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2000/02/25 第147回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第147回国会 予算委員会第五分科会 第1号
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2000/02/25 第147回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第147回国会 予算委員会第五分科会 第1号

#1
第147回国会 予算委員会第五分科会 第1号
本分科会は平成十二年二月二十三日(水曜日)委員会において、設置することに決した。
二月二十五日
 本分科員は委員長の指名で、次のとおり選任された。
      島村 宜伸君    杉浦 正健君
      葉梨 信行君    町村 信孝君
      原口 一博君    平賀 高成君
二月二十五日
 町村信孝君が委員長の指名で、主査に選任された。
平成十二年二月二十五日(金曜日)
    午後四時開議
 出席分科員
   主査 町村 信孝君
      島村 宜伸君    杉浦 正健君
      辻  一彦君    原口 一博君
      平賀 高成君
   兼務 倉田 栄喜君
    …………………………………
   国務大臣
   (環境庁長官)      清水嘉与子君
   環境政務次官       柳本 卓治君
   農林水産政務次官     谷津 義男君
   政府参考人
   (環境庁自然保護局長)  松本 省藏君
   政府参考人
   (外務省経済協力局長事務
   代理)          荒木喜代志君
   政府参考人
   (農林水産省経済局長)  石原  葵君
   政府参考人
   (農林水産省構造改善局長
   )            渡辺 好明君
   政府参考人
   (林野庁長官)      伴  次雄君
   政府参考人
   (水産庁次長)      森本  稔君
   農林水産委員会専門員   外山 文雄君
   環境委員会専門員     鳥越 善弘君
   予算委員会専門員     大西  勉君
    ―――――――――――――
分科員の異動
二月二十五日
 辞任         補欠選任
  原口 一博君     辻  一彦君
  平賀 高成君     中島 武敏君
同日
 辞任         補欠選任
  辻  一彦君     原口 一博君
  中島 武敏君     平賀 高成君
同日
 第八分科員倉田栄喜君が本分科兼務となった。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 平成十二年度一般会計予算
 平成十二年度特別会計予算
 平成十二年度政府関係機関予算
 〔総理府(環境庁)及び農林水産省所管〕

    午後四時開議
     ――――◇―――――
#2
○町村主査 これより予算委員会第五分科会を開会いたします。
 私が本分科会の主査を務めることになりました。どうぞひとつよろしくお願い申し上げます。
 本分科会は、総理府所管中環境庁並びに農林水産省所管について審査を行うことになっております。
 なお、各省庁所管事項の説明は、各省庁審査の冒頭に聴取いたします。
 平成十二年度一般会計予算、平成十二年度特別会計予算及び平成十二年度政府関係機関予算中農林水産省所管について、政府から説明を聴取いたします。谷津農林水産政務次官。
#3
○谷津政務次官 平成十二年度農林水産予算の農林水産大臣説明を行いたいと思います。
 平成十二年度農林水産予算の概要を御説明申し上げます。
 初めに、予算の基礎となっている農林水産施策の基本方針について御説明いたします。
 農林水産業と農山漁村は、食料の安定供給はもとより、国土、自然環境の保全、良好な景観の形成、文化の伝承等の多面的な機能を有しております。その中でも、人間の生存に不可欠であり、そして健康で充実した生活の基礎となる食料を安定的に供給することは、国が果たすべき基本的な責務であります。
 こうした役割を担う農林水産業と農山漁村について、消費者との共生という考えのもとに、その健全な発展を図ることは、将来にわたり国民が安心して暮らせる豊かな社会を築いていくために不可欠なことであると確信しております。
 このため、二十一世紀における我が国農林水産業及び農山漁村が、希望にあふれ、活力に満ちたものとなるよう、各般の施策を積極的に展開してまいります。
 次に、平成十二年度農林水産予算について、その枠組みから御説明いたします。
 平成十二年度一般会計予算における農林水産予算の額は、関係省庁計上分を含めて、三兆四千二百八十一億円となっております。その内訳は、公共事業費が一兆七千六百四十八億円、非公共事業のうちの一般事業費が一兆四千三百九十四億円、主要食糧関係費が二千二百三十九億円となっております。
 平成十二年度の農林水産予算は、食料・農業・農村基本法が昨年七月に成立したことを受けた最初の予算編成であること等を踏まえ、従来の予算全体について、地域のニーズ、事業の効果等を勘案しつつ、徹底的な見直しを行い、新たな政策展開に即して予算の一層の重点化、効率化を行って編成いたしました。
 以下、農林水産予算の重点事項につきましては、委員各位のお許しを得まして、御説明を省略させていただきたいと存じます。
 よろしく御審議くださいまするようお願い申し上げます。
    〔主査退席、杉浦主査代理着席〕
#4
○杉浦主査代理 この際、お諮りいたします。
 ただいま谷津農林水産政務次官から申し出がありました農林水産省関係予算の重点事項の説明につきましては、これを省略して、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○杉浦主査代理 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
#6
○杉浦主査代理 以上をもちまして農林水産省所管についての説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#7
○杉浦主査代理 質疑に入るに先立ちまして、分科員各位に申し上げます。
 質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力をお願いいたします。
 また、政府当局におかれましても、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。辻一彦君。
    〔杉浦主査代理退席、主査着席〕
#8
○辻(一)分科員 新幹線が雪でちょっとおくれまして、大変恐縮です。時間内にやるようにしますから。きょうは、大臣は出張中でありますので、政務次官並びに政府委員の方にひとつお尋ねしたいと思います。
 第一に、日韓の漁業資源の共同管理のルールを確立することについての問題であります。
 一昨年の十一月ごろに、その前からずっと韓国の漁船によるいわゆる刺し網、私たちの方では、漁民の皆さんは地獄網と言っておりますが、これは海中に網を張って、そして根こそぎ資源をとってしまう、そういう意味で地獄網という別名がありますが、これを日本の領海十二海里の外側に張って、日本の漁船自体がもう中に入れない、何重にも網を張って、本来二百海里経済圏内に入るわけですから当然こちらの漁場であるにもかかわらず、外国の漁船が網を張って、そこへ入れないというような不都合があり、ついに越前町、越前海岸の漁民が三百人ほど上京しまして、そして外務省や水産庁、農水省の前で座り込み等をやって、強い抗議を行ったことは御承知のとおりであります。
 そういう中で、農水委員会も開かれましたし、私もまた、外務委員会に十二月の十日か十一日ごろに出まして、この問題を率直に質問を通して訴えたわけでありますが、その前に、福井県の漁連あるいは一番大きな越前漁港の漁業協同組合等も訪ねて、その実態、被害状況をいろいろと調べて論議をいたしまして、結局、そのときは外務大臣と水産庁長官から、韓国刺し網は交渉の過程で禁止するように強い態度で臨む、こういう言明が正式に行われたわけであります。
 その後、政府のいろいろな努力によって、去年の二月の五日前後であったと思いますが、政府間交渉によりましてついに韓国の刺し網は禁止となったわけでありまして、この辺についての政府の努力を多として敬意を表しますと同時に、この点は越前海岸一帯の漁民の皆さんも大変喜んでおったと思うんです。
 問題は、長い間刺し網をずっと領海の十二海里の外に張っておったために、越前ガニというか、ズワイガニのいわゆる好漁場でありますから、そこらの資源が相当持っていかれたのじゃないかという懸念が非常に強いわけであります。
 そういう意味で、十二海里領海外、外側においては、刺し網を張った近辺等におけるズワイガニ等の漁業資源がどういう状態にあるかということをよく調べてほしいというのが越前海岸漁民の願いであったわけでありますが、そこらの資源状況がどういうふうになっておるか、どういうふうに把握をしているか、このことをまず水産庁長官あるいは次官から伺いたいと思います。
#9
○森本政府参考人 お答え申し上げます。
 我が国の二百海里の中におきますズワイガニ資源の状況でございますけれども、御案内のように、現在、ズワイガニにつきましては漁獲可能量制度というものを導入いたしておりまして、資源の状況に応じて許容の漁獲量を決めておるわけでございます。
 昨年の二月の五日の交渉で妥結しまして、韓国の底刺し網、かご等を禁止されておりますので、私どもが承知しておりますところでは、資源回復とまではいかないかもしれませんけれども、去年からことしにかけての漁獲量は、県別に見ると、若干差はあるかもしれませんが、おおむね良好であったと聞いております。
 以上でございます。
#10
○辻(一)分科員 そういう状況を把握しているとすると、漁業資源の状態を、例えばカニは二百五十メーターから三百メーターぐらいのかなり深いところに生息しているから、その生息状況、資源状況を調べるには、多少深いところがわかるような船、例えば科学技術庁の観測船がありますが、かつては越前海岸の沖合でかなり観測をしたことがあるんですが、そういう船を活用して、もう一遍漁業資源の、特に越前ガニ等についての資源状況を少し詳しく調べる必要があると思いますが、これについての可能性はどうなんでしょうか。
#11
○森本政府参考人 ズワイガニ資源につきましては、水産庁でも、日本海区水研を中心に研究をいたしておりますし、また、それぞれの県の試験場におきましても調査をしておりますけれども、ただ、潜水艇で潜って調査をするということについてはまだ十分やっておりませんので、今先生の御指摘のような点につきましては、技術的な面も含めまして検討をしてまいりたいと思います。
#12
○辻(一)分科員 これはぜひ調べてほしいですね。
 一時は、もう根こそぎ持っていかれたのじゃないかという懸念が非常にあって、一定の漁獲量を確保しているのは事実ですが、資源状況から見ると、あの地獄網、刺し網は、カニの小さいのも全部とって、普通は小さいカニは漁民は皆放すわけですが、刺し網にかかれば根こそぎ、しかも体を傷めますから、もうそれは回復しない。だから、網をかけてやれば、そこら一帯の資源はもう皆なくなっちゃうというのが普通ですから、ぜひひとつ調査に努力してほしいと思います。
 もう一遍ぜひ、検討をというのはいい言葉でありますが、具体的にやってもらえるのかどうか、伺いたい。
#13
○森本政府参考人 今までもやってきたわけでございますけれども、どういう方法でやっていくかにつきましては、これから検討をいたしまして、可能な範囲で努力してまいりたいと思います。
#14
○辻(一)分科員 それはぜひ実施をしていただきたいと思います。
 それからもう一つの問題は、大和堆の漁場です。ここの暫定区域というか、相当な日韓の共同管理の区域があるわけですが、ここで一体、資源枯渇の心配がないかどうか。一時は、韓国の方の刺し網あるいはかご漁等によって、アマエビそのほか、非常に資源の心配があったんです。
 私は、衆議院の運輸委員長時代に、いろいろなところを、海上保安庁の巡視艇等の活動状況を見るために、小松の航空基地から中型機で大和堆を見に行きまして、そこの巡視艇がどういう活動をしているかということを上空から見たんです。大和堆は九州ぐらいの大きさがありますから全部は行けないんですが、大事なところを巡回したんですが、この大和堆も見たことがあります。一時は、あそこに日韓両国の船が入り乱れて、また、韓国側が、無法にも、長靴を履いたまま漁船の中に乗り込んで、日本の網を切ってしまう、そういうこともあったわけですね。
 だから、今は随分おさまっておると思うんですが、これから共同管理を、日本のような資源確保という形からきちっとやらないと、いかに大和堆、日本海の暖寒流の落ち合う非常にいい漁場であるといっても、それは資源的に懸念があるんですね。
 そういう意味で、日韓両国による共同管理のルールをつくってきちっとやらなくちゃいけない。それが今どういう状況にあるのか、お尋ねしたい。
#15
○谷津政務次官 先生のお話の大和堆のところですが、ここは豊富な水産資源を有するところでありまして、政府といたしましても、その資源管理の必要性を深く認識しているところであります。
 昨年の十二月の日韓漁業共同委員会では、大和堆を含む暫定水域において、一定の資源管理措置について新たに合意を見たところでありますけれども、今後、さらにその内容の充実を図るために、韓国側に追加措置を求めていくとともに、民間協議を通しまして、実効ある資源管理措置の合意について指導していきたいと考えておるところであります。
 また、現在、我が国漁業者に対しては、漁業法等の関係法令に基づきまして、ズワイガニ、ベニズワイガニ等について、漁具の種類、漁期等を定めて資源保護に努めているところであります。
 今後とも、暫定水域の操業実態の把握に努めるとともに、このような協議や国内措置の適切な運用を通しまして、的確な資源管理と操業秩序の維持が図れるように努力をしてまいりたいと考えているところであります。
#16
○辻(一)分科員 政府が一定の努力をしていることはそれなりにわかりますが、問題は、ルールがきちっとできていないと、警備をしたり監視をするといったって、基準なしには効果が上がらないわけですから、その物差しがきちっと今はできておるのかどうか、そこはどうなんですか。
#17
○森本政府参考人 日本海の暫定水域につきましては、漁業協定上は沿岸国の管轄権が及ばない、取り締まりにつきましても及ばない、いわゆる旗国主義になっておりまして、ただ、協定で、共通の資源ということで、適切な資源管理措置をお互いに話し合って、それぞれ自国の措置として守っていくように、こういうふうになっておるわけでございます。
 今までも大変努力してまいりましたけれども、いろいろな協議の過程においては、日本がとっているいろいろな漁業資源につきましての資源保存措置を先方にも示しておりますし、韓国側につきましても、暫定水域で操業する漁業についての国内的な措置については、情報は得ておりますけれども、共同委員会においてそれを共通の合意事項とするというところまでまだ至っていないわけでございまして、先生御指摘のように、そういうものがきちっと決まらないと、お互いに共同の連携、遵守といいますか、取り締まりをやる場合も基準がないのでなかなか難しいということでございますので、今後とも、そのような方向に向かって努力をしてまいりたいと思っております。
#18
○辻(一)分科員 余り時間もないことですから、これでその問題は終わりますが、要するに、しっかりした基準が、それも、こっちだけが基準を示したって、向こうが、いや合意していませんと言えば、またやれないわけですから、やはり日韓両国の合意を得た基準というものが、ルールがしっかりつくられて、それがあれば、取り締まりするにしても警備するにしてもちゃんとやれるわけですから、そういうものを合意として、きちっと基準ができるということが一番最初であると思いますから、ぜひひとつ一層の努力をしてもらいたいと思います。
 それから、これは山の方の話ですが、去年の何月だったか、衆議院の農林水産委員会が北陸視察に参られて、私も現地参加をしました。そして、福井県の南越前の方に織田という町がありますが、そこで、完全に木造の小学校を見たんですね。私もよく知っているところですから見ていますが、中へ入ってよく見たのは初めてだったんです。木でつくった学校、コンクリートと違って非常に温かい感じがするんですね。そして、子供も随分喜んでそこで活動している。ただ、町長さんに聞くと、やはり価格が何割か高くつくというのが問題である。そこで、全部これは国産材、県材を使っている。だから、県の方も一定の助成をしてその差額を埋めておるわけです。
 国と県が力を合わせて、ああいう木造の学校を、小学校等をもっと広範につくれるようにする状況をつくれば、これは国産材の活用という点で、もうだんだん伐採期に入っておるわけですから、非常に大きな役割を果たすのではないかと私は思うんですね。
 それで、これは随分前、昭和六十年ごろに、シアトルの近くにタコマという、町だったか建物か、視察に行ったときに、大きなドームを全く木造でつくっているのを見て、米材は大きい木ですが、それにしても、これだけの巨大なドームを完全に木造でやれるとなれば、もっと日本でもそういう木を使う道があるのではないかということを感じたことがありますが、そういう公共の学校等を木造でやるような道をぜひ開くべきではないか。それについて何か政府は前進的な対策を持たれるのかどうか、それをお尋ねしたい。
#19
○伴政府参考人 お答えをいたします。
 実は、昭和六十年まではコンクリートの方が補助単価が上にありました。それで、やはり学校は木でつくるというような視点から、現在はRCと同じにしております。そのような効果がありまして、昭和六十年度には一年の間で十八校ぐらい、新しい木造の校舎いわゆる新築があったわけでございまして、今は、大体平均五十五校ぐらい一年間につくっております。それで、トータルとしては六百五十九校まで進んでおりまして、今後とも文部省と十分連携をとって、学校につきましてはこのような方向で進めたいと思っております。
#20
○辻(一)分科員 ああいう学校ができるととても温かい感じがするのです。触れてみても、これはもうコンクリートより温かいのは当然だけれども、感じが非常にやわらかな感じがして、子供も非常に喜んで学校ではね回っていたのを見たのですが、少し知恵を絞って、国産材を、木材を学校等に使えるような道をぜひ開いてほしいと思うのです。これはひとつ政務次官にも強く要望しておきます。
 それから三つ目ですが、これは構造改善局の方に尋ねたいのですが、福井県の典型的な山村というと、委員会視察等で私も何回も行ったことがあるのですが、池田という町があります。それからもう一つは今庄、それから名田庄という、いずれも林野や中山間地対策の方から見ればよくやっている山村なんですね。ところが、そこの中山間地対策で、ずっと回って状況を聞いてみると、面積からいって余り中山間地対策の対象になるのが少ないのです。
 それで、それはいろいろな条件があるのですが、一面を見ると、福井県は基盤整備、土地改良に非常に今まで力を入れてきた。だから、本来なら傾斜地がいっぱいあるのを崩して、その地域だけを見ればかなり平たん化した。だから、基盤整備をやったということは大変結構なんだけれども、その結果として、基盤整備の後は畦畔や傾斜地が少なくなっているから、一定の地域を見ると割と平たん化されている。そういうことで、どうも対象になるのが少ないのじゃないかという感じが私は直観的にしたのです。
 今言った三つの中山間村というのは、福井県における典型的な山村なんですね、しかもよくやっているところ。そういうところが、今度の中山間地対策の所得補償等の対象になる地域が非常に少ないというのは、一生懸命基盤整備等をやって、その結果ならちょっと残念だし、もっとほかのやむを得ない原因ならこれはまたやむを得ぬとしても、そういうところを、運用の面で、もう少し適用について見直しをして改善を図る余地が、さっと見たところではあるように思うのですが、そこらをどういうように把握しているか、お尋ねしたい。
#21
○渡辺政府参考人 確かに、傾斜度というのはいろいろなことをはかるときの一番客観的な基準なんですけれども、今回は、大きなネットとして、いわゆる地域振興五法といいますか八法といいますか、それでネットをかけた中でかなりの運用を県なり市町村に任せております。
 ですから、傾斜度でいいますと、水田でいえば二十分の一というのは当選確実なんですが、それよりももう少し傾斜が緩い百分の一以上というところも対象として選べるようになっております。百分の一といいますと、見た目にはほとんど平らですので、そういうところも地域の実情に応じて選択することができるというふうにしておりますので、それほどリジッドな基準のつくり方ではないというふうに思っております。
 それから、圃場整備事業その他、国の事業あるいは県の事業を入れたときに斜度が改善をされる、そういうケースは、農業生産活動あるいは農地の管理活動についてその地域が非常に高い意欲を持っていることのあらわれでございますから、こういうことは、やはりこれから十分考慮に入れて検討していきたいというふうに思っております。
 ただ、基準なしにやりますと、やはりこの政策というのは不利の補正というのが目的でございますので、不利性というのが解消されたときには卒業してもらうというのが原則でございますので、そこら辺の兼ね合いを十分考えなければいけないというふうに思っております。
#22
○辻(一)分科員 ことし初めて実施されるわけですから、直接所得補償は日本の今の農政上は画期的な中身だが、全く一歩を踏み出した、半歩踏み出したという段階ですから、なおひとつ足らざるところは十分検討して、これをもうちょっと大きく育ててもらうようにしてほしいと思います。
 あと五分ほどになりましたが、最後に、中国の三江平原の農業開発についてちょっと伺いたいのです。
 一九八一年に、農林水産関係の議員団が十数名いらっしゃって、三江平原の現地を視察したことがあります。あれから日中間の三江平原の農業開発計画が具体化をして、農林省は三年間ぐらいかかって、今までにない延べ百八十名ぐらいの技術者を送って青写真をつくった。しかし、どうしても交通や運輸とかエネルギーとかそういう方が優先されて、農業の開発に円借款の対象が回ってこないということで随分時間がたったわけです。その間、総合農業開発の試験場を支援するとか、日本もいろいろな努力をしてきたと思うのです。
 私も、実は三回見に行ったのですね。一つは、平成三年の五月に単身で調べに行きまして、その秋には五名ほどの調査団を編成して議員団で行って、最後は平成九年ですが、現地のダムをぜひ見てくれということで、ここからここまでダムをつくる現場を一遍ぜひ見てほしいというので、大変な高原を越えて、山の奥だったのですが、ジープで三、四時間かかって行って見てきたのです。そのときに我々が見た状況では、ちょうど円借款が決まって、あれは平成九年か、もう一年先だったか、十二月ごろに決まって、ようやくその手が及ぶようになって、それでロックフィルのダムをつくるという計画の現場へ行きました。
 五万ヘクタールの農耕地、三江平原は農耕可能地六百万ヘクタール、そのうちの五万ヘクタールを竜頭橋典型区という形でモデルに指定して、そこに竜頭橋ダムというのをつくって洪水を制御する、そして干ばつのときにはかんがいをする、そういうふうにして五万ヘクタールをカバーしようとしておるのですが、ここから向こうまで線を引いて、そしてここにダムをつくって、湖水は三千ヘクタール、五億トンぐらいだと思ったのですが、かなり大きな水量をためるのですね。
 ここをつくるのだというところまで見てきたのですが、おととし、起工式をやるというので私もいろいろな縁で招かれておったのですが、大きな水害がずっと起きて、それでやれないということになった。しかし、起工式はやらないけれども、具体的な工事に着工しておるのですが、今どのぐらいのところへいっているのか、どれぐらいの進捗率になっているのか、これからのめど、ちょっと要点だけ聞かせてほしい。
#23
○石原政府参考人 ただいま御質問ございました三江平原の問題につきましては、先生非常にお詳しいわけでございますけれども、これまでの資金協力の実態を申し上げますと、一九九六年度から二〇〇〇年度までの五カ年の計画というふうになっております。そのうち、前三年分、一九九六年から九八年度でございますけれども、全体で四十案件、それから供与限度総額が五千八百億円となっておりまして、そのうち、農林水産分野は五件、約一千二百億円というふうになっております。これの全体枠が既に決定いたしておりまして、その全体枠の中で、これまで三江平原に係る案件三件につきまして、現在進捗しているということでございます。
 それは、具体的には、黒竜江省の三江平原の、ただいま先生からお話しございました竜頭橋ダム、これが供与限度額が三十億円ということで進んでおります。これはかんがい及び排水改良を図るために多目的ダムを建設するというものでございます。それから二番目といたしまして、三江平原の商品穀物基地、これが供与限度額が百四十九億一千万ということで、これは省内の四十九の国営農場での農業機械の更新とか土地改良、こういうものを行うというものでございます。それから三つ目が、黒竜江省の三江平原の商品穀物基地ということで、供与限度額が二十七億九千万ということで、これも実行しているところでございます。
 これが前三年分ということで、全体枠が決まっておりまして、その中で今申し上げました三つの事業をやっているということでございますけれども、後期の二年分、一九九九年と二〇〇〇年度分の二年間につきましては、全体の供与総額が三千九百億円、それから農林水産分野はそのうちの五件、六百八十二億五千万という全体の枠が決まっております。
 ただ、これのうち、具体的に農業案件をどうするかというのはまだこれからの問題でございまして、我々、先生の御指摘、その辺も踏まえながら、積極的に対応してまいりたいというふうに考えているところでございます。
#24
○辻(一)分科員 私の見てきた竜頭橋ダムの現地はどれぐらい工事が進んでいるのか、簡単でいいから。
#25
○荒木政府参考人 お答え申し上げます。
 竜頭橋ダムの現状でございますが、貯水池建設の過半が完了しております。それから、今後、発電機の調達及び据えつけ、それから水門ステーションの建設が予定されておりまして、すべての工事が終わりますのが二〇〇一年完成予定という現況でございます。
#26
○辻(一)分科員 時間がちょっとおくれますが、この竜頭橋ダムがカバーするのは干ばつと洪水ですね。そして、かんがいでカバーするのは五万ヘクタール。しかし、三江平原は三江に囲まれて、一望一千万ヘクタールですね。農耕可能地が六百万ヘクタールで、日本の全耕地よりまだ大きいぐらいなんですが、そのうちの一%弱が竜頭橋の五万ヘクタールの範囲、それでも福井県の農地よりは大きいのですが、かなり大きな面積ですが、百分の一が、一応そういうモデルができたとして、これから我が国は、あの広いところに、もう少しそういうモデル地区をつくる考えなのか、あるいは中国にあとは全部お任せするのか、そこらはどんな考えなんですか。
#27
○谷津政務次官 三江平原の農業開発というのは、私は、中国の食料需給の安定、また、ひいては世界の食料需給の安定という観点から見ても、重要であるというふうに考えておりますから、これからも中国政府の要請を踏まえまして、関係省庁とも相談をいたしまして、この辺は必要な協力を進めていきたいというふうに考えております。
#28
○辻(一)分科員 これは環日本海経済圏の将来の構築を考えたときに、シベリアの天然ガス等の開発、それから中ロ国境にかかる、今言った三江平原の農業開発、食料基地の確保、それからロシアの沿岸の開発であるとか、あるいは豆満江、朝鮮、中国、ロシアにかかるあの河口開発であるとかというのは、将来の環日本海経済圏の発展方向を考えるときに、非常に大事な地点になる。そういう意味で、あのモデルができて、それが広がっていくということと、日本も、アジアの、中国の大事な食料基地をつくるために、ひとつできるだけの協力を、これから後も支援を惜しまないということが大事であろう、そういうことを申し上げて、質問を終わります。ありがとうございました。
#29
○町村主査 これにて辻一彦君の質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#30
○町村主査 次に、総理府所管環境庁について、政府から説明を聴取いたします。清水国務大臣。
#31
○清水国務大臣 平成十二年度総理府所管一般会計環境庁予算案及び環境省所管一般会計予算案について、その概要を御説明申し上げます。
 まず、予算の基礎となっております環境政策の基本的な考え方について御説明申し上げます。
 二十世紀の最後の年を迎え、二十一世紀において国民が真に豊かで安心できる暮らしを実現していく上で、その基盤となる環境を守り、子孫に引き継いでいくことは、我が国だけではなく世界においても最も重要な政策課題の一つであると認識しております。
 その中でも、地球温暖化問題は、人類と生態系の存続そのものに深刻な影響を及ぼすおそれのある重大な問題でありますが、現在、既にその影響が海面上昇等の形であらわれ始めていると考えられるなど、人類社会の基盤を揺るがしかねない状況が生まれつつあります。
 また、大量の廃棄物の発生、最終処分場の逼迫、不法投棄の増加等が社会問題化しており、廃棄物・リサイクル対策は、まさに待ったなしの緊急の国民的課題であります。
 さらに、ダイオキシン、環境ホルモンなどの化学物質による人の健康や生態系への影響についても、現代に生きる私たちだけではなく将来の世代への影響も懸念される問題として、国民に大きな不安を与えております。
 来るべき二十一世紀においてだれもが安心して暮らせる社会を築くため、国民が環境に対して抱いている不安を早急に取り除いていくことは、環境行政に今求められている重大な任務であると考えております。
 こうした我が国が直面している地球環境問題や廃棄物・リサイクル問題、ダイオキシン等の環境汚染問題などの国内外の環境問題は、いずれも、大量生産、大量消費、大量廃棄という私たちのこれまでの経済社会システムや生活スタイルのあり方に根差しております。
 その根本的な解決のためには、我が国の社会全体のあり方を見直し、環境への負荷が少なく、かつ豊かな暮らしを確保することができる循環型の社会を構築していくことが必要であります。
 また、国民の関心の高いダイオキシンを初めとする化学物質問題等の緊急の課題については、安心を取り戻していただくため、必要な対策を国民の理解を深めるよう努めながら着実に進めることが重要であると考えております。
 このような対策とともに、来年一月の中央省庁再編を控え、我が国が環境立国として世界をリードできるよう、国内的にも国際的にもしっかりとした仕事ができる環境省をつくり上げ、国民の環境行政に対する期待にこたえたいと考えております。
 私は、このような認識のもと、次の施策に重点的に取り組んでまいります。
 第一に、地球環境と共生できる循環型社会形成のため、今国会に、基本的な枠組みとなる新たな法律案を提出する予定であります。
 また、需要面から環境負荷の少ない循環型社会づくりを進めていくため、リサイクル製品等への需要の転換を促進する新たな仕組みについても鋭意検討を進め、さらに、環境保全型の製品、技術の開発、普及を推進するとともに、草の根の活動等に対する支援や環境教育、環境学習の充実強化を図ってまいります。
 このほか、新たな環境問題に対応するとともに、持続可能な経済社会の具体像とそこに至る道筋を示すため、環境基本計画の見直しを行ってまいります。
 第二に、ダイオキシン類等の化学物質問題については、ダイオキシン類対策特別措置法の制定により対策の枠組みが整備されたことを踏まえ、大気、水質、土壌に係る環境基準等の維持、達成を図るため、ダイオキシン類対策を具体化し、強力に実行してまいります。
 また、昨年制定された特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律の着実な施行に向けて、化学物質の排出量等の把握、公表等が円滑に行われるための基盤整備等を進めるとともに、環境ホルモンの問題については、科学的知見を早急に収集するための調査研究等を推進してまいります。
 第三に、地球温暖化対策については、本年十一月に予定されている気候変動枠組み条約第六回締約国会議を成功させ、遅くとも二〇〇二年までに京都議定書を発効させるため、国際的な環境づくりに全力を尽くします。国内においては、京都議定書の締結に向けて、六%削減の目標を達成するための実効ある地球温暖化対策を具体化してまいります。
 また、二月末の日中韓三カ国大臣会合を皮切りに、四月には大津市においてG8環境大臣会合が、九月には北九州市においてESCAP環境大臣会議が開催される予定であります。これらの大臣級の国際会議等を通じた政策対話やアジア太平洋地域等に対する国際協力の推進により、地球サミット後十年目の節目の年となる二〇〇二年、いわゆるリオ・プラス10において途上国を含め世界全体の環境政策が大きく飛躍することとなるよう、世界の地球環境問題へ取り組みます。
 第四に、大都市地域における自動車交通等に起因する大気汚染等の改善を図るため、大型ディーゼル自動車の代替に重点を置いて低公害車の普及を推進するとともに、自動車から排出される窒素酸化物の総量削減のための新たな施策の検討や、新たな騒音環境基準に対応した道路交通騒音対策の充実を進めます。
 また、浮遊粒子状物質について、規制を含め総合的な対策を進めてまいります。
 第五に、森林や湿原など国土の異なった場所に応じて、それぞれに多様性のある自然が保たれるよう、戦略的な保全を進めてまいります。
 また、人と野生鳥獣との共存を図るため、昨年改正された鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律に基づき、科学的で計画的な鳥獣の保護管理を積極的に進めます。
 第六に、公害健康被害者の救済に万全を期するとともに、健康被害を予防するための施策の着実な推進を図ります。
 また、水俣病対策については、水俣病総合対策医療事業など、平成七年十二月の閣議了解等に盛り込まれた施策を着実に実施するとともに、熊本県の地方債償還に支障を来さぬよう、所要額を国が補助します。
 第七に、来年一月に環境省が設置されることに伴い、廃棄物行政の一元化、化学物質対策を初めとする幅広い事務の共管化、地球環境問題への取り組みの強化等に対応した組織・定員を確保し、体制の充実強化を図るとともに、新しい時代の環境行政への国民の理解と参画を進めるため、環境に関する調査の情報をわかりやすい方法で国民に提供してまいります。
 平成十二年度総理府所管一般会計環境庁予算案及び環境省所管一般会計予算案につきましては、以上のような基本的な考え方に立って取りまとめております。
 まず、平成十二年四月からの分として環境庁に計上いたします予算要求額、いわゆる九カ月予算分につきましては九百三十二億八千五百万円であり、また、平成十三年一月六日以降年度末までの三カ月の間、環境省に計上いたします環境省所管一般会計歳出予算につきましては、現時点で総理府及び厚生省が所管し、環境省に移管される施策に係る予算要求額を含めて、環境省関係のいわゆる三カ月予算となりますが、その要求額は五十億四千二百万円であります。ちなみに、これらを合わせて、平成十二年度の環境庁及び環境省の予算要求額は九百八十三億二千六百万円であります。これを平成十一年度の総理府所管一般会計環境庁予算の当初予算額八百六十億一千五百万円と比較すると、百二十三億一千百万円の増、一四・三%の伸びとなっております。
 予算要求額の主要な事項につきましては、お手元にお配りしました資料のとおりでありますので、御参照いただくこととし、委員各位のお許しを得まして、その説明を省略させていただきたいと存じます。
 よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
#32
○町村主査 この際、お諮りいたします。
 ただいま清水国務大臣から申し出がありました環境庁関係予算の主要項目の説明につきましては、これを省略して、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#33
○町村主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
#34
○町村主査 以上をもちまして総理府所管中環境庁についての説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#35
○町村主査 質疑に入るに先立ちまして、政府当局に申し上げます。
 質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。倉田栄喜君。
#36
○倉田分科員 公明党の倉田でございます。
 今、長官からもお話がありましたいわゆる水俣病問題について、今回閣議決定されました対策の内容、骨子だけで結構でございます、それと、今後の課題について、今一たんお述べになられましたけれども、どのようにお考えになっておられるのか、お尋ねしたいと思います。
#37
○清水国務大臣 平成十二年度以降におきますチッソ株式会社に対する支援措置につきましては、関係者によります措置という前提が満たされましたものですから、本年二月八日の閣議了解によりまして、チッソが経常利益の中から優先的に患者補償金を支払うことを支援するための措置を講ずることにいたしました。
 環境庁といたしましては、関係者と協力いたしまして、閣議了解された事項を着実に実行していくとともに、また、平成七年十二月十五日に閣議決定されました総理談話に示されているように、水俣病の悲劇を教訓といたしまして謙虚に学び、世界の国々に対しまして、我が国の経験や技術を生かして、水俣病に関しても前向きに積極的な貢献をしていく所存でございます。
#38
○倉田分科員 一九五六年に公式発見されて四十三年、水俣病、この病気で非常に多くの方が苦しまれた。そしてまた、関係者の方が大変苦しまれた。環境庁の中にもこの問題でみずからお命を絶たれた方がいらっしゃいます。
 今回、内閣の方で閣議決定をしていただいた、関係者の皆様方に、私は大変感謝を申し上げたいと思います。
 ただ、今、長官もお述べになりましたように、この水俣病の問題、まだまだ最終的に解決をしたわけではない、これから果たしていかなければならないことがたくさんある、それは、この平成七年の十二月十五日の内閣総理大臣の談話等々も踏まえながら、私どもがこのことから何を学び、世界にどう発信をしていくかということが非常に大切な問題だろう、そういうふうに思っております。
 そういう意味で、二十一世紀の冒頭二〇〇一年に、水俣で水銀国際会議が開かれるというふうに聞いておりますが、これはどういうふうな中身でございますか。
#39
○清水国務大臣 この会議でございますけれども、地球環境汚染物質としての水銀に関する国際会議という名称でございまして、世界じゅうの水銀環境汚染に関する研究者が一堂に会する唯一の学術会議というふうに伺っております。第一回が一九九〇年スウェーデンで開かれまして、今度日本の水俣市で開かれますのが第六回目に当たるというふうに伺っております。
 この第六回の会議でございますけれども、「過去の経験を踏まえ、将来に生かすために」ということをテーマに、二〇〇一年十月十五日から十九日まで、水俣市民会館及び総合もやい直しセンターで開催される予定だというふうに伺っておりまして、今、開催計画につきましては、研究者あるいは国、県、市の担当者から成ります組織委員会がつくられまして、そこで検討しているところでございます。
 会議の内容につきましては、水銀の環境汚染だとか、人の健康影響に関する研究発表が行われることになるわけでございますけれども、海外からも多数の参加者が見込まれております。
 地元水俣市では、恐らく市民との交流行事なども行われて、充実した内容にしたいということで今準備しているようでございまして、環境庁といたしましても積極的に支援してまいりたいというふうに考えております。
#40
○倉田分科員 今、水俣病という過去、まだまだ過去とは言い切れない部分もあると思いますけれども、そこでしっかり学ばなければいけなかったことを将来にどう生かすのか、こういうお話でありました。
 そこで、この国際会議、非常に世界的な、しかも水銀のことを中心的に取り上げる会議でございます。いろいろ今環境的に環境ホルモン等々が問題になる中で、環境中の無機水銀がどういうふうに環境に影響を及ぼしていくかということは、これから非常に大きな問題になっていくんだと思うのですね。そうであるとすれば、私は、日本があるいは水俣が、この水俣病の教訓を踏まえてしっかり世界に発信をしていかなければならないという非常に大きな役割があると思っております。
 したがいまして、この国際会議までに、私は二つのこと、一つは、今お話もいただきましたし、今回の閣議決定の対策もそうであると思いますけれども、被害者救済の視点から、補償制度の維持に今後とも万全に責任を果たしてもらいたいということが一つ。それから二つは、今申し上げましたけれども、水俣の反省と教訓を生かすために、地球環境に対する水銀汚染の実態調査であるとか、あるいはその防止体制等について、環境省に昇格をする環境庁としてしっかり情報発信をしていただきたい。
 まず、この二点について御所見をお伺いしたいと思います。
#41
○清水国務大臣 御指摘のように、水俣病問題に対しましてはいろいろ教訓があるわけでございます。
 今、二点についての御指摘でございますけれども、平成七年の与党、当時は自社さでございますけれども、与党三党の最終解決策に基づきまして解決を図るという関係者の合意があるわけでございまして、それを踏まえまして、同年十二月十五日の閣議におきまして、政府としての施策を了解したわけでございます。
 被害者の救済について、環境庁としては、今後とも、チッソ支援を含め、関係者と協力し、閣議了解された事項を着実に実行していくとともに、総合医療対策事業につきましてもずっと継続していくつもりでございます。
 そして、水俣病の教訓を生かして、また開発途上国に対する理解を深め、そして技術面の支援を行うということも重要なことではないかというふうに思っております。今後とも、国際ワークショップの開催あるいは専門家派遣による技術指導を行うとともに、水銀国際会議までに、水銀汚染の未然防止あるいは汚染発生時の対策について取りまとめた水銀汚染対策マニュアルというようなものをつくりまして、ぜひこれを提供したいということで、今準備をしているところでございます。
#42
○倉田分科員 この水俣病というのは、世界に、ノーモア・ミナマタみたいな、そういう形で広く知られているわけであります。したがって、この水俣病ということがどうして起こったのか、その原因が何であるのか、これはしっかり明確にしなければならない、こう思います。
 そういう意味では、水俣病発生の原因がチッソ水俣工場から排出された有機水銀であったということ、これは忘れてはならないことだ、こう思うのですけれども、しかし、時間がたってしまうと、単に水俣病という病名だけが残ってしまう、こういう問題があります。
 委員長にお許しをいただいて、長官にこの冊子をお届けしたいと思います。この冊子は、水俣市の山岡さんという方が、この方は水俣市の衛生課長、そして市民部長を務められて定年をされた方でありますけれども、いわば水俣の中にあってこの問題と一緒に歩いてこられた、その方が、この中身の問題も解決しなければならないと同時に、今、水俣病という名前が起こしている問題を提起されております。委員長、よろしゅうございますでしょうか。
#43
○町村主査 はい、どうぞ。
#44
○倉田分科員 私は、時間がたつと水俣病という名前だけが残ってしまうという問題があると思うのです。この冊子の中に、水俣病という名前であるがゆえに、ほかのところに出ていって水俣の出身であることを隠してしまうとか、あるいは、水俣の魚がそうであったのですけれども、現在でも、水俣のミカンが、これは水俣から送ってきたミカンだったら食べられないねという話になってしまうとか、いろいろな問題が起こっていることがここに指摘をされておられます。
 そういうことからすれば、私は、この水俣病という病名を、今どう変更するかという問題はあるにしても、水俣病有機水銀中毒症あるいは水俣有機水銀病、そういう形に、中身の実態をあらわしたものに変えるべきなのではないのか。もちろん新潟の場合も同様であると思いますけれども、この点についてはお考えはいかがでしょうか。
#45
○清水国務大臣 今、この冊子をちょうだいいたしまして、まだ十分拝見しておりませんけれども、そういう御指摘をいただきました。
 確かに水俣病というのは、チッソの工場から出された有機水銀中毒の中でも、工場排水によるメチル水銀を魚介類を通して摂取することによって起きたということでございまして、非常に環境汚染に起因したいわゆる公害病という特殊性があると思います。
 御意見も本当に拝聴させていただいたわけでございますけれども、実は、この病名につきましては、もう既に医学的にも、それから社会的にも、あるいは国の内外におきましても定着しているような名前でございます。直ちに病名を変更するということはなかなか難しいこととは存じますけれども、地域の方々のいろいろな思いもあり、そして、先生も御指摘のように、地元の問題もあるという御指摘でございましたけれども、逆に今、水俣の中で、地域の方々が今までのわだかまりを解くためのもやい直しの事業でありますとか、あるいは、むしろ水俣が発信して、環境に非常に考慮した土地にするとかいったような動きが出てきているわけでございますので、先生の御意見も十分私も関心を持って受けとめさせていただきたいとは思いますけれども、そうした地域での運動でありますとか取り組みでありますとかというようなことについても、十分勘案していきたいというふうに思っております。
#46
○倉田分科員 長官のお答えからも私も理解できるわけでありますけれども、ただ長官も、当初原因がわからず奇病扱いされる症状を、地域名をそのまま冠した病名で呼ばれると、結果として地域の人を苦しめることになる、その心情は御理解をいただけると思います。
 いわゆる東京都でいえば杉並病、これは神経過敏症みたいなそういう話でありますけれども、杉並病、これもやはりいわゆる杉並病みたいな形で呼ばれておるけれども、そのまま杉並病と言われると、地域におられる方は、やはり私が今問題提起をしたような同じ意識を持たれるのだろう、こう思うのですね。
 確かにノーモア・ミナマタという形で水俣病が広く定着をしているということは認めなければいけないと思いますけれども、しかし同時に、これが有機水銀中毒症で起こったのだということもまたしっかりしていかなければならない、こう思うのです。
 したがって、今後いろいろな公的なパンフ、資料が発行される。私は、病名を変更していただきたいという思いが強いわけでありますけれども、やはり括弧書きでも、あるいは付記でも、これは有機水銀中毒症である、単純に水俣病というふうに呼びっ放しにするだけではなくて、こういうことをもっと明確にすべきではないのか。二〇〇一年、水俣で水銀国際会議が開かれるときは、これが有機水銀中毒症であるということを、括弧でもつけるとか、私は変更していただいた方が一番いいかと思うのですけれども、そういうことがきちっとわかるようにしていただきたいと思います。
 これからずっと五十年、百年たったときに、水俣病が、最初に戻って、その地域に起こった特別の奇病で、伝染病でみたいな話になってしまうと、それは耐えられないな、こう思っております。
 私が今申し上げた点についてはいかがでしょう。
#47
○清水国務大臣 先生の御趣旨、私もよくわかります。
 しかし、いずれにいたしましても、この問題、かなり長い歴史の中で今そういった水俣病の地位を得ているわけでございまして、それについて今すぐに改正するということについてはなかなか難しいということを、申しわけありません、重ねて申し上げたいと思います。
#48
○倉田分科員 確かに、水俣病という病名として定着をしているということであります。病名を変えろというのはなかなか難しい話だということもよくわかります。
 ただ、私が申し上げたこともわかっていただけると思うんですね。やはり水俣病ということと同時に、これが有機水銀中毒病であるということをきちんとわかるように、そういうふうな資料あるいはそういう呼び方にしていただきたい、このことは特にお願いをして、また検討をしていただきたいと思います。
 それからもう一つ。これも地元の話で恐縮ですが、阿蘇山上の観光におけるガス規制について、この四月から阿蘇登山道路が無料化されて、地元は観光客の増加に期待を寄せているわけでありますけれども、平成九年十一月二十三日、火山ガスによる死亡事故の発生以降、ガス規制が強化をされて火口見学ができないときがあるわけですね。
 そこで、これは簡潔で結構でございます。阿蘇山上のガス規制はどのような根拠に基づいて、実際の規制値はどのようにして決めているのか。
 また、今阿蘇観光でシャトルバスの運行計画が議論されておって、改めてガス規制のあり方が問題になっているわけであります。検知器で測定されるガス濃度と人体への安全性の関係は、個人個人、身体の状況によって、これは体調等にもよりなかなか難しいと思うんです。現場のいろいろお話を聞いていると、随分御努力、御苦労をいただいているなという思いも私もしたわけでありますけれども、現行の規制値を緩和することは困難なのかどうか、このことをお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
#49
○松本政府参考人 御説明を申し上げます。
 お話がありましたとおり、阿蘇山の火口について立ち入り規制を行っております。有毒な火山ガス、二酸化硫黄でございますが、発生しているからでございますが、先生平成九年に事故があったとおっしゃいましたけれども、さらにさかのぼりますと、平成元年から重ねてみますと、既に七名の方がこの火山ガスで亡くなっておられるということでございまして、立ち入り規制をやっているわけでございます。
 もうちょっと根拠など申しますと、災害対策基本法に基づきまして、阿蘇火山防災会議協議会というものが地元にございます。地元の三町村、それから国の各機関の出先、そういうところが構成メンバーになっているわけでございます。
 そして、具体的に申しますと、火山ガスの検知器のガス濃度が五ppmを瞬間で超えたときは全面立入禁止、それから、五ppm以下であっても風向きによっては一部地域への立ち入り規制をするという仕掛けになっているわけでございます。
 この規制値の方は、決め方でございますけれども、人体に及ぼす二酸化硫黄の影響を一応科学的に勘案をいたしまして、火山ガスの専門家あるいは行政機関などから成ります阿蘇火山ガス安全対策専門委員会というこの専門委員会に諮りまして、その判断をもとにして、先ほど申しました阿蘇火山防災会議協議会が決定をしている、こういう仕組みでございます。
 そんなことで、先生おっしゃられますように、人それぞれの個性で影響の度合いが違います。ぜんそくの方などは大変薄い濃度でも大変大きな影響を受ける、あるいは心臓疾患のある方も大変影響が大きいということでございますが、いずれにいたしましても、利用者の方々の安全確保の見地から、十分配慮をした形で規制をしていかなければならないということでございます。
 ただ、いずれにいたしましても、この規制値そのものは毎年、先ほど申しました阿蘇火山ガス安全対策専門委員会に諮った上で、阿蘇火山防災会議協議会というところで決定をされるわけでございますので、いろいろな地元の事情などもその協議会の場でよく話し合って決めていただくということになろうかと思います。
#50
○倉田分科員 関係者そして地元の方々とよく協議をしていただいて、よくお話を聞いていただくようにお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
#51
○町村主査 これにて倉田栄喜君の質疑は終了いたしました。
 次回は、来る二十八日午前十時より開会し、引き続き総理府所管中環境庁及び農林水産省所管について審査を行うこととし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時五分散会

ソース: 国立国会図書館
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