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2000/04/20 第147回国会 参議院 参議院会議録情報 第147回国会 財政・金融委員会 第11号
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2000/04/20 第147回国会 参議院

参議院会議録情報 第147回国会 財政・金融委員会 第11号

#1
第147回国会 財政・金融委員会 第11号
平成十二年四月二十日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十九日
    辞任         補欠選任   
     平田 耕一君     尾辻 秀久君
     海野 義孝君     続  訓弘君
 四月二十日
    辞任         補欠選任   
     尾辻 秀久君     平田 耕一君
     続  訓弘君     海野 義孝君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         平田 健二君
    理 事
                岩井 國臣君
                中島 眞人君
                寺崎 昭久君
                海野 義孝君
                池田 幹幸君
    委 員
                片山虎之助君
                河本 英典君
                世耕 弘成君
                中島 啓雄君
                林  芳正君
                日出 英輔君
                平田 耕一君
                星野 朋市君
                伊藤 基隆君
                久保  亘君
                櫻井  充君
                浜田卓二郎君
                笠井  亮君
                三重野栄子君
                椎名 素夫君
   国務大臣
       大蔵大臣     宮澤 喜一君
   政務次官
       大蔵政務次官   林  芳正君
       金融再生政務次
       官        村井  仁君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田 成宣君
   政府参考人
       金融監督庁監督
       部長       乾  文男君
       国土庁土地局長  小林 新一君
       大蔵省金融企画
       局長       福田  誠君
       文部省初等中等
       教育局長     御手洗 康君
       郵政省簡易保険
       局長       足立盛二郎君
       建設省建設経済
       局長       風岡 典之君
   参考人
       日本銀行総裁   速水  優君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○証券取引法及び金融先物取引法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出)
○特定目的会社による特定資産の流動化に関する
 法律等の一部を改正する法律案(内閣提出)
○金融商品の販売等に関する法律案(内閣提出)

    ─────────────
#2
○委員長(平田健二君) ただいまから財政・金融委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨十九日、海野義孝君が委員を辞任され、その補欠として続訓弘君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(平田健二君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(平田健二君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に岩井國臣君を指名いたします。
 なお、あと一名の理事は後刻指名いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(平田健二君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 証券取引法及び金融先物取引法の一部を改正する法律案、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律等の一部を改正する法律案及び金融商品の販売等に関する法律案の審査のため、本日の委員会に金融監督庁監督部長乾文男君、国土庁土地局長小林新一君、大蔵省金融企画局長福田誠君、文部省初等中等教育局長御手洗康君、郵政省簡易保険局長足立盛二郎君及び建設省建設経済局長風岡典之君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(平田健二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(平田健二君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 証券取引法及び金融先物取引法の一部を改正する法律案、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律等の一部を改正する法律案及び金融商品の販売等に関する法律案の審査のため、本日の委員会に参考人として日本銀行総裁速水優君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(平田健二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 また、証券取引法及び金融先物取引法の一部を改正する法律案、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律等の一部を改正する法律案及び金融商品の販売等に関する法律案の審査のため、明二十一日午後零時三十分に、東京証券取引所専務理事金子義昭君、弁護士桜井健夫君、東京大学大学院法学政治学研究科教授・金融審議会委員神田秀樹君及び弁護士・日本弁護士連合会消費者問題対策委員会副委員長石戸谷豊君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(平田健二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#10
○委員長(平田健二君) 証券取引法及び金融先物取引法の一部を改正する法律案、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律等の一部を改正する法律案及び金融商品の販売等に関する法律案、以上三案を一括して議題とし、前回に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#11
○久保亘君 最初に、先日行われましたG7に関して、日本代表として出席された宮澤大蔵大臣と速水日銀総裁からこのことについて特に私どもに御報告いただくことがあればお話しいただきたいと思います。
#12
○国務大臣(宮澤喜一君) たまたまG7の会議が始まります前日の金曜日にニューヨーク株式市場の暴落がありましたが、このことはちょっと別にいたしまして、私はG7だけでございまして、総裁はもう一日後までおられましたが、G7そのものの雰囲気は、世界各地における景気状況はおおむね上向きであって、昨年のようにあちこちに問題があるという状況はかなり改善されておる、その中で我が国がまだ景気回復は万全とは言えないというのはそのとおりでございます。
 その中で、特にIMF当局あるいはアメリカ等々は、景気回復が果たして個人消費、雇用の改善に結びつくかどうかということについていまだ見通しは定かでない、デフレーションのギャップがまだ残っておるのではないか、したがってそういう立場からいえば我が国の財政金融政策ともども確実な成長軌道に乗るまで従来の政策を継続すべきではないか、そういう主張はIMFの見通しあるいはアメリカ当局の見方は他に比べてやや強いということでございます。
 私どもも、完全に経済回復の軌道に乗ったとまでは統計上等々で言い切れておりませんし、また現実に十―十二が非常に悪かったわけでございますから、一―三がいいとしても、設備投資はどうも十―十二で回復の兆しがございますからこれは恐らく心配がないと思いますけれども、果たしてそれが個人消費につながるかどうかというところは私ども自身ももう少し見ていなければならないと考えておるわけでございます。そこのところの見方をどの程度に考えるかというのがいわば一つの話題であったと申し上げることができると思います。
 その他で申しますと、通貨の方も、私どもは円が余り高くなるということは景気回復に邪魔になると思っております。そのことは一般には認められておるわけでございますが、ユーロそのものは実はもっと強くなければならないんじゃないかというふうに見る見方と、ユーロ当局と申しますか、恐らくユーロ中央銀行の見方と独仏という関係国の見方とは必ずしも一緒でないのかもしれません。中央銀行当局は、自分たちは何もユーロを強くすることがそんなに大事だと思っていないので、むしろ物価の安定の方が大事だという見方でございます。したがって、通貨の話に共同声明などがいろいろ言及することはどうもユーロ当局としては好まない。そういうことになればユーロもそうだし、円もそうだし、ドルもそうだろうというような議論になってしまいます。
 したがいまして、今回、円について特に言及せずにメジャーカレンシーズということを述べておりますのはそういう背景がございます。ただ、メジャーカレンシーズの間のファンダメンタルズを反映することは大事であって、そのために必要ならば必要なときにお互いに協力する、そういうことは述べられておりますので、その点は従来と文言は同じではございませんが、理解の程度は同じであるというふうに考えてよろしいのではないかと思います。
 以上でございます。
#13
○参考人(速水優君) ちょうどG7の始まります前の日にアメリカの消費者物価が上がって株価が急落するといったようなことがございましたので、会場ではそういう話題があちらこちらで聞かれましたし、アメリカ側の説明にも非常に関心が持たれたわけでございます。
 金融政策に関しまして、特に日本のことにつきましては、今回のG7のコミュニケ、声明にもはっきり書かれておりますように、私どもの方からは、四月十日の金融政策決定会合におきましてゼロ金利政策の継続を決定したと、英文ではディサイディド・ツー・コンティニュー、それによって資金を潤沢に供給するということが書かれました。その点についてほとんど議論はございませんでした。久保先生もよく御存じのことだと思いますが、G7は一日でかなりたくさんのことを議論いたしますので、日本の金融政策について特に議論が出るといったようなことはございませんでした。
 したがいまして、これまでの日本銀行の決定や考え方を超えるような公約といったことは全くいたしておりません。
#14
○久保亘君 今度のG7はワシントンでの定例会議でありましたけれども、ちょうどそのときに、さっき大蔵大臣がお話しになりましたように、アメリカの株価の急落があったりしましたので非常に注目される会議になったんだと思うんですが、前回、前々回の共同声明の内容からいたしますと、今度の共同声明はかなり変わった部分があるのではないかと思うんです。
 これはお二人で一緒にお会いになったんだろうと思うんですが、サマーズ氏、グリーンスパン氏と会われた二国間の会議がございましたね。それはありませんでしたか。
#15
○国務大臣(宮澤喜一君) 二国間の会合はございました。ございましたが、今のような日本の経済の回復局面についての見方は必ずしも一緒ではありませんけれども、もう大数的には回復に向かっているということは認識されておりますので、余り議論らしい議論はございませんでした。
 議論の時間も実は短くて、ニューヨークの株式市場の話をしてみても月曜にどういう展開になるかなということ、あるいはもう少し深く言えばこれは何かの終わりなのか何かの始まりなのか、そういう見通しについて少し議論がありましたけれども、どっちみち月曜を見ないと仕方がないなという程度のことでございましたので、二国間のいわゆるバイの会議はむしろ比較的短時間であり、また大した問題もなかったということでございました。
#16
○久保亘君 このG7に出発されます前に、大蔵大臣の発言としては、公共事業の前倒しはない、そしてそれと関連をして秋に大型補正を組む必要はないという趣旨の御発言がございます。それから、出発直前に日銀総裁からは、ゼロ金利政策を早期に解除できるようにしたいという意味の御発言がございます。今度のG7の会議の中では、欧米の各国は日本のそのような考え方というものに同意したのですか、それともそういうことに対してはもっと違った約束を日本側に求めたのですか、それはどうなんでしょうか。
#17
○国務大臣(宮澤喜一君) 一言で申しますと、いろいろ約束を求めたということはございませんでした。
 これはあるいは日銀総裁御本人からお話があった方がいいのかもしれませんが、全体の雰囲気としまして、日銀が四月十日にゼロ金利政策を継続するということを政策委員会の結果、発表しておられますので、それが我が国の基本的な方向であるということは連中も了解をしております。
 総裁は、景気が好転をしてくれば、仮に一年ぐらいの間か、そこはいずれにしてもこの政策は景気が好転してくれば将来変わることはあるであろう、そのことは今ということではないが、市場とよくコミュニケーションをしておく必要が常にあるのであるから、そういう立場からああいう発言をされたということを説明しておられまして、そのことはアメリカ側で四月十日の金利政策、金融政策がにわかに変更があるのではないというふうに理解されております。
 それから、私は、景気の回復が順調であれば公共事業はできるだけ自然体でやっていきたいし、また場合によって、よく言われている秋の補正予算というようなことは昨年、一昨年のような状況とは違うかもしれない、違うことを期待している、しかもこの十二年度の予算そのものはかなり景気刺激的なものでございますから、これを順調に執行していけば前のような大きな補正予算は要らないのじゃないかということを述べておりますが、そのことについては別段の議論もございませんでした。むしろ、我が国は「マクロ経済政策が持続可能な内需主導の成長を支援することが重要である。」という言葉になっておりまして、それは第四項でございますが、特にそれについての何か向こう側の要求と申しますか、希望的な提案といったようなものはございませんでした。
#18
○参考人(速水優君) ゼロ金利政策のことにつきましてはただいま大蔵大臣が御説明くださいましたとおりでございまして、公に申しましたことは、G7の声明にもございますように、「当局は、ゼロ金利政策との関連で、デフレ懸念の払拭を確かなものとするよう、十分な流動性を引き続き供給することを決定した。」ということで説明をいたしております。特に、十日の決定会合の後の記者会見で、決定会合においていろいろ議論があったこともございまして、これは今度のG7とは直接関係ございませんが、私が若干の説明をいたしたことが新聞に大きく取り上げられたと思っております。
 もしお許しいただければちょっとそのことだけ説明させていただきますと、昨年の二月にゼロ金利を決定いたしましてから十四カ月になりますが、あのころは金融システムの不安が非常に先が読めないということでありましたし、デフレスパイラルの懸念が十分あるといったような非常に難しい時期でございまして、政策としてはかなり異常ではございましたけれども、緊急事態だという判断でゼロ金利というのを決定したわけで、その後十四カ月、いろんな方面にゼロ金利は効力を発揮したと私どもは考えております。短期、長期の金利にしても、企業の金融、あるいは金融機関、市場にとってもかなり潤沢な資金が流れて株価なども上がっていったというような効果が申し上げられると思います。
 しかし反面、いろいろ無理な面もあったわけでございまして、ゼロ金利政策が解除できる条件として今私どもが申しておりますことは、デフレ懸念の払拭が展望できるような情勢になることを考えているということでございます。そのためには、設備投資や個人消費といった民間需要の自律的な回復への道筋がある程度見えてくることが必要であると思います。
 このうち、設備投資の方につきましては、三月短観の調査結果が示している指標を見ましても、緩やかながらも増加に転じていることははっきり数字で出てきているように思います。一方、個人消費の方につきましては、なお回復感に乏しい状態が続いているということで、雇用・所得環境の面では雇用者数や賃金に下げどまりの動きが見られるなど明るい兆しが出てきておりますが、企業のリストラ圧力などが根強く残っていることもまた事実でございます。
 今後、設備投資の動きを確認していくとともに、個人消費の基盤となる所得環境などがこれ以上は悪化しないであろうといったことがもう少しはっきりしてまいりますれば、自律的回復、つまりデフレ懸念払拭への展望が見えてくるのではないかというふうに考えております。
 こういうことを市場にもよく説明をし、私どもの考えや議論や今心配していることをよくコミュニケートした方がいい、このことが私どもの責任の一つであるということで、記者会見で申した次第でございます。
 ついでながら、私どもが心配しておりますゼロ金利のデメリットは何かと言わせていただきますれば、いろいろございますけれども、一つは、まず金融市場、コール市場自体が小さくなっていく、取引が少なくなっていくことは資本主義経済の核であるコールマーケット、金融市場というものが動かなくなることになるかと思います。もう一つは、家計の金融資産、千三百六十兆ある金融資産の運用益が少ないのを我慢してもらっているということ。三つ目は、企業の構造改革が今できていかないとこれから日本の経済は競争力を失うことになりますので、その点はモラルハザードにならないように必要なときに適当な金利が決まっていくことが必要であると。こういうようなことを考えておるわけですが、この辺の市場へのコミュニケーション、対話をしっかりしていくことが今後の政策を維持するにしても変えるにしても必要であるということで、少し説明をさせていただいた次第でございます。
#19
○久保亘君 大蔵大臣に重ねてお尋ねいたしますが、共同声明の中に、前回、前々回は円高について懸念を共有するという表現がございましたね。今度のワシントンの定例のG7ではこれが消えたわけです。そこのところはどういう意味がありますか、なくなったことについて。
 それから、速水総裁から今ゼロ金利政策の問題についての発言でお話がございました。ゼロ金利政策については後ほど少しお尋ねしたいと思っておりますけれども、四月十日の政策委員会でこれを継続するというのを賛成多数で決められた。そして、その二日後の記者会見の席では早期解除を示唆する御発言があったということが報道されております。
 ゼロ金利政策というものについて、総裁自身はもう今の景況感からすれば解除のときに来た、またそのことによって日本経済がそう揺らぐことはないということについて、今、継続を決めた政策委員会の考え方から一歩進んでいるのか、どうとらえていいかわかりませんが、違った日本経済の景況感というのを総裁がお持ちでそのような御発言があったのかどうか、お聞かせいただきたいと思います。
#20
○国務大臣(宮澤喜一君) 前段のお尋ねでございますが、先ほどもちょっと触れましたように、日本経済の現状についてIMFあるいはアメリカ等は必ずしもはっきりした成長軌道に乗っていないという懸念を持っております。したがって、極端な円高ということはその邪魔になりますし、また現実にファンダメンタルズが十分でないという見方でございますから、昨年もございましたそのような円の現状は認識としては変わっておらない、したがって日本政府も従来の政策を継続してほしいと言っておるわけでございます。
 それはそれで変わっておりませんけれども、他方でユーロというものがございまして、これはしばしばドルとのパリティーを下げたりしておるわけでございますから、ユーロという通貨そのものについてもいろいろ議論が実はあるわけでございます。また、アメリカも思っていることもありますし、我が国もユーロというのはどうなるかなということを思っているわけですが、ユーロ通貨当局がユーロ通貨について議論されることを好まないというかなりはっきりした傾向がございます。
 それは先ほど申し上げましたように、ドイツ自身の考え方あるいはフランス自身の考え方、おのおのあるようでございますが、ユーロ銀行そのものは、ドイセンベルク総裁自身はユーロという通貨についてあれこれ議論することに特に積極的でない、あるいは多少ドイツ、フランスと考え方のニュアンスがあるかとも思われますが、何もユーロが強くなることを自分は特にそんなに大事に考えていないので、大事なことは通貨の安定であるというふうに言うものでございますから、ユーロが弱くなっていることについての懸念をドイセンベルク総裁あたりは必ずしも共有していないように思われます。
 そういうことがございますものですから、円という話をしてユーロの話をしないわけにはいかない。しかし、余りそれに触れることをユーロ当局が好まない。そこまでいけばドルがどうなんだという話になって、ちょうどニューヨークのああいう株式の問題があるものですから、ドルが強いとか弱いとかいうことに言及するのは大変微妙な環境にもなっておるということから、ひっくるめまして、ここにございますように、「主要通貨間の為替レート」という言葉に置きかわりました。
 それで、実態は別に変わっていないと思っておりますが、もう一つ、確かに久保委員の言われましたように、従来、特に円を取り出して、そしてそれに関心を持っておる、他方でそれに対応するような政策を日本側はとってくれと、こういうことになっておりましたことについて、両方とも日本ということで言うことは引っ込めた。しかし、一般論として、ファンダメンタルズを反映すべきために主要通貨間の為替レートというものはその動向を注視し適切に協力していくと、円という言葉が引っ込みましてこういうことになったというのが経緯でございます。
 実際問題といたしまして、これはお気づきのように、時々我が国は円の水準に対して介入をいたしております。それは一種の市場攪乱的な、投機的な大きな動きがあることは好ましくないという観点で介入をいたしております。ことしになりましてからも介入をいたしておりますが、それは我が国独自の立場でしておりますので、通報はいたしておりますけれども、共同介入というような形をとっておりません。
 ということもありまして、私自身の気持ちで申しますと、円の水準というものがもし不適当だと思われれば日本自身の立場で介入ができる、こういうふうに考えておりますものですから、そういう意味からも、特に円をメンションしてもらうということの意味は大したことではないという判断もいたしたわけでございます。
#21
○参考人(速水優君) 私自身の考え方、また先般の記者会見で申しましたことは、まとめて申しますと、要するに四月十日の政策決定会合で決めた背景となっております一つは、日本経済は持ち直しの動きが明確化している。二つ目には、このまま経済の改善傾向が続けばいずれこの極端な政策を解除する条件が整うであろう。三つ目は、日本経済は徐々にそうした方向に向かっていると見られるが、現在は企業部門の回復が家計部門にどのように浸透していくか見きわめるべき段階にあると。こういった考え方は従来と余り変わっていないわけでございまして、当面、ゼロ金利政策がいつ解除できるのか、民間需要の回復力を点検してよく見ながら判断してまいりたいというふうに考えております。
#22
○久保亘君 そこのところが、今、総裁がお話しになりました日本経済の現状をどう見るかということで、G7の中で日本と日本以外の国との間にそこの基本の考え方に違いがあるんじゃないでしょうか。
 共同声明の中では、日本経済は明るい兆しがあるが、内需の拡大という、内需回復というようなことではいまだに着実な回復を見ていないという意味で書かれております。それで、非常に希望的というか先行きが明るいという見方と、そうではないんじゃないか、まだこれからじゃないかという特にアメリカの見方との違いが、いろいろと日本側が主張したいことに対してアメリカやヨーロッパの国からは別の表現で押し込まれるということになっているのではないかと私は共同声明を見ながら感じたんですが、どうでしょうか。
#23
○参考人(速水優君) コミュニケにはっきり書かれておりますように、
  日本経済は、明るい兆しが見られてきているものの、民需の確実な回復には至っていない。マクロ経済政策が持続可能な内需主導の成長を支援することが重要である。当局は、ゼロ金利政策との関連で、デフレ懸念の払拭を確かなものとするよう、十分な流動性を引き続き供給することを決定した。潜在的な生産力の向上、及び金融セクターのリストラクチャリングを促すため、構造改革は継続されるべきである。
と、これだけの表現でございますけれども、このとおりではないかと私も考えております。
#24
○久保亘君 サマーズ長官が、G7が終わりました後の会見の中で、日本に対しては政策的に、つまり政府の努力で総力を挙げて内需の拡大をやってもらいたいという意味のことを言われたと報道されました。
 私は、アメリカ側から何か約束させられたということではないと思うんですけれども、アメリカ側の日本の経済運営に対する主張というものはかなり強く全体会議や二国間協議の中で出されたのではないかという気がしてならないのでありますが、大蔵大臣、どうでしょうか。
#25
○国務大臣(宮澤喜一君) 一昨年から昨年の推移を見ておりますと、確かにアメリカ側は非常に憂慮をしていたし、また我々にもそういう希望を述べておりました。
 ただ、経済がこれだけ変わってまいったことはもう明らかでございますから、アメリカとしてもなおそういう懸念というのはもちろん全く持っていないわけではない、それはIMF当局もアメリカもそういうことを言うわけで、ヨーロッパはちょっと違うかもしれませんが、ですからそういう気持ちを持ち続けておることは確かだと思います。
 ただ、度合いは、現実にはこういう状況になってきておりますから、前と同じようなことを言うことはない。ただ、文章にはそういうことが出ておりますけれども、もうこれですっかり問題は済んでしまったと言っているわけでもございません。しかし、これだけ随分変わってきましたから、その言い方と申しますか、先ほども申しましたように、二国間会議で余りそういうことに強く触れることはなかったということでございます。
#26
○久保亘君 ニューヨークの株の急落のときにちょうど会議がぶつかって現地におられて、そしていろいろな世界じゅうの国の財政運営にかかわっている人たちと同席されて、そこでこの株の急落について、アメリカのニューヨークの株の急落というのは、これは世界じゅうに速やかにというよりも直ちに影響が及んでいくわけでありますから、そういうことについていろいろ話をされたと思いますけれども、アメリカの株の急落というのはG7の各国はどういうふうにとらえているのですか。これは一時的な調整のあらわれと見ているのか、それともバブルの破裂という見方をしているのか、それはいかがなものでしょうか。
#27
○国務大臣(宮澤喜一君) 私自身は国会の御審議がありますので日曜には立ってきてしまったわけでございますが、私のそのとき持っておりました印象は、いずれにしても月曜に市場が開いたときに恐らく半戻しの状況になるのではないか。そういう意味で、月曜を見るといっても、これがさらに下落をすぐに続けるということではないのではないかということを自分としては予測をしつつ帰ってまいりました。現実に一応そうなったわけでございますけれども、各国の蔵相や中央銀行は、これについてだれも系統立った議論はできないわけでございますが、とにかく月曜を見てみないとわからないし、何事もそれからだというような雰囲気でございました。
 今、アラン・グリーンスパンのことについてお話がございましたが、彼自身は従来、殊にいわゆるナスダック系統と申しますか、そういう情報通信関連の新興株式の価格の推移については何度も警告を発しておった人でございますから、そういう意味では彼としてはある意味で予想されていた事態と考えていたと思います、それは当然のことでありますが。ただ、彼が言っておりましたことは、一遍ここでそういう調整があることは予想されたことだが、これで今までの一種のブーム的な状況の調整ができるのか、あるいはこれによって何か新しい、ニューエコノミーという言葉は使いませんでしたけれども、アメリカの経済に新しい何かが開けていくのか、そこは自分が読めない、当然でございましょうが、そこが一番大事なところだ、それは月曜を見てすぐわかることではなくて、しばらく推移を見ていないとわからないのではないか、そういうことを個人的には私に言っております。
#28
○久保亘君 速水総裁に、先ほどの続きになりますが、ゼロ金利政策について、私はゼロ金利政策はできるだけ早期に解除すべきという考えを持っているんですけれども、これは実際に日銀の立場から見てどういう弊害を持っていたと思われますか。
#29
○参考人(速水優君) ゼロ金利政策は、先ほども申し上げましたように、去年の二月の異常な危機的な状態の中で決定いたしまして、思い切って決めました危機対策でございますので、これは世界の歴史の中でも、資本主義経済において、たとえ翌日物であろうとも金を貸して金利をもらわないということは異常なことである、このことはおっしゃるとおりでございます。
 そういうものが長く続くといろんな面で無理が出てくるわけで、先ほども三つ申しましたけれども、金融市場が狭くなってきて資本主義的な金融取引というものがだんだん少なくなっていくことはやはり問題があるということ。もう一つは、一般の預貯金、庶民の金融資産の利回りが低いということは、彼らには随分苦労を、積み上げた貯蓄の運用が極めて低いという問題がある。財団なども同じだと思いますけれども、保険などについてもそういう問題が少し出始めているというようなこと。もう一つは、潤沢に超低金利で資金がどんどん出ていくということによって、今私どもが必要としている企業の構造改革が先延ばしされていくということになりますと、日本は結果としては競争力を失って力がなくなってしまうんじゃないか、そういうようなことがいわゆる副作用、デメリットとしては挙げられると思います。
 そういうものはよく注意して見ていなければいけないと思いますけれども、問題はやはりデフレ懸念の払拭が完全に展望できるかどうか、そこのところにまだいま一つ自信が持てないということで、それがはっきりするまで今のゼロ金利を続けさせていただきたいというふうに思っております。
#30
○久保亘君 くどいようですけれども、日銀でゼロ金利政策を解除するという判断を政策委員会がされるときの条件というのは、具体的にはどういうことでそれを判断されますか。
#31
○参考人(速水優君) いろいろな数字で何がどうなればといったようなものではなくて、デフレ懸念の払拭が展望できるまでという表現を使っておりますのも、民間の自律的な需要の回復、すなわち企業の収益がふえて、それが設備投資の増加といったようなものになって雇用がふえ、給与所得がふえ、家計が豊かになって消費が伸びていく、そういう流れになるんだろうと思います。
 その辺の消費の伸びというところまでまだ確認ができないものですから、これは消費者のマインドもあるし、現実にどういうものが新しく買われていくかというようなこと、消費が伸びていくかというようなことを確認するのはなかなか難しい問題ではあろうかと思いますが、そういうものを物価の動きとともに毎回の決定会合でよく議論をし、討議を重ねてまいりたいと思っております。
 大事なことは、昔の日本銀行の金融政策と違いまして、今はただ銀行だけを相手にするのではなくて、むしろ相手にするのは不特定多数の市場でございます。その市場はまた世界全体につながって二十四時間動いているわけでございますから、その辺のところは、突如政策を決めるということはかえって市場をおどかすだけで混乱が起こる可能性もあるといったようなことから、できる限り市場に私どもの今の考え、何を問題にしているかということをよく説明する。コミュニケーションと言われておりますけれども、このコミュニケーションを私どもはこれからもっともっとやっていかなきゃいけないというふうな課題を抱えて努力いたしておるつもりでございます。どうぞその辺のところはよく御理解いただければありがたいと思います。
#32
○久保亘君 総裁、ありがとうございました。
 本題の方の法律についてお尋ねをいたします。
 証取法を改正して、証券取引所を今の会員制から株式会社化することが可能となるという改正案でありますけれども、このことは今の会員制よりも株式会社方式をとった方が証券取引上あるいは金融商品の取引上非常に有効であるということだと思うんです。これは櫻井議員が本会議で詳細に質問をされておりまして、そのことに対する大蔵大臣の答弁もお聞きしましたし、また議事録も読ませていただきました。
 そこで、端的に言いまして、今これを急いで株式会社化しなければならないメリットというのは、国際的な資金調達の多様化の時代であるとか、情報技術の進歩に伴っての変化に対応するものだというような説明でありますけれども、それだけではなくて、取引所の運営上そうしなければならない状況というものが差し迫っているのかどうか、それはどうなんですか。
#33
○国務大臣(宮澤喜一君) 証券取引所、殊に東京証券取引所の形態につきましては、昭和の初めから戦前、戦後にかけましていろいろな変化がございました。
 昭和の初めごろからのことを思いますと、東証の理事長というのは財界の俗に言う大物がしておられて、そうしてある意味で自由経済の取引の中心になっておったと思います。そのころのことをいろいろ考えますと、これは我が国だけではございませんで、アメリカなんかにおきましても、証券取引所というものはある意味で非常にパワフルなところでもあるし、かなり経済動向にいろいろな影響を与える存在であったことは久保委員も御承知のとおりですが、今と恐らく違いますのは、かなり取引所というものの公的性格というものがはっきりしてきて、これがいろんな個人的な影響力というものから自由になってきたということまでは大きな変化であったと思います。そういう変化が完成いたしましたから、したがって取引所自身はそうなればもっと経済情勢に自由に対応できる民間組織になってもいいのではないかという問題意識がもう一遍出てきたものと考えております。
 殊に、その主たる理由の一つは、今、久保委員の言われましたように、ともかく非常に膨大な取引になり、新しいシステムが起こり、そのためには金も要る、いわゆる役人的組織ではなかなかこれに対応できないということが私は基本の問題であろうと思います。一種の公共的な性格というものはもう確立いたしましたから、そっちの方のことは余り心配する必要はない、むしろ自由にニーズに対応できる制度にした方がいいということがいわゆる会員制という制度を株式会社にするということを推進した基本的な原因ではないかと思います。
#34
○久保亘君 世界じゅうの証券取引所で株式会社化している主なところはどういうところがございますか。
#35
○政務次官(林芳正君) お答えを申し上げます。
 諸外国で証券取引所の株式会社化を図る動きが急速に広まっておるところでございますが、主なところということで申し上げますと、昨年に入りましてからニューヨークが株式会社化の計画を発表しております。それから、ロンドンにつきましては、これは本年の三月十五日でございますが、既に株式会社化しておりますけれども、今まで会員しか株式を持たないということになっておりまして、これを本年の三月に会員以外にも株式を開放するということについて会員の皆様の同意が取りつけられておるということでございます。そのほか、オーストラリア、アメリカン、トロント等、諸外国でどんどんとその動きが委員御指摘のように広まっておるというところでございます。
#36
○久保亘君 この法案の説明並びに本会議の答弁等を通じて非常に問題になることがあるんです。
 一つは、株式会社化する場合に公共的機能を失うようなことになってはいけないので持ち株の五%制限条項を入れたんだというのがございますが、これは会社方式をとった場合には五%制限条項によって公共的機能の発揮が可能となりますか。それから、株式は今の取引所の会員以外にも開放されますか。それはどうなんでしょうか。
#37
○政務次官(林芳正君) 今、五%のルールについてございましたが、委員御指摘のように、今度の法案の百三条の三項二号というところで五%ルールを定めております。これは少人数の人でたくさん株を持ってその人たちに都合のいいような運営をしないようにということでこういう保有制限を定めておりまして、条文にもその本人と親族や親子会社で実質的に支配関係のあるということで商法に定めがございますが、こういうものについてもこの五%に含めるということにしておりまして、実効性を担保してございます。
 こういうルールを定めまして、それから後段のお答えには、一応、法的にはそういう枠組みはございませんが、あとはそれぞれの取引所において御判断をされるということになろうかと思います。法律にはそういう定めはございませんので、だれでもそういうふうに持てるようになるということでございます。
#38
○久保亘君 そうすると、五%の制限条項というのと株式は会員以外の一般にも公開されるということとの間は、公共的機能の発揮という目的でそういう制限を加えるという考えに立っておるとすれば、それは矛盾を生ずることはありませんか。
#39
○政務次官(林芳正君) 今おっしゃったところは非常に悩ましいところでもございます。株式会社にしていろんなメリットを追求する一方で、やはり取引市場という公共性がございますので、それをどうやって担保していくのかという御質問だと思います。
 そこで、いろんなことを仕組んでおりまして、会員組織と同じように取引参加者にルールを遵守させるという自主規制機能を担わせるということにして、市場については免許でこれを許すということにしておるわけでございます。それから、証券取引所が倒産しちゃったら困るわけでございますから、そういう意味から、財務の健全性を担保するということで最低の資本額を決める。それから、株式会社ではございますけれども、証券取引所の業務についてはこの範囲に限定して、市場の開設及びこれに附帯する業務しかやってはならない、こういうような規定を設けております。それから、今、先生が御指摘の五%ルールということで、株式会社になっても公共性はきちっと担保できるような仕組みが入っておるということになっておるわけでございます。
#40
○久保亘君 取引参加者にルールを守らせる、それから自主規制の手段を明確化させるということがこの法律をつくるに当たっての主要な目的のように書かれておりますけれども、取引参加者がルールを守るというそのルールというのはどういうものでだれがつくるのか。それから、参加者の自主規制を明確化させるという内容はどういうふうに考えておられるのか、どこでそういうものは決めるんですか。
#41
○政務次官(林芳正君) 先ほどちょっと言葉足らずでございましたが、株式会社化をするときには、自主規制機能、今、委員が御指摘になりましたこの機能をきちっと発揮してもらわなければなりませんから、取引の参加者が取引所の定める自主ルール等を遵守しなければならないということ、それからさらに進んで、自主ルールに反した場合はきちっとこの取引の参加者に対して制裁措置を講じるという旨を定款に定めるようになってございます。
 なお、今の法律では、この自主ルール等に違反した取引の参加者、今は会員組織でございますが、これに対して制裁措置をもし取引所が講じなかった場合は行政当局が免許取り消し等の処分を行えることになっております。今度はこの免許を会社に対してではなくて市場を開設することに対して与えるということになりますけれども、そういった場合の免許の取り消しというのは新しい法律のもとでも生きておりますので、免許の取り消しという処分もあり得るということで担保をするということになってございます。
#42
○久保亘君 自主規制と言う以上はその参加者の間で決めると。そうすると、定款の中にそれを書き込むわけですか。それから、これに少なくとも官がいろいろ介入するということはありませんね。
#43
○政務次官(林芳正君) 介入というお言葉がどういう御趣旨かあれでございますが、申し上げましたように、最初に定款を定めるときにきちっとそういうルールを定めなければならないというのが法案の八十七条だったと思いますが書いてございまして、その定款どおりやってもらえればいいわけでございますけれども、その定款に反して、例えば先ほど申し上げましたような制裁措置がきちっと定款に書いてあるにもかかわらず行われない場合は先ほどのような処分もあり得るということでございます。
 それから、定款を変更する場合は、これは最初に定款を出したときにとっている手続と同じように行政の認可事項ということになっておりまして、その意味では定款の変更については行政がタッチをしておるということになるわけでございます。
#44
○久保亘君 そうすると、株式会社化される場合、日本では最初は東証がそういう方法をとられるんだと思うんですが、大体いつごろ株式会社化されますか。その見通しはどういうふうになっておりますか。
#45
○政務次官(林芳正君) 我々がどういう見通しを持ってというのはなかなか申し上げることが難しい状況であることは委員もおわかりでございますが、まさに先ほど大臣からお答え申し上げましたような状況の中で、なるべく早くやりたいというように東証なんかもおっしゃっているようでございます。
 ただ、正会員が今おられますから、その中で正規の手続を東証としてとられて、その上で株式会社に移るというふうに承知をしておるところでございまして、いつごろかという見通しは今の段階でなかなか申し上げることは難しいということでございます。
#46
○久保亘君 大蔵大臣、金融商品の販売等に関する法律が提案をされているわけですけれども、これは結局、こういう金融商品に関する知識においてアマとプロでは差がある、そういうところで問題がいっぱい起きてくるわけです。変額保険についても抵当証券についてもみんなそういうことで起こってきたことなのでありますが、今度のこの法律を制定することによって、今まで非常にたくさんのトラブルが起きているようなものはおさまるというふうに見てこの法律を提案されておりますか。
#47
○国務大臣(宮澤喜一君) おっしゃいますように、金融商品の販売につきましてはまことにトラブルが多い。おっしゃいますように、それもプロたちとそうでない人に対して、プロたちについてはプロたちの問題はあると思いますが、これはプロの世界であって、アマの世界に対してその呼びかけがあって、販売業者が十分な説明をせず、むしろミスリーディングな説明をすることによって素人が思わぬ害を受けるということがおっしゃいますように大変多いわけでございますから、そういう意味で、販売業者の説明義務をきちんとしておいて、そしてその説明に欠くるところがあればそれは販売業者に責任があると。
 しばしば訴訟になっていくわけですが、その場合の挙証責任というようなものが難しいわけでございますから、販売業者に一定の義務を課して、その義務を履行していないときには販売業者に責任がある、そういうことをきちんとしよう、こういう目的を持つものでございます。
#48
○久保亘君 それはよくわかりますが、この法律によって、トラブルが全くなくなることはありませんけれども、非常に少なくなる、それは確信が持てますか。
#49
○国務大臣(宮澤喜一君) 従来の例が、それは聞いていなかったとか、言っていましたとかいうやりとりになることが大変多いわけでございますから、販売業者に説明義務というものを類型的ではあるけれどもきちんと課して、そして相手にそれが常識的にわかるような説明をしていると。ただ紙を一枚これですといったようなこともいけないわけで、そういう義務を課すということで少なくとも、それでも言った言わないという問題は起こり得ると思いますけれども、一般的に大変ありますような十分な説明をしていなかった、いや、しましたという、そういうところは挙証の問題というのがかなり楽になってまいりますので、したがって紛争の起こるケースというのはかなり改善できるのではないかというふうに私どもとしては期待をしておるわけであります。
#50
○久保亘君 これこそ、売る側、いわゆるプロの業者の側が金融商品を売る場合にどういうモラルが必要かというようなことについてきちんとしていなければ、法律が何本かできてみたって犯罪が絶えたわけではありませんから、非常に問題があるんです。実際に営業の一線に立つ人たちというのは、会社のノルマも課せられるし、一生懸命自分のノルマを果たすために仕事をしようとするわけです。だから、悪意と善意というものは必ずしも仕分けできるものでもありません。
 それから、何かこういう規制を加える、罰則をつくるということも一つ必要なことであろうと思いますけれども、それ以外に、この問題については何かこういうトラブルが発生しないようにしていく方法というものを検討されるべきではないかと思いますが、それは検討されたことがありますか。
#51
○政務次官(林芳正君) 今回の法案に入っておらない中身で何かほかに検討しておるものがないかという御趣旨だと思いますが、金融審議会におきましては、今回は間に合わなかったわけでございますけれども、裁判外の紛争処理の制度というものについても検討をしておるところでございます。この夏前に最終的な報告をまとめようということでございますから、それに向けまして、これはいろんな問題が絡むことでございまして、それにつきまして鋭意検討をしていただいているという状況でございます。
#52
○久保亘君 今、政務次官が答えられたことについては、本会議の大臣答弁でも述べられておりますね。これで十分とは思わないので、今後これにつけ加えるべきもの、見直すべきものがあると思う、そういうことについては考えなければならぬし、必要だろうという意味の答弁をなさっております。
 そうすると、今この法律のスタートの段階のところで検討できるものがあれば、やはり今考えられる完璧なものにするという努力が必要だと思うんですが、現在はこれが精いっぱいということですか。
#53
○国務大臣(宮澤喜一君) この点は本会議のことがございましたので私から申し上げますけれども、今までのトラブルの大部分は業者の説明が不足であったとか不十分であったとかいうことが一番大きいケースでございますから、とりあえず利用者保護のために業者側に説明義務があるということ、そして説明義務を怠った場合の挙証の問題等々をこの法律で定めますならば、そういうケースにおける利用者側の被害あるいは挙証義務というものはかなり軽減されてその損害の処理に貢献するだろうと。ここは多分それで間違いないと思います。
 ただ、そこで裁判外の紛争処理制度というものがまた要るわけでございますけれども、その制度の整備が十分にできていない。司法制度あるいは裁判を受ける権利との関係、実施主体のあり方、整備、多くの問題が残っております。残っておりますので、これもやらなければ答えとしては完結しないわけでございますから、金融審議会でそれを引き続き検討してほしいということを言っております。
 これを待っておりますと一国会逃すことになりますから、とりあえず一番起こっているケースについての処理だけをまずやろうと。したがって、今おっしゃいましたような問題を後へ残しておりまして、それが私が答弁を申し上げました問題でございます。
 できるだけ早く審議会でこの複雑な問題についての結論を出してもらって立法化をすべきものだというふうに考えております。
#54
○久保亘君 この法案は今求められている課題にこたえようとされているものだと思いますが、これは今後見直しや、実際に起こってまいります問題を通してどうやってつくり直していくかというようなことが非常に重要だと思いますので、これらの点について今後も検討されるように希望をいたします。
 法案からまた離れてお尋ねいたしますが、二千円札の発行はいつになりますか。それから、この二千円札の発行がもたらす影響は、財政、金融、経済と言ってもいいでしょうが、そういう面にわたってどのような影響を及ぼすんでしょうか。
#55
○国務大臣(宮澤喜一君) 二千円札の発行は、御承知のような経緯で、小渕前総理がイニシアチブをとられまして、通貨当局ともいろいろ相談の上、既に準備を開始いたしておるわけでございますけれども、いつということをまだ決定しておりません。
 ある程度の数量は必要でございますし、もともとが沖縄のサミットが開かれるときには沖縄の方々はもちろん国民の皆さんに使っていただこうと考えておるわけでございますので、そのスケジュールに狂いは今ございませんけれども、いつということをまだ確定できずにおります。
 それから、これが経済状況に与える影響でございますが、既に一万円札というものはあるわけでございますし、今、二十という数の札というのが比較的、二十ドルといったようなことでございますが、使い勝手がいいということは前から言われておりますので、二千円札が発行されることによって経済に何かの大きな影響を与えるということは私は多分ないのではないかというふうに考えております。
#56
○久保亘君 五千円と千円との間の札が出てまいりますと、どちらが影響を受けますか。五千円の方ですか、千円の方ですか。
#57
○国務大臣(宮澤喜一君) 便宜、理財局長が答えてよろしゅうございますか、ちょっと専門的なことですので。それとも私から申し上げなきゃなりませんか。
#58
○委員長(平田健二君) 大臣からお願いします。
#59
○国務大臣(宮澤喜一君) 専門家の意見によりますと、千円の方が影響を受けると考えているそうです。
#60
○久保亘君 千円の方が影響を受けるということはインフレに道をあけることになりませんか。
#61
○国務大臣(宮澤喜一君) 多分そうはなるまいと思われますし、先ほども御議論がございましたが、デフレギャップが心配されておるということでもございますから、そういろんな大きな悪い影響があろうとも思っておりません。
#62
○久保亘君 消費税が導入されますときに、ある種の商品で二千円の品物をどういう正札にした方が売りやすいか買いやすいかということを研究をした人がおりまして、それで二千円という札が出ると、やっぱり二千円が一つの単価になりやすいんです。これはやっぱり物価の上昇につながりやすい。今まで千円札で買えたものが一気に二千円になるということもあり得るわけです。それで、これがどういう意味を持つんだろうというのがわからないという人もかなりいるんです。
 二千円札を出せばやっぱりこれは明るい材料ということで、そういう面も私は否定はいたしません。この二千円札が出た場合にどういう消費動向につながるのかということなどはこれから相当研究してみなければならない問題ですが、そうするとこれはまだ印刷には入っていないのですか。
#63
○国務大臣(宮澤喜一君) まず、一万円札というものが既に出ておりまして、それは昭和三十三年だそうでございます。したがって、それ以後随分長いこと新しい札を発行していないことになりますが、一万円札が上にあるということが一つだと思います。
 それから、専門家によりますと、おっしゃいますように、千八百円のものが二千円に切り上がるかもしれないが、二千二百円のものは二千円に切り下がるかもしれない、そうかどうかわかりませんが、専門家はそういう見方もしておるそうでございます。
 印刷にはまだ取りかかっておらないそうでございますが、既に沖縄のサミット以前に発行するための準備は順調に進んでおるというふうに聞いております。
#64
○久保亘君 時間が少しありますので、ペイオフの延期について伺います。
 政府としては今回行われた延期をさらに延ばすということはありませんでしょうね。
#65
○国務大臣(宮澤喜一君) 全く考えておりません。
 と申しますのは、長くならずに申し上げなければなりませんが、従来、信用組合というものは政府の監督下になかった、この四月から初めてその内容を政府の銀行検査の対象にするということで、これが初めてのことでございますが、そうなりましたら、これは政府の金融システムの中に信用組合も入れた方がいいのだろうという判断がございました。
 ただ、ことしの四月からでございますから、検査をして、三百近いものがございますので、リタイアするもの、あるいは早期是正するもの、資金援助をするもの、そこまで仕分けをすると来年の三月には間に合わないのではないか。金融監督庁は一生懸命やると言っておられましたが、ちょっと無理かなということがございましたので、それでは一年だけ延ばさせていただこう、こういうことでございます。それによりまして信用組合も金融システムの中に今度は政府の監督を受けて、検査を受けて入るということでございますから、それでこの制度は完了いたすものと考えております。
#66
○久保亘君 宮澤大蔵大臣が首相経験者として大蔵大臣を引き受けられますときに、国民の間には非常に期待した向きも多かったのでありますが、今、私がぜひ伺っておきたいことは、財政再建、二兎を追うという話もありましたけれども、この財政再建の問題は全く待ったなしのところに来ているのではないか、こう思っております。宮澤大臣の時代に財政再建の問題にどういうふうに取り組まれるでしょうか。
#67
○国務大臣(宮澤喜一君) バブルから崩壊にかけましての一九八五年ぐらいからの十五年と申し上げたらよろしいかと思いますけれども、今、苦しみの中で我が国はこれで初めて二十一世紀に向かって世界の先進国として生きていける変化を経験しつつあるのではないかというふうに考えています。
 その苦しみもコストも非常に大きゅうございますが、これで初めて二十一世紀に向かっていけるという思いの中に、その一番大きいのはおっしゃいますように財政改革でございます。そのことを考えますと、税制をどうするか、また地方、中央の行財政の関係をどうするか、あるいは社会保障制度、介護にしても年金にしても医療にしても福祉にしても実際は何にもちゃんと決まっていないような状況で、福祉と給付との関係が安定していないわけでございます。
 そういう問題を考えていきますと、財政改革というのは全部に近い日本の経済社会のあり方を考え直すといいますか、新しくつくることにつながらざるを得ないのではないかというふうに思っております。そのためには、やはりそのためのマクロモデルであるとか、いろいろなことを時間をかけてもいいからやりまして、国民の選択を仰ぐということにならざるを得ないとひそかに思っておるところでございます。
 それは経済成長が軌道に乗ったら直ちに、少なくともそのモデル等々は相当時間もかかることでございますから、しなければならないのではないかと、行政改革もございますからと、これは自分が勝手にひそかに思っていることでございますが、それに至りますまでに、まず来年度の、平成十三年度の国債発行額を何とかして十二年度より減らしたいということを念願しております。
 こういう緊急策が盛り込まれておったわけでございますから、それが入り用がなくなればその分だけは国債発行額はいっときは少なくも減らせるはずである。福祉等々のことを考えますと、それは今も申し上げましたような新しい改革につながらざるを得ませんが、今のままの国債発行がこのまま平成十三年度にふえないように、少なくともそれは減らすことができたというぐらいは何とかやってまいりたいという念願を持っております。
#68
○久保亘君 終わります。
    ─────────────
#69
○委員長(平田健二君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、続訓弘君が委員を辞任され、その補欠として海野義孝君が選任されました。
    ─────────────
#70
○委員長(平田健二君) 理事の補欠選任を行います。
 先ほど、欠員中の一名の理事につきましては、後刻、委員長が指名することになっておりましたので、理事に海野義孝君を指名いたします。
 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午前十一時三十分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十六分開会
#71
○委員長(平田健二君) ただいまから財政・金融委員会を再開いたします。
 証券取引法及び金融先物取引法の一部を改正する法律案、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律等の一部を改正する法律案及び金融商品の販売等に関する法律案を議題とし、休憩前に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#72
○海野義孝君 公明党の海野でございます。
 公明党・改革クラブを代表して質問いたします。
 その前に、去る三月三十一日に噴火いたしました北海道の有珠山につきましては、約三週間経過しましたけれども、まだ噴火の兆候が続いております。地元住民の約七千余の方々につきましては、まだ仮住まいにおいて日夜不安な日々を送っていらっしゃることに対しまして、心からお見舞いを申し上げると同時に、ほぼ同時期におきまして病に倒れられました前総理小渕先生につきましては、目的の半ばにおいて倒れられたということで、喫緊の多くの国家の諸課題について大変気になさりながら後事を託されて、今闘病されている最中でございます。一日も早く快癒されることを御祈念申し上げると同時に、私ども与党としましても、一日も早く多くの懸案の課題を消化する、そして前総理にも安心していただくように頑張ってまいりたい、このように思う次第でございます。
 本日は金融三法案についての討議ということでございますが、これはもう皆様方も御案内のとおりで、いずれも金融インフラについての整備の問題でございます。一昨年、ビッグバンが始まり、昨年の四月には外為法が自由化され、その後ペイオフの問題等々多くの問題を抱えると同時に、最近の卑近な例では株式市場の大変な動き等を初めとしまして、金融問題をめぐる問題は国内のみならず国際的にも大変大きな問題に上がっているわけでございます。今回のこの三法案は、十分とは言えませんが、まさに金融のインフラ整備、金融関連法案のトリに当たる重要法案であろう、このように考える次第でございます。
 そこで、まず大臣にお聞きしたいのでございますけれども、今回の金融商品の販売等に関する法案の立案に至った経緯、そしてその主たる目的、またこの中心の課題というか問題は何であるか、こういった点についてお聞かせいただきたいと思います。
#73
○国務大臣(宮澤喜一君) 最初に、小渕前総理に対してお見舞いのお言葉をいただきまして、閣員の一人としてお礼を申し上げます。
 次に、この法案の背景についてお尋ねがございました。
 ただいまお話のございましたように、金融のビッグバンということはまさに金融体制そのものの自由化、したがってそれは自由な競争が行われ、多くの金融商品が生まれるということにほかならないわけでございます。
 顧客といいますか消費者から申しますと、従来、護送船団のような体制のもとに保護されていた、いろんな意味で保護されておったと思いますが、同時にしかし選択の余地も大変少ないという状況であったわけでございますけれども、それがこのたび自由化され、競争が激しくなり、たくさんの商品が提供されるという中で、消費者は賢い選択をしなければならないということに当然なります。消費者に対する従来の全体的な護送船団というような保護はなくなってくるわけでございますから、消費者自身が選択をしなければならないということにならざるを得ないということでございます。
 しかしながら、消費者が常に商品について正しい知識を持っておるということは期待しがたいことでありますし、他方で、競争する供給者からいえばできるだけたくさんの需要者をかち取りたいということでございますので、勢い需要者に対して周到、丁寧な説明をするということについて、本当ならばそれがなければおかしいわけでございますけれども、欠くるところがありやすい、そういう新しい世の中が展開してまいったと申し上げることができると思います。
 この法案は、そういうことを背景といたしまして、金融サービスに関する基盤整備といたしまして、そういう金融商品の販売等についての顧客、お客さんができるだけ思わざる危険に遭遇しないように保護を図るために、金融商品の販売業者はお客さんに対してできるだけ十分な説明をしなければならないということ、その説明を明らかに怠った場合には、その結果損害が生じますればその責任は供給者の側にあるということ、それからお客さんをいろいろ勧誘するのは当然でございましょうけれども、その勧誘のあり方についても常に情報は正しくなければならない、お客さんをミスリードするようなことは許されないといったような点につきまして定めまして、それによって新しい時代における顧客が選択を誤らないようにということを規定したものでございます。
#74
○海野義孝君 大変詳しく御説明いただきました。
 現在、経済・産業委員会におきましても同時並行で消費者契約法の質疑をやっているわけでございますが、この金融商品販売法と消費者契約法との関係といいますか、どちらがどうすぐれているとか、あるいはそれぞれの法案においてのポイントであるとか、そういった点で御説明いただければと思います。
#75
○政務次官(林芳正君) 今、委員から消費者契約法との関係ということでございますが、どちらがよくてどちらが悪いということは全くないわけでございます。
 消費者契約法案の方は、事業者と消費者との契約全般について、事実と異なることを言ったり、不確実なことについて、必ずもうかりますよとか、そういうような断定的な判断を提供した場合等、悪質な作為があったという場合に契約の取り消しができるということでございまして、民法の頭の方にあります意思表示の方の特則という位置づけでございます。
 一方、今御審議を願っております金融商品販売法案の方は、大臣からも今ありましたように、特に金融商品の販売を対象と限りまして、業者がリスク等の説明をしなかった場合、不作為でございますが、これによってもし損害が生じた場合には損害賠償の責任を負うということで、民法の後の方でございます、不法行為の特則ということでございます。
 したがいまして、両法案はどういうときに適用されるかという要件、それからどういった効果があるかということも異なっておりますので、両方に該当する場合はもちろん両方とも適用があるということも可能でございますが、そういうような関係になっておるわけでございます。
#76
○海野義孝君 後ほどまたお聞きしますけれども、私は金融商品販売法は大変すぐれているということをちょっと申し上げたいと思うんです。
 この法案は金融商品の多様化に対応して顧客保護の統一ルールというものをまとめたわけでありますけれども、消費者契約法案は消費者契約を対象にしているわけでして、業者が顧客に対して契約内容を説明することを努力規定にとどめているということであります。本法案では契約内容の説明を義務化し、国民の財産に直結する金融取引に厳しい監視の目を光らせる姿を明確にしたという点で大変評価されるべきものであろうということの御回答があるかと私は期待したわけでありますけれども、御遠慮なさったんじゃないかということでございます。
 ではこれで十分かということですが、金融審議会にいろいろな部会がありまして、そこでのいろいろな答申等も拝見しておりますと、まだ残されている問題もあるかと思いますので、ちょっとここで確認をしておきたいわけであります。
 いわゆる日本版の金融サービス法という構想があるわけでございますけれども、これに対してこの金融商品販売法の位置づけといいますか、これをどういうふうに評価したらいいかという点についてお聞きしたいと思います。
#77
○政務次官(林芳正君) 委員も御専門でいらっしゃいますから、金融審議会等の状況にも今お触れいただきましたけれども、審議会におきましては、まさに二十一世紀を展望した新しいルールの枠組み、インフラということで、今までの縦割りの規制というものから機能別な規制に転換するというような観点に立ちまして、委員がおっしゃいました日本版の金融サービス法というものを整備していこうということで鋭意検討をしておるわけでございます。今回はその中で、後ほど御質問もあろうかと思いますが、SPC法等の改正、それから今御質疑いただいております利用者保護のために必要な説明義務とその民事上の効果、販売・勧誘ルールでございますが、この二つにつきましては昨年の十二月に議論がまとまったわけでございます。
 そういうことで、今この二つにつきまして国会に提出をさせていただいておるところでございますけれども、まさに委員がおっしゃるように、先ほど来いろいろ議論が出ておりますように、これに加えて裁判外の処理の制度ですとかということをさらに検討していくという道筋に金融審議会でもなっておるわけでございまして、そういうものが相まちまして委員のおっしゃるような日本版金融サービス法というものが徐々にそろってくるというふうに考えておるところでございます。
#78
○海野義孝君 一般商品等の取引についてもそうでありますけれども、これからの金融商品の取引に関しましてはやっぱり自己責任ということが重要だろうと思うわけであります。
 そういう自己責任を貫徹するためには、やはり業者と投資家との間でのそういったギャップをなくしていくという面で法案においていろいろ規定を盛り込んでいるということでございますけれども、金融商品とはそもそも何ぞやということと、今後また金融商品というものが拡大していくかどうかというようなこともあるわけです。
 その議論は先般日出先生がおやりになっていましたからあえてきょうは申しませんけれども、金融商品というのは仕組みがだんだん複雑になってきている、難しくなってきている。それは金融工学の長足の進歩等によりましてこういった金融商品につきましてもどんどん新しいものが開発されていく、こういうことでして、そうなりますと、商品の仕組み自体が難しい上に将来予測の要素が加わってきますと、やっぱりそこには先ほど申し上げたような個人利用者と事業者との間に大きな情報のギャップがあるわけで、これはますます今後も大きくなっていく可能性すら考えられるわけでございます。
 そういうようなことでありますけれども、事業者と利用者とがお互いに自己責任を持ちながら金融サービスの果実を享受できるような社会を目指していくという観点から、少し細かな質問で恐縮でありますけれども、お聞きしておきたいと思うわけでございます。
 まず、事業者及びそこに働く従業員の自己責任の問題、こういったことについて何点かお聞きしたいと思うんですが、金融商品の設計内容について、その開発している企業の役員もしくは管理者はどの程度まで理解しなければならないと考えられるか、また業者は金融商品の設計についてどの程度の責任を負うのかといったことについてお考えをお聞きしたいと思うんです。
#79
○政府参考人(福田誠君) お答えいたします。
 業者の役員や管理者が金融商品の設計内容についてどこまで理解すべきかというお尋ねでございますが、これは顧客の保護の立法でございますので、役員や管理者の方が実際に金融商品の販売等に従事する場合には、その商品の設計内容に関しましても最低限この法案にございます重要事項として規定されている程度までは理解している必要があると考えられます。
 また、本法案におきましては、事業者が業として金融商品の販売等を行っている以上、その役員や管理者が金融商品の販売等を行う際の先ほど来出ております説明義務違反については事業者が責任を負うということになるわけでございます。
 ただ、本法案は、金融商品の設計そのものが例えばハイリスクである等の理由で、そのことをもって業者に責任を負わせるというものではございません。念のため申し上げます。
#80
○海野義孝君 よくわかりました。
 この法案の条文の中にいわゆる重要事項というところがございますけれども、先ほども大臣もお触れになりましたが、重要事項の説明を経て業者と投資家の間で契約された場合に、その金融商品のリスクはすべて投資家に移転した、このように考えてよろしいのでしょうか。
#81
○政府参考人(福田誠君) お答えいたします。
 先ほど御説明がございましたように、本法案は、金融システム改革によりまして今後ますます複雑で多様なリスクを持った商品が登場してくるということで、一般の投資家が自己責任原則に基づいて投資を行えるようにするために、販売業者が金融商品のリスクを適切に説明することを義務づけているわけでございます。
 したがいまして、この法案の規定に基づいて重要事項の説明を経て契約が行われた場合には、その重要事項に含まれるリスクについては顧客に移転されるというふうに考えております。
#82
○海野義孝君 書面の交付をしましたら重要事項の説明義務を担保した、このように言えるんでしょうか。重要事項を書面に盛り込み、それを事業者が投資家に渡した場合に、それによって重要事項の説明義務を担保した、このように理解してよろしいのでしょうか。
#83
○政府参考人(福田誠君) 大変重要な点でございます。本法案は実は販売業者の説明義務を類型化して明示しておりますが、具体的な説明の方法につきましては特段の規定は置かないこととしております。
 これは、説明方法を法定いたしますと、逆に形式的な要件のみを満たしていれば説明を行ったとみなされて違法性が認定されないという可能性がありまして、結果的には顧客にとって不利益となるおそれがあると考えられるからでございます。
 したがいまして、本法案におきましては、あくまで説明が実質的に行われることが必要であると考えておりまして、書面の交付も大変有用ではございますが、交付をすれば重要事項の説明義務を果たしたことには必ずしもならないということでございます。
#84
○海野義孝君 大変重要な問題でして、これはいろいろ論議があると思いますけれども、時間が限られた中で三法案についてとりあえずいろいろとお聞きしたいと思いますので次に進みます。
 金融商品の販売員は金融商品の仕組みをどの程度まで理解、習得しなくちゃならないと考えられるかということでございます。というのは、販売員の誤認識により誤った説明がなされた場合に事業者はその責任を負う、そのように考えていいのかどうかということです。業者に問題があって、十分にそれが投資家に伝わらなかったということによって、その誤認によって契約し、その結果、後にいろいろな不利益をこうむることに相なるというような、要するに販売員が商品について十分に成熟していないという場合の責任の問題について。
#85
○政府参考人(福田誠君) お尋ねは販売業者とその販売員の関係でございますが、プロとして金融商品を販売する業者につきましては、説明義務の対象とされた金融商品の重要事項について当然知っているべきでございまして、知り得なかったことによる免責を許すべきではないという考え方に基づいておりまして、説明義務違反があった場合は、不法行為の特則としまして、業者の故意、過失を問わない無過失責任として規定しております。
 したがいまして、業者に所属する販売員は商品の仕組みに関しましても最低限本法案に重要事項として規定されている程度までは理解している必要がございます。その結果、もし販売員の誤認識により誤った説明がなされた場合などは、そのような販売員を使って金融商品を販売し説明義務違反があった以上、事業者の段階で顧客に生じた損害を賠償する責任を負うということでございます。
#86
○海野義孝君 どうもありがとうございました。
 今と同じような関係の質問になりますけれども、販売員が勝手に重要事項の説明を省いた場合でございますが、その場合に、事業者がその責任を負うと考えられるか、販売員個人に対して損害賠償請求を起こすことになるのか、その点はいかがでございますか。
#87
○政府参考人(福田誠君) ただいま御指摘の点も大変重要でございまして、実際の裁判例では、資力の観点などからも、その販売員でなくて業者の責任が追及されることが多いわけでございますので、所属する販売員が説明義務違反をした場合においては販売員でなく業者が直接責任を負うということで本法案はできております。
 一方、業者の販売員が独立した業者としての立場にない限り、そうした者個人、販売員個人が本法案による損害賠償責任を負うことにはこの法案によってはなりませんが、販売員個人に対する責任追及は民法七百九条等の一般法で対応が可能でございます。
#88
○海野義孝君 自己責任問題についてもう一問お聞きしたいと思います。
 事業者と利用者の自己責任ということに加えて、その従業員の自己責任も問われるということがあるわけですが、例えば事業会社の上司の命令をうのみにした結果、利用者に損害を与えた場合、従業員の責任はあるのかないのか、この場合は上司に責任があるのか、この辺についてはいかがでございますか。
#89
○政府参考人(福田誠君) 会社におきましては、従業員は往々にして上司の命令をうのみにするというようなことはありがちでございますので、先ほどと同じ答弁になりますが、業者が直接責任を負うという体系になっております。
 したがいまして、従業員等の責任につきましては、民法の一般原則に基づきまして、顧客からの損害賠償請求が可能であり、また業者からの求償権もあるということでございます。
#90
○海野義孝君 引き続き、金融商品販売法に絡んであと一、二問お願いしたいと思います。
 条文の中に重要事項として四つほどありましたけれども、元本割れのおそれの問題等がかなり重要なものとして述べられているわけです。元本割れのおそれとか価格変動のリスク、そういったものが指摘されていますけれども、取引に係る手数料あるいは税金、それから商品の仕組み、中途解約時の注意事項、こういったことについては重要事項として盛り込まれていないんじゃないかというふうに思いますが、この辺についてのお考えはどうでございますか。
#91
○政府参考人(福田誠君) お答えいたします。
 この法案は、損害賠償の前提となる説明義務を類型化、明確化するものでございまして、したがって個々の金融商品ごとにその仕組み、特性や複雑性等の実情に応じて説明すべき重要事項が判断されることとなるわけでございます。
 本法案におきましては、元本欠損が生ずるおそれがある旨及びその原因となる事由等を説明すべき重要事項として規定しております一方、今御指摘の例えば取引に係る手数料とか税金とか商品の仕組み一般とか等々につきましては直接説明事項として明示はされておりませんが、法律の基本構成が説明義務違反があれば損害賠償というふうな仕組みでございますのでそのような立法体系になっておりますが、結局、重要事項の説明を行う際に、重要事項に密接に関連する部分につきましては、当然その重要事項を説明する必要性があり、当然説明されることになるのではないかというふうに考えておりまして、法律上明定されておりませんが、重要事項に係るその他の事柄も説明の際には当然含まれてくるのであろうというふうに考えております。
#92
○海野義孝君 インターネット取引についてでございますけれども、これの対応についてお聞きしたいと思います。
 例えばネット上で重要事項を示す場合に、顧客が内容をきちんと読み、理解したことがどのようにして確認できるかどうかという問題があろうかと思いますけれども、この点についてはいかがでございますか。
#93
○政府参考人(福田誠君) インターネット取引のお尋ねでございますが、この法案につきましては、金融商品の販売がインターネットを通じて行われた場合でも適用されるということでございます。
 説明の方法については、先ほど申し上げましたように、特段の規定を置かないことにしているわけでございます。説明方法を法定しますと、先ほどのように、逆に顧客にとって不利益になるおそれがあるということでそのような規定ぶりになっているわけでございます。したがいまして、インターネットを通じた販売等につきましても説明が実質的に行われることが必要でございます。
 ただ、本法案において規定しております説明義務は一般的な大多数の顧客にとってリスクを理解することができる程度の定型的なものとしておりまして、それを広げますと際限なくなってまいりますのでそのような規定でございまして、顧客が本当に理解したかどうかを業者が確認するということは顧客の内心の立証の問題でもありまして、それを業者に求めることはできないものと考えております。
 それでは、インターネットにおいてどういうふうに考えるかということでございますが、これは現在実務レベルでいろいろ検討されているところでございますが、例えば顧客の返信メールなどで説明の受領を確認することとか、あるいは照会頻度の高い質問についてQアンドAを掲載しておくとか、問い合わせの窓口をメールアドレスで表示しておく等々、そのような工夫が可能ではないかと、今実務的に検討されているところでございます。
#94
○海野義孝君 大変前向きな御答弁いただきまして、ありがとうございました。
 先ほど政務次官も大臣もたしかおっしゃいましたけれども、いわゆる金融サービス法をゴールとしましたら、今その八分目ぐらいのところまで来ているかと思うんです。
 顧客と業者とのトラブルの問題を裁判以外の手続で処理するいわゆる裁判外の紛争処理制度の問題ですけれども、グローバルスタンダードの視点に立った場合、これは喫緊の問題として急いでこの点についての手だてを講ずるべきじゃないかと思うんですが、その点についてお願いします。
#95
○政務次官(林芳正君) お答え申し上げます。
 先ほど私もちょっと触れましたけれども、裁判外での紛争処理の手続ということでございまして、先ほど御答弁申し上げましたとおり、金融審議会でも鋭意検討をしていただいているところでございます。
 一方で、今、委員がまさに御指摘になりましたように、トラブルの多くは説明不足を原因としておるということでございます。ちょっと古い数字でございますが、平成五年の四月から十一年の十二月までとりますと、証券取引の被害等の訴訟で顧客が勝ったものが二百四十三件ございまして、そのうちで説明義務違反を原因としたものがおよそ百六十六ですから、七〇%近くはこれであったと。今、委員がまさに七、八割とおっしゃったとおりでございまして、まずはここをぴしっとやっていくというのが今回の法制化の趣旨でございます。
 そこで、御指摘の裁判外紛争処理制度につきましては種々難しい問題がございます。大臣からも御答弁があったところでございますが、司法制度、裁判を受ける権利との関係ということがございます。また、実施主体、だれが一体そういうことをやっていくのかという大変難しい問題がございまして、今、金融審議会の方で検討を続けていただいておるところでございます。
 一方、グローバルスタンダードという御指摘でございましたが、私もちょっと調べてみましたけれども、イギリスで今やはり法案という形で、もう委員よく御存じのとおりでありますが、金融サービス・マーケット法案というものが出ております。これはまさにオンブズマンみたいなところ、裁判外のところを、消費者の方がそこで合意をすればもう業者の方はここから逃げられない、こういうようなかなり踏み込んだ内容でございまして、果たして我が国でそういうことができるのかどうか少し疑問なところもあるわけでございますが、これ以外には、やはりそれぞれの国の法律制度、憲法等いろいろ絡みがあるものですから、一概に今の状況で、イギリス以外の大陸諸国やアメリカ等で共通したグローバルスタンダードというのはまだできておらない状況ではないか。そういう状況の中で今金融審議会で鋭意御検討していただいている、そういう状況でございます。
#96
○海野義孝君 次に、SPC法と投信法の問題について質問したいと思います。
 こういった二つの法案の改正ということは、現在、我が国の個人の金融資産は約千四百兆円弱ということでございますけれども、近時の株式市場に見られますように、個人の資産というものがゼロ金利のこういった時代におきましてより有利な商品に投資をする。もちろん、それにはリスクとリターンというものが背中合わせになっているという問題がありますけれども。
 私も、これまでSPC法、それから投資信託につきましては、これは使い勝手がよくないというか十分でなかったと。ですから、これにつきましては、今後、そういった商品の使い勝手をよくするという面での改善とインフラの整備、こういう両面があろうかと思うのでございます。
 そういった点で、まず第一点は、集団投資スキームにつきまして、今回の改正と既存の流動化スキーム、例えば不動産特定共同事業法とか特定債権法、こういったものとの関係についてはいかがでございましょうか。その点、どういうようにこれを改善されようとしているかという点について簡略にひとつお願いします。
#97
○政府参考人(福田誠君) 簡単に申し上げますが、今回のSPC法の改正におきましては、流動化対象資産を財産権一般に拡大するほか、流動化の器として信託も利用可能とする等の措置を講じているわけでございまして、この改正によりまして、およそ財産権一般についてこれを証券化するなどの資産流動化のための基盤的な制度が整備されることとなるわけでございます。
 お尋ねの既存のスキームでございます不動産特定共同事業法あるいは特定債権等に係る事業の規制に関する法律、特定債権法、これはそれぞれ、本法との関係におきましては、不動産やリース・クレジット債権という特定の資産につきまして小口化、流動化を図っていく上での事業者に対する規制のための制度というふうに位置づけられておりまして、その辺でやや法律の角度が違っている。
 例えば特定債権法ですと、これはリース・クレジット債権を流動化する際の仕組みでございますが、これはSPC法に基づく特定目的会社を利用することも可能でございますけれども、例えば匿名組合等の仕組みを利用することも可能であるというふうに、若干その辺が違っているわけでございます。
#98
○海野義孝君 SPC法の改正案につきまして一、二お聞きしたいと思うんです。
 流動化する不動産につきまして、SPC自身が改良、開発などを加えてより高い収益を生むような証券化の手法を取り入れるということは可能かどうかということでございますけれども、この点、いかがでございましょうか。
#99
○政府参考人(福田誠君) お答えいたします。
 結論としては、可能でございます。
 資産流動化スキームにおきましては、特定の資産から生み出されるキャッシュフローあるいは資産価値を裏づけとして資金調達を行う仕組みでございまして、最初に基本設計図のようなものとして資産流動化計画を定めるわけでございまして、そこで特定資産が何たるかを明確にしておくわけでございます。
 御指摘のように、例えば流動化する不動産について、その後、上物の建設を行ってその開発資金も含めて資金調達するというような弾力的なスキームにつきましても、今申し上げました特定資産となるべき資産の範囲につきまして資産流動化計画の段階であらかじめ明確にしておけば、SPC法に基づいて証券化を行っておくことは可能でございます。
 また、その弾力的なプロジェクトが可能となるようにするために、今般の法改正におきましては、特定資産取得のために借り入れを行うことも認めておりますし、それから計画の変更手続を法定することによりまして投資者保護を図りながらスキームの弾力性を確保できるようにしたところでございます。
#100
○海野義孝君 今回の改正によりまして、SPC、いわゆる資産の流動化計画といったものを、従来はこれは変更できなかったわけですけれども、これを中途変更ができるように改められると承知しているわけであります。その場合に、中途変更に反対する投資家への利益保全といった点についてはどのように図られているのか教えてください。
#101
○政府参考人(福田誠君) この資産流動化計画へ参加されている方は、例えば優先出資をしたりあるいは特定社債を購入したり、そういう方々が投資者になっているわけでございます。そういう方々につきましては、もし中途変更に反対する場合には投資資金を回収することが可能となっております。
 具体的には、優先出資証券につきまして例示として申し上げれば、あらかじめ資産流動化計画の変更には反対であるという意思を特定目的会社に通知していただき、かつ社員総会において反対をしていただけば、その優先出資社員につきましては、特定目的会社に対しまして、その変更決議がなければ優先出資が有していたであろう公正な価格をもって保有している優先出資の買い取りを請求できるというふうになっております。そのほか、特定社債あるいは借り入れ等につきましても、それぞれ所要の手続を踏んで弁済を受けることが可能となっております。
#102
○海野義孝君 不動産投資市場のインフラ問題についてお聞きしたいと思うんです。
 SPCの不動産評価方式でございますけれども、これについていろいろな方法があります。収益還元法というのが大宗になっているかと思いますが、これへの取り組みの状況につきましてお聞かせいただきたいと思います。
#103
○政府参考人(小林新一君) お答えいたします。
 SPC法におきましては、特定資産が不動産の場合には、投資家保護のための情報開示の観点から、不動産の評価の専門家であります不動産鑑定士による鑑定評価を踏まえた価格調査が義務づけられてきたところでございます。このため、昨年十一月に、国土庁も協力いたしまして、社団法人日本不動産鑑定協会におきまして、SPC法に係る不動産の鑑定評価上の実務指針を取りまとめたところでございます。
 その基本的考え方といたしましては、対象不動産の収益力を的確に反映するため、キャッシュフローをもとに算定する収益還元法、具体的にはDCF法を基本として評価することとしたところでございます。
 同協会におきましては、昨年十二月、東京、大阪におきまして不動産鑑定士を対象にこの徹底を図るための研修を実施しておりまして、その徹底のための努力を行っているところでございます。
#104
○海野義孝君 次に、建設省の方にお聞きしたいと思うんです。
 一つは、不動産投資顧問業というものにつきまして、その制度的な確立、これは利益相反を防止するというような意味合いもあってこの制度の確立を進めておられるということで、最近いろいろな報道等におきましても伝えられているわけでございますけれども、これの現在の育成状況といいますか、その点が第一点。
 もう一点は、不動産の収益性を指数化したインデックスの創設の取り組み状況といったものがどうなっているかということとあわせ、不動産証券化商品の格付に向けた取り組み、こういったものがどうなっているか、その点についてお願いします。
#105
○政府参考人(風岡典之君) まず、不動産投資顧問業制度についてでございますけれども、建設省におきましては、現在この新しい登録制度を検討するということで準備を進めているところでございます。
 検討中の登録制度につきましては、不動産投資顧問業者、これは任意の制度ということでございますけれども、そういった方から申請を受けまして、その申請者が公正かつ的確に不動産投資顧問業を行える能力を有するかどうか、こういったものを建設大臣が審査をして登録する、その上で利益相反行為の禁止等の行為準則を定め、これを通じまして投資顧問業の適正な実施を目指そうということで準備をしているわけでございます。
 この登録制度の行為準則におきましては、顧客と不動産投資顧問業者との間の取引だとか顧客相互間の取引で顧客の利益を害するような行為というものは禁止する、また顧客の利益を害する蓋然性の高い行為につきましてはいろいろな情報開示をするというようなことを通じて投資家の利益を図っていく、こんなような考え方であります。
 既に不動産投資顧問業を実施している業者はいろんな準備をしておりまして、不動産投資ファンドの運用を開始した会社だとか、あるいは不動産投資顧問業の専門の子会社を設立するとか、そういった動きがあるわけでございますので、建設省としましても今申し上げました不動産投資顧問業の登録制度というものを早目に準備させていただきたい、このように考えております。
 それから、もう一つ御指摘になられました不動産投資インフラとして、インデックスあるいは格付という点でございます。
 確かに、不動産投資市場を育成していくためには、これらのインフラの整備ということは建設省としても非常に重要な課題であると考えております。私どもにおきましては、研究会等を通じましてこういったものについての整備の方策について御議論をいただいております。既に研究会から最終的な報告をいただいておりますけれども、いずれにしましてもこういった制度インフラというものについては今後積極的な整備ということが必要であると。特に、こういった側面につきましては、やはり事柄の性格上、民間で積極的にやっていただくことが必要ではないかということであるわけでございます。
 私どもとしましても、そういった民間の取り組みというものを見守りつつ、また行政の方面でも何ができるかということにつきましてはこれからも十分検討をしていきたい、このように考えているところであります。
#106
○海野義孝君 最後にもう一問お願いします。
 投信法の改正案に絡んでのことでございますけれども、有価証券等に比べまして不動産につきましては市場が確立していないということで、不動産を運用対象に組み入れることにつきまして講じている措置というのはどういうものであるかという点と、もう一つは利益相反取引ということにつきまして金融監督庁の検査体制というのはどのようになっているか、この点についてお答えを、お二人かと思いますが、お願いします。
#107
○政務次官(林芳正君) それでは、前段の方は私からお答えをさせていただきたいと思います。
 市場が株等と違って余り確立していない不動産について組み入れるということでどうするのかという御指摘でございました。
 おっしゃいましたとおり、有価証券は組織化された市場取引が行われておりますが、主たる運用対象として今回の改正で追加をいたしました不動産等についてはなかなか客観的な価格評価というのが困難でございますので、これらの資産をファンドが取得または譲渡するようなときには、このファンドの運用の透明性、公平性というものを確保しなければなりません。また、そういうことによって投資者の保護を図るという観点がございますので、公正な第三者による価格調査を義務づけるという規定を十六条の二で置いておるところでございます。
 また、同様の観点で、利害関係人や他のファンドとの取引を行った場合等、利益相反のおそれがある場合については、その具体的な取引内容を投資者に情報開示するということを義務づけております。これは二十八条でございます。
 そういう措置を講じておるところでございます。
#108
○政府参考人(乾文男君) 証券投資信託委託業者の利益相反行為につきましては、証券投資信託及び証券投資法人に関する法律第十五条におきまして、ファンド間の取引や利害関係人でございます証券会社等との間の取引につきまして行為準則が法律に規定されているわけでございます。これらによりまして利益相反行為を行ってはならないということになっているわけでございますけれども、金融監督庁といたしましては、検査等の機会におきまして万一これらの法令に違反する行為が認定されました場合には法令にのっとって厳正に対処してまいりたいというふうに考えております。
#109
○海野義孝君 以上で終わります。
 ありがとうございました。
#110
○池田幹幸君 日本共産党の池田幹幸でございます。
 最初に、証券取引法に関して伺いたいと思います。
 午前中の審議の中で盛んに言われたことなんですけれども、公共性を旨とする形で会員制ということをとってきた、しかし今情勢の発展の中でそれに対応できなくなってきたので株式会社化するんだ、こういう説明がありました。
 要するに、公的機関として信頼できる価格形成機能、こういったものを目指して今まで取引所というものが機能してきたわけなんですが、株式会社化すれば必ず公共性が阻害されるおそれがある、つまり株式会社の利益追求型と公的使命との間では相反関係があるということはもう十分認めた上でのことだと思うんです。
 取引所というのは公共性があって初めて成り立つものじゃないのか。とするならば、公共性を絶対視するのではなくて相対的に弱まってでも株式会社化する必要性が出てきたということについていまいち納得がいかないわけですけれども、そこまで公共性を阻害するおそれがあって、またある程度弱められるということはもう仕方がないんだ、どうしてもそれでもなおかつ株式会社化が必要だという理由について、いま一度御説明願いたいと思います。
#111
○国務大臣(宮澤喜一君) それはかなり基本的な問題に関してのお尋ねと思いますが、私どもは、公共性ということについて、殊に株式取引所、証券取引所のようなときにはいよいよそうでございますけれども、まず取引所そのものの機能が公共的な部分を持っておりますことは明らかでございますから、その証券取引所で取引に参加する人々にまずルールというものがあって、そのルールを守ってもらわなければならないという問題がございます。
 それから、ルールを守った上で、したがって全体の取引が十分公開的であり健全でなければならない、そういう運用の問題も当然にあると存じますが、それらのことが確保された上で、その取引所の全体の運営が少数の株主等の恣意によって影響を受けることがあってはならないという問題もあろうと存じます。
 それらのことが確保されておりますといわゆる公共性というものは私は十分だというふうに考えておりますから、それが株式制度であれそうでない制度であれ、それによって公共性が損なわれるということはないのではないか。
 今の池田委員のお尋ねは、国あるいは公共機関の施設であれば絶対に公共性が守られるであろうが、それが私的な株式会社の手にゆだねられたときにはある程度公共性は犠牲になるであろう、それを承知の上でなおメリットがあるのかと、こういうお尋ねなんですが、私どもは、公共性というものは、仮にそれが株式会社制度で運営されたとしましても、今申しました条件が確立されておれば公共性そのものが犠牲になっているというふうには基本的には考えないわけでございます。
 その上で、株式会社に伴うメリットは何かというと、取引方法の複雑化、拡大によりましていろいろな技術あるいは機械、取引方法等々いろいろ金のかかる要素も当然出てまいりますが、それは株式会社の方が調達しやすいというようなメリットは申し上げるまでもございませんが、全体としてはそのように考えてよろしいのではないかと思っております。
#112
○池田幹幸君 前提のところで私の言っていることは少し違うんです。公的機関でやれば絶対に公平性が保たれるというふうに私は信じているわけじゃありませんで、実際に今までの取引所が果たしてそうだったかというと、決してそうではない面というのはありました、後でまた若干申し上げますけれども。そういう点があるわけですけれども、しかし株式会社化するとその性格が大きく異なってくるだろうというところを問題にしたわけです、これについてはさらにやることはいたしませんが。
 そうしますと、その公共性、公的使命ということなんですけれども、取引所におけるそれを具体的に言えば何を指すんでしょうか。
#113
○政務次官(林芳正君) 午前中の質疑でもございましたように、具体的に公共性を担保する手段といたしましては、参加者にルールを遵守させるという自主規制機能を担わせて、先ほど申し上げましたように、それを定款にしてこれを免許にかからしめる。それから、財務の健全性を担保するために資本の額を決めまして、一定の額を決めまして、この金額以上でなくてはいけないということを決める。また、取引所の業務範囲を市場の開設及びこれに附帯する業務に限定をする。また、今お話がありました五%ルール等を定めまして公共性を確保するという措置を講じておるところでございます。
#114
○池田幹幸君 今、私が伺ったのはそれじゃないんです、それも後で伺うつもりでしたから結構なんですけれども。
 伺ったのは、公共性、公的使命というもの、つまり取引所が目的としているものは具体的に一体何なんだということを伺ったんですが、例えば一つは公正な価格の形成というのがございます。それ以外にどういったものを目的としているんでしょうか。
#115
○政府参考人(福田誠君) 今御指摘のように、公正な価格形成もそうでございますし、それから投資者の保護というのも大きな目的でございます。
#116
○池田幹幸君 それで、そういう担保するものとして、今、林政務次官がおっしゃった形で担保しようということになっておるということなのだと思うんですが、結局、先ほど大蔵大臣がおっしゃったように、運営がきちんとなされればそれは担保されてくるということで、それが林政務次官がおっしゃった形で担保されるというんですが、そこで果たして五%条項を決めれば少数者が支配するといったようなことが防げるということになるんでしょうか。株式会社化し、資本五%で一応抑える、それ以上持ってはならないというふうにして果たして抑えることはできますか。
#117
○政務次官(林芳正君) 形式的なことかもしれませんが、五%の株式保有制限については、親族関係等の特別な関係にある者、それからもう一つ親子関係にある会社等も含めましてこれをみなすことにして、事実上その意思を同じくできるような関係にある方を合わせて五%というふうな保有制限をかけておりますので、そういう意味ではかなり実効が担保されて、特定少数の方で運営を、多数の株式のシェアによって動かすということができないようになっておるというふうに考えておるところでございます。
#118
○池田幹幸君 株式会社化すると意思決定が早くなるということがありましてそういうことも言うんですけれども、いわゆる五%に抑えたとしても、大手が数社で、大手証券会社が数社寄れば大体支配的な票数を確保できるんですね。
 今、証券取引所の運営の上で実態として問題になっているのは、大手と中小との間での利害が対立して、一社一票制の、一会員一票制のやり方では意思決定がなかなかうまくいかぬ、どうしても意思決定がおくれるということが問題になってきたわけでしょう。つまり、一家族が株を支配するというのじゃなしに、大企業と中小企業といった社会的な地位によって利益が相反するということから起こってきている問題の方が大きいわけです。そうすると、株式の五%条項だけで抑えるというのは、これは実態からすると余り意味があるものではないんじゃないか、非常に危険な内容を持ってくるんじゃないかなと私は思うんです。
 それからもう一つ、定款の問題です。
 政務次官は定款で担保するということをかなりおっしゃったわけです。確かに定款は大事なんですけれども、その前に一つ伺っておきたいのは、取引所が株式会社で利益を上げる、利益追求型になる、そうするとこれまでよりも株式会社化することによって利益を上げる分野、それが新たに何かつけ加わりますか。業務範囲を定めるということで、恐らく今までと同じような業務範囲じゃないかなと私は思うんですけれども、そうだとすると新たな利益を追求する分野というのはつけ加わってこないんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
#119
○政府参考人(福田誠君) 株式会社組織というのが営利性があることは事実でございますが、本法案におきましては、株式会社化後の取引所の業務につきましては市場の開設に附帯する業務という限定をつけておりまして、具体的には取引所が提供するサービスの向上に資する等の目的で行われるものを意味しておりまして、証券取引に関する調査研究とか、投資者への教育活動等が該当すると考えられます。おっしゃるように、基本的に会員組織から株式会社化したときに大幅に業務が拡充、広がるということではないと理解しております。
#120
○池田幹幸君 そうすると、どこでもうけていくのかということで、困ってくると一体何をやるのかということもまた心配になってくるわけです。そのことについてはまた後で申し上げたいと思います。
 先ほどの定款の問題に戻りたいんですけれども、定款でほとんどのことを担保していきましょう、定款違反をやったら認可も取り消せます、こういう話でした。ところで、定款に定めたこと以外に新たなことをやる、新たな業務をやる、それは定款には定めていないけれども、後から認可をとればいいからということで先にやっちゃうというふうなことはできるんですか。
#121
○政務次官(林芳正君) 定款に定めなければいけない事項を後で変更する場合、これは定款の変更ということをしなければなりません。今、現行では総会員の四分の三以上の同意が必要とされておりますが、株式会社においては過半数の株主の出席と出席者の三分の二の同意でこの定款の変更をできるということにしてあります。そして、先ほど申し上げましたように、この変更についても認可にかからしめるということで、そこでダブルチェックが働くようになっておるということでございます。
#122
○池田幹幸君 ダブルチェックなんですが、今までは会員で、総会で四分の三以上で決めて、定款変更の手続をとって認可がおりるまでの間のことを言うんですけれども、決めてしまえばもう後は形式的な認可をとればいいんだからということで始めていいんでしょうか、新たな業務を。
#123
○政務次官(林芳正君) ちょっと御趣旨を間違ってとらえているかもしれませんが、後で定款が変わるからもうやってしまえというわけにはいかないと思います。定款で定めておることのほかに何かやる場合には、やはり定款を変えましてその認可をいただいてからでないとその業務はできない、こういうことになると理解しておるところでございます。
#124
○池田幹幸君 そうですよね。株式会社になっても当然そういうことになると思うし、今もそんなことはあってはならないわけなんですけれども、今の証券取引所でそんなおかしなことが起きているわけです。
 これは政務次官も御存じかと思いますけれども、大阪証券取引所は昨年の四月に場立ちの仲立証券の業務を停止したわけです。停止したわけなんですけれども、その媒介業務、今まで取引所自身は媒介業務はできませんね。媒介業務は仲立ちの証券会社にやらせるということになっております。大阪証券取引所は仲立証券の業務を取り上げちゃって、そして証券取引所が媒介業務を始めたんですよ。これは御存じですね。これに対する監視というのは一体どうなっていたんでしょうか。
#125
○政務次官(林芳正君) 今の件につきましては、ちょっと事実関係をはっきりと把握しておりませんので、後で確認をさせていただきたいと思います。
#126
○池田幹幸君 後で御確認願いたいと思うんですけれども、申し上げておきますと、これは想像でも何でもなしに、実は昨年四月にそういう形で業務を取り上げられたものですから、結局、場立ちの会社としては仲立証券はやっていけなくなった。事実上倒産するわけで、全員解雇されたわけです。今、一年以上たつわけですけれども、今でも四十一名の方が残って争議になっているということなんです。
 そういう争議になっておりますから、地方労働委員会の審尋などもございました。それの記録を見ますと、いわゆる常務理事が証言しているわけなんですけれども、そこでは、定款等の変更は大蔵大臣の認可が条件であるということはそうなんだが、定款変更等は後日行えばいい、変更と大蔵大臣の認可は後日行えばいいんだということで、定款変更を行わないまま媒介業務を実施したということを証言しております、地方労働委員会で。
 これは到底許されることじゃないんですね。現実に、そこの場の労働者、全員解雇になった労働者にしてみれば、これはたまったもんじゃないですよね。
 しかも、かなり準備周到でして、手数料を一年半で十分の一に減らしていったんです。そうすると、会社自身がもうやっていけなくなりますね、当然のことながら。そういった準備もしながら会社つぶしをやったと。しかも、その手続がこういうことだったということで、定款を守ってもらえばいいんだがとおっしゃるけれども、そういう体質が取引所にあった。
 そういう点では、先ほど大蔵大臣がおっしゃったそれと違いまして、今の取引所自身がそういったとんでもないやり方をやっている。それが株式会社になったら私はもっとひどいことになるんじゃないかというふうに思うわけですが、ぜひこのことについてはお調べいただきたいというふうに思います。
 次に、金融商品販売法について伺いたいと思います。
 これも午前中の審議の中であったことなんですけれども、結局、金融ビッグバンがやられると自由化されるということで、自由化されると必ず消費者との間のトラブルが多く発生するということで、消費者保護を図らなけりゃいかぬ。これはもう最初からわかっていたことで、それで審議会等々でも審議されて、金融ビッグバンが実施されれば同時にサービス法のようなものも実施されていくだろうというふうに考えられておったのが、サービス法の方が後回しになっちゃったというのが今の現実なんです。
 そのサービス法という、国民が期待しておったそれもかなり違ったものになったということは専門家の方々からも指摘されておるところだと思うんです。午前中の大蔵大臣の答弁では、これによって全部カバーできているとは思っておらない、裁判外紛争処理制度等もこれからやっていかなきゃいかぬ、今度はとにかく間に合わなかったんだという御答弁でした。
 そうしますと、この裁判外紛争処理制度というのはありますけれども、では金融サービス法というものにふさわしいものとして今一体どんなことを追いかけてやっていこうとお考えになっているのか、お答え願います。
#127
○政府参考人(福田誠君) お答えいたします。
 金融審議会はまだ中間報告でございまして、最終報告に向けての討議項目といたしましては、今申し上げております裁判外の紛争処理制度のあり方、それから消費者教育、リスク商品についての学校教育も含めた教育のあり方、そしてこれは今般義務づけておりませんが、いわゆる適合性の原則につきましてさらなる仕組みが可能かどうか、そして最も広範にとらえますと、今各業法でいろいろな規制が行われておりますが、そういう縦割りの業法自体を全部改めるというようなこともアイデアとしてはございます。
 いずれにしましても、残された課題はそれぞれ難しい問題がございますので、とりあえず今回は緊急性のある、かつ効果のある立法に限ったということでございます。
#128
○池田幹幸君 今回はというふうに軽くおっしゃるんですが、消費者被害というのは大変な勢いで続出しております。ですから、これは急がなければいかぬわけです。
 少なくとも裁判外紛争処理制度はもう具体的に名前が挙がっているわけですが、これはどれぐらいの勢いで準備しようとなさっておられるのか、お答えください。
#129
○政府参考人(福田誠君) このテーマは実は昨年から既に審議会では議論をさせていただいているわけでございますが、先ほど林政務次官でしたか、御答弁がございましたように、特に裁判外紛争処理制度となりますと、その私法的な効果があるとすれば、既存の司法制度との関係をどう整理するのか、憲法のもとで。
 例えばイギリスの場合ですと、消費者に有利な裁定が下ったときには業者は従わなければならない、その逆の場合は消費者はさらに訴えることができるというような制度があるようでございますけれども、そのようなことが日本の立法でできるか。
 そして、消費者からの要望としては、全国に中立的な、しかも非常に消費者寄りの制度ということになりますと膨大な組織になりますので、それをだれが運営し、だれが負担するのかという問題もございまして、その辺の認識につきましてもまだかなりギャップがあると。
 他方で、既存の業界もこういう金融システム改革を迎えておりまして、銀行協会あるいは証券業協会等々でそれぞれ自主的にできるだけ中立的な弁護士などを含めた仲裁機関もスタートさせておりますので、そのような機関がどの程度効果があるかというようなことも評価しなければならないということでございまして、いつまでにどのような結論が出せるかはちょっときょうのところは申し上げにくいということでございます。
#130
○池田幹幸君 いつになるかわからぬということですよね。これは既に橋本内閣のときに出されて、それなりに研究を始めているものが今になってもいつになるかわからぬというのは、これはとんでもないことだと思うんです。下手をしたらいつまでもできないということかもわからないわけですよね、いつになるかわからぬということは。これは非常にぐあいの悪いことだというふうに思います。
 あと、るる伺っていきたいんですけれども、先ほどは、今回の法改正は非常にいいものだと、評価されるべきものだというお話があったんですが、今の問題一つとってみましても、残された問題が余りにも大きいということもありますし、それから今回の商品販売法として盛られた内容も、非常に不満足なというよりも、下手をすると、今、消費者の皆さん、被害者の皆さんが裁判で、判例でかち取ったものすら後退させかねない、そういったことも起こりかねない内容を含んでいるんじゃないかと私は思っているんです。
 そうならないように、これから一つ一つ確認をしていきたいというふうに思うんです。
 まず、大前提としまして、こういった消費者保護の物の考え方なんですけれども、各業法で今まではやってきたという説明がありました。
 各業法を見てみますと、証券取引法とか商品取引所法、こういったところにはそれぞれにこういう規定があるんですね。例えば証券取引法では「証券会社並びにその役員及び使用人は、顧客に対して誠実かつ公正に、その業務を遂行しなければならない。」という規定が明確にあるんです。商品取引所法にもあります、「顧客に対して誠実かつ公正に、その業務を遂行しなければならない。」と。
 ところが、この規定が今度の法律にはないんですよ。既に今までの各業法の中で、物の考え方として、お客を大切にしましょう、誠実かつ公正にやりましょう、そうしなければならないという義務規定が入っているにもかかわらず、これに入っていないというのは一体どういうことなんだろうかと。非常に不思議に思うんですが、なぜこれを載せなかったんでしょうか。
#131
○政府参考人(福田誠君) 御指摘のように、銀行法とか証券取引法といった業法につきましては、既にさまざまな形で説明ないし情報提供義務などが規定されております。
 しかしながら、これは業者に対する免許、監督、命令、罰則等を通じて顧客の保護を図るということでございます。業法の場合はそういう手法でございまして、私人間の取引における救済のために損害賠償責任を課すことによって顧客の保護を図るという本法案とは、目的においてはかなり似通っておりますが、実現手段、適用範囲等が異なっているわけでございます。
 ちなみに、業法で規定されているいろいろな規定違反がございましても、それをもって直ちに私人間での損害賠償責任を発生させるわけではございませんで、今回の法律はあくまで私人間の係争を容易にするための目的で作成されたものでございます。
#132
○池田幹幸君 確かに行政上の手続の方の問題と私人間の問題はあります。そういう点で賠償責任を課すという形で持ってきたのは、これはこれで一つの前進というよりも、今までなかったわけですから当然のことなんですが、消費者保護という物の考え方の基本として既にこういったものが確立しているわけです。まずこれを基本に据えるという考え方が私は当然あってしかるべしだと思うんです。
 これが全体の考え方を縛っていくものだというふうに私は考えるからこそ、これについてはぜひ入れなければいけないんじゃないかなというふうに考えているわけですが、それについてはいかがでしょうね、お役人の答弁と、大臣。
#133
○国務大臣(宮澤喜一君) そういうお尋ねがあることは、私はそれは一つのお考え方だと思いますけれども、私どもの考え方では、基本法の方に誠実でなければならないということは本来の考え方として規定しておるわけでございますから、この法律ではその誠実であるための一つの要件、それは業者として十分な説明をしなければならないということ、さらにそれに違反した場合には損害賠償の挙証責任の方にも問題があるということで、誠実でなければならない一つのそのための一番有効な方法と、そうでなかった場合のそれに関しての責任というものを、どう申しますか、各論という言葉は適当ではないかもしれませんが、さらに具体的な方法として定めたものである、したがってもとの基本的な義務は基本法に定められておると、そういうふうに考えておるわけです。
 そうであってももう一遍書いたっていいじゃないかというお立場であれば、それはそういうお立場もあろうかと思いますけれども、私どもとしては基本法の方にそれは定めてあって、その具体的な方法についてこの法律案は規定をしておる、こう思っておるわけでございます。
#134
○池田幹幸君 基本法と言われますと、契約法ですか。
#135
○国務大臣(宮澤喜一君) はい、例えば基本的な。
#136
○池田幹幸君 私は契約法の方を見ておらないので、申しわけないんですけれども。
 ただ、これを申し上げるのは、後で質問するんですけれども、説明義務違反というのがあります。何をもって説明義務とするかという範囲があいまいだということもあるわけなんですけれども、誠実公正にしなければならないという原則が確立しておれば、業者の側からここまでを説明しなければならないという考え方が、本来の誠実公正であればかなり幅が広がっていくだろうと思うんです。そうでなければ狭まっていくとなるわけで、それが非常に重要な内容を持ってくるなというふうに考えているわけです。かつまた、そういうふうな規定を置けば、説明義務の範囲内容も法的に決める幅をできるだけ広げなければならない、そういう考え方になっていくだろうと思うんです。そういう違いとしてあらわれてくると私は思うわけです。
 これは日弁連の資料でちょっと読んだんですけれども、特に誠実公正義務というのは証券監督者国際機構の行為規範原則という形で決められておるということでありました。そういったことも、そうであるならばそういった方向をとるべきじゃないかというふうに思うわけです。
 以下、具体的に伺っていきたいというふうに思います。
 新法ですのでできるだけ逐条的に伺っていきたいと思うんですが、この法律は見出しだけ見ますと、「金融商品販売業者等の説明義務」が入っており、「金融商品販売業者等の損害賠償責任」があり、「勧誘の適正の確保」という形で、見出しだけ見れば確かにいい内容になっておるわけですが、それぞれの中身が余り厚くないという問題があると思うんですね。
 まず、説明義務、第三条について伺いたいと思うんですが、ここでは一号、二号、三号、そのさわりが「元本欠損が生ずるおそれがあるときは」という形で出ておりまして、第一号について見ますと、「金利、通貨の価格、有価証券市場における相場その他の指標に係る変動を直接の原因として元本欠損が生ずるおそれがあるときは、その旨及び当該指標」、これを説明しなければならないということが出ておるんですが、一号も二号も三号も「元本欠損が生ずるおそれがあるときは」という形になっているんです。この「生ずるおそれ」、そのことを説明すればいいというスタイルになっているんですけれども、そうだとすると、おそれがありますよと言えばそれで終わるんじゃないかという疑問がわきます。
 そこでまず、「その旨」、それから「及び当該指標」、その内容についてちょっと伺いたいんです。
#137
○政府参考人(福田誠君) お答えいたします。
 「おそれがあるときは、その旨及び当該指標」というような書き方になっておりまして、おそれがあるということだけではもちろん不十分でございます。
 これはそれぞれの商品に応じて違うわけでございますが、当該商品が例えば金利によって元本欠損を生ずるおそれがあるのか、為替リスクかあるいは有価証券市場における相場か、そういうような要因を説明する必要がございますし、それからその販売を行う者の業務、財産の状況とかとございますが、それは当該販売業者の信用リスクとかデフォルトリスク、その辺の説明でございますので、その商品、その業界についてのセーフティーネットの説明のようなものも含まれるということでございます。等々、これは商品ごとにその元本欠損が生ずるおそれがあるかないかということと、何によってそのおそれが発生するかということを説明しなければならないと。
 ちなみに、金融商品のトラブルとしては、やはり元本欠損ということが専ら消費者の関心事でありリスクであるということから、この三条のような書き方になっているわけでございます。
#138
○池田幹幸君 その旨、一号についてはかなりよくわかりました。
 ところが、その「当該指標」ということになると今の説明ではよくわからないんですよ。金利、通貨の価格、これこれによってこういったことが起こりますと元本欠損が生ずるおそれがありますよという説明をしますと。そこまでしないといけないというのはわかりました。その当該指標まで言わなけりゃいかぬというその指標、これは大事なことだと思うんですけれども、どんなことを考えているんでしょうか。
#139
○政府参考人(福田誠君) それはこの第一号にございますように、当該指標というのは、一号であれば金利とか通貨の価格、株価とかそういう指標ということでございます。その商品によって、例えば株式投信であれば株式相場がどうなるかによっては元本欠損しますよと、いろんな商品、デリバティブとかいろいろございますので、それぞれ何によって商品価値が定まるかということを説明するということでございます。
#140
○池田幹幸君 そうすると、株価が変動することによって損失するというだけじゃなしに、株がこの程度落っこちればあなたの商品はこういう影響を受けてこんな損失が起こりますよ、ここまで説明せよということですね。
#141
○政府参考人(福田誠君) それは大変難しゅうございまして、その指標がどのぐらい変動したらというような予想とかを含むものではなくて、その指標そのものの種類をきちっと説明するというふうに解釈をしております。
#142
○池田幹幸君 それだと、こんな指標がありますよとずらずら並べられても素人ではわからないでしょうね。その指標がどう関連してくるのか、金利と通貨がどう関連して変動してくるのか、どういう関連をするのかというような説明がないと、数字だけをたったったっと並べて、こういうのがあります、これが変わると損するおそれがありますよ、いいですね、それじゃ判こを押してくださいと。これでは全然説明したことにならないだろうというふうに思いますよ。今の答弁は私は非常に大事だと思うんです。そんな程度だったら本当に顧客第一の説明にはならぬじゃないですか。相手がプロなら別ですよ。
#143
○政府参考人(福田誠君) この法案は説明義務の程度と消費者の自己責任というものの兼ね合いでございますので、どれぐらい株価が下がったら元本が欠けますというようなことまで業者が説明する義務はない、そこはやはり消費者において注意深く経済指標を見ていただきたいというふうに考えております。
#144
○池田幹幸君 例えば、この商品についてはこれだけ下がったら損するだろうと思いますという、それは予想に属する問題ですから、それはそうかもしれません。しかし、こういう商品は過去にこういうことが起こっておりまして、こういう場合にこんな損をしているんですよということを説明すれば、それはよくわかりますよね、事例を挙げれば。そういったことは含んでいるんですか。
#145
○政府参考人(福田誠君) 必ずしも細かな解釈まで私どももまだ詰めておりませんが、そこまで要求するのはかえって、説明義務の範囲を明確にするという予見可能性で金融取引が行われますので、そこまではやや過大ではないかと考えます。
#146
○池田幹幸君 このことばかりもやっておられないんですけれども、本当に商品の説明をするというのは私はそういうことだと思うんです。見えないんですから、これは物じゃないんですから、金融商品なんですから。だから、その程度のあいまいなことだと、結局は今までとそう変わらなくなるんじゃないかなというおそれを私は抱きます。
 それでは、二号について伺いますが、「当該金融商品の販売を行う者その他の者の業務又は財産の状況の変化を直接の原因として元本欠損が生ずるおそれがあるとき」ということなんですけれども、この金融商品はこの商売をやっているこの業者が破綻したらだめになりますよという程度の説明だったら、しなくてもだれでもわかりますよ。しなくてもわかりますよね。そうじゃないだろうと思うんです。どの程度の説明をするのかということですよ。
#147
○政府参考人(福田誠君) なかなか正確な解釈まで詰め切れてはおりませんけれども、先ほど例示で申し上げましたように、発行者あるいは販売業者の信用リスクあるいはデフォルトリスクのようなものを、つまりディスクロージャー関係の情報提供、そして万が一の場合のセーフティーネット、銀行であれば預金保険制度でこうなっているとか、証券であれば投資者保護基金とか、保険の場合もございますので、そのようなことまでは説明する必要があるのではないかと考えます。
 ただ、重ねて申し上げますが、説明義務違反がありますと、もう途中はすべて推定されまして当然に無過失で損害賠償責任を負わせるわけでございますから、このところで余りあいまいな、かつ広いものを義務づけるということはかえって金融取引を萎縮させる面もございますので、その辺は自己責任を負っていただく範囲もあるのではないかというふうに思うわけでございます。
#148
○池田幹幸君 業者はできるだけ金を集めようとするわけですよ。素人も含めてどんどん投資していただこうとやるわけですね。だから、いろいろトラブルも起こるわけですけれども、当局の側が素人の方をそういった商品購入で萎縮させちゃだめだというふうなことを考えるということになると、これはまずいんじゃないですか。むしろ、より慎重であってほしいということを考えるのが、あなたがさっき言われた教育の問題に属するんじゃないですか。最初から萎縮したら困るから、だから業務の内容もほどほどに開示していただきましょうということになるおそれがあるんじゃないですか、それだったら。
#149
○政府参考人(福田誠君) この法案が消費者契約法と異なりますのは、やはり金融商品というのは目に見えずに抽象的でありまして、顧客にとって一見してそのリスクがわかりにくいという特性がございますので、リスクに関する重要事項の説明義務を規定し、業者と顧客の双方に予見可能性を高い程度で与えるということを目的としておりますので、施行段階までにまだ詰めることがあろうかと思いますが、考え方としてはそういうふうに考えているわけでございます。
#150
○池田幹幸君 考え方としては私が申し上げたようなことを検討していただきたいなというふうに思います。
 それから、三号なんですが、ここで「顧客の判断に影響を及ぼすこととなる重要なものとして政令で定める事由」というのがあります。これはどんなことを考えておられますか。
#151
○政府参考人(福田誠君) お答えいたします。
 今回、立法を行うに際しましてはこの号に対応する内容は特に予定しておりませんが、今後、金融イノベーション等で新商品が出現し新たな説明事項を追加する必要が生じた際には迅速な対応ができるように、政令で重要事項の追加ができるようにしてあるわけでございます。
#152
○池田幹幸君 では、当面はなしということで出発するということですか。その辺が何か、ずっと読んでいてはっきりしないなと思うのはそんなところにもあるんだと私は思います。
 そこで、引き続き伺いたいんですが、この一号、二号、三号という形であらわされたようなこの程度の説明義務ということでは、先ほどから問題になっております金融商品の多様化とか複雑化とか、そういったことに結局対応し切れなくなるんじゃないか。消費者の自己責任自己責任と言われるけれども、今最後に伺ったところだってそうですよね、「影響を及ぼすこととなる重要なものとして政令で定める事由」と。これだってはっきりしませんというような状態にあるわけでしょう。そういった中では本当にきちんとした形の説明義務というものを、形としてこれこれはやらなけりゃいかぬというものを整えることができるのかどうか、非常に心もとない感じがします。
 かつ、今伺った範囲内でいきますと、説明義務の範囲というのはレベルの点で言えば低いんじゃないかと。やはり金融商品の内容にわたって、その仕組みにわたって説明して、そしてさっき言いましたように、ただ一般的に説明したってなかなかわからないわけだから、これについてはこうこうこういう事例があったんだ、こんなことになったらこういう損をするおそれがあるんだということの説明まで説明義務として考えないと本当に説明したことにはならないんじゃないかなというふうに思います。
 それから、もう時間がなくなってきまして、まだまだたくさんあるんですけれども、きょうの段階では一つだけ重要な挙証責任の転換の問題について伺っておきたいと思います。
 立証責任の転換という形で言われておるんですが、この法案では、損害賠償を求める上での被害を受けた側、消費者側の立証責任については軽減したというふうに言われております。果たして軽減されたんだろうか。一体どこが軽減されたと言われるのか伺いたいんです。
 今一番問題になっているのは、言った、言わない、説明した、しない、この説明を受けなかったということを立証しなければその賠償責任の段階に進めないわけです。今度の法案はそこについては何ら手をつけていないんじゃないか、そのことについて伺いたい。
#153
○政府参考人(福田誠君) 大変重要な点でございますので申し上げますが、御指摘のように、販売業者から説明を受けなかったこと自体についての立証責任が原告、顧客側にあることは本法案におきましても民法の一般原則どおりでございます。
 ただ、本法案におきましては、新たに民法の特則といたしまして販売業者の説明義務を類型化し明示しておりますので、実質的に説明義務を履行したことを反証する販売業者側の責任が重くなっているわけでございまして、説明がなかったという原告側の立証責任が相当軽減されるということから顧客保護の充実が図られると考えております。
 例えば、説明がなかったということを完全に立証することは現実に難しい場合も確かにございます。現在の裁判実務は民法の一般原則で行われておりますので、原告側から、販売時において業者からある程度の説明資料を受け取ったということは認めながら、個別の商品について十分な説明がなかった旨を証人尋問等で証言させることで立証活動が行われることが多いわけでございますが、これに対して、業者側は、きちんと説明したとか、あるいは説明はしなかったけれどもその程度は社会的常識であるというような反論が多いわけでございまして、そのような双方の主張を聞いて裁判官が判定するという方式がとられているわけでございます。
 そういう意味でいいますと、説明しないことはそれぐらいは常識であったとかというような反論は今回すべて否定されるわけでございまして、説得力のある説明を行うことが問われているということでございます。それは何かと申し上げれば、繰り返しですが、業者側に説明義務が明示されているということでございます。
 したがいまして、立証責任は大幅に軽減されるのではないかと思っております。
#154
○池田幹幸君 これは堂々めぐりになるおそれがあるんですが、説明義務がここで明示されているから消費者側でこれが立証できるというんですけれども、先ほど言いましたように、この説明義務そのものがあいまいなんですよ。るるそのことで私はずっと申し上げてきたじゃありませんか。非常に低レベルだということがあります。
 それに照らしてどうかという一つの問題が起こってくることと、午前中の久保委員の質問に対する大蔵大臣の答弁でも、説明義務というのは常識的にわかる説明でなければならぬというふうに答弁されました。そうだと思うんです。常識的にわかる説明ではあるけれども、とても常識では理解できない商品なんです、金融商品というのは。そういうものを常識でわかる範囲まで説明するということが大事になってきているわけでしょう。そうなんですよ。だからこそ非常に大事なんです。だから、それじゃだめなんです。
 これまた最初に申し上げました誠実公正の義務の原則なんですが、誠実公正の義務ということをきちっと課しておきますと、こんな程度は常識でわかるじゃないかなんてうそぶくことはできなくなりますし、そういう立場に立ちますと、やっぱりプロの側がきちんと立証しないといかぬ。業者の側が説明したということを立証しないといけない。被害者の方は説明を受けなかったという主張をする。それに対しては、説明したということをまさにこの法律の範囲内で、説明義務の中で立証できるのであればきちんと立証していく。しかし、それは業者の側にとっても消費者の側にとっても大事なことだから、説明義務というのはできるだけ詳細に法律で定めるべきだろうと私は思うんですけれども、この範囲内でやるにしても、挙証責任は業者の側が負うべきじゃありませんか。
#155
○政府参考人(福田誠君) 過去のトラブルですと、例えば変額保険もそうでございますし、銀行が投資信託を売り始めて、それは元本が保証されているという誤解のお客さんも現に出ているわけでございますから、やはり基本的なリスクについて説明するということをきちっとやるということではないかと思います。
 それから、繰り返しでございますけれども、説明義務違反がありますと元本欠損が起きたときに即損害賠償責任を負うという、そういう因果関係はもう推定しておりますから、もし立証責任を業者に負わせるということになりますと、それは余りにもバランスを失する体系になるのではないかというふうに考えます。
#156
○池田幹幸君 今伺っていますと、その考え方は要するに業者の側に立ったといいますか、そういった考え方だとしか私は言えないと思うんです。
 現実を見ますと、きょうは時間もありませんから一つの事例だけ申し上げて終わりたいと思いますけれども、投資信託証券、投信、これは銀行が売れるようになりました。そこで、銀行側がトラブルが起こったら困るからということでやっている行為は、もういろいろ販売の窓口の人に、これをやったか、これをやったか、これをやったかとざあっと書いてあるんです。それで、一つ一つ項目にわたってこれはちゃんとお客様に説明したか、それを説明したということをお客さんの承諾をもらえというふうになっているんです、窓口の人に。それで、お客さんはそれを見て、はいはいはいと丸をするなり判こをつくなりしていけばいいとなっているんですが、何のことはない、実際はたったっと一般的な説明をして、結構ですね、それでは判こをお貸しくださいと言って、ぽっぽっぽっと全部自分でつくというんです。それが実態なんです。
 そういうことも考えれば、これはお客の方に責任を負わすのじゃなしに、本当に挙証責任の転換がなければ、このトラブル、裁判が長引くという実態は私はなかなか解決できないだろうというふうに思います。
 以後の問題については次回に回したいと思います。
 きょうはこれで終わります。
#157
○三重野栄子君 社民党の三重野栄子です。
 金融三法案について質問いたします。
   〔委員長退席、理事寺崎昭久君着席〕
 まず、金融商品の販売等に関する法律案でございますが、勧誘の適正を確保するために、この法律には第七条から九条にその規定がなされております。けれども、これまでの金融被害の状況を踏まえますと、これだけでは不十分ではないかと思います。つまり、イギリスの金融サービス法に規定されているのと同じように、顧客の依頼に基づかない勧誘を禁止すべきであると考えるのであります。
 金融ビッグバンの進展によりまして複雑な金融商品が登場する中、こうした厳しいルールも必要ではないかと思うのでございますが、顧客の依頼に基づかない勧誘を禁止するという点につきまして大蔵大臣の御見解をお伺いいたします。
#158
○国務大臣(宮澤喜一君) このたびの法律案で勧誘の方法につきましても規定をいたしておりまして、第八条からそれがございますけれども、その中に具体的に「勧誘の方法及び時間帯に関し勧誘の対象となる者に対し配慮すべき事項」というようなことが書いてございまして、一方的な訪問をしたり、あるいは電話で、しかも大変おかしな時間にいろいろなことを言ったりすることは、これは勧誘の適当な方法ではないということを書いておりますのは、そういうものを規制したいという法の意図であるというふうに考えております。
#159
○三重野栄子君 次に、金融オンブズマンの制度についてお伺いいたします。
 イギリスでは一九八六年に金融オンブズマン制度が導入されたと承知いたしております。
 いわゆる裁判外紛争処理制度の導入につきましては金融審議会におきましても最終報告に向けた大きな課題であると位置づけられておりまして、今後、検討がなされていくものと期待をしております。
 一方、金融オンブズマン制度を立ち上げるためには、銀行だとか証券会社を初めとする各業界から拠出金を募るなど厳しい問題もはらんでおりまして、実現はかなり難航するのではないかと予想されるわけでございます。こうした制度を導入するためにも大蔵大臣のリーダーシップが求められると思うのでございますけれども、この制度の導入に向けた大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
#160
○政務次官(林芳正君) 海外のオンブズマン制度についてのお尋ねでございましたけれども、先ほど来いろいろ御議論がありますように、積み残しの部分として裁判外の処理の制度ということで、その一例として金融オンブズマンということが出てくるわけでございます。
 るる御議論いたしておりましたように、金融審の答申でも、中間整理でございますけれども、ルールの実効性というのをちゃんと確保するために裁判外の紛争処理の制度の整備等も重要であるということでございますが、その上で、先ほど来御答弁申し上げておりますように、例えば司法制度、裁判を受ける権利との関係をどうするのか、それから今まさに委員がおっしゃったように拠出金を出す等、実施主体のあり方等についていろんな問題があります。
   〔理事寺崎昭久君退席、委員長着席〕
 また、法制度が各国によって異なっておるところでございますので、金融審議会において引き続き検討するということになっておりまして、ここで鋭意、六月には、政務次官お見えでございますが、七月から金融庁の方へ金融企画局も移りますので、それまでに審議会としては報告を取りまとめたい。ですから、その報告の中に何らかのまとまった形で入れられるというのが目標でございまして、そこに向けて我々も一生懸命頑張ってまいりたいと思っておるところでございます。
#161
○三重野栄子君 次は、教育の問題で文部省にお伺いしたいと思います。
 これだけ金融商品が多様化、複雑化してまいりますと、金融被害に遭わないようにするには、私たち消費者自身も金融商品に関してある程度金融の知識を持たなければならないと思います。
 教育問題についてはいろいろと基本法の問題等々も根本的にはあるかと思いますけれども、これまでの学校教育を振り返りますと、教育の場で金融が取り扱われる場面はせいぜい政治経済の授業の一場面にすぎず、金融の知識を身につける場がほとんどないのではないかと思うのでございます。したがいまして、中学生に金融というのはちょっと難しいかもわかりませんけれども、せめて高校生ぐらいは金融の初歩を学校教育の場で教育していくべきではないかとも思うんです。
 小学校、中学校、高校、それぞれの学年程度において社会の仕組みと関連した教育がこれから必要だと思うのでございますけれども、それらのことに関連をいたしまして、文部省の御見解を伺いたいと思います。
#162
○政府参考人(御手洗康君) 学校教育におきましては、現代の経済社会について理解させるために、中学校の社会科あるいは高等学校の公民科におきまして、国民として基本的に必要な基礎的な学習として現代の経済と国民生活について学習をしているところでございます。
 具体的には、中学校の社会科の公民的分野におきまして、これは中学の三年で学ぶことになりますけれども、国民生活の向上と経済活動の意義とあらましを理解させるということとしておりまして、教科書におきましては、具体的には金融や銀行の働きなどの基本的な仕組みを教えるということになっております。
 また、高等学校におきましても、公民科の政治経済並びに現代社会の科目におきまして、これも全員がどちらかを学ぶことになりますけれども、市場経済の仕組みや資金の循環と金融機関の働きということを理解させることとしております。ここも、例えば金融に関しては、証券の売買や銀行による資金の需給、あるいは公定歩合の操作などの中央銀行の金融政策やその仕組みなど、基本的な国民生活の仕組みを教えるということになってございまして、御指摘がございましたように、個々の商品のところまではなかなか一律に教える仕組みにはなっていないわけでございますが、今後とも社会科や公民科の学習を通じまして、できるだけ具体的な、生活に役に立つような形での経済の学習が行われるように努めてまいりたいと考えております。
#163
○三重野栄子君 先日、テレビだったと思うんですけれども、経営者になるための塾というのがございまして、それも小学生の子供からずっといましてびっくりしたものですから、ちょっとお伺いしたところでございます。
 これに関しては一問でございます。局長、お忙しいところをありがとうございました。
 続きまして、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律等の一部を改正する法律案の関連につきまして郵政省にお伺いしたいと思います。
 第百四十五回国会における郵便貯金法、簡保積立金の運用法の改正が行われまして、郵貯・簡保資金によってSPCが発行する資産担保証券及び特債法に基づくリース債権等を担保とする資産担保証券が購入可能になりました。
 これまでの郵貯、簡保による購入実績はどのようでございましょうか、お伺いします。
#164
○政府参考人(足立盛二郎君) お答えさせていただきます。
 昨年の五月に法改正をお願いいたしまして、資産担保証券を運用対象につけ加えたところでございます。しかし、資産担保証券は新しい金融商品でありますので、安全性とか確実性というものを確保する観点から、慎重な運用を行うように考えておるところでございます。
 そして、郵貯、簡保の運用基準を満たすこの資産担保証券が現時点におきましては必ずしも十分に発行、流通しているとは言えない状況でありますことから、現在のところ購入するまでには至っておりません。
#165
○三重野栄子君 なかなか難しいものでございます。
 次も郵政省にお尋ねしたいんですけれども、今回の法改正によりましてABS市場は厚みを増すものと予想されております。郵政省は、ABSへの運用に対しまして、厳格な政令を定め、慎重な姿勢を保っていると承知しておりますけれども、今後こうしたスタンスを維持されますか、今も慎重とかいろいろありましたけれども。それとも、市場の厚みを見ながら弾力的に政令を緩和していく、そのようにお考えなのでしょうか。今後のスタンスにつきましてお伺いいたします。
#166
○政府参考人(足立盛二郎君) 今般、SPC法が改正されるということで、従来の不動産とか指名金銭債権以外に流動化対象資産が拡大されるといったようなことでございますので、そういった制度の改正の状況、またそれに伴いまして、資産担保証券の市場の動向といいますか、成熟、拡充の状況、そういったことを見きわめまして、現在の運用制限の見直しの是非について私どもも考えていく必要があるのではないかと考えておるところでございます。
#167
○三重野栄子君 続きまして、株式及び外国為替市場の安定策について大蔵省にお伺いしたいと思います。
 米国株の急落など、本当にこのところ一つの話題といいましょうか心配な課題でございますけれども、東京株式市場では十七日、日経平均が歴代五番目の下げ幅を記録いたしました。この事態を受けまして、与党三党の政策担当者は一兆円規模の株価維持対策を打ち出したという報道がなされました。しかし、昨日には政府・与党内からも異論が相次ぎまして、当面PKOは実施しないとの報道がなされておるところでございます。
 私は、いわゆるPKOと呼ばれる株価維持策はかえって経済の構造改革をおくらせるおそれがあり、逆効果であると考えますので、当面PKOは実施しないと軌道修正されたことに対しまして一応安心しておりますけれども、PKOについて大蔵大臣はどのようにお考えであろうか。
 また、今回の米国株の急落によりまして、米国に流入していた資金が日本に流れ込み、外国為替相場も円高傾向を強めているところでございます。株価の下落と円の急騰は我が国の経済に大きなダメージを与えると懸念されておりますけれども、大蔵大臣はここ数日の外国為替相場の動きをどのようにごらんになっているのか、お伺いいたしたいと思います。
#168
○国務大臣(宮澤喜一君) ニューヨークで先週の金曜日に下落がございましたすぐ直後に私はアメリカに行っておったわけですが、月曜になればもう少し展開がはっきりするのではないか、半戻しぐらいあるのではないかと私自身は思っておりました。その後の今日までの経緯は、まあまあやや戻る方向になっておると思います。
 ただ、アメリカの責任者たちも、これがいっときの現象なのか、あるいは新しいアメリカ経済の将来をサジェストしているものなのか、そこはよく注意しておく必要があるということを言っておられまして、将来の金利政策なんかも、だから慎重に見守ってというのが現状のところだと思います。
 それについて、我が国の反応は、当然ながら月曜に大暴落をいたしましたが、その後、アメリカの月曜が回復しましたので、東南アジアの株式は大体回復をして、我が国だけが十分回復いたしておりません。昨日、一遍回復しましたが、本日は結局、後場は、大引けは少し下がったというのではなかったかと聞いておりますが、ちょっと我が国は特殊事情があるようでございます。
 私も詳しくはございませんけれども、ダウの二百二十五銘柄でございますか、その指数がいわゆる我々の使っておるダウで、TOPIXではない方でございます。その入れかえが今行われつつあって、たしか三十銘柄ぐらいの入れかえが、来週の月曜でございますか、それまでに進行する。入れかえるだけなら問題はないんですが、そのインデックスで商売をしている人がおりますと中身が変わります。そのことが非常に大きく影響しているということを聞いております。
 したがいまして、ダウの先週の金曜の動きが我が国に影響した影響のあり方が、ちょっと我が国の場合にはここのところ特殊な事情があったのではないかというふうに聞いておりますので、そういう特殊事情がなくなりました段階においてやがてなくなるんだと思いますが、どういう影響があったか。東南アジアの反応の方がむしろそういう特殊事情がなかったように聞いております。
 それから、為替の方は、結局、円が余り高くなることは我が国の経済回復に邪魔になる、そういう考え方自身はG7でもほぼ受け入れておりますが、ユーロの動きがもっと下がっているものでございますから、したがってユーロについても議論をしなければならない。円だけの問題ではないということであるのですが、ユーロ当局はユーロについて議論してもらうことを好まない、介入をされるというようなことも好まないふうで、これはドイツとフランスとは違う考えかもしれませんが、ユーロ中央銀行の考え方でございますものですから、結局、円だけを取り出して議論することにはならずに、メジャーカレンシーズということで、ドルを含めましてそういうものについてファンダメンタルズに合致するようお互いに協力し合おうというような言葉に変わりました。
 実態は別に今までのことと変わっていないと思います。我が国も市場に好ましくない大きな変化があれば介入をいたしてまいりましたし、今後もしなければならなければいたそうと考えておりますから、為替の方は一落ちつきしている、まあまあということじゃないかと思います。
 為替と円とに今までどうも幾らか関係があるのですが、先週まではどうもナスダックの動きに我が国の株価全体、ナスダックでなく全体が少し影響されていたような気配がございます。ナスダックとダウが少し別々のものになってくれば、我が国の株価がナスダックで余り動くというのも普通のことではないなと思っておりますけれども、多少影響がありましたし、殊に円についてはどうも影響がやはりあるのじゃないかと思います。
 ただ、先ほど申しましたように、私どもは株価そのものをどうしようという考えは持っておりませんので、もし円が日本経済全体の動きから見て大幅にスペキュラティブに動くというときには介入することはやむを得ない。その結果として、それが株価にいい影響があるというのならそれは構いませんけれども、それ自身が目的ではないという気持ちで運営をいたしております。
#169
○三重野栄子君 どうも詳しくありがとうございました。
 もう一点、郵政省にお伺いいたします。
 PKOに関連しましてですけれども、株価維持策に郵貯、簡保等の公的資金を使うなどというのは言語道断であると思うのでございます。当面PKOは実施しないとされたものの、平成十三年四月から郵貯、簡保は全額自主運用となるわけでありますから、与党幹部がこれらの資金を自分たちのものであるかのように認識されまして、株価が下がれば公的資金を注入すべきとの発言を繰り返しおっしゃるということになるのではないかと不安を感じるわけでございます。郵貯、簡保の自主運用に当たっては、政治的な中立性をいかに確保できるかが一つのかぎになるのではないかと考えるのでございます。
 そこで、郵政省にお伺いいたしますが、こうした要請に対して今後とも断固拒否されるでしょうか。資金運用に当たりましての政治的中立性の確保という点についてどのような見解をお持ちか、お伺いいたします。
#170
○政府参考人(足立盛二郎君) PKOについてのお尋ねでございますが、もとより郵貯、簡保の自主運用といいますのは事業の健全経営の確保を目的としておりますので、やはり預金者、加入者の利益につなげていくものでなければならないわけであります。したがいまして、市場の相場維持といったようなために資金運用を行うということはあってはならないと考えております。
 また、十分御案内のところだと思いますが、この指定単という仕組みは金銭信託の一種でございまして、委託者であります私どもがお金を預けております簡保事業団が信託銀行に資産の運用種類、割合の指定を行うのみでございまして、具体的な運用は受託者であります信託銀行の判断により行われておるものでございます。したがいまして、そもそも仕組みの上からも国や簡保事業団が具体的な売買の指示をできる仕組みにはなってございません。
 こうしたことから、これまでも株価維持のための指定単運用というものは行ったことはありませんけれども、今後ともそのような考え方はございません。
#171
○三重野栄子君 ぜひともその点は厳守をお願いしたいところでございます。
 郵政省にかかわりましてはこれが最後でございます。ありがとうございました。
 次に、先日開かれましたG7及びIMFの国際通貨金融委員会の結果と今後の我が国の財政政策について大蔵省にお伺いしたいと思います。
 国際通貨金融委員会は十六日に共同声明を発表いたしまして、日本経済はデフレ懸念が依然として存在すると指摘し、同時に財政、金融面での景気刺激策の必要性を強調されました。この声明にこたえる形で、大蔵大臣は、G7終了後の記者会見で、日本政府として引き続き財政、金融面での内需刺激策をとるという発言をされたところでございます。
 大蔵大臣は、今年度予算成立前後から、財政赤字の増加に対する懸念や財政構造改革の必要性に関する発言が多かったように記憶しておりますし、午前中にもそのようなことをお述べいただいたわけでございますけれども、今回の声明は、日本経済の自律的な回復基調が明らかになるまでは政府として財政面での支援を続けていくということを世界各国に確約されたというふうに考えるわけでございますけれども、いかがでございましょうか。
#172
○国務大臣(宮澤喜一君) 我が国経済がまだ完全なデフレ懸念から脱却していないという見方はIMFあるいはアメリカの当局者に強いということをけさほど申し上げました。私どももまだ完全に回復軌道に乗っているとは言ったことはございません。やはり雇用、賃金についての影響は、十―十二が悪うございました後どれだけ今後早く回復するかというのはまだ、そう願っておるということでございます。
 そこで、今、委員がお読みになりましたのが、先般成立をさせていただきまして今執行になりました平成十二年度の予算そのものが極めて景気刺激的なものでございます。金融危機にも対処しておるものになっておりますから、この予算をごく普通に執行していくということで、それは継続をするということになるんだと思っています。
 他方で、いや、この予算の上に補正をやろうということなりますと、それはそういうことになろうかと思いますけれども、そんなことは議論にもなりませんし、約束もいたしておりませんで、私としてはそうしたくないとむしろ思っております。ただ、既に成立いたしました予算は自然体で執行させていただきたい。
 それから、金利につきましては、けさほど日銀総裁が四月十日の金利についての決定は当分そのまま施行していくと言われましたので、それが中央銀行の態度と考えております。
#173
○三重野栄子君 続きまして、国際通貨金融委員会の開会に当たっての課題を申し上げたいと思います。
 世界各国のNGOが激しい抗議行動を展開いたしまして、会議が混乱したという報道がございました。この抗議行動の背景には、IMFと世界銀行の開発途上国向け融資のあり方に対する根強い不満があったと言われているところでございます。確かに国際金融機関が描く貧困脱却からの処方せんと開発途上国が希望する融資のニーズとの間には大きな隔たりがありまして、国際金融機関の融資政策の転換が不可欠であると言えると思います。
 我が国は、IMF、世銀に対する第二位の出資国でありまして、この問題の解決に大きな責任を有していると思うわけでございますが、大蔵大臣はこの点につきましてどのようなお考えでございましょうか。
 もう一点、IMFの融資政策については、アジア通貨危機の際に行われたような構造改善プログラムをセットにした長期融資の政策から短期の流動性支援の融資政策へ変更すべきとの意見も聞かれるのでございますけれども、この点につきましても大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#174
○国務大臣(宮澤喜一君) シアトルでありましたようなことがワシントンでもあったわけでございます。これについてはいろんな見方があると思いますけれども、私が一番公平だと思いましたのは、ある新聞の社説でございましたか、だれかの説でありましたかですが、簡単に言えば、あの人たちの言っていることは余りに単純でそのままではどうにもならぬと、それが第一弾です。
 しかし、それに続きがありまして、世界銀行の副総裁であったスティグリッツが、この間やめましたが、スティグリッツそのものがこの制度には改革の必要があると言っていること、私ども自身がどういうふうに改革するかということを実際に議論しておりますので、それがいかにも遅々としているということはございますが、今のままでいいということではないということでございます。
 最後におっしゃいました、IMFが長期的ないろんなことに金を出すよりはもっと短期的な機能をすべきだという議論はアメリカに非常にございます。多分、私は根本としてはそうなのかもしれないと思います。現に九七年にアジアで起こったようなケースにはIMFがあれだけ仕事をしておりますし、長い方向としては、やはりIMFはああいうのは本来の機能ではないだろうという議論は強くなってくるのではないかとは思っております。
#175
○三重野栄子君 終わります。
 ありがとうございました。
#176
○椎名素夫君 長時間お疲れのところですけれども、いつもながら感想めいた話になりますが、三十分だけおつき合いを願いたいと思います。
 きのうの党首討論で森さんの言っていらっしゃったことを聞いておりましても、これは森さんだけが言っていることじゃないんですが、過去の日本の繁栄を支えてきたシステムというのが大変あるところまではうまくいったけれどももたなくなったというような話を皆さん割にすっとなすって、したがって変えなきゃいかぬという話が大変はやっているというか、みんなそんなふうになっているような気がするんです。どうも少し先へ滑り過ぎているんじゃないかという気が時々いたしまして、この金融三法案なんかを眺めていても、足元をきちっとしないで先へ滑ってしまって大丈夫かなという気がちょっとするものですから、その点を少し申し上げたいと思うわけであります。
 だめなものは壊せと言っているうちは割に気楽なんですが、だめなものを壊しても次をつくらなきゃいけない。この間のこの委員会でも宮澤大臣とその次のパラダイムに基づくモデル論というのをやっていただきましたが、それは今度は組み直していくということだと思うんですね、壊すだけでなしに。そうすると、つくることになりますと、部品をそろえてきちっと組んでいかなきゃいけない。
 例えばこの日本の証券市場、今、取引所の株式会社化というような、その取引所の家一軒の話をしていて、その中でみんなが公正に暮らせるかという話ですけれども、一体それを取り巻く環境、機構、土台というのをこのままにしておいて、その上にまたつくってしまうということでいいのかなというような気がしてしようがないんです。
 釈迦に説法ですが、株式会社というようなところ、それで一般にビジネスの世界ですが、私もちょっとしかかじったことはないけれども、会社を一つつくって、実は売れまして、少しはもうけたことがあるんですが、大変に激しい世界でありまして、できの悪いのは脱落するんです。株式会社などをつくりますと、その中でもできのいい、能力があり、経験があり、あるいは適当なずるさがありというのは勝つんですね。そういうようなことに取引所などをしてみて、一体よくわからないんですが、先ほどからのお話を聞いていても、特にもうかる株式会社じゃないというわけで、またこれは余りもうけたらみんな文句を言うような話ですから。
 そうすると、一体株主というのは何を求めるか、大切なお金を投資して。そこで、その株式会社の株からの配当みたいなことでもうからない場合、やっぱり何かで取り返さなきゃと思う人が出てきたときにどうするか。親族とかなんとか、みんな分けて五%といっても、全く最初は他人であった株主が結託してやったら一体どうなるか。
 それから、私はずっと株をやっている知人に聞きましたら、これはそう簡単な話じゃないと言うんです。これはもうお互いに方々の株式会社同士競争させようという話ですね。そうしますと、とにかく生き残り競争になる。日本の場合、とにかく取引所のサイズを大きくするということは、この株式会社は当然ねらうところでありますから、お客を逃さないようにする、新しいお客を抱え込むようにするということは一生懸命やるに違いない。
 今三五%ぐらいですかね、外国人の株主、外国からの株式が。はっきりしたことはわかりません、間違っているかもしれない、大体そんなものだと思うんですが。この人たちへの便宜も図らなきゃいかぬ。そうすると、二十四時間あけていないと、日本の時間だけでやっていると、こんな使いにくいものということで逃げる。二十四時間営業になる。これはもう大変にコストがかかってきてくたびれちゃう。くたびれて、こんなもうからない、コストはかかる。先ほど資金調達が便利だとおっしゃったけれども、そういうことで、ではしようがないから借り入れしてこよう、あるいは増資をしなきゃいかぬ、何のためにやっているか、もうわけがわからないといってくたびれたところに、ちゃんとその後の要件を満たすような株主団がやってきてTOBをかけたら一体どうなっちゃうのか。こういうようなことについてお考えになった上でやっていらっしゃるんでしょうか。
#177
○国務大臣(宮澤喜一君) 御注意のことは十分気をつけてまいりますけれども、今考えられておりますのは、私の聞き及んだところでは、正確にそうならなきゃならぬということを申し上げているのではないんですが、今の取引所の組織を株式会社に変えていく、そうして実際上は会員の間でその株式を配分すると。最初は会員に限ってやるのではないかと聞いておりますけれども、それから少し拡大するかもしれないが、実態上今のような状況というものと、一種の公共性といいますか安全性といいますか、大丈夫そうであると。そして、五%という規定は、これはどっちみち一種の正規性ではございますけれども、会員の中だけである、あるいは将来少しはふえるかもしれないということで、外国人が非常に大きな取引所、株式会社の株式を保有するということはちょっと考えられないであろうと言っております。
 戦前は、御承知のように新東は指標銘柄というよりは人気銘柄でありましたし、戦後も、たしか平和不動産といったかと思いますけれども、ちょっとそんなことがございましたが、いずれの場合にも取引所の機能そのものに影響があったようなことはなかったと思いますから、今回、主として会員が中心に持っておるということであると、恐らくそういう心配はないだろうと。
 ただ、そうは申しましても、政府の免許を受けた事業でありますし、定款も政府がちゃんと見ることになっておりますし、法令違反があればもとより政府として是正ができることになっておりますから、そういう規定そのものは、これを余計に働かせるということは要らぬことでございますけれども、そういう規定を政府が持っておるということはきちんと認識しておくべきであろうと思います。
 御注意のようなことが起こりませんように、関係者にも十分考えて運用してもらいたいと思っております。
#178
○椎名素夫君 大変どぎつく申しました。杞憂に終わればいいんですが。
 一つだけ申し上げますけれども、戦前と比べても大分様子が違うので、戦前の日本の資本市場なんというのは大変貧乏で、余り人が来る魅力もなかった。しかし、今はもう宝の山というようなことで、現に今、郵貯のあの定額貯金の満期がことしは来て、利息が下がっちゃう。あれをねらってこっちへこっちへというのは、日本の銀行もそうですけれども、世界じゅうがねらうような話になっております。悪いやつにとっては大変にざくざく宝の山というところであり、また我々がきちっと経済をこれから運営していけば、ますますそうであり続けるというところが非常に違うところじゃないかと思います。杞憂に終わればと思いますので、ぜひぜひよろしくお願いを申し上げます。
 それで、それに関連してなんですが、取引所というところだけでなしに、日本の全体のお金の取引あるいは実物経済、それまで全部合わせたところがうまくいっていないということだけは確かですね、消費者まで入れて。そういうもの全体を非常に精密機械のように経営していくというのが大きく広い意味で経済政策というものだと思うんです。
 私は昔、原子力をやりまして、みんな輸入してしまったのでおもしろくなくなったんですが、原子炉の設計というのを最初やっておりまして、幻のものを二つ三つかきましたけれども、ああいうものをやるときに、昔のボイラーと大変違うんです。ボイラーの計算というのは、例えば油を使うにしても石炭を使うにしてもまきをくべるにしても危険がないんですね。爆発さえしなきゃいいんです、ほっておけば燃料がなくなって消えてしまいますから。
 ところが、原子炉というのは、連鎖反応というのを起こし始めると、うまくやらないと制御ができなくなって暴走して、ですからチェルノブイリみたいなことが起こる。それを考えると、中性子というのがウランなりプルトニウムをたたいて、それで連鎖反応が起こってという、どういう形でそれをやらせるかというまず理論がある。それに従って実際の設計をやる。
 それから、設計だけやったんではちゃんと動くかどうかわかりませんから、小さな実験炉をつくって、それからもう少し大きな実証炉というのをまたつくって、それで初めて建設になるわけですね、実用炉の。それをつくるに当たっては、どうやってきちっと内在的な安全性を確保するかというようなことを考えながら運転保守ということを設計しなきゃいかぬ。しかし、万一何か起こったときには事故の対処をやらなきゃいかぬ。
 この一連が全部ないときちっとした仕事はできないというふうになっておりまして、人間社会のことですから機械のようにはいかないと言ってしまえばそれっきりですけれども、なるべくそれに近いようなことを考えたらどうかということをかねがね思っておりました。
 それで、バブルの後いろんなところで、税制がどうしたとか、財政はどうだとか、銀行はどうなった、証券会社がおかしくなったとか、いろんな話を聞いていると、やっぱりこれは少し総合的にお金の流れを全部考えなきゃいかぬのじゃないか、そういうのはないのかなと思っておりましたら、それはもうアメリカはやっているんだという話を聞きまして、何を勉強したらいいんだといったら、あのくだらない経済学の本はやめて、アメリカの証券取引所法、一九三四年の、それに関しての本を読めばいいんだと言われまして、さきおととしになりますが手に入れましたら、こんなに厚い本で、ちょぼちょぼ読み始めたんですが、これはまあ大変なことで、まだ全部読んでいるわけじゃない。しかし、それで何となしにわかってきたような気がいたしました。こんなことは、私は素人ですから、素人が生かじりを始めただけの話だったんですが。
 一つ体験を申しますと、おととし、まだ橋本内閣のときに、名前は申しませんけれども、ある大きな銀行の会長、頭取、何とかという人たちと大口取引先の社長、会長が集まるサロンがあって、そこに来て話をしてくれと言われました。行政改革の話をしろと。いいかげんなことを言っておけばいいんだろうと思って行ったんですが、四十人ぐらいおりましたか、偉そうな顔をしておりましたけれども。
 それで、少ししゃべり始めたんですが、既に金融についてはいろんな問題が噴き出たときですけれども、皆さん自信に満ちた顔をしておられるんですね。それを見ているうちに、これはちょっと危ないなと思ったものですから、持っていったメモをみんな捨てて、非常に乱暴なことを申しました。
 何を言ったかというと、冷戦のときにはアメリカのような国が日本は敵の敵だから味方だということで随分日本も甘やかしてもらった、その間に日本は経済成長を遂げたんだけれども、冷戦の間に起こったこと、起こらなかったこと、いろいろあったけれども、起こらなかったことで一番大事だと思うことがありますので、ぜひ皆さん方にお願いしたいと言ったんです。
 何を言ったかと申しますと、何が起こらなかったかというと、日本の経営者の方々は資本主義、自由経済の基本をきちっと勉強なさらなかったことだと。それが一つ。それからもう一つは、西欧的市場経済とか自由経済というのはあいつらのものであって、アジアにはアジアのやり方がある、日本には日本のやり方がある、あるいは市場の失敗ということもあるというようなことで、必要なことをやらないで済まそうという向きがあるけれども、アメリカが一九二〇年代からの恐慌の中でそこから何をやってきたか。悪いやつがあらわれては、ああ、こんなのがあったということで新しい法律をつくり、インスティチューションをつくりして、いまだに戦っている。その歴史というのを、この二つを勉強していただきたいと言ったら、大変不愉快な顔をされました。
 それで、私は申したんですが、なぜこういうことを言うかというと、その三年ぐらい前でしょうか、信用組合が二つぐらいはじけましたね。そうしたら、日本の銀行にジャパン・プレミアムというのがかかって、普通の平均金利から〇・五%ぐらい上に乗っけられたりした。アメリカの例えばネブラスカのローカルバンクがはじけたからといってアメリカの大銀行にアメリカ・プレミアムなんかつかぬでしょう、ウェールズでローカルバンクがはじけたってブリティッシュ・プレミアムはないし、それから何とかシュタットというようなドイツのローカルバンクがつぶれたって何もそういうことは起こらないでしょうと。
 なぜかといえば、手のひらにおできができたら、向こうは全体のシステムに信用があるから、外科に行ってちょっと取ってもらった、はい治りました、ばんそうこうを張っておしまい。ところが、日本は非常に猜疑の眼で見られているから、おできがちょっとできたら、ああ、あいつの内臓は相当いかれたに違いないと思うから、あなた方のような立派な銀行にもプレミアムがかかるということを自覚してやっていただかないと、行政改革なんて幾らやったって日本はよくならぬと言ったんです。そうしましたら、少しだんだんまじめになって聞いてくれましたけれども。
 そこで私が申したのは、まだ初めの十分の一ぐらいしか読んでおりませんでしたけれども、こういう本があるのをもちろん御勉強なさっているでしょうねと言ったら、知らなかったと。何という本ですかと言って、私が申したら、メモをしました、銀行の人は。これはいかぬと私は思った。それ以来、私は今の日本の経営者というのは余り信用しないことにしておりますが、大蔵省は信用してもいいのかな。
 そういうものがあって、アメリカのやり方は、もう余り申しませんけれども、あらゆる税制、財政、金融、銀行、それから株式会社、マフィア、そういうアメリカの社会の中でどういう取引が行われてどこにインチキがあって、これをきちっとやらないことにはアメリカの経済というものがきちっと運営できないというのを調べ上げたのがペコラ委員会です。これは皆さんよく引用なさる。
 そして、それに基づいて銀行法をつくり、証券取引法をつくり、証券取引所法をつくって、三四年までにできて、そしてその当時の公正取引委員会からSECを独立させて、ここに物すごい警察権を与えた。ですから、SECというのは、独立しているだけでなしに、CIAも一緒になるし、IRSも一緒になるし、沿岸警備隊からFBIから何から全部巻き込んで、そして場合によっては民事訴訟にまで、市場の弱者が市場の強者に負けてはいけないということで介入している例も随分ある。それを改良しながら今に至っている。そこで鍛えられたような連中がアメリカの財務省の高官になって出てきているから、あいつらがインチキを言うのも知っているし、どこに自分たちの強さがあるか知っている。その目をくぐりながらもうけてきたような連中がこのあたりにうろうろと乗り込んでくるというようなことはやっぱりお考えになっておいた方がいいんじゃないかと私は思います。
 私が申し上げたいのは、演説して申しわけないけれども、ペコラ委員会というのをよく引用されますが、あのときに起こった不祥事に対処するためにいろいろ調べ上げて、責任者を摘発してきちっとやったというようなお話になっておりますね。そういうふうにとっている向きが多い。そうではなくて、さっき私が原子炉について言ったようなメカニズムをつくったんです。それがあるからいろんな実験ができる。
 アメリカの証券取引所のナスダックなんというのが株式会社をやってごらんというようなことが平気でできるのは、その周りに先ほど言いました機構から土台から何からがしっかりしているから実験ができるゆとりがある。それがないところでその先のことだけやってみても、私は直らないんじゃないかという気がするんです。
 先ほどから、各国で日本はまだデフレの危険があるというようなことを言ったと。どうもそうらしいんですが、何が悪いかといったら、株が少しぐらい二万円超えたどうのこうのということは経済の一方であって、バブルがつぶれました、整理がつきましたと言えればいいんだけれども、終わっていない。まだ地価はどこまで下がるか実際のところわからない。事実、GDP比にしてみたら日本の土地資産というのはまだ高過ぎますでしょう。それがまともなところまで下がるまでは覚悟しなきゃと思うと、何が起こるかというと、せっかく勤労者、技術者、科学者、みんな一生懸命日本の勤勉さでもって働いても、それで積み上げたものがそこにみんな吸い取られてしまう。それで、くたびれた銀行は安く外国の銀行に買われるというような話が下手をすると起きてくる。
 だから、もう今少し遅いかもしれないけれども、本当の意味でのペコラ委員会というのをつくって、日本では一体どうなっているのか。幸いにアメリカの当時のマフィアみたいなめちゃくちゃなやつに比べればまだ子供みたいな者しかいないし、とにかく何をやれば日本の市場というものが本当に安心できるか。単に消費者保護、投資者保護というようなことだけじゃないんだと、これは。その間違いによって税金まで取れないというのが実情なんですから、そこをぜひ、これは大臣に申し上げるよりも、向こうでもあのときは上院でつくったんですから、こっちは六年間選挙がないんだから、参議院で本気になってやってみたらどうかということをきょうは提案したかったんです。
 そういうことを言えばこれで私の話は終わりでありますので、御感想があればぜひ伺わせていただきたい。
#179
○国務大臣(宮澤喜一君) 感想は申し上げませんが、よく考えなきゃならないお話を承りました。
 ありがとうございました。
#180
○椎名素夫君 終わります。
#181
○委員長(平田健二君) 三案に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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