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2000/02/25 第147回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第147回国会 予算委員会第三分科会 第1号
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2000/02/25 第147回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第147回国会 予算委員会第三分科会 第1号

#1
第147回国会 予算委員会第三分科会 第1号
本分科会は平成十二年二月二十三日(水曜日)委員会において、設置することに決した。
二月二十五日
 本分科員は委員長の指名で、次のとおり選任された。
      伊藤 公介君    中川 昭一君
      古賀 一成君    石田 勝之君
      桝屋 敬悟君    鈴木 淑夫君
二月二十五日
 桝屋敬悟君が委員長の指名で、主査に選任された。
平成十二年二月二十五日(金曜日)
    午後四時開議
 出席分科員
   主査 桝屋 敬悟君
      河井 克行君    中川 昭一君
      古賀 一成君    坂上 富男君
      石田 勝之君         
   兼務 辻元 清美君
    …………………………………
   文部大臣
   国務大臣
   (科学技術庁長官)    中曽根弘文君
   科学技術政務次官     斉藤 鉄夫君
   文部政務次官       河村 建夫君
   政府参考人
   (文部省初等中等教育局長
   )            御手洗 康君
   文教委員会専門員     岡村  豊君
   科学技術委員会専門員   宮武 太郎君
   予算委員会専門員     大西  勉君
    ―――――――――――――
分科員の異動
二月二十五日
 辞任         補欠選任
  中川 昭一君     河井 克行君
  古賀 一成君     坂上 富男君
  石田 勝之君     遠藤 和良君
  鈴木 淑夫君     達増 拓也君
同日
 辞任         補欠選任
  河井 克行君     中川 昭一君
  坂上 富男君     古賀 一成君
  遠藤 和良君     赤羽 一嘉君
  達増 拓也君     鈴木 淑夫君
同日
 辞任         補欠選任
  赤羽 一嘉君     石田 勝之君
同日
 第一分科員辻元清美君が本分科兼務となった。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 平成十二年度一般会計予算
 平成十二年度特別会計予算
 平成十二年度政府関係機関予算
 〔総理府(科学技術庁)及び文部省所管〕

    午後四時開議
     ――――◇―――――
#2
○桝屋主査 これより予算委員会第三分科会を開会いたします。
 私が本分科会の主査を務めることになりました桝屋敬悟でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 本分科会は、総理府所管中科学技術庁、文部省及び自治省所管について審査を行うこととなっております。
 なお、各省庁の所管事項の説明は、各省庁の審査の冒頭に聴取いたします。
 平成十二年度一般会計予算、平成十二年度特別会計予算及び平成十二年度政府関係機関予算中文部省所管について審査を進めます。
 政府から説明を聴取いたします。中曽根文部大臣。
#3
○中曽根国務大臣 平成十二年度文部省関係予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 二十一世紀の到来を目前に控え、著しい社会変動の渦中にある今日、我が国が今後とも豊かで活力に富む国家として発展していくためには、我が国の発展基盤となる創造的な人材の育成や世界的水準の学術研究の振興などを重点的に推進していくことが不可欠であります。
 このため、平成十二年度予算の編成に当たりましては、厳しい財政状況のもとではありますが、心の教育の充実やゆとりの中で生きる力をはぐくむことを目指した教育改革の推進、二十一世紀の我が国を担う人材の育成、未来を開く学術研究の振興、ゆとりある文化、スポーツの振興など、大きな時代の変化に柔軟かつ的確に対応する文教施策を積極的に推進することができる予算の確保に努めたところであります。
 平成十二年度一般会計予算につきましては、中央省庁等改革に伴う新体制移行を反映させたものとなっており、文部省所管に計上いたしました予算額は、五兆一千七百八十四億六千四百万円でありまして、新体制移行後は文部科学省所管の予算として所要の予算額を計上しております。
 また、国立学校特別会計予算額は、二兆七千二十八億四千百万円となっております。
 以上、何とぞよろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
 なお、これらの具体の内容につきましては、お手元に配付しております資料のとおりでありますが、時間の関係もございますので、主査におかれまして、会議録に掲載されますよう御配慮をお願い申し上げます。
#4
○桝屋主査 この際、お諮りいたします。
 ただいま文部大臣から申し出がありました文部省所管関係予算の概要につきましては、その詳細は説明を省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○桝屋主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
#6
○桝屋主査 以上をもちまして文部省所管につきましての説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#7
○桝屋主査 この際、分科員各位に申し上げます。
 質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力を賜りますようお願い申し上げます。
 なお、政府当局におかれましては、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。坂上富男君。
#8
○坂上分科員 坂上富男でございます。
 県立高校の通学区域のことに関して、文教の立場において御質問を申し上げたいと思います。
 大臣もごらんいただいたと思うのでございますが、私が今持っておりますのは、新潟県の有力日刊紙であります新潟日報の本年二月六日の新聞記事でございます。これは、概要を申し上げた方がこの問題点を把握するのに一番いいんじゃなかろうかと思って、持ってまいったわけでございます。
 ちょっと読み上げさせていただきますと、「県教委が高校学区問題を説明 白根 市民の怒りと疑問増幅 涙の訴えも溝埋まらず」こういう表題でございます。公立高校普通科の通学区域改定問題で、これは四日とありますが、五日です。五日、県教委が初めて白根市民に対して説明を行ったが、全県的立場を強調する県教育委に、市民の怒りと疑問はおさまるどころか、逆に増幅する形となった、こういうことでございます。
 まず、ここに書いてあります中身は、説明会は市教育委の主催で行われ、県教育委からは永井高校教育課長らが出席。永井課長は、高校選択幅を広げるため隣接学区へのパーセント条項を導入し、ここで問題なんですが、不公平感のある通学共通区域を廃止するなどと改定の理由を説明。続いて、これまでの市民からの手紙などで寄せられた疑問に答える形で説明した。それで、永井課長は、改定は凍結できないかとの問いには、二年間委員会が審議し、その報告に沿って改定したもので、そのようなことはできないと説明。さらに、なぜ白根市は新潟学区にならないかという疑問には、今回は学区の変更は検討外だった、学区の線引きを変えるとまた新たな問題が起きるなどと話をした。
 永井課長の説明に続き、父母ら約二十名が、白根市北部から約四割が新潟学区の普通科に進学している状況や、三条・西蒲学区の高校に通うのが難しいなどといった事情を挙げながら次々と質問。なぜ新潟学区には隣接学区から一五%しか行けないのかなどと県教育委に迫った。しかし、教育委員会側は、これまでの実績、それから専門学科、私立学校などへの入学状況などを含め慎重に検討した結果、十分と判断したと説明。新潟学区には他の隣接学区から多くが押し寄せ、白根の子供がはじき出されるのではと涙ながらに訴える女性も見られたが、他の学区からどかどか入ってくることはないなどという答えにとどまった。
 こういうのは、これはもう端的なんであります。私は、この中で問題点は二つ三つあると思うんであります。
 実は、この説明会をするまで、県教育委員会は二年間にわたりまして検討委員会を開いたけれども、一度も市民の意見を聞いていなかったということがまず一つでございます。それからいま一つ、私はまさにこれは独断的だと思うのでございますが、不公平だから共通区域は廃止をする、こういうことでございますが、一体この根拠は何なのかということがわかりません。
 そこで、これは去年の六月二十五日に県教委が発表したわけでございます。父兄が初めてこれを知りまして、白根地域の父兄の皆様方がびっくりいたしまして、みんなが寄り寄り集まりまして、この問題の対策をいたしました。そこで、私も、それから自民党の先生も社民党の先生も、国会議員が父兄の集会に呼ばれまして、所感を求められたわけであります。
 私は、強い主張はいたしました。本当に、皆様方にこういう心配をかけること自体が問題でありますと。しかし、このことは県の仕事でございますから国会議員が余り口出しをすることはいかがかと思うが、しかし、法律の施行の中に間違いがあったら是正をしなければなりませんと。
 その中の一つは、今まで父兄に一言も説明をしないで突然決定して発表する、これはもう明らかに民主主義に反するじゃないか、民主教育に反するじゃないかと。抜き打ち的でございます。その次に、不公平感というのは、だれがこういうふうなことを認定したのか、これも一つ問題であります。この二点が特に大きな問題であるものでございまするから、私はそのことを、この父兄の集会でも意見を申し上げました。
 そして、私は、余り私たちが県教委に申し上げるのはいかがかと思っておりましたから、一言、電話だけで次長さんに申し上げました。きのう私は行ってまいったんですが、何か、白根の父兄の方々は、あなた方が少しも説明に来てくれない、やはりその説明をよく聞いて、あるいは意見が対立をするかもしらぬけれども、誠実に答弁をし、見解を述べ、間違っていたら訂正すべきじゃなかろうかと私は思いますと。皆さんは多分、父兄のところに行くと、つるし上げをされて、にっちもさっちもいかなくなるから行きたくない、怖いから行きたくない、こういうことなんだろうと思うから、もしそういう心配があれば、私は責任を持ってひとつあっせんをすることはやぶさかではありませんと。堂々とひとつ父兄の皆様方のところに皆様方の意のあるところを説明して、父兄から納得してもらったらいかがでございますかということを申し上げました。
 これが多分、去年の十月でしたか十一月ごろでした。そして、その結果が、出席したのは二十名なんだそうですが、この新聞に出て、白根の市民の皆様方と初めて県教育委員会がお話し合いをしたという新聞の記事なのであります。
 そこで、まずお聞きをしたいと私は思うのでございますが、一体、公立高等学校の通学区域のあり方というのはどういうふうに私たちは見たらいいのか、担当の局長さんで結構ですが、御答弁いただきたいと思っております。
#9
○御手洗政府参考人 お答え申し上げます。
 公立の高等学校の通学区域の定め方につきましては、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の第五十条によりまして、各都道府県の教育委員会が、当該都道府県内の区域全体を通じて定めるということになっているところでございます。
 この通学区域制度が法律に設けられました趣旨は、高等学校教育の機会均等を図るとともに、あわせまして、特定の高等学校に入学志願者が過度に集中することを避けまして、生徒の就学や通学の適正化を図る、こういった二つの観点から法律上設けられたものでございまして、これは、法律上、各都道府県教育委員会に与えられました固有の権限でございますので、それぞれ各都道府県教育委員会の責任におきまして、地域の実情等十分調整しながら、最終的には教育委員会が決めるべきものとされているところでございます。
#10
○坂上分科員 話が抽象的な答弁です、これは。もうちょっと具体的に、どういうようなことを基本にして検討すべきかということ。
 申し上げますが、これは違ったら違ったと言ってください。一つは、学校選択幅の拡大を図るということが一つでしょう。二番目、交通事情に配慮することが一つでしょう。三番目、生活区域を踏まえて行うこと。そして四番目に、受験競争が激化しないように配慮すること。大体この四点が問題にすべき検討事項だと思うのでございますが、どうですか。
#11
○御手洗政府参考人 新潟県教育委員会がこのたび県内の公立学校の通学区域の見直しを図った際の検討の観点というのは、先生今御指摘のとおりと私どもも承知いたしております。
#12
○坂上分科員 そこで、私は、この項目に基づいて御質問をさせていただきたいと思います。
 まず一つは、白根市の通学区域は白根市と三条・西蒲地区とする、こうあるわけでございますが、これは一体、白根の人は三条に通えますか、西蒲の学校に通えますか。どうですか。通えないんだよ、何もないんだから。自転車で通えば通えるけれどもね。どうですか。
#13
○御手洗政府参考人 県内の事情でございますので、私ども、県内の交通事情等十分承知しておりませんが、実際に、現実には、今白根市は新潟学区に調整区域という形で全面的に通学することができるという状況になっているわけでございますので、一般的には、多く新潟学区の方へ通っているというようなことも伺っております。
#14
○坂上分科員 だから、それが新潟学区へ今度は一五%しか通えないというんです。今まで一〇〇%行けたんです。一五%に制限をしますと、交通の事情から見てみて、三条・西蒲に通うということは、バスが出ていないんですよ。二度も乗りかえしなければ、二時間かかって行くんですよ、三条には。三条は私の町だ。西蒲原の町の高校に通うにも、これも同じように、二時間かからなければ行かないと思います。あるいは少し時間が少ないかもしれない。もう交通事情は全く悪いんです。
 そこで、県の教育委員会がどう言っているか、わかりますか。こういう交通事情の解消は、地元の白根市で解消してくださいと言っているんですよ。白根市が幾ら自動車会社に言っても協力してくれませんよ、これは。こういう状況であるということをまず御認識ください、御存じないようだから。
 その次、もう一つ、生活圏域を踏まえること、こうあります。生活圏域を踏まえるということはどういうことかといいますと、新潟市に本当は住みたいんだけれども、まあ白根は新潟と隣接しておるし、学校も新潟の学校に通えるからということで、いわゆる白根市北部の住民の皆様方は、大通り地区を中心にいたしまして、そこに住んでいるわけでございます。生活圏は全部新潟なんでございます。でありまして、全く三条とは、三条は私の町なんです、全く生活圏の融通はないんです。でありまして、この趣旨からも私は違うと思っているのでございますが、この点の認識はわかりますか。わからねば、時間がもったいないから私が指摘だけさせていただいて、後で結構でございますから。
 その次に、受験競争が激化しないよう配慮するというんです。一五%になったときと一〇〇%行けるのは、どっちが激化しますか。一五%の方が激化するでしょう。これはどうですか。これはわかるでしょう。
#15
○御手洗政府参考人 入学競争が激化しないようにという視点があるわけでございますけれども、そういった点を踏まえまして、県下全体の立場で、県教育委員会において御判断されたものであろうと思っております。
#16
○坂上分科員 新潟県全体が激化しないことなんといったって、どれだけのことが言えますか。白根市はその犠牲になってもいいという答弁ですか。そうじゃないでしょう。白根市の子供たちもこのいわゆる受験戦争の激化の中にできるだけ入れないようにすることが学区の変更なんじゃないですか。全体的にしたんだから学区を変更したって構わないんだ、白根は犠牲になっても構わないんだ、これでいいんですかな。どうですか。
#17
○御手洗政府参考人 私ども、具体に数字等の状況も踏まえておりませんし、このことによって白根市内の中学校の子供たちが今後どういう通学行動をとっていくか、その結果、従来と比べてどのようなことになるか、そういった点につきましては、県教育委員会の方で十分御精査の上、一定の結論を県下全域の中で出されたものと承知しているところでございます。
#18
○坂上分科員 それが間違っているから私は今指摘をしているのです。こうだと思うこうだと思うと推察ではだめなのです。よく調査をして、まあ調査期間が少なかったからそういう答弁でしょう。私は一週間前からこのことを質問しようと思って、連絡はとっているんだけれども、本日質問することが決まったのは、きのうの夜の十時なのですよ。それで、質問事項を出してくれ出してくれと言うから、私は急ピッチに書いて、けさ出したのですわ。だから、文部当局においては、なかなかこれを精査するのは容易じゃなかったと思いますよ。
 だから、これからの課題にいたしますから、問題点だけ指摘をするから、どうぞひとつ詳細に御検討賜りたい、私はこう実は思っておるわけでございます。
 そこで、では今度は、一般的なことでございますが、聞いておきます。
 いわゆる高等学校の通学区域の制度というのは、これは文部省の言葉ですが、収容能力の全県的な均等化及び普通科高校を中心とした学校間格差の是正を通じた高等学校教育の普及及びその機会均等を図ることを目的とする、こうでしょう。近年、高等学校教育をめぐる状況の変化や時代の要請を踏まえ、通学区域を見直す都道府県がふえているが、いいですか、通学区域を見直す場合には、通学区域制度の意義を踏まえ、生徒の居住地によって受験機会が大きく異なることのないよう十分に配慮されることが求められている。これは文部省が発表された御見解ではないですか。
 だから、変更することによって受験の機会が大きく異なるという事態が白根市に起きているのです。だから私は言っているのであります。新潟県全体のために白根が犠牲になったって構いませんよという答弁じゃないでしょう。これが文部省の見解でしょう、どうですか。
#19
○御手洗政府参考人 大変申しわけございませんが、具体的に御指摘の文書、ちょっと私、直ちに特定をできませんので、お許しいただきたいと思いますけれども、いずれにいたしましても、そのような考え方に基づきまして、具体的には、県の教育委員会が地域の実情に基づきまして責任を持って判断する、これが高等学校制度の基本的な仕組みでございますので、私どもといたしましては、県教育委員会が適切な御判断をしていただくということをお願いしたいと思います。
#20
○坂上分科員 急ぎます。
 その次、白根市の北部住民の問題について、状況把握を文部省はどの程度なさっているかということをお聞きします。これも、突然けさ質問書が行ったからわかりませんかもしれませんが、ちょっと申し上げますよ。
 現在、新潟県が予定している通学区域の再編は、近年の状況の変化等を踏まえて、生活圏域、交通網に配慮し、高校の選択幅を拡大するという目的で、現行の十学区を八学区に再編しようとするものである。しかし、この再編によって、同県白根市北部地域では、以前より受験可能な高校が逆に減少する状況が起こったというのですよ。いいですか。交通の便を無視したような、子供たちが通える高校が一つしかないという事態になったのです。白根市にたった一つあるのです。
 さらに、父母への説明が不十分なため、地元では大きな問題になっているのです、今新聞を読んだとおり。やっと、私が言うたせいかどうかわかりませんが、この間ちょっと説明会があっただけなのです。だから、決定までの間に意見聴取をしたことは全くないのです。
 白根市は、新潟市のベッドタウンとして発展し、これまでは高等学校の通学も新潟市と同じ学区、新潟市と同じ共通学区なのです。市内に住むと同様な教育の機会が保障されていたのです。しかし、今回の再編で新潟市とは別の学区となり、隣接する学区に一五%枠で選べるとされているものの、これまで通学していた高校への進学機会は大幅に減少したわけでございます。新たに割り当てられた学区には、一校しか自力で通学可能の高校がない、こう言っている。これが事実です。私の主張が間違いであれば、後から指摘してください。
 生徒の居住地によって受験機会が異なり、制度の趣旨及び再編の目的と逆行する状況が生じていることについて、私はそう指摘をいたしますが、この点について文部省はどの程度私の申し上げたことを把握しておられるか。それから、文部省はこの点についてどういう御見解であるか、御答弁いただきたいと思います。
#21
○御手洗政府参考人 大変申しわけございませんけれども、具体の数字等の状況については把握はしておりませんが、新潟県教育委員会におきましては、この問題につきましては平成九年六月から県内の検討委員会を設けまして、全体としての通学区域のあり方についての生徒や保護者あるいは市町村教育長の意向調査等を通じまして、一定の中間報告をまとめ、最終的に昨年の二月に報告を受けまして、十一年六月にということで、二年間の経過をかけまして県内で幅広く御議論した結果、全体としての改正の見直しを行ったということでございます。
 その後、白根市におきましては、市議会あるいは保護者からの署名書等々の要望が出されたということも伺っておりまして、先ほど御指摘ございましたように、二月五日に直接、県教育委員会が白根市民に説明会を開催したという状況等は承知しているところでございます。
 なお、先ほど申しましたように、具体の実態については承知いたしておりませんけれども、現行の三条学区が八校、それから新潟学区が十一校ということでございますので、全体としては白根市の子供たちは現在十九校の学校から、普通科から選択できるという形式になっておりますけれども、全体といたしましては今度は三十三の学校から選ぶ、これは県下全体でございますけれども、こういった選択幅の拡大というような趣旨は全体として図られているのではないかと感じているところでございます。
#22
○坂上分科員 県全体のことをやるために白根市民が犠牲になってもいいということは全くないのです。それをひとつよく理解してください。
 そこで、今までは一〇〇%だったのですよね、新潟への通学は。一五%枠なのですよ。でありますから、進学機会の剥奪です、これは。憲法二十六条、教育権の侵害です。既得権の剥奪です。裁判ということも今検討しているのです、もし許しがたいならば。私は裁判まで行きたくないと思っております。しかし、この問題を検討すればするほど、今言ったように憲法上の問題があり、さらにまた既得権の侵害という問題もあるわけであります。
 しかも、その趣旨は、冒頭申し上げましたとおり、学校選択幅を拡大する、みんなが拡大するということが原則なのですよ。新潟県の子供たちを拡大するために白根の子供たちを犠牲にしてもいいということは全くないのです。こういうのを私たちは憲法違反と言うのです。こういうのを既得権の剥奪と言うのです。私は、これは生意気な話でございまして、私も法曹でございますが、裁判をやれば勝てるのかなというような気にもなっているのでございますが、まあ教育を裁判所で争うなんというのは好ましいことではありませんので、今回、問題提起だけにとどめておきたいと思って、この問題を実は出したわけでございます。
 どうか、そういうような観点からいいまして、私は最後に一つお聞きをしていただきたいと思いますが、通学区の見直しというのは、その生徒や保護者に与える影響の大きさにかんがみまして、まず地域住民の意見をよく聞いて、慎重に検討される必要があると思います。しかし、意見を何も聞かないで決めたんですよ。
 文部省も総合高校の設置などの改革を進めておりますし、少子化などにより、今後、通学区域の見直しが進められると思われます。今回の新潟県白根市北部地域のような問題は、今後、全国各地で起こり得ると私は思っております。
 通学区域見直しに当たって、このような混乱や不安がないよう必要な措置を講ずる必要があると考えますが、今後、こうした問題の改善に向けての取り組みに、文部省としてはどういうふうな御見解でおられるのでございましょうか。また、改めて、地域住民の意見を十分に聞いて行うべきであるということを私は徹底する必要があると思いますが、この点いかがでございましょうか。
 これは、大臣、まあ一般的なことでもございますが、また今後の通学区域見直しのあり方についてでございますから、ひとつ大臣から御答弁いただきたいと思っております。
#23
○中曽根国務大臣 公立高等学校の通学区域につきましては、都道府県の教育委員会が定めることになっておりまして、これは委員がよく御承知のとおりのことであります。本件につきましては、この決定の経緯等につきまして十分承知しておりませんが、総合的に御判断をされたことと思います。
 県教育委員会が責任を持って判断すべきことでございますので、文部省といたしましては、県内において適切に対処されることを期待しているところでございます。
#24
○坂上分科員 そこで、文部省にお願いでございます。これは、答弁はどなたでもいいですが。
 こういう地域住民との紛争が教育に関してあるわけでございます。今まで学校を、中学をどこに設置するかということで紛争はよく起きましたけれども、通学区域について紛争が起きたのは少ないんじゃなかろうか、こう思っておるわけであります。しかも、今この新聞に載っておりますとおり、激しい、住民が、白根だけ何でこんなにいじめられるのかと言って、父兄の皆様方が大変に不安がっておられるわけでございます。
 文部省とされましては、県の教育委員会と実情を十分御調査していただきまして、助言することは可能だと思いますので、ぜひともひとつ調査の上、助言というような形で何らかの解決をして、住民の人もやむを得ないと納得できるような対応をとっていただきたいと私は思っておりますが、いかがでございましょうか。
#25
○御手洗政府参考人 御指摘でございますので、新潟県教育委員会からは今後とも事情は十分私ども伺ってまいりたいと思いますけれども、最終的な判断は、やはり、県の教育委員会が与えられた法的な権限でございますので、県の教育委員会の責任においてお決めいただくということで、大臣からもお話がございましたように、適切に県内で解決していただくよう、私どもとしても御支援を申し上げたいと思います。
#26
○坂上分科員 この問題は、県の教育委員会の問題であることを十分知っているんです。しかし、やはり文部行政というのは文部省が最高の責任を負っておるものでございます。もう新潟県でどうにもならぬものでございまするから、今私はこの席で取り上げたわけでございます。
 大臣、お聞きくださいまして、御努力賜りたいのでございますが、いかがでございましょうか。
#27
○中曽根国務大臣 先ほども御答弁申し上げましたけれども、今また局長からも答弁いたしましたけれども、県の教育委員会において適切に対処されるべきものと思っておりますが、私どもも引き続いて事情等を聴取していきたいと思っております。
#28
○坂上分科員 大変ありがとうございました。
 県の教育委員会にも私は他意はないのでございますが、白根の住民の皆様方や子供たちの気持ちを考えると放置できない問題になっている、こんなふうに考えておりますので、お願いを兼ねまして本日の質問になったわけでございます。
 どうぞ、私の意のあるところをひとつとっていただきまして、円満な解決を図っていただきますことを期待いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。大臣、ありがとうございました。
#29
○桝屋主査 これにて坂上富男君の質疑は終了いたしました。
 次に、辻元清美君。
#30
○辻元分科員 社会民主党、社民党の辻元清美です。
 卒業式、入学式のシーズンを迎えておりますけれども、本日は、学校現場における日の丸・君が代の取り扱いについてじっくり議論をさせていただきたいと思います。この会場を見ますと、やじが飛ばないとじっくりできるのではないかと、今や国会は学級崩壊を通り越している状況ではないかという論評もある中で、きょうはゆっくりと議論をさせていただきたいと思います。
 さて、まず大臣にお聞きしたいんですが、基本的な御認識ということで、昨年、国旗・国歌法が成立いたしましたけれども、この法律が成立したからといって、何か学校現場の取り扱いが法律が成立したということを根拠に変わることはないと理解しているんです。それは、この国旗・国歌法が成立する折の議論にも私参加しておりますけれども、国民生活などに影響を及ぼすものではないという議論が繰り返し、特に官房長官から御答弁いただいておりますので、まず確認をさせていただきたいと思います。
#31
○中曽根国務大臣 昨年の国旗・国歌の法制化は、国旗・国歌の根拠につきまして、慣習であるものを成文法としてより明確に位置づけたものでありまして、学校教育において国旗・国歌に対する正しい認識をさらに促進するものと考えておるわけでございます。
 学校関係では、学習指導要領に基づくこれまでの国旗・国歌の指導に関する取り扱いを変えるものではないと考えておりまして、今後とも、学校における指導の充実に努めてまいりたいと思いますし、委員おっしゃいました国民生活、これが大きく影響されたり変わるものではないと思います。
#32
○辻元分科員 そうしますと、文部省といたしましても、この法律が成立する以前と以後では何ら対応は変えていないと理解してよろしいですね。
#33
○中曽根国務大臣 国旗・国歌に関する学校における指導というのは、従来からも、児童生徒に日本の国旗と国歌の意義を理解させてこれを尊重する態度を育てるとともに、また諸外国の国旗と国歌についても同様に尊重する態度を育てるために、学習指導要領に基づいて行われているところでありまして、従来と変わるところはございません。
#34
○辻元分科員 今の最後の、従来と変わることはないとおっしゃった点を再確認させていただきたいと思います。
 さて、この国旗・国歌法をめぐる議論の中で、基本的な認識を、大臣と、政務次官もお出ましいただいておりますので、お聞きしたいと思います。
 国旗・国歌法には、今回、尊重規定が入りませんでした。これはさまざまな議論がありました。それで、尊重規定は今回入れずというように決定された法律です。まず大臣にお聞きしますが、これは大臣の基本的な御認識ですので、この国旗・国歌法に尊重規定が入らなかったのはどうしてであるかというふうに御認識されているでしょうか。
#35
○中曽根国務大臣 国旗と国歌君が代が、長年の慣行によりまして、それぞれ国旗・国歌として国民の間に広く定着していることを踏まえまして、新しい世紀を迎えることを一つの契機として、成文法にこの根拠を明確に規定することが必要である、そういう認識のもとに法制化を行ったものでありまして、尊重規定は盛り込んでおりません。
#36
○辻元分科員 尊重規定がなぜ入らなかったと考えるかという質問なんですね。それはいかがでしょうか。
#37
○中曽根国務大臣 今回の法制化というものは、先ほど申し上げましたけれども、それまで慣習法となっておりましたものをきちっと成文化したというものでありまして、基本的なものを決めたということでございます。
#38
○辻元分科員 この尊重規定が入るか入らないかというのは、かなり内閣委員会でも議論がありました。
 政務次官はいかがですか。なぜ尊重規定が入らなかったと政務次官は認識されておりますか。
#39
○河村政務次官 最大の議論は、内心、良心の自由をどうするかということが一つの議題だったといいますか、議論の分かれ道だったと思いますね。しかし、憲法の精神等からいって、それによってそういうことが生まれる可能性があるとしたらという強い意見もあったわけですね。私は、そういうことが根拠になっているんではないかというふうに理解をしております。
 ただ、実際に、さはさりながら、相手の国の国旗・国歌も尊重しなきゃいかぬということになりますと、やはり教育現場は、今までどおりやってきたわけでありますから、尊重規定が入る入らないにかかわらず、教育的見地から、今までの形、自然体で進めていくものだろうなというふうに考えております。
#40
○辻元分科員 今政務次官から、内心の自由の問題について、この国旗・国歌法をめぐる議論の中で、国会の中でも議論されたという話が出ました。これはちょっと後で議論させていただきたいと思います。
 さて、この法律ができる前とできた後では、文部省は、国旗・国歌をめぐる学校現場での取り扱いについては何ら変化がないというようなことを大臣から最初答弁いただいたんですが、昨年の九月に、文部省教育助成局に東京、三重、大阪など八都道府県五政令都市の教育委員会の担当者が個別に呼び出されまして、これは要するに、国旗・国歌の取り扱いについて、掲揚率などが低いと言われている都道府県だと思いますけれども、個別に呼び出されたというようなことがあったと思いますが、これは何のために呼び出したんでしょうか。いかがでしょうか。
 これは、そうしましたら、現場の御手洗初等中等教育局長とそれから佐々木高等教育局長が御担当ですか。それでは、御手洗さん。
#41
○御手洗政府参考人 文部省といたしましては、国旗・国歌の取り扱いにつきましては、従来から、学習指導要領に基づきまして適切な取り扱いが各学校において行われるようということで、いろいろな機会をとらえて都道府県教育委員会を指導してきたところでございます。
 昨年九月は、特に八月に国旗及び国歌に関する法律が制定したということを受けまして、高等教育局長と私、初中局長の連名で、各都道府県教育委員会やあるいは附属学校を置きます大学長等に指導通知も出したということを踏まえまして、特に国旗・国歌の入学式、卒業式におきます取り扱いについてさまざまな課題を抱えている八都道府県と五つの指定都市におきまして、個別に文部省においでをいただきまして、各県の状況等をお伺いするとともに、学習指導要領に基づいた適切な指導が行われるようお願いをしたところでございます。
#42
○辻元分科員 そうしますと、お出しになりました通知というのは私もここに持っているわけなんですが、国旗・国歌法ができたのを受けてそういう呼び出しをされたということですか。今そういうふうにおっしゃったんですが、局長、いかがですか。
#43
○御手洗政府参考人 国旗・国歌法が制定をされまして、それに伴いまして通知も出すということでございますので、特に指導に困難を来すだろうというような各都道府県の状況について十分お伺いしたいということで、そういったことを一つの契機においでいただいたということは事実でございます。
#44
○辻元分科員 そうしますと、ことしに入りまして改めてこの八都道府県などの教育委員会担当者をまたお呼びになっていると思うんですが、これはどういう趣旨ですか。
#45
○御手洗政府参考人 もう既に、早い高等学校等では卒業式の時期に差しかかるわけでございますけれども、ことしに入りまして、ことしの卒業式あるいは入学式を前にいたしまして、各県における指導状況がどのような状況になっているかということをお伺いするということでおいでいただいたものでございます。
#46
○辻元分科員 この八都道府県はどのように選ばれたんでしょうか。どういう基準ですか。
#47
○御手洗政府参考人 昨年までの入学式におきます県内の国旗の掲揚あるいは国歌の斉唱のいわば実施率といいますか、達成率といいますか、それが極めて低い、ということは、県内の学校のさまざまな入学式、卒業式をめぐります運営上の問題に相当各学校長等が困難な状況を抱えているという都道府県でございますので、そういった都道府県におきます各学校の状況について十分状況を踏まえたいという趣旨から、この八県並びに五政令市の担当者においでいただいたところでございます。
#48
○辻元分科員 国旗掲揚や国歌斉唱の実施率が低いということは困難な状況を抱えていると今局長おっしゃいましたですね。私は、実施率が低いところがイコール困難な状況を抱えているというような御判断は、ちょっと違うんじゃないかと思うんですが、どういう困難な状況ですか。
#49
○御手洗政府参考人 本来でありますれば、すべての学校におきまして、指導要領に基づいて卒業式の日には国旗が掲揚され国歌が斉唱されるということは、通常の形でございます。この通常の形がとれない学校が都道府県内あるいは政令市内に多いということは、何らかの学校運営上の困難な事情がある。それは、場合によっては教職員がなかなか校長の指示に従ってくれないという状況もあろうかと思いますし、場合によっては、地域の方々が卒業式の当日に具体的な妨害行為をするというようなところもあるわけでございまして、そういった事柄を私どもとしては、学校運営上困難な状況を抱えている学校というぐあいに表現をさせていただいたところでございます。
#50
○辻元分科員 私は、反対の見方というのも大事にしなきゃいけないんじゃないかと思います。
 それは、要するに、このときには実施の徹底を求めたいというようなことをおっしゃったというふうにも聞いているわけですが、そのように文部省が、ある意味で一つの、はっきり申し上げましたら、プレッシャーのような形で呼び出しているわけです、何回も。二回呼び出しているわけです。そういうことをするから、かえって混乱を招いているという側面はないと言い切れないでしょう。私は、そういうことをするから混乱を招くんじゃないかと思いますよ。
 といいますのも、こう書いてありますね、学習指導要領にも。どのような行事に国旗の掲揚、国歌の斉唱を行うかについては、各学校がその実施する行事の意義を踏まえて判断する。どこでするか、だれがするか、どういう形でするかは各学校単位で決めればいいわけですね、これは。いかがですか、教育局長。そういうことですよね、今までと変わりがないということは。
#51
○御手洗政府参考人 入学式、卒業式においては必ず国旗を掲揚し国歌を斉唱するように指導する、これが学習指導要領の基本的な記述内容でございまして、それ以外の、運動会あるいは文化祭等の行事等においてどういう形でやるかということまでは、学習指導要領は、先生がおっしゃるように、とりわけ具体的な行事名を取り上げて規定してございませんので、入学式、卒業式以外につきましては各学校並びに設置者が判断するということになろうかと存じます。
#52
○辻元分科員 今、必ずとおっしゃいましたけれども、じゃ必ずということは、そういうふうに局長おっしゃるんであれば、実施してない学校はどうなるんですか。必ずさせるというのが文部省の義務としてあなたは働いていらっしゃるわけですか。それを遂行させることがあなたの任務であるとするならば、しない学校が出た場合はどうされるわけですか、何か罰せられるわけですか。
#53
○御手洗政府参考人 学習指導要領上、必ずしなければならないという定め方をしておりまして、これは、学校の教育、経営全般を預かる校長としては法令に定められた職務上の義務でございまして、文部省がそれを指導する、あるいは設置者である教育委員会が指導するか否かにかかわらず、みずからの職務上の職責としてやっていただかなければならないということでございますけれども、場合によっては、今までの例にかんがみますと、県教育委員会あるいは市町村教育委員会が学校長に、必ずそういったきちっとした取り扱いをするようにというような職務命令を出したにもかかわらず、さまざまな事情で、校長が入学式、卒業式におきます取り扱いを学習指導要領の定める内容に基づいてとり行うことができなかったというような場合には、各設置者あるいは任命権者の判断によりまして処分が行われたという事実もございます。
#54
○辻元分科員 そうしますと、例えば各教師が学校現場で実際に卒業式や入学式を迎えるに当たって、さまざまな考えの教師の方がいらっしゃいますけれども、現場で今までよりも非常に不安な状況が出てきているという現状は否めないと思います。
 例えば、これは大臣にお聞きしたいと思うんですが、神奈川県の例ですね。十二月に横浜市が、反対しそうな教師の氏名を書かせる調査用紙を学校長五百人に配付しているわけです。チェック項目を入れまして、だれが反対しそうかなと、事前にですよ。私はここに持っています。
 これは、行き過ぎどころか、先ほど内心の自由という話がありましたが、事前にこのような調査を学校現場でするというのは、自由な学校教育を促進していくとか、それから最近では、それぞれの生徒もお互い活発に自分の意見そして自分の考えを自由に伸び伸びと、型にはめるのではなくて、伸ばしていこうという学校現場で、教師に対してこういうような調査をするとか、これはあってしかるべきことではないと私は思いますが、いかがですか、大臣。
#55
○中曽根国務大臣 その資料、私、今手元にありませんけれども、神奈川県でございましたか、教育委員会において、来年の卒業式、入学式の実施に向けて、学校内において何らかのトラブルがもし発生した場合、そういうときに校長が管理職としての職務を適切に遂行するための記録を残すために作成した資料であると考えられるわけで、特段の問題があるとは思っておりません。
#56
○辻元分科員 私は、これは内容を見ますと、反対意見の表明をしたことがあるかどうかとか、行動・分担の拒否などの可能性があるだろうかとか、そういうことを事前に調べるチェックリストです。これは学校現場以外のところで、学校現場でも大問題だと思いますけれども、それ以外のどういう場でも、各個人の行動、特に先ほどの内心の自由という非常に議論されている問題について事前に行うなんということは、特に学校現場の中に、あってはならないというように強く申し上げたいと私は思います。
 これは、今大臣の御答弁をいただきましたけれども、多分平行線になりそうな気がしますが、政務次官、いかがですか。
#57
○河村政務次官 私もそのものを知りませんので、それについて、それを見て私はどうこう言えませんけれども、やはり教育委員会としては、来年の、来年といっても、もうことし卒業式、入学式を迎えるわけでありまして、管理職としての職務を果たしたいという思いからお考えになったことであろうというふうに思いますので、どうなんでしょうか、それをやることが今おっしゃった内心の自由とかそれを侵すことになるかどうか。
 私は、教育現場だからとおっしゃるけれども、やはり教育現場こそ、国民的儀礼と言われるものに対しては、きちっとそれを教え込んでいかなきゃいけない。それは、いろいろな思いはありましょうけれども、国民的マナーとしてやるべきことはきちっとやるというのは、教育現場の一つの責任を果たしてもらわなきゃいけないと思いますので、そういう立場でおやりになったことではないかというふうに、私は今、見ておりませんけれども、そういうふうに理解をしているんですが。
#58
○辻元分科員 今マナーとおっしゃいましたけれども、それを通り越していると私は思います。これは後でお見せしてもいいかと思いますけれども。
 もう一つの事例が、結局、こういう校長先生、約五百名ぐらいの方が教育委員会から言われてやるわけですね。今度は教育委員会の人の話を聞きに行きましたら、国がやいやい言いよるという構造になっていますよ。これは現場の教師であったり教育委員会と私らもネットワークがありますから、いろいろ意見を聞くわけですよ。そうしたら、国はもう法律もできたことやしと、こうくると。これは最初の、法律ができても尊重規定もないし、何ら変わりませんとおっしゃっているところと現場に伝わってくるやり方、これは全然違うやり方になっていると言わざるを得ないのが現状だと思うんですね。私は改めていただきたいと思います。
 そしてもう一つ、こういう事例があります。
 卒業式を控えて学校調査というのがあるわけですよ。これは、私は今大阪選出の議員ですけれども、大阪で起こったことなんですが、一部の団体が、国旗・国歌について学校がどういう取り扱いをしているかを、これは推進団体ですけれども、調査するために、組織名を伏せて個人で、地域の住民ですから卒業式でおたくの学校の中に入らせてくださいというように校長などに申し入れて、そして、ここの学校はどこに置いたかとか、ここの学校は歌うときどうだったか、だれが歌わなかったかとかということを、一部の団体が地域の住民であるということで中に入り込んでチェックして、教育委員会に圧力をかけるというような事例が出てきています。
 これは、去年ぐらいからそういう動きがあったわけですが、ことしさらにそれを加速しようとして、校長もおびえているわけですよ。しかし、地域の住民だと言うから入れなきゃしようがない。しかし、入れたらまた、その後のやり方によっていろいろな圧力をかけられるのではないか。団体名を申し上げますと、幾つかありますが、大阪の教育を正す府民の会なんというのが報道されていますね。これは、改憲運動をしている日本会議などが母体になっているわけです。そういう、むしろ今までなかったような事態を招いている。これは、それは一部の団体がやっているからあずかり知らないというような現象ではないと私は思います。
 一時私は、子供のときに、何か戦争中は隣組のチェックがあったとか、戦争に行ったおじいちゃん、おばあちゃんから、戦争にかかわった人たちからよく聞きました。私は、この国旗・国歌の取り扱いをめぐって今現場で起こっていることというのは、何だかそういうことを想起させかねないような事態につながってしまうおそれがあるのではないかと、非常に心配しているわけですね。こういう団体の活動について、政務次官、いかがですか。どう思われますか、今私が申し上げたことについて。
#59
○河村政務次官 日本は、言論の自由といいますか、そういうことは非常に自由に、お互いに賛成、反対、ともに活発にできるようになっておりますから、今地域の皆さんが、学校を支えよう、いろいろな面で支えていかなきゃいかぬという発想に立っておやりになることについて、とやかく言えることではないんではないか。それはやはり、そこの学校の経営の責任者であります校長先生の判断に基づいておやりになるべきことではないだろうか、こういうふうに私は思います。
 私自身も、今の夫婦別姓問題であるとかあるいは外国人参政権の問題等々、意見が違うためにいろいろそういうプレッシャーを受けることもあります。ありますが、それは、そういう考え方を持った人がいてもおかしくない。しかし、校長先生は自分の信条でおやりにならなきゃいかぬことではないかというふうに思っておりますから、それをとめる、とめないということを外からどうこうと言うのじゃなくて、それは、その高等学校の判断において、校長先生のみずからの判断においてお決めになればいいことではないかな、こういうふうに思います。
#60
○辻元分科員 一方、同じ大阪の吹田市というところは、国旗及び国歌の学校現場の取り扱いについては、それを教師にも強制しないというような決議を市議会が上げているんですね。これも校長が判断する材料、今、いろいろな考え方があるのでと政務次官おっしゃいましたね。判断する材料の一つと考えられますよね。市議会が決議しています。
#61
○河村政務次官 もちろん、判断の材料にはなると思いますよ。なりますけれども、それを受けて、決議したから絶対やらなきゃいけないということでは、なかなか、そこまでの拘束力を市議会の決議が持つかどうかという問題になってくるんじゃないかなと思います。特に私は、教育現場においては、いわゆる指導要領、これをきちっと果たすということだけは、これは校長は非常に責任を持っていると思うんですね。
 したがいまして、その学校の先生方が、今申し上げた指導要領等々、やはり関係の法令等々、これはきちっと職務上責任を教育現場は負いますし、あわせて、教員もそれに基づいて教育をやっていかなきゃいかぬ立場ですから、それは、教員にもそれぞれのいろいろなお考えがあるでしょう、主義主張、思想の自由もありますから。しかし、それを当然やらなければいけない子供たちにまで、自分の、これは反対だからということでやるとすれば、むしろ逆に、子供たちの良心、思想を曲げることになりかねないわけですから、押しつけになってしまいますから、やはり、最低限これだけはやらなければいけないということだけは守っていただかなければならぬ。それはもう、国旗・国歌の問題は、一日本人だけの問題じゃない、国際的な観点からもこれを進めていく。
 特にこの問題で我々が心配したのは、あのときの国会でも、これを法制化しなければいけないのかどうかということにおいても、なぜ、では法制化するかというときに、これに対して、する必要はないと考えておる皆さん方の根拠に、どこも法的根拠はないから、学校の指導要領がこう言おうとやる必要はないじゃないかということが議論されたというふうに我々は聞いている。しかし、そこまで話が行くのならば、やらざるを得ないではないかということもあったわけですから、私は、そういう観点に立ってこの国旗・国歌法というものは根拠法として生まれたというふうに思っています。
#62
○辻元分科員 ということは、これは法律の制定過程でも議論しましたが、国民生活に何ら影響を及ぼすものではないというところから議論が始まっているわけです。ところが、今の学校現場について言えば、もろに影響を及ぼすじゃないですか、国旗・国歌法というのは。そういう根拠でできたと今政務次官がおっしゃるならば。そこが非常に矛盾しているわけですよ。
 ですから、私は、学校現場で、日の丸や君が代について現場で生徒が議論するとか、さまざまな意見を言うとか、教師が教えるとか、こういう過程があった、賛否両論があるということを活発に教えて議論したり、イギリスなんかはやっています、ユニオンジャックについては。負の面もプラスの面も教えています、議論しています、あそこは法文化されていませんけれども。それと、儀式で使うというのを切り離せられないのかということを主張してきました。
 卒業式や入学式という儀式に国旗や国歌を使うかどうかということを国の指導要領などで指導しているというような国は、G7に入っている、最近ではG8ですけれども、ほとんどありません。地域とか学校で判断しているところはありますよ。しかし、国がそれを、フランスなんかでもそうです。長い議論があったわけです。これは内心の自由の問題もあるから、儀式などの取り扱いは非常に慎重にしなければいけないという議論、これは文部省の現場の方だったらよく御存じだと思いますけれども、さんざん議論してきて、学校現場で賛否両論教えるということと儀式で取り扱うということは、切り離しているはずなんですね。
 ということで、私は今回、今もう時間が来ましたので、これは引き続きまた議論させていただきますけれども、教師の内心の自由をどう担保するのか。もしも、こういう渦中の中で、間に立って苦しんで自殺された校長先生の話がよく出てきますが、その方の苦しみもそうですけれども、内心の自由に従って君が代が歌えない教師がいた、その苦しみ、これをどう受けとめるのか、これをどう担保していくのかというところも考えないと、これから問題がさらに大きくなっていく、法制化したことによって問題が大きくなっていく可能性すら感じられると思います。
 ということで、私は、これはもう答弁は求めませんが、教師の内心の自由を、卒業式、入学式のシーズンを迎えますけれども、十分担保していくような方向で文部省は動いていただきたいという私の意見を申し上げて、質問を終わらせていただきます。引き続きまた取り上げさせていただきますので。
#63
○桝屋主査 これにて辻元清美君の質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#64
○桝屋主査 次に、総理府所管中科学技術庁について審査を進めます。
 政府から説明を聴取いたします。中曽根科学技術庁長官。
#65
○中曽根国務大臣 平成十二年度科学技術庁関係予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 西暦二〇〇〇年という歴史の大きな節目を迎え、我が国もまた大きな転換点に差しかかろうとしています。我々は、グローバル化や少子高齢化、情報通信革命の大きなうねりの中にあります。このような中、来るべき二十一世紀において、我が国の明るい展望が開けるように、科学技術創造立国の実現に向けて、明確な目標のもとに、科学技術行政を機動的、戦略的かつ重点的に推進することが不可欠であります。
 このため、平成十二年度予算の編成に当たりましては、ゲノムの構造と機能の解明及びその革新的応用を図る研究などの経済新生を目指す施策、ライフサイエンスなどの先端的科学技術分野への取り組み、研究者が創造性を最大限に発揮できる研究環境を具現化するための施策、独創的な基礎研究の推進などに必要な予算の確保に努めたところであります。
 平成十二年度一般会計予算につきましては、科学技術庁に六千百九十四億三千万円を計上しており、省庁再編に伴う新体制移行後につきましては、内閣府、文部科学省及び経済産業省のそれぞれの所管の予算として所要の額を計上しております。また、産業投資特別会計は三十七億円、電源開発促進対策特別会計は一千四百七十一億四千七百万円となっております。
 以上、何とぞよろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
 なお、その具体の内容については、お手元に配付しております資料のとおりでありますが、時間の関係もございますので、主査におかれましては、会議録に掲載されますよう、御配慮をお願い申し上げます。
#66
○桝屋主査 この際、お諮りいたします。
 ただいま科学技術庁長官から申し出がありました総理府所管中科学技術庁関係予算の概要につきましては、その詳細は説明を省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#67
○桝屋主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
#68
○桝屋主査 以上をもちまして総理府所管中科学技術庁につきましての説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#69
○桝屋主査 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。河井克行君。
#70
○河井分科員 紹介いただきました自由民主党の河井克行です。
 きょうは、この予算委員会の第三分科会、私が質問者の大トリということでありまして、中曽根弘文大臣そしてまた斉藤鉄夫総括政務次官におかれましては、長時間お疲れのところお出ましをいただきまして、大変ありがたく思っております。
 きょうは、科学技術庁の所管の仕事の中でも、宇宙開発のことに特に集中して質問をさせていただきたく存じております。
 もちろん、失敗をただ単にあげつらうだけではなくて、どのようにすれば、今後二十一世紀、日本の宇宙開発を本当の意味で将来性のある、そして実り多いものにしていくべきかという建設的そして前向きな議論を、大変短い時間でありますけれども、させていただければありがたく思っております。
 少し個人的なことをお話をさせていただきます。私は、小さいときから宇宙が大好きでありまして、物心ついたころから、宇宙関係のアニメーションをテレビドラマでずっと見ながら育った人間でありまして、松本零士先生がおつくりになりました「宇宙戦艦ヤマト」を小学校六年生のときに某民放局が放映をしておりました。それから、その後「銀河鉄道999」ですとか「キャプテンハーロック」とか、話せばどんどん何か違う方向に話が行きますので、この辺で割愛をさせていただきたいと思いますけれども、小さいときにそういうふうな経験をした。あるいは、夏休みに家族に連れられて郊外のキャンプに行ったときに見たあのすばらしい星空、そういったもの一つ一つ、今となっては大変いい思い出であります。三つ子の魂百までと申しますが、今こうして国会の中でそういった関連のことを質問することができるのも、本当にうれしいことだなというふうに感じております。
 ですから、恐らく大臣、総括政務次官におかれましても、きょうは綿密な御答弁の資料を御用意いただいているとは存じますけれども、それはそれで結構でございますけれども、できるだけ御自身のお言葉でもお答えをいただければありがたく思っております。
 さて、昨年十一月に宇宙開発事業団のHIIロケット八号機が失敗をいたしましたのに続きまして、ことしの二月十日には宇宙科学研究所のミューVロケットが失敗をいたしました。国民の一員としても、ぜひとも成功して日本の宇宙開発の新しい扉を開いていただきたいなと思っていた人間の一人として、本当に残念に思っております。
 そして、これらの打ち上げの失敗を二度と再び繰り返すことなく、徹底的にその原因を追求して、その対策に取り組んでいく必要があることは言うまでもないとは思いますけれども、もっとそれよりも進んだ形で、私としましては、今回の失敗に決してひるむことなく、むしろこれまで以上に力を注いで日本の宇宙開発に取り組んでいっていただきたいなと思っております。
 まだ私が学生時代でありましたけれども、かつてスペースシャトルのチャレンジャー号が、打ち上げた直後に、大勢のアメリカ国民がまさにテレビの生中継で爆発した瞬間をこの目で見て、大変アメリカの国じゅうが衝撃に打ちひしがれていたとき、当時はレーガン大統領だったと思いますけれども、このようなときだからこそ、今回のこの犠牲者の犠牲の上に立って、そして乗り越えて、アメリカは次の時代に向かって宇宙に夢をつくらなくちゃいけない、そんな英語のスピーチを聞いた記憶がありまして、すごい国だなというふうに感じ、また大変印象的でありました。
 また、ついせんだっては、同じく米国ですけれども、火星探査計画の失敗も発生をいたしましたけれども、今のクリントン・アメリカ大統領は、同じような趣旨で、それでも乗り越えてやっていくんだということをアメリカ国民に強く訴えていらっしゃいました。これまた大変感動的でありました。
 そこで、そういうふうないろいろなロケット関係、宇宙関係の失敗が相次いで発生いたしますときに、当然、いろいろな原因の追求はしなければいけないことは言うまでもないわけでありますけれども、宇宙開発委員長でもいらっしゃいます大臣が、だからこそ日本の皆さんもっと積極的に応援してください、協力してくださいということを熱っぽく訴えていただきたいなと。
 どうしても、お断りといいましょうか、謝りの記者会見を、私も自由民主党の一員でありますから、大臣がされる姿を拝見して本当につらい気持ちであります。こんなことを言うとまた暴論だと言われるかもしれませんが、一個や二個のロケットが落ちたぐらいで、大臣みずから、大臣は大変実直なお人柄でございますから難しいかもしれませんけれども、余り大臣が第一線にお出になって謝罪をされるということよりも、むしろ将来に対する勇気づけの方にお力を注いでいただきたいなというふうに思っております。
 どうして日本が宇宙開発に取り組むべきかということを考えるときに、一つには、当然ビジネスの問題もあろうかと思います。もう一つは、先ほど小さいころの河井克行少年の話をいたしましたけれども、次の世代を担う青少年に夢を与えるという、お金には換算できない効果もあろうかというふうに思っております。大げさに言いましたら、人類はなぜ宇宙に進出をしなければいけないのかという少し哲学的な命題も含めて、最初でありますけれども、宇宙開発についての今後の考え方、基本的な取り組みにつきまして、まず大臣からお言葉をいただければ幸いでございます。
#71
○中曽根国務大臣 日本の宇宙開発事業についての私の所見を申し述べる前に、先ほど河井委員からは、委員の少年期のころからのお話もいただきました。ちょっと時間をいただいて、私のことも述べさせていただければと思うのです。
 実は、あしたからロードショーになりますけれども、「ロケット・ボーイズ」という映画がありまして、それが、アメリカの炭鉱の町に生まれた少年が、一九五七年、ちょうどソ連のスプートニクが打ち上がった、そのスプートニクを実際に見てロケットにあこがれ、ロケット製作を一生懸命勉強して、ただ、その炭鉱の町で生まれた少年はみんな炭鉱夫になるというような町でございまして、厳しい環境の中で先生がそれを励まし、最初は家族も反対していたのですが、だんだん応援し、最後は町のみんなが応援してロケット打ち上げに成功する。そしてその人は、今NASAの職員になって、もう既に引退されたと思いますが、そういう映画でございました。
 実は私は、それを試写会にお呼ばれして見てきたのですが、一九五七年の十月ですけれども、私はちょうどそこの永田町小学校におりまして、その打ち上げのニュースを知って、翌月十一月、学芸会でスプートニクの、なぜ人工衛星は上がるのか、当時画期的なことでございましたから、それを模造紙に書いて体育館で発表会をやった覚えがあります。その映画は、私はストーリーを知らないで見に行ったのですけれども、まさに自分が小学校の五年生か六年生のときのことを映画で同じようにやって、大変感動しましたし、そしてその中で、文部大臣という立場もありますけれども、みんなが励まし、先生が特に励まして少年が夢を実現するというすばらしい映画で、感動したわけでございます。
 委員もおっしゃいましたように、もちろん、科学技術、宇宙開発の重要性というのは、いろいろな面で重要でありますけれども、そういう青少年に夢を与えたりするという意味では、最大のプレゼントじゃないかと思いますし、先日も、エンデバーで毛利さんがまたすばらしい任務を遂行していただきました。そういうような私自身の思い出もあるわけでございますが、残念ながら、昨年のHIIロケット、またことしのミューVロケットと続いて打ち上げに失敗しまして、国民の皆さんまた青少年の皆さんの御期待を大きく裏切ってしまった、期待に沿えなかった。そしてまた、国民の貴重なお金も費やしたということがありまして、大変残念に思うと同時に、責任者として大変に申しわけなく思っております。
 原因究明をして、次は必ず成功させるんだということで、今それぞれの事業団や宇宙科学研究所に対しては原因究明を依頼し、そして次の成功へ向けての対策をいろいろとっているところですし、実はきょうもお昼に、次の打ち上げの成功に向けての宇宙開発事業団とそれから文部省の方の宇宙科学研究所と、それからもう一つ、航空宇宙技術研究所でしたか、ちょっと名前は正確じゃないかもしれませんが、その三者と文部省それから科技庁の局長による協議会をつくって、いろいろな情報交換を初めとして、今後の成功のための対策会議を今つくったところであります。
 そういうことで、これにめげずに、やはりこの重要性は、通信衛星あるいはいろいろな天文観測それから気象関係とか、いろいろな重要な、国民生活に欠かせない衛星事業、ロケット事業に今なっておりますので、もう一回、国民の皆さんの御理解をいただきながら、次が成功していくように、そして青少年たちにも大きな夢が与えられるように、私先頭に立ってやっていきたいと思っております。先生のまたいろいろ御支援をお願い申し上げます。
#72
○河井分科員 大臣のお口から、大臣の御幼少のみぎりのお話までお聞かせをいただきまして、本当に熱く感激をいたしております。
 お隣には斉藤鉄夫総括政務次官もお座りでございまして、同じ中国地方で大変御指導いただいておりますけれども、斉藤先生も、政界に入られる前は清水建設で月面基地の設計をされていたと風の便りで伺っておりますが、総括政務次官からも、将来の日本の宇宙開発についての基本的な認識、お聞かせいただければ幸いでございます。
#73
○斉藤政務次官 河井委員の宇宙開発に対する思い、そして失敗にへこたれることなく、それを乗り越えて頑張れというお言葉、私は、現場で頑張っている技術者一人一人に、全員に聞かせたい、そういう思いで先ほどお伺いをいたしました。
 日本の、今失敗が続きましてたたかれておりますけれども、しかし、あえて言わせていただければ、NASAに比べて十分の一の予算そして人員、そういう非常に限られた資源の中で、しかし非常に成果的にはすばらしい成果を上げてきたというのも、これも一つ事実でございます。ロケットにつきましても、アメリカやほかの国に比べましても、この成功率、決して日本は引けをとりません。そういう事実もよく御認識いただいた上で日本の宇宙開発について評価をしていただきたいという思いもございます。
 しかしながら、今回の失敗は、ある意味では、新しい分野、挑戦をする分野でうまくいかなかったということではなくて、これまでうまくいかなかったところで失敗をしたということで、我々はこれを大変重大に受けとめて頑張っていかなくてはならない、このように決意をしているところでございます。
 宇宙に対する思い、私、一つだけまた余分なことを言わせていただければ、宇宙というのはすごい魅力を持っているんだなと思いましたのは、その清水建設という建設会社で宇宙開発室をつくりました。そうしたら、何と、宇宙開発室そのもので会社に利益を上げたことはこれっぽちもない、利益を上げるどころか大損をさせたわけですけれども、しかし、清水建設とか、こういう固有名詞を入れるのはよくありませんが、応募する若者が非常にふえた。その応募する若者が、宇宙をやる会社だからということで、若い人がたくさん応募した。そういう方面で利益があったというふうなことも副作用としてございます。それほど宇宙というのは若い人に夢を与えるんだということを私自身実感をいたしました。
 そういう意味で、先ほど河井委員おっしゃった、この失敗を乗り越えて、宇宙について本当に日本の若い人が夢を持つような、そういう宇宙開発を今後していかなくてはいけない、その決意をしているところでございます。
#74
○河井分科員 斉藤総括政務次官から、日本の宇宙開発に対する人員そしてお金、まだまだアメリカ等と比べて本当に十分ではないというお言葉をいただきましたけれども、全くそのとおりだというふうに思っております。
 どうも最近、衛星通信ですとか衛星放送ですとか、民間の利用が活発になってまいりましたので、宇宙開発というのは既に完成された成熟産業のようなイメージがありますけれども、実はまだまだ、ロケットとか衛星の失敗率は一〇%から一五%というふうに世界的にも大変高いわけでありまして、言うなればまだ発展途上、未完成の技術の蓄積の産業だというふうにも言いかえることができると思います。
 一方では、国の予算の削減ということも叫ばれておりまして、いろいろなコストの節約ということを言われておりますけれども、もちろんそれは大事なんですけれども、やはりコストを意識することと同じぐらい、あるいはそれ以上に設計審査とか十二分の試験手順を踏むなど、生産管理をより徹底して、お金が少なければむしろ宇宙開発のお金をふやしてもいいんですよというぐらいの気合いを持っていただければありがたいなと思います。
 お隣の中国では、報道によりますと、有人の宇宙飛行というか、宇宙船が発出されるというふうなことも伝えられておりまして、これまで中国なんということは、正直言いまして全く念頭になかったわけですけれども、いつの間にか、恐らくは報道されてない部分でたくさんの犠牲と失敗の積み重ねじゃないかな。日本は一本二本の失敗で随分たたかれて大変だなというふうに思っておりますけれども、決してこれは競争するわけじゃありませんけれども、中国に先に頭越しされるようなことは、やはり日本人の一人として何だかくやしいな、オリンピックで金メダルを奪い取られるよりもくやしいような思いがいたしておりますので、どうかそのあたりも勘案をしていただければありがたいと思います。
 そこで、宇宙開発はあくまでも日本の政府にとって国策だという位置づけが、私は正直言いまして、これは国会も含めてまだまだ十分できてないと考えております。宇宙の平和利用に、過度にそちらの方に気を使うという部分も、これは国会の問題でありますけれども、国会の決議であります。それの改正も含めて、あるいは、より根本的には宇宙開発基本法という新法を制定するべき時期にやってきているのではないのかな。いろいろな失敗が相次いだ今だからこそ、だからこそ基本法をつくって、しっかりとした目的、そして具体的なスケジュール、少々の失敗とかいろいろなことがありましても決してぶれない、揺らぎのないしっかりとした体制をつくっていく必要があろうかと思っておりますが、この点についての大臣の基本的なお考え方を伺います。
#75
○中曽根国務大臣 宇宙開発の重要性はもう先ほどから委員が申されているとおりですし、私どもも全く同感であります。
 気象衛星にいたしましても、それから先日のHIIロケット打ち上げ、失敗いたしましたが、それに搭載いたしました衛星は運輸多目的衛星でありまして、上空で静止をし、そして太平洋やアジアを飛ぶ飛行機の位置を正確にこの衛星によって確認されることによって、運航がどれだけ安全になるか。それから最短距離を飛ぶということによりまして燃料がどれだけ節約できるか。運輸大臣のお話では七千億円というような経済効果のお話ありましたけれども、それだけに限りません。気象衛星の国民生活に今果たしている役割はどなたもが、子供さんでもおわかりと思います。
 そういうことを考えますと、今後もこの事業を推進していかなければならないわけでありますが、将来の宇宙開発事業の確実な推進、そういう推進のために、今委員が基本法というような御提言もございましたけれども、大変貴重な意見だと思って聞かせていただいたところでございます。
 なお、中国の話もありましたけれども、我が国におきましても航空宇宙技術研究所等でHOPE―X、御存じかとも思いますけれども、無人の宇宙往還機、ちょうどスペースシャトルと同じような形でございますが、無人でありますが、それの実験を続けておりまして、つい先日も、南太平洋のクリスマス島の滑走路を利用するための現地との契約調印等も行われたわけでありまして、宇宙開発については引き続いて推進をしていくつもりでございます。
#76
○河井分科員 同じ質問に対しまして、もし斉藤総括政務次官から答弁いただければというふうに思います。
#77
○斉藤政務次官 宇宙開発基本法についての河井先生の御提言がございました。本当にありがたい思いでございます。
 先ほど申し上げましたが、日本の宇宙開発予算はアメリカの十分の一、よく言われております。私は、それは基本的に国民がそれしか許してないからだろうと思っております。そういう意味で、宇宙がこれから大切なんだということを、河井先生のような方がリーダーになっていただいて啓発をしていく、その啓発のためのベースが基本法だと私は思います。科学技術基本法ができて、それが国民の意思になって、科学技術予算が大変ふえてまいりました。それと同じように、国民の意思として宇宙開発基本法をつくり、それをベースに予算をふやしていく、そういう手続が必要だと思います。
 私は、河井先生の先ほどの御提言、大変すばらしい御提言だと感じました。
#78
○河井分科員 そういう中でありまして、今ちょうど斉藤先生からも、答弁の中で国民の理解ということをおっしゃっていただきまして、この世知辛い世の中で、こういう宇宙に対して国民がどの程度理解をしていただいているかな。報道を見ますと、失敗したときばかり、大臣が頭を下げていらっしゃる姿ばかりお見受けすることができました。この国民の理解をふやすという作業が、どうもこれまで科学技術庁の中でも、もちろん柱の一つではありましたけれども、ついでと言ってはあれですけれども、しないよりかやった方がいいなという部分も率直に言ってあったことは否めないというふうに考えております。
 私は、むしろこれから、国民の理解、国民と一緒に、どうして宇宙に対して日本は資源、人員、予算をつけなくちゃいけないかということについて国民の理解をいただくことこそが中心柱になってこなくてはいけないというふうに考えております。
 先般、いろいろなロケットの失敗がありましたけれども、じゃそのときに、総理大臣官邸あるいは科学技術庁に対しまして、いろいろな手紙なりファクスなり、あるいはEメールで、それでもぜひとも日本の日の丸の、国産のロケットを打ち出してくださいというふうな事柄につきまして、いろいろな投書がどれぐらい行ったのでしょうか。私は寡聞にして聞いておりませんですけれども、だれにも頼まれることなく、そしていろいろな団体から動員されることもなく、一人一人の自立した国民として、そういう気持ちを時の政治家に対してあらわすということが一本でも二本でもあって初めて、全体の方々が理解をしていただいていることの証左ではなかろうかなというふうに私は考えております。
 先ほど、冒頭に自分の個人的な話をしまして、本当に重ね重ねで恐縮でありますけれども、昭和四十四年、一九六九年、ちょうど三十年前ちょっとでありますけれども、アポロ十一号が静かの海というところに月面着陸をしました。
 あのときは、小学校の一年生、ちょうど七月二十一日ですから夏休みだったように思いまして、家の二階の、薬局の二階の小さい小さい白黒テレビで、もうざあざあと、宇宙からの中継のまた中継ですから、ずっと横線が入っておりまして、時差の関係で、子供ですから、大変遅い時間だったような記憶がいたしております。それでも、うちの両親が、克行、これは眠たいけれども絶対起きて見ておいた方が、一生に一度のことだからということを教えてくれたのがついきのうのように思っておりますけれども、そのとき見た小学校の一年生が、今こうして頑張っております。
 そういう面では、せんだって私も提唱者の一員としてお願いいたしました子供版の科学技術白書がいよいよ近々刊行されるという話も伺っておりますけれども、青少年も含めて、実際に仕事を持っている方も含めて、そしてビジネス界も含めて、あるいはリタイアした方々も含めて、国民の各界各層、理解を増進するという作業について、大臣並びに総括政務次官から、どのようなお考え方で今後処していっていただけるのか教えていただきたいと存じます。
#79
○中曽根国務大臣 宇宙開発に限らず、科学技術を振興するという取り組みは大変大事なことでありまして、また、そのためには国民の皆さんの理解を得なければならないわけであります。
 特に、あすの日本を担う青少年に、科学技術に興味を持ってもらい、理解してもらい、また多くの皆さんにそういう道に進んでもらうということは、またこれも重要なことであろうと思っております。
 そういう中で、あらゆる機会を通じて、青少年や国民の皆さんに広報活動を行って、また理解を深めるための努力をしなければならないわけであります。
 一つの例といたしまして、全国に科学館がたくさんあります。三百ぐらいあると思いますけれども、そういう科学館等の場所を利用いたしまして、科学技術を体験できる、そういうような機会を提供することとか、あるいはマルチメディア技術を活用した情報の提供、これは科学館マルチメディア活用モデル事業というのがありまして、先生が大変御尽力いただいて、平成十年度、十一年度と全国展開をしておる事業でございますけれども、そういうものももっともっとふやしていく、あるいは研究施設の公開とか、それから、さいえんすワールドのようなものをつくっていくとか、いろいろな方法があろうかと思います。
 今後も、こういう取り組みをより充実強化いたしまして、科学技術に対する国民の皆さんの理解を深めていくよう努力していきたいと思っております。
#80
○斉藤政務次官 平成十年に総理府が行った、科学技術に対して国民がどういうイメージを持っているかというアンケート調査をしたわけですけれども、そのときに、国民の科学技術に対するイメージで一番多かったのは、専門的過ぎてわからないという答えが一番多かったと聞いております。
 また、きょうも、どこの新聞でしたか、全国紙ですけれども、声の欄に、科学技術が進んで私たちの環境が破壊され、また心の分野にも大変荒廃が進んでいるというふうな投書もございました。私は、ある意味で、私たちが推し進めていくべき科学技術政策について、まだまだ国民の皆様に理解していただくという努力が足らないというのを、そのアンケート調査、それからきょうの声の欄等を見て感じた次第でございます。
 河井先生のいろいろな御尽力もございまして、マルチメディアを活用して科学技術を子供たちに親しみを持ってもらおうという事業も昨年度から進んでまいりましたし、また、ボランティアでいろいろなところに行って子供たちに科学実験のおもしろさを見てもらうサイエンスレンジャーとか、また、子供たちがいろいろな国立研究機関で合宿をするサイエンスキャンプ、そういうものにつきましても、だんだん予算をつけていただきまして拡充をしてまいりましたので、本当の意味で、二十一世紀、科学技術の振興が日本の国民生活の向上に直接結びつくんだということを理解していただいて、また、そのような科学技術を今後力を入れていかなければならない、このように決意をしております。
#81
○河井分科員 大臣そして総括政務次官から力強いお言葉をいただきまして、これでまた一歩大きく前進をしていただけるかなというふうに、本当にうれしく思っております。
 今から数億年前か、もっと前かもしれませんですけれども、地球の海の中にたくさんの魚類がすんでいました。陸上には生物は一匹もすんでいなかったとき、一匹のお魚さんの先祖がぴょこぴょこと、沼地かどこかのちょうど海岸端で、最初はえら呼吸から肺呼吸に変わるというその作業を、どこかの時点で一匹の魚がやってくれた。それがずっと脈々と続いて今の私たちが形づくられているわけでありまして、冒頭に、人類はなぜ宇宙に行くのかということを問題提起させていただきましたけれども、どうも、何かそんな感じがしてならないですね。
 本当に、全く未知の環境、そして全く真空で苦しい空間でありますけれども、やはり人類は生物でありますから、いつまでもそれに対してチャレンジをしていくという意味でのチャレンジ精神、これをずっと持ち続けなくちゃいけないなと。そういうことをつかさどっていただいているのが、日本の霞が関の中では文字どおり科学技術庁でありますし、来年から文部省と一緒になっていただいて新しく文部科学省という形で生まれ変わっていただくわけでありますけれども、そういういい意味での夢とそして誇りというのをいつまでも忘れずに頑張っていただきたいと思います。
 最後になりますけれども、私も、ぜひ生きているうちに一度宇宙に行ってみたいなと。地元では、走り続ける衆議院議員河井克行で通っていますけれども、いつの日か、宇宙に行った国会議員河井克行と言っていただくことができますように、心身を鍛錬して、しっかりこれからも頑張っていきたいと思っております。
 きょうは本当にありがとうございます。
#82
○桝屋主査 これにて河井克行君の質疑は終了いたしました。
 次回は、来る二十八日月曜日午前十時から本分科会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時四十一分散会

ソース: 国立国会図書館
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