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2000/03/22 第147回国会 参議院 参議院会議録情報 第147回国会 本会議 第8号
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2000/03/22 第147回国会 参議院

参議院会議録情報 第147回国会 本会議 第8号

#1
第147回国会 本会議 第8号
平成十二年三月二十二日(水曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第八号
  平成十二年三月二十二日
   午前十時開議
 第一 就業が認められるための最低年齢に関す
  る条約(第百三十八号)の締結について承認
  を求めるの件
 第二 商業登記法等の一部を改正する法律案(
  内閣提出)
 第三 特定通信・放送開発事業実施円滑化法の
  一部を改正する法律案(内閣提出)
 第四 特定公共電気通信システム開発関連技術
  に関する研究開発の推進に関する法律の一部
  を改正する法律案(内閣提出)
 第五 農業に関する技術の研究開発の促進に関
  する特別措置法を廃止する法律案(内閣提出
  )
 第六 国土調査促進特別措置法の一部を改正す
  る法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第七 農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給
  臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提
  出、衆議院送付)
 第八 特定市街化区域農地の固定資産税の課税
  の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部
  を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第九 地方税法等の一部を改正する法律案(内
  閣提出、衆議院送付)
 第一〇 地方交付税法等の一部を改正する法律
  案(内閣提出、衆議院送付)
 第一一 国民年金法等の一部を改正する法律案
  (第百四十五回国会内閣提出、第百四十六回
  国会衆議院送付)
 第一二 年金資金運用基金法案(第百四十五回
  国会内閣提出、第百四十六回国会衆議院送付
  )
 第一三 年金福祉事業団の解散及び業務の承継
  等に関する法律案(第百四十五回国会内閣提
  出、第百四十六回国会衆議院送付)
 第一四 国家公務員共済組合法等の一部を改正
  する法律案(第百四十五回国会内閣提出、第
  百四十六回国会衆議院送付)
 第一五 私立学校教職員共済法等の一部を改正
  する法律案(第百四十五回国会内閣提出、第
  百四十六回国会衆議院送付)
 第一六 農林漁業団体職員共済組合法等の一部
  を改正する法律案(第百四十五回国会内閣提
  出、第百四十六回国会衆議院送付)
 第一七 地方公務員等共済組合法等の一部を改
  正する法律案(第百四十五回国会内閣提出、
  第百四十六回国会衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、裁判官弾劾裁判所裁判員辞任の件
 一、裁判官弾劾裁判所裁判員の選挙
 一、日程第一より第一七まで
 一、国民福祉委員長狩野安君解任決議案(勝木
  健司君外三名発議)(委員会審査省略要求事
  件)


     ─────・─────
#3
○議長(斎藤十朗君) これより会議を開きます。
 この際、お諮りいたします。
 岩崎純三君から裁判官弾劾裁判所裁判員を辞任いたしたいとの申し出がございました。
 これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。
 よって、許可することに決しました。
     ─────・─────
#5
○議長(斎藤十朗君) この際、欠員となりました裁判官弾劾裁判所裁判員一名の選挙を行います。
 つきましては、裁判官弾劾裁判所裁判員の選挙は、その手続を省略し、議長において指名することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。
 よって、議長は、裁判官弾劾裁判所裁判員に吉川芳男君を指名いたします。
     ─────・─────
#7
○議長(斎藤十朗君) 日程第一 就業が認められるための最低年齢に関する条約(第百三十八号)の締結について承認を求めるの件を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。外交・防衛委員長矢野哲朗君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔矢野哲朗君登壇、拍手〕
#8
○矢野哲朗君 ただいま議題となりました就業最低年齢条約(第百三十八号)につきまして、外交・防衛委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 この条約は、昭和四十八年六月にジュネーブで開催された国際労働機関の総会において採択されたものでありまして、十五歳及び義務教育終了年齢に達していない者の就業を原則として禁止し、十三歳以上十五歳未満の者による軽易労働への就業を認める際の要件等について定めるものであります。
 委員会におきましては、我が国が現在まで本条約を批准しなかった理由、十八歳未満の就業が原則禁止される危険有害業務の具体例、最悪形態の児童労働の即時廃止に関するILO第百八十二号条約の批准目途等について質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終え、採決の結果、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#9
○議長(斎藤十朗君) これより採決をいたします。
 本件の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#10
○議長(斎藤十朗君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#11
○議長(斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十九  
  賛成           二百三十九  
  反対               〇  
 よって、本件は全会一致をもって承認することに決しました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#12
○議長(斎藤十朗君) 日程第二 商業登記法等の一部を改正する法律案(内閣提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。法務委員長風間昶君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔風間昶君登壇、拍手〕
#13
○風間昶君 ただいま議題となりました商業登記法等の一部を改正する法律案につきまして、法務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、高度情報化社会の進展にかんがみ、電子取引、電子申請の基盤を整備して、取引等を確実かつ円滑に行うことができるようにするため、登記官が法人代表者の電子署名を証明する電子認証制度及び公証人が電磁的記録について認証、確定日付の付与等を行う電子公証制度を創設しようとするものであります。
 委員会におきましては、電子認証・電子公証制度創設の意義及び背景、公開かぎ暗号方式による電子証明の仕組み、登記所による認証制度と民間の認証機関との関係、電子署名の法的効力、公証人の任命状況、公証人の任命方法の公正・透明化等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終わり、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#14
○議長(斎藤十朗君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#15
○議長(斎藤十朗君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#16
○議長(斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          二百四十  
  賛成            二百四十  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#17
○議長(斎藤十朗君) 日程第三 特定通信・放送開発事業実施円滑化法の一部を改正する法律案
 日程第四 特定公共電気通信システム開発関連技術に関する研究開発の推進に関する法律の一部を改正する法律案
  (いずれも内閣提出)
 以上両案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。交通・情報通信委員長齋藤勁君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔齋藤勁君登壇、拍手〕
#18
○齋藤勁君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、交通・情報通信委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、特定通信・放送開発事業実施円滑化法の一部を改正する法律案は、通信・放送事業分野における新規事業の創出を促進するため、通信・放送機構が行う業務に通信・放送新規事業に対する助成金を交付する業務を追加しようとするものであります。
 次に、特定公共電気通信システム開発関連技術に関する研究開発の推進に関する法律の一部を改正する法律案は、高度情報通信社会の構築に資するため、漁業情報の高度利用に資するシステム及び地方公共団体における申請手続電子化に資するシステムを特定公共電気通信システムに追加しようとするものであります。
 委員会におきましては、両法律案を一括して質疑を行い、個人情報保護の具体的取り組み、テレコム・ベンチャー企業に対する支援の拡充、電子政府の早期実現、助成金交付に当たっての申請手続の簡素化、研究開発に対する事後評価及び成果の普及等について質疑を行いましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、順次採決の結果、両法律案はいずれも全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、特定通信・放送開発事業実施円滑化法の一部を改正する法律案に対し、三項目から成る附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#19
○議長(斎藤十朗君) これより両案を一括して採決いたします。
 両案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#20
○議長(斎藤十朗君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#21
○議長(斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          二百四十  
  賛成            二百四十  
  反対               〇  
 よって、両案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#22
○議長(斎藤十朗君) 日程第五 農業に関する技術の研究開発の促進に関する特別措置法を廃止する法律案(内閣提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長若林正俊君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔若林正俊君登壇、拍手〕
#23
○若林正俊君 ただいま議題となりました法律案につきまして、委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策の一環として平成七年に制定された農業に関する技術の研究開発の促進に関する特別措置法について、同法に基づく研究開発の実施の状況等にかんがみ、同法を平成十二年三月三十一日をもって廃止するとともに、同法の廃止に伴い、研究開発についての成果の普及に係る生物系特定産業技術研究推進機構の業務等に関する経過措置を定めようとするものであります。
 委員会におきましては、特別措置法による研究開発の成果に対する評価とその普及、新基本法下における新たな技術開発の推進方向、農林水産関係試験研究に果たす生物系特定産業技術研究推進機構の役割等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#24
○議長(斎藤十朗君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#25
○議長(斎藤十朗君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#26
○議長(斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十九  
  賛成           二百三十九  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#27
○議長(斎藤十朗君) 日程第六 国土調査促進特別措置法の一部を改正する法律案
 日程第七 農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案
 日程第八 特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上三案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。国土・環境委員長石渡清元君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔石渡清元君登壇、拍手〕
#28
○石渡清元君 ただいま議題となりました三法律案につきまして、国土・環境委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、国土調査促進特別措置法の一部を改正する法律案は、国土調査事業の緊急かつ計画的な実施の促進を図るため、内閣総理大臣は、新たに平成十二年度を初年度とする国土調査事業十カ年計画の案を作成し、閣議の決定を求めなければならないこととする等の措置を講じようとするものであります。
 次に、農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案は、賃貸住宅の供給の促進等のため、農地の所有者がその農地を転用して行う賃貸住宅の建設等に要する資金の融通について、政府が利子補給金を支給する旨の契約を結ぶことができる期限を六年間延長する措置を講じようとするものであります。
 次に、特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正する法律案は、特定市街化区域農地の宅地化を促進するための土地区画整理事業の施行の要請及び住宅金融公庫の貸付金利の特例措置の適用期限を六年間延長する等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、三法律案を一括して議題とし、地籍調査の進捗がおくれている理由と今後の促進策、社会経済情勢の変化に伴う農住利子補給法のあり方、都市における農地の位置づけ等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、順次採決の結果、三法律案はいずれも全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、三法律案に対して附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#29
○議長(斎藤十朗君) これより三案を一括して採決いたします。
 三案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#30
○議長(斎藤十朗君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#31
○議長(斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百四十一  
  賛成           二百四十一  
  反対               〇  
 よって、三案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#32
○議長(斎藤十朗君) 日程第九 地方税法等の一部を改正する法律案
 日程第一〇 地方交付税法等の一部を改正する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上両案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。地方行政・警察委員長和田洋子君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔和田洋子君登壇、拍手〕
#33
○和田洋子君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、地方行政・警察委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、地方税法等の一部を改正する法律案は、平成十二年度の固定資産税の評価がえに伴う土地に係る固定資産税及び都市計画税の税負担の調整措置、宅地等に係る不動産取得税の課税標準等の特例措置等を講ずるほか、非課税等特別措置の整理合理化等を行おうとするものであります。
 また、地方交付税法等の一部を改正する法律案は、地方財政収支が引き続き著しく不均衡な状況にあること等にかんがみ、平成十二年度分の地方交付税の総額の特例措置を講ずるほか、後年度法定加算額の特例の改正、各種の制度改正等に伴って必要となる行政経費等の財源を措置するため、地方交付税の単位費用の改正等を行おうとするものであります。
 委員会におきましては、両法律案を一括して議題とし、外形標準課税の導入問題、固定資産税の負担水準のあり方、大都市圏における財源拡充の必要性、地方債の格付問題、今後の公債費負担軽減策、統合補助金の拡充強化、交付税特別会計借入金の償還見通し、交付税算定と市町村合併の関係等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、両法律案に対し、民主党・新緑風会を代表して朝日俊弘理事より反対、自由民主党・自由国民会議、公明党・改革クラブ及び自由党を代表して木村仁委員より賛成、日本共産党を代表して市田忠義委員より反対、社会民主党・護憲連合を代表して照屋寛徳委員より反対の意見がそれぞれ述べられました。
 討論を終わり、採決の結果、両法律案はいずれも多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、地方税法等の一部を改正する法律案に対して附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#34
○議長(斎藤十朗君) これより両案を一括して採決いたします。
 両案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#35
○議長(斎藤十朗君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#36
○議長(斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十九  
  賛成            百四十五  
  反対             九十四  
 よって、両案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#37
○議長(斎藤十朗君) 日程第一一 国民年金法等の一部を改正する法律案
 日程第一二 年金資金運用基金法案
 日程第一三 年金福祉事業団の解散及び業務の承継等に関する法律案
 日程第一四 国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律案
 日程第一五 私立学校教職員共済法等の一部を改正する法律案
 日程第一六 農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案
 日程第一七 地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案
  (いずれも第百四十五回国会内閣提出、第百四十六回国会衆議院送付)
 以上七案を一括して議題といたします。
     ─────・─────
#38
○議長(斎藤十朗君) これより国民福祉委員長の報告を求めるのでありますが、勝木健司君外三名から、委員会審査省略要求書を付して、国民福祉委員長狩野安君解任決議案が提出されておりますので、まず、本決議案についてお諮りいたします。
 国民福祉委員長狩野安君解任決議案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、日程に追加してこれを議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#39
○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。
 よって、本決議案を議題といたします。
 まず、発議者の趣旨説明を求めます。柳田稔君。
    ─────────────
   〔議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔柳田稔君登壇、拍手〕
#40
○柳田稔君 私は、ただいま議題となりました民主党・新緑風会、日本共産党並びに社会民主党・護憲連合の三会派共同提案による国民福祉委員長狩野安君解任決議案につきまして、発議者を代表し、提案の趣旨を御説明いたします。
 まず、決議案文を朗読いたします。
    国民福祉委員長狩野安君解任決議案
  本院は、国民福祉委員長狩野安君を解任する。
  右決議する。
 次に、その理由について、以下申し上げます。
 第一に、狩野安国民福祉委員長は、昨日の委員会において、年金関連法案の審議を一方的に打ち切り、強行採決という暴挙を行ったのであります。年金関連法案は衆議院でも強行採決されており、与党三党による横暴な国会運営にごうごうたる非難が集まったのは記憶に新しいところであります。またぞろ同じ愚を繰り返す狩野委員長の委員会運営は言語道断であります。
 高齢者の生活基盤にかかわり、国民の多くがその将来像に不安を抱いておる年金制度の改正案が衆参両院で数の横暴により強行採決される、絶対に許されることではありません。
 改めて言うまでもありませんが、本院の国民福祉委員会や衆議院の厚生委員会で審議される案件は、国民生活に直結するのみならず、その関心も非常に高いものばかりであります。国会が果たすべき役割は、国民各層の意見を十分に聞きながら課題を着実に解決していくことでございます。年金法案は、決して与党が数の暴挙に出て強引に採決する案件ではありません。
 私も、過去二回、年金の改正に携わってまいりました。その二回の経験から申し上げますと、こういった強引な強行採決というのは過去行われたことがありません。衆参において自民党が安定多数を占めておるときでも、野党の賛成を得るべく努力している。与党、野党の一部、ともに修正の上、採決、成立といったのが過去の歴史であります。そのことを私は与党の皆様に十分肝に銘じていただきたい。国民は年金改正については大変な関心を持っておる、生活においても大変大きなかかわりのある法案である、そのことを過去の自民党の諸君は十分に心得て、野党の言い分も聞いてまいりました。
 少子高齢社会にふさわしい社会保障のあり方を与野党問わず十分に議論し、安心できる社会を実現することが国会に与えられた責務であります。
 にもかかわらず、国民福祉委員会における狩野委員長の姿勢及び与党側の姿勢は、昨年の盗聴法や住民基本台帳法のときに見せた小渕自自公政権のごり押し、問答無用体質そのものであります。そのような運営を行う狩野委員長は直ちに解任しなければ、良識の府を疑われてしまうことになるでしょう。
 解任する理由の第二は、審議が全く不十分であるにもかかわらず、審議を打ち切ったことであります。
 二十一世紀の少子高齢社会を迎え、社会保障制度の中でもその中核を担う年金制度がどうなるのか、国民は国会審議に注目しています。
 国民年金法等改正案では、前回九四年改正のときに約束された基礎年金の国庫負担率を二分の一に引き上げる問題を初め、無年金障害者や女性の年金権確立の問題、また厚生年金報酬比例部分の六十五歳支給に伴う雇用と年金の接続問題など、実に多くの課題が懸案として残されております。
 また、年金福祉事業団の解散と年金積立金の自主運用にかかわる法案では、百四十兆円にも上る巨大な年金積立金を厚生省が第一の機関投資家として行うことの問題点が幾つも指摘されております。そもそも国が巨額の積立金を持つ必要があるのか、自主運用案もあいまいなままでございます。拙速な審議に任せず、財政投融資制度の改革にあわせて審議をやり直すべきではないでしょうか。
 その他四つの共済組合法案もあり、審議時間が十分に確保されなければ法案審議を深めることなどできません。加えて、厚生大臣を初め政府側の答弁は明確さを欠いており、より慎重な審議が必要なのは明白であります。
 狩野委員長は、この間の審議を通じて、政府の答弁に納得されたのでございましょうか。これで二十一世紀の年金は大丈夫だと国民の皆様に自信を持って言えるのでありましょうか。
 委員会の委員長は、法案審議の取りまとめを中立公正な立場から行う務めがあると考えます。狩野委員長によるこの間の運営を拝見しますと、失礼ながらその資格に欠けていたと言わざるを得ません。
 理由の第三は、委員長及び与党サイドが約束していた小渕総理の委員会への出席について、ついにその約束が果たされなかったことでございます。あわせて、我々が強く求めた地方公聴会の開催を行わなかったことでございます。
 我々野党三党は、多くの国民の意思を尊重し十分な審議を行うこと、そしてさまざまな立場からの御意見を伺い委員会審議に反映させること、さらには小渕総理大臣に委員会への出席を求めて、総理の年金に対する思い、総理の描く年金ビジョンをただすことを一貫して求めてまいりました。
 特に、小渕総理の出席については、委員会における審議開始の前提として冒頭からその実現を要求してまいりました。一たんは与党側も合意したかに見えましたが、結局実現しませんでした。
 また、昨日午前中に行われた中央公聴会では、一橋大学の高山先生が、厚生年金報酬比例部分の支給開始年齢を六十五歳に引き上げることについて、支給年齢引き上げによってむしろ高齢者の雇用環境が悪化するとの懸念を表明されました。そうした公述人の方々の貴重な御意見を委員会審議に反映させようという姿勢さえ与党三党にはありませんでした。まさに、委員会採決への通過儀式としか考えていない公聴会の設定だったと言えます。
 結局、狩野委員長及び与党三党は、単に従来の法案審議の時間数や衆議院との時間比較だけをもって審議の深まり度合いを判断しているのであります。この際、そうした悪しき習性は考え直すべきではありませんか。
 以上が国民福祉委員長狩野安君解任決議案提案の主な理由であります。
 二十一世紀の少子高齢社会を目前に、国民が大変な関心を持って審議を見守る年金法案を、拙速な審議のみで強行に採決を行っていいわけがありません。国民の年金制度に対する不安、不満を解消するため、十分な審議を行い、議論を深めることであります。我々野党三党が一致して国民福祉委員長の解任を決議する理由は、まさにこういう姿勢が狩野安君に欠落しているからであります。
 何とぞ本決議案に対し本院皆様方の御賛同を賜りますよう訴え、私の提案理由説明を終わります。(拍手)
    ─────────────
#41
○議長(斎藤十朗君) 本決議案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。山本保君。
   〔山本保君登壇、拍手〕
#42
○山本保君 私は、自由民主党・自由国民会議、自由党及び公明党・改革クラブ三会派を代表して、ただいま議題となりました狩野安国民福祉委員長に対する解任決議案に対し、断固反対の討論を行うものであります。(拍手)
 改めて申すまでもなく、委員長の職責とは、公正中立の立場から委員会の円滑かつ正常な運営を図り、立法府としての機能を十全に発揮させて、国民の負託にこたえていくことであります。
 狩野委員長は、御就任以来、国民福祉委員会の運営に関して強い責任感を持って臨まれ、決して一党派に偏することなく、常に公正中立の立場からその職責を全うされてこられました。このことは、野党諸君も十分御存じのことと思います。
 特に、今国会、国民福祉委員会において年金制度改正法案を粛々と審議していくことができましたのは、狩野委員長の手腕によるところが大きかったと高く評価されます。(拍手)
 しかるに、今回の解任決議案の理由として、委員会の採決を強行したとありますが、これをもって理由とするのは、採決に至った経緯を無視した全く理不尽きわまりないものであります。
 もとより、年金制度改革七法案は、少子高齢化が進展する二十一世紀を展望して、年金制度における給付と負担の均衡を図り、将来世代の負担を過重なものとしないよう、公的年金制度を活力ある長寿社会の実現に資するものとするために、制度全般にわたる抜本的な見直しを行おうとするものであります。
 すなわち、国民の公的年金制度に対する信頼感、安心感を揺るぎなきものとするための必要不可欠の改正であります。法案の一刻も早い成立を図ることこそが国民の社会保障に対する信頼の確立に資するものであり、また多くの国民の期待にこたえるものであると確信しております。
 年金制度改正七法案は、昨年の七月、国会に提案され、衆議院において継続審査とされた後、昨年の十二月、本院に送付され、継続審査となっていたものであります。国会に提出されてから既に八カ月経過しており、本院においても、これまで三カ月の間、極めて慎重に審議が重ねられてまいりました。
 国民福祉委員会におきましては、参考人からの意見聴取、公聴会の開催を初め、厚生大臣、大蔵大臣、文部大臣、農林水産大臣、自治大臣等に対し、今日まで充実した質疑が行われてきたものであります。
 ちなみに、国民福祉委員会におきましては、関連共済四法案に六時間、公聴会、参考人質疑に五時間、その他それらを除いた年金三法の対政府質疑だけでも二十一時間と衆議院の十八時間を上回る十分な審議時間が確保され、審議は十分に尽くされております。
 十分な審議を尽くした後に採決を行うのは至極当然のことであり、委員長が質疑打ち切り動議に応じて採決したのは全く非のない適切な判断であります。
 よって、解任決議を提出した野党の諸君こそ、法案の誤った解釈を喧伝しつつ、対案や修正要求も提出することなく、国民の長期的な生活の安定、利益を守るための決断から逃避する無責任な体質を国民の前に露呈していると断言せざるを得ません。
 そして、極めて民主的に委員会運営を行ってきた狩野委員長に解任決議を突きつけるなどということは、もはや暴挙以外の何物でもないのであります。
 もとより、野党諸君は、我々と政治的立場を異にする以上、またそこに見解の相違が生じるのは当然のことであります。しかしながら、以上申し上げてきましたように、提出者の真意は全くはかりかねるところであります。
 ここに正義と良心をもって国民の負託にこたえんとする議員各位とともに、野党諸君の猛省を促し、本決議案に断固反対の意思を表明し、私の反対討論といたします。(拍手)
#43
○議長(斎藤十朗君) 松崎俊久君。
   〔松崎俊久君登壇、拍手〕
#44
○松崎俊久君 私は、ただいま議題となりました民主党・新緑風会、日本共産党並びに社会民主党・護憲連合の三会派共同提案による国民福祉委員長狩野安君解任決議案について、賛成の立場から討論を行います。
 賛成の理由を以下申し述べます。
 まず、狩野委員長は昨日行われた委員会において、年金関連七法案の審議を強引に打ち切り、委員会が大混乱する中で強行採決という暴挙を行いました。あのような混乱状態では、果たして採決が正当に行われているのかさえ極めて疑わしいと言わざるを得ません。国民から見れば、またもや国会は何をやっているんだと罵声を浴びせられるような極めて愚かな行為であります。
 本法案は、昨年の臨時国会において衆議院でも強行採決されており、国民の生活に直結する年金法案が衆参両院で強行採決されるというあいた口がふさがらないほどの横暴な国会運営であります。狩野委員長の委員会運営は、憲政史上に汚点を残すものであります。
 国民福祉委員会で審議される案件は、国民生活に深くかかわるものばかりであり、年金法案は決して与党が数の力に任せた暴挙に出て強引に採決するような案件ではないのであります。
 ところが、狩野委員長が行った行為は、昨年の通常国会で大もめにもめたいわゆる盗聴法、住民基本台帳法のときの数こそ力というような、何でもごり押し、力任せ政権の体質そのものであります。そのような運営を行う狩野委員長は直ちに解任しなければ、それこそ国民から参議院は何をやっているのかと批判を受けることでありましょう。
 賛成の第二の理由は、本案に対する国民的議論が全く不十分であるにもかかわらず、審議は尽きた、もう十分だとするような、委員長として大変誤った認識を持っておられるからであります。
 国民は年金法案の審議に大変注目しております。基礎年金の国庫負担率引き上げ問題、無年金障害者、女性の年金権確立の問題、雇用と年金の接続の問題など、国民年金法等改正案だけでも実に多くの課題があるのであります。
 さらに、年金福祉事業団の解散と年金積立金の自主運用にかかわる法案では、百四十兆に上る巨大な年金積立金の運用を厚生省が行うことについての懸念があります。年金加入者のメリットになるのかどうかについても全く見当がつかない点や責任の所在があいまいな点、また運用リスクが余りにも大き過ぎる点、そして結局は厚生省の権益拡大になるのではないかという点など、多くの問題が指摘されておりますが、政府はそのどれ一つとってみても明確な答弁を出しておりません。財投改革の法案が出されておりますけれども、その議論とあわせた審議を深める必要があります。
 さらに、共済組合法案は四本提出されておりますが、国民福祉委員会だけの審議では不十分ではないでしょうか。関係する委員会との合同審査を行う必要がありますし、共済については厚生年金との一元化の議論がまだまだ不十分であると思います。
 狩野委員長は委員会の議論をすべてお聞きになっておられるはずで、これまでの議論で本当に審議は尽くされたとお考えなのか、私にはどうしても理解できません。単に時間数だけを頼りに判断したとしか考えられません。
 年金は社会保障の中核となるものであります。少子高齢社会にふさわしい年金ビジョンを国民は強く求めております。この間の審議で果たしてこれが明らかになったでありましょうか。このような不十分な議論のままに年金法案を通していいのですか。狩野委員長の責任はまさに重大であります。
 そして三つ目には、我々が強く求めた小渕総理の委員会出席や地方公聴会がついに行われなかったことであります。
 先ほどの提案理由説明にもありましたが、私たち野党三党は、一、国民の意思を尊重しながら十分な審議を行うこと、二、さまざまな立場からの御意見を伺い委員会審議に反映させること、三、さらに小渕総理大臣に委員会への出席を求め、総理の年金に対する思い、総理の描くところの年金ビジョンをただすことを一貫して求めてまいりました。
 特に、小渕総理の出席については、委員会における審議開始の前提として、冒頭からその実現を要求してきましたが、結局実現はしませんでした。年金を初めとする社会保障制度について専門家からいろいろな提言を受けておられる小渕総理から、ぜひ小渕年金ビジョンを聞かせていただきたかったのでありますが、ついにその約束は果たされなかったのであります。
 また、昨日の中央公聴会では、公述人の方々から貴重な御意見をいただきました。そうした御意見はぜひ委員会の審議に反映させるのが国会審議のあるべき姿ではないでしょうか。ところが、与党三党は、中央公聴会の設定を委員会採決への通り道、通過儀式としか考えていないと言わざるを得ないのであります。中央公聴会後の質疑がわずか三時間余り、これで参考人の意見が生かされたと言えるでしょうか。さらに言えば、地方公聴会は全く行われておりません。年金のような重要法案については、地方公聴会を行い、広く各界の意見を聞く必要があります。
 狩野委員長には、こうした審議を行うという気持ちはさらさらなかったと言えるのでありましょう。結局、従来の法案審議の時間数や衆議院との比較だけで判断し、そして採決した、それにすぎないのであります。そこには、年金法案の内容をよりよいものに仕上げるために、国民のために制度改革を行うという気持ちが全くなかったと言わざるを得ません。
 以上が国民福祉委員長狩野安君解任決議案に対する賛成の主な理由であります。
 徹底した審議を行い、議論を深めることで国民の不安感、不満感にこたえるべきだったのではないでしょうか。
 我々は、昨日の強行採決を認めることはできません。国民の皆さんに本当に安心できる年金制度の将来像を明らかにしなければなりません。我々は、狩野委員長の解任を求めるとともに、採決の撤回を強く要求し、私の討論を終わります。(拍手)
#45
○議長(斎藤十朗君) 小池晃君。
   〔小池晃君登壇、拍手〕
#46
○小池晃君 私は、日本共産党を代表して、民主党・新緑風会、日本共産党、社会民主党・護憲連合共同提出の狩野安国民福祉委員長の解任決議案に賛成の立場から討論を行います。
 昨年十二月、年金関連三法案への代表質問が行われたこの本会議場で、私は、強行採決が行われた衆議院厚生委員会の二の舞は許されないことを強調いたしました。そして、各会派が法案への賛否にかかわらず徹底した討論を尽くすことと、十分な民意の反映こそが国民に対する本院の責務であると呼びかけました。それを裏切り、参議院でまたしても強行採決という数の暴走を繰り返した狩野委員長及び与党三党を怒りを持って糾弾するものであります。(拍手)
 解任決議案に賛成する第一の理由は、狩野安国民福祉委員長が、参議院の審議を通じて新たな問題点が次々と明らかになり、さらなる徹底審議が求められていた年金法案の質疑を乱暴に断ち切ったことであります。
 国民福祉委員会の審議では、深刻な国民年金の空洞化や、この間の雇用破壊による国民年金の加入者と保険料収入の激減の実態が明らかにされ、基礎年金国庫負担の二分の一への引き上げの緊急性が改めて浮き彫りになっていました。
 また、政府は、六十歳代前半の雇用確保を支給開始年齢の六十五歳への繰り延べの前提としてきました。しかし、厚生省の財政再計算でも、支給繰り延べによってもたらされる六十歳代前半の雇用の増加を二〇二五年の時点で二、三%しか見込んでいないことが示され、雇用確保が空手形だったことも明らかになりました。
 さらに、政府・与党は、この年金改悪による影響は将来世代だけだと説明していましたが、賃金スライド凍結と報酬比例部分の五%支給削減は、将来世代だけでなく現在の年金受給者をも直撃し、既に保険料を払い終わった七十歳代、六十歳代の人までが三百万円から五百万円もの支給減となることも明らかになりました。六十五歳支給繰り延べなどを含む制度改悪の全体による給付削減の規模が、一世帯当たり一千二百万円に上ることが示されたのも当院の審議を通じてであります。
 また、年金の六十歳からの繰り上げ支給の減額率の引き下げ目標について、衆議院段階で厚生省が示した三五%という数字には全く根拠がなく、さらなる引き下げが必要であることも参議院の審議で厚生省が認めたことであります。
 そして、学生無年金障害者の問題については、年金制度の内部で解決すべき問題として、救済のための具体的議論が進もうとしていたところでした。
 昨日の公聴会では、与党推薦の公述人からも賃金スライドの廃止の措置には疑問を持つという発言がなされました。
 法案の問題点が新たに示され、日本の社会保障制度の根幹である年金制度をどうするのかという議論がまさにこれから始まるというときに、与党の言いなりに審議を乱暴に断ち切った狩野委員長の運営は、委員会と国会の存在意義そのものを否定した許しがたい行為だと言わねばなりません。(拍手)
 与党側は、参議院での審議の合計時間が衆議院の審議時間を超えたなどとして強行採決を合理化しようとしております。
 しかし、衆議院の審議は、与党側の強引な議事運営と強行採決により本来の審議が破壊されていたのであり、そもそも比較の対象とはなり得ません。しかも、参議院の審議を通じて新たに解明すべき問題がこれだけ続出している中で、衆議院の審議時間にかかわらず徹底的に議論を尽くすことは参議院の存在意義にかかわる責務ではないでしょうか。(拍手)
 さらにつけ加えれば、参議院での年金三法案の正常に行われた審議時間は十八時間余で、衆議院での審議時間とほぼ同じですが、衆議院での共済年金四法案の審議時間は十二時間なのに対し、参議院での審議時間は六時間足らずであります。審議時間の合計は参議院の方がむしろ少ないのであり、この点でも審議を打ち切る根拠などどこにもないではありませんか。
 解任決議案に賛成する第二の理由は、狩野委員長が、委員長と与党が一度は受け入れた年金法案審議への総理出席という野党の共同要求を踏みにじったことであります。
 年金関連法案の審議に際し、野党三党は当初から、本法案が国民生活の根幹にかかわる法改定であること、基礎年金への国庫負担増額は内閣全体が責任を負う公約であることなどから、重要広範議案として総理質疑を冒頭から一貫して要求してきました。与党側もこれに一度は九九%可能であると回答し、三月三日には総理出席の質疑を行うことも委員長も確認していたのであります。ところが、これが直前になって突如不可能になったとされ、理由の説明を求める野党に対し、与党理事は理由は申し上げられないなどという支離滅裂な対応に終始し、ついにこの約束をほごにしたのであります。
 野党は、昨日も二十三日の小渕首相の年金審議への出席を要求しました。そうした野党の繰り返しの要求は何らの理由も示されずに握りつぶされ、採決が強行されたのであります。これまた野党が要求していた地方公聴会の開催が実現されなかったことも含めて、まさに与野党合意と議会運営のルールを踏みにじるものであり、国民を愚弄するものとのそしりを免れ得ないものであります。
 賛成する第三の理由は、公聴会の当日に採決が行われるという暴挙だったことであります。
 国会法第五十一条によれば、公聴会とは、国会審議に主権者国民の声を直接反映させることを目的に、重要な案件に対する意見を求める場であります。ここで聴取した意見を受け、さらなる審議を行うことは極めて当然のことであります。開いたその直後に採決するなら、一体何のために公聴会を開いたのかということになるではありませんか。
 衆議院の年金法案審議でも、公聴会の開始直前に与党が一方的に採決の日取りを決めたことが、強行採決に至る混乱の最初のきっかけとなりました。にもかかわらず、狩野委員長はそこから何の教訓も学ぶことなく、同じ過ちを同じように繰り返したのです。これが「参議院として国民の負託に応えるため、今回の与野党の対立に終止符を打ち、正常化を図り、爾後、与野党の話し合いにより円満な議会運営に努めるよう要請する」という二月八日の議長見解と全く相入れないものであることは明白であります。
 年金改悪法案について、昨日の公聴会では、与党推薦の公述人からすら問題点が指摘され、全面的に賛同する声は聞かれませんでした。法案の反対、再検討を求める地方議会の決議、意見書は千二百に上り、年金改悪反対のファクス、電報、手紙などは、私のもとに寄せられたものだけでも短期間に五百通をはるかに超えております。
 年金法案は、すべての国民の現在と将来の生活に深くかかわる法案です。こうした法案を与党に唯々諾々と従った運営で処理し、議会制民主主義のルールも与野党の合意も国民の声も無視して強行採決した狩野委員長の行動は、公正中立に議事を整理すべき委員長として到底許されるものではなく、委員長の職責に反するものと言わなければなりません。
 以上の経過に重大な責任を持つ狩野安国民福祉委員長の解任は当然であります。
 採決強行の暴挙を改めて糾弾し、解任決議に賛成する私の討論を終わります。(拍手)
#47
○議長(斎藤十朗君) 大渕絹子君。
   〔大渕絹子君登壇、拍手〕
#48
○大渕絹子君 私は、社会民主党・護憲連合を代表し、狩野安国民福祉委員長解任決議案に賛成の立場から討論を行います。
 狩野委員長は、昨日午後五時五十五分、職権によって国民福祉委員会を再開し、野党理事や委員が激しく抗議する中、山崎理事の動議を一方的に取り上げ、騒然としてだれの声も聞き取れない中で採決を強行したのであります。
 我が党は、年金関連七法案を今国会における最重要法案と位置づけておりました。だからこそ、特例ではありますけれども、平成十二年度予算案審議と重なる日の委員会審議にも協力をしてまいりました。しかし、狩野委員長及び与党三党は、理事会において総理出席の委員会質疑を約束していたのに、それを果たすことなく採決を強行したのであります。
 また、昨日の中央公聴会では、公述人のほとんどが、いまだ法案の審議は不十分であり、今後とも慎重に議論すべきであるという意見が述べられました。それを無視してその日のうちに採決を強行するとは、公述人の方々に対しても失礼この上ないものであります。我が党を初め野党側は中央公聴会に続いて地方公聴会や参考人質疑を要求していましたのに、一考だにされず、採決を強行したのであります。
 今次年金法案は、国会決議によって約束をされていた基礎年金国庫負担二分の一など、取り組むべき重要課題は先送りをし、支給額の削減、被保険者の負担増、受給開始年齢の先送りと国民に痛みを強いる中身になっています。個人のライフサイクルを座標軸にすることや第三号被保険者等女性の年金問題などへの考慮もなく、多くの修正が必要であったにもかかわらず、狩野委員長は強行採決によってその可能性を摘み取ったのであります。
 さらに、正常に議了されたならば、この年金関連七法案は一本ずつ採決されるべき法案であります。我が党は、年金福祉事業団の解散及び業務の承継等に関する法律案や年金資金運用基金法案などは賛成できる内容のものでした。しかし、不正常な中で一括採決されてしまったために、やむなく一括反対せざるを得ない状況になったのは、すべて狩野委員長の責任であります。
 良識の府である参議院において民主主義を否定するかかる強行採決は、狩野委員長の解任をもって当然となすべきでございます。
 以上、私の本決議案に対する賛成討論といたします。(拍手)
#49
○議長(斎藤十朗君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
#50
○議長(斎藤十朗君) これより採決をいたします。
 足立良平君外九十名より、表決は記名投票をもって行われたいとの要求が提出されております。
 現在の出席議員の五分の一以上に達しているものと認めます。
 よって、表決は記名投票をもって行います。本決議案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#51
○議長(斎藤十朗君) 投票漏れはございませんか。──投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#52
○議長(斎藤十朗君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#53
○議長(斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数        二百三十二票  
  白色票           九十四票  
  青色票          百三十八票  
 よって、本決議案は否決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#54
○議長(斎藤十朗君) これより委員長の報告を求めます。国民福祉委員長狩野安君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔狩野安君登壇、拍手〕
#55
○狩野安君 ただいま議題となりました七法案につきまして、国民福祉委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。
 年金関係七法案は、第百四十五回国会に衆議院に提出され、衆議院において継続審査とされた後、第百四十六回国会で本院に送付され、同国会において継続審査となっていたものであります。
 まず、国民年金法等の一部を改正する法律案は、国民の老後の生活設計の柱である国民年金及び厚生年金保険について、今回の財政再計算に当たり、年金制度における給付と負担の均衡を図り、制度全般にわたり見直しを行おうとするものであり、その主な内容は、厚生年金報酬比例部分について給付水準の五%適正化を図ること、裁定後の基礎年金、厚生年金については物価変動のみで改定すること、老齢厚生年金の支給開始年齢を平成二十五年度から段階的に六十五歳まで引き上げること、総報酬制を導入すること、国民年金保険料の学生納付特例を導入すること等のほか、厚生年金基金について所要の改正を行うとともに、国民年金及び厚生年金保険の積立金について厚生大臣が自主運用を行うこととするものであります。
 なお、衆議院におきまして、基礎年金の国庫負担割合の引き上げに向けての検討過程において基礎年金の給付水準についても検討を求める趣旨の修正が行われております。
 次に、年金資金運用基金法案は、国民年金及び厚生年金保険の積立金の自主運用に当たり、厚生大臣から寄託された資金の管理及び運用を行う専門機関として、年金資金運用基金を設立し、その責任体制の明確化及び専門性の確保を図るとともに、運用実績等に関する適切な情報の公開により、年金資金運用の透明性を確保しようとするものであります。
 また、年金福祉事業団の解散及び業務の承継等に関する法律案は、年金福祉事業団を解散させるとともに、同事業団が行ってきた住宅資金の貸し付け等を一定期間年金資金運用基金において実施させ、また、年金受給権を担保とする小口の資金の貸し付けを、社会福祉・医療事業団において新たに実施させようとするものであります。
 次に、国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律案、私立学校教職員共済法等の一部を改正する法律案、農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案及び地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案についてでありますが、その内容はいずれも、公的年金制度としての信頼を確保する見地から、長期的に給付と負担の均衡を確保し、将来世代の負担を過重なものとしないよう、制度全般にわたり見直しを行おうとするものであり、報酬比例部分について給付水準の五%適正化を図ること、退職共済年金の支給開始年齢を平成二十五年度から段階的に六十五歳まで引き上げること、総報酬制を導入すること等、基本的に厚生年金保険の改正と同様の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、国民年金、厚生年金保険関連三法案について、参考人から意見を聴取するとともに、公聴会を開催したほか、共済四法案を含めた七法案について、基礎年金の財源及び給付水準のあり方、支給開始年齢の引き上げと高齢者雇用の関係、賃金スライドの停止を含む報酬比例部分の給付のあり方、繰り上げ減額支給の減額率、女性の年金問題、年金積立金の自主運用のあり方、農林年金の厚生年金との統合問題等の質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局することに決定した後、国民年金法等の一部を改正する法律案外六法案に対し、山本理事より、自由民主党・自由国民会議、公明党・改革クラブ及び自由党の三会派共同提案に係る七修正案が提出されました。修正案の趣旨は、七法案の審査が越年したことに伴い、法律番号及び法律の略称に係る暦年について、「平成十一年」を「平成十二年」に改めることであります。
 次いで、七修正案及び修正部分を除く七原案をそれぞれ一括して採決の結果、国民年金法等の一部を改正する法律案外六法案はいずれも多数をもって修正議決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#56
○議長(斎藤十朗君) 七案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。勝木健司君。
   〔勝木健司君登壇、拍手〕
#57
○勝木健司君 私は、民主党・新緑風会を代表して、年金関連七法案に対し、強く反対する立場から討論を行います。
 法案に反対する理由を述べる前に、与党三党による横暴な委員会運営について強く抗議するものであります。
 私どもが当初から要求してきた総理質疑、地方公聴会がなされないまま、委員会審議が十分に行われていない段階で質疑が突如として打ち切られ、事もあろうに中央公聴会が開催されたその日に打ち切られたのであります。
 重要法案につきましては、委員会審査の冒頭に総理に対して基本的質疑を行うことができるとの与党との申し合わせに沿って、私どもは年金という重要法案の審議に当たり、冒頭、小渕総理の出席を要求し、質疑が行えるよう強く要請してまいりました。
 一たんは与党の理事から三月三日金曜日の総理出席が約束されたのでありますが、前日になって、理由も明らかにされることなく、一方的に総理の出席は難しくなったと通告され、総理質疑は実現しなかったのであります。
 我々は翌日、総理官邸の動きを伝える新聞報道によって、三月三日の総理の日程には国民福祉委員会に出席するに十分な余裕があったことを知り、愕然といたしました。
 国会軽視も甚だしいと言うべきであります。
 憲法第六十三条は、内閣総理大臣その他の国務大臣は、答弁または説明のために出席を求められたときは、必ず出席しなければならないと定めております。小渕総理は、憲法が定める国会への出席義務を何と心得ておられるのか。
 また、総理の出席を約束しておきながら、直前になって拒否するという与党の姿勢も、公党間の信義に反するもので、許しがたいものであります。
 さらに、採決の強行により、与党は我々から修正案の協議や法案に附帯決議案を付する機会を奪ったのであります。年金改革をよりよいものとするための建設的な議論の芽を摘んでしまったのであります。
 そもそも、この年金関連法案は、衆議院の厚生委員会で数を頼りにした与党の横暴で採決が強行され、衆議院議長の裁定で法案審査が委員会に差し戻されたといういわくつきの法案でありました。
 国民はこの間の経過と与党の国会運営のあり方について重大な懸念を抱いておりましたが、良識の府参議院においてもまたもや採決強行という愚行が繰り返されたのであります。我々は、年金関連法案が委員長並びに与党の横暴で強行採決されたことに対し、深い憤りを覚えております。年金関連法案の採決を強行した責任は、政府・与党にあることは明らかであります。国民の政治に対する不信感はますます増幅することでありましょう。
 ことしは衆議院議員の総選挙の年でもあります。世論、マスコミは政府・与党を厳しく弾劾するとともに、政府・与党は有権者の厳しい審判を受けることになると強く警告をしたいと思います。
 さて、昨年の十二月、私は参議院本会議で、年金関連法案に対して小渕総理に質問をいたしました。その中で私は、国民の公的年金に対する不信感の原因は何であるのか、総理のお考えをお聞かせ願いたいと申し上げたところでございます。ところが、総理は、国民に不安があることは事実と認めながら、その原因については何ら言及をされませんでした。
 私どもは、国民の公的年金に対する不信感は、年金改革のたびごとに保険料の引き上げと給付水準の引き下げをセットとし、さらに支給開始年齢を先延ばしする、そういう意味で、まさに年金が逃げ水のように国民の手の届かないところに行ってしまうような、そういう改革案を政府が繰り返し繰り返し提案してきたことに大きな原因があると考えております。
 今回の政府案も、一方では将来の保険料を引き上げることを前提に、他方では給付水準を引き下げる、支給開始年齢を先延ばししようとするものであります。これでは国民の年金不信の火に油を注ぐようなものであります。政府・与党はこのような年金改革案で国民の将来不安が本当に払拭できると考えているのでしょうか。
 小渕総理が委嘱された「二十一世紀日本の構想」懇談会でも、年金制度は二十一世紀という長い期間を見据えて構築しなければ、人々の不安を必要以上に深刻化させると言っております。また、年金の論理だけで改革案を用意するというような縦割り行政の弊害は排除する必要があるとも言っております。政府案に対するこれほど痛烈な批判はありません。今回の年金関連法案に対しては、小渕総理のおひざ元からもこのように厳しい批判がなされているのであります。政府は、このような国民の批判を受けて、政府案の修正や撤回、凍結等を含めた対応を真剣に検討すべきであります。
 次に、年金関連七法案に反対する主な理由を申し述べます。
 反対理由の第一は、今回の政府案が基礎年金部分の改革をなおざりにして、いわゆる二階部分の給付抑制だけを行おうとしていることであります。すなわち、基礎年金の国庫負担割合の引き上げを先送りするなど、政府は基礎年金の抜本改革から逃げ続けていることであります。
 基礎年金の国庫負担を平成十一年度に現行の三分の一から引き上げることについては、既に前回九四年の法改正時に国会修正で法律の附則に明記されたところであります。これを受けて、衆参両院の委員会におきましても、全会一致で二分の一を目途に引き上げることが決議をされておるところであります。
 このように、基礎年金の国庫負担二分の一への引き上げは、政府が国会と国民に対して約束したことであります。今回、政府が引き上げを見送った背景にある財政構造改革法は既に凍結されており、約束どおり二分の一への引き上げを直ちに実施すべきであります。政府案では、二分の一への引き上げは五年後になってしまうわけでありますが、私は、この四月が無理ならば、二〇〇一年度からでも実施するよう強く要望をいたします。
 さらに、より根本的な問題でもある税財源によって真の国民皆年金を実現しようとするのか、無年金者が出ようとも社会保険方式を維持しようとするのかという問題につきましても、政府・与党は政策を明確にすべき時期に来ていると思います。
 基礎年金の財源を全額税とすることで国民皆年金が維持できるようになり、また、女性の年金問題や無年金障害者の年金問題などの懸案事項の解決が図られるのであります。
 私ども民主党・新緑風会は、基礎年金の財源を全額税とする制度を検討し、早急に結論を得るべきものと考えます。
 小渕総理は、二兎を追う者は一兎も得ずとして、景気対策に専念されておりますが、政府の景気対策は公共事業一辺倒であります。景気低迷の最大の要因は個人消費の沈滞でありますが、その背景には、御承知のように、国民の将来不安があることは周知の事実であります。個人消費の伸びに結びつかない公共事業だけに莫大な予算をつぎ込むのではなく、国民の将来不安を解消するために、基礎年金の抜本改革を断行して社会保障への信頼の回復を図ることが国民の財布のひもを緩め、ひいては個人消費の拡大につながるのであります。これこそ総理の言う景気対策として政府のとるべき最優先の政策ではないでしょうか。
 反対理由の第二は、賃金スライドの凍結と厚生年金報酬比例部分の五%削減の問題であります。
 賃金スライドの凍結と報酬比例部分の五%削減によって、公的年金の給付水準は大幅に低下をいたします。今の現役世代が老後受け取ることになる年金の受給総額は現行制度より一千万円以上削減されることになります。今回の政府案は勤労者の老後の生活設計を根底から脅かすものであります。
 特に、年金水準の実質的維持を図ってきた賃金スライドの凍結は制度の本質的な変更であり、また、前回改正で導入されたばかりの可処分所得スライドの考え方をも破棄するものであります。ところが、政府の説明は国民が到底納得できるものではありません。
 委員会に提出された資料によりましても、賃金スライドの凍結と報酬比例部分の五%削減について、この部分を一年間執行を停止したとしても、全体でわずか五千億円程度の財政影響で済むことが明らかとなっております。厚生年金だけでも百三十一兆円もの積立金があることから、この程度の財政影響は積立金を活用することで十分に対応できるものであります。
 また、公費負担への影響も年間三百六十三億円程度にとどまることが明らかとなっております。今回の介護保険の特別対策が一兆円を超える国費の負担増であったことを思えば、財政規模だけを見れば政府・与党の決断一つで十分に可能であると言わざるを得ません。
 さらに、小渕内閣は今般の年金関連法案に加えて医療保険の分野でも抜本改革を先送りし、国民に負担増を強いるだけの法案を提出いたしました。政府・与党は、かつて橋本内閣が不況下に九兆円もの国民負担を強いたことで景気の一層の悪化を招き、さきの参議院選挙で国民の厳しい審判を受けたことをよもやお忘れではないと思います。にもかかわらず、小渕内閣は今また国民の不安をあおるような施策を強行されようといたしております。
 公的年金の給付水準を大幅に低下させるといった国民の不安をあおるだけの政策は、将来に対する不安を解消するために、何としても見直していただきたいと思います。
 将来への不安が個人消費を冷え込ませ、経済の停滞をもたらしていることから、私どもは、賃金スライドを引き続き実施すべきであり、同様に報酬比例部分の五%削減は撤回すべきであると考えます。それができなければ、一年間この改正部分の執行を停止してでも、その間有識者会議等の結論を待って社会保障のあるべき全体像を明確にした上で、まず基礎年金改革を含めた年金制度の抜本改革を断行すべきであります。
 反対理由の第三は、老齢・退職年金の報酬比例部分に係る支給開始年齢の引き上げ問題であります。
 高齢者の雇用と老齢・退職年金は接続していなければなりません。それが高齢期における生活保障の大原則であります。老齢・退職年金の支給開始年齢の引き上げは、政府案では二〇一三年から実施することが提案されておりますが、これを撤回するか一時凍結するなどして国民の不安を解消し、公的年金に対する信頼の回復を図ることこそ先決であると思います。現下の経済情勢、六十歳代前半の雇用状況を考慮するならば、二〇一三年以降の支給開始年齢の引き上げ措置を、今法制化する必要性は全くないのであります。
 「二十一世紀日本の構想」懇談会も、高齢者の雇用環境の整備と無関係に年金の支給開始年齢だけを引き上げるのでは、ただでさえ老後の不安を感じている四十歳代から五十歳代の中高年齢層の不安を増幅させ、生活防衛のために貯蓄の増強に追い立てるばかりであると、そういうふうに言っております。
 政府は最悪のタイミングで支給開始年齢の引き上げを提案いたしております。これでは国民の将来不安をあおり、ますます個人消費が冷え込むことになります。
 老齢・退職年金の支給開始年齢の引き上げは、経済情勢の安定と高齢者雇用の環境整備が不可欠の前提でありますが、政府はいまだこれらの政策課題に有効な対策を打ち出せずにおります。支給開始年齢の引き上げは、将来、景気と雇用の回復を待って改めて提案するなり凍結を解除するなりすべきものであります。
 反対理由の第四は、老齢・退職年金の繰り上げ支給に伴う減額率についてであります。
 国民年金の繰り上げ支給については、現在、六十歳から受給し始めると四二%という大幅な減額率を掛けて減額支給されます。すなわち、一生涯にわたって五八%の年金額しか受給できないのであります。
 本来、老齢年金の繰り上げ支給、繰り下げ支給の制度は、一定の範囲内でどの時点から年金を受給し始めても一生涯で受け取れる年金の総額は変わらない、その意味で画一的な支給開始年齢を強制されるものではなく、個々人の事情やライフスタイルに合わせて、いつから年金を受給し始めても不公平な取り扱いを受けないようにするという重要な仕組みであります。
 ところが、現在の減額率は昭和三十年時の生命表に基づいて算定されたものであり、その後の平均余命の伸びが反映されておりません。その結果、現在の減額率は、早期に受給を開始しようとする者に対して余りにも不当に厳しいものとなっております。年金審議会の委員である高山一橋大学教授は、年金数理的に見て、中立的な減額率については二六%ないしは二七%の減額になると推計されております。
 政府は、四二%の減額率を三五%とも三〇%に改めるとも言っておりますが、この数字に関する政府の説明は、予定利回りを五・五%にするなど現実の経済情勢と大きく隔たっており、到底国民が納得できるものではありません。
 適正な減額率の設定は、国民に老齢年金を何歳から受給し始めるべきかという問題を公平な条件のもとで弾力的に決定できる選択肢を与えることになります。私どもは、現在の雇用情勢に配慮して、早期退職者の年金受給に不利益を与えないよう、また、国際的に見ても、より緩やかな減額率を適用すべきであると考えます。
 国民が納得できる形で繰り上げ支給の減額率の適正化を図ることは、支給開始年齢を引き上げようとする政府案にとって必要不可欠の課題、要請であります。
 反対理由の第五は、年金積立金の自主運用に関する問題であります。
 国民年金、厚生年金の積立金は現在約百四十兆円にも達しておりますが、現在の公的年金の財政方式が既に積立方式ではなくなっている状況で、そもそもこの巨額の積立金はいかなる性格の資金であるのか、政府の説明は一向に要領を得ておりません。賦課方式であれば、過剰な積立金は保険料の引き下げや給付水準の維持のために使われるべきものであります。
 また、百四十兆円という額は、国の一般会計の約二年分に相当する膨大な金額でありますが、政府は、年金積立金の適正な積立水準のあり方についても合理的な説明ができないのであります。
 さらに、百四十兆円もの巨額の資金を市場で適切に運用していくことが本当に可能なのかどうか、年金福祉事業団にかわって新たに設置される年金資金運用基金にその体制と責任能力が備わっておるのかどうか、私どもは今もって政府から納得できる説明を聞いていないのであります。
 これらの問題については、これから行われる財政投融資改革の審議にあわせて、当然審議をやり直すべきであります。
 政府の年金関連法案には、このように多くの欠陥というか問題点があります。私は、国民の生活や暮らしの安心を提供することが私ども政治家の責任であると信じておりますが、そうであるならば、少子高齢社会にふさわしい二十一世紀の社会保障制度や年金制度のあり方を、与野党の垣根を越えて、真摯にかつ十分に議論することが国会の責務であると思います。
 にもかかわらず、与党三党は、採決強行による委員会差し戻しといういわくつきの衆議院並みの審議時間が消化されたことばかりを強調し、私どもに一たんは約束した総理への質疑すら拒否し続け、あげくの果てに、事もあろうに公聴会の直後に採決を強行したのであります。
 公的年金に対する国民の不信感は、ますます増大するばかりであります。国民がこれ以上将来への不安を抱かなくても済むように、政府・与党は、私どもの提案に対して謙虚に耳を傾け、さらに国会における議論に応じるべきであること、そして国民の審判を仰ぐために衆議院の解散・総選挙で国民に信を問うべきことを強く訴えて、私の反対討論を終わります。(拍手)
#58
○議長(斎藤十朗君) 山崎正昭君。
   〔山崎正昭君登壇、拍手〕
#59
○山崎正昭君 私は、ただいま議題となっております年金制度改正七法案に対し、公明党・改革クラブ及び自由党、自由民主党・自由国民会議の三会派を代表して、賛成の討論を行うものであります。(拍手)
 我が国は、本格的な少子高齢社会の到来と経済の低成長時代を迎えております。こうした時代にあって、国民の老後の生活設計の柱である公的年金制度については、今後ともその役割を十分果たしていけるよう、将来にわたり揺るぎのない信頼されるものとしていくことが要請されております。
 今回の年金制度改正案は、二十一世紀を展望して、年金制度における給付と負担の均衡を図り、将来世代の負担を過重なものとしないことに配慮しつつ、公的年金制度を活力ある長寿社会の実現に資するものとするために、制度全般にわたる抜本的な見直しを行おうとするものであります。
 以下、七法案について、具体的に賛成の理由を申し述べます。
 改正案の内容である給付水準の適正化、給付額の改定方式の変更、老齢・退職年金の支給開始年齢の段階的引き上げは、いずれも公的年金制度の長期的安定を図り、将来世代の負担を過重なものとしないために必要な改正であります。
 また、総報酬制の導入、国民年金の保険料半額免除制度や学生特例の導入等についても、制度の改善を図ろうとするものであり、高く評価できるものであります。
 次に、財政投融資改革の一環である国民年金及び厚生年金保険の積立金の自主運用については、その責任体制の明確化及び専門性の確保を図るとともに、情報の公開を行い、安全かつ確実を基本として効率的な運用を行おうとするものであります。
 また、年金福祉事業団の解散等については行政改革の観点から行うものであり、同事業団が行ってきた住宅資金の貸し付けについても一定期間年金資金運用基金において実施されることとされており、妥当な措置と言えます。
 なお、衆議院におきまして、基礎年金の国庫負担割合の引き上げに向けての検討過程において、基礎年金の給付水準についても検討を求める趣旨の修正が行われております。そこでは、基礎年金のあり方については広範な検討が必要とされており、賛成であります。
 これらの年金制度改正七法案は、昨年の七月、国会に提出され、衆議院において継続審査とされた後、昨年の十二月、本院に送付され、継続審査となっていたものであります。国会に提出されてから既に八カ月が経過しており、本院においてもこれまで三カ月の間慎重に審議が重ねられてまいりました。
 国民福祉委員会におきましては、参考人からの意見聴取、公聴会の開催を初め、厚生大臣、大蔵大臣、文部大臣、農林水産大臣、自治大臣等に対し今日まで充実した質疑が行われてきたものであります。
 我々与党三会派は、これら七法案を直ちに採決して一刻も早い成立を図ることこそが、国民の社会保障に対する信頼の確立に資するものであり、また多くの国民の期待にこたえるものであると確信いたしております。
 以上のことを申し述べまして、年金制度改正七法案に対する賛成討論といたします。(拍手)
#60
○議長(斎藤十朗君) 井上美代君。
   〔井上美代君登壇、拍手〕
#61
○井上美代君 私は、日本共産党を代表し、国民年金法等三法案と共済四法案への反対討論を行います。
 公的年金は、国民の老後の所得、将来の生活の基盤をなすものであり、国民の生存権に深くかかわり、徹底した審議が不可欠のものです。しかし、きのう国民福祉委員会において、自民、自由、公明の与党三党は、審議が全く不十分なまま数の横暴で採決を強行したのであります。議会制民主主義をじゅうりんするこの暴挙を、満身の怒りを込めて糾弾いたします。
 採決が強行された委員会は、理事会の合意もなしに、与党が一方的かつ唐突に開催したものであり、絶対に認められるものではありません。与党三党は、理事会の合意を尊重して議事を進める委員会の民主的運営の前提を根底から否定いたしました。
 そして、国民の意見を反映させるはずの公聴会が行われたまさにその日、採決を強行したのです。これは、国民の声を無視し、公聴会を形骸化するもので、断じて許されるものではありません。
 与党三党は、野党三党が一致して要求した総理への質疑を九九%実現可能と約束しながら、結局、その約束さえほごにし、しかもその理由については言えないと、全く無責任で不誠実な態度に終始をいたしました。
 重大法案にもかかわらず、総理出席の総括的な質疑も行わず、まさに良識の府である参議院の歴史に重大な汚点を残す暴挙にほかなりません。
 野党三党は、二月三日、政府年金関連三法案に対する共同見解を、そして三月二日には審議を通じて十分に明らかにされるべき問題点を示し、共同して闘いました。
 この不十分な審議の中でも、政府の主張は根底から崩されたのであります。
 以下、反対理由を述べます。
 反対理由の第一は、不況にあえぐ国民生活に過酷な負担増を押しつけ、国民の将来の生活設計を根底から狂わせることです。厚生年金報酬比例部分の六十五歳への先送り、そして賃金スライド廃止と五%カットなど、国民一人一人が生涯を通じて受け取る年金の総額を大幅に削減します。厚生省の試算では、夫七十歳の夫婦で三百万円、六十歳夫婦で五百万円、四十歳夫婦で一千万円、二十歳夫婦で千二百万円もの大幅な削減です。さらに六年前の改悪分まで合わせれば、二十代、三十代夫婦の削減額は、何と二千万円以上と、とてつもない金額になるのです。四共済についても、一人当たり千数百万円を超える大幅受給カットとなります。
 賃金スライド廃止と五%カットによって、年金額は、今後五年で七%、十年で一二%、十五年で一七%と、どんどん目減りをします。これは、現役世代の平均賃金の六割を確保するという政府のこれまでの基準を根本から覆すものとなりました。きのうの公聴会では、与党の公述人からも賃金スライドの廃止はすべきでないとの発言さえあったではありませんか。
 反対理由の第二は、基礎年金の空洞化の問題を放置したまま国庫負担の引き上げを先送りしたことです。
 現在、基礎年金の未納・滞納者、そして免除者、未加入者は合わせて一千万人近く、第一号被保険者の半数に当たる大変な数です。この危機の原因は、厚生省も認めるように、保険料が高過ぎることにあります。国庫負担の引き上げによる保険料の引き下げは急務であります。国庫負担を引き上げれば、厚生年金で月一%、国民年金で月三千円の保険料を引き下げることができます。
 しかし、政府はこの国民への公約を踏みにじったのであります。国庫負担の三分の一から二分の一への引き上げは、前回の九四年改正時、国会で全会一致で決議されたものでありました。実施時期についても、法律の附則には今回の改定時に行うと明記されていました。年金財源を確保するためには、まず政府はこの公約を果たすべきです。
 現在、基礎年金は四十年支払い続けた満額でも月々六万七千円、生活保護の水準にも満たない金額です。ひとり暮らし、無職の高齢者の衣食住の費用さえ賄えません。今回の改悪でこの低過ぎる基礎年金の政策スライドさえなくなりました。基礎年金は、年金額の引き上げこそ必要であり、給付水準の引き下げなど、まさに言語道断です。
 また、無年金障害者の問題の解決が今回改定では全くなおざりにされたことを指摘しておきます。無年金障害者の所得保障を求める前回改定時の附帯決議を無視し、障害者の期待を裏切り続けることは到底許されるものではありません。
 反対理由の第三は、厚生年金報酬比例部分の支給開始六十五歳への先送りです。
 公的年金の空白期間となる六十歳から六十四歳の雇用は深刻です。一月の有効求人倍率は〇・〇七%、昨年十二月の六十一歳以上の求職者四十一万人に対し、実際に就職できたのはたった一%しかありませんでした。政府は再雇用制を採用する企業がふえているから安心と言いますけれども、再雇用は差別、選別の雇用で、希望者全員の採用とはほど遠いものです。
 反対理由の第四は、年金積立金の運用の問題です。
 積立金は、厚生年金、国民年金で百六十七兆円、四共済も含めば二百十三兆円もの巨額に上ります。このうち、厚生・国民年金分の年金資金が自主運用として株や為替等に運用されます。老後の大切な資金を、政府・厚生官僚によるマネーゲームに投ずることを国民は絶対に容認できません。運用に失敗した場合の損失はすべて国民にかぶさります。年金支給額の五・五年分という世界にも例のない過大な積立金は計画的に取り崩すべきです。そうすれば給付の切り下げは必要ないのです。
 反対理由の第五は、女性、高齢者など働きやすい社会を実現し、年金財政を安定化する責務を放棄していることです。
 今回の年金財政の計算の基礎となっている女性の労働力率の見通しは余りにも低く、重大な問題があります。二〇二五年の時点で、三十代、四十代の働き盛りの女性を中心に、労働力率が現在の欧米の水準にもはるかに及ばないのです。二十五年もかかって現在の欧米の水準にも追いつかないことは、男女平等と女性の地位向上を目指すべき政府のまさに責任放棄であり、男女共同参画社会基本法の趣旨にも反するものです。
 それどころか、自自公政権が後押しをする大リストラ、合理化は、深刻な雇用の悪化を招き、年金財政にも未曾有の悪影響をもたらしております。一昨年、厚生年金は石油ショック以来二十数年ぶりの被保険者、加入者が減少いたしました。保険料収入が前年比でマイナスになるのも制度始まって以来のことです。これに対して、政府は一時的な減少にすぎないとして事態の深刻ささえ全く認識できず、まさに自自公政権の無為無策、行き詰まりを示しました。
 これまでの一回一回の審議によって、将来にわたり揺るぎない信頼される制度をつくり、そして将来世代の負担を過重にしないためと言ってきた政府の主張が、いかに道理のない欺瞞に満ちたものであるかを国民の前に浮き彫りにしました。
 今回の改悪は、まさに国民の年金制度への不信を拡大し、将来不安を増大させ、国民生活を圧迫するものでしかありません。国家財政をばらまき予算の無責任政治によりいよいよ危機に陥れるとともに、国民生活と年金制度を破綻に導くものであります。天下の悪法である本法案は、国民の怒りも大きく広がっている中で撤回するしか道はなかったのであります。
 今こそ、医療、介護、年金、福祉の社会保障を充実させ、二十一世紀の展望を開くのが政治の責任であります。日本共産党は、そのために全力を尽くす決意を表明し、本法律案の撤回を強く求めて、反対討論を終わります。(拍手)
#62
○議長(斎藤十朗君) 清水澄子君。
   〔清水澄子君登壇、拍手〕
#63
○清水澄子君 私は、社会民主党・護憲連合を代表し、国民年金法等の一部を改正する法律案等の年金関連七法案に対して、反対の討論を行います。
 年金関連法案は、昨年、衆議院における与党三党による横暴きわまりない国会運営にさらされました。ところが、今回、このことが反省されるどころか、遺憾なことに参議院においても再現されてしまいました。委員会審議が十分に尽くされたとは到底言えない段階で質疑が突然打ち切られ、混乱のうちに採決が強行されたのであります。
 反対の理由を申し述べる前に、与党三党による横暴な委員会運営について強く抗議をいたします。
 今国会においては、与党の強引な国会運営により、年金関連七法案の審議は衆参の予算委員会と並行して国民福祉委員会が進められてきました。予算委員会との並行審査では、大臣の確保に困難をきわめるのはもちろんのこと、国民福祉委員会の理事懇談会のメンバー十人のうち五人までもが予算委員と兼任している状況で、当該委員は予算委員会を中座してくるほか、国民福祉委員会の法案審査や理事懇談会にも参加できないありさまでありました。予算委員会開会中に重要法案をまともに審査することなど、どだい無理を承知で運営されたのであります。
 さらに、私ども野党三党は、年金関連七法案の審議の冒頭、重要法案であることから総理の出席を要求し、総理に対する質疑が行えるよう強く要請してまいりました。しかし、総理質疑は実現しませんでした。今もってどういう理由で出席できなかったのか、全く説明がありません。憲法、国会法第七十一条の違反であり、国会軽視も甚だしいと言わざるを得ません。
 しかも、総理の出席すなわち採決であるかのごとく、絶えず強行採決を暗にほのめかすなど、理事懇談会における与党の言動は、言論の府国会の審議を軽視し、理性の政治を具現すべき参議院にあるまじき振る舞いが繰り返されました。反対党の主張を威圧的に封殺しようとするのであれば、議会制民主主義は自滅してしまいます。与野党を問わず、議会人は、健全な民主主義と議会政治を育てる義務と責任を忘れてはなりません。数の過信によって採決のみに走る与党三党に強く猛省を促すものであります。
 年金は、言うまでもなく老後の生活、所得保障の柱であります。長期不況と先行き不安が広がる中、国民の期待を砕くような年金法案を提出した政府の見識をまず疑わざるを得ません。
 今回の法案は、解決すべき多くの課題を先送りして、専ら年金の給付水準の引き下げを目的としております。政府の答弁によっても、世代間で給付が最大千八百万円減少し、負担が最大二千七百万円もふえるとされております。高齢社会の中で、老後の安定を求める国民の期待に背き、高齢者の生活不安を増幅させる、まさに高齢者いじめそのものの制度改革であると言わざるを得ません。
 以下、具体的に政府の年金関連七法案について、反対の理由を申し述べます。
 まず、基礎年金の国庫負担を二分の一に引き上げるという、前回九四年改正での全会一致で示された国会の意思、そして国民への約束がいとも簡単に踏みにじられたことであります。
 次に、介護や医療の保険料や費用負担の増加が見込まれる状況のもとで、五%カットと、年金の給付水準を維持するために必要不可欠な賃金スライドを停止しようとしていることです。
 さらに、国民の間にこれほどの雇用不安があるときに、老齢退職年金の支給開始年齢を六十五歳に引き上げようとしております。また、国税を上回る百四十兆円もの年金財政の運用も不透明であります。
 政府は、委員会審議の中で、今回の法案は年金に対する信頼を回復するためのものであると繰り返し述べていましたが、このような内容で、果たして政府は国民の年金制度に対する不安を払拭できると考えているのでしょうか。
 残念ながら、小渕内閣のビジョンなき社会保障のもとで、またもや医療、福祉、年金との連携や、総合的、抜本的な年金改革の機会を逸してしまいました。
 女性の年金問題についても、またしても先送りされたのであります。
 将来、女性のひとり暮らし世帯が増加することはだれの目にも明らかです。我が国の社会保障は、基礎年金のあり方など、この問題に真正面から備えなくてはなりません。ところが、厚生大臣は、「社会保障制度の中で対応することが果たして適当なのかどうかということで、もう一つ合点がいきません。」という認識不足も甚だしい答弁をされました。
 女性の就労機会の増加について、厚生省の年金局長は、年金財政には余りプラスにならないという趣旨の発言をしております。男性の就労ならば年金財政にプラスだというのでしょうか。男女差別の現状を肯定した発言と言わなければなりません。人口の半数を占める女性の年金の改革は、少子高齢社会における社会保障の基本にかかわる重要な政策であります。政府のこのような認識のもとでは、二十一世紀の安定した年金のビジョンを示すことは不可能であります。
 また、無年金障害者の問題についても、今回の改正案では、救済の手だてが何ら講じられず、前回の改正において附帯決議までなされたものが完全に無視されました。
 今回の政府案について、最大の疑問は、なぜ今このような小手先の改正を行わなければならないのかということであります。政府はオウム返しのように、将来世代の過重な負担を防ぎ、確実な給付を約束するためと答弁しておりますが、今回の改正案がそのための最善の方法であるとは到底言えるものではありません。また、リストラや失業で中高年齢労働者の就業機会が奪われる中で、あるいは自営業や零細中小企業の倒産や経営の行き詰まりのもとで、厚生年金加入から国民年金への移動の増加、あるいは国民年金への未加入者及び未納者が増加している国民生活の実態を全く無視したものであります。だからこそ、納得のいく審議をすべきなのです。今回の改正案が年金制度崩壊への片道切符となってはならないのであります。国民に支持され、理解される公的年金制度にすべく、国会は一層の努力を傾注すべきであります。
 社会民主党・護憲連合は、将来不安をあおり立てるだけの年金関連七法案に断固として反対であることを表明して、私の討論を終わります。(拍手)
#64
○議長(斎藤十朗君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
#65
○議長(斎藤十朗君) これより七案を一括して採決いたします。
 七案の委員長報告はいずれも修正議決報告でございます。
 七案を委員長報告のとおり修正議決することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#66
○議長(斎藤十朗君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#67
○議長(斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十七  
  賛成            百三十九  
  反対             九十八  
 よって、七案は委員長報告のとおり修正議決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#68
○議長(斎藤十朗君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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