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1950/11/30 第9回国会 参議院 参議院会議録情報 第009回国会 建設委員会 第2号
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1950/11/30 第9回国会 参議院

参議院会議録情報 第009回国会 建設委員会 第2号

#1
第009回国会 建設委員会 第2号
昭和二十五年十一月三十日
   午前十時四十四分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○建設省その他の建設事業に関する調
 査の件
 (災害対策上、公共事業費に関する
 件)
 (パルプ問題に関する件)
 (特別調達庁に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(小林英三君) それでは只今から委員会を開会いたします。
 本日は公共事業費の四十一億円の内訳につきまして安本の建設交通局の次長の今泉さんが来ております。それからパルプ産業の河川への影響につきまして、通産省の雑貨局長の田中さん、農林省の林産課長のやはり田中さんというかたが見えております。それが済みまして、行政機構の問題について増田建設大臣のお話を伺い、お話に対して質問する、こういうことになつております。
 これより公共事業費の四十一億円の内訳につきまして、安本の建設交通局の次長の今泉さんの説明を聞くことにいたしたいと思います。
#3
○説明員(今泉兼寛君) それでは只今から、補正予算といたしまして、公共事業関係四十一億円を計上しておりまするが、その概要につきまして御説明申上げます。
 大体この四十一億円を計上いたしました考え方といたしましては、御承知の通り本年度発生災害の復旧費といたしまして、予備費に百億円計上してある次第でございまするが、非常に今年は災害が再三参りまして、特にジエーン、キジア等が非常な災害をもたらしまして、例年に比べまして相当大きな災害を来たしております。従つてこの百億円を以ていたしましては、従来通りの災害復旧をやるのには不十分である。こういう点から先ず第一着にこの百億円で、不十分な災害復旧関係を一つ補正して行こうという考え方が先ず第一段階として考えられたわけでございます。
 次に大きな項目といたしましては、例の九州地方の鉱害復旧の問題でございまするが、これも当初、本年度予算に計上いたしましたときと、その後法律を通産省で出しました原案と大分趣きを異にいたしまして、通産省の考え方としては、大体全国一律にこの鉱業権者から鉱害関係のあれに金を出して貰おう、こういう考え方で立案されたのでございまするが、その後両院の修正によりまして、そういつた考え方は修正されて、九州地区の鉱業に関係深い鉱業権者からだけ取る。こういうことになりました関係と、それから分担金等の金額等についても、当初考えた原案と大分異なつて参りましたので、それに当初考え出した二十五年度の鉱害復旧の事業費が、地方分担だけでは賄いきれないという問題になりましたので、この補正予算におきましては、そういつた穴を埋めるためにも、今少し鉱害復旧の補助率等について政府に考えて貰えぬか、こういう要望が出まして、その関係から補助率を従来に比べて若干引上げたために、所要の経費が要る。
 それからもう一つの項目といたしましては、この四国の例の地盤沈下によります水道施設、まあ水道のあつた所もございますし、水道でなくて井戸が大部分でございますが、地盤沈下の結果、どんどん水が塩水化してしまいまして、殆んど飲めない。昨年あたりからだんだんだんだんそういう傾向が現われて参りまして、これに対して簡易水道を敷設したい、この問題で一般の災害復旧費から入れるか入れないかという問題で大分問題になりましたが、やはりこれは水道の復旧というのは極く稀であつて、大体井戸を改造して簡易水道にすると、こういう結果、災害復旧という考え方でなくて、やはり正規に補正予算で組むのが正当じやないかという考え方から、この水道の改良事業に補助費として見込んだ、これがもう一つの項目でございます。それからもう一つは、御承知のようにジエーン台風によつて京阪、特に大阪、尼崎に非常な高潮が襲来いたしまして、家屋、工場その他の損害を来たしたわけでございます。これは單に今高潮堤のある所だけを復旧したのでは用をなさない。而も大阪、尼崎は、御承知の通り非常に経済的に見て重要な所である。従つてこれらに対しまして單なる復旧費ではなくて、恒久対策として高潮災害対策事業を今後できれば三ケ年、或いは三ケ年でできなければ五年ぐらいになるかも知れませんが、もつと高潮堤を大々的にやつて、大阪、尼崎を防衞しようじやないかという点と、大阪、尼崎だけに限らず、やはり四国にもそういう状況も見えますし、それから九州にも一部そういう所も見えますので、そういつた恒久対策としてやはり今年から補正予算を組もう、これが大体今年の補正予算を組みました全貌でございます。
 金額的に申上げますと、今最初に申上げました二十五年度発生災害の予備費に、更に補正する金額といたしまして計上してございまするのが二十六億七千百七万六千円、二十六億円余りと、それからその次に、鉱害復旧といたしまして、補助率引上げのために増額いたしました金額が一億三千七百九十二万四千円、それから地盤沈下による上水道の改良事業補助といたしまして八千四百万円、それから大阪、尼崎その他災害恒久対策といたしまして高潮堤を造るための費用といたしましては十二億七百万円、こういう数字になつております。尚高潮堤の十二億七百万円のうち、大阪、尼崎地区には大体八億円を計上してございます。尚そのうち詳細に申上げますれば、大阪には補助費といたしまして六億二千百万円、尼崎地区には一億七千九百万円、今の国庫補助率といたしましては、四割見当を見ている次第でございまして、これによつて得ます大阪の事業費が十五億五千二百五十万円、尼崎が四億四千八百万円、この程度の事業費に相成る予定でございます。
 それから本年度災害発生の予備費に追加いたす金額といたしまして、先ほど申上げました二十六億七千百七万六千円、これはどういうふうになりますかと申しますと、大体過去四年間の災害復旧率を平均いたしますと、査定額に対しまして一四・六%という数字に相成つております。従つて本年も、過去四ケ年平均くらいの本年度発生災害に対して復旧率を見ますと、やはり今計上した程度の金額が必要だということで、この二十六億七千百七万六千円という数字が出ているわけでございます。これをどういうふうに当てるかと申しますと、今年は、御承知の通り、六月の災害と、それから八月の災害と、それからジエーン、キジアと、大体大きな災害は四回に分れております。第一回の六月災害に対しましては、その査定額に対して一六・九%をすでに予備費のほうから支出してございます。第二次の八月の災害に対しては、これは少し金額が少くなりまして一二・四%くらいということになつております。それからジエーンのほうはすでに決定いたしましたが、キジアはまだ未決定でございますが、大体本日の次官会議において御決定になつて、明日閣議で決定される見込でございます。それに対してジエーンは更に追加の十一億八千六百万円、すでにジエーンに対しては二十四億出ておりまするから、それと今申上げました十一億八千六百万円をこの補正予算で見ますと、その結果、査定被害額に対して一五・六%という数字になろうと思います。それからキジア関係は今日の次官会議で決定を見まする分は十億九千四百万円という数字を予定してございます。これはすでに予備費のほうからキジアに対しては、今日決定される見込は、ちよつと数字の申し落しをいたしましたが、今日決定される見込の数字は二十一億八千四百万円、これが予備費から今日次官会議において決定になる見込でございます。それに対して補正予算が更に十億九千四百万円、それを合計いたしますとキジアの被害額に対して補正予算、それから予備費で見ます金額を合計いたしますと、比率は一四%ということに大体なる見込でございます。その外に若干まだ最後の査定が済んでない分もございますので、補正用といたしまして三億九千百万円余りをまだ若干留保してございます。それともう一つの財源といたしましては、これは関係方面の示唆もございまして、百億を全部このキジアに出しましても使い切つたわけではございませんので、五億だけは、本年度どういう事態が起きるかも知らんから、五億くらいは留保して置いたがよかろうということで、百億円の中から五億をキジアに出しても残ることになりますので、その五億と今補正予算で計上いたしました分から三億九千百万円余りとつてありますので、残額といたしましては八億九千百万円余りが今後まだ災害復旧用といたしまして、調整用として残る次第でございます。
 なお鉱害関係について補助率をどういうふうに引上げたかということを申上げますと、河川関係につきましては、従来三分の二国庫補助でございましたのを、八〇%というふうに引上げをいたしました。それから農業関係につきましては、農業公共施設の補助率は、従来五〇%であつたものを七〇%に引上げる、耕地の災害復旧に対しましては、従来六五%であつたものを八〇%に引上げる、それから港湾は、従来三分の二の補助でありましたのを八〇%に引上げる、それから上水道が従来四分の一の補助率を二分の一に引上げる、下水道が三分の一であつたものを三分の二に引上げておる、その結果、先ほど申しました補正予算として一億三千七百九十二万四千円が必要となつておる、こういう次第でございます。
 以上大体概略御説明申上げまして、御質問にお答えいたしたいと思います。
#4
○委員長(小林英三君) 何か御質問がございましたら……。
#5
○江田三郎君 四国の地盤沈下の上水道施設を災害復旧としないで、普通予算でおやりになつたということですが、この間本委員会へ建設大臣が出席されて、建設大臣に質問したわけですが、災害というものは、一体どういう定義が下されるのであるか、急激に来たものでなければ災害と言わんのか。或いは相当長い時間に亘つておつても、具体的に被害が現われたときには、それを災害というのかどうかということを御質問しましたら、建設大臣のほうは、災害については、別に時間的な考え方をしない。従つて長い期間に現われた結果についても、災害として扱わなければならず、若しそういうことができていなければそういうようにするように考慮するというような言明があつたわけですが、今の四国の上水道をなぜこの災害復旧にしてやれなかつたかということをお尋ねしたいのです。それからついでにこの前の補助率は何ぼになつておるのですか。
#6
○説明員(今泉兼寛君) 災害につきましては、今のお説のような見方も成立ちますので、実はこの四国の地盤沈下の問題は、徐々にやつて参りまして、地震のあつたのは一昨年のことでございますが、この水道関係は徐々に塩分が濃くなつて来て、今ではもう塩辛くて飲めないと、こういう状況に今年の初めあたりからだんだんなつて来ておるわけであります。それに対しましては、いつそれが発生した災害だということが一つ問題になりましたことと、この百億という予算は、二十五年度発生災害予備費と、こういうことになつておりまするので、嚴密に申せば、まあ新年度になつて起きた災害に基く被害でないと見られない、こういう点が一つ理窟として成立つわけでございます。で、この見方は、時間的な見方からすれば、原因は一昨年の震災であるけれども、だんだん来たのであつて、一番ひどくなつたのが今年だと、こういう見方からすれば、或いは今年の発生だというふうに見られないこともこれはないと思います。その点でこの災害復旧予備費に計上しなかつたという理由ではございませんで、その点は見方の相違で、今年の災害とも見られるし、或いは過年度災害とも見られるし、その点はもう見方の相違であるから、その点はやかましく言うまいということで、その点から二十五年度の予備費からやらなかつたというわけでもございません。問題は、大蔵省方面から疑義が起きました点で、こういうふうになりましたのですが、大体愛媛が中心でございまするが、発足は水道施設を持つていた所も若干ございますが、この補助の対象となりますものは、そういつた水道施設を持つておつたものは殆んど僅かでありて、井戸の施設がそういうふうに飲めなくなつした、それを改良いたしますのは、井戸ではございませんで、簡易水道、水道方式に改めるということになりますと、災害復旧は、原則として原形復旧、勿論嚴格な原形復旧だけ取上げるわけではございませんので、或る程度それは改良することも勿論認めておりますが、問題は、そういつた関係であつたものを水道施設に改める、或いはそういつた井戸のない所においても水道施設を造ると、こういうような問題もございまして、そういう点から言えば、どうも原形復旧或いはなおこれを行なつて改良という面まで拡げたにしても、どうも災害復旧という観点からいつてぴたつと来ないのではないかという疑義が起きまして、それに対しましては、私共は、考え方としては、そういう形だけで考えられなくして、フアンクシヨンとして考えて、飲み水が飲めなくなつたのだ。それになお井戸を水道に直すのだと、そういう考え方をすれば、まあ災害復旧という点でとつてもとれないことはないではないかという見方もございましたが、まあ後々までこういう例を引く問題であるから、それはやはり嚴密な災害復旧というよりか、災害対策事業と見ることが至当ではないかという大蔵省の有力な意見がございまして、補助することには異議がないけれども、復旧費用から出すよりも対策費用として国会の協賛を経て出すのが筋道であろうというので、今度の補正予算にとつたという次第であります。今お申出のように、時間的の考慮もございましたけれども、それはどちらとも見られる。過年度災害とも見られるし、新年度発生とも見られるから、その点はやかましく言うまい。ただ機能の問題と原形復旧という問題で、大蔵省と安本との間の意見の対立もございました。ございましたが大事をとつて、出すということには異議はないのだから、正々堂々の方法をとつて、正規の方法で補正予算で組まうじやないかということで話合いがつきまして、今日御協賛を願つた次第でございます。
#7
○江田三郎君 率は。
#8
○説明員(今泉兼寛君) 率は五〇%でございます。
#9
○江田三郎君 それから上水道の問題については、そういう原形復旧の條件を非常に乗越えているどいうことで、災害復旧としてやらなかつたということならそれでいいのですが、これは原則として、時間的に非常に長い間かかつた災害というものを新年度の災害とするかどうかということは、これははつきりとして頂きたいと思うのであつて、徐々に災害の條件が積重つて来たところで、徐々に積重つておる間は災害と言わなくとも、その或る一定の量が積重なると初めて災害というものは質に変つて来るわけです。その点は、或る一定の期間が過ぎて、或る一定の量が積重つて、具体的に災害と同じような條件が出て来た場合には、これはりその年の災害として扱うのが理論的に正しいと思うが、建設大臣も考慮すると言われたのは、そういうことをお考えになつたと思いますが、安本のほうの解釈というものをもう少しはつきりして頂きたいと思います。
#10
○説明員(今泉兼寛君) 私も全く御説の通り、御同感でございます。
#11
○赤木正雄君 お伺いいたしますが、鉱害、これについてはやはり現地査定をしたのですか。
#12
○説明員(今泉兼寛君) 先般安定本部、それから建設省、通産省等の関係官が現地に参りまして再査定を先般いたしました。
#13
○赤木正雄君 最初向うから要求された復旧費と、査定の結果はわかりましたが、査定の結果どういうふうに食い違つているか、これは鉱害のみならず、例えて申しますと、その他の水害に対しても、どういうふうになつておりますかおわかりでしようか。
#14
○説明員(今泉兼寛君) ちよつと鉱害関係のことは、詳しい資料、査定の結果を持合せておりませんので、そういう詳しい点は、後程なり或いはこの次のあれに一つ出しまして、大体のところを申しますと、再査定した結果、若干当初より殖えたことを記憶しております。殖えた金額は五億でしたか、それ以上であると思いますが、ちよつと今記憶しておりません。資料がありませんので、後程調べてお答えいたします。
#15
○赤木正雄君 災害で、建設関係の災害もありましようし、或いは農林省関係その他の各官庁関係の災害がありますが、県或いは地方自治庁の出したものと、要求したものと、査定の結果を、今おわかりでなければ、この次の機会に詳しいその比率をお知らせ願いたいと思います。
#16
○石川榮一君 初めて見返資金によりまして、公共事業費の復旧関係において本年度支出を見たのでありますが、例の五十里ダム或いは猿ケ石、物部一連の建設護岸工事に対しては、見返資金が第一年度で出ております。明年度の見返資金が、ややもするとこの面から打切られるというような噂を聞いておりますのですが、只今、明年度の見返資金に対する見通しはどうなんですか、その点を明らかにして貰いたい。
#17
○説明員(今泉兼寛君) 一応関係方面との事務的な話合いでは、二十六年度からは見返資金より一般公共事業費に使わすということは考えておらない、こういう向うの意見でございます。そうなりますと、殊に百十億の見返資金を公共事業につけてやり始めた仕事というのは、御承知の通りダムであるとか、大規模農業水利であるとか、非常に大きな大体三ケ年なり或いはそれ以上も続くような相当大きな仕事を取上げてございますが、尤も道路等で必ずしも継続と見られない仕事もございますが、大部分の大きな仕事は継続事業でございます。それが今私共の推定では、これはいろいろ見方がございますが、三ケ年で嚴密に完成する、こういう見方でやりますると、相当来年度はこの最盛期に入るわけでございますから、一ケ所のダムをやれば十億近くの金を注ぎ込まなければならないという問題も出て参りますので、そういつたようなつけ方にいたしますると、八十億乃至九十億ぐらいはどうしても継続関係でやるんだから、今それをもつと範囲を限定いたしまして、極く緊急なものだけに限つて若干年限が延びるという考え方から見ても、まあ四十億程度はどうしても継続費として残るという問題になりますので、これを全然つけないということになりますると、事業途行ということに非常に大きな支障を来たすことになります。司令部の考え方としては、そういつたものは、一般公共事業費で継続関係を見たらいいのではないか、こういう考え方、その考え方で一体に司令部のほうは公共事業のほうを査定しておる、こういう意見でございましたが、私共としては、当初、今年の百十億使う計画案といたしましては、初年度はこう見る、次年度はこう、三年度はこうという計画を立てて、向うに申請を出して、向うから許可を受けておる次第でございます。従つて私共といたしましては、見返資金という制度がなくなれば、これは止むを得ませんけれども、見返資金という制度がある間においては、そういつた継続関係も承認して貰えるものと、こういう想定の下に、今年度の計画を立てておるのでございまして、その点を縷々向うに説明いたしまして、明年度においても是非一つこの計画は見返資金のほうでやはり継続関係は見て貰いたいということを、目下懇請している次第でございまするが、向うの事務的な一応の立場は、先ほども申上げたような次第でございます。今日も大臣が向うに行つて、その問題を中心として折衝しているという、こういう状況でございます。成行きはちよつと今のところどうなりまするか、私共としては、是非これを一般公共事業費へかけるということになりますと、一般公共事業費もそう今年は多い金額でございませんので、なかなか大変でございますので、何とかして明年度は是非見返資金のほうから、最小限度でもこの継続関係は是非見て貰いたい、こういう方針で向うと折衝いたしておる、こういう状況でございます。
#18
○石川榮一君 一応御説明わかりました。こうなりますと、只今大臣が折衝なさつておるということでありますが、この問題に対する大蔵大臣並びに安本長官は如何に考えておられるか、若しこれが見返資金が打切りになるということになりますれば、今お話がありましたように、明年度、最小限度四十億という程度の金が必要だろうといいますが、現在の国の財政から考え、災害の状況等も考えまして、なかなか三十億、四十億の金は、これを投入することすら困難だと思うのであります。若し見返資金が打切りということになりますと、よほど努力いたしませんと、工事は、私共から考えまして五年、七年或いは十年もかかる。要するに無意味になるのではないかと考えられます。かような立場から、折角始めた工事が、而も大きな犠牲を拂いまして、地元民の土地並びに家屋の撤回等も含めて、泣き泣きその仕事を済ましたあとが、荏苒日をつぶすということになりますと、一種の社会問題にもなろうかと思う。單なる工事の問題でなくなると思う。こういう点も特に大蔵省並びに安本等の理解を求めて置きまして、そうしてその方面からも強力に関係方面に懇請するような方法をとつて貰つたらどうかと思うのであります。現在の大蔵省並びに安本の当局の態度はどうでありますかを、はつきり伺いたいと思うのであります。
#19
○説明員(今泉兼寛君) 今日、大臣が折角向うに参りまして折衝している現在でございまするので、その模様によりましては、今おつしやるようないろいろな対策も考えなくちやならんと考えております。何としても非常に大きな問題なのでございますので、我々としては是非明年度引続いて少くとも継続関係につきましては見返資金から使うような、そういう途をやはり依然として続けて貰うように努力の万全を期したいと考えております。
#20
○委員長(小林英三君) 石川委員の今の御質問の問題は、大蔵大臣か安本長官から聞いて貰つて……。
#21
○石川榮一君 これは單に建設大臣の問題でなくて、国を挙げての問題だろうと思います。折角三ケ年乃至二ケ年の継続事業で以て、その継続を認めて関係方面が初年次に初めて出したのですから……、ところが僅かの金を出しただけで、あとが見込がないということになれば、日本の財政からはできないから、見返資金をお願いした、初年度出して頂いたために、その工事は今進行中であります。現に埼玉県の江戸川では、もう泣き泣き先祖代々の土地を拂い下げて移動を開始しているわけです。それが若し打ち切りになりましてあとが、工事が進捗しない、二年も三年も遅れたということになりますれば、この責任は誰がとるか。私共非常に憂えるのであります。又四百五十戸の家屋二百町歩に亘る美田を收用して、そうしてあとは工事ができないのでだらしがなくなるというときに、社会問題がきつと起る。そういうような点から考えまして、單なる工事上の遷延という問題ではなくなるのであります。そういう点から考えまして、私は特に大蔵大臣がどう考えていらつしやるかを伺いたい。勿論建設大臣の熱意のある御奔走は当然でありますが、大蔵当局はどう考えておるか、これをあなた方から率直にわかりましたら伺いたい。若しわからなかつたら私共は大蔵大臣に聞いて見たいと思います。どうですか、そのこと……。
#22
○委員長(小林英三君) 今申上げましたように、こちらに見えているのは安本の交通局次長ですから、若し必要がありましたら、御希望がありましたら、大蔵大臣を呼んでその問題を聞くことにしたらどうかと思いますが……。
#23
○江田三郎君 今の見返資金によるダムに関連いたしまして、曽てこのダムの建設についてNRS及びESSのほうから質問書が出ておるわけですが、あの質問書の中のNRSのほうの質問の第八の、洪水防禦と堰堤設置地点上流における水流涵養の諸計画とは調整されているか。第九の、堰堤地点上流の土砂崩壊に対する計画ができているか。第十の、堰堤し流における山腹崩壊防止、造林、砂防工事計画の工期。第十一の、次の事業の昭和二十五年度予算は幾らか、如何なる予算から出ているか。(a)山腹崩壊防止、(b)造林(c)砂防、この四つの点と、それからESSのほうから出ているところの二十二の(a)の、種々の目的に対する費用の割振りは決定されているかという、この点についてどういうふうな回答をされ、或いはどういうような計画を持つておられるかということを、これは今日でなくてもいいですが、あとから文書ででも報告をして頂きたい。特に多目的ダムの費用の割振りは決定されているかということにつきまして、安本としては、将来も又現在も多目的ダムに対して費用の割振りをどういう原則に基いてやろうとしておられるか、その点、これは今日でなくてもよろしいのでして、あとからでも結構ですから、出して頂きたいと思います。
#24
○赤木正雄君 やはりこれも見返資金に関連いたしますが、先ほど江田委員の質問の通りに、大きなダムを作るとき、又江戸川の改修をする、見返資金ならばこそあの仕事ができたと思いますが、併しこの総合開発をするという場合に、その割振りは、河川改修が單に水害を除くという観点だけから行つているものか、或いは総合開発の観点から、もう少し根本的にもつと十分調査して、どういうふうにしたら治水、利水が達せられるか、そこを十分検討した上でできておるか、私は非常に疑問を持つておるのです。果してそういうふうな基礎的な調査が十分できているでありましようか。
#25
○説明員(今泉兼寛君) 本年度選びました箇所につきましては、十二分とは或いは申されないかも知れませんけれども、少くとも事業着工する上からに必要な調査だけは、それぞれの各省においてやつた結果差支えないという点で、見返資金から出しておる、こういう次第であります。
#26
○赤木正雄君 そういたしますと、これは單に治水の面のみならず、利水の方面も考えて十分されているのですか。
#27
○説明員(今泉兼寛君) お説の通りであります。
#28
○赤木正雄君 では一応その詳しい内容を今度伺いた。図面を持つて来られまして、どういうふうにそれができているか、その内容を詳細にこの委員会で伺いたいと思います。今日でなくてもいいです。今日でなくても差支えありません。
 それからもう一つお伺いしたいことは、高潮堤の問題でありますが、これは先ほどの御説明によりますと、今までの提防では役に立たぬから高潮堤防にする、これは仰せの通り本年の水害を見ますと、そうしないといかぬと思います。これは併しこの金で大体予定の高潮堤ができるのであるか。尚今後何年間の間に要望の仕事ができるのでありますか、それはどうなつておりますか。
#29
○説明員(今泉兼寛君) 大阪、尼崎につきましては、先般来関係各庁の間で数回に亘つて現地調査もいたしまして打合せいたしました結果、まあ三ケ年計画ということで、今後の予算のつき方にもよりまするが、大体三ケ年継続工事によつて、もう高潮によつて、今年のジエーン台風によつて受けたような被害は防禦できる、こういう結論に達しまして、計画ができておる次第でございます。その外の地区につきましては、四国の問題、九州の問題もございますので、又今後残された調査その他もございますので、具体的にはまだどこの場所にどういう計画でつけるということは、現在のところまだ決定いたしておりません。
#30
○赤木正雄君 それでは先ほどのお話の金は三ケ年の中の本年度の分と、こう了承してよろしうございますか。
#31
○説明員(今泉兼寛君) さようでございます
#32
○赤木正雄君 もう一つ伺います。先ほど過去四ケ年の復旧率は査定額の一四・六%、こういうふうにおつしやつたように聞いておりましたが、そういたしますと災害復旧は何ケ年で一般に完了せしむる御方針ですか。
#33
○説明員(今泉兼寛君) 計画といたしましても、理想といたしましても、原則は、従来の建前は三ケ年でこれを完成いたしたい、こういう次第で計画は進めておるのでございまするが、何としても国費のほうがそれに追いつきませんので、つい最近の実績は、今申上げたような、甚だどうも不十分な金額にならざるを得ない、こういう実情でございます。
#34
○委員長(小林英三君) ちよつと皆さんに御相談いたしますが、今建設大臣が見えておりますが、長い時間ちよつとおれないというお話なんですが、どういたしましようか。今日建設大臣に何か御質問がございます。
#35
○赤木正雄君 簡單に建設大臣に伺いたい。
#36
○委員長(小林英三君) 外のかたはどうですか。
#37
○石川榮一君 私もちよつと……。
#38
○委員長(小林英三君) それでは建設大臣は十二時頃までで引上げたいとおつしやる、それで今の安本のほうを先にやりますか。
#39
○赤木正雄君 大臣の御都合で先にやります。この前の委員会で大臣の砂防法に関するお考えを承わりまして、非常に満足に思います。ただ私この際に申上げて置きたいのは、第七国会のときに、建設省の提出法案としまして、一、災害復旧費国庫負担に関する法律案。二、道路法改正案。三、水防法案。四、住宅金融公庫法案。五、建築基準法案。六、建築士法案。七、建設省設置法改正案。八、土地收用法案。九、住宅供給助成法案。十、公共物管理法案。十一、河川法改正案。これだけお示しになつておる、この中にすでに実現されたものもあります。この際に私は河川法改正法案と同時に砂防法を考えなさい、こういうことをその当時申したのです。併しこの間、大臣の御承知の通りに大臣のお考えはよくわかつております。で私特に大臣に質問というより、大臣にお願いするのです。大臣のこの前の御答弁のように、今日の砂防を見まして実を申しますと、あの砂防法では、現在やつておる砂防はできないのです。と申しますと、あの砂防法は全部山腹工事ですか、例えて申しますと、これは大正六年でございますか、愛知県の瀬戸の砂防をやつています時に、その砂防費の一部が残りましたから、その費用を以てあの瀬戸の中の河川改修、これは今日では当然砂防としてやつております。その河川改修をやろうとしたところが、それは砂防ではない、そういうことに金を使つてはいけない、こういう通牒を当時の内務省から愛知県に出しておる。そういうふうな関係もありまして、今日実際やつておる砂防工事と、あの法案とは雲泥の相違があるのであります。要するにある砂防法のできたのは、山腹の崩壊を先ず以て防ぐ、これが砂防法の根幹になつておりますが、実際余りに違つておりますから、当然河川法と関連してこれをお改め下さるのが当然と思います。同時にこの河川も砂防も一本にして、水の法を、水法を作ろうというふうなお考えのあることもちよつと私承わつております。併し私はやはり砂防法というものは、單独の法としてあればこそ、今日やつと砂防というものが実際において生きておる、こういう気がいたします。でありますから、大臣のこの間のお考え通りに、これは十分特にお考え願いたい。これは私は質問よりも、今までのお示しになつたことを申上げて御参考にしたい。
 で、もう一つ大臣に申したいのは、この建設委員会で、建設院が建設省になる場合に、非常に大きな論議がありました。と申しますのは、このまま建設省にして異議がないから、少くとも農林省の砂防関係の仕事、或いは港湾関係の仕事、言い換えれば水に関するものを、一元的な機能であるからして、どうしてもこれを一元化しない以上は、本当の省としての価値はない。だからしてこの際に是非ともそういうものを一本にして欲しい、これがこの委員会全部の希望であつたのであります。ところが遺憾ながら、御承知の通りにそのままで建設省になりまして、そうして適当の時が来たら一日も早くこの委員会の皆の要望通りに、或いは大臣御自身のお考え通りに、水に関するものを一つに一元化する、そうして立派な、この名前が、建設省が悪ければ国土省でもいいけれども、そういう省に持つて行こう、こういう強いその当時の大臣のお話もあり、恐らく今日の大臣も同様のお考えと私は察しますが、私はなおそれに加えて例の水力電気、水力電気も水を取扱いますから、いよいよ発電した上は、これはどの省に行つても差支えありませんが、発電するまではやはり一つの建設省と申しますか、国土省と申しますか、そういう省に、やはり水に関する限り、治水、利水を一元とすることが本当と思います。又農林関係のほうから申しましても、私は二十二年度のあの水害で、秋田県の雄物川に行きました。雄物川のあの堤防が殆んど全部というふうに方々決壊しておりますが、その中に七十七ケ所、用水の施設が悪いために切れております。つまり用水工事と河川改修を一手でやるならば、ああいう乱雑な仕事はない。それを二つの省に誇つてやつているからああいう結果になつておる。これは明らかな証拠です。併しこれはひとり秋田県のみならず、どの県に行つても、本年の水害を見ても、そういうのを方々に見ております。でありますから、この点からいつても利水、治水を事業とするところはとにかく一つの省で統合してやつて貰いたい、これはお国のためになる、こういう事実を申上げて特にお考え願いたい。これは大臣も同じ考えと思いますが、特に今までの委員会の空気はそうでありますから、恐らく今でもそういう考えだと思います。これは特にお考え願いたい、こう思います。
 それからもう一つ申上げたいのは、砂防に対して、事は小さいのでありますが、本年の長野県の水害を見まして、私前年関係しておりましたが、あの水害を見まして非常に済まんと思いました。併し同時に非常に私は考えた、それは折角計画していたものが、例えて申しますと、十メートルの堰堤をすべきものが五メートルで放棄してある、又岐阜県の養老方面の仕事を見ましても、これはずつと計画的に流路計三画を立てておりますが、この流路工事をやつておりますが、中途でやめた、この一定期間でやる計画を二、三ケ年で全然放棄しておるのであります。これがために水害を招いておるのであります。最近はやはり山の仕事は不便でありますから、どうかすると山の奧まで実際の現場監督が行かない、砂防課長なんかが地方にあるが、ややもするとそういう人は山の中にいない、これは大臣は山腹工事は農林省の所管とおつしやいましたが、昭和四年の閣議の決定事項に基きまして、造林の一つで山腹工事はお話の通りに農林省の所管であります。併し渓流に関連する山腹工事、例えて申しますと、堰堤を作りまして、それにすぐどうしても山腹工事をやつて行かない以上は、堰堤がすぐ埋つてしまう、こういう山腹工事は当然内務省、今日の建設省の所管になつております。併し遺憾ながらそういう山腹工事は、全然一ケ所も今日されてない、これでは本当の治水はできようはずはありません。でありますから、こういう事実が方々にありますから、殊に来年は、大臣その他の特別のお考えによりまして、砂防費をよほど増額するように聞いております。或いは来年から砂防、治山、治水の発足となると思います。そういう際に今までのような間違つた仕事では、折角大臣のお考えも、本当の治山、治水もできないと思いますから、この点、特に私はその現場監督をする人、そういう人の心掛を十分お考え直して欲しい。
 なおこの際に建設省にお願いするのは、例えて申しますと、山腹工事或いは砂防工事、そういうのは非常に不便な所であります。併しどういう不便な所でも自分が進んで行つて仕事をする、そういう意気がなければ仕事はできない。従つて今日この事業をどういう人が担任しておるか、これは多くはやはり学校におきまして、或いは農学校を出た人とか、そういう人が多いのであります。遺憾ながら工科大学は砂防に対して一時間も講義がないのであります。ところが農科関係では三ケ年これを教えておる、又専門学校もそれと同じような形になつておる。但し日本大学は別であります。然るに建設省におきまして工科出の者ばかり採用するということを人事院に申入れられておるようであります。併し砂防をやつて行こうと……折角建設省に入つて砂防をやつて行こうという者がありましても、それが人事院に都合よく及第しておりましても、建設省から要望がないから採用されてない、こういう事実がありますから、この点を特にお考え直し願いまして、今後の治山、治水に本当に精神のある人が仕事をするように御指導を願います。
 質問と申すよりも私は希望を申して置きます。
#40
○国務大臣(増田甲子七君) 赤木さんは砂防関係において数十年来の尊い経験を持つておらるる斯界の大先輩でありまして、今の御開陳遊ばした御意見は私共非常に有益に拜聽いたし、御趣旨に則つて砂防行政を執行して参りたいということを、この際明言いたしたいと存じます。そこで砂防法につきましても、御指摘のような種々の欠陷がございますことと存じますので、事務当局へもその趣旨で研究するように私申渡しいたしております。つきましては、どうか斯界の権威である、而も非常に尊い御経験をお持ちの赤木さんにおかれては、一つ條文をどういうふうに直したらよろしいということの御示唆も一つ我々に、この委員会或いは委員会外においてお與え下さると非常に幸甚でありますから、このことをこちらから一つお願いいたして置きます。
 それからなお、建設省の、内務省が解体されて建設省ができたときに、山林砂防、或いは港湾、或いは水力電気、或いは土地改良というような関係が、農業用排水に関係する部門は一つ一緒にして、或いは土木省、或いは国土省といつたようなものを作れという御要望があつたことは私もよく承知いたしております。この前の委員会においても私申上げました通り、私といたしましては、山の雨の降る上の所から港に至るまで一貫作業でやるべきものである。そうしてその一貫作業行政によつて先ず治水ということの完璧を期さなくてはいかぬ。治水は、治政である。政治の中心であることは三皇五帝の昔から今日の昭和日本もそうございまするし、又これから百年、二百年先の日本においても治水はやはり政治の中核をなすことであろうと私は確信いたしております。そこで治水と利水とはもともと密接な連関がございます。併しながら河川が健全なる状態に保持され、国家、公共国体のいわゆる営造物として健全なる状態に初めから終りまで保持されておるということが、やはり大前提であると、こう考えます。なかなか治水だけでも大きな仕事でございまして、これを他の方面によほど連繋があるからといつて、他の方面を立場とする行政にするというようなことでは、政治の中核とも申すべき治水行政の完璧は期し得ない。利水本位の治水をするべきではないと私は考えております。先ず治水をしなくてはならない。そうして治水の完璧が期し得られたならば、その次に利水をすべきものである。例えば農業用排水にいたしましても、水力電気の活用にいたしましても、或いは工業用水を取ること、或いは庶民の生活に資するところの水道用水を取ること、或いはキヤナルを作る、運河を作るということ、すべてこれ利水でございますが、利水は先ず河川が健全なる状態に保持されるということが大前提になる。家で申せば基礎工事であると思つております。そこで利水の関係で都合が惡いから、治水のほうもついでにやろうということでは、床の間を立派にやるから、床の間について練達堪能の大工さんが、基礎工事のことはわからんが、基礎をついでにやつてやろうというのでは、なかなか家は立派に建たない。基礎工事は基礎工事のことについて経験を多く持つている人が、学識経験者が初めて基礎工事を立派に完成し得る。それと治水と利水との関係は同様であると私思つております。密接不離、一体不可分でございますが、大前提をなすものは治水である。治水でもやはりもとを治めるところの防砂なんかは最も力を入れなくてはならない、こう考える次第であります。治水の中でも、やはり基礎中の基礎は砂防である。護岸を立派にする。或いは提防を築くということは、基礎の中でも第一の基礎ではない。第二の基礎というようなことになりますが、こう考えておる次第であります。併しながら水を治めることは利水のためでもございますから、それ自身か目的では勿論ない。災害の防除だけではいけないのでございます。やはり水を利用しなくてはなりませんから、治水と利水とは相互密接不離な関係がございますから、一貫した行政でやつて行かなければならん。結局一つの省で掌るべきものである、こう考えております。私はそういう説を従来から持つておりますものでありまして、ただ建設大臣になつたから、建設省へ繩張りを殖やしたいからといつて考えておるわけではございません。山の上から海に至るまで一貫した行政を一つの機構において掌るべきものである。そうなれば治水の目的を達成し、第二段の、我々の考えなくてはならん……第一段はもとより治水でございますが、第二段の利水の目的も達成し得る、こういう考えでやつておりますから、どうか皆様におかれましても、私を鞭撻督励して頂くように切にお願いいたす次第であります。
 それから用排水、灌漑が、治水というようなこととは関係なしに、即ち用排水、灌漑は利水でございますが、治水と関係なし勝手にいろいろな施設を河川に取付けた、そのことのために雄物川のごときが七十七ケ所も、それが原因になつて、つまり利水施設が惡かつたために、治水関係に惡い影響を来たしたというようなところが七十七ケ所もあつたということは、今赤木さんの御指摘によつて私は初めて承知いたしましたが、私の拜見した本年度の災害においても、ちよいちよいそういう場所があつたのであります。この点は将来とも調和のとれた行政が必要であるという認識を深める材料になりますから、気を付けて参りたいと、こう考えております。
 それから砂防が尻切れとんぼになつて参つておるというようなことは、これも私ちよいちよい拜見いたします。非常に力を入れてやつて下さつた山瀬川も今年は災害がひどくて、砂防工事としては全国の模範でありながら、どういうわけでそういう災害が起つたかというようなことを、赤木さん自身にも新調査を願つた、その結果は、十メートルとすべきところを五メートルでとどまつておるとか、或いはあなたの御指導によつてできた砂防堰堤は完璧であつたけれども、その間に府県工事といつたような手の抜けた工事が中に入つておつたために、そういうような欠陥があつて、そうして災害を引起したというようなこともわかつた次第でありまして、どこどこまでも中途半端でとどめてしまうとか、或いはウイーク・ポイントを残して置くというようなことでは、砂防工事は完璧を期し得ないというようなことになりますから、その点についても後々注意して参りたいと思つております。養老川につきましても、御指摘のごとく、上のほうは非常に立派にできておりますが、下のほうは三分の一くらいになつておる。九仭の功を一簣に欠いておるために、災害が今年も養老川の下のほうに起つております。私も親しく視察して、私はあなたのお説と全然同感であります。この点につきましても、財政の許す限り明年度は相当砂防費を組んだつもりでございますが、関係方面との折衝上、今雲行きが非常に惡くなつておりまして、私自身非常に懊悩しておるような事情でございます。
 それから山腹工事のことにつきましても、たしか建設省としてやつた工事も多少はあつたようでございますが、相当渓流砂防に関係のある砂防工事は、御指摘のごとくやり得るわけでありますから、どしどし経費の許す限り国においても、或いは公共団体においてもやつて貰いたい。又やつて貰う方、針で進んで参りたいと存じております。
 それから最後に人事のことでございますが、工科大学において砂防を教えていないというようなことは面白くないことでございますから、やはり実学でなければ科学とは言えませんから、実際の用に役立つようにいたしまして、私といたしましても、工学部においては、日本大学ではやつておるそうでございますから、いやしくもそういうふうに土木工学を出た人が、砂防のことは一向知りませんというような人を出さないように注意して参りたい、要望して参りたいと思つております。それから採用関係については特に事務当局をして注意いたさせたいと存ずる次第であります。
#41
○石川榮一君 只今赤木委員の御質問なり、大臣の御見解を聞いて非常に共感いたしました。将来も治水、利水の方面におきまして、今の御信念で御健闘をひたすらお願いいたします。見返資金のことにつきまして、先ほど来安本の交通局次長さんから伺いましたが、初めて公共事業費に見返資金が許されまして、着工しておるわけでありまして、御案内の通り江戸川、猿ケ石、物部一連の公共事業費に初めて見返資金が導入されまして非常に私共喜んでおるのであります。只今伺いますと、関係方面におかれましては、見返資金は公共事業費に投入することを、明年度は躊躇するらしいというようなお説を伺つたのであります。外からも私は伺つておるのであります。そうなりますと、二年乃至三年間の継続年次によつて許可を得ました見返資金が、一年次だけ頂きましてあとが見込がないということになりますると、この額は相当大きい。百十億のうち僅か三十億程度の第一年次分しか頂戴できないと思つておりますが、若しそういうような事態が起りますと、国の予算で二年、三年の継続年次を遂行し得る確信が政府にはありますかどうか、予算的にこれがはつきりと明年、明後年におきまして、今までの既定の計画によつて遂行し得る確信がありますかどうかということをお伺いしたい。若し確信がありませんで、国の予算が今日窮迫しておりますから、私共のほうから考えますとこれはなかなか容易なことではなかろうと、さように考えますので、荏苒とは申しませんが、年次が自然ズレて参りまして、五年、七年かかるということになりますと、これは先ほども申上げたのですが、非常な犠牲を拂つてやつております工事であります。江戸川にいたしましても、五百近い民家を移転させ、二百町歩に亘る宅地並びに美田を接收したというような状況で今やつております。その他どの工事にいたしましても、皆相当に大きな犠牲を地元民に拂わしておるはずであります。それは見返資金であるからして、とにかく有難い金でやるんだからという気持と、それからもう一つは、二年か三年で仕上つて、それによつて利益するところが非常に大きい、非常に広汎に利益するところが大きいわけであるというので、諦めて地元民は了承しておるわけであります。それが間違いまして、五年七年かかるということになりますれば、この不信に対する地元民の憤激は相当なものがある、由々しき社会問題さえ起るのではないかと私共は心配いたしております。私は江戸川の犠牲者に対しまして、実は失礼でありますが、微力ながら涙をふるつてお願いをして了解を得た一員でありますので、責任が重大であります。こういう点から考えまして、国の方針が飽くまで見返資金に頼るという方針で行きますかどうか、若し駄目ならば諦めて国の予算でやるという決心をしておるならば、継続年次は、あの発表しました継続年次でやるという確信でやつて貰わなければならない。この年次をズラすことは私共は絶対に承知できない。こういうような点から、特に見返資金に対する大臣の御見解を伺い、更に、大臣は勿論これに大賛成だと思いますが、安本並びに大蔵両大臣の御意向はどうであるか等も伺いまして、そうして閣内における真相を伺いまして、若しまだ十分の御決意がないのでありましたならば、一つ急いで関係方面に一丸となつてお縋り願うように願いたいと思います。御見解をお伺いします。
#42
○国務大臣(増田甲子七君) 石川さんの御質問にお答え申上げますが、来年度は見返資金の公共事業投資が零になるのではないかという御心配からの御質問でございますが、要するにまだ予算折衝の過程にあるのでございまして、いわゆる経過中でございまして、まだ結果ではございません。その結果がこうなつた場合というときの私の覚悟というような御質問でございますが、私といたしましては、現在一生懸命予算の折衝に努めております。大蔵大臣だけではこういう方面はどうかと思いまして、もとより大蔵大臣も一生懸命努力しておりまするが、公共事業費関係において主として責任を有しておる安本長官にも努力して貰う、又公共事業費関係を主として使用するという立場に立つている主務大臣たる私といたしましても、先日来関係方面と直接折衝いたしておる、こういう状況でございます。何しろあれだけの金が出たことは、国民としては非常に感謝をいたしておる。ところが單年度事業ではございません。單年度事業とすればもう感謝すればそれでよろしいのですが、何しろ継続事業が相当ございまして、而も一昨年あたりから始まつた事業の継続もございまするが、去年見返資金が出るからといつて始めた事業も多々あるのであります。その額が、建設省関係から申しても六十数億ありまするし、周東君に聞いて見ますると、どうしても九十五億くらい要る、最小限度檢約しても七十数億は絶対に必要で、これがないなら今年は始めなければよかつたというようなことになるくらいである、そこは石川さんの御意見と同じであります。でありまするから、非常な大きな問題を惹起する虞れもございまするから、今一生懸命予算の折衝中である、私もみずから向うへ出向きまして各種の折衝に一生懸命努めておる次第であります。但し今のところ雲行きはどうも少し危しくて、私先ほど赤木さんにお答えいたした通り、折角国内的には予算を、建設省としては相当各閣僚の御努力も願い、本年度は先ず先ず皆さんのご満悦を願えるんじやないかというふうに国内的にはなりますが、一方そういう関係で私も懊悩いたしておるという状況でございます。ただ併しながら全然これが零になつた場合にはどうするか、その場合私はいやしくも始めた事業は多少年度とズレるかも知れませんが、併しながらこれは継続しなかつたならば、開始しなかつたほうがよろしい、こういうことに相成ることは、河川改修は、ちよつと江戸川は切実な問題がございましよう。併しこれは多少延ばし得るかも知れませんが、洪水統制としてのダム、それから長大橋梁の建設といつたような継続年度に亘る橋梁の架設、こういつたものを途中で打切つたのでは何だかまるきりナンセンスになつてしまう、センスレスになつてしまう、或いは始めなかつたほうがよいというようなふうに民衆から怨嗟の声を放たれるというようなことに相成る次第でありまして、我々は飽くまでも向う様の折角の御配慮による見返資金は感謝と共にこれを受入れ、これを使用いたしたいという心持で将来とも参りたいと思いまするから、これを受継ぐために日本のほうから、国内の我々のタツクスによる通常の歳出として何とか考えて貰わなくてはならない。それにはあらゆる部門を倹約してもこちらに集中いたしまして、そうしで事業を継続して貰わなくてはならぬ。多少継続年度が延びるにいたしましても、必ず事業を継続いたさずんばやまずという私は覚悟を持つており、又責任感を持つでおるものでございます。でないと丁度先般ポ政令等で皆さんに非常に御迷惑をおかけいたしましたあの電力事業再編成にいたしましても、その本は折角作りかけたダムが中止になるというと、結局却つて害をなす、公益を滅却するのみならず、従来投下した資本が零になるのみならず、却つて災害を惹起したり、いろいろな損害を惹起するような原因にもなるというようなことで、政府も非常に苦慮いたし、結局見返資金が百数十億出る仕掛になつた次第で、この点は重々皆さんに御迷惑をおかけいたして大変申訳ございませんが、その趣旨とするところは、いやしくも始めた事業はどうしても継続を願うように処置をいたさんならぬというところにもあつたようでございまするから、この見返資金については、それと全然同様、或いはそれ以上に私は継続せんならぬ重大意義を持つておる、こういうふうに考えておるものであるということを、この際明言申上げる次第でございます。
#43
○委員長(小林英三君) 如何いたしましようか。大臣のほうは時間が来たようですが、このあとはもう少し時間を延長して、継続して赤木さんのパルプ事業の河川に対する影響をやりますか、午前中に……。
#44
○赤木正雄君 簡單ですから一つお願いします。
  ―――――――――――――
#45
○委員長(小林英三君) それでは只今からパルプ事業の河川への影響の発生、通産省の雑貨局長、林野庁の林産課長、どちらも田中さんというかたが見えております。では御意見をお述べ願います。
#46
○赤木正雄君 治水の観点から、この森林が如何に重要でありますか申すに及びません。ただ私の知りたいと思うことは、この森林の伐採関係と、それからパルプ、殊に製紙問題であります。製紙関係のパルプはどういうふうになつているか、この関係をはつきりしたい。でありますから農林省のほうからして、今後日本の森林を持続して行くのには、どれだけ製紙用のパルプを年に伐採し得るか、そういう点から承わりたい。
#47
○説明員(田中紀夫君) 只今お尋ねの、製紙用のパルプ事業を続けて行くための森林伐採というようなことについてのお尋ねでございますが、御承知のように、実は現在は木材の統制はやつておりませんのと、森林伐採につきまして、これを制限しているということもございません現在の状態でございますと、有効需要のあります程度の供給が従つて行われるというような状態に置かれているわけでございます。で、このパルプのほうにどのくらい使われているかと申しますと、二十四年度でたしか七百五十万石程度、本年度で一千万石程度かと思われます。今日ではそれに必要な木材は、全体のうちからは自由に取れる、これは購入する金融がつき、又それだけの価格を支拂えば取れるという状態に置かれておりますから、今日では、それから今後ともこういう現状で行きますならば、パルプ関係の原木の入手には一応差支えないというような現在の状態でございます。全体のうち、有効需要がどのくらいになるかという点につきまして、経済安定本部のほうで調べましたところによりますと、最近二十四年度が八千五百万石という数字でございまして、今年二十五年度は、八千二百万石というのが今年の二月の推定でございます。ところがその後朝鮮動乱等が起りまして以来、相当需要が殖えまして、今年も大体八千五百万石程度の有効需要になるだろう、今年の二月の推定よりは殖えるのでありまして、大体昨年程度の有効需要にまで行くであろうというような推定になつております。それから明年度の有効需要の推定を、やはり安定本部のほうで最近いたしました、これはまあいろいろの面がございますので、なかなか把握しにくい点もございますが、一応九千二百八十万石という明年度の有効需要の推定をしておりますわけであります。で、一方森林のほうの供給力、これが今日総蓄積が六十億石と推定されておりますが、今日までの資料によりますと、ただこれは今日までの資料が必ずしも満足すべきものでございませんが、一応今日までの資料はそういうことでございまして、そのうち四十五億というのが利用可能林で、あと十五億というものは、非常な困難林であつて、山岳地帶とか、そういう地帶にありますもので、そういうふうに推定されております。それで生長量は、従来のいろいろの数字を基礎にいたしますと、四千八百万石程度の生長量に一応なる。それに対しまして、只今のように需要が一方にございますから、そこに非常なギヤツプがあるわけでございますが、これに対しまして又一方千五百万町歩の民有林のうち、五五%が、まだ林道がついておらんので、未利用のまま放置されておるという状態でございまして、これに対しましては、毎年林道の開設の助成をやつて来ておりまして、八百万町歩ほどの、民有林の未開発のものを開発しますことによつて、既設の山の濫伐を防止することができるということを、極力林野庁としても考えて、今日やつて来ております。簡單でございますが……。
#48
○赤木正雄君 今日本の蓄積は六十億石とおつしやいましたが、これは相当詳しいものですか。私の考えは、GHQのほうの調査のやつは、その半分の約三十億石になつておりますが、むしろ向うの調査のほうが私は詳しいと思う。そこに非常に大きな誤差があると思いますが、如何ですか。
#49
○説明員(田中紀夫君) GHQの調査の三十億とおつしやいますのは、向うで或る齡級以上のものをとつた総蓄積でないと存じておりますが、どの資料でございましようか。
#50
○赤木正雄君 向うの調査のすべての基本は、やはり日本政府のほうから出していますから、向うの調査のほうが確実性があるという点が多分にあります。そこで殆んど今御説明の、半分しかないということになります。よし又今の御話のように六十億石にいたしましても、現在製紙用に供給しているパルプ材、これとのバランスがどういうふうな関係を持つているか、これに対して農林省としては十分の計数でもお持ちになつておるでしようか。
#51
○説明員(田中紀夫君) 全体の需要量のうちのパルプに使われるものに対するお尋ねの点をもう一度お聞きしたいのですが……。
#52
○赤木正雄君 つまりパルプ材として、今後少くとも現状において、何ら外からその材料を入れなくても、日本の森林だけで十分賄つて行き得るのですか。
#53
○説明員(田中紀夫君) その点は、全体の需要量の中の一つの需要ということで、ノルマルな供給力から申しますと非常に困難だと思われます。
#54
○赤木正雄君 それを承わつておるのです。それではどういう対策をおとりになるか。若しもパルプ材が日本で供給できないとするならば、今後外国からその材料を買われるか、そうして森林の過伐にならないような方法をおとりになるのか、或いは若しもその材料が少いならば、その紙の生産を少くするか、どちらかの策をおとりにならない限りは、日本の森林資源も枯渇し、のみならず非常に害を及ぼす、これに対する両省の関係は、どういうお話合いになつておるか。その両省の今までの話合いが十分できていない限り、ただ一つの省だけでこれをなさるのは、非常に危險性があると思うのです。
#55
○説明員(田中茂君) 通産省の雑貨局長でございます。製紙用の木材に対しましてのお話でございますが、私共の考えといたしましては、日本は世界のうちで最もこの紙或いは人絹、スフ等を生産するのには恵まれた土地であるとは考えております。山が国内の大部分を占めておる、雨が多く灘気も多く比較的暖いという非常に有望な国だと考えておるわけでございます。ただ現実の問題といたしましては、今お話の通り、過伐の問題が大きな問題になつておるわけでございます。過伐の点につきまして、只今の御質問はこれを紙にお向けになさいまして、そうして紙の生産を場合によつては抑えなければならんのじやないかというお話でございますが、私共非常に実はそういう議論の出ますことにつきまして残念に思つておる次第でございます。と申しますのは、日本の国柄がそういう国であり、尚又紙の現在の生産量が、本年度といたしまして約二十億ポンドになろうかと思いますが、昭和十六年には三十三億ポンド生産しておつたのであります。今の世界の紙の生産量、総生産量を世界の総人口で割つて見ますと、大体一人当り四十二ポンドになろうかと思います。ですから北はエスキモーから南はホツテントツトを入れまして、全世界一人当り四十二ポンド、今の日本の二十億ポンドの生産量では、一人当り二十一ポンド程度にしかならない、これが今日本で作つております紙の生産量であり、その中で一割を輸出をいたしておりますが、それで日本の紙の使用量というものが大体おわかりになろうかと思います。
 それから木材の消費関係でございますが、人絹、スフを含めまして、総生産量の用材関係で一二%、それから薪炭林まで加えますと、いろいろ数字がございますけれども、常識的に言われております薪炭林が約一億伐られておるという点を加味いたしますならば、約六%程度が紙並びに人絹、スフに使われておるということになろうかと思います。一方木材をどういうふうに使つたほうが一番国民経済上有利であろうかという点で、私共としては、非常に自立経済に向つて突進する日本国民といたしまして、大いに考慮を拂わなければならん点だろうと考えております。一応の推算をいたして見たわけでございます。例えば木材を薪炭に使う場合は、現在はどうでしようか、私共調べたところでは、約五百石、これを人絹、スフにいたしますと約七十倍の三万五千石になる、こういう附加価値を持つております。この方面に木材を使うのが一番有効ではなかろうか、こういうふうな考え方を通産省としては、私共は持つておるわけでございます。で、パルプ製紙用の木材が、只今農林省からのお話がありましたように、昨年度で約八百万石、今年度で約一千万石になろうかと思いますが、そのうちの大部分は御承知のように紙に使つておるわけでございます。紙全体の量は、今申上げましたような程度である、こういうことからいたしまして、木材の、今朝ほどからお話の出ておりました問題と、それからもう一つ現在使つておる、紙、パルプで使つておりますのは全体の約六%ということにつきまして、その他に木材がどういうふうに使われておるかという点につきましても、私共としては非常な関心を持つておるわけでございます。これを合理化することによりまして、今私が申上げましたような附加価値を持つているこのパルプ産業というものを、今直ちにここで抑えてしもうということはどうであろうか。我々としてもつと打つべき手が残されておるのではないか。例えば御承知のように荷造り関係に相当使われておると思われますが、これも御承知のダンボール・カトンボツクスが荷造りに廻りますれば、木材の使用量は四分の一になるはずであります。尚又私鉄等で鉄道の枕木を使つておるわけですが、これは防腐を施したものは極めて少い。これに防腐を施しますと三倍から四倍の効力を持つ、強さを持つということ、尚又今日では赤松をパルプ産業以上に使つておるのは鉱山でございますが、このほうも大体九州のほうではすでに試験済であります。防腐を施せば三倍持つという点もございます。一応合理化の点を考えましても、実は私共今の紙パルプの需要関係からいたしまして、来年、再来年と、もう少し増産すべきだと考えておりますが、それに要する原木は十分供給し得るのであります。勿論従来植林の問題にいたしましても、又奧地林の開発の問題にいたしましても、尚又一、二例を挙げて申しました木材の利用の点につきましても、十分な手が打てなかつたということを非常に遺憾に存ずるのでありますが、私共といたしましては丁度化繊業界、パルプ業界共に今日では相当の需要を迎えまして、経営状況もよくなつて参つておりまするが、こういう木材の受益者の立場といたしまして、今日までより以上に木材の培養、木材の資源の培養について力を注ぐように指導して参りたいというふうに考えております。
#56
○赤木正雄君 紙の値段をこの間挙げましたから、苫の紙さえ内地のほうに買いに来ておる。又北越の紙は島根県まで木を伐りに行く。方々濫伐をやつておけます。つまりこういうふうな情勢が続きますと、折角農林省で木材、森林の蓄積をお考えになりましても、やたらに森林が伐採されて紙になつてしまう。言い換えるならば、両省の間に日本のこの財源を、このと申しますのは紙です、どういうふうに持つて行くか。これがまだ合理化されていない。今御両人のお話を承わりましても、私はそう見ます。でありまするから、これを今ここで問題に供しましても、すぐ私は立派な答弁を得ることは厄介であります。従つて両省の間に、今後のパルプの需要供給をどうして行くか、若しも日本にできないものは、外国からこういうふうにして輸入するんだという、そういう案をお立てになり、一定の計画を持つてこの委員会に、治水の点も非常に重要な問題ですから、お示し願いたい。これは委員長に特にお願いします。両省の間で協定されて、案を一つお示し願いたい。これを以て私の今日の質問を終ります。
#57
○委員長(小林英三君) では一つよろしく願います。
#58
○説明員(田中茂君) 私今申上げましたような趣旨におきまして、実は今着々私共のほうで一応資料を集めまして準備いたしておるわけでございますが、お話のように、この問題は單に通産省だけで解決すべきものでもありませんし、農林省、建設省、それから大蔵省にも関係いたしますので、安定本部でこの問題を十分取上げまして、国家百年の大計を立てて頂きたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。
#59
○委員長(小林英三君) では今の問題は、何ですか、通産と農林と安本で案を立てて建設委員会に示して貰うことにいたします。
 それでは午前中の委員会はこれを以て休憩いたします。
   午後零時二十三分休憩
   ―――――・―――――
   午後一時五十六分開会
#60
○委員長(小林英三君) それでは午前中に引続きまして委員会を再開いたします。
 本日は特別調達庁の機構の問題それから業務の状況、占領国軍人等の住宅、公舎に関する件、それから二十五年度の終戰処理費につきましての予算の執行の状況等を説明願いまして、それにつきまして委員各位から御質問を承わりたいと思います。
 なおちよつと速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#61
○委員長(小林英三君) 速記をつけて。本日は調達庁の根道長官と、堀井次長、川田財務部長、長岡契約部長、中村労務管理部長、その他の各位が出席されております。先ず調達庁のほうから、先ほど申上げましたような点につきまして、一応御説明を願いたいと思います。
#62
○政府委員(根道廣吉君) 私只今御紹介にあずかりました特別調達庁長官の根道でございます。本日は皆様の貴重なるお時間を拜借いたしまして、特別調達庁の業務につきまして御説明申上げる機会を得まして誠に幸いと存ずる次第であります。
 さて特別調達庁は、占領軍が日本政府に要求する調達業務一切を担当することを主な任務としまする機関でありまして、それらの調達業務は、御承知のごとく、年々一千億円以上に上る終戰処理費を以て行われております。なお本年度からは、それまで大蔵大臣所管でありました終戰処理費及び解除物件処理費並びに特別收入でありまする終戰処理收入、及び解除物件処理收入が内閣総理大臣所管となりましたことにつきまして、当庁はそれらの所管大臣としての業務、即ち予算管理事務をも行なつております。御参考のために、終戰処理費及び解除物件処理費の本年度予算額をお示しいたしますならば、お手許にお配り申上げました第一表の通りであります。
 次に、占領軍の調達要求の根拠について述べまするならば、調達業務は昭和二十年九月二日降伏文書調印と同時に、連合国軍総司令官から日本政府宛発出されました指令第二号に基きまして、日本政府の義務となつておりますことは、皆様も御承知の通りでございます。それに関しましては、更に連合国軍最高司令官から詳細な指令が昭和二十三年の三月二十一日附スキヤツピン一八七二号として発出されました。その後再度に亘る改正が行われ、現在では極く最近、本年十一月二日附のスキヤツピン、二千百二十九号で施行されております。これらはいわば調達業務の憲法ともいうべきものなのであります。
 次に特別調達庁は如何なる内部組織を持つておりまするかについて御説明申上げます。先ず中央には本庁として一官房、四部、並びに附属機関として三つの審議会を持つておりまして、本庁は終戰処理費、解除物件費及び特別收入の所管大臣としての事務を処理すると同時に調達業務に関する方針、手続規定などを定めて地方機関を指揮監督しておるのであります。地方機関といたしましては、在日兵站司令部調達部の支部と相対応いたしまして、東京、札幌、仙台、横浜、名古屋、京都、大阪、呉、福岡の九ケ所に特別調達局が設けられ、更にこの九事務局の下に占領軍部隊と直接に接触を保ちますための監督官事務所が全国六十七ケ所に設置されておりまして、調達の現業を担当しておるのでございます。なお労務提供並びに旧日本軍の爆薬、兵器類の処理につきましては、その現業を都道府県庁に委任いたしております。
 次に調達業務の内容について少しく詳しく御説明いたします。先ず占領軍の調達要求はすべて一定の形式の文書を以てなされます。それには三つの種類がございまして、調達要求書、英語ではプロキユアメント・デマンド、略してP・Dと称しております。それから労務要求書、これはレーバー・レキジシヨン、略してこれはL・Rと称します。及び通信命令、これはコンミユニケーシヨン・オーダー、略して、C・〇、その三種類がございます。先ずP・Dに基く調達要求について述べまするならば、不動産の提供、建設工事の施行、役務の提供、需品の供給及び国鉄による輸送の五つに分類されるのでありまして、それぞれP・Dの記号によつて区分されております。第一の不動産の提供は、土地及び住宅その他の建造物を接收して連合国軍に使用させることであります。第二の建設工事は兵舎、宿舎、飛行場等の建設或いは改造であります。次に第三の役務の提供でありますが、この内容は多種多様でございまして、電気、ガス、水の供給は勿論、家具、機械、器具、車輛、衣料品の修理又は洗濯、染色、或いは物の運搬、芸能の提供、ホテルの運営、ラジオ放送など、極めて多くの種類がございます。契約金額も年額一件一万円くらいの小額のものから二十億円に上るものまであります。次に第四の需品でありまするが、これは主食、軍人軍属の被服等を除くあらゆる種類の物品の供給であります。非常に多数の項目に亘つております。以上四つの種類のP・Dはすべて在日兵站司令部から発行されまして、特別調達庁が軍調達部との密接な連絡の下に処理しておるものでありまして、本年度におきましては、お手許に配付いたしました資料の第二表の通りの予算額となつております。これらの四つの種類の調達業務の細部について一々御説明申上げることは省略いたしますが、不動産賃貸料の値上げにつきまして一言申述べたいと思います。これは本年八月地方税法の改正によりまして、固定資産税が課せられますこととなつたことに伴う賃貸料の改正のことでありまして、当庁といたしましては早くから改正案を作成して関係方面との折衝を開始したのでありますが、関係方面において愼重な審議が行われておるために未だ決定に至つておりません。従つて目下のところ、値上げの割合なども数字を申上げる段階になつておらん状況であります。併し料率はいずれ近く決定される予定でありまして、決定の上はこれを八月に遡つて適用する所存であります。P・Dの種類の第五番目は、P・M・R・Sという記号を以て、米軍の輸送司令部より発行されておるものでありまして、国鉄及びそれと連帶する私鉄による占領軍の人員、貨物の輸送を要求するものであります。申すまでもなくその実際の業務は日本国有鉄道が担当し、当庁としましては国鉄に対する資金の繰入れを行なつております。
 次に労務要求書は、日本人労務者を占領軍に使用させるためのものでありまして、これに関する業務はP・Dにおいて、調達業務と異なりまして、特別調達庁本庁の直轄の下に全国各都道府県が労務管理の実務を取扱つております。特別調達庁本庁はその処理方針、給與、その他の基準手続規定等を定めまして、各都道府県の業務実施を監督すると共に経費の予算管理を行なつております。
 次に通信命令は、電気通信省による電信、電話等のサービスを要求するものであります。軍通信部隊により発行され、電気通信省が業務を担当しております。当庁は電気通信事業特別会計に対する資金の繰入及び航空保安庁に対する予算配付を行なつておるのであります。
 以上が調達面の業務でありますが、その他にも当庁の実施しておる業務がありますので、それについて申述べます。先ず使用解除財産の処理業務があります。これは調達要求書に基く不動産提供に附帶する業務でありまして、提供した不動産が占領軍によつてその使用を解除された場合に、これを原所有者に返還すると共に、終戰処理費によつて改造された部分に対しまして接收前よりも価値が減少した場合には所有者の受けた損害を補償し、或いは接收前よりも価値の増した場合には、所有者の利得を評価してそれに相当する金額を国庫に納入させるものであります。これについての基本方針は昭和二十四年十二月二十七日附の閣議決定と思いますが、使用解除財産処理要綱によつて定められておりますが、これを要約いたしますと、不動産接收のときにおける価格と、使用解除のときの価格とを、特別調達庁の附属機関として設置されております調達不動産審議会に諮つて決定しまして、その額を所有者と協議の上損失として補償する、或いは利得として徴收する。こういうことになつておるのであります。その場合、当初の使用目的に合わないような改造が行われておるときは、当初の目的に供するために必要な改造の費用は損失補償額として計上することになつておりまして、補償金支拂の順位を定めて補償事務の適正なる実施を図つておるのであります。当庁は前述の線に沿つて補償業務の迅速な処理に最大限の努力を拂つておるのでありまして、昭和二十四年度におきましては約一億三千万円の補償を行いました。本年度は約二億五千万円の予算を以て処理に当つております。第二に、解除物件の処理業務であります。これは連合国軍の要求に基いて、日本政府が調達した物件が調達解除されまして、日本政府の処分に委ねられたものを処分する業務であります。解除物件は大別して二種類になるのであります。その一つは、日本政府が連合国軍の住宅の建設、維持、管理のため、連合国軍の指令に基いて調達し、保管していたものを、日本政府が自由に処分し得るように解除されたものであります。その他の一つは、調達要求書に基いて占領軍に納入してしまつたものが不要となつて調達解除されて、日本政府に返還されて来たものであります。解除物件の急速な処理につきましては、当庁といたしましても最大限の努力を拂つて来ておりますが、会計法規の制約、その他の関係で一時は可なりの滯貨を生じたのであります。その後法規の特例が政令を以て定められましたので、本年二月二十四日閣議決定の解除物件緊急処分要綱に従つて処分した結果、現在は滯貨と称すべきものはありません。現在までに解除された物件総数は八十四万五千五百トンに上ります。そのうち処分済のものは八十万六千トン、処分の価格は二十二億であります。従いまして現在約三万九千五百トンの在庫物件がありますが、これは主として本年八月以降に解除された分でありまして、これも二、三ケ月の間には処分を終る予定であります。なお今後も毎月約一トンぐらいの物件が解除される見込であります。最後に解除物件の売却方法について述べますならば、それは一般競争入札を原則といたしておりますることは、一般の国有物品の場合と同様でありますが、なお前に述べましたように、売却促進のため会計法上種々の考慮が拂われております。第三に、連合国軍人等住宅公社の業務について申上げます。これは御承知の通り特別調達庁の本来の業務ではありませんが、業務の委託と役職員の兼任とによつて、実質的にはその大部分は当庁の業務として扱つておるのであります。この公社は御承知の通り本年一月連合国軍総司令官からの指令に基きまして、米国の対日援助見返資金からの借入金を以て連合国軍人等の宿舎を全国に新設いたしますると共に、居住者との間の賃貸業務契約を取扱つております。現在までに連合国軍から建設を指令された住宅の数は二千三戸でございまして、現在その殆んどすべてが竣工又は竣工に近い状態になつております。その建設状況及び居住状況につきましては、お手許の資料の第四表の通りになつておるわけでございます。右の建設に要しまする費用は約七十二億円でありまして、居住者から徴收いたしまする賃貸料を以て逐次借入金を返済して行きまして、現在のところ約十八年を以て返済を終る予定であります。尚賃貸契約は公社が連合国軍人、軍属個人と締結するものでありまして、賃貸料は住宅の大きさに関係せず、居住者の階級に応じて定められております。参考のために各階級に対する賃貸料をお示し申しますならば、お手許の資料の第三表に載つております。第四として、次に当庁が担当しております特殊な業務の一つとして、旧日本軍の爆薬、兵器類の処理に関する業務があります。これは総司令部覚書を以て日本政府に指令された業務でありまして、当庁は都道府県を指揮監督して陸上のものを処理し、海上保安庁が海上のものの処理に当つておるわけであります。
 以上申述べました外、当庁は終戰処理費、解除物件処理費及び特別收入の予算管理をも担当しておるのでありまして、終戰処理費につきましては大蔵省、厚生省、水産庁、海上保安庁等の他省庁が業務処理の責任を有しておるものに対しましては、予算配付をいたしておるわけであります。
 以上が特別調達庁の所掌いたします業務の概要でございます。
 次に業務の運営の基本方針について一言申述べさせて頂きます。
 第一に、業務は門戸開放であります。いやしくも当庁との契約を希望する業者は、すべてその業態を調査して、適格と認められますものに対しましては、最大限に契約の機会を與えまして、取扱の公正を期しております。
 第二に挙げられますのは、調達の迅速と的確でありまして、これは連合国軍が占領目的遂行のために最も強く要望するところでありまして、我々もこの点につきましては最大限の努力を拂つて参つたのであります。そのためには国内会計諸法規との調整上少からぬ苦心を要する場合が非常にしばしばございます。
 第三に重要なことは国費の節減であります。これは占領軍当局の要求を迅速に処理いたすという至上命令の下にあつては、ときによつては非常に困難な場面に遭遇するということもありますが、当庁としてはあらゆる手段を盡しまして努力しておられるわけであります。又当庁は経費の節減の方法として入札の励行につきまして最大限の努力を拂つておるつもりであります。そのために工事需品はもとより、従来入札不可能とされておりましたようなものにつきましても、特別の工夫によつて入札を実施しておるような状況であります。
 最後に当岸は前述のごとく年々莫大な国費の経理に当つておりますので、会計事務の適正、特に非違行為の防止のために特別の努力を拂わなければならないことは当然のことでありまして、そのためには組織上におきましてもいわゆる横割方式が採用されておりまして、一つの契約に当りましても一部局のみに決定を任さないで、各部のいわゆるチエツク・アンド・バランスの形において行われるようになつておるのであります。又本年四月一日からは本庁が現業部面から全く離れまして、各部間の監査に専念しておる次第でございます。
 以上ながなが申上げましたが、私どもといたしましては当庁の業務の重大性に鑑みまして、いよいよ業務の改善に盡しまして、皆様方の御期待に副いたく存ずる次第でございます。ここに今後とも一層御叱正を賜りたく、又御鞭撻を頂き、満足に仕事ができますように御援助願いたいと存じておる次第であります。
#63
○委員長(小林英三君) 何か御質問がございましたならばどうぞ。
#64
○田中一君 今運営の基本方針をお示しになつて、非常に嚴格に或いは不正を防止するとか、或いは自戒して運営なさつていらつしやることは甚だ結構なことと存じます。併しながら今日まで常に調達庁の各面にいろいろな不在のあつたことについては、いろいろまあこれは不正として取扱うべきものかどうか、私としてはこの要求が激しいために、第二に挙げられた迅速を期するために、余分なものを相当買込んでいる傾きがあるのじやないか。同時に門戸の開放をなすつていらつしやつても、それが一面迅速或いは的確というような面からして、独断、或いは独占的な形でいわゆる入札というような形式を踏まないでやるような問題が多々あるのじやなかろうか。一番大事なことは指名権の濫用をやつているのじやなかろうか。こういうような不安がありまして、私自身、自分の手許に持つております材料について、一、二質問して見たいと思うのであります。先ず只今お話の迅速を尊ぶために入札というような形のとれない場合もあるというような御説明がありまして、これは無論会計法規上違法という形になつて現われるわけでありますが、これも会計検査院のほうで承認されたものならば、これはまあ差支えない根拠によつてなすつていらつしやると思うのであります。この点について、殊に最近の例を見ますと、朝鮮事変以来いろいろな面に、作戰上特調に対する命令も強くなつて来たと考えられます。例えば工事入札などについても、物件の購入についても随意契約という形が相当大きく現われて来ているのじやなかろうか。先ずこの一点についてお伺いしたいと思います。
#65
○政府委員(根道廣吉君) 只今の御質問でございますが、指名の濫用ということは現実には殆んど起つておらないと、私は存じておるのであります。ものによりましては、すべて担当の部局におきまして、業者の能力を調べまして、それを軍のほうに承認を求むるのであります。軍のほうで安心して委せ得られるところの業者のみが、最後の指名にあずかるのであります。場合によりましては、ものによりましては十社、二十社、或いは需品の種類によりましては、数十社に亘る指名をそのたびごとにいたしておるのであります。それが軍のほうに参りまして、過去の業績如何により、向うでも一々調べております。どこでどういうことをやつたと一々嚴格に調べておる。この業者は、このことには特調としては省けというような指令が来ることがございます。そういうことによりまして、特調としてよかろうと思つて出したものが、又外の理由によりまして排除されるということもないわけではございません。併しながらそれは軍が安心して使える業者を使うというところに出るものでありまして、そういう場合、私共としてはこの軍の見方が誤つておるときにはできるだけそうでないように何遍も押戻して、受けてやつてくれというふうに実務を扱つておる次第でございます。そういうことによつて、改めて入れられたような場合もございます。それから随意契約の面が多いというようなことのお話でございましたが、特調は原則が入札契約でございまして、随意契約によりますのは特別の場合に限つておりまして、これ又会計法に認容されておる範囲内でございます。又最近どこかの新聞等にも出たように思われますが、随意契約が非常に多いというお話でありますが、これはいわゆるローカル・パーチエスで特殊なものが多いのであります。これは件数によりますと非常に多い。どういうことかといいますと、その場で要る細かいものを買つておる場合に、それが許されておるのであります。昔はこの部隊で許されております限度が三万五千円くらいでありましたが、最近上りまして、百八万を限度とするということになつております。それにはいろいろなものがございます。各調度品の細かい部分、窓のかねが一つ取れたのを持つて来いとか、箒を一本買つて来いとかいう細かいものがあるわけでありまして、件数にいたしましては相当の件数に上りますが、全額などにいたしますると、これは調達関係の全体から見まして非常に小さい数字になつております。今丁度その方面の部長がおりますから、お望みならばその数字をここで申上げてもよろしうございます。
#66
○説明員(辻村義知君) 補足いたしまして御説明申上げたいと存じます。契約をいたします場合に入札によりますのと、随意契約によつておりますのとの割合についての数字がここにございますので申上げたいと存じますが、契約金額のほうから申しますと全体のうちで九二・五八%が入札による契約でございまして、七・四二%が随意契約ということになつております。又、今のは契約金額の上から申上げた割合でございますが、契約件数のほうから申しますと入札によります契約が五一・四%、随意契約が四八・六%でございます。只今申上げました数字によつて御承知願えますと思いますが、金額から申しますと殆んど全部が入札でやつておるのでございますが、契約の件数から言えば半数近いものが随意契約になつておるような結果になつております。この理由は只今長官からも申上げましたようにいわゆるローカル・パーチエス、地方的調達要求が、先ほどの説明のごとく極めて特殊なものであり、而もこれが非常に金額の少い、又数の多いものでございますので、数の上から言えばこういう只今申上げたような契約件数の比率になつておる次第でございます。尚工事関係の入札について随意契約が多いのではないかという御質問があつたように存じますが、工事契約につきましては殆んど全部が指名入札によつておりまして、随意契約によりますものは殆んどないと申上げてもよい程度ではないかと存じます。ただこれは申上げるまでもなく御承知願つておることと存じますが、入札いたしましても政府の予定価格以内で落札できませんのがございますので、そういう場合には更にもう一度入札をいたしますが、再入札をやりましても尚落札者を得られません場合には、政府の予定価格以内で随意契約をするというように、会計法令の建前がなつておりますので、そういう手続によらざるを得ない場合が往々ございますので、これは入札しましても落札者が得られない場合には、そういうふうにいたしておる。そういう手続に相成るわけでございます。
#67
○田中一君 今私が御質問したのはその意味も含んでおるのです。実はこれは建設省のほうにもこういう同じような質問をしたのですが、非常に物価が上つておるのです。結局入札という形式を踏んで随意契約になるというのですね。そしてそれが今我々が常識的に考えても、今日のような重大な段階になつておる朝鮮動乱の姿を見ましても、先高ということを皆業者は考えております。従つて調達庁が持つておる予算というものは、現在の何といいますか、時価といいますか、そうしたものなり、或いは三ケ月後のでき上りという建前からいつて、そういう場合を予想して適正な予算で以て見ておるかどうか。それができないために、業者は今日の常識としては皆逃げたい傾きがある。それは皆さん担当なさつている方々はよくおわかりだと思うのであります。というのは先がどういうふうになるかわからん。今日契約をして、明日手当ができないような不安がある。見通しが明日どうなるかわからん。こういうような場合には随意契約を以て押付ける傾向があるのではないか。指名もその一つの例であつて、お前そう逃げずに……、十人指名して十人とも入札して、又再入札、又もう一遍といつても結局とどの詰り、その中の最低の線に見ておるところの業者をつかまえてやれ、自分のほうは予算という一つの線があるから、これから一歩も上らないのだからやれと言つて、強制する形になるのではないか。こういう不安を持つわけであります。そういう点が恐らく予算が、いつ頃今度の予算が……或いは実行予算として何ケ月か前に作つたものと考えられますので、そういう点について随意契約の形で以て押付ける。指名されて困るものだから泣く泣く何とか仕事の上でごまかそうという考えもなきにしもあらずではないかと思うのです。そういう点についてもう少しこれは建設省にも質問しましたが、入札ということを変えて随意契約とするという傾向について、そういうことの事実があれば、そういうことの事実を改めて一つお示しを願いたいと思う。工事件数について……。一遍でぽつときまつている工事がどのくらいあるか。再入札で、結局最後になつて随意契約になつた工事がどのくらいあるかという数字を一つ……。
#68
○説明員(辻村義知君) 只今お尋ねの再入札後に随意契約で契約したものが、どれだけあるかというお尋ねでございますが、これは只今持つております数字では契約金額から申しますと約一億三千万円でございまして、全体の一・二三%となつておりますので、特別調達庁が扱つております調達の全体の割合からいえば比較的僅かでございます。ただこれは工事以外に需品なども全部含んでおりますので、工事だけでどのくらいあるかという数字が、今残念ながら手許にございませんのでございます。
#69
○田中一君 角度を変えてもう一遍伺いたいのですが、この接收家屋に対する家賃、こういうものは現在の税法の面から見て接收されておる持主の負担というものは、支出と收入というのですか、家賃と支出、こういうものの率はどうなつておりますか。自分の住居を国家に提供しておるという面におけるバランスですね、收入と支出の……。私の聞くところによると、或る方面では税金を拂つて、もう家賃を貰つても結局足を出さなければならないのだというようなことを聞いておるのですけれども……。
#70
○政府委員(根道廣吉君) 只今の御質問に御答弁申上げます。現在個人の住宅、殊に住居等を接收されております人、そうして特にそういうかたが自分の家に住めないで、よそに家を求めて住んでおるというような方々につきましては誠に同情すべきものがあると考えまして、できるだけ補償的家賃を出したいと、こういうようにつねづね考えていろいろ検討しております。併し数字の点になりますと残る額は非常に現在のところ少いのであります。稀に我々の所に参ります苦情は、税金にも足らないというようなことを言うて参るようなものがあるのでありますが、それは何かの間違いでございまして、そういうものは個々の場合についても直すことができる途が常時開けておるわけでございます。このたびの値上げの行われておりますのは、地方税の増加ということをできるだけカバーするという考え方に出ておりますことは御承知の通りでございます。この倍数がどうなるか、実は今明日中にでも決定したく係官を督促してやらせておる最中であります。御了承願います。
#71
○田中一君 それから解除物件の入札の件ですが、御説明のように解除物件は、調達庁が独自で調達したもの、或いは向うの要求で調達したものが不要になつて拂下げする。それから調達庁が向うの大体の計画を知つて事前に調達した。こういう二色あるという御説明ですか、今の御説明は……。
#72
○政府委員(根道廣吉君) その点はすべてP・Dのほうから命令されまして数量或いは品物を調達しておりまして、特別調達庁だけの見込で調達したものはございません。全部向うの指示によります品質、数量、規格に合つたものを調達したものであります。又解除されたものの相当数量の中には特別調達庁ができる以前に調達されたものもございます。それからいろいろな品物がございまして、随分余つたではないかと、こういう何でございますが、私今まで承知しておりまするところでは、いろいろな建設関係のあらゆる材料が非常に多くあつたわけでありますが、これは当初日本政府に対して二万戸の住宅を建設せしむるというような案があつたようであります。日本政府といたしましては、当時日本の国力上なかなかこれは困難であると言つて司令部のほうに懇請して、それでは取あえず一万戸を建設せよというようなことに相成りまして一万戸の住宅が建設されるというようなことになつております。従いまして、その間におきまして発注された需要資材というものが実に厖大な数量に上つております。それは現に納入済みになつたものもありますし、特調自身保管を命ぜられた、こういうものもあります。勿論特調自身と申しましても、その以前から戰災の以後において保管されておりましたものを引継いだものが非常に多いわけであります。そういうような意味におきまして特に解除物件というものが多くなつた。こういうふうに従来から承知しておるわけであります。
#73
○田中一君 私が心配しますのは、相当まあ長い間貯蔵しておる品物が入札という形になりますと、今日の場合は製品が余つている時代ですから、需要が足りないというような形に、特殊なものとしてはなつている状態です。ダンピング的な傾向があつて、非常にその市場の価格を落すというような点が桁当今まであつた。又聞いておるのです。これは希望ですが、そういう点については十分御検討願つて、品物が余つている時代ですから、ただ安ければいいということであつて、蔵拂いしようという形でなく、そういう点市場価というものを考慮なすつて、やはりこれも一応或る線をお引きになつて入札するのが妥当じやないか、こう考えるのです。品物として使い物にならないようなものも随分今まではおありになつたでしよう。無論終戰直後は各製品が悪くて、今のようないい物ができない時代でしたから、大体ダンピング的なことになりますと、一応バランスのとれる品物も脅かされる場合がありますから、十分注意して頂きたいと、こう思います。
#74
○政府委員(根道廣吉君) 只今の御注意、実は特別調達庁におきましては解除物件を拂下げる場合におきましては、発注と同じように何時も予定価格を立てておるわけであります。これは会計法上命ぜられておるわけでありまして、従いまして非常に低い予定価格を立てるわけには参らないのであります。殊にその品物が新しく見えるというようなものにつきましてはできないわけであります。従いまして現実にすべて入札によつたのでありますが、入札におきましては、入札価格が十分の一というような例が再々あつたのであります。でその年におきましては、特別調達庁の予定価格が高過ぎるから売れないのだ、こう申されたくらいであります。むしろ我々といたしましては沢山の買主に広告を出しまして、できるだけ広く入札を募る。そうして沢山来る人たちに公平に入札をさせてやつた価格で売るより手がないのではないか。現在の会計法規ではそういうことができないので困るのじやないかというので、そういう点の何らかの方法がないかといろいろ考えたのであります。又金融難の折から売るのが非常に困難でありまして、売拂い方法も考えたような次第であります。いろいろとやつたわけであります。その間におきましては日本の普通の商品としては通らないような規格外の品物も随分あつたように思います。その場合にはすべて材料として売らなければならんというのが随分あつたように思います。従いましてそういうものはやはり物として見たときには非常に安いものだから、又その間におきましていろいろな事情がありましたのですが、特別の事情がございまして我も我もと駈けつけまして、こちらの予定価格よりも却つて非常に高い価格で落して行つたという例があります。半面には幾ら広告してもやつて来なくて困つたというような例も多々あつたような次第であります。
#75
○田中一君 調達庁ができましてから今日まで、いろいろな工事の契約などやつておりましたうち、無論これは進駐軍のほうの都合でこうした事態になつたと思いますが、前渡金制度をとつておられると思いますが、前渡金に対してオーバーになつおる、或いは過超されて前渡金を余分にやつて、未だに戻入れされてないというものが相当数あるように、昨年のたしか決算委員会かで以て聞きましたが、その数字を一つ今日までずつと明らかにして、過拂金の後始末、これを明らかにしてお示しを願いたいと思います。一つ例をとりますと、私がまあ自分の知つておる範囲のことを申上げるわけですが、八戸の飛行場の建設について、明楽工業会社というのがありましたね、あの会社が先般登録取消しの処分にあつたことは御承知だと思いますが、これは私が知つておる数字は、二億円くらいの過拂いになつておる。この会社自体はどうなつておるかと申しますと、もう整理の段階に来るのではないかと思いますが、相当なる財産を持つて明楽土木とかいう別な会社を作つておる。うまい人は脇に持つて行つて、一つの生きる途を立つている。無論法人ですから、法人の責任に限界があるわけですが、そういうものに対してはどういう措置をされておるか、もう一つの例としては、曽て足利の板金工業組合、これに対して例のガスの排気筒の問題ですね。そうしたものについても、どういう経緯と、どういう始末になつておるかということを、若しもお手許にあればお示しを願いたい。若しそれがなければ私のほうから質問して見たいと思いますが、御返事を伺いたいと思うのです。お手許にあれば一つお示しを願いたいと思います。
#76
○説明員(長岡伊八君) 只今、明楽工業の問題につきまして御質問ございましたが、我々の承知いたしておりますところでは、明楽工業には過拂いはないはずであります。ただ実はあの工事を引受けまして、途中で投げましたために、過怠金を取らなければならない、それだけはありますが、明楽工業にこちらから拂い過ぎたというものはないはずでございます
#77
○田中一君 足利の板金工業組合のガスの排気筒の件はどうですか。
#78
○説明員(辻村義知君) 足利の板金工業に対する過拂金の回收状況について私から申上げます。これはお話のございましたごとく、昭和二十三年度におきまして、約二千二百三十七万六千円ばかりの過拂金を生じた次第でございます。こうした事態を生じましたことにつきましては、誠に事務の手落ちでございまして、恐縮をいたしておりますが、その後、特別調達庁といたしましては、鋭意回收に努力をいたしまして、只今まで約六百六万三千円ばかり回收をいたしております。残額約一千六百方円につきましては、先般和解が成立いたしまして、今年から昭和二十八年末までの間に四回に分けて回收をいたすことに相成りましたのでございます。尚これにつきましては、当時の社長と専務取締役の連帶保証もとつてございますので、この回收につきましては心配のないものと、こう考えております。
#79
○田中一君 私は、ガス排気筒が足利の一地方の業者に発注された経緯について非常に疑問を持つておるのです。或いは資材があの辺に偏在しておつた当時の状況から言つて、そういうことが成立つものかどうか、これは存じませんが、殊にこういう大量の当時の価格で四、五千万円のものを一地方の基礎の薄弱な業者に発注された。これは無論先だつての長官のお話のように、業者の入札でさせたものと考えますが、なぜ先だつてのお話の千六百万円の焦付きになつたかということを、今の経緯を一つお示し願いたいと思います。
#80
○説明員(辻村義知君) ガス排気筒の発注の経緯につきましては、これは昭和二十一年九月の分の要求によりまして、納入計画をいたしましたのでございまして、当時戰災復興院がこの契約の衝に当つております。尚当時の制度におきまして、業者の選定は商工省の権限であつたように承わつておるのでございますが、いずれにいたしましても、当時の業者選定、並びに契約の経緯につきましては、只今詳細に存じておりませんのでございます。ただ私が聞きましたところでは、若し聞き違いがございませんければ、当時このガス排気筒というものが殆んど日本の市場には勿論ございませんし、製作の経験のある業者もなかつたそうでございまして、当時非常に厖大な発注がにわかにございましたので、非常に関係当局では業者を見付けることに苦労をして、やつと選定をしたということであつたように承わつておるのでございます。過拂金が生じました経緯につきましては只今申上げましたように昭和二十一年度分の要求によつて当時の戰災復興院が契約をいたしましたのございますが、その後二十二年に特別調達庁が設立にたりまして、調達業務は各関係官庁から包括的な承継を受けましたのにつきまして、本件も事務の引継ぎをいたしましたのでございます。当初調達の要求を受けましたのが二十五万フイートでございますが、特別調達庁が事務の引継ぎを受けました当時は、尚全量の納入を済ましていなかつた次第であります。従いまして本庁に移管をいたしました以後におきましても、納入を続けて参つた次第でございますが、そのうち最後の五万フイート納入いたしました際に、当時の物を買いました際の検收方法といたしまして、戰災復興院当時からの慣行でございましたが、その検收調書は輸送代行業者にその検收事務を委託して検收をし、役所がこの検收を監督するという建前になつておつたのでございます。それは当時の発注は大体工場渡しで発注をすることになつておりましたので、当時非常に建設工事も盛んであり、従つて軍の調達要求も盛んに出ておりました頃で、全国に跨がつた工場につきまして役所が一々検收に参るわけに参りませんので、只今申上げましたようなことで検收をいたしておつた次第でございますが、その二十五万フイートの最後の納入に関する検收調書も、従いまして輸送代行業者の作成しました検收調書に基きまして、支拂をいたしました次第でございます。ところがその分に、検收数量と実際の納入数量との間に開きがございまして、その開いた分だけが過拂いになつた次第でございます。当時只今申上げましたような事情で、一々役所のほうで検收をするわけにも参りませんのと、又委託検收をいたしますにつきましても、それを役所が監督する建前になつておつたのでございますが、何分非常に発注の多い当時でございましたので、監督のほうも十分に参りませんで、只今のような結果になりました次第でございまして、この点は誠に申訳なく存じておる次第でございます。
#81
○田中一君 経緯を伺いましてわかりましたが、そういう場合に検收調書の発行者が單なる軽い過失として処置されておる。そうして話合いで以て何年間かの納付償還なら納付償還ということによつてやることは可能なんでしようか。或いはそれがもう少し強い制裁を受けなければならないものではないか。或いは詐欺的なものであれば制裁を置かなければならん、その点についてのお考えはどうです。将来こういう問題が起きると思いますけれども、調達庁のお考えを伺いたいと思います。
#82
○説明員(辻村義知君) 間違つた検收をいたしましたことに対する善後措置の問題につきまして、お尋ねがございましたのでございますが、我々といたしましては役所の監督の不十分のためにこうした結果に相成りましたことは、誠に申訳ないのでございまして、この点につきましては弁解の余地がないのでございますが、ただこうした事態がすでに発生いたしました後の善後措置といたしましては、我々といたしましては過拂金を間違いなく取立てることが一番大事な問題であり、又その目的のために各般の措置をいたすことが最も適当かと考えまして、只今までその線に副いまして折角努力を続けて参りました次第であります。若しその間悪意があり、刑法上の責任があるという問題が仮にありますれば、勿論それは当然追及すべき問題でございますが、只今までのところそうした過拂金の回收を確実にやるという目的のために努力をして参つたような次第であります。
#83
○田中一君 今日までの購入、或いは契約等で前渡金を拂つておつたし、過拂金になつた場合のまあ統計的なものでもございましたら、今日でなくて結構ですからお示し願いたいと思うのであります。そう措置を無論進駐軍のほうの命令で工事の中止を命ぜられた場合が往々あると思います。殊に業者は御承知のように金融難で悩んでおりますから、銘々その金を工事する材料を買うために貯えて置かんで、他の方面に皆流用してしまうのではないかと思うのであります。その場合にそれをどうして回收するか。前渡金の制度をとつていると思いますが、その場合にその監督を十分なさらんと……、どういう考えでその危險を防止するか。
#84
○政府委員(根道廣吉君) 以前には前渡金がございましたですが、最近はございません。
#85
○田中一君 ちよつと伺います。前渡金がないとすれば、何か金融の契約書による紐付金融というものは、市中銀行がやつておるわけですか。
#86
○政府委員(根道廣吉君) そうであります。
#87
○田中一君 現在出ておる各購入物件、契約しました契約物件、或いは工事などについて、この朝鮮事変以来の値上りに対して、建設省は全部約五分乃至二割の増額を考えておる。これは無論契約の変更でなくて、設計変更で応急の措置をとつたと弁明しておりますが、調達庁はどう考えておりましようか。
#88
○説明員(辻村義知君) 先ほどからもお話がございました予定価格の問題と、今お話の値上りの問題について一緒にお答えいたします。調達庁におきますところの予定価格の作成ということにつきましては、入札いたしますところのそのときの現在の市場価格、マル公がありますものはマル公を採用いたします。市場価格を以て入札の根拠といたしております。この市場価格につきましては今年四月頃から法律百七十一号によりまして統制価格も殆んど撤廃になつておりますので、この市場価格の調査に最も調達庁は力を入れておりまして、あらゆる方面のメーカー、業者仲間、卸問屋仲間、各方面の価格を調査いたしまして、印刷その他の関係上半月、一月のズレがあることは承知いたしておりますけれども、そのできるだけ近い価格、非常に変動の激しいものにつきましては、一週間ごとにその市場価格の調査書を各支局その他にも配付いたしまして、できるだけ近い値段を時々把握しておる。こういうふうに努めまして、その価格を根本といたしまして予定価格を立てております。それで実は予定価格ということにつきましては他の官庁その他の役所等で見られますように、予算上から来るところの何と言いますか、懐勘定と言いますか、そういう予算の性質の違いから来るところの予定価格を立てる制限というものは非常に少うございます。原則といたしまして、技術的にこの値段でなければできないというその値段を最も新しく立てております。ですから昨年度くらいの調査で立てました計画書によつて、その値段に抑えられるということは調達庁については殆んどございません。ただ軍のほうにも予算の枠というものがありまして、場合によりますとその予定価格によつて落ちないという場合が非常に稀ではありますけれども、たまにはございます。そういう場合には軍と折衝いたしまして、その軍の予算を増すなり、工事費を全然半分にしてしまうというようなことによつて切抜けまして、少くとも技術的には非常に新しい価格で以て積算をし、予定価格を立てておりますから、他の官庁におきましてのそういう予算の款項目、その他の計画を立つたときの案の予算で支拂するということはございません。そういたしましても工事期間中などに非常に値上りすることがある。その点につきましては少くとも工事のように或る期間、長期間或るものにつきましては特にマル公が上つた場合に特にそうでありますが、市場価格が非常に著しく高騰したという場合には、注文主と業者と協議いたしまして更改をいたすということにいたしております。現在までにつきまして、すでに朝鮮事変が始まりまして実際の更改いたした例は、鉄鋼関係のものが非常に多うございまして、この値上りは非常に御承知のように激しいのであります。特に七月に補給金の撤廃がありまして、鉄鋼関係は特に上つておりますので、この点について言えばすでに更改をいたしましてこの値上げに応じております。ただ私共が契約当時、すぐ手を打つて買えたはずの物が現場にいつ入荷するものであるかという、そういう時期を嚴格に調査いたしまして、その時期に応じまして更改の価格といたしております。ただ残念なのは会計法規の制約がありまして、現在予定価格を立てます場合におきましても、何ケ月先の値段を予想いたしまして予定価格の基準というだけは禁じられておりまして、この点につきまして先ほどお話のありましたように、入札の結果落ちないで随意契約になると、三ケ月先の値上りということが業者の見積書のほうにはありますけれども、我々のほうには容れられませんものですから、その相互の話合いに多少業者のほうに御無理を願うということがあり得るのであります。その点につきましては後段にも申上げましたように著しく値上りする場合には更改契約に応ずるということにして契約願つておるのであります。
#89
○江田三郎君 先ほどの過拂金の問題は、足利の板金工業ですか、これだけであとはないということだつたのでありますか。
#90
○説明員(辻村義知君) 全部につきまして一覽表にしまして後刻御手許へ差上げたいと存じます。
#91
○江田三郎君 その調査表が来るまで留保して置きます。
#92
○赤木正雄君 簡單なお尋ねでありますが、先ほどお示しになりました連合国軍人等住宅公社の住宅建設及び管理状況一覽表、この表でありますが、これはいつから建設にかかるというのでありますか。
#93
○説明員(池口凌君) この本年四月以降工事に着手いたしたものであります。これは従来いわゆるP・Dといいますか、昨年までに建設した住宅が沢山ございますけれども、そういうものは全然入つておりません。それは調達庁自身で建つたものでありますが、このほうは住宅公社は本年四月一日に発足いたしまして、そのものだけ入つております。
#94
○赤木正雄君 あの住宅公社の予算を審議するときに、これが果して必要かどうかは随分予算委員会において審議した一人でありますが、これは是非とも必要であるということでやつたのであります。こういうことに議論がなつたのでありますが、相模原に対しては一戸も建つておりませんが、これはどういうわけですか。
#95
○説明員(池口凌君) お答えいたします。この中で公然土地を新たにいたしました新しい建設は、相模原だけであります。あとの所は従来ありましたものに追加いたしましたり、二戸、三戸ぐらいのものは新設がありますけれども、全然集団として新しいものは相模原だけでありまして、相模原の建設の具体的な指令の出ましたのは六月の二十日頃、確かにはそれは覚えておりませんが、六月の二十日頃であります。全然今まで森林地帶でありまして、一部は軍用地帶でありますが、そういうことでありまして、軍の側におきまして設計準備が非常に遅れておりまして、六月の二十日頃指令が出まして、大月の終り頃入札を執行いたしまして、七月頃から順次二十くらいの工事の種類になつておりますが、順次着手いたしましたのであります。着手いたしましても森林を伐採いたしましたりいたしまして、道路を先に付けるというようなことから始めましたものですから、現在まで非常に着手の遅れたことと、工事の非常に困難な、新しい開拓場所であつたというような点から遅れ遅れになりまして、現在まだ一戸もできておりません。これにつきましては当初八月一日ぐらいまでに全部二千戸を完成するようなスキヤツプの指令であつたのでありますが、そういう事情も軍の側にありまして、そのスキヤツプは変更になりまして、現在では一月一日までに全部完了するように、そういうスキヤツプの指令に訂正されておるような次第であります。
#96
○赤木正雄君 竣工いたしました戸数が全体で千五百四十二戸でありますが、これに対して居住数は四百三十二戸ほど、非常に重要な、早く建つてくれと言つて予算の審議も十分せないほどまでに急を要して建つたものでありますが、それが僅かに四百三十二戸しか入つていないものならば、何もこんなに急を要して建てる必要がなかつた。こういう気がいたしますが、これはどうなんですか。
#97
○政府委員(根道廣吉君) これは誠にお話の通りでございますが、御承知のことくその建設の中途において、朝鮮事変が起りまして、軍の移動が非常にあつたわけであります。只今入るべきところの軍がそこの所におらないで、暫時留守になつておるというような関係で、入る者が少いということになつております。やがて入ることだろうと予想しております。
#98
○赤木正雄君 この前の国会に、私は戸山ケ原のあの家を見て来たのです。この建設委員会で見て来たのです。大分腐朽しかけている家もあります。こういうふうな状況でありますと、折角お建てになつたものも、朝鮮のほうに行つてしまつて、入つて来ないというふうな状況ならば、人も入らないで腐つてしまう。尤もこれは朝鮮事変はいつまで続くか知りませんが、そういう懸念もありますが、そういうふうな観点から言うと、相模原のごときももう今中止をしてもいい。こういう状況じやないのですか。
#99
○政府委員(根道廣吉君) 現在お示しのような状況にありましても、尚軍側といたしましては一日も早く完成するようにという非常に嚴重な指令を、私直接にも再々言われておりますし、私自身も業者の人たちを集めまして、軍のために是非全力を盡してやつて貰いたいということを要請しておるような次第であります。軍といたしましてどういうわけであるかということは御説明がございません。併しながら是非要るのだ。要るのだということはわかつてくれと、こういうような説明であります。私共といたしましても、できるだけ業者に困難を克服して速かに完成するように、私側としてできまする援助はできるだけしてやつておると、こういうふうな関係でございます。
#100
○赤木正雄君 もう一つ極く簡單なことをお伺いいたしたい。進駐軍のほうに従事しておる労務者ですが、これはあなたのほうでは全然関係或いは監督なさる権限を與えられていないのですか。
#101
○政府委員(根道廣吉君) 只今の御質問、関係しておらないかといいますと……。
#102
○赤木正雄君 監督と言いますか、労務者に対して……。
#103
○政府委員(根道廣吉君) これは日本の政府を代表いたしまして、特別調達庁が実際上仕事を扱つておりますが、日本政府の立場におきましては、雇用主という関係から、使用するものは軍であるというような関係におきまして、個々の労務者の一人々々を監督することは、特調としてはやつておりません。
#104
○赤木正雄君 今の質問いたしました趣意は、最近はありませんが、よく東京都周辺の私鉄がストをやつて動かない。そういう場合に一般都民は全然乗ることを禁ぜられておる。その際に向うの労務者だけは自由に乗るのですね。これは向うのほうとしては止むを得ないかも知れませんが、非常に一般の都民に対して異様な感じを與えるのです。尤もあなたのほうにはそれに対してかれこれおつしやることはないかも知れませんが、やはり同じ東京にいるのですから、非常に困つておる人がおるのですから、向うのかたがああいうふうに乗れるのならば、そういうふうに困つている日本の工業に従事しておる人も乗せて欲しい。そういう意味で質問したのです。併しあなたのほうにかれこれなさる権限がないならこれは追及いたしません。
#105
○岩崎正三郎君 席を外しましたので、或いは私の要求なり質問なりあつたかも知れませんけれども、ちよつとお願いいたします。大分調達庁は問題が多くて会計検査院から三十八件も指摘されておるというような話を聞いております。その三十八件も指摘されておるといううちでどの程度まで会計検査院と話が付いておるのですか。
#106
○政府委員(根道廣吉君) 会計検査院からいろいろ質問ありますことにつきましては、個々の問題につきましていろいろ打合せをし、答弁を差上げておるわけでございます。まあこういうことを申しますのは甚だ恐れ多い話でありますが、最近の事態において起りまして事柄というものは非常に少いのであります。多くはずつと以前の、地方において起りました事件が大分多いわけであります。如何に少いことでありましても、金額が小さくありましても不始末ができましたことについては十分お詫びを申上げなければならん。又仮にこれが私どもが調達庁として発足する以前の事柄でおりましても、その後始末は又私どもといたしましてできるだけ完全になさねばならんという意味におきまして、最善の努力を拂つていろいろ調査をし、是正すべきものは是正したいと心掛けております。
#107
○岩崎正三郎君 それで今会計検査院と話合いが付いたものがありますか。何か新聞紙によると三十八件も会計検査院から叱られている。このうちにはもう話合いの付いた問題もあるでしようけれども、おわかりだつたならば……、分らなければあとで結構です。御報告を貰えれば結構です。
#108
○説明員(辻村義知君) 二十三年度の決算報告におきまして、会計検査院から質問されております問題のうちで、どの程度会計検査院と話合いが付いたかという御質問でありまして、話合いという意味が或いは誤解をいたすかも知れませんが、昭和二十三年度の決算の際に質問されました事項はいろいろの案件についてなされておりますけれども、主としてこの報告書の中にも会計検査院が述べておりますように、昭和二十三年度の決算に現われました昭和二十二年度末から二十三年度にかけまして契約が、いわゆる概算契約が主でございまして、この概算契約に対して概算拂いをいたしておりました。ところが後で精算して見ると、少し拂い過ぎておつたので、過拂いが生じたというような問題やら、又当時役所が何回も変り、又工事が当時たびたび設計変更があつて、契約金額が始終変つたので、その際に手違いが生じて拂過ぎができたというようなことやら、又当時は終戰直後でございまして、進駐軍住宅に備え付けますガスのメーターがなかつたので、推定で支拂いをせざるを得ないというような状態がございまして、後でメーターが取り付けられたので、その実績と比べて見ると、従来のは少し拂過ぎていたのじやないかというようなことを指摘せられておりましたり、そうした支拂が適正でなかつたという点を推問されておるのでございまして、役所の或いは職員の不正行為によつて不正な支拂をした、或いは又不当な支出をしたというようなものはないのでございます。尤も職員の犯罪等により、国に損害を與えたものとして調達庁に直接関係のあるのが一件ございますが、その他は只今申上げましたような事態に対して質問を受けておる次第でございます。犯罪を起しました職員につきましては勿論刑事処分も、行政上の処分もいたしておりますが、その他の、申上げましたような拂過ぎをいたしておるというものにつきましては、それぞれの事態を見まして、或いは止むを得ないということで会計検査院から了承を得たのもございますし、我々のほうでやはり拂過ぎであつて、これは取返さなくちやならんということになりましたものにつきましては、その後鋭意回收に努めておる次第でございます。只今どれだけまだ回收の残りがあるかということにつきましては、数字を持ち合せておりませんのでございますが、大部分回收できたように存じております。
#109
○田中一君 もう一点工事のほうのかたに伺いたいのですが、成増の工事のとき道路計画の貫徹に、パイピングもできないのにどんどん道路を造る。そうして又水道を掘り返す、或いはガス管を掘り返すというような非常に無駄な工程上の問題があつたと思う。こういう場合この損害は誰が負うのか。損失の問題ですが、誰がこの損失を補償するのか、或いは現在やつておる集団の中に、そういうような事態がなく全く計画的にはつきりやつておるのかどうか。この二点を伺いたいと思います。
#110
○説明員(長岡伊八君) 今の点につきまして成増のときのことは、戰災復興院の時代であつたと思いますが、ちよつと存じませんが、現在一番集団でやつておりますのはさつきお話のありました相模原の計画、これは二十何業者入つておりまして、殊に重複いたしております。併し道路を造つたものを又掘り返すというようなことは殆んどございません。ただ現場で出合丁場によりまして錯綜するところがなきにしもあらず、そういう点につきましては事前に予測されますわけでありますので、どちらかが負担をするように事前に全部協定がつけてございます。例えばボイラーを造る上屋式のものとは全然別である、そういう場合にはどちらで危險防止をやるというようなことまで、具体的に示して工事にかかつておりまして、殆んど問題はないと、こう考えております。
#111
○田中一君 成増の場合には私行つて見たのですが、非常にひどいものなんです。道路を造つておる。併しこれは出合丁場ですから何十業者が入つておるわけですから、一遍埋めた水道の脇にガス管を敷設するというようなことで、非常に全くてんやわんやの状態で、よく見ておりましたけれども、そういう場合に個々の業者がすべてそれを負担するということになるものでしようか。事実櫻井君なんかよく知つておると思うのですが、どうですか。
#112
○説明員(櫻井良雄君) 私も、成増の件は当時担当しておりませんので存じませんけれども、結局、そういう場合に事前によく計画を検討いたしまして、水道と道路はどちらを先にやるかという計画を立てまして、それに対しましては軍のほうでも愼重に計画に参加いたしますので、その指示を仰ぎまして、その計画を立てましてその順序に従つて仕事をするとか……。従つて先やりましたものがあとから掘り返さされるような場合には、あとから掘り返す者が負担をするようなことになるのではないかと考えておるのであります。とにかくそういつた工事の計画に関しましても、軍の指示を仰いで嚴密に工程その他を立てまして、やつておるのでございますから、そういう点は大体間違いないのじやないかというふうな気がしておるのであります。
#113
○江田三郎君 P・Dによる建設工事の場合に、職業安定所を通じて入れられる労務者というものは何%ぐらいあるかということ、それから例の公共事業費のほうは、これは一定の基準があるわけですか。その際にはそういう基準を何かきめておられるかどうか。それから同様にL・Rのほうの人員について、若しこの職業安定所と連絡をとつておられるならば、どういうような連絡をとつておられるかということを……。
#114
○説明員(長岡伊八君) P・Dその他につきまして労務者を使いますときには、特別調達庁といたしましては、それぞれ業者に請負わせます関係上、直接特別調達庁が安定所に連絡をいたしまして、人員を廻して貰うというようなことは、これまでもございません。
#115
○江田三郎君 そうすると、その労働者の使用については、別に何%職安を通じなければならんという建前はないわけでありますか。
#116
○委員長(小林英三君) ちよつと速記を止めて下さい。
   午後三時二十八分速記中止
   ―――――・―――――
   午後三時四十三分速記開始
#117
○委員長(小林英三君) 速記を始めて下さ。
#118
○田中一君 調達庁関係で出ているものがいろいろあると思いますが、そうしたものがありましたら委員だけにでも御配布願いたいと思います。その点、その全貌を拜見できるようなものがあればお願いします。
#119
○政府委員(根道廣吉君) 調達庁に関しては、先刻申上げましたように、調達に関する研究とも申すべきスキヤツピンがございます。又それによりまして、その線に副うて動くように諸般の規定を作つてございます。随分たくさんございまして、読むのにさえ大変なようなものでございます。できるだけお手許に上げることにいたします、ちよつと速記を止めて下さい。
#120
○委員長(小林英三君) 速記を止めて下さ。
   〔速記中止〕
#121
○委員長(小林英三君) 速記を始めて。外に御質問がなければ本日はこの辺で散会いたしたいと思います。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#122
○委員長(小林英三君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十一分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     小林 英三君
   理事
           岩崎正三郎君
           赤木 正雄君
           小川 久義君
   委員
           石川 榮一君
           島津 忠彦君
           平井 太郎君
           深水 六郎君
           江田 三郎君
           田中  一君
           徳川 宗敬君
           東   隆君
  国務大臣
   建 設 大 臣 増田甲子七君
  政府委員
   特別調達庁長官 根道 廣吉君
   特別調達庁次長 堀井 啓治君
  説明員
   特別調達庁官房
   長       辻村 義知君
   特別調達庁契約
   部長      長岡 伊八君
   特別調達庁契約
   部次長     櫻井 良雄君
   特別調達庁技術
   監督部長    池口  凌君
   林野庁林政部林
   産課長     田中 紀夫君
   通産省通商雑貨
   局長      田中  茂君
   経済安定本部建
   設交通局次長  今泉 兼寛君
ソース: 国立国会図書館
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