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2000/03/23 第147回国会 参議院 参議院会議録情報 第147回国会 総務委員会 第5号
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2000/03/23 第147回国会 参議院

参議院会議録情報 第147回国会 総務委員会 第5号

#1
第147回国会 総務委員会 第5号
平成十二年三月二十三日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十三日
    辞任         補欠選任
     山本 正和君     谷本  巍君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         小川 勝也君
    理 事
                海老原義彦君
                国井 正幸君
                鴻池 祥肇君
                広中和歌子君
                泉  信也君
    委 員
                石井 道子君
                長峯  基君
                西田 吉宏君
                松谷蒼一郎君
                森田 次夫君
                菅川 健二君
                千葉 景子君
                堀  利和君
                前川 忠夫君
                木庭健太郎君
                山下 栄一君
                阿部 幸代君
                吉川 春子君
                谷本  巍君
                山本 正和君
   国務大臣
       大蔵大臣     宮澤 喜一君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 青木 幹雄君
       国務大臣
       (総務庁長官)  続  訓弘君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  松谷蒼一郎君
   政務次官
       大蔵政務次官   林  芳正君
       総理府政務次官  長峯  基君
       総務政務次官   持永 和見君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        石田 祐幸君
   政府参考人
       内閣総理大臣官
       房審議官     佐藤 正紀君
       総務庁恩給局長  大坪 正彦君
       厚生省社会・援
       護局長      炭谷  茂君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○恩給法等の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正
 する法律案(内閣提出、衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(小川勝也君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 恩給法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に内閣総理大臣官房審議官佐藤正紀君、総務庁恩給局長大坪正彦君及び厚生省社会・援護局長炭谷茂君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(小川勝也君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(小川勝也君) 恩給法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案につきましては既に趣旨説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○森田次夫君 自由民主党の森田次夫でございます。
 この恩給法の改正につきましては全く御異議はございませんで、むしろ先般の委員会で申し上げましたとおり大変感謝をいたしておるところでございます。
 恩給法につきましては、既に御承知のとおりでございますけれども、戦前はそれなりに処遇がなされてきたわけでございますけれども、戦後、占領政策によって一変をして、二十一年からは停止をされた、そして二十七年に援護法ができ、そして二十八年に恩給法が復活した、こういう経緯があるわけでございます。それから四十数年になるわけでございます。
 そうしたことで、その間に、六十一年のときに抜本的な改革がございまして、その前は公務員の給与のアップ率あるいはまた物価等いろいろとその時々でいろいろと改善の仕方があったようでございますけれども、六十一年の臨調のいわゆる行革、そこのところでもって他の公的年金とのバランスをとる、こういうことでもって総合勘案方式になって現在に至っておる、こういうふうに認識をしているわけでございます。
 したがいまして、この恩給法につきましてはほとんど今までもう審議が尽くされてきておるんじゃないかな、言ってみればほとんどお聞きするようなことがない状態ではなかろうかな、こんなにも思うわけでございます。
 そうしたことでもって、今回我が党としては十分間ということで時間を与えられましたので、その範囲でもってまず政府参考人の方にお尋ねするわけでございますけれども、恩給だとかそれから公務扶助料でございますけれども、これは仮定俸給が計算の基礎になっておるわけでございますけれども、実際には最低保障額でほとんど改善が行われている、そういうような状況じゃないのかな、こういうふうに思うわけでございますけれども、その比率でございますね、仮定俸給で改善されている比率、それから最低保障で改善されている比率、時間もございませんので比率だけで結構でございますけれども、ちょっとお教えいただきたいと思います。
#6
○政府参考人(大坪正彦君) ただいま先生の方から最低保障の適用割合の御質問でございますが、この制度はもともと、先生言われましたように、恩給法にはなかった制度でございますが、昭和四十年以降、公的年金の制度を見習ってできたものでございます。
 ただいまの適用割合につきまして申し上げますと、普通恩給で申しますと平成十二年度予算でございますが八〇・五%、普通扶助料九三・五%、公務関係扶助料九八・六%ということで、かなりの方が最低保障によりまして支給をされているというのが実情でございます。
#7
○森田次夫君 平均しますと八八%ぐらいになるのかなというふうに思うわけでございます。そういったことでもって大部分の方は最低保障で引き上げが行われておるわけでございますが、そこのところでお伺いをさせていただきますと、提案理由の第二点にある低額恩給の改善についてでございます。
 傷病者の遺族特別年金及び実在職の六年未満の普通扶助料の最低保障額についてそれぞれ上積みを行うということでございますけれども、そもそも恩給につきましては受給者は一体どのくらいの年額を受給を受けておられるのか。もちろんいろいろと恩給の種類があるわけでございましてそれによって金額は違うわけでございますけれども、単純に平均しましてどのくらいの金額になるのか。これも金額だけで結構でございますので、お教え願いたいと思います。
#8
○政府参考人(大坪正彦君) 恩給受給者の方の一人当たりでは年額は幾らかという御質問でございますが、先生言われましたように、恩給の場合にはかなりばらばらでございます。これは、恩給というものが旧軍人の方が多いということで、公務性の強い公務扶助料あるいは傷病恩給、こういうようなものについてはかなり高額になっておりますので、そういう公的年金との大きな違い、恩給としての一つの特徴であるわけでございますが、そういうような実態を前提にした上であえて平均をとってみますと、旧軍人につきましては八十九万九千円、約九十万でございます。文官恩給につきましては約百十七万円でございます。これを両方合わせますと、恩給全体として一人当たりは九十一万円というのが水準でございます。
#9
○森田次夫君 九十一万円ということでございますけれども、傷病遺族特別年金につきましては今回二千円、それから実在職六年未満の普通扶助料につきましては千円の上積みを行うことになっておるわけでございますが、それぞれ年額は幾らなのかといえば、これはここに出ておりますので、傷病者につきましては四十九万三千四百十円に改善が行われる、二千円アップしましてですね。それから、実在職六年未満の短期の方でございますけれども、これの普通扶助料につきましては五十五万二千円ということでございまして、ただいま局長からの平均すると九十一万というお話がございましたが、これらの方々につきましては平均年額よりも若干多いぐらい、こういうことではないかと思います。これらの恩給年額はちょっと低水準といいますか、低いのではないかと思うわけでございます。こうした低額の恩給につきましては、もう少し改善をしていく必要があるのかな、こんなにも思うわけでございます。
 そこで、総務庁長官にお伺いをいたすわけでございますけれども、先日の当委員会におきまして受給者の処遇の改善に努力するとの決意を表明していただいております。これらの年額の恩給を引き上げるとともに、公務扶助料あるいは傷病恩給等につきましても引き続き改善を図るべきだ、このように考えるわけでございますけれども、長官のお考えを伺わさせていただきたいと思います。
#10
○国務大臣(続訓弘君) 傷病者遺族特別年金の基本年額及び実在職年六年未満の者に係る普通扶助料の最低保障額の年額につきましては、制度創設以来、恩給制度内のバランス等も考慮しつつその改善に努めてきたところでございます。
 平成十二年度恩給改善におきましては、低額恩給改善の趣旨から、恩給制度内で最も低額な部分に当たる傷病者遺族特別年金の基本年額及び実在職年六年未満の者に係る普通扶助料の最低保障の年額につきまして、ベアに加え、今御指摘のように特別の上積みを行うこととしたものでございます。
 今後、さらにこれを特別に増額することにつきましては恩給制度内のバランスや経緯等を踏まえながら検討してまいりたいと存じます。
#11
○森田次夫君 よろしくどうぞお願い申し上げます。
 これで終わります。
#12
○菅川健二君 民主党の菅川健二でございます。
 本委員会では初めての質問でございますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、本題の恩給法改正案に入ります前に、所管の事項につきまして懸案となっておる二点につきまして、総務庁長官、官房長官にお聞きいたしたいと思います。
 まず第一点でございますけれども、地方分権の推進組織についてお伺いいたしたいわけでございます。
 続総務庁長官につきましては地方自治のまさに専門家でございますので、地方自治の推進につきましては十分御理解いただいておるものと心強く思っておるわけでございます。この四月に地方分権推進一括法が施行になるわけでございまして、分権社会に向けて第一歩を踏み出すということについては意義あることだと考えておるわけでございます。
 ところが、来年の省庁再編によりまして、国の省庁といたしまして自治省が総務省の一部門になってくるということになりますと、専ら地方自治を専管する閣僚を欠くということにもなるわけでございます。また、地方分権推進委員会につきましてもこの七月に期限切れをするというような状況になるわけでございまして、このまま推移しますと、地方分権はこれからだというときに地方分権を推進する国の所管の役所なりあるいは組織なりというものが弱体化するのではなかろうかという危惧があるわけでございます。
 幸い、総務庁長官には、一昨日、閣議におきまして、地方分権推進法の一年期限延長、したがって推進委員会の設置期限も一年延長する方向で法の準備を進めておられるというふうにお聞きいたしておるわけでございますが、その一年延長の根拠なりあるいは趣旨なり、そういったことにつきまして総務庁長官のお考えをお聞きいたしたいと思います。
#13
○国務大臣(続訓弘君) 今、専門家である菅川委員から御質問がございました。
 まさに御懸念のことを踏まえまして今回一年延伸することにしたわけでございますけれども、御案内のように地方分権推進法は五年間の時限立法でございまして、本年七月にその期限が到来するわけでございます。
 地方分権推進一括法が本年四月に施行される一方で、わずか三カ月後の七月に地方分権推進法が失効するということになりますと地方分権推進委員会の監視活動が十分にできないこと等から、地方分権推進法を一年延伸するための法案を今国会に提出するということにしたわけでございます。
#14
○菅川健二君 一年延長ということになりますと、監視機能としての一年延長ということはそれなりの当面の措置としては妥当だと思うわけでございますけれども、地方分権推進一括法の制定の際に国会でもいろいろ議論になりました地方財源措置について充実強化する、これが欠けておるではないかと、あるいはさらなる地方への権限移譲をすべきではないかというような議論が出て、附帯決議にもそれがなされたわけでございます。
 したがいまして、そういうことを考えますと、地方分権推進委員会の制度そのものがこのままでいいのか、あるいは期限としても一年でいいのか、そういった点は十分配慮すべきではないかと思うわけでございますが、その点についていかがお考えでしょうか。
#15
○国務大臣(続訓弘君) 今、菅川委員からの御指摘もございました。平成十一年七月八日に参議院行財政改革・税制等に関する特別委員会の附帯決議がございました。「地方税財源の充実確保や権限の委譲など地方分権を一層推進する必要を踏まえ、地方分権推進法失効後の地方分権を推進する体制を検討すること。」という附帯決議もございました。それらを踏まえて今申し上げたような一年延伸ということになりましたけれども、今御指摘の一番大切な地方税財源の充実確保につきましては地方分権推進委員会の第二次勧告を受けた地方分権推進計画でも取り上げられ、その基本的な方向は示されているところでございます。
 また、地方分権一括法の附則にこの問題に関する条項が追加して盛り込まれたほか、今申し上げた国会における附帯決議や今国会における地方財政の拡充強化に関する決議でも取り上げられた経緯があることは十分認識しております。
 一方、第二次勧告を受けた地方分権推進計画におきまして、「中長期的に、国と地方の税源配分のあり方についても検討しながら、地方税の充実確保を図る。」とあるように、この問題に関しましては、国と地方公共団体との役割分担や国の税制、財政とのかかわりなど総合的な観点から検討が必要でございます。これらの経緯や観点等を踏まえつつ地方分権推進委員会において引き続き検討していただくものだと、このように考えております。
#16
○菅川健二君 今のように、そういった基本的な中身についてもこれから検討されるということでございますので、ぜひ監視機能のみならず、これから地方分権を進めなければならない、特に税財源の問題等について緊急の問題がございますので、そういったことにつきましても適時適切にこの委員会を活用されて、さらに地方分権推進のために御尽力をお願いいたしたいと思います。
 次に、昨今これも大変問題になっております国家公安委員会のあり方の問題でございますが、特に委員の報酬につきましては、私などもやっぱり地元に帰りましてもこんなにたくさんの高額の給料をもらっておるのかというようなことをよく聞くわけでございまして、勤務態様を見ましても、常勤職といいながら週一回の、非常勤職といいますか、かなり勤務態様としても軽い勤務態様ではないかと思うわけでございます。
 そして、給与につきまして、他の職務と兼務しておる場合、これは特別職の給与法によりますと、他の職務に従事し、その職務から生ずる所得が主たる所得となる者は給与を支給しないとあるわけでございます。しかし、現在、お聞きするところによりますと、委員五人のうち四名が主たる所得が他にないということで報酬全額を受け取っておられるやに聞いておるわけでございます。その四人の中身を見ましても、例えば役人をやっておられたり弁護士をやっておられる、あるいは大学の教授の現職でおありになるというようなこともあるわけでございますが、特別職給与法の所管というのは総務庁というふうにお聞きしておるわけでございます。主たる所得の解釈をどのようにされておるのか、お聞きいたしたいと思います。
#17
○国務大臣(続訓弘君) 特別職給与法におきましては、所管の大臣から兼業の許可を受け、他の職務に従事している常勤職員のうち、他の職務等からの所得が主たる所得となる場合には、給与月額ではなく、別に定める日額手当を勤務日数に応じて支払うこととしております。
 他の職務等からの所得が主たる所得になる場合とは、他の職務等からの所得が常勤委員としての給与を含めたその者の総所得の六割程度を超える場合を言うものとして従来から運用しているところであります。これは、他の職務等からの所得があっても、他の常勤委員と同じ職責を担っているということなどを踏まえ、各種社会保険制度の休業等の場合の給付額が六割程度であることを参考にして、総所得の六割程度を目安としてきたものであります。
 なお、資産性の所得は、職務に従事する必要がなく生ずる所得であることから除外して考えております。
 こういう経緯で一応六割ということになっているわけであります。
#18
○菅川健二君 六割というような一応の基準ということのようでございますが、例えば、常識的に、弁護士の所得ということを、ここにも弁護士御出身の議員の先生もおられますけれども、弁護士ということになりますと、かなり高い所得を取っておられるような職業でもあるわけでございますけれども、実際の運用に当たって、果たして今回の事例のようにきっちりした形での運用がなされておるのかどうか。それから、やはり社会常識的に考えて、そういう給与のあり方がいいのかどうかということについて、指導するといいますか、法を所管する立場の総務庁長官としてはいかがでございますか。
#19
○国務大臣(続訓弘君) この問題につきましては国会でもいろんな議論がございます。そして、国民の皆様からのいろんな意見もございます。そんな問題意識を持ちながら、実は警察としても、国家公安委員会としてもいろいろ議論をしていただいております。
 例えば、警察刷新会議でしょうか、仮称でございますけれども、六人の委員の先生方が知恵を出し合われるということもございます。そういう中で議論をしていただいて、それらの議論を見守りながら、今、所管の総務庁としても一定の方向で議論をさせていただきたいと、こんなふうに思っております。
#20
○菅川健二君 ひとつこの機会でございますので、実態を調査されて、是正すべきことがあったら是正していただきたいと思いますが、いかがでございますか。
#21
○国務大臣(続訓弘君) もう菅川委員はこの問題についてはいろいろと行政経験もおありのことですし、給与がどういう時点で決められたかということについても御存じだと存じます。
 したがいまして、いろんな過去の経緯等もございます。そしてまた、今申し上げたような今日的な議論もございます。それらを踏まえながら、国民の皆様が納得できるようなそういう最善の方法で検討させていただきたい。そしてまた、先ほど申し上げたように、いろんな今議論をしておられる方々も真剣にこの問題について議論をしていただく。したがって、そういうものを見ながら、今申し上げたような議論をさせていただきたいと、このように考えております。
#22
○菅川健二君 官房長官により広い立場からお聞きいたしたいわけでございますが、各種審議会とかあるいはこういった公安委員会とか、いろいろな特別職があるわけでございますが、この給与につきましては、やはり一つは職務の重要性、それから勤務の態様、常勤的なものかあるいは非常勤的なものか。あるいは先ほど申し上げました兼職のあり方の問題。こういったことにつきまして、国民が納得いくような給与体系にこの際是正すべきではないかと思うわけでございますが、御所見をお伺いいたしたいと思います。
#23
○国務大臣(青木幹雄君) 委員会の給与の問題につきましては、先ほど総務庁長官がお答えなさったことに私も一般論としては尽きると思っております。
 今、議員お尋ねの、各種委員会の給与一般のあり方についてのお尋ねでございますが、これにつきましては、各委員会の果たすべき機能、委員の職務内容、常勤の必要性等について十分に検討する必要があると考えておりまして、給与以前の問題として、私どもがこういう問題について考えていかなければいけないことは、まず、任期の問題。私、今度の問題が起きてからいろいろ調べてみますと、四年の任期の委員があったり五年の任期の委員があったり、それからほとんどの委員会が再任を妨げないということになっております。ただ、こういうテンポの速い時代に四年、五年で二期ということになりますと、八年、十年という長きにわたっていわゆる委員を努めることになります。そういうこともやはり今後考えていかなきゃいかぬ問題でありますし、また年齢的な問題、いろんな役職が終わった方が隠居仕事のような形でこういう委員に就任されるということもいろいろ議論の対象、非難の対象になっておりますので、私は、やはり若い人の中からも登用していくような委員会のあり方、そういうものも考えていかなきゃいかぬと思いますし、これは私が男女共同参画社会の担当大臣だから申し上げるわけじゃありませんけれども、やはり委員の中に占める女性の割合、そういうふうなものも検討していかなきゃいかぬと思っております。
 そういうものを検討する中において、果たしてどれだけの給与が必要かということも、やはりいろんな問題を含めて適正なあり方を今後十分検討する必要があると、そのように考えております。
#24
○菅川健二君 今、官房長官がおっしゃられましたように、確かに給与以外にも任期の問題、それから男女の比率の問題、年齢の問題、いろいろな問題があるわけでございますので、ぜひ総合的にお考えいただきまして、その中でも給与の問題も是正の一環としてお考えいただきたいと要望しておきたいと思います。
 それから、本題の恩給法でございますけれども、これに関連いたしまして、長年懸案でございました旧植民地出身で旧日本軍人軍属であった特別永住者につきましては、国籍条項等がございまして、何ら措置されていないという大変谷間に長い間置かれておるわけでございます。昨年十月の大阪高裁の判決におきましても、障害年金の不受給は違憲の疑いがあるということで、裁判長は、国が今後できるだけ速やかに是正措置をとられるようにという所見を出されておるわけでございます。
 これにつきましては、政府におかれても、前の野中官房長官が、たしか二十世紀に積み残しの問題は二十世紀中に解決しなければならないという強い決意でこの問題に当たられておるやに聞いておったわけでございますが、現長官におかれてもそういった問題は引き継がれておると思うわけでございますが、二十世紀も間もなく過ぎ去ろうとしておるわけでございまして、この点につきまして速やかに結論を出すべきであろうかと思いますが、その後の経緯なり今後の見通しについてお聞かせいただきたいと思います。
#25
○国務大臣(青木幹雄君) 本件につきましては、現在の恩給法、援護法等の範囲を超える問題でありまして、また韓国の方々にかかわる財産請求権の問題につきましては、昭和四十年の日韓請求権・経済協力協定によって、在日韓国人の方々にかかわるものを含めて日韓両国間では法的には完全にこれは解決済みであると、そういう前提に立っております。
 しかしながら、議員今おっしゃいましたように、これらの方々の置かれている状況、人道的な問題にかんがみまして、野中前官房長官の御指示を契機として、関係省庁の協力も得て、内閣においては内閣外政審議室において戦後処理の枠組みとの関係と本件に対処するに当たっての種々の問題点につき調査検討を今日まで行ってきたところであります。私も、昨年の十一月、関係者からの要望をひざを交えてよくお聞きする機会を得ることもできました。
 本件につきましては、継続中の問題も含めて種々経緯ある難しい問題という認識はいたしておりますけれども、議員今おっしゃったように、二十世紀に起きたものは二十世紀に法以前の問題として人道的に解決しなければいけない、それがやはり一つの政治の大きな役割だと、そういうふうに考えております。
 私が仄聞するところによりますと、与党・自由民主党においてもこの問題において昨日ある程度の結論が得られ、これから三党間において話が行われると聞いておりますし、また議員が所属していらっしゃいます民主党においてもこの問題について鋭意検討が進められておる、そういうふうに承知いたしておりますので、そういう議論を踏まえて政府といたしましても前向きな対応を続けていきたい、そういうふうに考えております。
#26
○菅川健二君 今お話がございましたように、民主党といたしましてもこの問題は大変重要な課題として検討をいたしておるわけでございます。昨日、自民党の方で一応の成案を得たように報道ではお聞きいたしておるわけでございますが、民主党はそれより先に、より人道的な立場を重視するということで、一時金のほか戦傷病者につきましては年金を支給するというようなことで、できるだけ恩給法とバランスをとれるような法的措置を準備いたしておるわけでございまして、ほぼ成案を得まして間もなく国会に提出させていただくという手はずになっておりますので、この民主党案も十分御勘案の上、適正に処理していただきたいと思うわけでございます。
 その点、再度、御決意がございましたらお聞きいたしたいと思います。
#27
○国務大臣(青木幹雄君) 今申し上げましたように、自民党でも案ができたようでありますし、今お聞きしますと民主党でも案ができたようでございます。
 しかし、この問題は、私は、いろいろな党の立場は違っても、基本的に二〇〇〇年のことは二〇〇〇年できれいにやっていこう、それから人道的な立場に立っていわゆる大戦の被害を受けて報われなかった人のためにやっていこうという基本的な考えにおいては恐らく一致していると思います。ただ、どういう形をとるかという、一時金であるとか年金であるとか、そういう問題についての意見の違いはやはり私は皆さんが議論の中で話し合われることによって解決できる問題だと考えておりますので、基本的な姿勢については私はどなたも一致した考えである、そういうふうに解釈をいたしておりますので、そういう中で一つ前向きな対応をしていきたいと考えております。
#28
○菅川健二君 今大変いいお言葉をいただいたわけでございますが、人道的立場についての薄さ濃さはあるにしても基本的なスタンスは同じでございますので、あえて与党野党という立場を超えて、ひとつできるだけお互いに歩み寄って悔いのないような、関係者に喜ばれるような措置をぜひお願いいたしたいと思います。
 そこで、今度は本題の恩給法の関係でございますけれども、細部にわたっては既にいろいろ御議論もされておりますので、やや大ざっぱなことにつきましてちょっとお聞きいたしたいと思うわけでございます。
 恩給受給者というのは、もう八十歳といいますか、大変御高齢になっておられまして、平成十二年度が百五十一万人余りと前年度に比べまして五万七千人余り減少しており、金額も四百四十億の減額になっておるわけでございます。これらのことを考えますと、将来的、ここ一、二年あるいは四、五年の趨勢の中で受給者がどのような推移をたどられるのか、あるいは、これは改善によりましてまた額は違ってこようかと思いますが、このまま推移すると所要額はどの程度の増減になるのか、その点について大ざっぱな見通しをお聞きいたしたいと思います。
#29
○政府参考人(大坪正彦君) 恩給受給者の今後の見通しということでございますが、恩給につきましては新たな新規参入の方はおられない、今後減少一方だということではございますけれども、その減少の見込みにつきましては、お亡くなりになられる死亡率、それから御本人がお亡くなられた場合には奥様がおられれば扶助料に転給しますので、その転給がどのぐらいの率になるか、この辺の見きわめをする必要があるんですが、その辺なかなか難しいところがございます。
 例えばということでございますが、厚生省でつくられておられます簡易生命表、これを用いまして機械的に計算した場合には、五年後を見ますと、現在百五十一万人の受給者の方が約百三十余万人であろうというふうに見込まれます。予算額につきましては、先ほど先生も言われましたが、改善をどういうふうに考えるかということはちょっとなかなか難しいところがございますので、これを除きまして改善なしということでは、受給者の減に伴う予算の減という見方をいたしますと、五年後でございますと一兆一千億円程度になるのではなかろうかというふうに思っております。
#30
○菅川健二君 平成十二年度につきましては、遺族会並びに関係団体につきましてもそれなりの納得を得られておるようでございますけれども、ただいまの減少額を見ますと、平成十二年度におきましても四百四十億、この中で改善措置額というのは四十三億になっておるわけでございまして、これは平年度化しますと若干数字は違ってきますけれども、減少総額の十分の一以下というような状況でございます。
 私は、例えば仮定俸給の問題につきまして、一つの理論値といいますか、それなりの一つのバランスということがございますのでそれなりに年々改善していくということは必要だと思うわけでございますが、例えば長年言われておりました寡婦加算と遺族加算との格差是正、こういった不合理の問題につきましてはこの際一気に解決してはどうかと思うわけでございますが、総務庁長官、いかがでございましょうか。
#31
○政務次官(持永和見君) 御指摘のとおり、平成十二年度の改善所要額は、十二年度だけ見てみますと四十三億、平年度化すると五十七億になると思いますけれども、一方、減額が四百四十億ございますから御指摘のような形ではありますが、しかし恩給というのは御案内のとおり数がどんどん減っていきますから、そういう分で全体として絶対額が減るというのはこれはやむを得ないことではないかと思います。その中で、私どもとしてはできる限り遺族の方々、あるいは恩給受給者の方々、そういった方々の生活実態を踏まえながら改善すべきところは積極的に改善をしてまいったつもりでありますし、またこれからもそういう努力はしていきたいと思っております。
 御指摘の寡婦加算と遺族加算の問題でございますが、これは長年にわたってそういう問題がございまして、遺族会の方々からもかなり心情的な格差感について何とかひとつこれを縮めてほしいという強い要望があったわけでありまして、平成元年度以降、そういった遺族加算については寡婦加算を上回る増額を行ってまいりました。
 また、平成十二年度は寡婦加算が据え置きでありましたけれども、遺族加算については二千五百円の増額を行ってまいりました。かつて、遺族加算と寡婦加算の差額が、寡婦加算が十二万五千五百円、遺族加算が十万四百円ということで、二万五千百円の最大の格差がありました。これが昭和六十二年、六十三年でございますけれども、こういった平成十二年度二千五百円の上積みを行いまして、現在ではその差が一万二千円になっております。
 ただ、この一万二千円を私どもとしてはこれからもさらにできるだけ縮めるように努力をしてまいりたいというふうに思っておるところであります。
#32
○菅川健二君 最後に、昨日、参議院におきまして年金法の改正案が通過いたしたわけでございますが、その中身に賃金スライド制の廃止がうたわれておるわけでございまして、我が党はもちろんこれにつきまして大変反対いたしたわけでございますが、実際、そういった法案が参議院を通過いたしたということでございまして、これが恩給年額の改定におきましてどのような影響を及ぼすものであろうかということで心配いたしておるわけでございます。
 もとより、この賃金スライド制の廃止というのは保険財政の健全化という観点からなされたものでありまして、恩給というものは国家補償という観点からしますと性格の違うものであり、影響を及ぼすものではないというふうに考えたいと思うわけでございますが、その点いかがお考えでしょうか。
#33
○政務次官(持永和見君) 厚生年金、国民年金制度の改正法をきのう参議院を通過させていただいて、御指摘のとおり、賃金スライド制をなくすると、こういうことになりました。
 しかし、この賃金スライド制というのは、先生も御案内と思いますけれども、原則として五年ごとの厚生年金なり国民年金改定のときに、従来の賃金の伸びなりなんなりに応じて年金額を改定していくと、こういうことでありまして、毎年の改定とはちょっと違っております。
 毎年の改定は、厚生年金、国民年金については物価スライド、それを組み込んでおりますから物価スライドでやっておりますけれども、恩給の方は、今も委員から御指摘ありましたとおり、総合勘案方式という形で、国家公務員の給与の改定そして物価、そういうものを両方見ながら改定をしておりますし、また制度がそれぞれ違います。
 恩給は国家補償的な性格、いわば国家が償うという性格のものでありますし、また公的年金というのは、これはお互いの社会保険によって相互扶助の形で運営がなされているものでありますから、基本的に性格が異なっておりますから、厚生年金、国民年金の賃金スライドが仮にやめになったとしても、恩給は恩給として、公的なそういう国家補償という性格を見ながら、私どもとしては改善すべきところは改善していかなければならないというふうに思っております。
 ただ、ちょっと申し上げさせていただきますと、来年平成十二年度の厚生年金、国民年金の中で、後でいずれこれは法案を国会にお願いすることになるかと思いますけれども、先ほど申し上げましたように、物価スライドが、実は平成十一年度の物価がマイナス〇・三%でありまして、これでいきますと厚生年金、国民年金はマイナス〇・三%の年金額の改定と、自動的にそうなるわけでありますけれども、現下の経済情勢なり高齢者の方々の生活実態を考えて、これは据え置こう、とどめ置こうということで、そのための必要な法律改正を国会にお願いする、こういうことになっております。
 そういう状況でありましたので、今回の恩給の改定においてもそれを見ながら、総合勘案方式ということで今回の〇・二五%の改定をお願いしているということで、その中では物価の〇・三%は、厚生年金、国民年金とのにらみを見ながら捨象した形でやっております。
 いずれにしても、両方とも年金的な性格を有する点では共通なものがありますから、そういう意味で国民のそれぞれの受給者の人たちの生活を維持する、そういう点ではお互いある程度重なり合う面がありますけれども、しかし基本的な性格は違いますので、改定なり改善のやり方については、恩給は恩給で従来どおりの改定の仕方で私ども今後とも推進し、その改善に努めてまいりたいというふうに考えております。
#34
○菅川健二君 終わります。
#35
○山下栄一君 私は、恩給の対象にならない方々への配慮をどうするかということについて、きょうは質問したいと思います。
 戦争が終わりましてもう五十年以上たつわけですけれども、戦後処理問題、先ほども官房長官が触れられましたけれども、さまざまな形で政府、国会はこの問題に対応してきたわけでございます。ある意味では、戦争の被害者というか犠牲者というのは、単に軍隊に行かれた方だけじゃなくて、すべての国民と、こういうふうにも考えるべきであると私は思うわけです。
 その配慮の一つとして昭和六十三年に平和祈念事業特別基金法、これが成立したわけですけれども、うちの党の強い主張でもございましたけれども、今年度予算で一部認められまして、国の慰藉事業の対象者が拡大されたわけです。これは非常に評価すべきことである、このように考えております。
 ところが、この国の慰藉に対して、そんなの必要ない、私は要らぬという人もおるわけですけれども、ただその配慮が、国の慰藉の気持ちがあるならば受けとめたいという人もおるわけで、それに対してきちっと伝わるような運用実態になっておるのかということを確認させていただきたいというふうに思います。
 例えば平成十年度で、書状とか銀杯とかその他の配慮はされておるわけですけれども、請求をする、請求されたけれども却下される場合もあるわけですね。実際、軍人恩給の資格のない方々という観点から申しますと、その方が実際に軍隊にいらっしゃった期間とかというようなことが非常に証明しにくい問題もある。
 平成十年度で、請求者、そして却下された状況をちょっと教えていただきたいと思います。
#36
○政府参考人(佐藤正紀君) 平成十年度におきまして、申請がありましたが、却下された件数と。
#37
○山下栄一君 請求者数です。
#38
○政府参考人(佐藤正紀君) はい。
 平成十年度におきます請求者数が一万三千三百四十二件でございます。その十年度におきまして却下された件数が二百二十件でございました。
#39
○山下栄一君 確かに、せっかく税金でやるわけですから、認定することはきちっとせないかぬとは思うんですけれども、ただ請求される方が一生懸命でも、例えば遺族の方の場合でもですけれども、いろんな方がいらっしゃるわけです。高齢でひとり暮らしの方もいらっしゃるでしょうし、また御夫婦だけの場合もあるだろう。いろいろ裁量せないかぬと思うんです。それをきちっと伝えて、請求書類も見ましたけれども、非常にたくさん書く項目もあるわけで、気持ちがいっぱいあるけれども、正確にそんなの覚えていないし、証拠品も少ないという状況もある。だから、僕はできるだけ却下というようなことが、本当にそのことを、実際に戦地に行かれたという方々について、やはり証拠を示すものが非常に不十分でも、調べるのは大変だと思うんですけれども、できるだけ却下というようなことはない方がいいだろうなとも思うわけです。
 それで、兵籍簿等は国に全部ないわけで自治体にあると思うんですけれども、それをこの基金が自治体に調べてくれませんかという場合の実情はどうなっているのか。これは国と自治体の関係じゃなくて、認可法人である基金と自治体の関係ですから、無料でやってもらうわけにいかないと思いますし、それの状況がどうなっているかということを教えてください。
#40
○政府参考人(佐藤正紀君) お答え申し上げます。
 基金で請求を受け付けますと、兵籍簿等を保有しております各都道府県それから厚生省の協力を得まして軍歴の確認をいたすわけでございますが、この確認に当たりましては、各都道府県に対しまして調査の委託費をお払いいたしております。各県規模等によりまして若干異なりますが、百二十万円から二百万円というところでございますが、委託費をお払いいたしております。
#41
○山下栄一君 これ総理府から教えていただいたんですけれども、特に自治体への調査確認依頼件数も大変な数に上っているわけですが、ただ、これは自治体によって物すごい差がある。状況をきちっと掌握されていないのかもわからぬけれども、大都市は非常に多いわけですが、新潟県が非常に多いという状況がございます。沖縄県は非常に少ない、人口比以上に少ない。この辺の状況、わかりましたら教えてください。
#42
○政府参考人(佐藤正紀君) 先生御指摘のとおり、各都道府県によりましてかなり申請の状況にばらつきがあるかと思います。確かに、例えば東京都でございますと平成十年度には約千件ございます。新潟では千件を超えておりまして千五十五件ということでございますが、少ないところでいきますと、例えば沖縄で百七十件ほど、そういう状況がございます。先生のおっしゃったように人口の比例だけではちょっと説明のつかないような状況があろうかと思います。
#43
○山下栄一君 非常に熱心な方がいらっしゃってこういう配慮があるということを啓蒙される、運動されている方の影響もあるのかもわかりません。ただ、新潟県が突出しているのには何か背景があるのかなということを思いましたので、質問させていただきました。
 今回の慰藉事業の範囲拡大で、今回初めてですけれども、遺族の方でも請求できるということになったんですけれども、遺族の範囲、これを教えてください。
#44
○政府参考人(佐藤正紀君) 遺族の範囲につきましては、生計関係をともにしたというような観点を考慮いたしまして、配偶者、子、父母、孫それから兄弟姉妹というふうなところを対象といたしております。
#45
○山下栄一君 抑留者に対する特別支給金の法律もありますし、引揚者に対する法律もあるんですけれども、これちょっとずつ遺族の範囲が違うんですよね。例えば引揚者については兄弟姉妹が入っていない。それぞれ若干違うわけですけれども、その中で、今回、私はできるだけ広い方がいいと思うんですけれども、遺族の方への配慮を同じくするんだったらと思うんですけれども、この点、どう考えていらっしゃいますか。
#46
○政府参考人(佐藤正紀君) 今回、遺族の対象として選びました範囲につきましては、平和祈念事業特別基金に関する法律の四十五条に、戦後強制抑留者の慰労金の支給を受けるべき遺族の範囲という規定がございまして、ここで、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹というような範囲が書かれておることを勘案いたしまして、これと準じた扱いをするということで範囲を決めさせていただいた経緯がございます。
#47
○山下栄一君 わかりました。これいろいろ検討されると思いますけれども、できるだけ今既にされている遺族への配慮、さまざまな戦後処理に関する法律があると思うんですけれども、できるだけ範囲を広げる形での検討をお願いしたいと要望しておきます。
 それから、新しく配慮しますよと、例えば内地三年だったのを勤務年数が一年以上でも今回配慮するということになりましたし、今申し上げましたように、御本人でなくとも遺族の方にも初めて配慮するということをされたわけですけれども、できるだけきちっとした形での周知徹底が必要だと。
 特に遺族の方というのは、私も遺族の一人ですけれども、うちのおやじも軍隊で行きましたんですけれども、そんな恩給という、恩給というのは一体何だということに、その言葉自体もよくわかっていない遺族の方もたくさんいらっしゃると思うわけで、今まで本人だけへの周知だったと思いますけれども、今回は遺族を配慮した周知の徹底の仕方を工夫しないと、せっかくの配慮が行き渡らないということになると思うんです。
 この広報活動についての工夫、どう考えておられるのかということをお聞きしたいと思います。
#48
○政務次官(長峯基君) お答えいたします。
 特別基金が行っている慰藉事業につきましては、政府広報によりまして、新聞、テレビ、ラジオ等の各種の媒体を活用して周知を図っておりますほか、基金独自でも新聞広告等を行っているところであります。また、都道府県、市町村等に広報紙への記載等をお願いして細かく周知徹底を図っているところでもございます。また、関係団体を通じまして、例えば戦友会などにおいて広めていただくようなお願いもしているところでございますが、総理府といたしましては、一人でも多くの方に請求していただきたいと考えており、今後とも適時適切に広報を行うように努めてまいりたいと思っております。
#49
○山下栄一君 やるんですけれども、その中身の問題をちょっと聞いているんですけれども、これは政府広報を三月もやっているわけですが、恩給欠格者、引揚者の皆様へという表現ではわからぬ人がおるということを私申し上げているわけで、特に遺族の方で年齢によってはこういう言葉自身が、恩給欠格者というのは何だということがわからない人もおる。だから、本人に対する広報、御本人だったらわかるかもわからぬけれども、そういう遺族の方に初めて配慮するわけですから、広報活動を、例えば本人向けと別に遺族の方向けへの、よくわかるように、見たらわかるような、見てもわからなかったらこれは広報活動にならぬわけですから、きちっと工夫した広報活動をしてほしいということを申し上げているわけです。
#50
○政務次官(長峯基君) 御指摘のように、工夫した広報を積極的に取り組んでまいりたいと思います。
#51
○山下栄一君 それと、広報活動も、これは基金がやる広報活動なのに基金の金で何でやらぬのかなと僕は思うんですけれども、政府広報でやるのも補助金も出ているし、基金も出しているわけだから、別にだめだとは言いませんけれども、独自の広報活動にもっときちんと熱心に、そのための基金なんですから、組織も四千人も職員いらっしゃるわけだから、この認可法人独自の広報活動が不熱心じゃないかなと思っていまして、この点について、基金そのものの広報活動のあり方、ちょっと力を入れてやったらどうだということについてどうでしょうか。
#52
○政府参考人(佐藤正紀君) 基金におきましても広報活動には力を入れているところでございますが、先生の御指摘のとおり、これからもさらに広報に力を入れるように指導してまいりたいと思います。
#53
○山下栄一君 ちょっともう時間がなくなります。最後ですけれども、冒頭申しましたように、戦争被害者、犠牲者というのは全国民であるとも言えるという観点から、国としてどう配慮していくかという、公平を期してということからこの平和基金事業も始まったと思うんです。僕はこれ、四百億円の基金を積んで毎年二十五億円のお金でいろんなさまざまな配慮をしているわけですけれども、この基金法の第一条に書いてある、要するに軍人恩給の対象にならない方々、強制抑留者、強制抑留者の範囲も限られているわけですよね、ソ連領とかモンゴルとか。それから、引揚者についても、引揚者ということは外地。私はこれはいろんな配慮の考え方があるだろうと、公平を期さにゃいかぬという。
 ただ、全体的なさまざまな政府の取り組み方を見まして感じることは、やっぱり軍隊に行かれた方に非常に配慮する、それは配慮せにゃいかぬ。だけれども、軍隊に行かれていない方々をどうするんだという、官民格差という表現もありますけれども、この問題。それから、引揚者もそうですし抑留者もそうなんですけれども、戦争を外国で経験された方々への加算措置とか、要するに外国にいらっしゃった方へは非常に配慮するけれども、内地でもさまざまな犠牲があったわけで、この辺のことも私はきちっと、それで本当にいいのかという見直しということも必要なんではないかというふうに思っております。
 平和基金事業の範囲につきましても、やはりこれで本当にいいのかという見直しを国の責任のもとにやっていく必要がある、このように考えるんですけれども、この考え方について、これは政務次官ですか、どうでしょうか。これで終わりますけれども。
#54
○政務次官(長峯基君) いろいろこの制度の中で私も勉強させていただきましたけれども、先生のおっしゃるとおり、現実的には十分に御苦労なさった方に対して報いをするというか、その基金の趣旨に沿って十分な対応ができているかどうかということについては、もちろんまだまだ努力をしなきゃいけない点がたくさんあるだろうと思っております。
 そのような御意見も踏まえて積極的に取り組んでまいりたいと思いますが、もちろん気づかないこともたくさんあると思いますので、先生お気づきの点がございましたらまた御指摘もいただきまして、積極的に取り組ませていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
    ─────────────
#55
○委員長(小川勝也君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、山本正和君が委員を辞任され、その補欠として谷本巍君が選任されました。
    ─────────────
#56
○吉川春子君 恩給法について伺います。
 現在、恩給を受給している数、そのうち旧軍人の数は何人でしょうか。
#57
○政府参考人(大坪正彦君) 恩給受給者の数のお話でございます。
 平成十二年度予算におきましては、全体で百五十一万人予定しておりまして、そのうち旧軍人の方につきましては百二十八万人でございます。
#58
○吉川春子君 この恩給支給は兵籍簿によるということですが、厚生省お見えですか。兵籍簿とは何でしょうか。
#59
○政府参考人(炭谷茂君) 陸軍の兵籍簿は、陸軍軍人の身上に関することが記載されている人事資料でございまして、旧陸軍から各都道府県に引き継がれ保管されているものでございます。
 この陸軍兵籍には、本籍地、氏名、生年月日、官等級のほか、所属部隊名、異動等の陸軍軍人としての履歴が年月日の順を追って記録されてございます。
#60
○吉川春子君 私、兵籍簿のモデルというか用紙をいただいておりまして、これにかなり詳しくいろんなことが全部書き込まれているわけですが、言ってみればすべての軍人軍属について、すべてというか兵籍簿のある人ですけれども、だれがどの部隊に所属して戦場に何年から何年までいてどんな任務についていたのかということが基本的には兵籍簿を見ればわかる、こういう資料ですか。
#61
○政府参考人(炭谷茂君) ただいま先生がおっしゃられましたように、旧陸軍の軍人の身上については御指摘のとおりでございます。
#62
○吉川春子君 きょうは時間の関係がありますので、この問題についてはそういうことを確認して、次の質問に行きたいと思います。厚生省、ありがとうございました。
 恩給の支給額についてお伺いしますが、明治八年、一八七五年に恩給制度が発足し、第二次世界大戦に敗北した翌年、昭和二十一年、連合国司令官の指令によって重傷者に係る傷病恩給を除いて旧軍人軍属の恩給は廃止されました。にもかかわらず、昭和二十八年、旧軍人軍属の恩給が復活しましたけれども、それはなぜだったんでしょうか。
#63
○政府参考人(大坪正彦君) 恩給、先生の言われた経緯を踏んでいるわけでございますが、昭和二十八年に復活したわけでございます。その前提といたしまして、昭和二十七年に平和条約の発効という前提があったわけでございますが、そういうような状況を踏まえまして、恩給軍人の処遇についてどう考えるかというような、特に亡くなられた方あるいは戦病者の方を中心にどう考えていくかというような世論が強くなってまいったわけでございます。
 そういう状況のもとで、政府といたしまして恩給法の特例審議会という名称で審議会を設けまして各般の御意見をいただいたわけでございますが、その意見の結果といたしまして、軍人恩給につきまして復活し、適切な措置をとるべきだというような建議をいただいて、それに基づきまして恩給法を改正して現在に至っているという状況でございます。
#64
○吉川春子君 これはたしか議員立法によって行われたというふうに承知しておりますが、これまで恩給が戦後復活して、総額で幾らぐらい支給されてきたのか、その額をお示しいただきたいと思います。
#65
○政府参考人(大坪正彦君) 復活後ということでよろしいわけでしょうか、昭和二十八年以降の。
#66
○吉川春子君 はい。
#67
○政府参考人(大坪正彦君) 昭和二十八年以降で申しますと、恩給総額といたしましては、軍人恩給といたしましては三十九兆九千億、文官恩給が三兆三千億、合わせて四十三兆二千億になるわけでございます。
 一つ御説明させていただきたいのは、やはり数字というものは当時当時の社会情勢のもとでの数字になりますので、例えば二十八年当時で申し上げますと、一般会計に占めます恩給費につきまして、昭和二十九年ですと例えば九・四九%というような位置づけの恩給費でございます。現在は、そういう同じような目で一般会計の比率を見ますと一・五七%という比率になっておりますし、貨幣価値の変動もあるということで、単純に足し上げることにおいてどういうような評価をするかというのはなかなか難しい問題も含んでいるというように思っております。
#68
○吉川春子君 いずれにしても大変な額であることは間違いないと思うのです。
 恩給と年金の違いというのは、年金は自分が掛金を掛けたものを受け取る、恩給は国庫から支払われる、単純に言うと、わかりやすく言うとそういうことというふうに承知していますが、よろしいですか。
#69
○政府参考人(大坪正彦君) 先生言われたとおり、そういう恩給のそもそも戦前からの物の考え方を引っ張ってきているわけでございますが、そういう国に尽くしたという観点で、国として、使用者としてどういうふうにそれを評価するかという観点で恩給は出されるわけでございますが、年金につきましてはそういう相互扶助という観点での年金でございますので、性格の差はそういうふうにあると思っております。
#70
○吉川春子君 総務庁恩給局が「恩給のしくみ」という非常にわかりやすい本を出されておりますので、私はこれに沿って何点か質問します。
 まず、十ページに加算年一覧表というものがございまして、恩給にはさまざまな服役年数、服役というのは兵役に服するという意味ですけれども、加算年の制度がありますが、その中で、戦地戦務加算、これは服役月数に最高三倍まで加算されるというふうにここには説明されていますけれども、これはどういう旧軍人が対象になるんでしょうか。満州事変とか南京入城とか、こういうところに従軍した人たちが対象になるんでしょうか。
#71
○政府参考人(大坪正彦君) 先生言われましたとおり、そういう地域に勤務されて、その時期も特定されておりますので、時期と地域、その辺を当時の状況のもとで認定しながら決まってきておるものでございます。
#72
○吉川春子君 中国に出征というんですか、言葉遣いがわからないんですけれども、服役された方はこの戦地戦務加算が基本的には受けられる、こういうことになるんですか。簡単でいいです。
#73
○政府参考人(大坪正彦君) 地域によって、時期によって中身は変わりますけれども、基本的には大体何らかの加算がついているだろうというふうには思っております。
#74
○吉川春子君 それから、この「恩給のしくみ」を見ますと拘禁加算というものがあります。拘留、拘禁という字ですけれども、そこには「戦犯者として海外において拘禁されたとき。」というふうに説明されておりますが、これはどういう方が対象になるんですか。
#75
○政府参考人(大坪正彦君) そのものでございまして、戦犯という判決を受けた後、その戦犯としての立場で外地におられた方についての加算でございます。
#76
○吉川春子君 例えば、BC級戦犯の判決を受けて有罪になられた、そういう人たちも含まれるのでしょうか。
#77
○政府参考人(大坪正彦君) そういうふうになると思います。
#78
○吉川春子君 具体的な例を挙げる時間的余裕がありませんので挙げませんが、なぜそれは加算されるのでしょうか。なぜ加算されるのでしょうかという理由です。
#79
○政府参考人(大坪正彦君) 先生言われましたのは拘禁加算についてのお尋ねかと思いますが、加算一般で申し上げますと、職務あるいは勤務された地域、そういう特性に応じましてそれぞれ……
#80
○吉川春子君 いえ、拘禁加算です。
#81
○政府参考人(大坪正彦君) 拘禁加算につきましては、身分として一応軍人という身分のまま勤務されるというような観点のもとで設けられているものでございまして、そういう拘禁という特殊な事情に着目したものというふうに考えております。
#82
○吉川春子君 そうしますと、いろいろ政府の答弁書によりましても、BC級戦犯、何千人以上の方が裁判を受けて、実刑も受けていますね。そういう方も全部含まれるというふうに今私は理解いたしました。
 それからもう一つ、不健康業務加算というものがありますが、これはどういう内容なのでしょうか。
#83
○政府参考人(大坪正彦君) これは、不健康業務加算と申しますのは、いわゆる職務加算、先ほどの戦地加算は地域に着目した地域加算でございますから、これは業務に着目した職務加算でございます。戦前におきます制度といたしましては、改正前の恩給法三十八条に「不健康ナル業務ニ引続キ六月以上服務シタルトキ」に加算するというふうになっておるものでございます。
#84
○吉川春子君 「不健康ナル業務」という内容を具体的に法律の条文に沿って説明していただきたいと思います。
#85
○政府参考人(大坪正彦君) ただいま引用しました改正前の恩給法三十八条におきましては、先生言われました業務につきましては「勅令ヲ以テ之ヲ定ム」というふうになっております。その勅令を見ますと、廃止前の恩給法施行令十七条でございますが、「不健康業務ノ加算ハ一月ニ付半月トス」ということで、半月加算というのが一つ決まっております。
 それ以降、一号からさまざまな不健康業務が列挙されているわけでございますが、例えば一号に書いてありますのは、読み上げさせていただきますと、「有毒ノ瓦斯若ハ蒸気、爆発類又ハ危険ナル細菌ノ研究又ハ製造ニ直接従事スル勤務ニシテ内閣総理大臣ノ指定スルモノ」、こういうようなものが例えば例示されております。
#86
○吉川春子君 これも恩給局からいただきましたけれども、「危険ナル細菌ノ研究又ハ製造ヲ為ス場所ニシテ内閣恩給局長ノ特ニ指定スルモノ」というのは具体的にどういうものなのでしょうか。
#87
○政府参考人(大坪正彦君) 先生言われましたのは、私、先ほど申し上げました施行令十七条の「内閣総理大臣ノ指定スルモノ」を受けた格好で出されました内閣告示の中で記載されているものでございまして、先生言われましたように、「危険ナル細菌ノ研究又ハ製造ヲ為ス場所ニシテ内閣恩給局長ノ特ニ指定スルモノ」という形で一つ出ておりますのは、昭和十七年九月の指定でございますが、「不健康業務加算ニ関スル件」といたしまして「関東軍防疫給水部(大連出張所ヲ含ム)ニ於ケル左記ノ危険ナル細菌ノ研究検索並ニ診断液又ハ予防液ノ製造業務」という指定がされております。この「左記ノ」という形で出ておりますのは、「コレラ菌、ペスト菌、チフス菌、パラチフス菌、赤痢菌、流行性脳脊髄膜炎菌及其ノ他危険ナル病原細菌」というふうに記載されております。
#88
○吉川春子君 けさのテレビニュースでドイツではユダヤ人に対する強制労働の補償を近日中に行うという報道が流れました。
 これは大変ちょっと私としてもつらい質問をしているわけなんですが、四十兆円軍人恩給が支払われてきた。そして、片や従軍慰安婦などについては一円も補償を政府はしておりません。こういうバランスの悪さといいましょうか、上品な表現で言うと。
 総務庁長官、どのようにお考えですか。
#89
○国務大臣(続訓弘君) 今るるやりとりを伺いながら、最後の御質問がございました。
 いわゆる従軍慰安婦の問題につきましては、官房長官のもとでこれまでの経緯も含めて対応されているところでございますし、私といたしましてはお答えする立場にはございませんけれども、この問題につきましては、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であることの認識から、政府としてはこれまでもおわびと反省の気持ちをさまざまな機会に表明し、また元慰安婦の方々に国民的な償いをあらわす事業や、女性の名誉と尊厳にかかわる事業等を行う女性のためのアジア平和国民基金に対して最大限の協力を行ってきたところであると承知しております。
 先ほど官房長官も申し上げましたように、二十世紀の中でいろんな問題に対して政府として前向きに処理をしたい、こういうお話を申し上げました。このことも、こういう従軍慰安婦の問題も含まれているものと私承知しております。
#90
○吉川春子君 恩給法を復活させた当初は我が党は反対してきたんですけれども、その後、階級間の格差が徐々に是正されるとか年金的要素が加わってきた中で、私たちは棄権から賛成に回ってきまして、この法案、賛成なんですけれども、ぜひ総務庁長官、きょう官房長官がいらっしゃらないので総務庁長官に最後にもう一問質問しますけれども、この恩給法が国際社会、国際世論が受け入れられるような方向により一層努力していただきたいということと、さまざまな補償要求が今出ていまして、ここには日本軍毒ガス戦の惨状というパンフレットも、私はこれはもうきょう時間がないので質問しませんけれども、そういうものもあるので、生活保障はぜひ必要で、私たちこの法案に賛成なんですが、やっぱりそのバランスというものを十分考えていただきたい。いかがでしょうか。
#91
○国務大臣(続訓弘君) 大戦をめぐってさまざまな問題が、未解決のままに残された問題がたくさんございます。これらにつきましても、官房長官も申し上げましたように、これから内閣として、そしてまた与党あるいは野党を問わず、いろんな問題に対して真摯に議論し検討していただけるものだと思いますし、我々としてもそういう前向きの姿勢で対応させていただきたいと存じます。
#92
○吉川春子君 終わります。
#93
○泉信也君 自由党の泉でございます。
 まず、政府参考人にお尋ねをいたします。
 いわゆる恩給の受給者というのは昭和四十四年をピークにしてずっと漸減をしておるようでございますが、予算額を見ますと、昭和四十七、八年ごろから五十八年までずっと増加をしておるわけです。五十八年からは予算額は横ばい、こういうことになっておるわけです。
 この五十八年から横ばいになっておる、何か恩給の構造的な変化があったのかどうか、御説明いただけますか。
#94
○政府参考人(大坪正彦君) 先生の今の御指摘につきまして、実は私ども詳しい分析は持っておりませんが、考えられるところをちょっと申し上げますと、五十八年以降、恩給ベアはいたしておりますので、予算額そのものは本来的に伸びるはずでございます。ところが、これが減になっておりますことは、恐らく亡くなられる方はどうしても御高齢の方がお亡くなりになる、御高齢の方はやはり勤務が長い方が多いだろうから恩給年額も多い方が多いんじゃないか、亡くなられる方の恩給年額が多いというのが一点あるんじゃないかと思います。
 それからもう一つは、御本人がお亡くなりになった場合、奥さんがおられますと扶助料に転給するわけでございますが、扶助料は本人の方の恩給よりもどうしても低額になりますので、その部分はマイナスになる、この辺の二つの要素があって総額としてマイナスになっていくのではないかなというふうに思っております。
#95
○泉信也君 御説明の理由は一つ考えられると思うんですが、先ほど申し上げましたように、予算額自体は四十七、八年から五十八年まで増額をずっと続けておる、一方、受給者は四十四年から漸減を続けておるというその状況の中で、変わるというのは今の御説明だけでは私は説明できないんではないか、そう思うんですが、何かまたお考えの点がございますか。
#96
○政府参考人(大坪正彦君) それ以前との比較という点で申し上げますと、もう一つあり得ると申しますのは、恩給改善の内容的なものがあろうかというふうに思います。五十年前後におきましては、その前の加算年の復活、そういうことに伴いまして、恩給受給者の資格年数に達した方がかなりおられたものですから、それに伴いまして恩給申請があり、それで恩給額が膨らんだという要素は無視できないだろうというふうに思います。
 その辺の新規参入者を含んだような恩給改善と申しますのはこの五十年前半で大体終わっておりますので、伸びがとまっております要素としてはそれも大きい要素かなという感じは今いたしております。
#97
○泉信也君 ありがとうございました。
 これからは、将来のことを含めてもう一つだけ参考人にお尋ねいたしますが、先ほど来申し上げておりますように、受給者はこれから減っていく、当然予算額も減るだろう、理屈の上ではそうなると思うんです。ただ、一人当たりの平均受給額というのは必ずしも減ってはきていない。これはそれなりに先ほど来、公務員の給与との連動、物価の話とかというのがございましたから、多分そうだと思いますが、これから先、恩給の構造を変えるようなことが想定されるかどうか。今まで幾つかの手当てをしてこられました、加算額をふやすとかいろんなことをやられましたけれども、そういうことが考えられるかどうかだけ、ひとつお答えください。
#98
○政府参考人(大坪正彦君) 先生のおっしゃる意味は、今後、先ほど言いましたように新規改善、新規参入者もあり得るような恩給改善があり得るかというようなことも含めての御質問かというふうに思いますけれども、今の恩給、ここ数年の恩給改善の中身を見ますと、新規参入者を伴うような改善はございませんで、いわゆる年額の改定的なベア中心の改善でございます。
 私ども、こういう改善をやるときに気をつけておりますことは、恩給制度を過去長くやってきておりますので、さまざまな意味におきましていろんなバランスを大事にしながらやってきております。個々の恩給受給者の方が御不満を持たないように、それぞれの恩給の背景というものも大事にしながら、そういう恩給受給者の気持ちが損なわれることのないような制度バランス。それからもう一つ、恩給団体の方が現実におられまして、いろんな御要望を出されますので、そういう御要望をどういうふうに私どもとして実施していくかというような観点も含めながら恩給改善をやってきておりますので、今後制度的に大きな改善というのはちょっとなかなかないんではないかなというふうには思っております。
#99
○泉信也君 総務庁長官に一つだけお尋ねをいたしますが、恩給局の定員というのを教えていただきましたところ、昭和五十五年が五百八十人、現在は三百十六人というふうに減っております。これは恩給に関連する業務が減ってきておるからだと私は理解をいたしますし、合理化された部分があるからだろうと思うんです。
 それで、推計で十年後の恩給受給者が百万人を切るという数値をちょうだいいたしております。こういう合理化それから受給者が減るということからいきますと、現在の三百人余りの恩給局の職員の方々というのは恐らく十年後、二五%国家公務員の削減というそのものを適用してもしなくても、計算上は二百人ぐらいで成り立ち得るんではないか、こういうふうに思うんです。業務の合理化を一層進めていただき、さらに恩給局の職員の削減を進めていただきたいということを私は総務庁長官に申し上げておきたいと思うんですが、長官、何かお答えがいただければ。
#100
○国務大臣(続訓弘君) 確かに、今御指摘のように、恩給受給者が毎年毎年少なくなっている現状は御指摘のとおりであります。同時に、恩給に対しまして今人数がずんずん減っているじゃないかということは、まさに御指摘がございましたように、機械化等を一生懸命推進した結果でもございます。
 いずれにいたしましても、小渕内閣は二五%の削減を国民に公約いたしました。したがって、恩給に限らず、あらゆる事務事業に対して合理化を進め、そしてまた今申し上げた二五%定数減に向かって努力をしたい、しかし同時に心しなければならないことは、国民に対するサービス、これは絶対に落としてはならない、そういう二律背反的なことではございますけれども、いずれにいたしましても、行政は国民のためにあるんだということを肝に銘じながら、今御指摘のような合理化、それを全力を挙げて取り組み、かつ公約の二五%の達成に向かって努力をしたい、これが私の決意であります。
#101
○泉信也君 終わります。
 ありがとうございました。
#102
○委員長(小川勝也君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 恩給法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#103
○委員長(小川勝也君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#104
○委員長(小川勝也君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#105
○委員長(小川勝也君) 次に、国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。宮澤大蔵大臣。
#106
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま議題となりました国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 国家公務員等の旅費に関する法律につきましては、最近の国際航空路線における運賃体系の変化等に対応するとともに、行政コストの削減を図るため、外国旅行における航空賃の支給基準の改定等を行うこととし、本法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案につきまして御説明申し上げます。
 国家公務員等の外国旅行における航空賃について、運賃の等級を三以上の階級に区分する航空路による旅行の場合について規定するとともに、最上級の運賃の支給は内閣総理大臣等及び指定職の職務にある者のうち事務次官級以上に限定するなど、支給基準の見直しを行うことといたしております。
 その他、鉄道賃について特別車両料金の支給対象を指定職以上に限定する等の附則の内容を本則で規定するなど、所要の規定の整備を行うことといたしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#107
○委員長(小川勝也君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時三十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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