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2000/03/16 第147回国会 参議院 参議院会議録情報 第147回国会 地方行政・警察委員会 第4号
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2000/03/16 第147回国会 参議院

参議院会議録情報 第147回国会 地方行政・警察委員会 第4号

#1
第147回国会 地方行政・警察委員会 第4号
平成十二年三月十六日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月十五日
    辞任         補欠選任
     市田 忠義君     吉川 春子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         和田 洋子君
    理 事
                谷川 秀善君
                松村 龍二君
                朝日 俊弘君
                本田 良一君
                富樫 練三君
    委 員
                井上 吉夫君
                鎌田 要人君
                木村  仁君
                久世 公堯君
                野間  赳君
                輿石  東君
                山下八洲夫君
                大森 礼子君
                白浜 一良君
                吉川 春子君
                照屋 寛徳君
                高橋 令則君
                松岡滿壽男君
   国務大臣
       自治大臣
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)    保利 耕輔君
   政務次官
       自治政務次官   平林 鴻三君
       自治政務次官   橘 康太郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        入内島 修君
   政府参考人
       自治省財政局長  嶋津  昭君
       自治省税務局長  石井 隆一君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
○地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(和田洋子君) ただいまから地方行政・警察委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨十五日、市田忠義さんが委員を辞任され、その補欠として吉川春子さんが選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(和田洋子君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に自治省財政局長嶋津昭さん及び自治省税務局長石井隆一さんを政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(和田洋子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(和田洋子君) 地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 両案の趣旨説明は昨十五日に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○井上吉夫君 私はきょうは主として、固定資産税の三年に一回の評価がえの年に当たります。今までは土地の値段というのがどんどん右肩上がりというか、バブルの時期には次々に土地価格が上がってまいりましたので、評価がえのたびごとにその改定は相当程度引き上げるという方向で処理がなされたと思います。そして一遍にそれが急激に上昇するという場合は若干の調整措置を講ずるというやり方をやってこられたものと思うんですが、バブルがはじけた現在、今回の評価がえというのはかなり考え方を変えなきゃならぬのではないかというぐあいに思うわけであります。わかりやすく言えば、税負担を思い切って引き下げていかなければ、現下の厳しい経済情勢とかということに合わぬのではないかということが大変議論されているところだと思うんです。
 ところが一方では、これを急激に引き下げますと地方財政の非常に大きな部分を占める固定資産税が急激に落ち込むことによって地方財政の手当てができないという、そういう状況があらわれてまいります。
 したがって、これを両方バランスをとって成り立たせるというのはかなり難しい現実的仕事だと思うんですが、今回の場合の三年に一回の評価がえの年、この両者のバランスをどうとるかということも含めて、今回の固定資産税の評価がえに対応する局長の考え方をお聞きしたいと思います。
#7
○政府参考人(石井隆一君) 固定資産税の平成十二年度評価がえをめぐりましては、今、委員御指摘のとおり、最近の地価の下落傾向を背景としまして、経済界を中心に大幅な税負担の引き下げの要望が出されます一方で、地方団体からいたしますと、従来の仕組みでも土地の負担水準、税の負担水準が非常に低いところを別にしますと、地価の下落に対応して税負担も下がる仕組みになっていると。特に大都市については現にこの数年をとりますと宅地にかかる税収が減収になっているところが多いといったようなことがございまして、市町村側からは、ぜひ固定資産税の安定的な確保が必要である、今の仕組みを維持してほしいといったような御要望があったわけでございます。
 こうしたさまざまな御意見を踏まえまして税制調査会等においても活発な御審議をいただいたところでございますが、その結果といたしまして、平成十二年度以降の税負担につきましては、特に最近の地価の下落傾向に伴います都市部の商業地等の税負担感に配慮いたしまして、負担水準の高い土地の税負担を引き下げながら負担水準の均衡化を一層促進するという措置を講じることにしたわけでございます。
 具体的に申しますと、税収の安定的確保という御意見にも配慮しながら、商業地等の課税標準の上限は、現行評価額の八〇%となっておりましたけれども、これを十二、十三年度は七五%に下げる、それから十四年度にはさらに七〇%に引き下げるというふうにいたします一方で、負担水準が六〇%未満の低いところにつきましては、その負担水準に応じましてなだらかに税負担が上昇するような負担調整措置を講ずるといったことを基本にいたしまして、税負担の均衡化を進めることといたしております。
 今後とも、税制についていろんな御意見があると思いますので、そういった御意見も真摯に受けとめて対応してまいりたいと思っております。
#8
○井上吉夫君 地価がどんどん上昇するバブル期ならばある意味ではやりやすい点が多かったと思うんです。逆にこれだけ下落をした場合に、いよいよ評価がえのときに、実際の土地価格の値下がりはこんなに激しいのに評価がえの際に十分そのことを織り込んだ形の評価がえが本当になされるんだろうか。私は、今まで評価がえのたびごとに、固定資産税課長にいろいろ意見を聞いたり、その時々の議論をしたことがあります。ところが、固定資産税課の大概のそのときの応答というのは、実際の価格というのはまだまだ少し幅があります、したがって大体公示価格の七割ぐらいを評価として、それに基づいて固定資産の評価をやっていますと。
 例えば、大変わかりやすい事例を引き合いに出しましょう。今、日本の林業というのは木材価格がめちゃくちゃに下落して、ほとんど大部分は外材に依存しています。これだけ周りの山を見ますと山全体の中の四割は針葉樹に覆われております。戦後造林がこれだけ進んでいるのに必要な間伐が行われないというのは、割に合わないからです。それは、逆に言うならばほとんど大部分は外材によって占められているからであります。約八割は外材です。ということになりますと、林業が全然割に合わないものですから木材価格も低落しているんだ、同時に山そのものの土地価格もめちゃくちゃに下がっております。極端に言えば、もうただに近いぐらいの、奥山の土地というのはそんなぐあいになっている。しかし、評価がえのたびごとにどの程度の評価がえがなされるかといえば、ようやく前と余り、値上げをしません、ぎりぎり改定前据え置きぐらいという、そこまでが固定資産税課長の返事の、大変わかりやすい答えだったという気がするんです。
 しかし、これだけ価格が低落をいたしますと、とてもそういうことだけでは間に合わない。実際上負担できる能力なり、あるいはどれだけの恩恵に浴するかという固定資産税そのものの考え方の基本をもう一遍議論しながらしかるべき対応が必要ではないか、そういう感じがするわけです。具体的事例として一つ出しました。
 ところで、どんどん地方の時代として成り行きが変化するという状況の中で何が一番大事かといえば、みんな地方の時代にふさわしい行政をやっていく、このことをやらなければ日本の将来というのは全く進展ないよということはみんな同じように考えています。しかし、何が必要かといえば、そこまではわかったがお金がない、いわば税財源がしっかり確保されていない、このことをやっぱり何とかしなきゃならぬなというのが今の状況じゃないでしょうか。
 きのうの同僚議員の質問の中で幾つも出ましたように、例えば外形標準課税というものの考え方は、法人税赤字法人であれば税金ゼロ、随分地方のお世話になっていろんな対策を講じてもらいながら税金ゼロということが通るんだろうかということからだと思います。質問に対する自治大臣の答弁の中にも、東京都の事例を材料に引きながら、外形標準課税というのは、東京都と同じような形で極めて限定的にというところには多少問題があるかもしれぬけれども、全国一律に外形標準課税を取り入れざるを得ないという考え方がにじんだ答弁をされたと思います。考え方の中にはそのことをお持ちだと思いますから、このことも含めてひとつしっかり対応してほしいなというぐあいに思っているわけであります。
 総額がやっぱりふえないと。結局少しばかり、基準財政需要額の算定の幾つかの新しい要因がたくさん出ていますから、こういう個別のことに対応する財政需要の計算をやっていくにしてもこれは新規項目がたくさん出ている。しかし、トータルした基準財政需要額の算定は国税三税の三二が原則ですよというところでいきますと決まったパイを分け合うだけの話でありますから、もう少しやっぱり地方の財源を大きく確保するということが必要ではなかろうか、そんな感じがいたします。
 改めて、基準財政需要額の算定方法いただいた資料の説明の中にも十三項目ありますが、そのすべてについては申し上げません。しかしながら、発展基盤の整備に向けての地方のいろんな仕事であるとか、介護保険制度であるとか、教職員定数なり私学助成の問題であるとか、国土保全の対策であるとか、どうしても今までになかった地方に求めなきゃならぬ基準財政需要の増嵩というのは言うまでもありません。このことに対応するために相当思い切った交付税の地方への配分というのをふやすことを求めざるを得ないというところまで来ているんじゃないでしょうか。
 そういうことを含めて、最後には自治大臣に地方財政をどういうぐあいに確保するかということについての思いがおありだと思いますのでお答えいただくとして、その前に、そうはいいましても、法人税についてことしは、国税三税の三二%といいながら法人税についてはたしか三五・八を適用する。若干なりといわば切り口というか、もう今までどおりというわけにはいきませんよという、若干のいわば突破口を開きかけたのか。そういうぐあいに見ていいかどうかわかりませんが、私は、こういう機会をやっぱり流れの変化として受けとめながら、国の財政と地方の財政、その配分についての考え方ということも含めて議論の俎上に上げてほしい。
 これは法人税の三二が地方交付税の大原則ではありましょうけれども、しかしながら、たばこ税なりあるいは消費税の部分が若干今言った法人税の三五・八のほかにも上乗せされているわけですから、国全体における国の使い分と地方に必要な部分というものについての考え方が相当程度、大蔵省の諸君も自治省の皆さん方もあわせて、やっぱり何とかしなきゃならぬというぐあいに考え方が移ってきているのではないか、そういうぐあいにある意味では好意的に受けとめております。それがそのとおり進んでいくことを期待しながら。
 現在の公示価格について見ると、現行制度は固定資産税の実効税率で見ますと、昭和五十年代の前半はたしか〇・四六%ぐらいが実効税率だったというぐあいに思います。バブル期にはこれが〇・二%程度まで下がっておりました。御承知のとおり固定資産税は評価額の千分の十四でありますけれども、評価自体が今言ったような形で実態とのかなりな開きがあるということと同時に、これだけ地価の変化があったときには、やっぱりそれにふさわしい対応をしないと国民の理解を求めることができないというぐあいに思いますので、そのことを含めてもう一遍税務局長からお答えください。
#9
○政府参考人(石井隆一君) 幾つか御質疑ございましたけれども、まず外形標準課税の導入の問題ですけれども、委員御指摘のとおり法人事業税は本来法人の事業活動と地方の行政サービスとの幅広い受益関係に着目して事業に対して課される税であるにもかかわらず、御指摘のとおり全体の六割を超える法人が欠損法人となっておりますことから法人事業税を負担していないという状況にあるわけでございます。赤字法人といえども行政サービスを受けているわけでございますので、やはりすべての法人が薄く広く税負担を分担する仕組みに改革していくことが税負担の公平の観点からも重要であると考えております。
 また、これからの地方分権の時代にできるだけ安定的な地方税源を確保したい、あるいは経済の活性化なり経済の構造改革の促進にも意義があるということで、昨年末の政府税調の答申におきましても、外形標準課税の導入は地方税のあり方として望ましい方向の改革である、また、景気の状況等を踏まえつつできるだけ早期にその導入を図ることが望ましいというふうにされているところでございます。
 お話にございましたように、東京都が先般独自に条例を出すというような動きもございましたけれども、一方で全国知事会からは去る二月二十一日に改めて、全国的な制度として外形標準課税の導入をしてほしい、こういったような御要望もいただいております。今後、関係方面の御意見も伺いながら、具体的な課税の仕組みですとか、あるいは外形標準課税導入に伴いますとどうしても税負担の変動といったような問題もございます、そういったものに対する対応、あるいは中小企業対策をどうするかといったようなさまざまな問題点につき、課題につきまして具体的な検討を進めまして外形標準課税の早期導入に取り組んでまいりたいと思っております。
 また、固定資産税についてのお話がございましたけれども、先ほども申し上げましたように、現行の仕組みでも地価が下がりますと原則としては固定資産税の収入も下がる。しかるに少し上がっているところは今まで税負担が非常に低かったということでございまして、林業経営について大変厳しい環境だという委員の御指摘も重々私ども承知しているわけでございますが、税制の面ではできるだけ今後とも御意見を伺いながら誠心誠意取り組んでまいりたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。
#10
○井上吉夫君 次は、財政局長に質問と同時に要請したいと思うんですが、自治省がこのところ非常に森林・山村対策に力を入れていただいて、約五千億をこの面に力を入れていただいている。これは自治省の対応の中で非常にすばらしい着眼であり、いい成果を上げていると思います。
 森林・山村対策として林道整備だとか公有林管理などについて多様な地方財政措置が講じられておりますが、これらをさらに充実強化していただきたいなと。これは財政局長に、よくやってくれているという褒め言葉が前段であります。さらにこれを充実発展させてください。
 この機会に、実は大臣もあるいはお聞き及びの点があるかもしれません、財政局長の耳にも入っているかもしれませんが、森林交付税というのが平成四年ごろから全国の自治体で相当強く言われております。交付税の一つになりますが、このこともぜひ頭に入れながら、地方財政対策の中のさらなる充実の一環にできるだけ使ってほしいなと思うんです。
 これは和歌山県の本宮町長がまず言い始めたところから始まりました。どういうことかといいますと、山村の人々が森林の管理、経営を中心とした生活を営むことで森林の公益的機能が守られ、都市における国の経済を支える産業全体が円滑に活動できます。森林を多く持つ町村ほど林業の不振と相まって若者の流出による過疎化、高齢化が一段と進み山村社会の崩壊のおそれがあること、山村の崩壊は森林の適正管理を不可能とし、国土や民族の将来を危うくするおそれがあります。これを防止するため山村に住民が定住できる施策を緊急に行う必要があります。このことが森林交付税がぜひ必要だということを唱えた地方団体の首長の提案理由であります。同時に、これに呼応する形で実は全国の議員連盟もあわせてできております。恐らくこのことはほうはいとして声が高まるでしょう。
 確かに私自身もこの話を聞いたときに、面積当たりで計算するとした場合に、本当にそのところの首長さんは山を立派に育てることに力を入れますかと。もらった金は公民館をつくったり、いろんな箱物をつくったり道路をつくったりということに消えていくんじゃありませんか。使い方が問題だということを言ったことがあります。しかし、言われておりますように、だんだんここから過疎化が進行して人がいなくなってしまうというぐあいに考えますと、余り狭く考えるのもいかがかな、ここに人が残っていくということのためのとらえ方として考えるならば、やっぱり森林交付税というのも一考に値する新しい提案ではなかろうかなと、そんなぐあいに考えます。
 前段は、財政局長さらに今後も地方行政の山村対策等のために力を入れてほしい、今までの実績の上にさらに延長してほしいということと同時に、最後は、これらのことを全部ひっくるめて自治大臣に。いろいろ出ました。結局、税というのはみんながなるほどなというぐあいにその意味がしっかりわかって、しかもこれから先、特に大事なやっぱり地方財源の充実、地方の時代を本当に実現させるためには何としてでもそれに必要な財源を確保するということを強力に主張して成果を上げていただきたいなと。このことについての自治大臣の御決意をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
#11
○政府参考人(嶋津昭君) 今、委員御指摘の森林・山村対策につきましては、私ども、私どもの着眼と申すのはおこがましいわけでございまして、地方団体の具体の財政需要をいろいろお聞きして、それでまた関係する林野庁等とも相談しつつ施策として進めているわけでございまして、ことしにつきましては、今御指摘ございましたように山林をめぐるいわば世界的環境といいますか大変な厳しさであるということ、それとそのことを、消費者の住宅需要はあるわけでございますからそういうものに対してどう具体的に結びつけていくかという地方団体の工夫を引き出すような形での施策が必要なんじゃないかということで、地域材を使って住宅に結びつけるというような施策を地方団体は現にやっておるわけでございますので、そういう点に着目した地域材対策ということを考えたわけでございまして、また地方団体からもよく御意見をお聞きしまして、さらにその財政需要についてよく見きわめた上で施策として取り組んでいきたいというふうに考えております。
 今御指摘ございました森林交付税についての御意見も私どもよくお聞きしております。ただ、交付税の算定におきましては、その山林面積等も測定単位として林野行政費の積算に取り組んでおりますので、我々はまたそういう声もお聞きしながら、交付税の財政需要のあり方、やっぱり現実の具体の財政需要をよく見据えながら、そういう声に対しても交付税の中で生かしていけないか検討してまいりたいと考えております。
#12
○国務大臣(保利耕輔君) 委員からいろいろ御指摘をいただきまして、真剣に拝聴させていただきました。
 最初に地方分権の点について触れられたわけでありますが、地方分権の考え方の中にはやはり大きな要素として自己決定権と自己責任という二つの原則があるだろうと思います。そういったものをより拡充する方向というのを考えていくことが地方分権になるのかな、やや抽象的でございますが、そんなふうに思います。
 それから、地方税源のあり方というのは、やはり住民の受益と負担の関係をより明確化させていくということが大事な要素ではないだろうかということが考えられるわけであります。そういう意味で外形標準課税の中で今論議されておりますのは、行政サービスを受けながら赤字であるがゆえにその行政サービスに見合う納税を行わなくてもよいという、現在の利益課税の形はそういう形になっていくわけでございますが、これ等については、やはり法人として事業を営んでおりますから行政サービスをもらっているという観点に立てば外形標準課税を導入していくということは理屈の通る話なのかなと思っておりますので、今後とも税制調査会その他の場で私どもからもこれの導入についてお願いをいたしたいと思っております。
 あわせて、この問題は全国の知事会から、これは東京都も入っておりますが、外形標準課税の一律導入についての御要望がことしに入ってからも出てきておりますので、そういったものもいただきながら今後外形標準課税の導入について私どもとしては精力的に取り組んでいきたい、こう思っておるわけでございます。
 そのほか固定資産税の問題等もございまして、固定資産税についてはいろいろ御議論がございましたけれども、やはり中小企業等に対する配慮もしなければならないということで若干の引き下げをいたしましたが、しかし地方におきます財政状況その他を考えると、やはり余り大幅に引き下げるというわけにはまいりませんで、徐々に引き下げるという形をとらせていただきました。一方、片方では調整措置を講じさせていただいて課税の公平という観点からの措置も講じさせていただいたところでございます。
 それから、長いこと委員は森林の関係について御指導いただいておりまして、私もその配下でいろいろ勉強もさせていただき活動もさせていただき、ひところは水源税をつくって山を守ろうという運動もいたしたのでありますが、今御指摘の森林交付税、こういった問題につきましても、今財政局長から御答弁をいたしましたが、自治省といたしましてはそうした山の重要性にかんがみまして、これは一義的には林野庁でいろいろお考えをいただくことだと思いますけれども、自治省といたしましてもいろんな交付税措置の中で手厚く日本の山を守っていくという観点からいろいろ工夫をさせたい、私はそのように考えております。
 以上、もろもろ言わせていただきましたが、最後に、今行われております交付税の主たる財源になっております国税五税からの地方への戻しといいますか、これは一つは、国としての減税を行いました、それが地方財政に直接影響してはいけないということで、その減税で減収いたします部分の補てん措置というような位置づけがされておりますけれども、今後はやはり地方財政の充実という観点を加えて、この仕切りといいますか交付税率の、交付税率というか戻し率の改定等に取り組んでいかなければならない事項である、こういうふうに認識をしておりまして、今後大蔵当局とは精力的な交渉をしていかなければならない、このように考えております。
 以上、しっかり頑張ってまいりたいと思っております。
#13
○谷川秀善君 自由民主党の谷川秀善でございます。井上吉夫議員の残りの時間をちょうだいいたしまして二、三質問をさせていただきたいと思います。
 まず警察問題でございますが、神奈川県警に始まってそれから新潟県警、また全国のいろんな警察の不祥事が勃発をいたしております。私は新潟県警のときにも、また先日の予算委員会におきましてもこの問題につきまして大変いろいろと御質問をさせていただき、保利国家公安委員長からもいろんな御答弁をちょうだいいたしました。
 私はやっぱり、なぜまだこの議論が続いているのかということが大変な問題だろうと思うんです。というのは、あのときも申し上げましたが、結局国民の目線と警察の目線がどうもかけ離れているんじゃないか、ここにすとんと落ちないということだろうと私は思っておるわけです。だからやっぱり信頼は、警察を信頼したいという国民感情はずっと続いているんですね。だから警察はやっぱりしっかりしてもらいたいという気持ちがずっと続いておると思うんです。だから私は、この問題は信頼にどうこたえるかということが一番大事だと思うんですね。まだ国民は警察を見放していないんです。警察にしっかりしてもらいたい、警察こそ信頼に足る組織であってほしい、こういうことをやっぱり強く要望していると思うんです。だから私は、やっぱり早い機会に、どういう形で警察をこう立て直しますよ、国民の皆さんどうぞ信頼してくださいという答えを出すことだと思っております。
 同時に、自由民主党も警察行政刷新委員会を開いて精力的に今どうあるべきかということを詰めておると思いますが、私はやっぱり警察庁、国家公安委員会が真剣に御議論をいただいて、誤っていることは誤っている、正すということをはっきりおっしゃっていただくことが本当に警察の信頼の回復につながる。だからやっぱり責任の所在の明確化ということが一番大事だと思います。何となくやめれば、日本の風土として、例えば警察庁長官がやめるとか国家公安委員長がやめるとか、こんなのは私は今の風土に合わないと思うんですよ。やめればいいという問題じゃないと思うんです。
 だから私は、やっぱり保利国家公安委員長は踏みとどまって、しっかりと国民に信頼される警察刷新をこういたしますということを披瀝していただくことが一番大事なことだろうと思いますので、そういう意味で保利国家公安委員長の御決意をまずお伺いいたしたいと思います。
#14
○国務大臣(保利耕輔君) 委員からは予算委員会におきましても大変いろいろと御指摘をいただきましたことを私どもとしては真摯に承らせていただいております。
 いろいろな過程がございまして御審議を賜った次第でございますけれども、今委員仰せのとおり私は自分に課せられた責務が今後の警察行政の立て直しであると思いますし、さらにまた大きな目的としては日本の治安を維持する、その体制をきちんと整えるということに私の責任がかかっているというふうに認識をいたしておりまして、重大な責務であるというふうに今考えておるわけであります。
 なお、昨今の状況を見ますと、犯罪が非常に増加をしております。また、新しい種類の犯罪もございますし、御承知のように、ハイテク犯罪等につきましては大変な予算を投入してこの対策に当たっている国もありますしまたヨーロッパ等におきましてもこの問題が大きく取り上げられている、そういう現状がございますので、そういったこともあわせ、それから青少年をむしばみますところの麻薬に対する対策等につきましてもきちんとその体制を整えていかなければならない。
 昨日もこの委員会が終わりましてから私、警察庁に入りましてこういった問題についての報告を受けましたが、実は私は余り大きい声を出す方ではありませんけれども昨日はかなり大きな声を上げて叱咤激励をして、現場の状況をもっとつかんだ報告をしてほしいというようなことを要請したりいたしておりました。そんなことをやっていくことが大事だと思います。
 私は、現在の警察というのは、いろいろ世の御批判をいただいておりますが、やることはきちんとやっているというふうに考えております。例えば先日の中目黒の電車事故の場合でも実に五百人の警官隊がすぐ入りましてそして事故調査はもちろん交通規制その他に活躍をしている姿を見まして、こういった日本の警察の持っている機動力というのを今失わさせてはいけない、そういう力を弱めてしまってはいけないということをつくづく感じた次第でございますが、そういった気持ちも持ちながら今、国会でいろいろ私もおしかりを受けながらいろいろ勉強させていただいたことを反省の糧としながら、今後の警察行政あるいは治安の維持に全力で取り組んでいきたい、こういう気持ちを申し上げさせていただきます。
 いろいろと今後とも御指導を賜りますようにお願いを申し上げたいと存じます。
#15
○谷川秀善君 国民の生命、身体、財産を守ってくれるのは警察だと国民は信じているわけです。この信頼を裏切らないように、本当に信頼される警察のために、保利委員長の御努力、御活躍を期待を申し上げる次第であります。
 次に、財政問題に入らせていただきます。
 平成十二年度地方財政計画を見ますと、その計画の規模は八十八兆九千三百億円でありますが、その内訳を見ますと年々財政事情が大変悪くなっているというのがはっきりとあらわれているわけであります。国も国債依存度が三八・四%というのはこれはもう大変な状況になっておりますが、地方団体におきましても借入金の償還残が平成十二年度末では百八十七兆円と見込まれておるわけですね。これは、ほんまにもう普通の民間企業で言うとこんなの成り立つのかなというような感じでございますが、その点の認識について大臣の御見解をお伺いいたしたいと思います。
#16
○国務大臣(保利耕輔君) 委員御指摘のとおり、最近の経済情勢等の厳しい状況を反映いたしまして大幅な財源不足が続いておりますし、税収入の低迷あるいは累次の景気対策のための公共事業の追加あるいは減税の実施などによりまして借入金が残念ながら急増しているところは私も認識をいたしております。また、個々の地方団体の財政状況を見ましても公債費負担比率一五%以上の団体が全体の約六割を占めているというような、かなり地方財政が硬直化してきているということも懸念されるわけであります。
 地方財政のマクロあるいはミクロ極めて厳しい状況にございまして、今後私どもが地方財政の立て直しのために全力を傾けてやっていかなければならないということを自治省全員認識して努力をしていく覚悟でございます。
 なお細部にわたります問題については財政局長おりますので御説明をさせたいと存じます。
#17
○谷川秀善君 それでは。この十二年度の地方財政計画を立てるためには相当な財源が不足をいたしておるわけでございます。通常収支の不足と恒久的な減税に伴う不足があるわけでございますが、これはどのようにしてこの十二年度計画を立てるときに埋めたのでございましょうか。
#18
○政府参考人(嶋津昭君) お答えいたします。
 今回の平成十二年度の地方財政対策につきましては、通常収支におきまして九兆九千億弱、それから恒久的な減税の平年度化等による影響で三兆五千億、合わせまして十三兆四千億に上る巨額な財源不足が生じたわけでございます。
 この補てん措置につきましては、地方交付税法六条の三第二項の趣旨を踏まえつつ地方財政の運営に支障が生じないように、まず一般会計からの加算措置を昨年度五千五百億円でございましたが、ことしは地方財政のこういう状況にかんがみまして二千億増額をいたしまして七千五百億、国の一般会計から加算をしていただく、そういう措置をとった上で、地方交付税法に基づきます制度改正といたしまして、平成十二年度以降とっております手法を踏まえまして国と地方が折半して補てんをするという措置をとったわけでございます。
 次に恒久的な減税につきましては、平成十一年度に定めたルールに基づきまして、まず税収のたばこ税の一部の移譲、それから法人税に係る交付税率の特例的な引き上げ、ことしは三二%を三五・八%にし、残余の額につきましては特例交付金を九千百四十億円計上いたしておりまして、それによりまして、その三つの措置で減税額の四分の三を補てんし、残りの四分の一の額を減税減収補てん債四千七百五十九億円を発行することにより埋めたわけでございます。
 一方、恒久的減税のうち国税の減税による交付税影響分が一兆六千億弱あるわけでございますが、それにつきましては昨年度同様国と地方で二分の一ずつ折半をして補てんするということにしたわけでございまして、結果的にこれらの措置によりまして必要な交付税の総額が確保できたというふうに考えております。
#19
○谷川秀善君 ただいま御説明のように大変な御苦労をされているというのはよくわかるわけですが、苦労すればするほど結局借入金がどんどんふえていくという非常に悪循環みたいなことになっていっているわけですが、その原因は景気が非常に悪かったということも大変影響していると思いますが、この中で交付税特別会計借入金というのがありますね。これは十二年度で八兆八百八十一億円だと思いますが、この平成十二年度末の借入金は幾らぐらいになっておるのでございましょうか。
#20
○政府参考人(嶋津昭君) 今御指摘ございましたように、平成十二年度におきます財源不足の補てん策を講じた後におきますところの借入金の総額は三十八兆一千三百十八億円でございます。そのうち国負担における借り入れの累計が十一兆八千六百八十五億円、それから地方の負担による借り入れの累計が二十六兆二千六百三十三億円となっております。
#21
○谷川秀善君 またこれは大変ですね。これは借入金ですからいつかは返さなきゃいかぬわけですね。借りっ放しというわけにはいかぬわけですからこれは大変です。その償還計画とか償還めどは立っておるのでございましょうか。
#22
○政府参考人(嶋津昭君) さきに申し上げましたような総額につきましては今回の交付税法及び交付税特別会計法の改正案の中で償還計画を立てているわけでございまして、国負担分につきましては平成十三年度以降平成二十四年まで、それから地方負担分につきましては平成十三年度から平成三十八年度までかけまして償還をしていくということでございます。
 この償還計画は以上のように法律上これを明らかにさせていただいているわけでございますが、実際にその償還のめどという御質問でございましたが、それぞれの年度におきます償還額が定まりますと、それがいわばその年におきます実力の交付税の額を食っていくわけでございますから、その年度における財政運営はそれだけ大変厳しい状況になるというふうに受けとめております。
#23
○谷川秀善君 これは本当に大変なことだろうと思いますが、この借入金を国と地方で折半すると、こうなっていますね。このルールは聞くところによりますと平成十二年度で期限切れになるというふうに聞いているんですが、平成十三年度以降はどうなるのでございましょうか。
#24
○政府参考人(嶋津昭君) 御指摘のように、現在のルールにつきましては平成十年から十二年度までの三カ年ということで定めたわけでございます。平成十三年度以降のあり方についてはこれはまだ今全く決まっていないということでございます。
 ただ、現段階でそれをどういうふうにしていくかということについて申し上げることは難しいわけでございますけれども、方向といたしますと、やはり地方財政今御指摘いただきましたように、大変厳しい状況になり、かつ借入金の償還をしていかなくちゃいけないということでございますので大変厳しさはことしよりも増すというふうに考えますが、まずいわば、財政再建に関する大臣答弁で今まで繰り返し御答弁申し上げますように、景気対策の結果により日本経済の状況がよくなり、それにより国税、地方税の税収の増加を図る。それから歳出面におきましてはやはり行財政の簡素効率化を推進して、行政改革を推進して歳入歳出ギャップをより縮めていくということをいわば粘り強くやっていく。そういうようなことを通じまして、いわばその中でまた年々の政策課題を持ってくるわけでございますから、そういう政策課題にも対応しながら地方財政を運営していかなくちゃいけない、そういうふうな方向で考えているところでございます。
#25
○谷川秀善君 大変な課題が山積しているわけですけれども、少なくとも十三年度以降も最低折半するルールは守ってもらわないと、これ変な動かし方をすると地方はますます大変なことになるというふうに私は思うわけです。だから最低のルールとして折半だと。むしろ地方の立場からいいますと、ちょっと折半よりもうちょっと国の方へその率を上げてもらいたい、こういうふうに恐らく地方は思っていると思いますけれども。財源がないわけですから。だから、その辺のところはしっかりと、これからの交渉事だろうと思いますので頑張っていただきますようにお願いをいたしておきます。
 それで、この十年度決算を見ますと、東京都、大阪府、神奈川県、それぞれ大都市が全部赤字決算になっているわけですね、大都市が全部。これはいろんな景気動向もあるわけでございますが、現在の状況から見ますと恐らくこれ十一年度はもっと悪くなると思いますよ。今までの景気動向から考えますとそんなに急に地方財政がよくなるわけじゃないと思っております。
 そういう意味で今後、大都市部の府県の財政運営について大臣どうお考えでございましょうか。
#26
○国務大臣(保利耕輔君) 委員御指摘のとおり、平成十年度の都道府県決算では十七年ぶりに東京都、神奈川県、愛知県、大阪府といったところが赤字決算となりました。十一年度はどうなるということについてはまだ確たることを言える段階にはございませんけれども、今申しました四都府県を初めとする大都市の府県は引き続いて厳しい状況にあると私は認識をいたしております。
 こういう中にありまして東京、大阪等いろいろな財政再建に関するプログラムを組んでおるわけでございますけれども、大阪府におきましては財政再建プログラムを策定いたしまして、事務事業の見直しでありますとか人件費の抑制など財政健全化の取り組みを自主的に行っているところでございます。東京、神奈川、愛知についても同様な努力がされているわけでございますが、自治省といたしましては、そういう地方自治体の努力に対して適時適切、個別に状況を伺いながら、これらの団体に対して将来の財政負担の軽減が見込まれる範囲内において財政健全化債の発行を認めるなどして団体の自主的な取り組みを支援してまいりたい、こういうふうに思っております。
#27
○谷川秀善君 大体この辺が、国全体から考えましてもね、国全体から考えましてもこういう大都市が赤字になるというのは、結局国税も上がらないということなんです。だからこの辺が何といいますか、それは人員整理もいろいろやらなきゃならない、リストラもやらなきゃいかぬと思います、事務事業の見直しもやらなきゃいかぬと思いますが、基本的にこの辺が赤字決算をしなきゃいかぬというような景気に問題があるわけです。
 だからやっぱり私は、これから都市政策というものを十分考える。この辺が金の卵を産む鶏なんですよ。金の卵を産む。都市政策をおろそかにし、そこに繁栄がもたらされないから税収が上がらないんです。それは地方税にしても国税にしても同じなんです。だから、この都市政策をどうやるかということがこれからの私はやっぱり国全体の、また地方全体のあり方をどう決めるかということになってくると思うんです。
 そういう意味では、地方分権一括法がこの四月から施行されるわけです。だからこの地方分権一括法は何のためにあるのか。
 どうもこの前、きのうの委員会の審議を聞いていましたら大蔵政務次官が、今国は大変だ、だから財源配分なんて議論はとんでもない、実現性がない、とんでもない話だと。だから私はきょう大蔵政務次官を呼ばなかった。そんなとんでもない考え方でね。もう議論するつもりがないから。とんでもない考え方でそんなことをやられたのでは本当に地方の時代は生まれませんよ。地方の時代は生まれない。だから私はやっぱり権限の議論をずっとやってきた、地方分権について。だから私は、権限と同時に財源の議論をしなきゃだめじゃないかと、こう申し上げていたんですが、いやまず権限だとこう言う。それで結局、仕事だけはどんと地方へ来たと。財源は一つも議論していないと。
 権限と財源というのは車の両輪ですよ。片車だけをつくってはひっくり返るの決まっていますよ、これ間違いなく。だからこの議論をこれからでも遅くない、もう遅いですけれども、遅くないからしっかりとやらないと、やらないと本当に私は国全体の、国全体のバランスある、いわゆる均衡ある国土の発展というのはやっぱり生まれないと思っているんですよ。
 そういう意味では、まず税金が、よく納めていただけるところへある程度集中的に投資をして納めていただいて、その納めた税金を国と地方でどう分配するか、この議論を早速始めないとなかなかあかぬと思うんです。そのためにはやっぱり自治大臣のこれからの頑張り方というのは、本当に我々期待をいたしておるわけです。だからやっぱりこの財源の確保、これは地方交付税の率をちょっといじるとか何かじゃもう間に合わないんです。だから、どこかの税目を丸ごと渡すとか何かそういう思い切った手法をとらないと、なかなかこの地方と国との関係というのは非常にスムーズにいかないと思いますよ。
 せめて小さくてももう一方の車を、私はやっぱり同じだけの車の輪でないといかぬと思うけれども、もう一方、ちょっとでもついていたらいいけれども、ついてないんだから、これはひっくり返れというのと同じですよ。その辺のところ自治大臣に最後に御決意をお伺いして私の質問を終わらせていただきます。
#28
○国務大臣(保利耕輔君) この問題は私、自治省に参りましてから随分議論をさせていただきました。それで、どうしても役所と役所との関係でいきますとまあ大体こんなところかなとかいうような形で話がされるのが通例であります。
 しかし、私は自治省の旗振り役としてはそれではいけないだろう。やっぱり自治省は自治省の立場、あるいは地方の財政、行政をつかさどる立場としては、やっぱり自分たちの強い主張を持っていなければ交渉にはならないだろうというようなことで大変督励をいたしました。しかし大蔵はなかなか強いものですからというようなことがあるんですけれども、相手が強ければ強いほど、やっぱり私たちは一つの目標なりあるいはターゲットなりをきちんと持って、それでこれの実現に、一〇〇%実現というのは無理かもしれませんけれども、一〇〇%実現をするぐらいの気持ちでしっかり取り組んで、場合によっては激しい論争になるかもしれませんけれども、それをクリアして初めて地方財政が確立されていくんだということを私は、大変申しわけないんですが局長さんたちを相手にして申し上げてきた経緯があります。
 その気持ちは現在も全く変わっておりませんので、今後ともひとつ大蔵省と激しい論争をする、そのときのターゲットはこれだというのを明確にして働いていただくように私は自治省を督励してまいりたい、それが私に与えられた自治大臣としての責務であるというふうに感じております。
 以上でございます。
#29
○谷川秀善君 都道府県また三千三百の市町村は自治省だけが頼りなんです。大蔵省と直接個別に交渉できないんです。自治省を頼りにいたしておりますので、しっかり自治大臣が自治省を督励していただいて、負けぬようにけんかしてもらいたいということ。そのためにはターゲットを絞らなきゃいかぬと思うんです。ターゲットをやっぱり一つ絞った方がいいと思うんです。だから絞っていただいて、しっかりと頑張っていただきますことをお願い申し上げまして私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#30
○白浜一良君 連日でございますが大臣も御苦労さまでございます。
 たくさん時間いただいているんですが、私もいろいろ諸用事ございまして若干早目に終わりたいと思いますが、まず、今回の交付税の関連、内容を見ますと国も大変な財政難でございまして当然全国の自治体も大変御苦労されているわけで、そういう中ではぎりぎりのいわゆる内容をつくられたと、そのように思っております。
 そういう厳しさの中で、私、積極的に評価いたしますのは今回新設で発展基盤緊急整備事業、大変国も地方も財政難の中でこういう新しい事業を新しい理念のもとに創設された、これはすばらしいことだと認識しているわけでございますが、まずこの概要をちょっと局長御説明していただけますか。
#31
○政府参考人(嶋津昭君) 平成十二年度におきまして情報化、少子高齢化、環境対応、技術開発の振興など二十一世紀に向けた地域の新たな発展基盤を緊急に整備するという政策、これは国の予算における政策ともタイアップをしているわけでございますが、地方財政の面におきましても発展基盤緊急整備事業というタイトルをつけまして、単独事業に三千億の枠取りをさせていただいております。
 内容といたしますと、一言で言いますと一番のポイントは私は、二十一世紀に向けての技術革新で、それぞれの地方団体がいろんな各種の試験場等も持っておりますが、そういう試験場を精いっぱいリニューアルして新しい技術革新に対応したような体制にするというようなことが代表的なケースになるかと思いますけれども、それ以外にも例えば、介護保険が制度的に導入されるわけでございますのでそれのための周辺の情報システムの整備をしたり、あるいは公共施設のバリアフリー化とか、あるいは廃棄物に関するリサイクル施設の整備とかいろいろな面があると思います。ただ、そういうものにつきましては私どもの方で余り限定的なことではなくて地方団体の自主的な対応を期待して、そのテーマの中で弾力的に地方財政措置を講じていきたいというふうに考えております。
 またソフト分といたしましても、例えば環境問題のための先端技術の開発とか、あるいはこれも、政府におきます新千年紀記念行事を政府が始めますが、それに対応する地方団体の参加をしていただくための経費、あるいは地方団体の電子手続化の推進、いろいろなこのようないわば前向きの取り組みについての地方交付税措置もあわせて講じようとしているわけでございまして、こういうものを活用していただきまして、それを有効に活用することによりまして地域経済の回復にも資することもあわせて期待したいと考えているところでもございます。
#32
○白浜一良君 概要をお話ししていただきましたが、このミレニアム事業、小渕総理のもとで全体的に取り組んでいるいわゆる将来を見据えての事業ということでございますが、対象分野が限定されていますね。今概括的におっしゃいましたが、こういうことこういうことこういうことをできるんだと、これをまずもう一度項目的に説明していただけますか。
#33
○政府参考人(嶋津昭君) 対象分野でございますが、基本的に地方単独事業の枠取りでございますので、国の補助事業みたいな意味での補助対象分野みたいな限定の仕方はしないで、なるべく地方団体にどちらかというとメニュー的に、こういうことをお考えいただいたらどうでしょうかという提言をするという程度の枠取りというふうにお考えいただきたいんですが、そういう意味で五つのいわば方向性というものを出して地方団体にも御連絡を申しておりますけれども、情報化、それから少子高齢化、あるいは環境への対応、それから技術開発振興、それから景観とか町並みの整備、このようなことをいわば例として考えているわけでございまして、それ以外の分野においての先進的な取り組みにも対応していただいたらどうだろうかと考えております。
#34
○白浜一良君 なかなかすばらしいそういう事業内容でございますが、問題はこの財政ですよね。この財政措置はどういうふうになっておりますか。
#35
○政府参考人(嶋津昭君) 今のような財政状況でございますので地方団体は一般財源がないということでございますので、地方債の充当率を手厚くして、通常七五%程度でございますが地方債の充当率を九五%にして、その九五%を充てた地方債についての元利償還金につきましてはその五〇%を後年度事業費補正によりまして基準財政需要に算入するという、地方債と交付税措置を組み合わせたやり方をとっております。
#36
○白浜一良君 それで、そういう措置になっているわけでございますが、一応地方も財政難ですから実際こういう事業を組めるかどうかということが大変今後課題になるわけでございますが、三千億という事業規模を組まれたという観点から見たら、これ、この平成十二年度全国的な消化率はどうでしょうか。これ予測するのは難しいですが、当然非常に核と思った事業なので、大事な事業でございます。せっかくならば全国の自治体が喜んで取り組むような体制になるのが一番いいんですが、またそうなるべきだと思いますが、その辺の見通しはどうですか。
#37
○政府参考人(嶋津昭君) これは国の予算とあわせて私ども地方財政対策をまとめまして、一月の総務部長会議とか、あるいは地方課長・財政課長会議を通じてこういうふうな情報を提供しているわけでございます。そのことが、したがいまして当初予算の編成等に間に合っていればいいわけでございますけれども、少し時間的なずれも出てくる団体もあると思います。したがいまして、二〇〇〇年度だけの対応ということではなくて、地方の予算でございますから年度中におきますと補正予算等も弾力的に組むわけでございます。そういうことも含めまして二〇〇〇年度及び二〇〇一年度まで続けてこういう措置をとりあえずやっていこうと考えておりますので、ある程度の時間の幅を持って対応していただいて、できればその三千億枠取りしたものにつきましてはそれを満額消化していただくということを強く期待しております。
#38
○白浜一良君 よく地方の相談に乗っていただいて、本当に意義ある事業が推進される、そういうことを期待申し上げておきたいと思います。
 それで次に地方債の問題を若干議論したいわけでございますが、地方債の発行ももう一五%という起債率の頭を超えている自治体もたくさんあるわけでございますが、それでさまざまないわゆる地方債の現状に対する御意見がございまして、一つは、この地方債の発行を地方分権一括法の観点で二〇〇六年からは許可制を廃止されて事前協議制にする、こういう流れになっているわけでございます。地方財政審議会の方も二〇〇五年までも、二〇〇六年から事前協議制ということでございますが、それまでの間もよく協議して、事前に協議するような流れをつくるべきだというそういう意見が出ております。
 それで、どうでしょうか。今年度どのぐらい自治体の相談に応じているのか、わかる範囲で結構でございますのでその辺の現状を御報告いただきたいと思います。
#39
○国務大臣(保利耕輔君) 今委員御指摘のとおり、平成十七年度までは地方財政法の定めによりまして地方債の許可制度を維持するということになっておるのでありますが、平成十二年度以降どういう運用をするかということのお尋ねだと思いますが、地方公共団体の自主性を尊重するというその協議制移行の趣旨を十分踏まえまして、そして、財政の健全化が確保されているという一定の枠組みがございますが、地方公共団体に対しましては、一定の健全性が確保されているというところに対しては団体の申請に基づいて弾力的な許可をしていくというつもりでおります。
 なお、これについては具体の数字がございますので、具体の数字につきましては財政局長から御答弁をいたさせます。
#40
○政府参考人(嶋津昭君) 今大臣から御答弁申し上げましたように、十七年度まで許可制を続けるという趣旨は、地方財政の財政再建、財政の健全化の方向が定まった段階で協議制に移行するのが一番いいのではないかという考え方なわけでございますので、そういう趣旨を踏まえますと、いわば起債制限比率とかあるいは経常収支比率というような指標が非常に他の団体に比べて平均的にいいという団体が実質的にも協議制的な運用をすればいいじゃないかというような考え方を持っておりまして、都道府県の場合、起債制限比率が一〇%未満で経常収支比率が八〇%未満の団体、それから市町村におきましては同じく起債制限比率が一〇%未満で経常収支比率が七五%未満の団体を対象にしようと考えておりまして、平成十二年度におきましては四百団体程度がその弾力的な運用の対象になると考えております。
#41
○白浜一良君 四百自治体ぐらいということをお聞きいたしましたが、よく相談に乗って適切な対応をお願い申し上げたい、このように思うわけでございます。
 それから地方債は、公募地方債は従来十年物が多い、こういうふうに伺っております。一部報道によりますと五年物の地方債を解禁するという、そういう方針を決めたという報道が一部なされておりますが、これは債券をいわゆる多様化して消化されやすいようにということでしょう。
 この辺の流れ、これは報道なんで、この辺の動きがどうなんでしょうか。
#42
○政府参考人(嶋津昭君) 委員御指摘のように地方債、公募地方債は今まで大体十年債ということで運用をしてまいりました。
 ただ、金融情勢等からいたしまして、今のような低金利状態のもとで、低金利債というのが長期債だとなかなか売れにくいけれどもより短い期間のものにすれば買いやすいということ、あるいは、発行側からいたしますとやはり期間が短いものの方が低金利になりますのでいわば金利負担の低下が見込まれるというようないろいろなメリットが考えられるわけでございまして、国債におきましても今年度から五年物の国債というものを発行を始めているわけでございまして、私どもも、平成十二年度に向けて五年物の市場公募債の発行につきましてもそれを具体の検討の課題としておりまして、関係する地方団体と協議を今いたしておりまして、おおよそ十二年度になりますと導入ができるのではないかというような方向で考えております。
#43
○白浜一良君 大臣、今局長が答弁をされて、そういう具体化されるであろうという流れをつくっていらっしゃるんですが、これは確かに短い方が、今金利が安いですからね、短い方が消化がされやすいと、市場で。こういうこともあって、どうでしょう、五年物の債券を発行したら市中消化の円滑化というのは、今の局長の答弁にも若干ございましたが、どの程度期待されるかと思われますか。
#44
○国務大臣(保利耕輔君) どの程度消化されるかということであろうかと思いますが、なかなか債券の技術的な問題でございまして非常に難しい問題ですから、まず局長から答弁させまして、私から感想を申し述べさせていただきたいと思います。
#45
○政府参考人(嶋津昭君) 市場公募債の平成十二年度の発行計画額が約一兆六千億程度でございます。
 その資金調達は、やはり安定的な資金調達という意味で十年債を全部五年債にするということはできないわけでございまして、その発行計画額のうちやはり一割とか二割とかそういうような程度でもし発行するにしてみても、十年物と五年物との組み合わせという形で、やはり安定的な資金調達ということも考えた上で、それと、やはり新しい商品でございますから全面的にそれにもう切りかえてしまうというようなこともこれもなかなかしにくいわけでございますので、そういう市場の状況を見ながら発行団体と調整をして進めていきたい、こういうふうに考えております。
#46
○国務大臣(保利耕輔君) 基本的には初めて、初めてかどうかわかりませんが最近では、この制度を導入するということに踏み切るかどうかということでございますが、大体今局長から御答弁申し上げましたとおりある程度踏み切らさせていただく、その状況を見ながら今後の方向性を考えていく、そういう段階であろうかと思います。
 とにかく、やってみることはやってみようという方向であるというふうに私は認識をしております。
#47
○白浜一良君 確かに十年物と五年物の組み合わせでやる以外にないわけで、そういう一つ道を開いたということでは価値があると思います。一割から二割と、それでも結構でございまして、そういう市場の消化が進むような形でやっていただきたい。というのは、債券が消化できない自治体もあったんですね、なかなか。そういうことで言っているわけでございまして、五年物を新規発行するということでそれで解決する問題でもないでしょうけれども、できるだけやっぱり市中消化しやすい形態をとるという観点では意義あることだと思いますので、重ねて御質問を申し上げたわけでございます。
 もう一つ地方債の問題で、民間が格付をやっていますね、債券の格付というのを。当然、地方財政、先ほども質疑でございましたが、都市部が特に傷んできているわけでございまして、私も大阪市に住んでおりますが、大阪市の債券もいわゆる大分ランクとしてはランクが下がったわけでございます。
 一般的にいいますと、こういう格付が下がると金利が上昇してより債券の消化、また低利な資金の調達というのは難しくなる。これは一般的なこと、これは市場経済ですから当たり前の話なんですが、そういうことで多少心配している点もあるんですが、この点に対するお考えはいかがなものでしょうか。
#48
○政府参考人(嶋津昭君) 私ども以前から市場関係者とディスカッションをしておりまして、地方債の格付をやりたいという関係者がおられていろいろ議論するときに、私どもはやっぱり地方債につきましては、地方財政制度のもとで自治大臣が許可をして発行し、かつその元利償還につきましても地方交付税制度上それを算入、元利償還についての財政措置を講じているというような、いわば諸外国と比べましても大変特有なといいますか、非常に安定的な制度としてつくっているつもりでございますので、地方団体における信用力格差というものは基本的にはありませんということをお答えしているわけでございます。
 しかし、現在市場で流通しているというような実態を見まして、いわば勝手格付、普通は格付は格付をされる側がお金を払って格付をしてもらうわけでございますけれども、お金を払わないで格付機関の方が勝手に格付をする、オプショナルといいますか勝手格付と我々は言っておりますけれども、そういう形でやっておられるわけでございますので、その勝手にやることをとめることはできないということでございます。
 したがいまして、その勝手格付というのがじゃ市場でどういうふうに影響するかということが検証されなければいけないと思っておりまして、私どもはそれをフォローしておりますけれども、今委員御指摘ございましたように、その格付機関が経常収支比率とかいわゆる財政指標をとりまして少し悪くなったから格付を下げるという、下げたときの市場の反応は、特にそれに対して反応しているというふうに我々は確認はしておりません。
#49
○国務大臣(保利耕輔君) この格付の問題については、私が承知をしておりますのは、平成十一年の三月でございますが、ある投資情報センターが東京都でありますとかあるいは北海道でありますとか神奈川県、あるいは札幌市、大阪市というようなところについての格付を、今局長の御答弁では勝手格付と申しておりますが、私は余りそういう言葉は使いたくありませんが、依頼に基づかない格付というのをおやりになって、例えばAAプラスとかAAマイナスとかあるいは普通のAAとかというような形で発表されたことがあるんであります。
 しかし、今自治省の考え方としては、局長から答弁をいたしましたとおり、地方自治体が発行いたします地方債についてはそれぞれ国が裏打ちをして十分な償還ができる形になっておりますから格差はないのであるというつもりで対処しておりまして、こういうようなことがされたということについては、自治省としてはとめるわけにもまいりませんけれども、我々の基本的なスタンスは、地方公共団体間の信用力には格差がないというふうに考えておるというふうに申し上げておきたいと存じます。
#50
○白浜一良君 この議論をすると必ずそこの議論になるんです、これ何回やったって。国が裏打ちしているから信用度に差はないというのは、それは建前としてはそのとおりなんです。そのとおりなんですけれども、これは債券の値打ちという面から見れば、国が裏打ちしたらそれは同じだと言えるかもしれませんが、一方で大事なことは、やっぱり自治体によって財政運営の差があるんです。あることがはっきりすべきなんです。
 やっぱりルーズなそういう自治体と懸命に努力して健全化を目指している自治体のその財政内容は全く違うはずなんです。そういう差はあるのがまた事実であって、ある意味でそういうことが私は明確になるべきだとも思います。これは債券の、国が裏打ちしているから値打ちは一緒だという意味とはちょっと違うんですけれども、それだけで済まない問題がいわゆる自治体の財政運営としてあるということを一方で私は指摘をしておきたいんです。
 そこで、関連して申し上げますが、個別地方団体の財政状況把握のための改善方策ということで、平成十二年度地方行財政重点施策で「個別地方公共団体の財政状況について、総合的に把握するための手法を検討し、改善方策の確立を図る。」、このように書かれているわけですが、ということは要するに、それぞれの自治体の財政の内容が余り統一されていない、何かばらばらな形態だと、それを改善していくんだということなんですよね。
 ですから、これは当たり前な話なので、できるだけ早くそういう個々の自治体の財政運営に反映すべき流れをつくるべきだと思うんですが、その辺の段取りというか、スケジュール的な意味での段取りを含めて、これはどのようになっておりますか。
#51
○政府参考人(嶋津昭君) 御質問にお答えする前に、前段でおっしゃられましたいわば地方団体の財政状況の評価、これは非常に大事なことだと思うんです。議会とかあるいは住民によって評価され、そのための情報公開等を精いっぱいやらなくちゃいけない、そういうつもりで我々も取り組みますが、先ほどのいわゆる証券の価格の問題につきましては、そういう財政状況が価格に反映するということではないという点だけは……
#52
○白浜一良君 それはわかっています。それはイコールじゃないです。
#53
○政府参考人(嶋津昭君) こういう席でございますので。私どももそう考えておりまして。
 ただ、では国債と公募地方債に随分差があるじゃないかと。これは要するに流通量が大分違いまして、したがって、持っている方が処分したいと思うときにすぐ処分できるかとか、そういうものもございます。そういう意味で、地方団体の中でも例えば発行量が大きい東京都とそれから発行量が非常に少ない団体との間で流通価格等に差が出てくるというような面があると思います。
 後段のいわば財政指標に関するものにつきましては、特に最近、住民とかあるいは地方団体自体もバランスシートによって財政状況を把握すべきだというような非常に熱心に取り組みが見られますし、それから住民団体等からもそういうことをすべきだという声が出ているわけでございまして、私どもも本年度、バランスシートをどういうふうな形でつくるのがいいのか、それぞれの地方団体で研究している成果も踏まえまして、全国で共通でできるような、それもなるべく簡単にできるようなバランスシートづくりのマニュアルみたいなものをつくろうということで研究会を進めておりまして、年度内にも研究会の検討を終えましてできるだけ早い機会にその報告を出していただいて、それによりまして全国の地方団体がいわば手軽にと言うと表現がよくないかもしれませんが、それと、なおかつ、同じようなやり方でやりますと全国の団体についての相互比較ができるわけでございますので、相互に比較できるようなやり方でやっていただいたらどうだろうかということで、そういう検討成果の公表を急ぎたいと考えております。
#54
○白浜一良君 今のお話を聞きましたら、その研究会、今検討されていると、研究会で。年内に一定程度の研究会としての案をまとめたい、こういうことでしょうか。
#55
○政府参考人(嶋津昭君) 今、精力的に検討していただきまして、年度内にも報告書をまとめて、なるべく年度内に発表するように努力したいと思います。
#56
○白浜一良君 くどく聞きますが、年度内というのはこの三月ということですな。この三月ということは、もうすぐということですね。
#57
○政府参考人(嶋津昭君) 研究会自体は今週の初めぐらいにも開いていただきまして最終的な検討をしていただいておりますので、三月中にその報告書をまとめて、またお手元に届けさせていただきたいと思います。
#58
○白浜一良君 大臣、私は今これをくどく聞きましたけれども、非常にこれは大事なことで、やっぱり住民が我が市の、また我が町の我が村の財政はどうなっているか、それが非常に比較的にわかりやすい。よその市と比べてもわかりやすい。それでこそやっぱり財政的な住民の協力というのがあるわけで、そういう面では、いわゆる今研究会で協議されているようなマニュアルというか大体そういうバランスシートがあるということは私は、住民の理解を得て今後そういう市町村、また都道府県もそうでございますが、運営されていくというのは極めて大事なことだと思うんですが、早く研究会の案をこの三月中にまとめられて、幅広くそういう基準のもとに全国の自治体が財政運営されていくような流れをつくる必要がある、このように主張したいわけでございますが、大臣の所感を伺いたいと思いますが。
#59
○国務大臣(保利耕輔君) 私も二十一年会社で勤めてまいりまして、ある時期子会社の社長もやっておりまして、バランスシートというのは非常に重要だということを承知しております。また、バランスシートを時系列的に整理してみることによってその会社の動向というのがよくわかるという性質のものだと思っておりますので、単に切り口だけではなくずっと並べるということが大事だということであります。
 そういう観点からいきますと、経営という意味では同じような性格を持っているところがあると思いますので、このバランスシートを整理して、資産状況がどうなっているのか負債状況がどうなっているのかというようなことについて整理をしてやはり公開をする、そういうことは私は必要だと、このように思っておりまして、そういう趣旨で今後、いろいろ検討していただいた成果も踏まえながら、今後の地方財政のあり方等については、十分に私どももこういった問題についての進め方に精力的に取り組んでいきたい、こう思っております。
#60
○白浜一良君 次に公債費負担の対策ということで、随分高金利のそういう借り入れがいっぱいあるわけでございまして、その負担対策ということで平成十一年度に繰り上げ償還措置がされておりますが、これも極めて自治体の要求が多いんですね。高金利をいっぱい抱えていますから。
 これは十一年度に臨時特別措置として実施されたということでございますが、まず、この十一年度の概要がどうなっているか、それぞれどういう評価を得ているのかということを局長から御答弁いただきたいと思います。
#61
○政府参考人(嶋津昭君) 今御指摘の公債費負担対策でございますけれども、地方団体の強い要請を受けまして、十一年度におきまして資金当局といいますか国庫当局と大変厳しい交渉をやったわけでございます。その結果といたしまして、非常に財政状況が悪い団体について、そういう悪い団体の財政健全化ということに着目しようということで、起債制限比率が一五%以上の団体等公債費負担が特に重い地方団体に限って実施することにしたわけでございます。政府資金、公庫資金の繰り上げ償還をしたわけでございますが、政府資金分で百三十一団体で千七百四十七億円を対象とし、公庫資金分について八十四団体で三百七億円分を対象としたわけでございます。
 またそれ以外に、それを補完する措置としまして、資本費負担が著しく高い公営企業についての借りかえを三百六十八団体で公営企業債の借りかえを六百億円、それからさらに、高利の地方債を抱えている団体につきまして特別交付税措置を五十八団体について講じているわけでございます。
 その評価ということでございますけれども、いわば政府資金当局とのぎりぎりの交渉をしたということでございまして、財政状況が非常に悪い団体に限定したということで、対象団体が少し要望を受けた地方団体に対して対象団体が狭かったのかなというふうな感じを持っております。
#62
○白浜一良君 そういう観点でいいますと、十一年はそういう臨時措置としてされたと。十二年度も公債費負担対策がとられているんですね。公債費負担対策がとられているということなんですが、この十二年度の規模はどうなっておりますか。
#63
○政府参考人(嶋津昭君) 十二年度につきましては、自治大臣の強い指導を受けまして、やはり政府資金についても再び繰り上げ償還措置を講ずるようにということで交渉しました。それで私どもも、ただ平成十一年度の措置が、非常に財政状況が厳しい団体に限定して一回限りの措置としてやるという壁を、残念ながらそれを破ることができませんでした。したがって私どもは、公営企業金融公庫の協力を得まして、公営企業金融公庫の普通会計債についての借りかえ措置を講じようという方向で措置したわけでございます。
 したがいまして、平成十一年度の措置の反省といいますか、そういうものを踏まえまして、できるだけ多くの地方団体にその措置が及ぶようにということで、経常収支比率や財政力指数が全国平均、そのどちらかが全国平均より悪い市町村を対象としようということで、対象団体を千七百団体とし、それから対象とする地方債は七%以上の高利の地方債としたわけでございまして、その対象の残額が九百億円程度ございましたのでそれを対象にして借りかえ措置を講じたわけでございまして、それ以外に、公営企業債の借りかえ、公営企業金融公庫の普通会計債じゃない公営企業債の借りかえ措置、あるいは公債費負担が厳しい状況の地方団体に対する特別交付税措置もあわせて拡充することといたしました。
#64
○白浜一良君 大臣の肝いりでこういう措置ができるように入れられたと今局長がおっしゃいました、それはそれで貴重なことなんですが、今の地方財政の現状からいいますと、対象団体を千七百団体に広げた、十一年度は狭過ぎた、こういうお話だけされましたが、それはそれでございますが、これは額が減っておる。団体はふやしたけれども総額でいうとぐっと減っておる。ここが問題じゃないでしょうか。
 努力してもやりくりは厳しい。国の財政も厳しいですから。だからそこをやりくりして何とか制度として十二年度も継続したという、対象団体が少なかったので広げたと。ここまでは立派な話なんでございますが、しかし総額から見て、措置した総額から見れば極めて減っておるわけです。ここがいかがかなと思うんです。この点をもう少し明快に説明していただけませんか。
#65
○国務大臣(保利耕輔君) 具体の数字についてはまた財政局長から御答弁させてもよろしいのでありますが、この問題は私自身も、今局長から答弁をいたしましたように、就任早々、今度の予算のときにはこういう形になりますと言ったが、それはいけない、絶対だめだと言って私は了承しなかったのであります。大蔵省ともう少しやってくれと。一年限り、単年度限りということでもうその壁は突き崩せませんということで何回か私のところへ来ましたけれども、何回やっても私はうんと言わなかったという、そういうことがございました。しかしだんだん予算編成の時期が迫ってまいりまして、やや時間切れでございましたけれども、私は自治省の事務当局をして大蔵省と随分交渉させたように思います。そういうことがございました。
 そこで、最後の段階で、もう自治省の方も刀折れ矢尽きまして、とうとう資金運用部資金にかかわる問題については一年限りの壁を突き崩せなかったと。そこまで苦労したのであればほかの措置を絶対講ずるようにということを厳しく申しまして、今の公営企業金融公庫の借りかえについての増加措置といいますか、それを講じさせようといたしました。
 この公営企業金融公庫の借りかえは、昨年度はたしか三百億少々であったと思います、三百七億だったと思いますが、それを本年度は九百億借りかえさせるという措置を大蔵との間で話をつけて、そこで、ことしはしようがないけれども、先々やはり、地方公共団体が持っている七%とかそれ以上の金利というのは世間常識からいってこれはとても通じるものではないぞと、だからここは何とか整理をしてやらないとどうしてもだめだから来年度以降はもう絶対頑張れということを条件に私は折り合いまして、三百億を九百億に伸ばすということで最終的には私が了承を与えたものであります。
 全体としては二千億ぐらいたしか昨年度はやっておりますが、それが九百億になったということはまことに残念でありますが、財政当局は財政当局の立場がありまして、そこをだらだらと突き崩すわけにはいかないということでございましたから、私はこの問題は継続案件として今後一生懸命に努力をして、七%、八%という金利が存在する、それを返し続けなければならないということはできるだけ解消していくように努力をしたい、そういう気持ちでおります。
#66
○政府参考人(嶋津昭君) 若干補足をさせていただきます。
 平成十一年度におきましても政府資金なり公庫資金の対象は、平成十一年は昭和六十年五月までの一定の借り入れ分、大体おおむね七%以上の資金ということでしたわけでございまして、平成十二年度も公庫資金については七%以上の普通会計債ということで対象を同水準にいたしました。
 ただ、公庫資金の普通会計分は、臨時道路事業、臨時河川事業等のいわば普通会計債の全体の借入額の中では地方団体に対する貸し付け規模がそれなりにそんなに政府資金と比べて大きくないということがございますので、結果的にその額、残債の額が九百億円であったということでございます。
#67
○白浜一良君 今、大臣が随分予算編成段階で御苦労をされたというお話を伺いましたし、あくまでも経過措置だと。これは引き続いて、自治体が苦しんでいることでございますから、引き続いて少しでも負担軽減のために自治省としては努力をされると、そういうことだというふうに、財政局長が努力すると含めて理解をしておきたいと思います。
 それで、もう一つ違う観点でちょっとお話ししたいんですが、交付税の特別会計借入金の償還、これを十年から十三年、三年間を十三年度以降に繰り延べられたと、こういうことでございます。それは厳しかったから仕方ないし、財政構造改革という考えもございますし、それはそれなんですが、平成十三年度といったらもう来年度、正確に言うと再来年度ですが、もういわゆる来年なんですね。
 これ三年間繰り延べて、これ今から悲観的な見込みを言うわけにいかぬでしょうが、これは十三年度からどういう展開になるんですか。また大変この段階で苦しまなきゃならない事態が当然来るわけですね。その辺、当然もう念頭に置いていらっしゃると思いますが、今言える範囲でお考えがございましたらこの点もお述べいただきたいと思います。
#68
○政府参考人(嶋津昭君) 今委員御指摘のように、平成十年度の地方財政対策におきまして、十二年度までの間は当該年度の元金償還額についてこれを繰り延べするという措置をとることを決めたわけでございます。当然、繰り延べをすれば、その繰り延べ期間が終了いたしますと今までの分それぞれの年の元金償還額に加えて繰り延べした分が上乗せになるということは、これはもう御指摘のとおりでございます。
 この交付税法の償還計画におきましても、平成十三年度は国負担分で八千三百七億、地方負担分で一兆二百四十三億という当該年度の償還額がすぐ来るわけでございますので、そういう点につきましていわば大変やむを得ない措置としてそういうことをしている。結局その繰り延べ措置をしない場合には新たな借入額がその額だけふえてくるということにならざるを得ないわけでございますので、そういうことを避けるというふうな意味でも元金の償還繰り延べをしたわけでございます。
 今後の償還につきましては、先ほど御答弁しましたように、当然いわば実力の交付税の額から先取りしてそれを食ってしまうわけでございますので当該年度の財政運営がそれだけ厳しくなるということでございますので、先ほど大臣も御答弁申し上げましたように、地方財政の財政健全化をより真剣に進めていかなくちゃいけないというふうに我々も受けとめております。
#69
○白浜一良君 今の答弁でしたら、厳密に言うと何もお答えになっていないということでございます。大変だなということは当たり前の話で、これ来年度のことですから、これはこれでどうするかと本年一年かかって懸命にお考えをしておいていただきたい、このように思うわけでございます。
 最後にお聞きしたいのは、地方分権推進計画に基づきましてこの平成十二年度からいわゆる統合補助金という制度が創設されました。これはどういう内容で、総額はどういうものなのか、まず概要を御説明いただけますか。
#70
○政府参考人(嶋津昭君) 公共事業に係る国庫補助負担金につきまして、中央省庁等改革基本法あるいは地方分権推進委員会の第五次勧告に基づきまして昨年三月に閣議決定いたしました地方分権推進計画におきまして、いわゆる国庫補助負担金のあり方について、いわば合理化をして存続をする国庫補助負担金について、国の過度の関与等により地方公共団体の自主的、自立的な行政運営が損なわれることがないよう運用、関与の改革を図るというようなことの一環として統合補助金制度の創設が盛り込まれたわけでございまして、平成十二年度の予算におきまして初めて二級河川あるいは公営住宅、下水道、町づくり等のいろいろな分野で統合補助金が設けられました。
 統合補助金の内容といたしますと、二つのタイプがございまして、タイプ一、タイプ二、これを縦型、横型という説明の仕方もございますが、いわばいろいろな、縦型は事業目的ごとに箇所づけ等をしないことを基本としましてそれをある程度まとめて地方団体に配分をする、それから横型といいますのは一定の政策を実現する各種の事業を組み合わせて補助金として交付をするということでございまして、タイプ一の方が四千六百億円程度、タイプ二の横型の方で千五百億円程度、合計で六千百億円程度の統合補助金が創設されたわけでございます。
#71
○白浜一良君 これはもう従来からも何回もいろいろ議論されておりますが、自治体の立場にとりましたら縦割りで補助金、縦割り事業で補助金をつけられてもうがんじがらめにされて随分使いにくいということで、そういうことでもこれ、こういうまず第一段階、突破口としてそういう統合補助金という制度が創設されたわけでございますが、たまたま平林政務次官は地方行政の経験豊かでございまして、みずからの経験も踏まえまして、この制度をさらに拡充していくべきだと私も思うんですが、今は政務次官ですからお答えの限界はあるでしょうが、所感をお聞きしたいと思います。
#72
○政務次官(平林鴻三君) 私も白浜委員の御意見とほぼ同意見でございます。
 この統合補助金を設けたということは確かに一歩前進ではございますけれども、今のいわゆる国の各省縦割りの補助金行政というものを根本的に改革したというところにはまだ行っておりません。したがいまして、今後さらに補助金のあり方あるいは補助金を整理して地方一般財源に持っていくというようなこと、あるいは先ほど来議論になっております地方への税源を強化するというようなこと等、いろんなことを含めまして、さらに地方の自主的なお金の使いようが一層進むようなそういう努力をしてまいりたいと思います。
 やはり都道府県とか市町村とかいう団体は、縦割りというものをむしろ総合化してそれで住民の福祉向上に努めるという役割を持っておりますので、そういう総合的な運用ができる補助金あるいはその他の財源というものが望ましいと思っております。
#73
○白浜一良君 最後に大臣、今次官からもお話しいただきましたが、なかなか一遍にこれは変わるものでもないんですが、国民は地方自治体に住民として住んでいるわけでございまして、一番密着しているところなんですね。そこがやっぱり一番運用しやすい形態を、いかにいろんな障壁があったといえども流れとしては確実にそうしていくべきだと。今も次官も体験を踏まえてお考えを述べられたわけでございますが、最後に大臣の御決意を伺って、私の質問を終わりたいと思います。
#74
○国務大臣(保利耕輔君) この統合補助金の問題につきましては、中央省庁の改革基本法の中でも公共事業の見直しの中で、第四十六条でしたか、触れられております。
 私もやはり委員と同じように、地域の問題については地域で自主的に決定してやっていくという方向へ持っていかなければいけないだろうと思います。ただ、つぶさにいろいろその事象を検討してみますというと、そこは国でやってほしいとか、あるいは国が認めた事業だという一つの権威づけみたいなものもある。そういう心理がまだ、地方住民にもまだ残っていると思うのであります。そういうところをどういうふうに意識改革をしながら、地方にいわばひもつきでない形でお金を差し上げてうまく使っていただくかというようなところが両々相まってやっていくことだと私は思っておりますので、今後は、地方分権というのをこれだけきつく、きつくというかはっきり打ち出しているという世の中になってきたということをやはり地域の皆さんがそれぞれ認識をされて、それを消化していく能力をつけながらお金をいただいていくということが正しいあり方ではないかなと、私はそう思っておりまして、そういうふうな基本的な考え方で今後、統合補助金からさらにもう一歩進んだ形での、いわば今の交付税のような形のものへ持っていくということが求められることではないか、このように思っておりますので、そういう方針で私は物を考えていきたいと思っております。
#75
○白浜一良君 終わります。
#76
○委員長(和田洋子君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午前十一時五十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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