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1950/12/05 第9回国会 参議院 参議院会議録情報 第009回国会 建設委員会 第4号
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1950/12/05 第9回国会 参議院

参議院会議録情報 第009回国会 建設委員会 第4号

#1
第009回国会 建設委員会 第4号
昭和二十五年十二月五日(火曜日)
   午後一時五十二分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○建設省其他の建設事業に関する調査
 の件
 (国土総合開発の計画及び実施に関
 する件)
 (首都建設法の運用に関する件)
○芦屋国際文化住宅都市建設法案
 (衆議院提出)
○松山国際観光温泉文化都市建設法案
 (衆議院提出)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(小林英三君) それではこれより建設委員会を開きます。國土総合開発の計画及び実施について調査を始めます。速記を止めて下さい。
   午後一時五十三分速記中止
   ―――――・―――――
   午後三時二十三分速記開始
#3
○委員長(小林英三君) 速記を始めて下さい。それでは次に首都建設法、次に建築基準法について一応調査を始めます。最後に芦屋、松山の都市建設法案の両案を上程いたしたいと思います。
 先ず建設省の都市局長の八嶋三郎君から説明を承わることにいたします。
#4
○説明員(八嶋三郎君) 前の通常國会であつたと思つておりますが、首都建設法が成立いたしまして、その後東京の住民の投票に、これを付しました結果が御承知の通りこれが賛成を得ましたので、國におきましてこの法律が施行されることに相成つたのでございますが、併しながらこの法律の実態をなしますものは、飽くまでも首都建設委員会というものが中心に相成つておるのでありますが、これにつきましてはこの予算が計上されたときから、ということが書いてありますから、その予算につきましては目下補正予算の中に内閣所管の費用といたしまして百九十方計上されておるやに実は承わつておるのであります。それによりましていろいろ議院というものが、恐らくこの國会におきましいろいろ御審議なり、或いは御討議を願い、初めてこの委員会というものが成立することに相成つて本当の恰好というものはこの委員会が中心になつておる。現在のところ首都建設法の実態の内容といたしましては入つておらないような情勢でございます。以上でございます。
#5
○委員長(小林英三君) 御質問がございましたら。
#6
○赤木正雄君 たしかこの法案で審議会があつたわけですね。あの審議会の委員はどうなつておるのですか。
#7
○説明員(八嶋三郎君) 委員でございまするか、委員はあの法律の中に建設大臣、それから東京都知事、それから東京都の議会が推薦いたしました者と、それから衆議委員の中でおのおの一名という者を選任した。それから学識経験者であります。これはまあ大体四角ということになつております。これは内閣が大体國会の同意を得て任命するということになつております。こういうふうに記憶しております。
#8
○赤木正雄君 その委員は決定したのですか。
#9
○説明員(八嶋三郎君) まだ決定しておりません。
#10
○赤木正雄君 参議院の中からも一人、あれは委員が出る筈になつております。従つてこれはその政党政派を超えまして、できればこの委員会からして田中さんのような立派な人が沢山おるのですからして、東京都に関係のある人を推薦して、そういう人が委員になるように私は委員長にお諮り願いたい。と申しますのは衆議院でもこれは事実かどうか知りませんが、やはり大体きまつているようですからして、参議院だけ委員を抜く必要はないと思うのです。でありますからして、これが又遅れまして、この委員会と全然関係のない人が委員になると困つちやう。ですからやはりその点を委員長として特にお考え願いたいと思います。
#11
○委員長(小林英三君) 承知いたしました。
#12
○田中一君 まだ中間的な報告を受ける段階に来てないわけですね。首都建設法のあれは一年経つてから報告するようになつていると思いますが。
#13
○説明員(八嶋三郎君) 大体國会に対しましては一年ということに相成つておるのであります。ただ今のところ先程申上げましたような実情にございます。ただ投票が終つたときから公布されたというだけでございまして。
#14
○田中一君 今日までのありかたを東京都のほうから刷物か何かでもつて報告して貰う中間的なものは頂けるものでしようか、どうでしようか。
#15
○説明員(八嶋三郎君) これは法律的には大体六カ月ごとに何か報告するということに相成つておるのでございます。ただ、今申上げましたように実態がその程度のものでございますから、向うから正式のものは何ら来ておらないわけであります。これはまあ恐らく國会としても要求されることは私はできるのじやないかという工合には考えております。
#16
○田中一君 次に審議する松山とかこの芦屋などの問題もありますし、首都建設法は未だそういう段階にあるのならば、これは次の審査のほうで考慮しなければならないような問題が起るのじやないかと思うのです。反対論ですね。その意味で何か具体的な形になつているものがあれば東京都のほうへ委員長のかたからでも要求して、中間報告させる、これは非公式にですね。
#17
○説明員(八嶋三郎君) これは先に、この國会におきましてこの首都建設の問題を審議されました際におきましても、赤木先生初め各委員の方々から非常に突込んだ御意見もあり、又御質問もあつたわけでありますが、その際に出しましたものもございますし、なお又東京都といたしましても、この法律を投票するに当りましていろいろと市民の啓蒙という形から出した書類もあるように承わつております。委員長からでも又或いは非公式に私のほうからでも東京都に話してもいいと思つております。
#18
○田中一君 未だ具体的に報告を受けるときになつてないならば、これはもう審議を省略する以外にないと思つておるのですが、提案いたします。
#19
○委員長(小林英三君) 中間報告ですね。
#20
○田中一君 ないとするならば審議しても調査をしても止むを得ないと思いますから、この辺で打切つて欲しいと思います。
#21
○委員長(小林英三君) それでは首都建設法の調査につきましてはこの辺で打切ります。
  ―――――――――――――
#22
○委員長(小林英三君) 次は建設基準法の問題に移ります。ちよつとお待ち下さい。今住宅局長が参りますから、暫時休憩いたします。
   午後三時三十三分休憩
   ―――――・―――――
   午後三時四十六分開会
#23
○委員長(小林英三君) それでは休憩前に引続きまして委員会を再開いたします。日程を変更いたしまして、芸戸屋並びに松山の國際観光都市建設の法案について審議をお願いいたします。先ず提案者の提案理由の説明を承わります。
#24
○衆議院議員(原健三郎君) 芦屋國際文化住宅都市建設法案についてその提案理由を極く簡單に御説明申上げたいと思うのであります。
 最近の都市計画をみますと、温泉を中心としたり、或いは古典的文化を中心として、主として観光都市建設に目標があるのが多いようであります。芦屋はこれと多少趣きを変えまして、観光都市には違いはないのでありますが、更にそれに加うるに外國人の定住する住宅の建設をしようとするものであります。換言すれば、観光都市ではあるが、別して外國人の住宅都市を建設することをその特色といたしたいと考えておるのであります。従来芦屋は近畿地方において好地位を占めておるところから、國際文化人の蝟集する所でありました。戰後といえども依然として伝統的に外國人の居住する者が多いのであります。御承知のごとく外國人の定住する住宅都市を建設するには、諸般の条件が備わることが必要なことは言うまでもございません。幸い芦屋は第一に立地条件が備わつております。即ち前には茅渟海を控え、後ろには六甲山を背負い、気候は温暖で風光は明媚であります。なお交通は國鉄、阪神、阪急、國道、電車等四通八達し自動車と道路もよく整備されております。第二には芦屋は京阪神の外國人の集まつておる中心に位しておることであります。別言すれば、例えば古典的文化観光都市たる京都及び奈良へは僅かに六十キロの近くにあり國際港神戸に隣接いたしております。この近畿の文化の中心に芦屋が位しておるのであります。この恵まれた國際文化的環境に芦屋があることを強調いたしたいのであります。
 大胆に将来の計画について多少申上げますと、幸い現在芦屋から六甲を経て有馬を結ぶ県道改良工事が着手されており、この沿線で芦屋市街地より約三キロの地点に五十万坪に及ぶ開豁地帶があります。ここは理想的住宅地で満々たる清水を湛えた池畔の環境は外人の渇望するところでございまして、芦屋市においては、つとにこの地点に模範的な外人住宅地域を建設する計画を以て着々準備を進めておるのであります。且つこの地域にラジウム及び炭酸温泉の源泉地を発見して、これ又專門家の発掘の具体的準備を進めておる次第であります。更にヨット・ハーバーの建設については、運輸省もすでに予算的措置を取られました次第であります。更に公園、墓地の建設、ゴルフリンクの建設等々、外人住宅必須施設に鋭意盡力すべく只今計画を進めておる次第であります。最後に一言申上げますが、國際文化住宅都市という名目にいたしましても、決して外國人だけが住んで日本人が住めないとか、外國人だけの租界地のようなものを作るということは毛頭ないのでございます。勿論日本人も希望者はその地域に住局することができることは言うまでもございません。その住宅地を作る場合におきましても、決して現在住んでおる日本人住宅に立退を命ずるとか、そういうような面倒な点も全然ないのであります。要するに芦屋の地を外國人の定住の地たらしめ、以て國際文化の交流をもたらし延いて芦屋市の経済繁栄にも資したいというのが我々の狙いでございます。以上諸般の事情を考慮しまして、外國人の住宅都市として日本において最適地であると確信し、外國人誘致の國策的見地から、観光日本建設の立場から、日本最初のこういう外人観光住宅都市の建設をするために本法案を提出した次第であります。
 何とぞ愼重審議、速かに御協賛を賜わらんことを切望するものであります。
#25
○委員長(小林英三君) 次は松山國際観光温泉文化都市建設法案につきまして、提案者の川端君から提案の理由を御説明を願います。
#26
○衆議院議員(川端佳夫君) 只今議題となりました松山國際観光温泉文化都市建設法案につきまして、衆議院各党各派百二十名の提出者を代表いたしまして極めて簡單に提案の理由を御説明申上げます。先ず総括的に提案の理由を申上げて続いて各条についての御説明を申上げたいと思つておりまするが、各条の御説明は又質問でもがざいましたら、その機会にいたしまして、総括的に提案の理由だけを申上げます。
 御承知のごとく、松山市は瀬戸内海の要衝に当りまして、豊なる温泉資源に恵まれた文化観光の都市でございます。その中央には欝然たる老樹に囲まれ、天を摩するがごとき古典美の象徴、國宝松山城がございまして、ここよりする眺望は瀬戸内海を一望に收め点々散在する大小幾多の島々の景勝もございます。なお背景には四國連山が波濤のごとく、石槌の峻峰がその王座を占めまして、併せてこの山景が抱く渓谷美の極致は見る者の眼を驚かすに足るものがあると存ずるのであります。なお瀬戸内海は二十六年度におきましては國立公園拡張の計画に伴いまして、松山を中心にいたしまして國立公園の指定地区に予定されておるのであります。又太古より湧き出ておりまする天下の霊泉は、道後温泉場を一廓といたしまして四時遠近の浴客を送迎して濁り、特に温泉は透明にして他に類を見ないコロイド質を持つております。そのコロイド質は非常に肌を白くいたしまして最近松山の女のかたがたがだんだん美人になつておるというような点も、このコロイド質によるものだと考えられておるのであります。特に欧米人はそれを伝え聞きまして、その適温と肌ざわりの快感を好みまして、日夜浴槽に浸つてこの温泉を礼讃いたしておるような次第でございます。而も道後温泉は太古より広く人に知られておることは御承知のごとく、それを史実に見ますると、風土記、万葉集、源氏物語の古典の記録に明らかにされておるのであります。かくて浴場はいずれも豪壯典雅な日本趣味豊な建築物であり、郊外遠近には名所旧跡多く、夏目漱石の「坊ちやん」で知られ、正岡子規の遺跡を初め高濱虚子と俳諧の都として高い文学的雰囲気も感ぜられておるのであります。従つて観光客遊覧の悦楽境としてあらゆる条件を具備しておるのでございます。
 而して観光と不離一体たる交通機関について考えましても、松山市を中心として四國各県は言うまでもなく、中國、九州各都市間は連絡船によつて縦横に往来できるようになつておるのであります。而も松山港は昭和二十八年度に完成を見ることになつておりまして、将来國際貿易港として大きく雄飛せんといたしておるのでございます。なお松山は國際空港の第二次計画の予定地とされましてその要点となつて行くことになつておるのであります。
 かくのごとく松山市が瀬戸内海の要衝に当りまして而も観光温泉の豊なる資源に恵まれておるのみならず、内海特有の気候は四季温暖にして大気又非常に澄み切つた健康地であります。従いまして松山市を國際観光温泉文化都市として建設いたしますことは、いわゆる見えざる貿易による経済の復興と永久の平和を祈念するという、我が國の大理想達成に多大の貢献をもたらすものであると信じまして、これが法律的措置を講ずるために本法案を提出した次第でございます。何とぞ愼重御審議の上速かに御可決あらんことをお願い申上げまして説明を終ります。
#27
○委員長(小林英三君) これに対しまする御質問がございましたらお願いいたします。
#28
○赤木正雄君 政府委員に対する質問はありますが、政府委員の来るまで待ちます。……それでは提案者に一つお聞きしたいと思います。先ず松山に対して、松山城は焼けたのと違いますか。
#29
○衆議院議員(川端佳夫君) 一部燒けましたが、最近それを復旧いたしつございます。
#30
○赤木正雄君 これは松山の道後の温泉も含んでおるのですか。
#31
○衆議院議員(川端佳夫君) さようでございます。
#32
○赤木正雄君 道後の温泉の古いことは知つておりますが、道後の温泉の湧出量はどういうふうに変化しておるか、その変化をお示し願いたい。
#33
○衆議院議員(川端佳夫君) 温泉の湧出量は十四浴槽ございまするが、これを総計いたしますると一分間に三十石程度のものは十分出ておる事情でございます。
#34
○赤木正雄君 松山を文化都市にして平和に云々とおつしやいましたが、平和とどういう関係がありますか。
#35
○衆議院議員(川端佳夫君) 私たちはこの國際観光温泉文化都市を建設いたすことによりまして國際的な友好関係を結び、且つ先進國とみなされておる諸外國の民主主義的な形を地で以て学んで行こうというところが平和を意味するゆえんであります。
#36
○赤木正雄君 松山には國有財産はどれほどあるですか。
#37
○衆議院議員(川端佳夫君) お答えいたします。大体普通財産といたしまして三百二十町歩の土地があると言われておるのでありまするが、これは戰争中に飛行場として買收された土地でありまして、この土地の買收の問題が未だはつきりといたしませんので、三百二十町歩と一応言われておりまするけれども、この買收が決定されておるか、いないかという問題が、今大蔵当局と折衝中のところでありまして、これがはつきりいたしませんと、総括的な國有財産、特に土地だけでありまするが、この問題をお答え申上げる段階に至つておらないのでありまするが、一応この数字が目標になつております。而してその内訳といたしましては、射的場が約四万坪というものが中に入つておりまして、これは大体買收が終つた土地であろうと、こういうふうにやや確実性を持つて考えられておるのであります。そうしてなお大体そういう土地の総括的な数字の中に考えられるものと思われておるのでありまするが、旧兵営跡とか、或いは練兵場跡或いは旧師範学校跡、こういうようなものがございます。旧兵営跡といたしましては約九万坪、旧練兵場跡としましては七千三百坪、旧師範学校跡としましては約一万五千坪、こういうようなものが一応考えられておる次第であります。
#38
○説明員(宮川新一郎君) お答えいたします。本省に参つておりますところの記録から急に拔萃いたしましたので多少移動があるかとも存じまするが、一応取りまとめたものだけを御報告いたしますと、土地は、只今提案者から説明がありましたような事情がございまして、飛行場は恐らく國有地にならないのではないかと考えております。それを含めまして三百三十九町歩ございます。建物は延にいたしまして四千七百八十三余坪、そのほか立木地区、工作物、機械器具、こういうものがございますが、これは数字的に極く僅かなものでございます。
#39
○赤木正雄君 こういう法案が続々出まして、國有地は殆んど無償で所属の自治体に行つてしまうのですが、これに対して大蔵省は別に痛痒も何もお感じにならないのですか。
#40
○説明員(宮川新一郎君) この点は、昨日も松江國際観光炭化都市の際に、委員の皆さんから御意見がありましたけれども、大蔵省といたしましても、國有財産が國民全般のものである、これを適正に処分いたしますことは、財政法の精神からいたしまして極めて必要なことでございますが、特別法を以ちまして、沢山のこういう事例が生れて来ることは好ましくないと存じております。
 ただお考え願いたいことは、先般来、懇談の際にも御意見がございましたように、すでに十数の都市で同じようなことが施行されておる。今までの都市の必要性と、今度提案になつております都市の必要性、なお残つておりますところのいわゆる候補的な観光都市なり、或いは文化都市等との均衡、或いは戰災都市等との均衡、こういうものを御検討願いまして、國会の御審議の結果に待つよういたしかたがないと、かように考えておるわけであります。
#41
○赤木正雄君 私は今大蔵当局のお話の通りに、この法案もこれを以て打切りと、さつき打合会か何かあつたようですが、果してそうできるものか、できないものか問題なんです。又来る國会に追加審議することを阻止する理由はない。これは皆さんが協賛なさつて、いいとおつしやつたならば次から次にこれと同じような、或いはこれ以上の都市計画が出たら、それを阻止することは非常に不合理だということで、次から次と國有財産が、ただ國会がそれを審議して可決したからよいというようなものの、そうすれば全然これに関係のない町村に対して非常に不公平に私は思うのです、國有財産を処分する場合。でありますからこれは私は大蔵省としてよくお考えになるべきことと思います。或いはこれは又信念があるならば、農林省としても当然考えるべきでありますが、日光のごときは仮にこういう法案が出たとするならば、私はほかの都市に比べて日光や箱根を第一に推薦すべきたと思います。そういうときに大面積の國有林が無償で日光に放されてしまう、そうだと非常に大きな問題だと思うのです。この委員会で可決して本会議で可決したからそれでいい、衆議院も参議院もそれで可決したからいいということになる。でありますから私はもう初めからこれは公聽会を開いてこういう都市に関係しない人々の意見も聞いて、十分に審議すべきが参議院のこの委員会の使命である。それが我々の本当の使命である。これは何回も我々は主張している。それが遺憾にしてこれが通らないのに、容易にこれは可決するのです。でありますから、これは大蔵省としても若しもこういう法案が出るものならば、むしろ政府としてももつと愼重にお考えになつて、どうしたらこれは阻止できるか、そのくらいのことをお考え下さつても、國民全体に対して当然のことだと私は思うのです。そうしないと非常に不公平だと私は思うのです。それに対してどうでしよう、御意見は。
#42
○説明員(宮川新一郎君) 誠に御尤もな御意見でございまして、國有財産からこれを無償で讓與いたします範囲は、御承知のように抵当でありますとかを作つて、今まで作つておりましたのは用途が廃止になつたような場合に讓與するとか、或いは財政上の必要という極めて限定されておる現状でありまして、地方の要望もございまして余りに現在の國有財産法の規定するところが厳格に過ぎるのではないか。又歳入を上げることも重要なことでありますが、國有財産を有効に活用する意味におきまして、もう少し國有財産法の讓與の規定を拡張いたしてはどうかという考えを現在持つております。ただそれ以上に、例えば先般通過いたしました旧軍港市の復旧でありますとか、或いは又特に必要な國際観光都市であるとか、文化都市に対しましては、又それ以上に何らかの恩典を加味する必要があるということは考えられるのであります。大蔵当局といたしましてはその辺のところを総合勘案いたしまして基準法的なものの用意がございませんので、ただこういうふうに率直に申上げますと、順次こういうふうな法案が出るようになりますと、これは政府といたしましても早く何らかの基準案を作つてやることが必要ではないかと考えられますが、昨日の本会議におきましても又昨日の衆議院の委員会におきましても、やはり基準法を作れというような御意向が國会の方面におありのようであります。若し國会のほうでもそういう基準案を作つて頂ければ非常に結構だ、かように考えております。
#43
○赤木正雄君 今政府当局の仰せの通りに私の相愛と同じ御心配がある。でありますからこの法案が仮に通過するならば私はどうしてもこの勝手な法案を出される欠陷を防ぐために、やはりこの参議院の建設委員会で次の國会にはもつと一般に総合した法案を作つて、そう無理のない而も國有財産を無償で拂下げる、そういう馬鹿々々しいことのないようにひとつ委員長においてもこれはお考え願いたい。これに対して委員長のお考えは如何ですか。
#44
○委員長(小林英三君) 赤木委員にお答えいたします。赤木委員の御意見は御尤もだと存じます。次の國会におきましては委員長といたしましてもその趣旨に基いて相当考慮をいたして行きたいと思つております。
#45
○赤木正雄君 芦屋のほうの法案の提案者にお尋ね申上げます。今芦屋で外國人は何人住んでおりますか。
#46
○衆議院議員(原健三郎君) 戰前におきましては二千五、六百人おりましたのですが、最近は割合に減りまして、約一千五、六百名近く住んでいるわけであります。
#47
○赤木正雄君 芦屋の隣、例えて申しますと住吉とか或いは西宮方面でも相当芦屋と同じような地域にあるように我々は考えます。こういう地域に住んでいる外國人の数は何人いますか。
#48
○衆議院議員(原健三郎君) 住吉とか武庫郡地帶、及び西宮のほうは詳しく分りませんが、大体において今までの戰前の傾向を見ますと、主としてやはり芦屋に蝟集いたしておりまして、その何%かが武庫郡におりまして西宮のほうは現在でも過去でもそう沢山いないわけでございます。
#49
○赤木正雄君 芦屋と魚崎その他は殆んど同じように考えます。でありますからそういう観点からこういう法案を作るならば、その周囲の土地も加えると、こういうふうな法案に持つて行くように何故なさらなかつたのでしようか。
#50
○衆議院議員(原健三郎君) 一応そういうことも考えられないこともなかつたのでありますが、もう御承知のごとく芦屋という所は住宅都市であるということが、非常に日本的にも有名になつておりますし、そうして芦屋市当局が熱心であるし、そういう諸般のことを考えまして、ほかの隣のほうは神戸市になつてしまつたという関係もありまして考慮に入れなかつたわけであります。
#51
○赤木正雄君 先にヨット・ハーバーが何だかよほど進捗した、事業と違います、予算方面です、その御説明がありましたが、どういう程度までヨツト・ハーバーの予算的措置がとられたのですか。
#52
○衆議院議員(原健三郎君) ヨット・ハーバーを芦屋に建設するということを、運輸省において大体選定いたしまして、そうしてそれが調査研究費を五、六十万円使いましてこれの大体の計画ができ上りまして、逐次これから毎年計上して行くというところまで参つております。
#53
○赤木正雄君 その程度ならば私も存じております。地元港湾としてもその数字には特別の関心を持つています。そういう場合に来年の予算に芦屋のヨット・ハーバーが計上されているんですかどうですか。来年度の予算はわかりませんが計上されることになつていますかどうか。
#54
○衆議院議員(原健三郎君) 計上される見込であります。その折衝もずつと休まずに続けて来ておりましてそういう見込みを立てております。
#55
○赤木正雄君 今のはこれは予測で実際のところ河川でも港湾でも提案者の御希望が、私もその一人ですけれども、なかなかそうならないの困つておりますので、まあお互にやりましよう。
#56
○委員長(小林英三君) ちよつと速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#57
○委員長(小林英三君) 速記を始めて干さい。暫時休憩いたします。
   午後四時十五分休憩
   ―――――・―――――
   午後四時二十三分開会
#58
○委員長(小林英三君) それじや河川局長が見えましたから休憩前に引続きまして再開いたします。
#59
○赤木正雄君 この両方とも法案の第四条に「國及び地方公共団体の」云々これに対して「その事業の促進と完成とにできる限りの援助を與えなければならない。」こうなつておるのです。これに対して昨日私は計画局長に聞きまして、特にこういう法案ができるために、特別の補助を政府は與える方針かと申しましたところ、今のところそういう方針は毛頭ない、こういうことを昨日聞いたのです。併し昨日と今日と同じ趣旨の法案でありますからして、この両法案に対しても恐らく計画局長は昨日と同じお考えと思いますが、それに対する計画局長のお考えを承わりたい。
#60
○説明員(八嶋三郎君) 昨日お話申上げましたように、この特別法の問題といたしましては、本年度は広島、長崎が特別の枠が設定されたのであります。来年度の進行状況を昨日ちよつと申上げたのであります。広島、長崎は別といたしましてほかの都市につきましては特別の枠の設定というものはありません、この点だけは一つ。まだ確定というまでには行つておりませぬけれども、進行状況の過程において……。
#61
○赤木正雄君 それならば大分昨日と考えが違うのです。特にこの法案が出るために特別に補助をされては困る、先に補助すべきものがある。戰災復興都市、これを重点的にやらなければならぬ、戰災復興都市が完成して後にこういう法案に対する特別措置は考えてもいいのですが、戰災都市を重点に置かないで、無論お置きになつてもいるのですが、それを完成しない上にこういう法案ができたからといつてこの都市に特に考えられては困る。それに対してはその通りだというふうな御意見だと私は承わつたのですが、そうなのですか。
#62
○説明員(八嶋三郎君) 昨日も申上げましたように、私共の予算の問題といたしましては、戰災復興というものに重点をおいております。併しながら予算の項目は御承知の通りに戰災復興のほかに火災復興もございますし、港湾地帶の整備の費用もございますし、又重要河川の費用もあるわけでございます。それらは昨日も申上げましたように、まあ災害等を再び起さないようにやつて行くとか、或いは従来の疎開都市を整備して参るとか、そのほかに経済効果の非常に多いようなところを整備して参るとかいうようなことに、その予算全部を使つて行きたい、こういうふうに私は考えるのであります。
#63
○赤木正雄君 そうなると又あいまい模糊になつてしまうのですが、特にこの法案ができたために、この法案に暴いて特別の補助の金と申しますか、それを今計上なさるお考えがないとこういうふうに了承していいのですか。
#64
○説明員(八嶋三郎君) この法案とか何とかいう問題じやなくて、私共としましてはその都市の必要性に応じて予算というものは配付して行きたい、こういうふうに考えております。
#65
○赤木正雄君 私はこの法案のことを聞いておるのです。こういう種類の法案ができるからそれに対して特別に補助をなさるかどうか、なされては困るのだ、それを聞いておるのです。
#66
○説明員(八嶋三郎君) 私の方の予算は非常に僅少でございますので、特別の考慮を拂うとかいつたようなことは現在のところは相当むずかしいような情勢になつております。
#67
○赤木正雄君 そういうふうにあいまいなことを言わず、できないならできないと、するならするとはつきりおつしやつて下さい。
#68
○説明員(八嶋三郎君) 実はその予算がきまらんものですから、この点幾ら予算が貰えるかきまりませんものですから、そこでどうもそういうようなことを申上げる以外には途はないのでございますが。
#69
○赤木正雄君 相変らずあなたの御答弁はあいまいで困る、私はこういう法案ができたために平等を破つては困る。特にこの法案ができた都市には特別の恩典をなさつては非常に不公平だ。ほかの議員がこういう法案を作れば幾らでもできる法案なのです。併しほかの議員がこういう法案を作らぬ。それがためにまだこれに類した都市は沢山ある。併しそういう都市は法案ができていない。そういう重要な都市もあるが、併しこういう種類の都市だけに特に考慮されては非常によくない。でありますから昨日のお話ではそういうことはしないというふうに聞いたんです。それで私は了承していたのです。今のお話は何だかあいまいにして予算措置とか何とかおつしやるがはつきりして欲しいのです。
#70
○説明員(八嶋三郎君) まあ非常に私どもの言うことは御了解得ない点があるのだろうと思うのですが、実は先程申上げたようにほかの都市といえどもどうしてもやつて行かなければならぬ仕事が相当にあります。それらにつきまして従来それをほつたらかすということはできませんし、又災害はどうしても防除して行かなければならぬ、都市として災害が非常に起り易いというところは、何としても私はやはり優先的に考えて行かなければならぬ。そこでこういう都市につきましてはそれぞれの性格がありますから、その性格に副うようなものにつきまして、予算の許す限りにおいては何とか考えて上げなければならぬじやないかという工合に考えておりますので、ほかの都市を全部ほつたらかしてその都市だけにつけるということは毛頭考えておりません、そういうような点につきましては。
#71
○衆議院議員(川端佳夫君) 今の質疑応答にちよつと関連いたしまして御参考に赤木委員に申上げたいことがあるのであります。実はこういう種類の國際観光温泉文化都市建設法案、これのそもそもの成立は広島、長崎といああいう戰災都市の復旧を大きな目標に立ててやつて行きたい、こういうことが一つの狙いであつたかの沿革に考えておるのでありますが、今お手許にある松山國際観光温泉文化都市建設法案、これにつきまして申上げますならば、松山も御承知の通りに非常な戰災を蒙りまして、殆んど丸焼けというような状態になつたのであります。ところが市民の非常な復興熱によりまして、そうして着々復興をいたして参りまして先般建設大臣から全國屈指の復興優秀都市であるというようなおほめを受けたのでありますが、一方地元といたしましてはこの旺盛な、熱烈な復興の熱意、この気持、これを大きな目標を立てまして、そうして今度都市の建設の仕方におきましても、ただ災害を繰返さないというよりも、もつと高度な文化性を持つたものにして行こうというような意味でこの法案を御審議願うことになつたのでございまして、松山の場合は戰災の復旧の目標にこういうようなものを考えて行きたいというような考え方でございますから、御了承を願いたいと思います。
#72
○赤木正雄君 今の説明は、そんなことはどの戰災復興都市でも持つております。ひとり松山だけでなく姫路の人も考えておる、神戸もそうです。戰災都市でどうとか早く復興して欲しい。單に復興のみならずなお道路の幅員でも非常に拡げて欲しいと、そういう殆んど大きな要望があるのです。併しそれがなかなかできないのです。これはあなたのおつしやつた松山だけのものじやない、だからそういう余計なことを言わずにやはりこれはこれと考えて欲しいのです。
#73
○委員長(小林英三君) 赤木委員に申上げますが河川局長が見えておりますが。
#74
○赤木正雄君 都市局長のほうは大体了承しました。河川局長にお伺いしたいのですが、この法案ができまして、災害なんかの起つた場合に、こういう種類の都市に限つて特にその災害復旧を早くするとか、或いは補助費を殖やすとか、そういうふうなことを仮にこういう都市は要望されていて、そういうことを若しも政府がされましたら、ほかの災害復旧箇所はたまつたものではありません。でありますからしてこういう法案ができたところは私は河川局長としましては、やはり守れと、同じ公平な方針でやつて頂きたい。又そうなるのがいわゆる日本の河川全体、災害復旧の全体の見地から正しと思います。でありますから恐らく河川局長はもう私の考えと同じ考えをお持ちになると思いますけれども、一応局長の御意見を伺いたいと思います。
#75
○説明員(目黒清雄君) 災害は御承知の通りに発生したものに対する応急復旧の仕事であります。更に河川工事に至りますと、それらの防禦対策、こういうふうに進んでおりますが、結局発生災害の一助になるところというのが最も重点を置いて行かなくちやならぬというのは当然の話であります。従つて私のほうでは論挺の基礎になる法律は別にありますので、その法律に従つて一応公平にやつて行きたい、こう考えております。
#76
○赤木正雄君 今、河川局長の御答弁はいろいろ満足しま。私はこれで質問を打切ります。
#77
○小川久義君 昨日も松山のときに申しげたのですが、討論を打切りまして、直ちに採決に入るの動議を提出いたします。
#78
○委員長(小林英三君) 只今小川君の動議がありましたが小川君の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#79
○委員長(小林英三君) 御異議ないと認めます。小川君の動議によつて直ちに討論を終りまして、採決をいたしたいと思います。
#80
○田中一君 議事進行について、東君の説明でもちよつと一遍聞いて欲しいと思いますが。
#81
○委員長(小林英三君) 東 君、何か……。
#82
○東隆君 今討論打切の動議があつたのでありますが、私は先ほど赤木委員が申しましたように、次の通常議会において総合的な立場において検討をすることを条件に、この際、して置く必要があるだろうとこう考えます。それはたびたびこういう機会に接しまして、そうしていろいろ特別法ができて参りますけれども、それによつてできたものも單に祝辞を呈する程度のものになつてしまう。こんなようなこともありましたので権威を持つたものにして行きたい。こういう考え方から先ほど懇談のときにありましたような工合で、総合的な立場に立つてこの問題を考える。こういうことを一つ条件にして討論打切を願いたいとこう考えるわけであります。
#83
○委員長(小林英三君) 只今東委員からお聞きのような御意見があつたのでありまするが、これは委員長として考えまするのに、この次の國会においてそれに相当した基本法を作るということは、これは現國会の権限であると考えるのでありますが、委員会においてそういう条件を付けてこれを審議するというのはどうでしよう。國会の権能でしよう。
#84
○小川久義君 そういう気持を含んで一つ採決をして下さい。
#85
○委員長(小林英三君) そういうような気持を了承しまして、建設委員会といたしましてはそういうような希望を皆お持ちになつておると思いますから、これは國会の権能に関する問題でありますから、この委員会は条件を付けることなしに含んで置いたらどうでしよう。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#86
○委員長(小林英三君) 御異議ないと認めます。ちよつと速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#87
○委員長(小林英三君) 速記を始めて下さい。
 先ほど小川委員の動議の、芦屋國際文化住宅都市建設法案、松山國際観光温泉文化都市建設法案、この両案に賛成の諸君の起立を願います。
   〔総員起立〕
#88
○委員長(小林英三君) 満場一致であります。よつて両案は可決確定いたしました。
 なお本院規則七十二条によりまして、委員長が議院に提出する報告書につきましては、多数意見者の署名を附することに相成つておりまするから、両案を可とされたかたは順次御署名をお願いいたします。
   〔多数意見岩署名〕
   小川 久義  田中  一
   島津 忠彦  東   隆
   久松 定武  平井 太郎
   門田 定藏
#89
○委員長(小林英三君) なお本会議におきまする委員長の口頭報告の内容は本院規則第百四条によりまして、あらかじめ多数意見者の承認を経なければならないことに相成つておりまするが、これは委員長におきまして両案の内容、本委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することといたしまして御承認を願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#90
○委員長(小林英三君) 御異議はないものと認めます。ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#91
○委員長(小林英三君) 速記を始めて下さい。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十一分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     小林 英三君
   理事
           岩崎正三郎君
           赤木 正雄君
           小川 久義君
  委員
           島津 忠彦君
           平井 太郎君
           門田 定藏君
           小林 亦治君
           田中  一君
           久松 定武君
           東   隆君
  衆議院議員
           原 健三郎君
           川端 佳夫君
  説明員
   大蔵省管財局総
   務課長     宮川新一郎君
   建設省河川局長 目黒 清雄君
   建設省都市局長 八嶋 三郎君
ソース: 国立国会図書館
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