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1950/12/04 第9回国会 参議院 参議院会議録情報 第009回国会 決算委員会 第2号
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1950/12/04 第9回国会 参議院

参議院会議録情報 第009回国会 決算委員会 第2号

#1
第009回国会 決算委員会 第2号
昭和二十五年十二月四日(月曜日)
   午前十一時十九分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
十一月二十七日委員中田吉雄君辞任に
つき、その補欠として小林亦治君を議
長において指名した。
十一月二十九日委員中川幸平君辞任に
つき、その補欠として仁田竹一君を議
長において指名した。
十二月一日カニエ邦彦君理事辞任につ
き、その補欠として棚橋小虎君を委員
長において理事に指名した。
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○証人喚問に関する件
○昭和二十三年度一般会計歳入歳出決
 算
○昭和二十三年度特別会計歳入歳出決
 算
  ―――――――――――――
#2
○理事(溝口三郎君) 只今より決算委員会を開会いたします。委員長は病気のために御出席ができませんので、理事の私に職務の代行を委託されましたので、私が委員長の代理を行います。
 最初に公団等の経理に関する小委員会から左記の証人の出頭要求が出ておりますが、如何いたしましようか。大橋武夫君、増田甲子七君、特別調達庁長官根道広吉君、足利板金工業株式会社社長田中平吉君、足利板金工業株式会社元專務高橋正吉君、以上であります。
#3
○カニエ邦彦君 木証人は、会計検査院の検査報告三百九十七号の事犯でありまして、これがいろいろ小委員会で検討いたして見ましても、事件の当初から終りまで極めて不明朗な点があるということと、それからもう一つは厖大な國費が、國民の血税がかような結果になつたという点、もう一つはこの事件が新聞、雑誌その他において社会的にも相当な疑惑をかもしておるという点、こういつた点から見ましても、これを國会が明らかにもやもやの暗雲を取り去つて事件の真相を糾すこと、そうして世間でいろいろ噂されておりますところの法務総裁等による疑惑もこの際一掃してあげることが必要でなかろうか。いずれにいたしましてもこの事件に大なり小なり関係をしております関係上、これらの証人を一応喚問し聴取することにおいて、事件は極めて簡單に明白に相成ると思うので、私は是非ともこの証人の喚問をし、そうしてもろもろの疑惑を國民の前に一掃する必要がある。かような意味におきまして、是非ともこの証人の喚問については必要である。こう思いますので、委員会においても十分考慮されまして、可決されることの意見を提出いたします。
#4
○岩沢忠恭君 只今カニエさんの発議でありますけれども、この公団の小委員会において真相を十分糾明なさつたと私は信じておるのですが、その結果小委員会でやはり今の列挙になりました証人というものを喚問することに決定になつたのですか、或いは又この委員会で今の列挙の証人をここで決定するということに讓つておられるのですか、どうなんですか。
#5
○カニエ邦彦君 それは過日生まれました小委員会で、これは当然小委員長から御答弁に相成ることだろうと思うのですが、検討いたしましたところ、小委員会では満場一致実は決定を、仮決定のような形で意見の一致を見たわけなんであります。ところがたまたま自由党の代表者のかたが御欠席になつておつたために、どうもそのままでは穏当を欠くのではないかということで、緑風会からもそういうような御意見が出まして、それは尤もだということで一応自由党の皆さんもお見えになつてから今日の委員会に諮つて決定しよう、こういうようなことになつたように私は記憶しております。
#6
○岩沢忠恭君 そうしますと、我々は初めて今日そういうことにぶつかつたのですが、そこに至るまでのいきさつなり或いはそのお調べになつた真相を、若し小委員長がおいでになれば小委員長からその事情を一つ詳しくお知らせを願いたい、こう思うのですが。
#7
○カニエ邦彦君 その点については小委員長から詳しいお話がある前に、私から大体の説明をいたしますが、実はこの件案について特別調達庁側からも事情を聽取し、それから会計検査院からも事情を聽取いたしまして、そうして種々細部に亘つて検討いたしました結果そういうことになつたので、今聞いていないというようなことを申されるのでありますが、私は当然やはり國会が審議をし、委員会でこれが検討されておれば、当然それには出席をされて、そうして事情をよくお聞きになつておらなければ、たまたま御出席になつていなんだ人のためにあと会期も幾日もないのに、重要な審議が遅れることになろうかと思うのでありますから、その点は委員会を離れて個人的に後ほど必要があれば詳しいお話をお聞きになつたらどうか、こう思うのです。
#8
○相馬助治君 今カニエさんのおつしやつたこととは別個ですが、どだいこの小委員会が生れますときに、私はこういう厖大な内容、又非常に微妙なる問題を取扱うのに小委員会では事足りない、なぜならば、小委員会は証人の喚問等もできないからであるというので私は反対したのですが、そのとき自由党の小委員会設置を提案なさつたかたの御説明にも、そのような証人喚問の必要があるときには、小委員会の要求によつて委員会においてこれに同意して証人喚問というような手続はやれるのであるから、小委員会で以て毫も差支えない、このような御答弁があつたので、私は当時小委員会を結成することに賛成したのでありまして、小委員会において十分議を練つたものがどうしても証人の喚問を必要とする、証人の喚問なしには事態は明白にならないというのであつたならば、私はこの際委員会としては証人喚問に同意すべきが小委員会結成の筋道に鑑みて当然であろうと思いますので、委員長は適当にその手続を進められることを希望します。
#9
○小林亦治君 只今カニエ委員からの意見、それから相馬委員からの意見、私も賛成なのであります。これを拒む理由は外にないように考えます。なぜなれば、國民の疑惑一掃のためにこの数名を喚問するというにあるのであります。若しこれに反対の委員がおられるとするならば、その理由をお聞き下さつて、一般討議に付して貰いたい。委員長お諮り願います。只今の私の提案を……。
#10
○理事(溝口三郎君) 如何でございますか。外に別に何か御発言ありませんか。
   〔「御異議がなければ満場一致で願います」と呼ぶ者あり〕
#11
○理事(溝口三郎君) 証人の喚問について如何いたしましようか。採決によつてきめることにいたしましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○理事(溝口三郎君) 御異議がないようでございますから、証人喚問に御賛成の方の御起立をお願いいたします。
   〔起立者多数〕
#13
○理事(溝口三郎君) 多数と認めます。それではその手続をいたすことにいたします。
#14
○カニエ邦彦君 只今証人喚問の件につきまして決定を見たわけでありますが、実は非常に今日会期が切迫をしておりまするので、遠方の証人もあろうし、又直ぐ喚び得る証人もあるので、委員会の都合等と睨み合せて、できる限り早い機会において日取り等を決定して頂くように、その点はいろいろな関係があろうかと思いますので、委員長に御一任するということにして頂けば、非常に本件の迅速なる審議を遂行して行く上にも適当かと思いますので、私は細かいことにつきましては委員長に一任するという動議を提出いたします。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#15
○理事(溝口三郎君) 御異議がないようでございますから、さように取計らいます。
  ―――――――――――――
#16
○理事(溝口三郎君) 次に、昭和二十三年度の決算報告について、前回に引続いて調査を進めます。それでは決算報告の三百九号の「國有財産の使用料が低価に失したもの」という項目で、これは会計検査院と大蔵省の結論が違つておるのでございますが、両方からの説明を十分にして頂きたいと思います。会計検査院第四局長小峰保榮君。
#17
○説明員(小峰保榮君) 三百九号の案件について簡單に御説明申上げます。
 これは広島財務局で、呉の元第十一海軍航空廠の土地一万三千坪余、建物二千六百坪余、機械二百八十二台、これを川南工業株式会社の広製作所に年額五十万円で貸付けておるのであります。これは旧軍用財産を大蔵省の基準によります正規の使用料から非常に減額しておるので、低きに過ぎるというので、検査報告に載せた次第であります。外の財務局では、旧海軍工廠、これは何十万坪もあるような大きな呉とか、佐世保とか、こういうような非常に大きなものにつきましては、相当利用価値が低いというようなことで、基準の貸付よりも減額しておるのがぽつぽつあるのでありまするが、この程度の一万三千坪とかいうようなものにつきましては、大幅の減額をしておるというものは余り例がないようであります。広島ではこれが比較的多いように見受けられるのであります。この案件の減額率は、基準の使用料から五五%、半分以上引いておるわけであります。まあ会社側の利用計画上必要なものだけを貸したと、それに会社側の利用状況による使用料というようなものを更に引いておるのは、少し引き過ぎておるのではないだろうかと、こういうふうに私どもとしては考えております。政府の説明によりますと、会社が使えないところも借りておるとかいうような趣旨のことを言つておるように承知しておりますが、実際は会社が使つております地先はこれより実は相当多いのでありまして、土地で申しますと二万坪余使つております。が、実際に貸付料を取つておりますのは、ここに掲げました一万三千坪余ということでありまして、一応貸したのは貸したが会社として十分に利用できないというところは、八千坪ばかり料金を取つていないのでありまして、料金を取ることにした分についてまで五五%まで安くする必要はないのではなかろうかと、こういうふうに考えておる次第であります。御質問がありましたら、又お答えいたします。
#18
○理事(溝口三郎君) 大蔵省の吉田管財局長。
#19
○説明員(吉田晴二君) それでは只今の案件について御説明申上げます。
 只今議題になつております呉市所在の元第十一海軍航空廠の土地、建物、機械等を川南工業株式会社に使用させたわけでございますが、その区域をきめる際に、会社の使用しない区域とそれ以外の区域とを一応区分いたしまして、区域で決定いたしました関係上、その会社の使用区域の中には、実際上スクラツプとして使用できないような機械が相当たくさんあつたり、又爆撃によりまして事実上使用が不可能な部分というようなものがございましたり、又はまだ賠償物件が保管されておるために一部が使用不可能というような状態でございましたために、その全機能を発揮して使用するということができない状態にあつたわけであります。そこで、只今のお話のような非常に低い利用効率を認めたような結果になつておりましたので、これは結局使用料決定の際に、決議書を作る場合に、只今申上げましたような区域による使用を急いで認めたというところに非常にやり方の点につきまして、誤解を招いたような点があつたように思うのであります。今後はこういう点について将来誤解の生じないようなふうに十分の注意をいたしたいと思つております。
#20
○杉山昌作君 今のお話を伺いますと土地は一万三千坪、建物二千六百坪ということですが、これはその建物なり土地の分全部なんでございますか、利用し得る所だけ選んだわけでございますか。
#21
○説明員(小峰保榮君) 私どもが調べましたところによりますと、利用できる所だけについて金を取つておるとこう了解しております。ちよつと御参考までに申上げますが、呉の十一航空廠というのは相当広い所でございますが、全体で土地が十一万七千坪でございます。それから建物は二万四千坪ございます。そのうち会社が使つておりますのは、土地が二万一千三百二十二坪、それから建物が八千九百坪、まあ土地は二割近いものを使つておるわけでございます。それから建物は三分の一強のものを使つておるわけでございます。契約しました数量は、今の二万一千三百二十二坪のうち一万三千五百六十七坪、ここに七千八百坪ばかりの差があるわけでございます。それから建物に至りますと、実際にまあ使つておるという報告を得ました八千九百坪のうち、契約しているのは十四棟の二千六百十三坪でございます。これについて金を取る。その八千坪の土地については余裕があるし、建物につきましては六千坪余り、これは賠償機械が置いてありましたり、相当先程おつしやつたスクラツプが置いてあるのであります。スクラツプはあすこの会社は最初鍋、釜を作るために発足した会社であります。これは会社の原料としてのスクラツプも置いてありました。こういうものを会社が借りた中に置くのは当然であります。そういうようなスクラツプもございます。ともかくもこれは当局者の報告を得た計数でありますが、二万一千坪のうち土地は一万三千坪について料金を取る、建物は二方六千坪のうち二千六百坪強まで減したものを更に五五%減したのであります。それで私どもは実はその取扱についてその程度の一万三千坪とか二万坪の程度は……。土地の貸付ということは相当ほかにも例がございますが、そういう非常に甘い扱い方をしたのはほかにないように見受けましたので、ここに報告したのでございます。
#22
○杉山昌作君 これは何か大蔵省のほうでは、この御答弁を拝聴しますと、この結果においてこのようなことになつたのは甚だ遺憾である。結局安かつたということになるのだと思うような恰好ですが、そうすると、こういうようなのは改めて何か決定の仕直しをするのですか。そうしなければ不当な損害を与えたという結果になるのですが。
#23
○説明員(吉田晴二君) 大蔵省のほうでは只今申上げましたように、この決議書の表現方法も惡かつたために非常に誤解を生じましたのでありまして、結果においては、只今検査院のほうからいろいろお話がございましたが、大藏省といたしましては、先程御説明ありましたように非常にまあスクラツプも多いし、又賠償物件その他のためにいろいろその筋からの嚴重な申入れがありまして、十分な操業ができないというような観点からいたしまして、これは減価するのは止むを得ない。誤解を生じたような点は非常に遺憾であるが、ということになつておるわけであります。
#24
○杉山昌作君 こういうことはやはり利用度というのですが、結局まあ検査院のなにを見ますると、会社側の都合により使用しないというようなことは問題になるべきものじやないというふうにとれる言葉があるのですが、やはりそのとき会社がどんな営業状態であつたかどんな操業状態であつたか、收益状況であつたかというようなことを一応は頭に置いてやるのが、事実金を取ることも取れるし、又当時のこの二十三年あたりのごたごたのときには、やはりそういうふうなことも考えることが行政上の措置としてはむしろ適当でないかと思われることにもなるのですが、大蔵省はやはりそんなことも多少お考えになつておられるのでしようか。まあそり当時の経済再建に役立つものにしよう。物資を利用することは結構なんだから、というふうなことまでもお考えになつていられるかと思いますが……。
#25
○説明員(吉田晴二君) 只今のお話の点につきましては、会社としても実際或る程度経済上のことについて考えたと思います。大体そういうことが今の機械の使用効率或いは設備の使用効率というような点に関連して来ておるのではないかと思います。結局そういうことは、それらの会社の経営の非常に将来困難というような点になつて来ると思います。そういう点から或る程度の減価率というようなことを考えて来ておると思います。ただ問題のポイントになつておりますのは、このうちここにございますような貸付の中で、実際上はなかなか使用が不可能であつたというようなものについてももう少し或いは管財局の方で、はつきりと区別して行けば、使用効率というものはもう少し少い率で出て来たのではなかろうか。その点は大蔵省としても遺憾でありまして、将来注意いたしたいと思う次第であります。
#26
○栗山良夫君 ちよつとお答えが小さいので聽取れないので、大きい声で願います。今の管財局長のお話を伺いますと、会計検査院からこういうような指摘のあるようなことになつたのは遺憾であるとおつしやつたのですが、実際のお考えは、これで何ら手落がなかつたというふうに裏からおつしやつたと思うのでありますが、今後も現在のこの通りでいささかも差支ないと、こういうような状況で更に進めて行くのだと、そういうふうにお考えになつておると了解してよろしうございますか。
#27
○説明員(吉田晴二君) 只今申上げましたように、この使用の内容について十分調査いたしまして、もう一ぺん何と申しますか、使用の区分は調整いたしまして、はつきりさせまして、この使用料を徴收することにいたしたい。そういう意味において、これを改正することを考えておる次第でございます。
#28
○栗山良夫君 この賃貸契約は大体どういうような内容になつておりますか。
#29
○説明員(吉田晴二君) これは土地、建物、機械等のいわゆる一時使用という形式になつて、その貸付料ということになつております。
#30
○栗山良夫君 この契約の期限ですね、或いは更新の方法、そういうものはどういうようになつておりますか。
#31
○説明員(吉田晴二君) これは一時使用でございますから、一年ごとに更新をして行くという形式をとつております。
#32
○栗山良夫君 そうしますと、二十一、二年の両年度においての使用料がこういう工合に安かつた。恐らく会計検査院の方では二十一年、二十二年度の國のこういう他の賃貸料なんかとの比較においてそういうことをおつしやつたと思うのです。ところがすでに二十三、四、五の本年度に至る間に一般の土地の賃貸価格はどんどん引上げられて来ている。にもかかわらず急速にそういうような改正が行われないということは甚だ私共として理解しかねる。それから特に二十一年度終戰直後のああいう戰災工場施設というものは、全く手の付けられないような雑然たる混乱状態にあつたわけですけれども、その後そういうような施設を利用してだんだん産業開発が行われて来たということになれば、國有財産の管理の点から言つてもそういう放慢な貸付というものは漸次緩急度を追つて調整されて行かなければならんと私は思う。従つて今ここに指摘された問題について検査院或いは管財局長の間でいろいろとつた措置について釈明的なお考えを伺うということも必要ですけれども、もう少し根本に遡つて、あなた方はどういう基本的なお考えを持つているか、それを私は伺いたいと思います。
#33
○説明員(小峰保榮君) 栗山さんの御質問ですが、一体に國有財産というものの売拂値段とか、貸付料と申しますと、御承知のように一般の取引よりもこれは安いのがむしろ常識的になつているわけであります。それで大体一般の基準でやつております分については、私共としても余り文句を言うことはないのであります。それから市価より相当安いなあということを随分実は思うのでありますが、そういうものもきわ立つたもの以外は私共としては掲げないという方針でずつと処理しております。それで今年は國有財産の管理状況というものが相当実は従来とは違つた重点的な取扱いをいたしまして、丁度政府も國有財産の売拂いということを相当促進するということもございました関係もありますし、私共としては相当実は力を入れて昨年、今年と検査している次第零あります。その結果この前にもずつと表になつておりますが、まあ相当安いのは仕方がないとしても、貸したものについては使用料を取るのは当り前ではないか、売つたものについては、代金を取るのは当り前じやあないか、そういうのを取つていない、決定もしていない、こういうのを集めまして、この前の表が全部そうでありますが、私どもの方の検査の結果、売拂については百万円以上、貸付につきましては確か五十万円以上だと思つておりますが、大きな物だけはやはり並べてあるわけです。その中で先ほど杉山さんからもお話がありましたが、会社の経営状態というようなものが惡いところも大分ございます。併しそういう点の斟酌ということを行政的には成るほど相当これはお考えにならないといかんと思いますし、併しながら一旦これを大丈夫だといつて貸付けた相手の使用料はこれだけ取るのだ、それからやはり徴收決定くらいは当局者としてするのが当り前ではないか、幾ら相手の経営状態が惡くとも使用料徴收決定が拂える拂えないのはこれは第二の問題でありますが、この徴收決定をするのは当り前じやあないか。私どもとしてはこの徴收決定については当局者の処置が緩慢だという点に重点を置きまして、会社の経営状態については実は余り考慮を拂わないというふうにしておるわけであります。この資料の関係はむしろ常識的になつている國有財産の貸付料が安いということ以上にその取扱が一般と違う、こういうので特にここへ挙げたわけであります。先ほど来いろいろな御説明もあるようでありますが、実際に会社に使わしている二万一千坪のうち一万二千坪しか金を取つていないのであります。建物にいたしましても、五千九百坪使わしておりますうちの二千六百坪しか金を取つていないのであります。それを更に五五%引くというところで、これを実は掲げておるわけでありまして、いろいろ抽象的な、スクラツプが置いてあるとか、利用効率が惡いとか、こういうような御説明のようでありますが、今の計数はこれを私どもが作つたのではございません。当局者からお出しを願つた計数であります。それによつて私どもとしては余りにあれじやないだろうか、それからこれを使つております川南工業というのは、御承知のように長崎県で造船をやつている会社であります。この広い地域を借りまして戰後に新らしくあすこに進出して来た会社であります。初めは、広工廠とか、あの辺にありますが、海軍関係のスクラツプをこれも安い値段でありますが、拂下を受けまして、鍋釜からスタートしたのであります。その後確かミシンをやつていたと思います。そういうような関係で、そう内容が惡い会社とも思えません。又惡ければ國に納める金なんというのは先ず第一に未納にしてしまうというのが実状であります。收納未済のものは実に多いのでございますが、まあお役所の仕事というと非常に緩慢とでも申しますか、未納になりましても放つたらかして置く、徴收決定さえしないというのも随分あるのでありまして、併しこの会社はこの分につきましてはきちんきちんと納めているような状態でありまして、そう経営状態が惡いとも私ども考えておらなかつたわけであります。それからその後の分につきましては、これは先ほどおつしやいましたように非常にだんだん物価も上りまするし、それから土地の値段というものも上りまして、これについては今手許に資料を持つておりませんが、一般の現実による価格の改訂、こういうようなことはこれは当然にやつていると思います。若しそれをやつていなければ、私どもの方でも又大いにこういうきわ立つた案件でありますから、文句を言つておるわけであります。今主任者に聞いてみましても、そういう点は別に批判の対象になつていないようであります。これは一般並みになつているということは言えると思います。ただ依然として高率の割引をしているということも従来と同様かと思つております。
#34
○説明員(吉田晴二君) 実は國有財産一般の問題につきましては、何分にも終戰当時に、陸軍及び海軍の方から莫大な財産を一時に引受けまして、それをどういうふうに管理するかということについては、恐らく当時非常な問題があつたと思います。その際に御承知の通りこれに非常に莫大な経費をかけて一旦管理したわけでありまして、これを管理処分して行くということはなかなか困難であります。殊に当時は占領軍がこれを一応占領したような恰好になつておりまして、その売拂処分等については当時禁止されておるというような次第であります。従つてその管理については先ほど来申上げておりますような一時使用の便法をとりまして、一応とにかく会社に管理さす。そしてそれを使用させながら管理を委託するというような便宜的な方法をやつておつたわけであります。それが現在いろいろ処分をやつおります際に非常にいろいろな点において支障を生じておるというのは確かなのでありまして、目下その調整なり、或いは整理について非常に努力をしておるわけでありますが、その結果いろいろ関係の方面の方に御迷惑をかけておるようなこともあると思います。只今お話いたしましたような徴收未済というようなものも相当数検査院から御指摘を受けておるわけでありますが、只今のところではここに御指摘を受けましたような件数につきましては、特に閉鎖機関処理委員会の関係で手続が延びておつたとか、或いは非常に込み入つた事情があるというものについては別でございますが、その他大部分のものについてはこれは整理ができたような次第でございます。なお只今の川南工業については、これは検査院の方からお話がございましたが、私ども聞いておりまするところでは、これは戰争中に非常に例の特殊造船をやつておつた、戰標船を造つておつた会社でありまして、非常に急膨脹をした会社でありますが、最近になつては非常に経営が惡く、負債が非常に多いために只今非常に困難をしておるようでありまして、而も重役が二派に分れて非常な紛争を起しておるのであります。ただこの使用料については恐らく今のところは問題ないと思います。又その後の使用料の調整については只今検査院からお話がございましたように、各年度ごとの値上り率というようなものは一応こちらで算定いたしまして、その基準によつて取つて参ります建前でございますので、その点については問題もあろうかと思う次第でございます。
#35
○栗山良夫君 大体よく分りましたが、問題は、川南工業の最近の経営状態というようなことまでお話がありましたけれども、大体企業合理化というような考え方というものは、経済的な方針として差別なしに置いているわけなんです。従いまして少くとも國有財産の使用料というようなことについては、これは租税と同じことなんで、適当な価格を設定し、それについて適正な料金を國家に納めるということが原則でなければならんと私は思います。従つて余りそういうような会社の内容までを織り込んで、國が特定の企業に特別な庇護を与えるというようなことは、これは私は嚴に愼まなければならんと思うのです。一つの経営の合理化のやはり線でもなければならんわけです。従いまして希望を申上げて置きますが、大体私の先程述べました意見についても、若干御了解を願つたと思いますので、今後こういうことのないように一つ既往のものにつきましても善処せられるように要望したいと思います。
#36
○理事(溝口三郎君) 外に何か御質疑がございますか……。それでは本日はこれで質疑を打切るようにいたしたいと思います。次会の開会の日取りは追つて公報でお知らせいたします。
 本日はこれで散会いたします。
   午後零時四分散会
 出席者は左の通り。
   理事
           溝口 三郎君
           岩沢 忠恭君
           岡崎 真一君
           相馬 助治君
           棚橋 小虎君
   委員
          池田七郎兵衞君
           大矢半次郎君
           小杉 繁安君
           西山 龜七君
           廣瀬與兵衞君
           カニエ邦彦君
           栗山 良夫君
           小林 亦治君
           村尾 重雄君
           赤澤 與仁君
           杉山 昌作君
           常岡 一郎君
           谷口弥三郎君
           矢嶋 三義君
  説明員
   大蔵省管財局長 吉田 晴二君
   会計検査院検査
   第四局長    小峰 保榮君
ソース: 国立国会図書館
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