くにさくロゴ
2000/04/14 第147回国会 参議院 参議院会議録情報 第147回国会 本会議 第16号
姉妹サイト
 
2000/04/14 第147回国会 参議院

参議院会議録情報 第147回国会 本会議 第16号

#1
第147回国会 本会議 第16号
平成十二年四月十四日(金曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十六号
  平成十二年四月十四日
   午前十時開議
 第一 社会保障に関する日本国とグレート・ブ
  リテン及び北部アイルランド連合王国との間
  の協定の締結について承認を求めるの件
 第二 産業技術力強化法案(内閣提出、衆議院
  送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、証券取引法及び金融先物取引法の一部を改
  正する法律案、特定目的会社による特定資産
  の流動化に関する法律等の一部を改正する法
  律案及び金融商品の販売等に関する法律案(
  趣旨説明)
 一、河川法の一部を改正する法律案(趣旨説明
  )
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(斎藤十朗君) これより会議を開きます。
 この際、日程に追加して、
 証券取引法及び金融先物取引法の一部を改正する法律案、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律等の一部を改正する法律案及び金融商品の販売等に関する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。宮澤大蔵大臣。
   〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
#5
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま議題となりました証券取引法及び金融先物取引法の一部を改正する法律案、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律等の一部を改正する法律案及び金融商品の販売等に関する法律案の趣旨を御説明申し上げます。
 政府は、二十一世紀を展望した金融サービスに関する基盤整備として、資産やリスクが効率的に配分される市場の構築と、金融サービスの利用者保護の環境の整備等を進めるため、これらの法律案を提出した次第であります。
 まず、証券取引法及び金融先物取引法の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。
 第一に、証券取引所及び金融先物取引所の株式会社化を可能とするとともに、証券取引所等が公共的機能を適切に発揮できるよう、何人も発行済み株式総数の百分の五を超えて証券取引所等の株式を保有してはならない旨の制限を設けるほか、取引参加者にルールを遵守させる自主規制機能の一層の明確化を図る等の措置を講ずることとしております。
 第二に、現在紙媒体で行われている有価証券報告書等の提出、受理という一連の企業内容等の開示手続を原則として電子的方法により行うこととするほか、目論見書等についても電子的方法による交付等を認めることとしております。
 次に、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。
 第一に、資産の流動化のための仕組みである特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律につきまして、これまで不動産及び指名金銭債権等に限定されていた流動化対象資産を財産権一般に拡大するとともに、流動化の器として信託も利用可能とするほか、特定目的会社を登録制から届け出制に改める等の措置を講ずることとしております。
 第二に、資金運用のための仕組みである証券投資信託及び証券投資法人に関する法律につきまして、従来、「主として有価証券」とされていた運用対象資産を不動産等にも拡大することとしております。
 また、この運用対象の拡大に伴い、投資信託委託業者について利益相反行為の防止措置、投資者に対する忠実義務及び損害賠償責任を定める等、必要な措置を講ずることとしております。
 第三に、これらの法律改正に伴い必要となる措置といたしまして、特定目的会社及び投資法人に対する法人課税に関し、投資者への支払い配当の損金算入を認める等、所要の措置を講ずることとしております。
 次に、金融商品の販売等に関する法律案につきまして御説明申し上げます。
 第一に、金融商品販売業者等は、預貯金、保険、有価証券等の金融商品の販売等に際し、顧客に対して元本欠損が生ずるおそれがある旨及びその原因となる事由等の重要事項について説明をしなければならないこととしております。
 第二に、不法行為に関する民法の特則として、金融商品販売業者等は、重要事項について説明をしなかったときは、これによって生じた顧客の損害を賠償する責めに任ずることとしております。また、顧客が損害賠償を請求する場合には、元本欠損額は、金融商品販売業者等が重要事項について説明をしなかったことによって顧客に生じた損害の額と推定することにより、原告たる顧客の立証負担の軽減が図られることとしております。
 第三に、金融商品販売業者等は、金融商品の販売等に関する勧誘の適正の確保に努めなければならないこととするとともに、勧誘の適正の確保に関する勧誘方針の策定・公表を義務づけ、これに違反した場合には過料に処することとしております。
 以上、証券取引法及び金融先物取引法の一部を改正する法律案、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律等の一部を改正する法律案及び金融商品の販売等に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。(拍手)
    ─────────────
#6
○議長(斎藤十朗君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。櫻井充君。
   〔櫻井充君登壇、拍手〕
#7
○櫻井充君 私は、民主党・新緑風会を代表いたしまして、ただいま議題となりました三案について質問いたします。
 質問に先立ちまして、このたびの北海道有珠山噴火のために避難生活を余儀なくされている多くの地域住民の皆様に心からお見舞い申し上げます。
 現在も続いている噴火により疲労と不安の日々を送られていることと思います。一日も早い火山活動の休止と、地域住民の皆様の日常生活の復帰を心から願っております。
 さて、私は国会に来てから一つの素朴な疑問を感じておりました。それは、国会に出席もしない人が議員の歳費を手にして国会議員であり続けていることです。この議席の主は、国会議員という肩書を悪用して六億円以上をだまし取り、国会議員としては戦後最も重い懲役十年という実刑判決を言い渡されました。元本保証、高金利をうたい文句として、子供の教育資金や老後の生活のために一生懸命に蓄えた貯金などをだまし取り、借金の返済や遊興費として使い果たしたため、二千五百人に上る被害者のほとんどは泣き寝入りするしかない状況にあります。
 このオレンジ共済事件のように、完全な詐欺も含めて、元本割れのリスクを伴う金融商品に関するトラブルは後を絶ちません。国民生活センターの調査によれば、九八年四月から九九年十一月までの一年八カ月間に、全国の消費生活センターに寄せられた苦情件数は七百三十件あり、そしてそのうち証券会社に関するものは六百五十件ありました。その内容のトップは、元本保証などについて事実と異なる説明を受けたというもので、以下、値下がりするなどのリスクの説明がなかった、必ずもうかるといった断定的な情報が提供されたなど、商品説明に関する苦情が四七%を占めています。このため、金融商品取引のトラブルを未然に防止するため、改善策が必要であり、そのためには公正な取引と消費者保護のための法整備が望まれると結論づけております。
 現在、金融ビッグバンの進展に伴い、さまざまな金融商品が開発、販売され、顧客の保護を図るための法整備は喫緊の課題であり、民主党としては、いわゆる金融サービス法の制定を強く主張してまいりました。一昨年六月の本院財政・金融委員会においても、金融システム改革法に「金融サービス法等の利用者の視点に立った横断的な法制について早急に検討を進めること。」という附帯決議が付されました。
 以下、金融商品の販売等に関する法律案を中心に質問いたします。
 まず、宮澤大蔵大臣及び深谷通産大臣にお尋ねしますが、金融商品の販売に関する法律案の第二条に定義される金融商品からなぜ商品先物が除外されたのでしょうか。金融商品販売法案の素案を作成した金融審議会第一部会の蝋山部会長が、商品先物が除外されたのは非常に不満であるとの苦言を呈しておられました。また、金融審議会は、二十一世紀を展望した新しい金融のルールの枠組みについて、金融取引を幅広く対象とし、縦割り規制から機能別規制に転換することを念頭に検討を進めてきたはずです。この点から考えても、商品先物取引がこの法案から除外されるべきではないと思います。
 また、信じられない話ですが、法案化の過程で商品先物取引を所管する通産省が抵抗したために除外されたという報道がございましたが、そのような事実があったとすれば、本法律案は入り口から道を踏み外していると言わざるを得ません。通産大臣の明確な答弁を求めます。
 本法律案の最大の目的は顧客の保護にあり、このため第三条に重要項目を定め、金融商品販売業者等の説明義務が明記されていますが、その説明の方法については特に定めておりません。商工ローンの日栄や商工ファンドで問題になったように、書面の交付が義務づけられても、結局は形だけで、実質的には説明義務が果たされていないこともあります。そこで、説明の方法を政令でしっかりと定める必要があると思いますが、この点についての宮澤大蔵大臣の見解を求めます。
 また、第三条第四項に、顧客から重要事項について説明を要しない旨の意思の表明があった場合にはこの規定は適用しないこととしておりますが、これを悪用されることも考えられ、最初から逃げ道をつくるべきではないと思いますが、宮澤大蔵大臣の御所見をお伺いいたします。
 また、第四条には、金融商品販売業者が重要項目について説明をしなかったときは、顧客の損害を賠償しなければならないこととされております。
 しかし、説明がなかったことの立証責任は原告である顧客が負っており、必ずしも原告の立証責任が軽減されたわけではありません。ましてや、書面交付の義務もありませんから、顧客が立証するのは非常に難しいのではないでしょうか。ここはむしろ、重要事項について説明したということの立証責任を金融商品販売業者に負わせるべきと考えますが、宮澤大蔵大臣の御見解をお伺いいたします。
 また、本法律案の制定により、これまで長期化していた損害賠償の裁判も迅速化できるということですが、実際どの程度短縮できるのか、宮澤大蔵大臣の明確な答弁を求めます。
 さらに重要な問題は、金融審議会が昨年十二月に取りまとめた中間整理において裁判外紛争処理制度についての結論が先送りされ、したがって、本法律案にもそれが盛り込まれなかったことであります。その理由は、公的な紛争処理機関を設けると、バブル期に問題となった変額保険やワラントの販売をめぐる訴訟が不利になると金融業界が強く抵抗したからだと言われております。金融検査に手心を加えるかのような発言をして大臣の座を追われた越智前金融再生委員長に代表されるように、自民党の政治は、口きき、手心、えこひいき政治ではないかと言われており、資金面で多大な世話になっている金融業界に手心を加えることは容易に想像ができます。宮澤大蔵大臣、裁判外紛争処理制度について先送りされた理由を明確にお答えください。
 本法律案第八条では、金融商品販売業者はあらかじめ勧誘の対象となる者に配慮し、勧誘方針を定め、その公表が義務づけられております。
 そこで、宮澤大蔵大臣にお伺いしますが、どのような方法で金融商品販売業者の適切な勧誘を定めさせることを担保させるのか、また金融商品販売業者が不適切な勧誘方針を定めた場合、それをどのような方法で是正させるのか、お考えをお聞かせください。
 このように本法律案には重大な欠点があり、我々が主張していたような金融サービス法とは言いがたいものになっています。利用者保護という点で不十分であると思いますが、宮澤大蔵大臣の御見解をお聞かせください。
 私たち医療従事者は、医師と患者さんの信頼関係を築くためにインフォームド・コンセントを導入いたしました。金融商品販売業者と顧客の間にトラブルが多いのであれば、私は医療と同様にインフォームド・コンセントを導入すべきだと思います。一般にインフォームド・コンセントは説明と同意と訳されておりますが、本来は説明と理解そして同意と訳さなければならないものです。
 本法律案では、金融商品販売業者の説明義務を明記していますが、むしろ顧客に理解を求めると書きかえた方がトラブルは減少すると思いますし、本法律案の本来の目的である消費者保護を達成できると思いますが、宮澤大蔵大臣の御見解をお伺いいたします。
 次に、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律等の一部を改正する法律案についてお尋ねします。
 いわゆるSPC法は、金融システム改革法とあわせ一昨年の通常国会で成立したものでありますが、流動化対象資産を拡大するとともに、より使い勝手のよい制度に改めることが改正の目的とされています。
 そこで、まず、SPC法施行後の特定目的会社の登録、資産対応証券の発行などの現状について、また、一般投資家による投資を容易にし国民経済の健全な発展に資するという当初の目的は達成されているのか、宮澤大蔵大臣から御説明願います。
 また、今回の法改正によりどの程度の利用増が見込まれるのか、見通しをお聞かせください。
 次に、証券取引法及び金融先物取引法の一部を改正する法律案についてお尋ねいたします。
 現在、我が国の証券市場では、新興企業の株式市場マザーズの設立やナスダック・ジャパンの設立が予定されており、証券取引所を取り巻く環境は大きく変化しております。本法律案は、そのような内外の金融環境の変化に対応した観点から、商品取引所及び金融先物取引所の株式会社化を可能にしたものであります。これらが株式会社化された場合、どのようなメリットを持つのか、宮澤大蔵大臣から御説明願います。
 一方、株式会社化は株式の利益を優先させる必要があり、取引所市場に求められる高い公共性とは相反する関係にあります。取引所市場の公共性をどう維持していくのか、宮澤大蔵大臣のお考えをお聞かせください。
 三月三十日に東京証券取引所は、五月に任期切れで退任する山口光秀現理事長の後任に大蔵省出身で元国税庁長官の土田正顕氏が内定したと発表しました。これで一九六七年に森永貞一郎氏が就任して以来、六代連続で大蔵省出身者が東証理事長を務めることになりました。次期理事長は株式会社化を進める東証の初代社長になる可能性が極めて高く、官僚出身者よりむしろ民間人を登用すべきと思いますが、宮澤大蔵大臣はいかがお考えでしょうか。
 次に、現在の金融情勢についてお伺いいたします。
 四月十日付のファイナンシャル・タイムズに日本のインターネット関連企業の株価が暴落したという記事が掲載されておりました。株価下落によるソフトバンクの損失は過去七週間で総額千二百七十億ドル、日本円に換算して約十三兆円で、これはポーランドの一年間のGDPに匹敵いたします。また、光通信の損失は五百六十億ドル、日本円にして約六兆円であり、これはニュージーランドのGDPに匹敵いたします。
 この株価の下落は一時的なもの、あるいはインターネット関連のバブルの崩壊と考えるべきなのでしょうか。宮澤大蔵大臣の明確な答弁を求めます。
 また、四月十二日、会見に臨んだ速水優日銀総裁は、景気が回復したと説明し、早期にゼロ金利を解除したいと発表いたしました。
 これまで日銀はゼロ金利解除の条件をデフレ懸念の払拭が展望できる情勢と説明してきましたが、現在デフレの懸念は払拭されたのでしょうか。また、G7を控えておりますが、早期のゼロ金利解除に対して宮澤大蔵大臣はいかがお考えでしょうか。
 最後に、我が国金融システムの再構築の必要性について私の考えを述べさせていただきます。
 一昨年、我が国金融システムは大きく揺れ動き、日本発の世界金融恐慌が起こるとさえ言われました。銀行はみずからの保身のために貸し渋りや貸しはがしに走り、多くの中小企業が資金繰りに窮する事態となりました。現在も、ペイオフを延期せざるを得なくなったように、自自公政権、そして自公保政権の失政により、いまだに金融システムは不安定な状態にあります。
 宮澤大蔵大臣は、就任当初、平成の高橋是清ともてはやされ、私も期待していた一人でございました。しかし、ハードランディングは素人がやるものとおっしゃって、重要なことはすべて先送りしてまいりました。その結果、国の借金は増加し、金融システムは安定化せず、GDPプラス〇・六の国際公約も達成できそうにもなく、二月の失業率は四・九%と過去最悪となりました。
 今回提出された法律案の重要性は認めるものの、金融機関が優位的立場を利用して借り主である中小企業に不利な条件を押しつけるあしき商慣習は是正できません。これでは金融システムの安定を望むことはどだい無理というものではないでしょうか。
 一方、悪質な商工ローン業者が急拡大し、各地でトラブルを巻き起こして大きな社会問題となっています。我が国の金融システムが余りにも銀行に依存していたために、銀行が機能不全になった際、中小企業がいきなり商工ローンに駆け込まなければなりませんでした。今後は直接金融市場の拡大とあわせ、間接金融市場を企業のニーズに応じた形態に再構築することも金融システムの安定化につながるものと考えます。いずれにしても、抜本的な構造改革、そして景気回復のためには金融システムの安定化は不可欠です。
 最近の委員会での宮澤大蔵大臣の答弁を聞いていると、大変お疲れの様子で、どこか他人事で評論家風であると感じているのは私一人でしょうか。
 今後、金融システム安定化に向けて全力で頑張るとおっしゃる森内閣の大蔵大臣として具体的なビジョンをお伺いして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(宮澤喜一君) 具体的な問題につきまして十点ほどお尋ねがございましたので、順次お答えを申し上げます。
 第二条に定義されております金融商品からなぜ商品先物を除外したのかというお尋ねでございました。
 この法案は、金融商品の販売について販売業者に説明を義務づけ、説明しなかったことによって生じた損害の賠償責任を民法の特例として定めるという措置を講じることによって金融サービスの利用者保護を図るものでございます。
 商品先物取引につきましては、元来、その性質は私ども、商品という実物、物の売買取引と理解しておりますから、本法案の適用対象にはならないものと考えております。
 なお、商品投資を目的とした金融的な投資ファンドを仕組むいわゆる商品ファンドは、これは金融商品として本法案の適用対象でございます。
 次に、金融商品販売の説明方法について政令で定める必要があるというお尋ねでございますが、説明方法を法定することは考えられますが、そういたしますと、単に形式的な要件を満たしていればそれで説明だというふうになることが考えられます。一つのお経のようなことを読めばいいというようなことでございますと、それでは結果的には顧客にとって不利益となるおそれがございますから、本法案においては、説明が形式的でなく実質的に行われることが必要だというふうに考えておるわけでございます。
 それから、第三条四項に、顧客から重要事項について説明は要らないよといったときにはそれでいいんだという規定について悪用されないかというお尋ねでございましたけれども、これは顧客から重要事項について説明を要しない旨の意思の表明があった場合というのは、ごくいわばプロのような人たちがそれはよく知っていると、また実際よく知っている人たちであれば、それについてくどくど説明するということは、それを義務づけることはかえってプロたちの取引の邪魔になるであろうと。本当に説明の要る人にはきちんと説明をするという趣旨でこの規定を設けました。
 それから、説明したことの立証責任を販売業者の方に負わせるべきだというお尋ねでございますけれども、基本的には、民法の考え方どおり立証責任は原告側にあると。それは基本として考えなければなりませんけれども、実質的に説明義務をきちんと履行したかどうかということは今度の法律案によりまして非常にはっきりいたしますから、それをわざわざ申さなくても反証をしなきゃならない責任が販売業者の方にございますから、それによって説明がなかったという原告側の立証責任は軽くなる。あったかなかったかの認定は今度の法律では難しくございませんから、そういう意味で立証負担が軽減されるということになろうと思います。
 それから、本法案による裁判の迅速化についてお尋ねがございまして、大体、こういう問題についての係争は説明義務に係るものが多うございます。説明義務をちゃんとしたかしないかということでございますから、この法案の制定によりまして、かなりその点は裁判で争われる余地は少なくなる。これは確かに個別事案によりますけれども、基本的に裁判の迅速化、簡易化に資することは間違いないと思っております。
 それから、どのような方法で金融商品販売業者の適切な勧誘方針を定めることを担保させるのか、勧誘方針を定めることについてのお尋ねですけれども、販売法案は、勧誘の適正の確保に関して金融商品販売業者等の自主的な対応を促すため、販売業者に対して一定の事項を記載した勧誘方針の策定及び公表を義務づけ、それの義務に違反しましたら過料を科すという、こういうシステムにしておるわけであります。
 それから、本法案は利用者保護という点で不十分ではないかというお尋ねでした。
 最近の金融商品の販売に関するトラブルが、大体そのリスクに関する業者側の説明が不足である、それが原因でございますから、それで元本割れの損害がしかもその中心になるということでございますから、その説明義務を課しまして、説明義務違反に対する損害賠償責任を定める。これによって元本欠損額を損害額と推定することが容易になりますから、顧客側の立証責任の軽減を図る、そういうことになると思います。
 なお、この法案全体につきまして、まだいろいろ新たに定めるべきことがあるのではないかとおっしゃる点では、私もこの法案で全部がカバーされているとは思っておりませんで、なお改善をする余地が将来に向かってあるであろうということは、私もそう思っております。
 それから、顧客に理解を求めることについてのお尋ねですけれども、本法案において規定する説明義務は、一般的な大多数の顧客にとってリスクを理解できる程度、そういう定型的なものでよろしい。細かいことを申しますよりは、一般的に大多数の顧客にとって理解できる程度のものでなければならない。その他細かいことになりますと、少なくともそれは業者側が業者の間で自分たちの規則をつくるなり、いわゆる常識に基づいて行動してもらわなきゃならないということは、考え方の基本に存しておるところでございます。
 それから、証券取引所、金融先物取引所が株式会社になった場合どういうメリットがあるかということでございますけれども、株式会社化につきましては、環境の変化あるいは市場利用者の多様なニーズで、やはり株式会社の方が適切に対応しやすい、迅速な意思決定を行うことができる、また、市場間競争においてシステム投資が重要となってきている状況の中で、多様な方法によって資金を調達することができる等々のメリットがございますと考えております。
 それから、取引所市場の公共性をどのように維持していくかということでございますけれども、証券取引所等には、投資者の保護あるいは取引の公正を図りつつ有価証券等の取引の場を提供するという公共的機能が求められております。免許制度あるいは取引参加者にルールを遵守させるといったような自主規制機能を維持いたしますほか、証券取引所自身の株式については五%を超えて保有してはならないということを規定いたします。
 それから、東京証券取引所の次期の理事長の人選についてお尋ねがございましたが、東京証券取引所の規則は、会員とした組織、会員組織でございます。証券会社が会員になっている。理事長は、定款によりまして、理事による選挙を経て、理事がまず候補者を選挙しまして、正会員の三分の二以上の同意によって決定されることになっております。
 そんなことを言っても、今度また大蔵省の人間が来たのは、やっぱり大蔵省がやったんではないかねというお尋ねがございまして、そういう批判が起こることを非常に私ども恐れておりましたので、これは業界の皆さんのお選びになることですということを何回も申し上げて、随分それは苦労をされたようであります。
 それで、しかし、やはり人がない、今の山口理事長にもう一遍やってくれないかというお話もあったようですが、それは断固として自分はそういう気持ちはありませんというお返事をされて、また皆さんが帰って御相談になって、結局業界の中で今一つの団体の責任を負っております土田さんというのは、これは大蔵省の出身ではありますけれども、何となく業界では、もう自分たちの仲間というふうに思っておられたようでありまして、それで土田君に御依頼があった。本人も意外のようでありましたし、私どもも予想しておりませんでしたが、そういう結果になりまして、まさに業界自身が自主的に選ばれたという経緯がございました。
 それから、フィナンシャル・タイムズに日本のインターネットの株についての記事があったということでございます。
 確かに、いわゆる情報通信関連企業の株価が、ことし二月ぐらいからでございましょうか、下落傾向にあることは事実であります。あるいはナスダックの株の動きに影響されておるかもしれないと思いますが、株価にはいろいろな原因が、要因がございますから、変動には、これ以上言及することは差し控えるべきであろうと思います。
 それから、早期のゼロ金利解除に対する大蔵大臣の見解はどうかということでございますが、速水総裁のお話によりますと、いわゆる日本のデフレへの危険というものは徐々に解消されつつあるのではないか、そういう意味では年内のある時期には今のゼロ金利の政策というものは考え直すことができるかもしれない。が、基本的には、実は日銀の政策委員会におきまして、四月十日、今週の月曜日でございますが、当面の金融政策運営について、現在のいわゆるゼロ金利政策を継続していくという決定がなされておりますので、これが日銀の基本的な態度である。しかし、総裁としては、将来のことも展望すると、経済界とのコミュニケーションをなるべくたくさんにしておきたい、自由にしておきたいという気持ちで将来について多少自分の考えを触れてみたと、日銀の基本的な決定は四月十日の決定である、こういう御説明がございました。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣深谷隆司君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(深谷隆司君) 櫻井議員にお答えいたします。
 本法律案の対象から商品先物取引が除外された理由についてのお尋ねでありますが、ただいま大蔵大臣が御説明申し上げたとおりでございます。
 あえて私どもから申し上げれば、商品先物取引については、本法案が眼目としております説明不足によるトラブルとか訴訟の実態がほとんどないということ、また商品という実物、物の売買取引であるということからその対象とはならないということで整理されたものと承知しております。
 なお、本法律案の過程の中で通産省が抵抗したというお話がございましたが、そのような事実は全くございません。
 以上、答弁といたします。(拍手)
#10
○議長(斎藤十朗君) このまましばらくお待ちください。
 答弁の補足があります。宮澤大蔵大臣。
   〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(宮澤喜一君) どうも失礼いたしました。
 裁判外紛争処理制度の整備につきましてお答えが漏れておりました。
 司法制度、裁判を受ける権利との関係、実施主体のあり方など、かなり複雑なこれから整理、解決しなければならない多くの問題がございまして、実はこれについても議論はあったわけでございますけれども、終局的な結論が出ておりません。今後、金融審議会におきまして引き続き検討をいたしたいと考えております。
 それから、SPCの利用状況でございますが、これは既にかなり利用されておりまして、制度としてはこれから成長をいたすように思いましたので、このたびそれをさらに完璧にしたいと思いまして改正をお願い申し上げておるところでございます。
 それから最後に、金融システムの安定化について、おまえはどうも一向に何もやっておらぬ、元気がない、高橋是清は失格であると。それでも、小渕内閣発足以来、随分、申しわけありませんが金も使わせていただきましたけれども、日本の金融危機というものは一応ここでほぼ平静に向かいつつあるし、国際的な信用も戻りつつあると。別に自分の功績だと申し上げているのではないのですけれども、それは多分事実でございますし、今国会におきまして、預金保険法等改正案をお願いするほか、ただいま御審議をいただいております法案の成立も期しておりまして、何とかいたしまして金融システムを安定させ、また世界の信頼も回復してまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしく御指導をお願いいたします。(拍手)
#12
○議長(斎藤十朗君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#13
○議長(斎藤十朗君) この際、日程に追加して、
 河川法の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。中山建設大臣。
   〔国務大臣中山正暉君登壇、拍手〕
#15
○国務大臣(中山正暉君) 河川法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 一級河川及び二級河川の管理につきましては、国または都道府県知事が行うことが原則となっております。しかしながら、地域の実情に応じた河川の管理を推進するため、町づくりや地域づくりの中心的主体であり、住民に最も身近な行政主体である市町村が河川管理に一層参画できることとする必要があると考えております。
 以上がこの法律案を提案した理由でございます。
 次に、その要旨を御説明申し上げます。
 第一に、指定都市の長が、指定区間内の一級河川及び二級河川のうち一定の区間について、河川の管理を行うことができる制度を導入することといたしております。
 第二に、市町村長が、指定区間外の一級河川について、河川工事または河川の維持を行うことができるようにすることといたしております。
 そのほか、これらに関連いたしまして関係規定の整備を行うことといたしております。
 以上が河川法の一部を改正する法律案の趣旨でございます。
 よろしくお願いをいたします。(拍手)
    ─────────────
#16
○議長(斎藤十朗君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。谷林正昭君。
   〔谷林正昭君登壇、拍手〕
#17
○谷林正昭君 私は、民主党・新緑風会を代表いたしまして、ただいま議題となりました河川法の一部を改正する法律案について質問をいたします。
 まず、冒頭伺いたいのは、河川行政についての政府の基本姿勢であります。
 我が国は、季節ごとの降雨形態を有することに加え、急峻な山地、複雑な地形、多種多様な地質などにより、諸外国に比べ多様性に富んだ多くの河川を有しております。この山地と河川が我が国の景観と風土を醸成してまいりました。また、二十一世紀に向けて、高齢化社会の到来、国際化の進展、高度情報化の本格的な到来、地球環境問題の進行などの変化とともに、これまでの成長社会から成熟社会へ急速に転換しつつあります。
 こうした状況を踏まえ、平成八年六月に「二十一世紀の社会を展望した今後の河川整備の基本的方向について」とした河川審議会の答申が出されました。また、平成九年に河川法が改正、そして平成十二年一月二十一日に出された「経済・社会の変化に対応した河川管理体系のあり方について」、さらには「川における伝統技術の活用はいかにあるべきか」と題された河川審議会答申があります。
 これらを踏まえ、二十一世紀の河川行政がどのように行われていくのか、政府の基本姿勢を建設大臣にお尋ねいたします。
 次に、一九九七年の河川法改正は三十三年ぶりの大改正となりました。九七年改正法では、治水、利水及び流水の正常な機能維持を目的とするそれまでの法律の目的に加え、河川環境の整備と保全が盛り込まれました。そして、このような目的の実現に向け、河川管理の長期計画である河川整備基本方針と、中期計画となる河川整備計画を定めたのであります。また、整備計画の策定に当たっては、学識経験者や関係自治体からの意見聴取義務や、必要がある場合には公聴会を開催することなども盛り込まれたのであります。
 長年にわたる国の河川行政、とりわけダム建設などの公共事業が生態系などの自然環境を破壊する一方で、治水上の効果などが疑問視され、さらには事業の長期化により事業支出が当初予定を大幅に上回るケースが相次ぎ、それが国や地方の財政を圧迫する大きな要因となってきたことなどから、河川行政に対する批判と見直しを迫られたのであります。結果として九七年の法改正が行われたと私を初めとする多くの国民が理解をしております。
 この法律改正により河川行政の劇的な変化が期待されました。しかし、残念ながら実態は必ずしもそうとは言えません。法律でうたわれた河川整備基本方針、これが定められたのは全国で百九ある一級水系のうちのわずか六河川であります。河川計画に至ってはいまだに一つもでき上がっておりません。これは一体どういうことなのでしょうか。
 また、基本方針や基本計画の策定を先送りする一方で、徳島の吉野川可動堰や熊本の川辺川ダムといった批判の多い公共事業について、建設省はいまだに事業推進に積極的な姿勢を崩しておりません。しかし、当然このような事業についても、九七年改正法に基づき、環境保全の視点と住民の意見を反映させた河川整備計画を策定すべきではありませんか。
 建設大臣に伺います。九七年改正法の精神は具体的にどのように実践されてきたのか、そして全国の河川の基本方針や基本計画は今後どのようなスケジュールで策定されるのか、あわせて、必要な場合行うとされている公聴会は全国でどの程度行われているのか、具体的にお答えください。
 先ほども述べましたように、本年一月二十一日、河川審議会は「川における伝統技術の活用はいかにあるべきか」というタイトルの答申を行いました。その内容は、これからの河川行政を考える上で極めて画期的と言えるものであります。答申では、コンクリートで固められた護岸など一部見られるような現代技術の行き過ぎとそれへの過信を是正し、現代技術と伝統技術を整合させ、バランスよく融合し活用することが重要と述べております。従来の河川行政の見直しを求めています。そして、自然エネルギーに力で対抗するような工法を見直し、伝統技術の特徴である川の自然の力を利用した技術によれば、自然の力と調和のとれたものとなり、維持管理にかかるコストも軽減されると述べております。また、伝統技術によってつくられた施設が生態系に大きく影響を与えることもなく、環境的に、景観的にも周囲と調和していると述べ、このような技術がコスト面のみならず自然生態系との調和の面からも貢献することを指摘しているのであります。
 この画期的な答申内容を見てだれしもが思うのは、先ほども述べました吉野川の問題であります。吉野川第十堰は、まさに先人の英知の結晶とも言える伝統技術であります。それに対し建設省が推し進めようとしている可動堰は、まさに答申の言う自然エネルギーに力で対抗する工法ではないでしょうか。
 吉野川可動堰の建設については、本年一月二十三日に行われた住民投票で、地元徳島市民の反対の意思が明確になりました。河川行政の転換を求める審議会答申のわずか二日後にこのような投票結果がもたらされたことは、単なる偶然とは思えません。答申では、伝統技術の保存、活用に当たっては地域や住民の主体的参加と協力を得ることが重要と述べておりますが、この際、可動堰計画は中止し、先人の知恵である第十堰の補強を柱とする見直しを、答申が言うように地域住民の主体的参加と協力を得て進めるべきだと私は思います。
 この答申内容を建設大臣はどのように受けとめられているのか、そして今後河川行政にどのように生かしていくのか、率直にお聞かせいただきたいと思います。
 また、環境庁として、この一月二十一日の河川審議会の答申をどのように受けとめ、今後の河川における環境行政にどう生かしていくのか、環境庁長官のお答えをいただきます。
 次に、河川管理における地方分権についてお伺いをいたします。
 今回の法改正の一つは、都道府県管理区間の河川管理を政令指定都市に移譲するという地方分権の視点からつくられたものであることは承知しております。しかし、これは私の見る限りあくまでも微修正であり、本格的な地方分権とは言えません。
 九八年十一月の地方分権推進委員会の勧告を受けて九九年三月に閣議決定した地方分権推進第二次計画には公共事業における直轄事業の見直しが盛り込まれております。これを受けて昨年八月、河川審議会が「河川管理に関する国と地方の役割分担について」という中間答申を行い、その中で一級水系指定などの考え方及び基準を示しております。この基準に基づいて国と地方の役割分担を見直すべきというのが中間答申の内容であります。
 しかし、現時点で都道府県への管理権限移譲の時期は全く明らかになっておりません。河川行政の地方分権化を進める上でこの河川審議会中間答申の具体化が急がれるべきだと思いますが、いかがでしょうか。同中間答申の具体化に向けたスケジュールを含め、建設大臣にお答えをいただきたいと思います。
 分権型行政を進める上で一番の問題はその財源であります。今回の法改正では、市町村が新たに一級河川の直轄区間で河川工事を行うことができるとしております。これ自体は一見、地方分権的のようですが、そのための財政負担は一体どのように考慮されているのでしょうか。ただでさえ財政状況の厳しい自治体にとってこれ以上の財政拡大は困難でしょうし、もしこれが補助事業の実施先をふやすことによる建設省の事業範囲の拡大を意図しているのだとしたら、地方分権とは全く逆の施策と言わざるを得ません。この点について建設大臣はどのようにお考えでしょうか。明確にお答えください。
 最後に、省庁再編に伴う河川行政のあり方について官房長官にお伺いいたします。
 今日、河川行政をめぐる世界の動きは目まぐるしく変化しております。ダム事業で世界をリードしてきたアメリカは、一九九四年、世界に向けてダム建設の時代は終わったと宣言し、ダム建設から撤退しただけでなく、既存ダムの撤去にすら取り組んでおります。また、ドイツでは川を自然な状態に戻すための事業が大々的に取り組まれ、そして行われております。
 我が国でも、河川審議会答申などで自然環境と調和した新たな河川行政の考え方が示されるようになってきました。しかし、このような考え方は、いわゆる縦割りの行政では実現できません。例えば治水対策一つ見ても、本来、上流域の森林保全なしに洪水対策はできないのであります。しかし、材木価格の低迷で手入れも施されず、荒れる一方の山林を所管するのは林野庁であり、建設省の所管ではありません。建設省は来年度から国土交通省となる予定ですが、治山行政と治水行政の縦割りの構図は変わりません。
 自然環境との調和という世界の潮流とも言える河川行政の実現のためには、省庁の枠組みを超えた積極的な取り組みが必要であります。この点について政府はどのようにお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
 終わりに、いまだもって入院されています小渕前総理の一日も早い回復を心から祈念申し上げます。
 また、有珠山噴火災害により避難され不自由な生活を余儀なくされている皆様に心からお見舞い申し上げますとともに、有珠山の早期鎮静化を祈念申し上げ、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣中山正暉君登壇、拍手〕
#18
○国務大臣(中山正暉君) 谷林正昭先生にお答えを申し上げたいと存じます。
 二十一世紀の河川行政をどういうふうに持っていくかというお話でございましたが、御指摘の答申におきましては、個性あふれる活力のある地域社会の形成が基本施策の一つとして位置づけられまして、平成九年の河川法改正により、河川環境や地域の意見を生かした河川整備を推進する制度が始動したところでございます。こうした河川整備を進めるため、市町村参画の拡充が図られるよう、今回の法律改正を提案いたしたものでございます。
 一方、河川の伝統に込められた知恵や考え方を現代技術と整合させ、その保全と活用を図り、国民の生命と財産を守るという河川行政の使命を確実に遂行するように二十一世紀の河川行政を推進してまいりたい、かように考えてございます。
 次の第二問でございますが、河川整備基本方針及び河川整備計画についてのお尋ねでございますが、一級河川につきましては、六水系で河川整備基本方針を策定し、引き続き河川整備計画を策定すべく作業を行っております。ほかの水系につきましても河川整備基本方針等の策定に向けて努力をいたしておりますが、二級河川につきましては、九水系で河川整備基本方針を打ち出しまして、そのうち二水系で河川整備計画を策定いたしました。
 河川整備に当たりましては、これまで地域の意見を聞き、流域の人々に理解が深まるよう努力してまいりましたが、今後とも、平成九年の河川法改正の精神を踏まえまして努力をしてまいりたいと考えております。
 なお、河川整備計画が策定された二河川でございます。これは熊本の上津浦川、それから岩手の気仙川でございますが、ともに関係住民の意見を反映させる方法として、地域住民への説明会を開催し、質疑応答、意見交換等を行ったところでございます。
 三番目の御質問でございますが、川における伝統技術の活用についてお尋ねがございました。
 御指摘の答申は、川と人との長い歴史を振り返り、先人の知恵に学ぶことが肝要であるとの観点から、河川伝統技術の保存・活用方策、そういうことについて検討を重ねてまいりました。
 建設省といたしましては、河川の伝統に込められた知恵や考え方を現代に合わせた近代工法を採用しつつ、現代技術と伝統技術を整合させ、安全で豊かな河川環境を整備してまいりたい、かように考えております。
 四番目の御質問でございますが、一級水系の指定等の見直しについてのお尋ねがございました。
 一級水系や直轄管理区間の見直しに関しましては、地域の状況を十分に反映する必要がございまして、関係する地方公共団体と十分に調整をした上で措置することが不可欠でございます。昨年三月に閣議決定をいたしました第二次地方分権推進計画におきましても、平成十一年度に点検を行った上で、平成十二年度中を目途に関係地方公共団体と調整することとなっております。調整が整いましたものにつきましては、平成十三年度にも具体的な手続に入ることといたしております。
 五番目の御質問でございます。
 今回の法改正による市町村工事の財政負担についてということでございますが、今回の改正は、市町村が町づくりを推進する際、一級河川の直轄区間におきましては、治水上著しい影響を与えない範囲で河川工事を行うことができるようにするもので、あくまで市町村の発意を前提とするものでございます。この場合、都道府県の場合と同様に、地方財政の観点からも適切なものとなるように対応してまいりたい、かように考えております。
 先般来の吉野川の問題でもお尋ねがございました。
 私も、住民運動をしていらっしゃる方と、私の大臣室にも大勢の皆さんにお越しいただきまして、今後とも話し合いを続けていこうという、そういう検討をいたしておりますので、今のところまだ可動堰の予算がついたわけでもございませんし、まだ今のところ調査費だけがついておりますので、これから皆さんと御相談をしながら解決を図ってまいりたい、かように考えております。(拍手)
   〔国務大臣清水嘉与子君登壇、拍手〕
#19
○国務大臣(清水嘉与子君) 河川審議会の答申を環境行政にどのように生かしていくのかというお尋ねでございます。
 この答申でうたわれております川の伝統技術の活用という考え方は、より自然な河川生態系の形成に資するという点で、環境行政の立場から見ましても非常に共感するところの多いものでございます。
 環境庁といたしましては、河川環境の保全を図るために、従来から建設省とは連絡会議を設けまして連携を深めてまいりました。来年一月に発足いたします環境省では、河川環境の保全に関する指針の策定を国土交通省とともに行うことになっております。
 そういうわけで、河川審議会の今回の答申も十分参考にいたしまして河川環境の保全に努めてまいるところでございます。(拍手)
   〔国務大臣青木幹雄君登壇、拍手〕
#20
○国務大臣(青木幹雄君) 谷林議員にお答えをいたします。
 省庁再編に伴う河川行政のあり方についてのお尋ねであります。
 河川行政は、国民の安全と自然環境との調和が基本であります。このため、関係する省庁の連携は重要であります。前国会で、中央省庁等改革関係法施行法により、河川行政と環境行政の調和を図ったところであります。
 今後とも、河川、環境、林野など関係行政が連携して、安全で自然と調和した河川整備を積極的に進めてまいる考えでございます。(拍手)
#21
○議長(斎藤十朗君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#22
○議長(斎藤十朗君) 日程第一 社会保障に関する日本国とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。外交・防衛委員長矢野哲朗君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔矢野哲朗君登壇、拍手〕
#23
○矢野哲朗君 ただいま議題となりました英国との社会保障協定につきまして、外交・防衛委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 この協定は、我が国と英国との間の人的交流に伴って発生する公的年金制度への二重加入等の問題の解決を図ることを目的として、年金制度への強制加入に関する法令の適用について両国間で調整を行うものであります。
 委員会におきましては、我が国における社会保障協定の締結状況とその促進、保険期間の通算に関する今後の日英協議、米国との社会保障協定締結交渉の経緯と見通し等について質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終え、採決の結果、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#24
○議長(斎藤十朗君) これより採決をいたします。
 本件の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#25
○議長(斎藤十朗君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#26
○議長(斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十一  
  賛成           二百二十一  
  反対               〇  
 よって、本件は全会一致をもって承認することに決しました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#27
○議長(斎藤十朗君) 日程第二 産業技術力強化法案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。経済・産業委員長成瀬守重君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔成瀬守重君登壇、拍手〕
#28
○成瀬守重君 ただいま議題となりました法律案につきまして、経済・産業委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、産学官が一致して産業技術力の強化に取り組むことを基本理念として、大学の研究活動を活性化させる環境を整備するとともに、研究成果の産業への移転を促進するための措置等を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、我が国産業の国際競争力強化策、研究開発体制のあり方、国公立大学教官等による営利企業の役員兼業規制の緩和の是非等につきまして質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終わり、討論に入りましたところ、日本共産党の西山委員より反対する旨の意見が述べられました。
 次いで、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#29
○議長(斎藤十朗君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#30
○議長(斎藤十朗君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#31
○議長(斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十一  
  賛成            百九十九  
  反対             二十二  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#32
○議長(斎藤十朗君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時十三分散会
     ─────・─────
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト