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1950/12/08 第9回国会 参議院 参議院会議録情報 第009回国会 大蔵委員会 第11号
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1950/12/08 第9回国会 参議院

参議院会議録情報 第009回国会 大蔵委員会 第11号

#1
第009回国会 大蔵委員会 第11号
昭和二十五年十二月八日(金曜日)
   午前十一時三十五分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○所得税法臨時特例法案(内閣提出、
 衆議院送付)
○物品税法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○特別職の職員の給與に関する法律の
 一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○食糧管理特別会計の歳入不足を補て
 んするための一般会計からする繰入
 金に関する法律の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
○小委員長の報告
○映写機、同部分品および附属品に対
 する物品税減免の請願(第一六号)
○輸出花むしろおよび野草むしろの物
 品税撤廃に関する請願(第九六号)
○漆器の物品税撤廃に関する請願(第
 一〇六号)(第二四二号)
○帽子の物品税撤廃に関する請願(第
 二四八号)
○蓄音機、レコード等の物品税撤廃に
 関する請願(第二四九号)
○写真感光材料の物品税軽減に関する
 請願(第二五一号)
○家具の物品税撤廃に関する請願(第
 二七〇号)
○退職積立金および支給退職金の免税
 措置に関する請願(第一八七号)
○漁業に対する課税改善の請願(第四
 三〇号)
○黒糖の消費税撤廃に関する請願(第
 四四一号)
○ピグメント・レヂン・カラーの輸入
 関税に関する陳情(第四九号)
○どぶろく密造防止に関する請願(第
 一五二号)
○豊島税務署員の徴税態度に関する請
 願(第一八〇号)
○南氷洋捕鯨用塩に特別価格設定の請
 願(第二七六号)
○家畜用および製革用塩価値上げに関
 する請願(第二七九号)
○水産用塩に特別価格設定等の請願
 (第三一二号)
○漬物用塩価の引下げ等に関する請願
 (第四四四号)
○納税準備預金利子引上げに関する請
 願(第四二号)
○預金部資金運用審議会に議決機関代
 表参加の請願(第四六号)
○旧軍事都市の産業都市転換に関する
 法律制定の請願(第七九号)
○中小企業信用保險特別会計法案(内
 閣送付)
○日本輸出銀行法案(内閣送付)
○外国為替特別会計の資本の増加に充
 てるための一般会計からする繰入金
 に関する法律案(内閣提出、衆議院
 送付)
○郵政事業特別会計の歳入不足を補て
 んするための一般会計からする繰入
 金に関する法律案(内閣提出、衆議
 院送付)
○米国対日援助物資等処理特別会計法
 の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○農業共済再保險特別会計の歳入不足
 を補てんするための一般会計からす
 る繰入金に関する法律の一部を改正
 する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
○食糧管理特別会計法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(小串清一君) これより委員会を開会いたします。
 所得税法臨時特例法案、物品税法の一部を改正する法律案、特別職の職員の給與に関する法律の一部を改正する法律案、食糧管理特別会計の歳入下足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律の一部を改正する法律案、以上について御質疑を開始いたします。
#3
○油井賢太郎君 特別職の職員の給與の関係でお尋ねをしたいのですが、先般資料を頂きましたのを調べて見ますというと、当初予算と、それから今度の改訂予算と同じ金額になつているのですね。これは人数も相当、最初は十二万人もいたのが今度はたつた二万七千人に減つているし、当初予算の割り方があなたのほうでどういうふうにされたか。大分食い違いがあるじやないですか。その数字をどうやつてお出しになつたか先ずお聞きしたいのです。
#4
○政府委員(磯田好祐君) 只今油井委員から御質問になりました点でございまするが、今お話のように給與関係に対しまする今回の改訂は、所要額は、これを食糧配給公団の場合に例をとつて見ますると、二億四千七百数十万円という金額を所要することに相成るのでございまするが、この点につきましては、各公団、食糧配給公団の場合におきましても、他の各公団同様に既定経費の節約によりまして充当し得るということになつてでおるのでございまして、従いまして今回の補正予算には特にこれがための経費の補正予算は提出しなかつたという結果に相成つておるのでございます。
#5
○油井賢太郎君 それはわかるのですが、特別手当だけ抜き取つて、あなたのほうで百分の十と計算されたのと、これを百分の十五とされたのと比較いたしまして、当初予算のいわゆる百分の二十と比較してどういうような変化があるのですか。
#6
○政府委員(磯田好祐君) 只今お話の食糧配給公団の場合におきまして、この特別手当を百分の十五と計算いたしました場合におきましては、私どもの現在の推計によりますると約一億五千万円程度の経費を必要とする、さような計算になつております。
#7
○油井賢太郎君 今のお話ですと、それは総体であつて、特別手当だけを抜き取つた計算じやないのですね。
#8
○政府委員(磯田好祐君) 只今申上げましたのは、特別手当百分の十と計算いたしました場合に対しまして、これを百分の十五と計算いたしました場合におきましては、只今申上げましたように約一億五千万円余計に金が要るということでございます。即ち特別手当だけを切離して計算いたしましても、その百分の五の増加に伴う経費は一億五千万円要る、さような計算でございます。
#9
○油井賢太郎君 それは公団全部をひつくるめたものですか、食糧配給公団だけのですか。
#10
○政府委員(磯田好祐君) 食配公団だけであります。
#11
○油井賢太郎君 それは一年間を通じて計算されたのですか、今度のこの法案の改正によつてそういうふうな増加が必要だということになるのですか。
#12
○政府委員(磯田好祐君) 来年の月一日以降一五%支給とするならば一億五千万円の経費を余計必要とする、かような計算でございます。
#13
○油井賢太郎君 私のほうの計算ですと、新ベースで以て一〇%だというと、今現在が二万七千四百十七人になつておるんです、一月から三月までの予定は……。それで行つて八百八十八円が一〇%の場合の一人当り平均の特別手当になるんですね。それからこれが一五%になれば千三百三十二円一人当り毎月の特別手当、こういうことになるんですが、あなたのほうの計算と、この計算は大分違うのですが、一億五千万円余計要るというのは、五%でこれだけ余計要るというと、人数を幾らに見積つてやられたのですか。
#14
○政府委員(磯田好祐君) 只今私が御答弁いたしました約一億五千万円の新規の経費を要するという計算でございますが、これは当初の予算の数字で計算いたしておりますので、人数で計算いたしておりますもので、その点只今すぐ計算いたして見ますと、多少変ります。即ち当初の食配公団の本年度初めにおきまする人員は八万二千名でございまして、現在の食配公団の人員は二万七千四百二十七名ということになつております。従いまして八万二千名と二万七千名で割つた平均額だけ訂正を要すると思います。誤謬を訂正いたします。
#15
○油井賢太郎君 そこで、これはあなたのほうの間違いということはわかつたのですが、当初予算で先般もあなたは二〇%くらい特別手当を與えておつた、その数字から割り出すというと、私のほうの計算では千三百三十四円一カ月一人当り支給したことになつておるのです。そうしますと今度は一〇%に新給與ベースによつて減らした場合、それは八百八十八円になつて、若しこれが一五%だつたら千三百三十二円となるのです。そうすると何も予算措置というのはこれは変りはない、いわゆる一五%でも予算措置には変りがないというのが我々の見解ですが、あなたのほうではこれに対して、やはり予算措置上変りがあるというふうな計算をされておるのですか。若しされておるならその根拠を示して頂きたいと思います。
#16
○政府委員(磯田好祐君) 只今の点につきましては、食配公団の場合だけを取上げて考えまするならば、本年度中において必ずしも補正予算の計上を必要とするか否か、多分私どもの計算によりましても、既定経費の節約によつてこれを賄い得るのではないかと思つております。併しながら問題は、私ども政府の側といたしましては、ひとり食糧配給公団の場合だけを考えることはできないのでございまして、他の十幾つかの各公団の問題もよくこれを考えなければいかん。ほかの公団の場合について申しまするならば、少くとも人件費予算によりましてこれを賄うことは困難である。即ち仮に現在政府が提案いたしておりまするところの一〇%の特別手当を一五%といたしました場合におきましては、ほかの各公団におきまして人件費予算でこれを賄うことは困難ではないかというふうに考えるわけでございます。即ちひとり食糧配給公団の場合におきまして、予算上仮に今年度の予算におきまして経理が可能であるというふうに仮定いたしましても、これは他の公務員におきまして、例えば特別俸給表による有利な取扱、或いは調整号俸による有利な取扱の点につきましても、これを一律に全部半分にする、実質的にこれを半分にするという措置をとつておるわけでございまして、たまたま食配公団が予算上経理可能なるが故を以て、従来の事実上の二〇%乃至一五%だけ支給するということになりまするならば、全体の今回の給與改訂におきまするバランスがとれない。かかる観点から政府としては原案通り一〇%の特別手当ということでお願いしたいと、さように思つておる次第でございます。
#17
○油井賢太郎君 ほかの公団のほうは閣議決定で法文に明示されておらないからこれはともかくといたしましてですね、法文で明示されておるところの食糧配給公団は、前は三〇%以内ということになつておつて、実は二〇%又拂をしておる。それが今度は半分にするんだというんなら、やはり一五%以内がこれが当然であつて、而も予算措置というのは今あなたと私の間の問答にある通りに変りはないのですね。而もこれはもうあと二カ月か、場合によつては三カ月の壽命であるということはこれはもう周知の事実です。そうすると来年度の予算ですから、法案のほうから申しますと何ら影響のある問題ではないということは明白になるのです。こういうふうに我々は解釈しますが、要するにですね、当初予算と今度の法案改訂によつて一五%と我々が主張するところの%で割り出した予算においては何ら変りはないということは、あなたはお認めになりますか。
#18
○政府委員(磯田好祐君) ついでに先ほど申上げました約一億五千万円必要であると申上げました数字は、只今計算いたしましたところでは大体五千万円程度に相成るということになります。それで先ほど論明いたしましたところを御訂正願いたいと思います。
 なお只今油井委員からお話のありましたように、この食配公団は来年の二月にはたくなるものである、従つてこれに対してはどこの公団にも影響はないし、又法文上三割となつているものを、形式的に半分にすればいいのではないかというお話でございまするが、この点につきましては、政府のほうとしては全体のバランスという関係から申しまして、どうしてもこれは半分ということで行きたい、実質的にその半分で行きたいというふうに考えるわけでございまして、他の食配公団以外の公団におきましても、近く解散するという点におきましては、いわば五十歩百歩でございまして、殆んど各公団が近く解散するということに相成つておるわけでございまして、若し仮に食配公団に対しまして、表面上現在三割であるものを一割五分ということにいたしまして、予算上可能なるが故を以ちまして一割五分の特別手当を支給するということに相成りまするならば、他の公団につきましても、全面的にやはりこれは一割五分というふうに権衡上取計らいをいたさなければならんという結果になつたわけでございましてそういうことは他の公務員の特別俸給表又は調整号俸による有利な取扱につきましても、今回一律に実質的におおむね二割というものを切り下げて行くということとのバランスを失しますので、そういう観点から政府といたしましては、原案通り一〇%ということで行きたいと、かように考えておるわけでございます。
#19
○油井賢太郎君 私の質問していますのはですね、要するにこの前は三〇%として実質的には二〇%しかあなたがたのほうで支給していない。それは予算の措置でやむを得なかつたのだという話なんで、これは了承しているのです。併し今度の場合やはり同様にですな、三〇%が一五%になつたところで、その一五%という若し最高の額を拂つても当初予算に何ら影響がなく、別に新たに補正予算を立てる必要がないというのは我々の考えなんですが、それについてはあなたもお認めになるかどうか、その点なんですがね。つまり一五%にしたそのために新たに予算措置が要るか要らないか、若し要るのならこれは問題ですが、要らないならばあとの支給の方法はいずれ事務的の立場から出す。国家財政上できないとか何とかいうことならそれは別問題で、この法案上からいつて一五%として当初予算との関係をお聞きしておるのです。
#20
○政府委員(磯田好祐君) 予算的に申しますならば、先ほどもお話申上げましたように、或いは既定予算のままで特に補正予算を計上しなくても一五%の特別手当の支給は可能ではないかと思います。併しながらこれは又話が違うということになるかも知れませんけれども、給與の改訂と申しまするのは、これは極めてデリケートな問題でありまして、全体がバランスをとつてこれは改訂するということにいたしておりまするので、仮に予算上可能でありましても、そういう支出をするということは困る、そういうふうに政府のほうとしては考えるわけでございます。
#21
○油井賢太郎君 その点明白になりましたが、全体的のバランスをとる、とらないは現内閣の責任においてやることであつて、これはあなたのほうで責任を持たれる必要はないのですから、今の問題はこれで明白になつたと思います。
#22
○森下政一君 先刻来の油井さんに対する御答弁を承わつておると、政府が法文をいらわずに、従来通りに百令の三十にとどめて置いて、実質的に一五%の支給をする、これは予算措置を恐らく必要としないだろう、だけれども給與の問題は非常にデリケートである。公団が廃止されるということは食糧配給公団においては、来年の二月だが、ほかの公団も遠からず廃止される、そこで廃止されるという運命については五十歩百歩であろうと思う。同時に又ひとしく公団の職員である、こういう点から一律に百分の十にすることが必要だ、こういうふうな御答弁であると思うのですが、ひとしく廃止されるとはいいながら、又ひとしく公団ではあるけれども、その職員が特別職として待遇されておるのは食糧配給公団だけじやないのですか。ほかのものは一般公務員並に私は律せられておると思う。食糧配給公団の職員が特別職であるという、その特質というものをちつとも考慮の中に加えていない考え方ではないかと思うのですが、その点に対する御所見如何ですか。
#23
○政府委員(磯田好祐君) 只今森下委員からお話がありました点につきましては、従来特別職になつておりまする公団は、お話のように食糧配給公団だけでございます。併しながら事実上の取扱といたしましては、各公団ともこれは先般の委員会でも御答弁申上げたと思うのでございますが、大なり小なり非常に民間的な色彩が多いところの事業をやつておるところでございます。従いまして民間からそれぞれの途のエキスパートの人々が来ておる。そういう観点から申しまして、一般の公務員の給料を以ちましてはこれを公団の職員とすることができないということになりまするので、従来といえども同じく形式上は三割の特別手当を支給するということで参つておるわけでございます。而も形式上は従来三割であつたものが、昨年以来現実にはこれを二割ということで制限して、常に各公団の間におきますバランスをとつて参つておるわけでございます。従いまして今に至りましてその取扱をひとり食糧配給公団のみにつきまして特別の取扱をするということは、仮にこれが特別職になつておるということを前提といたしましても困難ではないか、さように思うわけでございます。
#24
○森下政一君 他の公団においても民間のエキスパートが入り、或いは民間の事務同様に事務を取扱つておるというようなことになつておる、そうすると遡つての問題になるが、何故一体食糧配給公団の職員だけが特別職というふうに規定されたか。その特質というものを、今まさに公団が消え去らんとするときに活かした考え方をしても、ちつとも私は他の公団に影響が及ぼさないのじやないかということを考えるのですが、どうでしようか。
#25
○政府委員(磯田好祐君) 従来食糧配給公団を特別職といたしました理由は、この食糧配給公団の業務の内容と申しますか、勤務の内容と申しますか、これが一般の公団といささか違う、即ち一般の公団の場合におきましては、その勤務形態が一般の公務員と、出勤時間にいたしましても、その他の勤務形態にいたしましても似ている。併しながら食糧配給公団の場合におきましては、これを端的に申上げまするならば、いわばお米屋さんのような仕事をやるわけでございます。従つて勤務形態が違う、そういう理由を以ちまして特に特別職ということにしたわけでございます。併しながら給與に関する取扱等につきましては、従来といえどもこれを一律に、ほかの公団と同じように取扱つて来ているわけでございますので、現在の段階におきまして、食糧配給公団のみに特別の取扱をするということは困難ではないか、かように考えるわけであります。
#26
○森下政一君 そのことは考えようによつては、従来特別職となつておる、全く特殊性を持つて仕事をしている食糧配給公団に対する処遇を、他の公団のそれとは、特別職になつておる理由によつて異なる取扱をされてもよかつたのではないか、それを同一に扱つておいでになつたというところに一つの過誤があつたのではないかとさえ私は考える。まさに廃止されようとする、一番最近の機会において廃止されようとするものに対して、わざわざここで百分の三十を百分の十に改めるというような措置を講ぜられることは、如何にも追討ちをかけるような感じで、恐らく公団の職員としても甚だ不満を感ずる点だろうと思う。油井君が先刻来頻りに主張するのもその点だと私は思うのですが、その点どうお考えになりますか。
#27
○政府委員(磯田好祐君) 政府におきましては、近く解散される食糧公団の職員のかたがたに対してこれに追討ちをかけようというような意思は毛頭ないのでございまして、若し仮に来年の二月になくなるものならば、或る意味から申しまするならば、これは又お叱りを受けるかも知れませんけれども、もうなくなるものならば、給與改訂をせんでもいいじやないかというような議論だつて成立つわけです。そういうことを私たちは毛頭考えておるわけではございませんけれども、来年の二月になくなるものであるけれども、少くとも給與改訂については、一般のものと同じようにこれを改訂して行こう、併しながらその特別手当については、他の公団と同じように、他の公団においても近く整理するという形になつておるのでございますので、今日の段階に至つて、やはり食糧公団のみを特別扱いするということは非常に困難である。先ほど森下委員からお話がありましたように、或いは従来の取扱が間違つていたとは思いませんけれども、そういう議論も一応は成立つであろうと思います。併しながら少くとも今まで、解散の直前に至るまで同じ取扱をいたしておつたものにつきまして、現在の段階において食配公団だけをよくするということは、政府としては困難ではないか、かように考えたわけであります。
#28
○委員長(小串清一君) 御質疑は……その後政府委員のほうで外国為替管理委員会委員の大久保氏、その他食糧庁からも昌谷主計課長なども来ておりますから、先刻上程しました外に、外国為替特別会計の資本の増加に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案、郵政事業特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案、米国対日援助物資等処理特別会計法の一部を改正する法律案、農業共済再保険特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律の一部を改正する法律案、これらをすべて審議をいたして、委員諸君の御質疑を願いたいと思います。
#29
○森下政一君 議事進行について……。どうですか、どれもこれも今会期が切迫して、相当重要な案件で質疑を続けたいのですが、今早めに食事をやつて正一時には集まつて、政府委員には御迷惑でも出揃つて頂いて、しつかりやつたらどうですか。今から浮腰で食事時間を控えておつて三十分くらいやつても何にもならんと私は思うのですが、どうでしよう。(「賛成」と呼ぶ者あり)
#30
○委員長(小串清一君) 御尤もな御意見ですが、この委員諸君の中で、例えば繰入案とか、割合に簡單なものについては質疑を成るべく省略して、諸君の十分研究しようとするものに集中した方が……。
#31
○森下政一君 その点異議ありませんが、一時なら正一時に正確に集まつて、簡單に済むものはどんどん上げてしまう。だらだら十二時半までやると、この次に集まる時間がだらけてしもう……。
#32
○委員長(小串清一君) 只今の森下君の御意見に御賛成のようでありますから、それではこれで休憩して正一時に必ずやるということに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#33
○委員長(小串清一君) さよう決定いたします。休憩いたします。
   午後零時二分休憩
   ―――――・―――――
   午後一時十五分開会
#34
○委員長(小串清一君) これより大蔵委員会を再開いたします。
 先ず請願及び陳情に関する小委員長より小委員会審査の結果、留保となりました分についての御報告をお願いいたします。
#35
○大矢半次郎君 本国会において大蔵委員会に付託された請願陳情のうち、留保に決定いたしたものは、請願二十一件、陳情一件、計二十二件であります。
 先ず税制に関係しているものを申上げますと、請願第十六号は、映写機、同部分品及び附属品、請願第九十六号は、輸出花むしろ及び野草むしろ、同じく第百六号は漆器、同じく第二百四十二号は、楽器、第二百四十八号は、帽子、第二百四十九号は、蓄音機、レコード等、第二百五十一号は、写真感光材料、第二百七十号は、寒具について、それぞれ物品税を減免すること、又第百八十七号は、退職積立金および支給退職金を免税すること、第四百三十号は、漁業に対して課税方法を改善すること、第四百四十一号は、黒糖の消費税を撤廃すること、陳情第四十九号はピグメント、レヂン、カラーの輸入関税を引上げることをそれぞれ要請しておりますが、現在においてはこれらは採択さるべき段階に至らないものと認めまして留保といたしました。
 次に請願第百五十二号は、どぶろくの密造防止対策として米酒の還元委託醸造を採用することを要請しておるのでありますが、その実施は、現状においては極めて困難な状態にありますので留保といたしました。又請願第百八十号は、豊島税務署員の徴税態度に遺憾な点があつたので、それを究明することを要請しておりますが、実情はなお調査を要するものがありと認められ、且つ税務当局としては、善処して居るので留保としました。
 次に税制以外のものについて申し上げます。
 請願第二百七十六号は、南氷洋捕鯨用塩、第二百七十九号は、家畜用および製革用塩、第三百十二号は、水産用塩、第四百四十四号は、漬物用塩について、それぞれ特別価格を設定すること、請願第四十二号は、納税準備預金利子を引上げること、第四十六号は、預金部資金運用審議会に議決機関代表を参加せしめること、請願第七十九号及び第二百二十九号は、旧軍事都市を平和産業都市に転換させることをそれぞれ要請しておりますが、これらはいずれも現状においてはなお検討を要するものと認められましたので、留保に決定いたしました。
 以上御報告いたします。
#36
○委員長(小串清一君) 只今の小委員長の報告通り了承することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#37
○委員長(小串清一君) 御異議ないと認めます。
  ―――――――――――――
#38
○委員長(小串清一君) 次に、新たに付託されました中小企業信用保険特別会計法案、日本輸出銀行法案の予備審査を開始いたします。先ず政府の提案の理由の説明を求めます。
#39
○政府委員(西川甚五郎君) 只今議題となりました中小企業信用保険特別会計法案の提出の理由を御説明申上げます。
 今回政府におきましては、中小企業者の行う事業の振興を図る目的を以ちまして中小企業信用保険法案を別途提出いたしまして御審議を願つているのでありますが、政府が、この中小企業信用保険制度を実施いたすことになりました場合には、その経理の状況を明確にいたしますため、一般会計と区分して中小企業信用保険特別会計を設けまして、これを経理するのが適当と考えられますので、この法律案を提出した次第であります。
 次にその内容の概略を申上げますと、この会計の歳入歳出につきましては、保険料、中小企業信用保険法案の規定により政府が保険金を支拂つた後、金融機関に代位した貸付金債権の回収金、一般会計からの繰入金及び附属雑收入を以てその歳入とし、保険金、保険料の還付金、事務取扱費その他の諸費を以てその歳出といたしておりまして、これにより政府の行う中小企業信用保険に関する経理の全体を明らかにいたし、又この会計の予算及び決算の作成及び提出に関する手続等特別会計に必要な事項を規定いたしておるわけであります。
 次に、日本輸出銀行法案につきまして、提案の理由を御説明いたします。
 我が国の経済復興に貿易の演ずる役割は極めて大きく、なかんずく、輸出の伸長こそが、我が国経済の自立を達成するための捷径でありますことは、今更申上げるまでもないところであります。最近の諸情勢に鑑みましても、米国の対日援助は、近き将来において大幅且つ急速な渡瀬を見るものと信ぜられるのでありまして、このような情勢に即応いたしますためにも、あらゆる施策を挙げて、輸出の促進に集中しなければならないと考えるものであります。
 従来、我が国の貿易は、軽工業製品を中心とする加工貿易方式を以て主として運営されて参つたのでありますが、戰後における世界諸国の生産力の回復、なかんずく東南アジア地域の経済力の進化発展に考えますときは、繊維製品を中心とする従来の貿易内容に安住することなく、我が国の貿易は更に一層の飛躍改善を要請せられているということができるのであります。
 他面、我が国の主要取引国たるこれら諸地域は、低下した生産水準、遅れた産業構造を回復するため、現在開発と工業化の過程にあるわけでありまして、そこにおいて需要されるものは、工場設備、重機械、船舶、車両のごとき耐久資本財なのであります。
 併しながら、これら諸地域は、一般的に対外支拂手段なかんずくドル資金の不足に悩んでおり、これら建設若しくは開発関係資材の輸入も必ずしも意のことく進捗しない状況にあるといわれております。勿論これら諸地域は、現在すでにそれぞれ米国その他の先進諸国よりの対外援助を受けており、又今後相当程度の外貨資金を獲得し得るものと期待されております。併しながら厖大な人口と地域を有するこれら後進諸国が、短期日のうちにその近代化、工業化計画を達成し、安定した所得水準に到達し得るような巨額の援助を受けることは、かなり困難であると言わねばなりません。
 いづれにいたしましても、インド、パキスタン、ビルマ、フィリッピン、タイ、インドネシア、インドシナのごとき諸地域は、それぞれの経済復興及び商業開発計画或いはこれに類する工業化計画を持つており、その進捗に応じて、設備、機械のごとき資本財に対する需要は、現実に起つて来ているのであります。このような需要に応じ、彼らの必要とする設備、施設を供給するばかりでなく、我が国の進んだ技術をも提供することによつて、これら諸地域の経済開発に、協力することは、将来における我が国の輸出製品市場を永続的に確保し得ることともなり、まさに双方の希望と利益に合致するものということができるのであります。
 ただこれらブラント設備等の資本財は、一件の金額が巨額に上るばかりでなく、先にも一言いたしましたごとく、これら未開発地域は、対外決済手段にも不足しておりますので、その支拂を一時に行うことは極めて困難な状況にあるのであります。のみならず、これらブラント設備の国内における生産には、かなり長期間を要するのでありまして、これを船積出荷するまでの生産金融が是非ともこれに伴うことが必要となつて来たのであります。このように考えますと、ブラント設備の輸出のための金融は、商品の生産から船積を経て相手国に着荷据付を了し、最終的な代金の決済を受けるまでには、相当の長期間に亘ることを覚悟せねばなりません。この種金融は、諸般の情勢から考えまして、市中銀行その他の金融機関にのみ期待することは困難且つ不適当と言わなければならないのでありまして、ここに何らかの対策が必要とされるに至つたのであります。
 政府は、このような情勢並びにそのよつて來る原因に鑑みまして、ここに政府出資による独立の金融機関を設置し、この種金融を行わしめることとしたのであります。政府からの出資は、本年度一般会計より二十五億円、見返資金特別会計より二十五億円、合計五十億円、明年度一般会計より五十億円、見返資金特別会計より五十億円、計百億円、本年度及び明年度を合せまして合計百五十億円を予定いたしております。その際、政府において特に考慮を拂いました点は、全額政府の出資から成る金融機関であつて、如何にせばその能率的な運営を確保し得るかという点でありまして、この見地に立つて、役職員の任免及び地位、大蔵大臣の監督、予算の編成及び執行、経理その他の面におきまして、できる限り、無用の拘束を少くし、その能率的運営の実効を期したのであります。なおその業務は、国内輸出業者又は輸出品製造業者に対する貸付又は手形の割引ばかりでなく、外国の政府、地方公共団体、輸入業者等に対しても行いうることとなつておりますが、その業務の重点は、差当つて国内業務に置かれるものと考えております。
 以上法案を提出した理由を申上げました。何卒御審議の上、速かに賛成せられるよう切望してやまない次第であります。
#40
○委員長(小串清一君) 只今田村郵政大臣がお見えになつておりますから、御質疑のおありのかたはこの際御質疑願います。
  ―――――――――――――
#41
○委員長(小串清一君) それでは政府から歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する各法律案の内容の説明をお願いします。
#42
○政府委員(佐藤一郎君) それでは私のほうから一括御審議を願つております予算並びに会計に関係のございます六本の法律案、これは大体予算に伴つておりまするものばかりでございますが、最初に極く概略御説明を申上げます。それで御説明の順序といたしましては、公報の順序に従いまして最初に食糧管理特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律の一部を改正する法律案、それを最初に御説明申上げます。
 お手許に提案理由の説明等が行つておると思います。これは御承知のように農業共済再保険を国家が行なつておるわけでありますが、大体農業保険におきましては、農民と消費者、農民が概略にいいますと、五割四、五分、それから残りは消費者が負担するような仕組になつております。ところが消費者と申しましても、結局それは先ず食糧管理特別会計が負担いたしまして、そうして食糧管理特別会計がそれを消費者に売却する際に転嫁をするという仕組によつて、消費者の保険料負担分を取るという建前になつておるわけでありますが、昭和二十二年以来というものは、この消費者の負担分を転嫁させるということは、価格政策上も面白くないというのでずつととどめておりまして、従つてその消費者負担分を結局一般会計が食糧管理特別会計に繰入れておるのであります。そのために毎年こういうような事態が起るのでございますが、只今今回のものは予定よりも約一千七十五万円増額になりましたのですが、これが特に増額になりました理由は、当初昭和二十四年産の麦につきましては、その共済金額を反当二千円ということで以て予算を組んだのでございますが、それが実際に今度その契約を引受けます時期の昭和二十四年の秋になりましてパリテイが上りました結果として、二千百円ということに共済金額か殖えて参りました。その結果として、その共済金額の引上げに伴いまして予定よりも一千七十五万円という消費者負担分の増額を必要といたしておつたわけでございます。従いまして当初の二十六億九千万円という一般会計の負担分に一千七十五万円を加えました二十七億二百余万円というものを繰入額として改訂するというのがこの本法案の要点であります。
 それからその次に外国為替特別会計一の資本の増加に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案でございます。これは非常に問題も多いので、あとから外国為替管理委員会の大久保委員から詳細な御説明を申上げることになつておりますが、概略を申上げますと、外国為替特別会計が、御承知のように輸出の予想外の進捗等によりまして、円資金が非常に不足しておりますことは周知のような事実でございます。その結果といたしまして総計で千三十六億円の不足を来たしたのであります。この千三十六億円の不足はどうして来たかと申しますと、先ず昭和二十四年度の不足分が三百十億円ございます。それから昭和二十五年度の分として六百七十七億円ございます。それに本会計のこの昭和二十四年度後の借入金が増加しましたために赤字が八億円でございます。それに予備としまして約四十一億円今後の事態を見込んで考えておる結果として千三十六億円の不足を来たしたわけでございます。これの財源補填といたしましては、御承知のように貿易特別会計から当初五百億円を繰入れる予定でございましたが、貿易特別会計の事情もございましてその繰入れが二百六十億に減つたわけでございます。そしてその二百六十億円の繰入れと、それから御承知のようにユーザンスを実施いたしまして、日本銀行に対する外貨の売却というものがニカ月ばかり繰上つた結果といたしまして、六百七十六億円の売却による円資金の増が見込まれる。この貿易特別会計からの二百六十六億円とそれからユーザンスの結果として六百七十六億円というもので埋めて、なお足りないのがこの百億円でございまして、これを一般会計から繰入れて行くという大体の数字になつております。これはあとに父御質疑があると思いますから簡單に御説明申上げて置きます。
 それからその次が郵政事業特別会計の昭和二十五年度における歳入不足補てんのための一般会計からする繰入金に関する法律案でございますが、これは御承知のように今般六千三百七円べースを七千九百八十一円ベース、約月に千円くらい、従いまして一―三月で三千円というベース改訂がございます。それから年末手当といたしまして、一人当り半月分を見ることになりました。又石炭手当が従来トン二千五百円でございましたものが、三千五百円になります。これらの運の待遇改善の結果といたしまして、約七億円ばかりの経費の増が生じたわけであります。それからこれは予算の組み方としてちよつと遺憾であつたのでありますが、御承知のようにこの郵政事業は、元は電気通信事業と同じ特別会計で経理されておりまして、それが二つの会計に分離いたしました際に、実際問題といたしましてはどの分が郵政で、どの分が電気通信に行くかというような点が非常に分割等について明瞭でない点が当初ございまして、そのために当初の見込違いというものが出て参りまして、それが十四億円ばかりございます。これらの給與の改訂と、それから当初の予算に対する不足の補填十四億というもので、合せて二十八億円になるのでありますが、これを経費の節約で約九億円いたしまして、なお足りません分をこの一般会計から繰入れて行くというのが、この郵政事業の不足補填でございます。
 それからその次に米国対日援助物資等処理特別会計法の一部改正でございます。これは今般関係方面からメモランダムが出まして、コンマーシヤル・ファンドで輸入いたしました米綿を、援助資金に振替えてやる、こういう話が出まして、それを会計法規的に処置できるような手続を加えたわけであります。簡單に申しますと、輸入商がコンマーシヤル・ファンドで以て買付けました綿花を、国が一応代金は拂わないで以て買上げるのであります。そうしてその買上げました綿花を米国の購買官に売ります。このときには輸入商には拂いませんでしたが、そのときに米国の購買官がドルの小切手で代金を支拂つてくれます。これを円に替えます。その瞬間にこれが援助物資になりまして、それを見返資金特別会計へ積立てて参る、こういうことになるわけであります。そうして一方購買官のほうで受取りました綿花はそのまま国に無償で拂下げてもらいまして、その綿花を最初にただで取上げた輸入綿花商に又ただで戻す、こういう複雑な仕組になつておるのは、先方の何か会計法の都合でどうしても国に売渡す方法以外にないのだそうでございまして、その結果といたしまして恰好がこういう複雑なものになりましたが、内容としてはコンマーンヤル・ファンドで買いましたものを、援助資金に振替えてくれるという簡單な内容でございます。なおそのほかにこの援助物資の処理特別会計で、従来軍の拂下げ物資を取扱つておつたのでありますが、その点をはつきりと、法規上も按配したほうがよろしかろうというので追加をいたしてございます。
 それからその次が農業共済保険特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律の改正でございます。これは毎年出て参るのでございますが、このところ年々災害が続いておりますが、特に麦につきまして、この保険金の不足というものが著しいのでございます。で昨年の秋丁度麦を播きます頃にも非常に雨が多く、又この正月にはやはりいわゆる暖冬異変で非常に麦のできが悪くなりました。そして更にこの五、六月頃に風水害が各地でございまして、その結果として非常に異常災害が多かつたのであります。ために必要な予定の保險料では足りませんので、予備費を削りまして、なお不足な分を一般会計から繰入をするということになつたわけでありまして、勿論建前といたしましては独立採算でございますので、これは将来又余裕ができましたら一般会計に返す、こういう考え方になつております。
 それから食糧管理特別会計法の一部改正、これは食糧価格調整補給金の取扱が変つたのでございますが、従来は御承知のように、貿易特別会計がこれを扱つておりまして、高い輸入価格を以てこれを買いまして、食糧管理特別会計へは貿易特別会計のほうから国内生産者価格を以て売つておつたわけでありまして、その差額を貿易特別会計へ補給金として入れておつたのでございます。その仕組を今回変えることになりまして、今回は例の民間の輸入ということも認められてきましたので、民間から輸入いたします分と、それから一部貿易特別会計でなお扱つておる分につきましては、輸入原価のまま食糧管理が買い受けまして、そうして食糧管理のほうに直接に一般会計から補給金を入れる。但し援助物資につきましては、従来と同じように援助物資のほうで価格の調整をするということに仕組を変えたのであります。その数字が約百二十六億ばかり食糧管理特別会計へその結果として繰入れが必要となりまして、補正予算に出ておりますが、それに伴いまして、この特別会計にも一般会計から繰入れるような権限を付する、この法律によつて付するということを提案しておるわけであります。
 以上六法案、大体御説明申上げました。
#43
○委員長(小串清一君) 只今説明のありました特別会計のうち、外国為替特別会計以外の法案について先ず質疑を願い、できればこれらの採決をいたしたいと思います。如何でしようか。では質疑を願います。
#44
○木村禧八郎君 食管のほうですが、これは今直接の関係ではないのでありますが、食管会計で、昨日予算委員会で質問しましたけれども時間がなくてできませんでしたのでお伺いしたいのですが、日銀で食糧証券を引受けないようになつたように聞きまして、日銀は食糧証券を引受けない、実際に今政府資金を以て引受けているようですが、伊原理財局長のお話では、政府に余裕金があるから引受けているというのですが、余裕金がなくなつた場合に日銀で引受けることができるのかどうか、それを伺いたい。
#45
○政府委員(佐藤一郎君) ちよつとこれは理財局長に答弁して頂いたほうがいいと思います。
#46
○木村禧八郎君 そうですが。それでは次に、先ほどの対日援助の場合の綿花の輸入代金をガリオアで肩替りして来る、その結果は従来のガリオアの援助資金、エイド・ファンドの額は大体予定されておりますね。本年度米会計年度で三億七千ドルですか、その枠の外になるのですか。その枠の中にあるのですか。
#47
○説明員(羽柴忠雄君) この問題につきましては、従来予定しております援助物資の総額、これは来年の問題になると思いますが、大体予定が一億八千万ドルということに予定されておるのでありますが、そのなかの約七、八千万ドルを援助物資に振替えるということになつております。従いまして将来の予定のなかに入つておるわけであります。
#48
○木村禧八郎君 来年といいますと、向うの会計年度ですと五十一年、五十二年の会計年度のことなんですか。来年の七月から再来年の大月まで、その会計年度ですか。
#49
○説明員(羽柴忠雄君) これは今年の七月から来年の六月までということに予定しております。
#50
○木村禧八郎君 その会計年度では一億八千万ドルですか、エイド・ファンド……。私は向うの、公聴会で言われているのは、アメリカの第八十一議会でエイド・ファンドを要求したのは、公聴会では二億七千万ドルと出ておるのですが、それで一億七千万ドルは日本の終戦処理費より少いのだ、こういう公述をしているのですが、一億八千万ドルというのは、その後やはり減つたのですか。
#51
○説明員(羽柴忠雄君) 本件につきましては、こちらのほうとしましては、はつきりとした数字を申上げることはできない立場でございますけれども、大体前の援助物資金額よりも削減されるということでございます。
#52
○木村禧八郎君 前のというのは、二億七千万ドルの予定よりはというのですね。
#53
○説明員(羽柴忠雄君) さようなわけでございます。
#54
○木村禧八郎君 くどいようですが、さつきはつきりしなかつたのですが、一億八千万ドルの中から八千万ドルぐらい振替つて来る、こういうお話ですね。
#55
○説明員(羽柴忠雄君) 約七、八千万ドルと予定しておりますが、正確な数字についではこちらにデータがございません。
#56
○木村禧八郎君 そのほか……これは綿花だけですね。
#57
○説明員(羽柴忠雄君) 本件の適用につきましては、目下のところ綿花だけを予定しております。そのほかのものにつきましては、まだこちらのほうには詳細わかつておりません。
#58
○木村禧八郎君 これは初めてのやり方ですか。非常に注意すべきものだと思うのですが、これは綿花以外にも適用される可能性があるのですか。
#59
○説明員(羽柴忠雄君) 目下のところは、向うからの最高司令官の命令がありますが、これにははつきり書いてありませんが、綿花のみに、特に米綿のみに適用されるということで我々了解しております。
#60
○木内四郎君 さつきの御説明で大体わかつたような気がしたのだが、僕はわからないような気もするから……、民間輸入業者は代金を拂うのは、いつ拂うのですか。
#61
○政府委員(佐藤一郎君) 民間の業者は最初にコンマーシャル・ファンドで以て買付けますが、そのあとで今度は政府からもう一度もらいますときには、勿論前にただでやつておるわけでありますから、ただでもらうわけです。前のコンマーシャル・ファアンドで買うのは、一般の代金の支拂と異なるところはございません。
#62
○木内四郎君 代金は先抑ですか。代金はコンマーシャル・ファンドで先に拂つておるのですから、あとで拂うような分になつておるというときにはどうなりますか。
#63
○政府委員(大久保太三郎君) 政府輸入におきまして米綿を輸入します場合には、総司令部商業勘定から一応外貨を拂い出しまして、そうしてあとにガリオアの資金をコンマーシャル・ファンドに繰入れてもらうわけです。そういう順序でございます。
#64
○木内四郎君 私もわけのわからんようなあれだけれども、米綿を買付けるとか、コンマーシャル・ファンドで買付けるときに契約をしますね、その契約を対日援助見返物資のほうに移すわけでしよう。それから契約をしたときはまだ金を拂つておらないのでしよう。
#65
○政府委員(佐藤一郎君) 拂つておるのです。一応コンマーシャル・ファンドから出るのです。
#66
○木内四郎君 先拂いですか。
#67
○政府委員(佐藤一郎君) 先拂いというか、つまり普通のやり方と同じなんです。普通にコンマーンヤル・ファンドで入れる場合と。先拂いとおつしやる意味が、つまり援助資金……、どうもよく意味がわかりませんが。
#68
○木内四郎君 仮に契約したときに、間もなくドル貨で拂つておりますね。円の決済はどうするのですか。いつやるのです。
#69
○政府委員(佐藤一郎君) それはコンマーシャル・ファンドから出すのですから。
#70
○木内四郎君 輸入業者がすぐに円を拂いはしないでしよう。だからあとで拂うのではないのですか。
#71
○説明員(羽柴忠雄君) これはすぐ決済をするのではありませんが、二カ月のユーザンスがあります。
#72
○木内四郎君 そのとき、それは一体どこへ拂うのですか。輸入業者が特別会計へ拂込むのですか。ただもらうということはないのでしよう。
#73
○森下政一君 今木内君が尋ねていることですが、もつとわかりやすく説明したらどうですか。政府委員は意味がわかつていないのではないですか、本当のことが。すらすら納得の行くように説明できる人はいないのですか。
#74
○政府委員(佐藤一郎君) おります。
#75
○森下政一君 初めから何もわからん者に説明するつもりで説明したらどうですか。
#76
○政府委員(佐藤一郎君) 今出て来ます。
#77
○木村禧八郎君 説明を求める前に関連しまして……。説明のときに一緒にそれが日本の金融のほうにどういうふうに影響するか、それも併せてお願いします。
#78
○説明員(栗原昭平君) 綿花のガリオアの民貿の新輸入方式について、最初から簡單に御説明申上げますと、一番初めに司令部からレター・オブ・インデントと申します買付の証書が出ます。それに基きまして通産省が外為の保有する外貨資金の一応の枠の中から、各紡績に対しまして外貨資金の割当をいたします。そうしてその割当に基いて、貿易会社、又はそのエージェント、輸入商が米国の民間商と契約を結びまして、オツフアーをいたしまして綿花を輸入いたすことになりますのですが、その際に向うとの契約の値ぎめが終つたあとで以て、その紡績又は輸入商は通産省に対して、その綿花の売却契約をいたします。そうして現物が日本の港に到着いたしましたあとで、そのBL決済の際に、これは三カ月と思いますが、このユーザンスの適用を受けまして、そこで一応の決済をいたすことになつております。そして通産省はその綿花を一応公認の倉庫に入れさせることによりまして、その倉庫に、倉庫証券の形で以て業者からこの綿花を買上げることになつております。そしてこの倉庫証券はそのまま他の添附書類と共に司令部の購買契約官にこれを売渡しまして、そうしてその代価としてガリオア資金から出て参りましたトレジャリー・チェック、これは米国財務省の小切手でございますが、このトレジャリー・チェックを受領いたします。そしてこのトレジャリー・チェックが外為に廻りまして、三百六十円の換算率を以て円貨額に変りまして、これを受領して見返資金特別会計に積立てる、こういうことになります。そして円貨代金のほかに、只今の小切手のほかに、司令部より別に援助物資として先ほどの倉庫証券、これは綿花の所有権の化体したものであると思いますが、これを受領し、これを先ほどの業者から買上げましたときの代金に充当する意味で以てこれを紡績会社に譲り渡す。そういう形式になつております。
#79
○木村禧八郎君 その点で綿花は公認の倉庫証券で通商省が買上げまして、それで今度は司令部の購買官の所へ行くわけですね。
#80
○説明員(栗原昭平君) それは綿花は一応倉庫に保有して置きまして、そしてその倉庫の発行する倉庫証券の形を以て裏書をなして転々譲渡するという形式になつております。
#81
○木内四郎君 よくわからんけれども、簡單にいえば、見返資金特別会計へ円資金が入るんでしよう。入るのはいつ入るんですか。それと同時に今度は輸入業者は円資金を佛うのは、勿論決済のときに拂うのだが、いつ頃になりますか。
#82
○政府委員(佐藤一郎君) 前の分は購買官がドルの小切手を組むわけです。そうしますと政府のほうは外篇へ行きまして、それで以て円資金に替えるわけですね。それからあとの分はちよつとよくわからないのですが、政府のユーザンス……。
#83
○木内四郎君 輸入業者はただでやつているのではなくて、円資金を拂つて外貨を得て決済しておるわけです。それは援助費に返るわけでしよう。輸入業者はいつか円資金を拂わなければならない。
#84
○政府委員(佐藤一郎君) それは最初の決済の問題ですね。
#85
○木内四郎君 最初の共済はいつですか。
#86
○政府委員(佐藤一郎君) それはユーザンスの制度によつて……。
#87
○木内四郎君 ユーザンスの期限のときに拂う……。
#88
○政府委員(佐藤一郎君) そうです。
#89
○木内四郎君 どのくらい間がある……。
#90
○政府委員(佐藤一郎君) 二ケ月です。
#91
○木村禧八郎君 そうするとコンマーシャル・アカウントの輸入する綿花を、エード・ファンドに切替えることによつて、その綿花の使途ですね、使途は何も変化ないのですか。
#92
○説明員(栗原昭平君) 別にないと思います。只今の御質問はちよつとわかりません。もう一度……。
#93
○木村禧八郎君 コンマーシャル・アカントで輸入すべき綿花が、今度エード・ファンドで輸入することになると、その結果そういう輸入された綿花を特殊のほうに使わなければいけないとか、そういうようなことなのですか。例えば特需のほうにこれを向けるとか、そういうような何かあれはないのですか。
#94
○説明員(羽柴忠雄君) これは全然使途には影響ございません。
#95
○木村禧八郎君 こういうふうにした意味ですね、なぜこうしたか、意味を一つ伺いたいのです。何故にこうしたか、そのわけですね。
#96
○説明員(羽柴忠雄君) これは形式的には、先ほどお手許に配りました最高司令官のメモに基いておるわけでありますが、結局今後民貿でどんどん綿花が入つて来るわけでありますが、その民貿で入つて来たものを、今度は援助物資に切替えることによりまして、まあ民貿援助物資の金額を綿花に充当するということでありまして、要するに民貿を援助に切替えるということによりまして、援助物資の予算が、これを綿花のほうへ充当するということになるわけであります。
#97
○木村禧八郎君 そうしますと、アメリカから輸入すべき綿花のこの割当てが減りましたですね。それをカバーする意味で、日本はよそから買わなければならない、アメリカ以外から。その場合には、その金額も高くなるし、そういうようなこともあつて、アメリカでこの輸出、日本に割当てを減らした分をそういう形でカバーする余裕を與えるという意味なんですか。
#98
○政府委員(佐藤一郎君) 私から申上げますと、要するに援助物資は、従来はつまり物の形で来たわけであります。そこでその援助物資はですね、こちらが注文できないわけです。こういう銘柄の、こういう品質のものということにならない。それで結局何が来るかわからないですね、簡單に言えば。今度は商売人を使つてですね、そうして銘柄も向うのエージェントなり、向うの商売人と話合いをしまして、こちらの必要だと思う物をコンマーシャル・ファンドと同じように一般に買うわけですね。そうしてですね、それを振替えるわけでありますから、これだけの物が一種のクレジット化したという、つまり金額による援助と同じになつて来たのじやないかと思います。そういう意味では非常につまり援助資金を有効に、効率的に使用することがこの方式によつてつまり可能になる、そういうところが狙いだと思います。
#99
○木村禧八郎君 前に我々は援助はドルでくれとよく主張していましたですね、そういう一環と考えてよいですか。
#100
○政府委員(佐藤一郎君) そこまで言い切られるかどうか、そこはちよつとわかりませんが、この意図を臆測するにそういうところだろうと、こう思つています。
#101
○松永義雄君 そのコントラクトを結ぶときに、一般の民間の貿易のときには、銀行が何か保証しなければならないでしよう、クレジットでも出すとか。この場合にはそういうことは要らないということですか。銀行は何も関係しないのですか。
#102
○政府委員(佐藤一郎君) つまり普通と全く変らないわけです。
#103
○野溝勝君 一点だけ私お聞きして置きますが、先ほどの説明によりますと、大体一億八千万ドルという額が予定されておるのですが、そのうち綿花のほうに七千万ドル、大体……。そうすると大体は予定数量はどのくらいの見込ですか。
#104
○説明員(羽柴忠雄君) 約四、五十万俵と思いますが、詳細についてはまだはつきりした予定は立てられておりません。
#105
○野溝勝君 聞くところによると、大体十五万俵くらいしか本年度は綿花の入る数がないということが、その筋から伝えられておるということを聞いておるのですが、その間の消息をお話を願いたいと思います。
#106
○説明員(羽柴忠雄君) 日本に対します米綿の割当は、大体本年の八月から来年の三月まででありますが、第一次の割当が五十五万俵でございます。それから第二次の割当といたしましては十三万三千俵、合計いたしまして六十九万三千俵、約七十万俵の割当になつておるわけであります。一方、日本側の八月以降の船積みの予定の買付け原綿は、すでに七十万五千俵に達しておるわけであります。それでこれははつきりした情報ではありませんけれども、外電の報ずるところによりますというと、米国は更に来年二月までに約六十万俵、五、六十万俵と私のほうは予定しておりますが、割当を発表するということを聞いておるわけでありますが、この割当の中に、日本側に或る程度の追加割当というものが行われますというと、前に申しました既契約分と割当数量との差額の不足分をカバーいたしまして、新規職人が可能になる、こういうように我々は考えております。
#107
○木村禧八郎君 今の措置の金融に及ぼす影響、これはどうなんですか。今までコンマシヤル・アカウントでやつてる場合と、それがエード、ファンドになつて見返資金に積立てられると、今でも見返りの使い方が少い。見返り、例えばインベントリーなんかも多くしたりなんかして、見返りのために余計溜りますね、そうしますと、その金融上に及ぼす影響はどうなんでしよう。
#108
○政府委員(佐藤一郎君) これはですね、要するにコンマシャル・ファンド、一定の枠で取りましたものを、結局援助資金の枠に振替えただけですね、それからしてそれだけコンマシヤル・ファンドのほうが浮いて来るわけであります。ですからその点は影響がないと思うのです。
#109
○木村禧八郎君 若しかコンマンヤル・アカウントでやる場合には、ユーザンスの形で輸入して、それはそれだけでユーザンスとして金が出て来ますね、金が出て来るのですけれども、今度はエード・ファンドにした場合にはね、その金がね、民間に廻らない、今度は見返りのほうに行く、そういう変化が来るのじやありませんか。
#110
○政府委員(佐藤一郎君) これは要するに、最初から援助物資として、つまり綿花そのものとして、援助物資として来たということと実体は変りはないと思うのであります。援助の枠が綿花に貧われるだけであります。
#111
○木内四郎君 佐藤政府委員の言われることは要するに向うで、日本の枠でもいいが、向うにも枠があるのだ、それをどれに利用するかということで、総額においては変りはない。従つて金融的にも特別な変化はないのだ、こういうことですね。
#112
○政府委員(佐藤一郎君) そういうことです。
#113
○木内四郎君 それはそれでいいのですが、見返資金の運用の問題について、とかく議院でいろいろなことを言われておりますね。見返資金の運用が非常に遅いとか、放出が遅いとか、又今度非常にこれを国で貯めて、来年に持越そうとか、いろいろなことを言われておるが、そういう計画について一応説明して置かれたほうがいいのじやないかと思います。
#114
○政府委員(佐藤一郎君) これは理財局長に後刻答弁して頂きたいと思います。
#115
○木村禧八郎君 通産省の人が見えておりますから、そう細かくなくてもいいですが、綿花の自給の問題ですね、アメリカがですね、今までより割合を減らして、今方々から買つてるようですが、その時期はうまく行くのですか。新聞なんかによりますと、どうも年度末、来年三、四月には非常に窮屈になるのじやないかということが伝えられておる。その点についてのお話を願いたいと思う。
#116
○説明員(羽柴忠雄君) 本件につきましては、通産省の内部に輸入促進協議会を設けまして、そこで検討いたしておりますが、主として繊維局、むしろ通商局の問題でございますので、そちらの政府委員からあとで答弁することにいたしたいと思います。
#117
○木村禧八郎君 こういう問題はどうなんですか。最近政府は輸入が重大だ、そうして輸入を促進するために計画してこれだけやろうと、金額としては殖えて来ておる、併し数量としてはどうなんですか。まあ例を綿花に限らずですな、金額の枠は成るほど殖えました。併し非常に海外の物価は上つていますから、その物価の値上りを見ますととうなんでしようか。
#118
○説明員(羽柴忠雄君) これは綿花のみならず、特に援助物資について申上げますと、全体の数量もそれから又全体の金額も逐次減少しつつあるという状況でございます。但し援助物資以外の輸入につきましては、私のほうの所管じやございませんので御答弁いたしかねます。
#119
○木村禧八郎君 そうすると、今のお話ですと、金額も数量も減少しつつあるというのですね。ところが政府は我我に輸入は増加しつつあるというのですけれども、輸入は減少なんですか。
#120
○説明員(羽柴忠雄君) 私が只今申しましたのは、援助物資についてお答え申上げたのでありまして、全般については大体増加の傾向をとつておる、民貿と政府輸入の援助物資全体を合せますと、増加だと思いますが、遺憾ながら私どものほうは援助物資だけ扱つておりますので、ちよつと御答弁いたしかねます。
#121
○木内四郎君 佐藤さんにちよつと伺いますが、農業共済再保険特別会計は赤字を出しておるのですね。今年の年度の当初において相当の赤字を予想しておつたのが更に上廻つて来た。去年も赤字を出していたのではないかと思うのですが、どうでしようか。
#122
○政府委員(佐藤一郎君) おつしやる通りであります。
#123
○木内四郎君 そうすると、毎年赤字を出しておるようだと、何か災害の率の計算に無理があるじやないでしようか。毎年々々保険が赤字を出すというんじや我々困るように思うんですが、どうでしようか。
#124
○政府委員(佐藤一郎君) これはおつしやるような見方もあるようでありますが、一応我々の考えは二十年なら二十年という災害の率を見まして、保険料というようなものはきめられて行くわけでありますが、長期に亘つておりますから今のところは出が多い、併し又公共事業等が進捗し、その他天災のことでもありますから、必ずしもいつも災害が発生するとは限らないのでありまして、時によつては黒字になることがある。従つて本来これはインベントリー・ファイナンスであるという考え方で臨んでおるわけであります。併しながら最近のごとく連年災害が、ずつと続いて参つておりますので、果して現在一般会計から繰入れておりますものが、将来この独立採算だけによりまして、即ち保険料の收入だけによりまして将来返して行けるかどうかという点は、これは農業保険の根本問題でありまして、非常に議論があります。実は衆議院の大蔵委員会におきましても問題がございまして、大蔵大臣から、この農業保険の問題はやかましいものでございますから、特にできるだけ速かな機会に考究をするという言明を行なつておりますが、今のところはいわゆる損益的な意味の完全な赤というふうには考えておりません。併し保険料率が低過ぎるのじやないかというような点も勿論検討しなければならん、こう思つております。
#125
○木内四郎君 保険料率の問題は、農業政策の根本の問題に触れて来るのでむずかしい問題があると思いますが、併しいつも赤字になつておると再考を要するのじやないかという気もするのです。念のために伺いますが、過去五年でも十年でも、その間の赤字、黒字の金額をちよつとそこで言つてもらえますか。
#126
○政府委員(佐藤一郎君) ちよつと今手許に数字がございませんが、たしか黒字のときがあつたのです。それは極く稀です。それでずつと赤なのですが、併しこれを府県別に見ますと、府県によつては黒の所もございますし、それから赤のひどい所もございます。それは保険料率が、特に麦において低過ぎるのじやないかというような問題がありまして、最近、今年でしたかたしか四倍に料率を上げた。そのほかこれが県によつて違いますのは、損害の査定が嚴格適正に行われておるかどうかというような点にもあるのであります。そういう点が、つまりいろいろな要素が加わつておりますから一概には言えないと思います。若し御希望でありましたらこれは書類を以ちまして今日までの農業保険の赤字の状況を現わしたものを数字を以て差出したいと思います。
#127
○木内四郎君 過去のことは今ちよつとお持ち合せがなければ仕方がないのだけれども、今の再保険の契約高というものは幾らになりますか。
#128
○説明員(鵜川益男君) 今の御質問は麦の件でございますが、実は今度お願いしておりますのは、御説明があつたと思いますが、麦に関係いたしまして足らんところを補足する……。
#129
○木内四郎君 再保険の会計全体でどのくらいになるか、そのうち麦はどのくらいになるかと言つてもらつたほうがわかりいいですね。
#130
○説明員(鵜川益男君) 二十五年の関係を申上げますと、水稻につきまして引受の反別が二千七百三十万四千五百六十一反歩六でございます。これを金額にいたしまして農業共済組合の共済金額が九百五十五億六千五百九十七万五千六百円になつております。それの連合会の保険金額が八百六十億九百三十六万九千四十円になつております。
 陸稻につきましては、引受反別が七十一万五千九百三十六反になつております。それに対しまして農業共済組合の共済金額が十二億八千八百六十八万四千八百円。それから農業共済組合連合会、府県の段階でございますが、これの保険金額が十一億五千九百八十一万六千三百二十円になつております。
 麦につきましては、引受けの反別が一千五百五十一万二千六百九十四反三でございます。農業共済組合共済金額が三百四十一億二千七百九十二万七千四百六十円に相成つております。府県段階の農業共済組合連合会の保険金額が三百七億一千五百十三万四千七百十四円。
 それから産繭の関係でございますが、これは三千二百二十八万七千二百十六グラム九になつておりまして、農業共済組合共済金額が四十一億九千七百三十三万八千百九十七円、府県段階の農業共済組合連合会の保険金額が三十七億七千七百六十万四千三百七十七円になつております。以上合計いたしまして農業共済組合の段階におきまする共済金額の総額が一千三百五十一億七千九百九十一万六千五十七円。それから府県団体の農業共済組合連合会の保険金額の合計額が千二百十六億六千百九十二万四千四百五十一円、かように相成つております。
#131
○野溝勝君 簡單に関連してお聞きします。大体この法案の趣旨には賛成ですけれども、一つ聞いて置きたいのですが、先ほど木内さんの質問に対して佐藤さんからの答弁は黒字になることもあるかも知らんというようなお話ですが、私は日本の農村の災害事情から見まして、歴史から見ましてまあ黒字になるというようなことは今の農村の経済の事情それから保険料率、それから政府の援助内容等から見てなかななか容易でないと思います。御承知のことくグラフによつても示されておりまするが、なかなか容易でないと思うのですが、そこで問題は農業政策の根本問題になりますから、ここではそういうことは省略いたしますが、とにかく今の保険料率では実際やつて行けないのです。この保険料率に対して政府はより一層考えて、保険料率の分については、農業の再生産の上に大きく考慮を拂つてもらいたいということを私は特に希望して置きたいと思います。当然特別会計の歳入不足を一般会計から繰入れてやるということは、農業共済組合の危機に対して当然のことと思います。ただ問題は実際この共済組合が被保険者に対して実際にきめられておる規則の内容について実行しておるかどうかという問題だと思います。この点は農林委員の諸君にも希望して置いたのですが、大蔵当局においても、この共済保険組合に対して事実被保険者に渡るように監督を嚴重にしてもらうということだけは特に私は希望したいと思います。その点の内容の検討をやつておられるかどうかということを一つお聞きして置きます。
#132
○政府委員(佐藤一郎君) 先ほどもちよつと申上げましたが、農林省当局としては勿論各方面の御注意もありまして御研究をしておられることと思います。私のほうへも話もございましたが、ちよつと先ほども申上げましたように、これは非常に一つだけの問題でございません。根本的に一つこういう問題について考えようというふうに大蔵大臣が衆議院におきまして言明をいたしたわけでありますし、衆議院でも共済掛金の支拂が、実際の、つまり法規通り行われておるかどうか、連合会の赤字をどう始末するかというような問題が基本になりまして、その結果そういうふうに答弁されておるようなわけでありまして、私たちも農林省の提案をよく研究いたしましてできるだけ農共保険を合理的なものにして行きたいと、こういうふうに考えるのであります。
#133
○説明員(鵜川益男君) 只今大蔵省政府側の説明で盡きておると思いますが、私のほうといたしましても、現在中央といたしまして農林省、又府県が監督しておる次第であります。根本的に、非常に不足金をたびたび国会へもお願いしておるような実情でございまして、特に遅れておる点については、なお今後とも成るべく早く渡るようにして行きたいと思います。
#134
○委員長(小串清一君) この農業共済、再保険特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律の一部改正につきましては、皆さんの御質問も大分ありましたが、この辺で質疑を打切つて討論に入ることに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#135
○委員長(小串清一君) 然らば御異議ないものと認めまして、討論に入ります。御意見のおありのかたはそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。
 別に御発言もないようでございますから、討論は終局したものと認めて御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#136
○委員長(小串清一君) 御異議ないと認めます。
 これより採決に入ります。本案に対して衆議院還付の原案通り可決することに御賛成のかたの御挙手を願います。
   〔総員挙手〕
#137
○委員長(小串清一君) 全会一致と認めます。よつて本案は原案の通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四條により、質疑、討論表決の要旨を報告することとして、あらかじめ御承認を願うことに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#138
○委員長(小串清一君) 御異議ないものと認めます。
 それから本院規則第七十二條により、多数意見者の御署名をお願いいたします。
 多数意見者署名
   大矢半次郎   木内 四郎
   愛知 揆一   岡崎 真一
   黒田 英雄   清潔 俊英
   野溝  勝   松永 義雄
   森下 政一   小林 政夫
   森 八三一
  ―――――――――――――
#139
○委員長(小串清一君) 食糧管理特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律の一部を改正する法律案について御質疑はありませんか。別段御発言もないようでありますから質疑は盡きたものと認めて討論に入ることに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#140
○委員長(小串清一君) 御異議ないものと認めまして討論に入ります。御意見のおありのかたは、それぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。
 別に御意見もないようでありまするから、討論は終局したものと認めて御異議はございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#141
○委員長(小串清一君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより採決に入ります。本案に対して衆議院送付の原案通り可決することに賛成のかたの御挙手を願います。
   〔総員挙手〕
#142
○委員長(小串清一君) 総員挙手と認めます。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定をいたしました。
 なお本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四條により、質疑、討論、表決の要旨を報告することとして、あらかじめ御承認を願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#143
○委員長(小串清一君) 御異議ないものと認めます。
 それから本院規則第七十二條により、多数意見者の御署名をお願いいたします。
 多数意見者署名
   大矢半次郎   木内 四郎
   愛知 揆一   岡崎 真一
   黒田 英雄   野溝  勝
   松永 義雄   森下 政一
   小林 政夫   杉山 昌作
   森 八三一
  ―――――――――――――
#144
○委員長(小串清一君) 次にこれと用関連しております食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案につきましてお諮りをいたしますが、質疑は終つたものと認めて討論に入ることに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#145
○委員長(小串清一君) 御異議ないものと認めて討論に入ります。御意見のおありのかたはそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。
 別に御意見もないようでありますから、討論は終局したものと認めて御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#146
○委員長(小串清一君) それではこれより採決に入ります。本案に対し衆議院送付の原案通り可決することに御賛成のかたの御挙手をお願いいたします。
   〔総員挙手〕
#147
○委員長(小串清一君) 全会一致と認めます。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四條により、質疑、討論、表決の要旨を報告することとして、あらかじめ御承認をお願いすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#148
○委員長(小串清一君) 御異議ないと認めます。
 それから本院規則第七十二條により、多数意見者の御署名お願いいたします。
 多数意見者署名
   大矢半次郎   木内 四郎
   愛知 揆一   岡崎 真一
   黒田 英雄   野溝  勝
   松永 義雄   森下 政一
   小林 政夫   杉山 昌作
   森 八三一
  ―――――――――――――
#149
○委員長(小串清一君) 次は郵政事業特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案について御質疑を願います。
#150
○森下政一君 ちよつとお尋ねしますが、この郵政事業特別会計ですね、歳入不足補填のために一般会計から繰入金をしなければならんのですが、二十六年度の会計年度における歳入歳出のお見込はどういうことになつておりますか。
#151
○説明員(佐方信博君) お答えいたします。二十六年度におきましては、今内定いたしておりますところで、大体三十六億円ぐらいの赤字がございます。
#152
○森下政一君 それはやはりその一般会計のほうから繰入れて辻棲を合すことを予想しておられるのですか。
#153
○説明員(佐方信博君) 最初料金値上げをするつもりでおりましたが、それができないことになりましたので一般会計からの繰入れに仰ぐことになつております。
#154
○森下政一君 そうするとこの会計が独立採算制の建前であるとか、或いは今回のこの歳入不足を生じた歳出の性質から考えて、後日この会計が財政状態が健全になつたときには、一般会計に繰戻すということが約束されておるというわけでありますが、将来そういうふうな時期がいつ頃になつたら来るというようなお見通しがあるでしようか。
#155
○説明員(佐方信博君) 料金改訂ができません間は、実際問題としてちよつと見込が立ちかねると思います。
#156
○森下政一君 今回のこの繰入れに対しても、相当その増収対策を考えて收入増を見込んでおる。見込んでもなおこれだけの不足があるということなんですが、その増収対策とお見込になつておる分はどういうものですか。
#157
○説明員(佐方信博君) 積極的な問題といたしまして、結局予算以上に年賀葉書を売るとか、暑中見舞の葉書を出すとかやつておりますけれども、結局二十五年度におきましては、予定いたしました收入よりもまだ下廻つておる、そういう形になつております。
#158
○野溝勝君 お伺いいたします。このお手許に示された政府の理由説明によりまするというと、この赤字補填の問題について、特に給與ベースの改訂ということが書いてあるのですが、一体この給與べースの改訂というのはどの程度の改訂を意味しておるのか。
#159
○説明員(佐方信博君) これは各官庁同等に、いわゆる現在の現給に一人当り千円で約三カ月というのでございます。
#160
○野溝勝君 年末手当は我々のほうではとにかく一カ月ということなんだから。
#161
○杉山昌作君 先ほどの話によりますと郵便料金の値上げをすれば独立採算ができると、これは何の商売でも売るものがありさえすれば客商売はそうなるのが当り前でありますが、これにもおのずから限度がありましようが、何かそういうふうなことかできなければできないで、機構の改正、人員の整理というふうなことでできないものか、郵便年金を上げさえすればできるということでなしに、上げないでもできるかどうか、そういうことの御検討なんか今までなさつたことはないのですか。
#162
○森下政一君 関連して……、郵政大臣お見えになりましたので、先刻私こういうことをお尋ねしたのです。一体今度こういうふうな歳入不足の補填を一般会計からしますが、二十六年度のお見込は一体どうなるか。歳入歳出の関係は、三十億の赤字だということなんですが。そうすると郵便料金その他の増収が可能でない限りにおいて、この赤字が年々続いて行くのではないか。而も説明では、この会計が独立採算制の建前であるという関係から、将来郵政事業会計が健全になつたときには繰戻すということになつているが、そういうものが言葉の上だけであるが、将来そういうことを期待し得るのであるか、そういう見通しを大臣から一遍……。
#163
○国務大臣(田村文吉君) 今後の郵政事業は果して完全な独立採算を維持し得るや否やということが私は問題だと思います。今もお話がありましたように、足りないから料金をどんどん上げて行つてカバーするということならできないことはない。併しものも程度がありまするので、すべての物価の比率等を考えて、著しく、相当価格に上つておるものをそれ以上に上げてやるということもできないものであります。もう一つは、郵便事業の本質的な点から考えまして、一つの例でありまするけれども、御感知のように出の中で新聞紙を一枚届けてもらう、この郵便料は一枚八十銭です。そこで随分山間僻地に入りますと、ほかに郵便物は行かないけれども、新聞紙だけ一枚届けるという場合もたくさんあるのでありまして、こういう点はむしろ独立採算制の面から言えば、文化費なら文化費のほうの、国家の補助として、郵政事業としてそういうものに特別の補助をする、こういうことの考え方があつても然るべきだと、併しさようなことを一々するわけにも行かないから、そこで郵政事業には独立採算とは言いながら、或る程度は国庫の補給、補助があつても止むを得ないというふうに考えられるのであります。併し企業の建前からいいますと、できるだけ独立採算になることは願わしいのでありまするから、そこで企業の経営合理化の点からいつて、何か特殊の方法はないだろうかということについては、私も就任以来各般に亘つて検討しておるのでありますが、如何せん郵政事業には機械化の応用というものが非常に少い。もうやはり配達するものは自転車によつて配達をするというふうになつている。冬になれば雪のある所では歩いて配達する、そういうこと以外にはないのであります。郵便物の数も非常に多くなれば、都会でやつておりますようなふうに、郵便車を利用するという手もありますけれども、さようなことは地方では多くの数を配達するわけに行かない、こういうわけでございまするが、先般も統計をとつたのでありますが、東京の中央局において原価計算をとりますと、葉書が一枚三円九十五銭という原価計算が出るのであります。併しこれは東京都内だけの問題であります。若しこれを地方のほうと平均いたしますならば、高い一枚当りの原価を持つ。そういうふうなように、どうも郵便事業においてこれを機械化するということが殆んど困難な状態にありますので、要は従業員の人たちの合理的な働き方、常に愉快に気持よくやつてくれるというようなことによつて、人事管理の面で能率の発揮をお願いするよりほかに余り方法がない、こういうことであります。
 なおもう一つお願い申上げますのは、大体郵便物の数が戦争前に比べると非常に減つたのであります。最近は七割、六割なんぼでしたか、戰争前の昭和十二年の郵便物合計が四十六億八千九百万であるのが、二十四年度におきまして二十二億三千七百万と、半分以下になつているのであります。これも一つの大きな赤字の原因であるのでありまして、この数が殖えて参りますこと、私は必ず数年のうちに戻つて参ると思います。こういうふうになりますと、郵便收入は倍になるわけでありますから、そういう点でかなり独立採算の点がカバーできるようになるだろうというふうには考えておりまするが、細かいいわゆる原価計算の方式でやりましても、なかなかそういうカバーを十分できるようなことは困難だと思います。こういうようなことは機械の応用等の点において、利用する範囲が非常に狭いと、こういうふうに考えております。
#164
○松永義雄君 印紙、切手類の売さばき店ですが、あれはあなたのほうの管理になつておりますか。
#165
○国務大臣(田村文吉君) さようでございます。
#166
○松永義雄君 私随分印紙類の売さばき所から聞くのですが、とにかく印紙を引受けて、そうして相当多額に上る金の立替になつておるにもかかわらず、その支拂が非常に遅いので、大きな店では何十万円という金に達しておる、そういう点についても一般お役所商売で、販売所では非常に困つておるという事情があるのですが。
#167
○国務大臣(田村文吉君) 説明員からその点について御答弁申上げます。
#168
○説明員(浦島喜久衞君) 只今のお尋ねの点でございますが、売さばき所が自己の資金によりまして先ず官から切手、葉書を買いまして、それを公衆に売るわけでございます。従つてその大分支拂が遅れるということは、買うときは現金を抑うわけでありますから、別に代金の支拂が遅れるということはないと思います。
#169
○松永義雄君 その報酬については、手数料といいますか、金額に限度があるそうですが、どうですか。
#170
○説明員(浦島喜久衞君) 売さばきの額によりまして、割引歩合が法律できめられておりまして、その割引歩合は段階によりまして三分なら、三分の割引歩合がきめられておる。この割引歩合の歩合だけは差引いて現物を買うわけであります。それだけの歩合をあとで支拂うことはないわけであります。
#171
○松永義雄君 この金額が五十万円に達するとそれ以上手数料をとれないという政府の……。
#172
○説明員(浦島喜久衞君) おつしやる通りに最高限の制限がきめられております。
#173
○松永義雄君 それは幾らですか、最高限。
#174
○説明員(浦島喜久衞君) 割引歩合を申上げますと、売渡月額五千円までは百分の五、五千円から五万円までは百分の三、五万円を超える金額では百分の一という歩合であります。
#175
○松永義雄君 全然もらえない手数料の場合もあるのではないですか。例えば五十方円以上はくれない……。
#176
○説明員(浦島喜久衞君) 五万円を超えますと百分の一になりまして、その割引歩合が合計しまして「一箇月一万千百円をこえてはならない。」ということになつております。
#177
○松永義雄君 そうすると、或る限度に達して売つても手数料をもらえないというときが来るわけですか。
#178
○説明員(浦島喜久衞君) さようでございます。
#179
○松永義雄君 それがこういう売さばき所では、或る限度に達して売つても報酬がもらえんから、売らないほうが得だ、手間だけかからん。而も只今おつしやつたように、たくさん印紙を置いておくとすればそれだけ金を立替えて置かなければならない。そうするとこういう売さばき所の人としてはなかなか小さい金じやないものですから、商売もうまく行かないということになります。例えば收入を幾らでも上げるということになれば、どんどん一般の民間の商売と同じように売れば売るほどこの労に報ゆるという制度にしたらいいように常識的には考えられますが……。
#180
○説明員(浦島喜久衞君) 以前は相当多額の金まで割引歩合があつたのでございますが、郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律というのが二十四年にできまして、それによりまして、只今申しましたような制限を加えたわけでございますが、勿論これは売さばき所の金という問題もございますけれども、従来は非常に高く売つたために、非常に割引歩合が、手数料が多額に取得されたという点がございまして、その点多少各売さばき所によりまして不公平な点がありますのと、それからかような切手、葉書類はやはり郵便料金を納める一つの証票でございまして、かような証票から著しく利益を得るということも、相当制限をする必要があるというような点におきまして、この二十四年の法律によりまして割引歩合を改正せられました。面もその最高額を一万千百円に抑えられたわけでございます。
#181
○松永義雄君 人間だつたら誰だつて欲があるのですから、これ以上売つたら利益を拂わんということになつたら、それ以上売る人はないのだから、売らないことになつてしもうのですが、それに対して大臣はどういうお考えを持つておられますか。
#182
○国務大臣(田村文吉君) 最近の法律により改正になつたことは、私も今承知したのでありますが、若しそういう点について不合理な点がありましたら、今御説のようなことも御尤もなことと考えられますから、今後研究して参りたいと思います。
#183
○委員長(小串清一君) 本案に対して別段御発言もないようでございますから、質疑は盡きたものとして、直ちに討論に入ることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#184
○委員長(小串清一君) 御異議ないと認めます。よつて討論に入ります。御意見のあるかたは、それぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。
 別に御意見もないようでございますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#185
○委員長(小串清一君) 御異議ないものと認めます。これより採決に入ります。本案について衆議院の原案通り可決することに賛成のかたの御挙手を願います。
   〔挙手者多数〕
#186
○委員長(小串清一君) 過半数と認めます。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四條によつて、質疑、討論、表決の要旨を委員長が報告することにし、あらかじめ御承認願うことに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#187
○委員長(小串清一君) 御異議ないと認めます。
 それから本院規則第七十二條により、多数意見者の御署名を願います。
 多数意見者署名
   大矢半次郎   木内 四郎
   愛知 揆一   岡崎 真一
   九鬼紋十郎   黒田 英雄
   小林 政夫   杉山 昌作
   森 八三一
  ―――――――――――――
#188
○委員長(小串清一君) 只今大蔵省の理財局長が見えましたから、米国対日援助物資等処理特別会計法の一部を改正する法律案についての質疑を行います。
#189
○木内四郎君 さつき理財局長がおられない間に質問しましたのですが、対日援助見返資金は、どうもその法律が非常に遅れておるような非難もあります。今後一体どういうふうに使われるのかということについても非常な関心を持つておりますので、現在見返資金がどのくらい余つておるのですか。運用状況、それから本年度内においてどのくらい入る見込か、或いは来年度においてどのくらい入る見込か、それから本年から来年にかけてどんなふうに運用する見込かということについてできるだけ詳しく御説明願いたいと思います。新聞などにいろいろなことがあれこれと伝えられておつて、我々は少しも内容を知らないのですから詳細に御説明願いたいと思います。若し必要があれば速記をとめてもなんでも。
#190
○政府委員(伊原隆君) 見返資金の只今までの運用並びに今後の見通しにつきまして極く概略を申上げます。これは大臣とドツジ氏とが交渉をなさつておられた問題でありますが、大体におきまして、本年度の見返資金の收入面につきましては、入つて来るほうから先ず申上げますと、千九百十三億というふうに考えております。繰入れがそのうち千四百四十七億、それからいわゆる利息收入等が四十四億、それから鉄道と電通に二百七十億投資をいたしておりますが、これを預金部に廻します。それから前年度剰余金約百五十二億合計千九百十三億の收入があるものと一応考えておるわけであります。そうしてそれに対しまして、当初の計画でございまするが、公企業に対しましては、これは御承知の通り四百二十五億、その内容は鉄道に対しまして四十億、通信事業に対しまして百二十億、それから農林事業に対しまして三十億、住宅公庫ですか、住宅公庫に対しまして百億、それから公共事業は百十億、今度できます輸出銀行が二十五億、合計四百二十五億の公共事業投資を予想いたしております。なおこの私企業につきましては、これはなお交渉中で、増額等の交渉をいたしておるのでありますが、只今はつきりいたしました見通しといたしましては、大臣の交渉によりまして、私企業が四十三億の予定だつたのが六十億に増補し、それから中小企業が月一億ずつでありましたのを、九月以降でありましたか、三億ずつに増しましたので二十四億、それから優先株がこれは御存じの通り五十二億、造船が予定通り百三十五億、電力についてはなお交渉を残しておりますが、少くとも百億というふうに考えております。それから債務償還につきましては御存じのように五百億、その他連合軍住宅とか、脱脂小麦とかそういうのは百九土億、合計千三百八十六億、少くとも千三百八十六億程度に考えておりまして、著しそうであるとすれば五百二十七億の繰越しというふうになると考えております。只今までにそれでは幾ら放出したかということにつきまして、実は急いで参りましたので、昨日現在のがないのでありますが、十一月末日で御勘弁願いたいと思います。十一月末日までに出ました金額について申上げます。只今の計画に対しまして入りましたほうは十一月末日までで九百十億入つております。繰入れが八百八十六億、その他で二十四億、九百千億、これに対しまして支出のほうは公共事業に対しまして二百億出ております。これは国鉄が三十七億出ております。電通がこれは百二千億のうち九十億でございます。それから林野が三十億のうち二十五億、住宅は、これは百億出ておるのでありますが、設立当初でありまするために二十六億しかまだ出ておりません。公共事業は百十億当ててございますが、現実に金として落ちておるのは二十一億でございます。私企業につきましては、引くるめて申上げますと百二十億出ております。海運の四十億、その他の二十一億、優先株式の五十二億、中小企業は八億、それからさつき申した九十億の系統のものが六十九億出ておりまして、差引十一月現在の余裕金と申しますか、使用し得る金は六百七十億でございます。なお来年度の予算につきましては、まだ確定をいたしておりません。
 その次の対日援助を幾ら見込むかというふうなことがはつきりいたしませんのでありますから、はつきりした見通しはつきませんが、大体私どもの予想では千百八十億程度の歳入と申しますか、收入部面がありまして、これに対しまして、大臣からお話がありましたように、公企業は殆んど預金部のほうで今度は持つことになりまするので、輸出銀行に五十億、農林業に四十億、合計九十億、それから私企業に対しましては、今年よりやや少くなると思いまするが、電力、造船等に対しまして相当額の割当があるわけでございます。来年度は債務償還は見込んでおりません。来年度の方針といたしましては、大体入つて来た金は来年度に使う、今年は或る意味で見返資金は吸収超過でございますが、来年度につきましては、これを入つて来ただけは使うという、何といいまするか、インフレにあらず、デフレにあらざる方針をとろうというふうになつております。簡單でございますが……。
#191
○木内四郎君 来年度の予想はまだはつきりされていない、これは無理もないと思いますが、千百八十億円と予想される公企業のほうは、大体預金部に肩替りをするというか、預金部で担当をする、併し輸出関係で五十億、農林関係で四十億使われるとすれば、私企業のほうでは本年度と大体同じと言われる。債務償還も行わないというと、来年入つて来たものをみんな使うというのですが、何に使うのですか。
#192
○政府委員(伊原隆君) 来年度のことは只今申上げましたように、はつきり申上げる段階に至つておりませんけれども、只今申上げましたように、公共企業には、輸出銀行に五十億、農林に四十億の九十億借り得る、あとは私企業に今年は三百七十一億でございまするが、来年は多少それより少いが、まあ同じぐらいということでございまして、繰越しが大体同じぐらいになりまするから、来年に入つた金は来年使うという考え方でおるわけでございます。
#193
○木内四郎君 そろばんが、合わないように思うがどうですか。見返資金と言われたのは四百億ぐらいしかないでしよう。
#194
○政府委員(伊原隆君) そろばんは合うのでありますが、公企業が只今申上げましたように九十億、それから私企業に対しまして、今年よりやや少なめで三百五、六十億、それから進駐軍住宅とか、脱脂ミールとか、そういうふうなものが百億ということになりますと、合計五青五十億程度使います。繰越しがございまするので、繰越しは今年と同じぐらい、こういうことでございます。即ち簡單に申上げますと、来年の国民経済から吸収した金は来年中に放出をする、従つて見返資金の側から、いわゆる何といいますか、デフレ的作用を起さないという方針になつております。
#195
○木内四郎君 そうすると来年の千百八十億というのは、繰越しが六百何億あつて、来年見返資金が現実に入るのは五百億足らずということになるのですか。
#196
○政府委員(伊原隆君) さようでございます。来年現実に、何といいますか、繰越しを除いて現実に見返資金に入つて来るだろうと予想される金はおつしやつた通りでございます。
#197
○野溝勝君 ちよつとお伺いしますが、あの公企業はさつき聞き漏らしましたが、大体どのくらいですか。
#198
○政府委員(伊原隆君) 今年でございますか、来年でございますか。
#199
○野溝勝君 来年の予想。
#200
○政府委員(伊原隆君) これはまだ未確定でございますが、大体方針といたしまして、公企業は来年は預金部からやるという方針でございまして、御存じのように鉄道に対しましても、それから住宅公庫に対しましても、それから通信事業等に対しましても、預金部のほうから金を貸すということになつておりまして、いわゆる公企業の範囲に属しますのは、輸出銀行が五十億、それから農林企業が四十億、合計九十億と予定をいたしております。
#201
○野溝勝君 そうすると先ほどの木内君の質問じやないが、公企業は預金部から、債務償還はこれは出さないということになるのですが、どこへ一体見返資金をやるか、ちよつと私やつぱりわからんのですが……。
#202
○政府委員(伊原隆君) もう一遍お断りいたして置きますが、来年度の予算につきましてはまだ確定したことを申上げる段階に到つておりません。ただし現在の見通しといたしまして御説明を申上げておるということをちよつと御了承願いたいのですが、その見通しは、只今申上げましたように、対日援助が一体どのくらいになるだろうという予想を立てまして、その予想に基きまして今年の繰越しが五百二、三十億でございますから、その繰越しと来年現に入つて来る金とを混ぜまして千百億乃至千二百億程度の收入があるものと見ております。但し今年と同じ程度の繰越しを又その次の二十七年度にいたしますから、使います金は約五六百億、こういうことになりまして、その内容は、公企業に九十億、それから私企業投資にまあ同程度、今年よりはちよつと少な目ということで三百五、六十億、それから進駐軍の住宅、その他の系統に百億ということでございますから、五、六百億の数字がここに出て来ると思います。従つて方針は、来年入つた金は来年使う、私経済に見返資金の側から撒布超過を起すことが担いと、こういう方針でございます。
#203
○野溝勝君 そうすると今の大体わかつておるのは、公企業の農林と輸出銀行と進駐軍の住宅、それだけですね、はつきりしておるのは。
#204
○政府委員(伊原隆君) 私企業に対しまして、今年と同じ程度出るということであります。
#205
○大矢半次郎君 本年度の債務還償の五百億というのはどうなるのですか。
#206
○政府委員(伊原隆君) 見返資金の債務償還五百億というのは、御存じの通り今年予定いたされておるのでありますが、只今の見通しにおきましては、これを多分食糧証券を保有するが何かいたしまして、来年度にそのまま持つて行くということになるかと思います。これはまだ方針がきまつておりません。
#207
○大矢半次郎君 それを加算すると繰越しが千億以上になる……。
#208
○政府委員(伊原隆君) さようでございます。
#209
○委員長(小串清一君) 只今理財局長から説明のあつた数字を表にして提出してもらうように願つて、そうしてこの案については大体決定して見ようと思いますが、皆さん御異議ありませんか。
#210
○森下政一君 伊原さん、これは大蔵大臣に聞かなければわからんことかも知れませんが、本年度の予算審議に、債務償還の五百億が大分問題になつたのですね。これをやらなければいいじやないですか。それをやつたことによつて、これを財源として、例えば給與ベースの改訂だとか何というようなことは予想できるのじやないか、或いは中小企業の金融のためにその一部を廻すことによつて彼らの不況を打開することができるのじやないかということが非常に論点になつて、予算審議では揉めた、ところが大蔵大臣の考え方では、将来この対日援助というものが、米国の援助というものが何時切られるかも知らん、年々減少して行くということが予想される、そうなれば今のうちに健全財政を名実共に具現することのために、借金を少くして置くということが、財政の基礎を固からしめるゆえんだというので、そういうふうな観点に立つて、是非これは償還をしなければならんのだと固く主張されたというふうに記憶するのでありますが、そうして自立的予算が、今日なお五百億は償還を見合わしておいでになる、当時の野党の主張を聞いたでもなし、而も償還をあれだけ力説されたのに、それを実施されない事実を、而も只今伺うと、来年度の償還は見込まないということになると、政府の見返資金に対する大きな転換が行われるように思うのでありますが、その辺のことはあなたから一応の御説明が願えるですか。
#211
○政府委員(伊原隆君) 私は事務的の点につきまして御答弁を申上げたいと思います。債務償還の問題は、御存じの通りに只今森下先生がおつしやる通り見返資金五百億、それから一般会計の系統に七百二、三十億あつたと思います。一般会計については御存じのように、一部分といいますか、半分程度ほかの警察予備隊等に使いまして、現在まだ三百億程度残つております。これにつきましては、本年度内に債務償還をいたす予定であります。そこで問題は見返資金の点でありますが、見返資金は、御存じのように世界各国で同じ性質を持つておる経済協力局としてのECAの援助と、性格的には、占領下でありますから見返資金という名を使つておりますが、ECAと同じ性格でありまして、この考えでは第一にインフレ、デフレの調節弁である。そのインフレの虞れのない場合には、一部経済の投資に充てようという考え方をとつておると思うのでありますが、今年の総合的の資金計画を全体眺めますと、見返資金と、預金部の金以外の部面におきまして、いわゆる輸入のユーザンス制度等をとりましたために、只今の見返資金と預金部を除いた部分の国庫からの撒超というものが非常に多くあるのであります。例えば外為の放出超過というものが二十三億を超える予定でございまして、これは輸入のユーザンス制度をとりましたためと、それから輸出が増加いたしました等々による原因でございます。従つて財政全体といたしますと、見返資金と預金部にこの程度の金を置くことが適当であろうという考えで使わないで置いた、あと今度は問題はその五百億を幾つかの国債を買つて潰してしまうかどうかという問題でありますが、まだ完ほど申上げましたように全然方針が確定しておりません。現在のところは食糧証券を持つておるのであつて、それで今年のうちはそれを持つて来年に渡ろうかということが大体の考え方のようであります。ただ今確定をいたしておりません。例えばその食糧証券を潰してしまうということになれば、債務償還を潰してしまうが、持つて渡るかということについてはまだ確定をいたしておりません。
#212
○委員長(小串清一君) それでは米国対日援助物資等処理特別会計法の一部を改正する法律案について御質疑はございませんでしようか。……御質疑がないと認めて直ちに討論に入ることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#213
○委員長(小串清一君) 然らば討論に入ります。御意見のおありのかたは、それぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います……。
 別に御意見もないようでございますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#214
○委員長(小串清一君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより採決に入ります。本案について衆議院送付の原案通り可決することに賛成のかたの御挙手を願います。
   〔総員挙手〕
#215
○委員長(小串清一君) 全会一致と認めます。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四條によつて、質疑、討論、表決の要旨を委員長が報告することとし、あらかじめ承認を願うことに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#216
○委員長(小串清一君) 御異議ないと認めます。
 それから本院規則第七十二條により多数意見者の御署名を願います。
 多数意見者署名
   大矢半次郎   木内 四郎
   愛知 揆一   岡崎 真一
   九鬼紋十郎   黒田 英雄
   野溝  勝   松永 義雄
   森下 政一   小林 政夫
   杉山 昌作   森 八三一
  ―――――――――――――
#217
○委員長(小串清一君) 次は所得税法臨時特例法案について御審議を願います。
#218
○松永義雄君 議事進行ともちよつと関係があるのですが、アメリカの法人税、軍用予算の進行についてどういうふうに動いておるか御報告願います。
#219
○政府委員(平田敬一郎君) アメリカの法人課税の制度は、最近までは大体所得税といたしまして二万ドルを超えております所得に対しましては、四二%の税率を比例税率で課税いたしております。それでそれ以下の少い所得につきましては、若干軽減した税率で適用いたしておるのでございますが、これに対しまして、最近御承知の通り、相当増税の意見が出て来ておりまして、特に本年度から再軍備に関連いたしまして、個人所得が約二割増税になつたようでありますが、法人税につきましても、たしか二割程度増税になつたようであります。そのほかに、更に最近問題になつておりますのは超過所得税、これを創設することが問題になつておりまして、たしか最近の情報によりますと、アメリカの下院におきまして、最近の四九年以前の三カ年でございますが、それに比べまして、利益が増大した場合におきましては、増大した部分のたしか七五%だつたと思いますが、超過所得税を創設するといつた、こういう案が政府から国会に勧告になりまして、その案が下院を通過したように聞いております。ただこれは相当やはり雑誌等によりますと、問題がございまして、最終的にどういうふうになりますかは、まだ私ども確実なところを聞いておりませんが、アメリカでは相当再軍備に関連しまして、軍事費が嵩みますので、所得税、法人税、特に超過所得税等の問題が最近国会で大いに論議されておることは事実であります。大体の模様は、そういう模様でありますが、細かい正確なところは資料によつて調べまして、適当な機会に御報告いたしたいと思います。今の情勢はそういう情勢でございます。
#220
○松永義雄君 まあ日本の景気……指数でありますけれども、とにかく下半期には相当日本の景気もよくなつておるかというと……よくなつている現象を呈していなければならないのでありますが、而もこれに対する将来の見通しはなかなかむずかしいでありましようけれども、多くのその方面に通ずるかたがたの意見によるというと、相当この経済事情というものは長く続くのじやないか、こう言つておつた。或る人は恒久的だと、こうまでも極言しておるような事情であります。昨日大蔵大臣にも質問いたしたのでありますが、とにかく勤労階級の負担は相当重いのです。これは主税局長の前でそう申上げては失礼ですが、大蔵省のかたがたにしても住民税には困つておるということで、これはひとり住民税ばかりでなく、事業税についても同様です。中小企業者の困憊状況は私が申上げる、説明するを待たないのであります。然るに一方自然増収が非常に殖えて来て、そうして大蔵大臣の答弁にもありましたように、法人税の税取が殖えて、我々の極めて寡聞ではありますけれども、僅かな知識によつても殆ど今まで相当借金を背負つておつた鉄の会社がどんどん借金を返しておるというような工合で、非常に景気がいいようで、ひとりこれは昨日申上げた兜町の上場株ばかりでなく、そのほかの中小の会社でも相当に潤つておるところがあるように見ておるのです。我々といたしましては、これは今度の税制軽減問題にしても、もとより悪いことではないと思いますけれども、併し又半面、こうした減少はすでにもう目に見えておるにもかかわらず、そうした対策は今日ここに現われておるところの何に見えていない。私が申上げるまでもなく、負担能力があるところから税金をとるということは、世界各国にこれは通ずる議論でありまして、アメリカとかドイツとかいうことはないと思うので、昨日大蔵大臣に聞いたのですが、言われたことが何を言つておられるかよく意味がわからなかつたが、只今お聞きすればアメリカの法人税の取扱についても私は参考とすべきものがあるのではないかと思いますので、是非通常国会においては十分御研究を願つて、税制の一つ成る程度徹底した、根本まで徹成した改革を出して頂きたい。即ち勤労階級の負担を軽くして、負担能力のあるところはどんどんかけて、ただ配当々々と配三をしないで、そういう金があるなら税金を取る、或いはそういう税金を拂うだけないなら配当をしない。ちやんと再建の合理化なら合理化をやるというまじめな一つ政策をとるように向けて、行かなければならんと思うので、或る一時の景気で、裏口食堂はなくなつたでしようが、父方のようにどんちやん騒ぎが始まつて来る。こういう、ことは経済財政政策ばかりでなく、国民の間に相当不平を刺戟するものがあるのじやないかと思うのです。一つあなたも将来大蔵大臣になるつもりで、本当に徹底的な税制改革をやつて頂きたい。希望だけを申上げて置きます。
#221
○政府委員(平田敬一郎君) 只今の御意見でございますので、或いはお答えするのはどうかと思いますが、お話の通り私ども所得税が重いということは全く同感でありまして、少しでも歳出を減らして所得税の軽減に当てたい、或いは租税の自然増収もできる限り所得税の減税に当てたい、当てるということが、取りあえず大郷分が勤労所得税の減税といつうことになるわけでありまして、本年度、今補正予算に出しております控除率を来年一年間延ばしますと勤労所得で三百億、申告所得税で三百億……ちよつとこれは減らしたと思いますが、その前後の実は減税になるのであります。まあ勿論正確な計算はまだ確定いたしておりませんので、申上げにくいのでありますが、大体の大つかみといたしまして、所得税で六百億程度の今の案を引延しますと減税になるのであります。で私ども、所得税が何と申しましても一番よい税でございますけれども、まあ控除、税率等につきましては、この委員会におきましても前国会から御意見がございましたように、できるだけ何とかして軽くいたしまして、納めやすい形にしたいというのが、私ども現在の一貫した考えでございますので、その点御了承願いたいと思います。然らつば問題は、法人税を引上げてまで更にやるかと、こういう問題になるかと思いますが、この問題になつて参りますと、若干或いは見解の差が出て来るのではないかと思いますが、これは御承知の通り、今相当法人方面におきまして、資本を充実せしめる。これは何と申しましても、そういう観念に立つ限りにおきましては、今日異論のないところであろうかと思いますが、そのためには、最近お話のように法人企業も成績を収めておりまするが、この利潤を超過所得税みたいなものを設けて、相当大幅に取つてしまうのがいいのか。或いはこれはやはり法人税といたしましては、三五%程度の税率にいたして置きまして、できる限り社内留保を多くし、配当になりましたものも、更に増資等によりまして再投資するといつたような方向に馴致いたしまして、極力法人の事業の拡大を図つて行く。がいいのか。これはそこに問題があると考えるのでございます。そういたしまして、一部では特需景気で非常に利益の余計出ておるものがあるから、やはり超過所得税のようなものを起したらどうかと、そういう意見もあるのでございますが、ただそういうことによつて増収を図つてまで所得税を軽減したほうがいいか。或いは今申しましたように、そういう資本蓄積の必要、法人企業の更に一層の発展の必要を考えまして、まあ税率といたしましては、更に一層は引下げないが、三五%ぐらいの税率でそのままにして置くほうがいいか。まあ私ども只今の段階ではそのままにして置いたほうがいいのではないかと思つております。併し今後の財政需要如何、今後の国際情勢如何によりまして、日本で更に事情が変つて参りますれば、これは又別な考え方もとらなくちやならんかと思いまするが、今のところは暫らくできるだけ法人が社内に利益を留保いたしまして、それで設備の向上、拡張のほうに馴致したほうが、結局日本の将来のためにいいのではないか。それが結局は勤労者の賃金が上りまして、勤労者の生活水準も上るゆえんではないかということを考えますと、單に利益がいいから、そういうドラスチツクな超過所得税みたいなものを徴収するのがいいということには、すぐ、結論は下しがたいと思います。併しお話の点はり確かに税制編上の一つの問題でございますので、私どもそういう問題につきましては、始終注意いたしまして、十分なる検討を遂げたいと考えます。
 なお住民税が法人にかかつておりまするので、同族会社等の場合に負担の不均衡があるという議論もあるようでございますが、この辺の問題は少し検討したほうがいいのではないかと思つております。これも法人に対する一貫した非課税の方針に出ておるのでありまして、これをどの程度にするかということは、将来研究を要する問題であると思つております。法人課税につきましては、そのようなことを考えておりますので、御参考までに申上げまして、御意見の点は十分考えたいと思う次第でございます。
#222
○松永義雄君 大体僕も素人ですから何ですが、終戦後一応財閥解体だとか、集中排除だとか、人々の暮らしの状況も一応均らしになつたと仮定いたしまして、その後におけるいわゆる自由主義、民主主義、僕ら大蔵大臣に対して悪口を言うのではないが、アダム・スミスの今から一世紀も二世紀も前の経済論をそのまま応用して、勝つがいい敗けるやつは敗けたがいい。そうしてたまたまここに至つて景気が出て来て一部の者が非常によくなつて来たというふうな数字を見ますときに、我々としてはもとより所得税の減税は主張いたすつのででありますが、半面非常に所得の殖えて来ました連中に税金を殖して行くという考え方を、その率をどうするかということは別にしても、とにかく値して行くということには、別に不円滑ということはないと思うのです。それがどういう形で法人税に行くか、或いは一般所得税の高級所得者に対して税率を殖すか、方法はいろいろあろうかと思うのでありますが、要すつるに終り職後皆三生懸命やつて、食うや食わずで弱肉強食の生存競争の中で勤労階級は窮乏に堪えて、一生懸命やつて来たにもかかわらず、勤労階級は生活に苦しんでおるにかかわらず、一面そうした非常に大きな金を儲けて、通貨価値も違いますから、別に驚くにも当らないと思うけれども、実に何億とか何千万とかいつたような金が集中しておるものもあるのでありますから、そういう連中から税金を今より以上に取つて、そうして均衡化を図るというのが並普通の途ではないかと思うのです。ただ徒らにアダム・スミス式に、勝つたほうがいい、敗けたやつが悪い。それが国民の富を増すのだというような考え方はどうかと思うのでありまして、多少はそこに調和が必要なんで、ただ民主主義がいいのだ、自由主義がいいのだというような考えに立つての財政政策というものは、双手を挙げて歓迎すべきものであると考えるのは間違いではないか。どこの国だつて統刷といたうものがないのはないのであつて、いやしくも政府というものがあれば、そこに一つの政情というものがある。それがある以上は、民主主義というものにも限度があるということはどの雑誌にも書いてある。それはどの程度に統制がありどの程度に自由があるかということは、そのときどきの国民生活の安定を求める上にその程度をきめるべきであつて、ただ民主主義がいいと言つて、極端な自由競争ということをやる場合において、それぞれに任しておいて、現在において勤労階級は一生一懸命やつておるにもかかわらず、お前は力が足りないから苦しむのだと、儲けるやつはどんどん儲ける。私は配当のことも言つたのだが、非常に苦しんでおる人があるにもかかわらず、三割なんという配当をやる。それは紡績会社の配当なんかはいいつのかも知れんが、併し同じ会社の中でも、紡積屋さんはいいかも知れんが、おれのところはよくないと、同じ資本家の間でも妬みというものがあるので、ましてや勤力階級というものは一生懸命やつておつて苦しんで行かなければらんので、たまたま一つの偶然の機会に富を得た者に対して、今のような税率で行くというようなことはどうかと思うのです。つまり、大所得者に対しては税率を殖して行く必要がある。それは形はいろいろあるでしようが、そういう考えを持つて進んでくことが必要ではないかと思いますから、将来の大蔵大臣に御答弁願いたい。
#223
○政府委員(平田敬一郎君) なかなかむずかしい非常に重要な問題でございまして、軽々にお答え申上げるのはどうかと思いますが、ただ只今の非常に高率配当ではないかとという点は、私ども専門的に見まして、実はは表面の率だけで判断されるのはどうであろうかと思います。と申しますのは、現在の会社の資本金というものは、非常に名目的に会社の実体資本に比べまして小さくなつておる。最近は大体拂込資本が二千万つくらいかと思いますが、再評価をやりまして、再評価積立が四千億以上超えるようでございます。それを資本に振替えますと、従つて資本金といたしましては三倍くらいのものになるわけであります。従いまして、小さい名目資本に対しまして、たとえ三割の配当でありましても、会社の実体資本によりますると、やはりそれほど高い率、ではない。勿論そうでない会社も中にはございますが、平均して見ますと、私は、その五割とか何とかいう配当もございますが、それだけで非常に高率配当をしておるということは軽々には言えない点が多いのではないかと思います。配当所得なんかも、戦前に比べ、まして殖え方は非常にまだ少いのです。戦前におきましても配当所得が十億前後あつたかと思いまやすが、昨年あたりは約四十億くらい、今年は持経会社は外れまして一般会社が配当いたしましたが、これは四億になると思いますが、それにいたしましても全体といたしましてまやだ配当金も相当高いのは、これはどつちかというと小さい所得税の場合におきましても、以前の第一所得は殆んど配当所得があつたのでありますが、十万以上の昔の所得者を見ておりますと八割以上は所得しております。ところが最近は殆んど配当所得が潰れまして、これは戦後の社会改革とインフレの両方から来ておると思いますが、最近の大所得者は殆んど営業所得者であつて、而も或る年に非常に儲かつて番附表の上に行つたかと思うと、その次の年にはもう中には潰れてしまつておるようなものもあるような大所得者の実状でございまして、これはやはりよほどまだ戦前と比べましてその辺のところは、まだまだ何と言いますか常態に戻つていないという感じを強く持つておるのでございます。従いましてこういうときにおきましては余りお話のような点も、確かに税制の上に考えなくちやならないファクターだと考えますけれども、それを強調し過ぎますと、却つて生産等に悪影響を及ぼします。そうしますと生産者の勤労所得も、生活水準なかなか上らないということにもなりますので、やはりその辺のことも考えまして、そのときどき妥当な政策をとつて行くよりほかにないのではないか。まあそれが一番いいのではないかというようなことで、そういうような点も併せて考えまて、お話の点はいろいろ検討すべき問題も多いと思いますが、むしろ私たちといたしましては全体としてできるだけ減税をいたしたい。勿論増収を図つて減税をするということも一つの方法でございますが、先ほども申上げましたように今日におきましては余りこの際急激にお話のようなことをするのは、今の段階では如何であろうか。もう少し実力がその辺にまで備わりましてから、又そのような考え方の税制を考えるのもこれは一つの方法かと思いますが、現在の段階におきましては若干利益は殖えて来て、更にその利益を社内に残して設備の拡張改善をやる余地を残して置くほうが、やはり将来の経済界のため、延いては勤労者のためではないかと考えております。そういうような点を今考えまして、今妥当な政策がきめられるべきではないかと考えられる次第でありますが、これは非常に生産の問題でございますので、私は断定的な意見を申上げることは差控えたいと思いますやが、考え方の要点だけを申上げまして御参考にいたしたいと思います。
#224
○松永義雄君 かなりの配当が名目的な資本に伴つて……まあ一応そうも考えます。併し賃金も同様である。ただ我々の言うのは要するに配当などということは不労所得である。それで戦前と違つて財閥が解体して多数の株を持つておるという人はないしと思うのですが、併し漸次この頃、会社に投資して株を買うというような現象も現われて来ていることでありまして、まあ配当でも余計出さなやくちや株を一買う人もなくなると、一応はそうも考えられますけれども、併しそれは終戦後日本の状況というものはそういつた安易な気持で言われるものではないと思います。昨日大蔵大臣が言われた通り、金全体から見たら率は低いか知れないが、これは昔から皆そういう議論をするんで、それでごまかそうとしていられるのかも知れませんが、お互いに苦しいですからだから将来の再建のために苦しみを耐えて行くというならそれでいいでしよう。社内留保をして、そうしてどんどん建設資金等に廻して行くということはいいことだと思います。併し何しろ困つておるのに三割も五割も配当して、それは皆に均霑して行くのはいいかも知れませんが、併し気持、考え方が今の財界は思い上つてはいやしないかということを、我々には考えられるのでありまして、とにかく僕も、この間アメリカの雑誌をちよつと見たのだが、一つの会社の経営というものが如何に利益を一挙げたつて……まあ挙がりもしないけれども、仮に挙がるにしても、その会社の内部というものがお座なりなことでは、そういうものに対しては投資価値がないのだというような、こういう記事を帰つておつて、まあそれはただの参考にしようと思うのですが、国内に三不平を残しておいて、そうして一部の社内や留保をやる機具を講入する、どんどん配当をする。これで日本の富が殖えたという。併し一部の階級の富が殖えたことによつて、日本の富が殖えたことになるかも知れないが、決してこれは幸福なことではない。それはこの間あなたがおいでになつての話である。この戦後追放になつて、今度解除になつた加納久朗さんが、こないだ戦後百億ドル残したと言つておられた。それは結構なことであるけれども、集一次欧州大戦のときの二十七億、ドル、が、今日の日本の国を誤つたのである。金ができるということは結構だけれども、そのできた金の使い方を誤つたために、今日のような日本の状況を来たしたのである。私は、余りことを焦つて、急いで、そうして再び又車をひつくり返すようなことがあつてはならないと思う。それは具体的にどういうことかというと、税率の問題は経済のことであるという考えを持つております。当つておる言葉かどうか知りませんが、大蔵大臣に研究して頂きたいと思います。
#225
○森下政一君 所得税ですりが、今度の御提案は、税制一般の改正というわけではないので、特に源泉徴収についての減税になるように措置するということを重点的にやつておるようですが、この臨時措置で基礎控除が引上げられておる。扶養控除が引上げられておる。これはかねてから前回の税制改正のときに私たちの要請したことで、その要講にはまだ来ていないけれども、進歩して来た。ところでこれらの控除が引上げられておるのに、特別控除が、全然臨時的な措置であるけれども、考えられて、おらなつい。特にその中でも、戦争の不具者に対する控除、医療に対する控除というようなものは、これは暫定的の措置として直ちに取上げることができないというようなことがあるかも知れないけれども、少くとも不具者に対する控除、これはや扶養控除同様に考えられていいのじやないか。これが閑却されておるということは、折角前回の税制改正のときにも非常にこれらの人かつ感謝されたことが、臨時措置が閑却されてしまつたということになると、前回の政府の施策というものが帳消しになつてしまうのではないかというように考えられえますが、これはなぜ一緒に、扶養控除同様に引上げられて、同率に臨時措置を講ぜられないのか。この点私大変納得に苦しむのですつが、これは両かお考えがあるのやですか。
#226
○政府委員(平田敬一郎君) 取りあえず……、今のお話につきましては、所得税の負担に最も関係のあります扶養控除、基礎控除税、税率、これを要綱に示しておりますような引上げ引下げをやりますれば、所得税の負担額がどうなるか。その税額と、それから今の税額との差額ですね。これを軽減しようという方法を採用いたしたわけでございますが、これはいずれ大臣からお話やがございますけれども、来年度本予算と併せまして、所得税の改正法律案を提案して、今度こそ本格的の処置を講じたいという予定でございます。今お話のような戦争の不具者その他の控除につきましても、大体同様の考え方で行く予定でやおります。不具者につきましても、今の予定は、扶養控除と同じで一万五千円まで引上げる予定であります。これは早く本改案に織込りんで提案する見込でやございます。なおそのほか未決になつております未亡人控除、老癈疾控除、こういう問題につきましても、なお若干検討、考慮をいたしておりますが、できるだけ合理化を図りまして、お話のような趣旨が一層今後徹底するように私どもとしてやはして参りたい。これを今急いで臨時措置に織込まなくても、本改正でもよろしかろうという考えでございまして、別段不旦者控除の一万二千円を据置く考えではございませんことをこの際明らかにして置きたいと思います。
#227
○森下政一君 只今のお話で、大体の政府の構想はわかつたのですが、これは大変残念なことで、折角そういうやかうに来年の四月からの本格的な税制改正には取入れるという考えを持つておられるのならば、特別控除の中でも特に不具者控除というものは臨時措置に取入れらるべきであつた。そうすれば非常な満足を不具者がしたであろうということを考えるのです。まあ併し今更修正と言いましても、容易なことではないのですから、仕方がないが、只今の御説明で、来年の改正からは構想の中に入つておるということやが明らかになつたわけですが、これは併し今回の臨時措置にこれを取入れられなかつたということは、画龍点睛を欠くものだと思つて、私は政府のために非常に惜しむのです。
 それからもう一つお尋ねしたいのは、現在源泉徴収のほうは非常に納税成績がいいが、申告所得のほうがどうも思わしくない。これは全国どこの国税局に行きましてもほぼ同様な状態にあるわけですが、このことは昨日も私大臣に申上げて、例えば青色申告制度が予想に反して歓迎されていないというような事実に徴しても、その理由の一斑は、やつぱり申告所得に対するところの税金が何としても高いのだ。大臣もこれを認められておる。そうすると、来年の本格的な税制改正に対して何とか申告所得、特に農業所得であるとか、或いは営業所得、こういうふうな面についての税の緩和方策というものをお考えになつていないか。この点明らかにしてもらいたいのであります。
#228
○政府委員(平田敬一郎君) 先ほどの私の説明は正確でございませんでしたから、申上げておきますが、不具者につきましては、扶養親族と同じ扱いにするということにつきましては、臨時措置法も同様でございます。これをいずれすべて本格化しまして、来年度は税法に明らかに一万五千という表現で改正するということにいたすと同時に、この暫定措置法におきましても扶養親族が上つただけは、不具者がございますと、その分はやはり軽減されるということになりますので、御了承願いたいと思います。説明が小し悪うございました。訂正して置きます。
#229
○森下政一君 そうすると私の要請通りになるわけですね。
#230
○政府委員(平田敬一郎君) はあ。それから第二の問題につきましては、これは私ども相当実は苦心いたしておるところでありまして、所得税の税率につきまして相当その点を考えておるのでございます。シヤウプ勧告とその点見解の差をはつきり持つておるのでございますが、シヤウプ博士は大体所得二十万円超過という点を今の所得階層から見ました税率判断の一つのポイントと見ているのです。課税所得二十万円でございますから、基礎控除、扶養控除、勤労控除をしたあとでございます。今度の新税法によりますと、五人世帯でございますと、十万五千円ぐらい引きますので、大体十万円を加えますと、三十万円が勤労者の年所得、営業者の場合は勤労控除がございませんから、それよりちよつと下になつております。まあ二十五万から三十万、四十万ぐらいの程度、この辺のところが実は相当今税率が高い。営業者の平均所得は全国で十七、八万円でございますが、大阪とか東京という大都市になりますと、二十方から三十万ぐらいのところが実は非常に多いのでございます。この辺が率直に申上げまして、去年の改正で余り税率が下らなくて、負担が相当きつい。家族の多いところは、先般も申上げましたように、地方税を入れましても負担が下つているのですが、家族の少いクラスでありますと、その点は増税になつているところが率直に申上げまして多いのでありまして、一番その辺が税率の下り方が低いクラスでありましたので、私ども何とかしてその返をできるだけ税率を引下げて軽減を図りたいという考えでいるわけであります。シヤウプ博士は二十万以上は全体の納税者の六・七%、数から申しますと、何しろ勤労所得者の納税者はべらぼうに多くやございます。
#231
○森下政一君 二十万円以下なんですね。
#232
○政府委員(平田敬一郎君) 二十万以上が全納税者の七・八%。そのくらいの負担は、相当高率な課税を受けてもしようがないだろう、こういう考え方を持つております。これに対しまして私ども相当議論いたしましたし、例えば船員がちよつと超過労働をして超勤をもらうと、下のほうはそうでもないが、中以上の場合には二十万以上になる。役人の人で低い給與水準におきましても、ちよつと超勤をもらいますと二十万を超える人が相当ある。いわんや最近の少し景気のいい工場等の労働者にはその辺以上の收入のある人が相当ある。その辺は何と申しましても五〇%という税率は少し高過ぎる、これを相当引下げなければならん。営業所得者につきましても同様でございます。その辺が非常に重いからなかなか正直に納まらんということを実は相当強調して議論したのでございます。でございますが、シヤウプ博士はその点心についてはクエスチヨンマークを残したまま同情的勧告を出しておりません。それは先般お配りしました勧告書をお読みになればわかると思うのでありますが、これがシヤゥプ勧告と大蔵省の意見の一つの対立になつたのでございます。併し私どもはやはり今お話りのような点非常に不安を感じておりますので、何とか軽減したいということで、実は最初は三五%くらいの税率にする、三分のり一くらいでやございますれば、先ず超過労働をやりまして一例えば月三千円收入が余計になつた、それの千円くらい税金で納めるというのと、千五百円税金で納めるのとではよほど、勤労意欲も、営業者の申告成績等も差があるだろう。こういう考え方を以て大分議論したのでございます。そうしまして三五%くらいにしたいと実は思つていたのでございますが、最後に減税案をまとめます際におきましてどうも財源がそれでは足らんということになりまして、いろいろ検討いたしました結果、基礎控除は三万円は動かせない。扶養控除につきましても、シヤウプさんは今度の勧告では三人まで一万五千円まで引上げまして、三人を超える部分は現在据置をしておる。それを全部引上げますのとシヤウプ博士の案によりますのとで、計算して見ますと、約七、八十億円減税となる。これをやめるか。これも考えて見たのですけれども、やはり家族が多い者は生活が苦しいのであるから扶養控除は相当上家族が多くても一万五千円に引上げたほうがいいだろうということで、それは原案三通りにすることにいたしりたのであります。ただ税率につきましては三五%まで引下げたいところを四〇%程度で我慢する。そうしまして最高百万円に持つて行くということで最後に案をまとめたような次第でやございます。現在の五〇%が四〇%くらついの限界税率になりますと、今までに比べますとよほどよくなるのじやないか、勿論控除しました残りの絶対税額は四〇%という高い税率でございますので相当低いのでございます。例えば控除前の所得金額が三十万円とする、これは中の営業者の所得金額であつて、大都市の営業者には相当二十万、三十万が多い。この辺が実は税率が高いという非難が多いところでございますが、三十万円のところで今度の改正案を年に当てはめて見ますとや、奥さんと子供三人、つまり五人世帯でありますと、今の税額が七万八千五百円、これがちよつと所得が殖えますのと、その分には五〇%かかつておるわけですけれども、平均税負担は七万八千五百円でございまして、二割五、六分になつておるわけであります。それが今度の改正案を一年に引延ばしますと、五万九や千円になります。一万九千五百円軽減になる。二割四分八厘負担差があるということになりまして、総体から行きましても五万九千円でございますと、今度は平均税負担が二割弱になるわけでやございます。限界税率も今申しましたやように、四〇%程度になる。その辺まで行きますと、今と比べてよほど改善になるのじやないかということで、今回の案をまとめたような次第でございます。その辺がこのシヤウプ勧告と我々と違つておる点でございまして、官庁方面の実状は我々に大分よくわかつておりますが、大分我々の案に近いところで話がきまつたということを率直に申上げてもいいかと思いますが、そういう点は非常に力を入れて努力しておりますということを御了承願いたいと思います。併しなお理想を一言うと不十分じやないかという点は確かにあろうと思いますが、そういう点はやはり一挙にはなくなく解決しがたい問題でございますので、今後更にそういう問題につきましては検討を加えまして、適切な時期には更に一層税率の合理化を図つて行くということに努めたい。このように考えておる次第でございます。
#233
○森下政一君 大蔵当局の非常な御熱心な御努力にもよることと思いますが、同時に一面シヤウプ博士が全国を行脚されてよく日本の国民生活の実態を把握されたというふうなことにも基因することと思うのですが、シヤウプ勧告というものはドツジ公使が日本の財政経済方針に対していろいろ大蔵大臣に要請しておるのに対して、シヤウプ勧告には多少幅があるような気がするのですね、伸縮性がある。それならばこそシヤウプ勧告の通りに大蔵省は実施しておられない。むしろこれを破つて日本の国民の実状に即して講じておられるような面が見える。そこで今のような非常に御苦心をなさつておることは私は大変結構だと思うのでありますが、前回最初の勧告のときに勤労控除というものが二五%であつたのが一〇%になつた。そうしてこれはひとり給與所得者だけに二五%認めているのが穏当でない。これを一〇%に下げろということで、結局農業所得或いは営業所得というものを同様勤労階層と見るのが妥当というような考え方だつたが、これはどうなんですか。結局その勤労控除というものをシヤウプ勧告には反するけれども、又元に帰つて二五%でないまでも一〇%少しでも引上げるという考え方になると、農業所得なり或いは営業所得のほうが負担が軽減される。つまり税率を減らさずして一つでも狙いを達成する近道じやないかということが考えられるのですが、この点はどうですか。
#234
○政府委員(平田敬一郎君) 今度のシヤウプ勧告では、御趣旨の通り農民、漁民についてだけ一割の控除を認めたと、こういう提案が行われております。昨年はお話の通り給與所得者だけにつきまして二割五分の控除……、農業所得、営業所得に比べてハンデキヤツプが大き過ぎる、一割ぐらいでやつたらという勧告も実はいたしたのであります。ところが当時としまして私どもやはり世間の反響等を見まして、勤労控除を一割にまで直ちに圧縮するということは これはどうも理論に反し過ぎている。やつぱりまあ少くとも五分程度多くして一割五分程度の控除にしたほうがいい。これをやるために約百二、三十億意したのでやございますが、八方説明に努力しましてやつと実現いたしたようなわけでやございます。ところで今度は勤労所得の一割五分はそのままシヤウプ博士は別に触れておりません。そうして農民と漁民についてだげ一割控除したらどうか、こういう提案を行なつておるわけでやございます。これはいろいろ問題がありまして、どうするかまだ研究中で、断定的な結論はまだ得ていないのでございますが、この問題を解決するためにはやはり今お話の通り農民漁民に一割控除を認める場合に、勤労所得者について一割五分据置きでいいかどうか、これは確かに一つの問題でございます。給與所得者につきましては、それから営業、中小の事業所得者、殊に大工、左官、理髪屋といつたような主として勤労に依存しているところの営業所得者というものが相当あるのでございます。それから医師、弁護士等はこれは殆んどやはり少しレベルが高いのですが、やはりこれは給與所得的な、勤労所得的な要素が多い。そういうものをほつたらかして置きまして、農民、漁民についてだけ一割控除を認めていいかどうか、これはなくなく問題が多いのじやないか。私は今回のシヤウプ勧告は率直に申上げまして、少し理論から外れている点がありはしないかということを実は感じておりまして、この問題はもう少し私よく検討いたしまして結論を下したい。で御承知の通り最近の所得税は、さつきで松永さんからも御指摘がやございましたが、殆んど勤労所得と農民、漁民と中小の所得者、それが実は大分負担しておると言つてもいいくらいであります。所得担税力のあるような人、昔の所得納税層というような部面から所得税の收入が出ておるのが少い。納税者の数から見ても殆んど営業者の納税になつております。所得税、固定資産税はそういうものに依存しておる。それを引いてしまいますと、ンヤウプ氏あたりが昨年言つたように勤労者には一割マージンを置いて、あとはマージンを置かない。あとは基礎控除、扶養控除をできるだけ上げたほうがいい。或いは基礎控除、扶養控除を余り上げないで置いて給與所得者には二割控除する、農民、漁民、営業者につきましては一割控除する。これはなかなか問題が多かろうと思う。むしろ今の段階におきましてはやはり低いという非難がありますところの基礎控除、扶養控除を更にできるだけ上げまして、それからそういうような問題を解決さして行くというような物事の考え方のほうが順序ではあるまいかというところの感じを持つております。従いまして勤労所得を五%更に控除いたしますと百億、二割五分で二百億ぐらい減収になります。それから農業所得者だけでございますと、農業所得が今度扶養控除の拡張等によつて減りますのは四、五十億だと見ておりますが、営業者等に拡張しますと二百四、五十億ぐらいの金額になる。そうすると全体の財源の問題になつて来ると思いまして、ちよつとこの問題の解決はもう少し見送らざるを得ないのじやないかという見通しであります。その辺のところを所得税全体のスケールとして考えまして、私どもといたしましてはできるだけ妥当な額に将来は向かいたいと思います。現在のところはそういうふうに考えております。今度の所得税の改正から……、農業所得税は、これは御承知の通り十万から十五万の平均でございます。それで昨年から家族が多い専従者の控除を認めまして、世帯当りの扶養控除が平均確か四・五人になつておりますから、去年より一人ぐらい殖えております。従いまして扶養家族控除を上げますと、負担が相当減る、大体推計して……正確な数字を出しておりませんが、農業所得税は改正しない場合に比較しまして四割強減る。一番減るのじやないかと思います。勤労所得よりも、営業所得よりも……。そういう事情もございますので、例の農民、漁民に対する特別控除の問題はもう少し研究したいと思います。率直にこの辺を考えておりますことを附加して参考に申上げたいと思います。これは所得税の構成上の非常に大きな問題でございますので、私ども今申上げましたような角度からよく検討いたしまして早く結論に達したいというふうに考えております。
#235
○森下政一君 只今の御説明の通りに農民、漁民の控除額といつたものはこれはシヤウプ氏の勧告であつて、一方営業所得者に控除しないということは、これは主税局長と全然私同感です。これは私は片手落の措置だと思う。問題の所在はわかつておるが、解決は容易でないと言われるが、これは早急に考えてもらう必要があるのではないかと考えます。
 それからもう一つ、源泉徴収についての課税所得の刻み方の問題でありますが、段階の刻み方の問題、これは前の税制改正のときに大分あなたとこの委員会で論争しまして、現行法の刻み方は、下のほうではその幅が二万乃至三万となつて、一段階ごとに五%ずつ税金を高くするということは乱暴だということを私が申上げたのであります。私の言う通りにするならば百数十億の減収を予想しなければならんので、今日の財政上困るといやことで、当時の與党の支持を受けて断行されたのであります。今度も当時主張したのにやや近いような刻み方になつて来たと思います。思いますが、私は甚だ気に食わんことは、一番数の多いところから税金を取らなければならんとあなたがたが考えておられるところで、やや私どもの主張に近付いたことをなさるかと思うと、すぐに今度は五十万円以上のところをぽつと外して、五十五万円超百万円というように、金持をかわいがることをやつておられる、何でこんなことをなさるか。これをこういうことをやらずに放つて置いて、むしろ五十万円以上のところに、或いは七十万円とか、或いは八十万円とかいうような段階を設けられて、そうして税金をかけられてもいいじやないか。あなたの説明によると、そんなものは人数が少いというならば、少い人数のものくらいを切ることは、税法の体裁から言つても、或いは下層階級に満足させるゆえんだと思います。よしんば一歩譲つてそうでないならば、五十万円超を据置いて、一方富裕税のほうで少し税率をお増しになつたら私は容易に増収を図る途があると思います。ところが我々の言ういわゆる勤労大衆、そこをもう少し高くしてもらいたいということと、税の課税所得の刻み方をやや進歩したことをなさるかと思うと、すぐ一方右の手で以てそれをやつて、左の手では金持を大事がることをやる。これは平田主税局長の意図でなく、自由党の性格がそこに現われて来るのかも知れませんけれども、この改正案に対する社会党の態度をきめるのに非常に悩むところなんです。非常に悩みのあるところでありますが、こういう点は、而も今度のは一つの臨時的な措置であり、四月一日からの根本的な改正ではやるが、これは試みにやつておる。更に構想を新たにして取りかかると言われるなら、私はこれは鵜呑みにしてもいいと思いますが、昨日大蔵大臣に質して見ると、これはこのまま四月における根本的改正になつて現われて来そうに思いますので、やそこにも社会党としての立場が、この案に対する態度をきめるのに非常に悩むところがあるのですが、これは何んでこんなことをなさるのですか。上のほうを放つて置いたらいいんじやないのですか。そこで併せて聞きたいのはさつき二十万円を超える金額、これは一つのポイントをなしておると言われるが、これは私も同じような考えを持つております。頂いた資料にそういうようなことがあるかも知れませんが、この謄写版の印刷が非常に不鮮明で、これを読むのは頭痛の種です。殆んど見ることができないのですが、一体人数にして課税所得の総額についてどういうふうな配分になつておるのかということを示してもらいたいと思います
#236
○政府委員(平田敬一郎君) 全く前国会でいろいろ御指摘になりました点、私どもできるだけ考えまして取入れたつもりでおるのでございます。所得税の税率等につきましては、一番不合理だと思つておりましたのは五万、八万、十万、十二万、十五万、こういうふうに刻み方が行つている。これは率直に申上げまして財政事情が許さなかつたこういうことをいろいろ説明した。最後にはそういうことを前国会で申上げたつもりでございますやが、この点は本年は財政事情が若干許すようになりましたので、それを真つ先に改めまして八万円と十二万円の刻みを取つたのでございます。今度の税率の改正による減収の大部分はそれから来るのでございます。大体六百億のうち、基礎控除の引上げによりまして百六、七十億は切れましよう。扶養控除の引上げによりまして二百二、三十億、それから税率によりまして百五、六十億、これは私は概数で申上げておるわけでございまして、本年度の補正予算にやは関係ございませんけれども、来年度の本格税制案を出します際に精細に計算いたしまして、十分御審議の資料にいたしたいと思いますが、大体概数を申上げまして御参考にいたしたいと思います。所得税の六百億減ります内訳を申上げますと大体そういうふうになります。これは精算の結果は若干狂いがあるかも知れませんが、大体間違いないと思つております。そういうような状況になつておるのであります。而して税率も八万円と十二万円をちよん切つたことによりまして減る部分がその中の大部分でございます。上のほうもちよつと、ずらしたじやないか、それは、どうも賛成できないというお話でございますが、併しこれはもう少し違つた角度から考えて頂きますと、今日百万円という所得は一体どのくらいの購買力を有する所得であるか。これを考えますと、やごの五十万を百万にしたからといつて、そう森下さんから御非難を受けるほどの問題じやないのじやないか。戦前の貨幣価値に換算いたしますとこれは低い所得でございます。二百分の一にしますと幾らになりますか、五千円の所得に相当する所得の最高税率といたしましては、これは率直に申上げましてまだもう少し上に行つたほうがいいのじやないか、五十五でいいか、それはいろいろ御意見の差はございます。これは率直に申上げまして資本の蓄積を図る必要、それからさつきお話のように成るべく高い税率ということでございますと、結局納税者が申告をしない。税務署もよく調べましても税法通り徴税する、だけの勇気が出て来ない。こういうような事情もございますから、今の段階といたしましては、私はやはり五十五ぐらいでやつて見てよかつたと思つておりますが、ただ所得階層から申しまして五十万円を百万円にずらしたということは、それほど歳入に及ぼす影響もございませんし、御非難を受けるほどの問題ではない。むしろ税率の改正におきまして大部分というものが八万円、十二万円の階級を取つちやつた、そうして筋と順次税率を上のほうにずらして行つたというのが率直な改正の案でございます。そうしまして中の二十万円前後の課税所得の限界税率をどうするか。この点若干率直に申上げまして、今申しましたように必ずしも理想でないとは思いますが、先ずこの辺まで行きますれば相当な税率になるんじやないかという感じでございます。併しこれは勿論先ほどもお話がやございましたように、所得税につきましてはまだまだ相当やはり重いのでございまして、やはり財政事情の許す限り減税を図つたほうがいいんじやないかと考えておりまやすが、来年度財政計画等と関連しまして、大体の見通しの下にやりまする案としましては先ずこの辺じやないか。併し本格的な改正案をいずれこの次の国会に提案いたしますので、その際にいずれ詳細な資料を提示いたしまして、更に御説明いたしたいと思いますが、或る程度そういうことを頭に入れまして暫定措置を御審議願いたいということを附け加えて置きます。
#237
○森下政一君 今来年度年間を通じて、概算ではあるが、所得税のこの通りのものを履行するというと、基礎控除において百五、六十億、扶養控除において二百二、三十億、税率を動かすことによつて百五、六十億と言われるのですが、そのほか何でしようか。
#238
○政府委員(平田敬一郎君) 概数で申上げておりますが、そのほかに若干控除の改正をやるかやらないか研究いたしておりますのが若干ございます。殆んど大部分基礎控除と扶養控除と税率です。
#239
○森下政一君 それで税率の中で五十万円以上を五%落したということによる減収はどれくらいになつておるのですか。
#240
○政府委員(平田敬一郎君) これは今ちよつと正確に計算したものはございませんが、必要でしたらちよつと時間をお與え願いますれば見当をつげて申上げますが、大きな額ではございません。
#241
○森下政一君 それからもう一つ伺いますが、今上のほうの百万円あたりの所得を戦前のものに換算して見ると大したものじやないというお話がありましたが、それと同じ観念で下のほうへして行くならば、下のほうは本当に微微たる收入である。これは戦前に換算して行けばそういうことになると思いますが、そこで五万円以下の金額が百分の二十から出発しておるわけです。これは百分の十とか、或いは百分の五ぐらいで出発するわけには行かんものですか。
#242
○政府委員(平田敬一郎君) これは五万円以下の税率は、五万円というところに実は意味があるのでございまして、控除した残りの所得金額でございます。これは例えば今度の改正案によりますと、五人世帯ですと、子供が三人ありますと今の控除は年額七万一千七百六十五円、改正案によりますと八万八千二百三十六円、こういう控除になります。奥さんと子供三人ですと、これはお手許にお配りしました要綱のうしろにたしかくつつけてあると思いますが、一番最後の表のところですが、税制改革要綱とございますね。そのうしろの最後の表の下のほうにたしかくつつけてあります。
#243
○森下政一君 課税の最低限が書いてありますね。この軽減額ではないのですか。
#244
○政府委員(平田敬一郎君) たしかくつつけて置いたと思いますが、子供三人の場合でございますと、現在は勤労所得の場合は八万五千八百八十三円、非課税になるというのはこれだけ控除することになるのです。
#245
○木内四郎君 子供三人ですか。
#246
○政府委員(平田敬一郎君) 三人でございます。奥さんと子供三人、つまり五人世帯です。それが今度十万五千八百八十三円になります。だから五人世帯ですと勤労所得十万までかからなくて、十万円までかからないと同時に、その代り所得額より低いのであります。例えば十一万の所得でございますと、課税や所得は五千円ぐらいになる。こういうわけでございます。
#247
○森下政一君 子供二人のときは幾らになりますか。
#248
○政府委員(平田敬一郎君) 子供二人のときは七万一千七百六十五円が八万八千二百三十六円になる。独身者の場合現在では二万九千四百十二円ですが、改正案によりますと三万五千二百九十五円。
#249
○森下政一君 子供三人のときは現行法で行くと。
#250
○政府委員(平田敬一郎君) 八万五千八百八十三円です。ですから課税所得五万円以下というものは控除した残りでありますから、税率は二〇%といつて非常に高いようですけれども、税額というものは実は非常に低いのです。私はこれは五万円をもつと上にずらして、例えば最初十万円といつたようにしますと、これは或いは二〇%ではいけない。こういうものは少し無理なところが出て来るであろうかと思いますが、これは今のような控除した残りでありますが、先ず二〇%でも控除と税率を適用して出て来ます税額というものは、そこそこのものが出て来るわけであります。それとからみ合せましてこの税率をきめておるわけであります。これを低い税率にしますと、徒らに小納税者に手数だけかけるということになりますので、先ずその辺の税率でいいのじやないか。問題は今おつしやいましたように五万円を超えまして、更に八万円を超えるとすぐ税率が高くなつて来るので、十万、十二万というふうに累進税率が高くなつて来る。これは何と言いましても一番欠陷ではなかつたかと思いますので、それを修正することを考えた次第でございますことを申上げて置きます。
#251
○森下政一君 それはおつしやる通り五万円以下というのは、控除した後の課税所得と言われましたが、それは了承しますが、それに関して只今御指摘のように夫婦と子供三人では、改正法によると課税の最低限というものは十万五千八百八十三円といわれますが、それよりちよつと上廻つた收入があればかかつて来るわけですね。そうすると月額にして見れば微々たるものでもかかつて来るというように、これはなるのじやないかと思います。
#252
○政府委員(平田敬一郎君) 免税になるかならないかは、お話の通り控除によつてきまりまして、かかる場合は税率が低くてもかかつて来ます。一〇%にいたしましても……、だからいやしくも納税してもらうならば零細な税ではなく、一定額を超えたものは或る程度納めてもらつたらどうかと思います。控除前の所得が十一万円で家族が四人、子供二人の場合、この場合でございますと、勤労控除が少し違いますが、十万五千八百八十三円でこれより少し多くなりますが、その残りにかかりまするが、仮に残りの分が四千円といたしますと、課税所得の四千円の二割でございますから八百円、そういうような税の負担になつて参ります。それから元の所得に対しましては、控除前の所得に対しましては十一万円に対して八百円ということでございますから、これは一%以下の税の負担になる。こういうような関係に相成るのでございます。従いまして課税最低限すれすれのところは、控除します結果二〇%であつても税額は非常に少いということになる。そういう点を併せ考えまして、先ず下のほうは二〇%で置いていいのじやないか。こういう考えでございます。併しもつと低くていいのじやないかという御議論も確かにあると思いますが、やはり納めてもらうということになりますれば、或る程度納めてもらうのが手数になりますので、税率の刻み方としてはこういうのがいいのじやないかというのが、大体の今までの研究の結果そのようになつております。併しなお研究いたして見たいと思います。
#253
○木村禧八郎君 最初に、僕は今まで来られないで後になつて質問して申訳なやいのですが、まとめて御質問したいと思うのですが、今度の税制改革に対する我々の態度をきめるについてお伺いして置きたいのですが、明年度も税制改革を考えておりますですか。
#254
○政府委員(平田敬一郎君) 先般も大臣から本委員会でお答えがございましたが、大体所得税につきましては今度提案しておりますのを年間に延ばして、基礎控除と扶養控除と税率とを来年度もこれで行く、今回提案いたしておりますのは一月から三月までの勤労所得に対する暫定軽減だけを出しております。これを年間に延ばしまして基礎控除三万円、扶養控除一万五千円、税率も大体そういうような税率で所得税をかける、このように考えております。
#255
○木村禧八郎君 今森下君から質問がありましたが、このアメリカとかイギリスの税率ですね、その最低税率は日本より低いのじやないかと思うのですが。
#256
○政府委員(平田敬一郎君) 最低の税率は一〇%ぐらいのところ、一五%ぐらいのところ、いろいろございますが。
#257
○木村禧八郎君 ですから、日本でももつと下げてやいけないということはないと思うのですが、それは意見になりますから別として、最近階層別国民所得の、これは大蔵省から出たわけなんですが、これは我々資料も頂いたわけですが、二十三年度、二十四年度の……。ところが今度のシヤウプ税制改革は平田さんも御存じのようにあのシヤウプ方式に大体則つてやつた二十三年度の所得が大体基礎になる。それで我々は頂いた資料で二十三年度の所得にいろんな指数を掛けて割出して、それで階層別国民所得を推定して税率をきめたわけですね。ところが実際に頂いた二十三年度及び二十四年度の階層別国民所得を見ますと、シヤウプさんの予定したことと非常に違うのですね、大分違うのです。そこで我々シヤウプさんの想定した階層別国民所得を基にしてきめた税率というものが問題になつて来ると思うのです。これは例えば五万円以下の、これは控除を引いたやつですが、所得がシヤウプさんのあれですと非常に大きくなつている。百万円以上が非常に小さい。こういうことになつておるのですね。ところが実際に照らして二十三年度、二十四年度のあれによりますと、五万円以下の所得は、控除後でありますが、そんなに多くないですね。シヤウプさんの想定したのと非常に違います。そこでそのシヤウプさんの基にして考えた税率というのは考え直さなければいけないのじやないか。あの階層別所得を基礎にして作つた税率である、これはやはり実際の税負担の公正というところから行くと、これは公正じやないのじやないかと思うのですが、その点はどうなんですか。
#258
○政府委員(平田敬一郎君) 今のお話は所得の階層別調であると思いますが、たしか木村委員の御要求がありまして差上げましたのは二十三年度、二十四年度申告所得税の統計がやつと整備いたしまして、それに基きまして税額等の推定計算もできましたので、その資料を差上げたわけでございます。本当はもう一つ勤労所得税の階層別を調べることやが必要なのであります。ところでこの勤労者所得の階層別調ということはなかなかむずかしいのでありまして、全会社から出させるということは大変なことでありまするので、サンプル調査をやりまして、それで推計というような方法をいたしておりますが、これはなかなかむずかしい問題でございますので、簡單に正確なものは出て来ない。併し私どもは大体次の国会にはその資料をお出しすべく目下一生懸命作らしております。どうしても或る程度サンプル調査に基いて推計調査をやるよりほかない。去年出しましたのも勤労所得の推計をいたしましたのを二緒に出したわけであります。併しこの申告所得税を取り過ぎたというお話のような点もありますが、勤労所得になりますと、課税所得五万、十万、十五万、特に五万以上十万程度のところが相当実は多い。これは営業所得よりもより以上多いのであります。その辺のところもありまして、お話のような点が若干あつたかと思いますが、税率は私どもそういうことも一応元にしておりますけれども、勿論そういう点も併せ判断いなしまして、常に正しい税率を作ることに勉強いたしているわけであります。率直に申しまして、昨年の税率は余りよくない。殊に先ほど申しましたように八方、十二万あたりの降級を設けるということは、如何にもどうも税率といたしまして適当を欠くのではないかということを痛感いたしましたので、今回は財源が許しましたから、その辺を修正いたしまして、税率を作つたような次第でございます。今度の税率で御指摘の点はよほどよくなると思いますが、なお併しこれはお話のような点も考慮いたしまして、さつき申上げましたように将来研究の余地は確かにあろうかと思います。
#259
○木村禧八郎君 しよつちゆう論争になるのですが、平田さんも御存じの通り、その百万円以上の高額所得のほうの推定ですね。あれは都留さんなんかも調べて来ているのですが、非常に問題だと思うのです。この間主税局長から伺いますと今度の申告所得者の賦課額、決定額、あれをうんと落す。落して勤労所得のほうは自然増収で見込む。こういうことになつているが、その基礎は最初のンヤウプ方式をやつた形式やが杜撰であつたために、実際の所得を調べて見たらそうでなかつたので、実際所得に基いて今度計算し直したのですね。その結果としてこの落すほうが出て来る。こういうことだと思うのですが、併しそれはまあ今言つても追つ付かないかも知れませんが、今までシヤウプ方式で税率をきめて、そうして納めた人にり対してはこれは非常な不公平なことになるの、ですね。納めてしまつた人にとつては……。
 それからもう一つお伺いしたいのは、十月十二日の時事新報に載つておりましたが、滞納税の切捨の問題です。こういうふうに載つておる。「本年度申告所得税予算額一千五百三億円を二百五十億円おとして一千二百五十億円とし、六百六十億円の滞納整理も三百億円程度で一応打切るとの方針をきめた模様である。この結果租税收入予算総額を確保するため、一、予算額九百八十三億円の源泉徴収分所得税の増収を見込み、一千百億円とする、一、法人税三百八十六億円も増収が確実なので六百億円とする、一、再評価額は反対に予算額百五十九億円に達しないと見られるので七十一億円おとす。こういうことが出ておるのですね。そこで伺いたい。こういうことを実際やるのですか、その点お伺いしたい。
#260
○政府委員(平田敬一郎君) 最初の問題を先ずお答えいたしますが、これは私は今のお話がどういう趣旨かよく呑み込めないのでございますが、税率といたしましては所得の大体推計をいたし、更にどの程度の收入を期待するといつたようなことも考えまして、そのときの財政需要と睨み合してでき得る限り妥当な税率をきめるということにいたしておるわけであります。本年度の、三十五年度の改正で行いました所得税に相当期待を多くしたために、税率等も勢い下のほうから上げざるをや得なかつた。こういうふうに申上げておるわけでありますが、これは来年度相当見通しがつきましたので、その辺は今回修正する。そうしまして全体としましては、併し今年は皆一律にその税率ですべての人が負担を受けているわけでございますから、今年として特に著しく所得間に不公平があるというような点は、今の御議論からは出て来ないのではないか。問題はそういうところにあるのではなくて、常に申しますように所得の的確把握が一体でき得るかどうかということが問題だと私は思うのであります。そういう問題からいたしますと、これはなかやて、問題が多いということは議論し盡されている通りでありまして、然るが故に大蔵省におきましては、調査官制度を設けまして、大所得者に対して実額調査を決定する。二十五年度からも百万円以上の個人の所得につきましては調査官が全部インベストゲートをやりまして、それ更正決定をいたしたわけであります。それを八十万円程度に差当り引下げよう。将来はもう少し下げるかどうかという問題がございますが、そうして成るべく大所得者につきましては所得を的確に把握する。これをやつて行こう。これができなければお話の通り公平にならぬというのは御指摘の通りでございまして、それを正確にやるべく今努力いたしておるわけであります。従いましてそういう意味でございますれば確かに御意見の点は当つていると思います。それは結局運用によりましてこ極力改善を図つて行く。税制の上におきましても、そういう無理な税率を設けまして或る人は納める、或る人は納めないというようなことがないように、五五%程度でとめるという一種の勇断も実は加えまして、実際上の負担が不全中にならぬように税制の上におきまして、運用の面におきまして改善を図る考えで進んでおるのでございます。その点都留さんのお話も要約するとそういうことに帰一するのではないかと、こう考えます。
 それからもう一つ、後ほど御指摘になりました問題は何か結論というか方針をやきめてかかつているというような見方でございますが、これは私どもといたしましては決してそんなことを事前に断定しているわけではございません。滞納につきましては、できるだけベストの方法を盡しまして徴収をする。徒らに納めにくい所に行政処分をやりまして結局納まらんといつたような態度は避けまして、納税者の実状をよく調べまして、実態に即応してできるだけ徴税を図つて行く。こういう方向で目下鋭意努力しておるわけであります。そうして昨年から六百何十億繰越しましたが、そのうち二百七十億円程度今年入るだろう。これは見込であります。もつと入るかも知れません。或いはそこまで行かんかも知れませんが、先ず今の情勢ではその程度入るだろうという見込で、見積りとしてはいいだろうというので三百七十億円過年度分の予算を計上いたしております。今年の分につきましては歳入予算の性質に鑑み、この額を出しておりますように、今年の七月の予定申告に現われました所得を元にしまして、それから本年はこれは前年の所得を大体基本にしておりますから、今年の所得がどのように動いて行くか。農業、営業その他に分かちまして指数を出して、それで総所得金額を算定しまして、それに新税法を当てはめますと、幾らの税額になるか計算しますと、約一千百五十億円になるのであります。そのうち七五%、二割五分程度はどうしても年度末の関係もございまして翌年度に繰越さざるを得ぬだろう。これは滞納があるわけであります。そういうような見積りをしまして、結局申告所得税の見積りをいたしておるわけでございます。今お話のような記事は少し主客顛倒いたしておると思います。そういうつもりで頭からつかかつてやつているわけではございません。それぞれ滞納分につきましては、今申しました趣旨で極力徴収する。本年度分につきましては、所得の査定はできるだけ実査を多くして、個々の納税者の実質所得をつかむことに努力しまして、一方において申告をよくし、調査を徹底しまして、適切を図る方針であります。そのような方針でできるだけ勉強するとしますれば、今見積つておりますような所得税の見積りになるようでございましたら、今のお話になりました記事は、何かわかり易く書いてあるのではないかと思いますが、少しどうも私どもの発表するものではないということを御了承願いたいと思います。
#261
○木村禧八郎君 ちよつと、いろいろ重大な法案を持つておりますし、党において相談する事項もありますので、大分長時間に亘つて質疑しておりますから、一時この辺で休憩されて、七時頃から再開されては如何ですか。
#262
○委員長(小串清一君) 只今から休憩することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#263
○委員長(小串清一君) じやそれまで休憩をいたします。
   午後四時三十三分休憩
   ―――――・―――――
   午後七時十二分開会
#264
○委員長(小串清一君) 休憩前に引続きまして委員会を開会いたします。
#265
○政府委員(平田敬一郎君) 先ほどの御説明に若干不正確な点がございましたので、その後調べました正確なところをお答えいたしたいと思います。と申しますのは、外国の所得税の最低税率がどうなつておるかというお尋ねでございましたが、イギリスでは課税所得の最初の五十ポンドまで一二・五%になつております。それからアメリカは最初の二千ポンドまで二〇%、これが最低税率でございまして、これは最近までたしか一六%くらいだと思いますが、今度の動乱が起きましてから、所得税を増税しまして、三〇%、これは前の税率に引き戻しておるようでございます。
#266
○大矢半次郎君 私はこの所得税の收入の見積りについて伺いたいのです。配付を受けました資料によりますと、当初予算の源泉の所得税は九百八十三億でありまするが、最近の見積りによりますと、千二百三十九億となつております。申告所得税のほうは、当初の予算は千五百三億、最近の見積りは千百七十一億となつております。当初予算におきましては、両者の開きは五百億内外でありまするが、最近においては殆んど同額、むしろ申告所得税のほうが少くなつております。これは勿論当初の予算は、昭和二十三年度の実績を基礎にして、計算したのであるし、最近のは、本年度の最近までの実績を基礎として計算したのでありまするからして、或る程度の差の生ずることは当然だと思われますが、併しそれにしても、余りに開きが多いのでありまして、或いは当初予算の見積りの際に何か適当でない資料によつて計算されておるのであるか、或いは又本年度の経済界の特殊事情によつてこういうことが起つて来ておるのであるか、その点の御説明を願いたいと思います。なお明年度以降も大体源泉所得税と申告所得税とは、こんなふうな最近の見積りと同じような状況になつているかどうか、その見通しについても伺いたいと存じます。
#267
○政府委員(平田敬一郎君) 所得税につきましては、只今御指摘の通り、今回修正いたすことにいたしたわけでございまするが、勤労所得税が相当殖えておりますのは、主として当初予算は、昨年の九月水準で横ばいという前提で税の見積りをいたして見たのであります。ところがそれに対しまして、最近は一面におきましては、電産の賃銀は、先般も申上げましたように、一七%増加しております。併しそれを元にしたわけでございませんで、今度の見積りは、すべて最近までの更正課税実績を元にして、それを直接引き延ばしておるわけであります。従いまして最近までの賃金の増加による分が出て参りまして、このような結果になつたと見ておるのでございます。従いましてこの勤労所得税に関する限りにおきましては、自然増二百五十六億、これは私ども今の見方としまして決して過大ではなかろう、むしろ賞與等を最近更に会社等で出すとなりますと、或いはこれに十分達するのじやなかろうかと考えておるのでございまして、そういうものがすべて自然増の原因かと思います。それから申告所得税は、これに反しまして相当減になつておりますが、これは今大矢委員からも御指摘がありました通り、当初予算は、二十三年度の当初決定、それを元にしまして昨年の、これもやはり九月前後の水準の生産、物価等の指数をそれぞれ乗じまして今年の見積はいたして見たわけであります。ただ今年は非常に税法を根本的に変えましたので、若干見方に問題があつた点もあるようでございますが、一番大きな原因は、今回は二十四年分の当初決定にあらずして、予定申告に現われました二十四年分の最終決定と申しますか、審査その他で減額されたものが元になつております。それを元にいたしまして指数で伸ばして見たわけであります。そういたしました結果、実は相当の差が出て来ておることになつております。それでそれは一番大きな差が出て来ました理由だと思つておりますが、更にその元を辿りますと、一つは法人なりが相当多くて、それによる減が相当最近多いようでございます。それからもう一つは、これは見積りの問題になつて来るのでございますが、合算制度の廃止によりまして、申告所得税は少し私ども最初見積つたよりも余計に減つたようでございます。これは確かに見積りの仕方が、二十五年の最初の見積りが過大であつたかと思うのであります。率直に申しまして、そういう点があれしまして、結局本年度といたしましては、この程度の收入を見込むということに相成つたわけでございまして、これでも、なお当年度分收入七五%という予定をしておるわけでございまして、七五%入るかどうか大分議論がございますが、まあ私どもといたしましては、今のところ前年と同様に見込むのが妥当じやないかというので、この徴収率を予定して出しておるわけであります。まあ従いましてこれは、私はやはり今度のほうがやはりいいのじやないかというふうに考えるのであります。来年度におきましては、賃金の増加と生産物価の上昇によりまする申告所得の増加、その辺にこれが若干出て来るかと思いますが、その差ぐらいは更に又違つた関係に相成るかと思います。が、大体におきましては、むしろ本年度の当初予算よりも今度の補正予算に近い両者の関係に相成るのではないかと思つておりますが、目下その正確な計算をいたしておりますので、精密には申上げかねますが、傾向といたしましては、今度の補正予算のほうに近いようなことになるのだろう。このような見通しを立てておるのでございます。極く大局的に申上げますと、勤労所得は、二十四年分までは二割五分控除しておりましたが、一割五分の控除にいたして、これが勤労所得が申告所得に比べまして、二十四年度までの課税実績に比べますと変つたところの理由のようでございます。いま一つは、今申上げましたように、大分会社になつたのが多くて、結局法人の所得と会社の所得、今までの個人の平均所得が低かつた、これが相当の額に達するようでありまして、先ず今の実状から申しますと、やはりこのような姿を画くというのがあるべき傾向ではなかろうかと考えておる次第でございます。
#268
○大矢半次郎君 次に法人税の歳入見積りでありまするが、これはガリ版で配られた資料に詳しく出ておりますけれども、ちよつと納得しがたい点があるような気がいたします。これは本年の四月から十月までの收入実績を基礎として、それが一年間に対する。パーセンテージは、むしろ前年度よりも幾らか増しておるようにいたしておるのでありますが、昨日大蔵大臣からの説明によりましても、本年度の下半期の各会社の業績が非常によくなつておる。こういうことでありますから、これはむしろ逆、に今後の收入をもう少し多く見積るべきじやなかろうかという気がいたしますが、その点はどんなものですか。
#269
○政府委員(平田敬一郎君) その点は十月までの收入実績をとつて参つておるわけでございまして、従いましてその実績の中には最近の情勢が若干は考慮に入つておりますが、フルには入つていない。こういう見方はお話の通りだろうと思います。ただ最近の状況を見ておりますと、今年の上期の状況からいたしまして、昨年に比べますと、申告の成績が実は非常によくなつております。昨年は大分更正決定の分が多くて、而も下半期に相当更正決定で法人税の收入を上げておるような状況がございますので、そういう関係を考慮しますと、むしろ昨年よりも今年は下平期の入り方は、その割合から行つたら少いじやないか、そういう点を考慮しまして、若干下平期の分を訂正いたしたのであります。でございますが、大体これは十月分までの実績を元にしておりますので、その後の分を勇敢に織込むということはいたしていない。かような意味におきまして、大矢委員のお話のような点は若干あろうかと思いまするが、今申しました申告と更正決定の昨年の状況等から照らし合せまして、先ずこの予算を作ります場合におきましては、そういう見積りをするほうが妥当ではないか、このように考えたわけでございます。
#270
○大矢半次郎君 次に減価償却のことについてお尋ねいたしたいのでありまするが、減価償却につきましては、先般固定資産の再評価をいたし、又償却方法も明定いたしまして、問題の大部分は解決せられておりまするが、ただ一つ重要なことは、耐用年数の改訂はまだ行われていないのであります。私どもこの夏地方に出た場合におきまして、これらについて大分要望が強いものがありました。織物業者の関係、殊に化学工業方面におきましては、是非速かに改訂して欲しいという要望がございました。これについては政府においても相当調査研究せられておるように伺つておりますが、最近の情勢、又いつ頃改訂せられる見込であるか、それを伺いたい。
#271
○政府委員(平田敬一郎君) 償却の問題につきましては、今お話のございましたように、再評価をやることによりまして、相当償却は殖えるようでございます。今までの償却によりまして、恐らく五、六倍ぐらいの償却が経費として差引くことになる見込でございますが、お指摘の点、耐用年数の問題が未解決の問題として残つております。今、この耐用年数の問題につきましては、大きく申上げますと、年数自体をどう定めるかという問題と、それからもう一つは、陳腐化等による特別償却も認めるかどうかという問題と、それから今耐用年数を適用します場合におきましては、資産の残存価格を一割と一律に押えておるのでございますが、この一律で行くか、特例を設けるか。かような問題につきまして、目下全面的に再検討を加えておるのでございます。そうしまして、考え方といたしましては、耐用年数につきましては、化学工業その他、やはり最近の事態に応じて短かくするものは短かくする。ただ一律に幾ら短かくするという方法をとらないで、飽くまでも最近の企業の実態に即しまして、できる限り償却によつて社内留保を殖やすということは、緊要な問題と考えますので、そういう頭で年限を全面的に再検討したい。各団体の資料も大分集つて参りまして、目下大蔵省・主税局におきまして、専門家に検討さしておるわけでございます。
 それから陳腐化による特別償却も、終戦後の非常に間に合せ的な設備が相当多いようでありまして、こういうものはやはり速かに取換えましてや能率のいいものにする必要があるじやないか、そういう余地を運用で、なかなかむずかしいのですが、一般の年限のほかに、そういう特別償却を設ける方法、これは併し技術的にむずかしいのですが、考えて見たい。
 アメリカ等では相当やつておるようでございますが、実は聞いて見ますと、なかなかむずかしいらしいです。でございまするが、やはり日本の産業の近代化と申しますか、設備改善を図る上におきましてはそういうことを図る必要があるじやないか。そういう点も目下研究いたしております。できますならば、来年四月以後終了する事業年度の分から全面的に改訂案が適用になるように成案を進めたいということで目下勉強いたしておりますが、耐用年数は御承知の通り非常に技術的にもむずかしい問題でやございまして、十分私どもも検討に検討を加えました上で適当なものを作るようにいたしたい。かように考えております。
#272
○油井賢太郎君 一点だけお伺いして置きたいのですが、控除に扶養控除とか、或いは基礎控除というものがありますけれども、この所得に対するところの率ですね。これは終戰後、或いは戰前と比べてどんな程度になつておるか。率がおわかりだつたら、額はわかるのですけれども、所得に対する率、それもおわかりだつたうちよつと御説明願います。
#273
○政府委員(平田敬一郎君) お尋ねの趣旨がちよつとわかりかねますがどういう点でございますか。
#274
○油井賢太郎君 要するに控除というものは、今度大変控除率を上げたとか何とか言つても、所得という、総体に対するところの率が上つていなければ、これは控除率を上げたということには実際にはならない。そういう見地から、現在の、今度の改正法によつて国見所得との比率から言つて、控除率が幾らになつておるか。それが現在と果して戦前、或いは戦争後の各年と比やへてどんな率になつておるか。これはお調べになつたことはないか。
#275
○政府委員(平田敬一郎君) 戦前におきましては、御承知の通り第三所得税というものがございましたが、これは千三百円の免税点でありまして、基礎控除等は行なつていなかつたのであります。扶養家族につきましては、たしか二百円でございましたか、一人控除いたしておりましたが、免税点の制度で控除はなかつたのでございます。その代り控除はございませんので、最低税率は非常に低い。だから百分の一%とか、或いはそれ以下だつたと思いますが、そういう低い率で適用いたしておりました。従いましてそれとの比較は免税点やの比較だと思いますがこの千二百円をそのまま物価で延ばしますと、これはえらい額になる。現在二百倍といたしますと、二十四万円、その二十四万円ぐらいのところでさつき申しましたように、平均税率が二割ぐらいになるということでございますが、相当その当時に比べますと、所得税は高いものになつておるのでございます。それから最近のあれから申しますと、むしろ私どもはこのように考えておるのでございますが、二十四年度は御承知の通り、基礎控除は一万五千円、その後、物価水準は先般申上げましたように、二十四年度の平均に比べまして、最近九月の消費者物価指数は、それは一〇〇を下廻つております。たしか九七か八だと思つておりますが、今年の上半期はもう少し低かつたですが、大体物価水準が三十四年と今年と大体同じ、来年も若干上るとしましても、大体同じということを考えますと、基礎控除を三万円にするということは、これは相当私は実質的な引上げになる。物価が上りまして、名目所得が脹らむ場合におきやまして、その名目的に脹らんだやだけ控除を上げるのでは結局元通りということになると存ずるのでございますが、物価が大体安定しておりまして、そこで基礎控除が倍額になるということは控除としましては、相当の実は私は改善になるのではないか、このように実は考えておるのでございますが、なおその辺のところはいろいろ細かく申しまと、なお研究すべき問題があろうと思いますけれども、極く端的に、常識的な問題としてお答えいたしますと、そういう点が一つの判断材料になるのではないかと、かように考えておる次第でありまやす。
  ―――――――――――――
#276
○委員長(小串清一君) ちよつと申上げますが、中小企業信用保健特別会計法案及び日本輸出銀行法案が衆議院から送付になつておりますので、この際ちよつと舟山銀行局長からこの法案について御説明してもらつたら如伺かと思います。そうして質疑に移つたらいいと思いますが、よろしうございましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#277
○委員長(小串清一君) それでは舟山銀行局長。
#278
○政府委員(舟山正吉君) 日本輸出銀行法案につきましてや要点を御説明申上げたいと存じます。
 この輸出長期金融機関の構想につきましては、この度以来いろいろ案が考えられまして、その他、考え方にも幾変転があつたわけでございまして、最近やつとこの形に面まりましたので、提案が遅れましたことは甚だ申訳ないことに思つております。條を追いまして要点を申上げて見たいと存じます。
 第一條は輸出銀行設置の趣旨を謳いましたものでありまして、一般の金融機関やが行う輸出金融を補完し、奨励することを目的といたしております。これは現在民間の銀行が輸出金融を行うに当りまして、いわゆるプラント等の、長期金融を要しますやるものにつきましては、必ずしも市中銀行だけの力では十分にこれを賄うことができまやせんので、かたわらその輸出増進ということやが急務とされております現状に鑑み、市中銀行の行いますこの種の金融を輸出銀行がその機能の足りないところを補つて行くという趣旨を謳つたものでございます。
 第二條は、日本輸出銀行は法人格でございまして、公法上の法人といたします。全額政府出資でありますし、それから総裁、監事の任免は内閣総理大臣やがやります。予算、決算については国会に提出いたしまして審議を受けるのでやございまして、これを公法上の法人といたしたのであります。
 第三條は、事務所、差当つて主たる事務所を東京に置きますが、従たる事務所につきましては今後の推移に応じまして設置やすることにいたしたのであります。
 第四條、資本金は百五十億円といたしまして、政府の一般会計と見返資金から折半で出すのでありますが、そのうち五十億円は二十五年度において、百億円は二十六年度において出資する予定になつております。
 第五條の定款につきましては、特に申上げることもないかと存じます。
 第六條、登記、第七條は名称の使用制限、これにつきましても特に申上げることはないかと存じます。
 第八條の解散、日本輸出銀行の解散についてはそのときに法律で以て詳細に定めるということになつております。それから第二項は、日本輸出銀行が解散した場合におきましてはその残余財産は第四條第一項の規定にありますように、一般会計と見返資金から出資しているのでありますが、その出資の割合に応じましてそれぞれ一般会計及び特別会計に帰属せしめるという旨を謳つております。
 第九條につきましては特に申上げることもないかと存じます。
 第二章、役員及び職員。第十條に、この銀行には役員として総裁一人、専務理事一人、理事三人以内及び監事二人以内を置く旨を謳つております。
 第十一條につきましては、特に申上げることはないかと存じます。
 第十二條の役員の任命につきましては、総裁及び監事は、内閣総理大臣が任命いたすのでございまして、専務理事及び理事は総裁が任命いたします。
 第十三條、役員の任期につきましては四年でありますやが、当初任命にかかりますものにつきましては、この平理事三人のうち二人が二年、監事二人のうち一人が二年といたしまして、この任期が重やなり合つて行くことになつて参るのでやございます。このことは附則に語つてございます。
 第十四條は代表権の制限、第十五條は代理人の選任、第十六條は職員の任命、特に申上げることはございませんや。
 第十七條、役員及び職員の地位でやございます。この日本輸出銀行は全額政府出資の特殊機関でありまするところから、この銀行の役員及び職員は、或いはこれを国家公務員とすべきであるといつたような意見もあつたのでありますが、人材を採用し、十分に腕を振わしますためにそれをいたしませんで、ただ刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなしまして、公務員とはなつておらないのでございます。
 第三章、業務。ここに日本輸出銀行の業務の範囲を規定しているのでありますが、第十八條で、この三項目で業務の大綱を示しているのであります。第一は、設備(船舶及び車両を含む。)及びこれらの部分品等であつて、本邦で生産されたものを輸出する場合、並びにこれらに伴つて本邦からの技術の提供、例えば機械の据付等の技術、サービスの提供がしやすくいたしますために、この銀竹は本邦の輸出業者又は本邦輸出品製造業者に対しまして資金を貸し付けることが眼目になつております。但し銀行が日本輸出銀行と一緒になりまして、その資金の貸付を受けようとする者に対して資金を融通する場合に限るのであり、且つ資金の借入希望者が銀行を経由いたしまして、この銀行に貸付の申込をするときに限るのであります。このことは言い換えますれば、いわゆる参加融資をする場合に限るのでありまして、且つこの融資資借入申込者から直接にこの銀行が申込を受けないということを謳つているのでございます。いろいろ輸出金融機関についての論議の経過におきまして、債務の負担及び引受もこの銀行の機能に加えることが論議せられましたが、最終案ではこれは省かれているのであります。業務の第二点は、設備等を輸出し、設備及び技術を輸出いたしますために、市中銀行に対しまして、この銀行が、市中銀行が輸出業者又は輸出品製造業者に手形貸付をし、或いは手形の割引をして、それらの手形をこの銀行で再割引をすることが業務であるのであります。それから第三は、例外的の場合になりまするが、本邦から設備等を相手国に輸出いたします際に、当該外国政府、外国の政府機関等に対しましてこの銀行が円資金の貸付をする場合を考えておるのであります。但書に「その貸付を受ける者が、当該貸付を受けることにより当該外国の法令の規定に違背することとなる場合を除く。」とありますのは、先方の国の為替管理法令等に違背してはならない旨を注意した規定であります。第四号に「前各号に附帯する業務」とありますのは、融資後の担保の管理、回収等の業務を考えておるのであります。
 それから第二項に参りまして、以上銀行やの行います資金の貸付又は手形の割引は、銀行が、通常の條件により資金の供給を行うことが困難な場合であつて、且つ、本邦からの設備備等の、こちらから申しまして輸出の契約が現に締結され、或いは締結が確実になつた場合等に限るという趣旨でありまして、これを言い換えますれば、見越し生産等の資金は供給してはいけないということ、それから飽くまでこの銀行は市中銀行の補完作用の範囲に活動が限局せられるということを謳つたものであります。なお参加融資につきまして、案の審議の経過につきましては、この銀行と市中銀行と融資の割合を法律に謳つて見ようかとしたこともあつたのでありますが、これは最終案では削除になりまして、業務方法書に謳うことに相成つております。
 それから第十九條は、銀行の貸付の利率を謳つておるのであります。これを具体的に、年何分以下というような規定をいたすことは避けまして、「輸出銀行の事務や取扱費、業務委託費その他の諸費及び資産の運用損失を償うに足るように、」ということを謳いまして、余り低くなることを避けしめたのであります。資金を借りる業者から申しますれば、低いほうがよろしいのでありますが、これは一種の輸出奨励の方策ともなるという疑いを持たれることを避けますために、一方においてこうやいう規定を設けたのであります。なお後段にありますように、市中「銀行の貸付利率及び手形の割引歩合を勘案して定める」といたしまして、必ずしも市中金利と同率でなければならんということは、これを緩めた次第でやございます。実際問題といたしましては業務方法書等に更に一段と具体的な基準を掲げることにつ相成るかと考えております。
 それから次の項は、貸付利率は相手方によつて非常に不公平があつてはいけない、同じ種類の貸付に対しては同一の金利でなければならないという趣旨を謳つたものでございます。
 それから第二十條は、貸付金の償還期限及び割引に係る手形の支拂期限を定めたのでございます。第一項に六カ月以上、三年以内ということにいたしております。六カ月を超えるといたしましたのは、六カ月以内のものにつきましては、普通の貿手の再割で賄える短期輸出金融であるという思想であります。それから三年に抑えましたことはこれまでのプラントものの輸出は大体三年以内のものが多いようでありますので、一応ここで抑えたのでありますが、次の項におきましてなお例外的の場合には、三年を超え五年以内のものとすることができるというふうに例外を設けたのでございます。それが余りにこの期間を長くいたして置きますと、契約のときに支拂條件につきまして不利なことが出て参るのを防止する意図に出たものであります。
 それから二十一條は、この銀行の業務を営みます業務の期間を定めたものでありまして、設立の日から五年までは資金の貸付、又は手形の割引をすることができる。それでその後のことは又別途の措置に待つたわけであります。このままやりますると、五年を経過した後は既往の貸付の回収をなすということになるのであります。併しここでは一応五年を以て区切つたということに過ぎないと存じます。
 次に二十二條は、業務方法書、営業の基礎となります諸事項を業務方法書に書かすわけでございます。
 それから二十三條は、この銀行から業務の委託を受けました銀行の委託業務に関しまする役員及び職員の地位を規定したものでございます。
 それから二十四條には、この銀行の業務の性格を念のため謳つたのでございます。「日本輸出銀行は、第一條に掲げる目的にかんがみ、輸出金融について、銀行その他の金融機関と競争してはならない。」といたしてございます。
 第四章は会計、第二十五條は、事業年度を一年といたす現定であります。
 それから第二十六條は、この銀行の收入及び支出の予算は大蔵大臣を経由して、国会の審議を受けるということを謳つたものでございます。この点につきましても、輸出金融機関の事業計画全体について、国会の審議を受けなければならないといつたような考え方もあるわけでありますが、例えば国民金融公庫等については、現在そういうふうになつておるのでありますが、その個々におきましてはただ収支の予算を国会の審議にかけることにして、その他の活動を自由にしたのでございます。
 それから第二十七條は予備費の規定、第二十八條は予算の議決の規定、第二十九條は予算の通知の規定、特に申上げることはございません。
 第二十條は、追加予算及び予算の修正の規定でございます。
 第三十一條は、暫定予算の規定でございまして、大体国の会計の制度に倣つたものであります。
 第三十二條以下は、予算の執行でございまして、三十三條で予算の流用を謳い、それから第三十四條で予備費の使用手続を謳つております。
 第三十五條は、財務諸表の作成について若干の事項を明示しております。事業年度は一年でありますが、財産目録、貸借対照表につきましては、一年を半期ごとに分けまして、これを作成することを明示しております。損益計算書につきましては半期及び事業年度ごとに作成するのでございます。
 第三十六條は決算の規定、第三十七條は決算報告書の規定でございます。
 第三十八條、利益金の処分、これにつきましては、従来輸出銀行の利益金は全額国庫に納付やするという考え方もあつたのでありますが、最終案におきましては、これを準備金として社内に積立てるということに相成りました。「前項の準備金は、損失の補てんに充てる場合を除いては、取りくずしてはならない。」という規定になつております。
 第三十九條は、資金の借入の制限でございまして、日本輸出銀行は日本銀行、市中銀行、預金部等から一切借入をしてはいけない出資の範囲内で業務をするということを明らかにいたしております。
 第四十條は、余裕金の運用でございまして、この運用先と、この運用の方法を限定いたしてあります。
 第四十一條は、会計検査院の検査。
 第五章、監督でございます。第四十二條は、大蔵大臣の専管に属する旨を規定しておりますが、「この法律の定めるところに従い」と規定いたしまして、この法律に謳つておりまする範囲の監督権を行使する。その範囲は限局せられたものであるという趣旨を現わしております。それから第二項に参りますと、大蔵大臣は、報告を徴し、又は検査実施の結果に基きまして業務に関し監督上必要な命令をすることができるということを申しております。おおむね金融機関に対する監督規定の字句と同様でございます。
 第四十三條は役員の解任の規定であります。
 第四十四條は、報告の徴収及び検査の規定でございますが、特に申上げることはございません。
 第六章は罰則でありますがこれ又特に申上げることはございません。
 附則におきまして「この法律は、公布の日から施行する。」旨謳つております。その他は特に申上げることもないかと存じますので、なお御質問によりましてお答え申上げたいと存じます。
#279
○木村禧八郎君 銀行局区長がおいでになる間に、只今の日本輸出銀行法案について簡單に御質問したいのです
#280
○委員長(小串清一君) どうぞ。
#281
○木村禧八郎君 これによりますと、存続期限は五ヵ年ということになるわけでございますね。二十一條の規定ですが……。そういうことに解してよろしうございますか。
#282
○政府委員(舟山正吉君) 貸付期限が五ヵ年かという御質問でございますか。
#283
○木村禧八郎君 そうでなくて、この銀行の存続期間です。
#284
○政府委員(舟山正吉君) この銀行の存続期間には期限はございません。解散の場合には別途法令を以てきめるということになつております。ただこの銀行の貸出の業務は五年を以て一応これを停止するという趣旨が謳つてあるわけであります。
#285
○木村禧八郎君 そうしますと、この輸出銀行法案の狙いは相当長期の金融なんでございますね。そうしますと、この非常に長期の金融ですと、五年たつたら貸し付けちやいけない。回収の段階に入る。そうすると復金みたいのが又できる。こういうふうにもまあ解釈できるのですが、それが非常に長期の金融機関であるだけに、業務が五カ年間ということになると、非常にそこに不自然なように思いますが、その点はどういうわけでございますか。
#286
○政府委員(舟山正吉君) それはこういう輸出銀行の方式で長期輸出金融を補完して行く、奨励して行くということが果していつまで続くのであるか。将来の見通しはなかなか困難でもございますし、又その点はこの銀行の出資金と関連いたしますわけでございます。そこで一応五年というめどを立てまして、それまでこの貸付をするという規定を謳つたに過ぎないのでございます。
#287
○木村禧八郎君 一応こういう規定を設けたに過ぎないという、馬鹿に簡單に言われておりますけれども、併し最初から政府はそういうお考えだつたのですか。
#288
○政府委員(舟山正吉君) 只今申上げましたように、将来無限に恒久にこういう制度を続けて行くかどうかということにつきましては、まだ見当も見通しも立ちませんので、五年程度を一区切りにしたらいいかという意味であります。
#289
○木村禧八郎君 無限にとかいうと何ですね、少しおかしいですね、物ごと何でも常識で考えてもそういうことはあり得ないのですけれども、私が御質問しておるのは、政府が最初から五年というもので、これをお作りになつたということでは、趣旨に合わないと思うのです。最初からこういうことでお考えになつたのですか。
#290
○政府委員(舟山正吉君) これはいろいろ審議して参りました結果、最後にここに落ちついたわけでやございます。
#291
○木村禧八郎君 これは実際どうしても最初はそうでなかつたように聞いておつたのですがどうもこれは意外に思つておるのですが、その点実際のお話を……、速記をとめて頂きたい。
#292
○委員長(小串清一君) 速記をとめて下さい
   〔速記中止〕
#293
○委員長(小串清一君) 速記を始めて。
#294
○木村禧八郎君 それから局長に伺つたのでは無理かも知れませんが、これは一つのいい例と思いますが、日本経済新聞が、ドツジさんはプランを作りに来たのだ、こういうことを言つておるのです。大体池田さんとドツジさんとの懇談できまつたことが我々は実行に移されると思つておつたところが、今度は折衝過程において変つて来るというのは表面はおかしいですが、一応それで解決ついたと思うのが、折衝過程で段々非常に制約を受ける。或いは又困難になつてしまう。その点は我々はよく理解しがたいのですけれども、これは一つのいい例ですが、ドツジさんとの会談の結論は必ずしもコンクリートではない。こういうふうに見ていいんですか。
#295
○政府委員(舟山正吉君) 大きな点を示されましても細目に亘りまして、特に法文の形にいたします際にはいろいろ細かい問題が出て参りますので、或る程度止むを得ないことだと思つております。
#296
○木村禧八郎君 只今細目の問題と言われますけれども、私はこの存続期限を五ヵ年と切られた。同じような実質的には形になると思いますが、こういう形では最初の政府の趣旨に合わないのじやないですか。
#297
○政府委員(舟山正吉君) 率直に申しますと、まあ輸出を増進せしめますことも、客観情勢によつて非常に影響があるわけでありまして、又三年先、五年先の情勢というものも的確に予想がつかないわけであります。従つて五年というところで一区切りつけるということは、この制度をスタートし、又実行して行く上に大した支障にはならないと思います。五年たちまして、その次には又その次の方策がとれると考えまして、こういう考え方を採用したわけであります。
#298
○木村禧八郎君 私は非常に長期金融機関であるということを、例えばプラント輸出や何か非常に長期的な金融であるということを聞いておるのですやが、それの期間が大体五ヵ年で、それからあと回収段階に入る。そうすると返し切れないものができるというやことになると、これは非常に困ると思うのですが、これはどうですか。
#299
○政府委員(舟山正吉君) 念のために申上げるのでございますが、個々の貸付期限というものは、原則としてあるのでございまして、例外の場合五年であります。そういう業務を今後五年間営むことができるということでありまして、五年たちますと今度は既往の貸付の管理、回収だけをするということであります。それでありますから、今から見て五年たてば回収される債権ばかりになるというわけではないのであります。
#300
○木村禧八郎君 最後に、期限的に貸したのはあと五年間ですね。それからもう一つ伺いたいのですが、役員にはこれはまあ俸給はどのくらいでどこできめるのか、それをお伺いしたいのです。
#301
○政府委員(舟山正吉君) この銀行の役員につきましては、国家公務員の規定から外しましたこともその同じ精神から出ておるのでありますから、有能な士を多数招聘いたしまして、政府の掣肘をできるだけ外しまして、それらの人々の判断によつて活動して頂くということで、そこで総裁は年俸百二十万円、専務理事は百万円、理事及び幹事は八十万円以内ということになつておりまして、補正予算に計上してあります。
#302
○木村禧八郎君 日銀総裁はどのくらいですか。
#303
○政府委員(舟山正吉君) 年俸百二十万円です。
#304
○木村禧八郎君 同じですか。
#305
○政府委員(舟山正吉君) さようでございます。
#306
○油井賢太郎君 この法案は、まあ国会を通ればすぐ実施することになつておるので、恐らく局長のほうではこれに対するところの何といいますか、事業計画なんかできておると思うのですが、どんな程度にやつておりますか。資料をお持ちですか。
#307
○政府委員(舟山正吉君) これは先ほども一言申上げましたが、大体この銀行がイニシヤチブをとりまして、これこれのプラントの輸出には金融をするという建前をとらないのであります。市中銀行が長期資金を貸したいけれども、非常な困難を感じておるような場合に、短期融資だとか、或いはその銀行の手形をこの銀行へ鞘寄せするという形で保持し、保管するという立場に立つわけでございます。それでありますから特にこの輸出銀行がこれこれのことをしなければならんという事業計画は持つておらないのであります。
#308
○油井賢太郎君 これはあれですか。第十八條の目的ということはどういう事業にどれだけのパーセンテージで行きたいとか、政府としての希望なり、意見というものは別にないのですか。
#309
○政府委員(舟山正吉君) 十八條には融資の方法が規定されてあるのでありまして、例えばプラントの收入によりまして何やに幾ら融資しなければならんというようなことは、初めから考えておらないのであります。
#310
○油井賢太郎君 そこでこの法案をお出しになる動機ですね、今までこういう業務がなかつたために、日本の輸出が非常に満足でない状態にあつたというその状況ですね、それは銀行局長としてどの程度にお考えになつておりますか。
#311
○政府委員(舟山正吉君) こういう制度がありませんでも、民間銀行の力によりまして、或る程度のプラントものの輸出は実行されて来ております。併し民間の声といたしましてどうもこの市中銀行だけではこの種の金融は背負い切れない、国家機関の援助が要るということが言われまして、この銀行の誕生となつたわけでございます。
#312
○木村禧八郎君 この政府出資でございますね、これは年度内に全部使われるのですか。
#313
○政府委員(舟山正吉君) 差当つて五十億出資いたしますが、三月までに使う見込でございます。現在通産省の調べによりまして、すでに契約ができておるもので、三月までに資金として受出すのは二十二億円であります。それから今後成立する見込を持つておりますものが十五億六千万でございます。合計三十七億六千万でございますが、こういう輸出銀行ができますれば、これを利用するという見込のものも相当額に達しておる次第でございます。
#314
○木村禧八郎君 そうしますと三十七億六千万円、このほかに多少又加えるとして、十億ぐらいは余裕が残らないのですか。十億ぐらいは……。
#315
○政府委員(舟山正吉君) これが動き出しますれば、非常に資金の需要が多いので残らないと思います。
#316
○木村禧八郎君 十億は残らなくても七、八億くらい残るようなことをちよつと聞いたのですが、本当に残らないのですか。
#317
○政府委員(舟山正吉君) 四、五億程度は或いは繰越しになるかも知れませんけれども、全部使い切るつもりで予算を組んでおります。
#318
○木村禧八郎君 それじや若干残り得ると、こういう余裕が多少あると見ていいわけですね。
#319
○政府委員(舟山正吉君) 余裕があるとは考えられせんもう一ぱい一ぱい使うつもりでおります。
#320
○木村禧八郎君 そうしますと、この法案に対する賛否に影響するものですから、一ぱい一ぱいに使うようになつてしまうのとしまわないのと、相当考え方が違うので御質問したのですが、やはりぎりぎりにお使いになるわけですね。
#321
○政府委員(舟山正吉君) そのつもりでおります。
#322
○森下政一君 議事進行について……、どうですか、この今の法案の質問を重ねておりますと、今晩中でも書きることはないと心配するのですが、丁度局長が見えておるのだが、もう一つ……、政府次官の一応の説明を聞いたけれども、中小企業信用保険特別会計法案、これの説明を聞いて……、特にこれは会計法案だけが本委員会に付託されておるが、本体は通産委員会にかかつていると思うけれども、中小企業信用保険法案の内容についても、概念だけは入れておかなければ、この会計法案の審議は私は不便だと思う。今晩その説明を聞いて、それから今晩お互いが議案を熟読して、明日質問を続行するということにならんと、会期は明日一日だから、こんなことをやつていたら盡きないと思います。
#323
○委員長(小串清一君) 私もそのつもりでいるのです。特に主計局長に来てもらつているのですから、中小企業信用保険特別会計法案について、主計局長の説明を聞きたいと思うのであります。
#324
○木内四郎君 今あなたが言われているのだけれども、森下委員の言われたのは、特別会計だけでなくて、本体のほうについて説明を聞いて置こうという意味でしよう。
#325
○委員長(小串清一君) 中小企業信用保険法案、中小企業信用保険特別会計法案を聞くのじやないのですか。ですからそれのつもりで私は……。それじや通商省のほうから説明を願います。
#326
○愛知揆一君 今森下さんからお話がありましたが、一応この保険基金制度の全貌を聞くことは私も賛成でありますが、併し同時に、会期切迫の折柄でもありますから、甚だお互いに迷惑ではありますが、輸出銀行のほうの質疑も今日これでやめるというやとじやなくて、できるだけ一つ聞くようにいたしたいと思います。
#327
○委員長(小串清一君) 通産省と大蔵省のほうから適当に説明してもらいます。先ず本体の中小企業信用保険について御説明を願います。
#328
○政府委員(小笠公韶君) 簡單に中小企業信用保險法の概要を御説明申上げます。
 本法案の目的は、現在中小企業が金融の便益に比較的に乏しくて、金融難に苦しんでいるのでありまするが、その一つの大きな原因は、中小企業自体におきまする信用力と申しまするか、担保力の弱いということであろうと思うのであります。他方更に中小企業向に、その信用力が弱いということから自然と金が流れにくいということになつているわけでありまして、本法案はこの中小企業の持つておりまする信用力の弱さを補強して、できるだけ中小企業に金が流れやすい態勢に持つて行きたいということが、主たる狙いであります。
 更にもう一つの本制度の目的は、中小企業の資金需要は、長期資金と短期資金とに分れるのでありまするが、本制度によつて流れやすくする、信用力を補強しようとする主たる狙いは、長期資金の流れを流れやすくさせるということに狙いを置いているわけであります。
 大体以上のような目的を以ちまして、先ず基金といたしまして、本年度補正予算において五億円、来年度の予算におきまして十億を一般会計から基金として特別会計に繰入れることに相成つているのであります。
 この基金は、この保険制度がいわゆる独立採算と申しまするか、それ自体として保険料で保険金支出を賄つて行くという建前になつているのでありまするが、その運転資金と申しまするか。そういうような趣旨において基金を一般予算からこの特別会計へ持つて行くことに相成つているのであります。この制度は先つず第一に、そういうふうな目的の下にどういうふうな中小企業に対して本制度を適用するかということにつきましては、一応中小企業の定義を、法案の第三條に規定いたしておりまするように、資本金が五百万円未満の会社又は個人、又はいわゆる従業員が二百人未満の会社又は個人というものを対象として主として考えているのであります。これに加えまするに、各種の事業協同組合、即ち中小企業協同組合、農業協同組合、農業協同組合連合会、及び水産組合及びその連合会というものも、中小企業としてこれを考えているわけであります。これらの中小企業に対しまして、一口、一企業者当り三百方円の貸付をした場合に、この制度による保険、の対象になるということにいたしているわけであります。仕組といたしましては、一応別途特別会計がございまして、特別会計がこの一切の経理を賄うのでありまするが、政府といわゆる金融機関……、金融機関は第二條の第一項に規定いたしておりまするように、日本銀行を除いた銀行、それから無盡会社、農林中金、商工組合中央金庫及び信用協同組合を指しているのでありまするが、この金融機関との間において、毎半期ごとにこの金融機関がこの保険をかけて貸付ける総額というものを、額を一応契約いたしまして、そうして一旦その包括的な契約ができますると、金融機関はその範囲内において個々の貸付をやつた場合におきまして、政府に通知することによつて自働的に保険関係が結ばれるというふうにいたしているのであります。この保険によつて、三百万円の貸付金のうち幾らが保険されるかと申しますると、貸付元本の七五%を保険金額といたしているわけでやありまして、保険事故といたしましては、弁済期において支拂の回収未済があるということにいたしているのでありまして、未済が弁済期に至りまして起つた場合に、その未済願の七五%というものをこの特別会計と申しまするか、政府が金融機関に対して支拂うということに相成つているのであります。その際に保険料の問題でありまするが、保険料は本法におきましては、一応年百分の三以内で政令においてこれを定めるということにいたしているわけでありまするが、これを七五%の保険金の額に換算して見ますと、年二分二厘五毛ぐらいに当るかと思うのであります。この保険金を誰が負担するかという問題でありまするが、これは建前といたしましては、借入人に転嫁させることを認めるつもりであるのでありまするやが、これを保険料として転嫁させるということでなしに、金利として高い金利で以て行くことにいたしたいと思つているのであります。これは全部を借入人に負担させるということではなく、或る程度金融機関にも若干の負担を願いたいものと考えているのであります。いずれにいたしましても、これを借入人の金利として転嫁させる。こういうふうな建前をとつているのであります。そうしてこの弁済期の回収未済額に対しまして、未済の事実、保険事故が起りますと、それから六ヵ月の問に金融機関は極力回収に努めて頂くのでありまするが、大ヵ月を経過いたしますれば、保険金の支拂の請求をいたしまして、政府は一カ月の間にそれを支拂うということに相成るのでありまするが、この保険金を支拂いましたあとの場合におきまして、その二五%の分につきましては当該金融機関に委託して極力その回収をするということにいたしておるのでありまして、その際法律的には旧当該銀行の持つておりました一切の権利を政府が代理するということにいたしておるのであります。大体そういうふうな趣旨でこの保険法を考えておるのでありまするが、最後にこの業務を極力簡易且つ迅速にせしめるために、実際に保険契約の通知が銀行のほうから来る。
 その通知の受領とか、保険料の受取であるとか、その他の現場事務を商工中央金庫をしてこれを委託取扱わしめることに相成つておるのであります。この特別会計自身のやる業務の範囲と、商工中金の現場においてやる仕事の範囲は政令を以てこれを定めることにいたしておるわけであります。なお、この制度によりまして毎年貸付ける総額、金融機関が貸付ける金額の総額というものは来年度予算と共に国会の決定を待つことにいたしておるのでありまするが、本年度に限りまして附則第二項によりまして三十六億円ということを限度にいたしまして、この保険制度を実施いたしたいと、こういうふうに考えておるわけであります。大体非常に簡單に申上げましたが、以上のような要旨で法文十二條の簡單な法律でございまするが、趣旨は以上申上げたようなことでございます。
#329
○委員長(小串清一君) ついでに本委員会に付託されました会計法の内容について御説明を願いたい。
#330
○政府委員(河野一之君) 中小企業庁長官が申されました中小企業信用保険のためにこの特別会計を作りまして、いわば技術的なものでございます。即ちこの会計においては、先ず基金に相当する今年度五億円、来年度今、一応予定いたしております十億円の基金を歳入といたします。そのほかに今一番不安定なものといたしまして保険料、この保険料は大体三%ということに相成つております。それから政府が代理いたしました貸付金の債権の回収金、これも歳入になります。その他附属の雑收入が歳入でありまするが、そのほかにこれに対して歳出といたしましては保険金、それから保険料の還付金、或いは事務取扱費というものが歳出と相成ります。又この会計は損益計算上に積立金を置くことになつておりまして、この積立金で損失の補填をいたすことに相成つております。それから剰余金は翌年度に繰越すことになるのでありますが、いわゆる基金に相当するものは、これがその年度において使用せられない場合におきましては、翌年度において剰余金として歳入に入つて行くというような関係に相成るわけであります。その他は大体技術的なことでございまして、特に御説明するまでもないところでございます。
#331
○木内四郎君 ちよつと小笠さんに、よくわからない点を一つ伺つて置きたいのですが、例えば金融機関が百万円貸した。その場合の担保を二十五万円取つておつたら担保物件を処分して二十五万円は回収したが、七十五万円は残つたというときには、国庫の負担はどういうことになりますか。
#332
○政府委員(小笠公韶君) 弁済期に至りまして回収未済になつておる額の七五%ということでありますから今の担保物件の処分をいつやつたかということにもよると思うのでありますけれども、若しも弁済期までに担保物件の処分をやつておつて、弁済期のときに回収未済額が七十五万円ということになります、七十五万円の七五%をこの会計で保険金として出すということになります。
#333
○木内四郎君 そうすると、この第三條の二項に「前項の保険関係においては、貸付金の額を保険価額とし、弁済期における債務の不履行による貸付金の回収未済を保険事故とし、保険価額に百分の七十五を乗じて得た金額を保険金額とする。」と書いてあるのだが、それと今の説明と合つているのかね。
#334
○政府委員(小笠公韶君) 大体第六條の規定に「政府が第三條第一項の保険関係に基いて支拂うべき保険金の額は、保険価額から金融機関がその支拂の請求をする時までに回収した額を控除した残額に、百分の七十五を乗じて得た額とする。」と第六條ではつきり規定いたしております。
#335
○木内四郎君 わかりましたが、そうすると第三條の二項というのは最高限度を示したものだというのですか。
#336
○政府委員(小笠公韶君) さようでございます。
#337
○油井賢太郎君 この際主計局長がお見えになつておるので、ちよつと予算の出し方について伺つて置きたいのですが、我々に出されておるあの予算書は、いつでも歳入歳出の二項目になつておる。併し実際内容は今日出されたこの特別会計法案の中でもわかるように、損益勘定と、資産負債勘定というものははつきりしておる。そういう点からいうと、国会に提出されるあの予算というものを、やはりもう一つの面から損益勘定と、資産負債勘定というものを明確にしたものをお出しになつたほうが。非常に都合いいと思うのですが、そういうものは今までお作りになつておられるのですか。お作りになつておるとすれば、我々にやはり御提出願いたいと思うのです。
#338
○政府委員(河野一之君) これは実は普通は大抵の場合作つております。特別会計で……、ただこの会計の性質は予算を御覧願うとわかりますのですが、当初の基金の繰入れだけは別でございますけれども、そのほかは損益と殆んど一致しますから、それで実際上はそういう点もあるので、できるだけ簡單にして置くということであります。
#339
○油井賢太郎君 一つの特別会計法でも、内容を見るとそういうように区分されておる。全体的の予算というものを損益勘定と、資産負債勘定とに分けておりますから、お出しになるという準備をされたことはあるが、将来ともそういう御意向があるかという、こういうことです。
#340
○政府委員(河野一之君) これは財政制度の一つの問題ですが、企業会計或いは特別会計についてはそういつた見方があるのであります。予算というものをどういう観点から見るかということによつていろいろ違うので、国民経済的に見るということになりますと、消費的な経費とか、建設費的な経費とかいう見方になります。それから企業的な見方になりますと、おつしやるような損益勘定でどうなるかということになりますが、一般会計につきましては、そういつたむしろ企業的な見方ということはちよつと当りませんで、中にはそういう部面もございまするけれども、そういう行き方をとつておりつません。それから一般会計の予算といたしましては、予算制度、即ち予算というものは、勿論国民経済に非常に大きな重大な影響を持つものでありますが、他面において政府の各機関がこれを使うものでありまして、その使うほうの便利ということも一緒に考えなければいけませんので、こういう面の要請をいろいろ併せて予算ができるわけであります。おつしやつたような点は企業会計については貸借対照表を作り、損益計算書を作るというのが、すべて決算のときに出て来ております。それから鉄道、通信というようなものでありますれば、これは御承知のように、資金の計画でこれを現わして行くという参照書類がついておる。一般会計につきましては、これはいろいろ皆さんによつて見方が違うものでありままら、いろいろ参考表を作りまして、これを有効に利用して頂くというふうに、今までの建前としてはなつておる次第であります。
#341
○油井賢太郎君 それから、今日の審議と別ですが、重大なことですからもう一点だけ伺つて置きたいと思うのですが、要するに均衡財政とか、赤字財政とか言つても、結局国民の面にプラスになる、いわゆる国家の財政として望むものがあつた場合と、そういうものがない、本当の消えてしまうところの歳出の部分とは大分違うと思うのです。そういうところを我々に示して、本当に均衡財政か、或いは赤字財政かということを示されるのが、これが至当だと思うのですが、今まで歴代内閣においてもそういうことは余り出していないのですが、こういうことを将来お出しになるような計画は主計局でおありになるかどうかということです。
#342
○政府委員(河野一之君) これは油井さんのおつしやるところ非常に御尤もですが、なかなかむずかしいのであります。と申しますのは、例えば建設的な経費と言いましても、公共事業費など代表的なものであると思いますけれども、この中に災害のあと始末というものは建設的なものなのか、或いは消費的なものなのか、非常に疑問がございます。それから人件費というものは、大体消耗的なものでありますけれども、建設的な事業をやるための人件費というものは、これは建設的な経費なのか消耗的な経費なのか、非常に疑問があるのであります。それから資産を買うものについては、これは建設的なものと言えますか、或いは資産的なものと言えますか、そこの分け方でありまして、それを以て單に外為みたいなものでありますれば、資本として活用するものでありますが、そのほかに病院、学校等においては、一種の運転的な、消耗的な薬品とか何とかいろいろございます。国民経済の見地からどの点をとつたらいいのかということは、学者の間にも一致しておりません。勿論我々も役所の内部でいろいろ研究も前からやつておるのでありますが、皆さんに合理的に納得して頂けるような標準はないのであります。結局今までのところは、予算の内容をあらゆる面から解剖いたしまして、そうして皆さんの、或いは学者のかたも勿論でありますが、皆さんのおのおのの御判断を頂くというような態度で、態度と申しますか、考え方で来ておるわけであります。決して研究をなおざりにしておるわけじやありません。
#343
○木内四郎君 元の輸出銀行のほうに戻るのですけれども、ここで輸出銀行の予算を見ると、事業の損失だけを歳出のほうに上げているのですね、ところが国民金融公庫のほうは事業の支出というものを上げているので、よほど立て方が違うと思うが、私はこういう金融機関、或いは金融機関的性質のものは、日本輸出銀行みたいなふうにして置かれたほうが、将来の情勢に応じて伸縮自在で非常にいいと思うのですが、これを認められたのに、何か違うことを言われたのについて、何か理由がありますか、それとも今後輸出銀行のようなやりかたのほうが、政府機関であつても、そのほうがいいから、今後は金融機関、或いは金融機関的な政府機関においては、日本輸出銀行みたいなふうにされようというお考えでありますか。
#344
○政府委員(舟山正吉君) 今度の輸出銀行の行き方ですが、非常に改善だと思います。実は国民金融公庫等についても是非そういうふうに改めてもらいたいものだという希望を持つております。
#345
○委員長(小串清一君) ちよつとお諮りをいたしますが、会期も切迫しておりますから、どうしても明日は問題を解決しなければならんと思いますが、午前中になお審議を続行して、成るべく正午頃までに終るような段取にしたいと思つております。なお今晩はこれで散会をして、先刻森下委員からのお説の通り、議案その他についてよく御熟読を願いまして、そうして御質問を願つたら大変結構かと思います。如何でございましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#346
○委員長(小串清一君) それではさよう決定いたします。
 ちよつと御相談することがありますが、来るべき国会の休会中に、かねて皆さんからいろいろ御意見もあつた地方の現地視察の計画を立てて見ようかと思つているのであります。これはいろいろ予算の都合もありますが、あらかじめ御意見を伺つて置きまして、私の考えているのは、三班ぐらいにして三人ぐらいのかたに御出張を煩わすようなことをして見ようかと思つておりますが、大体いつになるかわかりませんが、とにかく御異存がなければこれは計画を立てて、それぞれ協議しなければなりませんから、計画を立てて見ようと思いますがよろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#347
○委員長(小串清一君) それではさように取計らいます。
 本日はこれを以て散会いたします。
   午後八時三十七分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     小串 清一君
   理事
           大矢半次郎君
           佐多 忠隆君
           木内 四郎君
   委員
           愛知 揆一君
           岡崎 真一君
           黒田 英雄君
           九鬼紋十郎君
           松永 義雄君
           森下 政一君
           野溝  勝君
           小宮山常吉君
           小林 政夫君
           杉山 昌作君
           高橋龍太郎君
           油井賢太郎君
           森 八三一君
           木村禧八郎君
  国務大臣
   郵 政 大 臣
   電気通信大臣  田村 文吉君
  政府委員
   大蔵政務次官  西川甚五郎君
   大蔵省主税局長 平田敬一郎君
   大蔵省主計局長 河野 一之君
   大蔵省主計局次
   長       石原 周夫君
   大蔵省主計局法
   規課長     佐藤 一郎君
   大蔵省主計局給
   與課長     磯田 好祐君
   大蔵省銀行局長 舟山 正吉君
   大蔵省理財局長 伊原  隆君
   外国為替管理委
   員会委員   大久保太三郎君
   中小企業庁長官 小笠 公韶君
  説明員
   農林省農政局農
   業保險課長   鵜川 益男君
   郵政省郵務局長 浦島喜久衞君
   郵政省経理局主
   計課長     佐方 信博君
   通商産業省臨時
   通商業務局経理
   第一課長    羽柴 忠雄君
   通商産業省臨時
   通商業務局業務
   第三課長    栗原 昭平君
ソース: 国立国会図書館
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