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2000/04/25 第147回国会 参議院 参議院会議録情報 第147回国会 文教・科学委員会 第13号
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2000/04/25 第147回国会 参議院

参議院会議録情報 第147回国会 文教・科学委員会 第13号

#1
第147回国会 文教・科学委員会 第13号
平成十二年四月二十五日(火曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十日
    辞任         補欠選任
     仲道 俊哉君     岸  宏一君
 四月二十一日
    辞任         補欠選任
     岸  宏一君     仲道 俊哉君
     輿石  東君     本岡 昭次君
 四月二十四日
    辞任         補欠選任
     仲道 俊哉君     佐藤 昭郎君
     小宮山洋子君     輿石  東君
 四月二十五日
    辞任         補欠選任
     長谷川道郎君     佐々木知子君
     菅野  壽君     三重野栄子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         佐藤 泰三君
    理 事
                岩瀬 良三君
                野間  赳君
                石田 美栄君
               日下部禧代子君
    委 員
                阿南 一成君
                井上  裕君
                扇  千景君
                亀井 郁夫君
                佐々木知子君
                佐藤 昭郎君
                江本 孟紀君
                輿石  東君
                本岡 昭次君
                福本 潤一君
                畑野 君枝君
                林  紀子君
                三重野栄子君
                田名部匡省君
       発議者      本岡 昭次君
       発議者      石田 美栄君
   委員以外の議員
       発議者      佐藤 泰介君
       発議者      須藤良太郎君
       発議者      小山 孝雄君
       発議者      平野 貞夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        巻端 俊兒君
   政府参考人
       文部省教育助成
       局長       矢野 重典君
       文部省高等教育
       局私学部長    石川  明君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○小学校、中学校及び高等学校の学級規模の適正
 化の推進等に関する法律案(本岡昭次君外二名
 発議)
○国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律
 案(須藤良太郎君外三名発議)

    ─────────────
#2
○委員長(佐藤泰三君) ただいまから文教・科学委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二十一日、輿石東君が委員を辞任され、その補欠として本岡昭次君が選任されました。
 また、昨日、仲道俊哉君及び小宮山洋子君が委員を辞任され、その補欠として佐藤昭郎君及び輿石東君が選任されました。
 また、本日、長谷川道郎君及び菅野壽君が委員を辞任され、その補欠として佐々木知子君及び三重野栄子君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(佐藤泰三君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 小学校、中学校及び高等学校の学級規模の適正化の推進等に関する法律案の審査のため、本日の委員会に文部省教育助成局長矢野重典君及び文部省高等教育局私学部長石川明君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(佐藤泰三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(佐藤泰三君) 小学校、中学校及び高等学校の学級規模の適正化の推進等に関する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○岩瀬良三君 自由民主党の岩瀬でございます。
 提出されました小中学校、高等学校学級規模の適正化の推進に関する法律、これについて若干御質問申し上げたいと存じます。
 教育問題は国民の関心事でございますし、また、内閣の方におきましても教育改革国民会議の発足を見て、多方面からの議論が寄せられておるところでございます。そういう中で、この学級編制、教職員配置の問題は極めて関心の高い問題だろうと思うわけでございますけれども、もう一つ、この本法案を審議するに当たりましては、そういう一つの資質の面だけじゃなくて、また財源措置や教育上の効果の点も踏まえた議論が必要ではないかと思っておるわけでございます。そういう立場から御質問を申し上げたいというふうに思っておるわけでございます。
 まず、民主党の方から提案されております法律案の提案理由、こういうのを読ませていただきました。こういう点から見ますと、この中で「学校が教育効果を高め、子供たちが学校生活を通して喜びや楽しさを実感するには、」といういろんな文句がございますが、こういう点については私は賛同しておるわけでございますけれども、そういう中でまたこういう表現もございます。「荒廃とも言われる学校教育の現状に歯どめをかけ、その再生を図るべく、学校教育の最も基礎的な条件である学級規模を三十人以下に縮小すること等を推進するため、本法律案を提案した次第」と、こういうようなことで、中に書かれております表現について非常に落差があるんじゃないか。
 殊に、荒廃ということが言われておるわけでございますが、不登校児童の増加だとか中途退学者だとかいじめ問題だとか、いろいろ問題はあることは事実でございますけれども、これが、児童生徒数全体の立場から見れば少数である、あるいは極めて少数であるわけでございまして、もちろんこれでいいというふうには私も思っておるわけではございませんけれども、いろんな辞典等を見ますと、荒廃とは、すさんで全く手のつけられない状態になること、こういうような表現もあるわけでございまして、そういう形であると、「荒廃とも言われる学校教育の現状に歯どめをかけ、」ということがこの提案理由で三ページに入っておりますけれども、このような認識の上に立ってのことかどうか、その点についてひとつ御認識をお伺いしたいというふうに思っておるわけです。
#7
○石田美栄君 その荒廃、全般的に考えればそういうことではないというふうに思いますが、今、学校に通わせていれば本当に親たちが安心していられるのかというと、なかなかそうはいかないということがたくさんあります。それは、これまでの学校教育において画一的に知識を教え込むことに重点が置かれて、知識の量を競う受験競争がそれを一層助長してきて、そのため、子供たち一人一人の個性を尊重して豊かな人間性をはぐくみ、子供たちが自己実現を図る学校教育という点で学校教育が見失われてきたのではないか。そして、このようなこともあっていろいろな、先ほど委員もおっしゃいましたような、私たちも指摘しておりますような問題が起きてきている。
 また、近年特に、若い人たちが無業と言うんですか、フリーター等で定職につかない人が増大してきている。成績はいいけれども勉強はどうも嫌いだという、そういう中に学ぶ目的の喪失といった問題もある、そういうふうに思います。だからそういう意味で、子供たちが育ち学ぶというのはかなり危機的な状況があると言わざるを得ないというふうに思います。
 このような学校教育の現状を転換して、各学校、各教員が創意工夫を凝らして、実情、状況に合った特色ある教育を行うことによって、子供たちが学校生活を通して喜びや楽しさを実感して、充実感の持てる学校教育が求められていると考えます。そのためには、教員と子供たち一人一人が日々触れ合うことができ、教員が子供たち一人一人に目を向けた生活指導、学習指導ができることが極めて重要だと考えます。
 中教審の答申にはこれからの学校像を次のように描いています。かなりこれは長いのですが、「ゆとりのある教育環境でゆとりのある教育活動を展開する。そして、子供たち一人一人が大切にされ、教員や仲間と楽しく学び合い活動する中で、存在感や自己実現の喜びを実感しつつ、生きる力を身に付けていく。」、「教育内容を基礎・基本に絞り、分かりやすく、生き生きとした学習意欲を高める指導を行って、その確実な習得に努めるとともに、個性を生かした教育を重視する。」、「子供たちを、一つの物差しではなく、多元的な、多様な物差しで見、子供たち一人一人のよさや可能性を見いだし、それを伸ばすという視点を重視する。」、「豊かな人間性と専門的な知識・技術や幅広い教養を基礎とする実践的な指導力を備えた教員によって、子供たちに生きる力をはぐくんでいく。」、こういう一例もございます。
 このような学校像については私も同感でありますし、そのための条件整備としては、人的整備として、三十人学級と、学習に応じた多様な学習形態が実行できる教員配置が必要であるというふうに考えます。
#8
○岩瀬良三君 私が申し上げましたのは、荒廃という認識と、これからよくしていこうという形、そういう形とはちょっとまた取り扱いが違う形になりますので、そういう点で質問したんですが、次に進ませていただきます。
 一学級の標準になる数を順次三十人に引き下げるというようなのが法案上でございますけれども、これは、三十五人というようなことでもなく、二十五人でもなく、人によっては二十人でもなく、また人によりましては標準学級制をとらない考え方もあるわけでございますけれども、現在、四十人学級で一学級当たり平均児童数というのを見ますと、小学校で二十七・二人、中学校で三十二・四人、こういうものが発表されておるわけでございまして、四十人学級でもこういう人数になっておるわけでございます。三十人学級となれば、平均では小学校では恐らく二十人を切ってくるんじゃないかというふうに思うわけでございます。
 こういう点を踏まえまして、三十人学級を実施した場合に具体的にどのような教育上の効果があるのか。この法案をお出しになる過程で御検討、または客観的なデータ等ございますかどうか、そういう点があればお示しいただければと思うわけでございます。それとも、少なければ少ないほどよいという考え方なのか、そういう点についてお答えをいただきたいと存じます。
#9
○石田美栄君 教育上の効果という御質問でございますが、例えば全国連合小学校長会の調査によりますと、学級規模における児童の学習等の違いについての問いに対して、四分の三の校長先生が現にある児童数の多い学級の場合の問題点を指摘しております。
 また、少人数学級のよさとして具体的には、一人一人の児童の能力と特性に応じてきめ細かな指導ができる、お互いにかかわり合いながら自己を高め、生活態度が落ちつき問題行動が少なくなる、基本の定着がよく学習効果が上がる、事務処理が能率よくできる、ゆとりが生まれるなどを指摘しております。
 結論として、これらのいずれもが今日の小学校の深刻化する不登校とか問題行動への対応や新教育課程の展開に向けた重要な問題であって、具体的な解決策が急がれるとしております。少人数学級がこうした問題を解決していくために有効で不可欠であるということを示しております。
 また、これは教職員を対象にした調査、日本教育学会の学校・学級の編制に関する研究委員会を基礎とする研究組織による学校・学級編制に関する総合的研究によっても、適正な学級規模については、小学校は児童数二十一から二十五人程度、中学校は、数学とかでは十六人から二十人の学級、あるいは十五人以下の学級がちょうどよいとか、英語の効果的な学級規模は十六人から二十人というふうなことを指摘しております。
 もちろん、学級規模と学力の関係、教育効果について実証的な研究を行うことは難しいのですけれども、アメリカなどでもテネシー州でスタープロジェクトと呼ばれる実験的な試みと研究が行われていて、就学前から第三学年までについて、小規模学級平均十五人が、通常の学級平均二十三人や補助教員つきの通常学級平均二十三人よりも教育効果が上がり、効果はその後も継続されているといったこと。また、御存じのように、クリントン大統領は小学校低学年で十八人学級を実施したり、これに基づいて施策が推進されているということ。そういうもろもろの事例がございます。
 そういう意味で、三十人学級に対する期待というものも大きいものがあると考えます。
#10
○岩瀬良三君 私も、個々の授業、それぞれの教科ごとによってはいろいろあるかと思いますけれども、それを申し上げる前に、ちょっと文部省の方に、教職員配置と授業を受ける児童生徒の数、教育効果、こういうものについての研究成果というようなものがあるのかどうか、ちょっとその点だけお伺いします。
#11
○政府参考人(矢野重典君) これまで欧米では学級編制規模と教育上の効果に関する学術研究は幾つか行われておりまして、例えばグラスとスミスの研究、これはアメリカでございますけれども、また英国勅任視学官事務局が公表したもの、さらには、先ほど石田先生から御紹介がございましたけれども、米国テネシー州の実験等があるわけでございます。
 また、我が国におきましても、昭和三十年代に幾つかの国立大学におきまして研究がなされたわけでございます。しばらく研究成果がございませんでしたが、最近では上智大学の研究あるいは国立教育研究所の研究などがございます。
 これらの研究結果を見てみますと、学級編制の規模について、学級規模が一定数以下になると学習効果が上がる、そういう研究成果もございます。しかし他方、学級規模と学習効果の関係においては統計上有意の差がないという研究もあるわけでございまして、私どもとしては、学級規模と教育効果の関係につきましては必ずしも明らかになってはいない、そういうふうに理解をいたしているところでございます。
 また、第六次の公立義務教育諸学校の教職員配置改善計画におきまして導入されました御案内のチームティーチングでございますが、これにつきましてはチームティーチングによる指導の効果に関する研究というのが平成八年から十年、三カ年にわたって行われておりまして、この研究によりますれば、学力テストの結果、チームティーチングの方が一人の教師による学級一斉授業より成績向上に効果があるといったような研究結果が報告されているところでございます。
#12
○岩瀬良三君 人を相手にするものでございますからなかなか難しい問題だろうというふうに思うわけでございますが、いろいろありましたけれども、児童生徒が教師と触れ合い、そしてまた一緒に遊ぶ、それとともに仲間とともに遊ぶということもまた大事なことでございまして、そういう中で今いろいろ言われている社会性を身につける、そういうものを切磋琢磨していく、こういうものも大事なんじゃないかと思うわけでございます。これが多ければいいという趣旨ではございませんけれども。
 そうしますと、先ほども申し上げましたように、三十人学級となると平均では二十人を切るだろう、三十一人の場合は十六人と十五人、こういうクラス編制になるわけでございまして、極端なことを申し上げますれば、十五人になれば受け持ち人数が少なくなるわけで、教師の負担が減り目が届くということはもう事実でございますが、子供同士の交友関係の中でお互いが育っていくということは、逆にまた少なくなっていくんだろうというふうに私は思うわけでございます。
 私の知人で現場の先生のお話も承ったんですが、この先生は、学級規模は三十人から三十五人くらいじゃないか、これが一番いいんじゃないかというようなことを言っております。確かに、小さなクラスは指導が徹底できるということでございますけれども、クラスとしてのまとまりとしては小さい、元気がなくなるんじゃないか。それから、競争も大事だということを言っておりまして、頑張ろうとする向上心もやはり育てなきゃならないことだ、集団生活をもって学ぶことができる協調というようなことも大事なんじゃないか、こういうことを言っております。もちろん、音楽だとか図工だとか特殊な専門性を生かしたものについては、これは少人数でやった方がいいし、また音楽などは早期から少人数がいいんじゃないかと、この先生は遠慮なく私に言ってくれておるわけでございます。
 三十人学級の実施というものが、集団生活のたくましさ、または協調性、こんな点から見るとどういうふうにお考えになるのか、その点、御意見を伺いたいというふうに思うわけでございます。
 お答えは、時間の関係で簡単にお願いします。
#13
○石田美栄君 今、委員も御指摘になりましたように、教科によって、例えば体育だとか音楽の合奏などについては学級を横断した授業とか異学年を組み合わせた合同授業など、さまざまな教育方法の展開を可能にした方がいいと思いますし、本法案は、もう委員も御存じのように、学級編制及び教職員配置改善計画において、学級における児童生徒数の標準を三十人以下とするということであって、今この標準が非常に硬直的に運用されていることがより問題で、本法案によって策定される次期改善計画の実施においては、学級編制をもっと弾力的に運用することで、今御懸念になりましたような活力、そういったことは解消できるし、また子供たちのクラスにおける交友関係も、小さい学級の単位からいろんな運用をすることでもってよりそこに交友関係等も増していくという、そういうことも言われております。ですから、こういう運用をすることによって、よりさまざまな効果があるというふうに考えます。
#14
○岩瀬良三君 小規模学級というのとチームティーチングのようなものと、学級という一つの基準を置くというのはちょっとやっぱり別に考えなきゃいけないんじゃないかというふうに私は思うわけでございますが、同じことばかりやっていてもしようがありませんので、次に財政問題に入らせていただきます。
 我が国の財政状況が非常に厳しいことは御承知のとおりだろうと思うわけでございまして、三十人学級を見ますと相当の費用もかかるわけでございますが、全国の公立学校において三十人学級を実施するための経費など試算されておりましたら、教職員数、経費についてお示しいただきたいと存じます。また、本法案は「設置者」というようなことで私立についても求めておられますが、具体的に私立の方についてもそういう計算がございましたらちょっとお示しいただきたいと存じます。結論だけで結構でございます。
#15
○本岡昭次君 今御指摘のように、今財源の問題が極めて重要であります。そこで、私どもの試算というより文部省の試算で申しますと、三十人学級実施に伴う公立小中学校の教職員増は十一万九千人、人件費九千八百億円ということであります。国庫負担は半額ですから、四千九百億と。これに自然減というものが児童生徒の減少によってございますから、若干少なくなります。それから、高等学校は、教員増約五万四千人、人件費は約四千五百億円ということになりまして、このふえる部分をどうするかということがあります。
 しかし、教育立国という旗を高く掲げて小渕前総理のときにスタートしたんですよ。教育立国と旗を掲げる以上、このぐらいの財源負担ができなくて何が教育立国かというふうに私は言いたくなりますし、未来への先行投資、いわゆる公共事業も先行投資でありますが、教育に対する先行投資というのは、これは完全に未来に生きてくるわけで、そのことにお金を惜しんでは日本の未来はないんではないか、私たちはこう考えて、今の一般会計の中で十分対応できる、また対応すべきである、このように考えております。
 それから、私学は、これはいわゆる設置義務というものを努力にしておりまして、要するに設置者の自主的な判断によって三十人学級に、私学も公教育でありますから、可能な限りそういうふうに三十人学級になるように努力してもらいたいという精神であります。
 しかし、九条におきまして、現在もう既に文部省予算の中に私学助成というものがございまして、四千二百億円ばかり今計上されております。この法律が成立して私学が三十人学級というものに踏み込んでいくことについては、私学助成の中にこういう三十人学級を推進することに対する特別補助金というものが当然組み込まれてしかるべきであろう、私はこう考えております。
#16
○岩瀬良三君 私学の方は努力目標というようなことでございますけれども、法案が成りますと、「学校法人への助成措置」というようなのが法案上ございますので、これは努力義務よりもかなり厳しいものになっていくんだろうと思うわけでございます。
 今のそれぞれの計算、文部省の計算だそうでございますけれども、文部省の方の行政の見方として、私も行政をやったことがありますけれども、減らすものは減らさない、足すものは足すでいくと財政は成り立たないわけでございますが、教育立国ということも大事なことでございますけれども、現在の財政状況の中において、この財政負担を生ずることについて文部省はどうお考えになりますか。
#17
○政府参考人(矢野重典君) 平成十二年度の国の一般会計予算のうち、一般歳出は二・六%増となっているわけでございますが、文部省所管予算は全体で〇・二%増の約五兆九千億でございます。そのうち、義務教育費国庫負担金は三兆円を超えておりまして、文部省一般会計予算の五一・四%を占めるに至っているわけでございます。
 そこで、仮に全国一律に三十人学級を実施するといたしますれば、先ほど本岡先生から御紹介がございましたように、私どもの試算によりますれば約一兆円の経費が必要となるわけでございまして、そのうち、国庫負担金はその二分の一でございますから、約五千億が必要になるわけでございます。これは現在の、先ほど申し上げました義務教育費国庫負担金の一六・五%を占め、文部省一般会計予算の八・五%に相当するわけでございまして、そういうことを考えますと、現在の財政状況の中では、文部省予算にとりましては、膨大とも言っていいような大変大きな財政負担となるものでございます。
 また、平成十二年度の地方財政計画におきましても教職員の給与関係経費は減となっておりまして、一般行政経費につきましても介護給付以外はおおむね減となっているような状況にあるわけでございまして、このような地方財政の状況を考えますれば、地方財政にとりましても、三十人学級の実施は極めて大きな財政負担となるものと私どもは考えるものでございます。
#18
○岩瀬良三君 やはり教育は大事でございますけれども、もう一つは財源問題も考えていかないと、実際の実現というのはなかなか難しいんじゃないかというふうに私は思うわけでございます。教育立国、こういうことも大事でございますので、進めていかなきゃならないというふうに思うわけでございますが、やはり財政問題の視点を一つ、法案を出す場合にはこれも持たなきゃいけないんじゃないかというふうに思うわけでございます。
 恐らく最後になるかと思いますけれども、今回の法案にもう一つ別の視点が入っております。それは、三十人学級の実施に加えまして、教員の持ち時間数の軽減のための措置をとることも含まれておるわけでございます。一々引用はちょっと時間の関係で省きますけれども、この持ち時間の軽減、これはできれば一番いいんですけれども、現在のいろいろな社会情勢、こういうことを考えますと、教員のみ時間を減らすことはなかなか難しい情勢ではないかと思うわけでございます。
 教員一人当たり生徒数を見ますと、中等学校というようなところでは、ドイツでは十五・〇人、アメリカでは十四・六人でございまして、我が国の場合は十四・五人となっているというようなことでございます。初等学校もありますけれども、こういう中で一律軽減をするというのは国際的に見てもなかなか大変だというふうに思うわけでございます。
 こういう形で見ますと、本法案によりまして、教員の持ち時間、こういうものをどの程度軽減させる予定なりもくろみでございますか、その点についてお答えいただきたいと存じます。
#19
○委員以外の議員(佐藤泰介君) 授業時数の軽減を具体的に示せというような御質問だったかと思いますが、現行の配置は、義務標準法あるいは高校標準法によって、基本的に教員一人当たりの週授業時間数をもとに教員の配置が定められていると思います。
 この授業時数は、小学校が大体二十六時間、中学校が二十四時間、高等学校が十八時間を基礎としていると、このように理解しているわけですけれども、先ほど先生冒頭御質問されたように、大変学校内さまざまな問題を抱える中で、教育内容の複雑化、あるいは体験学習、学校行事、研修、課外の生活指導、部活動、情報機器への対応など、ますますその業務の質、量は過重になってきている。そういう中で果たして十分に行き届いた授業ができるかという観点から、また、新指導要領では総合的な学習の時間が創設されるなど、各学校に相当な工夫が求められてくる。ますます教員の繁忙度は高くなってくるのではないか。加えて、過去のこの文教委員会においても、事前準備、教材研究、授業指導などのために、一時間の授業に対して勤務時間内で一時間の準備が必要である、確保する必要があるというような答弁も文部省からされているところでございます。
 そういった点を考えますと、具体的には政府の作成する改善計画によって授業時数は削減されていくものと思いますけれども、とりわけ小学校が少なくていいというわけではない。むしろ小学校が大変子供たちに手がかかる、時間がかかる、そういう状況ですので、小中の授業時数の軽減が必要であると私は考えております。
 全く理想的なことを言えば、私の現場経験からすれば、私は三十時間ぐらい持ったこともありますけれども、やっぱり十五、六時間、そのあたりの授業時数であればかなり子供たちに行き届いた、充実した授業ができるのではなかろうか、このように私は考えております。
 以上です。
#20
○岩瀬良三君 もう少し申し上げることはあるんですけれども、最後に一言だけ。
 学級編制や教職員配置については、現在の多様化した児童生徒の指導方法、各学校の持つさまざまな課題について、それぞれの事情に応じたきめ細かな対応をする必要があると考えておるところでございますけれども、やはり社会情勢の中での学校でもあるわけですから、こういう点をお考えいただいてやるべき必要があるのじゃないかというふうに思うわけでございます。
 以上で終わります。
#21
○輿石東君 私は民主党の輿石東ですが、きょうは、我が党で三十人学級の法案を提起しているわけですから、文部省に質問をしたいと思います。
 本来ならば森総理並びに中曽根文部大臣に質問をしたいところですけれども、同じ時間帯で予算委員会が行われている。こういう時間帯でのセットも今後考えていただきたいなと、こう思うわけであります。
 今、岩瀬議員の方から自民党を代表されまして、教育荒廃という手のつけられない状況に本当になっているのか、その認識はと、そんなお話もありましたし、教育効果と学級規模、それから財政問題で不可能ではないかと、そんな提起もされましたし、教員の持ち時間の軽減だけを考えているのではないか、こういう意味合いの御質問があったわけですけれども、これは、提案者からお話がありましたように、私どもは決して教員の持ち時間を軽減したいがためにこういう問題をやっているわけではない。
 この教育荒廃という言葉が使われて久しいわけですけれども、手がつけられない状態、それは少数であって全体ではないという御指摘だったと思いますけれども、私は、いつでも、どこでも、どの学校にも起こり得る状況が現在あるということであります。いじめも、加害者も被害者もいつどこで起きるかわからない、うちの子に限ってという言葉は通用しない状況。
 そんな深刻な教育状況で、学校は授業をやるところというものが、学校で授業ができない、それを学級崩壊という言葉でくくっているわけですから、そのように認識をしていただきたいというふうに最初に思います。
 文部省は、この私ども民主党の提起をした三十人学級法案をどのように受けとめ、どう考えられているかということをまずお聞きしたい。
 次に、時間もありませんので単刀直入に申し上げますと、これまで義務教育諸学校では第六次まで、高等学校では第五次まで改善計画を進めてきておりますけれども、これを、もう八月には概算要求も待っている、十二月にはそれに向けての最終的な結論を出さなければいけない、こういう状況の中で、第六次、第七次に向けてどのように取り組んでいくのか、その点についてまずお伺いしたいと思います。
#22
○政府参考人(矢野重典君) まず、三十人学級について申し上げますと、一律に三十人学級を実施いたしますことは、先ほど申し上げましたけれども、教育効果の観点からその効果が必ずしも明確になっていないということがございますし、また、これも先ほど御説明申し上げましたけれども、財政負担の面から見ますと極めて問題があるわけでございまして、そうしたことを考えますれば、三十人学級という方法は必ずしも望ましい方法とは言えないと私どもは考えているところでございます。
 しかしながら、三十人学級という方法自体は問題があるといたしましても、今回の法案提出のねらいと申しましょうか背景としては、今日の教育行政の課題として人的な面でよりよい教育条件を進める必要がある、進めたいという趣旨、目的から提案されたものと、そういうふうに私どもは受けとめさせていただきたいと考えているところでございます。
 したがいまして、文部省といたしましては、平成十二年度におきまして、義務の場合でございますと第六次が、また高校の場合でございますと第五次の両計画がそれぞれ完成することとなっておりますので、それに引き続きこうした教育条件整備をさらに進めるという立場に立って、現在協力者会議において検討を進めておりますけれども、その検討を踏まえまして、一年お休みをすることなく、と申しますのは、第五次と第六次をスタートするときには、前の計画が完成した後、一年間お休みをして新しい計画をスタートした、そういう経緯が第五次と第六次にはございますので、そういう意味で、一年お休みをすることなく、引き続き平成十三年度から新たな施策をスタートさせることができるように準備を私どもとして進めてまいりたいと考えているところでございます。
#23
○輿石東君 今、矢野局長の方から、三十人学級については教育効果という点で疑義がある、さらに財政負担を考えれば大変困難である、先ほどの岩瀬議員にもそう答えられたわけであります。本岡議員がそれに対して、教育は未来への先行投資ではないのか、すべてに優先して金を使ってこそ日本の未来は開けると、こういう答弁もあったわけであります。この辺について、真剣に文部省としても考えていってほしいというふうに思います。
 なお、この未来への先行投資というのは、私ども民主党だけが主張をしている言葉ではなくて、小渕総理も、そしてまたその前の橋本総理も、子供は国の宝であり、未来への先行投資として教育を位置づけなければいけない、総選挙が近づくたびにそういうことを強調している実態もあるわけですから、この辺もきちっと受けとめてほしいというふうに思います。
 なお、多少評価のできることとしては、第五次から第六次へ向けては一年休んでしまったと、改善計画を。しかし今回は、こういう状況もあり、一年休むことなく十三年度から新たな施策に取り組んでいくという強い決意を示されたわけですけれども、この新たな施策に取り組むという中身について、今までTT配置とか六学級一名加配というような改善計画もされてきました。それを上回る改善をしていくというふうにとらえてよろしゅうございますか。
#24
○政府参考人(矢野重典君) 新たな改善計画につきましては、現在、協力者会議において検討を進めているところでございまして、その検討の基本的な方向といたしましては、さきの中教審答申で示されました提言を踏まえて検討しているわけでございます。その検討の一つに、教員一人当たりの児童生徒数を欧米諸国並みにする、そういう提言がございます。そういう提言を踏まえて検討を進めているところでございます。
 そして、先ほど輿石先生から御指摘がございましたように、平成十三年度からスタートさせますためには今年八月の概算要求に間に合わせなければなりませんので、それまでの間に協力者会議の報告をいただきまして、それを踏まえて、そういう内容を盛り込んだ新しい計画としてまとめて、来年度概算要求に要求をいたしたいと考えているところでございます。
#25
○輿石東君 今、矢野局長が言われた方向でぜひ御努力をいただきたいというふうに思います。
 今、矢野局長の言葉の中に、協力者会議の結論を待ってと。よくやる手ですけれども、そんなものを待たなくても、この教育荒廃と言われる状況を打破するのにはもう少し積極的にやっていく姿勢も必要だというふうに思います。
 なお、中教審の話が出てまいりました。局長の方から今、教員一人当たりの子供の数を欧米並みにすべきだという中教審答申も出されているというお話もありましたので、中教審答申に絡んで何点か質問をさせていただきます。
 一昨年の九月に中教審答申が出された折に、私どももびっくりした点もあるわけですが、通学区域の弾力化、そして学校長の民間からの登用、こんなお話もありました。それと、学級編制基準の弾力化というようなもろもろの幾つかの問題提起がされていると思いますので、最初に、この通学区域の弾力化によって学級規模を調整してはどうかというような意見もちらほら出ているやに聞かれるわけですけれども、このことについて文部省としてどう考えるのか。
 時間もありませんのでもう一点。
 局長自身が今発言をされましたように、教員一人当たりの児童生徒数を欧米並みにすることが急がれる課題だと、こう答申でも言っていますけれども、この二点について文部省はどう考えられますか。
#26
○政府参考人(矢野重典君) まず、通学区域の弾力化にかかわる御質問でございますが、公立の小中学校に通う児童生徒が就学すべき学校の通学区域、これは各市町村教育委員会がその権限と責任において定めるものでございますけれども、文部省では、この通学区域制度の運用に当たりまして、市町村教育委員会が地域の実情や保護者の意向に即したより多様な工夫が促進されるよう指導をしてきているところでございまして、一昨年九月の中教審答申におきましても、通学区域の設定や就学する学校の指定等に当たりましては、地域の実情に即した弾力的な運用に努めることとされたところでございます。
 しかしながら、この通学区域の弾力化を単に学級数や教職員定数を設定する際の調整手段とすることは、保護者の意向への配慮あるいは学校選択の機会を拡大するという弾力化の趣旨にそぐわないものでございますし、さらに地域社会における学校のあり方という観点からも問題があると考えているところでございます。
 いずれにいたしましても、学級編制は各学校の組織編制の基本となるものでございまして、単に児童生徒の数だけではなくて、例えば男女の比重のバランスとか、あるいは児童生徒の実態等さまざまな要素を考慮して編制するものでございまして、機械的に児童生徒の数だけを調整して行われるべきものではない、そういうふうに私どもとしては考えているところでございます。
 また、教員一人当たりの児童生徒数を欧米並みにすることについての中教審答申の提案でございますが、これは、これまで数次にわたります定数改善計画の効果もございまして、教員一人当たりの児童生徒数は着実に改善されてきているところでございます。しかしながら、欧米諸国と比較いたしますと、例えばアメリカでは初等学校が十八・八人、中等学校が十四・六人、ドイツでは初等が十八・七人、中等学校が十五・〇人となっておるのに対しまして、我が国では小学校は十九・三人、中学校は十六・七人となっておりまして、なお格差があるという状況にございます。
 そういう意味では、中教審答申では、このような状況を踏まえて教員一人当たりの児童生徒数を欧米並みの水準に近づけることと提言されたところでございまして、文部省としては、新しい計画につきまして、こういう提言も踏まえて検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。
#27
○輿石東君 通学区域の弾力化によって、小規模校と言われるような学校へ大規模校から、もし四十人のクラスから十人しかいない他の学校へ十人持っていけば、四十人が三十人になり、十人が二十人になる、こういう行政サイドの御都合で子供を動かし、それがあたかも父母が学校選択の自由を得たなどという錯覚を起こしてやっていったら大変なことになる。
 憲法、教育基本法の見直し等の議論も多いわけですけれども、教育の機会均等、子供はどこに生まれ育っていても、地域の責任、社会の責任として、学校そして家庭、地域が一体となって子供を育てるという、そういう地域の子供は地域で育てるという理念が、通学区域の弾力化から崩壊をしていくという心配もあるわけですから、その点についても文部省は、単に弾力化は親の学校選択の自由を保障するものだからよろしかろうということだけでは片がつかないということも肝に銘じておいてほしいというふうに思います。
 それからもう一つ、地方分権が叫ばれ、教育こそ地方へ任せるべきである、国の関与は必要最小限に抑えるべきだというもっともの議論もあります。しかしながら、教員一人当たりの子供の数を基礎にして教職員定数を算定し、その後の配置については都道府県に任せたらどうだ、一見この話は地方分権に見合った話のように見えますけれども、この点について文部省はどう考えられますか。
#28
○政府参考人(矢野重典君) まず、学級編制や教職員の配置、これを全面的に都道府県にゆだねるという考え方についてでございますけれども、国は、我が国全体として教育の機会均等と、また一定の教育水準を実質的に担保する責任を負っているところでございます。
 特に、義務教育諸学校につきましては教職員給与費の国庫負担も行っているわけでございますから、そうした教育の機会均等や教育水準の維持向上を図るといった国としての責任を果たす観点から、一定の基準を示すことは必要である、これは国の責任であろうかと考えているところでございます。
 ただ、この場合、学級編制や教職員配置の基準の設定のあり方でございますが、これにつきましては、これも中教審答申において指摘されているところでございますけれども、例えば、都道府県が国の基準とは異なる基準を定めることができるように弾力化することが提言されているところでございまして、文部省といたしましては、今後、そうした提言を踏まえて検討をすることといたしているところでございます。
 また、都道府県ごとの教職員数の算定に際しまして、都道府県全体の児童生徒数に基づいて算定する、そういう考え方の御指摘がございましたけれども、これにつきましては、教員一人当たりの児童生徒数は都道府県間におきまして格差が大きいわけでございまして、仮に教員配置を単純に児童生徒数に応じたものといたしますと、小規模校が多数ございます県が著しく不利になるわけでございます。そういう意味では、先ほど申し上げました教育の機会均等と一定の教育水準を実質的に担保するという、そういう観点からこれは問題があるというふうに考えているところでございまして、そのような算定方法はそういう意味で適切ではないと考えているところでございます。
#29
○輿石東君 今、矢野局長の御指摘のとおりだと思います。私も承知をしてお尋ねしたわけですが、単に三十人学級にする、生徒数は各都道府県わかっているわけですから、それを単純に三十で割って、そして出てきたのが教職員の定数だ、後は勝手に都道府県へ任せますよといえば、言われるまでもなく、私の山梨みたいな山間僻地の多い学校では現状の教員の定数さえも確保できない、そういう現象が出てくる。そういう意味で教育の機会均等に触れてくるということだと思います。
 そこでもう一つ、この義務標準法や高校標準法に定める教職員定数の標準というのは、先ほど岩瀬議員が質問された中で、先生方の給与は二分の一国庫負担になっている、義務教育費国庫負担法という法律で。その算定基準を定めるための標準であって、学校の指導課程や教育効果などということを考えて出てきた四十という数字でないということをきちんとお互いに押さえていきたいというふうに思います。
 時間が参りましたので、冒頭申し上げましたように、私は本来ならば森総理並びに中曽根文部大臣にこの辺の質問をしたかったわけですけれども、それも許されなかったわけですが、平成八年に、橋本総理の所信に対して現在の森総理はどういう質問をしているかということであります。
 森さんは、当時の平成八年十二月二日に、橋本総理の所信に対して、「先般の総選挙でも、我が党は選挙公約の中で、創造性豊かな人づくりを目指した教育改革を最重要課題として位置づけました。」。選挙の最重点課題に位置づけたと、こういうわけであります。「総理御自身も」「子供たちは日本の宝であると明言されました。」と、こう言っているわけです。そして、続けて森さんは、「日本の宝である子供たちが光り輝くためには、教育に対する予算は未来の先行投資として位置づけるとともに、政府を挙げて教育環境の整備に取り組むべきだと思いますが、」、橋本総理、いかがですかと、こう言っているわけです。
 そして、やがて訪れる総選挙に、森総理自身も、教育課題を最大の重点課題として位置づける、こういう姿勢で国民に訴えていくというふうに思われます。だからこそ私ども民主党は、国民の皆さん、行政に携わる皆さんにもう一度、子供たちは日本の国の宝であるという認識で先行投資が実現できるような施策をお願いしたいということで三十人学級の提起をしているということを最後に申し上げ、私の質問を終わります。
#30
○福本潤一君 明改の福本潤一でございます。
 今、民主党の議員の方から義務標準法また高校標準法の考え方についても御意見が出ました。今回、民主党の法案が出ておりますので、現行法の話を最初に伺わせていただこうと思います。
 この義務標準法また高校標準法と言われる略称でございますが、この法律の基準を定めるという目的、それはそれでいいのか、また今後の運用方針も中教審の言われたような形でやっていくのか、この点を文部省にお伺いしたいと思います。
#31
○政府参考人(矢野重典君) いわゆる義務標準法でございますが、これは、教育水準の維持向上に資することを目的といたしまして、公立学校の学級編制及び教職員定数の基準を定めますとともに、同法に基づく学級編制標準等を基礎として算定されます教職員定数に基づいて教職員給与費の国庫負担を行うという、財政支援措置のための法律という性格をあわせて有しているものでございます。
 したがいまして、国が定める学級編制の標準につきましては、都道府県が独自にこれを上回って学級編制基準を定めたり、また逆に、下回ってこれを定めたりすることは想定されていないところでございます。なお、これにつきましては、一昨年九月の中教審答申におきまして、学級編制について弾力化が必要であるとの答申をいただいているところでございます。
 また、教職員の配置についてでございますが、ちょっと技術的な話で恐縮でございますけれども、義務標準法はあくまでも都道府県全体の総定数を積算するものでございまして、具体の各学校への配置数を算定するものではなくて、現行の法令のもとにおきましても各都道府県が学校の実情に応じた弾力的な教職員配置を工夫することは可能であるわけでございますけれども、現状ではこの数があたかも教職員配置基準であるというふうに認識されている場合が少なくないわけでございますので、この点につきましては今後運用上改善すべき事柄であるというふうに考えているところでございます。
#32
○福本潤一君 そういう意味では、今現在の法律は国庫負担教員数を公正に定めるための基準、また各県の総定数の積算ということでございますが、現行法で現状、日本の小中高等学校のクラス、定員、何名ぐらいずつになっておるわけでございましょうか。文部省にお伺いします。
#33
○政府参考人(矢野重典君) 学級数が小中合わせまして約四十万学級ございまして、教員数が約六十二万でございます。
#34
○福本潤一君 そういう総数の中で、都市部と田舎とはまたいろいろ違うと思いますけれども、日本全体で一クラスの平均値、何人ぐらいになっているのかというのをやはり文部省にお伺いします。
#35
○政府参考人(矢野重典君) 一学級当たりの平均児童生徒数でございますが、小学校では二十七・二人、中学校では三十二・四人、高等学校では三十七・〇人となっているところでございます。
#36
○福本潤一君 そういう意味では、欧米並みといってもなかなか現実の値がそうなっていないという現状があると思います。
 と同時に、先ほどアメリカの十八・八人とかいったときに、十九・三、十六・七という数値が出ましたけれども、あの数値とこれはどういう違いがあるか、ちょっと教えていただければと思います。
#37
○政府参考人(矢野重典君) 先ほど一クラス当たりと申しましたのは、児童生徒数を学級数で割った場合の一学級当たりの平均児童数でございますけれども、主要国との比較において申し上げましたのは、先生一人当たりの児童生徒数、こういう数字でございます。
#38
○福本潤一君 そういう意味では、先生一人当たりで割ると学級数とはまた違う値で出てきておるわけでございます。
 そこで、クラスの編制というときに、私ども考えるのに、国で一律にするのがいいのか、また法律で一律に定めるのがいいのかということと同時に、教職員の立場に立ってクラスの定員を考えるということも大事でございますが、同時に生徒の立場に立って法律を定めるということも必要だと思います。
 と申しますのは、私ども団塊の世代ですけれども、ベビーブームという時代で、大体一クラス五、六十人おったのが普通のクラスという中で育ってきたわけでございまして、その育ったときの教育が尋常でなく悪かったかというと、一概にクラスだけの問題ではないような実感もございます。と同時に、四十人を超えるかどうかというのが、今度は私の子供の時代になりますと、おたくの子がうちの公立小学校に入るかどうかで四十一人になるか四十人になる瀬戸際でございます、ですので、四十一人になったときには二十一人と二十人のクラスになりますよ、私学に行くのでしたら一クラス四十名というような具体例を入学直前までお話しいただきました。都会に行きますと人数が減っていますので起こると。
 そうすると、四十名学級というような話があったときですら、二十名ぐらいのクラス。今度は三十名学級で三十一人になるかどうかのときは、十六名と十五名のクラス。私も学校へ父兄として行ったりしますと、一クラス十六名ぐらいのクラスになりますと、男性八人女性八人ぐらいのクラスになる。野球チームもつくれない、サッカーも大変だなということもございます。
 ここらの、少人数クラスになったときの逆の問題点というのを具体的に考えておられるかどうか。これを文部省と民主党両方にお伺いしたいと思います。
#39
○石田美栄君 先生も御存じと思うんですが、本法律案で策定される学級編制及び教職員配置改善計画において、一学級における児童生徒の標準を三十人以下とすることとしているのであって、現在、小中学校においてこの標準は大変硬直的な運用がされておりますが、この法律案によって策定されるであろう次期改善計画実施のための義務標準法の改正の際には、一定数を超えると、学級を今おっしゃるように、三十一人であれば十六と十五に分けるのかということですが、機械的に分割する方法を改めて、この三十一の定数を保障しつつも、学年によっても異なるであろうし、また各学校の教育方針とか各学校のそのときの事情によって、十五人と十六人に分けるのがいいのか三十一人がよいのか、そういう判断は教育委員会とか学校にゆだねるような弾力化を図るべきだというふうに考えます。
#40
○政府参考人(矢野重典君) 少人数学級についての問題点でございますが、先ほど御説明申し上げましたけれども、一つには、学級編制の規模とその教育効果の関連については今日必ずしも十分に明確になっていないという問題があるわけでございますし、さらに教育指導を効果的に行うという観点に立ちますと、これは固定的な学級という考え方にとらわれないで、むしろ学年や教科等に応じて少人数の学習集団を編制して授業を行ったり、あるいは第六次改善計画で導入いたしましたチームティーチング等を取り入れまして指導方法の改善を図るなど、きめ細かな工夫を行うことが必要であるというふうに私どもは考えておるわけでございます。そういう意味で、一律の少人数学級ということにつきましては、教育効果等の上で必ずしも望ましい方法とは言えないのではないかというふうに考えているわけでございます。
 あわせて、一律の少人数学級につきましては、先ほど来申し上げておりますように、国、地方を通じての財政負担という問題があるわけでございます。
#41
○福本潤一君 財政負担のこと、また少人数教育上の問題点も含めて言っていただきました。
 と同時に、民主党の先生に、現実の運用としての、三十一人になっても十六人、十五人の話は言っていただいたわけですけれども、我々世代、団塊の世代のような時代の五十五ぐらいの平均ですか、一クラスでも五十五人おって、同時期の世代が異常に多くて、中学の同期会をやると一学年でも九百人から千人ぐらいの学校というのはざらにあった時代でございますけれども、人数が多かったから荒廃する、少なかったからうまくいくという形の問題以上に、教育そのもののあり方の問題というのがもっと大きい問題だろうと思います。
 と同時に、少人数になると、先ほどお答えいただかなかったですけれども、友人が固定化するとか、逆に親とか子の過干渉という、私も余り干渉されるのは好きじゃない子供でしたから、干渉が強過ぎるような問題が逆に起こって、一時教育ママというような問題もございましたけれども、学校教育の中である程度の生徒も自由度があった方がいいような私も気がしたりするので、少人数のそういう現況、学校荒廃というのが人数の問題であるのかということと、もう一つ、少人数になったときのそういう具体的な過干渉、または構われ過ぎるような形の問題というものに対してはどう考えられているか、ここをお伺いしておきます。
#42
○石田美栄君 過干渉になるときの問題をどう考えるかと。でも、いろいろなテレビなんかで放映されているのを見たり、いろんな報道を見ても、特に小学校の低学年、就学前教育から小学校に入ったときの状況などでは、先生が一人一人の子供をきちっと見ていけることから、学習習慣、そして児童同士の友情とか学校と親のつながりとかそういうこと、きちっと学習習慣をつけていくという点では少人数であるということは非常に重要だというふうに考えますし、先生が自分たちの時代というのをおっしゃいましたけれども、そのことは、やはり社会状況、家族状況、子供の数も変わってきていますから、社会状況が違うということもきちっと踏まえて考えなくちゃいけないというふうに思います。
 これは一つの例ですけれども、ライリー教育省長官がG8教育会議で日本に来られての会見の中にも、アメリカで行われている十八人学級の推進という中で、大規模クラスと比べると、児童と先生のきずな、児童同士の友情、学校と親のつながりがより親密になって、教育効果ははっきりとあるということを断言しておられるというふうなことをつけ加えてお答えにさせていただきます。
#43
○福本潤一君 そういう問題と同時に、クラスは確かに小学校二十七人とか中学校三十二人とかになっていますが、教師一人当たりですと案外欧米全体ではさほど差がない数になっている。
 ということになりますと、教員の忙しさ、教師の忙しさというところからのアプローチというのもかなり大切なことではないか。お忙しい先生は実際は多いのに、なかなか現実の教育の現場ではうまくいかないということも起こったりしていますので、持ち時間の軽減について考える方策という観点と、小中はまだしも、高校とか私立学校でも具体的に実施が可能なのかという二点をお伺いして、終わりたいと思います。
#44
○本岡昭次君 まず高校ですが、先ほど言いましたように、かなりの教員の増が必要となってお金もかかりますが、これは義務教育国庫負担法という形ではございませんので、公立高校の場合は地方交付税交付金というもので必要経費が基準財政需要額として計上されると、こういう形で賄われております。
 したがって、この法律が通って成立して、具体的に三十人以下学級の問題で標準定数法がそれによって改正されて必要な教員数がそこに決まっていく、こういうことになれば、それに見合う地方交付税交付金が当然おりていく、こういうことになってくるので、高校の場合も問題なくできると私は思っております。
 それから私学の場合は、案外知られていないんですが、法令上は、昭和二十二年の学校教育法施行規則には五十人以下となっていて、私学は五十人以下というのが昭和二十二年以降ずっと続いている。高等学校は、昭和二十三年に高等学校設置基準制定で四十人以下とされてそれが基準になっている。こういうことでありまして、しかし私学も公教育という重要な分野を担っているということから、五十人以下だからこれは三十人でもいいんだ、四十人以下だからということだけではなくて、やはり公立と同じように三十人という基準を目指して努力をしていただきたいという思いを私どもは持っております。
 それで、先ほど言いましたように、この法律案の第九条で、私学助成という分野から、三十人以下学級とか教員の増というふうなものについて設置者が努力していくことについては一定の補助金を出していくという対応をこの法律案の中にもやっている、こういうことでございまして、高校だから、私学だから実現が不可能だということではない。要するに、先ほど輿石委員が言いましたように、子供は宝だと言うのか言わないのかは別にして、やはり教育をしっかりやらなければ日本の未来はないという思いに立つのかどうか。
 特に、小規模というのは何ゆえに小規模かといいますと、二十一世紀は明らかに変わるわけで、いわゆる高度情報化社会というものの中で、パソコン、コンピューターというものが日常生活に入ってくる。あの技術をいや応なく皆習得しなければ社会に出て働けない、あるいはまた英語というふうなものもかなり皆が身につけていかなければならぬ、いわゆる教育の質が変わってきていると。だから、小規模であったら教育効果が上がるか上がらぬじゃなくて、小規模にしなければ二十一世紀に生きていくパスポートというふうなものを学校が与えることはできないという、必要ぎりぎりに迫られて規模を縮小していくというふうに見ていくのが正しいんではないかというふうに私は思っております。
 以上です。
#45
○林紀子君 日本共産党の林紀子でございます。
 きょうは、民主党が提案をなさいましたいわゆる三十人学級法案、これについて質問させていただきたいと思います。もうちょっと時間がありましたならば、本当はその隣に文部大臣にも御一緒に並んでいただいて交互にでもお答えをいただきたいところだったわけですが、先ほど同僚議員もおっしゃいましたように、今、文部大臣はちょうど予算委員会の方にとられております。ですから、これからもこの三十人学級の問題につきましてはぜひ文部大臣も並んで答弁ができるような機会も設けていただいて、それはそのときに回すということで、きょうは民主党の発議者の方に御質問をさせていただきます。
 四月十九日の朝日新聞では、文部省が研究委嘱した学級経営研究会の最終報告案というものが報道されておりました。これは、一学級三十六人以上の規模の場合、崩壊の率が特に高くなる、人数の急増が学級崩壊の引き金を引いていると報道されておりました。
 文部省は、これまで学級編制の規模について、例えば中曽根文部大臣は、「一般的には規模が小さい方が、児童一人一人の特性、そういうものに応じた授業がやりやすくなるということが考えられるわけであります」と、本岡議員にも我が党の畑野議員にも答えていらっしゃいます。ところがその後、「しかし、」という言葉が続くわけですね。「この規模とそれから教育の効果の関連については十分に明確にはなっておりません。」と、こういうことを言いまして、例えばチームティーチングなども挙げて、いろいろなやり方があるんだと答弁をしていらっしゃいますし、先ほど矢野局長は、一律の少人数学級という方法は望ましいとは思わないということまでおっしゃったわけです。
 私は、今これだけ学校の状況が大変な中で、先生も父母も本当に少人数学級というのを望んでおりますし、また地方議会といいますのも、三月の時点で一千四百八十八自治体がぜひ三十人以下の少人数学級にしてほしいという要請を上げているわけですから、どうしてもこれは三十人学級、三十人以下学級ということで考えていく必要があるんじゃないかと思います。
 これは先ほども質問がありまして重なる部分があるんですけれども、三十人学級による教育効果というのはどういうものか、ぜひ文部省にも、また私たちにもよくわかるように明確にお答えをいただきたいと思います。
#46
○石田美栄君 いや、明確にと言われるとなかなか困る。これは、やってみれば恐らく今持っている教育のさまざまな問題を解決する大きな手がかりになって、きっといい状況になるだろうと思ってこの法案を本当に熱意を込めてつくり、提案させていただいたので、明確に今言えと言われても大変困って、岩瀬委員にお答えしたようなことを繰り返すことになるかと思います。
 またライリー・アメリカ教育長官の言葉を繰り返すようなことになりますけれども、十八人学級は調査により成績向上に効果があるのは明白と言われたり、それから、アシスタント教員の政策は随分やったけれども、今でははっきり専任教員をふやした少人数学級の方に政策の重点を移して、その効果を次々に見ているというふうなことのお答えしかできないかと思います。
#47
○林紀子君 確かに、人間を相手のことですから、数学の解答のように、物理の実験の結果のように明確には出ないというところはあるかと思いますけれども、アメリカ教育省の報告書で、一クラスの生徒数を二十人以下にすると、標準的な生徒の成績が最大限五〇%から六〇%上昇するという結果もあるという話を聞きますと、やはり今本当に生徒も父母もこういう状況を求めているんだなということをつくづくと思うわけです。
 次に御質問したいのは、文部省は、三十人学級実現には公立の小学校、中学校で先生の数を十二万人ふやさなければいけないというふうなお答えをなさっているわけですけれども、ここでちょっと心配が生まれるわけですね。これは、先ほど来いろいろ出ておりますけれども、調査研究協力者会議の昨年六月段階での話し合いの中で出た意見として、議事要旨というので私も拝見をしたわけですが、こういうことをおっしゃっている方がいるわけですね。「中学校では教員一人で一免許であり、それよりも三人の非常勤講師を採用した方がいいと判断する場合がある。」、「非常勤講師の任用というものが柔軟にできれば、総合的学習も含めてよりいいのではないか。」、こういうことをおっしゃっているわけですね。
 先ほど、協力者会議の結果を待ってということも盛んに言われておりましたけれども、今回の民主党の三十人学級の実現のための法案といいますのは正規の教職員で対応するということだと思うわけですけれども、非常勤講師の採用ということについてはどういうふうにお考えになっているのか、お答えいただきたいと思います。
#48
○委員以外の議員(佐藤泰介君) 今、協力者会議の引用もございましたけれども、私どもは、今、委員言われたように、この実現の教員の増は、教諭の増で、非常勤講師を考えて立案はいたしませんでした。
 採用試験等を見れば、昭和五十四年度の公立小学校教員採用試験受験者が七万三千人、採用者数は二万三千人、競争率は三・二倍。昭和五十四年度から平成六年度まで見ますと、競争率が五倍、平成十一年度は十二倍。異常に高い競争率になっているわけでございますので、三十人学級の実施により教員の採用数が増加することにより、現在非常勤講師として活躍されている方々にも大きな門戸が開放されることになるのではないかと。
 非常勤講師の問題については、委員はこれまでにもこの委員会でいろんな形で御質問をされておみえになりましたけれども、そういった方々への門戸を開くことにもなるんではないか。結論的には、非常勤講師でということを考えて立案はいたしませんでした。
 以上です。
#49
○林紀子君 私も、やはり子供たちのためにも、それからもちろん先生のためにも、非常勤講師で採用ということでないということをお聞きいたしまして安心をしたんです。
 しかし、この民主党の案では、国に計画を立てさせるという法律の形態になっているわけですね。ですから、この法律が通った場合、国の方がここの部分は非常勤講師でやるのだというような案を立ててきた場合はどうするのか、その歯どめというのがあるのかどうかということもちょっとあわせて聞かせていただきたいと思います。
#50
○委員以外の議員(佐藤泰介君) そういう心配は私どもも考えながら、当然、この法案を通すことによって標準法を今度いじっていくことになると思いますけれども、その時点でさらに、正規採用でということを私ども党を挙げて主張してまいりたいというふうに思っております。
#51
○林紀子君 それでは、次は非常に実務的な話になるわけですけれども、今回のこの法案、予算の問題ですが、全体の予算規模については先ほど来お話がありましたので、細かく見ていきまして、例えば私立の学校の場合の採用教員数と予算というのはどういうふうにお考えか、それぞれの数字をお聞かせいただけたらと思います。
#52
○本岡昭次君 公立と同じように、現状の学級数、学級規模から、これを三十に一律にしていくとどれだけの教員増が要るのかという調査をすれば、今おっしゃっている質問に対する答えは出せると思うんですが、残念ながらそういう資料を今のところ持ち合わせておりません。
 また、なぜそれを調べなかったかといいますと、先ほど言いましたように、私立の学校には、これは努力義務という形で、設置者の自主的な決定というものを待つということでございましたので、今でも持ち合わせておりません。ただ、私もそのことについては興味を持っておりますので、調査をしたい、このように考えているところであります。
#53
○林紀子君 私たちも大変興味がありますので、お調べいただけましたら、私たちもぜひそれを知りたいと思っております。
 それから次に、教頭それから養護教諭、学校栄養職員、事務職員、教員の加配、大変ここは目配りをしてつくられた法律だというふうに思うわけですけれども、それぞれの改善の人数、それからそれを含めた総予算、これは総予算で結構なんですけれども、どれだけのものになるかというのを、ここも計算をしていらっしゃいましたらお聞かせいただきたいというふうに思うわけです。
#54
○本岡昭次君 この法律は、学級規模の適正化と同時に、第五条で「公立小学校学級編制及び教職員配置改善計画の策定」という項目があります。今おっしゃいましたように、標準定数法を改正して改善計画を立てるときには、その中に事務職員、栄養職員というふうな職種がございますから、その職員の配置基準は学級数によって決まってまいりますから、当然、三十人以下学級にすることによって学級数がふえますから、要するに、複数の職員を配置できる基準に到達する学校が自動的にふえていくということはあります。
 それと同時に、基本的にそういう事務職員、栄養職員といった必要な教育職員が単数配置でいいのか、本来は複数配置でなければならぬのかという問題は、当然この改善計画の中で考えていくということになりましょうし、私の考えでは、当然、複数配置というものを限りなく追求していく、そういう改善計画にしていかなければいけないというふうに私は思っております。
#55
○林紀子君 どうもありがとうございました。
 そういう意味では、私たちも三十人学級ということに向けてこの委員会でも、また、先ほどお願いいたしましたように文部省と文部大臣も含めて質問させていただくということで、この後引き続きということで、きょうは大変短時間でしたけれども、これから続いてまた質問もさせていただきたいということを申し上げまして、私の質問は終わります。
#56
○日下部禧代子君 社会民主党の日下部禧代子でございます。
 まず、文部省に対してお伺いしたいと存じます。
 三十人以下学級につきましては、先ほど、海外の例としてアメリカの例が引用されましたけれども、イギリスにおきましても、教育改革というのは先進国の一つの例とも言えましょうが、ブレア政権の最重要課題というのが教育改革でございます。
 その中でもブレア政権が力を入れているのが三十人以下学級ということの実現でございます。九九年のイギリス政府の発表によりますと、三十人以上のクラスに通う五歳から七歳までの子供の割合というのは二九%から二二%に減少したと、その実現の効果を数であらわしております。
 というのも、一九八〇年代のサッチャー政権のときに教育費の大幅な削減を実行したわけでございますね。そのことによって公立学校がどんどん合併ということで、非常に学校の規模も大きくなったし、同時にクラスの規模も大きくなった。そのことによって学習効果が非常に減少したという実態から、ブレア政権は今私が申し上げたような教育改革の実行を始めたということがございます。
 また、今回日本でも、総理ももちろんでございますが、教育改革国民会議におきましても、座長である江崎さんは二十四人学級がいいんじゃないかというふうな御提案もなさっていらっしゃいます。
 そこで、文部省にお聞きしたいのでございますが、先ほど同僚議員との質疑をお聞きしておりますと、どうも文部省は、三十人以下学級あるいは少人数学級に対して、否定的とは言わないまでも、非常に懐疑的であるように受け取られるような御返答でございましたけれども、改めまして、三十人以下学級あるいは少人数学級についての意義というのは、認められるとしたらどの辺のところにあるのか、どうお考えになっているのかということが第一点でございます。
 それから、現在の四十人学級というのは、いわゆる第五次の定数改善計画、これは一九八〇年開始でございます。それからもう二十年もたっているわけでございます。この二十年の経過の間に時代的な背景も変わりました。それからまた家庭や社会、そして子供たち自身も大きく変化しております。そのような変化に対応するような改革がなされなきゃならないわけでございますが、クラスの編制、その人数を少なくするということも大きな対応の具体策の一つであるというふうに思いますが、その点も含めまして文部省の御見解を伺いたいと存じます。
#57
○政府参考人(矢野重典君) まず、三十人以下学級あるいは少人数学級について私どもの考え方を申し上げますと、学級編制の規模とその教育効果の関連につきましては、先ほど諸外国あるいは我が国の実証的な調査研究の状況についても御報告申し上げましたが、そういう結果を見ても、必ずしも十分明確にはなっていないということが一つございます。
 それからもう一つの観点は、教育指導を効果的に行う、そういう観点からいたしますと、三十人学級あるいは少人数学級といったような固定的な学級という考え方にとらわれないで、むしろ、対象となる学年あるいは教科といった、そういうそれぞれの特性に応じて少人数の学習集団を編制して授業を行う。あるいはチームティーチング等を取り入れた指導方法の工夫をするといったような、そういう工夫を行うことがむしろ教育指導を効果的に行うという観点からは私どもは必要ではないかというふうに考えるわけでございます。
 さらに、第六次の改善計画におきましてチームティーチングを導入いたしたわけでございますが、こうしたチームティーチングについての研究成果、平成八年から十年の三カ年にわたる国立教育研究所を中心にした研究成果でございますが、その研究によりますれば、学力テストの結果では、チームティーチングの方が一人の教師による学級一斉指導よりも成績向上に効果があったといったような研究成果もあるわけでございます。
 そういうことを考えますれば、繰り返しでございますけれども、さらに財政負担のことも考えますれば、私どもとしては、一律の三十人学級あるいは一律の少人数学級という教育方法については慎重にならざるを得ないということが一つございます。
 それから、これまでの学級編制の取り組みでございますが、日下部先生御指摘のとおり、私ども、学級編制及び教職員定数の改善につきまして、第一次の昭和三十年以降、五十人学級から始まりまして、第二次の四十五人学級、さらには第五次の四十人学級という形で、クラスサイズを小さくするという形での教育条件の整備に努めてきたわけでございますけれども、そういう整備の状況を踏まえまして、第六次におきまして初めて、クラスサイズではなくて指導方法の改善のために、そういう観点からの定数改善計画を進めたわけでございます。
 その趣旨は、先ほど申し上げましたように、一定の固定した学級の規模については四十人学級までまいりました。そういう状況を踏まえて、教育指導をより効果的に進めるにはどういう観点からの定数改善計画が望ましいかという観点で検討した結果、固定的なクラスサイズを小さくすることではなくて、むしろチームティーチングといったような指導方法の改善を図ることの方がより効果的な指導が期待できる、こういう観点に立って改善を進めたわけでございます。
 現段階におきましても、先ほどチームティーチングの研究成果を御報告申しましたけれども、そういう研究成果を踏まえまして、新しい計画におきましては、そういう観点から新しい計画についての検討を進めてまいりたい、かように考えているところでございます。
#58
○日下部禧代子君 今の局長のお言葉を聞きますと、指導方法の改善ということを非常に強調されますね。そうすると、指導するのは教師ですね、教師の責任ということが非常に強くなる。しかし、それはもちろんのことでございますけれども、教師がより効果的な指導ができるような、そのための環境整備ということで今この三十人学級、少人数学級ということが出ているわけでございますから、今おっしゃった観点を少し変えた形で視点を変えて、どうしたら指導方法の改善ができるのか、どうしたらよりよい指導を教師ができるのか、そして、そのことが子供たちにとってより個性を伸ばす教育につながるのか、そういう大きな観点というものをもう一つ踏まえていただきたいというふうに希望しておきます。
 また今度、大臣がお出ましのときにもまた議論を進めさせていただきたいと存じます。
 時間が迫っておりますので、今度は発議者の方にお伺いしたいと思います。
 今、文部省の方でフレキシブルな教育指導の仕方を非常に強調なさっていらっしゃいましたね。確かにこれは一面あると思うんです。今、日本の教室で行われているのはいわゆる一斉授業ということで、これは対面授業とも言うのでしょうか、先生が前にいて、そして子供たちがみんな先生の方を向いているという。これは、私のようにヨーロッパで教育を受けた者にとってはいささかぎょっとするようなショックを受ける場面でもあるわけでございますけれども、やはり一斉授業ではないような、そういうフレキシブルな学習というのもこれから考えていく必要があるんじゃないかなと。固定的な授業の仕方ではない仕方、それを実現するためにも、やはり私は、大きな教室で、一人の先生で、たくさん子供たちがわっと一つのところを見詰めているというような、ヨーロッパからいうとちょっと異様な風景をなくすためにも少人数のクラス編制が必要だと思うのですが、その点、発議者いかがでしょうか。
#59
○委員以外の議員(佐藤泰介君) 日下部委員言われることについては、全く私も同感だと思います。
 文部大臣等もよく学校を訪問されますけれども、そのときの写真を見ても、大抵今先生が言われたような状況の写真が載っておりますね。あれはもう何年来ああいう写真かなと。私も、そういう点ではもっとフレキシブルな学習ができるような形態をとっていく必要があろうというふうに思っております。
 そんな意味でも私どもは、そうした多様な学習形態を可能とする教員の授業配置の軽減とか、チームティーチング、今お話がありました加配、教職員の配置の充実等々あわせて三十人学級を実現していくことがそういうことにつながっていくというふうに思います。
 文部省に私は今お言葉を返すつもりはございませんけれども、TTがオールマイティーのような発言がございましたが、十一年度では二・三校に一人ぐらいでございますので、三十人学級にして先生の数がある程度ふえる、そしてそれを弾力的に扱えば、少人数学級にしてTTの方にも活用できるし、TTはTT、何も学級数とそこを余り分けて考える必要はないんではないか。もう少し先生が言われたようなさまざまな学習形態がとれるような教員定数の配置の充実を図っていきたい、民主党が提出したこの法案がそれを前進させていくような形につながっていけばいいと、私はそんなふうな決意でここに立たせていただいております。
 以上でございます。
#60
○日下部禧代子君 もう一問発議者にお尋ねしたいのでございますが、今、学校そのものに対して、例えば不登校、あるいはさまざまな形で子供たちが反乱をして、今の学校というものに対してさまざまな形で子供たちの意思表示がなされていると思うんですね。
 そうしますと、今までの学校というもののあり方、先ほど申し上げましたように時代的な背景、子供たち自身が置かれている環境というのは物すごく変わっているわけです。そういう中で、魅力ある学校、そのための努力をさまざま私たち先に生まれた大人たちはしなければならないと思うのでございますが、ある意味で学校の魅力をもう一遍復活させるというのか、今の時代に合わせて、そしてこれからの時代に合わせて学校というのを魅力ある学校に、その条件というのはどういうものだというふうにお考えでいらっしゃいましょうか。
#61
○委員以外の議員(佐藤泰介君) さまざまな状況によって違うと思いますけれども、私はやはり、子供たちが学校へ来て、まず楽しい、わかるということが大前提ではないのかというふうに思っております。例えば、四十五分、五十分、何もわからぬでそこに座っていなきゃいかぬということは大変な苦痛なんだろうと、子供たちにも。
 したがって、従来の、先生が言われたように一斉な形での授業ではなくて、さまざまな学習形態をとる中で本当に子供たちがわかったと。やっぱり子供たちは、わかれば非常に喜ぶし、楽しいんですよ。わからないから暴れたり何かいろんなことが起きるんであって、したがって、もっときめの細かい指導ができるような教育条件を整えていく、発議者の本岡委員も言われましたけれども、それが教育立国であり、教育の先行投資であり、やっぱりそこらで一遍発想の転換をしなければ、我々自身も。
 三十人以下学級の教育効果がはっきりはかれないから望ましくないとか、財政負担が大き過ぎてだめだとか、TTでやっていくけれどもそれは二・三校に一人だとかということではなくて、もう一度子供たちに合わせた学校をつくるように、学校に子供たちを合わせるんではなくて子供たちに合うような、そんなように私ども自身が発想を転換して、結論的には私は、子供たちは学校へ来て、いろんなことがわかる、新しいものを発見する、それを知る、その喜びを味わえば必ず今言われておるような現象は少なからず解消していくんではなかろうかと私は思います。
 以上でございます。
#62
○委員長(佐藤泰三君) 本日の質疑はこの程度といたします。
 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#63
○委員長(佐藤泰三君) 速記を起こしてください。
    ─────────────
#64
○委員長(佐藤泰三君) 国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 発議者須藤良太郎君から趣旨説明を聴取いたします。須藤君。
#65
○委員以外の議員(須藤良太郎君) ただいま議題となりました国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 六十年有余に及ぶ昭和の時代は、我が国の歴史上、未曾有の激動と変革、苦難と復興の時代でありました。今日我々がある平和と繁栄の日本はまさにこのような時代の礎の上に築かれたのであります。
 二十一世紀を目前にして、我が国は今また新たな変革期にあります。昭和の時代を顧み、歴史的教訓を酌み取ることによって、平和国家、日本のあり方に思いをいたし、未来への指針を学び取ることは、我が国の将来にとって極めて意義深いことであります。
 このような観点から、この法律案は、昭和の時代に「天皇誕生日」として広く国民に親しまれ、この時代を象徴する四月二十九日を、昭和を記念する「昭和の日」として新たに祝日とすることといたしております。
 また、現在四月二十九日は「みどりの日」として国民の祝日とされております。その祝日とされる趣旨は「自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ。」とされており、緑豊かな我が国にとって極めて有意義であり、国民の間にも定着しているところであります。こうした「みどりの日」の意義にかんがみ、しかも祝日の増加による影響にも配慮しつつ、青葉若葉の時節であり、ゴールデンウイークの一日である五月四日を「みどりの日」とすることといたしております。
 なお、祝日と日曜日が重なった場合の現行の振りかえ休日について調整することといたしております。
 次に、この法律案の主な内容について御説明申し上げます。
 第一に、国民の祝日として、新たに「昭和の日」を加え、「昭和の日」を四月二十九日とし、その意義を「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす。」とすることといたしております。
 第二に、「みどりの日」を五月四日とすることといたしております。
 第三に、国民の祝日が日曜日に当たるときは、その日後においてその日に最も近い国民の祝日でない日を休日とすることといたしております。
 なお、この法律は、平成十三年一月一日から施行することといたしております。
 以上が本法律案を提出いたしました理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、十分に御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#66
○委員長(佐藤泰三君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後二時四十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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