くにさくロゴ
2000/02/25 第147回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第147回国会 予算委員会 第13号
姉妹サイト
 
2000/02/25 第147回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第147回国会 予算委員会 第13号

#1
第147回国会 予算委員会 第13号
平成十二年二月二十五日(金曜日)委員長の指名で、次のとおり分科員及び主査を選任した。
 第一分科会〔皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣及び総理府所管(北海道開発庁、経済企画庁、科学技術庁、環境庁、国土庁を除く)並びに他の分科会の所管以外の事項〕
   主査 高橋 一郎君
      久間 章生君    高鳥  修君
      萩野 浩基君    生方 幸夫君
      濱田 健一君
 第二分科会(法務省、外務省及び大蔵省所管)
   主査 西田  猛君
      稲垣 実男君    村山 達雄君
      池田 元久君    岩國 哲人君
      青山  丘君    木島日出夫君
 第三分科会〔総理府(科学技術庁)、文部省及び自治省所管〕
   主査 桝屋 敬悟君
      伊藤 公介君    中川 昭一君
      古賀 一成君    石田 勝之君
      鈴木 淑夫君
 第四分科会(厚生省及び労働省所管)
   主査 自見庄三郎君
      石川 要三君    中川 秀直君
      山口 俊一君    五島 正規君
      春名 直章君
 第五分科会〔総理府(環境庁)及び農林水産省所管〕
   主査 町村 信孝君
      島村 宜伸君    杉浦 正健君
      葉梨 信行君    原口 一博君
      平賀 高成君
 第六分科会〔総理府(経済企画庁)及び通商産業省所管〕
   主査 太田 昭宏君
      小澤  潔君    船田  元君
      海江田万里君    肥田美代子君
      青山 二三君
 第七分科会〔総理府(北海道開発庁)、運輸省及び郵政省所管〕
   主査 村田 吉隆君
      甘利  明君    大原 一三君
      津島 雄二君    横路 孝弘君
      保坂 展人君
 第八分科会〔総理府(国土庁)及び建設省所管〕
   主査 萩山 教嚴君
      亀井 善之君    栗原 博久君
      森山 眞弓君    日野 市朗君
      佐藤 茂樹君    加藤 六月君
平成十二年二月二十五日(金曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 島村 宜伸君
   理事 久間 章生君 理事 自見庄三郎君
   理事 高橋 一郎君 理事 萩山 教嚴君
   理事 町村 信孝君 理事 池田 元久君
   理事 海江田万里君 理事 太田 昭宏君
   理事 西田  猛君
      甘利  明君    伊藤 公介君
      石川 要三君    稲垣 実男君
      小澤  潔君    大原 一三君
      亀井 善之君    栗原 博久君
      杉浦 正健君    高鳥  修君
      津島 雄二君    中川 昭一君
      中川 秀直君    葉梨 信行君
      萩野 浩基君    船田  元君
      村田 吉隆君    村山 達雄君
      森山 眞弓君    山口 俊一君
      岩國 哲人君    生方 幸夫君
      枝野 幸男君    河村たかし君
      古賀 一成君    五島 正規君
      今田 保典君    島   聡君
      原口 一博君    日野 市朗君
      肥田美代子君    横路 孝弘君
      青山 二三君    石田 勝之君
      佐藤 茂樹君    桝屋 敬悟君
      青山  丘君    加藤 六月君
      鈴木 淑夫君    石井 郁子君
      木島日出夫君    春名 直章君
      平賀 高成君    矢島 恒夫君
      知久馬二三子君   濱田 健一君
      保坂 展人君
    …………………………………
   法務大臣         臼井日出男君
   外務大臣         河野 洋平君
   大蔵大臣         宮澤 喜一君
   文部大臣         中曽根弘文君
   厚生大臣         丹羽 雄哉君
   通商産業大臣       深谷 隆司君
   運輸大臣         二階 俊博君
   労働大臣         牧野 隆守君
   自治大臣
   国務大臣
   (国家公安委員会委員長) 保利 耕輔君
   国務大臣
   (内閣官房長官)     青木 幹雄君
   国務大臣
   (金融再生委員会委員長) 越智 通雄君
   国務大臣
   (総務庁長官)      続  訓弘君
   国務大臣
   (防衛庁長官)      瓦   力君
   国務大臣
   (経済企画庁長官)    堺屋 太一君
   内閣官房副長官      額賀福志郎君
   金融再生政務次官     村井  仁君
   総務政務次官       持永 和見君
   防衛政務次官       依田 智治君
   防衛政務次官       西川太一郎君
   法務政務次官       山本 有二君
   外務政務次官       東  祥三君
   大蔵政務次官       大野 功統君
   文部政務次官       河村 建夫君
   運輸政務次官       中馬 弘毅君
   自治政務次官       平林 鴻三君
   政府特別補佐人
   (内閣法制局長官)    津野  修君
   政府特別補佐人
   (公正取引委員会委員長) 根來 泰周君
   政府参考人
   (警察庁長官)      田中 節夫君
   政府参考人
   (警察庁生活安全局長)  黒澤 正和君
   政府参考人
   (警察庁刑事局長)    林  則清君
   政府参考人
   (文部省高等教育局長)  佐々木正峰君
   政府参考人
   (労働省職業安定局長)  渡邊  信君
   予算委員会専門員     大西  勉君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月二十五日
 辞任         補欠選任
  岩國 哲人君     島   聡君
  五島 正規君     枝野 幸男君
  日野 市朗君     河村たかし君
  志位 和夫君     矢島 恒夫君
  春名 直章君     石井 郁子君
  濱田 健一君     知久馬二三子君
同日
 辞任         補欠選任
  枝野 幸男君     五島 正規君
  河村たかし君     日野 市朗君
  島   聡君     今田 保典君
  石井 郁子君     春名 直章君
  矢島 恒夫君     平賀 高成君
  知久馬二三子君    濱田 健一君
同日
 辞任         補欠選任
  今田 保典君     岩國 哲人君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 平成十二年度一般会計予算
 平成十二年度特別会計予算
 平成十二年度政府関係機関予算

    午前九時開議
     ――――◇―――――
#2
○島村委員長 これより会議を開きます。
 平成十二年度一般会計予算、平成十二年度特別会計予算、平成十二年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 三案審査のため、本日、政府参考人として警察庁長官田中節夫君、警察庁生活安全局長黒澤正和君、警察庁刑事局長林則清君、文部省高等教育局長佐々木正峰君及び労働省職業安定局長渡邊信君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○島村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
#4
○島村委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。原口一博君。
#5
○原口委員 民主党の原口一博でございます。
 きょうは、関係大臣に、この予算の大事な問題点について御質問をさせていただきます。
 まず、官房長官にお尋ねをいたします。
 政治に一番必要なものは一体何なのか、官房長官がどのようにお考えか。
 私は、二十三歳のときに、いわゆる越山会と言われた大変大きな後援会の組織の参謀の方に会ってまいりました。そのときに、政治に必要なことを一言で言えという課題をいただきました。私にいただいた課題を官房長官のような目上の方にお聞きするのは大変心苦しゅうございますが、政治に一番何が必要か、官房長官のお言葉をいただきたいと思います。
#6
○青木国務大臣 政治に一番大事なことは、信頼だと考えております。国民に信用していただける政治だと考えております。
#7
○原口委員 全く同じ答えを私もそのときいただきました。信頼なんだと。信頼がなければすべての政策、予算、そして海外との外交、これもうまくいかないんだ、そのお話をいただきました。
 今、その信頼が大きく揺らいでいます。私は、きょうこのような質問をする、国民の皆さんの前でこのことを明らかにする、これは、今後の予算、あるいはこの国のあり方、行政に大きな転換点になるというふうに思っています。
 委員長のお許しをいただいて、資料を配らせていただいて、そしてパネルを使わせていただきたいと思います。
#8
○島村委員長 どうぞ。
#9
○原口委員 昨日、大蔵委員会で質疑がございました。その際に、越智金融再生委員長は、二月の十九日に、栃木県塩原町ホテルニュー塩原において御講演をなさっています。そして、その問題についてきのう記者会見をされていますが、二月十九日に同ホテルで御講演をなさったことは事実でございますか。
#10
○越智国務大臣 同日、同僚代議士の後援会の大会がございまして、数百人の大会ではいわゆるごあいさついたしましたが、その前に別室に、数人かと思いましたが数十人の金融関係者がいらっしゃいまして、懇談をしたいということで、御懇談をさせていただきました。
#11
○原口委員 その際の発言について、昨日大蔵委員会で我が党の上田清司議員が、襟を正すべきではないかというお話をさせていただいたわけでございますが、その内容は覚えていらっしゃいますか。
#12
○越智国務大臣 大体の骨子は、かねて自分の考えていたことを申し上げているわけでございますから。ただ、どういう言葉回しと申しますか、そのそれぞれを覚えているわけではございません。
 私どもは、テープも何もとらない内輪の会だと思っておりましたので、記録はございませんでした。
#13
○原口委員 私は、リップルウッドのグループに長銀が売られ、そして日債銀の問題、これもあり、また、昨日この予算委員会の公聴会で、なぜペイオフを延期するのか、なぜ八兆円銀行に借金をするのか、あるいは、新しい預金保険のあり方は本当にこれでいいのかというお話をしました。しかし、その根底が揺るごうとしている。
 きのう上田委員が御指摘をしたパネルをここに示させていただきます。
 読ませていただきます。
  二〇〇〇年、今年、われわれが今一番心配してること、もう私が着任したときから心配してるのは、信用金庫、信用組合です。
このとおりだと思います。
 ズバリ申し上げます。で、信用組合の方は七月から、三月までの間に全部検査します。三百を。それは手配がつきました。検査の仕方できついとかあったら、またどんどん、直接仰せください。あるいはここにお集まりのみなさん、蓮実さんに
蓮実さんというのは、後でお聞きしますが、代議士の蓮実さんのことだと思いますが、
 どんどん言ってください。書類かなんかが渡してもらったら、彼が私のところに来たら、最大限考慮しますから、それは。
というふうにおっしゃっています。
 一体これはどういうことなのか。考慮をするということはどういうことなのか。
 私には、例えば、今国税の方でも、脱税グループがいて、代議士の名前をかりたりいろいろなことをして不法な所得を得た人がいるということが報じられ、当委員会でも議論をしてきたわけですが、国税に言ってみれば、自分は国税庁長官だけれども、もし何かやましいようなことがあったら自分に相談してくれ、お目こぼしするから、そう言っているのと同じじゃないですか。警察に例えて言えば、警察に捕まったら、私は警察庁長官だけれども私に言ってきてください、罪一等減じますからと言っているのと同じじゃないですか。
 私は、このことの真意をただしたい。お言葉をいただきたいと思います。
#14
○越智国務大臣 特定の銀行の特定の検査に私どもは介入するつもりもございませんし、また、そういう、やったこともございません。
 それで、この会合の、約二十分か三十分の中のごく一部を今取り出されているわけでありますが、そもそも、集まられた信金、信組の方々には、これからいわばビッグバンの最終ラウンドは皆さんのところですと。それで、栃木県は、もう今お名前が出ましたからずばり申し上げますと、栃木県は信用金庫が八つで信用組合が十二だ、二十ある、大変つらいだろう、数字をいろいろ見てもなかなか大変らしい、だから、皆さんがよく金融の再編に乗って、自分たちが今後も二十一世紀やっていけるような金融情勢をつくらなきゃだめですよと。
 殊に、今まで信金、信組は協同組合組織でしたから、資本の注入はできませんでした。預金保険機構にある健全化勘定からの注入は実際上一件もなかったわけであります。したがいまして、優先出資法の改正を今国会にお願いしておりますので、これが通ればこの夏から出資ができるようになる。それにはあらかじめ皆さんそのつもりで自分の経営を考えて、どこそこと一緒になるとか、それぞれがどういうふうにするとか……(発言する者あり)ちょっとお待ちください。(発言する者あり)いいえ、真意をお答えしております。
 それで、そういうことで申し上げましたところ、皆さんがそれはそのとおりだと。懇談会の中でございますが。
 しかし、その場合には、健全化勘定を入れる前には必ず検査が前置されている。検査は、殊に信用組合にとっては、今度財務局が入ってくるのは初めてだと。数三百を三月決算を考えながら始めるとすると、七月から来年三月までの間の九カ月間に三百やるとなるとかなりきつい。手配ができたというのは、六名一班とするのを何班出してどうするかという話が大体固まった、増員を認めていただければですけれども。増員を認めていただいた上での、今予算にのっております。その上で、大体そういう手配はついたけれども、実際にいった場合には、検査マニュアルを適用すると相当画一的になるケースもあり得る。だから、検査マニュアルそのものには、このマニュアルを機械的、画一的に適用しては困りますよという注意書が実は十一カ所にわたって書いてあるんです。だけれども、それが実際にどうなるか、そういうことで……(原口委員「委員長、聞いたことに答えていただきたいんですが」と呼ぶ)いや、今申し上げております。そういうことで、この検査マニュアルがどのように適用されているか。
 ですから、私はそこにも、今お読みいただいたところに書いてあるように、私は検査と言っておりません。検査の仕方と言っているのはそういうことでありまして、検査そのものは金融監督庁の仕事でございますが、検査の中の、どういう債権は何%引き当てするとか、そういうことは私どもが担当いたしておりまして、しかし、私個人が決めるわけではありません。委員会でやっておりますが、そういう意味で、私どもの方は、そのお話をぜひやってくださいと。殊に、検査を受ける前に自主検査をしてくれということを既に手紙でお願いしてございますから、自主検査の結果自分のところは四%切りそうだということはぜひしっかりと……(原口委員「委員長、聞いたことに答えておられませんから」と呼ぶ)
#15
○島村委員長 御答弁は簡潔に願います。
#16
○越智国務大臣 はい。しっかりと自分で自主検査をして、その上でいろいろ御相談をしてください、こういうことを申し上げたわけでありますが、その最後の言葉が非常に誤解を招く話しぶりになったということにつきましてはまことに申しわけなく、昨日の大蔵委員会でも、不適切な発言については申しわけないということを申し上げているわけでありまして、個々の検査について私が介入したこともなければ、伝統的に、再生委員会は監督庁にそのようなことをしたことはございません。
#17
○原口委員 委員長にお願いいたします。質問をしたことに簡潔にお答えいただきたい。
 官房長官は、信頼だというふうに言われましたが、検査の話をしているんです。検査をいつからいつまでやるということを言って、そして、きつかったらどんどん、直接仰せくださいとおっしゃっているんですよ。
 あなたは、ここまでおっしゃるんであれば、二つ聞きます。一つは、こういう監督する責任があるんじゃないですか、金融再生委員長というのは。違いますか。
#18
○越智国務大臣 ただいまの御説明でも申し上げましたとおり、個々の金融機関の検査に関しては直接の権限は何もございません。金融監督庁長官にすべて一任してございます。検査の仕方、ルール等を決めるときには私どもにお話があると理解いたしております。(発言する者あり)
#19
○原口委員 今のでよくわかった人が珍しいと私は思います。
 そういうことをおっしゃるだろうから、資料を持ってきました。恐らくそうおっしゃるんだろうなと思いました。六ページ、金融監督庁の上にあなたがいらっしゃるんですよ。金融再生委員長というのは何でできたんですか。今まで土地ころがしに踊った人たち、バブルに狂った人たち、その人たちのために幾らの国民の税金が使われましたか。この六ページ、ごらんになってください。あなたがその最高責任者なんですよ。
 自分は個々の銀行にくちばしを入れない、そうしたら、ここに言っていることは何ですか。どんどん言ってきてください、蓮実さんを通して私のところに来れば何とかなりますよと言っているじゃないですか。あなたの権限は何なのか、教えてください。
#20
○越智国務大臣 金融監督庁ができましたのが一年半と申しますか、それからそれに約六カ月おくれて再生委員会ができました。そして金融監督庁は、総理大臣の下につながっていたのが、再生委員会の下に入りました。再生委員長というのは、再生委員会の座長であり、取りまとめをして代表することになっておりますが、形式的には再生委員会の外局が金融監督庁でありますが、金融監督庁に対しては、長官の人事以外は一任いたしておりますから、全部、監督庁長官が各金融機関の検査を担当している。私自身は、始まるときも終わったときも報告は受けて、始まるときはこういうことをやり出しましたという報告はありますが、結果の報告その他は全くございません。
#21
○原口委員 まさに、官僚答弁を聞いているわけじゃないんです。
 もうそういうこと自体が、私は、八兆円の国債や銀行借り入れの話をしたときに、皆さんは大丈夫だとおっしゃいましたよ。だけれども、その週に、もう日本の国債の格付は落ちている。金融行政のトップがこういうことを、さも自分に検査の権限があるかのように、さっき、どうにかなると私は言いましたけれども、ここにはどうにかなるよりもっとすごいことを言われていますよ。「最大限考慮しますから、」私は、これは日本全体にとって国益を損ねると思いますよ。
 世界の金融状況、私は、日本の今までのやり方は絶対違うということをずっと言ってきました。本来だったら、問題銀行を特定して、そして経営権の掌握をして、経営責任の追及をして、それから公的資金を入れるべきだということをずっと主張してきたんです。ところが、越智金融再生委員長はこの逆をやられた。つまり、皆さん、問題があったら自分に言ってきてください、自分に言ってくれば公的資金、公的資金と言っていますけれども、これは税金ですよ、税金を用意しているから、自分に言ってくれれば何とかなるよということを言っているのと同じじゃないですか。
 日本は今どうなっていますか。たくさんの失業者があふれ――官房長官、本来だったらぜひ総理に伺いたい、任命権者としてのその責任を伺いたい。日本の国益を毀損した、私は毀損していると思う、このニュースが世界に回ったときに、日本て国は結局どこかでだれかが手心を加えるんだと。
 きょうここに検査示達書も、いわゆる前回、何とかしゃぶしゃぶで手心を加えていた人たちの、そのときの調査報告書、これは中身は、この予算委員会で決まっていますから、外に出しちゃいけない。だから、私たちは国民にこんなのしか出せないんですよ。全部、不良債権が幾らある、これ、書いてありましたよ。だけれども、外に出せない。国民の側からすると、わけがわからないで請求書だけが来ているのと同じじゃないですか。そういう政治をいつまでやるんですか。
 官房長官、今の御発言をお聞きになって、どうやって信頼を回復されるのか、官房長官のお言葉をいただきたいと思います。
#22
○青木国務大臣 最初の議員の発言に対して、私は、やはり政治家にとって一番大事なことは信頼だと申し上げました。信頼が損なわれた場合には、それがもとに返るように、みんなが真摯な態度でこれに対応し、信頼を取り返していかなきゃいけない、それが私どもの大きな責任だと考えております。
#23
○原口委員 私は、どうやって回復するんですかということを聞きました。一生懸命働いて税金を払って、そして年金も減らされて、路頭に迷っている人たちが今のお言葉を、越智再生委員長のお言葉を聞けば、どんなにつらい思いがするでしょうか。これは党派の話をしているんじゃないんです。党派ではなくて、私たち日本全体が問われている問題だというふうに思います。
 さっき越智金融再生委員長は、一部だけ取り出すなというお話をされました。それはそうだと思います。ですから委員長、お許しをいただければ、この全文を皆さんにお配りしても結構です。理事会で協議してください。
#24
○島村委員長 理事会で協議をいたします。
#25
○原口委員 もっとすごいことを言っているんですよ。私は、こんな答弁をされると思いませんでした。これだけ国益を毀損したんだから、潔くやめますというお言葉が冒頭にあると思いました。
 読みます。この後のパラグラフです。
 せっかく延ばしましたから、今言ってくれれば、まだ私のところからお金が出せるんですよ。実際には、いわゆる六十兆、金融の安定のために用意したと。また延ばして十兆乗っけたんで、そんなに使っちゃいません。言葉がぞんざいで悪いですけれども、くれたお金が一兆五千、貸したお金が十五兆、それしか使ってないんですよ。あとはまだ権限があるだけの話でね。ですから、今のうちに、だめなものは言ってきてください。
こう言っているじゃないですか。
 あなたに伺う。この六十兆というのはあなたのお金ですか。国民の税金ですよ。何回も何回もこの予算委員会でやった。今、財政構造改革のメッセージを出さないと日本はつぶれてしまう。梶山先生やいろいろな方々の論文を引きながら、朝から晩までずっと議論をしてきました。こんなことを言われたのでは、まじめに頑張って、今確定申告の時期に税金を払おうとしている人たち、あるいは国税の皆さんも、みずからの危険を顧みず頑張っておられる、そういう人たちに顔が向けられますか。この六十兆、あなたの金か、伺いたい。
#26
○越智国務大臣 お答え申し上げます。
 そこに考え方の、申しわけありませんが、違いがあるのかもしれませんが、信用金庫、信用組合がつぶれますと、地域経済には大変大きな影響が出ます。全体的なシステマチックリスクにはなりませんけれども、その地域の大きな問題になりますので、もしそれが、今かなり傷んでいるのにかかわらず、もうちょっとすればということで延ばしていて最後に破裂しますと、より多くの経費がかかるわけです。
 責任の追及は、それを経営していた方々にやめていただくとか退職金を出さないとか、いろいろな手がございますけれども、金融機関そのものは、できるだけ他の金融機関との合併とか営業譲渡その他のものを考えてやっていかなきゃならぬだろう。
 それの健全化勘定の使えるのはあと二年でございまして、そして、それを実際に運用するためには、検査が始まってから一年半かかってやっとそうした合併等が成就している今までの実績から見て、どんなに早めても一年だから、もし将来そういう事態になるのならば早くお申し出いただきたい。それには、検査が入って調べられて、やはり四%切りましたというよりも、自分のところで厳重に自主検査をしてみてください、その上でそういうお申し出があれば、我々の方で十分検討しましょうという意味で申し上げておるわけで、検査そのものにどうこうするというつもりもございませんし、ましてや、そのお金をできるだけ使わないように私ども努力いたしておりまして、そういうようなことですから、ぜひ御理解をいただきたいと思います。
#27
○原口委員 私は、こんな答弁では、やはり国民に申しわけなくて質問を続けられない。
 金融再生委員会の権限というのは何ですか。この第四条、所掌事務、第四条の三、「銀行業、信託業及び」云々と書いてあるじゃないですか。あなた、その検査の権限があるんですよ。それが権限者がこんなことを言っている。しかも講演会で。こんなことをやっていたんじゃだめですよ。
 私、その後を読みましょうか。本当に、きょうはこれよりも、大所高所に立って、世界が、今この日本が迎えている危機をどうするか、あるいは思いやり予算をどうするか、教育の費用を倍増して、今みたいにもう本当に法も正義もないというものを教育から変えるべきだという話をしようとしました。しかし、今みたいなことでは話にならぬ。
 もう一つ。これは前回、予算委員会で、去年の予算委員会で取り上げたものです。あなたの資金管理団体、約一億借りておられる。ほとんど変わっていない。この中には大きな銀行もあれば、また信用組合もございますよ。
 私、直接ここへ行ってきました。私は、こういうことが政治をおとしめていると思う。私は、こういうことが続くと、金融全体をおかしくしていくと思う。無担保で、しかも利子分は補給されているじゃないですか、政治献金で。もう本当に出直さないと、今まで営々として頑張ってきた日本のこの積み上げたものが瓦解しようとしている、そういう危機意識がないのか。
 大蔵大臣、大蔵大臣にお伺いします。大蔵大臣が、長い間金融、財政、日本の経済を引っ張ってきていただいた、その与党の中枢におられた、その立場から、こういうことは一体どういう影響があるか、大蔵大臣にお伺いをしたいと思います。
#28
○宮澤国務大臣 こういうことと言われましても、事実関係をしっかり存じませんので、ちょっとお答えのしようがございません。
#29
○原口委員 何回もここでやっているんです。何回もやっていますよ。大蔵大臣の目の前でもやらせていただいています。
 官房長官、先ほど、信頼をどうやって回復するか。きょう、報道によると、この委員会の前に金融再生委員長とお話しになったそうでありますが、私は、傷がどんどん広がる、このことだけは許してはならない。
 さらに、資料の五をごらんになってください。これはきのうも使った資料ですが、今度あなたたちは、「特例措置終了後の破綻処理の全体イメージ」ということを出されています。これは全体イメージですから、イメージ図ですね。これによると、システミックリスクがあるととらえたときには、その判断で、皆さんの判断で資金が注入できる、こんなことになっているんですよ。
 私は、この法律さえも、今みたいな金融再生委員長のもとでできたものだとすると、信頼できない。何となれば、どうぞ自分のところへ言ってきてくれ、困っていたら資本注入するよ、こんなことをやっていていいのか。
 官房長官、どう思われますか。あなたは信頼を培ってきた政治家だと思います。そして、国のためには力いっぱい頑張ってこられた方だと聞いております。どう思われますか。
#30
○青木国務大臣 私が再三申し上げておりますのは、政治には信頼が一番大切だということを申し上げております。今の問題の、個々の問題については、直接本人がこの場に出席しておられますので、本人にお聞きになるのが一番正確ではないかと考えております。
#31
○越智国務大臣 幾つか、事実といいますか、違っております。まず、再生委員会の銀行法による権限は、「金融監督庁長官に委任する。」と銀行法五十九条に書いてございますからさっきから申し上げている。
 それから、私個人のことをおっしゃいましたけれども、そのたびごとに私は申し上げておりますけれども、私の借りておりますお金に対しては、団体が借りて私個人が保証し、または私の兄、事業経営をしている者が保証し、並びに、これは手形の借り入れでございますので、抵当権をつけるわけにいかないので、抵当権の設定は大変難しいので、私の持っておりますマンション約二百坪を全く他の抵当に入れることなく置いてありますので、それぞれの信用金庫はその地域を領域としているといいますか、そういう意味で、私に対する信頼から貸していただいております。
 なお、金利分をもらっていることは全くありません。それは、ほかの団体とのバランスで何がしかの会費をもらっていることはありますが、金利相当分をもらっているということは全くありません。
#32
○原口委員 本当に御発言の真意をはかりかねます。
 今、銀行法を出されましたが、要するに再生委員長は検査監督の権限がおありになりますね。
#33
○越智国務大臣 重要な事項については金融再生委員会で協議することになっておりますが、私はそこの委員長でございまして、委員会そのもので決定いたしますが、重要な事項の中には、個々の銀行の検査、どこをするとかその検査結果をどうだとかいうことは入っておりません。
#34
○原口委員 いや、それは、私は今大変な御答弁をされたと思いますよ。ちゃんと事務の中に入っているわけですから。
 さらに、こんなことをおっしゃっていますよ。これは個々の銀行の人に言っているのですよ。
 おれの代にそんなことしたらね、自分の首飛んじゃうんじゃねえかなんてことでね、やっていらっしゃるとね、もし何となくもうちょっと何とかなるんじゃねえかなんてことをやっていると、もう二年はすぐにたっちゃいますよ。さっき申し上げたように、あの期限というのは、必要性の認定が行わなきゃいけないんですから、二年たったときに手挙げたときには間に合わないんですよ。
こんなこと言っているじゃないですか。
 再生委員会は、今御答弁になったように一年しかない、だから早く言ってきなさい、どうぞ皆さん、何とか代議士を応援する人たちは早く自分のところへ言ってくれれば何とかしますよという手形切っているじゃないですか。これは露骨な票集めですよ。あるいは、聞く側が聞けば、地位を利用されて、今言ってこなければ後でどうなるかわからぬ、そう思うんじゃないですか。
 国民の税金が本当に足りなくて苦労している、そのときに、どうぞ皆さん言ってらっしゃい、寄ってらっしゃいと言えるんですか、お答えください。
#35
○越智国務大臣 そのように受け取られた言い方をしたとすれば大変申しわけなく思いますけれども、私が申し上げておりますのは、この健全化勘定からの資本注入は、金融再生委員会で二度決定をするわけです。(発言する者あり)
#36
○島村委員長 御静粛に願います。
#37
○越智国務大臣 適正化の判断と必要性の判断、その後の方の必要性の判断があと二年間しかないわけで、再生委員会という機構そのものは来年の一月六日になくなるわけでありますが、その機能そのものは新しくできます金融庁に引き継がれていきますから、役所の機構の問題ではなくて、そうした機能があと二年でございますので、そこまで、その検討をするのにかなり時間がかかりますから、後になってからおっしゃっては困るということを申し上げました。
 それから、先ほど来申し上げておりますように、大体そういうことが行われますと責任をとらされまして経営者がかわるわけですが、かわられる経営者がそのためにちゅうちょするとかえって傷が大きくなりますから、そのところは、金融全体のために勇を鼓して、自分たちの、何と申しますか、判断を相談していただきたい、そういうことを申し上げているわけであります。
#38
○原口委員 あなたが、個別のお話がございましたらどうぞ蓮実先生を通じてお申し越しいただきましたら最大限のことをさせていただきます、最後言っているじゃないですか。個々の銀行については自分は知らぬ、その問題は自分じゃないと言いながら、ちゃんと言っているじゃないですか。あなたが権限がないとするんだったら、これは詐欺ですよ。こんなのじゃ審議できません。
#39
○越智国務大臣 そこの場におきます懇談会なものですから、それにどちらかというと金融機関そのものの経営者だったものですから、説明がある意味では十分でなかったかもしれませんが、私の方は、金融再生委員会では資本注入するときには権限がございます。検査について権限がないと申し上げただけであります。
 検査を自分でやるか、あるいは公の検査、監督庁または日銀の検査を受けた後に、やはり破綻しそうだ、あるいはもう破綻状態と言われた、言われたとおりの引当金がどうしても積めませんということで、今でも月に二件ぐらいそうした信用組合、信用金庫が手が挙がっておりますが、それを、自主検査をして自分でみずから早くやってくださいと。
 そのときには金融再生委員会に案件が上がってきまして、そのA信用組合をB信用組合と合併させるかどうかということについては、財務局を通じて上がってまいりますと、私ども五人の金融再生委員、うち四人は皆様が国会で承認された人事に基づく民間の方とともに多数決で決めるわけですから、地元の方には、やはりそれぞれの信用金庫、信用組合の合併に入りますと、地元の事情がよくわかった人、なるべくよく意見を聞いてそうしたものを考えていかなきゃならない、このように思っております。
#40
○原口委員 私は、これが日本全体の体質だと思われると困るから質問しているんですよ。あるいは、与党の中にも一生懸命頑張っておられる方、おられますよ。党利党略で言っているんじゃないんですよ。あなたの今のこの――本当に早く文部大臣や外務大臣に質問したい、あるいは総務庁長官に質問したい。しかし、この質問では先に行けない。これは全体の体質ですか。
 あなた、こんなこと言っていますよ。
 日銀考査は、大蔵以上とは言わないけれども、蔵検並みの考査になりますから、よく対応していただいて、それで危なかったら早く言ってもらいたい。
 さっき冒頭申しましたけれども、警察が、今度の取り締まりは厳しいからひっかかったら自分のところへ来いと言っているのと同じじゃないですか。違うんだったら違うと言ってください。
#41
○越智国務大臣 皆様にそのような受けとめ方をされるような言い方をしたのは大変申しわけなく思いますが、監督庁の検査の陣容その他がございますので、ここ一、二年、日本銀行の考査が日本銀行とそれまで余り縁がなかった金融機関にも入っておりまして、そして検査をするときにマニュアルを同じように使わないとやはりまずいだろうということもありますので、いろいろ日銀の考査のあり方も蔵検と呼ばれておりますものに近づいてきていると思っておりますが、そうしたこともよくわかってそれに対応できるように処理してください、大体検査が入る前に予告などがございますと、それの注文に応じて検査に応ずる書類をつくったりするものでございますから、しっかりしたものをつくるようにという意味で申し上げました。
#42
○原口委員 本当にこれが体質なんだということなのか。もうこれは質問できません。質問したことにちゃんと答えない。これ以上質問できません。協議してください。
#43
○島村委員長 原口君、質問を継続してください。
 越智金融再生委員長は、質問に的確にお答えになるようにお努めください。
#44
○原口委員 あなたは、個別の問題については自分は触れていないとおっしゃっています。しかし、この手元にあるものでは、どうぞ個別の相談に乗りますよということをおっしゃっています。これは矛盾じゃないですか。一点目。
 それから二点目。(発言する者あり)まあ一個ずつ、では聞きましょう。
#45
○越智国務大臣 最初、検査の信頼を傷つけたというお話で、個別の銀行の検査に関しては、私ども何も聞いておりませんし、介入するつもりもないし、介入したこともありませんと申し上げました。
 しかし、資本注入のときには金融機関から財務局を通じて書類が上がってくるわけでありまして、そのときには再生委員会で個別金融機関の状況について判断して対処することになっておりますので、そこでは個別の問題を、私ども、現に信用組合でいえば月に二件ぐらいずつ処理をさせていただいております。
#46
○原口委員 私は、それはやはり言いわけにすぎないと思いますよ。もう本当に腐ったような官僚答弁を聞くためにきょうここで質問をしたわけではございません。
 今、検査は、個別の検査については自分は知らないけれども個別の資本注入については知っているというふうにお答えになったわけですね。そうすると、その検査の中身ということは、やはり金融再生委員長としては責任を持つのじゃないですか。持たないのですか。
#47
○越智国務大臣 もし破綻した金融機関の場合には、私ども金融再生委員会に上がってくるデータでは、どこの債権がどうということではございませんで、債務超過額幾らという格好で出てきますから、それで判断いたしております。
#48
○原口委員 また答えをはぐらかされているのですよ。
 今御質問をずっと続けているのは、破綻する前に早く言ってきなさい、個別に応じるからと。今、破綻した後のことをおっしゃったじゃないですか。ちゃんと答えてください。
#49
○越智国務大臣 破綻していない金融機関に資本注入するケースもありますが、そのときには、金融機関から財務局を通じて出てきた、検査じゃなくて、金融機関の財務諸表みたいなものが当然出てくるわけでありまして、検査の表は私どものところには、そのような場合でもついてはまいりません。
#50
○原口委員 全く詭弁だと思いますよ。
 私たちがこの数年間何を議論してきたのか。検査が本当に妥当なのかどうか、皆さんが出してこられた数字が本当に正しいかどうか。正しければ、国民の皆さんに申しわけないと言って資本注入をしている。そこの問題は自分は全く知らぬ、これでは質問できませんよ。
 検査の権限もあなたにあるんですよ。あるんですよ。そして、現にここで言っているじゃないですか。厳しい検査だったら、その検査のやり方については少しお目こぼししますよと言っているじゃないですか。
#51
○越智国務大臣 いろいろ誤解を招くような当時の話しぶりだったので、まことに申しわけなく思っておりますが、先ほど来申し上げておりますように、検査の権限は委任いたしまして、重要な事項については、それが金融再生委員会に上がってきたときは、委員長、私一人のところじゃなくて、五人のところでそれを検討するわけでありますが、その重要とは何だというと、個別の案件は全く上がってまいりません、一番大事なのは、やはり債権の種類によって、例えば利子が払ってないとか滞っているとか、いろいろな債権の種類によって何%の引き当てをするかというのはルールですから、こういうものを検討するということであります。
#52
○原口委員 あなたは、最初に出したテロップで、「書類かなんかが渡してもらったら、彼が」、蓮実代議士がでしょう、これは。「私のところに来たら、最大限考慮しますから、」と言っているじゃないですか。何を最大限考慮するのですか。
#53
○越智国務大臣 金融機関の再編をいたしますときには、金融機関で破綻したものまたは破綻に瀕したもののほかに、何と言えばいいのでしょうか、里親といいますか、もっと強いですね、一緒になる金融機関の問題もありまして、そういうところから、むしろ地元からは、どこそこが破綻しているから県内でぜひ早くそういう里親を見つけてくれという陳情書は市議会その他からも来ております。そして、そういう書類が出たらば、財務局に出るわけですが、そういう書類を僕らが拝見すれば、またそこから一つの方針が考えられるかもしれない、今でもそういう意味で里親探しをしているところは実は随分あるわけでございまして、そういう状態になったときにはぜひこちらにも教えていただきたい、そういう意味であります。
#54
○原口委員 では、里親も自分のところで何とか見つけます、そして蓮実代議士を通じて来られれば、それについては、まあ選挙でもお世話になることですから何とかしますよということを言っているのと同じじゃないですか。
 私は、ここまで来たら、そしてこういうことが、例えば大蔵の税制でいうと、本当は自分には税の権限はないんだけれども、今度の脱税グループで起こっているのはどういうことですか、自分には国税の権限はないんだけれども、さもあるかのように言って、そして票やお金を稼ぐ。こんなことをやはり許していてはならぬというふうに思います。越智金融再生委員長の今の御答弁を伺って、私は残念です。
 きょう、朝、新聞に、公明党さんは藤波孝生議員の辞職勧告を参議院で賛成したというふうに書いてありますが、続長官、これは事実でございましょうか。
#55
○続国務大臣 私は、まだ承知しておりません。
#56
○原口委員 私は、同じ前の党の時代に政治改革を志して、そしてきっちりと司法が判断をいただいたことについては立法府はそれにこたえるべきである、そして多くの皆さんに不信を買うようなことがないように襟を正すべきだということで行動をさせていただきました。
 続長官に重ねてお尋ねしますが、今のお話、越智金融再生大臣のお話を聞いて、総務庁長官も各行政監察というのを入れるお立場にあると思います。それは例外のない、すべての行政に、厳しい国民の目、そして光を当てて行政の暗部をさらけ出す、大変な活躍をしていますよ、総務庁の職員の皆さん。そのお立場からして、今の御発言をお聞きになってどういうふうにお思いになりますか。
#57
○続国務大臣 官房長官もお答えされたように、政治は信頼だ、こういう気持ちは私も同じです。しかし、今の事案に対して総務庁の行政監察云々というお話がございましたけれども、総務庁が具体的な、そういう監察は行いません。
#58
○原口委員 それは存じ上げていますよ。そういう立場からどうお考えかということを聞いたのであります。
 私は、もう事ほどさように、御答弁も納得のいく御答弁がありませんでした。再生委員長、私は、政治の信頼を回復するために御自身の出処進退について明らかにされるときが来ていると……(発言する者あり)まだ早いと、こちらからどういうわけか来ていますが、私は、もうそういう認識そのものがまずいと思うんですよ。
 世界の中で、この日本の国が本当に不思議な国だと思われている。私は大蔵大臣にも伺いました、ニューヨーク・タイムズの記事を引いて。変な国だなと思われてしまったらもう取り返しがつかないから、こういう質問をしているんです。いかがですか。出処進退を明らかにされますか。
#59
○越智国務大臣 私がその当日の懇談会で申し上げたことがいろいろとそういう誤解を、誤解といいますか、私の真意どおりのものじゃないところに行き、金融検査の信頼を傷つけたとすれば、大変申しわけないと思っておりますが、私は、現在の金融行政をさらに一生懸命推進するのが自分の任務だと思っておりますので、そのような、辞任するような考え方は全く持っておりません。
#60
○原口委員 もう審議できません。
#61
○島村委員長 原口君。
#62
○原口委員 今、出処進退については考えていないということがございましたけれども、七十兆もお預けしているわけです、金融再生委員長のもとに。そして、この予算の中にも新たに六兆円、金融対策で皆さんお願いをされています。その前提が崩れてしまっている。こういう前提が崩れてしまっていては質問ができないということを申し上げているわけです。いかがですか。
#63
○越智国務大臣 預金保険法の交付公債の話を今されたんだと思いますが、御質問が、何か前提が崩れたと思うかどうかという御質問でしょうか。
 私は、交付公債の六兆円は大蔵大臣がいろいろお考えになった上で、これからの分を考えて、そこまでだと、いわば最後だというか、そういうことでおのせいただいたんだと思っておりますし、皆様のおつくりいただきました法案に従って、今、小さなところは別としまして、大どころの日本長期信用銀行と日本債券信用銀行の分が固まってまいりますと、どうしても必要な枠でございますので、その点を御理解いただきましてお願いいたしたいし、また、それらの金については再生委員長個人がどうこうできるものではございませんで、段々のいろいろな手続がございまして、多くで決められていくものでございますから、どうぞ御了承をいただきたいと思っております。
#64
○島村委員長 これにて原口君の質疑は終了いたしました。
 次に、枝野幸男君。
#65
○枝野委員 今、一時間ほど金融再生委員長のお話を伺いましたが、私にもどうも納得ができない。金融再生委員長、予定していた質問はほかにたくさんありますが、引き続き、金融再生委員長にお尋ねをいたします。どう考えても言っていることがわけがわからないので、一個一個お伺いいたします。
 この蓮実議員の会で、大臣は、検査の仕方できついとかあったらどんどん言ってくださいとおっしゃっています。検査の仕方できついとかあったらというのは、どういうケースを想定しておっしゃっているんですか。
#66
○越智国務大臣 大変言葉が不的確であったと思いますけれども、検査マニュアルそのものに書いてございます言葉で言えば、このマニュアルは画一的、機械的に適用してはならないという注意事項が書いてございます。それは、このマニュアルが実は何十兆の大銀行も何百億円の中小金融機関も同じなものですから、その実情に合わせて適用するようにという注意書きが十一カ所マニュアルに書いてございますが、その適用がどういうふうになっているかが私ども非常に心配でございまして、先ほど申し上げたように、このマニュアルで財務局が検査に入るのは今度が初めてでありまして、七月から信用組合に入る。したがって、その適用状況を、よく現場の意見等も聞いてみたい。
 だから、特定銀行のどうこうという話じゃなくて、検査の仕方と申し上げておるのは、そういうマニュアルの適用がうまくいっているかどうか、そのことを心配してお話ししたわけであります。
#67
○枝野委員 おかしくないですか。今、個別のことではなくてマニュアルのことだとおっしゃっていますが、あなたの発言はこうなっています。
 検査の仕方できついことがあったら、またどんどん直接おっしゃってください。あるいはここにお集まりの皆さんは、蓮実さんにどんどん言ってください。書類なんか渡してもらったら、彼が私のところへ来たら、最大限考慮しますから、それは。しかし、その、何ていうかな、本当に危なくなっちゃっているとね、救いようがないときがありますからと。
 危なくなっちゃっているかどうかというのは、個別行でないと、危なくなっちゃっているとかなっていないとかという話にならないんじゃないですか。後の話とつながっていませんよ。
#68
○越智国務大臣 検査の仕方についての協議はいたしておりますが、個別行のことは私ども本当に何も。検査の結果についてですよ、個別行の検査結果とか、そのことについては聞いておりませんから逆にそういうふうに申し上げたので、そして……(枝野委員「聞いたことに答えていない」と呼ぶ)お答えいたしますから。
 そして、危なくなったかどうかは自主検査でも発見いたしますし、検査の方が、入る途中でもわかりますけれども、危ないかどうかのことまで私どもは介入はいたしておりませんで、そういうところが多く、今日まで、これは健全化法の申請等の際の書類などもございますから、危なくなってもうじき四%切るかなというところは健全化法に基づく資金注入の申請書を財務局に出すケースが多うございますので、そういうことを申し上げているわけであります。
#69
○枝野委員 聞かれていないことについて答えて時間をつぶさないでください。私は、あなたの権限があるなしということは後で言いますよ。
 検査の仕方できついことがあったらという御発言に対してどういう意味かと言ったら、マニュアルがきついとかきつくないとかという一般的な検査のルールの話だとおっしゃった。だけれども、この話の文脈の中で、検査の仕方がきついことがあったらという文脈で、危なくなってから言われちゃ困るからと言っているわけですよ。危なくなっているかどうかというのは個別銀行の話ですよ。
 そうすると、検査の仕方がおかしかったらという一般論の話だという話と、食い違う話をつなげておっしゃっているわけですよ。どういうことなんですか。
#70
○越智国務大臣 ですから、話しぶりが誤解を招くようなやり方で申しわけなかったと申し上げておりますが、危なくなったところは自分たちでわかるわけですから、そういうところが、要するに検査が入ったときには多くそういう現象が起こるわけですから、もう検査の途中でも自分たちでこれはいかぬということになれば自主的にお申し出をしてくるところがありまして、危なくなったかどうかを我々が判定しているわけではございません。
#71
○枝野委員 私は、権限の話はまだ聞いていないと申し上げております。
 いいですか。検査の仕方できついことがあったらどんどんおっしゃってくださいと。この検査の仕方できついとかあったらというのはどういう意味ですかと最初にお尋ねをしました。そうしたら一般論だとおっしゃいました。
 しかし、検査の仕方できついことがあったらまたどんどんおっしゃってくださいという言葉の後には、本当に危なくなっちゃっているとね、救いようがないことがありますから、できるだけ早目に容状を言っていただいてですねとおっしゃっているわけです。この後段の、本当に危なくなっちゃっているとね、救いようがないことがありますから、できるだけ早目に容状を言っていただいてですねというのは、個別行について危なくなっているかどうかということで、危なくなってしまってからではまずいので、個別行としてできるだけ早く容状を言っていただきたいという話が、検査の仕方できついことがあったらまたどんどんおっしゃってくださいという言葉の後にあるんですよ。
 片方は一般論だとおっしゃるけれども、その後の話は個別論だと言っている。全然食い違っているじゃないですか、矛盾しているじゃないですか。
#72
○越智国務大臣 そういう御理解を導いてしまった話しぶりに申しわけないと申し上げておりますが、それぞれの検査をやってみたら、機械的、画一的に行われている場合には、正直言うと引当金がそういうのは大変率がきついよとかそういう話になりますと、その銀行の分をどうこうするのじゃなくて、全体的にそういう引き当て率というのは妥当かどうか、これは再生委員会の方で検討させていただきます。
 だから、どの銀行をどうしろということは申しません。しかし、それが本当に検査が入ってこれはもう経営をやっていけそうもないということになりますと、全部破綻してから言ってくるのじゃなくて、気がついたら、個別行として財務局を通じて再生委員会の方にお出しいただければ、私どもの方で検討いたします、しかし、そのときには検査のいわば報告書みたいなものが一緒についてくるわけじゃなくて、いわば財務諸表的なもので私どもは判断していく、こういうことであります。
#73
○枝野委員 答えになっていないんですよ。前段の話は一般論だと言っている、後の話は危なくなってからと。危なくなっては個別行の話じゃないですか。個別行が危なくなっていなかったら、危なくなっていようが危なくなっていなかろうが、一般論として検査のルールが厳しいとか厳しくないとかという話であるならば、後の話は続いてこないじゃないですか、個別行が危なくなったらとか危なくなっていないからという話は。全然話が食い違っているじゃないですか。
#74
○越智国務大臣 御理解いただけるまで何遍でも申し上げさせていただきますが、検査の個別行でどういう貸し出しがどうこうということは私どもは全然聞いておりませんし、また、あれしません。
 ですから、きついという言葉がまずければ、まずかったと思いますが、既にマニュアルに書いてありますように、機械的、画一的に適用しちゃいかぬという、それを機械的、画一的にやっているかもしれない。そうすると、今の引き当て率なんというのは全部一律ですから、大変中小企業相手の小さな金融機関にとっては過酷になる場合もあるわけですね、相手にとって。そういうことについて御議論があれば言っていただくと、私どもはその検査に入られている金融機関のことについては何も申しませんけれども、そのルールそのものを何か変えなきゃいけないじゃないかということは、私だけじゃなくて再生委員会として検討させていただきます。
 だけれども、検査が入ると破綻するかもしれない、健全化規定で、健全化勘定で資本の注入を仰がなきゃいかぬかもしれない、もしかしたら破綻してしまっているかもしれない、引当金を言われるとおりやれば。そのときには、再生勘定から、あるいは、失礼、特例業務勘定から、いずれも預金保険機構の中にございますが、その赤字分を補てんしてもらわないと里親に合併していくことができない。そういう状態の中では、その個別の銀行、金融機関が財務局を通じて、その金融機関としての意向表明といいますか、申請と申しますか、そういうのが上がってくる。そのときには、私どもは、個別の金融機関を対象にそれが必要かどうか、その金額その他が妥当であるかどうか、これらを検討させていただいております。
#75
○枝野委員 財務局を通じてというお話をおっしゃっていますが、このやりとりの一番最後のところに、あるいは今の話のところにも蓮実議員の名前が出てきておりますが、個別のお話がございましたら、どうぞ蓮実先生を通じてお申し越しいただきましたら最大限のことをさせていただきますと。いいですか、個別の話がございましたら、蓮実先生を通じて最大限のことをさせていただく。個別のことって何ですか。聞かれたことにだけ答えてください。個別のこととは何を指すのですか。
#76
○越智国務大臣 金融機関の経営者にとりましては、検査に入られたと申しますか、うちはどうもこれじゃ検査官の言うとおりに引き当てしていたら債務超過になっちゃうかもしれない、そういうことをなかなか相談する人というのはいないものでございまして、私自身が、そこにいらした数十名の方々、ほとんどお顔も知りません。蓮実先生の後援会の方だと伺っておりますので、その方々が私に物を言ってくるときに、何町のどこだということを言われてもわからないから蓮実先生を通じてと申しまして……(枝野委員「聞かれたことに答えてください。蓮実先生の話は聞いていないんです。個別のことは何ですかと聞いている」と呼ぶ)
 個別というのは、その金融機関が破綻をしそうだから健全化規定に基づく資本注入が欲しいとか、破綻したときにはどういうふうにしてもらえますかというような話でございますから、個別の金融機関です。
#77
○枝野委員 最大限のことというのはどういうことですか。
#78
○越智国務大臣 最大限の考慮と言ったと思いますけれども、正確には。
 私どもの方では、蓮実先生から言われればしっかりと受けとめて十分検討します、そういう意味でございまして、最大限の考慮という言葉は不適当であったとすれば、おわびしてしかるべき言葉に直さなきゃいけないかもしれませんが、私の方では、それは何といいますか、ないがしろにというか、あだやおろそかには見ないでしっかり考えます、こういう意味であります。
#79
○枝野委員 先ほど来、金融再生委員長には個別行の検査その他についての権限はないというふうにおっしゃっていますが、金融再生に関して、委員会形式にした理由はなぜだと思っていますか。
#80
○越智国務大臣 先生もあのころ大変御活躍になった、いわゆる二年前と申しますか、金融国会がございました。正直言って、あのときには日本長期信用銀行が問題になっておりました。そして、それをきちんと評価するには特別公的管理という制度が入りましたから、特別公的管理の制度の中には債権の査定を金融再生委員会がするという機能を義務づけられておるということで、民間人が四人入っておりますから、そういう方々がきちんと、政治家でもない、役人でもないその他の方々が再生委員会の中で機能をする。現在、四人の方が大変よくやっていただいております。
#81
○枝野委員 要するに、いわゆる独立行政委員会方式でやっているのは、政治的中立性、公平性の要請が高いからということでありませんか。ちなみに、立法者の意思ですからね、法案提案者の意思ですからね、私の発言は。
#82
○越智国務大臣 当時としましては、政治から隔離しようということでそのようなことをされたとは思っております。
 ただ、政治との接点が必要だということで、国務大臣が委員長を兼ねる、委員長は会を代表し、会務を統括するでしたか、そういう規定になっている。先生がおつくりになった規定でございますが、そういうことになっております。
#83
○枝野委員 というような金融再生委員会の権限について、個別の特定の、しかも金融再生委員会などにかかわりのない代議士の名前を挙げて、蓮実先生を通じてお申し越しいただきましたら最大限のことをさせていただきますというのは、金融再生委員会という形で独立行政委員会方式で中立、公正ということを担保した金融再生委員会の立法趣旨に反するのではありませんか。
#84
○越智国務大臣 私は、今さっき申し上げましたように、御出席の金融機関の方のお顔、名前がわからないものですから、どういう方のお話をいただくか、お話を持ってこられるか、蓮実先生からお届けいただければという意味で申し上げたので、蓮実先生が金融再生委員会の協議に加わるなんということは全く考えておりません。
#85
○枝野委員 討議に加わるだなんて申し上げておりません。中立、公正さを求められるからこそ、中立、公正さをできるだけ担保した金融監督庁に検査を委任して、金融再生委員会本体も独立行政委員会方式にして、政治的中立性を可能な限り担保する。ただし、金融再生委員会が決断をするに当たってはお金がかかりますから、予算がかかりますから、それは政治との接点が要るので、完全な、いわゆる公取型ではなくて、国家公安委員会型の、大臣がトップに座るということになっているのであって、大臣以外の委員は、在任中、政党その他の政治団体の役員となり、または積極的に政治活動をしてはならないということをわざわざ条文に書いておるのであります。
 したがって、中立、公平性という意味では、まさに第三者、しかも政治家から上がってきた情報をあなたは考慮されるということだとすると、しかも個別の銀行が危なくなったら話が上がってきたことについて考慮をするというのは、明らかに中立、公正さと矛盾じゃないですか。
#86
○越智国務大臣 これは地元のお声を私どもが聞くときに、金融機関といえども、地元民として私どもにお声を投ずるときに地元の代議士を紹介者にして連れてくる、そういうことはよくあることでございますから、蓮実先生がお連れになったときには忙しくてもお会いしましょうとか、お話を時間をかけてしっかり聞きましょう、そういう意味で申し上げております。
#87
○枝野委員 地元の代議士を通じて上がってこなければ、本当に金融検査あるいは資本注入等のために必要なことがあったとしても会わないということなのか。そうではないですね。
 逆に言えば、地元の代議士がかかわっていようがかかわっていなかろうが、必要なケースについては会い、必要でないケースについては会わないというのが大臣のお立場でなければおかしいですよね。それはよろしいですか。
#88
○越智国務大臣 当然地元から上がってくるときには財務局を通じて上がってくるんですけれども、今申し上げておりますように、早期ということになりますと、書面でもって役所に出す段階よりもかなり前の段階で、しかし、何と申しますか、よほど信頼している人でないと相談しにくい話でございますので、相談を持ちかけた金融機関の経営者にとっては大変重大なことでございますので、お集まりになっている方々が蓮実先生の後援会の方でございますので、その信頼されている地元の方とおいでになればお目にかかりますよ、考えますよと申し上げておるわけであります。
#89
○枝野委員 信頼されている方でないとなかなか話のできない話だ、だからというふうにおっしゃいましたね。たまたまここにお集まりの方は蓮実衆議院議員を信頼して話ができる方なのかもしれません。自民党の国会議員に信頼して話ができる人間がいなければ、その方と不公正が出ますね。
#90
○越智国務大臣 いろいろなところからつてを求めてそういう声が上がってくるはずでございまして、別に自民党の代議士以外はだめだという話ではございませんし、正式にはお役所の方へお話しいただくなり、あるいはその協会の団体がございますから、団体を通じて内々の話が、よく何々銀行協会会長とかなんという方が、大体県ごとに会がございますから、そういう方がお持ち込みになることが多うございます。
#91
○枝野委員 つてがある人が持ってくる、それは自民党じゃなくたって野党でもいいかもしれませんが、つてがない人からは業界団体などを通じてしか上がってこれないということを、この手の種類の中立公正さを特に求められている金融再生関連のところでやっていいのかどうかというようなことについては明らかに矛盾ではないのか。
 質問の視点を変えます。
 先ほど来、誤解を与えたのならおわびをしますという言い方をおっしゃいました。何をどう誤解を与えたというふうに思っているのですか。
#92
○越智国務大臣 発言の真意はどうかというので、あなたの前の質問者の方のときにも、時間を長くちょうだいしてすべて申し上げてまいりましたが、その真意を発表する表現として不適切であったというならば申しわけないということを申し上げているわけでございます。
#93
○枝野委員 先ほど来、検査には権限がないというふうにおっしゃっておりますが、その御認識は変わりないですか。
#94
○越智国務大臣 金融再生法上は、一応の権限がずらっと並んでおります。しかし、銀行法五十九条では、特例のものを除いてすべて金融監督庁長官に委任するという規定がございまして、そのとおりに今日でも、金融再生委員会と金融監督庁との関係と申しますか、英語で言えばファイアウオールは厳然としてございます。
#95
○枝野委員 委任をしているということは、権限はあなたに残っているんじゃないですか。
#96
○越智国務大臣 これは、法律的にはそういう言い方があるのかもしれませんが、私どもが委任したときには委任された方が全部やるわけでございまして、例えば局長さんに決裁権限を委任したら、それ全部大臣のところに持ってこなかったらけしからぬなんということは言えないわけでございまして、監督庁長官がその名前においてまた責任において、今五十九条に任されたものは全部おやりになっているのが現実であります。
#97
○枝野委員 そうすると、今任せているから問題ないんだという発言だったわけですね、原口議員の質問に対して、おれは検査の権限がないんだと御答弁になったのは。
#98
○越智国務大臣 検査を含む一定の金融再生委員会の業務は、今申し上げたとおり委任いたしておりますから、私の方からとやかく言ったこともないし、またそういうことをするつもりもありません。
#99
○枝野委員 やったこともないしするつもりもないということと、本件であなたに権限があるのかないのかという話については別の話であります。あなたが今までやったことがなくてこれからもやる意思がないと主観的に今おっしゃったとしても、権限をお持ちの方がその権限に基づいて、最大限のことをさせていただきますよ、最大限考慮しますからというようなことをおっしゃったら、そのこと自体が検査監督等の業務についての公平らしさを疑わせるという意味で、大臣として失格ではないかということを申し上げているんです。おやめになるべきじゃないですか。
#100
○越智国務大臣 最大限の考慮という話が大変不適切なる表現であったというおしかりならば、申しわけないと申し上げるしかございませんが、私としては、金融行政を責任を持って今後とも着実に進めていくのが私の現在の任務だ、このように考えております。
#101
○枝野委員 いいですか。あなたは権限をお持ちだ。権限を持っている方が、地元の代議士を通じてどんどん言ってもらったら最大限考慮しますから、あるいは最大限のことをさせていただきますのでというふうな御発言をされたということは、あなたが主観的に権限を行使しようとしているかどうかは別問題として、少なくとも外部から、特定の人たちに特定の配慮をする可能性があるというふうに疑われるのは当然ではないですか。
 例えば、検事総長は検察官に対して指揮権をお持ちでありますが、戦後一回しかその権限を行使したことはございません。しかし、法務大臣が、ある事件について、私のところに言ってきてくだされば、あるいは一般論でも結構です、私のところに言ってきてくだされば最大限の配慮をします、最大限のことをしますと言って構わないわけですね。
#102
○越智国務大臣 例え話がちょっと違っていると思いますが、法務大臣が検事総長に、個別案件の指揮権はないけれども、一般指揮権、例えば暴力団対策をしっかりしろということは言える。これが現在の法制だと私は理解しておりますが、私どもの方は全面的に監督庁長官に渡しておりまして、極端に言いますと、私は監督庁長官の人事権しかない、そういう格好になっておりますので、権限がある者がという御発言というか、そういう表現ですと、確かにそういうふうにとられるかもしれない。私どもは全く、その権限はすべて委任いたしております。
#103
○枝野委員 法務大臣も捜査の権限については一般的には委任をしているんです。委任をしているか、もともとあるんですよ、検察庁の方に。それでも一般的な指揮権というものを認められているから、個別事件について、当時の自由党佐藤幹事長を逮捕するなという指揮権を発動できるんです。基本的には、そのケースの方があなたの場合よりもさらに距離は遠いんです。
 金融再生委員長は、金融再生委員会の権限として、検査その他の監督に関することという権限をお持ちなのです。それを委任しているだけであって、その権限を委任されている金融監督庁長官に対してどういう形で影響力を与えるかということについては、それはさまざまなやり方があるでしょうが、少なくとも人事権をお持ちなわけでありますから、意に沿わないことをやる監督庁長官をあなたは首にできるわけです。あなたが今おやりになろうとしているかどうかと申し上げているのではないんです。権限として、あなたの意に沿わない、つまり、蓮実議員を通じて、助けてくれ、ちょっとルールを曲げて助けてくれということを言われたときに、金融監督庁長官に指示を出して、金融監督庁長官が従わなければ、あなたは首を切る権限をお持ちなんです。やるかどうかは別として、そういう権限をお持ちなんだということはお認めになりますね。
#104
○越智国務大臣 私は、先ほど来申し上げていますように、まず委員長ではなくて、再生委員会の持っている権限を、銀行法五十九条で、一定の除外はございますけれども、監督庁長官に委任いたしております。
 したがいまして、私どもの方からいえば、監督庁長官がその責任と名前において全部やるわけで、特例的な重要な事項等を、これは金融再生委員長、私ではなくて、金融再生委員会に諮って決める場合があるということを先ほど来申し上げているわけであります。
#105
○枝野委員 質問に答えていません。質問できません。聞かれたことに答えてください。
#106
○越智国務大臣 権限的に人事権があるということは、そういうことも可能かもしれませんが、実際問題は、やったことはないわけでございまして、私の方ではそういう考え方はございません。
#107
○枝野委員 私は、権限があるかどうか、できるのかということを聞いた。できるということでよろしいですね、権限上は。やるかどうかなんて聞いていません。できるんですね。
#108
○越智国務大臣 委員長ではなくて委員会だと思いますので、合議制の問題でございますから、あるといえばそうかもしれませんが、なかなかそんなことは考えられない状態だと思っておりますが。
#109
○枝野委員 原口議員の質問に対しては、私には検査の権限がないということをおっしゃって、何やかんやとのらりくらりとされておったわけです。
 念のために、改めて正確に言えば、金融再生委員会として金融監督庁長官の首を切れる、その金融再生委員会をあなたは主宰する、会務を総理することができる。ちなみに言うと、ほかの委員も気に食わなければ内閣総理大臣を通じて、あなたは閣僚の一人、国務大臣の一人として、内閣総理大臣に進言して、それにも従わない委員の首を切ってくれということをやって、総理大臣に首を切らせることは、基本的にはできるというふうになっています。内閣総理大臣は罷免権を持っておりますので、金融再生委員会で判断をすれば、それぐらいのことはできる。
 いずれにしても、あなたは、金融再生委員長として、金融再生委員会の決定を通じて、意に沿わない金融監督庁長官の首を切ることができる。それは権限としてお認めになりますね。
 正確に言いますよ。大臣、聞いてください。正確に言いますよ。あなたは、あなたが代表し総理する金融再生委員会を通じて、意に沿わない検査をした金融再生委員長の首を切ることができる。その権限をお持ちですね。――失礼、金融監督庁長官の首を切れる。
#110
○越智国務大臣 そういう格好で御質問いただくと、よく考えてみないとわからないんですけれども、実は、金融監督庁は金融再生委員会の外局の扱いになっておりますが、その中で、長官以外の者は金融監督庁長官に人事を委任すると書いてある、裏返しとして長官の人事権は私どもに残っている、こう考えておりますものですから。その場合には、やはり人事権ですから、委員会ではなくて、先ほど申し上げたのは間違っていたと思いますが、委員長そのものに人事権が残っていると思いますが、そういう格好で法律はできております。
#111
○枝野委員 そうすると、原口議員に対する答弁を撤回いたしますね。
#112
○越智国務大臣 済みません、どの答弁でございましょうか。(枝野委員「権限がないと、検査に関する」と呼ぶ)これはありません。今のは人事権のお話をされました。私は、検査それぞれについて、こちらから指示をする、どこの金融機関をやれとか、その結果を報告に来てくれとかいう権限は私には、委員会としてございません。
#113
○枝野委員 いいですか、あなたは金融再生委員長として、金融再生委員会の権限として、信用金庫、信用組合などの監督権限がある。それが金融監督庁長官に委任をされている。委任をしている金融再生委員会のトップがあなたである。したがって、委任者として受任者である金融監督庁長官に、私は一般的に指示権がまずあると思います、そこのところは水かけ論になるのでそれ以上やりませんが。
 少なくとも、あなたが金融再生委員長として金融監督庁長官に、蓮実議員からこういうオーダーが来ているから、ここは手心を加えてくれと、やるかどうかじゃないですよ、やって、金融監督庁長官が嫌だと言った場合、首にすることができる。結果的に、あなたは、金融検査の行使に、個別行の行使について、やるかどうかではない、権限を持っていることは間違いないじゃないですか。
#114
○越智国務大臣 そういう論議の仕方をされますと、大変難しいところでございますが、私の方では、個別の銀行の検査に関しては権限がないと認識いたしておりまして、それを、言うことを聞かないなら長官を首にしてというような、そういうやり方といいますか考え方は、私どもは全然持っておりませんので。したがいまして、私どもはお答えするわけにはいかないと思っております。
#115
○枝野委員 いいですか、やる、やらないという話については、あなたの心の中はだれも開いて見ることはできないわけですから、いろいろな発言から判断するしかないではないですか。
 あなたは、この塩原での発言、検査の仕方できついとかあったら、またどんどんおっしゃってください、最大限考慮しますからという発言について、私には権限がないんだから、個別の検査のことについてではないんだということを原口議員に対してお答えになった。しかし、今申し上げたとおり、あなたが主観的にやろうと今なさっているかどうかは、あなたの内心だから、だれも客観的には、あなた以外はわからない。だけれども、客観的な事実として、あなたは金融監督庁長官に対して、手心を加えろと言って従わなければ首にする権限を持っている。
 ということは、この発言を聞いたら、そういうことをしてくれるかもしれないなと期待をする人もいるし、そういうことをするかもしれないなと疑う人がいるのは当然じゃないですか。
#116
○越智国務大臣 そのような御判断というか印象をお与えした私の言い方は、確かに至らないことでございますが、私どもは、監督権限はない、このように思っておりまして、そして、人事権をちらつかせてどうこうするという考え方ももちろん持っておりません。
#117
○枝野委員 もう一度聞きます。
 人事権を通じた間接的なものであるのかどうかは別問題として、個別銀行の検査について、権限を及ぼすことはできますね。
#118
○越智国務大臣 銀行法五十九条を先ほど御説明いたしましたが、委任いたしておりますから、委任した場合でも何がしか残っているかという議論は、法理論でございますけれども、私どもとしては、委任したものは向こうでお願いしております。(発言する者あり)
#119
○島村委員長 それでは、ちょっと速記をとめてください。
    〔速記中止〕
#120
○島村委員長 速記を起こしてください。
 枝野君。
#121
○枝野委員 正確に言います。
 あなたがやろうとしているかどうかということは別として、法律上の権限の問題です。個別銀行、金融機関の検査について、あなたがもともと権限を、金融再生委員会が権限を持っている。それを金融監督庁長官に委任をしている。金融監督庁長官への委任ということの意味についても、これは議論があって、私はそこ自体で権限が残っていると思いますが、そこは今は問いません。
 あなたは金融再生委員長として、例えば金融監督庁長官に対して、ある検査で手心を加えろとかいう指示を出して、そして、それに従わない金融監督庁長官を首を切って、自分の意に沿う行動をする金融監督庁長官を据えるということを通じて実際の銀行検査に権限を及ぼすことができますね。
#122
○越智国務大臣 大変仮定の上に立った御設問でございますので、何ともお答えのしようがございませんが、私どもとしては考えられない状態でございます。そういうことはいたしません。
#123
○枝野委員 考えられないではなくて、権限の問題として聞いているんで、内閣としてのきちんとした見解。権限をお持ちじゃない方に質問してもしようがないわけですから、しっかりと当内閣としての権限、どこまであるのかをお示しください。
#124
○島村委員長 理事会で協議いたします。
 次に、肥田美代子君。
    〔委員長退席、自見委員長代理着席〕
    〔自見委員長代理退席、委員長着席〕
#125
○島村委員長 肥田美代子君。質疑を続行してください。
 なお、先ほど与野党理事間で協議をいたしました統一見解につきましては、物理的に閣議を開くその他について問題がありますので、内閣の統一した考え方をまとめて、それが出次第、枝野君からの質疑時間を別途追加をして、質疑を願うようにいたします。
 つきましては、肥田美代子君。
#126
○肥田委員 民主党の肥田美代子でございます。よろしくお願いします。
 委員会の混乱によって私の質問時間が半分になりましたので、大臣の方も端的にお答えいただきますようによろしくお願いいたします。
 一昨日、二階運輸大臣と太田大阪府知事との間で、大阪―東京間のシャトル便の運航の実現について話し合われたという記事を拝見いたしました。私も一日も早く実現してほしいと願っているわけですが、公取にも御意見があるようでございます。
 大臣、これを前に進めていただく御決意をお伺いいたしたいと思います。
#127
○二階国務大臣 お答えいたします。
 大阪―東京間の航空路線につきまして、とりわけ関空―羽田路線の運航のダイヤについて、利用者からいろいろな声が上がっておることは承知をいたしております。
 つまり、不便だということ、昼間の時間が不便だということでありますから、それについて、今議員御指摘のように、シャトル便ということについての御提案が、先般、大阪府知事及び関西経済連からの強い御要請がございました。
 私といたしましては、この問題につきまして、このことを仮に実現する場合には、大阪府及び周辺府県、さらに運輸省も参加して、シャトル便構想について、これに積極的に参加をしようと希望する航空会社を含め、できるだけ早い機会に協議会を立ち上げて、関係者の意見をまとめるということがまず第一かと思います。
 なお、御質問にありましたように、公取との関係等も当然出てこようと思いますが、そうした問題が一つ一つ障壁を乗り越えて、このことを実現するために運輸省としても努力をしてまいりたいと思っております。
#128
○肥田委員 次に、乗り合いバスの需給調整規制廃止問題についてお尋ねします。
 運輸政策審議会自動車交通部会の答申を受けまして、今国会に提案される予定の道路運送法改正案には、需給調整規制の廃止が盛り込まれていると伺っております。
 大臣も、風光明媚な和歌山の方ですから、肌身に感じておられると思いますが、乗り合いバスは、ドア・ツー・ドアに近い交通機関であります。また、マイカーに比べてもエネルギー効率が高く、排ガスの量も少なく、大気汚染や地球温暖化の防止の視点からも路線バスが改めて見直されております。さらに、バリアフリーが求められる高齢化社会にふさわしい交通手段の一つだと思いますが、乗り合いバスの果たしている役割についてどう評価なさっておられますか。
#129
○二階国務大臣 乗り合いバスにつきましては、通勤通学、または通院、買い物等、地域住民の日常の生活を支える公共交通機関として重要な役割を果たしておるわけであります。交通事故の防止、交通渋滞の解消、バリアフリー及び環境問題への対応の観点からも、その役割はますます重要になってくるものと認識をいたしております。
 一例を挙げれば、タクシーで年間、延べでございますが、二十六億人運んでおるわけでございます。乗り合いバスは五十一億人運んでおるわけでございまして、極めて有効な交通手段だということを認識いたしております。
#130
○肥田委員 大臣も御承知のように、イギリスにおけるバス事業の規制緩和は、経営効率は促しましたけれども利用者が減少した、そういうことが指摘されております。これは、利用者の増加につながる行政支援が不十分なまま需給調整規制を廃止すると、内部補助による路線維持でさえ困難になるのではないかという示唆であるように思います。
 結局、バス事業の根本問題は、バス利用者を増加させることに尽きると思います。バス利用者の増加を図るためにどのような対策をお考えですか。
#131
○二階国務大臣 バス利用の促進を図るための支援措置として、バスを中心とした町づくりを行うオムニバスタウンの整備に関する事業、これは、金沢、浜松、松江、さらに今度は盛岡等で行うことになっております。そして、自家用車あるいは自転車等からバスへつなぐパーク・アンド・ライドやコミュニティーバス等、交通システムの整備に関する事業等に助成を行っているところであります。
 これらのバスの利用促進等に資するために、つまり事業を行う場合には、国や地方公共団体と協調して事業費補助を出しておるところでございます。
#132
○肥田委員 需給調整規制廃止後の事業参入につきましては、これまで以上に厳格で厳正な資格要件が必要になってくると思います。運輸政策審議会の答申でも、事業参入に当たっては審査内容が示されておりますが、漠然としているんですね。ですから、資格要件に関する審査基準の具体的な内容についてお尋ねいたします。
#133
○二階国務大臣 これから国会でも御審議をいただき、議員の各位からも御意見をちょうだいしながら詰めていきたいと思っておりますが、今御質問のようなことについて十分配慮してまいりたいと思っております。
#134
○肥田委員 需給調整規制が廃止されますと、路線設定も自由化されます。企業によっては、採算のとれる路線、利用者の多い曜日や時間帯だけに参入する、いわゆるクリームスキミングという事態が都市部を中心に起きると思います。これにはどのような歯どめをおかけになるお考えですか。
#135
○二階国務大臣 御指摘のように、朝夕のラッシュ時などの特定の時間帯のみの新規参入が行われる場合、需要の少ない時間帯の運行がなされなくなるという問題が生じます。利用者の利便を阻害するおそれがある。このため、利用者の利便を確保するという観点から、必要性の高い場合には一定の関与を行うことが適当であるというふうに考えております。
 クリームスキミングにつきましては、私たちは、断固としてそうしたことに対しては対応していきたいと思っております。
#136
○肥田委員 もしも、もうかる路線のみを目的に新規業者が参入すれば、これまで蓄積されてきた交通ネットワークは崩れ、結果的には利用者に不便をかけることになります。運輸大臣は、交通ネットワークを維持していくためにどのような方策をお考えですか。
#137
○二階国務大臣 需給調整規制の廃止後におきましても、ダンピング競争となるようなこと、あるいは先ほどお尋ねのような、クリームスキミングというふうなことが行われるようなことに対しましては、十分是正措置を講じてまいりたいと考えております。
#138
○肥田委員 需給調整規制廃止後の新しいバス料金制度はどうなりますか。
#139
○二階国務大臣 生活交通の確保に関する公的な補助等につきまして、これまでの事業者ごとの欠損補助方式ではなくて、地域において必要な生活交通の内容を決定し、その運行に必要な費用について補助する考え方が重要だと考えております。今後も、需給調整規制廃止後の問題につきましては、現場の状況等に十分対応しながら、的確な措置を講じてまいりたいと思っております。
#140
○肥田委員 日本バス協会の調査によりますと、規制が緩和され、かつ、行政の補助がふえなければ、赤字路線のうち四二%については廃止したいと経営者たちが答えております。この回答から見て、私は、バス路線の維持に充てる公共交通関連予算を思い切って拡充しないと、全国で路線廃止が相次ぐのではないかという懸念を持ちます。
 公営、民間を合わせまして、赤字額は平成十年の収支では千百億円とも言われておりますが、規制廃止後の財政補助はどのようになさいますか。
#141
○二階国務大臣 地域の実情、住民のニーズに対応した運行が可能となるよう、地方公共団体が今まで以上に中心となって対応することが重要であると思っております。
 国の補助による支援につきましては、広域的、幹線的輸送サービスについて行うことが適当である、これに必要な安定的な地方財源の手当て等については、今後、関係行政機関と十分調整を図ってまいりたいと思っております。
#142
○肥田委員 赤字路線を抱えるバス事業者の不採算路線からの撤退に関連しまして、地域協議会が設置されるとなっておりますけれども、この地域協議会を単なるサロンに終わらせないために、性格とか権限を明確にすべきだと思いますが、いかがですか。
#143
○二階国務大臣 地域協議会の具体的なあり方につきましては、道路運送法の一部改正法の成立後、早い時期に明確な形でお示しをしたいと考えております。さらに、都道府県ごとに設置するか、あるいはまた地域ごとに設置するかという問題もあるわけでございますが、地域協議会の設置の方式は、都道府県ごとの実情に合わせて弾力的にできるようにしたいと考えております。
#144
○肥田委員 地域協議会のメンバーはどんな方で構成され、また、利用者の意見が反映されるものになるかどうか、お尋ねしたいと思います。
#145
○二階国務大臣 地域協議会の構成メンバーは、当然、都道府県が主体となって、関係市町村、関係事業者、運輸省が構成員となるものと想定をいたしております。
 地域協議会での検討状況については、広く関係する住民に公表するとともに、必要に応じ協議会においても意見を求めるなどの方法により、広く多くの皆さんの理解を求めることが必要であるというふうに考えております。
#146
○肥田委員 運輸大臣、ありがとうございました。以上で大臣への質問を終わらせていただきます。
 それでは、厚生大臣にお尋ねいたします。
 昨日、薬害エイズ訴訟ミドリ十字ルートで、旧ミドリ十字社の歴代三社長に対する判決が言い渡されました。有罪判決で、製薬企業トップの責任を明確にされたことは一定の評価ができると思います。
 しかし、患者の命と健康を奪った事実は厳然と存在しており、感染被害者や御遺族の心情を思いますと胸の痛みを覚えます。私たちは、国政にかかわる者として、二度とこうした薬害を繰り返すことがないように心を引き締め、再発防止に努めることが何よりも重要だと考えます。
 大臣は、昨日の判決をどのように受けとめられていらっしゃいますか。
#147
○丹羽国務大臣 まず、先日の予算委員会におきます肥田委員の薬剤の一部負担に関する御質問に関しまして、答弁の中で、御質問が誤りかのような表現を用いたことについては訂正させていただきます。
 昨日の大阪地裁におきまして、ミドリ十字の元社長三名に対しまして実刑判決が言い渡されたところでございますが、厚生省といたしましても厳粛に受けとめなければならないと考えています。
 今、肥田委員が御指摘いたしましたように、厚生省といたしましても、このような医薬品による悲惨な健康被害が再び起こることがないよう、再発防止のための取り組みに全力を尽くしてきたところでございますが、今後とも万全を期すように考えているような次第でございます。
#148
○肥田委員 先ほどの大臣の御発言、おわびではなく訂正ということでありましたけれども、議事録を削除していただいたということで了とさせていただきます。
 引き続き、質問させていただきます。
 昨年二月の都立広尾病院の医療事故に関連して、警視庁は、医療ミスによる業務上過失致死や医師法違反、虚偽公文書作成の三つの容疑で東京地検に書類送検するという報道がございました。これらの動きを厚生大臣はどこまで把握していらっしゃいますか。
#149
○丹羽国務大臣 都立広尾病院の医療事故につきましては、現時点で責任者が書類送検されたとの話は聞いておりませんが、厚生省といたしましては、こうした医療事故を防止するためにも、各種の医療機関が組織全体として取り組んでいただくことが重要であると考えております。事故防止の手法など普及啓発を通じまして、各医療機関の取り組みを支援してまいりたいと思っております。
#150
○肥田委員 事故が起きましたのは昨年の二月でございます。ちょうど一年前のことです。この事故の原因究明は、同じような事故の再発を防ぐという面からも重要な意味を持っておりますけれども、厚生省は、都立広尾病院の事故に関連して、病院設置主体の東京都に対して事故報告を求めましたか。
#151
○丹羽国務大臣 昨年の三月の十六日に、この事件につきまして実は報道で知りまして、直ちに東京都に対しまして事件の概要につき報告を求め、同日には事件概要の報告があったところでございます。
#152
○肥田委員 事故の大きさを考えますと、対応が余りに遅いなという感想を私は持っております。
 次に参りますが、医師法二十一条は、死体に異状があると認めたときは、二十四時間以内に所轄警察署に届けなければいけないと定めておりますが、広尾病院が所轄の渋谷署に通報したのは、事故から十一日後の二十二日となっております。これが医師法違反の容疑となっているわけですが、なぜ警察への通報がおくれたとお考えですか。
#153
○丹羽国務大臣 東京都が取りまとめました報告書によりますと、異状死体の定義について公式的な統一見解がないという現状から、医師法の第二十一条に規定する、二十四時間以内の異状死体の届け出を行わなかったことが誤りであったと断定するには至っておらないとされておるような次第でございます。
 ただ、公的な統一見解がないからといって届け出をしなかったということであれば、今回の東京都、都立広尾病院の対応はまことに遺憾であると考えております。
#154
○肥田委員 広尾病院が使いましたマニュアルは、東京都衛生局病院事業部が作成しております「医療事故・医事紛争予防マニュアル」でございます。この冊子に、医療事故が起こったらという項に、「患者さんが死亡したときは、過失が極めて明白な場合を除いて、「病理解剖を行うことが是非必要であるので承諾して頂きたい。」と遺族に」求めると書いてあるのです。
 広尾病院はこのままやったわけですけれども、この文章のくだりはこういうふうに読めますね。事故があっても過失が極めて明白な場合を除き、司法の手にゆだねない、内部で処理する、そういうふうなことを言外に感じるわけですが、これは異状死の解釈にもかかわっていると私は思います。大臣は、医師法で言う異状死をどう解釈していらっしゃいますか。
#155
○丹羽国務大臣 まず、東京都が作成したマニュアルの内容につきましては、私が判断することは差し控えたいと思います。
 また、医師法第二十一条に規定する異状についての判断は、医師がその専門知識をもって個別に行うことが基本的な考え方でございますが、その参考として、関係する学会において既にガイドラインが定められているところでございますが、この内容を検討した上で、厚生省として改めてガイドラインを作成する必要があるかどうかを含めて検討していきたいと思っております。
#156
○肥田委員 今大臣がおっしゃいました、その学会の決め事ですが、「病気になり診療をうけつつ、診断されているその病気で死亡することが「ふつうの死」であり、これ以外は異状死と考えられる。」と、かなり広い解釈をしていますね。これが東京都の作成のマニュアルと大きく隔たりがあるわけですが、こういう異状死に対する明確な定義がないために、本当に異状死の届けにも混乱が起きていることは明白であります。
 大臣もおっしゃいましたように、医師法二十一条は、明治時代とほとんど変わらないのですね。ずっとそのまま来ているのです。ですから、その条文の中で多分当時想定されたのは、異状死は犯罪とか行き倒れとかであったのではないかと思うのです。
 しかし、戦後社会の変化は、いろいろな場面で異状死の可能性を生み出してまいりました。いろいろな場面で異状死が起きてまいります。この社会の変化に対応して異状死の定義を定め、厚生省は届けるべき異状死の具体的なガイドラインを提示するときにまさに来ていると思うのですけれども、異状死に関するガイドライン、今、検討もとおっしゃいましたけれども、これは早急につくらないと大変なことになると私は考えますが、大臣、いかがですか。
#157
○丹羽国務大臣 御提言として承らせていただきます。
#158
○肥田委員 厚生省は、昨日、痛風薬のベンズブロマロンとの因果関係を否定できない劇症肝炎の発生を報告されました。そして、緊急安全性情報を配布するよう企業に指示をされました。痛風は慢性的なものでありまして、薬剤の使用も長期にわたりますから、今後とも情報提供や服薬指導は極めて重要であると考えております。
 そこで、私が気になりますことは、ベンズブロマロンの使用患者数は推定三十万人に上り、メーカーも十一社となっております。しかも後発品が多いというふうに聞いております。したがって、一般の診療所まで広く使用されているというふうに想定されます。それだけに、今回の緊急安全性情報が診療所にまで十分に徹底されているかどうか心配いたしておりますが、大臣、いかがでしょう。
#159
○丹羽国務大臣 先般の、痛風治療薬のベンズブロマロンによって劇症肝炎が発生するおそれがあることにつきましては、既に製造業者に対しまして、緊急安全性情報を全国の納入医療機関へ直接配布するように指示をいたしております。配布が完了したことを厚生省に報告するように求めているところでございます。
 また、厚生省からも、インターネットを介しました医薬品の情報提供システムを通じまして情報提供をするとともに、製造業者から日本医師会雑誌、さらに日本薬剤師会雑誌などにも掲載することにいたしておりますし、また、医療機関への情報伝達は徹底されるものといたしております。
#160
○肥田委員 今回の劇症肝炎八例の報告の中に、後発品メーカーからの報告はございましたか。
#161
○丹羽国務大臣 ないと承知いたしております。
#162
○肥田委員 そうしたら、もう一度尋ねますが、この八例の報告例の中で、後発品メーカーを使ったことによるという報告はありますか。
#163
○丹羽国務大臣 八人の方々につきましては、後発品を使用されていた方はいないと報告を受けております。
 以上でございます。
#164
○肥田委員 それでは、最後に、医療法案の要綱についてお尋ねいたしたいと思います。
 厚生大臣から諮問されておりました医療法等の法律案要綱につきまして、去る二十一日、医療審議会は了承するという答申を出しましたが、厚生省が平成十年十二月に示した医療提供体制の改革、議論のたたき台に比べますと諮問内容は大きく後退しております。
 厚生省は当初、患者と看護職員の比率について、二・五人に一人と提示されておりました。しかし、三対一に変更されました。三対一の基準を満たしていないのは僻地等三十七病院ですから、現状維持に近い内容です。診療情報開示の法制化については自主的な取り組みに変更され、小規模病院や僻地病院に特例として認める五年間の経過措置につきましても、対象病院の枠は百床未満から二百床未満に拡大されました。
 こう見ますと、厚生省が当初提示した肝心なところはほとんど換骨奪胎になっております。どんな経過でこのような内容になったのか、御説明を願いたいと思います。
#165
○丹羽国務大臣 まず、御指摘の当初案でございますが、議論の過程におきまして、厚生省が一昨年の十二月に医療審議会に示しましたいわゆる議論のためのたたき台のことだと思われます。
 その後、これは医療審議会で十分に御議論をいただきました。その過程で医療提供体制の見直しにつきましていろいろな意見が出されまして、意見の集約がなされました結果、審議会の答申として取りまとめられたと認識をいたしておるような次第でございます。
#166
○肥田委員 先ほどから私がお尋ねしておりますように、医療過誤、そして診療ミスは大変多いわけですね。その中で私は、例えば看護婦さんの比率なんかについてはもっとふやすべきだと思うし、もう少し前向きに充実していくべきときに、どうしてこういうふうに後ろ向きになったのかということをお尋ねしているのですが。
#167
○丹羽国務大臣 厚生大臣として審議会に諮問をいたしまして、そして御審議をお願いいたしているわけでございまして、その審議の結果につきまして答申をいただいたわけでございますので、私がこの場においてとやかく言及することは差し控えさせていただきたいと思います。
#168
○肥田委員 そういたしますと、私が今申し上げた換骨奪胎という表現は、大臣はどういうふうにお考えになりますか。
#169
○丹羽国務大臣 ですから、審議会から答申をいただいたことにつきまして、私が、換骨奪胎だとか、そのようなことを申し上げることは大変僣越なことだと認識いたしております。
#170
○肥田委員 先ほど申し上げました広尾病院の医療事故の原因は、もともと薬剤師以外のスタッフに薬の調製をさせたことなんですね。薬剤師法の十九条では、薬剤師でない者が調剤してはならないと定めているわけです。この法の趣旨は、調剤は薬の専門家である薬剤師に行わせ、薬剤投与の誤りを防止しよう、薬剤管理も厳しくしようということにあるのですが、過日、厚生大臣は、看護婦さんのミスと答弁され、病院における服薬指導の重要性にも言及されました。国立循環器センターでも、薬剤師でない者の投薬によって、誤って薬を投与する事故が起きております。
 二つの病院で起きた事故は、看護婦個人のミスとして語り得るものではないと私は思います。病院の構造的問題として指摘したいと思います。
 厚生省は、この二つの事故後も、国立病院においてどのように薬剤が取り扱われ、管理の実態がどうなっているのか、いまだに調査されていないと私は伺っております。
 過日も御紹介しましたように、私の調べた三十一の国立病院における調剤場所が薬剤科になっていたのは、わずか十一病院です。せめて、すべての国立病院において、調剤場所は薬剤科になっているのかいないのか、医療事故を未然に防止する方策を講じるためにも徹底調査を行っていただきたいと思います。
 先ほど裁判の判決に関して本当に真摯な御発言をいただきました。ですから、その大臣にお尋ねするわけでございます。
#171
○丹羽国務大臣 委員は、長年にわたりまして、薬剤の専門分野におきまして大変御活躍をいただいておるわけでございまして、心から大変尊敬を申し上げておるわけでございます。
 率直に申し上げて、私も十分その辺のところは掌握していない面があるわけでございます。今後の検討課題にさせていただきます。
#172
○肥田委員 さっき申し上げました徹底調査をお願いできますね。実は、ここは大事なところなんですよ。いかがですか。
#173
○丹羽国務大臣 国立病院であるとか療養所において、液剤などを調製するところが薬剤科となっているところが少ないが、これを調べろ、こういうことでございます。
 ただいま御質問で御指摘されたわけでございますので、よく内部において、そのこと自身を否定するという意味ではなくて、どういうふうな実態になっているのか、余り私がここで難しい話を申し上げまして、また誤解を招いてはいけませんので、この問題につきましては、あくまでも、要するに十分に、とにかく肥田先生の御指導を仰ぎながら、検討課題にさせていただきます。
#174
○肥田委員 終わります。ありがとうございました。
#175
○島村委員長 これにて肥田君の質疑は終了いたしました。
 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時二十分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時開議
#176
○島村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。河村たかし君。
#177
○河村(た)委員 河村たかしでございます。
 去年の八月、大変不幸な法律が通りまして、まず今世紀といいますか、ここ数十年来最悪の法律を自民党というか与党が通された。非常に残念な法律。これは全国民に番号をつけるという、とんでもない愚行を行われたということでございます。
 これは地方行政委員会に一応付託されておりまして、そちらでも質問しておりますけれども、何しろ全国民に、おぎゃあと生まれてからあの世へ行く、あの世へ行ってからもついておるかどうかわかりませんが、全員にだれとも重複しない番号を、強制的です、これは拒むことはできません、こういう番号を付番したということでございます。
 実は、これは本当は別個に法律を立ててやらなければいけなかったことなんです。大変なことですよ、一人一人に番号をつけるというのは。このことについて、いろいろ、自治省は国民をだましたのではないかという、とんでもないことがわかってまいりました。そのことについてまずお伺いをしたいと思います。その後に愛知万博についてお伺いをいたします。
 まず、委員長、これは感想を伺うということで、今宮澤大臣にはちょっとお話ししましたけれども、これが、韓国で、実際は使われませんでしたが、二年前、三年前ですか、これを皆さんに持っていただこうということで発行された、発行しようとしたカードでございます。
 裏はちょっと違いますけれども、こういうものが実は去年の八月、通ったのです。五年以内に始める、まあ任意だということになっております。強制ではないということになっておりますが、予測する数字によりますと、通産省の発行した一つの雑誌がありますけれども、その中には、公共部門だけでICカードが大体六千万発行される、そんなふうに言われております。
 これをちょっと回させていただいて、率直にこれを見られてどういう御感想を持たれるか、ぜひ大臣にお伺いしたいと思うのですが、お願いいたします。
 宮澤大臣、ちょっと御感想はどうですか。ぜひ手短にひとつ。
#178
○宮澤国務大臣 もしああいうものを持たなければならぬのなら、どこかへ忘れぬといいがなと、忘れないようにしないとと思いました。
#179
○河村(た)委員 通産大臣、いかがですか。
#180
○深谷国務大臣 この種のカードは、私も、がまぐちにいろいろ銀行の方は持っておりますけれども、この裏の指紋というのはちょっと……(河村(た)委員「裏はちょっと別で、前だけで結構です」と呼ぶ)そうですか。いろいろな種類のカードというのは持っていますから、これに関しては、韓国字で特に読めませんので格別な思いはありません。この種のものはいろいろありますから。
#181
○河村(た)委員 では、自治大臣。自治大臣は知ってみえますから。御感想で結構です。
#182
○保利国務大臣 これは韓国で使われているのか使われていたのか、記憶が定かではありませんが、身分証明書のようなものだろう、そう類推をいたしました。
#183
○河村(た)委員 皆さんにお見せせずにちょっと申しわけなかったのですが、実はこれは国民証明書みたいなものでございまして、ここの金ぴかのところに大体八千字、新聞一ページ分ICチップで入る、こういうカードでございます。向こうは市民運動が起こりまして、このICチップのところは入れないということになりました。ここのところですね、八千字分は。そういうことになったものでございます。
 日本はこれが通ったのです、去年の八月に。五年以内にこれを、任意ですけれども持つことになります。一応、通産省の試算されましたここに、ICカードAID付番体系調査研究、これは通産省の外郭団体の財団法人日本規格協会の中にありますけれども、大体六千万枚公共用で出るであろうと。地方自治体のもありますから、こればかり六千万というわけじゃありませんけれども、そういうふうになっております。
 ここで言いたいのは、通産大臣の話も今ありましたけれども、いろいろなカードを持っていると言われましたね。私はそう金がありませんから余り持っておりませんが、どこが違うかといいますと、これは表に番号がついておりますが、日本のは番号はこういうふうにはつけないということに、中に入れることになっていますけれども、今度つけた番号というのは、実は限定的な番号と違うのですよ。
 クレジットカードについている番号は、そのクレジットだけですよね。今度は全国民の番号ですからね。全国民の番号。(発言する者あり)ええ、背番号なんです。今、久間さんが言われました。背番号、いいことを言われた。自治省は背番号でないと、うそばかり言ってきたのですよ、実は。やはり久間さんは正直なんだ。うそを言っちゃだめだ、うそを言っちゃ。
 全員に番号をつけることについて、これも御感想でいいですが、宮澤大臣は特に保守本流を歩まれまして、保守主義という一つの概念がございますよね。保守とは何ぞやということから、生まれてから亡くなるまで、強制的にだれとも重複しない番号を付番するということについて、保守の本流を歩んでこられた先生としてどう思われますか。
#184
○宮澤国務大臣 五年猶予があれば、私の年なら大体逃げ切れるのではないかと思いますけれども、本当はこの話は戦争後少したってから出てまいりまして、最初のうちは、殊に総評の方々は、これは納税番号で出てきた話だったと思うのですが、徴兵につながるという強い疑いを持たれたのが最初の時代だったと思うのです。
 それで、いろいろ変遷がありまして、いっときはかなり国民的な支持がありましたように思います。ところが最近は、プライバシーといっても、いっとき前のプライバシーとちょっと違う国民の間のプライバシーという感じがございますね。一人一人の、どういうのでしょうか、プライバシーでも少し違ったプライバシーという感じを殊に若い人は持っていて、そういうものについての侵害だという感じが最近はどうも強いように思います。
 それで、私が関心を持っていますのは、納税番号というのをしょっちゅう税制調査会でやるものですから、そこでしょっちゅう議論をされますが、どうも、税からいえば便利ではあるけれども、ただ便利だけで国民感情というものは、なかなか皆さん賛成というわけにいかぬのかなといったような、今としてはそんなような印象を私は持っておるのです。
#185
○河村(た)委員 というより、要するにこれは、目的を限定しないというか、一部の運転免許証番号とか、私は運転免許証番号をいけないと言っているのではありません。例えば基礎年金番号、勝手に知らぬうちにつけるのはいかぬですけれども、いけないと言っているわけではありません。
 だけれども、全国民に番号をつける。だれ一人ついていない人はないですから、ということは、いわゆる共通番号といいまして、これは種類が違うのですよ。何にでも使える番号なんですね。久間さん、よくわかるでしょう、背番号だと言われたんだから。そういうことなんですよ。何にでも使える番号なんです。
 深谷さん、どうですか。通産大臣、今言われたように、今までの持っておられるクレジットカードと違って、これは何にでも使えるのです。番号は全員持っていますから。そういうものをつけるということについてどうお感じですか。深谷さんは保守の理念をよく説いておられますので、どうでしょうか。
#186
○深谷国務大臣 私は、行政の簡素化からいきましても、こういう時代の流れかと思っています。そして、何よりも大事なのは、これで国民の皆様にどういう行政サービスができるか、そしてあわせてプライバシーの問題を確保できるか、こういう問題は残っておると思いますが、その行政サービスを徹底していくということで次第に御理解をいただけるのではないかと思っております。
#187
○河村(た)委員 今お話もありましたように、行政サービスをこれでどれだけ高められるか。これは何も高まらぬのですが、かえって大変になってお金がかかるんですが、仮にそうだとしても、大事なのは、やはりプライバシーをそこでどう保護していくかということでございます。これは、そういうような理解でいいですか。
#188
○深谷国務大臣 結構でございます。
#189
○河村(た)委員 そうなると、この制度を導入したときに、どういう情報がそれによって管理されて、コンピューターのラインを流れるかということは、これは極めて重要な問題になりますよね。これは自治大臣、お願いします。
#190
○保利国務大臣 極めて技術的な問題でありまして、電子の中の動きというのは私もよく説明することができないのでありますけれども、再三地方行政委員会の中で御論議をいただきまして、委員からもいろいろ御指摘をいただいておったわけでありますが、いろいろ私も勉強をさせていただきました。
 結局、回線の中を流れるのは、いろいろな情報が流れますけれども、今度の法律で規定されております全国センターの中に入っていく情報というのは、四情報あるいは六情報と言われている個人識別のための情報のみである、全国センターに入るのは。いろいろな情報が流れましても、それは全国センターの前の交換機の段階で遮断をされるという格好になっておりますので、全国センターには四つの情報、正確に言うと六つの情報ということになると思っております。
#191
○河村(た)委員 今、どういうお話かといいますと、要するに、これは地行でもかなりやりましたけれども、何せ全員に付番されることですから、ぜひこれ聞いていてほしいんですよ。大変なことなんです、これは。
 それで、どういうことかといいますと、自治省が資料をつくられたんですよ、去年の八月以前から、もっとずっと前からです。その資料を皆さんのところに今お配りいただいておると思いますが、一ページ目に出ておるものです。ここを見ますと、左側にコンピューターがずっと並んでいまして、途中「都道府県」とありますね。その間に「専用回線」と書いてあって、そこに黒い線がありますね。そこの上に、ちょっと字が見にくいのですが、「本人確認情報(住民基本台帳情報から限定) 四情報(氏名、住所、性別、生年月日) 住民票コード」それから「付随情報」、こうなっていますね。まず、これを見てください。
 それから次のページ、めくっていただけますか。それで、これが僕は、自治省が国民をだましたんだということがありまして、実は保利自治大臣、非常にまじめな方でございますので、非常に正直に御答弁なされている。前の資料で見たとおりに、専用回線を流れるのは本人確認情報の四情報である、そう言われた。ところが、通ってから、自治省が都道府県説明会で、いや、流れるのは全然違うんだと。実は、いわゆる住民票の広域交付の場合は九情報、それから、転出転入の特例の場合は十三情報。それはどこが違うかといいますと、前の四情報は、住所、氏名、生年月日、性別というのは公開情報となっているんです。私が宮澤大臣のでも見られるんです。ということになっております、これがいいかどうかはまた別としまして。
 しかし、後で言いました十三情報というのは、例えば本籍地それから続き柄、家族関係、そういうのもコンピューターに流しますよということを後で自治省が発表されたんですよ。それを受けまして、とんでもないうそじゃないか、自治省は国会をだまして法律をつくったのかという議論があって、保利大臣が、もしうそであれば大変なことなんだ、だから資料の訂正を命じますということを言われて、出てきたのが次の資料です。
 二枚目の左側の下の方を見ていただけますか。ここに、ビルみたいな二つがありまして、その上、「都道府県・指定情報処理機関に蓄積され、国の行政機関等に提供される情報を本人確認情報に限定します。 本人確認情報とは?」、住民票コード、氏名、住所、性別、生年月日、付随情報。その後、「住民票の写しの広域交付や転入転出の特例手続の場合には、それぞれに必要な情報が専用回線で流れます。」と。前のビラと明らかに違いますでしょう、これは。これが全然書いていないじゃないですか。それが同じようなことならいいですよ。何遍も繰り返しますが、四情報というのは公開情報になっているんです。どなたでも見られるんです。
 もう一つ言っておきますと、次のページを見ていただきまして、これは産経の新聞ですけれども、その裏を見ていただけますか。参考人の方が、上から二段目です。
 その自己情報をいわば中核情報と周辺情報に区別するという発想が必要になるわけでして、今回の基本四情報というのは周辺情報というふうに私は認識しているわけです。その意味で、確かに今回の法案でプライバシーの侵害にかかわる問題が出てくる可能性はあるかと思いますけれども、しかし私の認識では、プライバシーの中核情報にかかわる重大なあるいは深刻な問題を引き起こすような種類のことではないというふうに考えております。
参考人が、学者が出てきて、これは四情報しか流れないんだ、四情報は周辺情報なんだと言っているわけですよ。だから、そのことについてはプライバシーの侵害の程度は高くないからいいんじゃないか、こういうふうに答えたんですよ、これは。
 だから、もう一回聞きますが、これは自治大臣に何遍でも言っておるんですが、私も正直にお答えをいただければ、今回もちょっと答弁がしっかりはしておりませんけれども、このラインを流れるのは何情報ですか。
#192
○保利国務大臣 極めて技術的な問題なものですから、私が若干口ごもりながら御説明を申し上げている。本当は政府参考人で技術に詳しい方から御説明をいただくのがいいんですけれども、私が今まで勉強してきました知識をもって仮に御説明を申し上げるとすれば、最初に委員がお示しになった古い資料の方、これは四情報しか流れないように見受けられるのでございますけれども、これは中央のセンター、一番右に書いてあるところに、全国センターへ流れていくのは四情報ですよという観点に立ってつくった資料です。
 そこのところは誤解があるといけませんからはっきり申し上げますが、実際は、専用回線と書いてある中には、十二とか十三とかそういう情報は電気的には流れていくわけであります。しかし、全国センターの手前のところに交換機というのがありまして、この情報は全国センターには入らない情報だということで遮断をするように工夫をされていて、ここの全国センターには四情報以外、あるいは正確に言うと六情報ですけれども、それ以外は入らないようにするということでありまして、この実線で示した部分は十二情報ないし十三情報が実際は流れる、しかし、遮断されて全国センターには蓄積されないというふうに私は勉強をいたしました。
#193
○河村(た)委員 この間も言いましたけれども、やはりこれは謝ってくださいよ、お願いですから。与野党を超えて、これは。やはり役所が言いたい放題で、うその資料をつくって法律を通してどうするのですか。きょうは予算委員の方ですから、御存じないかもわかりませんが、きょうはたまたま持ってきておりません。きょうはマスコミがおるから気分を悪くするかどうか知りませんが、新聞社もテレビも全部、四情報と言ったんです、これは、流れるのは。参考人も言ったのですよ、今のように。
 今言われたように、交換機と言われますけれども、交換機がどこにあるのですか。交換機は何も図にも書いていないし、交換機の前でもう既に四情報しか流れない、だれが見たってそうとれるじゃないですか、これ。謝ってくださいよ、一遍。だけれども、謝っただけでは済まないよ、これは。こんな間違えた資料をつくって法律が通せるんですか、一体。私、これは本当に与野党を超えて、やはり国会の非常に重要な仕事は、幾ら議院内閣制にあっても、やはり役所が暴走しないように、それをチェックするのが仕事じゃないですか。
 委員長、委員長はどう思われますか。国会の行司、仕切り役で、大変な仕事ですよ、国会の。国会の権威を守るというか国会の仕事を守るのですよ。もし役所の言った資料が違っていて、そういう認識で法律がつくられてしまった場合、これはどうするんですか、委員長。
#194
○島村委員長 今あなたの言われたことは私も同感です。
#195
○河村(た)委員 ということは、もし間違っていましたら、これは素直にまず謝罪して、謝罪するより法律をやめるとかすべきだということですね。
#196
○島村委員長 そうです。
#197
○河村(た)委員 では、これは本当に誤っていたかどうかですよ。いや、これは本当にそうなんですよ。僕はこれは悔しくてたまらぬね。こんな資料を出して、特に自民党が通した。
 僕は、自民党というのは、今ぼろかすに言う人もおりますけれども、私たちも今非常に責めておりますが、やはり一時期においては、いわゆる全体主義の思想からある意味で日本の自由主義社会を守った、非常に貢献されたところがあると思いますよ。今は全然だめですが、今はひどいものなんだ。こんなものにだまされて当たり前だと言っておるなら、それこそ共産主義だよ、これは。共産党がどうかは知りません、共産党が共産主義かどうかはわかりませんが、しかし、そういうことなんですよ。全国民に番号を振るという、共産主義と言うのはやめましょう、全体主義に言い直します。全体主義と訂正いたします。
 要するに、先ほど言いましたように、自由主義とかいう問題は、国家が何か管理することに対して、やはり個人の自由とか家族とか伝統とか、地域社会を大事にしていく、こういうものを保守と言ったのではないですかと思いますよ。どうですか、大臣、保守の考え方としては。
#198
○保利国務大臣 保守の考え方を長々と申し上げれば時間が足りなくなりますから、保守そのものについての議論は避けたいと思いますけれども、私は、保守という字をそのまま考えれば、やはり伝統を重視して、そして個人の尊厳を図りつつ、社会全体が穏やかであるように、ひところは保守と革新と対比されましたけれども、悪く言われれば守旧派という言葉もありますけれども、私は、伝統を保って、静かに世に律していくというのが保守の考え方だと思っています。
#199
○河村(た)委員 やはり私もかねがね、保利さん、民間会社に勤めてみえましたし、いわゆる保守のわかる方だと思っておりまして、今本当に安心しました。
 その立場なら、余り個人的にしゃべったことを言うと、これはオフレコにならぬから僕は言いませんけれども、私からすれば、やはりこれはだめだと思ってみえると思いますよ、保利さんは。全人間に番号を振る。それもその流れるデータは、これは委員長、違うでしょう。四情報とだれが見たって思えるじゃないですか、これ。質的に違うんですよ。これから見て、だれが、本籍地やいわゆる続き柄、家族関係が流れるとどこがわかりますか。そんなごまかして法律をつくっていいんですか。保守主義者は、やはり議会の権威をここで取り戻してくださいよ。自治省が間違っていた、やり直そうと言ってくださいよ。どうですか、大臣。
#200
○保利国務大臣 委員とはもう長いこと議論をしてまいりましたから、改めて申し上げることもないと思うのでございますけれども、自治省がつくりましたのをいろいろ私もその後検証もしましたし、自治省の皆さんとも議論をし、時には大声を立てながら議論もしてみました。
 その結果、この古い方のデータで委員が間違った間違ったとおっしゃっている部分は、これは全国センターには四情報しか行かないのですということを強調して説明をするための、そこを強調した資料であったためにこういうふうな形になったわけでありまして、不十分な説明であったということについては認めますけれども、間違っている情報だというふうには私は解釈いたしませんし、そういったことについては、議会の中でいろいろ御論議をいただいた上で、そして多数で可決をしていただいたという経過がございまして、慎重な審議がなされて、その結果が出たものだと思っております。
#201
○河村(た)委員 これは本当に、私はもう何遍も言っていますけれども、これは保利大臣、やはりきちっと言われた方がいいと思いますよ。保利大臣、自治省を守っているからいかぬのですよ。しようがないと思いますよ、立場で。だけれども、議員として選ばれて、やはり政治家として、こんなことを言ってはまことに生意気で申しわけないと思うけれども、間違えたときはやはりきちっと言うべきだと思う、僕は、本当に、保守政治家だったら。自民党は言わなければだめだよ、政権政党なんだから。
 これはどう見たって、こんな一部だけ書いた文書を出して、その一部を書きましたなんという理由が通ると思いますか。今の話はそういうことですよ。もっと大事なことを言わなければだめでしょう、一番大事なことを。先ほど言われたでしょう。プライバシーを、今深谷さんが言われた話だと、行政効率を高める、これも実はうそで、とんでもない話なんだけれども、番号をつけて何も高まりません、正直言いまして。
 そうだけれども、そうするにしても、プライバシーの保護が非常に重要だと言ったんですよ。そうしたら、コンピューターのラインにどういう情報が流れるか、公開情報が流れるよりも本籍地とか続き柄が流れることの方が重要じゃないですか。そういうのを書かないのが虚偽の文書というのじゃないですか。虚偽の文書をつくったのですよ、自治省は。それで国会は法律をつくってしまったんだ。
 流れる情報数をきちっと出す。国民のプライバシーに非常に重要な危険性があるから、背番号つけるのだから、これだけの情報状況になりますよということをきちっと言わなければだめじゃないですか。委員長、どうですか。これを今まで聞いて、この文書はうそだと思いませんか、これは本当に。本当に素直に御感想を話してください。
#202
○島村委員長 私は、答弁する立場ではございませんので、閣僚の方に御質問を向けてください。
#203
○河村(た)委員 まず、こういう非常に情けない、私、本当に悲しいですよ。いろいろな法律がありますけれども、これは日本国民の皆さんはまだ知らないと思いますよ。あと二年ちょっとの間に国民の皆さんのところに手紙が来るようでございます。これは何と、きのうの委員会でやりましたけれども、家族ごとに来るということなんですね。(発言する者あり)そう決めたわけじゃないと言うけれども、予算はそうやってつけているのですよ。予算というか見積もりを。それで、本当は個人個人でないと、一人一人の番号だから、プライバシー上大変だから、だからわざわざ乱数にしたのです。わけのわからぬ、家族もわからぬ。それを家族で来るようになったのですよ。こんな制度が、わけのわからぬうちにインチキの書類によってつくられてしまった。こんな不幸な事態において国会は何も行動しないでいいのかね、これは本当に。
 私ども民主党は、この問題を非常に重視しまして、これは廃止法案を出しております。だけれども、残念ながら野党だから通らぬのだよ、これが、悔しいけど。審議もさせないじゃないですか、これ。野党だから悲しいよ。
 だけれども、与党、野党と言っておるよりも、全国民に付番するようなことを間違えた情報でやったと、これははっきり書いて出してくださいよ、国民に。あなたの続き柄やあなたの本籍地もコンピューターラインに全員流れますよと。転出入の届け出をやったら流れますよと。出してくださいよ、これ。これはどうですか。全国民にもっとはっきり、非常に大きく広報してくださいよ。NHKテレビでやったらどうですか。
#204
○保利国務大臣 委員の御指摘の問題でありますけれども、そもそも住民基本台帳の中には、各町村でいろいろなデータを持っていらっしゃいます。いろいろな見方をすれば十六というカウントの仕方もありますし、通常十三あるいは十二、こうなるのでありますが、それが、引っ越しのときには、少なくとも隣の町村とか、引っ越し先へはその住民票というのが移っていくわけでありますから、電子的に移っていくということは、当然それで上げる十三の情報なりが流れていくというのは、これはもう常識で考えられること。この辺はきちんと国会の中でも御議論をいただいたと思います。
 これは地方行政委員会で、去年の四月ですが、御質問があった中で、四情報のほかに続き柄、戸籍の表示、それから転出先及び転出の予定年月日、住民票コード、それから国民健康保険、国民年金、児童手当、そういった情報が、該当するものがあれば転入先の市町村に流れていくということは、国会の中できちんと自治省は表明をいたしております。
#205
○河村(た)委員 悪いけど、そういうのをうそと言うんですよね。本当にちょろっとしたところだけぱっと出す。そういうことを堂々と言うなら、パンフレットをつくりかえなければいかぬわね、やっぱり通る前に堂々と。何で問題を指摘されて、新しいこのパンフレットを出したんですか。うそだと言われると困るから。たまたまある議員が気づいて質問したと。その議員にも聞きましたけれども、正直言って、よくわからなかったと言っていましたよ。
 こういうのは典型的なうそのやり方なんだ。自治省は知っていたはずですよ、もしこれ、全部しゃべったら通らないということを。こんな、日本じゅうの、自分の戸籍が流れるかわからぬような、それが、続き柄が流れるかわからぬような法律がなぜ通るんですか、日本で。絶対通らなかったんですよ、これは。
 だから、これはぜひひとつ皆さん、といっても与党と野党は違うから、民主党のおまえが言っておることは賛成できぬと、そういうつもりになるかわからぬけれども、これは廃止法案をよく吟味いただいて大議論をひとつお願いしたい、こんなふうに思います。
 大事なのは自治省じゃないんですよ。大事なのは国民なんだ。国民の自由なんですよ。一人一人に番号をつけられる国民なんですよ。あと何が来るか。
 次の質問に移りますが、これは民間には使わせないと答弁されています。これは前自治大臣が、民間には使わせないと。しかし、次の資料を出していただけますか。今の資料ですね。余り時間がありませんから、ちょっと早く行きます。
 今の、「専門家「問題はない」」と言った次、ずらっと、ICカードAID付番体系調査研究とあるでしょう。ここに自治省が入っていますね。その裏のページを見てください。三十一ページと出ておるものです。ここに、「ICカードシステムの構成」、いいですか。「ICカードの用途例」、一番右下に「住民票」と出ているでしょう。あと見てください。金融、流通、交通、定期券、回数券、医療、何ですか、これ。何が民間に使わせないですか、これが。
 これはどういうことですか、通産大臣。これは通告してありますよ。これは通産省のものなんです。聞いていませんか。(深谷国務大臣「聞いておりません」と呼ぶ)おかしいですね。通告してあるんですがね。通産省の外郭団体がこういう研究会をやって、ICカードにはこういうものを入れますという資料なんです、これ。ここには住民票が入っているんだ。それから、その前を見ていただくと、ちゃんと自治省も入っているんです、メンバーに。警察もみんな入っているんですよ。ここには金融、交通、全部入っているわけですよ、民間部門も。
 一方、自治省は、自治大臣は、前国会において、民間には使わせませんとはっきり言っているんですよ。答弁されていますよ。とんでもないインチキじゃないのか、これ。
 では、住民票は出すんですか、民間に。それはおかしいですよ。これはちょっと、党派を超えてやらなければいかぬ。これは、めちゃくちゃなんですよ、本当に。
#206
○保利国務大臣 民間には使わせないという意味は、この法律の中に、住民票コードは民間に使わせない、こういうことで規定されているところであります。
#207
○河村(た)委員 住民票コードは使わせないって、「住民票」と書いてあるじゃないですか、ICの方に。ICカードのところに「住民票」と。
#208
○保利国務大臣 通産大臣にお尋ねでしたから私から申し上げるのはいかがかと思うんですが、これ、委員から示されましたのは、私の感じでは、これはこういう用途がある、電子メールだとか、あるいは身分証明書カードだとか、交通関係では定期券だとか、いろいろなところにICカードを使い得るということを仕分けして示したものだと私は思いますが。
#209
○河村(た)委員 問題は、そこに「住民票」というのを書いてあることなんですよ。住民票の中には、いいですか、今度は住民票コードがつくんですよ。去年、通したんです、その法律を。入っているんですよ、住民票の中に。背番号が入るんですよ、今度は。それも入れて、一緒に使うと言っておるじゃないですか。これ、どうするんですか。うそですか、これは。自治省は使わせないと言っているけれども、通産省の外郭団体はもうやっているじゃないですか、実際に。まただましたのか、国民を、これは。
#210
○保利国務大臣 さっき委員がお示しいただいた韓国のカードですね。あの金色の部分はICなのかな、私もよく存じませんが。住民票のカードの中にそういうものをつけることによってより機密性とか、あるいは情報の量がたくさん入りますから、そういう用途で使おうということで、ICカードを住民票のカードの中に利用し得ると書いたのがこれではないかと思います。
#211
○河村(た)委員 何かさっぱりわからぬことを言っていますけれども、とにかくもう時間がありません、万博をやらなきゃいかぬですからしようがないんですが。
 今言いましたように、悪いけれども、これ、民間で使わせないと言っておったのはうそだったというふうに、同じ政府でやっているんだからね、外郭団体、関係ないとは言わせませんよ。だから、これ、ちゃんと正式な、どういう意味合いでつくったか、資料を出すように、それをお願いしますよ。
#212
○島村委員長 後ほど理事会で協議いたします。
#213
○河村(た)委員 それから、もう一つだけ言っておきますと、自民党の皆さん、次のページを見てください。これ、二、三分でやります。自民党が、「わが党の公約 第四十一回衆議院議員総選挙」、皆さんが当選されたその選挙で、この公約の中に、めくってください、「住民票の手続をすれば免許証、健康保険証などの変更手続も自動的に済まされるような手続方法の早期実現などによって、」云々、こういうふうにしてあります。
 したがいまして、住民票と運転免許証と健康保険証を連動させるんですね、これ。そういうことですね、これは。自治大臣、いかがでしょうか。これ、自民党の公約ですから。
#214
○保利国務大臣 これは自民党の公約で、平成八年の選挙のときにでしょうか、出したものでございますが、その後、この法案ができておりまして、何を応用範囲に含めるかということについて、免許証につきましては本籍を入れる必要がありますので、これは今のシステムからいいまして四情報の中に本籍は入っておりませんから、そういう意味で免許証は使えないということになった。それから健康保険証は、厚生省側の方から、本人確認情報は今のところ必要でありませんということで、組み込まなくて結構です、そういうことを言われたいきさつがございまして、この二つについては落ちておるわけであります。
 委員は公約違反とおっしゃるかもしれませんが、公約を目指して党としてはやっていくという意思表示だったんだろうと思います。しかし、技術的にはそういうふうな今の説明になります。
#215
○河村(た)委員 要するに、委員会では、法律を改正しなければこのカードの、カードというか番号の利用というのは制限されると言っていますが、一方では、自民党さんはこういうのを書いておられて、免許証とか健康保険証にどんどん広がっていく。すなわち、個人の犯歴とかそれから病歴とかそういうものが全部入るようになる。そういう法律をつくってしまったということなんですよ、自治省にだまされて。そういうことなんだ。
 では、この問題はこれで終わります。時間がありませんから。
#216
○島村委員長 保利自治大臣。簡潔に願います。
#217
○保利国務大臣 全国センターにある四情報を利用して、全国でいろいろなことに使うという可能性はあるわけであります。決して、いろいろなそのほかの情報が一般的に広く使われるということではありませんので、そういう法律になっておりますし、またそういう仕組みにしてまいりますから、どうぞひとつその辺は御理解をいただきたいと思います。
#218
○河村(た)委員 重ねて言っておきます。
 またこれはちょっと時間をいただいてやるんだけれども、それはうそなんですね。役人に九十二、情報を使うところにも番号が行って、分散管理して全部リストされるんです。例えば恩給の受給者百五十万人、このところの上には番号がつくんです、全部。それから市町村の住民票にも全部つくんです。とんでもないわね。それから一般のカード、民間の取引にも使われるんです。それが真実なんですよ。今度その問題は議論いたします。
 さて、万博の問題に移りたいと思います。
 私は名古屋に住んでおりまして、名古屋をだれにも負けず愛しておる人間で、万博も大いに環境万博として成功させたいということで、私もこの万博の誘致をするときに、各国の大使館を分けて、私もギリシャだとかウクライナだとか行って、愛知にぜひ投票してくださいと言って回りました。成功させたかったんです。
 だけれども、とんでもないことがわかった、実は。これはカメラに写っておるかわかりませんが、これは当時配った英語のパンフレットです。これと、日本語はこれなんですよ。この内容が何と違っていたんですよ、恥ずかしい話で。私は正直に言います。なぜかというと、こういうことを明らかにして、やはりわびることはわびて、そして新しい気持ちで万博を成功させよう、そういう気持ちがあるからこう言っているんですよ。
 どこが違うか。見ていただけますか、先ほどの資料。先ほどの資料に地図がついております。日本語の「会場構想」というのがありますね。それから、裏に英語のものがついております。あとほとんど同じなんですよ。時間がありませんから後で見ていただくといいんですが、あとほとんど同じなんです。
 その日本語のものを見てください。この私が黒くくくったところ、線を引いたところ。例えば、この地区には都市中核として整備することを想定しとか、住居系を中心とした施設の拡充、それから道路の項目がすっぽり抜けているんですよ、英語のパンフレットから。こうだったんだ。僕は本当に涙が出てくるほどつらかったですよ。おれはこんな非常に重要なことを抜いたパンフレットを持って、外国に一票をいただきに行ったのかと。自然との共生とか言ってですね。
 これは、英文と和文、どっちを先につくったのか、だれがつくったのか、なぜこういう本当のことを書いていないパンフレットをつくったのか、お答え願います。
#219
○深谷国務大臣 御指摘のパンフレットの作成に当たった当時の関係者に、私は当時は関係していませんでしたから、いろいろ調べさせました。
 そうしましたら、博覧会の開催に係る国際的な誘致活動で本博覧会を紹介する資料として活用するために、平成八年の十一月ころから英語のパンフレットの作成が開始をされ、その後引き続いて、日本国内において本博覧会に対する理解を深めるために日本語のパンフレットの作成も開始された、そういう答えが返ってまいりました。
 また、当該パンフレットの作成に当たった当時の関係者によりますと、英語及び日本語のパンフレットは、それぞれの使用目的や配付先を勘案し、それに応じた内容とか構成を考えて作成したんだ、こう言っています。
 具体的には、英語のパンフレットの作成に当たっては、BIEの事務局から、名古屋地域については国際的に知られていないので、世界の主要都市とどのように結ばれているかなどについてわかりやすく紹介したらどうだ、国の支援体制について印象づけるようにしたらどうか、アジアという観点を強調したらどうかなどの示唆を受けたことを踏まえて、同パンフレットにおいては、本博覧会のテーマ、会場構想などに加えて、名古屋地域への交通アクセスや宿泊施設、組織運営面での支援体制についての項目を設けるとともに、アジアの観点に立って、名古屋地域の国際的なつながりなどについてより詳細な説明を加えたんだと。これは私が調べさせて書かせたものです。
 また、日本語のパンフレットにおいては、本博覧会のテーマ、会場構想などに加えて、国際博覧会を我が国で開催する意義を国内の人々に理解してもらうことを目的としたものであることから、博覧会のテーマの説明や万国博覧会の歴史及び精神についての項目を設けるとともに、本博覧会と長期的な地域整備事業との関係などにつきより詳細な説明を加えたということであります。
 これは私が調査させた答えでございます。
#220
○河村(た)委員 なぜ開発系の行為を落としたのか、それが聞きたいんですよ。めちゃくちゃな項目が落ちているんじゃないんですよ。跡をどうするか。特にニュータウンの構想のところ。それから、何と跡だけじゃなくて、その会場の道路の記載を落としてあるんですよ。両方に共通することは、いわゆる開発系のことですね。これを落としてある。なぜ落としたんですか、そこを。
#221
○深谷国務大臣 当時の状況について私どもが詳細を調べたのは、今のお答えの範囲でございます。
 ただ、私が見ましても、何で英文と和文が違うのだ、もっときちんとつくるべきであった、そういう思いは率直に持っています。
 そして、私は、これをすべて合わせて比較をしてみました。そうしますと、例えば、日本語版に自然との共生を細かく書いている部分があって、それを英語の文にはカットしているとか、何とも、これこそ書くべきだというのまで欠落したりしている。だから、どうも、あなたのお考えのような格別な悪意で書いたとは思えないで、むしろ、作成の折にもっと真剣に、慎重にやってくれたらなという思いを率直に私は今も持っております。
#222
○河村(た)委員 いろいろ事前に打ち合わせされておりますので、なかなか考えられた答弁になっておりますけれども……(深谷国務大臣「答えは私が自分で調べて答えているわけだから」と呼ぶ)そうじゃなくて、いわゆる開発系のところだけすぽっと落ちているのが問題なんですよ、これは。本当に、これを見れば、だれが見たって、跡地がニュータウンができるとは思えない、道路がずっと走っているとは思えないんですよ。やはり、こういう、特に自然との共生という万博だったんだから、自然と共生するのは何かといったら、開発とどう生きていくかと。だから、開発系がどうなるかという非常に重要なパンフレットだったはずなんですよ。それで一票をとったんです。
 それで、その次のページに実はあるけれども、この「EXPO二〇〇五」のパンフレットにありますけれども、シンポジウムのときに、わざと会場の開発跡地利用という項目を立てて議論をしているんですよ。だから私は、これはやはり謝るところは謝って、英文が先にできたなら、英文の精神に基づく万博をやって、そういうふうに考え方を変えて、NGOもいろいろ提言しているんだから、正式に各審議会に五人、十人入れて、そうやって国際社会の信用を取り戻していただきたい。こんな恥ずかしいことをやっていたら残念です。
 外務大臣にせっかく来ていただいているので、ちょっと一言だけ。
 こういうのは、いわゆる国際信義上、一票をとるために使ったパンフレットだから、僕は日本人として情けないと思うんですよ。これについて御感想を伺って、終わります。
#223
○島村委員長 河野外務大臣。簡潔に願います。
#224
○河野国務大臣 この二種類のパンフレットは、それぞれ任意団体がおつくりになって、一方は外国向け、一方は国内向けということでつくられたと思います。本来からいえば、双方同じものがつくられるというのが常識的であろうと思いますけれども、しかし、それぞれPRの方法等を考えて、どこを強調するかということなどをお考えになってつくられたものだろうと思います。
 これが公式の報告書その他であれば、これはもう大変な問題だと思いますけれども、任意団体が広告のためにつくられたということであるとすれば、これはどこまでが許されるものであるか私にもまだ詳細はよくわかりませんけれども、本来からいえば、同じものがつくられていれば誤解は一番生まずに済んだかなという感じはいたします。
#225
○河村(た)委員 ありがとうございました。
#226
○島村委員長 これにて河村君の質疑は終了いたしました。
 次に、石井郁子君。
#227
○石井(郁)委員 日本共産党の石井郁子でございます。
 教育問題を中心に質問させていただきます。教育改革国民会議が近く発足をするという報道でございますけれども、この教育改革国民会議と教育基本法の問題で質問をさせていただきます。
 青木官房長官は、十六日の当委員会における肥田議員の質問に答えまして、まず一回目は、教育基本法を変える考えはございませんと答弁されました。ところが次の答弁では、教育基本法の基本的な考えを変える必要はありませんと申し上げたのであって、五十数年たっておりますので、その中に加えるべきものを加えていかなければならぬと答えていらっしゃるわけです。一体どっちが本音なんでしょうか。
 先日の予算委員会の質問を聞いていましても、政府の立場が明確でありません。小渕首相は、幅広く議論を重ねると言っていますけれども、教育基本法を変えるとは言っていないと思うんです。幅広く議論と言うけれども、議論の仕方にはいろいろありまして、教育基本法の枠の中で、つまり、教育基本法にのっとって幅広く議論をされ、そして教育基本法を変えないという立場で審議するのかどうか、明確にお答えをいただきたいのでございます。
#228
○青木国務大臣 私の先般の答弁、教育基本法の基本的な考えは変えないというのが、正しい私の申し上げたつもりでございます。そのように御理解をいただきたいと思います。
 したがって、政府といたしましては、御承知のように、総理が施政方針演説において述べられたとおり、教育立国を目指して、社会のあり方まで含めた抜本的な教育改革を内閣の最重要課題として取り上げ、このために、三党派の合意によって教育改革国民会議を設置することとしたわけでございます。
 この教育改革国民会議を発足させるに当たっては、議論を国民全体に広がりを持ったものとしたいという考え方に立って、教育のあり方について各界の有識者の方々から意見を伺うべく、総理大臣、文部大臣との連名で依頼をするとともに、あわせて、広く国民の皆様方にも御意見をいただくことにいたしております。教育改革国民会議の設置形態、また議論の内容、そういうものにつきましては今後検討をしたいと考えておりますが、各界の有識者の皆さんからの御意見を二月末までに集約をすることにいたしております。そういう御意見を踏まえて、総理を中心に、そういう設置の形態、議論の内容については検討していきたいというふうに考えておりまして、このように、教育改革国民会議において何を議論するかはまだ未定でございます。
 それとは別に、教育基本法については、一般的に申し上げれば、制定以来五十年余りたっておりまして、その精神は今申し上げましたようにしっかり守っていかなければなりませんが、同時に、幅広い議論もしていくことが重要であろうというふうに考えております。
#229
○石井(郁)委員 どうもはっきりしませんね。
 やはり、十六日段階の御答弁を少し詳しく述べられたにすぎないのではないか。つまり、教育の問題は国民的に議論をするというのは当然のことであります。問題は、政府として教育基本法を変えるあるいは変えないという立場でこの審議に臨むのかどうか、そこをお尋ねしているわけであります。どうも、議論によってはその必要が出てくるということでは困るわけであります。そこをはっきりさせてください。
#230
○青木国務大臣 ただいま御答弁申し上げましたように、百数十人の全国の有識者の方々から、いろいろな面で、この教育改革国民会議でどういうことを議論すべきかということを今二月末までにお願いをいたしております。そして、総理、文部大臣の名前において全国民の皆さんにもそのことを呼びかけております。それが全部そろった段階で、どういう議論をこの教育改革国民会議でなすべきかということを決めることにいたしております。
 ただ、そういう中で、教育基本法については、精神はきっちり守りながら、やはり五十数年たっておりますので、いろいろな面を議論していくのは私は当然のことじゃないかと、その上で教育改革を進めていきたいと考えているわけでございます。
#231
○石井(郁)委員 臨時教育審議会のときも、この設置に当たりまして教育基本法改正の問題が取りざたされました。当時は、中曽根首相が、教育基本法を改正するつもりがあるかという問いに対して、「憲法並びに教育基本法を改正する考えはございません。」と明確に答弁されています。そして、法案にも「教育基本法の精神にのつとり」という言葉が入りました。文部大臣、当時は森文部大臣でございますけれども、教育改革に当たりましては、憲法、教育基本法の精神を基本としつつ、これに取り組むことが肝要であると考えている、戦後我が国に定着いたしました制度でございまして、私は教育基本法の見直しが必要であるとは考えておりませんと述べておられました。
 私、今の官房長官の御答弁を聞きまして、なぜ、この教育基本法の見直しが必要でないというふうに明確に答弁できないんでしょうか。
#232
○青木国務大臣 再三御答弁申し上げておりますように、教育改革国民会議の中で議論をさるべき問題でございまして、初めから教育基本法には一切触れませんということでは、五十数年たった今日議論にはならないと私は思っておりまして、その精神はきっちり守ります、その上に立って、やはり五十数年たっていろいろ世の中も変わっております、そういう中での議論は当然あってしかるべきじゃないでしょうか。
#233
○石井(郁)委員 本当に問題だと思うんですね、私は。五十数年とおっしゃいますけれども、私が今御紹介しましたのは、十数年前の政府の見解じゃありませんか。教育基本法を変える必要はありませんと明確に答弁されていらっしゃるわけです。
 それでは文部大臣にも伺いたいと思うんですが、先ほども御紹介しましたけれども、我が国の教育制度全体に通ずる教育理念、その原則を明示しているということを森大臣が答弁されていたわけですけれども、この点について、文部大臣として、憲法、教育基本法の立場を教育行政に生かすというお考えに立っていらっしゃるのかどうかという問題ですね。いろいろと、家族、地域社会、個と公の問題、生涯学習について総理も触れておられるわけですけれども、私は、この全体の基本理念、原則を示しているのが教育基本法だというふうに考えるんですけれども、文部大臣のお立場を明確にお答えいただきたいと思います。
#234
○中曽根国務大臣 憲法も教育基本法も、憲法はもちろんでありますけれども、教育基本法も国の大変に重要な法律であります。教育を行っていく上におきましては、当然、この両方の法律の理念あるいはその中の規定に基づいて個々の教育行政を行っていく、そういうことでございます。
#235
○石井(郁)委員 どうしてはっきり教育基本法に基づいて教育行政を行うと、これは文部省あるいは文部大臣のお立場として表明されなければいけないものだと思いますけれども、そうおっしゃっていただけないのでしょうか。
#236
○中曽根国務大臣 教育基本法は、委員十分御承知のとおり、先ほど申し上げましたけれども、教育を行う上での憲法的なもので、基本法であります。そこの第一条の目的にも書いてありますように、教育は、人格の完成を目指すとか、あるいは平和的な国家あるいは社会の形成者として、あるいは真理と正義を愛すとか、個人の価値をとうとぶとか、いろいろと重要なことが書いてあります。
 私は、これは非常に大切なことであると思っておりまして、この教育基本法が戦後の教育に果たしてきた役割は大変大きい。これによって日本の教育の水準も世界のトップレベルになりましたし、またそれによって経済も発展いたしましたし、そういうことを考えますと、この教育基本法というものの果たしてきた役割は大きいわけで、今後もこの基本というものは尊重されなければならない、そういうふうに思っております。
#237
○石井(郁)委員 私は、現行法制下において、その立場で教育行政を行うというのは、これは大臣の資格にかかわる問題ですから、当然それを踏まえていただきたいということをお尋ねしたわけであります。
 それでは、少し個別の問題で伺っていきたいというふうに思います。
 先ほど御紹介しましたけれども、総理自身が、教育基本法とのかかわりで、家族の問題、地域社会、生涯学習、また個と公についてという問題などを、いわば検討課題のようにして挙げていらっしゃるわけでありますけれども、個と公というか、個人と公、この問題について、一体教育基本法のかかわりで何が問題なんでしょうか。官房長官、いかがでございますか。
#238
○青木国務大臣 個と公の問題なんですが、個は個人、公は公でございますけれども、今までは縦の関係であったと思います。いわゆる公が個をいろいろな面で指導するといいますか、上からいろいろなことを指示した時代だったと思いますが、総理が申し上げておりますのは、個と公が横の線になって、一緒になってやっていこう、そういうのがその精神だろうと考えております。
#239
○石井(郁)委員 この問題は、改めて今この教育基本法の中で議論されるのはどういう意味なのかということを考えるわけですけれども、既に教育基本法制定の当時に十分議論はありましたし、私は、それを踏まえて教育基本法は制定されているというふうに思うのですね。
 このことは、制定に当たっての提案者の高橋大臣の説明を見れば非常に明らかでありまして、こういうふうにおっしゃっているわけであります。
 わが国におきまして最も欠けておりますことは、個人の覚醒がなかつたというにあつたと考えるのであります。
戦前と戦後ですね。
 この点が国を誤らしめたところのものではなかつたかと考えておるのであります。これから先、文化的な平和国家を建設いたしますがためには、どうしてもこの個人の尊厳を認め、個人の価値を認めていかなければならぬというのが、私どものもつております確信であります。
というふうにおっしゃっているわけであります。まさに、個人と公の関係というのは、ここに明瞭に示されているというふうに思うのですね。
 総理も、この点で、施政方針演説ではこのように述べていらっしゃるわけです。「あすの日本は、個人が組織や集団の中に埋没する社会ではなく、個人が輝き、個人の力がみなぎってくるような社会でなければなりません。」また、「自立した個人がその能力を十二分に発揮する、そのことが国家や社会を品格あるものにする、そのように国民と国家との関係を変えていく必要に迫られております。」こういうことをるる述べておられるわけでありますけれども、私は、これを聞きますと、まさに教育基本法が言う個人の尊厳を重んじる、個人の価値をたっとぶということにその方向が示されていると思うのですね。
 どうしてこれが、教育基本法にかわるものとして、個人と公の問題、個と公の問題を取り上げられなければいけないのかということですね。この教育基本法に述べられたことの上に立って、さらに何を議論しろというのかという点で言いますと、何か意図がおありなんでしょうか。
#240
○青木国務大臣 別に恐らく意図はないものだと考えておりますし、再三申し上げておりますように、教育基本法の基本線はしっかり守りながら、教育改革国民会議の中で、これからの将来に向かっての問題をいろいろ議論していこうということでございまして、先生おっしゃるように、今までの教育基本法にも公と個の問題ははっきりと明示されております。しかし、そのことを強調することは、現段階において決して間違ったことではない、そういうふうに考えております。
#241
○石井(郁)委員 どうしてもそれだけではわからないのですよ。守りながら何かやらなければいけない、何をおやりになるのかがさっぱり見えないわけです。それからまた、なぜそれが必要なのかもわからないということでありますので、お尋ねしたわけであります。私は、教育基本法をきちんと深く理解するということが今大事ではないかというふうに思うわけであります。
 それでもう一点、生涯学習についてもちょっとお尋ねしておきたいのですけれども、教育基本法には、生涯学習という言葉は文言としてありません。それはまさに時代というか、政府自身が生涯学習についてつくり上げてきたところでありまして、社会教育として第七条に規定をされているわけです。ところが、この教育基本法のもとで、平成二年に文部省は、生涯学習の振興のための施策の推進体制等の整備に関する法律、短く言うと生涯学習振興法というものを制定されました。ですから、教育基本法の中でこの法律ができているわけですよ。そういうものとしてまず理解していいですね。これは文部大臣に伺いたいと思います。
#242
○中曽根国務大臣 委員がおっしゃいましたように、平成二年の六月にこの生涯学習振興法が制定されたわけでありますが、これは教育基本法の大枠の中で制定されたものと理解をしております。
#243
○石井(郁)委員 まさにそうだと思うのです。ですから、生涯学習の文言がないということをもって、生涯学習についても教育基本法にないので何か入れなければいけないという理由にはならないのですよね、ということを確認したいと思います。それが一つであります。
 さらに私は、家族とか地域社会というようなことについても第七条で既に規定をされているところでありまして、私どもが聞く範囲での総理の言われていること、青木長官が言われていることについても、やはり教育基本法を変えるという理由にはならないというふうに考えるわけであります。
 ですから、そういう点でも、官房長官として、教育基本法を変える必要はないんだということを明確におっしゃるべきであります。そして、教育基本法にのっとって教育改革を進める、政府としてはそういう立場に立つということをはっきりさせる。そして、二十一世紀の日本の教育改革を進めるというふうに言うべきではないのか。教育基本法精神を二十一世紀にも花開かせていく、こういうことを言うことが非常に大事ではないかというふうに思うわけですけれども、再度、いかがでございますか。
#244
○青木国務大臣 先生のおっしゃっていることは、教育改革国民会議というものが発足すると、その議論の中で教育基本法を変えやしないか、何かそういうふうな前提に立っておっしゃっているような気がいたしますが、私どもは決してそう考えておるわけではありませんで、教育基本法の基本的な精神はしっかり守りながら、新しい二十一世紀を迎えるに当たってこれからの教育がいかにあるべきかということを、この教育改革国民会議によって議論をするということは私は当然のことだ、そういうふうに理解いたしておりまして、この教育改革国民会議が教育基本法を変えるための会議である、そういうふうな御理解をいただいては間違いだろう、そういうふうに考えております。
#245
○石井(郁)委員 そのように言っていただければいいかというふうに思いますけれども、それでは、教育改革国民会議について、もう少しその性格づけ、何をするところなのかということについてお伺いさせていただきます。
 これは昨年の三党合意書の中から出てきたことかというふうに思うのですが、今まさにおっしゃいましたように、教育問題を広く議論をするということで、今いろいろと意見も募っているというふうに聞いていますけれども、それでは、ここでは何を議論、審議されるのでしょうか。幾つかその内容は見えているのでしょうか。
#246
○青木国務大臣 内容はまだ見えておりません。どういう内容を議論するかということのためにたくさんの有識者の方々から御意見を二月末までにいただくことにしておりますし、広く国民の皆さんからも、教育改革国民会議でどんなことを議論すべきかということを、現在一生懸命皆さんに呼びかけているわけでございまして、これがそろった段階で教育改革国民会議で何をやるべきかということに話が進むんじゃないか、そういうふうに理解をいたしております。
#247
○石井(郁)委員 この教育改革国民会議というのは、総理の私的諮問機関という位置づけかというふうに思うのですけれども、しかし、集められた意見によっては教育基本法の見直しも入るということをおっしゃっているように思うのですね。私は、総理の私的諮問機関でそういう教育基本法の見直しが入るということ自身が、本当にこれは重大な問題だというふうに思うのですね。言語道断だというふうに言わなければいけません。本当に一体何を審議する機関なのかということですね。もう少し具体的にやはり御答弁いただかないと困ります。
#248
○青木国務大臣 私が先ほどお答えをいたしましたように、教育改革国民会議の設置の形態、議論の内容、それについては、今全国広く国民の皆さんから、また有識者の皆さんから御意見をいただいておるところでございまして、それを踏まえて、総理の私的諮問機関とするのか、あるいは法律で総理の諮問機関として設置するのか、そういうことも含めて二月末までに集まったものをいろいろ検討して決定する。そういうことを私は再三申し上げているわけでございます。
#249
○石井(郁)委員 それは今検討中だということですけれども、私は、総理の私的諮問機関がもし教育基本法まで含めて審議をする、これは、そのことで政府も拘束するということにだってなるわけですから、そういう意味では重大だというふうに考えているところであります。これは到底政府を拘束できないものだと言わなければなりません。
 もう申し上げるまでもないのですけれども、審議会と懇談会との差異については、国家行政組織法の第八条でございますよね。明確に違うという問題だと思うのですね。だから、懇談会という性格は、単純な行政運営上の会議、会合にすぎないということだと思うのです。そういうところでもし教育基本法ということが審議されるということ自身が本当に重大な問題だというふうに思うわけでありまして、この点で、そういうことにならないように重ねて強く申し上げておきたいというふうに思います。私は、国民会議の設置そのものが、そうなると問われる事態になるというふうに思います。
 私は、今、日本の教育をめぐって、本当に多くの方が強い関心を持っていると思うのですよね。つい最近、この点で、これは本当に内閣の評価にもかかわるのですけれども、小渕内閣は教育を最重要課題というふうに位置づけられました。
 しかし、その後、これは読売新聞の内閣に対する世論調査を見ていまして、私も驚いたんですけれども、二月の十九、二十日の調査ですから明らかにその後なんですけれども、小渕内閣の評価できる政策、評価できない政策という中の項目に教育が挙がっておりまして、評価できるという方は二・七%でした。評価できないという方が一〇・三%ありました。
 私は、国民の皆さんはやはりよく見ていらっしゃるんだと。今、いじめ、学級崩壊、不登校、高校中退、本当にずっと、私たちは毎年の文部省の数字を見るのが本当に怖いくらいに状況は悪化しているわけでしょう。
 だから、そういう点では、具体的な解決を国民は望んでいると思うのです。文部行政はまさにそのことに真剣に立ち向かわなければいけない、そういうことだと思うのですね。そのことは、まさに憲法と教育基本法に基づいて、やはりそれを本当に生かしていくという立場で十分できることだというふうに私は考えておりまして、政府の方からいろいろな機関にいろいろな形で教育基本法の見直しが必要だ、必要だということが流されているような状況がありますので、強くそういうことのないように申し上げておきたいというふうに思います。
 きょう、もう一点ですけれども、高校生と大学生の就職問題で質問をいたします。
 もう卒業が目前でございまして、それを前にして、多くの青年が自分の将来の設計図を持てないでいるわけであります。高校生の就職問題でいえば、もう今や高校教育が成り立たない、あるいは学校の荒れにもつながっているという心配がたくさんあるわけですね。
 私は、この問題というのは、本当に、社会に生きる一人一人の人間のまさに存在、生活にかかわる、人生にかかわる問題だと同時に、社会の基盤を崩す重大な問題だ、日本の未来がかかっている問題だというふうに思うわけであります。
 そこで、労働省にもおいでいただいていますが、労働省と文部省にそれぞれお聞きいたしますけれども、高校、大学の新卒者の就職内定状況、どうなっているでしょうか。これは前年度と比較をしてお示しください。それから、昨年の春の時点で、四月時点での未就職者、これをわかればぜひ教えてください。
#250
○渡邊政府参考人 初めに、高校生の就職内定状況でございますけれども、この春の新規高卒者の内定状況ですが、昨年の十二月末現在で、就職内定率は七一・三%というふうになっておりまして、前年同期が七六・八%でしたから、五・五ポイント減少しております。
 それから、昨年の春の、三月の高校生の未就職者、就職が決まらなかった方は、三月末現在で、労働省の調査ですが、一万五千九十六人というふうになっておりました。
#251
○佐々木政府参考人 大学につきましてお答え申し上げます。
 今春卒業予定の学生の平成十一年十二月一日現在時点での就職内定率は、その前年の同時期に比べまして、大学で五・八ポイント減の七四・五%、短期大学で九・八ポイント減の四六・八%となっております。
 また、昨年卒業の学生の最終的な就職率は、大学で九二・〇%、短期大学で八八・四%でございまして、したがいまして、就職を希望しながら就職できなかった者の数は、大学で約二万九千人、短期大学で約一万六千人となってございます。
#252
○石井(郁)委員 昨年よりも、高校で五・五ポイント少ない、大学でも五・八ポイント少ない。昨年も最低だったのだけれども、またことしもこんなにも最低になっているという点で、私は若年層の未就職問題というのは本当に社会不安を引き起こしかねない重大な事態だというふうに思うわけであります。
 こういう青年たちにどういう保障をしていくのか、社会的保障をしていくのか、これはまさに政治に問われていることではないでしょうか。就職できないというのは社会の側に受け入れる体制がないからでありまして、そういう青年たちに支援の仕組みというのが余りにも今ないんですよね。せいぜい求人情報の提供ぐらいでしかありません。失業者には雇用保険がありますけれども、未就職者には自活のための保障というのは何もないわけであります。そういうことが青年の自立をも妨げているというふうに言えると思います。
 ですから、ここは、やはり制度にそういう穴があいているというふうに認識をしなければいけないと思うのですけれども、そういう認識と同時に、こうしたかつてない事態に対して、政府として、労働省としてどういう対応をしてきたのか、されようとしているのか、お伺いをいたします。
#253
○渡邊政府参考人 まず、高校生への求人といいますか、就職の促進について申し上げますが、高校卒の求人が大変厳しいということは、求人数がこの景気も反映いたしまして大変少なくなっているということが大変大きい現状でございます。
 これは直近の数字ですが、昨年十一月現在で求人が二十三万三千人というふうになっておりまして、この求人数もその前の同期と比べますと三〇・六%減というふうなことになって、求人の出方が大変悪くなっているところでございます。
 こういった状況を見まして、労働大臣を先頭に、中央、地方の各種の経済団体に求人を出していただくことをお願いに参りましたし、また労働省では、求人開拓推進員という方を全国で一千三百人配置しております。もちろん、高卒だけではなくて、障害者の方とか中高年の方の求人開拓も行っているわけですが、こういった方のフル活動によって求人の開拓に努めているところであります。
 こういった努力を行いまして、昨年の九月では求人倍率が〇・八五倍でしたが、十一月には一・〇三倍というふうにようやく一倍を上回るというふうなことになりました。この一月に入りましては、一般求人でも高卒に振りかえることができるというものについては、積極的に振りかえをお願いして求人の開拓に努める、こういった努力を続けているところでございます。
#254
○石井(郁)委員 最初に伺ったのは少し具体的な話も聞きたかったのですけれども、未就職者には、就職すれば当然雇用保険料が徴収されるわけですから、就職の意思のある人への何か保障というのがもっと検討されていいのではないか。これはこれからの課題かもしれませんけれども、職業訓練だとか、高校卒業者への専門の相談窓口ですとか、最低限の生活の保障など、いろいろ考えなければいけないことがあるというふうに思うのですね。
 ですから、本当に今深刻な大量の未就職者、若年層、高校、若い人たちの出口がないという問題のときに政治が何をするのかということでありまして、セーフティーネットという考え方もありますから、そういう具体的な対策、これをぜひ政府が検討すべきだということを重ねて申し上げておきたいというふうに思います。
 今、求人数の問題が出されましたけれども、本当に、この求人数でいいますと、そこが、要するに雇用が拡大していないというのが大問題だというふうに思うのですけれども、この点でも、行政あるいは政府としてどういう取り組みができるのか。企業にお願いをするだけではなくて、やはり具体的なことを踏み出すときだというふうに思うのですね。
 これは、例えば地方自治体はもっといろいろなことに取り組んでおりまして、私どもの伺ったところでも、青森県では若年者の雇用奨励金制度、これは九六年に創設している。二十五歳未満の青年を新規に採用して一年以上継続して雇用した企業に奨励金を交付して、何とか新卒者への求人をふやそうとしている。
 ほかの県でもそういうところがあるかと思います。そこにはいろいろな県の事情があったとしても、やはり若い人たちへの雇用の創出という点での努力があるわけですね。これは一つの企業だけがやってもできない、その企業は淘汰されてしまうわけでありますから。だから、政治のイニシアチブというものがどうしても必要な部分だというふうに思うのですね。そういう点で、本当に政府として真剣に取り組むときに来ているというふうに思います。
 日産自動車のリストラ計画というのが大問題になっていますけれども、この日産では毎年高校生五百人を採用してきたと言われますが、ことしはゼロになっているんですよね。だから、こういう点でも、本当に企業に対して政府がきちんと、この理不尽な企業の横暴をいろいろやめさせるという問題と同時に、やはり政府として、政治として若い層の就職をきちんと保障するあるいは確保する、この取り組みが要るというふうに思うのですが、もう時間も参りましたので、最後に労働大臣に御決意をお伺いしたいというふうに思います。
#255
○牧野国務大臣 先生御指摘のとおり、学卒の就職問題、私どもも非常に気にいたしておりまして、現在全力を挙げて何とかミスマッチをなくそうと。
 それで、三月までは、就職の面接会を従来の三倍以上やる。それから、まだ決まっていない人で、安定所でパソコンその他の短期講習をやる、こういうことで、少しでも企業サイドからとっていただけるような対策をとる。
 もう一つは、四月以降、もうはっきり就職する場所がなくなった、こういう方々につきましては、今予算でお願いしておりますが、実は企業の方々に、後から採用していただいて結構ですから、差し当たり技能訓練をひとつやってみてくれませんかと、こういう制度をつくりまして、四月一日以降、自分は働きたいんだけれども働けないという方々については、さらに積極的にそういう措置でミスマッチをなくそう、こう考えております。
#256
○石井(郁)委員 本当に真剣に取り組んでいただきたいということを重ねて申し上げます。
 私の質問は以上で終わりまして、越智金融相の重大な発言問題がございますので、関連で木島議員が質問をさせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#257
○島村委員長 この際、木島日出夫君から関連質疑の申し出があります。石井君の持ち時間の範囲内でこれを許します。木島日出夫君。
#258
○木島委員 日本共産党の木島日出夫でございます。
 大変貴重な時間でありますが、重大な越智委員長の発言問題が飛び出してきましたので、石井委員の持ち時間をいただきまして、質問をさせていただきたいと思います。
 最初に、越智大臣から事実を確認しておきたいのですが、ことしの二月十九日午後一時、栃木県塩原町、ホテルニュー塩原において、県内金融関係者を前にして大臣が講演をなされたようでありますが、この会合は、主催者はだれであったのでしょうか。
#259
○越智国務大臣 当日、栃木県内の自民党の同僚代議士の後援会の総会が開かれました。それは時間が違っておりますが。そこにごあいさつということで私招かれて行きましたところ、その前に、時間的にその前に、別の部屋に金融関係者がいるので懇談をしてほしいということで懇談をさせていただいた。
 したがいまして、主催者と言われるとちょっとはっきりいたしませんが、私は、大体その同僚代議士の後援会か何かそういう関係者の方の主催であったのだろう、このように思っております。
#260
○木島委員 その同僚代議士は、衆議院議員の蓮実氏ですか。
#261
○越智国務大臣 さようでございます。
#262
○木島委員 大臣が講演をされたその会合に集まった人たちは何人ぐらいで、どういう人たちだったのでしょうか。
#263
○越智国務大臣 人数はしかと覚えませんが、地銀と第二地銀、それから信用金庫、信用組合、並んでいる数からいうと四、五十人じゃないかなと、不確かでございますけれども、感じたわけであります。
#264
○木島委員 先ほどの答弁ですと、この前段の会合も、大臣は蓮実代議士の後援会の会合の一環という認識だったということのようですが、そう確認してよろしいですね。
#265
○越智国務大臣 特段、別に金融業界の方の集まりという意味じゃございませんので、当然、蓮実代議士の関係者のお集まりと認識いたしております。
#266
○木島委員 大臣がそこに招かれて講演するようになったのは、蓮実代議士からの依頼ですか。
#267
○越智国務大臣 再三申し上げておりますが、御懇談をいたしましたわけで、講演と言うとちょっとなんでございますが、蓮実さんの方からの御連絡というか、そういうことでございまして、大会に来てほしいと。それで行ってみたら、そういうことになりました。こういうことでございます。
#268
○木島委員 少なくとも大臣が直接、参加した金融機関の皆さんに自分が行くから来てくれということを言ったわけじゃないんですね。集めたのは蓮実代議士ですね。
#269
○越智国務大臣 どういう御案内でどういうふうに集めたか、私は詳しく存じておりません。それは、いわば秘書ベースみたいな格好で整理をされていたのだろうと思っています。
#270
○木島委員 明らかに蓮実代議士が会合の主催者であり、蓮実代議士が集めた人たちが集まってきた。そこへ大臣が講演したという関係は明らかになったと思うのです。
 そこで、大臣が講演した講演の中身についてお聞きいたしますが、冒頭、大臣はこういうことを言っているようですが、事実かどうか確認します。
 金融再生委員長って何をやっているのかと聞かれるが、金融再生委員会というのは、私のほかに四人民間の方がおられ、経団連副会長云々云々、全部で五人で破綻した金融機関の再生というか処理をしているわけですが、その他にも破綻にひっかかった金融機関のいろいろ手当てをしているということでございます。私の下に外局として金融監督庁、皆さんのところにいろいろとお伺いしておりますが、これは日野さんという検事上がりの人が長官で、その下に大蔵省の人をつけまして、都合、全部で五百五十人ぐらいの、役所としては、中央官庁として小ぶりということであります。
 こういう、金融再生委員会委員長が何をやっているかの自己紹介から話を始めているようですが、間違いありませんか。
#271
○越智国務大臣 私どもの方は記録はとっておりませんものですから、言葉そのものはわかりませんが、私の肩書を司会者が読まれますと、皆さんがどういうところだということを感じるものですから、私が冒頭、概略説明したことは事実であります。
#272
○木島委員 否定されませんでしたから、そういうあいさつから入っているということ、間違いないことだと思います。
 全体で何時間ぐらい話をされたのですか。
#273
○越智国務大臣 二、三十分だと思っております。
#274
○木島委員 それでは、その話の中段ぐらいのところでしょうか、こういう発言をされているようですが、事実かどうか確認をしておきます。
 二〇〇〇年、ことし我々が一番心配しているのは、もう私が着任したときから心配しておるのは、信用金庫、信用組合です。ずばり申し上げます。信用金庫の方は、七月から三月までの間に全部検査します、三百を。それは手配がつきました。
 こういう発言をされているようですが、間違いないですね。
#275
○越智国務大臣 信用組合を、テープを起こした方が間違えて書かれたかどうかじゃないかと思いますが、同様のことを言ったと思いますが、信用組合が約三百でございまして、検査部の方ではこれを、ことしの三月決算を、七月になりませんと出てきませんから、七月から九月の間に全国、全部やらなきゃいけないということでございますので、そのためのいわば人的問題とかあるいは各県からの資料の取り寄せ、もう一月ごろからやっておりますが、全部それを財務局の方に引き渡すという作業をしているという意味で、手配はいたしましたと、こういうことでございます。
#276
○木島委員 お認めになりました。これ自体大変なことだと実は私は思っているのですが、そこで、さらに続けて大臣の方は、検査の仕方できついとかあったら、またどんどん直接仰せください、あるいは、ここにお集まりの皆さんは蓮実さんにどんどん言ってください、書類なんか渡してもらったら、彼が私のところへ来たら最大限考慮しますから、こういう発言をされているようですが、間違いありませんね。
#277
○越智国務大臣 言葉そのものはなんでございますけれども、私の方でそうした問題について実情を知りたいと。殊に、先ほど来御説明してきましたように、検査マニュアルというのは、何十兆円の大銀行から何百億円の信用組合まで同じものが適用される、殊に信用組合は今度初めて適用される。それで、財務局によるいわゆる蔵検を受けたことのないところが初めて受けるものですから、どうしても機械的、画一的になりがちでございます。
 まして、先ほども御説明しましたように、九カ月間とはいえ三百を一斉にやるということは大変な仕事量でございますので、どうしても機械的になるといけないものですから、このことはそもそも検査マニュアルができるときに、注意しなきゃいかぬということから注意書きがマニュアルの中に書いてございまして、機械的、画一的に適用してはならないという注意書きがいわば項目別に約十一カ所書いてあるというようなこともございますので、果たしてそういう精神にのっとってきちんとマニュアルが使用されているかどうか、問題があれば、私は検査の仕方と申し上げておりますが、仕方について御意見があれば教えていただきたい、そういう意味であります。
#278
○木島委員 いろいろ意味づけを言っておるようですが、そんなこと全然言ってないじゃないですか。あなたはこの金融関係者を目の前にして、そんな金融マニュアルがどうなんだ、画一的になるからどうなんだ、そんなこと全然言ってないじゃないですか。言っていることは、七月から三月まで全部やりますよ、三百の信組全部やりますよ、手配がついていますよ、きついことがあったら蓮実さんを通じて私に言ってください、最大限考慮します、こう言っているだけじゃないですか。そうでしょう。
#279
○越智国務大臣 お時間がいただければ幾らでも御説明いたしますが、そのお話の前にずっといろいろな話がございまして……(発言する者あり)いいえ。そういう意味では、実は、金融再編成をしていく上で、信金、信組には今まで資本注入の道が事実上なかったに等しい、それで優先出資法をつくった。優先出資法で預金保険機構の健全化勘定からお金を入れるにはどうしても検査を受けてからになるわけですから、その検査を受けるときに一番の問題になるのが貸し出しをしている債権の引当金の率でございますから、そこら辺が大銀行の場合と中小金融機関の場合とは、いろいろ問題がある。そういうことから、マニュアルの適用が画一的であるならば言ってほしいと。
 ただ、私の表現、そうしたものが至らなかった、誤解を招きやすかったということがございましたら、それはもうさきに大蔵委員会から申し上げていますように、心からおわび申し上げます。こういうことでございます。
#280
○木島委員 そんなこと全然言ってないんですよ。金融監督庁なり再生委員会が全国の信組、信金の皆さんを集めて、こういう法律ができてこういうマニュアルができたからこういうことになりましたよ、そして皆さんの意見があったら言ってください、そんな会合の場じゃ全然ないでしょう。あなたが言っているのは、さっき私が指摘したことだけですよ。これは論理明快です。本当にあなたの言わんとするところは日本語としても明快です。
 これは二つの大問題があるのです。一つは、あなたのこの発言は、厳正な金融行政、その中でもとりわけ厳正でなければならない金融監督行政、これを放棄する、それで、その放棄することを天下にさらしたことになる。そうでしょう。蓮実代議士を通じて私のところへ言ってくれれば、検査の仕方できついことがあったら最大限考慮しますというのですから、緩めてあげますよということですよ、これは。当たり前じゃないですか、日本語として。そうなりますよ、これは。だから、これは本当に金融監督行政に対する国民の信頼を根本から失墜させる、そういう性質の問題である。
 そこで、大臣に改めて伺います。
 大臣は、日本の金融監督行政の最高責任者です。金融行政、金融監督行政は一番厳正、公正に行われなければならない、そういう性質の行政であるという認識はありますか。
#281
○越智国務大臣 金融の政策は厳正でやらなきゃいけないということはよくわかっておりますけれども、同時に、金融の実情に即したものをつくっていかなきゃならない。そういう意味では、検査の実情がどうなっているかを、私どもは、殊に初めて適用するだけに、その結果を知りたい。それは、何々銀行の何々貸し金がどうだという話じゃなくて、全体を通じてどういう問題点が出るかを知りたい、このように思っております。
#282
○木島委員 質問に答えていません。金融行政、金融監督行政というのは、最も厳正、厳格、中立、公正に行わなきゃいかぬ性質のものだ、そういう認識かと質問したのですが、まともに答えていません。
 この発言は、蓮実さんという政治家を通じて、目の前にいるのでしょう、会合の目の前に。その政治家を通じて、私のところへ蓮実さんが来たら、きついことがあったら最大限考慮します。金融行政、金融監督行政というのは、ある特定の政治家が介入していったら、緩んだり、そんなすることを許される性質の行政なんですか。質問に答えてください。
#283
○越智国務大臣 先ほども御説明いたしましたように、私どもは、各県の各金融機関の方が私のところにお訪ねになりますが、私どもが直接知らない方も多うございますものですから、それぞれの地域の、私どもが存じ上げている方がお連れになることもあります。
 最大限の考慮をするという言葉が不適正であったかもしれませんけれども、私は、そういう信じている同僚議員がお連れになれば必ずお会いいたします、そしてお話をしっかりと聞きます、こういう意味で申し上げたわけでありまして、政治家によって厳正なる金融検査行政がゆがむということはございませんし、私自身も、検査部に何のことを言ったこともありません。また、今後もそういうことについては、監督庁と金融再生委員会の間の行政のファイアウオールというものはきちんとしております。
#284
○木島委員 全然そんな発言じゃないですよ、これは。全部検査をやります、手配がつきましたと。あなたは冒頭、私の下に外局として金融監督庁、皆さんのところにいろいろお伺いしますが、日野さんという検事上がりの人が長官で云々、こういうことを言った上で、こういう発言をしているのでしょう。
 それで、もう一つ、私、この発言というのは重大な問題がある。これは、ある特定の政治家の後援会の集まりです。その前段の、金融関係者を前に置いた、金融行政、監督行政の最高責任者としてのあなたの発言ですよ。これは、私は最悪の地位利用、一特定政治家に対する、あたかも検査行政を手心を加えるということを公言したわけです。そういうこれは日本語ですから、そしてその結果、金融機関が蓮実さんに、きつい検査で大変だ、苦情が行く、そうしたら蓮実さんがそれを、あなたのところに出ていって、緩めてくれ、あるいは文書であなたのところへ出せば、最大限考慮するというのですから、この言葉を聞いたら、そこに参加した金融関係者はどう思いますか。ああ、これは自分のところの金融機関に対する、自分のところの信組に対する検査があったときに、きついと蓮実代議士を通じてあなたのところへ言ってもらえば、これは緩むと思うに決まっているじゃないですか。
 だから私は、最悪の、選挙を前にしてとんでもない、大臣としての、金融再生委員会委員長としての地位を利用した許すべからざる発言である、行動であったと思わざるを得ませんが、そういう自覚、認識は、あなたにはないのですか。
#285
○越智国務大臣 先ほどから、お時間があれば幾らでも前のところから御説明すると申し上げましたのは、検査はなぜ入るかというと、破綻または破綻に瀕するところをやるわけですから……(木島委員「質問に答えてくださいよ。地位利用になるのじゃないかという質問です」と呼ぶ)地位利用にはなりません。
 それで、私の方にもお答えする時間をいただくことができると思いますが、したがいまして、そうした破綻に瀕したり、あるいは破綻してしまった、検査が入ってみたら引当金が、かなり正確にきちっといきますと、破綻していないと思ったところが破綻するケースもあるのです。
 そういうことについてよく相談をしたいという意味で、地元に詳しい人、信用金庫、信用組合というのは、非常に地域性があります。影響も受けます。AとBとが一緒になればいいなんて、よそから見たって全然わかりません。そういう意味で、地域に詳しい方と一緒にそうしたお話を伺うことは、大変私は金融行政としてよろしいことだと思っておりまして、それが代議士であるか経済人であるか、それは全く区別なく、私どもは、地元に詳しい人、そして私どもがその方をよく信じているというか存じ上げている方のお話は、耳を傾けているところであります。
#286
○木島委員 そんな細かい話、全然あなたはしていないのですよ。全然していないのですよ。私がさっき指摘したことだけ、ずばっと言っているのですよ。ずばり申し上げますと、あなた、言っているじゃないですか。
 しかも、これは一特定自民党代議士の後援会の会合の場の、直前の金融関係者だけを集めた会合、そういう問題でしょう。そういう関係者に、金融行政、金融監督行政の最高責任者であるあなたが大臣として、検査がきつかったら蓮実さんを通じてどんどん私のところへ書類を上げてくれ、彼が私のところへ来たら最大限考慮します、こんなことを発言すること自体が、許されざる、とんでもない地位利用。選挙での蓮実代議士の活動を有利ならしめる、許されざる地位利用ではないか。客観的にそうではないか、そう思わないのですかという質問なんですよ。まともに答えてください。
#287
○越智国務大臣 先ほども申し上げましたように、先生のような御理解の仕方を招いたとすれば、私の話しぶりが大変至らなかった点ではおわびしなきゃいけませんが、私の真意は、来られた方々はよくおわかりいただいたと思いますが、むしろ大変厳しい話だった、そういう感想を、その後に会場を大会場に移るときにも、まるで説教を受けたみたいだというぐらいに厳しい話でございまして、そういう意味では、私は地位利用ということに該当するとは思っておりません。
#288
○木島委員 とんでもないことですね。
 この会合に参加してあなたの話を聞いた、信用組合ですか、金融機関の皆さんは、ああ、これはいい話を聞いた、きつい検査が入ってきたら、これは蓮実代議士に苦情を言えば、そして蓮実代議士にあなたのところへ行ってもらえれば、これは検査に手心を加えてもらえるんだな、そう理解して帰るに決まっているじゃないですか。
 これは私全部テープを読みましたよ、起こして。あなたはいろいろ細かいことを言いましたが、そんなことは言っていないでしょう。そういうふうに思わないというのは、私は、思わないあなたが金融再生委員会委員長のいすに座っていること自体が、国民の日本の金融行政に対する信頼を失墜することだと思わざるを得ません。そのことを指摘して、次の事実確認を求めます。
 あなたの発言があった後、いろいろ関係者との間で質疑応答があったようですね。そして最後に、あなたはさらにこういう発言をされているようです。個別のお話がございましたら、どうぞ、蓮実先生を通じてお申し越しいただきましたら最大限のことをさせていただきますので、よろしくお願いいたします。こういう、懇談の後のまとめの発言でしょうか、そういう場でそういう発言をされた事実、間違いありませんでしょうか。
#289
○越智国務大臣 私は覚えておりませんし、その、何かこっそりとられたと言われているテープの中から出てきている、その起こした文章にもそのようなせりふはないと思っておりますが。記憶ではございます、記憶によれば。
#290
○木島委員 記憶にないという答弁ですが、これは重大な答弁だ。
 きょうの新聞報道各紙によりますと、これは重大な発言があったということで、何か官邸筋ではテープを聞いてみて、これは金融再生委員会委員長としてふさわしくないんではないかという論議がされたやに伝えられておりますが、あなたはテープを起こして聞いていないのですか。あるいは、では、こういう発言をあなたは覚えていないというので、こういう発言を最後にやっていたとすれば、これは重大な発言で、これは再生委員会委員長の地位とは両立しない重大問題だ、そういう自覚はありますか。答弁してください。
#291
○越智国務大臣 私が見たテープを起こした文章、ワープロで打ったもの、これにはございませんし、私自身は言った覚えがありませんし、また、それを言ったからどうという話ではないんじゃないかなと。やはり私としては、いろいろお話をし合った後のお礼のあいさつをしただけのことじゃないか、今のようなせりふじゃなくて。そういうことで別れたんじゃないかなと思っております。
#292
○木島委員 利益誘導なんという問題じゃないでしょう。最後にあなたは、重ねて、利益誘導しますよということを関係者に伝えている、そういう発言じゃないですか。そんな認識で国民の金融行政、金融監督行政、金融再生行政に対する信頼が回復すると思いますか。
 住専で六千八百五十億円投入した、公金投入、税金投入にどんなに国民が怒ったか。そんな古い話じゃないでしょう。さらに長銀問題これあり、日債銀問題これあり、ことしの予算では六十兆円から七十兆円に公金投入の枠をふやす。長銀だけでも四兆五千億円の金が投下され、わずか十億円の金でアメリカの会社にたたき売りされる。こういうことに対してどんなに国民が怒っているか。
 この問題の背景には、いわゆる護送船団として、当時の大蔵の検査行政と銀行との癒着、MOF担と大蔵省との癒着、これが背景にあったなんというのは生々しい事実じゃないですか。そういう状況から決別しなければならぬということで金融監督行政が大蔵省から離れ、総理大臣のもとに置かれた。そしてさらに再生行政が入ってきて、再生委員会委員長が上について、その下に、まさにあなたが言っているように、あなたの下に金融監督庁長官が座って、そして検査体制が整えられたんじゃないですか。
 こんな発言の全体の趣旨、私さっき二つ指摘いたしました。厳正、中立、公正であるべき検査行政を根本からゆがめるものだということと、一政治家の政治活動、選挙活動を有利ならしめるために、あなたがとんでもない不正、不当な地位利用を図ろうとする発言だということに何らの反省もない。
 私は、こういう大臣が日本の金融行政、監督行政の最高責任者の地位にとどまることは、これは断じて許されないと思うのですが、官房長官おられますから、御所見をお聞きしておきたいと思うのです。
#293
○青木国務大臣 この問題については、それぞれいろいろな立場、立場で意見があろうと思いますが、私がここではっきり具体的にお答えできる問題ではないと思っております。
#294
○木島委員 まさにこれは総理大臣が最終判断すべき案件だ。私は、こういう発言をして、いまだに何ら反省もしない越智大臣は罷免されるべきだと思います。罷免を要求することを私は明らかにしておきたいと思います。
 そして最後に、先ほど午前中民主党の同僚委員から、あなたの権限問題について政府の統一見解を出していただくということになっていたはずでありますが、いまだに出てきておりません。私は、銀行法なり金融再生法なり、これに対するどういう政府の統一見解が出てくるかによって質問をしなければならぬと思っているので、これで終わりにするわけにはいかないのです、私の質問を。本来、私の質問の前に出してもらわなければいかぬ性格の問題だったはずですよ。
#295
○島村委員長 いやいや、それは違う。それは違う。
#296
○木島委員 私の時間を留保したいと思うのです。留保を認めてください。
#297
○島村委員長 それは違う。認めません。
#298
○木島委員 では、出てからもう一回私に質問させてください。
#299
○島村委員長 それは違います。
#300
○木島委員 いや、答弁を変えているわけですから、そういう大事な問題で。
#301
○島村委員長 従前からの話し合いの中にそれはありません。それは認めません。
#302
○木島委員 いや、そんなことはない。答弁を変えたわけですから、大臣は。私はその問題で政府の統一見解が出てから質問して詰めたいと思いますので、質問時間を留保したい。私の要求です。
 私は一言も権限問題については質問しませんでした。それは、どんな統一見解が出てくるか確認してから質問しようと思っているからであります。私の質問時間はまだ残っているので、残しておいてください。
#303
○島村委員長 これにて石井君、木島君の質疑は終了いたしました。(木島委員「委員長、それはちょっと違うんじゃないですか。何分か残していただくと今理事から私に通告があったわけですから、残してくださいよ」と呼ぶ)木島君に申し上げます。御自分の都合で委員会の質疑時間等を変えてもらっては困ります。理事会その他においての話し合いにおいても、枝野さんの場合とはケースが違います。(木島委員「そうじゃないですよ。政府の出すのが遅いからなんですよ。政府の出すのが遅いからこうなってしまったのです。残してください。残してください」と呼ぶ)
 次に、保坂展人君。(木島委員「では、持ち時間を残して、とりあえずここでは私は退席をいたします」と呼ぶ)いや、それはあなたの勝手です。
 次に、保坂展人君、御発言ください。質疑時間に入ります。
#304
○保坂委員 社会民主党の保坂展人です。
 本日は緊急の事態もございますので、通告済みの質問を最初にやりますが、後ほど、さきの越智金融再生委員長の問題についてもお聞きしたいと思います。
 まず、交通事故問題について伺いますが、法務大臣いらっしゃいますね。
 片山隼君、当時八歳の少年が亡くなった事故、これについては大きく国民世論も動いたり署名も集まって、さらに検察行政の対応のまずさ等々指摘をされました。被害者とともに泣く検察という言葉がもう一度検証されて、さらに昨年の予算委員会においては、検察審査会に申し立てをする請求権が実は亡くなったお子さんにしかなくて、御両親にはなかったということも、改めて法の不備として指摘をいたしました。
 この件についてどういうふうに重く受けとめてきているのか、そして審査会法の改正の準備はあるのか、ここを簡潔にお答えいただきたいと思います。
#305
○臼井国務大臣 御指摘の隼君事件につきましては、委員御指摘のとおり、私どもに大変大きな教訓というものを残してくれておるわけでございます。
 御指摘の件は、法務・検察当局において、被害者の立場から、捜査、事件処理のあり方その他の検察庁における被害者に対する配慮方策を改めて見直す一つの大きな転機になったものと承知をいたしております。
 例えば、その後開催をされました全国の検察官を招集いたしました各種会同における法務大臣の訓示におきまして、被害者やその遺族の立場と心情に十分配慮して、適正妥当な捜査、事件処理に努めることを検察運営の基本方針の一つとして示しているところでございます。
 また、検察庁におきましては、昨年四月一日から統一的な被害者通知制度を導入するなど、その改善等を図ってきているところでございます。
 あとの分につきましては、政務次官の方からお答えします。
#306
○保坂委員 法務大臣、もう一点だけ伺います。
 諸々の改正、法整備がされているということについては、これは、国民の声、被害者の声が通ってきたということで評価をしたいと思います。
 ただし、その制度をつくるに当たって、まさに形をつくって魂が入るかどうかという問題ですけれども、こういった例えば検察行政の窓口で不適切な対応をされた、あるいは、本来よく証拠を調査して、立件すべきかどうかを判断すべき検察当局のその当事者の方たち――法務大臣自身は、下稲葉さんでしたけれども、三度も謝罪したのですよ。その当事者の方たちに対して、注意、これは口頭での厳重注意も含めてですけれども、何らかの処分あるいは注意はあったのですか。一年前にはないというふうに聞いていますけれども、こういうことをきちっと行っていただきたい。
 これは何年たっても言い続けなければいけない問題だと思いますが、法務大臣、率直な答弁をお願いしたい、直接の担当者に対してどうだったのか。
#307
○臼井国務大臣 本件における御遺族の方への対応は、その納得が得られなかった点から見て、不十分であったと言わざるを得ないと思います。
 一方、国家公務員法の規定する懲戒処分を行うべき事案とは認められなかったため、処分を行っていないものでございます。
#308
○保坂委員 ここで事実だけ明らかにしておきますが、大臣が謝罪するというのは大変重いと思うのですね、国会の場で。大変に重いわけです。それを率直に当時の下稲葉大臣はされたわけです。そうしたら、当然そのミスを犯した当人は、少なくとも注意ぐらいは受けるべきではないですか。その注意もなかったというのは、一体どういうことなんですか。これからでも遅くはないと思いますよ。
 法務大臣、注意をしないということでいいのかどうか、それだけ伺います。
#309
○臼井国務大臣 東京地検におきまして、御指摘の事件につきまして再捜査をいたしたわけでございますが、その際、新たな目撃者から供述などの証拠を収集いたしまして、最終的に起訴をいたしたわけでございます。
 この起訴に当たりまして、東京地検次席の検事の記者発表にもございますけれども、結果的に言えば、当初の捜査が不十分で、さきの不起訴処分は誤りだったと言わざるを得ないということを公にいたしまして、反省の意を示しているところでございます。
#310
○保坂委員 では、もうこれは指摘だけにします。
 そうやって次席検事が会見をした。交通事故の捜査において不十分だったなどということを東京地検の次席が言ったのなんて、前代未聞で異例なんですよ。それは大変勇気ある行動なんです。大臣も謝罪して、それを転換した。それはいいのです。そうしたらば、その原因をつくった人たちに対して注意するのが当然でしょう。これをやっていないということを指摘して、今後も求め続けていきたいと思います。
 それでは、運輸大臣に来ていただいていますので、この件も含めて、交通事故の問題について、被害者の声をきちっと受けとめるということは、関係省庁でもそれぞれ努力がされたと思います。運輸省においても、そういった努力をされ続けてきたというふうに聞いておりますけれども、今までも聞いていなかったわけではないのでしょうけれども、さらに、交通事故で御家族を失った方たちの声を受けとめて、どのようにお感じになっているのか、これも簡潔にお願いしたいと思います。
#311
○二階国務大臣 お答えをいたします。
 自賠責制度は、委員も御承知のとおり、交通事故被害者の保護を目的とする制度であります。自賠責制度のあり方を審議する上で、交通事故被害者や御遺族に参画していただき、その意見を聞くことは必要不可欠だと考えております。悲惨な境遇にある交通事故被害者や御遺族の意見を真剣に受けとめる必要があるというふうに認識をいたしております。
 いずれの人たちもいつこういう事故に遭遇するか、まさに私どもにとっても、あすは我が身であります。千葉に交通事故のセンターがございますが、私も現地を視察してまいりましたが、あの極めてお気の毒な状況に対しまして、これからの車社会全体がこの問題をどう受けとめて対処していくかということが重要な課題だと認識し、運輸省としても懸命の対策を講じようとしているところであります。
#312
○保坂委員 それでは、越智大臣にも後ほど聞きますけれども、次に、テーマとしては、警察の不祥事の問題に移りたいと思います。
 大変痛ましい、子供が犠牲になる事件、京都で殺傷事件がございました。その容疑者の二十一歳の男性が任意同行中に死亡した事件について伺いたいと思います。
 大臣に伺いますけれども、この容疑者は自殺をしたと発表があったようですが、自殺と断定できる状況だったのでしょうか。
#313
○保利国務大臣 捜査上の細かいことについて、私は自殺をしたというふうに承知をしておりますけれども、事実関係については、警察庁長官ないし当局が来ておりますから、そこから返事をさせます。
#314
○保坂委員 それでは、事実関係についてということなんですが、これは当時、記者発表では、捜査員が見失ったと、以後、容疑者が転落死しているところを発見というふうに発表があったようですが、実のところ、その後訂正をされて、容疑者がマンションから、どういう形か、自殺なのか転落死なのかわかりませんが、落ちるそのときには捜査員がマンションの中にいた、十分前にはもう見つけておった、こういう話が出てきていますよね。遺留品があって、十三階のベランダから身を投げたんだという話も極めて怪しい。
 一体どうしてこういう大事な出来事の、容疑者が亡くなってしまってはもう何も聞けないわけで、真相もやみの中に行ってしまったわけですから、こういうことについてどうしてそういう虚偽の発表が生まれたのか、簡潔に、では当局の方からお願いしたいと思います。
#315
○林政府参考人 まず、自殺とどうして判断したかということでございますけれども、容疑者が落下をしました瞬間を見た目撃者はだれもいない、どういう状況で落下したかというのはわかりませんけれども、府警では、遺書こそはないものの、公園に遺留されておりましたリュックサック等から自殺をほのめかす文書が複数押収されておるというようなことから、会見時も現在におきましても、飛びおり自殺したというふうに見ているという報告を受けております。
 なお、その後の事実確認によって、容疑者が、先ほど御指摘ありましたように、十三階かどこだかというのは、当時、混乱しておる中でなかなか確認できなかったわけですけれども、当初は屋上だという検索員の話がありました。
 ところが、遺留品なんかを追っていっている連中が、十三階で切れておるものですから、十三階ではないかということで訂正をして十三階と言った。後でしっかりと、大変混乱しておる状況の中でさらに確認していくと、これが屋上である、屋上に本人がおるのを検索員が目撃をしておる、こういう状況でございました。
#316
○保坂委員 それでは、参考人の警察庁長官に伺いますが、この容疑者が、自殺か転落死かはわかりませんが、亡くなった後に、記者会見で、京都府警は最善を尽くしたがと言っているんですね。最善を尽くしたがというのは、最もよい形だったということなんですよ。これからもこういう事件の解決のときに、任意同行中にこういう形で容疑者に死なれて、これが最善なんですか。この言葉、撤回する気持ちはありませんか。答弁ください。
#317
○田中政府参考人 御指摘の刑事部長の記者会見でございますけれども、今回の捜査につきましては、御承知のように、任意同行を求めて供述を得る、そういうぎりぎりのところの判断で行われた捜査だろうというふうに私は思っております。ぎりぎりのところで精いっぱいの形でやったという思いがああいうような言葉になったのではないかと思います。
 しかし、基本的には、今お話しのように、容疑者が自殺したということでございますので、適正でなかったところがあるのではないかというふうに私ども思っておりますし、また、いろいろ工夫をしなければいけない余地があったのではないかというようなことも考えております。
 そういう意味で、最善を尽くしたという言葉がよかったかどうかにつきましても、これも含めて検討する必要があると思っております。
#318
○保坂委員 もう一回お願いします、長官。最善を尽くしたという言葉は、今撤回しないということで確認していいですか。最善を尽くしたがと、これは国民に向かって今でも言えるんですか。
#319
○田中政府参考人 私が申し上げましたのは、どういう状況の中でそういう言葉が出たのかということも含めて検討したいということを申し上げたわけでございます。
#320
○保坂委員 では、もう一点、新潟の件で伺いますが、これも本当に悲惨な、長らくにわたって脅迫をされ、そして生死の境目にいただろうということを考えると、大変胸が痛い、大変な事件ですね。
 これは、九六年の一月に、この母親が柏崎署に実は連絡をしておるという話が明らかになっていますが、連絡をしていて対応していなかったとしたら、この女性が救出される重大な機会を逸したということになると思うんですが、この事実関係について、当局で結構ですから、お答えください。
#321
○黒澤政府参考人 委員御指摘の、平成八年でございますが、柏崎警察署に容疑者の母親が相談に行った事実の有無いかんでございますが、捜査本部に対しまして、母親は相談に参ったということを言っておられるわけですが、相談を受けたことを記録した文書を今探しておりますけれども、存在いたしません。また、当時の生活安全課員八名に事情を聞いておりますが、記憶がないということでございまして、現在、詳細につきまして引き続き調査中でございます。
#322
○保坂委員 これは大臣もよく聞いてほしいんですけれども、先週の週末、金曜日の法務委員会で、坂上委員が同じことを聞いているんですね。今の同じ方ですよ、答弁しているのは。
 そのときには、まさに私が今言ったことを聞いたら、これは、確認できていないという報告は受けているが、いずれにしても、その相談の際にしっかり受けとめて十分に状況を聞き出しておれば被害者を救出できたかもしれず、まことに残念でございますと黒澤さんは言っているじゃないですか。何で今変わるんですか。大臣、ただしてくださいよ、こういうのを。警察庁として調査に入ったら事実がますますあいまいになるようでは、調査にならないじゃないですか。ちゃんとこれは法務委員会で言っているんですよ。大臣、お願いします。
    〔委員長退席、久間委員長代理着席〕
#323
○黒澤政府参考人 ただいま委員おっしゃられました件でございますが、ひょっとしたら、私その点を申し落としたのかもしれませんが、いまだにその思いは変わっておりませんで、あのときにしっかりと受けとめて、相手の立場に立ちまして、そうすればあるいは救出することができたのではないか、その点、まことに残念に思っておりますことは今も全く変わりございませんので、御理解を賜りたいと思います。
#324
○保坂委員 では、大臣、きのう国家公安委員会をやりましたよね。そこに公式にこの報告が上がってきたでしょう。報告の中には、これは最初の答弁なんですよ、確認できない、事実はわからないということしかないんですよ。今二回目に答弁してもらったら、これは違うわけですよ、残念でしたということも含めて。
 ですから、こういうことを、警察庁が正式に調査に入ったら本当はもっと事実がわからなきゃいけないんですね。そうでしょう。ますますわからなくなるようでは、調査なんかしない方がいいんです。いかがですか。
#325
○保利国務大臣 国家公安委員会は、御承知のとおり、毎週木曜日の朝十時から約二時間ほどやっております。いろいろ議論を重ねておりますが、その場にこの報告書が出てまいりました。私は、きのう、地方行政委員会に一日おりましたから、残念ながら公安委員会に出席をできませんでした。しかし、報告書は私の手元にも届きました。
 その報告書を見てみますというと、この件については、「被疑者の母親からの相談に対する柏崎警察署の対応について」ということで報告がございます。そこには、「被疑者の母親は、捜査本部に対し、平成八年に柏崎署へ相談していたことを供述しているが、記録はなく、また当時の生活安全課員八名は記憶がないことから、詳細を引き続き調査中である。」と書いてあります。
 公安委員会としては、引き続きの調査をぜひしっかりやってもらいたい、こう思っております。
#326
○保坂委員 大臣に一問だけ確認したいと思います。
 警察の発表が、一回目は仮発表にしたらどうかという声も上がっていたんですね、二回目で本発表ですね。仮にはうそがまじっている、ちゃんとフィルターにかけてからやらなきゃいけないというぐらい、いろいろ細かいところでうそが多過ぎるんです。今後、虚偽の発表をした場合には厳重に処分すると約束していただけませんか。これは政治のリーダーシップですよ。
#327
○保利国務大臣 いろいろな事件が起こりましたときの現場、現場というのは相当混乱もございますが、記者の皆様方は、できるだけ早くこれを国民に知らせたいという意味で、いろいろ記者会見を求めてまいるわけであります。そういう状況の中で会見をいたしましたときに、的確な会見をしていればこれは一番いいと思いますが、場合によっては、拙速で会見をしたために必ずしも正しくないことを言ってしまうことがあるかもしれません。
 そういうことで、意識的にうそをつくということは私は信じたくありませんけれども、もし意識的にうそをつくとかそういうようなことがあった場合には、これは厳正に対処していかなきゃならぬ問題だと思います。
#328
○保坂委員 意識的にうそをついた場合には厳正に対処するということを非常に重く、特に責任ある立場の方には受けとめていただきたいということを、私の方からも申し上げたいと思います。
 それでは、警察関係についてはこれで終了いたします。
 越智金融再生委員長、先ほどからのやりとりの中で、私、率直に言って、政治家としては大先輩でありますけれども、御発言、御答弁を聞きながら、越智再生委員長の発言は、おおよその真意において正しかった、けれども、言葉の使い方に誤解が生じる部分があったので、その点は謝罪したい、真意は間違っていなかった。言葉の使い方が誤解を招く、そこは謝罪したい、けれども、その内容、真意のところは胸を張って主張できるので、ここは謝罪しない、こういうことで私は受けとめたんですが、よろしいですか。
#329
○越智国務大臣 私が金融行政に日ごろ思っておりますことを申し上げましたところでございますので、たまたま今皆さんからおっしゃられたような最大限の考慮というようなとこら辺が確かに不適切であったということについておわびしているわけでありまして、私が申し上げました、信金、信組が中心であるし、それから、そういうところがばたばた倒れるような金融をやってはいけない、それをぜひ救っていかなきゃならない、そういう使命感というか考え方、これは非常に大事なことだと思っておりまして、その点は今後もそのように主張していきたいと思っております。
#330
○保坂委員 そうしますと、例えば最大限とかそういう言葉の使い方に誤解が生じる部分があった、この点はやはり気をつけなければいけないということでございますね。そうすると、その点に気をつけて、今後、政権与党であります自民党の各地域の代議士の皆さんの後援会あるいは関係者が集まる席で、その点を考慮しながら胸を張ってこういった発言を次々とこれからも続けられる、胸を張って私はこれを発言し続けるんだ、こういうことでございましょうか。
#331
○越智国務大臣 要するに、金融行政に関する私の考え方は間違えていないと思って申し上げていますが、当該の主催者というか方々とどういうような表現をするかということはまた全然別のことでございますので、私の方は、検査そのものにしても、本当にうまく検査がいくかなというようなことは非常に今心配しながら考えている、その心境には変わりありません。ただ、だれさんに言ってくれとか最大限というのが不適切だと言われれば、大変まずかったなということでおわび申し上げている、それだけでございます。
#332
○保坂委員 そうすると、再生委員長に伺いますが、発言が不適切だっただけではなくて、我々、衆議院の任期を前にして、いろいろ地域活動も活発化する、そういう時期に、金融行政を預かる閣僚として、その場に行ったこと自体もやはり不適切だったというふうに思いませんか。
#333
○越智国務大臣 これは私、実は就任以来ここ五カ月大変忙しかったものですから、ほとんど応援演説には行っておりません。たまたま、彼のところは昨年も行きましたし、関東地方というのは往復の時間もそれほどとられないものですから、行きましたらそういう会合があった。ですから、大会だけならばよかったんだろうな、このように今思っております。
#334
○保坂委員 きょうの越智さんの、午前中、私もどういう答弁になるのか注目していたんですが、堂々たる答弁ぶりで、これなら、じゃ、うちの地域にも来てくれ、ぜひ大臣、同じ話をやってほしい、こういうふうに言われたら、関東で、交通の便のいいところで、だったら行かれるんですか。
#335
○越智国務大臣 これからの日程その他はわかりませんから、今そういうふうに言われましても、見通しを申し上げる、そういう状態にはないと思っております。
#336
○保坂委員 時間がありませんのでいろいろな言葉を詰めることは難しいんですけれども、私も読んでみて、きつい検査、このきつい検査の反対語は緩い検査ですよね。つまり、先ほどから言われていますよ、マニュアルを画一的にあるいは機械的に当てはめるなと書いてある。しかし、マニュアルというのは、東海村のあの事故でも問題になったように、運用指針ですよね。運用指針はやはり厳格に守ってもらわなきゃ困るわけで、これから七月に向けて、小ぶりの官庁とおっしゃったそうですけれども、第一線でこの金融検査、まさにおっしゃったところのこれから検査を準備しようという現場の皆さんに申しわけないと思いませんか。まじめに、誠実にきちっとやろう、これだけ金融危機で、大蔵検査も含めていろいろ言われた、金融検査官だって亡くなった方がいるじゃないですか、あの大蔵省の銀行検査で。そういう接待の問題もあって、今度は厳格にやろう、本当に真剣にやろうというふうに皆さん用意していると私は思いますよ。そのトップであるあなたが、こういう発言をして現場に迷惑をかけた、こう謝罪する気持ちはありませんか。
    〔久間委員長代理退席、委員長着席〕
#337
○越智国務大臣 実際は、きついという意味は、先ほど来申し上げておりますように、機械的、画一的にやってはいけないということはマニュアルそのものに書いてありまして、適用の仕方に、いろいろ、現実に合っているか、そういう判断を当然持ってほしいと。それがあるかどうかについてはよく見たいし、殊に基準で、不正をするということじゃありません、一番問題になるのは、どの債権がどこまで危ないか、要管理とか注意とか分けるときの考え方、基準、そしてそれに対する引き当ての強制される率、ここら辺が、検査に入ってなぜ急に債務超過になったり資本比率が何%も下がるかというと、そこが一番問題ですから、それの判断を的確にやってほしい、実情に合わせて的確にやってほしい、そういう意味で申し上げております。
#338
○保坂委員 官房長官に伺います。
 これは一大臣の発言だけじゃなくて、本当に予算審議上最大の問題だと思うんですが、この言葉、今言っていただければまだ私のところからお金が出せるんですよ、六十兆に十兆乗っけた、言葉がぞんざいで悪いですけれども、くれたお金が一・五兆、貸したお金が十九兆、それしか使っていないんです、あとはまだ権限があるだけの話でねと。それしか使っていないんですという感覚、私は驚くべき感覚だと思いますね。いかがですか。
#339
○青木国務大臣 御指摘の講演会での発言の趣旨について、実は私、官房長官という立場で、けさ閣議の前に本人さんからどういう考えでこういう発言をなさったかということを直接お聞きをいたしました。本人さんの言い分は、金融行政一般に責任を持つ立場として、金融機関を監督する上で金融監督庁の検査等について金融機関がどのような考え方を持っているか実情を把握しておく必要があるので、私は懇談会でいろいろな発言をいたしましたということでございました。
 しかしながら、本人も再三この席で断りをしておられますように、そういう発言の中身が国民の皆さんにいろいろな疑問やいろいろな不安な点を与えたということは、これは非常に遺憾なことだと私も考えております。
#340
○保坂委員 今官房長官が最後のところで、発言の内容が国民に大変ないわばショックを与えたということについて重く受けとめる、遺憾だ、こういう趣旨の発言がありました。
 私が今紹介した、これしか使っていないんですよといったって、税金ですよ。その税金をなるべく使わないように、きちっと公平にやってもらっているだろうと思っている人がまだまだ多い中で、こんな発言、やはり国民に対する金融行政、これは本当に公平にやっているのかどうか、まじめにやっている皆さん、第一線の皆さんにまで迷惑をかけたし、そういう意味で反省の気持ち、謝罪の気持ち、国民に対してないんですか。
#341
○越智国務大臣 それは、先ほど来申し上げておりますように、私の発言に関して不適切なところはおわび申し上げますと申し上げております。ちなみに、申し上げたいのは、このマニュアルを通すときに実は金融検査の不服相談所というのをつくろうということになっていますが、税の場合にも、課税の、国税不服審判所というのがあるんです。検査を受けた方が検査官の検査に対して異議があるというとき一体どこへ出ていきゃいいんだ、この議論はあのマニュアルをつくったときにもありまして、そういう意味で私どもが、政治家が、お役所の方の立場を超えて、どういうところに今問題が出ているのかなということを心配しながら、そういう情報といいますか実情を探ってきた。ただ、私の言い方が不十分というかまずいがために、そういう方々に不快な思いというか、そういう傷を与えたとすれば、おわびしたいとは思っております。
#342
○保坂委員 実際に、講演会終了後に名刺交換を金融機関の方となさいましたか。そして、ではもし、ここで呼びかけられたように、この代議士の方を通してどんどん仰せくださいと言っているわけですから、書類を持って大臣のところに行ったらどうするつもりだったのですか。どこに連絡をとって何をするつもりだったのですか。
#343
○越智国務大臣 これは、今の話で言えば、蓮実さんがそういうお目にかかった方々をお連れになりましたら、私は一人一人とは名刺交換はしておりませんけれども、ああこの方だなと、あるいはその次にこういう人だと。そういえばお会いしましたね、どういうことですか、お話はしっかり聞きますよと。また、時間もあけて、お話を伺ってやっていきますと。
 ただ、そこから先どうするかはお話を伺った上のことでございまして、ただ、個別の銀行、金融機関の検査に関して、検査部に私は指示をしたことも物を頼んだこともありませんし、今後もそういうことは全く考えておりません。
 したがいまして、一番問題は、そうした苦しんでいる金融機関で出てくるであろうことは、破綻しそうだけれども、検査をどうこうしてくれじゃなくて、破綻しそうだけれどもどうやっていけばいいか。
 私の考え方では、地域金融にとっては、金融機関はなるべく破綻させたくない、何とか生き残りをさせて、経営者には責任をとってもらわなければならない、だけれども、そこに勤めている人がいる、そこから金を借りている人がいる、そこへ金を預けている人がいる、そういう人たちを大きな波乱なく収拾していかないと金融経済全体が大きなダメージを食うから、それをいかに未然に早目に手を打っていくかということだと思っています。
#344
○保坂委員 答弁をすりかえないでいただきたいのですね。
 私のところに話を持ってきてください、直接でもいいし代議士を通してでもいいし、最大限やりますと言っているわけですよ。何をやろうとしていたのですかと私は聞いたのです。何をやろうとしていたのですか、簡潔に言ってください。カウンセリングですか、単に。相談相手になるだけですか。
#345
○越智国務大臣 お話を聞きますけれども、検査に関して手心を加えるみたいなことは全くございません。そして、その聞いたお話の中には、もしかして、破綻処理、または破綻に瀕している金融機関の処理問題が出てくる可能性はかなり高いのじゃないかと思っております。その点については、私どもそうしたものを取り扱っていく仕事はいたしております。
#346
○保坂委員 私としても、官房長官来ていらっしゃいますから、この答弁、国民は納得しないと思います。
 ぜひ罷免を社会民主党としても要求をして、そしてこの予算委員会でこの問題を徹底的に審議すべきだということも申し添えて、私は質疑を終わります。
#347
○島村委員長 これにて保坂君の質疑は終了いたしました。
 この際、政府から発言を求められておりますので、これを許します。青木官房長官。
#348
○青木国務大臣 金融再生委員会と金融監督庁長官の権限関係について、政府としての見解を申し上げます。
 一 金融再生委員会は、法令上、
    金融破綻処理制度及び金融危機管理に関する調査、企画及び立案
    金融再生法及び早期健全化法に関する業務
    金融機関等の免許の付与又は取消しに関する業務
  等を所掌するが、それ以外の民間金融機関に対する検査その他の監督権限については、金融監督庁長官に委任されており、金融監督庁長官が自らの責任において個々の金融機関の検査その他の監督を行っている。
 二 したがって、金融再生委員会は、日常の金融機関の検査その他の監督の内容について、逐一報告を受けたり、逐一指揮したりすることはない。
 三 ただし、金融監督庁は金融再生委員会に置かれているので、金融再生委員会は、重要な事項について適宜報告を受け、あるいは、指示を発することはある。なお、その場合においても、このような指揮監督に係る権限の所在は、委任者である合議体としての金融再生委員会であって、金融再生委員会委員長ではない。
  国家公務員法第五十五条により金融再生委員会委員長に与えられている金融監督庁長官に対する任命権に基づいて、金融監督庁長官をいかなる理由であれ罷免・降格とすることができるかについての政府としての見解は以下のとおりである。
  金融監督庁長官の任命権は、国家公務員法第五十五条により金融再生委員会委員長に与えられているが、同法第七十五条において「職員は、法律又は人事院規則に定める事由による場合でなければ、その意に反して、降任され、休職され、又は免職されることはない。」とされており、金融再生委員会委員長は、単にその意に沿わないということをもって金融監督庁長官を罷免することはできない。
以上が政府の統一見解でございます。
#349
○島村委員長 この際、午前中の枝野君の質疑を続行します。枝野君。
#350
○枝野委員 結局、金融監督庁長官を金融再生委員会としては指揮監督できる。そこを総括しているのは大臣ではありませんか。したがって、検査について、金融再生委員会の議を当然経なければならないでしょうが、あるいは報告を求めたり、あるいは事実上の指示を出すことは、当然制度上はあり得るということなんです。
 そうした中で、けさほど来何度も繰り返しておりますが、検査の仕方できついとかあったらまたどんどん直接おっしゃってくださいということをおっしゃっているわけです。
 これ以上、権限論争を水かけ論するつもりはありませんが、少なくとも権限があると思われる、思われてもしかるべき立場の金融再生委員長が、検査の仕方できついとかあったらまたどんどん直接おっしゃってくださいという言い方をすれば、どんどん言っていけば手心を加えていただけるかもしれないという期待を持つのは、受け取る側としては当然であるというふうに思いますが、官房長官、いかがでしょうか。
#351
○青木国務大臣 恐らく、今議員のお尋ねになったのは、私が今政府見解として申し上げました三番目、「重要な事項について適宜報告を受け、あるいは、指示を発することはある。」そういうことに基づいていわゆる権限があるという解釈のもとにおっしゃったことだろうと考えております。
 ただ、確かにこういうものはございますけれども、「なお、その場合においても、このような指揮監督に係る権限の所在は、委任者である合議体としての金融再生委員会であって、金融再生委員会委員長ではない。」ともしておりますので、その辺は、権限があるけれども、使える権限であるかどうかという、非常に難しい判断ではないか、私は今度の場合の議論はそこに尽きるんじゃないかと考えております。
#352
○枝野委員 いや、権限の話は水かけ論になるのでこれぐらいにしますと申し上げました。
 私が申し上げたのは、受け取る側がどう受け取るのか、それはその現場にいた金融関係者の方もそうであり、この報道を見ている国民の方がどうであり、金融監督庁で検査をしている方がどう受け取るかということであります。
 ここだけではありません。いいですか。一番最初に、このホテルニュー塩原において越智大臣は、私の下に外局として金融監督庁というのがあってと、私の下にと言っています。私の委員会の下にとは言っていません。
 さらに、この直前にもう一つおっしゃっております。この言葉自体も、時間があれば、大変問題だと……(発言する者あり)ちょっと静かにしてください。この言葉自体も、実はほかの視点からも問題になるかもしれませんが、こういうこともおっしゃっております。
 ドイチェバンクとかね、メリルリンチとかね、構わねえ、やれと。十年行ってないと、とんでもねえ話だと、行けと。
ということを言ったということをこの場で言っています。つまり、検査に行けと指示したかのごとく、この直前におっしゃっておる。それを受けて、検査の仕方できついとかあったらまたどんどん直接おっしゃってください。
 少なくとも法律の条文、私も弁護士でありますが、そして政府統一見解を出されて、法律論争をしても、権限があるのかないのかということはなかなかややこしい問題です。素人の方にわかるわけがない話です。
 今のような話を受けて、金融再生委員長という名前で、そして検査の仕方できついとかあったらまたどんどん直接おっしゃってくださいというようなことを言われたら、当然のことながら、受け取る側としては、よほど金融再生委員会法に精通をされている方は別として、金融再生委員長が、越智さんがいろいろ指示とか何かして検査をしておるんだ、したがって、そこに、検査の仕方とかで厳しいから何とかしてくれ、手心を加えてくれと行けば、最大限考慮してくれるんだろうというふうに受け取られるのが普通ではないですか、官房長官。
#353
○青木国務大臣 私が述べた今の政府見解は、どのような議論の中でも変わらないものだと考えております。
 ただ、越智委員長の発言の中で、恐らく、こういう法律をよく御存じの方、この法律の影響を受けられる方、そして法律は全然わからないこれに関係のない方、それぞれの立場によってやはり受け取り方は私は違うと思っております。
 本人がここにおられますので、どういう形で、どういう気持ちでお話しなさったかは、御本人にお聞きになることだと考えております。
 政府見解は何ら変わりません。
#354
○枝野委員 こう伺います。
 政府見解を変えてくれと言っているんじゃないのです。政府見解とは別にして、今のような文脈の流れの中で、ドイチェバンクとか行け、構わねえ、やれと言ったんだというようなことをおっしゃって、そして、さらに続いて、検査の仕方できついところがあったらどんどんおっしゃってください、最大限考慮しますからという発言をされたら、おれには権限があるんだから、検査のところできついところがあったら手心を加えてやるからおれのところに言ってこいという受けとめ方をするのが、一般国民からすれば普通の受けとめ方ではないですか。いかがですか、官房長官。
#355
○青木国務大臣 今申し上げましたように、そういう発言と直接利害関係がある方の受け取り方、また、それと関係のない方の受け取り方、これはおのおの違うと思います。そして、その場におられた方の受け取り方も違うし、選挙の応援だからこれくらいは言うなというようなとり方をされる方の考えもまた違うと思います。それぞれによって私は違うと思っております。
#356
○枝野委員 その場におる方の話を私は聞いておりません。平均的な国民一般の方がどう受け取られますか、これで、この大臣は公正だ、公平だというふうに受け取られると思いますかと聞いているのです。
#357
○青木国務大臣 その場にいない国民の受け取り方は、議員おっしゃったように、非常に大きな不満も残るでしょうし、そういうことは長官も御存じの上で、先ほどから、自分の言ったことについては非常に不適切であったということをはっきりとこの場で長官もお答えしておられるわけでございまして、その場にいなかった国民がそこだけ聞けば、議員のおっしゃるとおりだと私も思います。
#358
○枝野委員 いいですか。まず、金融再生委員会ができ上がってきた経緯は、銀行、金融機関に対する検査が、国民の目から中立、公正、厳格になされているかどうか、きちんとさせましょう、中立、公正にやらせましょう、中立、公正にやっていただいた上で、どうしても必要やむを得ない場合だからこそ、国民の大切な税金を使ってでも必要のあるところは救わなきゃならない、こういう経緯ででき上がった法律だということは御異論ないですね、官房長官。
#359
○青木国務大臣 そのとおりであります。
#360
○枝野委員 そうした国民の血税を使うに当たって、中立、公正、厳格であることを求められている機関のトップとして越智大臣はいらっしゃるわけです。そして、今、この国の財政が、お金が余っていますよ、幾らでも使えますよと、余裕がある状態であるのならともかくとして、総理大臣みずから世界一の借金王だとおっしゃるような財政状況の中で、新たに公的資金枠を六兆円も追加をしている、金融危機を回避するために。これも最終的には国民の税金になるかもしれない。そして、現実に、この間、三兆円を超える公的資金を投入した長銀が、わずか十億円でアメリカに売却されている。
 本当に三兆円を突っ込んだこと自体が正しい金額だったのか、そして、アメリカに十億円で売ったという話が正しい金額であったのか。国民の信頼が、まさに金融再生委員会は厳格、公正、中立にやっているということであるならば、これは、今の金融危機を回避するための手段として、我々自身がむしろ銀行国有化ということは提案した話であります、認められますが、そのところに一点でも疑いがあるようなことになったとしたら、まさに国民の大切な血税が現実にここでは三兆円近く失われているわけです。これからも、六兆円追加した分も含めてこうやって失われて、銀行救済、金融機関を救済するために失われていくかもしれないということがあるわけであります。
 そうした中で、いやしくもほかの大臣以上に金融再生委員会の委員長という中立、公正さというものを求められる大臣が、国民にそういった受けとめられ方をされるような発言をして、そして、なおかつその職にとどまっておるということは、まさに日本の金融政策そのものに対して、内閣に対しての国民の信頼を、我々の税金をどう使ってくれておるんだということに対する信頼を決定的に失わせる致命的な話ではないのか。官房長官はそうは思われませんか。
#361
○青木国務大臣 長官本人も、非常に不適切な発言があったということをこの場で反省し、皆さんにおわびをしておられるわけでございまして、私は、長官の言われたことを素直に受け取っております。
#362
○枝野委員 子供たちがよく、ごめんで済むなら警察要らないと言いますよ。それは人間のやることですから失言もあるでありましょうし、つい言葉が違ってしまうということは人間だからありますよ。
 しかし、この国会の中でもずっと言われているのは、利益誘導型の政治、つまり、権限を使って、例えば公共事業をばらまくことによって票や金にしているのではないか、そうなさっているかどうかはお答えになれないでしょうが、していませんとおっしゃるのでしょうが、そういったことを国民から、少なくとも国民の一部の部分のところから疑われている、これは客観的な状況として認めざるを得ない。それは与野党問わずだと思います。
 そうした中で、まさに特定の議員の後援会に集まっている人間に対して、おれのところに任せろ、おれのところに任せてくれればお目こぼしできるかもしれないよという発言に聞こえてもおかしくない発言をしたということは、たまたま言葉が滑った、言葉が足りなかったという話ではなくて、まさに国民から疑惑の目が持たれている問題について、ああやっぱりというふうな印象を与えかねないような問題であって、単なる軽率な言葉で間違いましたということではない。そうではないですか、官房長官。
#363
○青木国務大臣 再三申し上げましたように、長官本人も、その会合において自分のされた発言の真意はこういう真意でした、しかし言葉遣いにおいていろいろな間違いがありました、それは深くおわびをいたしますとおっしゃっておる次第でございます。
#364
○枝野委員 いいですか。真意がどうであったのかということは、後知恵で幾らでもつけられる話であります。客観的にどういう発言をされたのか、その発言がどういうふうに国民に受け取られるのかということが一番大切なことではないのか。何か言ってしまったけれども、それは真意は違いますと言って幾らでも意味を、中身を変えられるのであるならば、そんな楽なことはない。言葉はこんな軽いことはありませんよ。
 客観的にあのとき発言した話を受けとめたときにどういうふうにとられるのか、それが国民、納税者の立場から見たときに納得できないような話であるならば、それは謝罪をするのも当然でありますが、謝罪をした上でおやめになるのが当然ではないですか、官房長官。
#365
○青木国務大臣 私にその権限はないと思っております。
#366
○枝野委員 そうですね。おやめになるかどうかというのは総理大臣の話であります。
 けさの報道を受けたのでありましょうが、これは共同通信でしょうか、夕刊メモというのが入っておりまして、午前中の東京株式市場の大手銀行の株価が軒並み上昇したそうであります。私が言っていることではありません。その記事が言っていることであります。「金融再生委員会の越智通雄委員長が、金融検査をめぐる発言から辞任が避けられない状況となったことに、市場が反応したとみられる。 市場では「金融相の交代で金融制度の改革が進むとの期待もあり、銀行株が上がったのでは」(銀行系証券のストラテジスト)との見方が出ていた。」
 別にこのこと、つまり、大臣がおやめになった方が金融制度の改革が進むかどうかということについては聞きません。こういう見方をされているということについてはいかがですか、官房長官。
#367
○青木国務大臣 見方にはいろいろあると思います。
#368
○枝野委員 いずれにしても、ここの時間だけでは、そして内閣総理大臣がお出にもなっていられない場では、これは、こういう発言をされるような方をどうして任命されたのかという内閣総理大臣としての根本にかかわる問題でもあるというふうに思います。
 私どもとしては、越智大臣には一刻も早く責任をとって辞任をしていただきたいということ、そして、辞任のいかんにかかわらず、内閣総理大臣御出席のもとで、そして大臣がこういう発言をされたということですから、これまでの越智大臣就任以来の金融再生委員会の行動についてもきちんと精査をしなければならないと思っておりますので、金融問題に関して、内閣総理大臣出席のもとで集中審議を開催して、この問題と金融の一連の問題についての決着を見なければ物事は前に進むことはできない、国民の多額の税金を使うというような話を前に進めることはできないということで、委員長にそのお手配をお願い申し上げまして、時間でございますので、やむを得ず終わらせていただきます。
#369
○島村委員長 これにて枝野君の質疑は終了いたしました。
 次に、木島日出夫君から質疑の申し出がありますので、これを許します。木島君。
#370
○木島委員 官房長官にお聞きします。
 先ほど政府見解が出ましたが、要するに、こういうことですか。再生委員会は金融検査権限がある、しかし、金融監督庁長官に委任している、だから、権限はあるが、重要な案件の場合は報告を求めたりするが、それ以外はやらない、そういう意味でいいですか。
#371
○青木国務大臣 私が正確に読み上げたとおりでありまして、議員今おっしゃったとおりだと私も思っております。
#372
○木島委員 そうすると、一点だけ確認します。
 越智長官が発言した、検査の仕方できついことがあったらどんどん蓮実代議士を通じて私のところへ言ってきてください、最大限考慮します、こういう発言は、今回の政府統一見解に照らして法的に間違った見解を越智長官は述べた、そう確認していいですね。
#373
○青木国務大臣 内容がはっきりしませんので、いろいろなとり方はあろうと思っております。
#374
○木島委員 越智長官の発言は、内容が重要であろうと重要でなかろうと、検査の仕方できついことがあったら蓮実代議士を通じてどんどん言ってきてください、私のところへ来たら最大限考慮します、そういう発言です。(発言する者あり)いや、そういう発言なんです。
 この発言と今回の政府統一見解の基本的趣旨とは一致しませんねということ、そこだけ確認します。
#375
○島村委員長 時間ですから、簡潔に願います。
#376
○青木国務大臣 発言の内容によっていろいろあろうと思いますが、私は、きょうは予告がありませんでした。委員会の要請によって、政府の統一見解を述べにここへ参りましたので、記者会見の時間も非常におくれております、ひとつこれで終わらせていただきたいと思います。
#377
○木島委員 終わります。
#378
○島村委員長 これにて木島君の質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#379
○島村委員長 この際、御報告いたします。
 去る二十三日の分科会設置の際に、分科員の配置及び主査の選任につきましては委員長に御一任をいただいておりましたが、分科員の配置につきましてはお手元に配付いたしておりますとおりといたします。
    ―――――――――――――
  第一分科員
      久間 章生君    高鳥  修君
      萩野 浩基君    生方 幸夫君
      濱田 健一君
  第二分科員
      稲垣 実男君    村山 達雄君
      池田 元久君    岩國 哲人君
      青山  丘君    木島日出夫君
  第三分科員
      伊藤 公介君    中川 昭一君
      古賀 一成君    石田 勝之君
      鈴木 淑夫君
  第四分科員
      石川 要三君    中川 秀直君
      山口 俊一君    五島 正規君
      春名 直章君
  第五分科員
      島村 宜伸君    杉浦 正健君
      葉梨 信行君    原口 一博君
      平賀 高成君
  第六分科員
      小澤  潔君    船田  元君
      海江田万里君    肥田美代子君
      青山 二三君
  第七分科員
      甘利  明君    大原 一三君
      津島 雄二君    横路 孝弘君
      保坂 展人君
  第八分科員
      亀井 善之君    栗原 博久君
      森山 眞弓君    日野 市朗君
      佐藤 茂樹君    加藤 六月君
    ―――――――――――――
#380
○島村委員長 また、各分科会の主査は次のとおり指名いたします。
        第一分科会主査 高橋 一郎君
        第二分科会主査 西田  猛君
        第三分科会主査 桝屋 敬悟君
        第四分科会主査 自見庄三郎君
        第五分科会主査 町村 信孝君
        第六分科会主査 太田 昭宏君
        第七分科会主査 村田 吉隆君
        第八分科会主査 萩山 教嚴君
以上であります。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後三時五十四分散会

ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト