くにさくロゴ
2000/04/26 第147回国会 参議院 参議院会議録情報 第147回国会 本会議 第20号
姉妹サイト
 
2000/04/26 第147回国会 参議院

参議院会議録情報 第147回国会 本会議 第20号

#1
第147回国会 本会議 第20号
平成十二年四月二十六日(水曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第二十号
    ─────────────
  平成十二年四月二十六日
   午前十時 本会議
    ─────────────
 第一 児童手当法の一部を改正する法律案(趣
  旨説明)
 第二 刑事訴訟法及び検察審査会法の一部を改
  正する法律案、犯罪被害者等の保護を図るた
  めの刑事手続に付随する措置に関する法律案
  及び犯罪被害者基本法案(参第一〇号)(趣
  旨説明)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(斎藤十朗君) これより会議を開きます。
 日程第一 児童手当法の一部を改正する法律案(趣旨説明)
 本案について提出者の趣旨説明を求めます。丹羽厚生大臣。
   〔国務大臣丹羽雄哉君登壇、拍手〕
#4
○国務大臣(丹羽雄哉君) 児童手当法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 我が国の合計特殊出生率は、一・三八と過去最低の水準になっており、このような少子化の傾向は、我が国にとって大きな社会問題になりつつあります。
 このため、政府といたしましては、少子化への対応として、仕事と子育ての両立の負担感などを緩和し、安心して子育てができるような環境の整備を進める観点に立って、昨年末、少子化対策推進基本方針や新エンゼルプランなどを策定し、幅広い分野にわたる施策を推進しております。
 今回の改正は、こうした総合的な少子化対策を推進する一環として行うものであります。
 以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、当分の間、三歳以上義務教育就学前の児童を養育する父母などに対し、現行制度の給付に相当する給付を行うことにいたしております。
 第二に、三歳以上義務教育就学前の児童に対する給付の額及び所得制限などについては、現行制度と同様にいたしております。
 第三に、三歳以上義務教育就学前の児童に対する給付の費用負担は、被用者及び自営業者などにつきましては、国が六分の四、都道府県が六分の一、市町村が六分の一を負担することとし、公務員につきましては、所属庁が全額を負担することにいたしております。
 最後に、この法律の施行期日は、平成十二年六月一日としております。
 以上が児童手当法の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)
    ─────────────
#5
○議長(斎藤十朗君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。小宮山洋子君。
   〔小宮山洋子君登壇、拍手〕
#6
○小宮山洋子君 私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました児童手当法の一部を改正する法律案について、厚生大臣並びに大蔵大臣に伺います。
 法律案の内容に入る前に、少子化のとらえ方と国の役割について伺いたいと思います。
 平成元年の合計特殊出生率、一人の女性が一生の間に産む子供の数は一・五七と、それまでの最低であったひのえうまの年の一・五八を下回ったころから少子化ということが言われるようになりました。現在は、合計特殊出生率は一・三八と史上最低になり、このままですと高齢社会のピークには、四人に一人ではなく、三人に一人が六十五歳以上の高齢者になると予想されています。
 政府としては、少子化は困ったことだから何とかしなくてはということで対策を打ち出してこられているのではないかと思いますが、少子化をどうとらえ、国の役割についてはどのようにお考えなのか、厚生大臣に伺います。
 この法律案の趣旨として、「総合的な少子化対策を推進する一環として」とあります。また、少子化に歯どめをかけるということもよく言われます。こうした考え方から、国のために女は子を産むべきだといった人口政策の対象として女性を見ていると受け取る人も少なからずいます。
 一九九四年にカイロで行われた国際人口開発会議で、日本も合意しているリプロダクティブヘルス・ライツ、生涯を通した女性の健康・権利を守ることが人口問題への望ましい対応であるということ。すなわち、持ちたい人が持ちたい数の子供を安心して産み育てられるようにすること、あくまで女性は人口政策の対象ではなく、自己決定する主体であるという基本的な理解に欠けた政策がばらまき的に打ち出されていることが、少子化にますます拍車をかけることにつながっているのではないかと思いますが、厚生大臣はどのようにお考えでしょうか。
 さて、児童手当法改正案の内容ですが、高齢者への対応に偏り過ぎている政策を子供にも対応したものにしていこうということであれば、その点は評価できるという見方もあります。しかし、この改正案の内容は、多くの問題点を含んでいると言わざるを得ません。
 まず、今回の見直しは当分の間の措置とされています。当時の与党三党の合意では、児童手当制度を少子化対策の柱として位置づけ、平成十三年を目途として、支給対象と年齢及び支給額の充実を含めた制度全体の抜本的な見直しを合意するとされているため、当分の間となったのでしょうが、なぜ来年度抜本的な見直しをするのにこのような中途半端な改正を行おうとしているのか。また、来年度の抜本的見直しとの関係の明確な答弁もあわせて厚生大臣に求めます。
 そもそも児童手当のあり方をしっかりと議論せずに、その場限りの増額を行うことがおかしいのです。児童手当法の第一条には、児童を養育している者に手当を支給することにより、家庭における生活の安定や、次代を担う児童の健全育成及び資質の向上に資することが目的とされています。実際には、月五千円で家庭における生活の安定や児童の健全育成、資質の向上に資するとは考えられません。
 なぜ、どのような目的で児童手当を支給するのか、どのような効果が期待できるのか、広く国民の声を聞きながら根本の議論が必要なのに、そうしたことが行われていません。与党の間でも、突っ込んだ議論はなされていないように聞いていますが、厚生大臣の見解をお聞かせください。
 次に、支給の範囲を小学校入学前に拡大する点について伺います。
 当初、公明党が出された案では十六歳未満となっていました。児童手当が子育てに伴う経済的負担を軽減するためであるならば、教育費などの負担のある学校に通っている子供を持つ家庭にも支給する必要があるのではないかと考えます。ヨーロッパの各国でも十六歳未満、十八歳未満という例が多くなっています。なぜ支給対象が六歳までなのか、厚生大臣に答弁を求めます。
 この改正案では、児童手当の支給額は、現在と同じ、第一子、第二子については月五千円、第三子以降は月一万円となっています。この額は、例えば第一子を比較しても、イギリスの一万二千円余り、ドイツの一万六千円余り、スウェーデンの一万九百円などに比べて低い額です。先ほどの児童手当の目的、そして各国との比較などから、厚生大臣は日本のこの額でよいとお考えなのか、伺います。
 次に、所得制限について伺います。
 ヨーロッパの国々では、子供を平等に扱うという観点から所得制限はありません。また、後ほど伺いますが、今回の財源を年少扶養控除を引き下げることで賄うことなどを考えあわせますと、所得制限を設けるのはおかしいとも考えられます。所得制限について、設ける理由、またその水準について厚生大臣の考え方をお聞かせください。
 この政府案では、新たに支給が拡大される部分の給付財源はすべて公費負担になっています。公費で賄うとすれば、公平に給付されるべきです。サラリーマン世帯と自営業者世帯とで所得制限額がなぜ異なるのでしょうか。サラリーマン世帯が年収六百七十万円であるのに、自営業者世帯は四百三十二万五千円で、所得制限に二百三十七万五千円もの差があります。なぜこのような差が生まれるのか、厚生大臣、理由を御説明ください。
 現在の児童手当の費用負担は、サラリーマンの場合は、事業主が全体の七割を負担し、残りを国と地方が二対一の割合で負担しています。自営業者の場合は、国が三分の二、地方が三分の一を負担し、公務員の場合は、国、所属庁と地方が全額負担しています。今回の見直しで新たに給付される三歳から六歳についてはすべて公費で賄うとされています。事業主の負担についてどのような考え方に基づいて現在行われているのか、また見直し分についてはどうなのか、考え方を伺います。
 さて、今回の児童手当の見直しに当たって、政府は、その財源として十六歳未満の扶養親族の年少扶養控除を十万円引き下げる税制改正を予定しています。
 この年少扶養控除は、昨年度の税制改正で子育て減税と銘打って十万円増額したばかりです。たった一年前に、政府は、児童手当の増額ではなく年少扶養控除の増額を選択しているのです。それを一年後の今回、十万円引き下げてもとに戻す、全く一貫性がないではありませんか。子育て支援として、税の控除でするのか手当の給付でするのか、基本的な理念が全くないとしか言えません。今回の政策転換について、大蔵大臣から明確にお答えください。
 しかも、六歳から十六歳までの子供がいる世帯や三歳未満の子供を持つ世帯にとっては、今回の見直し案では実質増税になります。子育てを支援するために経済的負担を軽減するということが児童手当の目的であることからすると、このように多くの世帯で増税になる制度変更は非常に問題だと考えます。こうした点についての大蔵大臣の御見解と、増税になる家庭にどのように一体説明なさるのか、伺います。
 子育て支援のために扶養控除と手当の給付のどちらが有効かという点ですが、扶養控除は収入が課税最低限以下の低所得者には恩恵がなく、また税額控除ではなく所得控除であるために収入が高いほど有利な制度になっています。複雑になり過ぎている控除を廃止して手当を支給することは、合理的で公平な政策だと考えますが、大蔵大臣はいかがお考えでしょうか。
 児童手当を拡充することは、あくまで子育て支援の一つの柱にすぎません。今申し上げた税の扶養控除か児童手当のような手当でするのかを含めて、子育てをする家庭で何を望んでいるのか、広く意見を聞き、議論をする必要があると考えます。
 ある調査によりますと、若い女性の九割は子供が欲しいと考えているのに、これまでは官僚の皆さんが机上で考えている政策しか出ていないから出生率が下がり続けるということになるのではないでしょうか。
 総理府の調査では、子育てのために必要な施策として、労働時間の短縮、育児休業制度の充実などを挙げる人が多く、児童手当などの経済的支援を求める声はむしろ少ないという結果が出ています。
 子育て支援の総合的なビジョン、施策がまずあって、それでは児童手当はどうするのかと考えるのが順序だと思いますが、この点について厚生大臣の見解を伺います。
 昨年、男女共同参画社会基本法が成立しましたが、日本では家事、育児、介護の九割は女性が担っています。また、報酬を得る有償労働と家庭内での無償労働の割合が日本の男性は十五対一と各国に比べて家族とのかかわりが極端に少なくなっています。
 女性も男性も能力を生かして働きながら家族と向き合える、そういう労働環境を整えること。必要なときに男女ともに安心してとれる育児休業制度、多様なニーズにこたえられる保育サービス、子供が持てる広さの住宅、個性が大切にされる教育など、持ちたい人が安心して子供を産み育てることができるためには、総合的な制度、仕組みをつくり、そして意識を変えていくことが必要です。
 当事者である若い人たち、子供を持ちながら働いている女性、専業主婦の女性あるいは産まないという決断をしている女性など、さまざまな考え方の女性たち、そして男性の声も広くしっかり聞いて総合的なビジョンをつくることが必要だと考えますが、重ねて厚生大臣に伺います。
 今回の改正について、中央児童福祉審議会の答申には、今後少子化対策としての効果、税制など他の施策との関連、財源のあり方などを含め、少子化対策全体の推進を図っていく中で十分な検討をすべきである、なお一部の委員より諮問に至るまでの経緯及び財源のあり方も含めた児童手当のあり方について十分な検討がなされたとは言い難いことから反対であるとの意見があったと述べられています。
 また、社会保障制度審議会の答申でも、児童手当の給付及び財源に関する根本的な検討が不十分なこと、今回の改正案における税負担と給付の配分の変化に問題が残ること等を考慮すれば当面の措置であるとしても問題なしとしない、今後少子化対策の体系的な検討の中で児童手当の具体的なあり方について雇用・賃金、税制等との関連にも留意しつつ速やかに検討を行うべきであるとしています。
 この二つの審議会の指摘にどのようにこたえていくのか、政府の見解を最後に伺います。
 何度も申し上げましたように、児童手当は子育て支援の一つの柱にすぎません。全体のビジョンがない上に、財源などについて朝令暮改のばらまきとしか言えない、問題の多い今回の改正案は余りに無責任であることを申し上げて、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣丹羽雄哉君登壇、拍手〕
#7
○国務大臣(丹羽雄哉君) 小宮山議員にお答えいたします。
 まず、少子化のとらえ方と国の役割についてどう考えているか、こういうお尋ねでございます。
 近年の急速な少子化の進展は、我が国の社会経済にさまざまな影響を与えることが懸念されております。社会全体で取り組むべき重要な課題であると考えておるような次第でございます。
 このため、二十一世紀の我が国を家庭や子育てに夢を持てる社会とするため、福祉、雇用、教育、住宅などの分野における環境整備を推進していくことが政府の担うべき役割であると考えておるような次第でございます。
 それから、女性のいわゆる自己決定への理解についてのお尋ねでございますけれども、政府といたしましては、結婚や出産を望む人がその希望を実現できるような環境整備を推進するという基本的な考え方に沿って少子化対策推進基本方針などを策定したところでございます。
 今回の改正と抜本的見直しとの関係についてのお尋ねでございますが、今回の改正は、少子化対策の推進が喫緊の課題として求められている中で、新エンゼルプランの策定など総合的な少子化対策の一環として児童手当の拡充を図るものでございます。今回の児童手当のあり方につきましては、昨年末の与党合意を踏まえ、与党において協議されるものと承知をいたしておるような次第でございます。
 それから四つ目でございます。児童手当のあり方、効果について広く国民の声を聞くべきだとの御指摘でございますが、今回の改正案を取りまとめるに当たりましては、与党における結論を踏まえ、幅広く国民の声にこたえたものであり、本法案については国会においても十分な審議をいただけるものと考えているような次第でございます。
 それから次に、支給対象年齢についてのお尋ねでございますが、今回の改正案は、義務教育就学の前後では子育てに伴う家庭の精神的、経済的な負担にも違いがあるという点を十分に考慮し、義務教育就学前までとすることといたしたものでございます。
 それから次に、手当額の水準についての御質問でございますが、今回の改正においては限られた財源の中で支給対象の拡大を図ることとし、支給額は従来どおりといたしておりますが、子育て家庭の経済的な負担を軽減することによって総合的な少子化対策の柱の一つとして位置づけることができるものと、このように考えているような次第でございます。
 それから、児童手当の所得制限についてのお尋ねでございますが、児童手当は、児童養育費がさほど家庭の負担と感じないような所得階層には所得制限を設けることとし、現在、支給率がおおむね七割となるよう限度額を設定しているところでございます。
 また、自営業者などとサラリーマンとで所得制限の限度額が異なるのは、自営業者などとサラリーマンとの支給率に著しい格差が生じないよう所得制限の限度額の高い特例給付を設けたという経緯があるわけでございます。
 それから、事業主負担についての御質問でございますが、児童手当制度の事業主負担というものは、児童手当が従業員に対する福利厚生的な性格があるということから導入されたものでございます。現行制度では総給付費の三分の二程度を事業主負担で賄っているところでございます。
 そして、今回の改正案におきましては、現下の厳しい経済財政状況を踏まえまして年少扶養控除の見直しを行い、改正に要する費用は国、地方で負担することにいたしたような次第でございます。これによりまして公費で総給付費のおおむね七割を賄うことになるような次第でございます。
 それから、子育て支援の総合的なビジョンが先にあるべきではないか、こういうようなお尋ねでございますが、政府といたしましては、少子化対策推進基本方針や新エンゼルプランを策定し、保育、雇用、教育、住宅などの分野における環境整備を行うことにいたしたところでございます。このような総合的な少子化対策の一環として児童手当の支給対象年齢を拡大することにしたものでございます。
 それから、総合的なビジョンをつくるべきでないかというお尋ねでございますが、政府といたしましては、内閣総理大臣の主宰のもと各界各層の方々に御参加をいただいた少子化への対応を考える有識者会議からの提言を踏まえまして、少子化対策推進基本方針、さらに新エンゼルプランを策定したところでございます。
 最後になりますけれども、関係審議会の答申への対応についての御質問でございますが、今後児童手当制度のあり方について検討する際には両審議会の御指摘を十分に踏まえてまいりたい、このように考えているような次第でございます。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(宮澤喜一君) 昨年度創設をいたしました年少扶養控除の割り増し特例を今年度廃止したということには一貫性がない、政策転換を行った理由は何かというお尋ねでございました。
 この特例は、平成十一年度の税制改正におきまして、我が国における少子高齢化の進展という経済社会の構造変化のもとで子育て世帯への配慮として実施をいたしたものでありますが、同じように、このたびのこの割り増しの特例を廃止して児童手当を拡充する、就学前の児童及び中低所得者層に重点を置くことにいたしましたことも、ある意味で子育て世帯の経済的負担の緩和のための施策という基本的な考え方に基づいているという点は、考え方は従来と変わっていないというふうに思います。
 問題は、おっしゃいますように、多くの世帯で増税となるではないかと。確かにこれによって増税になる世帯と減税利得を受ける世帯とが分かれることになりますが、十一年と十二年の単年度で比較をいたしますと、六歳以上十六歳未満の扶養親族を有する方々、あるいは児童手当の所得制限を超えてしまって、つまり児童手当は失格する、そういう方々には児童手当の支給がないわけでございますから、そういう方々は今回の措置によって負担増となります。
 他方、子育てについて相対的に負担感が大きい段階にあると考えられます義務教育就学前の扶養親族を有する方、あるいはもともと扶養控除等の税制上の措置に均てんしていない非納税者、あるいは中低所得者に対しては児童手当の拡充によってそれだけ財政資金が手厚く配分されることになる、負担のふえる世帯とそうでない世帯とが分かれますが、それはそのような政策の目的意思によるものというふうに御理解をお願いいたしたいと思います。
 ただそこで、おっしゃいますように、この問題はその次にお出しになりました問題に実は深く関係をしております。つまり、今、小宮山議員のおっしゃったことは、扶養控除というものは、基本的には所得の高いほど所得控除でございますと有利でありますから、控除というものを廃止して手当を支給することの方が合理的で公平ではないかという、こういう御所論を展開されたわけであります。
 確かにこの点は国によって違っておりまして、アメリカなどは児童手当というものはございません。全部税制で行われている。それからイギリスは、また不思議なことに児童手当だけがありまして、税制の控除というものはありません。ドイツは選択制になっておりますし、フランスは併用というようなことであります。どちらかというと我が国は併用という形に今なっておるわけです。
 それで、これは将来の問題に展開していくことになると思いますが、控除というものは廃止した方がいいかということになりますと、税の方から申しますと、納税者本人の世帯構成によってやはり担税力に応じた調整が要るのではないか。それが基礎的な人的控除という観念でありますけれども、それによって累進的な負担を求めていくという考え方でありますが、納税者に扶養親族がいる場合にはその人数等に応じた扶養控除を適用する、そういう形で税負担に考慮をしている。
 ですから、控除というのにもいろいろございます。いろいろな種類の控除がございますが、控除そのものについて殊に今の児童手当との関連で御議論があることは、私は各国の様子を見ましても確かに一つの御議論であろうと。ただ、税だけの立場からいいますと、扶養控除を全部手当に切りかえてしまうということは、控除の持っている税負担の調整機能が失われるという問題がございますから、これはこの点でまた御議論をいただかなければならないのではないか。
 各国でやっておりますことにもかんがみまして、この扶養控除あるいは児童手当のあり方というのは、所得控除全体の見直しそれから社会保障制度のあり方との関連等々、今後いろいろ御議論になることと思いますし、私どもも慎重に検討してまいりたいと思っております。(拍手)
    ─────────────
#9
○議長(斎藤十朗君) 沢たまき君。
   〔沢たまき君登壇、拍手〕
#10
○沢たまき君 私は、公明党・改革クラブを代表して、ただいま議題となりました児童手当法の一部を改正する法律案に対し質問いたします。
 少子化対策につきましては、政府においても、現在、有識者会議の提言を受けて少子化対策推進基本方針が定まり、ようやく本格的に取り組み始めたところと理解しております。したがって、今後は、少子化対策をいかにしたら国民的運動にまで高めていくことができるかが極めて重要であります。
 しかし、女性の立場から見ますと、今なお古い価値観と力学が深く浸透しており、少子化イコール女が子供を産まない、あるいは子育ては女が行うものといった誤った認識がいまだ根強く存在することも否定できません。
 少子化のもたらす悪影響については、未来社会、次の世代にいかなる負担と混乱と不安を与えるのか、現在の世代にはその痛みが見えません。また、私たちが最も留意すべきは、次の世代の子供たちが現在の政治に対し何ら要求できないという事実であります。私たち政治家は、この届かない声を的確に把握し、こたえていかなければいけない責任があります。
 公明党が、むだゼロ、ごみゼロ、エゴゼロの三ゼロ運動を提唱し、推進しているのも、次の世代にすばらしい日本を残す責任がある、次の世代に対する負担を共有しなければならないという深い思いからであります。
 そこで、まず最初に、現在の世代の次の世代に対する責任について、厚生大臣に御見解を承りとう存じます。あわせて、少子化対策の目標とすべき未来像について、国民にわかりやすい形でお示しいただければと存じます。
 以下、具体的事項について伺ってまいります。
 最初に、本法律案の児童手当についてお伺いします。
 公明党は今日まで、少子化対策として、育児休業手当の四〇%への引き上げ、奨学資金の拡充等、幅広い観点から施策を推進してきたところであります。今回の改正については高く評価し、政府関係者の御努力に対し心より敬意を表します。
 その一方で、我が国の児童手当の水準は、諸外国の児童養育費に対する所得保障と比較すると、まことに低いレベルにあります。平均的勤労世帯の児童給付費の対年収比は、多くの国において一〇%から二〇%となっております。特にベルギー、アイスランド、オーストリアでは二〇%を超えております。ところが、我が国はわずか二・一%であります。児童手当がばらまきだという批判は、この数字を見ただけでも全く当たらないと言わざるを得ません。
 また、欧州では、年少扶養控除と児童手当を統合して、児童手当の直接給付に移行しています。
 その背景は、累進課税方式のもとでは、所得が高ければ高いほど税制の年少扶養控除の額が大きくなる一方で、課税最低限以下の家庭はその恩恵を全く受けることができません。また、所得が低い家庭はその恩恵を十分に受けることができず、児童養育費の不公平が生ずるという欠点を有していることです。
 さらに、税制上の年少扶養控除のみでは児童養育費が低額に抑え込まれるということも指摘されており、扶養控除を取り入れている日本とアメリカにおいて児童養育費が低いレベルにあるのはそのためであると言われております。
 全国婦人税理士連盟は、扶養している子供の費用について、児童手当による直接給付の方が税控除制度より効果的であると明言しております。今や児童養育費に係る施策は、扶養控除のみに固執することなく、幅広い視点で取り組むべき課題であります。
 また、児童手当に所得制限を課している例は諸外国では見られず、支給対象児童の年齢も十六歳ないし十八歳までが常識となっております。
 公明党は早くから、支給対象を十六歳未満まで拡大すること、支給額の増額、所得制限の撤廃を内容とする新しい児童手当制度の創設を強く主張してまいりました。
 今回の改正案は当分の間の措置とされておりますので、できれば平成十三年度から本格的な児童手当制度が実施されるよう、政府において速やかにその準備に取り組まれることを強く要望いたします。
 新しい児童手当制度の実現に向けての厚生大臣の御決意をお伺いいたします。
 あわせて、児童手当の財源として年金積立金を活用し、児童手当を公的年金から給付することの是非について、お考えをお伺いいたします。
 また、児童の養育費に対する施策のあり方について、世界の流れとも言える税制上の優遇措置から直接給付への統合、移行について、大蔵大臣のお考えをお伺いいたします。
 次に、昨年、与党三党合意により少子化対策臨時特例交付金が実現いたしました。このたび厚生省よりすばらしい事例集が発刊され、地方公共団体において目をみはるような効果的な少子化対策が実施されていることが紹介されております。
 都内のある中学校では、空き室を利用して保育園を分園方式で開設し、待機児童の解消を図るという先進的取り組みが行われています。私も視察してまいりました。中学校の先生方も、中学生がよきお兄さん、お姉さんぶりを発揮し、園児の運動会に積極的に協力するという麗しい光景が見られ、いじめ等もなくなったと話されるなど、大変喜ばれていました。
 また、通常の幼稚園に加えて、延長保育、預かり保育、乳幼児保育、小学校三年までの学童保育の四つの保育形態をあわせ持つ幼稚園も視察してまいりました。ここではお母さん方から、兄弟が一緒に帰ることもでき親も子供も安心できる、違う年齢の子供とも交流ができる、こんな理想的な施設が欲しかったと、これもまた大変喜ばれていました。
 私は、国と地方が協力しての少子化対策こそ効果的であり、この少子化対策臨時特例交付金取組事例集を精査することによってすばらしいものを全国に広めることは大変意義深いものがあると思います。
 厚生大臣、文部大臣の御見解をお伺いいたします。
 次に、小児医療について伺います。
 今日、すべての都道府県で乳幼児医療の無料化が実現いたしました。市町村によっては就学前まで無料化が進んでいるところもあります。しかし、難病のお子さん以外は国からの手当ては何も行われておりません。国が積極的にリードして、就学前の児童の医療費無料化の実現を目指すべきだと思います。厚生大臣の御見解をお伺いいたします。
 関連して、近年、小児科医の減少傾向が大変心配されています。今回、臨床研修の必修化に伴い小児科研修をぜひ強化していただきたいと思います。
 さらに、九九年から小児救急医療支援事業を予算化いたしましたが、医師の輪番制が存続できないなどの苦情もあり、ぜひ補助金の増額をお願いいたします。
 また、小児用医薬品が少なく、保険適用外の使用が広く行われております。問題解決のために、行政、製薬会社、小児科医が一体となって取り組む体制を早急に確立すべきだと思います。
 以上、小児医療対策の三点について、厚生大臣にお伺いいたします。
 最後に、育児負担軽減対策について伺います。
 最近、イギリスではブレア首相が育児休暇をとるべきか否かで注目を集めました。実際にブレア首相が育児休暇をとるかどうかは御本人の判断次第でありますが、首相の育児参加が国民の話題になることでどれだけイギリスの女性が励まされていることか、私はイギリス国民の意識の高さをうらやましくさえ思います。
 ところで、我が国における平成八年度の育児休業の男女の取得状況は、女性が九九・二%、男性はわずか〇・八%となっております。
 そこで、私は、民間労働者でも有給休暇の時間単位取得ができるよう強く要望いたします。
 現在、国家公務員は一日単位、半日単位、時間単位で有給休暇の取得が認められております。しかし、民間労働者には認められておらず、官民格差の一つでもあります。
 日本の男性は外国と違って兵役義務もない平和な日本です。せめて育児期間中は男性が時間単位の有給休暇を取得し、保育所の送迎等を手伝い、女性の負担軽減を推進すべきだと思います。
 労働大臣の御見解を伺って、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣丹羽雄哉君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(丹羽雄哉君) まず、少子化対策について次世代への責任や目標とすべき未来像のお尋ねでございますが、近年の急速な少子化の進行は、我が国の将来にさまざまな影響を与えることが懸念されております。少子化への対応は、私どもが社会全体で取り組むべき問題、重要な課題である、このように考えているような次第でございます。
 そこで、政府といたしましては、二十一世紀の我が国を、若い男女が明るい家庭をつくり、子育てに夢や希望を持つことができる社会とすることを目標にいたしております。このため、少子化対策推進基本方針の策定や新エンゼルプランの策定など、総合的な少子化対策を推進してまいりたいと考えております。
 次に、新しい児童手当制度の実現についてのお尋ねでございますが、児童手当制度のあり方につきましては、昨年末の与党合意において、財源や費用負担のあり方についても総合的に検討する、こういうこととされておるわけでございます。
 私といたしましては、少子化対策としての効果、税制などほかの施策との関連、さらに具体的財源確保の方策などにつきまして十分に留意しながら、与党の協議も踏まえつつ検討する必要があると考えておるような次第でございます。
 また、年金積立金の運用益を児童手当の財源の一部に充てるという御意見につきましては、将来世代の保険料の軽減に充てるという積立金の性格との関係などから、私は慎重に検討する必要がある、このように考えているような次第でございます。
 次に、少子化対策臨時特例交付金の取組事例集についてのお尋ねでございますが、今回の交付金は、それぞれの自治体の実情に応じた創意工夫ある幅広い取り組みを支援する初めての試みでございます。これによりまして、およそ三万八千人の保育所待機児童の解消が見込まれるなど、効果が着実に上げられている、このように確信をいたしておるような次第でございます。
 御質問の事例集は、およそ三百の自治体のさまざまな取り組みを取りまとめたものでございます。すべての自治体に配付し、その活用をお願いしたところでございます。厚生省といたしましても、今後の施策の推進に当たり十分に参考にしてまいりたい、このように考えているような次第でございます。
 それから、就学前児童の医療費無料化についてのお尋ねでございますが、私は、昨日の予算委員会でも申し上げたわけでございますが、医療費につきましては、医療を受ける者と受けない者との均衡、バランスという観点などから、受診者に一定の御負担をいただくというのが原則になっておるわけでございます。
 就学前児童の医療費一般につきましては、各自治体が何らかの助成措置を行っていることは十分承知いたしておりますが、国といたしましては、新たな特別対策を講ずることは現在のところ考えておりません。
 小児医療についてのお尋ねでございますが、小児科研修の強化につきましては、今国会に臨床研修の必修化について関連法案の御審議をお願いいたしているところでございます。小児科研修の強化という御指摘の点も踏まえまして、検討会を設置し具体的な検討を進めていきたい、このように考えているような次第でございます。
 それから、小児救急医療支援事業につきましては、今年度は補助対象箇所数をふやすなど、予算額の増大を図ったところでございます。
 最後になりますが、小児科医薬品につきましては、海外を含めました臨床データを利用することによりまして承認を取得しやすくしておりますが、さらに小児科にも使える承認取得の促進について検討し医薬品の適正使用を進めてまいりたい、このように考えているような次第でございます。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
#12
○国務大臣(宮澤喜一君) 児童養育に対する措置について、税制から直接給付へ統合、移行するということについてどう考えるかというお尋ねでございました。
 児童手当のあり方につきまして、昨年末の与党合意がございまして、社会保障制度全般にわたる改革の方向との整合性及び扶養控除の見直し等、税制のあり方との関連に十分留意するとともに、その財源及び費用負担のあり方についても総合的に検討することとされていると承知をいたしておりまして、この問題は今後、与党間においてこうした趣旨を踏まえましていろいろな検討が行われるものと考えております。
 先ほども小宮山議員に申し上げましたが、この問題につきましては先進、先進と申しますか各国間で制度がまちまちになっております。控除だけでいく国、あるいは手当だけでいく国、選択、併用。またイギリスは、今まで手当のみでございましたが、児童税額控除というものを将来やろうかという、そういう計画になっておるとも聞いておりますから、この制度をどうするかということは、今後、税制の観点からも社会保障の観点からもいろいろ御議論になることであろうというふうに考えております。
 ただ、税制だけから申しますと、各種の控除がございますが、扶養控除を廃止、縮小いたしますと、扶養親族があるないでこれは世帯構成に配慮した税負担の調整をしておるわけでございますので、その機能が失われる、あるいはその他の人的控除とのバランスをどうするかという、税制そのものにまたそういう問題がございますので、それらを含めまして、将来やはりいろいろな御議論があり、検討が行われていくことになるのではないか、そのように考えております。(拍手)
   〔国務大臣中曽根弘文君登壇、拍手〕
#13
○国務大臣(中曽根弘文君) 沢たまき議員にお答えいたします。
 少子化対策についてのお尋ねでありますけれども、文部省では、幼稚園教育の充実を図るとともに、近年の少子化の状況を踏まえ、保護者や地域の多様なニーズにこたえるために、預かり保育や子育て支援事業、幼稚園と保育所の施設の共用化、学校の余裕教室を活用した保育所や放課後児童クラブの整備などを推進しているところであります。また、少子化対策臨時特例交付金を活用いたしまして預かり保育のための施設整備などが行われているところであります。
 さらに、本年四月の中央教育審議会の「少子化と教育について」の報告を踏まえ、幼児教育に関する各般の施策の総合的、体系的な推進、高校生の幼稚園、保育所等での保育体験学習の充実などに取り組んでまいります。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣牧野隆守君登壇、拍手〕
#14
○国務大臣(牧野隆守君) 有給休暇の時間単位取得に関するお尋ねです。
 一昨年十二月の少子化への対応を考える有識者会議の提案でもこの点に言及されていることは承知いたしております。
 年次有給休暇は、労働者の心身の疲労の回復などを目的とすることから、労働日単位の付与を原則としております。この観点からは、早退などに時間単位に細分して充当させることは本来予定しているところではありません。しかしながら、御提案について、労使間でその導入について御検討いただきたいと、このように考えております。
 なお、イギリスのブレア首相の育児休業取得をめぐり御発言がございましたが、我が国では、男女を問わず、労働者が育児休業を取得できる制度となっておりまして、その積極的な周知、定着を図ってまいりたい、このように考えております。(拍手)
    ─────────────
#15
○議長(斎藤十朗君) 堂本暁子君。
   〔堂本暁子君登壇、拍手〕
#16
○堂本暁子君 堂本暁子です。参議院クラブを代表して、児童手当法の一部を改正する法律案について質問いたします。
 私は、若いカップルが楽しく、そして自信を持って子育てができることが何より大事だと考えています。その意味で児童手当の拡充は前向きな政策と考えていますが、同時に、公平性や財源などが問題として指摘されています。そこで、児童手当と包括的な少子化対策のあり方、社会保障制度と税制の関係などについて、厚生大臣、文部大臣、大蔵大臣にお尋ねいたします。
 まず、新エンゼルプランとあわせて、今回の児童手当の改正案は、総合的な少子化対策の重要な柱と位置づけられています。そこでまず、少子化対策について伺います。
 少子化対策推進基本方針を見ると、安心して子供を産み、ゆとりを持って健やかに育てるための家庭や地域の環境づくりを基本的な施策として挙げています。しかし残念なのは、そのすべてが妊娠後あるいは出産後の子育て支援策だということです。子供が生まれる前の女性の健康に関する包括的な施策がありません。また、子供を産みやすい経済的・社会的環境をつくるための施策が見当たらないのはなぜでしょうか。
 九八年度の厚生白書によると、予定していなかった、あるいは時期が早かったなどの理由で、意図しない妊娠が四例に一例、つまり二五%を占めているということです。そして、厚生白書はさらに、こうした状況を解消するためには、望むときに出産できるための必要な福祉サービスや情報の提供が必要だとしています。
 望まない妊娠は児童虐待にもつながると言われております。望まれて生まれてくる子供がふえることこそが健全な社会を実現するのだと考えます。女性の健康に関する施策の充実について、厚生大臣の御所見を伺います。
 次に、少子化対策推進基本方針は、少子化の原因の一つは、仕事と子育ての両立が女性たちの負担になってきていることだとしています。それを解決する施策として固定的な性役割分業の是正を挙げているのです。夫は仕事、妻は家庭という性役割分担の強化によって、母親一人に育児が押しつけられているという母子密着を解決するということでありましょう。
 社会保障制度審議会の調査によると、児童手当などの経済的な支援を求める女性は一〇%、一方で保育所の充実が五三・五%、育児休業制度の充実が五四・六%、労働時間の短縮は六二・七%となっています。つまり、仕事と子育ての両立をしやすい環境づくりを強く求めていることが明らかです。この状況を改善するには、つまり男性と女性が対等なパートナーとして、家事、育児、介護などを担うことです。固定的な役割分業の解消は、年金制度などその他の社会保障制度の抜本的な改革なしには実現できないと私は考えています。厚生大臣の御所見を伺います。
 そして三番目に、厚生大臣に伺いますが、核家族化は今や社会の趨勢です。大家族の時代に逆戻りすることはないでありましょう。地域社会を時代に即して活性化し、新しい形で地域ぐるみの子育てを進める必要があります。例えば、地域の子育てセンターとして保育所を機能させたり、あるいは地域の高齢者と子供たちが触れ合う場をつくることなどです。必要に応じて新エンゼルプランと新ゴールドプランの有機的な統合を行うことが必要だと考えます。
 こうした施策によって、子供たちを育てやすい地域環境がつくられ、結果として出生率が上向くことが理想だと考えます。厚生大臣の所見を伺います。
 次に、文部大臣に伺います。
 新潟での長期監禁事件や桶川でのストーカー殺人事件など、女性に対する暴力や性犯罪が社会問題としてクローズアップされています。
 このような社会問題の背景には、幼児期からの教育が知育に偏っていることがあるのではないでしょうか。幼いときから男女の児童生徒が全人的にお互いを認め合う豊かな関係を築いていくという、人間教育の充実こそが総合的な少子化対策における基本ではないかというふうに考えます。大臣の御所見を伺います。
 次に、大蔵大臣に伺いますが、財源についてです。
 昨年、子育て減税の名目で実施したばかりの年少扶養控除を廃止するという、同じ子育て世帯に実質上の増税をすることで児童手当拡充の財源を確保しました。児童手当が少子化対策の中核的な施策であるのであれば、不適切なやり方ではないでしょうか。もっと大きな財源を堂々とお出しになるということだって可能だと思います。大蔵大臣に伺います。
 次に、公平であるべき社会保障制度の一つである児童手当の改正に当たって、制度の不公平性が指摘されているのは大変遺憾なことです。その原因の根は大変に深く、社会保障制度と税制のあり方にも関係があると考えています。
 大企業による男性社員の安定雇用という社会産業構造の崩壊、そして世界でも例を見ない急速な少子高齢化という人口構造の大きな変化が起きています。一方で、労働人口の半分を女性が占めるようになりました。このような状況にあって、もはや従来の税制は時代に合わなくなっている点が幾つもあるのではないでしょうか。その税制を根拠に児童手当などの社会保障制度がつくられているからこそ不公平感が生まれてくるのだと考えます。
 問題の核心は、税制が非常に複雑で把握しにくいものになっていることです。複雑過ぎる税制を見直し、だれにとってもわかりやすい透明性のある単純なものにすべきだと考えます。
 今回の児童手当拡充における不公平感は、サラリーマンと自営業者の間に横たわる所得捕捉の格差、大企業と零細企業のサラリーマンの格差、そして固定的な性役割分担などという問題が原因となっていると言えます。それは税制の抜本的な改革によって初めて解決されるのだと思いますが、大蔵大臣の御所見を伺いたく存じます。
 一九七四年から完全実施された児童手当制度は、その後何度も改正を重ね、現在では子育て費用の負担の公平化と子育て支援の基盤整備の促進を統合する役割が期待されています。このように、児童手当の社会保障としての位置づけを一層明確にし、二十一世紀における児童福祉のあり方を展望すべきだと考えております。
 以上で質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣丹羽雄哉君登壇、拍手〕
#17
○国務大臣(丹羽雄哉君) 堂本議員にお答えいたします。
 まず、女性の健康施策についてのお尋ねでございますが、少子化対策といたしまして、安心して妊娠、出産できる環境整備を行うことは重要であると考えており、少子化対策推進基本方針の中に、思春期における健康教育の推進などの妊娠・出産前の施策について盛り込んだところでございます。
 今後とも、議員御指摘の女性の健康施策について積極的に取り組んでいく決意でございます。
 それから、男女の固定的性別役割分業の解消についてのお尋ねでございますが、男女共同参画社会の形成は少子化対策の推進に当たっての重要な視点であると、こう考えておるような次第でございます。性別役割分業の問題は、幅広い制度や、どちらかというとこれまでの慣習などとも決して無縁とは言えないものでございますが、社会保障のみならず、雇用、教育などさまざまな分野における施策を推進し、その効果が上がるように努力していく決意でございます。
 最後でございますが、子育て支援策における地域社会の役割に関する施策の展開についてお尋ねでございます。
 少子化への対応は社会全体で取り組むべき課題であり、家庭や職場とあわせて地域社会の果たすべき役割はますます大変重要であり、影響がある、このように考えているような次第でございます。
 そこで、厚生省といたしましては、新エンゼルプランなどに沿って、全国三千カ所の地域子育て支援センターの整備であるとか一時保育の推進など、多様な需要に対応できる子育て支援の拠点づくりや、母子保健医療体制の整備など、幅広い対策を進めることにいたしたいと思っております。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣中曽根弘文君登壇、拍手〕
#18
○国務大臣(中曽根弘文君) 堂本暁子議員にお答えをいたします。
 幼児期からの人間教育の充実が少子化対策において占める重要性についてのお尋ねでございますが、幼児期における男女平等教育の充実は非常に重要であると思っております。このため、乳幼児期から男女共同参画の考え方が子供たちに身につくように配慮していくことが大切であると考えております。
 具体的には、平成十二年度より、幼児期から男女共同参画の視点に立った教育を家庭及び地域で推進するため、ゼロ歳からのジェンダー教育推進のモデル事業を実施することとしております。また、学校においては人間尊重、男女平等を基盤として、子供が健全な異性観を持ち、これに基づいた望ましい行動がとれるように指導してまいります。
 今後とも、昨年十二月に決定されました少子化対策推進基本方針を踏まえつつ、男女共同参画を推進する教育、学習の充実に努めてまいります。(拍手)
   〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
#19
○国務大臣(宮澤喜一君) このたびの児童手当拡充につきまして、先ほどからいろいろ御批判をいただいております。
 まず、平成十一年度と十二年度の政策の一貫性を欠いておるではないかという御批判、あるいはまた、もっとはっきり直接給付の方に統合をすべきではないかという御意見、ただいまはまた、堂本議員からは、考えはいいことだが財源の出しどころが悪いという、そういう御批判でございました。
 実は、先ほど御紹介いたしました与党合意が予算編成の最終段階で行われまして、これを予算化いたしますために同種の政策目的を持った措置と振りかえたと申しますか、そういういきさつがございまして、しからざれば、どうも特例公債を出さなきゃいけないという、そういう事情がございましたことを、まあいいとは決しておっしゃいませんと思いますが、御理解をいただきたいと思います。
 結局、しかし、先ほど申しましたように、これは各党の合意もありまして、先々いろいろに展開をする問題である、そういうことは私どもも検討をいろいろいたしております。
 それから、税制の不公平感につきまして、仰せになるとおりだと思います。社会保障制度は国民生活の安定のための公的給付等を行う制度でありますが、税制はそのサービスのための財源を調整するという制度でございますから、おのおの絡み合うところもございますが、今後の税制の抜本的改革につきまして、社会経済の変化、少子高齢化の実態など、いろいろ国民的な議論をよく考えながら検討いたさなければならない。御指摘のとおり考えております。(拍手)
#20
○議長(斎藤十朗君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#21
○議長(斎藤十朗君) 日程第二 刑事訴訟法及び検察審査会法の一部を改正する法律案、犯罪被害者等の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律案及び犯罪被害者基本法案(参第一〇号)(趣旨説明)
 三案について、提出者から順次趣旨説明を求めます。臼井法務大臣。
   〔国務大臣臼井日出男君登壇、拍手〕
#22
○国務大臣(臼井日出男君) 犯罪被害者等の保護を図るための二法案について、一括してその趣旨を御説明いたします。
 近時、我が国では、犯罪による被害者の問題に対する社会的関心が極めて大きな高まりを見せており、被害者やその遺族に対する配慮とその保護のための諸方策を講じることが喫緊の課題となっております。
 刑事手続の分野における被害者等に対する配慮及び保護の問題としては、強姦罪等の被害者が公開の法廷で被告人等の面前で証人尋問を受けることにより精神的苦痛を受け、いわゆる二次的被害に遭うことがあること、親告罪である強姦罪等については、当該犯罪によりこうむった精神的ショックのため短期間では告訴の意思決定が困難な場合があること、被害者等が公判廷で被告事件について意見を述べたいと希望することがあること等が指摘されているところであり、刑事手続において、被害者の心情及び名誉に適切に配慮し、かつこれを尊重する必要があります。
 また、被害者等は被害に係る刑事事件の審理の状況及び内容について深い関心を有するとともに、これらの者の受けた身体的・財産的被害、その他の被害の回復には困難を伴う場合があることにかんがみ、刑事手続に付随するものとして、被害者等の心情を尊重し、かつその被害の回復に資するための措置を定め、もってその保護を図ることも必要であります。
 そこで、この二法案は、このような状況を踏まえて、犯罪被害者等の保護を図るための所要の法整備を行おうとするものであります。
 まず、刑事訴訟法及び検察審査会法の一部を改正する法律案の要点を申し上げます。
 第一は、刑事訴訟法の改正であり、次の点を主な内容としております。
 その一は、被害者等が証人として尋問される際の負担を軽減するための手続として、証人への付き添い及び証人と被告人または傍聴人との間の遮へいの制度を導入するとともに、証人を別室に在室させ、テレビモニターを通じて証人尋問を行ういわゆるビデオリンク方式による証人尋問を導入し、その証人尋問の状況を記録した記録媒体がその一部とされた調書に証拠能力を与えることであります。その二は、親告罪である強姦罪等の告訴期間の制限を撤廃することであります。その三は、公判手続において被害者等による意見の陳述を認めることであります。
 第二は、検察審査会法を改正して、審査申立権者の範囲を被害者の遺族に拡大すること及び審査申立人による検察審査会への意見書または資料の提出を認めることであります。
 次に、犯罪被害者等の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律案の要点を申し上げます。
 第一は、裁判長は、被害者等から申し出があるときは、申し出をした者が刑事事件の公判手続を傍聴できるよう配慮しなければならないとするものであります。
 第二は、被害者等から損害賠償の請求など正当な理由に基づき刑事事件の訴訟記録の閲覧または謄写の申し出があり、相当と認めるときは、刑事事件の係属中であっても裁判所は、申し出をした者にその閲覧または謄写をさせることができるとするものであります。
 第三は、被告人と被害者等は、両者の間における被告事件に関連する民事上の争いについて合意が成立した場合には、刑事事件の係属する裁判所に対し、共同して当該合意の公判調書への記載を求める申し立てをすることができ、その合意が公判調書に記載されたときは、その記載は裁判上の和解と同一の効力を有するものとし、被害者等は被告人から債務の履行がない場合には、別に民事訴訟を提起することなく、当該公判調書により強制執行の手続をとることを可能とするものであります。
 以上がこれらの法律案の趣旨であります。(拍手)
    ─────────────
#23
○議長(斎藤十朗君) 江田五月君。
   〔江田五月君登壇、拍手〕
#24
○江田五月君 犯罪被害者基本法案につき、発議者を代表して、その趣旨と内容の概要を説明します。
 我が国では、長い間、犯罪被害者等は二十年前に創設された犯罪被害者給付金支給制度以外には法制度による保護がなく、精神的にも経済的にもいわれなき苦しみを味わわされてきました。最近、特にサリン事件以来、犯罪被害者の置かれている状況が広く世間に認識されるようになり、また被害者を支援する自主的な組織が各地に設立されるなど、ようやく犯罪被害者の支援について国民的な取り組みが始まりました。そして、実情が明らかになればなるほど被害者の悲惨な状況が浮き彫りになってきました。
 刑罰権の行使は、各国とも国家によって独占され、個人による復讐は禁止されています。我が国の刑事司法も被疑者、被告人の人権を保障しながら、当事者主義の構造で事案の真相を解明し、犯罪者への適正な科刑を実施することになっています。これによって、法秩序の維持を図るという制度のあり方は十分理由のあることです。しかし、この手続の中だけで、犯罪被害者等の保護や利益擁護を図ることはもともと無理がありました。
 このことは国際社会でも問題とされ、一九八五年十一月には国連総会で国連被害者人権宣言が採択されました。我が国では、欧米諸国に比べ立ちおくれが指摘されてきましたが、今回やっと政府から犯罪被害者保護関連二法案が提出されました。これは、確かに我が国の犯罪被害者対策の第一歩となるものではありますが、やはり公判手続の手直しにすぎません。
 犯罪被害者の直面する困難は、精神的、経済的に多面にわたります。これに対応するには、今回の政府案を超えて、刑罰権行使手続の中での配慮とは別個に必要な施策を包括的に確立する新しい制度が必要です。その制度のもとで、犯罪被害者対策を国民も政府も一緒になり、また関係省庁の有機的連携のもとに総合的に推進していくことが求められています。
 そのためには、基本理念や国や地方公共団体の責務等を明記した基本法を制定することが必要なのです。基本法の制定は、被害者団体、被害者支援団体、そしてこの問題に精通する学者、弁護士らの長年の悲願です。私たちは、犯罪被害者等が、個人の尊厳が重んじられ、その尊厳にふさわしい処遇が保障されるよう、犯罪被害者等支援対策を総合的に推進し、犯罪被害者等の福祉の増進に寄与するため、ここに犯罪被害者基本法案を提出いたしました。
 以下、本法律案の内容の概要につき説明します。
 第一に、この法案は、国と地方公共団体に、犯罪被害者等が受けた被害の回復及び犯罪被害者等の社会復帰を支援する責務があることを明らかにし、犯罪被害者等の支援対策を総合的に推進し、もって犯罪被害者等の福祉の増進に寄与することを目的としております。
 第二に、基本理念として、一、すべて犯罪被害者等は個人の尊厳が重んぜられ、犯罪被害の状況等に応じた適切な処遇を受ける権利を有する、二、何人も犯罪被害者等の名誉及び生活の平穏を害してはならないとの二点を掲げています。
 第三に、国は、総理府に設置される犯罪被害者等支援対策審議会の意見を聞いて、支援の基本計画を定めなければならないとしております。
 第四は、国と地方公共団体の基本的施策についてであります。国は、相談、指導、給付金、損害賠償についての援助等、安全及び生活の平穏の確保、刑事手続に関する適切な取り扱い、関係者に対する訓練及び啓発、国民に対する教育及び啓発、調査研究の推進、民間の団体に対する支援及び施設等の整備を行うものとし、地方公共団体は、国の施策に準じた施策及びそれぞれの地域の状況に応じた施策を実施するものとしています。
 さらに、その他所要の規定の整備を行うこととしています。
 以上がこの法律案を提案した趣旨と内容の概要です。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。(拍手)
    ─────────────
#25
○議長(斎藤十朗君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。千葉景子君。
   〔千葉景子君登壇、拍手〕
#26
○千葉景子君 私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました内閣提出の刑事訴訟法及び検察審査会法の一部を改正する法律案、犯罪被害者等の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律案、民主党提出の犯罪被害者基本法案について質問いたします。
 これまで犯罪被害者は、我が国の刑事司法手続が国家刑罰権対被疑者・被告人という構造を前提に制度化されていることから、捜査や裁判の参考人か証人として扱われることはあっても、主体的に刑事手続に関与する法的地位は与えられていませんでした。被害者として、犯罪に関しては相対する当事者であるにもかかわらず、法制度では蚊帳の外に置かれ、精神的にも経済的にも苦痛を強いられてきた状況が今広く認識され始めています。
 今回の政府案は、刑事手続における被害者の取り扱いを規定したもので、犯罪被害者の法的地位を明確にする第一歩として歓迎したいと思います。
 しかし、これはあくまで第一歩であり、「すべて国民は、個人として尊重される。」と規定した憲法十三条、生存権や国の社会保障義務を規定した憲法二十五条に照らして考えると、いまだ十分な位置づけがなされているとは言えません。また、国連においては一九八五年に、被害者のための司法の基本原則宣言、いわゆる犯罪被害者人権宣言を採択していますが、政府案及び政府が進めている対策はこの宣言から見るとまだまだ不十分であります。
 民主党案は、犯罪被害者の人権保障を土台に据え、被害者が犯罪に遭ったときから被害回復を図り、社会復帰するまでのすべての段階で必要とされる施策や法制上の措置などを総合的に実施するための基本方針が示されたものですが、政府としてもこうした基本法制定を念頭に置いておられるのか、まずお伺いいたします。
 臼井法務大臣は、衆議院本会議において、基本法の必要性は、種々の個別具体的な施策を講じていく中で、総合的な見地から検討するのが適当であろうと考えております、今回の法案に盛り込まれていない点についても、議論が熟したものから適切に対応してまいりたいと述べられています。
 しかし、総合的なビジョンをまず提示することで、個別具体的な施策に方向性を与え、議論をリードしていくのが政治の役割であり、政治家たる大臣の御任務ではないでしょうか。臼井法務大臣の御決意をお聞かせください。
 関連して、民主党の発議者にお伺いいたします。
 基本的人権の歴史を振り返ってみますと、十九世紀は国家からの自由を追求し、二十世紀にはそれに加え国家による自由が求められてきました。刑事訴訟法は、いわば十九世紀的自由権の世界とも言えましょう。二十世紀最後の年にようやく二十世紀の視点が盛り込まれることになったわけです。
 ところが、時代は既に先を行っています。国家刑罰権に対し被疑者、被告人及びその弁護人が対決するという構造から、国家と加害者、被害者が当事者として司法にかかわり、加害者、被害者の両者がともに社会復帰を果たせるようにすることで正義を実現する回復的司法ともいうべき考え方が世界の潮流ともなっています。
 民主党の発議者は、こうした考え方をどのように評価されていらっしゃいますか。基本法にはこの二十一世紀的とも言える考え方が反映されているのでしょうか。御所見をお示しください。
 また、犯罪被害者基本法案と政府提出法案とは相対立するものではないと思われますが、その関係についてはどのように考えておられますか。
 さらに、民主党案では、財政上、法制上の必要な措置を講じることとしています。予算を伴う施策となればその優先順位が問題となりますが、具体的にどの施策に取り組むべきだと考えているのか、さらに法制上の措置としては現在何を想定されているのでしょうか。御説明をお願いいたします。
 続いて、政府案と犯罪被害者行政の具体的内容に沿って質問をさせていただきます。
 犯罪に遭って心身にダメージを受けた被害者にとってまず重要なことは、適切なケアを受けることです。この被害者支援について厚生省はこれまでどういう取り組みをしてまいりましたか。犯罪被害者対策関係省庁連絡会議の報告書を見ても余り踏み込んだ取り組みがされているようには思えませんが、いかがでしょうか。
 衆議院での審議においても、犯罪被害者や遺族の方が高額の救急救命費や治療費を請求された事例が明らかにされています。また、哀悼の念など全く感じられない施設で司法解剖され、遺体を運ぶ運送費まで請求されて、遺族は、社会から見放されたような思いで疎外感を強め、さらに傷ついたという話も伺っております。
 こうした医療費等について公費負担をすることについては、国民の理解も得られるのではないかと思いますが、丹羽厚生大臣はどのようにお考えでしょうか。
 犯罪直後の危機介入と言われる被害者支援の仕組みづくりには、厚生省こそ率先して取り組むべきだと思いますが、いかがでしょうか。まずは、前代未聞の犯罪で多くの犠牲者を出し、今も深刻な後遺症で苦しんでいる地下鉄サリン事件の被害者の実態調査を行い、被害者のニーズに耳を傾ける中で支援の方策を確立していただくよう要請いたします。丹羽厚生大臣には、ぜひ積極的な御答弁をお願いいたします。
 また、刑事事件の司法解剖の施設等、被害者の尊厳が損なわれることのないよう、全国の施設を点検してくださるよう求めます。臼井法務大臣の御見解をお聞かせください。
 次に、犯罪被害者保護法案について伺います。
 法務省は、成案を得る前にパブリックコメントを募集いたしました。その際、項目として挙がっていた「没収・追徴、保全制度による損害回復」、つまり被告人が犯罪によって得た収益等を没収、追徴して被害者の損害回復に役立てようという趣旨ですが、これが法案に盛り込まれなかった理由は何でしょうか。寄せられた意見は賛成するものが大半だったと聞いております。
 犯罪被害者に関する実態調査でも、被害による影響の中で、生活が苦しくなったと回答する人が多数を占めています。被害者からも求められていた規定であり、ぜひ見直していただきたいと思いますが、法務大臣の答弁を求めます。
 刑事訴訟法改正案の性犯罪に対する告訴期間の撤廃についてお伺いいたします。
 これまで、被害から六カ月以内に告訴がないと加害者を罪に問うことができませんでした。強姦罪のように二年以上の有期懲役を科せられる重大な犯罪がこの規定によって処罰を免れてまいりました。被害者の多数が中高生や小学生という事実を考え合わせると怒りさえ覚えます。改正は遅きに失したと言わざるを得ません。
 そもそも、性犯罪が親告罪である必要があるのでしょうか。欧米諸国では、性犯罪は親告罪とはなっておりません。我が国でも、複数の加害者による強姦については、告訴の有無にかかわらず犯罪として処罰されることになっており、被害者のプライバシー保護の理由だけでは説明がつきません。
 問題は、性犯罪被害者の保護が法的、社会的に適切に行われていないために、プライバシー侵害を含め、二次被害、三次被害と呼ばれる事態を引き起こしている点にこそあるのではないでしょうか。捜査や裁判の中で、あるいは医療現場の関係者から心ない、暴言とも言える言葉を投げかけられることは日常茶飯事に起こっています。
 千葉県警では、警官自身が留置場に勾留中の女性を強姦するという言語道断の事件さえ発生しています。
 裁判においても、九五年の横浜セクシュアルハラスメント事件の地裁判決に見られるように、被害者は外へ逃げるとか悲鳴を上げて助けを求めるとかできたはずなのにしなかったと、いまだに男性優位の通俗的な見解が示されているのです。性的被害を受けた女性が一時的に硬直し、何事もなかったかのように行動し、不快な行為に抗議することがないという現象はレイプトラウマ症候群と呼ばれて、既に専門家の間ではよく知られたことでもございます。
 警察、検察、裁判官、医師等、被害者と直接接する機関の人々に対し、被害者の心身医学等に関する最新の知見を周知させ、人権教育を徹底することが必要だと考えますが、国家公安委員長、法務大臣、厚生大臣の御見解をお聞かせください。
 千葉県警の事件については調査をし、厳正な対処をするよう国家公安委員長に求めます。
 被害者対策の先進国であるイギリスでは、性犯罪の被害者について、第三者に特定されることのないように匿名を確保することが法律によって保障されています。こうした事例を参考に、被害者保護の観点から、性犯罪に関する諸規定の全般的な見直しをしていただきたいと思います。法務大臣の御所見はいかがでしょうか。
 次に、被害者の知る権利に関連して伺います。
 警察の被害者連絡制度、検察の被害者等通知制度によって随分改善はなされてまいりましたが、そうした制度があることを広く知らせることが必要です。被害者が一々問い合わせ先を確認するまでもなく、被害者や遺族に対してリレー式に刑事司法の各機関が責任を持って情報提供することが求められています。特に、性犯罪の被害者にとっては、加害者の出所情報もぜひ知りたい情報です。性犯罪は再犯性も高く、現に出所した加害者によって被害者が殺されるという最悪の事件も起きています。
 これらの点についてどのように制度の改善を図っていくのか、法務大臣、国家公安委員長の答弁を求めます。
 警察の捜査規範に関して伺いますが、昨年六月に被害者対策の一層の推進を盛り込んだ改正が行われています。衆議院で我が党の同僚議員が、その実施状況について業務監察をしてはどうかと提案したことに対して、保利国家公安委員長は積極的な姿勢をお示しになりました。その後、どのような指示、指導をされておられるのか、御報告をいただきたいと思います。
 新潟の少女拉致監禁事件、埼玉や兵庫のストーカー殺人事件、愛知の少年恐喝事件など、いずれも警察が適切に対処していれば被害の拡大を防ぐことができた事件が相次いでいます。個人的な警察官の問題ではなく、警察全体の捜査能力の低下が危惧されるところです。
 先日、我が党の議員が警視庁警察学校、警察大学校を視察いたしましたが、新規採用の若者たちの意欲的な姿が印象的だったと報告を受けています。警視庁では、女性は四十倍、男性も十七、八倍の難関を突破して採用された若者たちだそうです。
 優秀な人材を確保しながらそれが犯罪防止や摘発に反映されないということは、制度に問題があるのではないでしょうか。現場の実績より試験の成績が重視される昇任制度や警備、公安に偏重した警察機構のあり方の見直し、女性警官の積極的登用など、抜本的な改革が必要だと考えますが、保利国家公安委員長の御見解をお聞かせください。
 最後に、小渕前総理は、犯罪被害者の遺族の方々にみずから手紙を出し、被害者の意見を聞いて種々の施策を実施していくことを約束されています。我が党も遺族の方から御意見を聞く機会がございました。
 被害者対策に当たる国家公安委員長、法務大臣、厚生大臣の皆様から、この小渕前総理の約束を受け継いで実行されていくその決意をお伺いして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣臼井日出男君登壇、拍手〕
#27
○国務大臣(臼井日出男君) 千葉議員にお答えを申し上げます。
 犯罪被害者の基本法に関するお尋ねがございました。
 犯罪被害者保護の問題につきましては、多岐の分野における種々の施策が必要でございまして、基本法の制定を検討することも意義あることと考えますが、まずもって個別具体的な実際の施策を講じることによって対応していくことが肝要であり、そうした施策を講じつつ、総合的な見地から検討することが適当と考えております。
 刑事事件の司法解剖の施設に関するお尋ねがございました。
 検察庁においては、捜査のため、大学等の医師に対して鑑定を委託し、死体解剖を行っていただいているところでございますが、これらの施設におかれては亡くなった方々の尊厳に配慮されてきたものと承知をいたしております。今後とも、これらの施設においてそのような配慮を行っていただけるものと考えております。
 没収・追徴制度を利用した被害者回復制度についてのお尋ねがございましたが、制度の前提となる組織的犯罪処罰法の没収・保全制度の運用状況等を見た上で検討することが適当であることなどから、今回の法整備には盛り込まなかったところでございます。しかしながら、今後とも犯罪収益による被害回復を含む実効性のある諸方策について検討を進めてまいりたいと考えております。
 いわゆる性犯罪が親告罪とされていることについてのお尋ねがございました。
 性犯罪は、その性質上、被害を受けた事実が被害者の意思にかかわらず起訴によって公になると、被害者の名誉が害され、精神的苦痛等の不利益が一層増大するおそれがあり、被害者保護の観点からも、やはり親告罪としておくことが適当であると考えております。
 被害者と接する機関の職員に対する教育の必要性についてのお尋ねがございました。
 法務省におきましても、被害者と接する検察官、検察事務官等に対しては、従来から日常の指導監督や各種研修の機会に被害者の心理や被害者との接し方等を周知させているところでございまして、今後とも同様の指導監督や研修等を実施してまいりたいと考えております。
 性犯罪に関する諸規定の見直しについてお尋ねがございました。
 性犯罪の被害者の匿名性を確保するという点につきましては、刑事訴訟法上住所等の尋問の制限があり、運用上も公判で被害者を匿名とする扱いも行われているところでございます。
 今回、性犯罪の告訴期間の撤廃等を内容とする法案を提出し、御審議いただいているところでありますが、それ以外の性犯罪の被害者保護に関する規定の見直しについては、どのようなものが必要か、また適当かについて慎重に検討する必要があると考えております。
 検察庁の被害者等通知制度に関するお尋ねがございました。
 被害者等通知制度におきましては、検察官が被害者の取り調べなどを実施したときのほか、被害者が死亡した事件またはこれに準ずる重大な事件につきましては、検察官から被害者の方などに通知の希望の有無を確認いたしまして、御希望がある場合には通知を行っているところでございます。
 また、この制度については、全国の検察庁にパンフレットを備えつけるなどいたしておりますが、今後ともその周知方に努めてまいりたいと考えております。
 リレー方式による情報提供につきましては、検察庁において幅広く通知することといたしておりますが、今後とも必要に応じ関係当局と連携をさらに密にし、一層的確な情報提供の実現に努めてまいりたいと考えております。
 加害者の出所情報の被害者への提供の問題につきましては、犯罪者の改善更生、プライバシーの保護の要請をも考慮しつつ、鋭意検討を行っているところでございます。
 今後の施策に対する決意についてお尋ねがございましたけれども、法務省といたしましては、犯罪被害者の保護は重要な問題であると認識しており、被害者の皆様方の御意見等も踏まえつつ、今後とも検討を行い、議論が熟したものから適切に対応してまいりたいと考えております。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣丹羽雄哉君登壇、拍手〕
#28
○国務大臣(丹羽雄哉君) 犯罪被害者のケアについてのお尋ねでございますが、厚生省といたしましては、全国の精神保健福祉センターや保健所において心の健康相談などの相談事業を実施いたしておるところでございます。
 さらに、心的外傷後ストレス障害、PTSDなどの外傷的な出来事を経験いたしましたために生ずる心の問題を抱えてしまった方々につきましては、被害者の立場に立って相談のあり方を含めて見直すべきところは見直しまして、いずれにいたしましても今後一層の充実に努めていく、こういう決意でございます。
 それから、犯罪被害者の医療費の問題で御質問でございますが、犯罪被害者や遺族の方が負担しておられる医療費などの負担のあり方につきましては、関係省庁において犯罪被害者対策の一環として今後検討される必要がある問題であると認識をしており、医療保険制度そのものとは別の観点から検討すべきものではないか、こう考えております。
 それから、犯罪被害者の方々への支援の方策についてのお尋ねでございますが、地下鉄サリン事件の被害者の方々につきましては、心的外傷後ストレス障害、PTSDなどの後遺症によりまして、今日においてもなお多くの方々が心身のさまざまな症状を訴えておると承知をいたしておりまして、心が痛む問題でございます。
 厚生省といたしましては、これまで地下鉄サリン事件の被害者の精神的・身体的健康影響などについての調査研究を実施する一方、医療機関や研究機関に対しまして研究助成を行ってきており、これらの研究事業の成果などを踏まえまして、厚生省としてどのような対応が可能かどうかについて、被害者のニーズに耳を傾けまして関係省庁とも連絡を図っていきたい、このように考えているような次第でございます。
 それから、犯罪被害者に対する医師など医療関係者に対する教育についてのお尋ねでございます。
 医療現場で犯罪被害者に配慮した適切な対応がなされるよう、医師の卒後臨床研修や医療関係者の養成過程において、人権問題を含めまして倫理に関する教育の徹底に一層努めていく決意でございます。
 最後に、被害者対策の決意についてのお尋ねでございます。
 小渕前総理の意向を私どもも十分に踏まえまして、被害者対策につきましては、私といたしましては、被害者のPTSDを含めました実態をまず十分に把握し、その支援につきましても関係省庁と十分に連携して取り組んでいきたい、このように考えているような次第でございます。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣保利耕輔君登壇、拍手〕
#29
○国務大臣(保利耕輔君) 千葉議員にお答えを申し上げます。
 まず、被害者対策に関する教育についてのお尋ねでございますが、警察では、捜査を行うに当たっては、被害者またはその親族の心情を理解し、その人格を尊重しなければならないという犯罪捜査規範に規定する基本原則を第一線の警察官に徹底するため、被害者の心理やそのさまざまなニーズについて、採用時や昇任時に基礎的な教育を実施しております。
 さらに、被害少年の支援や性犯罪捜査等専門的知識を必要とする職務に従事する職員に対しては、特別な訓練や研修の機会を設けております。
 今後とも、被害者対策についての教育、訓練を充実、徹底させ、その一層の推進を図るよう警察庁を督励してまいる所存であります。
 千葉県警察におきます事案についてのお尋ねでありましたが、平成七年、千葉県船橋東警察署留置場で当時看守係をしていた警察官が留置中の女性に対し不適切な行為をした事案であると思いますが、本件につきましては、警察庁の指示に基づき、現在千葉県警察において鋭意調査をいたしております。また、こうした事案が発生したことはまことに遺憾に存じておりまして、国家公安委員会といたしましても、その調査結果に関心を持ちながら、事案の適正な措置について警察庁を督励してまいります。
 被害者連絡についてのお尋ねがありました。
 警察においては、被害者連絡制度を含め、被害者対策についてのホームページやパンフレットなどにより積極的に広報活動を行っておりますが、今後とも被害者連絡制度の周知に努めるよう警察庁を督励してまいります。
 また、被害者に対しましては、警察と検察庁の相互の役割に応じて連絡が実施され、両者が相まって被害者への適切な情報提供がなされるものと考えますが、検察庁との連携を強化し、より被害者の要望にこたえた被害者連絡が実施されるよう警察庁を督励してまいります。
 性犯罪に関しては、被害者が再び被害に遭うことを防止するため、継続的に加害者の動向の把握に努め、防犯指導や警戒活動を行うなどの措置を講じております。加害者の出所情報の通知につきましては、今後、法務省とも連携し、適切な措置について検討を行うよう警察庁を督励してまいります。
 被害者対策に関する業務監察についてのお尋ねがありました。
 警察庁においては、御指摘の犯罪捜査規範の改正趣旨を第一線に徹底するよう努めるとともに、今年度、犯罪等による被害の未然防止活動の推進状況に関して業務監察を実施することといたしております。
 国家公安委員会といたしましては、桶川事件等の反省と検証の上に立ち、御指摘の点も踏まえ、こうした監察等を通じ被害者対策の一層の推進が図られるよう警察庁を指導、督励しているところであります。
 人材の活用についてのお尋ねがありました。
 昇任制度につきましては、警察では従来から一般の昇任試験とあわせ、試験によらず実績に基づいた選抜・選考昇任制度を設けております。また、ハイテク犯罪、薬物犯罪、来日外国人犯罪等、近年増加、深刻化している新たな形態の犯罪に対応するため、部門間の人員配置の見直しや組織再編を進めており、さらには男女を問わず実力のある者を積極的に幹部に登用してきております。
 今後とも、限りある人的資源を最大限有効に活用していくため、組織、人事、業務管理等について引き続き見直し、検討を進めてまいる所存であります。
 被害者対策の推進に当たっての姿勢についてでありますが、犯罪の被害に遭われた方々は、身体等の直接的な被害のみならず、精神的にも大きな打撃を受けており、社会からの支援を必要としておられます。こうした被害者の方々に最初に接するのが警察であり、そこでの対応いかんが被害者の立ち直りに極めて深くかかわっております。そのため、警察庁において、平成八年二月に、被害者の方々に対する精神的支援も含んだ被害者対策の基本方針を示し、全国警察を挙げてその推進に取り組んでおります。
 私といたしましても、今後とも被害者の切実な要望に的確にこたえるため、一層の努力をするよう警察庁を通じ督励してまいる所存であります。
 以上でございます。(拍手)
   〔竹村泰子君登壇、拍手〕
#30
○竹村泰子君 千葉議員の質問にお答えいたします。
 回復的司法という考え方についての質問でございますが、御指摘のように、我が国の刑事司法制度は、戦前の官憲による罪なき人々に対する弾圧や拷問等の歴史的反省を踏まえ、憲法三十一条以下三十九条まで、適正手続の保障を初め被疑者、被告人の人権保障を前提に、刑事手続に関する詳しい条文が規定されております。それを受けて、刑事訴訟法でも、被疑者、被告人の人権保障と真実発見が目的とされているところです。
 被害者は訴訟手続に関して、損害賠償権者としての規定はありますが、刑事手続に関与する権利は認められてきませんでした。民主党の犯罪被害者基本法案では、目的と基本理念において、「すべて犯罪被害者等は、個人の尊厳が重んぜられ、被害の状況等に応じた適切な処遇を保障される権利を有するものとする。」として、犯罪被害者の権利を明文で保障し、刑事手続において被害当事者として適切な取り扱いを受ける権利を規定しております。
 また、被害回復についても、人権尊重の観点から、国や地方公共団体に施策の実行を義務づけているわけでございます。
 政府案は基本法の中ではどのように位置づけられるのかという御質問でございますけれども、私どもの提出した法案では、国が講ずべき基本的施策として、犯罪被害者等に対する相談、指導、一時保護等、犯罪被害者等の安全、生活の平穏の確保、関係者に対する訓練、啓発、民間団体に対する支援等について規定しており、これらは国の施策の方向性を示したものであります。具体的施策の実施については、これらの規定を受けて改めてそのための個別法が必要であります。
 今回の政府提案に係る二法案は、刑事手続における犯罪被害者等に対するより適切な配慮と一層の保護を図るためのものであり、刑事手続に関する犯罪被害者等の適切な取り扱いについて定めた基本法案第十一条の規定を受けた、まさにその個別法に該当するものであると認識しております。
 財政上、法制上の必要な措置として何を想定しているかという御質問ですが、被害者支援の基本計画については、総理府、省庁再編後は内閣府に設置される犯罪被害者等支援対策審議会で議論していただくことになります。
 また、早急に取り組むべき課題として、一つは、被害者支援に取り組んでいる民間団体への資金の補助、情報提供などの措置が考えられます。被害に遭ってから、捜査、裁判にかかわり、被害回復を図り、社会復帰するまでのすべての段階で、被害者に寄り添い支援する民間団体の役割は極めて大きいものであります。現状では、被害者が私財を投じて活動を続ける例もあるなど、財政的に多くの困難を抱えております。公的支援の充実とともに、こうした民間団体に対する国、地方公共団体による支援に取り組んでいきたいと思います。
 もう一つは、犯罪被害者等給付金支給制度の改善であります。
 犯罪被害者等給付金支給法は、一九八一年に施行され、およそ二十年がたちますが、給付の対象も限定され、金額も極めて不十分です。生活困窮に対する社会保障的、見舞金的な給付となっておりまして、国の責務としての保障制度にはなっておりません。
 そこで、同法を改正し、犯罪被害者の権利を基本に据えた制度として、対象も金額も拡大する必要があると考えております。
 一刻も早く被害者の皆様の切実な御要望にこたえていきたいと思っております。皆様方の御期待と御理解、御協力をお願い申し上げたいと思います。
 ありがとうございました。(拍手)
#31
○議長(斎藤十朗君) これにて質疑は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   正午散会
     ─────・─────
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト