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2000/03/09 第147回国会 参議院 参議院会議録情報 第147回国会 外交・防衛委員会 第2号
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2000/03/09 第147回国会 参議院

参議院会議録情報 第147回国会 外交・防衛委員会 第2号

#1
第147回国会 外交・防衛委員会 第2号
平成十二年三月九日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         矢野 哲朗君
    理 事
                鈴木 正孝君
                武見 敬三君
                小山 峰男君
                益田 洋介君
                小泉 親司君
    委 員
                佐々木知子君
                村上 正邦君
                森山  裕君
                山崎  力君
                山本 一太君
                依田 智治君
                吉村剛太郎君
                海野  徹君
                松前 達郎君
                荒木 清寛君
                立木  洋君
                田  英夫君
                田村 秀昭君
   国務大臣
       外務大臣     河野 洋平君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  瓦   力君
   政務次官
       外務政務次官   東  祥三君
       外務政務次官   山本 一太君
       防衛政務次官   依田 智治君
       防衛政務次官   西川太一郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        櫻川 明巧君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○外交、防衛等に関する調査
 (外交の基本方針に関する件)
 (国の防衛の基本方針に関する件)

    ─────────────
#2
○委員長(矢野哲朗君) ただいまから外交・防衛委員会を開会いたします。
 外交、防衛等に関する調査を議題といたします。
 まず、外務大臣から外交の基本方針について所信を聴取いたします。河野外務大臣。
#3
○国務大臣(河野洋平君) お許しをいただいて、座ったままごあいさつをさせていただきます。
 外交・防衛委員会の開催に当たり、外交政策についての所信を申し述べさせていただきます。
 新千年紀の幕をあけた世界は、政治、経済、社会の各側面で多くの挑戦に直面しています。今日、人類は民族、宗教といったそれぞれの帰属意識の相克を乗り越え、対話と協調により問題を解決していかなければなりません。また、未曾有の繁栄をもたらした経済のグローバル化や情報通信分野の革新的変化から取り残された人々や地域に対する目配りを忘れてはなりません。
 自由、民主主義、基本的人権の尊重といった価値が一段と国際社会に定着してきたことは歓迎すべきことです。このような普遍的価値の実践に国際社会全体が力を合わせて取り組むべきであります。また、このためにも、文化的、社会的背景の異なる各国、各文明間の対話を繊細さと寛容の精神で進めていかなければなりません。
 このような基本認識のもと、私は、国民とともによりよき未来を開く外交をモットーに、より平和で安定した未来、より人間的な未来、より繁栄した未来に一歩でも近づけるよう全力を尽くす所存であります。
 まず、我が国及びアジア太平洋地域の平和と安定を確保するためには、米国との同盟関係が基軸となります。政府としては、日米安保体制の信頼性を一層向上させるため、日米防衛協力のための指針の実効性の確保に引き続き取り組んでまいります。
 またさらに、米軍施設・区域が集中することにより、沖縄県の方々が背負っておられる多大な御負担を少しでも軽減していくため、誠心誠意努力してまいります。先般の訪米の際にも、私は、米国関係者と沖縄の問題につき緊密に話し合ってまいりました。
 また、私としては、近隣諸国との関係強化を我が国外交の柱として全力で取り組んでまいる所存です。隣国たる韓国との関係は、近年一段と深まっておりますが、今後は幅広い交流を推進すること等により、信頼関係をより強固なものとする考えであります。中国との間では、日中共同声明の原点をしっかりと踏まえ、幅広い分野で具体的な交流を進めてまいります。
 このような中、北朝鮮との関係は大きな課題であります。七日、政府は国交正常化交渉本会談を四月前半に再開すること及びそれを受けて北朝鮮に対し十万トンの食糧支援を行うこと等を発表いたしました。我が国は、韓米両国と緊密に連携をしつつ、北東アジア地域の平和と安定に資するような形で、第二次世界大戦後の正常でない北朝鮮との関係を正していくとの基本方針に従って国交正常化交渉に臨んでまいります。また、このような対話を通じ、拉致問題等の人道問題及びミサイル問題等の安全保障問題につき真剣に取り組んでいく考えであります。
 ロシアとの関係については、あらゆる分野での関係強化を図りつつ、新政権との間で東京宣言やクラスノヤルスク合意等に基づき平和条約を締結できるよう全力を尽くすことを基本方針としています。先般来日したイワノフ外相との会談でも、この点を明確に確認いたしました。
 また、国連が期待される役割を果たせるように、安保理改革を初めとする国連改革を推進するとともに、国民の皆様の御理解をいただきながら、国連の平和活動に引き続き積極的に協力していく考えであります。さらに、紛争予防や軍備管理・軍縮、不拡散にも積極的に取り組んでまいります。
 また、世界経済の持続可能な発展を実現するためにも、世界貿易機関における新ラウンドの早期立ち上げに向け引き続き努力してまいります。さらに、政府開発援助につきましては、我が国の重要な外交手段として、また広い意味での国益に資するものとして、より効果的かつ効率的に実施してまいります。
 本年七月の九州・沖縄サミットは、我が国の最も重要な外交日程であります。このサミットでは、G8が実りある議論を行い、二十一世紀に向けて明るいメッセージを発信すべきと考えております。
 私は、二十一世紀の日本外交を進める上で、政府が国民各界各層と意見を交換し、連携して我が国の持てる総合力を存分に発揮していかなければならないと考えております。
 この点、本委員会での御議論は極めて重要であると考えており、矢野委員長を初め委員の皆様の御指導と御協力を賜りますよう、お願い申し上げます。
#4
○委員長(矢野哲朗君) 次に、防衛庁長官から国の防衛の基本方針について所信を聴取いたします。瓦防衛庁長官。
#5
○国務大臣(瓦力君) 防衛庁長官でございますが、お許しを得て所信を述べさせていただきます。
 本日は、矢野委員長を初め委員の皆様にごあいさつを申し上げますとともに、防衛庁長官として所信を申し述べさせていただきます。
 我が国を取り巻くアジア太平洋地域では、米朝協議など地域の安定を図ろうとする種々の動きが見られるものの、依然として核戦力を含む大規模な軍事力が存在している中で、多くの国々が経済力の拡大などに伴い軍事力の拡充、近代化に努めてきたところであり、また、朝鮮半島などの諸問題が未解決のまま存在するなど、不透明、不確実な要素が依然として存在すると言わざるを得ません。
 我が国も、一昨年八月の北朝鮮によるミサイル発射事案、昨年三月の能登半島沖不審船事案など、安全保障にとって憂慮すべき事態に直面してまいりました。また、国内においても、大規模震災等自然災害のみならず、昨年九月の東海村ウラン加工施設事故など、多様な事態が現出しております。
 このような情勢の中、防衛庁としては、国民の生命・安全を守るという原点に立ち、我が国の独立と平和をいかにして守るかについて、将来を見据えた防衛政策の検討が必要です。そのためには、日米安保体制を堅持し、防衛庁・自衛隊として引き続き必要な機能の充実と防衛力の質的向上に努めることが基本であります。
 さらに、昨年の不審船事案や東海村における原子力災害のような多様な事態に迅速かつ適切に対応できるよう、平素から十分に備えておくことが重要であります。特に、自衛隊が各種の行動を実施するに当たり、法律により与えられた任務、権限を状況に応じて適切に遂行、行使し得るよう、運用要領の策定や教育訓練のさらなる充実を図ることなどを今後一層重視し、取り組みを強化していく考えであります。
 このような観点から、平成十二年度防衛関係費については、見直された中期防衛力整備計画の最終年度として、引き続き取得改革の推進等により経費の節減合理化に努めつつ、防衛力全体として均衡のとれた態勢の維持、整備を図ることを基本としております。
 具体的には、不審船事案、ゲリラコマンド攻撃及びNBC、核・生物・化学兵器対処能力の確保等、多様な事態に適切に対応し得る態勢の整備を含め、所要の予算額を確保すべく総額四兆九千二百十八億円を計上しておりますとともに、陸上自衛隊の研究本部の新設、第十二師団の旅団化等を内容とする関連法案を提出しているところであります。
 また、有事の際、自衛隊の有効かつ円滑な任務遂行を確保するという観点から、有事法制は重要な問題であると認識しており、これについては、先般の自自公三党合意を踏まえるとともに、国会等における御議論や国民世論の動向などを注視しながら適切に対処してまいる所存であります。弾道ミサイル防衛についても、昨年より日米共同技術研究が行われており、日米双方にとって実りの多いものになるよう尽力してまいります。
 なお、防衛庁の省への昇格については、行革会議の最終報告において政治の場で議論することとされておりますが、国の防衛は国家の最も重要な責務であることや、かかる任務の重要性から諸外国の国防組織が省の取り扱いを受けていること等を十分に踏まえつつ、速やかにかつ真剣に議論がなされることを期待しております。
 一方、このような我が国独自の防衛努力に加え、米国との安全保障体制は、我が国の安全の確保と我が国周辺地域の平和と安定に重要な意義を有しております。昨年五月に周辺事態安全確保法等が成立、承認されたことにより、日米安保体制は新たな歩みを進めたと言えます。本法案の修正協議において、最終的に削除された船舶検査活動についても、早期に新たな立法措置が講じられることを強く期待しております。今後とも、日米安保体制の信頼性の向上のため、日米双方が引き続きさらなる努力をすることが必要であります。
 私は、本年一月のコーエン国防長官との日米防衛首脳会談の際、日米防衛協力のための指針に関連して、計画検討、調整メカニズムに係る作業を着実に進めていくことが重要であるとの点で認識を一つにしました。また、平成十三年三月に現行特別協定が失効した後の在日米軍駐留経費負担のあり方については、これが日米安保体制の重要な柱であることを認識しつつ、国民の理解を得ることが不可欠であるとの認識のもと、事務レベルでの協議を開始したところであります。さらに、在日米軍施設・区域の円滑かつ安定的な使用を確保することは、日米安全保障条約の目的達成のために極めて重要であります。
 普天間飛行場の移設・返還問題に関して、昨年十一月、稲嶺沖縄県知事から移設候補地の表明があり、さらに翌十二月、岸本名護市長からその受け入れが表明されました。こうした中、昨年十二月、「普天間飛行場の移設に係る政府方針」が閣議決定されたところであり、防衛庁としてもこの閣議決定のもと、最大限努力してまいるとともに、SACO最終報告の着実な実施に向け、真剣に取り組んでまいります。
 他方、我が国を取り巻く国際環境に働きかけ、より安定した安全保障環境の構築に向けて積極的に貢献していくことも重要な課題であると言えます。
 昨年は、トルコ共和国派遣海上輸送部隊が、はるか波濤を乗り越え、地震災害に見舞われたトルコの方々に、阪神・淡路大震災の苦しみの中で生活の盾となった仮設住宅を輸送しました。また、東チモール避難民救援空輸隊が、東チモールにおける紛争により避難民となり危機的な生活に追い込まれた人々に援助物資を輸送するという、アジア地域では初めての人道的な国際救援活動を完遂いたしました。さらに、本年一月には、日印防衛首脳会談を行うなど、積極的に安全保障対話・防衛交流を推進してまいりました。今後とも、より安定した安全保障環境の構築に向けた努力を実施してまいりたいと考えております。
 ただし、これら諸施策を実現するためには、国民の防衛庁・自衛隊に対する信頼があってこそ可能であることに深く思いをいたさなければなりません。
 防衛装備品等の調達に係る諸事案など不祥事については、防衛庁として全力を挙げてその是正に取り組んでまいりました。私としましても、これまで「調達改革の具体的措置」を着実に実施して、調達改革のさらなる深化に努めているところであります。
 また、日本電気株式会社による過大請求事案につきましては、昨年十二月二十四日、損害額を約三百十八億円と確定し返還請求を行い、同社より請求額の全額が国庫に一括して返納されておりますので、御報告させていただきます。今後とも、引き続き防衛調達の透明性、公正性をさらに追求すべく、真摯に努力してまいる所存であります。
 最後になりましたが、総理も仰せられたように、二十一世紀を平和の世紀とするために、我が国も国際社会へ積極的に貢献していかなければなりません。そのために、私が申し上げた諸施策につき、国民の理解と支持を得て、その着実な実施に向けての真摯なる努力をしてまいる所存であります。
 矢野委員長を初め委員各位におかれましては、当委員会での御審議を通じて、なお一層の御指導、御鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして、私の所信表明とさせていただきます。
#6
○委員長(矢野哲朗君) 以上で所信の聴取は終了いたしました。
 本件に対する質疑は、十四日午前十時から行うことといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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