くにさくロゴ
2000/02/24 第147回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第147回国会 石炭対策特別委員会 第3号
姉妹サイト
 
2000/02/24 第147回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第147回国会 石炭対策特別委員会 第3号

#1
第147回国会 石炭対策特別委員会 第3号
平成十二年二月二十四日(木曜日)
    午後四時開議
 出席委員
   委員長 土肥 隆一君
   理事 金田 英行君 理事 北村 直人君
   理事 自見庄三郎君 理事 吉川 貴盛君
   理事 岩田 順介君 理事 中沢 健次君
   理事 西  博義君 理事 鰐淵 俊之君
      麻生 太郎君    江渡 聡徳君
      木村 隆秀君    古賀  誠君
      佐藤 静雄君    虎島 和夫君
      野田 聖子君    古屋 圭司君
      山本 幸三君    渡辺 博道君
      小平 忠正君    島津 尚純君
      児玉 健次君    中西 績介君
    …………………………………
   通商産業大臣       深谷 隆司君
   労働大臣         牧野 隆守君
   通商産業政務次官     細田 博之君
   通商産業政務次官     茂木 敏充君
   労働政務次官       長勢 甚遠君
   政府参考人
   (通商産業省環境立地局長
   )            中島 一郎君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁長官) 河野 博文君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁石炭・
   新エネルギー部長)    北畑 隆生君
   政府参考人
   (労働省職業安定局高齢・
   障害者対策部長)     長谷川真一君
   商工委員会専門員     酒井 喜隆君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 石炭鉱業の構造調整の完了等に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出第四号)
 石炭対策に関する件

    午後四時開議
     ――――◇―――――
#2
○土肥委員長 これより会議を開きます。
 石炭対策に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として通商産業省環境立地局長中島一郎君、資源エネルギー庁長官河野博文君、資源エネルギー庁石炭・新エネルギー部長北畑隆生君及び労働省職業安定局高齢・障害者対策部長長谷川真一君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○土肥委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
    ―――――――――――――
#4
○土肥委員長 石炭対策の基本施策について質疑の申し出がありますので、順次これを許します。北村直人君。
#5
○北村(直)委員 自由民主党の北村直人でございます。
 久しぶりに石炭対策特別委員会が開かれました。御承知のとおり、昨年はそれぞれの審議会で相当な時間を使って審議をしていただき、そしてその審議会での答申を受けて、新しい政策も含めながら、平成十二年、十三年度をもって四十年続いた石炭政策が終結をする、こういう大切な時期を迎えたわけでございます。
 きょうは、通産大臣、労働大臣、両大臣そして政務次官、それぞれおそろいでございます。昨日はその石炭政策につきまして、両大臣から大変熱っぽく、そして大きな気持ちで所信の一端を述べていただきました。
 私はそれを聞いておりまして、十二年、十三年の二年間ではありますけれども、そしてまた十四年度以降、激変緩和、さらに生き山が石炭を掘っていける、そういう政策を昨年答申を受け、本当に、自由民主党の中でもその議論をしてきた当事者として大変じくじたるものも感じながら、また感無量のものも感じているところでございます。
 きょうは、昨日の所信に対しまして幾つかの点につきまして、大臣並びに政務次官そしてまた参考人にその中身につきましてお答えをいただきたい、このように思うところでございます。
 申すまでもなく、石炭政策は平成十三年度末で終了することになっております。平成十四年度以降、国内の炭鉱を活用した炭鉱技術移転五カ年計画を打ち出したことは、私は大変大きく評価をしているところでございます。政府の政策に沿って、電力業界も最後の引き取り協力を行う、あるいは自治体も支援するということになったことは、炭鉱の長期存続に道が開けたものとして、それぞれ北海道あるいは長崎等々、地元の関係者の方々は大変喜んでいる。
 その中に、炭鉱技術移転五カ年計画で、諸外国の方々、中国、インドネシア、ベトナム等から研修生を受け入れると聞いております。さて、我が国ではこういう五カ年計画で、今申したとおり、中国、インドネシア、ベトナムから研修生を受け入れる。しかし、その研修生を日本の国に出すそれぞれの国が、我が国が今回打ち出しました五カ年計画をどのように評価をしているかということは、この政策を打ち出してきた我々にとっては大変重要なことである、このように考えております。
 ぜひ、この五カ年計画をそれぞれの諸外国がどのように評価をしているのか、そのことについて細田政務次官からお聞かせをいただきたい、このように思います。
#6
○細田政務次官 北村委員おっしゃいますように、我が国石炭産業はすばらしい長年にわたる技術を有しているわけでございます。先生方御高承のとおり、探査技術あるいは掘進、坑道維持の技術、採炭、選炭、保安、集中監視システム等々、世界に伝えるべき技術が数々あるわけでございます。
 そこで、昨年の石炭鉱業審議会の答申後から、本計画に係りますアジア各国政府との調整を鋭意行っているところであります。
 具体的に申しますと、中国につきましては、国家煤炭工業局及び国家経済貿易委員会と調整をしてまいっておるところでございますが、中国政府当局は本計画に対し歓迎の意を表明し、かつアジア地域にとって重要な計画であると評価しております。今後は国家煤炭工業局と資源エネルギー庁の実務者レベルの調整を進めていくことで合意しております。
 次に、インドネシアにつきましては、鉱山エネルギー省と調整を進めておりますが、本計画に対して積極的な参加の意を表明しております。
 また、ベトナムにつきましては、計画投資省、ベトナム石炭総公社と調整を進めておりますが、本計画に対して歓迎の意を表明しております。
 いずれの国も本計画について高く評価しており、現在、具体的な派遣人数、研修カリキュラムの確定等の詳細な調整を行っているところであります。
#7
○北村(直)委員 今政務次官からの説明を聞きますと、東南アジアを含めて評価は大変高い。これはまさしく、我が国が四十年になんなんとして、あるときには非常に人災的な事故を起こしつつも保安体制等々技術が確立され、人から人へこの技術がきちっと伝わってきた成果だ、それを諸外国がしっかりと評価をしている、私はそう思っておるところでございます。そういう内外から期待されている技術移転五カ年計画に対する政府の支援措置については、私は思い切ったものを講じてもらいたい、このように思います。
 そこで、通産大臣の、思い切った措置を講じる、そのことについてどのようなことを考えておられるのか、そのことをぜひお聞かせいただきたい、このように思います。
#8
○深谷国務大臣 我が国の中核的なエネルギーは石炭でございます。しかし、その石炭の大部分を海外の輸入に依存しております。したがいまして、安定供給の確保を図るということはエネルギー政策としても非常に大事なことでございます。
 私は、かつて、五十六年、労働政務次官を務めておりまして、そのときに夕張新鉱で九十三名の死者を出すという大事故がございました。当時、藤尾労働大臣にかわりまして現地に参りまして、その悲惨な姿を目の当たりにしたのでありますが、そういう御苦労も重ねながら、我が国の炭鉱技術というのはまことにすぐれたものになっているというふうに承知をしております。
 一方、海外ではだんだんに深く掘っていかなきゃならないという時代の要請があります。昔オーストラリアに行ったときに露天掘りの光景を見てうらやましいなと思ったんですが、もはやそういう時代が変わって、深く掘らなければだめだ、そういう状態がいずれの国にもあるわけでございます。
 そこで、炭鉱技術五カ年計画を策定して、国内炭鉱を活用して海外のそういう技術者の養成を行おうという計画を立てたわけでありますが、これは我が国の技術を世界に伝えるという意味でも大変意味がありますし、同時に、そのことによって安定供給が各国との間で確保されるという意味において、まことに時宜を得たプランであると考えます。
 この計画に関する支援措置について、今御要望がございました。北村直人さんからの強い要望でありますが、これは多くの方からも寄せられていることでありまして、私といたしましては、大規模かつ集中的に研修事業が行えるような十分な支援措置をしていきたいというふうに考えておりますので、どうぞ御期待いただきたいと思います。
#9
○北村(直)委員 大臣から、大規模かつ集中的、これは大変意味のある答弁でございまして、それには財源が裏打ちをされているということはもとよりでありますので、内外から期待されております技術移転五カ年計画に対しまして、今大臣の決意というものを聞かせていただきました。ぜひ、大臣の指導のもと、エネルギー庁長官並びに通産省挙げて、この支援措置に大きな政策を盛っていただきたい、このようにお願いを申し上げる次第でございます。
 さて、その一方で、実は、大きな事故にはなりませんでしたけれども、池島炭鉱において火災事故が発生をいたしました。幸いにも負傷者はなかったとはいえ、現在も鎮火していないというような報告を受けておりまして、大変憂慮される事態である。
 現在の災害の状況については、私も理事をしておりますので、それぞれ担当者の方からお聞きをしております。一つには、朝が早かった、一番方が入る直前だったというふうなこともあった。あるいは、連絡等の保安対策が万全だった。そういうようなことが重なって、幸運にある面では恵まれて、幸いにも死傷者はなかったということでございます。
 この池島炭鉱では海外の研修生も受け入れておりますので、特に海外の研修生が心配をされるということが一番懸念をされたわけでありますけれども、私は、先ほどの五カ年計画ではありませんけれども、特に保安体制というものが万全であった、保安体制が確立していたからこそ負傷者がなかったものだ、このように思っております。そして、二次災害を絶対に起こさないという覚悟のもとに十分な保安体制を講ずるべきである、このように思います。
 また、近い将来再開されるというふうに私は思います。そうなりますと、その支援策等々というものが大変重要になる、このように思っております。
 大臣から、十分な保安対策を講ずること、それから、近い将来再開される支援策、これを通産省挙げてとっていただきたい、このことについてぜひお考えを聞かせていただきたい、このように思います。
#10
○深谷国務大臣 今回の事故につきましては、現在、完全鎮火に向けた作業が続けられている段階でございます。今回の事故が炭鉱経営に与える影響、操業再開に際してどのくらい費用が要るのかといったような具体的な問題については、現時点ではまだ判断ができる状況ではありません。
 今後とも事態の推移を見守る必要がありますけれども、状況によりましてですが、売り上げの減少に伴う資金繰りに対する新エネルギー・産業技術総合開発機構あるいは政府系金融機関による融資、それから、今もお話ありましたが、保安施設の整備等に対する鉱山保安確保事業費補助金を活用した助成等々、検討していくべきものだと考えます。
#11
○北村(直)委員 今大臣から御答弁がございました。ぜひ、エネルギー庁長官を含めて事務方の方々、大臣のその意思に沿って万全の措置をとっていただいて、南と北に二つ残っている炭鉱、そして、先ほどお話ししたとおり、五カ年計画を遂行するに当たってはこの二つの炭鉱がどうしても必要でございます。そういう意味で、万全の措置をとっていただくことを重ねてお願いを申し上げておきたいと思います。
 時間が余りございませんので、本当は産炭地振興あるいは離職者等々についてもお聞かせをいただきたいことが多々あるわけでございますが、それはまたほかの委員の先生方にお譲りすることといたしまして、将来に希望が持てる政策の一つとして、北海道の釧路では、太平洋炭礦と鉄鋼メーカー二社が、通産省の技術開発補助金を受けて、DME、ジメチルエーテルの製造に関する研究開発を推進し、開発に成功いたしました。
 これは、炭層メタンという石炭に関連する資源を有効活用し、クリーンなエネルギーを開発するものとして、極めてすぐれたプロジェクトであると私は考えております。特に、地元釧路では、今までの産業としては、石炭、紙パルプ、漁業あるいは農業、そういうものにかわるとは言いませんけれども、それらに匹敵する将来の有力産業に育つのではないかと私は期待をしております。
 このプロジェクトにつきまして、研究開発から実用化に向けて、私は、もう一段の支援をすべきである、こういうふうに考えております。今のところは一日五トンというのが達成をされたわけでありますが、特に東京都は、知事が、ディーゼルエンジンは都内に乗り入れは制限すべきである、このような大きな発言もされている。そういうことを聞きますと、私は、DME、ジメチルエーテルの燃料を使ったディーゼル車というのは、将来の大きな、自然環境を守りつつ、そして輸送等々に適応できるエネルギーになる、このように思っております。ぜひそれを研究開発から実用化に向けてもう一段の支援をする、そのことについて、通産省、特にエネルギー庁長官の方針そして支援に対する心構え等々、決意をお聞かせいただきたい、このように思います。
#12
○河野政府参考人 御指摘のように、ジメチルエーテルは、単位燃料当たりのCO2発生量が低い、また、SOx、すす、これは発生いたしません。NOxの発生量も抑制できるということでございまして、ディーゼル自動車用の燃料などの幅広い用途に利用可能だ、また、環境負荷の小さい代替エネルギーとしての期待が大きいわけでございます。
 ただし、同時に、先生も御認識のように、ジメチルエーテルを利用してまいりますには、さらなる商用化に向けた技術開発、あるいは需要の確保、そして供給体制の整備、こういった課題を解決していく必要があるというふうに思っております。
 御指摘のように、現在、財団法人石炭利用総合センター、太平洋炭礦などが共同で、釧路市におきまして、日量五トンのまだ小規模な実験プラントでございますけれども、これを建設して、炭層メタンガスを活用したジメチルエーテル合成の基礎研究を行っておりますので、私どもといたしましては、引き続きこの技術開発に対してお手伝いをさせていただきたいというふうに思っておりますし、また、ジメチルエーテルの利用にかかわります課題についても、調査検討を実施するということでお手伝いをさせていただきたいというふうに決意をいたしております。
#13
○北村(直)委員 長官から前向きな決意のお答えがございました。
 私は、DME、ジメチルエーテルが将来の大変クリーンなエネルギーになる、このように確信をしております。いずれにしても、石炭を掘っていけばガスが発生するわけでありますから、そのガスをうまく利用しながらこれをクリーンエネルギーに持っていく、あるいは、石炭を粉にしながらそこから液体燃料をつくっていく等々、技術というものは将来に向かって大変大きな夢を持っているわけでありますので、ぜひ通産省挙げて、この実現化に向けて本当になお一層の、財源対策ともども立ち向かっていただきたい、このように重ねてお願いを申し上げる次第でございます。
 時間が参りましたので終わらせていただきますけれども、石炭政策、四十年にわたる石炭政策、そして総額で四兆円を超える大きな国家予算を使いながら、この十二年、十三年で終わりを迎えようとしております。しかし、生き山がある、あるいは産炭地の地域もある、あるいはいまだ失業者が職についていない、あるいは鉱害対策もある。そういうことを考えますと、決してこの十二年、十三年だけですべてを終わらせるわけにいかない、やはりその後もきちっとした対策をとっていかざるを得ない、このように思っております。
 その十本の法律案を一本にして、今、国会に提出をされております。その法律の審議において同僚議員から詳しく御質問をさせていただきながら、また御意見も開陳させていただきながら、政府と一体となってこの石炭政策を、日本の将来に向けて、禍根を残さない、そういう政策として終結を見たいものだ、このように考えているところでございますので、両大臣そしてまた三人の政務次官のさらなるお力を心からお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#14
○土肥委員長 中沢健次君。
#15
○中沢委員 中沢です。
 両大臣あるいは関係政務次官、連日予算委員会あるいはそれぞれの常任委員会、加えてきょうの出席、まことにありがとうございます。私はきょう、わずか三十分の時間をいただいて、本当にわずかでありますが、率直にいろいろな思いを込めて、具体的なお尋ねをしたいと思います。
 まず、通産大臣の深谷さんにお尋ねをいたします。
 今ほど五十六年の、私の出身の夕張新鉱の大災害、たまたま労働の政務次官で、わざわざ夕張までお越しをいただいた。私は、当時仕事で札幌におりました。しかし、出身のふるさとの大災害でございまして、いろいろなことを思い出しております。
 さて、言うまでもありません、日本における石炭の歴史というのは一世紀を少し超えている。しかも戦後、これは国の政治の責任で、結論からいうと政策産業としても大事にする。あるいは、だんだんそれがスクラップ・アンド・ビルド政策になって、今日いよいよ平成十三年度で日本の石炭政策の最終局面を迎える、こういう時期だと思うのです。
 石炭の歴史がおよそ一世紀。政策の歴史がおよそ半世紀。この時期に当たりまして、いろいろな感慨を持っています。例えば、私は昭和六十一年に国会に出て、早速この特別委員会に籍を置いて、この委員会というのは与党、野党の立場を完全に超えまして、いい意味でいうと、やはり石炭を愛するというか産炭地ふるさとを愛する、国家的な立場で随分いろいろな議論をしてまいりました。ちょうど八年前に、今深谷さんの座っている席に通産大臣の渡部現副議長がお座りでございまして、ポスト八次政策について随分突っ込んだ議論をやったことを思い出しております。
 そこで、まず総論的に深谷大臣の方から見解を聞いておきたいと思いますが、非常に長い間かかって、いろいろな歴史を持っているこの石炭政策、残念ながら、十四年度以降の政策改定、あるいは制度の自動延長はできない。非常に残念な思いなんです。しかし、いずれにしてもそういう最終局面を迎えて、しかも激変緩和、二炭鉱の存続、技術の海外移転五カ年計画等々も含めて、新しい未来に向かっての一つの展望も今議論をしよう、こういう段階でございます。所管する通産大臣として、私からいえば、ややオーバーかもしれませんが、ある意味での歴史の大変な転換点に立っているこの時期の石炭対策特別委員会冒頭に当たりまして、どういう見解をお持ちか、まずお聞かせをいただきたいと思います。
#16
○深谷国務大臣 予算委員会当時御一緒だった中沢さん、また、先ほど私が申し上げた不幸な事故の地域で暮らされた委員が、今感慨深く石炭行政、石炭産業を振り返っておられる気持ちは、そのまま痛いように伝わるような気がいたします。
 我が国の石炭政策は、昭和三十年代以降今日まで四十年の間、計九次にわたりまして政策を立てて、日本の戦後の経済やあるいは国の復興のために非常に大きな役割を果たしたというふうに思います。経済的、社会的環境に対応するべくいろいろな施策を展開してきた、その古い古い歴史を私も今かみしめております。
 現行の石炭政策につきましては、政策期限である平成十三年度末まで残り二年間余りと相なりました。石炭鉱業構造調整対策、産炭地域振興対策、鉱害対策、いずれも政策目的の実現まであと一歩というところまで来ていると思います。このような大転換の時代に当たりまして、政策期限までの間、私は、十全の措置を講ずるとともに所要の経過措置を整備するなど、石炭政策を円滑に完了するように全力を挙げたいと思っております。
#17
○中沢委員 今大臣から、私どもとしては非常に満足するというか、残された期間全力を挙げる、しかも新しい展開についてもというお話でございました。これは法案の審議の際にも各論でいろいろまた大臣とやりとりをしたいと思いますが、ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 そこで、その延長線で、通産の政務次官にお尋ねをしたいと思うのです。
 たくさんあるのですけれども、時間の制約がありますから焦点を絞りたいと思いますが、つまり、平成十四年度以降の問題あるいは十三年度までの問題、それぞれ共通することを申し上げたいと思うのです。
 今、先ほど質問に立たれました北村委員の出身の釧路の太平洋炭鉱、長崎の池島炭鉱、この二つしか国内炭鉱は残っていません。生産量はわずか三百六十万トン。輸入の石炭は一億二千万トンを超えていますから、昔から見ると、本当に国内の石炭のシェアというのは少なくなったな。
 それはそれといたしまして、しかし二炭鉱が現実問題として、池島の災害がありますけれども、非常に大事な、国内唯一の石炭を掘り出している。それに前向き予算ということで、今の石炭会計で約五十億弱、前向き予算を毎年毎年、それは金額はだんだん縮小になっておりますけれども、国の責任で出しているわけです。私はやはり、まず平成十三年度までその延長線でしっかりやっていただきたいし、そして法律が期限切れになった十四年度以降も、海外に対する技術移転の五カ年計画ということは、私なりにいえばそれはそれで非常に大事な問題ですけれども、もう一方は、二つの残っている炭鉱の存続ということも伴っているわけでありますから、その辺についての政務次官としての基本的な認識、先ほども答弁がありました。繰り返して答弁をいただきたいと思いますが、ぜひしっかりした決意をお聞かせいただきたいと思います。
#18
○茂木政務次官 中沢委員よく御案内のとおり、石炭が我が国の一次エネルギー総供給の一六%以上を占める中核的な石油代替エネルギーであること、また、その大部分を海外からの輸入によって賄っていることを踏まえますと、我が国への石炭の安定供給を確保することは、エネルギー政策上、大変重要な課題でございます。平成十二年度、十三年度としっかりした対策を続けてまいりたいと思っております。
 そして、中沢委員、高校時代、石炭の運搬のアルバイトもされた、こういうお話も伺っておりますが、我が国の炭鉱には、厳しい採炭条件のもとで安定的に石炭を生産してきた経験から、高い炭鉱技術が蓄積をされているわけでございます。こうした技術は、今後採掘条件の悪化が見込まれている海外の産炭国にとっては、石炭の安定的生産を確保する上で有用なものであるとの評価があるわけでございます。
 こうした点を踏まえまして、当省といたしましては、御指摘ございました炭鉱技術移転五カ年計画を策定いたしまして、平成十四年度以降、炭鉱技術を集中的、計画的に海外産炭国に移転するため、現在稼働中の炭鉱を活用した研修事業を実施する所存でございます。
 国内炭鉱の存続の問題につきましては、最終的には個々の会社の経営判断、こういう問題だと考えておりますが、こういった今申し上げましたような意味におきまして、エネルギー政策上の石炭の安定供給という課題の実現に向けまして、二つ残っております国内炭鉱は重要な役割をこれからも果たしていく、このように考えております。
#19
○中沢委員 法案審議で重ねてまたやりたいと思いますが、いずれにしても平成十三年度まで、この五カ年計画、もっと言えば採算ベース等々の問題もあって、今の二炭鉱の存続、確かにそういう経済主義的な意見は私は全く否定するわけではありませんけれども、やはりこの問題も非常に重要なテーマでありますから、また改めて質問をしたいと思うんです。
 さて、これから少し具体的な内容で、政府参考人の答弁で結構ですから、お尋ねをしたいと思うんです。
 平成十四年度以降の、俗に言うところの激変緩和の内容。私も、産炭審だとか石鉱審の正式なメンバーではありませんが、立場上そういう方々と随分意見交換をしながら、ああいう答申になる。しかも、平成十二年度の石炭関連の予算、財源の確保、十二年度、十三年度で必要なそれぞれの枠を確保された。つぶさに承知をしているつもりです。私なりにまたいろいろ頑張ってきたつもりなんです。
 そこで、きょうは時間がありませんから、その中で二つだけお尋ねをしたいと思うんです。
 一つは、産炭地の振興の関係です。これはどうあっても、十三年度で全部だめになったらやはり大変ですよ、どんな場合でも。したがって、激変緩和、向こう五年間、地域によっては三年間、このように言われておりますけれども、やはり一番大事なことは、産炭地振興の実施計画の内容について、法律がなくなっても所管の通産としてどれだけ責任を持って関係省庁ときちっと協議をしてやるか。非常に大事な問題だと思いますが、これについてはいかがでしょう。
#20
○北畑政府参考人 お尋ねの、産炭地域振興法失効後の激変緩和措置についてでございますが、現在の産炭地域振興実施計画を実現していく上で重要な措置になっておりますのが、この産炭法に基づく公共事業に対する補助率のかさ上げ措置、それから、これと連動して自治省の方でとられております普通交付税の産炭補正、それから通産省の産炭地域臨時交付金、こういった制度が中核となっておる支援措置だと思います。
 今後、法案について御審議いただきますが、提出させていただいた法案では、現在の産炭地域のうち、一定の地域について五年間の経過措置を講ずる、こういうふうになっております。これをどういう範囲でやるかにつきましては、関係の省庁と調整をしてまいりたいと考えております。
 また、産炭地域には、産炭地振興基金というのがございます。これにつきまして、基金の増額を検討いたしておりまして、十二、十三年度で増額いたしたいと思っておりますが、このうち、十二年度分につきましては、政府予算案に約七十五億円の予算を計上したところでございます。
#21
○中沢委員 今、北畑部長の方から具体的なお答えがありました。まだ幾つか不明な点といいましょうか、心配なことがありますから、これまた法案審議できちっと詰めさせていただきたいと思うのです。
 そこで、話題を少し変えまして、先ほど北村委員も指摘をされましたジメチルエーテルの話を少ししたいと思います。
 正直言って、国内の石炭というのはもう三百六十万トンしか掘っていない。しかし、全体としては、海外炭も含めて、化石燃料の石炭の位置はかなりまだ占めている。しかし、私からいえば、もう国内炭がここまで来てしまった、非常に残念だと思うのですよ。
 さて、問題は、来年から二十一世紀で、エネ庁を中心にして日本鋼管と太平洋、住友、三社で、先ほどのような一つの受け皿をつくって、ジメチルエーテルの実験プラントを、太平洋炭礦の鉱業用地の敷地の中で今プラントをつくって実験を始めて、昨年の十一月に世界最初の実験の成功があった。これはすばらしい。
 つまりは、何を言いたいかというと、日本の石炭だけではなしに、世界的な産炭国にとって、裏返しをすると、地球温暖化だとか、あるいは大気汚染だとか、そういう問題をきちっとクリアできる。いただいたパンフレットにも書いてありますね、次世代のクリーンエネルギー、こういう評価なわけですよ。
 そこで、今の実験プラントは、残念ながら十三年度でまず一回終わって、恐らくこれは、指摘しないにしても、大事な実験プラントだからもっとスケールを大きくして、私はやはり太平洋のあの敷地の中につくることが大事だと思うのですけれども、そういう構想についてどう考えるか。
 それから、聞きますと、日本鋼管の敷地内で、自動車に具体的にクリーンエネルギーとしてどういうような効果があるか、既に実験をされている。近くもう少し規模を広げてそういうことをやりたい、こういう話も聞いておりますけれども、この際ですから、運輸省の所管になるのか、あるいは環境庁の所管になるのか、いずれはいろいろあるのでしょうけれども。
 何はともあれ、国内の石炭を掘っているあの太平洋の炭鉱の中にプラントをつくって、ここまで技術的なしっかりした実験をやって世界最初の発明をした。これはやはりすばらしい。石炭の未来にとってはこんなすばらしいものはない、こんな思いでいっぱいでございまして、具体的なプラントのこれからの展開、それから、とりあえずのジメチルを使った自動車燃料、クリーンエネルギーとしての内容について、政府の参考人でいいですから、少しお話を聞かせていただきたいと思います。
#22
○北畑政府参考人 御質問のジメチルエーテルの研究開発でございますが、現在、委員御指摘のとおり、太平洋炭礦の釧路鉱業所におきまして、一日当たり五トンの小規模な実験プラントを建設し、炭層メタンガスを原料とするジメチルエーテルの合成に係る基礎研究を行っているところでございます。委員御指摘のとおり、昨年十一月に世界で初めて炭層メタンガスからジメチルエーテルを合成する実験に成功したものと承知いたしております。
 これは製造分野の研究開発でございますが、利用の関係では、これも委員御指摘のとおりでございまして、この研究開発に参加をしております鉄鋼メーカーが、神奈川県におきまして、本技術開発で合成されましたジメチルエーテルを燃料としてトラックの走行試験を行い、成功したというふうに聞いております。従来の軽油を利用したトラックに比べて、排気ガスが、すす、NOx、SOx、いずれの点でも大幅に改善をした成果を上げたというふうに聞いております。
 ただ、これはまだ小規模な実験段階でございまして、製造の分野も利用の分野におきましてもさまざまな研究課題が残っております。参加をしております企業の方では、今後もデータの解析評価を行い、実用化に向けた研究開発を進める計画だ、こういうふうに承知をしておりまして、引き続き支援をしてまいりたいと考えております。
#23
○中沢委員 今の議論をひとつ前提にして、通産大臣にぜひ決意をお聞かせをいただきたいと思います。
 繰り返すようでありますが、私は夕張の出身で、五十億の石油公団の資金を投下をしていただいて、炭層ボーリング、既に終わっています。
 ジメチルエーテルというのは、メタンガスをうまく利用して、そして世界に冠たる日本の技術で、これから大変な将来性がある。これはたまたま太平洋で採炭をしているから、黙っていても出てくるのですよ。それが技術的にうまくこういうことに結びついたと思うのですね。炭層ガスのボーリングというのは、夕張以外にもあちらこちら、掘れば、宝の山とは言いませんが、これはかなり地下資源としては有望でないでしょうか。九州地区だってそうだと思うのですよ。
 さっき言うように、海外の技術五カ年計画は、中国、インドネシア、ベトナム、一応三カ国に限定していますが、それ以外の産炭国というのはあっちこっちにたくさんあるのですよ。恐らくこういう技術というのはほとんどまだ開発をされていない。そうすると、環境に優しくて、大気汚染にも優しくて、こんなすばらしいクリーンエネルギー、もっと言えば、石炭をどんどん掘ってそこからジメチルに転化をしてそしてエネルギーにするということ自体、今の段階はやや夢のような話かもしれませんが、実験プラントで成功したのですから。
 この際、大臣は東京の御出身で、大気汚染で大変苦労されている都民をバックにされて、政治家としてここまで苦労されている。石原知事は、もういち早く、ああいう方法がいいかどうかの議論は別にいたしまして、何とかしようと。これは東京のほかの大都市だって同じ思いだと思いますね。したがって、今せっかく通産大臣をやっているのですから、実験プラントも成功したのですから、実用化と商業化、これをもっと全国に展開をする、全世界に展開をする。外交交渉だって、いい武器を持つんじゃないでしょうかね。僕はそういう思いです。
 ですから、この際、先ほど言った、約半世紀にわたる石炭の歴史、閉山に次ぐ閉山で暗い話で、私も七つの閉山につき合っています。もうそういうことは卒業して、せっかく今二炭鉱残っているのだから、二炭鉱を残して、そして今のような技術をしっかり未来に向かって、石炭の未来に対するはなむけとしても、これは政治家として、通産大臣、ぜひ頑張ってほしい。前向きじゃなくて、ぜひ中身も含めて頑張っていただきたいと思いますが、決意のほどをお聞かせいただきたいと思います。
#24
○深谷国務大臣 中沢さんのお話を聞いていると本当にやる気が起こるという感じで、感謝をしています。
 私の方は、この件に関しては、今お話のあった、石原都知事がディーゼル車についてこれから規制を行うという、その方から実はこの問題について関心を非常に持っておりました。
 素人でにわか勉強ですけれども、炭鉱メタン、そのままほっておくと爆発する危険がある、ガスを抜いて空中に放すとCO2になって温暖化に影響する、それをジメチルエーテルという形で研究開発する、それが試験に成功した、そこまで私ども聞いております。
 ただ、実用化を実現するためにはもう一段の技術開発を進める必要があるというようなこと、需要の確保だとか、供給体制を確保していくとか、幾つもの解決しなければならぬ課題があるというふうに思います。ですから、今後、実用化に向けて積極的に技術開発を進めていくということが大事で、その課題について通産省としても積極的に調査研究を進めていくようにしたいと思います。
#25
○中沢委員 私の聞いている話では、近く、今のディーゼルエンジンの車とジメチルを使った車、簡単に言えば、我々のような素人でもどんな違いがあるか、そういういろいろな、デモンストレーションというのでしょうか、これがあるようですから、大臣も超多忙だと思いますが、あるいは政務次官も超多忙だと思いますが、これはやはりこれからの未来の非常に大事な一つのポイントだと思いますから、私はぜひ行きたいと思っておりますけれども、そのことを御紹介をしておきたいと思うのです。
 さて、時間がありませんので、残された時間、労働大臣にお尋ねをしたいと思います。
 一言で言えば、かつて炭鉱労働者、炭労だけでも三十六万人おりました。今はもう本当に、数を言うのも忍びないぐらい非常に小さくなった。しかも、連年にわたって炭鉱が閉山になる、大量の炭鉱離職者が出る。雇用対策、随分やっていただきました。
 そこで、具体的に二つのことを大臣にお尋ねをしたいと思います。
 平成十三年度まで炭鉱労働者に関係する労働関係の法律は残ります。ただ、二炭鉱とも存続をする上で、非常に残念ですけれども、やはり企業のリストラは避けて通れない。つまり、いや応なしに炭鉱労働者が相当程度、早ければ十二年度中に発生をする、これは十分想定してかかっておかなければならぬと思うのですよ。何とかそうならないようにしたいという、してほしいという、労使含めていろいろやっているようですが、しかし現実問題としては相当な炭鉱離職者が出る。これは、ぜひ今の制度の中で、従来もそうでありますけれども、十分対応をしてもらいたい。これが一つ。
 それからもう一つは、労働省の事務方と今までも随分いろいろやっていますが、なかなかうまくいっていません。それは、非常に難しいからうまくいっていないのですけれども。平成十四年度以降の炭鉱離職者でいうと、今の政策を激変緩和で三年でも五年でも何とかならないか。つまり、黒手帳ということを実質的に保障ができないのか。言う私も乱暴だし、無理難題であることは承知の上で言うんですけれども、しかし九州の緊急就労、開発就労はそれなりの軟着陸ということで今度話がまとまっているんですよ。そうすると、本体の炭鉱労働者が十四年度以降、結果的に企業の都合で離職をした場合に、俗に言うところの黒手帳じゃなくて、緑の手帳でどうでしょう。これはちょっと労働大臣、人情に厚い労働大臣としては、この際、何とかしたいという御答弁を私はちょうだいをしたいと思うのですが、いかがでしょうか。この二点。
#26
○牧野国務大臣 まず、最初の御質疑でございますが、仮に合理化に伴う離職者が発生した場合には、これまでと同様、炭鉱労働者雇用安定法に基づき三年間有効の炭鉱離職者求職手帳を発給し、就職促進手当等の支給を行うほか、きめ細かな職業相談や機動的な職業訓練を実施し、また特別求人開拓の実施等の措置を講じまして、雇用対策に万全を期していきたい、こう考えます。
 また、現在通産省と共同で今国会に提出しておる法案におきましても、平成十三年度までに、石炭鉱業の合理化により離職を余儀なくされる方々に対しては経過措置を設け、炭鉱労働者雇用安定法廃止後も炭鉱離職者求職手帳の有効期間を離職日から三年間、この有効期間中は従来と同様の離職者対策を講ずることを盛り込んでおります。引き続き離職者の早期の再就職に最大限努力してまいりたいと思います。
 次に、第二点でございますが、現在通産省と共同で国会に提出しております法案において、炭鉱労働者雇用安定法は平成十三年度末をもって廃止することとしておりますので、平成十四年度以降に離職する方々に対しては一般の雇用対策の枠組みの中で対応することとなりますが、離職者の発生状況や就業ニーズの動向を十二分に踏まえながら、公共職業安定所における職業相談や求人開拓の実施、特定求職者雇用開発助成金等の雇用関係助成金の活用など、各種制度を最大限活用させていただきまして、再就職に向けた支援を行ってまいりたい、かように考えております。
#27
○中沢委員 大臣の方から非常に懇切丁寧なお答えをいただいて、恐縮をしています。
 ただ、二点目の関係でいいますと、きょう、私は納得しましたと言うわけにはいきません。引き続き私なりにまた労働省の担当の皆さんとも話をし、どうしてもやはりらちが明かないというか話がつかない場合は、改めてまた法案審議で質問をして何とか再考をお願いする、こういうことになると思いますから、あらかじめそのことを大臣にちょっと含んでおいていただきたいと思うのです。
 さて、時間が来たようであります。
 いずれにしても、通産大臣におかれましても、あるいは労働大臣におかれましても、非常に大事な歴史的な転換点に立っている両大臣である。その職責をひとつ十分自覚をしていただいて、釈迦に説法だと思いますが、失礼な話かもしれませんけれども、ぜひまた法案審議の際に、あるいはそれぞれの通産、労働省の官僚をいい意味で叱咤激励していただいて、ぜひ任務を全うしていただきますようにお願いを申し上げまして、きょうの質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
#28
○土肥委員長 島津尚純君。
#29
○島津委員 民主党の島津尚純でございます。
 短い時間でございますので、数点に絞らせていただきまして、若干の質問をさせていただきたいと存じます。
 まず、北村委員の方でも御質問なさいましたけれども、長崎の池島炭鉱の火災事故につきまして質問をいたしたいと思います。
 昨年のこの国会、それから各審議会での審議、これは、我が国の石炭政策あるいは国内の石炭産業にとって、本当に重要な転換点といいましょうか、重要な時期だったと思うわけであります。そういう中で、この石炭対策特別委員会は、党派を超えて日本の国内炭鉱の存続というようなことを主張させていただいたわけであります。そういう中で、石鉱審等々は、ある意味で我が国のエネルギー政策の中に日本の国内石炭産業の役割というものを認めていただくような答申の内容、その中で技術の海外移転というような計画も策定をされてきたわけであります。
 そういうふうな非常に重要な時期を経過してことしになったわけでありますが、そういう時期に、その議論の中心的なところにあった池島炭鉱で、小規模といえどもこのような火災の事故があったということは、大変私どもは心配をしておるわけでありまして、こういうことが、ひいては国民の皆様方の理解というものが揺らぐようなことにならないのか、あるいは、今後のいろいろな計画に対して支障、そごを来すようなことがないのか、いろいろなことを考えるわけであります。
 まず、今回のベルトコンベヤーの摩擦からの火災というものはどういう状態で起こってき、これは非常にまれな事故なのか、それともよく起こりやすい問題なのか。さらには、保安上、事前にこれを起こらないようにするような何らかの手だてはなかったのか。そういう方面から、ちょっと質問をさせていただきたいと思います。
#30
○細田政務次官 技術的な問題につきましては、担当も来ておりますのでそちらから答えてもらうことといたしまして、総論の火災についての状況を申し上げます。
 ちょうど十日前になるわけでございますが、二月十四日の午前六時ごろに、坑口から約九キロメートルの坑道付近で発煙が確認され、直ちに入坑者の退避と消火活動が開始されたわけでございます。放水では消火が困難でありましたために、その後、坑道の一部を水等で封鎖し、通気を遮断して消火する方法がとられ、現在、消火の状況が慎重に監視されているところであります。なお、入坑者は安全に退避いたしまして、罹災者はないという報告を受けております。
 さらに御質問の点については、専門家から答弁させます。
#31
○中島政府参考人 災害の原因につきましては、今政務次官の御答弁の中にございましたように、まだ鎮火が確認されておりません。鎮火を確認し、その中を調査して災害の原因を特定していく、また、復旧に向けての作業もしてまいるということでございます。
 なお、私ども、保安監督の責に当たっているわけでございますが、これまでも保安監督につきましては、一カ月に一回または二回ずつ定期的にも巡回したりしておりますし、その時々に気づきましたことについては、注意をして改善させてきているところでございます。
#32
○島津委員 さらに、消火作業によって、水で封じたりすることによってほぼ鎮火しているだろう、このような報道を見ておるわけですが、採炭の再開までどのくらいを要するのか。同じ場所で採炭を開始する場合には二、三カ月かかるのではないか、別な場所で新たに坑道を掘進してというような、いろいろな話を聞いておるのですが、どのくらいで採炭再開にこぎつけることができるという見通しですか。
#33
○細田政務次官 今回の事故については、現在、まだ完全鎮火に向けた作業を続けている段階でございます。具体的には、方々の口から空気を採取いたしまして、残っております酸素の量などをはかっておるわけでございますが、まだ数パーセントの酸素が検出されております。ここでまた口を開きますと再発火して再火災が起こるおそれもあるという状況でございますので、慎重にそのようなことがないことを確認した上で、さらに操業の再開に向けてまいりたいと思います。
 いつということは現段階で残念ながら申し上げられない状況でございますが、逐次、ほとんど毎日のように状況を今把握しているところでございます。
 なお、これからの売り上げ減少などさまざまな経営上の問題があるではないか、それに対して何らかの措置がとれないかということでございますけれども、売り上げ減少に伴う資金繰りに対しましては、新エネルギー・産業技術総合開発機構や政府系金融機関による融資、保安施設の整備等に対する鉱山保安確保事業費補助金、そういったものを活用いたしまして何らかの助成をしなければならないと考えております。
#34
○島津委員 細田政務次官はさすがでございまして、次の質問をしようと思っておりましたらついでにお答えいただいたということでありますけれども、いろいろな報道によりますと、例えば、操業中断による損失、それが一日七千万ぐらいじゃないかと。そうすると、例えば一カ月だったら二十億ぐらいじゃないか、それが二カ月になればさらにその倍だというような報道も散見するわけでありますが、その見通しといいますか、そしてまた、それに対して今お答えになったような制度融資等々の手当てというもの、支援というものは可能なのかどうか。その辺、聞かせてください。
#35
○細田政務次官 例えば鉱山保安確保事業費補助金というものもございまして、平成十二年度で二十億円の予定額、まだ予算が通っておりませんが、そういうものも確保してございまして、鉱業権者が行うガス自動警報器、集中監視装置等各種保安専用機器の設置、自然発火防止工事等各種保安工事に必要となる経費について補助するとか、それから、先ほど申しましたような資金繰り等に対する融資制度も活用いたしますので、せっかく二山残っておるその一つでございます。このような時期に火災が起きたということも大変不幸なことでございますけれども、何とかして全力を挙げて私どもも取り組んでまいりたいと思っております。
#36
○島津委員 ひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 次に行かせていただくわけでありますが、できましたら通産大臣にお聞きをいたしたいと思います。
 世界のエネルギー情勢の中で、石炭の位置づけといいましょうか、石炭の需給関係は今後逼迫していくのかどうなのかというような問題。その中で、当然我が国のエネルギー政策というのはあるわけですが、その中における我が国の石炭産業の位置づけといいましょうか役割といいましょうか、そういう問題についてお聞きをさせていただきたいと思うわけであります。いかがでしょう。
#37
○深谷国務大臣 石炭は、我が国の第一次エネルギー総供給量の一六%を占めています。ですから、中核的な石油代替エネルギーであるという位置づけでございます。しかも、その大部分は海外から輸入で賄っているということでございますから、世界の石炭の埋蔵量その他を十分に見ながら安定供給をどうやって図っていくかということは、今後の非常に大きな課題であろうというふうに思います。
 我が国の炭鉱は、今や厳しい採炭条件がございまして、もうその終わりが見えてきたわけですが、しかし、長い歴史を持っておりますから、その技術を生かすという意味では、他の国の石炭が採掘できるところへの技術移転というような意味合いではいろいろな協力ができますから、そういう意味での安定供給も同時に図っていけるのではないかと思います。
#38
○島津委員 私は、石炭の世界のエネルギーの中における需給関係というものは、今後やはり逼迫していくといいますか、タイトになっていくという方向に流れていくのではないかというふうに考えております。さらには、アジア地域におきましてやがて経済が徐々に回復をしてきた段階においては、さらにそれに拍車がかかってくるのではないか。例えば、欧米を中心としたところのエネルギーというものは、石炭の占める位置というものは二〇%ぐらいではないかと思うんですが、アジアにおいてはこれが五割近いというようなことでありますので、特にアジアにおいて、経済が活発になってきた段階でこの数字が伸びてくる可能性が非常に高いんじゃないか。
 いろいろな研究機関の数字を見ますと、九五年から二〇一〇年まで、どういうことかといいますと、特にアジア太平洋地域の需給の見通しなんですが、供給は三一%増で、要するに需要増は四一%だ、こういうふうな数字が出ておるわけでありますね。その中で、日本は世界で最大の石炭輸入国、世界の三分の一を輸入しているというようなことですから、極めて重要なエネルギー源であるということは間違いない。それを何とかいろいろな手を使って安定供給をしていくということは、重要な政策だろうというふうに思うわけですね。
 大臣、今の私の発言に対してどういうふうにお考えになられるでしょう。
#39
○深谷国務大臣 採掘可能な埋蔵量といいましょうか、それは、世界全体での石炭というのは二百年以上ではないかなと言われていますね。一方、石油の方は、これも必ずしも正しいかどうか、石油ショックのときからあと何十年というのは数字は余り変わりませんから不思議なんですが、まあ四十五年とか五十年でありましょう。一方、天然ガスは六十年ぐらいでしょうか。そういう意味では、まだまだ石炭の供給埋蔵量というのは大きなものですから相当期待できると思いますけれども、しかしそれは埋蔵量があるというだけでございまして、あるから来ると限ったわけではありません。それぞれの国が産出をする石炭を安定的に供給していただくためには、やはり我が国はいろいろな角度でそれらの国々との友好関係をつないでいかなきゃならない。
 そういう場合に、先ほど申したような、我が国が長年にわたって、特に、四十年にわたって厳しい環境の中で培ってきた採炭技術、そういうものをお伝えするということが極めて有効なかかわりになっていくのではないかと思われます。
#40
○島津委員 おっしゃるとおりだろうと思います。それで、日本がいかに安定供給を確保していくかというような一つの手だてとして、昨年策定をいただき、来年度の予算の中にも盛り込まれておりますこの海外技術移転五カ年計画というようなことではないかというふうに思うわけであります。
 それで、十二年度には三億五千万の準備段階としての予算が盛り込まれておるわけでありますが、これは恐らく宿舎の整備であるとか厚生施設の整備であるとか等々の、この二年間で早急にやらなければいけない準備というものに予定をされていると思うんですけれども、この辺はいかがでございましょうか。
#41
○北畑政府参考人 お尋ねの炭鉱技術移転五カ年計画の準備費でございますが、委員御指摘のとおり、十二年度予算で三億五千万円の予算を計上させていただいております。
 本格的な予算要求につきましては十三年度以降の話になりますが、この準備費の中では、研修生を受け入れるための施設の改造費が中心でございます。残りにつきましては、研修カリキュラムの作成費、それから、相手国政府、石炭関係機関との打ち合わせに必要な経費を計上させていただいております。
#42
○島津委員 わかりました。ありがとうございました。
 次の質問に行かせてもらうわけでありますが、日本に輸入をする石炭の大部分といいましょうか、それを石炭火力、発電に使用しているということであります。総発電量に占める石炭火力の今後の割合なんでありますが、これは増加する傾向にあるのではないか、このように思っております。
 例えば、平成十年に電力長期計画というのが出されておるわけですが、現在、火力発電の占める位置というものは一五%ぐらいなわけですが、これが二〇〇七年ぐらいには二一%ぐらいに拡大していくだろう、このような数字が出ております。さらには、なかなか原子力の立地というものが困難なわけであります。そういうふうなことが一つ。
 さらには、これは平成八年に閣議決定されたわけなんですけれども、いわゆる日本の電気料金が海外に比べて割高である、それを二〇〇一年ぐらいまでに欧米並みの電気料金にする、ある意味でのコストの削減をやる、このようなことが閣議決定をされて、今それに向かって進んでおるわけであります。そうなってくると、どうしても、電力会社というのは少しでも安い燃料で発電をしていくということは当然でありまして、言うならば、電力会社各社が石炭火力への回帰という傾向が非常に見られるというようなことがございます。まず、この辺の見通しについてお伺いをしたいと思います。
#43
○北畑政府参考人 長期需給見通しにおきましては、石炭の消費の拡大は抑制をするというふうになっておりまして、電力を含めた石炭全体の一次エネルギーに占める割合は、二〇一〇年に向かって、一六%台から一四%程度に下がっていく、こういうふうな見通しになっております。
#44
○島津委員 今部長からのお答えではございますけれども、政府の見通しというのは恐らくそうでしょうね。しかし、実態としては、私が申し上げたような数字で恐らくいくんじゃないでしょうか。なぜならば、COP3、京都会議で、二〇一〇年に向かって、日本は九〇年レベルでの六%削減ということがあって、二〇一〇年までには新たに原子力発電所を二十基建設するというような、ほとんど実現が難しいような問題を提起して、削減をしていくというようなことでありますので、それに対して、火力発電所をばりばりやっていくなんということはとても言えた話じゃないわけですから、政府としてはそういうふうにお答えにならなきゃいかぬと思うのですけれども、実態としては逆の方に行っているんじゃないかな。
 私が心配しますのは、この石炭火力、コストは安いんだけれども、環境に最も優しくないエネルギーである、環境負荷の高いエネルギーである、こういうことですね。ですから、COP3の国際公約というものが非常にこういう格好では危うくなってくるんではないかなというようなことです。
 そういう中で、北畑部長の私的研究会、二十一世紀石炭技術戦略研究会というのがあって、私も報告書を読ませていただいているんですが、最近の報告書によると、「石炭利用技術戦略の展開」というような項目の中に、何を目指すかというのに、環境負荷を低減した石炭利用を戦略目標とするというふうにかなり明確に打ち出しておられる。私は、この戦略目標というのは非常に正しい、あるべき姿だと思うのですね。
 質問なんですけれども、石炭そのものの火力から、やはり私は、石炭ガス化による火力というものの技術開発を早急にしていくべきじゃないか。まず、その技術開発がかなり進んでおる、その実験機がいつごろできるのか、それから商用化はどのくらいから実現をしていくのか、このようなことをお尋ねしたいと思います。
 アメリカあたりは、既にビジョン二十一世紀という中で、石炭のクリーンコールテクノロジーという問題を策定をして、そしてCO2の排出量を天然ガス並みに引き下げようというような研究をばりばりやっているという状況でありますので、私は、これは私的な研究会じゃなくて、通産、エネ庁の大きな目標としてこういう取り組みをやっていくべきじゃないかなと考えておるのですが、いかがでしょう。
#45
○北畑政府参考人 石炭火力が経済的にはすぐれた発電方式だということは委員の御指摘のとおりでございますが、問題はCO2を単位当たりで大量に発生をするということでございます。したがいまして、石炭火力をふやしていく上では高効率な発電システムに移していくということが重要でございまして、それによりまして単位当たりのCO2発生量を減らしていく、こういうことだろうと思います。
 委員御指摘の次世代石炭技術戦略研究会、昨年の十二月に報告書をまとめていただきました。その中で、石炭のガス化発電、これに重点を置くべきだという御指摘をいただいております。
 石炭ガス化発電は、もう委員御案内のとおりかと思いますが、二つの方式が現在研究開発中でございます。
 一つは、石炭ガスによる複合発電、IGCCと言われている方式でございまして、これは昭和六十一年度からパイロットプラントによる試験研究を行い、平成八年度に完了し、平成十一年度から二十年度を目指して実証試験を実施するということで、現在、実証試験の段階に達しております。先ほどの次世代技術戦略研究会では、このプロジェクトを二〇〇〇年代の最初の十年に実用化に持っていくべきだ、こういう報告をいただいております。
 それから、もう一つの方式が石炭ガス化燃料電池複合発電システムということでございまして、ガスタービンではなくて燃料電池で発電をする、その燃料として石炭ガスを利用するというものでございます。これにつきましては、現在、福岡県の北九州市においてプラントを建てまして研究中でございます。平成七年度にスタートをし、平成十年度からは第二段階の燃料ガスの高度精製技術の研究開発に入ったところでございます。このプロジェクトにつきましては、先ほどの研究会では、二〇〇〇年代の二回目の十年、二〇一〇年から二〇二〇年の間に実用化を期待する、こういうふうになっております。
 なお、研究開発の熱効率の向上の目標でございますが、現在の主力であります微粉炭火力の発電効率が大体四〇%でございます。これに対しまして、IGCCが四六から四八、燃料電池複合発電システムの方が五五という大変高い効率のものを目指して研究開発中でございます。
#46
○島津委員 最も安定した埋蔵量を持つ石炭でございますので、ひとつ技術開発を積極的に進め、研究をしていただきまして、環境負荷の低減に努めていただきたい、このように思います。
 時間がありませんので、次に行かせてもらいます。あと四、五分ということでございますので、もう御答弁は簡単にしていただければ結構だと思います。
 最後に、労働省の方に質問させていただきたいわけでありますが、産炭地の開発就労事業についてであります。これは昨年の産炭審、やはり昨年の夏に答申が出されて、十三年度末、円滑な完了、さらには五年ぐらいの経過措置、激変緩和措置が必要だというような答申をいただいておるわけであります。
 今日まで毎年、年間八十億ぐらいの開発就労事業を行っていただき、約二千人ぐらいの雇用を確保いただいてきておるわけであります。あと二年ということでありますので、仕分けしてお答えいただけたらありがたいと思っておるのですが、この二年でどういうことをやっていただくのか、さらに、十四年度からの激変緩和五年ということでありますが、ここでどういうふうな対策を打ち出していただくのか、これについてお答えをお願いしたいと思います。
#47
○長勢政務次官 産炭地域開発就労事業につきましては、御案内のとおり昭和四十四年から創設をしてまいりまして、現在約二千名の方に就労していただいておるところでございます。
 昨年八月の石炭鉱業審議会答申におきまして、この事業につきましては、「平成十三年度末をもって終了することが適当である。しかしながら当該地域の厳しい雇用状況にかんがみ、当該事業に就労している者の自立を促進していくための措置を講ずるとともに一定期間暫定的な事業が実施できるような激変緩和措置を講ずる必要がある。」とされたところであります。
 これを受けまして、労働省といたしましても、産炭地域開発就労事業を平成十三年度末をもって終了することといたしておりますが、同事業の終了に伴い自立する方々に対しては自立支援金の支給を考えておりますし、また、それ以外の方々については、関係自治体が主体となった激変緩和のための就労事業等を実施することを予定いたしております。
 労働省といたしましては、この激変緩和措置のために福岡県が造成する基金に対しまして財政的な支援を行うための所要経費を平成十二年度予算にも計上いたしておりますので、今後とも、産炭地域開発就労事業の円滑な終了に向けて努力をしてまいりたいと考えております。
#48
○島津委員 あと二分ぐらいですけれども、平成十四年度からの激変緩和の対策でありますが、基金によるということでありますけれども、この基金の取り崩しということはあり得るわけですね。さらに、現在二千人近くの人たちが雇用されているわけですが、それによってどのくらいの雇用が期待できるのかということをお聞きします。
#49
○長勢政務次官 基金は、その後の都道府県による激変緩和措置の実施のための基金でございますから、取り崩していただくことを予定しております。
 平成十三年度末で就労者数は約千六百名ということを見込んでおりますので、ちょっと私正確に把握しておりませんが、自立される方を除いてこの事業に参加をしてもらうことになるだろうと思います。
#50
○島津委員 質問を終わります。ありがとうございました。
#51
○土肥委員長 西博義君。
#52
○西委員 公明党の西博義でございます。
 本通常国会から石炭対策特別委員会に所属をさせていただきました。一生懸命勉強して、この重大な時期の石炭対策について、皆さん方とともに、また大臣、政務次官とともに頑張ってまいりたい、こう思っております。
 初めに、日本のエネルギー政策上の石炭の位置づけ及び今後の方針について御質問を申し上げます。若干、先ほどの島津委員からの質問と重なると思いますが、よろしくお願いいたします。
 我が国の一次エネルギーの総供給量に占める石炭の割合は、炭素換算でいきますと、大臣も先ほどお話ありましたように一六%、こういうふうに言われております。しかしながら、国内炭の占める割合は〇・五%というところまで今下がってきているわけでございます。
 今回、そういう意味では、政策的な石炭の構造調整については終局を迎える、こういう時期に来ているわけですが、一方では、我が国のエネルギー事情を考えますと、大変脆弱である。主流である石油を初めとして、自国で供給できるものはほとんどない、こういう状況。その供給構造を今後改善強化していく必要があると思うのですが、そういう意味では、石油代替エネルギーの利用をますます促進していく、こういうことが方向としては大変重要であろう、こう思います。
 その意味で、今後も石炭はエネルギー政策上大変重要なエネルギー源の一つとして位置づけをしていっていいのではないか、こう私は思っているところでございますが、大臣のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
#53
○深谷国務大臣 西委員の御指摘でございますが、そのとおりでありまして、まず、先ほどもちょっと触れましたけれども、石炭をこれから掘っていく可能性のある埋蔵量というのは二百年以上はあると言われています。しかも、先進国に幅広く分布するといったような、他の化石エネルギーに比べて供給安定性が高いエネルギーである。したがって、経済性にすぐれている、安いということですね。そういう意味でも、将来のエネルギー供給上、相当なシェアを占めるのではないかというふうに私は思います。ですから、今後とも中核的な石油代替エネルギーとして位置づけられるものと思います。
 ただ、石炭は他の化石エネルギーに比べまして、単位あたりのCO2発生量が大きいといったような環境面での制約がございます。だから、その抑制をどうやって図っていくかということもあわせて勉強していかなきゃならないことでございます。
 したがって、エネルギー政策上、石炭については、環境負荷低減ということに配慮しながら、石炭資源の開発や石炭利用の効率化を図っていく必要があるのではないかと思います。
#54
○西委員 また、海外炭の安定確保の方策についてお伺いしたいと思いますが、今回の方針として、炭鉱技術移転五カ年計画、それから海外炭開発可能性調査費、こういう施策を展開しておられます。これは、間接的には大変効果のある施策だと思いますが、実態的に安定供給という面でどこまできくのか、こういう問題があると思います。
 石炭原料を海外にほぼすべて依存するというこの基本方針が決まった以上は、海外での鉱業権を確保するとか、また外国での炭鉱会社の投資に対する支援をしていくとか、こういうもう少し実効性のある施策の推進が必要ではないか、こう思います。
 石油の場合、もちろん政治的な安定度の違いはあるのだろうと思いますが、つい先日のアラビア石油等の問題を見ましても、やはりいかにエネルギーの確保に苦労しているかということがわかるわけでございますが、そういう意味で、原料の確保のためにどのような戦略、方針を描いておられるのか、お聞きをしたいと思います。
#55
○細田政務次官 御指摘のとおり、海外炭の安定供給確保というものは、我が国のエネルギー政策上極めて重要でございます。しかも、その主たる需要家であります鉄鋼業とか電力業を初め、大きな企業がみずからのためにも非常に大切な資源として海外展開をしているわけでございます。
 通産省といたしましても、予算、政策融資、税制等の支援措置を講じてきております。具体的には、我が国企業が海外で行う案件発掘調査及び地質構造調査に対する補助金、探鉱に必要な資金の低利融資、海外投資の損失に備えた準備金制度などであります。
 こうした支援措置を活用することによりまして、我が国企業は非常に多くの炭鉱に資本参加しておりまして、これを具体的に申しますと、オーストラリアで四十一炭鉱、カナダにおきまして四、米国五、インドネシア二の合計五十二の炭鉱に資本参加しておりまして、この結果、我が国に輸入されております石炭の約五〇%が我が国企業が権益を有する炭鉱からのものとなっているわけでございますが、今後とも、重要性が大きいわけでございますので、さらに我が国企業の海外炭開発に対する支援を行いまして、海外炭の安定供給確保に努めてまいる所存でございます。
#56
○西委員 ますますそういう方向で、我が国のエネルギーの重要な施策の一環として充実をお願いしたいと思います。
 続きまして、エネルギーの利用、周辺技術のことについてちょっとお伺いをしたいと思います。
 中国を初めとするアジア太平洋地域における石炭の利用が大変ふえております。それに伴いまして、酸性雨など環境問題が、当事国ならず周辺国にもまた大変大きな問題となってきていることは御存じのとおりでございます。そんなところで、通産省は、グリーンエイドプランという名称で、アジア太平洋地域において環境に調和した石炭利用に関する調査を行う、そしてそれぞれの国に適した環境調和型の石炭利用システムの導入を支援していこう、こういう施策を行っていると聞いております。
 たまたまそういう問題意識を持っておりますところに、ちょうど昨日、科学技術庁所管の日本原子力研究所というところのパンフレットが私の机の上に回ってまいりました。これは、中部電力それから荏原製作所と共同で日本原研が、酸性雨の原因となっている石炭火力発電所から発生する排煙のSOx、NOx、硫黄酸化物それから窒素酸化物、これを電子ビームによって除去するという新しい技術を開発した。既に中国ではこの技術を利用して、国家計画委員会と電力工業部、これは国家電力公司というふうに今名前が変わっているそうですが、このプラントメーカーと共同で四川省の発電所にモデルプラントを建設する、運転する、こういうプロジェクトを一九九五年にスタートして、九七年に試運転を完了した、こういう技術でございます。
 今までのSOx、NOxのそれぞれ別個の除去技術ではなくて、一挙に間接的に除去できるというところに大変大きな特徴があるのですが、同様に、湿式ではございませんので処理水が要らない。それから、副生物が、アンモニアを入れますので硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、こういう形で肥料にできる。運転のコスト、建設コストが大変安い。こういういい面を持っているというふうな記事でございました。
 現在、通産省の事業やこうした日本原子力研究所の技術指導がそれぞれによってばらばらに行われているように思います。通産省もそれなりに御努力はいただいていると思うのですが、それぞれのばらばらの単発的な事業としてではなくて、やはり総合的な周辺技術、特に石炭の燃焼による公害防止ということを統一的にできればいいのではないか、こういうふうに思うわけでございます。
 さらに、一九九八年十一月二十六日、江沢民国家主席が日本においでになった際に日中共同宣言と共同プレスの発表がありました。その中で、長期安定的な経済貿易協力関係を打ち立てて、環境保護、エネルギー分野で協力を拡大する、こういう方針が合意をされております。
 日本のエネルギー政策、石炭政策の課題というのは、海外炭の安定確保を図ることが重要だ、こう思います。資源のない日本、そのすぐれた炭鉱技術、環境保護技術を、資源を持ちながらも技術のない国に全面的に提供していく、こういうことでそれぞれの共通の認識が得られれば、例えば協定というような外交的、政治的な枠組みを一つでも多くの国々と結んでいく、こういうことが大切ではないか。その上で、それぞれの企業が努力をしていただいてビジネス環境を広げていっていただく、こういうことではないかと思います。
 そういう意味で、石炭の輸入というのは、各企業にお任せすればいいんだ、こういうことにはならないのではないか。国がやはり努力をして、一つ一つの国との相互の信頼関係の中で供給をしていただく、こういうことでなければならないのではないか、こう思います。
 また、環境対策として、外国に、先ほども申し上げましたように、排煙処理の技術だけではなくてこの装置を供与していく、贈るというような仕組みを考えていく必要があるのではないかと思いますが、その実情と、それから今後の方針をお聞かせ願いたいと思います。
#57
○北畑政府参考人 アジアの主力エネルギーは石炭でございまして、生産技術の移転と同時に石炭利用の分野でも技術を移転していくべきだという御指摘については、委員御指摘のとおりであろうと思います。実は本日も、このグリーンエイドプランという関係で関係国との打ち合わせをいたしておりまして、現在会議をやっておるところでございます。
 グリーンエイドプランに基づきまして協力をしてきましたのは、二つございます。一つは、相手国の実情を踏まえた石炭利用にかかわる総合的なマスタープランの作成ということでございまして、これは中国、インドネシア、フィリピン、タイ、ベトナム、インドについて、こういったマスタープランの策定協力をいたしました。
 それから、委員から御質問がありました、設備を供与すべきであるという御指摘につきましては、同じくグリーンエイドプランの中で、規模は大きくはございませんが、モデル事業として設備を無償で供与するという事業を平成五年度から実施いたしております。平成十二年度の予算額で申し上げますと、二十八億五千六百万円の予算を計上いたしております。
 これは、相手国でそういった利用面での環境対策のモデルとなる事業、一号案件を助成をするという観点で実施をいたしております。この中の設備の中には、酸性雨を防ぐための排煙脱硫装置でありますとか、CO2の発生を抑制するための高効率の燃焼設備などが対象になっております。
 こういった国際協力の実施につきましては、今後とも重要性を増すものと考えておりまして、相手国政府の要請に基づき積極的に推進してまいりたいと考えております。
#58
○西委員 この点に関しましては、あるプラントの点としてではなくて、ある程度面的な整備をしないとなかなか環境に対する効果というのはあらわれないのではないかというふうにも思っておりますので、きめ細かな施策の実現をお願いをしておきたいと思います。
 それから次は、石炭の灰のリサイクルのことについてお伺いをしたいと思います。石炭の灰の排出がどれだけになるのか。きのうちょっとお聞きしますと、石炭はそれぞれ質がばらばらでございますので、できる灰というのは一定しておりませんが、大体一割ぐらいではないか。燃やした残りの無機質のものですが、そういうふうな話をお聞きしましたが、どれだけか。
 それから、処分の実態をまずお聞きしたいと思いますが、昨年秋の厚生省の調査では、産業廃棄物の最終処分場が、あと何年もつかということになりますと、急速に減ってまいりまして、一年半ぐらいで最終処分場がなくなる、こういう今大変厳しい状況になっております。
 最終処分場の新設が特に激減しているわけですが、産業廃棄物のリサイクルを企業努力に任せるというだけではなかなか立ち行かなくなってまいりました。通産省ももちろんこのことには強く意識があると思うのですが、石炭の灰のリサイクルを初め、環境の循環型システムに繰り入れていくということを真剣に考えないといけないのではないかと思います。
 特に、鉄鉱石の輸入というのは、すなわちある部分では灰とか土とかいうものを持ち込んでいるというふうに言ってもいいわけですから、その辺のこれからの方向性、これをきちっとやるべきではないかというふうに思います。リサイクル率を目標を持ってこれから上げていくとか、具体的な通産省としての方針があれば御答弁をいただきたいと思います。
#59
○北畑政府参考人 石炭を利用しております電気事業、それから鉄鋼、紙パルプ等の一般産業合わせまして、平成九年度の実績でございますが、石炭灰の発生量が七百二十九万トンでございます。平成九年度の石炭の輸入総量が一億二千万トンぐらいあったかと思いますので、灰の量は一割は下回っておると思います。
 この灰の処理につきまして、リサイクルがどの程度進んでおるかということでございますけれども、年によって変動はございますが、おおむね七割程度がリサイクルされてさまざまな用途に利用されておるということでございます。残りの分については、残念でございますが、埋め立てという処分をいたしております。
 これのリサイクルを高めるということの重要性につきましては、委員御指摘のとおりでございます。
 このうち、電気事業の部分につきましては、再生資源の利用の促進に関する法律という法律におきまして、指定副産物としてその利用をこの法律に基づきまして促進いたしていく、こういうことでございます。
 ただ、このリサイクルを高めるためには需要面の拡大のための技術開発、こういったものが重要であろうと思いますし、そういうものを有効利用する設備に対する優遇税制等の措置も必要かと思っております。こういったものを、引き続き施策を充実させまして、石炭灰の有効利用を積極的に進めてまいりたいと考えております。
#60
○西委員 最後に、クリーンコールテクノロジーのことについてちょっとお伺いをしたいと思います。
 先ほど島津委員からもお話がありましたけれども、石炭は固体ということから、燃やすにしても全部そのまま燃やさざるを得ないということでございまして、どうしても廃棄物上、また環境上負荷のかかるものである。もちろん、除去技術が今はありますから直接は空気中に排出するということはないにしても、そういう問題が残っております。それから、CO2の問題も大きな問題として残っております。
 そんな意味で、やはりクリーンなエネルギーに変換をしていく技術を確立するということが今早急に望まれているのではないか。先ほど話がありましたジメチルエーテルをメタンからつくるということも一つの方法だとは思うのですけれども、これはメタンからジメチルエーテルということでございまして、石炭そのものからガス化、特に私は、これから燃料電池の普及といいますか、そういうことも考えますと、どうしても水素源として使えるような転換を考えていくべきではないかというふうに思っております。炭素源そのものが水素源になるわけじゃございませんけれども、水の中の水素を取り出してそれを燃料電池の原料として使っていくというところに活力を見出すべきではないかというふうに個人的には思っております。
 このことについてはまた機会がありましたら御質問をさせていただきたいと思いますが、基本的なお考えだけきょうはお聞かせを願いたいと思います。
#61
○北畑政府参考人 クリーンコールテクノロジーにつきましては引き続き推進をしてまいりたいと思っております。
 石炭に伴う灰の問題につきましては、例えばオーストラリアと共同研究で、オーストラリアの段階で灰の量を減らすという研究開発を共同研究でやっております。それから、CO2を減らすことにつきましては先ほど来御答弁したとおりでありまして、発電効率を上げるということに重点を置いております。それから、SOx、NOxを減らすということでは石炭液化というのが有力な手法でございまして、これは中国と共同研究をいたしております。
 それから、委員御指摘の石炭そのものから水素がとれないかということでございますが、資源環境技術総合研究所というところで、非常に小規模な、試験段階のものでございますが、成功いたしております。この方式は、石炭と水を高温高圧の超臨界状態で処理をすることにより、石炭から直接水素をとるということと同時に、CO2を分離回収するというものでございまして、試験段階ではありますが、一応の成功を見ております。
 もちろん、この技術については、実用化については相当長期の時間がかかると思いますけれども、大変夢のある技術でございますので、来年度の予算の中で二億円ほどの研究開発費を計上させていただいております。
#62
○西委員 時間が参りましたので、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。
#63
○土肥委員長 鰐淵俊之君。
#64
○鰐淵委員 皆さん、御苦労さまでございます。自由党の鰐淵でございます。
 いろいろな方から御質疑があったことと思いますが、私は四点御質問をしたいと思っております。
 まず第一点は、もう御案内のとおり、石炭政策は昭和三十八年の第一次からポスト八次、やがて平成十三年に石炭政策が完了する、こういう状況になってまいったわけであります。
 先ほどの委員会では、大臣によります所信表明の中で、特に石炭鉱業の構造調整対策、あるいは炭鉱労働者の雇用対策、また産炭地域の振興対策、そして鉱害対策、こういったことに対して万全の対策を尽くし、円滑に完了したいという決意が表明されたところでございます。
 私どもも、この長い歴史を持つ石炭産業が、平成十三年というのは非常に大きな節目である、このように認識しております。これらの問題について、以後やはりアフターケアをしつつ本当に悔いを残さない政策として終了できるように、私どももそのように願っておりまして、先ほど来の大臣の所信表明につきまして、ここでさらにその御決意を伺いたいと思う次第でございます。
#65
○深谷国務大臣 我が国の石炭鉱業、戦後の日本経済復興に当たりまして、本当に枢要のエネルギー供給の役割を果たしてきたのであります。
 石炭政策は、その石炭鉱業が経済的、社会的環境変化に対応すべく、昭和三十年代以降各般の施策を展開してまいったところでございます。この石炭政策は現在に至るまで実に四十年、そういう長きにわたって実施され、現行のそのような状態の中で、石炭政策は間もなく政策期限を迎えるということに相なりました。今鰐淵委員御指摘のように、この仕事に携わってきた多くの人たち、また当委員会に関係する皆様にとりましても感慨無量のものがあるのではないかと推察いたします。
 これまでの政策遂行の結果、石炭鉱業構造調整対策、産炭地の地域振興対策、鉱害対策、いずれも政策目的の実現まであと一歩というところに来ているのではないかと思います。
 私といたしましては、政策期限までの間十全の措置をとりまして、所要の経過措置を整備するなど、石炭政策を円滑に完了するように全力を挙げたいと思います。
#66
○鰐淵委員 ただいまの大臣の表明につきまして、私どもといたしましては、石炭政策が円滑に完了し、長い間の歴史というものについて十分評価をする、そういう形であってほしい。大臣の一層の石炭政策に対する御配慮をお願い申し上げる次第でございます。
 御案内のとおり、石炭産業では、現在稼行している炭鉱が二鉱ございます。あるいは多く閉山した炭鉱がございまして、その産炭地域の問題あるいは炭鉱地域が残した鉱害の問題、そしてまた、閉山による離職者、こういった問題が大まかこの炭鉱問題の四分野ではなかろうかと思います。
 大臣の力強い所信を受けまして、平成十三年で終わるわけでありますが、石炭特別会計におきましては、今非常に借り入れをいたしておりまして、相当な借入金を持っておるわけでありますが、資源エネルギー庁の大変な御努力によりまして、特に石油関税の問題、あるいはその他団体等の出資金とか株券とか、こういったことで何とかこれをきれいに終了する、こういう努力を伺っておりまして、私は大変敬意を表しておるところでございます。
 そこで、この石炭鉱業構造調整対策、これは稼行炭鉱の問題であろうと思いますが、この点。それから、先ほど言いましたように、多くのいわゆる産炭地域におきまして、今なおまだ閉山によりまして、その困難な状況、そういったものが続いておるということについての対策。それから、今言いました鉱害対策。こういった点について、具体的にどんな内容を持ってこれらの対策に当たろうとされておるのか、この点につきましての御質問をしたいと思います。
#67
○細田政務次官 ただいま鰐淵委員がおっしゃいましたとおり、石炭鉱業構造調整対策あるいは産炭地域振興対策、鉱害対策等、各対策を円滑に完了していく上には、十分な予算措置も、考え方の整理も必要なわけでございます。
 そしてまた、石炭対策が、経済的な問題であると同時に、地域地域の大きな政治的な問題であるということから、この石炭対策特別委員会の諸先生方にもいろいろ御意見を伺いながら政策を組み上げてまいりまして、昨年八月の石炭鉱業審議会の答申という形で集約させていただき、委員の先生方のお知恵もいただいてまいったわけでございます。そういった当委員会の決議もございますので、踏まえつつ、着実に実施してまいりたいと思っております。
 具体的に申しますと、石炭鉱業構造調整対策につきましては、炭鉱会社のさらなる合理化に対する支援を平成十三年度末まで継続してまいります。また、平成十四年度以降、炭鉱技術移転五カ年計画により、国内炭鉱を活用した海外炭鉱技術者に対する研修事業を実施すべく、その準備に入っているところであります。石炭鉱業構造調整対策に関しましては、この平成十二年度予算要求額、予算委員会等で御審議いただいておりますが、八十五億ほどの予算を要求しているわけでございます。
 そして、産炭地域振興対策でございますが、産炭地域振興臨時交付金や公共事業に対する国の負担率の特例措置等を活用した地方財政支援を継続いたしますとともに、産炭地域の中核的事業主体の基金を増強し、その運用の柔軟化も図ってまいります。また、法失効後の激変緩和措置について整備を図ってまいります。この産炭地域振興対策予算は、十二年度予算では約百七十億円。その前年度が七十七億円でございましたが、百七十億円の要求をしているわけでございます。
 そして第三の、鉱害対策でございますが、残された福岡県の鉱害復旧完了に向けて全力を挙げて取り組みますとともに、浅所陥没処理を行う指定法人の体制整備を行ってまいりたいと考え、この平成十二年度予算予定額は七百二十五億。十一年度の四百八億円に対しまして七百二十五億円をお諮りしておるところでございます。
 そしてまた、さらにそのほかに炭鉱労働者雇用対策、これは労働省の所管でございますが、あわせて申しますと、百四十三億円。前年度予算百六億円でございますし、石油及びエネルギー需給構造高度化の勘定でいいますと、海外炭その他の安定供給確保等を含めまして百四十二億の予算要求をしております。
 このように、現行石炭政策の政策期限であります平成十三年度末に向けまして、遺漏なきよう各施策を実施してまいる所存でございます。よろしくお願い申し上げます。
#68
○鰐淵委員 時間が切迫しておりますので、今度質問はごく簡単にいたします。よろしくお願いいたします。
 一つは、炭鉱技術移転五カ年計画ということによりまして、稼行する炭鉱を活用して、海外の皆様方に来ていただき、そういった技術を学んで、技術を人から人へと移転していくという役目を担うということでございますが、これらについて予算も計上されておるわけでございますが、具体的にどんな準備をなされておるか。そして、この炭鉱技術五カ年計画というものが実質的にスタートする状況のときには、どのようなお考えでスタートされるのか。
 それから最後は、ちょっと時間あるかないか厳しいですが、中核事業主体の問題でございますが、既に九州で三県、それから北海道で二つ、五つほどそういう事業主体があるわけでございますが、これらは四十九億何がし、五十億という基金を積んでおります。今言ったように、利息が非常に安い。したがって、五千万程度では、一市六町といいましても、なかなか一つの自治体になるとわずかなことになりまして、せっかくのこの基金が何か生きないといいましょうか、活用が難しいというか、そういう状況です。
 そして、その二つは、さらにまた五十億を積むという予算が出されておりますから、これらについては、やはり果実だけでの運用では非常に難しいのではないか。むしろ積極的に事業を創出して、やはりその地域の経済力を増していくというものに寄与すべきであろう、そう私は考えますが、この点について部長の方から答弁をいただきたいと思います。
#69
○北畑政府参考人 最初に、五カ年計画の準備費の予算要求額の内容でございますけれども、総額で三億五千万円の予算を予算案の中に計上させていただいております。このうち、三億二千八百万円が研修生受け入れのための施設整備費でございます。
 それから、二千二百万円が相手国政府との、調査あるいはカリキュラムの作成費ということで計上させていただいております。
 本格的な研修実施費については、さらに大きな金額が必要だと思いますけれども、これにつきましては十三年度以降の予算の要求の中で具体化を図ってまいりたいと考えております。
 それから、産炭地域の中核的事業主体の基金についての御質問でございますけれども、委員御指摘のとおり、五カ所で五つの基金、平均で五十億の基金ができ上がっていると思います。このうち、国費で補助した部分が五つ分合計で百五十億でございます。
 産炭地域振興審議会では、この基金の増額と運用の弾力化を検討すべきであるという御指摘をいただいております。増額分につきましては、二カ年で増額を図ってまいりたいと考えておりますが、十二年度分につきましては七十五億の予算を計上させていただいております。
 弾力化につきましては、基金の元本の一部取り崩しといったことができないかということで、財政当局と調整中でございます。
#70
○鰐淵委員 最後の御質問ですが、この基金を一部を取り崩して行う、こういうお話でございますので、大変私どもも期待をいたしております。特に、この基金の管理は都道府県が入っておりまして、実際の地域でいろいろなものをプランニングしても、今度はなかなか都道府県との調整というものが難しい面もあるというぐあいに具体的に伺っておるわけですが、そういったことのないように、やはり地域と都道府県と一体になって、その地域のいいものは一緒にやっていくんだというようなことで、ひとつ政府の方から督励をしていただければ大変幸いと思います。
 時間でございますので、これで質問を終わります。ありがとうございました。
    〔委員長退席、岩田委員長代理着席〕
#71
○岩田委員長代理 次に、児玉健次君。
#72
○児玉委員 日本共産党の児玉健次です。
 深谷通産大臣は昨日の所信表明で、「先般発生しました長崎県の池島炭鉱の坑内火災につきましては、幸い罹災者はありませんでしたが、二次災害の防止に万全を期しながら、早期の鎮火に向けて全力を挙げて取り組んでまいります。」このようにお述べになった。私は、この問題に絞って、きょうは両大臣と、それから先ほどの理事会で確認されたお二人の政府参考人から答弁をお願いしたい、こういうふうに思います。
 まず最初に、この二月十四日の午前四時ごろに発生した坑内火災について、関係者の御苦労は大変なものだと思います。
 私は、昨年八月十二日、この委員会で、「日本の石炭産業を存続させ、将来の発展に備えるために、現在、決定的に重要なことの一つは、保安を確保し、」事故を防止していくことだ、このように指摘し、その立場で幾らかの質問をしました。それだけに、今度発生した坑内火災はまことに残念です。
 まずお聞きしたいのは、この火災が現在どのような状況にあるか。そのことについて、中島環境立地局長の答弁を求めます。
#73
○中島政府参考人 お答え申し上げます。
 二月十四日に発生いたしました火災の現状でございますが、その当日、放水によります消火活動では消火が困難でございました。したがいまして、その後、坑道の一部を水等で封鎖いたしまして、通気を遮断して消火することといたしました。現在、この密閉は完成いたしております。密閉の徹底を図りつつ、密閉状況を慎重に監視を続けております。
 この坑道の密閉状況が安定的に推移いたしますれば徐々に鎮火に向かうというふうに考えておりますが、密閉して消火する範囲が非常に広範囲に及んでおります。このため、鎮火には相当の時間を要するというふうに考えてございます。
#74
○児玉委員 私は、池島炭鉱の安全を確保しつつ、早期の生産再開を強く望む立場から、ちょっと中島さんに申しておきたいのです。
 最初にこの事故のことを聞いたときに、水没と水封、その違い。結局、石炭を生産している切り羽の部分まで水を入れてしまうのが水没ですね。今度の場合は、坑道の一部に水を入れて水封している。そこのところの大きな違いを私は明らかにする必要があると思うのですが、いかがですか。
#75
○中島政府参考人 御指摘のとおりでございまして、空気の遮断をするために水封をいたしております。
#76
○児玉委員 そのことをはっきりさせた上で、第二南卸水平坑道、そこで火災が発生したと報告されています。そして、例えば、石炭保安室から二月十七日にいただいた報告によれば、ベルトコンベヤーからの発煙を確認、こうあります。
 ベルトコンベヤーというのは難燃性ではないか、それが一つと、それから駆動部との関係はどうかという点、そして、この坑道は炭層とどのような関係にあるのか。局長、お願いします。
#77
○中島政府参考人 最初に火災が発見されましたときに、ベルトコンベヤー付近で発煙が確認されたということから火災が発見されております。
 ベルトコンベヤーそのものは当然難燃性のものでございますが、どの部分からどのようにして、何が原因で火災が発生し広がったかということにつきましては、現在、先ほど御説明申し上げましたように、鎮火を急いでおります。そういう状況でございます。鎮火が確認された後、関係者の証言あるいは鎮火後の火災現場の調査を進めてまいりたいと考えてございます。
 したがいまして、現時点で原因を特定することができる状況にはございません。
#78
○児玉委員 その点、今後のことを考えれば重要だと思いますね。
 皆さんが私たちに届けられたものによると、ベルトコンベヤーから発煙というふうになっておりますが、事態はその後発展してきていると私は思う。
 今、政府参考人がお答えのように、ここのところは軽々に原因についての推測的な判断というのは慎むべきではないか。あくまで事実に基づいて、慎重にかつ科学的に発火原因の確定その他をやらなければならない。その点で、十七日あたりに私たちに届けられたこれについて私は若干の疑問を持っています。いかがですか。
#79
○中島政府参考人 確かに、お届けをいたしました資料にはベルトコンベヤーから発煙と書いてございますが、舌足らずでございまして、ベルトコンベヤー付近、入坑口から約九キロのところでございますが、そこから発煙ということでございます。
#80
○児玉委員 そこで、池島炭鉱にはCO、それからCO2、メタンガス、煙、温度、その他について測定するセンサーが配置されていると聞きます。坑内火災の発生箇所付近ではこれらのセンサーがどのように配置されていたか、また、今回の火災で鉱山保安機器がどのように役に立ったか。
 一部の報道によれば、坑内にいた人たちの退避経路、本当に罹災者がいなかったことは大きな幸せだったと思いますが、この坑内にいた十四人の方たちの退避経路を指示したのも集中監視室だ、こういう報道がありますが、その辺のメカニズムといいますか、そこのところを、今後のこともありますからお示しいただきたいと思います。
#81
○中島政府参考人 まず、お尋ねの保安施設でございますが、池島炭鉱では従来より保安確保のために集中監視装置等の各種の保安関係施設の設備の充実が図られてきたと承知しております。メタンガス、一酸化炭素等のセンサーあるいは機械類の動作の状況を示す装置等々、約三千点余りの装置がございます。
 今回の火災に際しましては、これらの施設が有効に機能しまして、集中監視所からの指令等が有効に指示されたということで、早期の発見それから作業員の安全な退避が可能になったというふうに考えてございます。
#82
○児玉委員 この後、とりあえず今存続が方向づけられている二つの炭鉱の保安の確保、それが非常に重要だと私は改めて昨年八月十二日に申し上げた。日本の石炭産業を存続させ将来の発展に備えるために、保安の確保と事故の防止、事故が起きた場合はその原因の解明ということが非常に重要になってくる。
 その点で通産省としては、この面についての学識経験者、そして専門家の意見もこの事故に関連して積極的に求めるべきだ、そう思いますが、その点では今どのような対策を講じられていますか。
#83
○中島政府参考人 これも御指摘のとおりでございますが、先ほど御答弁申し上げましたように、今回水封をいたしました空間というのは大変大きな、大容量の空間となってございます。このために、鎮火の確認にも大変技術的な困難が伴います。また時間もかかると思います。
 したがいまして、現在、九州鉱山保安監督部、ここが池島炭鉱の監督に当たってございますが、その監督部長のもとに学識経験者によります助言グループを設置いたしました。
 その方々から技術的な助言も得ながら、それを踏まえて、二次災害を防止しながら鎮火の確認をし、その後原因を究明し再発防止対策を実施するなど、保安に万全を期すことが必要だというふうに私ども考えてございます。
#84
○児玉委員 昨年、私は現在の保安検査について質問をしまして、そのとき、前任の太田環境立地局長は、巡回検査、機械、器具の性能検査、落成検査等、きめ細かい指導監督を実施している、このように答弁されました。
 今回の坑内火災で、直近の保安検査はいつどのようにして実施されたか、また、第二南卸水平坑道の火災発生箇所付近の検査はどうだったか、そして、これらの保安検査でもし何らかの問題点が明らかにされたとすれば、どのような事項について指摘をされたか、そのことについてお答えいただきたいと思います。
#85
○中島政府参考人 お答えを申し上げます。
 九州鉱山保安監督部では、池島炭鉱につきまして月に一回ないし二回、昨年の実績で申し上げますと十八回でございますから、月に一回ないし二回ということでございますが、その頻度で監督検査を実施してきております。その検査の後に、保安のために必要な事項についての指摘もいたしてきております。
 災害直前の検査でございますが、平成十二年一月十八日から二十一日まで、鉱山保安監督部の鉱務監督官三名により実施いたしました。指摘事項といたしましては、地圧によりまして狭くなった坑道部分を適切に拡大すること、坑道内の鉱車が、鉱石を運ぶ車でございますが、障害物に接触しないようにすること、ベルトコンベヤーの保守管理を適切に行うこと等について指摘をいたしまして、会社から改善計画を提出させております。
 また、災害の発生した第二南卸水平坑道の火災発生箇所付近への監督検査で最も新しいものは、平成十一年、昨年の十一月二十四日から二十七日まで実施いたしております。その結果、災害の発生箇所付近についての指摘事項はしておりませんが、その奥側の坑道におきまして、防火のために坑道を覆っております不燃材の一部が破損しているところが見つかりましたので、それを補修するように指摘し、すぐに修復されたというふうに聞いております。
#86
○児玉委員 その不燃体ですが、今おっしゃった昨年十一月二十四日から二十七日に第二南卸水平坑道で皆さんがなさった検査、その奥の部分のベルトコンベヤーの駆動部の不燃体の損傷について指摘なさったんじゃないでしょうか。
#87
○中島政府参考人 私が報告を受けておりますのは、ベルトコンベヤーではなくて、奥の坑道を覆っている不燃材の一部破損箇所についての指摘だというふうに聞いております。
#88
○児玉委員 そこで、深谷通産大臣、今かなり細かなことをやりとりしましたが、それは、この後こういった事故を繰り返さない、そのためには、まだ鎮火しておりませんから、事態が完全に、安全が確保されて、そして現場検証も行われる、そういった中で、なぜこういった火災が起きたかということが明らかにされるだろうと思います。鎮火した後、生産再開に至る過程で、恐らく、通気、それから水抜き、密閉箇所の開放、現場検証、その他必要な復旧作業が予想されます。
 事故の再発を許さない、安全の確保、それが最優先になって今後の事態は進められるべきだ、そのように考えますが、通産大臣のお考えを聞きたいと思います。
#89
○深谷国務大臣 保安体制を確立するということは最も大事なことであります。
 今も局長と児玉委員とのやりとりを聞いておりまして、例えば巡回検査等はやってきたということなんですが、結果的にはこういう事故が起こった。今回の事故の結果は、ただいま委員御指摘のように、これは鎮火した後に現場検証その他もろもろやらなければならないと思いますが、やはり専門家にもきちっとこれらの状況を見させて適切なアドバイスをいただくというようなこと、また、検査体制に当たっては、指導のより適正なやり方を徹底して指導するとか、あるいは巡回検査一つとりましても、巡回検査しただけでなくて、そこから得た情報を再度確認するために検査を行うとか、二重、三重の対策を立てなきゃいけないと思います。
 いずれにしても、今、第二次災害を防ぐために全力を挙げているところで、これが無事鎮火した後にそのようなことを徹底させたいと思います。
#90
○児玉委員 私は、こういった残念な事態が起きた後、先ほどのお話のように、九州保安監督部が九州大学のこの分野の研究者、非常に多くの知識と研究を蓄積されている、そういう方々を敏速に結集をして、そして御意見をいただきながら今後の復旧を進めていく、これは注目すべき手法だと考えています。私は、その努力は評価したいと思います。今大臣がお話しのように、あくまで安全の確保を最優先にして、生産再開に向けて確実に前進をしていく、そのことを強く求めたいと思います。
 そこで、そのことと深く関連するわけですが、現行の石炭勘定の中には鉱山保安確保補助金が計上されています。この鉱山保安確保補助金は、保安機器設備の充実及び各種保安確保工事実施に必要な経費の一部を負担する国の補助金ですね。これは石炭勘定の中に入っている。
 この後、アジアからさらに多くの技術研修生を受け入れて、そしてアジアの石炭産業に日本として貢献することになるだろう。そして、そのこと自体が二つの炭鉱の今後に向けての存続に大きな力ともなる。
 そういった立場で私は言いたいのですが、池島炭鉱と太平洋炭鉱の保安の確保、そしてそのために、技術的に現在日進月歩であるエレクトロニクスなどを駆使しての保安機器の更新と充実、その点にアジア諸国の期待と関心が集まっています。石炭勘定の中に今計上されている鉱山保安確保補助金、この後それをどういうふうに名づけるかは別として、あくまでこれまでこの補助金が果たしてきた大きな役割を担うべき何らかの措置が必要だと私は考えます。その点について通産大臣のお考えをお尋ねします。
#91
○深谷国務大臣 今私が、今後の具体的な、その勘定をどのように持っていくかについての答えは結論づけておりませんけれども、今委員御指摘の御意見はごもっともであると思いますから、有効に今後その御意見を踏まえて対応していきたいと思います。
#92
○児玉委員 大臣、あえて私は重ねて申すのですけれども、炭鉱技術五カ年計画事業の事前準備についての皆さんがおつくりになった計画がありますけれども、その中の研修カリキュラムを拝見すると、集中監視システム研修コース、a生産監視システム、b保安監視システム、c坑内センサー・ケーブル等の維持管理システム。現在設置されている池島炭鉱のセンサーが光ケーブルで中央の集中監視室に集中する。それが恐らく最初に煙の発生を検知したんでしょうし、そしてそこからの指示で安全に退避された。この施設の持っている重要性というのは、ある意味では実証済みですね。そして、皆さんの研修システムのDのところには坑道保全技術システム研修コースとあって、そのcに難燃化坑道保全技術システム、難燃化というふうに明記されているわけです。
 これらが現状のままではなく、さらに前進していくということがこのスキームには求められているわけですから、その点で、今大臣の述べられたお言葉、私は、大臣の意思としてはそのようにしていただきたいと思いますけれども、その具体化、これは急いでいただきたいと思うのですが、いかがでしょう。
#93
○深谷国務大臣 この池島炭鉱の火災の鎮火を待ってというよりも、今の御提案というのはいずれにしても早急に進めるべきことだと思っておりますから、そのように指示したいと思います。
#94
○児玉委員 そこで、最後の問題に入ります。
 今、稼行している炭鉱は長崎の池島と釧路の太平洋炭鉱だけだ。先ほども強調しましたように、池島炭鉱で保安の確保を前提にして生産が再開される。速やかなることを私は期待しますけれども、そこに向けて一定の期間が必要だと思います。
 一つは、池島炭鉱生産再開のために、通産省としてどのような支援対策を検討されているか。先ほどNEDOからの短期つなぎ融資、それから政府系金融機関からの融資、そして鉱山保安事業補助金の活用などが既に同僚議員に対する答弁で示されました。それも重要な一部だと思いますが、考えられるあらゆるスキームを活用して、ここのところの努力はさらに具体化していただきたいというのが一つです。
 もう一つは、深谷大臣は、中小企業の現在の経営の困難についてはよく御存じですが、池島炭鉱に依存している地元の外海町それから隣接する大瀬戸町、しばらく生産がとまりますから、それで商店街等の困難も当然予想されます。そういった地域に対しても、通産省としての支援を私は求めたいと思うのです。いかがでしょうか。
    〔岩田委員長代理退席、委員長着席〕
#95
○深谷国務大臣 現在、完全鎮火に向けて作業中でございまして、一体この事故は炭鉱の経営にどういう影響を与えるのか、そしてお話のように、周囲の商店街や中小企業の経営にどう影響するのか、これはまだ現時点で判断することは困難であろうとは思いますが、例えば炭鉱経営に関してでございますと、今委員の言われたような対策を当然考えていくということを今心に思っておりますし、この周辺に対して、このことで影響を受けるような中小企業に対しては、あらゆる角度からこれをきちっとお守りするように努力をすべきだと思っております。
#96
○児玉委員 牧野労働大臣に伺いますが、労働省として、この速やかなかつ安全を確保しつつの生産再開、そこに向けて、今炭鉱で働いている皆さん方は、当然生産がストップしている間給料が七一%に抑えられるということが伝えられています。こういった事態に対して、労働省としてどのような対策、支援を考えていらっしゃるか、お答えいただきたいと思います。
#97
○牧野国務大臣 石炭業は不況業種という指定がなされておりまして、本体自身の休業等につきましては雇用助成金の対象になることはほかの業種と同じでございます。しかし、今回の火災事故というのは全く別の要因でございまして、私どもが今運用しております雇用助成金の対象には一応ならないという形になっております。
 しかしながら、関係の企業、下請だとか孫請だとか、こういうところの企業の方々が、この火事によって休業せざるを得なくなったというような場合にはこの助成金の対象になる、このように考えております。
#98
○児玉委員 まだ事故が発生してそう期間がたっておりませんし、今牧野大臣から現段階での検討の状況についてお答えがありましたが、この後、事態の推移を見ながら、可能なあらゆる努力を労働省としてしていただきたい、このように考えますが、いかがでしょうか。
#99
○牧野国務大臣 今先生御指摘のように、いろいろなケースの場合の助成金等々がいろいろな形ででき上がっておりますので、これを十二分に利用していただければ、こう考えています。
#100
○児玉委員 終わります。
#101
○土肥委員長 中西績介君。
#102
○中西(績)委員 私は、深谷通商産業大臣並びに牧野労働大臣の所信表明をお聞きいたしまして、この中で、二、三の点について、時間がございませんので、簡単にお聞きをしておきたいと思います。
 まず、深谷大臣の方にお聞きをしますけれども、この中に、「昨年八月に石炭鉱業審議会及び産炭地域振興審議会において答申が取りまとめられたところであります。同答申において、現行政策の目標を達成し、本政策を円滑に完了し得るとされ、」とされています。「現行政策の目標」ということが問題になるわけでありまして、私たちが期待をするものと、この審議会の皆さん、あるいは審議していただくために持っておられる行政側の皆さんの現行政策目標というものとの違いがある程度あるのですけれども、ここに書かれてある目標達成、円滑に完了しということはどういう基準をもって充てたかということをお聞かせいただければと思っています。
#103
○深谷国務大臣 平成四年度から開始した現行石炭政策、八年近くにわたる政策遂行の結果、各対策ごとに相応の成果が得られた、政策を円滑に完了し得る状況になっているという答申をもらっているわけであります。
 そこで、少し個々にわたりますけれども詳しく申し上げますと、まず、石炭鉱業構造調整対策、これは、我が国石炭鉱業の合理化が大きく進展した一方で、国内炭鉱が、炭鉱技術移転五カ年計画において炭鉱技術移転のための研修の場として新たな役割を果たすということなったことにかんがみて、石炭鉱業構造調整対策はその趣旨を全うした、こういうふうにまず思います。
 また、二番目には、産炭地域の振興対策でありますけれども、各種経済指標を見ますと、過疎地域と比較して遜色のない状況にあることから、石炭鉱業の構造調整という特殊要因の除去という政策目的が達成されて、激変緩和措置を講じた上で対策は完了すべきものと考えます。
 また、三番目に、鉱害対策について申しますと、既に十一県について鉱害が解消され、唯一累積鉱害が残る福岡県についても復旧対象物件はおおむね確定しつつあり、平成十三年度中には累積鉱害解消の目標がほとんど達成できるというふうに見込まれることから、対策は平成十三年度末をもって完了すべきものとされています。
 こうした点を総合的に勘案して、石炭鉱業審議会及び産炭地域振興審議会答申では、現行石炭政策は、政策期限までに十全の措置を講じ、所要の経過措置を整備した上で、平成十三年度末をもって完了されるべきものとしたところでございます。
 先ほどから何回も申し上げておりますように、私としましては、政策期限までに十分な措置を講ずるとともに、所要の経過措置を整備するなど、現行の石炭政策を完全に遂行するために努力をしたいと思っております。
#104
○中西(績)委員 今お答えいただいた、そうした円滑に終了し得るという判断をなさったということで、それから以降、第一から第二、第三とここに、これから以降の対策等について示されておると思います。
 ただ、先ほど申し上げましたように、その目標あるいは円滑な完了というこの中身については、私たちにはまだ依然として異論があるわけでありますけれども、いずれにしましても、本日は時間も極めて短うございますから、ここに書かれてある一と二の部分についてお聞かせをいただこうと思っています。
 特に、第一のところでは、「石炭会社の生産合理化に対する支援や石炭会社等の新分野開拓に対する支援を講じて」まいりたい、こう書かれてありますけれども、この新分野開拓支援については、私たちの今までの経験からいたしますと、成功した例というのは余りなかったのではないかという感じがしてなりません。
 北海道空知あたりにおきまして、特に何年もかけて、閉山をする前から時間をかけてやったところにおいては一定の成果があったと私たちも思うのですけれども、大部分はそういう態勢にまで持ち込むことができなかった。あるいはまたやったといたしましても、第三セクター的なものを含めまして、数年たちますと、最初のうちはリゾート等を含めましてうまくいったと思っておりますけれども、それが数年経過する中でだんだん下火になって、荷物になっておるというような状況等が出てきておるわけでありますから、ここに書かれておる中身というのはどういうことを指しておるのか、お答えいただきたい。
#105
○北畑政府参考人 現行のポスト八次石炭対策におきましては、雇用や地域経済への影響を緩和する、これによって円滑に構造調整を推進していく、こういう観点から、石炭会社、これは親会社、関連会社を含めてでございますが、石炭会社が行う経営の多角化、新分野開拓、これに支援を行ってきたわけであります。支援の方式としては、新エネルギー・産業技術総合開発機構を通じる融資、あるいは補助金の支給、こういったことで支援をしてきたわけでございます。
 こういった結果、厳しい状況にはございますけれども、例えば、太平洋炭礦グループにおきましては、ゼオライトの製品製造販売事業、あるいは釧路市の委託を受けて行う廃棄物の中間処理事業、こういった新分野事業に成功いたしております。また、松島炭鉱グループにおきましては、海外炭の開発事業、それからニューガラスの製造事業、こういった事業の立ち上げに成功いたしております。
 必ずしも順調でなかったという地域があることは委員御指摘のとおりでございますけれども、石炭会社が新分野を開拓する、それが地域の雇用、経済に貢献するということで支援をしてきたわけでございまして、残された期間も引き続き支援をしてまいりたいと考えております。
#106
○中西(績)委員 今石炭部長お答えいただいたその例については認めるにいたしましても、立ち上げをする中身によって相当の違いがあるわけでありまして、そうしたものが、要求されれば、今まではある程度それを支援していったという傾向があるわけでありますから、この点、地域的な立ち上げとともに、これからの産業構造のあり方なりなんなりをよほど分析してかからないと、またぞろ失敗という結果にもなりかねぬわけでありますから、こうした点については十分な検討を要すると思いますので、この点はさらに継続検討していただきたいと思います。
 では、二つ目の問題のところにおきまして、いろいろありますけれども、「中核的事業主体の財政基盤の整備等を図るとともに、産炭地域振興対策の完了に際し講ずべき激変緩和措置を整備いたします。」ということになっています。
 これに伴って、産炭地振興対策問題について、よほどの分析なりあるいは総括をしておかないと、これから後、果たして本当に私たちが期待をするものになり得るかどうかということが、今までの経過からいたしましても、問題があるような感じがしてなりません。例えば、北海道的なものだとか、東北、関東、あるいは中国、九州というように、地域的に相当の差があると私は思います。
 そうしたことを考えてまいりますと、一つは、今、これからやろうとしておる分野の地域指定の問題につきましても、答申からいたしますと、十三市町村ということははっきりいたしておりますけれども、その他の分野における問題については、依然として問題の残るところはあるわけですね。
 そうしたときに、圏域でということで、あれは第七回でしたか、指定をしてやったときに、私は、実は反対をしたのですね。例えば、筑豊なら筑豊地域を、全体としての圏域でなしに、これを三分割するとか四分割しての地域指定をしていったのです。そうでなしに、その地域全体のものとしてどうするかということをやっていかないと、それぞれの地域、違いがありますから。こうしたやり方については相当問題があるということを指摘したのです。
 私は、そうしたことから考えますと、さらに今度は、逆に細かくなってくるでしょう。過疎という仮定を当てはめてみて、基準みたいなものによって選択をしていきますと、これはもう単独にぼつぼつとあるだけで、そこをどう発展させるか、あるいは再生させるかという問題になったときに、果たして小さな町あるいは小さな市で単独でできるかというと、そうではないと私は思うのです。ということになると、圏域的なものを今度は逆に、この状況の中ではやらなくちゃならぬじゃないかということを感じるのです。
 例えば、空知の場合を考えてまいりますと、いろいろやったけれども、特徴のあるものを当初はやったということを私は感じましたけれども、その中におきまして、先ほど申し上げるように、例えばリゾート的なものだとか、こういう問題等になってまいりますと、数年間はある程度維持できたし、うまくいったと言うことができますけれども、これが今、むしろ経営が困難になってきて、自治体の荷物になってきておるという状況、これは大牟田だって言えるわけですからね。
 こういうふうな問題等を考えてまいりますと、よほど分析をし、かかっていかないと、この中核的事業主体というものは、どういうものでやろうとしておるのか、そこいらを一つお聞きをしたいということ。
 それからもう一つは、指定をする際には、単独でちょぼちょぼとやるのでなしに、そういう圏域的なものである程度やらなくちゃならぬだろうし、それと先ほど申し上げるように、北海道的なもの、いろいろなものを考えて、地域的に分類をしてみた上で、果たしてどうだったかという総括をやってみた上で、これから指導なりあるいは援助をするということになっていかないと、従来どおりの方策では成功はおぼつかないのではないかと私は思っておりますけれども、この点、どのようにお考えか、お答えください。
#107
○北畑政府参考人 最初の御質問の産炭地域振興のいろいろなプロジェクトの成功例、反省例の総括という点でございますけれども、産炭地域振興審議会の議論の過程で、まさに委員御指摘のような議論が行われたわけでございます。成功例、失敗例を見た中から、成功例の特徴というものを御指摘いただいております。
 まずは、環境の変化に対応した成長産業分野でプロジェクトを発掘すべきだということでございます。それから、単なる企業の誘致ではなくて、地元の自発的な創意工夫で産業起こしをやるべきだということでございます。内発的な新産業起こしという言葉が答申上も入っております。
 それからもう一つは、地域ごとに特色のある地域資源を活用すべきだという御指摘をいただいております。
 それから、プロジェクトを進めていく上で一番重要なのは地域の人材であるという御指摘をいただいております。これは、市町村長さんを含め、あるいは地場の企業の経営者の方、こういったものでございまして、産炭地域振興プロジェクトなどで成功したのは、必ずそういう有力な方がプロジェクトを仕上げて引っ張っていった、こういう分析をいたしました。
 したがいまして、こういった成功例の要素を取り入れて、中核的事業主体の事業も、そういった方向で地元で自主的に使うようにすべきだ、こういう御指摘をいただいているわけでございまして、増額をいたします基金の運用につきましては、基本的には地元の自主的な御判断で、地元にふさわしいプロジェクトに活用していただく、こういった形で考えてまいりたいと思います。
 地域指定の問題でございますが、答申上確定をいたしました十三市町村以外に、依然として閉山という特殊な要因から立ち直らない市町村があり、これらについて激変緩和措置を考えるべきだという答申をいただいているのは、委員御案内のとおりでございます。
 これは、基本的には、市町村単位で各種の指標を見ながら対象地域を確定していくということになります。答申上は、人口の増加率、財政力指数、一人当たりの工業出荷額、生活保護率、この四つの要素から、地域の困窮度といいますか、経済活動の沈滞度を判断する。もう一つは、その経済活動の沈滞あるいは財政の逼迫が閉山によるものかどうかという点を判断しなければならないと思います。
 その要素として、答申上は、累積の閉山量、老朽炭鉱住宅の残存等という要素を言っておりますので、基本的には、この辺の数字を詰めながら、地域の実態をよく精査して指定していくという方針で臨みたいと思います。
 その結果、各市町村ごとの指定ということになるのでございますけれども、実は、地域振興プロジェクトは広域でやっているケースというのがたくさんあるというのは、委員御指摘のとおりだと思います。そういった部分の配慮ができるかどうかについては、御指摘を踏まえて検討してまいりたいと思います。
#108
○中西(績)委員 今お答えいただいたもので、後段の部分におきまして、一つの例を挙げますと、判断をするに当たって、地方財政、市町村の財政を一つの素材とするわけでありますけれども、広域的というのは、例えば、私筑豊ですけれども、筑豊の場合には、水道なら水道の分布状況なりがどうなっているかということを数的にあらわしますと、ほとんど一〇〇%近くになっていますね。ところが、実際にそれは何年たったかというと、炭鉱があって、鉱害が起こってからはもう全部水道に変わってしまったわけですから、この種問題、五十年以上もたつようになってきているでしょう。そうすると、鉄管であり、それがもうあれして、漏水が激しくて、改修どころでなしに、全面的にこれを布設しなくちゃならぬというような状況だって出てくるわけですね。
 ところが、皆さんの財政問題等については、そういう負のものがどうなっているかというところまでやっていないわけでありますから、財政力指数が非常に低いところで、よいといっても、全国的に評価をしたときに、比較をしたときには、大変な低い状況にあるところでありますから、そうなってくると、こういう問題等については、単独でやられた日には、今度はもう参加もできぬという、それを広域的にやりかえるときには財政的な負担ができないという状況だって出てくるわけであります。
 そうなってくると、やはりこうした問題等については、広域的に上下水道を含めてやっていかなくちゃならぬということ等、たくさんの問題があるんです。そうした問題が今度はどうなっているかといったら、例えば、遠賀川を見ると、九州で絶えず一位か二位の、最も水質の悪い川になっている。こういう状況の中からいたしますと、さらに下水問題等含めてやるとなると、これはもう単独ではできぬことははっきりしています。
 ですから、そういうこと等を含めて、やはりこの際には、こうした問題等については、指定解除なり、広域的に問題等を取り上げていく必要がある。ところが、聞いてみると、これは当たっているかどうかわかりませんけれども、いろいろ審議会の皆さんが行かれた際に、そうした負の問題等について、余り自治体からの報告なり要請なりが出ていなかったというようなことも聞きますので、私たちが調査をすればするほどそうした問題等が出てくるわけでありますから、ぜひひとつ、一つの参考として御勘案いただければと思っております。
 それから、先ほど、一点目の問題でありますけれども、成功例で挙げられましたけれども、私が今一番心配するのは、産業を創造するときの基金として、福岡でいうならば八十五億くらい、そして、これから後の予算を見ましても八十億程度というようなものがあるわけでありますけれども、こうした問題について、よほどの指導と、それから、計画なりなんなりが出されたときに十分な精査をしていかないと、本当に今期待をするような形になるだろうかということを私は心配する一人です。
 したがって、本来なら、今部長が言われましたように、地方自治体そのものが、そうした問題、先ほど言われた人材養成からすべてを達成して、そこからどう再生するかということを、立ち上げをするかということをやらなくちゃならぬけれども、そうした点がやはり欠けた面があると言ってよろしいと私は思います。余りにも厳しい条件の中でずっとやってきたということがあって、結果的にはそれが一つの流れとなって、その中から自立をするという意欲的なものが非常に薄れた町村だってあるわけでありますから、ぜひそうした問題等については、これから後、これは何のためにあり、このようにするんだということぐらいはちゃんと一緒に加わって論議をしていただいて、これからこれを立ち上げるようにしていただければ、こう思います。
 この二点について、何か感想があればお答えください。
#109
○北畑政府参考人 閉山の負の遺産につきまして、審議会では、炭住の残存とか閉山量という形でやりましたけれども、それ以外に負の遺産がいろいろな形で残っているというのは委員御指摘のとおりだと思います。地域指定のところでもそれを踏まえて考えてまいりたいと考えております。
 それから、基金の運用につきましては、先ほども御答弁いたしましたが、基本的には、地元の発想で、地元で合意ができるプロジェクトに使っていただくというのが基本でございます。ただ、通産省でアドバイスをしろという御要請があれば、通産省自身もございますし、通産局もございますし、石炭関連では地域振興公団やNEDOにもそういった地域おこしのノウハウはございますので、お手伝いをするということは考えてまいりたいと考えております。
#110
○中西(績)委員 これは、そこに住んでおる我々を含めて、相当深刻に考えなくちゃならぬ問題がございますので、ぜひまた御相談なり御指導をいただければ、こう思っています。
 労働大臣にもお聞きしたいと思うんですけれども、所信表明の中に、三池における問題とあわせて、他のところもございますけれども、一ページ目の終わりころに、「機動的な職業訓練やきめ細かな就職相談の実施、就職促進手当の支給等」云々という文言もございますけれども、三池における再就職の現状、もう時間がありませんから簡単に答えていただき、そしてさらに、機動的訓練というのは何をここでは指しておるのか。産業の構造の展開が今非常に早いだけに、これらの問題について、労働省はそれに対応してちゃんとここに文章化されておるようなことが果たしてやられておるのか、そしてそのことがまた生かされて再就職なりなんなりがやられておるのか。三池なりなんなりとのかかわりの中でお答えいただければと思います。
#111
○長谷川政府参考人 三井三池炭鉱の離職者の再就職の状況でございますが、平成十二年二月一日現在までに、関連企業を含めまして千五百十六名の方が求職申し込みをされて、八百三十六名の方が就職されたところでありますが、なお五百六十八名の方が求職中という状況でございます。
 労働省としまして、これまで離職された方々に対して、いわゆる炭鉱離職者求職手帳を発給するとともに、職業訓練や職業相談、特別求人開拓などを実施してきたわけでございます。ことしの三月の末で閉山以来三年経過するわけでございまして、離職後三年を経過して手帳が失効する者も出てくるわけでございますが、昨年の十二月からは、そういった者のニーズを踏まえたきめ細かな相談を実施しております。また、昨日は大牟田において合同面談会も実施いたしております。今後とも、求職者のニーズに沿った対応をしてまいりたいと考えております。
 それから、御質問の機動的な職業訓練ということでございますが、職業訓練は公共職業能力開発施設におきます既設の訓練科でやるというのが通常でありますが、炭鉱離職者の場合、特に三池の場合もそうでございますが、一定の場所に大量の離職者が一時に出てくるということになりますと、それでは対応できないということで、既設の定員枠を拡大する、あるいは特別コースを設置する、場合によって、公共職業能力開発施設以外の建物や設備を借りて、そこに訓練指導員を派遣して実施をする、あるいは専修学校や各種学校に委託して訓練をする、こういった機動的な対応をしてまいったわけでございます。
 三井三池の場合におきましても、職業能力開発センターの建設機械科の定員枠の拡大、あるいは調理師科、造園科等の訓練を専修学校等に委託して訓練を行ったところでございます。
 先生御指摘のとおり、産業構造の変化は大変激しいわけでございまして、今後とも、炭鉱離職者の円滑な再就職を図るためには、離職者のニーズや産業社会の変化を勘案した訓練というのが必要と考えておりまして、そういった立場で離職者対策に努めてまいりたいと考えております。
#112
○中西(績)委員 時間がなくなって困ったんですけれども、特に産炭地域の就労事業等とのかかわりで一言だけお聞きをしておきたいと思います。
 産炭地域の失業率あるいは求人倍率を見てみましても、全国的に大変落ち込んでおる現状の中におきましても、例えば求人倍率が十二月に〇・四九であるものが、この地域におきましては、福岡県が〇・三八、そして筑豊が〇・二八、さらに田川の場合には〇・二四というような状況なんですね。失業率に至っては全国の倍以上になっておるというのが実情であります。
 こういう中で、いよいよこうした就労事業、終息を迎えるという。幾つかありますけれども、これはもう一つ一つは言いません。暫定就労事業によって最終的な段階に立ち至っておるものもありますし、これから整理をすることによってその方向に向かうものもあるでしょう。
 こうしたときに、問題は、この地域のこれにかかわった事業を行っておる人は、終息をしていきますと、ほとんどと言っていいほど多くの業者の皆さんがつぶれることになります。そこで働いておる人は、現状、私たちの狭い地域でも二千人くらいだと言われるくらいおるわけであります。それに加えて、今度は、鉱害復旧事業あるいは同和対策事業、全部終息するのは同じですから、そうなると、かつて私が調べたときに、筑豊だけで六万人だと称せられたそういう労働者、それが、だんだん今縮小されてはおりますけれども、これらが全部一挙になくなるということになってきたときに、これはもうとてつもない状況になってしまうわけであります。
 したがって、こういう状況にあるということを予測し、そして先ほどから言っておる産炭地問題、通産大臣のお答えいただいたこととあわせ考えたときに、これをこのまま放置できる状況にあるかどうかということになってくると、結局最終的には、今だって問題になっている生活保護世帯の多さ、それに加えてまたさらにこうした問題等があるわけでありますから、これらについての何らかの措置を考えておられるかどうか、この点についてお答えいただければと思っています。
#113
○牧野国務大臣 産炭地域開発就労事業、開就事業につきましては平成十三年度末をもって終了することとしますが、同事業の終了に伴い自立する方々に対しては自立支援金の支給を、またそれ以外の方々については、一定期間関係自治体が主体となった激変緩和のための就労事業等を実施することを予定しております。また、暫定緊就事業につきましては平成十二年度末で終了することとしております。
 今先生が御指摘されましたように、各種の事業が終了してまいりますが、産炭地域における雇用失業対策については、当該地域の離職者の動向を十二分に把握しながら、公共職業安定所における職業紹介、求人開拓の実施、特に特定求職者雇用開発助成金、これを中心とした各種雇用関係助成金の活用など、地域の実情に即した雇用対策を行ってまいりたい、このように考えております。
#114
○中西(績)委員 終わりますが、いずれにしましても、先ほど申し上げたように、現状でも物すごく低い状況の中に、さらにこれに倍加していく状況のときに、今言われたようなことで果たしてできるかどうかということについては、また後々論議をしていきたいと思っています。ありがとうございました。
     ――――◇―――――
#115
○土肥委員長 次に、内閣提出、石炭鉱業の構造調整の完了等に伴う関係法律の整備等に関する法律案を議題といたします。
 趣旨の説明を聴取いたします。深谷通商産業大臣。
    ―――――――――――――
 石炭鉱業の構造調整の完了等に伴う関係法律の整備等に関する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#116
○深谷国務大臣 石炭鉱業の構造調整の完了等に伴う関係法律の整備等に関する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 現行の石炭対策は、九〇年代を石炭鉱業の構造調整の最終段階と位置づけ、平成四年度以降、石炭鉱業の構造調整等を図るため所要の措置を講じてまいりました。この結果、昨年八月の石炭鉱業審議会及び産炭地域振興審議会の答申にもありますように、現行の石炭対策の期限である平成十三年度末までの間に十全の措置を講ずることにより、石炭対策の目的を達成することができる状況に至ったところであります。
 このため、石炭対策の完了に必要な財源措置を講ずるとともに、石炭対策関係法律を廃止し、あわせて所要の経過措置を設けることが必要であるため、本法律案を提出した次第であります。
 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一に、石炭並びに石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計法の一部改正であります。
 平成十二年度及び平成十三年度に、石炭勘定の負担において借入金をする等、政策経費を確保するための措置を講じます。
 また、政策経費の歳出が終了する平成十三年度末をもって石炭勘定を廃止し、平成十八年度末までの間、借入金の償還を経理する勘定を暫定的に設置いたします。
 第二に、臨時石炭鉱害復旧法等の廃止であります。
 石炭対策関係法律である臨時石炭鉱害復旧法、石炭鉱業構造調整臨時措置法、炭鉱労働者等の雇用の安定等に関する臨時措置法、石炭鉱害賠償等臨時措置法、石炭鉱業経理規制臨時措置法、産炭地域における中小企業者についての中小企業信用保険に関する特別措置等に関する法律を、平成十四年三月三十一日をもって廃止いたします。
 第三に、石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律及び地域振興整備公団法の一部改正であります。
 新エネルギー・産業技術総合開発機構が行う石炭対策関連業務及び地域振興整備公団の産炭地域振興業務について石炭対策の期限である平成十三年度末をもって終了することとし、平成十四年度以降当分の間、経過業務を行うことといたします。
 第四に、産炭地域振興臨時措置法の一部改正であります。
 法失効に際しての激変緩和措置として、特定の地区内において平成十三年度末までに着手した特定公共事業に係る国の負担割合の特例措置を、法失効後も引き続き平成十八年度末まで継続いたします。
 第五に、臨時石炭鉱害復旧法の廃止に向けて必要となる浅所陥没被害に対処する指定法人の体制整備を図るための指定要件の変更を行うとともに、臨時石炭鉱害復旧法、石炭鉱業構造調整臨時措置法等の石炭関係各法律の廃止等に伴って必要となる所要の経過措置等を整備いたします。
 以上が、本法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようにお願い申し上げます。
#117
○土肥委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後七時二分散会

ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト