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2000/03/14 第147回国会 参議院 参議院会議録情報 第147回国会 総務委員会 第2号
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2000/03/14 第147回国会 参議院

参議院会議録情報 第147回国会 総務委員会 第2号

#1
第147回国会 総務委員会 第2号
平成十二年三月十四日(火曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月九日
    辞任         補欠選任
     吉川 春子君     市田 忠義君
 三月十日
    辞任         補欠選任
     市田 忠義君     吉川 春子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         小川 勝也君
    理 事
                海老原義彦君
                国井 正幸君
                鴻池 祥肇君
                千葉 景子君
                泉  信也君
    委 員
                長峯  基君
                西田 吉宏君
                松谷蒼一郎君
                森田 次夫君
                菅川 健二君
                前川 忠夫君
                木庭健太郎君
                山下 栄一君
                阿部 幸代君
                吉川 春子君
                山本 正和君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣官房長官) 青木 幹雄君
       国務大臣
       (総務庁長官)  続  訓弘君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  松谷蒼一郎君
   政務次官
       総理府政務次官  長峯  基君
       総務政務次官   持永 和見君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        石田 祐幸君
   政府参考人
       国家公務員倫理
       審査会会長    花尻  尚君
       国家公務員倫理
       審査会事務局長  石橋 純二君
       総務庁人事局長  中川 良一君
       総務庁恩給局長  大坪 正彦君
       外務省総合外交
       政策局国際社会
       協力部長     上田 秀明君
       文部省学術国際
       局長       工藤 智規君
       厚生省社会・援
       護局長      炭谷  茂君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調
 査
 (恩給の性格とその改善に関する件)
 (内閣総理大臣の靖国神社参拝に関する件)
 (政府公報の在り方に関する件)
 (警察に対する行政監察の在り方に関する件)
 (教育改革国民会議の目的・性格に関する件)
 (国家公務員倫理審査会の権限・体制に関する
 件)

    ─────────────
#2
○委員長(小川勝也君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査のため、本日の委員会に国家公務員倫理審査会会長花尻尚君、国家公務員倫理審査会事務局長石橋純二君、総務庁人事局長中川良一君、総務庁恩給局長大坪正彦君、外務省総合外交政策局国際社会協力部長上田秀明君、文部省学術国際局長工藤智規君及び厚生省社会・援護局長炭谷茂君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(小川勝也君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(小川勝也君) 国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○森田次夫君 自由民主党の森田次夫でございます。
 本日は、続総務庁長官初め、各政務次官の方、大変御苦労さまでございます。
 私は、官房長官にもお尋ねしたいと思っていたわけでございますけれども、官房長官は何か若干記者会見でおくれるようでございますので、またお見えになりましたらばその時点でもってお伺いをさせていただきたいと思います。
 そこで、まず総務庁長官の方に、恩給の改善についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 物価スライド制をとっておりますことから、昨年は消費者物価が〇・三%マイナス、こういうことでもって、厚生年金等の公的年金が据え置かれた、こういうことでございまして、超低金利の中での年金生活者にとりましては大変厳しいものがあろうかと御同情申し上げるわけでございます。
 そうした状況下で、恩給につきましては、たとえ〇・二五%とはいえベースアップが図られることとなっております。続総務庁長官、そして持永総括政務次官らの御尽力に心から敬意を表するわけでございます。これも恩給が国家補償であること、また同時に年老いた遺族にとりまして唯一の生活の糧であること、こういったことにつきまして御配慮いただいた結果かなということでもって、ありがたく思っておるわけでございます。
 これらにかんがみまして、今後ともその改善に一層の努力をしていただきたいと願うわけでございますけれども、恩給改善に取り組む総務庁長官の御所見を承れれば、このように思います。よろしくどうぞお願い申し上げます。
#6
○国務大臣(続訓弘君) 森田委員は、四十年間にわたって遺族会に身を奉じ、そしてまた今御質問がございましたように、いろんな思いをはせながらの御質問だと存じます。
 御案内のように、恩給は国が公務員との特別な関係に基づき、使用者として公務員またはその遺族に給付するものであり、国家補償的性格を有するものであると私ども認識しております。
 恩給の改定に当たりましては、いわゆる総合勘案方式により、恩給の実質的価値の維持などを図ることが重要であると考えており、今後とも恩給が国家補償的性格を有するものであることなどの特殊性を踏まえ、恩給受給者の処遇の改善に誠意を持って努力したいと存じます。
#7
○森田次夫君 大変力強いお言葉を賜りまして、ありがとうございます。まさに恩給というのは国家補償であろうかと思います。そうしたことで、これからもひとつその精神でもって、よろしく改善の方お願いを申し上げたいと思います。
 次に、持永総括政務次官にお伺いをさせていただきたいと思います。
 寡婦加算と遺族加算のことについてでございます。
 寡婦加算が据え置かれる中で、戦没者遺族等に支給される遺族加算が二千五百円引き上げられることとなっておるわけでございます。戦没者遺族は大変喜び、感謝をいたしております。このことをまず御報告申し上げたいと思います。
 しかしながら、それでも遺族加算と寡婦加算の中にまだ一万二千円の格差があるわけでございます。どちらも寡婦であるということに変わりはないだろうというふうに思うわけでございます。そうしたことで同額にすべきである、遺族は皆そのことを強く望んでおるわけでございます。
 戦没者遺族の高齢化、こういったことに配意いただきまして、今後とも大幅な引き上げを望むわけでございますけれども、持永総括政務次官、いかがでございましょうか。同額に向けて今後とも御努力いただけますよう、率直な政務次官の御意見をお聞かせいただければ、このように思います。よろしくどうぞ。
#8
○政務次官(持永和見君) 委員御指摘のとおり、遺族加算と寡婦加算はかつては同額でございました。昭和五十一年にそれぞれ新設されまして、五十四年までは御案内のとおり同額でありましたけれども、五十五年の予算編成過程において遺族加算が寡婦加算より低く設定された、こういう経緯がありました。これは御案内のとおりであります。
 しかし、公務扶助料を受ける方々から見ると、これは今おっしゃいましたように、特に御遺族の立場になってみますと、この差があるというのは納得しかねるというような気持ちがあるのも事実でありますし、私どももそれは十分理解をさせていただかなければならないというような思いをいたしておるところでありまして、この問題については平成元年以降ずっと遺族加算は寡婦加算を上回る引き上げをと行ってまいりました。
 かつては二百円とか五百円とか、そういうようなことでちびちび行ってまいりましたけれども、それでは格差が、かつて一番最高のときには二万五千百円ありました。その二万五千百円の格差を追いつくということについては、そういった二百円とか五百円ではなかなか困難だということで、実は昨年もこの遺族加算については、寡婦加算を千円上回る遺族加算の増額をいたしました。ことしは、今、委員御指摘のとおり、寡婦加算は据え置きということになりましたけれども、二千五百円の上積みをいたしまして、結果的には今一万二千円という差がついております。
 しかし、私どもといたしましては、この差は委員御指摘のとおりやはり遺族の心情から見ればなかなか納得できかねるだろう、まして同じような生活状態にあるならばこれはできるだけ同額にすべきだということで、これもまたこれから森田先生あるいは海老原先生、そういった恩給関係の先生方の御指導なり御協力をいただかなきゃならぬと思いますけれども、そういう意味でこれからも私ども政府としてもできるだけ努力をしてまいりたいという気持ちでおりますので、御理解をいただきたいと思います。
#9
○森田次夫君 持永政務次官がおっしゃるとおりで、まさに五十四年ごろは二万五千百円の開きがあったわけで、そうした中で遺族厚遇という形で逐次改善をいただいて一万二千円まで格差が縮まった、こういうことでございます。遺族の高齢化等をお考えいただきまして、一日も早く同額に持っていっていただけるよう、これからもよろしくどうぞお願いを申し上げたいと思います。
 それから次に、ちょっと昨年はただ私が申し上げっ放しという形で終わっておるわけでございますけれども、特例扶助料につきましてお尋ねをさせていただきます。これにつきましては政府参考人の方からひとつお願いしたいと思いますけれども、特例扶助料の受給者はどういう立場の遺族なのか、その辺からひとつお聞かせをいただきたいと思います。
#10
○政府参考人(大坪正彦君) 先生言われました特例扶助料は、実は昭和三十一年に議員立法で設けられた制度でございます。
 この趣旨は、今次大戦におきましては実態といたしまして大量の動員が逐次必要になってきたという状況を背景といたしまして、ある意味で頑健でないような方も応召された、召集されたというような実態が出てきたわけでございます。そういう方々は、実は戦地じゃないところで、例えば一番典型的な例は結核を発病されるというケースがかなりあったわけでございますが、そういうようなケースというのは、ある意味で御本人個人の健康問題ということで公務に必ずしも関係ないというような実態があったわけでございまして、恩給として対応するのはなかなか困難という実態があったわけでございます。ただ、御遺族の心情からいたしますと、出征されたということにおいては戦地で戦死された方と同じじゃないかというお気持ちもあったようでございまして、そのような背景をもとに議員立法で制度化された扶助料でございます。
 具体的には、戦地に指定されていないような本邦、台湾、朝鮮あるいは満州でも戦地になっていない時期、そういうように場所と期間を特定したところにおいてその職務関連で発病あるいは負傷された方がお亡くなりになった場合にお出しするものということで、支給の額といたしましては、公務扶助料そのものというわけにはまいりませんので、それの大体七五%ぐらいの恩給年額をお出ししているという制度でございます。
#11
○森田次夫君 今、局長からもお話がございましたとおり、本邦、旧本邦といいますか、そういったことでおっしゃるとおり旧満州だとか朝鮮だとかそういうようなところで亡くなった方もたくさんあるわけでございます。畳の上で、本土で亡くなられる方はちょっと差があってもいいのかなと。
 ただ、今で言えばもうそういうところは外国でございます。要するに、家族にみとられることなくひとり寂しく家族のことを思いながら、案じながら亡くなられていった、こういうことでございまして、私どもといたしましてはやはり戦没者と同じじゃないかと、そういうような状況を見た場合、そういうことで同額にしてほしいと、こういうことを強くお願いしているわけでございますけれども、その辺につきまして再度お尋ねをいたします。
#12
○政府参考人(大坪正彦君) ただいま先生の言われました、公務扶助料と同じ扱いをしてほしい、せめて先ほど言いました七五%をもっと上げてほしいという御要望は、遺族会議からかねてから強い御要望の出ている問題であるわけでございまして、私どもも非常に問題意識はあるわけでございます。
 ただ、先ほど言いましたように、いわゆる純粋な意味の戦死にお出しする公務扶助料とやはり性格が違うんじゃないかなという、このものにおきます性格の問題。それからもう一つ、恩給制度と申しますのは、先生御承知のとおりさまざまな制度バランスの中ででき上がっております。端的に言って、一つ動かしますとあっちも動かさざるを得ない、こっちも動かさざるを得ないと、いろいろな波及の問題も出てくるわけでございまして、問題意識は常にありますが、そういう制度内バランスをどう考えていくのかということも含めながら、今後とも慎重に検討していくようなテーマだろうというふうに思っております。
#13
○森田次夫君 よろしくその辺は御検討いただければというふうに思います。
 官房長官、お見えでございます。到着早々でまことに申しわけございませんけれども、時間がわずかなものでございますので、早速お尋ねをさせていただきたいと思います。
 実は、官房長官の所信表明の中には直接具体的には入っておらないのでございますけれども、総理の靖国神社参拝の問題でございます。このことにつきましてお尋ねをさせていただきたいと思います。
 二十世紀ももう残り少なくなったわけでございますが、二十世紀というのはまさに戦争に明け暮れたそういった時代だったろうと思います。さきの大戦で三百十万のとうとい方が亡くなられておるわけでございます。そうした反省の上に立ちまして、二度と戦争はしてはいかぬ、二度と遺族は出してはいかぬ、こういったことは国民皆思っておると思いますし、また憲法等でもそのことを誓っておるわけでございます。
 しかしながら、国の命令で、国を思い、また家族の行く末を案じながら、そうしたまさに後ろ髪を引かれる思いで戦地に赴かれ、そして亡くなられた、その戦没者に対して国の代表が敬意を表することができない、これは何かやはり私としては異常だろうなと。失礼な言い方かもわかりませんけれども、諸外国ではみんな行われていることでございますし、まさにそういうような異常な状態ではないのかなと、そんなふうに思うわけでございます。
 こうしたことにつきまして、官房長官としてどのような御認識を持っておられるか、その辺をひとつお聞かせいただきたいと思います。
#14
○国務大臣(青木幹雄君) 私も、官房長官としてよりもむしろ個人としては先生と全く同じ気持ちでございます。ただ、立場上、内閣としての考え方を申し述べさせていただきます。
 内閣総理大臣の靖国神社参拝は、昭和六十年の八月十五日に一回実施をされました。そして、昭和六十一年以降は、諸般の事情を総合的に考慮し、今日まで差し控えられてきたところでございます。
 昭和六十年に実施した方式による靖国神社公式参拝が憲法に違反しないという従来の政府見解は、今も何ら変わっておりません。
 公式参拝は制度化されたものではありませんので、公式参拝を実施するかどうかは、我が国の国民や遺族の方々の思い及び近隣諸国の国民感情など、諸般の事情を総合的に考慮して慎重かつ自主的に検討した上で決定すべきものと考えております。
 ただ、私が申し上げたいのは、先般の参議院本会議で村上正邦議員が同じような形の質問をいたしております。それに対して総理は、今のようなお答えをした後で最後に、私自身、戦没者の追悼に対する気持ちについては決して人後に落ちないものでございますという個人的な気持ちを率直に申し上げている、その気持ちは総理も今も変わらない、そういうふうに私は考えております。
#15
○森田次夫君 まさに官房長官おっしゃるとおりでございまして、この前の村上先生に対して、私としては人後に落ちない、こういうことでもって述べておられましたけれども、ありがたいことだなというふうに思うわけでございます。
 そこで、総理の参拝につきましての遺族の思いですとか大多数の国民の思い、これは非常に強いものがある。長年のまさに悲願だ、こういうことで、官房長官も個人的には一緒だということで御回答いただいているわけでございますけれども、その中で、政府見解としましては、総理の参拝が見送られるということはやはり近隣諸国の国民感情に配慮して、こういうようなお話がございました。私もそういう認識でおるわけでございますけれども、もうちょっと具体的にといいますか、率直にお聞かせいただきたいわけでございますけれども、いわゆる靖国神社に国の代表である総理が参拝するということは中国の国民感情を損なう、こういうような批判があるわけでございますけれども、このことが最大の原因なのかな、私はそんなふうに思っておるわけでございますけれども、その辺お答えできる範囲で結構でございますので、ちょっとお聞かせいただければな、こういうふうに思うわけでございます。
#16
○国務大臣(青木幹雄君) 今、議員は、総理が胸を張って靖国神社に参拝できない一番の大きな原因は中国に対する配慮じゃないかとおっしゃいましたけれども、私は、中国に限らず、今度の戦争でいろいろ御迷惑をかけた近隣諸国、アジアを中心とした皆さんに、総理が胸を張って靖国神社に参拝できるような環境づくりというものにこれからも全力を注いでいかなきゃいけないと考えております。
 そういう観点から、政府といたしましてもいろんな過去を直視するために歴史研究支援事業をやったり、また平和友好交流事業を進めたりしながらそういう環境づくりに全力を今も挙げているところでございまして、今後ともそういう面において政府としても全力を挙げて取り組むことによって、総理が本当に胸を張って自分の思いどおりに靖国神社に参拝できる日が近いことを私も心から祈っているような次第でございます。
#17
○森田次夫君 私が質問しようと思ったことを官房長官先に言われてしまったわけでございますけれども、実は、昭和六十一年八月の後藤田官房長官談話というのがございます。これは、いわゆる六十年に中曽根総理が参拝をされ、そして六十一年には参拝を差し控えると、先ほどの国民感情等もあってと、こういうことでございます。そうした中で、事態の改善のために最善の努力をいたしますよと、こういうこともその談話の中で述べておられるわけでございます。
 今、幾つか官房長官お話をされましたのですけれども、その辺につきましてもう少し何か具体的にあれば、お聞かせをいただきたいと思います。
#18
○国務大臣(青木幹雄君) 確かに、後藤田官房長官談話で事態の改善に最大の努力をするという談話を発表いたしておりまして、それに基づいて今申し上げましたような歴史研究支援とか平和友好交流とかそういう事業を今日まで進めてきたわけでございまして、やはり過般の戦争への反省とその上に立った平和友好ということを近隣諸国、中国も含めて理解をしていただく、そういう努力は今後とも私ども全力を挙げて続けていきたい、そういうふうに考えております。
#19
○森田次夫君 よろしくどうぞお願いをいたしたいと思います。
 諸外国、特に過去におきまして戦い、あるいはまたそこが戦場になった、こういったことで、その国に対しては侵略だとかそういうことは別問題としまして、迷惑をかけたということはこれは紛れもない事実であろうと思うわけでございます。
 しかし、私は個人の信教というもの、これの自由があるように、国にもその国に殉じられた英霊をどうお祭りするかとか、それからその施設をどうするかという、そういった自由というものはあるだろう、このように思うわけでございます。これはまさに国の文化だとかそれから伝統だとか習俗、そういったことだろうと思いますし、純然たる国内問題ではないのかなというふうに思うわけでございます。
 官房長官おっしゃいますとおり、既に憲法問題、昭和五十年代につきましては憲法上疑義がある、こういうようなことでいろいろと問題になり、総理の参拝が公的だとか私的だとかそういったことが言われてきたわけでございますけれども、六十年八月十四日でございますか、当時の藤波官房長官談話というものが出まして、あすは中曽根総理が靖国神社に公式参拝しますよ、そして憲法の問題につきましては、要するに中曽根総理が参拝された一礼方式といいますか、そういった形であれば憲法上は何ら問題ないんだ、こういうようなことを述べられ、そしてそれは現在でも生きておる、こういうことになっておるわけでございますので、憲法問題につきましてはクリアができたというふうに私としては理解をしておるわけでございます。
 そこで、いろいろと環境整備という問題、確かにわかります。しかしながら、もう戦後も五十五年たっておりまして、せいぜい我々遺族なり国民がその目の黒いうちに何とか解決してほしい、おまえもそのことで頑張れ、こういうふうに強く言われておるわけでございます。
 そうした中で、私は、総理が決断すれば、そして実行いただければできる問題じゃないのかな、まさに国内問題じゃないのかな、こんな思いをするわけでございます。
 これは総理にお尋ねするのが筋だろうと思いますけれども、なかなか総理にお尋ねする機会がございませんので、官房長官としてどのようにお考えになっておられるか、その辺につきましてもひとつお話を承れればと思います。
#20
○国務大臣(青木幹雄君) 今、議員もお話しなさいましたように、公式参拝ということが憲法に違反しないということは非常にはっきりいたしております。そういう中で、国民感情としては当然議員おっしゃるように胸を張って総理が参拝すべきだと私も考えております。
 ただ、いろいろ御理解いただきたいのは、中国を初め近隣諸国ではまだこれを素直に受け入れるような体制が整っていない中で、総理が総理という資格で正式に参拝することが今までなかなか実現できなかったわけでございまして、私どももこれの実現に向けては、先ほどからお話し申し上げておりますように、いろいろな問題を通じて近隣諸国の理解を得るような努力を続けると同時に、また一日も早く本当に総理が靖国神社に参拝できるように最大の努力を続けていく考えでございます。
#21
○森田次夫君 ありがとうございます。
 ぜひとも今後も最大の努力をお願い申し上げたいと思います。
 小渕総理も二十世紀中に起こったことは二十世紀中に解決するんだと、このようにおっしゃっておられるわけでございます。総理の靖国神社参拝というのもまさに二十世紀中に起きたことで、国の基本をなす問題の一つ大きなものであろうかと、このように思うわけでございます。
 そうしたことで、もう二十世紀もあとわずかとなりましたけれども、どうかひとつ今世紀中に解決ができますように、これからも最大限の御努力をお願い申し上げまして、時間でございますので、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。
#22
○千葉景子君 官房長官、御苦労さまでございます。きょうは、まず冒頭政府の広報についてお尋ねをさせていただきたいというふうに思います。
 官房長官から所信をお聞きいたしました。その中でも、政府広報につきましては、内閣の重要施策を迅速かつ円滑に推進するために幅広く国民の理解と協力を得ることを目的として行っておられるということでございます。
 そこで、私も政府がどういう広報をされているかということで、若干新聞の広報を最近のものを調べさせていただきました。
 ちょっと見にくいのですけれども、これはことしの元旦でございますが、(資料を示す)「明けましておめでとうございます。」と、サミットの広報ということになろうかというふうに思います。
 あるいは、これはいつになりますか、三月五日ですね。割と最近でございますけれども、突然かわいいお嬢さんが出てくると。ただ見たら何かなという感じがいたしまして、もう一つ同じあれなんですけれども、こういう広報でございまして、「インパク」、私は一見何かさっぱりわかりませんでした、正直なところですね。
 そこで、ちょっと、まだございますけれども、例えばこの広報ですけれども、何紙か出ておるようですけれども、これは大体これでどのくらいの費用になっておるものでしょうか。まずちょっとお聞かせいただきたいと思うんです。
#23
○国務大臣(青木幹雄君) 私も政府広報については就任以来非常に関心を持っておりまして、またいずれきょうの議論の中で私の考え方を申し上げようと思いますが、今の御質問にお答えいたしますと、全国紙五紙ございます、これに地方紙六十七紙ございます、全五段の広告、それは五段以上の広告なんですが、で掲載をいたしますと約九千百万円かかります。そういうことでございます。
#24
○千葉景子君 これはそんなに安い費用ではありませんね。やはりそれだけの費用をかけて広報を行うとすれば、やっぱり所信でお述べになっておられますように、これが内閣の重要な施策で、それをわかりやすく理解をしてもらう、あるいはそれに対してまた国民からのさまざまな意見も返ってくる、こういうような本来の趣旨がきちっとされていなければ、それだけ費用をかけて広報を行う、一体何のためにやっているんだということになろうかというふうに思うんですね。
 そういう趣旨と、それだけの費用をかけてということになりますと、例えば、先ほどのもの以外にこういう、(資料を示す)これは官房と文部省で出されました教育改革の広報でございます。小渕総理と中曽根文部大臣が出てまいります。これは二月十三日。
 それから、これは総理府ではありませんけれども、これは通産省で出されたもので、深谷通産大臣が「あなたの「やる気」を、確かな自信に。」と。これも、細かく見るとまあ確かに政策なぞ書いてあるんですけれども。
 さらに、先ほどのあの大きな「インパク」というのがありましたけれども、今度は総理と経済企画庁長官が載っている。これほとんど二月なりに出されているものでございます。
 この通産大臣なんぞのを見ると、ちょっとこの「通産省」というのが小さくわかるんですけれども、それ以外見ると、ほとんどこれはひょっとしたら選挙公報かなと思うような体裁であって、内容でもあるんですね。やっぱりこの政府の広報が重要課題を国民に知らしめるということであるとすれば、どうもこの使い方が本当にその目的、趣旨に合っているのか。むしろ、最近こうやって総理あるいは各所管の大臣などが頻繁に出てくる。何か選挙が近いということが背景にあるのではないか、そんなことも感ぜざるを得ない、こういう広報の仕方なんですね。
 どうですか、この辺について、本当にこれだけ見て、これは一体何だ、なかなかわかるものじゃありません。こういう広報の仕方について官房長官、その趣旨と目的などにかんがみて問題あると考えられませんか。
#25
○国務大臣(青木幹雄君) 確かに広報の使い方、いろいろ問題があろうと思っておりまして、実は私も官房長官になって初めて、政府の広報予算がどれくらいあるのか、それがどういう形で配分されているのか、恥ずかしいことですが今までよくわかりませんで、よく調べてみますと、確かにいろいろ今後考えていかなきゃいかぬ問題がたくさんございました。
 今お示しの中で、予算委員会でも問題になりました深谷通産大臣が出られたものであります。これは通産省がつくったものでございますが、予算委員会でもいろんな議論がございました。それを踏まえまして、実はさっき先生がお示しになった総理と経済企画庁長官が一緒に並んでいるもの、それはその前に出され、その後で今の総理大臣が外れて、若い女性が出たり、いろんな人が出た広報になっております。
 私もあの予算委員会を聞いておりまして、確かに間違いなくことしは衆議院選挙が行われる年であります。そういうときにそういう誤解を招くような広報をするということはいいことじゃないという、そういう判断をいたしまして、実は総理と堺屋長官が並んでいるのも、これはまずいじゃないですかということを率直に申し上げたんです。
 ところが、議員も御承知のように、そういう広報を大きな新聞、全国紙に載せるためにはかなり以前からそういうスペースをとっていただいたり、またデザインをしたり、そういう作業がありまして、初めに出た総理と経済企画庁長官のいわゆる広報はとめようがなかったんです。
 それで、そういうことが続いたんでは、総理も堺屋長官も他意はありませんけれども、いろんな誤解を招いてはいかぬというので、その次からは総理を外してもらってそういうふうな広報にした。率直に言って、そういう経過がございます。
 ただ、政治家が、大臣が広報に顔を出すということ自体がいいか悪いかということは、これはいろいろ議論があろうと思います。というのは、一番わかりやすいのが担当大臣ですから、ですからその辺と、いわゆる選挙の宣伝ととられかねないような、間違えないような広報と、非常に難しいところでありますが、これはやっぱり我々が良識を持って判断すべき問題だと考えておりまして、今後とも誤解が生じないような広報のあり方、そして国民の皆さんに知らせようという意思が本当に伝わる広報の仕方はどういうものかということは十分研究に値すると考えております。
 ただ、私もテレビのスポットなんか見ておりますと、最後になるまで実際何を言おうとしているのかわからぬ広告が非常に多い場合があります。そういう場合には何かなという一つの疑問が生じて、ああ、これだったかというような宣伝の仕方もあるということも聞いておりますので、そういうことも含めて今後慎重に検討し、本当に目的が達せられるような形の広報を心がけていきたい、そういうふうに考えております。
#26
○千葉景子君 いろいろ広告の手法があると今おっしゃいましたけれども、やはりこれは国民の税金をもって行っているわけですから、単なる商品の宣伝というようなものとは全くわけが違うということはぜひ押さえておいていただきたい。
 そして、長い事前の準備期間も必要だということをおっしゃっておられますけれども、どう見ても、ここに今回二月、三月などになってしばしばお出ましになるのは、総理はともかくといたしましても、それぞれ衆議院からお出になっておられる大臣でありまして、残念ながら官房長官とか総務庁長官とかは全然こういうところに載られない。選挙関係ないからかな、こんなことも思うんですけれども。
 ただ、本来であれば政府広報も大変重要な施策について広報する。その中でも、例えばこれも官房長官が所信でお述べになっておられますけれども、男女共同参画社会の形成、昨年、男女共同参画社会基本法が成立をいたしまして、いわばこれは最重要課題なんだと位置づけられているわけです。だとすれば、昨年来こういう問題について幅広く社会の中に根づかせていこうという意味では、むしろそういう課題こそきちっとした政府広報がなされるべきで、そういう先頭に例えば総理が出られているというのであればこれまたそれなりのわかりやすさもあるだろう。あるいは総務庁長官も人権行政などにも携わっておられるわけです。これまで私も拝見しておりますと、そういう人権をこれから次の時代に向けてやはりこれも社会の中できちっと根づかせていこうというようなところに、例えば総務庁長官が先頭に立って頑張っておりますと、こういうことを皆さんも理解してくださいと、こういう広報などは私は一向に見たことがない。
 そういうことを考えますと、誤解を生じないようにと申されておりますけれども、やっぱりもう一度改めてこの広報のあり方というのは考えていただかなきゃいけないというふうに思うんです。
 改めまして、今後の取り組み方について官房長官にお尋ねしておきます。
#27
○国務大臣(青木幹雄君) 今、議員がおっしゃいました、確かに男女共同参画にかかわる問題や人権的な問題、またいわゆる児童の虐待の問題、そういうふうな問題がこれから広報で十分に取り上げられ、国民の皆さんの理解をいただくことは私も大賛成でございます。
 といいますのは、男女共同参画法が通ったのが去年の六月でございまして、私も担当大臣になりましてからこの広報の予算について一体男女共同参画社会の広報予算が幾らついているかということを聞いたわけでございますが、今、議員御承知のようにもう三月の末でございまして、今年度の予算はほとんど残っておりません。
 ただ、御理解をいただきたいのは、六月に成立をいたしましたので、予算編成の時期にはそういう参画法が通るか通らぬかということがまだ不確定な時点でございましたので、ことしの予算は、使いましたのは約八千六百万円男女共同参画社会に使っております。また、人権の問題につきましては一億五百万円使っております。
 ですから、私は広報に対しても、十二年度予算からはこれではいけませんよ、少なくとも私が官房長官をしている限りは両方とも最低倍以上にきっちり十二年度予算が成立すれば使いますよ、いいですねと。そういう考えでどういうふうな形の広報をした方が国民の皆さんに男女共同参画社会の問題でも人道の問題でもわかりやすいかということをこれからひとつ十分に研究してくださいということを言っておりまして、男女共同参画社会また人権の問題に対する広報予算については全責任を持ってことしよりはるかに多いものを計上したいと思っておりますし、また先生方、こういう形で広報したらということがあれば遠慮なく申し出いただけば、いいものは十分に取り上げていく、そういう基本的な考え方で臨んでおりますので、御理解いただきたいと思います。
#28
○千葉景子君 それでは、次の課題に移らせていただきます。
 総務庁の行政監察につきましてお尋ねをさせていただきたいと思います。
 実は、総務庁の方で、この一連の警察のさまざまな問題について発生をした後、警察行政についての行政監察を行う今準備をしているという報道等がございました。それについて何点かお尋ねをさせていただきたいと思います。
 警察行政に対する行政監察なんですけれども、私も調べさせていただきましたところ、他省庁とまたがる例えば交通の問題とかあるいは麻薬の問題とか、そういう形では警察庁もその中の一つとして行政監察の対象になっている経過はあるんですけれども、警察行政そのものについての行政監察というのはこれまで行われていないというのが実情のようでございます。やってこなかった、だからいろいろな問題が起こってしまった、これで取り急ぎ監察をしよう、こういうことであろうかというふうに思うんですけれども、私はこの行政監察について、その実施のための監察業務運営要領というものをもう一度読ませていただきました。
 これを読みますと、そもそも行政監察というのは行政がその本来の企図のごとく運営されているか否か、こういうものをきちっとチェックするというのが目的でございます。しかも、その意図するところは、専ら予防的段階で行政運営の効果を確保する、不正不当な行為及び国損の防止を図り、あわせて公務員の紀律の保持に資するものだという、こういうことが行政監察の意図するところということが書かれております。
 これを考えてみますと、これまで警察行政に対する行政監察が行われなかった、残念ながら、その結果、行政運営のきちっとした効果を確保するということ、これが確保できなかった、あるいは不正不当行為などを予防できなかった、こういう結果になってしまったわけです。
 これまで警察行政について行政監察がされなかった理由というのはどういうところにあるんでしょうか。そして、その結果こういう不祥事が続発をして、いわば予防的な効果を行政監察として発揮できなかった、こういうことについては、総務庁長官としてはどのように受けとめ、あるいは反省点などをお持ちでしょうか、お答えをお願いします。
#29
○国務大臣(続訓弘君) お答えいたします。
 行政監察は、今お示しされましたように、国の行政機関を対象として、行政の制度、仕組みや行政運営の改善を求めるものでございます。したがいまして、個々の警察職員が不祥事案を引き起こしたとしても、そのこと自体で行政監察を行うものではございませんで、不祥事案の発生の背景に警察行政の制度、仕組みや運営に問題があるのではないかと考えられる場合に行政監察として取り上げるべきものだと考えております。
 今回の一連の警察不祥事案を見ますと、同種の不祥事案が過去に見られないほど道府県警察を越えて多発している状況にございます。こういう状況が見られるということ。もう一点は、このことの背景には警察内部の不祥事案対策が実効あるものとなっているかどうか疑問の点がある。こういうことをとらえまして、警察庁がとった一連の未然防止対策や事案発生時対策等が実効を上げているかどうかを主眼として今回行政監察の実施を指示したものでございます。
#30
○千葉景子君 今回実施を決定されたということの御説明はわかります。それから、不正自体を糾弾したりする趣旨のものでないということも、これもこの運営要領にもきちっと記載をされておりますし、私も理解をするところでございます。
 ただ、発生をしてしまったから大急ぎやりましょうということではなくて、やはりこういうことが起こらないように予防的に常日ごろから行政監察を行うということが大切なのでありまして、もう一度お尋ねしますけれども、これまで行政監察が警察行政について行われなかったその理由、そして残念ながら行わなかった結果今のような事態を起こしていることについて一体どういうふうに長官としてはお考えになっておられるのか、その点を改めてお尋ねしたいと思います。
#31
○国務大臣(続訓弘君) 先ほどもお答え申し上げましたように、行政監察それ自体は、今、議員も御指摘されましたけれども、個々の不祥事案に対して行政監察を行うものではなくて、そういう組織的な未然防止対策がとられているのかどうなのか、あるいは対策が十全であるかどうか、そういうものの視点から監察するわけであります。たまたま今回の神奈川県警に始まる不祥事案が多発しております。そういうものをとらえて、私どもは今回、そういう組織的な未然防止対策が十全であるのかどうなのか、あるいは事後対策としてそういうものが十全であるのかどうなのかについての監察の実施を行うものであります。
 ただ、御指摘のように、なぜ今までそういうことをとらなかったのかということに対しては、個々のそういう職員のいわば不祥事に対しては、当然のことながら警察自体が対応されるべきテーマだと私どもは考えておりました。しかし、何回も申し上げますように、組織的な多発している状況を踏まえて今回行政監察を行うものでございますので、その辺のところは御理解賜りたいと存じます。
#32
○千葉景子君 今回行うことについて、それは積極的に行っていただくことを別に否定するものではない。ただ、そうすると、これまでは警察行政というのは行政監察などする必要もない、適切にそしてうまく運営をされているというふうに受けとめてこられたのか、あるいはそうじゃなくて、本来はやるべきことだけれども、たまたま時期が今回になったのか。これまで本当に一度もやられていない。これはもう警察に対しては全幅の要するに信頼を持って当たっていたのか、その辺についてはどうなんでしょうか。
#33
○国務大臣(続訓弘君) これまで私どもが行政監察をやった事例をちょっと申し上げますと、麻薬・覚せい剤等に関する実態調査は平成十年五月に勧告をしております。また、震災対策に関する行政監察は平成十年一月に勧告しております。さらには、在外邦人の安全、福祉等に関する行政監察は平成七年十一月に勧告をしております。また、交通安全対策に関する実態調査、これは平成二年六月に勧告をしております。
 事ほどさように、こういう行政に対する監察等は行っておりましたけれども、今御指摘のような個々の事案、警察職員の不祥事に対する監察は、当然のことながら、先ほども御説明申し上げましたように警察庁当局が本来監察されるテーマだと思いまして、私どもは監察は行ってなかった。
 しかし、何回も申し上げますように、組織的な累次の同じような不祥事が発生をしてまいりました。それに対して警察として未然防止対策が十全であるのかどうなのか、あるいはその未然防止対策が実効が上がっているのかどうなのか、その辺のところを改めて行政監察をしたいというのが今回の行政監察の趣旨でございます。
#34
○千葉景子君 ちょっと重なりますけれども、今御説明いただいた交通安全とか麻薬の実態調査とか、こういうことはやっておられるのは私もよく存じています。行政監察が個々の不正事案を糾明しようという趣旨じゃない、そういうことじゃないことも私も承知をしています。
 ただ、警察の行政機構としてきちっとしたチェック機能が果たされているのかとか、あるいはそういうシステムが存在するのかとか、そういう組織的な問題というのはこれまでだってあったわけです。ただ、これまではそういう面については一回も行政監察の手は入っていない。非常に私は、そこの姿勢は警察行政について消極的だったんじゃないか、あるいは何らか手つかず、なかなかそこには手を下せなかったということがあるのではないか、そういう感じがするわけです。
 やっぱりそういう予防的なことを考えれば、それから警察行政というのが国民の権利や義務にも非常にかかわりを持つということを考えれば、やっぱり適切な形で、あるいは一定の節目節目で警察行政に対する行政監察もこれまで行われていてしかるべきだったのではないかというふうに思いますけれども、その辺について全く反省点とか、やっておけばなとかいうお考えはお持ちになられませんか。
#35
○国務大臣(続訓弘君) 私は、この行政監察を命じた背景について御説明申し上げますと、実は神奈川県警にあれだけの不祥事が発生をいたしました。それに対して閣議後の記者会見で記者の皆さんから、こういう事態が生じたことに対して、行政監察としてどういう取り組みの姿勢を示すのかという質問がございました。そのときに答えて申し上げましたのは、神奈川県警の不祥事だけでなくて、こういう事案が各所に出た場合には、直ちに行政監察を実行するんだと。我々総務庁には行政監察という大権がある。同時に人事管理の大権がある。同時に組織という大権がある。そういう三つの立場から不祥事の未然防止あるいは根絶に対する所要の措置を講ずるための監察が必要ではないか、こう申し上げました。
 そして、引き続いて佐賀県警の問題が発生いたしました。京都の問題が発生いたしました。次の記者会見の際に重ねて問われました。この前、累次の事案が発生した場合に、あなたは大権を行使すると言ったけれどもどうなんだと、こういう御質問がございましたので、直ちに私はお答えしました。まさにお約束をしたとおりの大権を行使させていただいて、所要の行政監察を実行させていただきますと、こう申し上げました。そういう意味では、私は不祥事案に対する行政監察は初めてだと存じます。
 そういう意味では、恐らく事務当局も最初は困惑されたと思いますけれども、やはり国民のいろんな声が私どもに電話なりファクスなりで参りました。それを看過することはできません。そういう意味で、今回一月から三月までに事前調査を実施し、四月から本格的な調査を実施するという運びになっております。この辺のところも御理解を賜りたいと存じます。
#36
○千葉景子君 私は、やはりこれまで行政監察の手が入っていなかったということにもう少し反省点をきちっと持っていただきたいなというふうに思うんです。というのは、実は警察行政に対する行政監察のあり方については、これまでも議論がなされているんですね。参議院の行財政機構及び行政監察に関する調査会で、もう平成七年の当時ですけれども、警察行政に対する行政監察の難しさということで、警察行政というのは犯罪捜査活動を行っている、これが司法的あるいは準司法的な手続業務であって、こういうところについてはなかなか行政監察というのはなじみにくいんだというようなことも言われている。こういうことがあって、こういう考え方に基づいて、なかなか手出しができなかったということもあるんじゃないかと思うんですね。
 だとすると、不祥事が続発をして、これからいよいよ行政監察をされようということになるわけですけれども、従来から、こういう司法的あるいは準司法的な部分があるからやりにくい、なじまないと言ってきたわけですから、考えてきたわけですから、これから行う行政監察というのは、一体どういうことを対象範囲にして、どういう監察を行うのか。行いますというのはよくわかりますけれども、結構具体的に考えてみますと難しい面が大変多いのではないかというふうに思うんですね、これまでの経過から考えると。その点についてはいかがでしょうか。
 特に、都道府県警察などについては、これは直接行政監察の対象ではありませんね、協力を求めるということはありましても。こういうところはなかなか直接監察の手が入りにくい。こういう事態の中で華々しく行政監察を行うと言ってはみたものの、どういう範囲をどういうポイントで行政監察を行うのか、私はなかなか難しさがあるのではないかというふうに思いますが、その点についてどういうところを監察なさるというふうに議論をされておられるのでしょうか。
#37
○国務大臣(続訓弘君) 行政は国民のためにあるわけであります。したがいまして、今国民の皆様が警察行政に対して大変な関心をお持ちであります。神奈川県警に始まってさらには埼玉県警まで、いろんな事案に対して国会でも真剣な御議論がございます。それらを踏まえながら、今回の行政監察に当たりましては、警察庁当局ともいろんな議論をし、理解を深めながら、事案の未然防止、警察庁でとられている対策が十全であるのかどうなのか、事後に対しての対策が十全であるのかどうなのか、その辺のところをお互いが胸襟を開きながら、今までの教訓を生かして、これからの警察行政に生かせるようなそういう監察の実を上げたいというのが私どものねらいであります。先ほどもお答えいたしましたように、一月から三月までの間に事務当局同士でいろいろと詰めました。しかし、その詰めにはさらに国会の議論も加わります。それらを踏まえながら、納得のいくような結論を得たいと、こんなふうに思います。
 同時に、都道府県警察についても今、議員お述べになりました。私どもは、警察庁本庁、管区警察局、これは当然のことながら私どもの守備範囲の中でできますけれども、都道府県警察は協力依頼ができます。したがいまして、本庁と同じような協力をお願いしながら、都道府県警察に対しても納得のいく監察を行い、そして結論を出したい、こんなふうに思います。
#38
○千葉景子君 今警察庁とも十分に準備を進めながらということでございますけれども、逆に、だからこそなかなか相手の協力がなければできないという行政監察の性格もあり、なかなか第三者的というわけにもいかず、そういう中で本当にどこまで効果的な監察が行われるのか。これまでも指摘をされてまいりました。行政監察というのがやっぱりその対象の省庁の協力あるいはその意向が非常に大きく影響するということも指摘をされてきたところですね。だとすると、非常にこの行政監察、私はその実を上げ、それから効果を発揮するというのが難しいところが多々ありそうだなという気がするわけです。
 さらに今回は、警察庁の特別監察、これもまた行政監察の対象にされようということも報道されておりますけれども、この警察庁の特別監察そのものも行政監察の対象にする。これは従来の行政監察とはちょっと性格を異にしますね。これはどういう関係になるのでしょうか。特別監察と総務庁の行政監察というのも、監察のそれぞれのやり方として存在をしている。その特別監察をまた行政監察する。本来はその監察と監察がうまく協力をし合ってあるいはマッチして、双方の監察で実を上げていくというのが本来の姿であろうと思うんですけれども、片方が実が上がらない。その実が上がらない特別監察を先ほど言ったように難しい立場にある行政監察で監察すると、非常に何か堂々めぐりになるような感じもするんですけれども、特別監察についての行政監察についてはどういう形で行おうということを考えておられるんですか。
#39
○国務大臣(続訓弘君) 警察庁が行われようとされる特別監察は、神奈川県警の不祥事に事を発しまして、警察庁として今の不祥事案に対する適切な措置がどういうふうにすれば可能なのか、あるいはどういうふうにすれば根絶できるのか、その辺のところの特別監察を実施されようとするものだと私は思いました。
 同時に、今度は私どもの行政監察は、特別監察が行われる、それを含めて、本当に実効ある監察なのかどうなのかということも含めて行政監察を行うものであり、先ほど冒頭にも申し上げましたように、行政は国民のためにあります。国会でこれだけの議論がございます。こういう不祥事案に対して国民の怒りがうっせきをしております。警察庁当局も私どももこれらをいかに解決するのか、そして国民の皆様に理解、納得をいただけるのか、こういう結論を出さない限り、私は警察庁が行う特別監察も、私どもが行う、それを含めた行政監察も国民の批判にさらされるだけだと存じます。
 そういう意味では、相協力をして国民の理解が得られるような監察の実を上げたい、こういうのが我々のこれから行政監察に取り組む姿勢でございます。この辺のところを御理解を賜りたいと存じます。
#40
○千葉景子君 どうもいま一つ何のために行政監察を行うかというあたりがはっきりよくわからないんですが、その他まだ質疑をさせていただく問題があったんですけれども、時間になりましたので、また別の機会に譲らせていただきたいと思います。
#41
○山下栄一君 前回の本委員会でも官房長官に質問させていただきました問題をまず最初に取り上げさせていただきたいと思います。
 教育改革国民会議の問題でございますけれども、これは非常に世間といいますか国民の関心も呼んでおりまして、新聞でもたびたび報道されております。小渕総理大臣も所信表明で、教育改革国民会議に非常に期待するといいますか、そういうお話もございました。
 教育分野における行き詰まりといいますか、家庭、地域、学校、場合によっては会社も、公務員の世界もそうかもわかりませんけれども、それぞれ教育という役割が非常に空洞化しておるということではないかというふうに思うわけです。警察の問題もそうかもわかりません。
 そんな中で、育てるということは、別に人間に限ったわけではないんですけれども、人間におけるこの育てるという行為、振る舞いが非常に行き詰まっておる。これは、単に国会議員同士とか中央における議論だけではなくて、国民的な議論をやる必要があるということから教育改革国民会議というのが設置されようとしておるというふうに思うわけですけれども、そういう観点から質問をさせていただきます。
 人選も進んで、近々発足というスケジュールで、官邸を中心に今進んでいるというふうにお聞きしているんですけれども、進行状況を確認したいと思います。いつごろ発足される予定で、メンバーは何人ぐらいで、期間はどれぐらいである程度一つの提案といいますか問題提起が出てくるのかということをお聞きしたいと思います。
#42
○国務大臣(青木幹雄君) 今、総理を中心に鋭意検討しているところでございますけれども、大体今月中にこの教育改革国民会議を立ち上げたい、そういうふうに考えておりまして、先般、座長に前筑波大学の学長でありました江崎玲於奈氏をお願いしたところでございます。今、人選を一生懸命やっておりまして、大体委員の数を二十名から三十名というふうに考えております。
 また、これは議論が始まってみないとはっきりいたしませんけれども、非常に大事な問題であり、時間もかけて慎重にやらなきゃいかぬ問題でございますけれども、やはりいつまでたっても結論が出ないということではいけませんので、大体一年程度を考えております。ただ、議論の内容によってはさらに検討をお願いすることもあろう、そういうふうに現時点では考えております。
#43
○山下栄一君 次は、この国民会議の使命、役割なんですけれども、前回も私なりの提案をさせていただいたんですけれども、その時点ではまだ性格づけも若干不明確な部分もあったというふうに思います。いよいよ発足しようとする段階で、国民会議にどういう役割を与えるのか、どういう期待をしているのかということを確認させていただきたいと思います。性格づけといいますか。
 それで、私としては、いわゆる審議会のような、内閣というか役所に向かってこういう制度改革をしたらどうかだとか法律をつくったらどうだというふうな、そういう役所に向かっての提案じゃなくて、そういうのでは国民会議の使命を果たせないのではないか。それよりも、国民に向かっての提案なり問題提起という、そういう性格づけが今期待されているのではないか、このように考えるんですけれども、このことをちょっと確認させていただきたいと思います。
#44
○国務大臣(青木幹雄君) まだ人選も決まっておりませんし、立ち上がってもおりませんので、詳しい内容については現時点で申し上げるわけにはまいりませんけれども、議員も御承知のように、この国民会議で何を議論すべきかということを実は広く皆さんの意見を聞くために、百人以上の有識者の方々にいろんな項目についてアンケートを出しておりまして、二月末が締め切りでございまして、百数十名の方にお願いをしたところ、現在百名を超える方からいろんな面での回答をいただいております。
 それからまた、広報を利用いたしまして、全国民の皆さんからも政府がこういう教育改革国民会議をつくりますがここでどういう議論をやるべきかという意見を広くいただいておりまして、この回答も実は四千通以上いただいております。そういうものを今整理をいたしておりまして、その結果を見ないと、この教育改革国民会議でどういうことを議論すべきかということも含めて、スタートの時点までにはいろいろな問題を決定していかなきゃいかぬ問題だと、そういうふうに考えております。
#45
○山下栄一君 今、官房長官からも御報告がありましたように、識者に対して意見を御提案願うということでたくさんの方に申し出られて、その返事がたくさんあったという話、また一般国民からもインターネットその他等を通じて意見の提言があるという、そういう広がりがあるということは僕はすばらしいことであるというふうに思うんです。まさにそれが国民会議の設置のねらいではないかというふうに考えましたので、先ほど申しましたように、国民に向かっての問題提起型がいいのではないかということを私申し上げたわけでございます。
 こういう教育改革の問題というのは国家挙げての課題だということを橋本前首相以来、また今回小渕首相も最重要課題だとおっしゃっているんですけれども、だからこれは行政の課題というよりも日本人全体の課題である、また人類の課題かもわかりません。世界、先進国どこも悩んでいるという問題ですので。ただ私は、いろいろ議論された結果を制度改革へとか法律へというふうなことじゃなくてという意味で、国民全部に向かっての問題提起というふうなことを申し上げているわけですけれども、それが一番求められている。
 すなわち、それほど大きな課題だから国の中央でも名立たる方々が集まって、各界の代表が集まって議論しよう、何が問題なのかということを話し合おうと、話し合うことによってそのメンバーの意識改革も行われてくる。と同時に、それを契機として、もっと大事なことというか、もっとと言っていいのかわかりませんけれども、中央だけじゃなくて本当は家の中とか学校とか、要するに地域という一番現場に近いところで同じような国民会議といいますか地域国民会議というか、そういうのをやろうじゃないかというふうなことがあちこちで起こってくる、それが私は一番大事なことだと。
 とにかく、お任せという形で中央でやっている、そして制度改革へということじゃ、これは何のための国民会議かというふうになってしまうので、中央における国民会議を契機にして、全国津々浦々で、家庭で学校で地域で、大人同士、親、地域の方々、そして学校の先生、場合によっては子供も参加しながらお互いの意見交換をする、問題提起をする、そこから意識改革が広がっていく、その意識改革が物すごく大事だと。だれかにお任せして解決できる問題じゃないということの大運動、国民運動をやっていく中に本当の教育改革がある、そういう自分自身の考え方がございますので、ぜひこの教育改革国民会議は国民に向かっての問題提起型にしていただきたいということを、これは私の意見ですけれども、ぜひ御勘案をしていただきたい。
 こういう考え方に対しての官房長官のお考えをお聞きしたい。
#46
○国務大臣(青木幹雄君) 確かに、教育改革国民会議の目的といいますか、議員が今おっしゃったことも一つの考え方だと考えております。
 ただ、教育改革国民会議でいろんな議論を重ねて、こういう議論をしましたよ、国民の皆さん考えてくださいという形をとるのがいいのか、それとも真剣な議論の中でこれから日本の教育はこうあるべきですよというはっきりしたものを打ち出して、それを法律をつくるものは法律をつくっていく、いろんな形で具体化していくのがいいのか、これは私は意見の分かれるところだと考えますけれども、やはり議論の過程を見ながら、私はそのことは議論の中で決めていっても、今はっきりさせなくてもいい問題じゃないかなというふうに考えております。
 といいますのは、議員も御承知のように、二十一世紀懇、これは議員が今おっしゃるような形で提言をいたしておりまして、美しい日本の言葉だとか、英語を第二公用語にしろとか、いわゆる義務教育は三日間、また例えば選挙権は十八歳からというような、そういうふうにいろいろ国民に投げかける形も一つの考え方だと思います。また、それだけじゃなくて、やはり権威ある皆さんに集まっていただいて、たくさんの国民からの四千通を超える、恐らくいろんな意見があると思いますが、そういうものを集約して、二十一世紀の日本の教育はこうあるべきだというものをはっきり打ち出していいのか、それは私は議論の過程の中で決めていけばいい問題じゃないかなと、そういうふうに考えております。
#47
○山下栄一君 ありがとうございます。
 そういう考え方でいいと思うんですけれども、どちらかといいますと、今まで審議会方式というのは、今回は審議会じゃございませんけれども、内閣に向かっての識者が集まって話し合って答申を出すという形式が主流であり、余り一般国民は参加しないというふうなことが間々あったということで、教育一つだって、子育てについてはちょっと全員参加で意識改革しないととてもじゃないけれども解決しないのではないかという考え方がございますので、私の意見を申し上げました。
 次の問題に移ります。
 国家公務員倫理法という法律が去年八月にできまして、これは議員立法でございました。ところが、この法律は余り議論されないままにというか、委員長提案でもございましたので、国会の議論が余りないままに成立した背景がある。ところが、私はここに、この国家公務員倫理法ないしその大きな使命を与えられた国家公務員倫理審査会というのは今の御時世本当に大事な使命を担っているなということを感じまして、このことを取り上げさせていただきたいというふうに思います。
 きょうは、審査会長の花尻会長もお忙しいところおいでいただきましてありがとうございます。また、事務局長の石橋さん、ありがとうございます。
 先ほど千葉委員からもお話がございました警察の問題、これは先ほど総務庁長官も、多発しているという、組織的な未然防止対策の必要性から行政監察というお話がございましたけれども、本当に多発というか、もう信じられないということで警察への不信が広がっているわけです。だけれども、この審査会はもうすぐ四月一日から始まる、あと何日か後にスタートするわけで、審査会の使命は本当に大変重要だなと思うんです。
 会長にお聞きしますけれども、今盛んに国会でも議論が行われ、連日テレビ、新聞でもこの問題が扱われている警察、特に新潟県の不祥事でも構いませんけれども、と倫理審査会の使命、会長に就任されての御感想をちょっとお聞きしたいなというふうに思います。
#48
○政府参考人(花尻尚君) 感想を述べろということでございますが、私、もともと倫理法というのは屋上屋を重ねるものだと思っておりました。各省庁にそれぞれ倫理規程があって、しっかりやっておられるのに、その上にさらに国家公務員倫理審査会を設けるというのはまさに屋上屋を重ねるものである、そういうふうに最初思っていたんですが、十二月三日に拝命いたしまして、その後いろいろ事件が起こりました。そういうのを見ておりますと、各省の自浄能力には限度がある、そういうふうに思いまして、やはり第三者機関である審査会がいることが必要だと思いました。
 具体的な新潟県警の事件につきましては、まだ全面的な施行前でございますので具体的なコメントは差し控えさせていただきますが、まことに遺憾きわまる事案である、そういうふうに認識いたしております。
#49
○山下栄一君 ちょっと具体的にお聞きしたいんですけれども、審査会会長に就任されたのは去年十二月三日、いろいろ御準備されてきたと。審査会五人、事務局含めていろいろ、倫理規程ですか、これは正式にはまだ政令になっていないですね、意見の申し出をされたわけですけれども。そういうふうにして、この審査会がスタートをもうすぐするというふうな状況であるとはとても思えないような警察の今回の対応なんです。だけれども、もしこの新潟県の事件がことしの四月以降発覚していたとしたら、まさにこれは審査会のマターになるわけです。そんなことを全然わかっていないような警察の対応であるというふうに私は感じるわけです。
 会長おっしゃいましたように、屋上屋を重ねるようなことになってしまっては大変なことなわけで、第三者機関としての外部的な監視機能が極めて期待されている。だから、一応人事院のもとにはあるけれども、審査会は独立して行政全体の倫理を監視するんだという使命が与えられている。これがもし中途半端になってしまったら、もうますます行政不信、国家不信になっていくというふうに思います。
 具体的にお聞きしますけれども、新潟県警の中田管区警察局長という方がいらっしゃいました。この方は処分されていないわけですけれども、これがもし四月以降発覚したのであるならば、これはもう当然この倫理審査会の扱いになり、そして倫理規程違反として処分されたと思うんですけれども、この点どうなんでしょうか。中田さんの話です。
#50
○政府参考人(石橋純二君) 倫理法が四月に全面施行されますと、倫理法違反あるいは倫理規程違反の事案につきましては従来と手続が大幅に変わります。違反した事実が、疑いがあれば、その官庁の報告が倫理審査会に報告をされます。その報告を受けまして、その事案について任命権者あるいは倫理審査会が調査をすることになります。
 ただいま、新潟県警の事案についてのお尋ねでありますので具体的にそれが処分に至るかどうかというのはちょっと差し控えさせていただきたいと思いますけれども、違反事実が判明をした場合には、任命権者が調査をしております場合には、処分をしようとする場合にはあらかじめ倫理審査会に承認を求めなきゃいかぬという形になりますし、倫理審査会が調査をしておるときには倫理審査会みずからが懲戒処分を行うことができるという形になるものでございます。
#51
○山下栄一君 事務局長、そういう姿勢ではとても私は使命を果たせないと思うんです。これはまさに倫理規程、まだそれは正式に政令が発布されていないけれども、この中田さんという人は新潟県警へ行って、監察という職務の最中にもかかわらずまさに倫理規程に違反するような供応接待を受けたわけでしょう。これはまさに中身的に対象だと思うんですよ、もう事件がはっきりしているわけやから。ああいう同じような状況があったら、あれは処分されていたんでしょう。処分されていませんか、これ。処分されないんやったらもうこの倫理審査会は全然無能になりますよ。ちょっと確認します。そんなばかな話はないですよ。
#52
○政府参考人(石橋純二君) 個別事案ですのでちょっと控えましたけれども、新しい倫理規程は現在検討中でございますけれども、この規程に基づきますと、中田管区警察局長にとりましては都道府県警察は利害関係者に該当いたします。利害関係者と夜、会食等を行っておるようですしマージャン等を行っておるようでございますので、倫理規程に違反をするということになるのであろうと考えておるところでございます。
#53
○山下栄一君 だから、処分されると思うんですけれどもね。
 今、報告があった場合とかおっしゃったけれども、報告がないケースが想定されるわけですね。もう時間がないので具体的に言いますけれども、要するに例えばマスコミとか一般国民から倫理審査会に告発とか、マスコミにも書き立てられたと、それはにわかに信用できないかもわからぬけれども、そういう状況。今回の場合はもうまさにみずからは報告なんて全然なかったわけですから、だから独自調査とか独自処分というふうなことが必要になってくる場合がある。
 今までも国家公務員法には書いてあったけれども、人事院の職務として、できなかった、具体的にそれを調査する機関もなかったし、そういうことがあった。今回は、独自調査できる仕組みが倫理審査会なんですね。独自の処分もできる、個々の部署、部局の処分じゃなくて、審査会独自の処分もできる。そのための体制を今回、国家公務員倫理法、また倫理審査会を設置することによってできるようになったんだ、こう理解するんですけれども、それでよろしいんでしょうか。
#54
○政府参考人(石橋純二君) 懲戒権につきましては、任命権者が一義的に行使すべきものでありますので、不祥事が起きた場合の調査、懲戒は一義的には任命権者が行うべきものであろうと考えておりますけれども、国民の不信や疑惑を招くような重大事件でありますとか、任命権者に適切な調査が期待できないような場合には、先生がおっしゃられたとおり、倫理審査会が責任を持って調査、懲戒する必要が生じてくるものと考えております。
#55
○山下栄一君 それははっきりさせておかぬとね。倫理審査会というのは、私は、独自の調査権があり、そして独自の処分をする権限を持っているわけですから、これがないというのだったらこれは何のための倫理審査会かというふうになるわけで、法律によってそれが裏打ちされたわけですので、それをはっきりさせておきたいというふうに思います。今、事務局長から話があったとおりです。
 それで、独自調査が行われる場合はどんな場合かとかいうことをお聞きしたかったんですが、時間がございませんので、最後の質問をさせていただきます。
 これは、調査する人ですけれども、事務局がある、五人の正規の審査会メンバー以外に十四名の事務局局員がいらっしゃる、人事院の人が十人でよそから来た人が四人で、十四人だと。それが調査しに行く場合があるわけですよね、別に東京周辺だけではない、沖縄もあれば新潟県もある。その十四人という体制、しょっちゅうこんな事件が起こったらだめなんですけれども、僕は体制も予算も極めて貧弱であるということを思っていまして、調査費もわずか五百万円だというふうに確認させていただきましたけれども。ということは、これは独自の調査なんというようなことはとてもできるような予算になっていないし、何かあったら十四人全部行ってやらなきゃいかぬ、場合によっては会長みずから行かなきゃいかぬというような、調査せないかぬというような状況も、こんなの起こったらまずいけれども、それはできる仕組みになっているけれども、余りにも予算も人もちょっと貧弱過ぎるというふうに私は思うんですね。
 どういうふうにこれは、会長、これで仕事ができるのかというふうに思っていらっしゃるのではないかなと思うんですが、いかがですか。
#56
○政府参考人(花尻尚君) 非常に好意的な御質問をいただきまして、ありがとうございます。
 予算額の算定というのはなかなか不確定な要素がたくさんございます。四月一日以降、新しい倫理法が全面施行になるわけですが、どのくらい公務員の不祥事が起こるのか、その不祥事の中で審査会が直接審査しなきゃいけない事案というのはどのくらいかというのは、これはなかなか難しいのでございます。結局、予算要求の時点では、過去の公務員不祥事に係る懲戒処分件数、これを考慮して予算要求したところでございます。
 しかし、山下委員がおっしゃるとおり、この審査会の調査、直接に行う調査手続というのは、これは極めて重要な手続であると私どもも考えております。したがいまして、その職責を十分に果たすために、必要な予算措置につきましては四月一日以降の公務員の不祥事の発生件数その他を見定めまして適切に対処してまいりたいと思っております。
#57
○山下栄一君 もう時間がなくなったのですが、私お聞きしながら物すごく不安になってきたんですけれども、どうか国民が非常に期待しておる組織でございますので、ぜひ使命をしっかり果たされますように期待いたしまして、質問を終わります。
#58
○阿部幸代君 日本共産党の阿部幸代でございます。
 初めに、警察の情報公開の促進等について質問したいと思います。
 神奈川県警の一連の不祥事、人権感覚の麻痺と、また警察の身内に甘い秘密主義の体質がまだ記憶に新しいところですが、今度は新潟県警で同様のことが起こりました。今回は警察庁あるいは国家公安委員会の無責任さも加わって、警察行政に対する国民の怒りと不信は頂点に達しているのではないかと思います。
 そもそも新潟県における事件、九年余もの長い間監禁されていた女性のその少女期がどんなに痛ましいものであったか、またなぜもっと早く救い出せなかったのか、国民はここに胸を痛めているのだと思います。初動捜査や途中経過における警察の手抜かりが次々と明らかになってきていますが、今回も最初の新潟県警の発表は、病院で男が暴れていると通報があり、署員が駆けつけると女性が一緒にいたという虚偽の発表でした。その上、神奈川県警の不祥事を踏まえての特別監察で警察庁の関東管区局長が新潟県警を訪れた日は、被害者の女性が保護された日だというのに、肝心の監察はほとんど行われず、関東管区局長と県警本部長は温泉宿で宴会とかけマージャンをやっていたわけです。
 警察の人権感覚の麻痺と、うそをついて事実を隠し身内をかばう秘密主義の体質は相当に根深く重大なものだと思うのですが、官房長官、どのようにお考えでしょうか。
#59
○国務大臣(青木幹雄君) 事件の内容につきましては今、議員おっしゃったとおりでございまして、これは本当に私ども何と申し上げても断りようのない、今までになかった非常に残念な事件だと考えております。議員おっしゃるように、九年二カ月にわたる監禁を受けた女性が発見された際に、保健所からの出動要請があったにもかかわらず警察官が出動拒否と受け取られてもいたし方のない発言もいたしておりますし、また結果として出動しなかった上に、このような重大な事件について新潟県警が事実と異なる内容の発表をするなど、極めて遺憾のきわみでございます。
 警察に対する信頼は議員おっしゃるように現在非常に大きく傷ついており、私といたしましても、警察当局のたび重なる不祥事を厳しく受けとめ、まさに全身全霊を傾けて国民の信頼回復に向けて努力をする必要があると考えておりまして、内閣を挙げて取り組んでいくことが私どもの今後に与えられた大きな責任だということを痛感いたしております。
#60
○阿部幸代君 私は、警察の人権感覚の麻痺と、事実を隠す、つまりうそをついて身内をかばうその秘密主義の体質を重大視しています。
 実は、私、昨年の決算委員会において神奈川県警の人権感覚の麻痺と身内に甘い秘密主義の体質について問いただした際に、警察の秘密主義というものが実は系統的に育成されている、このことを問題にしました。
 警察官のための教養専門紙、「日刊警察」という新聞があります。それから教養専門誌、これは書籍の方ですが、「警察公論」というのがあります。これらには警察の昇任試験問題とその模範解答例が出ているんです。そこでは、例えば警察官の飲酒運転による交通事故など、いわゆる警察の不祥事については秘密を徹底すること、これは繰り返し強調されています。秘密主義はこうして育成されているんです。
 報道によりますと、総務庁は四月から実施予定の警察庁への行政監察の中で特別監察のあり方も新たに調査対象に追加する方針を固めたとのことですけれども、この際私は、神奈川県警、新潟県警と相次ぐ不祥事の背景にある身内に甘い秘密主義の育成の実態にもメスを入れていただきたいのですが、総務庁長官、どうでしょうか。
#61
○国務大臣(続訓弘君) 今、官房長官からもお答え申し上げましたように、九年二カ月にわたる、何といいますか、想像を絶するようなあの新潟事件、事案に対して本当に私どもは申しわけない気持ちでいっぱいであります。
 そしてさらに、今、阿部委員から御指摘がございました不祥事案は、秘密を守ることを優先、私は長い間行政を経験しておりますけれども、こんなまさに御指摘のような事案があるとすれば大変これは遺憾千万であります。とんでもないことだと存じます。
 御指摘の点を踏まえて、警察庁では、これまでの反省の上に立って、不祥事案が発生した際の迅速適切な報告の徹底や、職業倫理教養、幹部教養の徹底などの対策を講じているところであります。これらは特別監察の実施と並んで警察庁の不祥事案対策の重要な柱でありますことから、私ども四月からの本調査の範囲に含めなければならない、こんなふうに考えております。
#62
○阿部幸代君 もう少し具体的に私述べてみたいと思うんですけれども、官房長官はたしか島根県の御出身だったと思うんですが、島根県の警部昇任試験問題と解答の例が「日刊警察」に載っているんです。
 どういうのかといいますと、警察官の飲酒運転による交通事故、百点満点の配点でその解答例です。これをどういうふうに警察が取り扱うかということですが、初めに「通報受理時の措置」とあって、「報道関係者の事案察知の有無を確認し、察知されていなければ広報を控えるよう依頼する。」とあります。また四番目には「事実の真相把握」とあって、「当方に有利な情報の収集(相手方の過失等)にも努める。」とあります。五番目の「被害者対策」では、「正直に身分を明かすとともに秘密の保持について協力をお願いする。」。六番目の「報道対策」では、「組織に対するダメージを最小限にとどめるのが、この種事案処理の目的でもある。」「秘密の保持に細心の注意を払わなければならない。」とあります。八番目の「措置上の留意点」でも、「発生所属に対しても、保秘に留意」とあります。
 試験問題の解答例で八項目のうちの四項目に秘密主義が貫かれているわけです。これが警察の方針だというふうに私にはとれてしまいます。つまり、事実を隠す、そして身内に甘くしていく、この警察の秘密主義がこうして育成されているというこれは事例なんです。
 ぜひ、今度の行政監察の対象に、こういうところにもメスを入れていただきたい。もう一度確認の質問をいたします。
#63
○国務大臣(続訓弘君) 先ほどもお答え申し上げましたように、今のような事案に対しては徹底的な調査を行います。同時に、これは警察庁とも打ち合わせをしながら、今のような模範解答等々があったとすれば、これはゆゆしき事態だということも強く私どもは意見を申し上げ、今御指摘のような事案に対してもしっかりした調査、監査を実施することをお約束申し上げます。
#64
○阿部幸代君 次の質問ですが、警察の不祥事が相次いだ神奈川県では、県警と県公安委員会も新たに県の情報公開実施機関に含めることに決めて県の条例改正案が県議会に提案されたと報道されています。県民にチェックされているという意識、説明責任が常に課せられているという感覚が働く意味は大きいと見られているわけですが、当然の措置であると私は思います。
 現在のところ、警察の情報というのはどこでも捜査上の秘密が理由で透明度が非常に低いものになっています。例えばつい最近も、全国市民オンブズマン連絡会議が四十七都道府県の信号機の設置費用と業者などに関する文書を請求した結果、非公開が四十一都道府県に上ったとのことです。犯罪捜査に関係のないこういう情報も非公開ですから、本当に警察の閉鎖性というのは深刻だと思うんですね。
 これも報道によると、神奈川県以外にも既に三重県、山梨県両県が警察も情報公開の実施機関に加える条例を制定しています。また福島、愛知、兵庫などでも条例改正案が議会に提出されているようです。身内に甘い秘密主義の体質を克服するためにも警察も情報公開の実施機関にする、こうした流れを私は促進するべきだと思っています。
 あわせて、警察内部の監察には限界がある、このことがいよいよ明らかになった以上、第三者の監察機関、警察機構内の監察ではなくて、第三者の監察機関をこの際設けていく必要があると思っているんです。
 情報公開の促進については総務庁長官、それから監察機関の第三者機関化の問題については官房長官にお聞きしたいと思います。
#65
○国務大臣(青木幹雄君) 議員おっしゃいますように、今回の一連の不祥事をめぐっては、公安委員会制度のあり方、警察のあり方を含めていろいろな議論があることは私も十分に承知をいたしております。
 議員御指摘のように、外部機関が監察を行うことについてはやはり、今、島根県の試験問題の例をおっしゃいましたが、秘密を守るということはある一面において警察の捜査上必要ない一面もあろうと思います。ただ、自分たちが悪いことをしたことを隠すために秘密を守るようなことがあってはいけないわけでございまして、やはり捜査上で秘密は守っていかなきゃいけない一面も当然、今度の不祥事と離れて、警察全体としてこれも非常に大事な一面であろうと考えておりまして、私は、まずその役割を十分に発揮することができるような公安委員会のあり方についていろいろ今後とも議論をしていくことが大事なことじゃないかと考えております。
 今度の事件に関しましては、三者機関を設けた方がいいとかいろんな意見があることは十分承知いたしておりますが、そういうことも踏まえて、先般、保利公安委員長のもとに警察制度のあり方、公安委員会制度のあり方を十分に議論をしていただく機関も設けられましたので、そういう機関の中で十分議論をして、国民の納得のいくような結論が出されることを望んでいるわけでございます。
#66
○国務大臣(続訓弘君) 阿部委員が御指摘されましたように、都道府県公安委員会の情報公開は、対象となっているのが三重と山梨の二県、そしてまたただいま議会に改正案が提出されているのが福島を初め七県、いわゆる九県ございます。
 いずれにいたしましても、行政情報の公開は、国民主権の理念にのっとり、政府の説明責任を全うし、国民に開かれた行政を実現するために重要であることは論をまちません。このような考え方から、国の行政機関につきましては情報公開法第二条において、国家公安委員会を含めすべての行政機関を対象としているところであります。地方公共団体の公安委員会につきましては情報公開法の第四十一条におきまして、この法律の趣旨にのっとり、条例の制定、改正に努めなければならないとされております。この趣旨を踏まえて、各団体の判断により適切に対処していただけるものだと存じます。
 私どもも、九県のみならず四十七都道府県がすべて情報公開をされますようにお願いを申し上げたい、自治省を通じてお願いを申し上げたい、こんなふうに思います。
#67
○阿部幸代君 官房長官、念のために。
 公安委員会が本来の役目を果たすように立て直しをするということと、あわせて、今警察機構の中にある監察室ですね、こういう警察機構の中における、これをたとえ上に置いたとしても下に置いたとしてもそれでは限界があるということで、これを第三者機関化するというそういう私の考えです。ぜひ検討していただきたいと思います。
 次に、子どもの権利条約の推進、とりわけ日本政府の第一回報告に対する国連子どもの権利委員会最終所見、勧告の実施について質問いたします。
 まず、広報についてですが、外務省のインターネットへのアクセス件数は、調べていただいたところ、ことし二月だけでも五千六百五十七件、この一年間で四万二千九百二十五件だそうです。大変利用されているのだなというふうに認識をいたしました。引き続きホームページの充実を願うところですが、私は、昨年の本委員会で、子どもの権利条約全文と第一回の日本政府の報告書、事前審査に対する文書回答、本審査後の最終見解を各審査の議事概要と一緒に刊行したらどうでしょうかと提案したところ、どこまでできるか、費用のかかることでもございますので検討させていただきたいと、こういう答弁でした。どうも余りまじめに検討していないようで、これを聞いていると時間がかかるので、ぜひ引き続き検討していただきたいし、特に子供たちは毎年毎年変わるんですね、学校を。新しく入学していき、卒業していきと。ですから、最低限度の広報活動として、最初にポスターを配りましたね、その程度のことは毎年毎年やるべきだと思うんですが、その件について検討していただけませんか。
#68
○政府参考人(上田秀明君) ただいま委員から御指摘ございましたように、この児童の権利条約に関係いたします広報でございますけれども、いろいろな文書がたくさんございまして、それはホームページに掲載させていただいて、大変アクセスがあるところでございます。それから、そういう文書に関しまして御要望があればそれを資料としてまた刷り物の部分も配付させていただいたりしております。
 一般的な広報、権利条約に関するポスターでございますとかリーフレットでございますとか、最初のところは確かに費用もとって配付をしたりいたしたわけでございますけれども、これまた費用等の関係もございますけれども、いろんな御指摘もございますので、引き続き検討させていただきたいと思います。
#69
○阿部幸代君 要望があったときにそれにこたえるというのでは不十分だというのが条約の趣旨だと思うんですね。引き続き検討というのは、また来年同じことを質問するのは私、嫌ですから、もう子供の日あたりにすてきなポスターを全国に配るとか、そういうことをぜひしていただきたいと思うんですね。
 次の質問ですが、昨年も質問したんですけれども、子どもの権利委員会が、日本政府に対して、子供に関する包括的な政策を発展させるために政府メカニズム間の調整を強化することを勧告している件についてです。
 そもそもここで言うところの総合調整機能を有する機構はあるのかどうかと質問をしたんですね、去年。当時の太田総務庁長官は、今は子供の権利を本来ここで所管しますというところはない、外務省が当面窓口になって受けて、それぞれの所管ごとに取り組んでおるということではないかと答弁しました。また、よく理解をして、今後の課題といたしたいとも言っておられたんです。中央省庁再編に伴い新たに設置される内閣府の所掌事務の中に青少年健全育成行政に関する総合政策というのがあるんですけれども、子どもの権利条約や最終所見、勧告を実施し、子供に関する包括的な政策調整を行う機関、それは結局どこになるんでしょうか。
#70
○内閣官房副長官(松谷蒼一郎君) 児童の権利に関するいろいろな施策を実施するということは非常に重要なことであると考えております。特に、現在いろいろな地域紛争があり、宗教間の紛争あるいは人種間の紛争があって、その中で児童が極めて厳しい環境におかれておりますし、我が国等におきましても児童の虐待というような事象が発生をしております。
 したがいまして、政府としてはこの問題については積極的に取り組んでまいりたいと存じておりますが、今、先生から御質問がございました包括的な総合調整機関の件でございますが、これは前回、太田長官から御答弁がありましたように、非常に児童についての権利の問題は各省庁に多岐にわたっておりまして、これを調整する機関をつくるということは現在の状況ではなかなか厳しゅうございます。したがいまして、これらの関係省庁間の緊密な連絡を一層図っていくということによって対処してまいりたいというように存じております。
#71
○阿部幸代君 来年、西暦二〇〇一年五月には第二回の政府報告書を提出することになると思うんですね。第一回報告に対する子どもの権利委員会の最終所見、勧告がどれだけ実施されたか当然問われるんです。
 NGOの報告によりますと、九八年五月に行われた審査で日本政府の代表は手厳しい指摘を受けています。政府が子供のための包括的な戦略を持っているのかという問題なのだ、このような戦略は本条約の枠組みを基礎とする必要がありますと、政策調整機関の必要性を強調されたんです。条約の窓口が外務省で、実施は各省庁に丸投げ、こういう状況を克服していく必要があるんですね。
 ちなみに国内でも、昨年七月二十二日に青少年問題審議会が「「戦後」を超えて 青少年の自立と大人社会の責任」という答申を出しています。私、読みましたが、全面的に賛同するわけにはもちろんいかないんですけれども、それでも子どもの権利条約や新しい子供観が反映されています、一定程度。例えば、「青少年に関する各種の国際会議や児童の権利に関する条約といった国際的な取組に対する我が国の対応能力を強化するとともに、これらに呼応した国内での施策推進機能の強化を図る必要がある。」、こういうふうに言っているんです。対応能力の強化とか、それから施策推進機能の強化とか、これは包括的な子供にかかわる政策調整機能の強化、そういう機能を持つ機関の設置、こういうことを意味しているんだと思うんですね。
 ですから、こういう審議会答申を尊重するのは当然だし、それから、条約上の義務を果たすのも当然ではないでしょうか。これは官房長官、どうでしょうか。
#72
○内閣官房副長官(松谷蒼一郎君) 先生のおっしゃることはよくわかりますし、そういった答申があることについては、これをできるだけ尊重して実施をしていかなきゃならないというように考えております。
 ただ、今、各省庁間にわたるということを前に申し上げましたが、本条約の実施にかかわる主要関係省庁としては、総務庁、警察庁、法務省、文部省、厚生省、労働省、郵政省、非常に多岐にわたっておりまして、これを一括してここで全部やっていくというのはなかなか難しい状況にあります。したがって、これは御指摘のように、どういうような形でこの連絡調整を緊密に図っていくのか、こういうような連絡調整のための会議を常時実施していくのか、そういうことも含めて検討してまいりたいというように存じております。
#73
○阿部幸代君 子どもの権利条約等、最終所見、勧告を実施する包括的な子供のための政策調整機関そのものはないということですね。そして、まだつくる気はないということですね。
#74
○内閣官房副長官(松谷蒼一郎君) たびたび同じような答弁になって申しわけないんですが、非常に多岐にわたっているということ、それから中央行政庁の再編、行政庁をできるだけスリム化していかなきゃならないということ、そういうようなものとの兼ね合いで検討してまいらなければなりませんが、当面は各省庁間の連絡を緊密にしていきたいと存じております。
#75
○阿部幸代君 私は、条約上の義務をぜひ早く果たすようにしていただきたいと思います。
 それから、きょうはもっと質問を用意していたんですけれども、国連の子どもの権利委員会に日本政府の代表団として二十五名の方が行っているんですね。そのうち女性は五名でした。ただ、正式に子どもの権利委員会と対応したのは十一名で、そこには女性がゼロだったんです。このことが非常に奇異なものと受けとめられましたね。なぜ女性がいないのか、次の審査のときにはぜひ半分は女性にしていただきたい、こういうことも審査の際、言われているんです。
 子供の問題といったら、実生活の分野では女性が圧倒的に担っているわけですね。ところが、国際的な場では女性が一人もいない。本当におかしな現象で、やはり次回の審査のときには、子どもの権利委員会が指摘するように、半分は女性にする、それぐらいの意気込みで女性の管理職の登用を積極的に進めていただきたいと思うんですけれども、男女共同参画社会基本法がつくられた折、官房長官の決意を伺いたいと思います。
#76
○国務大臣(青木幹雄君) 今、議員おっしゃいましたように、確かに前回の会議に出席したのは、二十五名とおっしゃいましたが、私は二十四名だと思っておりまして、その中で女性が四名おられたことは間違いありません。
 ただ、出席した中で重立った方が大体男性だったと、そのためにそういうとり方になったと思いますが、議員のおっしゃること、もうそのとおりでございますので、できるだけこの次の会議には、半分とおっしゃいましたが、半分といくかいかぬかはその辺はよくわかりませんが、できるだけ努力して、多くの女性の方が行かれるようにもちろん協力していくことは考えていかなきゃいかぬ問題だと、そういうふうに考えております。
#77
○阿部幸代君 終わります。
#78
○山本正和君 森田委員から恩給のことでいろいろとお話がございました。私と大体同じ年ごろの、特に女性ですね、軍人の奥さんだった方々、私もいろいろつき合いもあるものですからお話ししています。この恩給ということと、それから現在は公務員は、これは自衛官であれだれであれ、みんな共済年金制度に切りかわりましたですね。ですから、恩給という言葉の意味はちょっと深いと思うんです。いわゆる年金とはちょっと違った意味を持っているんですね。国の補償、こういう性格だろうと。
 昭和三十四年にいわゆる共済年金制度に切りかわった、これは海老原先生が一番御苦労された時代だろうと思うんですけれども。だから、要するになぜ恩給を年金と切りかえたか、それでもなおかつ恩給という言葉を残したかと、そこのところが私は非常に日本の国にとって十分考えなきゃいけない問題だと思うんですね。
 実は私は、昭和十九年に旧制中学の五年生だったんです、高校二年生ですね。そのときに一カ月間、ちょうどハバロフスクの対岸のソ満国境で開拓団に勤労奉仕で行ったんです。電灯は本当にしょぼくれたような電灯が二つぐらいつくだけです、暗い傘の。そこで開拓団の人と一緒に生活をした。戦争に行く前に、これはもう青木官房長官も世代が一緒だからいろいろな方とお話があったと思うんですけれども、その前に少年開拓義勇団というのがあったんです。これは私どもと同じ世代の者が半ば強制的に、もちろん自分の発意ですよ、それで開拓団にも行っている。
 それから、今度は、特に多かったのは長野県だけれども、全国の農家の次男、三男、あるいは小作、こういう人から募集してソ満国境に開拓団を配置したんですね。そして、いざという場合に、そのときはソ連と恐らく一戦交えざるを得ぬだろうというような気持ちもあったんです。開拓団というのは軍隊みたいなものです。しかしながら、南方戦線が非常に激しくなったものですから、関東軍の精鋭部隊は全部行っちゃったんです。ビルマや何かへ行ってようけ死んだですよ。あるいはブーゲンビル、それからレイテ、関東軍はみんな行っちゃったんですね。関東軍は空っぽなんです。空っぽのところへソ連が攻めてきたんですね。ソ連が攻めてくる前には既に開拓団の男子は全部召集されたんです。残されたのは年寄りと女、子供です。そこで起こったのが開拓団の悲劇なんですね。ですから、ソ連からの攻撃を受ける。
 また、中国の人たちからいえば、自分たちの農地を強制的に取り上げられて、そこへ開拓団がやってきて耕している、恨みがあるわけですね。そして、開拓団の人たちが非常な苦しみを持って逃げた。しかし、集団自殺、あるいは母が子を殺すというふうな惨劇がたくさんあった。
 ですから、私はその開拓団のことを思うたびに、国の責任と、何とか国家として、これはまさに軍人軍属と何ら変わらぬぐらいの大変な御苦労をかけているという思いに駆られるんですよ、いつも。
 ところが、その当時日本に連れて帰れなかった子供たち、これはきのう参議院の我々の同僚議員の松岡さんが小学校六年のときの体験を言っていましたけれども、ちょうど彼と同じ年ごろの子で、小学校六年生、五年生、小学校の子供たちが、中国に置き去りにされた子がたくさんおるんです。もっと下の子もいます。赤ちゃんもまざっておると思う。その人たちがみんな日本に帰ってき始めたわけです、帰還事業が始まって。いわゆる残留孤児に対するさまざまな事業を今やっているんです。
 ところが、帰ってきたら、今度は日本人になったらどういう扱いを受けるかといったら、言葉がしゃべれませんからなかなか生活が大変です。ところが、年をとってきますから、もう当時の小学校六年生でも今はもう六十歳をはるかに超えているでしょう。そうすると、その人たちのところが、食べるにはどうするかといったら生活保護の適用をするんですよ。厚生省は生活保護でもって賄いましたと、これは。生活保護というのは、法律を読んでみると、自立を支援するための法律なんです。だから、あんた仕事しなさい仕事しなさいと、こう言われるんです。五十、六十になって日本語もろくろくできない者に自立を迫るんですよ。生活保護というのは最低基準があるんだから、ちょっと何か別なものもらった、いいものもらったと、これ何ですかとしかられるんです。もちろん、生活保護の法の性格が違いますからね。ところが、それによって残留孤児の人たちは、今五十、六十の人たちが大変な思いをしているんですね。そういうふうな状況が今ここにある。
 私は、ですから、まず質問に先立って、もう時間があと七、八分しかありませんけれども、官房長官、これはやっぱり政府の意思だろう、内閣として考えなきゃいけない。要するに、現在のさまざまな法律があります、いろんな国民を守るための。しかし、こうやって帰ってきた人たち、今なお中国におる人たち、その人たちは中国で一生懸命働いたわけですよね。かなり役に立っている。立派な医者だとか、あるいは向こうで言う官僚、あるいはそれぞれの事業所、相当なことをやってきた人が日本に帰りたいという思いで帰ってくるわけです。なぜ帰りたいかというと、日本人だから帰りたいんですよ。しかも、その人たちは、自分の希望で向こうへ行ったわけじゃないんです。日本の国が、戦争という政府が行った行為によって、私は軍人軍属と変わらぬと思う、本当話が。その人たちがなぜこんな状況に置かれているか。これは非常に私はつらい思いがするんです、政治家の一人として。
 ですから、そんなことを含めて、ただし、正直言ってずっと国会の方を調べてみたんだけれども、こういう議論が、やっているのは、厚生省とはやったことがあるんですね、厚生委員会とかで盛んに、いわゆる援護の立場から、弱い人を助けるという立場から。そうではなしに、国家責任の問題として議論されたということがどう調べてみてもないんですね。
 そういうことで、ひとつ国家責任というか、いわゆる恩給というのは、これは国が本当に国のために尽くした人たちに対して義務として行う行為ですよ。私は、ですからそれを、中国にずっとおって本当に苦しい思いをしながら日本に帰ってきた人たち、その人たちのお父さん、お母さん、あの戦争の厳しい体験、そういう中での問題を、いわゆる新しい立法行為も含めて政府としてお考えいただけないだろうか、こう思うんですが、ちょっと私の今申し上げたことについての御感想をお二人から聞かせていただきたいと思います。
#79
○国務大臣(青木幹雄君) 議員の今のお話、私ももっともだと思います。ちょうど終戦のときに私は小学校の六年生でしたから、同じ年齢の方々の問題だろうと考えております。
 ただ、戦後五十数年たちまして、中国との問題、韓国との問題、また東南アジア諸国との問題、いろいろ法的には国内問題も含めて一応の決着がつけられております。しかし、今、議員がおっしゃる問題は法以前の問題、同じ日本人としてどう考えるかという問題であろうと考えております。
 私どもも当然、戦後が終わるには、そういう法でどうしようもない問題をどうして解決していくかということがやはり政治の大きな課題だと考えておりまして、あらゆることを考えながら、今ここでこういうふうにいたしますという回答はできませんけれども、前向きな姿勢で十分検討していきたい、そういうふうに考えております。
#80
○国務大臣(続訓弘君) 今、山本委員から、貴重な御経験を通じて中国残留孤児の問題等々についてお話を伺いました。私も同世代の一人として今の御苦労のお話が身にしみてわかります。
 ただ、私が所管している恩給は、山本委員も御指摘ございましたように、法律の制度に基づいて実施している事務でございますので、官房長官からお答え申し上げましたように、恩給法の枠内ではこれはどうにもいたし方ない。事情はわかるけれどもそれができない。となれば、法律を超えた制度で解決する以外に方法はない。
 官房長官ともどもにこの問題に対して真剣に議論をし、対処してまいることをお誓い申し上げまして、御理解を賜りたいと存じます。
#81
○山本正和君 ぜひとも内閣の中でも取り上げていただきまして、御検討いただきたい。要するに、新しい法的措置が必要じゃないかというふうに私は思いますし、十分な御検討を願いたい。
 あと七分ありますが、ちょっとここで、これも官房長官にお聞きをしておきたいんですが、日本の国が国際社会の中でどういう位置づけするかということと、我が国に来て学ぶ若い人たちがどういう思いをして日本を見るかということと非常に大きな関係があるんですね。
 そこで、もう大分前から、これはいわゆる留学生十万人計画、特に文部省の学術国際局を通じて随分取り組んでもらっています。そして、確かに当初からいけばふえてきている。もう五万六、七千人来ているんですね。その人たちに対して、ところが、これは我が国の宣伝が下手だと私言いませんけれども、外国に見られぬぐらいのさまざまな措置はしているんですね、留学生に対する援助を。
 ところが、留学生にそういう援助をしているのはいいんですが、どうもこの前から、ちょっと中国から帰ってきた人がいろいろおって聞いたら、テレビで日本における留学生活というのが放映されたと、連日にわたって。それを見たら、中国の人たちがもう日本大嫌いだと。中国から勉強しに行ったのに、下宿はない、中国人だということでアパートも貸してくれない。私費留学生ですよ、これ。私費留学生の方がまだ圧倒的に多いですから、現在の段階で。そういうところから始まって、今度はさまざまないじめ、差別、だまされる、あるいは人身売買されたというふうな、そんなことがどんどんテレビで報道されておるんです。
 実際は、ほかの国と比べたら日本ぐらい例えば中国に対してもかなりのことをしている国はないんですよ。また残留孤児に戻りますけれども、残留孤児の子弟が行こうとしたら、留学生に対する待遇よりももっと悪いんですよ。残留孤児が日本に帰ってきて子供が学校に行くときには、留学生に対する補助金全然ないんですよ。本当にかわいそうなんです。それも頭の中に入れておいてくださいね。それはまあ別にして。
 なぜそういうふうになっているんだろうかと、中国の人たちあるいは東南アジアの人たち、あるいはインド大陸、そこから来ている人たちが日本に対する印象が非常に悪いんですね。これはなぜなんだろうか、これだけ国がしているのに。やっぱり、その背景には何があるかといったら、留学生というものに対する政府の啓蒙、国民に対する啓蒙が足りないんじゃないかという気がして私はならないんですね。国民に、留学生に対してもっと、これはまさに国際親善の一番大事な部分ですよということに対する十分なものがないということが一つなんですけれども、と同時に、下宿に入るのに保証人が要るんですよ、アパートの。ところが、進んだ自治体では、そういう外国交流をやっている経験のある自治体は自治体が保証人になってくれている。そうすると、安心して家主は貸せるわけですよね。家がない、とにかく泊まるところがないようなところで勉強せいといったって勉強できないんですよ。
 そういう形で、きょうは文部省からも局長さんに来てもらっておりますけれども、細かい話がもし出ればと思ったもので来てもらったんだけれども、そういう細かい話じゃなしに、やっぱり留学生に対する何らかの措置、これを、だから今の住まいの問題、それからもう一つ言いますと、自治体による格差が非常に大きいんですよ。立派な住居を提供している自治体もあれば全然知らぬ顔のところもあれば、この辺のことも含めて、一番大事な留学生に対する日本政府の、日本の国の温かい思いというものが、これが国際社会における日本の地位の一番大事なことになるという観点から、留学生対策についてぜひともこれもお取り組みいただきたい。
 これはちょっと文部省とか厚生省とかいう段階じゃなしに、政府の意思としてお取り組みいただかなければできないのじゃないかと思うので、その点についてのお考えを承って、私の質問を終わりたいと思います。
#82
○国務大臣(青木幹雄君) 私も今、委員のお話を聞いて驚いたような次第でございますが、せっかく日本の国を理解していただくために外国から来ていただいた若い人たちが、日本の国に対してそれとは反するような感情を持ってそれぞれの国に帰っていただくということは、留学の趣旨からいってもこれは非常に考えなきゃいかぬ問題でございますので、文部省とも相談いたしまして、実態がどういうふうになっているかということも含めて、議員おっしゃいますように、日本へ来た人は母国に帰れば日本がよかったとみんなが考えていただけるようなやはり留学生制度そのものを生かしていかなきゃいかぬ、そういうふうに考えて、全力を挙げて今後取り組んでいく考え方でございます。
#83
○山本正和君 終わります。
#84
○委員長(小川勝也君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後零時二十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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