔵し、岡山の歴史と文化の流れを時代ごとに順を追って展示しており、中国・四国地方では唯一の国宝、重要文化財の展示場であるとのことであります。
 同館においては、国宝二点及び閑谷焼等の貴重な文化財を見学し、かつて吉備国と呼ばれ、いにしえより文化が花開いた岡山の歴史、文化に触れることができました。
 次に、岡山後楽園を訪問いたしました。日本三名園の一つとして数えられている岡山後楽園は、一七〇〇年に完成した大名庭園であり、昭和二十七年に文化財保護法による特別名勝に指定されました。
 同庭園は面積約十三ヘクタールで、岡山城を借景とし、池、細流、築山などが敷地一面の芝生に配された林泉回遊式の庭園であります。ことしで築庭三百年を迎えるため、「おかやま後楽園三百年祭」として、ことし一年間、四季折々に多彩な行事を開催することになっているとのことであります。
 同庭園を視察し、我が国の歴史と伝統に輝くすぐれた文化を身近に感じました。
 以上で報告を終わりますが、関係の皆様方に大変お世話になりましたことに対し、この場をおかりいたしまして厚く御礼申し上げます。
 以上でございます。
#53
○委員長(佐藤泰三君) 以上をもちまして派遣委員の報告は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時三十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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