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2000/04/20 第147回国会 参議院 参議院会議録情報 第147回国会 文教・科学委員会 第12号
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2000/04/20 第147回国会 参議院

参議院会議録情報 第147回国会 文教・科学委員会 第12号

#1
第147回国会 文教・科学委員会 第12号
平成十二年四月二十日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十八日
    辞任         補欠選任
     松岡滿壽男君     田名部匡省君
 四月十九日
    辞任         補欠選任
     岸  宏一君     亀井 郁夫君
     筆坂 秀世君     畑野 君枝君
 四月二十日
    辞任         補欠選任
     本岡 昭次君     輿石  東君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         佐藤 泰三君
    理 事
                岩瀬 良三君
                野間  赳君
                石田 美栄君
                松 あきら君
               日下部禧代子君
    委 員
                阿南 一成君
                有馬 朗人君
                井上  裕君
                扇  千景君
                亀井 郁夫君
                仲道 俊哉君
                長谷川道郎君
                江本 孟紀君
                小宮山洋子君
                輿石  東君
                本岡 昭次君
                福本 潤一君
                畑野 君枝君
                林  紀子君
                田名部匡省君
   国務大臣
       文部大臣     中曽根弘文君
   政務次官
       文部政務次官   河村 建夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        巻端 俊兒君
   政府参考人
       文部大臣官房長  小野 元之君
       文部大臣官房総
       務審議官     本間 政雄君
       文部省教育助成
       局長       矢野 重典君
       文部省体育局長  遠藤 昭雄君
   参考人
       地方公務員災害
       補償基金理事長  山崎宏一郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○教育公務員特例法等の一部を改正する法律案(
 内閣提出、衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(佐藤泰三君) ただいまから文教・科学委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十八日、松岡滿壽男君が委員を辞任され、その補欠として田名部匡省君が選任されました。
 また、昨日、岸宏一君及び筆坂秀世君が委員を辞任され、その補欠として亀井郁夫君及び畑野君枝君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(佐藤泰三君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 教育公務員特例法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に文部大臣官房長小野元之君、文部大臣官房総務審議官本間政雄君、文部省教育助成局長矢野重典君及び文部省体育局長遠藤昭雄君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(佐藤泰三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(佐藤泰三君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 教育公務員特例法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に参考人として地方公務員災害補償基金理事長山崎宏一郎君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(佐藤泰三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(佐藤泰三君) 教育公務員特例法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○仲道俊哉君 今国会冒頭の施政方針演説において、教育立国を宣言し、教育改革を政府の重要課題と位置づけ、教育改革国民会議の設置など果断に政策に取り組んでこられた小渕前総理は、志半ばにして病に倒れ、その成果を見届けることなく病の床にある前総理の心情を思いますと、まことに痛惜の念を禁じ得ません。一日も早い全快を心からお祈り申し上げたいと思います。
 今度新しく総理に就任されました森総理の、基本的に小渕前総理の路線を踏襲するとの所信表明を耳にいたし、私も胸をなでおろしておるところでございます。
 教育は国家百年の計と言います。いついかなる時代においても国家の最重要課題であることは申すまでもありません。森総理は、四月七日の所信表明演説において、
 戦後の我が国の教育を振り返れば、我が国経済の発展を支える人材の育成という観点からはすばらしい成果を上げてきたと言えます。他方、思いやりの心や奉仕の精神、日本の文化、伝統の尊重など日本人として持つべき豊かな心や、倫理観、道徳心をはぐくむという観点からは必ずしも十分でなく、こうしたことが昨今の学級崩壊、校内暴力等の深刻な問題を引き起こし、さらには社会の風潮にさまざまな影響を及ぼしているとも考えられます。
と述べておられますが、全く同感であります。
 さて、教育の最も重要な担い手は教員でありますが、本改正案は、教育職員養成審議会の第二次及び第三次答申を忠実に反映させたものであり、一種免許状または特別免許状を有する現職の小学校等の教員に、より上位の専修免許状を取得する道を供するものであり、大いに賛成できるものであります。
 しかし、公務員でありながら、国の行政官や地方公共団体の行政職などと比較して、給与や退職手当の算定に当たっての在職期間などについて不利な扱いをするなどの問題点もありますので、本改正案の眼目たる研修休業制度自体について質問をいたしたいと思います。
 国家公務員や地方公務員等の大学等への派遣研修制度について調べてみますと、国家公務員のうち、行政官については、人事院の行う、各省庁の行政官を二年間諸外国の大学院に派遣するところの行政官長期在外研究員制度及び各省庁の職員を二年間国内の大学院の修士課程に派遣するところの行政官国内研究員があり、いずれも各省庁の長の推薦による有給の職務命令方式によるものであります。
 また、地方公務員においても、行政職に関して類似の制度があり、これは職務命令によるもの、地方公務員法第三十五条及び職務専念義務の特例に関する条例に基づく職務専念義務の免除によるもの、また地方公務員法第二十七条第二項に基づく休職によるものの三つの類型がありますが、前二項については全額給与支給、休職によるものであっても一定割合の休職給が支払われる例が多く、経済面での不利益はほとんどありません。
 ところで、本改正案は、現職の教員の専修免許状を取得の目的とした大学院進学について休業扱いとし、しかも休業中は無給とし、おまけに、退職手当の算出に当たり、休職期間は二分の一の在職期間しか認めないとするなど、職務命令や職務専念義務の免除による有給の大学院研修を広く認める行政職など他の公務員との均衡を著しく失していると思うのですが、この点について、まず文部省の御見解をお伺いいたしたいと思います。
 あわせて、教員の大学院進学について、有給による職務命令方式や職務免除方式を認める制度等、また各自治体独自の制度を含めて他にあるかどうか、あわせてお伺いをいたしたいと思います。
 以上です。
#9
○政務次官(河村建夫君) おはようございます。
 お答えをさせていただきます。
 今御指摘のとおり、今回のこの新しい研修休業制度は無給ということになっておるわけでございます。御案内のように、教育公務員特例法の二十条第三項の規定によりまして、教員は新しい三教育大学を初めとする大学院に長期間派遣することができ、またそれを実行してきた。年間大体千人ぐらい、いわゆる有給で職務命令によって参っておるわけでございます。
 今回は、その形態を異にいたしておるわけでございますが、教員の抱えておる課題といいますか、今日的課題が非常に複雑多岐にわたってまいりまして、質の高い授業をしてもらわなきゃなりません。また、現場には学級崩壊等々いろんな問題もある。しかし、新しい社会といいますか、新しい大きな変動の中で、国際理解とか情報とか、さらに環境とか、そういうような新しい課題がたくさんあるわけでございます。
 そうしたことをしっかり学んだ上で教壇に立っていただく先生をもっと欲しいというのが教育界の一つの願いでございますが、そうした中で、教員の中には、職務命令等にかかわらず、みずから進んでそういうことを学びたいと言われる方がたくさんあるという状況下にございまして、その道を開いていきたいということで今回この法案を提出させていただいたわけでございます。
 あくまでも教員の自発的な意思に基づいてやっていただく、しかも休業の間はノーワーク・ノーペイという原則は守っていただかなきゃならぬということで、今回このような制度になっておるわけでございます。これまで、本当にそういう思いでいながら、みずから学びたいという場合には、いわゆる自分で長期にわたって学校を休まなきゃいけない。結果的に、職員の職務を一回放棄して学ぶということしか道がなかったわけでございますが、今回、ノーワーク・ノーペイの原則は守っていただくが、しかし身分は保障するからしっかり学んできてもらいたいということで、このような制度で道を開いた、こういうことであるということを御理解いただきたいと思います。
#10
○政府参考人(矢野重典君) 本人の意思に基づいて研修を行うのは今回が初めてでございまして、これ以外の制度はございません。
#11
○仲道俊哉君 何となく胸に落ちない点があるんですが、結局、お聞きしますと、向上心の旺盛な現職教員がみずから志願してより上位の専修免許状を取得する目的で大学院に進学しようとするものですから、当人に余り経済的不利のない職務免除方式をとるのが制度的には一番私は常識的だと思うんですが、どうして本人に不利な休業制度を採用したのか、いまひとつ疑問が残ります。
 私自身も、実は現職のときに内地留学で東工大に一年間行った経験もあるわけですが、教員としては自分で学びたいという意思もありますけれども、できるだけ生活を保障してやるというのも非常に行政としては大事じゃないかなというような気もいたします。
 そうしますと、この休業期間中の健康保険及び年金の扱いはどうなるのか。また、休業中のけが等について公務災害は適用になるのか、災害補償はどうなるのか、そういう点についてお伺いをいたしたいと思います。
#12
○政府参考人(矢野重典君) まず、医療保険や年金でございますが、これにつきましては、大学院修学休業中の教員は公務員としての身分を保有しておりまして、以後の職務復帰が原則とされているわけでございますので、そういうことを踏まえまして、本人及び被扶養者の病気等に関し各種の給付を受けることができますように、共済組合員の資格が存続するよう別途政令を改正する予定でございます。
 したがいまして、大学院修学休業中の教員につきましては、職務に従事している教員と同様に、休業期間中の本人の掛金負担と各公共団体等の事業主負担を前提といたしまして、疾病、負傷等の場合の短期給付を受けることができますほかに、長期給付につきましても、将来の年金の受給に不利益が生じないよう配慮をされることとなるわけでございます。
 また、公務災害補償制度は、職員がそれぞれの職務遂行に際しましてこうむった負傷、疾病、障害または死亡といった災害を補償するためのものでございまして、休業期間中は教員は職務に従事しないわけでございますので、公務による災害補償の問題が生ずるということは考えられないところでございます。
#13
○仲道俊哉君 これを読んでみますと、休業中の給料を支払わないかわりに、奨学金の対象とし、また共済貸し付けの対象とするというのがあるわけですが、果たしてそれで生活が成り立つのか。生活がもしできなければ、これに応募する人も出てこないんじゃないかと思うんですが、そういう意味で、金額的なことをひとつ教えていただきたいと思います。
#14
○政府参考人(矢野重典君) 御指摘のように、こうした研修休業を受けようとする教員に対する経済的支援というのは大変必要であるわけでございます。
 そういう意味で、まず、日本育英会の奨学金でございますが、これにつきましては、大学院修士課程への在学の場合、無利子貸与事業の場合でございますと月額で八万四千円、有利子貸与事業の場合でございますと、本人の選択によりまして、月額で五万、八万、十万、十三万の貸し付けを受けることが可能でございます。
 また、公立学校教員に対する共済による貸し付けにおきましては、用途を定めない一般貸し付けでございますと総額二百万円、教育貸し付けでございますと総額五百五十万円を限度とした貸し付けを受けることが一般に可能であるわけでございます。
 文部省といたしましては、これらの点につきまして各都道府県教育委員会等に周知していくなど、教員が安心して大学院修学休業制度を取得することができるように可能な限り配慮をしてまいりたいと考えているところでございます。
#15
○仲道俊哉君 その貸付金はいずれは返さなければならないし、生活費を共済から借りてまで専修免許状を取得するために大学院に進学をしようとする者が果たして何人出るんだろうかという心配があります。
 生涯賃金を減らしてまでこの制度によって専修免許状を取得するんですが、そうしますと、その免許状を取得しまして教育現場に復帰した者の処遇はどうなるのか。処遇なり待遇がもし変わらないとしたならば、教職員の純粋な向学心に頼る制度ですから、こういう制度の実効性についての見通しについてお聞かせをいただきたいというふうに思います。
#16
○政務次官(河村建夫君) 日本教育大学協会というところがございますが、そこで、現職の教員に対して、本制度といいますか、こういう形になるについて本人の希望をアンケートでとっておるわけでございます。
 その結果によりますと、そういう制度が出れば無給であってもぜひ行きたいと言われる方が、幼稚園の教諭で八%、小学校九%、中学校一〇%、高等学校一一%、それから特殊教育諸学校においては一五%、全体で約一〇%の方がいらっしゃる。できればそうしたいと言われる方が全体で三一%。希望があると言われる方が全体の四割に達しているという統計も出ております。
 これが一遍に出てこられても学校現場は大変混乱する状況でございますが、少なくとも一割の方はぜひという思いがあると聞いておりますので、今千人ぐらい職務命令で行っておられますから、希望者等入れて千人から二千人の間ぐらいは出てくるんではないかという予想を今いたしておるわけでございます。
 そうして、実際に復職された場合のメリット等、実は一昨年、十年の教養審においても処遇の改善が望ましいということも出ておりまして、今そのことも検討いたしておるわけでございます。特別今、職場の復帰については確保してございますから、帰ってこられてどこへも行くところがない、そういうことはあり得ないわけでございまして、きちっとした職場、担任等々を持っていただくことになるわけでございますが、給与等における優遇措置がなされることは、現状では考えていないということでございます。
#17
○仲道俊哉君 冒頭申しましたが、基本的にはこの制度について賛成なのですが、そういう部分的な問題については、例えば今の答弁の、せっかく上級の免許を取っても、職場だけには帰れる、それは当然で当たり前のことであって、実際に休業までして自分で勉強をしようという者が、何もメリットがない。人間というのはやはり何かメリットがあってこそ臨むのであって、本当に、先ほど申しました教職員の純粋な向学心に頼るというそのことだけですから、先ほど、今後考えますと言いましたが、せっかくそこまで、自分で私費を投じて勉強する現職教員に対しては、現場復帰した後でも、そういう本人の希望なり、また今後の本人のメリットになるようなことをぜひ何か考えていただきたいというように思います。
 そういう意味では多少問題も残りますが、今後そういう方向で検討していただくということで、次の質問に移りたいというように思います。
 次は、教師の威厳の失墜と服務規律の緩みということを問題にいたしたいのですが、学級崩壊、校内暴力、教師のセクハラなど、今、学校現場には深刻な問題点が横たわっておりますが、私は、その原因として、教師の威厳が失墜したことと学校現場におけるところの服務規律のたがの緩みがかかわっておるのではないかというふうに思います。
 昔の教師は威厳があり、児童生徒にとっては怖い存在と同時に尊敬される教師でした。教師に威厳があり、尊敬される教師であれば、学級崩壊や校内暴力は起こり得ないと思います。学校とて管理社会の例外ではありませんし、教師は教育の自由を有しますが、それは学級の運営に関してある程度の自由裁量を持つということであって、必ずしも服務規律からの解放を意味しません。
 ところが現実には、教育の自由と教員組織の上下をなくそうとする単層構造化論の名のもとに、とかく管理者たる校長や教頭、ミドルリーダーたる主任の存在、意向や服務規律を軽視する風潮が横行し、学校が一種の無法社会化しているという一部の実態も報告をされております。
 ちなみに、生徒は教師の言動に見習う傾向があるわけですから、およそ上司である校長や教頭の存在を軽視する教師の言うことを聞くはずがありません。ある識者は、校内暴力は、教師たちが組織体として意思の統一をせず、各自が思い思いの判断で生徒指導してきたツケが回ったと指摘しております。
 そこで、教師の服務規律と、昨今マスコミをにぎわしております教師の不祥事について何点か御質問いたしたいと思います。
 まず、一九九八年度中の懲戒、訓告などの処分を受けた公立学校の教員の数は二千五百三十五名、うち、わいせつ行為によるものが七十六名、うち、教え子を含む子供が五十四名と極めて深刻な状況にありますが、教師の服務規律の実態はどうなっておるのか。また、管理者たる校長、教頭は、部下である教師の勤務状況や私生活等に対しどの程度の監督権を持っているのか、お聞かせをいただきたいというふうに思います。
#18
○政務次官(河村建夫君) 校長の責任、権限、これは学校運営といいますか、最終的な責任を負っておるものでありまして、所属学校の教員の活動状況というのはやっぱり的確に把握しなきゃいかぬ、そして必要な指揮監督を行う職責を校長は持っておるわけでございます。したがって、校長は、日常の教員の活動というものを的確に把握すると同時に、日ごろの管理運営の責任者として存在をしているわけでございますから、あわせて教職員、教員を指導監督して、教員を教育するという立場もあるわけでございます。当然、教員の服務規律の確保ということについては、これは万全を期していかなきゃいかぬ。
 したがって、そこにおけるいろんな不祥事については校長に非常に大きな責任があると言っても過言でないし、現実に教育現場で起きているような状況というのは、校長が絶えずそういうことを注意しておけば事前にチェックできる性格のものではないか、このようにも私は感じておるわけでございます。
 そしてあわせて、先ほど御指摘のように、現実に懲戒処分をやらなきゃいけない教員が最近ふえておる傾向がある。これは極めて遺憾なことでございますが、全体の実態についての詳しいことは説明をさせますが、一方、管理と同時に入り口のところ、教員の採用の方でそこのチェックをもっとしなきゃいけないんじゃないか、このようにも感じておるわけでございます。
#19
○仲道俊哉君 実態は、その後でまたお聞きいたしたいと思います。
 今御答弁いただきましたが、私が実際の現場にいたころは、校長がずっと校内を回りまして、そして、板書をして振り向いてみますと、いつの間にか校長さんが教室の中に入って授業を見ながら、終わった後、校長室に呼ばれて指導を受けたという、そういう若いときの経験があるんですが、今はなかなかそういうことができない。
 というのは、その当時は、特に大分県の場合は校長まで全部組合員でしたから、すべてが組合員でしたからそういうことだったんですが、今度、校長が管理職になり教頭が管理職になりましたら、それ以前は全部組合交渉を教育委員会にしておったわけですが、校長、教頭に分会で、学校の中で組合交渉をするということになったものですから、余り日ごろそういう指揮監督しておきますと分会の組合交渉のときにやられると。
 そういうようなことがございまして、校長さんは何を管理しておるかと言うと、松の木を剪定したり草取りをしたり、そういうその辺の管理をしておるという実態が多いわけで、これは何とかそういう実態を把握しながらぜひ行っていただきたいというふうに思います。
 そこで、採用のときに、ほかの職場では半年ですが、教員の場合は一年間ということですね。そういう採用時の問題について、いろいろな問題が今起きておるわけですが、採用のときのこれからの文部省の考え方、実際に一年間というのが果たして妥当であるかどうか、そういうことについてもあわせて御見解をお伺いいたしたいというふうに思います。
#20
○政務次官(河村建夫君) 教員の採用をいたしまして、そして一年間がいわゆる初任者研修ということになっておるわけでございます。これは、公立学校の教員の条件採用期間が、他の公務員は六カ月ということでございますが、教員は一年間ということになっておるわけでございまして、これは教育が、教員と児童生徒の全人格的な交流といいますか、それを目指していかなきゃいかぬということでございますから、その教員が職務遂行能力、どのぐらいの資質を持っておられるかということを知る、そのためにやっぱり一年間必要であろうということでございます。
 ただこれが、では一年以上必要かどうかという問題も御指摘があるわけでございますが、公務員としての身分関係ということもございまして、教員の場合には一年間ということが適切であるというふうに考えておるわけでございます。
 ただ、文部省としては、この一年間において、任命権者である各都道府県の教育委員会等が、初任者の勤務状況とかあるいは勤務実績を適切に評価してその厳格な運用を行うことが重要であるというふうに考えておりまして、この条件つきの採用制度の運用については、これがまさに一年間できちっと行われるように、運用の問題については今後とも十分配慮するように指導してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
 平成十年度においては、採用された一年間の間に三十七人の教員が不採用になっておるという現状もあるわけでございまして、この一年間において自分にみずから適性がないと感じてやめていった人、あるいはその間にちょっと問題があってやめていった人、こういうこともあるわけでございまして、この一年間というのは一つの適当な期間ではないかというふうに考えておるわけでございます。
#21
○仲道俊哉君 三十二分まであるんですが、ちょっと問題点がまだ残りますけれども、これでもうやめます。後に回します。
#22
○本岡昭次君 教育公務員特例法等の一部改正、これは我が党としても賛成の法案でありますので、そういう立場で質問します。
 先ほど同僚議員の質問をちょっと聞いておりまして、やっぱり教育現場の名誉のために一言申し上げておかなければいかぬと思います。
 学校長が管理者として、松の剪定をしたり草をむしったりして管理しておるということも話がありましたけれども、そういうことは会議録に残るわけでありまして、これは教育現場に対する大変な僕は侮辱だと思うし、中にはそういう人もおるかもしれませんが、もしそういうことであるならばこれは大変なことで、学校の校長さんは管理し過ぎるほど教職員を管理していると、私はむしろ逆に思っているわけで、中にはそういう人がいても、そういうことを一般論としておっしゃっていただくと、公式の場だけに大変私は問題が出てくるのじゃないかと思うので、そのことだけをちょっと申し上げておきたい、このように思います。
 次に、今回の教育公務員特例法等の一部改正案は、長期研修休業制度を教員の自主性や主体性に基づいて大学院など高いレベルの研修を行って、現在持っている一種免でなく、さらに上位の専修免許状を取得できる、そうした研修を保障しようという全く新しい研修の制度をつくられたと考えます。このことは、人事院等で教員の研修問題なりあるいは中教審でも教員の研修問題がさまざま論議されている中で、ある一つの新しい研修の突破口を開くこととして、先ほど言いましたように賛成をしたいと思うんです。
 そこで難しいのは、教員の自主性や主体性に基づくという、ここのところが非常に難しいのではないかと私は思います。
 従来も、学校に就職して、そして上位の免許状を取るために、自発的に一たん教員であることをやめて、そして大学院へ行って再び戻ってくるというふうなことをやった人もいるし、あるいはまた、通信教育とかそのほかの方法でもって、現場の教員をしながら上級免を取っていくというふうなことも自発的な努力としてやっておりました。そういう個々人の努力を研修の制度として保障しようということですから、まことに結構なことであると思います。
 しかし、今行われている、教育系大学のところに教育委員会がある程度は指名をしてそして休職を与えて行かせる、給料も保障する、職場も保障するというやり方と違うところがあります。
 そこで、一番の問題は、この休職制度を求める希望者、大臣は衆議院では千人以上ぐらい予想されるんではないかというふうな答弁をされております。それで、何人であろうとも、文字どおり教員の主体性と自主性に基づいて大学院で高いレベルの教育を受け、高い免許状を取得するという志を立てた者をすべて認めるのかどうかということになってくるのですが、そのあたりはどのようにお考えですか。
#23
○国務大臣(中曽根弘文君) 教員の方々は、日々職務を遂行する中で、みずからの能力の向上等自己啓発に努力されておられると思うんです。毎日毎日の職務を行う中でいろいろな力量も身につくことと思いますし、そういう中で、またさらに勉強したいこととか自分で不足していると思うようなこと、いわゆる課題を見つけることができると思います。
 そういう教員の方々の御要望もありますし、また国民からすれば、教員の方々のそういうような教師としての能力が高まるということは大変に喜ばしいことでもありますし、願いでもあります。そのため、今回、個々の教員の方々の自主的なまた主体的な研修の意欲に基づいた研修を奨励して、そのための支援体制の整備を図るということでこのような法律を御審議いただいているわけであります。
 教員の方々が解決していかなければならない課題というのは大きく分けて二つあると思います。一つは、やはり質の高い授業を行うためのものであります。それからもう一つは、子供たちの生きる力を育成するための、例えば国際理解とか情報とか横断的・総合的な課題についての指導力、あるいはいじめとか不登校などへの対応とかいろいろあると思います。
 そういうことでこの制度を取り入れるわけでありますけれども、また同時に、大学院の修学休業制度は専修免許状の取得を促進するというものでありまして、長期にわたって職務専念義務を特別に免除して先生方に勉強していただくということです。
 そこで、今、本岡委員がおっしゃいました教育委員会における許可、不許可の問題でございますけれども、申請者が仮に殺到した場合には将来の教職員定数の管理に支障を生ずることもあるかもしれない、例えば一つの学校なり一つの地域で多くの方が希望された場合にはやりくりをしなきゃならないと。来年度からどういう形になるかまだなかなか予測しがたいのでありますが、そういう場合には一定数の申請者を不許可とすることもあり得るところであります。この場合、任命権者は、本人の課題意識とかあるいは修学意欲の程度などを適切に勘案しつつ、それぞれの申請に対して許可、不許可を適切に判断するものと考えます。
 なお、一定数の申請を不許可とせざるを得ない場合でありましても、任命権者は適宜申請者に対しまして大学院修学休業の時期の変更などを求める、来年にしていただくとか、そういうようなことによりまして、可能な限り希望する多くの教員が大学院修学休業を取得できるように配慮していくことが必要である、適当である、そういうふうに思っております。
#24
○本岡昭次君 まず、本人の希望がありますね。希望を持っただけではだめです。まずどこの大学院へ行くかということを、事前に入学資格を取っておかなければ全く意味がないわけです。資格を取るためには、いわゆる選考試験か、それぞれの大学院によって一定のそういうものがあるんでしょう、それに合格しなきゃいかぬ。それを受けるためにはやっぱり受験料とかさまざまなものがそこに要るわけで、そういうものに合格して、それから学校の校長に申請する。校長は地方教育委員会にそのことを持っていく。地方教育委員会は県の教育委員会に内申を出していく。そこで許可、不許可が決まる。こういう手順になってくると私は考えます。
 そのときに、県教委が人数が多過ぎるからといって許可、不許可をするという段階で、みんなそういう手続を踏んできているものを、あなたはだめよとなったときに、私はせっかく大学院の難しい試験を通って合格してきているのに、だめですよと言われて、来年へ回します、大学が、わかりました、一年待っていましょうかというふうなことになるのかという問題が私は出てくると思うんですよ。
 だから、そういう意味で恐らく事前の話し合いというものが学校で行われるというようなことになると思いますが、しかし、その学校学校で行っても、合わせてみたら何人ということはわからぬわけですね。だから、かなり緻密な手続の問題が私は必要だと思います、混乱を起こさないように。
 というのは、ここで許可がされればどこの大学院でも行けるというんなら問題はないですよ。来年に回しなさいとか再来年まで待っておりなさいとか言えますけれどもね。現場が、その人が許可になれば、その裏づけの教員をどういう形かで配置しなければならぬという人事配置の問題が同時に起こってくる。そういうことを同時並行的に、四月という時期をめぐって行っていかなきゃいかぬのですから、今ここでそんな細かいことを答えてもらおうと思いませんが、そこで混乱が起こらないようなきちっとした手続の規定のようなものを整備しておかなければ、私は現場に混乱が起こると思うので、そういうものは法律に書き込みませんから、当然今後おやりになると思いますが、私の今言っておりますような心配な問題について、混乱が起こらないようにこういうふうに考えているということがもし今おありでしたら御説明いただければと思います。
#25
○国務大臣(中曽根弘文君) 委員おっしゃるとおり、そこら辺は一つの重要なポイントだと思います。
 先生方が意欲を持って大学院で勉強したいという、そういうものは非常に尊重してできるだけ実現しなければならないと思いますが、日程的な面等も含めまして、早目に学校、学校長、また教育委員会と御相談していただく。教育委員会はその地域全体の希望者数を早目に把握するということ、そして個々の先生方と十分に打ち合わせをするということが大事だと思いますので、そういう点を私たちも十分に配慮してこれからの対応を考えていきたいと思います。
#26
○本岡昭次君 ぜひともそこのところは現場、特に、本人、学校、地教委、県教委と上がっていく過程。一方本人は、ちゃんと家族でもあれば、一年、二年、三年と休業するというのは大変なことですから、その間の生計をどう維持するんだというふうな覚悟を決めてスタートさせていかないかぬのですから、下はだめだと言われたというような、そういうむごいことのないように、非常に難しいと思うんですが、万全の体制をとっていただくように要望します。
 それと、今言いました、休業ですから無給という状態を一年、二年、三年と続ける。就職して間もない二、三年の者ならばそれはそう問題ないと思いますが、かなり厳しいと思います。
 そこで、こういう試算もあるんです。この制度を採用して三年間無給という状態になる。無給という状態の賃金の損失部分は別にしまして、大体そういう休業ということがあると、給与体系の中で、三年間は一定の昇給があってもその人だけは昇給がない。一年に一号昇給するならば、その人は三号、いわゆる下からずっと上がっていかなければならぬ。上位の免許状を取りながら、さらに大学を卒業してまた二十五年、三十年と勤めたにもかかわらず、その三年という差はずっと続くということになれば、その人の教員としての資質とか能力とかいうものも固定したままで行くということになるので、そこのところは私はかなり考えていかなければならぬと思うので、そこにいわゆる復職調整というふうなものが二分の一か、三分の一か、あるいは三分の三か、私は、年次を追って最終的には同期の人と同じような賃金のところへ戻していくということを、直ちにすることが困難であれば、何年か経過をして、経過措置の中でそういうことを検討する必要があると思います。
 それからもう一点、要するに、その差が生涯賃金で、二十五歳ぐらいの方であれば約四百万円になるのではないかとか、三十代であれば二百万円、四十代でも百五十万というふうな試算を、まめな人がおって試算をする人がおるんです。それで、そういうことは、今言ったように、おくれたらおくれたまま行くと、そうなるということですから、果たしてそういうことが合理的なのかどうか。僕は、賃金というのは、やっぱりその人の持っている能力とか、教師としての資質の問題にかなり影響してくると思うので、そこはお考えがあったら聞かせてください。
 それからもう一つ、三年間無給でいるというときに、いわゆる家族があればどうかと。共稼ぎのようなことで、頼むよといって妻に全部頼んで自分は内地留学で行ってしまうという手もありましょうが。
 そこで、奨学資金制度というものを全面的に利用して、奨学資金というのはいわゆる勉強するための学費を中心に貸し付けをするんですが、この場合は、生活費を含めて例えば月五十万というのを貸し付けていくと、三年間であれば千八百万ですよね。千八百万を借りる。それは借りたものだから返さないかぬ、若干の利子をつけて。それで毎月十二、三万ずつでも返していったら、これは十五年ほどで返せるんですよ、住宅ローンで返していくのと同じように。
 だから、そういうふうないわゆる大学院で勉強している休業中の無給状態、本人の希望ですよ、もちろん、それは僕は蓄えてやるべきだと思うんです。三年間無給、おれはもう何百万円ためた、これでやっていけるといってやっていくのが普通だと思うんですが、それほど教員の賃金というのは高くない。だから、やっぱりそれは貸し付けるというふうなこと、借りることができるという条件の整備も一方でつくっていく必要もあるのではないか。
 だから、日本育英会の奨学資金制度の中に、この大学院の、無給で現場から勉強する人たちの生活費を込めた奨学資金制度というものを新たにつくってあげることができれば、いわゆる条件整備として一ついい配慮ということになるのではないかと思うんですが、その二点、どうでしょうか。
#27
○国務大臣(中曽根弘文君) 大学院の修学休業後の復職時における給与調整というのは非常に重要なことであります。他の休職の場合の取り扱いと同様に、人事院規則または各地方公共団体の給与に関する条例においてまず適切に定められることになるものと承知をしております。
 文部省といたしましては、大学院修学休業後の復職時の給与調整のあり方につきましては、専修免許状の取得により、休業中の活動に以後の職務への相当の有益性が認められることにかんがみまして、今後適切な対応がなされるよう努力をしてまいりたいと思っております。
 そこで、先生からお話がありました、後先になりますが、休業者に対する経済的支援の中での育英会の奨学金についてでございますが、これは大学院修士課程への在学の場合は、無利子貸与事業の場合で月額八万四千円、有利子貸与事業の場合で、本人の選択によりまして月額で五万とか八万とか十万とか十三万円の貸し付けを受けることが可能でございます。
 それから、公立学校教員に対する共済による貸し付けにおきましては、用途を定めない一般貸し付けで総額二百万円、教育貸し付けで総額五百五十万円を限度とした貸し付けを受けることが一般に可能でございます。
 私どもとしては、これらの点については、各都道府県の教育委員会に周知をしていく必要があると思っております。教員の方々が安心して大学院修学休業を取得することができるよう、可能な限り配慮をしていきたいと思っております。
 それから、復職時の給与調整のあり方については、委員の御指摘の点も踏まえまして、先ほど申し上げましたような、専修免許状の取得によって、休業中の活動に以後の職務への相当の有益性が認められる、そういうことから、関係省庁と適切な対応がされるように協議をしていきたいと思っております。
 休業者に対する経済的支援につきましては、この休業制度の活用状況を勘案しながら、委員がおっしゃったような点も十分に考慮しながら対応していきたいと思っております。
#28
○本岡昭次君 今の段階ではその程度の答弁しかいただけないと思います。しかし、高位の免許状を取って現場へ帰ったという人の復職調整、私は、三分の三、一挙にするのか、少し期間を置いてやるのか、いずれにしても完全に同期の者と同じようなこと、さらにそれより高いものをつけようという意見もこれはあるわけでありまして、それは免許の内容によって賃金に差をつけるのかどうかという非常に難しい問題も起こってきますが、いずれにしてもそういう経済的な問題の支援は大事であろうと思います。
 それと、今言った奨学資金制度、これは何も教員の休業制度だけじゃなくて、この制度はいろんなところで、大学院に休業しながら学ぶというふうな研修制度は出てくると思うんです。だから、今の日本育英会の奨学資金制度が、いわゆる学資と教育に必要なお金、若干の生活費も加味されているような感じもしますけれども、今おっしゃったように八万、十万、十三万、ちょっとそれは、単身ならいざ知らず、家族を抱えてのそういう状況ではやはり少ないのではないか。もう少し二十万、三十万という単位のものを、どうせ返すということなんですから、検討して、奨学資金の枠の拡大ということについても積極的にこの際働きかけていくべきではないかと思いますが、最後にその点をお聞きして終わります。
#29
○国務大臣(中曽根弘文君) 大学院で勉強中の経済的なことについては、御本人も心配されるでしょうし、御家族もあるということで十分配慮しなければならないと思っていますし、私たちもできるだけの配慮をしたい、そういうふうに思っています。委員おっしゃいましたように、もちろん御自分の蓄えもベースにしていただかなければなりませんが、十分に今後検討していきたいと思っています。
#30
○松あきら君 先ほどからそれぞれの委員の質問に、まさに私が伺いたいと思うことをみんな聞かれてしまったなという気持ちでございますけれども、しかし、私はこの法律は教育公務員にとってはすばらしい道を開いたというふうに思います。
 ただ、残念なことは無給ということです。これは今多々お話が出ましたけれども、もちろん奨学金は借りられる。この奨学金の問題に関しましては、我が党は奨学金拡充ということで、いろいろな御配慮もいただいてかなりこれは大きく拡大はしていただきましたけれども、今大臣の御答弁にもありましたように、家族持ちの方もいらっしゃるわけで、その点については私からもぜひよろしくお願いしたいというふうに思います。私はしかし、無給であるからこそ、多少の何か研修手当みたいなものはまた別の名前でつかないのかなという気持ちがあります。
 しかし、世界の流れというのは、マスターあるいはドクターというのを取るのは当たり前ということになっているんです。先日も私、ユネスコ国内委員にさせていただいておりまして小委員会に出ましたら、やはりこの話が出まして、日本の官僚は非常に優秀なのに、なぜマスターやドクターを取っていないのかと。ユネスコもそうですけれども、国連あるいは世界の機関ではこれはあるのが当たり前ということです。日本はなかなかマスターやドクターを持っている人が少ないわけで、また入るのが大変だというふうに聞いております。ですから、日本でも専門分野を専攻するという意味で、また世界の流れの中でこういうふうになっていくことはすばらしいことだというふうに思っております。
 私の地元の神奈川県のある県立高校の先生が、昨年中国へ行こうと思いまして申請をしたんです。そうしましたら、中国語は神奈川県にとって意味がないというふうに言われたそうなんです。何かメリットがないからだめよということで、どうしても行きたいとおっしゃるなら教員をやめて行きなさい、こういうふうに言われたそうで、結局この先生はあきらめたんです。
 先ほども御質問は出ておりましたけれども、「任命権者の許可を受けて、」というのがあるわけですね。そうしますと例えば、大学院は日本の大学院じゃなくて世界のどこでもいいというわけですね。だから、留学でもいいというわけですね。世界のどこかの国の大学院でもいいということですよね。そうしますと、御存じのように入学は四月ということではなくて秋でございますから、日本の大学院でもそうですけれども、行きたいと思いましたら、かなり前から、どこを受けようかなとかいうことになるわけで、ですから私は、事前に学校にきちんと相談をして、外国ということもあるわけですから、そういうふうにみんなが事前に相談をするようにすれば把握も大体できるんじゃないかなと。
 やはりそういった意味の最低限度のガイドラインみたいなものをつくっていかないと、各任命権者の許可もそれぞれに違ってしまうと。早目にきちんと相談を受けて、ここはこうだから、人数もうちの学校で何人もいるからこうですよとか、いろんなところで違ってしまうと混乱が起きるという意味で、最低限度のガイドラインを御用意されたらいかがというふうに思いますけれども、大臣の御所見を伺いたいと思います。
#31
○国務大臣(中曽根弘文君) この制度の意義は委員十分御承知であると思いますので重ねて申し上げませんけれども、やはり公務員でありますから、休業して相当期間学校を離れるわけですから、許可が必要であるということは御理解いただけると思います。
 そして、これは二つの主な理由があるわけですが、一つは、専修免許状の取得促進という制度の目的に照らしまして、目的とする専修免許状の取得に在学予定の大学院等のカリキュラムが適当なものであるかどうか、それから本人の課題意識、学習の意欲の程度等について事前に確認しておく必要があると考えられること。もう一点は、申請が殺到して将来の過員状況を招くなど人事管理上の不都合が生じることを避けるため、許可者数を毎年度調整する必要があると考えられることから、人事管理政策の一環として任命権者に広範な裁量を認めるものでございます。
 休業の許可に当たりましては、各都道府県教育委員会等においてこのような観点から適切に判断されるものと考えますが、文部省といたしましては、なるべく多くの意欲のある教員にこの制度を活用していただきたいと考えておりまして、特段の支障が生じない限り休業の許可を行うことが適当と考えています。
 そのため、各都道府県教育委員会等に対しまして、制度の趣旨を踏まえた適切な運用を促してまいりたいと思っておりまして、今、委員お話しありましたガイドラインでございますが、各県それぞれさまざまな事情もあると考えられることから、現時点におきましては全国一律のガイドラインを示すことは考えていませんが、御懸念の点も十分わかりますので、今後よくまた省内でも相談をしていきたい、そういうふうに思っております。
#32
○松あきら君 それぞれ事情はありましょうけれども、最低限度の基準というか、そういうものが必要だというふうに私も思うわけでございます。
 先ほど伺いましたら年間大体千人ぐらいじゃないかということなんですけれども、これはほぼ、それ以上になれば許可しないとかそういうことなのかどうか、その辺も伺いたいなというふうに思います。
 それから、専修免許状を取得したら待遇が変わるのかという点においては全然変わらないわけですね。三年未満ということですから、二年あるいは三年給与がなく、奨学金などを借りて勉強してこの免許状を取っても、何も待遇は変わらないどころか、最終的にはその行った分だけ損をしてしまうようなことは、私はこれはとんでもないというふうに思うわけです。
 大臣はもちろんよく御存じだと思いますけれども、アメリカなどではもちろん、途中で休んで免許状を取った、マスターあるいはドクターを取ったらちゃんと上がるんですね。欧米の諸外国では上がるのは当然で、つまり付加価値に対してはペイをするという、これは当然の世界の流れであるというふうに思うわけです。ですから、間は無給だというのは、もう百歩譲って仮にしようがないとしても、帰ってきてからまた差が出ちゃうというようなことはとんでもないというふうに私は思うわけです。ですから、ぜひその辺は早急にお考えいただきたいというふうに思います。
 それから、先ほどちょっと聞いておりましたら、もちろん人間ですから、大学院等に行っている間にけがや病気をする場合どうなるかという御質問がさっき出ました。そうしましたら、掛金を掛けていただくんだから、これに対しては保険がききますというようなお答えだったと思うんですね。そうすると、無給でも掛金は自分で毎月掛けなきゃいけないのかなと。無給なのにさらに掛金も掛けなきゃいけない、その辺ちょっとどういうふうになっているのか伺いたい。
 それから、災害補償はなしということは、つまり働いていないんだから労災はつかないんですよということなのかなというふうにこれも思います。年金も配慮するということですけれども、済みません、通告していないんですけれども、先ほどちょっと御質問が出たので関連して伺いたいというふうに思います。大臣じゃなくても結構でございます。よろしくお願いいたします。
#33
○政務次官(河村建夫君) 共済組合の掛金の問題でございます。
 共済制度というのは社会保険制度の一つで、強制加入を建前としているわけでございまして、組合員に保険料、掛金を出してもらって加入者の疾病、負傷、それから死亡等の事故に対して給付を払う制度でございますが、所定の掛金負担を要するということは、これは組合員である限り大原則でございますので、休職等の理由で給与の全部が支給されない場合であっても掛金は全額払う、こういう仕組みになっております。したがいまして、大学院修学のために休業しているということになっても、共済組合員資格が続いている以上、その間の掛金は負担をしなきゃいかぬということでございます。
 育児休業制度というのは、特別にそういう免除の制度を設けました。今回についてはこの制度をいたしていないわけでありますから、これについてもいろいろ御指摘があるところでございますが、今回の大学院修学休業制度によって専修免許状を取ろうと、本人の自己都合による休業を教員に認めるものであるから、育児休業の場合と違って大学院修学休業の取得が将来的に共済運営等の直接に資するものでないということもありまして、共済掛金の支払い等については、他の病気休職等の場合と取り扱いを異にすべき特段の理由がないということもございます。文部省といたしましても、大学院修学休業中の教員の共済掛金の支払いに支障が生じないように、休業期間中の経済的援助に係る各種奨学金制度、先ほど共済制度がございましたが、そういうもので配慮していくということを周知徹底していきたい、現状はそういうふうに考えておるところでございます。
#34
○松あきら君 ということは、奨学金の中で掛金も含めて、家族の生活も含めてというようなことだと思いますけれども、こういう問題は非常に大事な問題でございますので、ここの辺をきちんとしませんと、私は、大学院等に行ってマスターとか取るということは、御自分の専門性を高めるだけでなくて、やっぱり充電期間、そしてまたそれによって子供たちに新しい息吹と刺激を与えるという意味でとても大事なことだと思うんです。
 こういうさまざまな犠牲と言ったらなんですけれども、独身ならともかく、御家族もいるような状態ですと、せっかく気持ちがあっても、ここまで考えてしまうとなかなか踏み切れなかったりするんじゃないかな、せっかくこの制度ができてもそういうふうになったら残念だと思いますので、この辺よろしくお願いいたします。
 そうしますと、大学院の修士課程の目的は、「修士課程は、広い視野に立つて精深な学識を授け、専攻分野における研究能力又は高度の専門性を要する職業等に必要な高度の能力を養うことを目的とする。」、こういうふうになっているわけでございます。
 こういうことのために専修免許状を収入減まで覚悟して取得するメリット、御本人にとって、また学校にとって何を期待するものなのか、これを御説明いただけたらと思います。
#35
○政務次官(河村建夫君) 大学院においては、特に教育学、教育心理学とか文学、理学、さまざまな専門的な分野をさらに学ぶわけでございますが、この休業制度を利用することによってさらに、修士課程修了を基礎とした上で臨床心理士の資格を取る、私の地元の山口大学ではそういうことを専門にやっておりますが、そうした高度なカウンセリングに関するような技術とかそういうことは、今教育現場におきますいじめとか不登校等の生徒指導上に極めて期待をされるし、また有効であるというふうに考えられております。
 それから、理工系の場合においても、今、最先端の理論、技術を教授するということが求められておりますし、子供の科学的関心を高める魅力ある授業をやっていただく、理科の授業は楽しいと言われる授業をやっていただくという期待がそこにあるわけでございます。
 また、自分の専門だけじゃなくて、非常に広い範囲の学際的な領域を学んでもらわなきゃいかぬというようなことで、福祉とか環境とか、こういう大きな、新しく地球的規模で出てきたような問題についても視野を広げていただいて、その教育に生かしていただくということを期待しておるわけでございまして、この休業制度によって学んできていただいて、教員の先生方も自信を持って教壇に立っていただく、そしてリーダーシップを発揮していただくということを大いに期待いたしておる、その点がメリットだというふうに考えております。
#36
○松あきら君 ところで、ある小学校で卒業論文を書かせたところがあるんですね。これは千葉県の市原市というところの小学校なんですけれども、六年生の卒業に当たって、一人一人がテーマを選んでクラス全員で、一人約六十五枚、二千二百五十七枚の卒業論文を一年かけて書いたと。そして、これはどういうテーマで書いたか、いろんなことをそれぞれが発表したという。私はすばらしいことだというふうに思うわけです。こんなに長い文章を今まで書いたことなかったんだけれども、一年かけてこれに取り組んだら国語嫌いが直ったという。私は、すばらしい授業だなと、こういう授業を提供できる先生をたくさん輩出してほしいというふうに思うわけでございます。
 また半面、実は今、コンピューター、インターネットの時代で、例えばマスターを取るために三年間休んで行っている、しかし帰ってきてコンピューターのことが全然わからないとすると、これはまた困ってしまう。今、就職も、インターネットで就職の申し込みもやるという会社もたくさんあるようでございまして、この辺に関しまして大臣の御所見を伺いたいと思います。
#37
○国務大臣(中曽根弘文君) 大学院におきましては、先ほど総括政務次官から答弁ございましたけれども、専門的なコースだけではなくて、教育学とか教育心理学とかいろいろ幅広く勉強することができるわけでございますけれども、現在、委員おっしゃいましたようなコンピューター活用能力とか、あるいは社会の変化に適応するためのいろいろな知識とか能力、技術、そういうものを身につけさせる研究というものも、都道府県教育委員会等はもとより、国においても積極的に今行っているところでございます。
 そういうことから、今後もこういう時代の大きな変化というものに配慮しながら、このような分野での教員の研修、そういうものをさらに充実を図っていきたい、そういうふうに思っております。
#38
○松あきら君 時間ですので終わります。
    ─────────────
#39
○委員長(佐藤泰三君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、本岡昭次君が委員を辞任され、その補欠として輿石東君が選任されました。
    ─────────────
#40
○林紀子君 日本共産党の林紀子でございます。
 今まで同僚委員からいろいろと指摘がございましたけれども、今回の改正案で新設される研修といいますのは、現場の先生の要望も大きいとは思いますけれども、全く無給となっておりまして、その上、授業料や共済組合の掛金などすべて自弁になるということですね。大学院の入学金と授業料は、国立大学でも二〇〇一年度からは合計七十七万三千八百円にも上ります。また、月々の共済掛金も、三十歳で月四万二千円、四十五歳では月六万六千円と決して安い金額ではありません。片や教育委員会からの推薦で大学院へ研修に行き授業料も給料も出る教員と、自主研修としてすべて自弁で賄う教員との格差、余りに大きいと思うわけですね。
 かつて、教員、保母、看護婦対象の育児休業法が始まったときも、育児休業中の共済掛金だけは免除されておりました。育児休業との均衡に配慮、こういうことが教養審の答申でも指摘されております。文部省が今回の研修制度を本当に成功させていくつもりならば、大学院の授業料免除、共済掛金の負担などについて今後どうしても検討していただきたいということを初めに指摘しておきたいと思います。
 そして、先生方が大学院に行って勉強し直したい、また、一、二年休んでリフレッシュしたい、こう思うのは今の学校現場の非常に困難な現状が背景にあると思います。こうした中で教員の健康破壊というのが今大変広がっております。全日本教職員組合が行った教員三万二千六百人の調査では、疲れる、とても疲れる、合わせますと九二%に上り、国家公務員労働組合の八二%と比べても非常に高い割合を示しております。昨年末の文部省調査でも精神疾患で休職する教員が全休職者のうち四割に上るなど、メンタルヘルスの問題も大変急増しています。昨年も取り上げましたけれども、労働安全衛生法の視点で学校現場を見直すことがますます重要になっていると思うわけです。
 例えば産業医ですけれども、専任率は小中学校では五〇%程度と非常に低い。また、専任されているところでもなかなか活用が進んでおりません。私が調べたところでは、産業医の報酬、北海道では五十人以下の学校で年間六万一千二百円、月にしますとわずかに五千百円です。秋田は年間四万一千二百八十円、月々では三千四百円、長野や岐阜も年額でおよそ五万円ということになっているわけです。
 報酬が低いとどういうことになるかということですが、巡回指導の回数を減らすということにどうしてもなるわけですね。文部省としてはこうした各県の実態を把握しているかどうかということをまずお聞きしたいと思います。
#41
○政府参考人(遠藤昭雄君) お答えいたします。
 学校に置かれます産業医の報酬につきましては、地方交付税におきまして標準団体当たりの単価が算入をされておりまして、都道府県分で五百十万、市町村分で百十五万ということが算入をされておりますが、具体的な報酬の額につきましてはそれぞれの県や市町村の実情に応じて措置をされているという状況でございまして、文部省として全国的な状況について把握いたしておりません。
 ただ、若干ではございますが私どもでも把握しているところでは、今先生も何件か御紹介いただきましたけれども、千葉県の県立高校の場合ですと、専任で年額二十二万二千円、学校医と兼任をしている場合には八万九千円と。それから、広島市の市立学校の場合ですと、ここは専任はおりませんで兼任でございますが、教職員五十人以上の場合には五万九千円となっておりまして、したがいまして、設置の仕方とかあるいはこれに伴う報酬額においていろんな状況になっているのではないか、このように考えております。
#42
○林紀子君 今、具体的な例を幾つか出していただきましたけれども、ぜひ全国的にどうなっているかということを調査して、こういう基本的なところからぜひ始めていただきたいと思うわけです。
 そもそも、学校医と産業医というのは目的が違うわけですね。学校医が予防接種などを行うために学校に行く場合、産業医としての役割、先生の方をどうやって診るかということはほとんど果たしていないと思うわけですね。産業医による月一回の巡回指導をきちんと実効あるものにするためには、交付税の措置というのをどうしてもふやしていく必要がある。年三回ぐらいしか巡回できないんだということではもう産業医としての資格というのは、月に一遍は必ず巡回するということになっているわけですから、どうしても果たせないと思うんですね。
 文部大臣には前回もこのお話を聞かせていただきましたけれども、改めて、額をふやすということでどう努力していただけるかというのをお伺いしたいと思います。
#43
○国務大臣(中曽根弘文君) 委員が今御説明くださいましたように、労働安全衛生法に基づきまして、公立学校において専任されている産業医につきましては職員の健康診断や職場の衛生管理などの職務を行うこととされておりまして、月に一回、職場を定期巡回することになっております。
 これらの職務を行う産業医に対する報酬につきましては地方交付税措置の中に盛り込まれているものと承知をしておりますが、文部省といたしましては、学校における産業医の活動がより充実したものとなるよう、その報酬に係る地方交付税措置の充実について関係省庁にお願いをしてまいりたいと思っております。
#44
○林紀子君 交付税措置でどうしてもふやしていただきたいということをあわせてお願いいたします。
 教員のメンタルヘルスの問題では文部省も既に、九三年に「教師の心の健康等に関する問題について」、こういうふうな題の調査研究協力者会議の報告を出しておりますけれども、残念ながら労働安全衛生の視点というのは、この中にはほとんど入っていないということを読んで思ったわけです。
 その中で指摘をされているわけですけれども、教員の病気休暇の代替措置についてなんですね。病気休職は定員外になるので先生の代替要員は認められるけれども、病気休暇の場合は代替要員がないため補充が行えない、病気休暇が長期にわたる場合は、代替して行う教員を配置するための措置等を講ずることが必要である、こういうふうに指摘をしているわけなんですが、この報告を受けて、病気休暇の代替要員のための措置を国としてはどうしようかということを検討なさいましたでしょうか。
#45
○政府参考人(矢野重典君) 病気休暇の場合の代替教員の措置でございますが、先生先ほど御指摘ございましたように、国の制度上、病気休職の場合でございますが、病気休職の場合には教育活動に支障が生じないよう代替者を任用することが可能となっているわけでございますけれども、病気休暇の場合でございますが、これにつきましては、先ほど指導通知を御紹介になりましたけれども、それを受けまして、各都道府県教育委員会等におきましては、病気休暇が一カ月以上に及ぶなど長期にわたることが予想される場合には、非常勤講師や臨時的任用の教員を採用するなどの措置が全国で講じられているところでございます。
#46
○林紀子君 それは県がそういうことを行うということだと思いますので、では、国はどういうことをするわけですか。
#47
○政府参考人(矢野重典君) 先ほど御説明申し上げましたように、病気休暇の場合についてそうした教員の代替措置を講ずることが必要であるということで、既に全国各県において非常勤の講師でございますとか臨時的任用の教員を採用するなどの措置が講じられているわけでございます。
 文部省といたしましては、こうした病気休暇中の代替者の措置につきましては、これは基本的には各都道府県教育委員会の責任において実施されるべきものであるというふうに考えているわけでございまして、具体的な対応はさまざまでございますけれども、先ほど申しましたようにすべての県で既に実施されているわけでございますし、また、公務員制度全体のバランス等を考えますれば、国として例えば国庫負担制度等を考えるということはなかなか難しいというふうに考えておるわけでございまして、そういう意味で、各県の教育委員会においてそれぞれの実情に応じて適切に措置をしていただくことが必要であろうかと考えているところでございます。
#48
○林紀子君 それはかなり無責任な話なんじゃないかと思うんですね。といいますのは、病気休職というのは、例えば広島では三十日以上休むと病気休職というふうになっていますけれども、多くの県では九十日以上で病気休職になる。そうすると、休暇というのはとっても、その間の代替要員というのはそれぞれの県がやればいいということなんですけれども、やはりそれはきちんと国も全体的に見渡して、各県ばらつきがないようにちゃんと手当てもしていくということがどうしても必要だと思うわけです。ですから、県任せにしないで、国としての財政措置をとるということをぜひ実現していただきたいということをお願いしたいと思います。
 労働安全衛生法というのは職場の最低基準法です。これを遵守することは事業主、自治体の義務だというふうに思うわけですから、文部省も自治体任せにしない姿勢というのが本当に求められているのではないかというふうに思うわけです。
 先生が病気になって休んでしまう、またはやめてしまうということは子供たちにとっても大変つらい話なんだということを、私、こんな子供の詩を見たんですけれども、岡山県の六年生の女の子が書いた「やさしかった先生」という詩です。
 やさしかった先生
 西先生も吉永先生も
 やさしい先生だった
 でも
 つかれたのだろうか
 やめてしまった
 とてもやさしい先生が
 つぎつぎとやめていくような気がする
こういうことを書いているわけなんです。
 今の教師の仕事というのは、広島大学の岡東壽隆教授も書いているわけですけれども、「日本の教育風土は、子どもの成長や発達のあらゆる責任を教師のみに集中させすぎている。」、そして「この期待が教師の加重負担を生んだり、身体的な疲労とストレスを抱えながらも、職務に精励する教師を生んでいる。蓄積された疲労とストレスはやがて精神にもおしよせ、メンタル・ヘルスを破壊する。」と。こういうことで先生がやめていかざるを得ない、病気にならざるを得ないという状況が起こっているわけです。
 大臣にぜひここは御決意を伺いたいのですが、文部省として、これ以上教師の病気や精神疾患をふやさない職場づくり、これに本気で取り組んでほしいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#49
○国務大臣(中曽根弘文君) 学校教育は、単に生徒に教科を教えるだけではなくて、教員と児童生徒の人格的な触れ合いを通じまして子供たちの成長を促していく、そういうまた営みであるということで大変重要でございます。そのためには、やはり教員が心身ともに健全である、健康であるということがさらに重要であると思っております。
 文部省といたしましては、会議とか行事の見直しなどの校務運営の効率化などを図ることによりまして、何よりも教員の方々がゆとりを持って教育活動に専念できるように努めるとともに、また日ごろから教員が気軽に周囲に相談したり、また情報交換をできる職場環境をつくるように都道府県教育委員会に対しましても指導を行っているところでございます。また同時に、教員のカウンセリング体制、これを整備するとともに、心の不健康状態に陥った教員に対しましては、その早期発見、早期治療に努めるよう指導しているところでございます。
 今後とも、文部省といたしましては、教育委員会に対しまして、教員のメンタルヘルスの保持増進等について十分な指導、助言をしていきたいと思っております。
#50
○林紀子君 そこで、教員の精神疾患の公務災害認定についてお聞きしたいと思います。
 地方公務員災害補償基金における自殺、公務上の認定を職種別に見ますと、これまでに二十九件あるうち、教育職員が七名とトップになっております。昨年九月には、労働省が、それまで明確な指針を設けていなかった精神疾患について公務上の認定基準を公表しましたし、人事院も指針を出しました。
 ここで重要なのは、内因性疾患というものは、遺伝であるとか原因不明だとして、今まで公務上の認定から排除されてきましたけれども、精神医学の進歩で、外因、心因、内因という原因論は区別なく、ストレスと本人の脆弱性、これを視野に入れた診断が行われるようになってきていると思います。
 地公災も通知を出しましたね。これは、精神疾患は国際的に認められたICD10の疾病を対象とすること、自殺だけではなく精神疾患も含めたもの、つまり労働省や人事院の基準と同様の取り扱いをする、こういうふうに確認してよろしいでしょうか。端的にお答えいただけたらと思います。
#51
○参考人(山崎宏一郎君) 昨年の九月に地方公務員に関しまして新たな基準を定めております。
 今御指摘のありました件ですけれども、公務に起因する自殺あるいは公務に起因する精神疾患、これに関しました基準でございますけれども、若干通達の、通達といいますか、その基準の立て方は形式的には異なっておりますけれども、実質的には、精神疾患の認定に関する基本的な考え方は、国公災あるいは労災の認定指針と何ら変わるところはございません。
#52
○林紀子君 最後にあと一問お聞きしたいんですけれども、地公災の通知では、狭義の精神疾患、分裂症などについては「厳正に」という言葉があるんですね。それからまた、「具体的事項」というところで、「「精神疾患」とは、次に例示するもの」ということで六つに限って書いてあるわけですね。ですから、労働省、人事院の通知とは同じだというふうに今おっしゃいましたけれども、ここは明らかに違っているんじゃないかと思うんですね。ですから、ぜひ労働省や人事院の通知と同じものだと誤解を与えないように、こういう文言というのは地公災のこの通知から削除をしていただきたいというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
#53
○参考人(山崎宏一郎君) 若干、検討の経緯といいますか、あるいは制度の立て方が国公災、労災と地公災と違うところがございますが、先ほど申し上げましたように、結果として、ある事案が出た場合にどういう扱いをするかという点では我々何ら変わることはないと思っております。
 今御指摘の内因性疾患等でございますけれども、基準の中に若干、同じ表の中ではございませんけれども、やはり表をつけておりまして、それにつきましても同様な基準で判断をするという通知になっております。労災なり国公災の通知等もよく見ますと、当該精神疾患の状況、あるいはその職員のあるいは労働者の個体的、生活的要因等を見ながら十分慎重に検討するという表現も見受けられておりますし、実質的には何ら差はないというふうに思っております。
#54
○日下部禧代子君 まず冒頭に、教育改革国民会議についてお尋ねしたいと思います。
 森首相は、所信表明演説におきまして、夏ごろを目途に中間報告を提出してもらうというふうにお述べになっていらっしゃいますが、現在までの経過とこれからの予定につきましてお願いいたします。
#55
○国務大臣(中曽根弘文君) 教育改革国民会議は、去る三月二十七日に第一回の会合を開きまして、先日、四月十四日に二回目が開催されております。
 第一回の会議におきましては、委員の方々二十六名のうち二十四名が御出席でございますが、全員から自己紹介も兼ねまして現在の教育に対する委員個人個人のお考えなど御発言がございました。それから、先日の第二回目の会議におきましては、戦後の教育の総括という議題のもと、三名の委員の方々、河上亮一委員それから森隆夫委員、今井佐知子委員の三名の委員より、子供の現状の分析、検討という観点から意見発表をいただきまして、その後、意見交換を行ったところでございます。
#56
○日下部禧代子君 これからの予定も。
#57
○国務大臣(中曽根弘文君) 失礼いたしました。今後の予定でございますが、次回は四月二十五日に三回目が開催されると承知をしておるわけでございますが、予定というのは、日程でよろしゅうございますか。
#58
○日下部禧代子君 まとめるのが、総理もおっしゃった夏ごろまでにまとめるということになるんですか。
#59
○国務大臣(中曽根弘文君) 失礼いたしました。申しわけありません。
 総理のさきの所信表明演説の中で、ことし夏ごろを目途に中間報告を提出していただいて、そしてその後、広く国民の皆様の御意見を伺いながら、教育改革を推進し、国民的な運動につなげていきたい、そういうふうに所信表明で述べられておるわけでございます。
 また、先日の第二回の会議の終わりに江崎座長から、今後各委員同士の意見交換をさらに密に行うために三つ程度の分科会を設置したい、そういう御提案がありまして、次回の会議において、各分科会のテーマ、それからそれぞれのメンバーの方々の所属する分科会、これの割り振りについてお諮りをする旨の御発言があったところでございます。
#60
○日下部禧代子君 時間がございませんので、私、最初に申し上げましたように、経過とそれから見通しというところまで申し上げたので、大臣、失礼でございますが、そこまでずっと一緒にお答えいただけると何度も繰り返さないで済みますので、私の時間が節約できますので、よろしくお願い申し上げます。
 次に、昨日の党首討論におきまして森首相は、教育基本法の見直しを考えているというふうにお答えがございました。この教育基本法の見直しということについては、文部大臣もそのようにお考えでいらっしゃいましょうか。文部大臣の御見解を承りたいと思います。
#61
○国務大臣(中曽根弘文君) 総理は、参議院の本会議におきます本岡議員の代表質問に対しまして、教育基本法の見直しについても幅広く大いに議論し、検討していくことが必要であると考えておりますとお答えなさっております。
 私もたびたびこの委員会でも申し上げておりますように、教育の問題につきましてはこの教育改革国民会議で御議論いただくわけでありますが、これが制定されてから五十年以上たっておりまして、さまざまな学校現場での問題とか、あるいは今後の教育についての理念とか、あるいは戦後の今までの教育についての総点検をすべきとか、いろいろ御意見がありますし、私もこれらと同じような考えでありまして、幅広く議論をしてもらう、そして今後の教育についての基本的な柱というものをもう一回考えていただくということが重要だと思っておりまして、この教育改革国民会議などで議論していただくことが大切である、そういうふうに思っております。
#62
○日下部禧代子君 教育問題につきまして幅広く議論を巻き起こすということは本当に重要だと思うんです。しかしながら、教育改革すなわち教育基本法の見直しというような、最初にもう結論があるというふうな、そういう議論ではなくて、もっと時間をかけた国民的な論議というものに耳を傾けるべきだということを強く申し上げまして、次の質問に移りたいと思います。
 さて、この大学院修学休業制度でございますが、この無給の大学院修学休業制度というのは、現行の公務員制度上はないわけでございますね、先ほどの御議論を伺っておりましても。他の公務員にない無給の制度というのが、公務員の中でも教員を対象とするというところで創設されるという、その意味はどういうところにございますか。
#63
○政務次官(河村建夫君) 一般公務員にある職務命令と違って、教員のみを対象としたこの制度を設けたということ、これについては、やはり教員の職務の特殊性といいますか、今教育に求められているあらゆる課題に対応していく上で、教員の皆さんの自発的なその姿勢にやっぱりこたえる必要があるということから、特に専修免許状の取得という一つの大きな目的もございますので、それを得ていただくためには国内外の大学院で学んでいただくということが条件になっておりますから、それをさらに進めてまいるということが教育的見地からも必要であるし、期待をされるということでこの導入に踏み切ったわけであります。
#64
○日下部禧代子君 私が申し上げましたのは、無給であるというところですね。今までずっと同僚議員もおっしゃっておりましたけれども、教員だけがお金の余裕があるということではないと思うんですけれども、公務員の中で無給というところがいま一つ合点がいかないところなんですね。ほかの公務員の修学制度はみんな有給なわけですね。その点はどうなんでしょうか。
#65
○政務次官(河村建夫君) いわゆる官製のというとあれでございますが、職務命令と違っていわゆる自主的な、みずから望んで行かれるということについて、ノーワーク・ノーペイの原則は守っていただこうということであります。
#66
○日下部禧代子君 よく納得がいかないのですけれども、これまで教員の研修制度というのは、短期あるいは長期を含めまして自主研修もございます。それからいわゆる自発的ではない行政研修というのがあるわけでございますが、既に実施されているこれらの研修制度のどの辺のところに問題があってさらにこういう新たな制度が設けられたのでございましょうか。
#67
○政務次官(河村建夫君) 教員の研修というのはこれまで初任者研修を初めとしていろんな角度で行われてきたわけでありますが、こうした研修制度そのものは、基本的には職務研修としてこれまで行われてきたということであります。各般の教育課題に対して、任命権者である者として職務研修を命じてやってきた。
 それなりの効果も上げてきたわけでありますが、これまで教員が自発的な意思に基づいて長期にわたって職務を離れる機会ということはなかったわけでありまして、一般の教員の皆さん方にこういう制度を設けるについてアンケートをとってみましても、やっぱり大学院等にフルタイムの在学を希望する希望者が多いのでありますが、今の制度でいきますと、そういうことを希望された場合には退職をしてみずから行くというケースもあったわけでございまして、その方々には、退職しなくても行ける、身分を保証する形の道を開いていく必要があるということでこの制度に踏み切ったわけでございます。
 教員のこれまでの既存の職務研修、さらにそれに加えて、教員の自発的・主体的な研究意欲といいますか、それにこたえようということで、大学院等に長期にわたって在学して専修免許が取れる道を開こうということでこの制度を設けることになったというわけであります。無給であってもさらに学びたいという方々がたくさんおられる現状にかんがみて、この道を開いていくということが教育界全体としても歓迎すべきことだということで、その道が開かれたということであります。
#68
○日下部禧代子君 自主研修というものは今までございましたけれども、余りその自主性が尊重されていなかったということでございますか。
 それでは、次の質問に参ります。
 今既にある制度によりまして、いわゆる教特法の第二十条第三項による大学院への派遣というのもございますね、これは有給でございますね。現職のまま、つまり有給の大学院で学ぶ方と今度の無給の新しい制度、この二つを同時に教員の皆様は利用するということになるわけでございますが、その二つの制度の整合性というのをどういうふうに考えていらっしゃるんでしょうか。人数においてはどちらの方をたくさんにするのか、あるいはどのような割合でこの両制度を運用なさろうとしていらっしゃるんでしょうか。機能させるようにしていらっしゃるんでしょうか。
#69
○政府参考人(矢野重典君) 現在実施されております職務研修は、これは任命権者が、研修を受ける者、また研修の内容、派遣先等の決定も含め、教育行政上必要との判断に基づいて行われるものでございます。これに対しまして今回創設する制度は、まさに本人の自発的な意思に基づいて学習内容、修学先等を決定するものでございまして、この点で両者の性質が異なるものでございます。
 そして、職務研修と新しい大学院修学休業制度でございますが、それぞれ今申し上げましたように大きく性質が異なるものでございますから、両々相まつ形でそれぞれの教員の研修の充実を図ることができるのではないかと思っているところでございます。
#70
○日下部禧代子君 今お答えくださったことはもう既に私は十分承知しておりますので、さらにそれの中で一体どのように具体的に両々相またせるのかということを私は聞いているんです。例えば人数はどちらの方を多くするのかというふうなこととか、そういうことを私は聞いております。
#71
○政府参考人(矢野重典君) 職務研修は、これは先ほど申しましたように教育行政上必要との判断に基づいて任命権者が決定するものでございまして、そういう意味で一定の数は今後ともそういう形で研修が進められるというふうに考えられるわけでございますが、今回の研修はあくまでも本人の自発的な意思に基づいてなされるものでございますから、例えば、これはできれば千人から千五百人ぐらい見込まれるということは申し上げておりますけれども、行政としてどれだけの数を確保するということを申し上げる性質のものではございません。
#72
○日下部禧代子君 そういたしますと、既存のいわゆる現職のままの有給の部分の数に、今度の新しい制度がスタートすることによってその制度に影響を与えるものではないということですか。今までのとおりで施行されていくということを意味するわけですか。
#73
○政府参考人(矢野重典君) 繰り返しになって恐縮でございますが、今行われております職務研修は教育行政上必要との判断に基づいて行われるものでございますから、今回の研修制度とは基本的に性格が異なるものでございますので、そういう意味では、基本的には今回の制度によって現在行われている職務研修に影響があるというふうには考えません。ただ、実際の場面においては、任命権者である都道府県の判断において具体の運用が今後どういうふうになるかというのはわかりませんけれども、基本的にはこの新しい研修制度によって現在の職務研修制度に直接的な影響を与えるものというふうには考えておりません。
#74
○日下部禧代子君 それを最初にお答えいただけると、非常に私は時間が節約できたわけでございます。
 今までの同僚議員の御議論を伺っておりますと、この制度が有効に機能するためには、御本人の、希望なさる方の生活保障のための条件整備、そしてさらに、その教員がお勤めなさっている学校側の条件整備、そしてまたこれを受け入れる大学院の方の条件整備というふうに、さまざまな条件整備ということがどうしても必要になってくるなということをつくづく感じながら、同僚議員の御質疑を聞かせていただいていたわけでございます。
 御本人の生活保障に関しましては大分御議論が進められている、深められているように思いますが、休業制度を希望する教員のいる学校側の条件整備の一つといたしまして、その先生が合格をなさって希望する大学院にお入りになった場合の代替教員、この問題についてはどのように対応が考えられているのでございましょうか。
#75
○政府参考人(矢野重典君) 休業しております者の代替教員につきましては、これは休業期間が一年以上になっていること、また、個々の教員にゆだねられる裁量の幅が、その職務の性質上、他の職種の公務員と比べまして相対的に広いと考えられますことを踏まえまして、これは臨時的任用により代替者を確保するのではなくて、原則として正規の教員によって確保することといたしているところでございます。
 なお、休業者の代替者として正規の教員をどうしても確保できない場合におきましては、臨時的任用を行うことは可能でございます。
#76
○日下部禧代子君 ということは、これからはこの制度をより有効に機能させるためには教員の枠が広がっていく、採用の枠が広がるということにもなり得るわけですね。
#77
○政府参考人(矢野重典君) 先ほど申しましたように、休業している者の代替教員につきましては原則として正規の教員によって確保することとなるため、一時的ではございますが、御指摘のとおり全体として教員の採用枠が広がることになるわけでございます。
 しかし、いずれこの休業中の教員は現場に復帰することとなるわけでございますから、教員定数全体の枠は変わらないわけでございます。
#78
○日下部禧代子君 時間が来ましたので、もう少し伺いたいんですが、これで終わります。
#79
○田名部匡省君 私は通告しておりませんので、今のお話を聞いて、そうすると、あらかじめそういうこともあり得るという想定の中で定員というものはもう確保していると、こういうふうに考えていいんですか。
#80
○政府参考人(矢野重典君) 休業中の教員に対する代替教員を正規の教員で確保するわけでございますので、問題は、その正規の教員がいずれ現場に復帰するわけでございます。そうなりますときに、採用についてあたかも休業中の教員がそのままいるような形で採用をしておりますと、現場に復帰したときに過員になるわけでございますので、現場に復帰することを見越してそういう採用をしていく必要があるわけでございます。
#81
○田名部匡省君 そうすると、今の定員というのは決められているわけですから、それはいろんなことに対応できるような枠を確保しているんだと、こういう理解でいいんですね。
#82
○政府参考人(矢野重典君) 基本的には、教職員定数の枠の中でそういうことを計画的に行うわけでございます。
#83
○田名部匡省君 枠の中ででなくて、病気する人もおる、こういう人もおるということをあらかじめ想定してやっておかなきゃ、病気にもならない、こういうので戻ってきた、今度は余りました、やめさせますと、こういうわけにはいかないでしょう。
#84
○政府参考人(矢野重典君) 私の説明が舌足らずで恐縮でございますが、今回のようなケースで将来帰ってくることがわかっていると、そういう場合には計画的に枠の中で対応するわけでございますが、例えば急な形で休職しなきゃならない、こういう事態になれば、それはそれに対応したまた臨時応急の対応をする必要があるわけでございます。
#85
○田名部匡省君 まあこればっかりやってられませんから。
 もう一つ、私は、何か起きたら何かをやる、こういうのが非常に多いんじゃないのかなと。基本をどこに置くのかということですね。
 今、議論を伺っておって、教員採用前に、自発的に意欲のある、そういう人たちをもっとしっかり育てる仕組みをつくれば、途中でまた行きなさいという必要はないんじゃないのかなと。
 それには、日本のように年功序列とか競争原理を導入しない、そういうことにこれまた影響が出てくるんですね。要するに、優秀な教員を採用するにはどうするか。そういうものを受けた人はどんどん報酬も何も皆高くする仕組みをやれば、優秀な先生が集まってくると思うんですね。そうすると、みずからも頑張ろうと。意欲のある人が頑張るという仕組みをやっていないものですから、今も研修制度はあるといっても、余り意欲があって行くわけでなくて、行けと言うから行くぐらいのことでは、必要性は認めますよ、しかし、行った結果どういう効果が出て、どういう評価をされるかということだって恐らくやっていないんだろうと思うんです。
 それからいま一つは、まとめていろいろやりますので聞いておいてほしいんですけれども、先生に採用される試験を受けるわけですけれども、成績が優秀だから立派な教育ができるわけでないと思うんです。要するに、どういう人物か、例えば心の持ち方とかいろんな物の考え方とか。そうすると、やっぱり面接を相当重視しないと、受かりましたけれども人間的には全くだめだという人だって成績がよかったら採用されるわけですから。そういうところをやっぱりこれからきちっと、今言ったようなもの等を全部合わせて、教員の質の向上というのならば、そういうことを思い切って考えてみたらどうかと思うんですが、どうですか、大臣。
#86
○国務大臣(中曽根弘文君) いろいろな話がありましたけれども、委員がおっしゃいましたとおり、まず、教員になろうとしている生徒の大学時代での教育というものはしっかりやるということは当然のことであり、基本的なことだと思っております。
 それから、本法案は、自発的に勉強したい、そういう人たちの希望をかなえさせるというものでもあります。私は、人間というのは、いつも学びたいとか新しい知識を吸収したいとか、そういう欲望といいますか、これはどなたもが持っているものではないかと思いますし、先生に限らず民間企業の人でも、時代が変わってくればそういうものを勉強したいということがあろうと思います。
 ですから、私が思いますのは、この法律の一番の意義というのは、もちろん教育のテクニックといいますか教育技術の向上もありますし、人間性の向上もありますけれども、何よりもそういう勉強したいという意欲を実現させてあげるということが、いろいろな幅の広い意味のあることである、そういうふうに思っているところでございます。
 この制度につきまして先ほどから御審議をいただいておりますけれども、この趣旨が実現できるよう、私たちもさらに細かい点もちょっと検討していきたい、そういうふうに思っております。
#87
○田名部匡省君 通告していませんで申しわけないから、話をよく聞いておいて答えられるようなことばかりを私は申し上げているので、余り細かいことを聞いているわけではないので。
 要するに、教員になりたいという意欲を持った学生たちに、まず学校へ入っているうちからいろんなことをやらせてあげたらどうかと。大学院もそうですし、外国へ行って勉強してくるというのも一つ。それから先生になると。なった後は、例えば休みに研修を受けるとか夜に研修を受けるとか、そういうものはいつでも受けられる仕組みをつくっておかないで、先生になってから途中で意欲があるからといって出ていくようなことよりも、こっちの方が大事じゃないですかと、こう申し上げているんです。そうすればいろんな、給料をどうするかとかなんとかというのは解決されるじゃないですか。なってから行くから給与の問題が出てくる。
 だから、行く前に今のようなことをどんどんやらせておいて、そうして、さっき言ったように、競争社会で成り立つような優秀な人はどんどん報酬も高い、こういうことにさせたらどうかと、こういうことを申し上げているんです。
 思ったことを言ってくれればいい。そんなに難しくないでしょう。
#88
○政務次官(河村建夫君) 普通、先生になる学生は教育学部に行くわけでございまして、この中にいろんなカリキュラムを持って、また、先生を目指して勉強してくるわけであります。そこで、今おっしゃったように、大学時代にもっといろんな体験をさせたらどうかと。私は必要なことだというふうに思います。
 これはわずかなことでありましたが、教員免許特例法をつくりまして、免許を取るためには必ず介護体験をしてこいと。なぜ介護体験かということはございました。しかし、これは必要なことだと。これからの高齢化社会、それから、痛みのわかる先生をつくろうということであれば。わずか最低一週間以上ということにしました、受け入れ体制のことがありますから。これなんかもその一つの例でありまして、学生時代に必ず一週間以上のお年寄りとの触れ合いとか、あるいは身障者、心身障害者、そういう方々と触れ合いをしてこない限り免許を上げないという法律をあのときつくったわけです。これはもう義務になった。
 そこまでいかないにしても、これから教育学部のあり方として、もっといろんな体験をして先生になってもらいたいという声が強いわけでありまして、今おっしゃるように、先生に採用してからもう一回デパートにやらせたりガソリンスタンドを経験してこいというようなことを現実にやらなきゃいけないような問題が起きておることも事実でありますから、それは今、制度的にはなっておりませんが、採用の段階でそのことを強く求める。
 特に、各県の教育委員会が採用試験のときに、おっしゃったように面接を重視しながらいろんな体験を問うたり、また志望者同士にいろんなディベートさせながら、その人の性格のいろんなことを見ていくとか、人間性を強く見ていくようなことを採用の段階で求めていくということは、教員を送り出す側も自然にそういう体験をさせていくということになるんではないかと、私はそういうふうに思っているんです。
#89
○田名部匡省君 もう一つ。私はこの間、スウェーデンの中学校の社会を読んでみて本当にびっくりしたんです。こんなことをもう中学校時代に教えているんだなということで感心をした。
 その中で、日本はどっちかというと、学校、家庭、地域社会と一体となって、こう言うものですから、どこまでが教員の先生方の責任か家庭の責任かというのはあいまいなんです。それで、私はいつも思うんです、もう学校の門を出たら家庭の責任だと。夜中に繁華街を先生方がうろうろ歩いて、それは親の方の責任ですよ。そういう明確な部分がないんです。この間も、就職難だというんで、テレビを見ておったら学校の先生が会社へ電話をかけてお願いしますと。どこまでが先生の責任でどこからが家庭の責任だかというのも、これはあいまいなんです。
 ですから、私は先般も申し上げたんですけれども、審議会のあり方がおかしいんじゃありませんかと。やっぱり議院内閣制ですから、こういう議論をいろいろやる。わからないところは今審議会でやっておられるような先生が来て議論する。ところが、いきなり審議会。これだってそうでしょう。昭和二十七年に教育職員養成審議会が設置された、その後に中教審が平成八年に第一次答申を出されて云々と。ずっとそこへやってもらっているんですね。
 そういうことばかりやっていたら、一体政治家は何をやるんですか。責任を持ってやるべき我々が議論して、どんどんそういうものを通じて。そうすれば、何も二千三百万も二時間で払ってやるなんという必要もないでしょう。そういう人は参考人的に来て我々とうんとする。そのときはお金を払えばいいですよ。そういう中でみんなの意見、そういうものが出されてくる。あるいは与党は先にやっても結構です。出たものに対して我々がまた意見を言ったものでいいものは取り入れながらやっていくということをやらないと、審議会的なものは幾つあるかわかりませんが、森総理から聞いたら百九十何ぼと二百何ぼあると、こういう話をこの間本会議で答弁しておりましたがね。
 そろそろそういうことも見直して、どうしてもやれない分野は別ですけれども、もっともっと議論を責任を持って国会議員がやるということ等も含めて、何も教育ばかりでないですよ、いろんなことを変えていかなきゃならぬと思います。
 もう時間ですから終わりますが、以上、意見を申し上げて終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#90
○委員長(佐藤泰三君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#91
○委員長(佐藤泰三君) 御異議ないと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 教育公務員特例法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#92
○委員長(佐藤泰三君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#93
○委員長(佐藤泰三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時一分散会
ソース: 国立国会図書館
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