くにさくロゴ
2000/05/17 第147回国会 参議院 参議院会議録情報 第147回国会 本会議 第25号
姉妹サイト
 
2000/05/17 第147回国会 参議院

参議院会議録情報 第147回国会 本会議 第25号

#1
第147回国会 本会議 第25号
平成十二年五月十七日(水曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第二十五号
  平成十二年五月十七日
   午前十時開議
 第一 地方自治法第百五十六条第四項の規定に
  基づき、地方整備局の設置に関し承認を求め
  るの件(衆議院送付)
 第二 児童虐待の防止等に関する法律案(衆議
  院提出)
 第三 ストーカー行為等の規制等に関する法律
  案(地方行政・警察委員長提出)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、前内閣総理大臣衆議院議員小渕恵三君逝去
  につき哀悼の件
 一、特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律
  案(趣旨説明)
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(斎藤十朗君) これより会議を開きます。
 前内閣総理大臣衆議院議員小渕恵三君は、去る十四日逝去されました。まことに痛惜哀悼の至りにたえません。
 つきましては、この際、院議をもって同君に対し弔詞をささげることといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。
 弔詞を朗読いたします。
   〔総員起立〕
 参議院は わが国 民主政治発展のため力を尽くされました 前内閣総理大臣衆議院議員正二位大勲位小渕恵三君の長逝に対し つつしんで哀悼の意を表し うやうやしく弔詞をささげます
     ─────・─────
#5
○議長(斎藤十朗君) この際、日程に追加して、
 特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。深谷通商産業大臣。
   〔国務大臣深谷隆司君登壇、拍手〕
#7
○国務大臣(深谷隆司君) 特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 エネルギー供給構造が脆弱な我が国においては、地球温暖化問題への対応といった環境保全及び効率化の要請に対応しながら、エネルギーの安定供給を確保するため、原子力政策を着実に推進していくことが必要であります。原子力発電は、発電開始以来三十数年が経過し、今や我が国の主要なエネルギー源として確固たる地位を占めるに至っております。
 一方、原子力発電に伴い生じた使用済み燃料の再処理後に生ずる特定放射性廃棄物の最終処分は、原子力発電を進めていく上で残された最重要課題の一つであります。この課題を解決するため、最終処分費用の負担に関する世代間の公平性の観点に留意しつつ、最終処分の実施に必要な枠組みを早急に制度化することが極めて重要であります。
 以上のような認識のもと、特定放射性廃棄物の最終処分を計画的かつ確実に実施させるために必要な措置等を講じ、発電に関する原子力に係る環境の整備を図るため、今般、本法律案を提案した次第であります。
 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一に、通商産業大臣は、特定放射性廃棄物の最終処分を計画的かつ確実に実施させるため、特定放射性廃棄物の最終処分に関する基本方針及び最終処分計画を閣議の決定等を経た上で定めることとしております。
 第二に、原子力発電環境整備機構は、概要調査地区等を選定しようとするときは、所要の調査を行い、その結果に基づき概要調査地区等を選定しなければならないこととするとともに、通商産業大臣の承認を受けなければならないこととしております。
 第三に、発電用原子炉設置者は、特定放射性廃棄物の最終処分に必要な費用に充てるため、毎年、原子力発電環境整備機構に拠出金を納付しなければならないこととしております。
 第四に、原子力発電環境整備機構は、最終処分計画等に従い、拠出金に見合う特定放射性廃棄物の最終処分を行わなければならないこととしております。なお、原子力発電環境整備機構が特定放射性廃棄物の最終処分を行う場合についての安全の確保のための規制については、別に法律で定めるところによることとしております。
 第五に、特定放射性廃棄物の最終処分を行う原子力発電環境整備機構に関する事項、発電用原子炉設置者が納付した拠出金を最終処分積立金として管理する指定法人に関する事項その他所要の措置について定めることとしております。
 以上が本法律案の趣旨でありますが、衆議院におきまして、概要調査地区等の選定に際し、通商産業大臣は、当該地区等を管轄する都道府県知事及び市町村長の意見を十分に尊重することを内容とする修正が行われております。
 以上です。(拍手)
    ─────────────
#8
○議長(斎藤十朗君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。足立良平君。
   〔足立良平君登壇、拍手〕
#9
○足立良平君 私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました法律案について質問をいたします。
 その前に、昨日来、国家基本政策委員会の開催を野党四会派が強く申し入れているにもかかわらず、森総理及び与党がいたずらに拒否したことは極めて遺憾であるということをまず冒頭に申し上げるとともに、今日的緊急課題について、三点質問をいたします。(発言する者多し)
 総理は、一昨日のいわゆる神の国発言で、日本の国はまさに天皇を中心とする神の国であるということを国民にしっかりと承知していただくことを強調しておられますが、総理は、御自身の発言の持つ重みを十分に認識されているのでありますか。(発言する者多し)また、総理は、憲法に定める象徴天皇制を一体どのようにお考えなのか。天皇を中心とした神の国という発想を国民に徹底したいということは、現憲法の基本原則である国民主権とどう両立を図るおつもりであるのか。
 日本は天皇中心の神の国という御認識は、総理が内心にお持ちになることの是非はともかく、少なくとも一国の総理としての発言となると別であります。日本国憲法の前文は、主権が国民に存することを宣言し、続く一条において、「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。」とうたっており、象徴天皇制を明確に規定している。一体どこから神の国という発想が出てくるのですか。この発言は、憲法の前文及び第一条の趣旨に反していると考えますが、総理の見解を示していただきたい。
 また、総理は、神も仏も大事にしようということを学校でも社会でも家庭でも言うことが日本国の精神論からいえば一番大事なのではないかと述べたとされますが、事実とすれば憲法第二十条第三項を一体どういうふうにお考えなのか。すなわち、同項は「国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。」と明確に定めている。総理の発言は、憲法が否定する国による宗教教育を推進しようとするものだとも解釈できるものであります。
 私は、一般論として神仏を大切にしよう、あるいは他者の信仰を尊重していこうという姿勢自体を否定するものではありませんが、総理の発言はそれを越えて、憲法が国に禁じている領域に不用意に足を踏み入れたのではないかと思います。これまでの発言からしても、もはや失言では済まされないと考えますが、総理のお考えを示していただきたい。
 また、憲法第九十九条は国務大臣の憲法尊重擁護義務を規定しておりますが、総理発言はこの憲法第九十九条に違反していないか、あわせて総理のお考えをお示しいただきたいと思います。
 続いて、内閣総理大臣の臨時代理の選出過程について質問いたします。
 青木官房長官は、当初、有珠山噴火対策を引き合いに出され、前総理から内閣総理大臣臨時代理を任命されたと言いながら、去る十四日の医師団の会見によって前総理が明瞭な意思表示ができたのかについて疑問が呈されると、今度は一息に言われたとは言っていないと修正をされた。長官の発言と医師の意見との食い違いを見ると、その信憑性にますます疑念が生じます。
 問題なのは、内閣の要職にある長官の発言が二転三転していることであります。これでは、国民は政治や行政を信頼することはできない。この件に関して、総理及び官房長官の考え方をお聞きいたしたい。
 続いて、中村喜四郎元建設大臣の裁判に関連して質問いたします。(発言する者多し)
#10
○議長(斎藤十朗君) 静粛に願います。御静粛に願います。御静粛に願います。
 どうぞお続けください。足立君、どうぞお続けください。
#11
○足立良平君(続) ゼネコン汚職であっせん収賄罪に問われた中村喜四郎元建設大臣の裁判で、中村被告は、当時総理だった宮澤大蔵大臣から総理官邸でゼネコン問題の政治決着費として三百万円を受け取った旨の証言をいたしました。事実とすれば、事が汚職事件にかかわるだけに重大な問題を含んでおります。この事件は、自民党の業界との癒着体質を如実に示しております。
 総理官邸の中でもみ消し工作と受け取られる金銭授受があったことも想定できる内容を含むだけに、総理当時の宮澤蔵相の職務権限の行使のあり方など、その適格性にもかかわってくる問題であります。この件について、総理及び大蔵大臣の御答弁をいただきたい。
 総理の憲法違反と思われる発言に加え、内閣の重要閣僚である青木官房長官の内閣総理大臣臨時代理選出過程での信頼性の欠如といい、財政を預かる宮澤大蔵大臣の疑惑といい、森内閣を支える有力な閣僚も次々と適格性の問題が提起されております。もはや、総理御自身の失言では済まされない問題が多数国民の前に明らかになっている現状では、森内閣は即刻総辞職すべきであります。
 さて、本法律案を審議するに当たりまして、まずエネルギーを人類の発展という視点から考える必要があります。
 世界の人口の二割を占める先進国は全世界のエネルギー消費量の七割以上も使っている一方で、二十億の人々がまだ電気の恩恵にあずかれないでおります。世界の人口はふえ続けており、二十一世紀半ばには現在の二倍、百億人を超えると予想されております。いかなる国もエネルギーなくして発展はありません。地球環境を保全しつつ、限りある資源とエネルギーをうまく分け合っていかなければならないと考えます。
 特に、エネルギー資源の約八割を輸入に頼る我が国にとって、エネルギーの確保は安全保障の面からも極めて重要であります。最近の石油価格の高騰、アジアの経済発展に伴う石油需要の増大などを見ましたときに、明確なエネルギー戦略なくして日本の将来はあり得ないことを肝に銘ずるべきであります。
 こういった世界のエネルギー事情を踏まえると、我が国は、先進国の責務として、これまでの大量生産、大量消費、大量廃棄を前提にした経済システムから、地球環境を重視した循環型社会へと転換を図ることが必要であります。そのためには、省エネルギー、環境との調和という観点からの再生可能エネルギー、そして技術革新に伴う新しいエネルギーなどを効率的に組み合わせる必要があると考えます。通産大臣は、それぞれどのように位置づけるべきとお考えでありますか。
 また、原子力は言うまでもなく安全確保が第一であり、地域住民の方々の理解と信頼がなければ、いかなる原子力関連施設も立地することはできません。しかし、現実には、相次ぐ国内外の事故により、国民の原子力に対する信頼は失墜しております。加えて、エネルギーコスト低減を目的とする電力自由化を進める中で、極めて莫大な初期投資を必要とする原子力発電所を電力会社が従来どおり建設していくことがこれからできるのかどうか、非常に疑問を感じております。電力自由化が進むアメリカにおいて、一九七八年以来原子力発電所の新規発注がないことはそれを如実に示しているわけであります。
 通産大臣は、エネルギーセキュリティー、地球環境保全を考慮して、いわば国策として進めてきた原子力を今後どのように位置づけるべきとお考えなのか。現在、総合エネルギー調査会においてエネルギー長期需給見通しの見直しに向けて議論が進んでおります。しかし、その議論にすべてをゆだねてしまうのではなく、これからのエネルギー問題を考えるに当たって、まず、以上の二点について通産大臣の明確な御所見を伺いたいと思います。
 仮に、今後原子力を推進していくのであれば、東海村の臨界事故により失った国民の信頼を取り戻すために、国民の目に見える形の改革と安全規制の新機関が必要であると考えます。科学技術庁長官及び通産大臣の答弁を求めます。
 今回の法案の中身を精査いたしますと、多くの疑問点が生じてまいります。国民の理解を得るためには、疑問点を明らかにし、足らざる部分については法律の文言に反映させるという観点から、衆議院の段階で、民主党は修正案を取りまとめ、一部ではありますが修正が実現したことは大きな前進と受けとめております。しかし、明らかにすべき疑問点はいまだに多く残っております。
 以下、法案に関連して質問いたします。
 この法案は、核燃料サイクルを前提にして再処理過程で抽出される高レベル放射性廃棄物を地層処分することとしております。しかし、核燃料サイクルの柱である高速増殖炉「もんじゅ」は、一九九五年十二月のナトリウム漏れ事故以来運転を停止しております。さらに、昨年、英国BNFL社におけるMOX燃料のデータ改ざんが発覚したことにより、国内電力会社のMOX燃料利用計画が大幅におくれているのが現状であります。
 このような状況下、我が国はなぜ核燃料サイクル政策を推進しようとするのか。今後のプルトニウム需給の見通し、核不拡散の観点もあわせて、科学技術庁長官より答弁を求めます。
 次に、地層処分についてお尋ねをいたします。
 理論的には種々の処分方法がある中で、なぜ地層処分を選択したのか。国際的には地層処分方式の見直しの動きも一部にあり、地層処分をするとしても回収可能性の確保が必要ではないかとの指摘がありますが、この点についてどのようにお考えでしょうか。
 また、附則には十年後の見直し規定がありますが、これは地層処分のあり方そのものも大幅に見直すという可能性を含んだものなのかどうか、通産大臣の答弁を求めます。
 次に、情報公開について質問をします。
 原子力発電環境整備機構が実施計画について通産大臣の承認を受けたときは、公表義務を課すべきであります。計画の変更の際にも同様の措置が必要と考えます。
 また、法案の第六十条では機構に対し情報公開の努力義務が課されていますが、そもそも情報公開なくして最終処分事業の円滑な遂行は不可能であります。同機構は認可法人となっておりますが、昨年成立した行政機関の保有する情報の公開に関する法律、いわゆる情報公開法に準ずる扱いが必要と考えますが、通産大臣の御所見を伺います。
 最後に、原子力安全委員会の関与についてお尋ねをいたします。
 この法案では、国の基本方針及び最終処分計画の一部についてのみ原子力安全委員会の意見を聞くこととなっております。これは、原子力安全委員会の役割が軽視されていると言わざるを得ません。安全確保のための規制に関するものすべてについて同委員会の意見を聞くべきではないでしょうか。実施計画の承認、変更命令についても同様の措置が必要と考えます。通産大臣の明快なる答弁を求めます。
 人類は、太古の昔からエネルギーを使ってまいりました。最初はまき、そして石炭、石油、原子力、こうした変遷を見ると、いかなるエネルギーもすべて過渡的なものであると言えます。過去、石炭から石油へのエネルギー革命が起こったように、原子力も将来また新しい技術に取ってかわられることも十分予測されます。
 しかし、エネルギーを考える視点は、いかに安い価格で、そして十分な量をいかに確保し、しかもいかに環境に優しいかということが極めて重要であり、情緒的な議論は本来成り立ち得ません。
 エネルギー資源の少ない我が国において、将来のエネルギー政策はいかにあるべきか、政治こそが新しい道を示すべきであり、党派を乗り越えて真摯なる議論を行っていかなければならないことを申し上げて、私の質問を終わります。(拍手)
#12
○議長(斎藤十朗君) このまましばらくお待ちください。
 暫時休憩いたします。
   午前十時二十六分休憩
     ─────・─────
   午後零時四十六分開議
#13
○議長(斎藤十朗君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 足立良平君の質疑に対する答弁から入ります。
   〔国務大臣森喜朗君登壇、拍手〕
#14
○国務大臣(森喜朗君) 神道政治連盟国会議員懇談会における私の発言について、一連の御質問がございました。
 御指摘の発言は、神道政治連盟国会議員懇談会の活動の経緯を紹介する趣旨で申し上げたものでありますが、内閣総理大臣として、日本国憲法に定める主権在民、信教の自由について、これを尊重、遵守することは当然なことであり、誤解を生じたとすれば申しわけないことであり、おわびを申し上げたいと思います。
 私が申し上げたかったことは、少年が関与する人の命を軽視するような事件が相次ぎ、教育についてさまざまな問題が指摘されている中で、人の命の大切さへの理解や宗教的な情操を深める教育が大切であるということであります。
 信教の自由を前提とした上で、児童生徒の発達段階に応じ、人間の力を超えたものに対する畏敬の念を深めることや、人生における宗教の持つ意義などについて理解させ、人間としてのあり方、生き方について考えを深めさせることを教えることの必要性を申し上げたものであり、特定の宗教のための宗教教育を行うことを申し上げたものではありません。
 御指摘の発言の中で天皇中心という表現がありましたが、これは、天皇は時代時代により位置づけが変わったが、現在では日本国の象徴であり、日本国民統合の象徴であるとされていることを申し上げたものであり、主権在民の考え方に反することを申し上げたものではありません。
 また、神の国という表現は、特定の宗教について述べた趣旨ではなく、歴史を振り返れば、日本には古事記の中に見られたような神話がありますが、地域社会においては、その土地の山や海や川など、自然の中に人間を超えるものを見るという考え方があったことを申し上げたものであります。決して天皇が神であるという趣旨で発言したものではありません。
 もとより、日本国憲法に定める国民主権の理念は、日本国憲法が制定されてから今日に至るまでの間、一貫して国民から広く支持されてきたものであって、将来においてもこれを堅持すべきものと考えています。
 また、日本国憲法第九十九条は、憲法尊重・擁護義務を定めているところであり、私も内閣総理大臣として、日本国憲法の規定を遵守するとともに、その完全な実施に努力すべきことは当然であると考えております。
 青木官房長官の内閣総理大臣臨時代理就任についてお尋ねがありましたが、青木官房長官が四月二日の午後七時ごろ小渕総理にお会いをしたとき、総理から、有珠山噴火の心配もあり、何かあれば万事よろしくとの指示を受け、これに基づいて臨時代理に就任したものであり、何ら問題はないと考えております。
 中村元建設大臣の裁判における証言についてのお尋ねがありました。
 宮澤大蔵大臣によれば、そういった記憶はないとのことでありました。いずれにしましても、現在、刑事事件として公判中の事柄であり、その内容について云々することは差し控えたいと思います。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣深谷隆司君登壇、拍手〕
#15
○国務大臣(深谷隆司君) 足立議員から私に寄せられた質問は九問でございます。
 第一は、省エネルギー、再生可能エネルギー、新エネルギー等への取り組みについてのお尋ねでありますが、これらの組み合わせは、エネルギーの安定供給確保や地球環境問題への対応の観点から重要な政策課題であると考えております。こうした諸課題について、本年四月に総合エネルギー調査会総合部会において開始されたエネルギー政策の総合的な検討等の中で積極的に検討してまいりたいと思います。
 第二の質問でありますが、原子力の位置づけについてのお尋ねであります。
 原子力については、燃料供給や価格の安定性に加え、発電過程においてCO2を発生しないという環境特性を有しております。原子力は我が国の総発電電力量において既に三六%を占めておりまして、今後も相当程度原子力発電に依存する必要があるものと考えております。
 第三は、原子力安全規制の新機関が必要とのお尋ねですが、政府といたしましては、一次規制庁と原子力安全委員会によるダブルチェック体制が適当であるとの基本的考え方のもと、原子力安全委員会の独立性及び機能の強化を初めとする各種の措置を実施しているところでございます。来年一月の省庁再編に伴いまして、独立性のより高い原子力安全・保安院を設置することにいたしております。
 第四の質問は、地層処分を選択した理由についてのお尋ねでありますが、平成九年に原子力委員会から、深部の地質環境は極めて長期にわたり安定である、適切な地点を選べば、廃棄物が人間環境に有意な悪影響を及ぼさないようにすることができるとの考え方が示されております。
 また、長年、各国及び国際機関においてさまざまな検討がなされた結果、現在では地層処分が共通の考え方となっております。
 回収可能性の確保についてのお尋ねですが、具体的に回収可能性を確保するか否か、また、確保する場合の機関等につきましては、現在行われている安全規制体系の検討の中において議論さるべきものと考えております。
 十年後の見直し規定に関するお尋ねですが、現在は地層処分が国際的に共通の考え方となっております。
 なお、今後の知見の蓄積等によって反映すべき事項が生じた場合には、これを含めて見直しを行うこととなります。
 第七の質問は、実施計画の公表についてのお尋ねですが、本法案第六十条に基づき、機構は実施計画及び同計画の変更について公表するということになっております。
 情報公開についてのお尋ねですが、処分事業を進めていく上で情報公開の必要性は十分に認識しております。本法案第六十条に基づき、情報公開が徹底されるように機構を監督してまいります。
 最後の御質問は、原子力安全委員会の関与に関するお尋ねでありますが、法案上、基本方針及び最終処分計画のうち、安全の確保のための規制に関する事項すべてについて意見を聞くことになっております。
 以上です。(拍手)
   〔国務大臣青木幹雄君登壇、拍手〕
#16
○国務大臣(青木幹雄君) 足立議員にお答えをいたします。
 故小渕前総理に関する御質問であります。
 お答えを申し上げる前に、まず前総理の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、最後まで懸命な看病を続けられた御遺族の方々に対し衷心より哀悼の意を、また必死の努力を行われた医師団に対し感謝申し上げたいと思います。
 また、与野党を含めた各党会派より温かい弔問をいただきました。この場をかりて改めてお礼を申し上げます。ありがとうございました。
 臨時代理の選出過程について御質問がございました。
 既に総理からお答え申し上げましたが、四月二日午後七時ごろ、前総理とお会いした際、総理から、有珠山噴火の心配もあり、何かあれば万事よろしく頼むとの指示をいただいたものであります。私の発言が二転三転しているとの御指摘でございますが、私の発言は終始一貫しており、その内容は何ら変わっておりません。
 十四日に順天堂医師が詳細に説明したとおり、前総理は質問を理解し、自分の意見を表明することは可能な状況にあり、総理と一心同体である官房長官である私が前総理ときっちり話をし、前総理の言われたことを申し上げたものであります。
 何回に分けて言われたかとか途切れ途切れに言われたかとか苦しそうに言われたかとか等は、故人と病室における会話であり、またそもそも総理の御指示の内容自体とは全く無関係の話であると考えております。このような前総理のお話のしぶりについてまで私が申し上げる必要はないと考えております。総理の意図を正確にわかりやすく発表することが官房長官である私の責任であると考えております。(拍手)
   〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
#17
○国務大臣(宮澤喜一君) 当時、独禁法の罰則強化につきまして日米間の交渉がございましたので、これにつきましては公取委員長の報告を受けておりました。
 埼玉県の談合事件は、公取委員長の専管事項でございますから、特に私は報告は受けておりませんでした。
 中村喜四郎議員は、国会対策事項について報告のため時々来訪されましたが、その際、これら独禁法関係に関して話し合ったり金を渡したというようなことは一切ございません。(拍手)
   〔国務大臣中曽根弘文君登壇、拍手〕
#18
○国務大臣(中曽根弘文君) 足立良平議員にお答えをいたします。
 私には二問ほどございました。
 最初に、臨界事故を踏まえた原子力行政の改革等についてのお尋ねでございますけれども、さきの臨時国会で、原子力の安全規制及び防災対策の抜本的強化のための法的枠組みを整備いたしました。
 安全規制の体制につきましては、行政庁の安全審査を原子力安全委員会が独自の立場からダブルチェックするという現在の体制を基本とし、原子力安全委員会について、本年四月に事務局機能を総理府に移すとともに、事務局人員を拡充するなど、強化を図ったところであります。
 今後、さらに原子力の安全確保及び防災対策に万全を期し、国民の原子力への信頼回復に努力してまいります。
 次に、核燃料サイクル政策を推進する理由に関する御質問でございますけれども、資源の乏しい我が国といたしましては、将来にわたるエネルギーの安定確保、環境への負荷の低減等の観点から、使用済み燃料を再処理して回収されるプルトニウム等を有効利用する核燃料サイクル政策が必要であります。
 プルトニウム利用を含めまして、我が国の原子力開発利用は、厳に平和利用に限っており、今後ともIAEA保障措置の受け入れ等、核不拡散条約上の国際的義務を誠実に履行するとともに、プルトニウム利用の透明性を確保してまいります。
 回収されたプルトニウムは、今後プルサーマル等の着実な進展を図ることにより、適切な利用を図ることができると考えております。
 以上でございます。(拍手)
    ─────────────
#19
○議長(斎藤十朗君) 畑野君枝君。
   〔畑野君枝君登壇、拍手〕
#20
○畑野君枝君 私は、日本共産党を代表して、特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律案について、関係大臣に質問いたします。
 まず最初に、私は、国民が唖然とした森総理の神の国発言について、総理の責任を厳しく問うものであります。
 総理が今月十五日、集会のあいさつで、日本の国はまさに天皇を中心にしている神の国であるぞということを国民の皆さんにしっかりと承知していただく、その思いで我々が活動して三十年になったと公然と述べたことは全く誤解の余地のないことであります。まさに、現在の憲法のもとで憲法擁護の責任を負う総理にあるまじき発言であり、総理がここまで戦前の神国思想に凝り固まっているのかと、驚きを禁じ得ません。
 総理、日本を神の国とするような神国思想こそ、軍国主義、侵略主義の精神的推進力となったのではありませんか。それはまた、戦後の日本が新憲法のもとで永久に絶縁したはずのものではありませんか。明確な答弁を求めます。
 さらに、天皇を神の国と結びつけて国の中心に置くというのも論外の議論であります。このような議論は、国民主権を宣言した日本国憲法の立場を乱暴に投げ捨てるものであることは余りにも明白ではありませんか。総理の答弁を求めるものです。
 このような立場を公式の場で明言して恥じない総理は、憲法に基づく民主主義の政治のもとで首相の座に着く資格がないことは明らかではありませんか。私は、総理に対して、国民の審判を待つまでもなく、直ちに退陣することを強く求めるものであります。
 次に、特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律案について伺います。
 第一に、昨年九月のジェー・シー・オー臨界事故の教訓が原子力政策にどのように生かされたのかという問題です。
 日本共産党は、臨界事故で浮き彫りになった日本の原子力行政の根本的な欠陥を改めるため、安全神話の一掃、規制と推進の分離、プルトニウム循環方式からの撤退という三つの課題を提起してまいりました。新聞の世論調査でも、七割の人が原子力からの転換や開発ストップを選択したように、これは国民多数の願いでもあります。
 科学技術庁長官にお尋ねします。
 臨界事故に対する政府の責任をどのようにお考えですか。臨界事故調査委員会最終報告は、「原子力の「安全神話」や観念的な「絶対安全」という標語は捨てられなければならない。」と指摘しました。事故の直接の原因は事業者にあるとしても、政府が安全神話にしがみついてきたことが、ジェー・シー・オーのような状況を放置し、二人の方の命を奪う我が国初の臨界事故を引き起こしたのではありませんか。責任ある答弁を求めます。
 臨界事故の重要な教訓として、原子力の規制行政を推進行政から分離、独立させるべきだという声も大きく広がり、昨年の臨時国会では当時の野党共通の主張となりました。
 原子力安全委員会の事務局は増員されましたが、規制権限を持たない諮問機関のままであり、規制権限は推進機関である通産省と科技庁が持ったままです。規制と推進の分離は、国際原子力機関の安全基準で、規制機関は原子力の推進に対して責任を負ってはならないと定めているように、国際的な原則であり、原子力安全条約にある義務であります。
 臨界事故の教訓を踏まえ、原子力利用の推進機関から独立した、十分な権限と体制を持った規制機関を確立すべきではありませんか。通産大臣、科学技術庁長官に答弁を求めます。
 通産大臣にお尋ねします。
 今回提出された特定放射性廃棄物最終処分法案では、最終処分業務に関する安全規制は別の法律で定めるとしています。安全確保のための基準すら定められない段階で、地層処分の実施を決めることは安全神話そのものではありませんか。安全神話に対する反省は一体どこにあるのですか。答弁を求めます。
 第二に、高レベル放射性廃棄物の処分問題です。
 法案では、原発から出る使用済み燃料を再処理し、その後に残る高レベル放射性廃棄物をガラス固化して一定期間冷却貯蔵した後に地層処分するとしています。
 科学技術庁長官にお尋ねします。
 高レベル放射性廃棄物は、その放射能レベルが天然ウラン程度に下がるまでに数万年もかかります。地層処分するのであれば、数万年間にわたる安全性が保障されなければなりません。そのような地層が日本にあるのですか。もしあると言うなら、どこにあるのか、具体的かつ明確にお答えください。
 そもそも、地層処分の安全性は実証されているのでしょうか。世界のどこかで実証されているという事実があるのかないのか、具体的で明確な答弁を求めます。
 数万年にわたり安定した地層が日本にあるのか、専門家からも疑問視されているもとで、将来十万年程度にわたって十分に安定した地層が我が国にも広く存在するなどと決めつけ、地層処分を実施しようというのは新たなる安全神話とも言うべきものです。
 核燃料サイクル開発機構の第二次取りまとめでも、高レベル廃棄物の放射能存続期間を考えると、このような期間にわたり有効であり続けた社会制度の例もないと指摘しています。このような処理困難な廃棄物をつくるべきではありません。使用済み燃料の再処理をやめ、既にある使用済み燃料や高レベル放射性廃棄物を安全に処理する方法の研究を進めること、その努力こそが今求められているのではないでしょうか。答弁を求めます。
 次に、処分地選定に当たっての地元合意の問題です。
 今年二月の芦浜原発の例に見るように、現代では住民合意と自治体の同意なしには原子力施設を立地しないというのが当然のルールです。何万年もの将来まで影響を与える処分地選定ではなおさらです。ところが、本法案ではこの当然のルールが無視されています。
 通産大臣にお尋ねします。
 原子力発電環境整備機構が処分候補地等を選定する際に、住民合意と自治体の同意を条件としないのはなぜですか。場合によっては、住民、自治体の意見を無視することもあり得るということですか。明確な答弁を求めます。
 第三に、プルトニウム循環方式の問題です。
 プルトニウムの持つ極度の有毒性、技術的困難や核兵器への転用を含め、プルトニウム循環方式の危険性は国際的にも実証されています。高速増殖原型炉「もんじゅ」のナトリウム漏えい・火災事故、再処理施設の火災爆発事故、核燃料工場の臨界事故、いずれもプルトニウム循環の中で起こった事故です。
 通産大臣、我が国の二十一世紀のエネルギーを考えるなら、世界が撤退し、破綻が明らかなプルトニウム循環方式にかけるというやり方を改め、再生可能エネルギーの利用促進など二十一世紀にふさわしいエネルギー政策を国民の英知を集めて探求すべきではありませんか。答弁を求めます。
 最後に、日本共産党は、国民の安全を守るために、また新たなエネルギー政策確立のために、国民の皆さんとともに奮闘する決意を表明して、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣森喜朗君登壇、拍手〕
#21
○国務大臣(森喜朗君) 神道政治連盟国会議員懇談会における私の発言について御質問がありました。
 先ほども答弁いたしましたが、御指摘の発言は、神道政治連盟国会議員懇談会の活動の経緯を紹介する趣旨で申し上げたものでありますが、内閣総理大臣として、日本国憲法に定める主権在民、信教の自由について、これを尊重、遵守することは当然のことであり、誤解を生じたとすれば申しわけないことであり、おわびを申し上げたいと思います。
 私が申し上げたかったことは、少年が関与する人の命を軽視するような事件が相次ぎ、教育についてさまざまな問題が指摘されている中で、信教の自由を前提とした上で、人の命の大切さへの理解や宗教的な情操を深める教育が大切であるということであります。
 天皇の地位については、戦前においては天皇は神と結びつけられていましたが、戦後これは否定され、日本国憲法では、天皇は、日本国の象徴であり、日本国民統合の象徴であり、その地位は、主権の存する日本国民の総意に基づくと定められております。
 御指摘の発言の中で天皇中心という表現がありましたが、これは、天皇は時代時代により位置づけが変わったが、現在では日本国の象徴であり、日本国民の統合の象徴であるとされていることを申し上げたものであり、主権在民の考え方に反することを申し上げたものではございません。
 また、神の国という表現は、特定の宗教について述べた趣旨ではなく、歴史を振り返れば、日本には古事記の中にも見られますような神話がありますが、地域社会においては、その土地土地の山や川や海などの自然の中に人間を超えるものを見るという考え方があったことを申し上げたものであります。決して天皇が神であるという趣旨で発言したものではございません。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣深谷隆司君登壇、拍手〕
#22
○国務大臣(深谷隆司君) 畑野議員の御質問は四問でございます。
 まず、原子力の推進機関から独立した規制機関を確立すべきとのお尋ねであります。
 政府といたしましては、一次規制庁と原子力安全委員会によるダブルチェック体制が適当であるとの基本的な考え方のもとに、原子力安全委員会の独立性及び機能の強化を初めとする各種の措置を実施しているところでございます。通商産業省としましては、一次規制の体制強化を図るとともに、来年一月の省庁再編に伴い、独立性のより高い原子力安全・保安院を設置することにいたしております。
 第二問、安全神話に対する反省についてのお尋ねでありますが、最終処分については安全の確保が大前提であると認識をしております。このため、現在行われている原子力安全委員会における検討を踏まえるとともに、最新の知見を反映するために、安全規制は別に法律で定めることとしたわけであります。
 処分候補地等の選定に関するお尋ねですが、その選定においては、これを管轄する都道府県知事及び市町村長の意見を極めて重く受けとめ、十分に尊重していくことといたしております。
 第四の質問は、二十一世紀のエネルギー政策についてのお尋ねであります。
 エネルギー資源の大部分を輸入している日本にとりまして、長期的な安定供給の確保等の観点から、核燃料サイクル政策を推進していくことが引き続き重要であると認識をしております。
 また、今後のエネルギー政策については、国民各層を代表する委員から成る総合エネルギー調査会において検討を開始したところでございます。この検討に当たりましては、再生可能エネルギーの利用促進などあらゆる可能性について幅広い検討を行い、二十一世紀に向けて適切なエネルギー政策を構築してまいる所存であります。(拍手)
   〔国務大臣中曽根弘文君登壇、拍手〕
#23
○国務大臣(中曽根弘文君) 私に対しましては五問のお尋ねがございました。
 まず第一に、臨界事故に対する責任についてのお尋ねでございますけれども、事故の直接の原因はジェー・シー・オーの違法な作業によるものでありますが、政府といたしましても結果として事故が起こったことを極めて重く受けとめており、特にお二人の方がお亡くなりになられたことは痛惜のきわみでございます。
 政府といたしましては、これまで原因究明に基づく再発防止策の確立と周辺住民等の方々への対応を第一に全力を挙げて取り組んできたところでありまして、二度とこのような事故が起こらないよう、特に安全確保の徹底に全力で取り組むことが何よりも重要と考えております。
 次に、原子力の推進と規制の分離についてのお尋ねがございました。
 我が国におきましては、行政庁が法令に基づく安全審査を行い、さらに原子力安全委員会が独自の立場からダブルチェックを行うという現在の方法が安全規制の実効性を高める上で有効なものと認識をしております。
 昨年九月の臨界事故につきましては厳しく受けとめ、原子炉等規制法の改正等による安全規制の抜本的強化とともに、行政庁の規制体制の拡充を行っております。
 また、原子力安全委員会におきましても、本年四月に事務局機能を総理府に移すとともに、事務局人員を拡充し、その独立性と機能の一層の強化を図ったところであります。
 三番目のお尋ねは、地層の長期安定性についてのお尋ねでございますけれども、核燃料サイクル開発機構の技術報告書では、過去数十万年程度の地震、火山活動などの地層の活動履歴の情報に基づきまして、将来十万年程度にわたって天然現象が及ぼす影響について地質環境の長期安定性を検討した結果、安定した地層が我が国に広く存在すると考えられることが示されております。
 なお、この報告書は個別具体の地域について地層処分の適不適を検討したものではなく、地層処分に必要な条件を満たす地質環境が我が国に広く存在することを示したものであります。
 次に、地層処分の安全性の実証に関するお尋ねでございますけれども、経済協力開発機構原子力機関、OECD・NEAによりますと、地層処分システムに関し、人間環境への影響を評価するシナリオのモデルを作成し、それに関連する物理化学的データを入力することにより、地層処分の安全性を間接的に実証することができるとしております。
 諸外国におきましては、このような方法により安全性を評価し、地層処分に向けた取り組みを進めていると承知をしております。
 サイクル機構の調査におきましては、このような方法に従い、我が国における地層処分システムの安全性を総合的に評価した結果、廃棄物が人間環境に及ぼすと想定される影響は諸外国の安全基準を下回ることが確認されております。
 最後は、再処理をやめ、使用済み燃料等の処理に関する研究を進めるべきとのお尋ねでございますけれども、資源に乏しい我が国といたしましては、エネルギーの安定確保等の観点から、使用済み燃料を再処理し、回収されたプルトニウムを有効利用する核燃料サイクル政策が極めて重要でございます。
 このため、我が国におきましては、安全確保を大前提に、国民の理解を得つつ、使用済み燃料やプルトニウムを廃棄物として処分するのではなく、核燃料サイクルの確立に向け努力しているところであります。
 また、高レベル放射性廃棄物の減容等処分に係る負担軽減や資源としての有効利用に資する技術となる可能性のある分離変換技術の研究開発を実施してまいります。
 以上でございます。(拍手)
    ─────────────
#24
○議長(斎藤十朗君) 清水澄子君。
   〔清水澄子君登壇、拍手〕
#25
○清水澄子君 私は、社会民主党・護憲連合を代表し、特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律案に関して、森総理及び関係閣僚に対して質問いたします。
 本法案は、国民の平和に生きる生活に重大な影響を持つものであり、また、憲法の保障する生存権と深くかかわるものであります。その意味から、憲法を尊重する義務が内閣に課せられているのです。したがって、一昨日の総理の憲法無視とも言える発言については、断固たださなければなりません。
 森総理は、去る十五日、日本は天皇中心の神の国であると発言されました。
 総理は御存じないのですか。日本国憲法は、第一条において、「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。」と定めているではありませんか。あなたは、あろうことか、日本国民の総意をみずから踏みにじったのです。
 あなたの発言は、過去、天皇を現人神とする日本神国の名において、自国民を初めアジアの人々に重大な損害を与えた侵略戦争の反省の上に宣言された憲法の前文の主権が国民に存することをも、また一九四六年一月一日の昭和天皇の人間宣言をも否定するものです。さらに、憲法九十九条の国務大臣等の憲法の尊重と憲法擁護義務にも反し、また二十条の信教の自由と国の宗教的活動の禁止にも明確に反しております。
 あなたの発言は、憲法を守るべき総理大臣としてもはや失格であります。直ちに神の国発言を撤回すべきであります。
 総理、一体いかなる観点と信条から憲法を踏みにじる発言をされたのですか。明確にお答えください。
 あなたは、これまでも教育勅語を評価するなど非民主的、前近代的な発言を繰り返してきました。まさに大日本帝国憲法主義のアナクロニストであると断ぜざるを得ません。誤解を招いたなどという言い逃れは通用いたしません。総理は、教育基本法の改正を唱えていますが、このような憲法観の持ち主に教育改革を論ずる資格はありません。
 森総理及びその内閣は直ちに退陣すべきであります。
 そもそも、森内閣は政権の正統性を欠いています。初め、青木官房長官は故小渕首相から明確に臨時代理の指名を受けたと発言しました。しかし、医師団の記者会見により、そのような状態ではあり得なかったという疑惑がより強まりました。
 第一に、正統性の根拠なく政権を承継したこと、第二に、違法な状況のまま内閣総辞職をしたことから、森内閣は正統性の根拠のない内閣であることは明白であります。
 重ねてお聞きいたします。青木官房長官、故小渕首相の言った言葉どおりに答弁してください。また、改めて、総理大臣臨時代理の指名から小渕内閣総辞職に至る事実経過と憲法上の根拠、閣議は開かれたのか、なぜ国会に対する報告を行わなかったのか、伺います。
 次に、法案について質問いたします。
 この法案は、原発の使用済み燃料を再処理して、地下深くに埋める地層処分をするという法案です。国際的な流れが今や核燃料サイクルから撤退し、脱原子力に向かっていることに逆行するだけでなく、処分地の決定をめぐる国民合意のあり方や処分費用などの面からも極めて問題の多い法律であります。
 トイレなきマンションと言われるように、原発は運転すれば確実に処理の非常に困難な高レベル放射性廃棄物を生み出します。千年、万年の単位で将来に厄災をもたらす核のごみをこれ以上ふやすべきではないということを最初に申し上げておかなくてはなりません。
 そこで、まず総理に、二十一世紀に臨むエネルギー政策について伺います。
 原発先進国とされたスウェーデンは、二〇一〇年を期限として原発からの脱却を決めました。アメリカ、ドイツ、フランス、カナダなどの原発推進国でも、危険なプルトニウムを使う高速増殖炉の開発から撤退しています。ヨーロッパ各国では、社会民主主義政権のもとで実際にその実現のために動き始めているのであります。
 持続可能な社会への転換、それは大量生産、大量消費、大量廃棄の経済システムを改め、自然エネルギーの開発と活用促進にもっと力を入れ、原発、殊にプルトニウムへの依存から脱却する新しいエネルギー体系に転換すべきであります。御見解を伺います。
 科学技術庁長官に伺います。
 この法案の最大の誤りは、再処理を前提としていることです。再処理をして取り出すプルトニウム239は、半減期が二万四千年という長寿命で猛毒の物質であり、核兵器への転用も容易であるため、安全保障上の大問題でもあります。
 プルトニウムは、現在、国際的に余っております。外国を見ても、ほとんどが使用済み燃料の直接処分を考えています。したがって、この法案のように再処理を核のごみの処分の前提とするべきではありません。少なくとも、使用済み燃料を直接処分する余地を残すため、「再処理後」という限定は削除すべきであります。御見解をお示しください。
 次に、地層処分の問題です。
 この法案では、地層処分のみが最終処分の唯一の選択肢となっています。国際的にもまだほとんど科学的知見が得られていない地層処分について、これを最終処分と名づけて法制化することは全く無謀であります。排出され続けている放射能をモニターし、回収可能な状態に保って次の世代に引き継ぐのが我々の世代の責務ではないでしょうか。通産大臣、御見解をお示しください。
 最後に、総理にお伺いいたします。
 この法案では、基本計画と最終処分計画については通産大臣が定め、閣議で決定すればよいということになっております。国民も国会も何ら関与をし得ない仕組みになっております。これを両計画とも国会の審議を経て決定するシステムに改めるべきであります。
 私ども社会民主党は脱原子力の立場をとっておりますが、既に排出された核廃棄物の処分については、原発推進か縮小かという議論とは切り離して、関係住民はもとより、国民的な議論を展開する必要があります。政府としての御見解を伺います。
 そして、最後に、私ども社民党は、この拙速な法案を撤回し、いま一度練り直すべきことを強く要求して、質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣森喜朗君登壇、拍手〕
#26
○国務大臣(森喜朗君) 神道政治連盟国会議員懇談会における私の発言についての御質問でありますが、先ほども御答弁申し上げましたが、御指摘の発言は、神道政治連盟国会議員懇談会の活動の経緯を紹介する趣旨で申し上げたものでありますが、内閣総理大臣として、日本国憲法に定める主権在民、信教の自由について、これを尊重、遵守することは当然なことであり、誤解を生じたとすれば申しわけないことであり、おわびを申し上げたい。
 私が申し上げたかったことは、少年が関与する人の命を軽視するような事件が相次ぎ、教育についてさまざまな問題が指摘されている中で、信教の自由を前提とした上で、人の命の大切さへの理解や宗教的な情操を深める教育が大切であるということであります。
 御指摘の発言の中で天皇中心という表現がありましたが、これは、天皇は時代時代により位置づけが変わったが、現在では日本国の象徴であり、日本国民統合の象徴であるとされていることを申し上げたものであり、主権在民の考え方に反することを申し上げたものではございません。
 また、神の国という表現は、特定の宗教について述べた趣旨ではなく、歴史を振り返れば、日本には古事記の中に見られるような神話がありますが、地域社会においては、その土地土地の山や川や海などの自然の中に人間を超えるものを見るという考え方があったことを申し上げたものであります。決して天皇が神であるという趣旨で発言したものではございません。
 もとより、日本国憲法第九十九条は憲法尊重・擁護義務を定めているところであり、私も内閣総理大臣として、日本国憲法の規定を遵守するとともに、その完全な実施に努力すべきことは当然であると考えております。
 エネルギー政策についてのお尋ねでありますが、原子力は、燃料供給の安定性にすぐれた、いわば準国産エネルギーであるとともに、発電過程においてCO2を発生しない等の特性があり、今後とも重要なエネルギー供給源であることには変わりはありません。
 他方、エネルギー消費の低迷、原子力立地の長期化の懸念等、近年の需給両面の状況変化を踏まえ、総合的な省エネルギー・新エネルギー対策を含むエネルギー政策全体について検討を開始したところであります。これらを踏まえ、原子力を含む適切なエネルギー政策を構築してまいります。
 高レベル放射性廃棄物の処分についての国会審議及び国民的議論についてのお尋ねでありますが、高レベル放射性廃棄物の処分については国民の理解と協力が不可欠であります。高レベル放射性廃棄物処分の制度の整備、処分地選定プロセス等の基本的な考え方につきましては、これまでも原子力委員会等における検討に際して、国民の方々との意見交換の場を設けるなど、情報公開や広報にも努めてまいりましたが、今後、本法案の施行につきましても、引き続き国民の理解と協力を得るよう努めてまいる所存であります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣深谷隆司君登壇、拍手〕
#27
○国務大臣(深谷隆司君) 清水議員の御質問は一問でございます。回収可能性の確保についてのお尋ねでありました。
 具体的に回収可能性を確保するか否か、また確保する場合の期間等につきましては、現在行われている安全規制体系の検討の中において議論されるべきものと考えております。(拍手)
   〔国務大臣青木幹雄君登壇、拍手〕
#28
○国務大臣(青木幹雄君) お答えをいたします。
 臨時代理の指定及び総辞職についてのお尋ねでありますが、四月二日の午後七時ごろ総理にお会いしたときは私一人でありましたが、その場で総理から、有珠山噴火の心配もあり、何かあれば万事よろしく頼むとの指示をいただいております。
 この指示は、病床にある総理が御自身の意思を、内閣官房を統括し総理と一心同体の立場にある内閣官房長官に対して示したものであり、内閣法第九条で規定されておりますような事態が生じた場合には、内閣総理大臣臨時代理の任に当たるようにとの指示を当然含んだものであることから、この指示を受けて私が臨時代理となったことは全く問題のないものと考えております。
 また、四月三日午後零時四十分、臨時閣議で総理の病状及び臨時代理指定の報告を行うとともに、衆参両院議長に対し通知し、官報公告手続もあわせて行ったところであります。
 さらに、今回の内閣総辞職につきましては、四月四日午後二時半、私自身が順天堂病院に出向き、意識状態は昏睡状態、脳梗塞による脳障害のため、質問を理解したり御自身の意思を表明なさることは当分の間困難であるとの判断をせざるを得ないとの医師団の報告を直接受けました。
 内閣総理大臣が意識不明であり、近い将来に回復の見込みがないような場合には憲法第七十条に言う「内閣総理大臣が欠けたとき」に当たるものと考えられることから、私は医師団の報告を受けて小渕総理の病状がこれに該当すると判断し、この判断に基づき、四月四日午後七時の臨時閣議において了解を得て、内閣として総辞職の決定を行ったものであります。(拍手)
   〔国務大臣中曽根弘文君登壇、拍手〕
#29
○国務大臣(中曽根弘文君) 私に対しましては、使用済み燃料の再処理の必要性についてのお尋ねでございました。
 資源の乏しい我が国といたしましては、将来にわたるエネルギーの安定確保等の観点から、使用済み燃料を再処理して回収するプルトニウム等を有効利用する核燃料サイクル政策が必要であります。このため、安全確保を大前提に、地元を初めとする国民の理解を得て、使用済み燃料やプルトニウムを廃棄物として処分するのではなく、核燃料サイクル計画の推進に今後とも努力してまいる所存であります。
 以上でございます。(拍手)
    ─────────────
#30
○議長(斎藤十朗君) 平野貞夫君。
   〔平野貞夫君登壇、拍手〕
#31
○平野貞夫君 ただいま議題となりました特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律案について、参議院クラブを代表して質問いたします。
 質問に先立ち、去る十四日、志を半ばに御逝去された小渕総理の御冥福を心からお祈り申し上げます。
 昨年九月三十日に発生した東海村の臨界事故は、国の内外を震撼とさせました。原子力の安全体制が、残念ながら政治においても行政においても、我が国においてなおざりのものであったことを反省しなければなりません。
 本来なら、事故の処理にめどがついたところで所管大臣が政治責任をとって国民にわびるべき重大問題であったと思います。
 政治が問題に対応した責任をとらないところに現在の我が国の停滞の原因があり、国民に信頼されない根本があると言えましょう。原子力の安全、危機管理は特に留意が必要であります。そういう意味で、政権のあり方は、政治や行政を進める基本であり、あらゆる施策を実行するため常に反省しなければならない問題であります。
 このような観点から、本法案に関連し、まず、小渕政権から森政権へ権力が移動した際の憲法の運用の問題点を取り上げてみたいと思います。
 最初に指摘しておきたいことは、小渕総理の緊急入院による我が国政治権力の移動、これは情報を開示されなくてはならない最優先問題であるということであります。小渕前総理が御逝去されるまで、病状について医師団の公式発表あるいは診断書の開示がなされなかった。しかも、医師団は、逐一官邸に報告していたと発表しています。
 さらに、去る十四日の医師団の病状説明と青木官房長官の従来からの説明は大きく食い違っております。青木官房長官の説明も日を追うごとに変わり、多くの新聞には、言い逃れ、うその上塗りなど発言の信憑性を疑う記事が記載されております。国民は、今回の政権移動に大きな疑問を持ち、我が国の民主政治の危機という認識を持つに至っております。
 今回の政権移動について、まず第一は、なぜ医師団の公式発表が行われなかったか。第二に、首相臨時代理の指定があったと言うなら国民が納得する説明、証明のある説明をすべきであり、それができないのはなぜか。第三番目に、なぜ首班指名権を持つ国会との協議もなく、憲法七十条を拡大解釈して、病床の小渕総理を「欠けたとき」に当たるとしたか。これらの三点について青木官房長官の見解を伺いたいと思います。
 これら民主主義の手続を無視し、誤った憲法の拡大解釈によって移譲された森政権に対し、国民が正統性を疑うのは当然であります。政権移動の談合にもかかわった森首相、どのような御所見か、お伺いしたいと思います。
 次に指摘いたしたいのは、今回の事態が憲法の欠陥であるという認識が必要だということであります。
 津野内閣法制局長官は四月二十五日の予算委員会で、憲法が予定しない事態であったとの趣旨の答弁をしております。そのとおりです。これは憲法に欠陥があることを政府当局が認めたものであります。憲法が予定していない事態、こういった緊急事態に対して類推解釈なり拡大解釈を行うことはやむを得ないと私も思います。
 問題は、これらに対処するなら、民主政治、憲法国家なら少なくとも三つの絶対条件が必要でありました。一つは国民に対して医師団の公式発表、診断書の公開でございます。二つ目は閣議など国家機関による憲法の解釈でございます。三つ目は首班指名権を持つ国会との協議、これは単なる手続的通知ではない協議行為です。この必要欠くべからざる三条件を整えて初めて民主国家での憲法の新しい解釈が行えるのであります。これは政治にかかわる人間の常識です。与党内で談合を行ったと言われる五人組の方々に憲法政治の常識を求めることは期待できません。
 残念なのは、内閣法制局長官や事務の副長官がなぜこういうことに気がつかないのか、私は指導的立場にある官僚の憲法感覚を疑います。
 青木官房長官、あなたはそれなりに誠実に、右往左往されたと思います。
#32
○議長(斎藤十朗君) 平野君、平野君、平野君。
#33
○平野貞夫君(続) それがあなたの発言の変化です。臨時代理を固辞したり、宮澤大蔵大臣に相談したり、森首相が衆議院予算委員会で発言したことや、村上自民党参議院議員会長が発言したことの方が事実であったと推測します。
#34
○議長(斎藤十朗君) 平野君、平野君、平野君、平野君、平野君、議題以外の質問はこの程度にして、本題に入ってください。
#35
○平野貞夫君(続) これは法案と関連した事項でございます。政権の根本です。(発言する者多し)
#36
○議長(斎藤十朗君) 常識的な範囲でやってください。
#37
○平野貞夫君(続) こういったやり方が民主政治の手続を無視し、憲法をないがしろにしたのであります。青木官房長官の責任は重大と思います。どのように政治責任を感じているのか、御所見を伺いたい。
 私は、一連のこのようなことを一種のクーデターという認識を持っております。
#38
○議長(斎藤十朗君) 平野君、平野君、議題の範囲内で質疑してください。
#39
○平野貞夫君(続) 健全な総理を病院に拉致して、意識不明として医師団に公式発表をさせなければ、どんなこともできますよと予算委員会で発言したところ……
#40
○議長(斎藤十朗君) 議題以外の質疑についてはこの程度にしてください。常識の範囲内にしてください。
#41
○平野貞夫君(続) この仮定の発言を予算委員長は削除すると理事懇談会で宣告しました。これは言論の府である国会、参議院の自殺行為です。
 この私の発言に勘違いした青木官房長官は、総理を拉致したとはもってのほか、取り消しを願いますと発言しました。これこそ取り消し、訂正していただきたい。
 さて、本法案の具体的問題について質問いたします。
 まず、率直に申し上げて、本法案は原子力政策についての中長期的展望に対して基本認識が不十分であると指摘せざるを得ません。
 通産大臣の説明のとおり、確かにエネルギー供給構造が脆弱な我が国において、地球温暖化問題といった環境保全とエネルギーの安定供給を確保するため、原子力政策はそれなりに推進していかなければなりません。
 しかし一方で、特定放射性廃棄物の最終処分問題は、単なる原子力政策ではなく、人類の存立にかかわる問題であるという認識が必要であります。
 原子力発電は、エネルギー供給の暫定的経過措置であるのか、これからも長い期間にわたって活用しなければならないものなのかの位置づけが本法案において明確でありません。要するに、エネルギー政策に関する百年の計がないということであります。
 二十一世紀のいつごろまで原子力発電をどのように活用していくのか、エネルギー政策の見通しとその見通しを明確にしてこそ、初めて放射性廃棄物の最終処分の計画や調査に実効性が保証されるものだと思います。
 これらのことについて、通産大臣の御所見を伺いたいと思います。
 次に、本法案は、最終処分を地層処分とすることを前提としています。なぜ地層処分を選択したのか、将来他の処分方法は選択しないのか、地層処分を長期間続けるならば、当然、地方自治体や住民に対する特別な配慮が必要となります。どのような政策配慮を行うのか、通産大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
 また、最終処分の安全確保のための規制は原子力発電環境整備機構が行うことになりますが、その内容は別に法律で定めることになっております。どのような基本構想をお持ちか、通産大臣に御所見を伺います。
 最後に、森首相の、日本は天皇を中心とする神の国であるとの発言に関して申し上げます。
 憲法の国民主権の原理を冒涜した発言であり、重大な事態と言えます。誤解を与えたで済ませる問題ではありません。本日の森首相の答弁は別の次元の話であり、誠実な答弁になっていません。おわびしますとは、だれに何をおわびするのですか。総理大臣としての適格性を疑わざるを得ません。
 この問題は、小渕政権から森政権へと政権移動における民主主義の手続を無視し、憲法の基本原理を踏みにじったことと無関係ではありません。国民主権を無視したことと同じ問題であります。要するに、森首相と森政権の枠組みをつくった人たちの憲法観に重大な問題があると断ぜざるを得ません。森首相の御所見をお伺いしたい。
 我が国は、民主政治の危機に立っていると思います。私はこの本会議場の場を通じて国民の皆さんに訴えたいと思います。
#42
○議長(斎藤十朗君) 平野君、平野君、時間が過ぎております。おやめください。
#43
○平野貞夫君(続) 憲法政治を守るため、個々の立場を超え、連帯して闘おうではありませんか。
 以上で終わります。(拍手)
   〔国務大臣森喜朗君登壇、拍手〕
#44
○国務大臣(森喜朗君) 政権交代についての正統性について御質問がありました。
 今回の臨時代理や内閣総辞職については、青木官房長官は医師団の報告を確認しながら適時適切な判断を下してきたものと考えております。
 臨時代理就任につきましては、小渕総理の有珠山噴火の心配もあり何かあれば万事よろしく頼むとの指示を受けたものであり、総辞職についても、医師団の報告を踏まえ臨時閣議において決するなど、憲法及び内閣法の規定に基づき適切な対応をとっており、何ら問題ないものと考えております。
 また、私は、内閣総辞職が行われた後、衆参本会議で内閣総理大臣に指名されたものであり、その正統性に何ら問題はないと考えております。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣深谷隆司君登壇、拍手〕
#45
○国務大臣(深谷隆司君) 平野議員の御質問についてお答えいたします。
 二十一世紀のエネルギー政策について全般的にお尋ねになられたと思います。
 環境保全や効率化の要請に対応しながら安定的なエネルギーの供給を実現するという基本的な目標を実現する観点から、需給両面にわたる幅広い検討をただいま開始したところでございます。
 原子力発電につきましては、燃料供給や価格の安定性に加え、発電過程においてCO2を発生しないという環境特性を有しております。このため、原子力発電は引き続き我が国のエネルギー供給において重要な位置づけを有しており、今後も相当程度原子力発電に依存することになるものと認識をしております。
 今後の検討に当たりましては、こうした基本的な認識を踏まえながら、あらゆる可能性について幅広く検討を行いまして、二十一世紀に向けて適切なエネルギー政策を構築してまいる所存でございます。(拍手)
   〔国務大臣青木幹雄君登壇、拍手〕
#46
○国務大臣(青木幹雄君) 医師団からの発表についてのお尋ねでございますが、小渕前総理の闘病中において、医師団としては、一刻一刻いろいろと変化する病状については御家族の御了解なくしては発表できないとのことでありました。私といたしましては、こういった御家族のお気持ちや医師団の考えを尊重すべきであると考えております。
 次に、臨時代理の指定についてのお尋ねでありますが、四月二日の午後七時ごろ総理にお会いしたときは私一人でありましたが、その場で総理から、有珠山噴火の心配もあり、何かあれば万事よろしく頼むとの指示をいただいております。
 この指示は、病床にある総理が御自身の意思を、内閣官房を統括し総理と一心同体の立場にある内閣官房長官に対し示したものであり、内閣法第九条で規定されておりますような事態が生じた場合には、内閣総理大臣臨時代理の任に当たるようにとの指示を当然含んだものであることから、この指示を受けて私が臨時代理となったことは全く問題のないものと考えております。
 さらに、こうした点については国会や記者会見の場で再三にわたり御説明申し上げているところであります。
 次に、憲法七十条についてのお尋ねでございますが、今回の内閣総辞職につきましては、四月四日午後二時半に私自身が順天堂病院に出向き、意識状態は昏睡状態で脳梗塞による脳障害のため、質問を理解したり御自身の意思を表明なさることは当分の間困難であるとの判断をせざるを得ないとの医師団の報告を直接受けてまいりました。
 内閣総理大臣が意識不明であり、近い将来に回復の見込みがないような場合には憲法七十条に言う「内閣総理大臣が欠けたとき」に当たるものと考えられることから、私は医師団の報告を受けて小渕総理の病状がこれに該当すると判断し、この判断に基づき、四月四日午後七時の臨時閣議において了解を得て、内閣として総辞職の決定を行ったものであります。
 憲法第七十条の「内閣総理大臣が欠けたとき」に当たるか否かの判断は内閣の総辞職の要否にかかわるものであり、かつその判断について同条には特段の手続は定められていないことから、内閣において自律的に行われれば足り、内閣が国会と協議する必要はないものとされております。
 次に、森内閣への政権交代についてのお尋ねでありますが、ただいま申し上げたとおり、私の内閣総理大臣臨時代理の就任、内閣総辞職の手続は何ら問題ないものと考えております。また、森総理の就任も衆参本会議で内閣総理大臣に正統に指名されたものであります。
 予算委員会における平野議員の御発言に関するお尋ねでありますが、平野議員はこのやり方は一種のクーデターですよと言われたと記憶しており、これは事実に全く反するものであり、また、たとえ仮定の話とはいえ、病院に拉致等の表現はまことに不適切なものであると考えております。このような私の認識は今も何ら変わっておりません。(拍手)
#47
○議長(斎藤十朗君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#48
○議長(斎藤十朗君) 日程第一 地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、地方整備局の設置に関し承認を求めるの件(衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。国土・環境委員長石渡清元君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔石渡清元君登壇、拍手〕
#49
○石渡清元君 ただいま議題となりました承認案件につきまして、国土・環境委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本承認案件は、中央省庁等改革の一環として、東北地方整備局、関東地方整備局、北陸地方整備局、中部地方整備局、近畿地方整備局、中国地方整備局、四国地方整備局及び九州地方整備局を国土交通省の地方支分部局として設置することについて、地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、国会の承認を求めようとするものであります。
 委員会におきましては、建設大臣より趣旨説明を聴取した後、直ちに討論に入りましたところ、民主党・新緑風会を代表して岡崎理事、日本共産党を代表して緒方理事、社会民主党・護憲連合を代表して大渕委員よりそれぞれ反対の意見が述べられました。
 次いで、採決の結果、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#50
○議長(斎藤十朗君) これより採決をいたします。
 本件の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#51
○議長(斎藤十朗君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#52
○議長(斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十七  
  賛成            百三十五  
  反対             九十二  
 よって、本件は承認することに決しました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#53
○議長(斎藤十朗君) 日程第二 児童虐待の防止等に関する法律案(衆議院提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。法務委員長風間昶君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔風間昶君登壇、拍手〕
#54
○風間昶君 ただいま議題となりました児童虐待の防止等に関する法律案につきまして、法務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、児童虐待の防止等に関する施策を促進するため、児童に対する虐待の禁止、児童虐待の防止に関する国及び地方公共団体の責務、児童虐待を受けた児童の保護のための措置等を定めようとするものであります。
 委員会におきましては、衆議院青少年問題に関する特別委員長富田茂之君より趣旨説明を聴取した後、虐待を行った保護者への指導を義務化する意義、施設内虐待への対応、立入調査等の際の警察官の援助、親権者の懲戒権の見直し等につきまして質疑が行われましたが、その詳細は会議録により御承知願います。
 質疑を終わり、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#55
○議長(斎藤十朗君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#56
○議長(斎藤十朗君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#57
○議長(斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十六  
  賛成           二百二十六  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#58
○議長(斎藤十朗君) 日程第三 ストーカー行為等の規制等に関する法律案(地方行政・警察委員長提出)を議題といたします。
 まず、提出者の趣旨説明を求めます。地方行政・警察委員長和田洋子君。
    ─────────────
   〔議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔和田洋子君登壇、拍手〕
#59
○和田洋子君 ただいま議題となりましたストーカー行為等の規制等に関する法律案につきまして、地方行政・警察委員会を代表して、その提案の趣旨及び内容の概要を御説明申し上げます。
 本法律案は、昨十六日、地方行政・警察委員会において全会一致をもって起草、提出したものであります。
 最近我が国において、悪質なつきまとい行為や無言電話等の嫌がらせ行為を執拗に繰り返す、いわゆるストーカー行為が社会問題化しており、これがエスカレートし、殺人などの凶悪事件に発展する事案が全国的に見受けられるところであります。
 このような現状を踏まえ、ストーカー行為に適切に対処すべく、ストーカー行為等に対して必要な規制を行うなどにより、個人の身体、自由及び名誉に対する危害の発生を防止し、あわせて国民の生活の安全と平穏に資するため、本法律案を提出した次第であります。
 本法律案は、つきまとい等及びストーカー行為を規制対象とし、つきまとい等に対する規制について規定するとともに、ストーカー行為をした者等に対し罰則を科することとしているほか、被害者等に対する警察本部長及び警察署長の援助等を定めております。
 なお、ストーカー行為等の規制、相手方への援助等の制度は、施行後五年を目途に、施行状況を勘案し検討が加えられ、その結果に基づき必要な措置が講ぜられるべきものとしております。
 以上が本法律案の提案の趣旨及び内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願いを申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#60
○議長(斎藤十朗君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#61
○議長(斎藤十朗君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#62
○議長(斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十五  
  賛成           二百二十五  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#63
○議長(斎藤十朗君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時八分散会
     ─────・─────
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト