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2000/03/17 第147回国会 参議院 参議院会議録情報 第147回国会 本会議 第7号
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2000/03/17 第147回国会 参議院

参議院会議録情報 第147回国会 本会議 第7号

#1
第147回国会 本会議 第7号
平成十二年三月十七日(金曜日)
   午後六時五十六分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第七号
  平成十二年三月十七日
   午後五時開議
 第一 著作権法及び万国著作権条約の実施に伴
  う著作権法の特例に関する法律の一部を改正
  する法律案(内閣提出)
 第二 アルコール事業法案(内閣提出)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、議員辞職の件
 一、平成十二年度一般会計予算
 一、平成十二年度特別会計予算
 一、平成十二年度政府関係機関予算
 一、日程第一及び第二
 一、平成十二年度における公債の発行の特例に
  関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
     ─────・─────
#3
○議長(斎藤十朗君) これより会議を開きます。
 この際、お諮りいたします。
 去る十四日、阿曽田清君から議員辞職願が提出されました。
 辞表を参事に朗読させます。
   〔参事朗読〕
    辞職願
 この度一身上の都合により議員を辞職いたした
 いので御許可下さるようお願い申し上げます
  平成十二年三月十四日
          参議院議員 阿曽田 清
   参議院議長 斎藤 十朗殿
#4
○議長(斎藤十朗君) 阿曽田清君の議員辞職を許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。
 よって、許可することに決しました。
     ─────・─────
#6
○議長(斎藤十朗君) この際、日程に追加して、
 平成十二年度一般会計予算
 平成十二年度特別会計予算
 平成十二年度政府関係機関予算
 以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。予算委員長倉田寛之君。
    ─────────────
   〔審査報告書は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔倉田寛之君登壇、拍手〕
#8
○倉田寛之君 ただいま議題となりました平成十二年度予算三案につきまして、予算委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 平成十二年度予算の内容につきましては、既に宮澤大蔵大臣の財政演説において説明されておりますので、これを省略させていただきます。
 平成十二年度予算三案は、一月二十八日、国会に提出され、二月二十九日、宮澤大蔵大臣より趣旨説明を聴取した後、衆議院からの送付を待って三月一日から審査に入りました。
 自来、本日まで審査を行ってまいりましたが、この間、三月十四日には公聴会を、さらに三月十五日及び十六日午前には委嘱審査を、午後には警察の不祥事及び警察並びに公安委員会のあり方等について参考人を招致し、質疑を行いました。
 以下、質疑のうち若干につき、その要旨を御報告申し上げます。
 最初に、小渕内閣の政治基本について質疑がございました。
 まず、「総理が提唱する富国有徳の目指す内容を伺いたい。昨年の自自公連立政権発足以降、重要問題の先送りが目立ち、小渕内閣の支持率も一貫して低下している。憲政の常道に照らし、その正当性につき一刻も早く国民に信を問うべきではないか。予算審議に当たり、総理はテレビ放映一巡の総括質疑のみならず今後もみずから出席して国民に向かって説明する責任があるのではないか」との質疑があり、これに対し、小渕内閣総理大臣より、「かねてから新しい世紀の日本のあるべき姿として、経済的な富のみならず、国家も品格や徳、すなわち、古きことわざに倉廩実ちて礼節を知り衣食足りて栄辱を知るとあるように、高い志を持たなければならないと考えている。日本国民は今や世界第二位の経済力をつくり上げたが、これを真の意味で活用し、質の高い生活を享受できるように積極的に取り組むと同時に、今後は、確立した個を持つ人間が公に参加し、ともに公を築き、自国の歴史や伝統を大切にし、外国の文化を尊重し、国際社会にも積極的に貢献していくことが国家の存立にとって極めて大切なことと考えている。三党連立政権については、困難な時期に強力な政局の安定なくして国民の信頼と期待にこたえることはできないとの三党の共通の認識から、広範な政策合意をもとに樹立したものである。連立政権は、これまで補正予算の成立等を初め必要な施策を行い、経済に実績を上げるとともに、今国会の冒頭で衆議院議員比例定数の削減をなし得るなど、国民の期待にこたえてきたところである。支持率については、世論の動きを示す一つの指標として受けとめるが、一喜一憂することなく、国家と国民のために何が必要かということを原点にして国政に当たりたい。内閣総理大臣として解散権をあずかっている以上、適切な時点において国民に信を問うことが必要であると常々考えている。総理大臣の国会への出席については、今般、国会活性化法によりクエスチョンタイムの新設、政府委員制度の廃止等の大きな制度改革の中で、各党間の話し合いに基づき進められたことに従っている。しかし、院の要請があれば、憲法の規定に従って出席するのは当然である」旨の答弁がありました。
 次に、新潟県の女性監禁事件について、警察の責任、警察幹部の不祥事及び国家公安委員会のあり方等について広範な質疑が行われました。「九年以上も監禁されていた女性を発見できなかった責任を警察はどう感じているか。女性が発見された際、温泉で酒席にあり、しかも記者会見ではうその発表を行うことを認めた県警本部長及び酒席をともにしていた管区警察局長が辞任したが、国民の目線から見てその処分はなお甘いのではないか。また、その際に委員会を招集せず持ち回りで済ませたのは不適切だったのではないか。治安維持の責任が政府にあるにもかかわらず、政府が直接責任をとる仕組みになっていない現在の警察制度、公安委員会制度のあり方には問題があるのではないか」との質疑があり、これに対し、小渕内閣総理大臣並びに保利国家公安委員長より、「今回、被害者の女性が筆舌に尽くしがたい痛ましい状態で発見されたが、この間の捜査及び対応について反省すべきことは極めて多く、警察には大きな責任があると思う。新潟県警の不祥事は、神奈川県警等の不祥事を踏まえ、全国警察の信頼回復に向けた取り組みが進められている中で、指揮監督すべき立場にある警察幹部がその立場をわきまえず、幹部としての自覚に欠ける不見識、不適切な行動をとったものであり、まことに言語道断、弁解の余地のないことと認識している。処分については、多くの国民が甘過ぎるとの厳しい見方をしていることは十分承知しているが、戦前において警察権力に対し内閣が直接指示を行ったことが多くの問題を引き起こしたとの反省に立ち、戦後、現在の公安委員会制度が設けられたものであり、内閣としてその人事、賞罰について直接に指示することができない仕組みになっている。公安委員会においては、国家公安委員長から、国会初め国民からの厳しい指摘や声を伝えた上で審議を行い、県警本部長の減給処分を確認するとともに、管区警察局長に辞職を求めた警察庁長官の判断を了としたものであるが、既に両名は引責辞任しており、公安委員会のこれらの判断は正しかったと思っている。二月二十五日の決裁は、国家公安委員長の責任で行ったものであるが、緊急を要し、かつ両名の処分について、既に五人の委員の基本的な合意形成が得られていたために持ち回りとしたものである。警察制度及び公安委員会制度そのものについては見直すことは考えていないが、今後、そのあり方、権限については多角的に検討していく必要がある」旨の答弁がありました。
 次に、財政問題について、「景気対策の名のもとに大規模な財政支出を続けてきた結果、小渕内閣のもとで発行される国債は八十三兆円を超えており、財政はまさに危機的な状況に陥っているのではないか。財政再建は今や喫緊の課題であるが、今後の経済成長率が一%ないし二%程度では財政赤字の削減は不可能だと思うが、今後、財政改革をどのように進めていくのか。また、近年の大型補正予算の恒常化や、予算編成における公共事業費の「特別枠」の設定が財政規律を乱しているのではないか」との質疑があり、これに対し、小渕内閣総理大臣並びに宮澤大蔵大臣より、「財政構造改革は決して念頭を去ることはないが、我が国経済がようやく最悪期を脱したばかりであり、直ちに財政再建に取りかかる過ちを犯すべきではない。今は上向きかかった景気を本格的な回復軌道に乗せることを一意専心に考えていくべきで、二兎を追って一兎をも得ずとなってはならない。財政再建は財政の枠内にとどまらず、税制を初め中央、地方の行財政の配分、二十一世紀初頭の我が国経済社会のあり方等と不可分の関係にある。そのために、五年ないし十年の中期のマクロモデルを作成し、その中で経済諸元の変化及び財政の役割等について整合性のある計算を行うことが必要である。来年以降、経済が回復してくれば、それに合わせて財政再建を考えていきたい。また、財政規律については、補正予算は当初予算のシーリングが適用されないために歳出拡大の弊害を生みやすいことは確かであるが、難しい経済状況のもとで、その変動を当初予算にすべて読み込むことは現実には困難である。公共事業が変わらないという批判を受けとめ、昨年秋、従来の公共事業を構造改善、少子化、環境及び情報通信の四分野に整理し直し、総理枠とすることで各省庁に新規事業要求の余地を設けたところである。また、数年前から、新しい事業を育てていくために生活関連枠を設けている。批判があることは承知しているが、公共事業を変えていく方法として有効であると考えている」旨の答弁がありました。
 次に、経済問題として、「政府の景気の現状認識及び見通しはどうか。今日なお続いている資産デフレに対し、金融政策面からはどのような対応が可能か。また、インフレターゲット論についてどう考えるか。預金者にしわ寄せが多い異常なゼロ金利政策はいつまで続くのか。今後の経済発展には規制緩和が重要と考えるが、その効果及び今後の取り組みについて政府の考え方を聞きたい」との質疑があり、これに対し、小渕内閣総理大臣並びに関係各大臣及び速水日本銀行総裁より、「小渕内閣は発足以来、デフレスパイラルの回避を至上命題に、全力を挙げてきた。一昨年来の相次ぐ経済対策によって生産活動は緩やかな拡大を続けており、今後は設備投資にも期待が持て、また、消費も年明け以降回復していることなどから、我が国経済は今年後半から本格的な回復基調に入り、二〇〇一年度には新たな成長の時代に入るのではないかと考えている。資産デフレについては、地価や株価などの人々の期待が敏感に反映するような資産価格を金融政策の目標にすることは極めて難しく、また海外にも例がなく、適当ではない。インフレターゲット論には、いわゆる調整インフレ論に属するものと、物価安定に向けた中央銀行の強い決意を示して政策運営の透明性を高めようとする二つの議論があるが、前者については絶対にとり得ないと考えている。現行のゼロ金利政策は、歴史的にも前例のない異常な状況であることは十分認識しているが、現在の経済情勢のもとでは金融面からの下支えがなお必要であり、デフレ懸念の払拭が展望できるような情勢になるまではゼロ金利政策を続けていく。規制緩和については、国内及び国際電気通信等八分野で、平成十年度までに総額八兆六千億円程度、国民所得を二・三%程度押し上げたと見られる。政府として規制緩和推進三カ年計画の着実な実施に努めているが、本年三月末を目途に再改定を予定しており、引き続き規制緩和に積極的に取り組んでいきたい」旨の答弁がありました。
 最後に、教育問題について、「教育改革を内閣の最重要課題としているが、今後どのように取り組んでいくのか。教育基本法を改正すべきではないか。昨今の教育は知育に偏り過ぎており、知育、徳育、体育の均衡のとれた教育を行うべきではないか。昨年八月に国旗・国歌法が制定されたが、学習指導要領では国旗・国歌についてどのように記述し、指導を行ってきたのか。また、公立高校の卒業式での実施状況はどうか」との質疑があり、これに対し、小渕内閣総理大臣並びに中曽根文部大臣より、「我が国の明るい未来を切り開くと同時に、世界に貢献していくためには創造性の高い人材育成が必要であるとの観点から、社会のあり方まで含めた抜本的な教育改革を内閣の最重要課題として取り上げ、このたび、各界有識者の方々から成る教育改革国民会議を設置することとした。教育は国家百年の大計と言われるが、腰を据えた、密度の高い議論を期待している。教育基本法についても、昭和二十二年の制定以来、その果たしてきた役割は大きいが、よき日本人育成の観点を初め、歴史、伝統などの記述がない等の指摘もあるので、幅広く議論してもらうつもりである。学校教育における知育偏重の批判については、一方的な知識の詰め込み教育を改めることとし、農業体験、福祉体験、さらにボランティア活動等の体験学習を通じて、知育、徳育、体育の均衡のとれた教育になお一層力を入れていくつもりである。学校における国旗・国歌の指導については、新しい学習指導要領で、国旗・国歌に関する国際的な常識が小学校の段階から児童生徒にきちんと身につくよう記述を充実させており、特に入学式及び卒業式等の特別活動においては、小中高等学校とも、その意義を踏まえ、国旗を掲揚し、国歌を斉唱するよう指導するものとしている。昨年の公立高校の卒業式で、国旗掲揚、国歌斉唱の実施率が低かった都道府県を調査した結果、一部を除き、ほぼ一〇〇%近くが実施しているとの報告を受けている」旨の答弁がありました。
 質疑はこのほか、最近の中台関係に対する政府の認識、北朝鮮に対する我が国の対応、循環型社会実現の推進策、年金、医療、介護等社会保障政策の総合化、少子化対策、福祉定期預金の期間延長、交通施設のバリアフリー化、男女共同参画社会の推進、NTTドコモ株取得問題、農水省構造改善局の汚職事件、桶川女子大生殺害事件をめぐる埼玉県警の対応、サマータイムの導入、空港建設と航空行政への取り組み、米軍沖縄普天間基地の移設問題など、広範多岐にわたりましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 かくて、本日をもって質疑を終局し、討論に入りましたところ、民主党・新緑風会を代表して木俣委員が反対、自由民主党・自由国民会議及び公明党・改革クラブ並びに自由党を代表して入澤委員が賛成、日本共産党を代表して小池委員が反対、社会民主党・護憲連合を代表して三重野委員が反対の旨、それぞれ意見を述べられました。
 討論を終局し、採決の結果、平成十二年度予算三案は賛成多数をもっていずれも原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#9
○議長(斎藤十朗君) 三案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。峰崎直樹君。
   〔峰崎直樹君登壇、拍手〕
#10
○峰崎直樹君 私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となっております平成十二年度予算三案に反対の立場から討論を行います。
 小渕内閣が発足して一年七カ月が経過しましたが、単なる政権維持だけを目的とした三党連立政権は、重要問題の先送りと数を頼りにしたごり押し政治という最悪の結果を招き、内閣支持率の一貫した低下に端的にあらわれているように、国民の激しい拒絶反応を引き起こしているのであります。
 そのため、三党連立政権の矛盾と混乱はさまざまな形で噴き出し、国民の政治に対する失望と落胆はかつてないほどに高まっております。
 すなわち、小渕内閣発足後、防衛庁背任事件を発端に額賀防衛庁長官が、昨年三月には、憲法批評発言、米国映画俳優の上陸許可書の不当所持疑惑で中村法務大臣が、また十月には、我が国の核武装という暴言を吐き、かつ政治家として品性のかけらもない発言を平気で繰り返した西村防衛政務次官が、さらに、ことしに入ってからも、金融検査への手心発言を行い、金融行政に対する内外の信頼を失墜させた越智金融再生委員長が辞任を余儀なくされるなど、わずか一年半の間に、四人もの閣僚、政務次官が辞職に追い込まれたことは極めて異常な事態であり、任命した小渕総理の責任は極めて重いと言わざるを得ません。
 しかも、小渕政権は、昨年の組織犯罪対策三法、年金改革関連法を初め、今通常国会においては、衆議院議員定数削減法の強行採決に加え、憲政史上初めて、院の約四割を占める野党三党抜きによる施政方針演説を強行するなど、まさに巨大政権与党のおごりも甚だしく、言語道断と言わざるを得ないものであります。その結果、参議院議長に自分の力不足を痛感しているとの議長談話まで出させたことは、議会制民主主義を危機に陥れる暴挙以外の何物でもなく、断じて許すことができません。
 さらに、一連の警察不祥事、農林水産省構造改善局をめぐる汚職疑惑、茨城県東海村の核燃料加工施設の臨界事故、国防のかなめである自衛隊においても一等陸佐の違法射撃・部外者への小銃貸与を甘い内部処分で処理し、組織的に隠ぺいするに至っては、官僚組織の隅々までも小渕内閣の傲慢さ、規律の緩みが浸透し、公僕としての倫理を根底から麻痺させむしばんでおると言わざるを得ません。
 とりわけ、今回の新潟県警の不祥事では、捜査のずさんさ、処分の甘さとともに、警察組織全体の構造的な問題が次々と露呈しており、国家公安委員長の責任は極めて重大で、辞任は当然と言わなければなりません。
 また、経済面におきましても、実質経済成長率が二期連続のマイナスとなり小渕内閣の公約である〇・六%成長に赤信号がともるほか、完全失業者はいまだに三百万人を超え、失業率は四%台後半に張りつき、雇用不安に何ら改善が見られず、所得の減少、消費の低迷など、政府の認識は国民の肌で感じる生活実感とはおおよそかけ離れています。
 小渕総理は、二兎を追う者は一兎も得ずと繰り返し述べておられますが、今や一兎さえ得られていないことは明らかであります。もはや、構造改革なき放漫財政では景気浮揚すら困難となっているにもかかわらず、本予算は構造改革に逆行し、予算のばらまきに終始した言語道断の欠陥予算にほかならず、到底認めることはできません。
 以下、本予算に反対する主な理由を申し述べます。
 反対の第一の理由は、無軌道な放漫財政を繰り返すことにより財政赤字が大幅に拡大し、財政危機を招来していることであります。
 本予算におきましても、一般会計総額八十五兆円は概算要求額を一兆五千億円近く上回るものであり、大蔵省の査定がほとんど機能しないばらまき予算そのものであります。その財源を賄うための国債発行額は三十二兆六千億円にも上り、国債依存度は三八・四%と、当初ベースでは戦後二番目の高水準となっております。
 とりわけ、世界一の借金王を自認する小渕総理は、もはや現在の我が国の置かれている財政状況を正確に判断する能力を欠いていると言わざるを得ないのであります。選挙目当てに安易なばらまき予算を続けたあげく、将来世代に膨大なツケを残す小渕内閣の財政運営に対し断固反対するものであります。
 反対の第二の理由は、超高齢化社会を前に喫緊の課題となっている社会保障関連の抜本的改革がいずれも見送られ、その場しのぎの対応に終わっていることであります。
 年金制度については、制度の基本的見直しが先送りされ、医療制度についても、医療の効率化などの改革には何ら手がつけられておらず、老人医療負担、薬価・診療報酬の小手先の改定に終始しており、改革とはおよそほど遠い内容となっております。
 十二年度から導入される介護保険制度につきましても、昨年末、急遽保険料の凍結、軽減が決定され、導入に向けて日夜準備を進めてきた現場の努力を全く無視した措置が講じられております。しかも、年金、医療、介護について政府・与党内で財源問題など制度の根幹部分で意見が大きく分かれており、社会保障制度に対する国民の不安は高まるばかりで、かかる政府の怠慢を厳しく追及するものであります。
 反対の第三の理由は、公共事業の見直しが一向に進んでいないことであります。
 平成十二年度予算における公共事業関係費の事業別シェアの見直しはほとんど進んでおりません。硬直的な予算配分の要因である特定財源の見直しも何ら行われておらず、旧態依然の従来型公共事業中心の予算は到底認めることはできません。
 また、公共事業の再評価についても、中止・休止等の事業数は十二年度はわずか二十三事業、事業費削減効果もわずか二百五十億円弱と前年度のたった一割強にすぎず、全く期待外れであります。我々は、環境破壊、財政破綻の元凶ともなっている公共事業については直ちに抜本的な改革を断行し、公共事業予算を大幅に削減するよう強く求めるものであります。
 反対の第四の理由は、公共事業等予備費五千億円を計上していることであります。
 本予算には前年度に続き公共事業等予備費が計上されておりますが、かかる予備費が単なる予算の分捕りに使われ財政紊乱を招いていることは、昨年九月に決定された使用状況からも火を見るよりも明らかであります。緊要性という予備費本来の性格からかけ離れた整備新幹線、高規格幹線道路など長期的財政支出が不可避の経費に支出されるなど、財政規律なき政府の財政運営は到底認めることはできません。
 予備費はその使途について国会の議決を経ずに予算計上するものであり、それゆえ例外的、限定的に考えるのが財政法の趣旨であるにもかかわらず、その趣旨に逸脱し安易な計上を繰り返す政府に対し猛省を促すものであります。
 反対の第五の理由は、補助金の見直しが不十分であることであります。
 地方分権推進計画が補助金の縮小と一般財源化の方向を示しているにもかかわらず、地方自治体の補助金漬けの実態が一向に改まっておりません。市町村が不要不急の事業を押しつけられ、日常業務の三割を補助金申請業務に費やされるなど、行政の浪費がますます進んでいるのが実態であります。
 構造改革を断行し、地方分権を進めるというのであれば、まず地方に対する資金の流れ、すなわち補助金のあり方を再考すべきであるにもかかわらず、補助金によって地方を支配し、お上意識を温存、助長する本予算は行政改革に真っ向から反する予算と断ぜざるを得ず、到底認めることはできないのであります。
 最後に一言申し上げます。
 今や国民の政治に対する不信不満が頂点に達しておりますが、その原因は理念なき連立を組んだ小渕内閣の政策運営が国民の目線と意識から大きく遊離し、国民不在の政治を行っているからであります。
 さらに、自分の秘書官を初めとする不祥事についても疑惑を持たれていることや、財政改革をどうするのかという国民が一番切実に解明を求めていることを、予算委員会に積極的に出席して答弁することを忌避している姿は、一国の総理のとるべき姿であるとは言えないことは言うまでもありません。
 今や、小渕内閣は一刻も早く退陣し、構造改革を断行できる真の政権を樹立すべきだというのが大多数の国民の声であります。政権の維持のみにきゅうきゅうとし、民意を無視し続ける小渕連立内閣は即座に退陣し、速やかに国民の審判を受けるべきであることを強く要求して、反対討論を終わります。(拍手)
#11
○議長(斎藤十朗君) 竹山裕君。
   〔竹山裕君登壇、拍手〕
#12
○竹山裕君 私は、公明党・改革クラブ、自由党並びに自由民主党・自由国民会議を代表して、ただいま議題となりました平成十二年度予算三案に対し、賛成の立場で討論を行うものであります。
 小渕内閣は、発足以来、一昨年の緊急経済対策を皮切りに、昨年六月には緊急雇用対策及び産業競争力強化対策を、さらに十一月には経済新生対策を策定するなど、経済再生内閣としての使命を遺憾なく発揮してまいりました。また、この間、金融システム安定化の枠組み整備も着々と進め、かかる一連の対策を政府・与党一致団結し強力に進めているところであります。
 しかし、昨年十月から十二月期のGNPが個人消費の低迷等で二期連続して前期比実績でマイナス成長と厳しい状況となりましたが、一方、設備投資がプラスになるなど企業の投資意欲の回復が見られるところまで参りました。
 堺屋経済企画庁長官は、最近の景気を、十二月は夜が明けたら雨だった、一月はこれがやみ、三月は薄日がようやく差してきたと明るい見通しを示しておられます。そして、本日発表された月例経済報告においても、「自律的回復に向けた動きが徐々に現れている。」と、判断を上方修正されております。
 かかる経済情勢の好転は、我二兎を追わずとして果敢に進めてきた小渕内閣の積極的な財政政策が正しかったことを証明する以外の何物でもありません。
 本予算には、未曾有の不況に終止符を打つ、いわゆる景気回復の総仕上げを行うための最大限の努力と英知が盛り込まれ、加えて我が国が二十一世紀に新たな発展を遂げるための抜本的構造改革を視野に入れた施策などが随所に盛り込まれており、まさに新しい千年紀の幕あけにふさわしい内容となっており、賛意を表するものであります。
 以下、本予算に賛成する主な理由を申し述べます。
 賛成の第一の理由は、景気対策に万全を期した予算となっている点であります。
 内需を下支えする公共事業費において、景気の本格的回復を図る観点に立ち、十一年度当初予算と同額の九兆四千億円が確保され、加えて公共事業費に係る予見しがたい経費の不足に充てるため、公共事業等予備費五千億円も引き続き計上されており、機動的な対応を可能としております。
 また、中小・ベンチャー企業対策として、国民生活金融公庫、中小企業金融公庫等において、中小企業に対する円滑な資金供給を図るため、所要の貸し付け規模を確保するとともに、中小企業投資促進税制やエンジェル税制を拡充することとしております。
 これらの施策により、公需から民需への転換が円滑に行われ、十二年度の一・〇%成長が達成されるものと大いに期待できるものであります。
 賛成の第二の理由は、金融システム安定化策が盛り込まれている点であります。
 一昨年に整備された金融安定化のための六十兆円の公的資金枠により金融システムは落ちつきを取り戻しておりますが、なお我が国においては金融再編の真っただ中であり、万全の対応が求められております。
 本予算においては、預金保険機構の特例業務勘定に交付される国債を六兆円追加するとともに、一般勘定の借り入れに新たに四兆円の政府保証枠を設定し、公的資金の総額を七十兆円に拡大することとしております。また、生命保険契約者保護機構の政府保証つき借入枠についても四千六百億円から九千六百億円へと大幅に拡充されるなど、これら一連の施策により我が国の金融システムに対する内外の信頼は確実に回復できるものと確信しております。
 賛成の第三の理由は、新たな時代にふさわしい諸制度の構築を目指した諸改革を進めるための予算の重点的、効率的な配分が行われている点であります。
 すなわち、生活関連等の公共事業重点化枠や情報通信、環境等、経済新生特別枠を新たに設けるなど、重点的な予算配分に最大限の努力が払われております。
 また、幅広い分野における経済フロンティアの拡大が期待されるゲノム研究など、二十一世紀の我が国経済の発展基盤を形成する科学技術振興費が六・八%増と大きく伸びる一方、防衛装備品の調達価格の引き下げ、ODA評価制度の拡充など、各経費の効率化が最大限に図られております。
 賛成の第四の理由は、少子高齢化社会を見据えた予算となっている点であります。
 少子化対策については、延長保育促進事業、地域子育て支援センター事業など、新エンゼルプランの着実な推進を図るとともに、児童手当の支給対象年齢を現行の三歳未満から義務教育就学前まで三年間延長することとしております。
 高齢者介護については、介護保険法の円滑な実施を図るとともに、訪問介護の拡充、特別養護老人ホームの確実な整備を行うなど、ゴールドプラン21の着実な推進を図ることとしております。
 また、仕事と子育て、あるいは介護の両立を図るため、育児・介護休業給付の給付率を現行の二五%から四〇%まで引き上げることとしております。
 かかる施策が、子育てに夢を持ち、年老いても安心して暮らせる社会の実現に大いに資するものと確信しております。
 賛成の第五の理由は、地方財政に配慮した予算となっている点であります。
 本予算では、地方財政において引き続き大幅な財源不足が見込まれる現状などを踏まえ、所要の地方交付税総額を確保し、地方財政運営に支障が生じないよう適切な措置を講ずることとしております。
 以上、本予算に賛成する主な理由を申し述べましたが、我が国の景気回復は、国内のみならず、海外からも強く期待されていることは申すまでもありません。我が国経済は民需を中心とした自律的回復があと一歩のところに来ており、なお積極的財政の継続が不可欠であります。本予算は、現下の我が国が直面する課題を克服するため最善、最良のものであり、政府におかれましては予算成立後に速やかに執行されることを強く求めて、私の賛成討論を終わります。(拍手)
#13
○議長(斎藤十朗君) 山下芳生君。
   〔山下芳生君登壇、拍手〕
#14
○山下芳生君 私は、日本共産党を代表して、二〇〇〇年度政府予算案に反対の討論を行います。
 討論に先立ち、私は、小渕首相がわずか三日間、従来の三分の一にも満たない日数しか予算委員会に出席しなかったことに強く抗議するものであります。
 言うまでもなく、予算編成の最高責任者は首相です。加えて、首相自身にかかわるNTTドコモ株疑惑が政治問題となっているのであります。首相出席は国会が決めることなどと逃げるのではなく、みずから進んで国民に対する説明責任を果たすことこそ最高責任者のとるべき態度であります。
 こうした首相の責任回避とも言える姿勢が今や内閣全体に蔓延していることを端的に示したのが、新潟県警の腐敗事件に関する保利国家公安委員長の一連の対応であります。
 そもそも国家公安委員会は、戦前の政治権力と結びつき国民を弾圧する側に立ってきた警察体制を厳しく反省し、国民の良識を代表し警察を民主的に管理するために設けられた組織であります。それが、雪見酒にマージャンの空監察をやった警察幹部に対し会議も開かず持ち回りの空論議で処分を決めるなど、本来の役割と責任を放棄してきました。
 保利国家公安委員長の責任は、警察庁の言うままに持ち回り決裁を指示し違法な運営を行ったことにとどまりません。世論の批判が高まる中改めて開いた会議で何も発言しなかった責任、実際は持ち回りだったのに論議したなどと国会で虚偽の答弁をした責任など、挙げれば切りがありません。
 国家公安委員会を総理するという重大な職責があるにもかかわらず、何の問題意識も見識もなく、ただ警察庁の言いなり、警察庁にお任せ、このような人に引き続き国家公安委員会を任せるわけにいかないのは当然ではありませんか。警察刷新というのなら、首相はまず国家公安委員長の罷免から事を始めるべきであります。それを拒否するというのであれば、警察刷新よりも政権延命を優先させているとの批判は免れないと言わざるを得ません。
 さらに、警察問題に続き、幹部自衛官らの違法射撃を組織ぐるみで隠ぺいした疑い、農水省構造改善局汚職など、政治の全般にわたって不正、腐敗が相次いで吹き出してきています。首相は、これら問題の真相を解明し、責任の所在を徹底して糾明すべきであります。
 今、日本の財政と経済は重大な事態に陥っており、国民の将来に対する不安はかつてなく高まっています。このようなときに求められるのは、むだと浪費に思い切ってメスを入れ、国民の暮らしや福祉を守ることですが、政府予算案はそれに逆行しております。
 第一は、財政再建の展望を一切示さず、借金を急増させて財政危機を一層深刻にする予算となっていることであります。
 二〇〇〇年度政府予算案は、史上最高の三十二・六兆円の国債を発行、歳入の四割近くを借金に頼るという異常なものとなりました。その結果、二〇〇〇年度末の国と地方の長期債務残高は六百四十五兆円、国民一人当たり五百十万円にもなります。債務残高がGDPの一・三倍にも上る国は世界の主要国の中ではほかに例がなく、日本の歴史の上でも戦費調達のために大量の国債を発行した一九四三年の財政状況に匹敵します。このままでは、近い将来深刻な財政破綻を来し、大増税か悪性インフレという国民にとって重大な事態となることは必至であります。
 小渕首相は、二兎を追う者は一兎をも得ずと言って二兎とも取り逃がし、景気回復が優先と言って財政再建を後回しにしていますが、審議の中で、たとえ経済成長が達成されたとしても、税収の伸びが国債費の伸びに追いつかず、債務残高は今後ともふえ続け、七、八年後には国、地方合わせて一千兆円を超える大変な規模になることも明らかになりました。こうした財政状況を前に、危機感を全く持たず、財政再建の見通しさえ示せない内閣に今政権を担う資格はありません。
 第二は、財政危機の最大の原因である公共事業の浪費をそのまま継続するなど、相変わらずのばらまき放漫予算となっていることであります。
 総額六百三十兆円もの公共投資基本計画と、繰り返されたゼネコン救済の景気対策によって、八〇年代前半に国、地方合わせて年間二十数兆円だった公共事業は、九〇年代には約五十兆円へと急速に拡大しました。
 政府は、公共事業への批判をそらすため、効率化、重点化を図るなどと弁解していますが、その実態はむだと浪費の重点化にほかなりません。例えば、離発着に十分な余裕があり、採算もとれていない関西国際空港に新たな滑走路をふやす二期工事などは、どこから見ても緊急性も必要性もないことは明白であります。
 しかも、公共事業の大型化によって、幾ら予算をふやしても雇用はふえず、中小企業への発注率も減っており、景気回復に全く役に立っていないということも明らかになりました。
 さらに、愛知万博や吉野川可動堰、川辺川ダム計画など、環境破壊と開発至上主義の公共事業に、世界からも住民からも厳しい批判が突きつけられております。
 今こそ、景気対策にも逆行し、財政危機と環境破壊をもたらすむだと浪費のゼネコン型公共事業にメスを入れるべきであります。公共事業の総額を減らしても、中身を巨大開発型から生活、福祉中心の事業に切りかえれば、国民の暮らしに役に立ち、同時に雇用と中小企業の受注を拡大することができるのであります。
 もう一つの浪費である銀行への公的資金投入も重大であります。二年前大蔵省は、銀行の債務超過の穴埋めのため七兆円で十分としながら、来年度予算案では、さらに六兆円を上乗せし、銀行支援枠を総額七十兆円としました。日債銀など銀行の乱脈経営のツケを国民に押しつけるためであります。しかも、銀行の支援策が政官財の癒着の温床であったことが、辞任した越智前金融再生委員長の利益誘導まがいの露骨な集票活動で明らかになりました。銀行の破綻処理は銀行業界の自己負担で行うべきであり、公的資金の投入は直ちに中止すべきであります。
 第三は、年金制度の改悪、医療費自己負担の増額、介護保険の実施などによって二兆円もの負担増、給付減を国民に押しつけようとしていることであります。
 年金改悪は、今二十歳の夫婦で一千二百万円、七十歳の夫婦でも三百万円、生涯給付を削減するものであります。医療費については、七十歳以上の患者に三割から五割の負担増を押しつけ、高額医療の負担の上限を引き上げるものです。四月から実施される介護保険制度は、国の負担割合を現行よりも減らし、基盤整備も低所得者対策も不十分なままであります。
 このような社会保障制度の改悪は、将来不安を増大させ、消費をますます落ち込ませ、景気悪化に拍車をかけることになるのは明白であります。
 また、児童手当拡充は当然のことですが、その財源を十六歳未満の子供を持つ家庭への増税で捻出することは重大であります。増税になる子供千九百万人、新たに児童手当が支給される子供三百九万人、差し引き一千六百万人が増税となります。年少扶養控除の廃止が、子供の数が多ければ多いほど増税になる子育て増税であり、少子化対策に逆行するものであることは大蔵、厚生両大臣も認めざるを得ませんでした。まさに自自公政権の無責任ぶりを示す典型と言わなければなりません。
 第四は、憲法違反の戦争法に対応した装備や、本来、安保条約上、義務のない在日米軍への思いやり予算など、巨額の軍事費が含まれていることであります。
 とりわけ、思いやり予算は、米国の財政事情が好転し、日本が深刻な財政危機に陥るなど、日米の財政事情が激変している現在、これをこのまま続ける根拠は、従来の政府の立場からしても失われたはずであります。このような屈辱的で負担義務もない思いやり予算はきっぱり廃止すべきであります。
 今こそ、以上のような歳出面での浪費の削減と歳入における不公平税制の是正によって、財政再建の計画と展望を国民の前に示すのが政府の責任であります。その意思も能力もない小渕内閣に二十一世紀の政治のかじ取りを任せるわけにはいきません。速やかに解散し、国民に信を問うことこそ憲政の常道であることを指摘し、反対討論を終わります。(拍手)
#15
○議長(斎藤十朗君) 清水澄子君。
   〔清水澄子君登壇、拍手〕
#16
○清水澄子君 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、平成十二年度予算三案に対し、反対の立場から討論を行うものであります。
 昨年十月、自自公三党連立内閣が発足し、民意を無視した巨大与党が出現しました。国民は、衆参両院で圧倒的な多数を擁する小渕内閣に危惧の念を抱いておりましたが、果たせるかな、その強引な政治手法に国民はあきれ返っており、内閣支持率は急速に低下しております。さらに、小渕内閣は数の力で横暴な議会運営を推し進めるなど、少数者排除、国会軽視の姿勢をあらわにしており、我が国の議会制民主主義は今存亡の危機に瀕しております。
 すなわち、自自公内閣は発足早々、総選挙目当てに地方自治体の実情を完全に無視し、介護保険料の徴収延期を急遽決定したほか、ペイオフ解禁の一年先送り、一たん設けた年少扶養控除をわずか一年で取りやめるなど、朝令暮改も甚だしい理念なき政策変更を繰り返しております。
 しかも、内閣発足早々、西村防衛政務次官が、核武装容認発言という、戦後日本の国是たる非核三原則を踏みにじる暴言を吐いて辞任に追い込まれたのに続き、本年二月には、金融検査に対する露骨な手心発言で越智金融再生委員長が辞任を余儀なくされました。また、警察、自衛隊幹部の相次ぐ不祥事では、小渕内閣のもとで政府の隅々にまでモラルハザードが蔓延し切っている実態が浮き彫りになりました。
 課題先送り、その場しのぎの無責任政治をこれでもかと見せつけられ、連立政権に対する国民の不満と失望は、今や頂点に達しているのであります。
 一方、現下の最大課題である経済については、昨年十月から十二月の実質経済成長率は年率マイナス五・五%と、七月から九月に続きマイナス成長となり、公約である〇・六%成長の達成さえ危うい状況になりました。内需の二本柱である消費、設備投資が低迷を続け、特に雇用面では失業率が依然四%台後半で高どまりするなど、景気の現状は極めて厳しい状況にあります。かかる事実は、小渕内閣の経済対策が、不況対策としても構造対策としても全く効果がないことを物語っていると言わなくてはなりません。
 本予算につきましても、諸改革を棚上げした選挙向けのばらまき予算そのものであり、構造改革を願う国民の真の期待にこたえるものではなく、到底認めることはできないのであります。
 以下、本予算に反対する主な理由を申し述べます。
 反対の第一の理由は、財政がほとんど崩壊寸前まで悪化していることであります。
 本予算は、歳出総額八十四兆九千八百億円に対し、国債発行額は約三十二兆六千億円、歳入の実に四割近くが借金頼みとなっており、十二年度末には国と地方を合わせた長期債務残高は六百四十五兆円になろうとしております。特に、小渕内閣発足後の財政赤字の拡大は顕著であり、この三年間の国債発行額は百兆円を上回っており、かかる事実は、小渕内閣の放漫財政体質を如実に示しているものにほかなりません。
 他方で、歳入のうち、二十二兆円は借金返済で消えてしまいます。膨大な借金を返すには、もはや調整インフレか消費税率の大幅な引き上げしかないという暴論さえささやかれる始末では、国民は楽観どころか将来への不安がつのる一方であります。このように日本財政を破滅に導く運営しかできない小渕内閣に我が国の財政を任せることは到底できないのであります。
 反対の第二の理由は、本予算が構造改革に逆行し、景気の自律的回復に何ら資するところがない点であります。
 我々社会民主党・護憲連合は、経済構造の変革に資するよう、生活、雇用、福祉、環境、情報通信などに予算を重点配分することを強く求めてまいりました。しかるに、本予算は、従来型の公共事業に偏重した選挙目当ての典型的なばらまき予算にほかならず、これでは経済の活性化は望むべくもありません。
 また、公共事業費につきましても、近年、政治主導の予算配分を達成すべく経済新生特別枠などさまざまな特別枠を設けてまいりましたが、事業別、省庁別シェアにほとんど変化が見られないなど、かけ声倒れに終わっているのが実情であります。
 しかも、九九年度に続き、公共事業予備費なるものを五千億円も計上しています。本来の予備費は、憲法、財政法で予測しがたい予算の不足など、その手続や使途を厳しく限定しています。
 しかるに、九九年度の公共事業予備費は、早々と九月に整備新幹線や高規格幹線道路など予備費本来の性格とは無縁な使途に配分されました。これらはすべて予算に計上し、国会の議決を経るべきものであります。政府に使途を白紙委任するに等しい公共事業予備費の安易な計上は、財政民主主義の視点から断じて認められないのであります。
 反対の理由の第三は、国民生活や雇用に対する配慮が極めて希薄だということです。
 社民党が消費税の持つ逆進性を緩和するために創設を要求し続けている飲食料品に係る消費税額戻し金制度は今年度も見送られました。この消費税額戻し金制度は、歳出による恒久的制度であるため、昨年の何の効果もなかった地域振興券などとは異なり、格段に効果が期待できるものであります。消費したくともできない人々への対策なくして、現在の消費不況は克服することができません。
 また、政府の雇用対策も到底現在の要求にこたえるものではありません。失業者の増大に対して抜本的な雇用拡充策をとるべきであります。
 一方で、介護保険の発足を目前に、介護・福祉労働力の不足が深刻であり、飛躍的な対策、公共事業偏重政策からの財政及び国民経済の大転換が迫られているのであります。
 反対の第四の理由は、年金、医療など、社会保障制度の抜本改革を先送りしていることであります。
 年金、医療など社会保障に係る給付は近年拡大の一途をたどっており、制度全体の効率化、合理化を通じた国民負担の抑制は喫緊の課題となっております。しかるに、本予算は、痛みを伴う抜本改革を先送りした小手先の対応に終始しております。
 年金制度については、年金水準を引き下げただけでなく、基礎年金の国庫負担率二分の一への引き上げの公約さえ見送られました。また、医療保険制度については、患者負担をふやす一方、物価や賃金の下落にもかかわらず診療報酬が実質〇・二%引き上げられました。介護、子育てに至っては、選挙をにらんだ無定見な制度改正が行われるなど、無責任きわまりない内容となっております。
 政府の介護保険の特別対策は選挙目当てのばらまきであり、政府・与党は直ちにこれを撤回し、保険料凍結などの財源となる一兆円規模の公費は、全額介護サービス基盤整備に充当すべきであります。
 社民党は、介護サービスの基盤整備を進めるため、ホームヘルパー百万人など目標を大幅に拡充するスーパーゴールドプランを提唱していますが、政府のゴールドプラン21では目標が低過ぎ、充実した介護は保障できません。
 このように、本予算は、年金、介護、医療、子育てなど、社会保障に対する国民の不安に少しもこたえるものではないのであります。
 反対の第五の理由は、防衛関係予算の抑制が不十分な点であります。
 東西冷戦の終結という国際情勢、現下の財政状況を勘案すれば、防衛関係費は大幅に削減するのが当然であります。
 しかるに、防衛関係費は平成十年度以降二年連続して対前年度マイナスを続けてきたにもかかわらず、自自公連立政権となった途端プラスに転じております。とりわけ、後年度負担となる装備の正面契約やいわゆる思いやり予算の抑制は不十分であり、厚木基地のダイオキシン対策のように、国内法を超えた米軍への差別的なサービスに十億円規模の支出が組まれております。
 反対の第六の理由は、地方財政への危機に全く対応していないことであります。
 深刻な長期不況の中、地方財政は、一九五〇年代前半並びに七〇年代後半のスタグフレーションに続く戦後第三の財政危機に直面しています。これは、政府の経済運営の誤り、累次の景気対策に伴う公共投資における地方負担の増大、地方単独事業の拡大誘導、大幅減税等、政府の施策によってもたらされたものであります。にもかかわらず、政府の二〇〇〇年度地方財政対策は、十三兆円を超える財源不足に対し、交付税特別会計借入金の増加、財源対策債や減税補てん等の地方債の増発など、従来型の方式にとどまっております。これでは第三の財政危機にさらに拍車をかけるだけであり、地方財政危機の根本的な解決にはほど遠いものであります。地方財政危機を打開するためにも、この際……
#17
○議長(斎藤十朗君) 清水君、清水君、時間が超過いたしております。簡単に願います。
#18
○清水澄子君(続) 我々社会民主党・護憲連合は、今後の経済、財政、社会のあり方について国民が安心できるビジョンを提示するよう、政府に重ねて求めてまいりました。
 衆議院を直ちに解散し、国民の信を問うことを強く要求して、私の反対討論を終わります。(拍手)
#19
○議長(斎藤十朗君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
#20
○議長(斎藤十朗君) これより三案を一括して採決いたします。
 足立良平君外九十一名より、表決は記名投票をもって行われたいとの要求が提出されております。
 現在の出席議員の五分の一以上に達しているものと認めます。
 よって、表決は記名投票をもって行います。三案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#21
○議長(斎藤十朗君) 投票漏れはございませんか。──投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#22
○議長(斎藤十朗君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#23
○議長(斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数        二百四十三票  
  白色票          百四十一票  
  青色票            百二票  
 よって、三案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#24
○議長(斎藤十朗君) 日程第一 著作権法及び万国著作権条約の実施に伴う著作権法の特例に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。文教・科学委員長佐藤泰三君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔佐藤泰三君登壇、拍手〕
#25
○佐藤泰三君 ただいま議題となりました法律案につきまして、文教・科学委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、情報伝達手段の発達により可能となった視聴覚障害者のための著作物の利用について自由に行うことができることとするとともに、著作権等を侵害された者の救済を図るための制度を充実するほか、著作権に関する世界知的所有権機関条約により我が国が保護の義務を負う著作物について、万国著作権条約の実施に伴う著作権法の特例に関する法律の規定を適用しないこととする等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、教育の情報化と著作権とのかかわり、著作権の啓蒙普及、法人重課導入の理由、芸能実演家の労災問題、視聴覚障害者等の著作物利用の拡大、原子力関連施設周辺に居住する聴覚障害者への配慮等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#26
○議長(斎藤十朗君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#27
○議長(斎藤十朗君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#28
○議長(斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          二百四十  
  賛成            二百四十  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#29
○議長(斎藤十朗君) 日程第二 アルコール事業法案(内閣提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。経済・産業委員長成瀬守重君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔成瀬守重君登壇、拍手〕
#30
○成瀬守重君 ただいま議題となりました法律案につきまして、経済・産業委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、アルコールの専売制度を廃止するとともに、廃止後においてもアルコールの安定的な供給を図るため、暫定措置として五年間新エネルギー・産業技術総合開発機構による一手購入販売の業務等について所要の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、専売制度廃止後の安定供給確保策、民営化に伴う職員の処遇等につきまして質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終わり、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して四項目の附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#31
○議長(斎藤十朗君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#32
○議長(斎藤十朗君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#33
○議長(斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          二百四十  
  賛成            二百四十  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#34
○議長(斎藤十朗君) この際、日程に追加して、
 平成十二年度における公債の発行の特例に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#35
○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。財政・金融委員長平田健二君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔平田健二君登壇、拍手〕
#36
○平田健二君 ただいま議題となりました法律案につきまして、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、平成十二年度の適切な財政運営に資するため、同年度における公債発行の特例に関する措置を定めようとするものであります。
 委員会におきましては、公債減債に向けての対応策、特例公債発行の法的根拠、大量公債依存財政からの脱却、第二次財政構造改革の必要性等、各般にわたる質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終了し、討論に入りましたところ、本法律案に対し、民主党・新緑風会を代表して久保亘委員、日本共産党を代表して池田幹幸理事より、それぞれ反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終了し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#37
○議長(斎藤十朗君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#38
○議長(斎藤十朗君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#39
○議長(斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          二百四十  
  賛成            百三十九  
  反対              百一  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#40
○議長(斎藤十朗君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後八時二十四分散会
     ─────・─────
ソース: 国立国会図書館
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