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1950/12/01 第9回国会 参議院 参議院会議録情報 第009回国会 外務委員会 第1号
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1950/12/01 第9回国会 参議院

参議院会議録情報 第009回国会 外務委員会 第1号

#1
第009回国会 外務委員会 第1号
昭和二十五年十二月一日(金曜日)
   午後一時二十五分開会
  ―――――――――――――
 委員氏名
   委員長     櫻内 辰郎君
   理事      徳川 頼貞君
   理事      曾祢  益君
           杉原 荒太君
           團  伊能君
           加藤シヅエ君
           金子 洋文君
           伊達源一郎君
           野田 俊作君
           大山 郁夫君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○日本政府在外事務所設置法の一部を
 改正する法律案(内閣送付)
○最近の国際情勢に関する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(櫻内辰郎君) 只今から外務委員会を開会いたします。
 日本政府在外事務所設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。先ず提案理由の説明を求めます。草葉外務政務次官。
#3
○政府委員(草葉隆圓君) 日本政府在外事務所設置法の一部を改正する法律案の提案理由の説明を申上げます。
 御承知の通り第七國会におきまして、日本政府在外事務所設置法が成立いたしまして、先ずアメリカ國内、ニユーヨーク、サンフランシスコ、ロスアンゼルス、ホノルル、シアトルの五カ所に在外事務所が設置いたされましたが、その後同法第二条第二項に基きます日本政府在外事務所増置令によりまして、今年の十月、ストツクホルム、パリ、リオデジヤネイロ、サンパウロ、カラチ、ニユーデリー、カルカツタ、ポンペイ、ブラツセル、モンテヴイデオに、又先月の十一月にはオランダのへーグにそれぞれ在外事務所が増置いたされたのでございます。
 これらの在外事務所が掌りまする事務は、日本政府在外事務所設置法の第三条に、一号から十三号まで列記してあるのでございますが、先に申上げましたパリにあります日本政府在外事務所におきまして、フランス國の意向と関係方面の承認に基きまして、同条に掲げました十三の事務のほかに「文化的活動に関する事務」を掌ることになり、又一方同条第十一号に掲げておりまする「日本人の遺産の保護管理に関する事務」は行わないことに相成つたのであります。このようにいたしまして、在外事務所を設置いたします相手國の意向によつて、それが総司令部により認められました場合には、日本政府在外事務所設置法第三条に掲げております所掌事務について、或いは新たに加え、或いは制限する必要のしばしば起ることが今後予想されて参つたのであります。ところでこの所掌事務の追加は、それが法律によつて明らかに定められました事項に関する追加でありますので、法律を改正することによつて行わなければならないと考えまして、ここに同法第三条第十三号として「文化的活動に関する事務を行うこと。」を加えまして、パリにあります日本政府在外事務所の活動に支障を来たさないように措置いたしますと同時に、一方所掌事務範囲の制限は、在外事務所のありますその所在國の実情によりまして、種々変化のあることが予想されますので、これは外務省令で定めることとしたのであります。このような改正によりまして、今後在外事務所の所掌事務に関する追加や制限に関する一般的な方針を確立いたしますと同時に、差当りパリにあります日本政府在外事務所について必要な「文化的活動に関する事務」を附加えますのが、この法律案を提案いたしました理由でございます。
 どうぞ十分愼重御審議を賜わりまして、御採択あらんことをお願い申上げる次第であります。
#4
○委員長(櫻内辰郎君) 御質疑のおありの方は御質疑を願いたいと思います。特に内閣委員長から御質疑をいたしたいという申出でがありますので、この際先ず内閣委員長から御質疑を願いたいと思います。
#5
○委員外議員(河井彌八君) 日本政府在外事務所設置法輿係は、この法律をきめまするときには、内閣の所管でありましたので、内閣委員会といたしまして、二、三の点を政府にお質ししたいと思います。先ず第一点は、在外事務所の増置令の第二条によりますれば、在外事務所設置法の第二条に掲げられてありまする五つの事務所、その五つの事務所の外に十一の在外事務所を設置しておるというのであります。只今政務次官から御説明になつた箇所容ありまするが、この増設の事務所に対して配置する外務省の職員でありますが、この職員は行政機関職員定員法第二条に規定しておりまする外務省の定員の二千百八十二人ということになつている。ところがこの人数で以て、この範囲内で以て配置ができておるのであるかどうか。それで差支えないのであるかどうかということをお尋ねしたいと思います。
#6
○政府委員(草葉隆圓君) 御質問の点につきましては、定員法によりまして二千百八十二名の範囲内でいたしております。
#7
○委員外議員(河井彌八君) もう一点伺います。在外事務所の増置の場合におきましては、それに必要な経費はどういうふうになつて支弁されておるかということをお尋ねいたします。増設する場合は大蔵省の持つておる予備金のごときものと承知しておりますが、それから支出するのだということになつております。併し予備金のごときものも相当制限のあるはずのものであります。で、ここに掲げてありまするように、たくさんの数の事務所が設置せられまして、殊に政府が海外におきまして相当な働きをしなければならんということになりますれば、それは相当な金額になるであろうと思うのでありますが、将来の予算措置はどういうふうになつているかということを併せて伺いたいと思います。
#8
○政府委員(草葉隆圓君) これもお尋ねの中にありましたように、大蔵省に置いておりまする予備費の中から実は枠を設けております。それで大体本年度は二十カ所の予定をいたしておりまして、その二十カ所の増設につきましては、あらかじめ予備費の中で支弁し得る状態でございまして、現在十六カ所という状態になつております。
#9
○委員外議員(河井彌八君) 予備費で支出するということはわかりましたが、その金額は凡そどのくらいなものになつていますか。それを伺いたいと思います。
#10
○政府委員(草葉隆圓君) 三億五千万円程度であつたと存じております。
#11
○委員外議員(河井彌八君) これで了承いたします。
#12
○委員長(櫻内辰郎君) ほかに御質疑がありましたら……。
#13
○曾祢益君 只今の政務次官の御説明によりますと、大体十一号はそのままにして置いて、新たに文化活動に関する事務というのを加える。そうしてフランスに関しては十一号ができないから、そういつたような場合には、ほかにもあるでしようけれども、例えばフランスの問題を捉えて見ると、十一号ではやらないということを外務省令で出すと、こういうことなんですか。
#14
○政府委員(草葉隆圓君) 御質問の通りでございます。
#15
○曾祢益君 その点はわかりまするが、そういたしますると、このたびのフランスに開く在外事務所が契機であつたけれども、結局すべての在外事務所において、文化活動に関する事務を行うことは連合軍総司令部の承認を得た、こういうことなんですか。
#16
○政府委員(草葉隆圓君) フランスだけの問題であります。現在のところではほかのはまだそこまで参つておりません。
#17
○曾祢益君 そういたしますると、この法律を作つたけれども、十一号はフランスで使えない、十三号はフランスだけしか使えないから、そういつたような外務省令を出すということですか。
#18
○政府委員(草葉隆圓君) そうです。
#19
○曾祢益君 文化活動はフランスだけでありますね。
#20
○政府委員(草葉隆圓君) はあ。
#21
○曾祢益君 フランスだけでもできることになつたのは非常に結構なことと思うのですが、これに関連してですね、外務本省においては、この在外事務所の文化活動を統括し、これに指揮するような文化活動に関する部局の編成等については如何に考えておられるか、お伺いいたします。
#22
○政府委員(草葉隆圓君) これは只今、曾祢委員からの御質問もありましたが、現在はまだフランスだけでございますから、私どもといたしましては、フランスにおきまする文化活動を十分にいたしまするように、本省におきましても文化課等を現在設けておりまするが、十分活動をいたしまして、連絡を十分にいたしたいと存じております。
#23
○曾祢益君 そうすると、差当りは新たな機構の拡充等は行わない、現在の外務省の機構及び何といいますか、所管部局の扱いでやると、こういうことになるのでございますか。
#24
○政府委員(草葉隆圓君) 目下のところは、さようでございます。
#25
○曾祢益君 それでは今外務省の現機構においては、どういう部局がどういう人員構成を以てこの文化活動に関する問題をやつているか、お伺いいたしたいと思います。
#26
○政府委員(草葉隆圓君) 現在では情報部の文化課がこれを掌つております。その定員等は細かく又お示ししてお答え申上げたいと思います。
#27
○曾祢益君 文化課というのがあるのですね。
#28
○政府委員(草葉隆圓君) あります。
#29
○曾祢益君 それでわかりましたが、この文化活動は非常に今後の平和日本の外交上極めて重大な点だと思いますので、これはまあフランスだけに取りあえずできたわけですけれども、これを進めて、各國において少くも在外事務所のある國においては、こういうことができるように、総司令部当局並びに特に相手國との間にそれらの折衝を続けて頂きたい。それから更に従来の日本の文化活動が、極めて日本のいわゆる軍國主義的な変な文化の名において、文化にふさわしくない活動に利用された悲しい歴史があるのでありますから、これらの問題について、外務本省として文化的な十分な準備を以て臨んで頂きたいことを希望として申上げて置きます。
#30
○政府委員(草葉隆圓君) 只今の曾祢委員の御希望はよく承知いたしました。外務省としても御希望に副うように努力いたしたいと思います。
#31
○委員長(櫻内辰郎君) ほかに御質疑はございませんか。
#32
○團伊能君 只今曾祢君からも御質問がありましたが、二、三伺いたいと思います。第一は、これが今日フランスにおきまして文化活動ができるということは大変結構なことでありますが、外務省といたしまして、只今曾祢君の御質問と重複いたしますが、在外事務所のできたところ全部にこれを同じような条件で司令部の許可の下にお始めになり、許可をおとりになるという、御意思がありますかどうか、ちよつとお伺いいたしたいと思います。
#33
○政府委員(草葉隆圓君) 只今團委員の御質問のように、外に十数カ所の在外事務所にも、できることならば、文化活動のできるような方向に進めて行きたいと念願いたしております。ただ現在は、差当りパリだけでございますから、さような希望を持つております。
#34
○團伊能君 次に従来の外務省で、文化事業部その他が御指導になります在外文化事業におきまして、一番困つた問題は、外務省在外公館それ自身がそういうことにタツチなさることによりまして、ことごとくそれは一つの國のプロパガンダというような形にとられた場合が非常に多かつたのであります。外務省の出先機関が発表なさることによつて、新聞社が却つてこれを受付けないようなことがあり、いろいろ文化活動でございますから、そこにあやが多いものであると考えますが、このたびパリにおきましても、或いは外務省の出先機関以外の方を嘱託にされるとか、或いは一つ文化アタツシエというようなものを置いて、十分專門的な人なり、知識を御利用になる御意思がありますか、その実行方法について少し伺いたいと思います。
#35
○政府委員(草葉隆圓君) 従来の在外公館での文化活動にいろいろな問題があつたことはあるかと存じますが、殊にパリ及び今後希望いたしております文化的活動におきましては、過去における最もいい事例である、或いは今後真に文化的な活動のできる本当な方針、方向に持つて行くことを希望いたしておる次第でございます。従つて或いは文化人等を嘱託として進めて行くということも当然場合によつては起ることだと存じております。そうして成るべく在外事務所の文化的活動を十分に達して行きたい、かように考えております。
#36
○團伊能君 次は在外公館として、外國においでになる大公使もその他全部を含めて一つの日本の代表者たる、且つ日本文化の代表言である場合にお立ちになる場合も非常に多かつたと思いますが、それにつきまして、日本から送り出されます外交官の素質の問題が多少関係いたして参るかと思いますが、今日外交官として御採用になつておる方法、或いは研修所その他におきまして、文化的な意味をも代表し得る資格のある者についての外務省は外交官の教育その他においてどういう方法をおとりになつておりますか。
#37
○政府委員(島津久大君) 現在の外務省員に対しましては、御承知のように外務省の研修所がございます。研修所で文化方面も十分含めまして訓練を行なつております。又新規採用の場合にもその点は十分考慮いたしまして、外國において十分な、又立派な活動のできる人達を採用するつもりでおります。
#38
○團伊能君 この在外文化事業は将来の日本、殊にこういうように変りました日本の将来の外交面におきましては、非常に大きなフアクターであるかと考えまして、従来から考えましたものと大分違う扱いを行うべきものと考えますが、それにつきまして、只今情報局の一部に文化課というものがおありになるということを伺いましたが、将来の外務省の機構の上に、何らかこれらに対するお考えがおありになりますかどうか。又その他日本内におけるいろいろな各種文化運動との連繋、或いはこれを指導するという点においても、外務省として一つのお考えがありますかどうか、お伺いいたしたい。
#39
○政府委員(草葉隆圓君) この文化活動が存外事務所でだんだんと十分な活動が活溌になつて参りますと、只今團委員から御質問のような方向に向つて来なければならない時期があるかとも存じますが、差当りは現在はまだそこまでは考えておらないのであります。ただ十分國内の文化機関と申しますか、団体と申しますか、そういう方面とも今後十分連絡をとりまして、日本の文化等の問題につきましても、十分な紹介、連絡というのができまするような方向に持つて参りたいと存じております。
#40
○團伊能君 将来の問題と同時に、只今新聞紙上にいろいろ報道されておりますように、いろいろ文化面のかたが海外に行かれますが、特に最近芸能関係が随分外國に参り、殊に米國に参りまして、各地にいろいろな演奏をいたしたりしておりますが、これらの中には相当考えさせられるものもございますので、今日の外務省におかれまして、それは全くタツチしないこととして、外國に渡航するそういう人の素質につきまして、何もお考えになつておりませんか。或いは多少のそこにいろいろお考えの下に撰択しておいでになりますか。ちよつとお伺いいたしたいと思います。
#41
○政府委員(草葉隆圓君) 特別に現在はあれこれタツチをするという程度までは至つておりませんが、併し御質問の点のようなことも多々起る場合があるかとも存ぜられますので、今後はそういう点につきましても十分考えて行かねばならないと存じます。
#42
○杉原荒太君 在外事務所の設置の具体的の場所のことでありますが、これは非常に限られておることなんで、数が限られておるから、設置する場所の選定ということが非常に大事だと思うのでありますが、ここに新らしく加えられておる場所の選定は私も非常に結構だと思うのですが、殊にその選定に当つては、できるならば首府に設けるということは、これは是非望ましいことだと思うのです、いろいろな意味合いで……。従来のきまつた中で必ずしもそうでもないものがあるようですが、それがどういうふうな事情でそうなつておるかということ。それから今後新たに設ける場合に首府というようなものには特別の重要性を置いて、少くとも我が方の案としては、そういう案で行くというふうなお考えであるかどうか。その点……。
#43
○政府委員(草葉隆圓君) 御質問の点御尤もだと存じます。成るべくそういう方向で進めることが適当だと存じますが、ただ問題が通商その他の関係というものなのでございますから、そういう関係において最も妥当であり、便利な所というのが多く第一に現在は選ばれておるという結果のために、只今のような御質疑の起る場合もあろうかと思います。この点さよう御了承願います。
#44
○杉原荒太君 それからもう一つここで伺いたいのは、パリでは何か日本人の遺産に関することをやらぬことになつておるが、あの遺産というのは、本当の意味の、嚴密の意味の遺産ですか、遺留財産ですか、どつちですか。そうしてそれをやらぬというのは、どういうわけでやらぬのか、ちよつと気にかかりましたのですが……。
#45
○政府委員(島津久大君) これはフランスの國内の事情で、フランスの國内法で扱うということで、在外事務所が管轄し得ないようになつておるわけですが、これは御承知の通りに、平時におきまして、領事館が当然に死亡しました本國人の遺産を管轄する権限を有することはないと承知しております。ただ領事館の本國と所在國との間に通商航海条約や領事職務条約などで、これに関しまする特別の同意がある場合だけその権限を有することになるわけでございます。フランスの場合は、戰前もこういう関係の仕事を領事館でもやつておらなかつたのであります。それから遺産の関係につきましては、嚴密な意味の遺産と解釈いたしております。
#46
○加藤シヅエ君 文化活動というものは、どういう範囲のことを考えていられるのですか。過去においてはいろいろあつたかと思いますが、この際新らしくこういう活動が起るということになりますと、その範囲というようなものを少し具体的に示して頂きたいと思います。
#47
○政府委員(島津久大君) 具体的な内容はまだ余りはつきりはいたしておらないのであります。九月十四日付の総司令部の覚書によりまして、フランス政府が在外事務所に文化的な仕事をやらしたいと言つて来ておるのであります。それにはパリにおる日本人学生の活動を統制することと、それから一九五〇年四月八日付連合國軍最高司令官総司令部回章第八号によつて定められた制限なり……この回章では占領目的に反しないこととか、或いは全体主義、そういうような自由主義に反するような文化活動を制限しておるわけなのであります。そういう制限の中で、文化の交換に関する問題をフランスの外務省の文化関係部との間に処理することができる、こういう条件になつております。その具体的な内容はやはり事務所の所員が到着いたしまして、フランスの外務省の文化関係の部と打合せの上でなければ、細かいことはわかつておらないのであります。
#48
○加藤シヅエ君 今後のその文化活動というものはユネスコと何か特別な連絡、関係をお持ちになるということがあるのでございましようか。或いは将来そういうことをお考えになつていらつしやいましようか。
#49
○政府委員(島津久大君) 特にその点は、今回の問題については出て来ておらないのでありますが、自然関連は出て来るものと存じております。
#50
○委員長(櫻内辰郎君) ほかに御質疑はございませんか……。
 御質疑もまだ尽きないと存じますが、本日の質疑はこの程度にとどめまして、次回の委員で質疑を行うということにしたら如何でございましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#51
○曾祢益君 この件につきましては、それで打切つてよろしいのですが、これは議事進行に関してですが、これはこの程度にいたしまして、政府委員にほかの問題で質問をしたいと思います。
 この際政府委員に伺いたいのですが、朝鮮の動乱が非常に危險な段階に来ておると思うのです。この問題につきましては、全世界の各國が異常な緊張を以て迎えておることは今更申すまでもないと思いますが、かような際でありますから、政府委員、外務大臣を含めての政府委員におかれては、みずから進んで朝鮮動乱に関する見通し、一体戰争か平和かという極めて重大な問題に関しまして、この際進んで委員会に出席されて、そうしてその見解を述べて頂きたい。國民に対しまして、日本の運命に関する非常に大きな問題でありますから、その所見をはつきりと一つ述べて頂きたい、かような実は希望を持つておるわけであります。本日はさような意味で非常に大きな期待を持つて外務大臣の御出席を迎えるつもりであつたのでありますが、不幸にして外務大臣が御所用で来られないということでありますから、若し外務次官において、この点に関する御説明を承わることができるならは非常に結構だと思います。
#52
○政府委員(草葉隆圓君) それでは只今の点につきまして御報告を兼ねて申上げて置きたいと思います。実はいわゆる朝鮮動乱が起りまして、その後だんだん國連軍が三十八度線を越して、十月七日に北鮮に入りました。殊に最近に至りましてからは、十一月六日マツカーサー元帥の、外國共産軍が北鮮軍に入つておるという声明がありました。本月に入りましてからは、十一月二十四日に國際連合軍が総反攻の形をとつて参つたのでありますが、たまたま去る二十八日、マツカーサー元帥はこの北鮮軍の中に中國共産軍、二十万以上の中共軍が加つたということを声明されまして、ここに誠に好ましからざる重大な様相を展開したと存じます。これにつきまして、昨日トルーマン大統領が新聞記者との会見におきまして、いろいろとこれに対する見解を発表いたされておりまするようでございまするが、それによりますと、この事態は相当重大な事態に展開したという見解の下に、何とか更により以上の好ましからざる状態に進展しない方法をとつて行くことについて、今後いろいろな動きが行われるのではないかと存じます。本日あたりの情報を総合して考えて参りますと、アメリカは朝鮮におきまする國連軍の使命を、この状態において放棄するという考えは全然ないということをはつきりと申しておりますし、又次にはこの状態が続いて、そうして共産主義の侵略が成功する状態になるならば、或いは欧洲にも拡大することもあり得るかも知れないというような点がありますし、或いは又朝鮮におきまする中共軍の攻撃は、ソ連の示唆によるものであるという意味のことがあるようにも現われますし、更にいろいろ新聞記者の一問一答におきまして、満洲を越へて爆撃するかという問題につきましては、國連が決定するものであるという点を申しておられるようでございます。又中共に対する態度はどうだというような点につきましても、これはあらゆる武器を使用し、更にあらゆる武器という点について、原子爆彈の言葉が出て参つたようでございますが、併しこの点につきましては、積極的には考えておるけれども、原子爆彈というのは最後まで使用されないよう心から希望しておるという点を申しておられるようでありまするが、要は戰争の今後の拡大ということを努めて防ぐために、中國民衆が國際連合の意図を十分理解して、そうして世界の平和のために朝鮮問題が成るべく早く穏やかに終了するために、今後の動きが一層活溌になつて来るような様相を呈しておるのではないかという判断をいたしておる次第でございます。
#53
○曾祢益君 只今大体におきまして、最近の國際情勢の動きのあら筋は伺つたのですが、結局結論的にはこれは中共と國連との間の話合に関してはまだ希望がある、こういうふうにお考えになつておるか。それともそれが非常に困難なようにお考えになつておのるかについてお伺いいたしたいと思います。
#54
○政府委員(草葉隆圓君) 必らずしも困難ではなく、平和の打開のためにはあらゆる方法が今後とられるものだと考えております。
#55
○委員長(櫻内辰郎君) それでは懇談会に移りまして、坂西專門員から最近の調査をされたことを委員会に御報告願うことにいたしたいと存じますから、さよう御了承願いたいと思います。それでは委員会は休憩いたします。
   午後二時三分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時五十四分開会
#56
○委員長(櫻内辰郎君) それでは開会いたします。本日はこの程度で散会いたします。
   午後二時五十五分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     櫻内 辰郎君
   理事
           曾祢  益君
   委員
           杉原 荒太君
           團  伊能君
           加藤シヅエ君
           金子 洋文君
           伊達源一郎君
  委員外議員
   内閣委員長   河井 彌八君
  政府委員
   外務政務次官  草葉 隆圓君
   外務省政務局長 島津 久大君
ソース: 国立国会図書館
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