くにさくロゴ
2000/02/24 第147回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第147回国会 青少年問題に関する特別委員会 第2号
姉妹サイト
 
2000/02/24 第147回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第147回国会 青少年問題に関する特別委員会 第2号

#1
第147回国会 青少年問題に関する特別委員会 第2号
平成十二年二月二十四日(木曜日)
    午後二時二分開議   
 出席委員
   委員長 富田 茂之君
   理事 石崎  岳君 理事 太田 誠一君
   理事 阪上 善秀君 理事 戸井田 徹君
   理事 田中  甲君 理事 肥田美代子君
   理事 池坊 保子君 理事 三沢  淳君
      岩下 栄一君    岩永 峯一君
      江渡 聡徳君    大野 松茂君
      奥山 茂彦君    佐田玄一郎君
      佐藤  勉君    坂本 剛二君
      実川 幸夫君    中野 正志君
      能勢 和子君    原田 義昭君
      水野 賢一君    目片  信君
      城島 正光君    中川 正春君
      中山 義活君    山本 孝史君
      石田 勝之君    一川 保夫君
      米津 等史君    石井 郁子君
      大森  猛君    保坂 展人君
    …………………………………
   国務大臣
   (総務庁長官)      続  訓弘君
   政府参考人
   (警察庁長官官房審議官) 上田 正文君
   政府参考人   
   (総務庁青少年対策本部次
   長)           川口  雄君
   政府参考人
   (法務省刑事局長)    古田 佑紀君
   政府参考人
   (法務省人権擁護局長)  横山 匡輝君
   政府参考人
   (文部省生涯学習局長)  富岡 賢治君
   政府参考人
   (厚生省児童家庭局長)  真野  章君
   衆議院調査局青少年問題に
   関する特別調査室長    澤崎 義紀君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月二十四日
 辞任         補欠選任
  松浪健四郎君     米津 等史君
同日
 辞任         補欠選任
  米津 等史君     松浪健四郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 青少年問題に関する件

    午後二時二分開議
     ――――◇―――――
#2
○富田委員長 これより会議を開きます。
 青少年問題に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として総務庁青少年対策本部次長川口雄君、厚生省児童家庭局長真野章君、文部省生涯学習局長富岡賢治君、警察庁長官官房審議官上田正文君、法務省刑事局長古田佑紀君及び法務省人権擁護局長横山匡輝君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○富田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
#4
○富田委員長 この際、青少年問題に関して、政府から説明を聴取いたします。総務庁長官続訓弘君。
#5
○続国務大臣 お許しをいただきまして、青少年問題に関する特別委員会の御審議に先立ち、総務庁長官・青少年対策本部長として所信の一端を申し上げます。
 二十一世紀を目前に控え、我が国社会が大きな変革期を迎えている中、国家の基本である人づくりにおいて、青少年の育成は従来にも増して重要な課題になっていると考えます。
 次代を担う青少年の健全な育成は、確固たる未来を築くために、また、青少年自身が生涯を通じて全人格的な発展を遂げていくために、社会のすべての構成員が取り組むべきものであります。
 さらに、昨今の少年非行情勢、児童虐待を初めとする青少年を脅かす問題の現状、性や暴力に関する情報がはんらんする社会環境などを見ると、時代の変化に的確に対応し、なお一層の取り組みが必要であることは論をまちません。
 このため、総務庁といたしましては、関係省庁の連携、協議の場である青少年対策推進会議を随時開催しつつ、政府の青少年行政の基本方針、重点推進事項等を定めた要綱を定め、これに基づいて関係施策の総合的かつ効果的な推進に努めております。
 この要綱につきましては、これまでの本特別委員会の議論や昨年七月の青少年問題審議会答申等を踏まえて、去る十月二十二日、その名称を青少年対策推進要綱から青少年育成推進要綱に改めるとともに、「当面特に取り組む課題」として「青少年の社会参加活動等多様な活動の促進」及び「児童虐待問題等への対応の推進」を追加するなど、青少年を取り巻く情勢の変化に応じた内容の見直しを行ったところでございます。
 今後、同要綱に沿って、青少年が社会とのかかわりを自覚しつつ、自律的な自己を確立し、みずからを向上させていけるよう、政府一体となって、青少年を育成するための社会環境づくりに努めてまいります。
 また、こうした行政側の取り組みとともに、車の両輪ともいうべき民間の取り組みとしての青少年育成運動や、地方公共団体との連携も図りながら、全国青少年健全育成強調月間などにおける広報啓発活動等を通じて、国民各界各層にこの問題に対する理解と協力を幅広く訴えてまいりたいと存じます。
 与えられた職責の重さを痛感し、誠心誠意職務の遂行に当たる所存でございますので、何とぞ、委員長を初め、理事、委員の皆様方の格段の御指導、御鞭撻を心からお願い申し上げ、私の所信とさせていただきます。
 引き続き、青少年対策本部次長から補足説明を申し上げます。ありがとうございました。(拍手)
#6
○富田委員長 総務庁青少年対策本部次長川口雄君。
#7
○川口政府参考人 青少年対策本部次長の川口でございます。よろしくお願いいたします。
 青少年をめぐる問題への対応等につきまして補足説明を申し上げます。
 まず、青少年の非行等問題行動や児童虐待問題の動向、今日の青少年自身の生活や意識について御説明申し上げ、次に、総務庁を中心とする政府の取り組みについて、昨年十月に青少年対策推進会議で申し合わせました青少年育成推進要綱等をもとに御説明いたします。
 最近の少年非行情勢は、戦後第四の波にありまして、深刻な状況が続いております。警察庁の発表による平成十一年に検挙された刑法犯少年は十四万一千七百二十一人であり、全体としては前年に比べ減少いたしましたものの、強盗等の凶悪犯が増加しているほか、校内暴力事件やいじめに起因する事件の増加、無職少年による非行の増加等の傾向が見られます。
 薬物乱用につきましては、平成十一年の覚せい剤乱用少年の検挙人員は減少したものの、九百九十六人と高い水準にあり、予断を許さない状況にあります。
 次に、児童虐待の動向について、厚生省の統計によりますと、平成十年度における児童相談所での児童虐待相談件数は六千九百三十二件で、平成二年度に比べ六・三倍、平成六年度と比べても三・五倍と急増しております。すべての児童虐待案件が児童相談所に持ち込まれるわけではなく、また、広報啓発等により相談が促進されてきた面があるため、児童虐待の推移をそのままにあらわしたものとは言えませんが、問題の深刻さを示しております。
 また、警察庁の統計によりますと、平成十一年中に警察によって検挙された児童虐待事件は百二十件であり、四十五人の少年が亡くなっております。
 次に、青少年自身の生活や意識の実態について、各種の調査結果を見ますと、我が国の青少年には社会の基本的なルールを遵守する意識が揺らいでいる傾向や、社会への貢献意識の低さ、他者との関係を円滑に進めることが不得手なことなどの特徴が見られます。
 例えば、日本青少年研究所が日本、中国及び韓国の中学、高校生を対象に行った調査によりますと、法律や規則を守ってばかりいると時には損をするという意見に対し、そう思うと答えた中学、高校生の割合は日本が最も高く、中学生は六割強、高校生は七割強となっております。
 総務庁青少年対策本部で行いました第六回世界青年意識調査の結果によりますと、自国のために役立つと思うことをしたいと考える者の割合が日本は約五割であり、調査した十一カ国中第十位となっております。また、相手が怒っているときにうまくなだめるとか、知らない人とでもすぐに会話を始めるなど、他者との関係を円滑に進める能力について、いつでもできると答えた者の割合を見ますと、日本の青少年は十一カ国中九番目となっております。
 今申し上げましたように、深刻な状況が続いている青少年の非行等問題行動、急増の傾向を示す児童虐待問題、憂慮すべき青少年の生活や意識の実態や本委員会での御審議、昨年七月に出された青少年問題審議会の答申を踏まえまして、青少年行政に関する政府の基本的な取り組み方針を示した青少年育成推進要綱を昨年十月に見直したところでございます。
 資料一としてお手元に配付しておりますので、ごらんください。
 この要綱は、総務事務次官を議長とし、関係省庁の局長クラスで構成されます青少年対策推進会議で平成元年九月に申し合わせたものでございまして、「基本方針」「当面特に取り組む課題」「重点推進事項」の三部から構成され、情勢の変化に応じて、ほぼ毎年見直しております。
 青少年育成推進要綱の概要を御説明いたします。
 二ページに、基本方針が記載してございます。
 青少年には、次代の社会の担い手であることを自覚し、自己の確立に向け日々努力することが期待されております。また、青少年の育成は、家庭、学校、地域社会等、社会を挙げた取り組みが必要であります。このため、青少年行政においては、二十一世紀の社会のあるべき姿を念頭に置きつつ、すべての青少年が、社会とのかかわりを自覚し、自律的な自己を確立し、みずからを向上させていけるように支援し、また、健やかな生育を阻害する要因を除去していくことが重要であります。青少年育成推進要綱におきましては、このような観点を基本方針としております。
 推進要綱におきましては、三ページ以下にありますように、「当面特に取り組む課題」として、従来の「青少年の非行等問題行動への対応の推進」に加え、新たに、「青少年の社会参加活動等多様な活動の促進」「児童虐待問題等への対応の推進」を加えております。
 青少年の非行等問題行動への対応につきましては、先ほど申し上げました青少年の非行情勢も踏まえ、薬物乱用対策、凶悪・粗暴な非行への対策、いじめ・暴力行為問題への対応を従来に引き続いて推進してまいりたいと考えております。
 四ページに、第二として、「青少年の社会参加活動等多様な活動の促進」がございます。
 青少年の社会性、主体性等をはぐくむ上で、ボランティア活動、職業体験、自然体験、スポーツ・文化活動等の青少年の社会参加活動を推進することは、極めて重要な意義を有すると考えます。ボランティア活動を初めとする多様な地域活動の振興、学校教育における体験活動の充実等を通し、青少年が多様な人間関係を経験しながら主体的に活動できる場を充実していくとともに、青少年自身の積極的な参加を促進するため、政府を挙げて広範な施策を総合的かつ計画的に推進してまいりたいと考えております。
 五ページに、第三として、「児童虐待問題等への対応の推進」がございます。
 児童虐待問題につきましては、本委員会でも重点的に御議論いただき、決議もなされております。児童虐待問題については、予防対策及び早期発見、早期の適切な対応が必要であり、そのための地域ぐるみの体制整備を緊急に進める必要があります。また、関係機関の緊密な連携に努めつつ、児童虐待の防止も含め、子供の権利の擁護、心身の保護、健やかな生育に関する国民の理解を深めるための教育や広報啓発活動の充実を図ることが重要であると考えます。
 さらに、推進要綱の「重点推進事項」において家庭の育児支援等を加えるなど、児童虐待問題に対応するための措置を盛り込んでおります。政府といたしましては、このような観点に立って取り組んでまいりたいと考えております。
 総務庁におきましては、推進要綱による施策の推進に加えまして、青少年健全育成強調月間等における広報啓発活動に努めるとともに、全国的な規模の民間団体の協力も得つつ、国民的な広がりを持った運動に盛り上げていくことに努めてまいりたいと考えております。
 以上の「当面特に取り組む課題」のほか、推進要綱は、五ページ以下にありますように、「重点推進事項」として、国民的な取り組みの推進、家庭への支援、学校教育の充実、非行防止活動の推進などを取り上げております。
 青少年の健全育成及び非行等問題行動への対応の推進を図るためには、広く国民の理解と協力を得つつ、家庭、学校、地域社会、民間団体及び行政が一体となって国民的な広がりを持った取り組みを行うことが重要であることは言うまでもありません。国民的な取り組みを推進するに当たっては、関係者の開かれた関係の構築、民間主導、地域主導の取り組みの促進、総合性の確保等の観点に特に留意しつつ、国民運動の展開、広報啓発の強化等に努めたいと考えております。
 現在、さまざまなメディアに過激な性表現や暴力表現に関する情報がはんらんしており、このような青少年の育成に有害な環境の浄化を推進するため、関係業界に、自主規制の成果がより国民の目に明らかになるよう一層の充実を促すとともに、住民等による地域活動を促進すること等を行っていきたいと考えております。
 以上、青少年育成推進要綱の概要について御説明申し上げました。
 この青少年育成推進要綱に沿いまして、平成十二年度の青少年対策関係の予算案を作成させていただいているところでございます。お手元の資料二でございますけれども、資料二は、青少年育成推進要綱の「当面特に取り組む課題」、すなわち「薬物乱用対策」「凶悪・粗暴な非行対策」「いじめ・暴力行為問題への対応」「社会参加活動等多様な活動の促進」「児童虐待問題等への対応の推進」のそれぞれの項目ごとに各省庁の主な予算額を整理しております。詳細は省略させていただきますが、四ページにあります児童虐待問題の関連の予算につきましては、ごらんのとおり各省庁とも力を入れており、大幅に拡充いたしております。
 二ページの「社会参加活動等多様な活動の促進」に関連いたしまして、総務庁の新規の事業といたしまして、青少年ボランティア全国大会がございます。この大会は、社会貢献を初めとした社会的活動に対する取り組みのあり方、その効果的な推進方策等につきまして、高校生が主体となって意見交換や討論を行ってもらい、その成果を普及し、社会啓発を図るという趣旨のものでありまして、本年八月上旬の開催を予定しております。
 以上、青少年をめぐる問題への対応等につきまして補足説明を申し上げました。どうぞよろしくお願い申し上げます。
#8
○富田委員長 次に、昨年十二月十日の本委員会で決議いたしました児童虐待の防止に関する件を踏まえての児童虐待・青少年対策関連予算の平成十二年度予算での対応状況及び今後の児童虐待・青少年施策について、政府参考人から順次説明を聴取いたします。厚生省児童家庭局長真野章君。
#9
○真野政府参考人 それでは、お手元に厚生省の資料をお渡ししておりますので、御説明を申し上げます。
 予算の関係と、御決議いただきました八つの項目に対しましての厚生省としての当面の対応策を御説明申し上げたいと思います。
 まず、一ページをごらんいただきまして、予算額でございますが、十二年度九億四千八百万ということで、今年度に比べましてほぼ倍近い予算を確保したところでございます。
 私ども、まず、早期発見、早期対応体制の整備に努めたいということで、一といたしまして、新規事業でございますが、やはり地域ぐるみで対応していこう、それも市町村レベルでの対応が必要だということで、保健、福祉、医療、警察、教育等の関係機関の連携を図ります市町村ネットワーク事業を創設したい、全国で百カ所、そういうネットワーク事業をつくりたいと思っております。
 また、児童問題の中核的施設でございます児童相談所でございますが、この児童相談所におきます対応強化を図るということから、児童福祉司に協力をいたしまして、児童虐待に関する調査、関係機関との連絡調整を行います児童虐待対応協力員というものを全児童相談所に配置したいというふうに考えております。
 それから三番目でございますが、広報、研修ということで、主任児童委員というのがございますが、そういう専ら民生委員、児童委員の中で主としてこの問題を対応していただいております主任児童委員に対しまして、専門研修を実施いたしまして、地域での連絡体制を整備する事業を行っております。これを、現在の二十から全都道府県、全指定都市にそういう体制を整備するという予算を確保いたしますとともに、新たに保健所におきます保健婦さん等への研修を実施したいというふうに考えております。
 また、児童相談所と連携を図りまして、地域に密着したきめ細かな相談支援を行う児童家庭支援センターという施設がございますが、これを十五カ所ふやして四十カ所にしたいということでございます。
 また、施設入所児童の生活の質の向上という観点から、地域社会に密着をいたしました小規模で家庭的な施設、定員六人程度を考えておりますが、そういう地域の小規模児童養護施設を創設したい。また、児童養護施設におきます入所児童の育成に関します評価、それから苦情相談、そういうものに応じる事業を試行的に実施したいというふうに考えております。
 このほか、児童養護施設に心理療法を担当する職員の配置、出産母子に対します保健婦等による相談、指導、それから児童虐待問題の研究事業等を実施したいというふうに考えております。
 次に、十二月に御決議をいただきましたそれぞれの項目につきまして、私どもの当面の対応策を御説明申し上げたいと思います。
 まず第一に、「国民に課せられた通告義務に対し、啓発及び広報の徹底を図ること。」という項目でございます。これにつきましては、私ども、平成九年の六月と平成十年の三月にそれぞれ、この国民の通告義務というものを周知するよう通知を出しておりますし、また、市町村におきます具体的な広報事例なども通知の中でお示しをいたしておりますが、先日、決議その他審議の過程での御議論も踏まえまして、昨年の十二月十九日にはラジオ、二十日にはテレビの政府広報によりまして啓発を実施いたしましたほか、一月三十一日には啓発ビデオ、約一万一千本でございますが、これを作成いたしまして各自治体に配布をいたしまして、児童相談所、保健センター、学校、医療機関、警察等において活用していただこうというふうに考えております。
 十二年度におきましては、ポスターを作成し啓発に努める予算を確保いたしておりますし、また政府広報等の協力を得まして、より一層その啓発に努めたいというふうに考えております。
 それから、二番目の「児童相談所の体制と専門職員の充実及び児童養護施設の改善を図ること。」という項目でございますが、これに対しましては、来年度予算案におきまして、児童相談所における児童福祉司を増員するということで、地方交付税措置を自治省の方で対応していただきました。
 また、先ほどちょっと御説明を申し上げましたように、全児童相談所に児童虐待対応協力員を配置することといたしております。
 次のページをお開きいただきまして、引き続きまして、御指摘がありました児童福祉司その他の任用資格につきまして、平成八年にその明確化を指導しているところでございますが、主管部長会議、主管課長会議におきましてもさらに徹底をしたいというふうに考えておりまして、一月には部長会議がございましたので、その旨指示をいたしましたし、三月にはまた児童福祉の主管課長会議がございますので、その時点におきまして徹底をしたいというふうに考えております。
 また、児童養護施設につきましては、引き続き、老朽施設の改築、大部屋の解消、一部個室化など居室面積の拡大を図る、これはまた後ほど御説明を申し上げます。
 十一年度におきましては、心理療法を必要とする児童が一定数おります施設に対しまして、心理療法を担当する職員を配置いたしております。また、十一年度補正予算におきまして、そういう施設に対しまして、箱庭療法等の実施に必要な備品の助成を行っております。
 また、十二年度、来年度予算案におきましては、先ほど御説明いたしました地域小規模養護施設のほかに、施設整備をする場合の児童養護施設等の補助基準面積を拡大いたしまして、現在の二十三・五平米から二十五・九平米に拡大をし、その中では一人当たりの居室は約九平米になるということで、大部屋の解消、二人部屋や個室化を推進したいというふうに考えております。
 三ページをお開きいただきまして、三番目の「二十四時間対応窓口の整備に努めること。」という点でございますが、現在、平成十年の三月に先ほど申し上げました通知を出しておりまして、夜間、休日等におきます緊急即応体制の整備を指導いたしておりますが、三十四の都道府県の中央児童相談所では八時まで電話相談に応じている、また、その他の中央児童相談所も含めまして、夜間及び休日における対応につきましては、当直職員または一時保護所の職員が緊急対応を行っております。
 それから、児童養護施設等に附置をいたしておりまして、児童相談所と連携して二十四時間電話相談事業を行っております。また、先ほど予算のところでも申し上げました、そういう体制をとる児童家庭支援センターの整備を促進することといたしております。
 それから、四番目の「児童相談所が立入調査を行う場合、警察は積極的に協力すること。」という項目でございますが、これにつきましてはまた後ほど警察の方から御説明があるかもしれませんが、私どもといたしましては、平成九年六月の通知、それから平成十一年の三月に「子ども虐待対応の手引き」というものを示しておりまして、警察に対して事前協議を行い、これに基づく連携による適切な調査を指示いたしているところでございます。
 それから、先ほど予算でも御説明申し上げましたように、市町村レベルにおけるネットワークづくりということで、日ごろから連携の強化、事前協議ということで、警察庁とも協議をし、指導を行ってまいりたいというふうに考えております。
 それから四ページ、五番目の「国及び地方自治体における関係機関の連携強化を図ること。」でございますが、これは先ほど予算でも申し上げましたように、とにかく地域に密着した市町村レベルでそのネットワークを行っていこうというふうに考えておりますし、また、児童相談所の運営指針におきまして、児童相談所がそのネットワークづくりの中核的な役割を果たすべきことを指導いたしております。
 また、国レベルでは、昨年の十一月十七日に関係省庁、関係団体にお集まりをいただきまして、とにかく関係機関の連携を密にしていこう、そして、それを国レベルではなくて都道府県レベル、市町村レベル、地域レベルで、連携強化をそれぞれの段階で指導しようということを申しております。
 それから、六番目の「NGO、ボランティア組織等民間とのネットワークの構築に努めること。」でございますが、これにつきましては、民間の虐待防止団体等とのネットワークの構築につきまして、先ほど御説明いたしました「子ども虐待対応の手引き」におきまして連携等のあり方を具体的に解説いたしまして、ぜひ協力をしていこうということを申し上げております。
 また、先ほど来申し上げております市町村レベルのネットワーク、これを虐待防止協議会というものをつくってやろうとしておりますが、当然その中に民間の関係団体の方にも御参加をいただこうというふうに考えております。
 それから七番目、「当該児童、保護者等に対するカウンセリング及び個別フォロー体制の充実を図ること。」ということでございますが、児童及び保護者に対しましては、家庭、児童の状況、虐待の態様に応じまして、児童相談所でのカウンセリング、児童養護施設などでの保護、指導それから家庭環境の調整、これは最低基準上の言葉で大変かたい言葉でございますが、家庭の状況をよく知って家庭の状況に合わせた指導をしようというものでございます。また、情緒障害児の短期治療施設での家族全体を対象とした家族療法を実施する。それから、施設の退所後におきましても個別相談などのフォローを行っていくということを考えております。
 それから、やむを得ない場合には母子の分離ということも行われるわけでございますが、将来また家庭に帰るということを考えますと、将来の家族統合、児童の自立のための継続的援助を指導いたしております。
 また、従来、児童相談所におきますカウンセリングというのを主として行ってまいりましたが、精神科のクリニック、それからそれぞれの施設におきます専門家の活用をするよう、児童相談所の運営指針その他で指導を行っていきたいというふうに考えております。
 それから、八番目の「関係省庁による検討体制を確立するとともに、検討状況を随時国会に報告すること。」これにつきましては、検討体制につきまして関係省庁と協議を行っていく予定でございます。
 それから、先ほど申し上げましたように、三月には児童福祉の主管課長会議を予定いたしておりますので、この八つの項目全体につきましてより一層の指導をしたいというふうに考えております。
 どうぞよろしくお願いいたします。
#10
○富田委員長 文部省生涯学習局長富岡賢治君。
#11
○富岡政府参考人 お手元の資料の三枚つづりでございますが、青少年問題に関します特別委員会の決議をいただきまして、文部省の当面の対応につきまして三枚でまとめたものでございます。
 一枚目が、当面の対応欄の真ん中からでございますが、決議いただきましてから、昨年の十二月下旬からことしの一月中旬にかけまして、本特別委員会の決議文をさまざまな私どもの所管の団体に対しまして配布いたしまして、特に学校教育関係者に対する通告義務ということにつきましての周知を改めて依頼申し上げたわけでございます。小中高等学校、それから国公私の幼稚園の校長先生方の会でお願いをいたしました。
 それから次の丸でございますが、私どもの省で各県の教育委員会のさまざまな担当の部課長会議というのがございますが、そこで学校教育、社会教育の関係者に対しまして、この決議文の趣旨と特に通告義務ということにつきまして改めて周知をお願いいたしたわけでございます。
 二ページ目からでございますが、文部省の児童虐待に関します予算でございます。
 主な項目につきまして申し上げますと、一ページと書いてあります表の最初の丸、一番目でございますが、ゼロ歳から中学生までの子供を持ちますすべての親に配布しております家庭教育手帳、家庭教育ノートということで、しつけ等について見直してほしいという問題提起した手帳等をお配りしているわけでございますが、この中で、特に国民に児童虐待に関します通告義務というようなことがあることを明記いたしまして、子を持つ親に対しまして直接周知を図るということの記載を盛り込むようにいたしました。
 それから三つ目の丸でございますが、子供や親のための二十四時間電話相談ということにつきましての整備を進めているわけでございます。
 特に、各県におきまして、家庭教育に関する電話相談事業と申しまして、真夜中あるいは午前に入りまして、若いお父さん、お母さん方から、非常にいらいらして小さな子供と家の中に閉じこもっているという親がどこか相談をしたいというときに二十四時間で受け付ける電話の相談体制の整備を進めてまいったわけでございますが、平成十二年度につきましても所要の経費を計上いたしております。現在十七府県で整備が終わりました。十二年度予算をいただきましたら、それを三十二県に整備いたしたい、こういうふうに思っておるわけでございます。
 それから、下から三番目の丸でございますが、子育て支援ネットワークの充実というのを十二年度新規事業として盛り込ませていただいております。
 子育てやしつけに関します親の悩みや不安に対しまして気軽に相談に乗ったり、アドバイスを行う、これは書いてございませんが、若い世代の親の、特に子育て経験者を各市町村でお願いいたしまして、若いお母さんやお父さん方の相談に気楽に乗ってあげるというような子育てサポーターというのを地域に配置いたしまして、お願いいたしまして、厚生省の児童虐待防止市町村ネットワーク事業等と連携して子育て支援のネットワークを構築したいと考えておるわけでございます。
 私どもの中央教育審議会でも、児童虐待に当たりましては、特に家庭の中でいらいらする母親が子供に虐待をするということが非常に大きな問題だという認識を持っておりまして、相談に乗るという体制をつくってまいりたいということで進めております。
 最後のページをめくっていただきますが、2と書いてありますページの一番上でございますが、高校生の保育・介護体験総合推進事業というのを平成十二年度新規事業として盛り込ませていただいてございます。
 若い世代、つまり、高校生の代から乳幼児をかわいがったりあるいは面倒を見るというような大切にする経験を持たせるということが大事だという御指摘をいただいておりまして、高等学校におきまして保育や介護に関する体験活動に特に取り組んでいただくということをねらいといたしまして、実践活動を各県、各高等学校で進められるように、その促進するための事業として約一億四千万でございますが、盛り込んでおるところでございます。
 以上、主な点について御説明いたしました。
#12
○富田委員長 警察庁長官官房審議官上田正文君。
#13
○上田政府参考人 では、御説明申し上げます。
 最近、児童虐待に関しまして警察に寄せられる相談件数も増加をしておりまして、また、平成十一年中に児童虐待事犯として検挙した事件は百二十件であり、被害少年数は百二十四人、そのうち四十五人が死亡という状況であります。
 警察としては、これまでも、児童虐待は人格形成期にある児童の心身に深刻な影響を及ぼす重大な問題であると認識するとともに、児童の生命、身体を守り、また、当該児童の精神的な立ち直りを支援することによって問題行動等に走ることを防止するという観点から、この問題を少年保護対策の最重要課題の一つとして位置づけ、積極的に取り組んできたところであります。
 まず、平成十二年度の児童虐待防止対策関連予算についてでありますが、総額四億六千万円が容認されております。その内容は、児童虐待防止対策を含む児童買春、児童ポルノの取り締まりの強化に関するものが一億八千四百万円。被害少年の保護対策等を担当する少年サポートセンターの効果的運営に関するものが二億三千二百万円。被害少年の支援体制の確立に関するものが四千四百万円であります。
 次に、児童虐待施策についてでありますが、昨年十二月には、本特別委員会において決議されました「児童虐待の防止に関する件」を各都道府県警察に通知するとともに、特に、同決議の中に、「児童相談所が立入調査を行う場合、警察は積極的に協力すること。」が盛り込まれていることを踏まえ、児童福祉法に基づく児童相談所等による立入調査についての積極的な援助等を指示したところであります。
 また、最近の深刻な状況を踏まえ、本決議に関する点を含め、児童虐待に対する総合的な取り組みの強化について通達を発出し、各都道府県警察に指示したところであります。
 その概要は次のとおりであります。
 その一は、児童虐待事案の早期発見であります。
 児童虐待事案は早期に認知することが重要であることから、警察部内の、少年部門はもとより、地域部門、刑事部門、被害者対策部門等の関係部門が緊密に連絡をとりながら、街頭補導、少年相談、一一〇番通報事案への対応等の各種活動を通じて早期発見に努めることであります。
 その二は、児童虐待事案への適切な対応であります。
 保護者に監護させることが不適当であると認める児童については児童相談所等に確実に通告し、また、児童相談所等による立入調査、児童の一時保護等に際しては所要の援助を適切に行うことであります。さらに、刑事事件として取り扱うべき事案について適切に事件化するとともに、少年サポートセンターに配置されている少年相談専門職員や少年補導職員等が中心となって、被害児童の適切な保護に努めることであります。
 その三は、児童相談所等関係機関との連携強化、部内体制の充実であります。
 児童相談所、保健医療機関、学校等の関係機関、団体と連携を図るとともに、現在全国の警察に構築されている少年サポートセンターを中核とする被害児童に対する支援等の体制を強化することであります。
 その四は、職員に対する指導、教養の充実であります。
 広く職員に対して、事案の認知、対応要領等についての指導、教養を徹底するとともに、支援担当職員に対する専門的な知識、技能向上のための教養を充実することであります。
 警察といたしましては、今後とも関係機関と緊密に連携し、さらに適切な措置を講じ、児童の保護の万全を期してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
#14
○富田委員長 法務省刑事局長古田佑紀君。
#15
○古田政府参考人 法務省におきます青少年対策関係予算について御説明申し上げます。
 法務省におきましては、青少年問題への対応の充実を図るため、総額五百四十六億九千三百万円の青少年対策関係予算を計上しております。
 このうち、主要な項目について御説明いたします。
 まず、検察庁関係でございますが、少年に係る刑事事件の通常受理人員が依然として高い水準にあることを踏まえ、青少年検察の充実強化費等として十七億七千万円を計上しております。これは、検察庁において受理する少年事件の捜査処理等に要する経費であります。
 次に、少年院、少年鑑別所関係についてですが、少年院教化活動の充実といたしまして二百二十九億六千六百万円を、少年鑑別所業務の充実としては百十六億一千四百万円を、青少年受刑者職業訓練の充実として一億六千二百万円を計上しております。これらには、主として被収容者処遇の充実を図るための職員の増員経費などが含まれております。また、少年鑑別所の老朽施設の改築のため、特定国有財産整備特別会計による施設整備費として十一億三千二百万円を計上しております。
 次に、保護観察所関係ですが、青少年保護観察の充実として百六十九億七千八百万円を計上しております。これは、保護観察処遇の充実強化経費、保護司活動充実のための実費弁償金及び更生保護施設における被保護者の受け入れ体制の強化を図るための経費などであります。
 次に、児童虐待は子供の人権侵害に当たり、これを防止するための子供の人権啓発活動の強化、子どもの人権専門委員活動の充実のため、約七千百万円を計上しております。これは、子供の人権問題を解決するために行う人権啓発活動等に必要な経費及び子ども人権専門委員の活動経費であります。
 以上でございます。
#16
○富田委員長 法務省人権擁護局長横山匡輝君。
#17
○横山政府参考人 それでは、私の方からは、お手元に配付してございます「児童虐待問題に対する法務省の人権擁護機関の取組」というペーパーに基づいて御説明いたします。
 法務省の人権擁護機関では、従来から、児童虐待を看過することのできない重大な人権問題であるととらえ、児童虐待の解消のため、各種の啓発活動に努めますとともに、関係機関に協力して、あるいは必要に応じ、人権相談や人権侵犯事件の調査処理を通じて関係者に人権尊重思想を啓発するなどして、この問題の解決に向けて積極的に取り組んできたところであります。
 それでは、昨年十二月の本委員会での児童虐待防止に関する決議後の取り組みにつきまして説明させていただきます。
 法務省の人権擁護機関では、本年度も子供の人権問題に関する啓発ポスターを作成、配布する準備をしておりましたが、この決議におきまして児童福祉法第二十五条の通告義務の周知を図るよう御指摘を受けましたのを踏まえまして、これに沿った内容のポスターを作成いたしました。この啓発ポスター十万部を近日中に全国の法務局、地方法務局やその支局に配布し、政府の各機関、都道府県、市町村、学校等にこのポスターの張り出しをお願いする予定であります。
 これに先立ちまして、この決議の趣旨を速やかに法務局、地方法務局職員に周知いたしましたほか、先月開催されました法務局人権擁護部長事務打合会におきまして、児童虐待問題に対する取り組みの強化を指示したところであります。
 次に、今後の取り組みといたしましては、平成十二年度予算案におきまして、児童虐待を含めた人権問題の解決のための啓発活動予算の拡充をお願いしているところであります。
 今後とも、児童虐待問題の解決のために、本委員会における児童虐待の防止に関する決議を踏まえ、児童虐待について通告義務が存在すること、児童虐待が重大な人権侵害であり、身体的、精神的虐待等が犯罪にも当たることの国民の方々への周知を図っていきたいと考えております。
 その具体的方法としましては、全国各地で、テレビ、ラジオ、新聞等のマスメディアを活用した啓発活動や、講演会、シンポジウム等の開催、ポスター、啓発冊子の配布等、工夫を凝らした方法で、人権尊重思想を普及高揚するような人権啓発活動の充実に努めてまいりたいと考えております。
 また、児童虐待事案の発見や問題解決に資するため、人権擁護委員の中から選任された、子供の人権にかかわる問題を専門に扱う子どもの人権専門委員による子どもの人権一一〇番等における人権相談体制を一層推進いたしたいと考えております。
 また、具体的な児童虐待事案を認知した場合におきましては、児童相談所を中心とした関係機関との連携のもとで、虐待を受けた児童の救済が図られるよう、加害者や関係者への人権尊重思想の啓発を行うなど、法務省の人権擁護機関が果たすべき役割を適切に遂行できるよう、人権侵犯事件の調査処理における取り組みを強化していく考えでございます。
 なお、そのためにも、平素から関係機関との連携を深め、必要な情報交換が円滑に行われますよう、各種ネットワークや協議会等には積極的に参加してまいりたいと考えております。
 さらに、法務省に設置されております人権擁護推進審議会におきましては、昨年九月から、人権が侵害された場合における被害者救済制度のあり方について本格的に調査審議が行われておりますので、法務省の人権擁護機関としましても、その結果を踏まえ、人権救済制度の充実強化方策について今後検討してまいりたいと考えておるところでございます。
 以上でございます。
#18
○富田委員長 これにて政府からの説明は終了いたしました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後二時四十九分散会

ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト