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2000/05/30 第147回国会 参議院 参議院会議録情報 第147回国会 財政・金融委員会 第21号
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2000/05/30 第147回国会 参議院

参議院会議録情報 第147回国会 財政・金融委員会 第21号

#1
第147回国会 財政・金融委員会 第21号
平成十二年五月三十日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十五日
    辞任         補欠選任
     世耕 弘成君     佐藤 昭郎君
     中島 啓雄君     坂野 重信君
 五月二十六日
    辞任         補欠選任
     佐藤 昭郎君     世耕 弘成君
     斉藤 滋宣君     河本 英典君
     坂野 重信君     中島 啓雄君
     日出 英輔君     尾辻 秀久君
     三重野栄子君     渕上 貞雄君
 五月二十九日
    辞任         補欠選任
     尾辻 秀久君     日出 英輔君
     片山虎之助君     仲道 俊哉君
     渕上 貞雄君     三重野栄子君
 五月三十日
    辞任         補欠選任
     日出 英輔君     岩城 光英君
     櫻井  充君     浅尾慶一郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         平田 健二君
    理 事
                岩井 國臣君
                中島 眞人君
                寺崎 昭久君
                海野 義孝君
                池田 幹幸君
    委 員
                岩城 光英君
                河本 英典君
                世耕 弘成君
                中島 啓雄君
                仲道 俊哉君
                林  芳正君
                星野 朋市君
                浅尾慶一郎君
                伊藤 基隆君
                久保  亘君
                浜田卓二郎君
                笠井  亮君
                三重野栄子君
                椎名 素夫君
   衆議院議員
       大蔵委員長代理  石井 啓一君
   国務大臣
       大蔵大臣     宮澤 喜一君
       国務大臣
       (金融再生委員
       会委員長)    谷垣 禎一君
   政務次官
       大蔵政務次官   林  芳正君
       金融再生政務次
       官        村井  仁君
       経済企画政務次
       官        小池百合子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田 成宣君
   政府参考人
       金融監督庁検査
       部長       五味 廣文君
       金融監督庁監督
       部長       乾  文男君
       経済企画庁経済
       研究所長     貞広  彰君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関
 する法律の一部を改正する法律及び貸金業の規
 制等に関する法律の一部を改正する法律案(衆
 議院提出)

    ─────────────
#2
○委員長(平田健二君) ただいまから財政・金融委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る二十六日、斉藤滋宣君が委員を辞任され、その補欠として河本英典君が選任されました。
 また、昨二十九日、片山虎之助君が委員を辞任され、その補欠として仲道俊哉君が選任されました。
 また、本日、日出英輔君及び櫻井充君が委員を辞任され、その補欠として岩城光英君及び浅尾慶一郎君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(平田健二君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律の一部を改正する法律及び貸金業の規制等に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に金融監督庁検査部長五味廣文君、金融監督庁監督部長乾文男君及び経済企画庁経済研究所所長貞広彰君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(平田健二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(平田健二君) 出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律の一部を改正する法律及び貸金業の規制等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 提出者衆議院大蔵委員長代理石井啓一君から趣旨説明を聴取いたします。石井啓一君。
#6
○衆議院議員(石井啓一君) ただいま議題となりました法律案につきまして、提案の趣旨及びその概要を御説明申し上げます。
 本案は、去る五月二十三日、衆議院大蔵委員会において全会一致をもって委員会提出の法律案とすることに決したものでありまして、最近における日賦貸金業者の業務の運営の実情にかんがみ、資金需要者等の利益の保護を図るため、次の措置を講じようとするものであります。
 すなわち、日賦貸金業者に係る出資法の特例金利を現行の年一〇九・五%から年五四・七五%に引き下げるとともに、日賦貸金業者がみずから集金する方法により返済金を取り立てなければならない日数を返済期間の百分の五十以上とすることとし、また日賦貸金業者が営業所または事務所に掲示すべき事項、貸し付け条件の広告をする場合において表示すべき事項及び貸し付けの契約に際して交付すべき書面の記載事項に、みずからが日賦貸金業者である旨、出資法一部改正法附則で定められた業務の方法等を追加することといたしております。
 以上が本案の提案の趣旨とその概要であります。
 何とぞ速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
#7
○委員長(平田健二君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○浅尾慶一郎君 ただいま議題となりました日賦貸金業者に対する出資法の制限金利の引き下げについて質問をさせていただきたいと思います。
 現在、日賦貸金業者あるいは消費者金融業者に係るさまざまな問題の根本は、私は本来、金融機関がもっと元気であればもう少し消費者金融あるいはそういったところにも場合によっては入っていける、あるいは今度創意工夫で入っていった方がいいのではないかと思うんですが、まだその元気がないのではないかなと思っておりますので、その大きな話から伺わせていただきたいと思います。
 冒頭、先般可決いたしました預金保険法改正案について若干質問をさせていただきたいと思います。
 まず、大蔵省に伺いますが、今度の預金保険法あるいは現行においてもそうだと思いますが、いわゆる借名口座、本名でない口座について、これが預金保険法上の対象預金となるかどうか、その点お伺いしたいと思います。
#9
○政務次官(林芳正君) 今、委員が御指摘になりましたように、いわゆる借名口座預金につきましては預金保険の対象とはなっておりませんで、これは今回の改正後も同様でございます。
 ただ、現在は特例期間中で、委員も御承知のように預金等全額保護ということでありますから、結果的に負債の中に入るということで保護されているという状況でございます。
#10
○浅尾慶一郎君 それでは、引き続き伺わせていただきたい。
 これはむしろ監督庁ということになるのかもしれませんが、現行の破綻金融機関におきまして仮に本名でない口座を見つけた場合には、今お答えいただいたようにそれも保護されると考えてよろしいんでしょうか。
#11
○国務大臣(谷垣禎一君) 大蔵政務次官からお答えがございましたように、今は全額保護ということで保護の対象になっているわけですけれども、当然、検査においては借名口座預金について、これは金融機関に対して現在我々が特に観点を置いておりますのはマネーロンダリングといった観点から防止しなきゃならない、それで本人確認を徹底することを求めておりまして、検査において本人確認を怠っているというようなことがわかった場合にはその金融機関に対して指摘をするということにしております。
#12
○浅尾慶一郎君 仮に幾つかの破綻した金融機関において明らかに借名口座であるというようなものが見つかった場合の対応はいかがされておるんでしょうか。
#13
○政務次官(林芳正君) 制度の問題でございますので私の方から答弁させていただきます。
 仮に借名口座預金があったらどういう扱いになるのかということでございますが、一定限度、現行一千万円でございますけれども、金融システムの破綻処理をこの制度で行いますためには、金融機関の預金者等の名寄せを行うということをやるわけでございますが、この名寄せ作業のチェックの時点で借名口座預金が判明した場合にはこの預金は付保対象から排除されるということになるわけでございまして、保険金支払いの場合には保険金が支払われない、資金援助の場合はペイオフコストの計算から除外される、こういう扱いになっております。
#14
○浅尾慶一郎君 今のは、全額保護されている現行においても借名口座があった場合は保護されないという理解でよろしいんでしょうか。
#15
○政務次官(林芳正君) これは制度の原則でございまして、最初に申し上げましたように、負債に入っておりますので、結果として負債の中に入っておるという扱いになるということでございます。
#16
○浅尾慶一郎君 そうすると、現行は仮に見つけても保護されてしまうということになってしまうという理解でよろしいんでしょうか。
#17
○国務大臣(谷垣禎一君) 全額保護という観点でそういうふうに扱われているということでございます。
#18
○浅尾慶一郎君 それでは、この問題はそれぐらいにさせていただいて、日賦貸金業者について伺わせていただきたいと思いますが、まず現状の日賦貸金業者の実態について金融監督庁としていかが考えておられるかということを伺いたいんです。
 実は、私も何人かの弁護士の方とお話をさせていただく中で、地域的に言いますと特に九州にこういった業者の方が多いようでございますが、例えば神奈川県の方でも電話をすれば九州の方から簡単に五十万円ぐらいは送金されてくるというような話が幾つか弁護士の方が扱ったケースであるということなんです。これは明らかに本来想定しておられます日賦貸金業者の営業方法とは違うのではないかなと思うんですが、現状、金融監督庁としてどういう実態にあるという認識を持っておられますでしょうか。
#19
○国務大臣(谷垣禎一君) ことしの三月の初めに、金融監督庁から、都道府県、財務局に対して貸金業規制法等に基づいてきちっと対応するようにというような指示を出しまして、その中で、監督態勢の強化とか、それから日賦貸金業者に関する情報の把握にもっと努めなさいとか、あるいは出資法違反を含め債務者等からの法令違反や苦情等の申し出に対する的確な取り扱いを徹底してください、あるいは出資法の規定が遵守されていないと疑われる場合には警察当局へ情報提供をしてください、あるいは財務局、都道府県、それから警察当局の一層の連携を図る観点から協議の機会を速やかに設けてほしいというようなことを指示いたしました。
 今おっしゃいましたように、本来貸してはいけないところに貸しているというような事例につきましては、いろいろ財務局等に寄せられた苦情などから把握している感触でございますが、貸し付けの対象にならないサラリーマンとか主婦に対して融資の勧誘とか貸し付けを行っているということがあるなという感触を持っているわけでございます。さらにこういうところは適切に把握をしていくように我々も努めたいと思っております。
#20
○浅尾慶一郎君 具体的に監督庁として、日賦貸金業者の営業に関して、財務局で情報を集めるということ以外にどのような調査をされておるのかということと、仮に今申し上げたように県をまたいで広域的な、しかも電話での営業というのは恐らく想定外ということになるんだろうと思いますが、二点目は、そういった業者を見つけた場合の対応はどういうふうにされておるのでしょうか。
#21
○政府参考人(乾文男君) お答えいたします。
 日賦貸金業者の実態でございますけれども、十二年三月末時点で二千四百九十七業者ということでございまして、この業者数につきましては、県をまたがるものは財務局、それから県内で活動するものは都道府県ということになっておるわけでございまして、その数については報告を受けているところでございます。
 財務局所管業者につきましては、財務局におきまして法令を逸脱することがないよう適切な監督に努めているということでございます。
 また、都道府県所管の日賦貸金業者につきましては、地方分権法の施行に伴いまして都道府県の貸金業に係る業務が自治事務に移行されたわけでございますけれども、これも私どもからいろいろな連絡をとりまして、都道府県におきまして国同様適切な監督が行われているものというふうに承知をしているわけでございます。
#22
○浅尾慶一郎君 具体的にお伺いいたしますが、先ほど谷垣委員長の方からもお言葉をいただいた中で、本来貸してはいけないサラリーマンであるとかそういったような方にも貸している例が幾つかあるということなんですが、そういった行為規制違反に関して違反事例を見つけた場合の監督処分の例というのは、具体的な件数等がありますでしょうか。
#23
○政務次官(村井仁君) ただいま御指摘の点でございますけれども、個別の事業者が出資法や貸金業規制法の取り立て規制等の行為規制違反の疑いがあります場合には、説明やその報告を求めるなどによりまして事実関係を調べまして、法令違反の事実が確認される場合は厳正に対処しているということはるる申し上げているところでございます。
 現実にただいま御指摘のような事例というのをいろいろ調べてみましても、私どもは捜査権限を持っているわけでもございませんし、なかなか明確な例が出てきませんが、既往の事例すべてを承知しているわけではございませんけれども、県所管の日賦貸金業者で出資法改正法附則第九項第一号に違反した結果、出資法五条二項違反になりまして刑事罰を受け、これを踏まえて貸金業規制法三十七条に基づいて登録の取り消し処分を行った事例というのは確かにございます。
 一方で、財務局所管の日賦貸金業者につきましては、こういった例があるとは現在のところ承知しておりません。
#24
○浅尾慶一郎君 そういたしますと、県所管で一業者という理解でよろしゅうございますか。
#25
○政務次官(村井仁君) 私どもが具体的に確認できたケースが一件ある、こういうことでございます。
#26
○浅尾慶一郎君 先ほど乾監督部長の方から二千四百九十七登録業者があるという御答弁をいただきまして、また谷垣委員長の方からもいろいろな具体的なケースがあるというふうに御答弁いただいたんですが、にもかかわらず実際の行為規制で処分にまで至っているケースが少ない理由というのは、やはり監督の手が足りないということなのか、それとも十分な証拠がないということなのか、その辺はいかがなんでしょうか。
#27
○政務次官(村井仁君) この問題は大変難しい問題でございまして、違反しているのではないかというようないろいろな情報はございます。しかしながら、実際に私どもがきちんとした処分をいたしますには、それはそれなりにどこからも問題にされないようなきちんとした証拠を押さえて行動するということにならざるを得ないわけでございまして、そのあたりのところは御理解をいただきたいと思う次第でございます。
#28
○浅尾慶一郎君 規制は基本的になくしていく方向という大きな流れがあると思いますが、一方で、私は社会的規制というか社会的な立場上の弱者保護ということに関しては、いろいろな制度上の欠陥等あろうかと思いますけれども、それはそれなりにしっかりと取り組んでいただきたいなというふうに思っております。
 そこで、宮澤大蔵大臣は以前、たしか当委員会においても、消費者金融あるいはいわゆる一般の貸金業者、商工ローンも含めて問題になったときだと思いますが、人類の歴史上第二番目に古い職業ということでなかなか難しいというような御答弁をいただいたのでございます。
 たしかその折に、私も実は私の出身校の大変な長老から、実際に営業活動の中において年利五〇%、日賦業者の場合は今度下げても五四・七五、現行ですと一〇〇%を超えるわけでございますが、ほどの金利をとって本当にそんな営業が成り立つと思うかというふうに聞かれて、それもそうだなというふうに思ったことがあったわけでございます。
 何を宮澤大蔵大臣に伺いたいかといいますと、こういった業者の社会的意義と、それから実際にそこから融資を受けられる方が最後のラストリゾートとしてこういうところに行って、多くの場合はそのまま大変厳しい状況になるのじゃないかと。必ずしも百人の方が借りに行かれたら半分もそれによって社会的な恩恵を受けていないのではないかと思うんですが、歴史上二番目に古いからなかなか難しいとおっしゃった大蔵大臣としての社会的意義、あるいは経済的な意義についていかに考えられているかということをお伺いしたいと思います。
#29
○国務大臣(宮澤喜一君) 私自身よく実態を存じておるわけではございませんけれども、先ほど衆議院の御提案を伺っておりました。その過程におきまして、かねていわゆる商工ローン問題がありました後、上限金利が引き下げられましたが、日賦貸金業者についても金利水準としては高過ぎるのではないかという御議論がありまして、殊に九州、沖縄等々、先ほどお話しのようなトラブルのことについても衆議院の委員会で御議論があって、結局、超党派でこの問題についての御検討が進みまして、先ほど御説明のありましたような全会派御賛成のもとに御提案に至ったということでございます。また、その間、業者についても直接ヒアリングをなさったように承っておりますが、結局、衆議院におかれまして到達された結論は、この日賦貸金業者という業態そのものの存在は事実として認めざるを得ないと申しますか、認めるべきであると、そこはニュアンスがわかりませんが、認めた上で対応を考えるということがこの際適当であろう、そういう結論に達せられたものと思います。
 したがいまして、そういう上で上限金利を下げられたということを拝察いたしますと、こういう業者が存在すること自身は肯定的にとらえてその上での立法をされたと、こういう御判断であると思いますので、私としてもそれを尊重して考えることがいいのではないかと、自分ではよく業態を存じませんままにそういうふうに考えております。
#30
○浅尾慶一郎君 その社会的意義と絡む話になってまいりますけれども、当委員会においても今までいろいろと議論をさせていただいたことの中に、いわゆる出資法上の制限金利と利息制限法上の制限金利との違い、あるいは出資法上の制限金利が、改正されて大分下がってまいりましたけれども、まだまだ高いことによっていろいろ社会的な弱者の方が苦労をされているケースが多いんではないかなというふうに思っております。
 具体的なケースで申し上げますと、先ほど大蔵大臣の方から御答弁がありました九州・沖縄地区に関して言いますと、私も熊本におりました知人から聞きましたところ、熊本県、宮崎県というのは、正確な数字はわからないんですが、全国平均の恐らく倍ぐらいの人口当たりの自己破産率を誇っておると。そのことと日賦貸金業者が多いということの関連性はもちろんわからないわけでありますけれども、事実としてそういうことがあるということ、あるいはまた今の日本の大変困窮しております経済の状況からして、残念ながら自殺者が随分ふえておられる中で、多重債務の結果自殺されている方もいられるということもあろうかと思います。
 そこで、何を申し上げたいかといいますと、きょうは小池経済企画庁政務次官にもお越しいただいておりますが、利息制限法と出資法との制限金利の違いに関して、大変多くの借金を抱えて裁判所に調停を申し立てた場合、現行のほぼすべての調停において利息制限法の金利に繰り戻して債権債務関係を確定しているというのが判例あるいは実務において行われているようであります。実は再三そのことについて当委員会においても指摘をさせていただいて、前の越智再生委員長からも勉強させていただくというような御答弁もいただきました。
 経済企画庁とやっておられるということなんですが、きょうここに「ハンドブック消費者」というものを持ってこさせていただきました。私も読んだんですが、これだけ厚い本の中に一ページのみそのことについて書いてあるわけでありまして、しかもすごく書き方がわかりにくいような気がいたします。
 インターネットで消費者金融あるいは利息制限法というのを引きましたところ、ある司法書士さんがつくられたホームページで、いつつくられたかちょっとわかりませんが、ヒット件数でいうと既に二万四千ぐらいのヒット数があって、そこには非常に懇切丁寧に、要するに通例は利息制限法以上のものに関してはもう払わなくていい、だから自己破産を申請する前にもしかしたらあなたはもう全部払っちゃっているかもしれませんよというようなことが書いてあるわけであります。
 そのことを仮に知っていれば、自己破産を申請しなくてももうそれで債務免除になるケースが実はあるわけでありますから、私は、経済企画庁としても、消費者教育ということに関してぜひ金融監督庁あるいは再生委員会とタイアップをしていただいて、もう少しわかりやすく教育をしていただけないかなと思って指摘をさせていただいておるわけでございますが、まず今後どういう形でプランがあるか、ちょっとお答えいただけますでしょうか。
#31
○政務次官(小池百合子君) 今、実際に手にとって御説明、御紹介いただきましたこの「ハンドブック消費者」でございますけれども、こちらの方でも実際取り上げさせていただいております。
 わずか一ページということをおっしゃいましたけれども、消費者行政は大変幅が広うございまして、全部をカバーしているとますます重たい本になって、かえって読まれなくなるというようなこともございましょう。その意味で、こちらの方ではしっかり取り上げさせていただいていると認識をいたしております。
 それから、御指摘のありましたホームページでございますけれども、これは「消費者の窓」というのが経済企画庁のホームページのインデックスの中に入っておりまして、この中を拡充する予定でございます。
 今、御指摘がありましたように、わかりやすく読みやすいような情報提供を心がけてまいりたいと思っております。
#32
○浅尾慶一郎君 それでは、中身についても、これは金融監督庁と経済企画庁それぞれに伺わせていただきたいんですが、この「ハンドブック消費者」の記載では、そのまま読みますと、「利息制限法によれば民事上無効であるが、出資法には違反せず、債務者が任意に支払った場合には有効とみなされる場合がある範囲」と書いてあるんです。
 「場合がある範囲」、これを読んでも、どの場合に当たるのか消費者はわからないのではないかなと思いまして、実際の今の裁判実務においては、先ほど申し上げましたように、調停になった場合はほぼ一〇〇%利息制限法の金利に繰り戻して、そしてあなたの今の債務はこれぐらいですよということで調停を裁判所でやっておるわけですから、ぜひそこをわかりやすく書いていただけないでしょうか。
#33
○政務次官(小池百合子君) 消費者の立場に立って、わかりやすい説明をしていきたいと思っております。
#34
○浅尾慶一郎君 経済企画庁は幅が広いということになろうかと思いますが、これを読みますと、問い合わせ先は経済企画庁はなくて金融監督庁監督部銀行監督課金融会社室と大蔵省金融企画局信用課ということで、問い合わせ先はいずれも金融監督庁ないしは大蔵省でございますので、所管としてもう少しわかりやすく取り扱うことに関していかがでございましょうか。
#35
○政務次官(村井仁君) これは以前、越智前金融再生委員長からも御答弁の中で申し上げたことでございますけれども、いわゆる今の浅尾委員御指摘の差異でございますが、ここのところが無効であるということを知りながら債務者が、その契約者が任意に支払ったと、こういうことを貸金業者が主張するということになりますと、これまたちょっと法律的にはややこしいことになりかねない。そのあたり微妙な問題があるわけでございますけれども、大変大事な御指摘でございますので、私どもといたしましても、経済企画庁とよく相談をいたしまして、消費者といいますか弱者の立場が害されないように、どういった表現が最もよろしいか、精いっぱい工夫をしてまいりたいと考えます。
#36
○浅尾慶一郎君 そこで、一つお願い、御要望があるんですが、経済企画庁とあわせて、先ほども申し上げましたように、今の裁判実務、調停に行った場合にはほぼ一〇〇%利息制限法の民事上の金利に引き直して債権債務関係を確定しておる、要するに調停に行くということは任意に払わないことと同値ということなんだと思いますけれども、そこの部分も確認をしていただいて、これは明らかに弱者なんだと思うんですね、法は知っていなきゃいけないという前提でございますが、知らないということによる損失を防ぐというのも、これは考え方かもしれませんが、行政としてとるべきことなのではないかなと思っておりますので、ぜひ経済企画庁だけではなくて裁判所等とも御検討いただきたいと思いますが、その点、いかがでしょうか。
#37
○政務次官(村井仁君) この辺は、裁判所と申しますより、私どもとしましては法務省とよく相談をさせていただきまして、どこまでそのような司法上の実例というものを行政庁として有権的にコメントできるか、その限界というものを十分に吟味してまいりたいと思います。
#38
○浅尾慶一郎君 最後に、ちょっと時間がありますので、たまたま私の知り合いが日本に来ておった関係で、ニューヨークの専門家の方なんですが、GDPの数字について、アメリカで取り上げられた文書の中で大蔵大臣のコメントがあって、そのことに関して彼としても日本の経済全体を考える上でどういうものだろうかという話があったものですから、それをちょっと大臣にお伺いさせていただきたいというふうに思うんです。
 実はGDPの数字をとるに当たって、金融機関の設備投資の数字が極端に下がっていたものですから、悪意を持ってということではなくて、意識的にその数字を外したということが報告をされておりまして、そのことは理解しますということなんですが、英文で書いてあるものを倒しますと、大臣のコメントは、そのことは大したことではないというか、そういうことはあるんだということだったんですが、その後で続けられて、こういったようなことは過去にも行われていたということをお答えになられたということなんですね。それに関して、海外の人たちは、そうだとすると統計に対する透明性、信頼性が下がってしまうのではないかなというようなことを言っております。
 それで、私にその人がちょっと危惧を持って言ったのは、これから円の国際化ということを考えた場合に、今は日本の国債はほぼ一〇〇%日本の国内で消費されているから構わないんでしょうけれども、海外の投資家に日本の国債といったようなものを買っていただくということを考えた場合にはもう少し同じルールでやられたらどうなんでしょうかというような話がありました。
 もう時間がありませんから、最後に、今まではそういうことは当然統計としてちゃんとしたものを出さなきゃいけないという観点からやられたことなのかもしれませんが、海外の方にもわかりやすいような形にしないとかえって誤解を与えてしまうのではないかなと思いますので、もし大臣として何か御所見があれば、お答えいただける部分があればお答えをいただきたいんですが。
#39
○国務大臣(宮澤喜一君) 私から申し上げることは余りありませんけれども、今おっしゃいましたように、昨年の十―十二の四半期における金融機関の投資額をめぐって、経済企画庁の研究所のQEのときの暫定値に誤りがあるということに関してニューヨーク・タイムズの報道があり、経済企画庁は、そうしたことはもちろん故意でないことは極めて明らかでありますけれども、それを後で訂正したということを私は記者会見で聞かれまして、私は、昔ではあるけれども五年ほどあの役所におりましたので、そういうことを故意にやるということはまずあり得ない、次に、暫定値を直すということはアメリカでもしょっちゅうやることであって、過去にも日本にもありアメリカにもあり、そのことは少しも不思議なことでないと、こういうことを申しました。
 その上で、どっちの数字が正しいかというような質問がありましたので、統計とけんかをしても仕方がない、ユー・キャント・ビート・スタティスティクスと言いました。それはどうしてもそう思いますし、しかも御承知のように暫定値が直るということはもうアメリカでも常識でございますから、間違ったことを申しておるとは思いません。そういうことでございます。
#40
○浅尾慶一郎君 終わります。
#41
○池田幹幸君 日本共産党の池田幹幸でございます。
 まず、提案者の石井さんにおいでいただいておりますので、伺いたいと思います。
 提案者は、本法案を提出した理由につきまして、衆議院におきまして、日賦貸金業者が出資法で定められている貸付対象業者以外の者に貸し付けを行う事例が多発しているということ、それから取り立てをめぐるトラブルも発生しているなど社会問題化していること、その背景には特例金利一〇九・五%という高金利があること、こういったことを挙げておられます。そういったことから資金需要者の利益を保護する必要があるんだ、それで提案したんだということなんですが、我が党、日本共産党も、最大の原因がこの特例金利にあるというふうに指摘し、衆議院におきましては、特例金利の廃止、せめて出資法の上限、あさってから実施されます二九・二%の水準にまで引き下げるべきだという法案を提出してきました、残念ながら受け入れられなかったわけですけれども。
 とりあえず上限金利五四・七五%という形で衆議院では全会一致で通されたわけなんですが、この五四・七五%、確かに半分に引き下げられたわけで、方向としては改善であることは間違いないわけなんです。ただ、現状から見て、果たしてこれで目的とする利用者の保護が、日賦貸金業の利用者の保護ができるのかどうかということでは私は非常に心もとないというふうに考えております。
 そういう点で、提案者は今度の改正でどれぐらい問題が解決できるというふうに考えておられるのか、伺いたいと思います。
#42
○衆議院議員(石井啓一君) 今、御指摘がございましたように、この六月から一般の貸金業者の金利が二九・二%に引き下がるといった中にありまして、日賦貸金業者の現行の金利が非常に高過ぎる、こういう批判もございましたし、また九州や沖縄を中心としてトラブルが発生しているといった状況を踏まえまして、与党内の議論の中で、また与野党間でさまざまに議論をさせていただいた中におきまして、先日の大蔵委員会において全会派一致で本法律案が提出されたところでございます。
 これは、現行の特例金利を一〇九・五%から五四・七五%に大幅に引き下げると同時に、日賦貸金業者に対する行為規制、貸し付け条件の掲示、ポスターやビラ等の広告、それから契約締結時に交付する書面、ここにも日賦貸金業者である旨等についてきちんと記載する、掲載する、こういうことについて強化するなど、日賦貸金業者に係る問題について必要な対策を取り込んだところでございます。
 また、衆議院の大蔵委員会におきましては、政府に対しまして、日賦貸金業者に対し出資法の規定の厳守について指導監督すること等を決議という形で申し入れておりまして、こうした措置と相まってトラブルは相当改善できるのではないかと、こういうふうに期待をしておるところでございます。
#43
○池田幹幸君 日賦貸金業者の実態について監督庁から資料をいただいたんですけれども、それを見ますと、登録者数、いわゆる一般の貸金業者の登録業者数がこの三年間かなり減ってきております。それに比べて日賦貸金業者は逆にふえております。この三年間で一般の貸金業者の登録者数は三万一千六百六十八から二万九千七百五、千九百六十三業者が減っているんですね、マイナス六%。それに比べまして日賦貸金業者は千八百四十七から先ほどお話のあった二千四百九十七にふえております。六百五十社ふえて三五%の増ということになっているんですね。非常な急増だと思います。こういった急増の原因、これは一体どこにあるというふうにお考えでしょうか、提案者に簡単にお答え願いたいと思います。
#44
○衆議院議員(石井啓一君) 御指摘のとおり、確かに全体の貸金業者の数が減っている中で日賦貸金業者が着実に増加している、これは私どもも事前のヒアリングの中でそういう認識をしているところでございます。
 この理由というのは、私どもも正直申し上げましてはっきり把握しているところではございませんけれども、やはり日賦業者の特例金利が一般の貸金業者に対して非常に高いということもその一因ではないかというふうに考えられるところでございます。
#45
○池田幹幸君 日弁連がこういった問題にずっと取り組んでこられたわけですけれども、最近、意見書を出しておられることは御承知だと思うんです。それを読ませていただきますと、ともかく今の実態を見ますと、「公務員、サラリーマン、主婦、あるいは無職者を対象に貸付けを行う、銀行振り込みや持参払いをさせる、まとめ払いをさせるといった要件違反の営業が常態化している」と言っているんですね。また、「信用状態の悪い者を対象に貸付けを行うために、長時間拘束の上、保証人を付けることを強要し、親族への取り立て」等々違反行為がなされておることが言われております。
 その原因は超高金利のうまみをねらって参入する業者がふえている、これはもう明確に書いているんですが、「超高金利のうま味が大きいために、暴利の取得のみを目的に、貸金業者としての企業理念もモラルもない者が多数参入して来ている」というふうに指摘しておられるんですね。だから、まさに超高金利が原因だと、うまみのみをねらうとんでもない業者がふえてきているというふうに指摘し、改善が急務だということを言っているんですけれども、その認識は提案者も全く同じだと思うんです。
 そういった立場からしますと、その超高金利が原因とするならば、五四・七五%に下げたぐらいでは新規参入者は減らないんじゃないか。先ほどの御答弁では、効果があることを期待していると。その点では私たちも期待はいたしますけれども、なかなか期待できないんじゃないかなという気がします。
 通常の貸金業者よりも高利を享受しながら、他方では、一〇九・五から五四・七五まで下げられるわけですから、そうすると今までのもうけを取り返そうと思えば別の形で利益を上げようというふうに当然やってくるわけですね。そうしますと、こういった違法な行為がエスカレートするおそれが逆にあるんじゃないか、そういったことを許す程度の高金利が温存されたというふうに言えるんじゃないかと思うんですが、その点はいかがでしょうか。これは提案者よりも実態把握しておる監督庁の方に伺いたいんですけれども、大丈夫でしょうか、実際の運用に当たって。
#46
○政務次官(村井仁君) これは、現在御審議中の法案が施行されました後、私どもも十分心して運用してまいるということで、その結果を見なければいけないことでございますが、私ども非常に大きい改正点だと思っておりますのは、ただいま提案者からも御説明がございましたように、日賦貸金業者であるという業態を明確に表示するということが非常に強く強制されているわけでございまして、このあたりでまず借り手の側で十分に認識を持ち得るような環境ができるのではないか。これはひとつ期待をしておるところでございます。
 一番の問題は、本来、日賦貸金業者が貸してはならない相手が借りている、それがただいま池田委員御指摘のようないろんな問題の原因になっているわけでございますが、この点は大いに期待している点でございます。
 さらには、私どもとしましては、こういった新しく規制されることにつきまして違反の事実がございました場合には、都道府県なり財務局なりそれぞれ所轄のところで十分にその情報を把握しましてチェックをする態勢も整えてまいりたいと存じますし、甚だしき場合は、当然のことでございますけれども、警察当局とも連絡を密にしてまいりたい、そんなふうに考えておるところでございます。
#47
○池田幹幸君 日賦貸金業者に固有の違法行為といいますか、それの最大のものは、先ほどの日弁連の中にもありましたように、貸付対象外、こういった人には貸しちゃいけませんよという人への貸し付けが多いというのが一番の問題だと思うんです。そういう点では、今御答弁にあったように、この改正案で貸し付け条件の掲示義務を課すということ、これは確かに今までなかったわけですから、そういう点では前進だと思うんですが、しかしそれが効果を上げるかどうか、それはひとえに運用にかかってくるんだと思うんです。
 先ほどの浅尾委員への答弁で、再生委員長はいろいろ監督強化等をこれまでも指示してきたというふうにおっしゃっていました。そうやってこられたんだろうと思うんですが、その結果がはかばかしくないというのが現状です。それに加えて、こういう掲示ができてきたと。そうしますと、これを本当に効果あらしめるためには、監督庁がどういった形でどういった手だてをとるかということが非常に大事になってくると思うんです。
 それについて監督庁はどういうふうに考えておられますか。今までの対策に加えて、どういったことを今度の法案が成立しますとやろうと考えておられるのか、ひとつ伺いたいと思うんです。
#48
○国務大臣(谷垣禎一君) 今回の法案は、先ほど提案者から御説明がありましたように、特例金利を見直していくという点も大きいことでございますが、もう一つ、今、総括政務次官からも御答弁しましたように、日賦貸金業者が営業所等で自分がそういう業者である、法で定められた業務の方法はどういうものであるかということをきちっと明示しなきゃならぬ、こういうことを今御議論いただいているわけでございますので、この法案が通りまして施行ということになりましたら、私たちは、日賦貸金業者に対して、こういう法規制になっておるということをまず周知徹底させる、このことをやらなきゃならないんだろうと思います。それで、その周知徹底を行って、その遵守が行われるように検査監督を厳正にやっていく、こういうことであろうと思っております。
#49
○池田幹幸君 その検査監督なんですが、今は定期検査しかやっていないわけですね。大体三年に一回というお話でした。これを厳正に検査監督するということになりますと、もっと回数をふやさないといかぬのじゃないか、もう少し頻繁に。今は特に頻繁にやらなけりゃいかぬのじゃないかと考えておりますが、そういったことは検討いただけますでしょうか。
#50
○国務大臣(谷垣禎一君) 今登録されている日賦業者というのが平成十一年度末で財務局登録が七十九、それから都道府県登録は二千四百十八、こういうことになっておりまして、平成十一年度で見ますと、財務局登録については十二業者検査を行っている。それから、都道府県の方に関しては、正確な数字ではございませんが、おおよそ七百ということでございます。
 今、定期検査以外にという御趣旨だったと思うんですが、定期とか特別検査というようなことは特に制度上決まっているわけではありませんで、現行の私どもの手持ちの要員ということもございますので、そういうことを勘案しながら必要なところにきちっとやっていくということを督励していかなければならないと思っております。
#51
○池田幹幸君 最後に、高金利の話に戻りたいと思うんですが、一般の貸金業者よりも有利な条件があるわけで、そういう条件がある限り悪質な新規参入というのはふえるおそれがあると思うんです。
 私たちはせめて出資法の上限二九・二%まで引き下げるべきだと考えているわけですけれども、とりあえず五四・七五%でやってみようということであるならば、やってみて、その効果が余り出ていないと判明した場合、すなわち貸金業者全体の数が減っている中で日賦貸金業者だけがふえているという今の状態、こういった状態が続いているということが判明した場合は、直ちに法律の見直し、法律の効果が出る水準まで上限金利を引き下げるといった法改正を行うべきだと思うんです。そういう点で大蔵大臣の御所見を伺いたいと思います。
#52
○国務大臣(宮澤喜一君) この点は衆議院におかれまして各党慎重に御討議の結果こういう結論に達せられたと承知をいたしておりますので、この法律を政府として運営していきます中で、ただいまの池田委員のような意見に傾きました場合には、恐らくこの立案をされました衆議院の大蔵委員会にそういう政府の所見を申し上げる、その上でまた御検討いただくということあたりが比較的いいやり方ではないかと考えますが、それはまた法を施行いたしましてからのことでございます。
#53
○池田幹幸君 終わります。
#54
○三重野栄子君 社民党の三重野栄子でございます。
 日賦貸金業者に関連をいたしまして質問いたします。
 まず、本年三月十四日の本委員会におきまして私が日賦貸金業者に関する政府の対応を伺いましたところ、谷垣再生委員長から、貸金業規制法に基づいて都道府県や財務局に五項目の指示を出されたという御答弁を伺いました。
 この五項目の提示をされてからもう二カ月もたつわけでございますけれども、まず監督態勢の強化、二、情報把握の徹底、三、苦情の申し出に対する的確な取り扱い、四、警察当局への情報提供、五、協議会の設置など財務局、都道府県、警察当局の連携強化等、それぞれの指示に対する実際の対応はどのように行われているのか、把握されておりましたら御答弁をお願いします。
#55
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、三重野委員がおっしゃいましたように、三月の初めだったと思いますが、御指摘の五件の点につきまして、各都道府県、財務局に対しまして、金融監督庁の方から、貸金業規制法等に基づいた適切な対応を五点を踏まえてやっていただきたいという指示をしたところでございます。
 これを受けまして、各財務局におきましては、日賦貸金業の担当者を新たに決めるといったような監督態勢を強化しまして、貸金業者において出資法とか貸金業規制法の行為規制違反の疑いのある場合には説明や報告を求めるということをやりまして、事実関係をいろいろ調査いたしております。それから、出資法違反等の刑事上の問題があるというふうに判断した場合には、警察当局に情報提供も随時行ってきたということでございます。それと、ことしの四月から地方分権推進法が施行されまして、都道府県の貸金業に係る事務は自治事務に移行したわけですが、都道府県においても今私が申し上げましたのと同様の対応がとられているというふうに聞いております。
 各財務局と都道府県、それから都道府県の警察当局、この三者から成る連絡会議を全国各地で開催いたしまして、こういう会議などを通じてこの三者間の一層の連携の強化に努めているわけでありますが、引き続き財務局、都道府県において貸金業規制法に基づいて適切な対応が図れるように努力をしていかなければならないと思っております。
#56
○三重野栄子君 大変積極的にお進めいただいておりますが、そういう結果といいましょうか数字といいましょうか、そういう文書というのはいただけるんでしょうか。
#57
○政府参考人(乾文男君) 今、大臣から御答弁申し上げましたように、いろいろなことを行っておりますけれども、例えば都道府県及び警察当局、それから財務局から成ります連絡会議につきましては、各県ごとあるいはそのブロック単位ごと等の区分はありますけれども、すべての県においてそういう対応を行ったところでございます。
#58
○三重野栄子君 文書をいただきたいのでございますが、直ちにはないようでございますから、それではまた日時を改めてお願いいたしたいと思います。
 同じ十四日の質疑でございますが、都道府県が貸金業者を所管しているので金融監督庁としてはなぜ日賦貸金業者がふえているのか知る手段がないというふうにお答えでございましたけれども、昨年の法改正による上限金利の引き下げが、先ほどもお話が出ましたが、この六月に施行されることから、一般の貸金業者が高金利を認められている日賦貸金業者に参入するという報道もあるわけでございます。
 このような理由で参入するということは、本来、従業員五人以下の零細企業に限って融資すること、また返済期間百日以上のうち七割以上は融資先に直接出向いて集金することの二つの要件が守られていない法令違反が相当多いのではないかと推察されるわけでございます。
 商工ローンの問題につきましても、近畿財務局は既に平成七年に検査を行って法令違反があったことを把握していましたが、その後の甘い指導で被害が拡大したとも言われておるところでございます。日掛け金融が盛んな九州地区、特に私が住んでおります福岡県も大変多いわけでございますけれども、自己破産率が高く、県の消費者センターが行った多重債務相談の多くが日掛け金融となっております。
 そこで、再生委員長の指示のうちの苦情の申し出に対する的確な取り扱いといたしまして、これらの法令違反について、債務者からの申し出が多い日賦貸金業者につきましては、貸金業規制法に基づき財務局による調査を行い、厳格な業務改善指導を行うべきであると思うわけでございますけれども、それらにつきまして、谷垣再生委員長、さらに大蔵大臣にも御所見をいただければと思うんですが、いかがでしょうか。
#59
○政務次官(村井仁君) ただいま御指摘のように、貸金業者に対する苦情等の申し出に対しましては、従来より各都道府県、財務局におきまして、私どもの事務ガイドラインに従ってできるだけ適切な処理に努めているところでございますが、とりわけ日賦業者につきましては、私ども、三月上旬に各都道府県、財務局に対しましてただいま再生委員長から申し上げましたような指示もしたところでございます。
 各財務局では、日賦貸金業者のみならず貸金業者全体に対します苦情の申し出があった場合には、事情をよく聴取いたしまして、法に基づく権限の範囲内において申し出人に必要な助言を行いましたり、それから必要がある場合には申し出人の了解を得た上で当該貸金業者に対しましてその内容の確認をいたしたり、そのようなことをいたしております。それから、民事上、刑事上の問題につきまして財務局において解決が困難な事案につきましては、その内容に応じまして、貸金業協会でございますとか弁護士会、あるいは警察に連絡し、協力を求めるなどもいたしております。
 それからまた、四月の地方分権推進法の施行に伴いまして都道府県の貸金業に係る事務が自治事務に移行したということでございますけれども、都道府県におかれましても同様の対応をしていただいていると私ども承知しているところでございます。
#60
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま総括政務次官の言われましたようなことにつきましては、財務局の諸君にも十分注意をしてやるようにいたしたいと思います。
#61
○三重野栄子君 それでは、提案者の方に、時間がございませんので簡単に一点だけ伺いたいと思います。
 裁判では、百分の六十四の日数しか集金していなかった業者に対しまして金利の特例が認められず、利息制限法の二〇%の金利に引き下げられた判決がございます。
 今回の改正で集金日数を七割から五割に引き下げることによってこの六十四日のケースに特例金利が適用されるというのは大変不当な結果だというふうに思うわけでございます。今後見直しの必要があると思いますが、いかがでしょうか。
#62
○衆議院議員(石井啓一君) 今回、日賦業者の要件のうち、みずから取り立てる期間が返済期間の百分の七十以上の日数というのを百分の五十以上に改めたところでございますけれども、これは百分の七十で設定をいたしましたときが週休二日制が定着していない時代でございまして、その後の取引先の営業の実態等を踏まえまして、今回、百分の五十ということに改めさせていただいたところでございます。今回こういう形で見直しをさせていただいたわけでございます。
#63
○三重野栄子君 終わります。
#64
○委員長(平田健二君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律の一部を改正する法律及び貸金業の規制等に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#65
○委員長(平田健二君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、寺崎君から発言を求められておりますので、これを許します。寺崎昭久君。
#66
○寺崎昭久君 私は、ただいま可決されました出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律の一部を改正する法律及び貸金業の規制等に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党・改革クラブ及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律の一部を改正する法律及び貸金業の規制等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。
 一 日賦貸金業者に係る出資法の特例措置については、出資法本則の貸金業者の上限金利に関する検討状況を踏まえつつ、資金需給の動向等を総合的に勘案して検討を加え、必要な見直しを行うものとする。
 一 日賦貸金業者に対し、引き続き、出資法の規定を厳守するよう指導・監督するとともに、都道府県に対しその趣旨を要請すること。また、暴力的取り立てなどの悪質な行為は、厳重に取り締まること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#67
○委員長(平田健二君) ただいま寺崎君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#68
○委員長(平田健二君) 全会一致と認めます。よって、寺崎君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、宮澤大蔵大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。宮澤大蔵大臣。
#69
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨を踏まえ配意してまいりたいと存じます。
#70
○委員長(平田健二君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#71
○委員長(平田健二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時四分散会
ソース: 国立国会図書館
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