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2000/03/30 第147回国会 参議院 参議院会議録情報 第147回国会 地方行政・警察委員会 第8号
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2000/03/30 第147回国会 参議院

参議院会議録情報 第147回国会 地方行政・警察委員会 第8号

#1
第147回国会 地方行政・警察委員会 第8号
平成十二年三月三十日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十八日
    辞任         補欠選任
     小山 峰男君     山下八洲夫君
     井上 美代君     市田 忠義君
 三月二十九日
    辞任         補欠選任
     岡  利定君     阿南 一成君
     木村  仁君     森田 次夫君
     市田 忠義君     八田ひろ子君
 三月三十日
    辞任         補欠選任
     阿南 一成君     亀井 郁夫君
     青木 幹雄君     岩城 光英君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         和田 洋子君
    理 事
                谷川 秀善君
                松村 龍二君
                朝日 俊弘君
                海野  徹君
                富樫 練三君
    委 員
                阿南 一成君
                井上 吉夫君
                岩城 光英君
                鎌田 要人君
                亀井 郁夫君
                久世 公堯君
                野間  赳君
                森田 次夫君
                輿石  東君
                山下八洲夫君
                大森 礼子君
                白浜 一良君
                八田ひろ子君
                照屋 寛徳君
                高橋 令則君
                松岡滿壽男君
   国務大臣
       自治大臣     保利 耕輔君
   政務次官
       自治政務次官   平林 鴻三君
       自治政務次官   橘 康太郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        入内島 修君
   政府参考人
       自治大臣官房長  香山 充弘君
       自治省行政局公
       務員部長     木寺  久君
       自治省財政局長  嶋津  昭君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○公益法人等への一般職の地方公務員の派遣等に
 関する法律案(内閣提出)
○地方公共団体の一般職の任期付研究員の採用等
 に関する法律案(内閣提出)

    ─────────────
#2
○委員長(和田洋子君) ただいまから地方行政・警察委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る二十八日、井上美代さん及び小山峰男さんが委員を辞任され、その補欠として市田忠義さん及び山下八洲夫さんが選任されました。
 また、昨二十九日、市田忠義さん、木村仁さん及び岡利定さんが委員を辞任され、その補欠として八田ひろ子さん、森田次夫さん及び阿南一成さんが選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(和田洋子君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 公益法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律案及び地方公共団体の一般職の任期付研究員の採用等に関する法律案の審査のため、本日の委員会に自治大臣官房長香山充弘さん、自治省行政局公務員部長木寺久さん及び自治省財政局長嶋津昭さんを政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(和田洋子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(和田洋子君) 公益法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律案及び地方公共団体の一般職の任期付研究員の採用等に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
 両案の趣旨説明は去る二十八日に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○鎌田要人君 私からはこの二つの法案につきましてそれぞれ質問をいたしますが、まず、その前提といたしまして、今回のこの二つの法律案いずれも平成十一年四月に出されました地方公務員制度調査研究会報告に盛られた提言を踏まえたものと伺っておるところでございますが、この研究会におきまする検討の経緯及び提言の内容の概略を自治大臣にお伺いいたしたいと思います。
#7
○国務大臣(保利耕輔君) 委員は長いことこのお仕事に携わってきておられますので釈迦に説法のような形になるのでありますが、地方公務員制度は制度が制定されてから五十年が経過しようとしておりまして、地方分権の進展また規制緩和など官民の役割分担の変化あるいは民間における雇用形態の多様化など社会経済情勢の変化に対応した制度になりますように全体的な見直しが必要であるということから、平成九年五月に地方公務員制度調査研究会が設置されまして、さまざまな角度から地方公務員の問題について御論議をいただいてきたところでございます。
 昨年四月に出されました委員仰せのとおりの研究会報告におきましては、地方公務員法制の制度及び運用の全般にわたりまして見直しが提言をされておりまして、地方公務員制度の改革が着実に実施されるように次のような事項が盛り込まれていると考えております。
 まず法律改正に取り組むべき事項、それから次が地方公共団体の運用の改革を促す事項、さらにまた制度のあり方についてさらに検討を深めていくべき事項、この三つのテーマについて掲げられております。今後の改革の方向がこれによって示されておるというふうに考えております。
 今回の御提案申し上げております二法案につきましても、この提言を体しまして対応するものでございますけれども、今後も引き続き提言の趣旨を踏まえながら必要な改革を継続して行ってまいりたいと、このように思っておる次第であります。
#8
○鎌田要人君 次に、第三セクターの運営についてでございますが、赤字の累積など経営が悪化をいたしまして事業の遂行に支障を来している事例が見られるなど、多くの問題が指摘されておるところでございます。そうした指摘を受けまして抜本的な見直しを行っている地方公共団体も多くなっていると伺っております。
 そういう中で、この第三セクターを含む公益法人等への人的援助をこの法律は内容としておるわけでございますが、その第三セクターを含む公益法人等への人的援助のあり方についてのお考え方を伺いたいのであります。
#9
○国務大臣(保利耕輔君) 第三セクターを含みます公益法人等に対しましては、専門的な知識を地方公務員が持っておられますので、その活用をして円滑な第三セクターないし公益法人の事業を推進しようという目的が一つございます。もう一つは、地方公共団体の各種行政施策との調整、つまりその公益法人が行おうとしている仕事と地方公共団体の行政施策これを調整していくという観点がございまして、地方公共団体からの職員の派遣が必要な場合もあるというふうに私どもとしては考えております。
 しかしながら、公益法人等への地方公共団体のかかわり方について、今、委員お話しのとおりでございますが、見直しが求められていること、さらには、公務員は本来地方公共団体の公務に従事すべきもの、これは地方公務員法の三十条かにきちんとした規定があると思いますが、等から、職員の派遣に当たっても統一的なルールをつくったり、あるいは透明な手続を経て、派遣先団体について当該公共団体の事業業務との関連性あるいは施策推進に当たっての人的援助の必要性などについて慎重な検討を行った上で適切に対処すべきものである、このように考えている次第であります。
#10
○鎌田要人君 わかりました。
 そこで、地方公共団体の施策が効果的、効率的に推進されますためには、地方公共団体が直接事業を執行することはもちろんでございますが、それにあわせまして、事業の性質によりましては公益法人等との適切な連携、協力が必要なものも多くなってきていると思うわけでございます。
 こうした中で、現在は休職あるいは職務専念義務を免除する、こういった形で多くの地方公務員の方が公益法人等の業務に従事をしておられます。また、その中には住民訴訟の対象になって提起されているものもあるわけでございますが、そのような実態についてどのように考えておられますか、その指導方針を大臣にお伺いしたいのでございます。
#11
○国務大臣(保利耕輔君) 今御指摘のとおり、現在は、例えば職務命令でありますとか休職あるいは職務専念義務の免除など制度の運用による職員の派遣につきましては、それぞれ制度本来の目的との整合性ほか、職員の処遇等の面で不十分であるなどの問題点が指摘をされておるわけでございます。
 こうした中で、公益法人等への職員の派遣に関する住民訴訟等が各地でかなり起こっておるということは私どももよく承知をしておりますし、一つの判断としては最高裁判所まで行っているものもあるというふうに承知をしております。
 自治省としては、こういう現状を考えまして、公益法人等への職員派遣について適正化あるいは透明化ということを図っていかなければならぬ、それから派遣されます職員の身分の取り扱いを明確化する必要がある、こんなふうに考えているわけでございまして、今回御提案を申し上げます法律案によりまして、こうした問題をより透明化された一つのルールのもとに置いてそうした訴訟にもたえられるような法制度を準備していかなきゃならぬ、そういう趣旨でこの御提案を申し上げておるわけであります。
#12
○鎌田要人君 そのような現状認識に立ちまして、何を立法目的とした職員の派遣のための制度を構想しようと考えておられるのでございますか。大臣の率直なお考えを伺いたいのでございます。
#13
○国務大臣(保利耕輔君) 今申し上げましたように、公益法人への職員の派遣のいろいろな実情がございますので、今回の法案におきましては大体四つのことを考えております。
 第一は、職員の派遣に関しましては、統一的なルールを整備してより適正な職員派遣を確保するということが第一番目であります。
 第二番目は、派遣先の法人等の範囲についてそれぞれの自治体において条例で定めていただきまして、また派遣先と取り決めを締結することなどによりまして、派遣先や派遣手続についてのより透明な姿を実現していこう、こういう目的を持っております。
 それから三番目には、法律及び自治体の条例等におきまして処遇を定めますことによりまして、派遣職員の身分の取り扱いをより明確化させていこう、そういう考え方を持っております。
 最後に四番目でありますが、統一的なルールをつくりまして、そのもとで公とそして民との適切な連携協力による地方公共団体の諸施策の推進を図っていきたい、こういうことを目的としてこの法案を提出いたしておるわけでございます。
 よろしくお願いをいたしたいと存じます。
#14
○鎌田要人君 よくわかりました。
 そこで、お伺いしたいのでございますが、国家公務員にはこれに類似した制度がございますか。事務的に公務員部長ちょっと答えてください。
#15
○国務大臣(保利耕輔君) 国家公務員には今度御提案を申し上げている制度はないと私は承知をいたしておりますが、地方公共団体におきましてはその担当する事務の性格が国と異なっておりまして、住民により密接した身近なサービスを提供していくという事務がほとんどを占めておるわけでございます。行政みずからが運営を行う方式だけではなくて、公益法人等の適切な連携、協力によりまして実施する方が効率的かつ合理的である場合があるというところに一つのポイントがあろうかと思います。
 また、公益法人等が地方公共団体の施策の推進に資する活動を効果的に行いますためには、地域における人材としての地方公共団体職員の知識や能力を活用していくということが大事だという観点がございます。
 さらに、国におきましては必要な場合には法律により法人を設立してあわせて当該法人の業務に従事する国家公務員の処遇等について法令上必要な措置を講ずることが可能でございますけれども、地方公共団体においては同様の措置を講ずることはできないということがございます。
 以上のような国と地方の事務の性格あるいは実情の相違、さらには法制度の違いから国と地方における制度の必要性や緊急度が異なっておりますために、国家公務員制度にない制度を地方公務員について構築することといたしたわけでございます。
 地域の発展と地域行政というもののかかわり合いをより密接にしていくため、しかもそれは統一的ルールのもとでやっていこうということで、この法案を御提出申し上げたということでございます。
#16
○鎌田要人君 よくわかりました。
 それで次に、給与支給のあり方についてお伺いしたいのであります。
 派遣をされた職員は派遣先の業務に専ら従事するわけでございますから派遣先の団体が給与を支給することがあくまでも原則であると考えるわけでございます。ところが現在の処理の状況を見てみますというと派遣元の地方公共団体が支給をしている例も見られるのでございますが、この点についての自治省の指導方針をお伺いしたい。また、今次の立法に当たっての取り組みについての考え方もお伺いをいたしたいのでございます。
#17
○政務次官(橘康太郎君) お答えいたします。
 派遣職員は地方公共団体の職務に従事しないことから、地方公共団体は派遣職員に対し給与を支給しないことが原則であると考えられております。しかしながら、派遣職員の派遣先団体において従事する業務の内容によりましては、地方公共団体の職務に従事している場合と同様の効果をもたらすということも考えられるわけでございます。
 このようなことから、今回の法案では、第六条の第二項によりまして、地方公共団体の委託業務や地方公共団体との共同事務等であって、その業務の実施により地方公共団体の事務事業の効率的かつ効果的な実施が図られると認められる場合に限りまして、条例でもって定めるところによりまして給与を支給できることとしておるところでございます。
#18
○鎌田要人君 わかりました。
 それで、その場合に、派遣元の地方公共団体が給与を支給する場合、その運用に当たって地方公共団体に注意を促すべき点があると思うのでございますが、その点につきまして公務員部長にお伺いいたしたいと思います。
#19
○政府参考人(木寺久君) 地方公共団体が派遣職員に給与を支給するに当たりましては、ただいま政務次官からの答弁にもありましたように、本法案第六条第二項の趣旨を踏まえまして派遣職員の業務の内容等を十分に精査する必要があると考えております。
 自治省といたしましても、地方団体にこうした観点から必要な助言等に努めてまいる所存でございます。
#20
○鎌田要人君 それでは次に、退職派遣制度についてお伺いいたします。
 今回の派遣は、地方公共団体の施策の推進をねらいとした行政運用上の必要性から行われるものでありますから、派遣をする職員の身分取り扱いについては部内の職員との均衡を図ることが重要であると考えられるのでございますが、この営利法人に対する職員の派遣については退職しての派遣としているということでございますが、これはどういう理由によるものでございましょうか。ちょっとわからないのです。
#21
○政府参考人(木寺久君) 今回の制度は、地方公共団体の施策推進を図るために一定の期間を限りまして公務外においても職員の知識、能力の活用を図るものでありますことから、公務員としての身分を保有したままの派遣が原則であるというふうに考えておるところであります。
 しかしながら一方では、公務員は全体の奉仕者であることが要請をされておりまして、したがいまして営利法人の業務に従事される場合にはこの点についての調整を図ることが必要であります。そうしたことから、営利法人への派遣に対しましては一たん職員を退職した上で派遣をするというふうな制度を考えているところであります。
#22
○鎌田要人君 ちょっと議論になりますが、民間の企業にその職員をいわゆる、言葉はちょっと適当でないかと思いますが、そのまま行きっきりにするなら私はいいと思うんです。研修して引き揚げるわけでしょう。それまでも退職をして行けと、そのかわり後は面倒見てやるよ、後はまた引き取ってやるよというのは、ちょっと余り芸が細か過ぎるんじゃないかという私の感じです、これは。
 そこまで神経質になる必要があるんだろうかという感じがしますので、その点についての公務員部長の御意見をもう一遍伺わせていただきたいと思います。
#23
○政府参考人(木寺久君) 先ほど申し上げましたように、やはりこれは地方公共団体の施策推進を図るための派遣でございますので、あくまでも身分を保有したままというのが基本であろうかと思いますが、公務員につきましては公務員法上もはっきりと全体の奉仕者であるということが要請をされておりますし、それから営利法人につきましては地方公共団体の出資があるといってもやはり営利を目的とした団体であるということから、どうしてもやはり全体の奉仕者性との観点では調整しなければならないということで、退職をして派遣をして、派遣期間が終わったらまた採用するという制度を考えるに至ったわけであります。
#24
○鎌田要人君 それは、考え方はそのとおりだと思うんですよ。わかりました。
 それで次に、それでありますれば、退職派遣によって公務員の身分を失うことによりまして処遇等の面で不利益が生ずることにならないように万全の配慮が必要でありますが、この点はどのように考えておられるか、公務員部長にお伺いいたしたいと思います。
#25
○政府参考人(木寺久君) 退職派遣は、公益上の必要性から専ら地方公共団体の事情により行われるものでありますことから、退職職員が安んじて派遣先の業務に従事することができますよう、退職中も共済の長期給付に係る組合員資格を付与いたしますとともに、再び採用された場合の給与、任用等につきまして、部内の他の職員に比して不利な取り扱いとならないよう必要な措置等を行うべき旨の規定を法律案に規定しているところであります。
 具体的に言いますと、例えば退職手当の計算上、退職派遣中の期間を在職期間に通算することを条例で定めること等を想定しております。これによって適切な対応を行うよう地方団体に対して助言をしてまいる所存でございます。
#26
○鎌田要人君 次に、職員の派遣をめぐりまして平成十年に最高裁の判決が出ておるところでございまして、その内容を十分に踏まえた法案にすることが大切なことであると考えております。
 この点、最高裁判決の内容が今回の法律案にどのように反映されておりますか、自治大臣のお考えをお伺いいたしたいと思います。
#27
○国務大臣(保利耕輔君) 結論から申しまして、今回の最高裁判所の判決の内容を十分に踏まえた制度とするように配慮をしてこの法案ができております。これは結論から申しましてそういうことでございます。
 そこで、平成十年四月二十四日に最高裁判所で判決が出ましたのは、破棄・差し戻しという形で判決が出ておりまして、その中で引用されておりますのは、例えば地方公務員法の三十条、「すべて職員は、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。」という文章を引いて地方公務員のあるべき姿を示しながら、この場合は茅ヶ崎の商工会議所にたしか専務理事という形で御出向なさった方の給与に係る問題だったと思っておりますけれども、そうしたことの是非について、今後、地方公共団体が派遣いたします派遣先の業務内容でありますとかあるいは具体的な職務内容と市の商工振興政策、商工業施策との関連性などについて十分審理を尽くした上で、派遣の公益的な必要性、公益上の必要性を検討する必要がある旨、この最高裁判所の判断は示しているところだと、そのように承知をいたしております。
 この法案におきましては、派遣対象を地方公共団体の事務事業と密接な関連を有しかつ公益的な活動を行う団体として、また派遣される職員が従事する業務についても地方公共団体の事務事業と密接な関連を有する場合等に限定するなどの措置を講ずることといたしておりまして、最初に申し上げましたように、御指摘の最高裁判所の判決の趣旨を十分踏まえた制度を準備したものでございます。
#28
○鎌田要人君 今の茅ヶ崎の商工会議所派遣の職員の勤務の実態、こういうものに対しまして最高裁判所の判決は、この茅ヶ崎市の職員の派遣について、その従事している職務について適当でないと判断したわけでございますか。
#29
○国務大臣(保利耕輔君) 詳細については公務員部長から御説明を申し上げたいと思いますが、私は、これの給与の持ち方の問題についての御判断というふうに感じておる次第でございます。
 詳細は公務員部長から御説明をさせます。
#30
○政府参考人(木寺久君) 茅ヶ崎商工会議所に係る最高裁判決につきましては、下級審であります高裁の判決につきましてもう少し十分な審理を尽くす必要があるとの判断のもとに破棄・差し戻しをしたわけでございまして、最高裁判所自体がそのことの適否を判断したわけではなくて、高等裁判所にそれを差し戻したということになっております。
#31
○鎌田要人君 私は不勉強で余りよく知らなかったんですが、そうしますと、最高裁判所が判断をしたんじゃなくて、破棄して差し戻したわけですね。わかりました。
 それでは、その破棄・差し戻しの後の、最高裁の判断も含めまして、ひとつ慎重な対処を望んでおきます。
 そこで次に、地方公共団体の一般職の任期付研究員の採用等に関する法律案についてお伺いをいたしたいと思います。
 まず、今回、地方公務員について任期付研究員制度を導入することとした理由は何でありますか。それをまずお伺いいたしたいと思います。
#32
○政務次官(橘康太郎君) お答えいたします。
 今回の措置は地方の公設研究機関の活性化を図るのが最大の目的であると考えております。要するに、マンネリ化を避けて新しい血を求めて、しかも若年の優秀な方々を任期つきで採用いたしましてそして切磋琢磨させるというのが目的でございます。
 そこで、国の方の研究機関におきましてももう既に百三十人採用いたしておりまして、国でも成果を上げておるところでございます。地方におきましても、そういうふうにいたしまして立派な研究を行わせるように努力いたしたい、かように考えておるところでございます。
#33
○鎌田要人君 研究者の流動性を高めその交流を促進しますことは研究活動の活性化という面から重要なことではございますが、この任期満了後の就職確保というのが、引く手あまたという状態であることを期待しますけれども、必ずしもそうでない場合、そういうことも予想されますので、この制度の運用に際して自治体が留意すべき事項を自治省としてどういうふうにお考えになっておるのか、その点をお伺いいたしたいと思います。
#34
○政府参考人(木寺久君) 招聘研究員につきましては、能力、業績等によりまして研究社会においてその評価が確立しているような人材を対象としておりますので、任期満了後もそれほどの問題はないのではないかと考えております。
 若手研究員につきましては、公設試験研究機関において異分野の研究者と研究交流を行い、新たな専門分野を開拓したり、豊富な研究資源を活用した創造的な研究活動に従事する中で能力の涵養が図られるものでありますことから、公設試験研究機関における研究活動が当人の業績、経歴として評価され、その後広く各方面での活躍が期待されることを制度としては想定しているところであります。地方公共団体におきましては、任期付研究員制度の導入及び具体の任用に当たりましては、このような制度の趣旨を踏まえまして、とりわけ若手研究員につきまして所期の成果が上げられるよう適切な運用が望まれるところであります。
 自治省といたしましては、こうした考え方に立ちまして地方団体に対しまして必要な助言を行ってまいりたいと考えております。
#35
○鎌田要人君 次に、この任期付研究員につきましては、給与面の処遇について、その職務の性格を考慮し、その成果や業績に十分見合うものを用意すべきであると考えるのでありますが、任期付研究員の上げた研究業績について給与面ではどのような対応を行うこととしておるのでありますか。公務員部長に伺いたいと思います。
#36
○政府参考人(木寺久君) 私ども今回の地方公務員の任期付研究員制度の導入の前に、平成九年に国家公務員につきましても任期付研究員の制度ができております。その国家公務員の任期付研究員の給与につきましては、俸給自体を任期中に期待される研究成果、研究活動等にふさわしいものということで、通常の研究職員給料表とは別個の簡素な俸給表をつくっているところであります。また、特に顕著な研究業績を上げたと認められる研究員に対しましては、任期付研究員業績手当というものを支給することができるというふうにしているところであります。
 今回導入を考えております地方公務員の任期付研究員の給与につきましても、このような国家公務員の任期付研究員の制度に準じて対応することが適当であるというふうに考えておりますし、今回の法律案の附則におきまして地方自治法を改正し地方公共団体が条例で任期付研究員業績手当を支給できることとしているところであります。
#37
○鎌田要人君 よく指導をしていただきたいと思います。
 それで、招聘型の任期付研究員、これにつきましては裁量勤務制を適用することができることとなっているようでございます。この裁量勤務制の内容はどういうものを考えておられるのか、お伺いをいたします。
#38
○政府参考人(木寺久君) 今回導入を考えております裁量勤務制につきましては、国家公務員の任期付研究員の取り扱いに準じまして、招聘研究員について、その職務の性質上、時間配分の決定その他の職務遂行の方法を大幅に職員の裁量にゆだねることが研究業務の能率的な遂行のため必要であると認められる場合におきまして、勤務時間の割り振りを行わないでその職務に従事させるとともに、条例で定める時間、通常の勤務時間ですが、を勤務したものとみなすことができる制度を設けようとするものであります。
 なお、地方公務員につきましては裁量労働制に関する労働基準法の三十八条の三第一項の規定が適用除外となっておりますため、招聘研究員について同項を適用可能とするための規定を今回の法案に設けているところであります。そして、具体的な取り扱いは条例で定めることというふうにしているところであります。
#39
○鎌田要人君 最後に私が伺いたいことは、自治体の場合、公務員の身分取り扱いについてかなり、表現は適当でないかもしれませんが、ルーズなところがあるんですね。ルーズというのは、身分取り扱いの問題というより任用の問題なんですね。自分のところの職員を民間の研修と称してデパートに派遣をする、そういう例もありました。私が公務員部長をしているころです。それは、そういうことが非常にマスコミ等で取り上げられまして、いいことだという意見もあったんですよね。要するに地方自治体の職員がサービス精神がない、お上意識が強い、だからそういう民間のデパートにやってお客さんの気持ちがわかり、要するに、いらっしゃいませという精神をたたき込むんだと、こう言う市長さんもおられます。あるいは、ある市長さんは、民間の医療機関に行って勉強してこいと、こう言う方もおられます。
 そういうことを今後も自治省としてはお認めになるのか。こういう形のものでだんだんに法律できちんとした一定の職種のものに限られるのか、そこの基本的な考え方を大臣にちょっとお伺いしたいと思うんです。
#40
○国務大臣(保利耕輔君) 委員御指摘の点はよく理解をするところでございますが、地方公務員が持っております資質を公共のサービスのためにさらに磨きをかけるという意味での研修ということと、今度の場合のように公益法人等に出てそこで仕事をしていただくという場合はやはり分けて考えるべきだと、このように考えます。研修そのものは、人材を磨くためにやりますので、そう長い期間ではなく、社会を見てくるという意味で非常に大きな意味を持っていると思いますので、この制度は自治体の考え方にもよりますけれどもぜひ実行していっていただきたいと私は思っております。さらに、第三セクターを含みます公益法人等に行ってそこでその仕事をするという場合の統一的なルールをつくろうというのが今度の動きでございますから、研修と少しニュアンスの違う形の考え方ではないかと、私はそのように思っております。
 詳細は公務員部長から補足をさせたいと存じます。
#41
○政府参考人(木寺久君) ただいま大臣の答弁のとおりでございますが、今回の法律の目的といたしますのは、地方公共団体の施策の推進を図るために公益法人等に派遣をして公益法人の職員として専ら従事するという制度でございます。したがいまして、この法律の目的と同じくする派遣につきましては、やはりこの法律にのっとってやっていただくべきものというふうに考えております。
 一方、研修につきましては、これは民間におけます業務を体験することによりまして職員の資質の向上を図るということが趣旨だと思います。したがいまして、研修を受けるということそのものがやはり地方公共団体の公務としての研修ということであろうかと思いますので、これはやはり今回の法律案の目的とは違う分野ではなかろうかと考えておりますので、研修につきましては引き続き職務命令でもって研修をすることができるというふうに考えているところであります。
#42
○鎌田要人君 終わります。
#43
○輿石東君 民主党・新緑風会の輿石ですが、本法案について何点か質問をさせていただきたいと思います。
 今、鎌田議員との質疑をお聞きする中で、今回のこの二つの法案は民間企業等で行っている研修というものとは趣を異にする、目的を異にする、そんな締めくくりのお話もありました。
 私は、地方分権の時代を迎えまして、常に権限とそして財源と人間、三ゲンセットで地方分権は完結する、そういう言い方を、主張をずっと続けさせていただきました。きょうはその一番大事な人間、人材にかかわる提起だと思うわけであります。したがいまして、どんなに権限が来ても、財源があっても、それを使いこなせる人材の育成または確保というのが最大の課題になっていることはもう御案内のとおりであります。各地方公共団体がみずからの責任においてそうした人材を確保しそういう行政体制をつくっていくこともまた重要な課題だと思うわけであります。
 したがいまして、そうした行政体制をつくるのには、地方分権の担い手にふさわしい人材の確保、育成ということが最大の課題になるでしょうし、人事行政システムの整備というのが最大の課題になる。それを受けての今回の法律の制定だろうと理解をするわけですけれども、先ほどもお話がありましたように、この法案が成案に至る経過の中では、御案内のように、先ほど自治大臣もお答えになりましたけれども、三年前の平成九年五月ですかに設置をされました地方公務員制度調査研究会の報告というものがベースになっているというふうに思いますので、簡単で結構ですからその内容と、それを受けての今回法案提出に至った背景、経過について、簡単でいいですから、先ほども触れていただきましたので、再確認をする意味でお答えいただければというふうに思います。
#44
○政府参考人(木寺久君) ただいまお話をいただきましたように、平成九年に設置されました地方公務員制度調査研究会において、新しい地方自治を担う地方公務員制度のあり方につきまして二年間かけて検討をしていただいたわけでございます。その結果が昨年、報告書という形で出ておりまして、その中でやはり、法律改正に取り組むべきこと、運用を改善すべきこと、それからさらに今後検討すべきことというふうに分けてそれぞれの検討事項を指摘されております。
 今回提案をいたします二つの法律案におきましてもその提言の中で指摘されているというところでございます。今回、その提言の中の二つの事項につきまして成案を得ましたので法案として提案させていただいたということでございます。
#45
○輿石東君 その報告の中の二点について法案の成立を見た、こういう経過のようでありますが、この研究会の報告書を見てみますと、早期に法制化を進めるべきものとして五点ほど挙げていますね。その二つが今度の二法案になったと。あと残された三つの課題、例えば地方公務員の任期つき任用制度、さらには人事委員会や公平委員会制度の問題、さらに、このごろはパート勤め等が多いわけでして、そういうものを踏まえた臨時、非常勤勤務の任用のあり方、こういう課題がまだ残っているわけでありまして、こうした課題を今後、先ほども自治大臣は継続的に残された課題として検討してまいる、こういうお答えがあったわけですけれども、この残された問題の方がむしろ大きな課題とも言えるわけで、これについての自治大臣のお考えを。公務員部長でも結構ですけれども。
#46
○政府参考人(木寺久君) ただいま御指摘のとおりでございまして、地方公務員制度調査研究会におきましては、法制化に取り組む事項といたしまして、今回の二つの制度に加えまして、研究公務員以外の一般の任期つき任用制度の導入でございますとか、非常勤職員の任用根拠等の整備でありますとか、人事・公平委員会の所掌事務の拡大等が挙げられているところであります。
 これらの項目につきましては、一般の任期つき任用制度については、現在政府で国家公務員に係る制度の導入を検討中でございます。そうした検討中の制度内容と調整を図りつつ検討する必要があるということ。それから、非常勤職員の任用根拠等の整備につきましては、社会経済情勢等を踏まえつつ、国家公務員制度の状況、あるいは民間の雇用法制等も考慮しながらさらに検討する必要があると。それから人事・公平委員会の所掌事務の拡大につきましては、多様な任用形態の導入等他の制度改正と一体として行う必要があるというようなことなどの理由によりまして、引き続き検討することとしているところでございます。
 今後、これらの事項につきましても、地方公務員制度調査研究会でも引き続き御議論をいただきながら、成案を得るべく鋭意検討を進めてまいる所存でございます。
#47
○輿石東君 今、残された課題についてはお答えいただいたわけですけれども、この通常国会に間に合わなかった理由といいますか、またこの間この研究会では地方公共団体に対してアンケート調査もしてあるというふうにお聞きしているわけですが、そのアンケートも今回の法案へ反映させた、こうあるわけですけれども、具体的にそのアンケートはどんな傾向だったのか、どんな中身だったのか、それで残された三つの課題が今通常国会に間に合わなかった理由等についてお聞かせください。
#48
○政府参考人(木寺久君) 残された他の検討項目につきまして今回成案を得ることができなかった理由につきましては、先ほど御説明しましたように、一般の任期つき任用制度についてはやはり国の検討中の制度と調整を図らなければいけない。さらに、非常勤問題につきましては社会情勢や国家公務員、民間等の状況を踏まえながらさらに検討すべき課題がある。それから人事・公平委員会につきましては他制度と一体として行う必要があるというようなことでございまして、成案を得るまでにさらに検討すべき事項が残されているということでございます。
 それから、地方公務員制度調査研究会におきましては、議論の中間段階におきまして中間的整理を行いまして、それを地方公共団体にお示しをし、意見の集約をしたところでございます。その中で最も、多くの項目として地方団体からの指摘をされましたものの一つには、第三セクター等への職員の派遣制度の整備という問題、それから多様な任用形態の導入、これは今回の任期付研究員制度も含まれているわけでございますが、そういった問題、それから能力、実績を重視した人事管理、年功序列型から能力実績主義への転換の必要性、そういったようなことが意見の大きいものというふうに考えております。
#49
○輿石東君 今部長の方で、成案ができ得なかった、時間的に無理だったという話ですが、それ以上に、先ほども強調しましたように、臨時とか非常勤勤務のあり方というのは大変難しいわけですから、早くやればいいというものでもないでしょう、時間をかけるのだけれども、これはやっぱり今の社会経済情勢から避けて通れない最大の課題ですから、自治省としても積極的に御努力をいただきたいということをお願い申し上げたいというふうに思います。
 なお、そのアンケート、地方公共団体へのアンケート結果が、第三セクターへの派遣のあり方、それから多様な任用形態、能力実績主義、年功序列型ではなくてと、こういうような課題が集約的に出てきたと、こうお答えがあったわけですが、そこでその第三セクターへの派遣等の問題、それが一番今度の法案についても課題になるだろう、こういう意味で、地方三公社その他いろいろなところへ派遣をしていくわけですけれども、公益的な団体あるいは第三セクターとのかかわり方というのが非常に問題になってくるというふうに思います。この点にかかわりまして、この法案にはどのようなねらいがあるのか、当然そことのかかわりにおいてこの法案も出てきているというふうに思いますので、その法案のねらうところは何であるかをお聞かせいただければというふうに思います。大臣に。
#50
○国務大臣(保利耕輔君) 地方公務員を第三セクターを含みます公益法人等に派遣するについては、やはり十分に検討がなされる必要があるという認識に立つものでございまして、地方公共団体がその事業面でありますとか財務面でありますとかあるいは人材面で公益法人にどういうかかわりを持つのかということについて、地方の事情等も踏まえながら十分に検討を行った上で派遣をしていかなければならないというふうに考えているところでございます。
 そういったことを背景にいたしまして、職員の派遣に対しましての統一的なルールをまずつくる必要がある。それから人材面におきます地方公共団体と公益法人との間の適正な関係、どういう関係が一番適切なのであるかというようなことについてきちんとルール化しておくということが必要なんではないか。あるいはよくそこを話し合いするということが必要なんではないか。
 自治省としては、こういう観点から今度の統一的なルールをつくるということをこの地方公務員制度調査研究会の報告をもとにいたしまして御提案をいたしたところでございます。透明化をしていこう、派遣するについてのルール化を図っていこうということが目的であります。
#51
○輿石東君 その統一的なルールをつくって派遣先、派遣元、言葉をかえれば公益法人等それから地方公共団体の中に厳密で透明な関係を持っていくという意味でのこの法案のねらいということはよくわかるわけでありますけれども、派遣先が公益法人とそれから営利法人、法人の形態からいえば二つに分かれていくというふうに思います、第三セクターの中身についても。
 そうした場合に、公益法人等へ派遣する場合と営利法人等へ派遣する場合、これはおのずから違わなければいけないというふうに思いますが、その点のルールといいますか、考え方はどのようになっているのかお聞かせいただきたいと思います。
#52
○国務大臣(保利耕輔君) 詳細については公務員部長からまた補足をしていただこうと思いますけれども、公益法人あるいは利益を追求する法人、それの出し方についても、人材を派遣するについても、やはりきちんとしたルールのもとに考え方を統一して出していくということについては変わりがないんではないか、こう思っております。そういう観点で整理をして人材派遣の透明化を図っていこうというのが、先ほどから申し上げておりますとおり統一的ルールをつくるということの趣旨でございますけれども、今お話しの点について、利益追求型と公益とは意味が違うんではないかということで、確かにそれは意味が違うと思いますけれども、人を出すというときの出される側と出す側との間の話し合いというのは大変大事なことだと思いますし、またそこを統一的なルール化してくれということについては、ちょっと回りくどいんですけれども、地方公共団体からもそういった御要請が非常に強いということを考えてこうした制度をつくったわけでございます。
 なお、今の点については公務員部長から補足をさせたいと存じますので、お許しを願いたいと存じます。
#53
○政府参考人(木寺久君) 地方公共団体が公益法人等や営利法人等そういった第三セクターと言われるものも含めまして活用して施策推進を連携して図るという場合に、国の場合は法律をもって特殊法人をつくるというようなことが一般的に行われておりますが、地方団体におきましてはそういう制度がないわけでございますので、やはり財団法人等か株式会社というような形態を活用してそうした仕事を実施しているということがございます。そういう関係で、営利法人につきましてもやはり地方公共団体が出資してかかわりを持って職員を派遣するという必要があるということから、今回派遣制度の対象に営利法人も含めているわけでございます。
 ただ、営利法人につきましては、やはり公益性というものを担保するという観点では公益法人よりも少し配慮をしなければならないわけであります。したがいまして、今回の法案におきましては、営利法人につきましては、まず地方公共団体が出資しているということ、それから公益増進に資する業務を行う営利法人であるという必要性を公益法人等の場合に加えて限定して規定しているところであります。
 それと、先ほども話が出ておりますが、職員を派遣する場合にやはり全体の奉仕者性の要請から、身分を保有しないで一たん退職して派遣するという形での派遣の形態を違えているところであります。
#54
○輿石東君 その派遣の対象、営利法人には特に留意をしなければいけないという答弁ですが、それは当然だというふうに思います。
 目的が営利を追求するという、大体本体がそういう形になるわけですから、そこへの派遣は慎重であるべきだし、そこで公益上の必要性というものが出てくる。公益性というものの概念とか、それをだれがどのようにどういう基準でやっていくかということは大変難しい課題だろうなというふうに思います。
 現実には派遣の対象として、職員が派遣されていくわけですけれども、今現在三万九千ですか、約四万近い職員が派遣されている、こう言われているわけですけれども、どのような法人にどんな形で派遣をされているのか、その概略をお聞きしたいというふうに思います。
#55
○政府参考人(木寺久君) 平成十年四月現在で地方公務員が三万九千人ほど派遣をされておりますが、その内訳といたしましては、民法法人に対しましては二万四千二百四十七人。それから、特別の法律による法人の一形態でございますが、地方三公社、道路公社とか土地開発公社等でございますが、四千八十四名。それから、その他の特別の法律による法人等で七千五百二十八名。それから、営利法人に三千百四十七名という職員が派遣されております。
#56
○輿石東君 次に、地域における人材の有効活用、それを果たすためにこの重要な課題につけてこの法律案も出てきたと。改めてこの法案の役割というものについて自治大臣からお答えいただければというふうに思います。
#57
○国務大臣(保利耕輔君) やはり私たちが第一義的に考えますのは、地方分権の時代において地域の振興をどう図るかということを深く考えていかなければならないのではないかと思うわけでございます。もちろん、地域の振興には財源というのが必要でございますし、また地域に持っております人材をどう活用して地域の振興を図っていくかということを深く考えなければならないと思います。
 そこで、公と民の適切な連携、協力というのが地域振興のためには非常に役に立つのではないか。しかし、公で働いている人は地方公務員法の規定を受けるわけでございますので、めったやたらとだれでも出してもいいということではない、そうなればおのずとルールが必要である。今度の法律を提出いたしました目的はそういうことでございます。
 いずれにいたしましても、そういうルールのもとで専門的知識、能力を持つ地方公務員が地域の振興のために大いに力を発揮していただくという意味で、人材活用の面からもこの制度を利用して、透明性のある人事異動によって公益法人等に出ますことによりまして地域の振興を図っていただく、人材が活用される道が開かれるという意味で非常に意味があるのではないか、このように考えております。
#58
○輿石東君 地方公務員の専門的な知識を活用して派遣先で働いてもらう、それが結果的に地域の振興に結びつく、それが住民の福祉増進につながる、それを最終的な目的とするわけですから、そうなり得るような、しかしやたらに無条件で派遣することはできない、公に勤める身分的な取り扱い、そういうものもあるだろう、その辺は私も理解できるわけです。だからこそ公益上の必要性とは何かということが問われてくるんだろうというふうにも思います。
 そういう点で、先ほどの議論にもありました派遣元と派遣先、地方公共団体と公益法人等との関係で、給与の支払いをめぐって住民訴訟が起きた。茅ヶ崎の例も先ほど披露されたわけですけれども、そこで私も、茅ヶ崎でちょうど二年前の四月二十四日に最高裁判決が出たというようなことですけれども、その問題について若干触れさせていただきたいと思いますが、先ほどの議論の中でも確認をされましたように、茅ヶ崎市の職員が市長の命を受けて商工会議所へ派遣をされた、そしてその業務内容が茅ヶ崎市の政策目的と合致しているのかいないのか、こういうものが争点になって、これは全く同一のものではないという判断から、派遣先へ行っている職員に市が給与を払うということは違法ではないかといった争いだと、こういうふうに理解をしているわけですけれども、そのようにとらえてよろしいかどうか、確認をしたいというふうに思います。
#59
○政府参考人(木寺久君) おおむねそのとおりだろうというふうに思っておりますが、給与の支給とそれから職務専念義務の免除というこの二点についての争いだというふうに思っております。
#60
○輿石東君 今、よく職専免、職務に専念する義務を免除する、これも法律で、地公法できちっと認められてはいるわけですけれども、これを余りに乱用するといいますか、言葉は悪いわけですけれども、やるとそういう訴訟が起きてくる。上尾でも職務命令で裁判ざたになった例も一つあるわけですけれども、こうしたトラブルが各地で出てきますので、これへの対応もこの法律の出てきた経過の中にはあろうと思いますが、その辺はいかがですか。
#61
○政府参考人(木寺久君) 上尾市の例でございますが、これは上尾市が出資をします株式会社につきまして、職務命令をもって職員を派遣したという例でございます。
 これにつきましては、東京高裁の判決によりまして、職務命令により従事させることは職務専念義務に抵触し、市が職務専念義務を免除することなしに職員派遣に対し派遣期間中の給与を支給したことが違法であるとの判決が出ているところであります。
#62
○輿石東君 現在の地方公務員制度では必ずしも公益法人等への派遣を想定していなかった。もう五十年も前につくった公務員制度ですから、そこで時代が変わり社会経済状況に追いつけない、法的な根拠もないというような形で、苦肉の策、言い方は悪いかもしれぬけれども、というような形でこの二つの法案も出てきたという側面もあるというふうに思います。
 今、現行では職員の派遣について、退職をさせるか、先ほどから出ています休職にするか職専免、職務専念義務を免除する、あるいは上尾のように職務命令、大体この四つの形で職員派遣を行っているというふうに理解をするわけですけれども、こういう実態の中でこの二つの法案は限られた職種の中、限られた範囲の中で適用できるという限界があるというふうに思います。
 今後、こういう第三セクター等への職員派遣についての基本的な考え方をきちんと自治省として国として整理をし、もっと大きくこの課題にこたえられるような方策も考えていかなければならないと思いますけれども、その点についてお尋ねをしたいというふうに思います。
#63
○政務次官(平林鴻三君) 委員がおっしゃいますように、五十年も前に基本的に決められました地方公務員法、その公務員法の体系で現在の社会に地方公共団体がうまく対応できるかという、そういう歴史的な問題が確かにございまして、さようなことが近年に至りましていろんなトラブルと申しますか問題が起こっておる原因だろうというぐあいに思っております。
 それで、輿石委員がおっしゃいますように、従来そういう出向的な、派遣的な制度を地方公務員法の現行法の中で何とかやりくりしてまいったものを、今回、範囲は確かにおっしゃるように限られておりますけれども、公益法人等、第三セクターを含みますけれども、そういうところに対して職員を派遣する場合に職員の身分を有したまま派遣するシステムと、それから退職をして派遣するシステムというぐあいに分けまして、ルールをはっきりさせるということにしたこの法案の意味はおっしゃるようなところにあると思うのであります。
 この新しい法案が成立をいたしまして地方公共団体がより適正な姿で人事が運用できる、そのように私どもは期待をいたしております。
#64
○輿石東君 平林政務次官から御答弁をいただきまして、今の御答弁の中に派遣と出向、そういう言葉を使われましたので、派遣と出向という概念は違いがあるのかどうか。
#65
○政務次官(平林鴻三君) 私も厳密な定義はよく覚えておりませんが、出向といいますのは、他の地方公共団体に身分を移していく場合とかあるいは国に行く場合とか、そのようなときに大体用いられると思います。派遣といいますのは、そういう地方公共団体とかあるいは国とか、そういうところに行きます場合には用いないというような感じでおります。
#66
○輿石東君 今のお話で地方公共団体から国へ行く場合に出向ですか。木寺部長は私の山梨へ総務部長として来てくれたわけだけれども、あれは出向ですか、派遣ですか。
#67
○政府参考人(木寺久君) 国家公務員が地方公共団体に行きます場合、あるいは地方公務員が国の機関に行きます場合にはそれぞれそれまでのいた職場を退職いたしまして、そして新たに新しいところに採用されるという形態をとっております。ただ、そういうことを世情平たく、厳密な言葉ではなくて出向というような使われ方もしている場合があるのではないかというふうに思っております。
 なお、人事上の出向というのを例えば国家公務員について申しますと、一つの省から別の省に任命権者をかえて職員が異動する場合に出向という言葉を使っているというふうに思っております。
#68
○輿石東君 ちょっと脱線したわけですけれども、こういうふうに出向、派遣、この言葉一つとってみてもやっぱりこういう問題は法律的にきちっとした規定なりそういうものがないものですから、出向にも人事上の出向とそうでないものがあるというような、やっぱりこれからの、このこと一つとってみても法整備をして透明な統一したルールをつくるという大臣の答弁もあったわけですから、さらにこの種の問題については法的にきちんとやる必要があろうというふうに痛感をいたします。
 さて、今回の法案作成に当たって茅ヶ崎の問題、上尾の問題、住民訴訟、最高裁の判決、こういうものを参考としたというふうに先ほどもお答えがあったわけですから、この考え方が具体的にどのようにこの法案の中に示されているのか、お尋ねをしたいというふうに思います。
#69
○政府参考人(木寺久君) 茅ヶ崎の最高裁の判決におきましては、職務専念義務の免除あるいは給与の支給ということの適法性の判断に当たりまして、派遣先の業務内容及び派遣職員の具体的職務内容と市の商工業施策との関連性などについて十分な審理を尽くした上で派遣の公益性の必要性を検討する必要があるという旨の判示をしているところであります。
 本法律案におきましては、こうした考え方を踏まえまして、派遣の目的に関しましては地域の振興、住民の生活の向上等に関する地方公共団体の諸施策の推進を図るためのものに限定をする、それから派遣先の団体の性格、業務等につきましては業務に公益性のある法人等であってかつその業務が地方公共団体の事務事業と密接な関連を有するものに限定をしております。
 またさらに、派遣職員が従事する具体的な業務内容につきましては、地方公共団体の事務事業と密接な関連を有すると認められる業務が主たる内容である業務等に限定するなどして派遣の公益性の必要性を担保しているところであります。
#70
○輿石東君 部長の今の御答弁の中にもありましたように、派遣先である公益法人の範囲といいますか限定はきちっとしていくとか、地方公共団体とのかかわりの中で公益性というような問題を把握、きちっとしてというお話があったわけですが、この公益法人等の範囲と地方公共団体の公益判断ということは非常に重大な問題ですけれども、一方でその地方公共団体には地方公共団体の政策というものがあって、その地域によって地域の顔が見えるという施策をという面も考慮していかなきゃならぬわけですけれども、それとのバランスにおいてどのような対応をされようとしているのか、お尋ねをいたします。
#71
○政務次官(平林鴻三君) 確かにおっしゃいますように地域によりまして判断が多少異なってくるというのは、これは当然のことだと思います。北海道と沖縄とが全く同じというのはこれはやはりおかしいことになりますから、その地域の特性に応じた判断というのは当然必要になってくるように思います。
 したがいまして、この派遣先の範囲につきましては、できる限り各地方公共団体の自主性を尊重した制度が必要であると思いまして、具体的な派遣の対象になる法人につきましては条例で定めるということにいたしておるわけであります。したがって、条例制定の過程におきまして具体的な派遣先に対する職員派遣の必要性等につきましてそれぞれの地方公共団体の議会で十分な議論が行われました上で、地域の実情に応じた派遣先が定められるということを私どもは考えておるわけでございます。
#72
○輿石東君 今の問題で、やっぱり地方公共団体の自主性、地方分権の精神はそこにもあるわけですから、それは当然だと思います。そして、地方議会で条例によって議論を重ねて派遣先の公益法人等を決定していく、このルールはまさにそのとおりでなければいけないと思いますけれども、そうした点を配慮しても、なおやはり自治省、国としてそこへすべてを任せておいていいのかと。それはやっぱり地方公共団体を信用しないのかというそういう反論もあろうかというふうに思いますけれども、一応のガイドラインみたいなものは必要だろうと思いますが、その点についてもう一度。
#73
○政務次官(平林鴻三君) これはもう法律の趣旨を各地方公共団体に申し上げて、徹底してその周知を図るということに尽きるかと思いますけれども、今申しましたように公益性の判断というのは、やはり地域によって多少の違いはございましても一種の社会的な常識というものはあろうかと思っております。そこら辺のところは地方議会でももちろん御承知の上で議論なさるものと思いますから、今、委員がおっしゃいましたようなことを法律制定の趣旨にかんがみまして周知を図っていくのが正しいと思っておるところでございます。
#74
○輿石東君 そうは申しましても、第三セクター等のいろいろな法人があるわけであります。そして、この第三セクター等を設立した当時と高度経済成長期、非常にリゾート開発とかいろいろなブームに乗って出てきたそういう法人もあるわけでして、厳密にその辺は精査をしないと、住民訴訟、最高裁判決に見られるようなトラブルも出てくるという危険があるわけですから、そういう意味でお尋ねをしたわけであります。
#75
○政務次官(平林鴻三君) これも輿石委員がおっしゃる趣旨は私もよくわかりますが、第三セクターの運営に関しましても、地方議会が十分に議論をして、その存続の適否とか運営の仕方とかそういうことは御議論があるはずでございますから、職員の派遣の問題もその中に含まれて議論があってしかるべきだと思っております。
#76
○輿石東君 次に、派遣される職員の立場に立って幾つかお尋ねをしますけれども、派遣されていく職員の処遇についてであります。
 地方公務員制度調査研究会報告でも派遣される職員の処遇について触れておりまして、不利益のないように措置することが大事だと何回も強調して報告書は伝えているわけですけれども、今回の法案によってこの職員の身分取り扱いの明確化を図るんだということも答弁をされているわけですけれども、具体的にどのような内容で扱われているのか、お答えいただきたいというふうに思います。
#77
○政務次官(平林鴻三君) 御承知のように、今回の法案は、公益法人等に対しては公務員の身分を有した派遣制度、それから一定の営利法人に対しましては一たん公務員の身分を離れてその法人の業務に従事する退職派遣の制度ということを設けておるわけであります。この場合におきましても、もちろん退職して派遣されるわけでありますが、法律または条例に規定する事由に該当する場合以外には再採用をするということが条件でありまして、身分の取り扱いを明確にしておるつもりでございます。
 また、派遣または退職派遣された職員は、派遣中においては医療保険制度や災害補償制度等の処遇について派遣先における制度を適用することといたしておりますが、公務復帰後の処遇については、共済の長期給付制度について派遣されている期間を通算するということにするなど、部内の職員との均衡ができる限り図られるように措置をいたしておるところでございます。
#78
○輿石東君 この身分、退職をして派遣をしていく場合とその身分を持ったまま派遣をしていく場合では、その身分の取り扱いにおのずから地方公務員法やいろいろな関係で違いが出てくるわけです。そうした両制度の違いによって職員は、もう退職しようがしまいがこの身分の取り扱いは平等でなければいけない、これが一番の大事なところだというふうに思いますが、今、政務次官が言われましたように、短期の給付等の問題についても若干ハンディがあるというふうに思いますが、細かい点まで時間がありませんので披露しませんけれども、その点についての配慮はどうなっているのか。
#79
○政務次官(平林鴻三君) これも御心配のことかと思いますけれども、処遇についてはできる限り部内の職員との均衡を図るということが適当である、これはもう十分に私どもも認識をいたしております。
 このために、派遣されている間の勤務条件につきましては、派遣元である地方公共団体と派遣先である団体との間できちんとした取り決めをするというのがこれは当然のことであろうかと思います。その取り決めた内容を本人に明示するということも当然のことでございます。さような職員の不利にならないような取り決め、それをはっきり職員に明示してこの制度を運用するというようなことでございます。先ほど申しましたように、公務に復帰した後の処遇につきましては、もちろん部内の職員との均衡を失することのないようにやっていくということでございます。
#80
○輿石東君 一、二、もう少しお聞きをしますが、公益法人等への派遣の場合は身分がそのままですから、そして退職派遣の場合は当然のことながら退職をしていくわけですが、服務については、退職した者については服務規定は適用されないということは当然だと思いますが、公益法人の方への派遣の職員は服務についてはどのようになりますか。
#81
○政府参考人(木寺久君) 退職派遣につきましては、御指摘のとおり、公務員の身分を持っておりませんので服務の適用はございません。
 それから、公益法人等へ身分を持って派遣する職員につきましては、職務上の服務の適用はございませんが、身分上の服務については引き続きかかっているということになろうかと思います。
#82
○輿石東君 今言われた身分上の服務というのは、政治的行為の制限とか信用失墜行為の禁止、そんなものが当たりますか。
#83
○政府参考人(木寺久君) 身分上の服務につきましては、信用失墜行為の禁止、政治的行為の制限等でございます。
#84
○輿石東君 いずれにいたしましても、平林政務次官が言われましたように、両制度の身分取り扱いの違いはあっても、派遣される職員に何の罪もないわけですから、それが平等、公平に扱われるように、ぜひ今後も自治省としての御指導もいただきたいということでこの問題は終わりたいと思います。
 あと五、六分に与えられた時間がなりましたので、もう一つの法案で、任期付研究員の採用等に関する法律案の方について何点かまとめてお尋ねをしますけれども、この法案が出てきた経過や背景等について聞いていると時間がなくなりますので省略をしたいと思いますが、今一番大事なのは、産学官の共同研究というようなもので、各地域で相当の知恵と人材を活用してそれなりの取り組みをしていると思います。
 これは、とりわけ大学の研究機関との連携も科学技術振興というような面からも大事な点になると思いますけれども、今回、公設試験研究機関というものが中核になろうと思いますけれども、地域の大学等の研究とのかかわりについてはどのように考えられているか、お聞かせいただきたいというふうに思います。
#85
○国務大臣(保利耕輔君) これは前に文教政策の一環として、国立大学の先生等がいろいろな試験研究機関に行って働くことについてかなり自由化をする形がとられたわけでございますけれども、地方におきます公設の試験研究機関においてもそういった形のものを実現して、研究の活性化、地域の振興に役立たせていく、あるいは地域が必要とする技術革新をもたらしてもらうというようなことは非常に大事なことだと、そういうことでこの法律案ができたものと考えております。
 それで、前に国立大学の先生に働いていただくということについての法案をお認めいただいて、そのことが既に行われているわけでございますけれども、いろいろ公設の試験研究機関におきましても今申しましたようなことをして学者の著名な方においでをいただいて、刺激を与えていただくとかあるいは研究のテーマを絞った形で研究をしていただく。そのかわり、高名な学者の方に来ていただくのですから、勤務条件等については十分に配慮をするというような形の中で地域の公設試験研究機関の活性化をもたらそう、こういう趣旨で招聘の制度を設けたものでございます。
 それですから、今後、こうした形で地域研究機関がより活性化をし、地域の科学技術振興及び産業振興にも大きな役割を果たしていくであろうというようなことを考えております。
 なお、若手の研究者につきましても、ポスドクといいますかそういう方々で、ある地域で期間を限って研究機関で働き、研究をし、論文をつくり、そして一つの実績を重ねていくということは、今この世の中では大変有意義なこととして認められておるんではないか、そのようなことによって若手の科学者、人材が育っていく、その一つのよすがになるのではないか、このようなことを考えましてこの法案を御提出申し上げた次第でございます。
#86
○輿石東君 ありがとうございました。
 今、大臣の方から若手の研究員、研究家も大事だというポイントも言われたわけですが、この法案には招聘研究員型と若手研究員型と二つに分かれるだろうと。先ほどの鎌田先生のところでも触れられましたけれども、招聘研究員型について、これは高度の専門的知識を持っている人だ、こういう定義もありますし、若手の方についてはその要件として、独立して研究する能力があり研究者として高い資質を有する者、言葉ではこのようになっているわけですけれども、これをそれぞれだれがどういう判断でやっていくのかというのも難しいな、こういう気もいたします。
 それはさておきまして、招聘研究員型の方には任期付研究員業績手当ですか、これが支給をされる、それから裁量勤務時間というかそういう勤務の体系も配慮されている。しかし、若手研究員にはそういう特典はない。この辺についてどう考えられますか。
#87
○政府参考人(木寺久君) 招聘研究員につきましては、特定の研究分野におきまして研究業績等に特にすぐれた研究者であると認められている方を対象にしているわけでございますので、裁量勤務に不可欠な自己管理能力を有していると考えられるところであります。
 したがいまして、国家公務員の取り扱いに準じまして、限られた任期の中で期待される成果を上げるため必要と認められる場合には創造性をより発揮できる自由な研究環境の整備を図るとともに、他の研究機関において裁量勤務に従事して高い実績を上げている者を採用する場合の環境整備の一つにもなるわけでございますので、裁量勤務制を用意しようとするものであります。
 一方、若手研究員につきましては、創造的な研究能力等を涵養するという趣旨でございますので、時間配分の決定等を職員の裁量にゆだねる必要性が低い、それと、国家公務員の若手研究員につきましても制度の対象外とされていることとの均衡ということを考慮いたしまして、若手につきましては裁量勤務制は適用しないことというふうに考えているところであります。
#88
○輿石東君 若手研究員の確保というのがこれからの大きな課題だろうとも思いますから、若手研究員が励みを持って臨めるような施策を今後も考えていただきたいというふうに思います。
 最後になりましたけれども、私は、この二法案をめぐって、やはり公益法人等への派遣、時代が移り、経済状況も変わってきているわけですから、それに対応した法的根拠等もつくらなきゃならぬ。わけても、現行の制度では派遣形態が休職をさせたり職専免でやったり、そういう形では限界があると思いますので、これからはもっと大きな法整備をしていただくことを最後にお願い申し上げまして、質問を終わります。
#89
○委員長(和田洋子君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時三十九分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#90
○委員長(和田洋子君) ただいまから地方行政・警察委員会を再開いたします。
 この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、阿南一成さんが委員を辞任され、その補欠として亀井郁夫さんが選任されました。
    ─────────────
#91
○委員長(和田洋子君) 休憩前に引き続き、公益法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律案及び地方公共団体の一般職の任期付研究員の採用等に関する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#92
○大森礼子君 公明党・改革クラブの大森礼子です。
 早速質問させていただきます。
 まず最初に、公益法人等への派遣法案についてお尋ねいたします。
 この法案の目的につきましてまず大臣に基本的なことをお尋ねするのですけれども、この法案は自治体職員の公益法人等への派遣について法的根拠を与えるものであります。この後の富樫委員の方が請求してあります資料の中で「地方公共団体から公益法人等への派遣職員に対する給与等の支給をめぐる住民訴訟の事例」とするペーパーがありまして、この中でも十四件の住民訴訟の例が紹介されております。この中身に触れるものではありませんけれども、この中で問題になりましたのが、いわゆる派遣をめぐりまして公金支出が有効かどうか、こういう問題でありました。そして、この法案はこういう疑義をなくすために法的根拠を与えるものであるということは理解できますが、法案の目的はそれにとどまるのか、あるいは派遣を現在以上さらに推進するねらいがあるのか、あるいは推進されるであろうという予測があるのか、大臣はどのようにお考えでしょうか。
#93
○国務大臣(保利耕輔君) 今回の法案では職員の派遣に関します統一的なルールを確立いたしまして、職員派遣の適正化と手続の透明性を確保しようとするものでございます。
 また、職員の派遣に関します条例制定の過程におきましては派遣の必要性等について十分な論議が地方の議会においてなされるものと考えておりまして、今回の制度が公益法人に対します職員の派遣の増加にすぐつながるものではない、直接的に結びつくものではない。むしろ慎重に地方議会等におきまして論議をされて透明性のある派遣というものをやっていくということでありますので、このことによって派遣が増加するという認識は私どもは持っておりません。
#94
○大森礼子君 それでは、条文の内容について自治省の方にお尋ねしたいと思います。
 まず、第二条なのですけれども、ここで「次に掲げる団体」、これは「公益法人等」と書いてありますけれども、ここでは職員を派遣できる対象法人を公益法人等として限定しております。そして、具体的には条例で定めることになるわけですが、条例で定めた法人と自治体との間の報酬等の取り決めの内容につきましては二条三項に規定されてあります。
 それで、規定すべき事項ここに挙げてあるのですけれども、この中で「その他職員派遣に当たって合意しておくべきもの」、こういう規定がございますけれども、この事項とは例えばどのような内容になるんでしょうか。
#95
○政府参考人(木寺久君) 任命権者と派遣先団体との取り決めにつきましては、派遣職員の身分取り扱い等について問題が生じることのないようあらかじめ必要な調整を行い締結するものであり、その中で御指摘の条例で定める事項につきましては、派遣職員の派遣先における福利厚生、派遣職員の派遣先における業務の従事の状況の連絡などに関する事項を想定しているところでございます。
#96
○大森礼子君 それから、この派遣に当たりましては、二条二項に当たるのですけれども、「任命権者は、前項の規定による職員の派遣の実施に当たっては、あらかじめ、当該職員に同項の取決めの内容を明示し、その同意を得なければならない。」、こうなっております。つまり、そのとおり読みますと、派遣できるためには派遣される職員本人の同意が前提だというふうに読むことができるわけです。
 そうしますと、同意がない場合には派遣させることができない、他の職員に当たることになると思うんですけれども、この場合、この人が適任だと思って同意を求めたんだけれども断られてしまった場合、この場合も任命権者としては従来行われていたような命令によってその人を派遣することもできなくなると思うのですけれども、この点はいかがでしょうか。確認させてください。
#97
○政府参考人(木寺久君) 職員は、本来地方団体の公務に従事することを前提にして任用されているわけであります。
 今回の制度によりまして派遣されることになる場合、その身分取り扱い等に大きな変化をもたらすものでありますことから、職員派遣に当たっては職員の同意を要件としたところであります。また、その同意を法律上の要件としておりますので、任命権者は職員の同意なしに職員派遣を行うことはできないものと考えております。
#98
○大森礼子君 ここに派遣で行かないかと言われた場合、私が職員の立場でありましたら、同意がなきゃ行かせられないんだからいいやと思って簡単に断れるかどうかといったら、そこが問題だと思うんですね。
 そして、派遣を拒否した職員に対しまして不利益な処遇がないようにしなければならないんだろうと思います。そうしませんと、幾ら同意だといいましても、心理的に不安感を与えましたらこの同意の意味もないというふうに思っております。この点はどのようになるのでしょうか。つまりこれは、同意という、合理的な理由があるかないかとか、こういうことは書かれていないわけなんですけれども、単に行きたくなければ行きませんということでよろしいのかどうか。それで、そういうふうに断ったとしましても、そのことによりまして将来自分の職場において不利益な処遇を受けることがないのかどうか、その保障はあるのでしょうか。
#99
○政府参考人(木寺久君) 職員の同意につきましては、その同意しない場合の理由というものを定めておりませんので、同意しないということであれば同意しないというわけで、理由にかかわらずですね。したがいまして、法律上職員の同意というのを要件としておるわけでございますので、これを拒否した職員に対しまして不利益な処遇ということをなされてはならないものというふうに認識しております。自治省といたしましても、地方団体に対し、職員派遣に当たって本人の同意を得ることとした趣旨について周知徹底をいたしますとともに、運用に当たって十分そういった適正な運用をしていただくよう助言してまいる所存であります。
 不利益な処遇がなされない保障があるのかというお尋ねでありますけれども、不利益な処分ということにつきましては、これは地方公務員法上、職員の意に反する降任、降格などの不利益処分につきましては同法及び同法に基づく条例で定められる場合以外は認められておらないわけでございまして、任命権者が任意にこうした不利益処分を行うことはできないという、その面での保障は制度的にあります。
#100
○大森礼子君 そこのところをしっかり答弁いただかないと、安心して断れるかどうかということもありますので、確認させていただきました。
 それでただ、運用といいますよりもむしろこれは条文上の中に根拠を求めた方がいいのだろうと思います。そうしますと、例えばその二項のところに「その同意を得なければならない。」。この「同意」という中に、やはりこれを拒んだからといって不利益な扱いを受けないという解釈もこの条文の中に含まれている、このように理解してよろしいのでしょうか。
#101
○政府参考人(木寺久君) 本法案の法律の趣旨といたしましては、そのような考え方に立つべきものというふうに思っております。
#102
○大森礼子君 次に、公益法人等への派遣の場合でも、派遣職員の給与について第六条に規定がございます。
 六条一項で「派遣職員には、その職員派遣の期間中、給与を支給しない。」。これが原則となっているわけで、そして二項で、その例外でしょうか、これを規定してございます。「条例で定めるところにより、給与を支給することができる。」、こういう規定の仕方であります。
 それで、この個々の条文の読み方が非常に複雑なのですけれども、例外的に給与を支給することができる場合というのは「地方公共団体の委託を受けて行う業務」ですね、派遣先で従事する業務が。それから「地方公共団体と共同して行う業務」と、あと続くわけなんですけれども、これは限定的。
 それで、「給与を支給することができる。」場合のこの「給与」なのですけれども、例えば派遣先、この要件に当たる場合で派遣先団体の報酬が低い場合、より低くなる場合、給与の補てんという場合も含まれるんでしょうか。六条二項のこの給与の解釈でございますが、いかがでしょうか。
#103
○政府参考人(木寺久君) この法案の第六条第二項でございますが、この第二項に規定をいたしております業務に職員が従事する場合には条例で定めるところにより給与を支給することができるわけでございまして、その場合の給与の支給の仕方につきましては、その給与を要するに派遣元の地方公共団体が例えば全部持つとかあるいはお互いに一定の割合で派遣先と負担し合う、そういうことも含めましてそれは条例で定め、取り決めで決めることができるわけでございますので、派遣先と派遣元とが給与を負担し合うということも可能な制度だというふうに考えております。
 ただ、これはその第二項に規定する業務に該当する場合でありまして、この業務、第二項に規定する業務に該当しない場合についてその相手先の給与水準が低いことをもってそれを補てんする、そのために給与を支給するということはこの法案では想定されていないところであります。
#104
○大森礼子君 実はそうなんですね。だから、給与をそのまま全額支給するか、あるいは給与が少なくなった分だけ自治体側が支給するか、この両方の場合が六条二項に含まれると思うんですけれども、それができる場合が限定されてございます。
 そうしますと、今おっしゃったように該当しない場合ですね。該当しない場合ですと、派遣先の方の給与が低くて、それでもその従来の給与が補てんされない場合が生ずると思うのですけれども、それはどんな場合なのか。そしてそんな場合不利益にはならないのか。それとも同意があるからいいじゃないかということになるのか。この点はいかがでしょうか。
#105
○政府参考人(木寺久君) 派遣元の地方団体が給与を支給しない場合においては当然のことながら給与のすべてが派遣先から支給されることになるわけでありますが、そのときの勤務条件、報酬等の勤務条件につきましては任命権者と派遣先団体とで締結します取り決めによって定められる。それをあらかじめ職員に明示した上で職員を、また職員のみずからの意思による同意がなければ派遣できませんので、同意を得て派遣をするということになりますので、給与の低い場合にも本人の同意があるのでそれは特段の問題はないものと思っておりますが、ただ実態上は、やはり任命権者は地方のみずからの職員をそうした団体に派遣して活躍していただくわけでございますので、やはり派遣先の給与水準、すなわち派遣先の職務及びその責任に応じたそういう職員を派遣するものというふうに考えております。
#106
○大森礼子君 だから、まとめて言いますと、法律の条文上からは派遣先の給与が低い場合で、それでかつその給与が従来の給与を補てんされない場合も生じるけれども、そういうことがないように任命権者がちゃんと取り決めするだろうという、こういうことなのですね。
#107
○政府参考人(木寺久君) 厳密に言いますと、要するに派遣先の給与というものはやはり派遣先における業務の職務と責任に応じた給与になるのかと思いますが、そういう給与の水準に見合った人材を派遣するということになるのではないかと思っております。
#108
○大森礼子君 わかりました。法律上はそういう部分が出てくるということを指摘しておきたいと思います。
 それからもう一つ、この「給与を支給することができる。」の解釈なのですけれども、この二項の後段ですけれども、「これらの業務が派遣先団体の主たる業務である場合には、」と「主たる業務」という言葉が出てまいりますけれども、この主たる業務、これであるかどうかによって給与を支給することができるかどうか、これは一つの基準になるわけです。
 ここで、「主たる業務」というのは、これはその業務の実質的判断によるのかそれとも定款等に規定されている目的による判断なのか、この点はいかがでしょうか。
#109
○政府参考人(木寺久君) この規定は、派遣された職員が従事する業務がこれらの業務に該当するかどうかというよりも、当該派遣先団体の業務がこうした業務が主たるものであるという場合にはこの条文の要件に該当するというふうにしているところであります。
 これらの業務が当該団体の主たる業務であるかどうかということについては、定款上あるいは実態上、総合的なやはり判断ということではないかというふうに思っております。
#110
○大森礼子君 いや、定款上規定してあっても実態が伴わない場合もあるから、だからお聞きしたんですけれども、総合的判断ということと伺っておきます。
 それから次に、派遣期間が満了いたしましたら、公益法人等へ派遣された者は復職いたします。それから、営利法人へ派遣された者は地方公務員法上の欠格条項に該当しない場合再び採用されて復職することになりますが、派遣期間中の本人に地方公務員法上の懲戒処分に当たる行為があった場合とか派遣先団体の勤務規律に違反した場合、この場合に復職について何か支障が生ずるかどうか。これは公益法人等への派遣の場合と、それから営利法人への派遣の場合とに分けて簡単に御説明いただきたいと思います。
#111
○政府参考人(木寺久君) まず、派遣職員につきましては、公務員としての身分を保有しておりますことから、地方公務員法に規定する懲戒事由に該当する場合には懲戒処分の対象になるものでありまして、また事案によっては懲戒免職となる場合もあるところというふうに思っております。また、派遣先団体の就業規則等の違反にとどまる場合には派遣先団体において懲戒を受けることとなりますけれども、懲戒解雇された場合には派遣を継続することができないものとして、任命権者は当該派遣職員を職務に復帰させることとなります。
 一方、退職派遣者につきましては、公務員たる身分を保有していないことから地方公務員法上の懲戒処分を受けることはないわけでありますが、派遣先団体の就業規則等に違反する場合には派遣先団体において懲戒を受けることとなるものと考えております。また、派遣先団体で懲戒解雇され派遣先団体の役職員の地位を失った場合におきましては、任命権者は当該退職派遣者を採用することになるものと考えております。ただし、部内の職員としてとどまったとしたならば懲戒免職に相当するような非違行為があった場合には、条例で定めるところにより採用をしないこととすることができることとしております。
#112
○大森礼子君 それでは、時間の関係で第三セクターについての質問を省略させていただきます。
 次に、任期付研究員の採用等に関する法律案について質問いたします。
 この附則の第二条なのですけれども、自治体は業績手当を支給できるようにしております。正確には任期付研究員業績手当、これが支給できるようになっておりますけれども、この趣旨というのはどういうことになるんでしょうか。つまり、給与の補てん的意味なのか、それともやっぱりよりいい業績を上げようとする、そういう動機づけをするためなのか、いかがでしょうか。
#113
○政府参考人(木寺久君) 今回導入いたします制度につきましては、国家公務員の任期付研究員制度の給与体系に準じて条例で定めるものと考えておりますが、国家公務員の任期付研究員の場合につきましては給与はやはり任期期間中に期待される研究業績に見合った報酬というものを設定して支給するということになっておりますが、さらにそれに加えて業績手当を支給することができるとしております。それは、民間の研究職部門等におきましても、特に顕著な業績を上げた者につきましては通常の賞与に加えてその業績に相応した報酬等が行われるのが通例となっていることから、特に顕著な研究業績に対応した特別の手当としてこの任期付研究員業績手当を設けたものでございます。地方公務員におきましても、こうした国の制度に準じた形で条例でもって制定をすべきものと考えております。
#114
○大森礼子君 そうしますと、この任期付研究員業績手当ですが、顕著な業績を上げた場合ですから、そうしますと業績を上げない限りもらえないということですね。
 というのは、私、地方自治法の二百四条の二項ですか、これは寒冷地手当の後にあるんですけれども、そこへ行ったら必ずもらえる。それからいろんな手当でも、例えば期末手当でも、民間のボーナスと対比されるんですけれども、めちゃくちゃ頑張ってもそんなに頑張らなくても一定の月数が決まっていてもらえるものですから、定期的に毎月もらえるものかなというふうに思っていたのですが、そうではないということですね。そういう顕著な業績を上げた場合に限るということですね。不定期なもの。うなずいておられるからそういうことだと思います。
 そうしますと、この手当の支給基準、これはだれが判断することに、出すか出さないかとか、認定とか、これはどうなるのでしょうか。
#115
○政府参考人(木寺久君) 通常の研究成果ということにつきましてはそれにふさわしい給与で対応しておりますので、特に顕著な業績を上げた場合ということでございます。問題はやはり、その特に顕著な業績を上げたということをどういうふうに評価するかというのは、実は正直申しまして大変難しい問題であろうかというふうに考えております。
 これにつきましては、各地方公共団体におかれまして、やはり部内の、例えば研究所の幹部の方々等の専門の研究員でありますとか、あるいは場合によりましては外部のそういう研究分野に精通した専門家の方に入っていただいてやはり業績を評価していただくというような工夫が必要かというふうに考えております。
#116
○大森礼子君 そこは公務員の場合、こんなことを言っていいのかどうかわかりませんが、一生懸命頑張ろうという動機がなかなか出にくいのは手当とか給料が一定だということで、研究活動の成果、活性化としますと、やはり大きな業績を上げたときにはそれに見合った報酬を与えるということが大事になりますが、逆にその判断基準、支給基準というものが不明瞭になりますとまたお手盛りという危険もあるわけでございまして、そこを心配するわけであります。
 それで、例えば業績で、特許を得たとかこれに値するような業績、これは特に顕著な業績になるから手当は必ずもらえるのでしょうけれども、こういう業績が特許に値するような場合にはどのような取り扱いになるのか。自治省でおわかりになる範囲内で結構ですから、簡単にお答えいただけますでしょうか。
#117
○政府参考人(木寺久君) 職員が職務発明と申しまして職務の中で発明をした場合につきましての特許につきましては特許法に規定がございまして、これはやはり特許権というのは発明者に帰属するということにしておりますが、ただ、その発明者を使用する使用者がその権利を承継する場合には発明者たる従業員が相当の対価、要するに補償金を請求する権利を有することというふうに特許法上されているところであります。地方公共団体の試験研究機関におきましては、この職務発明に係る具体的な手順や補償額、職員が退職した場合の取り扱い等を定めた規則等を定めまして、特許権等を地方団体が取得した場合には職員に対する補償がなされておるところであります。任期付研究員につきましても一般の職員と同様にこうした対応がなされるものと考えております。
#118
○大森礼子君 最後に大臣に一言お尋ねします。
 この制度がうまく活用できるかどうかということは、民間から自治体の方に、研究機関に来ていただく、それで帰ったときにどうなるかということもやはり大事な問題だろうというふうに思います。民間人がいろんなお役所等で働く場合には公務員となるわけですけれども、そこでは給与面の問題とかそれからもとの職場に戻ったときに退職金の算出基準と在職年数の不利益がないか、ここが大きなネックとなるわけであります。
 ですから、優秀な研究者を自治体が雇用できる道を開くことになるわけですけれども、任期満了、これは再任といいますか更新といいますかこれを認めておりませんが、それが終わった後に安定した職場へ次に行けるのかどうか、あるいは復帰した会社で不利益をこうむることがないのかどうかとか、ここら辺がきちっとしませんと研究者自体が応募をためらうことになるのではないのかなと思います。
 大臣は任期満了後の処遇についてはどのように考えておられますでしょうか。
#119
○国務大臣(保利耕輔君) この制度で想定されますのは、民間から研究者に来ていただくということもございますが、主として国公立の大学等から著名な学者に来ていただいて研究に携わっていただき一定の成果を上げていただく、そういうことを期待しておりまして、そうすると、高名な学者に来ていただくということになりますと、恐らくなかなか交渉が大変だと思います。ですから、上は知事さんからあるいはその研究所の所長さん、そこら辺の腕の見せどころがあるんではないかなという感じがするわけでございます。
 そういう方でございますと任期が終了したときの自分のやるべきことというのは大体決まっている方が多うございまして、普通のいわゆる勤務者とはちょっと違う環境にある方々ではないだろうか、こんなふうに考えておりますもので、恐らくそういう事態は想定しにくいなというのが私どもの考えでございます。
#120
○大森礼子君 終わります。
#121
○富樫練三君 日本共産党の富樫練三でございます。
 最初に、公益法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律案について伺います。
 きょう、自治省がつくりました資料、これを皆さんのお手元に配らせていただきました。これは、現在、三セクへ地方公務員を派遣した場合にこれが法律に違反するのではないかということで住民訴訟が提起されている一覧表であります。全部で十四件ございます。これはすべて住民訴訟になっておりますけれども、監査請求をした場合にその監査請求が棄却をされてそれで住民訴訟になっている、こういう経過が共通しているわけです。
 そこで、大臣にまず最初に伺いたいわけなんですけれども、既に判決が確定しているものも幾つかあるんですけれども、ここで問われているのは、損害賠償請求も含めて職務専念の義務の免除の問題であるとかあるいは給料の支払い、こういうことが表面上は、手続上は問われている、こういう裁判になっております。しかしながら、裁判所が判断するときには、その根本にある派遣先の組織、機関が公共的な仕事をしている機関なのかどうか、ここのところで判断をしているという傾向が大変強いというか、そういうところが多いというふうに、私は判決などを読ませていただいてそういうふうに感じております。
 この点について、特に開発型の第三セクターですね、これが今問題になっているわけですけれども、公共的な仕事に対する派遣であるのかどうか、ここが問われているという認識は大臣はお持ちなのかどうか、この点についてまず認識を伺いたいと思います。
#122
○国務大臣(保利耕輔君) 派遣対象を地方公共団体の事務事業と密接な関連を有する公益的な活動を行う団体に今度の法律では限定をしておりまして、また、派遣される職員が従事する業務についても地方公共団体の事務事業と密接な関連を有する場合等に限定するというようなことなど派遣の公益性を確保するための要件を定めておりまして、私どもの考えでは、お話のように公益法人等にあるいは第三セクター等に人を派遣する場合にそういった関連性があるのかどうかということについて地方の議会等で条例をつくります場合に十分に御検討いただきたい、そういう気持ちを込めてのこの法律案の提案でございます。
#123
○富樫練三君 ちょっと認識が違うのではないかというふうに思います。
 この一覧表の中にあります一番上、上尾市の場合ですけれども、これは既に判決が確定をしております。その中ではこういうふうに言っているんですね。
 本質的には営利を目的とする商法上の株式会社組織をとる私企業の一つ、この相手方、派遣先が、であって、その営業目的とする再開発ビルの管理及び運営、不動産の売買・貸借等の業務は、地方公共の秩序を維持し、住民の安全、健康及び福祉を保持すること等を目的とする地方公共団体の事務、これは旧地方自治法の第二条になるわけですけれども、この時点ではまだ法改正はされておりませんでしたので、これとは性質を異にするものである。したがって、上尾市の職員がその身分を保有したまま被告の業務に従事、被告というのは相手方の会社でありますけれども、そういう場合これが職務専念義務に反しないとは到底見られないところである。
 これが判決なんですね。ですから、その派遣先の会社というのはこれは公共的な性格はないんだということですね。まさに純然たる営利企業だということを判決の中で明らかにして、だから職務専念の義務を免除するということは認められない、こういう論法になっているわけなんですね。
 この一覧表の中で上から五番目の岡山のチボリ・ジャパン株式会社ですけれども、この会社というのは商業登記簿上からいいますと、その目的として、遊園地の経営及び設計及び運営のコンサルティング、それからスポーツ施設、遊技場、興行場等レジャー施設の運営管理、それから宿泊施設、飲食店の経営、土産品店、遊園地内での売店の経営からずっといっぱいありまして、不動産の賃貸借、あっせん及び管理、損害保険代理業、旅行あっせん業、広告代理業、両替業、それから酒、たばこ、切手、収入印紙、医薬品、米、塩、それから古美術品、衣料品、食料品及び日用品雑貨等の販売並びに輸出入業、その他たくさん書いてあるわけなんですね。
 これが相手方になるわけなんですけれども、これに対して職員を派遣したということに対する、これはまだ係争中でありますけれども、岡山地裁の判決はこれは出ているわけなんですね。
 ここではこういうふうに言っているんですね。「被告会社は遊園地経営事業等を目的とする営利企業であり、いわゆる第三セクターとはいえ、その資本金に占める岡山県の出資比率は一六%弱程度にとどまっており、地方自治法二百四十四条の二第三項、同法施行令百七十三条の三、同法施行規則十七条により地方公共団体が公の施設の管理を委託することができる法人の要件にも該当しない。」。その上で、被告会社の事業は営利目的であることにかわりなく、「右事業内容そのものが、地方公共団体のなすべき事務と同視し得るといえるようなものでないことは明らかである。」。したがってそこに職員を派遣するのは違法である、こういう判決なんですね。
 全部を申し上げるわけにいきませんけれども、この二つを見ただけでも、問われているのは、職務専念の義務免除が正しいかどうかとかあるいは給料を支給したのが正しいかどうか、これは方法の問題、手続上の問題はありますけれども、その根底にあるのは、相手の企業あるいは組織が公共性を有しているのかどうかと、ここが問われたのが今度のこれらの一連の裁判だと。住民訴訟の住民側、原告側もまさにそこのところを裁判に問うていると、こういう性格のものなんですね。ですから、法律をつくる場合にはここにしっかりとこたえるようなものでなければ残念ながら裁判にはたえられない、こういうことになると思うんですけれども、大臣の所見はいかがでしょうか。
#124
○国務大臣(保利耕輔君) 補足を公務員部長にさせたいと思いますけれども、専ら営利目的の方が非常に大きいという団体に地方公務員が派遣をされていく、そしてその給料が仮に地方公共団体から出されるということになれば、これはやはり納税者の立場からいえば問題があるなと、こういう意識になるのは当然だと私は思います。したがいまして、この法律案の第六条でも第一項は「職員派遣の期間中、給与を支給しない。」と明確にうたっておりまして、その精神はここに生かされていると思います。しかし、第二項の方で、いろいろ条件をつけながら、こういう場合には支給してもいいということが書いてある。
 ですから、法律の立て方といたしましては私はこれで差し支えないんだろうと思いますけれども、言われるような、今十四件のいろいろな係争中の案件を含めましてのお話が出ておりますが、そういったものの判例の積み重ねというのは、やはりこうしたことをしてはいけないんだということに世間の常識がなってくる、それに合わせるように条例をつくっていただいて、そしてその精神が生かされてくるように、判決の精神が生かされてくるように持っていかなければいけないんだと、私はそういうふうに理解をしておるわけでございますが、詳細については公務員部長からまた御答弁をさせます。
#125
○政府参考人(木寺久君) 今御指摘の上尾市の判決及びチボリ、岡山の判決につきまして……
#126
○富樫練三君 一つ一つ解説しなくてもいいですから。
#127
○政府参考人(木寺久君) いずれにしろ、この二件につきましては、一つは職務命令をもって職員を派遣して給料を自治体が持つ、もう一つは職務専念義務免除をもって職員を派遣して給料を支給する、こういう形式で制度の運用をする場合にはやはり公務とみなし得るような、そういう厳格な公益性が要請されるものだというふうに思っております。そういう観点からの判示ではなかったかというふうに考えております。
 私ども今回の法案におきましては、したがいまして、こうしたいずれも営利法人でございますので、営利法人につきましては地方公共団体は給与を支給しない、それからさらに、営利法人でありましても法令上一定の公益性の要件を課して適正な派遣にしたいというふうに考えているところであります。
#128
○富樫練三君 単純に伺いますけれども、今度の法案によって、開発型の第三セクターの側の、派遣先の方の側の性格が公共的な性格が強くなるとか、これがまさに公共のものなんだと、こういうふうな変化は見られますか。あるかないか、ちょっとその点だけ確認しておきたいんですけれども。
#129
○政府参考人(木寺久君) 今回の法案が施行されて、その適用を受けて職員が派遣された場合は、当該自治体としては職員を派遣するに相当する公益性のある団体であるというふうに認定しているものというふうに考えております。
#130
○富樫練三君 その公益性のある団体であるかどうか、派遣先がですね、これはだれが決めることになりますか。
#131
○政府参考人(木寺久君) 最終的には、派遣先団体につきましては条例で定めることとしておりますので、議会が定めることになります。
#132
○富樫練三君 今までもそうですよね。今までも条例で決めたり、あるいは自治体の責任者、首長が決めたり、そういうことでやってきたんですよ。その結果、この一覧表にあるように十四件の裁判になったんですよ。そのうち幾つかのところでは既に住民側の方が勝訴をする。すなわち相手方の派遣先が公共性はないと。私は上尾の例と岡山の例を出しましたけれども、これは裁判所の方が、公共性はないと、こういうふうに認めたわけなんです。判決が出たわけなんですよ。これは地方自治体が判断して決めた結果がそうだったということなんですね。
 今度の法案というのはどうかというと、再び、また地方自治体がそれを判断するんですよと。同じなんですよ。どこも変わりないですね。手続上の問題、そこは変わりますよ、今までとは。しかし、相手の団体が公共性があるかないか、その判断をするのは地方であるという点については変わりないですね、今までと。変わりますか。
#133
○政府参考人(木寺久君) いずれも地方公共団体が判断するということでは共通でございますが、今までは、条例もしくはそれの委任を受けました規則等を踏まえて派遣先団体は任命権者において判断をされていたところであります。今回の制度におきましては、それを議会の判断にゆだねて公明性、透明性を確保しているということでございます。
 それと、裁判における公益性の判断につきましては、これはその職員が身分を持って職務命令とか職務専念義務免除という制度によって派遣をし、それに地方団体が給与を支給するということについての公益性の判断であるというふうに私どもは考えております。
#134
○富樫練三君 任命権者が決める場合でも議会が決めるということであっても、これについては地方団体が決めるということについては変わりないわけなんです。それは、議会のある程度のチェックが入る、それは今までだってそういうふうにやっているところだってたくさんあるわけですから。
 それから、退職して行く場合なら関係ないじゃないか、職務専念義務の免除で行く場合あるいは給料を出す場合には問題かもしれないけれども、だから厳密にやるんだと。しかし、退職して行っても、先ほども午前中の質疑でありました、行ったきりじゃないんです。三年間という期限つきで、三年たてばちゃんともとに戻ってくる。こういうことになっているんですから、これは公務員として、その期間だけは公務員の身分ではないけれども、また公務員に戻るわけです、特に問題がない限りは。ということは、給料なしで三年間派遣される、その分の給料は相手持ちですよ、これと変わりないわけですから、基本的にはどこも変わらないんです。だから、そういう点からいえば、地方が決めるという点では今までとちっとも変わらない。その結果違法状態が生まれた、こういうことになるわけなんです。
 そこで、平成二年三月に地方公共団体における人事交流制度に関する研究会報告書が出ております。ここでは、派遣先の基準は法令で列挙したらどうかという意見、もう一つは地方の条例で具体的な機関名を指定する、これとこれとこれについては派遣はいいですよ、これはだめですよ、こういうことを条例で決める、その判断の基準については法令で決めたらどうか、こういうことが考えられるというふうに報告書に載っているんです。これは平成二年です。
 これは一つの私は歯どめになるだろうというふうに思うんですけれども、今回の法案にはなぜこれが入らなかったのか。条例の分はともかくとして、法令の部分についてなぜ入れなかったのか、その理由は何ですか。
#135
○政府参考人(木寺久君) 職員派遣の派遣先団体につきましては、やはり地域の事情等それぞれ区々状況が分かれております。そういうことを踏まえまして、やはり地方分権の時代、なるべく自主立法をもって自治体の判断によってこうしたことが決められるべきものであるというふうな考え方から、今回の法令案におきましては、基本的な枠組みは法律で定め、なおかつ派遣先団体に係る公益性ということについての要件を法律で規定し、具体的な派遣先団体につきましては条例で定めるというふうにしているところであります。
#136
○富樫練三君 私は、国の責任で第三セクターをつくらせ、その第三セクターに地方団体から出資をさせて開発型の第三セクターにどんどんお金をつぎ込む、それが実は破綻をしているというのが現状だと思うんですけれども。したがって国の方は責任を感じている余り地方に対して厳しいことはなかなか言えない、こういうこともあるんだろうとは思いますけれども、九六年四月五日付の日経にこういう記事が出ているんです。「自治体職員出向法整備、白紙に」ということなんです。この記事によれば、三セク派遣法案の今国会提出、九六年当時です、を事実上自治省は断念したと。「「営利を目的とする法人への職員出向は地方公務員法違反」とする判決が相次いだこともあって、内閣法制局が難色を示したためだ。」と。その記事の中に、自治省としては自治体の職員の出向を促す構えであった。「ところが、内閣法制局は「三セク会社は営利法人で公共性が薄い」として職員派遣の法制化に難色を示し、自治省も最終的に時期尚早と判断した。」、こういう記事なんです。
 そこで伺うんですけれども、今回この法案が出されてきましたけれども、内閣法制局が三セクは営利法人で公共性が薄いと、この面については今回法案をつくる中で恐らく検討されたものだと思うんです。この内閣法制局の危惧というか難色というか、これはクリアされたんですか。
#137
○政府参考人(木寺久君) 御指摘の、過去におきましてこの同種の法案を検討した際の内閣法制局との議論の中では、営利法人につきましては、公益性が薄いということではなくて、公務員の全体の奉仕者性という観点から、やはり営利を目的とした営利法人に公務員が身分を持ってそこに従事するということは問題であるという議論であったというふうに思っております。
 したがいまして、今回この法案におきましては、そこは公務員の身分を有しないで退職をして派遣をするということにしているところであります。
#138
○富樫練三君 三セクが公益性が薄いということが問題なのではなくて、公務員が全体の奉仕者であるということの方が問題なんだというふうに内閣法制局は考えていたんだと、こういう説明が今ありました。私は同じだと思うんです。
 地方公務員法の三十条の中で、「服務の根本基準」「すべて職員は、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。」、こういうふうになっていますよね。さらに三十八条「営利企業等の従事制限」、こういうのがありますよね。条文長いから読みませんけれども十分御承知だと思うんです。これは、全体の奉仕者であるということ、あわせて、公共の仕事をやるということは一体のものとしてやると。これは、地方自治法の基本の中で、公共事業というのは公共の利益のために、福祉のためにやるんだと、これが決まっているわけですから、それを受けて地方公務員法は全体の奉仕者と、こういうふうになっているわけですから、別にそれを区別して考える必要は全くないのであって、これは一体のものとして見ていかないと問題の基本に入らないのではないかというふうに思うんです。
 そこで、今のような答弁ですから、恐らく内閣法制局のその問題提起もクリアされないままここの今度の法案が出てきているのではないかというふうに思います、私がクリアしたのかについては答えがありませんでしたので。
 実は問題なのは、そういうところに派遣をする派遣先の第三セクターが、これは重大な事態になっているということは、もう私が今さら言うまでもないことなんだと思うんです。ということで、特に事業の中止や停止、あるいは営業は始めたけれども予定どおりの収益が上がらない、結果として莫大な負債を抱えている、こういうところはたくさんあります。今後も、公共性がほとんどなくてまさに営利事業であるこういう法人に地方公務員を派遣することが地方自治法に基づく自治体のあり方としてどうなんだということがずっと裁判で問われてきたわけですから、大臣の考えを聞きたいんですけれども、そういう営利事業に今後も公務員を派遣する、退職して行けばいいじゃないかといったって三年で戻ってくるんですから給料なしの派遣と同じなんです。そういうやり方でもいいのか、この点について大臣の率直な考えを伺いたいと思うんです。
#139
○国務大臣(保利耕輔君) そこは、第三セクターもいろいろな形のものがありますし公共性の高いものもありますから、一概に、線を引いて第三セクターは全部だめというわけには私はいかないだろうと思います。
 第三セクターは、御承知のように、地方公共団体を含む出資者が自主的に、そしてまた主体的な判断でおつくりになったという経過がありますので、そうしたものが必ずしも営利だけではなく公共性を持っているということもあり得ると私は考えておるわけでございまして、そういうところから人材を求められた場合にどういうふうに対処するかということの対応については、やはり地方の自治体がよくお考えをいただき、今度の法律がもし成立をいたしますれば、その法律の示すところによって御判断をいただき、条例をおつくりいただいて派遣をお決めいただくのが現実的ではないかな、このように思っております。
#140
○富樫練三君 短い時間ですからすべてを詳しく申し上げるわけにはいきませんけれども、私は、この一連の裁判や各方面からの意見を見ると、今度の法案というのは大変重大な問題を含んでいるというふうに率直に思います。
 裁判所が判決で示した公共性、この問題については解決はされていないわけです。それから、公共性といった場合に、私が言っているのは第三セクター全部が非公共的だと言っているわけではなくて、中でも今問題になっている開発型の第三セクター、ここのところに絞って私はお話をしているわけですけれども。二つ目に、公共性の判断を再び自治体にゆだねるということで、ここは全く解決されない、その結果違法状態が生まれたというのが現状でありますから。それから三つ目に、研究会報告が指摘した派遣基準の法令化、これについても明確にされていない。内閣法制局が難色を示した公共性、この問題についても残念ながらクリアされていないというわけなんです。
 にもかかわらず、派遣だけは進めようではないかというのが今度の法案の中身なんだと思うんですよ。本質には至らないで、小手先というか、表面上の、技術上の問題、手続上の問題で、まず派遣だけは進めようじゃないか、こういうことだと思うんです。私は、営利を目的とした開発型の第三セクターに公務員を派遣するという、そもそもそこのところに矛盾があるんです。ですから、ここの問題を解決しなければならない、これが一つだと思うんです。ですから、公務員のあり方が地方自治法と地方公務員法の原則に基づいて、その原点に立ち返ってもう一回洗い直してみる必要があるのではないかというふうに思います。
 もう一つは、そういう開発型の第三セクターに地方自治体が、出資率はいろいろありますけれどもお金を出しているわけなんです。それが破綻してくる。その結果、自治体が莫大な借金を背負わなければならないという事態も既に生まれているわけなんです。こういう事態を生み出した責任というのは私は極めて重大だと。これは国の責任も非常に大きいわけですけれども。同時に、今のこの時点で第三セクターのあり方そのものについて根本から見直してみる必要があるのではないかというふうに感じているわけなんです。その上で公務員の派遣の問題についてはきちんと整合性を持たせた法律の整備をしていくべきだろう。その根本問題を先送りしたまま小手先だけで何とかやろうじゃないか、こういうやり方では問題は一切解決しないというふうに私は率直に思いますけれども、大臣の感想をまず伺っておきたいと思います。
#141
○国務大臣(保利耕輔君) まず、裁判所が幾つか出しております判例については、やはり重く受けとめなければいけないことだ、そのように思います。そして、今度の法律の目的が、営利法人でも公益法人でもどんどん人を出すという目的でつくっておるわけではございませんで、出す場合の統一ルール、そして透明性のある手続を経て出していく、しかも出す先についても特定をしていくというようなことを目的にしておりますので、どんどん出すということを目的にしたものではないということははっきり申し上げておきたいと思います。
 それから、第三セクターの問題については、これは基本的な問題として、いろいろ御指摘もあろうかと思いますが、私どもとしても、第三セクターの経営状態の把握、そしてそれに対する対応というようなものは基本的に考えていかなければならない事項の一つであるという認識を持っておることを申し添えたいと思います。
#142
○富樫練三君 時間が余りありませんけれども、任期付研究員の問題について伺いたいと思います。
 この問題も大変大事な問題だというふうに思っておりますけれども、今度は国、国家公務員ではなくて地方公務員、地方の試験研究機関に任期つきの研究員を採用しよう、こういうことだと思うんですけれども、地方のこういう試験研究機関というのは、その地域の特性や歴史やあるいは地場産業と大変密接に結びついた研究開発あるいは製品化の活動をやっているわけなんです。
 そういう点で私は一定の研究に年限が必要だろうというふうに思うんですけれども、例えば私のところの埼玉県なんですが、県の工業技術センターというところでは、川口市の鋳物工業協同組合と連携してソーラーシステムを利用した高機能鋳物製品の開発に取り組んで、昨年、ストリートライト、街路灯なんですけれども、これを開発しました。また、福祉分野の中小企業を支援する策として介護関連機器の開発に取り組んでいます。そういう中で、介護用ベッドの空気循環型消臭機能つきマット、これを研究しております。同時に、グラスファイバーなどを使って太陽の光から紫外線を取り込んで酸化チタンの光触媒反応を利用した消臭する技術、こういうものを開発する、こういう研究をやっているわけなんです。県内の中小企業とそれから県内の大学とタイアップしながら製品化を目指して今頑張っているわけなんです。
 ところが、今度のこの法案でいきますと、招聘研究員型で五年から長くて十年、若手研究員型で三年から長くて五年というふうに限定された場合に、一つの製品の開発には、物によっては可能なこともあります、三年ぐらいでできるというのもありますけれども、しかし一つのものが開発されれば、これを基準にしてさらにそれを拡大していく、利用を広げていくというか、そういう研究開発も当然考えられるわけなんです。ですから、研究の積み重ねあるいは開発の範囲の拡大、製品開発の拡充、こういう点から見ると、メンバーの交代というのはこれは研究の前進を妨げる一定の役割を果たすことも当然出てくるわけなんです。
 そういう点から見れば、地域経済の振興あるいは地場産業を振興させていくという角度から見たときに、この期限つき、任期つきというのは私はむしろマイナスの部分が非常にあるのではないかというふうに思いますけれども、大臣、いかがお考えでしょうか。
#143
○国務大臣(保利耕輔君) 地域の産業を活性化させる今御指摘のありました川口市の問題等、これは日本各地でいろいろな研究がなされていることは私も承知をいたしております。私の県でもやっております。
 そういう中にありまして、やはり研究というのはあるときには刺激というのが必要である。その刺激はいかにしてもたらされるか。いろいろなやり方があると思いますが、一つはやはり人的交流が活性化するということ、そして新しい知見を持った方がおいでになっていろいろとその研究所に入って研究をされることによって、一般の職員の方々も啓発をされ、そしてやる気を起こしていくということではなかろうかと思います。
 ただ、五年間の招聘期間の間でそれができるかどうか、そしてまた長い期間かけた研究というのが地場産業の振興に大事だという御指摘もわかるのでありますけれども、私どもがねらっておりますのは、やはりそうした地場の研究機関に対して一つの大きな刺激を与えるその糸口といいますか、その道を開くものである、そういう認識をしておりまして、そういう形でこの研究員制度が導入をされる、私どもはそういう考え方をしております。
#144
○富樫練三君 終わります。
#145
○照屋寛徳君 社会民主党・護憲連合の照屋寛徳でございます。
 私も公益法人等の一般職への地方公務員の派遣等に関する法律案、まずこの法律案に関して何点か質問をやりたいと思っております。
 まず、細かいことからただしてみたいのでありますが、営利法人への退職派遣職員の復職の問題であります。条文で言いますと第十条の一項でございますが、これは公益法人への派遣職員の職務の復帰とはまた異なる定めになっておるわけです。五条の二項では、「派遣職員は、その職員派遣の期間が満了したときは、職務に復帰する。」、こういうふうに明示をされております。一方、十条では、退職して営利法人に派遣された職員は、地公法十六条三号を除く各号の一つに該当する場合その他条例で定める場合を除いて、任命権者は「その者を職員として採用するものとする。」、こういう定めになっているわけでありますが、この復職に際して、任命権者が採用する裁量権を著しく乱用して採用を拒否するようなケースが私は起こるんじゃないかというふうに考えるわけでありますが、当然その前提の上で任命権者の裁量権の乱用によって復職を拒んではならないという自治省の指導が必要だろうというふうに思います。
 自治省は、任命権者の裁量権乱用による復職の拒否というのは想定をしておられるんでしょうか。まずそのことをお伺いいたします。
#146
○政府参考人(木寺久君) 退職派遣者の採用に当たっては、第十条に規定しておりますとおり、欠格条項に該当する場合または条例で定める場合を除き採用するものとするということにしております。したがいまして、任命権者はこの欠格条項に該当する場合または条例で定める場合以外は採用する義務を負うというふうに考えておりますので、任命権者の裁量によって復職が否定されるということはないものというふうに考えております。
#147
○照屋寛徳君 採用の義務を負っている任命権者が現実に採用を拒んだ場合に、当該派遣職員はもう公務員の身分を離れておるわけです、退職と同時に。そうすると具体的に採用義務を果たさない任命権者に対して、そのようなケースが発生した場合ですよ、例えば、その人はもう公務員の身分はないわけですから不服申し立ての制度、権利の救済の手続、仕組みはどうなるんだろうかというのが心配なんですが、例えば人事委員会への不服申し立てなんというのはできないんでしょうか。
#148
○政府参考人(木寺久君) 御指摘のように、退職派遣者は公務員の身分を持っていない、職員でないわけでございますので人事委員会、公平委員会に対する不服申し立てはできないわけでありますが、任命権者は一定の場合を除き採用を義務づけられているということでございますので、不採用を理由として訴訟を提起することは可能であるというふうに考えております。
#149
○照屋寛徳君 そうすると、採用義務を任命権者は負っているわけです。ところが復職を認めない、不採用にしたという場合には、その退職を拒否している、不採用にしたというのは新たな行政処分というか新たな処分行為があったということで、何か抗告訴訟みたいなものをやるんでしょうか、それとも地位や身分の存続確認訴訟みたいな形で争うんでしょうか。そこら辺はどういうふうに検討されたんでしょうか。
#150
○政府参考人(木寺久君) 訴訟の形態としては、ケースによりまして、今御指摘のような抗告訴訟でありますとか、あるいは場合によっては当事者訴訟、それからさらに地位確認の民事訴訟というようなことが考えられるのではないかというふうに考えております。
#151
○照屋寛徳君 この法律十条の立法者の意図なんですけれども、これは明確に、任命権者は復職を認める、新たに採用をする義務を負っているんだ、こういう立法者の意図であるというふうに確認をしてよろしゅうございますか。
#152
○政府参考人(木寺久君) この条文の規定の趣旨といたしましては、一定の場合を除き任命権者はその職員を採用する義務を負っているものというふうに解しております。
#153
○照屋寛徳君 それから、公益法人への派遣制度、それから営利法人への退職派遣、いずれも任命権者と対象法人との間で業務内容についての取り決めを締結する、こういう仕組みになっておりますね。そうすると、任命権者と対象法人との業務内容に関する取り決めというのは、当該派遣職員との関係ではどのような法的性格を持った協約、協定なんでしょうか。労使関係でいえば労働協約的な性格を持っているのか、あるいは民法上の何らかの契約というふうに考えるのか。
 と申し上げますのは、任命権者と対象法人とで業務内容等について定めた、しかしながらいざ派遣先へ行ってみるとそれと違うような業務を命じられたというふうな事態が起こった場合に、どのような法的な対応をとればいいんでしょうか。
#154
○政府参考人(木寺久君) 任命権者と派遣先団体との間で締結いたします取り決めにつきましては、これは任命権者と派遣先団体との間における、当事者としてはその両者ということでございますので派遣される職員は当事者ではないわけでありますが、制度といたしましては、その取り決めを前提として本人が同意して派遣をするということでございますので、その取り決めの内容と派遣先における実態が著しく違う場合には、やはりこれは取り決めに基づいて派遣を行うということが不適切な場合ということになりますので、その場合には当該派遣者を地方公共団体はもとに戻す、復職させるということになるものと考えております。
#155
○照屋寛徳君 派遣先での業務内容が任命権者と対象法人との締結された協定、協約の内容と異なっておった場合には、公益法人の場合にはまだ身分が残っているから公益法人との関係で法的な紛争を処理する。一方で、退職派遣職員の場合にはもう身分がないわけですから、それは新たな派遣先の企業と法的な紛争を独自に解決する。こういう仕組みになるんでしょうか。
#156
○政府参考人(木寺久君) 退職派遣者につきまして派遣先の団体との間の労使関係というのは、やはりこれは純粋に民間における労使関係でございますので、その間の争いは派遣先の団体と当該職員との間の争いになるというふうに思っております。
#157
○照屋寛徳君 はい、わかりました。
 今回の法案が成立した後は、従来のような休職や職務命令等に基づく職員派遣の方法、それはもう一切なくなるというふうに自治省は考えておられるのか、この法案が成立後も従来のような形態での地方公社や第三セクターへの職員派遣、そういったものは残るというふうにお考えなのか。残った場合に自治省としてはどういうふうな対応をされようというふうにお考えか、そこらあたりをお聞かせいただきたい。
#158
○政府参考人(木寺久君) 今回の法案が成立いたしまして施行された後につきましては、今回の制度が職員の派遣に関して統一的なルールを確立しようとするものでありますことから、今回の制度とその目的を同じくした派遣につきましてはこの法律に基づき対応すべきものというふうに考えております。
 したがいまして、法律施行後、他の形態によってこの同一目的での派遣があった場合には、なるべく速やかにこの法律に基づく派遣にしていただくよう自治省としても助言をしていく必要があろうかと考えております。
#159
○照屋寛徳君 今度の質問は、確認的な意味でお聞きをいたしますが、今回の法案による派遣制度が、公益法人の場合もそれから退職派遣による営利法人への派遣の場合も、いずれの場合も私は事実上の退職強要の手段として乱用されるようなことがあってはならない、こういうふうに考えるものでありますが、改めて大臣の所信をお伺いいたしたいと思います。
#160
○国務大臣(保利耕輔君) 退職派遣におきましては、勤務条件とか派遣期間あるいは従事します業務等を定めた取り決めに明示した上で任命権者が職員に退職を要請いたしまして、あくまでも本人の意思に基づきまして、その要請に応じて退職するものでございまして、御指摘のように退職の強要がなされるということはあってはならないと、私はそのように認識をいたしております。
 自治省としては、各地方公共団体において本法案の趣旨に沿った適切な運用がなされるよう助言をしてまいる所存でございます。
#161
○照屋寛徳君 私は、この地方公務員制度の中における見落としてはならないというか、大変大きな問題の一つに、臨時職員あるいは非常勤職員の雇用の問題、それらの職員による業務、そして給与その他の労働条件の問題等が残されておるのではないかなというふうに思います。
 今やどの地方公共団体においても臨時や非常勤職員の方々の役割を抜きにして一日たりとも地方公共団体の事務が執行できないというぐらい大変重要な実態になっておるのではないかと思います。その臨時、非常勤職員の問題というのはさまざまな法律問題があるわけでありますが、自治省は、掌握している限りで、もう数とかどうという細かいことは聞きません、私は、その臨時、非常勤職員の実態と、それを改めていく改革の方向性みたいなことについてお聞かせをいただきたいと思います。
#162
○政府参考人(木寺久君) 地方公共団体が簡素で効率的な組織を維持しつつ行政の事務の変化、多様化に的確に対応するためには、やはり事務の種類や性質に応じて非常勤職員を適切に活用していくことが必要であるというふうに考えております。
 このため、昨年四月に出されました地方公務員制度調査研究会報告におきましても、非常勤職員につきましてその任用根拠等の整備と、それから給与等のあり方について検討をすることという提言をいただいているところでございます。こうした提言を踏まえまして、そうした問題につきまして検討を引き続き重ねてまいりたいというふうに考えております。
#163
○照屋寛徳君 ちょっと質問が前後しますけれども、現在、派遣職員が地方公社、第三セクターなどを含めて三万九千人ぐらいおるのではないかというのを何か資料で見ましたけれども、仮に今回の法案が成立をした場合に、今回の法案でも公益法人それから営利法人、それぞれ派遣の要件を定めているわけでありますが、それに合致をして三万九千人のうち派遣可能となる人員というのはつかめておるのでしょうか。あるいはつかめていなければ、こうこうこういう理由で掌握は難しいとか、そこら辺のお話をお伺いしたいなと思います。
#164
○政府参考人(木寺久君) 結論から申しますと、つかめておりません。と申しますのは、今回の法案の制度を適用した場合、派遣可能となるかならないかということにつきましては、派遣の目的でありますとかあるいは派遣対象団体の性格、それから事務の内容、それから派遣職員の従事する職務の内容等がそれぞれかかわってくることでございまして、三万九千人現在おります派遣職員を逐一にわたってそういう調査ということはちょっとなかなか困難ではないかというふうに考えております。
#165
○照屋寛徳君 それで、最後に、第三セクターの問題については多くの委員の方々が質疑の中で触れておりまして、私もさまざまな問題があるだろうということは私なりに理解をしておるつもりでありますが、時間がありませんので、PFIの問題、プライベート・ファイナンス・イニシアチブという、従来の社会資本の整備あるいは公共投資のあり方から転換をして、それを地方公共団体が担っていたのを、民間の知恵や力や資本力をかりてそれらの社会資本の整備をやっていこうと。それは公共的な事業もさまざまあるわけでありますが、このPFIの導入について自治大臣はどのような御所見を持っておられるのか、最後にそれをお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
#166
○国務大臣(保利耕輔君) 今まで第三セクターでいろいろなことをやってまいりました。新しく今度はPFI方式というのを出したわけでございますが、これは今、委員お話しのように、民間の力をかりていろいろな事業をやっていこうということでございますが、このPFIで特徴的なことを申し上げれば、やはり契約関係でしっかりした取り決めをしていくということであろうかと思います。その点、官民が互いに出資をしてつくります第三セクターとは異なりまして、事業の主体はほとんど民間におゆだねをする。それができ上がったものを契約関係に基づいて官の方が借りるというような形をとるわけでございまして、そういう意味では、官民の責任範囲というのが極めてPFIの場合は明確化してくるのであろうと思っております。
 そういった方向で、自治省としては今後このPFIの取り組みを支援していくということを考えておるところであります。
#167
○照屋寛徳君 終わります。
#168
○高橋令則君 二、三質問をさせていただきたいと思います。
 今回の法案は、二つとも地方公共団体の運営の実態上から見て必要なことではないかと思っております。第三セクター等に対する派遣の問題、そしてまた任期付研究員の問題もそのとおりでございます。そういう意味でタイムリーな手当てだなというふうに思っております。
 私は、包括的にそういうふうな必然性とか必要性といったものを十分理解しながら大臣にお聞かせをいただきたいんですけれども、私は今の各委員から話があったことをそのとおりだなと聞いてきたわけですけれども、私は一面で、地方分権の流れとは一体どうなるかなと。こういう法律に従って地方団体の細かな問題まで全部自治省が、国が仕切ってやっていくという考え方はどうもちょっと違うのではないかなと、方向については。それはやっぱり地方団体の自律とそれから当事者能力というんですか、そういう観点からして、自分でも立法もできるわけですから、そういう意味で自分で規律してそしてやっていくというふうな方向でなければ本当の意味の地方分権ではないのではないのかなというふうに、相矛盾するような表現になってしまいますけれども、そういう認識が私はあります。
 したがって、今今の問題として、今の仕組みについては十分わかっておりますからこれは賛成でありますけれども、この地方分権の向こうに見えるものには地方自治全体の問題、そしてまたそれに付随するというか一体的な問題ですけれども、地方公務員の制度全体についても、この形ではなくてやっぱりもっと条例なりあるいは地方団体自体の立法能力といったものはそれによって規律していくということがあるべき姿ではないのかなと私は思うんですけれども、まず包括的な話で恐縮ですけれども、いかがですか。
#169
○国務大臣(保利耕輔君) 私は仰せのとおりだと思います。
 今回の法律におきましても地方公共団体におゆだねをする部分がかなり多いわけでございまして、基本的に言えば、国つまり自治省は地方の行政について根本基準については法律で定める。しかし、できるだけ地方の自主的な取り組みによって地方の運営がなされるように条例その他をつくっていただく能力を備えていただく、今も備えられていると思いますが、より以上に備えていただくということが本当の意味での地方分権になるのではないか。
 今御議論になっておりました判例等の解釈の問題、その他出てまいりますいろいろな公益法人あるいは第三セクター、そういったものの選別の問題でありますとか、いろいろなことで地方自治体の皆さんにおゆだねするところが非常に大きくなってくる。しかし、これをもっと本当の意味での本格的分権にしてまいりますためには、こういったものを一つの何といいましょうか踏み切り台にして、そして次の本格的地方分権へ向かっていくための一つの準備段階としてこうした地方での物の考え方を自主的に確立していく能力というのを備えていただくというように私どもとしてはリードしていかなければならないんじゃないか。またリードするということを申し上げるとこれは何か国主導みたいになりますけれども、そういう自覚を持っていただく、あるいはそういう責任を地方自治体が感じていただくという方向があって初めて地方分権が実のあるものになってくるのではないか、私はそういうふうに感じております。
#170
○高橋令則君 大変ちょっと包括的な話で恐縮なんですけれども、最近私が感じていることに、法律をいろいろ見ますと、細かな問題が全部国会に出てくる。これは政治の世界ではあるべき姿としてはいいんじゃないかという議論もあります。
 ただ、例えば堆肥を整備して、堆肥をやらして、それを十年間か補助金なり融資をする、それをするために都道府県に対して計画をつくらなければだめだという法律があるんです。最近つくったんです。何でその法律をつくらなきゃいけないのかとびっくりした。それはなぜかというと、その融資を十年のものを十二年にするために、今までの仕組み上それは法律を変えなければできないという法制局の主張がありまして、そして、御存じだと思いますけれどもそういうものをやって、大臣もサインされたわけですから。これは私も最終的にはやむを得ないと思ったんですけれども、びっくりしたんです。堆肥をやっていくための農家の問題なんです。それまで、融資をやるためにそういうふうな仕組みを、法律までつくらなきゃならないという、法匪ではありませんけれども、考えさせられたわけです。
 したがって、ちょっと余計なことを申し上げましたけれども、この問題についてもこれはやっぱり問題がありますから、理解をしておりますけれども、こういうふうなことをずっとやっていきますと、地方分権もそれから官から民へというふうな流れはなかなか実現しないなということを、私はしみじみそう思っているんですが、大臣はいかがですか。
#171
○国務大臣(保利耕輔君) 私も自治省でお世話になるようになりましてから地方自治法を初めといたします地方自治法の関係の六法全書をぱらぱらめくって見ておりまして、随分細かいことを決めてあるなという感じがいたしております。そして、さらに法律ができれば政令ができる、さらにまた省令に落とす、そしてまた細かいことは告示に落としていくというような物すごい大変な仕事がございまして、そういうものを整理して地方にお渡しをしていくということはやっぱり地方分権をこれから進めていく上で大事なんじゃないか。
 そうすると、中央官庁が今やっておりますいろいろな仕事の整理をどういう形でやっていくかという大変大きな課題になりますけれども、それに取り組んでいってこそ初めて本当の意味での地方分権ができるのかな、こんなふうに考えておりまして、おっしゃる意味は非常によくわかりますので、今後どこまでできるかわかりませんけれども、そういった整理統合あるいは廃止、移譲、いろんな言い方あると思いますけれども、そういう物の見方で私は仕事をしてまいりたいと思っております。
#172
○高橋令則君 ありがとうございました。
 今度はミクロの質疑をさせていただきますが、公務員部長に質問させていただきます。
 たくさん第三セクターなり団体があるわけです。これをこの二つのやり方によって整理していくためには相当やっぱりエネルギーが必要ではないかなと私は思っております。私自身、派遣関係について、今から何年になりますか、昭和四十一年、二年にかけて自分で起案して、そして全体の要領とかそういうものをつくった記憶があるんですけれども、大変苦労しました。なぜかというと、制度がないからなんです。ないものですから無理してつくったわけですけれども、これを見て、ああ当時やりたかったのはこれだなというふうに実は思ったんですけれども、なぜそれができなかったかというと、退手とか年金とか、それから当時はまだできていなかったですか、いわゆる災害補償の問題、こういう問題が地方団体ではできなかったんですよ。それを無理して労働関係の関係法も引っ張ってきてそしてやったわけですけれども、そういう経験がありますが、それを踏まえてこれを見ると、そうはいっても、そういう状態で恐らく他の団体がずっとおやりになっている、それを今度派遣型と退職型という形で仕切っていくわけです。これはなかなか大変なことだと思うんですけれども、二年時間があるんですけれども、この間の自治省の指導というか取り組みというか、そういうことについてのまずやり方というか、考え方をお聞かせいただきたいと思うんです。
#173
○政府参考人(木寺久君) この法律案が成立いたしますと、平成十四年の四月一日からの施行ということを考えております。したがいまして、一年以上の時間を予定しておるわけでございますが、その間に地方公共団体におきましては、現在職員派遣をしております団体、今後派遣を想定される団体をすべて検証して、派遣をするに値する団体であるかどうかということを検討し、なおかつ相手方の団体等といろんな形でのそういう取り決めの準備段階と申しますか、そういう一連の準備行為が相当の事務量を要するものというふうに考えております。
 したがいまして、この法律案が成立を見た場合におきましては、直ちに地方公共団体に対しましてその準備行為等について詳細な助言をさせていただきたいというふうに思っております。
#174
○高橋令則君 大変いいお話をいただきました。ぜひその検証をして、そしてきちんとした指導をしていただきたいと思うんです。都道府県もそうですし、それから市町村に至っては相当異論があると思うんです。したがって、富樫先生もおっしゃっておられますけれども、物によってはもう考えられないようなケースもあるのではないかということを心配しております。したがって、それをどこかでやっぱりきちっと見なければこの法律が全うしないと思いますので、ぜひきちんとして、都道府県とも相談をしながら、やめるところはやめるということできちんと整理していっていただきたいというふうに私は思います。
 その中でもちょっと面倒なもの、余りケースはないかもしれませんけれども、株式会社とか等のいわゆる営利法人の場合の整理ですね。これは退職型というのは、国はそうなんですけれども、地方団体の場合はほとんどないはずなんですよ。それはなぜかというと、ない理由は御存じのとおりであります。それをまたやって、プラスというか、プラスではなくて、今度つくっていくためには恐らく相当なあれが必要なのではないかと思いますし、現実にある株式会社や何かについては切れないのではないかなということもちょっと心配をしておるわけですね。したがって職免になるのか、休職はちょっとないのかなと。あとは、都道府県は余りないと思いますが、市町村の中では命令の方式もあると思うんですね。これらについては今後残るのが若干出てくるのかなという心配もしておりますが、その関係についても把握がありますか。
#175
○政府参考人(木寺久君) この法律案が成立された後につきましては、やはりこの法律と同一の目的の派遣につきましてはこの法律によって派遣すべきものというふうに考えております。
 それ以降につきまして、別の従来のような職務命令でありますとか職務専念義務等で営利法人等に身分を持って派遣するような例えば例がありました場合には、やはりこれは、そもそも職務命令と申しますのは公務と認め得るようなそういう職場について命令をもって職務に従事させるというのが本来の趣旨でございますので、違ったところに、営利法人等に従事するというのはやはり制度の趣旨からすると問題があるわけでございますので、そういう事例につきましては、可及的速やかにやはりこの制度に乗るようにという助言はしていかなければいけないというふうに思っております。
#176
○高橋令則君 いわゆる第三セクターというのはこの類が多いわけですからね。したがって、きちっと見ていただいて、そして整理してやっていただきたいと思いますが、そうはいっても、地方団体によっては切れないものがあるんですよ。私の経験では、地方公務員を何というんですか出さざるを得ない場合というのは、いいときは出さないんですよ、そしてもうやめざるを得ないとか赤字の処理をするためとか、ぎりぎりの問題のときに無理してやむを得ず、次官が御存じですね、本当に苦労するんですよ。そのときにやむを得ずやるんですよね。したがって、そのときの何というんですか臨時的な手当てというのもあるのかなと、今後もあるのかなという心配をしているわけですが、そういう場合も含んで、いずれ適正にしていただきたいというふうに私は要望にしておきます。
 それから一点だけ、任期制の問題であります。
 たしか法律では明確になっておりますけれども、給与の問題ですね。これは、人事院のあれを見ていると、招聘の場合とそれから若い人の場合と二つありますけれども、通常のいわゆる研究職俸給表によらざる何というんですか俸給表というか給料表になると思うんですけれども、これについてのやり方というか、今後の指導というか、それはどうなりますか。
#177
○政府参考人(木寺久君) 私ども、今回の制度による地方公務員の任期付研究員の給与につきましては、国家公務員の任期付研究員の給与に準ずるべきものというふうに考えております。
 国家公務員の任期付研究員の給与につきましては、通常の研究職俸給表というものがございますが、これにつきましては、長期雇用を前提として職務の給与を定めて加齢等によって能力の伸長等によって昇給していくという体系になってございます。
 ところが、任期付研究員につきましては、やはり任期が限られているということから、そうした既存の研究職俸給表によらずに別途の俸給表を定めまして、任期中についてはその間に期待される研究の成果にふさわしい給与というものを水準を設定して、それを支給するというような形になってございます。その場合のレベルにつきましては、民間のやっぱり同種の研究者の給与、それから研究職の俸給表というもののバランスを踏まえて決められているものというふうに考えております。
 したがいまして、地方公務員の場合についても国の俸給表の考え方というものに準じた形で条例でもって決めていただきたいというふうに思っております。
#178
○高橋令則君 最後ですけれども、今の問題に関連してですが、国はたしか私の記憶では指定職の十二号ではなかったかと思うんです、一番高いやつがですね。ところが、指定職は地方公共団体は一般的には使われていないんですね。したがって、これをやらないというのであれば相当下がっちゃうんですけれども、それについては検討された経過がありますか。
#179
○政府参考人(木寺久君) 国家公務員の招聘型の研究員の給与につきましては、任期付研究員の招聘型の俸給表を超えて最大限指定職の十二、すなわち東京大学及び京都大学の学長と同じレベルまで支給することができるという制度になってございます。これはノーベル賞級の研究者を招聘する場合というようなことの考え方だろうと思います。
 地方公共団体の研究所におきましては、研究所の事情にもよるかと思いますけれども、そこまで高い給与の制度を用意する必要があるのかないのかということにつきましては、当該地方公共団体それぞれにおきまして慎重な配慮がなされるべきものというふうに考えてございまして、国の制度そのものを直ちにずばっと用意しろということではないのではないかと思っております。
#180
○高橋令則君 終わります。
    ─────────────
#181
○委員長(和田洋子君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、青木幹雄さんが委員を辞任され、その補欠として岩城光英さんが選任されました。
    ─────────────
#182
○松岡滿壽男君 今回の二法案につきましては、やはり派遣職員の身分の問題あるいは手続等についての透明化その他、かねてから全国市長会あるいは町村会から要望があったことでありますので、基本的には私も賛成でございます。
 しかしながら、先ほど来いろんな角度から先行議員の御質問があったとおり、いろいろな問題点があるわけでございます。特に、第三セクターにつきましては、もう既に一万を超す数、それに対して三万九千人の方が出向しておられるということでありますが、確かに国のレベルではさまざまな特殊法人その他についてのいろいろな指摘がありますし、また地方団体におきましても先ほど来議論されております各地でのさまざまな問題があります。しかし、やはり何とか地域を活性化したいという思いで皆努力して、それがうまくいかなかったという部分があるだろうと思うんです。
 私自身もちょうど地方自治体やらせていただいておりますときに、北海道の池田町ですか、ワインとステーキということで頑張りましたし、この前亡くなりました神戸の宮崎市長さんあたりが、ポートアイランドですか、随分ああいうのは地方自治体から見たら励みになったわけです。何とか地域を振興せにゃいかぬという思いでやった結果がうまくいっていないということもあるわけですが、一つにはやはり時代の流れといいましょうか、今の段階では国、地方を通じて大変な借金を抱えてしまっておる。それから経済の構造自体が大きく変わってきている。かつてはかなり行け行けどんどんの時代もあったわけですけれども、今やはりいろんな問題について縮み現象の中で責任をとらなきゃいかぬという新たな環境が、変わってきているわけですね。その中で第三セクターはどのように対処すべきかというところに置かれておると思うんです。
 ここで振り返ってみまして、第三セクターで成功した例、そして六割ぐらいは大がつかないのですけれども失敗例になっておるわけですね。こういう経験を踏まえて、こういう形でやったらどうかと、第三セクターに向いているのはこういうケースだ。私は恐らくだんだんに、これは過渡期の現象で第三セクターは減少していって、さっき大臣が答弁されたPFI、そういう方向にやっぱり収れんされていくか、役所で純粋にやるかという方向に分かれていくのだろうと思っておるんですけれども、御意見をお伺いいたしたいと思います。
#183
○国務大臣(保利耕輔君) 第三セクターのかなりの部分が赤字であるということの御指摘を受けておるわけでありまして、これについては自治省もいろいろ調査をし、また手を打っていかなければならない、私もそのように考えております。
 ところで、第三セクターの成功している例というのはいろいろあるのでありますけれども、地場産品の製造というようなことでは岩手県でありますとか愛媛県でありますとか、かなりこれはございます。地場の産品を製造するという一番地域に密着した事業でございますが、これは成功している例がございます。また、地域情報の発信という観点から静岡県でやっております仕事なども、これは地域の情報を、地場産品を販売したりあるいは観光地の紹介などをするという例でこれは成功しております。それから、住民と一体となった町づくりという観点で見てまいりますと、歴史文化遺産をギャラリーとして使ったりあるいは国内のガラス工芸品を展示するというような滋賀県の例がございます。また、地域交通で成功しております例は鹿児島県のフェリーの仕事がございまして、身近な交通機関としてこれは大変利用されているというような例がございます。そのほかにも福祉サービスの提供というようなことで成功している例もございまして、第三セクター必ずしも全部失敗というわけではない。
 私どもは、そういう地場に密着したような仕事をやはりやっていく一つのいい例としてこの第三セクターのこういったものについては注目をしておりまして、今後ともいろいろな観点から支援をしていきたい、こんなふうに考えているところであります。
#184
○松岡滿壽男君 この前いただいた参考資料を見ていますと、出資比率別派遣先機関数という五十九ページの表を見ていますと出資比率が零%というのが半分近くあるんです、派遣先が。これはどういうふうに理解すればいいのかということと、六十ページに派遣職員が五万一千八百二十一人ということですが、第三セクターの方は三万九千人と二ページですか書いてあるんです。この差というのはやっぱり地方三公社とかそういうところなんでしょうか、ちょっと事務的なことですけれども、お答えを。
#185
○政府参考人(木寺久君) お尋ねの資料についてでございますが、出資比率ゼロ%というものが結構多いということでございますが、この中にはやはり出資ということのない社団法人等も含まれているということではないかというふうに思っております。
 それから、二つ目のお尋ねにつきましてはちょっと私ども今正確に承知をしておりませんのですが、御指摘のとおり地方三公社が数千のオーダーであるということでございます。
#186
○松岡滿壽男君 先ほどちょっと触れましたけれども、結局このままの状況でいくと、増税をどうするのかとか、財政再建に入っていくとやはり歳出をどうやって削減するかという中で、やっぱりスリムで効率的な国、地方の組織づくりというものがいわゆる行政改革を含んでかなり重要なものになってくるだろうというように思っておるんですけれども、せんだって予算委員会で道州制のお話も申し上げ、大臣も前向きなお考えをお示しいただいたんですが、そのときに、一年前にちょうど今の国、地方の職員数が四百四十万、それが与党三党合意ですか自自合意で十年間で二五%国、地方を通じてということであったわけですが、総務庁長官から国レベルだけの御答弁をいただいたんですが、地方の場合は一年たってどういう状況になってどのような対応をされるのか、せっかくの場でございますのでお伺いをいたしておきたいというように思います。
#187
○政府参考人(木寺久君) 御指摘のように、国家公務員の定数につきましては独立行政法人への移行を含めまして十年間で二五%今後削減するということが閣議決定されているところであります。
 地方団体におきましては、主体的に数値目標を定めた定員適正化計画を策定して適正化に取り組んでおるところでございますが、地方公務員総数につきましては平成七年から五年連続減少しております。平成十一年四月一日現在というのが最新のデータでございますが、総数三百二十三万二千人でございまして、前年と比較いたしまして約一万七千人減少をしているところであります。ちなみに五年間で約五万人の減少ということでございます。
 自治省といたしましては、これまでも地方公共団体に対しまして国の削減計画に準じて計画的な定員管理を要請してきたところでございますが、今後とも定員適正化計画の着実な実行と見直し、数値目標の公表など定員の縮減、増員の抑制に積極的に取り組むよう要請していく考えでございます。
#188
○松岡滿壽男君 地方分権一括法が施行されて、結局、府県の仕事は今までどちらかというと七割から八割ぐらいが国の機関委任事務だったわけです。それから、市町村も大体三割、四割ぐらいですか。それは、そういう機関委任事務は廃止されるわけですが、これがやはりある程度定数とか定員に影響するところはあるんでしょうか。
#189
○政府参考人(木寺久君) 地方分権一括法による改正によりまして従来の機関委任事務制度を廃止いたしまして、自治事務と法定受託事務という新たな事務区分が設けられることとなったところであります。
 従来の機関委任事務でありましても、新たな事務区分による自治事務、法定受託事務でありましても、地方公共団体の職員が当該事務を処理するという点においては相違がないところでございます。したがいまして、事務区分の変更のみによって直ちに地方公務員数が大きく変動するものはないと考えております。
#190
○松岡滿壽男君 警察問題でいろいろ議論しましたときに、二十三万人警察官がいるわけですけれども、大学出の採用が八万三千人、現在。平成十年でも採用の六十数%がもう大学出になっている。しかしながら、五百二十人のT種合格者がいわゆるキャリアという形であって、だんだん今高学歴になってきて、過去とそういう比率が内容的にそれぞれの職種におきましても変わってきているんです。それに対応が十分できていないという部分がやっぱり出てきているんじゃないかという感じがしないでもないんです。
 それで、警察以外の国、県、市のそれぞれT種、U種といいましょうか、県ではT類、U類ですか、市では上級、中級でしょうか、そういう二つ、三つの流れで採用されている。それが適正にうまくかみ合って十分な効率的な仕組みができ上がっているのかどうなのか。昇進の仕方とか採用に対する不満とか、そういう面でまず、現在の国、県、市の職員の採用による区分といいましょうか、人数というものがわかればお教えをいただきたいと思います。
#191
○政府参考人(木寺久君) 私ども国の状況はちょっと把握をいたしておりませんが、都道府県、市区、町村の最新の、平成十年度の数値でございますけれども、まず学歴別の合格者の状況で見ますと、都道府県につきましては大卒が六六・八%、短大卒が一〇・三%、高卒が二二・四%。それから市区では、大卒が四九・二%、短大卒が二八・八%、高卒が一九・三%。町村では大卒が五二・七%、短大卒が二七・二%、高卒が一九・三%というような状況になっております。
#192
○松岡滿壽男君 学歴でどうこうということを私は申し上げる気もありませんけれども、確かに時代の変遷の中でかなり高学歴が進んできている。しかし、昔ながらの体質でそれぞれが受けとめてやっていると、いろんなストレスとか不満といいましょうか、マグマというものがたまってくるんでしょうね。
 だから、過去は、国と県と市というのは物すごく、そういう学歴だけをとらえていったら大変な格差がありました。私が市長になりましたときなどというのは、光市役所で大学出なんて十人もいないわけですから。昭和三十五年から大卒を採り出してきている。
 ところが、今おっしゃるように物すごく高学歴化しちゃっているんです。地域の議会の中でも、まだ田舎に行けば、やれ、あいつは大学出たとかどうだとかいうことはありますけれども、役所の中ではそういうお互いに、かつてのような国があって県があって市があってというような、学歴による差別というものはなくなってきている、能力的にもかなり。だから、それをやはりうまく使っていくということが大事だと思うんですけれども、そういう状況に対して、かなり変化してきているわけですから、警察にも私はその問題が根本にあると思うんです、実は。キャリア、ノンキャリアだけじゃなくて、その間にまたU類というんですか、T類、U類、V類とあるわけですから。
 そういう基本的な部分を、戦後非常に民主的で平等という教育の中でみんな来ているわけですから、その中で、やっぱり社会に出るとこうなるんだと。だけれどもそれは、結果についてはそれぞれやはり一つの社会的な秩序といいましょうか職場での秩序があるわけですから、それはそうとしながら、状況の変化に対してやっぱりきちっとした対応を役所側もすべきところに来ているんじゃないかというように思うんですが、いかがでございましょうか。
#193
○国務大臣(保利耕輔君) 地方公務員の状況、勤務状況その他どういうふうに考えるかということでありますが、昇進の管理ということだけではないと思いますけれども、昇進の管理のあり方については平成十一年の四月に、一年前ですけれども、地方公務員制度調査研究会報告というのが出ておりまして、次のような提言がなされております。
  組織の活性化を図るため、職員の昇進管理に当たっては、職員のモラールの維持や意識の変化にも配慮しつつ、必ずしも年齢や採用の年次にとらわれることなく、職員の能力・勤務実績を適切に評価し、適材適所の観点から優秀な人材を積極的に昇任させるような人事管理が必要である。
  そのためには、地方公共団体の実情に応じて昇任試験や昇任前研修など職員の能力を客観的に評価する手法の活用も検討する必要がある。
こういう報告が出ておるわけであります。
 自治省といたしましても、この研究会の報告に沿った形で今後とも地方公共団体に対して助言とかあるいは情報提供とかしてまいりたい、そういう気持ちでおります。
#194
○松岡滿壽男君 恐らく政令指定都市あたりと県のレベルはもうほとんど同じぐらいのところに来ているだろうと思いますね。市もかなり優秀な人たちが育ってきている。そういうのを相互交流しながら、また適正にそれを評価していくという仕組みに日本全体をやっぱり変えていかなきゃいかぬ時期に来ているんじゃないかと私も思うんです。そういう点では、やっぱり道州制に対する取り組みとか、それからやはり三千二百では受け皿たり得ない、だから財政もつけられない、もっと信頼できる仕組みにしなさいというのが背景に私はあるだろうと思うんです。そうすると、やっぱり受け皿を片方で三百なら三百きちっと、人口も減って活力も落ちていくわけですから、早目にそういう方向にシフトしていく。そのための人事交流も適正にして、人事評価も適正にしていく仕組みをつくり上げていくということが私は今求められておるというふうに思うんです。
 それからもう一つはやはり地方の議会のあり方です。地方の議会。今回も一応任命権者が派遣を決定するけれども、それを最終的に決めるのは議会だという先ほどの部長さんの御答弁でありますが、それが今まさにこういう住民訴訟とかいろいろな形で出てきているのは、市の行政、県の行政、あるいはそれに対する県議会のあり方、市議会のあり方そのものに対する私は一つの住民の批判だろうと思うんです。だからそれにこたえられるだけの仕組みにやっぱりかじを切っていかなきゃいけない。議会は議会でやはりどう住民の要望にこたえてオンブズマン的な行政に対するチェック、監視ができるか、そういう仕組みをやっぱりある程度勇気を持ってやっていかないといつまでたっても問題は解決しないんだろうという思いが実はいたすものですからたびたび大臣に愚見を申し上げているんですけれども、最後に大臣の御意見を伺って、終わりたいと思います。
#195
○国務大臣(保利耕輔君) 日本の形というのがどういうふうに将来なっていくか、またどういう形に持っていかなければならないか。地方分権ということが言われ、さらに予算委員会でもお答えをいたしましたように遠くの方には道州制というのも一つの考え方としてにらみながら今後の方向を見ていかなきゃならないと思っております。
 それと同時に、地方公務員制度、これは国家公務員制度もそうでありますが、民間における雇用形態というのが今後どういうふうな変化を遂げていくのかというのとこれはリンクをした形で動いていくことではないか、こう思っておりまして、やがて二十一世紀の日本においては従来の雇用形態と違う雇用形態にシフトしていくような、何かそういう予感を感ずるのでありますが、その中に一つの社会としての活性化を見出すことができるのかどうか、そういう視点をつかまえながら私どもは行政を考えていかなきゃならない、こう思っておるところであります。
#196
○松岡滿壽男君 ありがとうございました。
#197
○委員長(和田洋子君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより両案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#198
○八田ひろ子君 私は、日本共産党を代表して、公益法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律案及び地方公共団体の一般職の任期付研究員の採用等に関する法律案の二案に対する反対の討論を行います。
 初めに、公益法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律案に反対する理由を述べます。
 この法律案は、すべての自治体出資営利法人まで職員派遣を合法化する内容となっており、地方自治を崩壊させる危険性を持つ開発型第三セクターのための人的支援措置というべきもので、自治体本来の仕事に照らして認められないものであります。一九四七年の地方自治制度、一九五〇年の地方公務員制度スタート以来五十年間にわたり、自治体職員の出向派遣制度については現行制度で行われてきました。ところが、審議を通して明らかになったように、自治体リストラや開発型第三セクター推進の中で、自治体本来の仕事に反する違法な派遣が横行し、九八年の茅ヶ崎商工会議所に関する最高裁判決を初め、上尾都市開発に関する浦和地裁・東京高裁判決やチボリ・ジャパンに関する岡山地裁判決で開発型第三セクター等の公共性が否定され、自治体からの職員派遣が地方自治法違反であるとの判断が相次ぐ事態となりました。最高裁を初め各地の司法判断で地方自治法に照らして違法とされた開発型第三セクターへの職員派遣行政をこの法案によって追認し合法化することは、地方自治のゆがみをさらに広げることとなります。
 地方自治の発展にとって今必要なことは、自治体がその本来の仕事である「公共の秩序を維持し、住民及び滞在者の安全、健康及び福祉を保持する」責務を全うすることであります。
 次に、地方公共団体の一般職の任期付研究員の採用等に関する法律案に対する反対理由を述べます。
 この法案は、自治体に置かれる試験所、研究所その他の機関の研究業務に従事する一般職の職員について、任期付研究員の採用制度を設けるものです。しかし、その内容は、若手研究者や招聘研究者を地方自治体の定員の枠内で採用しようとするものです。若手で三年から五年、招聘でも最長で十年と短期間の任用で打ち切られるこの制度は、財界が民間で進めている労働者の流動化を地方公務員制度に持ち込むことになります。将来、地方公務員制度全体に任期制など流動化を持ち込もうとする動きもあります。
 しかし、こうした流動化は、中立性、公平性、安定性が求められる地方公務員制度に反するものです。地方自治体の試験研究機関は、研究開発、技術指導、情報収集・提供など、各地域の地場産業や住民に密着した業務を行っているものがほとんどです。こうした技術の開発、研究や検査などは、地域の実情をよく知った上での継続性が求められます。効率性だけを基準に短期間に成果を上げることだけをねらった研究は本来なじまない分野です。このような新たな制度の導入は各研究現場に混乱を持ち込むだけです。
 地域住民の身近な要望にこたえられる研究所として、常勤研究者の増員、施設、設備の整備など、地方自治体研究所充実への支援こそ求められていることを指摘し、反対討論を終わります。
#199
○委員長(和田洋子君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 まず、公益法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#200
○委員長(和田洋子君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、地方公共団体の一般職の任期付研究員の採用等に関する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#201
○委員長(和田洋子君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#202
○委員長(和田洋子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時六分散会
ソース: 国立国会図書館
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