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2000/04/27 第147回国会 参議院 参議院会議録情報 第147回国会 地方行政・警察委員会 第9号
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2000/04/27 第147回国会 参議院

参議院会議録情報 第147回国会 地方行政・警察委員会 第9号

#1
第147回国会 地方行政・警察委員会 第9号
平成十二年四月二十七日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月三十日
    辞任         補欠選任
     森田 次夫君     木村  仁君
 三月三十一日
    辞任         補欠選任
     岩城 光英君     青木 幹雄君
     亀井 郁夫君     岡  利定君
     八田ひろ子君     市田 忠義君
 四月十一日
    辞任         補欠選任
     野間  赳君     橋本 聖子君
     海野  徹君     菅川 健二君
 四月十三日
    辞任         補欠選任
     高橋 令則君     中曽根弘文君
 四月十七日
    辞任         補欠選任
     松岡滿壽男君     田名部匡省君
 四月十八日
    辞任         補欠選任
     田名部匡省君     松岡滿壽男君
 四月二十日
    辞任         補欠選任
     木村  仁君     坂野 重信君
     輿石  東君     本岡 昭次君
 四月二十一日
    辞任         補欠選任
     坂野 重信君     木村  仁君
     本岡 昭次君     輿石  東君
 四月二十四日
    辞任         補欠選任
     輿石  東君     小宮山洋子君
 四月二十五日
    辞任         補欠選任
     小宮山洋子君     輿石  東君
 四月二十六日
    辞任         補欠選任
     市田 忠義君     須藤美也子君
 四月二十七日
    辞任         補欠選任
     青木 幹雄君     仲道 俊哉君
     岡  利定君     森下 博之君
     中曽根弘文君     亀井 郁夫君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         和田 洋子君
    理 事
                谷川 秀善君
                松村 龍二君
                朝日 俊弘君
                菅川 健二君
                富樫 練三君
    委 員
                井上 吉夫君
                鎌田 要人君
                亀井 郁夫君
                木村  仁君
                久世 公堯君
                仲道 俊哉君
                橋本 聖子君
                森下 博之君
                輿石  東君
                山下八洲夫君
                大森 礼子君
                白浜 一良君
                須藤美也子君
                照屋 寛徳君
                松岡滿壽男君
   衆議院議員
       発議者      鈴木 宗男君
       発議者      中谷  元君
       発議者      遠藤 和良君
       発議者      西野  陽君
       発議者      堀込 征雄君
       修正案提出者   鈴木 宗男君
       修正案提出者   堀込 征雄君
       修正案提出者   遠藤 和良君
   国務大臣
       自治大臣     保利 耕輔君
   政務次官
       自治政務次官   平林 鴻三君
       自治政務次官   橘 康太郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        入内島 修君
   衆議院法制局側
       衆議院法制局第
       一部長      横田 猛雄君
   政府参考人
       自治省行政局選
       挙部長      片木  淳君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○公職選挙法の一部を改正する法律案(衆議院提
 出)
○国会法及び公職選挙法の一部を改正する法律案
 (衆議院提出)

    ─────────────
#2
○委員長(和田洋子君) ただいまから地方行政・警察委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る十三日までに、森田次夫さん、八田ひろ子さん、亀井郁夫さん、岩城光英さん、海野徹さん、野間赳さん及び高橋令則さんが委員を辞任され、その補欠として木村仁さん、市田忠義さん、岡利定さん、青木幹雄さん、菅川健二さん、橋本聖子さん及び中曽根弘文さんが選任されました。
 また、昨二十六日、市田忠義さんが委員を辞任され、その補欠として須藤美也子さんが選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(和田洋子君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(和田洋子君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に菅川健二さんを指名いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(和田洋子君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 公職選挙法の一部を改正する法律案並びに国会法及び公職選挙法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に自治省行政局選挙部長片木淳さんを政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(和田洋子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(和田洋子君) 公職選挙法の一部を改正する法律案並びに国会法及び公職選挙法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 まず、衆議院議員鈴木宗男さんから順次趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明を聴取いたします。鈴木宗男さん。
#8
○衆議院議員(鈴木宗男君) ただいま議題となりました公職選挙法の一部を改正する法律案及び国会法及び公職選挙法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由及びその内容を御説明申し上げます。
 まず初めに、公職選挙法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由及びその内容を御説明申し上げます。
 平成六年の政治改革によりまして、衆議院議員の選挙制度は小選挙区比例代表並立制となったのでありますが、平成八年の総選挙以来今日まで、この現行制度につきましてはさまざまな問題点が指摘されてきたところであります。このため、各党ともその改善に向けて鋭意検討してまいりましたが、本案は次回総選挙までに緊急に是正すべきものとして、次の五点につきまして改正を行おうとするものであります。
 第一は、衆議院議員の特別選挙の期日の統一についてであります。
 現行制度では、衆議院議員の再選挙及び補欠選挙は事由が生じた都度四十日以内に行うことになっておりますが、小選挙区制度導入に伴い補欠選挙の数が増加しておりますことから、これらの選挙に対する国民の関心を喚起する等のため、これらの選挙は、原則として期日を統一して行うこととし、九月十六日から翌年の三月十五日までに選挙を行うべき事由が生じたものについては当該期間の直後の四月の第四日曜日に、三月十六日からその年の九月十五日までに選挙を行うべき事由が生じたものについては当該期間の直後の十月の第四日曜日に、行うこととしております。
 ただし、衆議院議員の再選挙のうち、選挙の無効による再選挙及び法定得票数に達した候補者がなかったことによる再選挙は、これまでどおり、これを行うべき事由が生じた日から四十日以内に行うこととしております。
 なお、参議院議員の任期が満了する年にあっては、期日統一の対象となる再選挙及び補欠選挙でその年の三月十六日から参議院議員の任期満了前五十四日前の日までにこれを行うべき事由が生じたもの等は、通常選挙の期日に行うこととしております。
 また、期日統一の期間内に衆議院議員の任期満了前六月前の日が属する場合には、当該期間の初日以後事由の生じた統一対象再選挙及び補欠選挙は、行わないこととしております。
 第二は、衆議院小選挙区選出議員を辞した者等の立候補制限についてであります。
 衆議院小選挙区選出議員を辞し、または辞したものとみなされた者が、当該欠員について行われる補欠選挙の候補者となることは、国民の理解が得られないと考えるものでありますが、補欠選挙の期日が統一されることにより、補欠選挙を行うべき事由が生じた日から補欠選挙の日までの期間が長くなりますと、このような行動をとることが容易になりますことから、これを禁止しようとするものであります。
 第三は、小選挙区選出議員の選挙においてその得票数が法定得票数に達していない重複立候補者の比例代表選出議員の選挙における当選の排除についてであります。
 現行制度においては、小選挙区選出議員選挙と比例代表選出議員選挙の重複立候補者は、小選挙区選出議員選挙の得票いかんにかかわらず比例代表選出議員選挙の当選人となることが可能となっておりますが、これは国民感情にそぐわないため、小選挙区選出議員選挙においてその得票数が法定得票数に達していない重複立候補者は、比例代表選出議員選挙の衆議院名簿に記載されていないものとみなすこととしております。
 第四は、専ら手話通訳のために使用する者に対する報酬の支給についてであります。
 現行制度においては、専ら手話通訳のために使用する者に対し報酬を支給することは認められておりません。本案は選挙の実情にかんがみまして、参議院比例代表選出議員の選挙以外の選挙においては、選挙運動に従事する者のうち、専ら手話通訳のために使用する者について、政令等で定める額の報酬を支給することができることとしております。
 第五は、書籍及びパンフレットの普及宣伝のための自動車、拡声機等の使用の規制についてであります。
 現行制度においては、衆議院議員選挙等一定の選挙の公示または告示の日から選挙の当日までの間は、政党その他の政治活動を行う団体の発行する機関紙、雑誌の普及宣伝のための自動車及び拡声機の使用は一定の場合を除きできないこととされておりますが、書籍、パンフレットの普及宣伝のための自動車及び拡声機の使用が横行し、選挙の公正を害しております。
 本案は、これに対処するため、政党その他の政治活動を行う団体は、その政治活動のうち、書籍及びパンフレットの普及宣伝のための自動車、拡声機等の使用については、衆議院議員選挙等一定の選挙の公示または告示の日から選挙の当日までの間は、確認団体による一定の制限の範囲内のものを除き、これをすることができないものとしております。
 なお、この法律は、原則として公布の日から施行することとし、専ら手話通訳のために使用する者に対する報酬の支給に係る規定並びに書籍及びパンフレットの普及宣伝のための自動車、拡声機等の使用の規制に係る規定は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行することとしております。
 また、衆議院議員の特別選挙の期日の統一に係る規定はこの法律の施行の日以後これを行うべき事由が生じた衆議院議員の再選挙及び補欠選挙について、小選挙区選出議員を辞した者等の立候補制限に係る規定はこの法律の施行日以後小選挙区選出議員を辞しまたは辞したものとみなされた者について、小選挙区選出議員の選挙においてその得票数が法定得票数に達していない重複立候補者の比例代表選出議員の選挙における当選の排除に係る規定はこの法律の施行の日以後初めてその期日を公示される衆議院議員の総選挙から、専ら手話通訳のために使用する者に対する報酬の支給に係る規定並びに書籍及びパンフレットの普及宣伝のための自動車、拡声機等の使用の規制に係る規定は公布の日から起算して二十日を経過した日以後その期日を公示されまたは告示される選挙について、適用することとしております。
 なお、公職選挙法の一部を改正する法律案に対する衆議院における修正部分につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 原案は、衆議院小選挙区選出議員選挙と比例代表選出議員選挙の重複立候補者に関しまして、小選挙区選挙の得票数が法定得票数に達していない重複立候補者は、比例代表選挙の衆議院名簿に記載されていないものとみなすこととしておりましたが、各党間で協議の結果、少数政党の実情に配慮する必要があるとの観点から、小選挙区選挙における得票数が供託物没収点に達していない重複立候補者は、比例代表選挙の衆議院名簿に記載されていないものとみなすことに改めることとしたものであります。
 以上が、修正の概要であります。
 引き続き、国会法及び公職選挙法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由及びその内容を御説明申し上げます。
 現行法においては、衆議院議員及び参議院議員とも、当選後、選挙のときに所属していた政党から他の政党に移動することには何らの制限も加えられておりません。しかしながら、政党への投票をもとに選出された拘束名簿式の比例代表選出議員が当選後他の政党に移動することについては、選挙に示された有権者の意思と全国民を代表する議員の地位をめぐって、国会を初め学界、マスコミ等各方面で種々論議のあったところであります。
 これらの論議を踏まえ慎重に検討した結果、本案は、衆議院及び参議院の比例代表選出議員が当選後当該選挙で争った他の政党等に移動することは、有権者の意思に明らかに背くものであることから、これを禁止することといたしております。選挙時の所属政党等を離れて無所属になることや、選挙時になかった新たな政党等に所属すること、また、選挙時に所属していた政党等が他の政党等と合併した場合または分割後に他の政党等と合併した場合に当該合併後の政党等に所属することは、禁止いたしておりません。
 次に、この法案の内容について御説明申し上げます。
 第一に、国会法の一部を改正し、衆議院または参議院の比例代表選出議員が議員となった日以後に、選出された選挙における他の名簿届け出政党等に所属する者となったときは、一定の場合を除き、退職者となることとしております。
 第二に、公職選挙法の一部を改正し、衆議院または参議院の比例代表選挙の当選人は、その選挙の期日以後において、当該当選人が登載されていた名簿届け出政党等以外の当該選挙における他の名簿届け出政党等に所属する者となったときは、一定の場合を除き、当選を失うこととしております。
 この法律は、公布の日から施行し、改正後の規定は、施行日以後その期日を公示される総選挙及び通常選挙並びにこれらの選挙に係る再選挙及び補欠選挙またはこれらの選挙で選出される議員について適用することとしております。
 以上が、公職選挙法の一部を改正する法律案及び国会法及び公職選挙法の一部を改正する法律案の提案理由及びその内容であります。
 何とぞ、慎重審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#9
○委員長(和田洋子君) 以上で両案の趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○富樫練三君 日本共産党の富樫練三でございます。
 ただいま趣旨説明があったわけですけれども、最初にまず、書籍とパンフレットの普及、宣伝のための自動車及び拡声機等の使用禁止について、この問題について伺いたいと思います。
 ただいまの説明の中で、これは二ページになりますけれども、後ろの方に「書籍、パンフレットの普及宣伝のための自動車及び拡声機の使用が横行し、選挙の公正を害しております。」、こういうふうに説明がありました。
 そこで、伺うわけですけれども、「選挙の公正を害しております。」、この、選挙の公正を害しているとすれば、現行の公職選挙法で取り締まれる、取り締まられるという制度に今なっていると思うんです、選挙の公正が損なわれた場合は。この点についてはどのように認識されていますか。
#11
○衆議院議員(鈴木宗男君) 今の説明にもありましたように、紛らわしい行為というのがいろいろ指摘されてきました。例えば、具体的に例を挙げますと、京都の市長選挙におきましても特定の政党が何百台の車も出している。しかもそれは、パンフレット、書籍の宣伝でありますけれども、この本の何ページにはだれそれさんという名前を言って、そして紹介をしているんです。この点が紛らわしい。ですから、きちっとすっきりしたものにしようという声が各界からきたものでありますから、それに基づいて改正案を出しているということでありますので、御理解をいただきたい、こう思っております。
 なお、この点は足立の区長選挙なんかでも御指摘を得たものでもありますし、各種選挙でもそういった指摘はされてきたものであります。
#12
○富樫練三君 私が聞いているのは、そのパンフレットの普及宣伝などによって選挙の公正が害されている事実があるとすれば現行の選挙法で取り締まられるのではないのか、こういうふうに伺っているんです。どこでどうあったというのを聞いているんじゃなくて、もし公正が失われる、害される、こういうことがあれば、今の選挙法でも、公選法でも取り締まることができるんじゃないですか、こういうふうに伺っているんです。その点についてどうですか。
#13
○衆議院議員(鈴木宗男君) 衆議院でもこれは議論になりましたけれども、実態問題として、この点を法律できちっと規制をしなければいわゆる紛らわしい行為が横行して警察も手が回らない。特に、路地裏等に入って軽自動車等がスピーカーをつけて歩いている。技術的に能力的にも限界があるものですから、これは取り締まろうと思っても取り締まれない。同時に、連呼に等しいような行為もあったということも指摘されてきたものでありますから、この点は法律でしっかりしようということであります。
#14
○富樫練三君 私が聞いているのとちょっとずれている、違うんですね。
 私が言っているのは、公正が害された場合、そういう場合には今の公選法で取り締まることができますね、こういうふうに言っているんです。紛らわしい場合にどうかと聞いているんじゃないんですよ。公正が害された場合というふうに聞いているんです。
#15
○政府参考人(片木淳君) 現行法の問題でございますので、私から答弁させていただきたいと思います。
 御案内のとおり、現在、選挙期間中は政党その他の政治活動を行う団体の政治活動につきまして、選挙の自由と公正を確保するため、今お話のありましたように、選挙運動に紛らわしいものを規制しておるわけでございます。その一環といたしまして、政党等の政治活動のうち、新聞及び雑誌の普及宣伝のための自動車、船舶及び拡声機の使用を禁止いたしておるわけでございます。新聞紙及び雑誌でございまして、ただいま御提案になっておりますのは、書籍及びパンフレットについては現行法では規制されていないということを前提にいたしまして今回の法案の提案になっているというふうにお伺いしたところでございます。
#16
○富樫練三君 私が聞いているのは、紛らわしい場合がどうかということを聞いているんじゃないんです。提案のこの説明の中では「選挙の公正を害しております。」というふうに断定しているんですよ。紛らわしいというふうには書いていないんです、これには。ですから、この断定している、「選挙の公正を害しております。」ということであれば、これならば今の公選法で取り締まることができるんじゃないですか、こういうわけなんです。紛らわしい場合を聞いているんじゃないんですよ。公正を害する場合というのは取り締まることができるんじゃないですかと、ここを聞いているんです。どうですか。
#17
○衆議院議員(遠藤和良君) 今、自治省からお話がありましたが、現行法でも選挙の公平を損なうおそれがあるということでこの新聞、雑誌について規制をしているわけでございまして、ここに今回提案をいたしました書籍、パンフレットは書いてございません。書いていないからといってこれを行うことは適法である、こういうふうになっているわけでございますが、これは立法の趣旨から申しまして、新聞、雑誌と書籍とパンフレットを区別するということはできません。したがいまして、立法の趣旨に照らしてこの際きちっと明文をしよう、こういうことでございます。
#18
○富樫練三君 公正を害しているというふうにおっしゃらないので。今はおそれがあるという説明でしたね。それから先ほどは、紛らわしい、こういう説明でした。ところが、この趣旨説明の中では明確に「選挙の公正を害しております。」というふうに断定しているわけなんです。これは、紛らわしいとかおそれがあるとかではこれは取り締まることができないのは当然ですね。しかも、その後、雑誌やあるいは機関紙、これらについては明確に区別をしてやった場合には、これは当然公選法には違反しないわけですから取り締まることができないと、これが今までの実態だと思うんです。
 そこで、ちょっと伺いますけれども、これはちょっと自治省の方に伺います。
 公正が害されれば取り締まられる、取り締まることができる、それは当然だと思うんです。それで、衆議院の特別委員会の答弁の中で警察庁が、一九八一年以来、公選法の二百五十二条の三、政党その他の政治活動を行う団体の政治活動の規制違反の類型は二十種類ぐらいあると。それで、検挙件数は六件、この十九年間に六件あると。ただ、それは機関紙の普及宣伝のための自動車、拡声機等の使用規制違反であるかどうかについては把握していないというふうに、警察庁が衆議院の委員会で答弁していますね。
 すなわち、機関紙や雑誌の普及宣伝に関する規制違反、これは警察もつかんでいないという答弁だったと思うんですけれども、そういう理解でよろしいでしょうか。ここをちょっと確認をしておきたいんですが、自治省の方に。
#19
○政府参考人(片木淳君) 直接の所管でございませんが、私もそのように承りました。
#20
○富樫練三君 次に、また選挙部長さんに伺いますけれども、東京都議会でこの問題が議論された。その答弁の中で、東京都の選管事務局長は、この春に行われました衆議院議員補欠選挙の際の政党の宣伝活動についてのお尋ねでございますが、政党のパンフレットの販売活動のために自動車及び拡声機が使われたことは聞き及んでおりますが、公職選挙法上の取り締まりの対象となるような行為は確認できなかったと聞いておりますというふうに、東京都の選管事務局長が答弁しておりますけれども、この点は間違いありませんか。
#21
○政府参考人(片木淳君) そのような答弁があったと承知いたしております。
#22
○富樫練三君 提案者に伺いますけれども、警察も把握していない、それから東京都の選管も取り締まりの対象はなかったということですね。すなわち、雑誌や機関紙の普及宣伝のための宣伝行動、これは禁止されていますね、選挙期間中。ところが、パンフレットや書籍についての拡声機の使用や自動車の使用、これは今までは禁止されていませんね。したがって、そこのところはきちんと区別されてその行動が行われた場合、これは取り締まりの対象にはならないわけですから、これが今までの実態だったと、こういうことだと思うんです。
 先ほどの答弁の中で、紛らわしいということやおそれがあると、こういう答弁がございましたけれども、提案者の意思というのは、公正は害されていない、要するに公選法に違反するようなこういう行為はないんだけれども、紛らわしいから規制するんだと、あるいはおそれがあるから規制するんだと、こういうことなんじゃないですか。いかがですか。
#23
○衆議院議員(堀込征雄君) そういうことではなくて、この立法が行われた国会審議の経過を見ましても、新聞、雑誌、そして書籍、パンフレットを含めて、いろんな行動をやっぱり政党自身が公正な選挙のために自粛をしたり、そこをやっていこうという議論が行われてこの立法がなされた。しかし、たまたまその法律の文字に書籍、パンフレットが入っていなかった。しかし、そこのところは各党なり候補者の良識ある選挙運動に任せていこうと、こういうことで立法がなされてきたわけでありますが、たまたま立法過程の中で文字が挿入されていなかった書籍、パンフレットの宣伝、こういうことを理由に、まさにこの法文の趣旨に沿わない運動が全国に横行している。したがって、やっぱりこれは、各党なり候補者が自粛をしてくれればいいんですけれども、どうも実態はそうなっていないので、明文をしないと公正が害される状況になっているのではないか。こういうことで各党一致をして法案を提出させていただいた、こういうことです。
#24
○富樫練三君 現在の公選法から見て、公正が害されるというふうに断定的に言っている裏づけは何ですか。改めて伺いますけれども。
#25
○衆議院議員(中谷元君) 選挙期間中に各政党の運動として党名を自動車や拡声機で連呼すること自体が規制をかけているわけです。そういう意味では、雑誌、新聞はだめということを規定をいたしておりますが、趣旨は、拡声機や自動車において党名を連呼すること等が趣旨でありまして、期間中に政党の名前を連呼すること自体は、違法ではないんですけれども、この法の趣旨からすると脱法的行為だと私は思っております。ですから、この際、それをきちっとここで改めるということをいたしたわけでございます。
#26
○富樫練三君 違法ではないけれどもと。私もそういうふうに思うんです。要するに、紛らわしい、おそれがある、したがって今回規制しようではないか、これが提案者の意図だろうというふうに私は思うんですけれども、もし現実に公正が害されているということであれば、当然のことながら警察庁の答弁や東京都の選管の事務局長の答弁もこれは変わってきたんだろうというふうに思うんです。
 そこで、もうちょっと伺いますけれども、衆議院の特別委員会の答弁の中で、これは遠藤議員さんでしょうか、パンフレットなどの宣伝で選挙人の自由意思による投票が阻害されたり云々と、こういうふうに答弁されていらっしゃいますね。そういう事実があったのかどうか、もしあったのならば具体的に明らかにしていただければと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#27
○衆議院議員(遠藤和良君) 前のお話にちょっと答弁を先にさせていただきますが、いわゆる現在は雑誌、新聞については規定がございますから、これは明確に違法である。しかしながら、同じようなものでありながらパンフレット、書籍につきましては、法律がないものですから、これは紛らわしいとか言いようがないのでございます。したがいまして、法の趣旨からいって、これは法の精神には反しているんだけれども法律がないものですからこれは取り締まることもできません。したがいまして、ここをきちっとやろう、明確に違法にしようという趣旨でございます。
 また、今のお話は、具体的に法律がないものですから、そういうふうに考える、これは、例えば法律がありました場合は判例等あるいはそういう訴訟でこういう事例があったということが明確に言えるわけですけれども、法律がないものですからとらえることができません。したがって、そういうおそれがあるというふうにしか推測ができない、こういうことでございます。
#28
○富樫練三君 今の御答弁で、法律がないからというふうにおっしゃいましたけれども、公選法ではこういうふうになっているんです。第一条のところで、前後ありますけれどもその部分だけ申し上げますと、「その選挙が選挙人の自由に表明せる意思によつて公明且つ適正に行われることを確保し、」云々と、こういうふうになっているんです。先ほど衆議院での答弁というのは、選挙人の自由意思による投票が阻害されたりということですから、もし選挙人の自由意思による投票が阻害されているという事実があれば、これは明確に現在の公選法の第一条の違反になるんですね。ですから、法律がないのではなくて、法律はちゃんとあるんです。
 それを、阻害するというふうにおっしゃっていますので、そういう具体的な事実はどこにあるのかということを伺っているんです。法律はあります。
#29
○衆議院議員(遠藤和良君) いわゆるそういうことのある事例はたくさんあるわけですけれども、それを立証したというのは、やはり裁判所なりへ行きまして具体的な裁判になって初めて立証されるわけでございまして、それは法律がないとそういう場を設けることができないということでございます。
#30
○富樫練三君 いや、法律はあるんですよ、ちゃんと。条文もありますので。
 先ほど来の自治省の方の確認で、パンフレットの宣伝による取り締まりは警察庁も確認できない、東京都選管も、取り締まりの対象はなかったと、こう言っているわけなんです。ということは、あなたがおっしゃっております選挙人の自由意思による投票が阻害されたりと、こういう事実もないということなんじゃないですか。その点はいかがですか。
#31
○衆議院議員(遠藤和良君) 実際にそういうふうな多量の京都の市長選挙の話が先ほどありましたが、明確にこれは、法律がないためにそれを実際処罰することはなかなか難しいんですけれども、ただ、数百台の車が出かけていって、そして実態的には選挙運動そのものだと言われるような行為があるわけですね。こういうものに対して、やはり有権者が、これは政治活動というよりも選挙活動である、こういうことを理解すれば、その方々は選挙の自由な意思がやはりそれで損なわれると、このように理解するのは当然のことではないでしょうか。
#32
○富樫練三君 自由意思が損なわれれば公選法の第一条で当然のことながら違反になる。だけど、そういう取り締まりは、実際には検挙されたとかそういうのはないわけですから、そういう点ではそういう事実はないものというふうに思うんですけれども。
 そこで、もうちょっと伺いたいんですけれども、四月十四日、衆議院の公選法の特別委員会で私どもの木島議員が、一九八一年の公選法改定のとき、すなわち機関紙や雑誌の普及宣伝で自動車、拡声機を使用することを禁止する、この改定案に対して当時の公明党の伏木議員が、「何もかも規制を加えてしまえば、これは民主主義の上から重大な問題になりますから、むしろ余り規制はせずに、自由な運動の方向ということを私どもは選挙法上は考えていかなければならないのではないか、」と言っていたわけです。これに対して木島議員が、先日、公明党さんは態度を変えたのかというふうに質問をいたしました。これに対して遠藤議員さんの方から答弁がありまして、「決して態度は変わったわけではございません。選挙は本来自由であるべきだということは、私たちも大変大事な視点だと思っております。したがいまして、例えば戸別訪問の解禁とか、そういう考え方は今も持っているわけでございますが、いわゆる新聞と雑誌と、書籍とパンフレットとどう違うのか、これは同じテーブルの話ですから、やはりその水準は同じにすべきだ、こういう考え方でございます。」というふうに答弁されていらっしゃいますね。
 その八一年当時というのは、選挙は本来自由であるべきだという考え方ですね。これがもし変わっていないというのであれば、パンフレットや書籍の宣伝を規制するのではなくて、新聞と雑誌の宣伝の規制をむしろ削除して同じ水準にするというのが、それが当時の伏木議員さんの主張と一致した、いわゆる考え方は変わっていないんですよ、そういう立場になるんじゃないのかと、こういうふうに思うんですけれども、この点はいかがでしょうか。
#33
○衆議院議員(遠藤和良君) もう二十年ほど前のお話をされているわけでございますが、私どもは、選挙は自由である、したがって戸別訪問を解禁して自由に選挙運動、政治活動ができるようにする、この本来の選挙の自由というものを変えたわけではございません。
 しかし、現実的に見ておりまして、雑誌、新聞については規制をしている、それはやはり同じ水準でいわゆるパンフレット、書籍についても取り扱うべきである、こういうふうなことを提案しているわけでございまして、実態的に、二十年前と現在でございますから、やはり国民の皆さんの要請も変わっておりますし、現在のように非常に何百台という遊説車というかパンフカーが出まして宣伝をするということは、やはり静ひつという環境問題とか、そういうこともございます。したがいまして、国民の社会に対する、選挙に対する要請等も変わってきている、こういうふうな社会的状況の変化もございますし、そういう中で現在の判断をさせていただいておると、こういうことでございます。
#34
○富樫練三君 私は、やっぱり考え方は変わったんじゃないかというふうに率直に思うんです。それは、八一年当時は選挙は自由であるべきだと主張したんですけれども、しかしあのときに結果としては、雑誌や新聞については規制するということに結果としてはなったわけなんですね。国会全体としてはそういうふうに決まったと。今回は、規制をしようという八一年のその方向がより一層強化されるという改定案が現在出されているわけですよね、国会に。それで、これに対する提案者になられたわけですよね。ということですから、選挙は自由であるべきという立場から一転して、選挙期間中は政党活動を規制するという、こういう立場になられたのではないのか、これは明らかに態度が変わったんじゃないですかと、こういうふうに伺っているわけなんです。
#35
○衆議院議員(遠藤和良君) 強化しようという気持ちは全くございません。公平を期すということでございます。
#36
○富樫練三君 変わっていないとおっしゃいますので、もう一点伺っておきたいと思います。
 昨年の五月二十日、衆議院の選挙制度協議会に公明党さんが提出しました「小選挙区比例代表並立制批判」という小冊子がございますね。これは、現在の衆議院の選挙制度について総合的に検討されたものだろうというふうに思います。
 この中に、「選挙活動の自由化」という項目がございます。ここで、「わが国の選挙制度で最も重要な問題は、有権者の知る権利と候補者の選挙活動の自由が、いちじるしく制約されていることである。」、途中ちょっと省略します、「現行公選法は、有権者も候補者も「見ざる、いわざる、聞かざる」の「べからず選挙」を強要され、事前運動禁止、戸別訪問禁止、文書活動の規制など、有権者の知る権利も候補者の選挙活動の自由も制約されている。」というふうに現行の公選法を批判されておりますね。選挙はもっと自由に行うべきだというのがこの冊子の基本になっているんだろうというふうに、全体を読ませていただいてそういうふうに思いました。
 これが去年の五月の公明党の見解だったんだろうというふうに思うんです。この点は間違いございませんか、去年の五月の段階は。
#37
○衆議院議員(遠藤和良君) それは、本来あるべき選挙運動の姿というものを追求しているわけでございます。その当時も、いわゆる書籍、パンフについてはやはりきちっと同じ水準で、雑誌あるいは新聞と同じレベルでやるべきであるという議論はしておりました。
 したがいまして、その当時から、自由だけれども、こういう目に余るものについて、これを野放しにするのは本来の自由とはちょっと違うのではないか、こういう議論はあったわけでございまして、今回提案をしている考え方がその当時からあったことは事実でございます。
#38
○富樫練三君 そういう見ざる言わざる聞かざるのべからず選挙ですね、これが有権者の知る権利を制約している、それから候補者や政党の自由な活動を制約している、こういう理解が去年の五月の段階だったというふうに思うんですね。
 そういう点からいえば、べからず選挙を一歩また進めようというのが今度のパンフレットやあるいは書籍の規制、こういうことになるんじゃないですか。逆の方向ですか。自由にやろうという方向ですか、それともべからず選挙の方向にもう一歩進めようという方向ですか。
#39
○衆議院議員(遠藤和良君) 規制を強化したり、あるいは一歩進めるという考えは毛頭ございませんで、いわゆる今回は、何度も申しますけれども、新聞、雑誌と書籍、パンフは区別がつかないから同列に扱いましょう、公平を期しましょう、そういう話でございます。
#40
○富樫練三君 同列に扱うということが実は規制の中身を拡大しようということだと思うんですけれども。
 ここで、自治省の選挙部が編集したんでしょうか、選挙課長さんと管理課長さんの共著、一緒に書いた本ですね、「逐条解説 公職選挙法」という本がありますね。この中で「政党その他の政治団体等の選挙における政治活動」という項目がありますけれども、その中で、公選法で選挙期間中の政党活動の規制を行う理由について解説が出されております。私も勉強させていただきました。その中で、規制の前提として次のように解説しています。
 「議会制度の下において、政党が国会議員の選挙に際してその党勢拡張、政策の普及宣伝等の政治活動を平素にも倍加して活発に行うことは、政党が究極においては選挙に勝利を占め、多数党として政権を獲得して、その政治上の主義施策の実現を図るための人的集団である以上、極めて当然のことである。したがつて、政党が選挙において所属候補者の当選を図るために選挙運動を行うことは、政党本来の目的実現のための最も重要なものであるといわねばならない。」というふうに言っております。さらにその後、「政治活動規制の内容」という項目のところで、「政治活動は、本来自由であるべきであるという前提に立つならば、政治活動に対する規制の範囲は、規制の目的に照らして必要最少限度でなければならない。」ともこの解説書では言っているわけなんですね。
 ここで、規制する場合は最小限と言っておりますけれども、実際には先ほど、去年五月公明党さんが配ったその小冊子にもあるように、その規制がどんどん行われてべからず選挙になっている、国民の知る権利も政党活動の自由も大幅に規制されているのが現実だと思うんです。
 これに加えてパンフレットや書籍の普及も禁止しようということですから、これは明らかにこの自治省の解説と逆行することになるんじゃないのかというふうに感じるわけなんですけれども、今回の改定の中身が、これは政府が提案者ではない今度の改定案ですけれども、これはひとつ、自治省が出しているものですから自治大臣にぜひ伺っておきたいと思うんですけれども、自治省の解説とは、今回のパンフレット、書籍の規制とは逆の方向じゃないでしょうか。いかがでしょうか。
#41
○国務大臣(保利耕輔君) 選挙活動ができるだけ自由であるべきであるという基本原則は、私は間違っていないと思うのであります。
 ただ、いろんな考え方から、一定の制約を受けて、ルールを設けましょうということで法律が私はできていると思いますし、それがもし不足であるならば、現状に合わせて、いろいろ問題点があるならばそれは改正をしていきましょうということが起こってくるのもこれまた当然だと私は思います。
 そういう意味で、政党間で御協議をいただいたんでしょうか、提案者側で御協議をいただいたんでしょうか、こういう提案をされておられることでございまして、これは、選挙活動をどういうふうに行うかということについては議会サイドの立法措置でありますから、私どもの方からこれがいいとか悪いとかということを申し上げる立場にはないということは御理解をいただきたいと思います。
#42
○富樫練三君 私は、いいとか悪いとかの判断を求めているんじゃないんです。私が伺っているのは、自治省が編集したこの解説書の方向というのは、規制をする場合でも必要最小限にすべきだ、選挙活動についても原則自由であるべきだと、こういう立場で解説をされているわけですね。そういうことに対して、今回出されているのはパンフレットや書籍を規制しよう、宣伝や車を規制しようと、こういうことなので、これは解説書の方向とは方向が違うんじゃないのかと。
 いい悪いはともかくとして、その判断ではなくて、その解説の方向とは違うんじゃないですかと、そこの認識を伺っているんです。
#43
○国務大臣(保利耕輔君) 先ほども申し上げましたとおり、選挙活動はできるだけ自由というのがそれはいいだろうと私も思います。しかし、それでは今言われている戸別訪問の禁止を解除したりなんかしていいかどうか、いろんな問題点が出てくると思うんです。それで、やっぱり一定のルールのもとに選挙活動をやりましょうということでこの選挙法というのができていると私は思います。
 先ほどと同じ繰り返しになるのでありますが、そこにどの程度のルールがいいのかということは、これは立法措置で決めていただくということになるわけだと思います。それで、提案者側の政党がいろいろお話し合いをされてこういう提案をなさっているということだと認識をいたしております。
#44
○富樫練三君 原則的には選挙活動は自由であるべきだという点は恐らく変わらないんだろうと思うんです。ただ、その中でルールをつくろうではないかと、こういう答弁のようですね。
 もう一点伺いますけれども、投票率との関係でちょっと伺っておきたいと思うんです。
 ここに、財団法人明るい選挙推進協会というところが行いました、これは選挙のたびに世論調査をやっている法人のようでありますけれども、その調査があります。前回の衆議院選挙に関する世論調査として、投票率の低さを問題にしながら、棄権した人にその理由を尋ねています。これは衆議院選挙、前々回と前回、この二つを比較しているんですね。その中で、棄権の理由の増加状況、棄権の理由がどう変化しているか、こういうことを確かめております。
 その中で一番比率として棄権の比率が高くなった、増加しているというのが、選挙によって政治はよくならないと思ったからというのが一四%にふえているんですね。七%から一四%に倍加しているんですね、この調査によると。それから二番目は、適当な候補者も政党もなかったからという人が一四%から一七%にふえています。それから、政策などについて事情がよくわからなかったから棄権した、こういう人が一〇%から一四%に、約四〇%ふえているということですね。それから、選挙に余り関心がなかったからという人が一七%から二三%にふえているわけです。これは大体三五%ぐらいふえていると。こういう調査の結果が発表されております。
 こういう実態を見たときに、政治に対する国民の不信とともに、候補者や政党あるいはその政党の政策、そういう情報が十分有権者に提供されていないのではないか、共通して言えるのはそこのところだろうというふうに思うんですね。ですから、公選法によって規制が余りにも厳しくてべからず選挙になっているその弊害がこういう形でやはりあらわれているのではないかというふうに思うんですね。
 むしろ投票率を上げようと。政治に対する関心を高めていただいて大いに政治に参加していただく、有権者に。そういう角度から公選法を改定するとすれば、むしろ政党や候補者の公約とか政策をもっとしっかりと宣伝できるようにするのが先決であって、国民の知る権利を十分保障すること、そのことが今大事なんじゃないのかというふうに思うんですね。
 この点についていかがお考えでしょうか。どなたでもどうぞ。
#45
○衆議院議員(遠藤和良君) それはまことに大切な御指摘だと思います。
 政党があるいは候補者がその考えるところを有権者の皆さんによく知っていただくということは大変大切なことでございまして、それは私どもが心がけていかなければいけない問題だと思います。
 そしてまた、選挙制度は、本来的には規制緩和をいたしまして、皆さんに周知、自分の考え方、政党の政策というものがきちっと理解をしていただけるようなことを考えていかなければいけない。そのルールづくりが大変大切なことでございまして、それはきちっと正確に皆さんが、公平なルールをつくってやっていくということであろうかと思っております。
#46
○富樫練三君 今の公選法もそういう意味ではルールの一つでありますし、そういう点ではルール違反があったという事実はないわけで、ルールはきちんと守られていると。もしルール違反、法律違反が、ルールというのは法律ですから、これに違反するということがあれば検挙されるとかそういうことになるわけで、そういう事実はないということは、先ほどの警察庁の確認やあるいは東京の選管事務局長の確認でもはっきりしている。そのルールをきちんと守ることがやっぱり公正な選挙であり、その中できちんと政策を訴える。むしろ今の選挙制度というのはルールをつくる余り、それを厳しくし過ぎて有権者に十分伝わっていないというのが先ほどの世論調査の結果だろう、ここの点は改めていく必要があるのではないかというふうに思うんですけれども、政治活動や選挙活動の自由の問題について、憲法との関係についてちょっと伺っておきたいと思います。
 ちょっと前の話ですけれども、一九七八年三月三十日、松山地裁は、公選法の戸別訪問禁止規定とそれから法定外文書頒布禁止規定を違憲である、憲法違反である、こういう判決を出しました。続いて一九七九年一月二十四日、松江地裁が、公選法の戸別訪問禁止規定を違憲である、こういう判決を出しました。この松江地裁の判決はこういうふうに言っているんです。その理由の中で、民主主義は、「現行憲法の採用する重要な基本原理である。」「かかる憲法の下では、選挙は国民が国政に参加し、主権者として自ら政策、政治を決定するための最高の権利行使であり、そのため国民の行うべき選挙運動は、最大限に尊重されなければならない。選挙活動の自由が、あらぬ理由によって制限されることは、現行憲法の民主主義と根本的に相いれぬところである」、こういうふうに言っているわけなんです。
 これらの地裁の判決というのは、直接問題になったのは戸別訪問ということなんですけれども、しかし憲法との関係でいえば、憲法二十一条、「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。」、この二十一条との関係で出された判決なんです、判決文全体を読んでみますと。ということで、この判決から見ても、選挙活動の自由や政治活動の自由を憲法上の保障された権利であるというふうに考えるわけですけれども、この点に関してどのようにお考えでしょうか。
#47
○衆議院議員(堀込征雄君) 委員御指摘のとおり、政党活動の自由、政治活動の自由、当然憲法上に保障されているわけでありまして、選挙においても限りなくそういうことが保障されるべきであろうと基本的には考えております。
 ただ、公職選挙法、先ほど委員、総則のことの御指摘がございましたが、さりとて選挙というものが民主主義の基本でありますから、公職選挙法では例えば買収、供応がどうだとかいろいろな規定があるわけでございまして、ある種やっぱりルールを持ってやらなきゃならぬということになっているんだろうというふうに思います。
 もう一つは、先ほど委員との御質疑も私拝聴しておりましたが、例えばこのビラ、パンフ、そのほかいろんなことがあるわけであります、ポスターの規制なんかもあるわけでありますが、これも無制限に、ポスター、今ですからマスメディアの媒体だとか非常に実はお金がかかる実態もあるわけでありまして、したがってこういうものを、ある種お金のある人だけが選挙に出られるという実態ではなくて、ある種やっぱり、余り規制してはいけませんが、ある程度のところでやっぱり公平を期するというような仕組みで議論されて今日の公職選挙法がある面も否定できないんではないか、こういうふうに思っております。
 そこで、委員御指摘のとおり、戸別訪問の解禁につきましては、私どもの党も解禁すべきだ、こういう見解を持っておりまして、それぞれ各党協議の中でもそういう論議をしてきております。数年前にたしか、一挙に全面的な解禁はどうかと、たしか細川内閣の後だろうと思いましたが、例えば衆議院選挙の一候補者事務所で百人の腕章を巻いた戸別訪問の要員だけは認めたらどうかとか、かなり議論が詰まった経過もございまして、今委員の御指摘のとおり、これから私どもの党としても、戸別訪問だけは政治活動、政党活動の自由という観点から解禁をしていく方法論を早急に探し出すことが重要だな、こういうふうに思っております。
#48
○富樫練三君 この判決で選挙活動の自由、政治活動の自由は憲法上の保障された権利である、こう判決が出されているわけですけれども、そういうものが自由だからといって買収や供応、それも含むんだ、こういうことではないことはもう常識の問題ですから、ここでそういうことは問題にならないんだろうと思うんですね、当たり前のことですから。
 同じく憲法との関係で、一九八〇年四月二十八日、広島高裁は、戸別訪問禁止規定を違憲、憲法違反、こういうふうに判決を出しました。さらに、一九八一年七月二十一日、最高裁ですね、これは。ここでは、選挙運動の自由の制限を合憲とする、憲法に合っている、こういう、結論としてはそういうふうになっているんですけれども、その裁判官の一人、伊藤裁判官はこういう意見を出しているんです。戸別訪問禁止の根拠について、従来の弊害論は「それだけでは、なお合憲とする判断の根拠として説得力に富むものではない」、「選挙運動としての戸別訪問が種々の長所をもつことは否定することができないし、また選挙という主権者である国民の直接の政治参加の場において、政治的意見を表示し伝達する有効な手段である戸別訪問を禁止することが、憲法の保障する表現の自由にとって重大な制約として、それが違憲となるのではないかという問題を生ずるのも当然といえよう」と、こういうふうに意見表明をされているわけなんです。
 こういう広島高裁の判決とかあるいは最高裁の裁判官の意見、こういうものは国民の権利との関係、憲法との関係、この点でやはり選挙運動の自由を保障するべきであるという立場をとっているわけなんですね。ですから、地裁も高裁も最高裁の裁判官の方もそういう立場をとっている、法律としてはそういうふうにはなっていないけれども、こういう立場をとっているという意見はかなり広範に今広がってきているというのが実態だと思うんです。
 提案者の御意見は先ほど伺いましたので、こういうことについて、やはり選挙活動の自由、政治活動の自由について拡大すべきだという流れは一方に非常に大きくあるというのが事実だと思うんです。こういう点について、選挙担当の自治大臣としてどのように認識あるいは感じ取られておるのか、この点についてちょっと所見を伺いたいと思うんですが。
#49
○国務大臣(保利耕輔君) 選挙運動そのものはやはり自由であるべきだ、できるだけ自由であるべきだということでありますが、先ほどからの御答弁の繰り返しになって大変恐縮なんですが、やっぱりその中でも一定のルールがあるだろう。行き過ぎたことがあってはいけないとか、あるいはお金がかかり過ぎるというような選挙についてはこれはやはり規制をすべきだろうというような観点からの立法措置をいろいろ講ずるというのは、これは立法府の役割だろうと思います。そういう意味で、いろいろな御主張があり、そこの中で一定の結論を得ていただくというのが、そして、私どもは法を執行する立場でございますから、そのでき上がった法に基づいて選挙を行っていくというのが私どもの立場でございます。
 したがいまして、一定のルールのもとにやっていくということでございますが、選挙そのものはできるだけ自由がよろしいと思いますけれども、今申しましたような観点から一定の制約があるということは、これは立法府の意思としてお決めをいただくということになろうかと思います。
#50
○富樫練三君 先ほど私が申し上げました公明党さんの方が配りました「小選挙区比例代表並立制批判」というこの冊子、この中でも、日本の選挙制度というのは特別厳しいんだと、こういう指摘があるんです。べからず選挙が激し過ぎるというか、こういう指摘がありますけれども、私もそういう認識を持っているんです。
 きょうは皆さんのところに、国会図書館がつくったこういうB4の横判の一覧表を配らせていただきました。これは選挙について、そもそも制度の違いとか考え方の違いとか歴史の違いとか、そういうものはいろいろあるんですよ。あるんだけれども、全体の方向として、イギリス、アメリカ、ドイツ、フランス、これを仮に比べた場合、日本との余りにも違う、こういう実態が明らかだと思うんです。
 例えば、上から二番目の戸別訪問については、イギリスは規制がない、アメリカも規制がない、ドイツも規制がない、フランスも規制がない。戸別訪問は全部解禁というか認められている、当たり前のことだと。むしろこれが選挙活動のかなり中心部分を占めていると。アメリカに行った調査団の方が日本では戸別訪問が禁止されているんだという話をしたら、じゃどうやって選挙をやるんだ、こういうふうに逆に質問されたということも伝えられているくらいなんです。
 それから、例えば文書の頒布や掲示、これについてもイギリスは原則自由です。アメリカは原則規制がない。それからドイツは自由だということです。フランスの場合は幾つかこういうものがあるわけですけれどもね。
 これらを見ただけでも、日本の選挙制度というのは余りにもべからず選挙の暗やみ選挙だと。有権者に本来の姿が知らされないまま、投票だけは、投票率だけは上げようじゃないかみたいな話があるということだと思うんですね。
 ですから、私は、全体の世界の流れから見ても、こういうべからず選挙についてはやっぱり改善すべきだというふうに思うんですね。そういう点でも、パンフレットや書籍の宣伝を規制するのではなくて、むしろ八一年のときに規制した新聞や雑誌の宣伝規制も撤廃する、これが世界の流れだというふうに思うんですね。
 この点について、これは全体にかかわることですので、自治大臣の見解がございましたらちょっと伺っておきたいと思うんですが。
#51
○国務大臣(保利耕輔君) 私もヨーロッパにしばらくおりましたので、あちらでの選挙のありさまというのを、当時は会社員ですから専門的に見たわけではありませんけれども、大きなポスターを張るというのが一つありました。大統領選挙のときでも畳で二畳以上の大きなポスターが張られております。それから戸別訪問というのも実態を見ております。戸別訪問をおやりになっている。
 ただ、ないのは宣伝カーなんですね。これは全く私は見たことがありません。聞いたことがありません。これは一つは、市民としてのルールが一つできているんだろうと思うんです。町は静かであるべきである。休むところに、憩いの場といいますか、家というものはそういうものである、それを大きな声でいろいろ宣伝をするということについては、彼らの考え方でしょうけれども、そういうことは、市民社会としてそういうことをしないということが定着しているために選挙運動としては別の方法がとられているのかなと、こう私は思っておりました。
 それが日本では、日本のこれは逆に特徴だろうと思いますが、あるいはアジアでは多少これがあると思いますが、アジア型とそれからヨーロッパ型、その辺がちょっと違うような気がいたします。確かに、戸別訪問が主体をなしておりますが、宣伝カーというのは私は見たことがないということでございます。
 ちょっと自分の経験から感想だけ申し上げさせていただきます。
#52
○富樫練三君 ドイツでも宣伝カーはちゃんと出ているんです、スピーカーのついた。ということですので、やっぱり全体として、有権者の政治に対する参加、これを促していくという体制が世界の流れだというふうに思うんですね。そういう意味で、選挙活動も政党活動も当然自由が原則であるということだと思うんです。
 時間があと残りわずかになりましたので、ちょっと次の問題、あと二点ほど、テーマとして二点ほど伺っておきたいと思うんです。
 それは、再選挙、補欠選挙の期日の統一の問題についてであります。
 ちょっと自治省に伺いますけれども、提案されております内容で統一した場合、理論上ですね、理論的には最長、議員がいない欠員になる期間というのは最長で計算した場合、何カ月あるいは何日とかということになりますか、これは。理論上で結構です。
#53
○政府参考人(片木淳君) 現時点で提案されておりますのは衆議院議員の選挙期日の統一でございますが、これを仮に参議院議員の補欠選挙につきましても同様の取り扱いがなされるというふうに仮定いたしますと、具体の数字、日付で申し上げますが、現時点での参議院議員の任期満了日は、裏表ございますが、七月二十二日と七月二十五日でございます。いずれの場合におきましても、任期が満了いたします前年の第一期間の初日、すなわち九月十六日に補欠選挙事由が生じた場合に欠員を生ずる期間が最長になるものでございまして、この場合、約十カ月間欠員が生じるという計算になります。
#54
○富樫練三君 それは正確でしょうね。約十カ月というのは、かなり幅があるんですか。例えば一年を超えることは絶対ありませんか。どんな場合を想定しても絶対ないですか。
#55
○政府参考人(片木淳君) 先ほど申し上げましたように、現在の参議院議員の任期満了日を前提にして申し上げました。
 ただ、今後、任期満了後に選挙が行われるということで任期満了日が徐々にずれていくとすれば、理論的に申し上げますと、これは衆議院議員の場合と同様でございますが、最長一年程度の欠員が生じるという事態が、そういう場合が起こりますとございます。
#56
○富樫練三君 一年を超えることはありませんね、絶対に。どうですか。絶対にないですか、一年を超えることは。
#57
○衆議院法制局参事(横田猛雄君) 理論的、あくまでも理論的にですが、めったに起こらない話なんですけれども、最長の場合、任期満了が本当にそのぎりぎりのところにありました場合には、欠員の期間、任期満了選挙がいつ行われるかによります。したがって、最大では任期満了ぎりぎりまで国会が開かれていた場合には、国会閉会から二十四日から三十日ですから、三十日まで延びることはあります。ただ、その場合、全国的にすべての議員が任期が終わっていますので、その選挙区だけということではございません。
#58
○富樫練三君 ということは、そういう条件が重なった場合、いろんな条件が重なった場合には、そこの選挙区についていえば、全体が空白になるという期間というのは短いわけですよね、そこの選挙区についていえば一年以上の空白ができると、こういうことも理論上はあり得ると、こういうことですね。
 私はきょう資料を配らせていただきました。これはA4の横型の表なんですけれども、これで右側の欄から三つ目の「欠員期間」というのがあります。これはこの補欠選挙を統一した場合に、今まで前々回の参議院の選挙以降、九五年の選挙以降行われた補欠選挙について自治省の資料に基づいてつくらせていただきました。
 これは、例えば参議院佐賀選挙区の場合は、今度統一されますと、されていた場合は二百七日間の空白になると。それから、栃木の場合は二百十九日。それから兵庫の場合は二百一日ということになるんですね、ここにずっと数字入れてありますけれども。例えば佐賀の場合でいうと、今まででしたら空白期間は四十七日間であったものが増加する日数が百六十日、四倍増加すると、こういうことになるわけなんですね。
 参議院についても修正案が後ほど出されるようでありますけれども、参議院もそういうふうになった場合には、ここで言っている佐賀、それから岐阜、栃木、兵庫、宮城、和歌山、長野、熊本、これが参議院の補欠選挙ですね、その中で何と二百日を超えるというのがたくさんあるわけですね。佐賀、それから栃木、兵庫、それから宮城の場合は百九十九日ですからもうほとんど二百日ですね、それから和歌山が二百十二日、熊本が二百十九日。全部で八回あったうちの六回が百九十九日以上の空白になると、こういう事態になるわけなんですよ。
 ですから、一年間三百六十五日のうち二百日前後が空白になる、そこの選挙区は。こういうふうになった場合に、まさにそこに住んでいる有権者の皆さん方の参政権が奪われる。こういう点でいえば、まさに憲法の角度から見て、憲法の理念から見てもこういうことはやるべきではないというふうに思うんですけれども、提案者、いかがですか。どなたでも結構です。
#59
○衆議院議員(堀込征雄君) 私どもこの法律を提案したのは、既に委員御承知と思いますが、衆議院小選挙区導入されて以来、補欠選挙が、それまで中選挙区時代は、規定が違ったからあれですけれども、なくて、一挙にこの三年、たしか三年だと思いましたが、十二件ということで、年を通しますとしょっちゅう、候補を立てた政党は補欠選挙。特に、実際は政策審議や国会運営に当たらなきゃいけない党の幹部がしょっちゅう補欠選挙で対応しなきゃならぬ、これを何とかしなきゃいかぬということが一つございました。
 もう一つの理由は、御存じのように、やっぱり補欠選挙をいろいろ考えて、ある種、国会審議の中で解散もなく参議院の通常選挙もなくある種重要法案がやられておる、だから国民投票制度を今入れたらどうだなんという議論もあるわけですが、ある種私は、やっぱり四月と十月に国政の今行われている課題について国民的な関心の中でミニ総選挙が行われるということでそのときの国政の政治判断がある種行われていく、こういう仕組みの方が国民的関心を高めていいんではないか、こういうことで実は各党話し合って、これはやっぱり統一してそういう仕組みにしようということになったわけでございまして、今、委員御指摘の点は、特にこの後参議院の修正が出されるわけでありますが、衆議院の場合小選挙区一人でございますから、これは任期満了というケースは戦後一回しかありませんが、その場合最長一年近くあけるケースもあるというようなことをどうすべきかということで議論がありました。
 参議院の場合は恐らくまだそういう意味では何といいますか裏表の選挙がありましてその地区選出議員はいるんだけれども、衆議院の場合はどうかというような議論を私ども各党で真剣にやったんですけれども、しかし現行法でも任期満了前六カ月というのは補欠選挙がない。考えてみれば、衆議院議員も決して、地域選出の議員ではあるけれどもやっぱり一国会議員だということを含めて、統一をする利益の方が多少その選挙区で、六カ月といいますけれども一カ月の場合もあるわけでございまして、そういうことを含めてその利益の方が大きいだろう、年二回に統一する利益の方が大きいだろう、こういうことで実は各党の一致を見たところでございます。御理解をいただきたいと思います。
#60
○富樫練三君 今、答弁ありましたけれども、実態は私が今お配りしましたこういう表のとおりなんですね。
 衆議院の場合は、まさに小選挙区は一人しかいないわけですから、一年、場合によっては、まれにあることかもしれませんけれども一年以上も空白になるということになれば、これは有権者の権利として重大な問題だというふうに思うんです。
 そろそろ時間がなくなりましたので最後の質問になろうかと思うんですけれども、衆議院の審議の中で、この間の補欠選挙を見ていると、全体としてローカルな選挙というか、国政の選挙にもかかわらず地元のことが問題になっていてどうも国政選挙らしくない、それをまとめてやればもっと国政らしい選挙になるのではないか、こういう答弁がなされていらっしゃいますね。これは鈴木議員さんの方からだったと思うんですけれども。
 私、調べてみました、本当にそうなのかなということで。全部資料を集めるわけにいきませんので、例えば東京のこれは衆議院の方の、東京四区の選挙公報です。これをずっと調べてみました。そうしましたら、自由民主党の方の政策の中心は、「元気な大田区をつくります。大田区生まれの熱血政治家」、こういうことなんです。それで、そのほか上田さんとか、例えば日本共産党の場合は、「政治を変える大きな力に」ということで国政問題が出ているわけです、消費税問題だとかそういう問題が出てくる。年金、医療の問題とかですね。それからこれは自由党の方は「経済の自由党 教育のさたけ」というふうにこう出ているわけなんです。ここでは教育の問題をかなり重点的に取り上げているというわけなんです。それから、これは改革勢力統一候補、松原さんという方なんですけれども、この方は「不況内閣にNO」と、こういう一番訴えたいことが一番大きく書いてあるわけです。
 これをずっと見ますと、ローカルだと言いますけれども、決してローカルではないんです。やっぱり国政問題を一番中心に訴えているんですよ。強いて言えば、自民党の方が一番ローカルだということなんです。
 それから、これは長野の補欠選挙、これを見ますと、社民党の方は「「自自公」体制にNOを」ということで、やっぱり国政問題を取り上げています。それから自民党の方、この方は景気回復問題を取り上げています。それから民主党の方は、「国民と連立する新しい政治を実現します。」と、やっぱり国政問題ですよ、これは。それから共産党の場合ももちろん、「「自自公」政治をこのままつづけてよいのでしょうか」と、こういうことで国政問題を取り上げています。
 各政党が出したさまざまな法定チラシ、こういうのもありますよね。民主党の場合は、「あなたは自自公ですか。新しい民主党ですか。」とか、こういうふうに言っているわけですけれども。実はこれを見て気がついたのは、これは前の小渕総理が真ん中に立って、「いっしょに創るつぎの長野」と、こういうふうになっているんですよ。これはやっぱり県知事選挙か県会議員選挙かと、こういうことなんだと思うんです。ですから、そういうふうに見ていけば、例えばこれは自民党さんですけれども、「二十一世紀の新しい長野を創造」と、やっぱりこれは長野にこだわっているわけなんですね。国政よりも長野の方に目が向いている。
 ですから、補欠選挙をやるとローカルな選挙になるんだという答弁があったんですけれども、私はそうじゃないと。やっぱり全体としてはローカルの選挙ではなくて国政が争われている。そういう中で、強いて言えば候補者や政党の問題なんだと、これは、ということに思いますので、統一することによって国政選挙になるということは単純には言えないのではないかという点が一つです。
 もう一つ、最後のテーマですけれども、小選挙区制で供託金が没収された場合には比例代表の方で当選できない、こういう問題も出されております。
 これは、もともと小選挙区制と比例代表というのは別々の選挙と。そこに小選挙区制の基準である供託金の没収基準十分の一を持ち込んで、その小選挙区制の基準で比例代表の当選者を失格にする。これは並立制の制度そのものの根本をゆがめることになるということだと思うんですね。ですから、これはやるべきではないというふうに私は思いますけれども、いかがお考えでしょうか。
#61
○衆議院議員(鈴木宗男君) 比例の関係につきますれば、それは政党に対する投票でありますから、その政党の枠というのは何ら変わるものではありませんから、その点やはり法定得票率だとか供託金没収という一つのルールがあった場合、これはなかなか国民世論としてなじまなかったという声がたくさん出てきたものですから、これも各政党間協議において、これは速やかに是正しましょうということで出てきたものであるということです。
 なお、最初の質問のローカルな選挙になってしまうという点でありますけれども、少なくとも小選挙区制度というのは、これは党対党、そして政策対政策の争いにしましょうと。同時に、この制度を変えたときの最大の眼目は、緊張感を持つ、それは政権移動ができるような二大政党に持っていきましょうというので大きな政治改革、制度改革をやったわけです。
 そういった意味でも、一つ一つの選挙をやるとどうしても地域に対するサービスだとか地域の問題が取り上げられているんです。今、先生の御指摘になった公報というのは、公の公報ですから政策が出ていますけれども、実態に、個人演説会等を聞きますと極めて身近な、そして地域の問題等になっておりまして、それはやっぱりサービス合戦になりまして、政策の議論にはなっていないんです。これは我々もいろいろ調べました結果の話であります、トータルでの。この点、そういった意味では、今の実態に合ったと、是正をしたんだということで御理解をいただきたい、こう思っております。
#62
○富樫練三君 終わります。
#63
○照屋寛徳君 社会民主党・護憲連合の照屋寛徳でございます。本日は、提案者の皆さん、それから自治大臣、大変御苦労さんでございます。
 先ほどから、提案者、発議者と富樫委員の質疑のやりとりをずっと聞いておりました。思いますに、公職選挙法の一部を改正する法律案を現に審議しているわけでありますが、提案者を含めて、質疑をする私も、いわば選ばれる側であります。代議制民主主義のもとにおいて選ぶ側、すなわち主権者たる有権者、この選ぶ側の私は、何というんでしょうかね論理というか気持ちを大事にするということが一番大事であって、少なくとも選ばれる側の論理というか利便性の追求であってはならないと思います。そのことは提案者の各先生方も同じ思いだろう、こういうふうに私は理解をいたしております。
 さて、公職選挙法は、その第一条において公職選挙法の目的を定めておることは御案内のとおりでございまして、公選法の目的は、一つはやっぱり憲法の精神にのっとって衆議院議員あるいは参議院議員、そして地方公共団体の議会の議員や長を公選する。ここで言う憲法の精神にのっとってということが私は一番大事だろうと思いますね。そして同時に、選挙人の自由に表明する意思によって公明かつ適正に選挙が行われることを確保する、そのことによって民主政治の健全な発達を期していこうというふうに定めておるわけで、憲法の精神にのっとるということと、有権者である、主権者である選挙人の自由に表明する意思の尊重というのは私は何よりも優先をされなければならない、こういうふうに考えているものであります。
 そこで、公職選挙法の一部を改正する法律案が今提案者から提起をされているわけでありますが、私はこの審議をするに当たって、現行の、小選挙区比例代表並立制という現行制度、この現行制度の中で、公選法の目的に照らして、一票の価値の格差の問題、あるいは死に票の問題、あるいは得票率と議席率の乖離という矛盾の問題について、提案者の皆さん、各党それぞれどのように受けとめていらっしゃるのか、詳細お聞かせいただければありがたいな、こういうふうに思っております。
#64
○衆議院議員(鈴木宗男君) 今の小選挙区の比例並立制は、これは平成八年の選挙からスタートしたわけですけれども、やはり百点満点でない面があると思います。そういった意味では、是正するものは是正していくと。特に国民世論等から厳しく指摘を受けたもの、批判を受けたものについては、やはり立法府である国会の場においてきちっと私は改正されていく、これが必要でないかなと、こう思っております。そういった意味で、今回、緊急な改善措置、是正案を出させていただいたということだと思います。
#65
○衆議院議員(遠藤和良君) 一票の格差を是正するということは大変大切なわけでございます。そもそも選挙制度は、国民の皆さんが政治に対して参加する、こういう意味でございますから、国民のための選挙制度でなければならない、この認識は先生と同じでございます。
 現行の比例代表並立制でございますけれども、比例代表部分は比較的一票の格差が少ない制度でございますが、なお慎重を期しまして、この間二十削減をいたしますときに、一番近い国勢調査の結果をもとにいたしまして、そういう意味での格差の是正をした上で定数を確定させていただいております。
 それから、一番問題なのは三百の小選挙区のところにおきます一票の格差でございますが、これが大変二倍以上の格差のところが次第に多くなっておりまして、平成十二年度に国勢調査が行われますから、その結果を勘案いたしまして、できるだけ二倍以内に格差を是正する方向で調整をしたい、このように考えている次第でございます。
#66
○衆議院議員(堀込征雄君) 御指摘のありましたとおり、一票格差是正問題については今それぞれ提案者からあったとおりでありまして、区割り審議会法で、十年に一度の国勢調査、つまりことしの国調でございますが、に基づいて審議会は一年以内に結論を出すと、こういうことに法律でなっていますから、たしか去年の住民基本台帳で、衆議院三百小選挙区の、二倍を超える選挙区が八十三に上っておりますので、もう避けて通れない問題だ、課題だと。これ、衆議院は責任を持ってこの格差是正に、ことしの国勢調査に基づいてやらなきゃならぬ、大至急やらなきゃならぬ課題であろうと、こういうふうに思っております。
 それから、死に票の拡大だとか得票率と議席率の乖離という問題御指摘がございまして、これ非常に本質的な問題でありまして、私どもの党は、そういう意味では、衆議院の場合は実は政権を争う選挙だ、したがって比例代表制部分をより小さくして小選挙区部分を多くしながら国民に政権選択をめぐる、政権選択を選択してもらう、こういう制度にしようということを党の考え方としては持っておりまして、そういう意味では、今、先生おっしゃる死に票だとかそういう問題はさらにそういう制度にしますと拡大するわけでありますが、それぞれ衆議院の仕組み、参議院の仕組み、日本の当主のあり方をどうするかという基本論議だと思いますので、またいろいろ議論をさせていただきたい、こう思っております。
#67
○照屋寛徳君 やっぱり私は、主権者である有権者の一票の重みに差があってはいけないと思うんですね。これはもうとても公職選挙法、選挙制度を考える上でとても大事なことだというふうに私は思っているわけです。
 それで、先ほど遠藤先生からその点について丁寧な御説明がございましたけれども、私はもう、この一票の重みをめぐってさまざまな裁判が提起をされて、それで最高裁判所の判決も幾つも出されておるということはもう提案者も私も共通の認識だと、こういうふうに思うわけでありますが、政権政党の中でも一番大きな自民党の鈴木先生から具体的な御説明がなかったのは残念であります。自民党として、提案者の鈴木先生として、この一票の価値の格差の問題、これをどのように是正すべきなのか。
 それから、得票率と議席率の乖離の問題というのは、自民党はなかなかお答えしにくいんでしょうけれども、しかし現にそれが生じておって、そのことがあるいは私はまた選挙制度そのものの何というんでしょうか欠陥というか、言葉は過ぎるかもしれませんけれども、選挙制度そのものについて国民の大いなる疑問が起こって、それが結果的に選挙を棄権するとかあるいは政治不信を生ぜしめる原因にもなっているのではないか、こういうふうに思うわけでありますが、改めて提案者の鈴木先生に、この一票の格差問題、それから現行制度のもとにおける得票率と議席率の乖離の問題について、御意見をいただきたいと思います。
#68
○衆議院議員(鈴木宗男君) 衆議院で定数是正の削減の二十の問題のときも私は言ったんですけれども、小選挙区においてのこの一票の格差、これはもう最高裁判決も出ていますから、これは速やかに是正しなくてはいけない。ついては、何を基準にするかというと、平成十二年度の国勢調査を基準にする。
 そして、これは法律で、小選挙区画定審議会というのがありましてそこで議論をするというふうになっておりますから、それはことしの十月以降に出てくるわけでありますから、それを待って、そしてそれは一年以内にきちっと結論を出すというふうに法律で決まっておりますから、それを待ちましょうと。その前に比例の部分についての削減をしましょうということで削減法案を決めた経緯がありますので、この点はきちっと担保はしているということ。最高裁判決も出ていますから、その是正はやってもらう。それは国勢調査をもとにしてきちっと出してもらう、画定審議会で決めてもらうということになっておりますから、これは時間が解決するものだと、こう思っております。
 なお、ここはちょっと堀込先生とは意見を異にしますけれども、私は民意、特に死に票をなくすという意味では、比例の並立制というのはよくできたものだと思っているんです。小選挙区で一人を選ぶ場合、例えば五万票とった人と四万九千九百九十九票とった人でも、一票差でも勝ちは勝ちで、一人が全権を担って出てきます。じゃ残り、全く拮抗した人の声をどうするかといったら、比例の並立で救うというのは、私は極めて民意を大事にした、あるいは死に票をなくするという意味では私はバランスのとれている仕組みでないかなと、こんなふうに思っております。
 なお、議席率の乖離というのもありますけれども、私は、これも一票の格差がなくなればおのずから解決できる部分もある、さらに人口数に応じてこれまた今のブロックの定数も決まっているわけでありますから、これもブロックの数字も当然変わってくるものだということで、ここは、今、照屋委員のお話しされた方向に向けて改善はされていく、こんなふうに考えております。
#69
○照屋寛徳君 ありがとうございました。
 それで、先ほど提案者を代表して鈴木先生から提案理由の御説明がございました。その中で、小選挙区選出議員の選挙において法定得票数に達していない重複立候補者の比例代表選出議員の選挙における当選の排除についてでございますが、この新しい法改正をする理由について先生はお触れになりました。
 恐らく、新しく法律をつくる場合に立法事項というか立法理由というか、そういうものが必ずあるわけですね。それから、今回のように既にある法律を一部改正する場合も、おのずから改正の趣旨というか改正の動機、背景になる立法事項というのが当然あることだと思います。それが私は立法技術論ではなかろうかと思いますが、先生が説明をした御趣旨の中で、この法定得票数に達しない重複立候補者の当選の排除をする理由として、現行法の復活当選するのはこれは「国民感情にそぐわないため、」と。国民感情にそぐわないために法改正を図ろう、こういうことがこの改正の趣旨になっているわけですね。
 これは通告はしてございませんが、立法論として、私は、この「国民感情にそぐわない」というのはいかにも漠としているわけですよね。国民感情にそぐわないというのはどういうことかというのは、それを立法技術論として確定するというのは非常に難しいんじゃないかと、こういうふうに考えておりまして、もし提案者どなたでも結構ですからおわかりであれば、あるいはまた自治省から御説明をいただければありがたいのでありますが、これまでの、公職選挙法もしかりでありますが、その他の法律でも結構ですけれども、立法理由としてあるいは改正理由として、現行制度が国民感情にそぐわないという目的で法律がつくられたり改正されたりした具体的な事例がありましたらお教えいただきたいなと思います。
#70
○衆議院議員(遠藤和良君) 先生御承知のとおり、並立制という選挙制度はそもそも全く別の選挙制度を同時に行っているわけでございます。したがって、本来は重複立候補するべきではない、こういう議論があると思います。その場合は自己完結しておりますので大変明らかなわけでございますが、そもそも全く違った選挙制度に重複立候補を認め、かつ惜敗率等も認めておりますことから、全く独立した選挙制度でございますけれども、その間に連関が生じているわけでございます。
 したがいまして、今回の制度は、いわゆる小選挙区で当選された方は比例の名簿から削除する同じ手法を用いまして、小選挙区で例えば没収点以下の人は比例名簿から削除するという話でございまして、比例名簿の当選者の数そのものはこれは民意をそのまま反映しまして各党同じ数字でこの当選者の数は変わっておりません。名簿から削除するという話でございます。
 これはやはり、今回初めて選挙を行いました後、国民の皆さんから、いわゆる供託金を小選挙区で没収されていながら比例で当選するというのはこの選挙制度自体に何か違和感を覚えると、そういう声がございましたものでございますから、やはり選挙制度というものは多くの国民の皆さんに理解され支持されるものでなければいけない、こういうことでございまして、議会みずからがこれに対して修正を加えようと、こういう意味でございます。
#71
○衆議院議員(鈴木宗男君) 「感情にそぐわない」とはどういうことかということでありますけれども、さきの総選挙におきまして、小選挙区において極めて少ない得票数しかとれなかった重複立候補者が比例の並立制ということで出てきました。これについては、やっぱり国民が、供託金没収あるいは法定得票数に達していない人が上がっていくのはいかがなものかという批判があったわけですね。それにこたえているというのが「感情にそぐわない」最大の理由であります。
 特に、法定得票数未満の者はその選挙区の有権者からは議員としては期待されなかったと解釈できる、これが比例代表で当選することに有権者が釈然としないのは当然ではないかという声が、これは三月十二日の毎日新聞でありますけれども、社説で載っておりました。また、供託金没収の関係につきましても、二月十九日の読売新聞では、小選挙区で供託金没収点以下の得票で国民の代表と言えるのか、だれが見てもおかしいという指摘もありました。また、二月二十九日の日本経済新聞では、多くの有権者がおかしいと感じている点はやはり無視できない、選挙制度は有権者の信頼感がなければ成り立たない、こういう厳しい御指摘もありました。
 同時にこのことは各党協議会でも議論になって、これは直しましょうということで是正措置をとったということをぜひとも、議論の流れ、特に世論の背景をもってやってきた、それが「国民感情にそぐわない」という表現にしているということをおわかりおきいただきたい、こう思います。
#72
○照屋寛徳君 私は、立法論として、立法趣旨というかそういったものの理由に、国民感情にそぐわないということをもって法改正を図るとか改正の理由にするのはいかがなものかという疑問を呈しておるわけでありまして、復活当選についてもそれぞれ受けとめる国民感情というのは種々あろうと私は思うんですね。
 遠藤先生から、本来、現行の小選挙区比例代表並立制というのは比例代表選挙とそれから小選挙区選挙という全く別々の制度が並立しているのであって。私はそのことから、それはおっしゃるとおりだと思うんですね、遠藤先生のおっしゃるとおりだと思います。だから、現行の小選挙区比例代表並立制というのは全く別の二つの選挙制度が並立しているところが問題であって、そこでその両制度間において重複立候補の制度だとか、あるいは同一政党内の同一候補者のうちどの者を当選者とするかに当たって惜敗率を使用する問題とか、そういう両制度間の調整というか、その仕組みがつくられておるんだろうと思うんですね。
 そうすると、重複立候補制度、そもそも違う別々の選挙制度なんだから重複立候補制度によって復活当選現象が生ずるものではないのではないかというのが一つと、もう一つは、今度のように当選者の名簿から排除をするという、一定の要件に該当する者を排除する場合に、それぞれの政党の指定する名簿へ投票することを通じて比例代表選挙に示された有権者の意思を無視することになりやしないか。要するに比例区の民意を踏みにじることになるのではないか。
 例えば、ある党の名簿で一位が重複立候補者、二位が単独候補の場合に、重複立候補者が小選挙区で六分の一とれないと二位の者が一位の者を押しのけて当選することになるわけですね。そうすると、そのことはそれぞれ比例区の名簿を構成するいわば政党の自治権、これを侵害することに当たるのではないか。それから、比例の順位を含めた名簿に投票した有権者の選択権を奪ったり、あるいはまた公選法の目的とする選挙人の表明した意思、これを無視することになりやしないか、こういうふうに思うんですが、遠藤先生、いかがでございますでしょうか。
#73
○衆議院議員(遠藤和良君) 本来、別々の制度ですから自己完結していればそれでいいのでございますが、重複立候補を認めております。したがいまして、この制度は両者連結をしていると、こう見るわけでございます。
 したがいまして、ある候補者が小選挙区で出まして、その選挙区におきまして供託金を没収されたということは、有効投票数の十分の一以下であったということでございますから、少なくともその小選挙区では議員としてはふさわしくないという判断があったということになるわけでございますね。その方が比例代表名簿の上位にあって当選をするということについては、やはり小選挙区の選挙民から見るとこれはおかしいのではないかという議論になるわけでございまして、やはり小選挙区の有権者の意思というものも貫かれていかなければいけない、このように考えたわけでございます。
#74
○照屋寛徳君 ここはなかなか、有権者の意思というか感情というか、一票に込める思いをどのように受けとめるべきかという点で私は大変難しいところがあるなというふうに思うんです。というのは、有権者がそれぞれ投ずる一票に込める思いというのは、そう私は単純じゃないと思うんですね。
 だから、現行の小選挙区比例代表並立制というのは、これは遠藤先生がおっしゃるようにまさに比例区とそれから小選挙区と投票権の行使が二回あるわけですね。そうすると、それぞれ小選挙区の選挙で投ずる一票に込める思いと、それから二回目の比例区の投票権を行使する際に有権者が込める思いと、私は違う場合があると思うんですね。例えば、小選挙区では公明党の候補者に入れるけれども比例区では社民党の候補に入れるという場合だってあるわけで、逆の場合だってあり得るわけですね。現にそれは幾らでも私はあると思うんですね。だから、そのことからすると、有権者の二票持っている選択権を抑制することになりやせぬか、こういう思いをするわけですが、改めて、今の私が言う小選挙区と比例区と二票持っているんだという投票行動との関係で、本当にこの改正は私はよくないのではないか、むしろ公選法の第一条の趣旨にも反するのではないか、こういうふうに考えておるんですが、いかがでしょうか。
#75
○衆議院議員(遠藤和良君) 先生の御議論というものを貫徹していくとすれば、これは重複立候補はしない、こういうふうにしないとなかなか解決しない問題だと思うんですね。一人の個人が全く違った選挙制度に同時に立候補しているということになるわけでございますから、こういう、ある意味で矛盾かもわかりません、そういうことが前提になっているわけでございますから、こういうふうに小選挙区の意思というものも比例代表の方に結果として連結をしている、こういうふうな仕組みにしておるわけでございますからこういう形になっているわけでございまして、もともと違う選挙制度だからこれをどうするかという議論であれば重複立候補制度はもうやめよう、その上で議論をしましょうということなら大変明快な議論になると思います。
#76
○照屋寛徳君 もともと先生、違う選挙制度が私は並立している、この現行制度の矛盾みたいなものがあらわれていると思うんです、むしろ。だから、重複立候補することが私はいけないんじゃなくして、むしろ異なる選挙制度が並立しているという現行制度の中にあっては、一票を投ずる、有権者の一票一票、合計二票行使するわけですが、それは違ってもいいんじゃないか、こういう考えで、時間がありませんので終わります。
    ─────────────
#77
○委員長(和田洋子君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、中曽根弘文さん、岡利定さん及び青木幹雄さんが委員を辞任され、その補欠として亀井郁夫さん、森下博之さん及び仲道俊哉さんが選任されました。
    ─────────────
#78
○委員長(和田洋子君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。
 公職選挙法の一部を改正する法律案の修正について松村さんから発言を求められておりますので、この際、これを許します。松村龍二さん。
#79
○松村龍二君 私は、ただいま議題となっております公職選挙法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党・改革クラブ及び参議院クラブを代表いたしまして、修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。
 これより、その趣旨について御説明申し上げます。
 衆議院の議員立法として提案されました公職選挙法の一部を改正する法律案は、衆議院選挙制度について指摘された問題点の是正をその内容とするものでありますが、これらの問題点の中には、参議院の選挙制度に共通するものもあり、この際、参議院選挙制度についてもあわせて改正を行うことが適切な対応であると考え、ここに修正案を提出した次第であります。
 修正の要旨の第一は、改正案にあります衆議院の特別選挙の期日統一制度の導入に合わせ、参議院の特別選挙につきましても、原則年二回、すなわち四月の第四日曜日と十月の第四日曜日にその期日を統一しようとするものであります。
 第二は、改正案におきまして衆議院小選挙区選出議員たることを辞し、または辞したものとみなされた者は、当該欠員について行われる補欠選挙への立候補が制限されることとなりますが、参議院選挙区選出議員についても、同様の立候補制限を行おうとするものであります。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
#80
○委員長(和田洋子君) これより公職選挙法の一部を改正する法律案の原案並びに修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#81
○富樫練三君 私は、日本共産党を代表して、公職選挙法の一部を改正する法律案及びその修正案に反対する討論を行います。
 本法案は、憲法が保障する国民の参政権や政治活動、書籍活動の自由、さらには並立制という現行選挙制度の根幹をゆがめる重大な内容を持つものであります。次期総選挙までに改善すべき欠陥是正などと言って押し通すことは断じて容認できないものであります。最初にこの点を指摘し、以下、法案に即して反対理由を述べます。
 第一に、衆議院議員の補欠選挙、再選挙の期日を統一することによって、最大一年以上もの期間、主権者たる国民の代表が存在しない状態を放置することは、憲法が保障する国民の参政権を侵害するものであります。提案者は、小選挙区制導入で補欠選挙がふえたとか期日統一で国民の関心を喚起する等と言いますが、この三年半の実態から見て、二つ三つの補欠選挙の期日統一がどうして国民の関心を喚起することになりますか。むしろ、汚職等による補欠選挙を先延ばしすれば、国民の関心を冷めさせることになりかねません。
 さらに、参議院議員の補欠選挙も衆議院と同じように年二回に統一する修正案が提案されていますが、この十年間の参議院の実態から見て、期日を統一する理由は全くありません。ただいたずらに期日をおくらせるだけではありませんか。結局、政党の側の勝手な都合である効率化等のために、国民が代表を選ぶ権利を侵害するものであり、断じて認められません。
 第二に、現行の衆議院の並立制は、そもそも小選挙区制と比例代表という別々の選挙制度を並立させる制度として導入されたものであります。にもかかわらず、小選挙区選挙の得票結果を理由にして、別個の基本的に独立した選挙である比例代表での当選を排除することは制度の根幹に反し、全く筋が通りません。提案者は復活当選を問題にしますが、これは小選挙区が先に開票されることから錯覚が生み出されているだけであって、先に比例を開票すればこんな理屈は出てまいりません。しかも、重複立候補制度は、並立制提案の当初から少数勢力も議席を確保し得るように政党に幅広い裁量を認めたと説明されていたものであります。私たちは、小選挙区制を基本とする並立制は民意の反映をゆがめるものだと批判してきましたけれども、小選挙区の得票を重複立候補の比例当選資格にリンクさせる本法案は、世界的にも異常に高額な供託金とあわせて、少数政党の選挙活動を一層制約し、比例代表選挙を小選挙区制により深く従属させるものであり、容認できません。
 第三に、書籍、パンフレットの普及宣伝のための自動車、拡声器の使用制限は、憲法が保障する基本的権利としての政治活動、言論活動の自由や国民の知る権利を制限するものであり、絶対に認められません。提案者は選挙の公正を害していると言いますが、そのような事態があれば現行法で規制できるものであります。そうした事例が全くないにもかかわらず、紛らわしいとか平穏を害するなどと言いますが、これは全く理由になりません。にもかかわらず、一九八一年法改正で導入された政党の機関紙、雑誌の宣伝普及のための自動車、拡声器の使用制限の規定を書籍、パンフレットにまで拡大することは許されません。政党の政治活動の自由は、本来、選挙のときにこそ十分に保障されるべきものであります。政党中心、政策本位の選挙を言うなら、政党の政治活動の自由の拡大をこそ実行するべきであります。
 なお、小選挙区選出議員を辞任して補欠選挙の事由をつくった者がまた立候補することの禁止や、比例選出議員が選挙で示された主権者の意思に反して政党を移動することの禁止などは、本来、政党、政治家の有権者に対する道義的、政治的責任の問題であり、法律で禁止すべきものではないと考えますが、賛成をいたします。
 以上、公職選挙法改正案と同修正案に反対し、国会法・公選法改正案に賛成の態度を表明し、私の反対討論を終わります。
#82
○照屋寛徳君 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、ただいま議題となりました公職選挙法の一部を改正する法律案及び修正案につきまして反対の討論を行います。
 選挙制度は、代議制民主主義のもとにおける我が国の民主政治にかかわる重要な問題であります。公職選挙法は、第一条で、日本国憲法の精神にのっとり、衆参両院議員等を公選する選挙制度を確立し、その選挙が選挙人の自由に表明せる意思によって公明かつ適正に行われることを確保し、もって民主政治の健全な発達を期することを目的とすると定めております。したがって、公職選挙法の一部を改正するに当たっても、その内容において憲法の精神に則していること、また、選挙人の自由に表明せる意思が尊重され確保される制度が十分に担保され、保障されておらなければならないと考えます。
 社会民主党は、現行の小選挙区比例代表並立制自体がはらむ問題点、すなわち得票率と議席率の乖離や一票の価値の格差の拡大、死に票の増大などこそ緊急に是正すべきと考えておりますが、現行制度に関する矛盾点、問題点についても正すべきものは正していくという基本姿勢を堅持しております。
 ところで、現行制度の矛盾点、問題点につきましては、衆議院における選挙制度に関する協議会で議論が行われ、議長見解を受けての六党幹事長・書記長会談でも議論がなされてきたものと承知しております。ところが、議長見解が十分に生かされず、本来各党の一致した合意を形成して改正すべき選挙制度が、我が党などの反対意見があるにもかかわらず改正法案が提出され、衆議院においては、多数決をもって成立させたことは大変遺憾なことであります。
 さて、公職選挙法の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案についてですが、小選挙区選出議員が辞職して、その辞職を原因とする補欠選挙に立候補することの制限並びに手話通訳者に対する報酬の支給については、社会民主党も賛成であります。
 しかしながら、以下の三点については、憲法及び公職選挙法の目的、理念に照らし、重大な問題が含まれており、反対であります。
 まず、衆議院議員の補欠選挙等の期日の年二回統一につきましては、選ばれる側の都合ではなく、有権者の選択権、参政権を保障するため速やかに補欠選挙等を行うべきであり、最大一年近くも選挙区の代表が不在になることについて国民の理解が得られないとの立場から反対であります。
 次に、衆議院小選挙区選挙において法定得票数に達しない重複立候補者の比例代表選出議員の選挙における当選の排除については、本来、小選挙区と比例区は別々の選挙制度であり、重複立候補者の小選挙区選挙における得票数によって比例代表選挙の衆議院議員名簿から削除することは、政党の提示する名簿へ投票することを通じて比例代表者選挙に示された有権者の意思を無視することとなり、政党自治への介入、比例区に示された民意の切り捨て、少数政党排除につながるものであり、反対であります。
 修正案によって、当初の法定得票数からハードルが供託物の没収点ラインに緩和されることになったことは、この間の政党間協議を踏まえて、少数党に対する一定の理解が示されたものと見ることができますが、本質は変わっていないため賛同できません。
 そして、書籍及びパンフレットの普及宣伝のための自動車、拡声器等の使用の制限については、政治活動の自由、選挙運動の自由の精神に反することから反対であります。
 最後に、このたびの公職選挙法の一部を改正する法律案及び同修正案は、民意を反映すべき選挙制度の確立に反し、多数の力で都合のいい制度に変えようとするものであって、代議制民主主義の根幹を揺るがすものであるということを強く指摘し、私の反対討論を終わります。
#83
○委員長(和田洋子君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 それでは、これより公職選挙法の一部を改正する法律案について採決に入ります。
 まず、松村さん提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#84
○委員長(和田洋子君) 多数と認めます。よって、松村さん提出の修正案は可決されました。
 次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案全部の採決を行います。
 修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#85
○委員長(和田洋子君) 多数と認めます。よって修正部分を除いた原案は可決されました。
 以上の結果、本案は多数をもって修正議決すべきものと決定いたしました。
 次に、国会法及び公職選挙法の一部を改正する法律案について討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 国会法及び公職選挙法の一部を改正する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#86
○委員長(和田洋子君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#87
○委員長(和田洋子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時一分散会
ソース: 国立国会図書館
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