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2000/05/15 第147回国会 参議院 参議院会議録情報 第147回国会 本会議 第24号
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2000/05/15 第147回国会 参議院

参議院会議録情報 第147回国会 本会議 第24号

#1
第147回国会 本会議 第24号
平成十二年五月十五日(月曜日)
   午後一時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第二十四号
    ─────────────
  平成十二年五月十五日
   午後一時 本会議
    ─────────────
 第一 商法等の一部を改正する法律案及び会社
  の分割に伴う労働契約の承継等に関する法律
  案(趣旨説明)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(斎藤十朗君) これより会議を開きます。
 日程第一 商法等の一部を改正する法律案及び会社の分割に伴う労働契約の承継等に関する法律案(趣旨説明)
 両案について、提出者から順次趣旨説明を求めます。臼井法務大臣。
   〔国務大臣臼井日出男君登壇、拍手〕
#4
○国務大臣(臼井日出男君) 商法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
 この法律は、会社をめぐる最近の社会経済情勢にかんがみ、会社分割の制度を創設するため、商法、有限会社法及び株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律を改正しようとするものでありまして、その要点は次のとおりであります。
 まず、商法につきましては、第一に、会社分割の形態として、分割によって設立する株式会社に分割をする株式会社の営業を承継させる新設分割の制度及び既に存在する他の株式会社に分割をする株式会社の営業を承継させる吸収分割の制度を創設することとしております。
 第二に、分割によって設立する株式会社または分割によって営業を承継する株式会社が分割に際して発行する株式を、分割をする株式会社またはその会社の株主のいずれにも割り当てることができることとしております。
 第三に、株式会社が分割を行うには、分割計画書等を作成して株主総会の特別決議による承認を受け、また、事前に分割をする株式会社の貸借対照表、分割計画書等を本店に備え置いて株主及び債権者の閲覧等に供すべきこととするとともに、分割に反対した株主に株式買い取り請求権を認め、さらに、債権者に対しては債権者保護手続を経ることとして、株主及び債権者の保護を図ることとしております。
 第四に、分割によって設立する株式会社等が分割をする株式会社から承継する財産の価額がその会社の総資産の価額の二十分の一を超えないとき等には、その会社は、分割計画書等につき株主総会の承認を要しないこととし、分割手続の簡素化を図っております。
 第五に、分割によって設立した株式会社等は、分割計画書等の記載に従い、分割をした株式会社の権利義務を包括的に承継することとしております。
 第六に、分割の手続等に瑕疵があった場合等には、株主、分割を承認しなかった債権者等は、分割無効の訴えを提起することができることとしております。
 次に、有限会社法につきましては、分割によって設立する会社を有限会社とする新設分割を有限会社または株式会社が行うこと及び吸収分割を有限会社と他の有限会社または株式会社との間で行うことができることとし、分割計画書等の社員総会の特別決議による承認、分割計画書等の開示、債権者保護手続等について、株式会社の場合と同様の規定を設けることとしております。
 最後に、株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律につきましては、会社分割の制度の創設に伴い、所要の改正をすることとしております。
 以上がこの法律案の趣旨でございます。
 政府といたしましては、以上を内容とする法律案を提出した次第ですが、衆議院におきまして、本法律案について、分割計画書等に記載すべき分割によって承継される権利義務として雇用契約を例示すること、及び分割会社の労働者に係る労働契約を設立会社または承継会社に承継させるかどうかについて、事前に労働者と協議することを会社に義務づけることを内容とする修正が行われております。(拍手)
    ─────────────
#5
○議長(斎藤十朗君) 牧野労働大臣。
   〔国務大臣牧野隆守君登壇、拍手〕
#6
○国務大臣(牧野隆守君) 会社の分割に伴う労働契約の承継等に関する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 この法律案は、会社をめぐる最近の社会経済情勢にかんがみ、会社分割の制度を創設するため今国会に提出された商法等の一部を改正する法律案に合わせ、これと一体のものとして、会社分割に伴う労働契約の承継等について商法の特例等を定めることにより、労働者の保護を図ることを目的とするものであり、その概要は次のとおりであります。
 第一に、分割をする会社は、分割によって設立する会社等に承継される営業に主として従事する労働者及びそれ以外の労働者であって、労働契約を設立会社等に承継させる労働者に対し、事前に分割に関する情報を書面で通知しなければならないこととするとともに、労働協約を締結している労働組合にも同様に通知しなければならないこととしております。
 第二に、労働契約の承継に係るルールを定めております。
 その一として、設立会社等に承継される営業に主として従事する労働者の労働契約について分割計画書等に設立会社等が承継する旨の記載がある場合、分割の効力が生じたときに当該労働契約は設立会社等に承継されることといたしております。
 その二としまして、設立会社等に承継される営業に主として従事する労働者の労働契約について分割計画書等に設立会社等が承継する旨の記載がない場合、労働者は分割会社に対して異議を申し出ることができることとし、異議を申し出たときは、その労働契約は設立会社等に承継されることといたしております。
 その三として、設立会社等に承継される営業に従として従事する労働者の労働契約について分割計画書等に設立会社等が承継する旨の記載がある場合、労働者は分割会社に対して異議を申し出ることができることとし、異議を申し出たときは、その労働契約は設立会社等に承継されないこととしております。
 第三に、分割会社と労働組合との間で締結されている労働協約について、労働組合の組合員である労働者に係る労働契約が設立会社等に承継されるときは、分割の効力が生じたときに、設立会社等と労働組合との間において同一の内容の労働協約が締結されたものとみなすこととしております。
 また、労働条件その他の労働者の待遇に関する基準以外の部分について分割会社と労働組合との間で設立会社等に承継させる旨の合意があったときは、合意部分については分割計画書等の記載に従い設立会社等に承継されることとしております。
 第四に、労働大臣は、分割会社及び設立会社等が講ずべき労働契約及び労働協約の承継に関する措置に関し、必要な指針を定めることができることといたしております。
 なお、この法律は、商法等の一部を改正する法律の施行の日から施行することとしております。
 以上がこの法律案の趣旨であります。
 なお、この法律案は、衆議院において一部修正されており、その内容は、「分割会社は、当該分割に当たり、労働大臣の定めるところにより、その雇用する労働者の理解と協力を得るよう努めるものとする。」との一条を加えるものであります。
 以上でございます。(拍手)
    ─────────────
#7
○議長(斎藤十朗君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。直嶋正行君。
   〔直嶋正行君登壇、拍手〕
#8
○直嶋正行君 私は、民主党・新緑風会を代表して、商法の一部改正案並びに労働契約承継法案に対して質問いたします。
 質問に入ります前に、昨日の小渕前総理の御逝去に対し、深甚なる哀悼の意を表しますとともに、御家族を初めとする関係者の皆様に心からお悔やみを申し上げます。
 さて、まず冒頭、目下危機に立つ我が国の雇用失業情勢について政府の認識をただします。
 高水準の失業率が長期に続く中、本年三月の完全失業率も二月に引き続き史上最悪の四・九%となり、一向に改善の兆しが見えません。また、全体の就業者数も増加はしたものの、完全失業者数も過去最高の三百四十九万人に達しました。わずか一カ月間で二十二万人が新たにハローワークに並んだことになります。さらに、今春の新卒者の就職率が過去最低を記録していることや企業倒産が前年比で昨年末以降急増していることから、四月以降の失業率は五%台に突入する可能性も高いと言われております。極めて憂慮すべき事態であります。
 労働大臣は、四月以降の失業情勢をどう見ておられるのか、またその責任をどのように認識されておられるのか、お伺いいたします。
 また、先週五月十日に行われたいわゆるクエスチョンタイムにおいて、森総理は、企業が大変な構造改善に取り組んだ結果として失業者がふえることや雇用のミスマッチが発生することはやむを得ない、まずは企業、経済全体の下支えが優先するという趣旨の発言をされておられます。
 失業者をあふれさせたままでの経済の下支えなどあり得ません。むしろ、失業対策を着実に実行することこそが経済の下支えであり、政治の役割であります。全くとんちんかんな対応と断ぜざるを得ません。
 労働大臣は、森総理のこの発言をどのように受けとめておられるのか、お伺いいたします。
 さて、その雇用対策でありますが、政府は昨年六月、完全失業率が四%を超える事態の中で七十万人の雇用創出を掲げ、緊急雇用対策を打ち出しました。しかしながら、その実績を見てみると、規模にして三千九百億円に上る事業予算もほとんど未消化であり、実績が目標値のわずか一から三%程度にとどまるという、まさにかけ声倒れの状態にあります。
 具体例を挙げますと、雇用情勢が特に悪化している地域での雇用創出をねらった緊急雇用創出特別奨励金は、約六百億円の予算枠で二十万人の雇用創出目標を掲げましたが、本年四月時点でわずか四億八千万円しか消化しておらず、雇用もたった千五百八十六人の増加と惨たんたる結果であります。
 雇用情勢が最悪の数値を示し、職を求めている人々が町にあふれているにもかかわらず、雇用政策の効果はゼロに等しいというこの事実は、先ほどの総理発言に見られるとおり、政府が雇用対策を全くやる気がないということを如実に示しています。
 労働大臣にお尋ねいたします。
 なぜ七十万人雇用創出は効果が上がっていないのでしょうか。もともとポーズを示すだけの実現性のない計画だったのでしょうか。こうした計画をこのまま今後も継続されるのでしょうか。根本的な見直しが必要と思いますが、いかがでしょうか。明確な答弁を求めます。
 また、経済企画庁が先日公表した「九〇年代の雇用政策が失業率に与えた効果」と題する報告書によれば、雇用拡大効果は、助成金中心の雇用維持政策よりも、有料職業紹介事業の対象職種拡大や人材派遣などの規制緩和により求人企業と求職者の情報の非対称性の解消を図るマッチング強化策の方が大きいとはっきり指摘しております。失業の要因は、景気変動による循環失業と、年齢、技能など雇用主と求職者の間のミスマッチによる構造失業があり、この構造的理由による失業は、九九年度の失業率四・八%中三・六%に達すると推計しております。
 つまり、もともと景気循環を理由として失業している人は少数に属するため、たとえ景気が回復基調に乗ったとしても、政府の総力を挙げて職業能力開発や規制緩和策に取り組み、ミスマッチ解消に努力しなければ、失業率を低下させることはできないということをこのレポートは意味しているのであります。
 労働大臣、この経済企画庁の指摘を踏まえるならば、事業主への助成金や公共事業といった従来型の雇用対策を見直し、職業能力開発などのミスマッチ解消策を強化すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 次に、本日提案されております法案に関連する企業組織の再編についてお伺いいたします。
 政府は、一九九七年の純粋持ち株会社解禁を手始めとして一連の企業再編立法を続々と成立させました。すなわち、金融持ち株会社の解禁、産業活力再生特別措置法、株式交換に関する商法改正、民事再生法の制定などであります。そして、今回提案の会社分割法制はその総仕上げであるとされています。
 私どもは、構造改革や経済再生のために企業のダイナミックな変革が必要であることは十分理解しておりますが、同時に、失業なき労働移動が円滑に行えるような盤石な雇用システムがなければこのような変革は成功し得ないと考えています。
 そこで、まず法務大臣に伺いますが、会社分割制度は企業にとって極めて使い勝手がよく、効率的な制度だと伺っております。具体的にどのように使い勝手がよく、時間的、費用的に効率がよくなり、我が国の産業、企業にどのような変化を及ぼすことになるのか、御説明いただきたいと思います。
 また、あわせて伺いますが、公正取引委員会の報告によれば、平成十年度には合併約千五百件、営業譲渡千百件程度となっておりますが、会社分割制度が創設されると、将来的に合併、営業譲渡、会社分割の利用件数はどのように変化していくものと想定されておられるのか、お伺いいたします。
 企業組織再編を含めた企業の競争力強化の流れは、景気が回復したからといってとまるものではなく、むしろ逆に、景気回復に伴って企業に経営上の余力が生まれれば一層強まっていくものではないかとも考えられます。
 そこで、通産大臣にお伺いいたしますが、各種の企業組織の再編制度の利用に当たって、企業が不採算部門の切り捨てといった後ろ向きの行動だけをとるのではなく、新分野への進出などに積極的に取り組むよう政策誘導していく必要があると考えますが、具体的にどのような政策を打たれるおつもりか、お伺いをいたします。
 さらに、労働大臣に伺いますが、新規・成長分野雇用創出特別奨励金制度も、先ほど述べました実績の上がっていない雇用対策の一つでありますが、企業が企業組織再編制度を利用して新分野へ進出する場合に雇用創出に効果を発揮できるものとするためには、この制度の見直しも必要であると考えますが、いかがでしょうか、お伺いをいたします。
 企業組織再編に伴う労働者保護の法整備はこれまで放置され続けてきましたが、今回、政府から商法改正案と同時に労働契約承継法案が、また、私ども民主党も労働者保護法案を提出いたしました。これらについては、衆議院において、与野党間で協議の上、政府案が修正され、一定の前進が図られたことは私どもも率直に評価をしたいと考えています。しかしながら、これで十分かどうかといえば、残念ながらそうとは言えません。
 そこで、あえて重要な点に問題を絞って法務大臣、労働大臣の御見解を伺います。
 まず、法務大臣にお伺いしますが、我が国の経済社会は今まさに変革期にあり、企業を取り巻く経済システムも大きく変わろうとしています。今回の商法改正も企業がそのような変化に対応していくための一環であると思います。法体系も、今後は、これまでのような商法の世界、労働法の世界といった各法律の規定概念にとらわれることなく、その対象を幅広くとらえていくことが必要であると考えますが、いかがでしょうか。
 次に、労働大臣にお伺いいたします。
 企業組織再編の支援策がこれだけ整備され、企業がその態様をさまざまに変え得るということは、これまでの日本的雇用慣行を支えてきたバックグラウンドが全く異なったものになることを意味します。企業組織再編と雇用安定は分かちがたい車の両輪であることを十分に認識するならば、労働法制面もバックグラウンドの変化におくれをとることなく対応していかなければならないと考えます。
 また、我が国では、外資系企業の進出を促進するため、これまでに税制上の特例、資金調達の円滑化、対日直接投資に関する手続の規制緩和などが実施されてきました。また、今後、経済のグローバル化の進展により、外資系企業の日本進出はますます増加するものと考えられますし、日本企業と外国企業との間での再編、合併、分割等も格段に増加すると見込まれます。これらの企業活動による雇用創出は大いに期待されるところでありますが、一方で安易な雇用調整も懸念されます。
 通産省の外資系企業動向調査によれば、一九九七年度の実績でありますが、雇用調整の内容は、単純な解雇を行っている企業が二〇%、アメリカ型のレイオフの実施企業が約五%あります。日本の労働法規や労使慣行を十分理解していないことが原因で労働問題が多発することも懸念されます。これらを未然に防止する上でも、企業組織再編に伴う雇用関係のルールの明確化は必要不可欠であると考えます。
 以上のような状況をかんがみた上で、労働大臣に三点お伺いいたします。
 第一に、今回の労働契約承継法案は会社分割時のみを対象としていますが、合併や営業譲渡も含めた企業組織再編全般を対象とした労働関係のルールを規定する立法措置を今後検討していくべきと考えますが、いかがでしょうか。
 また、立法措置を講ずるまでの間、労使紛争を未然に防止するためには、労働関係のルールの周知徹底が重要ですが、具体的にどのような形でなされるのか、お伺いをいたします。
 第二に、いわゆる整理解雇四要件の判例法理に照らせば、企業組織再編のみを理由とした解雇は当然認められないわけですから、企業組織再編を理由とした解雇禁止規定を明文化すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 第三に、解雇を初めとした個別の労使紛争の未然防止をどのようになさるおつもりか、さらに、紛争が生じた場合、迅速かつ円滑な解決を図るためにどのような制度、施策が必要であるとお考えになっているのか、御見解をお伺いいたします。
 最後に、より円滑な企業組織の再編、よりダイナミックな経済改革を進める上で、労働者の理解と協力は不可欠なものであることを改めて指摘いたします。企業組織の再編の意義と必要性は認めるものの、そこに働く労働者は資本や設備と根本的に異なる存在であり、企業組織再編により労使関係が不安定化することは結局のところ企業の競争力を損なうことになるという認識に立って、法整備がさらに進められることを強く要請して、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣臼井日出男君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(臼井日出男君) 直嶋議員にお答えを申し上げます。
 まず、会社分割制度の導入の利点についてお尋ねがございましたが、承継会社が分割に際して発行する株式を分割会社の株主に割り当てることが可能になること、分割会社が負担していた債務の承継について個別に債権者の同意を得ることを要しないことなど多くの利点がございます。
 次に、会社分割制度の導入が我が国の産業組織に与える影響についてお尋ねがございましたが、会社がその経営の効率性を高めるために各営業部門を独立した会社としたり、複数の子会社の重複する事業部門を各子会社に集中させることなどによりまして、企業組織の再編成が進むことが期待されるのでございます。
 次に、会社分割制度の創設による合併、営業譲渡等への影響についてのお尋ねがございましたが、これらにはそれぞれ固有の利点等がございまして、利用件数の変化を一概に申し上げることは困難でございますが、企業経営者が会社分割等の趣旨、目的をよく理解された上でそれぞれの仕組みを適切に利用されることを期待いたしております。
 次に、法体系の問題につきましてお尋ねがございましたが、法案の作成に際しては、我が国の法体系を尊重し、関係省庁と緊密な連絡をとりながら、全体として整合性のとれた合理的な内容とすることが肝要であると考えております。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣牧野隆守君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(牧野隆守君) 初めに、四月以降の失業情勢についてのお尋ねですが、まず、現下の雇用失業情勢は、一部に上向きの指標も見られるものの、三月の完全失業率は四・九%と前月と同じく過去最高水準となるなど、依然として厳しい状況にあるものと、同じように考えております。
 四月以降の雇用失業情勢につきましては、景気の緩やかな改善を背景とした企業からの求人の増加が続くと見込まれることに加え、雇用の確保安定のためにあらゆる施策を積極的に実施しているところから、遠からず改善の兆しがあらわれるものと期待をいたしております。
 次に、総理の雇用問題に関する御発言についてのお尋ねですが、総理の御発言は、企業が構造改革を進めているが、それにより雇用面への悪影響が生じないよう、経済の下支えのための対策が必要であるとの御趣旨であると、このように考えております。
 私としても、この点については総理と同じように考えておりまして、雇用のミスマッチについては、その解消策を重点とする雇用対策をさらに強化拡充する所存でございます。
 次に、緊急雇用対策の効果についてのお尋ねですが、緊急地域雇用特別交付金事業のように雇用の創出に一定の効果を上げているものと、緊急雇用創出特別奨励金や新規・成長分野雇用創出特別奨励金のように、企業の採用意欲が乏しかったこともあり、まだその活用が十分でないものがあるところでございます。
 これらの対策につきましては、今後一層の利用者への周知に努め、その活用促進を図ってまいります。さらに、現在、制度の見直しについても検討しているところでございまして、早急に実施してまいります。
 次に、従来型の雇用対策を転換すべきとのお尋ねでございますが、政府としてはこれまで、その時々の内外の情勢にわたる経済社会情勢や労働市場の動向に即応し、助成金の活用、職業能力開発の実施、需給調整機能の強化等の施策を適切に組み合わせて、必要かつ効果的な雇用対策を講じてきたところであります。
 現在、情報通信技術や介護関連の分野等への着実な雇用促進を図るため、民間機関の機能も活用した人材育成策や労働力需給調整機能の強化などを盛り込んだ雇用対策を検討しているところであります。このような対策を迅速かつ効果的に実施することにより、労働力需給ミスマッチを解消し、雇用情勢の改善に努めてまいります。
 次に、新規・成長分野雇用創出特別奨励金についてのお尋ねですが、本奨励金の一層の活用促進を図るため、利用者への一層の周知に努めるとともに、制度の見直しについて現在検討しているところであり、近く結論を出す予定にいたしております。
 また、新分野へ進出する企業に対しましては、中小企業労働力確保法に基づく助成措置を講じ、その機会の創出支援に努めているところであります。
 もとより、今後ともこれら各種の雇用対策を積極的に推進することにより、雇用機会の創出に全力で取り組んでまいります。
 次に、合併、営業譲渡等も含めた立法措置の検討に関するお尋ねですが、政府としましては、企業組織の再編に係る労働者保護に関する諸問題について検討の場を設け、立法上の措置を含め十分に検討してまいります。
 次に、労使紛争を未然防止するための労働関係ルールの周知徹底についてのお尋ねでございますが、合併、営業譲渡等に際しては、労働契約の承継等に関し適用される現行法令や判例法理について、必要な資料やパンフレットを作成し、一般への広報に努めるとともに、事業主団体や事業主への周知を図ってまいります。
 次に、解雇禁止の明文化についてのお尋ねでございますが、解雇に関する裁判判例は確立しているため、特段の立法措置がなくても、解雇に関し、労働者にとって不利益は生じないものと考えております。
 最後に、個別の労使紛争についてのお尋ねでありますが、現行法令や判例法理の周知徹底を図るなどにより紛争の未然防止を図るとともに、不幸にして紛争が生じた場合には、これを簡易迅速に解決するため、一、都道府県労働局長による助言・指導制度の拡充、二、調停制度の発展的な拡充、三、多様な内容の相談にワンストップサービスで対応するための労働基準監督署等の窓口体制の整備等について検討を進めております。
 以上であります。(拍手)
   〔国務大臣深谷隆司君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(深谷隆司君) 私に対しましては、企業の組織再編に関してのお尋ねでございます。
 我が国の産業競争力を強化するためには、企業が単に不採算部門の合理化を行うだけでとどまっていては当然なりません。経営資源を得意分野に集中して、新分野をも切り開いていく前向きな取り組みが必要であります。
 通産省としましては、税制の優遇措置あるいは商法の特例等によってこうした企業の前向きな取り組みを支援するために、産業再生法を昨年の八月に制定いたしました。この法律の着実な運用に努めてまいりますとともに、技術開発の活性化等を通じまして、新たな産業の創出に取り組み、企業の前向きな取り組みにこれが円滑に進んでいくように全力を挙げてまいりたいと考えています。(拍手)
    ─────────────
#12
○議長(斎藤十朗君) 吉川春子君。
   〔吉川春子君登壇、拍手〕
#13
○吉川春子君 私は、日本共産党を代表して、いわゆる会社分割法案及び会社分割に伴う労働契約承継法案について質問をいたします。
 初めに、小渕前総理の御逝去に対し、心から哀悼の意を表明し、御冥福をお祈りいたします。
 政府が発表した三月度の完全失業率は四・九%、完全失業者数は三百四十九万人、また、今春卒の高卒者の一二%、三万二千人、大卒も九%、三万人が就職できないなど、雇用失業情勢は最悪です。経済企画庁は、九日、景気動向指数を発表し、景気は改善の方向にあるとしています。しかし、同じ日に発表された総務庁の家計調査では、四年連続して消費支出が減少し、ことし三月には前年同月比四・三%減と、大幅なマイナスを記録しました。
 これでどうして景気の回復と言えるのですか、国民生活はどうでも、企業の業績さえ回復すればいいということですか。経企庁長官の答弁を求めます。
 特に、大企業の合併、営業譲渡など、企業組織の再編は、その最も代表的な雇用破壊の手口となっています。三井・住友海上は五年で三千人、日本・興亜火災は四年で二千人など、合併によるリストラが次々に行われようとしています。
 労働大臣、企業再編で一体どれぐらいの雇用が奪われることになるのか、明らかにしてください。今国民が痛切に求めているのは、こうしたリストラから雇用を守る万全の対策です。
 ところが、政府は、何らのリストラ規制を行わないどころか、純粋持ち株会社の解禁、合併法制の合理化等を行い、九九年には財界のトップを集めた産業競争力会議を設けて、要求を無条件に受け入れ、産業活力再生法の制定や株式の交換、移転のための商法改正など、労働者や下請企業を犠牲にするリストラの手段を次々に提供してきたのです。今回の会社分割法制も、大企業のリストラをさらにやりやすくするためのものです。企業が国際競争力をつけるためには、労働者が犠牲にされても構わないのですか。法務大臣、労働大臣、明確な答弁を求めます。
 具体的に会社分割法についてお尋ねします。
 会社分割の際、承継される権利義務は、分割計画書あるいは分割契約書に記載された事項に限られています。しかも、雇用契約、債権債務の範囲について何を承継するかは、企業の判断にすべてゆだねられているのではありませんか。この点について、衆議院で雇用契約と債権債務を例示すると修正しましたが、会社の判断だけで自由に承継の範囲を取捨選択できるという法律の本質は何ら変わっていないのではありませんか。
 また、分割により承継される財産の総資産に占める割合が二十分の一を超えない場合は、株主総会の決議を必要としない簡易な手続による分割を認めています。大半の労働者が働いている事業部門であっても、この要件を満たせば簡易な分割ができるのではありませんか。また、企業の規模にかかわりなく二十分の一以下としたのはなぜですか。これでは、規模の大きな会社ほど大量の労働者の転籍や労働条件の切り下げを行えるのではありませんか。法務大臣は衆議院本会議で、簡易な手続による分割を認めた理由を株主に与える影響が軽微であるためと答弁していますが、労働者に及ぼす影響についてはどう認識されているのですか。答弁を求めます。
 大蔵大臣、会社分割制度を利用しやすくするため、登記の際の登録免許税を大幅に引き下げるなど税制の優遇措置を検討しているようですが、内容を明らかにしてください。
 次に、労働契約承継法案についてです。
 企業再編によって労働条件の悪化や雇用不安が大量に発生しているのですから、法案の対象に会社分割だけでなく営業譲渡、合併を加えるべきではありませんか。労働省も白書で言っているように、このような深刻な雇用失業問題は景気の回復のみによって解決されるものではなく、その原因の多くが構造的問題にあるのですから、こうしたあらゆる事態に対処する立法をこそ考えるべきではありませんか。衆参の産業活力再生法、民事再生法の附帯決議でもそのことを求めています。
 一方、労働省の研究会報告では、使用者側意見として、立法の適用範囲は会社分割に限り、営業譲渡、合併には適用ないし類推適用されないものと注文がついていますが、政府が国会の意向より財界の意向に従った根拠を明らかにしてください。
 政府は、営業譲渡、合併を対象に加えない理由として、これらは判例法理で守られているからと答弁していますが、それではこの間行われた合併等による整理解雇者数、そのうち労働者が提訴した数、また裁判で救済された数を示してください。最近の判例では、労働者の権利よりも企業利益が優先される逆行的傾向が強まっているのではありませんか。
 次に、会社分割による労働者の権利保護について伺います。
 まず、不採算部門を切り離す意図を持って会社分割を行うことを防止できますか。衆議院で大臣は会社分割のみを理由にして解雇されることはないと答弁していますが、予想どおり経営悪化し、転籍させられた労働者が解雇されることを防止できるのですか。
 また、分離される部門に働いている労働者は、今の会社に残留したくとも転籍を拒否できず、不服なら会社をやめるほかありません。会社分割法案では、分割計画書等に記載しさえすれば労働者の権利義務は法律上当然に承継されるとしており、これを受けて労働契約承継法では、本人が同意しなくても転籍をさせられてしまうからです。しかし、歴代労働大臣は、転籍は本人の同意が必要と何度も答弁してきたではありませんか。これは民法六百二十五条にもうたわれている大原則ではありませんか。これを踏みにじることは許せません。
 これについて労働省は、会社分割は企業の迅速な事業再編を促すことが目的だ、部門の価値を低下させることにつながる転籍拒否権は認めないこととしたとコメントしています。労働省はいつから企業の代弁者になったのですか。これでは労働者犠牲の転籍強制法ではありませんか。法務大臣、労働大臣の答弁を求めます。
 労働組合との事前協議も義務づけられていません。労働者への事前通知は分割会社に転籍する労働者に限られています。しかし、会社分割はそれまでの会社の経営基盤を大きく変更させるものであり、全労働者に重大な影響が生じるのではありませんか。
 この点について衆議院の修正では、わずかに労働者の理解と協力を得ることになったにすぎません。会社分割について労働組合との事前協議を義務づけるべきではありませんか。
 法務大臣は、企業は経営の効率化や企業統治の実効性を高めるために組織の再編を行うことでその競争力を強化する必要がある、政府の目指してきた企業のグローバル化への対応が一応ここで完成したと述べています。しかし、労働者の権利こそグローバル化すべきではありませんか。
 政府は、会社分割制度が欧米諸国にもあることを導入の根拠にしていますが、EUの企業・事業の移転の際の労働者の権利保護に関する既得権指令では企業主体の変更などを理由とする解雇の禁止などが定められ、日本にはない解雇規制法もヨーロッパ諸国にはあるのです。労働者の権利の保護などどうでもよく、政府の念頭には企業の競争力の強化しかないのですか。
 私ども日本共産党は、合併、営業譲渡、会社分割などあらゆる企業組織再編から労働者の雇用と権利を守る企業組織再編に伴う労働者保護法案及び解雇規制法案を本院に提出しています。
 憲法の定める国民の生存権、働く権利、労働条件を守る権利を脅かしかねない本法案は廃案しかないことを主張して、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣臼井日出男君登壇、拍手〕
#14
○国務大臣(臼井日出男君) 吉川議員にお答えを申し上げます。
 まず、会社分割法の目的についてのお尋ねがございましたが、この制度は、企業の競争力を強化する方策の一つとして、組織の再編成のための法制度の整備を行うことを目的としたものであり、労働者の保護についても適切に配慮をしたものであります。
 次に、会社分割における権利義務の承継についてのお尋ねがございましたが、分割は営業単位で行わなければならず、対象となる営業を構成する個々の権利義務等を除外することはできません。
 次に、修正案についてのお尋ねがございましたが、これは分割計画書等に記載すべき権利義務に雇用契約が含まれることを明文で規定したもので、労働者の保護に配慮したものであると認識をいたしております。
 次に、簡易分割の労働者に対する影響についてのお尋ねがございましたが、簡易分割は手続的に株主総会の承認を要しないとしたものにすぎず、労働者の保護に関して異なった取り扱いをするものではございません。
 次に、簡易分割手続の基準等についてのお尋ねがございましたが、承継財産の額が分割会社の総資産の額に比して著しく小さい場合には、株主に与える影響は軽微であることから株主総会の決議を要しないこととしたものにすぎず、簡易分割による場合でも一方的な労働条件の切り下げはできません。
 次に、不採算部門を切り離す意図を持った会社分割についてのお尋ねがございましたが、会社分割においては、分割会社及び設立会社等のいずれにつきましても債務の履行の見込みがあることが要求されるため、そのような御懸念には及びません。
 次に、会社分割と民法第六百二十五条の関係についてのお尋ねがございましたが、会社分割による権利義務の承継は合併と同様包括承継であることから、使用者が労働者に対する権利を個別に譲渡する場合に関する民法第六百二十五条は適用されないものでございます。
 以上であります。(拍手)
   〔国務大臣牧野隆守君登壇、拍手〕
#15
○国務大臣(牧野隆守君) 吉川議員の御質問にお答えいたします。
 初めに、企業再編によるリストラについてのお尋ねですが、企業再編による雇用の減少についての正確な数字は把握しておりませんが、労働省労働経済動向調査によれば、何らかの雇用調整を実施した事業所の割合は、平成十一年十月―十二月では二六%で、離職者の発生につながる希望退職者の募集、解雇を実施した事業所は三%となっております。今後の見通しとしては、本年四―六月に雇用調整を予定している事業所は二五%、希望退職者の募集、解雇を予定している事業所は二%となっております。
 次に、会社分割法制等で大企業のリストラを進め、労働者を犠牲にするのではないかとのお尋ねですが、商法等改正案は会社分割制度の導入により企業の効率的な経営が可能となるようにすることを目的としており、労働契約承継法案は会社分割に際しての労働者保護を目的としております。このように、両法案は一体となって円滑・容易な会社分割の実現と、それに伴い必要な労働者の保護を図ろうとするものであり、御指摘のような見方は適当ではないと考えております。
 次に、営業譲渡、合併を含めたあらゆる事態に対処する立法を考えるべきではないかとのお尋ねですが、合併、営業譲渡等については、現行の法律、判例法理の周知徹底に努めることが適当であると考えており、現時点では、会社分割について労働者保護のための法整備を行うことで十分であると考えております。ただし、今後、営業譲渡等に係る労働者保護に関する諸問題については、学識経験者等による検討の場を設け十二分に検討してまいりたい、このように考えております。
 次に、合併、営業譲渡について立法化を見送ったことについてのお尋ねですが、国会の附帯決議を踏まえまして昨年十二月に設置した学識経験者による企業組織変更に係る労働関係法制等研究会においては、労使の意見も聴取し、合併、営業譲渡を含めた企業組織再編全般について検討した結果、会社分割について新たな立法措置が必要との結論に達したものであります。
 ただし、今後、営業譲渡等に係る労働者保護に関する諸問題につきましては、先ほどお答えしたとおり、学識経験者等による検討の場を設け、十分に検討してまいりたいと考えております。
 次に、合併等による整理解雇についての労働者の提訴数、裁判での救済数についてのお尋ねですが、整理解雇を特定して個別の案件に関する提訴された数や救済された労働者の数をすべて把握することは困難であり、その数自体は承知いたしておりません。なお、最近の整理解雇に関する代表的な訴訟については資料収集等に努めているところでございます。
 次に、会社分割による不採算部門の切り離しについてのお尋ねですが、商法等改正案においては、各会社が分割によって債務の履行見込みがなくなるような分割を認めないこととされておりまして、不採算部門を分割、独立させるような事態は想定できないものと認識しております。それによる労働者の解雇という事態も想定しておりません。
 次に、労働契約承継法案と民法第六百二十五条についてのお尋ねでございますが、会社分割による権利義務の承継は、合併の場合と同様、いわゆる包括承継であり、使用者が労働者に対する権利を個別に譲渡する場合に関する民法第六百二十五条は適用されないこととなります。
 同意なく承継された労働者につきましては、合併と同様に雇用及び労働条件の維持が図られていること、承継後もほとんどの場合に分割以前についていた職務と同じ職務に引き続きつくと想定されていることから、実質的な不利益はないものと考えております。
 次に、労働組合との事前協議についてのお尋ねでありますが、労働大臣が定める規則において、労働者の理解と協力を得ることの具体的な内容としまして、当該事業場において労働者の過半数を組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との協議によって行う等のことである旨を規定する考えでございます。
 最後に、労働者の権利とグローバル化についてのお尋ねでございますが、欧米諸国と我が国では企業における労使関係の実情、雇用労働市場の状況等が異なるため、労働者保護や解雇規制等について、諸外国の労働者保護の方法を参考としながら、我が国の実情に照らして独自の労働政策をとっていくことが最も適切ではないか、このように考えております。
 今回の労働契約承継法案も会社分割に際して必要な労働者保護を図ったものでございます。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣堺屋太一君登壇、拍手〕
#16
○国務大臣(堺屋太一君) 景気判断についてのお尋ねがございました。
 景気判断は、需要、生産、収益、雇用、金融など広範な情報に基づいて総合的に行っております。
 御指摘のように、個人消費は、収入が低迷しているため、このところ一進一退、おおむね横ばいに推移しております。ただし、ゴールデンウイークの旅行などには顕著な改善も見受けられました。
 雇用情勢においても、完全失業率が三月には四・九%とこれまでの最高水準で推移するなど、依然として厳しいものがございますが、残業時間や求人は増加傾向が見られております。一般には、失業率は景気におくれて変化する性格を持っております。
 一方、生産分野では、自律的回復に向けた動きも徐々にあらわれております。生産活動を見ますと、鉱工業生産は、十一年七―九月期以来、三四半期連続の増加となっています。こうした中で、企業収益は改善しており、製造業を中心に投資意欲の改善も見られるところであります。
 前述のように、雇用情勢は依然として厳しいものがありますが、こうした企業部門の改善の動きが家計部門にはまだ十分に波及していない段階にあるのではないかと考えております。しかし、全体として見ますと緩やかな改善が続いております。
 今後、景気が自律的回復軌道に乗ってまいりますれば、雇用環境が改善し、景気回復の好影響が家計にも及ぶものと信じております。(拍手)
   〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
#17
○国務大臣(宮澤喜一君) 会社分割の際の税制につきましてお尋ねでございましたが、企業会計あるいは商法会計における具体的な取り扱いに即して適正な税制を考えなければならないという関係でございます。
 現在、企業会計、商法会計の具体的な取り扱いについては、今の時点では十分まだ明確になっておりませんので、これらの動向を見きわめつつ、平成十三年度の税制改正におきまして税制としての対応を検討してまいりたいと考えております。
 その際の具体的な検討の方向でございますが、まず、法人税制につきまして、合併、現物出資等を含めた資本等取引に係る課税のあり方、所得税や法人税を通ずる株式譲渡益課税、みなし配当課税に対する適正な取り扱いをどう確保するか、あるいは納税義務、各種引当金等の引き継ぎについて、おのおのの意義、趣旨を踏まえた適正な税制措置をどういうふうにするか。また、おっしゃいますように、租税回避の手段として利用されてはならないわけでございますから、そのようなこともどういう制度で考えていくかといった、そういう点が検討の対象になっております。
 なお、議員が例示されました登録免許税につきましては、先般、産業再生法に基づいて事業再構築を行う場合には、持ち株会社の設立などについて合併の場合に準じた軽減措置を講じたところでございます。
 それは御承知のことでございますが、会社分割、今度は分割に対する登録免許税に対する取り扱いにも会社分割法制の趣旨を踏まえながら何かのことを考えなければならないと考えておりますけれども、まだ具体的なその分割法の態様がはっきりいたしませんので、ただいま明確に申し上げることができません。しかし、何かの措置を講じたいと考えております。(拍手)
#18
○議長(斎藤十朗君) これにて質疑は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時五分散会
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ソース: 国立国会図書館
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