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2000/04/18 第147回国会 参議院 参議院会議録情報 第147回国会 文教・科学委員会 第11号
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2000/04/18 第147回国会 参議院

参議院会議録情報 第147回国会 文教・科学委員会 第11号

#1
第147回国会 文教・科学委員会 第11号
平成十二年四月十八日(火曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十四日
    辞任         補欠選任
     井上 美代君     畑野 君枝君
 四月十七日
    辞任         補欠選任
     田名部匡省君     松岡滿壽男君
 四月十八日
    辞任         補欠選任
     亀井 郁夫君     岸  宏一君
     畑野 君枝君     筆坂 秀世君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         佐藤 泰三君
    理 事
                岩瀬 良三君
                野間  赳君
                石田 美栄君
                松 あきら君
               日下部禧代子君
    委 員
                阿南 一成君
                有馬 朗人君
                井上  裕君
                扇  千景君
                亀井 郁夫君
                仲道 俊哉君
                長谷川道郎君
                江本 孟紀君
                小宮山洋子君
                本岡 昭次君
                福本 潤一君
                畑野 君枝君
                林  紀子君
                菅野  壽君
                松岡滿壽男君
   国務大臣
       文部大臣
       国務大臣
       (科学技術庁長
       官)       中曽根弘文君
   政務次官
       文部政務次官   河村 建夫君
       科学技術政務次
       官        斉藤 鉄夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        巻端 俊兒君
   政府参考人
       科学技術庁科学
       技術振興局長   越智 謙二君
       科学技術庁研究
       開発局長     池田  要君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○技術士法の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○教育公務員特例法等の一部を改正する法律案(
 内閣提出、衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(佐藤泰三君) ただいまから文教・科学委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十四日、井上美代君が委員を辞任され、その補欠として畑野君枝君が選任されました。
 また、昨日、田名部匡省君が委員を辞任され、その補欠として松岡滿壽男君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(佐藤泰三君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 技術士法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に科学技術庁科学技術振興局長越智謙二君及び科学技術庁研究開発局長池田要君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(佐藤泰三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(佐藤泰三君) 技術士法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○岩瀬良三君 自由民主党の岩瀬でございます。
 きょうは技術士法の御質疑をいたすわけですが、それに先立ちまして、大臣としてこの間、主要国の首脳会議というような大事なお役目をされましたので、その点について一、二御質問させていただきたいというふうに思うわけでございます。
 教育省の主要国の長がお集まりになったということは、もうそれだけでも一つの意義あることと考えておるわけでございますが、一日、二日といろいろ会議が行われ、またフォーラムが沖縄で行われたわけでございます。このホスト役を務められました大臣の所感についてまず伺いたいと思います。
#7
○国務大臣(中曽根弘文君) 今お話しございましたように、四月一日、二日、東京におきましてG8のいわゆる教育大臣会合を開催いたしました。これは、昨年のケルン・サミットで教育の問題が初めて議題として取り上げられまして、それのフォローアップとして開かれたものでございますけれども、G8の各国の教育大臣に加えまして、EUの代表、OECDの代表、またユネスコの代表の方にも御参加をいただきました。
 こういう会合は今回が初めてのものでございますけれども、沖縄サミットを控えまして日本でこういう会合を開催できたということは大変意義があるものと思っておりますし、また光栄に思っております。各国代表の皆さんから大変幅広い、また忌憚のない活発な議論が行われまして、その結果を議長サマリーとしてまとめたところでございます。また、東京会合に引き続きまして、四月三日には沖縄で県民の皆さんも交えてフォーラムを開催いたしました。
 このように、夏のG8のサミットを前にして、沖縄におきまして、また東京におきまして、こういう教育大臣が一堂に会して教育の問題を議論するということは大変意義があるものであったと思っております。
#8
○岩瀬良三君 大臣には、過般、今まで交流できなかった歴史的な会議を韓国の方ともなされたわけでございまして、本委員会には大臣経験者がお二人そろっているわけでございますけれども、新しい展開を進められているんだなというふうに思うわけでございます。
 そういう中で、最後に議長総括がなされておるわけでございまして、情報教育と申しますか、情報関係について非常な時間を総括の中でも割いておられるんだろうと思うわけでございますし、また交流の点にも総括がなされておるわけでございますが、これらにつきまして各国の意見と申しましょうか考え方、そういうものはいかがでございましょうか。
#9
○国務大臣(中曽根弘文君) 御承知のとおり、各国とも教育の問題はそれぞれの国におきまして大変重要課題の一つとして位置づけられております。日本におきましては、御案内のとおり、森現総理におきましても教育改革に全力で取り組むということで、教育改革国民会議が今議論しているところでございます。
 このG8の先日の会議では、大きく分けて四つのテーマについて話し合いが行われました。一つは、変容する社会における教育面での挑戦というようなことでございまして、これはモラルの問題とか学力低下の問題とか、あるいは弱者をどういうふうに救済するか、あるいは教員の資質の向上の問題とか、そういうものが話し合われました。それから第二点目は、生涯学習、それから遠隔教育についての議論でございます。それから第三点は、教育革新と情報通信技術、いわゆるICTですけれども、これについて幅広い意見の交換が行われました。そして四番目は、学生とか教員とか、あるいは研究者とか行政官の国際交流の促進。大きく分けますとこういうテーマで会議が行われたわけであります。
 議長サマリーにおきましては、教育全般に関する今後の施策の推進、それから国際協力上の方向性等について参加国間で認識の一致を見ました。特に、今おっしゃいましたようなこれからの情報通信時代におきましては、デジタル・ディバイドという問題を各国とも大変に重要視しておりまして、こういう問題、それから今申し上げました研究者や学生の交流の規模の拡大、こういうものも多くの時間を割いて議論がされました。
 今後、各国が教育政策を進めるに当たりましては、この議長サマリーで指摘されていますように、OECDとかユネスコとかいろいろな機関がありますから、そういう機関とも協力しながら実効性が上がるようにやっていきましょう、そういうようなことでございました。
#10
○岩瀬良三君 新聞等の報道で見ますと、日本としては、いじめとか不登校とか、心の教育と申しましょうか、そういうようなものの討議を期待していたやにも報道されているんですが、これらの点では各国の反応はいかがでございましたでしょうか。
#11
○国務大臣(中曽根弘文君) こういういじめとか不登校、欠席あるいは非行、学力低下等は各国とも共通の課題であります。ただ、程度の差とか実情はそれぞれまたお国によって違うわけでありますが、子供たちを取り巻くさまざまな問題を多く抱えていて、そしてまたそれらも大きく変化しているということが認識されたわけであります。
 それから、今申し上げましたようなことのほかに、例えば、ストレスが随分最近の子供はたまっているんではないかとか、そういうようなことも確認されたわけでありますが、倫理的な態度の育成とか、それからよき市民意識、こういうものの涵養の重要性なども含めまして子供たちの健全な育成につきましては、同じような取り組み姿勢で前向きに今後も挑戦をしていこうということで一致をした次第でございます。
#12
○岩瀬良三君 それでは、もう一問だけ。
 今後こういう会合を継続していこうというようなことが報じられておるわけでございますけれども、非常に結構な話ですが、これは今後どういう形で継続されていくのか、その点、簡単にお教えいただきたいと思います。
#13
○国務大臣(中曽根弘文君) 教育の問題を議論する場といたしましては、現在、OECDとかユネスコとかあるいはAPECとかさまざまな場があるわけでありまして、こういう場を活用していくということが大きな柱であると思います。
 今回のようなG8の教育大臣会合、こういうものを今後も開催するかどうかということについては、先日の会議では、必要に応じて今後とも開催しましょうという結論になりました。
 私といたしましては、例えばEUはEUの中でしょっちゅうこういうような会議をやっているようでございますし、今申し上げたような国際機関もありますけれども、G8及びEU、またOECD、ユネスコの代表等が集まった今回のような会合をやるということは非常に意義があるものと思っておりまして、今後もそういうような必要性があれば時々開催した方がいいと、そういうふうに思っております。
#14
○岩瀬良三君 それじゃ、本日の主題でございます技術士法の方へ入らせていただきたいと存じます。
 まず、試験制度について御質問したいと思いますけれども、科学技術創造立国ということで重要な施策になっておるわけでございまして、優秀な人材を育成するということは今後の日本にとってぜひ必要なことであるし、国際競争にも勝っていかなければならないわけでございます。また、そういう中で、特に若手の技術者にそういう活躍を期待しているわけでございます。
 そういう点で見ますと、この技術士制度でございますけれども、能力証明というようなことでのこの技術士の資格があるわけでございますが、そういう中で、技術士の試験合格者の平均年齢、これが四十数歳というように非常に高く、非常に社会的には活躍されている人ですけれども、私が思うには少し高いんじゃないかと、こういうふうに思うわけでございます。
 それというのも、実務をやって七年間の経験を積んだ後というようなことが一つの原因ではないかというふうに思うわけでございます。
 もちろん、こういう資格でございますので、経験を積んでやるということは大事なことでございますけれども、いろいろなものを見ますと、いろいろなノーベル賞のすばらしい発見とか研究成果をやった者は三十代の方が一番多いんだそうで、そういうようなことも考えますと、三十代でこういう資格を取得して社会的に活躍していただけるのが一番じゃないかというふうに思うわけでございます。そういう中で、若手の技術者が技術士試験をより受験しやすくすることが必要じゃないかと思うんですが、どのような措置を講じておられるのか、その点についてお伺いいたします。
#15
○政務次官(斉藤鉄夫君) 岩瀬委員おっしゃるとおり、日本の技術士の平均合格年齢四十三歳、それに相当する欧米の技術者の合格平均年齢が大体三十二、三歳と、こういう十歳以上の開きがあるわけでございます。そういう意味で、若い優秀な技術者がたくさん受験して合格するようなシステムにすべきだということも今回の改正の一つの観点でございます。
 これまでは技術士になるのに二つの方法、ルートがございまして、一つは七年間の実務経験を積んで直接第二次試験を受けて技術士になるという方法と、第一次試験を受けて技術士補となって、技術士の指導を受けて四年間実務経験を積めば第二次試験を受けられる、こういう二つのルートがございました。
 つまり、技術士補のルートをとれば実務経験を四年に短縮できるという手段があったわけでございますが、現実には、その指導をする技術士そのものが非常に少ないということもございまして、そのルートはほとんど使われませんでした。
 今回の改正におきましては、技術士を持っていなくても、ある一定の要件で優秀な技術者、指導者であると認められた人、これは今後省令で定めるわけでございますけれども、そういう指導者のもとで指導された場合は、その実務経験を四年でいいと、こういう新しい第三のルートを設けたということも今回の一つの改正点でございます。
 まず、こういう形で若い優秀な技術者がどんどん受けていただくように努力をしていきたいと思っております。
#16
○岩瀬良三君 結構なお話だと思うんですけれども、それとともに、ちょっと私は判断に迷うのは、第一次試験を受けて、今度第二次試験をみんな受けるようになるわけでございます。そうすると、今までは第一次試験をやらなくてもいい人もいたわけでございます、経験年数で。そういう中で考えると、これはハードルが高くなったのかなと、こうも思うわけでございます。
 一方、できるだけそういう技術士の資格を持ったたくさんの人が活躍していただきたいということであると、試験の合格者もふやしていく傾向にあるんじゃないかというふうに思うわけでございます。
 そうすると、今回、今までの技術士のレベル、考えられていたレベルというものがちょっと下がる形にもなるのかなと、こうも思うわけでございます。レベル的と申していいのかどうかわかりませんけれども、どちらに振れてきたのか、この試験制度の改正はどうなったのかという点についてはいかがでございましょうか。
#17
○政務次官(斉藤鉄夫君) 結論から申し上げますと、レベルは決して低くならないと、このように考えております。
 厳しくなった点は、先ほど申し上げましたように、必ず第一次試験を受けなければならないとした点でございます。また、その第一次試験の中で、科学技術全般にわたる基礎的学識、新しくそういう科学技術全般について知っておかなければいけないという項目を設けましたし、また、社会的な使命が増大しているということからかんがみて、技術士等の義務の遵守に関する適性ということも含まれました。これが厳しくなる点でございます。
 逆に、先ほど申し上げましたように、一定の優秀な指導者のもとで四年間指導を受ければ第二次試験を、第一次試験の合格者についてでございますが、その実務経験を四年に短縮できるでありますとか、また、一定のエンジニアリング課程を卒業した者については、これは文部科学大臣が定める課程でございますけれども、一次試験を免除できるというふうな項目も設けました。これはある意味では易しくなる方向でございます。
 厳しくなる方と易しくなる方、両方あるわけでございますが、両方のことから受験者も大きくふえる、このように考えておりまして、決してレベルは下がるというふうには思っておりません。
#18
○岩瀬良三君 技術士の権威を維持することも私は大事だろうというふうに思うわけでございます。
 それからもう一つは、今度は技術者教育の点についてお伺いしたいと思うんですけれども、この試験制度、今回こういう形で見直されるわけでございますが、それとともに、大学における技術者教育の充実、これも大事ではないかというふうに思っているわけでございます。ともすれば、大学は出たけれども会社ではすぐ使えないよというような話も聞こえてきたりなんかして、産業界の要望にこたえていない、まだこたえられないのかなという点もあるんじゃないかと思うわけでございます。
 そこで、近年、学協会が中心となって、外部機関による技術者教育認定システム、こういうものの構築の準備が進められているというふうに聞いておるわけでございますけれども、認定システムの概要と申しますか内容と申しましょうか、そういう点についてお願いしたいと思います。
#19
○政務次官(斉藤鉄夫君) 岩瀬委員御指摘のとおり、最近、日本工学教育協会でありますとか、また技術系のいろいろな学協会を中心にいたしまして日本でも、大学ないしは高等専門学校も入るかと思いますけれども、技術者教育システムそのものを評価して認定しようと、こういう動きがございます。
 これは欧米においてはもう既に行われていることでございますけれども、現在考えられておりますのは、日本技術者教育認定機構、JABEEと略称しておりますけれども、この認定機構をつくって、その共通的な基準に基づいて高等教育機関における技術者教育プログラムを評価、認定しようと、こういう動きでございます。
 吉川先生が中心になられて昨年の十一月に設立されたものでございますが、このJABEEによって一定水準の技術的能力を持つ技術者となるための必要な教育を受けているということが保証されるということになれば、このJABEEが認定した課程を修了した者については一次試験を免除する、こういうふうに今考えているところでございます。
#20
○岩瀬良三君 産学一体となったそういう形、大変結構だと思うわけでございます。
 また、アメリカでは、お話を聞きますと、やはりABETというのがあるそうでございまして、それを通った後、プロフェッショナルエンジニアというようなものになって試験を受けているというようなことだろうと思うわけでございます。こういう形で日本も産学一体となっての経験ないし教育、こういうことがなされて優秀な技術者が育っていくということは必要なことだろうというふうに思うわけでございます。
 そこで、この技術者教育と技術士の資格付与とのつながりが問題になってくるんじゃないかと思うわけでございますが、このつながりについてはどのような認識をしておられるのか、それがこの改正にどういう形になっていくのか、そういう点について大臣にちょっとお伺いしておきたいと思います。
#21
○国務大臣(中曽根弘文君) 科学技術創造立国、そういう国の実現を目指すということで我が国は今努力しているわけでありますが、そのためには技術基盤を強化することと、それからもう一つは技術革新による産業の国際競争力を強化するということが大切であると思います。
 そして、そのためには、言うまでもありませんけれども、これを支える技術系の人材の確保、育成、これは非常に重要な課題でございます。そして、このためには、技術者教育の段階から、技術士の資格の付与、またさらに、継続した教育にまでわたっての、生涯にわたっての一貫した整合性のある技術者教育システムを構築していくことが重要でございます。
 このような技術者教育と資格付与の一貫性を図る観点から、ただいま総括政務次官が申し上げましたJABEE、日本技術者教育認定機構による認定を行うということにしたものでございますけれども、この機構による認定を参考といたしまして、文部科学大臣が大学等の教育機関における課程を指定いたしまして、そしてその課程の修了者に対して、技術士を目指す道を開くために第一次試験を免除しているということになっています。
 私といたしましては、今回の法律改正によりまして技術士制度の改善を図って、そして我が国が必要とする非常に質の高い、また十分な数の技術者の育成確保に努めていきたいと、そういうふうに思っておるところでございます。
#22
○岩瀬良三君 優秀な技術者がそういう形で誕生していくということは非常に結構なことだろうと思うわけでございますが、そうなるためには、技術者の方で技術士というものになりたいという、逆に言えば魅力がある制度が必要なんじゃないかな、制度といいますか魅力あるものが必要なんじゃないかなというふうに思うわけでございます。技術士になりたいという気を起こさせる特典と申しましょうか、そういうものについてはどうお考えでしょうか。いろんな意味でなった方がよかったと、こういう形が多くの人に、殊に若い人にはそういう気持ちが起こっていくんだろうと思うんですが、いかがでございましょうか。
#23
○政務次官(斉藤鉄夫君) 技術士の特典は何かという御質問でございますが、この技術士の資格は個人に与えられるものでございまして、その技術者としての能力が品質保証されたという点が第一の特典かと思います。名称独占の資格でございますので、個人の能力が保証されたという点だと思います。
 具体的には、建設業法に基づく公共事業の競争入札のときに、その会社が建設業者の経営事項審査を受けるわけですけれども、技術力評価を受けるわけですけれども、そのときに例えば一級建築士は五点、技術士がいれば五点ということで高い評価を受けているということが、これは組織としての特典ということになるかと思いますけれども、あります。また、建設コンサルタント業務、それから農水省関係では治山・林道事業、土地改良事業等において技術士を活用しなければならないということが定められております。これも組織の特典ということになりますけれども、こういう特典がございます。
#24
○岩瀬良三君 技術士が会社におるということがその会社の特典、いわゆる判定の特典になっていくということは、これはできるだけそういう方向に持っていっていただきたいと思うわけでございます。また、技術系の会社の組織の中で、例えば課長さんになるのは技術士の資格を持っている方がなるんだよというような、そういうムードができてくるとまたいいと思うので、これは経済界にそういうことを要請していくことが必要なんじゃないかなと思うわけでございますが、またひとつそういう努力をしていただければというふうに思うわけでございます。
 それとともに、もう一つお聞きしたいのは、日本ではそういう形で技術士の資格がなされるわけでございますけれども、これを国際的に活用してもらうというのがこの一つの目的であるわけでございまして、お互いが同じくらいのレベルでいかないとせっかくやっても意味がないわけでございます。各国の技術者の資格要件、こういうことが大事だろうというふうに思うわけでございますので、こういう点について科学技術庁の方ではどう考えておられるのか、その点お伺いしたいと思います。
#25
○政務次官(斉藤鉄夫君) 今、具体的にはAPECの相互承認プログラムを、大きな枠組みをつくっております。この大きな枠組みができればそれぞれの国と二国間協定に入るわけですけれども、そのAPECエンジニアの要件として合意されている事項として五つございます。
 一つは行動規範の遵守、いわゆる職業技術者としての倫理規定でございます。二番目が、一定のエンジニアリング課程を修了しているということ。それから三番目に、一定の実務経験を積んだ者であること、先ほど申し上げました七年とか四年の規定でございます。それから、継続的に技術能力を開発していること、能力の維持向上義務でございます。それから五番目に、自己の判断による業務遂行能力を有すること。この五つがAPECの相互承認の一つの最低要件ということになっておりますけれども、あと具体的に二国間協定の中で、同等のレベルの技術者になるように細かい点を決めていきたいと思っております。
#26
○岩瀬良三君 各国でそういう統一基準でもってやっていただくことが必要だろうと思うわけでございます。
 今、APECのお話が出ましたけれども、一説によると、東南アジアでは、コストの面から見たら日本の技術者が活躍する場が少ないんじゃないかと言う人もいるわけでございます。そうじゃなくて、今までも東南アジアに日本の技術者がたくさん行っていたこともあるわけでございますけれども、向こうの方が賃金も安いというようなことがあるのじゃないかという点もあるわけでございますが、それにかかわらずAPEC外に、ヨーロッパであるとかアメリカ、米州の方でも活躍できるような形でやっていくことが必要じゃないかと思うんです。
 そういう意味で、その相互承認、今後どのような国とと申しますか、どのような相手とどのようなスケジュールでこういう形を科学技術庁としては進めていかれるのか、そういう点についてお伺いして、時間があればまたお伺いしますが、お願いしたいと思います。
#27
○政務次官(斉藤鉄夫君) APECの域内でオーストラリア、カナダ等が非常に積極的でございますので、オーストラリア、カナダ、また日本も含めて八カ国、そのほかにも対象となる国はあるんですけれども、現在までに調べたところ、相互乗り入れするレベルを向こうが持っていないというふうな国もございまして、そういうところは入っておりませんけれども、対等な相互乗り入れができるその八カ国間で今協議が進んでおります。
 大きな枠組みをことしの十月までにつくりまして、その大きな枠組みができた後、各国との二国間協定に入っていく予定でございます。またその先も、ヨーロッパ等もあるわけでございまして、その枠組みを広げていきたい、このように考えております。
#28
○岩瀬良三君 では、できるだけそういう形で日本の技術者が活躍できるようにひとつお願い申し上げて、質問を終わります。
#29
○石田美栄君 民主党・新緑風会の石田でございます。
 早速、技術士法の改正について質問させていただきます。
 このたびの技術士法の改正も、APEC技術者資格相互承認プロジェクトが進行する中で、よくあるいわば外圧によるようなものかなと。いずれにしても、趣旨は非常にいいことでありますが、それだけではなくて、近年連続して起きております科学技術の推進の中で失敗がいろいろあることを考えてみますと、こういった技術全体の向上に資するこういう法律改正、遅きに失したとも言えるのかもしれませんが、この基本的な考え方にある、質が高く、かつ、十分な数の技術者の育成確保、そして高度化、複雑化が著しい科学技術に対する信頼性や安全、安心の確保の観点から、技術者は高い職業倫理を備えることというのは大変重要なことであるというふうに思います。
 これまでも理工系大学を出て技術系の仕事についていた人というのはたくさんあったはずでありますけれども、なぜ資格を取る人が少なかったんでしょうか。ほとんどが建設関係に偏っているということもあります。それで、これまで技術士を取る人が少なくて、建設に偏っていたという状況でも何ら支障はなかったんでしょうか。
#30
○国務大臣(中曽根弘文君) きょうは技術士制度の御議論をいただいていますが、お隣の斉藤総括政務次官は多分国会でもただ一人か二人の技術士だろうと思います。また、科学技術庁におきましても本庁では唯一の技術士で、あとは航空宇宙技術研究所に一人いるだけというような状況でありまして、この改正を機に大いに技術士の制度を充実して、またその資質も高め、また国民の皆さんにも知っていただきたい、そういうふうに私は思っております。
 御質問でございますけれども、昭和三十二年の成立以来いろいろな普及・広報活動を行ってきたわけでありますが、技術部門によりましてはこの技術士制度の存在さえ知られていない場合があるという状況もありまして、必ずしも十分に普及されているとは言いがたいのが現状でございます。大変残念でございます。
 技術士登録者数を部門別に見ますと、建設部門がお話しのとおり約半数と圧倒的に多くなっておりますけれども、その理由は、先ほども岩瀬先生の御質問にお答えいたしましたが、公共事業の競争入札に参加しようとする建設業者に対する建設業法に基づく経営事項の審査において、技術士に対して高い評価を与えているということ、またさらに、建設コンサルタント業務等の請負契約の入札資格として技術士が考慮されている、そういうことなどから、公共事業において建設部門の技術資格が有効に活用されてきたためであると、そういうふうに思っております。
 日本の技術力の向上を図るためには、やはり高い職業倫理を有して、また十分な知識とか経験、そういうものを有する技術士が広く活用されることが当然重要であります。これは全部で十九部門あるわけでございますけれども、活用が進んでいない部門を中心に全部門にわたって技術士制度の活用が図られるよう、科学技術庁といたしましても関係省庁や産業界に対して働きかけをこれからもどんどん行っていきたいと、そういうふうに思っておりますし、また、この有用性に関する社会的認識も増進するように、この制度に関する周知活動に努力をしていきたいと思っているところでございます。
#31
○石田美栄君 この第三十一条の二の第二項によると、「大学その他の教育機関における課程であつて科学技術に関するもののうちその修了が第一次試験の合格と同等であるものとして文部科学大臣が指定したものを修了した者は、」「技術士補となる資格を有する。」とございますから、先ほどもちょっとお話に出ましたが、大学のどの程度、ほぼ理工系の大学を卒業した者は一次試験が免除ということになるでしょうか。
#32
○政務次官(斉藤鉄夫君) 現在、技術者教育のいろいろな課程、具体的には何々大学の何々学科と、どの程度のレベルで教育をしているかということを認定するJABEE、そのJABEEの認定を参考にして決めるということでございまして、すべての大学のエンジニアリング課程がその対象になるとは聞いておりません。
 そのJABEEではどういう課程を認めるかということでございますけれども、科学技術全般にわたる基礎的学識、また技術者の義務の遵守に関する適性、またもちろんその専門的学識、こういうものが一つの大きな判断になる、このように聞いております。
#33
○石田美栄君 というのは、日本の大学の場合、設置基準があって、今かなり規制の緩和が進んでいますけれども、大体どこの大学もある基準の教育課程──カリキュラムというのは基準がありますから、どこもカリキュラムを見れば似たり寄ったりだから、そういう基準でいくとどこも認定されるのかなというふうに、教育内容の深いところまで評価をするというのはなかなか難しいから、どの辺で認定するのかなというふうに疑問にやっぱり思います。この大学はいい大学だからオーケーで、こちらはという、なかなかJABEEが認定する、評価するのは難しいかなというふうに感じております。
 そうだとして、何%くらいの理工系が承認されるか。あるいは理工系だけではありませんね、農学部とかそういうのもございますが、だとすると、このたびの改正で求められている特に高い職業倫理、一次試験で職業倫理等の確認ということが入っていますが、基礎的な一般知識はそういう理工系であればある程度の科目はやっていますけれども、職業倫理というところですね、教育プログラムの認定だけで職業倫理、技術者倫理の確認が十分なのかなという疑問を持つのですが、その点はいかがでしょうか。
#34
○政務次官(斉藤鉄夫君) 職業倫理、これには、個人や会社の利益よりも社会の利益を優先するとか、社会的な安全性について配慮するとか、また秘密の保持というふうなことが入るかと思います。
 この面に関しましては、一次試験を受ける人はその一次試験の中にその内容がございます。また、一次試験を免除される人は、先ほど申し上げましたけれども、大学のエンジニアリング課程の中にそういうことが含まれていることという確認がございます。またその上に、二次試験でも同じようにこの項目がチェックをされる。特に面接試験等もございます。
 そういう形で、この職業倫理についても万全の体制でチェックをするということになっていると考えております。
#35
○石田美栄君 お答えのようなことですけれども、大学の教育内容でそういうものがきちっと位置づけられるのかなという不安はございます。医学部なんかでは最近そういう医学倫理なんかの、特にそういう科目を定めて多分カリキュラムの中に入っていますけれども、こういう理工系の学部というのは、中にそういう職業倫理を教育するようなカリキュラムが入っているのかなという疑問もありましてお尋ねしてみましたが、この点でもしっかりと職業倫理が確認できるようなことを考えていただきたいと思います。
 さて次に、高専とか専門高校、専修学校の扱いは、こういう認定というのではどういうふうになっていくのでしょうか。また、これらの学校では、今生徒が取れる資格試験にはどういうものがあって、そういった資格の一次試験の中での扱いはどうなっていくのでしょうか。
#36
○政務次官(斉藤鉄夫君) 技術士制度全体の中では、学歴は基本的に関係ないというのが大きな基本的な思想でございます。二次試験はすべての人が受けなくてはならないわけでございますし、そこでは厳しくその能力がチェックされます。
 ただし、先ほど申し上げましたように、たくさんの人に受けていただくということで、ある一定の課程を卒業した人は免除されるとか、また、一定の資格を持っている人は試験の一部が免除されるというふうな点も考慮されております。
 お尋ねの、高専それから専門高校、専修学校につきましては、一定の技術系の資格を持っていらっしゃる方には、共通科目、これは数学、物理、化学、生物、地学のうち二科目を選択するんですけれども、それを免除することとしておりますし、また、高専や専門高校での卒業生が取ることのできる測量士、それから公害防止管理者等の資格を持っている方もこの共通科目の試験免除という、そういうコースもございます。
 また、専門高校につきましては、先般、衆議院科学技術委員会において可決していただいた際に附帯決議がございまして、「技術士制度の一層の普及拡大を図るため、技術士試験第一次試験の一部の試験が免除される国家資格として、専門高校、専修学校等に関連する資格の数を増やすよう努める」旨の附帯決議をいただいたところでございます。
 意欲がある学生に対して卒業後の多様な進路を示すということは非常に意義あることでございまして、こうした一部試験免除の対象となる資格をふやすことについて、工業高校の関係者の御意見を聞きつつ検討していきたいと考えております。
 また、ある意味でこの技術士試験、今回、ある一定のエンジニアリング課程を卒業した人については一次試験を免除するということは、逆に、技術士を取れば、エンジニアリング課程を卒業した人と同等以上の能力を持っているということが証明されたことになりますので、高専や工業高校卒業生に対しても、勉強していただくインセンティブを持っていただけるのではないかと思っております。
#37
○石田美栄君 いろいろなことが考えられているようでありますけれども、今までの試験でも、受験者と合格者の数を見ていると、学歴は問わないとはいうものの、なかなか難しい試験なのかなという印象を持っております。
 さて、次の質問に移らせていただきます。
 第二次試験の受験要件の一つである、すぐれた技術者の指導のもとでの四年間を基本とする修得プログラムの実行というふうにありますが、先ほども岩瀬委員の質問の中でもお答えになっていたんですけれども、すぐれた技術者のもとという、このすぐれた技術者というのは省令で定めるとおっしゃいましたが、どういう認定手続をするのか、もう少し詳しくお聞かせいただけたらと思います。
#38
○政務次官(斉藤鉄夫君) すぐれた技術者の具体的内容ということでございますが、先ほど石田委員おっしゃったように、技術士審議会の意見等も踏まえながらこれから省令で詳しく決めていくところでございます。
 イメージといたしましては、その技術部門、例えば建設部門の河川であれば河川、そういう部門でこれまで一定以上の実務経験を有して、かつ大所高所から、もう計画から設計、そして施工、その後のメンテナンス、こういう一連のエンジニアリング過程すべてを俯瞰して見ることのできる適当な地位にいらっしゃった方、そして具体的に実績のある方、このようなイメージを抱いておりますが、具体的には今後省令で定めてまいります。
#39
○石田美栄君 文部大臣から指定されて技術士試験に関する一切を行ったり、また受験のための講習プログラムだとか継続の教育とか、さらには技術士登録の事務も行う、そしてこれからは技術士研修の責務が加わるなど、国際的にも重要な役割を果たすことになります日本技術士会、そして学協会もそうですね、こういうのはどういう組織なんでしょうか。そしてさらに、今後新しい展開に向けていかなる充実強化が必要なんでしょうか。
#40
○政務次官(斉藤鉄夫君) 社団法人日本技術士会は、この技術士法において設立が規定されている公益法人でございまして、技術士の品位の保持、それから業務の進歩改善に資するため、会員の指導及び連絡を行うということとされております。そしてそのほかに、国の指定を受けて技術士制度についての試験事務、登録事務を行っております。また、技術士の資質向上の責務を今回新たに法律上明記することといたしましたので、これを実際効果あらしめるために、いろいろな研修の実施等を今回目的として追加させていただいたものでございます。
 学協会につきましては、技術士会の技術士という性格上、いろいろな技術分野の学会、協会と連携をしておりまして、今後ともいろいろな分野の学会、協会と連携を密にしながら、この技術士が実際に社会に普及していくように努めてまいる決意でございます。
#41
○石田美栄君 科学技術立国を目指す日本の国としては、こういった協会の役割というのは非常に重要だなと実感しています。これからますますその役割も重要になりますので、充実強化をぜひお願いしたいと思います。
 そして、受験要件について、高等教育機関の技術者教育の専門認定を行ったり、また技術者教育の国際的相互認定問題などについて日本を代表して対応する、また対応していくというこの日本技術者教育認定機構というのもどういう組織なのかなと。大変重要な役割を持つ機構になるようですが、今回の技術士法の中で法的な根拠は何もありませんね。そして、学協会の連合体というふうに書いてありますけれども、これは今どういう組織で、これからどういう組織にしていかれるおつもりなのか、JABEEのことについてお伺いいたします。
#42
○政務次官(斉藤鉄夫君) 日本技術者教育認定機構、JABEEについての御質問でございます。このJABEEは、いろいろな学会、協会が集まりまして、技術者教育の課程を評価しようというものでございます。
 このJABEEの役員リストを見てみますと、日本工学教育協会会長の吉川先生が会長、それから日本工学会の大橋会長がこのJABEEの副会長、また民間企業の技術者の方も副会長として入っていらっしゃいまして、そのほか例えば日本機械学会、建築学会、土木学会、鉄鋼協会、農学会、電気学会等いろいろな学協会がこの機構を構成しております。
 この目的は、先ほど岩瀬委員からの質問にお答え申し上げましたとおり、欧米で今行われておりますと同じように、大学等の教育について一つ一つ評価、認定しようというものでございまして、そこの卒業生については、一定のカリキュラムを卒業しているということ、そして能力を持っているということを証明しようというものでございます。
 今回の技術士法の改正に当たりましては、より多くの優秀な若い技術者にこの技術士の試験を受けてほしい、そういう観点から、このJABEEが認定したカリキュラムを卒業した技術者については一次試験を免除するということにしたものでございます。
#43
○石田美栄君 技術士会もそうですし、日本技術者教育認定機構、こういういろんな組織が今後本当に重要な役割を果たすことになりますが、こういういろんな組織は、科技庁との関係、連携とか指導とか、そういうふうな関係はどういうふうになっていくのですか。
#44
○政務次官(斉藤鉄夫君) この機構は科技庁とは直接関係ございません。あくまでもいわゆるいろいろな学会、いろいろな協会、これもある意味では任意団体でございますし、その学協会が中心になってつくる教育認定機構につきましても、直接の指導、監督をする、そういう関係にはございません。
 しかしながら、技術者教育ということで、これからの科学技術創造立国という意味で非常に大きな役割を担われるのは確かでございますので、いろいろな科学技術政策の御理解等について意見交換をする、また情報交換をするということについては今後密接に関係していきたいと思っております。
#45
○石田美栄君 技術者資格の国際的な相互承認への対応が急がれていて今回の法律改正でもありますが、APECでの技術者資格相互承認プロジェクトの今後の進展。そして、そうしていく中で今後どういう問題とか困難が予測されるのでしょうか。ここの二つは大臣にお答えいただけるといいのですが。
#46
○国務大臣(中曽根弘文君) APECの技術者資格相互承認プロジェクトにつきましては、我が国のほか七つの国・地域、例えば韓国、マレーシア、ニュージーランド、タイ、オーストラリア、カナダそして香港と、全部で八カ国・地域というんでしょうか、が積極的に今取り組んでおるところでございまして、ことしの十月にこのプロジェクトの検討が終了し、APEC技術者としての基本的な登録要件等が取りまとめられることになっております。
 そして、それ以降、これらの国々との間で技術者資格の相互承認のための具体的な協議が二国間でそれぞれ行われると思っております。これらの二国間の協議におきましては、相互承認の対象となる資格の技術部門間の整合性を確保する、これが大事でありまして、そのための調整等が検討課題として考えられますけれども、いずれにいたしましても、円滑にまた適切にこの相互承認というものが行われるように今後努力をしていきたい、そういうふうに思っております。
#47
○石田美栄君 これも先ほど岩瀬委員からもお話しありましたけれども、技術士制度の普及拡大とともに、この制度の社会的な認識をどう進めていくのか。私も、今回の技術士法は本当に専門外の分野ですけれども、一般的には確かに、産業界のいろんな部分で働いている人たちが何か資格を取らなくちゃいけないのがあるということは薄々わかっていましたが、結構これは高度な資格があるんだということを認識したようなことであります。
 建設とか農林関係は公共事業との関係で今までも技術士への認識が高く、相当普及していたわけですが、今後、それ以外の産業界との連携、いろんな会社の中でもやっぱり特典があるといったような産業界との連携も非常に重要になってくると思います。どのように進めていかれるのか。
 そして、いろいろ今回資料をいただいて見ましたら、女性の割合が、数が非常に少ない。こういう分野というのはこれから本当に女性が進出すべきですし、重要な分野だと思います。生物工学とか環境は五・四%とか六・四%とぐっと高くなっていますけれども、こういった女性についても今後もっと啓蒙が必要だというふうに感じます。
 今のようなことにつきまして大臣の御所見をお伺いして、質問を終わりたいと思います。
#48
○国務大臣(中曽根弘文君) 先ほども申し上げましたけれども、この技術士の制度の社会的認識を高めるということは大変重要なことであると思っております。
 技術士は、職業倫理を有するということが重要なポイントでありますし、また、継続した教育によりまして、最新の技術や知見を備えて高等の専門的応用能力等を有することを証明する資格であります。したがいまして、この技術士の活用が拡大するということは、日本の技術基盤やまた国際競争力の強化にとって極めて重要なものであります。
 科学技術庁といたしましては、この技術士制度の有用性につきましては、今、委員からも御指摘ありましたけれども、この技術士の技術能力が一定水準以上であるということを認定、証明するものであるということ、それから他の業務資格を取得する際にこの技術士資格を有する人については試験の免除等を行うということ、こういうことがございます。
 現在、三十六の資格について試験免除等の特典があるわけでありますけれども、そういうことについて社会的認識が増進するよう取り組みを一層強化しなければならないと思っておりますし、さらに産業界やまた他の省庁とも協力いたしまして、今申し上げた技術能力証明としての活用や他の資格との連携を一層促進し、日本の技術活動全般にわたって技術士制度が活用されるように努力をしていかなければならない、そういうふうに思っております。
 女性の比率が、全体の中で大変残念ながら〇・四九%というのが実態でございまして、委員御指摘のとおり、女性の方々にももっともっと進出をしていただくように私たちもいろいろ考えなければならないと思っています。
#49
○石田美栄君 終わります。
#50
○福本潤一君 公明党の福本潤一でございます。
 技術士に関するさまざまな質問が出て重なっているのもかなり多くなっておりますので、最初に、四月十七日から二十三日まで科学技術週間だという報道がきのうありました。私も、そうだったのかということできのう再認識させていただきましたけれども、昭和四十年代に理工系ブームというのがあったときに、かなりの方々がエンジニアが希望職種の第一位とかいうような時代、斉藤政務次官も私も同じ時代に同じ高校で生活したわけですけれども、科学と技術、科学者と技術者という言葉がございますので、科学と技術の違いをどういうふうに科学技術庁としては考えておられるだろうか、そこのところを最初に、ちょっと哲学的な話で申しわけありませんが、質問させていただきます。
#51
○政務次官(斉藤鉄夫君) 科学と技術の違いでございますが、科学とは、まさに物事、現象の奥に秘められている法則性を理解するための行為、これが科学だと思います。技術は、その行為によって得られた知識を使って実際に社会に有用な形とすること、これが技術だと思っております。
#52
○福本潤一君 私もちょうど同じ認識でございまして、真理の認識のための科学と、またその科学を、価値を創造するために技術があるという認識でございます。
 その中で、技術士という技術者とはまた違う形で認定する資格の今回改正があるわけでございますが、認知度も少ない、また取得者も少ないということでございますので、最初に、霞が関の中でさまざまな省庁ございますが、農水とか建設が多いということですので、運輸、厚生、科技庁、斉藤政務次官も技術士を取っておられるということでございますけれども、取得者の総数はどれぐらいなのか、国の機関の方でまずお伺いさせていただければと思います。
#53
○政府参考人(越智謙二君) お答え申し上げます。
 各省庁におきまして、地方機関、研究所等も含めまして平成十一年四月一日現在で、建設省が百九十八名、農林水産省が三十四名、運輸省が九名、厚生省はゼロ、科学技術庁は先ほど大臣からお答え申し上げましたように総括政務次官を含めて二名が技術士として登録されております。
#54
○福本潤一君 若干具体的な話にさせていただきますけれども、各省庁が試験をそれぞれ持っていたりしますけれども、十九部門ある中で、試験をしたときの手数料等、具体的にどういう形で試験収入が上がって、具体的にどういう使われ方をしているかというのをお伺いさせていただきます。
#55
○政府参考人(越智謙二君) 平成十一年度の技術士試験で申し上げますと、第一次試験の受験手数料が一万一千円でございまして、受験申込数が約一万三千でございます。受験手数料収入が約一億四千六百万円でございます。それから、第二次試験の手数料が一万四千円でございまして、申込者が約三万四千人、収入が約四億七千九百万円となっておりまして、受験手数料の収入の総額は六億二千五百万円でございます。
 日本技術士会が指定試験機関としてこの運営を行っておりますけれども、これは技術士法の中に既に事業計画あるいは収支予算あるいは決算等について規定がございまして、これは厳密に科学技術庁の方でチェックすることになっておりまして、受験手数料の管理運用は厳格に行われているところでございます。
#56
○福本潤一君 そういう形で各試験があるときに、アメリカまた今回のAPEC関係の国々でよく受けられている、日本で受けられていないところに、ある程度日本の技術士という資格に対する認知度の背景があるかと思います。日本では、ある意味では会社で事業をいたしますので、個人で将来コンサルタント業務でもやろうとかいうような形のときにこういう資格を取ろうとするところがありますけれども、欧米も含めて個人のスペシャリストは、技術者としての実力が会社内におろうと問われるというようなところがあるので、背景的な問題もございます。
 先ほど各省庁で言われた建設省は、もうそれこそ五〇%以上の比率、また、全体では五〇%ですけれども、省庁では特に建設省に集中しているというのがございました。ですので、一概にこれをふやすような方向でというふうに私は申しませんけれども、建設部門でこれだけ多い理由、またその役割、若干述べていただいておりましたけれども、念押しで聞かせていただきたいと思います。
#57
○政務次官(斉藤鉄夫君) 建設分野で多い理由は、公共事業の競争入札における建設業者の経営事項審査において、技術士が何人いるか、技術士一人当たり五点という点が与えられております。そういう技術士に対して高い評価が与えられているということ、それから建設コンサルタント業務等の請負契約のときに入札資格としてこの技術士が必要であるということ、その点が建設分野で多い理由だと思います。
 他の分野ではこういうものがない上に、今までの日本の社会風土として、技術的な仕事は会社が行うもの、組織として行うものということで、個人一人一人の技術者に焦点が当たっていなかったということがあるかと思います。
#58
○福本潤一君 既存の業として体系立っているところはこういう形でふえていくだろうと思います。
 新しい分野の中でこの資格を取ろうというときに、十九部門の中に環境部門がございましたので、そこに若干焦点を絞って聞かせていただきたいと思います。
   〔委員長退席、理事岩瀬良三君着席〕
 この環境部門、大学でも環境という名前をつけると学生が集まるということで、最近、バイオとか国際とか情報とか環境という名前がつく学科がふえると急に活性化する、流されるような状況が学生の中に生まれていますけれども、この試験内容と同時に、よく取ろうとされる資格でISOというのが具体的にございます。したがって、こういう資格を取る必要度、評価とともに絡んでくるわけでございますが、環境部面でどういう形で試験をされていて、ISO国際規格とどういう関係にあるかというのをお伺いしたいと思います。
#59
○政務次官(斉藤鉄夫君) 技術士制度におきまして平成六年に環境部門を新設いたしました。これは、環境保全に対するニーズが多くなりまして既存の技術分野では対応できないということで、環境保全に係る計画、それから環境の測定、自然環境の保全に関する技術ということで新設をいたしました。
 科学技術庁におきましても、環境保全に係る業務を実施できる能力を有する者として位置づけ、活用を図るように環境庁に対しても検討を依頼しているところでございます。
 また、中央環境審議会の場におきましても、環境アセスメント等をより実効性の高いものにするため、環境部門の技術士の活用を図ることについて検討を提案しているところでございます。
 今後とも、環境部門の技術士の活用のために積極的に取り組んでいきたいと思っております。
 また、ISOとの関係でございますけれども、国際相互乗り入れした段階でのこの技術士資格の環境部門が、ある意味では環境部門のISOと、こういうふうに位置づけられるように努力してまいります。
#60
○福本潤一君 今、環境部門のISOというふうに言われました。国際規格になりますと、日本の会社も、海外進出するときにその資格を取っていないと業務がうまくいかないとかいうことがあって取ろうとする会社が多いわけですけれども、そういう意味では、技術士を国際的な規格の中でプロフェッショナルエンジニア、PEというのと資格的に同格のような形で持っていこうとすると同時に、今意気込みを言われたのでもう一つ提案しておきたいと思いますのは、ISOというのは欧米から出てきて、日本の企業また個人も取らないといけないというふうに動きが進んで、かなり高額の費用がアングロサクソンの系統に試験、資格としてともに行っているということがございます。とするならば、それこそもう一つ、JSOでもいいですけれども、日本の環境規格というのをつくって、きちっと日本国内で認知されたものが国際的にも通用するというような形の動きも、逆の方向で一つあってもいいんじゃないかというふうに私は思っておりまして、そういう方面からもまた検討いただければと思います。
 と同時に、技術士を取らなくても業務は実態的にはできておるわけでございますけれども、特に最近、科学技術の部門でロケットの打ち上げ失敗とかさまざまな形で事故が起こっている。高額の費用が、ある意味では失敗するか成功するかによって生きるか死ぬかの予算措置になっていくわけでございますので、今回、倫理の問題をきちっと導入するということがございました。ですので、相次ぐ事故が今後、導入したものによって改善される方向であるかどうかというのを大臣の方に聞かせていただければと思います。
#61
○国務大臣(中曽根弘文君) 昨年の秋には東海村でウラン加工施設の臨界事故がございました。また、文部、科学技術の関係ではロケットの打ち上げ失敗も連続してございまして、これらは原因を今究明中でありますし、またそれぞれ原因も異なるものであると思いますけれども、日本の科学技術の基盤の信頼性が著しく低下しているわけでありまして、国民の皆さんの安心とか安全とか、そういう面の確保という点からも非常にゆゆしき事態であると思っております。
   〔理事岩瀬良三君退席、委員長着席〕
 こういう事故については、再発防止策を確立することは当然でありますけれども、その際には、やはり技術者の倫理というもの、それをしっかりと教育し、また意欲の向上、そういうものも含めた対応をこれからしっかりと行っていかなければならないと思っております。
 そして、安全な社会を構築するためには、学校レベルにおける各種のこういう倫理面での教育はもちろんのことでありますけれども、技術者だけでなくて、国とか地方公共団体とか企業、あるいは国民みんながそれぞれこの倫理という問題についてともに協力をしながら、安全をさらに最優先する、そういう気風、そういうものを創造するいわゆる安全文化を育てていくということが大事であると思っております。
 そういうために今後も国としても最善の努力を行っていきたいと思っておりますが、今回の技術士法の改正案では、技術士等が公共の安全や環境の保全等の公益を害することのないよう努めるべき責務を規定しておりまして、これは大変重要なことであると思っております。これらによりまして、技術士等が安全文化の醸成や定着に大いに寄与することを期待しているところでございます。
#62
○福本潤一君 終わります。
#63
○林紀子君 日本共産党の林紀子でございます。
 今までも技術士の活用ということがいろいろ言われておりますけれども、それでは現場ではどうなっているのかということなんですが、だれが技術士なのかわからない、どうその職責を果たしているのか全く見えない、こういう現状だそうです。
 今お話にもありましたけれども、ロケットの打ち上げで失敗ということが重なりましたけれども、ロケットの打ち上げに携わっているところを見ますと、宇宙開発事業団には技術士の方は三人いらっしゃるということなんですけれども、どういう部署でどんな仕事をしているのか、現場で聞いてみてもだれが技術士かわからないということなんだそうですね。
 それからまた、日産自動車の宇宙開発部門ではかつて一名の技術士がいた。この方は役職にはついていなかったけれども、職制にも技術的な問題では指導している、大変職場でも尊敬もされていた、こういう方なんだそうですが、しかしこの方は現在退職をなさって、だれもいないわけですね。現場では、そんな資格を持っている人はここには来ないんじゃないかというような話になっているということをお聞きいたしました。
 今回の法律は科学技術庁が所管しているわけですね。今までのこういう話を見ますと、科学技術庁が関係する最先端の技術分野で技術士がいない、いてもだれだかわからない、それなりの職責を果たしていないということなんだと思うわけですね。技術士がいたらロケットの打ち上げ失敗はなかっただろうと、そんな短絡的なものではないとは思いますけれども、しかし、そういうところに技術的にすぐれた技術者をきちんと配置する、技術士を配置する、そのことが非常に必要なことだと思うわけです。
 ですから、今まで技術士法という技術士にかかわる法律を所管しながら、そういうところにきちんと配置をしてこなかった、活用してこなかった、その反省の弁はありますでしょうか。また、今後科学技術庁として、隗より始めよということがありますので、技術士の活用というのをどうするのか、そこをお聞きしたいと思います。
#64
○国務大臣(中曽根弘文君) 技術士という制度がありながらなかなか活用をされていなかったということが確かにあろうかと思います。
 そういうところから今回、各国間で相互承認といいますか、国際的な整合性を確保して、お互いに技術士の資格というものをきちっと認定しながら国際間の技術交流あるいはビジネスをやっていくということ。またもう一つの大事なポイントは、良質の技術士の一層の育成を図るということでございまして、委員御指摘の点につきましては、私どももある意味では反省をいたしております。
 そういうところから今回、技術士法を改正し、国民の皆さんにもしっかりと認識をしてもらい、また産業界を初めとする各界で技術士の方を活用していただこうということでございまして、今までこういう制度がありましたけれども、今後、今までの反省という意味も含めまして、これからこの制度の活用をお願いしよう、私たちも整備をし、また努力をしていこうと、そういうものでございます。
#65
○林紀子君 そういうふうに大いに技術士が活用されるということで技術士の大切さというのが国民の中にもわかっていくし、また若い方たちも大いに魅力を感じて受験しようと、それでふえていくという形になるんだと思うんですけれども、今はその数をもっとふやすんだということが余りに前面に出ているために、現役の技術士の皆さんからは、粗製乱造と言っては非常に失礼ですけれども、数だけふやせばいいのか、技術士のレベルをダウンさせるものじゃないかという危惧の声が上がっているわけですね。
 そこで、これは科学技術庁長官の方から、先ほどもお話がありましたが、この法改正によって技術士のレベルダウンにつながるものではないんだということをきちんと確認させていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#66
○国務大臣(中曽根弘文君) 私も、結論から先に申し上げますと、レベルダウンにはならないと思います。
 今回の法律改正は、国際的に通用する技術士の資格にするということ、また、海外において日本の技術者がそういう技術士という資格を持って活躍することによって、海外からもその人の能力というものを正当に評価してもらうということによって、より活躍ができるだろう、可能となるだろうということで改善を行っているわけでありますが、その中で具体的に試験の受験要件を改善することによりまして質の高い技術士の養成確保を図るというのが、これが私は大きな目的であると思っております。
 そして、技術士の資格というものが国民の皆さんにとって、あるいは技術者を目指す方々にとって魅力のあるものになる、そしてさらに、受験をしやすくするということから志望者の数もふえることを期待しておりますし、そういう中で、質を維持しながら数を増大させるということが可能である、私はそういうふうに思っておりまして、能力の水準が低下するとは考えておりません。
#67
○林紀子君 今、レベルダウンにはならないというはっきりしたお答えがあったので安心をしているわけですけれども、しかしこういう心配というのは、根拠がなくて心配なさっているわけじゃないんです。
 例えば、日本技術士会の梅田会長さんはこういうことをおっしゃっています。「二十一世紀において、我が国のベテランの技術士がグローバルな舞台で尊敬を受けながら活躍するためには、米英と同様に、一ランク上の資格を保有し得る制度を作っておくことが必要です。この資格には、まず現在の技術士が該当し、次いで、新しく生れる技術士の中からも、何れ選抜されていくべきと考えます。」。つまり、新しく生まれる技術士というのは今までよりも一ランク下になるんだということをこれはおっしゃっているんじゃないかなというふうに思うわけです。それからまた、大阪では副会長さんが、「旧技術士と新技術士のレベルは異なる。旧技術士を上級技術士としようとしたが無理だった」という発言をなさっているわけです。
 そして、これはずっと前に話をされているんじゃなくて、三月四月の段階でこういう発言をされているということになりますと、ああやっぱり今までの技術士と違って、今回の試験で新しく技術士になるという方はレベルが下がるんじゃないかなと思うんですが、斉藤次官に今度はお伺いしたいと思いますが、レベルダウンにはならないんですね。
#68
○政務次官(斉藤鉄夫君) 結論から申し上げますと、レベルダウンにはなりません。
 技術士審議会の議論、またパブリックコメントでもいろいろな議論がございました。しかし、先ほど大臣がお答え申し上げましたように、試験のレベルは全く下がるわけではございませんし、きつくなる部分もございます。ただ、たくさんの人に受けていただきたい、こういう措置を今回しているところでございます。
 多分、その副会長さん、また会長さんがおっしゃっていることは、日本の技術士資格の中で欠けている部分がある、それは総合的なエンジニアリング、計画から最後のメンテナンスまですべてをマネジメントとして見る、総合的に見る、俯瞰して見る、そういう部門が欠けているんではないか、そういうものをまた新たな部門として設けようという議論がございまして、そのことについておっしゃっているのではないかと思います。
 技術士は下がりません。
#69
○林紀子君 下がりませんとお二人の方から保証をいただきましたけれども、実際にレベルダウンにならないという一番の担保というのは、やっぱりどういう試験をするかというところにかかわってくるんだと思うんです。特に第二次試験、大変難しいということですけれども、今、第二次試験というのは論文というのが中心になっておりますね。
 私も見せていただいたんですが、第二次試験、筆記試験で選択科目、必須科目、そして面接というのがあると。それで、その選択科目の試験というのはどういうふうにしてされるのかというのを見せていただいたんですが、あなたが専門とする事項に関する技術分野で最も成果を上げたと考える業績一件を選び、次の項目に従って技術士的立場に立って述べよと、三時間にわたる論文のテストをするということなんですが、それは、業績は何か、実施の時期と期間は何か、あなたは業務の主要遂行者かどうかということも含めて役割はどういう役割を果たしたか、技術的内容はどういうところが新規性があるのか、苦心した点は何か、特許、論文などを含む技術的成果は何か、コスト削減などを含む経済的成果は何か、現時点での評価は何か、それを八項目にわたって書けという論文、これは選択科目ですけれども、ということなんです。
 私はこれを見て、本当に経験のある、自分がちゃんと仕事をなさってきた方だったらこのことについてはきちんと書けるなというふうに思ったんです。だけれども、経験のない方というのは、それを書こうと思っても中身がないということになるわけです。そして、その論文を書くということの中で思考力とか批判的な能力というのをどういうふうに持っているかということもあわせてわかるということでは、この筆記試験というのは、そのレベルをきちんと担保しながら実力がわかるという大変いいものだなというのを思ったわけなんです。
 ところが、これまた技術士会の専務理事さんが、「海外の技術者試験では択一マークシート式で幅広い知識を試す方法が一般的だ。この辺りは改善のポイントになるだろう。」という発言をなさっているということなんです。そうすると、大丈夫だ大丈夫だとおっしゃってくださったんですけれども、これを取りやめてマークシート方式にするというのはやっぱりレベルダウンかなと思うんです。
 あと、斉藤次官にお聞きしたいのは、面接の重要性というのを衆議院の場でもおっしゃっておりましたけれども、やはりこういう論文に即してまた面接をするというところも非常に大事なことだと思うんですが、その点はいかがでしょうか。
#70
○政務次官(斉藤鉄夫君) 試験方法についてのお尋ねでございますが、今回、技術士法を改正いたしまして試験方法を改正いたします。
 具体的内容については、今後、技術士審議会の指摘に従って取り決めていきたいと思っておりますけれども、今、林委員おっしゃった論文の重要性、これは変わるものではないと思っておりまして、論文方式の出題をなくすということは考えておりません。択一式、それから論文式、それぞれの長所を考えながらより改善を図っていきたいと思っております。
 それから、面接試験の重要性、論文との関連でこの面接試験も活用せよ、そういう御意見でございました。私自身、試験を受けまして、その面接試験のときに、論文で書いたことを一つ一つ、本当にこれは経験をしたことを書いているのか空想で書いているのかを厳しくチェックされました。そういうチェックは今後とも続けてまいります。
#71
○林紀子君 この高いレベルということは、今度の法改正で新たに加えられた倫理という面とも非常に大きく関係があると思います。技術的に高いレベルであって初めて職業倫理の発揮というのはできるんじゃないかと思うんです。
 東海村のジェー・シー・オーのあの事故を考えてみましたら一番よくわかるわけですけれども、倫理ということを考える以前に、どういうことをやってどうしたら臨界に達するのかということさえ知らなかったわけです、実際に仕事をしている人たちは。だから、そういうことが認識されなければ倫理の発揮のしようもないということがあるわけなので、職業倫理というのを今度の法改正でうたったからには、やはりきちんとした高いレベルということが必要だというふうに思うわけです。
 あと一点お伺いしたいところがあるわけですけれども、それは、マネジメントということをこの技術士に求められているということで、これはゼネコンの方の要請ということで大きくうたわれているわけですけれども、専門的な技術者よりも監理的技術者を評価する、そういう方向になっているんじゃないかと思うんです。
 しかし、これが果たして技術力を強化するということになるのか。マネジメントや組織掌握というものは経営の立場からの視点で、技術とは異質なものだと思うんです。合理化や効率化を追求することになる。そうしますと、真に安全な施工とか優良な品質を確保することとどうしても矛盾してくる部分があるんじゃないか。やっぱり技術士というのは、安全、倫理、そういうものを含めた高いレベルの技術ということが本来の姿ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#72
○政務次官(斉藤鉄夫君) 最近、技術は大変総合化、複雑化、大規模化してきております。これらに適切に対処するためには、安全性向上、経済性向上の両立を目指さなくてはいけないわけですけれども、そういう面で監理というのは非常に技術的にも重要になってきております。
 例えば大型航空機等は、一つ一つの部品を見れば全部日本製だけれども、その日本製のものを全部総合化して一つの航空機をつくるという技術は日本にはない、全部それはアメリカに持っていかれている、こういう現状がございます。その一つ一つの優秀な要素技術を組み合わせて一つの優秀な大型構造物をつくるのも、これも一つの技術でございまして、その部分が足らないのでそこを強化していこうというのが、今回、マネジメントという新しい部門をつくっていこうという動機でございます。決して一つ一つの要素技術を軽視するということではございませんので、ぜひ御理解を賜りたいと思います。
#73
○日下部禧代子君 社会民主党の日下部でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 技術士は、科学技術の応用面に携わる技術者にとって最も権威ある国家資格というふうに言われておりますが、一九五七年に創設されましてから四十年余り経過した今日、その人数は約四万人でございます。この数は、アメリカのプロフェッショナルエンジニアが約四十一万人、それからイギリスのチャータードエンジニアというのが二十万人という数に比べますと、決して多いとは言えないと思うんですね。
 そしてさらに、社会的な認知ということにおきましても、斉藤政務次官が技術士の資格をお持ちでいらっしゃるということは今回の質疑を通じまして初めて私は知ったようなわけで、申しわけございませんでした。そのほかに、参議院にお二人技術士の資格を持った議員がいらっしゃるということで、これも今回の質疑を通して私は知り得たことでございます。大臣、御存じなかったのですか。野沢先生とそれから坂野先生というお二人がいらっしゃるそうでございます。
 しかしながら、なかなか一般的に社会的認知度というのは高かったとは言いがたいというふうに言えると思うんですね。その原因をどのように分析なさっていらっしゃいますでしょうか。
#74
○国務大臣(中曽根弘文君) 委員御指摘のとおり、我が国におきましては、技術士の数も少のうございますし、それから社会的な認知も進んでいないというのが現状であります。一部の部門を除きまして、先ほどお話ありました建設関係の部門などが活発に活用されている部門ではないかと思いますが、この技術士資格の公的活用が進んでいないということによりまして、技術士資格が技術者全般にとりまして魅力に乏しいものになっているということが一つ。それから、日本は会社等の組織としての技術力を重視する傾向がある。そういうところから、個人の能力を評価し、また資格を付与する技術士制度が必ずしも十分に普及をしなかったものと思っております。
 今回の法律改正を機会といたしまして、技術士資格の有用性等についての社会的な認識をさらに高める、増進するということが非常に重要と思っておりまして、関係の省庁とか産業界あるいは国民の皆さん、広く全般にこの技術士制度についてPRをし、また活用されるように私ども努力していきたいと思っております。
#75
○日下部禧代子君 技術士審議会の報告が平成十二年に出されておりますけれども、そこで、技術士の資格取得の動機を付与することが効果的であるというふうに報告に出ております。
 そしてまた、大臣も今、魅力あるものとするというふうにおっしゃっておりましたけれども、具体的にどのような動機づけ、どのようなことで魅力あるものになさるか、具体的におっしゃっていただきたいと存じます。
#76
○国務大臣(中曽根弘文君) 今回の改正は、国際的な相互承認に備えた規定を整備して、そして技術士が海外でもどんどん活躍できるようにしようということが一つであります。そのためにこの試験制度の改善を行うこととしているわけでございますが、これによりまして多くの学生たちがこの技術士を目指すという方向になればと、そういうふうにも期待をしているところでございます。
 そして、この技術士の資格が広く今後活用されるためには、他の業務独占資格やまた必置資格との連携を拡大することが有効であると考えておりまして、関係省庁の協力を今後求めてまいりたいと思っております。
 また、技術士資格自体を業務独占資格あるいは必置資格とすべきではないかということにつきましては、技術士は広範な技術分野で計画とか設計とか研究、またこれらについての指導など、いろいろな形で活動が期待されておりますので、これらの活動を一律に業務独占するということについては必ずしも適当ではないと思っております。むしろ、技術士は高等の専門的応用能力が必要とされる業務でありますので、その能力を保証された技術者として幅広く活用されるということが適当であると思っております。
#77
○日下部禧代子君 今、技術士資格というのは名称独占であるということの、なぜかというようなことをおっしゃったと思いますが、やはりこれは業務独占とするといろいろな問題が出てくるのでございましょうか。その点、もう少し詳しくお答えをいただきたいと思います。
#78
○国務大臣(中曽根弘文君) 今申し上げましたけれども、この技術士というのは、例えば医師とかそういう名称は、まさに医師の国家試験を受けて医療を行うということで、限定された分野での業務独占資格であると思うんですけれども、技術士は非常に広範な技術の分野で設計とか計画とか研究とか指導とかいろいろ行うわけでありますから、さっきも申し上げましたけれども、業務独占とすることについては必ずしも適当ではないんではないか、そういうふうに思っているところでございます。
#79
○日下部禧代子君 さて、この技術士資格の公的活用ということが今回の法改正の目的の一つだろうと思うんですが、科技庁関係でございますと、技術士資格があれば取得できる資格として、原子力施設溶接検査員、それから廃棄確認員という資格がございますね。今回の法改正によりまして、他の省庁に率先してこの技術士資格があれば取得できる資格をもう少し拡大すべきだというふうに思うわけでございますが、当然なさると思いますが、例えばどのような資格が拡大されるということになるでしょうか。
#80
○国務大臣(中曽根弘文君) 科学技術庁として今後、この技術士制度、また技術士の活用を積極的に行っていきたいとまず思っております。そして、今までも科学技術庁関係では、技術士が、原子炉等規制法における指定検査機関などの溶接検査員や廃棄確認員となる道を開いているところでございます。
 また、昨年度の科学技術庁の政府調達に際しましては、事業者の技術的能力が調達案件の機能を左右するようなものにつきましては、事業者の能力を判断するためにこの技術士資格を活用してきたところでございまして、今後も広範な技術分野において技術士の活用が一層行われるように努めていきたい、そういうふうに思っております。
#81
○日下部禧代子君 じゃ、今まだ具体的なことは考えられていないというふうにとってよろしいわけですね。
#82
○政務次官(斉藤鉄夫君) 先ほど大臣が御答弁申し上げました事業者の技術的能力の調達案件ということにつきましては、例えばいろいろな文書交換システム、文書管理システム等情報関連につきましては、この情報分野の技術士の資格を持った企業であること等の新しい規定を設けたところでございます。
#83
○日下部禧代子君 特にこれから廃棄物の処理とか、あるいは環境ということで他の省庁への働きかけということも科技庁としてなさるだろうと思いますが、それは具体的にどのようなことを考えていらっしゃいますか。
#84
○政務次官(斉藤鉄夫君) 先ほど福本委員の質問にもお答え申し上げましたが、例えば環境分野につきましては環境分野の技術士が活用されるよう環境庁に働きかけて、今現実におりますし、また、これまでにも他の省庁が管轄しております技術士との相互乗り入れについても申し入れてきたところでございますが、今回の改正を契機にまたより一層努力していきたいと思っております。
#85
○日下部禧代子君 国際的に活躍する機会が拡大するということは、これはまた一つの資格取得のインセンティブになるだろうというふうに思います。
 その際に、やはり国際的に認知されるためには、その技術士という名称の英文表示というのもこれは大切なことではないかなというふうに思うわけですね。技術士という日本語が本当に通用してしまえばそれは一番いいことかもわかりませんが、現在としては、やはりグローバルに通用するとなると英文ではないかと思うわけでございますが、その統一した英文表示に関しては今日本にございますか、それともこれからこの法改正を機会にいたしまして変えていこうとなさっていらっしゃいますでしょうか。
#86
○国務大臣(中曽根弘文君) 技術士の呼称につきましては、法律上要求されているものではありませんけれども、これは国際的にわかるものであることが当然好ましいわけであります。そして、今国際的な相互承認の具体化の検討を行っているわけでありますし、海外でのこの技術士資格の認知とか周知を増進させるためには、名前というものは非常に重要と思っております。
 この英語での呼称につきましては、技術士審議会が、アメリカを初め技術士に相当する海外の資格との整合性も考慮しましてプロフェッショナルエンジニアとすることを含めた報告書案をまとめて国民の御意見を求めたところでございますけれども、これに対しましては賛否両論の御意見がございました。
 各国の名称、呼称を見てみますと、イギリスはチャータードエンジニア、オーストラリアはチャータードプロフェッショナルエンジニア、アメリカはプロフェッショナルエンジニアということで、国によって違いますけれども、この技術士資格というのは、先ほどからも御意見ございますように、高い職業倫理を備えて、そして知識も十分に持っている、経験も持っている、そして自立して業務を行える本当にプロフェッショナルな、専門的な職業としての資格であります。そういうことから外国の相当する資格との整合性を考慮しますと、プロフェッショナルエンジニアで問題はないかなと考えておりますけれども、今後さらにいろんな関係の方々の御意見も参考にしながら、できるだけ早期に英語の呼称を決定できるように努めていきたいと思っております。
#87
○日下部禧代子君 やはり国際的に活躍するということは、もうその名称ですぐに認知される、社会的に認知されるということは非常に必要なことだと思います。したがいまして、それは国によってさまざまございますけれども、やはり日本語、そして英語の表示というのをぜひとも考えていただきたいなというふうに思います。
 ところで、今回の法改正におきまして、技術士の責務といたしまして、公益確保の責務、すなわち職業倫理に関する規定が追加されたわけでございます。この技術士法の第四十五条、「技術士又は技術士補は、正当の理由がなく、その業務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。」というふうに規定されているわけでございますが、技術士が、職務上、企業の活動が公益を害するおそれがあるというようなことを知った場合にどういうふうにするのかと。これは大変にやはり難しい局面に個人として直面するのではないかなというふうに思うわけですね。もし正当な理由として認められたものであったとしても、企業がそのために解雇したりする、つまり企業の求める経済効率性と矛盾する場合もあるかもわからない。
 こういった場合に、今回は技術士の責務ということは規定されたわけでございますが、個人として活躍なさるということのほかに、企業の一員として活躍なさるということもあるわけでございます。そうした場合に、企業に対しての責務ということに関してはどのようにとらえていらっしゃるでしょうか。
#88
○国務大臣(中曽根弘文君) 技術士というのは、業務の性質上、企業などの技術上あるいは経営上の秘密を容易に知り得る立場にもあります。例えばコンサルタント等の技術士などの場合はその典型的な例だと思いますけれども、そういうことから、技術士法の第四十五条で、正当の理由がなくその業務に関して知り得た秘密を漏らしたりあるいは盗用してはならないというふうな義務を規定しているものであります。
 正当の理由ということについてちょっと申し上げますと、一つは、その秘密を持つ本人の許諾を得ている、これは正当の理由だと思いますし、もう一つは、法令に基づいて国から徴取を受けたりする場合、これもそういうものに当たるのではないかと思っております。したがいまして、業務上知り得た経営上とか技術上の秘密というものを、他の競合する企業に漏らしたり、また許諾なしに活用して他の企業を指導したりするということは、当然これは秘密保持義務違反となります。
 職業倫理の観点から申し上げますと、この技術士法改正は、やはり公益確保の責務というものをはっきりと今回明示をしているわけでありまして、企業活動については基本的に、それぞれの事業の性格に応じて、必要があれば当該事業に対する所要の規制を通じて対処すべきものである、そういうふうに思っております。
 また、技術士が公益確保の責務を適切に遂行したということをもちまして、所属する会社がその技術士に対して解雇とかその他不利益な処分を科すということは、権利の乱用として当然認められないものと、そういうふうに考えているわけでございます。
#89
○日下部禧代子君 終わります。
#90
○委員長(佐藤泰三君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#91
○委員長(佐藤泰三君) 御異議ないと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 技術士法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#92
○委員長(佐藤泰三君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#93
○委員長(佐藤泰三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 暫時休憩いたします。
   午前十一時四十九分休憩
     ─────・─────
   午後四時開会
#94
○委員長(佐藤泰三君) ただいまから文教・科学委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、亀井郁夫君及び畑野君枝君が委員を辞任され、その補欠として岸宏一君及び筆坂秀世君が選任されました。
    ─────────────
#95
○委員長(佐藤泰三君) 教育公務員特例法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。中曽根文部大臣。
#96
○国務大臣(中曽根弘文君) このたび、政府から提出いたしました教育公務員特例法等の一部を改正する法律案について、その提案理由及びその内容の概要を御説明申し上げます。
 今回御審議をお願いする教育公務員特例法等の一部を改正する法律案は、教員の専修免許状の取得を促進し、その資質の向上を図るため、国公立の小学校等の教員を対象に大学院修学休業制度を新たに設ける等の措置を講ずるものであります。
 次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。
 第一に、国公立の小学校等の教員で一種免許状または特別免許状を有する等一定の要件を満たす者は、任命権者の許可を受けて、三年を超えない範囲内で年を単位として定める期間、専修免許状の取得を目的として国内外の大学院の課程等において修学するための休業を行うことができるものとすることであります。
 第二に、大学院修学休業中の教員は、国家公務員または地方公務員としての身分を保有するが職務に従事しないものとし、休業中は給与を支給しないものとすることであります。
 第三に、大学院修学休業の許可の効力及び退職手当に関する大学院修学休業期間の取り扱い等について所要の規定を整備することであります。
 最後に、この法律は、平成十三年四月一日から施行するものとし、大学院修学休業の許可に係る申請その他の行為は、この法律の施行の日前においても行うことができることとしております。
 以上が、この法律案の提案理由説明及びその内容の概要であります。
 何とぞ、十分御審議の上、速やかに御賛成くださるようお願い申し上げます。
#97
○委員長(佐藤泰三君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三分散会
ソース: 国立国会図書館
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