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1950/12/09 第9回国会 参議院 参議院会議録情報 第009回国会 大蔵委員会 第12号
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1950/12/09 第9回国会 参議院

参議院会議録情報 第009回国会 大蔵委員会 第12号

#1
第009回国会 大蔵委員会 第12号
昭和二十五年十二月九日(土曜日)
   午前十時四十一分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○外国為替特別会計の資本の増加に充
 てるための一般会計から繰入金に関
 する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
○中小企業信用保險特別法案(内閣提
 出、衆議院送付)
○日本輸出銀行法案(内閣提出、衆議
 院送付)
○所得税法臨時特例法案(内閣提出、
 衆議院送付)
○物品税法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○特別職の職員の給與に関する法律の
 一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○議員派遣要求の件
○国家公務員のための国設宿舎に関す
 る法律の一部を改正する法律案(衆
 議院提出)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(小串清一君) それではこれより大蔵委員会第十二回を開会いたします。
 外国為替特別会計の資本の増加に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案、中小企業信用保險特別会計法案、日本輸出銀行法案、この三案について御質疑を願います。
#3
○愛知揆一君 中小企業信用保險特別会計法案について一点だけ伺いたいと思いますが、従来地方公共団体の出資等によりまして信用保証協会が各地に設立せられておるわけでありますが、それと今回の制度の関係はどういうことになつておりますか。
#4
○説明員(記内角一君) 従来各府県に、府県及び金融機関、或いは中小企業庁の出資を以ちまして信用保証協会というのがございまするが、これは主として二カ月乃至三カ月の短期の資金を、而も少額のものが中心に融通されております。今度の法律では、六カ月以上の長期資金ということになつておりますので、その間におのずから仕事の分野が分れて来ることになつております。従いまして商法上の関係はないかと考えております。
#5
○愛知揆一君 それでは従来の信用保証協会の保証に対して、本案とは別個に、例えば国家が再保証をするというようなことについては何らか将来の問題としてお考えでございましようか。
#6
○説明員(記内角一君) この点につきましては、信用保証協会は現在では民法上の財団法人ということで動いておるわけでありますが、関係方面との間にこれが事業者団体法に抵触するかしないかというようなことはまだ最終的な解決にまで至つておりませんので、その解決を見ないと、これに対して再保証というようなことは相当困難があると思いますが、一応本法案を実施いたしまして、それからその問題の解決に当りたい、こういうふうに考えておる次第であります。
#7
○愛知揆一君 いま一つ伺いたいのでありますが、昨日小笠原長官の御説明の中にこの信用保險基金の保險料の問題に関連して、大体年二分二厘五毛ぐらいの率になる、これは金融機関の貸出の金利に転嫁することになるのだが、一部は金融機関にもこれを負担させるつもりである、こういうふうな趣旨の御説明があつたように伺つたのでありますが、金融機関にどういうふうにしてこれを一部負担させるということになりますか、その点を伺いたいと思います。
#8
○政府委員(舟山正吉君) この制度の保險料は、大体年三分を予想しておるのであります。これは現在行われております信用保証協会の保証料とも睨み合し、又一応の保險計算によりましてそういう率が出て参るのであります。実はこれを全部借入者に転嫁いたしますと、借入金の金利負担も相当高いものになります。かたがた関係方面の意向といたしましても、これは原則として金融機関が負担すべきである、但し若干借入れる者に転嫁することは止むを得ないであろうということになつておりますので、その点は更に関係方面と打合せを要する点かと考えます。
#9
○九鬼紋十郎君 そうすると今各県なんかでやつておる信用保証協会ですが、ああいうものは、損失の率というものは大体どのくらいになつておるのですか。調べられたものでもありますか。
#10
○政府委員(舟山正吉君) 先ほどの愛知委員の御質問に申し落しましたが、それでありますから結局保險につけましたものの貸付利率は、或いは臨時金利調達法の特例を謳わなければならんかというふうなことを研究中であります。
 それから信用保証協会の業績の現況でありますが、現在の保証額は七十二億ぐらいになつております。このうち債務償還が延滞いたしまして肩替りになりましたものは、たしか百分の二か三の程度の率であつたかと記憶いたします。
#11
○九鬼紋十郎君 大体三割から二割五分ということを言つておるのですが、実際洗つて見たら相当大きな、何というか、回收不能額が出て来るのじやないか、中途ではこれははつきり計算しないのだから、一応の計算のついておるものだけで二割二分程度になつておるらしいのですが、そういう率から見て相当大きな実際の面としては損失が、洗つて見たら、結果はそういうふうになるのではないかという感じを非常に強めておるのです。そういつたところを考慮してこの法案なんか相当損失が出るというようなことを予想されて置いたほうがいいと思いますが、それについてどういうお考えでしようか。
#12
○政府委員(舟山正吉君) 中小企業は外部の経済情勢の変化に非常に脆弱性を持つておるために、景気変動によりまして中小企業に対する貸付は或いは活きもし或いは倒れもするという事情にあるわけであります。今日までのところ、損失率というものはそう大きな金額には上つておらない。別途私どもが所管いたしております国民金融公庫につきましても、損失率というものは一%以下という極く問題にならん率であります。これは今後の景気の推移と睨み合してきまつて行く問題であろうと思いますが、私は損失率についてはそう大きな心配は持つておらない次第でございます。尤もこれについては、この信用保証の運用、更に今回始まります中小企業信用保險の運用の問題については、非常に大事であるが、私は前途に対してはそう心配はいたしておらないのであります。
#13
○愛知揆一君 ちよつともう一つ小さなことですが、伺いたいのは、この業務の委託を商工中金にさせるわけでありますが、実際の仕事の分担は、この法律案によりまして、中小企業庁設置法が改正されるということでありますが、中小企業庁と商工中金との関係がどういうふうに、機構的になりますか、その点をちよつとお伺いします。
#14
○説明員(記内角一君) 中小企業庁におきましては、本来この制度は自動的に運用されるというのを建前にしまして、あと事故が発生した場合に保險金の支拂をする、この点において中小企業庁が相当タツチして参るということになるわけです。それも実務的には商工中金が扱いまして、あと特別会計の運用という面で計算をこちらでとり行うということになろうかと存じております。
#15
○黒田英雄君 私がお尋ねしようと思つたことが、大体両委員からお尋ねがあつたのですが、保險料の百分の三以下ということの定め方ですが、銀行局長の御答弁では、リスクも大してないようであるというようなお話ですが、大体これを定めるのは危險を考えて、それをカバーするというような見地から料率を定めるのでありますか、或いは中小企業の負担のほうを考えて、中小企業を見通してやるうということから、多少はそれは危險が多くても特別余り高い保險料を取るということではいかんからして、成るべく安いので、損失があつたならば一般会計から負担しようというような肚でおきめになるのですか、その点を一つお伺いします。
#16
○説明員(記内角一君) 保險料の定め方につきましては、この特別会計は独立採算制ということを建前にいたしておりますので、損失はこの保險料で以てカバーするという考え方をとつておるわけです。ただ現実の問題としましては、保險料の支拂は、或る程度、例えば一刻程度に上ることも予想せられるのでありますが、従いましてその一割をカバーする意味において、基金が今年度五億円、来年度十億円合計十五億円でスタートするということになつております。ただ一応保險金を支拂いましても、そのあとで例えば期間の延長だとか、或いは担保があります場合には担保の処分というようなことによりまして、相当回收できるのじやないか、従いまして途中におきましては赤字になるように見えますけれども、最終的には大体辻棲が合つて参ります。従つて基金だけは残るという計算の下に、大体三%ということを見通して予定しておる次第でございます。
#17
○森下政一君 御説明があつたかと思いますが、この五億を基金として出発をしましてですね、大体それでどれぐらいの貸出がこの保險によつて行われるということを予想しておられるのですか。
#18
○説明員(記内角一君) 大体本法の附則のほうにございますように、本年度において三十六億円、来年度においては百四十四億円、大体月額十二億という計算をいたしております。
#19
○岡崎真一君 ちよつと伺いますが、今の保險料の問題ですが、これは金融機関が、どういう形において、負担するというのは転嫁するという意味ですか。
#20
○説明員(記内角一君) 保險料は保險金に対しまして年三%ということになつております。保險金は保險価額即ち貸付元本に対しては七五%になつております。従いまして三%というのは、貸付元本の七五%の更に三%ということになりますので、貸付元本から計算いたしますと、保險料年三分というのは、利率は二分二厘五毛ということになるわけであります。これは一応本法の建前におきましては、保險契約でありますので、被保險者である銀行が、金融機関が負担するということになりますが、これを全部金融機関が負担するということは面白くありませんので、別途金利調整法の適用によりまして、普通の金利が、例えば年七分五厘ということになつておりますれば、それに追加しまして一分或いは一分五厘、或いは一分二厘五毛というようなこの保險にかかる債権だけは、貸付金だけは金利をそれだけ余計高く認めて行こう。それによりまして金融機関としては、二分二厘五毛の中の若干部分を債務者に転嫁するということは差支えないように考えております。
#21
○岡崎真一君 それから担保の問題の分析をしたのですけれども、純保險料とその他の事業経費ですが、それを分析して見てネツト・ロスをどのくらいに見ておりますか。ネツトの保險料をどのくらいに見ておりますか。
#22
○説明員(記内角一君) 大体この三%というのがロスをカバーする事務費といたしましては、保險基金を預金部等に運用いたしますので、預け入れをいたしますので、その利子がかかつて参ります。これを用いまして事務費にいたすということになろうかと思います。
#23
○岡崎真一君 これは純保險料という意味ですか。
#24
○説明員(記内角一君) そうでございます。
#25
○森下政一君 これはどなたからか御質問があつたかと思いますが、実際上の扱いを聞きたいのですが、大体三十六億というのが、保險によつて貸出しが行われるだろうということを予想しておられるが、そうすると昨日の御説明は、たしか一般市中銀行に一定の枠の範囲内で各銀行が直接調査をして、そうして借入申込者との折衝に当る、こういうふうに聞きましたが、若しそうだとすると、その枠というのは、どうもこれが発足したらすぐにどれにどれだけということをなさると思いますが、何かそういうことについての案を持つておられるわけですか。
#26
○説明員(記内角一君) この問題につきましては、目下大蔵省とも協議することにもなつておりまして、今検討を加えております。
#27
○森下政一君 そうすると例えば一般の市中銀行で、甲銀行、乙銀行というものに枠を與えるが、そうするとその市中銀行は例えば東京に本店がある。その本店が一括して枠をもらつて、地方の支店に今度その枠を又分散して配付するというようなことがあるのではないかと思うのでありますが、それは銀行独自の見解でやるということになりますか。
#28
○説明員(記内角一君) 建前は独自の見解でやる建前になつておりますが、できるだけ各府県或いは地方のブロツク別あたりの融通を見まして分けて頂くようにしたいというふうに考えております。
#29
○森下政一君 その点については、中央のほうから各銀行に何らかの指示をするとか、或いは相談、協議を求めるというようなことはない、銀行だけの考え方でやるわけなのですか。
#30
○説明員(記内角一君) これはなお金融機関とも十分お打合せしたいと思つておるところでありますが、今のところは、内面的に打合せをして、相談の上で大体どの地方にどのくらいというふうにいたしたいと思つております。例えて申上げますと、年間百四十四億ということになりますが、これを金融機関即ち銀行の数は約七十、その他の金庫、金融機関を合せまして百といたしますというと、これを按分いたしますと、一銀行当り一億五千万円ということになるわけであります。そういたしますと例えば東京にありまする大銀行というようなものが、数百の支店を持つておりますので、それをすべての支店へ配分するというようなことになりますと、なかなか銀行としても割りにくいということもあろうかと思うのであります。そういう際におきましては、今地方別或いは府県別というようなところも大体の目安をこしらえて頂いて動いて行くよりほかないのではないか、こういうふうに考えております。この辺は各銀行のそれぞれの実情に応じまして、又相談をして参りたいと考えておるわけであります。
#31
○木村禧八郎君 保險基金の場合ですね、これまで銀行が貸付けておりました中小企業に対するお金ですね、これを今度の保險基金のほうに振替えるということは可能なんですか。
#32
○説明員(記内角一君) 旧債の借り替は認めない建前であります。
#33
○木村禧八郎君 そうしますと、この法律が施行された後における貸付において適用する、こういうことなんですね、そうですか。
#34
○説明員(記内角一君) その通りでございます。
#35
○木村禧八郎君 もう一つ伺いたいのですが、この上のほうですね、上のほうは先ほどお伺いしましたが、資本金五百万円ですか、従業員二百人ですね。下のほうは……。
#36
○説明員(記内角一君) 下のほうは制限ございません。
#37
○木村禧八郎君 これまで私はまあ余りそのほうは專門にやつておりませんからよくわからないのですが、中小企業金融の問題で一番問題になつておるのは、零細企業のほうの金融が非常に問題になつておる。この保險基金の中小企業の目金融的は、主として合理化資金、設備資金、こういうふうなことの目的であるとすると、この零細企業のほうに対する、中小企業に対する金融措置としては、ほかに何か別途お考えですか、或いは又この保險基金でそういうほうは救済されるとお考えですか。
#38
○説明員(記内角一君) この法律を適用いたしますのは、やはり金融機関が貸付をするということを前提にいたしております。従いまして信用組合あたりがこれの適用を受けるということになると、相当零細なものも貸付が得られることと考えますが、併し元来零細な業者のその借入れる資金というものは、非常に金高が少うございますので、これによつて一般の銀行あたりはこの制度を受けても個々の零細企業に金を貸すということは相当むずかしい問題だろうと思います。そういう方面に対しましては、例えば国民更生金庫は今度増資をいたしますので、これを適用して参る、或いは組合を作らせまして、協同組合に対する融資という形で商工中金あたりを利用するということで、零細企業の面はカバーして参りたいというふうに考えておるわけであります。
#39
○木村禧八郎君 建前はそれでわかつたのですが、実は今度政府は中小企業に対していろいろ金融的措置をたくさん項目的に、今の保險基金のほう、それから国民金融公庫の増資も、そうして又見返資金の枠の拡大というように、項目はたくさん並んでおるのですが、それが本当に実を結ぶかどうかは、それに対する重点の置き方だと思うのですが、今私は零細企業の金融というものは非常に重要だと思うのですが、そういう方面の重点の置き方、ウエイトの置き方が少いのじやないか、公庫なんかもつと大きくしていいと思うのです。ああいう形は大蔵大臣も、昨日ですか相当成績を收めておると言つておるが、今後ウエイトの置き方を通産省側としては、どういうふうに零細企業のほうの金融の措置についてお考えを持つておるか。
#40
○説明員(記内角一君) 我々は勿論中小企業と失業者ということで零細企業の面においても十分考えられなければならないというふうに存じております。ただこの辺あたりの面になつて参りますと、いわゆる産業政策という面になりますか、或いは人口問題、就労問題と申しますか、この辺の社会政策的な見地も多分に織込まれなければならないという点があるわけでございます。この辺を考えまして、産業政策面を或いは社会政策面との融合点でありますか、こういう見地から……
#41
○木村禧八郎君 御説明はそれで結構ですが、実は政府の全体政策として矛盾しているのは、政府は自由経済政策、自由競争主義をやつて、それで社会政策というのはおかしいと思うのですけれども、その点はあなたに御質問してもしようがないが、もう一度先ほどのを繰返すようですが、新規の貸出を適用すると言われますが、実際問題としまして、これをやつても銀行の中小企業に対する枠が拡大しないというあれはないでしようか。まあそれで銀行を信用しないのは変でしようが、ごまかして振替える。そうしますと、実はこれをやつたけれども、本当に枠が拡大しない、大して拡大しないで、今までの振替みたいな形が出て来る可能性があるのじやないか、これは若し私が銀行家なら努めてそういうふうにさしたほうが有利なんですからそうすると思うのですよ。ですからそういう弊害に対しての何か予防措置とか何んとかお考えになつたことがあるのですか。それとも期目的に、この法を施行後に改正したものを適用するかということで、この設備貸金の枠が、貸出の枠がその通り拡大すると、そういうふうに見て差支えないか、実際問題として……。
#42
○説明員(記内角一君) 中小企業に限りませんが、従来の金融機関の貸出を見ますというと、殆んど短期の資金が中心でありまして、今度の資金は長期資金を重点に狙つておりますので、我我としては、短期の貸付を十分抑えて参ることもできるかと思いますし、万一旧債の借り替ということになりますれば、これは損害が起きたときに、つまり貸付金が回收不能に陷つて、保險金の支拂の請求を受けたときに十分調査を進めて参るつもりで私はおります。又一面からいたしますと、今までは短期の貸付で回收しておつたが、今度はこれを長期に振替えられるということも一応考えられるわけであります。そういう面においては、それだけでも非常な効果があり得るのじやないかというふうに考えるのであります。
#43
○木村禧八郎君 そうしますと、そういう弊害がないと解釈してよいのかも知れないが、今短期々々と言われましたけれども、日本金融のやり方ですね、これは、ドツジさんも指摘されたと思いますが、短期資金を長期に利用したり、資金の質の問題ですが、非常に借替々々で、短期資金でありながら長期に使つている。そこが非常に変態的なわけですね。ですからあなたが今おつしやつたように、これはいわゆる金融入門なんかに書いてあるように、銀行というものは、普通銀行は短期資金を、預金を扱つて……実際はそうでないのですから、私の御質問したのは、そういう弊害はないということがはつきりすればいいんです。なぜ御質問するかというと、この基金を設けることによつて、事実上これより拡大するかどうか、資金の範囲内において実際は拡大するように見えて、今までの肩替りかやつたんでは実益がない。又拡大しても少ししか拡大しない。これがないということがはつきりすればいいわけなんです。銀行局長はどうお考えでしようか。
#44
○政府委員(舟山正吉君) 中小企業の問題は、金融機関と業者との自由取引いうことを前提にいたしますと、普通の手段ではなかなかできにくい面もあるのであります。まあこういう保險制度も作る必要があると存じます。さればといいまして、この保險制度ができたからといつて、全部中小企業の問題がこれで片付くというものではありません。要するに方法としてはいろいろなものがある。それで銀行により或いは借入希望者により、その好むところを選択するということで、だんだんと中小企業の金融の疏通が考えられる。この基本的な考えの下に、見返資金から中小金融もいたしますし、又ここで保險制度もできますし、従来の信用保証協会の制度も存続し、育成するつもりでございます。更に又その対象になりまする零細企業に対しまする面については、国民金融公庫の増資或いは預金部資金の投入ということで活動を育成して参りたいと考えておるわけであります。これまでこういう制度がないために、例えば大銀行の中小金融專門店舗におきましても、なかなか貸し澁るといつたような場合もちよつとこれで安心感が出て参りますれば、金融機関も相当資金を出すという場合もございましよう。併しそれでもどうも出さんというようなものにつきましては、国民金融公庫のほうに廻すというようなことも考えられるわけであります。いろいろな制度がないために、例えば中小企業と申しながら、相当の企業でありながら国民金融公庫に頼つて来るといつたようなものもあつたわけであります。それが好むところによつて利用し得るものを利用するということになりますれば、中小金融の全体の枠というものもここで非常に殖えて行くというふうに考えております。
#45
○木村禧八郎君 そこがどうもはつきりしないのです。この運用の仕方は、この三十六億ですね、最初それを大体割当てる、適当にいろいろ調べて割当てて、商工中金との手続を簡便にするために、銀行の貸したのを通告すればよいわけですね、非常に簡素化するわけですね、それは非常に必要と思います。その簡素化する結果として、銀行としてどうするでしようか、検査するか、検査しないと今までの振替、こういうことが行われる。今銀行局長は枠を拡げると言われますけれども、枠が拡がるのではなくて、三十六億出ましたけれども、今までの貸付けておるのを保險に振替えるということになつたんでは、積極的にこの効果がない。その点なんです、その点はどういうふうにしてこれを監督し、あれするのですか、そういう点ですがね。
#46
○政府委員(舟山正吉君) この法律では、この制度施行に伴う実績に対する検査の権能は特に謳つておりません。これは大蔵省の金融政策の一環といたしまして、大蔵省の金融機関に対する検査権の発動によつて濫用を防止して行くという建前をとつております。それでありますから、例えばこの法律に規定してあることに違反する事項でもありますれば、そちらの面で取締る、あとはこういう制度がありますれば、金融機関は従来貸さなかつた中小金融もこれをするようになるという期待は十分に持てると考えております。
#47
○木村禧八郎君 その御説明だけではどうしてもわからん。そういう実害が絶対にない、こういうふうにお考えかどうか、結論として……。
#48
○政府委員(舟山正吉君) そういう弊害は検査によつて十分取締る、そうして次の期における……、御承知の通りこの保險契約は、包括的に半期々々にして行くわけであります。どうもこれを十分に活用しておらんという金融機関に対しましては、次の契約期においてこれを除外する等の措置は十分講じ得られると思います。
#49
○森下政一君 今の木村さんのお尋ねになつたことは、私も憂慮するのですが、例えば百万とか二百万とかいうような金を借りたい、それが現在府県とか大都市などは信用保証協会というようなところに申し込んでも、実情がどうなつておるかというと、信用保証協会は銀行の貸出なら何時でも保証して上げましよう、銀行へ行つて見ると、信用保証協会が保証すればお貸ししましようと言う、両方が巧みに肩すかしを食わせて一向借りられないということを、大阪あたりでしばしば聞くところの実情なのです。
 もう一つは、金額の点で抑えられて、市あたりがやつております保証協会は、大体最高が三十万円になつておりますが、そうすると百万とか二百万とかいう金を借りようとする人にはちよつと厄介で、対象になつていない、そうして銀行に行きますと、保証協会が保証すればと言い、保証協会に行くと銀行が貸すならといつて、いつまでも双方がなすり合つて借りられない。同時に又例えば三和銀行なら三和銀行の支店に行つて見ると、私のほうには枠がないのでお貸ししたいけれども貸すことができないということで、折角そういう制度があつてもどうにもならない。政府のこれらのいろいろな中小企業救済に対する金融施策にかかわらず、今日なお金融の恩典に浴していないという点があるのですが、今度政府が乗り出して折角こういうものができるのですから、結果においてこれまでに恩恵に浴していないものが新たに恩恵に浴する、言い換えれば三十六億というものの枠が拡大されて、新しいものがこれで消化されて行くのが一番望ましいと思うのでありますが、今木村さんが心配されるように、この三十六億が外に殖えて行くのではなく、銀行の内部で巧みに繰作して危ないものはこれに切換えてしまうということでなく、折角五億の資金をおいて中小企業の救済を考えておられるのに、その目的を達成しないということになるのではないか、私はこういうことを心配するのですが、その点に対するお見通しはどうでございましようか。
#50
○政府委員(舟山正吉君) 信用保証協会が、銀行が貸すならば保証しようといつたような甚だ消極的な態度であるということにつきましては、全部が全部そうであるということは考えておりませんが、そういうようなことは信用保証協会が自主性を持つように指導して参る、言い換えれば保險制度ができても、信用保証制度はこれは延ばして行きたいと考えております。
 それから今度の保險制度によりましては、これがそれだけ枠の増加になる、つまりこれまでは保險制度がないために貸し澁つておつたものも、この制度を利用して貸出すように、言い換えれば枠全体が中小金融の疏通になりますように指導いたしたいと考えております。
#51
○杉山昌作君 この保險料は結局金利に入れて借りた人の負担になる、こういうことになると金利が高くなるのですが、その場合、借りる人が自分の借りるものは保險の中に入るのか入らないのかということは分らない。そうすると保險で入るのでも、入れなくてもいいようなものを、銀行のほうでは、お前のほうの保險に入れるのだからということで、一般中小金融に対する金利を吊上げる、余分な金利を取るというような傾向になる虞れはないのですか。
#52
○政府委員(舟山正吉君) 保險料の分は、関係方向の意向では、その大部分を金融機関が負担しろということになつております。併し一部は借入者に転嫁することも止むを得なかろうという気持でおりますので、その度合につきましては、今後至急に折衝をしなければなりません。併し借入者の側におきましては、保險に入ると、金融機関にこの保險に入ります場合に限つて、従来の普通の場合よりも幾らか高率の利息を拂うということにいたしますので、その点ははつきりいたしております。
#53
○杉山昌作君 そうすると、ちよつとその借入れるほうの人は、お前に貸した金は、これは保險に入るのだということを、金融機関のほうでははつきりさせるわけですか。
#54
○政府委員(舟山正吉君) そうです。
#55
○木村禧八郎君 ちよつと金利の問題でしたので、ついでにお伺いして置きたいのですが、今金利の問題で預金の利上げ、貸出利息の引下げ問題が起つているのですが、オーバー・ローンで銀行の経営が余り健全化されてないので困つている。そういう傾向は好ましくないのですが、一方オーバー・ローンによつて非常に銀行が儲けている実情ですね。オーバー・ローンによつて銀行があのようにたくさんに儲けることについては、相当問題があると思うのです。今後オーバー・ローンはどうして直して行くか、金融債の引受ですか、これを普通銀行でだんだんできるようになれば、そういうふうにして直すのかも知れませんが、余りに銀行が儲け過ぎているという感じがするのです、決算を頂きましたけれども……。やはり日本銀行総裁が新聞記者に語つたところによると、銀行の利益の半分くらいはオーバー・ローンによる利益だと言つておつたのですが、これは預金の利上げに反対したからそういうふうにおつしやつたのかと思うのですが、そういう実情でありますから、やはり適正な利潤を與えるということは普通の常識でしようが、余りにそのためにオーバー・ローンによつて過大に儲けているということは非常に不自然で、従つてその前に先ず金利についてはもつと銀行に対して貸出金利を安くするように指導するということが非常に重要ではないかと思う。又高率適用でも、あの利鞘をまだ縮める必要があると思うのですが、濡れ手に粟ですか、預金者は努力しなくても集まるのですから、その点今後の金利政策としてどういうようにお考えになつておるか、伺いたい。
#56
○政府委員(舟山正吉君) 日本銀行からの安い金の借入によりまして、非常な利益を受けるということは、これは適当でない。これは直して行かなければならんことだと思います。そこで一面銀行が従来の貸付に対しまして、景気の変動に備えまして適当な償却をやつているということも別途必要でありますけれども、余りに利潤が大き過ぎるということは適当でない。高率適用も改正いたしまして、又今度預金利率も若干引上げることにもいたしまして、この幅を締めて行きたい、かように考えております。
#57
○木村禧八郎君 利上げは今度は本当に実現するのですか。今までたびたび言われてなかなか実現しなかつたようですが、いつ頃から実現するのですか。
#58
○政府委員(舟山正吉君) 来週月曜日に、臨時金利調整法に基きます審議会を開きまして、そこで大体予定通りの利上げをいたします。
#59
○木村禧八郎君 この貸出利息の引下げの問題についてはどうですか。
#60
○政府委員(舟山正吉君) 貸出利率の引下げは、今年初頭から数回に亘つてやつて参つたのでありますが、現状におきましては何と申しましても、この資金の需要が多いので、これ以上臨時金利調整法という法的規正によりまして最高限度を引下げて見ましても、いろいろと矛盾が出て来る面が多くなつて来る。例えば一律に最大限度引下げましても、中小企業の面に金を流すことはいよいよ嫌うというような傾向が出て参りますし、それから又一面嚴重に取締つてはおりますが、利積みその他の方法によりまして合法的に、闇金利というようなものも出て参りますので、一概に法的規正だけでこれを押して行くこともよし悪しというふうに考えております。そこで今後金利につきましては根本的に考え直す必要があることは確かに御説の通りであります。今後預金部資金等も大量に金融界に還流せられて参りますと、それだけ日本銀行の貸出も引上げなければならないというふうになるものと思うのであります。そうしますと日本銀行の貸出政策につきましても再検討を要する時期に至つているのではないか。金利全体の政策といたしましては、まあ水準は国際水準にできるだけ早く鞘寄せして下げて行くことの必要なことは申すまでもございませんが、それと同時に預金利率と貸出利率がそれぞれの政策のために乖離してしまいまして、そこに理論的な統一がないという面もございます。金利全体につきまして、全般的に一つ検討して参りたいと思つております。
#61
○森下政一君 最後にもう一つ伺いたいのですが、この貸付金は、中小企業者の行う事業の振興に必要なものであつて、その貸付期間が六月以上のものに限る、これは昨日のたしか御説明では大体設備資金というようなものを以て、比較的長期な金融をお願いしておるということであつたのですが、運転資金というものは全然考慮の外に置いてしもうのですか。
#62
○説明員(記内角一君) 我々としては設備資金ばかりじやなくして、運転資金のほうも、いわゆる事業資金という面において、これをカバーして行きたいと考えております。
#63
○委員長(小串清一君) 別段御発言もないようですから質疑は打切つたものと認めて、直ちに討論に入ることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#64
○委員長(小串清一君) 御異議ないものと認めます。御意見のおありの方はそれぞれ賛否を明らかにして御発言を願います。
#65
○木村禧八郎君 私は本案に賛成いたしますが、只今の質疑によつてはつきりしないところがまだあるのでありますが、その点はこれが本当に中小企業の設備資金の拡大になるかどうかについては、相当政府においていろいろ監督指導をやりませんと、單なる銀行救済に終つてしもう可能性がどうもあるように思えるのです。そう点は政府においても十分今後いろいろな点から検討されて、本当に融資の枠が拡大する、実質的に拡大するという形において運用されることを希望しまして、賛成いたします。
#66
○森下政一君 私も木村委員と先ず同趣旨のことを申上げて置きたいと思うのですが、願くばこの中小企業信用保險制度というものが布かれたことによつて、お蔭で金を借ることができました。借りられるようになりましたので、これまで顧られなかつた者が、これまで或いは銀行にお百度を踏んで行つて見ても、或いは信用組合に行つて見ても、その恩惠に浴することができなかつた者が、これによつて救済されるというふうな感謝の声が巷に満ちる結果が生れるように、必ず監督して成果を挙げるようにして頂きたいということを強く希望いたしまして、本案に賛成いたします。
#67
○委員長(小串清一君) ほかに御意見もないようでございますが、討論は終結したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#68
○委員長(小串清一君) 御異議ないと認めます。これより採決に入ります。衆議院送付の中小企業信用保險特別会計法案に御賛成のかたの御挙手を願います。
   〔総員挙手〕
#69
○委員長(小串清一君) 全会一致と認めます。よつて本案は原案の通り可決決定をいたしました。
 なお本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四條により、質疑、討論、表決の要旨を報告することとして、あらかじめ御承認願うことに御異議でございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#70
○委員長(小串清一君) 御異議ないと認めます。それから本院規則第七十二條により、多数意見者の御署名を願います。
  多数意見者署名
  大矢半次郎    山崎  恒
  木内 四郎    愛知 揆一
  岡崎 真一    黒田 英雄
  九鬼紋十郎    森下 政一
  野溝  勝    小宮山常吉
  小林 政夫    杉山 昌作
  油井賢太郎    森 八三一
  木村禧八郎
  ―――――――――――――
#71
○愛知揆一君 議事進行について。只今のところ、会期切迫の折柄でもございますが、あと本委員会に付託されておりますものが、所得税と物品税、税に関して二件、それから特別職の職員の給與、外国為替特別会計への繰入金、それから輸出銀行法案とあと五件残つておるわけでありますが、順次比較的問題の少いものから採決をされるようにお取計らい願いたいと思います。
#72
○委員長(小串清一君) それではお諮りいたしますが、所得税法臨時特例法案を議題とすることについて、更に皆さんがたの御所見を伺います。
 別段御意見がなければこれを問題に供します。
 御異議ないと認めまして、それでは所得税法臨時特例法案を議題として御審議を願うことにいたします。
#73
○木村禧八郎君 昨日ちよつと伺つたのですが、来年度どうでしようか、地方税も引くるめて、これは平田さんの管轄ではないでしようけれども、税制改革については問題にならない。ここでこの税法を我々が認めると、来年一ぱいこれで縛られる、こういうふうに考えていいのですね。
#74
○政府委員(平田敬一郎君) 今お話のような点がございますので、今回提案いたしました法律案は、特に所得税につきましては、一月から三月までの臨時措置にいたしておるのでございます。本予算案と同時に所得税法の本格的改正案を来国会に提案いたしますので、その際にそういう問題については十分御審議の機会があるかと存じております。
#75
○木村禧八郎君 我々予算を審議する場合、十五カ月予算と言われたのですが、今度の補正は、その一環として審議しているのですが、そうしますと来国会に税制改革がありまして、十五ケ月予算に相当変化が来ると思うのですが、その点どうなのですか。
#76
○政府委員(平田敬一郎君) この本年度、つまり来年三月までに関する限りにつきましては変化はございません。
#77
○木村禧八郎君 それは先ほどの答弁とはおかしいと思うのです。来年一―三月において臨時措置としてやつて行く……、いや、三月ですか。私誤解しました。
 そうしますと、実は今度の補正予算も、我々野党派でいろいろ懇談して折衝した場合に、十五カ月予算というのに拘束されるわけですね、我々初めて成るほど十五カ月予算というものは重要だということを身を以て体験したわけです。例えば予備金を使わしようというと、これは来年で使わせるのだ、その他財源を持つて行くと、これは来年度にあるので使えない、そこで成るほどこの十五カ月予算は重要で、その一環としての補正予算というものも、この前提となるものが非常に重要である、これを承認してしまうと、明年度の予算において我々動きがつかないということを心配し出したのです。そこで大体の輪郭でいいのですから、明年度出される税制改革の輪郭でもここでお伺いして置きたいのです、出されるというのですから……。
#78
○政府委員(平田敬一郎君) 只今の問題につきましては、先般大臣が当委員会に見えましてお答えになつておるのでございますが、所得税につきましては、大体におきまして今度提案しておりますようなものを平年度化するような態勢といたしたい。それから間接税につきましては、大体におきまして今回のものをそのまま延長する、ただ砂糖につきましては、輸入糖の免税を廃止する、物品税につきましては、一部追加するものがある、こういうような見通しは持つている次第であります。この点につきましては、先般大臣が当委員会でお話になりましたので御了承願いたいと思います。
#79
○木村禧八郎君 僕はそのときおりませんでしたので失礼いたしました。そうしますと実質的には、改正を考えていると言われましたから、私は注目したのですけれども、今のお話ですと、砂糖ですか、砂糖だけでございますね、そうすると所得税改革について、税制については只今のをこのまま来年に延長する、そういうお話だつたのですね。
#80
○政府委員(平田敬一郎君) これは勿論来年度の本予算がきまりませんと、本格的決定はいたし難いのでございますが、政府としましては、大体そのような考えで進んでおるということを申上げまして、御参考にいたしておるわけであります。
#81
○木村禧八郎君 どうも私は……それでわかる。そうでなければいわゆる十五カ月予算というのがきまるはずがないのです。来年三月以後において、所得税法も相当改正になるとすれば、十五カ月予算というものの輪郭が出て来るはずがないと思うのでありますが、そうしますと我々これをきめる場合の態度は、相当考えなければなりませんので、そのために参考に聞いたわけです。
#82
○油井賢太郎君 一点だけ伺つて置きたいのですが、税の徴收に当つて、源泉徴收や何かで間違つて多く納めた場合、そういう場合の返還ということは実に手続が煩瑣で、返るまでの期間が長いのです。金額は極く僅かにしろ源泉徴收に対して出すいわゆる勤労階級にとつては、それが非常に精神的に大きな影響を及ぼすのですが、そういうときに簡單な手続と早く返してやるという、現金で返してやるという方策を政府におとりになつたらどうかと思うのですが、それについてお考えありますか。
#83
○政府委員(平田敬一郎君) 源泉所得税の徴收過納分につきましては、その次の源泉所得税から控除するという比較的簡易な方法を考えまして、調整もできるだけ図ることにいたしております。ただお話の点は、或る会社から退職した、或いはもはや同じ支拂い先きでない所に勤務するようになつた、こういう場合のお話かと思いますが、そういう場合におきましては趣旨を体しましてできるだけ早くお話のような措置をとるようにいたしたいと思います。法律上は当然請求によりまして還付することになつております。
#84
○油井賢太郎君 その法律上はちやんと手続ができるようになつているのですが、やつて見ると大変なんです。これを税務署の権限くらいで以て極めて簡略に、もうどうせ拂う金でしたら短期間に簡單な方法でやれるといういうような方策をとつて頂きたい。特に要望して置きます。
#85
○委員長(小串清一君) 別に御発言もないようでありますから、質疑は盡きたものと認め、討論に入るひとに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#86
○委員長(小串清一君) 御異議ないものと認めて討論に入ります。御意見のあるかたはそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。
#87
○木村禧八郎君 私は本案に反対いたします。
 反対の第一の理由は、只今主税局長からも伺つたんですが、大体二十六年度予算においても、一応補正においては臨時措置として規定してあります。税制が延長されるのです。こういうことであり、物品税においては、僅かに砂糖消費税に変更があるだけである、こういうお話でありまして、私はこのシヤウプ税制改革を政府が実施しましたその結果についても相当反対意見があるばかりでなく。来年度の経済情勢を我々見通すとき、大体政府はこの程度の経済、例えば物価とか賃金とか生計費とか、そういうものが大体変化ないというふうな見通しでやつているのじやないかと思うのです。我々は来年度の経済には相当まだ変化がある。国際情勢やその他から……。従つてそういうふうな前提で、政府が余り経済は変化しないという前提で、来年度もこのままの税制を続けるという、そういう含みでこの税制改革を出されました数字は、我々は承認できないわけです。この点は私は非常に重要であつて、若し我々がここでこの税制を承認した場合、これは二十六年度の予算、いわゆる十五カ月予算としてからんでおりますから、その点から我々は来年度においてこれを延長するという税制が出された場合、経済情勢の変化等々の理由はいろいろありましようが、我々に相当拘束されざるを得ない。これが反対理由の第一であります。
 それから第二は、所得税のシヤウプ税制改革に基く政府の現行税制ですが、この点について我々は非常に不満があるのでありまして、その基礎になつた階級別国民所得の算定その他にも非常に杜撰なところがあり、それに基いてこの税率、基礎控除、扶養控除等等きめておる、我々はもつと科学的な根拠に基いてきめるべきものだと思う。政府は最初非常に杜撰な基礎に基いて二十五年度の税制改革を行い、その結果として非常にこの賦課額が不当に膨脹したので、あとで今度は実績を調べて又徴税のやり方を変える、こういうようなのも少しの変化ならばいいのですけれども、非常に大きな変化がそこに出て来ておりまして、非常にその点混乱しておるのです。従つて我々はシヤウプ税制改革を実施に移した結果として、その結果がどういうふうに現われたかということは、もうすでに我々いろいろ調査して現われておるのです、結果が……。特にまあ直接関係がありませんが、地方税との関係においては非常に欠陥があり、又それとの関連においても、所得税においても相当改正しなければならない点があると思う。我々は所得税の改正につきましては、大蔵大臣、総理大臣も、税が重い、今度いわゆる控除、減税をして、なお税金が重いのだから、まだ軽くしなければならないということを言つておるのですが、その税の重い根本の原因は、私は基礎控除にあると思う。基礎控除が生計費を、生活費をほぼ補うに足りないというところに根本の税金が重いという原因があるのでありまして、これは諸外国と比べましても、日本の基礎控除は、過去における物価の騰貴と照し合せまして、著しく低過ぎる、余りにも問題にならんほど低過ぎる。池田大蔵大臣は昨日の予算委員会で、昨年と本年と比べると、CP―ですか、それは下つておると言いますけれども、その物価騰貴が増税になつて……基礎控除を変えないために増税になつておるのがずつと累積されて、戰争中からずつと累積されて今日まで至つておるのであつて、それが是正されてない。我々は根本的に基礎控除を変えなければならん、現状においては少くとも、少くとも五万円、これは我々東北地方の税の調査のときに、むしろ税務署の人が私にそういう意見を出された。少くとも基礎控除は五万円、それから税率については、もつとやはり下のほうに有利になるように、私は百万延長するのは反対である、五十万円延長でたくさんである。階層別国民所得を見ましても、シヤウプさんが一応結論出して、あれと実際とは非常に違つておるのです。それでこれから階層別国民所得をもつと科学的に調査をよく進めて、それで税負担が公平になるように期さなければならない。ところが現状において、或いは今度の改革においてそういう点は改正されない、こういう点で我々は反対しますが、これが反対の第二点。
 それから第三の反対点は、いわゆる税法上の減税を実質上の減税問題ですが、今度の補正の予算におきまして、この予算の編成の過程において、突如として思わないインベントリー・ファイナンスの問題が起つて百億を外為のほうに廻さなければならない。この百億をどこえしわ寄せしようかとして苦心した結果、結局米価引上げ、或いは又自然増收の見積り、こういう形においてそつちへしわ寄せして行つてごまかしておる。で実際には本当に実質的な減税にはならない。税制上の減税であつて、これは国民を欺くものである。
 それから第四には我々は法人税について非常に意見があります。二十五年度の税制改革の結果、地方税とも関連しまして、実は法人税につきましては附加価値税、事業税を附加価値税に変えるから、住民税の所得割をやめる、こういう振り合いになつておつたのです。ところが附加価値税が事業税になる。そうして法人が非常に有利になつたと同時に、今度は住民税において法人は所得割をかけちれない。従つて法人はそういうように著しく税金が不当に軽くされておる。而もこのいわゆる特需景気の非常に儲つておる会社、そういうところにおいても税金が逆に減つておる。むしろそういう方面から税を取つて、勤労大衆の税負担を軽減すべきである。更に又法人税の自然増收の見積りも著しくこれは小さ過ぎます。この計算見積り方法においても相当検討の余地がある。主税局長も全然間違つていないという答弁はされませんでした。ややまだ増收があるかも知れないと御答弁になりましたけれども、この計算の基礎を伺いますと、非常に機械的であつて、実際にはもつと相当自然増收は多いはずだと思うのです。そういう点で見積りが不足です。それから法人に、これは税制の根本の問題になりますけれども、日本の現状において、一挙にドイツ税法から英米税法に変つて、法人の超過所得税をやめたということには反対であります。それからそのために再評価税が減税になつておる。資産の再評価という意味がなくなつて来てしまう。何のために資産の再評価税を取つたかはまるで意味がなくなつてしまう。これは超過所得税を法人についてやめたからだと思うのです。こういう点において、法人税においても相当幾多検討すべき点がある。どうしてもこれは至急に私は是正しなければならん、そういう意味において我々は今度の税制改正に反対なんです。
 まだその他細かい点についてはいろいろあるのでありますが、大体以上申述べました観点から、本法案に反対するわけであります。
#88
○油井賢太郎君 民主党は、この臨時特例法に賛成いたすものであります。只今木村委員からは反対の御意見が述べられましたが、我々に民主党といたしましては、この前の改正時にあつては、その改正の率が余りにも低過ぎるために、もつとその率を引上げるべきであるということを主張したのであります。而も物価の高騰、インフレの上昇というようなものに伴いまして、いわゆるスライド制度によつてこういう源泉徴收に代るところの基礎控除、扶養控除というものは引上げるべきであると常に主張したのでありましたが、今回政府においてもその非を認められ我々の主張するところを或る程度容れて、この程度の改正を見られたことに対して賛成するものであります。併し将来におきましてもやはり朝鮮ブームというようなものの関係上、或いは経済界において大きな影響を来たし、国民の所得の上においても変化を来たすような場合も生ぜざるを得ないと考えられます。そういう節におきましては、政府に遠慮することなく、速かにやはり事態に対応して基礎控除、扶養控除というものをどんどん引上げて行くというふうにすべきであるということを、将来においても図るべきであるに思うのであります。殊に先般主税局長から、戰前におけるところの基礎控除を今日に引直しますれば、少くとも年收二十万円程度までは無税であつても然るべきであるというようなことも明瞭になつております。そういう見地よりいたしまして、この改正によつても決して国民全体に亘るところの控除率というものが高くなつたということは言い切れないのでありまして、将来においてなほ一層の努力せられんことを希望するものであります。
 なお先ほど木村委員から、法人税に関するところの税率に関して反対意見が述べられましたが、やはり我々に民主党といたしましては、この点については、法人税もできるだけ軽減いたしまして事業の基礎というものを確実にいたしまして、その事業に携わるところの従業員大衆、国民の大半を占めるところの人々に給料、或いは所得の増加ということを図つて行くというふうな方向がよろしいではないかと思われる。やはり機会あるごとに法人税等も引上げの方向へ辿つて行くような政策を立てられんことを要望いたします。
#89
○森下政一君 私は今問題になつております所得税法臨時特例法案に賛成いたします。但しこれを賛成いたしまするが、問題をこの法案だけに限定して賛成するのであつて、而もなお全面的に無條件にこれを賛成することができるかと申しますならば、私どもの考え方は必ずしもそうでないのであります。近頃税法上の減税ということが頻りに言われておりまするが、政府が昨年の総選挙に国民に呼びかけまして衆議院の絶対多数を制するほどの勝利を收めたのは何であつたかと言えば、数数の公約を掲げたと思いまするが、その中の一つは、明らかに減税であつた、爾来政府に常に機会あるごとに減税を吹聴されて参つておるのであります。そこで一般国民の減税という言葉から受けまするところの印象は、減税が断行されるならば負担が軽減されると、負担が軽減することによつて生活が楽になる、生活の水準が向上して行く、こういうことをことごとく期待しておるわけなのでございまするが、ところが残念ながら政府のやりまするところの減税は、減税でありましても、国民の期待するような、いわゆる負担軽減が如実に現われて、それが直ちに家計に潤いをもたらし、生活水準が向上して行くという結果をもたらしていないということは、例えば減税でありましても、それは国民の期待に反するものである。今回のこの特例も明らかに減税の措置には違いがないが、飜つて考えて見ますると、例えば忽ちにして米価が高くなつて行くとか、或いは朝鮮事変以来諸物価の高騰の趨勢が如実に市場に現われておるということのために、今日のところ家計はいよいよ窮迫せざるを得ないという状態が差迫つて来ておる。従いまして折角減税をいたしましても、これだけの臨時措置を講じても、結局これによるところの負担の軽減というものは実質的には起つて来ないのでありまして、家計は一向に潤つて来ない。即ち減税によつて出ましたところの余裕というものは、ことごとく物価高に吸收されてしまうというようなことになりまして、結局結果においては今日と何ら一般大衆の家計の苦しみというものは変らないという結果になるということが考えられるのであります。
 同時にどうもこの自由党内閣のものの考え方が如何に現われて来るのであろうと思いまするが、根本の基本的な観念において我々と相容れないものがある。前回の税制改正の場合に、私は平田主税局長とこの所得税の課税所得の刻み方につきましてもかなり論争をいたしたことを記憶するのであります。今度のこれを眺めて見ますると、よほど当時の私どもの主張が受入れられたということを感ずるものであります。即ち二万円或いは三万円くらいの段階を設けて、二万円乃至三万円ぐらいの課税所得金額に幅を設けて、その一般階を上げるごとに五分ずつぐらい税率が殖えておるというふうなことは、如何にも比較的経済力に惠まれていない、所得の少いところの階層に対しては、人数の多いということで、そこから税金を取らなければならんというふうな考え方で、これをさいなんでおるということが考えられる。上のほうに行けば課税所得の段階の設け方が非常に大幅になつておるというようなところを指摘して論争したのでありましたが、今度はややそれが是正いたされまして、課税所得金額の段階も設けて頂いて、大体五万円を区切つて一つの段階を作るというふうにされたということは、これは明らかに税率も従つて下がることになるのであつて、軽減には違いないのでありまするけれども、折角そうしてやや我々の主張に近いところに来られたか思うと、すぐその半面には、これまで五十万円超五五%であつた税金を五分減らして、そうして経済力の比較的豊富な階級をいたわることを一向に忘れようとはしない、忠実にそれを実行しておるというふうな点が、私は折角の減税措置をやつておりながら、臨時の措置を講じていながら、一般大衆からは失望を感ぜしめるものがあると思う。即ち大衆というものの生活を安易にして、そうしてその生活の水準を向上せしめる、そこに初めて旺盛なる勤労意欲も生まれて来る、日本経済の再建の基礎はそこにあるんだということを、如実に税制の上にも現わして行くということが私は非常に必要なことなのであつて、如何なる政府といえども大衆の協力なくして、大衆の精神的な協力なくしてその施策が成功するとは考えられない。ところが現政府の常に一貫しておる考え方と思うことは、大企業を擁護して、大資本を擁護して、その繁栄の余慶をこうむつて大衆の生活がやがて潤うときが来るんだ、これは逆な考え方であると私どもは思うのでありますが、そうした政府の考え方が今度のこの臨時措置にもやはり窺えるということは、私どもに非常なる失望を與えるのであります。資本蓄積の必要なことは言うまでもない。併しながらその資本蓄積は、ひとりいわゆる大企業の下においてのみ行われるにあらずして、国民大衆の家計が潤うて、そこに零細なる貸本が蓄積されて行くというものでなければ私は本当の復興というものは望み難いのじやないかということを考えるわけであります。
 さような点におきまして、この臨時措置がこれで十分だということはどうしてもできないということを考えざるを得ないわけであります。殊に非常に残念に思いますことは、今度のこの臨時措置というものは、いわゆる給與所得者、源泉徴收を受けております者のみに限定されておつて、同様に国民の中の少なからざる部分を占めておるいわゆる申告所得を納めておりまするところの階層が全然この特例から除外されてしまつておるという点であります。農民或いは漁民、或いは中小の営業所得を特つ者、こういうふうな者が非常に苦しんでおるということは、現に申告所得者の納税成績が思わしくない、源泉徴收のそれに比較いたしまして非常に懸隔があるということは、やはり彼らに対するところの税というものが今日なお重いんだということを如実に物語つておる。現に過日大蔵大臣も、決して税金が安いとは思わん、まだ高いということを認めざるを得ないということを言われたくらいです。ところがそれに対するところの措置というものはあとに讓られて、今回は一向考えられていないということは遺憾に思うものであります。そこで先刻木村委員からもいろいろお話がありましたが、木村委員の憂慮されることは至極御尤もなことでありまして、若し来年度にこれと全く同じものがいわゆる税制改正として現われて来るんだということになるならば、これは私どもは到底満足することができないのであつて、大蔵大臣は先般この委員会に来られて、減税に次ぐに減税を以てしなければならん、租税の高いということは私も認めるということを言われておられるが、来たるべき国会に、現内閣の良識によつて我々の主張に耳を傾けられて、そうしてこれをこのまま、今回のこの臨時措置法このままを次の改正において本格化するということでなしに、只今私が指摘いたしましたような点について、いわゆる大衆の負担の軽減、而も、実質的な軽減が現われて、国民が潤うて来るということの成果が挙つて来るような税制改正を企図されるということを強く要望せざるを得ないわけであります。
 さような意味においてこれを私は考えて、若し木村委員が心配されるように、この臨時措置が、このまま来たるべき税制改正を拘束してしまうものであつて、動きがとれないものだということになりますると、これは大きな問題だと言わざるを得ない。ところで若し我々のこれに対する反対の態度が定めてなくて、この法案が成立するということならば、我々が最も憂慮しておりますところの国民大衆の課税というものが、現行法によつて行われることになつて、現行法よりも一歩進んでおるものを葬るということは誠に忍ぶに堪えない、かように考えて、純然たる一―三月の臨時措置であるということを前提として、私はこれを容認したい、こう思うのでありまして、従いまして日本社会党は、この臨時措置に賛成することによつて、来たるべき次の年度の税制改正に文句なしに賛成の意を表しておるものではないということをはつきりここに明示いたしまして、この臨時措置に対しては賛成をいたすものであります。
#90
○大矢半次郎君 私は所得税法臨時特例法案に賛成するものであります。第七国会及び第八国会におきまして国税及び地方税に関する大改正が行われまして、まさに画期的なものでありました。これによりまして、我が国の租税制度が初めて合理化されたのでありますが、併しながら当時の財政状態よりいたしまして、国民所得の軽減は甚だ不十分なものがあつたのであります。真に我が国の民政の安定を図り、産業の発展を期するがためには、大幅に租税の軽減をしなければならんということについては何人も異論がないと思うのであります。諸外国の情勢を見まするというと、漸次準戰時態勢になりまして、アメリカのごときは大規模の増税がまさに行われんとしておる際におきまして、我が国におきましてはできるだけ歳出を節減いたしまして、このたび暫定措置といたしましてこの程度の所得税の負担軽減の法案が提出せられましたことにつきましては、私は政府の努力を多としなければならんと思うのであります。これによりまして初めて先般行われました税制改正も画龍点睛の期に到達しつつあるといつても差支えないと思うのであります。
 今他派の人々からそれぞれいろいろ御意見もありましたけれども、私は租税負担は上下すべてを通じてまだ重い、今度の改正においても決してこの軽減が十分でないということは卒直に認めるのでありまして、真に我が国の興隆を期するがためには、大所得、中所得、小所得すべてに亘つて軽減しなければならんと思うのであります。その中においても中産階級以下の所得者については大幅に軽減をしなければならんということは、これは私も全く賛成なのでありまして、基礎控除の拡大は、即ち小所得者並びに中所得者に対しての比較的大幅の軽減になることは今更申すまでもないのであります。又シヤウプ氏の第二次勧告に比較いたしまして、今回の政府提案はその所得階層の軽減の程度を二十万、三十万程度のところまでも拡大いたしましたのは、即ち中産階級の租税の負担の軽減を十分考慮せられた点と考えるのであります。或いは最高の税率を五十万以上のところを軽減したについては、いろいろの見方がありましようけれども、私は国民全般を通じで租税負担が重いからして、できるだけ軽減する趣旨において、この原案に賛成をいたすものであります。併しながらこの程度の負担軽減を以ては決して十分ではないのでありますが、昨日からも大蔵大臣が今後といえども国民租税負担の軽減には全力を盡して努力したい、こう申されておりまして、私どもはこれに信頼を持ちまして、不十分ながら当面の財政事情といたしましては、今日程度で辛抱しなければならんと思うのであります。
 更に今森下委員からお話のありました給與所得に対しては減税をするが、商工業、農業方面の所得に対しては軽減しないとは不均衡だというお話がありましたが、これは見方の相通になるかも知れませんけれども、給與所得本年の一月から三月の……来たるべき明年の税制改正において、農業者、商工業者の所得、昭和二十六年一月から十二月までの一年間の所得に対しての軽減は、この勤労所得者階級と同様に行われるものと私は考えまして、この点において今回の提案は決して不均衡なことはないと考えます。
 以上の理由を以ちまして私は本案に賛成するものであります。
#91
○森八三一君 大体意見は出盡しておるようでありますが、所属しておる会派が違う関係上簡單に意見を申上げます。
 私は原案に賛成するものであります。資本の蓄積が急務である我が国の現状において、現在の方法がより直接的に国民の各階層における資本の蓄積を促進するものであるという意味において、又現在の税負担があらゆる階層において堪え難い点にまで到達しておる現在において、できるだけ減税を速かに実行するということは、我々為政者のとるべき急務であると思いますが、この意味において、まだこの程度の減税では甚だ不十分であると思いますが、併し政府の労を多としまして、不満足ながら、この現在の段階においては、この程度の減税で満足しなければならないのじやないか。勿論基礎控除の増額を図つて、零細所得者の一層の税負担の軽減を図るということも必要でありますが、又貨幣価値の現状から見まして、この課税所得額の最高限の百万円ということも、あながち高きに失しておるということも考えられない。そういう意味において、私はますます今後機会あるごとに減税に努力をするという一つ大蔵大臣の言を信用し、又徴税方法についても一層適切な配慮を加えてもらうことによつて、この税制の改正を円滑に運用してもらうことを希望いたしまして、本案に賛成いたします。
#92
○委員長(小串清一君) 別に御意見もないようでありますので、討論は終結したものと認めて御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#93
○委員長(小串清一君) 御異議ないと認めます。これより採決に入ります。所得税法臨時特例法案を、衆議院送付の原案通り可決することに賛成のかたの御挙手を願います。
   〔挙手者多数〕
#94
○委員長(小串清一君) 過半数と認めます。よつて本案は原案の通り決定をいたしました。
 なお本会議における委員長の口頭報告の内容は、参議院規則第百四條により、質疑、討論、表決の要旨を報告することとし、あらかじめ御承認願うことに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#95
○委員長(小串清一君) 御異議ないものと認めます。
 それから本院規則第七十二條により、多数意見者の御署名を願います。
  多数意見者署名
    大矢半次郎  山崎  恒
    木内 四郎  愛知 揆一
    岡崎 真一  黒田 英雄
    九鬼紋十郎  森下 政一
    松永 義雄  小宮山常吉
    小林 政夫  杉山 昌作
    油井賢太郎
  ―――――――――――――
#96
○委員長(小串清一君) 次に物品税法の一部を改正する法律案を議題に供します。
#97
○油井賢太郎君 一点伺つて置きたいのですが、物品税の免税点というものの区切りですね、これは何か主税局としてきまつた区切りがあるのですか。それとも物によつてはいわゆる端数で以て区切るということもできるのですか。
#98
○政府委員(平田敬一郎君) 物品税につきましては、先般お手許に案としまして差上げて置いた次第でございますが、歳入に対して影響のない範囲内において、なお且つ若干の検討を要する余地があると思いますが、その点におきましてはこの案で行くつもりでおります。なお本委員会におきまして御審議になりましたような事項につきましては、再検討する必要のあるものもあろうかと存じております。
#99
○油井賢太郎君 それから物品税が高いため、脱税者が相当あるというようなことは、これは世間で事実の点なのですが、例えば七割とか、五割とかいう課税のために、まともな業者がそういう高い税金を負担しておるにもかかわらず、法網をくぐつて、いわゆる課税をしない物品を販売するものが非常な利益を得ておる。併し消費者からいえば、安いほうがいいのですから、ついそつちのほうへ購買力が向いてしまて、まじめな業者が非常に困るというような立場が沢山出ているのです。そういう点から見て、罰則規定というようなものは相当嚴重であつてもいいと思うのですが、それでまともな業者を保護して行くというような方向をとられるのがいいと思いますが、どうも今までのところだというと、ときどき思い出したように、まあいわば世間をつくらうくらいの程度にしかそういう取締りをやつていないというふうにしか見えないのです。その点についてはどんなように政府としてお考えですか。
#100
○政府委員(平田敬一郎君) 非常に御尤もな御意見でございまして、私どももそういう点につきましては、弊害を是正することに非常な苦心をいたしておるわけであります。併し一つはやはり今回提案いたしましたように、全体といたしましてはできるだけ税率を下げるということによつて、そのような誘因を少くするのが一つであろうかと思います。
 それから今一つは、課税手続が徒らに煩瑣なものにつきましては、これは若干考慮いたしまして、できるだけ納税者数を少くしまして、それによつて取締の集中ができるようにいたしたい。そういう改正も今回行なつておるような次第でございます。でございますが、御指摘の通り運用が大事でございますので、運用の面におきましては御趣旨のような考え方と全く同感でございまするので、私のほうとしてもできるだけそのようなことのないように、極力努力いたして参りたいと存じております。
#101
○油井賢太郎君 もう一点、先般局長に、蓄音機とレコードが今度同列になつたという見地からして、更にライターなど喫煙用具と一緒にしたほうがいいのじやないかという意見を申述べたのですが、法案の修正とか、そういう点において困難を極めているというので、然らば免税点の設定ということでバランスがとれないかということを申上げて置きましたが、どんなことになつておりますか。
#102
○政府委員(平田敬一郎君) これにつきましては、大分御審議を煩わしまして、恐縮に思つておる次第でございますが、なお今お話のような点につきましては、歳入に大きな影響のない範囲内におきましては、再検討を加えて行きたいと思つております。
#103
○委員長(小串清一君) 別に御意見もないようでありますから、質疑は終了したものと認めて、直ちに討論に入ることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#104
○委員長(小串清一君) 御異議ないと認めます、御意見のおありの方はそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。
#105
○油井賢太郎君 私は今回の物品税の改正について賛意を表するものであります。併しながら先ほども申上げましたように、税金が高いということの半面におきましては、その税金が負担となつて、いわゆる不正な人々が利益を得るというようなことが出るのであります。そういう点におきまして物品税といいましても、非常に高率のものがたくさんあつて、その半面において法網をくぐつて税金を納めないで、多額の所得をするというものも相当多いわけであります。世間流布されるところによりますというと、一番事業で以て要領よくやるには、税金をごまかすことが最も事業を儲けることだといつたようなことまで世間で流布されるようになつております。これは甚だ法治国たる我が国において誠に歎かわしい点でありまして、かかる見地からいたしまして、税率というものはすべてのものにおいて極限がある。こういう点において、当局においてはよく反省せられたいと思うのであります。例えば先般の酒税のごときも、引下げによつて却つて税收が殖えるというようなことになつておるのであります。今回の物品税引下げについても、当局が考えるより或いは税收が増すかも知れないとさえ私は考えております。もう一段これを総体的に引下げることによつては更に收入を殖やすということも不可能ではないかとさえ思われるのであります。こういう見地よりいたしまして、将来においてなお検討せられ、一段の軽減を図るということと、脱税の防止ということを徹底的にいたしまして、まじめな正当な業者を保護するということをお図り願いたいと思うのであります。
 もう一点は、蓄音機或いはレコードというようなものは、これは同種類でありながら別の課税をされておるのが、今回是正されたのは極めて結構であります。同様な意味におきまして喫煙具或いはライターも我々世間一般は同一に考えております。特にライターの組合あたりも喫煙用具組合という名称でこの製造をやつておるような状況でありまして、こういう細かい点も十分政府におきましては勘案せられて、不均衡のないように、将来是正されることを望んで賛成いたします。
#106
○木村禧八郎君 私は本案に反対いたします。その根拠は、これはまあ私たちの党の立場として勤労者の税負担の公平という見地から、こういう物品税的なものはむしろ全廃すべき原則に立つておるわけなんです。勿論すぐ全廃はできませんけが、極力低くする。只今油井委員もお述べになりましたが、趣旨は賛成なんであります。我々は減税或いは引下げ方が足りない、又もう一つは、賛沢品みたいなものと、それから賛沢品以外のものと税率の引下げ方、そういうものは同じものであつてはいけないので、贅沢品みたいなものは高くてもいいし、そうでなく大衆的なものはにむしろ根本的に全廃すべきである。そういう見地に立ちまして、これでは甚だ不十分である。全体の税收から行きまして直接税、間接税、こういう釣合から見て、まだまだこれは不十分である、こういう見地から私は反対をするわけであります。
#107
○杉山昌作君 只今の反対論もありますですが、大体今回の改正を通観いたしますと、実用品、大衆品というふうなものには相当な免税点の引上げを行なつて、順次木村委員の御要望のようなこともできて来る、そういう方向に参つていることを私は認めるものでありまして、その程度につきましては、更に一段と強化されることを望むものでありますけれど、方向がそういうことになつておるのは結構のことと思いますが、ただ一点、大体今申したように、実用的大衆的なことでありますけれども、輸出の不適品ということに対しては割合に考慮が拂われていない。今日輸出いたしまするものが、先方で嗜好に合わない、或いはその他のことで不適品として内地に放出されるものが相当あるのですが、今日の輸出は、何ものにいたしましても採算も難くなつております。その輸出不適品になつたものを内地で売ろうという時に、それにやはり税金がかかる、物品税がかかるということになると非常に売りにくい。大体外国人の嗜好に合うように作つてあるものを日本で売るのでありますから、よほど安くしなければならない。先ほどの喫煙用のライターとか或いは輸出の花莚などが、それに当るのでありますが、そういうものに対しましては物品税を安くいたしまして、成るべく安く内地で売りさばけるようにして、輸出業者の採算を助けて、そうして輸出の繁栄を図るということに持つて行く必要があると思いますので、今後の御改正につきましては、実用品、大衆品ということと並んで、輸出不適品につきまして特段な御考慮をお願いするということを希望申上げまして、本案に賛成いたします。
#108
○委員長(小串清一君) それではこれにて午前の会議は終りまして、午後一時三十分に再開をいたします。これで休憩をいたします。
   午後零時二十九分休憩
   ―――――・―――――
   午後一時五十分開会
#109
○委員長(小串清一君) 休憩前に引続きまして開会いたします。
 物品税法の一部を改正する法律案の討論中であります。
#110
○森下政一君 私は法案に賛成いたします。併しこれとても全面的にこのままで妥当であると考えるのではないのであげまして、ただ現行法とこれを比較して見まするときに一つの進歩が認められる、こういう意味においてこの改正に賛成しようと考えるものであります。併しながら我が国の租税大系を眺めて見まして、直接税並びに間接税の比率を顧みるときに、なお私は大衆の負担に転嫁せられる間接税の占めておりますところの割合が、理想から申しますと大きに失する、かように考えます。そういう意味において物品税は更に整理圧縮さるべきところの必要性が多分に存すると考えるのであります。今回新たに免税の措置が講ぜられるもの、或いは又新たに免税点を設定されたもの、或いは免税点の引上げられたもの等がございまするけれども、これを更に一段と当局においてはその実情に鑑みて検討を加えられて、より一層大衆の負担の軽減を図るという意味において、更に整理をされるということを強く要望いたしまして、これに賛成するものであります。
#111
○委員長(小串清一君) 別に御意見もないようでございますから、討論は終局したものと認めて御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#112
○委員長(小串清一君) 御異議ないと認めます。それではこれより採決に入ります。本法案について賛成の諸君の挙手を願います。
   〔挙手者多数〕
#113
○委員長(小串清一君) 過半数と認めます。よつて本案は、衆議院送付の原案通り可決せられました。
 なお本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四條により、質疑、討論、表決の要旨を報告することとして、あらかじめ御承認願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#114
○委員長(小串清一君) 御異議ないと認めます。それから本院規則第七十二條により、多数意見者の御署名をお願いします。
  多数意見者署名
    大矢牛次郎  山崎  恒
    木内 四郎  愛知 揆一
    岡崎 真一  黒田 英雄
    九鬼紋十郎  森下 政一
    松永 義雄  小林 政夫
    杉山 昌作  油井賢太郎
    森 八三一
#115
○委員長(小串清一君) ちよつとこのまま休憩いたします。
   午後一時五十二分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時一分開会
#116
○委員長(小串清一君) それでは休憩前に引続き、これより開会いたします。
 それでは外国為替特別会計の資本の増加に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案、日本輸出銀行法案、この二案を一括して御審議を願います。
#117
○森下政一君 この日本輸出銀行法案ですね、これは事柄については恐らく各党とも大した異議のあることじやない、むしろすぐ賛成することと思うのですが、ただこの提案がこんなに遅れて、昨日やつと法律案をもらつて、今日何とかきめてしまうというのでは、これは臨時国会は非常に会期が短かつたのですけれども、こういうふうな重要な法案というのは、もつと早く政府が出されることが望ましいのです。それから非常にそういう点をむつかしく言えば、委員会の審議の時間を十分與えずしてこういうものを押付けるということはけしからんじやないかというような、そういうような、感情的な態度になつて来たら、これはまあ流れてしまうような運命も考えられる。そこで私の開きたいことは、これは政府も非常に焦慮して早くお出しになりたかつたけれども、関係方面との折衝などで握れたとかいうようなことを、速記をとめてでも、一体どういう点が問題になつたか、なぜ政府が考えられるようにもつと早く運ばなかつたか、それを一つお聞かせ願いたいと思います。
#118
○委員長(小串清一君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#119
○委員長(小串清一君) 速記を始めてもよろしい。
#120
○油井賢太郎君 今の局長の話、あれですか、法人税がかからないんですか。免税なんですか。
#121
○政府委員(舟山正吉君) 利益金は全額銀行に留保することになりましたので、税金は普通の法人なみにかかることになつたのであります。
#122
○油井賢太郎君 さつき森下委員からも話がありましたが、これだけ重要な法案を一両日中にやれと言われてもなかなかこれは大問題なんですね。それといろいろ輸出入業者、この法案は輸出関係のことを規定されているのですが、輸入の点というのは何も規定されていない。そういう点を非常に業者の公聽会なり何なりして意見を聞くことが私は至当だと思つておつたのですが、時間がなくてその点ができないとしても、なぜ然らが輸出だけの面についてこういうような措置をしなくてはならないかという点と、その次には、もう一つは、苦しこの法案が審議未了とかそういつたような事態ができた場合には、この法案に盛られたところの意義のことが空白時代にやれるのかやれないのかというこの二点の御意見を聞かしてもらいたいと思います。
#123
○政府委員(舟山正吉君) 我が国におきまして、輸出の促進が非常に緊要であるということ、この前提の下にいわゆるプラントものの輸出等、長期輸出金融の面につきましては、市中銀行の働きだけでは足りないところがある。これは是非援助する必要があるのでありまして、そのためには特殊の機関が必要であるという見地に立ちまして、長期輸出金融の助成機関として日本輸出銀行を設立することになつたわけでございます。輸入の面につきましては国内的の金融問題として、例えばユーザンスを認めるということで相当の便宜を供與しておるのであります。特に現段階におきましては、特殊の機関をこしらえて、これを援助するという必要はないと認めた次第でございます。
 それから、この輸出銀行が成立いたしませんと、それらの機能に欠けることになりはしないかどうかという問題でございます。関係方面との了解の下にこの法案ができておるのでありますから、これが出ませんと他の代案というものは認めてくれないという情勢にございます。御承知の通り第八国会で輸出銀行法案が提案に至りませんでしたので、その代案といたしまして見返資金を使う市中銀行等の協調融資の方法による長期資金助成の構想ができたのであります。これは実際動いておりません。今度の場合に、この輸出銀行法ができません場合に、ではその代案を認めてくれるかということにつきましては、これは殆んど困難ではないかと考えます。
#124
○油井賢太郎君 今のお話中に輸入はユーザンス、これはたしか九十日の支拂い猶予であるのですが、それだけで十分賄われるというようなお話なんです。併し現政府においては、輸入ということも重要視して、その対策は十分講じているというのですが、ユーザンスだけでもう十分講じたというような今のお話振りになつて来るのですね。そういう点については現在四億ドルになんなんとするところのドル資金を有しながら、何らそれを活用する途もないというような現状では甚だ心細いと、かように思われるのですが、その根本方策については、現政府として現状のままでよろしいのかどうかということを、一つ政務次官から政府側の意向を一つ御発表願いたいと思います。
#125
○政府委員(平田敬一郎君) ちよつと説明を補足いたしますが、プラントものの輸出に当りましては、その事柄の性質上、普通の輸出金融では賄い切れません。即ち非常に長期であり、且つ或る程度の危險も考えて置かなければならない金融を必要とするわけでございます。そこで特殊金融機関の必要があるわけであります。輸入につきましては、こういつた特殊の機関とか、特殊性とかいうことは認められない。比較的認められないのでございます。市中の金融で間に合つて来る。例えばユーザンス等を認めますれば間に合つて行くという事実に基くものでございます。
#126
○油井賢太郎君 これは相当大きな問題なのですが、何しろ今ドル資金が日本でだぶついているのですね。それは何故かというと、輸出を奨励するという、その美名に隠れて、半面から言うと飢餓輸出をしているというふうな状況になつているのです。一方において輸入のほうが促進されなくてはならないのが不十分である。いわゆるアンバランスになつておるために、現在日本においてドルがだぶつくような状態になつておる。そういう際において、この輪生増進の方面だけをこうやつて助成しますというと、そのアンバランスはますます拡大されるということが生ずるのですが、そういう根本対策について政府としてはどういうふうに処置されるのであるか、この点を明確にして頂きたいのです。この輸出奬励ということは勿論結構なんです。輸出だけ奬励したのでは飢餓輸出になつてしまつて、我々は食うものも食わないで輸出ばかりやるということになつてしまう。その対策をはつきりして置かないというと、この折角の輸出銀行も何にもならなくなる、こういうことになりはしませんですか。
#127
○政府委員(舟山正吉君) 輸入の現状につきましては、担当部局の御説明を御聽取願いたいと思うのでありますが、この資金の面におきましては、外貨もあるし、それは国内的にも輸入金融の便宜を計らつておるのでありまして、仮に輸出が予期通りに進まんとすれば、外にもいろいろ原因があるのではないかと考えておるのであります。従つて現在の段階では、特に輸入金融を現在以上に何らかの便宜を計らうということは必要ではないのじやないかという考えに基くものであります。
#128
○油井賢太郎君 今の点なんですが、これは政務次官に、事務的じやなしに政策的に今の日本の経済状況からいつて、ドルが相当に過剩しておるというその政策ですね、それを助成する必要があるかないかということと、この輸出銀行法を通すということは、輸出増進には成るほど結構です。併しながらその範囲において、輸入をそれと同様にマツチして増進させる方策を講じなかつたら、これは意味をなさないのじやないか。そこのところを政府はどういうふうに調整なさるか、政務次官の御意見を、政治的な御意見を一つお聞かせ願いたい。
#129
○政府委員(西川甚五郎君) この輸出銀行は、プラントものでは、即ち六カ月とか、長いのは五年間という相当かかるものが主に重点になりますから、短期の輸出じやなくして長期の輸出ということでありまして、一方輸入のほうは、相当いろいろ工作をやつておりますが、現在の段階においてはなかなかむずかしいという状態でありますが、この輸出銀行の本旨から言いますと、長期の金融という点でそこに少し感じが違つて来るのであります。
#130
○油井賢太郎君 あれですか、金融に当つては輸出ということがちやんと明白であつて、契約、コントラクトが来たものに対して金融するということになるのですか。それとも将来輸出するであろうというものに金融するのですか。その根本精神はどうなんですか。
#131
○政府委員(舟山正吉君) 十八條にも規定がございますように、契約が締結され、或いは少くとも契約の締結が確実であり、この契約の履行が確実であるというものにつきまして金融をいたすのでありまして、單なる見越しのための製作といつたようなものに対しては金融いたしません。
#132
○油井賢太郎君 それだから特に私はお聞きしたいのです。半年も一年も先に日本から輸出するものに、もう契約ができておるものに金融するということで、将来、今世界の趨勢は物価騰貴になつております。そういう際において、今契約したものが半年先、一年先になつたら非常に安いものになる。そういうものを日本から出して行つて、輸入のほうはそれにマツチしていないということになれば、そのため輸出した代金の身替りに何か持つて来るということになると、高い物を数量少く持つて来るということになると思うのですね。それの対策を政府はどういうふうになさつておるかというその点なんです。これは大蔵大臣に出席を求めて、大蔵大臣なり或いは首相の見解をこの委員会で明確にして置く必要があると思うのです。委員長、一つさよう手続をお願いいたします。
#133
○委員長(小串清一君) 先刻非公式にお諮りをしたのですが、時間の制限もあるので、当局の実状に明るい者に来てもらうということでいいだろうという御意見が多数だつたのです。それは先刻の休憩のときに非公式に御協議願いました。それでやめたのです。
#134
○油井賢太郎君 それじや私の質問はこれで保留して置きます。
#135
○委員長(小串清一君) 兼岩議員より委員外議員として委員外の発言を求められておりますのですが、許可することに御異議ありませんか。
#136
○委員外議員(兼岩傳一君) 委員のかたがたがお済みになつたあとで結構でございます。
#137
○油井賢太郎君 兼岩議長の発言結構ですけれども、まだ委員会としては相当質問もありますし、時間的に或る程度の制限をされてあるのですから……。
#138
○委員長(小串清一君) それで私お諮りをして、やはり発言を認めても、皆さんの御同意を得ても、時間を制限しなければ、今日は特別の日ですから、ちよつと困るだろうと思う。それで皆さんの御意見によつて許すということになつてから、時間を十分と制限して御質問して頂くことにしたらどうでしようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#139
○委員長(小串清一君) それじや十分間だけであります。
#140
○委員外議員(兼岩傳一君) 僕は皆さんの質問の済んだあとでよろしうございます。併し十分ぐらいで日本の輸出貿易の根本問題をお尋ねすることはできませんから、私は委員のかたの質問のあとでよろしうございます。
#141
○委員長(小串清一君) 時間を何時に上げようということが申合せになつておりますから、質問がこのまま続くとあなたの介入する時間がなくなると思いますが、成るべく……
#142
○委員外議員(兼岩傳一君) 審議を盡さないでも……
#143
○委員長(小串清一君) いや、委員会としては盡すつもりです。
#144
○委員外議員(兼岩傳一君) 私はほかの委員の邪魔にならないときに、もう少し時間を頂きたいと思います。
#145
○委員長(小串清一君) 申合せの趣旨がありますから、時間の都合でそうは行かないだろうと思います。
#146
○委員外議員(兼岩傳一君) そうすると質問の時間十分ということですか。
#147
○委員長(小串清一君) あなたが発言を求められたから、それで委員の質疑が終えないうちでも短時間ならよかろうというので今申上げたのです。ですからまだ皆が質疑等もやつていないときですから……。
#148
○委員外議院(兼岩傳一君) それじやそのあとで結構だから、もう少し時間を頂きたい。十分でこれだけの問題を質問することは到底できないので……。
#149
○委員長(小串清一君) それじやいずれあとでお諮りを申上げます。
#150
○九鬼紋十郎君 この輸出銀行貸付ということについては、市中銀行と協力してやることになつておりますが、單独ではやれないようになつておるように思いますが、その点はどういう理由ですか。
#151
○政府委員(舟山正吉君) これは第一條にもございますように、一般の金融機関が、その力だけでは十分の輸出金融をなし得ない場合、これを助けるという趣旨であります。国が特殊の輸出金融機関をこしらえまして積極的な援助を與えるということは、輸出奬励金を受けることと同様の効果も出て参るのでありまして、国際的にいろいろ問題を起すのであります。そこでこれは先ほど申しましたように、国管的作用をなすための機関であります。従つて形の上からはこの銀行はイニシアチブをとりません。市中銀行のなすところを助けるということになつておるのであります。
#152
○九鬼紋十郎君 そうするとメイカーか或いは銀行から輸出銀行に対して協力を求められたときにのみやるのであつて、輸出銀行からして普通銀行に対して共同でやつてやろうというような申出は普通しないという考えですか。
#153
○政府委員(舟山正吉君) 実際問題としましては、いろいろな場合が出て来ると思いますけれども、十八條にもございますように、資金の貸付を受けようとする者は、市中銀行を通じてこの銀行に申込む、或いは市中銀行で一度手形貸付なり手形の割引を受けまして、銀行からその手形をこの銀行に再割を申込んで来るということになるのであります。
#154
○油井賢太郎君 事務的なことでお伺いをして置きたいのですが、これは発足を予定して相当予約なり何なり、もうできているのですか。
#155
○政府委員(舟山正吉君) まだ人的構成等についてもきまつておりませんし、勿論予約などはできておりません。ただこういう機関ができますれば、是非その恩惠にあずかりたいというような希望の申出は通産省にはあるようでございます。
#156
○黒田英雄君 一点お伺いしたいのですが、この輸出銀行を設置されるのは、勿論プラント輸出等の要因に対する、つまり輸出貿易を盛んにしようという趣旨から出ておることと思うのですが、これによつて五年間この貸付をして行くのでありますが、この結果これが解廃した場合にはこの出資に応じて残余財産を分けるということになつておりますが、大体この輸出銀行を設置して業務を執行する上においては、勿論銀行でありますから、そうむやみなこともやれないと思うのですが、貿易を振興するために損しても差支えないというふうな肚があるのですか、それとも損はしないということで経営をして行くという気なんですか、その心組を一つ……。
#157
○政府委員(舟山正吉君) 輸出銀行の経営はやはりコンマーシヤル・ベーシスに同様の経営をして行く立前でございます。特にその主管が分れておりますのは、市中銀行に責任の一端を負わすという行き方でございまして、そう甚だしく不当に恩惠を與える輸出金融というものはやらないということが狙いどころになつております。
#158
○黒田英雄君 なお銀行は貸付は五年間やるとありますが、今日の状況では公共企業の資金の供給というものは普通銀行ではできないから、この銀行を作つてやろうというのですが、五年もたてば大体日本の経済で金融機関が長期の資金の供給のできるようになるというお見込なんですか。或いはそうでなくとも五年たてば自分の力でいろいろ輸出ができて行くというふうに考えられているのですか。
#159
○政府委員(舟山正吉君) 五年もたつて参りますうちには国内の資本蓄積も進んで参るので、まあ特殊の金融機関の必要もなくなると考えられますが、とにかく五年先のことは何とも見当が付きませんので、一応五年と区切りまして、又そのときに再検討して法律改正をしようということが趣旨でございます。
#160
○黒田英雄君 もう一つは小さい問題ですが、十一條に総裁とか專務理事とかが銀行を代表するという規定があるのですが、これで総裁及び專務理事に事故があるときは、理事はその職務を代理するとあるのですが、この理事は三人以内あるようですが、この全部の理事がおのおの総裁の職務を代理することになるのですか。それとも誰かそういうときはきめるのですか。
#161
○政府委員(舟山正吉君) この銀行の運営は、大幅に総裁の権限に委ねてございまして、御指摘のような点は、ほかの場合でも大体理事会の決定、或いは総裁の決定により、理事の間における権限の配分がきめられることだと思います。
#162
○小林政夫君 設立当初に、ちよつと新聞等で見たところによると、收支を予算で縛つたりせずに、相当自由な運営をやらせるというふうなことでありますが、大体今回は完全に收支を予算で縛ることになつておりますが、まあ特にこういう銀行の運用については、相当情勢の変化等があつて、それで予備費も取つてあるようですけれども、なかなか予算通りの運営ができないのじやないかと思うのでありますが、この点どうでしようか。
#163
○政府委員(舟山正吉君) この銀行は全額政府出資の機関でありますので、政府及び国会がこの経理につきまして相当の監視をする必要があるわけでございます。普通の政府関係機関、公庫でありますとか、金庫でありますとかにおきましては、この收支予算のほかに事業予算までも作成いたしまして、国会の御審議を経ることになつておるのであります。それこそはまさにこの機関の事業を制肘するものでございますが、この銀行ではそれを外しまして、最小限度收支の予算だけを国会で御審議願うということになつて、従来に比しまして非常な改善になつておる、行動の自由も広まつておるのでございます。
#164
○油井賢太郎君 これは今日国会を通れば、今日から施行されることになるようですが、若しそういう場合には、どんな御見当ですか、事業開始の……。
#165
○政府委員(舟山正吉君) 大蔵大臣のお考えによりますれば、年内にも新銀行を発足せしめたいということでございまして、少くともこの銀行発足の予定が立ちますれば、市中のこの銀行から融資を受けたい人のいろいろの用意の都合も便宜になる、益するところが多いのではないかと考えます。
#166
○油井賢太郎君 名前が銀行というのですが、まあ銀行というと、一般には民間の大体関係というふうに見られるのですが、その内容を見ると、本当にこれはお役所仕事なんですね。大体銀行という名前そのものが適当でない感じも受けるのですが、他にもつと名前の点についても考えられたことがあるのですか。
#167
○政府委員(舟山正吉君) 金庫とか公庫とかいうことも考えたのでありますが、そういたしますと、他の政府関係機関と同一に律せられる虞れも出て参ります。この機関の活動をできるだけ自由にしますためには、むしろ銀行の名のほうがふさわしいと考えたのであります。
#168
○油井賢太郎君 他の政府機関と同一に見られるというが、予算でも何でも皆国会の承認を得たり、決算も提出したりということになつて、他のいわゆる政府機関と殆んど同じなんですね、内容は……。どういう点で然らばその相違があるのですか。
#169
○政府委員(舟山正吉君) ただ名前からだけはそういう相違が出て参らないのでありますが、まあ社会の通念に従いまして、銀行のほうが国内的にも、国外的にも信用を増すゆえんかと考えます。
#170
○油井賢太郎君 そうすると、名前が銀行ということになると、社会的に信用があつて、銀行以外の名前だと、社会の信用が得られないということが、今までの政府の機関の、公庫とか金庫とかというのが、社会から余り信用されていないという裏書になるわけですか。
#171
○政府委員(舟山正吉君) 金庫なり公庫なりは、それぞれ政府関係機関として、しつかりした信用を保持しているわけであります。
#172
○木内四郎君 外国の商社とか或いは地方公共団体、その他に貸付けることになることがありますね。そのときには担保を考えておられるのですか。
#173
○政府委員(舟山正吉君) 外国の商社等に貸します場合は、この銀行の業務としましての例外的な場合であります。規定といたしましても、こういう場合もあろうかという用意のために盛つたのでございまして、その都度の取引によりまして、まあ体様もいろいろ出て来ると思います。初めから型をきめて置くことは不適当であると考えております。
#174
○木内四郎君 万一あつた場合に、国内ならば担保を取ることも容易かも知れませんが、外国の商社などで、万一期限までに拂わないような場合のときはどうでしよう。そういうことを何か考えておられますか。
#175
○政府委員(舟山正吉君) そのとき、形の上の担保を取るか否かは別といたしまして、回收について十分確実であるという心証を得た上でやるのでありまして、あとの具体的な條件は、そのときの事情によると思います。
#176
○委員長(小串清一君) 議事の都合でいつでも打切るかも知れませんが、この際、兼岩議員から委員外質問をさせてもらいたいということですから、その御質問を許します。都合でいつ打切るかも知れません。御了承願います。
#177
○委員外議員(兼岩傳一君) 私はこの法律案は、非常に重要な、日本の経済界に影響を與えると思います。時間の関係がございますので、あらかじめ問題を明らかにしてお尋ねいたしたいと思います。私の持時間が非常に制限されておるようでございますので、併し問題が盡せないというのはいけないので、又回答を十分頂けないのはいけないので、問題点を先に明らかにして置きたいと思います。
 第一点は、何をどこへ輸出されるか、その見通し、つまり空想的でなく、現実的な有望さ、見通し、成績の挙げ方はどうか、これが第一点。
 それから第二点は、貿易計画、日本の貿易を推し進めて行く上において、今回取上げられておりますこの銀行法というものは、どういう地位を占めているか、どういう役割を果すか、ただこれだけを、一つだけを一つだけとして見るのではなくして、輸出入全体、殊に輸出貿易の中で、例えばユーザンスというようなものもやつておられまして、その他にもいろいろ輸出について打つ手があると思うのです。その打つ手の中で特にこれを取上げておられるのは、どういう意味で、それが全体の貿易計画においてどのようなウエイトを占め、どのような成果を收めるであろうかというような、全体の輸出計画の中における地位を明快に御説明願いたい。それが伺いたい第二点。
 それから第三点は、先ほど他の委員からもありましたように、私は日本の目下の急務は、輸出よりもむしろ輸入が、最も業界全体、日本の経済全体が求めておると思いますが、それだのに、輸入の問題をそれを本格的に取上げておらないように思うのですが、この輸出奬励の裏付として、一歩誤ると飢餓輸出、縮小生産、或いはインフレということになると思いますが、こういうことをやつても、輸入のほうは大丈夫だという御証明を頂きたい。
 それから第四点、これは私どものみならず、相当に広く支持をされております決定的な問題でありますが、中共、大陸との貿易なしに、これと全く反対の方面を目指しておる。プラント輸出を中心にやつておられるこのやり方、これは一つのやり方なんですが、果して中共貿易を禁止せられているという損害をこれが償い得るかどうか。私どもの調査並びに将来の見通しから言つて、私は償わないと思うのです。だから償われないのじやない、償うという一つ証明を聞かして頂きたい。これが第四点でございます。
 以上順次お答え願いたいと思います。
#178
○政府委員(舟山正吉君) お尋ねの点は、この四項目とも貿易に関することでございまして、通産省当局から責任ある御答弁をすべきであると考えますが、私ども銀行設立を用意いたしました上におきましてお答えできる範囲のことをお答え申上げます。
 先ず何をどこへ輸出する計画かという点につきましては、極く最近のプラント物の輸出で、契約ができ或いはできる見込のものにつきましては、仕向国としましてはインド、パキスタン、タイ等の東南アジア地域、それからアルゼンチン、ブラジル等の南米地域関係でございます。なおフイリツピンも入つております。
 それから品目といたしましては、火力発電設備とか紡績機械とか鉄道の車輛とか貨物船並びに油槽船などが主だつた品目でございます。
 次の御質問の……
#179
○委員外議員(兼岩傳一君) 一項目ずつでやつて頂きましようか。それから将来の見通しを……。
#180
○政府委員(舟山正吉君) 将来におきましても、只今申上げましたような国へ、只今申上げましたような品目のものが一番多いのではないかというように予想いたしております。
#181
○委員外議員(兼岩傳一君) 今のお答えによりますと、品目のはうの問題ですね、あなたの言われるように、有望な明るい状態でないと私どもの調査では報告を受取つております。例えばインドにつきまつては、一万五千キロの水力のプラント輸出はどうやらキヤンセルされているのじやないか。パキスタンでタンク車百五十四輛ですか、これも非常に危ないというふうに聞いております。現実にそういう報告を受取つております。
 それから仕向先につきましてインド、パキスタンなどは安定いたしておりますが、併し輸出の貿易関係の協定が非常に窮屈になつて、輸出に対して私は資料を持つておりますが、詳細は省きますが、非常に輸入に防遏的な関税を課せられているために非常に困難になつておる。それからフイリツピン、タイ、マレーその他は革命的な情勢で非常に大きな地域、例えばフイリツピンでさえも四〇%からすでに解放軍のために占領されているという状態で、実際非常に望み薄であり、これは第四項目に関係しております中共の貿易を償うなどという可能性は全然ないように思いますが、その点、第四項目について、もう一度そうでないということを、品目と輸出仕向先について極めて有望ではないと私は再三申上げましたのですが、特にインド、パキスタンの、御存じでしたらキヤンセルになつた、或いはなりそうな事情を御承知だつたら御説明願います。
#182
○政府委員(舟山正吉君) 只今御指摘の点は、私どもといたしましては、通産省の見込によりまして、それに応ずる金融措置を講じておるのでありまして、貿易の実態については通商産業省からお聞き取りを願いたい思います。
#183
○委員外議員(兼岩傳一君) 第二項の点について。
#184
○政府委員(舟山正吉君) 第二の問題につきましては、先ほども申上げたのでありますが、輸出貿易を伸張いたします上において、このプラント物の輸出等に当りましては長期にして且つ多額の資金を要する金融が必要とせられておるのであります。その点が市中金融機関だけでは十分賄い切れませんので、これを補います上において特殊機関をこしらえる次第でございます。普通の短期の貿易金融で賄い切れます部面につきましては、従来通りの金融措置で十分の効果を挙げていると考える次第でございます。
 なおプラント物の輸出ということにつきましては、東南アジア地域等未開発地域にプラント物を輸出することによりまして、爾後の彼我の貿易関係、経済関係が緊密になり、今後の貿易促進上にも寄與するところが少くないという見通しを持つておるのであります。
#185
○委員外議員(兼岩傳一君) ユーザンスなども六カ月にも長引いて、そういうこともあれがうまく行つてないようですが、今回のこの計画が、従来保護されましたユーザンスその他として、よほどこれが輸出計画において大きな成績を挙げられるのでせうか。それから私らのいろいろな調査によると、ちよつと先ほど触れましたが、輸出先、東南アジアは非常に植民地反対の運動が盛んで、国内的な状態が非常な困難な状態になつておつて、それを抑え付ける形において輸出されて行くので、果して輸出の代金を支拂うというようなことはどういうことになるかという不安定の点を相当含んでいるように私は思うのですが、その点も併せて御説明願いたい。それからこれと関連して見返資金をどうして使われたかというその根拠も拜聽したいと思うのでございます。
#186
○政府委員(舟山正吉君) このユーザンスはむしろこれは金融を円滑にするための措置とか、第三問と関連いたすと思いますが、東南アジア地域に対しまする貿易の見通しにつきましては、先ほど申上げましたが責任当局でございませんから、私からはお答えは留保いたします。
#187
○委員外議員(兼岩傳一君) 損失は如何ですか。損失が発生した場合の処理、出したけれども代金は入つて来ないという……
#188
○政府委員(舟山正吉君) この銀行はいわゆるコンマーシャル・ベーシスに関する事務をするのでありまして、損失補填のためには十分人的、物的の損保を要求する等、回收には遺憾なきを期するのであります。
#189
○委員外議員(兼岩傳一君) 見返資金は……。
#190
○政府委員(舟山正吉君) この輸出銀行法案を提案することにつきましては、見返資金の活用につきまして、いろいろな方面に政府の財政資金と合せまして、できるだけ有効な方向に投資なり融資なりするという根本方針に基いて出したのでありまして、特に意味はございません。
#191
○委員外議員(兼岩傳一君) 見返資金が使われるという点ですが、損失についてどうも御返答が明確でないという点から非常に心配なんですが、時間の制限がございますから……、我々はこれに対しては未開発地開発計画等々というようなもので援助させられることによつて損失も起ろうけれども、見返資金を使われるというリツル・マーシヤル・プランという形で、非常に危險なものだというふうの資料なり、見通しを持つておりますが、それは了承しまして、それじや第三の輸入に関して、輸入がこういう危險な、こういう損失の予期される、大した発展性のないこれは予算ですが、そういうことに力を入れられるよりも、輸入のほうをユーザンスくらいでなくて、もつと本格的な努力をされなければいかんということで、それを大してされないで、こういうことに非常に骨折つておられるのはどういうわけかということを……。
#192
○政府委員(舟山正吉君) 輸出の促進が必要であります半面、輸入の促進も非常に大事であるということは異論のないところでございます。これにつきましては、金融措置としてはユーザンスの制度も認め輸入業者の便宜も計らつているのであります。その他は、例えば今後は為替銀行等に預金部資金等の資金も直接間接に流入して参るのであります。これらを活用いたしますれば、輸入物資の引取り並びにこれの製造加工といつたようなことについては、国内の普通の金融操作で十分賄えるという自信を持つているのであります。
#193
○委員外議員(兼岩傳一君) そうすると、輸入は相当に自信を持つておられるというわけですか、明るい前途の見通しを持つておられるというわけですか。
#194
○政府委員(舟山正吉君) 私は輸入をいたしまするうちの金融操作のことについて申上げているのであります。先ほどもどなかの御質問でお答えいたしましたが、輸入が現在予期通り、或いは計画通りに進行しておるかおらないか、その辺の事情については関係当局よりお聞き取り願いたいと思います。
#195
○委員外議員(兼岩傳一君) 第四に、中共貿易を犠牲にしてこれをあえてされるだけのバランスが一体とれているかどうか……。
#196
○政府委員(舟山正吉君) この問題も私よりお答えの限りでないと考えます。
#197
○委員外議員(兼岩傳一君) 以上、委員長の時間節約の御趣旨に副つて、僕は非常に重要な問題を端折りましたが、今大蔵省側の政府委員が答弁されたのを各委員のかたがたがお聞きの通り、実はこれは無理な質問をいわばしている。従つて殆んど満足すべき答弁が得られなかつたのであります。それで私は議院運営委員会におきまして、実はこれは非常に重要な問題で、日本の将来の経済問題に決定的な影響を與える問題だから、少くも大蔵省を中心にして長期貿易計画の担当庁である安本……私は安本の委員でございますが、それから通産省、この三者の連合審査を十分されて、こういう問題は小さな区々たる個人的の利益じやなくて、国家の大きな利益の上から詳細になさるべきだということを、議院運営委員会でも申上げて、大体御了承を得たのでありますが、委員長は非常に時間を急いでこれを早く上げてしまえばいいというふうにされておるようでございますから、ここで私の質問はこれで打切りますけれども、委員各位が是非この問題は、私の所属しております安本の長官、今私が答弁を求めましても殆んど答弁できないので、これはやはり通産の関係の大臣と、又政治的な答弁を主としてして頂きたい関係では大蔵大臣、そういうようなかたに御出席頂いて、十分な審議を盡すような機会を是非持つて頂きたいということを委員各位にお願いいたしまして、僕の質問はこれで終ります。有難うございました。
#198
○委員長(小串清一君) 先刻本案につきましては、御質問が大分ありましたが、ほかに御質問がなければ本案についての質問を終局したものと認めて、討論に入ることに……
#199
○油井賢太郎君 それはおかしいよ、僕はさつき質問を保留してあるのですよ。
#200
○委員長(小串清一君) 輸出銀行ですか、輸出銀行じやない……
#201
○油井賢太郎君 輸出銀行ですよ、大蔵大臣や何かの出席を求めて……。
#202
○委員長(小串清一君) それは来られないと言つてるのですよ。それは向うのほうでの都合でとても空けられないという返事なんですよ。
#203
○油井賢太郎君 それは今初めて聞くのであつて……。
#204
○委員長(小串清一君) そうですか。あなたのお話では、はつきり大蔵大臣のを聞かなければいけないというような意味には聞いていなかつたのです。
#205
○油井賢太郎君 いや、そうじやないです。
#206
○委員長(小串清一君) 先刻の速記録を見ればわかりましようが……。
#207
○油井賢太郎君 首相並びに大臣の出席の……
#208
○委員長(小串清一君) それはできないと、こう申上げて置いたのです。
#209
○油井賢太郎君 あのときに……。
#210
○委員長(小串清一君) あのとき言いました。
#211
○油井賢太郎君 いや、私は保留してあるのです。
#212
○委員長(小串清一君) そうですか。
#213
○油井賢太郎君 これは質疑してやはり根本問題を或る程度明確にしないと、相当大きな問題ですからね。別に共産党から言われたからなんのこうのというのじやなく、私のほうはさつき要求してあるのですからね。或る程度のこういう法案を通すについての将来の見通しを見極めておやりになつて頂きたいと思います。
#214
○委員長(小串清一君) ちよつと申上げますが、我々もいろいろ聞いたのですが、予算のほうの審議が大分かかるので、時間の都合上、どうしても予算は本会議に出ても相当に時間がかかるから、予算の審議の間に大臣が動けないというようなお話でありました。それでこれも予算にやはり大体関係のある法案ですから、若し皆様がたがまだ質疑が足りないからどこまでもやるというようならあえて遮りませんけれども、いろいろ議事の都合がありますから、この程度で如何かと思つてお尋ねしたわけです。
#215
○油井賢太郎君 わかりました。これは大蔵委員会であつて相手は大蔵省であり大蔵大臣なんです。予算のほうで幾ら時間がかかつても、大蔵委員会ではそう長い時間はこの問題の見極めにはかかるまいと思う。たとい三十分なり一時間という程度のものは大臣が割いてこの法案の通過方を図らなければ、これは大蔵委員会としちや納得できないことになりやしないか、嚴重に一つ大臣に掛合つて頂きたい。これに関連してやはり通産省の責任当局者に来てもらうよう、時間は私はそうかからんと思いますから、お掛合い願いたいと思います。
#216
○愛知揆一君 私は今の問題は別にしまして、先ほど特別職の給與の問題については、油井委員から三時まで待つてくれというお話があるのですが、三時に丁度なつたのですが、一つこれの採決から片付けて頂きたいと思います。
#217
○委員長(小串清一君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#218
○委員長(小串清一君) それでは速記を始めて下さい。外国為賛特別会計の資本の増加に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案を議題といたします。
#219
○油井賢太郎君 この外国為替特別会計に一般会計から百億繰入れるという件ですが、どうして一般会計から繰入れなくてはならないのですか。他の方法はどういうふうな方法があるか、この点先ず政府当局の意見を伺いたい。
#220
○政府委員(大久保太三郎君) 外為特別会計の円の收入不足でございますが、この百億円を一般会計から必ずしも繰入れませんでも、貿易特別会計の二百六十億の繰入れに合せまして三百六十億の繰入があれば、特別会計といたしましては円資金の不足は補えるわけでございますけれども、貿易特別会計の余裕金で繰入れ可能なものは二百六十億しかないということでございます。でそのほかの方法といたしましては、或いは見返資金特別会計からの繰入れということも考えられると存じまするけれども、これは財政金融の総合的な見地から、それよりもむしろ一般会計の繰入れを適当とするというお考えに、大蔵当局のお考えに基いたものと承知しております。若し政府資金を用いずに、この不足を補うという手といたしましては、日本銀行からの借入金、年度越の借入金でもいたしましてこれを賄うということも可能と存じまするけれども、これも又只今の経済全般の情勢から見て妥当でないというお考えに基いたものと存じまする、外為委員会の私どもといたしましても、この不足金の補填はこの原案のように一般会計から繰入れて頂くということが、全般的な見地から一番いい方法だと、そう考えておる次第でございます。
#221
○油井賢太郎君 今のお話によると、貿易特別会計の繰入れと日銀の借入と年度越の継続といいますか、債務償還からこつちへ廻せということも考えられないのですか。
#222
○政府委員(大久保太三郎君) 債務償還と申しますのは、見返資金なのでございますか。
#223
○油井賢太郎君 それは債務償還は見返資金ばかりでなしに、政府のいわゆる予算の中に入つておりますから、どつちから出るというと、両方入つてるでしよう。全体的に見て債務償還を減らして充当する、そういう措置はとれなかつたのですか。
#224
○政府委員(大久保太三郎君) その辺の財政処理につきましては、いろいろ方法の選択があるかと存じまするけれども、その点につきましては、大蔵当局からお答え願いましたほうが適当かと存じます。
#225
○油井賢太郎君 今の大久保さんの話によつて大蔵当局の意見を聞かしてもらいたいと思います。
#226
○政府委員(佐藤一郎君) ちよつと失礼しましたが、油井さんの御趣旨をもう一回……。
#227
○油井賢太郎君 この外国為替の特別会計の繰入れを一般会計から繰入れないで、その財源としては、今大久保さんが日銀の借入によるとか、或いは見返資金とか、年度越のいわゆる継続ですか、そういつたようなもので賄えるという方法もあります。併し今度の予算では、債務償還はありますね、その債務償還をしないで、或いはこれは一般会計へ繰入れても同じ性質になるかも知れませんが、結果においては大分違う、債務償還をしないでこつちへ向ける方法はあるか。
#228
○政府委員(佐藤一郎君) これは予算全体の問題でありますが、私から便宜お答えしますが、これは勿論当初からそういうふうな予定を立てておるわけでありますから、債務償還につきましても、そのときは別個に他の場合と同様にインベントリー・ファイナンス、ということで特に一般会計から予定して繰入れておるわけでございます。結局それだけの金額はいずれにしても予算として見なければならない。
#229
○油井賢太郎君 そこで今政府のほうで一般民間からの吸い上げを汲々としておるということは、結局インフレ防止だと思うのです。併し大蔵大臣が説明しておるのによると、最近のCPIは相当低くなつておるというふうな際、なぜその上なお且つインフレを恐れて百億という大金を財政需要から繰入れて行かなくてはならないか。そこに矛盾が出て来る。そういう点について若し何だつたら速記をとめていきさつをおわかりになつたら話して頂きたい。
#230
○政府委員(佐藤一郎君) 大蔵大臣とドツジ氏のいきさつの内容は、勿論我我の申上げるあれはありませんが、従つて大臣に直接お聞き取り願う以外にはないのですが、全体としてインベントリー・ファイナンスをどうして税で賄うかということの一環になつておるわけであります。勿論大蔵大臣も予算委員会でも常に答弁されておりましたが、安定は、二十四年以来安定しつつあるけれども、併しなお特需その他の問題があつて、いつ再発するかわからない、こういう懸念もなきにしもあらずである、こういうふうに言つておられます。これはインフレ、或いは財政経済全体の問題でありますから、私からいい加減な答弁を申上げることは失礼かと思います。
#231
○油井賢太郎君 この点はいずれ大蔵大臣が見えるでしようから、見えたときに讓りまして、次にどうしてこういうふうに百億もの不足ができたか、大体のことはわかつておるんですけれども、併しその原因というものは、政府当局の考えと我々の考えと食い違いがあると思われるが、どういうわけでこういうふうな不足ができたか、その根本ですね、これをもう一度お話を伺いたいと思います。簡單で結構です。
#232
○政府委員(大久保太三郎君) それではお答え申上げます。二十五年度の予算を編成いたしました当時に、私どもの外貨の受拂いの計画、これで受超が九千四百万ドル、円に換算しまして三百三十八億という予想であつたのでありますが、詳しく申上げますと、受取りが七百三十七億三千八百万ドル、支拂が六億五千四百万ドル、この受超をどう賄うかという点につきましては、貿易特別会計から繰入れをしようということであります。この受超の予想以上に、或いはまだ受取りの超過があるかも知れません。その場合に備えまして、余裕を見まして貿特からは余剩金の繰入れを五百億にする、そういうわけであつたのでございますが、然るにこの年度になりましてから、円の收入不足の増加というものが非常に多くなりまして、年度全体を通じまして千三十六億円收入に不足があるという計算がほぼ確実性を以て見込まれるようになつたのでございます。その理由といたしまして四つ挙げて申上げようと存じますが、第一は、二十五年度の国際收支におきまして外貨の蓄積というものが予算上の貿易計画に比較いたしまして非常に巨額に達したのであります。これは御承知の通り七月以降の特需関係、これが発生いたしました関係もございます。そうして只今私どもの予想いたしております国際收支のバランスを見ますと、二十五年度では受取りといたしまして十一億四千三百万ドル、支拂といたしまして九億五千五百万ドル、差引き受超が一億八千八百万ドル、円にして六百七十七億、こういう予想でございます。それから第二点といたしまして、前年度、前年度と申しましてもそれは昨年の十二月から本年の三月まで四カ月でございますが、この貿易特別会計、為替特別会計のできました以後の二十四年度の外貨蓄積の予想でございますが、これも顧みますと、かなり当初の計画に食い違いが生じております。最初は二十四年の十二月から二十五年の三月末までの計画の受拂いといたしまして、受けも拂いも一億七千三百万ドルという予想であつたのでございますが、実績は受取りが二億一千八百万ドル、支拂のほうが一億三千二百万ドル、差引八千六百万ドルの受取超過に相成つたのであります。円にいたしましてこれが三百十億でございます。この二十四年度の外貨の蓄積に対応いたします円の不足はどういうふうに処理いたしましたかと申しますと、日本銀行からの借入、年度越しの借入でございますが、これが百九十七億、それから貿易特別会計に対しまして政府輸出の代金を私どもの会計から支拂わなければならん分が百十三億あつたのでございますが、これを繰延べいたしまして、一時支拂を繰延べることにいたしまして、そうして三百十億の処理を図つたわけでございます。
 それから第三点といたしまして、外為特別会計の損益計算に赤字が発生いたしまして、これは予期しない事情で、先ほど申上げましたように、百九十七億の年度越借入金が生じまして、その利息の数字でございます。これが約七億ございます。それから同じようなもので、英系の銀行に対しまして円、ポンドの交換用の資金を外為会計から預託しておるのでございますが、そのほうの預託に関連する支拂に一億要りましたので、これで約八億、損益計算の計算上の赤字が七億、それから預託関係のが一億合計八億円不足が生じたわけでございます。それから第四点といたしましては、現実に発生しておる問題ではございませんけれども、先ほど申上げましたような二十五年度の外貨の受取り、支拂を計算いたしますのは、何分非常にむずかしいのでございまして、本年度も大分時期がたつておりますので、実績その他を勘案して、相当妥当な、大して誤りもないだろうと思われる数字とは存じますけれども、なお国際経済の転変の激しいときでございますので、或いは千万ドルくらいの誤差が生ずるかも知れないということを考慮いたしまして、それに対する万全の準備といたしまして、四十一億というものを計上いたしまして、先ほどの二十五年度の外貨の蓄積増による不足が六百七十七億と、二十四年度からの繰越しの関係の不足が三百十億と、損益計算上の赤字等が八億と、それから只今の輸出入の誤差の計算が四十一億、合計いたしまして千三十六億というものを見込みますわけでございます。
 でこれに対する円の資金の供給でございますけれども、今度の予算を組みます際に、これの供給源といたしまして、取り入れましたのが二つあります。予算にも計算してございますごとく、貿易特別会計からの繰入れ、これが二百六十億ございます。それから本年度の九月から、御承知の日銀のいわゆるユーザンス制度が実施されまして、この制度では、日本銀行に対して外貨を売却いたしまして、その売却による円の收入、これは細かく申上げますと、今の制度では、信用状を開設いたしますと同時に、日本銀行は外国為替特別会計からその信用状全額の外貨を買取りまして、これを信用状を開設した為替銀行に貸付ける仕組になります。そうして本来ならば、その信用状の開設、即ち日銀に対する外貨の売却後約二カ月ぐらいで以て船積書類が到着いたすのでございますが、その船積書類が到着するときに、為替銀行からサイトならば円が入るわけでありますが、今の制度では、その船積書類の到着する前二カ月先におきまして外貨を売却して、その対価が日銀から入るわけでございまして、それを見積りましたのが、この年度といたしまして一億八千七百万ドルございます。円に換算いたしまして、六百七十六億でございます。貿特からの繰入れと合せますと、九百三十六億円、これが以上申上げました手段で以て期待できます收入でございます。で不足と差引きまして、まだ一般会計から繰入れらるべきものは百億と、こういう計算をいたしましたわけでございます。
#233
○油井賢太郎君 たびたびどうもこの点の御説明恐縮でございましたが、ここでちよつと伺つて置きたいのは、外貨の累積が約四億ドルあると言われておるのですが、この四億ドルのいわゆる蓄積方法ですね、それからそれに対する收入、利子なども当然生れておると思うのですが、それはどういうことになりますか。
#234
○政府委員(大久保太三郎君) 外貨の蓄積の状況のお尋ねでございますが、これは為替管理委員会で保有いたしております外貨は、全部外国の確実な銀行に預金をいたしております。その預金先につきましては、日本にあります外国の銀行、それから外国銀行とコルレス関係を画いておりますが、そのコルレス取引のある外国所在の銀行、これに分けて預託しております。大部分は当座預金でございますが、先般来少しの運転資金に充当する所要の額以上に若干の余裕がございますもので、これの運用を考えまして通知預金をいたしております。この通知預金によりまして、或る程度の外貨收入がございますが、その外貨收入を円に引き直しまして特別会計の利益にする、そういうふうに経理をいたしております。
#235
○油井賢太郎君 そこでこの外貨は余つておるのですね。いわゆるドルが余つておるのですね、日本では……。その蓄積方法は、今伺うと、外国銀行に預金しておると、まあ若干の運転資金以外は通知預金にしておるというふうな話ですが、そこの関係が、戰前のいわゆる時代の日本の金融界と違つて、今日は状況が大分違いますが、外貨が余つた場合の利用方法とか、活用方法とかは、どうも我々には納得の行かないような感じがするのですね。これを是正する方法は何かお考えになつておられるのですか、或いはどういうふうにしたらば外貨をもつと有効に活用して行けるかという点はどうでしようか。
#236
○政府委員(大久保太三郎君) よく日本の外貨が余つておる、余つておるという声を聞くのでございますが、管理委員会といたしましては、余つておるということは言えないのではないかと思うのでございます。と申しますのは、その外貨を運転資本に使いまして、日本の現在の規模の輸出入を賄つておるわけであります。例を輸入のサイトにとりまして申上げますと、信用状を日本側の銀行が開きます際には、外国の銀行はそれを確認いたします。何と申しますか、支拂の義務を引受けてくれるわけでございますが、その確認をいたします際には、必ず若干の保証金が要るわけでございます。日本の銀行或いは金融全般につきましても、もつと国際的な信用が増進しますれば、或いは保証金、マージン・マネーと申しておりますが、これはだんだん軽減されるかも知れませんが、現在の段階におきましては、そのマージン・マネーを積まなければなりません。そのマージンを積みまして、そうしてなお決済はサイトで決済されるわけであります。向うのエキスポーターとこちらのインポーターとの契約は、向うが荷物を船積みいたしますと、すぐに銀行に手形を買取つてもらいまして、そうしてその銀行はそこで外貨を落してしまうのであります。その外貨の支拂の関係におきましては、支拂の繰延べといいますか、ユーザンスがつかないのでございます。非常に忙がしく外貨も落ちる、又輸出で溜つた外貨がそこに溜るということで非常に金繰りはコントロールを要するわけであります。そういつた意味で大部分の外貨というものは、短期の預金にして置かなければならん関係もございます。なお若干の余裕というものがございますので、それを適宜に運用するということであります。そしてなお溜るばかりでも勿論困るのでありまして、輸入計画においてはそれを十分考慮いたしまして、輸入の促進というところに重点を置いておるのでありますが、これは多少時期が……一月に外貨予算が発足しましてから、多少その点が不円滑なところもございましたが、六―九以後の予算におきまして、相当大きな輸入計画も立てましてやつておるような次第でございます。
#237
○油井賢太郎君 世間で流布されているいわゆる外貨の蓄積という感じは、余つているように感じるのですが、それはあなたのおつしやるように勿論拡大されているのです。併しこれは半面から言うと、輸入が増大してドルが不足した場合にはどういう処置をとられるのですか。
#238
○政府委員(大久保太三郎君) 輸入が増大いたします時に、それを賄いますのに二つ方法があるかと存じますが、一つは、日本の持つております外貨をそのまま使つて行く、食い潰して行くということが一つでございます。日本の保有する外貨はそのまま手を付けずに置いて、外国の銀行からクレジツトを得ると、その資金等によつて輸入をやる、そういう方法もあろうかと思つております。只今のところ後者の方法はとつておりませんです。
#239
○油井賢太郎君 そこで今は、ドルが蓄積されているから、一般会計から百億出して、円とのバランスをとらなければならんということになりますが、私の聞かんとするのは、それが反対に蓄積がだんだん食い盡されてしまつて行つた場合には、一般会計との関係はどういうふうになりますか。
#240
○政府委員(大久保太三郎君) お尋ねのような場合を仮定いたしますれば、外為特別会計の保有の円資金というものは、非常な過剩を来たすわけでありまして、これは日銀に預金いたしますとか、又場合によつては預金部その他に預託するとかいう、円資金の非常に過剩の時期も来るかも知れませんが、そう想像いたしますと、そういうことになります。
#241
○油井賢太郎君 今までの問答で大体明白になつたと思うのですが、結局外為特別会計で円が余れば、日銀に預託するとか、政府に預託することができる、こういうことになるのですから、赤字ではないのですし、結局百億というものを一般会計から特別にこの外為のほうへ今日廻す必要は、私はないという結論になつて来るのではないかと思うのです。若し輸入のほうが増大すれば、自然これは解消されて来るということになる以上は、暫定的にこの措置を講じて置けばいいと思うのです。どうして暫定措置を講じないで、一般会計から繰入れて恒久的な措置をとるか、こういう点になるのですが、これに対しては、あなたの御意見としては如何ですか。
#242
○政府委員(大久保太三郎君) 場合によつては、現在のように外貨の蓄積があり、或いは逆に日本の外貨を食い潰して輸入をするという場合があるから、今の保有は一時的だという御意見のように携わつたのでございますが、果して日本の只今申上げました保有をどんどん減らしていいものかどうか、これは非常に国策的に大きな問題であろうかと思います。或いは先ほどちよつと申上げましたように、日本の蓄積した外貨というものは、やはり何かの大きな目的で以てこれを保有して、そうして輸入の面においては入超を図る。それは或いは外銀、いわゆる外銀のみでございません、海外の金融機関からですね、クレジツトを得て、それで以て賄つて行くという方法もあるわけでございます。必ずしも、又風向きが変つて、日本の外貨がどんどん減つて行く場合もあるということはちよつと言えないんじやないかと考えます。
#243
○油井賢太郎君 そこで通産省からも通商局長が見えておられるのですが、今の日本の状況で外国に対してクレジツトの設定をするほど信用が回復されていないのですか。それとも輸出入の関係で日本の信用で輸入を増大させて行くまでの段階に至つていないのですか。その見通しをお話願いたいのであります。
#244
○説明員(岡部邦生君) 通商局長ではございません、振興局長でございます。
 今まで私どもの聞いております程度では、まだそういう段階には至つていないということであります。
#245
○油井賢太郎君 それじや振興局長は相当貿易面のことはお詳しいわけですね。この会計法案と、もう一つ関連いたしまして輸出銀行法との関連になりますが、今通産省で計画されておる貿易というのは、輸出に重点を置かれていて、輸入のほうはちよつと第二義的に考えられておるように見られるのですが、そういう点通産省としての根本方針はどの程度になつておるか。これは通産委員会でありませんから、極めて簡單でよろしうございます、要点だけで……。
#246
○説明員(岡部邦生君) 只今御存じのように輸出が大体八億程度となつておるわけであります。日本の国民経済の回復のためには、やはり目標は十五億くらいが適当だろうと思つております。その線までには是非輸出を振興したいと考えております。それに対応いたしまして、輸入は勿論原材料の獲得ということで進めなければならないと思います。
#247
○油井賢太郎君 そこで今の状況は、世界各国の経済状況を見ると、物価はいろいろの関係で上昇気味になつておりますが、折角日本であなたがたが輸出振興をされて、輸出のほうは伸張して行つても、その輸出代金が輸入の物品に変るときになると、折衝コントラクトを組んだ輸入がキヤンセルを食つたり、或いはなかなか取引が思うように行かなかつたりというので、高くなつたものを、少い数量を日本が輸入をするという時期に立ち至つておるということはこれは事実で、そういうふうに通産省はお思いになつていないのですか。
#248
○説明員(岡部邦生君) 原料高の製品安という段階は参つておりますけれども、今のお話のところまでは行つておらんと思つております。
#249
○油井賢太郎君 これは見解の相違になると思うんですが、最近輸入を増進してもらいたいという意見が国民の間に特に強いんですね。それはどういうわけかというと、今私が言つたようなことを恐れての声も相当そこに含んでおると思う。いわゆる輸入振興についての、通産省としての御意見どうです。
#250
○説明員(岡部邦生君) 輸入を増進しなければならんということは勿論でございますので、従つて為替割当方式におきましても、従来の方式を改めまして、自動許可制の範囲を随分拡張しております。又長期資金割当の方法をやつております。そういう方法によつて輸入の増進を図つて行きたいと思つております。
#251
○油井賢太郎君 それは輸出の奬励と輸入の増大とのバランスが、どうもアンバランスになりがちなんですが、その点はどうです。
#252
○説明員(岡部邦生君) 輸出のほうの奬励策につきましては、只今この輸出銀行法案の御審議を願つておるのでありますが、むしろこういうものは遅きに過ぎたと思つておるのでありまして、決してアンバランスと思つておりません。
#253
○油井賢太郎君 いや、通産省が企図した従前の輸出重商主義というものは、今日誤つておるとは思われないですか、失敗したとは思わないですか。
#254
○説明員(岡部邦生君) 不幸にして私そのお言葉に対しまして御答弁することを知りませんです。まあ我々折角努力しておるわけでございまして、御了承願いたいと思います。
#255
○政府委員(大久保太三郎君) 只今の御質問、通産省に対してと存じますけれども、外為委員会のほうでも外貨の関係で多少関連を持つておりますので、御参考までに申上げたいと思います。輸出のほうは御説の通り非常に楽なんでございます。非常にと申しましても語弊がございますが、比較的楽に行きますが、輸入のほうになりますと、かなりいろいろなところに隘路がある。一つは根本になりますのは、外貨資金の割当でございましよう。それから手続の点につきましては、例えば外貨予算の編成であるとか、その外貨予算に組む品目であるとか、地域であるとか、或いはその発表の時期であるとか、その割当の方法であるとか、そういう点で輸入業者の本当の要望にぴつたり一致しませんで、なかなかむずかしい。その点につきましては、私そのほうの專門家でございませんけれども、同僚の者から聞いておりまするところでは、この外貨の割当につきまして、この外貨予算の発足いたしました当初は、かなり不慣れがございまして、今申上げた点についても遺憾の点があつたと思うんです。特に又ドル資金の使用につきまして、かなりコンサンプチブな運用であつたように思います。ところがだんだん経験を重ね、又情勢の変化に応じまして、改善すべき点は多少改めて参つたと思います。特に六月以降の予算におきましては、七月に自動許可制というものを布きまして、これは只今のところ品目は百二十二品目でございます。殆んど日本の輸入されます利用物資の中で、食糧それから米綿その他を除きまして、殆んど自動承認制の品目に入つております。そうして御承知の通り、業者は一々割当を受けるのでなしに、銀行に承認を求めて、その予算は始終こう明いておるわけでございまして、受けがあればすぐにそれを許可して行く。それで輸入の区域につきましても非常に拡げまして、どこからでもいい、例えば例を綿花にとります場合に、米綿につきましては、只今のところガリオアの輸入でございますが、何分米綿の割当が減りまして、日本の紡績界としましては供給に非常に心配したのであります。幸い自動許可制がございましたので、いろんな地域から輸入をいたしまして、メキシコであるとかそれからアルゼンチン、それからパキスタンは勿論であります。エジプト、そういつた方面から殆んど綿花のできます地域から非常なスピードで以て買付を相当担いたしたように聞いております。その点では相当進歩したのじやないかと思います。自動承認制の実施される前におきましては、全体の輸入の大体八五%ぐらいは通産省の割当品目で、例の先着順の輸入は十五%ぐらいであつた。現在では輸入の半分以上、七割くらいは自動承認制の下に輸入されておるという状態でございます。
#256
○委員長(小串清一君) 大久保政府委員にちよつと申上げますが、時間の関係もありますから簡單に明瞭に願います。
#257
○政府委員(大久保太三郎君) それからもう一つ金融のことでございまするが、これもユーザンス制の実施によりまして金融の効果が生じたのではないかと、そう存じます。
#258
○油井賢太郎君 もう一点伺つて置きたいんですが、輸出貿易伸張ということを非常に通産省でも心掛けておられるのはわかるんですけれども、貿易がどつちかというと、やはり大体が自主性じやない状態になつておるので、結局貿易当局者のウエイトというのはどつちにあるかというと、輸出する場合には外国側の商社にある。これは当然なんです。ところが日本の金融界が、輸出貿易に対して思うような融資が行われないため、或いは時期的のズレ等において、当然もう暫く待つておれば相当いい値段で買取り得るような状態でも、安くても何でも手放さなくてはならないという状況で、みすみす損しておる場合が相当多いですね。これに関しては、通商経理局ですか経理課ですか、そういうところで以て、私の仄聞するところによると、一、二有効適切な手をお打ちになつておられるようですが、そういう手の打ち方が遅いため、みすみす安く売つておつて、貿易の伸張等といつても、量は行つても金額においては一向上らない、こういうような状態も出るんですね。こういう状態を一つ何か脱却して行くためには、通産省としては、貿易資金という関係は、このプラント輸出ばかりでなしに、一般商品の時期的の金融ということを相当図らなくてはならないと思うのです。そういう点について、今回の輸出銀行法に織込むような交渉でもされたか、そういうようなお考えはなかつたか、これを一つお聞きしたいのです。
#259
○説明員(岡部邦生君) 輸出資金全体の問題といたしましては、今日貿手の再割、適格担保というようなことでやつております。今年の六月頃には相当逼迫した状況に相成りましたが、その後割合に状況が緩和して参りました。むしろ問題は輸入資金にあるというふうに考えているわけであります。それも先ほど御説明したと思いますが、一応ユーザンスの適用によりまして、解決されている御指摘のような問題はございますが、これは何とか今のうちは泳いでおるというのが実情でございます。それでこの銀行につきまして、今おつしやいましたようなことを考えたかどうかということでございますが、これはもともとプラント輸出ということで考えておりまして、そういう点までは最初から触れておりません。
#260
○油井賢太郎君 そこで話は元に戻りますが、百億の今度の外為に対するところの資金を、日銀からの借入によつてどうして一時的に賄つて行く方策がとれないかということ、その何か有力な根拠があるのですか。これは大蔵省、或いはどなたでも、責任者の答弁を願いたい。
#261
○政府委員(石原周夫君) 外国為替特別会計で不足いたしまする円資金を、一般会計からの繰入れによらないで借入金でやるという問題であります。この点につきましては、従来二十五年度の予算を作つて参りましたとき以来、政府の見合いの資産を持つておりまするいわゆるインベントリー・ファイナンスという言葉で呼ばれますが、そういうものに対しては、借入金によりませんで、これを一般会計の繰入れ、或いはその他ドル資金の收入を増加してその自己收入で賄えると、こういうような方向で行くことにいたすというやり方をそのままとるべきであるという、こういう考え方をしておるのであります。先ほどその点に関連いたしまして、油井委員からお尋ねのありました将来輸入が増加をすれば、それだけの円資金が余るという問題があるのであります。これは先ほど外国為替管理委員会のほうからお答えのありましたように、現在蓄積せられつある程度の外貨は、将来に亘りましてなお輸出、輸入の規模も増大いたしますから、この程度の外貨の保有は必要であろう。従いましてそれに対しましてもやはり資本を蓄積する方法が必要ではないかというのが全体の考えであります。
#262
○油井賢太郎君 結局この一般会計から繰入れをして、輸出の増進を図るということは、国民の負担を増すということに帰着するわけですね、それには相違ないんですか。
#263
○政府委員(石原周夫君) 国民の負担を増加するということに相成りますが、要するに経営の歳入を以ちまして、そういうような繰入金を以てしない。それによりましてインフレーシヨンの再発ということを避けまして、経済を安定させることが必要である、こういう考えであります。
#264
○油井賢太郎君 もう一点、そのインフレ防止は主として今度の場合考えられたのかということが今のお話ではそういうふうに聞えるのですが、現在インフレが増進していないということは、大蔵大臣がしばしば予算委員会等で説明しているCPIが下つているということでも立証されているのですが、その食い違いは当局ではどう考えられるのですか。
#265
○政府委員(石原周夫君) 私からお答えしているのは、実は不適当かと思われるのでありますが、実はインフレーシヨンの再発を防止するために、依然として従来とり来たつたところの安定政策はこれを持続をいたす、最近における状況も併せて考えまして、そういうことが必要であるという考え方であるというふうに御了承願いたいと思います。
#266
○木内四郎君 石原君から言われたんですが、借入金の話をされたが、日本銀行で外貨を売るということは会計法上できないのですか。外貨を売つて円資金を調達するということは何か支障があるのですか。
#267
○政府委員(石原周夫君) 現在のいわゆるユーザンス制度と申しまするか、外貨貸付制度の下におきましてはLCが出ましたときに外貨を外国為替管理委員会から日本銀行に持つて行くわけです。併しながらそれ以外の一般的なこちらの外貨保有を減らしますために、日本銀行に外貨を売るという方式は考えていないのであります。
#268
○木内四郎君 考えていられないようかけれども、会計法にははつきりあることはあるのだから売ることは可能ですね、会計法上は……。
#269
○政府委員(石原周夫君) 法律上不可能ということはございません。
#270
○木内四郎君 そうすると全然仮定の問題だけれども、その法律が通らなかつた場合、円資金の不足は外貨の売却によつて調達することができますね、法律上は……。
#271
○政府委員(石原周夫君) 今お尋ねの法律上の問題だと思われるのですが、法律上の可能か不可能かという問題は、私はできると思います。
#272
○木内四郎君 ではそれで結構です。
#273
○委員長(小串清一君) 大蔵大臣が見えましたから、この問題を暫らくこのまま置きまして、大臣の御都合があろうと思いますから、日本輸出銀行法案についての質疑を……。
#274
○油井賢太郎君 大臣にお伺いしたいのですが、今度できる輸出銀行法によると、輸出の増進を図ることが目的なんですが、これは予算委員会等でも十分大臣と各委員との間に折衝されている問題ですから、極めて簡單でいいんですが、輸入をやはり或る程度これに見返りになるように増進させなければバランスがとれないと思うのですね。結局大臣はCPIが最近は下つてて、日本の国民生活は楽になつていると、こういつても一方において、その半面においては楽になつたが、輸出されたものが海外へ出されて、その見返りになるものを買おうとするときには、すでに海外の物価趨勢は相当高くなつて、高いものを買入れる、こういうようなことで以て輸入が増進しなくて、いわゆる飢餓輸出のような形で以て増進している。ここに矛盾がありはしないかと思うのですが、ここに日本輸出銀行法をお作りになる際において、この見返りになるところの輸出増進策をどのように考えておられるか、この点について一つ大臣から詳しい御意見を承わりたいと思います。
#275
○国務大臣(池田勇人君) どうも、予算委員会で或る委員より総理並びに我我に御質疑があつたのでありますが、今の状態といたしまして、輸入の促進を図ることが最も必要な状態であります。当初この外貨予算が我々の手に移りましていろいろ輸出入の計画をいたしたのでありますが、或る程度不慣れな点もございましたが、或いは最近におきましては相当統制的の状態も発生いたしまして、なかなか思うように行かないのでありますが、我々といたしましては予算の使い方を、できるだけ輸入が促進せられるような方向に向けて行きたいと思います。只今のところ第三四半期並びに第四で四半期について見ますると、私は大体輸入のほうが、外貨支拂のほうが外貨を買うよりも多くなる計画で進んでおります。これは外貨の問題でございますが、一方輸入を促進いたしますために、外貨があつても国内に円資金がないと、こういうふうなこともあるのであります。私といたしましては、日本の設備その他を合理化する必要がありますので、外国の器具、機械等の輸入の促進を図りますために輸出資金を使つて、今年度内から一つスタートいたしたい、こういう計画を持つております。
#276
○油井賢太郎君 そこで私の質問中のCPIが下つているという大臣のお言葉と、それから世界各国の他の物価との比率ですね、これはどんなことにお考えになつておりますか。
#277
○国務大臣(池田勇人君) 最近の状況を申上げますと、まあ六月までを表にいたしまして、私の調べでは、小売物価はなかなかよくわかりませんが、卸し物価になりますと、大体アメリカが七、八%の卸売物価の上昇ではないかと思います。イギリスが同様の方法でいたしまして、二三、四%の卸売物価の上昇、日本は大体九月において三%で、十月は一〇%ぐらいであつたかと思います。こういう状況でございます。アメリカのほうの小売のほうは私はまだ資料を持つておりませんが、消費物資その他は、これは卸売と同様に、或いはそれ以上に上つておるのではないか。それからイギリスのほうは、卸売物価は上りましたが、いろいろな小売物価は従来から上つていない。小売物価は相当抑えられておりますので、そう大して上つていないのではないか。無論卸売物価ほどではございません。一、二%ぐらいじやないかと思つております。日本の状況は、大体卸売物価ほどではないと思いまするが、これは今ちよつと記憶いたしておりませんが、そういう状況であろうと思います。
#278
○油井賢太郎君 そこで昨年以来日本の物価の趨勢は大体平になつておるか、或いは少し下向になつていたというのは、これは大臣もしばしば言明された。併し他の諸国におきましては、日本より一足先にいろいろの関係上物価が上昇値を示しておる。そういう際に日本において輸出に力を入れて、そのためドル資金が相当獲得され、蓄積された。こういう現状になつたことは、これはまあ輸出増進という誠に結構な題目であつたが、結果においては日本の経済事情は余り感服でき得なかつたのではないか、かようにも思えるのでありますが、そういう見地では大臣はどういうふうに思うのでありますか。
#279
○国務大臣(池田勇人君) 私はこの消費者物価指数が、昨年の九月一四〇であつたのが、今年の四、五月頃一二四になり、一二六とか、こういう状態は非常に望ましいことだと考えておるのであります。ただ朝鮮事変後或る程度の上昇過程をとりまして、九月ですか一三〇、こういうことになつております。十月はそれよりもちよつと、一三二、三ぐらいじやないかと思いまするが、これはまあ朝鮮事変の影響を受けたり、或いは国際状況の関係がありまして、或る程度上るのは止むを得ませんが、この程度ならまあいいとこうではあるまいかと考えております。
#280
○油井賢太郎君 日本の情勢はそうなのですが、それは至極結構なのです。ところが諸外国では諸般の状況から物価が上つておる。これはもう大臣さつきのお話の通り%がもうこれは明確に示しております。そうしますと、日本がどんどん輸出して獲得したドルというものは、これは輸入代金に当てはめるときに極めて不利のドルになつてしまつたという結果が出ておるのですね。そう考えても差支えないでしようか。
#281
○国務大臣(池田勇人君) 不利なドルになるということはちよつとわかりませんが、私はこれは外貨の獲得は、輸出の増と、それから貿易以外の特需関係の増と、こういうことによつておると思うのであります。ずつとこういう状態が長く続こうとも考えません。併し又長く続いた場合におきましては、先ほど申上げましたように輸入を極力増進する、それでマツチさせたいと考えておるのであります。
#282
○油井賢太郎君 只今私が不利のドルというのは、百の物を輸出して、そのドルで以て買い得られる物品が百であつたとすれば、これは普通のバランスだとして、それが折角輸出した代金で以て九十しか買えないように先方が上つてしまつた、このことを言うのですが、結果においてそういうふうになつちやつたのじやないですか。
#283
○国務大臣(池田勇人君) 大体私は外国ばかり上りましてこつちが上らないとは言つていないのであります。アメリカよりは日本のほうが卸売物価は上つております。そうして見ますというと、そうこつちが物価が上らなくて、向うがぱつと上つたということも考えておりません。
#284
○愛知揆一君 ちよつと議事進行……。先ほど特別職の給與問題については午後四時までいま一応待とうということになりましたが、何らお申出がありませんことを皆さんで確認して頂きたいと思います。
#285
○委員長(小串清一君) 今愛知委員からの御発言は実は私のところへ伝言がございまして、楠見議員から、どうも今まで返答がないから特別職のほうは議事をお進め下すつてもよろしいですというお言伝がありました。
   〔「了承」と呼ぶ者あり〕
#286
○油井賢太郎君 それじや続けます。そこで日本が輸出の増進に力を入れておる時期と、それからアメリカ、或いはその他の諸国が日本に対するところの向うからの輸出、この時期的ズレが物価の高騰の時期的ズレと相待つて、今日日本が思わないような輸出増進の形をとつておるというふうに私どもは解釈しておるのです。それが積り積つてドル資金の蓄積と、こういうふうになつたと思うのですが、そういう点について今回この輸出銀行法とも大事な関連がある外国為替特別会計との関連について申上げたいのですが、一般会計、つまり国民の負担においてなされておる国家の財政からこの会計に百億という大金を廻すというのは少しく当を欠いていやしないか。而も大臣はそういうことを最初は固執せられておつたというふうにも聞いております。そういう点から見て多少大臣の考え方を最初通りになさつて行くということはおやりにならないですか。
#287
○国務大臣(池田勇人君) 私は他の機会でも申上げましたように、朝鮮事変が起らない場合におきましては、実はインベントリー・ファイナンスはしなくても済むと、こういう考えを持ち、殊に来年度におきましては債務償還は一般会計からしないと、こういうふうな方針でおつたのであります。然るところ朝鮮事変が起りまして、そういうインフレ気構えというと言い過ぎかも知れませんが、インフレの要因なきにしもあらず、こういう状態になつたのであります。かかる状態におきまして或る程度のインフレ要因であるところの減税をするがいいか悪いかということは問題になりますが、私はこういう場合でありましても、国民の最も熱望しておりまする減税はしなければならない。これが第一。それで他にインフレ要因を抑える方法を講じなければいかない、こういうので、実は状勢の変化に対応いたしまして、減税は予定通り、予定通りということはございませんが、予定程度になつた。そうしてインフレ要因であるところの通貨の膨脹その他を抑えるために外為に入れることが適当であると、こう考えることになつたのであります。
#288
○油井賢太郎君 そこで面億を外為へ入れるよりは減税にしてやつて置くとか、或いはこの次の昭和二十六年度の予算の政府財政收入の一端とするようなお考えはなかつたのですか。
#289
○国務大臣(池田勇人君) これは来年度のあれに持つて行くということよりも、政府が剩余金で残すよりも外為のほうで非常に金に困つておるのでありますから、入れるのが適当と考えたのであります。
   〔「質疑打切り」と呼ぶ者あり〕
#290
○委員長(小串清一君) これで別に御発言がないようでありますから、質疑は盡きたものと認めて直ちに討論に入ることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#291
○委員長(小串清一君) 御異議ないものと認めて討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
#292
○油井賢太郎君 民主党は、この日本輸出銀行法に賛成するものであります。併しながらこの法案の趣旨とするところは、プラント輸出にありまして、いわゆる半年、或いは一カ年先の、すでにもう外国との取引が契約されたようなものの輸出を増進させるための金融を行うというのが目的になつております。併しながら今日世界の経済界を見まするというと、日本よりも却つて諸外国のほうが物価の上昇が早足を以て進行しておるようにも見受けられるのであります。そういう際に、この輸出銀行法によつて輸出の振興を図るということ自体が多少考えられるべきでないかという点もありますが、併し輸出の振興というものは、日本にとつて必要欠くべからざるものであり、同時にこの見合せになるところの輸入に対するところの方策も当然立てなくてはならんという段階になると思うのであります。従つてこの法案を今日通すに当りましても、政府は今後輸入についても一段の何か対策を講じまして、輸出と輸入は、本当にバランスのとれるような日本貿易状態に持つて行くということを将来とも図られんことを希望いたしまして、賛成するものであります。
#293
○委員長(小串清一君) 別に御意見もないようでありますから、討論は終結したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#294
○委員長(小串清一君) 御異議ないと認めます。それではこれより採決に入ります。日本輸出銀行法案は、衆議院送付の原案通り可決することに御賛成のかたの御挙手を願います。
   〔総員挙手〕
#295
○委員長(小串清一君) 全会一致と認めます。よつて本案は原案の通りに可決すべきものと決定すべきものと決定いたしました。
 なお本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四條により、委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨、表決の結果を報告することとして、あらかじめ御承認を願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#296
○委員長(小串清一君) 御異議ないと認めます。それから本院規則第七十二條により、多数意見者の御署名をお願いいたします。
  多数意見者署名
    大矢半次郎  山崎  恒
    木内 四郎  愛知 揆一
    岡崎 真一  黒田 英雄
    九鬼紋十郎  森下 政一
    松永 義雄  小宮山常吉
    小林 政夫  杉山 昌作
    油井賢太郎  森 八三一
#297
○委員長(小串清一君) 御署名漏れはございませんか。……御署名漏れはないと認めます。
  ―――――――――――――
#298
○委員長(小串清一君) 次は、特別職の職員の給與に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
#299
○油井賢太郎君 この特別職の給與問題で先ず眼につきますのは、大臣とその他の職務の人々、そういういろいろな顏触れが並んでおるのですが、いやしくも国家の大臣と言えば、代表的な人物であると現在でもなつておりますが、そういう人とそのほかのかたがたと同列に扱うということは、これは多少疑義があるじやないかと思う。そういう点について大臣は少し一格上にするというような、そういう案はなかつたのですか。
#300
○政府委員(磯田好祐君) 今回の特別職の給與に関する法律案を改正するに際しまして、国務大臣と一緒のグループに入つておりまする各種の委員がございます、この委員につきまして、これを場合によつては国務大臣のグループよりは下にしたらどうかというような意見もあつたのでございます。併しながらこの各委員、又は委員長、それぞれおのおの沿革的に特殊の事情を持つておりますし、又その中の或るものにつきましては、それぞれの根拠法規によりまして、国務大臣と同等の給與を給する或いは例えば国家公安委員会の委員についてこれを申しまするならば、法務総裁と同じ給料を支給するというふうな基準がそれぞれありまして、俄かに現在の段階においてこれを国務大臣のグループと離すということは、困難であるということになりまして、一応現在のままにそれを据置きするというようにいたしております。
#301
○油井賢太郎君 もう一点、これは国会の内部でよく同僚諸君から私は耳にするのですが、国会議員というのは、いやしくも国家最高の機関の一員である、その国会議員の給與と、これは私個人というのではない、これは全体の気持を反映して言うのですが、事務総長との開きがあるというのはどうもおかしいじやないか、こういう点が出ておるのですが、これに対しては、制定当時何か問題にならなかつたのですか、そういうことを勘案されなかつたのですか。
#302
○政府委員(磯田好祐君) 只今御指摘の衆議院及び参議院の事務総長が国会議員の給與よりも高いというのはおかしいじやないかという点でございまするが、これはこの特別職の給與に関する法律が制定される際におきまして、両議院の事務総長に対しまして、そのときにおける現給を保障するという建前からいたしまして、その結果といたしまして国会議員の給與よりは高くなつておる、左様な沿革を持つておるのでございます。
#303
○油井賢太郎君 もう一点はこの前もあなたに伺つたのですが、例の食糧配給公団の手当が百分の三十から一挙に百分の十になつた点ですが、これはいろいろと折衝を重ねて見た、併しながら結果といたしましては今度の補正予算に関係があるかないかという点になつて参つたわけなんです。特別職のいわゆる会計というものは、補正予算に何ら関係がなく、而も例えばこれを百万の十から百分の十五に上げたとしても、補正予算を取る必要もないということを説明いたしたのですが、そういうのはいわゆる大蔵当局のほうの証明がなくちや我々は納得できないというふうな話もあつたんです。そういう点について当局として折衝されるときに、少しくその点が手落ちじやなかつたかと思うのですが、そういうことは折衝されずにいきなりこういうふうにしたのですか。
#304
○政府委員(磯田好祐君) 只今の点につきましては、この前の委員会におきましても問題になりましたように、実態におきまして他の公務員の特別俸給表或いは調整号俸とのバランスをとりまして、現実に支給されておるところの公団の特別手当二十というものを基準にいたしまして、これをその半分の十にするという形にいたしました。従いましてその範囲内におきまして、現在の予算を以て支弁できるという形には相成つていたわけでございまして、只今油井委員のお話のありました百分の十五にするという点につきましては、当初は関係方面とはこれを折衝しなかつたのでございます。従いましてその間において予算が、現在の予算を以て足りる足りないというような折衝の問題は当初はなかつたのでございます。
#305
○油井賢太郎君 いや、そこなんです。我々国会でこの前審議して決定したのは、法案では百分の三十なんです。あなたのほうで半分にされるというなら法案上はやはり百分の十五としておいて提出すべきが至当なのに、百分の十といきなりなさつたことに、これはいろいろ問題が出てしまつた。これはあなたのほうから百分の十としていわゆる了解を求められたと思うんですが、たしかそうなんでしよう。
#306
○政府委員(磯田好祐君) さようでございます。
#307
○油井賢太郎君 それが国会のほうの、法案を我々が作つたときの事情を調べないで、ただ結果論から言つて、そういうふうにされたので、こういうことが出たと思うのです。この点はもう今更繰返しては申上げませんが、将来においてやはりそういう点を十分留意されることを特に強く要望して置きます。
#308
○委員長(小串清一君) 別に御発言もないようでありますから、本案につきまして質疑は盡きたものと認めて、討論に入ることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#309
○委員長(小串清一君) 御異議ないと認めます。御意見のおありのかたは、それぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。
#310
○油井賢太郎君 今回の改正案は、私は遺憾ながら希望條件を付して賛成いたします。それは三点遺憾な点があるのであります。
 一つは、大臣の給與というものは、やはりこれは国家の最高機関の地位にある人々であつて、同列に並んでおる人々よりはもう一段上の支給をしても然るべきではないかと、かように考える点が一点と、第二番目には、こういう国会議員というものと国会職員というものとの間において格差が反対に付いているという点を将来は修正すべきではないかという点、いわゆる事務総長が国会議員よりも高い給料を得ておるというのは、国民に與える感情上、国家の最高機関である議員よりも上になつておるというふうな事務総長があるというのは、多少おかしいのではないか、こういう点を将来機会がありましたら、是正すべきだと思うのであります。
 第三点は、我々がこの前、この大蔵委員会においては百分の三十というふうに食糧配給公団の特別手当の最高額をきめたのでありますが、今回政府がそれを、或いは特別手当を半分にするという原則に従つたということで、それが百分の十になつたという矛盾であります。やはり国会の審議というものを尊重するならば、これは百分の十五を超えない範囲内というような工合に訂正すべきが至当ではないかと思うのであります。
 以上二点は、甚だ政府として怠慢であつたと私どもは考えますが、将来の機会において是正されるということを強く要望いたして、この案に賛成いたします。
#311
○委員長(小串清一君) 別に御発言もないようでありますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#312
○委員長(小串清一君) 御異議ないものと認めます。よつてこれより採決をいたします。特別職の職員の給與に関する法律の一部を改正する法律案(衆議院送付)を原案通り可決することに御賛成のかたの御挙手を願います。
   〔挙手者多数〕
#313
○委員長(小串清一君) 過半数と認めます。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四條により、質疑、討論、表決の要旨を報告あることとして、あらかじめ御承認を願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#314
○委員長(小串清一君) 御異議ないものと認めます。それから本院規則第七十二條により、多数意見者の御署名を願います。
  多数意見者署名
    大矢半次郎  山崎  垣
    木内 四郎  愛知 揆一
    岡崎 真一  黒田 英雄
    九鬼紋十郎  小宮山常吉
    小林 政夫  杉山 昌作
    油井賢太郎  森 八三一
#315
○森下政一君 だんだん今朝来精励いたしまして、本委員会に付託されておる未決定のものはただあと一件だけになつたのであります。残つたものについて、私ども党内で多少協議することがありますから、暫く休んで頂きたいと思います。
#316
○委員長(小串清一君) では約二十分ほど休憩いたします。
   午後四時二十八分休憩
   ―――――・―――――
   午後七時三十七分開会
#317
○委員長(小串清一君) それでは休憩前に引続きまして開会をいたします。
 外国為替特別会計の資本の増加に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案を議題に供します。
#318
○愛知揆一君 質疑を打切りまして、直ちに討論採決に入つて頂きたいと思います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
#319
○委員長(小串清一君) それで御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#320
○委員長(小串清一君) 然らば御異議ないと認めまして、討論に入ります。御意見のおありのかたは、それぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。
#321
○油井賢太郎君 我が民主党は、この外国為替特別会計に一般会計から繰入れをする法律案に対しまして反対の意を表するものであります。その反対の理由といたしますところのものは、現内閣が唱えておりますところのデイスインフレの線というものが今日やや持続されておるという状態になつておりますが、而もそれが却つてデフレの線にまで引下つておると見られる筋があるのであります。そういう際におきまして、国民のいわゆる蓄積から出されましたところの国家財政の一般会計よりこの会計へ百億という大金を移すことによつてデフレの線を強めるということに対しまして、先ず第一点の反対の論拠となるのであります。
 更に第二点といたしましては、輸入と輸出の関係でありますけれども、今回この会計におきまして百億という大金を一般会計から繰入れなければならないという理由のものは、輸出の増進に力を入れると同時に、輸入の面におきましても我が国の経済を建直すための物資を相当多量に取入れられるべきであるにかかわらず、この点において政府の施策が多少誤りがあり、従つてそのしわ寄せが今日百億という大金を一般会計より繰入れなければならないという状態になつたのであります。こういう点につきましても政府におきましては当然輸出の増進を図ると共に、輸入という面におきましても、将来相当の考慮を要すべきであると思うのであります。
 その他、先ほど来大蔵大臣の説明によりましてもおわかりの通り、CPIの件、或いは貿易関係の点等におきまして、予算委員会の質疑応答によつて我々の意見は盡きておると思いますから、時間の関係上縷々申上げませんが、我が民主党といたしましては、予算の関係上からいたしましても、この法律案に対しまして反対の意を表するものであります。
#322
○森下政一君 日本社会党は本案に反対をいたします。先に食管会計へ一般会計から繰入れを行うこととなりましたが、そのときにも私どもはこれに対して強く反対の意見を表示いたしました。同時に皆さん御承知の通りに、二十四年度予算審議の際に、見返資金からする債務償還に反対し、而もこれらのことが強引に強行され、結局これが禍いになつて、金詰りという現象が非常に顯著になつて参つた。急いでまだ償還年次の来ていない旧債を償還しておる。それが結局廻り廻つて民間企業に放出されるにあらずして、却つて金詰りに拍車をかけるというふうな結果になるのではないかということを恐れて反対したのでありましたが、二十四年度末が近付くに従いまして、私どもの憂慮いたしましたことが極めて顯著に現われて参つて、遂に深刻なデフレ現象を呈して来ることになつた。それで二十五年度予算の審議に際しても、これ又皆様の御記憶に新たなように、見返資金からする債務償還ということに日本社会党は強く反対しまして、二十四年度の年度末に現われておるところの経済難、日本経済が八方塞りになつて来たというその要因がどこにあつたかということを探求するならば、政府はすべからくその財政経済施策を転換して、新たな施策を講じなければならんのではないか。その点においても、債務償還を断念しなければならんということを力説したのでありました。ところで、先に政府が補正予算の大綱を新聞発表いたしました当時の案というものは、一向こういうふうな一般会計から外為特別会計に繰入れるということは考えていないと、同時に又来年度におきましては、債務償還を見合わすというふうなことがはつきりして参りまして、これは現内閣が私どもの主張を取入れられて、誠に欣快に堪えない現象だと、こういうふうに私どもは考えておつたのであります。
 恐らく今日私は端的にその真意を語るということができないということであれば、大蔵大臣はかくのごとき措置を講ずるということは、衷心から好んでやつておられないであろうと、こう私は思うのであります。ところが、ドツジ氏の要請によりまして、大蔵大臣が非常な努力をされて、いろいろ折衝をしておられたようでありますが、その要請によつて突如として政府の原案とも言うべきかねての新聞発表当時には夢想だもしていなかつたところのこの一般会計からの繰入れが行われなければならんというふうな余儀ない事情になつたのであろうと思います。
 恐らく当初政府は、日銀からの借入金を以て十分操作することのできることだと、こういう考え方をしておられたに違いない。而もこれによつて大蔵大臣が口癖のように言うておられたところの減税をして、実質的な負担の軽減を図るというような意図を持つておられたのだろうと思いますが、これがそうは参らんというふうになつてしまつた。而も大蔵大臣は、この委員会で先刻油井委員の質問に対しても、政府が当初考えたときには、この朝鮮事変というものを考慮のうちに入れていなかつた、朝鮮事変というものが発生して、そうして新たなるインフレ要因というものが現われて来た、これを抑制することのために、よんどころなくかかる措置を講じなければならんのだと、そこで思いを新たにしたということをおつしやつたのでありまするが、私は今日のこのインフレの要因が若しあるとし、これを抑えなければならんとするならば、これは單なる国内のこういつた金融操作で抑えることのできないものになつておると、こう思うのであります。即ち今日若しその要因があるとするならば、それは国際情勢からもたらされておるものがあるということを考えなければならん。即ち、海外のおしなべての物価高という傾向が極めて顯著である。而も我が国では、輸出は相当上昇しましたけれども、これに見合うところの輸入というものが一向はかばかしくない、全く停頓状態にあるというふうなことから、こういうふうな危惧を抱かなければならんということになつておるのであつて、單純なるかようなる金融操作でこれを抑えるというようなことは間違いで、むしろ輸入促進のために具対的な手を打つというふうなことが遙かに私は効果は顯著になつて来るのではないかというふうに考えるのであります。
 ところで一方政府は、つねづね国民に対して減税を公約しておられる。その減税の約束を果すということのために、結局この百億の繰入れが行われるということのために、財源がなくなつて、当初二十五億くらいを見込んでおられた税の自然増收というものを、忽ち四十二、三億をも殖やして見積らなければ減税ができない。而もその減税をやつたものか、結局実質的な家計を潤すところの真の負担の軽減にならないというふうなことになつて参つたわけで、考えようによりましては、このことのために自然増收が多く見込まれる。そこでこれはあたかも増税に等しいような結果を一般勤労大衆には與えることになるということを考えざるを得ないのであります。
 そういうふうな意味におきまして、若しこのことがなかつたならばより以上に実質的な減税も可能であるというふうなことを考えて見ますると、これに欣然賛成するということはどうしてもできないのでありまして、以上申しましたような観点に立つて、甚だ遺憾ながら日本社会党は、本案に反対せざるを得ないのであります。而も私がこう申しておりますことは、私は池田大蔵大臣のむしろ代弁をしておるくらいに考えるのでありまして、大蔵大臣といえども本心はその通りだという考えを恐らくしておられるのではないかというくらいに思うわけであります。
 私は以上申述べましたような観点に立つて、これに反対をいたすものであります。
#323
○委員長(小串清一君) 別段御発言がないようでありますから、討論は終局したものと認めて御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#324
○委員長(小串清一君) 御異議ないと認めます。これより採決に入ります。本案を、衆議院送付の原案通り可決することに賛成のおかたの御挙手を願います。
   〔挙手者多数〕
#325
○委員長(小串清一君) 多数と認めます。過半数を以て本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四條により、質疑、討論、表決の要旨を報告することとして、あらかじめ御承認願うことに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#326
○委員長(小串清一君) 御異議ないと認めます。それから本院規則第七十二條により、多数意見者の御署名を願います。
  多数意見者署名
    大矢半次郎  山崎  恒
    愛知 揆一  岡崎 真一
    黒田 英雄  九鬼紋十郎
    小宮山常吉  小林 政夫
    杉山 昌作
  ―――――――――――――
#327
○委員長(小串清一君) ちよつとここでお諮りいたしますが、先般議員派遣のことについて申上げましたが、来国会の新年の休会中に、租税及び金融に関する実情調査のために出張をしたいと、出張区域はできるだけ今までに行かなかつたところにしたい。関東、信越地方、中国地方、四国地方、時日及び期間は、一月の国会開会前約十日くらいに出発をして約一週間、人員は、議員の希望によりますが、できるだけ今まで行かれなかつたかたを割当てたい、各班三名、三班として要求をしたいと思うのでふりますが、この点につきまして、一切の交渉を委員長に御一任下さいますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#328
○委員長(小串清一君) それではさよう決定いたします。
#329
○木内四郎君 私はそれは異議はないけれども、これはこの国会でやつてはいけないのではないですか。明日からあと又国会を召集したときに大蔵委員会を開かれて、そこでとくと御相談の上でやられては……。
#330
○委員長(小串清一君) 只今きまつたことについては、一月下旬に議院運営委員会で決定をせられることであると思いますが、そのときに皆さんに集まつて頂く手数を省いて、甚だ恐縮でございますが、今お願いをしたわけであります。
#331
○委員長(小串清一君) それからもう一つ御審議を願わなければならんことがあります。曾つて本院から衆議院へ要求した問題でありますが、
   国家公務員のための国設宿舎に関する法律の一部を改正する法律案、
 国家公務員のための国設宿舎に関する法律(昭和二十四年法律第百十七号)の一部を次のように改正する。
 第十條第七号を次のように改める。
 七 国立国会図書館長
 七の二 衆議院事務総長及び参議院事務総長
 七の三 衆議院法制局長及び参議院法制局長
    附 則
 この法律は、公布の日から施行する
 これを議題に供します。
   〔「質疑、討論省略」と呼ぶ者あり〕
#332
○委員長(小串清一君) 別段御意見がなければ、質疑、討論を省略いたしまして決定をいたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#333
○委員長(小串清一君) 御異議なしと認めて、本案は決定をいたしました。
 なお本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四條により、質疑、討論、表決の要旨を報告することとして、あらかじめ御承認願うことに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#334
○委員長(小串清一君) 御異議ないと認めます。それから本院規則第七十二條により、多数意見者の御署名を願います。
  多数意見者署名
    大矢半次郎  山崎  恒
    木内 四郎  愛知 揆一
    岡崎 真一  黒田 英雄
    九鬼紋十郎  森下 政一
    野溝  勝  小宮山常吉
    小林 政夫  杉山 昌作
    油井賢太郎  森 八三一
#335
○委員長(小串清一君) 以上によりまして、本委員会に付託せられました諸議案は、ことごとく審議を了したわけであります。これを以て閉会いたします。
   午後七時五十三分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     小串 清一君
   理事
           大矢半次郎君
           山崎  恒君
           木内 四郎君
   委員
           愛知 揆一君
           岡崎 真一君
           黒田 英雄君
           九鬼紋十郎君
           森下 政一君
           野溝  勝君
           松永 義雄君
           小宮山常吉君
           小林 政夫君
           杉山 昌作君
           高橋龍太郎君
           油井賢太郎君
           森 八三一君
           木村禧八郎君
  委員外議員
           兼岩 傳一君
  国務大臣
   大 蔵 大 臣 池田 勇人君
  政府委員
   大蔵政務次官  西川甚五郎君
   大蔵省主計局次
   長       石原 周夫君
   大蔵省主計局法
   規課長     佐藤 一郎君
   大蔵省主計局給
   與課長     磯田 好祐君
   大蔵省主税局長 平田敬一郎君
   大蔵省銀行局長 舟山 正吉君
   大蔵省理財局長 伊原  隆君
   大蔵省理財局次
   長       酒井 俊彦君
   外国為替管理委
   員会委員   大久保太三郎君
  説明員
   中小企業庁振興
   部長      記内 角一君
   通商産業省通商
   振興局長    岡部 邦生君
ソース: 国立国会図書館
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