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2000/04/12 第147回国会 参議院 参議院会議録情報 第147回国会 本会議 第15号
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2000/04/12 第147回国会 参議院

参議院会議録情報 第147回国会 本会議 第15号

#1
第147回国会 本会議 第15号
平成十二年四月十二日(水曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十五号
  平成十二年四月十二日
   午前十時開議
 第一 国務大臣の演説に関する件(第三日)
 第二 海洋汚染及び海上災害の防止に関する法
  律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第三 青年等の就農促進のための資金の貸付け
  等に関する特別措置法及び農業信用保証保険
  法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議
  院送付)
 第四 住宅金融公庫法等の一部を改正する法律
  案(内閣提出、衆議院送付)
 第五 中小企業指導法の一部を改正する法律案
  (内閣提出、衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(斎藤十朗君) これより会議を開きます。
 日程第一 国務大臣の演説に関する件(第三日)
 昨日に引き続き、これより順次質疑を許します。日笠勝之君。
   〔日笠勝之君登壇、拍手〕
#4
○日笠勝之君 私は、公明党・改革クラブを代表して、森総理の所信表明演説に対して若干の質問を行います。
 森総理、第八十五代内閣総理大臣の御就任、まことにおめでとうございます。どうか仕事第一、健康第一をモットーに、二十一世紀への日本丸の過つことなきかじ取りを御期待申し上げる次第でございます。
 さて、小渕前総理は、富国有徳の理念のもと、五つの挑戦を掲げ、殊に第二の敗戦というべきバブル崩壊による経済危機からの再生を目指し、まさに一身を賭して果敢に取り組んでこられ、景気もあと一歩で本格的な回復軌道に乗せられるという明るい兆しが見え出したところで突然の病に倒れ、志半ばで退かれ、その心中やいかばかりかと推察するに、心痛む思いでいっぱいであります。一日も早い御回復をお祈りしつつ、人間小渕恵三の温かい人柄について私の思いの一端を申し述べたいと思います。
 その一つは、昨年の今ごろ、地域経済活性化のため、また恒久的減税の恩恵に浴せない高齢者の方々、子育てに多大な費用を要する世帯主に交付され、春一番と好評いただいた地域振興券は世界で初めての試みゆえに、経験則もなく、比較すべき指標もないのにいろいろと非難中傷されました。経企庁によると、GDPの六〇%を占める個人消費を推定〇・一%押し上げる効果があるとの調査報告もこれあり、またこれが火種となって全国各地でいわゆるプレミアム商品券、割引商品券の発行につながり、その副次的効果も高く評価されていることから、私は後世の評価の参考になればと、昨年の七月、「地域振興券顛末記」なる小冊子を発刊し、小渕前総理の議員会館事務所にお届けいたしました。
 後日、私の事務所に、小渕恵三です、小冊子読ませてもらいました、大変よくまとまっていますね、ありがとうございましたという御存じブッチホンが入りました。私は不在で秘書が対応いたしましたが、激務の中、こんな一私家版の小冊子にまで目を通され、御礼の電話をされてきたことに驚き、私も一政治家として、その心遣い、気配りの大切さを教えられた思いであります。
 第二は、前総理が病に伏せられる一週間前の三月二十四日、私も一員である与党政策責任者会議のメンバーが官邸における昼食懇談会に御案内をいただいた折のことであります。その席上、昨年度の第一次補正予算で、少子化対策として二千億円の臨時特例交付金がばらまきなどのいわれなき非難がされ、ならばと、政策の事後評価をきちんとすべきである、これまた後世の判断に任せるべきと厚生省に強く要請し取りまとめられました「わがまちの少子化対策」という全国各地のユニークな約五百の事例集ができ上がり、それを持参しお見せしたところ、御出身の群馬県のページを開きながら、大変いい試みですね、恐らくこんな立派な事後評価は初めてではないかと感心され、メモをされていた光景が目に焼きついています。衆議院本会議前の時間のない中、丁寧かつ謙虚に人の話を聞く人柄の小渕さんの面目躍如たるお姿に共感を覚えたものであります。
 ともあれ、心より小渕前総理が一日も早く御健康を回復されますよう重ねてお祈りいたします。
 さて、私たち公明党・改革クラブは、昨年十月に、我が国が直面する経済社会の切迫した危機を乗り越えるためとの思いで、保守・中道の小渕連立政権に参画し、政治家個人への企業・団体献金禁止など数々の実績を上げ、国民の御期待におこたえしてまいりました。
 このたびは、内外の情勢が刻一刻と大きく動き、少しの猶予も許されない現下の政治経済状況を踏まえて、前総理の志を受け継ぎ国政に取り組まれることとなった森政権を全力で支え、引き続き政権与党としてその責任を再び共有することとなりました。
 連立政権を組む目的は、あくまでも庶民、大衆のための政策を実現するため安定体制を構築することであります。また、そのために最も大事なことは政党間の信頼関係であります。
 かかる視点から、私たち公明党・改革クラブは、これまでの自民党との信頼関係のもと、新しいパートナーである保守党との連携を固めて、経済の再生、沖縄サミットの成功など、当面する諸課題を速やかに処理し、二十一世紀の日本を構築するため全力で取り組む決意であります。
 そこで、新しい日本の宰相となられた森総理の御所見を順次お伺いいたします。
 まず最初に、有珠山の噴火災害対策についてであります。
 先月末から活発な噴火活動を続ける中、大変な御苦労をされている地元住民の皆様に心からお見舞いを申し上げます。とともに、復旧に尽力されている地元関係者、ボランティアの方々に敬意を表する次第であります。噴火により避難している住民は約一万三千人、そのうち約五千五百人が自宅に帰れず不自由な避難所生活を余儀なくされています。農作物の取り入れもホタテ養殖の手入れもままならない皆さんの御心労も大変であります。
 我が公明党は、早速、公明党北海道本部に有珠山噴火災害対策本部を、また党本部には有珠山火山活動災害対策本部をそれぞれ設置して支援活動を展開しているところであります。また、全国各県本部において救援街頭募金なども行っているところでもあります。
 この噴火活動による災害の長期化も見込まれておりますので、応急仮設住宅の早期建設や、特に高齢者や乳幼児などの医療対策、農漁業への救済対策、さらには失業対策など早急に対処せねばならないことが多々ございます。
 総理、この有珠山噴火災害対策について、既に関係省庁と地元関係団体との連携のもとに進められてはいますが、今後さらにどう対応されるのか、あわせて総理御自身の被災地入りは予定されているのかをお伺いいたします。
 殊に、食事の過不足、トイレ設置の不足、暖房への配慮、避難所でのプライバシーの確保など日常生活に関係することは待ったなしであります。あらゆる手段を講じて直ちに対応すべきではありませんか。
 次に、経済対策についてお伺いいたします。
 我が国が、総理の言われる世界から信頼される国家を目指し、国際社会で責任ある役割を果たす上からも、日本の国力を支える最も重要な基盤である経済の再生が不可欠であります。
 森総理は、所信表明演説で政権のキャッチフレーズを日本新生内閣とし、景気回復を最重要課題として掲げました。そして、経済政策は小渕前内閣の路線を基本的には踏襲し、日本経済を自律的回復軌道に乗せるため積極財政を継承する一方で、公需から民需への転換を図る構造改革にも取り組むとしています。
 幸いなことに、五日に経企庁が発表した二月の景気動向指数は、九六年十一月以来三年三カ月ぶりに一〇〇%となっています。これは一致指数を構成する経済指標のすべてが好転した結果で、景気の明るさの広がりを示すものでもあります。また、民間の設備投資も、わずかずつではありますが好転をしています。景気が基本的には回復軌道にあることは確かでありましょう。さらにこれを安定した成長へとつなげていかなければなりません。そのためにも、予算関連法案の早期成立と今年度予算の着実な執行が待たれます。
 ただ、私がここで少々心配していることは、失業率が一向に好転しないことであります。どう対応されますか、お聞きいたします。
 ところで公明党は、この二月からおよそ一カ月間をかけて、全国二万一千社に上る中小零細企業の業況判断、雇用状況及び資金繰りなどに関するアンケート調査を行い、今その分析を急ピッチで進めておるところであります。殊に、零細小企業の経営実態は、依然として大変厳しい状況にあります。中小企業向け融資の特別保証制度の返済延長を訴える人が多いのも事実であります。反面、新規分野進出への相談窓口の設置、経営コンサルタントへの無料相談、ISO14001取得の支援、情報格差の解消など、前向きな声も多く寄せられています。
 総理は、このような中小零細企業に対し具体的にどう取り組まれるのか、お伺いいたします。
 さらに、公明党は、二十一世紀を見据えた日本は情報通信立国として、携帯電話料金の引き下げ、インターネットの定額料金制、電子政府の早期実現などを要望する千三百五十二万人の署名簿を前総理に提出しました。その前提となるNTT回線接続料の大幅引き下げは、日米間の重大懸案事項となり、米国はWTOへの提訴も辞さないと言っております。サミット前にも政府間交渉での解決を図ることが肝要かと思いますが、いかが対応されますか。
 また、電子政府実現も二〇〇三年と言われていますが、半年でも一年でも早期に、また地方もともどもに実現すべきと思いますが、いかがですか。
 また、財政と表裏の関係にある税制については、総理の諮問機関である政府税制調査会がこの六月に中期答申をまとめることとなっていますが、総理の税制改革に対する基本的な考えをあわせてお伺いいたします。
 次に、九州・沖縄サミットについてお伺いいたします。
 九州・沖縄サミットは、前総理がことしの最重要外交課題として全力で取り組み、先月にはみずから沖縄の会場予定施設を視察して、並々ならぬ力の入れようでありました。サミットへ向け、舞台裏では既に参加各国との調整も進んでおり、特に今回は、二十一世紀の高度情報化社会を象徴するIT、情報技術革命、南北問題の開発途上国支援、エイズを初めとする感染症対策、国連改革などが主要テーマに上がっていると聞いています。
 ところで、この七日から、九州・沖縄サミットを前に主要八カ国環境大臣会議が大津市で開かれ、足踏みを続ける地球温暖化防止の国際協力について真剣な協議がなされ、京都議定書の早期発効を確認する共同宣言を採択いたし、閉幕をいたしました。この宣言は森総理に報告され、沖縄サミットの論議に反映されることとなります。
 温室効果ガスの削減目標を確実なものにするためには、主要先進国の的確な判断と指導力が欠かせません。そこで、サミットの議長である森総理は、この議定書の二〇〇二年までの批准・発効の実現のために総力で取り組まれるべきだと考えますが、御決意のほどをお聞かせください。
 一方、地元沖縄県では、米軍普天間飛行場移転問題がもう一つの焦点となっています。地元では代替施設に十五年の使用期限を設けるよう求めていますが、アメリカ側は反発していると聞き及んでいます。どうなされますか。
 森総理は前総理より沖縄問題については思い入れが少ないのではないかという一部報道がなされています。そこで総理、この際、一日も早く沖縄を訪問されて、総理の沖縄問題に対する真剣な取り組みを示されてはいかがですか。また、改めて森総理の九州・沖縄サミットへ臨む決意のほどをお尋ねいたします。
 さらに、以前から公明党が主張している沖縄に国連アジア本部設置についてどう認識されているのか、お伺いいたします。
 次に、二十一世紀の大きな課題である少子高齢化対策に関連して、児童手当制度と介護保険制度についてお尋ねいたします。
 今、国会では児童手当法改正案が審議されています。児童手当については、昨年末に当時の与党三党間で、児童手当制度を少子化対策の柱として位置づけ、平成十三年度を目途として支給対象年齢及び支給額の充実を含めた制度全体の抜本的な見直しをすること、そして当面の措置として、現行三歳未満の児童手当を小学校就学まで拡充することが合意され、国会で審議されているところであります。
 公明党の主張は、支給額の倍増、支給年齢の十六歳未満までの大幅拡充、所得制限の撤廃を内容とすることに変わりありません。「義務教育は、これを無償とする。」という憲法二十六条の観点から、公明党の先輩議員の努力により現在も予算規模で四百二十六億円の教科書の無償配付が実施されています。昭和三十九年から七年がかりで全小中学生に行き渡ったものであります。これと同じく、児童手当拡充の抜本的見直しの第一歩として、今回の二千億円程度の拡充という当面の措置としての改正案を了承しているところであります。
 合計特殊出生率低下の阻害要因の大きなものに経済的事由が挙げられていることは御承知のことと存じます。速やかにヨーロッパ諸国並みの児童手当制度に拡充すべきと思いますが、総理の御見解をお伺いいたします。
 さらに、子育て中の保護者にとって大きな悩みの一つにアレルギー疾患があります。九五年の厚生省調査によると、乳児の二九%、幼児の三九%、小児の三五%、ちなみに成人で二一%がこれに悩んでいます。公明党は女性委員会を中心にアレルギー疾患対策などの抜本強化を求める署名活動を展開し、約一千五百万人の方々が賛同してくださいました。この署名簿は既に官房長官、厚生大臣にお渡ししていますが、総合的アレルギー対策の強化について総理の御所見をお伺いいたします。
 四月一日にスタートした介護保険制度は、年金、医療とともに二十一世紀の高齢社会の社会保障制度を支える柱であります。当面、全国で二百七十万人ほどの方が利用されると見られています。
 この制度が的確に、また順調に運用されるよう、私たちも党内の介護保険問題対策本部を中心にこれまで真剣に取り組んできました。高齢化の進行で利用者は毎年十万人単位でふえていくと推計されていますが、それに対応する施設やマンパワーの確保に相当の取り組みが要請されています。スタートして五日間で全国の関係団体に千件以上の要介護認定にかかわる苦情などが寄せられたとも報道されています。また、ケアプランの作成が難航している背景には、サービス提供事業者が予想されていたほどふえていないということもあります。
 このように厳しいスタートをした介護保険制度に対する総理の今後の取り組みについて御答弁を求めます。
 次に、混迷した教育問題等についてお伺いいたします。
 森総理はかつて文部大臣を経験され、教育行政には大変に造詣が深いと承知しています。教育改革について、その著書の中で、国際社会に通じる日本人、伝統や不易なるものに目を注ぐ日本人、風雪に耐え、同時に他国や他人の痛みのわかる日本人の育成を目指すこと、人間性を取り戻す教育の再興だと述べられていますが、全く同感であります。
 昨今の学級崩壊、学習レベルの低下、校内暴力、さらには校外における非行は大変に大きな社会問題であります。さきには、今春中学校を卒業した少年が同級生らから暴行を受けた上に五千万円もの大金をおどし取られるという事件が発覚しましたが、これは教育現場が真剣に受けとめられなかった結果と言われ、教育の荒廃もここまで来たかと唖然とするのは私一人ではありません。また、先般の少女監禁事件といい桶川市女子大生殺人事件といい、最近の警察は国民の切実なる訴えや事件には手をつけたがらない傾向が強いように思うのは私だけでありましょうか。
 森総理は前総理から引き継いだ教育改革国民会議を舞台に教育改革に取り組まれるお考えのようでありますが、ここで総理の教育改革への具体的構想をお伺いいたします。
 また、前総理の心労の大きな原因であった不祥事の続く警察行政の抜本改革について、私たち与党も既に警察改革プランを前総理にお渡ししているところでありますが、いかようになされますか、お答え願います。
 さらに、行政情報公開の対象に各県警察本部も入れる条例を設けている県もありますが、この際、各県に県警本部をその対象に含めるよう要請されてはいかがですか。
 最後は、環境問題であります。
 アフリカのケニアに、この地球は先祖からの贈り物ではなく未来の子供からの預かり物であるという旨のことわざがあります。
 公明党は、有吉佐和子さんのベストセラーとなった「複合汚染」という本の中に、公害に最も大きな関心を寄せ、熱心に勉強し実績を上げている政党は、どの革新政党よりも公明党だと記述されているとおり、結党以来、今日まで現場第一主義、環境の公明党と言われるほど人後に落ちない尽力をしてまいりました。最近では、先頭に立ってダイオキシン類対策特別措置法の成立にも尽力をさせていただきました。
 かけがえのない地球を後世に残すのは私たちの責任です。そのためには、大量生産、大量消費、大量廃棄型の社会からリユース、再使用、リサイクル、再利用、リデュース、排出量の削減の三リによる循環型社会の構築は待ったなしの状況です。
 昨年の三党政策合意にも、平成十二年度を循環型社会元年と位置づけ、基本的枠組みとしての法制定を図るとともに、予算、税制、金融面等において環境対策に重点的に配慮すると明示されています。総理も所信表明で循環型社会構築を取り上げていました。与党内で現在、循環型社会形成推進基本法案を鋭意調整中で最後の詰めの段階となっていますが、総理の御決意のほどをお聞かせ願います。
 ある著名なコラムニストがこのように言っていました。小渕さんをたたけなくなった反動と相まって、リリーフに出た森さんの評価はぼろくそである、蜃気楼、居抜き内閣、空中総理、失言、まだ何もやっていない段階で石をぶつけられているようでちょっと気の毒であると言っていました。
 アメリカの例を引けば、アメリカのマスコミは、大統領就任後百日間はハネムーンピリオドといって新大統領がこの間何をどうしようとするのか温かく見守るのが暗黙のルールであります。それに比べ日本では、総理就任前から非難中傷合戦のありさまです。
 中国の呉書、呂蒙伝にいわく、士別れて三日、まさに刮目して相待つべし。この意味は、すぐれた人物というものは、三日間会わなければよく目を凝らして見直さなければならない、才能ある人は向上発展し、旧態依然としていないからだという格言であります。私たち議会人としては、枝葉末節にとらわれた木を見て森を見ないたぐいの非難はいかがかと思います。
 私は、森日本新生内閣が目指す、安心して夢を持って暮らせる国家、心の豊かな美しい国家、世界から信頼される国家の実現のため、全力を挙げて御支援申し上げますことをお誓いし、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣森喜朗君登壇、拍手〕
#5
○国務大臣(森喜朗君) 日笠議員から小渕前総理に対しますお見舞いをいただき、また、小渕さんの人柄などについていろいろと思い出を語りながらお話をいただきまして、ありがとうございました。恐らく総理も病床で……(「総理じゃない」と呼ぶ者あり)前総理もどんなに喜んでおられるだろうかと思います。
 私もたびたび申し上げておりますように、まさに図らずも前総理の後を受けてこの内閣の責任を負うことになりました。実は昨晩、この本会議場にもお見えになりましたハンガリー大統領の総理主催による晩さん会がございまして、あのハンガリー大統領をお招きして、ハンガリー国として、国賓として最初のお客様でありまして、大変数奇ないろんな、ハンガリー改革のための努力をされた十年間、残された数カ月で御退任になるわけでありますが、ハンガリーと日本との友好、音楽を通じ、いろんな面で極めて深い関係にあるわけです。その大統領がお見えになって、一番そのことを、お招きをすることに熱心だったといいましょうか、力を入れてこられたのは小渕さんでございました。
 私は、昨日官邸で、小渕さんがお読みになるであろう歓迎の言葉を読み上げておるうちに、本当に恥ずかしいことながら涙が出てきたんです。小渕さんにこのことをやらせてあげたかったな、どんな思いでいられるのだろうかなとつい思うと、思わず絶句して声が出ませんでした。政治の世界は涙などを入れてはいけないのかもしれませんが、今の日笠さんのお話を聞いて、小渕総理がどんな思いでいらっしゃるのだろうかな。
 私は、今この内閣をお預かりする立場で、小渕さんが御自分で組閣された内閣で、そして予算をつくられ、政策をつくられ、法律をつくられて、そして今、大事な予算関連法を御審議いただいているこの国会、私は、小渕さんのお考えどおりこれを受け継いでいくことが当然であろうと考えております。いろんな御批判やいろんなお言葉があることは百も承知をいたしておりますが、今は前総理の思いをしっかりと受けとめて、日笠先生のおっしゃるとおり、しっかりと国家国民のために責任を果たしていくことが私に与えられたことだと考えております。(拍手)
 有珠山噴火対策についてのお尋ねがございました。
 政府といたしましては、避難されている方々のニーズにきめ細かく、かつ迅速に対応することが必要と考えており、これまでも避難所の生活環境の改善、保健・医療対策、応急仮設住宅の緊急整備への着手、農林水産業、観光業などの生業支援のための資金手当てなど各般の施策を講じてまいりました。今後とも、万全の警戒態勢をとりながら、地元地方公共団体と協力して、政府一丸となって全力を挙げて取り組んでまいりたいと思っております。
 私も、就任いたしましてからできるだけ早い時期に有珠山にお見舞いもしたいし、また関係機関の皆さんを督励したいと思っておりましたが、私個人ではなくて総理という立場で現地に赴きますと、いろいろとまた御迷惑をおかけするのではないかと思って少し慎重に様子を見ておりました。皆さんのいろんな御報告を伺いながら、今の現状を十分に調査しながら、できれば十五日には現地に赴きたい、こう思っております。そして、被災者の方々のお見舞いを申し上げますとともに、関係機関の皆さんの督励も申し上げてきたい。そして、警察や自衛隊を初め多くの皆さんが大変な御努力をされておられます。そういう方々に対しても十分なる感謝を申し上げてきたい、こう思っているところでございます。
 中小企業についてのお尋ねでありますが、景気が自律的な回復に向けた動きを見せ始めている中で、中小企業を取り巻く経営環境は、倒産件数の増大などに見られるように依然としてまだ厳しいものがあります。中小企業は、新たな雇用や産業を生み出す担い手、いわば我が国経済のダイナミズムの源泉であり、日本経済の活性化のためにはそのニーズに応じた政策展開が不可欠であると考えております。
 特に、小規模企業や個人事業者に対しては、金融対策の充実等に加え、十分な配慮を行うため、身近な地域ごとの支援拠点、地域中小企業支援センターを全国三百カ所程度設置するなどしてきめ細やかな支援を行えるような体制を整備していきたいと考えております。これらの支援拠点におきましては、中小企業者のニーズに応じ、資金調達、環境対応、情報化対応などについての適切な助言を行えるようにしてまいりたいと考えております。
 失業率悪化に対する雇用対策についてのお尋ねですが、政府は、一昨年四月以来四度にわたります雇用対策を講じ、これらの対策が雇用失業情勢に一定の下支え効果を発揮しているものと認識をいたしております。
 今後とも、政府全体で緊急雇用対策や経済新生対策等を積極的に推進し、国民の雇用不安を払拭するため、雇用対策に万全を期してまいります。
 具体的には、厳しい雇用失業情勢の影響を強く受けている中高年の非自発的失業者や学卒未就職者を重点にした雇用対策、中小企業の創業支援や大規模なリストラの実施により大きな影響を受ける地域における雇用創出対策等を行うことによって、雇用の創出・安定、再就職の促進、能力開発に全力で取り組んでまいります。
 日米間の懸案事項となっております東西NTTの事業者間の接続料に関するお尋ねですが、従来から我が国の接続料はWTOルールにも沿った形で定められており、政府としてもその引き下げに積極的かつ主体的に取り組んできたところであります。また、その一層の引き下げを促進するための電気通信事業法の改正法案を今国会に提出し、御審議をお願いしているところでもあります。米国に対しては、国会での御審議を踏まえまして、我が国の考え方について説明を行い、理解を求めるとともに解決に努めていきたいと考えております。
 電子政府の実現でありますが、電子政府の実現は、国民等の負担軽減や利便性の向上を図るとともに行政事務の効率化、高度化を推進するものであって、また我が国の社会経済全体の情報化と一体的に取り組むべき緊急な課題だと認識をいたしております。
 このため、政府においては、国民等と行政との間の行政手続全般にわたり、インターネットによりペーパーレスで行うことが可能な電子政府の基盤を二〇〇三年度までに構築することとしたところであり、具体的には制度、システムの整備や個別手続のオンライン化について、年次実施計画により可能なものから早期に実行に移してまいりたいと考えております。
 また、電子政府の実現のためには、住民に身近な行政機関である地方公共団体における取り組みも不可欠でありまして、地方公共団体との提携を図ってまいりたいと考えております。
 税制改革に対する基本的な考え方についてのお尋ねでありますが、税制については、これまでも少子高齢化の進展や国際化などの経済社会の構造変化等に対応して、税制全般にわたる見直しを進めてきたところであります。
 税制のあり方については、公的サービスを賄うために十分な税収を確保しつつ、租税の基本原則に基づきながら、今後の少子高齢化の進展など経済社会の構造変化や財政状況等を踏まえ、国民的な議論によって検討されるべき課題であると考えております。
 京都議定書の批准と発効についてのお尋ねですが、我が国といたしましては、二〇〇二年までの議定書発効を目指し、国内で各種温暖化対策措置を実施している一方、関係国による議定書締結を可能なものとするため、気候変動枠組み条約第六回締約国会議に向けた国際交渉に鋭意臨んでおります。また、この国際交渉の進捗状況も踏まえつつ、国民の理解と協力を得て、締結に必要な国内制度に総力で取り組んでまいりたいと存じます。九州・沖縄サミットにおいて地球温暖化を具体的にいかなる形で取り上げるかについては、今般我が国で開催されましたG8環境大臣会合の結果も踏まえ、今後G8間で真剣に協議してまいります。
 沖縄に関するさまざまな課題への取り組みについてのお尋ねがございました。米軍施設・区域が集中することに伴う問題につきましては、政府としては、沖縄県の方々の御負担を軽減するため、SACO最終報告の着実な実施に引き続き最大限努力してまいります。また、普天間飛行場の移設・返還に係る諸課題につきましても、昨年末の閣議決定に従い、適切に対処してまいる考えであります。
 私といたしましても、九州・沖縄サミットにつきましては、前総理の基本的なお考えと熱意をしっかりと踏襲して、同サミットを成功させるために万全を期したいと考えており、二十一世紀がすべての人々にとってよりすばらしい時代となるという希望を世界の人々が抱けるような、明るく力強いメッセージを発信したいと考えております。
 また、私といたしましても、サミットの前に機会を見て、できるだけ早く沖縄を訪問したいと考えております。
 国連アジア本部設置につきましては、我が国が国連を重視してきたことを踏まえ、今後、引き続き検討してまいりたいと考えております。
 児童手当の抜本改革についてのお尋ねですが、児童手当のあり方については、昨年末の与党合意においては、財源や費用負担のあり方についても総合的に検討することとされており、少子化対策としての効果、税制など他の施策との関連、具体的財源確保の方策などについて十分に留意しながら、今後の与党間の協議や国民的議論を踏まえ検討する必要があると考えております。
 アレルギー疾患についてのお尋ねでありますが、アレルギー疾患を有する国民は年々増加傾向にあり、大変憂慮すべき問題と認識をいたしております。
 政府としましては、関係省庁が連携をとりながらその対策に取り組んでいるところであります。今後とも、関係省庁が一丸となり、原因や治療についての研究を総合的に推進し、これら研究成果の全国的な普及を図るなど対策の一層の推進に努めてまいります。
 介護保険制度についてのお尋ねですが、現場ではまだ新しい制度に十分なれていないと見られる事例もあるものの、基本的には、関係者の懸命な御努力もあって大きな混乱もなく制度をスタートすることができたものと認識しております。
 政府としては、今後とも、ゴールドプラン21を踏まえ、必要な介護サービスの確保のための支援を行うとともに、公平公正な要介護認定の実施、ケアマネジャーの養成確保など制度の円滑な実施に努めてまいりたいと考えております。
 小渕前総理は、教育改革を内閣の最重要課題として取り組まれてこられましたが、私といたしましても、所信表明演説で述べましたとおり、前総理と同じ思いで教育改革に取り組んでまいりたいと考えております。
 戦後の教育を振り返れば、我が国経済の発展を支える人材の育成ではすばらしい成果を上げてまいりましたが、他方、日本人として持つべき豊かな心や倫理観、道徳心をはぐくむという点では必ずしも十分ではありませんでした。
 私は、教育の目標は学力だけがすぐれた人間を育てることではなくて、創造性豊かな体、徳、知のバランスのとれた立派な人間を育てることにあると考えており、学校、家庭、地域社会がそれぞれの役割を果たしつつ、手を携えて子供たちをはぐくんでいけるよう教育改革に全力で取り組んでいく所存であります。
 与党が御提案されました警察改革プランなどに関してお尋ねがありましたが、政府といたしましても、御提言いただいた改革プランや警察刷新会議における御議論等、各方面の御意見を伺いながら、失った国民からの信頼回復を目指し、全力を挙げて警察の刷新改革に取り組んでまいる所存であります。
 都道府県警察を情報公開条例の対象とするかどうかにつきましては、各都道府県において判断されるべき事項ではありますが、私としても、情報公開法の趣旨に沿って都道府県警察においても適切な情報公開が推進されることを期待いたしております。
 循環型社会形成推進基本法案についてのお尋ねですが、大量生産、大量消費、大量廃棄型の社会のあり方や国民のライフスタイルを見直し、環境への負荷の少ない循環型社会を構築することは喫緊の課題であります。
 私はこのような認識に立ち、循環型社会構築の基本的な枠組みとなる法案を可及的速やかに今国会に提出すべく政府、与党一体となって取り組んでまいります。(拍手)
    ─────────────
#6
○議長(斎藤十朗君) 筆坂秀世君。
   〔筆坂秀世君登壇、拍手〕
#7
○筆坂秀世君 私は、日本共産党を代表して、国政の幾つかの重要課題について森総理に質問いたします。
 質問に先立ち、病床にある小渕前総理に対し、幾たびかの論戦を行った者としても、一日も早く回復されることを心から祈念するものであります。
 また、小渕前首相が緊急入院されて以降の官房長官の発表に重大な虚偽や隠ぺいのあったことが明らかになっていますが、これは今後の内閣発表への信用にかかわる問題であり、事の経過を明確にすべきは森内閣の信頼性にかかわる重大事であることを冒頭指摘しておくものであります。
 最初に、有珠山噴火対策についてです。
 まず、被災され、苦闘されている住民の方々に心からお見舞いを申し上げますと同時に、昼夜に分かたぬ御苦労をされている関係者の皆さんに心から敬意を表します。
 有珠山噴火から既に二週間近くがたちました。観光、農畜産業、漁業を初めすべての産業が甚大な被害をこうむり、日々深刻の度が増しています。虻田町のように、町役場を含めほとんどの住民が避難を余儀なくされ、行政機能の確保そのものが困難をきわめている自治体もあります。
 そこで、求めたいことは次の点であります。
 雲仙・普賢岳、伊豆大島三原山もそうでしたが、火山噴火災害の特徴の問題の一つは、被害を受ける期間が長期にわたるということにあります。ここに住民の最大の不安もあります。したがって、避難所生活の改善など緊急策はもちろん、長期にわたるということを前提に、例えば従来の地域コミュニティーが確保できる仮設住宅の建設、各産業への金融、税制などの支援策、雇用対策など、生活基盤、経済基盤を再構築するとともに、行政機能の確保に全力を挙げること。
 また、住宅や家業や職場を失った被災者が生活を再建するにはその経済的裏づけが不可欠であります。そのためには、災害被災者への本格的な個人補償制度の確立が急がれます。阪神・淡路大震災後に被災者生活再建支援法が制定されましたが、所得制限が厳しい上に、全壊住宅で最高百万円にすぎません。これでは生活再建などできようはずがありません。対象も補償金額も抜本的に拡充すべきであります。洞爺湖温泉などは泥流の流れ込みなどによって営業基盤そのものが破壊されつつあり、この点では営業補償にも踏み込むこと。
 以上について、被災者に勇気と希望を与える総理の答弁を求めるものであります。
 次に、財政再建と国民の暮らし、経済の関係についてであります。
 前内閣のもとで国、地方の借金が百一兆円もふえ、借金残高が六百四十五兆円という破局的な事態になろうとしています。自自公政権も自公保政権も深刻な財政危機の現状にむとんちゃくのようですが、財政をここまで悪化させれば国民の暮らしにも日本経済にも深刻な打撃を与えることは、あなた方を除けば立場を超えた常識に属することであります。
 三年半前、借金残高が今より二百兆円も少ない四百四十二兆円のとき、大蔵大臣の諮問機関である財政制度審議会は、財政危機が国民への負担増、インフレや高い失業率を招くことを指摘し、二十一世紀において活力ある経済社会であり続けられるか否かの岐路に立たされていると警告を発していました。前総理の私的諮問機関である経済戦略会議も、日本経済の現状について、「財政赤字の急膨張など国民の将来不安の高まりが景気の無視できない抑制要因となっている。」と指摘せざるを得ませんでした。
 総理に、この認識があるかどうか、このことをただした上で、財政再建の考え方、あり方の基本について伺いたい。
 財政再建というのは単なる数字のつじつま合わせではありません。国民生活を守り、日本経済の健全な発展を図ることにこそ財政の役割があり、それは両立させるところにこそ意味があり、そこに政治の知恵と力が発揮されなければなりません。
 この基本を誤ったのが九七年に橋本内閣が行った財政構造改革路線でありました。消費税増税など九兆円の負担増を強行した上に、財政構造改革法によって、社会保障、医療、教育など国民生活にかかわる予算は一切の聖域なしで削減の標的にしました。その一方で、財政危機の最大の要因である公共事業は、総額六百三十兆円の公共投資基本計画、これを三年間延長しただけで、むだと浪費の構造は温存するものでありました。
 消費税増税と国民生活予算を削減するだけのこうしたやり方が財政危機を加速させ、国民の暮らしを圧迫して、日本経済を失速させたのは当然の帰結でした。
 この最大の教訓は、財政を再建する上でも、日本経済の発展を考えても、財政を国民の暮らし最優先に組み立てるべきだということではありませんか。総理の答弁を求めます。
 昨日、我が党の不破委員長が、国、地方合わせてゼネコン奉仕の公共事業には五十兆円も注ぎ込みながら、社会保障には二十兆円という世界とは全く逆立ちした財政の転換を求めたのに対し、社会保障給付は、主要な先進国の中で低くないレベルと答えましたが、全くこれは事実に反します。
   〔議長退席、副議長着席〕
 対GDP、国内総生産比で社会保障給付は、ILO基準で見ると、日本は、フランスの四〇%、ドイツの四六%であり、そしてイギリスやアメリカよりも劣っています。
 それだけではありません。税や社会保障に対する国民の負担に対してどれだけ給付があったかを見ても、フランス、ドイツ、イギリス、アメリカがいずれも五〇%台から六〇%台なのに対して、日本は四四%にすぎません。給付水準の低さは明瞭であります。
 福祉や教育に対する国と地方自治体の支出、政府最終消費支出の対GDP比で見ても、日本はドイツ、フランス、アメリカの半分程度しかありません。つまり、欧米諸国では国や自治体が負担している分を日本では国民が負担し、その分個人消費が抑制されるという構造が形づくられてきたのであります。
 しかし、日本経済の六割を支えているのは個人消費です。その景気回復に果たす役割がますます大きくなっていることは、経済企画庁の「平成十一年経済の回顧と課題」でも、消費がかつてよりも景気の先導役になる可能性、個人消費の増加が景気を牽引する可能性について言及していることでも明瞭であります。
 これに引きかえ、公共事業は、六百三十兆円消化のために巨大開発、巨大プロジェクトが中心になるもとで、むだと浪費が横行しているだけでなく、景気への効果もますます小さくなっています。それは公共事業での就労者数の激減、中小建設業者への発注減などを見れば疑問の余地なく明白であります。
 個人消費を拡大するためにも、予算の主役を公共事業から国民の暮らしや社会保障に転換すべきではありませんか。
 国民の暮らしを予算の主役に据えることは、個人消費の拡大を促し、経済発展に貢献するだけではありません。年間五十兆円という公共事業のむだ、浪費を削減することは、財政を再建の軌道に乗せていく上でも避けて通れない課題であります。それとも公共事業には指一本触れないというのですか。そうであれば、森政権もまた財政再建の課題を投げ捨てた内閣ということにならざるを得ません。総理の明確な答弁を求めます。
 ゼネコン支援の公共事業とともに、到底納得できないのが銀行への七十兆円の支援策と長期にわたる超低金利あるいはゼロ金利政策であります。大銀行を中心に、銀行は一方では公的資金の注入を受け、他方ではゼロ金利政策によって莫大な業務純益を上げています。すべて金融システムの安定がその大義名分とされてきました。
 しかし、その結末はどうだったか。中小企業への貸し渋りは解消に向かうどころかかえって激しくなりました。銀行融資から排除された少なくない中小企業は、超高金利で暴利をむさぼる悪徳商工ローンや日掛け金融のえじきにされてしまったのであります。この悪徳商工ローンに資金を供給してきたのが公的資金の注入を受けた大銀行です。これほど今日の金融行政の不公正さ、ゆがみを象徴するものはないではありませんか。
 超低金利政策のもとで、国民が本来なら受け取るべき利子も大幅に減少しました。九一年から九九年の九年間で、ローンなどの利子負担分を差し引いても三十兆円もの利子所得が奪われました。その結果、年金生活を送っておられる多くの方々の生活設計を成り立たなくしてきました。あなた方の言う金融システムの安定とはこういうことだったのですか。
 そこで、伺いたい。
 第一。これまで銀行に投入されてきた公的資金は約二十兆円に上ります。そのうち日本長期信用銀行の三兆七千億円、日本債券信用銀行の三兆一千億円を初めとして、実に九兆三千億円という巨額の公的資金がもはや返ってこず、国民の負担になることが既に確定しています。
 介護保険への国の負担は二千三百億円削り込み、基礎年金への国庫負担は引き上げを先送りしながら、銀行には気前よく税金を注いでいく、このようなやり方はとてもまともな政治と言えないではありませんか。財政再建のためにも、国民に負担をツケ回ししないためにも、銀行への無制限とも言える公的資金投入はやめるべきであります。そして、不良債権や破綻処理は、その費用は銀行業界の自己責任で賄うという当然のルールを確立すべきではありませんか。
 第二。公的資金の注入を受けた銀行の貸し渋りが横行するのは、実効性を確保するための仕掛けやペナルティーがないからであります。アメリカでは地域再投資法によって、銀行にその地域の中小企業や国民の要求に沿って資金を供給する仕組みがつくられています。こうした制度を日本でもつくるべきではありませんか。
 次に、ますます深刻さを増す雇用対策についてであります。
 総理は所信表明演説で、景気は緩やかな改善を続けており、明るさを増しつつあると述べました。これほど国民の実感とかけ離れた景気判断はありません。
 最近の世論調査でも、景気の先行きについて、今後さらに悪化する、当分よくなるとは思えないが合わせて七五・四%にも達しています。事実、勤労者の賃金は二年連続、家計の消費支出は五年連続で減り続けています。いずれも戦後初めてのことです。二月の失業率は統計開始以来最悪を記録し、倒産件数も前年同月比で五割増という急増ぶりであります。このどこを見て明るさを増しつつあると言うのですか。
 もし、企業収益が改善していると言うのなら、それは全くの的外れであります。確かに大企業の収益は改善しています。しかし、それは一部を除いて売り上げは落ちるが利益はふえるという減収・増益にすぎません。この一年半で五兆円もの人件費削減がなされたように、国民の所得と消費を引き下げた上でのリストラ増益にすぎないのであります。だからこそ、失業率は過去最悪になり、個人消費は減少しているのであります。
 さらに驚くべきは、牧野労働大臣が、過去最悪になった失業率について、企業が国際競争力をつけて利潤を確保するには非自発的離職者の増加、つまり首切り、解雇もある程度やむを得ないと述べたことであります。
 職を奪われるということは生きる糧を奪われるということであります。だから、生きる希望すら失って自殺者も急増しているのであります。そのときに、労働大臣が首切りもやむを得ないと言うのですから、みずからの無為無策を自己弁護するものだとしても、常軌を逸した発言と言わざるを得ません。総理も同様の認識なのか、答弁を求めます。
 この間、政府は、百万人雇用創出計画など、アドバルーンだけは華々しく打ち上げてきました。しかし、メニューはいっぱい効果はさっぱりというのがその実態であります。
 昨年の第一次補正予算で緊急雇用対策の目玉になったのが、成長分野で中高年の失業者を雇い入れた企業に奨励金を出す新規・成長分野雇用創出特別奨励金制度でありました。それから半年、申請数は目標の二十分の一、支給額は二億六千万円で、予算額九百億円の〇・三%を消化しただけであります。
 また、二四半期連続で失業率が五%を超えた地域で中高年の失業者を雇用した企業に助成金を出す緊急雇用創出特別奨励金も、六百億円の予算を準備しましたが、予算の消化は約六億円、一%程度にすぎません。
 政府の雇用創出計画の失敗は明々白々ではありませんか。それとも、この惨たんたる結果を見ても、これは織り込み済みだったとでも言うのですか。
 なぜこんなことになったのか、答えは明瞭です。失業をなくすためには何よりも優先して行うべき無法なリストラや首切りを規制しないできたからであります。
 ところが、総理は昨日の答弁で、解雇規制について、労使間の問題であり一律に規制することは適切でないと答弁しました。この態度の無責任さと破綻は、過去最悪の失業率という冷厳な事実によって今や明瞭ではありませんか。
 大体、労使間任せということは個別企業任せということです。競争社会において、個別企業任せで解決しないことは火を見るよりも明らかであります。だからこそ、EU諸国でも行っているように、社会全体で労働者を保護し雇用を確保、拡大するルールが必要なのではありませんか。
 日本共産党は、今国会に、企業再編に伴うリストラから労働者を守るための法律案、解雇を規制するための法律案、サービス残業の根絶を図る法律案、この三法案を衆議院に提出しています。この三法案の制定を政府も真剣に検討すべきではありませんか。
 中でもサービス残業の根絶は焦眉の課題です。周知のように、サービス残業は懲役六カ月以下、罰金三十万円以下の刑に罰せられる明白な犯罪行為であります。ところが実態は、リストラ、首切りの横行で過剰雇用どころか過少雇用になり、かえってサービス残業は増加しています。
 今の労働法では、使用者に労働時間を把握する義務を負わせていません。また、残業時間を労働者が過少に申告することはあり得ないという前提に立っています。これがサービス残業をはびこらせてきました。我が党案は、これを打ち破るため、使用者に実際の労働時間を把握し、記帳することを義務づけること、不正記帳へのチェック体制をつくることを主な内容としたものです。
 総理は昨日、不破委員長に対する答弁で、サービス残業を解消していくと述べられました。これが文字どおりの真剣な決意の表明であるなら、我が党提案も参考にして、政治の信頼と権威にかけて文字どおりの根絶に乗り出すべきではありませんか。
 今、いじめ、不登校、学級崩壊など、子供と教育をめぐる現状は深刻であり、二十一世紀に向けて子供の健全な成長の条件を確保することは政治と社会の大きな責任になっています。
 日本共産党は、一つ、学校教育を受験中心の詰め込みや競争教育の重荷から解放し、子供の成長と発達を中心に置き、学校を物事がわかる楽しい場にしていくこと。二つ、子供の健全な発展を図る上からも、汚職や腐敗を一掃し、道義ある社会を目指すこと。三つ、国連報告が、日本ほど暴力や性むき出しの雑誌や映像に子供が無防備にさらされている国はないと警告したように、子供を社会的な退廃から守るため、テレビ、雑誌などが自己規律を確立することを提唱し、国民的な討論を呼びかけてまいりました。この提唱に対する総理の見解を伺いたい。
 いま一つは、教育予算についてであります。
 教育予算は、一九七〇年代には一般会計の一〇%台を占めていました。それが切り縮められ、今では六・九%にまで落ち込んでいます。このもとで少人数学級の編制がおくれ、老朽・危険校舎が放置されてきました。
 大学の教育研究条件の劣悪さは、東大の卒業式で蓮實総長が、国立大学の多くが、既に二十年来、耐用年限をはるかに過ぎた建物の貧しい空間を、なお教室や研究室として使用せざるを得ないという惨めな状態に置かれていた、駒場の図書館の惨状は、できれば遠ざかっていたいほどであり、屈辱感にいたたまれない思いと語ったことでも容易に察することができます。
 展望ある二十一世紀に向けて、教育条件の拡充は不可欠であります。この立場からも教育予算の増額を図り、大学の研究施設などの充実を図ること、また、国民の強い要求となっている小中高等学校における三十人学級について、それに接近し、実現する努力を本格的に開始すべきではありませんか。総理の答弁を求めるものであります。
 次に、米軍基地問題と沖縄サミットについて何点か伺います。
 日本共産党は、去る二月十六日、沖縄の米軍基地問題を世界に広く知らせる「報告と訴え」を発表し、サミット諸国首脳、アジア諸国など世界に訴えてまいりました。
 これは、基地の中に沖縄があると言われる現状がいかに異常なものか、いわばグローバルスタンダード、世界標準で点検し、その解決に立ち向かうことこそ沖縄サミットの重要な意義だと考えたからであります。
 この「報告と訴え」の第一章では、県民を収容所にほうり込み、家や田畑を勝手に接収したこと、私有財産の没収を禁じ、仮に接収する場合には対価の支払いを義務づけたハーグ陸戦法規という国際法に違反して土地取り上げが行われたこと、あるいは伊江島のように、銃剣とブルドーザーで住居を踏みつぶし、焼き払い、土地が取り上げられたことなど、米軍基地の成り立ち。第二章では、米軍基地によって、米軍機の事故、米兵の犯罪、経済発展の阻害など、どれほど犠牲が強いられてきたかということ。第三章では、基地のない平和な島、そのために二〇一五年までに米軍基地をなくすというのは県民の総意であること等々を訴えたものであります。
 私自身が沖縄での記者会見発表を行い、県当局にも届けましたが、県の出納長は、沖縄の米軍基地の歴史と現状、願いは、だれが書いてもこういうことになるでしょうと言われました。これを届けたあるサミット参加国の大使館では、沖縄の米軍基地の調査をする予定であり、その参考にしたいと感謝されました。
 沖縄でサミットをやる以上、米軍基地によってどれほど沖縄県民が苦しめられてきたか、どれほど基地のない平和な島を望んでいるか、このことを世界にアピールしていくことに沖縄サミットの大きな意義を見出すべきではありませんか。総理の見解を求めます。
 総理の沖縄についての発言が問題になっていますが、あなたは、こういう沖縄の歴史や現状を踏まえた上での発言なのか、改めて問うものであります。
 総理、あなたは、沖縄サミットに当たって、県民が世界に向かって一番訴えたいと思っていることは何だとお思いでしょうか。琉球新報でも沖縄タイムスでもない、沖縄県当局が行った県民意向調査によれば、第一位が米軍基地問題であり、第二位が県民の平和を愛する心であります。
 ところが、サミットに参加予定のアメリカのクリントン大統領は、河野外相との会談で、沖縄で日米関係が戦略的見地からも重要だということを示すよい機会だと語りました。これに対して稲嶺沖縄県知事は、大統領にすると沖縄の基地が重要だと考えているのは事実だと思う、しかし私どもとしては逆なところにサミットが沖縄で行われる意味がある、沖縄が米軍基地を過重負担していることを考えてもらうようこの機会に強く訴えたいとクリントン発言に反論しました。
 総理は、クリントン大統領の立場に立つのか、それとも沖縄県民の心を大切にする立場に立つのか、明確な答弁を求めます。
 いま一つは、小渕前総理がアジアの声をサミットに反映するとして東南アジア各国を訪問されたことにかかわってです。森総理も同様の立場に立つというのであれば、核兵器のない、核戦争の危険のないアジアにする上で行うべき大事なことがあります。
 東南アジア諸国は一九九五年、非核地帯条約をつくりました。ところが、核保有五カ国は、世界のほかの地域の非核地帯条約は支持していながら、この東南アジア非核地帯条約の議定書には賛成せず、アジア諸国から大きな批判を浴びています。アジアの声を反映するというのなら、ほとんどの核保有国が参加するサミットの場において、東南アジア非核地帯条約を支持するよう積極的、主体的に働きかけるべきではありませんか。
 また、そのためにも、非核三原則が国是というのなら、不破委員長がクエスチョンタイムや昨日の代表質問でも取り上げた核持ち込み密約の全容を調査して、全面的にその真相を公開すべきであります。なぜなら、米軍による日本への核持ち込みの矛先はアジアに向けられたものだからであります。
 以上について総理の答弁を求めます。
 最後に、解散・総選挙についてです。
 前回総選挙以来、自民党単独政権、自自政権、自自公政権、今回の自公保政権と実に四回も政権の枠組みが変わってきました。前回の総選挙でも、参議院選挙でも、公明党、自由党は自民党と対決すると言うって主権者や国民に支持を訴えたはずであります。それが連立政権を組み、一度たりとも国民の審判を受けたこともないのであります。自自公であれ、自公保であれ、民主主義の原則に照らせば、いささかの道理もいささかの正統性も持たない政権の枠組みであります。
 それだけに、今、森政権が真っ先にやるべきは、一刻も早い解散・総選挙で国民の審判を問うべきだということを指摘して、私の質問を終わるものであります。(拍手)
   〔国務大臣森喜朗君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(森喜朗君) 筆坂議員からも小渕前総理に対するお見舞いをいただきまして、ありがたくお礼を申し上げる次第でございます。
 累次お答えいたしておりますとおり、政府としては、これまでも避難所の生活環境の改善、保健・医療対策、応急仮設住宅の緊急整備への着手、農林水産業、観光業などの生業支援のための資金手当てなど、各般の施策を講じてまいりました。
 今後とも、避難されている方々のニーズにきめ細かく、かつ迅速に対応することが必要と考えており、引き続き警戒態勢に万全を期しつつ、地元地方公共団体と協力し、政府一丸となって全力を挙げて取り組んでまいる所存であります。
 我が国の財政問題についてのお尋ねがありました。
 御指摘のように、例えば平成八年の財政制度審議会の報告においては、財政赤字の問題点として、金利の上昇とクラウディングアウト、さらには増大する国債費を補うための国民負担の増をもたらす結果、中長期的に見て経済の活力を奪い、発展を阻害することなどが述べられていると承知をいたしております。
 こうした観点からも、安易な国債発行に依存しない健全な財政が重要であります。極めて厳しい我が国の財政の現状を見れば、財政構造改革は必ず実現しなければならない重要課題であるということは認識をいたしており、我が国経済が本格的な回復軌道に乗ることを確認した上で、速やかに取りかからなければならない課題であると考えております。
 公共事業及び個人消費の景気回復に果たす役割についてのお尋ねでございましたが、我が国経済は厳しい状況をなお脱しておりませんが、景気は緩やかな改善が続き、自律的回復に向けた動きが徐々にあらわれております。こうした景気の改善の背景には、公共事業が景気を下支えする上で大きな効果を果たしてきていると認識をいたしております。景気が今後本格的に回復するためには、公需から民需へのバトンタッチが円滑に進み、個人消費の改善傾向が定着することが重要だと考えております。
 公共事業を削減し、社会保障を優先した予算に転換していくべきとの御指摘がありました。
 財政状況が極めて厳しい中にあって、財政を考えるに当たっては、幅広い視野を持って、歳出の構造にまで踏み込んだ質的な側面からの取り組みが重要であると認識しております。こうした認識のもと、公共事業については時代のニーズや要請を見通しつつ、必要な分野、事業への戦略的、重点的な投資を行っております。
 また、社会保障に関しては、高齢化の進展に伴い、社会保障給付費の増加が見込まれる中で、必要な給付は確保しつつ、社会保障制度改革を推進し、制度の効率化、合理化を進めてまいりたいと考えております。
 政府としては、今後とも真に必要な分野に重点的かつ効率的な予算の配分を行い、日本経済の発展や国民生活の向上に貢献してまいりたいと考えております。
 金融システムの安定化に関するお尋ねですが、政府として、金融機能再生法及び金融機能早期健全化法を車の両輪とする法的枠組みのもとで、不良債権の抜本的な処理を図るなど、我が国の金融システムの安定化は進んでいるものと認識いたしております。
 また、低金利政策については、低金利により金利収入が減るなどの影響を受けておられる方々がおられることは十分承知をいたしております。他方、金利の低下が設備投資や住宅投資、ひいては雇用等の面で景気の下支えに貢献していることも否定できないと考えております。
 なお、いわゆる商工ローン問題に対しては、先般の臨時国会において、貸金業者等の上限金利を引き下げるための出資法の改正及び貸金業者の業務の適正な運営を確保するための貸金業規制法の改正が行われたところであります。
 銀行への公的資金の投入をやめて、民間金融機関の自己責任ルールを確立すべきではないかとのお尋ねがありました。
 政府におきましては、金融機関の破綻が集中的に発生するなど、金融システムが極めて不安定であるという歴史的にも希有な状況に対応するために、時限措置として、公的資金を活用しながら、預金保険法に基づく預金の全額保護、金融機能早期健全化法に基づく資本の増強等の措置を実施してきたところであります。また、民間金融機関においても不良債権処理に積極的に取り組んできたところであり、その結果、我が国の金融システムは安定化してきている状況にあります。
 預金等の全額保護の特別措置終了後においては、自己責任原則と市場規律に立脚した金融システムが確立されることになりますが、民間金融機関においては、引き続き経営の健全性の一層の確保に努め、より強固な金融システムの構築に向けて全力を挙げた取り組みを行っていくものと考えております。
 銀行の貸し渋りをやめさせるため、地域の中小企業等に資金供給する制度を整備すべきではないかとのお尋ねでありますが、各金融機関は中小企業への融資を初め地域経済の発展のためにさまざまな貢献をしているものと考えております。しかしながら、金融機関の個々の融資については、民間当事者間の私法契約上の取引であり、基本的には各金融機関の自主的な判断により行われるものであることから、政府が法律により一律に規制することについては慎重に考えるべきものと考えております。
 我が国経済は、たびたび申し上げておりますように、全体として需要の回復が弱く、厳しい状況をなお脱しておりません。しかし、各種の政策効果やアジア経済の回復などの影響から、景気は緩やかな改善が続いています。企業の活動に積極性も見られるようになるなど、自律的回復に向けた動きが徐々にあらわれております。
 こうした中、個人消費は、収入が低迷していることから改善傾向の定着には至っておりませんが、年末に比べれば持ち直しの動きが見られており、消費者マインドにも改善が見られております。先ほども申し上げましたように、景気が今後本格的に回復するためには個人消費の改善傾向が定着することが重要だと考えております。
 我が国企業はこれまでも、リストラ計画が雇用調整を伴う場合であっても、自然減や配置転換、出向等を行うことにより雇用の安定を図っております。今後とも企業はこうした社会的な責務を果たしていくことが重要であると考えており、この点については労働大臣も同様な認識であると考えております。
 雇用創出対策についてのお尋ねでありますが、中小企業労働力確保法による雇用創出のための支援措置については約八万人、各地方公共団体の創意工夫に基づき緊急に雇用就業機会の創出を図る事業については約三十万人の雇用創出が見込まれるなど、一定の成果を上げているところであります。
 一方で、御指摘の二つの奨励金については、企業の雇用意欲が乏しかったこともあり、その活用が不十分な面があります。このため、利用者への周知等を強力に推進しているところであり、最近、情報通信や介護関連分野等において求人が大幅に増加してきていることから、今後これらの奨励金の活用が進むものと考えております。政府としては、今後ともこれら各種施策を積極的に推進することにより雇用の創出に全力で取り組んでまいります。
 企業再編に伴うリストラ、解雇、サービス残業の規制についてのお尋ねです。
 まず、企業再編に伴うリストラについては、政府としては今国会に会社分割制度の導入に伴って労働者の保護を図ることについて所要の法案を提出したところであります。
 また、解雇については、裁判例の考え方を踏まえ労使間で十分に話し合われるべきものであり、一律に規制することは適切でないと考えております。
 サービス残業の解消については、労働基準法に基づき、時間外労働の限度基準の遵守、割り増し賃金の適正な支払い等について的確な監督指導を実施し、法違反の是正に努めてまいります。
 青少年の健全な育成の確保につきましてお尋ねがございました。
 次代を担う青少年の育成は社会全体の責務であり、地域、学校、家庭が一体となって取り組むことが必要であります。政府といたしましては、学校教育においては知識を一方的に教え込む教育を改め、教育内容を厳選し、基礎、基本の確実な定着を図るとともに、子供たちにみずから学びみずから考える力などの生きる力を育成することが重要であると考えております。また、情報メディアにつきましても、青少年に配慮した自主的な取り組み等をさらに進めていくことが重要であると考えております。
 私は、所信表明で心の豊かな美しい国家を目指すべきであると述べましたが、これは子供の健全な育成に社会一丸となって取り組むことを願ってのことであります。今後とも関係省庁が連携して青少年の健全育成に関する社会全体の取り組みが促進されるよう努めてまいります。
 教育予算の増額等についてのお尋ねでありますが、次代を担う子供たちがたくましく心豊かに成長できる環境を整備し、各分野で活躍し得る創造力豊かな人材の育成を図ることは極めて重要な課題であります。こうした観点から、十二年度予算においては、国立大学施設の老朽・狭隘化に対応して教育研究環境の改善整備を図るとともに、科学研究費補助金の充実、第六次教職員配置改善計画の完成などを図っているところであります。
 なお、三十人学級についてのお尋ねですが、今後の学級規模及び学習集団のあり方等については、教育水準向上という観点から、現在進めております協力者会議での検討を踏まえ、財政負担にも十分考慮して適切に判断していく必要があると考えております。
 サミットを機に沖縄の実態をアピールすべきとの御指摘がありましたが、各国との会談等さまざまな場で九州・沖縄サミットに関連し沖縄の現状についても取り上げてきているところであります。
 九州・沖縄サミットでは、二十一世紀がすべての人々にとってよりすばらしい時代となるという希望を世界の人々が抱けるような明るく力強いメッセージを沖縄から発信することが重要です。また、沖縄の現状を世界に発信し、かつさまざまな形で沖縄の発展につながる機会となることを期待いたしております。
 沖縄県の公立小中学校の卒業式等における国旗・国歌の実施状況は、私が文部大臣在任の昭和五十九年ごろはほとんど実施されていなかったと記憶いたしておりますが、平成元年三月の学習指導要領の改訂を受け、沖縄県教育委員会が努力された結果、平成三年春の卒業式、入学式以降現在に至るまで一〇〇%実施されていると聞いております。
 先日の発言は、学校における国旗・国歌の指導に万全を期していただきたいとの私の思いを申し上げたものでございます。
 米軍施設・区域の問題とサミットについてお尋ねがありました。
 沖縄には全国の米軍施設・区域の約七五%が所在しており、我が国の平和と安全のために沖縄県の方々にさまざまな御負担をおかけしていることは、私としても十分認識をいたしております。
 また、河野外務大臣が二月に訪米しクリントン大統領に対して沖縄でのサミットの開催につき説明した際、同大統領から、日米関係の戦略的重要性に関する発言とともに、自分としても米国としても沖縄県民の気持ちに敏感でいたい旨の発言があったと承知しております。沖縄県民の心への配慮という点では、クリントン大統領のお気持ちも我々と変わらないものと考えております。
 いずれにせよ、沖縄県の方々の御負担の軽減については、米国政府との間でもSACO最終報告の実現に向け引き続き緊密に協議する旨、種々の機会に確認してきているところであり、政府としては今後ともその着実な実施に最大限努力してまいります。
 アジアの声についての御指摘がありましたが、私としても、九州・沖縄サミットは七年ぶりにアジアで開催されるサミットであり、グローバルな視点に立ちつつアジア諸国の関心を十分に反映させたいと考えております。
 御指摘の東南アジア非核兵器地帯条約については、我が国はASEAN諸国の東南アジア地域における平和と安定の強化に向けての努力のあらわれであると受けとめております。すべての核兵器国を含む関係国による附属議定書署名に向けた努力を歓迎するものであり、条約当事国と核兵器国との協議の動向を引き続き注視していきたいと思っております。
 いずれにせよ、九州・沖縄サミットの議題については、国際情勢を踏まえつつ引き続きG8各国とよく相談をしながら調整していくこととなります。
 いわゆる核密約の問題に関する調査についてのお尋ねでありますが、歴代の総理、外務大臣が繰り返し明確に述べているとおり、事前協議に関する安保条約の関連取り決めは、岸・ハーター交換公文及び藤山・マッカーサー口頭了解のみであり、それ以外に密約といったものはありません。
 衆議院の解散・総選挙についてお尋ねがありました。
 私としては、まずは予算の早期成立の効果を減殺しないように予算関連法案の早期成立に全力を尽くし、予算の速やかな執行に万全を期していくことが必要であると考えております。また、北海道有珠山噴火対策や九州・沖縄サミットの準備にも万全を期すことも必要でございます。したがって、衆議院の解散は現時点では全く考えておりませんが、国家国民の立場に立って、国民の信を問うべき事態になったと判断されれば、ちゅうちょなく断行する考えであります。(拍手)
#9
○副議長(菅野久光君) これにて午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時二十九分休憩
     ─────・─────
   午後一時一分開議
#10
○議長(斎藤十朗君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 国務大臣の演説に対する質疑を続けます。渕上貞雄君。
   〔渕上貞雄君登壇、拍手〕
#11
○渕上貞雄君 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、ただいま議題となりました森喜朗内閣総理大臣の所信表明演説に対し、総理に質問をいたします。
 まず、二十二年ぶりに噴火に至った有珠山の活動によって、避難指示対象者、中でも不自由な避難所生活に耐えていらっしゃる住民の方々に心からお見舞いを申し上げます。
 住民と行政、学者の連帯がうまくいき、大きな混乱もないことは評価できます。忘れがちですが、温泉源がだめになってしまうなど、観光や漁業資源への影響による今後の生計への不安、避難者の労苦に対し、生活支援、雇用対策、産業対策、財政支援など政府の手厚い支援があってしかるべきと考えます。総理の御決意をお伺いいたします。
 志半ばにして倒れられ、今なお闘病中の小渕前総理の一日も早い御回復と公務への御復帰を御祈念申し上げる次第でございます。
 今回の政権交代は、まさに密室の中で派閥のボスが集まって国民そこのけで派閥力学、連立力学で後継を談合する、権力の私物化は決して許されることではありません。記者会見や答弁にしてもつじつまの合わないことばかりです。国民に虚偽の説明をした責任や、警察・自衛隊の不祥事について政治責任をとるべき人を留任させたことについて、総理のお考えをお示しください。
 次に、自由党の政権離脱と新たな自民、公明、保守の新連立政権の発足についてお尋ねいたします。
 政策協議も政策合意もない連立は初めてであり、理念、政策抜きの、ただ政権を維持するためだけの国民不在の談合連立です。小渕前総理の強いイニシアチブによって形成された自自公連立政権の枠組みが壊れたことに対し、幹事長でもあった総理の責任と、自自公政権と自公保政権の共通点と相違点についてのお考えをお伺いいたします。
 せっかくの所信表明は、小渕前総理の政策の継承、発展を基本姿勢としているためか、総理の肉声が聞こえてこない演説でした。総理の強調する日本新生内閣という言葉自体、出典は小渕前総理の日本経済の新生であり、小渕なき小渕内閣との感を改めて持ちました。
 情においては忍びがたいものがありますが、小渕前総理がこれまで何をやってきたかを真摯に問い直さなければなりません。周辺事態法、盗聴法、住民基本台帳法、憲法調査会の設置、日の丸・君が代法制化と憲法に挑戦する悪法の強行、衆議院比例定数削減法案の参議院で議論すら許さない暴挙、国民生活に大きな影響を与える年金法の強行。
 総理、国家主義的方向を強め、数の力による強権政治をも継承されるおつもりですか。政治に臨む姿勢についてお尋ねをいたします。
 さて、男女共同参画社会基本法が施行され、男女平等の視点からあらゆる施策の見直しが求められています。
 総理府が二月二十五日に発表した初の男女間暴力調査では、夫や恋人からの暴力、ドメスティック・バイオレンスの深刻な事態が浮き彫りになっています。日本は最後進国とも言われており、DVの防止及び被害者保護・援助のための法整備を含む総合的な施策の実施に向けた総理の御決意をお伺いいたします。
 重要な柱と位置づけられている教育改革について、所信では、創造性豊かな立派な人間をつくるとして具体的ではありませんでしたが、一月末の衆議院本会議の代表質問では戦後教育の基本理念と教育基本法の見直しにも言及されています。
 しかし、学級崩壊、不登校、いじめ、子供の自殺といった教育現場の悩みに対処するには、三十人学級や先生の研修、待遇、地域と学校との関係といった具体的な改革の中身を論議すべきであり、現在の教育の危機を教育基本法の見直しに結びつけようとするのは余りにも短絡的であると思います。財界と国家の視点に立った臨教審・新自由主義路線の浸透による格差、序列、選別の拡大、受験戦争激化という面をしっかり総括すべきです。
 人間と人間の働きかけそのものに教育の原点があります。まさに主権者の形成の問題であり、子供の自主性、自発性をどう引き出すのかが大事であって、教育を市場原理や国家統制にゆだねてはなりません。
 文部大臣でもあられた総理の教育改革に対する考えを改めてお尋ねいたします。
 経済運営についてお尋ねいたします。
 三月十三日、経済企画庁は二期連続のマイナス成長になったことを発表いたしました。これに対して小渕前総理は、九九年度の経済見通しの実質成長率〇・六%の達成が可能であると強弁されていました。総理もこの政府公約が達成できる状況にあるとお考えなのでしょうか。
 また、総理は、構造改革には痛みを伴うが、国民と痛みを分かち合い、進む覚悟と言われておりますが、リストラに苦しむ中高年世代の思いが通じているのですか。百万人に上ろうとする失業者、十万人の自己破産者、三万人の自殺者、男性の平均寿命の〇・〇三歳低下に不況による中高年世代の深刻さがあらわれています。
 福祉ヒューマンパワーの養成、教員の積極採用、山の守り手の養成、中小企業の育成、伝統工芸の活用など、地域に密着した公的な関与による雇用創出に力を入れるべきです。総理の御見解をお伺いいたします。
 小渕前総理の何でもありの財政出動で、国、地方の債務は六百四十五兆円にも上っています。財政再建の道筋が示されないことが国民の将来不安をあおり、それが消費低迷の一因となっています。私は、まず公共事業計画の延伸などによってこれ以上赤字をふやさないプログラムをつくった上で、国民的議論の場を設けることを提案いたします。
 総理、この際財政再建の道筋について、いつからどのように具体的に進めていこうというのか、しっかりと国民の前に示すべきです。
 また、将来不安を払拭するためにも、対症療法ではなく長期的視点に立って、医療、介護、福祉、年金の総合的な社会保障のビジョンを示すべきです。財政再建と社会保障のビジョンについて、総理の御所見をお伺いいたします。
 警察や自衛隊の不祥事が相次いでいます。問題は、内部の論理で組織防衛に専念する組織的犯罪が後を絶たないところにあります。治安や防衛を任務とする権力機関が国民の監視を逃れ聖域化されてきたこと自体、改革をしなければなりません。商法改正で監査役の権限を強化したように、これらの権力機関に対しても第三者による監視システム、国民の異議申し立て制度を設けることに踏み込むべきです。警察・自衛隊不祥事根絶に向けた改革策について、御見解をお伺いいたします。
 元国家公安委員長の秘書の交通違反の口きき事件が明らかになりました。政官財の癒着と、支持者に頼まれて役所に口をきくことは政治家本来の仕事であるという保守的な政治風土に大胆にメスを入れなければ、総理の言われる信頼される政府は実現できません。国会議員のあっせん利得行為を禁止するための地位利用収賄罪法の制定に向けた総理の御見解はいかがでしょうか。
 政治主導を標榜して導入された党首討論ですが、参議院としてみれば衆議院の皆さんに場所を貸すだけとなっています。また、党首討論を理由とした総理の国会出席の減少も大きな問題です。党首討論にかかわらず、予算や重要法案の審議の際には積極的に国会に出席すべきです。党首討論の改革に関する総理の御見解をお尋ねいたします。
 昨年、村山元総理を団長とする超党派訪朝団の成果によって、両国政府による国交正常化交渉が七年半ぶりに再開されました。そして今、六月十二日からの歴史的な南北首脳会談の開催によって、朝鮮半島情勢の劇的転換が行われようとしています。南北双方が敵視と憎悪を乗り越え、未来の統一へ向けた協調、協力に入り、日朝交渉の性格は大きく変わりました。朝韓におくれをとれば、日本の政治責任、歴史責任を果たせなくなります。懸案事項を解決していくためにも、前提にこだわり続けることなく、粘り強い話し合いと、その上に立った国交正常化が必要です。自社さ連立政権の当時の九七年十一月、団長として訪朝された森総理が、新段階の国交正常化へ向け、どのようなリーダーシップを発揮されようとしているのか、御決意をお伺いいたします。
 次に、エネルギー政策についてお尋ねいたします。
 EUは、二〇一〇年までに自然エネルギーの比率を域内総エネルギー消費量の一二%にする計画とのことであり、百万戸太陽光発電システム、一千万キロワット風力発電、一千万キロワットバイオマスなどの目標を掲げ、十兆円の投資を行う計画で、百万人の雇用創出と試算されています。自然エネルギーの普及がエネルギーを賄い、地球温暖化を抑制するだけでなく、産業振興と雇用の拡大の重要なかぎと位置づけられています。
 日本は、二〇一〇年に新エネルギー比率三%という低い目標しか掲げていませんが、地球温暖化防止京都会議の目標を達成するためにも、自然エネルギー比率を一〇%程度とすることを目指し、大胆な政策的投資を行うべきです。総理の御所見をお尋ねいたします。
 次に、農業・農村問題についてお伺いいたします。
 新基本法に基づく基本計画において、私たちが最低の条件として望んだ食料自給率五〇%の実現は拒否され、四五%の目標設定となったことは、この国の食料に責任を持つべき政治のあり方として疑問を禁じ得ません。また、農地の確保と担い手の確保にとって決定的に重要な価格支持が解体され、それにかわる所得政策が不十分なもとでは四五%の自給率達成さえ困難であります。総理はこの点どうお考えでしょうか。
 また、それとあわせ、荒廃の一途をたどる日本の森林・林業の再建について、時代の変化に見合う新基本法の策定を含め、どのように考えておられるのでしょうか。
 さらに、農林水産業の将来に不安を抱かせるWTO路線をどう改善していくのか。多国間投資協定づくりの挫折やWTOシアトル閣僚会議の決裂など、世界の市民運動と途上国の動向も踏まえた新総理の強いリーダーシップを期待したいのですが、御所見をお伺いいたします。
 さて、憲法調査会の議論も始まったにもかかわらず、総理の所信には国の基本法である憲法の二文字がありません。
 護憲を党是とする社民党として、二十一世紀への新しい日本の国づくりを目指す総理がどのような憲法観をお持ちなのか、国民の前に明らかにするよう強く求めるものです。
 総理が議員連盟の会長として関係の深いコスタリカは、一九四九年に常備軍を廃止しており、平和憲法で知られる国であります。コスタリカのアリアス元大統領は、九四年に来日された際、日本が憲法第九条を持ちながら自衛隊の増強や海外派兵を進めようとしていることに疑問を示し、環境、貧困、教育など経済的、社会的、文化的な分野で非軍事的な国際貢献を行うよう要望されたと聞いています。
 日本も、国際社会から期待されているのは非軍事的な協力であり、PKFの凍結解除や有事立法の法制化では世界から信頼される国家とはなり得ないのではないかと思いますが、総理、いかがでございましょうか。
 最後に、橋本元総理の退陣後、自民単独、自自、自自公、自公保と、国民の審判を受けない政権の組みかえが行われてきました。政権維持のためだけの無原則な連立であり、連立の枠組みが変化し、新たな内閣が構成された以上、改めて国民に信を問うことが憲政の常道です。一刻も早い解散・総選挙の断行を強く求めて、質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣森喜朗君登壇、拍手〕
#12
○国務大臣(森喜朗君) 有珠山噴火対策につきましてのお尋ねがありました。
 累次お答えを申し上げておりますとおり、政府としては、これまでも避難所の生活環境の改善、保健・医療対策、応急仮設住宅の緊急整備への着手、農林水産業、観光業などの生業支援のための資金手当てなど、各般の施策を講じてまいりました。今後とも、避難されている方々のニーズにきめ細かく、かつ迅速に対応することが必要と考えており、引き続き警戒態勢に万全を期しつつ、地元地方公共団体と協力して、政府一丸となって全力を挙げて取り組んでまいる所存であります。
 今回の政権交代に関し、官房長官の対応と閣僚の再任に関しての御質問がございました。
 小渕前総理が突然病に倒れられて総理臨時代理が決定されるまでの間の経緯については、昨日官房長官から詳細に御説明したところでございます。私としては、予測しがたい突然の状況のもとで官房長官は懸命の対応をなされたものであると、こう考えております。
 また、組閣に当たって前内閣の全閣僚にそのまま再任をいただくことにしたのは、私はこれまで自由民主党の幹事長としての立場から支えてきた小渕前総理が病に倒れられた後を受けての総理に就任したものであり、前総理の敷かれた路線を継承し、また行政にいささかの空白時間もつくってはならないとの認識に基づくものであります。
 国家公安委員長は、警察庁を管理する国家公安委員会を代表する者として、国民の警察に対する批判を真摯に受けとめ、失われた警察に対する信頼の回復と国民の安全確保に向けてまさに陣頭に立って全力を尽くして取り組んでおり、私もそれが最もあるべき責任のとり方ではないかと考えております。
 自衛隊員等による違法射撃事案については、防衛庁長官の指示に基づき現在徹底的な再調査を行っているところと承知をいたしております。事実を早急に解明した上で厳正な対処が必要と考えており、今後このようなことが起こることのないよう再発防止を徹底することが必要であると考えております。
 自由党の政権離脱と新たな連立政権についての御質問がございました。
 自自公連立内閣は、安定した政権基盤のもとで速やかに意思決定を行うことが国家の発展と国民生活の安定を図る上で肝要だとの認識に立ち、広範な政策合意をもとにして連立政権のもとで政策を進め、大きな成果を上げてまいりました。
 今般樹立いたしました自由民主党、公明党・改革クラブ、保守党による連立政権は、これまでの成果を踏まえながら、強い信頼関係に立脚した安定した政局のもとで、二十一世紀への新しい日本の国づくりを目指した各般の政策を積極的に推進することを目的とするものでございます。現下の重要課題は、経済の新生、大胆な構造改革に挑戦していくことであります。三党の強い信頼関係を基礎に、緊密な連携を図りつつ、三党一丸となって山積する課題に果敢に挑戦し、国民の皆様からの負託にこたえていく決意であります。
 次に、私の政治姿勢について御質問がございました。
 小渕前総理は、二十一世紀の日本を見据えて、国家国民のことを第一に考え、数々の重要な政策を推し進めてこられました。御指摘のあった政策は、いずれも国会において議論を積み重ね、正統な手続に基づいて実施されることとなったものであり、数の力による強権政治との御指摘は当たらないと考えます。
 小渕前総理を引き継いだ私としましては、日本新生を目指して、国民と痛みを分かち合い、手を携えて進んでまいる覚悟であります。国民とともに歩み、国民から信頼される政府を信条として、政策について国民の御理解を得られるよう、国会における論議等の充実に最大限の努力を行っていく考えであります。
 ドメスティック・バイオレンスについてのお尋ねがありました。
 そうした暴力は女性の人権を著しく侵害し、男女共同参画社会の実現を阻害するものであり、決して許されるものではありません。
 現在、各省庁において被害を受けた女性への各種施策を進めておりますが、さらに男女共同参画審議会で女性に対する暴力への対応について調査審議を進めており、その結果も踏まえ、今後とも施策の充実に努めてまいります。
 小渕前総理は教育改革を内閣の最重要課題として取り組まれてきましたが、私としても、所信表明演説で述べましたとおり、前総理と同じ思いで教育改革に取り組んでまいりたいと考えております。
 このため、教育の基本にさかのぼって幅広く社会のあり方まで含めた抜本的な教育改革について議論していただくために発足した教育改革国民会議において、ことし夏ごろまでをめどに中間報告を提出していただき、その後、広く国民の皆様の御意見を伺いながら教育改革を推進し、国民的な運動につなげていきたいと考えております。
 平成十一年度の経済成長率についてのお尋ねでございます。
 最近の我が国経済は、全体として需要の回復が弱く、厳しい状況をなお脱しておりません。しかし、各種の政策効果やアジア経済の回復などの影響から、景気は緩やかな改善が続いております。企業の活動に積極性も見られるようになるなど、自律的回復に向けた動きが徐々にあらわれております。
 このように、我が国経済はおおむね政府経済見通しで描いた回復過程をたどっているものと考えており、平成十一年度はおおむね実績見込み程度の成長の実現を期待いたしております。
 中高年世代の失業状況と地域に密着した公的な関与による雇用創出についてのお尋ねでありますが、二月の完全失業率が四・九%と過去最高水準となるなど、雇用失業情勢が依然として厳しい中で、特に中高年層については一たん失業すると再就職が難しいなどの問題があると認識しております。
 政府としては、民間企業による雇用の促進を図ることを基本として、各種雇用対策を実施しているところでありますが、現下の厳しい情勢を踏まえ、臨時応急の措置として緊急地域雇用特別交付金事業を実施しているところでありまして、本事業を通じて各地方公共団体による地域の実情に応じた短期的な雇用就業機会の創出を図ってまいります。
 財政再建の進め方についてのお尋ねでありますが、極めて厳しい我が国財政の現状を見れば、財政構造改革は必ず実現しなければならない重要課題であり、我が国経済が本格的な回復軌道に乗ることを見きわめた上で、速やかに取りかからなければならない課題であります。
 ただ、まずは緩やかな改善を続けている我が国経済を本格的回復軌道に確実に乗せることが重要であり、それに向けて全力を尽くしてまいりたいと考えております。その上で、財政構造改革については、単に財政面のみの問題にとどまらず、税制や社会保障のあり方、さらには中央と地方との関係や経済社会のあり方まで視野に入れて取り組むべき課題であると考えております。
 社会保障のビジョンについてのお尋ねでありますが、社会保障については、急速に少子高齢化が進行する中で、生涯を安心して暮らせる社会を築くため、持続的、安定的、効率的な制度を構築することが必要であると考えております。
 このため、さきに設置された社会保障構造の在り方について考える有識者会議の議論も踏まえ、国民の理解を得ながら、医療、介護、年金などの諸制度について横断的な観点から検討を加えてまいります。
 警察や自衛隊の不祥事根絶に向けた改革策についてのお尋ねがありました。
 不祥事を根絶するためには、監視システムの強化のみならず、職員の士気向上方策等も含めた対策が必要であると考えます。政府といたしましては、警察に関しては、警察刷新会議の精力的な御論議を初めとする関係方面の御意見も伺いながら、全力を挙げてその刷新改革に取り組んでまいる所存であります。防衛庁における不祥事に関しましては、その再発防止に取り組む一方、事実関係を早急に解明し、厳正に対処することで国民の信頼を回復することが重要であると考えます。
 あっせん利得行為の禁止に関する法整備について御提言をいただきました。
 この問題につきましては、各党各会派の間において十分御議論をいただくことが基本であると考えており、政府といたしましては、その結果を踏まえ、適切に対処してまいりたいと考えております。
 党首討論の改革についてお尋ねがありました。
 国会において政府としての考え方を説明し、あるいは議論を重ねていくことは、国政を預かる者としての責務であると考えておりますが、一方で、行政府の長として行政運営に当たることや外国要人との会談など、総理大臣の果たすべき職責も幅広いものがあることも事実であります。
 党首討論及び総理の国会出席のあり方については、国会改革の一環として国会において決定されたものであり、その改革についても国会において御議論いただきたいと思います。
 私としては、国会審議の活性化を図るべく、野党党首との討論が質の高い政策論争を中心とした実りのあるものになるよう、最大限努力してまいりたいと考えております。
 日朝関係についてのお尋ねでありますが、政府としては、韓米両国との緊密な連携のもと、北東アジアの平和と安定に資するような形で、第二次大戦後の正常でない関係を正すよう努めていく方針であり、約七年半ぶりに再開した国交正常化交渉に粘り強く取り組んでまいります。
 私自身も九七年十一月に訪朝し、問題解決の重要性をよく理解いたしておりまして、交渉に際しては日朝間の諸懸案の解決に向けて全力を傾ける決意であります。
 自然エネルギーについてのお尋ねですが、自然エネルギーの中でも太陽光発電などの新エネルギーについては、地球環境問題への対応やエネルギー安定供給の確保の観点から、その開発導入を積極的に推進することが重要と考えております。
 新エネルギーについては、二〇一〇年度において一次エネルギー総供給の約三%にするという目標を設定しておりますが、これは現在の導入量の約三倍となるものであります。現時点では、経済性、安定性などの難しい課題も伴いますが、まずはその目標の実現に向けて最大限の努力を行ってまいります。
 食料自給率目標についてのお尋ねですが、食料・農業・農村基本計画においては、基本的には五割以上を目指すことが適当であるとした上で、平成二十二年度までに生産、消費両面にわたる課題の解決により実現可能な水準として四五%を設定いたしたものであります。
 今後、生産基盤の整備等による優良農地の確保、育成すべき農業経営に対する経営安定対策の実施、技術開発の推進等を図るとともに、望ましい食料消費の姿を目指した栄養バランスの改善等に努め、自給率目標の達成に向け、農業者、消費者その他の関係者と一体となって積極的に取り組んでまいります。
 次に、森林・林業についてのお尋ねでありますが、国土の保全、水資源の涵養等の森林の公益的機能の発揮に対する国民の要請はますます高まっている一方、林業採算性の悪化等により森林の管理水準の低下が危惧されていることから、現在、森林・林業・木材産業に関する基本政策の検討を急いでいるところであります。
 林業基本法につきましては、これらの検討を踏まえた上でそのあり方について検討することといたしております。
 次に、農林水産分野におけるWTOへの対応についてのお尋ねですが、WTO農業交渉においては、いずれの国にとっても公平でかつ各国の農業が共存できる国際規律の確立を図ることが重要であります。
 このため、我が国といたしましては、国民的理解を得ながら、農業の多面的機能や食料安全保障の重要性への配慮、輸出国と輸入国の権利義務バランスの確保された貿易ルールの確立を積極的に主張していきたいと考えております。
 憲法観についてのお尋ねがありました。
 憲法の基本理念である民主主義、平和主義及び基本的人権の尊重は、憲法が制定されてから今日に至るまでの間、一貫して国民から広く支持されてきたものであって、将来においてもこれを堅持すべきものと考えております。
 他方、憲法第九十六条は、憲法の改正手続を規定しており、憲法が法理的に永久不変のものとは考えておりません。また、憲法をめぐる議論が行われていること自体は何ら制約されるべきものでないことは言うまでもございません。しかしながら、国の基本法である憲法の改正については、世論の成熟を見定めるなど慎重な配慮を要するものであると考えます。
 憲法に関する問題については、これまでも各方面からさまざまな意見が出されております。特に、今国会から憲法について広範かつ総合的に調査を行うため、我が国憲政史上初めて衆参両議院に憲法調査会が設置され、将来の我が国の基本的あり方を見据えて幅広く熱心な議論が行われているところであり、私としてもこれを十分見守ってまいりたいと考えております。
 我が国の国際貢献のあり方について御質問をいただきました。
 我が国が世界から信頼される国家となるためには、国際社会で求められている責任、役割を着実に果たしていくことが必要であると考えており、このためには、我が国みずからの安全保障基盤を強固なものとしながら、国際的な安全保障の確立に貢献することも重要な課題であると考えております。
 かかる認識のもと、PKF本体業務の凍結解除につきましては、国会での御議論等も踏まえつつ対処してまいりたいと考えております。
 また、有事法制につきましては、自衛隊が文民統制のもとで国民の安全を確保するために必要なもので、平時においてこそ備えておくべきものであると考えており、先般の与党の考え方も十分に受けとめながら、今後、政府としての対応を考えてまいる所存であります。
 衆議院の解散・総選挙についてお尋ねがありました。
 先ほどもお答え申し上げたところでありますが、私としては、まずは予算の早期成立の効果を減殺しないように、予算関連法案の早期成立に全力を尽くし、予算の速やかな執行に万全を期していくことがまず必要であると考えております。また、北海道有珠山噴火対策や九州・沖縄サミットの準備にも万全を期すことも必要であります。したがって、衆議院の解散は現時点では全く考えておりませんが、国家国民の立場に立って、国民の信を問うべき事態になったと判断されれば、ちゅうちょなく断行する考えであります。(拍手)
    ─────────────
#13
○議長(斎藤十朗君) 田名部匡省君。
   〔田名部匡省君登壇、拍手〕
#14
○田名部匡省君 私は、参議院クラブを代表して、森総理並びに関係大臣に当面する問題について質問いたします。
 まず最初に、北海道有珠山は今日なお断続的な火山噴火活動を続けておりますが、いつまで続くかわからない避難生活をされている方々の対応について万全を期していただくようお願いいたしたいと思います。また、小学生の新入児童の子供たちが学校に行かれない様子が報道されておりましたが、これもまた大変な問題だと思います。いずれにいたしましても、被災された方々に心からお見舞いを申し上げる次第であります。
 また、森総理には、八十五代、戦後二十六人目の総理就任、心からお祝い申し上げます。福田先生、安倍先生も心から喜んでくれていると思います。心からお祝いを申し上げたいと思います。
 小渕前総理には、志半ばにして病に倒れ、その心中をお察し申し上げ、心からお見舞いを申し上げ、一日も回復の早からんことをお祈りいたします。
 私は、郵政政務次官、通信部会長、逓信委員長時代に大変お世話になりました。奥様初め、お子様方が今なお看病に当たられておることを思うと、どんなお気持ちでおられるか言葉に言い尽くせない気持ちであり、一日も早い御回復をお祈り申し上げる次第であります。
 さて、危機管理の問題を総理並びに官房長官にお伺いいたします。
 一昨日以来、各党代表の質問に対し、小渕前総理の病状について官房長官は静かに見守ってほしいとの気持ちを話されております。私もそのように思います。
 その中で前総理の病状について発表することによって混乱が生じたり誤解を招くなども考えられるので、御家族、医師団の了解なしに発表できないというその考え方を尊重すべきだと思います。しかし、そのこともわからないわけではありませんが、ごく普通の家庭や我々のような一国会議員と違って、一国の総理となるとどうでしょうか。日本の最高責任者という立場であれば、家族、医師の考えを優先すべきか、公人としての立場を優先すべきか、この質問をするのも実は迷いました。気持ちでは理解できていても、それでいいのかという疑問が残ったのも事実で、病状を発表することによって国民がどのように混乱するのだろうか、どんな誤解が生ずるのだろうかとも考えてみました。それよりも緊急事態が発生していたらどうされたのかなということの方が最高責任者として批判されたのでなかったかと思うので、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
 次に、行財政改革について質問いたします。
 森総理は学生時代ラグビーの選手、私はアイスホッケー、バスケットボールの選手でした。試合で負けたときはどうしました。まず、何が悪かったか反省することから始まり、選手個々の能力を高め、スピードのない者はスピードを高め、パワーのない者はパワートレーニングをし、優勝を目指すでしょう。日本の再生の方向を目指すのも同じだと思うんです。
 このことから考えると、私は橋本内閣の財政改革法は間違いではなかったと思います。ただ、時期とかタイミングが悪かったと思う。その第一は、バブル経済の処理の失敗、金融機関の不動産への融資はとめたが住専の方は認めていたことによって、六千八百五十億円の国民の税金から投入、これが金融機関へと国民負担が続いていったのであります。
 第二は、消費税の引き上げ等時期のタイミングの悪さです。すなわち、日本経済の六〇%は国民の消費によって保たれていることを考えれば、政策の大失敗だったと思います。しかも、その後、住専や金融機関の処理を見ていると、法的処理も経営責任の追及もなく、破綻した長銀、日債銀の金融処理のツケにより国民一人当たり六万円という多額の税負担をさせ、しかも退職金は頭取が六億円の返済を求められたにもかかわらず返済にも応じていない様子ですが、実態について御報告をしてください。以前の状況では、長銀が二十三人が二十九億円の退職金、うち自主的返還額は五億五千万円、日債銀は十六人で十九億円、うち返還額が一億五千八百十万円でした。
 私が橋本内閣の財革法は間違いでなかったと申し上げたのは、この財革法は景気対策に逆行しないと思うからでありました。さきの衆議院選挙で有権者に訴えたのは、今消費税の引き上げは景気の状況から反対であり、引き上げを認めれば政府は行政改革の努力をしなくなる。国に改革の苦しみを味わわせることと、三年の間に、政治家の定数が多いというなら削減をさせ、小さな政府を目指し、特殊法人等の原則民営化を先行させ財源を生み出すべきで、困ったからといって国民に負担を求めることはすべきでない。努力してもなお不足の場合は、国民に説明をして協力を求めるべきだと訴えたのであります。
 国鉄民営化によって料金が一度も上がっていないという事実を見れば明らかではありませんか。総理は、財政改革の重要性は認めながらも、景気回復をさせてからと言われているが、いつ回復し、どの程度回復したら取り組むおつもりですか。お答えをいただきたい。
 また、堺屋経企庁長官がかつて提言したと言われている百兆円の財源は、国有財産の売却と公団の民営化、すなわち道路公団、空港公団、住宅公団を株式会社にし株式を売ればという考えをお持ちのようでしたが、今でもその考えに変わりはないか、できれば実行をしていただきたい、こう思います。お答えをいただきます。
 次に、大蔵大臣にお伺いいたしますが、ゼロ金利政策についてお伺いいたします。
 ゼロ金利は経済を前向きに動かすための緊急措置でしたが、いつまで続けるおつもりですか。この超低金利で、企業の借金利払いが助かるという面もあります。一方、大量の国債発行では金利が高くないと銀行は買ってくれない。逆に、利息が高くなると、膨大な借金を抱える企業は利払いが困難になる。一方、都銀の抱える二十五兆円の国債は、価格が下がると不良資産になります。金利が一・四%上がると五兆円程度の含み損となり、いずれにいたしましても大量の国債を保有することは二重の打撃になるわけであります。
 専門家の皆さんによれば、日銀が供給するお金をふやしても、実際には融資会社に積み上がるか、金融機関に流れても国債保有につながるだけ。銀行の貸し出しはマイナスのままであり、金融システムの構造改革が先決で、景気が上向いたら金融の構造改革をやるというのは間違いだと指摘しております。かつて、渡辺美智雄先生や橋本元総理はつぶれる銀行があっても仕方がないと、よく私は聞きました。どちらがよかったのか反省してみる必要があると思います。
 バブル期には、よくも悪くも土地があり、そこに金が流れてきました。今は何にもないのに投資の話だけでお金が流れる。そもそも銀行の貸し出しが落ちているのに、よりリスクのあるベンチャー企業に対する投資資金が集まる構造もおかしい。インターネットは確実に社会を変えるが、来年そうなるかというと、もっと先の話だとの指摘もあります。それだけに期待しても年数がかかる話であって、それまで国債発行を続けなければならない。
 現在、自由金利定期一千万円以上六カ月で金利がたったの一万円であります。一億円で十万円。二〇%の税金を払うと、それぞれ八千円と八万円になる。
 三月十七日、平成十二年度の公債発行特例法を国会で承認し、二十三兆四千六百億円、建設国債が九兆一千五百億円、合わせて三十二兆六千百億円の国債発行となりました。前国会でも予算案に反対いたしましたが、その理由は、毎年三十兆もの国債を発行しないと予算編成ができないことをどう思うのか、その責任はだれにあったのか、責任が明確でないことと、返済計画がないこと、政府は景気がよくなればと言い続けておりますが、よくならなかったらどうするのか、お伺いをいたしたい。
 大蔵省の財政中期見通し平成十一年から十五年によれば、名目成長率三・五%を前提としても、公債金収入は毎年三十二兆から三十五兆円、公債依存度は最高で四〇%と見通しており、景気が回復しても借金は返せないという状況にあるわけであります。
 三十兆円の国債発行をしても、経済成長率二%で税収増が一兆円である、残りの二十九兆円はどうされるのか。よもや成長率六〇%の達成は考えていないでしょうし、政府の目標は、〇・五か〇・六が国の見通しであります。しかも、利払いが三十兆円、借換債を含めて八十兆円と聞いておりますが、税収は五十兆円ぐらいでしょう。一体、今後どうされるのか、あわせて御答弁をいただきたい。
 とにかく国も地方も、無責任ぶりには国民もあきれ果てていると思います。これが民間企業や国民なら担保を要求されますが、もし仮に役人や我々政治家が担保を求められたら、恐らくだれも賛成しないだろうと思う。本当に無責任だなと、こう思います。多額の国債発行をした人たちが定年退職し、現在の我々もまた予算編成ができないと言っては国債を発行する。そのツケは六百四十五兆円、国民一人当たり五百四十万円。標準家庭で二千百六十万の借金をしても、人ごとのように思っている国民。国民総無責任時代と言わなければなりません。
 三重県の北川知事が大学の先生や専門家にお願いして、三重県が情報公開と評価システムを取り入れ、失敗したときは部長の責任を明確にし、大きな問題で失敗したときはみずから責任をとって退任することを県民に明言いたしました。私は、そのことを先般、北川知事から聞きました。
 その専門家の方々がついでに国のバランスシートもやってみたそうでありますけれども、その結果、国の借金が九百兆円になるとのことでした。
 先般も宮澤大蔵大臣に、このバランスシートをぜひ我が国でもやっていただきたい、ドイツと日本だけがやっていない国だということでお願いをいたしておきましたが、いつごろ取り入れるお考えか、再度お答えをいただきたいと思います。
 次に、特殊法人についてお伺いいたします。
 文芸春秋の五月号、堀内光雄元通産大臣告発手記で、「アラビア石油問題は氷山の一角だ 石油公団は解散しろ」という見出しで、「ペーパーカンパニーに赤字を押し付け、関連会社は丸儲け。 天下り役人の楽園・石油公団の存続を許せば、日本のエネルギー政策に未来はない」ということを、きのう私は読みました。
 国会議員で事業家は少ないと思います。銀行に手形を持っていって苦労した人は一体今何人ぐらいおるでしょうか。その数少ない事業家としての見識の高さを感じました。
 通産大臣時代にも思い切った発言や行動力を見せておりましたが、大臣をおやめになった途端、この問題はだれも問題にしないばかりか、そんなことがあったかなというような感じさえ受けます。まことに不思議な国会で、ここでも、自分のことでないものに対する無関心・無責任さを感じざるを得ません。
 国民の負担に対する思いが国会議員にはないことが、国民の目にどのように受けとめられているでしょうか。それは、政治不信以外の何物でもないということを感ずるべきであります。
 そもそも郵便貯金、簡易保険など、国民が汗を流したお金が財投資金として資金運用部に預託され、特殊法人に貸し出され、その特殊法人のもとで子会社、孫会社と言われるところが利益を出しているとマスコミでは報じられておりますが、しかも、連結決算もない会計検査院の検査もない、国会議員も国民も全くわからないところに政府の補助金、出資金が五兆円も使われている。
 国民から見れば、預金でわずかの利息をもらい、その預金を貸した先の石油公団が一兆三千億、本四架橋が七千億以上の赤字、道路公団、住都公団、東京湾アクアライン等、皆赤字を出して、それに税金を投入してその穴埋めに使われるということを地元で話をすると、全然わからなかった、初めて聞いたという人ばかりで、結局、情報公開がいかに必要かということを理解させ、国民の意識を変えることが今のこの国にとって最も大事なことだと思いますが、総理の御見解を伺いたい。
 現在、財投機関の情報公開で、特殊法人情報公開検討委員会でいろいろと対象機関の検討中でありますが、財投残のあるもので十機関が、情報公開の免除可能性があるものとして東京湾横断道路でありますとか空港公団でありますとか、そういう議論がなされておるようでありますが、特に国民の税金を投入した補助金、補給金を受けた特殊法人はすべて情報を私は公開すべきだと思います。どのように考えておるか、御意見を承りたいと思います。
 行政監視委員会で参考人の方々の意見として、総務庁の行政監察局や会計検査院が統計を出すが実態の把握ができているわけではない、国がシステム全体を把握できていない点が怖い、議会中心のアメリカでは行政を監視する会計検査院は議会の方に置いている、審議会に関して隠れみのと言われるのももっともだと思う、チェックをどのように機能させるか政治の役割だ、行政に対するチェック機能が果たされるようにしてほしい、こういう意見が多かったのであります。
 これに対して総理のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 ここで私はいつも思うのですが、我が国は議院内閣制の国であって、すべて国会議員が責任を持って国民の意思を国政に反映させることになっておりますが、現在は、政府は各種審議会を初め国民会議等をつくり、一体、全体どのぐらいあってその報酬はどの程度支払われているか、おわかりでしたらお答えをいただきたい。
 昨今の警察の不祥事、学校におけるさまざまな問題が起きていますが、最もよくその原因がわかっているのは当事者であって、その衝に当たる者が反省の上に立って改革案を出すべきであって、最も欠点を理解する人たちが大臣を中心に作業をすべきと思いますが、どうお考えですか。
 むしろ、内部調査などは実態解明にほど遠く、外部調査、検査や監査機関をつくるべきであり、議会側に置くべきだと思っております。あるいは、オンブズマンのような民間の活用もあってもよいと思います。
 私の方の調べでは、審議会は平成十年度で二百十二、有識者会議及び懇談会は平成十二年で百九十四ありました。
 例えば、新官邸の基本設計に関する有識者会議は一時間二万二千二百円の報酬、新公邸の整備に関する懇談会報酬、同じようなものがなぜ二つもあるのかわかりません。しかも、報酬も一回九千円もあれば二万一千円、三万円と各省でみんな違う。参考的な意見は、国会議員がリーダーシップをとって決定するべきだと思います。
 総理、私たちのスポーツにはルールがあって、その中では自由にプレーできる。ルール違反にはレフェリーが厳正にペナルティーを課す。選手は全世界共通のルールで試合に挑みます。こんな社会をつくろうではありませんか。
 例えば、公平公正の原則を決め、困っている人は無料、それ以外の人は所得に応じて負担することをルール化すれば、医療でも介護でも、地方の市営バス、地方自治体の病院でも所得に応じてそれぞれ負担する人があって私はいいと思う。国において、この世の中でただというのはないんです。補助金等をいただいて、だれかが負担するからただになるのであって、一つの団体が補助金をもらうが、ほかにも補助金を何百と出すことによって、もらったからといって得にはならないことを国民に知らせるべきだし、すなわち、それぞれの団体が頑張って、自己努力によって、自分の税金の中から数百の団体に出さない方が得だということも国民にやっぱり教えるべきだ、そう思います。
 時間がありませんので、まことに残念ですが、実はきのうになってから急に二十分の質問をしろと、こう言うので、どのぐらいかかるかわかりませんが、もう少し時間をいただいて、あと幾つもありません。
 次に、選挙制度の改革でお伺いをしたいのでありますが、解散は総理の専権事項であるはずが、昨今見ておりますと、いろんな人がいつ解散だいつ解散だと、これは総理のこの権限を無視するものだと私は見ております。
 もともと今の選挙制度は、政権交代可能な二大政党のために、いま一つは選挙に金がかかり過ぎるということで始まったのであります。しかるに、小選挙区制はおかしな面もあるが、もう一つの選挙に金がかかる方は全く手つかずになっております。政治家はみんな選挙に金がかかって大変だと金を集めるのに四苦八苦している姿を見ると、自分たちの権限で決めればできることであります。イギリスは二百万以上かければ失格だということを聞いておりますが、三百万か五百万に決めれば、金を集めることもないし、優秀な若い人たちも出られるようになると思うんです。どうぞ思い切って実行してみたらいかがでしょうか。
 スポーツに例えれば、選挙の制度というのは、これは皆一緒でなきゃならない。例えば、地方の大会のルールと本番の甲子園の大会がルールが違うなどということはあってはならない、こう思います。
 もっとお話をしたいことがありましたが、ただ……
#15
○議長(斎藤十朗君) 田名部君、時間が超過しております。
#16
○田名部匡省君(続) はい、わかりました。
 最後に、同僚の皆さんから、自自公は信頼関係がなくなったので連立を解消したと答弁しましたが、前総理に四月三日に自由党は回答すると言って回答を延期し、小渕前総理の総辞職によって自然消滅したと同僚議員は考えておるようでありますが、いずれにしても総理の再度の御所見をいただきたいと思います。
 この国はおかしいことをおかしいと思わない、そのことが国がおかしくなっている元凶と考えると、警察官の不祥事、自衛隊の不祥事、学校の先生の不祥事、こういうものは教育を通じてよくしていかざるを得ない、こう思います。
 教育は総理のこれは一番得意とするところでありますから、教育には力を入れてそういう国を目指して頑張っていただきますようにお願いを申し上げて、終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣森喜朗君登壇、拍手〕
#17
○国務大臣(森喜朗君) 最初に、有珠山噴火対策についてのお尋ねから入られました。
 政府としてはこれまでも、避難所の生活環境の改善、保健・医療対策、応急仮設住宅の緊急整備への着手など、各般の施策を講じてまいりました。また、四月十七日までには避難指示地域にあるすべての小中学校で始業式が行われる予定であり、さらに避難した児童生徒が最寄りの学校へ円滑に転入学できるように努めているところでございます。
 今後とも、避難されている方々のニーズにきめ細かく、かつ迅速に対応することが必要と考えており、引き続き警戒態勢に万全を期しつつ、地元地方公共団体と協力し、政府一丸となって全力を挙げて取り組んでまいる所存でございます。
 なお、先ほども御答弁させていただきましたが、私も十五日には現地に赴いて、皆様のお話を伺ったり、また御苦労されている皆さんのお見舞いをいたしたいと、そう思っております。
 田名部議員から私に対します祝意もいただきましたこと、心から感謝を申し上げます。
 お話しされましたように、あなたと私は福田先生、安倍先生のもとでともに勉強させていただいたり、またいろんな意味で苦楽もともにしてまいりました。特に、あなたが第一回目の衆議院選挙に出られたときからずっと何度も何度も八戸へ行ってお手伝いをさせていただきました。今こういう立場に立って御激励をいただいたり御質問をいただくというような、こういう関係になるとは夢にも思っておりませんでした。しかし、立場はたがえましても、お互いに国家国民のために、またお互いにスポーツを愛好しておりました、試合が終わりますとノーサイドでありますから、ともに協力して日本のために尽くそうではございませんか。壇上からではありますが、心を込めてお願いをいたしたいと思う次第であります。(拍手)
 小渕前総理の病状の公表についても御丁重なお見舞いとともにございました。青木官房長官が医師団と話し合ったところ、医師団としては、例えば脳梗塞であるとか病名は発表できても、一刻一刻いろいろと変化する病状については家族の了解なしに発表できないとのことでありました。いずれ結果が出ていろいろな報告をする場合はあるにいたしましても、現状においては御家族のお気持ちや医師団のお考えを尊重すべきであると考えております。
 長銀や日債銀などの旧経営陣の退職慰労金の返還についてのお尋ねでありますが、長銀については、同行から頭取経験者を含む旧経営陣二十三名に対し退職慰労金の返還要請が行われた結果、手取り額二十九億九千三百万円のうち五億五千万円が返還され、日債銀については、同行より頭取経験者を含む旧経営陣十六名に対し返還要請が行われ、これまでのところ、手取り額十九億四千百三十万円のうち一億五千二百二十万円の返還が行われているものと承知をしております。
 長銀や日債銀などの処理に要する公的負担の大きさにかんがみれば、これら退職慰労金の返還額が少ないことは極めて遺憾でありますが、いずれにいたしましても、長銀や日債銀を初めとする破綻金融機関については、金融再生法等に基づき、旧経営陣に対する民事・刑事上の厳格な責任追及が行われているところであると承知をいたしております。
 財政改革への取り組みについてのお尋ねでありますが、極めて厳しい我が国財政の現状を見れば、財政構造改革は必ず実現しなければならない重要課題であり、緩やかな改善を続けている我が国経済が本格的な回復軌道に乗ることを見きわめた上で速やかに取りかからなければならない課題であります。
 ただ、まずは我が国経済を本格的回復軌道に確実に乗せることが重要であり、それに向けて全力を尽くしてまいりたいと考えております。
 特殊法人の情報公開の問題についてお尋ねがありました。
 特殊法人の情報公開については、これまでも財務諸表の公表等のディスクロージャーの推進を行ってまいりました。さらに、行政機関情報公開法において、同法公布後二年をめどに法制上の措置を講ずるものとされているところであります。
 これを受け、昨年七月に設置した特殊法人情報公開検討委員会において、特殊法人の情報公開制度その他、これらに関連する制度について、本年七月ごろに報告をまとめるべく検討が精力的に進められているところであります。報告がなされました後は、法案の立案作業に速やかに取り組んでまいります。
 総務庁の行政監察局や会計検査院について御質問をいただきました。
 行政監察は、法律で与えられた権限に基づき、国の行政機関のみならず、特殊法人や国の補助の対象等を含めた行政全般を監察、調査しており、また会計検査院は、憲法及び会計検査院法の規定に基づき、国の収入支出等の財政執行全般について検査を行っております。行政監察、会計検査は、それぞれの視点から、時代の要請に応じて重点的かつ効果的にテーマや項目を選定し実態を把握して改善方策を指摘しており、御指摘は当たらないと考えます。
 会計検査院を議会の側に置くべきではないかとの御意見がありました。
 会計検査院は日本国憲法第九十条にその設立の根拠を持つものであって、会計検査院法においてはその第一条で「会計検査院は、内閣に対し独立の地位を有する。」と規定されており、会計検査院は内閣から独立した機関として他から何ら制約を受けることなく検査業務を遂行していると認識をしております。そして、会計検査院の地位をどのように定めるかは高度の立法政策にかかわる事柄であり、慎重な対応が必要であると考えます。
 国会との関係については、平成九年の国会法等の一部改正により、国会から会計検査院への検査の要請が行われるようになり、今般、参議院からも要請が行われたと承知をいたしておりますが、会計検査院が国会と緊密な連絡、協調を保ち、適正かつ効率的な行財政の執行のため、さらに有効に機能することを期待いたしております。
 審議会等に関するお尋ねがありました。
 審議会等については、今回の中央省庁等改革において、いわゆる隠れみのの批判や縦割り行政の弊害を招いているのではないかとの批判もあることに対応し、行政責任を明確にするため、審議会等の整理及びその公開、委員の人選等運営に関する指針を閣議決定し、これに沿って厳正に対処することといたしております。
 審議会等の総数、報酬についてのお尋ねがありました。
 審議会等については、平成十一年度末現在二百十一を、府省再編時には百七とすることといたしております。懇談会等行政運営上の会合の数については、本年三月の各省庁からの報告によれば、おおむね百九十となっております。
 また、その委員等の報酬等につきましては、審議会については、俸給月額で給与が支払われている常勤の役員はすべて特別職給与法で定められており、最も高い審議会の委員長においては事務次官クラスの給与となっております。また、一般職の非常勤の委員には勤務一日につき三万九千二百円を超えない範囲内の給与が支給されることになっております。懇談会については、その開催目的や時間等に応じて各省庁の判断によって支払われておりますが、出席一回当たりおおむね一万円から三万円程度になっております。
 審議会や懇談会の整理合理化、運営上のルールについてお尋ねがありました。
 審議会や懇談会の運営上のルールづくりについては、平成十一年四月二十七日に審議会等の整理合理化に関する基本的計画を閣議決定し、その中で審議会及び懇談会の運営に関する指針を定め、今後ともその適正な運営を図ることといたしております。
 なお、御指摘の報酬につきましては、それぞれの委員会の性格、委員の職責等を総合的に勘案して適切に定められているものと承知しております。
 金がかかり過ぎる選挙ということに関してのお話でございました。
 選挙制度改革に関するお尋ねでありますが、我が国においても英国ほど低額ではありませんが、公職選挙法により選挙運動に関する支出の上限が定められ、この額を超えて支出がされた場合には連座制の適用があるなど、規制が設けられているところであります。
 また、現行の衆議院議員選挙制度については、従来の個人中心の仕組みから政策本位、政党中心の仕組みに転換することを目指して小選挙区比例代表並立制が導入されたことに伴い、候補者の選定についても政党に幅広い裁量を認める趣旨から重複立候補制度などが採用されたものと承知をいたしております。
 いずれにいたしましても、選挙制度のあり方については、民主主義の根幹にかかわる問題でありますので、各党各会派において十分御議論を深めていただきたいと考えております。
 自自公連立政権の解消についてのお尋ねがありましたが、小渕前総理が倒れられる前夜、具体的には四月一日の夕刻に開かれた自民、自由、公明三党の党首会談において、今後の政権運営の基本的考え方について意見の一致を見ることができず、三党間の信頼関係を維持することが困難なことが確認されており、その時点で自自公連立は事実上解消されたと考えております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣青木幹雄君登壇、拍手〕
#18
○国務大臣(青木幹雄君) 田名部議員にお答えをいたします。
 小渕前総理の御病状に関連して、家族、医師の考えを優先すべきか、公人としての立場を優先すべきかとのお尋ねでありました。
 この点につきましては、ただいま森総理よりお答えしたとおりであり、病名の公表以上に、一刻一刻いろいろと変化する病状について公表することについては、私はやはり家族の気持ちや医師団のお考えを尊重すべきであると考えております。しかし、そういう前提に立ちながらも、総理は公人として最高責任者の立場にあり、一刻たりとも政治の空白があってはならないとの厳しい現実を踏まえ、全力を挙げて取り組んできたつもりであります。
 小渕前総理は今も重い病の床で病魔と闘っておられ、また医師団そして家族は全力を挙げて治療、介護に当たっておられます。一日も早い御回復をお祈りするとともに、でき得れば病状についても静かに見守っていただきたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣堺屋太一君登壇、拍手〕
#19
○国務大臣(堺屋太一君) 田名部議員にお答えいたします。
 将来の財源の確保についての御質問がございました。
 極めて厳しい我が国の財政の現状にかんがみまして、財政の健全化は決して忘れることのできない重要課題であり、我が国の経済が回復軌道に到達いたしました後には多様な手段を活用して着実に財政再建を進めていく必要があると考えております。
 日本は、巨額の国公債を発行する一方で、膨大な国有財産等を持っていることもまた事実であります。かかる観点から、経済審議会の答申「経済社会のあるべき姿と経済新生の政策方針」、これは平成十一年七月八日に閣議決定したものでございますが、そこにおいては、国有財産も不断の見直しを行い、集約化、立体化等で有効活用を図りながら一層の売却を進めるべきものとしております。また、政府保有の株式等についても、積極的に売却を進めることとしております。
 特殊法人につきましては、行政改革の一環といたしまして民営化、事業の整理縮小、廃止等を進めるとともに、ふさわしい組織形態、業務内容の検討を行っているところでございまして、今後ともこれを推進していくこととしております。その過程では、時代の変化に応じまして民営化、株式会社化することが適当であるものも出てくる可能性があると考えております。
 さらに、経済構造の改革を推進して新しい産業の発展と意欲的な起業の創出に努め、経済を活性化することによって歳入の増加を図っていく、そういうような総合的な政策によって、やがてこの財政問題にも考えを広げていきたいというところでございます。(拍手)
   〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
#20
○国務大臣(宮澤喜一君) いわゆるゼロ金利政策につきまして、御承知のようにこれまで日本銀行の政策委員会・金融政策決定会合等において、デフレ懸念の払拭が展望できるような情勢になるまでゼロ金利政策を継続することが適当であるという趣旨の見解が表明されております。
 我が国経済は、ここに来まして自律的回復に向けた動きが徐々にあらわれておりますが、全体としては需要の回復が弱く、公需から民需への円滑なバトンタッチがもう一つである。民需中心の本格的な景気回復の実現になお努めていくことが重要な局面であると思っております。
 いずれにしても、金融政策は日本銀行の所管事項でございますが、一昨日、四月十日に日銀の金融政策決定会合がありまして、当面の金融政策運営について、現在のいわゆるゼロ金利政策を継続するということが決定されたと承知をいたしております。
 それから、国債のことにつきまして御心配いただきまして、まことにそのとおりでありまして、我が国の財政はいわば危機的な状況にあります。
 それで、今後の様子を考えますと、歳出面ではやはりますます高齢化の進展に伴って経費の増が見込まれると思いますし、景気が回復いたしますと、今のような金利では国債を出すわけにはいきませんので、国債費の増が見込まれる、これは必至だと思われます。
 それから、歳入面につきまして、景気が回復いたしますと、それだけの税収の増はあるはずでありますけれども、仮に名目で二%の成長があるといたしまして、弾性値が一・一であれば二・二%でございますから、今五十兆円ぐらいの税収ですと、それだけしても一兆、二兆に足らない増収だということになりますので、どうもその点からも財政は非常に難しゅうございまして、どうしてもやはり抜本的な財政改革をしなければならない。先ほど総理が言われましたような時期において、それをできるだけ早くしなければならないと思っております。
 現実の国債の発行につきましては、市場の動向を見ながら、期間でありますとか金利でありますとか発行条件を十分注意しておるつもりでございます。ただいままでのところではスムーズに発行が行われておりますけれども、常に注意をしておかなければなりませんし、やはり経済が本格的に民需中心の成長になりましたときには、直ちに税制、財政含めまして、財政の抜本的な改革をいたさなければならない、そのような現状でございます。
 それから、バランスシートにつきましていつも御指摘がございまして、現実に各省庁で検討をしてもらっております。まず、現行の公会計制度のもとで各種の計数が存在いたしますから、それを前提としてどういうバランスシートが作成可能かということを、今各省庁で一緒に仕事をしております。
 御承知のように、例えば国が保有する資産、河川もありますし、道路も海岸もございますけれども、これらを企業の資産と同様に見ることはどうも適当ではない。評価をどうするかといったように、営利を目的として運営されている企業とは違います公的部門にいろいろ問題がございますので、その辺をどうするかを今いろいろ議論しておりますが、国の財政事情に係る情報開示として何かなければ、おっしゃいますようにどうも非常に申しわけないと思っておりますので、今各省庁で一生懸命やっておりまして、いずれにしても、夏ごろまでにはこういうものを一応試作いたしましたといったようなものをごらんいただきまして、御批判を受けながら、なお将来に向かって洗練したものにしていきたい、そういう作業の最中でございます。(拍手)
    ─────────────
#21
○議長(斎藤十朗君) 直嶋正行君。
   〔直嶋正行君登壇、拍手〕
#22
○直嶋正行君 私は、民主党・新緑風会を代表して、森総理の所信表明演説に対して質問をいたします。
 質問に入ります前に、小渕前総理を心からお見舞い申し上げ、一日も早く健康を回復されますことを念願いたします。
 また、有珠山の噴火で不自由な生活を余儀なくされておられます被災者の皆様方に、激励とお見舞いを申し上げます。
 森新総理は、我が国が目指すべき姿の一つとして、安心して夢を持って暮らせる国家を掲げられました。しかし、残念ながら、現在、国民の大半は将来に不安を抱いており、安心して夢を持つどころか、逆に心配の種は大きくなりつつあります。このことが財布のひもを引き締め、経済が本格回復しない原因ともなっております。
 国民の生活不安は、経済企画庁の調査に顕著にあらわれています。八割前後の国民が暮らしよい方向に向かっていない、老後の見通しは明るくないと思っており、さらに五割の方が失業の不安なく働けると思っていない状況です。いずれも調査開始以来最悪を記録しています。
 森総理は、小渕前総理の政策を継承すると述べられましたが、それは選挙目当ての公共事業を中心とした業界や団体へのばらまき対策を続けることにほかならず、国民生活に係る不安を解消するための有効な手だてを打ってこなかった先送り内閣の継承を意味します。
 国民の先行き不安の主たる原因は、一、雇用情勢の悪化と所得の低下、二、一向に抜本改革が進まない社会保障制度に対する不信、三、累増する財政赤字に対する増税不安、この三つであります。
 森総理にこの三つを中心に御見解をお伺いいたします。
 まず、雇用対策について伺います。
 二月の完全失業率は、これまで最悪であった四・八%を超え、四・九%に達しました。完全失業者数は実に三百二十七万人であります。三月の完全失業率は、新卒未就業者が加わること、企業倒産が前年比で昨年末以降急増していることから、さらにワースト記録を更新すると言われています。
 また、失業の内容も構造的な深刻さを増しております。
 一つは、倒産やリストラによる非自発的失業者が百十五万人にも上っていることです。
 二つ目は、リストラのあらしにさらされている中高年、つまり世帯主の失業率が過去最悪を記録していることであります。平成十年には二・九%であったものが、平成十一年は三・三、そして本年二月には三・六%に達しています。
 三つ目は、失業期間も長期化していることであります。失業期間が一年以上の方は全体の約二割もおられ、また年齢が高くなるほど厳しく、五十五歳以上では約三割もの人が一年以上職につけないでいます。つまり、我が国の雇用失業情勢は最悪の事態と言わざるを得ません。
 総理には、家族を抱えて職のない人々の苦しみがおわかりになりますか。現下の雇用失業情勢の深刻さをどのように認識しておられるのか、伺います。
 このような状況は、政府によるばらまき型財政出動や雇用創出と銘打った助成金が雇用情勢の回復には全く役立たなかったことを雄弁に物語っています。政府は有効な手だてを全く打たなかったのです。むしろ逆に、雇用面の手当てをせずに、企業の競争力強化を理由に、その組織変更を容易にできる法整備や産業活力再生法など、リストラ促進のための制度だけを急ごしらえで整えるという失政を犯したのです。これらの法律が効果を発揮するのはこれからであり、事態はますます悪化すると思います。
 総理は、政府のこれまでの雇用対策をどう評価されますか。そして、万全を期すと言われた総理の雇用対策は具体的にどのようなものなのか、お答えいただきたい。
 具体的な雇用対策のあり方について、二点、総理の見解を伺います。
 一つは、企業組織再編に伴う労働者の保護についてであります。
 今国会に企業分割の場合の労働契約の承継を規定する労働契約承継法が提出されておりますが、営業譲渡や合併は対象としておらず、また企業再編を理由とする解雇の禁止や労使間の事前協議も規定されていないなど、極めて不十分な内容であります。雇用情勢のさらなる悪化を回避するためにも政府案の全面的な見直しが必要と考えますが、総理の御見解をお伺いいたします。
 もう一つは、雇用対策の財源の問題であります。
 平成十二年度の労働省予算を例に挙げますと、雇用関連の主要施策の一般会計の額は約四千億円ありますが、このうち約三千三百六十億円が雇用保険の国庫負担分として失業給付等に充てられるのです。したがって、政策的な雇用創出などに使うことのできる財源はわずか六百億円程度で、それも大半は雇用対策以外に使われています。政府の雇用対策のほとんどは、事業主の共同連帯事業である雇用保険三事業を財源としています。
 つまり、政府は失業手当の補助金以外は自前で政策を打っていないということなのです。これでは、政府は雇用対策をやる気がないと言われても返す言葉がないと思いますが、総理、いかがですか。
   〔議長退席、副議長着席〕
 次に、社会保障制度について伺います。
 総理が所信表明で述べられた、将来にわたり持続的、安定的で効率的な社会保障制度の構築に異論を唱えるものではありません。しかし、このことは何年も前から指摘されてきており、政府も国民にその実現を約束してきたことで、今さらの感がぬぐえません。
 いつまでたっても抜本改革の道筋を政府が示すことができないため、国民が自分の将来設計を描けず、不信と不安から自己防衛せざるを得ない状況に追いやっているのです。
 政府は、例えば基礎年金の思い切った見直しや医療保険制度の抜本改革など、基本的な改革、構造的な改革を先送りする一方で、介護保険の保険料徴収の凍結や高齢者の薬剤費の一部自己負担免除など、場当たり的な継ぎはぎにより制度をないがしろにしてきました。その結果、国民の社会保障制度への信頼を失わせてしまったのです。
 特に、先月、与党のごり押しで成立した年金法改正は、現下の厳しい雇用情勢や経済情勢を考えると、まさに最悪の時期に最悪の法案が成立したと言わざるを得ません。本来、国民に安心感をもたらすはずの年金制度が逆に不安と不信をあおっているのです。
 総理は、こうした国民の社会保障制度への不信や不安をどのように受けとめて、どう対処されようとしているのか、お伺いいたします。
 我が国の年金制度運用の歴史を振り返ると、五年ごとに財政再計算を行い、その都度、抜本改革と称して給付の切り下げと保険料の引き上げを繰り返してきました。こうしたやり方が国民の信頼を失うことにつながっており、もう限界に達していることはだれの目にも明らかであります。
 国民年金の空洞化の問題や女性年金権の確立などの問題とあわせて、老後の所得保障として年金制度を根本的に再構築すべきと考えますが、総理はどのような構想を持っておられるのか、お伺いいたします。
 次に、医療制度であります。
 政府は、平成九年の医療費負担増額の際、国民に医療制度及び医療保険制度の抜本改革をすると約束しました。平成十二年度には薬価制度や診療報酬のあり方、医療提供体制や高齢者医療制度等の抜本改革を行うというものでした。ところが、今回提出の健康保険法等の改正案の内容を見ると、そのような抜本的な改革の中身は何も織り込まれず、すべて先送りされています。
 ちなみに、この法律も予算関連の重要法案として今国会に提出されていますが、衆議院の方でお伺いをいたしますと、審議をどうするか、与党の皆さんの方からいまだに何の相談もないようであります。これはなぜそうなっているのかよくわかりませんが、巷間さまざまに言われていることは議員の皆さん御承知のとおりであります。
 この議論はまた改めて別の場で行うといたしまして、総理にお伺いしたいことは、約束したことを守れない社会保障行政にだれが信頼してついてくるのでしょうか。総理の御見解をお聞かせいただきたい。
 三つ目の不安である財政赤字についてお伺いいたします。
 小渕前総理は、二兎を追う者は一兎をも得ずという例えで財政問題への着手は景気の回復が軌道に乗ってからとおっしゃったが、その考えも継承されるおつもりですか。まずお聞かせ願います。
 相次ぐ国債の増発により、国と地方を合わせた借金は六百四十五兆円にも達します。この二年間の景気対策と称した借金の上乗せ額約百十六兆円は、それにふさわしい効果があったと総理はお考えか、御説明願います。
 国民は、膨大な借金を抱え、一向に減らない財政赤字の解消にはいずれ増税が待ち構えていることを看破しています。総理に伺いますが、財政再建の一つの選択肢として増税もお考えになっておられるのか、御見解をお聞かせいただきたい。
 また、財政再建に着手するタイミングは別としても、国民の将来不安を払拭する上でも財政構造改革のビジョンを早急に示す必要があると思いますが、いつごろ取りまとめるお考えか、お聞かせいただきたい。
 次に、公共事業について伺います。
 総理は二十一世紀型社会資本の戦略的整備を公共事業に臨む姿勢として述べられましたが、公共事業のあり方にも問題が指摘されています。
 各省庁の固定的な予算のシェア配分によって、現状では国民が本当に必要としている社会資本に対して十分な投資が行われていないなどの問題点が明らかになり、マスコミでも多数取り上げられています。
 長期計画策定の段階から事業の完成まで、どの段階においても事業の目的、必要性について十分な説明をしているとは言いがたく、外部からのチェックが働いていないのが現状であります。
 民主党は、国民の代表である国会議員が、国民に開かれた場である国会で、公共事業の全体像、個別事業について十分に審議できるシステムをつくることをコンセプトとした、公共事業をコントロールする法案を検討いたしております。
 ぜひ、総理のリーダーシップを御発揮いただき、こうした法案に御賛同いただければと思いますが、御見解をお聞かせいただきたいと思います。
 最近の予算編成を見ますと、財政規律が緩み、放漫財政の傾向が一段と顕著であります。
 例えば、予算上予備費という枠があるにもかかわらず、それとは別に設定している公共事業等予備費や、総額の七割を補正予算で充当し、シーリング逃れを繰り返してきたウルグアイ・ラウンド農業対策費、総理枠、与党枠と言われる選挙対策の地域ばらまき型の公共事業予算等であります。総理に伺いますが、前内閣を継承し、これらを容認して予算編成に臨まれるのでしょうか。御見解をお聞かせください。
 次に、森総理の経済構造改革への取り組みについて伺います。
 総理は、我が国について経済は明るさを増しつつあると表現されました。しかし、個人消費は、将来不安が原因で回復に向けた動きは不透明なままであります。設備投資も、IT関連産業の伸びは高いものの、全体としてはまだ不安定な状況にあります。皮肉なことに、政府が百十六兆円もの借金の多くを費やした公共事業関連の従来型産業は全く回復していないのであります。極論すればこれらはむだ金であったとも言えます。
 この事実が意味するところは、従来型の公共事業がもはや景気回復の有効な手段になり得ず、まして構造改革には結びつかないということであり、一兎を追おうとした前総理の経済政策は間違っていたということではないでしょうか。総理はこの政策の誤りを正していくおつもりがあるのか、御見解をお伺いいたします。
 一方で、規制改革は、財政を深刻化させることなく民間活力を引き出すことができるわけで、情報通信や金融サービス分野などでの規制緩和の効果を見ても、国民経済発展への貢献は実証されています。
 総理も規制改革の一層の推進を掲げられましたが、つい先日、三月三十一日に決定された規制緩和推進三カ年計画の再改定の過程では、規制緩和に反対する自民党内の議連に名を連ね、タクシー事業や酒類小売免許の需給調整規制の廃止に反対されていたと聞いております。既得権益擁護と規制改革は両立せず、二兎を追うことは不可能と考えますが、総理はどちらを追うおつもりなのでしょうか。明確にお答えいただきたい。
 規制改革の着実な実施に向けてかぎを握るのは実行体制にあります。以前の行政改革委員会は、法律に基づき内閣への勧告権を持つ組織として設置され、大店法の見直し、航空事業の参入規制見直しなどの成果を上げました。しかし、現在の規制改革委員会は、総理を本部長とする行政改革推進本部の下部組織の位置づけで、勧告権も与えられていません。このため、規制改革のテンポや内容が明らかに後退しています。
 そこで、総理が規制改革の一層の推進を言われるなら、勧告権を持つ強力な規制改革推進組織をつくるべきであると考えますが、御見解を伺います。
 ペイオフ凍結解除の一年先送りについて伺います。
 越智前金融再生委員長就任以来、金融改革のスピードが後退しているように見受けられます。このままだと、日本の金融は再び市場の信認を失うことになりかねないと危惧されます。ペイオフについては、既に九五年に政府は二〇〇一年三月末の凍結解除を決めており、五年もの猶予期間があったにもかかわらず有効な対策を実施せず、ペイオフ凍結解除の一年三カ月前、昨年末になりますが、ごたごたの末、また延期を決定しています。総理に、決定の経緯と理由について御説明願います。
 ペイオフ解禁の圧力が緩んで金融界の危機感が薄れれば、再編整理は進まなくなります。また、金融機関は、預金者の選別というプレッシャーから経営健全化に向けた努力を急いできましたが、ペイオフの凍結解除の延期はその機運をそぐことになります。総理の御見解を聞かせていただきたい。
 また、そのために、交付国債を原資とする公的資金枠を存続させる必要が生じ、財政の悪化を招くことになります。小渕前総理や宮澤大蔵大臣は、再三、延期はしないと発言されていたにもかかわらず、与党の選挙対策優先の先送りに屈しました。政府の見識と責任が問われると思いますが、御見解を聞かせていただきたい。
 最後の質問になりますが、先ほど田名部議員もお触れになりましたが、史上空前の金融不安をもたらした原因と真相の解明及び経営責任を厳格に追及するため、国会で徹底した真相究明ができるよう、一九三〇年代の米国の例に倣い、日本版ペコラ委員会を設置することを提案いたしたいと思います。総理に御賛同いただけるかどうか、お伺いいたします。
 最後に申し上げますが、森総理は、前政権から閣僚も政策も継承し、さらにキャッチフレーズまでもお借りになって内閣をおつくりになりました。所信表明演説でも、目新しい理念や政策はみじんも感じ取ることができませんでした。私がるる述べてまいりました国民生活に関連する諸課題に対し、総理が前政権と同様の政策をそのままお続けになるのであれば、国民の将来不安や政治不信はますます高まるだけであります。政策転換の決断ができないのなら、一刻も早く解散・総選挙を決断されることが森総理に課せられた唯一の使命であることを申し上げ、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣森喜朗君登壇、拍手〕
#23
○国務大臣(森喜朗君) 現下の雇用失業情勢については、有効求人倍率など一部に上向きの指標も見られるものの、二月の完全失業率が四・九%と過去最高水準となり、また世帯主の失業率についても過去最高の三・六%になるなど、依然として厳しい状況にあるものと認識しております。人々の雇用不安の解消のため全力を尽くしてこの対策に当たってまいりたい、こう考えております。
 雇用対策について各般からのお尋ねでありますが、政府は一昨年四月以来四度にわたる雇用対策を講じ、これらの対策が雇用失業情勢に一定の下支え効果を発揮しているものと認識しております。今後とも、政府全体で緊急雇用対策や経済新生対策等を積極的に推進し、国民の雇用不安を払拭するため雇用対策に万全を期してまいります。
 具体的には、厳しい雇用失業情勢の影響を強く受けている中高年の非自発的失業者や学卒未就職者を重点にした雇用対策、中小企業の創業支援や大規模なリストラの実施により大きな影響を受ける地域における雇用創出対策等を行うことにより、雇用の創出・安定、再就職の促進、能力開発に全力で取り組んでまいります。
 労働契約承継法案についてのお尋ねですが、この法案は商法における会社分割制度の導入に伴って必要となる労働者保護を図ろうとするものであります。
 御指摘の営業譲渡や合併に伴う労働者の承継については、判例法理や現行法制で対応することが適当であると考えております。また、企業組織の再編のみを理由とした解雇は判例法理に照らして許されず、労使協議は労使の自治により行われることが適当と考えており、労働契約承認法案の見直しは必要ないものと考えております。
 財政面からの雇用対策についてのお尋ねでありますが、現下の厳しい雇用失業情勢に対応するため、平成十二年度においても、雇用対策関係経費として総額約四兆三千四百億円、そのうち一般会計として約四千五百億円の予算を計上しており、政府としては必要な予算を措置しているものと認識しております。
 今後とも、一般会計による施策と雇用保険三事業による雇用対策を総合的かつ効果的に実施することにより、雇用の創出・安定を図り、国民の雇用不安が払拭されるよう全力で取り組んでまいります。
 社会保障についてのお尋ねですが、社会保障制度については、急速に少子高齢化が進行する中で、国民の間にその将来に不安を感じる声も出ており、生涯を安心して暮らせる社会を築くため、持続的、安定的で効率的な制度を構築することが必要であると考えております。
 このため、政府としては、これまでも年金制度改正等の諸課題に精力的に取り組んできたところであり、今後とも、さきに設置された社会保障構造の在り方について考える有識者会議の議論も踏まえ、国民の理解を得ながら、年金、医療、介護などの諸制度について横断的な観点から検討を加えてまいります。
 年金制度を抜本的に再構築すべきではないかとの御指摘でございましたが、国民の老後を支える年金制度については、将来の少子高齢化の進行や経済基調の変化を踏まえながら、将来にわたって安心して信頼できるものにしていかなければならないと考えております。
 このため、将来世代の過重な負担を防ぐとともに、適正な水準の給付をお約束するとの考え方に立って年金法改正を行ったものであり、これにより制度に対する国民の信頼を揺るぎないものとすることができるものと考えております。
 今後とも信頼できる年金制度の確立のため努力してまいります。
 医療制度の改革についてのお尋ねでございますが、急速な高齢化などにより医療費が増加していく中で、医療制度の改革は重要な課題と認識をいたしております。
 平成十二年度においては、薬価差の縮小とあわせ、医療の質の向上を図る観点から、薬価と診療報酬の改定を行うとともに、現在国会に提出している健康保険法等の改正案においては、老人の患者負担について月額上限つきの定率一割負担制を導入することなどを盛り込んでいるところであり、抜本改革に向けて第一歩を踏み出したと考えております。
 極めて厳しい我が国財政の現状を見れば、財政構造改革は必ず実現しなければならない重要課題であり、我が国経済が本格的な回復軌道に乗ることを見きわめた上で速やかに取りかからなければならない課題であります。
 ただ、まずは緩やかな改善を続けている我が国経済を本格的回復軌道に確実に乗せることが重要であり、それに向けて全力を尽くしてまいりたいと考えております。
 過去二年間の景気対策の効果についてのお尋ねがありました。
 我が国経済は、金融システムに対する信認の低下などを背景として、平成九年秋以降、五四半期連続のマイナス成長を続け、デフレスパイラルに陥るのではないかとの懸念すらありました。
 しかしながら、政府・与党が大胆かつ迅速に取り組んできた広範な政策の効果もあり、我が国経済は、雇用情勢などの面で厳しい状況をなお脱していないものの、緩やかな改善を続けております。設備投資を初めとする企業活動に積極性が見られるなど、自律的回復に向けた動きも徐々にあらわれ、経済は明るさを増しつつあります。
 政府としては、この期を逃さず、今後とも公需から民需へのバトンタッチを円滑に行い、景気を本格的な回復軌道に乗せていくよう全力を尽くしてまいります。
 財政再建の一つの選択肢としての増税についてお尋ねがありました。
 先ほども申し上げましたとおり、財政構造改革については、まずは我が国経済が民需中心の本格的な回復軌道に乗ることを確認することが必要であり、現時点ではその中身について具体的に申し上げられる状況にないと考えます。
 いずれにせよ、将来の税制のあり方については、公平、中立、簡素といった租税の基本原則等に基づきながら、今後の少子高齢化の進展など経済社会の構造変化や財政状況等を踏まえ、国民的な議論によって検討されるべき課題であると考えております。
 財政構造改革のビジョンをいつごろまとめるかについてのお尋ねでありましたが、財政構造改革は、我が国経済が本格的な回復軌道に乗ることを見きわめた上で速やかに取りかからなければならない課題であり、単に財政面のみの問題にとどまらず、税制や社会保障のあり方、さらには中央と地方との関係や経済社会のあり方まで視野に入れて取り組むべき課題であると考えております。
 ただ、常々申し上げておりますように、まずは緩やかな改善を続けている我が国経済を本格的回復軌道に確実に乗せることが重要であり、それに向けて全力を尽くしてまいりたいと考えております。
 公共事業の目的は、国民の安全で豊かな暮らしや活力ある経済発展を支えるための社会資本を整備することであり、国民のニーズも十分踏まえつつ、必要な事業を行ってまいります。
 また、長期計画の作成に当たっては審議会等の外部の意見を聴取しているところであり、さらに費用対効果分析、再評価システムの活用により事業の各段階ごとに評価を実施するなど、国民の目から見てわかりやすい事業の実施に努めております。
 なお、公共事業に関しては、予算において事業ごとに所要額を計上し、国会の議決を得るとともに、個別の公共事業の箇所づけについては予算成立後速やかに公表し、事業の透明性の向上に努めております。
 最近の予算編成は財政規律が弛緩しているのではないかとのお尋ねがありました。
 各年度の予算編成においては、その時々の経済情勢、直面する政策課題の優先度等を見きわめ、限られた財源の中で必要な施策に配分を行っており、御指摘の公共事業等予備費、ウルグアイ・ラウンド農業合意対策、特別枠等についてもこうした考え方に基づいて措置したものであり、これらについていやしくも放漫財政やばらまきといった御批判は当たらないものと考えております。
 今後とも、予算編成に当たっては、従来の予算配分の考え方にとらわれず、個別の施策が効率的なものとなるよう不断の見直しを行うとともに、我が国将来の経済社会の発展に真に必要となる施策に重点的、効率的な配分が行われるよう全力を尽くす所存であります。
 構造改革についてのお尋ねがありました。
 日本経済新生のためには、景気回復と経済の構造改革を車の両輪として進める必要があり、単に景気を立ち直らせるだけではなくて、本格的な景気回復と構造改革の二つをともに実現することが重要であります。
 このような認識のもと、政府としては、これまでも公共事業を初めとする景気回復策とともに、企業関連諸制度の改革、中小企業・ベンチャー企業の振興、技術開発の活性化、高コスト構造是正のための抜本的な規制緩和、金融システム改革等、日本経済の構造改革を着実に実施してきております。
 今後も、二十一世紀型社会資本の戦略的な整備や規制改革の一層の推進、科学技術の振興などの構造改革を強力に推進し、またIT革命を起爆剤とした経済発展を目指すなど、二十一世紀における新たな躍進を目指した政策に取り組み、本格的な景気回復と構造改革をともに実現するために全力で取り組んでまいります。
 規制改革の推進についてお尋ねがありました。
 規制改革は、我が国経済社会の抜本的な構造改革を進めていく上で極めて重要な課題であると認識しております。政府としては、去る三月三十一日に規制緩和推進三カ年計画の再改定を行ったところであり、今後これを着実に実施に移していくなど、引き続き規制改革の一層の推進に努めてまいる所存であります。
 強力な規制改革推進組織をつくるべきとの御指摘がありました。
 規制改革委員会は、総理である私を本部長とし、全閣僚で構成する行政改革推進本部のもとに置かれているものであり、その見解は行政改革推進本部の決定を経て規制緩和推進三カ年計画の閣議決定に最大限盛り込まれる仕組みとなっており、これにより規制改革の着実な推進が図られているところであります。したがって、規制改革委員会の機能は十分に果たされており、あえて改める必要性はないものと考えております。
 ペイオフ解禁の一年延長の決定の経緯と理由についてのお尋ねですが、ペイオフの解禁時期の問題につきましては、与党間における真摯な論議の末、昨年末、一年延長することが適当である旨の合意がなされたところであります。
 本件につきましては、政府といたしましても、我が国の経済を確実に安定軌道に乗せるためには、一部の中小金融機関について、経営の一層の実態把握を図り、その改善を確実なものとすること等により、より強固な金融システムの構築を図る必要があるとの観点から、与党間の合意も踏まえ、ペイオフ解禁の一年延長の措置をとることが適当と判断したものであります。
 政府といたしましては、平成十四年三月末までの間に、与えられた枠組みを活用してさらに強固な金融システムの構築を図るべく最大限の努力を行うことが重要と考えております。
 ペイオフ凍結解除の延期は金融機関の経営健全化の機運をそぐのではないかとのお尋ねがございました。
 金融取引の多様化、国際化の進展に伴い競争が激化する中で、個々の金融機関においては、収益性向上、自己資本充実等による経営の健全性確保に努めているほか、他の金融機関との統合や業務提携等の再編の動きが急速に進んでいるところであります。これらの動きはまさに生き残りをかけて行われているものであり、ペイオフ解禁の一年延期により金融機関の努力が緩められることはないと考えます。
 いずれにしても、政府としては、平成十四年三月末までの間に、与えられた枠組みを活用してさらに強固な金融システムの構築を図るべく最大限の努力を行うことが重要と考えております。
 ペイオフ解禁の一年延長の決定は、与党の選挙対策優先の先送りに屈したものであり、政府の見識と責任が問われているのではないかとのお尋ねがありました。
 今回の決定は、先ほど申し上げましたとおり、より強固な金融システムの構築を図る必要があるとの観点から、ペイオフ解禁の一年延長の措置をとることが適当と判断したものであり、与党の選挙対策優先の先送りに屈したものではございません。
 なお、今回の決定に伴い財政悪化を招くことになるとの点について申し上げれば、金融監督庁設立後、現在までに検査の一巡していない信用金庫及び信用組合についても、平成十二年度末までには検査が一巡する見込みであり、仮に経営状況の回復の見込みがないと判断されるものがあれば、金融再生委員会及び金融監督庁においてできるだけ早期に破綻処理を行うことになります。
 したがって、ペイオフ解禁の一年延長に伴って国民負担が大きくふえることはないと考えております。
 日本版ペコラ委員会の設置についてでありますが、委員会の設置にかかわる問題は国会において御論議いただくべき事柄であると考えておりますが、いずれにいたしましても、破綻金融機関については、金融再生法の規定に基づいて経営破綻に至った原因の調査が行われているほか、その旧経営陣に対して民事・刑事上の厳格な責任追及が行われているものと承知いたしております。
 以上、御質問に対してお答えを申し上げましたが、最後に、小渕総理の政策をそのまま引き継ぐのですかという、そういう確認のお尋ねがあったような記憶をいたしておりますが、たびたび申し上げておりますように、突然の小渕前総理の急病によりまして、私がかわってその政権をお受けしたわけでございます。
 したがいまして、前小渕政権の閣僚によって、この政策課題が国民の皆さんの前で今御討議をいただいております。予算も自自公三党で予算編成をし、その関連法案も今御審議をいただいていることになります。
 したがいまして、私どもとしては、自由党の離脱はございましたけれども、自由党の皆さんの過半数を超える皆様が引き続き連立を維持していこうというお申し出がございまして、ありがたくそれを受けとめまして、今の政権を私がお引き受けしている以上は、小渕前総理のお考えに基づいて今の政権を運営していくことは当然であろうと私はそう考えております。(拍手)
    ─────────────
#24
○副議長(菅野久光君) 扇千景君。
   〔扇千景君登壇、拍手〕
#25
○扇千景君 私は、森内閣総理大臣が所信を言われましたので、それに対し、いささかの質問を自由民主党・保守党を代表して伺いたいと思います。
 人柄の小渕と言われた小渕内閣前総理大臣が、自自公連立の三党首会談で四月の一日午後六時から、その会談を終えられて約六時間後に体調の変調で入院されたと伺っております。
 ところが、その件に関しまして国会論議では、やれ、うその報告をした、いや、密室で総理を決めたなどなど、国会論議としてまことに非建設的な論議がまかり通っております。我々は、日本人として思いやる心を忘れてしまった人間なんでしょうか。私どもは、そういうことに関しては少なくとも最低限のルールというものを守るべきであろうと思います。
 そして、私はこの壇上から拝見をいたしまして、共産党以外のほとんどの政党会派は一度与党の経験のある方ばかりでございます。まして、その政党の中には、かつての総理大臣を各党の役員にいただいている政党がたくさんございます。野党とはいえ、一度、内閣総理大臣の席に着いたときに、官邸の危機管理ができてないということを重ねて反省すべきであります。その現実が今ここに起こっているわけでございます。
 ですから、私どもはもっと国会議員として、党派を超えてこの官邸の危機管理、国の危機管理に対して議論を闘わすことが私は国会の役目であろうと存じます。まして、密室で総理大臣を決めたということはありません。
 森内閣総理大臣、衆議院では御存じのとおり三百三十五票、参議院では百三十七票と、堂々と国会で選ばれた総理大臣であります。大変失礼ですけれども、お見受けするところ、お体には自信があるようでございます。どうか、私はラグビーのタックルをするような勢いで森政権としてすばらしい成果を残していただきたい。まして、ことしはミレニアムの記念の年でございます。そのときに、第八十五代の総理大臣として立派な業績を残していただきたいことを切に要望しておきます。
 青木官房長官は、四月の二日午前二時以後、各種の報道陣あるいは国会答弁に奔走されております。まさに、四月のこの二日以後の官房長官の女房役としてのお役目そしてその職責の果たし方は、何人分の女房役にも値する立派な姿勢でございます。けれども、私どもはそういう意味で、今回はこの大事な官邸の危機管理ができてないということを、ぜひ官房長官として、内閣の危機管理にこの際、これだけの経験をしたのですから、立派な官邸の危機管理を具体案を出していただいて頑張っていただかなければ、みんながただ責めるだけでは青木官房長官を第二の脳梗塞者にしないかと心配でなりません。
 私どもはそれぞれ、あすは我が身かもしれないんです。みんなで知恵を出して、これをやり遂げていきたいということを官房長官の御意見を聞きながら伺いたいと思います。
 そして、私がこの場に立っておりますときも、北海道では有珠山の噴火によって一万三千人以上の人たちが避難所に生活をしていらっしゃいます。
 八日の土曜日に私は北海道伊達市の三カ所の避難所を慰問してまいりました。けれども、私どもは、その避難所の皆さん方が、苦しい中で、しかも全くプライバシーがないこの避難所の生活の中で、皆さん方のストレスはピークに達しておりました。けれども、その皆さん方がおっしゃる私はありがたいお言葉を聞きました。それは何かといいますと、苦しい避難所の生活の中で多くの方が笑顔を絶やさなかったということと、皆さんが、扇さん、ありがたいんです、北海道を初め北海道庁、そして二十一省庁がこの私たちのために力いっぱいやってくださっていることが、本当に何の不自由もないんです、食べるものも不自由がありません、ありがたいことですということをおっしゃいました。
 私は、そういう意味では皆さん方の精神的なストレスというものはこれからが勝負だと思います。今この壇上に私が立たせていただいているときにも、多くの皆さんは、全くプライバシーのない、段ボールを隔てただけのところで我慢していらっしゃいます。そういう意味で、私は、ぜひこれからの皆さんの御協力と、そして現地に入って伺いましたら、北海道開発庁長官であり運輸大臣の二階大臣が有珠山の周りをヘリコプターで視察をしているときに第一回の水蒸気爆発が起こったということで、現地の人がおっしゃるには、世界の中で大臣が視察中に噴火をしたのはだれも経験がないことだということで、二階大臣はその第一号だということでございました。
 どうかこれは、御自身が北海道開発庁長官としてこれを天命だと思って、地域の災害援助のみならず、北海道全体の経済の落ち込みに対しても万全の対策をとっていただきたいことを心からお願い申し上げ、お考えがあればお聞かせいただきたいと存じます。
 それから、小渕前内閣総理大臣が沖縄サミットに対して熱々たる情熱を傾けていらしたことが、沖縄の皆さん方を初め国民にもその熱意は伝わっております。けれども、今病床にあられて、沖縄サミットに対するお気持ちがいかばかりかと察するに余りあるわけでございます。そういう意味では、森内閣総理大臣としては、この沖縄サミットの前内閣総理大臣小渕総理のお気持ちを察して、そしてその熱意を引き継いで、私は、この沖縄サミットを成功させることこそが何よりも世界に対して日本の政治の安定と国民の秩序ある行動を示す最高の平和外交であろうと存じます。
 どうか、森総理大臣のお気持ちと、外務大臣としての御心情をお聞かせいただければありがたいと思います。
 さて、昨年の通常国会にまず自自連立がスタートいたしました。そして、秋から今度は自自公の三党連立になりました。この成果というものは、皆さん御存じのとおり、中央省庁の再編であるとかあるいは地方分権、情報公開、そして定数削減、国旗・国歌法案、憲法調査会の設置等々、一党ではなし得なかった政策が三党連立によって成果を上げたわけでございます。これは、戦後政治の中ですばらしい成果を初めて上げ得たわけでございます。(拍手)
 ところが、これからまだまだ、有事法制、安全保障、そしてまだ憲法の問題の論議は緒についたばかりでございます。あらゆることが、これから三党の連立の政策合意が残っております。ところが、この政策のスピードが速くないということで、私たちがいただいておりました小沢党首はもっと早く早くやれという御声明でございました。けれども、皆さんも御存じのとおり、私どもは、余り早く早くと言われましても、できないこともございます。例えば、婚約しておりましても、早く式を挙げて早く結婚をと、早く早くと言われるとだんだんと愛情が薄れて信頼が崩れてまいります。私どもは、そういう意味では、何としてもこの政策を実行するためには三党の連立を維持して政策を実行するということを選んだわけでございます。そういうことで、改めて自由党の過半数を上回る国会議員で、小さいけれども保守党を立ち上げたわけでございます。
 私どもは、これからの政策実行、残されたもの以外にも新しい政策の提言をしていきたいと思っております。前進することでございます。そして、今度は保守党として皆さん方とともに三党連立を組んで実行していくわけでございますけれども、その小さな一端を皆さん方に申し上げたいと思います。
 私は五つのかぎを申し上げたいと思います。
 まず第一は家庭のきずなのかぎでございます。第二は社会秩序を守るかぎでございます。第三は国の安全を守るかぎでございます。第四は世界の中の日本を見直すかぎでございます。そして、最後の五つ目は二十一世紀への明るい扉を開くかぎでございます。
 そういう意味で、皆さん方のこの国会の中の論議の中におきましても、家庭のきずな、心のきずなのかぎというものを大事にしなければならないと個々に秘しているものがあるわけでございます。人権を尊重し、親しき仲にも礼儀あり、お互いを思いやる心がなければならない時代がやってきております。
 そして、社会秩序を守るかぎも大事でございます。
 社会生活の中で最低のマナーを守るべきであります。そして、小学校、中学校、高校と、その年代に合ったボランティアを経験して社会人となるべきであります。人間としてあるべき普遍的な道徳を重視して、少なくとも共同体の一員として自覚と責任を持った社会人とならなければなりません。
 国の安全を守るかぎは当然のことでございます。
 五年前の阪神・淡路大震災、あの地下鉄サリン事件以来、日本の安全神話はもろくも崩れ去ったのであります。けれども、私どもは、その神話を回復するためには、今から大きな行動をしなければこの安全神話を復活させることができないわけでございます。
 治にあって乱を忘れず、これは今こそ私どもが安全というものに対して諸施策を実行しなければならないということが国の安全の基本的なことでございます。今の有珠山を見ても、自衛隊があれだけ活躍しているにもかかわらず、憲法の中にその位置づけがないということも大きな問題であります。まして、憲法論議の中で、憲法学者の中でさえ護憲だ論憲だと言って、これは違憲だと言って憲法の解釈一つ学者でさえ意見が違うということが国民にわかろうはずがありません。もっと我々は国民の皆さん方にわかりやすい憲法を新しい二十一世紀につくるべきであると考えております。
 そして、世界の中にある日本の位置というものが果たしてどうあるべきかということもこの沖縄サミットのある年に改めて考えていきたいと思います。
 戦後日本の総決算のときであります。一国平和主義では世界に孤立する日本になってしまいます。私どもは、著しい社会のモラルの低下、あるいは自分勝手なエゴイズムのはんらん、風俗の乱れ、あらゆる自国の悪い面のみを強調する自虐的な歴史教育ではなくて、世界に貢献できる日本人をつくるべきであります。
 明るい二十一世紀の扉をあけるために、日本は資源もなく、世界のどの国にも例を見ないスピードで少子高齢化社会を迎えるわけであります。私たちは、それらをすべてこの自公保の連立政権によって明るい二十一世紀の扉をあける、保守党は小さな政党でも、その大事なかぎの役目を果たしたいということを皆さんにお誓い申し上げて、質問を終わりたいと思います。(拍手)
   〔国務大臣森喜朗君登壇、拍手〕
#26
○国務大臣(森喜朗君) 熱烈な林寛子議員のお話を承っておりまして、立場とはいえメモを見ながらお答えをしなきゃならぬ自分が大変小さな存在に見えてまいりました。
 林議員とはもう既に三十年近い御指導をいただいておりますけれども、改めて、本当にあの方が宝塚のお嬢さんだったのかなと、初めて国会にお出ましになられたときのことを思うと、本当にすばらしい政治家として、そしてまた、我々にいろんなことを教えてくださるお立場になった、改めて敬意を表する次第でございます。
 小渕前総理を引き継いで政権を担うことになった私の決意についての御指摘がございました。
 日本経済の新生など五つの挑戦を掲げ果敢に政策に取り組んでこられた小渕前総理は、その成果を十分に見届けることなく、万感の思いを込めて開催を決定した九州・沖縄サミットを前に病に倒れられました。
 小渕前総理の後に政権を担うこととなった私としては、前総理の志を引き継ぎ、その政策を継承発展させていくために持てる力の限りを尽くして国政に取り組んでまいりたいと存じます。
 私は、この内閣を日本新生内閣として、安心して夢を持って暮らせる国家、心の豊かな美しい国家、世界から信頼される国家、そのような国家の実現を目指してまいります、こう申し上げました。まさに今、林議員がお話ございました五つのかぎは、今申し上げた三つの夢の実現をするためには本当に大事なかぎだということを改めて痛感した次第であります。
 日本新生の実現を目指す取り組みは、このたび三党連立政権合意の中にある日本経済の新生と大胆な構造改革に果敢に挑戦していくことであります。構造改革は、時として痛みを伴いますが、私は、国民と痛みを分かち合い、国民とともに歩み、国民から信頼される政府を信条として、現下の難局に全力で取り組んでまいる決意でございます。どうぞ御指導をいただきますようにお願いいたします。
 九州・沖縄サミットの成功に向けた決意についてのお尋ねでありました。
 私といたしましても、小渕前総理の基本的なお考えを、熱意をしっかりと踏襲しつつ、二十一世紀のすべての人々にとって、よりすばらしい時代となるという希望を世界の人々が抱けるような明るく力強いメッセージを発信すべく、議長として積極的なイニシアチブを発揮してまいりたいと考えております。
 私は、先ほど林議員からも、沖縄に対する小渕前総理の思いと同じような思いを持ってください、こういうお話をいただきました。
 少し長くなって恐縮でありますが、小渕総理と私は学生時代からずっと四十年行動をともにいたしております。まだ本土に復帰されていない沖縄の返還のために、当時大学一年生の小渕さんは一生懸命沖縄復帰問題に取り組んでおりました。多くの皆さんからカンパをいただきながら、当時は当然飛行機で行けるわけでもありませんし、パスポートを取って外国に行く形でありました。我々が応援をしながら彼が何度となく沖縄に渡って、そして沖縄の問題を勉強して帰ってこられました。その時代からの彼の沖縄に対する思いは、私は大学では二年上でございましたけれども、ずっと彼の考え方を支持してまいりました。
 今回、サミットの会場をどこにするかという国内のいろんな要望の中で、最終的に沖縄にお決めになるというその判断をしたいというときに、私に相談がございました。そして、幹事長、沖縄にかける思いはあなたが一番わかるなと、こうおっしゃいました。私は、そのことを一番わかっていますよ、しっかりとあなたの思うとおり沖縄に決定をして、そして沖縄県民の皆さんに心から喜んでいただけるように、また世界のG8の首脳たちが沖縄県にみんなで足を踏み入れて、そして初めてあなたの思う沖縄の本土の復帰というのが本当の意味で完成するのではないかと思うと、私はこう申し上げて御返事をいたしました。
 小渕前総理は、そのとき涙を流していろんなお話を私にしてくださいました。私は、その思いをそのまま引き継いでこの沖縄のサミットの成功に全力を挙げて取り組んでまいりたい、こう思っております。
 政府といたしましても、G8各国ともよく相談し、また沖縄県等の各自治体とも緊密な連絡をとりつつ、また多くの各政党の皆さんの御協力もいただきながらサミットの成功のために万全を期してまいりたい、このように考えております。
 残余の質問につきましては、各大臣から御答弁をさせていただきます。(拍手)
   〔国務大臣青木幹雄君登壇、拍手〕
#27
○国務大臣(青木幹雄君) 扇議員にお答えをいたします。
 ただいまは温かい御激励をいただき、ありがとうございます。
 ただ、まことに緊急の事態でございましたので、先生のように考えていただく方ばかりではありません。いろんな批判もいただいておりますが、私は真摯な態度で反省しながら今後に対応をしていきたいと、そのように考えています。
 臨時代理の指定のあり方につきましては、森内閣としてより一層の危機管理の徹底を図る観点から、内閣総理大臣に事故あるとき、または欠けたときの対応につきまして、あらかじめ内閣総理大臣臨時代理を置くことを含め、総理の指示を受け現在鋭意検討を進めているところであります。
 また、緊急時の医療体制につきましては、プライバシーへの配慮、主治医との関係、官邸周辺の高次の救急医療を担う医療機関の活用などを勘案しながら、一方では危機管理という観点からどのような対応を図ることが適当か、諸外国における対応も現在参考としながら検討をいたしているところでございます。
 このたびの小渕前総理の緊急入院という事態はまことに残念でありますが、これを一つの教訓として、今後とも危機管理体制の整備に努め、国政に支障が生ずることのないよう努力をしてまいる考えでございます。(拍手)
   〔国務大臣二階俊博君登壇、拍手〕
#28
○国務大臣(二階俊博君) 扇議員にお答えをいたします。
 答弁に先立ちまして、私は、各党各会派の衆参の国会議員の皆さんが次々と現地においでになり、さまざまな支援策等について御指導いただいておりますこと、また避難されております皆様方のところにも出向いてお見舞いを下さっていることに対しまして、北海道を担当する立場から心から御礼を申し上げる次第であります。
 今回の北海道有珠山の噴火に伴う経済的被害の規模につきましては、御指摘のとおり、被害が有珠山の周辺地域にとどまらず、拓銀破綻後落ち込みが大きかった北海道の産業や経済全般にさらに深刻な影響を及ぼすことが懸念されております。
 このような状況を踏まえ、北海道開発庁長官の私的懇談会を設け、北海道の新生に向けて各界識者からも御意見をいただき、北海道の経済産業があらゆる困難を乗り越えて活力に満ちた二十一世紀のスタートを切ることができるよう、緊急にとるべき対策について直ちに検討を開始してまいりたいと考えております。
 また、観光問題につきまして、北海道全体につきましては、これは深刻な問題であります。今回の有珠山の噴火によりまして大きな影響を受けることが心配されておりますことから、運輸省としましても、四月十八日に全国の旅行業者や交通事業者の方々並びに地元の関係の皆様方に一堂にお集まりをいただき、地元の状況や他の観光地については一切安全の問題については心配がない旨の周知徹底を行い、北海道への観光客の入り込みがこれ以上落ち込むことのないよう、観光振興のためにも支援をしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣河野洋平君登壇、拍手〕
#29
○国務大臣(河野洋平君) 万感の思いを込めて沖縄にサミット開催の地をお決めになった小渕前総理の指導のもとで、私は外務大臣としてその準備に当たってまいりました。現在は、森総理大臣のもとで、そのサミットが立派に成功されますようにでき得る限りの努力をいたしたいと考えております。
 幸いにいたしまして、九州・沖縄関係の皆様方の大変強い歓迎のお気持ちがございます。沖縄県知事あるいは名護市長がそれらを代表して非常に強くサミット成功のために御協力をいただくことになっております。そうした御支援もございますので、必ずやこのサミットを成功させたいとかたく考えて努力をいたしておるところでございます。(拍手)
#30
○副議長(菅野久光君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#31
○副議長(菅野久光君) 日程第二 海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。交通・情報通信委員長齋藤勁君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔齋藤勁君登壇、拍手〕
#32
○齋藤勁君 ただいま議題となりました法律案につきまして、交通・情報通信委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、千九百七十三年の船舶による汚染の防止のための国際条約附属書Uの改正に伴い、船舶所有者に対し、有害液体汚染防止緊急措置手引書を船舶内に備え置くことを義務づけるとともに、当該手引書について検査の対象にしようとするものであります。
 委員会におきましては、油防除体制の拡充強化策、有機すず系船底塗料の使用禁止に向けた国際的取り組み、ケミカルタンカーによる流出事故対策の確立、国際協力による海洋環境保全への取り組み等について質疑を行いましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#33
○副議長(菅野久光君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#34
○副議長(菅野久光君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#35
○副議長(菅野久光君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          二百十六  
  賛成            二百十六  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#36
○副議長(菅野久光君) 日程第三 青年等の就農促進のための資金の貸付け等に関する特別措置法及び農業信用保証保険法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長若林正俊君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔若林正俊君登壇、拍手〕
#37
○若林正俊君 ただいま議題となりました法律案につきまして、委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、青年等の就農促進を図るため、就農支援資金に農業経営を開始するのに必要な資金を追加し、当該資金について、都道府県青年農業者等育成センターのほか、農業協同組合、銀行等が貸し付けることができるようにするとともに、農業協同組合、銀行等から貸し付けられる就農支援資金を農業信用基金協会が行う債務保証の対象とするほか、認定就農者に対して農林漁業金融公庫が貸し付ける農地等取得資金について、その据置期間の上限を三年から五年に延長しようとするものであります。
 委員会におきましては、食料自給率向上と担い手の営農類型別参入目標、農地取得や住宅確保等、新規就農者の定着と自立策及び地域社会との融和対策、就農支援資金の一層の改善、学校教育等における農林水産業に関する学習の充実等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、日本共産党を代表して須藤理事より修正案が提出されました。本修正案は予算を伴うものでありましたので、国会法第五十七条の三の規定に基づき内閣の意見を聴取しましたところ、玉沢農林水産大臣より政府としては反対である旨の発言がありました。
 次いで、討論に入りましたが、発言はなく、順次採決の結果、修正案は賛成少数をもって否決され、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し五項目にわたる附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#38
○副議長(菅野久光君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#39
○副議長(菅野久光君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#40
○副議長(菅野久光君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          二百十七  
  賛成            二百十七  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#41
○副議長(菅野久光君) 日程第四 住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。国土・環境委員長石渡清元君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔石渡清元君登壇、拍手〕
#42
○石渡清元君 ただいま議題となりました法律案につきまして、国土・環境委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、住宅金融公庫の行う資金の貸し付けについて、貸付対象の拡大、一定の住宅に係る貸付金の償還期間を延長する等貸し付け条件の改善を図るとともに、住宅金融公庫債券を発行するなど資金の調達手段を多様化する等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、住宅政策と公庫の役割、財政投融資改革を踏まえた今後の資金調達のあり方、中古住宅の評価システムの確立、住宅ローン返済困難者対策等について質疑を行いましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#43
○副議長(菅野久光君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#44
○副議長(菅野久光君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#45
○副議長(菅野久光君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          二百十八  
  賛成            二百十八  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#46
○副議長(菅野久光君) 日程第五 中小企業指導法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。経済・産業委員長成瀬守重君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔成瀬守重君登壇、拍手〕
#47
○成瀬守重君 ただいま議題となりました法律案につきまして、経済・産業委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、国及び地方公共団体等が行う中小企業に対する指導事業を支援事業に改めるとともに、新たに都道府県等中小企業支援センターの設置、中小企業診断士の資格要件の明確化等を図ろうとするものであります。
 委員会におきましては、中小企業支援センター業務のあり方、中小企業支援に携わる人材の確保、中小企業診断士制度の充実等につきまして質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終わり、討論に入りましたところ、日本共産党の西山委員より反対する旨の意見が述べられました。
 次いで、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して三項目の附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#48
○副議長(菅野久光君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#49
○副議長(菅野久光君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#50
○副議長(菅野久光君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          二百十九  
  賛成            百九十六  
  反対             二十三  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#51
○副議長(菅野久光君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十六分散会
     ─────・─────
ソース: 国立国会図書館
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