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1950/12/07 第9回国会 参議院 参議院会議録情報 第009回国会 大蔵委員会 第10号
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1950/12/07 第9回国会 参議院

参議院会議録情報 第009回国会 大蔵委員会 第10号

#1
第009回国会 大蔵委員会 第10号
昭和二十五年十二月七日(木曜日)
   午後一時十五分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○小委員長の報告
○碁、将棋具物品税の免税点設定に関する請願(第二〇号)
○喫煙用具の物品税免税点設定に関する請願(第三二一号)
○時計部分品の物品税撤廃に関する請願(第四九号)
○釣魚用具の物品税課税に関する請願(第一九八号)
○ラジオ受信機等の物品税減免に関する請願(第三二九号)
○鏡台の物品税撤廃等に関する請願(第三四二号)
○揮発油税軽減に関する請願(第七一号)(第九八号)(第一二〇号)
○酒税引下げに関する請願(第二一九号)
○農家に対する課税軽減の請願(第一八二号)
○織物消費税の廃止に伴う損失補償の請願(第四二三号)
○日本專売公社福島県小野田村有臨時收納所建物買上に関する請願(第二一五号)
○たばこ收納代金引上げに関する請願(第二二五号)
○中小商工業者に対する不動産担保による長期金融の請願(第一二号)
○国民金融公庫宮崎支所資金増額に関する請願(第二四七号)
○商工組合中央金庫資金確保に関する陳情(第五七号)
○国庫負担率算定方法の公開に関する請願(第四号)
○国家公務員共済組合の赤字国庫負担に関する陳情(第五五号)
○プレトン・ウツヅ機構加盟促進に関する陳情(第五九号)
○時計類および同部分品等の物品税撤廃に関する請願(第二五〇号)
○食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案(内閣送付)
○協同組合による金融事業に関する法律の一部を改正する法律案(衆議院提出)(第八回国会継続)
○食糧の輸入税を免除する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○特別鉱害復旧特別会計法案(内閣提出、衆議院送付)
○砂糖消費税法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○揮発油税法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法案(内閣提出、衆議院送付)
○国有財産法第十三條の規定に基き、国会の議決を求めるの件(内閣提出、衆議院遂付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(小串清一君) これより大蔵委員会を開会いたします。
 先ず請願及び陳情に関する小委員長より請願及び陳情の審査の経過並びに結果についての御報告をお願いいたします。
#3
○大矢半次郎君 請願及び陳情の小委員会における審査の経過並びに結果を御報告いたします。
 一昨五日より二回に亘つて請願三十九件、陳情四件を審査いたしました結果、議院の会議に付し内閣に送付するを要するものと審査決定いたしましたものは、請願十八件、陳情三件、計二十一件であります。
 先ず税制に関するものについて申上げます。請願二十号は碁、将棋具、同じく第三百二十一号は喫煙用具についてそれぞれ免税点を設けること、請願第四十九号は時計部分品、同じく第百九十八号は釣魚用具、同じく第三百二十九号はラジオ受信機等、同じく第三百四十二号は鏡台について、それぞれ物品税を減免することを要請しております。請願第七十一号、第九十八号、第甘二十号の三件は揮発油税を軽減すること、請願第二百十九号は酒税を引下げることをそれぞれ要請しております。請願第百八十二号は農業に対する課税が反当標準によつて計算せられ、個々の実情を顧みない等の不十分な点が多いので、これを是正し、合理的な課税を行うこと、請願第四百二十三号は織物消費税の廃止に伴つて業者が損失をこおむつておるので、国家が補償することを要請いたしております。
 次に税制以外のものについて申上げます。請願第二百十五号は福島県西白河郡小野田村有煙草収納所の建物を買上げること、請願第二百二十五号は最近農家はデフレ経済によつて窮乏しているので、有力な換金作物であるたばこの収納代金を引上げること、請願第十二号は中小商工業者に対して不動産担保による長期金融を実施すること、請願第二百四十七号は国民金融公庫の宮崎支所に対して融資資金を増額すること、陳情第五十七号は中小企業金融を円滑ならしめるために、商工組合中央金車の政府預金の最上げを中止すると共に、当面の目標たる二百億の融資ができるように貸金を確保することをそれぞれ要請しております。請願第四号は各種事業に対する国庫負担率の算定方法が公表されりていないために、各府県では国庫負担金の獲得に多額の運動費を費消している実情であるから、冗費節約のためにも国庫負担率の算定方法を公表すること、陳情第五十五号は、国家公務員共済組合では、医寮費の増大等によつて、昭和二十四年度に相当の赤字が出て、今後の運営に支障を来たしているので、その赤字を国庫で負担すること、陳情第五十九号はプレトン・ウツヅ機構に加盟するために、具体的準備体制を確立することをそれぞれ要請しております。
 以上の請願、陳情につきまして愼重に審議いたしました結果、その趣旨はいずれも適切なものであると認めて採択しました。
 次に、請願第二百五十号は時計類及び同部分品附属品の物品税を撤廃することを要請しておるのでありますが、時計類の免税措置は現在においては適当でないが、部分品、附属品の免税は考慮すべきものであると認められましたので、部分品、付属品についてのみ採択することに決しました。
 以上採択いたしました請願、陳情について御報告いたした次第であります。
#4
○委員長(小串清一君) 只今の小委員長の御報告通り決定することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(小串清一君) それではさよう決定いたします。
  ―――――――――――――
#6
○委員長(小串清一君) 次に食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案、予備審査でありますが、これについて政府委員より提案理由の説明を願います。
#7
○政府委員(西川甚五郎君) 食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案提出の理由を御説明申上げます。
 従来、輸入食糧につきましては、価格差補給金による価格調整は、すべて貿易特別会計において行われており、従いまして食糧管理特別会計といたしましては、国内生産者価格に相当する価格を、以つて、貿易特別会計から買入れて来たのでありますが、昭和二十五年度におきましては、米国対日援助物資として輸入される分については、米国対日援助物資等処理特別会計において価格調整をし、貿易特別会計及び新たに開始されました民間貿易により輸入される分については、いずれも食糧管理特別会計が輸入原価によつて買入れ、この会計において一般会計から価格差補給金の繰入を受けて価格調整をすることとなつたのに伴いまして、食糧管理特別会計法の一部を改正し、一般会計から繰入金をすることができることといたしたいのであります。
 以上の理由によりまして、この法律案を提出いたしました次第であります。
 何とぞ御審議の上速かに御賛成あらんことを御願い申上げます。
  ―――――――――――――
#8
○委員長(小串清一君) 協同組合による金融事業に関する法律の一部を改正する法律案、これは本委員会において留保となつておつたものでありますが、これの審議を開始いたします。若し御質疑がありましたらばどうぞ。ちよつと御参考に申上げて置きますが、この法案につきましては、先頃の閉会中に審議を継続したのでありまして、丁度九月一日に大蔵当局より金融関係諸法規改正の根本方針について聴取し、十月二日に全国信用組合の常務理事から信用協同組合の現状について、更に十一月八日大蔵当局より免許の基準となるべき政令案及び信用協同組合に関する諸法規の改正意見等を聴取しておるほかに、議員を派遣して実情を調査したのであります。さような結果におきまして、本法案は目下政府において立案中の金融関係諸法規の改正と密接な関係があるからこれと関連して慎重に審議決定することが適当であるとめ委員会の御意見が一致した次第でありますから、以上参考に申上げて置きます。
#9
○森下政一君 銀行局長にちよつと御意見を伺いますが、かねてこれにつきましては信用協同組合の事業免許基準案というものを大体お示し頂いて御説明を聞いたのですが、その中の一〇ですね、「組合が政治的に中立であつて、特定の政党のために利用される虞れのないこと。」これは言うまでもないことだと私は思うのですが、こういう項目を掲げてもそれが政治的に中立であるかどうか、特定の政党に利用される虞れがあるかないかということの判定がなくなかむずかしいことだと私は思うのですが、これは当然必要なことである、だがわざわざこれを書くと、例えばどれかの政党に属しておる人が組合の役員の中に一人でも加わつておれば政治的中立が犯されるのではないかというような心配、或いは議論が出て来ることにもなるのではないかと思うのです。むしろこういう精神はどこまでも貫かなければならんけれども、政令でこういうことをお示しになることはやめられたほうがいいのじやないですか、この辺のお考えどうでしようか。
#10
○政府委員(舟山正吉君) 従来金融機関が政治的色彩を持ちまていろいろな弊害があつたことは顯著な事実であります。そこで今度は信用協同組合の免許のやり方を変えまして、一定の基準に合つたものは自動的に免許になるという仕組をとるといたしますれば、私のほうといたしましては是非これも一つの基準にはいたしたいと考えておるのであります。現在免許に当りましてもこういうことも一つの考慮の要素に加えておるわけであります。今度政令を拵えるにいたしましても、これが入つておつたほうが妥当だと、かく信じております。
#11
○森下政一君 そこでこの政令というものが一つの基準を示す、これはたしか衆議院の議員提出の原案に対して修正があつて、こういうふうなことが謳い込まれたと思うのですが、法令の規定に違反していなければ自動的にどれでもこれでも認可するというのでなしに、政令で基準を示して、これに合致していないといかんということでチエツクしよう。だから必ずしも法令の規定を満たしておればそのまま認可するということにはならん。これは銀行局長のかねてからの御心配の点を、政令でそこのところの調整ができるというお考えだと思います。そこで私が今指摘した一〇ですが、これは政治的に中立であるということはそうでなければならん。或いは特定の政党に利用されないということは言うまでもないことなのですが、これをお書きになると、さてそんならその判断を一体……、どうしてこれが政治的に中立でないというか、特定の政党に関係があるというか、そういういろいろな不必要議論をそこに却つて巻き起して来るごとの心配はないのですか。却つてあなた方がお困りになるようなことがあるのじやないですか。その判断を一体どうして判断するかという問題ですね。実際問題として非常に苦しいことになるのじやないですか。代議士が一人でも役員におれば政治的に中立でないということになるのか、或いは政治的に特定の政党に利用されるという虞れがあるのか、言い換えれば政党人というものが全然関與しないことが望ましいことになるのか、その辺のところが、実際あなたのほうが認可されるされないという場合に、非常な議論の余地をそこに残して置くという心配が起るのじやないかと思いますが、どうでしよう。私は精神においてはあなたの危惧しておられる、こういうことがあつてはならない、従来金融機関にいろいろそういう弊害があつたということはチエツクしなければならんということは当然なことですが、これを政令に書くことによつて、いろいろ不必要な論議をここに起して、たまたまあなたのほうが仮に政治的に中立でないという判断で拒否するというようなことがあつたときに、なぜだと言われて、不必要な議論をそこに展開して行かなければならんような心配はありませんか。
#12
○政府委員(舟山正吉君) 先ほど申上げましたのでありますが、やはりこれが従来の組合免許の一つの基準になつておりましたし、今後もこれで行くべきであろうと思うので、これはこの項を削りますことによつて或いは政党的色彩がある組合でもできましたら、それこそ大変だ。まあこの判定にはいろいろ意見がありまして、場合によつては論争が長引くことがあるかも知れませんが、やはりこれは一つの免許基準としたほうが、結果的によろしかろうと考えます。
#13
○森下政一君 そうすると、実際の判定をされる場合に、どういうことが一体基準になるでしようか。
#14
○政府委員(舟山正吉君) この一〇のことだけで、特にどういう点が問題になるか、基準の又基準を拵えなければならんようなことになるかも知れませんが、実はこの免許基準全体につきまして、抽象的な字句で、包括的に書いておりますので、具体的の事実の認定に当りましては、ほかの項目につきましてもやはり同じような問題は起りはしないかと考えております。それは好ましくないことでありますが、やはり包括的に基準というものを拵えて行くことになりますれば、こういうような表現しかできないのではないか。もう少し具体的に、誰が見ても解釈に誤りのないように、相違のないように、基準が書ければそれは至極結構だと思いますけれども、なかなかそれが書けないという実情でございます。
#15
○森下政一君 局長のお気持も私にはよくわかるのですが、ところで今おつしやる通り、基準の又基準を作らなければならんような細かく言えば心配があるということになりますが、漠然と書いてある。基準のどの項目も漠然と書いてある。但し出資金はどうであるとか、預金額がどうだとかということは、明確ですが、併し最初の一、二あたりの基準になりますと、極めて漠然としたものなんですね。そこで私の心配することは、たまたま非常に、何と申しますか、派閥的な感情の強い党派が政権を担当しておるというようなときに、は、この一とか二とかいうような基準に藉口して、あなた方に命じてでもこれは許可するようにというふうないろいろな情実によつて事柄の進捗が左右されるというような心配がありはせんか。私は一番それを懸念するのですが、これは毅然としてあなた方が、事務当局がそういうような感情なんというものは排除してしまつて、そうして公正に判断されて、ものが運ばれて行くということが一貫されるのだと、私は心配しないのですが、あなた方の気持を曲げた措置を上から指図して来るというようなことが、こういう漠然とした基準のあることに籍目して行われる心配がないかということを懸急するのでありますが、その辺如何ですか。
#16
○政府委員(舟山正吉君) その点、全く森下委員の御意見と御同感でございます。公平な客観的な物差が規定できますれば、それによつて免許するとか否とかきまつて行くということは極めて望ましいだろうと思いますが、先ほど申上げましたように、外の項目でもその勾いが残つておる憾みがあるのでありますから、なかなか抽象……字句に現わしますと表現がむずかしい、そこを我々も苦しんでおる次第でありまする
#17
○佐多忠隆君 規準案の八ですが、「役員が金融業務に関し十分な経験及び識見を有すること。」という規定があるのですが、これは勿論こうでなければならんと思いますが、同時に信用協同組合は或る意味では金融業務ではあるが非常にユニークな、そうして或る意味においては、いわゆる今までの型にはまつた金融業者では運営のできない相当たくさんな問題があると思うのですが、そこで一体大蔵省のほうでは金融業務に関して十分な経験と識見を有するというようなことから、すぐに、例えば大蔵関係の役人であるとか、或いは銀行その他の既存の金融機関からこつちに移つて来た人とか、そういうものに限定されてしまうというようなことを考えておられるのかどうか。
#18
○政府委員(舟山正吉君) この八項でございますが、これは信用協同組合も金融機関であります以上、その役職員特に役員あたりにおいて、金融のセンスを持つて業務を運営してもらわなければ困る。小規模の金融機関でありますから、例えば町の世話役的な観念でただ泣きついて来れば金を出すといつたような態度では、信用協同組合の内容の健全性の維持の上に非常に欠けるところがあるのであります。又それがこういうふうな協同組合組織の金融機関につきましては、その弊害が従来痛感されておつたところであります。さればと申して、必ず銀行員をやつたことのある人でなければならん、ましてや監督官庁におつたものを予想しておるのであるというようなことは全然根拠のないことでございまして、それほど嚴格に考えておるのではないのであります。ただ金融業務のセンスだけは持つてもらいたい、こういう気持であります。
#19
○佐多忠隆君 そうしますと、まあいわば役員が金融業務に関して金融的な識見を持つておる、センスを持つておると言いましようか、そういうことであれば足りるので、何も経験というようなもの、特に今までそういう機関にいたとか何とかいうようなことに限定する必要はないのじやないかと思うのですが、その点如何ですか。
#20
○政府委員(舟山正吉君) 八項も早々の間に起草いたしましたので、まあその字句の上では非常に嚴格になつておると思いますが、気持は文字に現われているほどではないと御了承願つて結構だと思います。
#21
○佐多忠隆君 それでは一つ経験というのだけは取つて頂いて、もう少しそこをゆとりのある書き方にして頂いて、それは適当に運用の問題として処理して頂くというようなことで如何ですか。
#22
○政府委員(舟山正吉君) 役員につきましては常務役員と然らざるものとを分けて考える必要がありましようし、ただ常務役員につきましてはやはり金融業務に関し十分な経験及びセンスを持つておることが必要でございましよう。その他につきましては経験はなくとも識見だけはしつかりしたものを持つていてもらいたいというような要領が出て来ると思います。この字句につきましてはなお考え直して見ても結構と考えております。
#23
○油井賢太郎君 この機会に銀行局長にお伺いしたいのは、信用協同組合は全くこれは庶民関係の大衆的な金融機関です。ところがこの金融機関の金利なるものが非常に高いのです。大抵日歩四銭五厘ずつ食つておりますけれども、そういうものに対して、やはり信用協同組合に政府で以て或る程度の補助なり何なり出して、金利を安くするというようなことによつて大衆に潤いを持たせる、こういうお考えはないですか。
#24
○政府委員(舟山正吉君) 組合の金利もできるだけ下げるように、貸出金利でありますが、下げるように指導して参りたいと思うのでありますが、これに対して国家から補助を與えるというようなことは考えておりません。
#25
○油井賢太郎君 併し国家の補助くらい出してやらなければ、なかなかこういう細かい預金を集めて大衆に金融するというのは、経費も余計かかるし、容易じやないのです。相当信用のおける協同組合に対しては、そのくらいの恩恵を與えてもいいと思うのです。それには大体政府の、例えば預金部資金をもこういうところへ低利で以て流してやるというようなことによつて目的が達成されると思うのですが、そういうふうなことは現在はやつておらないのですか、或いは将来ともやる見通しはないのですか。
#26
○政府委員(舟山正吉君) 国家が直接補助を出す、或いは預金部資金を流すといつたようなものは金融機関一般に広くこれを及ぼすということは相当問題でございまして、国家の直営的な中小金融機関としては国民金融公庫もございますし、又預金部資金を流すにつきましても、そのルートなり限度なりも変ると思いますけれども、ただ信用協同組合としましてはやはり利益採算ということを目標として経営して行くべきものであろうと考えるのであります。
#27
○油井賢太郎君 次にこの衆議院から回付されたいわゆる改正案によつて、銀行局としては今まで自主的に免許をやつておつたのが、これによつて自然的に当然免許ということになつて来ると思うのです。この基準さえあれば、今までと大差なくいわゆる預金者保護というような目的に合致した方策はと
 つて行かれますか。
#28
○政府委員(舟山正吉君) この免許基準は一応の案でございますが、これによりましても、先ほども御指摘のありましたのは一例でございまして、いろいろ解釈上疑義を生ずる場合もあるかと思います。これによつてどれもこれも自動的に免許が行なわれて行くということはちよつと考えられないのじやないかと考えます。
#29
○油井賢太郎君 そうしますと、結論的にはこんなものを作つても作らなくても同じだ、こういうことになつてしまうのですね。
#30
○政府委員(舟山正吉君) 原案に比べましてどういう点が免許の町審査の基準になるかという点がはつきりするという利点もあるかと思いますが、実際の免許に当りましては、必ずしも今後非常に数が殖えて行くというふうには考えられないと思います。
#31
○野溝勝君 今油井さんの質問にちよつと関連して舟山さんにお聞きして見たいのですが、近いうちに銀行業法が出るということが伝えられておりますが、その際には信用協同組合の金融機関も、それから無盡会社も相当内容的に改正されると思うのですが、一体さような時期に今これを出さなければならん何かここに早急に必要なものがあるのですか。
#32
○森下政一君 議員提出ですよ。社会党の今澄君ですよ。
#33
○野溝勝君 ああそうですか。これは失礼しました。ちよつと速記を止めて下さい。
#34
○委員長(小串清一君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#35
○委員長(小串清一君) 速記を始めて。
#36
○大矢半次郎君 近く金融業務一般についての根本的改正が行われるやに伺つておりますが、最近の状況からいいまして、こういう法律改正をやつてすぐ又これを根本的に改めなければならんというような事態が起つて来ることが予想されますか、されませんか。この点を伺いたいと思います。
#37
○政府委員(舟山正吉君) 現在の信用協同組合の制度、これが今年改正されまして実施されておるのでありますが、この制度自体について私は相当改正を要する点があるのじやないかと考えております。即ち極く簡單に申上げますと、従来は市街地信用組合の系統でこの組合員外から預金の受入をしておりましたもの、それから産業組合法に基きます信用組合とか商工組合とか組合員からのみ預金を預かります組合、こういうものが同じ法律によつて律せられることになつたのであります。そこで監督の程度或いは組合設立の免許の程度というようなものについても、基準がおのずから異なつて然るべきものが一本になつたという嫌いがあると思います。この点は改めて根本的に信用協同組合の制度を改正して頂きたいものだと事務的見地から念願しておる次第でございます。
#38
○大矢半次郎君 それでその改正は次の国会に必ず提出する見込がありますか。
#39
○政府委員(舟山正吉君) 事務当局といたしましては成案を得ております。
#40
○野溝勝君 この議員提出の法律案が、何かこの提出者の提案理由の説明などは並行的に聞かなくてもいいのですか。
#41
○委員長(小串清一君) それは終つたのです。
#42
○野溝勝君 それで政府委員の見解を聞いておるわけですね。
#43
○森下政一君 政府でいろいろ根本的な改正について御用意のあるようにも聞くのですが、それは暫らく別としてもう一度聞いて置きたいのですが、この基準によりますると、出資金が預金者の保護に十分であるということが必要だという観点から、大都市の場合においては五百万円、大都市を除いた市制施行地に対しては三百万円、その他の地域では二百万円を超えるものでなければならん、或いは預金の額が一カ年後において少くとも大都市の場合は五千万円、大都市を除く市制施行地の場合は二千五百万円、その他の地域は一千万円となり得るような確実な見通しを持つておらなければならんというようなことが基準に要請されておるわけですが、大体今日中小企業者がこういう信用協同組合を組織して、相互扶助の意味において資金の融通ということを念願として発足したいという熱意が相当下部に行渡つておるということはですね、我々は何回も国会で現政府に向つて中小企業に対する金融施策を要請してその欠けておることを指摘しました結果、だんだん努力されて、今日では只今の内閣が出発いたしました当時に比較いたしまして、よほど中小企業の金融に対しても施策の見るべきものがあるとは思うのでありまするけれども、而もなおその本当の下部の要請に応えるには至つていない。例えば中小企業の専門店などというものが銀行に設けられまして、政府御当局の成果についての発表を聞きますると、申込の殆んど大部分が金融の便宜を與えられておるというふうな結果を報告して煩いて、私どもは大変満足すべきもののように思うておつたのでありますが、今回当委員会の指図によりまして、私ども大矢委員と共に或る地方に実情調査に参つたのですが、そこでこういうふうな話が出たのです。中小企業専門店というものができて非常にいい成績だと報告されておるけれども、銀行に融資を受けたいという申込に行つて、窓口で大体の希望を述べて、銀行側がこれならば融資してやつてもよかろうと思うものには、先ず申込をして御覧なさいということを勧める、そうして申込をして来た者の審査をして、そうしてその九〇%のものが融資を受けることができる、併し申込をして見なさいと言われた者は極く少数であつて、たくさんのものが窓口には押しかけて行くのだがてんで見込がないというものには全部拒否の態度で、どうにもなりませんという態度で断わられておる、申込をさせてもらうという段階に至つていないものが非常に多い。それで銀行の眼鏡にかなつて、これならば取扱つて見ようかということで申込をして、その申込に対して例えば九〇%とか、九〇%を上廻る融資をなさるという結果が報告されておるから、中小企業専門店の効果というものは非常に滲透しておるかの誤解を招くが、実はそうでないというようなことを、地元の業者側から、その代表者であるところの人々が種々実情を我々に訴えることを聞きますと、本当に中小企業の零細な業者というものが金融面に救済されておるかというところに大変に疑義がある、そこで彼らが僅かの力を持ち合せて協力して相互扶助のような建前で信用協同組合の事業をやりたい、こういう念願を非常な熱意を以て今日全国的に燃え上らせておるのだ、こう私は判断する。そこでそうなると基準案では出資金が預金者のほうでも十分なければならないという要請をするのに当然だと思うけれども、そういう本当の今日政府側からいろいろな施策で差し伸べられておるところの救済手段をとろうにもまだ救済の恩典に浴してないというような零細中小企業家が自発的にお互いの力でお互いを救済しようと計画しておる、この場合においては私は出資金なり、或いは一ヵ年後における預金額の見通しというものに対する基準の要請というものは少し酷ではないか、もう少し緩和していいのではないかという気持がするのであります。即ち大都市の場合であれば例えば三百万円、大難市を除く市制施行地であれば百万円、その他の地域は五十万つ円、預金の額につきましても一カ年後において大都市の場合は三千万円、或いはその他の市制施行地に対しては一千万円、その他の地域で五百方円というふうに大体彼らが達成し得られるような標準を元にして基準となさることが本当に零細企業者の熱意に応えるゆえんだと私は思うのですが、それが必ずしもそれだからといつてそういうように基準の要請した額を減らす、低下するということによつて預金者の保護に十分でなくなるのではないかという懸念はそう大してないのではないか。こういうふうに思うのですが、その辺に対する局長の御見解を承わりたいと思います。
#44
○政府委員(舟山正吉君) この組合のスタートに当りまして、甘くいたしまして設立を容易にすることがいいのか、或いはこの狙いといたしますように自己資本の充実とその後の自己財産の確立ということを図りまして、そうしてよつて以て預金者には無論迷惑をかけないという体制を確立したほうがいいのかということにつきましては、私は長い目で、貸出を受ける者が便宜を受けるという面、この面と同時にやはり零細預金を組合に持つて行く預金者の側の立場というものも十分考えなければならんと思うのであります。その意味で自己資本の充実、自己財産の確立ということは絶対的な要件と考えております。
#45
○森下政一君 御趣旨はよくわかるのですが、私は先刻申しますように信用協同組合の事業を発起してやりたいというておる、その念願に燃えておるものと言えばどういうものかと言えば、今日政府の施策によつて救済されていないところの、救済の外に解かれておるところの中小企業者であつて零細な業者なんだということを考えて見ると、彼らの念願を達成せしめることのためには、やはり設立が可能であるような基準でなければならない。同時に又彼らの要求しますところの、例えば貸出額にいたしましても、それほど大きなものとは考えられないということを考えて見ますると、基準額を減らしたことによつて必ずしも預金者の保護が十分でないというふうな心配はないんじやないか。つまり世帯が小さいなら小さいなりに、やはり確実な運営さえやつて行けば、それでも結構達成できるのではないかと考える。若しあなたのおつしやる理論を以てするならば、例えば出資額が原案の大都市の五百万円が千万円でありますならば、而もその條件を満たして設立するものがあるならば、原案よりはより以上に確実なる組合ができるということになる。他の市制施行地において三百万円という基準が倍額の六百万円として、その要求を満たすものがあるならば、更に絶対的に確実なものだということができるということになるだろうと私は思うけれども、やはりここに基準を置いてもらわなければならない。その基準が零細なる企業者が信用協同事業を起して、相互扶助の目的を達成したいという、その熱意を満たさしめることのためにはこれより甘く見てもいいのではないか、甘く見たからといつて直ちに預金者の保護が十分でないということはないんじやないか。ということは零細企業者の要求する融資の額というものはおのずから限度があるということを考えまするので、そう御心配はないんじやないかと思いますが、その辺は如何でしようか。
#46
○政府委員(舟山正吉君) この自由免許と申しますか、監督官庁の裁量によりまして、免許を與えるという場合におきましては、従来は大体この基準でやつておるのでありますが、仮にそういう場合には役員の信用状態が非常に強固であるといつたような場合には、これらの見通しとして若干の斟酌もなし得ると思います。今御提案になつておるように、規則免許になりまして機械的に一つの基準を拵えて行くということになりますると、どういうような組合の設立の申請があるかも知れません。その意味におきましては、この基準はできるだけからくして置く必要があると考えます。
#47
○岡崎真一君 今森下さんのお話と私少し逆なところがあるがあるのですが、大都会で五千万円というのですが、一体今信用組合の場合に一人職員当りの預金コストというものはどのくらい見ておればいいですか。
#48
○政府委員(舟山正吉君) 一人当りの預金の量は二百万乃至三百万円程度になるのではないかと思います。
#49
○岡崎真一君 そうしますと、この五千万円ということになれば二十五人の職員が使えるということになります。そうすると、協同組合の仕事もいろいろやりようがあると思いますが、それだけの人数で大体大都会の場合に成立つものとお考えですか、どうですか。
#50
○政府委員(舟山正吉君) 信用協同組合につきましては銀行と違いまして、人件費等もかさみませんので、この程度の目安を置きますれば大体健実経営がなされるという見込を持つております。
#51
○岡崎真一君 わかりました。結構です。
#52
○油井賢太郎君 先ほど局長のお話で以て特に信用のある構成員がある場合には、この基準を多少は緩和するような意向もちよつと考えられたのでありますが、そういう意向ですか。必ずしもこれでなくちやならんということになるのですか。
#53
○政府委員(舟山正吉君) 言葉が足りなかつたかも知れませんけれども、免許の基準というものに相当幅の広い裁量が與えられますならばそういう要素も加味して、その組合の実情に即した免許が與え得ると思います。併しこの一定の基準を備えたものは免許をしなければならないという免許がきめられますと、いろいろの場合に備えまして基準というものは相当からくなるということを申上げたのであります。
#54
○油井賢太郎君 もう一つ第五の預金額はここに示されたように、五千万円、二千五百万円、一千万円というふうに、一カ年後においてならなかつた場合にはどういう措置をこれによつてとられるのですか。
#55
○政府委員(舟山正吉君) これは一年後においてこの位の預金額が確保されるという見込を立てるにとどめまして、必ずしもこれに達しないからその際免許を取消すとか、そういうような措置は勿論とらないわけでございます。
#56
○委員長(小串清一君) この案につきまして別に御発言がないようでございますが、質疑は盡きたものと認めて、直ちに討論に移ることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#57
○委員長(小串清一君) 御異議ないと認めます。それでは討論に移ります。御意見のおありの方はそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。
#58
○森下政一君 社会党はこの案に賛成いたします。ただ先刻質疑の際にも申上げましたが、局長のお答えによると法的な要求を満たしておれば自動的に免許されるというようなことならば、預金者本位においても事業免許の基準というものは、相当高く置いておくべきだというような御意見であつたのですが、併しそう簡單に自動的に組合ができ上つて行かないということに対することのために、結局政令に定める基準に適合しないものはいけないというふうな衆議院で修正が行われたと思うのです。これは修正案提案者の意図もよくわかるのであるし、おしなべてこの金融事業というものが、健全に運営されて、預金者を保護しなければならんというところに、こういうことが現われて来ていると思うので、それは一理あることとは思いまするが、そのことのために折角原案の提案者の意図しておりますところの協同組合による金融事業というものが、盛んに全国的に行われるということが、果し得ない、その念願を果し得ないということになるのではないかということを憂うる。そういつた問題におきまして、例えば出資額に対する基準も、将来一カ年後における預金の額に対する要請も、その基準を私はもつと下げることのほうが望ましい、こういうふうに思うのでありますけれども、さればとて今この案がかくのごとき改正が行われない場合と行われる場合を比較して考えで見ますと、この改正におきましてもこの提案者の趣旨が生きておるということは今日本当に金融難のために喘いでおりますところの零細なる中小企業者のためにより有効的であると思いますので、さような観点からこれに賛成の意を表するものであります。
#59
○油井賢太郎君 私は民主党といたしましてこの改正案に賛成をいたします。併しながらこの改正案が出た理由と申しますのは、我々の調査によりますというと、とかく大衆が信用協同組合を設立いたしましてお互いの預金を集め、大衆金融の途を開こうという熱意に燃えておりながら、なかなかその設立が捗らない、日数が要するというような点も大きく加味されておつたということは、これは事実であります。そういう点につきましては、今回この法案が通りますというと、いわゆる基準に基きます自然に免許されるというような、自動免許と申しますか、そういうようになりますけれども、併しながらこの基準案に示されてある條項というものは、大体今の日本の信用状態、経済状態においては適切なものと認めるものであります。従つて当局におきましては、この基準によつて速かに基準に合致するものに対しましては、免許を與えるという努力を今後切にやつてもらいたいということを特に希望いたします。又信用協同組合の構成員は御承知のように大衆であり、零細企業者でありますから、そういう人人の預金に対しましても或る程度の預金利子というものを高利にし、更に一方金融というものも他の大金融組織よりもむしろ低利の金融をして助成するというような意味までも含めて行くというのが望ましいのであると思うのであります。そういう点について政府においても低利資金の融資というような点も将来考慮して、この信用協同組合が円満に発達するように特に留意されんことを希望いたしまして、賛成いたします。
#60
○愛知揆一君 私は自由党といたしまして、本案に賛成いたします。この際賛成に至りまするいきさつを若干申上げまして、賛成の意を表明いたしたいと思います。本案が前国会から衆議院の議員提出の法案として提案せられましたことは御承知の通りでございます。その後参議院の大蔵委員会におきましては、極めて愼重な審議を重ね、又継続審査をも行なつて今日に至つたのでございますが、その参議院の本委員会における審議の経過等が衆議院の提案者のほうにも反映いたしまして、その結果衆議院側としても更に原案を修正して、提案をされたようなことになつたわけであります。その経過を振り返つて見ましても、信用協同組合の自由設立を希望するという考え方と、それから信用協同組合が金融事業を営むものであるという特殊の性質の問題であることから、本法案については非常に愼重な審議を必要といたしたわけであります。恐らく今後中小金融特に庶民金融の問題といたしましては、更に政府側としても、又我が党といたしましても、積極的な政策を定めまして、これを至急に具体的に進行させたいということを念願をいたしているのでありまして、例えば信用金庫法というようなものも現にそういう観点から用意をいたしておる次第でございます。そういう点から申しますれば、この際この極めて微妙な問題をこの程度の法案を以て何がしかのプラスになるかどうかということについては、相当疑念の余地がないわけでもございませんけれども、ただ信用金庫その他の根本問題が解決いたしまするまでには、まだ若干の時目的な時間の必要もあろうかとも思われまするので、極めて暫定的なこの期間において先ほど申しました自由設立を一方においては非常に希望する、それによつて庶民金融の途を打開したいという一般の要望と、又金融事業という特殊性から言つて、特に預金者の保護、健全な経営ということが望まれておる、この二つの考え方の今日における一つの妥協点として、止むを得ない措置ではないかということにおいて本案に賛成するわけでありますが、特に最近においても、各地方における信用協同組合等の運営、健全経営という点から見て甚だ憂慮すべき、状況もないわけではありませんので、今後政府におかれても、その方面の取締と申しまするか、監督等についても更に細心の注意を拂われんことをこの際併せて希望して置きたいと思います。
#61
○委員長(小串清一君) ほかに御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#62
○委員長(小串清一君) 御異議ないと認めます。それではこれより採決に入ります。本案について賛成の諸君の挙手を求めます。
   〔総員挙手〕
#63
○委員長(小串清一君) 全会一致と認めます。よつて本案は衆議院修正の原案通りこれを可決すべきものと決定をいたしました。
 なお本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四條によりまして、委員長において本法案の内容、委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することにして、あらかじめ御承認願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#64
○委員長(小串清一君) 御異議ないと認めます。それから本院規則第七十二條によつて多数意見者の御署名を願います。
 多数意見者署名
   大矢半次郎   山崎  恒
   木内 四郎   愛知 揆一
   岡崎 真一   黒田 英雄
   野溝  勝   松永 義雄
   森下 政一   小林 政夫
   小宮山常吉   杉山 昌作
   油井賢太郎   森 八三一
  ―――――――――――――
#65
○委員長(小串清一君) 次は食糧の輸入税を免除する法律の一部を改正する法律案について御審議を願います。ちよつと速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#66
○委員長(小串清一君) 速記を始めて……。それでは食糧の輸入税を免除する法律の一部を改正する法律案につきまして税関部の藤田調査統計課長が見えておりますから……。御質疑はありませんか。
#67
○油井賢太郎君 この件につきましては将来のこともありますので、我が国の現下の食糧事情、並びに将来の見通しというようなことを農林当局に伺いたいというので、農林大臣或いは責任者をこの席に出席してもらいたいと要求して置いたのですが、誰か出ておりますか。
#68
○委員長(小串清一君) 食糧庁の第二部長がおります。
#69
○油井賢太郎君 では只今の件について農林当局の意見を承わりたいと思うのです。
#70
○説明員(細田茂三郎君) 私食糧庁の業務第二部長でございますが、今日はちよつと長官が他の委員会に出ておりまして、代つて参つたのでありますが、只今御質問のありました点に対しまして、簡單にお答えを申上げたいと思います。御承知のように非常に食糧の事情が緩和をして参りまして、これを数字的に申上げて見ますると、つい最近に終了をいたしました昭和二十五米穀年度におきまする食糧事情は、非常に緩和をしたということは、十一月一日に持越しました政府の持越の食糧の数字に端的に出ております。少しく数字に亘りますけれども申上げて見ますると、国内産食糧の政府手持、十一月一日の持越高の数字をその前年の持越高と比較して申上げて見ますると、トータルにおきまして国内産の十一月一日の本年の持越しが百六十七万トンという数字に相成つております。それが前年同期におきましては、百二十六万九千トンということになつておりまして、丁度四十万トンばかりの政府手持が国内産食糧だけで殖えております。それから輸入食糧のほうの手持は同日現在におきまして、大体本年度が八十九万トン、昨年度の十一月一日の手持が五十四万八千トンでありまして、輸入食糧だけで三十四万二千トンというものが手持増になつています。そういたしまして、合計で政府手持の総量は本年が二百五十六万トン、昨年が百八十一万七千トン、合計をいたしまして七十四万三千トンという数字が昨年に比べまして、政府の手持増ということに相成つています。そういう工合に曾つてない政府手持が本年の十一月一日から始まりまする二十六米穀年度といたしましてはあるわけでございまして、御承知のように一部には配給辞退というような現象が出ておるということからいたしまして、相当に政府の、政府といいますか、日本の食糧事情というものが好転して参つておるということはこういうふうに数字的にも申上げられるのだと思つております。そこで二十六年度只今入つておりますところの二十六米穀年度の食糧事情の見通しでございますが、大体におきましてこういつた相当緩和したという食糧の基調そのものが変化をして非常に憂うべき状態になるということは勿論考えられないのでありますけれども、ただ我々事務当局として多少の推算をいたして見ますると、二、三の点におきまして若干その事情は変つて来るのではないだろうかというふうに思われる点がございます。先ず第一に本年産米の供出の関係でございまするが、数度の災害等の影響がございまして、先般供出割当の補正をいたしました結果、現在各府県が供出を幾らしなければならないかという政府との間の約束に相成つております見込高が約二千八百万石ということに相成つております。この数字は二十四年産米につきましてはその実績が二千八百九十二万石、それから一昨年の二十三年産米につきましては三千五十五万一千石ということに相成つておりまするので、最近三年間の様子を比べて見ますると、まあ一応現状では一番低い数字に相成つておるということであります。従いまして内地産米の供給高というものは或る程度本米穀年度におきましては減つて来るのではないかというふうに予想されるのであります。それからもう一つ、国内産の供給力との関係でいもでございますが、御承知のように甘藷、馬鈴薯というものを当初四十万トンくらいは総合配給の関係で政府が操作をいたしたいというふうに計画をしておつたのでありまするが、御承知のような状態になりまして、いもの関係の買入状況が極めて不振であります。従いましてこの関係が恐らく非常に減つて参るということになろうと思います。それからもう一つ多少懸念をいたされますのが輸入食糧の関係でございます。輸入食糧につきましては現在きまつておりますることは、アメリカ会計年度によりまして本年の六月から来年の七月末日に至ります間の購入計画というものが司令部の承認を得て決定をいたしております。それによりますると、このアメリカ会計年度の本年六月から来年七月に至りまする一年間の日本の主要食糧の関係の輸入量というものは、三百四十万トンということに相成つております。その三百四十万トンのうち百万トンはこれはいわゆるガリオアで頂戴をするものでありまして、あとの二百四十万トンがいわゆる民間貿易コンマーシヤル・フアンドによつて輸入をいたすべき筋合のものになつておるのであります。その輸入食糧の実施の模様でございますが、ちよつと数字に亘りますけれども申上げて見ますると、少し調べが時期的にズレておりますけれども、日本の会計年度の四――十月におきまする輸入の実績は約百四十万トンに相成つております。それから十一月から明年の三月までにおきましてどのくらい入つて来るかという見込を我々が事務的につけて見まするというと、約百三十万トン程度のものは少くとも確実に入るであろう。若しここに非常な何か国際情勢が一変するというようなことでもありますれば、これはどうかわかりませんけれども、少くとも現状程度でありまするならば百三十万トンくらいのものが更に十一月以降三月までに入るであろう。こういうふうに考えますると、約二百八十万トン程度のものが明年の三月までには日本に輸入食糧が入つて来るであろう、こういうふうに考えられます。それは非常に固く見積りをいたしまして、大した……。大したということはありませんが、いわゆる現状でも普通の量が入るであろう、そういうふうな見込に相成つております。併しこれではいわゆるアメリカ会計年度におきまするところの三百四十万トン達成ということには遥かに遠いのでありますので、更にその他いろいろな方法を講じまして更に輸入食糧を殖やしたいという努力を政府はやつております。そういうことでいろいろ考えて見ますると、うまく参りますれば、三百二十万トン程度のものは輸入を確保することができるのではないだろうか、こういうふうな期待を持つて現在政府は努力いたしております。そういう関係でただ最近の国際情勢というようなものが我々にもよくわからないのでありますけれども、これが非常に日本にとつてどういうことになるかということも大きな一つの條件になるわけでございますが、併し現状におきましては今申上げたようなわけで、大体輸入食糧も努力如何によりまして、大体目的に近いものが来やしないかというふうに考えられておりますが、そういうような本年度、二十六米穀年度の基調になつております。主な供給力の点を考えて見まするというと、来年の十月末日に新年度へ持越しますところの政府の持越量というものは、大体において今年の、先ほど申上げました数量を或る程度減少するということになろうと思いますけれども、先ず先ず大体極くこれが窮迫の度を加えるということにはならないのではないかというふうに考えております。ただ今申上げましたのは、この二十六米穀年度におきましても、従来通りの主要食糧の政府操作が行われるという前提でお話を申上げたのでありますが、皆様も御承知のように、来年に入りまして、主食の統制の方式をどうするかという問題につきましては、先般の予算の際にいろいろ論議が行われましたわけでありまして、一応来年産の麦につきましては、必ずしも従来通りの政府供出、義務供出ということでないようにしたいというふうなラインで話が進められておりまするので、そういうことになつて参りますると、多少私が今申上げましたような点についても変化が出て来るのだと存じますけれども、少くとも輸入の関係さえ非常な国際関係によるところの変動さえなければ、食糧の基調におきましては つまりトータルの数量的な問題としましては、そうひどくこれが困つた状態になつて来るというようには考えられないというふうに考えられております。
#71
○油井賢太郎君 最近巷間に伝えられるところによると、大分朝鮮のほうへ我が国から食糧を送らなくてはならないというふうなことが言われておりますが、それは事実ですか。それともどの程度のものが現在出ておるのか、将来はやはり引続きやらなくてはならないのか、それに対する補給はどうするか、そういう点について答えてもらいたい。
#72
○説明員(細田茂三郎君) 韓国向けの食糧が日本から積出されておるというのはこれは事実でございます。併しながら内地産の米麦が積出されたという事実はこれは一つもございません。日本から積出しておりまするものは、全部輸入をされました米なり或いは麦なり、或いはそれを加工いたしました小麦粉なりというものが出ておりまして、その数量も伝えられるようなごとき大きなものではないのでございまして、この年内までにすでに積み終つたもの、或いは今後年内までに積まなければならないもの全部を合せまして約六万トンという数量になると思われております。併しながらこれは全部一応出しますけれども出しつ放しということではないのでありまして、この身代りは必ず出したものと同じ品質、同じ等級のもので日本政府に返すという約束に相成つております。従いまして我々としましては六万トンというものを一時融通をしてそうしてその身代りをあとでもらう、こういうふうに考えております。それ以上になるかならんかという見通しにつきましてはこれは深いことはわかりませんけれども、少くとも現在関係筋のほうではもう恐らく日本から積出すということはあるまい。と申しますのは、若し待つて行かなければならない必要があれば国連のほうでみずから買付けてみずから持つて行くだろう、こういうことを言われております。
#73
○松永義雄君 只今御説明の中に、その他の方面から相当量輸入される当てがあるというようなお話がありましたが、それは南のほうの国の話ですが。
#74
○説明員(細田茂三郎君) 特に南というわけではないのでありますが、今までの例えば貿易方式といたしまして、現金で買うことができないでバーターに頼らなければならん。例えば日本がカナダから小麦を引きます際にダラー・ストレートでうんと買えば非常に値も安く、且つ確実に買得るという場合におきましても、少くとも今まではそういうダラー・ストレートで買うということが許されませんで、必ずそれはバーダーの方式による。日本が買えばそれだけの品物を輸出しまして、それで相殺をするという方式を我々は強いられておつたわけであります。併しそういうことでは今の例によりますカナダ等については、そう日本の輸出というものが伸びるわけはないのでありまして、どうしてもそれによつて制限を受けるというようなことが非常に多かつたわけなんであります。そこで日本政府としましては、それでは困る、殊に最近のようにドルの手持というものが日本には相当殖えておるという状態におきましては、そういう必ずしも方式にこだわらないで、ダラー・ストレートで私どもカナダの小麦を買わして欲しいというようなことをいたしまして、現にその了解が成りまして、この十―十二月の外貨予算では三十万トンのカナダ小麦をドルで買つてよろしいということに、なつたわけであります。それでつい先一昨日第一回を実行いたしたのでありますが、それによつて二十数万トンというカナダ小麦を一挙に買付けたというようなことがあるのであります。それに似たこれは一つの例でございますけれども、そういつたようなことによりまして、従来はややもすればデスク・プランに終りそうな一つのプランが実行可能になつて来た、こういうようなことがあるわけです。そういうところを日本政府としては狙いまして確実に入手をして頂くということをちよつと申上げたつもりであります。
#75
○松永義雄君 地理的にカナダだけに限られるということでもないでしようね。
#76
○説明員(細田茂三郎君) それはまあ今ちよつとカナダの例を申上げたのですけれども、カナダばかりではございません。至るところそういう問題があるのです。
#77
○松永義雄君 南のほうもあるわけですね。
#78
○説明員(細田茂三郎君) 南のほうとおつしやると、シヤムとかビルマみたいな米の地帯のことをおつしやると思いまするが、米の地帯というのは、御承知のように今日本が外から米を引張つて来れる可能性のある大きな地域としましては、シヤムとビルマしかないのです。ビルマは曾つて戰前は三百数十万トン、多いときには四百万トンまでの輸出能力を持つた非常な米産国であつたのでありますけれども、本年のごときはビルマは八十万トンしか外へ出す余力がないと称しており、而もこれは政府の強力な一元的統制の下にある。それからタイの事情を申しますと、タイも又曾つては百六十万トン乃至は二百万トン楽に輸出しておつたのでありますが、本年は余ほど無理をしても百万トンしか出せない、こういう状況になつております。これも又政府が非常に強い統制をしております。そういうことで日本が今シヤム、ビルマに期待しておりまする数量は、ンヤムに対しましては年間四十万トンくらい。それからビルマに対しましては十五万トンくらい、これを二十万トンにして欲しいというような気持でやつておりますが、結局十五万トンくらいになるというようなことでありまして、曾つてみたいに金さえ出せば米が得られるというような状態ではなくなつておるわけであります。そこでこれは曾つて買つたこともなかつたようなエジプトの米でありますとか、ブラジルの米でありますとか、或いは香港を通じまして支那の米でありますとか、そんなものにまで手を及ぼして買つておる。こういう現状であります。
#79
○木内四郎君 ちよつと念のために伺つて置きますが、さつきの朝鮮に出された米ですね、あれは誰の持つていた米を出したのですか。政府の持つておつた米ですか。民間にあつた米ですか。
#80
○説明員(細田茂三郎君) これは御承知のように、日本へ入ります米は全部政府が買いますので、日本へ入つて政府が買つたその米をすぐ出す、こういうことになつております。
#81
○木内四郎君 それは何か法的の根拠があるのですか、売渡すことについて……食糧管理のためではないのですね。
#82
○説明員(細田茂三郎君) 確かにそれは食糧管理のためではないようであります。この点多少疑問もありましたが、これはともかくスキヤツプから命令が出ておりまして、それでスキヤツプの命令に基いて一々スキヤツプが中へ入つて、チヤージの取りきめからずつとやります。
#83
○木内四郎君 私は別に朝鮮へ出したことが悪いという意味で申しているのではないのですが、スキヤツプの命令であるということでは止むを得ないことかも知れませんが、そうすると何かポツダム政令か何か出たのですか。
#84
○説明員(細田茂三郎君) これは出ておりません。
#85
○木内四郎君 そうすると法的の根拠はどういうことになりますか。食糧管理特別会計法によると、食糧管理のために買入れたり、売渡しすることはできるようになつておりますが、あなたが言われるように食糧管理じやないことのために売渡すことだから、ポツダム政令か何か出すべきじやなかつたかどうかということです。
#86
○説明員(細田茂三郎君) これは私案はそこまでよく研究しておりませんけれども、恐らく食糧管理法でも交換とかいうようなことが認められてございまして、先ほども申上げましたように、これは現物で出しますけれども、同じ現物で返す、こういうような約束になつておりますので、その辺のは研究をいたしましたら理窟がつくと思います。
#87
○木内四郎君 ちよつと、どうもわからないと思います。さつき言われたように、食糧管理のためなら売渡しも買入れも交換もできるということに法律でなつている。食糧管理でないということになるというと、差当り食糧管理特別会計法第一條でどういうふうに持つて行くか、交換自体ということは食糧管理のためならば認めておるのだけれども、これは向うから命令が来たにしても、何か法的の根拠をきめて置くべきじやなかつたかな。あなたに御答弁ができなかつたら、あとで研究されてからでも……。
#88
○説明員(細田茂三郎君) それは後ほど正式に私の考えを申述べたいと思います。
#89
○森下政一君 アメリカの援助がだんだん減少されて行くだろうということは近頃政府が常々口にしておるところですが、そうするとガリオアで輸入しておる分というものは年を追うて減つて行つて、コンマーシヤル・フアンドによる民間貿易にによる輸入ということに依存しなければならないという時期が将来だんだん程度を高めて来ると思いますが、それに対してお見通しはどうでございますか。
#90
○説明員(細田茂三郎君) その通りでございます。
#91
○森下政一君 この間の経緯はどういうふうになつておりますか。現にガリオアのほうがだんだん減つておりますが、その実績はわかりませんか、何年か……。
#92
○説明員(細田茂三郎君) ちよつと資料手許に持つておりませんが、確かにそうなつておるわけですが、若し資料が御必要であればお出しいたします。
#93
○油井賢太郎君 税関部から出された表によりますと、小麦の輸入はガリオアでは九十三ドル九十セント、又民間貿易では八十四ドル七セントというふうになつておりますね。ガリオアのほうが相当高いというのはちよつと腑に落ちないのですが、これはむしろ高い小麦をもらわないで、オーストラリアの安い小麦に振替えてもらうという方法はとられないのですか。
#94
○説明員(細田茂三郎君) 小麦につきましてガリオアで頂くほうが單価が高いということで、アメリカの小麦それ自体がカナダの小麦に比べましてずつと高い。例えばドルで申しますと、アメリカの小麦とカナダの小麦とでは大体十ドルの差がございます。そういうわけでアメリカのガリオアのやつは自分の国で買いますので、そういう関係で、ちよつとその今おつしやいましたようなことをやるということはむずかしいのじやないかと思います。
#95
○委員長(小串清一君) 別に御発言もないようでありますから……。
#96
○木内四郎君 内地米と輸入食糧をトンでやつておるということはこれは石にしたらどのくらいになりますか。換算したのはないのですか。
#97
○委員長(小串清一君) 他に御発言もないようでありますから、質疑は終了したものと認めて、直ちに討論に入ることに御異議ございませんか。(「それは強引だ」「独断だ」と呼ぶ者あり)それでは取消します。
#98
○木内四郎君 今のはあとから表にして出してもらいたい。
#99
○油井賢太郎君 大臣がお見えになつたので、今の件についてちよつとお伺いして置きたいのですが、小麦の輸入価格はガリオアですと大変高い価格になつておるのですが、大蔵大臣といた、しましては、特にアメリカ側の折衝には非常に巧妙におやりになつておるというふうに自負されておりますから、これをもつと安く供給できたら、他の安い国の小麦と振替えるというような折衝によつて、我が国に対するガリオアの効果を大ならしめることはできないのでしようか。
#100
○国務大臣(池田勇人君) 私は前からこの小麦協定に参加して安い小麦を買うことに努力いたしておるのであります。併し御承知の通り小麦協定に参加いたしますためにはドイツ等の……條件がございまして、スターリング地域から余り買わないような協定がついておつたと思うのであります。日本が入りますときに、これらの條件で入るのがいいか悪いかということが問題でありますが、私の私見を以てすれば、相当な條件があつても入るのがいいのではないかという考えを持つておるのであります。何と申しましても、占領地下でこういう国際協定に入りますということにおきましては、或る程度の制約があるのでございますが、私は成るべく早い機会に小麦協定に入つたほうがいい。こう考えております。そうすれば大体七十二、三ドルくらいで買えるのじやないかという気持を持つております。或いは三年間三段階になつておりますから、三年経てば七十一ドル程度で買えるのじやないかと考えております。而してガリオアから入つて参りますのはCIF価格で大体九十三ドルくらいと思つておりますが、これ以外のもので、大体の手持のドルで他のほうから買えば相当安い小麦を買い得るのであります。我々は今後できるだけ安い小麦を買うように努力いたしたいと思つておるのであります。
#101
○委員長(小串清一君) ちよつと皆さんに申上げますが、大蔵大臣が出席されましたが、只今質疑中ですが、ほかの法案についても、大蔵大臣都合でほかに行かれるかも知れませんので御質疑をお願いいたします。
#102
○野溝勝君 油井氏の関連質問ですが、今大臣の答弁によると、国際小麦協定に入れば今の小麦の価格を相当に引下げることができる。こういう御答弁でしたね。併し国際小麦協定では引下げの限度ということがあると思う。引下げの基準というものがあると思います。そうして見ると、それ以上今のような安い小麦とアメリカの小麦との価格を調整するということは、なかなか容易でないと思いますが、こういう点はどうなんですか、一部だけではないでしようか。
#103
○国務大臣(池田勇人君) 国際小麦協定に入りますときには、今年は幾ら買う、来年は幾ら買うという数量がきまつておりますので、それだけは義務的に買わなければならない。それで御承知の通り小麦は百数十万入れますので、大体九十万トンか百万トン程度のものはこれはどうしても入れなければならないので、一定の計画の下に入れたほうがいいのじやないかという考えを持つておるのであります。まだはつきりいつ入るということは、相手のあることでございますので、日本が国際経済に立つてできるだけ安いものを買うということであれば、こういう協定に入ることは望ましいことではないかと考えておるのであります。
#104
○野溝勝君 油井氏の質問と池田氏の答弁とは少し違つております。油井氏の質問の要点は大体量的な問題ではなく、価格の点においてカナダの麦のほうが安いのじやないか、それとの調整ができないかという質問なのです。だから私は数のことを聞いておるのではない。過去のことについては、一体国際市場の麦価の価格による国際小麦協定との差額というものは数字がきめられておるのです。そのときどきによつて違いますが……。でありますからカナダの麦とアメリカの麦の価格の調整が国際小麦協定に入つておるからできるということにはならないと思います。
#105
○国務大臣(池田勇人君) そんな答弁はしておりません。小麦協定に入つてカナダのほうから買えば八十四、五ドルで買えるのではないか。従つて我々はコンマーシヤル・フアンドのドルを持つておりますから、他のアメリカ以外のところで買えたら買つたらいいのではないかという気持を持つておるのであります。従いまして先般通商産業省の武内氏がアメリカに行きましたときに、カナダの小麦の事情を聞いて来てもらいたいということを言つたのであります。アメリカの小麦は実際カナダより高いのであります。油井さんの答弁にはそういう気持で申上げたのであります。
#106
○油井賢太郎君 次にもう一点伺いたいのは大蔵大臣といたしまして我が国の経済状態がこういうふうにまだ、多少回復したといいながら、食糧さえも外国に仰がなければならない状態になつております。その場合こういう高い食糧を我が国の財政から出して賄うよりも、却つその分を農業関係のほうに振向けて我が国の食糧の自給自足できるようにする方法に持つて行つたほうが国のためになるというふうな見地からどんなふうなお考えを持つておられるか、これについて承わりたいと思います。
#107
○国務大臣(池田勇人君) 成るべく安い主食を買うことがいいということは先ほど申上げた通りであります。然らばこういう場合に使う補給金をやめて、農業の増産のほうに持つて行つて国内の自給度を高めたらどうかという御意見、誠に結構な御議論でございます。我々も相当深い関心を持つでおるのでありますが、何分とも敗戰後人口が殆んど一千万人殖えておりますので、それ以前におきましても我々は朝鮮米或いは蓬莱米を千数百万石を輸入しておりた。だからこういうことから考えまして、自給自足と言つてもなかなか言うべくして行えませんから、自給度を高めることはこれは大いにやつて行かなければならん、こういう考えで進んでおります。これを一遍にやるということはなかなか困難な問題です。私が米価の引上げを国際価格に鞘寄せする、徐々に鞘寄せすると言う意味は、やはり不当に低いのでは生産意欲も起りませんから、できるだけ早い機会にだんだん上げて行くという形によつて生産意欲も出そうし、又財政の都合によりまして農地改革その他の手をとろうし、或いは又来年度におきましては農林水産の方面に相当の政府資金を出して、農林水産の増強に進んで行きたい、こういう気持を持つております。
#108
○油井賢太郎君 大臣は今国会で大蔵委員会に出られましたのは、今日初めてですから、一点伺つて置きたいのですが、大臣が常に国際水準に我が国の経済を持つて行きたいということをなされて、我々も全く同感とは思いますが、その国際水準なるものはどの程度のものを目標とされておるのか。この際大臣の抱負経綸を明らかにして頂きたい。
#109
○国務大臣(池田勇人君) 日本の経済がもう鎖国とか或いは温室経済を離れまして、有無相通ずるいわゆる国際貿易市場に乗り出しておるのでありますから、これはだんだんに直つて来ると思うのであります。私は国際水準に鞘寄せするということは、これは当然のこと、ただ特に言つているのは、小麦は大体七十一ドルの線に近くなつて来ました。三千七百五十円と言えば六十八、九ドルと思いますがそうなつて来ておる。米は如何にも低い。米は今度の五千五百二十九円にいたしましても、朝鮮米がシフ価格で七千六百円、こういうことから行きますと、非常に低い。これはやつぱり徐々に上げて行かなければならん。一遍に又上げてしまいますと、労賃その他国民生活に非常な影響がありますので、私は昨年或いは今年の初め頃五千円乃至五千五百円ぐらいに米を持つて行つたらいいのじやないか、こういう考えを持つておつたのでありますが、今回実現されました。来年は今のところは六千百円余りと予想しております。これはもうだんだんそういうように近寄つて行くのであります。個々の問題について申しますと、なかなか国際水準に行かない点があります。例えば鉄鋼にいたしましても、鉄鋼は今補給金を切りますと、三万円近くなります。併しアメリカの鉄鋼は七十六ドル、そのくらいの値段。朝鮮事変の起ります前はベルギーその他は七十ドル、そういう状態。アメリカは例えば粘結炭でも、炊前価格七、八ドル。日本はこれを持つて来ると十六ドル乃至十八ドル。設備は悪い。どこがマツチして行くがというと、労賃が安い。これは米の値が上ると労賃が上る、こうなつて来て、鉄のほうが原価が高くなる。こういうときにはやはり合理化をして鉄鋼の能率が上るようにして、徐々にやつて行かなきやならんと思う。各産業によりまして、一概には申上げられませんが、だんだんそういうふうな方向で行くべきだと思います。逆にパルプなんかの問題にしますと、非常に人絹会社その他儲けておりますが、国際市場から申しますと、日本のパルプは四、五割、そうですね、公定価格で向うが高うございますが、三割ぐらいまで安い。こういうような状況で、各産業ごとに一概には申上げられません。ただ戰災を受けておるかいないかということが非常な問題、これはだんだんアジヤストされて行く事柄じやないかと思います。
#110
○油井賢太郎君 そこで日本の経済状態として、国民が物価が多少高くなつて行つても、いわゆる国際水準に達するような所得、或いは生活が営めるというふうな方向へ大臣としては持つて行つたほうがいいのですか、それともやはり今の日本の段階としては、低賃金で以つて物価も安くし、貿易面の振興も図る、こういうふうに持つて行くのですか、そこの根本策はどうです。
#111
○国務大臣(池田勇人君) 御質問の点がやからないのですが、私は日本の生産力を強め、そうして労務者の実質賃金も上つて行く、こういうような線で行けばおのずから国際水準になつて行くのではないかと思います。併し日本の従来のあれがございまして、生活程度が非常に低いということは事実でございます。いつまでも生活程度の低いのでは、我慢できません。まだ戦前ほどにも行つていないものでございますから、ただそれを、資本を蓄積し、或いは足らざるところを外資の導入をやりまして生産力を極度に上げて行く、こうすれば自然に国民の生活水準は上つて行く、こう考えております。
#112
○森下政一君 大臣非常にお忙しいと思うので、又この次いつお目にかかれるかわかりませんから、この機会に伺いたいのですが、今度この臨時国会に税制の改正が提案されて、かねてから私どもが前回の税制改正を断行されたときにいろいろな不満を表明いたしまして、こういうふうにあるべきじやないかということをいろいろ愚見を申上げたことが、漸進的にではありまするけれども、それがだんだん受入れられておるというふうに考えられることは、私は大変個人として喜んでおります。例えば二十万円以下の所得に対する税率の引下げ方のごときも、従来に比較いたしまして、格段の進歩を示しておると思う。或いは物品税等につきましても、かなり大幅な軽減が行われておる。ところでこの所得税のごときは、源泉徴収についての一―十二月の臨時措置だけが今度提案されておるわけでありますが、来年度やはり新聞紙上等で見ますると、大臣は七百億ぐらいの減税を断行するというふうな抱負を持つておられるようでありますが、お差支えのない範囲において根本的な税制改正の構想というか、輪郭というか、若しお示し願えたら大変結構だと思います。
#113
○国務大臣(池田勇人君) 所得税につきましては、臨時特例で御審議願つておりますあの税率、あの基礎控除、あの扶養控除で行く考えでおるのであります。これは源泉のみならず、申告納税もそのままで参ります。物品税も今御審議頂いておる分で進んで参ります。酒もそれで行きます。ただここで問題は、私は砂糖消費税につきまして、消費の状況その他から考えまして、砂糖消費税は安過ぎる、来年度におきましては砂糖消費税の引上げを計画いたしております。これは世界各国とも砂糖に対しましては相当の課税をしておるのでありまするが、イギリスほどまでには行かなくても、或る程度の税を取りたいと思つておるのであります。それから次に私考えておりますのは、高級織物の課税につきまして来年度から始めたらどうかという気持を持つております。これはシヤウプ勧告案によりまして、織物消費税は全廃いたしましたが、やはり消費の状況を見まして、極く高級の織物につきましては物品税として或る程度課税するのが負担の公平からいつていいのではないか、然らば銘仙程度のものに課税するかという問題になりますと、そういうものには課税いたしません。西陣とか、極く高級なものにつきましは課税したらどうかという気持を持つて、今研究をいたしておるのであります。併し、骨幹といたしましては、御審議願つている線で進んで行く考えであります。
#114
○森下政一君 大体輪郭がわかりましたが、もう一つ、来年度も大体この所得税のごとき、只今臨時措置として提案されておるものが通常国会で提案される、殊にそれが申告所得あたりにも適用されて行くようですが、五十万円を超える金額の税率を、従来五十五であつたのを、百万円を超える金額の五十五ということにお入れになつたのですが、この改正の意図はやはり何ですか。比較的大規模な企業における資本蓄積を便ならしめるというような構想に出ておりますか。
#115
○国務大臣(池田勇人君) 先ほどちよつと言い誤つたと申しますか、誤解があつたと申しますか、砂糖は輸入糖の免税をいたしております。その免税を外すという意味でございますから、そういうふうに御了承願いたいと思います。なお所得税の五十五万円超五十五を、百万円超五十五にいたしましたのは、やはり負担の状況を見まして、私は今の貨幣価値から行けば百万円超五十五が適当じやないか、こういう気持を持つておるのであります。森下さん御承知の通りシヤウプから参りましたときには、三十万円超五十五、それは如何にもひどいからというので今年の分で五十万円超五十五にいたしたのであります。その頃から私はできれば百万円超五十五にしたいという気持を持つておつたのでありますが、五十五の最高税率はやはり百万円超ぐらいがいいのではないかという気持を持つております。
#116
○松永義雄君 間接税と直接税を比較して見ますと、大体五分々々程度に数字を見ておるのです。ところが所得税のうち申告と勤労との数字を見ますと、全体の税制から見ると勤労階級のほうがかなり多いように考えられます。その点は如何ですか。
#117
○国務大臣(池田勇人君) 直接税と間接税との比率につきましては、従来議論のあるところでございまするが、たばこの益金を消費税の、間接税のほうに加えまして、大体五十ちよつと直接税のほうが多いのじやないかと思います。而して今度の税制によりますと、勤労階級の負担が重いのじやないか、こういうお話でございまするが、私は今日本の国は殆んど全部が勤労階級だと思うのでありまして、背のようにそう大きい資本家というものはございません。従いまして、お説の点は所得税と法人税との関係、こういうようなことをお考えになつておるのじやないかと思います。そこで法人税につきまして何故もつと増徴しないかと、こうお考えだと思うのでありまするが、松永さんと昔議論しておつたあの頃は、法人税というものは個人の事業とは別個なものであります。法人擬制と申しますか、別個の事業主体と考えておつたのであります。併しこれはそういう大陸系の思想から離れまして、英米流、殊に英国流に、法人組織というむのは個人の延長だと、こういう思想に変つて参りまして、そうして今のような税制になつたのであります。従いまして、超過所得もありませんし、三十五のフラツト税率で行きまして、そうして今度配当したときにはもう三十五で法人税を取つておるから配当所得から引こう、こういうふうな我々十年前は想像もしていなかつたような税制に変つて来たのであります。併し法人企業は最近とみに活況を呈しまして、今度の補正予算でも御審議願つておるように、相当伸びて参りました。で資産再評価をやり、そうして税率を下げましたの、申告の状況が非常によくなつて来ておるのであります。今私気が付いたのでありますが、この十二月の一日から五日までに二百五十億円税金が人づておる。五日間に二百五十億円の税金が入るということは大変なことなのですが、九月の決算期に法人が非常にいい。それで決算を確定いたしまして、十一月の末から十二月の初めに納めまして、六月二日は法人関係だけ一日に六十五億くらい納めたが、多分私は十二月の一日には法人だけで百四、五十億納めておるのではないか、こういうふうなことを想像できるのであります。これは関連して申上げますが、いずれ又地方平衡交付金の問題もここで御審議願うようになりますが、こういうようないわゆる法人の納税状況、それと今度地方税のほうへ参りますと、国税とは違いまして東京都なり、或いは県が法人に君のところの利益はこれだけ、から事業税をこれだけ納めろと、こういう決定をしなければ法人は納めなくてもいいということであります。国税は決算が確定したら直ちに納める。これは我々が手を拱いておつても入つて来る。併し地方の事業税はそうなつていない。だから会社の状況を調べて見ますと、去年も一昨年も事業税を納めていないのが相当ある。若し地方が財源が苦しいというのならば国税と同じように決算が確定したら直ぐ事業税一二%納めろ、こういうふうになつて来たら地方の收入も非常によくなると私は確信しておる。一方では歳出がこれだけ殖えて金が足らん、金が足らんと言つておりますが、それならば他方で收入を確保するためにどれだけの力を注いでおるかと言つたら、実は注いでいないのです。これらは地方自治庁その他が国税と同じように決算が確定したら、国税は三五%地方税一二%、これだけ納めて頂いたら非常に私は財政が楽になると思う。そういうことを私は口を酸つぱくして関係当局に言つておるのですが、やらない。取る金はあと廻しにして置いて、これだけ要るからどんどん国からくれというやり方はこれはいいやり方じやない。私が若しそういう官庁におつたら即座に出して、一日も早くこういうふうな方向に行かなければならんと思いますが、最近のこういう法人の收入状況を見ますと非常によろしうございます、資本金の年二十割、或いは三十割の利益を上げておるのがかなりあるのであります。今度経済が安定度を加えて参りますると、法人企業のほうの税金は相当納まりまするし、資本の蓄積もかなりできて来るのじやないかと考えております。
#118
○松永義雄君 只今大臣からもお話がありましたが、最近の法人というのが、株式会社、そういつた方面の利益というものは非常に莫大に及んでおるのであります。ここに兜町における上場株式の、そのうちの利益配当している会社の統計がありますが、新聞でも御覧になつている通りに、二割三割というかなり不謹愼な配当すら出しておる。こうした会社が非常な大きな金儲けをしている。而もそれは一部でなくて全般的である。そういうふうなお話があつたのでありますが、小くともこの点についてとにかく負担能力が十分あるのですから、税制改革の上に考えられる必要があるんじやないかと思うのですが、それに対してどういう御意見ですか。
#119
○国務大臣(池田勇人君) この二割三割の配当が非常に不謹愼な配当だというえお話でございますが、私はそうは考えません。今の状態から申しまして会社が原料費、労費、配当と、こういう割合で行きますると、かなり配当のほうが少いと思うのであります。例えば或る紡績会社で三百円の時価のするものが三割の配当をしても十五円、そうすると三百円で買つたものが十五円の配当だから五%にしかならん、こういうことにもなるのであります。で、私はいわゆる三割四割の配当をする会社の状況を見ますが、それは不当な配当をしたぐらいには考えておりません。昔とは違いまして会社のほうはもう超過所得税もかかりませんから、極力利益を出すようにしております。そうして利益を出し、償却も十分して行くというかつこうで今法人関係の資本蓄積はどんどん行われて行つておる、こう考えるのでありまして、今これをすぐに取るということはこれは私は将来の産業復興の上からいつて望ましいもんじやないと考えまして、法人税につきまして増徴というような気持は持つておりません。
#120
○松永義雄君 大体最近の財政経済の方向は、勤労階級の負担によつて行われている。そういうお話でございます。ところで、新聞で拝見しますと、郵便局の金を勧業銀行、或いは興業銀行などのいわゆる金融債のほうに廻すというように承知いたしておるのでありますが、そうすると、そういうことになりますと、大体が今日の日本の産業というものは勤労階級の納めた税金、或いは又勤労階級が食うものも食わず、寒さも耐えて、そうして僅かな貯金が集積したその郵便貯金から、いわゆる長期資金のほうへ廻す、そうして産業復興に資する、こういうようなことになつておる。全く今日勤労階級というのは非常な犠牲を拂つて、そうして日本の財政経済に強力なる協力をいたしているのであります。ところがその結果としまして、今言つたような法人、つまり株式会社が非常な大きな儲けをしている。いつでも政府当局はおつしやられるのですが、株の買付値段を基礎にして、そうして利益率がどうだ、こういつて答弁せられておる。いわゆる資本家というか、金持といつても、利益がないものはできんということを仰せられますが、とにかく現在の、一体日本の財政が幾らかここで好況に転じて行つた。その基礎の力というものは、勤労階級であるのであります。然らばその勤労階級が生活が楽であるならば別でありますけれども、その勤労階級は極めて生活が苦しいのであります。だからそうした面について、は、できるだけ負担を軽減して行くことが妥当ではないかと思います。一体そうした考えを持つて税制改革をおやりになる御意思がありますかどうか。
#121
○国務大臣(池田勇人君) お話のような考え方で今回も減税案を出しておるのであります。私はいま少しく減税したいという気持もないことはないのでありますが、やはり経済の安定度をずつと増して行く。又世界の今の現状から見まして、又今年減税ができるから思い切りやるということはどうか。又増税があつてはいかん。当分増税しないで減税々々で行こうという計画で行つておるのであります。勤労階級というあれでございますが、勤労階級の定義で、源泉所得を納める人だけが勤労階級じやございません。農業におきましても、又中小企業におきましても、勤労人は相当あるのであります。これはやはり国民全般の福祉になるような財政経済政策をとらなければいかんと思います。
#122
○松永義雄君 最後に一点一つ簡單に聞きます。進駐軍労務者の年末手当の問題ですが、御承知の通り終戦処理費で予算が千二百八十二億になつておりますが、そうして第二四半期までの費用の示達額と申しますか、それが六百十億程度で、予算額に比較して四八%になつておつて、予算そのままを使わないで済んで、かなり金が余つている決算にたつておるそうであります。御承知の通り進駐軍労務者の犠牲的雇用については、これは私が申すまでもないのでありまして、こうした労務者諸君に対しては十分な報いをしなければならんと思います。特別調達庁としましても、大臣に恐らく相談しておると思いますし、特別調達庁としても相当労務者のために計らつておるように聞いておるのであります。現在おきめになつておる〇・七五という手当では少し気の毒のように思うのですが、その点についてどうお考えになりますか。
#123
○国務大臣(池田勇人君) 細かい点は存じませんが、進駐軍労務者は平均の單価が一般の公務員より高かつたかと思います。従いましてそういう点を勘案いたしまして、大体一般政府職員と同じような金額をもらえるような措置をしておるはずだと思います。お話の点に、終戦処理費が余つておるから、これをうんと出したらどうかということは、これは私は賛成できない。終戦処理費というのは必要程度使つて、余ればやはり翌年度へ繰越して行く。今余るか余らんかわかりませんが、それは事業費勘定には或る程度の余裕があるかもわかりません。これは御承知の通り昨年度も終戦処理費が百二十億円余りまして、聖年度へ繰越したのであります。今年度はどのくらい繰越すかわかりませんが、片方で終戰処理收入を九十二億見込んでおりますが、どの程度になりますか、又余るからと言つて外に使うべきではないと思います。
#124
○松永義雄君 余るから全部よこせと言つておるのではないのです。その仕事の工合、その時勢の状況によつて、一つ人情を以てもう少し見てやるおつもりはないですかね……。
#125
○油井賢太郎君 もう一点だけ大臣にお伺いしたいのですが、最近の日本の経済界を見ると、金融機関が経済界を左右しておるというような状況になつております。而もその金融機関のいわゆる強力なる圧制が産業自体をしてときどき困難に陥れているような事態が起きておることは、これは誠に遺憾ながら各所において行われておるのであります。一例を挙げますというと、京都あたりで以て先般室町旋風というのがありましたが、これは金融機関が自分の取引先において持つておるところの負債を何とかうまく処理して、自分の銀行だけがうまくやつて行くというような意図から、或いは増担保をさせるとか、或いは他の債権を廻させるとかいうふうにしておいて締めつけてしまう。そういう結果どうなるかというと、その倒されたところの取引先の、更に先の方が非常なこの負債によつて困難を極めるというような事情があつて、将棋倒しのように倒れておるのであります。そういう点はいわゆる金融機関の力が少し現在強過ぎて、事業者に対して活殺自在であるというような立場になつておると思うのです。やはり金融機関といえども、その取引先はお得意様であるのであつて、これを倒すことのないようにするのが当然でありながらやはり自己保全ということに汲々としてたびたびそういうような点が出るのであります。こういう点についてやはり金融機関と産業というものの調整を図る必要が今後あるのではないかと思うのですが、それに対して大臣といたしましてはどういう御見解で将来お進めになりますか。
#126
○国務大臣(池田勇人君) これは先ほども申上げましたように、敗戰によりまして資本の蓄積が飛んでしまつた、非常に資本が少いのであります。そこで我々は資本の蓄積を十分図つて行かなければならん、こういうことでお答えといたしたいと思います。お話の通りに金融機関がその公共性に鑑みて産業指導をおおむねやつておりますけれども、中にはお話のような点がなきにしもあらずであります。私はそういうことのないように指導して行きたいと思います。何分にも資金不足でございまして、できるだけ資金が早くたくさん蓄積されるように努力して行くよりほかにないと思うのであります。これはいつの世でも、どこの国でも、相当金融資本家というものは産業をリードしておるのであります。併しそれが資本の蓄積があればその銀行の力は弱い。昔でも昭和十年から十二、三年頃は紡績会社は銀行を押えておる。こういう事例がある。紡績会社も銀行へ金を貸すくらいな程度だつたのであります。それが全部うやむやになりましたが、この頃では紡績、繊維会社で相当の資本蓄積をしておる。余り金融機関に頼らなくてもいいというような情勢が生れつつあるのであります。何といつてもやはり国が歳出を減らして減税をして、そうして片一方ではうんと儲けてもらつて、そうして産業界が資本の蓄積を指導し、又銀行は蓄積された資本をうまく使つて行くように講じて行かなければならない。
#127
○森下政一君 税制改正に関してもう一点だけお伺いしたいのですが、前回の改正のときに青色申告という制度をお始めになつた。全く珍らしいことで、私どもはその制度が創設されたならば恐らく業者側は喜んでこれに飛びついて、徴税の際における一切の紛糾を回避することができるということで、魅力のあるものだと思つておつたのですが、この委員会から各地方の国税局を訪ねて実績を質して見ますと、実に微微たる成果しか収めていない。これは一つは手続が非常に煩瑣であるというようなこともあるということが考えられるのと、もう一つはやはり税率の点にまだ業者側が高きに過ぎて恐れておるとにろがあるのじやないかというようなことを考えるのですが、この制度はやはりこれからも持続される考えでしようか。持続されるとするならば今のような微々たる利用方法を私は大蔵省御当局としては予想されていなかつたのだと思う。もつとこれを何とか活用されるような途を講ぜられなければならない。それでは何が一体欠陥であるとお考えになつておるか、どうしようと思われるか、それからもう一つは先刻大蔵大臣は、資産再評価が行われて法人税が軽減された、税率が下つた、そのために非常な納税條件がよくなつたということを言われた、私はさもありなんと思うのです。これと同じことで、例えば二十万円以下の所得、これは事業所得でもそういう階層が一番人数にしても私は多いと思うのであります。そういうところに一つ思い切つて減税をされて税率を下げられたら、減収じやなくて、却つて朗らかに皆が正直な申告をして納税をして行く、そうして国庫の收入として却つて増収が生れるであろうということは今度酒の税金を減らしても、收入の減少を見込まないで予算に組んにおられる、これと同じ結果が生れるのじやないか。而も国民から喝采を博して自由党万々歳の時が来ると思うのですが、大臣一つ一躍してその法人税の示唆に富んだ実績を……大衆の課税を軽減することによつて而も国庫の收入は減らんという朗らかなことができるという意見を持つておるのですが、一つどうでしようか。
#128
○国務大臣(池田勇人君) 全く同感でございまして、今青色申告が予期したほどに行かないというのは、一方はなかなか手数が厄介だ。一方はどうしても税金が高い。だから私はあなたと全く同感で、私が昨年来やつておりましたことは、先ず法人税は成功しました。減税もいたしました。これにはどうしても私は歳出を減らさなければならない。歳出を減らさなければならない。それで又余談になりまするが、平衡交付金も実は多過ぎるくらいに考えておる。若し地方が節約をして、無駄な金を使わずに、又片一方では極力税法の下において租税收入を早期に、早い機会に確保して頂ければ、私はこの程度でやつて行けるのではないかと思います。で、やはり税金を適切公平に持つて行こうと思えば、国民がそれに協力し得るような税金、基礎控除で行かにやいかんと思います。私は来年度において七百億円の減税をやりまするが、再来年度においても、まあこれは私が野におつて、野というのは言葉が悪うございますが、大蔵大臣の職にいなくても、一生を通じて減税に邁進したいという気持を持つております。
#129
○野溝勝君 ちよつとお伺いしますが、今朝の新聞を見ると、中共貿易が、この一月頃短期間にしろ若し停止しなければならぬということになりますれば、日本の貿易方針というものは相当これは従来のような方針だけではいかんと思うのですが、こういう点に対してどういうふうに考えておられるか。それからいま一つは、あなたが今構想されている、政府で構想されている輸出金融金庫の問題です、それとの関係が、どういうふうにこれを調整して行こうという考えを持つておられるか。この二点だけ聞いて置きたい。
#130
○国務大臣(池田勇人君) 所管のほうからお答え申上げる。日本輸出銀行というのは、主として長期資金を供給いたしまして、外国人に貸すか、或いは国内の輸出金融をやろうとしておるのであります。差詰め私が考えておるのは今年の補正予算と来年度の百五十億円、これは支那のほうへ持つて行くというような考えは持つておりませんです。併し要れば持つて行つてもよいのであります。東南アジアで十分使えるのではないかと思つております。次の中共貿易の点についてのお話でございますが、他の委員会でもお話しましたが、私はまだ新聞を見ておりません。それを十分読んでいないし、又所管外のことでありますから答弁を差控えたいと思いまするが、ただ野溝さん、どのくらい今まで中共どの貿易があつたか、こういうことになりまするとそう大してないのでございます。日本の今会計年度の輸出貿易が大体九億ドル近くになるのではないか、八億ドルは私は超えるのではないかと思つております。そのうち、中共に対しての輸出というものは、これは香港を通ずる場合と、その他バーターで行く場合がありますが、これの何十分の一くらいではございますまいか、十分の一まではとてもございません。百分の一より多いかくらいです。若し新聞にそういう報道がございまして、中共との貿易を差しとめる。私はそういうことじやなしに何か許可制か何かになるのではないかと思いますが、そういう今早急に手を打たにやならんというほどの問題ではないと考えております。
#131
○油井賢太郎君 でも大臣はまた来るでしよう。我々の要求に応じて出席してもらいたいのですが、重要法案が相当残つておりますから……。
#132
○委員長(小串清一君) それでは大臣の御答弁はこれで……。
 次に先刻来審議を続けております食糧の輸入税を免除する法律の一部を改正する法律案についてまだ質疑をされる方がありますか。
#133
○森下政一君 その点ちよつと一つだけ伺いたいのは、先刻油井君から大蔵大臣にお話があつたが、国内食糧の自給自足体制、これが一番大切なことですが、大蔵大臣が、少くとも食糧庁長官に聞かんならんのですが、大臣に聞いたつて好い加減のごまかししか言わんから、むしろあなたのほうが事務当局としては実際どういう見通しであるかということがわかると思うのですが、若し答弁ができたら一つ自給自足体制についてどういうふうな計画を持つて、どういうふうに進んでおるか、お伺いしたい。
#134
○説明員(細田茂三郎君) 今の御質問の方策のほうは私のほうでは農政局とか、農地局とか、そういう生産を担当いたしますほうでやつておりますことでありますから、私は好い加減の御答弁をするのは差控えたい。ただ先ほど大蔵大臣もおつしやつたのですけれども、できるだけ外から入れるものを、安いものを買うということはこれは鉄則になつておりまして、それでとにかく同じものならば安いところから余計買入れるという点、入れるものの節約という面ではこれは我々のほうでも非常に努力をいたしまして、この点は一つ御了解願いたいと思います。
#135
○委員長(小串清一君) それでは別に御発言ないようですから、質疑はこれにて盡きたものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#136
○委員長(小串清一君) 御異議ないものと認めます。これより討論に入ります。御意見のおありの方はそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。
#137
○油井賢太郎君 私はこの法案に賛成をいたしますが、一つ希望條件があるのであります。それは食糧庁から生された表を以てしましても大分輸入食糧が高いようです。この高い上に輸入税をかければ結局政府の補給金というものは殖えて、何もなりませんから、かけないのが当然であります。将来におきましては、あらゆる手段を講じて世界各国至るところから最も安い食糧を我が国に輸入いたしまして、主食の円満なる配給を行なつてもらいたい。こういうことを特に希望して、この法案に賛成します。
#138
○委員長(小串清一君) 別に御発言もないようでありますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#139
○委員長(小串清一君) 御異議ないと認めます。それではこれより採決に入ります。食糧の輸入税を免除する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔総員挙手〕
#140
○委員長(小串清一君) 全会一致と認めます。よつて本案は衆議院送付の原案通り可決することにきまりました。
 なお本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四條により、委員長において本法案の内容、委員会における質疑、応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとして、あらかじめ御承認を願うことに御異議はありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#141
○委員長(小串清一君) 御異議ないものと認めます。それから本院規則第七十二條により、多数意見者の御署名を願います。
 多数意見者署名
   大矢半次郎   木内 四郎
   愛知 揆一  岡崎 真一
   九鬼紋十郎   黒田 英雄
   野溝  勝   森下 政一
   杉山 昌作   油井賢太郎
   森 八三一
  ―――――――――――――
#142
○委員長(小串清一君) 次に先般来御審議を続けております特別鉱害復旧特別会計法案の御質疑を願います。別に御発言、御質疑もないようでありますから、質疑は盡きたものと認めて、直ちに討論に入ることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#143
○委員長(小串清一君) 御異議ないと認めます。よつてこれより討論に入ります。御意見のおありの方はそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。別に御意見もないようでありますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#144
○委員長(小串清一君) 御異議ないと認めます。それではこれより採決に入ります。特別鉱害復旧特別会計法案に賛成のお方の挙手を願います。
   〔総員挙手〕
#145
○委員長(小串清一君) 全会一致と認めます。よつて本案は可決せられました。
 なお本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四條により、委員長において本法案の内容、委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとして、あらかじめ承認を願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#146
○委員長(小串清一君) 御異議ないと認めます。それから本院規則第七十二條により多数意見者の御署名をお願いします。
 多数意見者署名
   大矢半次郎   木内 四郎
   愛知 揆一  岡崎 真一
   九鬼紋十郎   黒田 英雄
   野溝  勝   森下 政一
   杉山 昌作   油井賢太郎
   森 八三一
  ―――――――――――――
#147
○委員長(小串清一君) 次に砂糖消費税法の一部を改正する法律案の御審議を願います。
#148
○油井賢太郎君 大蔵省からもらいましたこの砂糖に関する資料によつて拝見してみたのでありますが、大分昭和二十一年以降砂糖に関するところの犯罪が多いですね。而も毎年殖えておるような状況になつております。又一般に市中販売の砂糖の模様などを伺つて見ますというと、外国の白砂糖あたりは非常に高い値で以て業者の手に入つておるというような実情になつております。それはまあ値段が大体一般配給の十倍近くにもなつておるような状況であります。そういう点から見て、果して大蔵当局に砂糖に関するところのこの消費関係或いは犯罪関係において検察当局なり、警察関係と密接な連絡をとつておるかどうか疑わしい点が見受けられるのでありますが、どういうふうな態度で以てこの際進んで行つておられますか。
#149
○政府委員(平田敬一郎君) ここに掲げました犯則検挙件数と申しますのは間接国税でございまして、関税官吏が検査いたしまして、砂糖消費税違反事件といたしまして検挙しました件数でございます。最近殖えておりますのは、やはり黒糖、白砂糖共に国内の小さい面から殖えまして、そういう方面の犯則事件が相当殖えたことによるものと考えております政府といたしましては、できる限り取締りの徹底を図りまして、まじめな業者が困ることのないように、又歳入確保に努めるようにいたしておるのでございますが、終戦後は何しろ各方面に混乱がありまして、まあこのような仕儀になつておるような次第であります。でございますが、今回は大分国内糖の分は税率は引下げになります。価格におきまして大体二割以下になると思いますが、その前後の税率になりますが、同時に取締等を徹底いたしまして、できる限り適正な課税を行いますように努めたいと思います。なお先ほど大臣から話がありましたように、現在は砂糖は昨年あたりまで、実はガリオア資金としまして、資金で入れてもらつておつたのでありまして、これは日本として非常に不足する、又必要品だというので入れておるのだから、砂糖に課税するのは適当ではなかろうという意見がありまして、免税いたしておるのでございますが、来年度からこの免税をやめまして、一般の国内糖と同様に課税することを実行して参りたい。まあこのように考えておる次第でございます。その際の税率でございますが、やはり税率といたしましては、余り高くというのは如何であろうか。間接税の体系からいたしまして、砂糖消費税として妥当だと認められる程度の税率にいたしまして、砂糖の消費税の課税を行なつたらどうか、このような意味におきまして今回の税率を定めた次第でございます。
#150
○油井賢太郎君 この砂糖の配給関係は大蔵省でやるんでなしに、これは何か食糧庁あたりでおやりになると思うのだが、砂糖関係の説明なり……政府委員は見えておりますか。
#151
○委員長(小串清一君) 見えておらないようです。
#152
○政府委員(平田敬一郎君) どういう点でございますか。御尋ねの点によりまして、私のわかつておる範囲においてお答えしたいと思います。
#153
○油井賢太郎君 これは恐らく主税局長でもちよつと答える筋合でないと思うのですけれども、今の日本の砂糖の配給の需給計画というようなものを、どういうふうにして行くか、大体農村、山村ありでは昔は砂糖というものを殆んど使つていないところが、今はすべて同じように配給になつております。そういうのをもつと消費面のほうに廻して、実際の需要者のほうに廻して行くというような計画を今後立てられるか。そういつたような件についで伺いたいのですが、何か局長としておわかりになつておるのなら御答弁願いたい。
#154
○政府委員(平田敬一郎君) お話の通り砂糖の需給計画は安本で作つて、それに基きまする具体的な配給は農林省が担当して実行しておるようでございます。併しどのように配給されているか、私ども課税も関係ありますので、若干資料を調べておりますが、昭和二十五年度における計画の大要を申上げますと、全体の総供給量が六百八十四万八千五百四十ピクルになつておりますが、これに対しまして家庭用がその大部分の七八%でありまして五百三十二万五千六百ピクル程度になつております。それから育児用二十六万五千余ピクル、学童用としまして四万九千ピクル、その他保育用、病院用等がそれぞれ若干ございます。工業用といたしまして百十三万余ピクル、これは大部分菓子等の原料だと思いますが、全体の一六%がかような用途に振り向けられている、こういう状態でございます。来年度は供給量が増加しますれば、或る程度は工業用が増加するような計画になつているように聞いております。
#155
○油井賢太郎君 その戦前における比率はおわかりになりますか。
#156
○政府委員(平田敬一郎君) 昭和九年頃でございますと全体の総供給量が千四百五十九万余ピクルでございますが、そのうち家庭用と認められますものは三日五十六万余ピクルでございます。この当時におきましては、むしろ相当多くの部分が業務用であつたかと思います。ただこの辺は配給をしておりませんから家庭用は一部推計して調査したものであります。
#157
○油井賢太郎君 今の局長の御説明によつてはつきりする通り、戰前と現在は大分業務用あたりの砂糖の消費量の状況というのは変つております。そういう点から見まして、現在然らば戦前と比べて、いわゆる営業用の砂糖というのはどの程度になつているかと申せば、まあ局長は御承知の通り、銀座あたりを通つて見ても砂糖を使つているところの菓子屋であるとか、或いはしるこ屋とかそういつたものが非常に多い。その点から見て如何に砂糖は妙なルートで以て流れているかということは明白なんです。そういう点をやはり専門の、これは食糧庁が専門であるとすれば食糧庁関係の方に来てもらつて、少しこの法案に関連してお尋ねをして了解を得たいとこう思つているのです。従つて私は一応この法案に対する質疑は保留いたします。
#158
○政府委員(平田敬一郎君) 只今の問題私どももいろいろ調べておるのでございますが、業務用に相当、実際問題として使われているということはお話の通り事実に近いところじやないかと思いますが、ただ併し、やはり総量といたしましては戦前に比べますと、現在相当減つているのではないかと思います。むしろ製菓原料としては飴類等が戦前より殖えておるのではないかと思いますが、それにいたしましても恐らく家庭用といたしまして配給されたものが家庭から今度はほかのほうに流れて行くというのがこれは相当あるように聞いております。併し配給の途中におきまして横流し等のことは相当厳重にやつておりますので、私どもそれほどないように考えておるのでございますが、一旦配給されたとものが再び業務用としまして買い集められて流れて行くというようなことは聞いておるところでございます。
#159
○油井賢太郎君 折角家庭用に配給されても使わない家庭がたくさんあるからそういうことになるのですね。そうすると配給自体からして根本的に対策を立て直さなくちやならないという点がありまして、要らないところに配給してやつても、それが闇に流れるというなら、むしろそういう家庭に対しましては何か別な、もつと有効なものを配給してやるとかというふうにすればいいのでありまして、そういう点の対策を安本関係あたりの当局者に伺つて見たいと思うのであります。ただこの際、大蔵大臣がお見えになりましたから伺つて置きたいのですが、砂糖に対して今後輸入がやはり先ほどの食糧と同様に、日本としてはせいぜい安く輸入して配給して参りたいのでありますがそういう見通しはどんなことに計画されておりまするか。
#160
○国務大臣(池田勇人君) 砂糖の輸入に対しまして、そう支障があるとは私は聞いておりません。
#161
○油井賢太郎君 支障があるのでなくて、やはり砂糖が戦前と比べて現在の輸入価格というものが相当高いと思うのです。そういう点についてやはり地域的に、例えば台湾糖を相当入れるとか、何かそういうふうな具体的なことの大臣はお考えはありませんか。
#162
○国務大臣(池田勇人君) そう高くなつていませんが、お話の通りできるだけ安い砂糖を入れたいというふうに努力はいたしております。
#163
○油井賢太郎君 それで大臣としては、今砂糖がほかのものよりも比較的税負担が軽いから、輸入糖にも今後は消費税を設けるというふうな、これは誠に同感です。併し一般国民からいたしますれば、栄養的な主食的な代用物としての砂糖の量というものは極めて少量だと思うのです。そういう点から言うと、現在非常に砂糖の消費が偏在しておる。而もそれを負担している階層というのはまだまだ負担力のあるところだと思うのですが、或いは、酒或いはたばこというようなものが、相当の高額な税を負担しております。それと同様に、砂糖に対しても課税いたしますれば、私は二百億ぐらいの増税が、それだけでも見込まれるのではないかと、こう思うのですが、これに対して大臣はどんな御見解を持つておられますか。
#164
○国務大臣(池田勇人君) 前は御承知の通り砂糖の税負担は相当あつたのであります。而して今回我々計画しておるのは市価の二割程度の負担になるかと思います。二割程度の引上げになるかと思いますが、それを一躍ずつと上げるということが、例えばたばこや酒のように非常な上げ方をするということは、今のところどうかという気がいたしておるのであります。大体一斤五十一円ぐらいの負担であれば、先ほど申しましたように、イギリス程度の負担に相成るのでございまして、復活いたしますのにそう一度に急に上げられはいたしませんが、これはやはりほかの消費税等を考慮して、将来適当に売れるように考えております。
#165
○油井賢太郎君 一斤五十一円ですか。
#166
○国務大臣(池田勇人君) 値段が五十一円です。税金は十一円です。
#167
○油井賢太郎君 そこで市中販売の砂糖はどうかというと、一貫目千円も千円以上もしている。今の大臣のおつしやつた価格とは桁が違うのです。そういう点から見ても、如何に砂糖に対する需要が偏在しておるか。又税の負担も相当余裕があるというのは、これはわかるのですが、将来もう少しほかの物価と比べて砂糖に対する勘案を大臣はされるかどうか、これが一点と、それから先ほど急激に上げては困るという話がありましたが、もう一つ我々の前に出されておるガソリン税の問題ですが、あれなんかは一躍倍近くに、この前改正の関係で以て値段が上つたことがあるのであります。そういう点から見ても、我々はむしろガソリンあたりを下げて、砂糖なんかのほうを上げてやつたほうがいいのではないかというふうに考えられるのですが、これが日本の経済状態の復活というようなことにも、むしろプラスではないか。こう思うのですが、大臣はその点はどうですか。
#168
○国務大臣(池田勇人君) 先ほど来申上げておりますように、砂糖の輸入税免税の復活をしろというのでありまするが、かといつて今の闇価格が私千円しておるかどうか知りませんが、私の聞いておるところでは、その半分程度じやないかと思つております。併しいずれにしても相当高い。そこでまあ業務用の分を特別に税をかけて取るかどうか、いろいろな問題があると思いますが、只今のところ、そう一度にぱつと上げるのは如何かと思う。やはり消費税全体として考え、又財政事情等と睨み合してしなければならないから、只今のところは、今の小売価格五十一円、うち税を十円、この程度でいいのじやないかという気がいたすのであります。
#169
○政府委員(平田敬一郎君) 砂糖の闇値は大分その砂糖の配給されたとき、その毎月配給されませんで二、三カ月まとめて配給されたり、或いは若干遅れて配給されて見たりすることになりますので、それに応じて大分調べて見ますと動いておるようでありまして、八百円、九百円、千円、或いは千円を超えるというようなところが最近の一カ年ぐらいの実情じやなかろうかと、このように見ております。
#170
○油井賢太郎君 それだからですね、安本とか、それから物価庁あたりの意見を聞いてですね、闇価格がまるで闇の騰貴の対象になるような、そういう不当な存在でなくしたいというのが私の希望なんです。そこでそういう方面の、いわゆる専門家をこの委員会は呼んでですね、砂糖消費税と対照しながら意見を聞きたいのです。一応これで私は質問を打切つて置きますが、保留して置きますから、明日にでもその担当者を出席させて頂きたいと思います。
#171
○委員長(小串清一君) 政府当局の方に御相談いたしますが、そういうような専門家の人を出してもらえますか……、出して下さい。
#172
○政府委員(平田敬一郎君) 私、今の油井さんの問題の点につきまして、お答えして置きますが、闇価格が高いからという理由で消費税を取るというのは、私は物の一面しか考えていない、例えば米なんかは非常に闇が高いから米に消費税をかけるというのは、私はとんでもないことだ、そういうことになろうかと思うのであります。砂糖は勿論米のような必需品でない、従つて或る程度の税をかけてもいいではないかと、こう見ておりますが、酒とたばこを比べて税率の低いのが妥当ではないかと思うのであります。現在の家庭に全面的に配給するもので、砂糖は多かれ少なかれ消費いたしております。どんなに貧しい家庭といえども消費しております。併しその消費の程度が違うだろう、お菓子等で使う分は油井さんのお話のように、私は家庭で使われるものよりも相当必需度が薄いと、こういうふうに言い得るであろう。業務用に何か特別の課税をするかしないか、これは曾つてやつたことがありますが、あれは一つの研究問題だろうと思います。さつき申しました家庭に一旦配給しましたが、流れておりますのは、やはり相当に生活に潤つておるのではないかと思います。今の配給量は、必ずしも非常にすべての家庭が十分なほどの、十二分なほどの配給量でない。併し相当の配給量にいたしておるということは事実でございます。でございますから、砂糖につきましてもほかの消費税とバランスをとりまして、小売価格の二割くらいの税率で課税するというのならば、そう大衆課税の非難を受けないで、收入目的を達成することができるのじやないか、こういうふうに考えられます。砂糖の税率につきましては、他の間接税との比較、砂糖の消費自体の性質等を考えまして考えるべきじやなかろうか。まあ配給面において闇流れがあるかどうかということは、配給統制自体の問題で、私ども課税に当りましては、むしろ今申上げましたような見地から税率を定めまして、そうして課税政策をきめるべきじやないか、このように考えておる次第であります。なお外国におきましても、アメリカの砂糖消費量は、生産者、製造者消費税、日本の物品税みたいなもので取つておりますが、この税率は五・七%、アメリカは大体間接税は日本より低いですが、低いのに応じまして低くなつておる。イギリスが一七・七%になつております。イギリスは、酒税は大体日本と同じ程度の高率になつております。物品税みたいなものを一〇〇%、六六%、三三%、それぞれ奢侈課税も行なつておりますが、砂糖につきましては、この程度の税率で課税しておるところから申しますと、私ども今の段階におきましては、二〇%前後の税率が妥当な税率じやあるまいか。ただ非常に最近必要な場合におきまして砂糖に更に收入を求める余地があるかどうかというようなことは、確かに油井さんのお話のようなことも考慮に値いする問題じやないかと思いますが、現在のシステムの上においては、こういう程度に輸入して、砂糖を配給しておるという事情を考えると、先ずこの辺が妥当だろう。配給その他の事情も考えなければなりませんが、やはり基本的には、税率は間接税全体のバランスをとりまして、妥当なものをきめるというのが正しい行き方じやないか、まあこういうように考えております。
#173
○委員長(小串清一君) ちよつと油井君にお諮りいたしますが、砂糖消費税法の一部を改正する法律案については、大体皆さんの御意見も決定をなさるようなふうに伺つておるのですが、今の御注文の問題は御研究を願つて、税法の本質を変更する御意見がなければ、この際審議を進めたいと思いますが、如何ですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#174
○委員長(小串清一君) それでは別に御発言もございませんようですから、質疑を盡きたものと認めて、只今油井委員の御注文だけを留保して、直ちに討論に入ることに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#175
○委員長(小串清一君) 御異議ないものと認めます。よつて討論に入ります。御意見のおありの方は、それぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。別に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#176
○委員長(小串清一君) 御異議ないものと認めます。それではこれより採決に入ります。砂糖消費税法の一部を改正する法律案について賛成のお方の御挙手を願います。
   〔挙手者多数〕
#177
○委員長(小串清一君) 多数と認めます。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四條により、委員長において本法案の内容、委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとして、あらかじめ御承認を願うことにして御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#178
○委員長(小串清一君) 御異議ないと認めます。それから本院規則第七十二條により多数意見者の御署名を願います。
 多数意見者署名
   大矢半次郎   木内 四郎
   愛知 揆一  岡崎 真一
   九鬼紋十郎   黒田英雄
   野溝  勝  森下政一
   小林政夫   杉山昌作
   森 八二一
  ―――――――――――――
#179
○委員長(小串清一君) 次に揮発油税法の一部を改正する法律案の御審議を願います。
#180
○木内四郎君 非常に細かなことで、或いはつまらんことであるかも知れんけれども、第三條の一項です、二項を削つて、一項から「数量に対して小売業者販売価格を乗じて得た金額」以上を削るわけですね。その結果は、この條文が「揮発油税の課税標準は、製造場又は保税地域から引き取る揮発油の数量から、消費者に販売するまでに貯蔵及び輸送により減少すべき揮発油の数量に相当する数量で政令で定める数量を控除した数量……」となり、「数量」という字が幾つも重つておるのですが、初めの揮発油の数量から控除する数量というのは、どの数量ですか。
#181
○政府委員(平田敬一郎君) この「減少すべき揮発油の数量に相当する数量で政令で定める数量」でありまして、政令でどの数量を定めるかと申しますと、「貯蔵及び輸送により、減少すべき揮発油の数量に相当する数量」としまして、通常妥当と認められる数量を政令で規定いたしまして、それを控除するわけでございます。大体百分の三・七程度の欠減を必要とするのではないかと認めております。
#182
○木内四郎君 そうするとこの文章で言うと、下から三番目の数量ですか。何番目の数量ですか。
#183
○政府委員(平田敬一郎君) 控除しますのは……「引き取る揮発油の数量」から、最後の政令で定める数量を引くのでございます。政令でどういう数量を定めるかというと、「消費者に販売するまでに貯蔵及び輸送により減少すべき揮発油の数量に相当する数量」これを政令で定めて、それを控除する、こういうことであります。
#184
○木内四郎君 ちよつと日本語としては私ちよつと読んでわからんのですが、「貯蔵及び輸送により減少すべき揮発油の数量に相当する数量で」数量としてですか、数量として「政令で定める数量を控除した数量」とするというのですか。五つ重なつているので、これはこの「で」という字がどういう意味の「で」かわからないのですが、もう少し日本語でわかりやすく翻訳してもらいたいのですが……。
#185
○政府委員(平田敬一郎君) これは最近の法制局の要望だと思いますが、数量であつて、政令で定める数量を引く……数量であつて、というのです。「政令で定める数量」、これは一々個別的に申しますと、個々の揮発油の場合に、これは違うと思うのです……欠減の場合は。でありますが、そういうものを政令で或る平均的なものを取つて来まして、その数量を引くと、こういう意味でこのような條文にいたしておるのです。
#186
○木内四郎君 そうすると、減少すべき揮発油の数量に相当する数量としてという意味ですか。として政令で定める数量を控除した数量とする、ということですか。「で」という字はちよつとほかの言葉で言えばどういうことになりますか。
#187
○政府委員(平田敬一郎君) 俗に言いますと、数量であつてと、「政令で定める数量を」引く。だから「政令で定める数量」というのは何をきめるかと申しますと、通常の場合にこういうようなことによつて欠減を生ずるから、数量を政令で一般的に定めて、その数量を引くと、まあこういう意味でございます。としてと言いますのと大差はないかも知れません。
#188
○油井賢太郎君 この揮発油税は一体創設されたのはいつであつて、そのときは幾らの課税をしたのですか。ちよつと参考に伺いたい。
#189
○政府委員(平田敬一郎君) 揮発油につきましては、今の揮発油税法が新らしく制定されましたのは二十四年度からでありまして、これは恐らく二十四年の五月十日から施行いたしております。油井委員の御審査を経たものと思つております。
#190
○油井賢太郎君 なぜ私はそれを確認して置くかというと、そのときは一〇〇%の課税にしたのですね。そうするとあの当時は諸般の情勢からして一〇〇%課税しなければならない財政的見地もいろいろあるような話で以て、我我賛成したはずです。ところが今日の大臣だの局長の話によると、砂糖なんかは一躍上げることはできない。私は国民生活におけるところの需要度から言えば、揮発油のほうが遥かに上だと思うのです。その重要な揮発油に対しては一躍一〇〇%の課税もあえて辞さない政府が、今度は砂糖に対しては、大変遠慮した話をさつきされている。首尾一貫しないのですが、昨年のいわゆるこの揮発油税制定当時と今日の財政状態というものは、そんなにも違うのですか。その根本論を一つ承わりたい。
#191
○政府委員(平田敬一郎君) 揮発油税の税率を最初に定めました際におきましては、揮発油以外の自動車の代用燃料でありますところの木炭、薪等のものをキロ当りの有効効率でございますか、それに基きまする価格を調べまして、それと大体バランスのとれる範囲内における税率というようなことを一方において考えたのでございます。それから地方におきましては、何と申しましても揮発油を硬いますところの自動車、トラツク、バス、乗用車等でございますが、道路を相当損耗するような点もございまして、目的税ではございませんが、そういうようなことも併せ考えまして相当な課税をするのがよろしかろうというので、課税をすることにいたしたのであります。これは外国におきましてもやはり相当高いようであります。砂糖よりもどこの国も高いようでありまして、間接税の最も低いアメリカにおきましてさえ州税と国税とを入れますと価格の六、七〇%課税している州がございます。勿論それよりも低いところもございます。相当な課税をいたしておりますので、揮発油税として妥当な税率というので今申上げました点を考慮しまして定めたのでございます。ただ併し代用燃料の価格も大分下つて参りまして、最近はむしろ揮発油が割高だというような事情が一方には出て参りましたのと、それから他方におきまして、やはり一〇〇%の揮発油税というのは、物品税も下げますし、消費税も下りましたし、現在の段階においては少し高過ぎはしないかというので三割五分程度軽減したらどうかというので、今回の改正法案を出した次第であります。
#192
○油井賢太郎君 折角主税局がまあこの税金を下げて、多少でも安くしようという意図はわかるのですが、併し一面において公が今度上るということになつておりますね。そのいきさつは一つどういうふうになつておるのだか、関係の政府委員から伺いたい。
#193
○政府委員(平田敬一郎君) 私どもも希望といたしましては税率を引下げまして、ガソリンの価格が下るようにという希望を関係方面にもそれぞれ、関係と申しますと、政府部内の関係の部局にも意見を言つておるのでありますが、やはり最近原油等が或る程度高くなつた。それから精製及び販売の手数料等につきましても、再検討を要する事項がございます。物価庁といたしましては最大限価格につきまして厳重な査定をしたが、やはり上げざるを得ないということになつたと、こういう連絡を受けておりまして、やはり私ども原価の関係上いたし方ない、これはどうも止むを得ないのじやないか、こういう趣旨で了承いたしておるような次第であります。
#194
○油井賢太郎君 結局税金が下つただけ公か上つて値段はもともとですか。
#195
○政府委員(平田敬一郎君) これは税金を下げなければ、或いは又更に一層引上げなければならなかつたような事情があるだろうと思います。税金は下つたが、その原価高を認めたということは、理論上あり得ないのじやないかと考えておるのでありますが、これはそれぞれ物資の個別的な価格形成の要素につきまして物価庁で嚴重審査の上に、そのような措置を認めたのじやないかと思います。
#196
○油井賢太郎君 これはほかの物品税と比べても何と比べても、非常に高率なんですね。而も日本みたいな鉄道が余り発達していないところでは、山間僻地に至るまでトラツクで以て物を輸送し、国民の生活の上において潤つているところが非常に多いのです。そういうふうな必要なこの揮発油に対して非常に高額な課税をするというのは好ましい体系じやないと思うのですが、将来においてもつと引下げるような、御検討はされていないのですか。
#197
○政府委員(平田敬一郎君) これは先ほど申上げましたように、自動車が相当道路等を利用するというような点も若干考慮に入れる必要があるのじやないかと考えますので、税率を定める場合におきましては、将来普通の乗用自動車にガソリンを又よく使うということになりますと、税の負担の点から言つても余り下げる必要はないのじやないかと思うのでありますが、両者の面を併せ考えまして、当局として妥当な税率を考えるという方向に行くのじやないかと考えるのでございます。ガソリンは恐らくアメリカ等におきましては、普通の乗用車に使うことが大部分であるからでございましよう、ほかの消費税に比べますと、余ほど高い消費税を課税しているようでございまして、これはやはり私は一面の真理があるのじやないか。要するにそのときの事情、そのときの情勢に応じまして税金につきましては他の間接税との税率の比較を考えまして、妥当な税率を定めて行くということを申上げるよりほかないと思いますが、今これを直ちに引下げるということを申上げるのは、今のところ申上げかねるので御了承願いたいと思います。
#198
○油井賢太郎君 トラツクにしろ、乗用車にしろ道路保全、復旧に対するいわゆる負担金というものを各府県でも徴収しているのですね。そういう点から見ても、もつとこの税金は下げて然るべきじやないかと思うのですが、そういう点はどうでしようか。
#199
○政府委員(平田敬一郎君) これは私がさつき申しましたように、道路が相当損耗する。公共事業費等で道路のほうにも今年も五十億以上支出しておりまするが、国からも、それから府県も出しておる。市町村も出しております。そのような面を併せ考えますと、税率としては御承知の通り相当高いのでございますが、直ちに無理に引下げるべきだという議論にも必ずしも賛成いたしがたいのでございます。勿論併し今申上げましたように、税率はそのときの事情によつて判断すべき要素も必要でございますので、又そのときにおきましてはそのときとして妥当な税率を定めることによく検討はいたしたいと思いますが、今から断定することはちよつと困難だろうと考えるわけであります。
#200
○森下政一君 主税局長に一つ伺いたいのですが、従来の従価税を従量税にする関係です。法案によりますると、そうすることが税の適正化を期するゆえんだというようなことがあるのですが、その根本の御趣旨ですね。従来の課税方法ではこういうふうな不合理があつた、それをより適正にするためにこういうふうにしたのだという根本的の点ですが、改正の点の、これを御説明願います。
#201
○政府委員(平田敬一郎君) この一般的に物の値段が動くというような情勢のときにおきましては、これはやはり経済情勢に税率が自然に応じ得るという意味におきまして従価税のほうがむしろいい場合が相当多いのじやないか、このように考えられるのでございます。最初税率を定めまする場合におきましても、従量税にするか従価税にするか検討をいたして見たのでございますが、なおその当時としましては物価も必ずしも安定しておりませんし、やはり或る程度値段の動きが相当あるのじやないかということも考えまして、従価税に実はいたしたのでございます。だがその後実行して参りますと、従価税ではやはり場合によりますと無理な場合が出て来る。例えば今回も今申上げましたように石油の原価が高くなりましたために揮発油の値段をどうしても上げざるを得ない。こういう場合におきましては従価税にして置きますと、その上に更に税が高くなり、負担が更に一層高くなる、こういうような事情も生じて参りまして、どうもやはりここまで一般の物価が安定したときにおきましては、むしろ従量税のほうがいいのではないか、こういう点を一つは考えたのでございます。それといま一つはこれは揮発油の場合はそれほどではございませんが、従量税のほうが課税標準を捉えやすいという点は確か従価税の場合よりも多いのでございますが、この辺は併し揮発油の場合は比較的事柄自体簡單でございますので、それほどではございませんが、そのような点を考えまして、むしろ従量税のほうがいいのじやないかというので、今回は従量税にいたしたのでございます。併しこれはまあいずれにいたしましても、そう大きな、どれでなければならないというほどの強い理由はないかと、かように考えます。
#202
○森下政一君 それから今度の改正されました従量税一リツトルについて一万一千円ですが、こうなると大分減税になるわけなのですね。こういうふうに減税になるというのは、従来と比較して課税の対象が一方は従価税であり、一方は従量税ということにしたが、何か我々のわかりやすいような説明を承わるわけに行きませんか。
#203
○政府委員(平田敬一郎君) 今までは大体小売価格の一〇〇%ということで押えまして、一キロリツトル当り一万六千八百九十円、これはお手許に差上げました資料の一番しまいのほうに入つておりますが、税率一キロ当り一方六千八百九十円でございます。それを改正案は一キロリツトル当り一万一千円という従量税に変えようとするのでございますので、今までの税率に比べまして三割五分程度の実は税率の引下げになつておる次第でございます。
#204
○委員長(小串清一君) 揮発油税の審議は別段御発言がないようでありますから、質疑は盡きたものとして、直ちに討論に入ることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#205
○委員長(小串清一君) 御異議ないと認めて、討論に入ります。御意見のおありの方はそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。
#206
○油井賢太郎君 私はこの法案に対しては遺憾ながら反対いたしたいのでありますが、もう会期も一両日に迫つて修正することもできませんし、取あえず安くなつたという点だけについてしか賛成するより仕方がありません。併し将来におきましては、国民の必需物資を運ぶ面におきまして、成るべく安く運送費を拂うというような状態に持つて行くのが至当ではないかと想うのであります。そういう点において現在のこのガソリン税というものは非常にまだまだ高い。かように考えておりますので、機会あるたびごとに主税当局にも、この揮発油税をもつともつと低廉にして、国民に物価を低廉に、運賃の面においてもし、従つて物価そのものも下げるというような方策をとられんことを切に求めまして、遺憾ながら賛成いたします。
#207
○委員長(小串清一君) 別に御意見もないようでございますから、質疑は終局したものと認めて差支えありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#208
○委員長(小串清一君) 御異議ないものと認めます。それではこれより採決に入ります。揮油税法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の御挙手を願います。
   〔総員挙手〕
#209
○委員長(小串清一君) 全会一致と認めます。よつて本案は原案通り可決せられました。
 なお本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四條によつて、委員長において本法案の内容、委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとして、あらかじめ御承認願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#210
○委員長(小串清一君) 御異議ないと認めます。それから本院規則第七十二條により多数意見者の御署名をお願いいたします。
 多数意見者署名
   大矢半次郎   木内 四郎
   愛知 揆一   岡崎 真一
   九鬼紋十郎   黒田 英雄
   野溝  勝   森下 政一
   小林 政夫   小宮山常吉
   杉山 昌作   油井賢太郎
   森 八三一
  ―――――――――――――
#211
○委員長(小串清一君) 次は旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法案を議題といたします。
#212
○愛知揆一君 私は本法律案について一つの質疑をいたしたいと思います。それは本法案の第七條に関連する問題でございまするが、日本製鉄の八幡共済組合に対する責任準備金の増額に相当する金額の交付の点についてでございます。私は先ずこの問題を三つの観点から疑問をお尋ねいたしたいと思うのでありますが、その第一点は、本件についての政府の責任の問題でございます。申上げるまでもなく、八幡製鉄所は大正十一年の勅令によりましてこの共済組合に法的根拠を持たせるに至つたものでありますが、昭和九年の二月一日に製鉄所が民営移管になりました。その当時からの沿革がある問題であると思うのでありますが、その民営の移管に当りまして、当時の政府といたしましては、特に当時の議会におきまして、商工大臣が声明を発しまして、政府は日鉄に対して官営の場合であつたと同様に、国として共済組合の給付について将来何ら懸念の要がないように措置するということを言明しておるわけでございます。従つてその当時からの沿革から言えば、この共済組合の給付については、今日に至つても、当時の民営移管からの責任が続いておるものと考えるわけであります。ところが今年の四月になりまして、日鉄が過度の経済力集中排除法によりまして、御承知のように四社に分割いたしまして、その一つとして、八幡製鉄が成立いたしたわけであります。ところがこの共済組合につきましては、先ほど申しましたように、大正十一年以来、特に法的の根拠を與えられておるものでありますが、この問題についての政府の責任が今日まで存続しておるものとすれば、今年の四月に成立したところの一営利会社であるところの八幡製鉄所に対して、その責任を求むべきものでないということは、自明の事柄であると思うのであります。従つてこの法律案の第七條によりましては、一部分だけその政府の責任のあることを明確に規定されておるのでありまして、その点については私も同感でありまするけれども、他のカバーせられない部分についての政府の責任ということについて、どういうふうに現在の政府としてはお考えになるかということを伺いたいのでありまして、これが質問の第一点でございます。
 それから第二は、今回の法律案の第七條によりますと、先ほど申しましたように、一部の人だけは国家の責任によつて給付金の増額を受け得るわけであります。それはその第七條にもありまするように、年金受給者のうち、昭和九年一月三十一日以前に発生した給付事由に基いて年金の支給を受ける者に対して国庫の補助が引続いて起るわけでございまするけれども、それ以後については、何ら規定がされてないのであります。従つて昭和九年一月三十一日以前に退職した者は一体幾らあるかと申しますると、五百二十六名でありますから、五百二十六名に関する限りは、この七條によつて救済が実行される、その限りにおいて政府の責任が完全に果されたことになるのであります。ところが昭和九年の二月一日以後に給付事由の発生した受給者が一体幾らあるかと申しますると、五千三百三十八名、それから、それはもとよりでありますが、今後毎年発生すべき組合員の総計が現在約三千二百名以上あるのでありますが、その増額ということについても、全然これは考慮されていないわけであります。ところが昭和九年の一月三十一日現在においてすでに在職二十年に達しておる人も相当多数にあるわけでありまして、又従つて年金受給資格が当然に発生しておる者が相当あるわけであります。これらの者を除外しておりますることは、先ほど申しました一月三十一日以前に退職した五百二十六名の比較検討から言つて、受給者相互間に非常な不均衡を生じておる、この不均衡が起つて来ておることに対して、政府としてはどういうふうな方法をお考えになつておるかということが、伺いたい第二点であります。
 それから第三点は、以上のような事情でございまするから、今度は八幡製鉄としては労使両方の問題が起つて来ると思うのであります。即ち八幡製鉄会社としては、現在は一営利会社である、政府の責任によつて処理されないことを、会社側としてこれをかぶるべき義務はないと思うのであります。ところが一方従業員のほうから言えば、大正十一年以来保障されておるところの既得権が、それならばどこへ持つて行つたらばその尻が負えるかということであつて、会社側としては、恐らく従業員側から相当の要求が出て参りました場合に、これを拒否するということは、非常に会社の立場としては困難である、而も一営利会社がこれをその要望を充足すべき理由に乏しい。こういうことになりますると、これは八幡製鉄の会社経営者側については勿論でありますが、殊に既得権を主張しているところの従業員の側から見ましても、非常に大きな問題になろうかと思うのであります。これは結局第一に伺つたところの政府の責任ということ、第二の不均衡の問題ということと関連して、どうかしてこの不均衡は是正し、会社側にも、又従業員側にも最小限度にその迷惑のかかることを防止したい。私はこう思うのでありますが、これらの三つの事項に対して、その小均衡或いは不合理ということを前提として政府がお認めになるかどうか、又それをお認めになれば、この臨時国会中というわけには参らんかも知れませんが、速かに如何なる措置をとられようとしているか、この点について結論的にお伺いしたいと思うわけであります。
#213
○政府委員(河野一之君) お答え申上げます。愛知委員の言われることは、非常に御尤もな点でありまして、従来日本製鉄につきましては、官営から民営に移管いたしまするときに、いろいろな点において官営と同様に取扱う、殊に共済組合の問題につきましては、いろいろな命令をすることができる、且つ又実際上の取扱におきまして、共済給付などが増加いたしました場合におきましては、その増加に必要な経費というものは政府に対する配当から控除しようというような沿革がありまして、おつしやるような点がまさしくあるわけでございます。この点につきまして、前国会においてもいろいろ御議論のあつた次第でありまして、私どもといたしましては、その御要望に副うべくいろいろ考えもし、努力もいたしたのでありますが、いろいろな情勢上、御期待に副うことができなかつたことを遺憾としておる次第であります。ちよつと速記を止めて頂きたい。
#214
○委員長(小串清一君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#215
○委員長(小串清一君) 速記を始めて。
#216
○政府委員(河野一之君) 以上のような次第でありますので、私どもとしましては今後なお努力いたしましてできるだけ御期待に副うようにいたしたいと存じておる次第であります。
#217
○愛知揆一君 只今主計局長の御答弁で御苦心の存するところを了承するのでありますが、先ほど縷々申上げましたように、これは関係者として非常に大きな問題であるのみならず、又公平均衡の原則から言いましても重大な問題であると思いますので、この上とも政府側におかれても速かに関係方面にもなお説得に努められまして、立法その他の措置をお考え頂くように重ねてお願いいたしまして、私の質疑を終ります。
#218
○森下政一君 愛知さんの御質疑で盡きておると思いますので、蛇足を附加える必要はないかと思いますが、曾つての我が国の政府が将来に対して保障を言明し、そうして共済組合員を安心させた。ところが今日これが非常に不均衡に一部の者が措置を受ける。特に愛知さんが御指摘になりましたように昭和九年の線を引いたときに、すでに恩給受給の資格があつたと言われる者が、その後勤続つしておつて、今日になつて差別待遇を受けるということでは納得できないのでありますから、政府の言明が後になつて反故にされるというようなことでは、私は国政の運営の将来に対して非常に国民から疑惑をもたらすということにもなると思いますので、主計局長から只今弁明がありましたが、必ず将来この不均衡を是正するように格段の御努力をなさつて、これが近い国会に予算措置を講じて具体化されるように特に私も念を押して置きたいと思います。
#219
○政府委員(河野一之君) なお一層努力を続けたいと思います。(「進行々々」と呼ぶ者あり)
#220
○委員長(小串清一君) 別段御発言もないようでありますので、質疑は終結したと認めまして、直ちに討論に入ることに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#221
○委員長(小串清一君) 御異議ないものと認めて、討論に入ります。御意見のおありの方はそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。
#222
○愛知揆一君 私は本案に対して賛成いたします。併しながら質疑の際にも意見を申上げたのでございますが、第七條に規定されております日本製鉄八幡共済組合の問題につきましては、今後において不均衡の是正、政府の責任の明確化という点について立法的或いは予算的の措置が速かに講ぜられることの希望を附帯いたしまして賛成いたすものであります。
#223
○委員長(小串清一君) 別に御意見もないようでございますから、討論は終結したものと認めて御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#224
○委員長(小串清一君) 御異議ないと認めます。それではこれより採決に入ります。本案を衆議院送付原案通り異議ないと議決することに御賛成の方の御挙手を願います。
   〔総員挙手〕
#225
○委員長(小串清一君) 全会一致であります。よつて本案を原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四條により、委員長において本法案の内容、委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとして、あらかじめ御承認を願うことにして御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#226
○委員長(小串清一君) 御異議ないものと認めます。それから本院規則第七十二條によつて多数意見者の御署名を願います。
 多数意見者署名
   大矢半次郎   愛知 揆一
   岡崎 真一   九鬼紋十郎
   黒田 英雄   野溝  勝
   森下 政一   油井賢太郎
   森 八三一
  ―――――――――――――
#227
○委員長(小串清一君) 次は国有財産法第十三條の規定に基き、国会の議決を求めるの件を議題と供します……。別に御発言ございませんから質疑を終了したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#228
○委員長(小串清一君) それでは直ちに討論に入ります。……別に御発言ありませんから討論は終結したものと認めます。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#229
○委員長(小串清一君) 御異議なしと認め、討論は終結いたしました。よつて本案についで採決をいたします。本案を衆議院送付の原案通り異議ないと議決することに御賛成の方の御挙手を願います。
   〔総員挙手〕
#230
○委員長(小串清一君) 全会一致と認めます。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお本会議における正委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四條により、委員長において本案の内容、委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとして、あらかじめ御承認を願うことに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#231
○委員長(小串清一君) 御異議なしと認めます。それから本院規則第七十二條により多数意見者の御署名を願います。
 多数意見者署名
   大矢半次郎   愛知 揆一
   岡崎 真一   九鬼紋十郎
   黒田 英雄   野溝  勝
   森下 政一   油井賢太郎
   森 八三一
#232
○委員長(小串清一君) それでは本日はこの程度で散会いたします。
   午後四時三十七分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     小串 清一君
   理事
           大矢半次郎君
           佐多 忠隆君
           山崎  恒君
           木内 四郎君
   委員
           愛知 揆一君
           岡崎 真一君
           黒田 英雄君
           九鬼紋十郎君
           野溝  勝君
           森下 政一君
           松永 義雄君
           小宮山常吉君
           小林 政夫君
           杉山 昌作君
           油井賢太郎君
           森 八三一君
  国務大臣
   大 蔵 大 臣 池田 勇人君
  政府委員
   大蔵政務次官  西川甚五郎君
   大蔵省主税局長 平田敬一郎君
   大蔵省主計局長 河野 一之君
   大蔵省主計局次
   長       石原 周夫君
   大蔵省主計局法
   規課長     佐藤 一郎君
   大蔵省主計局給
   與課長     磯田 好祐君
   大蔵省銀行局長 舟山 正吉君
  説明員
   食糧庁業務第二
   部長      細田茂三郎君
ソース: 国立国会図書館
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