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2000/03/30 第147回国会 参議院 参議院会議録情報 第147回国会 外交・防衛委員会 第8号
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2000/03/30 第147回国会 参議院

参議院会議録情報 第147回国会 外交・防衛委員会 第8号

#1
第147回国会 外交・防衛委員会 第8号
平成十二年三月三十日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十八日
    辞任         補欠選任   
     山下八洲夫君     小山 峰男君
 三月二十九日
    辞任         補欠選任   
     本田 良一君     堀  利和君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         矢野 哲朗君
    理 事
                鈴木 正孝君
                武見 敬三君
                小山 峰男君
                益田 洋介君
                小泉 親司君
    委 員
                佐々木知子君
                村上 正邦君
                森山  裕君
                山崎  力君
                山本 一太君
                依田 智治君
                吉村剛太郎君
                浅尾慶一郎君
                堀  利和君
                松前 達郎君
                荒木 清寛君
                立木  洋君
                田  英夫君
                田村 秀昭君
                佐藤 道夫君
   国務大臣
       外務大臣     河野 洋平君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  瓦   力君
   政務次官
       外務政務次官   山本 一太君
       防衛政務次官   依田 智治君
       防衛政務次官   西川太一郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        櫻川 明巧君
   政府参考人
       防衛庁防衛局長  首藤 新悟君
       防衛庁運用局長  柳澤 協二君
       防衛施設庁長官  大森 敬治君
       環境庁大気保全
       局長       廣瀬  省君
       外務省アジア局
       長        槙田 邦彦君
       外務省経済協力
       局長       飯村  豊君
       厚生省生活衛生
       局長       西本  至君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
〇在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務
 する外務公務員の給与に関する法律の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(矢野哲朗君) ただいまから外交・防衛委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二十八日、山下八洲夫君が委員を辞任され、その補欠として小山峰男君が選任されました。
 また、昨日、本田良一君が委員を辞任され、その補欠として堀利和君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(矢野哲朗君) 理事の補欠選任についてお諮りをいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(矢野哲朗君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に小山峰男君を指名いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(矢野哲朗君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に外務省アジア局長槙田邦彦君、外務省経済協力局長飯村豊君、防衛庁防衛局長首藤新悟君、防衛庁運用局長柳澤協二君、防衛施設庁長官大森敬治君、環境庁大気保全局長廣瀬省君、厚生省生活衛生局長西本至君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(矢野哲朗君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(矢野哲朗君) 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○武見敬三君 この在外公館に関する法案、これについては賛成であります。その上で別途一般質疑をさせていただきたいと思います。
 特に我が国の対外的な経済協力、これは我が国の外交を円滑に推進する上において極めて重要なツールであるということはもう衆目の一致するところだろうと思います。
 これをまた同時に、ただ単に我が国の国益という観点だけに狭く限定して行うべきことでもない、やはりこうした国際社会の中でまさにこうした人類社会というものが平和で安定した持続可能な社会を構成するためにも、より広い視点に立って我が国が協力しなければいけないということもまた当然のことだろうと思います。
 したがって、さまざまにその考え方というものが組み立てられるものだと思うわけでありますが、いずれにせよ、昨今の我が国の経済の状況、そしてまた財政赤字の深刻化、こういった経済的な諸条件のもとにおいて、なおかつ我が国がこうした国際社会に対して積極的に経済協力をするということに引き続き国民のはっきりとした支持というものを確保し続けるということは実はそう簡単なことでもないというような気がするわけであります。
 したがいまして、これをやはり適宜適切に国民にもその意義をお伝えするということを私どもは常に考えておかなければいけない。この点について、例えばちょうど三月二十七日に北京で九九年度の対中円借款の交換公文の署名式が行われたというふうに聞いております。
 この対中円借款というものについては、当初大平内閣のときに七九年以降中国が開始した改革・開放政策というものを支援し、かつまた外国の資本調達ということに対しては従来消極的であった中国が外国からも資本を調達して、そしてあらゆる意味でこうした改革・開放政策を進め始めた、これをやはり我が国としても積極的に支援をし、そして中国がアジア太平洋の中において引き続き安定をし、そして我が国初め関係諸国とも大いに共存し得るそうした国として発展していくことを期待して、こうした中国に対する円借款というものが始まったというふうに私は記憶をしております。
 この円借款は、もう既に一次、二次、三次、そしてついに四次までまいりまして、合計で二兆円を超す極めて大規模な円借款を我が国は中国に対して既に行うということになったわけであります。しかし、その内容について実はまだ必ずしも国民の中で理解を十分されているわけではない。これを改めてきちんと御理解をいただくとともに、二十一世紀に入ってからのこうした中国に対する経済協力のあり方について、改めて私は合意を確立して、そして日本と中国との間の円滑な関係を維持しつつ、さらに、より必要、効果的な対中経済協力のあり方についてもう一度これをきちんと議論をすべき段階に入ったかなという認識を持っております。
 そこで、こうした認識を私自身まず持っているということを申し上げた上で、外務大臣にまずこの基本的な点についての御見解を伺いたいと思います。
#9
○国務大臣(河野洋平君) 武見議員の基本的な認識は私も同様の認識を持っております。
 この五十年間、日本の国が今日のような経済状況になれたということも、やはり国際社会の中で非常に安定した平和な国際環境の中でこそ我が国の存在、今日の存在があるというふうにまず思います。それから、国際社会の中でさまざまな国との交流、それが貿易の面であり、あるいは人的往来であり、さまざまな国とのかかわり合いの中で今日の日本は生きていけているということもまた考えなければならないのだと思います。
 私はそうしたことを考えますと、今日の我が国の状況から考えて、なお国際社会の中でその国民生活、民生が大変厳しい状況にある国々に対して我が国としてできる限りの支援をするということは、またこれもやるべきことだというふうに思っているわけでございます。
 とりわけ我が国周辺の国々との関係において我々はやはりさまざまなことを考え、先ほど議員からもお話がありましたように、我が国の外交政策、外交目的を達成するためにこのODAは重要なツールであるという認識も持ちながら、なおかつ国民の理解と支持を得てこれを行うということが重要だと思います。
 しかしながら、このODA、経済援助につきましては目に見える部分もあるし、なかなかすぐには目に見えない部分もあるということがございます。そこで、そうした点について我々が十分これを説明する、国民の理解を求める努力をするということが一方で必要であろうということも私どもは十分考えていかなければならないというふうに思っております。
#10
○武見敬三君 中国の場合には一人当たりの国民所得、七百五十ドルから八百ドルぐらい。実際に私ども外国に対してこうした借款をするときの条件は満たした、そうしたまだ発展段階であるということはこれはよく理解されているところだろうと思います。問題は、こうした円借款を行う際に、昨今、政府はさまざまにその方式を組みかえてまいりました。そこで、経済協力局長にその内容を具体的にお尋ねしたいわけであります。
 従来、第一次、第二次、第三次、第四次と五年ぐらいの時間軸で対中円借款を計画的に実施されてきたということでありますけれども、これは二〇〇一年度以降は単年度方式に変わると、しかもロングリストという方式が導入されるというふうに伺っております。
 なぜ単年度方式に組みかえる決定がなされたのか、そしてまた、このロングリストという方式は、従来の五年ぐらいの時間軸で行ってきた円借款方式とどのように異なるものであるのか、この点についての御説明をいただきたいと思います。
#11
○政府参考人(飯村豊君) お答え申し上げます。
 先生今御指摘のとおり、対中円借款は一九七九年から五年もしくは六年という単位をとりまして、いわゆるラウンド方式という形で多年度にわたる円借款をコミットし、実施してまいりました。
 現在、第四次の円借款の時期に当たりますけれども、先生が言われましたとおり、二〇〇〇年度をもちましてラウンド方式は停止いたしまして、その後はポスト第四次ということで単年度方式、毎年円借款につきましてプレッジし、相手側と取り決めを結んでいくというやり方になるわけでございます。それに合わせてロングリスト方式ということを実施するということになります。
 ロングリスト方式は、御承知のとおり、五年もしくは六年、そういった中期的な期間をとりまして両国間で円借款の候補案件を選定いたしまして、これを国民の皆様に公表するというやり方をとるわけでございます。それに基づきまして毎年案件を選定していくというやり方でございまして、さまざまのメリットがあるかと考えております。
 一つは、中長期的な円借款の方向性がロングリストを提示することによってわかってくるということでございます。それからもう一つは、透明性の向上ということも挙げられると思います。これは特に、両国民に提示する、公表するという形で達成できるかと思います。さらに、案件が中期的に提示されることによって案件形成の準備をきちっとできるということで、効率化も図られると思っております。最後になりますけれども、重要性、つまり案件の中で何が重要で何が重要でないかということについても両国が協議して決定し、国民の皆様の意向も反映できるというふうに考えております。
#12
○武見敬三君 実際になかなか、この円借款について、時にどうも日中間に不協和音が生ずるということは否めない事実だろうと思います。特に、この円借款というものについて、我が国としてはこれは極めて低金利で行っている、しかもその返済期間が三十年と極めて長期という点で、実際にはDACの計算方法のグラントエレメントも七〇%ということで、明らかに政府開発援助として認識されるべきものというふうに理解をしていると思います。
 他方で、中国の立場に立ってみれば、これは実際にこうした利子つきであって、我が国はそれをきちんと予定どおり返済をしているじゃないか、それはいわゆる純粋な援助とはちょっと違うのではないのかなという、そういうどうも認識のずれが日本と中国との間に多少あるのかなということを感じているわけであります。こうしたことが、例えば日本側から、中国側は本当にこうした円借款についてきちんと評価をし、そして評価をした上でそれに感謝の意を表してくれているのだろうかなという点についての疑問となってあらわれてきているような気がするわけであります。
 したがって、こうしたいわば基本的な認識のレベルにおいて、やはりこれは政治的にも調整をして相互の理解というものを深めておきませんと、今のままでお互い何となく基本的な認識のところですれ違いがありながら継続をしていくということになると、両国民の間でもなかなか本当の理解と、そしてせっかく日本がこうして協力をしているにもかかわらず、そこから友好的な感情も生まれてこないということに私はなってきてしまうのではないかと思います。
 そういう事態について私は懸念をしておるわけでありますけれども、この調印式のときにも、現地で谷野大使から中国側に対しても同様な趣旨から懸念が表明されたと聞いておりますけれども、その内容についての御説明をしていただけますでしょうか。
#13
○国務大臣(河野洋平君) 今、議員が御指摘になりましたように、我々の気持ちと、この援助を受け取る側の気持ちがぴったりいっているということは非常に重要なことだと思います。
 しかしながら、一つ考えなければなりませんことは、我が方も援助とはいうものの、先ほど議員もおっしゃったように、これは我が方は我が方なりに国益というものを考えて行っている行為でもあるわけです。対中支援、対中援助というものも、これは我が国の外交政策上、やはり中国の安定といいますか、中国におきます経済改革あるいは民主化、そういったものが進むということは我が国にとって中長期的に見てプラスであるということがその根底にあるということもまた考えておかなければならないことだと思います。
 しかし、さはさりながら、議員御指摘のように、一次から四次の途中まででありますけれども、二兆円を超える大変多額な援助を我が国として行っている。そのことに対して、中国側が十分な評価といいますか感謝といいますか、そういうことをしっかりと口に出してもらいたい、そのことが我が国国民にとってこの援助の効果あるいはこの援助をしてよかったなという気持ちにさせる大変大きな要素であるという認識を私どもは持っているわけでございまして、そこを谷野大使から先方に交換公文の署名式の折に伝えたわけです。
 すなわちその内容は、日本経済は今日非常に困難な状況にある、そういう状況にありながら大規模な対中円借款をしているわけで、このことに対して国内には大変厳しい意見もあるということが第一点。第二点は、対中援助の中核である円借款は譲許性の高い政府開発援助であるけれども、残念ながら中国国内関係機関及びプレスの間でこのことが十分認識されていないのではないか。つまり、そういう表明が我々の目や耳に十分届いてこない嫌いがあるということが第二点。第三点は、対中ODAに対する中国側の最近の積極的な広報活動あるいは報道に対して一定の評価はするけれども、さらに我が国の経済協力に対する認識が深まるよう中国における広報あるいは報道に努力してほしい、こういうことを伝えたわけでございます。
#14
○武見敬三君 アジア局長にお伺いしたいと思います。
 アジア局長は中国語も堪能でいらっしゃるので、よく中国語の言葉の意味の違いということも御理解いただけていると思いますけれども、この谷野大使の意見表明に対して楊外交部副部長が答えた中では、中国の経済建設に果たした対中円借款の役割というものを高く評価するという、そういう表現になっているというふうに伺っております。
 この高く評価するという中国語とそれから感謝の意を示すというそういう中国語と、どのようにその意味が違うんでしょうか。御説明をお願いしたいと思います。
#15
○政府参考人(槙田邦彦君) 私、多少中国語はかじっておりますけれども、細かなニュアンスにおいてこの意味がどう違うかということを問われますとなかなか自信を持ってお答えはできないのでございますけれども、委員御指摘の評価という言葉と感謝という言葉の間に違いがあるのではないかという御指摘であるとすれば、これは我々の日本語の中での評価と感謝という言葉の違いのように同じ言葉ではないと思います。
 しかし重要なことは、高く評価するということは、やっぱり非常にありがたいことだと、そうやってもらうことが自分のところの経済発展その他に非常に大きな役割を果たしていただいていると、こういう意味合いであると思いますので、そこのところは、感謝するという言葉そのものではございませんけれども、同じくこれをありがたく受けとめておるという気持ちがあるのではないかというふうに感じておる次第でございます。
#16
○武見敬三君 私も大体そういうふうには理解をしているんですけれども、しかしそれが微妙なところではやはりちょっと違うんだということも否定できない事実なんだと思います。
 高く評価するという、そういう言い方というのは、日本人の感覚でいうと、非常に肯定的に評価をしているという場合でも評価をする側の立場というものに基づいて評価をするわけですから、何か学校の先生が生徒さんの成績を評価するというような感覚がどうしても入ってしまいまして、何かせっかくこうして協力をしてあげているのに、それが本当の意味で心の通じ合った、今おっしゃったようなありがたいと思う気持ちとか感謝の気持ちというようなものと何かちょっと違うんじゃないかなという、そうした感覚もあるわけで、実はこの微妙な感覚の違いが政治的には大きな問題の原因になっているんだろうと思うんです。
 ここをいかに外交的に調整して、そしてぴたっと両国の国民及び政府がこうした同じ基本的な認識や、そういうある意味で非常に繊細なものであるかもしれないけれども違いを克服するということが、今後継続してこうした円借款を実行していく上において私は実は相当大事になってきたなという認識を持っているわけであります。と同時に私は、こういう借款等々で対外的な経済協力をするときに、日本からいろんな機材を提供する、それには全部日の丸か何かをつけて日本が経済協力をしたんですよということを示す。ある意味においては必要かもしれません。
 しかし同時に、やっぱり国の品格からも、おれがやってやっているんだぞ、おれがやってやっているんだぞと押しつけみたいな感じの、感謝しろと今度は声高に相手に対して言うようなことも私は余り好きじゃない。したがって、国の品格を崩さないで、しかし相手方との間で自然にそうした感謝の気持ちも伝わるような、そういう関係をやはりつくっていくことが本当にこれは必要なんだろうと思います。
 最後に、外務大臣に、そうしたことを今後中国との間でもきちんと進めていく上においてどのような方法があるのだろうか、そうしたことを実行していくためのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#17
○国務大臣(河野洋平君) 大変難しいことをお尋ねになっておられると思います。
 私は、これはこういう言い方が適当かどうかわかりませんけれども、こうした感謝とか評価とかという言葉の使い分けというのはなかなか、政治家と役人でやっぱり使い分けになる可能性もあるんじゃないかというふうに私は思うんです。
 外務省の担当者が出ていって、感謝します、感謝しますと言うかどうか。それは外務省の担当者からすればやはり評価をするという言葉に仮になったとしても、問題は政治家同士の話になったときに、政治家同士、それぞれ両国を代表する政治家が会って感謝すると言うか言わないかというところがむしろ重要になってくるということもあるかもしれません。そういう点からいうと、江沢民さんが日本へ来られたときの共同声明の中に、これまでの日本の援助に感謝しますと、これはかなり明確に言われた。そういうことは非常に重要なことだろうと思うんです。
 私は、今、議員がおっしゃったように、経済援助についての国家の品格あるいは国民の、しかし国民がそれで納得するかどうかということとか、さまざまな角度からいろいろ考えなければならないところは多いと思います。
 しかし、いずれにせよ我々が努力しなければならないことは、やはりどういうことをやっているか、どういうことを何のためにやろうとしているかということの説明といいますか、透明性といいますか、これを多くの国民に知っていただくということの努力というものが重要ではないか。そして、その国民の気持ちを持ってその国民を代表する政治家がその国民の声を伝えるということが重要なのではないかというふうに思うのでございます。
#18
○武見敬三君 以上です。
#19
○浅尾慶一郎君 後ほど一般的な国際情勢について質疑をさせていただきたいと思いますが、まず最初に当委員会で議題になっております在勤法の一部を改正する法律案について質問をさせていただきたい、こういうふうに思っております。
 そこで最初に、今回、研修員手当も改正されるということでございますけれども、改正されて一番低いところで見ますと二十七号が二十一万七百円、これは月額ですが。加えて給料とボーナス、要するに本俸と賞与も出るという理解でよろしゅうございますね。
#20
○国務大臣(河野洋平君) お尋ねの研修員でございますけれども、研修員には本俸及び研修員手当を支給しております。研修員手当は、外国において研修するために必要な衣食住及び大学授業料など研修費が含まれております。
#21
○浅尾慶一郎君 それで、大学授業料も含まれておるということでございますが、もう少し細かく検討させていただいて別途お伺いさせていただきたいと思いますが、私の問題意識は、研修員手当と本俸を加えた場合に、大臣もあるいは山本政務次官もそれぞれ海外の大学で勉強されておられた経験があるわけでございますが、余りに日本から行かれる方が一般的に現地で大学院に行かれている方よりもいただいている給料の額が多過ぎてしまうと、結局つき合う仲間が同じレベルの人になってしまうんではないかなというふうに思っておりまして、そこら辺のことは少し御検討される余地もあるのかなと。決してただ単に多いからいけないということを申しているわけではありませんが、検討をされる必要もあるのかなと。これから行かれる人にこういうことを言うと恨みを買ってしまうのかもしれませんが。
 ちなみに、大臣とも御関係の深いスタンフォード大学のホームページで見ましたところ、一年間の大学、オンキャンパスに住んだ場合の年間のコストが大体一万五千ドル、オフキャンパスで二万二千ドルでございます。これは授業料は入っていませんが、大体授業料を加えると四万ドルぐらいかなということだと思いますが、ざっと非常に大ざっぱな計算ですが、授業料をどのレベルでとらえるかというのはわからないんですけれども、授業料をかなりの部分負担されるとなると研修員は普通のアメリカの学生よりもかなり豊かな暮らしになるのかなと思うんですが、その点は、それがいけないということを申し上げているのではなくて、その結果つき合う人が偏ってしまうのではないか、それが目的としていることを達成できないのではないかなと思いますが、もし御所見があればいただきたいと思います。
#22
○国務大臣(河野洋平君) 後で山本政務次官からも一言あるかと思いますが、私は、基本的には日本政府といいますか外務省が研修員にそんなに多額のものを出しているというふうには思いません。そして、しかもキャンパスライフを見ていると、年代的にもかなりいろいろな年代の人たちがおりますからつき合い方もいろいろだと思いますし、それから浅尾議員はその辺は大変お詳しいわけですけれども、ドミトリーによっていろいろな人とのつき合いが出てくるということもあって、所得、収入によってそうつき合う先が偏るかどうかということは本人の心構えの問題が一番多いのではないかというふうに思います。
 私は、非常に豊かで、そうした収入、所得の多額な人たちだけが集まるようなところにいつも行けるというようなものを支給しているということではないという認識をしております。
#23
○政務次官(山本一太君) 私も浅尾先生と同じようにアメリカに留学した経験がありまして、八三年にジョージタウンの大学院を出たんで、その前に二年ほどワシントンに住みました。そのときは研修員の方々は意外ともらっているんではないかと正直言って思っていたりもしたんですけれども、具体的に調べてみると、実際比べてみてそんなに突出した話ではないということが一つと、それは御本人の資質の問題であって、収入によってつき合うところが偏るという方も中にはいるかもしれませんけれども、そこら辺をやはり御本人の努力によって十分、特に突出はしていませんが、考えるべき点ではないかというふうに思います。
#24
○浅尾慶一郎君 それでは、一般的な国際情勢のお話を伺ってまいりたいと思います。
 先般、当委員会で日ロ関係について外務大臣に質問させていただきました。その中で、人権について多少幅があっても、ヨーロッパと日本との間で幅があってもいいのではないかという御答弁をいただいたわけでありますが、一方でその後、田村委員の質問に対して、基本的な価値観は日本とヨーロッパでも共有するという御答弁だったわけでございます。私は、人権の問題というのは一番基本的な価値観に非常に近い部分あるいはまさに含まれる部分にあるので、繰り返しになりますが、極力ヨーロッパ、アメリカと共同歩調をその面ではとるようにすることで日本に対する彼らの理解も深められるのではないかなと思いますが、その点はいかがでございましょうか。
#25
○国務大臣(河野洋平君) 私も繰り返して申しわけありませんが、私は人権という問題について価値観を共有すべきだと思いますし、したいと望んでおります。
 問題は、そうした価値観を共有するという認識と、そのためにとる手だての問題というのがあるんだろうというふうに思います。EUにはEUで共通した手段、共通した手だてをとろうという合意があるわけですが、それはそれぞれの国によってアプローチの仕方といいますか、とるべき手段に多少の違いがあることはこれは当然じゃないかという、そういう意味で申し上げたわけであります。
#26
○浅尾慶一郎君 その人権に絡む問題でありますが、新しい人権の概念の一つとして環境権というものが出てきておるわけでございまして、外務大臣の地元でもあります神奈川県で神環保の問題が随分前から指摘をされておったわけでございます。
 私は、この問題は基本的には環境に関する問題というふうに認識をしておりますけれども、随分前から米側からその問題について指摘がされており、本来であれば基本的な人権にかかわる問題という認識で、クリントンさんがあえて小渕首相に話をされるべき問題ではないと思うんですね。もっと早い段階で解決をされているべき問題だったのではないかなと。価値観を共有するということであれば、なるほどこれは大変基本的な人権に対する環境権の侵害であるということで、日本側が積極的に対応をとるべきであったのではないかなと、このように思っております。
 そこで、まず事実関係を確認させていただきたいので、厚生省と環境庁の政府参考人の方に、日本政府としてまずそれまで、それまでという意味は、日米で共同モニタリングをした数値の結果が出る前にはこれは日本の国内法では適法であったのかどうか、事実関係だけお答えいただきたいと思います。
#27
○政府参考人(廣瀬省君) 神環保の焼却炉の問題で、廃棄物焼却炉に関して大気汚染防止法というものがございます。それから、本年一月に施行されているダイオキシン類特別措置法によって規制がなされておりますが、その以前は大気汚染防止法で行っておりました。
 まず、大気汚染防止法で行っている廃棄物焼却炉の規制対象施設という形で取り扱っておりますが、その中で、ばい煙に含まれる硫黄酸化物、それから窒素酸化物、ばいじん等について施設の排出口における基準値が定められる、排出口におけるというのは煙突の出口という形で、またダイオキシン類対策特別措置法で廃棄物焼却炉も特定施設として規制対象になっておりますが、神環保の施設に対しては、同法によって施設施設に対してのダイオキシン類の排出基準が平成十二年一月より適用されております。そして、現在は前の大気汚染防止法の指針値をもとにして取り扱っておりました。
#28
○浅尾慶一郎君 そこで、日米で共同モニタリングをして基準値の六十倍を超えるダイオキシンが検出されたということなんですけれども、このことを受けて現在の法律上でとれる可能性としてはどういうものがあるか、御答弁いただきたいんですが。厚生省と環境庁でしょうか。
#29
○政府参考人(廣瀬省君) 日米の共同モニタリングということを昨年七月七日から九月一日まで五十六日間行いました。この前に、かなりの時間はかかりましたが、アメリカ側の調査方法と日本側の調査方法を合わせなきゃいけない話し合いがございました。
 私たちとしては、日本の調査方法との関係で調査をするという形をとりましたが、アメリカとある程度の話がつきまして、昨年の七月七日からこの五十六日間できるようになったわけです。そして、具体的にその数値を日本国内法でどう判断するかという基礎ができ上がりました。その結果が日米共同モニタリング調査結果で発表されたわけでございまして、厚木海軍飛行場内の一つの地点は、ダイオキシン類の値が最大五十四ピコ・パー立米、平均値で六・六ピコ・パー立米、環境基準は当時は〇・八でございましたが、現在は〇・六ピコ・パー立米になっておりますが、超えた日数が四十六日間となっておりまして、他に類を見ない高濃度で、環境保全上極めて問題であるというふうに考えております。
#30
○政府参考人(西本至君) お答えをいたします。
 まず、厚生省で持っております法律関係でございますが、これは廃棄物処理法というものがございまして、これで決めておりますのは、いわゆる廃棄物処理業あるいは焼却施設の許可というのは当該県の知事の許可が要ると、これが一つでございます。それから、操業につきましては、私ども省令で技術上の基準というのを非常に細かく決めております。例えば、燃焼室の温度を八百度以上にするとか、集じん機に流入する燃焼ガス温度を二百度以下にするとか、さまざまな基準がございます。今までは、神環保につきましてはこの基準を一応クリアしておったということでございます。
 それで、お尋ねの昨年の日米共同モニタリングの結果でございますが、これを受けまして神奈川県が廃棄物処理法に基づきまして、まずバグフィルターというものを設置するように改善勧告を出したところでございます。これに対しまして神環保は、この改善勧告に従いましてバグフィルターの設置工事を実施するという態度を示したものであります。そして、現在この工事を実施中でございます。したがいまして、四月以降はバグフィルターが設置された焼却炉のみが運転されることになっているという予定でございます。
 これが設置されますと大気環境は相当程度改善されるというふうに予想されるところでございますが、私どもといたしましても、処理法上さらに解決すべき問題が今後出てまいりますれば、神奈川県あるいは防衛庁、環境庁及び外務省とも連携をとりながらこれに積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。
#31
○浅尾慶一郎君 今、局長の御答弁では、八百度を超えるというふうに基準を設けておるというふうに御答弁いただいたんですが、実は米側の情報によりますと、神環保の燃焼は温度計で見ますと常に八百度を超えて、八百度より上に行くことはあるけれども八百度でとまるという情報がございます。
 これは意味するところはどういうことかといいますと、通常、ごみの焼却炉はどこかであけないとごみが入れられないわけですから、あけるときには急速に一時的に八百度を割るはずなんですが、八百度を割らないと、常に八百度でとまって、あるいはそれより上に行くと。上に行くというのは何かプラスチックその他が爆発すると温度が上がるということなんですが、現在の法律で、いわゆるそこにごまかしがあるかどうかわからないわけですが、温度計について細かく見ることは権限はあるんでしょうか、ないんでしょうか。あるいは、あった場合にそれを見ているかどうか、その点御答弁いただきたいと思います。
#32
○政府参考人(西本至君) 私どもで承知しております限りにおきましては、施設への立ち入りあるいはそういうことによる調査によりまして先生が今御指摘のような事態は報告を受けておらないものでございますから、県の報告では一応遵法であったというふうに伺っているところでございます。
#33
○浅尾慶一郎君 私は、これは米側から直接聞いた話ですけれども、温度計そのものが、彼らが持っておる温度計が常に八百度を超えている状況にあるというのは、どうも焼却炉をあければ必ずその瞬間は落ちるはずなのでおかしいのではないかなと思いますので、引き続きそこは調査をしていただきたいと思います。
 そこで、防衛庁長官にもお越しいただいておりますので、あるいはこれは外務大臣と防衛庁長官、両方に御答弁いただくことなのかもしれませんが、私が先ほど申し上げましたように、環境問題は基本的な問題であるので早急に解決しなきゃいけないというふうに思っておりますが、一つの事実といたしまして、厚木の海軍飛行基地はアメリカの海外の基地の中で唯一勤務がボランタリーベースであると。
 すなわち、湾岸戦争でもどこでも行けと言われれば、通常は軍ですからこれは行かなければいけない。ところが、ここだけは環境問題があるから強制ができないと。それぐらい環境に関する人権を大事にしているという話があるということでございますが、これをもちろん早急に解決するという御答弁になるんだと思いますが、具体的にはどのように、いつまでにというのが今お答えできる段階にあるのか、それとも神環保側とのもちろん煙突その他の関係でなかなか難しい問題もあるのを承知しておりますので、簡潔で結構でございますが、御決意のほどだけお答えいただければと思います。
#34
○国務大臣(瓦力君) 浅尾委員にお答えいたしますが、先ほど厚生省からも御答弁がございましたが、厚木における状況は極めて悪化といいますか悪い環境にありますので、一日も早くこの環境を整備してまいりたいと、かように考えております。
 バグフィルターが今設置されつつあるわけでございますが、これらにつきましてもよく監視をしてまいるといいますか、そういった中でその成果を見きわめたいと思っておるわけでございますが、防衛庁といたしましては、平成十二年度予算、さらに煙突建設工事に要する費用といたしまして十一億円を計上いたしておるところでございますし、また、さらにこれらの問題を推進する、そういう観点に立ちまして、三月十日の閣議後に、官房長官、私、外務大臣、環境庁長官、厚生大臣、各関係閣僚で早急な問題解決、これを図っていくために一致協力して取り組もう、努力していこうというようなことを確認したわけでございます。
 いずれにいたしましても、大変、地形からいいましても、また米軍家族のみならず、また日本人の従業員、周辺の方々にとりましても関心の深い健康、環境問題でありますので、その成果が上がるように一層努めてまいりたいと考えております。
#35
○国務大臣(河野洋平君) 私どもの考え方、それから現在の作業は、三月末までに三基ある煙突のうちの二基についてバグフィルターを装置する、そして四月からは残った一基についてバグフィルターをつけるための作業に入る、こういう考え方でございます。
 もちろん、煙突にバグフィルターをつけるわけでございますから、この作業が行われている間はその煙突は使用できないということになるわけでございまして、そこで、先ほど申し上げましたように、四月以降は残る一基の工事を始めればその部分についての稼働はできないことになるであろうと思います。
 そして、三基すべてにバグフィルターが装着されるということになれば、もちろん二基のバグフィルターの装着が終わって三基目について作業を始めれば三基目はとまりますから、稼働している二基はバグフィルターつきの煙突の部分が稼働されるわけで、これで本来は問題はほぼ解決をするというふうに思っているわけでありますが、しかし今、防衛庁長官がお話しになりましたように、米軍住宅その他との関係から見て、さらに高い煙突の設置という計画を持って作業をしているという状況でございます。
#36
○浅尾慶一郎君 それでは、日朝関係について話を伺わせていただきたいと思いますが、昨年の臨時国会の予算委員会におきまして瓦防衛庁長官に質問させていただきましたことで、北朝鮮がノドンを実戦配備しているのではないか、確認がとれますかということの質疑をさせていただいたと思います。その後、アメリカの下院だったと思いますけれども、下院におきまして、在韓米軍の司令官だと思いますけれども、が証言をして、百基既に実戦配備をされておるということが在韓米軍の司令官の口から出ております。
 今、日朝国交正常化交渉の取っかかりを始められたところだと思いますが、防衛庁長官にはまずその事実の御確認と、それから昨年私は、外務大臣にはぜひノドンの問題も国交を正常化するに当たって、一方で我が国に大変脅威を与えるようなものを実戦配備しているということはいかがなものかというか、非常にそれは問題があるんじゃないかなと思いますので、ぜひ条件という形でこれの実戦配備の停止というか、やめるということを出していただきたいということを申し上げたいと思います。
#37
○国務大臣(瓦力君) お答えいたします。
 委員がお述べになりました米国下院の軍事委員会における証言、シュワルツ司令官に対しますスペンス議員の質問等におきましてさような答弁がございます。
 ただ、私どもは、北朝鮮のノドンミサイルにつきまして、いろいろ情報を総合し、また分析して取り組まなければならぬわけでございますが、北朝鮮がその開発を既に完了しているのではないか、その配備を行っている可能性、これにつきましては高いものと判断をいたしております。
 また、委員御案内のとおり、北朝鮮は極めて閉鎖的な体制をとっておりますことや、また極秘裏に進めている活動でありますことや、また一般に発射台つき車両でございますので移動運用をしておる、こういったこと等を考えますと、正確に把握するということは非常に困難でございますが、我々といたしましては、確たることを申し上げる状況にはないといいながら、注意深くこれらの状況につきまして今後動向を見守ってまいりたい、こう考えておるわけでございます。
#38
○国務大臣(河野洋平君) 外務省といたしましても、ただいま防衛庁長官がお話しになりましたように、北朝鮮のノドンの配備の可能性につきまして懸念を有しております。
 今、議員からお話がありましたように、日朝交渉の際にこの問題は極めて重要だという御指摘については、私どももそうした考えを持っております。来週には開始をする予定の日朝国交正常化交渉でございますが、長い間の不正常な二国間関係を正常化するための会議という意味で極めて大きな重い意義を持った会談だというふうに思っておりまして、国交の正常化というものに向けて話し合いをしてまいりますが、その過程におきましても、人道問題でありますとか安全保障の問題でございますとか、これらの問題についても真剣に取り組まなければならないことは、本年、国会の冒頭におきまして外交演説の中でも申し述べたとおりでございます。
#39
○浅尾慶一郎君 終わります。
#40
○益田洋介君 まず、前回二十八日の質問に引き続きまして、対中国向けのODAに関する質問を経済協力局長にさせていただきます。
 二十七日、二千億円に及ぶ対中のODAの円借款の調印式が行われまして、そのときの模様について一部メディアで報道された問題について問題提起をさせていただきましたが、大変突然だったこともあって、十分そのやりとり、またその発言、我が国大使、また中国側の代表の真意が把握されていない答弁に終始したもので、後ほどこの問題については外務大臣にまたお伺いさせていただきたいと思っております。
 まず、この二千億円の内訳のうち、相当高額の金額、プロジェクトナンバーにして十六番、十七番、十八番。これは、高速道路の拡張及び延伸計画でございまして、十六番が海南省、海南島ですか、高速道路計画。十七番が重慶市外の長寿高速道路建設事業計画。十八番が河南省鄭州ハイウエー・コンストラクション・プロジェクトということでございまして、それぞれのプロジェクトが五十三億、二百四十億、二百三十五億、邦貨にしまして、締めてこの三つの高速道路だけで五百三十億なんです。
 これが軍事目的に使われないという保証がどこにあるのかというと非常にこれはわかりにくい問題で、経済協力局長、この判断基準としては軍事面に供されるかどうかというのは、例えばコンクリートの舗装厚さあるいはコンクリート一立米に含まれる使用されている鉄筋の重量、それからコンクリートの設計強度、破壊強度、この辺についての資料を当委員会に提出していただけますか。
 通常の、例えば一般車両が通る高速道路とどうも仕様が違うんじゃないかと私は疑念を抱いています。さらには、規模が非常に大きい。十六番の海南島のプロジェクトについても片側三車線、十七番の重慶の市外高速道路については実に延長、今期だけで百十キロも一気に施工するというのは日本の国内の高速道路でも考えられない。いかにばらまき予算をしていると野党の方が言っても、こんなことはしていない。余計なこと言っちゃったけれども。十八番の鄭州については、実に八十キロに及んで片側四車線。こんなのは一般車両、そんなに車走っていませんよ中国、行かれてわかっておりますが。工業地帯また発電所がある。
 この辺の一連の水力発電所、火力発電所、原子力発電所、さらに港湾施設、高速道路の敷設網、合わせた地図もあわせて提出していただきたい。このリングは結局、平面図を見れば素人でもわかりますよ、軍事目的に使われているかどうかという疑問に対しては。この辺の疑念が非常に今回、谷野大使によって表明をされて話題になっているわけでございます。二十九日も二十七日に引き続いて、九億四千万円の無償援助の調印式が北京で行われていたんです。この際、谷野大使は同じようなコメントをされている。
 これは外務大臣にお伺いしたいんですが、結局どういう内容のコメントを大使が中国側の代表に対しておっしゃっているのかというと、二十七日のコメントと同じことなんですね。この供与の内容は環境情報ネットの設備費用の中の今回は機材の購入に充てるというものですけれども、国内においては、大使が言うには新しい批判的な議論が対中援助について起こってきているんだと。
 特にそれは中国の軍事費が、今度の全人代で発表されました二〇〇〇年度の中国の予算案を見ても、軍事費の占める割合というのは非常に膨大になってきている。邦貨に換算しまして一兆五千六百億円、一九八九年以来十二年連続で実に二けたの予算増をしている。これは、軍事費という名目で計上されていますが、実際は三倍のものが国防費、軍事関係費という形で使われているのが国防白書で明らかになってきている。だから、実態は物すごい巨額の軍事費に、要するに経済成長率も上回るような軍事費の伸びだと。
 こういうふうなアンバランスがある実情が明白であるのにもかかわらず、我が国が自国の財政困難の時期に当たってここまで援助する必要があるのかどうか。援助の内容、対象にしているプロジェクトの内容も明確によくわからない、内容分析されていない、こういう現状は外務大臣よろしいと思われますか。
#41
○国務大臣(河野洋平君) 二つお尋ねがあったと思います。二十九日におきます我が方大使の発言ぶりについて一つお尋ねがございました。この我が方大使の発言ぶりについては、中国側に対して、日中政府間で議論を深めていかなければならない問題がある、それは貴国の軍事費の問題だということについて触れております。そして、日本の自民党の委員会においても、先般開催された全人代において発表された中国の軍事支出の増加が経済成長率を大きく上回っていることが指摘をされて、ODA大綱との関係で厳しい議論があったということをお伝えしておかなければいけない、この問題は今後政策協議の場を通じて日中双方で議論をする必要があろうと、こういうことを伝えているというのが前段のお尋ねでございます。
 後段のお尋ねについて私の考えを申し上げれば、軍事費の増大というものは、確かに我々は注目しなければならない問題だと思います。我々にとって一番その中で大きな問題は、中国の軍事費等についての透明度の問題があると思います。これは、ASEAN諸国が集まってつくりますARFの会議においても、冒頭から我々は、お互いに軍事費あるいは軍事関係についてできる限り透明度を上げていこう、そのことが双方の信頼を醸成する意味で極めて重要だということをお互いに言い合って、その点では合意をしておりまして、ARFの議論はその都度各国ともに透明度を上げる作業が行われております。
 まだまだとても十分とは言えません。十分とは言えませんが、透明度を上げる努力がそれぞれの国でなされている、私はこのことが極めて重要ではないかというふうに考えているところでございます。
#42
○益田洋介君 ぜひとも透明度を高める作業をしていただきたいというふうに思います。
 それで、先ほど具体的な分析方法について提示をさせていただきましたが、ぜひ外務省としても専門家の方の意見に沿って、実際にそれは軍事目的じゃないんだ、工業化の促進のためにしているんだということを立証していただく責任が私は外務省にあると考えますが、いかがでしょうか、その点は。
#43
○国務大臣(河野洋平君) いろいろな方法を考えなければなるまいと思います。
 高速道路につきまして、今、議員からいろいろな角度からの御指摘がございました。私も、議員の御意見十分拝聴させていただきました。高速道路の中には例えば世銀の援助などもあったりいたしておりまして、こうした国際的な支援等も視野に入れながら考える必要も時にあるかと思います。いずれにしても、中国の真意等を確認する必要があるものについては私どもとして指摘をして、さっき大使の発言にもありますように、政策協議の中で議論をしたいと思います。
#44
○益田洋介君 次に、防衛庁長官に。先ほど同僚議員も懸念されている疑念を表明されておりましたが、ノドンの配備の凍結問題、それからテポドンの開発の中止問題。ノドンについては既にこれは日本全国どの地点にでも発射できる状態になっている。テポドンについてはアメリカの本土まで到達する状況になっている。
 そういうことに加えて、先ほど私が申し上げた中国の軍事費の増大、十二年間続いた増大の中で、昨年の十月一日の国慶節に、これは中国は十五年ぶりに軍事パレードを執行いたしましたが、その中で問題になったのは、大陸間弾道ミサイルの東風31号、これはアメリカを射程におさめている、軍事評論家の間では非常に先進的な水準に達しているということでございまして、私はそういう面で素人でございます。この辺は専門家の依田政務次官の御意見を求めればいいのかもしれませんが、やはりシビリアンコントロールという立場から、長官、こうした中国の脅威に当たるような軍事的な、軍事力の躍進ぶり、増強ぶり、どのようにお考えでしょうか。
#45
○国務大臣(瓦力君) 益田委員にお答えをいたしますが、中国における長距離弾道弾等についての御質問でございますが、いずれにいたしましても、これらの問題につきまして、私どもは関心を持ちながら状況等につきまして検討をいたしておるものでございますが、私は、それぞれが自制を持って行動することを強く期待しておるわけでございまして、今日どのような状況であるかということにつきましてお答えをすることの材料を、委員に対して十分なものを持ち合わせておりませんので、御了承を賜りたいと思います。
#46
○益田洋介君 後ほどで結構です。改めてまた問題を提起させていただきます際に御所見を伺わせていただければと思います。
 続きまして、北朝鮮の工作船が我が国の領海に侵入いたしました事件が勃発して二十三日でちょうど一年がたちました。当時はさまざまな議論が勃発いたしました。警職法の第七条、または自衛隊法の八十二条との運用面での相関関係、これが非常に問題になりました。
 そのときに我々に残された課題というのは、それを収れんさせていただくと、法整備が必要なのではないか。それから、現行法で運用するのであれば、運用上のやはり政府の解釈というものが新たに必要になってくるのではないか。それから三点目には、実際、当時装備されていた火力が大き過ぎたということで、今度は十二・七ミリの機関砲を配備している。
 配備が終わったかどうかという報告を含めて、法整備上、解釈上の問題及び配備上の問題、そうした点について、両局長から御報告いただきたいと思います。
#47
○政務次官(依田智治君) ちょっと基本的なことですので、私の方からお答えさせていただきます。
 昨年の事件が発生した後、政府としては、関係閣僚会議等を設けまして検討した結果、反省教訓事項を六月にまとめて、その線に沿って関係機関、今、先生御指摘のような点について整備等を急ぐとともに法整備等の検討も進めておるところでございます。
 装備的な面でも、先生御指摘のように、自衛隊が持っていた五インチ砲というのは相当大きなものですから、それを撃ったら沈んじゃう可能性もあるということで、危害要件にも該当してきますので、十二・七ミリという機関砲をミサイル艇等にもつけようということで準備しておりますし、また防弾救命胴衣というようなものも十一年度補正でも整備し、さらに本年度予算では、今のミサイル艇の速力向上、今のこの機関砲の問題、さらにこういう不審船に武装解除させるためには相当高度に訓練された部隊というものが必要であるということで特別警備隊というものも設けようと。さらに、生け捕りという感じではありませんが、何かとまらせるための強制停船用装備品というようなものも研究しようというようなことで、装備面からの検討は進めておるわけでございます。
 一方、まず第一に、やはり現行の海上警備行動という自衛隊法八十二条の枠組みの中でできることをやろうということで、海保等とも鋭意検討しまして行動マニュアルは昨年暮れにできたところでございますが、さらに具体的な、自衛隊としても行動のためのROEといいますか行動基準というか、こういったものも細部検討を進めておるということでございます。
 あと、法制面で、特に今の海上警備行動発令、あの不審船事件のときには、発見してから発令されるまでに相当、夜中に発令されるというような状況でございましたので、こういうものをもっと迅速に発令するというためには、その発令するための要件とか、いろいろそういうものについて検討する必要がある問題、そういう問題。
 それから、その際に一番問題になりましたのは、武器の使用が警職法七条を準用しておると。それで、長期三年以上の罪に当たる凶悪な罪の場合にのみ危害を与えてよい、しかし漁業違反で一年以下というようなことではそういう要件を満たさない、自衛隊の持っている装備等でもし攻撃したら沈んじゃうということになれば危害要件に反する、こういうようなこともありましていろいろ研究しておるわけですが、先ほど、十二・七ミリ砲程度の砲りゅうならば命中精度よく、スクリュー等に命中すれば停船あり得るとかというようなことも研究しておるわけです。さらにそこから先の法制上の問題というのは、内閣が、官房が中心になりまして関係機関で現在鋭意検討しておるという状況でございますので、私どもとしてはそれらの状況も踏まえまして対応策を講じていきたい、こういうのが現状でございます。
#48
○益田洋介君 そういう面では五インチから十二・七ミリまで装備を配置がえするということで一歩前進したと思いますが、問題は、今おっしゃった閣議決定の遅さ、それから政府見解をすぐ出せなかったという危機管理ができていないということの一つの証左であったわけでございますが、もっと根本的な問題、先ほどお伺いした点で、恐らく相当な議論を呼ぶことじゃないかと思いますが、結局は警職法の第七条に準拠せざるを得なかったと。
 警職法というのは、結局、国家の主権を守ろうとしている自衛隊の立場と、個人の権利を擁護するための犯罪捜査の警察の立場とを全く混同してしまっているところから、出発しているので、その点で、現実にそれを運用するところに無理が生じているのではないかと思うので、この根っこの部分の法整備あるいは法解釈の問題についてはどのような論議がなされているのか。
 その現状を私はお伺いして、質問を終わらせていただきます。
#49
○政務次官(依田智治君) 先生御指摘の警職法というのは、やっぱり警察活動で武器を使用するという観点に立って七条等で相当詳細に規定されておる。やっぱり危害を与える場合には正当防衛、緊急避難等の範囲とか非常に限定した形。
 それは、警察というのは、本来、国民を逮捕し、裁判し、罪あればこれに罰を与えるというか、そういう責任をとらせるという仕組みの中での範疇。一方、不審船事件みたいな場合には、必ずしもそういう一般国民に対して適用するという前提でなくて、場合によると武装工作員、しかも高度な武器を持つ武装工作員が来ておるというときに、のこのこ乗り込んでいったらこちらがほとんど壊滅的打撃を与えられる可能性もあるというような前提を考えますと、先生御指摘のような武器の使用のあり方というものも検討する余地があるんではないか、こういう問題意識は持っております。
 ただ、現行の警職法の範囲内でも、例えば危害要件、罰則を強化することによって危害要件を満たすということになれば使えますし、そういう対応の仕方はいろいろあるんではないかということで、現在内閣等を中心に検討しておる。また、私どもの党の方でも、領域警備のあり方というようなことで、警察と防衛という仕組みは残しつつも、間隙が生じないように、どういう対応の仕方があるかということを国際法規・慣例等にも照らしながら現在検討しているというのが実態でございます。
#50
○益田洋介君 一言だけ。当委員会の委員長のお計らいで、将来的には有事法制の論議というところまで立ち至るかどうかわかりませんけれども、領域警備とかその他の議論を委員会としてこれから活発に行っていこうというお言葉でございましたので、ぜひともよろしくお願いしたいと思います。
 ありがとうございました。
#51
○小泉親司君 在外公館の法案の審議でありますけれども、我が方は賛成でありますので、きょうはちょっと一般質疑で、主に防衛庁への質問をさせていただきたいと思います。
 まず初めに、幹部自衛官による射撃事件の問題についてでありますけれども、この問題については委員長を初め各会派の理事の皆さんと御協議して、結局、今月末に中間的な報告を求めたいということを要求しておりますので、今月末というのはあしたでございますから、そういう意味では、ぜひきちんとした形で中間報告を改めて求めさせていただきたいということをまず一言申し上げておきたいというふうに思います。
 私は、きょうは主に佐世保の米軍基地の問題を取り上げさせていただきたいと思います。
 いわゆるエアクッション型上陸用舟艇、LCACの問題について少しお尋ねをさせていただきます。
 当委員会では、御承知のとおり、一月に佐世保基地を調査いたしまして、調査報告が既に出ておることはもう周知のとおりでありますが、まず初めに防衛庁長官にお聞きしたいのは、その調査報告は読んでいただけましたでしょうか。
#52
○国務大臣(瓦力君) LCACの問題の御質問でございますが、これは今、政務次官答弁でいくかという話をちょっといたしまして、委員長から御指名をちょうだいしまして、うかつでございました。
#53
○小泉親司君 私の質問は、一月に参議院の外交・防衛委員会で佐世保を視察いたしまして報告書を出しましたが、お読みいただけましたかとお聞きしたのでございます。
#54
○国務大臣(瓦力君) 拝見いたしておりません。実は、拝見をいたす機会がございませんでした。
#55
○小泉親司君 佐世保の問題は、御承知のとおり、大変急激な増強が進みまして、もう今佐世保自体も大変な状況で、いわゆるすみ分け問題などもありまして、やはりこれからいわゆる在日米軍基地の問題としては重要な問題ですので、国会での調査もぜひお読みいただきたいというふうに思います。
 そこで、LCACの問題でありますけれども、私どもは、私と立木委員と御一緒しまして政府に質問主意書を提出いたしました。先日、政府の答弁書をいただきました。この政府の答弁書の中で、私たちは質問主意書の中で、一九九九年、去年の三月にアメリカの方でいわゆるLCACの問題についての米軍の会議が開かれて、その会議の資料を我が党の調査団が公表いたしまして、その資料は実際に福岡の防衛施設局も入手している資料であります。ここにあるもので、これは何遍も私言いますが、これもインターネットで収集したものでありますから、実際に防衛庁の能力をもってすれば十分に入手できるものであります。
 この前、外務省に提示いたしましたら、外務省はちゃんと調べられて、その点についてお答えをいただきました。ところが、防衛庁の政府答弁書は、その艦隊司令部の会議についての文書は一切内容は承知していないという政府答弁でありました。防衛庁というのは、そういうふうに我々が委員会やその他で提起している問題については、調べてきちんと回答はされないという姿勢なんでございますか。
#56
○政府参考人(大森敬治君) お答え申し上げます。
 私ども防衛施設庁といたしましては、米海軍の使用しますLCACの基地の建設につきまして地元との調整を行っているわけでございますけれども、先生御指摘のような米海軍の資料というものの存在は承知しておりますけれども、私どもといたしまして、それについてお答えする立場ではございませんので、その旨をお答え申し上げたということでございます。
#57
○小泉親司君 ちょっと済みません、いてください、時間がないので。
 この文書の中には、アメリカ軍は横瀬におけるLCACの米軍基地を新たに建設する、二〇〇五年までに我々は建設を要求しているんだというふうに明記してあります。政府答弁書によりますと、早期に完了をしたいというふうに言っておりますけれども、この二〇〇五年と米軍が要求していることについては、防衛施設庁は確認をしているんでしょう。
#58
○政府参考人(大森敬治君) 私ども、米側と調整して新たなLCACの整備施設を建設することにしておりますけれども、その過程において米側と話しておりますけれども、その中において今御指摘のような二〇〇五年につくってほしいというふうなことの要求は受けておりません。
#59
○小泉親司君 ということは、この内容の中に二〇〇五年というのがあるということは、存在を肯定されたわけですから、そういう存在があるということはお認めになりますね。
#60
○政府参考人(大森敬治君) 私ども米側と、在日米軍と話しているわけでありますけれども、その過程において、今申し上げましたように、二〇〇五年までに建設してほしいということはないわけでございまして、私どもからいたしまして、在日米軍との話と今御指摘の文書との関連につきまして、私どもお答え申し上げることはできません。
#61
○小泉親司君 だって、文書の存在はお認めになっているのだから、私聞いているのは、文書にそういう明記がされておるということは、そういうものはお認めになるんでしょうとお聞きしているのでございます。
#62
○政府参考人(大森敬治君) 私ども、在日米軍と調整してLCACの建設、整備につきまして努力しているところでございますけれども、そのときは、在日米軍からはできるだけ早く整備してほしいということを聞いておるということを申し上げているわけでございます。
#63
○小泉親司君 どうもいつも要領を得ないんですが、それでは政府答弁書の中で、いわゆる航路の設定の問題でありますとか、夜間、早朝の訓練をしない問題ですとか、そういうことについては現在米軍と調整中だという回答でございました。ところが、同じように設置場所であります西海町、いわゆる横瀬地区との協定書の中では、同じように米軍と調整を行うというふうに書いてありますけれども、それについて米軍は、夜間や早朝の訓練は行わない、環境問題については当然住民の十分な意見を反映する、つまり受け入れる、こういうことを米軍ははっきり言っているんですね。
#64
○政府参考人(大森敬治君) LCACの基地の整備につきまして地元と調整しておりまして、先般、昨年十二月の末でございますけれども、西海町長から、航行の安全ですとか、環境への影響を最小限にするとか、また民生安定施設を整備するとか、漁業補償の問題ですとか、そういうことを条件にされまして受け入れをしていただきまして、それに基づきまして私ども福岡防衛施設局長が西海町長と協定を締結しております。
 この協定書の中で、航行の安全、また騒音への影響を最小限にするというふうな努力の趣旨が書かれているわけでございますけれども、私ども、地元の御要望を踏まえまして米側と今具体的に調整をしているという状況でございます。
#65
○小泉親司君 私の質問は、米軍は受け入れると言っているんですか。
#66
○政府参考人(大森敬治君) 今申し上げましたように、私ども現在、米側とも鋭意協議をしているといいますか折衝をしているところでございますので、具体的に申し上げられる段階ではございません。
#67
○小泉親司君 防衛庁長官にお聞きしますが、LCACというのは、自衛隊も配備されている、どこへ配備されておりますか。
#68
○国務大臣(瓦力君) 配備地域についての御質問でございますが、呉に配備をいたしております。
#69
○小泉親司君 呉に配備されている「おおすみ」に配備されております。
 その「おおすみ」の配備状況というのはどういう状況かといいますと、「おおすみ」は呉に停泊できないので沖に停泊する。LCACは事実上呉の湾内では一切航行しない。なぜかというと騒音があるので航行しない。事実上タグボートで曳航して外に出てからLCACを稼働する、こういうふうになっているんです。
 ところが、米軍はこの佐世保湾ないしは大村湾、こういうところでもいつでもどこでもそういうふうな航行が可能だということに事実上なってしまうと、これはもう全然住民の、自衛隊はそういう規制をするけれども、米軍はどうぞ御自由にというのでは、これは全然今までの西海町の協定とも全く反するものだというふうに思います。その点で、なぜ米軍がきちんと受け入れるかどうかということの調整を、早朝の訓練でありますとか環境問題などについてきちんとそれを米側に守らせるということになるんですか。
 例えば、調整調整と言っている間に、もうことしの二月には「ジャーマンタウン」が来ているときには早朝LCACが稼働いたしまして、現在の崎辺地区というところに実際にLCACが来ているんですが、そういうふうな状況もあるので、これは一体、きちんと米軍に受け入れさせるというふうなことは、防衛庁長官としてお約束できるんですか。
#70
○国務大臣(瓦力君) 先ほど施設庁長官からも答弁いたしましたように、LCACの問題につきましては地元町長の御理解や協力をいただきまして、町長からは船舶航行等の安全の確保でありますとか、生活環境の維持などについての民生安定及び漁業補償等の実施を条件に受け入れについて表明をいただいたところであります。
 もちろん、これから米軍といろいろ調整することにつきまして、今現時点でお答えすることはできないというようなことも答弁をさせていただいておりますが、委員御指摘のような環境に与える影響等につきましても地元の理解をいただく中で米軍の協力もいただくというようなことはひっきょう必要ではございますが、この必要性そのものについては町長もお認めいただき、我々もその対応を考えてまいるわけでございますので、これから慎重に検討してまいる、協力してまいるというようなことでございます。
#71
○小泉親司君 協定書には、夜間航行、早朝の航行については行わないよう米軍と調整するものとするとちゃんと書いてあるんです。よろしいですか、行わないよう米軍と調整するんですよ、行うかどうかを調整するんじゃないんです。これは全然、防衛庁長官の言っていることは西海町の協定とは違うんですよ。
 もう時間がないので、そのことを指摘しておきますが、例えば、私はなぜこの問題を言うかというと、先ほど存在を肯定した防衛施設庁長官が想定した文書の中では、これは八十九ページあるんですが、佐世保等の問題について約半分以上、五十ページにわたって記述しているんです、この文書は。いいですか、そこで崎辺について、なぜ崎辺から今度は西海町の横瀬地区に移す必要があるのかという理由が書いてあるんです。その理由の中に何て書いてあるかというと、現在、崎辺でやると騒音で横須賀基地が今問題にしているから、騒音がもう問題になるんだと。それから、夜間の訓練が今の崎辺じゃできないんだと、みんな住民がうるさいうるさいと言うのでできないんだと、だから横瀬に移すんだと言っているわけです。だから多くの住民の皆さんが、一体このLCACという、物すごい騒音をまき散らして、煙害もあるというふうな、そういうものを果たして受け入れるかどうかということでできたのがこの協定書でありますからね。それをなぜその行わないと。調整すると言っているのに、なぜ行うのか行わないのか、その点が極めてあいまいなんですよ。
 行わないということで、きちんと防衛庁長官が西海町の協定に基づいてきちんと米軍に確約させるべきなんじゃないですか。
#72
○国務大臣(瓦力君) 我々は日米安保体制の維持のために、これらの問題については地域の協力を得ながら協力をいただくという方針で作業をやっておりますが、御案内のとおり港湾の奥の深いところ、入り口に存するところいろいろございますから、LCACの状況からして、その設置の場所につきまして、西海町長の御理解を得るべく、さらに米軍との調整等もございますから、今そういうことをやっておるわけでございまして、私は多分にして、今後地元の調整もございますから、これらについて取り組んでまいるという方針を申し上げておるところでございまして、委員の御質問の中にあるように、私どもは地元の意向というものと別の考え方のようなことは私は答えとして申し上げておるものではございません。
#73
○小泉親司君 ということは、行わないよう米軍と調整するということは間違いないんですね、行わないよう調整する。
#74
○国務大臣(瓦力君) それらも含めて、当然地元の理解を得べく、協力いただかなければできないことでありますから、そういう努力を一層続けてまいるということでございます。
#75
○小泉親司君 この基地は埋め立てしてつくると、一部埋め立てしてつくるというふうになっているんですね。この建設費用はどっちが持つんですか。日本側が持つんですか、米軍側が持つんですか。
#76
○政府参考人(大森敬治君) LCACの基地の建設につきましては、先ほど御説明しましたように、西海町の了解が得られたわけでございますので、これから具体的な計画につきまして細部を詰めていくということになろうかと思います。
 そういう段階でございますので、具体的にこの経費がどのぐらいになるかというふうなことについて、また経費の負担、これにつきましては基本的にこの事業は提供施設整備で行いたいというふうに考えておりますので、基本的に日本側の負担になるというふうに思いますけれども、具体的にどのような経費内容になるかにつきましては、現時点におきましてお答えすることは難しゅうございます。
#77
○小泉親司君 提供施設整備費で何でこれ出せるんですか、お金が。これから、何ですか、日本は米軍が新しい基地をつくるときには提供施設整備費でお金を出せるんですか。
#78
○政府参考人(大森敬治君) LCACの施設でございますけれども、現在の崎辺の海軍補助施設を暫定的に利用しているわけでございますけれども、崎辺の施設ではその駐機場また整備工場等が整っていないと、またそういうところからLCACの施設として整備するためには新たな施設を整備する必要があるというふうな認識のもとに、防衛施設庁といたしましては、その提供施設整備でこの事業を行いたいというふうに考えております。
#79
○小泉親司君 一言でいいですから、リロケーションでやるんですか。一言でいいです、時間がないから。
#80
○政府参考人(大森敬治君) リロケーションではございませんで、提供施設整備で行うということでございます。
#81
○小泉親司君 そんな地位協定には、そんなことができないじゃないですか。どこからどこまで提供施設整備なんですか。全く新しい基地を提供施設整備で全部つくって、どこの地位協定に基づいてそれやるんですか。
#82
○政府参考人(大森敬治君) 先ほど申し上げましたように、LCACの基地につきましては、現在の崎辺の海軍補助施設は暫定的なものでございまして、その新たな施設を整備するというふうな認識でございまして、提供施設整備につきましては地位協定の二十四条でできるというふうに考えております。
#83
○小泉親司君 私、これ大変おかしいと思うんですよ。なぜおかしいかといいますと、ちょっと聞いていてくださいよ、なぜおかしいかといいましたら、もともと崎辺というのは崎辺補助施設というのがあって、あなたよく御存じのように、もともと廃屋しかないんですよ。全然寂れたところにLCACが初めて六機来たんです。それが一九九五年ですよ。そうでしょう。九五年に崎辺に勝手にアメリカ軍がつくっておいて、今度はそれをどこかに移設するから、そのいわゆる提供施設整備で崎辺からの事実上の提供施設整備だって、私、こんなこと外務大臣許しておいたら、どんどんアメリカ軍の勝手放題でお金使われますよ。
 私は、そこが非常に重大な問題だと思うんですよ。いつの間にか九五年に全く空き地だった崎辺補助施設というところに米軍のLCACが初めて駐機場をつくった、いわば駐車場みたいなのをつくったんですよ。つくったから今度はそれをいわゆる移設するというか提供施設整備で崎辺から移動するということで地位協定上は問題ないんだと、こういう解釈をしていたらもう本当にどんどんアメリカ軍のために私、お金が使われるというふうに思います。
 最後に、時間がありませんのでそのことと、それからやはり参議院の外交・防衛委員会で大変皆さん重視して佐世保の問題に取り組んで、報告書を出したときぐらいはやはり防衛施設庁長官は私しっかり読むべきだと思います。その問題を国会で調査したことについてきちんと防衛庁が受けとめてやるということでないと、今後の国会審議上も重要な問題がありますので、私はその点一言だけ委員長に申し上げておきまして、質問を終わらせていただきます。
#84
○田英夫君 本日議題になっております法案は賛成でありますし、その問題には直接触れませんが、ユジノサハリンスクに総領事館を置くという内容がありますけれども、これは大変いろんな意味で意義が深いことだと思います。言うまでもなく、総領事館というのは日本の人の保護をするとか便宜を図るという仕事が中心でしょうけれども、過去の歴史を考えますと、いろいろ特別な仕事もあるんじゃないか、こう思います。
 その意味で、河野外務大臣、先日韓国を訪問された。報道を通じてその一部を承知しておりますけれども、その中にかつてサハリンに強制連行で送られていた韓国、朝鮮の人たち、その中の希望者を迎え入れる施設を日本政府がお金を出してつくった「故郷の村」というんですか、これを訪問されたということが言われておりますが、大変いいことをされたと思います。
 そのときの印象をひとつ簡単に御報告いただきたいと思います。
#85
○国務大臣(河野洋平君) 先般の訪韓に際しまして、ぜひこの在サハリン韓国人の定住施設は訪問したいと思って、ソウルの飛行場に着きましてそれから直ちに訪問をいたしました。多くの方々がサハリンから戻ってこられて住んでおられるわけです。施設は、私が言うのもおかしいですが、大変立派ないい施設ができたと思います。施設をつくるに際して安山市が土地を選んで提供をしてくださった、そのことにも私はお礼を申し上げたいと思いました。
 多くのお年寄りが戻ってきて住んでおられましたけれども、大変喜んでくださったと同時に、大変うれしい、ありがたい、しかし遅過ぎましたという言葉が必ずございました。正直、五十年という歳月はやはり大変長い歳月であって、この人たちの人生の中でその大半を、大変こうしたことを待ち望んでおられたに違いないということを考えると、少し胸に詰まるものがございました。
 しかし、この間、韓国政府あるいはサハリンの関係当局、その他いろいろな、もちろん日本国内の協議もございましたが、いろいろな問題を最終的にクリアしてこういうことができたということを私は私なりに喜んでおりますと同時に、その結果としてサハリンに子供たち、孫たちを置いてきてしまったお年寄りが、孫たちに会いたいという強い思いを言われました。私は、あらかじめ考えていきましたから、この人たちがサハリンを訪問することを支援する渡航費といいますか、そういうものについてもこれから支援をしてまいりますということを申し上げてまいりました。
#86
○田英夫君 このこと一つとっても、過去あれだけの戦争をするとどれだけ人間に対する被害、大きな障害が起こるかということを示していると思うんです。
 あえて新聞の名前を言いますけれども、今言われたことを報道している朝日新聞の記事を読んでいて気がついたのは、「第二次大戦までに日本による徴用などで朝鮮半島からサハリンに渡り、」と書いてあるんです。これは、なるほど今の若い記者はこういうふうになってしまうのかなと、私のような者は感慨新たなものがあります。つまり、明らかにこれは強制連行で、当時の日本政府が閣議決定をして朝鮮半島の人や中国の人を強制的に連れてきて労働させた、炭坑などで働かせた。サハリンの場合は炭坑ですね。あるいは花岡事件なども起きているという、こういうことを考えますと、徴用で向こうへ派遣されていったというような話になってしまっているということを本当に残念に思います。
 金大中大統領にも会われたようですけれども、内容などを伺っている時間がありません。改めてまたそういう時間があればと思いますが、二月の半ばの韓国の新聞、中央日報という、これはかなり大きい新聞ですが、その報道で、金大中大統領の要請を中心にして、中国と韓国と北朝鮮の首脳が北京で会談をするということが今計画されているという報道が韓国の新聞に出ております。つまり、江沢民、金大中、金正日というこの三人が会うという、これは大変な話でありますが、一新聞の報道だけでありますけれども、このことは把握しておられるでしょうか。
#87
○国務大臣(河野洋平君) そうしたことができるということは承知をしておりません。しかし、金正日総書記がピョンヤンにあります中国大使館を訪問したという事実はございますし、韓国大統領が中国を訪問した実績も既にございます。したがって、そうしたことが期待されているということはあるかもしれません。
#88
○田英夫君 そういう空気が一方で出てくる中で、日朝国交正常化交渉はもう間もなくピョンヤンで始まるということで、できれば当委員会で高野大使の意見を聞きたい、こう思っているところでありますけれども、それはそれとして、これもまたあと数分という時間の中でこの交渉の問題について意見を交わすということは大変困難なことでありますが、そういう意味で、本当に今この日朝国交正常化交渉というのは、単に日本と北朝鮮、朝鮮民主主義人民共和国という二つの国の間で国交を正常化する、過去のいきさつを清算するといいますか、そういうことだけではない非常に大きな意味があるということをぜひ、これはもう当然河野外務大臣以下皆さん考えていらっしゃるとは思いますけれども。
 いろいろ障害も一方ではある。同時に、私もあえて率直に申し上げて、北朝鮮という国の非常に特殊な態度、このことがアジアの平和のために障害になっていることも事実だと思います。それをぜひみんなの力で乗り越えていかなくちゃいかぬ、こういう状況に来ているということも考えなければいけません。
 もう時間が来てしまいました。大変時間が短いことを残念に思いますが、改めて委員長にお願いしたいんですが、十分時間をとった一般質問という機会を与えていただきたいと思います。
 終わります。
#89
○田村秀昭君 私は、依田先生にお伺いします。本日の議題は賛成でございますので、一般質疑をさせていただきます。
 本日は、一般にマスコミが使っている思いやり予算というのがあるんですが、これは一九七八年に駐留経費の一部負担ということで、この思いやりという名前が非常におかしいと私は思っているんです。アメリカ人もこれはファシリティー・インプルーブメント・プログラムと言っておりますし、思いやりという名前を知っている人は少ないと思うんですが、そういうことを言えば笑い出すか困惑するような顔をするんじゃないかと思いますが、依田政務次官、いかがですか。
#90
○政務次官(依田智治君) 思いやりというのは、御承知のように金丸長官時代に、ちょうどあのころ物すごい円高等で米軍のいろいろ軍人その他の生活等でも非常に窮屈な状況があったときに、そういう思いやりというのもあっていいんじゃないかというような言葉から出たということでございますが、防衛庁は正式に思いやり予算ということは一切使っておりません。
 在日駐留経費負担ということで、日米安保体制に基づく応分の負担ということで解しておりまして、決して本来出すべきでないものを思いやりで出しているんだという感覚は全くありません。
#91
○田村秀昭君 結構だと思います。私も賛成であります。
 ペルシャ湾に落合司令官が掃海艇部隊を率いて行ったときの話なんですが、本人から私は聞いたんですが、ちょうど日本国民は一人百ドル今回のペルシャ湾の戦争に払っておるということを向こうの司令官に話をした、そうしたら、ああそうか、それじゃおれも百ドル出すからおれのかわりやってくれと向こうの司令官が言ったということであります。
 在日米軍と自衛隊の関係は非常に緊密で非常に友好的でありますけれども、両者の間には非常に大きな価値観というか、違いがあると思います。それは、米国の国民は、太平洋であれ中東であれ、どこでも直ちに出動し、必要とあれば血を流すことを辞さない覚悟で準備をしておると。日本の方は、自衛隊の方は、直接侵略を受けない限り血を流してはいけないという日本政府の公式見解であります。その点が非常に私は違うと思うんです。
 そういう観点に立って、この提供施設整備というのは戦略的な責務であって、経済的な混迷とか財政赤字とかそういうこととは全く無関係に提供しなきゃならない。日本の安全保障のために必要な経費だというふうに私は考えておるんですが、防衛庁長官と外務大臣にお答えをいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
#92
○国務大臣(瓦力君) 田村委員の質問でございますが、委員御承知のように、私どもは、自由でありますとかあるいは民主主義でありますとか、価値の高いもの、共有するものというものを大切にしていかなければならぬと思っておりますし、日米安保体制も、そういったことで我が国を守るといいますか、そういう基盤のために日々努力しておるものでございますが、今日の平和を確保するその背景には、在日米軍のいわゆる日米安保体制という価値は私は高く評価するものでございます。
 よって、大変厳しい財政事情でありましても、日米安保体制の円滑で効率的な運用を確保するという観点に立ちますれば、在日米軍駐留経費負担につきましては適切に対応してまいる、そういう指針のもとで努力をしてまいりたいと考えるものでございます。
#93
○国務大臣(河野洋平君) 防衛庁長官がおっしゃったように、適切な対処ということが重要だと思います。すなわち、適切な対処というのは、一定のルールに基づいて事が行われるというべきことであろうと思います。
#94
○田村秀昭君 終わります。
#95
○佐藤道夫君 私からは、北朝鮮をめぐる二、三の問題を取り上げまして、外務大臣のお考えを伺いたい、こう思います。
 第一の問題は、昨年十二月にスパイ容疑で身柄を拘束された日経新聞の元記者をめぐる問題であります。
 彼は、何か昨年の十一月三十日、北に入国した、そして十二月四日、スパイ容疑で身柄を拘束されたと。その容疑なるものは、新聞報道しかわかりませんけれども、何か撮影禁止の場所でしきりに写真を撮りまくった、それから録音テープもまたこれもとりまくったと。それがスパイであるという嫌疑を受けまして拘束されたということしか我々はわかっていないんですけれども、今現在、どこにどういう状態で、罪名は何なのか。それから、大変大事なことですけれども、裁判に付されているのかどうか。その辺をちょっと御説明いただきたいと思います。
#96
○国務大臣(河野洋平君) 議員お尋ねでございますが、御承知のとおり、我が国と北朝鮮との今日のような状況でございまして、まことに十分な情報が入手し得ない状況でございます。
 しかしながら、外務省としては、事件発生当初より中国にございます我が国の大使館を通じるなどいたしまして、北朝鮮側に対して本件抑留の事実関係の説明を求めますとともに、我が方が邦人保護の観点から本問題について非常に大きな関心を持っておるということ、それから本件の早期解決を望んでいるということを伝えてきております。若干、隔靴掻痒の感なきにしもあらずでございますが、今日の状況からいえばそういうことでございます。
 北朝鮮側よりいまだ詳細な回答は得られておりません。したがって、具体的な拘束状況や裁判を、今、議員が御関心の裁判を受けているかどうかなどが明らかになっておりません。ただし、北朝鮮側によれば、同人はピョンヤンの外国人用ホテルに足どめされており、健康状態は良好な模様だということでございます。
#97
○佐藤道夫君 それはどういうルートで我が方のだれになされた回答なんでございましょうか。
#98
○国務大臣(河野洋平君) 先ほど申し上げましたように、なかなか直接先方にこの問題をただすという場面ができません。したがいまして、在中国の我が方の大使館からさまざまなルートを使って情報を得るという努力をしているということでございます。
#99
○佐藤道夫君 率直に申し上げまして、これは大変軽率な人間であることは間違いないと思いますけれども、スパイではないことは明らかです。スパイというのはこんな軽率な行為はとりませんから。これが公安のスパイだなんと言われましたら、日本の公安は本当に泣くと思うんですよ、もっと上手にやるはずですから。
 多分にその軽率な行為が災いを招いたということなんでしょうけれども、しかし、いずれにしろ、これ日本国民ですから。私、何度も言っておりますけれども、国民の生命、財産を守る、これ日本政府の最大の責務でありますから、それが理由もなしに、考えてみましても、裁判にも付されないで、なお拘束されている、一体なんだろうかと。
 横田めぐみさんのケースなどは、向こうは認めておりません。行方不明者ぐらいの扱いしかしておりませんので、対応のしようがないと言えばそうかもしれませんけれども、本件の場合に、もう明らかに不当に拘束されているとしか言いようがない。これはもう近代国家とはいえ、もちろん近代国家かどうかわかりませんけれども、野蛮国だと言われても仕方がないわけなんで、こういうことはもう厳しく申し入れをすべきであろうと思います。場合によっては特使を派遣するぐらいの気持ちで、米を何万トンか送るのも結構ですけれども、やっぱりこういう問題を一つ一つ解決していくことは、私、大変大事なことだろうと思うんですよ。
 そして、一昨年は中国の何かある大学の学長が同じように禁止地帯で写真を撮ったということで拘束されたと。それから昨年はアメリカの女性、これまた写真を撮ったスパイ容疑で拘束されたと。しかし、いずれも報道によれば一カ月ぐらいで釈放されておるんですね。強く申し入れる国に対しては向こうはそういうふうに対応してくる。ところが、日本のようにぼんやりしている国に対しては頭からなめ切っているんだとしか思えないんですけれども、いかがでございましょうか。
 これ、食糧支援も大事かもしれませんけれども、こういう問題もきちっと解決することが日本政府の責任でございましょう、私はそう思いますが。
#100
○国務大臣(河野洋平君) 邦人保護、日ごろから議員が主張されているとおりだと私は思います。
 邦人保護の観点から、この問題を、もちろん今までもないがしろにしているつもりはございませんが、この問題につきましても、先方との話し合いをしっかりとやらなければならないと思っております。先ほど申し上げましたように、北朝鮮側とさまざまな方法によりまして種々のいわばやりとりを行ってきているわけでございまして、引き続き、抑留に至った経緯、その他の事実関係の説明をまず求めるということからしっかりやりたいと思っております。
#101
○佐藤道夫君 次は、若干古い問題で恐縮でありますけれども、日本人妻の帰国問題。二年ほど前に二回にわたって計二十七名の日本人妻なるものが帰国をいたしました。その二回目のときに、十五人最初予定されていたが、三名は実は北に行く際に日本国籍を放棄しているということで、日本政府が受け入れを拒否したと。よってもって、三名は日本には帰ってこれなかったというふうになっておりまして、この拒否した理由は一体何だろうかと。
 こんなものは、国籍を放棄した者は日本人ではない、そんな日本人でない者を国民の貴重な税金を使って日本国に連れてくる必要は全然ないというふうなことを何かさる有力者が言って、それが原因になっているんだというふうにも言われておりますけれども、私は大変いぶかしいと思うんですよ。三十年前に北に渡った人たち、いろんな理由で日本国籍を放棄して、朝鮮人である夫と一緒になって朝鮮という国の建設に邁進しようと。それも一つの理由、立派な理由だったと思うんですよ。そして、北で働いてきたと。
 戦前の話をするようで恐縮ですけれども、多くの日本人がアメリカ大陸に移住しました。その際、親たちは何と言ったかと言うと、例えばペルーに行く者については、ペルー国の人間になれと、日本人であることを忘れろと、ペルーのために頑張れと、ペルーの土になれと言って励まして送り出してやった。これは当たり前のことなんです。日本人の心というのはそういうものだろうと思います。向こうで悪賢くやって金を稼いで日本に戻ってこいと、そんな親は日本人におりませんからね。
 そして、歳月が流れまして、彼らが高齢者になって一度は死ぬ前に日本という生まれた国に行ってみたいと、これは当然のことなんですね。そして彼らが帰ってくる、一時帰国をする。そのときに、親戚や近所の人たちが、おまえはもう日本人じゃないと、ペルー人だろうと、おまえなんかとだれがつき合うかと、そんなことを言う日本人は一人もおりません。よく頑張ったと言って抱きしめて彼らの労をねぎらう、それが日本人なんです。
 一体、日本国籍を放棄した者は日本人じゃないと、そんな者を受け入れられるかと、貴重な税金を使えるかと言ったのはだれか知りませんけれども、私は、とんでもない、彼こそ日本人じゃないんじゃないかというふうにも考えているわけでありまして、これからもこの日本人妻の帰国問題が取り上げられることがあろうかと思いますけれども、今のうちにすぐれて人権感覚の豊かな河野外務大臣の御見解なるものを伺っておいて将来に備えておきたいとも思いますので、どうか忌憚のない御意見を承ればと思います。
#102
○国務大臣(河野洋平君) 日本人配偶者のふるさと訪問事業の対象者は、原則として北朝鮮への帰還事業が始まった一九五九年以降、配偶者とともに北朝鮮に渡り、現在まで北朝鮮に在住している方々であって、基本的には我が国出国当時日本国籍を有していた方々などとしてきております。
 したがって、我が国出国に先立って日本国籍を放棄した方々については原則として本件ふるさと訪問事業の対象ではありませんが、本件ふるさと訪問が人道的な観点から行われている、そういう事業であるということを考えれば、今、議員が御指摘のような問題について、おのずから考え方は幅があっていいというふうに思っているわけでございます。すなわち、個別の事情を勘案して、具体的なケースごとに対応を判断するということでいいのではないかと思っております。
#103
○佐藤道夫君 最後になりますけれども、この日本人妻の帰国問題、北朝鮮政府の許可を受けて帰ってくるというふうなことでは私はないんだろうと思うんですよ。もう今やそんな時代ではありませんので、向こうも自由に日本に帰ってくる、日本の親たちあるいは兄弟たちも向こうに自由に行って訪問をしてくるという、そういう自由往来の時代になりつつあるということを厳しく北朝鮮に伝えまして、人道的見地から、あの国にどこまで人道的な考えなんというものが通用するのかどうかわかりませんけれども、少なくともあきらめずに、何回でもそういうことを申し入れるということが大事なんだろうと私は思っておりますので、最後にまたもう一度大臣のお考えを承りまして、質問を終わりたいと思います。
#104
○国務大臣(河野洋平君) 議員御指摘のように、我々が行いますこれからの仕事は、最終的にはそうした自由な往来ができるというようなことを追求すべきであろうというふうに思います。現実の問題として、まだまだ、相手のある交渉でございますから、ここで胸を張ってそこまで申し上げられませんけれども、私は、最終的な目標としてそういったことは当然考えておりますことを申し上げます。
#105
○佐藤道夫君 終わります。
#106
○委員長(矢野哲朗君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#107
○委員長(矢野哲朗君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#108
○委員長(矢野哲朗君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時五分散会
ソース: 国立国会図書館
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