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2000/02/02 第147回国会 参議院 参議院会議録情報 第147回国会 本会議 第4号
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2000/02/02 第147回国会 参議院

参議院会議録情報 第147回国会 本会議 第4号

#1
第147回国会 本会議 第4号
平成十二年二月二日(水曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第四号
  平成十二年二月二日
   午前十時開議
 第一 国務大臣の演説に関する件(第三日)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、日程第一
 一、地方行政・警察委員会において審査中の公
  職選挙法の一部を改正する法律案について、
  速やかに地方行政・警察委員長の中間報告を
  求め、委員長が報告を行わないときは事故あ
  るものとみなして理事に報告させることとし
  、報告時間を十分以内とすることの動議をこ
  の際議題とすることの動議(阿部正俊君外二
  名提出)
 一、地方行政・警察委員会において審査中の公
  職選挙法の一部を改正する法律案について、
  速やかに地方行政・警察委員長の中間報告を
  求め、委員長が報告を行わないときは事故あ
  るものとみなして理事に報告させることとし
  、報告時間を十分以内とすることの動議(阿
  部正俊君外二名提出)
 一、公職選挙法の一部を改正する法律案の中間
  報告
 一、地方行政・警察委員長から中間報告があっ
  た公職選挙法の一部を改正する法律案は、議
  院の会議において直ちに審議することの動議
  (阿部正俊君外二名提出)
 一、公職選挙法の一部を改正する法律案(衆議
  院提出)
     ─────・─────
#3
○議長(斎藤十朗君) これより会議を開きます。
 日程第一 国務大臣の演説に関する件(第三日)
 昨日に引き続き、これより順次質疑を許します。鶴岡洋君。
   〔鶴岡洋君登壇、拍手〕
#4
○鶴岡洋君 私は、公明党・改革クラブを代表いたしまして、ただいま議題となりました小渕総理の施政方針演説を中心に、若干の質問を行います。
 まず最初に、一言申し上げます。
 今日の深刻な経済危機の打開や社会保障制度の改革など大きな課題を抱えるこの通常国会において、冒頭から野党第一党の民主党が、共産、社民両党との野党共闘を優先させ、施政方針演説に対する代表質問を初め、一切の国会審議をボイコットしております。これは我が国憲政史上初めてのことであり、まさに議会制民主主義に対する挑戦であります。このままでは国民の政治に対する不信は増すばかりであります。私は、良識の府参議院までもこのような事態を招いたことをまことに残念に思い、甚だ遺憾であります。野党の諸君が一刻も早く国会に戻ることを願うものであります。
 さて、私は、新たな千年紀を迎えたことしは、二十世紀の総決算と二十一世紀への確かな道筋をつける大転換の年であり、国民に希望と勇気を与える力強い政治が要請される年と考えております。
 重苦しい世紀末の閉塞感にのみ込まれ、日本が衰退し崩壊への道をたどるのか、それとも未曾有の危機を克服し、希望と活力のある二十一世紀への道筋を明らかにすることができるのか、時代変革の大きな節目であります。私たち公明党は、昨年十月に保守・中道連立政権に参画し、政権与党としてその責任を共有することになりましたが、その責務を全うするために総力で取り組む決意であります。
 小渕総理は、公明新聞元旦号における神崎代表、浜四津代表代行との対談で、
  今年は千年に一度というミレニアムに当たります。このような重要な節目にあって、この連立政権をどう発展させていくのかが問われる一年になると思います。私は、次の世代に「品格にあふれた、美しい日本」を受け継いでいかねばならないと考えています。そのために、経済をはじめとする直面する苦難を克服する一年にしなければならないと深く決意していますし、連立内閣で、平和・福祉・環境で豊富な実績を持つ公明党のパワーを発揮していただくことによって、政治はより円熟味を増していくと思います。これからもオープンで活発な政策論議を進め、ともに国民本位の政治を展開していきたい。
と話されております。
 私どもも、昨年秋の第二次補正予算の編成や平成十二年度予算編成作業においては総力で取り組み、それなりの成果を上げることができたと自負しております。これからも二十一世紀からの要請、国民の切実な声を的確にとらえて、平和、福祉、環境、人権、教育などの諸課題に積極的に取り組む決意であります。
 今、我が国にとって何よりも大切なことは、二十一世紀における日本の姿を明確にし、国民が抱く将来への不安を払拭することであります。
 小渕内閣はミレニアム・プロジェクトとして三つのテーマ、すなわち情報化・高齢化・環境対応について研究開発を進めるとしておりますが、安心して暮らせる社会を構築するために社会保障制度の抜本的な見直しも急がなければなりません。
 そこで、昨日は連立与党自民党の村上正邦議員会長から外交、経済問題を中心に総理に質問されましたので、私からは、きょうは社会保障、環境問題について質問をいたします。
 初めに、社会保障制度のあり方についてお伺いいたします。
 我が国の二十一世紀を展望したとき、最大の課題は、当面する経済の再生と社会保障制度の抜本改革であります。中でも少子高齢化対策は急務であります。
 この四月から導入される介護保険制度や、年金、医療などさまざまな分野で高齢化は深刻な問題を投げかけております。高齢化問題は長寿化と少子化の二つの要因によってもたらされますが、世界史的に見れば人口問題の一側面と分析している学者もおります。
 二十世紀には、食糧生産の増加、医療の発達などのおかげで世界の人口が急増しており、この傾向は今後も続くものと予想されております。現在六十億人の世界人口が、発展途上国を中心に急増して二〇二五年には八十億人になるとの予測もあります。しかも、深刻なことは、先進国ではアメリカを除いてほとんどの国で人口が減少傾向にあることであります。
 合計特殊出生率は、イギリスが一・七一、フランスが一・七二、ドイツが一・二九、イタリアが一・二二、スウェーデンが一・六一と欧州先進国のほとんどが二を下回っております。我が国も一・三八と低迷を続けており、このまま推移すると百年後には我が国の人口は七千万人を下回ることになります。
 欧州先進国では低出生率とともに平均寿命が低迷しておりますが、我が国では平均寿命が延び続け、今や男女とも世界最高の長寿国であります。かつて人生五十年と言われていましたが、今では人生八十年であります。六十五歳以上の高齢者はことしじゅうには二千百八十七万人になり、総人口の一七・二%を占めることになります。二十年後には三千三百三十四万人で、総人口の二六・九%になると予測されております。まさに世界にその類例を見ないスピードで高齢化が進展しているのであります。
 長寿化はまことに喜ばしいことであります。しかし、高齢者になっても年金が確実に保障され、健康で社会参加できる生きがいのある老後でなくてはなりません。
 まず、年金制度についてお尋ねします。
 今の働き盛りのサラリーマンや中小企業の皆さんの将来の不安の一つは、果たして老後の年金は保障されるのかということであります。
 ある新聞社が昨年実施した調査によると、安心して老後を迎えられる社会ではないと回答した人が全国で八五%、東京では何と九四%、大阪では九〇%にも上っております。五年前の同調査より全国で一九%もふえております。私は、このような将来への不安が個人の消費を冷やし、景気の回復をおくらせ、社会の活力をも停滞させているものと実感するものであります。
 少子高齢化の急速な進展によって、現行の賦課方式の年金制度では、九五年には現役世代二・七人で引退世代一人を支えておりましたが、現行制度がそのまま継続されると高齢化のピークを迎える二〇二五年には一・四人で一人を支えることになります。要するに、現在のおよそ二倍の保険料を負担しなければならないということになります。これでは若い人たちは働く意欲を失いかねません。しかも、例えば今の二十五歳のサラリーマンが現行の年金制度のままであれば、将来、実際に支払った保険料の総額の七〇%しか年金給付を受けられないという試算もあります。二十一世紀を目前にして年金制度の改革は急務であり、私ども政治家に課せられた責務でもあります。
 ところが、さきの臨時国会では、年金改革法案が与野党の対立の中で継続審議のままになっております。法案の内容は、支給開始年齢の段階的引き上げで年金額の適正化を図り、一方、基礎年金に対する国庫負担を現在の三分の一から二分の一への引き上げを図るものであります。そのほか、学生の国民年金保険料を卒業後に追納できる特例制度や国民年金保険料の半額免除制度の導入など、プラス面もたくさん含まれているものであります。
 このような認識のもと、この継続審議となっている年金改革法案の一日も早い成立を目指しておりますが、いずれにしろ、後世代に過重な負担を残さず、かつ世代間の公平な負担を前提にした抜本改革が必要であります。
 この年金改革法案の取り扱いとあわせて、二十一世紀の年金制度改革への取り組みについて総理はどのようにお考えか、お伺いいたします。
 次に、高齢者の雇用についてお尋ねします。
 高齢化が進むにつれて五十歳から六十四歳の生産年齢人口が増加し続けております。また、六十五歳以上の高齢者の中にも社会参加を希望する人がたくさんおります。働くことは高齢者の生きがいや健康の維持と社会の活性化という視点からも大変に重要であります。
 事実、ある国民健康保険団体連合会の調査によると、シルバー人材センターの会員になって働く高齢者の医療費は同一市町村の同年齢の高齢者の平均医療費の五八・二%という結果が出ております。要するに、元気に働く高齢者は平均的な高齢者よりも医療費負担がおよそ四〇%も少ないということであります。年々増加する高齢者医療費の節減のためにも十分示唆に富む事例でありましょう。
 また、高齢者の雇用はひとり高齢者のためだけではなく、社会保険料を負担する側の人口を増大させ、保険給付を受ける側の人口を抑制することにもなります。そのような観点からも、高齢者の雇用拡大のための具体的対策を講ずることが急務であります。ところが、企業側が必要としているのは一般的には職場への適応力のある若い労働者であり、高齢労働者との間に必然的にミスマッチが生じ、ここにはどうしても国の的確な誘導政策が必要となってまいります。
 総理の高齢者の雇用に対するお考えをお伺いいたします。
 次に、深刻化する少子化問題についてお伺いします。
 九七年にゼロ歳から十四歳の年少人口が高齢者人口に追い抜かれてからはそのまま減少を続けており、二〇二二年には二分の一まで落ち込むと言われております。
 厚生省の調査では、夫婦が理想とする子供の数平均二・五三人を持とうとしない主な理由は、一つには子育てにお金がかかる、二つには教育にお金がかかるという結果が出ております。また、つい先日発表された新聞社の調査でも、国民の八割近くが少子化を深刻な問題としてとらえ、何らかの対策を望む人が九割強に達するなど、少子化の急激な進展を大変厳しく受けとめている国民が圧倒的多数を占めていることが明らかにされております。
 これらの調査でも明らかなように、子供を持とうとする夫婦にとって一番の支援は財政支援であり、児童手当の拡充が急務であります。諸外国の例を見ても、ドイツでは、十八歳未満の全員に第一子から日本円に換算して月額一万五千円以上支給しております。イギリス、フランス、スウェーデンでも支給対象を十六歳未満とするなど大変に充実した制度になっております。
 我々が、将来不安から進む少子化傾向に歯どめをかける対策の一環として、児童手当制度と奨学金制度を抜本的に見直し、拡充すべきだと主張しているのもそのためであります。
 児童手当制度については、支給対象年齢を現在のゼロ歳から三歳未満を十五歳までに拡大し、支給額を第一子、第二子は月額一万円、第三子以降は月額二万円に倍増して、親の所得制限は撤廃すべきであると主張してまいりました。また、十六歳以上の高校、専門学校生、大学生に対しては奨学金制度を拡充し、希望するすべての学生に無利子で貸与すべきだと考えております。
 この両制度の抜本的拡充については総理も十分に御理解をいただいており、特に奨学金制度については、十一年度予算や十二年度予算案では相当に拡充されました。児童手当制度についても、十二年度予算案では支給対象が三歳未満から六歳以下の未就学児にまで拡大されました。これは、今後の大幅拡充への第一歩と考えて評価しております。ただ、残念なことは、一部マスコミが児童手当に大盤振る舞いをする必要があるのかと疑問を呈していることであります。
 子育ては人生最大の事業であります。子育てに大変苦労されているヤングミセスの方々にこうした手当を支給するのはむしろ当然ではないかと思います。少子化対策は幾重にも施策を積み重ねて達成されるものであることは指摘されるまでもありません。しかし、児童手当は少子化対策の中核をなす施策であり、高齢者に対する年金にも匹敵するものであると私は考えております。
 総理は、将来不安から進む少子化傾向に歯どめをかけるため、どのように取り組まれるのか、またその中でこの児童手当制度と奨学金制度についていかなる見解を持っておられるのか、あわせてお伺いいたします。
 次に、介護保険制度についてお伺いします。
 いよいよこの四月から介護保険制度がスタートします。この介護保険制度が確実に運用されるよう施設整備、マンパワーの確保など強力に推進することはもちろんでありますが、それとともに、介護サービスの質をチェックする公平なシステムの整備が急務であります。厚生省は、そのためオンブズマン制度を設ける方針を決めましたが、それはまことに結構なことであります。
 しかし、私は、そのオンブズマンをどのようなメンバーで構成し、どのような点検、監視を行い、利用者の権利をどのように守るのか、また四月のスタートに間に合うのか心配しておりますが、この点について厚生大臣にお伺いいたします。
 厚生大臣にもう一点お伺いします。
 アレルギー対策についてでありますが、今や何らかのアレルギー性疾患を持つ国民は三千万人を上回り、さらに年々増加傾向にあると言われております。小児ぜんそく患者は百万人、成人ぜんそく患者は三百万人、それにアトピー性皮膚炎患者や杉花粉症などアレルギー性鼻炎の患者は人口の一割を超えると言われ、まさに国民病であります。
 私は、この深刻な事態を何とか打開すべく国は総力を挙げて取り組むべきだと考えておりますが、厚生大臣の御決意のほどをお聞かせください。
 公明党は「ムダ・ゼロ、ごみ・ゼロ、エゴ・ゼロ」の三ゼロ社会の実現を重要なテーマに掲げて真剣に取り組んでいるところであります。
 「ムダ・ゼロ」とは、行政のむだ、税金のむだ遣いをゼロにするということであります。そして、具体的に国民生活優先の視点から行政の効率化と税金の有効利用を図るため行政評価法の早期制定を提案しております。
 「ごみ・ゼロ」とは、簡単に言えば資源を有効に再利用する社会を目指すものであります。さきには不法輸出ごみ問題で国際的にも大変ひんしゅくを買ったところでありますが、これこそ大量に出るごみを大量埋め立てでしのいできたこれまでの廃棄物行政の破綻を象徴するものであります。
 また、東海村核臨界事故や地球温暖化問題などを考えるとき、我が国の各地域に潜在している地熱や太陽光や風力などの自然エネルギーを有効に活用すべきであります。自然エネルギーは環境負荷が小さく、純国産のエネルギーである等多くの利点があります。しかし、我が国のエネルギー総供給量のわずか一%程度であり、十年後でさえ三%と、既に一〇%を超えている欧米諸国と比較して余りにも貧弱であります。風や光バイオ技術などを活用した自然エネルギー産業を育成する施策を強化すべきであります。
 ところで、北国の雪は厄介者扱いされておりますが、雪一トンは灯油十三リッターに匹敵する冷却能力があると試算されております。純国産で無尽蔵の雪を省エネルギーや地域活性化の観点から、雪氷エネルギーを再評価すべきであります。現在、例えば北海道の美唄市など、全国で約三十カ所で住宅や貯蔵施設等に活用され始めており、火力発電所十数基分の自然エネルギー産業に発展する可能性があります。
 我々は、本年を循環型社会元年と位置づけて、大きく地域環境と共存できる循環型の社会づくりに取り組む決意であります。既に昨年末には、我が党提案の循環型社会形成推進法案も発表しましたが、既に与党三党のプロジェクトチームで協議を重ねているところであります。
 「エゴ・ゼロ」とは、共助社会を目指すものであります。
 二十一世紀社会に向けて小さくて効率的な政府を目指しているとき、自分のことは自分でという自助、行政がサポートする公助、ボランティアに象徴される共助の調和が大変大事になってまいります。中でも、欧米先進国に比べて大きく立ちおくれているボランティアへの支援体制の整備を急がなければなりません。ボランティア支援の代表的なものがNPOでありますが、アメリカでは百二十万団体あり、そこでは一千万人が働いております。しかも無償のボランティアではなくて、年収二万ドルから三万ドルで働いているということであります。要するに、雇用の確保という視点からも大変に有効ということであります。
 ところが、我が国では、このNPO法人への個人、法人の寄附の税控除など、税制の優遇措置については、従来のスケジュールでは、ことし十一月末までに結論を得て、一年後に必要な措置を講ずることになっております。しかし、既にNPO法が施行されてから一年を経過しております。一方では、高齢者の介護、福祉、過疎地域の整備、都市の再生など、NPOとの連携の必要性がますます高くなってきております。私は、かかる観点からNPO法にかかわる税制の優遇措置を急ぐべきだと考えております。
 総理は、我々の目指す三ゼロ社会の実現についていかなる御意見を持っておられますか。また、我が国の将来を展望したとき、自然エネルギー産業の育成とNPOによる雇用創出施策は大変に重要だと考えますが、あわせてお伺いいたします。
 また、ムダ・ゼロ社会の実現のためには、今進められている中央省庁の統廃合とあわせて行政評価法の制定を急ぐべきだと思いますが、続総務庁長官のお考えをお伺いします。
 小渕総理、あなたが初めて国政に挑まれたときのキャッチフレーズは、たしか「政界に新風を」、「聞かせて下さい皆さんの声を」、さらに「誠実であれ、謙虚であれ、勇敢であれ」という三あれ主義であったと私は記憶しております。
 学生時代から夢と希望は大きく、将来大政治家に、さらには総理大臣を志していた小渕青年を知る者の一人として、あの情熱に満ちた信念は今も変わらないものと確信をしております。初当選以来三十六年の歳月をかけて、その志が現実のものとなった今日、国民の声に誠実に耳を傾け、真に国家国民のために勇敢かつ大胆にその力を存分に発揮していただきたい。
 我々公明党は、小渕政権与党の一員として、この未曾有の危機を克服し、希望と活力ある二十一世紀の日本を構築するために総力で取り組むことをここで改めて表明いたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣小渕恵三君登壇、拍手〕
#5
○国務大臣(小渕恵三君) 鶴岡洋議員にお答え申し上げます。
 冒頭、鶴岡議員から、公明党が連立政権に参画するに当たっての強い決意を改めて述べられました。
 御紹介のありました対談で、浜四津代行が教育問題につきまして、子供たちが福祉の現場や環境の一環として町をきれいにする清掃活動など体験学習から学ぶことはたくさんあるはずだとされ、日本版の平和部隊の創設など提案をされまして、大変実りのある対談であったと記憶しております。
 さて、年金制度改革についてお尋ねがありました。
 現在審議中の年金改正法案は、公的年金につきまして、将来世代の過重な負担を防ぐとともに確実な給付を約束するとの考え方に立ったものでありまして、国民の公的年金に対する信頼を揺るぎないものとするため、一日も早い成立をお願いしたいと考えております。
 施政方針演説でも申し上げましたように、今後少子高齢化が急速に進行する中で、医療、年金、介護など制度ごとに縦割りに検討するのでなく、実際に費用を負担しサービスを受ける国民の視点から総合的検討が求められております。
 私は、いわゆる団塊の世代の人々がやがて高齢世代の仲間入りをすることを考えますと、これを最後の検討機会との思いで、先般、社会保障構造の在り方について考える有識者会議を設置し、横断的な観点からの検討をお願いいたしておるところでございます。
 高齢者の雇用についてお尋ねがありました。
 私は、年頭所感で述べましたように、「五つの未来」のうち「高齢世代の未来」の中で、私たちは多くの高齢の方々が元気で活躍されている事実をきちんと認識すべきであると述べ、最近、私はサードエージという言葉を初めて聞きましてある種の感銘を受けたことを申し上げたところであります。
 このような高齢者の雇用につきましては、急速に高齢化が進展する中で、将来にわたって我が国が経済の活力を維持していくためには、高齢者が長年培ってきた知識や経験を生かし、できる限り経済社会の担い手として活躍していただくことが重要であると考えております。
 政府としては、六十歳代前半層の多様な雇用就業ニーズに対応した高齢者雇用対策の推進に努めてきたところであります。今後におきましても、高齢者が意欲と能力に応じ、年齢にかかわりなく働き続けられる社会の実現を目指しつつ、当面対応すべき課題として、六十五歳まで働き続けることのできる雇用機会の確保を図るため、所要の法改正を含め、高齢者雇用対策の充実に努めてまいります。
 議員から、少子化問題を厳しく受けとめ、これに対する取り組みについてのお尋ねがありました。
 議員御指摘のように、我が国におきましては、合計特殊出生率も減少傾向をたどり、一九九八年には一・三八まで低下しております。一方、北欧諸国では、例えばデンマークでは、一九八三年、日本の現在と同じ最低一・三八まで低下いたしましたが、一九八〇年前後に少子化傾向に歯どめがかかり、現在では一・八前後にまで回復してきております。これに関しまして、昨年六月、ケルン・サミットの後に北欧サミットが行われましたアイスランドを訪れました際、グリムソン大統領から次のような示唆のあるお話を伺いました。
 北欧諸国で少子化傾向に歯どめがかかったのは、三十代後半、四十代の夫婦が子供をつくるようになったことが大きく影響している。社会全体が経済的に潤い、余裕が出てきたことを一般的背景として、特にこの世代が家計的にも社会的にも安定し、若いときほどあくせく働く必要を感じなくなったとき、物質的な豊かさに加えて家庭という精神的な豊かさを求めるようになったあかしである。
 昨晩、NHKの「クローズアップ現代」におきまして、日本におきましても、「増える三十五歳からの出産・育児」という番組がありましたが、大変関心を持って見たところであります。
 私は、こうした大統領の示唆に富むお話を伺い、少子化対策を進めるに当たりまして、もろもろの政策があろうかと思いますが、いずれにしても、二十一世紀の我が国を若い男女が家庭や子育てに夢や希望を持つことができる社会にするということが大変重要であるとの思いを新たにいたしております。
 政府としては、昨年末に策定した少子化対策推進基本方針や新エンゼルプランなどに沿って、保育・雇用環境の整備など総合的な少子化対策を実施しておるところであります。
 御指摘の児童手当につきましては、このような対策の一環として、十二年六月から支給対象年齢を現在の三歳未満から義務教育就学前まで拡大することにし、このための制度改正法案を今国会に提出いたしてまいります。
 また、奨学金につきまして、学生が自立して学べるようにするために、無利子、有利子をあわせてその充実を図っていくことが重要であると考えており、十二年度におきましても引き続き貸与人員の増員などを行うこととしているところであります。
 議員は、公明党が真剣に取り組まれておる三ゼロ社会の実現について述べられました。
 まず、行政のむだ、税金のむだ遣いをゼロにするというムダ・ゼロ社会の実現についてのお尋ねがありました。
 政策評価制度によりまして、国民にとって政策が有効なものとなっているか、効率的なものとなっているかといった観点からの評価が行われることとなっており、御指摘のようなむだのない行政を実現するためには、平成十三年一月から全政府的に導入される政策評価制度を十分活用していくことが重要であると考えております。また、政策評価制度の法制化につきまして検討を急いでまいる所存でございます。
 なお、行政コストの削減につきましては、私のイニシアチブによりまして、各省庁が所掌する行政分野ごとに十一年度から十年間に三〇%削減を目指し、全力を挙げて取り組んでいるところであります。
 ごみ・ゼロ社会の実現についてでありますが、物の循環的な利用を促進することによってごみ・ゼロ型の循環型社会の構築を図ることは極めて重要な課題であります。このため、私は、平成十二年度を循環型社会元年と位置づけ、そのための基本的な枠組みとなる法案を国会に提出するとともに、廃棄物、リサイクル関係法律の整備を図り、循環型社会を実現すべく取り組んでまいります。
 エゴ・ゼロの実現、すなわち共助社会を目指す取り組みについてのお尋ねがありました。
 非営利団体に法人格を付与すること等を通じてその活動を促進することを目的とした特定非営利活動促進法、いわゆるNPO法が十年十二月一日から施行されたところであります。
 特定非営利活動促進法は、国会の附帯決議において、税制を含めた制度の見直しについて、法施行後二年以内に検討し、結論を得るものとされております。NPOに関する制度につきましては、政府におきましても、国民生活審議会等でその政策対応のあり方について調査審議を行っておるところであります。
 自然エネルギー産業の育成についてでありますが、自然エネルギーの中で、太陽光発電、風力発電などの新エネルギーにつきましては、経済性や安定性などの難しい課題も伴うものの、地球環境問題への対応やエネルギー安定供給の確保、また新規産業の創造や雇用の創出の観点から、その開発、導入を積極的に推進することが重要だと考えます。
 このため、二〇一〇年度におきまして、新エネルギーの導入量を現在の約三倍、一次エネルギーの総供給の約三%にするという高い目標を設定しており、その実現に向けて最大限の努力を行ってまいります。
 NPOについてお尋ねがありました。
 議員御指摘のとおり、政府としても、NPOが雇用創出に果たす役割は重要であると考えております。
 このため、昨年六月に策定いたしました緊急雇用対策の一環として、NPO人材バンクの設置により、NPOボランティア活動希望者及びNPO双方においての登録・情報提供事業を行っております。
 また、同対策におきまして、各地方公共団体の創意工夫に基づき、約三十万人の雇用就業機会の創出を図るための緊急地域雇用特別交付金事業を実施しているところでありますが、この事業におきましては、NPOも事業の委託先の一つとしております。
 今後とも、これらの事業を通じて、NPOに係る支援を推進してまいります。
 最後になりましたが、議員は、私が初めて国政に挑戦した三十六年前の私のキャッチフレーズ、「誠実であれ、謙虚であれ、勇敢であれ」を御紹介いただきました。この初心を忘れず国政に邁進をいたしますので、一層の御支援と御理解をお願い申し上げます。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣丹羽雄哉君登壇、拍手〕
#6
○国務大臣(丹羽雄哉君) 私に対しましては二問のお尋ねがございました。
 介護サービスの質をチェックするシステムについてのお尋ねでございますが、私といたしましても、介護保険を円滑に施行するためには、介護サービスの供給量の確保に取り組むことはもちろんでございますが、これに加えまして、サービスの質の確保や利用者の権利擁護に向けた取り組みが重要である、このように考えているような次第でございます。
 したがいまして、このため、いわゆる摘発や監視といった性格のものではなく、サービス内容の改善や円滑なサービス利用を目指すものとして、例えば、元気なお年寄りや地域で活躍されている方々が、いわゆる第三者的な立場から、施設などに赴いて、サービス利用者の相談に応じたり事業者に助言を行うなどの取り組みを進めることができないかと考えているような次第でございます。
 いずれにいたしましても、こうした取り組みは地域の実情に応じて各地方自治体の考えを尊重して行うべきものであり、実施する自治体については四月に間に合うように国としても支援をしていきたい、このように考えているような次第でございます。
 それから、次がアレルギー疾患についてのお尋ねでございます。
 何らかのアレルギー疾患を有する国民は年々増加の傾向にあり、今や放置できない大変重要な問題になっていると認識しておりますが、率直に申し上げまして、根本的な解決を見出すことはなかなかできない大変難しい問題であることも事実でございます。
 アレルギー疾患対策につきましては、厚生省としてはこれまでも、平成四年度から研究班を設置して、気管支ぜんそく、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患の病因の解明や治療法の研究を図ってきたところであります。
 この四月からさらに関係省庁と一層の連携を図りながら、杉花粉、さらに食生活、環境などのアレルギー疾患の原因に関する研究、治療などの医学的研究を総合的に推進するとともに、これらの研究成果の全国的な普及を図るため、国立病院を含む医療機関、研究機関などによる連携体制の構築をあわせ図るなど、我が国のアレルギー対策のために一層の推進を図っていく決意を新たにするものでございます。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣続訓弘君登壇、拍手〕
#7
○国務大臣(続訓弘君) 鶴岡議員の代表質問に御答弁申し上げます。
 私には、行政評価法の制定についてお尋ねがございました。
 政策評価制度の法制化につきましては、中央省庁等改革関連十七法案に対する衆参両院の特別委員会における附帯決議におきまして、行政評価法について早急に検討することとされたところでございます。
 このため、まず、有識者から成る政策評価の手法等に関する研究会において、政策評価に関する基本的な考え方と評価方法等に関する考え方をこの二月にも中間的に整理し、広く公表することを予定しております。その上で、本年七月を目途に政策評価の実施方法等に関する標準的ガイドラインの案を策定するとともに、法制化すべき事項の検討を急ぎ、法制化の時期の前倒しに努力する所存でございます。
 以上でございます。(拍手)
    ─────────────
#8
○議長(斎藤十朗君) 扇千景君。
   〔扇千景君登壇、拍手〕
#9
○扇千景君 私は、自由党を代表し、総理の施政方針演説等政府四演説に対し、重点を絞って総理並びに関係大臣に質問をいたします。
 二十世紀最後の通常国会であるこの国会から衆参両院に憲法調査会が設置されることになりました。
 我が国においては、これまで現行憲法の是非について論じ、ましてその改正に言及することなど全くタブー視されてまいりました。憲法において言論の自由と民主主義を保障していながら、その憲法に触れることを許さないのは論理矛盾であります。
 私たちは、子供を育てるとき、子供の成長に合わせて着るものを大きく変えていきます。憲法も国の成長、時代の変化、取り巻く状況の変化に応じ変えていかなければ、現実と乖離し、矛盾が生じるのは当たり前であります。
 しかしながら、我が国においては、現状の変化に対し、憲法の条文を変えることなく、その場その場の解釈の変更でこれに対応してきたのであります。国の根本規範である憲法を時の政府の政策判断により、解釈の変更を通じ実質的に変えていくやり方は異常であり、法治国家として余りにも不自然であります。
 戦後の占領下につくられた昭和憲法は、日本の歴史、伝統、文化の継承は顧みられることなく、外来の文化、価値を日本に植えつけ、根づかせるためにつくられました。しかも、外国人の手によってであります。
 今日、我が国は、国家目標の喪失、日本人としてのアイデンティティーの喪失、経済を初め各分野での行き詰まりといった国家衰退とも呼ぶべき状況を呈しておりますが、その根本は憲法にこそあると考えるものであります。
 国の形の基本をなす憲法は、国民の代表であり、唯一の立法機関である国会が国民の意見を聞きながら定めていくという議会制民主主義の本来のあり方に立ち返るべきであります。今回設置された憲法調査会の目的はここにあり、これを政争の具とすることなく、今こそ我々は国の再興をかけて、日本の歴史と伝統を踏まえ、新しい時代における日本、そして日本人としてのあり方を国民レベルで幅広く議論し、伝統と風格のある国日本にふさわしい国家の基本を一日も早く定めるべきであります。
 総理は、施政方針において、今の子供たちが大人になったとき、日本という国家は世界から確固たる尊敬が得られるようになっているだろうかと心配されております。憲法を見直すことなくして、世界から尊敬が得られる国家になることはできません。また、総理の言われる富国有徳の理念の実現も憲法を見直さずして実現はできません。総理の思いを形にするには憲法の見直しが不可欠であると考えますが、総理の御見解及び総理の憲法に対する御所見を伺いたいと思います。
 また、現行憲法には、内容以前に、国民の憲法制定権を制約する重大な欠陥があります。憲法の第九十六条の憲法改正手続制度が整備されず放置されてきたという問題であります。自由党は、その欠陥を正し、国民主権の前提である国民の憲法制定権を明確にするため、日本国憲法改正投票法案の制定を求めているものでありますが、この点について総理の御所見を伺います。
 次は、教育の問題であります。
 総理は、施政方針において、教育改革を小渕内閣の最重要課題として取り組まれる方針を表明されました。教育問題に長く携わってきた私としては大変大歓迎であり、意を強くしたところであります。
 しかしながら、教育基本法の問題に一言も言及されなかったことに対し、私は極めて残念に思います。なぜなら、今日の教育問題の根本は、戦後教育の基本をなしてきた教育基本法にあり、その見直しなくして問題の根本的解決はあり得ないと考えるものであります。このことは、文部省の中教審が昭和二十八年以来三十四回も答申を重ね、それに基づく施策を進めてきたにもかかわらず、事態は改善どころかますます悪化してきているという事実、また、昭和五十九年、中曽根内閣当時、抜本的教育改革を目指して総理のもとに発足した臨時教育審議会も、教育基本法の改正に触れないことを前提とした結果、三年も審議したにもかかわらず、現在その立派な提言も生かし切れていない事実、まさに玉磨かざれば光なしを如実に示しております。
 教育基本法は、戦後、占領軍の強い指導により制定されました。そこにおいては、民主主義の基本である個人の尊厳、教育権の保障、国際社会への貢献などに重点が置かれているものの、戦前の国家主義的教育の弊害除去に急な余り、日本の歴史・文化・伝統、家族、共同体の一員としての責任、規律、民族としての連帯感など、独立国としての日本人の教育、道徳などは否定ないし軽視されてまいりました。今日の教育問題の根本はまさにここにあります。
 総理は、創造への挑戦として、創造性の高い人材の育成を目指す教育改革を目標の第一に挙げられております。創造性だけなら制度、システムの問題であり、今の教育基本法でもできることでありましょう。
 しかしながら、総理の言われる家庭での教育、学校・家庭・地域社会一帯となった教育、悪いことをしたら親が子供をしかる、社会がよその子供をしかる、自分に厳しく、相手に優しく、素直で賢い自己の確立と助け合い、いたわりの気持ちの大切さなどは、教育の理念、根本を正さない限り不可能であります。いずれも中教審答申や臨時教育審議会などにおいて幾度となく提言され、実現してこなかった課題であります。
 人間としてあるべき普遍的道徳を軽視し、共同体の一員としての自覚と責任を軽視し、自由と個人の尊重のみを強調する教育が、結果として人間形成をゆがめ、社会にひずみを生ずるのは当然のことであります。著しい社会のモラルの低下、自分勝手というエゴイズムのはんらん、風俗の乱れ、異常な金銭感覚などに見られる精神文化の退廃などであります。また、自分の国の悪い面のみを強調する自虐的歴史教育は、日本人としての誇りを奪ったのであります。
 今日、青少年犯罪の多発、低年齢化、凶悪化、学校での児童生徒の心の荒廃、カルト宗教の横行、援助交際などの問題はその反映であり、その責任の多くは、戦後の教育基本法のもとで教育を受け、今日の日本の中核をなしている我々大人にあります。子供は親の背を見て育つと言われることそのものであります。
 今こそ、日本と子供の未来をかけて教育基本法の見直しに着手すべきであります。総理の言われる、二十一世紀の日本を世界から尊敬される国とする、自分に厳しく、相手に優しく、素直で賢く、いたわりの気持ちを持った人間の育成、その実現のためにも教育基本法は見直すべきであります。
 かかる意味を込めて、自由党は、与党三党合意において、教育改革国民会議を設置し、教育基本法の見直しも検討課題として明記させていただいたのであります。
 総理の教育基本法に対する御見解及び教育改革国民会議において教育基本法の見直しを諮問する方針かどうか、またいつまでにというタイムリミットもお考えか、お伺いをいたします。
 また、中曽根文部大臣に対し、大臣は、二月中にも中央教育審議会に対し、時代の変化に対応した新しい教育のあり方について諮問し、その中で教育基本法の検討も依頼する方針だと伺いますが、その意図、また教育改革国民会議との関係についてお伺いをいたします。
 次は、危機管理の問題についてであります。
 総理は、施政方針演説において、安心への挑戦をうたわれておりますが、阪神・淡路大震災について簡単に触れられただけであります。残念に思います。
 戦後五十年の節目の年である平成七年に、我が国の安全神話を覆す二つの大きな出来事がありました。一月十七日の阪神・淡路大震災、三月のオウム真理教による地下鉄サリン事件であります。
 六千四百人余のとうとい人命を奪った阪神・淡路大震災で明らかになったことは、国の危機管理に対する迅速な意思決定の欠如と防災・救援システムの不備の実態であり、国民の生命と財産を守るべき国家が危機に際し無力であり、その使命を果たし得ないという姿を白日のもとにさらけ出したのであります。
 我々は、これらの出来事を日本の社会システム全体への警鐘として受けとめ、国民一人一人の生活の中で教訓を生かし、法体系の見直しを含め、万全の危機管理体制を構築すべきであります。
 外国には、災害時に一家の全員が脱出できた家は、家の前に旗を立てるという国もあります。そうすれば速やかに次の家へ救助に向かえるからであります。また、電話のイエローページには避難所や緊急時の手順などが載せられ、住民が災害時に速やかに対応できる体制が整っている国もあると聞いております。
 治にいて乱を忘れずと申します。阪神・淡路大震災の教訓は果たして生かされたと言えるでしょうか。五年たち、危機管理は、のど元過ぎれば熱さを忘れになっていると思います。
 例えば、我々国民の知らない間に日本上空をテポドンが通過したり、漁船にカムフラージュした工作船は日本海奥深く侵入していても、結局、庭に入った犬を追い出すようにしかできず、何の追及もできない、国家たり得ない姿を国民にどう説明すればいいのでしょうか。
 北朝鮮に拉致されたと思われる日本人十名の人権は、我々、家族の心情を酌み取り、本人の人権のためにも、真相を究明することこそが法治国家たり得るのではないでしょうか。
 近隣国の港から日本へ不法入国しようとする難民、亡国民とも言うべき人々の数が、平成十年一年間だけでも七千四百七十二人に及びます。戦後五十五年、日本から他国への亡命者がゼロなのは日本の誇るべきことでしょうが、これらの不法入国者に対し、政府はどんな対処をこれらの人の母国に申し入れをしているのでしょうか。
 もっと重要なことは、憲法上も一言一句位置づけられず、自衛隊イコール災害救助隊と言われるほど気の毒な自衛隊は、日本国民の安全、安心を真に達成するために、名称を国防省に改め、国民に認知された位置づけをし、誇りと責任を持って活動していただきたいと国民の多くが望んでおります。自衛隊の最高指揮官たる総理は、これをどう受けとめておられますか。
 さらに、もっと根本的には、我が国有事の際にどのように対処するのかという有事法制について、政府は法制化を前提に速やかに作業を進めるべきだと思います。
 また、最近、危機管理に甘い我が国政府を嘲笑するかのように、科学技術庁や総務庁のホームページ、ついには参議院にもハッカーが侵入し、内容が書きかえられるという問題が発生いたしました。官公庁や金融機関、原子力発電所、情報通信、交通、医療機関などのコンピューターシステムへの不法侵入に対応するために、サイバーテロ対策も急務となっております。国際的な協力体制の強化や安全性の高い製品とするための技術開発、民間のシステムのスペシャリストの協力体制の整備などを積極的に行うべきであります。
 何が起こるかわからないというのが危機管理の本質であります。危機に際して、総理自身の確固たる信念と強いリーダーシップが何よりも求められるのであります。
 以上の諸点について、小渕総理の御見解をお尋ねいたしたいと思います。
 次は、薬物犯罪の問題についてであります。
 私は、かつて、本会議においてもこの問題を取り上げ、薬物乱用対策本部の本部長は総理が務めること、また、学校において乱用防止教育を十分に行うための具体的な支援策を確立することなどを提言いたしました。その後、それによって薬物乱用対策本部長は総理が就任することとなり、また、関連の法整備にも一定の前進が見られたことは事実であります。
 しかしながら、近年、外国人組織による薬物の密売事犯の増加や暴力団による薬物の不正取引、また、それらによる薬物取締法違反の検挙人員の増加、また、押収覚せい剤の量が昨年は一九九六年の約五倍という過去最大の二トン弱に達するなど、深刻な事態が続いております。とりわけ、次代を担う青少年の薬物汚染はゆゆしき事態であります。
 そこで、私は、今後政府がとるべき対策として、二点提案したいと思います。
 第一点は、青少年の薬物乱用を防ぐこと。それには、日本の将来を担う青少年が薬物に汚染されることは、そのまま日本の将来の危機につながるわけでございます。政府としても、麻薬・覚せい剤撲滅運動や「ダメ。ゼッタイ。」普及運動などを実施しておりますが、撲滅キャラバンカーをもっとふやし、全国の小中高校に巡回して、青少年に心身をむしばむ恐ろしさを政府は教育の場で、また、テレビやインターネットを使って一層の啓蒙活動を実施する必要があると考えます。
 第二点は、外国人の組織による薬物密売の取り締まり強化です。
 薬物押収量が格段に増加した背景には、外国人組織と暴力団が結託して行う組織的かつ大規模な密輸に原因がございます。これら大量の密輸を水際で防ぐためにも、思い切った予算を投入し、海上保安庁等の体制強化を行うべきであると考えます。
 以上の諸点を踏まえ、対策本部長たる総理の薬物犯罪撲滅に向けた基本姿勢についてお伺いいたします。
 自由党は、危機的状況にあるこの日本を立て直し、その再興を図るために、基本政策である「日本再興へのシナリオ」をまとめ、その実現に全力を尽くしてまいりました。自由党が自民党、そしてその後の公明党・改革クラブを加えた連立政権の参加に踏み切った理由もここにあります。国家国民のため、党の基本政策実現に一歩でも近づくためでございます。
 連立政権への参加により、これまで政府委員制度の廃止、閣僚数の削減、国家公務員数の十年二五%の削減など、歴史的な制度改革を実現することができました。しかしながら、安全保障の問題、経済構造改革、社会保障制度の構造改革などは、三党間で基本的方向で合意していながらいまだ具体化せず、実現しておりません。
 連立政権で最も大事なことは政党間の信頼であり、きのう小渕総理がおっしゃった信なくば立たずであります。そのためにお互いが合意し、国民に約束した政策は誠実に実行していくことであります。それなくして連立政権は成り立ちません。
 また、きのう自由民主党の村上議員会長の質問の中にもありましたが、連立三党の合意・政策実現のためにも解散総選挙をする時間はないと思いますが、いかがでしょうか、お聞かせください。また、総理は今日の連立政権の現状をどのように評価し、今後どう対処されるか、決意をお伺いいたします。
 今国会は、通常国会としては二十世紀最後の国会であります。今、この壇上から議場を見るとき、何としても情けない思いでいっぱいでございます。衆議院の定数二十削減は、国民の税金をいかに有効に使用するかということで、国会議員みずからが身を削って姿勢を示そうとするものであり、増員するので反対ならともかく、削減反対を与党の横暴にすりかえ、ふだんは参議院の独自性を主張しながら、みずからを否定するような行動で連日審議に参加しない状況を二十一世紀を担う子供たちに何と説明できるのでしょうか。もっと国の根源にかかわることで行動すべきであり、過ちを改めざる、これを過ちと言うということに一分一秒も早く気づいて土俵に上がり、堂々と論陣を張るべきであります。
 我々参議院は、参議院の特性を生かし、政党間の垣根を低くし、与野党の枠を超え、二十一世紀日本のあり方について真剣に議論していこうではありませんか。その必要性を強く訴え、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣小渕恵三君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(小渕恵三君) 扇千景議員にお答え申し上げます。
 冒頭、議員より、今国会から衆参両院に憲法調査会が設置されたことを踏まえ、我が国が世界から尊敬を得られる国であるためにはまずもって憲法の見直しが不可欠であるとの御主張がありました。
 憲法の基本理念である民主主義、平和主義及び基本的人権の尊重は、憲法が制定されてから今日に至るまでの間、一貫して国民から広く支持されてきたものであって、これを堅持すべきものと考えております。
 一方、私はかねてから憲法は不磨の大典ではないと申し上げているところであり、憲法が法理的に永久不変のものとは考えておりません。現に、憲法第九十六条には憲法の改正手続が規定されていることは議員も十分御承知のとおりであります。また、欧米の先進諸国におきましてこの半世紀の間に多くの改正が行われております。議員御指摘のとおり、まさしく時代の変遷とともに憲法もまた国民の意思により変化を遂げているのがいわば世界の現実であろうかと思います。
 他方、我が国におきましては、昭和三十二年、内閣に憲法調査会が設置され、七年間にわたる調査、審議の末、さまざまな意見を網羅する形で報告書がまとめられてきたという経緯があります。
 こうした意味からも、我が国憲政史上初めて、国権の最高機関たる国会に憲法調査会が設置されたことは極めて意義深く、将来の我が国の基本的あり方を見据えて幅広く熱心な議論が行われることを心から期待いたしておるところであります。
 また、憲法改正手続を具体的に定める法律の必要性についてでありますが、私も、議員を初めとする自由党の方々が憲法改正国民投票法案及び国会法改正案を作成しておられることは承知いたしております。
 憲法改正の手続につきましては、さきに述べました憲法第九十六条の規定のみでは不可能であり、国民投票の制度などについて法律でこれを定める必要があることはかねてより政府としても申し上げているところであります。いずれにしても、憲法の改正に係る手続の法制化につきましては、今後憲法に関する議論の中で検討されるものではないかと思います。
 扇議員から、教育基本法制定時の諸状況にまでさかのぼり、教育問題に長く携わってこられた御経験に基づき、教育改革についてのお尋ねがありました。
 議員御指摘のとおり、私は、施政方針演説におきまして、教育立国を目指し、社会のあり方まで含めた抜本的な教育改革を内閣の最重要課題として取り上げることをお誓い申し上げました。このため、三党派間の合意に相呼応して、私は、教育改革国民会議を設置することといたしました。
 そもそも教育改革とは何ぞやという原点に立ち返って、戦後教育について総点検するとともに、現在の教育の問題がなぜ起こっているかも含めて分析、検討していただきたいと考えております。
 この教育改革国民会議を発足させるに当たりまして、議論をぜひ国民全体に広がりを持ったものといたしたいと考え、教育のあり方について各界の有識者の方々から意見を伺うべく、文部大臣との連名で依頼するとともに、あわせて広く国民の皆様方からも意見をいただくことといたしました。
 なお、国民の皆様から既に郵送、ファクス、電子メールを通じて昨日まで十三日間で三百二十二通に及ぶ多数の意見が寄せられております。
 議員御指摘の教育基本法に関してでありますが、昭和二十二年に制定された同法の作成過程については、私も、NHKテレビのドキュメンタリー番組等を通じて、教育刷新委員会での御議論などその経緯をよく承知いたしております。
 教育基本法につきましては、制定以来五十年余りを経ており、教育全般についてさまざまな問題が生じている今日、これらについて大いに議論する中で、家族、地域社会、個人と公さらには生涯学習の観点も含め、幅広く議論を積み重ねていくことが重要であると考えております。
 なお、教育改革国民会議につきましては、各界の有識者から御意見を二月末までにいただくことになっており、その上で早急に発足させる所存であります。
 私は、教育は国家百年の大計と常々申し上げており、百年の大計をつくるという思いで、腰を据えて密度の高い議論を積み重ねていただきたいと考えております。
 危機管理機能の強化についてお尋ねがありました。
 御指摘のように、何が起こるかわからないというのが危機管理の本質であります。
 したがって、発生の際に最悪の状況を想定しながら先手先手と手を打つのが鉄則であります。平素から最悪のシナリオをもとにどれだけの準備がなされているかが、危機の際の対処の明暗を分けることになります。
 このような危機管理の本質を痛切に思い知らされたのが御指摘の阪神・淡路大震災でありました。
 その際の貴重な教訓に基づき、政府としては、災害対策基本法の改正、情報集約機能の強化、関係閣僚の緊急参集体制の整備、内閣危機管理監の設置など、政府の全体の危機管理機能の強化を行っておるところであります。
 なお、外国における電話のイエローページについての御紹介がありましたが、我が国におきましても昨年よりNTTの協力を得て電話帳に防災・危険情報をレッドページという形で掲載し、地域住民の方々が災害発生時に危険地域、避難場所、避難心得など迅速に確認のできる方策を全国に順次進めているところであります。
 また、一昨年の北朝鮮による弾道ミサイル発射を踏まえ、連絡体制等の一層の充実を図っているところであります。これに加え、情報収集衛星の整備も進めております。
 さらに、昨年三月の能登半島沖不審船事案については、同年六月の関係閣僚会議におきまして了承された教訓、反省事項を踏まえ、海上保安庁と自衛隊との共同対処マニュアルを策定するとともに、海上保安庁における高速巡視船の導入や自衛隊における新型ミサイル艇の能力向上等を行っているところであります。
 国民の生命、財産を守ることは政府の最も重要な責務であると認識をしており、我が国の危機管理体制を一層強固なものとするための努力を今後とも引き続き責任を持って行ってまいる所存であります。
 御指摘の拉致容疑問題は、我が国国民の生命と安全にかかわる重要な問題と認識しており、昨年の日朝国交正常化交渉再開のための予備会談の際も、我が方より、この問題は日朝関係を改善する上で避けて通れない問題である旨、先方に率直に指摘いたしております。
 政府としては、今後できるだけ早く次回予備会談を行い、本格的な対話を実施し、さまざまな問題について日朝間で話し合いを行っていく考えであります。そうした中で、あらゆる機会をとらえ、拉致容疑問題に対する北朝鮮の真剣な対応を粘り強く求めていく所存であります。国会議員の皆様におかれましても、このような政府の努力に対し、格別の御支援をいただきたいと思います。
 不法入国者に関するお尋ねがありました。
 この問題につきましては、こうした事例が顕著な諸国に対し、さまざまな機会をとらえ、厳格な出入国管理の実施を要請しているところであります。今後とも、これらの諸国に一層の協力を求めてまいりたいと考えております。
 自衛隊に対し国民に認知された位置づけを与えるためにも、防衛庁を国防省に改めるべきとの御指摘がありました。
 国民が自分の国は自分で守るという気概を持ち、国として適切な防衛体制をとることは、国家存立の基本であると認識をいたしておるところであります。
 防衛庁の省への昇格につきましては、行革会議の最終報告において、政治の場で議論をすべき課題とされておりますが、私としては、主要な諸外国の中で国防を担当する組織が英訳でエージェンシーという形をとっている国はないと十分承知をいたしておるところであります。したがって、この問題については、このような点も踏まえ、国民の十分な理解が得られる形で議論が尽くされることが重要であると考えております。
 有事法制についてのお尋ねがありました。
 有事法制の研究は、昭和五十二年、福田内閣総理大臣の了承のもとで三原防衛庁長官の指示によって法制化を前提とすることなく始められたものであります。当時としては、有事法制の研究それ自体が我が国を有事に巻き込むことにつながるとの考え方が国民の一部にあったことも事実であります。しかし、二十年以上の時を経て、当時の状況と今日の状況との間には時代的変化、国民の意識の変化があるのではないでしょうか。今日、識者の間には、シビリアンコントロールを徹底するとの観点から、平素から有事法制を整備しておくことは極めて重要との指摘もあり、国民の間にもかかる考え方が浸透しつつあるように思われます。
 私といたしましては、有事法制は、我が国への武力攻撃などに際し、自衛隊等がシビリアンコントロールのもとで適切に対処し、国民の生命、財産を守るために必要であり、平時においてこそ備えておくべきものであると深く認識いたしておるところであります。
 次に、サイバーテロ対策に関する御質問がありました。
 先日、「電脳社会・闇の侵入者」と題するテレビ番組で、いわゆるハッカーが米軍や政府機関のコンピューターに侵入した様子が具体的に描かれておりましたが、我が国自衛隊等の重要システムは現時点ではインターネット網に接続点を有していないという違いはありますが、大いに危機感を抱いた次第であります。
 さきに成立した不正アクセスの禁止等に関する法律が今月十三日から施行される予定であります。同法律の活用はもとよりでありますが、政府といたしましては、議員御指摘の国際的連携の強化、技術開発等各種の対策をも盛り込んだハッカー対策等の基盤整備にかかわる行動計画を先月決定したところであり、今後とも本格的サイバーテロを念頭に置いた対策の強化を急ぎたいと考えております。
 薬物犯罪撲滅に向けた薬物乱用対策推進本部本部長としての基本姿勢についてお尋ねがありました。
 議員御指摘のとおり、ここ数年、我が国の将来を担う青少年にまで薬物乱用が広がり、極めて憂慮すべき状況にあります。政府といたしましても、青少年に対し薬物乱用の危険性を十分理解させるための広報・啓発活動を推進しておりまして、そのため有効な手段の一つとして、薬物乱用防止キャラバンカー等の広報啓発用車両の整備に努めてきているところであります。また、青少年に強い影響力を持つ音楽家小室哲哉氏とTMNにも薬物乱用防止活動に対するキャンペーンソングの作成など御協力いただいております。
 昨年の覚せい剤の押収量を見ますと、年間二トンに迫るなど、薬物の密輸事件は従来にも増して大規模、組織化しており、また、国内の暴力団や外国の薬物犯罪組織が関与しているものが多く見られます。御指摘のとおりであります。これらの薬物の密輸を水際で検挙するためには、御指摘の海上保安庁はもとより、警察、税関、麻薬取締官等の関係機関が密接な連携のもとに強力な取り締まりを推進することが必要であります。
 いずれにいたしましても、薬物乱用問題は国民生活にかかわる重要な問題であり、今後とも薬物乱用対策推進本部を中心として、政府を挙げて諸対策に真剣に取り組んでまいる所存であります。
 昨日の本会議におきまして、村上議員から、十二年度予算を早期成立させるとともに、九州・沖縄サミットをぜひとも成功させるべしと述べられた上で、伝家の宝刀を抜く誘惑に負けるなとの御発言がありました。
 私は、繰り返しお話ししているところでありますが、十二年度予算は景気の本格回復のかぎとなるものであり、その早期成立が何としても必要であります。また、九州・沖縄サミットは、議長国として絶対に成功させなければならない課題であるということは言うまでもありません。他方、衆議院の解散は実際上内閣総理大臣に与えられている大権であります。あくまでも国民そして国家、そのことを判断の基準に据えつつ、解散して国民の信を問うべき事態に立ち至ったと考えられるときには、これはちゅうちょすることなく断行すべきものであると考えております。
 最後に、連立政権についての評価や今後の決意についてお尋ねがありました。
 昨年一月発足した自自連立政権は、さらに公明党の協力を得まして、昨年の通常国会においてガイドライン法や国旗・国歌法などの成立を初めとして数多くの成果を上げることができました。こうした実績や基礎に立ち、昨年十月、明確な形で三党が責任を共有し、相協力していくべき三党の連立政権を樹立したところであります。
 既に、この連立政権で臨んだ昨年の臨時国会においては、経済や国民の安全確保などの面で大きな成果を得ることができました。まさに三本の矢の例えのように、この連立政権をさらに一層しなやかで強固なものたらしめ、国民の期待にこたえられるよう、私はその先頭に立って取り組んでまいる決意であります。
 御協力を心からお願いいたしたい次第であります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁いたさせます。(拍手)
   〔国務大臣中曽根弘文君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(中曽根弘文君) 扇千景議員には、長年教育の問題に熱心に取り組まれておられることに心から敬意を表します。
 さて、中央教育審議会についてのお尋ねでございますけれども、先ほど小渕総理がお答えされましたとおり、今後、教育改革国民会議におきまして教育の基本の問題について幅広く検討がなされることと考えております。
 中央教育審議会の今後の審議のあり方につきましては、私は、このような教育改革国民会議の動向も見きわめる必要があろうと考えております。現在、中央教育審議会にどのような御審議をいただくかなど検討をしているところでございます。
 教育基本法につきましては、さまざまな議論があり、例えば、議員も御指摘のように、日本の歴史、伝統や道徳教育などの記述がないとか、現在は当たり前となっております男女共学の規定があるとか、また、生涯学習について触れられていないといった意見がございます。そのようなことから、会派の中でも研究が行われているものと承知をしております。
 いずれにいたしましても、教育基本法につきましては、制定以来五十年余りを経ており、教育全般についてさまざまな問題が生じている今日、また昨年は、中小企業基本法や農業基本法も改正をされました。さらに、憲法につきましても国会でこれから議論が行われることを考えますと、これをタブー視することなく、時代に合ったものかどうか、見直しについて幅広く大いに議論することは、私は極めて重要なことと考えております。
 以上でございます。(拍手)
    ─────────────
#12
○議長(斎藤十朗君) 松岡滿壽男君。
   〔松岡滿壽男君登壇、拍手〕
#13
○松岡滿壽男君 私は、参議院の会を代表して、小渕総理の御見解をお伺いいたします。
 まず、議場を拝見しますと、大変空席が目立っております。去る一月二十七日、伊藤衆議院議長のごあっせんにもかかわらず、衆議院本会議において野党議員欠席のまま定数削減法案が採決されてから引き続いての変則状態であり、二十八日の通常国会における総理の施政方針演説が野党議員欠席のまま行われたということは、憲政史上例を見ない重大な汚点であります。
 同日午後、参議院におきましても議長による本会議開会のベルが鳴りましたので、私は椎名議員とともに出席いたしましたが、事態は何ら変わっておらず、大変失望させられました。まことに異例の事態と言わなければなりません。
 憲法第四十一条に、「国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。」と規定されておりますが、国権の最高機関とか唯一の立法機関とかいう言葉が今ほどむなしく響くことはなく、国会の権威は大きく失墜したのであります。国会がみずから権威を放棄したのであります。国会議員としても遺憾のきわみであります。この状態が既に六日間継続しており、この異常事態を早期に収拾できないようであれば、国民の政治不信は募るばかりでありましょう。
 一月三十日の各局のテレビ討論会を見た知人たちからは、各党とも選挙目当てが明らかであり、全く国民不在の議論で、国民との間に血が通っていないという感想ばかりが寄せられました。
 介護保険、ペイオフ解禁も先送りし、今通常国会の重要な予算審議を前に、混乱する事態が予想されたはずの冒頭処理という暴挙をあえて押し通されたことをどのように国民に御説明なさいますか。
 また、この事態をどのように受けとめ、どのように対処される御所存か、お伺いしたいと思います。
 永田町と国民の間のギャップということがこれまでにもよく議論されております。最近の各紙の世論調査によりますと、国民の政治に対する関心の高さは六〇%を超えております。しかし、七五%、すなわち四人に三人が政治に不満を持っており、政治の変化を望む国民は八二%にも達しております。特に、三十代から五十代の働き盛りが大半であります。一生懸命働いても、年金を初め将来の見通しが全く見えないという不安からでありましょう。
 また、政党に対する支持率の調査でも、最近は支持する政党なしがふえ続け、五〇%を超えるようになりました。政治に関心がないのではなく、関心があっても、選挙で公約した立場を平気でほごにしてしまうような離合集散、党利党略が日常茶飯事となり、数の横暴がまかり通る国会の現実を国民はさめた目で見、政治に失望、不信を募らせているのであります。
 次の総選挙で投票の際、最も重視するのは政策四〇%、人物三七%、政党一五%という数字を見ても、国民が政党では政治家を選ばなくなった傾向を示しております。民主主義はつまるところ多数決であると言われますが、最後は数で決するにせよ、その過程では議員同士が熟慮と討論を重ね、よりよい結論を導き出すことによって議会は存在意義を持ちます。国会が言論の府と称せられ、我が国が二院制を保持するゆえんであり、数がすべてであれば審議は無意味なものとなります。与党は数を確保し、ベルトコンベヤー式に法案を通せば事は足り、議員は単なる採決要員となってしまいます。議会制民主主義を機能させるためにも、どんな意見でも常に修正される可能性のもとで審議することが重要であり、そこで国民の共感を得られるのではないでしょうか。
 政策をわきに置いて、数合わせ、数集めに狂奔する姿は国民の政治への信頼感を失うばかりであります。永田町の論理という言葉は、いかにも一般には通用しない特別の意味合いを持っているかのごとくに使われておりますが、一国会議員として甚だ遺憾に思います。余りにも離れてしまった永田町の感覚と国民の期待のずれが少しでも縮まり、国民の側から信頼される政治、将来に明るい展望が見出せる政治が望まれるところであります。総理の御見解をお伺いいたします。
 財団法人日本青少年研究所の高校生に対する調査によりますと、将来つきたい職業として政治家を希望する者が、日本では四%、アメリカでは九・四%、中国では一九・四%となっています。ゼロでないのが救いでありますが、他国に比しいかにも少ない数字であります。国民の価値観が多様化する中で、若者に夢を与えることも政治家の仕事であります。みずからも襟を正し、若者の夢の対象となる自覚を持つことも必要であろうと考えます。
 日本の政治をゆだねるに足る優秀な人材の育成が強く望まれるとき、この数日来の議会制民主主義の危機とも言える国会の混乱は甚だ遺憾であります。
 参議院の会は、一昨日、参議院議長に、良識の府参議院としての独自性を堅持し、今回の残念な事態が永田町と国民のギャップそのものであることを御認識願って善処くださるように申し入れました。そして、その大半が所属しております政党無所属の会を基盤に、無党派層の人々の思いをいささかでもくみ上げ、国民と永田町のパイプ役として国民の政治不信の解消に努力してまいりたいと考えております。
 郷里の偉人吉田松陰先生は、「志なき者は無志、すなわち虫なり」と言われました。鳥のように飛んでみたいという時代を経て、今や人工衛星の時代であります。人工衛星は近景、中景、遠景、地球全体を視野におさめることができます。毛利衛さんが搭乗されるスペースシャトル・エンデバーも、入念な準備にかかわらず、慎重を期して直前に打ち上げが延期されました。政治は、過去、現在、未来を確実に把握して慎重に対処しなければ人々を幸せにすることはできないと思います。
 国民は、今眼前に展開する異常国会にさめた批判の目を向けております。総理、国会の現状を異常とは思われませんか。
 それは、単に野党が欠席しているということだけではなしに、このような事態を放置し、一方的に与党の仲間内だけで議事を進めている状況を国民は異常と感じているのであります。永田町と国民の距離を近づけるため、政治の本来あるべき姿に立ち返るためにどのように対処される御所存か、あなた御自身の心底よりわき出るお言葉で国民にお答えいただきますようお願い申し上げまして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣小渕恵三君登壇、拍手〕
#14
○国務大臣(小渕恵三君) 松岡滿壽男議員にお答え申し上げます。
 国会は本来、国が進むべき方向や政策について議論をし、国民の期待にこたえていくことが最大の責務であります。大多数の野党議員の方々が欠席される中で、こうして本会議に出席され、言論の府たる国会の本旨を尊重された松岡議員に、まず敬意を表したいと思います。
 定数削減法案の処理と国会の状況についてのお尋ねがありました。
 定数削減は、欠席された一部の党のみならず、国会議員にとっては身を切る思いを伴うのは当然であります。しかしながら、国家公務員の削減、地方議会の定数削減、民間の経営合理化への取り組みなどを踏まえ、また、国民世論の声を十分勘案して、国会においてもまず改革を進めることが大切であると考えます。衆議院議員の任期が本年十月に到来する中で、衆議院議員みずからがこの問題に対処されたことは大変意義深いと考えます。
 そもそも衆議院議員の比例定数の削減は、昨年六月に自自両党からの法案が提出されて以来、三回の国会にわたり各党間で議論されてきた課題であります。今国会においては、予算案の国会提出がおくれざるを得ない中で、国会を早期に開会し、定数削減法案の審議に全力を注がれてきたと承知をいたしております。この間、衆議院議長の累次の御努力などの経緯もあり、本法案については正規のルールに従って手続を進められ、処理されてきたものと承知をしております。暴挙との御指摘は全く当たらないと考えます。
 もちろん、御指摘のように、施政方針演説や代表質問に一部の党が欠席されるのは、私にとりましても初めてのつらい経験であり、大変残念なことであります。しかしながら、現に松岡議員が出席され、代表質問を行い、この間の事態についてさまざまな御批判、御意見を述べられ、それに対し私からお答えすることが本来のあるべき議会政治の姿であると思います。
 みずからの主張が通らないからといってその後の議会運営に一切参画をしないということは、これまで衆参両院の代表質問でも指摘されているように、非常に遺憾なことであると思います。
 私としても、こうした事態が解消されることを願うものでありますが、国民から選ばれた代表者として国会において議論するべき立場にある国会議員が、本来の責任を果たすべく一日も早く国会に出席され、議論に参加していただきたいと考えております。
 国民と政治との距離を縮め、国民から信頼される政治を実現すべきとの御主張がありました。
 議会政治の真髄は、よりよい結論を導くため議員同士が熟慮と討論を重ねることにあることは、議員御指摘のとおりであると考えます。異論があれば、むしろ積極的に議論を闘わせることが必要であります。そのことが、最後は多数決で決するにせよ、国民の前に争点を明らかにし、国民の政治への関心を高めるために極めて重要なことであります。
 いかなる政策、いかなる改革も政治の安定なくしては実行できません。議会政治において多数の理解を得られるよう努力することは当然であります。これまでも繰り返して申し上げておりますが、私はそのような思いで一昨年の参議院選挙後、日本が危機的状況に陥る中で自自連立政権、そして自自公連立政権を樹立した次第であり、この点をぜひとも御理解いただけるよう願うものであります。この連立政権は、国民の声にしっかりと耳を傾け、細心の注意を払って政策の運営を行ってまいりたいと考えます。
 私は、政治が国民の信頼と期待にしっかりこたえていくためには、国会議員同士が国民の前に政策を提示し、主張を闘わせることが何より大切であると思います。そうした観点から、さきの臨時国会から政府委員制度が廃止され、また、今国会から国家基本政策委員会が設置され党首討論が行われるなど、改革が進められているところであります。こうした改革を実効あらしめるためにも、各党、そして究極的には国民の代表である一人一人の国会議員の良識や真摯なお取り組みが何よりも大事であると考えます。
 最後に、改めて現下の事態への対処についてお尋ねがありました。
 先ほど来申し上げておりますように、私は今日の事態を極めて残念であると受けとめており、一人一人の国会議員が改めて国民の代表であることを銘記され、一日も早くその本来の責務として国会に出席され議論に参画されるよう、強く期待するものであります。ドアはいつもあけ放たれていると申し上げたいと思います。
 現下、国民の皆様が強く期待しておりますものは、景気の回復であります。このためには、そのかぎを握る十二年度予算案の一日も早い成立が何としても必要であります。今後、この予算案の委員会審議がスタートしますので、ぜひ野党が国会に出席され、議論に参画されるよう、改めて期待をいたします。
 以上、御答弁といたします。(拍手)
#15
○議長(斎藤十朗君) これにて質疑の通告者の発言は終了いたしました。質疑は終了したものと認めます。
     ─────・─────
#16
○議長(斎藤十朗君) 阿部正俊君外二名から、賛成者を得て、
 地方行政・警察委員会において審査中の公職選挙法の一部を改正する法律案について、速やかに地方行政・警察委員長の中間報告を求め、委員長が報告を行わないときは事故あるものとみなして理事に報告させることとし、報告時間を十分以内とすることの動議が提出されました。
 また、阿部正俊君外二名から、賛成者を得て、
 この中間報告を求めることの動議をこの際議題とすることの動議が提出されました。
 これより中間報告を求めることの動議をこの際議題とすることの動議の採決をいたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#17
○議長(斎藤十朗君) 過半数と認めます。
 よって、本動議は可決されました。
     ─────・─────
#18
○議長(斎藤十朗君) 地方行政・警察委員会において審査中の公職選挙法の一部を改正する法律案について、速やかに地方行政・警察委員長の中間報告を求め、委員長が報告を行わないときは事故あるものとみなして理事に報告させることとし、報告時間を十分以内とすることの動議を議題といたします。
 これより本動議の採決をいたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#19
○議長(斎藤十朗君) 過半数と認めます。
 よって、本動議は可決されました。
 委員長報告の準備のため、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時四十三分休憩
     ─────・─────
   午後一時一分開議
#20
○議長(斎藤十朗君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 これより、公職選挙法の一部を改正する法律案について、地方行政・警察委員長の中間報告を求めます。地方行政・警察委員長和田洋子君。
   〔和田洋子君登壇〕
#21
○和田洋子君 私は、地方行政・警察委員長の和田洋子でございます。
 私は委員長として、委員長は中立公平な立場でその重責を担っていることをまず冒頭に申し上げたいと思います。
 その上で、今回の衆議院議員定数……(発言する者多し)
#22
○議長(斎藤十朗君) 御静粛に願います。
#23
○和田洋子君(続) 削減法案が、先週一月二十八日の金曜日に参議院議院運営委員会で、野党が出席できない状況のもとにおいて、地方行政・警察委員会への付託を採決によって決定したことは、まことに残念に思っております。
 国会議員の……(発言する者多し)
#24
○議長(斎藤十朗君) 御静粛に願います。
#25
○和田洋子君(続) 議員定数を変更するほどの重要な議題を不正常な中で与党だけの出席のもとで強引に委員会への付託を決定することは、残念で仕方がありません。
 国会議員の議員定数を減ずるという重要な内容を有している法案であり、本会議において趣旨説明、質疑を行うべく、本会議での趣旨説明を要求していたものであります。
 本会議での審議を妨害したことは、連立与党による言語道断の暴挙であります。
 しかしながら、付託された以上は、委員長として委員会を開会して審議することは当然のことでありますし、私は委員会開会に向けて、以下申し上げるような経過で、与野党での調整を行うなど努力を積み重ねてまいりました。
 与党より、一月二十八日の金曜日五時ごろ、十七時ごろに私の議員会館事務所に、委員会を三十一日の十時に開会するようにとの要求書が届けられました。私は地元におりましたので、秘書が要求書を受け取りました。
 私は委員部に対し……(発言する者多し)
#26
○議長(斎藤十朗君) 御静粛に願います。
#27
○和田洋子君(続) 三十一日の月曜日は定例日外であり、委員会開会には応じられないと与党側に連絡するよう命じました。
 与党は三十一日の月曜日十一時三十七分ごろに再度私の議員会館事務所を訪れ、委員会開会要求書を提出してきました。内容は二月一日の十三時に委員会を開会してほしいとの申し入れでした。再度の要求であり、十五時十分に自民党岡理事に電話をして連絡し、理事懇談会の開催を呼びかけましたが、岡理事より理事懇談会には応じられないと述べられました。
 委員会を開会するもしないも、まず理事及びオブザーバーが集まり、話し合いを持ち、その結果意見が一致すれば委員会を開会するのはよき慣例として行われてきました。
 二月一日になり十時三十分に岡、松村両理事に委員長室においでをいただき、再度理事懇談会への出席を呼びかけましたが、両理事からの回答は、明二日本会議採決のため本日の理事懇談会は無意味であり応じられない、理事懇談会を開いてはあしたの採決ができなくなると回答してきました。
 十四時ごろ岡、松村両理事に再度正常化への働きかけと、理事懇談会への再三にわたる出席を呼びかけましたが、所在不明で一切の連絡ができず……(発言する者多し)
#28
○議長(斎藤十朗君) 御静粛に願います。
#29
○和田洋子君(続) 現在も連絡がつかない状況でありました。委員部を通じても呼びかけを行いました。
 十五時十分に……(発言する者多し)
#30
○議長(斎藤十朗君) 御静粛に願います。
#31
○和田洋子君(続) 野党の理事に委員長室にお越しをいただき……(発言する者多し)
#32
○議長(斎藤十朗君) 御静粛に願います。
#33
○和田洋子君(続) 与党側との協議経過対応を説明し、経過報告を行いました。
 与党側が委員会開会の要求を行っているにもかかわらず、委員会の理事懇談会への出席さえも無視し続ける状況であり、議長への報告を前提にして、本会議を設定する議運委員長に対して、同委員会での経過報告を行うため五時三十分ごろに申し入れを行いましたが、議院運営委員長は報告を受けることさえも拒否されました。
 本日になっても与党理事との連絡がつかない状況が続いています。
 このように、委員長として最大限の委員会開会に向けての努力を行っているにもかかわらず、私が行方不明で連絡がつかない、委員長は委員会開会の意思がないなどと報道されたことを考えると、私の委員長としての中立公平な努力を無視するばかりか、国会で最も重要な委員会審議を軽んずるものであり、とても認めるわけにはいきません。
 確かに、中間報告により、審議打ち切りによって、法案が成立させる方法はあるかもしれませんが、この方法は異例なことであり、十分に国会会期のある現状において、行うべきことではありません。
 ましてや、委員会審議を行おうと委員長として努力を続けている中、委員会審議を一度も行えない状況下で法案を強引に成立させようとする姿勢を許されるものではなく、委員長として各党委員に十分な審議の場を与えることができないままに、本会議場で中間報告という名のもとに、経過を報告し委員会審議を空洞化させることに深い悲しみを覚えているものであります。このような行為は、憲政史上かつてない参議院にとって大きな悪例として汚点を残す以外の何物でもなく、深く懸念するものであります。
 このことは、法案だけの問題ではなく、議会制民主主義の死滅につながるものであり、大きな危険性を強く感ずるものであります。
 以上、委員長としてやむにやまれぬ思いを述べさせていただきました。参議院の独自性を重視なさっている斎藤議長と、そして見識ある参議院議員の皆様に、再び委員会審議が行われるような御決議を強く要望して、私の中間報告といたします。
     ─────・─────
#34
○議長(斎藤十朗君) 阿部正俊君外二名から、賛成者を得て、
 地方行政・警察委員長から中間報告があった公職選挙法の一部を改正する法律案は、議院の会議において直ちに審議することの動議が提出されました。
 よって、本動議を議題といたします。
 これより本動議の採決をいたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#35
○議長(斎藤十朗君) 過半数と認めます。
 よって、本動議は可決されました。
     ─────・─────
#36
○議長(斎藤十朗君) 公職選挙法の一部を改正する法律案(衆議院提出)を議題といたします。
 まず、提出者の趣旨説明を求めます。衆議院政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会理事鈴木宗男君。
    ─────────────
   〔議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔衆議院議員鈴木宗男君登壇、拍手〕
#37
○衆議院議員(鈴木宗男君) ただいま議題となりました公職選挙法の一部を改正する法律案につきまして、提案の趣旨及び内容の概略、並びに衆議院における審議の経過を御説明申し上げます。
 二十一世紀の到来を目前に控え、今、切迫した問題が山積しております。時代の大転換期に当たり、政治の果たすべき役割はますます大きく、私たちは確かな先見性と鋭い洞察力と強い責任感を持ってあすの日本の基礎をしっかりと築いていかなくてはなりません。
 しかるに、今日、ストライキ状態の野党諸君の行動はまさに議会制民主主義のルールを無視した暴挙であるとともに、国民に負うべき責任感を喪失したものであると断ぜざるを得ません。
 本案は、十年間で国家公務員の定員を二五%削減すること、地方議会はこの四年間で約千団体、約二千三百人の定数を削減していることや、民間のリストラが進められている厳しい社会経済状況にかんがみ、国会議員みずからが改革の先頭に立って範を示し、各般の改革を求めるべきとの見地から、また、国民世論の七割近くが定数削減を求めていることからも、衆議院議員の定数を二十人削減して四百八十人に改め、そのうち百八十人を比例代表選出議員の定数とし、この法律の施行の日以後、初めて期日を公示される衆議院議員総選挙から適用しようとするものであります。
 第百四十五回国会に自由民主党及び自由党から衆議院議員比例代表定数五十人削減を内容とする法律案が発議され、衆議院におきましては、前国会に引き続き今国会に継続審議となったものでありますが、政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会におきまして、去る一月二十六日、これを二十人とする旨の自由民主党、公明党・改革クラブ及び自由党提案に係る修正を行い、翌二十七日、本会議におきましても同様の修正議決を行い、本案を参議院に提出したものであります。
 以上が公職選挙法の一部を改正する法律案の提案の趣旨及び内容の概略並びに衆議院における審議の経過であります。
 何とぞ、速やかに御賛同くださいますよう心からお願いを申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#38
○議長(斎藤十朗君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#39
○議長(斎藤十朗君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#40
○議長(斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          百三十五  
  賛成            百三十四  
  反対               一  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#41
○議長(斎藤十朗君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時十七分散会
     ─────・─────
ソース: 国立国会図書館
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