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2000/04/27 第147回国会 参議院 参議院会議録情報 第147回国会 外交・防衛委員会 第12号
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2000/04/27 第147回国会 参議院

参議院会議録情報 第147回国会 外交・防衛委員会 第12号

#1
第147回国会 外交・防衛委員会 第12号
平成十二年四月二十七日(木曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十五日
    辞任         補欠選任   
     佐々木知子君     長谷川道郎君
 四月二十六日
    辞任         補欠選任   
     長谷川道郎君     佐々木知子君
     荒木 清寛君     木庭健太郎君
 四月二十七日
    辞任         補欠選任   
     山本 一太君     久野 恒一君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         矢野 哲朗君
    理 事
                鈴木 正孝君
                武見 敬三君
                小山 峰男君
                益田 洋介君
                小泉 親司君
    委 員
                久野 恒一君
                佐々木知子君
                村上 正邦君
                森山  裕君
                山崎  力君
                依田 智治君
                吉村剛太郎君
                浅尾慶一郎君
                海野  徹君
                松前 達郎君
                木庭健太郎君
                立木  洋君
                田  英夫君
                田村 秀昭君
                佐藤 道夫君
   国務大臣
       国務大臣
       (防衛庁長官)  瓦   力君
   政務次官
       防衛政務次官   依田 智治君
       防衛政務次官   西川太一郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        櫻川 明巧君
   政府参考人
       防衛庁防衛局長  首藤 新悟君
       防衛庁運用局長  柳澤 協二君
       防衛庁人事教育
       局長       新貝 正勝君
       防衛庁装備局長  及川 耕造君
       防衛施設庁長官  大森 敬治君
       運輸省航空局長  岩村  敬君
       海上保安庁次長  長光 正純君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○外交、防衛等に関する調査
 (違法射撃事案に関する調査報告及び日本電気
 株式会社による過大請求事案に係る返還請求に
 関する件)
○政府参考人の出席要求に関する件
〇防衛庁設置法等の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(矢野哲朗君) ただいまから外交・防衛委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、荒木清寛君が委員を辞任され、その補欠として木庭健太郎君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(矢野哲朗君) 外交、防衛等に関する調査を議題といたします。
 この際、防衛庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。瓦防衛庁長官。
#4
○国務大臣(瓦力君) 違法射撃事案に関する調査の結果について御報告申し上げます。
 本年一月十四日、約五年前に発生した違法射撃事案の処理について問い合わせがあった旨の報告を受け、直ちに調査を実施いたしました。
 その結果、平成六年十一月十六日に、第一空挺団普通科群長の秀島裕展一等陸佐が、東富士演習場内の射場におきまして、部外者三名を招いて射撃訓練を見学させた際、部外者の猟銃を借りて射撃を実施したとされる事案があり、陸幕及び方面総監部以下で処理がなされ、訓戒等の処分が行われていたことが明らかになりました。
 事案の性格や過去の処分例に照らして、当時の事案処理が適切ではなかったことが明らかになりましたため、一月二十日、私から陸上幕僚長に対しまして、当時の検討経緯等を徹底的に再調査するよう指示いたしました。
 陸上幕僚長は、調査態勢の強化を図るため、一月二十六日に陸上幕僚副長を長とする調査委員会を陸幕内に設置し、事実関係の究明に当たらせることといたしました。
 この調査委員会による調査の過程において、秀島一等陸佐が部外者に小銃、機関銃の射撃をさせていたという事実が新たに判明し、三月十三日、秀島一等陸佐は陸上自衛隊東部方面警務隊に逮捕され、三月三十一日に起訴されております。
 調査委員会は、約三カ月にわたり、当時の経緯等についての聞き取り調査を積極的に実施し、証言を突き合わせながら一つ一つの事実関係を認定する作業を慎重に実施してまいりましたが、今般、これまでに明らかになった点を取りまとめ、私にお手元にありますとおりの報告を行いました。
 この報告書には、違法射撃事案に係る当時の関係者の動きが詳細に記述されておりますが、特に、第一空挺団における初動調査の不徹底、陸幕の意思決定過程における不備及び方面総監部等に対する不適切な指導、捜査権限を有する警務隊の不介入など、事実関係の究明をなおざりにした事実の性急かつ安易な処理が優先され、組織の業務処理体制が健全に機能していなかったことが明らかにされております。
 次に、本事案における関係者の行為の評価について御説明申し上げます。
 まず、秀島一等陸佐についてでありますが、同人がかかる行為を行った動機や刑事的な責任については今後の公判の中で確定していくものと考えますが、同人は、許可なくみずから猟銃の射撃を行ったこと、部外者に自衛隊の小銃、機関銃の射撃をさせたこと、事案発覚後の事情聴取に対して虚偽の供述を行ったこと、第一空挺団本部による調査が始まってから部下に対して口どめを行っていること等数々の問題を引き起こしており、第一線部隊の指揮官としての自覚に著しく欠けるものであって、その責任は極めて重大であると考えます。
 次に、事案発生当時、現場付近には少なくとも十数名の隊員がおりましたが、猟銃射撃や部外者による小銃、機関銃の射撃を黙認しただけでなく、一部の者はその準備作業等に協力するとともに、秀島一等陸佐の勧めに応じて部外者の猟銃を射撃していたことが明らかになっております。
 また、現地部隊である第一空挺団につきましては、部外者に猟銃を撃たせたという情報があったにもかかわらず、安全管理の徹底した自衛隊の射場の中で行われており、部外に与える影響も少ないと考えて、この情報を重視いたしませんでした。また、第一空挺団長は、指揮官としての秀島一等陸佐の立場を考慮して調査の対象者を限定し、現場に居合わせた他の隊員に対する確認作業を行うことなく、短期間で調査を終了させております。その結果として、第一空挺団は不完全な情報を上級司令部に報告することとなり、上級司令部のその後の対応を誤らせる要因をつくることとなりました。
 さらに、上級司令部の対応について申し上げます。
 本事案は、本来ならば長官まで報告された上で戒告以上の懲戒処分がなされる内容でありますが、自衛隊の威信の保持といった大義名分が都合よく利用され、方面隊以下で対応できる訓戒処分がとられた結果、内局へ報告されることはありませんでした。
 真相究明努力を怠り、陸幕及び方面限りの内部処理に走った点において、本事案は陸上自衛隊の組織防衛のために組織的な隠ぺい工作を行ったものと批判されても弁解の余地のないものであります。
 当時の陸幕における主要な関係者の動き及びその評価について申し上げます。
 当時の幕僚長及び陸上幕僚副長は、部下の不十分な報告に基づくとはいえ、事案に対する甘い認識と相まって、本件の不適切な処理を結果として了承しておりました。
 次に、陸幕人事部長は、当初から本事案に積極的に絡んでいたわけではありませんが、部下である人事計画課長の考え方を事実上追認する形で、公にならないよう内局への報告はせず、人事処理にとどめるとの方針を了承した上で、陸上幕僚長の判断を求めるよう指示しております。また、東部方面総監部からの最終確認に際しましては、内局への報告は行わないとの方針を伝えております。このように、陸幕人事部長は、みずからの本事案に対する認識の甘さにより、陸上幕僚長に対する補佐を誤ったものであると評価されます。
 陸幕人事計画課長は、本事案の陸上幕僚長への報告をおくらせると同時に、東部方面総監部の人事部長に対して、自衛隊への影響を考慮して努めて公にはならない方向で処理を検討するよう直接提案するなど、極めて短時日のうちに今回の事案処理の基本的な流れをつくっております。また、人事計画課長は、本事案を軽微なものとして上層部に報告する過程においても主導的な役割を果たしております。このような人事計画課長の行為は、幕僚としての基本的な責務に反するものであったと考えます。
 東部方面総監部につきましては、総監の厳正に処置するとの方針を踏まえて業務を進めておりましたが、陸幕人事計画課長の提案を受け、これを陸幕上層部の意向と理解した上で対応案を作成し、総監まで報告を行っております。
 なお、当時の東部方面総監は、この対応案について疑問を抱き、陸幕人事部長から陸幕としての意向を確認するため行政副長を陸幕に派遣いたしましたが、総監みずから陸上幕僚長の意図を直接確認することなく、最終的に誤った判断を行ったものであります。
 当時の警務隊は、事案の性格に対する認識の甘さ等から、十分な調査を行うことなく、本事案を立件の必要がないものと早々に判断し捜査に踏み切らなかったことが判明いたしております。このことが、結果的に事案全体の事実解明をおくらせることとなったものと考えられます。
 さらに、本年一月の事案でありますが、猟銃事案に対する警務隊の関与について陸幕から問い合わせがあった際、前警務隊長は事案発生当時の東部方面警務隊長であったにもかかわらず、当時、部隊からの警務隊への通報はなかったと回答するよう指示いたしました。当時の事案処理についての調査が行われている状況のもとでかかる不実報告を行ったことは、警務隊に対する信頼を失墜させたものと言わざるを得ません。
 次に、本事案の問題点及び教訓について申し上げます。
 まず、我が国には世界一厳しい銃規制がしかれていることを深く認識し、国民の信頼にこたえなければならない立場にあるにもかかわらず、今回かかる事案を引き起こしたことを大変深刻に受けとめており、この点についての隊員の意識の向上を図っていく必要があると考えます。また、事案の処理に当たって事実の確認や正しい報告が行われず、真実を追求する姿勢に欠ける面がありました。深く反省いたしますとともに、一層の規律の維持に努めていく必要があると考えます。
 第二に、今回の事案から明らかなように、上級幹部の誤った判断が部隊全般に及ぼす影響は極めて大きなものとならざるを得ません。上級幹部に一層の責任感を自覚させるため、遵法精神を涵養し、またバランスのとれた社会人としての常識を身につける教育を行っていくことが必要であります。
 第三に、正しい情報がトップに正確な形で上がっておらず、幕僚レベルの判断が結果として方針決定に重要な影響を与える事態が生起しておりました。今後同様の事態を繰り返さないための措置が必要であります。
 第四に、警務隊が早々に立件に値しない事案であると判断し、捜査を実施するに至らなかったという問題があります。この点は極めて不適切であったと言わざるを得ず、司法警察職員としての自覚を促すとともに、制度面からの見直しを考えることも必要であります。
 第五に、部外者との交流のあり方であります。隊員各自が部外者とどのような交流を行うかは、一次的には隊員個々人のモラルに基づく判断によることとなりますが、隊内の規律維持上問題を生ずるおそれのある場合には、周囲ないし上司が適切な指導を行うとともに、平素からの服務指導を適切に行うことが重要であります。
 以上述べましたとおり、本事案において現地部隊、各級司令部、警務隊のとった行動については多くの問題が存在していることは紛れもない事実であり、防衛庁・自衛隊として深く反省しているところであります。
 防衛庁・自衛隊としては、これまでの調査結果に基づき、お手元にありますように関係者に対する厳正な処分を行ったところであります。今後とも綱紀の粛正を徹底させ、行政運営に万全を期してまいる所存であります。
 なお、今後公判等の過程において新たな事実が明らかになった場合には、防衛庁として徹底的な調査を実施し、厳正に対処してまいる所存であります。
 また、今回の事案により失墜した国民の信頼を回復するためには、不祥事の再発防止を目的とした目に見える改善策を国民に示していく必要があります。かかる観点から、私から各幕僚長に対し、武器の管理の徹底等について直接指示するとともに、庁内に不祥事防止会議を発足させ、同時に、両政務次官及び事務次官を長とする不祥事防止特別行動チームを設けたところであります。同チームは、三月末から四月末にかけ、全国で十一カ所を回り、約二千六百名程度の関係者と率直な意見交換を行ってきたところであります。
 なお、防衛庁としては、今後、服務指導体制の強化、幹部教育の見直し、懲戒処分の基準の見直し、報告体制の改善、警務隊の独立性の確保などの具体的な再発防止策について検討してまいる所存であります。
 最後に、防衛庁といたしましては、自衛隊の業務の運営につきまして国民の間に重大な不信感を抱かせる結果となったことを深くおわび申し上げるとともに、今回の事案を今後の教訓として、不祥事案の発生の防止に全力を注いでまいる決意であります。
 以上、私からの報告とさせていただきます。
 日本電気株式会社による過大請求事案に係る返還請求について御説明いたします。
 まず、本件の経緯についての御説明を申し上げます。
 平成十年十月二十二日、日本電気株式会社は、工数の過大申告等により過大に代金の支払いを受けていたとの事実を防衛庁調達実施本部に報告してまいりました。さらに、同年十一月五日には、虚偽の原価元表を作成して防衛庁の契約に対応していたことも報告してまいりました。
 この報告を受け、防衛庁は、同年十一月三十日より同社の府中及び横浜等の関係事業場に立ち入り、過払い額算定のための特別調査を実施しました。その調査において、同社が二重帳簿を作成するなどして過大に代金の支払いを受けていた事実を把握するとともに、過払い額算定のためのデータを収集いたしました。
 これらのデータをもとに、平成十一年十二月、過払い額を確定し、同年十二月二十四日、日本電気株式会社に対して約三百十八億円の損害賠償請求を行いました。
 これに対し、同社は、防衛庁の請求額の全額を国庫に納入したことから、平成十一年十二月二十七日をもって、平成十年十月一日以降講じてきた取引停止措置を解除いたしました。
 次に、防衛庁の調査の概要及び算定方法等の概要について御説明申し上げます。
 防衛庁では、先ほども申し上げましたが、平成十年十一月三十日より同社の関係事業場に立ち入り、特別調査を行いました。調査は、調達実施本部の原価計算部門の職員を中心に、陸海空各自衛隊等関係機関の担当職員約二百三十名が本調査に参加するとともに、公認会計士及び公認会計士補の方々にも延べ五十人日の支援を受けております。
 過払い額の算定に当たっては、必要な資料が保存されていて過払い額の算定が可能である契約をすべて対象とし、平成四年度納期以降の契約はもとより、平成三年度納期のものについても、資料が保存されていて過払い額の算定が可能なものについては対象にするなどあらゆる限りの努力を傾注いたしました。
 また、その方法については、平成十一年四月に取りまとめた調達改革の具体的措置で定めた過払い事案処理に関する基本的考え方及びこれを踏まえた過払い事案処理要領に従い、厳正に算定いたしました。その結果、約二百六十四億円の過払い額が確認され、これに遅延損害金約五十五億円を加えた計約三百十八億円の損害賠償請求を平成十一年十二月二十四日、日本電気株式会社に対しまして行いました。同社は、同日、請求額の全額を国庫に納入したほか、再発防止のため経営監査本部を設置するなどの対策を講じております。
 最後に防衛庁の再発防止策について御説明申し上げます。
 防衛庁としては、日本電気株式会社による過大請求事案を初めとする一連の過大請求事案を受けて、再発防止策の検討を行いました。その成果として、部外有識者の意見も踏まえ、平成十一年四月二日、調達改革の具体的措置を取りまとめました。
 その概要について申し上げれば、入札及び契約心得に、防衛庁の調査を受け入れる義務や、企業が虚偽の資料を提出してきた場合には、過払い額に加え、これと同額の違約金を支払う義務を規定するなど企業側提出資料の信頼性確保のための施策を講じることとしたほか、調達実施本部の廃止等の機構改革、調達等に関する高い専門知識を有する部外有識者から成る第三者による監視体制の確立等の施策を実施することとし、現在、その推進に努めているところであります。
 本件の詳細につきましては、お手元に配付いたしました資料をごらんいただきたいと思います。
 以上をもって、日本電気株式会社に対する過大請求事案に係る返還請求についての説明を終わります。
    ─────────────
#5
○委員長(矢野哲朗君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 防衛庁設置法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に防衛庁防衛局長首藤新悟君、防衛庁運用局長柳澤協二君、防衛庁人事教育局長新貝正勝君、防衛庁装備局長及川耕造君、防衛施設庁長官大森敬治君、運輸省航空局長岩村敬君、海上保安庁次長長光正純君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(矢野哲朗君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(矢野哲朗君) 防衛庁設置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○鈴木正孝君 自由民主党の鈴木正孝でございます。
 きょうは、先ほど防衛庁の違法射撃事案そしてNECの事案につきまして大臣の報告がございましたし、また法案の質疑ということでございますので、また限られた時間の中でということでございますので、よろしくお願いをいたしたいというふうに思います。
 初めに、先般一月に佐世保地区をちょっと視察したわけでございます。私が本委員会に報告をさせていただきましたが、同僚の議員から、三月三十日だったと記憶しておりますけれども、本委員会への報告書を、子細承知をしていない、読んでいないというような趣旨のお話がありまして、ちょっとこれは残念なことだというように思ったわけでございますが、その後いろいろとお読みになり、検討をされたというふうに理解をするわけでございますが、その点いかがでございましょうか。その後の対応等を含めて、簡単にひとつお願いいたします。
#9
○国務大臣(瓦力君) 今、鈴木委員から御指摘のように、当委員会におかれましては現地を実際に視察され、佐世保地区における諸問題の現状について調査されましたことに、まずもって敬意を表する次第であります。
 二月二十二日の外交・防衛委員会において調査報告がなされたことは承知しておりましたが、御指摘を受け、直ちに同報告書を読ませていただきました。同報告書において取り上げられておるとおり、佐世保地区においては、狭隘な土地に防衛施設、民間施設等が混在していることにより、防衛施設の円滑な使用に影響が及ぶとともに、佐世保市の都市計画や地元企業にとりましても種々の問題が発生しております。
 防衛庁として、当委員会の今回の調査報告を踏まえながら、佐世保地区における諸問題の早期解決に向け、一層努力してまいりたいと考えております。
#10
○鈴木正孝君 次に、違法射撃事案につきまして、今御報告がございました。関連して少し質問をしたいというふうに思います。
 一月に新聞報道、部内からの問い合わせというようなことで、大臣から部内に対して徹底的に調査をするようにというような指示が出されて、三カ月かかったわけでございますが、その間考えてみますと関係者の多くが退職をし、またその方々の人権の問題、プライバシーの問題もあるというようなことで、制約事項が非常に多かったというふうに私も思っております。そういう中で防衛庁、自衛隊として国民の負託にこたえるべく、最大最善の努力をして今日の報告に至ったというふうに私も考えているところではございます。
 さはさりながら、どうもやはりこの委員会で、参議院側で非常に当初から積極的にこの問題を取り上げていろいろと質疑もしたという経過もございますし、また大変残念なことではございましたけれども、警察関連の不祥事が続く中で、またあわせて自衛隊、国民の共有財産である自衛隊というものに対して国民の信頼というものが大きく損なわれるというようなことでありまして、私どもは大変心配をしていたわけでございます。
 そういう中で、委員の方々、そしてまた国民の方々、マスコミの方を含めまして、やはり防衛庁・自衛隊における組織的な隠ぺい工作、そういうものがあったのではないか。したがって、よく事実がわからないままに今日に来てしまったのではないかというようなお話があったように思います。
 そういうことを考えてみますと、なぜ小銃、機関銃という大変大事な武器を部外者の者が使う、射撃をする、しかも発数も決して少ないものではないというふうに思うわけでございますが、そういうことが現場で、第一空挺団の、猟銃はどうも撃ったらしいというような情報があったにもかかわらずその調査の範囲、やり方、あるいは東部方面総監部での対応、陸幕での対応と、当初の立ち上がりの姿勢そのもの、認識そのものがやはり甘かった。やはり少し現実の社会とかけ離れたような判断をしておったのではないかというようなことを私も大変感じますし、また心配をしているところでございます。
 そんなことを含めまして、なぜ初動の段階で真実が語られなかったのか、そういう動機、背景を踏まえまして、ぜひ簡単に国民の皆さんにわかりやすくお話をしていただきたい、そのように思います。
#11
○国務大臣(瓦力君) 本事案につきまして、きょう調査報告をさせていただきました。本委員会におきましても、各委員からこの事案につきましていろいろ御指摘をいただきました。
 また、私どももかような事案の徹底究明が重要な問題である、国民の信頼を得て自衛隊が運営されていかなければならないその使命に立ちましても、この問題の調査を命じておったわけでございますが、それらはきょう報告に及んだわけでございます。
 これまた、鈴木委員からの今御質問にありますとおり、御意見にありますとおり、現職の当時の自衛官は全国に散っておりましたり、あるいはまた幹部自衛官が退職をいたしておりましたり、一つ一つの事情を調整してよく突き合わせをしなければならない問題もございます。これらのことに若干の時間を要したわけでございまして、その点は御理解を賜りたいと思います。若干事に及びますが、それらにつきまして申し上げさせていただきたいと思います。
 この小銃、機関銃の違法射撃がなされた現場に居合わせた隊員以外にその事実を承知していたとする関係者の証言等が得られなかったこと。したがって、小銃、機関銃の違法射撃について陸幕、東方総監部による組織的な隠ぺいが行われたかということでございますが、そういう認識は実はいたしておりません。空挺団本部が小銃・機関銃事案を把握していなかった理由として、まず現場に居合わせた隊員の多くがみずから準備作業に関与していたこと等から罪悪感を持ちまして口をつぐんでいたため、それ以外の隊員に知らされなかったことが考えられます。
 また、当時第一空挺団において秀島一佐に対し部外者に小銃を射撃させたか否かを問いただしておりますが、秀島一佐がこれを強く否定していたことからその供述にうそはないと判断をし、さらに普通科群の指揮官としての秀島一佐の立場を考慮して事情聴取の対象者を限定し、現場に居合わせた他の普通科群の隊員に対する確認作業を行うことなく短期間で調査を終了してしまったことがこの問題につながるわけでございます。
 その結果として、第一空挺団は現場で起きた事実関係を正確にとらえないまま不完全な情報を上級司令部に報告することとなり、上級司令部のその後の対応を誤らせる要因をつくったわけでございまして、この点は自後の事実関係の解明作業に大きな影響を与えております。小銃・機関銃事案が平成十二年の今回の調査まで明らかにならなかった主要な原因の一つとなったものと考えられます。かかる観点からすると、当時の第一空挺団長の対応には大きな問題があったと認識をいたしております。
 なお、部外者による猟銃の射撃について当時第一空挺団は情報を得ていたが、本件についても許可された猟銃により安全管理の徹底した自衛隊の射場の中で行われており、部外に与える影響も少ないと考えてこの情報を重視せず事故報告書の中で触れることはなかった。この点も対応として問題があったと考えるものでございます。
 今回の事案につきまして、その後の対応は不適切でございました。現場に居合わせた隊員の行動及びその後の対応が不適切でございました。その背景には指揮官としての立場を利用した秀島一佐の強引な手法にあり、その責めの多くは秀島一佐が負うべきものであると考えておるわけでございます。
 かかる事態が今後起こらないように、私ども最善の努力をしなければならないと考えております。
#12
○鈴木正孝君 今、大臣から詳細な細部につきまして、またさらにお話があったわけでございますが、先ほどの報告の中にもありました本事案、組織的な隠ぺい工作を行ったものと批判されても弁解の余地のないものという位置づけ、御理解をされているということはよくわかるわけでございます。
 関係者の厳正な処分、私も防衛庁・自衛隊のOBの一人でございますので、こういうことを考えてみますと、非常に厳しい処分が当然行われたというふうに理解をするわけでございまして、相当長期間の停職、余り例のないような停職を含めて事実上の依願退職、引責辞任というようなことを含めて関係者に厳しく対応したということだろうというふうに思っております。
 そういう教訓の重みというものをぜひ全国の隊員の皆さんは理解をしていただいて、国民の負託にこたえるように、信頼の構築にこたえるように、大いに教訓として生かしてほしい、このように思います。これは答弁は結構でございます。
 それから、もう時間も余りございませんので先に行きますけれども、信頼回復のための取り組み、もう長官初め防衛庁の陸海空幕僚監部そしてまた内局の幹部の皆さん、政務次官を含めまして大変積極的に取り組んでいるということでございますけれども、いろんな不祥事が起きましたら、私は部内対策を一生懸命やるとともに、やはり軽微なもの、事案の性質によると思うんですけれども、積極的に公表するというようなルールをぜひ国民の皆さんにわかるような形で、先ほど目に見えてというお話をしておりましたので、そういうことを含めましてぜひやっていただきたい、そういう意味で簡潔に大臣の方針、御決心、御決意をお伺いいたしたいと思います。
#13
○国務大臣(瓦力君) 今、委員の御質問にありますが、服務規程違反に対する懲戒処分の公表につきましては、事案ごとの社会的影響性、こういったものも考えまして公表を行っておるところでございますが、今後とも事案ごとの社会的影響性といいますか、そういったものも踏まえてこれは適切に対応していく、私どもはそれを隠ぺいするとか抑えておくということではなくて、きちんとやっぱりそれぞれの事案につきましては知らせていく努力というものを心得て努めてまいりたい、こう考えます。
#14
○鈴木正孝君 時間でございますので、ぜひ大臣、そういう点を配慮していただきまして、せっかくここまで誠心誠意努力をされてこられたわけです。その努力にこたえるようにぜひお願いをいたしたい、そのように思います。
 以上で終わります。ありがとうございました。
#15
○浅尾慶一郎君 私もまず最初に、この違法射撃事件について質問をさせていただきたいと思います。
 まず第一点は、今回の御報告の中で若干しか触れておられませんけれども、その動機について、部外の協力者の今後の協力が得られなくなるということを恐れてのことではないかというようなことが若干触れてありましたが、私はこの動機というのは非常に実は大事なんではないかなと思っておりまして、それはなぜかといいますと、一般的に構造的な問題なのかあるいは特異なケースなのかということを判定する上で、私はこの動機というものが非常に大事なんじゃないかなと思っております。
 残念ながら、こちらの本体の御報告では動機そのものは公判の中で明らかになるというふうに書いておられるわけですが、構造的かどうかということを考える上で、長官の方から今わかっている動機について述べていただければと思いますし、またそれが構造的なものであると思われるかどうか、ちょっとお聞かせいただければと思います。
#16
○政務次官(依田智治君) 急な質問ですから、私の方からちょっと大臣の前にお答えさせていただきますが、動機という意味が、なぜ今回こういう違法事案、銃を撃たせるような事案が起こったのかということですと、これは秀島一佐が部外者とつき合っていて、いろいろ芸能ショーでタレントを世話してもらったとかいろんな行事にポニーを紹介してもらったと、自分の方も何かしてやらにゃいかぬというような感じの中で、誤った判断から、今度研究、射撃の訓練があるからそのときに来いと。こういう非常に射撃に対する認識の甘さ、それからそういう部外者との交流においてやってよいこととやって悪いことのけじめ、このあたりが不徹底であったという点が今回そもそもの事件が起こった動機じゃないか。
 それからもう一つ、こういう五年後に発覚するようなことがどうして起こったのかという意味でのお尋ねとしますと、これは当初やはり空挺団の中で箝口令をしいて、それが全く猟銃事件、今までずっと我々も相当時間をかけて関係者を調査したんですが、小銃、機関銃の事実というのが全く伏せられておったために、実際上射場で民間の猟銃を撃った程度のことならば部内限りでいいんじゃないか、こういう甘い判断から、それぞれの段階において非常に甘い判断になっちゃいまして、東部方面総監部、幕僚それから警務隊、これが当時すかさず捜査に入っておれば、関係者から小銃、猟銃、機関銃等についても出ておって、こんな事態にならず当時においてきちっとした処置ができたんじゃないか。
 そういう点で、私は、そういう甘い判断、それから報告のやり方について部下に任して上げておけという程度でやっているような内部の報告のやり方、こういう全体が総合的に絡み合って今回のような事件が起こっているなと、こんなように考える次第でございます。
#17
○浅尾慶一郎君 私の質問はまさに今お答えいただいた両方に関するものなんですが、まずその前段の部分、部外者といろいろな観点からおつき合いをされるということ自体はもちろん否定するものではありませんが、そこでそののりをわきまえるというか、そういったことはもちろん大切だと思っております。
 そこで、前段の部分、重ねて質問をさせていただきますが、この秀島一等陸佐が特に特別だったのか、それとも構造的ということは、一般的に部外者とつき合う中で多少そこら辺はまあわからなければいいという観点なのかということが、私はこれは非常に、今後の再発防止ということも長官のきょうの報告の中で入っておりますが、その再発防止の観点からも大事だと思っております。
 そこで、まず一点目の質問なんですが、これはなかなかお答えづらいかもしれませんけれども、こういう行為を、行為というか動機そのものが一般に共有され得るかどうかということの御認識、すなわち多少部外者との間で、あってはいけないことだからそのお答えは大体わかるんですけれども、多少部外者に対して、少なくとも過去において多少のフェーバーというか利益を与えてもいいのではないかというような認識が一般的にあるのかどうかということ、過去においてあったのかどうかという御認識を伺いたいと思います。
#18
○政務次官(依田智治君) これにも二つの論点があると思うんです。
 一つは、射場で民間の人に銃を射撃、体験的に射撃させてやるということですね。昔は銃というものがどんなものかということで、例えばしっかりした人たちが視察に来たようなときに広報の一環として体験射撃視察をしてもらうというようなことはあった時代もあったんですが、やはりその後昭和四十年代、三島事件その他も起こり、銃の管理というものは徹底する必要があるということで、以後たとえ射場といえどもそういうことは一切まかりならぬというのが通常の状況でございまして、この点については、自衛隊の今回の事件が起こったので各隊それぞれ調査してみましたが、そういう認識は全くありません。だから、こういう空挺団における秀島一佐という特殊な状況において起こったものだと、このように考えております。
 あともう一つ、部外者の芸能ショー、中にはちょっとストリップショーなんとかとかいろいろ言われておりますが、空挺団というのは御承知のように物すごい高度から落下して戦闘を行うというような集団でございますので、慰労するには少し思い切ったことをやってやらぬと隊員の激励にならぬなというような部分もあって、恐らくそういうことが秀島一佐の判断としてあったんだろうと思うんですが、これも通常の範囲を超えているものであって自衛隊の一般の部隊の常識ではない、このように認識しておる次第でございます。
#19
○浅尾慶一郎君 今の御答弁に関連して部外者との交流、これは秀島一佐特異のものだということでありますが、にもかかわらずというか、ただ今回の御報告では第五において、「隊員各自が部外者とどのような交流を行うかは、一次的には、隊員個々人のモラルに基づく判断によることとなりますが、隊内の規律維持上問題を生じるおそれのある場合には、周囲ないし上司が適切な指導を行うとともに、平素からの服務指導を適切に行うことが重要であります。」というふうに書かれておりますが、具体的に平素からの服務指導というのはどのように今後行っていくつもりなのか、お答えいただければと思います。
#20
○政務次官(依田智治君) この部分については、この報告書の四ページの上段部分に当時どういう形で、経過の中でこういう部外者に撃たせる事案があったかというようなことについての部分が書かれておりますが、こういう反省に立ちますと、部外者とのつき合いといってもけじめがやっぱり重要でありますから、こういうことはやっちゃいけない、これはできるんだという具体的なやはり、一般抽象的なことでなくて、特に倫理法というのもできて、これまでの常識では律し得ないような部分も出ておりまして、こういうのができたからしっかりやれよということではだめなので、先般、各地十カ所、北海道有珠山があって二カ所を一カ所に縮めた関係で十カ所ですが、十カ所に行っていろいろ意見を聞いたところでも、これをただよろしくやれというんじゃなくて、何ができるのか、何がいかぬのかということを、しっかりした倫理基準なり行動基準を示してくれということの要望もありますし、現在こういう不祥事防止ブロック会議等の結果も踏まえて、現在各幕も含めてその具体的基準づくりを早急にやっておる、そういうものによって具体的なまた指導をやっていきたい、こんなふうに考えておる次第でございます。
#21
○浅尾慶一郎君 ぜひ具体的な基準づくりを早急につくっていただいて、また当委員会にその基準を御報告いただきますようにお願いをしたいと思います。
 そこで、質問を移らさせていただきますけれども、基準という形で縛るということももちろん大事ですが、同時に隊員個々のモラルを向上させていくことが私は、回り道かもしれませんが、ひいては不祥事の防止につながるんじゃないかというふうに考えております。今モラルが低いということを申し上げているわけじゃないんですが。
 そこで一つ、自衛隊の年金について、これはモラルにも関係することだと思いますので伺わさせていただきますが、私が個人的に疑問に思っておりますことなんですが、キャリアでずっと自衛官として一生を終えられる方は恐らくその中で年金が自己完結されているんだと思いますが、そうではなくて、例えば今問題になっております空挺団の中にも何年かすると退職される、契約が切れて退官されるといったような方がいられると思いますが、そのときに民間の会社なり自営になられたり、あるいはほかの公務員になられたりする方がいられると思うんですが、そういった方が、私の理解では自衛官の年金というのはこれ決して悪くなくて、むしろいいんだと思うんですが、これ民間に変えた場合にそれがそのまま引き継げればそれはさらにモラル向上につながるんではないかなと思っておりまして、具体的に今どういうふうになっているか、その点、お答えいただければと思います。
#22
○国務大臣(瓦力君) 任期制の自衛官として勤務した者が退職をして再就職をした場合は、他の公的年金制度に加入することになるわけでございます。この場合、これらの加入期間を合算して資格年限を満たせば、共済年金、他の公的年金それぞれから加入期間に応じた年金が支給されることとなるわけでございまして、こういう形で年金の対応をなしておるということでございます。
#23
○浅尾慶一郎君 私が伺いたかったのは、多分、若干一般の民間よりも自衛官の年金の基準が高いんだと思うんですね。それがもともとあって、民間に行かれて、それが民間と同じレベルになってしまうと、平均すると、言葉は悪いですけれども、そこで損をしている部分があるんじゃないかなと、だとしたら何かその対策をとられる可能性があるのかなということなんですが。
#24
○国務大臣(瓦力君) 共済年金制度は公的年金制度の一環であると同時に公務員制度等の一環としての性格をもあわせ持っておるわけでございまして、公務の能率的な運営に資するという観点から、公務員の身分上の制約など特殊な立場を考えまして、公務員等の退職後の生活安定に寄与する目的で公務員との期間に職域年金部分が設けられております。このことをして年金のバランスが保たれておるわけでございます。
#25
○浅尾慶一郎君 引き続き年金の問題について、ぜひ私も検討させていただきたいと思いますが、そのでこぼこの部分を調整できることが可能であればということで申し上げさせていただいたわけであります。
 次の質問に移らせていただきたいと思いますが、先般の当院の予算委員会におきまして、瓦防衛庁長官の御答弁で、首相臨時代理の指名を知った時期の御答弁がありました。
 私は、これ仮定の話になりますが、例えば昨年行われたような不審船事案が発生して、あれもたしか夜中だったと思いますが、そのときに防衛庁として何らかの対応をとらなければいけないといったときに、たまたま今回は官房長官ということで官邸に連絡をすれば済む事案でありましたが、もし臨時代理が官房長官ではなくて、事前に臨時代理が、首相とその当該大臣との間で話があった臨時代理が例えば宮澤さんであった場合には、そこで恐らくタイムラグが出たのではないかなと。
 タイムラグが出たというのは、官邸に連絡したけれども、官邸には当該の臨時代理がいないから判断ができないと。実は、例えば大蔵大臣だったとすると、そこに大蔵大臣まで連絡が行くまでにタイムラグがあったということがあると、非常に特に切迫した不審船事案のような場合には、そのタイムラグそのものが場合によっては大きな影響を与える可能性があるのではないかなと思っておりまして、その点、防衛庁としてどういう認識を持っておられたか、御答弁をお願いしたいと思います。
#26
○国務大臣(瓦力君) 委員御指摘のように、緊急事態に対応して総理代理がどういう存在であるかということと、連絡がとれるかねということについての御質問でございますが、これは今回、総理代理というのが順番が一応決められました。
 今まで危機管理について、どういうぐあいになすべきかというような問題に遭遇いたしますと、いわゆる官邸という機能が、それじゃ総理代理が官房長官でありましたり、あるいは時によれば大蔵大臣を指名しておるといたしますと、その所在も含めて機構が動くわけでございますので、私はそこにそごが生ずるというようなことなく十分対応ができる機能を持っておる、そういう機構になっておるということを申し上げることができると思います。
#27
○浅尾慶一郎君 私がもっと具体的な話で伺えばよかったのかもしれませんが、例えば防衛庁長官はその臨時代理の存在を知ったのが四月三日の午前十一時とおっしゃっていましたですか、十一時というふうにおっしゃっていたと思いますが、四月二日の夜中に不審船事案があった場合に、仮に官房長官が官邸にいないというような場合に、どれぐらいのタイムロスがあっただろうかということを実は伺いたかったわけでありまして、もしその点について何かございましたら、御答弁いただきたいと思います。
#28
○国務大臣(瓦力君) これはさしてタイムラグというか時間がかかるような、深夜でありましてもある面では官邸の機能というのが働いておりますから、所在がわかる関係で連絡がとれ合う、恐らくそういう機能を果たし得るわけでございますので、私はかつて「なだしお」という問題に遭遇いたしました。そういったときに、総理がちょうど出張しておられたわけでございますが、やはり官邸を基盤にして連絡をとり合うというようなこともできたわけでございますので、緊急事態になればそういうところの機能を働かせていくということで対処できると考えるわけでございます。
#29
○浅尾慶一郎君 それでは別の観点から伺わさせていただきますが、今般臨時代理が第五位まで指名をされたと思いますけれども、仮の話で恐縮でございますが、例えば第一位、二位、三位までが、こういう余り不吉な話を言っても、まあちょっと欠けてしまったという状況で、防衛庁はそのことを今の体制の中ですぐに、即座に防衛庁側で認識できるようになっているのかどうかということを伺わせていただきたいと思います。
 それは、例えば首相官邸そのものが機能していない、ゆえに、どういう場合が想定できるかというとなかなか難しいかもしれませんが、例えば一番、二番、三番が欠けている状況で、四番の方に伺わなければいけないというときに、防衛庁側として対応ができるのか。すなわち言いかえれば、防衛庁側に常にその臨時代理の順位に応じて、応じてというかそのすべて五人の方の所在を今把握されている体制になっているのかどうか、伺いたいと思います。
#30
○国務大臣(瓦力君) これは従来、総理代理の五人ということではなくて、閣僚の出張でありますとか所在につきましては、それぞれ官邸を中心に各省庁もすべて承知をいたしておるわけでございます。よって、欠けたるときというのをだれが補佐するかというようなことは、私は機構上はそごが生じない形で処理をできる体制はあると考えております。
#31
○浅尾慶一郎君 私の質問が若干明瞭でなかったのかもしれませんが、私が伺いたかったのは、その官邸という中枢機能が仮に何らかの事由によって、官邸に聞けばわかるということではなくて、その中枢機能で逆に答えが出ない場合に、防衛庁側として即座に対応できる体制になっているのかなっていないのか。これはいろんな問題がありますから、なっていないならなっていないでも構わないんですが、官邸という機能が働かない場合に防衛庁側としてその当該責任者である臨時代理に即座に連絡がとれる体制になっているのかどうか、そこだけ伺いたかったんですけれども。
#32
○国務大臣(瓦力君) 今、委員から御質問いただいておりますのは危機管理、加えてそういう場合にどういう機能を持つかということは、私はそれぞれの国の体制がどうあるかということですが、我が国におきまして、今官邸機能ということで官邸と申し上げておりますが、やはり官邸機能がそれらに耐え得る体制でなければならないと思っております。
 よって、まず官邸機能を強化していくために、総理だけではなくて、周囲に補佐をする機構があるわけでございますし、また現在言いますと総理が官房長官を第一順位に置いておるわけでございますが、総理が御出張の場合は、恐らく官房長官は官邸に残るか東京にいらっしゃるというようなことで、責任を分かち合うような形で運営されるものと思うわけでございます。そういう面で私は、危機管理の問題は形の上ではできておると思います。
 私も危機管理について取り組みましたが、まさにいろんな事態が起こるわけでございますので、その事態にどう対応できるかということは常々心配をし、不測の事態に耐え得る体制をとっておくことが国家として大事だと、そういうぐあいに考えるものでございます。
#33
○浅尾慶一郎君 重ねての御質問で恐縮でございますけれども、私が伺いたいのは、官邸に連絡がとれないような事態があって、かつ首相が欠けた場合で、その臨時代理の順番がわからないと、わからないというか、どこまでどうなっているかわからないというか、防衛庁側で即座に官邸に連絡がとれない場合に、ではこの人が当該責任者になるので連絡がとれる体制をとっておられるのか。それとも、すべて中枢は官邸なので、官邸が連絡がとれない場合はこれはちょっとどうしようもないと、したがって、官邸が連絡がとれないようなことは起きないという体制になっているのか、どちらなんですかということなんですが。
#34
○政務次官(依田智治君) ちょっと官邸の危機管理に関する問題、私も前、安保室長をやっていた経験、その後の状況等を踏まえますと、阪神・淡路大震災等もあった後、官邸機能強化ということで、当時内閣情報調査室だけで当直していた体制を切りかえて、内閣安全保障室を内閣安全保障・危機管理室ということにして、審議官以下が二十四時間体制で状況をウオッチし総理を補佐するという体制ができております。
 これがつぶれちゃって全く何もないという状態はまた、防衛庁中央指揮所も生きておればそこのところを活用したりして連絡をとることになりますが、通常の場合ですと、この内閣安全保障・危機管理室中心に二十四時間体制が機能して、そして今どなたがどこにおり、どういう状況が起こっているかということは、世界各国の情報も含めてウオッチしておりますから、そこでもし例えば海上警備行動を発令する必要のあるような事態が起こりつつあるということですと、防衛庁とさらに臨時代理になるべき人といろいろ連絡をとりながら対応していくということになると思いますので、大体私は今の体制でそう間隙を生じずに対応できるのではないかと、こんな感じを持っております。
#35
○浅尾慶一郎君 大体御答弁わかりましたが、私が申し上げたかったのは、繰り返しになりますけれども、仮に言葉が適当かどうかは別として、官邸機能が爆破されるか何かの結果によってそこが全く使えなくなった場合に、防衛庁の今おっしゃいました中央管理室ですか、情報管理室において、順位について同時に把握される体制をとっておられるのかとっておられないのか、今の御答弁ですとどうもとっておられないような感じなんですが、その点はいかがでございましょうか。
#36
○国務大臣(瓦力君) これは総理が欠けたる場合の順位とは別に、防衛庁が持つ機能なりまた防衛庁に与えられた職務なりということを考えてみますと、私はそういう危機管理に対する情報収集能力をいかに持っておるかということは大事な位置づけをしておかなければならぬところでございますが、仮に防衛庁長官がその順位の中にいなくとも、総理直轄の機関といたしましてはその役割を果たすために官邸機能とある面では防衛庁の情報収集機能とが一体になる場合も私はあり得ると思っておりますし、そうではなくて官邸だけで行い得る情報収集活動というものもあり得ると。そこはどういうかかわりを持つかということは国家として対応の仕方がいろいろありますので、すべてが一体であるということは申し上げがたいわけでございます。
#37
○浅尾慶一郎君 これは議論があるところなんで、どちらが正しいということではないんですけれども、情報はとにかく官邸に集めるというのは当然のことだと思いますが、その情報中枢が何らかの事由によって機能しなくなった場合に、防衛庁側としてその情報中枢にかわり得る部分を、補佐、補完し得る部分を持っておいた方がいいんではないかなということを実は申し上げたかったわけであります。その点について御答弁は結構でございます。
 最後に、先般来、当委員会において、今進んでおります南北の朝鮮半島における対話との絡みあるいは日本と朝鮮半島、北朝鮮との対話の中で、北朝鮮が現にノドンミサイル、我が国を射程内におさめることができると言われておりますこのノドンミサイルを、米国の下院委員会における米国の韓国の将軍の証言によりますと百基既に配備されておるということで、それについて防衛庁長官は、その証言そのものについては承知をしておるけれども、配備については現在確認中であるという御答弁をいただいたわけでありますが、私が率直に疑問に思いますのは、まず第一に米国の調査で、あるいは米軍の調査で百基配備されておるということについて、それ以外に我が国として現状を確認する手段があるのかどうか。
 すなわち、現在計画がされております衛星ができない段階において我が国として主体的に確認がとり得る手段があるのかどうか、その点を伺いたいと思いますし、時間でしょうからもう続けて最後の質問もさせていただきたいと思いますが、もしそれがないとするならば、確認をとるとおっしゃっておりますが、どうやって確認をされるおつもりなのかということを伺いたいと思います。
#38
○国務大臣(瓦力君) 現在、防衛庁におきましては各種公刊資料の収集整理でございますとか、各自衛隊の陸上部隊、艦艇、航空機による警戒監視活動でございますとか、商業用地球観測衛星データの解析でありますとか種々の方策を用いながら、あるいは外務省その他関係機関との情報連絡、米国国防機関との情報交換等も通じましてでございますが、いろいろ知り得る限りの情報は常に収集したいという努力はいたしております。
 北朝鮮のノドンミサイルについて今御質問でございますが、既にその開発は完了しておりまして、配備を行っている可能性が高いと、こういうことで判断をいたしておるわけでございます。そもそも北朝鮮が極めて閉鎖的な体制をとっておりますことや、極秘裏に進められている活動であること、一般に発射台つき車両に搭載されまして移動をして運用されるものであると、こういうようなことで正確に把握するということは非常に難しいわけでございますが、防衛庁といたしまして今確たることを申し上げる状況にはございませんが、北朝鮮のミサイル関連動向につきましては引き続き細心の注意を払ってまいりたいと、かように考えておるわけでございます。
#39
○浅尾慶一郎君 時間ですので質問を終えさせていただきたいと思いますが、最後に一言だけ。
 米国の国会において米国の方が証言しておるという事実は、かなり私は現在の我が国の持っている能力からすればこれは重要なのかなと思っておりますので、ぜひその点も重視をしていただきたいということを申し上げさせていただいて、質問を終えさせていただきたいと思います。
#40
○益田洋介君 まず最初に、海上保安庁にお伺いしますが、先月五日午後四時四十五分ごろ、尖閣諸島の大正島北東約五十五キロの我が国の排他的経済水域において、中国の海洋調査船の大洋一号、四千四百トンが航行しておるのを航空機によって発見した。さらに、六日午後からは同庁の巡視船が追跡している。また、反復航行を繰り返していた。ことしになってからこれは三十一隻目であるし、昨年も三十隻がかなり頻繁な活動を行っていることが報告されている。この経緯について、まず御説明願います。
#41
○政府参考人(長光正純君) お答え申し上げます。
 先生御指摘の中国海洋調査船大洋一号でございますけれども、これは先ほど先生も御指摘になった、四月に我が国排他的経済水域内で調査活動を行い、私ども海上保安庁では、そもそもこういった活動につきましては、国連海洋法条約に基づきまして、我が国が排他的経済水域及び大陸棚の天然資源の探査、開発等につきましては主権的権利を有しておるということで、外国によるこういった調査は我が国の事前の同意が必要となっておりますので、このような活動を私どもの哨戒しております巡視船艇、航空機等が見つけました場合には、必要に応じ追尾、監視を行って、外務省等関係機関と密接な連絡をとり、事前の同意を得ていない海洋調査活動につきましては、その中止要求等、所要の措置を講じているところでございます。当該調査船につきましても、このような活動を行いまして、その時点で出域していったというようなことでございます。
 先生御指摘にございました、こういった海洋調査船の活動、ことしに入って私ども現認いたしておりますのは二隻でございます。それから、昨年、平成十一年でございますけれども、延べ三十隻ということになっております。
 以上でございます。
#42
○益田洋介君 次に、海上自衛隊ですが、三月九日の正午前後に、P3Cが奄美大島の北西三百六十キロの海域で、中国海軍のミサイル駆逐艦二隻と、それからミサイルフリゲート艦一隻を発見しております。
 この後、どういう措置がとられたのか。当然、今保安庁から説明があったとおり、国連の海洋法条約に事前通告していない領海侵犯の場合は違反するわけでございますので、これに対する海上自衛隊の措置、それから、例えば警告を発するとか、水域から排除するためにどのような手段を用いているのか。さらに、事前にレーダー等による侵犯の未然防止の方法は考えていないのか。
 今の報告を聞いていますと、どうも容認しているような状況で、こちらが働きかけても向こうは自動的に出ていくということを待っているような印象を受けてしまうわけですが、その辺の防止措置について報告をお願いします。
#43
○政務次官(依田智治君) 先生御指摘の件は、ちょうど通常の監視活動を行っている海上自衛隊のP3Cが、三月九日正午ごろ、奄美大島の北西の約三百六十キロの海域で、中国海軍ルダT級ミサイル駆逐艦二隻等を発見したという事案だと思います。
 それで、これにつきましては、私どもとしては、平素より我が国周辺海域について、艦艇、航空機等により警戒活動をやり、そういう時点で発見した場合には、監視を続けるとともに、海上保安庁その他関係機関に通報して、それぞれ所要の措置をとってもらうということにしておるところでございます。
#44
○益田洋介君 これは、日中両国間での排他的経済水域の解釈に違いがある。日本の場合はそのちょうど中間線を水域の境界としているのに対して、中国では尖閣諸島と石垣島の境の沖縄トラフまでであると。こういうことで違いがあるわけです。
 この領海の侵犯がたび重なって行われている。昨年の三月二十三日に北朝鮮の不審船が二隻入ったときも同じような問題を起こしている。実際はその一件だけじゃなくて、ここに発表されたように大変頻繁に中国船も入ってきている。相当しっかりした対応の仕方を我が国として考えないと、どんどん尖閣諸島と同じように既得権が設定されてしまっていくんではないか、そういうおそれを持つわけでございますが、長官、この点はいかがお考えですか。
#45
○国務大臣(瓦力君) 防衛庁として、平素から我が国周辺の海域におきまして、艦艇、航空機等によりまして必要な警戒監視態勢、こういう活動を展開しておるところでございますが、御指摘のように艦艇を確認した場合には、監視を続けるとともに、海上保安庁その他の関係機関に通報いたしておるところでございますが、やはり海上の秩序を維持するという点におきましてこれらに対しまして警告を発する場合もありますし、今申し上げたような海上保安庁と連携をともにしながら、艦艇の動向の把握というものをしっかりとらえてまいるということで努力してまいりたいと思っております。
#46
○益田洋介君 それでは、最近発表されましたアメリカの国防大学、外交評議会の共同作成による報告書、「中国の核兵器と軍備管理」の中で、かなり詳細な中国の最近の攻撃的な核戦略採用の兆しについての指摘がなされておりまして、その中で、NMD、これは全米ミサイル防衛構想というのが今アメリカの中で検討されておりますが、これはもともとアメリカの主張によると、中国を視野に入れたものではなく、むしろイラン、イラク、北朝鮮、それらの国からのミサイル攻撃に対して本土を防衛するというのを目的としているというわけですが、中国側は非常に敏感にこの構想に対して受けとめているようでございまして、例えばMIRVという各個誘導多核弾頭の開発など、一層核兵器の近代化を加速させるというふうな懸念が持たれている。この点について我が国としてはどういうふうに考えているのか。
 さらに、このリポートのまとめとして、中国が増強計画の結果として、十年後にどの程度のものができるのかというアサンプションの上に立って核戦力の水準をやはり考え直さなきゃいけない、そしてアメリカ政府としても新たな核戦略の策定をすべきであると、こういうふうな進言をしている。この点について長官はいかがお考えですか。
#47
○国務大臣(瓦力君) 中国の核戦力につきましてお尋ねでございますが、一九五〇年代半ばごろから独自の開発努力を中国は続けておりまして、昨年八月に新型のICBM、東風31と考えられる長距離地対地ミサイルの発射実験を行うなど、近代化の推進を図っております。防衛庁としても、このような動きに対しまして今後とも注目をしてまいりたいと、こう考えております。
   〔委員長退席、理事鈴木正孝君着席〕
 また、米国が国家ミサイル防衛、NMDを推進する背景にある大量破壊兵器及び弾道ミサイルの拡散に対する懸念は共有するところでありますが、アメリカのプロジェクトで、国家ミサイル防衛、NMDに関して防衛庁としてコメントする立場にはないわけでございます。
 アメリカ国防大学、外交評議会の報告、「中国の核兵器と軍備管理」で中国のMIRV開発に対抗するためNMDが必要になるというような報道も見受けるわけでございまして、これらにつきまして今後ともよく見てまいりたいと思っています。
#48
○益田洋介君 先日、当委員会は、委員長のお計らいがありまして、自衛隊の厚木基地、米軍基地もでございますが、視察をさせていただいた際、むしろ昨今話題になっていますダイオキシンの問題よりも騒音の問題についての周辺住民の方の声が強かったような印象を私は持っております。
 ちなみに、昨年の軍用機の民間空港における離着陸回数というのが発表になりました。これによりますと、ガイドライン関連法が成立しておりまして、空港使用についてはかなり既成事実化するほど頻繁に使われ始めてきている。特に、米軍機の場合は、若干、九六年以降減少傾向にありましたけれども、昨年は着陸回数、空港数ともに増加しておりますし、加えて、自衛隊機も一昨年より昨年の実績は七百二十四回離着陸の数をふやしている。
 この辺は沖縄サミットを前にしてかなり敏感に対応していかなきゃいけない、自衛隊それからアメリカの空軍双方とも問題じゃないかと思っております。このリポートによりますと、米軍機の場合は一番が長崎、それから福岡空港、自衛隊機は那覇、名古屋、長崎、こういうふうな順番になっております。
 これは、人道的な目的とかそれから緊急事態以外には回数を減らしていくとか、あるいは都心から離れた空港を利用するというふうなことをやはり対策として考えていく必要があると思いますが、この辺はいかがでしょうか。
   〔理事鈴木正孝君退席、委員長着席〕
#49
○国務大臣(瓦力君) 運輸省の公表資料によりますと、平成十一年の民間空港への自衛隊機の着陸回数の合計が三万六千回でありまして、前年度に比べて七百回増加しておると。また、平成十一年は平成九年との比較で約四百回の減少となっておりまして、平成十一年の着陸回数が特に多くなったものとは考えられないわけでございますが、こうしたことは問題であるとは直接的には考えてはいませんが、着陸回数の多い上位十位の民間空港のうち、対馬空港を除く九空港への着陸回数は、全体に占める割合は約九五%を占めておりまして、当該の九空港につきましては航空機を保有する自衛隊の部隊が配置されておりまして、こうした部隊は運用訓練のため日常的に滑走路を民間と共同で使用しているものでございます。
 いずれにいたしましても、今後とも地元の方々等の理解、協力を得つつ、自衛隊の任務を円滑に遂行するため必要な自衛隊機の運用訓練を行ってまいりたいと考えております。
 なお、米軍による民間空港の使用回数等については、当庁として今お答えする立場にはないわけでございます。
#50
○益田洋介君 それでは、沖縄サミットに触れた関係で、新政権としての非常に緊急に解決しなきゃいけない懸案事項、大きなものが二つありますが、アメリカ軍の駐留経費問題、それから普天間飛行場の移設問題、この二点についてこれからサミットに向けてかなり我が国政府としてはスタンスを固めておかなきゃいけないと思いますが、両政務次官に御意見を拝聴したいと思います。
#51
○政務次官(依田智治君) 駐留経費と普天間の問題。まず、駐留経費の関係は、私どもとしましては、やはり我が国の安全保障というのは自衛隊と日米安保体制、二本柱で成り立っておるわけでございまして、そういう面から、単に思いやり予算という問題ではなく、我が国の安全保障全般の立場に立ちながら、しかし、現下の厳しい経済事情、国民の理解も得ながら進めていくという点を厳しく認識しながら、日米間でしっかりと協議し、我が国の安全保障が確保され、かつ国民の理解も得られるような方向で解決していくことが望ましいと考えておりまして、そういう基本線に沿って解決していく必要があると考えております。
 また、普天間に関係する期限等の問題につきましては、これはもう大臣や外務大臣等もアメリカに行ってこの問題を取り上げたわけでございますが、国際情勢、それから日米安保体制における米軍基地の必要性とか、また沖縄の多年にわたる負担に対する県民感情、非常にそれらすべてが重要な問題でございます。そういう点から、知事さん、名護市長さんの期限についての申し入れというのは極めて重く受けてとめておるわけでございますが、今後、昨年十二月二十八日の閣議決定の線に沿いながら鋭意政府として努力していく必要がある、このように考えておる次第でございます。
#52
○政務次官(西川太一郎君) 私も、本年一月、そしてまた最近二回にわたって日米防衛首脳会談、ワシントン、東京と、大臣に陪席をお許しいただきまして、いわゆる普天間につきましては、昨年末の閣議決定を重く受けとめ、在沖米軍また在日米軍の戦力構成等についても、また国際情勢等の推移を見守りながら、沖縄の普天間基地の位置づけというものを非常に重く受けとめて、そして沖縄の方々の心情もこれまた重く受けとめていくという閣議の精神を大臣から取り上げられたところでございますし、また、ホスト・ネーション・サポートにつきましては、とみに我が国の財政事情が非常に苦しい状況にある中、納税者の御理解を十分得ながら、なおかつ日米安全保障体制を維持しつつ日本の安全と平和をどう守っていくか、こういう観点からの慎重な協議というものを取り上げられたところでございまして、私も、ただいま依田次官の考えと同様に、大臣を補佐してこの問題の解決に一生懸命努力をしていきたいと思っているところであります。
#53
○益田洋介君 それでは、当委員会でございませんが、行政監視委員会で先日取り上げさせていただきました、海上自衛隊のP3C哨戒機等に配備された新しいコンピューターの開発にオウムの二十五歳の信者が関与していた、開発は三年間かかって、昨年の三月に完成して実際に配備をされたわけでございます。そのすぐ直後に、三月二十三日に北朝鮮の不審船が二隻入ってきて、このときは既にこのコンピューターがP3Cに配備されていたところでございました。
 一つは、こうした非常に日本の防衛について大切な頭脳の役割を果たす自衛隊の艦船に配備するコンピューターの開発になぜこのような人選をして、人事管理をして開発を続けさせてきたのか。結果としてこれがオウムに悪用されていないのかどうか。オウムがどういうふうな無差別殺人をして、日本に限らず世界じゅうを震撼させたという記憶が忘れられてしまっているんじゃないかというそういう危惧を私は覚えますし、また、北朝鮮にこうしたシステムが流出しているというおそれがあるのではないか、この点について質問したわけですが、調査結果、装備局長にお話しいただきたいと思います。
#54
○政府参考人(及川耕造君) 御指摘のいわゆるMOFシステムかと存じますけれども、先生今お話ございましたように、オウム真理教の信者一名の関与を警察当局から受けたところでございます。
 受けまして、直ちに防衛庁といたしましては当該者が製造に関与したプログラムをまず特定いたしまして詳細に解析、チェックをいたしました。その結果、プログラムに不正なコード等は存在していないことを確認いたしましたところでございます。
 したがいまして、本ソフトウエアそのものに不正な内容はございませんでしたし、MOFシステムの運用によりまして同システムが扱います情報が外部に漏れるといったようなセキュリティー上の問題はないものとの結論を得たところでございます。
#55
○益田洋介君 終わります。
#56
○小泉親司君 私も先ほど防衛庁長官が報告をされました違法射撃事件の問題とNECによるいわゆる水増し問題についての報告について幾つか質問をさせていただきます。
 この問題については改めて当委員会でも質疑をさせていただくということになっておりますので、私、きょうは基本的な点だけをお聞きしたいというふうに思います。
 まず違法射撃事件の問題でありますが、この問題の最も重大な問題というのは、組織的な隠ぺいがあったかどうか、ここがやはり基本的な問題なわけです。先ほどどうも防衛庁長官のお話を聞いておると、組織的な隠ぺいと他の人に受け取られてもやむを得ない側面はあるけれども組織的な隠ぺいはなかったと、こう判断されておるんですか。
 私、限られた時間ですので、イエスかノーかという点、防衛庁長官が報告されたわけですから、長官、まずそのことだけをお尋ねいたします。
#57
○国務大臣(瓦力君) 小銃・機関銃事案といいますか、この問題につきましていわゆる隠ぺい、組織的隠ぺいというような問題はないということを申し上げておるわけであります。猟銃事犯につきまして、それと目されるといいますか、組織機構が全部でいわゆる隠ぺい作業をやっておるということではないがそうともとれるものである、そうともとれるという方にとっては否定できないものもあると、こう申し上げたわけでございます。
#58
○小泉親司君 そこのところが一番大事な問題で、そんな猟銃事件はどうだとか小銃・機関銃事件はどうだ、こういう問題じゃなくて、この問題というのはいわゆる猟銃、小銃、機関銃をめぐる一連の事件で組織的な隠ぺいがあったかどうかという問題が問われているわけで、これ五年前の話なんですから、そもそも。その点については防衛庁長官としてはどう判断されているんですか。
 つまり、それは組織的な隠ぺいはあったかどうか、あったというふうに受け取られても弁解の余地がないものだという、つまり他人が評価してそうなるのか、それとも防衛庁としては組織的な隠ぺいはなかったとどっちなんですか、そこのところをはっきりさせてください。
#59
○国務大臣(瓦力君) 今、委員御指摘のように過ぐる五年前の事案でございますが、そのことにつきまして、その当時の処分につきましては問題がありはしないかということで調査を命じたわけでございます。調査を命じまして、その過程で、秀島一佐の行為につきましては多分に彼の性格もこれ背景にございまして、また言ってみますれば、部隊特有の体質の中でその発言につきましては明確にしない者があったと。そういう状況を考えてみれば、要するに隠ぺいと一般的に見られてもこれは否定できない面がある、しかし多分にして個人のそういうことを背景に持つ事案であったということを先ほど申し上げたわけでございます。
#60
○小泉親司君 私、そこのところが非常にこの報告というのはあいまいなんですよ。さっき、じゃ防衛庁長官が言われたけれども、部隊特有の体質というのは、部隊特有の体質とは何なんですか。要するに隠してしまうという特有な体質なんですか。だから秀島がそうなったと、こうおっしゃるんですか。
#61
○国務大臣(瓦力君) 委員は既にそういう視点に立って御質問でございますから、これは説明申し上げても、自衛隊の組織が隠ぺい的体質だとあるいはおっしゃりたいのかわかりませんが、そうではなくて、今回の調査では、部外者による小銃、機関銃の違法射撃がなされた現場に居合わせた隊員以外にそれらの事情を、事実を承知していたとする関係者の証言等は得られなかったと。したがって、小銃、機関銃の違法射撃について陸幕、東方総監部による組織的な隠ぺいが行われたとは私は認識していないというくだりを申し上げたわけでございます。
 よって、これは五年前の事案でございますから、それを目撃した者百数十名に及び、また全国に散っており、また退職された方も、退官された方もいる中で慎重に事実関係というものを整理して時間がかかりましたと。そういう経過を経ておりますので、組織的隠ぺいというものは私は概して一般にとられる向きもあるがそういうものはないということで報告申し上げたわけでございます。
#62
○小泉親司君 そこのところは全然あいまいなんですよ、全く防衛庁長官の報告というのは。さっき、私の立場は違うというのはもう既に明らかなことで、自衛隊問題に対しては、私初めから自衛隊が隠ぺい的体質なんて一言も言っておりません。あなたが自衛隊の部隊というのは特有な体質を持っているとおっしゃっているから私そのことを指摘しただけの話で、私初めからそういうことを言っておりません。事実関係だけを明確にさせていただきたいと思います。
 それでは、あなたの報告でお尋ねいたしますけれども、あなたの報告の後ろから二枚目、「なお、今後公判等の過程において、新たな事実が明らかになった場合には、防衛庁として徹底的な調査を実施し、厳正に対処して参る所存であります。」というふうに述べられておりますけれども、まだこれから新たな事実が出る可能性があるということですね。つまり、まだひょっとすると隠していることがあるかもしれないということですね。
#63
○国務大臣(瓦力君) 先ほど報告にも申し上げましたが、私、訂正いたしますと、百数十名の方々というようなことで、関係者ということで申し上げたわけでございますが、目撃者はそれだけいないわけでございます。よって、五年間にも及ぶ事案調査でございますので全力を挙げて取り組みましたと、しかし万々が一そういうことがあるかわからぬが、我々は全力を挙げて調査をした結果として報告をさせていただいておりますと、こういうことを申し上げて、誠意を持って全力を挙げて取り組んだということを承知いただきたいということで申し上げているわけでございます。
#64
○小泉親司君 私が指摘しているのは、秀島一佐の公判の起訴事実というのは組織的な隠ぺい工作じゃないんですよ、そうでしょう。秀島一佐が公判で問われているのはいわゆる銃刀法違反なんでしょう。防衛庁の組織的な隠ぺい工作の問題が公判で問われるんですか。問われないじゃないですか。
 だから、現実問題として、「新たな事実が明らかになった場合」というのは、これは書く必要なんてもともとないもので、新たな事実が発覚する可能性があるから、こういうふうなことをまだ言っているという点では、私、この調査自体が非常に不十分さがあるということを防衛庁自身言っていることと同じなんですよ。
 それではもう一つお尋ねしますが、私自身が三月二十一日の当委員会で東部方面総監の文書を提示いたしまして、そこで何と書かれているかというと、いわゆる風評が起こる可能性はないから、事実上、言葉は悪いですが、もみ消してしまおうというふうな報告があったというふうなことで、私、その文書の報道について質問をいたしましたところ、新貝さんでしたか、人事局長が、そういう文書は存在する、これがどういう性格のものなのか今調査をしているところだというふうに答弁された。そうしたら、何でその報告書について今度の報告には触れられていないんですか。それがどういう性格のものだったかということを私質問したのに、それが今回の文書には何にも触れられていないじゃないですか。
#65
○国務大臣(瓦力君) 委員に申し上げますが、私の報告のまとめから二枚先でございますが、こう書いておるんです。
 調査結果に基づき、お手元にありますように、関係者に対する厳正な処分を行ったところであります。今後とも、綱紀の粛正を徹底させ、行政運営に万全を期して参る所存であります。なお、今後公判等の過程において、新たな事実が明らかになった場合には、防衛庁として徹底的な調査を実施し、厳正に対処して参る所存であります。
 このところは、今申し上げたように五年間という歳月を経ておるわけでございますし、これらの事案につきましての関係者も限られてはおりますが、方々に、おやめになったり、なお全国に散っておるわけでございますが、それに向けて全力で取り組んできた。なおかつ、綱紀の粛正というのはもう徹底していかなきゃならぬ。その中で私は、新たな事実が明らかになって処分をしなければならぬような問題が起こったとしても、なおそういうことを踏まえて徹底的な調査を実施して、厳正に対処して取り組んでいく覚悟であると、こういうことを申し上げておるわけでございます。
#66
○小泉親司君 私の質問をよく聞いていただきたいと思います。私、そんなことを質問いたしておりません。
 私が質問したのは、この前の当委員会で、東部方面総監の、総監のものの判こを押したものが全部、文書が存在するというふうに人事局長がおっしゃっていた。それについて今どういう性格のものか調査をいたしますと私に答弁していた。その調査をしたという結果については、この長官の報告には触れられていない。私、組織的な隠ぺい工作の問題としてはそこが一番大事な問題で、これを常識的には世間では組織的隠ぺいと言うんですよ。
 つまり、東部方面総監が全部判こを押して、風評が起きないように、多分今度の事案はうまくいくだろう、さらに民間人からこの問題が漏れることもないだろうと、こういうふうなことがあるということをもう人事局長だって認めていたわけだから、なぜそれが報告書の中に具体的に触れられていないんですか。全然触れられていないですよ。
#67
○国務大臣(瓦力君) 確かにさような答弁は局長いたしておりましたが、今私が申し上げましたように、これらの問題について、調査の過程におきましては真実を究明するために整合性を保たなきゃなりませんが、記憶に遠いもの、いろいろな問題がありましたから、それらの中で書類もあったでありましょう。それらの方を私は報告すればまとめなきゃならぬ、そういう作業はずっと丹念に続けたわけでございますので、それらのことについては、あのときの答弁が今報告の中に載っていないからという御質問でございますか。
#68
○小泉親司君 東部方面総監の文書というのはどういうものだったかといいますと、人事局長がこれは存在しているという問題を答弁されたものは、実際にこの事案について部隊内でも風評もないから、まあ隊員から告発なんてないと思われると、民間人三名もいろいろと自衛隊が調べたけれども、そこからは、民間人からは漏れることがないだろうと、だからうまくやってしまおうじゃないかという東部方面総監の文書なんですよ。
 だから、そういうものが存在したと言っておいて、私が質問したら、それは今調査中なんだと、どういう性格で出たのか調査をしているんだとおっしゃっているんです。ところが、それについて何ら触れられていないじゃないかということを言っておるんですよ。
#69
○政務次官(西川太一郎君) 小泉先生の御指摘でございますが、違法射撃事案調査報告書本体の十二ページのちょうど真ん中から……
#70
○小泉親司君 我々のはページが振っていないんです。
#71
○政務次官(西川太一郎君) 失礼しました。こちらの報告書の方でございます。大臣が口頭でお読み上げしたものとは別の、お手元にお配りしてございます報告書の方でございますが、そこの十二ページをごらんいただきますと、東方人事部長が報告資料の、ただいまお話にございましたようなものを作成する際に、「東方服務幹部は陸幕服務班員に対し電話で、処分の検討に関する助言を求めたが、同班員は陸幕人事計画課長の考えを承知しておらず助言できなかった。」云々、このくだりと、それから十四ページに、「当初の評価である「本事案が部内外から表面化する恐れもある。」との文言を修正して、二十一日(水)、部内外からの告発等はないものと判断し、「表面化するおそれはないものと推測される。」と、総監に報告している。」と。
 こういうように、総監で作成いたしました資料を十分に検討し、そしてこの報告書を作成いたしておるわけでございまして、先ほどの大臣の口頭の報告の中に直接これに触れなかったことがあったのか存じませんけれども、この十二ページ、十四ページで、このことにつきましてはこの文書を十分調べた結果御報告を申し上げているというのが当庁の見解でございます。
#72
○小泉親司君 この文書の問題というのは、組織的な隠ぺい工作があったかどうかという点でのキーポイントなんですよ。それをきちんと防衛庁長官のところで触れていないというのは、私は非常に重要な問題だというふうに思います。私、きょういただきましたので、改めてまた質問させていただきます。
 NECの問題があるので、もう時間がなくなっちゃったので、長官がちょっとくるくる答弁が変わるので、NECの問題だけお尋ねいたしますが、長官がNECについて報告をいたしましたけれども、この報告のうち、これまで国会で答弁してきた以外の新しい事実というのは何なのですか。──ちょっと時間がないので。
#73
○委員長(矢野哲朗君) 速やかに願います。
#74
○国務大臣(瓦力君) 事前に個別の質問の設定がございますればお答えも用意できるわけでございますが、今突然の質問でございますので、今打ち合わせをいたしているところでございます。新しい……
#75
○小泉親司君 おかしいよ、それは。
#76
○国務大臣(瓦力君) よって、装備局長の答弁はよろしゅうございますか。
#77
○小泉親司君 報告内容だって知らされていないんですよ、長官。初めて私ここで聞いたんですよ。よろしいですか、報告内容はきょう初めて聞いたんですよ、私はここで。だからそれについて質問しているんです。あなたが今報告したもののうち、これまでの答弁にない新しいものというのは何なんですか。はっきりしてください、長官。
#78
○国務大臣(瓦力君) 大変答弁が滞っておって申しわけありません。日電が謝罪をしておるところと、担当した職員の数でございますか等につきましては新しい事実として盛り込んでおります。
#79
○小泉親司君 私、極めて不誠実で、極めてこのNECの報告書はでたらめ、でたらめというか不誠実な報告だと思いますよ。今まで答弁したことを全部まとめただけなんです、これ。
 いいですか、この前三月二十一日に当委員会で議論になってこの報告書を提出すべきだというところの質問、私の質問は、「NECに係る事案がどういう背景でどういう手口で、二重帳簿をめぐる問題を含めて、なぜこのような事態が起きてしまったのか、それに対して防衛庁が具体的にどういうふうに関与した、その結果どうだったのかということをやはりきちんと国会に報告しないと、私はこの問題での徹底解明というものはないというふうに思います。」、これ、私の質問であります。同僚委員の佐藤議員の質問も、例えば国民サイドから見ましたら、「NECは五年間で五十億と言っていた。あれはうそ発表だったのか。なぜそれが三百十八億に膨れ上がったのか。この三百十八億の積算根拠は一体どうなっているんだと。いつから始まって、各年度ごとにどれだけの水増しがあったのか。」「NECの社長や会長あるいは取締役がどの程度関与していたのか。彼らの責任はどういうふうになっているのか。」、こういう問題を求めているんですよ。それを、今まで答弁してきたことのうち、何ですか、調査に参加した職員の数だけ新しいと。私、そんな不誠実な報告を出してこの場を切り抜けようと思っても、私は問題だと思います。やはり、私はこの問題については、NECの事案については改めてきちんとした報告書を提出されるということを、私、委員長に求めておきたいと思います。
 先ほど言いましたように、新しい事実なんというのは極めて、何といいますか枝葉末節なことだけ、あとは今までの答弁を繰り返して、この当委員会を何とか切り抜けようと作文しただけじゃないですか。私、そのことを委員長に強く要望したいというふうに思います。
#80
○委員長(矢野哲朗君) 後刻理事会で協議をさせていただきます。
#81
○小泉親司君 以上で終わります。
#82
○国務大臣(瓦力君) 委員長。
#83
○委員長(矢野哲朗君) 瓦防衛庁長官、時間が、定刻が過ぎております。簡潔に答弁願います。
#84
○国務大臣(瓦力君) たびたびの質問でございますが、これらにつきましての質問通告がございますれば御用意もさせていただいたわけでございますが、加えて申し上げますと、防衛庁として保存書類により平成二年ごろから過大請求が行われていたことを確認するとともに、日本電気株式会社から、明確に特定することは困難であるが、昭和五十年代の早い時期から二重帳簿等による過大請求が行われていたのではないかと推測されるとの説明を受けている。また、同社からは、このような過大請求を行った背景として調達実施本部の査定が厳しく工数の水増しをしなければ利益が出ない状況にあったという認識が示されていると、これらについては、きょう、資料の方には掲載されておるわけでございますが、私の冒頭の説明ではこれらについて触れていなかったわけでございますので、順次あとまた説明をさせていただきたいと思います。
#85
○政務次官(西川太一郎君) 防衛庁としては、小泉先生が委員会で、防衛庁として反省すべき点はどこにあってということをきちんと国会に報告して、その教訓をやはり国会でも明確にさせ、これからの再発防止云々と、そういう大変貴重な御指摘をいただいたものでございますから、この報告書の特に八ページはその点を踏まえて念を入れて、防衛庁が講じた再発防止策でございますが、これを五つの問題にきちっと分けて御報告したつもりでございまして、そういうおしかりをいただくことは、まことに説明がうまくなくて申しわけなかったと思っておりますが、誠実に対応しているつもりでございます。
#86
○小泉親司君 ちょっと委員長、一言だけ言わせてください、防衛庁長官が言われるので。
 私は質問通告はいたしました、NEC問題に関する報告書について。NEC問題に関する報告書について質問をするということは事前に通告いたしております。ただ、内容についてはきょう聞いたんですから、よろしいですか、それは質問の通告しようがございません。だから、NEC報告についてはやると言っておりますから、それは間違いでございます。一言だけ申し添えておきます。
 以上でございます。
    ─────────────
#87
○委員長(矢野哲朗君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、山本一太君が委員を辞任され、その補欠として久野恒一君が選任されました。
    ─────────────
#88
○田英夫君 本日議題になっております法案の中に、海上自衛隊の特別警備隊員に対する手当という部分がありますので、これに関連をして特別警備隊の問題について取り上げたいと思います。
 昨年の三月の不審船の事件があって、それに関連をして「能登半島沖不審船事案における教訓・反省事項について」というのが六月四日に政府から官房長官の会見で発表されておりますが、これに基づいて恐らくその特別警備隊というものが設置されたと推測をするんですが、私どもは、全くこれは報道を通じて承知する以外にありませんでした。我々には特別警備隊を設置するというような話は一切報告がありませんでしたから、政令でされたということでしょう。となると、これはどういう法律のどの条項に基づく政令で設置されたのか、これはいかがですか。
#89
○国務大臣(瓦力君) 先般の不審船のような事態は、今後いつ再発するかもしれないことから、政府といたしまして、昨年六月四日の関係閣僚会議におきまして、教訓、反省事項の取りまとめを行ったところでございます。
 その際、自衛隊の対応能力の整備を行うとともに、不審船に対する立入検査等への対応については、不測事態等も念頭に置いた停船後の立入検査等に対応し得る要員の養成について検討することとされました。
 防衛庁といたしまして、これを受け検討を行った結果、不審船に対し立入検査を行う場合、当該不審船が武装している可能性がある場合には、あらかじめその武装解除、無力化を実施する必要があり得るわけでございまして、他方、かかる活動はこれまで想定された海上自衛隊の戦闘とは異なることから、一般の艦艇乗員はこれを適切に行う技能を有しておらないわけでございますので、一般の艦艇乗員に不審船の武装解除、無力化を行わせれば相当の人的被害をこうむる可能性もある。このことも考えられるわけでございまして、このため、このような点を踏まえれば、要員の安全を図りつつ立入検査目的を達成するためには、不審船の武装解除、無力化を本務とする特別警備隊を新編する必要があると判断したわけでございます。よって、このことを、能登半島不審船事案の教訓から、今後の対応として新編編成に取り組むということに相なったわけでございます。
#90
○田英夫君 今私が申し上げたのは、どういう法律の第何条によるのかということなんですが、これは私の方から申し上げましょう。自衛隊法の十五条でいいですか、海上自衛隊のことに関する。これは政務次官、いかがですか。
#91
○政務次官(依田智治君) 自衛隊法では、海上自衛隊の基幹的な部隊、例えば護衛艦隊、潜水艦隊、航空集団、これを法律事項として規定していまして、自衛隊法二十三条及び自衛隊法施行令三十二条により防衛庁長官に委任されている権限というのがあるわけでございまして、我々の場合は、この基幹部隊ではない六十名による小規模の特別警備隊というのは、この二十三条及び施行令三十二条に基づく長官の委任によって設けるということができる、このように考えておるわけであります。
#92
○田英夫君 今、政令でやられた根拠を言われたわけですけれども、どういう法律のどの条項にかというので、十五条ということを私は挙げましたけれども、これは海上自衛隊の部隊の組織、編成について定めているわけですね。そこに自衛艦隊というのはこういう部隊から成っているということは書いてある。その中には特別警備隊というのはないんですよね。そうなると、特別警備隊というものを設置するにはこの部分の法律改正が必要じゃないかということを聞きたかったわけです。
#93
○国務大臣(瓦力君) 特別警備隊は、自衛隊法に直接規定すべき海上自衛隊の基幹部隊とは異なりまして、小規模かつ限定的な任務を行う部隊であること等から、自衛隊法二十三条及び自衛隊法施行令第三十二条により防衛庁長官に委任された権限に基づき創設をすることが可能である、かように考えておるわけでございます。
#94
○田英夫君 この問題、議論をしていると時間がなくなってしまいますから先へ進みますが、これで政府としてのいわゆる不審船、先ほどもちょっと出ましたけれども、この不審船という言葉は大変あいまいでありますが、領海侵犯という問題ですね。
 領海というのは十二海里、さっきちょっと混同するようなやりとりがあったように思いますが、もう一つ二百海里の排他的経済水域、この辺をはっきりしておかないといけないと思いますが、領海であってもこれは無害航行権というのを認めているというのが国際法の規定であります。だから、領海に入ってきたからけしからぬということにはならぬのですよ。そうでしょう。
 そこで、海上保安庁の次長おいでになっている、どうぞ前に来てください。これは今までは海上保安庁がこうした問題についてはやってこられたから、その解釈を聞きたいんですけれども、いわゆるこの領海侵犯、これは例えば漁業法違反であるとかあるいは密輸だとか、そういう違反をしない限り、無害航行である限りはこれは認めるというのがもちろん原則だと思いますが、その仕分けは、海上保安庁今までやってこられた中でどういうふうに仕分けをしておられるんですか、不法であるかどうか。
#95
○政府参考人(長光正純君) 領海への侵入船の整理でございますが、先生御指摘のとおり、いわゆる無害の通航権、これは認められております。それ以外は、結局いわゆる無害ではない通航ということになるわけでございます。
 ちょっと統計的に昨年の例で申し上げますと、平成十一年でございますけれども、我が国の領海内でいわゆる違法な操業といいますか、漁業関係でこういった不法行為を行っている、あるいは徘回をするという、動きが不自然なような行動をとった外国船舶、これは一千八百一隻、私ども確認しております。こういった船に対しましては、当然不法行為船に対しましては警告、退去というふうな措置をとりまして、これにつきましては一千五百六十二隻ございましたけれども、一千五百四十七隻を退去させております。さらにそういった中で悪質なもの、これはその差の十五隻でございますが、これは検挙する、こういうような事態になっています。
 このような措置を講じてきておるわけでございますけれども、さらにこのほかに、我が国の領海内に入る船舶には、荒天等の場合にいわゆる避泊、避難ということがあります。これで緊急入域をする船舶がございます。これが平成十一年で五千七十九隻ございましたけれども、これは原則は海上保安庁の方にそういった緊急入域の場合は通報、通告することになっておりますが、そういったことをきちっとやるように指導するとともに、こういった船舶に対しましては、不法な密出入国あるいは密輸等にもかかわることも考えられますので、立入検査等を厳重にやっておる、こういう状況でございます。
#96
○田英夫君 それでは、時間が余りなくなってしまったので、質問というよりも私は政府に対して意見を申し上げておきますけれども、特別警備隊というものを海上自衛隊につくったということで、政府の基本的な方針として、政策として、今、海上保安庁次長から説明のあったような不法に領海内を徘回したり、つまり不法な行為をしている者に対する海上の取り締まり、これは一にかかって海上保安庁が第一義的にやるということはもちろん変わらないと思います。そうでなければ、これは国際的に大変大きな波紋を呼ぶことになると。
 例えば、アメリカでも沿岸警備隊がある。ヨーロッパの国境を接している国々の間では国境警備隊という警察を置いているわけです。警察隊を使っている。これは非常に大切な知恵ですよ。それを軍隊がやらない。特別警備隊を海上自衛隊は持ったから海上の主役は海上自衛隊になったと思われては困る。
 このことは非常に重要な問題であって、国際的に誤解を与えてはいけないと思いますので、私はさっき特別警備隊を置くことを我々にも報告しない、国会で審議もしない、そういうやり方に対して疑問を呈したのは、そういうことを国会に提起することによって、日本の政策が基本的には変わっていない、特別警備隊を置いても主役はあくまでも海上保安庁だ、警察ですと、こういうことを確認すべきだったと私は言いたいんです。
 それで、今度の特別警備隊についてもさまざまな疑問を私は持っている。例えば、もし今後仮に不審船というものが来て、それで海上警備行動というものが発動されて、八十二条ですね、それで海上自衛隊が出ていった、特別警備隊が出動した。そこでその船が停船したらどうしますか。もし相手の不審船が停船したらどうしますかということをお聞きしたいんですよ。
#97
○国務大臣(瓦力君) ただいまの田先生の御意見のとおり、特別警備隊は、第一義的には海上保安庁の任務は警察行動として十分承知をしておるわけでございますが、先般の能登半島沖の事案につきましても、これは先生もよく御承知のとおり、船名を日本船名を使い、なお船型からいたしましても一般漁船ではない、こういう判断もこれあり、よって、この船に停船を命ずる等いたしたいと、そういう努力をしましたが、想像を超える速さで逃走したわけでございます。それに対応して……
#98
○田英夫君 停船したらどうするかと言っているんです。
#99
○国務大臣(瓦力君) 停船をすれば、私は中で、それは停船して、秩序に沿って、こういう目的であると。立ち入りを私は得られれば、そういうことが海上出動において当然なされるべきだと思います。
#100
○田英夫君 私が申し上げたいのは、特別警備隊ができた。もう特殊部隊ですね。大いに張り切って、不審船がいた、停船を命じたら停船した、恐らくそこで立入検査といって乗り込んでいきますよ。それでいいんですかということを言いたいんです。
 そこは、私はもう時間がないから結論を言っちゃいますと、去年の不審船のときに海上保安庁のある現場の体験者が、私どもはそのことを非常に危惧します、悪いけれども海上自衛隊が出動されたら、いきなり停船したら立ち入りされるでしょう、私どもはそうはしません、まず接近をして催涙弾を撃ち込みます、中の人が行動できないようにしてから入りますと、こうプロは言うんです、プロは。どっちがプロでしょうかということを申し上げたい。
 つい軍隊的な行動の訓練をしている自衛隊の人は、その辺のところを今後訓練として十分わきまえた行動がとれるかどうか。そうでないと、海上警察行動をすることを原則とする場合には軍事行動をしちゃいけないんですからね。
#101
○国務大臣(瓦力君) 田先生、いろいろな御経験も深いわけでございますが、この特別警備隊は海上保安庁の持つ警察権を超えて行動するものではございません。よって、任務は不審船の武装解除等の極めて限定的な部隊であると。先般の事例に基づきますと、こういう部隊を新編することは必要である、こう承知をいたしまして、常に海上保安庁と海上自衛隊は連携をとりながら、海上の秩序をいかに保つかということに今取り組んでおるわけでございます。
 なお、それらの枠を超えて、いわゆる古い形での突然に乗り込むというようなことは、不審船自体は乗り込むかどうかということは非常に危険な状態ですから、そこへ催涙弾を撃ち込むこともこれは問題がありとするわけでございますから、まず停船を命じる、そういうことで私は同意を得ることがあらゆる面で先行するわけでございますが、なお逃走する、それで逃げ回ればそれを捕らえなきゃならぬということが秩序を保つためには必要な作業として出てくるわけでございます。
#102
○田英夫君 もう時間がありませんから、大変危惧の念を持ちながらこの特別警備隊の設置ということを考えているということを申し上げておきます。
 終わります。
#103
○田村秀昭君 小渕前総理の入院から青木官房長官が総理大臣臨時代理に就任するまでの経緯について、指揮の中断があったのではないかという観点から御質問をさせていただきます。
 四月二日の午前八時前に前総理が集中治療室に入られてから四月三日の青木官房長官が総理大臣臨時代理に就任されるまでの間、十三時間の長きにわたって我が国の最高指揮官は不在であったと私は認識しているんですが、防衛庁長官はどのように感じておられますか。
 それと、防衛庁長官は、ほかの委員会でも言っておられますが、臨時代理に就任されるまでの間、何も情報を受けておられなかったというふうに聞いておりますが、いかがなものですか。
#104
○国務大臣(瓦力君) 小渕前総理が御入院になったと、こういう事実は、私は、四月二日、日曜日でございますが、夜半、もう深夜でございますが十一時半ころ、そういう第一報を受け取りました。これは官邸とかそういう機関ではございません。体調を悪くして御入院されたと、ただそれだけ私は承知をしたわけでございますが、三日、これは月曜日でございますが、十二時四十分から行われました臨時閣議の場において、官房長官から小渕前総理の病状等について報告がなされたわけでございまして、このとき初めて病状の重さといいますか深さを承知したわけでございます。
#105
○田村秀昭君 私の申し上げているのは、まず第一点は、最高指揮官が不在であったという事実について、部隊運用では指揮の中断と言いますけれども、どこの外国でも瞬時たりともそういうことは、総理が、最高指揮官が不在というのは、指揮の要諦でありまして、こういうことはもう厳に慎む、あってはならないことでありまして、どうも我が国は、そういう感覚よりも、国家の危機管理という言葉で言えばそういう言葉になりますが、国家の危機管理よりも政治的な根回しが優先されているのではないかと、そういうことを部隊の隊員が非常に強く不満に思うと。我が防衛庁長官の最高指揮官である人が十三時間もいなくても何ともだれも陳謝もしないし、政治的根回しの方を優先してそれでいいんだというようなことを日ごろから、ずっとここ五十年間続けてきているからいろんな不祥事が起きるんだと私は思います。そういう基本的なところがきちっとしていないのに、これからもしない、していないんですよね。
 では、これからどうするのかといったら、官房長官を臨時代理にこれからするようにしようとかしないとか、じゃそれはどういう形の上でするのか、閣議で決定するのか、どういうふうな手続で最高指揮官が病気のとき、あるいは欠になったときにするのかという手続すらない。
 そういう点についてどのように防衛庁長官はお考えになっておるのか、お尋ねしたいと思います。
#106
○国務大臣(瓦力君) 実は、先生御指摘のように、我が国の危機管理につきましては、なかなか厳格な危機管理体制というものは私は構築されていないと思います。これは、歴史を見ましても欧米社会とは違った面もございますし、風土の中に政治家はやはり明日元気で出てくるよというような期待もあるわけでございますので、そこは日本特有の環境があるということは否定しません。
 しかし、今事実関係から申し上げまして、青木官房長官が四月二日の午後七時ごろ、小渕総理とお会いした際、有珠山噴火の心配もあり何かあれば万事よろしく頼むと指示を受けたと、こういうお話もございました。よって、私自身もそう承知をしましたのは、そういう危機であると、こう思わなかったわけでございますが、日を置いて閣議における総理の病状を聞きまして驚いたわけでございますが、私は、その後の内閣の危機管理といたしまして、総理がいわゆる事あるときには順位を設けるということで、森内閣総理大臣にとりましても、官房長官が万が一のときは受けるよと。順位として五番目に私も名が並んだわけでございます。
 私は、今後、危機管理体制の中で総理が欠けたる場合ということを含めてどう対処するかということは大事な課題だと思っております。言ってみれば、自衛隊にとりましては、最高指揮官がどういう状態であるか、医師の判断ができるかということが、これは国の重要な、大切な問題でありますから、今後は、私は、官邸との間に常々緊密な連絡をとっておるわけでございますが、そういった責任において十分その役割を果たしていかなければならないと考えております。
#107
○田村秀昭君 特に、今のような防衛庁の、総理府の外局で位置づけられておって防衛庁長官の立場で国防全般の指揮をとれないような法体系になっているときに、今回のような十三時間もの中断があるということは、国防大臣、国防省になっているのならまだいいですけれども、そこのところが非常に、防衛庁にしているのならしているそういう仕組みの中できちっとされないと私はいけないんではないかと。
 それで、余り防衛庁長官には逐一のいろんな報告が官邸からなかったような報道もされておりますし、私はとんでもない話だというふうに思っているわけです。
#108
○国務大臣(瓦力君) 今、過ぎてみまして、客観的に総理の病状が御入院中とはいえ大変重いものであるということを後になって承知したわけでございますが、経過をたどってみますと、総理が入院する前に青木官房長官に指示をしておられた、青木官房長官も内閣総理大臣臨時代理を、その職務を行使されるといいますか、そういう状態にあったわけでございますから、私は法律的には、防衛庁長官として、欠落した総理であると思わない。それは、総理にかわる官房長官がいるわけでございますから法律的には欠落しておることであるとは思わないわけでございますが、事実問題としまして今後こういったことが覆い隠されるということであれば問題があるなというぐあいに考えまして、官房長官がその代理を務めておられる覚悟を持っていらっしゃったということは法律的欠落は私はないと、こう思うわけでございます。
#109
○田村秀昭君 それは、今の長官の御答弁は、青木官房長官が総理大臣臨時代理になった四月三日の午前九時以降の話じゃないですか。その前はどうなんですか。
#110
○国務大臣(瓦力君) その前、その時点におきましても、青木官房長官は、総理との間における信頼関係といいますか、職務の上での、代理を行う職務が開始できる体制にあったという解釈をするわけでございます。
#111
○田村秀昭君 それはどういう手続で、いつそういうことになっていたんですか。
#112
○国務大臣(瓦力君) 災害時の緊急事態が発生した場合には、その時点で直ちに内閣総理大臣臨時代理としての職務を開始できる体制にあったということでございます。
#113
○田村秀昭君 それは、いつからそういうふうになっているんですか。
#114
○国務大臣(瓦力君) それは、四月二日の午後七時以降、ころと言っておりますが、小渕内閣総理大臣と青木官房長官が面会した際、有珠山の噴火の心配もある、何かあれば万事よろしく頼むと、さような指示を受けていたということでございますので、今申し上げましたように、災害時の緊急事態が発生した場合でも、その時点で直ちに内閣総理大臣臨時代理としての職務を開始できる体制にあった、かように防衛庁長官としては理解をいたしております。
#115
○田村秀昭君 それは、防衛庁長官は何ら連絡を受けていなかったんじゃないですか。
#116
○国務大臣(瓦力君) 連絡は受けておりませんが、現に総理はそういう状態であるということは私はわかりませんから。しかし、そういう事態が起これば、官邸と連絡をとれば、総理がそういう事態であるが官房長官がそれを受けるという、こういう立場に変わるわけでございますので、その時点においては私は総理がどういう病状であったかということは承知をしなかったわけでございますが、法律的な欠落、欠陥は私はないと思っております。
#117
○田村秀昭君 時間がございませんけれども、そういうのは指揮とは言わないんです。防衛庁は総理大臣が最高指揮官として指揮をとっているわけですから。今、長官がお答えになったようなことはへ理屈みたいな、事務屋がつくっているのをお読みになってもだめですよ、僕は長官だけに聞いているんだから。だから、そういうことですから、そういうのは指揮とは言いませんので、それだけ申し上げて、もし長官何かございましたら、もう時間がありませんのでこれでやめますが、我が国の危機管理上非常に重要な問題であるということを提起させていただいて、質問を終わらせていただきます。
#118
○国務大臣(瓦力君) 御経験の深い田村先生に再度私申し上げてあれですが、いわゆる欠けたるときという解釈でございますが、総理がその意思を決定される、また意見を徴する状況にない場合、欠けたる場合ということであるかどうかということは私の場合から見ればわからないわけでございますので、指揮をどうとるかということにつきましての最初の判断のときには、まず官邸に連絡をとる、さすれば官房長官が臨時代理であるということで、指示を受ける場合もありましょうし、よってまた臨時の閣議をすぐ開く場合も起こり得るわけでございますが、そのような事態には当夜はなかったということであると思います。
#119
○佐藤道夫君 私からは、本日御報告のありました違法射撃事案、それからNECの過大請求事案、これにつきましては報告書をつぶさに検討いたしまして後刻またお尋ねをするということで、本日は、何かと先般来問題になっております石原東京都知事の三国人発言をめぐる問題につきまして防衛庁長官の御所見を伺いたいと、こう思っております。
 石原知事は、我が国に不法に入国した三国人、外国人というふうに言いかえておりますけれども、これが大震災その他大災害が発生した場合に集団で大変な暴動を起こすおそれがある、大変な騒擾事犯の発生も考えられる、警察の力には限りがある、そこで自衛隊もこのために十分な任務を果たしてもらいたいということを申し述べていたわけであります。
 実は、世間の方はこの三国人の発言にとらわれまして議論がそれで終始してしまったと。最終的には、いろんなこと、紆余曲折ありましたけれども、石原知事が、まことに遺憾である、今後使わないということをおっしゃったので、一応一件落着と考えていいかと。あの自信満々の、恐らく引っ込むことを知らないあの知事さんが遺憾であるという言葉を使ったことは、少なくとも相当な挫折感を味わっておるんだろうと。それは彼の反省の弁として受けとめていいわけでありまして、三国人論争はまず終わりとしてもいいかと思いますが、私は、その三国人発言の中に隠れていて、全然世間的に問題となっていない内容の方を取り上げてみたいと思うんです。
 実は、彼は大変な発言をしておるんですよ。一たん事あるときには、この日本に不法に入ってきたような不良外国人が集団で暴動を起こす、大規模な騒擾事件を起こす、これはもうとても警察の手には負えない、よって自衛隊が治安出動するしかないんだよということなのであります。
 日本に不法に入国してきた外国人、特に三国人と呼ばれる人たちがどれぐらいいるのか私わかりませんけれども、それが何か集団で万が一のときは暴れようということで一つのグループ、集団をつくりまして、それから武器も用意してこそこそと何か陰謀をたくらんでおる、さあ地震が来ないかと彼らが考えている。そんなことを今まで考えていた日本人は一人もいないんじゃないでしょうか。
 特に、不良外国人というのは、東京を中心とする首都圏と大阪を中心とする京阪神に大量に住んでいると、こう思われますけれども、既にして五年前に阪神大震災のときに何か問題が起きたかといえば、何も起きていないわけです。むしろ、極めて治安、秩序もよく保たれていたというわけでありますが、阪神地区に住む外国人は非常におとなしいけれども、東京地区に住む外国人はこれは危険でしようがない、すぐ暴れ出すんだというふうなことを石原さんは考えておられるのかどうか。
 しかも、こういう話が一小説家の空想の産物で言ったり書いたりしておることならだれも相手にしない、それはそれでいいんですけれども、東京都知事という限りなく重い立場の方が口から発した言葉なんですね。
 いかな石原さんでもいいかげんなことは言うわけはない。きちっと調べた上で、彼が調べるということは警視庁に照会したのでしょう、警視庁は彼の管轄下にあるわけですから。そして、警視庁が、いや知事大変です、万が一東京で大地震が起きたら、もう不良外国人たちが暴れ出して我々の手には負えません、自衛隊と今のうちから話をつけておいてくださいよと、それぐらいのことは警視庁が言いまして、それを踏まえて石原知事はああいう発言をしたと。その立場立場で物を言う人は皆それだけの責任があるわけですから、いや単なる思いつきだと、そんなことは許されるわけはないのであります。
 そこで、防衛庁長官にお伺いしたいんですけれども、警視庁がそれだけの危惧感を持って知事に資料を上げている、いや大変ですよ知事さんと言っているんだろうと思います。警視庁が調べているぐらいですから、防衛庁も責任を持って、いざというときには治安出動するわけですから、一体東京周辺の不良外国人はどれぐらいいるのか。韓国系の人、中国系の人、パキスタン系だとかイラン系だとか、あの人たちが危ないと、こう恐らく知事は思っておるんでしょうね。
 いずれにしろ、そういうことについても十分に調べ上げて、彼らはこんな武器も隠し持っている、いざとなったら警察の手には負えないから我々が出動せざるを得ないんだと、知事はなるほどいいタイミングで世の中に警告を発してくれたと、こう考えておられるのか。いやそんなことはない、あれはいいかげんな話なんだ、世間を驚かすまことにもって知事にふさわしくない発言なんだと、こういうふうに考えておられるのか、どちらでありましょうか。結論だけでも結構なんですけれども。
#120
○国務大臣(瓦力君) 佐藤先生は御専門でいらっしゃる分野でございますので、大変私も緊張しながら答弁しなきゃなりませんが、石原都知事の発言につきましては、私の立場でコメントする、そういう立場にはないわけでございますが、先生今お話しのように、一般論として申し上げれば、公共の安全、秩序の維持につきましては警察機関の責務でございます。自衛隊は、警察機関のみでは治安を維持することができない場合に対応することとされておるわけでございまして、自衛隊・防衛庁は、そのときの状況に応じて与えられた任務に適切に対応してまいりたいと考えておるわけでございます。
 大変この問題は各紙にも報道されていたわけでございますが、私もなるべく慎重な対応をとってまいりました。また、コメントする立場にはないわけでございますが、時として大変難しい問題を提起しておったわけでございますので、慎重に扱ってまいりたいと思っています。
#121
○佐藤道夫君 基本的に第一歩から長官は間違っておられると思います。コメントする立場にないと、それは新聞記者やその他の人の言うことでありまして、長官は何しろ治安出動を命ずる立場にあるのです。そして、大震災、あすにでも起こるかもしれませんよ。この場合は知事は、もう警察の手に負えない、そういう事態が想定されるんだということを何か根拠があって言っていることは間違いない。ところが、それに対してコメントする立場にないと。
 求められたらどうするんですか、治安出動を求められたら。急に言われても困る、我々は何の準備もしていないんだ、それはそっちでやってくれ、警察が頑張っているから警察に頼んでくれと、そうとでもおっしゃるんですか。知事自体は、もうとてもそんな問題じゃないんだ、何が起こるかわからぬ、もう自衛隊しか頼りになるものはないんだという趣旨のことを言っておられるわけですから、それに対してやっぱり防衛庁は防衛庁できちっと調査をして、警察の意見を聞くことも重要ですよ、警察から資料を提供して、知事にどんな材料を上げたんだと、我々の方にも回してほしいと言って警察と協議をした上で、なるほどそうか、これは大変だ、あすにでも大震災が起きたら自衛隊も出動せざるを得ないかもしらぬ、今のうちから訓練をしておこうと。これは当たり前のことでしょう、大臣として。
 大変申しわけないけれども、大変高給をはんでおられるようでありまするから、こんなことをコメントすらできないという、何か小学生みたいにしか思えないんですけれども、どうなんでしょうか。
#122
○国務大臣(瓦力君) 今、佐藤先生からいろんな前提を置かれての話ですから、そういう前提が確たるものであれば、おのずから具体的な方向づけを御返事しなければなりませんが、一義的には私はそれは警察の問題であると、こう申し上げました。
 また、要請側に基づいて自衛隊とすればどう対処しなければならないかという問題が生じてくるわけでございまして、その時々の情報収集活動等につきましては、私どもも十分に意を使っておるわけでございます。よって、その時点で東京都知事からの要請があれば、その要請を勘案しながら、もちろん決断をしなければならないような環境が生ずるわけでございます。
#123
○佐藤道夫君 大変のんびりしたお話だと思います。
 当事者である石原知事が、いや重大な問題なんだ、万が一大地震が起きたらもうどうなるかわからぬ状態なんだと、こういうことまで言っておられるわけでしょう。しかし、防衛庁長官、国の方では、何しろそれは警察の問題、知事の問題、要請があったらそのとき考えましょうと。
 率直に申し上げまして、この知事の発言についていいかげんだというふうに考えておられるのか、やっぱり暴動の危険、大規模な騒擾事犯の起きる可能性があると考えておられるのか、イエスかノーか、どちらですか。
#124
○国務大臣(瓦力君) 先生御発言のような御意見まで触れて石原知事がお話しになっておられるという、そういうことではないんです。私はそう理解しています。
#125
○佐藤道夫君 申しわけありませんけれども、石原知事に確認したんですか、あなたは口からいいかげんなことを言ったんでしょうと。あの関東大震災の御記憶、御記憶はないと思いますけれども、例を持ち出しますと、あれ地震が起きてから流言飛語が乱れ飛んだ。朝鮮人が暴れ回っておる、徒党を組んで民家に押し入って物を盗んだりしている、それから井戸に毒物を投げ入れたりしている、えらいことだという流言飛語が乱れ飛んで、住民はパニックに陥りまして、それぞれ地域ごとに自警団をつくって、そして通りがかりで不審な者を見つけると、呼びとめて尋問をする。言葉になまりがある、おかしいというと、おまえは朝鮮人だといって殺害したりした。それが関東大震災の朝鮮人虐殺の問題として取り上げられていることであります。
 私の知り合いに、私は東北出身ですから、東北人はあのころ東京に出稼ぎに行っていた、大勢。そして関東大震災に遭遇しまして、ぶらぶら歩いていたら、おいこら待てといって呼びとめられた。東北のなまりというのは、あのころは東京では全然通じなかった。今のようにテレビ時代ではありませんからね。それで、何だおまえは朝鮮人かと言われてさんざん乱暴されたと、こういう話を我々子供のころに老人たちから聞いた記憶がありました。
 要するに、何かあるとパニックに陥る、これが大事なんですよね。あすにでも大震災が来たら、都民は真っ先に石原知事の発言を思い浮かべて、あっ朝鮮人が攻めてくるぞ、大変だと右往左往する。そういうことが実は大変問題だということを言って、きちっとやっぱり政府といたしましては、石原知事の発言は発言として、今まで調査した結果、警察、防衛庁、その他情報機関も調査した結果、我が国に滞在している、不良外国人と言っていいのかどうか知りませんけれども、その者たちが集まって、武器を用意したり、万一の場合に立ち上がろうということでクーデターの準備をしたりしている、そんな事実は全くありませんと、もし万が一でも何か災害が起きたら、京阪神の土地の人たちのように落ちついて事案に対処してくださいと、それが何よりですというぐらいのことを政府がきちっと国民に求めるべきじゃないですか。私はそう思うんですよ。
 このままにしておいたらやっぱり都民はいざというときにパニックに陥りますよ。何だ朝鮮人が来たのかということで、通りがかりの人を捕まえてまたいろんな乱暴をしたりする。そんなことを考えるのが政治家の務めじゃありませんか。目の前でコメントする立場にないとかそんなことは子供でも言えることなんで、万が一の場合を想定して、一体その場合にどうするか、これが政治の要諦だということを最後に申し上げて、長官の御意見を承りたいと思います、こんな大事なことですから。
#126
○国務大臣(瓦力君) 佐藤委員からるる御意見をちょうだいいたしました。
 もちろん、防衛庁・自衛隊とすれば、国の安全、市民生活におきましても不安がないような秩序を維持するために警察と一体となって行動しなければならない事態も考えられるところでございますが、このたびの知事発言につきましては、より具体性を持った発言とは思っておりませんので、よってコメントは差し控えますと、こう申し上げてきておるところでございます。
#127
○委員長(矢野哲朗君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#128
○小泉親司君 私は、日本共産党を代表して、防衛庁設置法等の一部を改正する法律案に対し反対の討論を行います。
 本法案は、海上警備行動発令下において、不審船の武装解除、無力化を行う特別の部隊として海上自衛隊に特別警備隊を新編するものであります。
 本来、海上における人命、財産の保護、治安の維持は海上保安庁の任務であり、海上保安庁において対処能力の整備が図られておるところであります。にもかかわらず、自衛隊に特別の部隊を恒常的に新編しようとするのは、不審船対処を口実に自衛隊の役割を拡大するものとして重大であります。また、本法案と連動して、危険射撃のあり方と称した武器使用の拡大が検討されていることも問題であります。
 殊さら自衛隊の役割を強化し、軍事的な対応を優先しようということは、不必要な軍事的緊張を生み出し、アジアの平和に逆行することになりかねません。
 本法案は、陸上自衛隊に研究本部を新設し、ここで核・生物・化学兵器、いわゆるNBCの対処研究を行おうとするものであります。
 また、緊急性が極めて高い情報や周辺諸国の軍事情報を収集するため、情報本部に緊急・動態部を設置し、そのための増員を行おうとしております。これは日米防衛協力の指針、日米ガイドラインに基づきアメリカの核の傘のもとで自衛隊の新たな増強に踏み出すもので看過できません。
 本法案に盛り込まれている陸上自衛隊としての初の空中機動旅団の新設や、自衛隊の海外派兵を支える航空自衛隊輸送部の要員体制の増強も同様に認められません。
 以上のように、本法案は、周辺事態法に明記された日本の防衛ではない周辺事態に対応して自衛隊の新たな増強を図るものであり、反対であります。
 以上で反対討論を終わります。
#129
○委員長(矢野哲朗君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 防衛庁設置法等の一部を改正する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#130
○委員長(矢野哲朗君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#131
○委員長(矢野哲朗君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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