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2000/05/18 第147回国会 参議院 参議院会議録情報 第147回国会 文教・科学委員会 第18号
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2000/05/18 第147回国会 参議院

参議院会議録情報 第147回国会 文教・科学委員会 第18号

#1
第147回国会 文教・科学委員会 第18号
平成十二年五月十八日(木曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十七日
    辞任         補欠選任
     岩本 荘太君     田名部匡省君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         佐藤 泰三君
    理 事
                岩瀬 良三君
                野間  赳君
                石田 美栄君
                松 あきら君
               日下部禧代子君
    委 員
                阿南 一成君
                有馬 朗人君
                井上  裕君
                扇  千景君
                亀井 郁夫君
                仲道 俊哉君
                長谷川道郎君
                江本 孟紀君
                小宮山洋子君
                本岡 昭次君
                福本 潤一君
                畑野 君枝君
                林  紀子君
                田名部匡省君
   国務大臣
       文部大臣     中曽根弘文君
   政務次官
       文部政務次官   河村 建夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        巻端 俊兒君
   政府参考人
       文部省初等中等
       教育局長     御手洗 康君
       文部省教育助成
       局長       矢野 重典君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第四局長   渡辺 孝至君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○独立行政法人教員研修センター法案(内閣提出
 、衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(佐藤泰三君) ただいまから文教・科学委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、岩本荘太君が委員を辞任され、その補欠として田名部匡省君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(佐藤泰三君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 独立行政法人教員研修センター法案の審査のため、本日の委員会に文部省初等中等教育局長御手洗康君及び文部省教育助成局長矢野重典君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(佐藤泰三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(佐藤泰三君) 独立行政法人教員研修センター法案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○長谷川道郎君 自由民主党の長谷川道郎でございます。
 今、学校教育の現場はまさに荒廃のきわみにあると言っていいのではないかと思うわけであります。いじめや不登校といった問題は、本人はもちろんでありますが、家族にとって極めて深刻な問題であり、また、現場の教員自身の人格が崩壊するというような場面もしばしばあるわけです。
 今回の研修センター法案、これが単に定数削減や経費削減、節減の効果だけであるならばさほどの意味がないと思うのでありますが、これによって研修のあり方がどう変わるのか、何か積極的な意味があるのか、それについてまずお伺いいたします。
#7
○国務大臣(中曽根弘文君) 今回は独立行政法人教員研修センターを設立するものでありますけれども、これは、従来文部省が本省で行っておりましたさまざまな教職員の研修業務、それからまた、それに関係しております係る定員、それから予算等をこの独立行政法人に移管をいたしまして、そしてそういう研修関係の業務をそちらで専門的に一元化してやろうというものであります。
 また同時に、現在あります国立教育会館を解散いたしまして、そちらで行っております学校教育研修、こちらの業務もあわせてこの教員研修センターでやろうとするものでありまして、一つは、今申し上げましたように、本省で行っておりました研修をアウトソーシングしてこの研修センターがやるということによりまして、文部省関係のいわゆる行革といいますか、定員の削減を初めといたしまして、文部省におきましては企画立案に専念をする、そういうようなことになるわけであります。
 この研修センターにおきましては、研修が専門ということになるわけでありまして、研修事業を総合的、一元的に行う、そういうことによって研修の内容が従来以上にさらに充実したものにできるんではないか、そういうふうに思っているところでございます。
#8
○長谷川道郎君 研修の専門的一元化ということであるわけでございます。単なるアウトソーシングに終わらない積極的な効果が期待できるものというふうに私どもも期待をいたしておるわけであります。
 今回のこの一連の機構改革は教養審の答申に沿ったものでありますが、教養審の答申の中で、教員の長期社会体験研修を充実し、段階的に実施するという項目がございます。一昨日の本委員会の河村次官の御答弁にも、教員の社会性を高める必要があるというような御答弁がございました。
 実は私は、かつて子供の学校のPTA会長をやっておりました。非常に熱心な優秀な先生で、教室で子供に授業をするときは大変濶達な方だったんですが、大人と話をしますとどうもちぐはぐという感じがする先生がいらっしゃいました。やや基本的なマナーに欠けているのかなというような感じもあったわけです。
 今の例は余りいい例じゃありませんが、社会性といった問題は、もちろんその定義は難しいわけですが、一般的な社会的な常識というふうなことで解釈すれば、社会的な常識を欠くような方が教壇に立たれている、これは大変な問題だと思うんです。
 そこで、冒頭申し上げました、教員の社会性を高める必要があるということにつきまして、その意味と、それから今後の具体的な施策についてお伺いいたします。
#9
○政務次官(河村建夫君) 長谷川先生が御指摘のとおり、また、PTAをやっておられましたら実体験を持っておられる。私自身もそういう声を聞くことが最近非常に多くなりまして、そういう状況の中で教養審の方もそうした答申を出してきたと思います。
 これについては、おっしゃるとおり先生の社会性を増すということが非常に必要になってきておりますので、民間企業等々へ派遣をしてそうした社会体験を積んでいただくということを今進めておるわけでございます。既に、具体的には平成六年あたりから本格的な取り組みが始まったわけでございますが、平成十一年度、これは計画として出されたものを見ましても、四十六都道府県において八百人を超える先生方を出したい、こういうことになっておるわけでございます。
 しかし、百万人近い先生の中からすればまだまだほんの一部でございまして、これはもっと進める必要があるというふうに私は思っておるところでございまして、これから計画的にできるだけ多くの先生方、特に若い先生方は全員短期の研修をしていただく、これはこれからの研修計画の中に織り込んでいかなきゃいかぬだろうと思います。
 ただ、これは受け入れ側の方もあるわけでございまして、なかなか企業の方も短期間来ていただいてもかえって迷惑だということもありましょう。そういうことも踏まえて、子供の教育のためにという必要性を十分受け入れ側にも御理解をいただくような努力もしなきゃいかぬだろうと思っておりますが、御指摘の点はもっともなことだと思いますし、教養審の指摘もございます。
 文部省としても、先生の質を高めていく、そういう意味からもこの問題にはしっかり取り組んでいかなきゃいかぬ、このように思います。
#10
○長谷川道郎君 実際、具体的にどういう方法でやるかというのは難しいと思うんですよね。例えば、公務員の皆さんや学校の教員の皆さんがデパートの売り場に立って研修するというのは、それはどれほどの意味があるのかわかりませんが、しかし、全く異業種というか別の空間での体験というのは、それはそれなりに私は非常に貴重な体験であると思うんです。この企画、ぜひひとつ積極的に今後もお進めをいただきたいと思うわけであります。
 続きまして、教員の研修の問題で最近大変大きな問題になっておることが問題教員、問題教員という言い方が果たして適切かどうかわかりませんが、新聞の報道によると問題教員が大きくクローズアップされています。
 一昨年度に処分を受けた教員は、体罰で懲戒を受けた教員が百十四名、わいせつ行為で懲戒を受けた教員が七十六名。最悪の数字であるということです。精神性疾患の場合は、これは非常に難しい問題でありますが、データだけで申し上げますと、精神性疾患で千七百十五人の教員の皆さんが休職をしていらっしゃる。わいせつ行為で七十六人も懲戒を受けた、その先生がその前日まで教壇に立っていらっしゃるとしたら、これは大変恐ろしいことであると思うんです。
 これは後ほどまた申し上げたいと思うんですが、単に個人のモラルの問題として片づけられる問題ではないと思うんですが、懲戒の件数が最悪の状況であったという新聞報道がございます。これについて御見解を承ります。
#11
○政府参考人(矢野重典君) みずからの非違行為に関しまして懲戒処分を受けた公立学校の教育職員は、平成十年度で七百五十八人でございます。前年度と比較いたしまして九人増加しているわけでございます。
 先生御指摘のように、依然として教員の非違行為が後を絶たない状況にありますことは、教員が全体の奉仕者として児童生徒の模範たる立場にあることにかんがみますれば、極めて遺憾なことでございます。
 そこで、こうしたいわゆる問題教員の対策でございますが、まずはそれぞれの教育委員会におきまして、面接等の工夫による人物重視の採用、また、条件つき採用期間の適切な運用を通じまして、教員としてふさわしい人材の確保に努めることが必要でありまして、文部省といたしましては、そのための対応を各県に促してきているところであります。あわせて、教員の服務規律の徹底を図ることが極めて重要でございまして、そういう意味で、その点につきましても各教育委員会に対して指導をしてきているところでございます。
 特に、教員として適格性を欠く者につきましては、児童生徒の指導に当たることのないように適切な人事上の措置を講ずることが必要でございます。このため、各教育委員会におきまして、こうした教諭に対して継続的な観察指導を実施して適切に研修を行う体制を整えること、同時に、必要に応じて免職等の分限処分を的確に行うことが必要でございまして、その点、各県にそうした対応を求めてまいっているところでございます。
 文部省といたしましては、各教育委員会に対しまして、以上申し上げましたような観点に立ちまして、問題ある教諭に対する人事管理を適切に行いますよう、今後とも一層指導に努めてまいりたいと考えているところでございます。
#12
○長谷川道郎君 これは難しい問題でございますので今のお答えということなのでありましょうが、人事管理だとか採用の時点での対応ということだけではなかなか恐らく対応できない問題であると思うんです。この問題は、こうすれば直ちに状況がよくなるという解決策がないわけでございまして、がしかし、これは後段申し上げたいと思うんですが、もっと根深い大きな問題からの現象であるというふうに私は考えるわけであります。
 次に、東京都では過去三年間に三十二名の教員を指導力不足というふうに認定いたしました。この指導力不足の教員に対して、校長、教頭が直接指導するというシステムを採用いたしました。この結果、数人の先生が自主退職、退職を拒否した先生が一名分限処分になっている。病気休職になった先生が七人いらっしゃる。
 指導力不足と認定し、その後指導し、その後問題があれば処分するというこのシステム、文部省では各都道府県や政令指定都市に調査研究の委嘱をされたそうでありますし、また、マニュアルについては御検討中であり、かつ、このシステムを全国的に広げたいという意向があるという新聞報道がございますが、これについてはいかがでありますか。
#13
○政府参考人(矢野重典君) 先ほど東京都の例を委員は御紹介になりましたけれども、私ども、問題のある教員、指導力不足の教員が教壇に立つということは、児童生徒への影響を考えますれば大変大きなものがあると考えるわけでございます。そういう意味で、そうした問題のある教員が児童生徒の指導に当たることのないように、そういう人事上の取り扱いをすることが必要であると考えておるわけでございます。
 そのための一つの方法、工夫といたしまして、先ほど東京都の例を御紹介になりましたけれども、私どもとしては、先ほど申し上げましたように継続的な観察指導をして、その上で、現段階では児童生徒の指導に当たることが適切ではないといったような教員を研修という形で対応して状況を見て、そしてその上で、また教壇に復帰させるかどうか、あるいは場合によっては必要に応じて免職等の処分を行うかどうかといったようなことを講ずるという、そのためのそういう工夫、システムというのは非常に各県において参考になる一つのシステムではないかというふうに考えているところでございます。
 先ほど御紹介にありましたけれども、今年度新しく予算をちょうだいいたしまして、そうした人事管理上のさまざまな問題に対応する各県の実践的工夫について研究をしていただくことになってございますので、そういう中で東京都のような例につきましても研究をしていただきまして、いい事例であるということになりますれば、いい工夫であることになりますれば、そういうものを各県にいろんな形で紹介して、そうした問題教員等に対する対応がきちんとできるような対策を講じてまいりたいと考えているところでございます。
#14
○長谷川道郎君 これも先ほどの質問と同様に難しい問題でございます。かつ極めて危険な要素もないわけではありません。
 例えば、問題教員であるという判断をする基準は何かという問題、これは基準があってないようなもの。分限処分にかかわる裁判所の判断も、極めて悪質な事例は認められますが、悪質の一歩手前といいますか、判断があいまいな部分もあるわけです。これもひとつ御研究をいただくということでお願いを申し上げたいと思います。
 今申し上げましたように、問題教員、指導力不足といった問題、これは個人の資質にかかわる問題でもありましょうが、しかしやっぱり大きな問題として、校内暴力だとか受験といった子供のストレスが教員にリバウンドした結果、教員がパニックに陥る、私はそういう状況だと思うんです。
 そこで、校内暴力ですとか受験とかいった子供のストレスに対する対応として、新学習指導要領ではゆとりが打ち出されておるわけでありますが、教育課程審議会でも、小中高すべての学校で総合的な学習導入が提言されております。しかし、この総合的学習は余りまだ進展をしていないというふうに私は承知をいたしておりますが、この点はいかがでしょうか。
#15
○政府参考人(御手洗康君) 総合的学習につきましては、移行措置ということで、本年四月から小中学校ではこれを学校のカリキュラムの中に正規に取り入れることができるということになっているわけでございます。
 私ども、各学校のカリキュラムをまだ調査するという状況に至っておりませんが、事前の小学校校長会等のアンケート調査によりますと、ほとんどの校長は、今年度から一時間ないし二時間この時間を取り入れたいという希望が参っておりますし、またせんだっての新聞等の調査によりましても、地域によって多少差はございますけれども、全県で既に実施しているという都道府県や指定都市もございます。
 私どもも趣旨徹底の過程等で現場の反応を聞いておりましても、小中学校では非常に積極的にこれを受け入れるという形で校長会等からも伺っておりますので、平成十四年度の三時間実施、小学校三時間でございますし、中学校は週二時間ということが最低になりますけれども、そこへ向けて今後とも積極的な取り組みを推進してまいりたいと考えております。
#16
○長谷川道郎君 今御答弁で、現場でも積極的に受け入れるということであり、私も、これは事によったら大きく教育の現場を変える一つのトライアルではないかと思うんです。ぜひひとつ積極的な展開をお願い申し上げたいと思います。
 もう一点、先ほど申し上げましたゆとりの問題でありますが、ゆとりというのは、もちろんそれ自体は結構なことなんですが、逆に緊張感のない教育、才能の芽を摘んでしまう教育になりかねないという懸念もないわけではございません。言ってみれば教育界の護送船団方式で、ハードルを低くして子供を平準化してしまうということであるかもわからない。したがって、ゆとりの必要な子供にはゆとり、それから競争や上昇を希望する子供には競争をというのが私は本来の姿だと思うんです。
 学習指導要領でも学習内容の習熟に応じた指導が取り上げられておりますが、実施校は少ないというふうに聞いております。この習熟度別指導また習熟度別学級編制、学級編制については恐らく小中ではほとんど実施をされていないと思うのでありますが、この点についていかがでございますか。
#17
○政務次官(河村建夫君) 委員御指摘のとおり、小中、特に義務教育段階できちっと学んでいかなきゃいけない基礎基本、まずそこをきちっと押さえていかなきゃなりません。その段階で、児童生徒の発達段階といいますか習熟度といいますか、それをよく見きわめて、できるだけそれに合わせた授業をやっていく、そこの工夫というものが子供の個性を含めての力を伸ばす大きな力になっていくだろうと思いますので、そこのところをしっかり工夫しなきゃなりません。
 その手だてとして、今御指摘のような習熟度別のクラス編制といいますか、そういう形でやっていくことは私は効果のあることだろうというふうに思われます。ただこれも、小学校段階また中学校段階、それぞれ変えていかなきゃならぬだろうと思います。
 小学校段階においては、先生方もいろいろ苦労をされておると思うのでありますが、クラスまでというのじゃないにしても、できるだけ個別に編制を少ししながら、それに応じた指導をしていくということが大事だというふうに思います。
 それから、中学校段階になりますと、今盛んに取り入れようとしておりますチームティーチングあたりで、特に英語とか数学なんかになるとかなり差がついてまいりますから、そこをうまく編制して、二人の先生が、かなり進んだ方のクラスとそうでないクラスと分けながら、両方しっかり引き上げていくという努力をしていただく、こうしたできるだけ個に応じた指導をするということであろうと思います。
 既に高等学校段階では、相当学級編制を弾力的にやりますし、科目ごとにクラスを編制しかえて、そこへ入っていくということでございます。
 ただ、習熟度別とは言うのでありますが、これは一歩行くと、能力別というふうに父兄の方がとらえて、そういうことをやることが何か差別につながるのではないかというような見方もありますが、子供のためにはそれが実際効果を発揮するんだということを理解いただいて、この習熟度別編制といいますか、そういうものをしっかり進めていく必要があろうというふうに思っておりまして、児童生徒が確実に学習内容を身につけるためにも、この手法というのはこれから進めていく方法の一つである、このように理解しております。
#18
○長谷川道郎君 今お話しの差別につながるという懸念がある、確かにそのとおりだと思うんです。ただしかし、今の子供たちは、差別を差別として受け取らない、そういうドライさを持っているのではないかなというふうに私は思っております。
 るる申し上げました教員の研修また教員の資質という問題は、その部分だけの現象の問題ではなくて、先ほど申し上げましたように、教育の現場、特に子供のストレスが学校の先生にリバウンドした結果であるということを重ねて私は申し上げて、最後に関連で一問だけ、留学生問題についてお伺いいたしたいと思います。
 一昨日の本委員会の審議で十万人計画が質疑されましたが、昭和五十八年に中曽根総理の提唱でスタートしたプランでございます。中曽根総理のプランを、政策を御子息の文部大臣が実行されるということは大変すばらしいことだと思うのでありますが、その際、いろいろな分析がございました。日本を含めてアジアの経済状況は悪い、日本の生活コストが高い、いろいろそういう分析があり、今後奨学金制度を拡大充実するというお話がございました。私はどうもそれだけではないんじゃないかなという感じがいたしているわけであります。
 今、日本の国費留学生は、研究留学については月額十八万五千円、学部では十四万二千円の奨学金が出ております。これは十分な額だと思うんです。一方、日本の五万六千人の留学生のうち八千二百五十人が国費留学生、一五%程度であります。アメリカは四十六万人留学生がおりまして、国費留学生というのは一%以下なんです。アメリカは別に民間の奨学金制度がありますのでそれはまた別問題でありますが、アメリカはわずか一%しか国費留学生がいない。日本は一五%もいる。したがって、奨学金制度だけの問題でないと思うんです。
 私は、自分の事務所によく留学生の皆さんに来ていただくんです。いろいろお話を伺って、この間インターネットで、留学生の皆さん、日本政府に言いたいことがあったら何でも言ってくださいと流したんです。そうしましたら、中国やインドネシアやタイやフィリピンから物すごくいっぱいメールが来たんです。大半はいわばぼろくそであります。
 幾つかの意見を紹介しますと、アメリカにいる留学生はみんなアメリカが大好きだ、日本にいる留学生はみんな日本が大嫌いだ、日本を嫌いな留学生を育てるのが日本政府の政策だ、帰国をするとき二度とこの国には帰らないと決意する、日本を恨みながら帰りたくはないがなんという、もう本当にぼろくそな反応が来ていました。
 私も、何人かの留学生の皆さんに私の事務所に来ていただいていろいろ話したんです。いろいろ聞いてみますと、簡単に言えば、日本の大学は魅力がない。日本以外の大学に行きますと、それこそもうレポート、レポートで追いまくられる。日本で留学しても、日本の学生が大体勉強しないということなんでしょうけれども、授業には出ても出なくてもいい。レポートの提出なんかはほとんどあるかなしか。これでは、幾ら私たち勉強したいと思って来ても、本当は勉強したいんだけれども、そういうふうな雰囲気に流されてしまうというような話がありました。
 申し上げましたように、難しい問題でありますが、日本が魅力のない国であるというのが私は大きな原因ではないかと思うのでありますが、この点、最後に一問だけお伺いいたします。
#19
○国務大臣(中曽根弘文君) 留学生のことにつきましては、今委員がお話になりましたように十万人計画がございますけれども、いまだたしか五万六千人ぐらいの数にとどまっております。この数年間、日本への留学生の数の伸びが減少していたということを心配しておりましたが、しかし昨年は四千五百人ほど増加いたしまして、一応過去最高となっておるわけでありますが、当初予定の計画は大変残念ながら達成できない状況のようでございます。
 四月の一日、二日に東京で行われましたG8の教育大臣会合におきましても、学生並びに教員の交流をもっと促進しようということで各国も合意し、また十年間で倍増をしようということが合意されたわけであります。
 お話のように、日本に対する、日本の大学の状況に対する留学生の皆さんの感想といいますか、見る目も大変厳しいのは十分に承知をしておりまして、大学を、お話にありましたようにもっと魅力あるものにしなければならないと思いますし、それからさらに、英語での授業がもっと受けられるようにと、現在たしか四十三の国立大学院の研究科で英語で授業を受けられるようになっております。
 それから、学位の授与、これを改善するとか、あるいは海外での複数回受験ができるような新たな試験の開発を今行っておりまして、これは平成十四年度より年二回、海外の十都市で実施することになっておりますが、そのような制度的な面の改善も必要と思いますが、おっしゃいましたように、何よりも日本の学生自体がしっかりと勉強して、そして大学において付加価値を身につけた上で社会に出ていく、そういう学校自体の、こちら自身の状況を変えていくということがまず大事だろう、そういうふうに思っているところでございます。確かに日本の生活コストは高いわけでありますし、欧米の大学へ留学する傾向は強いわけでありますが、そういう意味でみずからの大学の内容をさらに改善して、そして留学生に来てもらうようにしなければならないと思います。
 また、留学生政策というのは、私は、留学生に本当に日本で勉強してもらって、知識、学力の向上はもちろんでありますが、多くの日本人とも交流をしてもらう、そして国に帰って、あるいは自国以外でもいいんですけれども、日本で勉強したということによって本人が大きく成長し、そして、本人のためのみならず、その国の発展等にも大いに活躍してもらえるということになれば非常に喜ばしいのではないか、そういうふうに思っておりまして、今後も、今の御指摘の点等も踏まえてさらなる改善をしていきたいと思っております。
#20
○小宮山洋子君 民主党の小宮山洋子でございます。
 今度新しく独立行政法人教員研修センターになるに当たりまして、そこで働く人たちの身分保障の問題、あるいはこのことによって研修の内容がどのように充実していくのか、そうしたことを中心に伺っていきたいというふうに思っています。
 まず初めに、長谷川委員の御質問にも答えられましたけれども、今回特殊法人の国立教育会館を独立行政法人化するというのは、単に省庁再編の中で組織のあり方を変えるというだけではなくて、このことによってやはり研修の内容が充実しなければと思いますが、そのメリット、よくなる点というのを端的に何点かポイントをお教えいただければと思います。
#21
○国務大臣(中曽根弘文君) 今回のセンター設立は、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、文部省の各局下で行われておりましたそれぞれの教員研修を効率的、効果的に実施するために、これらをアウトソーシング化して、今御審議いただいておりますこの教員研修センターで行おうというものでありまして、そこで一元的、総合的に行うというねらいでございます。センターでの効果というものもありますが、まず行政改革の一環として、本省において行っておりましたそういう研修事業を外に出すということによりまして、文部省の中の方の定員削減を初めとして行政改革も行われるわけであります。
 このセンターで行う研修というのは、体系的、効率的に一つは実施をすることができると。そして、その時々の教育事情に応じて、あるいはニーズに応じて適切な事業を専門的にやれるわけであります。それから、喫緊の課題に対する研修等につきましても、ここは予算執行上の制約等が少ないわけでありまして、そういうところから迅速また非常に弾力的にこの研修活動が実施できるということでございます。
#22
○小宮山洋子君 では、働く方々の身分保障などについてまず最初に伺いたいと思います。
 この独立行政法人のうち教員研修センターは、人事管理面からしますと国家公務員の身分を与えないものに当たるわけですけれども、団結権、協約締結件を含む団体交渉権、争議権の労働三権が保障されていると考えておりますが、そのことをまず確認したいと思います。
#23
○政務次官(河村建夫君) 委員御指摘のとおり、教員研修センターは非公務員型の独立行政法人ということで予定をされておるわけです。したがって、その職員につきましては国家公務員法が適用されないで、民間企業の労働者と同様に、労働組合法に基づく団結権、それから団体交渉権、労働協約締結権及び争議権を有する、こういうことになるわけでございます。
#24
○小宮山洋子君 そうしますと、勤務時間とか身分保障などは就業規則によって定めるとされているわけですが、その就業規則というのはこれまでも使用者と労働組合の側で決めてきているわけですね。ですから、独立行政法人になる教員研修センターに、今も企業と同じように労働組合もとおっしゃいましたけれども、交渉当事者としてやはり労働組合が必要だというふうに考えますが、その点はいかがでしょうか。
#25
○政府参考人(河村建夫君) この研修センターの労働条件でございますが、設立後にこのセンターが定める就業規則によるわけでございますけれども、センターが設立後に労働組合が結成されて、その労働組合との間で労働協約が締結された場合はその労働協約によると。これは労働基準法の八十九条、九十二条に基づくものでございます。
 また、センターが設立後に就業規則を定めるに当たっては、センター職員の過半数を占める労働組合がある場合にはその労働組合、それから過半数を占める労働組合がない場合に労働者の過半数を代表する者の意見を聞くと、こうなっておるわけでございまして、これは労働基準法第九十条でございますが、これに基づくわけでございます。
 職員が労働組合を結成するかどうか、その組合に職員が入るかどうかということは、これはこれからできる研修センターの職員個々の皆さんの自由意思によるものでございますので、組合があるべきかないべきか等々のことについては、文部省側でこれを述べる立場にないということを御理解いただきたいと思います。
#26
○小宮山洋子君 とにかく、労働者の過半数を占める労働者側の代表と就業規則については決めていくということでよろしいわけですね。
#27
○政務次官(河村建夫君) そういうことでございます。
#28
○小宮山洋子君 そして、今度できます教員研修センターは、文部省の担当部局から三十人、現在の国立教育会館から二十人の合わせて五十人で発足するとされているのだと思います。国立教育会館の職員八十人いたうち、昨年もう既に二十人はいろいろな形で仕事をしていないということで、現在の職員の数は六十人ですね。その中から二十人がこの教員研修センターで働くとなりますと、残りの四十人についてはどのようになるのでしょうか。
#29
○国務大臣(中曽根弘文君) 解散することとなります国立教育会館の現在の職員数が平成十一年末で八十一名でございます。そのうち、今お話ありましたように、二十名の職員はことしの一月一日に、本館として使用していました施設の今度維持管理業務を行う民法法人、こちらの方に移行しました。さらにことしの四月から定員一名を削減いたしました。そこで現在は六十名になるわけでございます。
 残りの六十名の職員につきましては、これからのそれぞれの移行先の組織というものが平成十三年度予算によって正式には定められるわけでありまして、そういうことから現時点では明確にお答えすることはちょっと難しいんですが、文部省からの人事交流で来ております対象者の後補充をしないこと、それから、退職者の補充をしないということによりまして二十名程度の定員の合理化ができます。
 それから、社会教育研修関係業務、情報提供業務の国立教育政策研究所への移管に伴いまして、二十名程度をこの研究所に移行いたします。そして、残りの十数名から約二十名程度につきましては、今回設立いたします教員研修センターの研修業務の方で採用するということになっております。
 いずれにいたしましても、解散いたします国立教育会館の職員につきましては、特殊法人の統廃合に際して雇用の確保等を図るということを閣議で決定されておりますので、その閣議決定を踏まえて雇用が確保されて、そして処遇において不利益にならないように万全を期してやっていきたいと思っております。
#30
○小宮山洋子君 今大臣も言われましたように、平成七年二月二十四日の閣議決定、「特殊法人の整理合理化について」という中で、「雇用の確保と安定」、「他の特殊法人及び政府・政府関係機関などにおける受入措置を講ずるとともに、労働条件の悪化及び年金の支給の低下を来さないよう留意する。さらに、必要に応じ地方公共団体や民間企業への就職斡旋も含め、横断的な雇用保障に努める。」ということになっていると思いますので、今大臣もおっしゃいましたように、そこで働いている人たちが不利益をこうむらないようにしっかり対応をしていただきたいと思っております。
#31
○国務大臣(中曽根弘文君) 今、委員もお述べになりましたこの平成七年二月二十四日の閣議決定を踏まえまして、先ほど申し上げましたけれども、しっかりと雇用の問題については対応をとっていきたいと思っております。
#32
○小宮山洋子君 次に、これからの研修のあり方、内容について幾つか伺いたいと思います。
 この法案の一番のポイントとしては、教員研修を総合的、一元的に実施するとされておりますが、具体的には、国立教育会館で行ってきたものと文部省の各担当部局が行ってきたものがすべてこのセンターに一元化されるということだと思います。その際、内容につきましてもいろいろ検討をされるのか、その場合にどのような視点で行われるのかということを伺いたいと思います。
#33
○国務大臣(中曽根弘文君) この教員研修センターの設立に際しましては、従来、初等中等教育局、教育助成局を初めとした五局十二課にまたがって実施をしてまいりました教員研修、これのすべてを新しく設けます研修センターで行うこととしております。全部で二十五の事業でございます。
 しかし、この学校教育関係の研修のうち特殊教育に係る研修につきましては、既に設立が決定しております独立行政法人であります特殊教育総合研究所において実施をすることとしております。
#34
○小宮山洋子君 やはりこれからの教員の研修につきましては、国が実施する研修と、それから都道府県、市町村など地方が行う研修の役割分担をしっかりしていく必要があるのではないかというふうに考えます。
 特に教育につきましては、それぞれの地域でいろいろ特色を生かした教育をするために、必要最低限のことをやはり文部省の方で、国の方でやって、あとは各地方地方に任せていった方がいいのではないか。大きく考えればそうではないかと思うのですが、その際に、この新たにできた教員研修センターで行うものというのはかなり精査されるべきではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#35
○国務大臣(中曽根弘文君) 今お話しのように、教員の研修につきましては、国とそれから地方の役割分担はしっかりと行う必要があると思っております。そして、これらのそれぞれの研修を通じまして、教員が継続的に、また体系的な研修が行われるようにしなければならないと思います。
 教員の研修は任命権者が主体的に行うものであります。それが基本であります。そして、国の行う教員研修につきましては、今日的な教育水準の維持向上、あるいは学校教育上の課題に係る、やはり共通理解を得る必要がある、そういうようなものを中心に研修を行うということになるわけでありますが、こちらで行う研修は、各都道府県での教育内容、方法などに関する研究とか研修において中心的な役割を果たす、いわばリーダー的な立場の教員の方々を対象とした研修を行うということ。それから、喫緊の課題などがあった場合に、そういうものを中心とした研修を行うというようなことに限定をして行うことが重要であると私は認識をしております。
 この、国と地方の役割分担に関する基本的な考え方のもとに、適切に両方の研修が行われるように十分な配慮をしていきたいと思っております。
#36
○小宮山洋子君 そのように考えていただきたいと思うのですが、教員研修の実施体系という一覧表をもらったのですが非常に複雑でありまして、教職経験に応じた研修、機能に応じた研修、専門的知識・技術に関する研修というように種類別になっているものと、今おっしゃったようなリーダー研修、全教員対象の研修、それで国が実施するもの、都道府県が実施するもの、市町村、学校、教員個人が実施するものと、いろいろあるわけですよね。
 先ほどから盛んに喫緊の課題にも対応できる研修ということをおっしゃっておりますが、今文部省が実施をしている主な研修、これは平成十一年度のを手にしておりますけれども、例えば、初等中等教育局が行っています英語担当教員の研修ですとか、小学校課で行っている人権教育とかエイズ教育とか、そのようなものが挙がっておりますけれども、その喫緊の課題、今度研修センターでぜひこういうものをやっていきたいというものがありましたら教えていただければと思います。
#37
○国務大臣(中曽根弘文君) 基本的には、先ほど申し上げました本省の方で行っている諸事業、研修事業、それから国立教育会館で行っております学校教育研修、こちらの方の職員も一部来て一緒にやるわけでありますが、そういう現在行っているものが中心でありまして、新たなものは特に今のところ考えてございません。
#38
○小宮山洋子君 先ほどから申し上げていますように、せっかく新しく一元化されて、喫緊の課題にも対応とおっしゃっているのですから、ぜひそういうものも積極的に検討していただきたいというふうに思います。
#39
○国務大臣(中曽根弘文君) 確かに私、喫緊の課題と申し上げました。ですから、こういうものについては新たなものということにもなろうかと思います。例えば、コンピューターについての研修を先生方に至急やるとか、あるいはその時々で、例が適当かどうかわかりませんがO157とか、先生方にも十分認識してもらって対応をとっていただかなきゃならないようなもの、そういうようなものが例として挙げられるのではないかと思います。
#40
○小宮山洋子君 喫緊の課題、それはこれから起こるものもございますし、例えば、情報化、英語を含めた国際化、それから先日来いろいろ議論をさせていただいています男女共同参画を含めたジェンダーの問題とか、きのうも次官と共生の調査会で大分いろいろ議論をさせていただきました人間教育としての性教育とか、これまで皆様方といいましょうか、文部省の方では喫緊とお考えではなかったけれども、現実問題としては対応がおくれているものもたくさんあるわけですね。ですから、これから喫緊のものに随時対応していただくということに加えて、これまで余り積極的に取り組まれてこなかったものについても、せっかくこういう新しい組織ができるのですから、そこで積極的に取り上げていただきたいと思いますが、その点はいかがでしょうか。
#41
○政務次官(河村建夫君) 委員ともきのうその話をいたしました。そういう新しい課題については当然、先ほど大臣の答弁の中に喫緊という言葉がございましたが、取り入れていかなきゃいかぬだろうと思います。そして、移管する場合に中をかなり精選をしていくということがございまして、これまで県単位でやっておったものを、今のような課題は一遍指導者的な方に集まっていただいて研究していただくとか、それから、中央でやっていたんだけれども、これはもう地方でそれぞれやっていただきたいというようなこともかなり精選をした上で移管をするということでございます。
#42
○小宮山洋子君 それから、私も子供三人学校へ行かせておりまして、もう卒業したのもいますけれども、いろいろ学校の運営にかかわるところにも参加させてもらったりなんかしまして、とにかく学校というところは何か社会の中から特別の囲われた社会になってしまっていて、みんながふだん家庭の中で考えていること、あるいは社会の中で起きていることに対して余りにも感度が鈍過ぎるという思いがいつもいたします。
 それはやはり、そこで教えていらっしゃる先生方がもっと社会のいろんなことに敏感になっていただかないと対応できない。そのことが今いろいろ起こっている問題のもとにもあるのではないかという感じも持ちますので、ぜひその研修の中で、社会体験研修という言い方もされていますけれども、外から来てもらうこともそうですし、教員の方々が外へ出ていく研修というのももっと積極的にこういう機会にやっていただきたいというふうに思います。
 例えば長期の社会体験研修というのは、平成十年度は三十六都道府県で実施していて七百二十人が派遣されている。これを多いと見るのか少ないと見るのかというのはあると思うんですけれども、いろいろな面で効果が上がっているとも聞いておりますので、ぜひそういうことも力を入れていただきたいと思うのですが、具体的に何かお考えになっていれば伺いたいと思います。
#43
○国務大臣(中曽根弘文君) 教員の方々は、私は前にもこの委員会で申し上げたことがありますが、小学校から大学を卒業するまで学校でずっと勉強をして、そして教員の免許を取って今度また学校に奉職をして、そこでまた今度は生徒に教える立場で、今までは教わる立場でしたけれども教える立場でお仕事をされていくということでありまして、いわゆる社会一般のお仕事の方に比べますと、委員御指摘のように、世間と触れ合うような機会が少ないこともあろうかと思います。
 やはり視野の広いバランス感覚のある先生であってほしいと思いますし、御本人のためにも学校外の体験をしていただくということは大変大事だと思っています。私も十年以上前から、当時の海部総理のときから、予算委員会で長期の社会体験研修をぜひ行ってくださいと要請をしてまいりました。
 委員も御案内のとおり、おかげさまで昨年度七、八百人の人数にまでなりましたけれども、まだまだ数でいえば大変少ない。それも、できれば一年、少なくとも半年という気持ちを持っておりますが、一カ月から一年までの間で見ますと、やはり三カ月ぐらいが一番多いような感じもいたします。
 体験した方々の感想はおおむね良好でございまして、対人関係能力が向上したとか、あるいは企業の厳しさを経験して学校運営にもっと積極的に参画をしなければならないというような意識を持たれたとか、あるいは御自分の指導力も向上したとか視野が拡大したとか、おおむね良好な感想を持っていただいております。またさらにこの件につきましては、昨年十二月、教育職員養成審議会の答申におきましても、これの充実を図るというような答申もいただいております。
 私どもといたしましては、先ほど総括政務次官からお話がありましたように、受け入れ先の問題もあろうかと思いますし、それから代替教員の手配等もあろうかと思いますが、できるだけ今後これらが充実できるようにしていきたいと思っております。
#44
○小宮山洋子君 時間が少なくなりましたが、もう一点だけ。
 英語教育というのは、これから国際語としての英語をどう身につけるかは小さいときからすごく大事な問題だと思います。これまでは英語担当教員海外研修事業ということで海外に六カ月とか十二カ月研修に行かれたりしていますけれども、このあたりもぜひ機能的に動かしていただきたいと思いますが、一言、そのことをお答えいただけますでしょうか。
#45
○国務大臣(中曽根弘文君) 英語教育は、こういう国際化の時代で大変重要だと思っております。もちろん、前提としては日本語教育をしっかりやるということであります。
 今、大臣の私的懇談会で英語教育の指導方法等につきましても研究をしていただいております。英語の習得につきましては、中学校からやっておりますけれども、幼児からやる方がいいという御意見とかいろんな御意見がありますが、果たしてどういう方法が一番身につくんだろうかというような点、あるいは入試における英語はどうしたらいいか、あるいは英語を教える教員の研修はどうしたらいいかとか、いろいろ今研究をしていただいているところでございまして、それらの研究の懇談会の報告もまた参考にしながら今後の英語授業についての方策を考えていきたい、そういうふうに思っております。
 それから、ネーティブな海外からのJETプログラム等による人も来ておりまして、そういうものも充実させながら、生きた英語、生の英語を子供たちに身につけさせるように努力をしたいと思っています。
#46
○小宮山洋子君 伺ってまいりましたように、ぜひ組織改編だけに終わらせずに、地方と中央のあり方の問題、あるいは喫緊の、あるいは取り組みのおくれたものの研修についてプラスになる方向でやっていただきたいと思います。
 終わります。
#47
○松あきら君 今回の法案は、教員の研修をするセンターを独立行政法人にしたいという法案でございますけれども、先ほど来いろいろ委員から御指摘も出ておりますように、今、教員の不祥事が新聞に載らない日は残念ながらないというような状況でございまして、わいせつな行為、あるいは麻薬が気持ちいいなんてとんでもないことを言った先生がいるそうで、おまけに注射器まで学校に持ってきて見せたなんというようなことで、本当に何をか言わんやというふうに思うわけでございます。
 こういうたびに思うことは、研修を受けさせたと、こういうふうに新聞にも書いてあるわけですね。これだけ集めましたら、わいせつだけでいっぱいあるんですけれども、校長先生でも教頭先生でもあるいは普通の先生でも、研修を受けさせましたと。こういう研修は一体どうなっているのかと。
 私は、もちろん、今まで国立教育会館等で行われておりました研修は、こういう不祥事を起こした先生の研修ではないと思っていますけれども、こういう不祥事を起こした先生に対して研修を受けさせたからいわゆる済んだんだという、これが非常に私が疑問を持っている、わからない点の一つでございます。
 それから、今お話を伺っておりましても、このたび一元化をして行革にもなって、そしてまた効率的、効果的に研修を行うということでございますけれども、今まで研修をどういうふうにやってきたという評価、この研修の評価をきちんとしているのか、その二点をまずお伺いしたいと思います。
#48
○政府参考人(矢野重典君) まず私の方から、これまでどのような研修を行ってきたかということにつきまして御説明申し上げたいと思います。
 文部省及び国立教育会館におきましては、各県での教育内容、方法等に関する研究や研修において中心的な役割を果たします教員を対象とした研修でございますとか、先ほど来お話がございますように、学校教育にかかわります喫緊の課題を中心とした内容の研修を実施してきておりまして、昨年度、平成十一年度の受講者数は、衛星通信を使用した研修を除きますと、約十四万人を対象にして研修を行ってまいったところでございます。
 具体的には、文部省におきましては、平成十一年度には、校長、教頭、中堅教員等に対し、学校の管理運営、また学習指導などの諸問題についての研修を行います教職員等中央研修講座、さらには、教育情報化推進指導者養成研修など二十七事業の研修を行ったところでございます。
 また、国立教育会館におきましては、平成十一年度には、全国新任小学校校長特別研修、全国新任中学校校長特別研修、また中学校及び高等学校の進路指導主事を対象といたします全国進路指導主事研修など十二事業の研修を行ってまいってきたところでございます。
#49
○松あきら君 二つ私はお伺いしました。もう一つ、いろいろな問題を起こした方の研修をしましたと、これについてはどうなっているんですか。これでやっているわけじゃないんでしょう、わいせつ行為とか注射器を見せちゃったとか。それに対してのお答えをいただきたいと思います。
#50
○政府参考人(矢野重典君) 問題を起こした教員につきましては、当然のことながら法に照らして厳正な処分がなされるものでございます。
#51
○松あきら君 ちょっとおわかりになっていない。
 私が二点伺ったのは、今までの研修の評価をきちんとしているかというのが一点と、それから、いろいろな不祥事を起こした方について、この人たちに対して研修をさせましたということが新聞にも載っていますし、研修をさせましたというのはどういうことを指しているのかというのを伺ったんです。
#52
○政府参考人(矢野重典君) そういう不祥事を起こした教員につきましては、先ほど申し上げましたように、そういう処分を行いますとともに、任命権者におきまして、教育研修所あるいは教育センターにおきまして必要な研修を一定期間、一年とかというような形で一定期間研修を行っているところでございます。
#53
○松あきら君 とっても気持ちが悪いお答えでございます。一年間研修をさせている、そういうこともおありなんでしょう。
 何かおありですか。
#54
○国務大臣(中曽根弘文君) 今局長が答弁したとおりなのでありますが、委員御指摘の、そういうことを起こした人の研修という意味は、委員がおっしゃっている意味を推測いたしますに、配置転換を行います。つまり、不祥事を起こした先生は担任等をやっていただくのはふさわしくないというような場合に、そういうこと以外の職務ということで、研修を長くやっていただくということで、そういうような研修所に配置をするということだと思いますが。
#55
○松あきら君 配置転換だけでは甚だ問題があると私は思います。研修というのは本当に大事であるというのはもちろんだれでもわかっていることで、私も表をいただきましたから、いろいろな研修をなさっていらっしゃるのはわかります。中心的役割をしている教員の方たちを研修する、こういうことらしいですけれども、そういうことをしていても、教頭先生あるいは校長先生にもこういうような方たちが出てくると。
 そういうときに、多分言いわけも入っているのかもしれないですけれども、文部省は研修をさせておりますとか研修をいたしましたという言葉が載っているのも事実でございまして、これに対しましても、配置転換だけでなく、もしそれに対して明確にこういう研修をさせているとお答えがないのであれば、こういう方が出ていらっしゃるのは残念ですけれども、これは事実なんですから、今後こういう方たちが出てきたときに、きちんとしたまた新たな研修等を考えて再教育をするということも考えていただきたい、これは要望にいたします。
 それから、こういったさまざまな研修の計画、どういう研修をどういう方たちにちゃんとしたらいいか、これはだれが立てているのでしょうか。どういうところで立てていらっしゃるんでしょうか。ちょっと伺いたいと思います。
#56
○政府参考人(矢野重典君) お尋ねは新しいセンターにおける計画というふうに受けとめて申し上げるわけでございますが、新しいセンターで実施いたします研修の分野、対象、課題等の基本的な事項は、学校教育におきますさまざまな課題を踏まえまして、文部科学省がセンターの中期目標というものを、三年以上五年以下の期間として中期目標として定めることになるわけでございます。
 センターは、その中期目標に基づきまして中期計画及び年次計画を作成いたしまして研修事業を実施するものでございますけれども、その具体的な内容、方法、規模、実施時期等につきましては、センターが主体的に専門的見地に立って定めることになるわけでございます。
#57
○松あきら君 特にリーダーとなられる先生を研修なさるという、こういう計画をされているわけでございますから、今日的な喫緊な課題として、切れるとかむかつくとか、こういう子供たちにどういうふうに接したらいいのだろうかと悩んでいらっしゃる先生がいっぱいいらっしゃるわけです。そういうヒントを得られるような研修がほしい。
 ですから、教員のニーズに応じた研修ができるように、例えば幾つかの研修カリキュラムの中から先生方が、与えられるだけじゃなくて自分で選べるようにするということに対してはいかがでございましょうか。選択権。
#58
○政務次官(河村建夫君) 貴重な御指摘だというふうに思います。
 せっかく研修をするわけでありますから、効果的でなければいけないと思います。まだそういうことがきちっとなっていないようでありますが、教育職員養成審議会の第三次答申でもそのことが指摘をされておりまして、得意分野とか、さらに個性、教員の個性なんかも一層多様化するということを踏まえて、研修参加者のニーズとか学校の課題等において多様な選択ができるようにすべきだと、こういうことでございますから、これからこの新しい研修センターで行う研修事業については、今後、具体的な内容、方法等について専門的な見地でいろいろ研究していただくわけでございますが、受講者等々のアンケートもとりながら、今おっしゃった方向で進めてまいりたいというふうに思います。
#59
○松あきら君 それとともに、やはり私は、研修の講師につきまして、教員が幅広い分野での知識や理解などがいろいろな意味で身につけることができるような人選をすべきだというふうに思います。講師も、今までの方たちだけじゃなくて、幅広いいろいろな分野からの講師を人選すべきであるというふうに思います。
 この点に関してはいかがでございましょうか。
#60
○政務次官(河村建夫君) これもおっしゃるとおりでございます。どういう講師に受けたいかという希望もあるでしょう。そういうものもとりながら、いわゆる教育畑の人だけじゃなくて、一般の経済人とかマスコミとか芸術、文化、幅広い範囲で講師を選んでいくということが非常に大事なことだろうというふうに思います。
 御指摘のことも踏まえて対応していきたいと思います。
#61
○松あきら君 それから、こういうことができるかはもちろんあれなんですけれども、教員は一度免許を受けますと終身有効であるわけでございます。しかし、人間ですからやっぱり何年かたつといろいろなことも起こってくる、変化もあるわけでございます。
 例えば、例えは悪いんですけれども、自動車の免許でも更新があるわけでございまして、特に教員は大事でございますから、仮に十年に一度ぐらいはいろいろな講習を受けたりテストを受けたりというような、更新じゃないですけれども、何かそういう新たな制度を設けてみたらいかがかと思いますけれども、この点に関してはいかがでございましょうか。
#62
○政務次官(河村建夫君) 免許更新そのものということについては、これはまたいろいろ考えなきゃいかぬと思います。医師、看護婦、弁護士、そういう資格を持っておられる方、専門職の資格、これは終身有効でもございますし、これは雇用といいますか、そういうこともございます。
 しかし、今おっしゃったように、研修においては、年次ごとに十年研修であるとか、十五年たてばこういう研修とかいうことがございますから、絶えず自分の職責というものに対して緊張感を持って仕事に臨んでもらう、そのことは非常に大事なことでありますから、いわゆる免許更新ということじゃないにしても、切りのいいところで緊張感が持てるような、研修制度全体の中でそういうことを考えていく、大事なことだというふうに思います。
#63
○松あきら君 どうぞよろしくお願いをいたします。
 それから、ちょっと少し外れますけれども、私はいつも読み聞かせの大事さというものを申し上げております。読書よりもまず耳から入る方が、子供たちにはいろいろな意味で情操的に効果がある、読書よりも読み聞かせの方が効果があるということがはっきり出ているということでございます。
 ここにある静岡県の常葉学園というところでは、野球の球児たちに十分間読み聞かせをしましたところ、守備のインフォメーションを説明したときに正確に理解できなかった生徒たちが、きちんと人の話を聞いて理解できて、野球すらも上達したと、こういうのが出ているわけです。
 そしてまた、これはある学校でございますけれども、やはり学級崩壊みたいな状況がずっと続いて、これもいろんなところで言われているんですけれども、朝の十分間読書運動をやりましょうというと、今、全国で約一割ぐらいの学校はやっているみたいですけれども、強制すべきでないとかいろんな意見があったそうでございますけれども、やってみたら、これがとにかくびっくりするぐらい変わったということなんです。読書は、まずお母さんあるいはお父さん、身近な人が小さなときに子供に読み聞かせをしてあげる、本好きになるかどうかというのがそこから始まるというふうに言われているんです。
 最後に、ひとつちょっと絵本を読ませていただきたいなと。大人でも楽しいですからちょっと聞いていただけますか。かわいい絵本なんですけれども、私どもの党でも子ども読書プロジェクトなんていうのをつくっておりまして、司書の先生にこの前読んでいただいたら、もう楽しくて、もっとたくさん読んでほしいと思ったぐらい。
 これは、「わゴムはどのくらいのびるかしら?」という輪ゴムのお話でございます。
 あるひ、ぼうやは、わゴムが どのくらい のびるか、ためしてみることに しました。
 わゴムの はしを、ベッドの わくに ひっかけて、
 へやの そとへ でてみよう。
 じてんしゃに のって、
 くたびれるまで はしって、
 さあ、それから、
 バスに のっていこう。
 きしゃの えきに ついて、バスは おしまい。
 きしゃに のっていこう。
 ついた ところは、
 ひこうじょうだ。
 ぼうやが ひこうきに のると、
 ひこうきは とびたって、
 みなとに ついた。
 そこから、ぼうやは ふねに のってゆく。
 ふねは、ぼうやを のせて、
 うみを こえて、
 よその くにへ ついた。
 そこで、ラクダを かりて、
 さばくを こえて、
 ロケットはっしゃじょうへ ついた。
 ロケットに のって、
 つきに とんでった。
 ロケットから でて、
 あるきだそうとした とたんに、
 ボーンと、はねて、
 ぼうやは ベッドに、ちゃくりくしたのさ。
絵本は、児童の本は必ずハッピーエンドでなければいけないそうでございます。そして、同じ本を何回も何回も読んであげることが子供の情操にとってもいいそうです。同じ本を何回も読んで、子供は一緒になって、輪ゴム切れちゃうよ、大丈夫かな、はらはらどきどきしながら楽しむそうでございます。ぜひ皆様、読書の楽しさを皆様にお話しいただけたらうれしいと思います。
 終わります。
#64
○林紀子君 日本共産党の林紀子でございます。
 がらりと話は変わりますが、まず中曽根文部大臣にお伺いしたいと思うんですが、今、森総理大臣の神の国発言が大変問題になっております。中曽根文部大臣はあくまでも憲法、教育基本法の立場で文教行政を行う立場だ、このことは確認させていただいてよろしいですね。
#65
○国務大臣(中曽根弘文君) 憲法を遵守してやっていきたいと思っております。教育基本法もそうです。
#66
○林紀子君 ところが、総理が発言しました神道政治連盟国会議員懇談会には、中曽根文部大臣も幹事として名前を連ねていらっしゃいますよね。この国会議員懇談会は、神道政治連盟とともに神道精神を国政の場にも確立すべく努めること、これを明確に目標としている団体だということです。文部大臣が、特定の宗教を国政の場に確立すべく努めるなどという団体に所属しているのは、憲法、教育基本法の精神で教育に当たるとおっしゃった今の文部大臣の姿勢とはどう考えても相入れないんじゃないかと思いますが、どうでしょうか。
#67
○国務大臣(中曽根弘文君) 私、確認はしておりませんが、その政治連盟にたしか入っていたとも思います。また後で確認させていただきます。また、幹事かどうかということについても、私自身今ちょっと自覚しておりませんが、林委員がお調べでしたらば、そういうことだとも思います。
 これは、大臣就任前に、数ある議員連盟等に私も入っておりますが、その一つとして参画をしているものでございます。現在は閣僚という立場から、先ほど申し上げましたように、憲法また教育基本法、これを踏まえて閣僚としての仕事をやっていきたいと思っていますし、これは当然のことであります。
 また、宗教につきましては、情操を深めるという意味で、教育的な観点からは私は大切にしていきたい、そういうふうに思っておりますし、そういう教育も大事だとは思っておりますが、これはいわゆる特定の宗教を教えたりするような宗教教育のことではなくて一般的なことでありますし、また、神道だ、仏教だということではなくて、宗教的な情操を深めるという意味でこういう点は大切だと、私はそういうふうに思っているところであります。
#68
○林紀子君 教育基本法の第九条には、「宗教に関する寛容の態度及び宗教の社会生活における地位は、教育上これを尊重しなければならない。」と。確かにこういうことは書いてあるわけですけれども、宗教を情操教育というふうに位置づけるのはちょっと違うのじゃないかと思います。大臣は、御本人もこの名簿に名前が載っているというのをこれから確認するということですが、私がいただいた名簿では、顧問に森喜朗総理大臣が名前を連ね、幹事には中曽根大臣が名前を連ねております。
 いろいろ議連とか懇談会とか、それぞれ議員は参加をすると思いますけれども、やはりそれは、その議連や懇談会がうたっている目標を実際に実現するのだ、そういう立場で参加をするということなんだと思いますので、そうしますと、やはりこれは、今の大臣の立場、今言明なさったこととは相入れないということを再度申し上げておきたいと思います。
 少年犯罪の対策についても非常に危惧される発言があったということが報道されておりますので、そのことについてもお聞きしたいと思います。
 十二日付の朝日新聞で、亀井静香政調会長が、「愛情の発露として全国の学校の先生に「悪い子がいたらぶん殴れ」という大臣告示を出せ、と文相に言った」と、こういうふうに報道されているんですね。
 しかし、体罰を教師に奨励するかのような発言というのは許されないわけですし、体罰というのはかえって子供たちに、解決するどころか大変重大な問題を与えるというのは、これはちょっと時間もありませんので詳しくは紹介できませんが、総務庁が発表しました青少年の暴力観と非行に関する研究調査という報告でも、家庭でも学校でも暴力にさらされた子供たち、その子は暴力非行に走る割合が非常に高いという結果が出ているわけですね。
 ですから、もちろん、ぶん殴れなどという告示は大臣は出されないというふうに思いますが、ここでも、憲法、教育基本法の立場を貫くということをはっきり言明をしていただきたいと思います。
#69
○国務大臣(中曽根弘文君) 体罰はもちろん禁止されておりますから、これは行ってはいけません。しかし、悪いことをした場合には、自分が悪いことをしたということをしっかりと自覚をさせることは大事でありまして、いわゆるしかるということは、これはケースによりますけれども、そういうことは大切である、そういうふうに私は思っています。善悪の判断をつけさせるということでございます。
 今、委員からもお話しありましたように、また先ほど申し上げましたように、憲法並びに教育基本法、これを踏まえて私は行動してまいります。
#70
○林紀子君 はっきり憲法、教育基本法を守ってと、当然のことながら御確認をいただきましたのでよくわかりました。
 それでは、今回の教員研修センター法にかかわって、私は研修という問題についてお伺いしたいと思います。
 きょうは会計検査院にもおいでいただいておりますので、まずお伺いしたいと思いますけれども、鹿児島県とか広島県の同和教育研究協議会に派遣されている教員の給与は国庫補助の対象にならないとして返還をさせておりますね。これはどういう点から対象にならないと判断したのか、端的にお答えいただけたらと思います。
#71
○説明員(渡辺孝至君) お答えいたします。
 平成六年度から十年度までの五年間の決算検査報告におきまして、教育関係団体に派遣され、その事務に従事している者の給与費等が国庫負担の対象とはならないとして指摘したものは、六年度決算検査報告における鹿児島県の事例と九年度決算検査報告における広島、熊本両県の事例の合計三件ございます。
 これら三件の概要について申し上げますと、まず鹿児島県につきましては、四年度の義務教育費国庫負担対象額の算定において、教育関係団体に勤務する教員四名に係る給与費等を含めて国庫負担対象額を算定しておりましたが、教育関係団体に勤務する教員は国庫負担の対象にはならないものであることから、これらの者に係る給与費等を含めて国庫負担対象額を算定したのは誤りであるとしたものでございます。
 次に、広島県につきましては、七年度及び八年度とも、教育関係団体に研修発令を受けて派遣されている教員三名に係る給与費等を含めて国庫負担対象額を算定しておりましたが、これらの教員は実際は教育関係団体の事務に従事しておりまして、国庫負担の対象にならないものでありますことから、これらの者に係る給与費等を含めて国庫負担対象額を算定したのは誤りであるとしたものでございます。
 また、熊本県につきましては、八年度におきまして、教育関係団体に勤務している教員一名に係る退職手当を含めて国庫負担対象額を算定しておりましたが、教育関係団体に勤務する教員は国庫負担の対象にならないものであることから、この者に係る退職手当を含めて国庫負担対象額を算定したのは誤りであるとしたものでございます。
 三件の概要につきましては以上のとおりでございます。
#72
○林紀子君 ですから、今お話のありましたのは、団体の事務に専ら従事していて研修をしていなかった、それから現場で学校の授業にも立っていなかったということで、この国庫負担の対象にはならないということで返還をさせたということでよろしいわけですね。
 そうしますと、文部省も、会計検査院が指摘した以外で、奈良県と広島県の福山市で同じような事例で補助金を返還させておりますけれども、この対象にならないと判断したのは、今会計検査院が指摘した、研修をしていない、現場で授業にも立っていない、こういうことでよろしいんですね。
#73
○政府参考人(矢野重典君) 御指摘の、会計検査院の指摘以外で義務教育国庫負担について国庫に返還させたものは、御指摘のように奈良県と福山市のケースがございまして、いずれも教員が学校外にある同和教育研究会事務局等の、そういう団体の事務に専ら従事していたこと、それを理由として不当なものとして国庫負担金を返還させたものでございます。
#74
○林紀子君 ところが、いまだに、これは県の単独の予算という形だそうですけれども、同和教育研究協議会、県同教と約しますけれども、この役員、事務局員に派遣されている教員が全国を見渡すといるわけですね。
 福岡県では、九九年度でこういう人が十三人もいる。派遣期間は平均で四年、最も長い人は十年にも及んでいる。福岡県の教育委員会は研修の職務命令を出しているけれども、専ら団体の事務に従事しているということなんですね。この県同教の会長、副会長のうち二人、事務局員十人全員が研修の命令を受けて派遣されている教員で占められていて、この派遣教員が県同教、この団体を支えているというのが実態だということです。これで研修と言えるのでしょうか。
#75
○政府参考人(矢野重典君) 御指摘の具体的な事実につきましては私ども承知していないわけでございますけれども、一般に、教員をどのようなところに派遣して研修を行わせるかは、教員の服務監督権を有します教育委員会の責任におきまして、派遣の目的や派遣先における研修の内容あるいは期間等を総合的に勘案して適切に判断されるべきものでございますので、今の御指摘の事実につきまして私ども承知してございませんので、コメントは差し控えさせていただきたく存じます。
#76
○林紀子君 これで研修と言えるのかという話と、それから、じゃ学校の教師として授業をしているのかということなんですけれども、派遣されている教員の在籍学校というのは確かにあるわけなんですね。この表で見ますと、小学校、中学校、商業高校、工業高校、今申し上げた十三人はこういうふうにそれぞれ各学校に籍はあるんです。
 ところが、校長先生の話を聞きますと、本人は全く学校には顔を出さない。ですから、卒業アルバムに名前も写真も出ていないわけですね。校長先生がほかの教員にも全く紹介していない。校長先生が会うのも、二度会ったか三度会ったかなというのが実態だということなんです。研修もしていなければ学校で授業もしていない。
 今、矢野局長は、これは県のことだからコメントは差し控えるとおっしゃったわけですけれども、しかしこれも、税金でこの給与というのは払われているわけですね。ですから、そういうことから考えたら適切なのかどうか、もう一度お答えいただきたいと思います。
#77
○政府参考人(矢野重典君) 繰り返しで恐縮でございますが、私ども具体の事実を把握していないものでございますから立ち入ったコメントは差し控えさせていただきたいわけでございますが、先生おっしゃいましたように、この研修事業は経費の負担を含めまして地方自治体の自治事務として実施されているものでございまして、その研修のあり方につきましては、教員の職務内容も含めまして、これは服務監督の権限を有する教育委員会において責任を持って適切に判断されるべきものであるというふうに考えるものでございます。
#78
○林紀子君 それでは、今やりとりを聞いていて大臣がどうお考えになったかというのも含めてちょっとお聞きしたいんです。
 最初にお答えいただきましたように、会計検査院それから文部省もお答えいただきましたけれども、国としては適切ではないといって国庫補助の返還までさせた、そういう全く同じことが行われている。それは県の単独だということで確かに行われているわけですけれども、それを関知しないと言ってほっておいていいものなんでしょうか。私が知る限りでは、この福岡県だけではなくて、三重県、熊本県、滋賀県、岡山県、兵庫県などでも同じようなことが行われているということなんですね。
 ですから、これは自治事務で自治体に任せてあることだからということでほうりっ放しにしておくことができるのかどうか。実態把握をしていないと局長おっしゃったわけですから、大臣、まず実態把握からだけでも始めるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#79
○国務大臣(中曽根弘文君) 今御指摘の件につきましては、私も実は事実を承知しておりませんので答弁を差し控えたいと思いますが、国庫補助金としてはそれは、これは先ほど答弁いたしましたように、教員としての本来の職務を行っていない場合には国に返還されなければならないと思いますが、県単独事業ということでございますから、単独措置でございますから県の教育委員会に監督責任があるわけでありまして、そちらで適切に判断すべきものと思いますが、委員のそういうお話もありますので事情を聞いてみたいと思っております。
#80
○林紀子君 それでは最後に、これは要望も含めて大臣にもお願いしたいんですが、同和加配の見直しということなんですね。
 第六次定数改善も今年度で終わり、次の計画を検討されていると思いますが、同和事業については一般事業化というのがもう流れになっております。人権擁護推進審議会でも発展的に解消していくということが言われているわけです。同和、人権教育などの名称のついた加配というのはもうやめるべきではないか、二十一世紀にこの課題を持ち込むべきではないというふうに思いますので、大臣の決意を聞いて、終わりたいと思います。
#81
○国務大臣(中曽根弘文君) 御指摘の同和加配につきましては、平成十一年七月に人権擁護推進審議会の提言もあるわけでございまして、この提言などを踏まえた上で今後の配置策を検討してまいりたい、そういうふうに思っております。
#82
○日下部禧代子君 社会民主党の日下部禧代子でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず最初に、教員研修センターの職員の給与についてでございますが、いわゆる国家公務員型の特定独立行政法人の場合には国家公務員の給与に準ずるわけでございますが、今回のように非公務員型の場合、それは通則法の第六十三条、職員の勤務成績が考慮され、当該独立行政法人の業務の実績を考慮するということになっておりますけれども、研修センターという業務の性質からいきまして、そのサービスによる効果というのを客観的に把握するということは非常に難しいと思うのでございます。
 例えば、研修を受けた教員の数とか、そういう量的なものでは効果というものがあらわされるわけはないはずでございまして、だけれども、研修を受けたことによってどのようにその効果が子供たちの教育に反映されたかというふうなことになりますと、これはまた何年かかかることでございます。
 非常に難しいと思うのでございますが、職員の給与を定めるに当たって考慮される業務の実績というようなものをどのようにして判定するのか、具体的な基準というものを設けるのか、その点についてまずお伺いしたいと存じます。
#83
○国務大臣(中曽根弘文君) この教員研修センターの業務の評価は、独立行政法人通則法に基づきまして、文部科学省の評価委員会が毎事業年度に、中期計画の実施状況につきまして、また中期目標期間における中期目標の達成状況につきまして、それぞれ調査分析を行った上、評価を行うこととされております。その場合の具体的な評価につきましては、独立行政法人評価委員会があるわけですが、ここが設定する客観的な基準によるとされているところでございます。
 このセンターの目的は、研修等を行うことによりまして教員等の資質の向上を図ることであるわけですけれども、教員の資質、能力については定量的な評価を行うということが非常になじみにくいということもあるわけでありまして、このセンター業務の評価に当たりましては、研修事業の内容とか方法が、教員の資質の向上に役立っているかどうか、目的達成のために適切かどうか、そういうような観点から行うことになるのではないかと思っております。
#84
○日下部禧代子君 今お答えいただきまして、大臣自身もはてなというふうなお顔をなさりながらお答えいただいていたというふうに思うのですけれども、非常にわかりにくい。教育の効果あるいは研修の効果というものが、内容、方法によってあらわされるものだったらこんな簡単なことはないわけでございますが、そのあたりにつきましてもう少し具体的にお答えいただけないかと思います。
#85
○国務大臣(中曽根弘文君) 先ほど私、答弁させていただいて、最後、そういうふうになるのではないかというような表現をさせていただきましたけれども、やはり研修所でございますから、繰り返しになりますが、先生方がどの程度そういう資質、能力が研修して上がったかどうかということは確かに評価しにくいわけであります。
 したがいまして、研修所の評価ということになりますと、やり方とか内容とか、そういうものが適切かどうかという判断、これは私はできると思います。したがいまして、こういう観点から行うことになると思います。
#86
○日下部禧代子君 確かにそういうふうなことでなければ客観的な判断は非常に難しいというふうに思いますけれども、その際注意しなければならないのは、それが固定されたような形ではなくて、教育の実情というのも、現状というのも、刻々変わっていくと言ってもいいぐらい大変な課題がございます。それに対応するための教員の研修というのはやはり非常に柔軟性、弾力性を持たなければならないというふうに思います。そうでなければ、その効果というのは期待できないわけであります。
 先ほどの同僚議員の御質問にもございましたけれども、ただ研修すればいい、研修を受けたらよいというような問題とは違うわけでございます。その点をぜひともこれからきちっと考慮に入れたものにしていただきたいというふうに強く要望しておきたいと思います。
 次に、今回の独立行政法人教員研修センターの設置というのは、昨年のこの委員会におきまして可決いたしました国立教育会館の解散に関する法律に関連しております。国立教育会館は、公布の日から二年以内の政令で定める日、遅くとも平成十三年五月までに解散するということになっております。その解散の日までに、教育会館の業務を廃止するか、あるいはその業務をどこに振り分けるかということを決めなければならないわけでございまして、今回の教員研修センターというのは、教育会館の業務の一つである教員研修を引き継ぐということでございますね。その教育会館のあと二つの主な業務といいますと、社会教育関係の研修及び情報提供業務。それにつきましては、国の機関となっております国立教育研究所が引き継ぐということでございます。
 では、なぜこの国立教育会館の業務のうち教員研修のみを独立行政法人で行うのか、まずお聞きしたいと存じます。
#87
○政務次官(河村建夫君) 委員御指摘のように、いわゆる教員研修センター設立に当たりましては、文部省が行っておりましたこれまでの教員研修をアウトソーシングする、あわせて、国立教育会館が行っているものもあわせて総合的に、しかも効率的、効果的に実施していこう、こういうねらいでございます。
 委員が御指摘なさいました国立教育会館が持っておりました社会教育関係業務、それから教育情報提供業務でございますが、これについては、いわゆる一般の教育研修業務とは内容、方法等が異なるわけでございますし、対象者あるいは利用者も教職員のように多くはないということもございまして、これらの業務を教員研修センターではなくて、同様の業務を現在やっております国立教育研究所において行うというふうにしたわけでございます。
#88
○日下部禧代子君 そうしますと、これはこれからのことになるかもわかりませんが、社会教育関係の研修、そしてまた情報提供業務ということも、いずれは独立行政法人に行わせるというようなことを考えていらっしゃるのでしょうか。
#89
○政務次官(河村建夫君) 国立教育研究所は、これは改組をいたしまして国立教育政策研究所ということで、これは国の機関としてこれからやっていくということであります。
#90
○日下部禧代子君 ということは、今私が申し上げました国立教育会館の持っている研修以外の二つの業務というのは、独立行政法人にアウトソーシングにはならないということですね。
#91
○政務次官(河村建夫君) 今御指摘のありました社会教育関係と情報提供の部分はアウトソーシングしないで、新しく改組する国立教育政策研究所へ業務を移していく、こういうことでございます。
#92
○日下部禧代子君 教育会館の業務のもう一つの事業にいじめ問題に関するものがございます。平成七年にいじめ問題対策情報センターというものが設置されておりますね。そこでの事業内容というのは、情報提供、いじめ相談、講師派遣というふうになっております。そして、特に電話でいじめ相談を受けているということでございまして、センターの電話番号もかなり工夫していらっしゃるようでございまして、子供専用ですとフリーダイヤルで、なくなれいじめというのをもじった形で七九七〇一四というふうに、電話番号も工夫しているというふうに聞いておりますけれども、教育会館で行っているこのいじめ問題対策事業というのは今後どのようになるのでしょうか。
#93
○政務次官(河村建夫君) 委員御指摘のとおり、平成七年にいじめ問題対策情報センターができまして、平成十一年度の相談実績は五千六百六十三件に上っておるわけでございます。
 今回、国立教育会館が解散をいたします。このいじめ問題対策情報センターの事業のうちの相談業務についてでございますが、これは、各都道府県におけるいじめ対策相談事業の窓口等が相当整備をされてまいりまして、二十四時間チャイルドラインとかいろいろな形のものができてまいりました。したがいまして、文部省としては、その各都道府県がやっておられる取り組みを支援するような形で事業を進めていく、スクールカウンセラー事業等というのがございますが、そういう形で各県のそうした窓口業務を支援していこうということで、今やっておりましたいじめ対策センターの事業のうちの相談業務は、国が持つ分は廃止をさせていただく。そのかわり、いじめに関する全国から寄せられるさまざまな情報がございます。これはネットワークを通じて提供することが必要であるというふうに考えておりまして、国立教育研究所を今度改組して国立教育政策研究所にする予定でございますが、ここに移管をいたしまして情報提供事業の一環として行っていきたい、このように考えております。
#94
○日下部禧代子君 このいじめの問題というのは、把握されている件数というのはだんだんと少なくはなっています。しかし、その内容というのはかえって非常に陰湿化しているあるいは凶悪化しているというふうな状況がございます。したがいまして、国としての対応というのは、やはりきちっとした方針、そして実行に移していただきたいということを強く要望しておきたいと思います。
 次に、英語教育について御質問したいというふうに思いますが、小渕前総理の私的諮問機関でございます「二十一世紀日本の構想」懇談会が報告を出しております。さまざまな刺激的な提案がございましたけれども、その中の一つに、国際共通語としての英語の必要性というのがうたわれております。その中には、今すぐではないが、長期的には英語を第二公用語とすることも視野に入れて国民的論議をするべきであるという提言がございますね。それ以降非常に英語教育に関しての議論が活発になっているわけでございますが、まず大臣にお伺いしたいのでございますけれども、現在、世界のインターネット情報量の八二%は英語が占めているという状況でございます。第二公用語、これはさまざまな議論があると思いますが、そのことも含めて、この懇談会の国際共通語としての英語の必要性に関する提言、その部分についての大臣のお考えはいかがでございましょうか。
#95
○国務大臣(中曽根弘文君) 非常にグローバル社会といいますか、国際化してまいりまして英語を使う機会もふえてまいりました。また、いろいろな情報も英語で入ってくるようになってまいりまして、そういう意味から英語は今後ますます、生活していく上でも大切なものとなってくると思います。
 御指摘の懇談会の英語を第二公用語にするという提言につきましては、委員もお話ありましたけれども、今すぐということではなくて将来的なお話であろうと思いますし、また将来的にいたしましても、公用語にということについてはいろいろ議論があろうかと、そういうふうに思います。しかし、これは一つの方向性というものを示しているものだと私は思っておりまして、そういう意味で今後、英語教育、英語の指導方法について改善をしながら、学校で英語を勉強すればある程度外国の方とコミュニケートできるというような形に自然になることが好ましい、専門的に仕事をする方は別といたしまして、一般的にはそういうことで十分ではないかと、私個人的には思っているところでございます。
#96
○日下部禧代子君 実は、国際的な英語能力テストであるTOEFLは、アジアで日本が最下位なんですね。そういう事実がございます。ところが、日本での英語というのは、中学、高校、大学と英語をやっていない人はいないというふうに思うわけでございますが、実力はそういう結果も出ております。
 ところで、平成十四年度から実施されます新学習指導要領におきますと、小学校三年以上の場合が対象となりますが、総合的学習の時間、そこで小学校においても英語教育ができるようになります。それからまた、英語指導方法等改善の推進に関する懇談会が、小学校段階の英語教育について、一年生を含むできるだけ早い段階で楽しみながら取り入れるという提言も出されるように聞いております。
 しかしながら、英語教員の研修というのは今まで中学校、高校の教員が対象でございました。小学校で英語教育が行われるとなりますと、その小学校における英語教員の研修というのはどのようにお考えになるのでしょうか。そのところにどのくらいネーティブスピーカーを入れるということになるのでしょうか。また、その研修の場合にネーティブスピーカーをどのように配置するとか、これから考えるというのでは遅過ぎると思うんですが、そういうことも含めましていかがでございましょうか。
#97
○政務次官(河村建夫君) 当面、総合的な学習の時間の中でまず英語になれ親しむという方向が今打ち出されておるわけでございまして、委員御指摘のように、これから現場に英語の先生をふやしていかなければいけない、当然でありますが、現実に今英語の先生は小学校にはおらぬわけでございます。これをどういうふうにこれから養成していくかということが一つ大きな課題でございますが、当然、ネーティブスピーカーをたくさん入れていく、JETプログラムで入っておりますから、そういう方々に入っていただくということをやらなきゃなりません。現在五千二百人のいわゆる外国語指導助手がおられるわけでありまして、ことし七月にはもう三百人ふえて五千五百人となるわけでございます。こういう方々は中学校、高校というところでやっておられますが、そういう方々にもお手伝いをいただくということになるだろうというふうに思っておりまして、これからでは遅いと、こうおっしゃいますが、現実にこれから養成していかなきゃいけない部分がたくさんあるわけでございます。
 特に、小学校の教員免許の中には英語はないわけでございますから、これを入れていくのかどうか。あるいは、中学校で今英語教諭ございます。これをもっと数をふやして小学校へ派遣するような形にするのか。そのことも含めて今この問題についてもいろいろ研究をいただいておるところでございます。
 さらに、小学校の先生も専修免許をお取りになるために海外へ出ていこうと言われる方もあるわけでございます。さきに法律も改正してそういうことを可能にしたわけでございますが、そういう方々もふやしていくとか、いろんな手だてを考えていかなきゃいかぬだろうと、このように思います。
#98
○田名部匡省君 きょうは、皆さんの答弁を聞いて賛否を表明しようと。なぜそう思ったかというと、私は中身がよくわからないんですよ、どういうことをそれぞれの施設でやっているのか。行ってみたこともないし、本当に効率よく使われているのかなと。特にこの中で一番効率が悪くて予算がかかっているのはどこですか。わかったら教えてください、この独立法人にしようという中で。
#99
○政務次官(河村建夫君) 今回この研修センターを独立行政法人化して、もちろん行革の精神もございますが、機能させようということになったわけであります。国立教育会館を行革の方から解散して民営化しろと、こういうことにもなりまして、そうすると、この研修体制をこの際ひとつ見直して総合的にやっていこうと。今まで文部省の初等中等教育局も持っていたし、文部省の中でも持っていた。それからこの機関にも研修センターがあった。それではやっぱり非常に効率が悪いわけでございますから、一体化して、そして一つのものとして独立行政法人の中で機能的にやっていこう、こういうことでございます。
#100
○田名部匡省君 研修制度の話ですけれども、やっぱり何でもかんでも集めてやってもだめなんです、本気でやる人たちが集まってこないと。
 かつて私は、ここでもお話ししたかと思うんですが、勝間田副議長のときにヨーロッパへ副議長班で行ったんです。そうしたら、一団の人たちが来て、向こうであれは日本人かと、こう言われる。ぞろぞろ来て、日本語で話して、あなたたちはどこから来たのと言ったら、あ、日本人だ日本人だと言う。それで、聞いてみたら研修に行っている先生方だったんです。
 もうがっかりしまして、本当にしっかり研修するには教員の資質というのが問題なんです。聞いたことをどう自分でアレンジしてわかりやすく子供たちに教えるか。そこで研修を受けてそのままやったってわからない子供いっぱいいるんですね。
 この間、東大の学生と子供たちが塾へ行って英語を勉強しているのをテレビでやっていました。何か英語でしゃべると子供たちはぺらぺらと答える。東大の学生は答えられない。どうも最近学校を見ておって、塾へ行った方が成績が上がって、学校の方で勉強したら成績がさっぱり上がらぬという感じを受けて、情けないなと。今度は塾も認めるとかなんとかという話が出てきて、これでいいんだろうかという私は気がしておるんですね。
 ですから、こういう独立法人にしても、そこのトップに座る人というのは、やっぱり私は天下りじゃだめだと思うんですね、失礼だけれども。やっぱり文部省の影響を受けないで、本当にやろうという人たちがおってやっていかなかったら生きた独立法人にはならない、私はこんなふうに思うんですが、どうですか。
#101
○国務大臣(中曽根弘文君) 確かに、今委員いろいろおっしゃいましたけれども、教員の資質というのが非常に大切であると思います。
 したがいまして、今回こういう研修センターをつくるわけでありますが、行革の観点から、あるいはその統一をして効果的にやるということでつくるわけでありますが、これを機会に本当にこの研修センターが実の上がるようなものに努力をしていかなければならない、そういうふうに思っております。
 それから、今このセンターの責任者のお話がありましたけれども、これはやはりそれなりの知識と経験を有する人、特に教育の分野また研修の分野についてのそういう経験もある人がふさわしいと思いますし、また、ある意味では運営等についてのそういう経験も必要だと思っております。理事長につきましては文部科学大臣が任命することとなっておりまして、これはこの通則法の二十条で決まっております。
 そういうことから、適切な人材の任命を行うように努めていきたい、そういうふうに思います。
#102
○田名部匡省君 橋本内閣のときに、火だるまになっても行財政改革をやると。私は本会議でも言ったが、あれは間違いでなかったと思うんです、やり方に問題があっただけで。小渕前総理もそうですよね。内閣を挙げての最大課題だと言って、こういうものを独立法人にしようとか省庁の合併をしようと。あれじゃ私は本物じゃない、こう思うんですね。
 きのう文部省関係民法法人・公益信託一覧というものをもらったら、まあ物すごい数です。千八百二十一ぐらいあるんですね。通産は九百一法人とか、ずらっと六千八百六十以上あるんです。これは財団と社団とありますが、財団は別として社団法人には補助金も出ている、申請すれば出ると。これだって相当の金額じゃないですか。
 ですから、本気でこれをやろうという気構えを示すなら賛成しますけれども、これは、行政改革会議が九年に出したものがありますよね。もう定義は極めて形式的な基準だと。極めて多種多様であり、個々別々の法律に基づいて設立されておって、共通的な基準が存在しない。あるいは、設立当初の社会的要請をおおむね達成し、あるいは役割が変質、低下、民間事業者との類似の業務、国の関与の必要性が見出しがたいもの、民営化、事業の整理縮小・廃止、こういうことを指摘してあるんですよ。
 必要なものもあると思うが、必要でないものも私はあると思うんですよ。本気で文部省関係だけでも徹底的に見直していただけますか。
#103
○政務次官(河村建夫君) 御指摘のとおりでございまして、行革をやろうとしましたら相当痛みを伴うこともございますので、行革会議の指摘もございますから、それを踏まえて、さらにまた文部省としては、今御指摘のあったようなことについては十分そのことを踏まえて対応していかないと実を結ばない、このように考えます。
#104
○田名部匡省君 この独立行政法人制度を創設するに当たっては、特殊法人との関係をしっかりしなきゃだめだという指摘を受けているわけです。私はなぜこのことをうるさく言うかというと、国民がこの制度で一体どうなっているのかというのは一向にわからない。金の流れもどうなっているかというのをだれも知らないと思いますよ。この間は石油公団の問題をやりましたけれども、専門家の税理士を連れてきて見てもらっても何がどうなっているかわかりませんと言うんだ。どこへ金がどう流れているか。赤字には出資だ、補助金だって出すから赤字は出てないが、それが出なかったら軒並み赤字ですよ。そういうことをほうっておいて、困ったら消費税を上げるとかなんとかという話はだめですよと私は言っているんですよ、そっちをやらなかったら。それで、今度はアクアラインも見せてくれと、こう言っているんですよ。どのぐらい赤字が出ているか。本四架橋だってそうでしょう。もう全部ですから。特に石油公団なんというのは一兆三千億も赤字を出しているというんですから。それは事情もあるでしょう。
 やっぱり国民にこういうことをきちっとわかるように、情報公開もこの中に書いてありますよ、情報公開しなさいと。だから効率悪いのはどれですかということを私は聞いたんであって、悪かろうが何であろうが、箱物があれば何でもうまくいくというんじゃないんですよ、魂が入ってなきゃ。その魂をどうやって入れるかですよ。
 いじめの問題もさっき話がありましたけれども、私の小学校のころは、いじめられる子供というのはいじめやすいというか、いじめられやすい子供もいるんですよ。今考えてみると、やっぱり家庭の生活からの延長線なんですね、いじめられやすい子供というのは。みんなでいじめるんですから、それは。ですから、それは家庭とのつながりがあるし、学校の先生だけの研修をやったってうまくいかないし、昔はやっぱりいいボスというのがおって、いじめられるといってかばってあげて、こらなんて言うとみんな引っ込んじゃうというのもあったけれども、今ごろは平均化していますから、もうとめるやつもいない。そんなことでこのいじめなんというのはいろいろ出てくるんですよね。
 とりあえず一つの過程だと思います。だから、私はその意気込みを示してくださいと。この間も新聞に出ておったでしょう。天下り官僚の公益法人の退職金、十年で三千万以上もらった人は二百人おるという。こういうことが新聞に出たら、本当に何をやっているんだと。こういうことをチェックしない国会議員というのは一体何なんだということになりますよ。これを見て私はびっくりした、こんなにおるのかと。二千二百四十人もいるんです。それを三千万、四千万、五千万と分けているんですよ。
 お互い政治家ですから、言いにくいこと、やりにくいことをやってのけると。これは与党も野党もないんですよ、国民のためなんですから。政党とか役所というのは国民のためにあるんだということを忘れずに、若い中曽根文部大臣ですから、私は、もっとあなた方がしっかりとした国づくりのために命がけで頑張ってほしい、こう思って御意見だけ申し上げて終わります。
 ありがとうございました。
#105
○委員長(佐藤泰三君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#106
○委員長(佐藤泰三君) 御異議ないと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#107
○畑野君枝君 私は、日本共産党を代表して、独立行政法人教員研修センター法案に反対の討論を行います。
 このセンターは、これまで国立教育会館及び文部省がそれぞれ行ってきた研修業務を移管し、運営するものとされています。これまで国立教育会館及び文部省が行ってきた研修の内容を見ると、その中心は、文部省主導の教育改革の実施に対応できる教員を確保するとの観点からのものであり、研修対象も校長、教頭及び将来管理的立場に立つ教員を中心にしたものになっています。そのようなものであれば、それは教育現場に対する国の管理・統制強化のための研修であると言わざるを得ません。このような研修を一元化して実施するためのセンターを設立することは、文部省主導の研修を再編強化することになり、学校教育の画一化、硬直化につながりかねません。
 国立教育会館は、昨年の通常国会で解散を決めたものであり、新たにセンターを設立する必要はありません。このようなセンターを設立することは、地方分権、地域に根差す教育が大きな流れになっている今、求められている教員の研修のあり方に逆行するものであります。
 教員研修とは、教員が、それぞれみずからの実践を基礎として、自主的、集団的に行うべきものです。そのための条件整備を進めることこそ教育行政本来の任務である、このことを主張して、反対討論といたします。
#108
○委員長(佐藤泰三君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#109
○委員長(佐藤泰三君) 御異議ないと認めます。
 これより採決に入ります。
 独立行政法人教員研修センター法案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#110
○委員長(佐藤泰三君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#111
○委員長(佐藤泰三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時三分散会
ソース: 国立国会図書館
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