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2000/05/23 第147回国会 参議院 参議院会議録情報 第147回国会 財政・金融委員会 第19号
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2000/05/23 第147回国会 参議院

参議院会議録情報 第147回国会 財政・金融委員会 第19号

#1
第147回国会 財政・金融委員会 第19号
平成十二年五月二十三日(火曜日)
   午前十時八分開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十八日
    辞任         補欠選任
     内藤 正光君     久保  亘君
 五月十九日
    辞任         補欠選任
     宮本 岳志君     笠井  亮君
 五月二十三日
    辞任         補欠選任
     片山虎之助君     佐々木知子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         平田 健二君
    理 事
                岩井 國臣君
                中島 眞人君
                寺崎 昭久君
                海野 義孝君
                池田 幹幸君
    委 員
                河本 英典君
                佐々木知子君
                世耕 弘成君
                中島 啓雄君
                林  芳正君
                日出 英輔君
                星野 朋市君
                伊藤 基隆君
                久保  亘君
                櫻井  充君
                浜田卓二郎君
                笠井  亮君
                三重野栄子君
                椎名 素夫君
   国務大臣
       大蔵大臣     宮澤 喜一君
       郵政大臣     八代 英太君
   政務次官
       大蔵政務次官   林  芳正君
       郵政政務次官   前田  正君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田 成宣君
   政府参考人
       総務庁行政管理
       局長       瀧上 信光君
       北海道開発庁計
       画監理官     林  延泰君
       大蔵省理財局長  中川 雅治君
       運輸省航空局長  岩村  敬君
       郵政省貯金局長  團  宏明君
       郵政省簡易保険
       局長       足立盛二郎君
       自治省財政局長  嶋津  昭君
   参考人
       日本銀行総裁   速水  優君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○資金運用部資金法等の一部を改正する法律案(
 内閣提出、衆議院送付)
○郵便貯金法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(平田健二君) ただいまから財政・金融委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る十八日、内藤正光君が委員を辞任され、その補欠として久保亘君が選任されました。
 また、去る十九日、宮本岳志君が委員を辞任され、その補欠として笠井亮君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(平田健二君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 資金運用部資金法等の一部を改正する法律案及び郵便貯金法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に総務庁行政管理局長瀧上信光君、北海道開発庁計画監理官林延泰君、大蔵省理財局長中川雅治君、運輸省航空局長岩村敬君、郵政省貯金局長團宏明君、郵政省簡易保険局長足立盛二郎君及び自治省財政局長嶋津昭君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(平田健二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(平田健二君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 資金運用部資金法等の一部を改正する法律案及び郵便貯金法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に参考人として日本銀行総裁速水優君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(平田健二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(平田健二君) 資金運用部資金法等の一部を改正する法律案及び郵便貯金法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、前回に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○寺崎昭久君 おはようございます。
 まず、大蔵大臣にお尋ねいたします。
 政府は、一連の財投改革について、まず入り口を郵貯法等の改正とさきの年金三法で、また中間部については今議題になっております資金運用部資金法の改正で、そして出口については昨年から幾つかの特殊法人等の合併とか再編ということがございましたから、言ってみればこの三部作をもって財政投融資改革を進めようとされているんだと、そのように受けとめているわけであります。
 また、今回の資金運用部資金の改正についての意義、目的等についてはこれまでもるる承ったところでもありますけれども、本日は締めくくり的な質疑の時間でございますので、大臣に改めてこの中間部の改革の成否を分ける要点といいましょうか、それとこの財投改革を進める御決意を承りたいと思います。
#9
○国務大臣(宮澤喜一君) この際の改革として三つのアプローチをしているという御指摘は、私どももそれを心がけておるところでございます。
 基本的には、具体的な法案については、御賛成あるいは御賛成でない、いろいろのお立場がおありになることを承知しておりますけれども、アプローチとしてはそういうアプローチをいたしたいという私どものねらいそのものはそれとして御理解をいただいておるのかと存じます。
 その中で、御審議をいただいております財投の問題でございますが、これは行政改革の基本法、平成十年に成立いたしました法律の中で、いわゆる郵便貯金積立金の全額預託という長い間の慣習について改めるべきであるという御意見並びにそれとの関連におきまして、その預託に頼っておりました従来の財投制度というものを改めて、資金が必要であれば市中から調達すべきである、こういうことをこの行政改革で決定をされまして、その具体化をこの法案の形でお願いしておるわけでございます。
 したがいまして、この法案が成立をいたしますと、預託義務というものがなくなりまして、それらの資金の運用は関係大臣におかれておやりになるということになります。従来、多少の自主運用ということはございましたけれども、基本的にそれは預託という形であるべきではないということであります。
 また、受けておりました財投といたしましては、そういう原資が基本的にはなくなるわけでございますから、自分の責任において資金の調達をしなければならないということになりまして、それは財投債あるいは財投機関債というようなものが考えられておる。資金を市中に頼ることによりまして、いわばお仕着せでのうのうとしておりましたと言うのは不適当かもしれませんが、そう申し上げてもいいような従来の状況から、自分で資金を調達するという立場に立たなければなりませんので、その結果として財投そのものの改革というものが当然に検討されなければならないことになります。
 また、財投機関は基本的には財投機関債を発行せよというふうに指導をしてまいりたいと考えます結果として、機関そのものの合理化が焦眉の問題になる。そう簡単に財投機関債というものを市中が受け入れるとは考えられませんので、できるところもあり、あるいはなかなか難しいところがあるかもしれないというところまで、機関のあり方についてもう一遍ゼロに立ち返って再検討してもらうという機会を与えられることになった、こういうことを機といたしまして法案の御審議をいただいておるわけでございます。
#10
○寺崎昭久君 郵政大臣にお尋ねいたします。
 郵貯・簡保資金がいずれ完全自主運用ということになるわけでございます。これまでと違って預託者、貯金者の期待にこたえるだけの収益を上げなければいけないということからするとなかなか大変なことなんだと思っておりますが、そうした収益を上げるための事業計画あるいは運用については、それなりの責任を持って執行できる体制とそれをチェックする機関が必要だと思います。
 民間の場合には、御案内のとおり、株主総会があり、そこで取締役が選任され、そして取締役会等が構成される。昨今は執行役員会を構成している会社もあるようでございますけれども、この郵貯、簡保の運用に当たってそうした執行役員会とか株主総会に相当するような機関はあるのかないのか。また、もし構成されるとすればその人選はどのように行われるのか。それと、その際の責任と権限というのはどういうように規定されるのか、この辺についてお尋ねいたします。
#11
○国務大臣(八代英太君) おはようございます。
 どうぞよろしくお願いいたします。
 寺崎委員にお答え申し上げたいと思うんですが、申すまでもなく郵貯・簡保事業は国営事業でございますから、いわゆる民間企業における株主総会というようなものは存在しないわけでございます。そのかわりに、事業の基本的事項につきましては国民の代表である国会が法律の制定や予算案の審議等を通じて行うものではないかと思っておりまして、言ってみれば国民全体が、預け入れをしてくださる皆さんが株主という思いに立って、その株主の皆さんのお声をこうした国会で御審議いただくということに当たるのかもしれません。
 具体的には、運用原則あるいは運用範囲等のほかに、運用計画の策定等の運用手続など、郵貯、簡保の運用にかかわる基本的事項につきましては、今回の法律案におきまして定めていただきまして、そしてこれに基づいて運用を行うということになりますから、言ってみれば重役会議とでも申しましょうか、そういう形にも見えるような気がいたします。
 また、郵貯・簡保資金の当該年度の資金配分計画につきましては特別会計の歳入歳出予算に添付いたしまして、運用に関する実績等については決算書に添付するということによりまして、これも国会に提出するわけでございますから、これが言ってみれば株主の皆さんに営業成績とかいろんなものの御審査をいただけるというような、間接的ながらそんなふうになると思っております。
 運用の執行がどうなるかというお尋ねかと思うんですが、最終的な運用権限を有する総務大臣のもと、企業でいえば社長さんになるわけでございますが、総務省郵政企画管理局が運用計画の策定等運用の企画を行いまして、当該計画に基づいて郵政事業庁が運用を執行する、こういう仕組みになっておるわけでございます。
 なお、運用計画の策定に当たりましては、運用計画が適切なものとなるようにあらかじめ郵政審議会に諮問をいたしまして策定して、一般に公表するという仕組みになっております。
 この郵政審議会の委員というのは総務大臣が任命いたしますけれども、資金運用が高度の専門性を有することから、金融、資金運用の理論とかあるいは実務に精通した有識者の方に御参加いただくのは当然だと思っております。そして、審議会の運営は、議事内容の公開を進めることとしておりまして、忌憚のない御意見をいただけるようにお願いしてまいりたいと思いますし、まさに委員御指摘のように、運用の責任の重大性というのは厳しく私どもも受けとめながら当たっていきたいものと、このように思っているところでございます。
#12
○寺崎昭久君 郵政大臣に重ねてお尋ねしますが、運用に関して郵政審議会で御審議されるということでございますけれども、この審議会というのは、例えば運用に失敗した、客観的にそういう評価がなされた場合に責任のとりようというのはあるんでしょうか。
#13
○国務大臣(八代英太君) これはしたがいまして総務大臣というものが最終的な責任を負わなければならないというふうに思いますし、また国会の御審議をいただくということの経過も踏まえまして、これは言ってみれば国全体が責任を負うという背景はあるだろう、このように思っております。
 今、若干の自主運用をしている経過をたどってまいりますと、現在のところは郵政大臣が責任を持って運用を行っているという経緯もございますので、そういう意味では、全額自主運用後の郵貯資金の運用につきましては総務大臣が運用する旨を法案に規定する方向でありまして、その責任は総務大臣が負う、御指摘のとおりだと、このように思っております。
#14
○寺崎昭久君 日銀が金利を決定する際には政策委員会等で審議されて、その結論に基づいて決定されているようでございます。郵貯、簡保の資金を運用するに当たって、同じシステムでいいかどうかはわかりませんし、タイミングもあると思いますけれども、少なくとも国民が選んだ人たちがやっているわけではありませんから、一定の期間を置いて審議内容を公表するとか情報を開示するというようなことも今後御検討いただきたいと思います。きょうはそういう意見だけにとどめておきます。
 大蔵大臣にお尋ねします。
 先ほどのお話を伺っておりまして、私は基本的な方向については全く異論ないわけでありますけれども、ただ釈然としないものが残ります。
 私流に整理いたしますと、その第一というのは、財投原資の預託義務を廃止することを通じて出口の改革、効率化の促進にも寄与するとされているわけでありますけれども、なぜさきの出口の改革に追い打ちをかけるようにして今度は市場原理でいわゆるスリム化を図ろうとしているのか、その政策の意図、それから論理構成が大変わかりにくい、理解しにくいと思っております。
 どこが論理構成としてわかりにくいのかは後ほど申し上げますけれども、今回の政府の資料を素直に読みますと、例えは余り適切ではないかもしれませんけれども、家庭内暴力を振るい、人様にも危害を加えるようになった、そういう心配のある我が子を親がもてあまして、少し学校や警察の力をかりて更生させようというような感じが私はしないでもない。というのは、特殊法人等のスリム化というのは本来こういうことをてこにしなくてもやらなければいけない別の尺度もあるだろうという意味で申し上げているわけであります。
 そういうことを考えますと、財投機関のスリム化というのは実は財投改革の名目に使われていて、本当の政府のねらいというのは、第三の国債というんでしょうか、そういったものをつくって財政悪化のツケを国民に回すことにあるんじゃないかというようにも勘ぐれるわけであります。
 第一の国債というのは言うまでもなく四条債、それのただし書きの特例債が第二。そうすると、今度の場合には財投債を発行する。確かに発行限度というのは国会の承認を得るということになりますけれども、どこへ使うんだというのはそれほど明確になっているわけではないと思います。どういうケースに使うんだということも、お考えの中ではありますけれども、例えば金額の歯どめはこれだけにするとか、あるいは財投機関が投資的なものに使うんだったらいいよとか消費に使うんだったらだめだよとかいうような条件がついていない、いわばフリーハンドのお金になるのではないかという意味で第三の国債になるおそれはないだろうかということが第一点であります。
 それから第二点は、昭和四十八年当時、長期運用法が制定されたときの懸念がやっぱり表に出てきてしまったなという思いがあるということでございます。
 御案内のとおり、財投計画全体を国会議決の対象にするべきだというのはその当時から盛んに言われてきたわけでありますけれども、政府は政策的資金の配分に関することだから資金の運用だけを国会の議決対象にすることが適当なんだということで押し切ってきたわけであります。その後、公団、事業団に対する国会のチェックというのが十分に及ばなくなったというようなこともあって、その後幾つかの財投機関で赤字の垂れ流しだとか、これは当たっていないとおっしゃるかもしれませんが、そういうことを言われたり、あるいは財投資金の不良化が心配されるというような事態に立ち至っているんではないかと思うわけであります。
 したがって、この昭和四十八年のときにもう少し国会の関与というものを、チェックというものを強めておけば、あるいは今日批判されるような特殊法人等の問題も未然に防げたのではないかというような思いがするということでございます。
 それから第三は、今日の入り口、中間部の改革案は少し逃げ道が用意され過ぎているのではないかというように思えることであります。そういうことになりますと、改革の先送りあるいは問題の衣がえということにもなりかねないのではないかという懸念を抱いております。
 確かに財投改革を徹底的に行う、背水の陣で行うということになれば、特殊法人等の改革、効率化というのは進む可能性はあると思います。しかし、政府は今回も助け船を用意しております。それも大きな救命ボートを用意していると思います。船べりにつかまって命ごいをしている人を冷たく切り離すというのはなかなか難しいことだと思います。ということを考えますと、果たして特殊法人等の改革が進むんだろうかという懸念がどうしてもぬぐい去れないわけであります。
 これまでも、政府の言葉で言うと適切に措置するということでいろんな問題が先送りされてきたと思います。先ほどお話がございましたように、今度の財投改革では財投機関債を中心にやるにしても、どうしてもだめな場合には財投債で調達した資金を入れますよ、場合によっては政府保証もつけましょうというようなことを言っているわけであります。
 それから、激変緩和の期間とはいえ財投債については年金、郵貯、簡保が引き受けるということになっておりまして、これは預託が大化けしちゃうんじゃないかという見方もできないわけではないと思います。
 先ほども大蔵大臣がおっしゃったように、本当にこの改革を進めようという気持ちでどれだけできるかというところに結局のところはかかってくるのかもしれませんけれども、これまでの経緯に照らして、何回もおっしゃりながら改革は進まなかったということを心配しているわけであります。
 そこで、大蔵大臣にお尋ねするわけでありますけれども、本当に中間部の改革で財投機関のスリム化は進むでしょうかということと、それから財投債を発行して調達した資金というのはこれまでの財投機関にだけ使われるのか、もっと幅広い政府機関等、例えば財政法の二十八条機関は全部対象になるんだというようなお考えがあらかじめあるのか、また対象機関があるとすればそれは国会が関与できる問題なのかそうじゃないのか、それから財投債の発行というのは機関限定で行われるのかどうか、こういった点についてお尋ねしたいと思います。
#15
○国務大臣(宮澤喜一君) 御審議の過程でいずれはそういう御意見がきっと委員の中からあろうと思っておりました。それぐらい今やろうとしておりますことは従来からの大変なかけ離れでございますので、申し上げていることが本当に実現するかしないかということは、正直申しましてそのつもりで一生懸命やってみると言うしかないというお答えを申し上げることになります。
 確かに、立場を変えて考えますならば、これはやや擬制的に申し上げるわけでございますけれども、貯金者にとっては今の一つの預託というのは間違いない運営であることは疑問がございません。もちろんそれについての御不満を持っていらっしゃる方はたくさんおられるでしょうが、しかしそれならば郵便貯金を別に選ばなければならないということはないわけでございますので、本当に国がバックにあって、そしてその運用も確かだというような道は、大した高い利率でなくても今のやり方は一つのやり方であるかもしれないという議論は、やってみればできないわけではありません。
 それから、財投機関、資金を使う方の立場から申しますれば、我々は財投機関というものであって営利企業ではない、しかし政府そのものでもない、したがってそういう立場での運営を求められておるわけだけれども、極端に言えば、それなら営利企業になればいい、あるいは逆の極端は政府になればいい、その間の中間的な存在として今まで結構いろいろお役に立ってきたつもりであるので、それならば何もこういう形で我々に合理化を強いるということは、とことん言って営利企業か政府かというものの中間存在である我々にとっては、話はわからないではないけれどもとことんどういうことでしょうかねと、そういう立場があろうと思います。この後者については、今までの御質問の中でも時々出ておりましたように思います。何か矛盾しているのではないかという御発言でありました。
 そういうふうに立場を変えて見ますと、そういう両側の問題を含んだ改革でございます。でございますから、最初の預託者の立場、これは郵政大臣がお答えになるべき問題であろうと思いますけれども、これだけ大きな資金がいわば自主運用されるということについては、先ほど寺崎委員も言われましたけれども、それはそれなりになかなか問題があろう、役所が運用するということには違いありませんので。先ほど諮問機関がもし結果が失敗した場合に辞職することがあるかというお尋ねがありましたけれども、これなどは極めて厳しいお尋ねであって、それだけ大きな額を国が間違いなく運用できるかということは真剣にやらなければならない問題で、必ず成功しなければなりませんが、しかし非常に難しい問題を含んでいる。
 それから、他方で、財投機関について見ますと、財投機関債を出せばいいということを申し上げているわけですが、出せないときにはどうなるんだということは、私は恐らくかなりの機関はなかなか出せないのではないかという危惧を持っております。そのときに、政府によればとことん一から洗い直して、そしてつぶしていいと申し上げたことはもとよりありませんけれども、結構不要不急のプライオリティーの低い仕事はやめる、そういう決心だね、そういう決心でございますと申し上げていますけれども、やめたらいいということはなかなか言えない立場からいえば、どこかで救わなければならないという問題があるんだろうと思います。
 寺崎委員の言われるように、財投機関債が割に高い金利で発行されて、恐らく市中からそれを郵貯の資金が買ってくれることは多分あり得るだろうと思います、市中以外はないと思いますが。しかし、そんなに高い金利を財投機関債が出していいわけでもなし、それなら結局財投債でやっぱり救うのかね、そうすれば大した変わりはないじゃないかと。そのオルタナティブはもうその機関はやめろということでございますが、財投機関を一つでもやめるということになりましたら、これは国会の、恐らく法律を必要とすることが多うございますから、なかなか御同意は得られないというのが現実だろうと思うのでございます。そうだとすれば、何のことはない、財投債で拾ってやるのかねという御批判があろうと思うんです。
 それから、さらに進んで寺崎委員がおっしゃいましたことは、そういう財投債というものはほかの目的にも出せるのかねと。非常に鋭いお尋ねだと思うんですが、今まで国債を出しておりますときに、ある意味で発行条件がいいときに、将来のことを考えて、一つの資金をつくってそこへためられるときは金をためておいたらいいじゃないかという御議論は常にございまして、そういうことは私どもはいたしておりませんけれども、そういう議論はエコノミストの間にはしょっちゅうございますから、財投債というのはそういうもののつもりかねとおっしゃれば、これは痛くない腹を探られた思いはしますけれども、そういう考え方というのはなるほど批評家の立場からあり得るんだなと思って私は承っていました。
 長く申し上げましたけれども、結局、今のような、考えは悪くないんだろうけれども結果はどういうことになるかねというお尋ねには、私どもはとにかくこの法案について御賛同をいただきましたらできるだけのことをここで申し上げたようなつもりでやってみる、金の運用にしましても、使用者側の立場、心構えにしましても、それを真剣にやってみたいと思いますと。もともとが行政改革から出た話でございますので、理想論に終わらせないように努力をいたさなければならない、こういうふうにお答えを申し上げたいと思います。
#16
○寺崎昭久君 財投機関債に国会の同意とか議決が伴うのかどうかということをお尋ねしたのは、もし政府の判断で財投債で調達した資金をどこへでも政府機関なら出せますよということであると、その分補助金等が減るというようなことにもなるわけで、私はどこが財投債資金の使い道になるのかというのは厳格な運用をぜひやってほしいと思っております。
 何か御意見ございますか。
#17
○国務大臣(宮澤喜一君) 国会に参考資料としてごらんいただくわけですが、財投機関債がそっちに行く危険よりは、財投債の方が、国債でございますので、そういう経済政策としての可能性はないことはないかもしれませんが、そういうことはもちろんいたすつもりはございません。
#18
○寺崎昭久君 ここへとどまっていると先に進みませんので申し上げますが、先ほども国会のチェックがもう少しできたらあるいは特殊法人等の諸問題が未然に防げたかもしれないということを申し上げました。
 そこで、確認なんですけれども、政府出資主要法人の財務諸表というのが財政法二十八条によって示されることになっておりますが、そこには大変多額の累積欠損金が表示されております。例えば年金福祉事業団、これはかつてのですが、約二兆円、本四公団約一兆円等々が載っているわけでありますけれども、累積欠損金の状況について、簡単で結構ですから御説明いただけますか。
#19
○政府参考人(中川雅治君) 御指摘のように、財投機関の中には累積欠損が生じているものもございますが、その主な理由といたしましては、当初より超長期の期間で収支が見合うことが事業の前提となっており、初期においては多額の資金の投入を必要とすることから、いわゆる創業赤字の状況にある、そういうものがございます。本州四国連絡橋公団とか関西国際空港株式会社といったような機関がそれに該当するかと思います。また、資金運用事業におきまして、近年の低金利、株価の低迷等により運用利回りが低下しているということが理由で累積欠損が生じている機関というものもございます。
 これらの機関に対する財政投融資はこれまでも約定どおり償還されておりまして、またこれらの機関の事業は当初より超長期の期間で実施されることが前提となっていること等を踏まえますと、現在、累積欠損が生じているということが直ちに償還確実性を問題視することにはならないというように考えております。
#20
○寺崎昭久君 欠損金が取りっぱぐれないというような認識を示されているわけでありますけれども、本当にそう言い切れるんだろうかという疑問が常につきまとうわけであります。
 例えば予算の国会議決を受けて事業運営をしている、つまり比較的経営実態が明らかな政府関係機関でさえ、平成十一年三月期に回収の見込みのない破綻先債権が四千億、六カ月以上元利の返済が滞っている延滞債権が一兆円、三カ月以上返済が滞っている延滞債権が四千億、合わせて一兆八千億円が不良債権化しているわけであります。
 したがって、しばしばマスコミ等あるいは識者からも指摘があるような石油公団を含めた特殊法人等がどれだけ不良債権を抱えているかというのはなかなか推測もできないし、これは回収可能であるということを言われても、にわかにそうですかということで信じるのは難しいと思うんです。
 もう一度御答弁いただけますか。
#21
○政府参考人(中川雅治君) 先ほど申しましたように、事業が超長期の期間を必要とするということで現在創業赤字になっている、今後、事業が完成して収益が見込めるようになれば非常に長い期間におきまして回収できるというようなものもあろうかと思います。
 例えば本四公団につきましても、現在は創業赤字の状況でございますが、現在の償還計画によれば、今後三ルートの全線開通に伴い本格的に業務が開始されるということで、順次、収支が改善し採算の確保が図られる見通しを現在持っているわけでございます。
 すなわち、現行の償還計画における事業の見通しによりますと、平成十八年度に単年度黒字に転換、平成三十七年度には欠損金が解消される、また借入金等の返済については、平成四十八年度に有利子資金の償還を完了し、平成五十八年度には出資金の償還を完了する見通しと、非常に長期でございますが、事業の性格からそういった計画になっていることもやむを得ないというものもございます。
 それから、今御指摘いただきました石油公団について申しますと、石油公団には石油及び可燃性天然ガスの探鉱等に必要な資金の供給等の事業を行う一般勘定と石油の備蓄等を行う石油備蓄勘定の二勘定がございまして、このうち、財政投融資の対象となっておりますのは石油備蓄勘定における備蓄事業のうち石油及びLPGに係る国家備蓄基地建設等の資金の貸し付けなどでございまして、いわゆる探鉱等の事業を行う一般勘定に対しては財投資金の貸し付けは行っておりません。現在の備蓄事業の見通しといたしましては、平成十年二月に五千万キロリットルの備蓄目標を達成したことから当面は新規の積み増しを見送るということになっておりまして、平成十年度以降、新規の備蓄の積み増しは行っていない状況にございます。
 石油公団に対する財政投融資の償還につきましては、国家石油備蓄会社からの貸付回収金等によって賄うということになっておりまして、現在のところ償還確実性に問題はないというふうに考えております。
 事業の性格によりましていろいろ問題はございますけれども、私どもといたしましては、今後ともコスト分析等の適切な活用等に努めて、こういった今後の財政投融資の適切な運用を図ってまいりたいというふうに考えております。
#22
○寺崎昭久君 償還期間が何十年先ということを言われてもなかなか、そうですかと言うわけにもいかないし、そうではないでしょうと否定するわけにもいかないわけであります。
 その間を埋めるとすれば、今の事業計画はこうですとか、あるいはことしの収支状況はこうなっていますとか、どこからお金を借りておりますとかいう話をきちんとディスクロージャーし、必要なものは国会の承認を得る、議決を経るという措置をとるべきではないかと思うんです。そうすることによって、何十年先の事業も今日的にチェックができるということになるのではないでしょうか。
 先ほど、例えば本四公団についても、あれは何年ですか、相当先に黒字化する見込みというようなお話がございましたけれども、本四公団については開通してもう十二年たつわけですね。当初の見込みというのは一日二万五千台走るであろうということが言われていたんですが、いまだに二万五千台走っていないわけです。ということを考えますと、ますます毎年きちんと報告するということは欠かせないのではないかと思います。
 先ほども特殊法人に貸し出した財投資金が不良債権化しているということを指摘いたしましたけれども、国会に対する議決とか情報開示が進んでいればそういったものは未然に防げたかもしれません。ゼロにはならなかったかもしれませんが未然に防げるというようなことを申し上げましたけれども、例えばNHKなんかは事業計画も、それから予算も決算もきちんと国会でやっているわけです。やるということは一般にも公開しているということなのであります。
 したがって、これから長期間にわたって事業を進めていくような特殊法人については、あるいは特に財政法二十八条で言う政府の出資機関についてはNHK並みの情報開示なり国会への報告、承認ということをやるべきではないかと思うんですが、大蔵大臣、いかがですか。
#23
○国務大臣(宮澤喜一君) 私は基本的にそう思います。国会にディスクローズできないなんというものはないはずでございますから、御要求に従っていかなるものもディスクローズすべきだと、そのお考えに私は間違いがないと思います。
 今まさに五十年先に償還可能というような話はうそとも言えない本当とも言えない話だなとおっしゃるのは、私もそのとおりだと思うんです。政府参考人がうそを申し上げているわけではもとよりないんですけれども、問題は、恐らく国会のお立場におかれても事業そのものがやはり結論として国民的に必要だという御判断が賛否両論の中から出てきていて、したがって欠損になってもいいということをおっしゃったはずはないんですけれども、いつか赤字が解消して黒字になればいいという、そういう意味ではかなり寛大にプロジェクトをごらんになっておるのではないだろうかという思いがいたします。
 そして、そんなものならやめてしまえとおっしゃることはなかなか容易なことでございませんから、そこでいろんなディスクロージャーをごらんになった上でこうすべきだという御判断はやっぱり最終的に国会がしていただくことであろうかと。そういうお立場がわかりますと行政もまたそれにどうしても即応しなきゃならないということになろうと思いますが、やはり特殊法人というものの中にそういう部分がどうもあるのではないか。これは何の説明にもなりませんけれども、現状はそうであろうかと思う部分がございます。
#24
○寺崎昭久君 開示の必要性について大蔵大臣は否定されておりませんので、それ以上申し上げることもないかと思いますけれども、角度を変えて言うと、例えば財投債を来年度から発行するということを言われましても、なぜそういう資金需要が生じているのか、投資先がどういう経営状態になっているのかというのをわからずに国会の議決をしろといっても、これは大変難しい、無理な話だと思います。十兆円だったらよくて二十兆円だったらだめということは言えないわけです。
 なぜそういう資金需要が要るかというのは、やはり投資する先の、財投をおろす先の経営がわからなければ、トータルがいいのか悪いのか、限度を設けるということについて同意をしていいのか悪いのかというのはわからないと思うんです。そういう意味でも、私は、特殊法人、とりわけ財投を入れる先についてはNHK並みの報告なり承認を求めるという国会に対する措置をぜひとってもらいたい、御検討願いたい、そのように思っている次第でございます。
 それから、財投機関債発行による資金調達は、先ほどもお話がございましたように、多分、資金コストが上がるのではないかと思われます。したがって、このことがその特殊法人の経営をあるいは圧迫することになるかもしれません。それから、逆に自分のところの存亡をかけて、大蔵大臣が機関債を発行しろと言うから無理やりいい条件で市場に出すなんということもないとは言えないことだと心配しております。
 ただ、先ほど来の大蔵大臣の財投債はそう簡単に入れないよという御決意等を考えてみますと、財投機関債を発行することによって上昇するコストというのも、今の特殊法人であれば努力すればそれは吸収できるのではないかというようなもくろみもお持ちになっての発言かなという受けとめ方をしているんですが、どんなものでしょうか。
#25
○国務大臣(宮澤喜一君) それはやっぱりやってみないとわからないというのが正直なところでございまして、格付というものを市場が従来しておるわけですから、その格付に受け入れられるかどうかという問題は理屈だけでは割り切れない話ではないかと思っております。
 そして、とうにお気づきのように、いわばまないたの上に乗ったような形をしますと、結局、機関債が発行できないのなら財投債で面倒を見てくれるだろうと。そういう意味では、一種のモラルリスクみたいなものが働く可能性はどうしてもあると思います、その方が有利でございますから。
 それから、一般会計から補助金を出したり出資をしたりしているものとも絡めまして、かなりそこはビジネス的な目でもって査定をいたしませんと本来の目的が達せられないことになるのではないかと思っておりまして、よほどしっかりしてこの行政はしませんと所期の目的に合わないと、いろいろ心配をいたしております。
#26
○寺崎昭久君 郵政大臣、あるいは政務次官でも結構でございますが、郵貯・簡保資金による財投債、財投機関債の調達について、これはどういうタイミングで国会に報告されるのか、方法とかタイミングについて御説明いただきたいと思います。
#27
○国務大臣(八代英太君) 郵貯・簡保資金の運用状況につきましては、各年度末における運用資産明細表を郵便貯金特別会計及び簡易生命保険特別会計の決算書に添付いたしまして、財務大臣を経由して国会に提出することといたしておりますが、御指摘の財投機関債等につきましては、この中で各財投機関別に運用の現在高等をお示しすることを考えておるわけでございます。
 なお、この運用明細表の提出時期は会計検査院の検査後となるために通常国会の開会中となるわけでございますけれども、これとは別に毎年度の資金運用に関する報告書を年度経過後四カ月以内に審議会に提出いたしまして公表することとされておりまして、この中にも同様のデータを示したいと考えております。
 先ほど来いろんな御議論がございましたが、大蔵大臣がおっしゃいますように、ディスクロージャーということは大切でありますし、ないものはない、こういう状況にもございますから、フリーハンドであってもなかなかフリーハンドではないところもありますし、いろんなチェック、情報開示等々含めていろいろ御議論を広くいただくということが私たちの考え方になっております。
#28
○寺崎昭久君 総務庁に伺います。
 先ほど来ディスクロージャーということを申し上げておりますけれども、例えば特殊法人に対して情報公開の一環ということから外部監査制度を義務づけるというようなことを考えられてはいかがか。そして、その監査の結果については広く公表するということをすれば少しはディスクロージャーというのも補完されるのではないかと思います。国会への報告とは別にそういうこともお考えいただいてはどうかと思いますが、どうでしょうか。
#29
○政府参考人(瀧上信光君) お答えいたします。
 特殊法人のディスクロージャーの問題につきましては、従来から特殊法人の財務諸表の公表を義務づけるとともに、情報公開法の附則に基づきまして、特殊法人等を対象とした情報公開法の制定につきまして政府部内で今検討しているところでございます。
 あわせまして、ただいまの外部監査の問題につきましては、ただいま特殊会社十三法人がいわゆる商法特例法に基づきまして実施をしているほかに、石油公団、それから日本原子力研究所、商工組合中央金庫等が導入をしているわけでございますが、今後これを導入するかどうかといった問題につきましては、中央省庁等改革の一環として新しく設けられることになりました独立行政法人制度、ここにおきましては一定規模以下の法人を除きまして外部監査の実施というものを義務づけているところでございます。
 こういった状況をも踏まえまして、今後、昨年閣議決定をしました減量化計画に基づきまして、特殊法人については独立行政法人化等の可否を含めふさわしい組織形態及び業務内容となるよう検討していくということとしておりますので、そういった検討の際には、外部監査等の問題につきましても十分念頭に置きつつ進めてまいりたいというふうに考えております。
#30
○寺崎昭久君 財投債、財投機関債が来年度市中でどれぐらい発行されることになるか、これから詰められる話だと思いますから総額について幾らかという話はお尋ねしませんけれども、いずれにしても、これまでの経緯からすると、例えば借換債については十何兆、新規の需要については三十兆ぐらいで、四十とか五十兆の財政需要が生じるんだろうと思います。その部分の大方は今までどおり郵貯とか年金で吸収するにしても、市場にも相当数の債券が流れる可能性があると思います。
 そうした場合に、今、国債はいろんなバラエティー、償還年数でいうと十年物あり五年物ありといろいろありますけれども、この財投機関債というのは何年物が中心になるのか。それから、仮に十年物が中心になるということになりますと、相当十年物の利回りが上がるんではないかということが心配というか想定されるわけであります。そういうことがないのか。もし十年物に集中して十年物の利回りが上がってくるとなると株にも影響が出る、場合によっては経済にも影響が出るということだと思いますけれども、大蔵大臣、いかがでございましょうか。
#31
○政務次官(林芳正君) 財投債、機関債の市中発行がどのような影響を与えていくか、こういうことでございますが、今、委員から御指摘がありましたように、政策コスト分析等をやりまして、見直しをしながらこういうことを行っていくわけでございまして、今の数字を前提にしてそのまま積み上がるということではないんではないかなというふうに思っておりますことがまず前提でございます。
 その上で、今まさに委員がおっしゃいましたように、当初は激変緩和措置ということで市場になるべく不測の影響を与えないようなことで、郵政大臣、次官がおられますが、いろんなお願いもしておるところでございます。
 そこで、財投債の発行年限等につきましても、機関債、財投債、これが市場に与える影響等も考慮しながら今から円滑な移行を図ってまいらなければなりませんので、額やどういった種類のものになるかということは、それを踏まえて今から検討してまいらなければならないというふうに考えておるところでございます。
 また、どういうような金利条件になるかということも、毎回の入札で、結局出ていくときは、大臣からも御答弁がありましたように、特に財投債は国債と形の上では一緒でございますので、これは出口の方で一緒になるべく円滑な消化をできるように努めてまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。
#32
○寺崎昭久君 今回の財投債発行による資金調達に際しては、市場に連動した条件で行うこととし、これまでのような預託者の事業に対する配慮としての金利上乗せを廃止するということになっております。完全自主運用が行われた場合にはそうあるべきだと思いますけれども、激変緩和期間とはいえ、年金、簡保には使い道に相当縛りをかけているわけであります。すると、国債を買うよりもあるいはほかにいい投資口があるかもしれない、そういう状況の中で、手足を縛っておきながら今までのように金利は上乗せしませんよというのは、ちょっと激変緩和の措置としては一方的なんではないかという気がするんですが、大蔵大臣、そうお考えになりませんか。
#33
○国務大臣(宮澤喜一君) おっしゃっていることはよくわかっております。
#34
○寺崎昭久君 ということは、結局これは郵貯とか簡保の方に影響が出てくるわけであります。今、上乗せ分が〇・二%でしょうか、これを稼ぐというのはなかなか大変なことだと思います。うまく稼げないとすれば、結局そのものは貯金をしている人、簡保に加入している人、そういうところにマイナスの影響になってあらわれるんではないでしょうか。郵政省はその辺をどう考えたんですか、そして了解したんですか。
#35
○政府参考人(團宏明君) お答え申し上げます。
 経過措置の期間に入るということと自主運用になるということが同時期になってまいるわけでございまして、確かに財投金利につきましては過去いろんな経緯がございまして、特に年金のことに配慮して、〇・二でございますか、国債金利から乗せているということでございますから、これ以後、一般の国債金利になりますと多少金利が低下していくということになるわけでございます。
 しかしながら、昨年の経過措置についての合意につきましては、最大限協力するというふうなことでございますが、引き受けの金額等もまだ未定でございますし、また現在、郵貯の経営全般につきましては十二年度は赤字という予算になっておりますけれども、これは十年前の集中満期の都合がございまして、十三年度以降はかなりの黒字幅ということを見込んでおりますので、多少の資金繰りを考慮しても、預託金利からのマイナスの面は多少あるかもしれませんけれども、経営に大きな影響を及ぼすような幅ではないんじゃないかというふうに考えております。
#36
○寺崎昭久君 言うまでもなく、今の金利水準がどの辺にあるかというのはよく御存じだと思います。〇・二%というのは今日では大変な金利だと思います。大した影響は出ないとおっしゃるのは少し私は納得いかないわけであります。
 どちらにしてもこの激変緩和措置の期間における取り扱いというのは、大蔵省にとっては一兎をねらって二兎を得るようなおいしい話に私は思えますし、結局そのツケというのは国民が払うことになるんじゃないかというように思えるわけです。
 ですから、私どもも、この改革の方向というのはいいけれども、結局それは国民の負担において行う改革、それも中途半端の改革になるんではないかと。改革をやるんだったら、せめて特殊法人の実態をもうきちんと明らかにするというぐらいの条件をぜひつけていただきたいと思っております。
 もし御感想なりございましたらお願いします。
#37
○国務大臣(宮澤喜一君) それは先ほどお話しになられましたことに帰着をいたしますし、私どももそういうつもりで一生懸命運用してみたいと思っております。
#38
○寺崎昭久君 ありがとうございました。
 終わります。
#39
○池田幹幸君 日本共産党の池田幹幸でございます。
 私も、今論議されました情報公開、ディスクロージャーと国会の関与といった問題について、そういった問題意識のもとに伺いたいというふうに思います。
 前回の質疑で何度か取り上げられましたゼロベースからの見直しという問題についてなんですが、これについていま少し伺いたいと思います。
 ゼロベースからの見直しといいますと、これは何も財投機関債の発行が可能かどうかとか、あるいは発行不可能な機関に対してそれを実施するというものではなくて、すべての財投機関に対して不断にやられなければならない問題だと思います。
 今回の改革案で政策コスト分析というものが盛り込まれて、すべての財投機関に対してこれを実施するのだというふうに言われております。これについては私は非常に意味があることだと思っております。もともと市場原理のみでは実現できない政策の実現を目指して税金をつぎ込んで行う事業なわけですから、本当に国民にとってその事業が必要なのかどうか、あるいはその機関がどういった役割を果たしていて必要なのかどうか、あるいはその存在意義が既に薄らいできたとか、そういった抜本的な見直しということが当然必要だと思いますし、その他、今必要だとしてもそんなにお金を使う必要はないとか、今すぐそんなことをやる必要はないといった論議は当然あると思うし、常に見直しは必要だと思います。それだけに、政策コスト分析を行うときには非常に客観的なものがそこには求められると思うんです。分析の基準、手法はもとより、大切なのはだれがその分析をやるのか、その分析結果をだれが判断するのかということが決定的に重要になってくると思うんです。
 そこで伺いたいんですけれども、大蔵省からこの法案審議に際していただきました資料の中に「財政投融資対象事業に関する政策コスト分析(試算)」というのがあるんですが、これについてはどういった手法でやられたんでしょうか。
#40
○政府参考人(中川雅治君) 政策コスト分析は、財政投融資対象事業の実施に伴い、事業の終了までの間に今後国から投入される補助金等の総額を一定の前提条件に基づき仮定計算し、割引現在価値として把握するものでございます。
 それで、政策コスト分析の分析作業でございますが、これは分析の共通前提を大蔵省から各省庁、各機関にお示しした上で、まず事業の実情を最も把握している各機関に試算していただきまして、それを主務官庁がチェックして大蔵省に提出していただいております。
 提出されました分析結果につきましては、大蔵省で検討すると同時に、学者等の専門家から成るコスト分析・評価検討会におきましてその手法等について御検討いただいた上で、公表にたえ得るものをお示ししているところでございます。具体的には、分析の全体的枠組み、将来の財投金利や割引率等の共通前提につきましては、コスト分析・評価検討会におきましてその手法について検討いただいた上で、大蔵省から各省庁、各機関にお示しいたしております。
 各機関におきましては、まず国、一般会計等からの補助金、補給金等は毎年の投入額を割引現在価値に換算する、また国、一般会計等からの出資金等は分析の最終年度までに国に返還されるものとみなし、その間の機会費用、すなわち出資金等を他の用途に使用すれば得られたであろう利益に相当する額でございますが、これは国からの補助金等と同様の経済効果を持つことから、これについて割引現在価値に換算する、また国、一般会計等への納付金、配当金等は国への資金の移転でございますことから、マイナスの補助金等とみなし割引現在価値に換算するといった作業を行いまして、これらの合計値を政策コストとして算出いたしております。
 昨年公表されました五機関の分析につきましては、平成十一年度において継続中の事業及び平成十一年度以降の新規着手が既に予定されている事業を対象といたしまして、平成十一年度予算概算決定時点における計数をもとに試算を行ったものでございます。
 現在はこれを十二年度の計数に置き直して、また手法の改善などを加えて作業を進めているところでございます。
#41
○池田幹幸君 かなり詳しく説明していただいたんですが、今その説明の中にありましたね、一定の前提条件に基づく仮定試算だと。結局、その前提条件の設定いかんで分析結果も大きく変わってくる。これは当然のことですし、非常に大事なことなんですね。
 そこで、今の説明ですと、前提条件については、財投金利と割引現在価値化のための割引率、これは大蔵省が示して、その他については財投機関がそれぞれに設定してやったんだということでしたね。そういう前提条件はわかりました。
 では、その前提条件に基づいて分析したのはそれぞれの財投機関がやった、こういうことですね。
#42
○政府参考人(中川雅治君) まず財投機関の方で、一番実情を知っておりますのは財投機関でございますから、試算をしていただきまして、当然のことでございますが主務官庁が政策的な判断をしているわけでございますので、そこのチェックを経て大蔵省に提出していただいております。
 それを、私どももいろいろな見地から見ておりますが、先ほど申しました学者の先生等から成りますコスト分析・評価検討会においてまた検討していただいておりますので、いろんな目でチェックした上で、公表してもこれは問題ないだろうと、そういう程度にまで熟度が高まったものをお示ししているということでございます。
#43
○池田幹幸君 所管官庁と大蔵省がチェックした上で、大丈夫ということで公表したということですね。
 そのことで伺っていきたいと思いますけれども、まず改めて伺うわけですが、政策コスト分析は何のためにやるのか。要するに、財政投融資の運営に当たって適切な審査、政策判断が必要だ、それを行うためにするんだ、こういうふうに今説明がありました。それで、この政策分析の結果によってはゼロベースからの見直しということで、先ほど大蔵大臣の話の中に、つぶすということまではないけれども、しかしそういったところまで含めた検討、見直しが求められるんだということがありました。
 そうしますと、そういった厳しいものについて、そういったことまで判断される当該財投機関、補助金を受け取ってやっておるその機関が、これぐらい役立ちます、こんなに国民のために役立ちます、将来、政府への納付金もこれぐらい出せますといったような分析をして、ともかく出してきたと。そうすると、分析過程については一応お任せですよね、相手の機関に。後でチェックすると言っていますけれども、中に入って分析したわけじゃないですから、結局はそのまま受け入れて発表しちゃったといったようにしか思えないわけですね。
 こういう分析の段階で政府自身が責任を負うということでなければいけないんじゃないかと思うんですね。何か当該機関に任せておる、中心になっているというよりも。前提条件は示すけれども、その前提条件を使ってやっているのはもう当該財投機関がやっているんですよ。そして、出してきたそれをチェックするだけ、これはおかしいんじゃないんですか。分析自身に責任を負わなきゃいかぬのじゃないですか。
#44
○政務次官(林芳正君) 今、理財局長から御答弁いたしましたように、どっちが主体だったかというのは、主観的な判断になるかもしれませんが、基本になる情報、数字、またそれぞれの機関に対応したいろんな前提条件というのは、やっぱり一義的にはそこの機関からいただかないといかぬというのはもう委員も共通の御認識だと思いますけれども、局長から今答弁いたしましたように、それをもとに、まず一次的にはそこでつくったものを主務官庁が査定し、また我々もそれをきちっともう一度チェックするということですから、全部お任せしてそのまま素通りになるということにはならないんではないかなと。また、それはきちっと我々もやってまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#45
○池田幹幸君 本当にきちっとやればいいんですけれども、そのきちっとというのはどの程度のきちっとなのかということなんですよ。
 それで、今度の試算についての公表なんですけれども、大蔵省の「財政投融資制度の抜本的改革案(骨子)」では「政策コストを定量的に把握し、公表する。」となっております。その公表する程度なんですけれども、今度発表された程度の公表を考えているわけですか、この試算でなされているような公表を。
#46
○政務次官(林芳正君) これは、今、指標といいますか試算というのを前提でやってみたわけでございまして、先ほど局長も申しましたように、手法等についてずっとこれでいこうというところまで確立していないものがまだあると考えておるところでございます。こういったやり方につきましても、今、委員からも御提案がありましたように、どこからこちらがやるかというような分担も含めて検討を重ねてまいりまして、この分析の精度とか練度というものを高めてまいらなければいけない、こういうふうに思っております。
 そういった意味で、今回お出ししたのは、あくまで今までやってできた、その公表にたえるものだけを出したということでございますから、これにとどまるということではなくて、今申し上げましたように、より精度、練度を高めてまいりたいと思っておるところでございます。
#47
○池田幹幸君 より精度、練度を高めるとしますと、やり方をもう一回考え直さなきゃいかぬと思うんですよ。当該財投機関に任せたらどうなるかというのが今度の一つの見本だと私は思うんです。
 それで、五つ出されておるわけですけれども、そのうちの一つについて具体的に伺ってみたいと思うんです。
 中部国際空港株式会社のコスト分析ですが、これでは要するに政策コストがマイナスというんですね。国に返ってくるお金の方が多いという分析に最終的にはなっております。政策コストがマイナスだという分析はほかの四つにはありません。これだけお金を使わないといけませんというふうになっているんですけれども、これだけはマイナスです。そのコスト分析を伺ってみますと、これには出ていないんですけれども、法人税の納付によって四百五十億円のコストが減少するんだと、そういう説明がありました。
 そうしますと、三十五年間の計画なんですけれども、一体いつから単年度で黒字になると想定して四百五十億円の法人税が納付されると考えたのか。それからもう一点は、累積損失は何年から解消できると想定した計算になっているのか。それから、債務の完済は開港後何年目というふうに見ておられるのか。この三点について運輸省の方に伺いたいと思うんです。
#48
○政府参考人(岩村敬君) 分析の期間でございますが、今、三十五年と先生から御指摘がありましたけれども、この三十五年というのはすべての有利子債務が償還される、その前に単年度黒があり、それから累積の赤が消え、最終的に有利子債務が償還される、この三十五年間について分析をしたわけでございます。
#49
○池田幹幸君 私、三点と言って伺ったでしょう。三十五年なんて知っているからこっちの方で言ったんですよ。何を言っているんですか。
#50
○政府参考人(岩村敬君) 単年度黒が出る時点、それから累積の赤が消える時点、ちょっと今資料を調べて、すぐ御返事申し上げます。
#51
○池田幹幸君 すぐ出せないようなところに奥深くしまっているんでしょう、出てこないような。ないんじゃないですか、本当に。そういうずさんな計画なんですよ。
 例えば関西国際空港の場合だったら五年間で黒字転換するんだというようなことがありましたけれども、この関空でもそんなことは全くうそ、うそといいますか実現できなかったわけですね。中部国際空港はどんなことでやっているのか知りませんけれども、要するに政策コストはマイナスになるというんでしょう。百十億円むしろ国に返ってきちゃうと。これでいきますと、もう最優良ですから財投機関債は当然発行できますね、これが格付会社に本当に認められるとすれば。そうするとハッピーだということになるわけなんですけれども、本当にこの程度でそういうふうに読み切れるんでしょうか。これはきのうのうちに連絡をしておいた、レクでお話ししていたにもかかわらず今基本的なことが返事できないというふうな、そんなコスト分析なんですよ。
 大蔵省はチェックしたとおっしゃるけれども、では大蔵省は御存じですか、それ、理財局長。
#52
○政府参考人(中川雅治君) 手元にちょっと資料が今まだございませんので。
#53
○池田幹幸君 こんな程度でどうやって政策評価ができるんですか。盛んに財投機関債を言われました。しかし、そのためには格付会社の格付が必要だとも言われました。そういった意味での市場評価すらこの程度では受けることはできない、ましてや政策評価なんか到底できないというふうに私は思うんです。これはもうどう考えたっておかしいですよ。
 何かありますか、運輸省。
#54
○政府参考人(岩村敬君) ちょっと手元の資料で今整理をしておりますが、少なくとも法人税納付の時期は平成十九年からということでございますので、その時点で黒字が出てきているということがわかるかと思います。
 それからもう一つ、中部国際空港株式会社は御承知のように出資の半分は民間の出資を求めているわけでございまして、そのほかに国が四〇%、そして県が一〇%ということでございます。そういう意味で、民間から出資を仰ぐ以上、当然にそういう将来のもくろみというものがしっかりしていなければできないわけでございます。
 手元の数字、大変申しわけございませんが、いましばらくお待ちいただければお答えをしたいと思います。
#55
○池田幹幸君 民間の出資を五〇%仰ぐから当然しっかりしないといけないと言いながら、何もしっかりしていないじゃないですか。そんないいかげんなことでどうするんですか。
 要するに、ざっと見ただけでも、その前提条件だけだって極めていいかげんですよ。中部国際空港の利用見込みの中に成田の第二滑走路の計算が入っていないんですよ。静岡空港もつくるというふうなことを言われておりますけれども、それも全然考慮に入っていない。こういうことになると当然お客さんが減るわけでしょう。今までだって、関東、それから関西からのお客さんまで中部国際空港に来るなんという計画が出ておったから、こんなとんでもない計画があるかということで私たちは質問しました、追及しました。今度の新しい計画になると少し利用者の範囲が狭まっていますけれども、今私が申し上げたような問題については何の考慮も払われていないんです。こういったことが政策コスト分析という形でやられているんです。これが現実ですよ。そのことをしっかり考えてもらいたいと思うんです。
 こういったゼロベースからの分析、いいかげんなんですけれども、例えばきっちりやられたとしましょう、政策コスト分析が。その上で、それではどういうやり方で国民の評価、判断を仰ぐのか。どう考えておられますか、まあ国会の関与ということになると思うんですけれども。
#56
○政務次官(林芳正君) これは試算でございますし、資料は今調べれば出てまいるとは思いますが、まさにこういったものをお出ししてこういう議論をいただくということが、政策コスト分析、特に将来にわたっての政策に係るコストがどれぐらいかということをお出しするという一つの改革の精神でもあろうかなというふうに思っておるところでございまして、きちっとした資料が出てくるというふうに理解をしております。
 そこで、今、委員が御指摘になったように、もう少しこれの精度、練度を高めまして、また対象機関についても全機関を目標にやっていくということでやってまいりますが、それについては国会で御審議に供して審議をいただくということになろうかと思います。
#57
○池田幹幸君 そういう仕組みになっているんです。それはそれで大事なことなんです。当然のことなんですが、ではどこまで国会の審議にかけることになっているのか、ここが大事なんです。それで、この政策コスト分析は大事ですから大いにやってもらいたい、きちんとやってもらいたい。
 この大蔵省からいただいた資料の中にこれはあるんですが、「特殊法人等の事業の見直し、財投の審議について」という形で、ずっと財投機関からやった見直しを国会にかけるという図面をかかれています。ところが、政策コスト分析がこの流れの中に載っていないんです、これを見ても。これだけぽんと離れたところにあるんです。この政策コスト分析の結果はどういう形で国会審議の中にのっけてくるのか。何もない。これは余りにもずさんじゃないですか。予算を提出する段階で、こういう資料でございますときちんと政策コスト分析をつけて出すのか出さないのか。これだけ見ると、出すような出さないような、やるようなやらないような、題に何も載っていないじゃないですか。どういうことですか、これ。
#58
○政務次官(林芳正君) 予算案と財投計画を提出するときに同時に出してやるべきではないかという御指摘だと思います。
 それはそこで間に合えば一番すっきりするというふうに私も思いますが、ただ五機関の分析を昨年度初めてやったわけでございまして、今からいろいろ精度、練度を高めるということを先ほど申し上げましたが、この作成時期といいますか、どういう作業をやるかということでございまして、実は財投計画を出しましてこういう事業をやる、新規と継続とが出てくるわけでございますが、それを受けてどういうコストがかかるかという分析をやるという側面がございます。
 委員が先ほど御指摘になりましたように、各機関が個別にやったものだけでとどまるものであれば、多分それは要求段階で出てくると思いますが、それを見て我々がきちっとダブルチェックをかけていくということになりますと、出されてから我々がする作業というのが大事になってまいりますから、その時間というのはどうしても必要になってまいるということは御理解を賜りたい、こういうふうに思うわけでございます。
 いずれにしましても、精度、練度を高めるとともにスピードも高めてまいらなければならないというのは、委員の御指摘のとおりだと思います。
#59
○池田幹幸君 具体的にどういったものが出されるのかよく理解できなかったんですが、ちょっと時間の都合もありますので、ひとつ重要な点だけ伺っておきたいと思うんです。
 今度の法改正によって財投計画等々に関して国会提出が義務づけられているのは財投三表のうち資金計画だけですよね。今までは財投三表も国会提出は義務づけられていませんでしたけれども、今度は資金計画は義務づけたと。しかし、いわゆる財投三表としてあらわされる財投計画全体は国会提出義務は課さないということになっているわけです。これはまずいんじゃないか。
 私は、財投計画全体、その財投計画も将来もっと中身のあるものに、先ほど寺崎委員の御質問にあったように、財投機関の予算も含めるべきだと考えておるんですが、そういった意味で財投計画そのものの国会提出を義務づけるということでなければいけないんじゃないかと思いますが、大蔵大臣、いかがでしょう。
#60
○政務次官(林芳正君) 財投三表と今おっしゃいましたのは、財政投融資資金計画、財政投融資原資見込、それから財政投融資使途別分類表、この三表をお指しになっているということでございまして、これはいずれも参考資料ということで国会には提出させていただくことになっておるわけでございます。委員が御指摘になったように、今度は投融資資金計画は法律で義務づけるということでございますから、残りの二表は、法律でこの一つが義務づけられるようになったのでもうお出ししないということはないわけでございまして、引き続ききちっと参考資料として提出をしてまいりたいと考えておるところでございます。
#61
○池田幹幸君 時間がないから私もざっと申し上げたんですけれども、財投資金計画も今極めて不十分なんです。ただ、それは財投だからということで、財投に関する部分だけを資金計画として出すと。だからといって財投機関は財投資金だけで事業をしているわけじゃなしに、補助金とか補給金も加わってやっているわけです。だから、そういった資金運用部資金からの出資だけでなしに、その他の資金も使って事業をしておると。
 そうすると、それも含めた事業計画全体がはっきりしないといけないんだけれども、今まではその他の資金については参考として自己資金等という形でぽこっと入っているだけなんです。本当によくわからない。これはやっぱり事業全体がわかるような形で提出義務を課す必要があるんじゃないか。そういった意味で財投資金計画ももっと中身のあるものにしなけりゃいかぬ。
 それから、使途別分類だって、今のやり方だとどこの財投機関がどういう分野に出しているのかよくわからぬのです。道路だとか住宅だとかいう形で分かれておって、それぞれの機関がばらばらにこれを出しているわけでしょう、あちこち。それでは財投機関の健全性といいますかその役割といいますか、そういったものの判断のしようがないわけです。今、参考資料として出しているものを義務づけると同時に、もっと中身を充実させるという形でやらなければならないというふうに考えておるわけですけれども、改めてお伺いします。
#62
○政務次官(林芳正君) 今申し上げましたように、三表は引き続き提出させていただきます。
 それから、一つはそれをさらに義務づけたということで一歩前進だと考えておりますが、さらに委員が今おっしゃったように、いろんなところが込み入っているものですから全体像がつかめないというお話は、国会に義務づけるというような法律的な話も重要でございますが、むしろディスクロージャーを各機関がどれぐらいやっていくのかということで、これは前回の委員会でもいろいろ、三重野委員だったかと思いますが、御議論をさせていただきまして、特殊法人のディスクロージャーについては法律も成立いたしましたし、いろんな面できちっとした議論の前提になるようなディスクロージャーをそれぞれ努めていく、その中で国会できちっと議論をしていただく、こういうことではないかというふうに考えております。
#63
○池田幹幸君 そのディスクロージャーは結構だし、今後は参考資料として出すということも知っています。しかし、それでは不十分で、私は、提出を義務づけると同時に、財投計画については議決案件というふうにしなければならないんじゃないか、財投計画そのものを議決対象にするということでなければいけないと考えているんです。
 なぜかといいますと、今度の問題で言われていることは、要するに財投計画が財投機関任せになっておった、十分なチェックができなかったということが一つ出口のところで問題になっておりました。それはある点で当然だったんじゃないか、仕組みからいって当然だったんじゃないかと思うのは、入り口の方では長期運用法というのがつくられて資金計画を出されると。そこで、少なくとも四つの原資については、ばらばらではございますけれども、一応議決だったんです、資金運用部資金も簡保資金も、それからあと二点も。四つの原資それぞれに国会議決されているわけです、予算と一緒に提出されましてね。しかし、出口の方は今申し上げましたように全く議決対象になっていないわけです。
 だから、今度は出口の方も内容を厚くして、財投機関それぞれの予算も含めたものにして議決対象とすれば、十分にこれはチェックできるわけですね。それをやればむだ遣いといったものもチェックできる仕組みができ上がるわけです、やるかやらないかはともかくとして。きちんとやることを前提とすれば、仕組みがあればできるわけです。
 そういった仕組みにしなかったところに問題があるので、資金運用部資金、資金運用部を廃止しなくとも、そういったきちんとした仕組みをつくれば国民のお金を有効に利用できることになるというふうに考えるわけです。そういった意味で、提出を義務づけて議決対象とするということについて、私の言っている意味はおわかりいただいたと思うんですが、大蔵大臣、いかがですか。
#64
○政務次官(林芳正君) 委員がおっしゃっている精神は非常によくわかるわけでございます。
 そこで、委員がまさに御指摘なさったように、予算総則、特会、政府関係機関予算というのはそれぞれ御議決の対象になって議決をいただいておるわけでございまして、実はそこにそれぞれのパーツで含まれておるので、今度これとまた分けて財投計画議決ということになりますと、それぞれのパーツ、パーツが二重議決というような制度上の問題が出てくるということもありまして、そこで御議決をいただいているということになろうか、こういうふうに考えているところでございます。
#65
○池田幹幸君 二重議決論というのが前々から言われているのは私も知っていますよ。しかし、現実を見れば、今申し上げましたように、原資が四つに分かれてばらばらに出ておって、財投機関がその原資をどう使っているかということは全然わからぬわけですよ。予算総則でそれもぽこっと書いてあるだけです。それでは判断できないじゃないですか。政策コスト分析までやって、そしてそれを出して判断してくださいというなら、当然予算にのっけて国民の評価を仰ぐということでなければならないというふうに思うんです。二重議決論というのはもう四十年代からずっと続いておる論議でしょう。
 そんなことより、現実の問題をどうやって進めるかというところにやっぱり考えを置かなけりゃいけないということを申し上げて、もう時間が参りましたので終わりますが、何か感想あれば一言、大蔵大臣の感想を伺っておきたいと思います。
#66
○政務次官(林芳正君) 政府から出ているお金の部分は今御指摘がありました予算でいただいておりますから、あとはその機関機関のディスクロージャーということがきちっとすれば、今度はお金が出ていったものとあわせてその機関の実態というものは明らかになってくるわけでございまして、それをあわせもって、委員がおっしゃる精神は非常によくわかりますので、そういうことでやってまいりたいというふうに思っておるところでございます。
#67
○池田幹幸君 終わります。
#68
○三重野栄子君 社民党の三重野栄子でございます。
 二法案に関連して質問をいたします。
 本日は速水日銀総裁にお出かけいただいておりまして大変恐縮でございます。二点ほどお伺いさせていただきます。
 今回の財投改革によりまして財投債という国債と類似のものが発行されることになりますが、いわゆる財投債につきまして日銀総裁はどのような見方をされているかというのが第一点でございます。また、日銀は国債の約一〇%を保有しておられまして、国債の有力な引受先と言えると思うのでありますけれども、国債と同様に財投債についても日銀が有力な引受先となる可能性は高いのでしょうか。
 この二点につきまして総裁にお伺いいたします。
#69
○参考人(速水優君) お答えいたします。
 財投債は財政投融資活動の原資に充てるために発行されるものでございますし、そうした活動によって形成されます金融資産、貸付債権の回収金等でこれが償還財源になるというふうに承知いたしております。この点、歳入の不足を補いますために将来の租税を償還財源として発行される既存の国債とは性格を異にしている面はあると思います。
 ただ、国がその信用に基づいて発行する債券でございますから、その点では財投債も現行の国債も異なるところはないわけで、また実際にも現行の国債と一体のものとして発行されることになると承知して、私どももその実務をやらせていただくことになるかと思っております。
 いずれにしましても、財投債も国の債務であります以上、国債の引き受けということにつきましては、これまで申し上げているのと同様に、これを引き受ける考えは全く持っておりません。そのことは私どもも強く守ってまいりたいと思っております。
 それからもう一つお聞きになった点は、多分、資金繰り、流動性が不足した場合のサポートのお話ではないかと思いますが、この点につきましては、郵便貯金の集中満期時におきます資金運用部の資金繰りに関する日本銀行の対応につきましては、かねて大蔵省ともお話をいたしまして、資金運用部みずからが市場から資金調達することを原則としながら、日本銀行は集中満期が到来いたします二年間に限りまして必要と認める場合に一時的な流動性を供給するという話し合いをいたしております。
 一時的な流動性を供給するに当たりましては、資金運用部が保有します国債を現先方式で買い入れることとしておりまして、三カ月を超えて継続に応じ得る現先残高につきまして七兆八千億円という上限を設けております。この金額は資金運用部が過去に市場から買い入れた国債の額を上限とするということでございまして、資金運用部が引き受けた国債を見合いとした長目の資金供給は行わないということを明確にして、今回の措置が資金運用部を経由した日銀による国債の引き受けではないんだということをはっきりさせてまいりたいと思っております。
 日本銀行としては、国債の引き受けを禁止しております財政法の精神に基づきまして、今後ともその点は厳に守ってまいりたいというふうに考えております。
#70
○三重野栄子君 ありがとうございました。
 実は次に七兆八千億円はどうして決定なさいましたかということをお尋ねしようと思いましたが、今お答えいただきましたのでこれは割愛させていただきます。
 総裁、本日は大変お忙しいのに御出席いただきましてありがとうございました。
 次に、政府系金融機関の不良債権の公表基準についてお伺いいたします。大蔵政務次官にお伺いしようと思っています。
 不良債権の公表基準につきましては、透明性を向上させる意味でも民間金融機関と同様の基準を義務づけるべきだと私は考えるわけでありますが、どのようにお考えでしょうか。この透明性についてはいろいろ議論もされてまいりましたけれども、もう一度改めて伺います。
#71
○政務次官(林芳正君) 政府系金融機関の不良債権の公表基準というお尋ねでございますが、民間金融機関の方もいろいろ問題がございまして、第T分類、第U分類というような議論を盛んにやっておったわけでございますが、まさに委員がおっしゃいましたように、これと同様の基準でやっていこうという結論でございます。
 申すまでもないことでございますが、こういう金融機関は経済社会の政策ニーズというものに対応していくのはもちろんでございますが、みずからの資産につきましては民間金融機関同様きちっとリスクを把握してまいらなければならないというのは当然のことでございまして、そういう意味で、ディスクロージャーの充実につきましても、この部分については委員御指摘のとおり民間同様でやっていくということでございます。
 具体的に申し上げますと、平成八年三月期からはすべての政府系金融機関につきまして、延滞債権額、これは六カ月以上の延滞でございますが、官報で公表してまいりました。また、今、委員が御指摘のように、民間金融機関の動向を踏まえて同様の基準ということで、平成十年三月期からリスク管理債権、これは広い概念でございまして、破綻先債権、延滞債権、また三カ月以上の延滞債権、それから貸出条件緩和債権、いわゆるリストラクチャードといういろんな条件を変更した債権の合計額を公表するということでディスクロージャーの充実に取り組んでおるところでございまして、今後ともディスクロージャーの充実に努めてまいりたいと思っているところでございます。
#72
○三重野栄子君 ありがとうございました。
 次に、苫小牧東部開発、いわゆる苫東の問題につきまして北海道開発庁にお伺いいたします。
 平成十一年七月に発足いたしました苫東新会社のかぎを握りますのは、いかに土地を分譲していくかという点にあったと考えるのであります。そうした点を踏まえ、分譲価格の引き下げにも踏み切ったようですけれども、新会社の発足後、どのような分譲状況になっておりますか、お伺いいたします。
#73
○政府参考人(林延泰君) お答えいたします。
 苫小牧東部地域開発を推進するために、新たな事業主体といたしまして、関係者の御協力のもと、委員御指摘のように、昨年、平成十一年七月三十日に新会社、株式会社苫東が設立されたところでございます。
 設立以降、今日に至るまでどの程度の土地分譲がなされたかといいますと、全体で約二十七ヘクタールが分譲されております。
 二十七ヘクタールの分譲の内訳を見ますと、まず民間企業として愛媛県の精密金型製作の会社がございますが、ここが約一ヘクタール。それから、公的試験研究等施設といたしまして北海道開発局開発土木研究所の試験用地、これは冬期土工技術、いわゆる冬期道路に向けての研究開発を行うフィールドの確保でございますが、ここが約二十三ヘクタール。それから、道路敷ですとかあるいは沿道緑地整備等の公共用地でございますが、これが約三ヘクタール。計約二十七ヘクタールでございます。
 以上でございます。
#74
○三重野栄子君 そこで、一般分譲とプロジェクト分譲と二つあるように伺っておりますけれども、いわゆるプロジェクト分譲はどのようになっているかということでございます。
 七つのプロジェクトを挙げられておりますけれども、始動しているのはどうでしょうかというところをもう少し御説明いただきたいと思います。
#75
○政府参考人(林延泰君) 御指摘のプロジェクトにつきましては、新会社の設立に当たり、新会社の事業計画の核になるべきものとして関係者の協力のもと取りまとめたものでございます。その進捗状況についてお答えしたいと思います。
 まず、公的試験研究等施設につきましては、先ほど述べましたように、北海道開発局開発土木研究所試験用地として約二十三ヘクタールが分譲されたところでございます。
 また、資源リサイクルにつきましては、昨年十月に家電リサイクル会社の立地表明がございまして、現在、準備が進められているところでございます。
 また、大型実証実験施設でございます国際熱核融合実験炉、いわゆるITERでございますが、これにつきましては地元において積極的に誘致活動が進められているところでございます。
 また、その他の公的施設といたしまして、今年度から情報収集衛星の受信局の建設が進められる予定でございます。
 その他のプロジェクトにつきましても、関係者の協力のもと取り組みがなされているところでございまして、北海道開発庁といたしましても、プロジェクトの推進に向け引き続き努力をしてまいりたい所存でございます。
 以上でございます。
#76
○三重野栄子君 大変御健闘いただいているようでございます。見直しが必要じゃないかと思いましたけれども、さらに御健闘をお願いいたします。
 それから、大蔵大臣に一点お伺いしたいのでございますけれども、いわゆる国家プロジェクトに対しまして財政投融資はどのようなかかわり方をしていくのだろうか。過去の反省を将来に生かすという立場から大臣のお考えを伺いたいと思います。
#77
○国務大臣(宮澤喜一君) 今の苫東の話と関係ないお尋ねでございますか。
#78
○三重野栄子君 はい、なくて結構です。
#79
○国務大臣(宮澤喜一君) 国が国民の税金をいただいて、あるいはみずから借金をしていろんな仕事をいたしておりますことは、いわば市場経済を主体とする我が国におきましても依然として当然のことながら大切な部分でございますが、同時に、市場経済ではやり切れない種類の仕事で、そうかといって国が税金を使って、あるいは国債を発行して自身でやるということにも適さないという部分は、これは我が国には限りませんが、どこの国でもたくさんございます。
 財投はそのために財投機関として戦後いろんな仕事をし、また実績を上げてまいったと思いますけれども、御承知のように肥大化という御批判もあり、また世の中も変わってきておってマンネリズムになるということも許されない、そういう意味でこのたびこういう改革をお願いいたすわけですが、それは財投機関の仕事というものがもう不要になったということを私どもは考えてはおりません。
 むしろ、さらに立派な仕事をしてもらいたいと思いますが、いわゆるマンネリズムになるということが一番恐ろしいわけでございますので、二十一世紀を展望して、この際、財政的な面から非常に厳しい状態に直面するわけですから、その中からよりプライオリティーの高い、あるいは新しい目で見たプライオリティーというものを決定してもらいながら仕事をしてもらうことがこれからも大切であるというふうに判断をいたしております。
#80
○三重野栄子君 郵政大臣に、大変緊急で恐縮でございますけれども、お尋ねいたします。
 実は私、昨日、佐世保に参りました。それは、佐世保市を母港とします海上自衛隊第二護衛隊群所属の護衛艦「さわぎり」、艦長は青山さんですけれども、乗り組んでおりました宮崎市出身の三等海曹、当時二十一歳でございますけれども、昨年十一月八日に航行中の艦内で自殺をしたわけです。
 遺族の方はいわゆるいじめがあったのではないかということで非常に疑問を持っておられるんです。艦内での飲食とかかけごととか、班員の丸刈りも行われているということ。それから、当時、自殺事実の処理方法についても不自然があった。それから、自衛艦内での事件も多発しているということ、特にここでは六年間で十七人も自殺しておられまして、三人は自殺未遂なんです。
 そういう状況でございますので、昨日、私ども社民党の国会議員団が現地調査に参りましたけれども、それに関連して、郵政大臣にぜひ御指示をいただきたいのでございますが、ここの隊員の郵便貯金の出し入れにつきまして、本人は幾ら出したか全然わからないという状況があるんです。
 もう少し詳しく申し上げますと、自殺をした彼は、平成九年四月に郵便貯金総合サービス利用申込書、それから通常郵便貯金預入申込書、これで入りますということで、書きましたのは自分の名前と年齢と数字、これ一回なんです。その後ずっと郵便貯金は出し入れがしてあるわけですけれども、郵便貯金払戻金受領証、これに書いてお金を出すわけですが、実はこの隊は班長が郵便貯金通帳も一番初めに出した印鑑も全部持っておりまして、それから名前はゴム印なんです。ですから、この票が出されれば、郵便局の方は隊と協力してお金を出すようになっておりますから、当然これが来れば出たことになるわけです。
 本人はどういうふうにして申し込むかというと、班長が持っております一覧表に何月何日幾ら欲しいということを書くようでございます、その日に出したい人が。それを班長が見ながら書いて郵便局と交渉してお金を出す。ところが、その紙はもうないんです、自分たちは必要ないんだということですから。本人が申し立てをしてお金をもらったかどうかというのはわからないという問題が起こりました。
 この彼については、平成九年の四月から九月までの間に六十数万円の自分の察知していないお金が出たと。それから、友人も数人、二十何万円とかいろいろおられるわけですが、それを実際調べたいけれども、調べる手だてがない。
 そのことできのう郵便局長の方にお尋ねいたしましたら、自分のところはそういうことで何にもないけれども、郵便貯金センターは五年間伝票を持っていると。ですから、その点を開示してもらいたい。私たちの要望は、本人だけじゃなくてその班に所属する方々の伝票をぜひ見せてもらいたいということを大臣にお願いしたいわけでございます。
#81
○国務大臣(八代英太君) 今、突然でございましたが、よく調査をしてまた御報告するようにいたします。
#82
○三重野栄子君 よろしくお願いいたします。
 終わります。
#83
○委員長(平田健二君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。
    ─────────────
#84
○委員長(平田健二君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、片山虎之助君が委員を辞任され、その補欠として佐々木知子君が選任されました。
    ─────────────
#85
○委員長(平田健二君) これより両案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#86
○寺崎昭久君 私は、民主党・新緑風会を代表し、ただいま議題となりました資金運用部資金法等の一部を改正する法律案及び郵便貯金法等の一部を改正する法律案に対して反対の立場から討論を行います。
 財投の改革が必要なこと、その第一歩として預託義務の廃止が必要なことは論をまちません。また、その結果として、郵貯を通じて集められた資金が自主運用となることについても当然のことであります。その意味で、この両案の基本的な方向性については私たちとしても理解するものであります。
 その上でなお私たちがこの両案に反対するのは、この改革案が見せかけの改革であり、実質は改革の先送りにすぎないと考えるからであります。
 今回の改革案の最も重要な部分は預託義務の廃止です。これにより必要以上に運用部に資金が流れる現状を改め、また特殊法人みずからの資金調達を促進することによってその整理合理化を進めることとされています。しかし、この最も重要な部分に大きな抜け穴があるのです。言うまでもなく財投債の存在です。特殊法人がその資金調達を財投債に依存してしまえば、現在と何も変わらないことになるのです。これが私たちが見せかけの改革と呼ぶ理由であります。
 また、旧国鉄、国有林野事業などで明らかなように、財投資金によって事業を行う財投機関こそが国民負担の観点からは最大の懸念でございます。しかし、今回の法律案ではこの財投機関の改革について何ら盛り込まれておりません。市場の評価によってその整理統合を進めるとされていますが、これさえ、財投債依存体質が残れば何の意味もありません。これで一体どこが改革と呼べるのか、やはり改革を先送りしているだけのことではないのかという強い疑念が残ります。
 そのほかにも、改革の前提となる現在の財投機関の財務健全性、今後、市場から資金調達するに当たって、情報公開制度の整備、経過措置のあり方など多くの問題点を含んでいると考えます。
 また、郵貯の自主運用は、将来三百兆円を上回る規模となることが考えられますが、この巨大な資金の運用が本当に適切に行われるのか、仮に郵貯にとって適切な運用を行ったとしても、これが本当に我が国金融市場にとって適正な運用となるか等、幾つかの疑問が残ります。
 私たちは衆参両院の審議を通じてこれらの疑問点を何度もただしましたが、政府からは明確な答弁がありません。特に重要な財投債の発行方針については、大蔵大臣が一定の方向性を示したものの、やはり抽象的なものであり、私たちの懸念を払拭するものではございません。
 財政投融資の改革が必要なこと、またそのための第一歩が預託義務の廃止であることは言うまでもありません。しかし、政府案は明らかに見せかけだけの改革であり、今と何が変わるのか全く不明です。
 以上の理由から、両法案に対して反対の意思を表明し、我々が政権をとった際には真の改革を必ず実現することをお約束いたしまして、私の討論とさせていただきます。
#87
○岩井國臣君 私は、自由民主党・保守党及び公明党・改革クラブを代表し、ただいま議題となっております資金運用部資金法等の一部を改正する法律案及び郵便貯金法等の一部を改正する法律案につきまして賛成の討論を行います。
 この両法律案は、郵便貯金等の資金運用部への全額預託義務を廃止し、受動的な資金の流れを絶つなど、財政投融資制度を抜本的に改革しようとするものであり、現行制度が創設された昭和二十八年以来、初の大改正であります。
 財政投融資制度が社会資本の整備等我が国の経済社会の発展に大きく寄与してきたことは論をまたないところであります。しかし、その一方で、時代の変化に対応した改革も求められており、政府・与党を中心に真摯な検討が重ねられてきました。提出された両法律案は公共政策の遂行と市場原理との調和を図るというまことに時宜を得たものであり、高く評価するものであります。
 以下、両法律案に賛成する主な理由を申し述べます。
 賛成の第一の理由は、財投機関が市場から真に必要な資金だけを調達する仕組みに転換されることから、財投機関の効率化が促進されることが期待されるからであります。財投機関にはまず財投機関債の発行を検討させ、市場の評価にさらすこととされております。財投機関債の発行は財投機関のディスクロージャーの充実にもつながり、運営効率化へのインセンティブを高めるなど大きな効果が期待できます。
 賛成の第二の理由は、財投債の発行により、市場原理だけでは実現できない重要な政策の遂行が確保されるからであります。市場原理を導入し財投機関の存立を市場の評価にのみゆだねるのでは、政治の責任を果たすことにはなりません。市場原理では割り切れないものの、国民生活にとって必要性が認められる事業については、財投債による資金調達を認めるなど、財投機関の性格を踏まえた現実的な措置が講ぜられております。さらに、財投債の発行限度額については、国会の議決を要するなど財政規律の確保も図られており、反対の余地はないと考えております。
 賛成の第三の理由は、全額自主運用に伴い、郵便貯金については資金調達から資金運用まで一貫した経営が実施されることとなり、より効率的な事業経営が可能となるからであります。全額自主運用に当たっては、安全確実な運用が基本とされるべきでありますが、こうした方針は法律に明記されております。さらに、運用計画、運用報告が公表されるなど透明性も確保されており、これまた反対の余地はないと考えられます。
 今回の改革では、以上のような措置に加え、政策コスト分析等を活用し、民業補完の徹底や償還確実性の精査が行われることとされており、財投改革を推進するきめ細かな措置が講ぜられております。
 これらの改革により財政投融資が効率的なシステムへと再生し、時代の変化に対応した適切な役割を果たすことを期待いたしまして、私の賛成討論といたします。
#88
○笠井亮君 私は、日本共産党を代表して、資金運用部資金法等の一部改正案及び郵便貯金法等の一部改正案に対して反対の討論を行います。
 両改正案は今日まで長期にわたって維持されてきた財政投融資制度そのものの存続にかかわるものであり、このように短時間で終局するのではなく、時間をかけて徹底審議すべき重大法案であります。
 そもそも財政投融資制度は予算と並ぶ財政政策の重要な手段として機能してきました。それが、長年の自民党政治のもとで、大企業の基盤整備やむだな大型公共事業などに乱用され、また一般会計の赤字の穴埋めに流用されたり、大企業本位の景気対策に利用されてきた結果、本来の姿から大きくゆがめられているのであります。
 ところが、本法案は、それを改革するのではなく、財源部分と使途とを分断し、その間に市場を介在させることによって財投そのものを解体に導こうとするものです。これが反対の第一の理由であります。
 第二に、本法案により郵貯、年金等の資金の預託義務が廃止され、全額自主運用となります。国の信用のもとで集められた資金は、確実、有利はもちろんのこと、公共の利益に沿って配分、運用されなければなりません。ところが、巨額の国民の財産が市場で運用されれば、資金の流れをゆがめ、国民の財産を危険なリスクにさらすことは明らかであります。
 さらに、本法案は、個々の財投機関を市場の評価にさらすことによって改革を促すというものであります。しかし、市場は収益性を評価できても政策は評価できません。個々の財投機関の政策上の必要性は国が政策判断で決めるべきものであり、その逆であってはなりません。
 第三に、これまでも財投は内容が複雑な上、国民への開示が極めて不十分でした。ところが、本法案は、従来の財投計画の国会提出を法律上の義務としただけで、何ら現状と変わりません。それどころか、財投計画の範囲縮小によって、国民から見えない部分がむしろ大きくなってしまうのであります。
 しかも、改正後の財政融資資金はその財源を基本的に財投債の発行によって調達することになりますが、これは国債と同じ条件で発行されるものであり、従来の国債と区別できません。新たに巨額の財投債が発行されれば国の債務はますます膨らみ、財政破綻が一層深刻化することになるのであります。
 今、必要なことは、財投制度を解体させる方向ではなく、ディスクロージャーを徹底させ抜本的な改革を行うことであることを強調し、反対討論といたします。
#89
○委員長(平田健二君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 まず、資金運用部資金法等の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#90
○委員長(平田健二君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、郵便貯金法等の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#91
○委員長(平田健二君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、海野君から発言を求められておりますので、これを許します。海野義孝君。
#92
○海野義孝君 私は、ただいま可決されました資金運用部資金法等の一部を改正する法律案及び郵便貯金法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守党、公明党・改革クラブ、社会民主党・護憲連合及び参議院クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    資金運用部資金法等の一部を改正する法律案及び郵便貯金法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。
 一 財政投融資の対象分野・事業については、民業補完及び償還確実性の徹底、政策コスト分析の活用等を図り、不断の見直しを行うこと。また、これを担う特殊法人等についても、一層の整理合理化に努めること。
 一 財投機関債については、財政投融資の対象となっている特殊法人等が市場の評価を受けることを通じ、運営効率化へのインセンティブが高まるという財投改革の趣旨を踏まえ、その円滑な発行と流通のための情報公開等環境整備に努めること。
 一 財投債については、特殊法人等の真に必要な事業に限定し、安易な発行が行われることがないよう留意すること。
 一 政府保証債については、財政規律の確保等の観点から厳格な審査を行い、限定的、過渡的な発行にとどめること。
 一 市場原理だけでは実現できない重要な施策を実施している機関や超長期資金を必要とする事業等については、その業務のあり方等にかかる不断の見直しを行いつつ、緊要な政策課題に適切に対応し、必要な業務遂行に支障が生じないよう適切な配慮を行うこと。
 一 特殊法人等の経営実態を明確化するため、財務諸表等のディスクロージャーの一層の充実を図るとともに、外部監査法人の活用に努めること。また、財務状況の改善を要する機関等については早期に適切な見直しを行うよう努めること。
 一 郵便貯金の全額自主運用に当たっては、安全・確実な運用を基本とするとともに、市場の混乱を招かないよう十分配意すること。また、運用評価については、企業会計基準に準じた基準を採用することとし、透明性の確保に努めること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#93
○委員長(平田健二君) ただいま海野君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#94
○委員長(平田健二君) 多数と認めます。よって、海野君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、宮澤大蔵大臣及び八代郵政大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。宮澤大蔵大臣。
#95
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨に沿って配意してまいりたいと存じます。
#96
○委員長(平田健二君) 八代郵政大臣。
#97
○国務大臣(八代英太君) ただいま郵便貯金法等の一部を改正する法律案を御可決いただきまして厚く御礼を申し上げます。
 本委員会の御審議を通じて承りました貴重な御意見並びにただいまの附帯決議につきましては、今後の郵政行政を進めるに当たり、御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
 まことにありがとうございました。
#98
○委員長(平田健二君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#99
○委員長(平田健二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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