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2000/04/27 第147回国会 参議院 参議院会議録情報 第147回国会 財政・金融委員会 第13号
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2000/04/27 第147回国会 参議院

参議院会議録情報 第147回国会 財政・金融委員会 第13号

#1
第147回国会 財政・金融委員会 第13号
平成十二年四月二十七日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十四日
    辞任         補欠選任
     世耕 弘成君     倉田 寛之君
     中島 啓雄君     保坂 三蔵君
 四月二十五日
    辞任         補欠選任
     倉田 寛之君     世耕 弘成君
     保坂 三蔵君     中島 啓雄君
     海野 義孝君     続  訓弘君
     三重野栄子君     菅野  壽君
 四月二十六日
    辞任         補欠選任
     続  訓弘君     海野 義孝君
     菅野  壽君     三重野栄子君
 四月二十七日
    辞任         補欠選任
     海野 義孝君     続  訓弘君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         平田 健二君
    理 事
                岩井 國臣君
                中島 眞人君
                寺崎 昭久君
                池田 幹幸君
    委 員
                片山虎之助君
                河本 英典君
                世耕 弘成君
                中島 啓雄君
                林  芳正君
                日出 英輔君
                星野 朋市君
                伊藤 基隆君
                久保  亘君
                櫻井  充君
                海野 義孝君
                浜田卓二郎君
                笠井  亮君
                三重野栄子君
                椎名 素夫君
   国務大臣
       大蔵大臣     宮澤 喜一君
       国務大臣
       (金融再生委員
       会委員長)    谷垣 禎一君
   政務次官
       大蔵政務次官   林  芳正君
       金融再生政務次
       官        村井  仁君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田 成宣君
   政府参考人
       金融監督庁監督
       部長       乾  文男君
       大蔵省主税局長  尾原 榮夫君
       大蔵省金融企画
       局長       福田  誠君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○証券取引法及び金融先物取引法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出)
○特定目的会社による特定資産の流動化に関する
 法律等の一部を改正する法律案(内閣提出)
○金融商品の販売等に関する法律案(内閣提出)

    ─────────────
#2
○委員長(平田健二君) ただいまから財政・金融委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 証券取引法及び金融先物取引法の一部を改正する法律案、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律等の一部を改正する法律案及び金融商品の販売等に関する法律案の審査のため、本日の委員会に金融監督庁監督部長乾文男君、大蔵省主税局長尾原榮夫君及び大蔵省金融企画局長福田誠君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(平田健二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(平田健二君) 証券取引法及び金融先物取引法の一部を改正する法律案、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律等の一部を改正する法律案及び金融商品の販売等に関する法律案、以上三案を一括して議題とし、前回に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○海野義孝君 おはようございます。
 公明党・改革クラブの海野でございます。
 二十日に引き続き、またきょうもいろいろと御質問させていただきます。大臣初め皆様には朝早くから大変御苦労さまでございます。よろしくお願いいたします。
 前回は金融三法、いわゆるビッグバンに伴うインフラ整備に関連した三法案の中で、特に集団投資スキーム関係、それから金融商品販売法案関係を中心に御質問いたしましたので、きょうは証券取引所の株式会社化の問題を最初にまず御質問させていただこうと思います。
 御案内のとおり、この金融インフラの三法案の成立を目指して今審議中でありますけれども、証券取引所の株式会社化という問題につきましても今世界的に大きな潮流となっている問題でございます。ヨーロッパの場合ですと、一昨年の十一月に英仏独を初めとして九つの株式取引所、証券取引所を統一するというような構想が打ち出されまして、ドイツの証券取引所は既に株式会社化しておりますし、昨年の七月にはニューヨークの証券取引所が株式会社化という方向で一応方向性を決めたということも言われております。
 金融市場にとりましても、グローバリゼーションという状況の中にありまして、世界の市場は今まさにしのぎを削った戦いをしているということでございます。ヨーロッパの証券取引所の統一構想につきましても、これはアメリカに対抗するといいますか、金融商品というものが大変多様化してきているという中で、投資家に対してのサービスというかそういった面でも大変熾烈な競争が国際的に展開されている、こういうことだろうと思うわけでございます。
 そうした中で、我が国でも欧米のそういった方向に追随するように、日本のマーケットにおける取引所の株式会社化ということが明らかになってきているということでございます。証券取引所というのは、投資家とか証券会社に取引の場を提供するということで、従来の独占的ないわゆる公的な存在から、今後は利益を追求するといいますか、そういう組織への脱皮を図っていくということになろうかと思うわけでございます。
 そういう世界的な合従連衡の中で、まず我が国自身としても証券取引所の株式会社化についてはいろいろなねらいがある、こう思うわけでございますけれども、私は、証券取引所というものは、公正な株価の決定ということ、あるいは投資家保護というようなこと、いわゆる公共財としての意味合いがこれまで強かったわけでございますけれども、そこに今度は言うなれば株式会社になるということで、やや営利的な面も入ってくるという難しい問題を抱えるということになると思うんです。
 そこで、第一の質問としては、取引所は公共財でありますから、その運営には公益というか公正を反映する仕組みというものが不可欠なわけであります。例えば、取引所にはいろいろな企業の上場ということが行われているわけですが、その審査などにつきまして公益的な機能というものがきちっと維持されるかどうかという点についてまずお聞きしたいと思います。
#6
○政務次官(林芳正君) お答えを申し上げます。
 もう委員は御専門の分野でありますから、釈迦に説法であるというふうに思いながら御答弁を申し上げるわけでございますが、委員御指摘のとおり、証券取引所には投資者の保護、それから取引の公正を図りながら有価証券の取引の場を提供するという非常に大切な公共的な機能が求められておるわけでございまして、今回、株式会社化に際しましてもこのような公共的な機能を維持するために必要な措置を講じておるところでございます。
 具体的には、会員組織と同様に、この証券取引所に、参加者にルールをきちっと守らせるという自主規制機能を担わせるとともに、株式会社になるわけでございますが、市場を開設するときにはきちっと免許にかからしめてその公正さを担保するということになっておるわけでございます。
 また、たびたび議論になっておるところでございますが、今度、取引所の経営が株式会社になりますから、特定少数の者に経営がゆだねられることにならないように五%ルールというのを定めまして、何人も発行済み株式総数の五%を超える株式を保有してはならない、こういう措置をとっておりますので、上場審査などについてもそういうことの効果によりましてきちっと公正性が担保されていくものになるというふうに考えておるところでございます。
#7
○海野義孝君 今、公平性、公正性、公益性、そういったものを十分担保するような措置を、例えば株式会社になった場合の株主の持ち株の制限等々のお話がありました。
 これは先般の参考人の方にもちょっとお聞きしましたけれども、証券取引所としての自主規制機能というもの、これは日本証券業協会あるいは東京証券業協会等との関係もありますけれども、自主規制機能を維持するために、株式会社になった場合に特に何か新たな措置を講じるというようなことはございますか。
#8
○政務次官(林芳正君) 御指摘のとおり、自主規制機能というのを現在も持っておるわけでございますが、今度、株式会社になりました場合にはこれをきちっと発揮してもらわなければならないわけでございまして、取引の参加者が取引所が定める自主ルール等を遵守しなければならないということ、それから自主ルール等に取引の参加者が違反した場合には、この者に対して制裁措置を講じるという旨を定款に定めてくださいということになっておりまして、これを法案の八十七条に定めておるところでございます。
 現行法上におきましても、この自主ルール等に違反した取引の参加者に制裁を講じない取引所に対しては、行政当局が免許取り消し等の処分を行える仕組みとなっておるわけでございまして、今回の法改正におきましても、百五十五条一項一号でございますが、今度は免許を市場に対して与えるということでございます。そちらの方は株式会社化に際してそうした仕組みを維持することになっておるということで、二重に担保が行われているということでございます。
#9
○海野義孝君 証券取引所は従来は会員制の組織ということで、非営利法人ということでございました。会員一人一票という権能が付与されておりまして、総会においていろいろなことを決めるということですから、大変スピーディーな今日の世界の金融市場におきましては、こういう体制というものはいろいろなものを決定する上においても大変非効率的だということはよくわかるわけです。
 そういう意味では、意思決定を民間企業並みに早めたいということがよくわかるわけでございますけれども、株式会社ということになりますと、株主総会であるとか取締役会であるとか監査役会であるとかいろいろあるわけでして、そういう面で、この取締役会の構成についてもいろいろと考えておく点、先ほどから御指摘もありましたような公正性等も含めて、例えば社外重役であるとか社外監査役であるとかいったこと、コーポレートガバナンスというような問題等と絡んでこういう問題が株式会社となるとやはり重要な問題になろう、こういうわけでございまして、そういった点でのいろいろな工夫ということが必要だろうと思います。
 それからまた、市場の運営に関しましても、市場の利用者、従来はここでは会員中心でありましたけれども、これからは取引に参加する者は必ずしも株主だけではないというようなことになろうかと思うので、そういうことを考えますと、市場利用者の意見を反映するような仕組みについても考えなくちゃならない、こう思うんです。その点については、株式会社になることによってのそういったボードの関係の問題についてどのように指導監督されるか、そういった点はいかがでございますか。
#10
○政務次官(林芳正君) これも委員よく御承知のことだと思いますが、現在の状況は、各証券取引所におきまして、今まさに委員がおっしゃったように、取引参加者、証券会社等でございますが、この会員の代表に加えて、投資家や有価証券の発行体の代表等から役員を選任するという規則になっておるところでございます。
 例えば東京証券取引所、東証でございますが、認可された定款の六十七条におきまして「正会員は、証券業又は証券業と直接関係のある業務に従事する者以外で、証券市場の運営に関し公正な判断をすることができるすぐれた識見を有する者のうちから、理事六人を選挙する。」、こういうふうに代表を出すというようになっておりまして、これを認可しておるところでございます。
 御指摘のように、今度、株式会社になります証券取引所においても同様に、コーポレートガバナンスという観点から市場の適切な運営を確保していくということで、取締役会の構成を同じように工夫してもらうということによって市場の運営に関して利用者の意見を反映させることが望ましいというふうに我々は考えておるところでございまして、そういった趣旨で行政を行ってまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。
#11
○海野義孝君 どうもありがとうございます。
 こういう話を最近ちょっと聞いたんですけれども、証券取引所の株式会社化の動きに伴って、今これは公益法人でありますが、証券保管振替機構についても株式会社化の議論が出ているやに聞くんですけれども、この点は本当か、そういった話があるのかどうか、またこういう考え方について政府としては何か御見解をお持ちかどうか、その点をお願いします。
#12
○政務次官(林芳正君) 御専門の先生らしいと言ったら御無礼かもしれませんが、大変お詳しい質問だと思ってお聞きをいたしておりました。
 先生御指摘のように、実は金融審議会の第一部会のもとに昨年九月に証券決済システムの改革に関するワーキンググループというものを設置しておりまして、ここで二十一世紀の我が国証券市場全体を支えるインフラとして、これは委員が大変お詳しいところでありますが、証券の決済システムというもののあり方、その実現についてどういうことを法制上解決していくべきなのか、また実務上どういう問題点があるのかということについて専門家の皆さんに検討を行っていただいておるところでございます。
 そこで、国際的に負けないといいますか、肩を並べることができるシステムということで、例えばTプラス1、翌日決済でございますとか、それからDVP、デリバリー・バーサス・ペイメントでございますが、証券の受け渡しと資金決済の同時履行というようなことにつきまして実現していくべきではないかという議論がなされております。
 その同じグループの中で、これと関連いたしまして、今まさに委員が御指摘になりました証券保管振替機構、いわゆる保振でございますけれども、これの組織形態の見直しについても委員の先生方から御指摘が出ておるところでございます。
 私もその審議会に出ておったことがございますので、そういう意見が出ておったということを承知いたしておるところでございますが、ただ証券取引所と違いまして、今の形態が財団法人であるとかいろんな問題もございますし、幾つもあって競争するというものかなという意見もこれありでございまして、いろんな意見から今検討がなされているところでございます。今のところはどうするという方向が出ておる段階ではないという段階でございます。
 この検討結果は、金融審が六月に最終報告を予定しておりますので、それに向けましてさらに議論を深めておるというのが現在の状況でございます。
#13
○海野義孝君 ありがとうございます。
 もう一点、証取関係の問題についてお聞きしたいと思いますが、有価証券届け出書を初め目論見書等々について、ペーパーから今後は電子化をして、インターネットであるとかいろいろな形でこれを開示するシステムに変わるという問題があるわけでありますけれども、これも電子取引システム投資に絡んだ一つの方向かと思うんです。
 従来は、そういった企業のいろいろな状況につきましては、例えば大蔵省であるとか証券取引所であるとか、いろいろなところに出向いてこういった資料を閲覧する、見るということがありましたし、あるいはまた刊行物センターで発売されておるということでしたけれども、今後これが電子化されるというようなことになりますと、いながらにしてこういったものを取り出して情報を見ることができることになるので大変利便性が高まるということでありますけれども、ある面で言うと、逆にいろいろと悪用されることがないではないというようなことも懸念されるわけであります。
 そういう意味で、電子化のためのシステムのセキュリティー対策といった点が私は重要じゃないかと思うんですけれども、その点についてはいかがでございましょうか。
#14
○政務次官(林芳正君) 実は昨今話題になっておりますように、官庁のホームページが書きかえられるというような事件も起こるなど、インターネットが普及してまいりましたので、またそれの裏側といたしましてこれに関する犯罪も多発する傾向があるということは委員の御指摘のとおりでございます。今回、企業内容等の開示制度の電子化のための法案でございますが、こういうふうにするようになれば、その裏側としてこれを悪用するということも十分予想されるところでございますので、いわゆるセキュリティー対策にも万全を期していかなければならないということを認識しておるところでございます。
 平成十三年六月一日から実施ということでございますから、このシステムを今一生懸命つくっておるところでございますけれども、不正アクセスを防止するための装置、いわゆる世に言うファイアウオールというものでございますが、これをきちっと設けて、それから運用しているときに不正のアクセスというものを常時監視して、要するに入ってきたらすぐ見つけてそれに対応するということを行う必要があるということで、そういう体制を構築しておるところでございます。
 それから、少しつけ加えさせていただきますと、これは要するにディスクロの情報でございますから、この情報が外へ漏れるということ自体は余り問題にならないわけでございます、オープンインフォメーションでございますから。まさに、先ほど申し上げましたように、ホームページが改ざんされたように、不正なアクセスによってデータが書きかえられるということに大きな問題があるわけでございます。そういう意味で、専門家等ともいろいろと対応を協議しながら、先ほど申し上げましたファイアウオール等のきちっとした防止措置を講じてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#15
○海野義孝君 大変詳しく御答弁いただきましてありがとうございました。遺漏のないようにひとつ準備をお願いしたいと思います。
 次に、金融商品販売法に絡んだ問題でございますけれども、大臣にちょっとお聞きしたいと思うんですが、今回の金融商品販売法におきまして業者の説明義務とその違反に対する損害賠償責任というものが明確にされているわけでございますけれども、これによって具体的にどのように顧客の保護が図られるのか。
 この問題は、今後ますます多様化していく金融商品というものを扱っていく中で、トラブルも多様化し、またふえていくという可能性がないでもないんですけれども、今回の法案によりまして顧客の保護といった点、もちろんこれには双方の自己責任というものが当然あるんですけれども、顧客の保護がどのように図られていくかといった点についての大臣としての御所見をお聞きしたいと思います。
#16
○国務大臣(宮澤喜一君) 従来から、金融商品の取引につきましてとかくトラブルがあるケースを調べてみますと、大体トラブルの中心が売買についての十分な説明がなされたか、なされていないかという点をめぐりまして訴訟になるというケースが非常に多いという事実がございます。
 それで、いよいよ金融システムの改革が行われ、また商品もいろんなものが登場いたしてまいりますと、顧客としては、一般投資家としては自己責任で投資をいたしますときに、説明を受けませんといよいよわからなくなるというような状況がございます。したがいまして、販売業者としてはその商品について顧客に対して当然説明をしなければならないわけですけれども、きちんと説明をする義務があるということを法定いたしました。したがいまして、その義務が十分履行されていないというときには販売業者の方にそういう責任を課することができる。そういう仕組みにいたしておきますと、買う方として説明がなされていなかったという挙証が比較的容易になります。
 本来、挙証責任というものを販売業者の方が尽くしていなかったということの挙証そのものがお客さんの方からいえば楽になりますので、したがいましてそういう損害の賠償責任を、民法の特例になるわけでございますが、として販売業者の方に課す、これによって起こります訴訟等々の件数を、あるいはお客さんにとっての訴訟の難しさを軽減していこう、そういう考えに立ってこのたび顧客保護を図ろうとしているわけでございます。
#17
○海野義孝君 次に、金融商品の範囲という問題につきまして、前回も各委員の方々から御質問があったように思いましたけれども、消費者被害が深刻化してから後追いで政令の指定とか法整備がなされてきたというのがこれまでの実情ではないかと思うんです。ということは、このところいろいろな法案の改正のピッチが速まってきているということは、それだけ世上のいろいろなスピードアップということが想像を絶するほど速くなっているということだと思うんです。
 そういう意味で、後追いということの実情を踏まえますと、できる限り包括的な規定とか類似商品をとらえる規定というのが必要じゃないかなと思うんです。今後出てくる金融商品については、今の段階では想定できないからその都度政令でというようなことが言われていると思うんですけれども、本法案では具体的にはどのように措置をしているかということ。
 もう一点は、集団投資スキームについて勉強していたときに、金融商品というカテゴリーとの関連で考えられたので、これは恐らく金融審で論議されたことかと思いますけれども、私まだそこまで不勉強ですのでわかりませんが、こういうことですね。
 例えば集団投資スキーム、今回SPCと不動産投信の市場を広げていこうとか、あらゆる財産権についてSPCの対象となるというふうにかなり範囲が広がるわけです。例えばコモディティーとか不動産とか、こういうものはそれ自体は金融商品とは言えなくても、集団投資スキームを通じて間接的に投資の対象となっている場合は当然そのスキームの受益証書等について金融商品に係るルールが及ぶべきだ、このように考えるわけなんですけれども、その点について。この金融商品という問題は現にいろいろな問題を抱えているんじゃないかと思うんです。そういった点についてはこの法案で十分かということですが、いかがでございましょう。
#18
○政務次官(林芳正君) まず、前段の問題でございますが、委員が御指摘になりましたように幅広い金融商品、これはこの分野でも日々技術革新がなされておるわけでございますから、抽象的、包括的に定義を置いて、広く網をかけるというのも一つの考え方であるというのは御指摘のとおりでありまして、金融審議会でもそういう議論もあったわけでございます。
 一方で、この法案におきましては、説明義務違反に対して損害賠償責任を課す、ある意味で立証責任の転換を行っているということでございますから、法的安定性という意味からも抽象的、包括的な定義によって、では限界事例は一体これが入るのか入らないのか法律を読んだだけではよくわからないということでも大変に困るということがございまして、そういった意味でなるべく対象範囲が明確になるように金融商品をきちっと定義をして、個別に列挙をするようにということになったわけでございます。
 そして、これは法の二条一項各号に預金、貯金ですとか無尽掛金ですとか有価証券ですとか、かなり細かく列挙をしておりますが、ここで読み込みがなるべく包括的にできるようにしておるつもりでございまして、既存の金融商品、今あるものについてはほぼ網羅されているというふうに考えておるところでございます。
 先ほど申し上げましたように、技術革新が著しい分野でございますから、これに入らないものが新たに出てきた場合につきましては、今、委員が御指摘のように、政令で追加を迅速にしていくということで定義をしていきたいというふうに考えておるところでございます。
 そこで、後段のお尋ねでございますが、まさにコモディティーや不動産それ自体は金融商品と言えるかどうか、これは難しいところでございます。まさに先生御指摘のように、今度SPC法や証券投資信託法を今一緒に御審議いただいておりますけれども、このスキームを使った場合は、受益証券については証券取引法上有価証券ということになりますので、当然ながらこちらの法案の二条一項の五に有価証券ということがございますので、これに該当するということで販売法の対象になるということでございます。
#19
○海野義孝君 この金融商品販売法の中で、最後の方の条文の中に業者に勧誘方針の策定とか公表を義務づけているということでありますけれども、これによりどのように顧客の保護が図られるかということなんです。
 これと絡んで、この販売業者に対するコンプライアンスの規定の問題ということで、このコンプライアンスの公表対象はできる限り広くすべきではないか、また公表義務違反についての制裁措置ということについて検討する必要があるんではないかということでございますけれども、この点はいかがでございますか。
#20
○政務次官(林芳正君) お答え申し上げます。
 委員が御指摘のように、今回の法案の七条におきまして「金融商品販売業者等は、業として行う金融商品の販売等に係る勧誘をするに際し、その適正の確保に努めなければならない。」とはっきり義務を置いておりまして、八条におきまして勧誘方針の策定等について細かく定めておるところであります。今、先生がおっしゃいましたように、公表を義務づけ、そしてその九条で、この義務を怠った場合には過料を科するというふうに罰則を設けまして公表義務について担保しておるところでございます。
 そこで、お尋ねの、これによって顧客の保護がどうなるのかということでございますが、この勧誘方針にはどういうことを盛り込むかというのは八条の二項に書いてあるところでございまして、網羅的に細かくこれとこれとこれということではございませんで、これとこれとあと必要なものというふうに定めておりまして、基本的に個々の業者の自主性にそこの部分はゆだねておるところがあるわけでございます。
 こういうことを業者に義務づけまして、これを公表するということを過料で担保しておりますので、いろんな業者が自主的にこれをつくりまして、うちはこういうコンプライアンスでございますということを世間に出していく。これについていろんな、最近は格付というのがはやっておりますが、この業者はこういうことをやっていいとか悪いとかいうことが市場において評価をされる、こういうことになってまいるというふうに考えております。
 そういうことによって、コンプライアンス、内部管理に関して、これも先生よく御承知のとおりでございましょうけれども、業者の間で競争が行われる。こういうことによりましてよりよいコンプライアンスが競争を通じて確保されていくような環境が整備をされることになると考えておりまして、そういうことによってより一層顧客の保護に資するものになるようにしていかなければならないというふうに考えているところでございます。
#21
○海野義孝君 説明義務ということについて、くどいようですけれども、またきょうもお聞きしたいと思うんです。
 二つありまして、説明事項について、例えば説明の内容とその金融商品自体が内包しているリスクレベルという問題、そのリスクの程度とか量との関係についてもうちょっとはっきりとさせた方がいいんではないかということです。
 それからもう一つは、説明の仕方として、書面を交付しなかったり不備のある書面を交付するという場合には、説明義務をしなかったものとするという規定をはっきりさせた方がいいんじゃないか。何か説明の仕方について、どういうやり方ということが特にはっきりしていないわけで、これは業者の自主性に任せるという感じがするんですけれども、この辺のところはもうちょっと突っ込んだ方がいいんじゃないかと思うんですが、いかがでございましょうか。
#22
○政務次官(林芳正君) 御専門の先生ならではの御質問だというふうに思いますが、審議会等でも議論のあったところでございます。
 前段は説明内容とリスクレベルでございます。リスクの程度、量、時間軸の推移でどうなっていくのか等について何か明確化するようなことができないのかということでございますが、御指摘のとおり、確かにこういうことがきちっと網羅的に概括的にできれば非常に明確になるということがあるわけでございますが、その一方で、この法案については、元本欠損が生ずるおそれがあるということをきちっと顧客に説明をさせるということで、そのリスクの程度や予測について義務づけておらないところでございます。
 これは、先ほど申し上げましたように、包括的にきちっとできればいいわけでございますが、中途半端な定義をつくりまして、それ以外のものは説明しなくてもいい、そこに書いたものだけで足りるという裏をかかれるようなことがありますとかえってこの法律の趣旨が損なわれるということもございまして、本質的な元本欠損のおそれということに限定をして、それ以外のところはいろいろと網をくぐられないようにあえて規定を置かなかったということでございます。
 そういうことで、一般の顧客の方が自己責任に基づいて安心して投資を行えるような環境をこれによって担保していくという考えでこの法案を提出させていただいた次第でございます。
 それから、書面を交付する等、説明の形式についてももう少し細かくということでございますが、これも同じような理屈でございまして、この法案には特段の規定を置いておらないわけでございますが、理屈としましては、例えば書面を交付するということを義務づけますと、書面を置いて、渡しました、だからもうわかったでしょう、こういうふうに逆をとらえるということもあります。
 その場合に、書面を交付したから違法性が認定されないというふうに逆に使われる可能性も出てきて、結果として顧客に不利益になってはならないのではないかというような考え方で、法案においては、やはり実質的にきちっと説明をしたということが必要だというふうにしまして、後は司法の判断をまつ、こういうふうになったわけでございます。
#23
○海野義孝君 今の御答弁の関係の問題は、業者とそれから利用者といいますか消費者といいますか顧客との間のトラブルの大きなもとになる問題だと思います。
 今回のこの法案は消費者契約法と同時進行で今審議されておりますけれども、その説明義務を法的に義務づけたという問題、それに違反した場合の損害賠償の問題、違反の事項というのは具体的にどういうことかという問題等について大変明確になっていることについては多とするわけでありますけれども、法案に盛られていることでは解決できないようなトラブルがこれからだんだんふえてくるんじゃないか、こういうふうに思うわけでございます。
 これは悪徳業者ということだけでなくして、まさに現在の金融商品というものが、私に言わせれば、アマとプロとか、あるいはホールセールとかリテールとかいろいろなことが言われておりますけれども、根本的にこれは違いますから、その辺は法律ですべてを規制するということはなかなか難しいので、これはやはりトラブルという形で、法律の実効性ということで問われることになってくるという点で、その辺はこれからやろうという問題があろうと思うんですね。
 例えば、これまでは民法のルールによって、詐欺にしろ強迫にしろ、いろいろな形で司法によっての部分というのがありましたけれども、そういう裁判の場合というのはお金もかかる、時間もかかるということで、迅速にいろいろなトラブルを処理していくという面で裁判外の紛争処理制度というものをきちんと確立していくということが必要じゃないかと思うんです。これは消費者団体のみならず、いろいろなところからもそういったことを言われてきています。
 これまではどちらかというと業界内における自主的な調停とか、いろいろな問題についてのトラブルを処理するようなものはそれぞれ団体の中で、証券界なら証券界、銀行は銀行であるわけですけれども、どうもそういうことになりますと、業界の中でそういう公平性の問題と営利性の問題等との絡みもありまして難しい問題ですので、やはりこういう面では第三者機関というか、そういうような裁判外の紛争処理機関という制度を早期にきちんと整備する必要がある、この法律を効果あらしめるためにもその面を急ぐべきじゃないかと思いますけれども、この点についての御意見をお聞きしたいと思います。
#24
○政務次官(林芳正君) 今、委員の御指摘のとおりであると私も思っておりまして、裁判である程度やらなければいけないことは当然でございますが、大変に時間がかかって、実質上、裁判に行くのならもう仕方がないなということにならないように、いろんなことを考えていかなければならない。その中で、今、委員からまさに御指摘がありましたように、裁判外の紛争処理制度というものを整備して、これを実効性あらしめるものにしていくということを、金融審議会でも鋭意検討していただいておるところでございます。
 論点といたしまして、司法制度、いわゆる裁判内というか裁判の方でございますね、また裁判を受ける権利との関係、また実施主体、一体どういう方が裁判外の紛争処理の主体になるのか、こういう問題等、今まで余り我が国になかったことでございますから、整理、解決しなければならない多くの問題がありまして、今引き続き検討をいただいておるところでございます。
 そういう意味で、委員がまさに御指摘になったように、実効性をどうやって担保するかということ、それからどうやって業者の参加を確保していくか。業者の方が、いや、私はそんなところへ行かないよと言ってしまうとこれは意味がないわけでございますから、そういうこと等いろいろ議論をしておるところでございます。
 各国いろいろ苦労しておるようでございますが、前回もグローバルスタンダードというような御議論がありましたけれども、なかなかグローバルスタンダードというようなものができておらないような状況でございます。我が国もそういう意味では、ほかで皆さんこうやっているからこうだということがない状況の中で鋭意御議論いただいて、金融審議会で検討していただいておるというような状況でございます。
#25
○海野義孝君 村井政務次官にちょっと教えていただきたいんですけれども、金融監督庁の行政の問題でございまして、御庁においては、先般、「金融サービスの電子取引の進展と監督行政」に関する報告書を公表されたというふうに聞いております。内容は知りませんが、その中で、これは新聞によると、販売、勧誘時の説明、情報提供についても検討されているということであります。
 顧客が安心して電子取引に参加できるためにはどのような仕組みが必要と考えられますか、また顧客の本人確認についてどのように実効性を確保するのかというような点についての御見解をお聞かせください。
#26
○政務次官(村井仁君) ただいま海野委員御指摘のとおりでございまして、金融監督庁で庁内に設置いたしました金融サービスの電子取引等と監督行政に関する研究会で勉強を重ねまして、先般、「金融サービスの電子取引の進展と監督行政」と題する報告書を出しておるわけでございます。その検討の一番のポイントは電子金融取引で、これはいずれにしましても私ども避けて通ることのできないものでございますが、これを利用者にとって安全でしかも便利なものにするにはどうしたらいいか、こういう観点から検討を進めたわけでございます。
 今御指摘の二点につきまして、まず電子金融取引でありましても利用者保護の必要性は一般の取引と何ら変わるものではございません。そういう観点から、業法上の説明義務というものは当然ひとしく適用されるべきものであるということ、さらに電子取引は対面取引ではございませんから、非対面性がございますから、その特性を考えますと、例えば電子メールなどによりまして顧客が説明を受けたことを確認すること、それから顧客に質問する機会を与えること、これが非常に重要だということで、実質的な説明を確保することが大切だ、こういう点が指摘されております。
 それから、もう一つ大事な問題はマネロン問題、マネーロンダリングの問題でございまして、これの防止のためには顧客の本人確認がどうしても必要なんでございますけれども、これは電子システムはなかなかやりにくうございますから、例えば口座開設時におきまして顧客が登録した住所へ書類を郵便等で送付するという形で確認する、あるいは本人確認書類を何らかの形で徴求するというような非電子的な手段の利用も含めて対応しなければならないだろう、こんなふうに実効性の点から考えております。
 いずれにしましても、こういった勉強を踏まえまして適切な対応をしてまいりたいと存じます。
#27
○海野義孝君 村井次官にもう一問お願いしたいんですが、このところまた商工ローンの不祥事がいろいろと出ております。これまでも当委員会におきましていろいろと参考人あるいは証人質問等の機会を持ちましてやりましたけれども、なかなか根の深い問題でございます。
 そこで、今般、商工ローン大手の商工ファンドで有印私文書偽造容疑ということで社員が逮捕されたと。私どもとしては新聞報道等しか知るすべはありませんけれども、警察の事情聴取などによりますと、これもまた会社ぐるみの疑いがあるやに受けとめられるんですが、御庁としてはこのことに絡んで、金融監督庁ではこれまでこの一連の商工ローン問題についてどのように掌握されてきているか、その点について。
 それとあわせて、日栄の場合は業務停止などの行政処分を科しているわけですけれども、今回のこの事件の推移次第ではまたそういうような問題が出てくる可能性もないではないと思います。これはまだ捜査の段階ですから何とも言えないかと思いますけれども、どうも今の金融商品の問題、この場合は融資の問題かもしれませんが、やはり金融取引をめぐって大変な問題なのでますます監督庁としての指導監督というものを厳しくしていかなくちゃならない、こう思うんですけれども、その辺も含めてひとつ御所見をお願いします。
#28
○政務次官(村井仁君) 海野委員はかねて商工ローン問題につきまして大変詰まった質問主意書をお出しになられましたり、いろいろ御関心をお持ちいただいておりますことはよく承知をしております。
 ただいま御指摘の商工ファンドの問題でございますが、これは現在捜査にかかわっていることでございますので、私どもなりに承知している点もございますけれども、ちょっと個別業者に関することでございますので、具体的なお答えは差し控えさせていただきたいと存じます。
 しかしながら、まず私どもの対応でございますけれども、一般論として申し上げますと、貸金業者が貸金業規制法に違反する疑いがある場合には説明あるいは報告を求める等々いたしまして、事実関係をしっかり把握いたしまして、法律に違反する事実が確認される場合には厳正に対処するということでございます。
 先ほど日栄に対する行政処分の御指摘がございましたけれども、これも同様でございまして、違法の事実がございましたら同様に厳正に行政処分などもやらせていただく、そういうことでございまして、今後とも注視してまいりたいと存じます。
#29
○海野義孝君 どうもありがとうございました。
 以上で終わります。
#30
○櫻井充君 民主党・新緑風会の櫻井充です。
 法案の審議の前に、まずNPO法人に対する課税についてお伺いしたいんですけれども、介護サービスを提供するNPO法人に対して課税するというふうに新聞報道がございましたが、なぜこのようなNPO法人に課税しなければいけないのか、その目的等について御説明願いたいと思います。
#31
○国務大臣(宮澤喜一君) NPO法人を含めまして公益法人につきまして、収益事業から生ずる所得に対しては法人税を課する、収益事業に属さないものは法人税を課しませんが、収益事業に属するものは法人税を課すというのが規定の根本でございます。それは申すまでもなく民間企業が行います収益事業と競合関係に立ちますので、課税の公平、中立性という観点からでございます。
 そこで、当然のことですが、収益事業とは何かということを定義する必要がございまして、法人税法の施行令で物品販売業を初め三十三の業種を挙げまして、これらは収益事業である、これに属さないものは非収益事業である、収益事業には課税をする、そういう法の趣旨に基づきまして、NPO法人の行うサービスの中で収益事業と考えられるものは課税をする、こういうことでございます。
#32
○櫻井充君 しかし、同じ介護サービスを提供している社会福祉法人に対しては課税をしていないわけですね。つまり、両方とも非営利ということをうたっているわけであって、その点から考えれば整合性がないように思えますが、いかがでございましょうか。
#33
○国務大臣(宮澤喜一君) いわゆる介護保険法の介護サービス事業はたくさんの団体が営んでおります。営利企業も営んでおります。医療法人も営んでおります。あるいは生協、農協と言われるような協同組合もやっておりますし一般の公益法人もやっておりますから、さまざまな事業主体がございます。その中で、法人税法上、医療保健業の収益事業に該当するものは課税ということでございます。
 御質問の趣旨は、しかしながらいわゆる社会福祉法人の営むものについては同じ内容のものであっても免税をしているんではないか、こういうお尋ねでございます。
 これにつきまして、政府としての考え方は、つまり社会福祉法人の営むものだけ例外的に収益事業から除外されていることの理由は、社会福祉法人が社会福祉という一般的に公益性の高い目的に専ら奉仕している法人であること、したがって法律上、設立、管理、監督に関して厳密な、厳格な内容の規定が設けられておること、またそれに必要な設備施設等についても少なくとも最小限の、ミニマムなものを保有することを要求されておること等々、また社会福祉法人が生活困難者のような人に対して無料あるいは低額で保障しているといったような、社会福祉法人の持っておる社会的な責務とそれに求められておる要件というものを特に厳しくしておる、そういう理由をもって社会福祉法人が営んでおりますときにはこれを収益事業から除外しておるというのが政府の今までの考え方でございます。
#34
○櫻井充君 確かに、社会福祉法人という名前からすれば社会福祉を行っていることになるのかもしれません。しかし、介護サービスを提供している、NPOという名前かもしれませんけれども、社会福祉を行っているという点では全く同じではないでしょうか。
 ですから、その名前からということではなくてやっている内容から考えれば、こういうNPOに課税するというのはやはり整合性がとれないように思いますが、もう一度御所見をお伺いしたいと思います。
#35
○国務大臣(宮澤喜一君) もう少し事情は複雑でございまして、確かに社会福祉法人というものが求められておる特殊な地位あるいは責務、それについての監督等々から、同じことをやっておってもというところが非常に問題でございますけれども、社会福祉法人についてはそういうことも認めておる。しかし、仮に同じことをやっておればNPOでも同じではないかという御議論は私は確かにあるだろうと思います。
 これから介護サービスが行われることになりますけれども、一番厳しいジャンルにいるのは社会福祉法人でございます。その次に公益法人というものがまたございます。その次にNPOがございます。それから、一番こちらに民間法人、営利法人があるわけで、みんなが同じことをやっておるかどうかということ、そこのところは私はいろいろ議論が存在するところだろうと思っておりまして、殊に今回、介護サービス事業というものがこれから行われる、そしてNPO法人がそれをどのように行うだろうかということはこれから実は見ていくべき問題だろうと私自身は思っております。
 そういう立場からいいますと、全く同じことをやっている社会福祉法人は収益事業ではない、非課税である、NPOは課税だというだけの説明ではちょっと私は十分でないだろうという思いはしております。今後NPOがどういう事業をするかによりまして、同じことが公益法人についても言えることになりますけれども、公益法人にしろNPO法人にしろ、内容いかんによってはそれは収益事業ではないというふうに認定する場合があるかもしれない、あるいはそういうことが考えられるのではないかというふうに私自身も考えますから、今後NPO法人のやります介護事業の内容に従いまして、ここは新しく考え方を打ち出していかなきゃならぬのかもしれないと思います。
 御質問の趣旨に全く聞く耳も持たないという気持ちで伺っているのではないので、そういうことを考える必要があるかもしれないということは注意して見てまいりたいと思っています。
#36
○櫻井充君 なぜこういう質問をしているかといいますと、NPOというものを政府がどうとらえているかということになるんだと思うんです。つまり、今後NPOがどんどんアメリカのようにふえていって、そしてアメリカのように行政の一部を担っていくような形で育っていってもらいたいと思っているのか。今回こういう形で課税してしまうと、参入しようと思っていたNPOとて撤退してしまうんじゃないか、日本にNPOが育たないんじゃないかという心配をしているんです。
 今、大蔵大臣はどういうことをやるのか少し見てからというふうにおっしゃいました。これは、税をかける、それを決定してからNPOの活動をごらんになるんでしょうか、それとももう少し様子を見てから、このぐらいの収入であればということで法人税をかけることを決定されるんでしょうか、その点についてお伺いしたいと思います。
#37
○国務大臣(宮澤喜一君) 御心配の点、殊に御心配のもとにある点は私も実はわかっていないわけではありません。
 NPOというものが誕生したときに、何となく最初警戒の目を持って見られていたという時代を私は知っていますが、その後、急速にNPOというものが成長してきて、そして社会との関連というものも新しくいろんな意味で見直されている、そういう変化の時代にあると思います。NPOは御承知のように公益法人とか社会福祉法人とかというものと違いまして自然に誕生するわけでございますから、それに法的な一種の枠組みを与えるか与えないかということはここ二年ぐらいの間に決めなければならないという立場に政府はおります。
 NPOの本質上、政府の監督を受けないのがNPOでございますので、政府というのはどこを指すかと。一遍、経済企画庁を指すということになっていますけれども、しかしそれによって免税が行われたり行われなかったりするということは余り合理的でないので、やはり免税団体にするかしないかということはNPOのこれからの仕事の仕方によってだれかが決めていかなければならない問題であります。課税の問題であればあるいは大蔵省か国税庁であるのかもしれません。それはいわゆる収益であるか非収益であるかという実態を判断してこれから具体的に決めていかなければならない問題であります。
 私が国税庁の諸君に申しておりますことは、かつてNPOというものに対してある種の偏見を持っておったとすればそれはやめた方がいい、現実に社会のためにどういう仕事をしているのかということを正面から見て行政をした方がいいということを実は申しております。まだ多少時間がございますけれども、そういう立場からNPOに対する課税の問題、法人格の問題というのはこれから新しく決めていかなきゃならない問題である。櫻井委員の冒頭におっしゃいました危惧については私もわかっております。
#38
○櫻井充君 NPO自体の運営というのは非常に厳しい状況にあって、しかも運営資金を得るために今どういう方向に向かっているかというと、NPOに寄附した場合に、その寄附行為、寄附をした人たちの税制を優遇しようというふうに動いているわけです。その動きとこのNPOに法人税をかけようという動きは全く逆行しているような気がするんです。
 もう一点お伺いしたいのは、では例えばNPO法人に課税した場合、税収は幾らぐらいだというふうに予想されているんでしょうか。
#39
○国務大臣(宮澤喜一君) 前段のところですけれども、まさにそういうことなんですが、それならNPOなら何でもいいか、そういうわけにもまいらないところが、これはどうしても公益法人にしろほかの団体が規制を受けておりますから、そこは難しいところで、そこで個々のNPOの活動に即して判断をしなければならないだろう、こう考えておるわけでございます。
 税収の問題については、私は税収のことは考えたことがありません。税収が欲しいからNPOに課税しようというふうな気持ちは持っておりません。普通に納税していただく方には納税していただくというだけのことで、その中で、これはもう非課税でいいんだと、ほかの団体等と比べて非課税に値する、非収益であるということであれば、それが幾らになっても大した問題じゃありません。
#40
○櫻井充君 ぜひお願いなんですが、NPOが海のものとも山のものともわからないというような御発言がありましたが、まじめにきちんとした形で参入しようとしている方々も数多くいらっしゃいます。ですから、活動をきちんともう少し見ていただいた上で判断していただきたい。課税すべきかどうかということについて早急に決定するのではなくて、大臣も先ほどおっしゃっておりましたけれども、様子を見なきゃいけないだろうというお話がありました。ですから、ぜひしばらく様子を見た上で、これなら課税対象になるとかならないというふうに決定していただきたいということを要望しておきたいと思います。
#41
○国務大臣(宮澤喜一君) 海のものとも山のものともと申し上げたつもりはありません。私が申したかったのは、NPO全体をどうするということではなくて、一つ一つの具体的なNPOの活動に従って判断をしていくべきと思いますから、最終的に櫻井委員の言われたような、大変に急いでNPO全部に課税と、そんなような行政をするつもりはございません。
#42
○櫻井充君 どうも申しわけございません。
 それでは、金融商品の販売等に関する法律案について質問させていただきます。
 この法律案に定める金融商品というのはどのような基準で決められたのか、まずこの点について御説明願います。
#43
○政務次官(林芳正君) 金融商品の基準というお尋ねでございましたが、一般には金融商品とは物やサービスそのものの取引ではなくて、キャッシュフローが移転する、いわゆる資金を配分する、またリスク負担の変更、リスクをどうやって配分するかというようなものを取引内容とするということが一応の判断基準になっておると考えられておるところでございます。
 本法案におきましても、金融商品の販売というものの対象になる金融商品については、そういった基準に照らしつつ、本法案によって顧客の保護を図る必要があると認められたものについて列挙しておるところでございます。
#44
○櫻井充君 そうすると、説明義務のある金融商品というのは、販売商品自体に元本割れの発生の可能性があるものと、それから販売業者自体に倒産のリスクがあるものというふうに大きく考えてよろしいんでしょうか。
#45
○政務次官(林芳正君) 今、委員がおっしゃったのは多分説明義務のところの条文を引いてのことと思いますけれども、それは説明義務がそういうおそれがあるということを説明しなければならないということでございまして、そういうリスクがないものは最初からカテゴリー外、金融商品ではないということではなくて、先ほど私が御説明したように、金融商品というのはこういうものであって、その商品にそういうリスクがあるかないかを含めて説明しなければならないというのが後段の説明義務のところの定義に入っておるものだというふうに承知をしております。
#46
○櫻井充君 金融商品から商品先物が除外されているというのは、リスクという点を考えれば、この商品自体が外れてくるというのはちょっとおかしいような気がするんですけれども。
#47
○政務次官(林芳正君) 冒頭に申し上げましたように、金融商品の定義のところで物やサービスそのものの取引ではないというもともとの定義がございます。これは衆議院でも議論になったところでございますし、委員も本会議で御質問になったかもしれませんけれども、ちょっとそこは記憶が定かでありませんが、商品先物取引については商品という物の売買取引ということで本法案の適用対象にならない、こういうことでございます。
#48
○櫻井充君 そうしますと、この法案で定められない場合にはこの商品先物というのは消費者契約法の中にも入りませんよね。消費者契約法の中に、例えばこういう商品、商品でないからなのかもしれませんけれども、その販売等に関して説明する義務の商品の中には入ってこないということですよね。
#49
○政務次官(林芳正君) 消費者契約法は我が省の所管ではございませんけれども、消費者契約法の方は、私の理解によりますと、たしか契約の意思表示の方の特則ということでございまして、そちらの方に該当すれば金融商品でなくても消費者契約法に該当することは幾らでもあるわけでございまして、先生が今おっしゃった商品先物についても、そちらの方の要件に該当すれば消費者契約法の対象にはなり得るということでございます。
#50
○櫻井充君 ちょっと基本的に教えていただきたいんですが、商品先物というのは少なくともリスクは伴うものですよね。
#51
○政務次官(林芳正君) 物の売買一般といいますか、すべての契約にはいろんなリスクがあるわけでございますから、商品先物についてもいろんなリスクが全くないかというと、そういうわけにはならないんですが、その前段の、要するに金融商品かどうかというところでまず切って、その中で先ほど委員がおっしゃった二条の中の定義が出てくる、こういう構成になっておるということだと思います。
#52
○櫻井充君 つまり、この法案というのは割と今まで個別法で縦割りに決まっていたものを横断的にしようというようなことで決められた法律だと思っています。そういう意味からいっても、横断的に考えてくれば商品かどうかというそこの、法案の定義を今おっしゃいましたけれども、かなり高いリスクがあると思いますが、そういう意味から考えてくれば、本来であれば加えるべきものではないんでしょうか。
#53
○政務次官(林芳正君) そこは御議論があるところかもしれません。私も消費者契約法案の方のときに衆議院に呼ばれまして、たしか枝野先生だったと思いますが、同じような御議論をいたした記憶が今よみがえってまいりました。
 確かに、リスクが全くないかどうかは、多分商品先物については契約独特のリスクというのはあるのかもしれませんけれども、リスクがあるものを全部金融商品ということに定義してそれを全部保護するという法律ではなくて、あくまで金融商品というものについての法律がこれでございます。
 先ほど委員がおっしゃったように、消費者契約法案というのは消費者保護の立場で民法の意思表示のところの特例ということで定めておりますから、そちらの方は広く消費者を保護するということでございまして、こちらは法律の名前に書いてありますようにあくまで金融商品の販売に関するいろんな事項を定めた法律ということでございますから、そこはカテゴリー外、違うということになるのではないかと思います。
#54
○櫻井充君 商品先物のときにお金の移動というのはないんですか。
#55
○政務次官(林芳正君) 商品先物については直接所管をしておりませんけれども、私の個人的な経験によりますと、たしか証拠金とかなんとかいうのを払ってやるんではなかったかと思いますからお金は移転すると思いますが、物の売買をしてもお金は移転するわけですね、買い手から売り手に。ですから、それは別に商品先物でなくても普通のもの、商品先物が普通でないかどうかは別として、普通にリンゴやミカンを買ってもお金は移転するのではないかな、そういうふうに思います。
#56
○櫻井充君 でも、先ほどキャッシュフローとおっしゃいましたよね。ですから、そういう意味からすれば当然入ってくるべきものじゃないかというふうに思いますが、まあではしようがないですが。
 では、ついでに、郵便貯金と簡保も除外されていますよね。これはなぜなんですか。
#57
○政務次官(林芳正君) 郵便貯金、それから簡易保険についてなぜ除外されたかということでございますが、郵便貯金も簡保も一般的には金融商品でございますから基本的に一般の民事ルールに従うものでありますけれども、これを除外した理由は、郵便貯金の場合は郵便貯金法の規定により、それから簡易保険の場合は簡易生命保険法の規定がそれぞれございます。郵貯の場合、元本及び利子の支払いは国が保証しておるところでございまして、元本欠損のおそれがないという特性がございます。それから、簡易生命保険法の方は保険金等の支払いを国が保証しておりますから、金利や通貨のいわゆるマーケットリスクは保険の契約者には行かないということでございます。そういう特性があるということで、この適用対象にする必要がないということで除外をしておるということでございます。
#58
○櫻井充君 そうしますと、民間の金融機関の方々というのは商品を説明しなければいけないという義務を負わされるわけですけれども、官の場合にはそういう説明が一切免除されるということになりますよね。
#59
○政務次官(林芳正君) 結論からするとそういうことになるのかもしれませんが、この法律の趣旨は金融商品の販売に関するルールを定めることによって金融商品を買う方を保護するということですから、その保護する必要がこの場合は今申し上げた理由によってないということで適用が除外されているということになるのではないかと思います。
#60
○櫻井充君 それでは、説明義務項目の中に商品の構造というふうなものを加えていくべきではないか、説明する際に、これが欠けているんですけれども、その点についてはいかがでしょうか。
#61
○政務次官(林芳正君) 先ほど海野委員のときにもこういう御議論があったと思いますが、櫻井先生がおっしゃるように、確かに商品の構造をきちっと、こういうものでこういう構造だから株価がこれだけ行くととか為替がこれだけ行くとというような説明を義務づけた方がいいんではないかということでございますが、先ほどの形式的な書面の交付とかというのと一緒で、こういうことをやれというふうに決めますと、それ以外のことを説明しなかった場合はこの説明義務が逃れられるのではないか、そういうようなこともあるという御議論もありまして、要するに一番本質的な元本欠損のおそれがある、そしてその原因となる事由を説明するということが重要事項であるという定め方をしておるところでございます。
 法案を読んでいただいていると思いますけれども、それを説明していく中で全くその構造に触れずにそこに定めてあるようなことを説明するというのはなかなか難しいと私も思います。重要事項を説明していく中で当然その商品の構造等は説明されることになるとは思いますけれども、構造をこれこれこういう構造ということでここへ定めて書くと、その裏をかかれて、これだけ説明したからあとはいいんだろうということになりかねないということで、本質的な今の元本欠損という一番大事なところを定めたというのが今回の経緯でございます。
#62
○櫻井充君 商品の構造というのは一番根本的なことじゃないですか。医者的な感覚で大変申しわけございませんが、我々は患者さんたちを検査する場合に承諾書というのを必ずとります。そのときに、まず、あなたはどういう病気の可能性があるからこういう検査、例えば狭心症の可能性があるから心臓のカテーテル検査をやってください、心臓のカテーテル検査をやると大体千人から千五百人に一例が検査中に亡くなりますと、こういうふうなリスクをきちんと説明した上で、そしてそのカテーテルは足の動脈のところから管を入れて造影剤を使いますとか、そういうことを全部含めて説明した上で同意書をとっているんですよ。そうやって医師と患者さんとの間のトラブルをなるたけ減らそうというふうにしているわけです。
 まず病気を言うというのが基本的な話ですよ。ただ、心臓のカテーテル検査です、リスクはこれだけですと、そんな説明じゃどうしようもないわけでしょう、理解をしていただく上で。そうしたら、根本は何かといったら、今回の商品はこういうものなんですよという説明をまずすることが、これこそ根本的なことじゃないですか。
#63
○政務次官(林芳正君) 医療については私は専門ではありませんが、先生がおっしゃっているように、こういう病気というところが多分こういうリスクで元本欠損が行われることがあり得ますというところでございまして、ではその病気の前提となっている胃というのはこういう構造でございますとか、心臓はこういう構造でございますというところまで御説明されるのかなというような気がしましたが。余計なことを申し上げましたけれども。
 その構造のところは、説明の元本欠損のおそれがあるということを相手にきちっと御認識していただいているかどうかということの中で、当然それをしていなくてリスクがちゃんとわかっていなければ、それは裁判に行ったときに説明していなかったということになるわけですから、この元本欠損のおそれがあるということを説明して理解してもらうために、必要であれば構造というものもきちっと説明しなければならない。
 私は、先ほど申し上げたように、大体の場合においては構造を説明しないで元本の欠損のおそれがあるということを相手に納得させるというのはなかなか難しいと思いますから、そういう意味では当然にその構造も入ってきますが、一方で、構造を定めて、この構造この構造というふうに明記をして、ではそれ以外のいろんな商品が出てきた場合に、構造はここまでしか書いていないからそれだけしか説明しなくてそれで足れりということになっては困るということであえて書いていないということを御理解賜りたいと思います。
#64
○櫻井充君 この法案に商品の構造について説明するという一文を加えて何か不都合な点があるんですか。
#65
○政務次官(林芳正君) 今申し上げたとおりでございまして、構造ということを書きますと、では構造というものの定義は何かと。構造というのはこれとこれとこれだというふうになりますと、そこまで説明すれば、商品がいろいろ発展してきまして本当に重要な構造があった場合でもそれはいいということになりかねないということだと思います。
#66
○櫻井充君 だって、リスクの説明をする際に商品の構造は話さなきゃいけないとおっしゃっているじゃないですか。そうおっしゃいましたよね。
#67
○政務次官(林芳正君) はい。ですから、当然法律で決めてありますのは、相手に元本割れのリスクがあるということを認識してもらうというところが本質でございまして、それをするために必要であれば構造を説明すると。
 多分、大概の場合においてはそれが必要になるだろうということでございますが、それを法律で書きますと今私が申し上げましたようにいろんな問題が出てくるのでそこは書いていないということでございます。
#68
○櫻井充君 自己責任というところも必要なことだと思うんです。つまり、リスクだけを、極端に言えば、ここに書いてあるとおりとりあえずリスクだけを説明するということになれば、本人にとってはこのリスクだけしかわからないわけですよ。構造を初めて知れば、その人が勉強すれば今度はこういうふうなリスクも出るかもしれないとか、いろんなことがきちんとわかってくるわけですよ。
 ですから、構造を書くというふうな、商品の構造について説明するということを加えること自体何ら問題ないし、むしろそういうふうに加えておくべきことなんじゃないかと思いますけれども。
#69
○政務次官(林芳正君) 何となく議論がすれ違っているような気がしているんですが、要するに、書きますと、では構造という定義は何ですかと、これとこれとこれ、必ずそういうふうになるものですから、一番大事なのは、要するに元本割れのリスクがあるということを、単にこの商品は幾らか損するおそれがありますよということだけではなくて、こういう商品ですので株がこうなったらこうなります、為替だったら為替がこうなったらマーケットリスクによってこうなります、それからあとクレジットリスクのところも書いてありますが、そういう説明をするわけですから、委員が今おっしゃったように、この商品は元本割れのリスクがありますと、単にそれだけを言って相手が納得するということではなくて、どういう仕組みになっているからこういうリスクが市場がこうなった場合はこうなります、そういう説明をして相手がちゃんとわかったということが要件でありますから、当然その説明をするときには構造に全く触れなくて説明ができるとはなかなか考えられないわけでございますが、一方でさっき言ったようなデメリットがあるので本質的な部分を規定しておるということでございます。
#70
○櫻井充君 そうしますと、目的のところに「顧客の保護を図り」というふうにございます。その顧客の保護を図るために、今ここの条文に書かれていることだけを説明すれば顧客の保護は図られるというふうに大蔵省としてはお考えということですね。
#71
○政務次官(林芳正君) ですから、何度も申し上げているように、本質的な部分は、この商品はこういうものでありますから元本割れというリスクがありますということをきちっと納得していただいた上で、それでもよければお買い上げいただきますということをきちっとやりなさいというのがこの法律の趣旨でございますから、そこが本質的に担保されていれば顧客の保護は図られておる。例えば形式的に構造を枝葉末節でこれとこれとこれということだけを言ったからもういいだろうということよりは、そちらの本質を重視することによって顧客の保護を図るという趣旨だと思います。
#72
○櫻井充君 顧客の保護という点でもう一つお伺いしたいんですが、説明しなさいというふうに書いてあって、先ほど理解を求めることが大事なんだという御説明がございました。確かに、説明だけしっ放しでわかったかわからないか、そこが一番大事なことだと思うんです。
 そうすると、本来ですと、その法律のところに説明するということではなくて顧客に理解してもらうというふうに書いた方が本来のこの法案の目的を達成できるんじゃないかというふうに思いますが、その点についてはいかがでしょうか。
#73
○政務次官(林芳正君) 委員の御指摘はよく理解できるんです。ただ、これは法律でございまして、この法律によって最終的には裁判で争うということもあるわけでございますから、そこまでのことを考えますと、では相手が、相手の心の中でございますね、内心では本当に理解したかというのを、裁判に行ってあのときあなたはああいう顔をしたからわかっただろうとか、そういうことを立証できるかという問題になるわけでございまして、内心の問題としてこれは非常に困難な問題でありますから、実際上困難なことを法律として義務づけることは適当ではないというふうに考えておるところでございます。
 そういった意味で、今ここに入っております説明義務というのは、一般的な大多数の顧客にとってリスクを理解することができる程度のものということで、あくまで外形的な基準で定めておるところでございまして、あとはその基準に合致しているかどうかを司法の場で判断していただくということになろうかと思います。
#74
○櫻井充君 説明は何のためにするかというと、くどいんですけれども、理解してもらうために説明するわけですよね。その点に関してはよろしいですか。
#75
○政務次官(林芳正君) 精神としてはまさに相手に理解してもらわなきゃいけないわけですから、それは裁判において最終的には争われるというふうに思うんですが、立証責任とか法律という枠組みの中では、法律に内心のところまで義務づけるというのは適当ではない。要するに、外形的にきちっと担保できるものでないものを書いても、それを相手に、逆に裁判になりまして顧客の方が、いや、あのときはわかったと言ったけれども実はわかっていなかったんだと、こういうことを言われますとどうしようもないわけです。
 ですから、あくまで説明する側としては、こういうことを説明しましたというような外形といいますか、そういう義務を定めて、それがきちっと行われているかどうかを裁判で判断していただくということになろうかと思います。
#76
○櫻井充君 ちょっとおかしいと思うんですけれども、説明するのは理解をしてもらうためですよね。中のことまでわからないからそこまで踏み込めないというお話ですが、理解をしてもらうために説明をしているんです。説明のための説明じゃないんですよ。業者側が自分たちの立場を保護するために、私たちは説明しましたと言うために決まっているわけじゃないんでしょう。顧客の保護を図るというのは、相手に説明した上で理解してもらうということが大事なんじゃないですか。
 我々医者の世界にはインフォームド・コンセントが導入されています。インフォームド・コンセントというのは日本語で説明と同意と訳されていますが、これは大きな間違いです。我々が説明したものをただ同意しなさいということじゃありません。その間に理解という言葉が本来入らなきゃいけないわけです。説明した上で理解して、それで同意してくださいということなんです。これだって全く同じじゃないですか。説明だけすればいいということでないとすれば、やはりここの法文のところは顧客に理解を求めるというふうにした方がはっきりすると思うんですよ。
#77
○政務次官(林芳正君) 医療に踏み込むとまた余計なことを言うかもしれませんが、では先生がこういう説明をして、相手が理解したと。要するに外形的には相手がそう言った場合もあるかもしれませんが、それが裁判に行って、あのときはお医者の先生が説明してくれたからそう言ったけれども、本当は理解していなかったというようなことも実際の裁判ではあり得るわけでございまして、ではそこまでお医者の先生に義務づけるか、それが法律でございます。
 ですから、そういう意味では先生がおっしゃるように判例におきましても顧客の理解というところに言及しているような判例もあるのでございますが、これを個々のケースでよく見ますと、そういうことに言及しながら、やはり個々のケースごとにいろんな事情を見て、民法の総則のところにございます信義誠実ということに照らして、顧客がリスクを理解できる程度の丁寧な説明を業者に負わす、こういう形になっておるわけでございまして、そこは法律の規定ぶりとしてはそういうことになるということを御理解いただきたいと思います。
#78
○櫻井充君 どうにも納得いかないんですけれども、つまり今の話からすると、説明することが大事なんだと、理解は裁判になったときにどうだという話になるわけですよね。説明する形が大事であって、説明したかしないかという議論なんだということになりますが、説明した上で、やっぱり理解しているか理解していないかというところが本来大事なんじゃないんですか。
#79
○政務次官(林芳正君) 今申し上げましたように、もちろん説明をするというのは理解してもらおうと思って説明をするわけでございますから、先ほどの裁判の例でも丁寧な説明を業者に求めておりまして、顧客が本当に理解したかどうかという内心の問題を現実に確認することまでは裁判も求めておらないということでございます。
 それは、先ほど申し上げましたように、お医者が説明して、そこでうんうんと言ったけれども、後で、いや、あのときわかっていなかったと、そこまでお医者さんに求めても、それはやはり難しい問題がある。法律というのは裁判のときのルールになるわけでございますから、余り一方に偏って、患者さんが何を言ってもいいんだ、それから顧客が何を言っても顧客の言うとおりになるんだというわけにはならないのではないかというふうに考えているところでございます。
#80
○櫻井充君 自分たちの方に都合のよく説明することなんてよくあるわけですよ。
 例えば商工ファンドを例にとりますと、根保証のときに四こま漫画をかいているから非常にわかりやすいんだという話をしているんですけれども、彼らがかいているのはどういうのかというと、根保証という枠が決まっているんだ、これ以上借金がふえなくていいんだというふうに書いてあるんです。安心だねと書いてあるんです。違うわけですよ。二百万を目の前で借りたということがわかっていて、実は枠は一千万とってあって、保証人になっている方は二百万だと思って契約しているわけですよ。それなのに、漫画でかいてあるのは全然違うというか、顧客にとって全く違うような説明がなされているわけです。業者にとって非常に都合のいい説明がなされているわけですよ。
 だから、説明だけすればいいというものじゃないんじゃないかということを言っているんです。
#81
○政務次官(林芳正君) 個々のケースについてはまたいろんな認定があると思いますが、委員が今御指摘になったようなケースでは、やはり今の法案に従って説明義務をきちっと果たしたということにはならないのではないか。それ以上のリスクが実際に存しているわけで、そこは漫画にかいていないということであれば、それはそもそも説明義務を果たしていないということになりますから、やはりきちっとあらゆるリスクを説明して相手に理解してもらえるようにすると。
 ただ、本当に理解したと、相手の心の中まで説明する人に裁判で立証をさせるのは難しいだろうというのが今の裁判の個々のケースの判例であるということを御説明申し上げているだけで、相手はうなずきもしないのに、おれが言ったからそれで終わりだというわけではないということは御理解いただきたいと思います。
#82
○櫻井充君 済みませんが、説明したとかしないというのはどうやって証明できるんですか。
#83
○政務次官(林芳正君) それは裁判におきましていろんなやりとりがあるんではないか、こういうふうに思います。ですから、まず今回の場合は説明をするということが義務づけられたわけでございますから、説明をきちっとしたということをその業者の方が裁判において、私はこうこうこういうことでやりましたということを挙証しなければならないということになるわけでございまして、それについて反論が顧客の方からあればいろいろやって、最終的には裁判官が判断をする、こういうことになるのではないかと思います。
#84
○櫻井充君 結局、そこは言った言わない論ですよね。従来どおりと余り変わっていないんじゃないかという気がするんです。つまり、言った言わないで一番最終的にもめるのは何かというと、これは想像するとですが、恐らく説明したのか説明していないのかというところが最後に問題になるんだと思うんです。ですから、我々が承諾書というふうなものをいただいているのも、我々がこういうことをきちんと説明しましたということを書いた上で、そして署名していただいている。
 そういうことから考えたときに、先ほども海野委員の方からありましたが、文書なりなんなりというふうなものを、きちんと書面交付なりなんなりするようなことでもない限り、説明されている説明されていないの、そこの言った言わない論で、随分顧客にとってきちんと立証しにくい状況にあるんじゃないかというふうに思いますが。
#85
○政務次官(林芳正君) 今の裁判では、まさに委員がおっしゃったように、もともと説明をするという義務が今の段階では、この法案が通る前段階ではありませんから、そういうことで原告側が非常に困難を感じていることがあるということは私も聞いております。だから、そういうことも踏まえて、今回は説明は義務ですということをはっきりと決めまして、義務があることをきちっとやったかというのは、まず業者側が説明をしなければならないということに変わったわけでございます。
 今までは販売業者からそんなことはそもそも説明する義務がなかったとか、説明はしなかったがそうしたことはもう社会的な常識であるから知っていて当然ということを言われて、反論しなければならなかったわけでございまして、今度は、そもそもそういうことを説明しなければならないということが義務としてかっちり決まればまずそこから始まるということで、かなり原告側の負担が軽減されていくというふうに考えておるところでございます。
#86
○櫻井充君 いや、でもそれは業者は説明したと言いますよ、多分。何かあったときに、それは説明義務があったから説明したんだと言うんじゃないですか。仮に言っていなくても、あのとき説明したじゃないですかということを言う人たちだっているかもしれませんよ。そこで言ったか言わないかという議論になるわけでしょう。だから、そこを立証できるもの、言ったとか言わないということを立証できるものを何らかの形で担保しなければ裁判は変わらないんじゃないかと思いますけれども。
#87
○政務次官(林芳正君) 今、書面のことも含めておっしゃっているんだと思いますが、それは先ほど海野議員のときにも議論したように、書面を交付してサインしてそれでもう事足れりということではなくて、実質的にやはり相手に説明をしたということをきちっと裁判でやってもらうという趣旨であえてそこを外してあるわけでございます。まさに民法の特則ということでございますから、裁判のルールになるわけで、先ほどから申し上げているように、今回この説明義務を明定したことによって、まずは説明をしたという立証をこの販売業者の方がやらなければならないということになるわけでございます。今まではその義務があるかどうかについても争いがあったわけでございまして、そこが進歩をしたと考えていただければというふうに思うわけでございます。
#88
○櫻井充君 今の答弁でちょっとおかしいと思うのは、業者が説明をきちんとするという前提のもとなんですね。業者はこういう義務にする、こういう形にすると業者はきちんと説明します、しかも相手に理解されるように説明しますというふうになっているんだ、やるんだということになる。やらなきゃいけないと言っているわけですね。今度は文書を提出させたら、文書はいいかげんに書くかもしれないじゃないか、それ以外のことを余り説明しなくてもただそこに判こを押させるだけじゃないかと。これは非常に懐疑的なんですよね。
 その文書に関しての立場と、それから説明させる義務を負わせているところの業者に対しての見方というのでしょうか、業者がどういう行動をとってくるかという見方が極端に違うような感じがします。
#89
○政務次官(林芳正君) 新しいルールを決めるわけでございますから、販売業者が性善説か性悪説かとか、顧客が性善説か性悪説かではなくて、お互いいろんな人がいるという前提の中であらゆる事態できちっとした透明なルールを決めるというのが法律であり、それを裁判でやるわけでございますから、どちらかが必ず悪い人でどちらかが必ずいい人だという前提に立って私は答弁申し上げているわけではございませんで、そういうケースもあり得るので、そういうことも想定してこういうルールになっておるという御説明をしておるだけでございます。
 説明したと言うに違いないということでありますが、それはあらゆる裁判で双方言い分があるわけでございますね。言い分が違うから裁判になるわけでございまして、一般論として、お互いにそれは相手の言うことを両方が主張して、それに対して立証、反証ということをやっていって、最終的に裁判官が判断を下すのが裁判であろうと思いますから、ここにおいても一方的に顧客は何にも立証しなくていいというふうにはならないのではないかと考えておるところでございます。
#90
○櫻井充君 それでは、この法律を定めて、ほとんど顧客の保護が図られなかったと、目的は顧客の保護という形になっておりますけれども、従来と余り変わりがなかったということになれば、この法律が施行されてからですが、その場合にはもちろん見直してはいただけるんですよね。
#91
○政務次官(林芳正君) ですから、金融審議会でもいろいろ御議論いただいた上で、一部では大変画期的だという御評価もいただいているわけでございますけれども、説明義務ということをはっきり書いて、今まではその義務があるかどうかについても争っていたことについて、はっきりとある意味では顧客側に有利になるように一歩を遂げたわけでございまして、この法律を通していただくことによりましてそういうふうになると我々は思って提出させていただいていますので、その先のことを今からどうこうというのはなかなか申し上げにくいことだと思います。
#92
○櫻井充君 まあ何歩か前進したのかもしれませんけれども、我々からすると本当に完全に顧客が保護されるのかという点に関しては随分疑問点があるわけです。そういうことを多くの方々もまた指摘されているところではないかというふうに思います。ですから、現実にこの法律が動き出して、余りかわりばえがしないようであれば見直していただかないと、現実に即しているかどうかということだと思うんです。
 先ほどの言った言わない論に関しても、私の考えでいえば、言った言わない論のところで最終的な立証責任は顧客側にありますから、そうなると果たして本当に証明できるのかどうかというのは私にとってはすごく不安というか心配です。
 今の大蔵省の立場からすれば、これだけ書けばトラブルはなくなるだろうというお考えでこの法律をつくられていると思います。しかし、そういう不安を持っている人たちも数多くいらっしゃって、現実に法案が動いてうまくいかなかった場合にはこれは見直していただけるわけですよね、もちろん。
#93
○政務次官(林芳正君) この法案をお願いしているときに、最初からうまくいかないときはというのを前提で申し上げるのはなかなか難しいわけでございますが、この法案がどれぐらい画期的かということは委員ももう御承知だと思いますけれども、民法の特則でございます。民法の七百九条に、委員もお医者さんでありますが御存じだと思いますけれども、不法行為の要件というのが書いてありまして、不法行為で故意または過失によって損害を与えた場合というのは、そもそも与えられた方が挙証するというのが大原則でございまして、今回は説明義務違反については過失も問わない、要するに無過失責任ということを、まず故意、過失という要件を外しているということでございます。
 それからもう一つは、説明義務違反があった場合は、損害額、元本欠損額相当だと思いますが、そこの間の因果関係というのを立証しなきゃならない、そこも推定されるということで、これも顧客側に非常に有利になっておるというようなことを定めておりまして、特則としては民法の七百九条という大原則を少し変えておるということで、かなりの効果が期待できるというふうに考えておるところでございます。
#94
○櫻井充君 視点を変えてなんですが、もう一つ、クーリングオフという制度を取り入れてみたらどうなのかなというふうに思います。
 説明を受けまして、そのときには何となくいいかなと思って考えたけれども、いろんな人に聞いたらやめた方がいいんだと言われたときにやめられるように、一週間にするか十日にするかわかりませんが、クーリングオフという制度を導入してはどうかと思いますが、その点に関していかがでしょうか。
#95
○政務次官(林芳正君) いわゆるクーリングオフを横断的に全部やってみてはいかがという御質問でございますが、個別の例えば割賦販売法とか限定された範囲でクーリングオフの制度があるのは委員も御承知のとおりでございます。
 先ほど来御説明申し上げているように、これは民法の特則で、民法のすぐ上に来るような横断的な非常に広い法律でございますから、クーリングオフは非常に一方でいい面もあるわけでございますけれども、一方的に解除ができるということでございますね、顧客の方から。そうしますと、いわゆる取引の安定性というものが阻害をされる、それから取引に介するいろいろ第三者もいるわけですね、この人たちにも不測の損害があるというデメリットの方もございますから、今回は全体的にやる民法の大きな特則をつくるという意味ではクーリングオフというのは導入しない、こういうふうに決めたところでございます。
#96
○櫻井充君 業者を信用していないわけではないんですけれども、やはりきちんとした説明がされるかどうか、しかも相手にわかるように説明されるかどうか。
 それから、その人が後でほかの人たちに聞いてみたときに、本来だったらその場で契約しなければ一番いいんだと思いますが、今までのやり方を見ていると、その場でかなり強引に契約させられているような例もございますね。ですから、そういう人たちを救ってくるという点で考えれば、こういう制度がまた必要なんじゃないかというふうに思います。
 一方で、それは業者の立場でいえばというふうにおっしゃいますけれども、顧客の保護という観点に立つのであればこういう制度があってもいいんじゃないかなと思いますが。
#97
○政務次官(林芳正君) 当然、顧客の立場でいろんな画期的なことをやっておるわけでございますが、そのクーリングオフで契約を解除するということではなくて、損害賠償の請求ができるという不法行為の特則でやっているわけでございますね、金融商品でお金のやりとりをするわけですから、実質的にはそこでお金を取り戻せると、不法行為のところ。
 それから、先ほど消費者契約法にお触れになりましたが、消費者契約法は民法の意思表示のところの特則でございますから、契約の取り消しということがそこにあるわけでございます。もちろん、金融商品になっているからあっちは適用されないということは先ほど申し上げたとおりでございます。消費者契約法の方では契約の解除とか取り消しというものが意思表示の特則として定められておるわけでございますから、そちらの条件に該当すれば、委員が今まさにおっしゃったように、無理やり強迫をしたり詐欺の方法をやった場合は、これは民法の本則にもあるわけでございますが、それをさらに消費者契約法で拡大しておりますので、そちらの対象でも救済が可能になるケースがあるのではないかというふうに思っております。
#98
○櫻井充君 それから、今、勧誘というかその話になったんですけれども、これは今回の法律で言うとある程度業者に任せるという感じになっております。しかし、商工ローンの業者のことだけ出して大変申しわけないんですけれども、ああいう業者を見ておりますと、それとは違うんだというふうに言われてしまえばそこまでですが、勧誘方法等についてもう少しきちんと定められなかったのかなと。
 例えば、十分理解ができないようなひとり暮らしのお年寄りもこういう商品を売られて大分苦労されているわけですから、こういう人たちには販売行為を規制するとか、そういうような規制などは市場原理からいうとちょっと無理なのかもしれませんけれども、その辺についてはいかがでございましょうか。
#99
○政務次官(林芳正君) 今、委員がおっしゃったようなケースというのはよく報道もされますし、大変気の毒だなと、委員も私も同じように思っておると思うんですが、先ほど来の議論の流れで、一般的なルールを定めるという中でそういう方のケースをどうしていくのか、こういうふうなことになるんだと思うんです。それで、本法案においての説明義務は、先ほど申し上げましたように、一般の大多数の顧客にとってリスクを理解できるということになっております。
 委員がおっしゃったことは適合性の原則みたいなことになるんじゃないかなと思うんですが、きちんと説明をしても十分理解できないひとり暮らしのお年寄りみたいなケースを含めて、ごく一部のお客さんに対してはもう少し丁寧に説明をすることが必要になるということは十分考えられるわけでございまして、先ほど海野先生のときに申し上げましたように、コンプライアンスということでそれの公表を義務づけて、過料で担保して公表を義務づけてきちっとここまでやりますということをやっているというコンプライアンスの面の対応と、それから民法の最初の方の信義誠実の原則ということがございまして、こちらで業者の損害賠償の責任の追及という道もあるわけでございまして、こういうことでそこの保護を図っていくということになるのではないかというふうに思います。
#100
○櫻井充君 それでは次に、SPC法についてちょっとお伺いしたいんですけれども、SPC法施行後の現状について、どの程度その流動化が図られたのか、まずこの点について御説明願いたいと思います。
#101
○政府参考人(乾文男君) SPC法は平成十年九月に施行されましてから一年半余り経過するわけでございますけれども、これまでに三十九社の登録がございました。
 それから、流動化計画におきまして二兆一千四百億円の資産対応証券が発行される予定となっておりまして、そのうち現実に六千九百億円の証券の募集が行われております。
 また、SPC制度を用いました証券化の状況を資産別に見ますと、資産流動化計画ベースでは、不動産が三百三億円、不動産の信託受益権が五千四百七十三億円、指名金銭債権が四千八百億円、指名金銭債権の信託受益権が一兆八百五十億円となっております。そのうち、これまでに実際に募集が行われましたものが不動産で百九十七億円、不動産の信託受益権で千三百五十一億円、指名金銭債権で三千三百十五億円、指名金銭債権の信託受益権で二千五十七億円となっているところでございます。
#102
○櫻井充君 それで、法改正して使い勝手がかなりよくなるということなんですけれども、大体どの程度効果があるというふうにお考えなんでしょうか。
#103
○政務次官(林芳正君) 幾つぐらいこれをやったらふえるんだというのは、委員も御承知のように我が国も自由主義経済でございますのでなかなか難しいところがあるんですが、この間の議論でも申し上げましたように、私の好きな音楽で言いますとデビッド・ボウイ・ボンドみたいなものも何か外国であるそうでございまして、著作権とかCDの版権みたいなものまですべて含めて、財産権すべてについてできるということになるわけでございますから、いろんな知恵の出しようが大変ふえたというふうに思っております。
 そういう意味では、いろんな御要望があって、SPC法はなかなか使いにくいねということもあった中で、そういうことをいろいろお聞きして今回の改正をやりましたから、かなり期待をしていいんではないかというふうに思っているところでございます。
#104
○櫻井充君 期待しております。
 それから、証券取引法及び金融先物取引法の一部を改正する法律案についてですけれども、今度、株式会社化されますが、これまでの会員権に認められていました取引に参加する権利と経営権というのはどういう形で担保されるようになるんでしょうか。
#105
○政務次官(林芳正君) 今までの会員の方がどういうふうになっていくのかということでございますが、今の会員組織におきます取引所の会員というのは、取引に参加する権利と、それから出資者としてその経営に関する権利を有しておるわけでございます。
 今度、株式会社になった場合はこの二つの権利が分離をされまして、まず取引に参加する権利の方はそれぞれの証券会社が今度は証券取引所との間の契約をいたしまして取引に参加する権利を有するということになります。それから、出資者としては、今度は株主になるわけですから、一般のそこに戻りまして、商法の規定等に基づきまして経営に関与する、こういうことになるわけでございます。
#106
○櫻井充君 今度、株式会社化された場合に、コーポレートガバナンスというか、そういうことが要求されるようになりますが、ちょっと基本的なことをお伺いしたいんですけれども、こういう証券取引所の主たる収入というのは一体何なんでしょうか。
#107
○政務次官(林芳正君) ちょっと通告がなかったのであれでございますが、今度、取引所をやるわけですから、例えば上場するときに手数料を払うとか取引に対して手数料を払う、こういうものが主な収入源になってくると思われます。
#108
○櫻井充君 そうすると、上場すればするほど取引所は収益が得られるということになるんだろうと思います。そうなってきた場合に、一部心配されているのは、例えば暴力団の資金源にならないかとか、またどんどん上場されていって、金だけ集めてそこで倒産させてしまうとかというような形で新しい資金源にならないだろうかという話も出ております。
 そうすると、上場させた証券取引所になりますが、ある会社を上場させた場合に、そういうことが起こったりした場合には証券取引所自体に責任というのは出てくるものなんでしょうか。
#109
○政務次官(林芳正君) 新規に上場した会社が一カ月とか短期の間ということであって、その場合はどうなるのかということでございますが、上場審査の際に、大前提としては、証券取引所ですからきちっと審査をしてディスクロをやって、そのディスクロに基づいていろんな方が投資をされるということでございますから、特にこういうふうな競争状態になりますと、余りむちゃくちゃなことをやっては、今申し上げましたその前提として、だれもあそこの市場で買わなくなる、こういうことが長期的にはあると思うんです。その前提で公益性というものがあるわけですから、そういう意味では、上場審査の際に上場審査基準というのをきちっと定めて、それに基づいて審査をすることになっておりまして、それも含めて免許の条件、定款の中の細かい規定ということにこれはなると思いますので、そういうことで公的にもそれは担保されておるということでございます。
 一般に、例えば本当にきちっと審査をしておって、株式市場が急変したとか外的な要因でなった場合までその責任をとるわけにはいかないということは委員も御理解いただけると思うんですが、そういうことではなくて、もともと審査が甘かったり基準がおかしいという場合は、公的なコントロールと、それからほかとの競争によって市場原理でも排除されていくものになる、こういうふうに考えておるところでございます。
#110
○櫻井充君 ちょっと通告していなくて申しわけないんですが、例えば光通信なんかがあれだけ株が大暴落して株主が相当損失を受けているわけです。あれは一部上場企業だからということで投資されている方々もいらっしゃるんじゃないか。それは投資家と企業とだけの問題になるのか、ああいう場合に。ある方がそういうことをおっしゃっていたんですが、それは取引所自体に責任が果たしてないんだろうか、問われないんだろうか。あの下がった額が半端じゃないわけです。
 ですから、その点に関してどういうふうに解釈したらいいのかなと思うんですが。
#111
○政務次官(林芳正君) 大臣からお答えいただいた方がいいかもしれませんが、株が上がったり下がったりするのは、株でございますからそれはいろんなことがあると思いますし、エクイティーファイナンスというのはある程度そういうものだと思いますけれども、その大前提としては、先ほど申し上げましたように、きちっとディスクロを行って、そしてその情報に基づいて経営が行われておるということが大前提であると思います。その前提としてこういうことを上場審査のときにやるわけでございますから、そのデュープロセスの中で本当に問題があるという場合は、取引所の責任というのもその意味においては生じ得るんではないかと思いますが、ディスクロに書いてあったことがそのまま起こって株が下がったという場合は、これは自己責任ということになるんではないかなというふうに考えます。
#112
○櫻井充君 最後に、不良債権処理について宮澤大蔵大臣にお伺いしたいんですが、十八日の衆議院の大蔵委員会で、大臣は、金融機関の不良債権処理が終わらない段階で早期是正措置の導入や金融ビッグバンを進めようとした金融行政について、今から考えて逆だったと思うというように述べておられるようです。とにかく不良債権を先に処理しておくべきだったなという認識を明らかにされているようでございます。
 現在も不良債権はまだかなり残っております。現在残っていると推測される不良債権の額と、それを受けて、大臣として、今後このようなものを早急に解決していかなければいけないと思いますけれども、大臣のお考えからすれば、この不良債権の銀行等の現在の処理状況に関してどうお考えか、御所見をいただければと思います。
#113
○国務大臣(宮澤喜一君) ここ何年間かを振り返って、本来、不良債権を最初に処理した後に金融再編成を行うべきではなかったかという御質問でありましたので、それは本来そうあるべきであったろうと思いますと申し上げました。
 ただ、不良債権ということを当事者が気がついていないし、監督官庁もそれを言わないし、実はわかっていなかったというのが真相だったと思いますので、そこは本当はわかっていて、そこから始めるべきだったろうという御意見は、それはもうまさにそれに違いございません、こう申し上げたわけであります。
 それから、あとの問題は、ここまで来ましてかなりいろんなことが片づいたと思いますし、もう余り心配でない状態でございます。ただ、一言申し上げれば、大銀行の中で法人税を今期あたり払う銀行はもう大変数は少ないわけでございます。それだけでも過去のものをいろいろしょっているということは申せますので、それがなくなって、当期利益は大体もうよろしいわけですから、税金ぐらい払ってくれるようになりませんといかぬなという感じは石原さんじゃございませんがしておりますけれども。
#114
○櫻井充君 どうもありがとうございました。
 これで終わります。
#115
○委員長(平田健二君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後四時まで休憩いたします。
   正午休憩
     ─────・─────
   午後四時開会
#116
○委員長(平田健二君) ただいまから財政・金融委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、海野義孝君が委員を辞任され、その補欠として続訓弘君が選任されました。
    ─────────────
#117
○委員長(平田健二君) 証券取引法及び金融先物取引法の一部を改正する法律案、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律等の一部を改正する法律案及び金融商品の販売等に関する法律案を議題とし、休憩前に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#118
○星野朋市君 法案の質疑に入る前に金融監督庁にお尋ねをいたしたいのでございますけれども、資本注入を受けた主要銀行のいわゆる不良債権の償却額はこの三月期で幾らぐらいになると思われますか。
#119
○国務大臣(谷垣禎一君) 主要十七行の平成十二年三月期における不良債権処理額は、今各行とも決算作業中でございまして、取りまとめを一生懸命している最中でありますのでまだ確定しておりませんが、各行が昨年十一月の十一年九月期中間決算の発表時に見込み計数としておりました不良債権処理見込み額は十一年度二兆八千億円となっておりました。
#120
○星野朋市君 それは予想額でございますね。
 実は一九九八年度は主要十行でもって償却額が約七兆四千億と私は記憶しているんですが、九九年度の三月期が今おっしゃったような数字だとかなり減少したことになる。これは大蔵大臣がかなり前から申されておる不良債権の償却額が山を越えたというふうな感を持つわけですけれども、ここに来て、名前を挙げて恐縮ですけれども、そごうが銀行に対しまして六千三百九十億円の債権放棄の要請をする、それから西洋環境開発が三千億の要請をする、これでほぼ一兆円になるわけですね。これらの問題についてはほかに問題がありますので、実は金融特別委員会の方で詳しくまた御質問する予定にしておりますけれども、ここへ来てそういうほころびが目立っておる。
 例えばテーマパークのシーガイア、それからハウステンボス、ここら辺でも何百億という単位で銀行への債権放棄の要請が出ている。こういうことは資本注入のときに健全化計画の不良債権額の中にそういうものが入っていたのかどうか。
 この前も私は相談役の問題で健全化計画のことをちょっと御質問しましたけれども、私は随分それにこだわっているんです。要するに、銀行は予定どおりのことをやっておったのか、それからそのときに相当いろんな問題というものを開示しておったのか、そこに非常に疑問を持っておるんですけれども、そこら辺についての金融監督庁の御見解を示していただきたい。
#121
○政府参考人(乾文男君) お答えいたします。
 まず、昨年の三月に資本注入いたしますときには、各行に対しまして、金融再生委員会におきまして、非常に厳しい基準と申しますか、そういう考え方に基づきまして十分な不良債権処理をする、そうした前提に立って必要な資本を供給する、そういう考え方に立って資本注入が行われたわけでございます。そうした結果、昨年の三月期では、先ほど先生は主要行で七兆とおっしゃいましたけれども、注入行全体では約十兆を超える不良債権の償却というものが行われたわけでございます。
 ただ、そのときにも、当時からお答えしておりましたけれども、それによりましてバブル期からのいろいろな不良債権の問題というのは基本的に終了したと申しますか、かなりめどがついたという感じを再生委員会、監督庁として持っておりました。しかしながら、その後も債務者の業況の悪化等による債務者区分の変更、あるいは債務者がいるところの地価の下落に伴う担保価値の減少でございますとか、あるいは逆に不良債権を処理する中で、バルクセール等によって処理する中で伴う損失の発生等がございますから、そういうものは引き続き起こってくるということでございます。
 ただ、その基本的な処理が終了し、不良債権処理は十分に進展しておりますので、年々ある程度発生するものは今後銀行が稼ぐといいますか、そうした業務純益で対応できるだろうという見込みを持っているところでございます。そうしたことから、今年度におきましても、先ほど大臣が答弁されましたように、これは銀行の見込みでありますけれども、主要行で二兆八千億円程度の引き当てをこの続きで行う見込みだというふうに思っているわけでございます。
 それで、お尋ねの、最近新聞に出ておりますような大きな処理を要するような問題でございますけれども、これは各行の内容を見てみないとわかりませんが、各行におきまして相当程度既に引き当てを積んでいるものもあるというふうに考えておりまして、新たにどれだけ積まねばならないかという問題はちょっと調べてみないとわかりませんけれども、基本的には各行はこれまでの不良債権処理の過程で相当程度引当金を積んでいるのではないかというふうに考えているところでございます。
#122
○星野朋市君 それは非常におかしな話でして、積んでおるんだったならば既に計画を出したときに相当その問題が顕在化しているはずなんですね。
 それで、もう一つ、これは日本の会社の横並び体質といいますか、あそこの会社がやったんだからおれのところもというものが今後出てくる可能性の方が大きいんですよ。私はそれを心配していまして、ということは、それによって金融機関の不良債権の処理がいつまでもだらだら続くということ、これが景気回復の足かせになるんじゃないかと思っているんですが、御見解はいかがでございましょうか。
#123
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、乾監督部長からもお答えしたところでありますが、十一年三月期には自助努力による増資、それから金融機能早期健全化法に基づく資本増強も活用したわけでありますが、そういう十分に自己資本を積んだ上で、担保や保証で保全されていない不良債権については、もうこれは委員よく御承知でございますが、破綻懸念先債権については七〇%、それから要管理先債権については一五%、これを目安とした償却、引き当てを行っておりますので、顕在化しているではないかとおっしゃいますが、その点については徹底した引き当てというものを行っております。
 その結果、その結果というのはちょっと余り論理的ではないんですが、主要行の平成五年三月期から十一年三月期までの累計の不良債権処理額というのは約四十九・三兆円となっております。このうち、直接償却等をやりましたのが二十二・三兆円、それから不良債権の売却等に伴う引当金の取り崩しが約十七・一兆、こういうことで約三十九・四兆が既にオフバランス化が行われておりまして、これは全体の大体八割がオフバランス化しているということでございますから、私は実質的処理はほぼ済んできていると思っております。
 こうしたことで、今後とも債権が不良化してくるということは通常の形としてもちろんあり得るわけでございますけれども、要するに不良債権処理の問題については、今言ったような数字で、山は越えておるというふうに私は考えております。
#124
○星野朋市君 この問題はきょうの証券取引法その他の問題外のことでございますので、また別の機会にいろいろと教えていただきたいんですが、もしほかに監督庁への御質問がないようでしたら、大臣、どうぞお引き取りいただいて結構でございます。
 それでは、私は証券取引法とSPCのことに限定してお尋ねいたしますけれども、今度、証券取引法で取引所を株式会社化するというそもそも最もプリミティブな問題ですけれども、この目的は何でございますか。
#125
○政務次官(林芳正君) 今回の取引所を株式会社にできるというオプションを与えることのそもそもの目的ということでございますが、金融システムの改革がどんどん進展してまいりまして、従来、会員組織で、同質性で、証券会社というのはもう委員もよく御承知のとおり意思決定も大体皆さん同じようなことを考えてやっていたわけですが、いろんな金融システム改革、ビッグバンが進行するに伴ってそうでもなくなってきたという状況の中で、意思決定を迅速に行ってまいらなければならないということができてきた。
 それから、システム投資、コンピューター等を使って多額の投資をしていくということが世界の流れとなっておりますので、そういう中で取引参加者や上場会社からの収入以外に証券市場からこれを調達していく、こういうことが可能になる。また、コーポレートガバナンス一般論として、株主から経営についても監視を受けるということで意識改革が促進をされる。
 こんなようなメリットがございますが、これ全体を通じて証券市場がより便利になれば、全体の証券市場や我が国の金融界全体に利便性や効率性の向上と、それを通じて国際競争力の高まりというものが期待できるというのがメリットであろうと考えているところでございます。
#126
○星野朋市君 そう一般的に言われておるんですけれども、株式会社化したから意思決定が早くなるというのはどういうことかなということが一つあります。
 それからもう一つは、エクイティーファイナンスが可能になるということですけれども、取引所自体がそんなにエクイティーファイナンスを何回もやらなくちゃならないほどの資金的な需要というのがあるのかどうか、この点がやや疑問に思うんですね。それについてどうお考えですか。
#127
○政務次官(林芳正君) 意思決定が迅速化するという点でございますが、先ほど申し上げましたように、皆さん同質的な会員で、ほとんどそれぞれ同じような形態でやっておられる場合には会員組織でも非常に迅速な意思決定というのはあるいは可能だったかもしれませんけれども、今申し上げたようにそういう状況でなくなってきたということで、株式会社で透明性を確保しながら迅速な意思決定をやるということでございます。
 具体的には、現在、例えば東証には百二十三社おられますが、会員組織においては会員総会で業務執行の決定を行わなければならない、これは証券取引法の八十九条で民法の六十三条を準用しておりますが、百二十三社集まって会員総会を開くということになるわけでございます。一方、株式会社におきましては、株主総会ではなくて取締役会でこれを決定することができるというのが商法の二百六十条一項にありますので、この原則でやっていけるということでございます。
 また、定款変更といった重要事項の意思決定についても、会員組織においては原則として総会員の四分の三の同意が必要ということでございますが、株式会社におきましては過半数の株主の出席と出席者の三分の二以上ということで、これも商法の規定でございますけれども、そういう意味ではかなり迅速に決定ができることになるということでございます。
 それから、後段の資金の調達で、そんなに金が要るのかねということでございますが、特にこれは金融審議会でもいろいろ御議論をしていただいたんですが、注文の処理速度、それから端末の操作性等、インターネットを使っていろいろやったりしていきますと、これを世界で競い合う、特にコンピューターの場合はどこへ行っても注文ができるものですから、まさにこういった最先端の取引システムというものを導入していくことが不可欠になってきておるという状況でございまして、これに多額の投資が必要になってくる。
 会員からの会費でもこれは調達しようと思えばできるわけでございますが、なかなかそういうわけにいかないだろうということで、ほかのニューヨークやロンドンの話を随分ここでも議論しておりますが、そういうところでも一けた違った額の投資を行ってきておる。そういうところに対して、先ほど申し上げましたように、国際的に競争力を持つという意味ではそういう資金の調達というものが必要になってくると考えられるところでございます。
#128
○星野朋市君 確かにおっしゃることはよくわかるんです。最近、ここ二年間ぐらいのデータを見ますと、世界の主要な都市の証券取引所が株式会社化というのを進めておることはわかるんですが、今おっしゃった中で、あえて申し上げると、会員だけの株式会社化というのができまして、その後会員以外に広げていくというようなところ、それから現にまだ会員だけの株式会社化、こういう取引所もあるわけですね。
 そうすると、日本で、今おっしゃった例えば東京証券取引所だと百二十三社、これが、今の会員権というのは一社一億円ですか、こういう形で出資をしているわけです。世界的な流れとしては確かに株式会社化というのがあるんだけれども、その後の問題についてはそれぞれまだいろんな問題を抱えているんじゃないかと私は思うんですが、いかがですか。
#129
○政務次官(林芳正君) いろいろな問題というのは、多分、最初に会員の方々だけが株主になって、その後一体どうなるのか、こういうことであろうと思います。
 例えばロンドンにおきましても、最初に株式会社化したときは会員だけが株主になって、今回、私が聞いておるところによりますと、今度はその株式を会員以外にもやろうということで会員の同意が得られたというようなことを聞いておりますので、そこはいろんな段階があるのでございましょうけれども、今回の法案の中には株式会社化と同時に増資をできるという規定も置いておりますので、今おられる会員の皆さんできちっと手続をとってそういう同意が得られれば、同時に外からもお金を調達するということは法律上は可能になっておる、こういうことでございます。
 それで、会員組織がもうだめだというわけではなくて、これは株式会社のオプションを新しく加えることによって皆さん方で選んでいただいて、そして選んでいただく中に同時に、そういうふうに会員以外にも株式を広く開放して資金を調達するのか、まずはその会員だけで株式会社になるのかというのは皆様方で考えていただく、こういうふうになっておるところでございます。
#130
○星野朋市君 そうすると、今、東京証券取引所を株式会社化するということで当局が描いているのはどういうことだろうかという思いがあるんですね。
 先ほど申し上げましたけれども、一社一億円の会員権というものを株式に振りかえるということは比較的簡単ですね。それと同時に、新株を発行して一般の投資家に株式を持ってもらう。もちろん、これは制約がありますから、一社五%を超えてはならないという制限はあるんですけれども、そうするとどのくらいの資本金でスタートするのかな。ましてこの会社は将来自分の取引所に上場可能なんです。そうすると、今まで平和不動産が東京証券取引所に上場していたのとはちょっと意味が違うわけですよ。
 ここら辺の描いている図式というのはどうなりますでしょうか。
#131
○政務次官(林芳正君) 後段の自社の株を自分の取引所に上場することについては法律の定めがございますので、そこは後で局長から答弁していただきます。
 先ほど一億円というお話があったようでございますが、私が持っております資料は、これは東証でございますけれども、支店数がもし一だったとした場合は出資金が一億円、それからそれ以外にいろんなプレミアムがついておりまして、特別加入金等を含んだ加入金や入会金、預かり金、特別会費等を合わせますと何と七億四千三百万というような数字でございまして、大変高いわけでございますが、そういう所要の金額の払い込みをする必要があるわけでございます。
 その一方で、今度株式になった場合のその株式が幾らかというのは、これをある程度参考にはされるんでしょうけれども、そこで考えていただいて、自分たちで新しく資金を調達してもらう人にはこの金額でやろうということをその人たちが決めていただく。
 ここで、今までは会員というのは、先ほど申し上げましたように経営も会員としてやりますが、取引の権利というものがあるわけでございますけれども、午前中にもありましたように今度はそれが割れますから、株主になったからといってその株主の地位で今度は取引への参加というのはできなくなるということでございますので、そこをつけ加えさせていただきます。
#132
○政府参考人(福田誠君) 今、林政務次官から答弁申し上げたとおりでございます。
 まず、株式会社化したときの最低資本金については別途政令で定めることにしております。そして、切りかえのときの手続につきましては、改正法案に規定がございまして、百一条の二とか六でございますが、現在、会員組織でございますので、株式会社化を行う場合には組織変更計画書というものを定めることになっております。その中で、その時点の会員証券会社が株式の割り当てを受けるわけでございます。
 どの程度のどういう方法で割り当てるかということにつきましては、その組織変更計画書に定めまして、最終的には会員総会で承認を得るということになっております。そのほか、先ほど来の御質問のその際に資本増強まで行うかどうかも含めて、組織変更計画書において定めるということでございます。
 ちなみに、現在、各取引所におきましては、具体的にどのような組織変更を行うかまでは、この法案の成立を待って具体的に検討したいということでございまして、まだ詳細までは伺っておりません。
#133
○星野朋市君 取引所関係はそのぐらいにいたしまして、今度は電子取引の問題についてお尋ねをいたします。
 けさ方の御質問にもありましたけれども、今までは有価証券報告書は実際に閲覧はできたし、それから手元にそれを置こうと思えば冊子を買うことができたわけですね。今度は、電子取引になりますと、この有価証券報告書、それから増資目論見書まで全部わかるようになりますね。それから、インターネットを通じて家庭においてもこれは見ることができる、こういう利便性は確かに出てまいります。もともとが無料ですから、この閲覧に関しては恐らく無料だと思うんですが、そこの点はいかがですか。
#134
○政務次官(林芳正君) 委員御指摘のとおり、結論から申し上げますと無料になるわけでございます。
 もともと無料でやっておったということでございますし、インターネットに載せるわけですから、今各官庁がやっておりますホームページとコスト的には大体似たようなコストになるわけでございまして、これももちろんホームページを公開しておりますから、これと同様に無料とする予定になっております。
#135
○星野朋市君 便利になった裏側には必ず危険が伴うものでございまして、ハッカーというのはいわゆるバリアをどうやってくぐり抜けていくかという愉快犯みたいなところがある。それからもう一つは、悪意を持ってやればライバル会社の数字を書きかえてしまうというようなことが可能といえば可能になるわけですね。
 ここら辺についての対策にはもちろん万全を期すと思いますけれども、ハッカーとのかなり神経戦になると思うんですが、そこら辺はいかがお考えですか。
#136
○政務次官(林芳正君) もう委員御指摘のとおりでございまして、これは本当にイタチごっこで、こちらが壁を高くすると相手もいろんなものを持ってくる、よくこういうふうに言われるわけでございます。
 午前中も議論になりましたけれども、この情報は公開情報でございますから、これをだれかが中に入って見てしまうというのは別に何も問題がないわけでございますが、委員が御指摘のように、入ってきてこれを変えてしまう、改ざんということが非常に困る。そういう側面から、ハッカー対策に万全を期していかなければならないということで、十三年六月一日からの実施ということでございますから、鋭意やっておるところでございます。
 不正アクセスを防止するためのいわゆるファイアウオールということをきちっと設けて、そして運用面においても不正アクセスを常時監視して、来そうなときはそれを監視しながらきちっと対応するというような体制を構築していくことによりまして、そういうことが起こらないようにするというふうにやっておるところでございます。
#137
○星野朋市君 最後に、SPCの問題についてお伺いいたします。
 この法律ができましてから一年半以上たったわけですけれども、この法案ができるときに最初ちょうど銀行局長が山口さんでございまして、私はこういうやりとりをしたのを記憶しておるんです。実際この法律ができて、SPCというのが年間何件ぐらい可能ですかねと、せいぜい一、二件でしょうと、そのときにこれに参加してくるのは目の黒い外人、いわば華僑ぐらいじゃないでしょうかというような話をしておったんですが、けさ方の金融監督庁の報告では三十七件ですか、そういうふうに及んでいるということで、生保なんかがこのところ運用難でかなり積極的にこれを買っているという話もございます。
 もう一度、今の規模、それからこれからどんな期待があるのか、わかったら教えていただきたい。
#138
○政府参考人(乾文男君) SPC法が平成十年九月に施行されましてから今日までの一年半の間に三十九社登録がございました。それで、計画ベースで約二兆一千四百億円の資産対応証券が発行される予定で、実際にこれまでに六千九百億円の証券の募集が行われてございます。
 その内容を見ますと、不動産が三百三億円、それから不動産の信託受益権が五千四百七十三億円、指名金銭債権が四千八百億円、指名金銭債権の信託受益権が一兆八百五十億円と、いずれも計画ベースでございますけれども、なっております。
 そのうち、実際に募集が行われましたものは、不動産が百九十七億円、不動産の信託受益権が千三百五十一億円、指名金銭債権が三千三百十五億円、指名金銭債権の信託受益権が二千五十七億円となっているところでございます。
#139
○星野朋市君 最後の質問でございますけれども、これに関して、NECが本社をSPC化しようという話がありますけれども、これはもうできていますか。もしこれがそういう形になったらかなり大きなインパクトを与えると思うんですが、いかがでございますか。
#140
○政府参考人(乾文男君) NECが本社ビルを証券化したという報道、一月ごろあった報道を私どもも承知しているわけでございますけれども、これまでこの報道にあったNECの本社ビルを対象資産とするSPCの登録は私どもに対して行われておりません。したがいまして、NECの証券化が行われたとしますと、SPC法に基づくものではないのかなというふうに考えているところでございます。
#141
○星野朋市君 終わります。
#142
○世耕弘成君 自由民主党の世耕弘成でございます。
 審議もきょうの午前中の審議を経ましてかなり煮詰まってきたのではないかなという気がしております。私自身は金融に関しては全くの素人でございますので、本日は金融商品の販売等に関する法律案に絞りまして、特に消費者というものの立場、観点から、自分の実体験も踏まえて全体的な質疑をさせていただきたいと思っております。
 まず一番最初に、非常に個人的な話になるんですが、私は一九九〇年から九二年にかけて二年間米国に留学をしておりました。そのときに体験したというか、クラスメートでシンガポール人の女性がおりました。彼女は外見は日本人そっくりなんです。洋服からヘアスタイルからしぐさから、どう見ても私も日本人かなと思って声をかけてしまうぐらい非常に日本人に似ている。あるとき彼女に、君、日本人に似ていると言われるだろうということをお話ししたら、彼女も、そうなんです、よく間違われるんだということを言いました。そして、その上で私に、日本人と間違われると大変迷惑していることがあるんだという話を始めたんです。
 彼女は東南アジアですとかイスラム圏によくシンガポールから旅行に行っていたらしいんですけれども、土産物屋とかホテルとかレストランへ行くとまず非常に高い料金を吹っかけられるんだそうです。そこで、彼女が中国語もしくは英語で私は日本人じゃありませんと言うと急に値段が半分になったり、ひどいときは十分の一ぐらいに落ちる。その彼女は、日本人というのは一体どういう買い物をしているんだ、物の値段というのがわかっていないのか、商取引においてもっと厳しい物を見る目を育ててもらわないと、日本人に似ていると言われる私は大変な迷惑をしているんだという話をされたことがございました。
 そういう話を聞いていますと、各種報道されているような話も聞いていますと、日本人というのは、エコノミックアニマルとかと言われていますけれども、実は法人も個人も金融に限らず商取引行為においては非常にナイーブな一面を持っているんじゃないかな、もっと言うと国際的にカモになってしまうようなことがクレスベール証券事件なんかを見ているとあるんじゃないかなと、そういう気がしています。
 最近、私が非常に気になっている事件に恋人商法事件というのがございます。要するに、若い女性が道行く男性に声をかけて、何となく恋愛感情っぽいものを示しながら宝石だとか絵画だとかそういうものを売りつけて、とてもその人の年収では払うのが非常に困難なローンを負わせてしまうというような事件が非常に横行しています。この間もアエラという雑誌でかなり特集が組まれていましたけれども。
 当然、これは巧妙に心理的に弱い部分をついてきた一種の詐欺ですから、私は決してだまされた側が悪いとかということは申しません。また、情報量が圧倒的に不利な個人の立場ですから、そういう個人あるいは消費者というものが保護されるというのは大前提だと思っています。しかし、この消費者保護というのが甘やかすレベルまで行ってしまってはいけないと思っている。痴呆症等によって判断力を失っている老人、あるいは十分に教育を受けていない子供がだまされたという話ならともかく、成人した、大学教育まで受けた二十代、三十代の人がそういうものにひっかかっているという事態、これはちょっと深刻に考えなきゃいけないんじゃないか。消費者の側ももっとしっかりしろという観点からの取り組みもあっていいんじゃないかと私は思っています。
 そこでまず、質問第一問でお伺いしたいんですけれども、今現在、日本で、いわゆる金融商品の販売に関して、トラブルだとか、だまされただとか、そういった事件が大体どれぐらい起こっているのか。そういうデータがあるかどうかわかりませんけれども、海外のほかの国と比較してどうなのか。日本人というのはやっぱりだまされやすいのか、トラブルに巻き込まれやすいのか、その辺、何かわかっていればちょっと教えていただきたいと思います。
#143
○政府参考人(福田誠君) お答えいたします。
 お尋ねのトラブルでございますが、そもそもトラブルといった場合にもいろんな態様がございまして一律の捕捉になじむものではないわけでございまして、そのうちの金融販売に関するトラブルの件数も公式な統計は実はございません。
 ただ、我が国におきまして消費者問題に関して最も広範な情報が集められておりますのは国民生活センターで、ここにPIO―NETというネットワークがございまして、ここで登録された件数を申し上げますと、これは金融・保険サービス関係の相談件数ということになりますが、九八年度で三万八千件弱でございます。これは同じときの総件数が商品、サービス全部含めまして約四十一万件でございましたので、その九・二%を占める状況でございます。
 そして、国際的な比較というのは、そういう意味でトラブルの態様の分類とか処理のあり方とか国によってさまざまでございまして、ちょっと手元には国際比較できるような数字はございません。強いて手元にございますのは、イギリスの銀行オンブズマンの受け付け苦情件数というのがございまして、これで見てみますと、先ほどの国民生活センターの数字、金融関係約三万八千件に対応する英国の相談件数は九八年度で一万二千七百件程度、ちょっと比較は難しゅうございますが、そんな統計がございます。
#144
○世耕弘成君 当然比較は難しいと思いますけれども、私は、日本人というのは金融商品に対してどういう強さ、弱さを持っているのかというのを国際的に、面接調査を行うなどしてしっかり一度行政として把握された方がいいんじゃないかなと、そういうふうに思っています。そういう把握をすれば、日本人というのはちょっと甘いところがある、弱いところがあるという結果が恐らく出てくるんじゃないかと思うんです。そのときに、やはりリスク意識の醸成ですとか、あるいはマーケットというのは厳しいんだ、そういうことを個人投資家に教え込んでいく、教育をしていく、もっと言えば個人投資家を健全に育てていく、そういう教育も必要になってくるんじゃないかと思うんです。
 本来は文部省にお伺いするべき話かもしれませんが、大蔵省として、その辺の個人投資家の教育という問題についてはどのようにお考えでしょうか。
#145
○政務次官(林芳正君) 私も二、三年ほどアメリカに留学しておりまして、委員と同じころ、重なったところがあったわけでございますが、そういう女性の同級生はいらっしゃらなかったものですからそういう苦情を聞くことはなかったんですけれども、似たようなことは時々いろんな人から聞くなと思って、今の委員の御指摘を興味深く拝聴しておりました。
 金融のイノベーションがこうやって進みますと、自己責任というものが原則になりまして、その中できちっとリスクを認識しつつ主体的に判断をしていくということが求められてくるわけでございます。例えばアメリカでも、確定拠出型年金というのを随分昔に導入した当初は、やはり最初から皆さんが今のようにリスクとリターンをきちっと認識されて取引しておられたという状況ではなかった。やっぱり徐々に、委員が今御指摘になったようなことをいろんなところで頑張りながらそういうふうになってきたということもこれありでございまして、こうした観点で、消費者教育というものをきちっとやって一層の拡充をしていくということは、我々のみならず、業界、業者、消費者団体、そして今おっしゃいました教育機関等もそれぞれ積極的に取り組んでいかなければならないということでございまして、これをやっていかなければならないという委員の御指摘は我々も共有しております。金融審議会でもそれについてはコンセンサスがあるわけでございます。
 それでは、重要であるから、さらに具体的にどういうことをしていくのかということについて今検討を金融審議会にやっていただいておるところでございまして、余り目新しいことは出ていないんですが、説明会の開催をしたりパンフレットの作成など地道な努力を今までもやってきておるわけですが、さらに業界の垣根を乗り越えていろんなことをやっていかなければならないというのが中間整理でも出ております。
 さらに具体的な委員等の御指摘も踏まえて我々も努力をしてまいりたい、こう思っておるところでございます。
#146
○世耕弘成君 わかりました。
 もう少し実例をお話ししたいと思いますけれども、これは毎日新聞に出ていた話で、そのまま読みますと、
  ある証券会社の窓口に座った時、隣の席から客のお年寄りと女性担当者のやり取りが聞こえてきた。客が買いたいという投資信託に対し、担当者がリスク説明をしようとする。だが、客は説明を聞くのが面倒らしく、「いいよ、いいよ。あんたのことを信用してるから!」と必死に遮っていた。
これが一つの実態だと思うんですね。
 それともう一つ、私は最近、いろいろありまして、政治家も病気に備えなきゃいけないと思いまして、生命保険への加入というのを考えました。いろいろ商品を見たんですが、ある会社の商品が、前向きな人生に大きな勇気を与えます、毎日を積極的に生きるあなたをがっちりサポートします、こういう売り文句につられまして、この商品を今検討しているわけなんです。これは元本はある程度、解約時払戻金という形で保証されていて、それプラス配当の話なのです、本法案と直接的な関係はないわけですけれども。
 その解約時の配当金の話なんですけれども、この提案書というところに書いてあるんですね。ある仮定で計算をすると、何百万円、七十五歳のときに解約払戻金に上乗せして配当が来ますと書いてある。しかし、その横に、決算実績によって変動し、ゼロとなることがあります、そういうこともちゃんと書いてある。そういう意味では、いわゆる説明はなされているのかなというふうに思うんですけれども。
 しかし、先ほど櫻井議員からの御質問にもありましたけれども、当然、構造の説明まで、どういう仕組みでどうなっているのかということまで聞きたいと思いまして、ここにも構造の説明っぽいことは書いてあるんですが、私が読んでもよくわからないということで、例えば仮定となっているんだけれども、どういう前提条件で仮定の条件を出しておるのか、あるいはゼロになるときというのは一体どういうときなのか、もっと踏み込むと、計算式は、詳しくはいいけれども、大体どういう形でやっているのかということを一生懸命聞くんですが、販売員は全然説明ができない。言うことが右や左で全然だめ。ということで、ではちょっと上司とかわりなさいということで上司の方に聞いてもほとんどわからない。
 この会社は非常に大手の生命保険会社です。セールスに来ている女性も全国で十指に入る売り上げの方なんですが、全然答えられない。それどころか、そんなことを聞く人は初めてだというような対応をされてしまう。これが金融商品の販売の現場の実態なんですね。
 当然、説明をしない会社の方も悪いけれども、わからないまま契約してしまう消費者の方も悪い。こんな状態で本当にいいんだろうか。やはり日本の金融業界の国際競争力をアップするという意味からも、お客の厳しい目があってこそ強い会社、業界が育っていくんだと。現状はお客さんと会社がなあなあになってしまっている。逆説的に言えば、こういう高度な信頼関係を構築した日本社会というのはまたすごいなとも思うんですけれども、一方で生き馬の目を抜く外資がどんどん入ってきていて、さらにグローバルスタンダードという視点からではもうそういうことは通用しないんじゃないかなというふうに思っています。
 今回、この法案の中で元本割れについて説明義務ということが非常に明確に規定されたということは大変な進歩だと思って、私は評価をしています。しかし、今、私が申し上げたようなお客さんと会社の現状の中で、ではその説明のやり方をどうしていくのか。今回の法律の中では業者の自主規制という形にゆだねられているわけですけれども、私の体験から本当に大丈夫なのかなという不安が非常に残るんですが、どういうお考えで業者の自主規制という形にされたのかというのをちょっとお伺いしたいと思います。
#147
○政府参考人(福田誠君) お答えいたします。
 午前中の質疑でもその点の御指摘がございましたが、本法案において規定しております説明義務は、一般的な大多数の顧客にとってリスクを理解することができる程度のものが必要だということでございます。そういうことから、具体的な説明ルールのあり方については業者の自主規制にゆだねられていることは事実でございますが、本法におきましてはこういうことを含めて適正な勧誘を確保するために勧誘方針の策定及び公表を義務づけておりまして、義務違反に対しては過料を科することで担保しているわけでございます。
 この勧誘方針に盛り込むべき事項につきましては法案においても幾つか定めがございまして、勧誘の対象となる方の知識、経験及び財産の状況に照らし配慮すべき事項、それから勧誘の方法及び時間帯に関し勧誘の対象となる方に対し配慮すべき事項等々が最低限、方針として定めるべき事項になってございまして、これに即して販売業者の方で決めていただくわけでございますが、詳細な具体的な中身については御指摘のとおり業者側にゆだねております。
 これは、業者側に自主的に定めた勧誘方針の公表を義務づけることによりまして顧客はいつでもそれを徴求できますので、顧客あるいは消費者団体も入手できますので、その辺の評価が出てまいります。そういうことで、A業者とB業者が全然違う方針でも出しておれば劣った方が追及されるということになりますので、そのようなコンプライアンスに関するある意味での業者間の競争が促される、よりよいコンプライアンスの充実に向けての方針ができていくのではないか、それに期待しているわけでございます。
#148
○世耕弘成君 なるほど、その説明ルールに関して要するに市場原理を働かせるということだと思いますが、それもやはり消費者が賢明であるということが前提だと思いますので、消費者教育をしっかりとやっていく必要があると思います。
 さて、午前中の質問でもございましたが、恐らくこの法律に基づいて紛争が起こる場合は、やはり説明をしたのかしていないのか、言った言わないの水かけ論というのが一番想定されるところだと思っておりますけれども、この法律の説明の中では、大蔵省の方は、業者が説明を行わなかったことさえ原告が立証すればという形でさらっと書いてあるんですが、さえとは言いますけれども、業者が説明を行わなかったことの立証というのは一般の個人にとっては非常に難しい作業ではないかと思うんですけれども、具体的にどういう形での立証を想定されているんでしょうか。
#149
○政府参考人(福田誠君) 確かに、さえというのはやや偏った表現だったかと存じますが、説明がなかったということをそういう意味で完全に立証するとなると現実には難しい面もございます。
 現在の裁判の実務では、まず原告側から、販売時に業者からある程度の資料はもらったというようなことは認めるわけですけれども、その上で個別の商品については十分な説明がなかったというようなことを例えば証人尋問等の場で証言させるということで立証活動が行われるわけでございます。それに対して、販売業者側は、きちんと説明した、ないしは、極端な場合、説明しなかったけれどもそうしたことは社会的常識だというような反論を行うことがよくあるわけでございまして、現実にはその双方の主張を聞いて裁判官が判定するという方式がとられているわけでございます。
 したがいまして、本法案におきましても、まず顧客側が説明の経過内容を記録する等の、ある程度そういうような手法を用いまして重要事項の説明を受けなかったことを立証していくことになると存じますが、今回は販売業者側に説明義務を明確に定めてございますので、そのような顧客側の証明がございますと販売業者側におきましてはそれを上回る記録で反証しなければならないということになりますから、顧客の方の立証責任は相当程度軽減されるのではないか、ケース・バイ・ケースでございますが、そんなふうに考えております。
#150
○世耕弘成君 ここでもやはり消費者側の賢明な行動というのが非常に重要ですね。ですから、商品の説明を受けたら、何月何日何時何分から何分までどこどこ会社のだれだれが来てこういう説明を受けたという記録を残しておくことは、今のお話だと最低限必要だということですね。ですから、その辺も消費者の啓蒙をお願いしたいと思います。
 言った言わないの議論でエネルギーを使わないようにするためには、今は恐らく消費者の側と企業の側と別々に記録をとっておけばという感じだと思うんですけれども、この辺は不動産業界で重要事項の説明なんというのがありますよね。あるいはアメリカでは、林議員もお覚えかもしれませんが、不動産の賃貸契約をするときには一条一条にイニシアルを書いて、これ読んだこれ読んだこれ読んだといってやっているわけですね。何かそういう説明の経過内容がお互いの了解で記録できるような仕組みがあればそういうところでエネルギーを使わなくて済むんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
#151
○政府参考人(福田誠君) 今回このような法案が提出されたことを受けまして、業界側はかなり実務的な詰めを始めているようでございます。といいますのは、説明が十分でなかった場合に直ちに元本割れになったときに損害賠償になりますので、業界側でもいかにその途中の説明がきちっとできたかを後になって証明できるようなプロセスが必要であるということで、どういう記録をどういうふうに残せば後々大丈夫かというようなことの実務的な検討も開始されているようでございまして、それは消費者側にとっても好ましいことだと存じますので、そのような動きを見守ってみたいと思います。
#152
○世耕弘成君 もう時間がありませんので終わりますが、今回この法律で業者に説明義務が入ったわけですけれども、これは裏返せば消費者の側が説明をしっかり聞くことが求められているということだと思います。社会人や経済人、あるいは市場社会で生きていく者として当然の常識として説明を聞いて、理解できない場合は理解できないという意思表示をして、納得できるまで説明を受けるという消費者の行動、これが非常に重要になってくる。そして、そういう消費者になっていく、あるいはそういう消費者を育てていくことが日本の金融業界の国際競争力の強化につながっていくということを申し上げて、質問を終わらせていただきます。
#153
○池田幹幸君 日本共産党の池田幹幸でございます。
 私は、前回、二十日に引き続きまして、金融商品販売法案について質問したいと思います。
 前回の質問で私は誠実公正義務をどうして本法案に書き込まなかったのかということを尋ねたわけですが、その際、宮澤大蔵大臣は、「私どもとしては基本法の方にそれは定めてあって、その具体的な方法についてこの法律案は規定をしておる」というふうに答弁されました。そこで、私は基本法というのは今審議中の消費者契約法のことですかと伺ったんですが、そうだというお答えでした。
 私は、まことに申しわけない、不勉強で、消費者契約法を詳しく読んでいなかったものですから、そうかなと思いまして終わったんですが、帰って調べてみました。そうしますと、消費者契約法には、私が紹介しました証券取引法に明記されております「証券会社並びにその役員及び使用人は、顧客に対して誠実かつ公正に、その業務を遂行しなければならない。」という明確な規定はありません。
 そこで、大蔵大臣がどの規定を指しておっしゃったのか、いま一度ちょっと伺いたいというふうに思います。
#154
○国務大臣(宮澤喜一君) 私があいまいな答えを申し上げて申しわけありませんでしたけれども、どこにと言われれば、やっぱり普通、民法というふうに申し上げることになるんだと思います。
 私法のルールの一番の基本は民法でございますから、民法に「権利ノ行使及ヒ義務ノ履行ハ信義ニ従ヒ誠実ニ之ヲ為スコトヲ要ス」とありまして、これがすべての私法の基本でございますから、強いておっしゃればここにと申し上げるべきであろうと思います。つまり、そういうことはふだんお互い常識として、どこにと言われるとちょっと迷うようなことでございますけれども、強いて探しますとやはり民法第一条ということになろうかと思います。
#155
○池田幹幸君 消費者契約法にも今おっしゃった「民法第一条第二項に規定する基本原則に反して」云々かんぬんという条項があります。ですから、まあそういうことであろうなと私も思ってはいたんですが、そうしますと、少し違うんじゃないかなというふうに思うんです。
 といいますのは、民法の基本原則に反して消費者の利益を害する条項は無効だという、これは消費者契約法の話なんですが、そのことと業者に誠実公正義務を課す原則ということとはちょっと私は違うんじゃないかと。民法第一条の信義則と証券取引法第三十三条の誠実公正義務規定では少し次元が違う問題じゃないかなというふうに思います。
 民法は、対等な関係、業者と消費者の対等な関係を前提としているわけですけれども、ここで言います誠実公正の義務というのは、情報量でも質でも一方的に消費者は業者に比べて不利な立場に立っている、そういう立場に置かれた消費者を保護するという立場から業者に課せられたものじゃないかなというふうに思います。対等の取引関係を前提としました民法の思想で消費者保護に当たるといたしましても、それはやっぱり限界があるんじゃないかと思います。
 だから、結局、大臣のおっしゃったのは民法の信義則ということなんですけれども、それはちょっとこの法案ではおかしいんじゃないか。もしそうだとすれば、やっぱり改めて誠実公正の原則は、義務づけは書くべきじゃないかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
#156
○政府参考人(福田誠君) 今、大臣が答弁申し上げたとおり、民法一条二項というのがございまして、今回の法律でも民法の適用は妨げないということになっております。したがいまして、販売業者は金融商品の販売等に際しまして、民法一条二項に基づきまして私法上の義務として誠実義務を負うわけでございます。民法の特則である本法案においては、改めて誠実義務を規定する必要はないわけでございます。
 しかしながら、私人間の取引における救済をより具体的な形で図るために今回説明義務違反に損害賠償義務を課す、そういう法体系になっているわけでございます。
#157
○池田幹幸君 今と同様なお答えは先日もいただいたんですが、私が二十日に取り上げたのに対して、福田金融企画局長の答弁はこういうものでした。業法については、「業者に対する免許、監督、命令、罰則等を通じて顧客の保護を図るということでございます。業法の場合はそういう手法でございまして、私人間の取引における救済のために損害賠償責任を課すことによって顧客の保護を図るという本法案とは、目的においてはかなり似通っておりますが、実現手段、適用範囲等が異なっているわけでございます。」、こういう答えだったんですね。そうしますと、業法とは実現手段とか適用範囲、そういったことが異なるから本法案には誠実公正義務は盛り込まないんだ、そう受け取れますね、私自身そう受け取ったわけですが。
 そうしますと、業法の誠実公正義務のこの規定は本法案、この金融商品販売法案の中に生きているというふうに、先ほどもそういう意味のことを大蔵大臣はおっしゃったんですが、それとは全く逆で、そもそもが、もともとこういうものにはそういう原則を盛り込むべきじゃないんだと。そうしますと、随分違うもの、大臣のお答えとは違うものとなるんですが、どうなんでしょうか。
#158
○政府参考人(福田誠君) ちょっと御質問の趣旨を十分理解しておらないかもしれませんが、業法におきまして誠実義務が規定されているものが幾つかございますが、これは先日申し上げましたように、業者に対しては行政庁が免許、監督等を通じまして顧客の保護を図るという観点で置かれている規定でございまして、したがいまして業法上の義務違反があっても直ちに私法上の効果が生ずるものではないわけでございます。私法上は、ただいま申し上げましたように、民法とその特則としての販売法が今提出されている、そういう関係でございます。
 そして、もちろん例えば業者の説明義務のようなものについては重なる領域が当然あるわけでございますから、業者が誠実な説明をしたときには改めてそれぞれ別の法律に基づいて二回説明するということは必要ないわけでございまして、その面では重なっているところは当然あるというふうに理解しております。
#159
○池田幹幸君 だとすれば、改めて誠実公正義務の規定を設けても何ら問題はないということじゃないですか。
#160
○政府参考人(福田誠君) 私人間で争いになったときに、例えば裁判上の事実認定等の場において業法違反があったかないかということは影響があると存じますけれども、理屈上はそれぞれ別のことであるというふうに考えております。
#161
○池田幹幸君 だからどうなんですか。盛るべきじゃないというんですか。だから盛るべきではない、盛り込むべきではないと、単純に言えばそういうことになりますか。
#162
○政府参考人(福田誠君) 業法と私法とに両方あるのがおかしいという意味であれば、それはそれぞれ目的や手法が異なるということでございますし、この販売法に誠実義務がストレートに規定されていないのがおかしいという御指摘であれば、先ほど来申し上げたとおり、民法とこの販売法は重なっている、両方適用があるわけでございます。
#163
○池田幹幸君 余り押し問答しても、どうなんですかね、重なっている部分があるから盛り込むべきではないということにはならないと思うんですよ。きちんとした形で盛り込んで何らおかしくない。特に、業法の中でも証券取引法とか商品取引所法ですか、これについてははっきり盛り込んである。銀行法にはない。同じ金融商品を扱っておっても、そういう誠実公正義務の規定のあるのとないのとあります。
 ただ、考えてみますと、金融ビッグバンだということで進めておられる、銀行と証券の垣根をなくしていくと。将来これがなくなっていくわけですね。銀行でも既に投資信託を扱うという形になってきておりますね。そうすると、当然そういうふうなビッグバンで垣根がなくなっていくわけですから、横断的なところへこれを適用していこうということで今度の法律をつくるわけですから、そうだとすればなおさらのこと、証券取引所法や商品取引所法に規定されております誠実公正義務を盛り込んでおかしくないし、やっぱりそういう方向こそ正しいんじゃないですか。
#164
○政府参考人(福田誠君) 重ねて申し上げますが、商品販売法は民法の特則でございますから、あえてその義務を私法上の義務としてさらに書き込む必要はないということでございます。
 ちなみに、消費者契約法の方も、第六条におきまして、この法律に書いてあること以外に、「意思表示に対する民法第九十六条の規定の適用を妨げるものと解してはならない」という解釈規定もございまして、消費者契約法についても同じような関係になっているのではないかと存じます。
#165
○池田幹幸君 押し問答はやめますが、結局こういった金融商品販売法をつくっていくというのであれば、私はあくまでもそういった規定は設けるべきだと思うんです。
 また、私たちは昨日この法案に対する修正案を出しましたけれども、そこではきちんと誠実かつ公正ということについて明記しました。そこでは、私たちは、「金融商品販売業者等は、この法律の趣旨にのっとり、顧客に対し、信義を旨とし、誠実かつ公正にその業務を行わなければならない。」という一条を設けました。これを設けることによって、誠実公正ということを業者はどうとらえるべきか、どうとらえなければならないのかということ、それが可能な限り具体的にとらえられるように説明義務を定めて、そして適合性の原則や不招請勧誘の禁止、こういった条項を設けたんです。
 もうこれ以上言いませんけれども、私はあくまでもそれは設けるべきだろう、それはこの法案全体の目的からいっても大事なことだということを改めて申し上げておきたいというふうに思います。
 続いて、条文に沿って伺いますが、「金融商品販売業者等」という定義が第二条第三項にございます。そこでは、「「金融商品販売業者等」とは、金融商品の販売等を業として行う者をいう。」としておって、この金融商品販売業者等とは何かということが問題になってくるわけですが、ここでこの「業者等」というのは、金融機関の本店だけではなしに、支店、それから営業社員あるいは代理人、こういったものまで含めているというふうに解していいんでしょうか。
#166
○政府参考人(福田誠君) お答えいたします。
 この規定に準じて申し上げますと、本法案におきましては、「金融商品販売業者等」とは、第二条の第一項に列挙された、たくさん列挙されてございます金融商品の販売やその代理、媒介を「業として行う者をいう」というふうになっております。「業として」というのは、一般に同種の行為を反復継続して行うことということで、営利目的の有無を問わない用語として用いられておりまして、本法案でも同様でございます。
 したがいまして、業法上の免許等を受けているか否かを問わず、無免許等の場合であっても、業として行う者であれば、広く本法案に言う金融商品販売業者等に該当するということでございます。
#167
○池田幹幸君 だから、営業社員や代理人は。
#168
○政府参考人(福田誠君) それは先日申し上げましたように、実際に販売した職員でなく、販売業者の段階で損害賠償義務を負うということでございます。
 個々の販売員については、これは会社からの求償権ないし別途消費者からの訴えの対象となることは可能でございますが、本法案では販売業者そのものに責任を負わせているという構成でございます。
#169
○池田幹幸君 そのことを確認しておきたかったんです。といいますのは、こんな質問をするのは当たり前じゃないかと思われるかもしれませんけれども、変額保険で今いろいろ問題になっておりますが、そこでの会社側の主張が、銀行の本店と生命保険会社の本店がやったんじゃないんだ、我々はあずかり知らぬ、それぞれ各支店の支店同士が話し合ってやったんだということで言い逃れを、だから本店は関係ないと。こんな論理は成り立たないと思うんですが、それが裁判所で堂々と主張されておって裁判が長引くというふうなばかなことになっております。そういったところでこの点についてひとつ確認させていただきました。
 改めて、説明義務について確認したいわけですが、これも金融企画局長の答弁なんですけれども、「発行者あるいは販売業者の信用リスクあるいはデフォルトリスクのようなものを、つまりディスクロージャー関係の情報提供、そして万が一の場合のセーフティーネット、銀行であれば預金保険制度でこうなっているとか、証券であれば投資者保護基金とか、保険の場合もございますので、そのようなことまでは説明する必要があるのではないかと考えます。」、こう答弁をなさったんです。
 といたしますと、ディスクロージャーしている内容は、ここまでは説明する義務があるというふうに解していいんでしょうか。
#170
○政府参考人(福田誠君) 先般やや誤解を招いたおそれがございますので改めて御答弁申し上げますが、この第三条第一項第二号において規定されておりますのは、基本的にいわゆる信用リスクを説明させるものでございます。具体的には、金融商品販売業者等の破綻等によりまして元本欠損が生ずるおそれがある場合には、その旨とその原因となるものを説明させるということでございます。
 したがいまして、この説明は元本欠損が生ずるおそれを説明させるものでございますから、実際に例えば販売している自社の経営状態が悪い旨等の説明を義務づけるものではございません。ただ、セーフティーネットによって元本が全額保証されていないというようなことは恐らく説明する必要があると存じます。
 また、ディスクロージャーに関しましては、本号に基づく説明を受けまして顧客がディスクロージャー関係の情報提供を求めることは十分考えられるわけでございまして、その場合には業者として当然適切に対応することが期待されるところでございます。
#171
○池田幹幸君 開示を求められたら業者として適切に対応する、何かわかったようなわからぬような答弁なんですが、求められれば説明するということですか。
 ここで私がどうしてもひっかかるのは、ディスクロージャー関係の情報提供という、ディスクロージャーの情報じゃなしに、ディスクロージャー関係の情報提供というから、少し幅が広いものとして私は受け取ったから、これを伺っているんですけれども、今の説明だと、求められたら適切に対応するというのはどういうことですか。
#172
○政府参考人(福田誠君) 申しわけございません。法律の規定上義務づけられている範囲にそのディスクロージャーの資料の説明そのものが入っているわけではございません。
#173
○池田幹幸君 そうすると、この法律では開示は求められていないから開示はしない、こういうことになりますね。そういうことでしょう。そうですね。そうだと言っていただけばそれで結構ですけれども。そうですよね。
#174
○政府参考人(福田誠君) 済みません。ディスクロージャーそのものにつきましては業法上の義務づけの話でございます。
#175
○池田幹幸君 そうなると、結局、複雑な金融商品で、発行者とかあるいは販売者、複数の業者のデフォルトリスクが元本欠損にかかわる場合、消費者は契約するときにそれぞれの財務状況を見ることができるんでしょうか、それともできないんでしょうか。
#176
○政府参考人(福田誠君) 当然、顧客の側で業者に対して自分の投資判断に必要なディスクロージャー資料を求めることは十分できると思いますが、この法律によって義務づけられた範囲そのものではないというふうに申し上げているわけでございます。
#177
○池田幹幸君 それでは、業者が、ありますよ、ディスクロージャー資料はあります、どうぞあっちへ行って見てください、こういう程度をしゃべればいいということですね。そうなりますと、現実の問題としては非常にあやふやなものになると思うんです。
 私、新聞広告を持ってきましたけれども、先日、桜井参考人が言っておられたので調べてみたんです。国際証券というところが「国際がお届けする三つのEB。」とあるんです。EBとは何かなと思って見ますと、エクスチェンジャブルボンドというものだそうでございます。それだけ聞いても何のことかわかりません。説明を見てもますますわかりません。さらに、ボーナスクーポンとかなんとか言っているんですが、一体何をやるのか幾ら読んでもわからない。私が頭が悪いからわからないのか、それともわからないように書かれているのか、どちらかだろうと思うんですけれども。
 この債券の発行者がスウェーデン輸出信用銀行と、こうなっているんですね、この発行先。外国の銀行なんだけれども、こうなりますと、こんなところであれどこであれ、その財務状況というのは本来ならば当然開示されていなければいけないはずであるんですけれども、こんなのは一体、説明義務を求めたときにどうするのでしょうね、業者としては、求められたときに。
#178
○政府参考人(福田誠君) ただいまの例ですと外国の発行者でございますから、そのデフォルトリスクがある、またデフォルトになったときにはそれが国内でどのような事態になるかというようなことを説明していただくということだと思います。それが国内ではどのように保護されている有価証券なのかということだと存じます。
#179
○池田幹幸君 結局、何もわからぬということで、先ほども話があったように、ではあんた信用するよということでやるというふうな感じになってしまわざるを得ないんじゃないかと思いますが、それはこのぐらいにしておいて、説明義務について、午前中の討議について若干伺いたいと思うんです。
 午前中の討議で林政務次官がお答えをされたんですけれども、その商品の性格、仕組みまで法案に書き込んだ場合、説明義務の範囲に書き込んだ場合は、書き込んだもの以外は責任をとらないということで業者が開き直ってくる、書き込まれている以外についてはもう説明義務はないという形になるおそれがあるんだ、だから書き込まないんだという説明でした。そうすると、かなり論理矛盾になるんじゃないかと思うんですよ。
 というのは、この法案の第三条にこうこうと説明義務を書いています。ここに書かれているのは、少なくとも今申し上げた商品の仕組みであるとか構造であるとか性格であるとか、そういったものにまで踏み込んでいないんですね。この法案の場合には、これだけ説明したら事足れりということにはならないが、さらに書き込むとそれだけ説明すればもういいということになるんだと。これは全く通用しないんじゃないですか。
#180
○政務次官(林芳正君) 言葉足らずだったかもしれませんけれども、先ほど櫻井委員だったと思いますが、私が申し上げたかったことは、ここの三条の一、二、三というのが元本欠損のおそれがあるということを本質的に説明をしてもらわなければならないと。それに加えて、例えば商品のこういう構造についてということをさらに書き加えますと、商品の構造の中でそこに書き込まれていないようなことについて説明をしなかったという場合に、ここに書いてあることだけでいいんだということで使われるおそれがあると言ったわけでございます。そこの商品の構造を説明したからこっちの一、二、三の方は説明しなくてよくなるという意味で申し上げたわけではございませんで、構造の中で列挙していない部分については説明をしなくていいという解釈になって、それが裁判上顧客の不利になるようなことがあるのではないか、そういう意味で申し上げたわけでございます。
#181
○池田幹幸君 ちょっと私の質問と違うお答えになっているんですが、おっしゃったのは、構造まで書き込めば書かれていない部分についてより問題が起こるだろうということでしょう。しかし、ここまでしかこれは書いていないわけですよ、この法案の場合には。
 ところが、その構造とか仕組みとか、そういうようなものも入っていない非常に狭い段階、私から言えば低いレベルの説明義務だと思うんですが、それさえ説明すればもうよろしいということになってしまうのじゃありませんか。同じことじゃないですか、主張しておられるのは。構造まで書き込むと、そこまで説明すればもういいんだ、あとは説明義務はないんだというふうになるおそれがあるから書き込まなかったとおっしゃるけれども、ここに書かれておるのはもっと低いレベルじゃないですか。低いレベルの説明、これだけしたらもういいんだということになりませんか。同じことでしょう。
#182
○政務次官(林芳正君) そこはいわゆる本質的なところで、どっちが高いか低いかというふうにとらえておられますが、この三つのことが非常に本質的であって、それでこの本質的なことをきちっと理解してもらわなければならないというのがこの法案の趣旨であります。構造の方に踏み込んでそれを書きますと、例えばそこに書いていないことであるから、本来は本質的なことを理解させるために必要なことであっても、そちらの規定によって私は説明しませんでしたというようなことを言う人が出てくるのではないかという意味で、きちっとすべてのことを構造のところへ書き込めればいいわけでございますけれども、こういう商品がどんどん発展していく中でそれはなかなか実際の書きぶりとしては難しいのではないか、こういう趣旨で申し上げたわけでございます。
#183
○池田幹幸君 説明義務というのは、午前中の質疑にもありましたけれども、消費者に納得してもらう、理解してもらう、今も納得してもらわなければいけないから説明をするんだとおっしゃった、そのためのものですね。理解ということが非常に大事だと。
 なぜ理解してもらわなきゃいかぬのかということについてなんですけれども、これは先日の質疑でやはり福田局長が「この法案は説明義務の程度と消費者の自己責任というものの兼ね合いでございますので、どれぐらい株価が下がったら元本が欠けますというようなことまで業者が説明する義務はない」と私にお答えになったんですね。結局、説明義務の程度と消費者の自己責任の兼ね合い、こうおっしゃいましたが、それはまさに消費者が自己責任をとり得るだけの十分な説明をしなければならない、まさにそういう意味ではありませんか。それだけの十分な説明が必要だということでしょう。そうじゃないですか。
#184
○政府参考人(福田誠君) 本法で想定しておりますのは説明の程度でございますが、これはあくまで一般的大多数の顧客にとってリスクを理解することができる程度の説明義務ということになるわけでございます。
 では、それよりも知識、経験等が劣る顧客に対してどうするかということにつきましては、より丁寧な説明が必要となることも考えられるわけでございますが、顧客側からしますと例外的にその知識、経験が一般の水準より低い方につきましては民法七百九条の一般則で責任追及が可能でございます。そうでなくて、すべての人にきちっと理解させるということになりますと、それが直ちに損害賠償責任の原因になりますので、余りにも抽象的過ぎるということになろうかと思います。
 午前中ございましたように、心理上の立証のようなことはなかなか難しいということから、あくまで対象は一般的なスタンダードのお客さんということになるわけでございます。
#185
○池田幹幸君 そうすると、消費者が十分自己責任をとり得る、それだけの理解を求めなければいかぬわけでしょう。
 金融審議会の第一部会の答申でも、要するに説明義務を明確化する意義がここでは書いてあるんですけれども、そこでは「金融商品の取引内容を一般投資家が理解し、円滑な取引が行われるためには、適切な情報提供が不可欠である。同時に、一般投資家は業者に比べ情報が乏しく、業者から提供される情報を信頼し、またそれに相当強く依存せざるを得ない。」ということだから、業者の側からきちんとした資料を提供しなければいけないんだと。円滑な取引が行われるための情報提供ということですから、円滑な取引が行われるというのは、今、福田局長の答弁にもあったように、まさに消費者が自己責任をとり得るそれだけの情報提供を受け、理解していなければいかぬわけでしょう。審議会でもそういうことを、やっぱり明確にする意義をそこまで言っているわけです。
 そうだとすると、自己責任をとり得るだけの十分な説明ということになりますと、今ここに書かれておるような範囲の説明義務では不十分じゃないか。やはりその商品の性格、仕組み、そういったところにまで踏み込んだ形の説明義務がなければいけないんじゃないかと思うんですが、そちらの答弁からいっても内容に踏み込むと当然そういうことになるんじゃありませんか。
#186
○政務次官(林芳正君) 一般投資家という今まさに委員が読んでいただいたような金融審議会の答申でございますから、先ほど局長から答弁があったように、大多数の一般的なお客様にとってはこれぐらいの御説明をすればリスクを理解してもらえるということをきちっと説明しなければならないというのが今回の規定でございます。
 何度も議論になっておりますように、一番本質的なところは元本の欠損のおそれがある、それはこういう理由であるというところをきちっと理解をしていただくと。そこに構造の説明は書いてありませんから、この説明をするために、しちゃいかぬというわけじゃなくて、それは当然この元本欠損のリスクのおそれがあるということを説明をするために、必要であれば当然構造の説明も恐らく多くの場合はなされるということでございますが、先ほど申し上げた理由でこの一番本質的なところをきちっと規定したというのが今回の規定でございます。
#187
○池田幹幸君 説明義務と適合性の原則といいますか、それと絡み合った形でいろいろ問題になっているわけなんですが、裁判の例をちょっと言ってみたいと思うんです。
 最近の判例では、今言われたようなこととはかなり違ったものになってきているんです。後ろの方でやろうと思っておったのですが、時間もなくなってきたので先に御紹介しておきます。説明義務は当然必要なんですけれども、さらにそれを踏み越えて、それと絡み合った形での適合性の原則というのがむしろ判例では強くなっていまして、今言った十分納得いただくということに関連してなんです。
 これは昨年九月の京都地裁の判決なんですけれども、株価指数オプションに関する取引のことに関してなんですが、適合性原則と説明義務の関係につき理解能力の有無をメルクマールにこれらの適用場面を峻別したものとして注目に値する判決だというふうに解説されています。
 どういうことかといいますと、説明義務については、説明すべき事項を述べるだけでは足らず、義務が履行されたと言えるには顧客を理解させることが必要であるとし、顧客が理解できていなければ、説明方法が稚拙であったか顧客に理解能力がなかったかのいずれかであって、後者であれば、そのような顧客はそもそもオプション取引に適合せず、当該投資勧誘は適合性原則違反となるとしたとなっているんです。だから、結局、判決は、個人投資家へのオプションの勧誘には、その投資家が仕組みや危険性について理解する能力があることが絶対の必要条件だという判決なんですよ。
 これを見てもわかりますように、先ほどから問題になっておる、要するに自己責任をとってもらうとするならばここまでやらなければいかぬ。これだったら自己責任をとらせることができないというのが判決ですから、これからいっても今度の法案というのは、今の実態に即して考えれば、そこまで踏み込んだものにしなければならないんじゃないですか。
#188
○政府参考人(福田誠君) 御指摘の点を整理させていただきますと、一つは説明義務の範囲、そしてもう一つは相手方の理解ということだと存じます。
 本法案につきましては、説明義務を怠りますと直ちに不法行為があったものと認められ、元本割れが生じていれば賠償すべき損害と推定される大変強い民事的な効力を持つものでございます。したがいまして、説明義務の範囲は元本割れと因果関係を持つ一定の範囲のものに限定される必要がございまして、金融商品の仕組みとか手数料とかいった一般的な説明にまでこのような強力な効果を付与することは均衡を失するということでございます。
 ただし、先ほど来、林政務次官が答弁されておりますように、元本欠損が生ずるおそれがある旨のその原因となる事由等の重要事項を説明する際には、その重要事項に関連する部分につきまして商品の仕組みなどは当然に説明されることになるわけでございまして、法律上その商品の仕組みを説明しなくていいということを言っているわけではございません。
 それから、相手方の理解ということでございますが、御指摘のように最終的には業者が顧客に対してどの程度丁寧な説明を行うかという問題でございまして、法案上は商品購入の際の重要な判断材料であります元本割れリスクについての説明を大多数の一般の方にわかる程度に行うことを義務づけているわけでございます。
 もしこれを顧客の知識や経験等に適合したいわば完全な説明を法律上義務づけるということになりますと、結局、裁判におきまして個別ケースごとに諸事情を勘案して、どのような説明がそれではそのとき必要だったかということが争われるわけでございますから、現在の一般法による訴訟と何ら変わらない結果になってしまうということでございます。
#189
○池田幹幸君 前半についてちょっとおかしなことを言われましたね、説明義務が課せられておると。要するに、説明義務を怠った場合には即罰則になるんだから、非常に重い法律なんだから、だから説明義務はこの程度にしておいた方がいいと。より詳しくして、たくさん説明しなければならないようにするのはちょっと酷だと、こういうことでしょう。まるで業者の立場じゃないですか。これは消費者を保護しようという法律でしょう。そういう考え方が基礎にあるから、こんなおかしなことになるんだと私は思いますよ。全くそんなのは受けられませんね。
 時間があと四分しかないんですが、ただこの問題ぐらいを決着つけておかなきゃいけませんので、このことについて少し前へ進みたいと思うんです。
 今るる承ってきましたけれども、金利とか通貨とか有価証券、その相場なんかがもう複雑に絡み合った金融商品になってきているわけですよね、非常に複雑多岐にわたってきている。そういう中で、そういった要素がそれらの変動で元本欠損を生じるおそれがありますよと、それだけ言えば義務を果たしたというふうな感じにしかとれないんです、るる伺ってきても。納得がいくとかいうふうな説明はあるけれども、では十分な理解を得るまで説明しなければならないという形で法律で規定すればいいじゃないかというと、いやいや、そうするとだめだということでやっぱりもとへ戻って、結局はここの三条に書かれておる形で元本欠損のおそれがありますよと、それに少し毛が生えた程度の説明をすればそれで事足れりというふうなことになっているとしか思えないんです。
 結局、どんなメカニズムでこの欠損が生じるのかということを言ってもらわなければ消費者はわかりませんよ、本当に。さっきのこれなんかでも、見たってわからないんですもの、何が何だか。そんなところで自己責任を問うなんというのはまさに酷じゃないか。先ほど業者に対して酷だとおっしゃったけれども、そうじゃない、これは消費者に対して酷ですよ。私としては、あくまで商品の特性とか仕組みについて説明義務を課さなければこの法案の目的は達成できないんじゃないかというふうに思います。
 それのみならず、今までずっと裁判のことが問題になってきたわけなんですけれども、今の裁判の実態からしますと、先ほども一つ紹介しましたけれども、この法案で決められたことよりも実態はもっと、裁判所の判決は消費者保護の方向により前進していると私は思うんですよ。先ほどの説明でもありますように、明確に説明義務というものの内容について踏み込んでいるし、そしてまた業者の責任についても厳しい形で判決が下されています。
 これから推しはかりまして、この法案が動き出しますと、今までそれだけ被害者の皆さんや弁護団の皆さんが苦労して判例という形でかち取ってきた消費者保護の水準を下手したら引き下げることになるおそれがあると私は思います。そういった内容を含んでいると思うんです。
 だから、さっき申し上げましたように、私たち共産党は修正案を提案しましたけれども、説明義務についてはやはり商品の特性とか仕組みに踏み込まなければいけないし、何といいましても、きょうできませんでしたけれども、国民生活センターが非常に詳しく報告を出しておりますように、不招請勧誘による被害者が非常にふえておるとか、それから本当は自分はリスクのあるそんな取引をしたくないと言ったのに引っ張り込まれてしまったということで、投資目的とか投資意欲と全く違うところに引っ張り込まれたというふうな事件が続出しているわけです。
 それから考えると、この不招請勧誘の禁止とか適合性の原則とかいうことを盛り込まなければ今の水準から大幅に後退するものにならざるを得ないということを指摘して、質問を終わりたいと思います。
#190
○三重野栄子君 社民党の三重野でございます。
 金融三法案について質問をいたします。
 なお、既に何人かの方と重複した項目もございますけれども、私の視点でお尋ねしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 まず、証券取引法及び金融先物取引法改正案についてでございますが、今回の証券取引所等への株式会社形態の導入の趣旨は、取引所の意思決定の迅速化、それから資金調達方法の多様化を目的としたものということでありまして、東証などでは株式会社化の検討を進めているとのことでございますが、従来の会員制組織の具体的な問題点、国内における証券取引所等における株式会社化へ向けての検討の状況についてお伺いしたいと存じます。
#191
○政務次官(林芳正君) 二問ほど委員から御質問があったところでございますが、たびたび議論になってまいりましたように、戦後ずっと我が国の証券取引所は会員組織として運営しておりました。会員が同質的で大体同じような規模で同じような利害を共有しておるという前提でこの会員組織というのは簡便に速やかな意思決定ができるということがメリットとしてあったわけでございますし、また営利を目的としておりませんから、実費主義で取引コストの低減に資するという考え方があったものと思っておるところでございます。
 先ほど来御議論がありますように、金融システム改革が進展してまいりまして、この同質性がだんだん薄まりつつあるという中で証券会社のいろんな経営スタイルが出てきておりますことは委員もよく御承知のとおりでありまして、証券取引所はいろいろありますけれども、そういうふうに進展度合いが大きくて同質化がもう本当になくなってきたというような取引所においては、ちょっと会員組織ではなかなか不便だなというところが出てきておるという現状であろう、こういうふうに思っております。そういう意味で、先ほど来いろいろ御議論があるようなメリットがあるということで、選択肢として株式会社もあり得るようにしようということが今回の改正の趣旨でございます。
 そこで、各証券取引所の株式会社化の検討状況いかんということでございましたが、これは一義的にはそれぞれの証券取引所が、今度はオプションがふえますから、株式会社というオプションも含めましてどういうふうにしていくかということをそれぞれ自分のところで検討してもらうということになるわけでございます。我々の聞く範囲では、東証、それから名古屋の証券取引所におきましては、それぞれ正会員協会におきまして株式会社化についての検討を行っておられるというふうに聞いておるわけでございます。
 そのほか、大阪証券取引所につきましては、株式会社化について近い将来検討していく必要があると考えておられるようでございますが、具体的に現時点で検討を開始されたということは聞いておらないところでございます。
 また、私の地元、先生の地元も近くでございますが、福岡につきましても、株式会社化について具体的に検討を開始したということは我々は聞いておらないところでございます。
#192
○三重野栄子君 いろいろ詳しくお話をいただきましたが、国内の証券取引所では市場活性化のためにベンチャー企業等を対象とする新市場の創設の動きが盛んでございます。一方で、東京証券取引所の一極集中というべき状況が起きておりまして、本年三月には広島、新潟両証券取引所が東京証券取引所に吸収合併されたところでございます。
 市場の競争力の強化という観点を重視する今回の株式会社化の動きは、中長期的に見ますと、こうした地方証券取引所の統廃合を促進していく方向が出てくるんじゃないかと思うんですけれども、大臣、この方向はいかがでございましょうか。
#193
○国務大臣(宮澤喜一君) 広島と新潟の話がございまして、おのおの事情は一緒ではございませんけれども、基本的には、やはり交通、通信、殊にインターネットというようなことになりまして、そういうことから存在意義が薄れる、あるいは中央に取引が集中していくといったようなことが背景にあると思いますけれども、私どもとして、残された取引所がどういうふうに運営していかれるかということは全く何も申し上げるつもりはございません。
 おのおのの置かれた特色を生かしてやっていこうとしておられるところもたくさんございますし、それがペイしないということが非常につらいことになりますから、そうでない限り、やっていこうという意欲を持っていらっしゃるところは十分おありになりますし、このたびの株式会社化ということと何か必然的に関係をするところのものはない。背景になっておりますものにはそういうことを促進しやすい要素はあるかもしれませんけれども、法の趣旨あるいは法を運用する立場というものはそういうものと関係ございません。
#194
○三重野栄子君 先ほど政務次官もおっしゃっていただきましたが、私の地元の福岡証券取引所でも、売買高の減少とか新規上場の低迷など、市場機能の低下への危惧から、平成十年六月に、地元経済界のみならず福岡県、福岡市も交えまして、福岡証券取引所活性化推進協議会を設置しているところでございます。
 福岡はアジアの拠点都市を標榜しておりまして、そのため証券取引所はアジア経済の発展の中で福岡が拠点的役割を果たしていくのに必要不可欠なものであると位置づけられているところでございます。
 地方証券取引所の存在というのは、ある意味では都市のステータスにもかかわってくると思うのでございますが、こうした地方証券取引所の地方経済における位置づけと申しましょうか、その点につきまして大臣はいかがお考えでございましょうか。
#195
○国務大臣(宮澤喜一君) それは、今もおっしゃいましたが、出来高とかそういったような経済的な理由で維持が困難になるというようなことは間々あるようでございます。しかし、一種の地域の中心になっている、経済活動の中心になっているような都市というものはおのずから、証券取引もそれだけ地域にあるわけでございますし、地域の経済の一つの大切な要素でもございますから、殊に地域なんかで盛り立てていこうという運動がありますことは私は当然のことだと思いますし、そういうことで地域としての特色を発揮していかれるということは好ましいことであろうというふうに思います。
 大切なことは、それを支えるだけの取引量なり経済活動があるかないかということ、あるいはそれを補って地域の経済界がそれをサポートしていくだけの熱意と経済力を持っていらっしゃるかどうかということであろうかと思います。
#196
○三重野栄子君 同じような関連でございますけれども、福岡証券取引所では上場会社二百六十七社のうちの三十四社が福証の単独上場会社となっています。この中には、私がかつて働いたことがあるんですけれども、岩田屋ですとかあるいは地元金融機関などが入っておりますが、どうしても地方取引所は中央取引所と比べて注目度が低くなりがちでございまして、福証では市場の活性化の一環として、これらの企業のために福証単独上場会社の会というのを、今経営の問題もおっしゃっていただきましたけれども、組織されておりまして、合同会社説明会などを実施しているところでございます。
 こうした地方単独上場企業が地域経済に占める役割は大きいものがありまして、今後の証券取引所の改革の中で、情報化だとか国際化の進展に対応できる市場の育成というのは重要な課題であるということは申し上げるまでもありませんけれども、その一方で、地域経済を支え地域に密着した企業との関係に十分配慮する必要があるというふうに思うのでございます。
 そういう意味から、地方証券取引所が進むべき方向を中央の取引所とは別に考えていく必要があるのではないかと思うんですけれども、今後の地方証券取引所の果たすべき役割ということについて重ねてお伺いしたいと思います。
#197
○政務次官(林芳正君) 福岡につきましては、私も近くでございますので頑張ってもらいたいなと個人的には思っておるところでございますが、中央取引所、いわゆる東京とか大阪みたいなところと地方証券取引所というのはまさに委員がおっしゃったような方向であろうかなと私も思っておるところでございます。
 通信情報技術、また金融技術がいろいろと変わっておりますので、これに対応していかなければならないということで、金融システム改革におきましてもこういったいろんな証券取引所がそれぞれ対応していただくことを円滑にするために、取引システムの見直しの促進ということから、一つの取引所の中に複数市場をつくってもいいですよということを解禁したとか、それから上場手続を簡素化するということで、株式の上場承認を事前の届け出制に移行するということをもう既に行っております。
 そうした中で、委員が先ほどおっしゃったように、平成十年十二月以降いろんなことを御検討いただいておる中で、札幌は新興企業向けの新市場アンビシャスというのを開設されたそうですが、くだんの福岡証券取引所は、五月中旬ごろと聞いておりますが、新しい市場のQボードというものを開設する予定だというふうに聞いておるところでございます。
 こういうふうに、各取引所におきまして地方の独自性を発揮していただきながら、創意工夫による効率的なサービスを提供できるようにやっていただくということが地域の企業の資金調達やその地域の投資家の皆様や、また先ほどアジアとおっしゃいましたけれども、多くの投資家の方の多様なニーズにこたえることになるのではないかというふうに期待をしておるところでございます。
#198
○三重野栄子君 次に、インターネットの取引に関して、先ほども何度も出たんですけれども、もう一点伺いたいと思います。
 最近のインターネットの普及に伴いまして、株式取引に当たりましてもインターネットの取引が非常にふえていると聞いております。東証では、インターネット取引が夜間多く行われることなどに対応するために夜間取引市場を新たに創設するとの報道もなされております。
 インターネットの普及は今後の証券取引に大きな影響を与えると考えられますが、ほとんどの証券会社で個人投資家向けのインターネット取引口座が開設できるようになっておりますし、インターネット上の投資情報提供も盛んに行われております。このようなインターネットの普及が証券取引に与える影響についてどのようにお考えでしょうか、大臣の御見解をお願いします。
#199
○政務次官(林芳正君) 私の方から御答弁させていただきます。
 情報通信技術がどんどんと発達してきまして、既にもう多数の証券会社がインターネットを通じた株式の売買等さまざまなオンラインサービスを提供しておるのは委員も御承知のとおりでございます。
 民間のシンクタンクが調査したところによりますと、九六年ぐらいからこういう動きがあります。九六年四月の大和証券ホームトレードというのがこの調査によりますと最初のようでございますが、それ以降、九六年は二つ、九七年は五つ、それから九八年になりますともう十を超えるところがいわゆるEトレードというところへ入ってきておるわけでございまして、もう九九年になりますとちょっと数え切れないぐらいたくさんの方がやっておられるということでございます。
 今、委員がまさにおっしゃいましたように、時間の制約とかそういうところを情報通信の技術によりまして超えていけるというようなオンラインサービスができてくることによりまして、こういうサービスが投資者に提供されることになりますと投資者の利便性が向上するということでございますから、これが翻って証券取引の活発化にも大いにつながっていくものというふうに考えておるところでございます。
#200
○三重野栄子君 インターネット取引は、個人投資家にとりましても情報の収集や株式取引が手軽に低コストでできる魅力ある取引形態だということですが、先日、テレビで、ある女性が夜帰ってきて、自分はこの商品がいいと思うよと言ってぱっぱっぱっと千軒ぐらいに発信したところが、翌日からすとんとその株が落ちたとかいうようなことをテレビで言っておりました、それは善良な女性のやったことでございますけれども。
 その一方で、手軽さの中に危険も潜んでいるようでございます。インターネットの匿名性を悪用して、掲示板やメーリングリストを使いまして虚偽の情報が発信されるケースがふえているとも言われておるところでございます。それらの多くが特定の企業の株価について意図的に操作をする目的で行われていることであります。
 インターネット上のこうした株価操作のための風説の流布も手軽に低コストでできてしまうわけです。インターネット取引を利用する個人投資家の中には、インターネット自体には初心者の方もかなりいらっしゃると思われますが、最終的にはこうした方々にツケが回っていくことになりかねないと思うのであります。
 こうした不正行為に対応していくために、証券取引等監視委員会においてもしっかりと監視していただきたいと思うのですが、こうしたインターネット上の不正行為に対するシステム面、組織面の体制はどのように整備されておりますでしょうか。また、警察庁や郵政省などの関係機関との情報交換、あるいは捜査協力のための連携は十分行われているでしょうか。この点につきまして、監視委員会の上部組織の長であります金融再生委員長にお伺いしたいと思うのです。
 さらに、こうした不正行為の被害を未然に防止するとの観点から、個人投資家向けのインターネット上の取引、情報収集についての留意点がございましたらば、普及啓蒙活動を行っていく上でも重要でありますので、この点もあわせて御答弁をお願いいたします。
#201
○政務次官(村井仁君) ただいま三重野委員から大変御理解のあるお話をちょうだいいたしました。
 先ほど林政務次官からお話がございましたように、インターネット取引はメリットも確かにあるわけでございまして、ことしの三月時点で、これは日本証券業協会のアンケート調査の結果でございますが、やっております会社が五十一社、それで、口座の数で七十四万六千口座あるというような情報を持っておりまして、これは恐らく去年の十月から株式売買委託手数料が自由化された、これが非常に大きく貢献しているのではないかと思っております。
 そういうこともございまして、今御指摘のように、監視の必要性というのを私ども非常に痛感しておりまして、私どもの附属機関でございます証券取引等監視委員会におきまして非常に厳しく監視を続けているということでございます。
 まず、インターネット取引につきましては、口座開設時に証券会社の社員と面談することなく開設手続ができる。それから、売買注文等も、発注時において証券会社の社員に発注するのではなくて直接マーケットにアクセスするというような、コンピューターを介して直接市場に発注されるということでございますので、そういう特色を踏まえて、監視委員会といたしましては、インターネット取引につきまして今まで以上に厳しい注目をしております。
 端的に申しまして、常時、職員がインターネットの上を、いろいろなところを、ネットサーフィンみたいな形でございましょうか、ウオッチを続けているということでございまして、少なくとも取引の公正性を害すると疑われるような行為があれば、これに対しまして検査、調査を実施しまして、事実関係を解明するという努力をいたしている次第でございます。掲示板でございますとかホームページ等、そういう意味で努めて検索の努力をいたしまして、引き続いて情報収集に努力してまいりたいと思っております。
 それから、こういった仕事というのは、今御指摘のように、まさに監視委員会だけでできることではございませんから、従来とも検査、調査に当たりましては必要に応じ関係機関と連携をとっている次第でございまして、もしもいわゆる風説の流布に当たるようなことがございましたら、これはきちんと検察庁に告発をするなど厳正に対処をしてまいる、そういうつもりでございます。さような意味で、私どもがこのようなことをしているということをこういう形で申し上げることもある意味では一つのチェックの手段になるのではないか、こんなふうに思っております。
#202
○三重野栄子君 私もホームページを出していますから、こういうのを宣伝していきたいというふうに思います。
 続きまして、SPC法、投信法の改正につきましてお伺いいたします。
 今回の投信法の改正の柱の一つとして、不動産を投資信託の運用対象資産とするいわゆる不動産投信の解禁がありますが、これに関連しまして「特定資産の価格等の調査」という項目が入っております。これは不動産等が投資信託の運用対象資産となっている場合、その取得、譲渡について第三者による評価を義務づけるものであると思います。
 そこで、特に不動産に限って不動産鑑定士により価格等の調査を行わせることを義務づけておりますが、その理由について御説明いただきたいと思います。
#203
○政府参考人(福田誠君) お答えいたします。
 従来の証券投資信託ですと、主たる運用対象が有価証券ということでございました。有価証券につきましては、御案内のとおり、組織化された市場で取引が行われており、客観的かつ透明な価格形成が行われているわけでございますが、今回追加されました不動産等につきましては必ずしも有価証券のような市場がなくて客観的な価格評価が困難でございます。したがいまして、これらの資産をファンドが取得または譲渡するに当たりましては、ファンドの運用の透明性、公平性を確保する、いわば不良品がまじらないということで投資者保護を図る観点から公正な第三者による価格調査を義務づけることとしております。
 お尋ねの不動産につきましては、別途、不動産の鑑定評価に関する法律という法律がございまして、不動産の鑑定評価は不動産鑑定士が行うこととされております。したがいまして、本法におきましても、不動産鑑定士の評価を踏まえた価格調査を義務づけることとしたものでございます。
#204
○三重野栄子君 ただいま御説明をいただきましたように、不動産につきましては有価証券ほどには市場が確立していない、したがって取引価格等については不透明な部分が確かにあるようでございます。この点にかんがみまして、不動産鑑定士による評価を義務づけることは必要な改正であると思いますが、今回の改正では鑑定の方法については何ら規定されていないと思います。バブルの崩壊以降、いまだに地価の下落傾向はとどまっておりませんし、先日の当委員会の国土庁からの説明でも周知のことでございます。
 不動産の評価に関しましては、周辺の不動産取引価格を参考にいたしますいわゆる取引事例法にかわって、収益還元法による評価が重視されるようになっています。この収益還元法を用いまして不動産の評価を行う旨の規定を政令等で明文化しておくことが投資家保護の観点から必要であると思いますが、この点に関しまして政令ではどのように規定されている状況でございましょうか、政府の御見解を伺います。
#205
○政府参考人(福田誠君) 評価方法のお尋ねでございますが、先ほどの不動産の鑑定評価に関する法律に基づきまして不動産鑑定士が行うこととされておりまして、どのような評価方法かという判断は一義的には鑑定士により行われるべきものでございます。
 ただ、SPC法、既にこれは施行されておりまして、このSPC法の運営に当たりましては不動産の評価について不動産鑑定士が既に関与しておりまして、昨年十一月に日本不動産鑑定協会がまとめた実務指針によりますと、SPC法に基づき評価の対象となる投資用不動産については収益還元法を中心として評価するとされております。今回の法案に基づき評価の対象となります投資用不動産についても同様に適切な評価が行われるものと考えております。
 お尋ねのように、収益還元法は将来生み出すであろう純利益の価格時点における現在の価格の総和ということでございます。事例比較法の場合は市場性のある不動産には有効でございますが、適切な事例が十分に集められない場合には事情による補正とか時点修正などをもし的確に行えない場合にはこの手法は困難とされておりますので、収益還元法を鑑定協会でまとめていただければ、それはそれで適切なことであると考えております。
#206
○三重野栄子君 それでは、最後に大臣にお伺いしたいのでございますけれども、一昨年の金融国会で資産デフレ等の問題もあるので不動産の流通市場をつくらなければならない、またSPC等を使った証券化も検討すべきであると御答弁をいただいたと思います。
 不動産の流通市場を整備して投資家が安心して投資を行えるような環境をつくる前提として、公正な取引の確立は必要でありまして、この意味で私が先ほど申し上げました不動産の鑑定方法の適正化は非常に重要であると思うのでございますが、大臣の見解をお伺いしたいと思います。
#207
○国務大臣(宮澤喜一君) 昨年そういうお尋ねがありましてお答えをいたしましたことを記憶しております。
 今回SPC法の改正をやっていただきますと、いわば使いやすくなる、財産の種類にしてもあるいは信託のことにいたしましても、きっとかなりこれから使われるようになる、それが望ましいというようなことを一昨年でしたか、お話をお互いにいたしたことがございます。
 確かに不動産についてはそういうことがございますから、不動産鑑定士が必要であること、そして基本的にそれは収益還元法であるべきであろうというようなことをただいま局長から申し上げましたが、そういう趣旨に基づいて、殊にこれから大いにこの制度を利用してもらおうと思いますので、不動産の鑑定につきましては間違いないように気をつけてまいらなければならないと思っております。
#208
○三重野栄子君 終わります。
 ありがとうございました。
#209
○委員長(平田健二君) 三案に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後五時五十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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