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2000/04/28 第147回国会 参議院 参議院会議録情報 第147回国会 財政・金融委員会 第14号
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2000/04/28 第147回国会 参議院

参議院会議録情報 第147回国会 財政・金融委員会 第14号

#1
第147回国会 財政・金融委員会 第14号
平成十二年四月二十八日(金曜日)
   午前九時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十八日
    辞任         補欠選任
     片山虎之助君     加納 時男君
     続  訓弘君     海野 義孝君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         平田 健二君
    理 事
                岩井 國臣君
                中島 眞人君
                寺崎 昭久君
                海野 義孝君
                池田 幹幸君
    委 員
                加納 時男君
                河本 英典君
                世耕 弘成君
                中島 啓雄君
                林  芳正君
                日出 英輔君
                平田 耕一君
                星野 朋市君
                伊藤 基隆君
                久保  亘君
                櫻井  充君
                浜田卓二郎君
                笠井  亮君
                三重野栄子君
                椎名 素夫君
   国務大臣
       大蔵大臣     宮澤 喜一君
       郵政大臣     八代 英太君
   政務次官
       大蔵政務次官   林  芳正君
       郵政政務次官   小坂 憲次君
       郵政政務次官   前田  正君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田 成宣君
   政府参考人
       金融監督庁監督
       部長       乾  文男君
       大蔵省金融企画
       局長       福田  誠君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○証券取引法及び金融先物取引法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出)
○特定目的会社による特定資産の流動化に関する
 法律等の一部を改正する法律案(内閣提出)
○金融商品の販売等に関する法律案(内閣提出)
○郵政官署における原動機付自転車等責任保険募
 集の取扱いに関する法律案(内閣提出、衆議院
 送付)

    ─────────────
#2
○委員長(平田健二君) ただいまから財政・金融委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 本日、続訓弘君が委員を辞任され、その補欠として海野義孝君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(平田健二君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(平田健二君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に海野義孝君を指名いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(平田健二君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 証券取引法及び金融先物取引法の一部を改正する法律案、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律等の一部を改正する法律案及び金融商品の販売等に関する法律案の審査のため、本日の委員会に金融監督庁監督部長乾文男君及び大蔵省金融企画局長福田誠君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(平田健二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(平田健二君) 証券取引法及び金融先物取引法の一部を改正する法律案、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律等の一部を改正する法律案及び金融商品の販売等に関する法律案、以上三案を一括して議題とし、前回に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○伊藤基隆君 民主党・新緑風会の伊藤基隆でございます。
 おはようございます。朝早くから御苦労さまでございます。連日御苦労さまでございます。
 最初に、証券取引法及び金融先物取引法改正案について質問いたしますが、証券取引法の改正の概要は、証券取引所等の株式会社化を可能にすること、また有価証券報告書等の開示、書類手続の電子化を行えるようにするものとの内容でございます。
 証券取引所の株式会社化についてでございますが、近年、証券取引所をめぐる環境が大きく変化をして、従来の証券取引所の役割を果たしているだけでは時代の波におくれてしまう、より積極的に証券取引所が変わっていかなくてはならないということから、現行の証券取引所を内外の証券会社から成る会員で構成される非営利法人から広く多様な資金を調達することができる株式会社組織にするという法律案でございます。
 具体的にどのような必要があって今回の改正を行うのか、また今回の法律改正によって証券取引所の将来像はどうなっていくのかについて議論をしたいと思います。
 やはり日本でも今回の法改正を含む証券取引所の改革に取り組むことになった契機はイギリスのビッグバンであろうかと思います。イギリスの金融機関の競争力低下、ニューヨーク市場への取引流出に対する危機感から、一九八六年から証券取引所の売買手数料の自由化など大胆な規制緩和を実行して、ロンドンのシティーが復活を遂げました。ニューヨークに次いで第二位の取扱代金を誇っていた東京証券取引所は一九九二年にビッグバンが成功したロンドンに逆転され、現在も第三位の位置に甘んじているわけでございます。このままではという気持ちから証券取引所の改革や書類の電子化の必要性を感じ、本改正案の提出に至ったものと思います。
 まず、大蔵大臣に今回の証券取引所改革の基本的な認識、方向性について見解をお伺いしたいと思います。
#9
○国務大臣(宮澤喜一君) 歴史的にブースと言われた取引所というものは俗な言葉で言えばクラブ的なものとして発生をいたしたわけでございますが、今、伊藤委員が言われましたような御認識はまさに正しいと思います。
 古い言葉で言えば、ゲマインシャフトリッヒのようなものがいろんな取引の発達に従ってだんだんゲゼルシャフトリッヒになってきた。そのことが、今ビッグバンと言われましたが、そういう金融取引の複雑化、量の拡大、商品の多様化等々によって、クラブ組織では十分に対応できないところまで発展、発達しつつある中で国際化がさらにその上にかぶったということであると思います。したがいまして、おっしゃいますように、ロンドンあるいはニューヨーク等々が次々に伝統的なクラブ組織というものから株式会社組織に展開をしていった。我が国も同じ流れの中で、しかも国際化ということでございますので、このたびのような転換の必要が関係者によって言われ始めたということであろうと思います。
 最近の原因といたしましては、情報通信技術の発展あるいは金融商品取引のグローバル化といったようなこと、また取引所に出入りする人々のニーズも多様化をする、またそれに対応するサービスもしなければならない、しかもそれらのサービスが非常にクイックに行われなければならない、しかも大量であるといったようなことになりますと、それに対応する施設のあり方というものは非常に金がかかるということになってまいりましたので、なかなか個人の負担においてそういう施設を十分に賄っていくことが我が国においても難しくなってまいったのが現実でございます。
 したがいまして、そういう状況の中で株式会社化をしたい、そうでないと十分にニーズに対応できないといったようなことが広く認められるに至りましたので、このたび法律を変えましてそのようなニーズに、取引をしている人たちあるいは顧客が対応できるようにいたしたいと考えたわけであります。
 もとより、その結果として、従来会員制が持っておりましたいろいろな意味でのよさも悪さもございますが、いろんな意味でのよさというものが株式会社になったから失われるというようなこと、よさは残さなければなりませんので、そのための用心は十分法律の中でもいたしておるつもりでございますけれども、そういうことを兼ね合わせました上で株式会社化が可能になるような法改正をいたしたい、こう考えたものであります。
#10
○伊藤基隆君 もう一つ、この改革の積極性の面からお聞きしたいと思います。
 インターネットの普及に伴って、アメリカではオンライン証券会社の口座数が九百五十万口座に達している。ごく普通のサラリーマンが仕事の後に自宅のパソコンを通してインターネット市場で株売買を行っているという話をよく聞きます。我が国でも、株式手数料の自由化が始まった昨年十月よりインターネットによる株式取引が盛んになって、オンライン証券会社の口座数は六十万口座を超えたと言われております。
 また、アメリカでは、最近急速に取引を伸ばしている電子証券取引ネットワーク、ECN、エレクトロニック・コミュニケーションズ・ネットワーク・システムの台頭によって、株式取引をめぐる証券取引所とECN間の競争が激化している様子でございます。ECNと呼ばれる証券取引所を通さずに行われる株の売買は取引手数料が安いことや使い勝手のよさから急速に普及して、昨年はナスダックの取引高の三五%に匹敵するまでに成長して、さらに増加する傾向にあるということでございます。
 日本も当然この流れの中にあって、ごく近い将来にECNの波が押し寄せてくると思われますが、この秋にも日本版インターネット証券取引がスタートして、現在その準備が進行中との報道が行われております。
 しかし、このECNは、アメリカでは全銘柄を対象にしているわけではなくて、取引量の多い人気銘柄に限られているようでございます。投資家の目先の目的は達していても、本来の証券取引所の目的である企業の資金調達などの公的な役割からすれば、手数料を稼ぎやすい部分のいいとこ取りとなっている側面も指摘されるところであります。
 大蔵大臣にお伺いしますが、これからの証券取引の姿を大きく変えていくと想像されるECNの現状と今後についてどのような認識をお持ちなのか、お伺いしたいと思います。
#11
○政務次官(林芳正君) お答えを申し上げます。
 委員御指摘のように、特にアメリカにおきましては、インターネット等を利用しまして電子的技術というものを活用した取引システム、エレクトロニック・コミュニケーションズ・ネットワークと言われておるようでございますが、これがもう多数存在をしておりまして、二〇〇〇年の二月の統計を見ますと、ナスダックではATS、オルタナティブ・トレーディング・システムという分類をしておるようでございますが、これが金額ベースで大体二五%、四分の一ぐらいがこのECNで行われておるということになっております。既存の証券取引所とECNとの間で売買注文の獲得等をめぐって非常に激しい競争が活発に行われておるということは委員も御承知のとおりでございます。
 我が国におきましても、この金融システム改革の中で、電子的技術を活用して一定の定められた方法によりまして有価証券の売買等を行うことを認可を必要とする証券業として位置づけております。これは証券取引法二条八項七号にその規定がございますが、こういうような所要の法整備を行っております。
 こうした電子的取引システムは我が国におきましては私設取引システム、PTSと従来呼んできたところでございますが、今申し上げましたように、このPTSにおきましては、一般の取引所において用いられているようないわゆるオークションのような価格を形成する機能というのは現在は認められていないことになっておるところでございます。これまでのところ、そういうような電子的取引システム認可の一般的な事例は存在をしていないところでございまして、そういう意味では我が国の電子的取引システムの現状の認識を示すことはなかなか難しいわけでございます。
 ただ、一般的に申し上げますと、投資家の取引ニーズに対応した魅力的なサービスを、今からいろいろと使いまして、そういうような電子的取引システムは法律上はもう仕組みができておりますから、そういうシステムが登場してきますと、現在の取引所市場や店頭登録市場などに加えまして多様な取引の場が形成されることになりまして、委員が御指摘になりましたようないろんな問題点を持ちながらということもあるかもしれませんけれども、そういう意味では、いろんな技術を通じて、そこへ行かなくても取引できる等、投資家の多様な利便性等の向上に資することになりまして、競争を通じてこの金融市場というものがより活性化されていく、こういうふうになるものと考えておるところでございます。
#12
○伊藤基隆君 株式市場が投機性ないしはマネーゲーム的な要素というものを含んでいないと魅力がないということもあろうかと思いますが、そればかりに傾斜していくというおそれもあろうかと思いますので、この点については行政が入る余地はないのかと思いますけれども、お互いの戒めはきちんと持っていなきゃならないのじゃないのかと思います。
 実物経済をはるかに上回る金融市場が現に存在しているわけでありますし、実物経済そのものが金融の巨大化、金融の先導によって活性化した経過もあるわけですけれども、それが魔物化して、各国の経済政策ないしは市場システムでさえ制御し切れない状況というのが起こり得るのではないかという心配もしておるところであります。なおこれは注目していかなきゃならないとは思っています。
 次に、改革の陰の部分について質問をします。
 きのうも三重野委員と政務次官とのやりとりがございました地方の証券取引所の合併、廃止の問題でありますが、広島、新潟の証券取引所が相次いで合併、廃止ということになりました。交通通信手段の発達とか東証マザーズの開設によって地方でも企業の資金調達の場が広がったために、必ずしも地方には証券取引所が必要ではないとの判断もあろうかと思いますけれども、地域の経済にとってはやはり打撃なのではないでしょうか。
 福岡証券取引所に上場することで全国展開に成功した長崎ちゃんぽんのリンガーハットや新潟に上場した雪国まいたけの成功例を耳にするわけでございますが、地方の起業家のチャンスを摘み取るようなことがあってはならないというのは共通の認識であろうかと思います。
 きのうも紹介があったわけですが、福岡では起業支援の機運が強くて、県の呼びかけでベンチャー企業の発掘の場としてフクオカベンチャーマーケットを発足させて、創業資金調達の場を提供しているようでございます。また、一度取引所を閉鎖したら再開は不可能だから何とか守り抜くために地道に努力しているということも聞いておりますが、全く同感するところでございます。
 そこで、地方の証券取引所の将来展望についてどのようにお考えなのか、御見解をお伺いしたいと思います。
#13
○国務大臣(宮澤喜一君) 昨日も三重野委員のお尋ねがございましたが、こういうふうに取引が複雑になり、かつ非常な時間的な正確さも必要とするというようになりますと、中央に取り次げばいいではないかという考えはどうしても出てきやすい。また、それで十分便利であるというようなことがありますと、地方の取引所というのは、当事者は何とかそれを維持したい、また地方の方々もいろんな意味で自分たちのところのものを持っていたい、またそれにはローカルカラーもあるということであるのですが、実際は取引所そのものがお客さんあるいは委託件数が少なくなりますと財政的に維持できないということの方が切実のようでございます。何とか維持したいんだが、お客さんが少なければ、取り扱い件数が減れば財政的に維持できない、こういうことの方が最近の事例を見ておりますと残念なことですが多いようでございます。
 決して私どももそれを積極的に奨励するという気持ちは持っておりませんで、むしろいろんなローカルのカラーを出し、またそのローカルな経済取引の一つの中心になるということは大変大事なことだというふうに考えておりますが、財政的に維持できない、どうも仕方がないというようなケースが多いようで、残念なことに思っております。
 したがいまして、地方でいろいろローカルのカラーを出して御苦心をしていただいて維持していこう、そういう御努力に対しては私どもも積極的に御支援をしたいという方の気持ちが強うございまして、整理をなさってしまえばいいということはどちらかといえば残念だなというふうに考えております。
#14
○伊藤基隆君 証券取引所の歴史は明治二十六年の取引所法までさかのぼるのだそうでございますが、戦前の株式取引所というのは株式会社形態であったということをお聞きしております。当時の株式取引所は清算取引や当所株取引等が中心であったということでございますけれども、極めて投機的色彩が強いものであって、企業の資金調達や証券売買の主要な場とはなっておらなかったようでございます。
 戦後になって、財閥解体、証券民主化運動の流れの中で、実物取引、市場集中制をとるとともに、営利を目的としない会員自治の原則による会員組織の取引所形態を導入するによって現行の証券取引所の基礎ができたわけでございますけれども、今回の取引所の株式会社化に当たってもこうした歴史的背景を踏まえておく必要があると考えます。特に、証券取引所の公共性確保の観点から、取引所の株式保有の形態について十分な配慮が必要ではないかと思います。
 今回の法案でも株式保有に関して五%制限が設けられているわけでございますけれども、この五%は株式の所有関係、親族関係その他の政令で定める特別の関係にある者の所有株も含めて判断されるということであります。
 一定割合以上の株式保有の関係がなくても、旧財閥系のようにグループを形成している企業もありますし、資本関係がなくても主要な取引関係で依存しているようなケースもあろうかと思います。将来は東証の株が上場されることも考えられるわけですけれども、例えば旧財閥系列の銀行や企業がかなりの東証株を保有して取引所の運営に影響を与えるようなことが全く予想できないわけではございません。
 要は、戦前の一時期のような一部の勢力による過度の影響力行使や取引所の運営がゆがめられたりすることの防止ができるかという観点なのでございますけれども、この点をどのように考えられますか。また、具体的に株式の所有割合やその他政令で定める特別な関係などをどのように定めるおつもりなのか、お伺いしたいと思います。
#15
○国務大臣(宮澤喜一君) 戦前のことを言われまして、確かにそういう時代がございました。東株の理事長といえば財界の大物の一人に数えられ、またそういう方々が就任されましたし、また新東は一種の仕手株であったわけでございます。
 そういう時代がございまして、我が国の場合には、戦争が終わりまして財閥の保有株式が放出されましたときに証券民主化ということが言われるようになりました。今の取引所の法律は昭和二十三年であったと思いますが、そこからいわば国民のための証券取引ということが認識されるに至ったと思いますが、実はそれはなかなか思ったようには発展しなかった、これから発展してほしいものと思いますが。
 そういう中で、ここでもう一遍株式会社化するということは、今、伊藤委員が言われましたような戦前の、いいところもありましたが、一部の人たちによる証券取引の利害といったようなものがそんな大きなウエートを占めてはならないことはもう明らかでございますし、そうなってはならないので、五%というふうに株式の保有を制限して防ごうとしております。それは恐らくそれで有効だろうと思いますけれども、かつての経験を考えますと、そうでない動きをする可能性がないとは言えませんので、そこは十分注意をいたさなければならないと思います。
 ただいまのところ、そういう兆候は見えておりませんし、日本の社会そのものも変わってまいったとは思いますけれども、十分注意をいたします。
#16
○伊藤基隆君 具体的なことを政務次官に。
#17
○政務次官(林芳正君) 大臣から御答弁があったとおりでございますが、具体的には法案の百三条の三項の二というところに「株式の所有関係、親族関係その他の政令で定める特別の関係にある者」、こういうふうになっております。単なる親子関係、親子会社関係とか親族関係のところにきちっと留意をしてという御指摘であったと思いますが、委員から御指摘がありましたように、また大臣から御答弁がありましたように、政令で具体的な範囲を定める際には、親会社、子会社の関係や夫婦の関係というのは書かれておりますからもちろんそれは念頭に置くわけでございますが、規制の実効性が確保されるような形で政令できちっと定めてまいりたい、こういうふうに思っておるところでございます。
#18
○伊藤基隆君 次に、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律等の一部を改正する法律案並びに金融商品の販売等に関する法律案に関する質問をしたいと思います。
 フリー、フェア、グローバルを旗印に、一九九六年十一月、当時の橋本総理の提唱によって、我が国における一連の金融システムの改革、いわゆる日本版ビッグバンが始動しました。我が国の金融市場を二〇〇一年までにニューヨークやロンドン並みの国際金融市場にすることを目的に、従来さまざまな規制や保護を受けていた我が国の金融システムをより自由で透明性の高い、便利で効率的なものに再構築する試みでございます。
 外為法の抜本的改正を初め、株式売買手数料の自由化、銀行本体による投資信託の販売解禁などが段階的に、しかも急速に実施されております。少なくとも制度的には日本も英米のような国際金融市場に確実に近づきつつあると考えます。ただ、グローバリゼーションと言いながらも実態はアメリカナイゼーションではないか、ここに問題の根幹があるということを注意しなきゃならないと私は思います。
 さて、日本版ビッグバンにかかわる金融システム改革はその方向性がグローバル化に向けた金融システムのいわゆる売り手の側に傾斜していたことはやむを得ない部分があったというふうに思います。しかし、当然のことでございますが、金融システム改革の法整備が中心となった一九九八年の通常国会における財政・金融委員会の審議では、利用者、消費者の保護、投資家保護に向けた論議も行われたわけでございます。
 一つはファイナンシャルエクスクルージョン、いわゆる金融排除をめぐる論点でございまして、すなわち金融取引をめぐって、アクセスの機会やサービスの提供に関して金融機関が利用者、預金者に対し制度的、継続的に差別的取り扱いや締め出しなどを行うことによって社会的差別が生じない仕組みをいかにしてつくり、金融排除を制度的に防止していくかという議論でございます。
 私は主としてこの問題を取り上げたわけでございますけれども、二つ目は今日問題になっているいわゆる金融サービス法による包括的な投資家保護制度の立法にかかわる議論でございました。すなわち、利用者の自己責任原則が徹底される前提として、現在の金融商品に関する情報の開示や契約時の説明など、売り手側に課せられるべき義務をより厳格にする必要があるのではないかとの議論でございました。
 また、政府の役割についても、利用者が金融商品の内容を十分理解できるような適切な情報開示が行われているか、また取引ルールに不公正な要素が含まれていないかなどの契約一般にかかわるルールをつくって市場整備を促進し、家計と金融システムの新しい関係をつくり上げていくことが必要なのではないかという議論でございます。
 こうした中で、ビッグバン後の金融取引の秩序を考えることとなり、例えば新しい金融の流れに関する懇談会などは、一つに金融システム改革の進展を受けた新しい金融の姿、二つに金融の将来像にふさわしい新しい法制、ルールのあり方というテーマで検討を進めたものでございます。ここでは、伝統的な金融仲介機能を担ってきた銀行を中心とする間接金融から証券市場を中核とした金融への移行を示しているわけでございます。
 これは単なる昔ながらの株式、債券の売買ではなくて、金融技術の進歩などを背景にして多種多様な証券の発行を前提に、銀行も証券市場の参加者として加わるような資金運用サービス、アセットマネジメントを中心とした市場に変貌を遂げていくことをイメージしていたわけでございます。すなわち、これにより資産運用について多様な器が考えられるとともに、来るべきリスクの社会化、経企庁長官がこの言葉を使っているようでございますが、リスクの社会化に本格的に取り組む必要が出てきているのではないか。
 ここでの検討結果の多くはその後の金融審報告に盛り込まれていくのでございますけれども、その言わんとするところは、一つに、これまでのような業法を中心とした個別的な対処ではなく、資金運用の多様化に応じ、デリバティブを初め業態をまたがるハイブリッドな組み合わせによる新しい商品に対処できるような横断的な法制の必要性であることでございます。法律が業態によって異なり整合性を持っていないとすれば、金融の流れはひずみのあるところに不自然に滞留してしまうことになるからでございます。
 もう一つは、リスク社会の進行に対しては、自己責任を問い得るような情報の格差を埋めるためのルールの整備、すなわちガバナンスが求められることになります。金融サービス法のねらいというか原点はそこにあるのだと思います。
 こうした点から考えますと、結果として今回の法案が新しい金融の流れに十分対応できていないと言わざるを得ません。
 大蔵大臣にお伺いしますけれども、一つは、金融審報告でも指摘していた点でございますが、「金融商品の販売・勧誘のルールの整備について」の中で、「(4)不適切な勧誘等について」、(ロ)、(ハ)とありまして、一つは適合性の原則、不招請の勧誘、もう一つは販売業者に対するコンプライアンス規程の義務づけも重要な点でございますけれども、法案としては見送られることとなりました。その事情について改めて説明を求めるとともに、将来の見通しの可能性について見解を求めたいと思います。
 大蔵大臣にもう一つお伺いしますけれども、新聞報道によりますと、大臣の諮問機関である金融審議会第一部会の蝋山昌一部会長が商品先物が除外されたことについて不満を表明したようでございます。大臣の諮問機関の責任者から批判が出るのは異例のことでございます。商品先物が除外された理由、協議の経過、蝋山部会長との調整などについて明らかにしていただきたいと思います。
#19
○国務大臣(宮澤喜一君) 前段の話は、まだまだ取引というものは複雑になっていく、何でも金になる時代かもしれません。時は金なりといったときに、我々は時というのは大事だというふうに教わりましたけれども、実は時差だけで金もうけができるような、損をしたり得をしたりするようなことが考えられますから、時は金なりというのはどうやらだんだんそういうことになってきているのかもしれません。
 しかし、私は、そういう何でも金になるという取引に、善良なといいますか、普通の市民が手を出していい範囲というのが恐らくあるんではないかという気がしております。それは玄人がおやりになるのはいいけれども、普通のいわゆる市民が貯蓄から投資という範囲内で手を出される領域というものはきっとおのずからあるのではないか。ですから、今、伊藤委員の言われましたように、いろんな意味での消費者保護が徹底的に必要であるというのは私もそのとおりだと思います。
 現在の法律がそれについて十分でない、商品の方がどんどん進みますから、それもあるべき御批判だろうと思います。したがって、その点は政府としてさらに努力をいたさなければなりませんし、販売側にいろいろな厳格な規制を課するということも大事に違いありませんが、同時に消費者に対する御注意の中に、これはアマのエリアではありませんというようなこともおのずから出てくることがしかるべきものではないかというふうに思います。御注意はよく承りまして、今後ともさらに消費者保護のためのいろいろな施策を厳しくしていくつもりでございます。
 それから、最後に言われました点は、私どもは商品先物取引の商品というのは物、金ではなくて物であるというふうに考えておりますものですから、したがいまして物の売買と考えまして、この法案の対象といたしておりません。また、現実に私は物の取引ではないかと思っております。蝋山委員がそういうことを言われましたことは承知しておりますが、あるいはその点について蝋山委員と他の委員との間の考えの差があったのではないかというふうにも感じております。
#20
○政務次官(林芳正君) 今、大臣から御答弁があったとおりでございますが、委員が御指摘になられました金融審の報告の(4)の@の(ロ)と(ハ)というところをお引きになられまして、コンプライアンス規程の義務づけが法案ではないんではないかという御指摘があったかと思いますが、この答申に基づきましてコンプライアンス規程を義務づけるという規定を八条で定めておるところでございます。この金融審の答申に従って、八条においてこういう勧誘方針をきちっと定めなさいという義務づけをして、それを公表させるということについて、また九条でちゃんとやらない場合は過料に処するということになっておるところでございます。
 御存じのことと思いますけれども、補足的に説明させていただきました。
#21
○伊藤基隆君 アメリカでは投資信託取引をめぐるさまざまな事案が裁判になっている経過の中で多くの判例が積み重なって、アメリカにおける商慣習といいましょうか、かなり厳格な規制といいましょうか、忠実義務といいましょうか、プルーデントマン・ルールというのがアメリカの中に定着している。そういう信頼があってアメリカの投資信託の発展というのがあるんじゃないかと思いますけれども、日本においてはなかなかそうはなり切れないというようなところがあって、そこに危惧がいっぱいあるわけです。
 そこで、商品先物関連の不祥事件というのが幾つかありまして、それを少し取り上げていきたいと思います。
 たくさんございますけれども、一つは、一九九八年五月、冷凍食品最大手ニチレイが全額出資する子会社の食品卸売業ユキワの財務担当者が総額九十二億五千万円の業務上横領の疑いで警視庁に逮捕されています。大豆などの穀物の商品先物取引を行っていましたけれども、損失を賄い切れなくなって同社の資金に手を出した。読売新聞の一九九八年五月十七日と六月二十七日に報道されました。
 二つ目に、一九九九年五月、詐欺罪などで起訴されている元高知県海洋局次長が大豆の商品先物取引で巨額の損失を出し、県の監督下にある高知市の信用組合高知商銀の専務から約五億二千五百万円の不正融資を受けていたとして、高知県警、高知地検は背任容疑で県庁などを家宅捜索した。同被告は、当時、高知商銀を直接監督する立場の県商工政策課長を務めていた。融資を担当していた高知商銀専務は、四月、自宅で自殺している。同被告は三月十六日付で懲戒免職。県議会は、最高責任者としての知事の責任は大きいとして、橋本知事に対する問責決議案を可決いたしました。朝日新聞の一九九九年五月十六日号であります。
 三に、本年一月には、大分県において、集金に訪れた熊本市の先物取引会社の社員を殺し遺体を捨てたとして、大分県警は二十四日未明、造船会社社員二十六歳を殺人と死体遺棄の疑いで逮捕した。同容疑者は被害者の勤める先物取引会社と数百万円の生糸などの商品先物取引をしておって、県警は取引をめぐるトラブルが原因と見ている。毎日新聞の二〇〇〇年一月二十四日号であります。
 次に、殺人事件は一九九四年にも起きています。福岡県警は、商品先物取引で大損した腹いせに先物取引会社の営業マンを殺害したとして、測量会社社長六十三歳を殺人容疑で逮捕した。自宅を訪ねてきた商品先物取引会社社員三十五歳を刺して殺した疑いである。調べに対して、同容疑者は、商品先物取引で五千万から六千万円の損をし恨みを持っていた上、追加証拠金の支出を求められたことからかっとなって殺したと供述している。産経新聞、九四年十月十二日。
 こうしてみますと、全国津々浦々で発生している商品先物取引をめぐるトラブルがいかに深刻であるかということが浮き上がってくるわけであります。
 データベース検索によってこの五年間の商品先物取引をめぐる事件、トラブルの新聞記事掲載件数を調べてみますと、九五年が四件、九六年が六件、九七年が八件、九八年が十四件、九九年が十三件で、ことしは既に八件と、増加傾向にあることは間違いないと思われます。
 横領行為者等に重大な責任があることは事実でございますけれども、勧誘されるまでは先物取引に何の関心も知識もなかった者が先物取引の泥沼に落ち、苦悩の果てに横領等の行為に及んでいる姿が容易に想像されるところでございます。解雇されて生活の道が閉ざされ、被害弁償等で親族までもが多額の資産を失う。多くの場合、横領等について当然に実刑判決を受ける。家族や親族の苦悩ははかり知れないものがございます。自殺や家庭崩壊など、極めて多数の不祥事、犠牲を生み出しているのが実態ではないでしょうか。
 わずか八十社にすぎない先物業界では伝統的にこのような不祥事を発生させております。業界への規制の緩和が被害を増加させ、深刻化させているというふうに聞きます。億を超える横領事件に関連して、業界側が顧客の不正に気づかないようなことがあるのでしょうか。この不正により調達された資金の中から多額の手数料収入を得ているのが業界であって、構造的な問題体質があると言っても過言ではございません。
 さて、ここで大蔵省にお伺いします。この商品先物取引を今回の法案の対象から外したということはどうしても納得のいかないところでございます。新聞報道では所管官庁の強い意向が働いたというふうに伝えられていますけれども、大蔵省の考え方をお聞きしたいと思います。
#22
○政務次官(林芳正君) 今、委員から御指摘がありまして、蝋山部会長の件につきましては大臣から先ほど御答弁があったとおりでございますが、具体的にこの商品先物が除外された理由ということのお尋ねだったと思います。
 これは何度も当委員会でも御議論になった、また消費者契約法案の方に私も呼ばれまして、そちらの方でも幾たびか御議論があったところでございますが、基本的には金融商品の範囲というものを、これは金融審議会でもまさに議論があったところでございますけれども、繰り返しになりますが、キャッシュフローの移転という資金の配分、もしくはリスク負担の変更を取引内容とするのが金融商品であって、物やサービスそのものの取引ではないということを判断基準としたわけでございます。これも繰り返しになりますが、商品先物取引については実物の売買取引という理解をしまして、今回はこれを外したということでございます。
#23
○伊藤基隆君 私は、大蔵大臣、政務次官からの答弁でございますけれども、金融審議会の第一部会の蝋山昌一部会長を本委員会に参考人として出席いただいて、この間の経過、第一部会の中間整理に書かれている内容と提出された法案のどの部分について異なるのかお聞きできないかというふうに思いますので、委員長からお取り計らいいただきたいと思います。
#24
○委員長(平田健二君) 後刻、理事会で協議いたします。
#25
○伊藤基隆君 次に、果たしてこの金融商品の販売等に関する法律案によって現実に金融サービスの利用者保護がどれだけ前進するかという観点で質問したいと思います。
 確かに一歩前進であることはだれもが評価するところでございますが、この法律によって果たしてトラブルが減るのだろうか。結局は、きのうも議論になって私も随分聞いておりましたけれども、言った言わないのことが争点となって、利用者側の負担が実質的に軽減されないのではないか、このような心配が常につきまとうところでございます。
 私なりに実際に裁判となった例について調べたことを参考に質問をしたいと思います。
 金融商品の少額の元本割れで裁判ということにはならず、多くが説明不足、理解不足であったとしても、泣き寝入りとなっているのが実態のようでございます。裁判にかかる費用対効果を考えれば当然のことだという気がしますが、大きな問題であると思います。
 なぜリスク型商品で利用者側に思わぬ被害が発生するかという問題ですが、一つ確実に言えることは看板を信用した場合でございます。
 具体的には、山一抵当証券の場合が顕著な例と言えると思います。これは山一証券の廃業に関連して被害の出たケースでございます。すべての購入者が山一証券が販売している一年満期の貯蓄型の安全確実な商品という山一証券社員の説明を信用して購入しております。より安全確実な金融商品で山一証券が保証するものだという説明を信用し、一年後には定期預金より少し率のよい利息と元金が山一証券から返金されると信じております。勧誘時の説明や山一証券への信用、信頼が山一の抵当証券購入者の場合はすべて裏切られてしまったわけでございます。
 抵当証券のシステムはわかりにくく、購入者にモーゲージ証書と言われる抵当証券取引証を交付するもので、自分の購入するモーゲージ証書のもとになる抵当証券がだれに対する債権でどのような不動産の担保をとったものか全く知らされないまま、山一証券社員の説明のみによって出資させられて、数週間後に山一ファイナンスという子会社の発行するモーゲージ証書が送られてくる。抵当証券業者はあくまで山一ファイナンスという子会社なのでございますが、親会社の仮面で信用させて、親会社の窓口で親会社の社員が販売していたわけでございます。しかし、経営状態が債務超過に陥っていた山一ファイナンスは親会社の株価急落とともに抵当証券の償還金の返還が不可能となって、結局、購入者はやむを得ず裁判に訴えるしかなかったわけであります。
 同抵当証券の購入者は約九千八百人、購入総額は三百二十億円、裁判の原告は千人を超え、最近ようやく購入額の平均八五%の払い戻しで裁判が決着したと聞いております。原告の三割は六十歳代で、老後の生活資金として退職金を投資した人が目立ったということでございます。まさに人生これからゆっくりしようというときに大変な苦労をしょい込んだわけであります。
 これに対して、今回の法改正で果たしてこのようなケースを防止することはできるのか、説明をお伺いしたいと思います。
#26
○政府参考人(福田誠君) ただいま具体的な事例の御紹介をいただきましたが、今後、個々の具体的なケースで本法案がどのように適用されるかにつきましては、やはりそれぞれの具体的な事実認定によるものでございますので、あくまで一般論として申し上げるわけでございますが、御指摘のように、抵当証券を安全確実な金融商品であるというような説明で販売した場合はやはり販売業者が説明義務を果たしたとは考えられないということで、顧客側は本法案に基づく損害賠償を請求することができるものと考えられます。この場合には、損害額としては顧客に生じた元本欠損額が推定されるわけでございます。
 また、これも一般論で申し上げるわけですが、御指摘のようなケースですと、むしろ安全で確実という虚偽の事実を告げた行為になるとすれば、民法上の詐欺に該当したり、あるいは今般の消費者契約法の不実告知によりまして取り消し事由に該当することもあり得るのではないかと存じます。
#27
○伊藤基隆君 さまざまな実例をまた挙げていきたいと思います。
 次に、金融商品に融資がセットされたケースには多額の被害が発生し、紛争を生じ、裁判となった例があります。
 実例で単純な話としては、バブル全盛期の一九八九年ごろ、埼玉県のある銀行がゴルフ場開発に絡み、銀行の支店長などが優良な顧客に対し特別に建設中のゴルフ会員権を割り当てると話を持ちかけ、特別枠なのでローンを組むのが条件として、銀行みずから、あるいは系列のノンバンクからの融資で大量にゴルフ会員権を販売した。当時は銀行の信用、看板が疑われることもなく、多くの顧客が銀行の話を信用してゴルフ会員権を購入しますが、結局ゴルフ場の建設計画がとんざをして、系列ノンバンクの融資返済のみが残ってしまったという実例でございます。
 このようなケースが今回の立法によって防止できるでしょうか。
#28
○政府参考人(福田誠君) これまた一般論で申し上げますが、御指摘のようなケースですと、ゴルフ会員権及び融資そのものは本法案に定義している金融商品には含まれませんので、本法案の適用はないと存じます。したがいまして、通常の不法行為に基づく損害賠償、民法七百九条などの一般則に基づいて救済を求めていただくということになるわけでございます。
 また、ゴルフ場の建設計画そのものが虚偽であり、当初から顧客をだますようなものであった場合には、民法上、詐欺、錯誤に該当したり、あるいは消費者契約法の先ほどの不実告知に該当して取り消し事由に該当することもあり得るというふうに考えております。
#29
○伊藤基隆君 次の実例はある信託銀行の話でございます、皆さん御存じかと思いますけれども。
 被害者は当該信託銀行とはアパートの経営を通じて長年の取引が行われていた優良顧客であります。これもやはりバブル末期の平成元年に信託銀行の支店職員から話を持ちかけられております。
 信託銀行の関連会社が東京神田神保町に地上五階、地下一階のオフィスビルを建設し、被害者は同ビルの二十一分の一の共有持ち分を関連会社から購入する。被害者は購入の際に信託銀行から年五・八%の利息で一億円の融資を受けている。被害者はこの共有持ち分の賃貸管理を信託銀行に信託し管理の受益金を受け取る、信託銀行は関連会社に一括賃貸し、関連会社は賃料収入を管理する、信託銀行はその利益の中から被害者に信託配当と共有持ち分売却時の売却代金配当を支払うという内容の金融商品を購入したわけでございます。
 この金融商品のパンフレットには、不動産の所有権を小口化、共有持ち分方式により信託で運用して、長期にわたる安定的な配当、多彩なメリットと信頼の運用システムと書かれ、信託銀行と関連会社の名前が並べて書かれております。そして、問い合わせ先として信託銀行不動産企画部の名前が記されております。
 しかし、不動産賃貸事情の激変でもくろみどおりのオフィスビルの賃料が入らず、十年後に共有持ち分権を売却したら、一億円で買ったものが千五百万円でしか売れなかったということでございます。
 信託銀行は融資した元本一億円と十年分の利息約五千万円の回収を図り、被害者は、信託銀行支店職員が、信託銀行と自分の間の十年間の信託契約に基づいて管理運営するが、本件持ち分は十年後には二倍に値上がりするし、子会社である関連会社が責任を持って管理し、利息相当以上の家賃収入が入るので、十年後に信託銀行が持ち分を売却するまで損が生じることは絶対ないと説明して勧誘したと主張しております。
 本件も立派な看板と融資がセットになった金融商品の販売によって生じた紛争でございますが、本件のようなケースは果たしてこの法律で防止できるだろうか、この見解をお伺いしたいと思います。
#30
○政府参考人(福田誠君) 今御指摘のケースにつきましても、ゴルフ会員権と同様でございまして、一般論でございますが、御指摘のケースはビルの持ち分の販売ということでございますので、これは不動産取引になるわけでございます。したがって、本法案における金融商品の販売には含まれないわけでございます。また、信託銀行による融資そのものも金融商品に該当するわけではございませんので、本法案の適用はないと考えられます。
 したがいまして、ゴルフ会員権の場合と同様、民法の不法行為による損害賠償を求めていただくということでございますが、むしろ御指摘のようなケース、損が生じることは絶対にないというようなことで勧誘した行為でありますと、民法の詐欺あるいは消費者契約法の断定的判断の提供に該当して取り消し事由になる可能性があるというふうに存じます。
#31
○伊藤基隆君 本件はSPC法の先取り的なやり方というふうに評判になっておりましたけれども、その点はどうなんですか。
#32
○政府参考人(福田誠君) 今般、不動産ファンドとかいろいろなものが新しいSPC法といいますか信託法で解禁されるわけでございますが、これにつきましては、先日来御説明いたしておりますように、別途、投資者保護のためのいろいろな歯どめが規定されておりますので、これはこれで金融販売法の対象になるわけでございますが、御指摘のような懸念は当たらないのではないかと思っております。
#33
○伊藤基隆君 大蔵省が日本の証券市場の本来的な活性化を図ることを目的としてやっているんだということについては、冒頭の大蔵大臣の御答弁で、私もそのとおりのことでやっているんだろうというふうに思いますけれども、業界はそうではない、非常に怪しい動きをしている。
 ある信託銀行と言いましたが、これは名立たる信託銀行です。きちんとその印刷物に名前が書いてある。そこがやっておるんだから大丈夫だと書いてある、絵で見ると。最初から名立たる信託銀行が詐欺を行おうとしてやっているんですよ。
 大蔵省が証券業の活性化、金融業界の活性化、健全化、世界に伍して断固やり抜くということを言ったって、全然土台が違いますよね。先ほど、プルーデントマン・ルール、アメリカの確固たるそういう商習慣ということを申し上げましたけれども、そういうこととは大変違うんじゃないかというふうに私は思っています。
 そこで、大蔵大臣にお答えいただきたいわけでございますが、このような金融商品をめぐるトラブル、少額の被害なら泣き寝入りをして、融資が絡むと被害額が一気に上昇してしまう、こういうトラブルが起こっております。それも一流の銀行が絡んで起こっている。被害者が金融商品の複雑な中身や仕組みを理解していることは事案からするとほとんどない。
 きのう世耕さんが教育が重要だと言うので、私も質問の一項目として最後の方に加えているんですが、それはきょうは質問しなくてもいいんですけれども、そういうこともあろうかと思います、理解していないと。
 看板に使われている大手証券会社、銀行、一流の信託銀行を信用して、勧められるままに購入して被害に遭ってしまったというのが善良な被害者の姿であります。信託銀行は当初から、融資をして、その融資があるいは焦げつくかもしれないと十分承知していて、しかし後はおれのところの商品じゃないんだと知らぬ顔をして強硬な取り立てを行っているわけでありまして、これがバブル崩壊後ごまんとあるわけであります、全国に。これが非常に社会的な問題なんです。
 だから、ビッグバンなんだから、リスクを理解して、自己責任でと強調されるわけですが、多くの国民にとっては無理があるのではないだろうか。
 今回、SPC法を改正案で使い勝手をよくして、不動産資産の証券化、投資信託の活用が予想されますが、私は少なくとも融資と絡む金融商品の販売については特段の配慮が必要と考えますけれども、大蔵大臣はどのようにお考えでしょうか。
#34
○国務大臣(宮澤喜一君) そのことがさっき申し上げかけたことと関係いたしておるわけですけれども、日本人は、殊に最近こうなりまして、よくアメリカ人から、リスクテーキングということを全くしない、そこが一番アメリカの気性と日本の気性の違うところで、もうちょっとリスクテーキングを国全体として、国民にもそういう気持ちになってもらわぬといかぬじゃないかということをよく言われます。確かに貯蓄というところまでは国民もよくよく知っておるところでございますけれども、どうも二宮尊徳から先へはなかなか行かないという国民性がございます。
 確かに消費者に対して十分ディスクローズをし、情報を与え、そして自分の責任でリスクをとっていくという精神は私は大変大事なことだと思います。そのためには、善意の人が道を迷わないためのいろいろな教育が要るということも事実と思いますが、さて、それだけ申し上げました上で、しかし消費者に対する教育の第一条は余りうまい話は気をつけなさいよということではないかというふうに正直言うと思います。
 ですから、自分はもうスペキュレーションが好きでしようがないという方はよろしゅうございますが、やっぱりアマの領域とプロの領域とはどうしてもあるのではないかというふうに思いますので、消費者に対する教育あるいは業者に対するいろんな意味での厳しい定め、いわんや高名な銀行等々がそういうことに事実上かかわっているのはもってのほかである等々のことはなお十分に私どももこれからも立法なり行政なりで徹底してまいりたいと思いますと同時に、消費者に対してもそういうことは片っ方で常に考えていただきたいということを申し上げなければならないと思います。
#35
○伊藤基隆君 これで質問を終わりますが、二宮尊徳どまりというところは私もさきのこの委員会で大臣からお聞きしておりまして、問題をこれから展開したかったのは、投資信託をどのように活性化させるかということでの整備の問題だったんですが、また後ほどお伺いしたいと思います。
 終わります。
#36
○笠井亮君 日本共産党の笠井亮です。
 本題に入る前に、大蔵大臣に所見を伺いたいんですが、昨日からけさにかけて報道で、東京三菱銀行が六十五億円の申告漏れで二十五億円の追徴ということが指摘されているということであります。東京三菱は公的資金を受けて、ことし二月に返したということは承知していますが、受けながら、なおかつ一方では申告漏れ六十五億円ということで、こういう重大な問題がある、中には悪質な問題が含まれているということでありますけれども、こういう問題があった。
 今度ここは統合するということになっていくわけでありますが、これもこれからのことになるでしょうけれども、当委員会でも議論がありましたが、統合に当たっては登録免許税の減税の問題があって、これもどういうふうになるかによって違うんでしょうけれども、単純に計算して、計算間違いがなければ六十億円という話になってくるとなりますと、庶民から見ると税金の二重、三重取りということになるのかなと、非常に怒りを呼んでいる問題だと思うんですが、この問題について大蔵大臣はどのようにお感じでしょうか。
#37
○国務大臣(宮澤喜一君) 登録免許税のことにつきましては、さきの国会で、いわゆる我が国の大きな企業のリストラクチャリングの問題として、金融機関ばかりでございませんが、企業全般についてのリストラクチャリングの場合の登録免許税の軽減を法律でお認めいただきましたので、それに従ってのことでございます。一定の金融機関を特に優遇するという趣旨ではございません。
 それから、東京三菱銀行のその報道でございますが、個々のことをどれだけお答えできますか、私、定かではございませんが、国税庁から関係者が参っておりますので。
#38
○委員長(平田健二君) 政府参考人を認めていませんので、大臣もしくは政務次官からお願いします。
#39
○国務大臣(宮澤喜一君) そのような報道があったことは承知しておりますが、これに対するコメントは差し控えさせていただきたいと、当局はこう申しております。
#40
○笠井亮君 私はけさこういう報道に接しましたので、朝方でありましたけれども、改めて大蔵省にはこの問題を大臣に伺うからということを申し上げておいたんです。これだけ世間で問題になっている問題ですから、コメントを差し控えたいというのは私も非常に理解に苦しむことなんですけれども、きちっとこの問題については対処していただきたい、そして厳正にやっていただきたいというふうに思うんです。
 登録免許税については、それは銀行だけじゃないですけれども、しかしこれだけの大型の資本金を持つところの統合ということになりますと、普通の企業の適用と違ってけた違いに額が大きいという問題であると思うんですよ。それだけに、この問題というのは極めて、そういうことも明らかに、来年四月ですか、あるもとで、この申告漏れという事態については、これは非常に重大なことだと思うんです。
 率直な御感想でいいんですけれども、これはいいことなのか悪いことなのか、もういいこととはおっしゃれないと思うんですが、コメントを差し控えさせていただくというのはちょっと私も心外なんです。大臣、いかがですか。
#41
○国務大臣(宮澤喜一君) 登録免許税の軽減につきましては、これは法律をもって軽減を国会でお認めいただいておるケースでございますから、行政の判断によるものではございません。金融機関だけを優遇したということもございません。それはそれでおしまいでございます。
 それから、このお話は本当かうそか知りませんが、個々の銀行に関することでございますから、これはこの段階でコメントを申し上げないということが政府の方針でございますので、登録税のこととはどうぞ別のこととしてお聞き取りをいただきたいと思うんですが、そういう意味でこれについてはコメントを申し上げません。
#42
○笠井亮君 これはきちっとコメントをできる段階でしていただきたいと思いますし、登録免許税の問題についても、結局は統合を認めるかどうかに当たっていろんな問題が出てくると思いますので、その際における銀行の企業行動、税金の納め方の問題というのは当然勘案されるべきだというふうに思います。
 本題に入りたいと思います。
 証券取引法等の改正案についてまず伺いたいんですが、この間も議論がありましたけれども、現在の取引所は会員組織ということで営利組織ではないので、そういう意味では財政的にも収支均衡でよかったと。実際に私も数字をいろいろ伺いましたけれども、九〇年代に入って、九一年から九三年まで支出が収入を上回るという赤字です、取引所の収支については。やっと九八年に累積赤字から脱出できたということであります。これは東証の話です。
 しかし、今度は株式会社化するということで、株式会社化するとなりますとこういう状況は許されなくなる。営利追求ということが求められて、収入が支出を常に上回る、これはもう営利企業ですからこのことが求められる。そうすると、当然そういう方向に収入支出構造というのは変わっていくことが不可避になるということだと思うんですが、これはもうそのとおりですよね。
#43
○国務大臣(宮澤喜一君) 株式会社になりますれば一定の営利を目的とする、上げるということはごく普通のことだと思います。
#44
○笠井亮君 取引所の収入というのは会員証券会社からの会費だとか上場会社への賦課金などから構成されてきたということで、市場競争の中では、これらの収入ということでいうと、取引参加者あるいは上場企業をふやすにせよ取引そのものをふやすにしても、これを急激にやることはなかなか容易なことではない。
 そうすると、支出を減らすということをかなり重点的にやらなきゃいけないということになってくると思うんですが、そうすると経費の削減ということにならざるを得なくて、そして支出の中でも、考えてみますと、取引のシステム化などに対応した設備投資はますます拡大しなきゃいけないということが求められている方向だと思うんです。そうなると、今、市場が持っている自主規制機能を果たす部門については、これは言うまでもなく直接の収益を目指す部門ではない。そうすると、結局、人件費の削減とかリストラということとあわせて、自主規制部門のコスト削減、それから縮小ということにならざるを得ないんじゃないかと思うんですけれども、この辺はどういうふうに見ていらっしゃいますか。
#45
○政務次官(林芳正君) 大臣から御答弁がありましたように、株式会社になれば、一般的には、その期その期ということではないかもしれませんけれども、利潤を追求していくことになるということは委員御指摘のとおりでございます。一方で、ここの委員会でも何遍も議論が出たところでございますけれども、そういった中で取引所の、委員が御指摘になりました自主規制機能等の公共的な機能をきちっと担保するためにいろんな仕掛けを講じておるというところでございます。
 その御説明をいたしますが、その前に、自主規制そのものも今度は取引所の競争力ということになっていくわけでございますから、そういった意味では、競争を通じてきちっと自主規制が行われておるということが、この取引所という機能が商品になるとすれば、この商品の魅力性ということにもつながっていくのではないかなということも一般的に考えるわけですが、それに加えまして、法改正におきましては、何度も申し上げているところでございますが、ルールを遵守させるという自主規制機能を担わせて、その市場の開設を免許にかからしめておるというところ、それから証券取引所の、先ほど伊藤先生の御質疑の中にもありましたけれども、五%ルールというのを定めまして、発行済み株式総数の五%を特定の方が持つようにしないようにするということを講じておるところでございます。こうした措置によって、株式会社化されましても、取引所については委員がおっしゃいました自主規制機能等の公共的機能が確保されるということになると考えておるところでございます。
#46
○笠井亮君 株式会社化したとしても両方できるというふうなことだったと思うんですけれども、これまで取引所は、円滑で公正な取引を保障するために、利益を生み出すか否かにかかわらず、みずからの責任で自主規制機能を果たしてきた。しかし、今度は累積赤字とか、それから進んでさらに倒産なんということになったらこれは大変なことになるということで、そういうわけにいかない。しかも、株式会社化によって当面は会員の出資で自己資本が構成されることになると思うんですけれども、それだけでは資本力が十分ではない。戦前を見ても、株式会社のもとで相当大きな資本力を持っていた。そうすると、外部からの増資は避けられない。当然、市場から高い資本利益率を維持することが求められて、ますます高収益を上げなさいよということが求められてくる。一方でそういうのがぐっと来るわけですよね。
 先ほど大臣から兼ね合いということがあるんだという御答弁があったと思うんですけれども、結局、株式会社化による収益優先主義が行われるとすれば、利益増に直接結びつかない売買あるいは上場、会員管理などの公共性の強い自主規制部門の十分な整備ということが前面に出るかといえば、今までよりは後景になりかねない、難しくなるということで低下は避けられないという側面が出てくると思うんですけれども、これについてはいかがですか。
#47
○政務次官(林芳正君) 私は自主規制機能がきちっと行われていることそのものがその取引所の魅力にもなって収益の向上にも長期的にはつながっていくんではないかということを申し上げたわけでございます。
 それともう一つは、きちっと法律的に担保をしておりますので、それは義務があるわけでございますが、そこでその兼ね合いというところになるわけでございましょうけれども、自主規制に幾らでもお金をかけてやるということではなくて、そういう限られた兼ね合いというか制約の中で効率的にお金を使うことによって、法律で求められた、また市場間の競争によって求められた自主規制機能というのが確保されていくことになるというのが今回の株式会社化を選択した場合の一つのメリットでもあろうということでございます。必要なところは法律できちっと確保しつつ、そういう競争によりまして、より効率的にこういう自主規制機能が発揮されることになるというふうに考えておるところでございます。
#48
○笠井亮君 自主規制機能が全くなくなっちゃったら、そんなところは相手にされなくなるのは当然なんですけれども、しかし幾らでもかければいいとかという議論ではなくて、やっぱり兼ね合いということが常にあって、今までだって別に営利企業じゃないんですけれども、では赤字一方でただ奉仕するだけというわけにはいかないわけで、それはもう維持しなきゃいけない、発展しなきゃいけないという面があったわけですが、より営利という側面が出てくるわけですから、兼ね合いといっても相対的にはどうしてもそっちに縮小圧力がかかってくる問題があるんではないかというふうに私は思うんです。
 最近、株式会社化に向けて、東証正会員協会が東証の株式会社化等に関するアンケート調査というのをやられて、その結果がことし二月に出ている。私もいただきました。東証の正会員の意見を幅広く反映させるということでとられたアンケートですけれども、その中でも「営利を追求する株式会社においては、規制機能はなじまない。万一残すとしても「売買審査」のような必要最小限のものに限定すべきである。」という御意見も出ているということでありまして、こういう声も含めてきちっとこの法案に反映されているかというと、そこは依然として大きな疑問点が残っているというふうに思うわけであります。
 さらに伺いたいんですけれども、ビッグバンで株式取引の市場集中が廃止されて以降、市場外取引が急増している。そして、私設市場の開設も解禁されて市場間競争も激しくなってきているということだと思うんです。市場外で行われる取引やこうした市場類似施設における取引には自主規制機能はないということでありまして、不公正な取引が横行するおそれもある。市場外の取引者は市場で形成された価格をいわば利用するということでありまして、市場コストを負担しないフリーライダーという形でもある。その中で、証券取引所の果たす役割は、公正な価格形成という点でも、公正な取引の実現という意味でも、また社会全体としての市場の効率化という点でもますます大きな役割を持っているというふうに思うんです。
 実際、東証の昨年二月の答申で「東証の将来像について」というのがありますけれども、これを拝見しますと、「市場内取引の公正性を確保するためには、市場内取引に併せて、市場外取引についても把握しておく必要がある」ということが言われている。将来像でそういうことが大事だと言われているわけですけれども、ところがその取引所が株式会社化した場合、営利企業たる取引所が市場外取引をする証券会社など営利企業に対してその都度把握したり、あるいは規制というようなことができなくなるんじゃないかと思うんですけれども、いかがですか。
#49
○政務次官(林芳正君) どのぐらいの頻度で、どういうイメージでその都度というふうにおっしゃったかちょっと私もよくわかりませんが。
 先ほど、今回の法案で自主規制機能がきちっと機能されるように担保しておると申し上げたところでございますが、委員がおっしゃるように、予算が足りなくなったり、利潤を追求しろということで人員が不十分になったりして仮に自主規制機能が適切に実施できないということになった場合には、法律、それから定款等にきちっと書いてある自主規制機能という権能を行使しない場合というふうになりますので、行政当局が免許取り消しを含めた処分を行うということでそれはきちっと担保されておるというふうに考えておるところでございます。
#50
○笠井亮君 私が伺ったのは市場外取引との関係なんですが。
#51
○政務次官(林芳正君) 市場外取引というのは、先ほど伊藤先生のときにPTSというのが出てまりましたが、そこは委員が御指摘のように価格形成機能というのを持たない、例えば東証でやった価格を使ってやるという簡易なものについて限定的に認めておる市場でございまして、そことの競争でこちらの方のいろんな収益構造に影響が出るというような御指摘だとすれば、そういう競争を通じて、株式会社ということであればこちらも競争力をきちっとつけていただくということが条件でありますが、競争力をつける中で、こちらにはきちっと公共的な機能が担保されるようにこういう法的な措置を講じてそこは担保をしておるということだと思います。
#52
○笠井亮君 同じ営利企業同士でどこまで市場外取引を把握できるかということを私は伺ったんです。
 先ほどアンケートを申し上げましたが、東証正会員の中からも「株式会社としての営利追求を徹底することと、公共的使命を果すこと、この相反関係を合理的に説明できるか疑問である。」という意見も出ているのは私は当然だと思うんです。そうした本来の役割を果たすべき組織として、やっている人から見て営利企業はふさわしくないということだと思うんですけれども、そういう問題を指摘しておきたいと思います。
 次に、SPC法の改正案についてでありますが、今回の法案によって不動産投資信託が解禁されます。リスクが分散されて幅広い投資家層が参加する不動産投信は普及が一挙に進むというふうにされておりますけれども、不動産業界はこれによって広く国民から資金を集めて、そして不動産市場を活性化するということを考えている。
 そこで、問題は、投資の対象が不動産だと。投資信託もしくは流動化の対象となる不動産がDCF法による収益還元価格によって売買されることになるとされている。つまり、将来にわたる収益を時価に換算して売買するので、これは透明性が高いということが言われているわけであります。
 しかし、問題は、昨日も議論があったと思うんですが、収益となる賃料をどう見込んでいくか。この点で日本の不動産価格については透明性が低い、不動産の本当の収益性がわからないというふうに言われているわけです。事実、日本の不動産価格については、国土庁の調査でも募集価格と契約価格には二割近く差があると。そうすると、透明性と言われるんだけれども、透明どころか、不動産には個別性も強いし、かつ取引が相対で非常に不透明だということになるんじゃないかと思うんですが、この辺についてはどういうふうに御説明されますか。
#53
○政務次官(林芳正君) 昨日も三重野先生のときにこの御議論をさせていただいたと思いますが、委員が御指摘のように、今までの証券投資信託が主たる運用対象としておりました有価証券というのはきちっと組織化された市場で取引が行われるわけですから、客観的に透明な価格形成が行われる。
 今回追加された不動産については、そういう意味では客観的な価格評価が困難であるということは委員の御指摘のとおりでありまして、そういう事情にかんがみまして、これらの資産をファンド、投資信託や投資法人が取得または譲渡する際には、このファンドの運用の透明性、公平性というものを確保しながら投資者保護を図っていくという必要があるわけでございまして、公正な第三者による価格調査というのを法律で義務づけております。
 さらに、不動産につきましては、今、委員から御指摘がありました価格評価の困難性ということ等を考慮しまして、今いろんな方法があるとおっしゃいましたが、不動産鑑定士による鑑定評価を踏まえた公正な第三者による価格調査を義務づける。二重に手続を踏むということにしておりまして、透明かつ公正な価格評価が行われるように配慮しているところでございます。
#54
○笠井亮君 何人もの専門家、業界人が、不動産の証券化は飛ばしに使われかねない、相対取引という不透明な取引形態のまま素人資金を利用する仕組みと言われても仕方がないというふうに指摘をしている、そういう問題だと思うんです。
 しかも、不動産鑑定士の評価というふうに今言われましたけれども、複数の鑑定士による評価を比較できるようにはなっていない。しかも、問題なのは、評価の基準となる情報が公開されるかということであります。現に契約価格と募集価格には相当乖離がありますけれども、契約は事実上公表されていない。ディスクロージャーと言われましたけれども、鑑定の基礎となる資料の公表についても義務づけるということですか。その辺はどうでしょうか。
#55
○政務次官(林芳正君) 今ディスクロージャーの件についてお尋ねがありましたけれども、現行の証券投資信託についても、既に運用報告書の投資者に対する交付ですとか、有価証券届け出書、有価証券報告書、目論見書の投資者に対する交付等いろんな規定がされておりまして、これの下位法令であります省令等において、例えば発行総額とか申し込み手数料等の証券情報や投資信託の組み入れ資産の運用状況等、必要な情報が、これ以外にもたくさんございますが、開示が義務づけられておるところでございます。
 今回の改正によりまして、委員が御指摘のように、不動産というような客観的な価格評価が困難であるという資産が加わることから、今申し上げたことに加えまして、不動産等の価格評価の困難な資産の取得に当たっては公正な第三者による価格等の調査を義務づけるとともに、投資信託委託業者により利益相反のおそれがある場合に、これらの情報を投資者に開示することを投信法の第二十八条において義務づけておりまして、ディスクロージャーの強化をして投資者保護に配慮しているところでございます。
#56
○笠井亮君 るる御説明があったんですが、鑑定の基礎となる資料の公表は義務づけることになるんですか。これは福田局長でも結構ですが、いかがですか。
#57
○政府参考人(福田誠君) ただいま政務次官から答弁されているように、一番公正で、第三者の評価ということで不動産鑑定士を使っているわけでございまして、基本的には不動産鑑定士の評価を信頼するという建前になってございます。
 ただ、その中で本当に重要な、どのような評価方法を用いたかとか、あるいは本当に必要な範囲内での情報については公表されることも十分あり得るということでございます。
#58
○笠井亮君 もう一つは、不動産投資信託の解禁によって株式市場等から資金が不動産市場に流入するということになる。先週の土曜日のある新聞にも出ておりましたが、マネーサプライがGDPの一・二倍になって、現在はバブルのころを超える過剰な流動性が市場に供給されていると。この間、土地の利用規制がどんどん緩和されているということで、このまま今度のことによって大規模な資金が不動産市場に流入すると、かつてのバブルのようなことになりかねないんじゃないかと思うんですけれども、その辺についてはいかがですか。
#59
○政務次官(林芳正君) 今、委員から御指摘がありましたが、土地取引については、国土利用計画法において土地に関する権利の移転、要するに売買とかそういうものについて許可制度等をとっておりまして、投機的取引の監視及びその抑制のための一般的な枠組みが整備されておるところでございまして、これは投資信託や投資法人になってもそういうことがある限りは適用されるということでございます。
 また、この法律におきましても、投資法人や信託銀行等が不動産を取得する場合には、今るる御説明申し上げたように、鑑定士の鑑定や情報開示を義務づけて、専門家のチェックが入って適正な価格で売買が行われるというふうに考えております。
 また、不動産ファンドに係る宅地建物、この取引を行う投信の委託業者については、今度は宅建業法に投機的な取引を抑制するというような義務づけが行われておりまして、こういうことが相まってきちっとした価格で取引が行われて、バブルということにはならないんではないかというふうに考えております。
#60
○笠井亮君 今そういうふうにおっしゃったんですが、同様に収益還元法でやっているアメリカでも、株式市場の上昇を背景にして個人投資家の資金が不動産投資信託に流入して、不動産賃料が上昇している。日本よりも土地利用規制がはるかに強いアメリカでさえ不動産価格が上昇しているということで、私は日本でそのようなことが起こらない保証はないというふうに思うんです。不動産市場と株式市場間で資金のやりとりが頻繁に起こるようになって、互いに大きな影響を受ける。特に株式市場などの影響を不動産市場が受けることになると、国民生活や産業などの基盤である不動産価格が乱高下をして悪影響が出るという問題も起こってくるというふうなことがあると思うので、私はそのことを強く指摘しておきたいと思います。
 最後に、商品販売法の問題なんですが、これは一つ確認なんですけれども、元本欠損額についてです。
 金融商品の販売が行われたことによって顧客の支払った金銭及び支払うべき金銭の合計額から顧客等の取得した金銭及び取得すべき金銭の合計額と金銭以外の物または権利の処分価額の合計額とを合算した額を控除した額というふうになっているわけですけれども、例えば信用取引では資金や株を借りて取引をしておりますが、このような場合に自己資金の部分だけ損害賠償額になるのか、それとも自分で出しているか借りているかにかかわりなく欠損額については損害賠償額に認められるのかどうか、これをちょっと確認しておきたいと思います。
#61
○政府参考人(福田誠君) お答えいたします。
 本法案におきまして損害賠償責任が生じますのは、金融商品の販売に該当するかどうかで、該当する場合でございますので、これは顧客が自己資金で購入したか、資金を借り入れて購入したかを問いません。いずれの場合でも、金融商品の販売に該当する場合で元本欠損が起きればそれは損害賠償の対象となります。
 ただ、もう一つ御指摘の株式を借り入れた場合でございますが、株式を借り入れてその株式を売却する形態の信用取引につきましては、その株式の売却によって初めて顧客が現金を受け取る取引でございますので本法案の対象とはならないということでございまして、通常の不法行為に基づく損害賠償で救済を求めていただくことになります。
#62
○笠井亮君 終わります。
#63
○委員長(平田健二君) 他に御発言もないようですから、三案に対する質疑は終局したものと認めます。
    ─────────────
#64
○委員長(平田健二君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、片山虎之助君が委員を辞任され、その補欠として加納時男君が選任されました。
    ─────────────
#65
○委員長(平田健二君) この際、金融商品の販売等に関する法律案の修正について池田君から発言を求められておりますので、これを許します。池田幹幸君。
#66
○池田幹幸君 私は、日本共産党を代表して、金融商品の販売等に関する法律案に対する修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。
 これより、その趣旨について御説明申し上げます。
 バブル期以降の金融商品をめぐる消費者被害の続発と金融ビッグバンの進行は金融分野での消費者保護法制度の整備を強く求めています。バブル期には融資一体型変額保険などのリスクの高い商品が十分な説明もないままに広く販売され、消費者被害を引き起こしました。その十分な救済もないままに、金融ビッグバンのもとで複雑な新しい金融商品が続々と登場しています。
 金融商品の販売の中で、消費者は商品情報について量、質ともに一方的に不利な立場に置かれています。そのような取引実態のもとで消費者保護を図るには、業者の勧誘・販売行為に厳格な遵守義務を課すことなどが不可欠です。
 政府は販売業者の説明義務及び違反した場合の損害賠償責任を課すことを主な内容とする金融商品販売法案を提出しました。しかし、その内容は、説明義務の範囲を限定的に規定し、不適切勧誘の禁止を業者の自主規制に任せるなど、消費者保護法としての実効性に欠けたものになっています。これでは、これまでの金融被害の教訓にこたえないばかりか、かち取られてきた判例の水準を引き下げるおそれもあり、金融ビッグバンが進行するもとで消費者を保護することはできません。
 日本共産党は、現時点での最低限の要求として、金融商品販売法案を実効性あるものとするために本修正案を提出するとともに、引き続いて金融分野での消費者保護策の確立のために、金融サービス法や統一的消費者信用保護法、裁判外紛争処理制度等の速やかな整備を求めていくものです。
 以下、修正案の内容について説明します。
 一、本法の適用対象として、商品取引所法第二条第六項に規定する先物取引等を追加すること。
 二、金融商品販売業者等の誠実公正義務について規定すること。
 三、金融商品販売業者等の顧客に対する説明義務の対象として金融商品の販売についての特性、仕組み、新たな負担、損害のおそれ、その他顧客の判断に影響を及ぼすこととなる重要事項を追加するほか、顧客に対する事前、事後の書面交付義務等について規定すること。
 四、金融商品販売業者等の業務、財産等についての情報提供義務について規定すること。
 五、金融商品販売業者等が広告、勧誘に当たって遵守すべき義務として、広告事項、適合性の原則、不招請勧誘の禁止、その他勧誘に係る禁止行為について規定すること。
 六、金融商品販売業者等が三から五までに違反した場合における顧客に対する損害賠償責任及びその立証責任について規定すること。
 七、金融商品販売業者等が勧誘に係る禁止行為の規定に違反した場合における顧客の契約取り消し権について規定すること。
 八、政府は、この法律の施行の日までに、金融商品の販売等に際しての顧客の保護のあり方について必要な検討を加え、クーリングオフ制度の導入、裁判外紛争処理制度の確立等必要な措置を講ずるものとすること。
 九、その他所要の規定を整備すること。
 以上が本修正案の趣旨でございます。
#67
○委員長(平田健二君) これより三案並びに修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#68
○寺崎昭久君 私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました金融商品の販売等に関する法律案につきまして、政府案及び日本共産党提出の修正案に反対の立場から討論を行います。
 金融ビッグバンの進展に伴い、さまざまな金融商品が開発、販売されている現在、顧客の保護を図るための法整備は喫緊の課題であり、民主党はいわゆる金融サービス法の制定を強く主張してまいりました。しかし、本法律案を金融サービス法の第一歩と位置づけるのであれば、それは余りにも小さな一歩でしかありません。
 以下、本法律案に反対する理由を申し述べます。
 第一に、金融商品販売業者の顧客に対する説明義務の対象となる金融商品の範囲として、商品先物取引などを除外していることであります。これは、金融取引を幅広く対象とし、縦割り規制から機能別規制に転換することを目指した金融審議会の方針からは明らかに大きく後退しております。とりわけ、短期間に大きくもうかるなどと強調し資金の投入を勧誘し、両建て証拠金や場合によっては追加証拠金を求める商品先物取引を物の取引と位置づけること自体、不適切と言わざるを得ないと思います。
 第二に、顧客に対し説明しなければならない重要事項の範囲が不十分であることであります。顧客保護という目的を実効性あるものにするためには、元本欠損が生ずるおそれがある旨だけでなく、損失の程度や商品の仕組み自体を説明させることが必要不可欠です。
 第三に、顧客に対する説明の方法について何ら手当てがなされていないことであります。ここは、少なくとも貸金業規制法のように書面の交付義務を課すことも含め、顧客が当該金融取引について十分認識し、商品内容を十分理解し得るよう、具体的な措置を講ずるべきであります。
 第四に、勧誘方針の策定について金融商品販売業者の自主ルールに任せるだけではトラブルが続出するおそれがあります。自主ルールの策定に当たってのガイドラインがなければ、公表義務を課したところで意味はありません。
 第五に、金融審議会でも大きな争点となった裁判外紛争処理制度の創設が先送りされたことであります。しかも、この問題が先送りされた背景には、公的な紛争処理機関を設けるとバブル期に問題となった変額保険やワラントの販売をめぐる訴訟が不利になると金融業界が強く抵抗したことがあるとの指摘もあります。金融業界に手心を加えるかのような誤解を招くことがあってはなりません。紛争があるたびに裁判で解決しなければならないということでは、利用者の立場に立った法律とは到底言えません。
 以上の理由により、本法律案には賛成できないことを申し上げ、討論を終わります。
#69
○笠井亮君 私は、日本共産党を代表して、証券取引法等改正案、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律等改正案、金融商品販売法案の政府提出三法案に反対、日本共産党提出の金融商品販売法案修正案に賛成の立場から討論を行います。
 まず、証券取引法等改正案に反対する理由は、何よりも証券取引所を利益優先の株式会社にすることによってもうけの上がらない公正価格形成機能や取引監視など自主規制機能を弱める点であります。また、公正性、公共性についても実効性に乏しく、投資家保護が不十分なため、一般投資家にまで被害が及びかねません。その上、利益確保のために労働者の解雇を含めた合理化を促進するおそれが強まり、また地方証券取引所の吸収合併を加速することになり、労働者と地方経済が犠牲になりかねません。
 次に、SPC法改正案に反対する理由は、不動産投資信託解禁によって不動産会社、ゼネコンの負債を個人投資家の資金によって肩がわりさせ、不動産価格の下落リスクなどを押しつけるものだからであります。また、大量の投機資金が不動産市場に流入することにより不動産価格が乱高下し、市民生活、経済活動に悪影響を及ぼしかねません。さらに、特定目的会社に関する規制緩和は消費者保護に逆行し、反対であります。
 政府提出の金融商品販売法案は、説明義務の範囲が極めて狭く、適合性の原則や不招請勧誘の禁止などの重要な原則を業者の自主ルールにゆだねるなど、消費者保護の実効性に著しく欠けるばかりか、これまで多くの金融被害者や弁護団が築き上げてきた裁判での到達点を突き崩しかねないものであり、到底賛成できません。
 これに対し、日本共産党提出の修正案は、この政府案に抜本的な修正を加え、問題点を完全に修復するものであり、賛成するものであります。
 以上を申し述べまして、討論を終わります。
#70
○委員長(平田健二君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより順次三案の採決に入ります。
 まず、証券取引法及び金融先物取引法の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#71
○委員長(平田健二君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律等の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#72
○委員長(平田健二君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、金融商品の販売等に関する法律案について採決を行います。
 まず、池田君提出の修正案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#73
○委員長(平田健二君) 少数と認めます。よって、池田君提出の修正案は否決されました。
 それでは次に、原案全部の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#74
○委員長(平田健二君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、三案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#75
○委員長(平田健二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#76
○委員長(平田健二君) 郵政官署における原動機付自転車等責任保険募集の取扱いに関する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。八代郵政大臣。
#77
○国務大臣(八代英太君) 郵政官署における原動機付自転車等責任保険募集の取扱いに関する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 この法律案は郵政官署における原動機付自転車等に係る自動車損害賠償責任保険契約の締結の代理を行うことの取り扱いに関し必要な事項を定めるものであります。
 原動機付自転車等の車両につきましては、自動車損害賠償責任保険契約への加入義務が課せられておりますが、自動車損害賠償責任保険契約の加入有無の確認が同時に行われる車検制度の対象となっていないことなどから、加入の機会を逸して無保険車両が生じやすくなっている状況にあります。
 このことから、全国津々浦々にネットワークを持つ郵政官署において損害保険会社等から委託を受けて原動機付自転車等に係る自動車損害賠償責任保険契約の締結の代理を行い、当該保険の契約をしようとする利用者が身近な郵便局において申し込みを行うことができるようにして、原動機付自転車等に係る自動車損害賠償責任保険の普及の促進に寄与するものであります。
 次に、この法律案の概要を御説明申し上げます。
 第一に、郵政事業庁長官は、原動機付自転車等に限って自動車損害賠償責任保険契約の締結の代理を行うことについて、損害保険会社等から委託を受けることができることとしております。
 第二に、郵便局においてこの取り扱いにより自動車損害賠償責任保険の契約をしようとする者は、総務省令の定めるところにより、当該保険の契約の申し込みをするものとし、また、郵政事業庁は、自動車損害賠償保障法第二十四条第一項に規定する政令で定める正当な理由がある場合には、この申し込みに応じてはならないものとしております。
 第三に、損害保険会社等からこの取り扱いの委託を受けたときは、取り扱いを行う郵便局の名称や当該委託をした損害保険会社等の名称等その他総務大臣と内閣総理大臣とが協議して定める事項を内閣総理大臣に通知することとし、この通知に係る所要の措置を定めることとしております。また、保険業法の規定は、同法の損害保険代理店の登録の申請、登録の取り消し等に関する規定を除き、この取り扱いをする場合における郵政事業庁に適用があるものとしており、この場合において、郵政事業庁は同法の登録を受けた損害保険代理店とみなすこととしております。
 なお、この法律の施行期日は平成十三年四月一日からとしております。
 以上がこの法律案の提案理由及び内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
#78
○委員長(平田健二君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午前十時四十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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