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2000/05/09 第147回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第147回国会 環境委員会 第7号
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2000/05/09 第147回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第147回国会 環境委員会 第7号

#1
第147回国会 環境委員会 第7号
平成十二年五月九日(火曜日)
    午前九時三十一分開議
 出席委員
   委員長 細川 律夫君
   理事 今井  宏君 理事 大野 松茂君
   理事 村上誠一郎君 理事 目片  信君
   理事 小林  守君 理事 近藤 昭一君
   理事 若松 謙維君 理事 藤木 洋子君
      愛知 和男君    大石 秀政君
      小杉  隆君    河野 太郎君
      桜井 郁三君    田邉 國男君
      桧田  仁君    平沼 赳夫君
      福永 信彦君    柳本 卓治君
      佐藤謙一郎君    並木 正芳君
      丸谷 佳織君    中村 鋭一君
      武山百合子君    中川 智子君
    …………………………………
   国務大臣
   (環境庁長官)      清水嘉与子君
   環境政務次官       柳本 卓治君
   政府参考人
   (環境庁大気保全局長)  廣瀬  省君
   政府参考人
   (厚生省生活衛生局水道環
   境部長)         岡澤 和好君
   環境委員会専門員     鳥越 善弘君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 悪臭防止法の一部を改正する法律案(内閣提出第九七号)(参議院送付)
 循環型社会形成推進基本法案(内閣提出第九五号)
 国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律案起草の件


    午前九時三十一分開議
     ――――◇―――――
#2
○細川委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、参議院送付、悪臭防止法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として環境庁大気保全局長廣瀬省君及び厚生省生活衛生局水道環境部長岡澤和好君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○細川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
    ―――――――――――――
#4
○細川委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐藤謙一郎君。
#5
○佐藤(謙)委員 民主党の佐藤謙一郎です。
 悪臭防止法の一部を改正する法律案について、数点質問をさせていただきたいと思います。
 今まで、特定悪臭物質の排出水準によって濃度規制をするというそうした行き方から、平成七年の改正で臭気指数というものが組み込まれました。特に複合臭気に対する苦情が近年非常にふえているということで、この悪臭防止法というのはかなりよく機能をし始めたのではないかなというふうには思っているわけであります。
 この改正案を拝見して、実は三月八日に中央環境審議会が答申を出されている内容で、積み残された部分、今回、この法律の改正で措置されなかった問題が何点か残されております。実は、そうした問題の中にこそ、悪臭防止の本質といいますか、近年、我々が政治家としてとらなければいけない大事な問題が残されてしまったような気がしております。
 まず第一点でありますけれども、悪臭の現状というのを見てみますと、このたびの中央環境審議会の答申の記述の中にも、悪臭防止法の規制地域内の事業場に対する苦情件数は、平成十年で二万九十二件のうち全体の五五%であった、これに対して、規制対象外の事業活動に係る悪臭苦情の割合は全体の二二%であり云々と書いてあります。結果として、事業活動に係る悪臭苦情のうち、この法律の規制対象外の苦情割合が約三割弱というふうになっております。
 実は、ここが今回我々にとって大変重要なところなんだろうと思うんですが、まさにこの中央環境審議会の議論の中で、事業者の事業活動一般に対する責務規定を設けることによって、事業者が悪臭の発生の防止に努める責務の明確化を図る必要性というものが議論され、検討されていたわけでありますけれども、この改正案ではその大変大事な部分が措置されていません。これからさらに悪臭苦情が増加の一途をたどるのではないかと思われますし、環境基本法の第八条の趣旨から考えてみても、きちんと責務の明確化を措置すべきではなかったのかというふうに思いますが、環境庁長官の御見解をお示しいただきたいと思います。
#6
○清水国務大臣 ただいまの悪臭防止法におきましては、規制地域内に事業場を設置している事業者に対しては、規制基準の遵守義務規定が設けられているわけでございますけれども、先生今、事業者による事業活動一般に対する責務規定をさらに設けたらどうかという御指摘でございました。
 実は、環境庁がこの法案を作成するに当たりまして、事業者の責務規定を設けるということについても検討したわけでございますけれども、あらかじめ指定した地域において規制を行う制度をとっているという今の悪臭防止法の体系からいきますと、全体的な事業者の責務規定を設けるということと必ずしも整合しないというような法制上の判断がございまして、そこで、すべての事業者に対する責務規定を今回の改正案には盛り込まなかったということでございます。
#7
○佐藤(謙)委員 今の御答弁は、法制上ということで、法制論ではわかるわけですけれども、こうして一般からの苦情、そして一部は健康被害ですとかいろいろな問題が出てきているわけです。法制度的には整合性がとれないからということで国民は待ってくれないと思うんですね。
 であるとするならば、この改正に積み残されたこの問題、この部分というのは、今後どういうふうに前進をさせていかれようと長官はお考えでしょうか。
#8
○清水国務大臣 このたびはこういう整理になりましたけれども、事業者一般に対する悪臭防止のための責務規定を設けるという先生の御指摘に対しましては、悪臭苦情の状況を見ながら、附則第二条に基づきます検討とあわせまして、さらに考えていきたいというふうに思っているわけでございます。
 ただ、規制地域外でも悪臭苦情が出ているという現状もあるわけでございますので、こういったところにつきましては、できるだけ都道府県知事が指定地域を拡大するというような方向で対処していけるように助言もしてまいりたいと考えております。
#9
○佐藤(謙)委員 指定地域、まさにここが大事なことだと思います。都道府県知事に権限があるわけでありますけれども、悪臭防止法第三条に基づく規制地域の指定状況という表を見て、私は横浜出身でありますから、首都圏はかなりきっちりと規制地域の指定というのがなされているのかなと見てみましたら、埼玉県で七八・三%、千葉県が六〇%、東京都が四九・二%、私ども神奈川県が七八・四%、私が考えていたよりもはるかに低い水準だなというふうな思いであります。規制地域の指定というのは自治体の問題ではありますけれども、国としてもそうしたことに積極的に地方自治体と連携をとっていかなければいけないというふうに思うわけであります。
 そこで、実は、事業者の責務の明確化、先ほどの御答弁では前向きに検討されるというふうに私は受けとめたわけでありますけれども、もう一つ、野焼き焼却禁止の強化というものがこの改正案では非常に薄い。これは廃掃法の改正案が出ておりますので、そちらにゆだねるというような考え方でありますけれども、この中環審の答申でも、野焼き焼却の禁止については、現行法では住居が集合している地域に限定されているものを、当該地域以外でも対応できるようにすることが必要と指摘をされているわけであります。
 本当にこうした問題が廃棄物処理法の改正でカバーできるんだろうか。まさにその中でも有価物の野外焼却については対象外であるわけですから、法律的にダブり合わせてみても、この法律の構造から漏れ落ちる、抜けてしまうものが随分あるのではないか、規制地内であれば、この悪臭防止法で改善勧告や改善命令措置というので対処できるわけですけれども。
 そうなってくると、現在、都道府県知事によって規制地域が指定されている市町村の数が、全自治体数の半数でしかないという現状をどういうふうにお考えか。先ほどの御答弁にあるように、法制面での整合性ということを考えていくと、この指定をさらに積極的に行っていく必要があるというふうに考えておりますけれども、国としてどういうふうにお考えなのか、その辺を御答弁いただきたいと思います。
#10
○柳本政務次官 ただいま佐藤委員御指摘のように、規制地域の指定状況は、三千二百七十七市区町村のうち規制地域を有する市区町村数は千七百十九、五二・五%でございます。
 悪臭防止法の規制地域に関しましては、悪臭に係る問題が生じた場合に、当該地域を管轄する都道府県知事が、地域の状況に応じて順次規制地域を拡大してきたところでございます。
 有価物の野外焼却に限らず、指定地域外で悪臭苦情が問題となっている場合には、国といたしましても、規制する必要性につきまして、自治体から状況を聞きました上、必要に応じて規制地域を拡大するよう自治体に助言するなど、対応を図ってまいりたいと考えております。
#11
○佐藤(謙)委員 規制対象、非規制対象別苦情の割合、先ほど一部お話ししましたけれども、規制地域内の工場その他の事業場は、平成十年度、一万一千五十六件で五五%。それに対して、規制地域外、二千八百六十八件で一四%。こうした事業場以外の事業活動、それぞれ規制地域内と外とで七%、一%。こうあるわけですけれども、余りにも規制地域外からの苦情というのが多くなっている。
 これから、まさにダイオキシンの問題等々で、悪臭だけではなくて我々の生活環境が大変関心を持たれて、市民の方々もレベルの高い対応を求めていこうというふうに考えておられるわけです。そういう流れになってきているというふうに思っておりますので、この規制地域の指定というのをさらに国として積極的に前に進める努力をしていただかなければ、この悪臭防止法というのは宝の持ちぐされになってしまうのではないかなというふうに考えておりますので、特段の御配慮をお願いしたいと思います。
 それから三点目に、におい環境指針についてお尋ねしたいと思います。
 環境庁では、良好なにおいの環境を確保するために、今までの規制的な手法とは別に、市民、事業者、行政というものが一体になって、地域というものを土俵にして、においに関する快適な環境づくり、これを促進しようというふうに考えておられるわけであります。中環審のさきの答申でも、こうした悪臭防止の知識の普及啓発、つまり、マイナスをゼロにしていくという努力だけではなくて、快適なにおい環境の創造というものに力を向けていこう、におい環境指針の作成というものが必要だということを指摘しているわけでありますけれども、今回の改正案でこうした視点というのが生かされているんだろうか。におい環境指針そのものは、平成十二年度中に何か形をつくってまとめていかれるような記述もあるわけですけれども、本法のどこにこうした発想、考え方が生かされているかをお示しいただきたいと思います。
#12
○柳本政務次官 環境庁におきましては、快適なにおい環境づくりに向けまして、身近な生活環境における不快なにおいを低減して、より快適な生活環境の実現を図ることを目指しまして、におい環境指針の作成に鋭意取り組んでいるところでございます。
 平成七年の悪臭防止法の改正により追加されました国民の責務や国及び地方公共団体の責務の規定におきまして、悪臭の防止による生活環境の保全に関する施策に取り組む必要性が規定されておりまして、これによりにおい環境指針の作成を行うものでございます。
 今後とも、快適なにおい環境の創造に向けまして、必要な施策の推進に努めてまいりたいと考えております。
#13
○佐藤(謙)委員 快適なにおい環境づくりということで、私、資料をめくっていましたら、かおり環境教育というくだりがあります。あるいは、かおり植物緑化というようなフローチャートがあるわけでありますけれども、私は、さきの委員会で、環境教育法を環境庁はつくるべきである、もしも環境庁がつくらなければ、議員立法でつくってみたいというようなお話をしたわけでありますけれども、まさに環境庁がこの環境施策の中で取り組んでおられるかおり環境教育というのは、私にとっても大変いいアドバイスをいただいたなというふうに考えております。
 学校教育、あるいは香り植物で町を緑化する、そうしたいろいろな取り組みがこれからあろうかと思っておりますが、先ほどの原稿を読むということではなくて、生の声で、ひとつこういうことに積極的に取り組んでいきたいんだという、そうした熱意をお示しいただければと思います。
#14
○柳本政務次官 私も、個人的には、におい環境指針といいますか、そういう方針については佐藤委員と同じ意見だと思っております。先生の御指摘のとおりでございます。
 におい環境指針におきましては、身近な生活環境における不快なにおいを低減して、より快適な生活環境の実現を図るために、まず第一に、不快なにおいを低減し、臭気に関して望ましい環境を維持達成するためのいわゆる臭気環境目標というものを制定しております。第二に、自然の香りや地域の文化、歴史などにかかわる香りを守り育てるためのかおり環境目標というものを定めることとしております。
 これによりまして、地域の住民の方や事業者、行政が一体となって地域の快適なにおい環境を形成するための取り組みを進めていく、こういう方針で臨んでいきたいと思っております。
#15
○佐藤(謙)委員 「かんきょう」という雑誌で、農水省の宮崎さんという方の「環境中の香りがもたらす快適性増進効果」というのが目にとまりました。人間というのは、五百万年の歴史の中で都市が出現したのはごく最近のことで、それまでは太古の野生の森や草原に生きてきた、そういうものに合わせた脳が機能して、神経系も、筋肉も、肺も、消化器も、肝臓も、感覚系も、みんな自然環境とともに進化をして、自然環境用につくられてきたんだ、それをまさに証明するかのように、ヒバだとか杉のようなそうした木材のチップから発散される香りを人間が吸収すると、血圧が低下して脳の活動も静まるということが実証されてきているわけであります。
 今、都市の住民がみんな森の中へということは、これは無理でありますけれども、少しでも、この五百万年の人間の歴史というものが、そのようにつくられている人間の体や感覚というものがこれからストレス漬けにならないためにも、私は、マイナスをゼロにするにおい環境ではなくて、ゼロをプラスにしていく香り環境づくり、まさに環境庁がこれを推進していく、そうした中から環境庁が本当に環境省として国民の中に分け入っていけるものになるんじゃないかなということを考えております。
 それから次に、実は、悪臭防止法の改正の動機のかなり強い部分は、最近あちこちで多発をしております野積みの廃タイヤの火災というものが動機になっているのではないかなというふうに私は考えておりますし、また、苦情の中で最も深刻なものというのは、そうした事故によって、平穏な地域での生活を失う市民が苦情を殺到させているのではないかなというふうに思うわけであります。
 新聞報道や何かを見てみますと、例えば、昨年一月に、栃木県の佐野市では二十万本の廃タイヤ火災があって、鎮火までに九カ月かかった。私は、直接その廃タイヤの火災の現場というのを知りませんから、どれだけ地元の住民にとってはつらいものか、そしてまた、それが長期間にわたるものかというのを実感として感じることはできないわけでありますけれども、同じく新聞報道で、一昨年二月に、群馬県の境町で実に約七十万本の廃タイヤ火災が発生して、二年間くすぶり続けたという、とても信じがたいようなこと。そして、廃タイヤの問題を真剣に取り組んでいけば、ごく当たり前にそういうことがあるんだということを知れば知るほどに、この悪臭防止法の改正案が無力であってはいけないなというふうに思うわけであります。
 こうした大規模な悪臭原因の発生に対して、今回の改正案で本当に対応ができるのだろうか、対症療法ではなくて、抜本的にこうした問題に取り組まなければいけないと思うわけですが、本法の改正案で対応ができるかどうかということと、さらに、この廃タイヤ問題に対して、今回の法改正の先にどういうシナリオ、どういう戦略を環境庁が持っておられるか、その辺の二点についてお示しいただければと思います。
#16
○清水国務大臣 先生御指摘のように、最近、中古タイヤの火災、こういったものが多くて、そして悪臭苦情が非常にふえている、それが今回の法改正の一つの発端にもなったわけでございます。
 従来ですと、タイヤ火災事故で悪臭が発生いたしましても、現行の悪臭防止法では実効的な措置が講じられなかったわけでございますけれども、このたびの改正によりまして、まず、事業場設置者に、事故の状況を市町村に通報するということが義務づけられた、そしてまた、市町村長が、今度は事業場の設置者に対しまして、応急措置命令を出すことができるようにするということが明記されたわけでございまして、事故が起きたときにその措置を強化することができるということが明記されまして、これによりましてある程度、各地で発生いたしております野積みの廃タイヤの火災のような、とにかく悪臭を発生させるような原因が起きた場合には、それに市町村がまず効果的に、迅速に対応できる、こういう仕組みができたというふうに考えているところでございます。
#17
○佐藤(謙)委員 まさにそれは、私もこの法律案を見ればわかることで、対症療法なんですね。こういう事故が起きたら確かに手際よく措置できるということなんでしょうけれども、もっとほかにこの廃タイヤの火災から我々は学ばなければいけないことというのはたくさんあると思いますけれども、何かほかに学ばれることというのはありませんか。
#18
○清水国務大臣 タイヤだけに限って申しますれば、やはり中古タイヤの活用を進めるというようなこと、リサイクルを進めるというような、循環型社会にふさわしいような方向にすべきものだというふうに考えます。
 いわゆる野積みタイヤの問題につきましては、今までは、使用済みタイヤはリサイクルするための有価物であるということで、廃棄物処理法の適用を受けずに、結果的にはリサイクルもされずに放置されていた、そして、それがまた火災を起こしてきたという問題があったわけでございまして、これはまさに、先ほど申しましたように、大量に廃棄物を発生させる我が国のあり方そのものを変えなければいけないというふうに考えるわけでございまして、これはぜひ、古タイヤをただ廃棄してしまうだけでなくて、再利用できるような方向をやはりもっときちんと考えていかなければいけないのではないか、こういうふうに考えているところでございます。
#19
○佐藤(謙)委員 確かに、この問題は環境庁だけがひとり取り組んで何かできるというものではなくて、他省庁との連携というものが大事だと思います。対症療法でうまくいくからといういつも後ろ向きの対応だけではなくて、一歩進んで、今大臣からお話がありましたように、この廃タイヤの問題というのはもっとほかにも原因があるわけですから、そうしたものを総合的にとらえながら、どういうふうに法律や規制というものの中にこの問題をしっかりと位置づけていくかということをどうか真剣に御検討いただければというふうに思います。
 最後に、やはりこの「かんきょう」という雑誌の三月号に、東京都の環境科学研究所の岩崎さんという方が、「低濃度臭気指数による環境臭気の把握」というタイトルで非常に重要な提案を二つされておられます。臭気指数というものがしっかりと位置づけられる嗅覚測定法というものがまさに確立される中で、全国あるいは世界の統一の測定精度管理というものがきっちりとでき上がってくるというのは大事なことだと思いますけれども、こうした臭気、においの評価方法を確立させていくというのは大変重要なことですけれども、これが確立していくとどういうことが考えられるかということで、岩崎さんから二つの提案がなされています。
 第一が、臭気環境アセスメントへの適用ということを言われておられます。今の環境影響評価制度の中で、臭気が評価項目としてどういうふうに取り上げられているかというと、多くの地域住民がにおいを感じない程度などの抽象的な表現が用いられていて、定量的な評価には至っていないというわけであります。しかし、これから、環境アセスメントの中で、こうした評価方法の確立とともに、さらに有効な手だてを講じていくことができるのではないか、対象事業の事前調査や事後調査に対して、この一般環境臭気の評価方法が適用していけるのではないかという提案があります。一つは、これに対する大臣の御所見をいただきたい。
 それからもう一つは、臭気環境目標値設定への適用、つまり、行政的な目標値、環境基準的なものの設定に役立つ可能性があるのではないかと。御承知のように、今、水質汚濁や大気汚染や騒音は環境基準が設けられているわけでありますし、その環境基準の達成のために、国、地方自治体などによっていろいろな環境対策が検討され、実施されてきているわけであります。しかし、臭気に関してはまだ、排出基準が今回三つの地点で整備がされてきたものの、環境基準あるいは環境目標値は設定されていません。それは臭気の測定方法が確立していなければできないということであったわけですけれども、ここまで臭気の評価、測定方法というものの整備が進んでくれば、当然のことながら、こうした環境基準というものをつくっていくきっかけになるのかなというふうに考えていて、これは夢が膨らむというか、国民にとって大変ハッピーな展開になっていくのではないかなというふうに思っておりますが、この二点について大臣はどういうふうにお考えか、御所見を伺えればと思います。
#20
○清水国務大臣 私も、この「かんきょう」の特集号も拝見しているところでございますけれども、今の岩崎さんの御指摘に関して、臭気環境アセスメントについての御質問でございました。
 環境アセスメントの中で、臭気については評価手法がなかなか難しいというところでございますけれども、におい環境指針において検討することとなっております規制基準よりも、快適な水準の臭気環境目標を一般の環境における環境アセスメントの目標値として活用できるように、まさにこれは検討をぜひしてまいりたいというふうに思います。
 それから、環境目標値の適用についてのお話でございますけれども、臭気環境目標値につきましては、大部分の地域住民が日常生活においては感知しない程度を目途に設定するものでございまして、規制の基準値よりも良好なレベルで設定するということになろうと思います。すなわち、行政的な目標値としては、環境基準的なものの設定というふうに考えているわけでございまして、具体的には、例えば、環境モニタリングの目安というふうなことで十分活用できるんじゃないかということで、このことにつきましてはぜひもう少し検討を進めていきたいというふうに考えます。
#21
○佐藤(謙)委員 こうした提案に対して前向きに検討していただければと思います。
 昨今の永田町のきな臭さは臭気指数でどのぐらいかななんて思いながら、この悪臭防止法の改正案が、国民にとって心から受け入れてもらえるような法律になってもらうことを祈念して、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#22
○細川委員長 近藤昭一君。
#23
○近藤委員 民主党の近藤昭一でございます。
 悪臭防止法の一部改正について幾つか質問をさせていただきたいと思います。
 まず最初に、今私の先輩議員であります佐藤議員から、今回の法改正に至った一番の大きな原因、対策の目的というのは、全国各地で発生しております廃タイヤの火災の問題ではないかという指摘があったわけでありますが、今回の改正に至りました一番大きな原因を、どうおとらえになっているのかということをまずお聞かせいただきたいと思います。
#24
○清水国務大臣 今回の改正案を提出いたしました一番の理由というのは、悪臭防止法が制定されてからおおむね減少傾向でございました悪臭問題に対します苦情が、ここ数年急激に増加してきているということでございます。これの要因は、先ほどから御議論ございます中古タイヤの火災事故等の問題、あるいは、やはり環境問題全体に対する国民の意識の高まりといったことがあろうかと思います。
 そういうわけで、今回の改正におきましては、事業者の事故がありましたときに市町村長への通報を義務づけること、そしてまた、市町村長が事業者に対して応急措置命令を出すことができるというようなことで事故時の措置を強化することにしたわけでございまして、これによって、かなり悪臭苦情に対応することができるのではないかというふうに考えているわけでございます。
 もう一つの問題は、この四月から、地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律が施行されまして、悪臭防止法の規制及び測定に関する事務が市町村に、自治事務になりましたということで、移管されたということもございまして、市町村が測定業務を円滑に実施する体制が求められている。これに対して、人の嗅覚を用いた臭気の測定業務を適切に行うことができる人に委託することができるということで、臭気測定業務従事者の試験に関する事項などを法律に明記した、こんなようなことで、今の緊急対応のこと、それから臭気判定士の問題、このことが改正の背景にあるということでございます。
#25
○近藤委員 大臣、ありがとうございます。
 全国いろいろなところで廃タイヤの問題、さまざまな悪臭の問題が起きていて、旧来の法律ではなかなか迅速に対応できないところがある。そういう中で、地方分権とも相関連して、今回の法改正があったということであります。
 ただ、先ほど佐藤議員からも質問がありましたけれども、全国でそういった問題が起きている、だからこそ法改正が必要だということでせっかく法改正をするわけでありますが、先ほど指摘がありましたように、今回の法案ですと、規制区域内に事業場を設置する者に限っていると言うと表現が違うのかもしれませんが、事業者を対象としている。ところが、現実の問題としては、規制区域外のところで本当に多くのそういった悪臭に対する苦情が起きているということであります。
 そのことに関して、先ほどもちょっと御答弁があったんでありますが、もう一度お聞かせをいただきたいと思います。やはり、きちっと実効あるものにするためには、少々これは私は疑問を感じざるを得ないわけでありますが、いかがでありましょうか。
#26
○廣瀬政府参考人 お答えいたします。
 悪臭による被害は、人に不快感、嫌悪感を与えるということでありますので、悪臭による生活環境への被害が問題とならない地域、つまり、すばらしいにおいを持っている地域があるということを考えますと、規制が必要でないという考え方の地域もあるということですから、悪臭防止法では、悪臭を基本的にどうしようかという形で規制地域を考えていくということになります。
 それから、悪臭が出てくる一つの原因物質というのがわかりますので、その辺のところを人間の生活の営みとあわせて考えていくということから考えれば、規制地域というのを設けていくという考え方に立っているわけでございます。そして、事故時の応急措置命令の対象についても、規制地域内に事業場を設置する者に限ってございます。
 それでは、指定地域以外で悪臭苦情が問題となった場合にどうするかということになりますが、当該地域を管轄する都道府県知事が、地域の状況に応じて順次規制地域を拡大してきております。国としても、自治体から状況を聞いた上で、必要に応じて規制地域を拡大するよう自治体に助言するよう対応してまいりますが、市町村長も、具体的にこういうところで特定物質それから悪臭が出ているということがあれば、県に物を申すことができますし、協議の場ができるという形になります。そういう形で、その考え方を入れて規制地域の拡大というのが可能になってくる。
 それからもう一つは、一つの悪臭というのは、物事が起こってくる人間が感じる最初の段階でございます。そういう意味でいけば、他の法律との関係もございます。そういう意味で、具体的に地方自治体と県の所管している法律との関係も含めて、有機的にどう動かしていくかということは大変重要になってくると思っております。
 そういう中で、悪臭問題を通じながら、今先生が問題にしておりますことがより具体的に解決の方向へと向けられるようになっていくのではないか、つまり、有機的な法律のつながりを持ちながら問題に対処していくということにつながっていくのではないかというふうに考えております。
#27
○近藤委員 お話を聞いておりますと、指定地域の拡大をしていく、あるいはさまざまな有機的なつながりの中で、ある種臨機応変に対応されるということなのかもしれません。
 しかしながら、先ほど指摘もありましたように、地域内と地域外の苦情の発生件数でいうと、例えば全体の苦情発生件数が百件ある、その中で指定区域外が五件とか十件とか非常に少ない割合ならよくわかるんであります。納得することもできるわけでありますが、このいただいた資料の統計を見ますと、地域外の苦情の件数というものがかなりの数だということを考えますと、果たして今のような御答弁でいいのかなと思うわけであります。
 指定区域の拡大という、一般論というか抽象論はわかるのでありますが、例えばこの悪臭防止法の中で、そういった地域指定の拡大を推進していくような理念を持った条文というのは、どこかにあるのでありましょうか。
#28
○廣瀬政府参考人 先生のおっしゃるとおり、問題になるところという感じを持ってございますが、具体的に、今回臭気指数というのが導入されまして、三つの排出、煙突から出る部分、それから敷地境界、そして水の関係というところが決まってまいりましたので、具体的に臭気指数を動かしやすくなってきている。それから、複合臭という考え方があるということになってきますので、今までとは違った意味で、住民の苦情との対話ということを含めていったときに、地域指定ということをかなり考えていくことになるだろうというふうに思っています。
 それから、具体的に申せば、例えば札幌市は、全地域を臭気指数の形で指定地域にしていくという考え方を持って具体的に運用している部分がございます。つまり、絶えず住民の持っている苦情を受けとめながら、悪臭防止法を使いながら、より住民との対話に進むという考え方を持つような市町村の体制で動いていくことが望まれているわけでございまして、当然そのような流れへと移っていくもの、今回の臭気指数、三部分について詳しく決まりますので、そこを導入しやすくなってきているという形になりますので、当然その辺は指定地域の拡大、そして指定地域が多くなっていくという形になるだろうというふうに思っております。
 それからもう一つは、廃棄物処理法とかいろいろなものを考えていきますと、市町村が自治として臭気関係を直轄するわけでございますから、当然そこでこの権限を使いながら、具体的に県、国との行政的なつながりを持ちながら、苦情という問題をどう処理していくかということに動きやすくなっていくというふうに理解されるものと思っていますし、当然私たちもその部分を市町村に具体的にお話ししていきたいし、それで普及に努めていきたい。
 それから、具体的に問題が起こったときの解決の方法等も、今度の臭気判定士等を通じ、それから関係のところと通じながら、具体的に環境庁としても参加しながら、問題解決に当たっていくという姿勢を示していくことによって、環境庁の持っている行政の考え方が市町村に伝播できる一つの大きな部分かというふうに思っております。そういう意味では、悪臭防止法の今回の改正によって、市町村の権限が強くなったことを受けながら、より具体性を持っていくのではないかというふうに思っております。
#29
○近藤委員 今回の法改正によって住民の皆さんの声を反映していく、そういったベースができるということなのでありましょうが、そうしますと、問題が発生した事業者がそれを報告しなければならないという義務があるわけでありますが、これは今お答えのあったような、いわゆる住民の皆さんからの苦情、これをどういうふうに受けとめていかれるのか、そのことについて、具体的にお教えをいただきたいと思いますし、この法案でいうと、特にどのあたり、どの条文がそれに当たるのかということを教えていただければ幸いでございます。
#30
○廣瀬政府参考人 住民からの悪臭苦情については、地域の実情に応じた対応が必要であるということで、市町村が窓口となっております。そして今回、自治事務として具体的に、地方分権の形で、しっかりとした形で地方自治体の業務となっておりますので、そこの受け付けがはっきりする、そしてなお苦情に詳しいところがより聞きやすいという形になると思っています。
 そして、環境庁においても、悪臭の防止対策について業種別のマニュアルを作成して、市町村に配付するなどいたしまして、住民からの悪臭苦情があった場合、市町村等において適切な対応が可能となるような措置を講じてまいりたい。つまり、悪臭苦情を受けても、単純に受けるというだけではございませんので、具体的に測定をし、どういう解決策があるのか、事業者と周辺住民がどう話し合うのかということも出てきますので、その辺のところはマニュアルによって、大変大切な部分かと思っております。
 また、新たに事故時における臭気対策マニュアルを作成します。市町村等を通じて事業者に周知するなど、住民からの苦情に適切に対応するため、さらに周知徹底を図ってまいりたいというふうに考えておりまして、住民からの苦情を受ける形の中で、問題解決により具体的に、どういうふうな対処をしていくかということには大変意を用いてまいりたいというふうに思っております。
#31
○近藤委員 お話の趣旨はよくわかるわけでありますが、具体的にそれがどう担保されていくのか。悪臭防止法、そして冒頭大臣の方からも御答弁がありましたように、今回の法改正に至った背景、全国で多発する廃タイヤあるいはその他のもの、野焼きみたいなものに悩みが多い。そしてそのことに対して、住民の方が大変困っていらっしゃる。それは単純ににおいだけの問題ではなくて、同時に、有害な物質が発生している可能性が非常に高いわけでありまして、そういったものを敏感に、住民の皆さんからの苦情といいましょうか、住民の皆さんがそういったにおいを感じた時点で、素早く対応できる、そのためにこの悪臭防止法があるべきではないかと私は思うわけであります。
 そうしますと、やはりこの法案、もちろん一条一条ということを国民の皆さんが知られるわけではありません。しかしながら、せっかくこの悪臭防止法が改正される。その理念に基づいて、国民の皆さんが本当に現実の場面で困ったことを受け付けていくというシステムをやはり国民の皆さんに知っていただく必要があると思うのです。
 そうしますと、では地方自治体でこういった悪臭苦情受付窓口とか、そういうものがあるべきではないかなと思うわけです。もちろんそれは地方自治体がそれぞれ独自に、この法案の趣旨に基づいて、具体的には、名前も決めたり、課を決めたりするべきだと思うのです。ただ、それを促すような法案の条項というのはここにあるのか、ちょっと今の御答弁ではっきりしなかったのでありますが、もう一度お聞かせをいただきたいと思います。
#32
○廣瀬政府参考人 具体的に法律の中では、第十五条で、国及び地方公共団体の責務というところがございます。今までの法律の中で出ておりまして、ここで「地方公共団体は、その区域の自然的、社会的条件に応じ、悪臭の防止のための住民の努力に対する支援、必要な情報の提供その他の悪臭の防止による生活環境の保全に関する施策を策定し、及び実施するように努めなければならない。」という規定がございます。そういう意味で、地方公共団体の行う部分はこれで読めるのではないかというふうに思っております。
#33
○近藤委員 第十五条の中で、そういった自治体の責務、その中で読み込んでいって、各自治体が努力を促すということであると思います。
 さて、今回、臭気判定士のことが関連してまいりますが、各自治体で、臭気判定士の資格を有する民間の事業者にも臭気の判定を依頼することができるということであります。法改正に至ったわけでありますから、全国各地で大変に大きな臭気の問題が起きている、そうすると、自治体自身が臭気判定士を職員として用意している、こういったことも重要ではないかと思うんですが、全国にそういった自治体はあるんでしょうか、状況はどうなんでしょうか。
#34
○柳本政務次官 現在、自治体職員で臭気判定士の資格を取得している者は、全国で約五十人でございます。これは、悪臭防止法に基づく臭気指数規制を導入しているのが今は三自治体であることから、また、法律上、自治体の職員がみずから測定を行う場合には臭気判定士の資格を必要としないことから、この程度にとどまっている現状でございます。
#35
○近藤委員 そういったことで判定士の資格が必要ないということでありますが、現実問題として、先ほど局長から御答弁があったようなことを促していくということであれば、各自治体、市町村においても臭気判定士という資格を持った方が直接おられるというのは、住民の方からの苦情に迅速に反応できるんではないかと思うんですが、その辺をどうお考えか。また、今後、そういったことについて具体的に何か、必ずしもその資格は必要ないけれども努力目標でこうしたらどうだとか、そういったようなことを指針として挙げられる予定はあるのかどうか、お聞かせをいただきたいと思います。
#36
○柳本政務次官 かような状況でございますから、当然臭気判定士の育成方策を考えていかなければならないと思います。
 本年六月までに臭気指数に係る規制基準がすべて整備され、臭気指数規制の本格的な導入が進む見込みであるほか、本年四月から悪臭防止法の規制及び測定に関する事務が市町村の自治事務となったことから、今後は、市町村におきまして、臭気指数測定を行う必要性が高まることが予想されます。
 環境庁といたしましては、地方公共団体職員に対する研修の実施などを通じまして、地方自治体の臭気測定能力を一層向上させるための支援策を講じるとともに、市町村が必要に応じ外部に委託できるよう、いわゆる臭気判定士に係る試験の適切な実施、嗅覚測定法に係る普及啓発など、臭気測定業務従事者の一層の確保のための施策を積極的に推進してまいりたいと考えています。
#37
○近藤委員 ぜひそういった推進策、支援策を進めていただきたいと思うわけであります。
 今御答弁のあった中に同時に含まれているのかもしれませんけれども、自治体が独自にそういった資格を持った職員を有していらっしゃるのとは別に、私の手元にあります資料ですと、いわゆる民間におきましても、そういった資格をお一人も持っていらっしゃらない県があるというデータであります。それから変わっているかもしれませんが、民間も含めて、臭気判定士の資格を持った方が一人もいない都道府県があるのかないのか。そして、もしあるとしたら、あるいは少ないとしたら、そのことについてはどういうふうに推進をされていくのか、お聞かせをいただきたいと思います。
#38
○廣瀬政府参考人 法改正がなされましたら、臭気指数の測定は、地方自治体が直接行うか、臭気判定士に委託して行うことになります。そして、地方自治体がみずから必要な体制を整えるか、あるいは市町村が必要な場合に委託できる測定機関などが十分あることが必要になってきます。
 実際には、小規模な地方公共団体でみずから体制をつくることは困難があるので、外部の委託を活用することが必要となります。これに対して、現在、臭気判定士は約千六百人でございます。市町村の円滑な臭気測定体制を確保するためには、さらなる人数の増加が必要というふうに考えておりまして、この中で、現在臭気判定士が一人もいない県が、平成十二年三月三十一日現在で一つございます。
 しかし、先ほど申したとおり、地方自治体の方の研修を受けている人がございますので、当分はその形で対応してまいりますが、当然、試験の実施と臭気判定士の役割の普及啓発ということで臭気判定士の確保に全力を尽くしてまいります。
 そういう意味で、臭気判定士が今後大きな役割をしていただいて、住民と行政との間に立って、民間の臭気判定士がこういう悪臭防止にかかわる部分でより大変な役割をしていただけるというふうに考えておりますし、これからの環境行政の一つの大きな新しい考え方が導入されるものというふうに考えておりますので、その辺は積極的に、臭気判定士の養成という形の中で、市町村にもぜひ臭気判定士を使う形の中での臭気対策ということに努めていくよう、いろいろと御相談をしてまいりたいというふうに思っております。
#39
○近藤委員 平成十年度末の時点で全国に一県あるということでございますが、ぜひ、この趣旨からすると積極的にその育成を図っていただきたい。
 そしてまた、佐藤議員の質問の中にもありましたが、これは単純に悪臭という問題だけではなくて、本当に自然環境を守っていくということで考えますと、単純に悪臭、おかしなにおいというだけではなくて、まあなぜ自然が大事かというと、いわゆる樹木から発せられるにおいが人間の心を優しくする、落ちつかせるということだと思うんです。そういう意味合いも考えますと、ぜひ臭気判定士の育成を図っていっていただいて、悪臭という部分だけではなくて、もっと積極的ににおいを活用していくという部分が必要なんではないかなと思うわけであります。
 そしてもう一つ、先ほどちょっと触れましたけれども、廃タイヤ等の火災で問題があるというのは、単純な悪臭の問題だけではない、においだけの問題ではない。そこに有害物質が発生しているんではないかということが一番というか、私なんかは非常に大きな問題だと感じるわけであります。
 そうしますと、今回の悪臭防止法と関連しまして、そういったにおいが出た、それを届ける義務がある、そしてそれに対して市町村が反応していくということでありますが、それが単純ににおいだけの問題ではなくて、同時に有害物質がそこに発生したという場合にはどういうふうにそれぞれの市町村が対応されていくのか、そのことについてお聞かせをいただきたいと思います。
#40
○廣瀬政府参考人 悪臭防止法の目的というのは、悪臭から生活環境を保全するということでございまして、大気汚染や水質汚濁から人の健康を保護すること等を目的とした有害化学物質関連等の規制法とは異なっております。
 悪臭と大気汚染や水質汚濁といった問題が同時に起こることも多いというふうに考えておりますが、このような場合は、悪臭担当とその他の担当が迅速に情報交換をするなどの連携をとって、関係法律に基づく措置を的確に行っていくことによって問題の解決を図っている。
 先ほども申しましたが、悪臭、においというのは初動に出てくる話になります。そういうことを早目に感じまして、有害化学物質との関係を踏まえまして、担当部局との連携をとることによって問題解決に当たるというやり方に基本的になっているというふうに思っております。
#41
○近藤委員 先ほどもちょっと質問させていただいた、悪臭の苦情をどう市町村が受け付けていくのかということと関連してくるわけでありますが、とにかく変なにおいが出ている、直観的に、住民の皆さんは、これは危ないのではないかというとちょっと語弊があるのかもしれませんが、ある種動物的な臭覚、動物的な直観みたいなものでおかしいと感じる。だからこそ心配が出てくる。心配が出てくるからこそ苦情が出てくるのだというふうに思うのですね。
 そうしますと、市町村でとにかく、そういった苦情が出てきた、それを受け付けていく、それが第十五条の中である。そして、今お答えがありました悪臭の担当、いわゆるにおいの純粋な担当と、あとは有害物質が発生しているところと連携をし合っていくというところなんでありますが、先ほどの質問のようになるわけでありますが、これは具体的にどこかで担保というか、促すような条項があるのですか、悪臭防止法そのものには。そういった単純な悪臭だけではないだろう、有機的にやりなさいとか、そんなことはあるんでしょうか。
#42
○廣瀬政府参考人 具体的に条項の中で連携をとるようには書いてございません。悪臭物質の中で、今二十二の特定物質がございますが、その中の物質の特性等を踏まえていけば、当然、においの問題を抱えたときに、それだけで済まないという、先生のおっしゃるように、ほかとの関連を想定するのが一つの仕事でございます。悪臭防止法が一つの初動で始まっていくという考え方をもってしたときに、そこが基本的にあるわけでございますから、当然他の法との関係を含めて仕事をしていくことになるというふうに思っております。
 そういう意味で、担当者をいろいろな意味で教育していくということは、法の趣旨を理解させていく上に必要な部分でございますから、当然、悪臭防止法の改正の趣旨が伝わるように、都道府県それから市町村に対してしっかりした考え方を伝えていくという役目になると思っています。単独の法の論理ではなくて、ほかの法との関連でこの法を動かすようにということについては、十分注意してまいりたいというふうに思っております。
#43
○近藤委員 今答弁がありましたように、これは初動体制を強化する側面が強いのではないか、そしてその意味では、私は非常に意義があると思うのですが、やはりあくまで初動体制、においの部分だけではなくて、そこから発生する有害物質というのが非常に全国で問題になっていると思うのです。そこをぜひお踏まえいただきまして、有機的に対応していただくようにお願いをいたしまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#44
○細川委員長 藤木洋子さん。
#45
○藤木委員 日本共産党の藤木洋子でございます。
 ことしの三月、中央環境審議会が答申をいたしました「悪臭防止対策の強化のため講ずべき方策の在り方について」というのでは、悪臭防止対策のために講ずべき方策の一つとして、悪臭を生ずる物の野外焼却禁止に係る対策の強化というのを挙げております。
 答申では、「悪臭防止法における悪臭を生ずる物の焼却の禁止規定について、規制地域以外での野外焼却に係る苦情の状況、自治体における悪臭が生ずる物の野外焼却禁止に係る条例の制定状況に鑑み、現行法では住居が集合している地域に適用が限定されているものを、当該地域以外でも住民の生活環境が影響を受ける場合には対応ができるようにすることが必要である。」このように述べております。
 この答申に対しまして、政府は、廃棄物処理法改正でほとんど措置される、だから今回の法案には盛り込まなかったと伺っております。
 しかし、規制地域の指定は、全国の市町村のわずか五二%にすぎません。規制地域以外での苦情件数も、全体の一五%にもなっております。しかも、野焼きによる苦情件数というのは、区域別に見ますと、規制地域以外では一千三百十二件、これは実に二二・三%を占めているわけです。
 そこで、大臣にお伺いをするのですが、規制地域以外で、有価物と称して、意図的に木材だとか合成樹脂などを野外焼却した場合、今回の法改正で悪臭規制ができるのかどうか、お答えをいただきたいと思います。
#46
○清水国務大臣 先生御質問の有価物の野外焼却、これにつきましては、規制地域内であれば、現行の悪臭防止法の規制措置、例えば、改善勧告でありますとか改善命令といったようなことができますけれども、しかし、規制地域外の行為につきましては、規制対象にはなりません。
 規制地域外の野外焼却につきましては、地域の実情に応じまして、都道府県知事が速やかに規制地域を拡大するといったようなことで対応していくわけでございまして、国といたしましても、必要に応じまして、指定地域を拡大するように自治体に助言をしていくという仕組みになっているところでございます。
#47
○藤木委員 実は、こういった事例が今回も出ているというのは、先月の参議院の国土・環境委員会でも、山梨県大月市で、木炭の製造と称して木材廃棄物を焼却しているという問題が議論になったところでございます。
 確かに、現行法の十三条の規定では、「何人も、住居が集合している地域においては、みだりに、ゴム、皮革、合成樹脂、廃油その他の燃焼に伴つて悪臭が生ずる物を野外で多量に焼却してはならない。」としております。しかし、この条項には罰則の措置もございませんし、規制地域以外では何の実効性も確保できない、大臣が御答弁のとおりでございます。
 そこで、何人も、公益上もしくは社会の習慣上やむを得ない焼却または影響が軽微である焼却の場合を除き、みだりに物を野外で焼却してはならないとして、罰則を科す、そういう措置を盛り込むことが必要ではないかと思うのですけれども、その点はいかがですか。
#48
○清水国務大臣 野外焼却行為につきましては、今国会に提案されております廃棄物処理法の改正案、これで焼却禁止の規定もございますし、罰則もついているわけでございます。この廃棄物の焼却行為の禁止、違反者への直罰、こういったことによりまして、現行の悪臭防止法の改善勧告、改善命令によりまして、対応ができるということでございまして、今回の改正案には、罰則を伴う規定は盛り込まなかったわけでございます。
 なお、先生がおっしゃったように、悪臭防止法におきまして、野外焼却禁止規定に罰則を適用するということのためには、罰則を科すような悪臭が発生いたします構成要件を明確にする必要があるわけでございますけれども、焼却する物でありますとか焼却の条件、そして発生する悪臭の程度、これはなかなか関係が難しゅうございます。
 そういうわけで、現時点で、悪臭を発生し、しかもそれに罰則まで科すというような構成要件を明確にすることが非常に難しいということもございまして、罰則についての規定は悪臭防止法の方には盛り込めないということで判断したわけでございます。
#49
○藤木委員 今の御答弁では、やはりカバーし切れない、そういうすき間が随分出てくるわけですね。
 先ほども言われていましたけれども、今回の改正案、タイヤ火災等の悪臭を伴う事故時の措置の強化として規定されている事故時の措置の義務化だとか通報の義務化、応急措置の命令の新設、罰則の適用というのはありますけれども、これはすべて、規制地域内の事業場設置者を対象に、事故による規制基準を超える悪臭物質が発生した際に限定して発動されるというものです。
 しかし、何度も私申しますけれども、規制地域ということで指定をされているのは全国のわずか五二%、半数をちょっと超えるぐらいのことでありますし、規制区域外での苦情件数も全体の一五%ですし、しかも、規制地域と規制地域外別の苦情件数のうち、規制地域外の野焼きというのは一千三百十二件ございまして、これは実に二二・三%に上っております。廃棄物最終処分場が三十二件で五〇・八%を占めております。
 また、規制地域外の地域を規制地域に指定しようとする場合、これは周辺市町村長の意見を聞くなどしないといけないわけでして、指定の公示まで一定の期間を要するわけです。ですから、規制地域外で野焼きが発生したという場合には、もう間に合わない、対応ができないということになると思います。
 そこで、急いで規制地域の指定を進めることは当然なんですけれども、規制地域が早急に指定できる手続に見直して、規制地域が指定できる住居集合地域要件の設定など、実効ある措置というものを講ずる必要がある、このように考えますけれども、大臣、それはいかがですか。
#50
○清水国務大臣 先ほど来、指定されている地域が少ないじゃないかという御指摘が何度もございました。これは、これから臭気指数の測定体制もきちんと整備されて、そして臭気指数の測定がきちんとできるようになりますれば、当然のことながら箇所数もふえてくるのではないかと期待するところでございます。
 同時に、規制地域の指定というのは、都道府県がするわけでございますけれども、従来は、地域の実態に応じた対応が図られるように、政令によりまして、政令指定都市それから中核市に委任していたわけでございまして、そこらはかなり早く指定ができたわけでございます。
 本年四月の地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律の施行に合わせまして、一層の地方分権を図るために、規制地域の指定に関する事務の委任を地方自治法に基づく人口二十万以上の特例市にも適用することとしたところでございます。今後、特例市におきましても、規制地域の指定を一層円滑にできるというふうに期待するところでございます。
 このほか、環境庁といたしましても、地方自治体が悪臭防止法に基づきます規制地域の指定を一層円滑に行えるように、必要に応じて助言をしてまいりたい、こう考えているところでございます。
#51
○藤木委員 それでは、滋賀県での具体的な悪臭問題について伺いたいと思います。
 滋賀県内での産業廃棄物不適正処理事案対応箇所数というのは、九九年の四月から十一月末まで八カ月間で、野焼きが五十五件、不法投棄などは二十九件、それから保管基準違反というのが三十九件、合計百二十三件になっております。
 その中の一つに、栗東町にある株式会社RDエンジニアリングの産業廃棄物安定型最終処分場の問題がございます。私も現場へ行って調査をしてまいりましたけれども、ここには約四十一万トンの廃棄物が埋められております。ことし一月、県の硫化水素調査委員会のボーリング調査で、わずか深さ九メートルの地点から、致死量の二十倍という一万五二〇〇ppmの硫化水素が検出されました。
 この県の硫化水素調査委員会の見解では、一つに、一万五二〇〇ppmは通常の安定型処分場で発生する濃度とは考えにくい、二つには、原因究明と対策のためには、高濃度区域の特定と九メートル程度までの掘削が必要である、三つ目には、高濃度区域に、作業者の安全性、付近への悪影響等がないように、ガス抜き管を敷設し、低濃度になるまで硫化水素処理を実施した後、掘削調査を行うべきである、四つ目には、あわせてボーリングコアの分析が必要であるというものでございました。
 現在は、除去設備を設置してガス抜きを開始しているところです。一方、ボーリングコアの分析結果を急いでおります。
 そこで、早急に処分場全体での掘削調査などを行って、人体に有害なガスなど発生するはずのない安定型処分場で、高濃度の硫化水素が発生しているその原因、それから汚染範囲、これを特定する調査というものをする必要があるというふうに思うのですが、この点については、厚生省にお答えをいただきたいと思います。
 さらに、これだけの高濃度の硫化水素が発生しているのですから、周辺住民だとか環境に対する影響というのが心配されるところですが、これに対する環境庁の見解も述べていただきたい。
 厚生省、環境庁の順でお答えをいただきたいと思います。
#52
○岡澤政府参考人 硫化水素は有機物の腐敗によって生じるガスでございますけれども、御指摘の安定型処分場では、基本的に有機性の廃棄物を持ち込ませないように規制を考えていて、そのために、安定型処分場ではこういうことは起きないだろうというふうに想定されていたわけでございます。
 しかし、実際には安定型廃棄物と一緒に有機物が混入されるような事例がございまして、全国的にもこうしたことが報告されておりましたので、平成十年の六月からでございますけれども、処分基準の規制を強化いたしまして、搬入する廃棄物については展開検査を義務づけること、また、有機物の付着するようなものについては持ち込ませないというふうな規制を徹底させたわけでございます。
 しかし、御指摘の栗東町の産廃処分場のケースは、それ以前に埋立処分が行われたものでございますので、何らかの理由によって硫化水素が発生したというふうに考えられるわけでございます。
 御指摘のように、昨年の十一月に、滋賀県では栗東町小野地先産業廃棄物最終処分場硫化水素調査委員会というものを設置いたしまして、この委員会において汚染の原因、汚染の範囲というものを調査しているところでございまして、私どもとしてもそれを見守っていきたいというふうに考えております。
#53
○廣瀬政府参考人 栗東町におきます産廃処分場の硫化水素にかかわる悪臭苦情については、平成十一年十月ごろから発生し、同町で平成十一年十月二十七日から、最終処分場敷地境界において硫化水素の簡易測定を毎日実施しております。
 これまでの調査では、簡易測定ではかれるレベルの濃度は検出されていない。ということは、濃度レベルでいきますと、〇・二から六・〇ppmまでいっていないということになりますが、その程度のレベルであれば周辺環境への影響はないと栗東町では判断しているということでございます。それに基づきますと、先ほど申した〇・二から六というところであれば不快感という感じのところが起こってくるという形でございまして、二〇ppmであれば刺激が強くなって耐えられなくなるということになります。ですから、その前の段階で、なおそのレベルまで達していない、つまり簡易測定でははかれないレベルのところになっているということです。しかし、硫化水素の持っている特性がございます。そういうことで、栗東町では、この問題が解決するまでの間、硫化水素にかかわる測定を継続して実施していきますということになっております。
#54
○藤木委員 環境庁、それじゃ困るんですよね、もう本当に気分が悪いということで住民から苦情が出ているわけですから。その辺のところをしっかりと認識をし直していただかなければなりません。
 それから、厚生省が言われたのは、以前の分については有機物が混入する可能性があるんだと言われましたけれども、事業者は、有機物は入れていない、こう言っているわけです。ところが、この超高濃度の硫化水素発生の主な原因というのは、結局、生ごみだとか、それから廃油汚泥だとか、人間や動物の血液や体液、こういったものを含むさまざまな腐敗性の有機物であるということはもう想像にかたくないわけですね。
 一部に、硫化水素の発生は、廃棄物の中に木材だとかあるいは石こうボードなどが埋め立てられていたためだという見解も出ているようです。しかし、今回の北尾団地への流出事故というのは、そんな木材などの腐敗によって生ずる硫化水素の量ではとても説明できない規模でありますし、かつ、メタン、一酸化炭素ガスなど別の化学物質も大量に発生をしていることを考え合わせますと、そういった議論が成り立たないというふうに私は思うわけです。
 また、住民と県による立入調査では、血液らしいしみのある脱脂綿、注射針、薬品の瓶などおびただしい量の医療廃棄物が見つかっております。また、元従業員の方々からも、恒常的に人間の血液や廃油、焼却灰、感染性医療廃棄物を埋めるという違法操業が続けられていたという数々の証言もございまして、それに裏づけられているわけですから明らかだと思います。
 こうなりますと、安定型処分場として適正であるか否かということが問われるわけですけれども、これは埋め立てられている廃棄物そのものから十分判断できることじゃないんですか。
 私は、RDエンジニアリングがどのようなものを埋め立ててきたのか、詳細な報告を求めるべきだと思いますし、汚染した廃棄物の撤去を前提に対策を求めるべきだと思うのですが、厚生省、どうですか。
#55
○岡澤政府参考人 滋賀県の方から、RDエンジニアリングに対しまして、どういう廃棄物を埋め立てたのかという過去の報告を求めておりますが、この報告の結果では、RDエンジニアリングは安定五品目のみしか処分していないということでございました。しかし、御指摘のように、必ずしもそういうことでもないのではないかというような疑いもございますので、まずは、滋賀県の方で、何が埋立処分されていたかにつきまして、排出事業者の聞き取りを含めた調査を実施していきたいというふうに言っておりますので、とりあえずはそういうことで対応させていただきたいと思います。
 それからまた、その結果、さらに必要なことがあれば、現在、高濃度汚染地区についてはボーリングをしているわけでございますけれども、そういうデータも利用いたしまして、どういうものがどういう形で埋め立てられていたかということについての解明を進めていきたいというふうに考えております。
#56
○藤木委員 それは、排出者に問いただすということもおやりになったらいいですけれども、ボーリングコアの性状分析の結果というのを急ぐべきではないでしょうか。県の調査が始まりましたのは、一月十四日から二十四日までの十日間ですね。この間に一万五二〇〇ppmというのを検出しておりまして、同時にコアもとっているわけですよね。もう三カ月以上経過しているわけです。ですから、これはぜひ急ぐべきだと思います。
 この県のボーリング調査結果でも明らかなように、埋立地の中は高温でして、表面からわずか二メートル、この程度のところで最高温度が六十四・一度、こういうことになっているわけです。最も低いところでも十五・一度です。四十五カ所の平均が二十五度というふうになっているわけです。これは、広い範囲で、どの深さでも高い温度になっているということでございまして、細菌が分解する腐敗性の有機物がいっぱい埋め立てられているということを示しております。大量の硫化水素やメタンの発生が何よりの証拠ではないでしょうか。
 今回の流出事故のように、多様な化学物質が廃棄物の中で起きているということになりますと、発生する化学物質はガスだけではありません。プラスチック類と反応いたしまして発がん性の強い1・4ジオキシンなどの物質を合成いたしましたり、あるいはビスフェノールAなどの環境ホルモン類を溶出させるという可能性もないとは言えません。
 ですから、環境庁にお伺いをいたしますけれども、地下水が汚染していないかどうか、ボーリング調査を行うとかあるいは池の生物調査など、十分に調べる必要があると思うのですが、いかがですか。
#57
○岡澤政府参考人 周辺の地下水汚染に対する問題でございますけれども、最終処分場に係る技術上の基準というのがございまして、それに基づく命令によりまして、事業者が周辺の地下水が汚染されていないかどうかについて調査をしなければならないということになっておりますので、そこについて報告徴収を求めまして、その結果では、周辺の地下水汚染が生じていない、問題がないということを確認しているというようなことでございます。
 しかし、原因究明をさらに確かなものとして、あるいは周辺の汚染のおそれというものを確実に捕捉するということから、現在、滋賀県では調査委員会を設けて検討を行っているところでございまして、先ほどお話がありましたように、ボーリング調査等も行っておりますので、そうしたボーリング調査の結果等を踏まえまして、周辺の環境汚染をしない、あるいは中身がどうなっているかというようなことを確認する上でさらにどういう調査が必要か、県とも十分相談してまいりたいというふうに考えております。
#58
○藤木委員 事業所任せ、地域任せ、そんな気がいたします。今ボーリングしているというのは、高濃度区域の調査になっているんですよ。しかし、私が申し上げているのは、処分場全体の調査が必要だということなんですね。ですから、事業所が調査をしたその水質の調査の結果というものを裏づけられるような根拠を示すということがなければ、住民は信用できません。
 安定型最終処分場の構造基準及び維持管理基準というのでは、埋立地の外に廃棄物が飛散あるいは流出しないような必要な措置を講ずることというのを決めているんじゃないですか。また同時に、埋立地の外に悪臭が発散しないような必要な措置を講ずることをも求めているはずです。ところが、RDエンジニアリングの処分場では、西側にも南側にも飛散、流出防止の対策はとられておりません。今回の硫化水素流出事件のように、有害ガスまでが廃棄物全体から大量に発散される、こういう状況を招いているわけです。この処分場は構造基準及び維持管理基準の違反が著しい状況と言わなければなりません。
 この処分場は廃止するとされておりますけれども、産業廃棄物最終処分場に係る廃止の基準というのがございます。これでは、埋立地からのガスの発生がほとんどなくなったということが見届けられた場合、またはガスの発生量の増加が二年以上にわたって認められない、こういうことを廃止の要件としております。
 そこで、この処分場は今まさに大量の硫化水素が流出し続けているわけですから、廃止に当たっては、まずこの問題の根本的な解決が必要だと思うのですが、厚生省の見解はいかがですか。
#59
○岡澤政府参考人 先生御指摘のように、安定型処分場を廃止するためには、廃止基準に適合しているというふうな状態を確認することが必要でございます。廃止基準といたしまして、御指摘のありましたように、最終処分場の外に悪臭が飛散しないように必要な措置が講じられていることとか、埋立地からのガスの発生がほとんど認められないこと、またはガスの発生量の増加が二年以上にわたり認められないこと、それから埋立地の内部が周辺の地中温度に比して非常な高温になっていないことというようなことが定められているわけでして、現在の状況ではこうした基準に適合していないというふうに考えられておりますので、当然、この処分場の廃止につきましても、この基準に即して判断するということになると思います。
#60
○藤木委員 今、硫化水素ガスの処理対策装置というのを稼働しておりますけれども、朝の始動開始時には千数百ppm出ている。数時間たちますと八〇〇ないしは九〇〇ppmに落ちるということはあるわけですけれども、次の日にはまた高濃度に戻る、こういう活発な発生を示しているわけです。
 ですから、こうした状況の中で、少なくともガス溶融炉の試運転などというのは論外でありまして、これは認めるべきではないということも申し添えておきたいというふうに思います。
 このRDエンジニアリングの処分場は、九一年ごろから北尾団地の一部を買い取り、住宅地に近づいてまいりました。このころから煙、ばい煙、悪臭、騒音が目立ってきておりまして、地域住民は、直接被害に遭った人たちがRDエンジニアリングに対して抗議を申し入れておりますし、県にも、町に対しても訴えてまいりました。しかし、何ら改善はされてきませんでした。
 今回の硫化水素の流出も、去年の九月ごろからにおっていたんですよ。十月と言われましたけれども、あれは誤りです。九月です。十月の中旬になって、実は、湖南消防署が北尾団地側の排水升内で五〇ppmを検出して初めて県当局が調査に動き出す、こういうことだったわけです。
 県は、一九七九年に最終処分業の新規許可を与えまして、八九年には廃棄物処理法改正に伴う処分業の許可や、九四年に第二処分場の設置許可を与えていながら、最終処分場の処分容量を超えて産業廃棄物が処分されたとして、改善命令を発して容量を超えた廃棄物の搬出を指導したというのは九八年の六月なんです。今日までRDエンジニアリングに対して十分な指導監督を怠ってきた県当局は、今こそ住民を守る、環境を守る、その立場に立って断固たる措置をとる責任があると考えております。
 そこで、県知事は議会の答弁で、不適正処理だとか不法投棄の行為が行われた場合には法に基づき的確に対処すると答弁しております。ところが、周辺住民はこれまでの県の対応から不信を持っておりますから、ここでぜひとも、原因物質そのものを場外撤去させるというような措置命令を出すなど、厳しい指導をすべきだと考えるのですが、厚生省、どうですか。
#61
○岡澤政府参考人 先ほど申し上げましたとおり、現在、滋賀県において調査委員会を設置しておりまして、高濃度の硫化水素が発生した原因、それからこの後の対策について検討を行っているところでございます。この検討結果を踏まえまして、当然、滋賀県によりまして、基準に照らして適正な措置がとられるものというふうに考えております。しかし、この措置が適切かどうかにつきましても、国としては十分フォローして、相談させていただきたいと思います。
#62
○藤木委員 ぜひ早急に原因物質を場外撤去させるという指導を強めていただきたいと重ねて要望しておきます。
 そこで、悪臭から周辺住民の健康と生活環境を守るという環境庁の立場として、厚生省とも協力をして、周辺住民に被害を与えないように早急に解決を図っていただきたいと思うのですが、大臣、いかがでしょうか。
#63
○清水国務大臣 ただいまの件につきましては、政府参考人から御答弁いたしましたように、滋賀県において、専門家によります調査委員会が設置されて、硫化水素の発生状況の現地調査でございますとか、原因究明等について調査しているというふうに伺っております。環境庁といたしましても、県からも十分状況を聴取いたしまして、必要に応じ、悪臭防止の観点から必要な技術援助を行う等、協力して問題解決に当たりたいというふうに思っております。
 また、環境庁としては、平成九年十二月に安定型処分場で埋め立てることができる廃棄物を限定し、十年の六月には、廃棄物を搬入する際に中身をあけるような展開検査を義務づける等の最終処分場の維持管理基準の強化を図ってきたところでございますけれども、今後とも、必要な調査研究を行いまして、基準の見直し等必要な対策に取り組んでいくところでございます。
#64
○藤木委員 ですから、厚生省は、安定型最終処分場で、有毒ガスの硫化水素の発生状況の一斉調査を始めているわけですね。この夏にも実態をまとめて報告をするということになっているわけですけれども、問題の処分場への改善指導をするというふうに聞いておりますが、私は、硫化水素の調査にとどまらないで、その他の有害ガスや有害物質もあわせて、安定型処分場の安全性、適正処理を調査すべきだ、このように思います。しかし、それはあくまでも全国約一千八百カ所の許可を受けた安定型処分場が対象となっているわけですね。
 ですから、四月十八日に私が当委員会で取り上げた、やはり滋賀県大津市の真野北部土地改良区での残土にまぜた建設廃材などの不法投棄地域は、対象になっていないわけです。あの地域では、ごみがまじっていて廃棄物と認定されながら、残土が撤去されずに山積みされているという場所がございましたり、ごみがまじっていながら廃棄物と認定されない残土が、これまた山積みになって放置されているというところがたくさんあるわけです。まさに産廃銀座と言われるように、不法投棄のやり放題であります。しかも、悪臭防止法による規制地域と規制地域外の苦情件数では、廃棄物最終処分場の場合、地域内は三十一件、地域外の方が多うございまして、三十二件になっております。
 そこで、このような規制地域外でごみがまじっていても廃棄物と認定されない建設残土、こういった捨て場から発生する悪臭についても早急に規制できるようにすべきだというふうに思いますが、大臣、どうですか。
#65
○清水国務大臣 悪臭防止法というのは、規制地域内におきます事業活動に伴って発生する悪臭を規制するという性格のものでございます。したがいまして、規制地域外における事業活動に伴います悪臭は規制対象外になります。したがいまして、環境庁といたしましては、現在、規制地域外の地域につきましても、問題があれば、ぜひ地域の実情に応じて規制地域を拡大するということを助言しているわけでございます。
 さらに、悪臭防止法第二十二条におきまして、法に規定するもののほか、条例で必要な規制を行うことを認めているわけでございまして、地方公共団体におきましては、法の対象とならない地域あるいは事業活動につきましても、独自の条例を制定して対処する例がございます。例えば管理基準を設定いたしましたり、施設の届け出制をつくりましたりというようなことで例がございます。また、それ以外の場合にも、行政指導等によりまして対応を図っているところでございます。
#66
○藤木委員 もう時間ですから、これで終わりますけれども、やはりすき間があるのですね。そのすき間の部分で住民が苦しんでいるわけです。ですから、そういうことに対応できるような措置をやはりとっていただきたいというふうに思いますし、対処もしていただきたいということを強く求めて、質問を終わらせていただきます。
#67
○細川委員長 武山百合子さん。
#68
○武山委員 自由党の武山百合子でございます。早速悪臭防止法の一部改正に対する質問ということでしたいと思います。
 最近、私は、神奈川県の厚木の米軍基地に行きまして、大変ショックな悪臭に接してまいったわけなんですけれども、今回の法改正の部分とこの厚木の基地の悪臭とを照らし合わせまして、何がどう変わっていくのかということをぜひ政府として説明していただきたいと思います。
 まず、厚木に行きましたら、大変な悪臭なんですね。環境庁長官も視察されたということで、あそこには産業廃棄物の事業をやっている方と、ちょうど隣に養豚経営、豚小屋が厚木基地の住宅の屋上から見えたのですが、養豚の豚舎というのですか、それと二つ、地域的にあるわけですね。そこで、離れたところで視察した時点でも大変な悪臭だったのですけれども、この悪臭の視点から質問をしたいと思います。
 この悪臭は、今回の法律によってなくなるのでしょうか、まずお聞きしたいと思います。
#69
○清水国務大臣 今先生御質問のエンバイロテックを含む周辺地域というのは、悪臭防止法の規制地域外でございます。したがいまして、悪臭防止法に基づく規制措置を講ずることはできません。
 今の御指摘のように、そこで起きている悪臭というのは、エンバイロテック周辺にあります豚舎から出る悪臭でございまして、エンバイロテック自身に対する苦情というのは平成十年に一件申し立てられましたけれども、あとはやはり豚舎への苦情でございます。
#70
○武山委員 それは、苦情の申請によってそこを対象にしようという、苦情の申請によってなんでしょうか。
 大体、あそこへ行きましたら大変な悪臭で、人間であればだれもが感じる悪臭だと思うのです。ああいう場合、私はこの悪臭防止法の対象にもすべきだと思って、感じて帰ってきた一人なんですけれども、規制外だから、規制内だからというその線引きの基準は、いつごろ決まったのか。それに、現実にああいう悪臭であれば、規制内とか規制外とか言っていられないと思うのです。
 それで、このにおいは、この法律が通過しましても、適用されるのは平成十三年からですね。そうしますと、あの場合、規制外だからということなんでしょうか。その辺、ちょっと御説明いただきたいと思います。
#71
○清水国務大臣 その地域を規制地域にするかどうかというのは、これはあくまでも都道府県知事の御判断でございます。そして、その御判断のもとは、やはり住民からの苦情等も参考にしているというふうに思います。
 今、それでは何もしないのかということでございますけれども、今出てきておりますのは、豚舎が二つあるわけなんですね。一つのところでは四千頭の豚がいる、それからもう一つは七百頭の豚がいるというようなことで、その辺の豚舎自身からと、それからそれに付随いたします堆肥製造施設、そこからの悪臭というふうなことでございます。
 このために、これは指定地域ではないにしても、県、市の環境部局と農業部局が連携いたしまして指導を行っているところでございます。例えば、昨年度は堆肥の製造施設を壁で囲う措置を行いましたり、また、現在は、臭気を低減するための堆肥生産にかかわる技術的な指導を行っているわけでございます。
 今後も、引き続きまして県及び市によります行政指導が行われると聞いておりますし、また環境庁といたしましても、必要な技術的な援助は行っていきたいというふうに考えております。
#72
○武山委員 そうしますと、あそこの悪臭が、県の行政指導ということですけれども、今後この法案が通りましたら、平成十三年施行ですね、実際の改正される部分というのは。しかし、一年もあるわけですから、県に行政指導、もちろんされるわけですけれども、例えば今回の法改正によりますと、臭気判定士という方々、試験する人、臭気をかぐ人、その人は近所から募集するというわけなんですね。それから、簡単な嗅覚テストに合格した六人がどのように感じるかという感じ方でされるということです。
 この試験者というのは近所から募集するということなんですけれども、これは、例えばあそこの場合はあの近辺から募集するというふうに判断してよろしいのでしょうか。
#73
○清水国務大臣 必ずしもそう決めたわけじゃございませんけれども、恐らくそういうふうになるだろうというふうに考えます。
#74
○武山委員 例えば、そういう場合、これはある程度データがあって、確実なデータから聞いた話ですので、信憑性は一〇〇%じゃないかと思いますけれども、何しろ神環保のあたりのにおいというのは、私は、確かに四千頭と七百頭ですから、四千七百頭ですから、ほとんどあそこのにおいかなと今お話を聞いて思うのですけれども、でも本当にそうなのかなという、判断というのは聞いただけではわからないと思うのです。実際に、どちらからというのは、両方とも検査してみないとわからないと思うのです。ですから、そういう意味では、両方とも今後検査されると思うのです。その場合、環境庁はきちっと行政指導するのでしょうか。
#75
○清水国務大臣 実際に調べまして、もし問題があれば、当然のことながら指導をいたします。
#76
○武山委員 問題があればというのは、言葉じりをつかまえるようですけれども、問題はあると思うのですよ、現実に大変なにおいですので。もうだれが見ても、行っても確実に問題だと思うのです。あそこのにおいは。だれが行っても問題だと思います。人間であれば必ずあのにおいはうえっというにおいですので、問題だと思います。
 それは、されるということで、私は環境庁を信じたいと思いますし、行政指導を環境庁から受けられる神奈川県の方も信じておりますし、今後その過程を、推移をきちっと見て、また報告もしていただきたいと思います。
 そういう場合、臭気判定士が委託されて、そして臭気を判定するわけですけれども、化学物質のにおいだとか畜産のにおいだとかいろいろあるわけでして、問題はやはり人体に影響を及ぼす化学物質だと思うのです。そういう化学物質もきちっと、畜産関係なのか、これがどんな物質なのか、細かく、本当に針の穴までじゃなくて、大体、この臭気判定士というものはわかるものなのでしょうか。
#77
○清水国務大臣 例えば農業が原因で出てきているにおいなのか、あるいは化学工場から出てきているにおいなのかというようなことは、かなりわかるそうでございます。
#78
○武山委員 そうしますと、データを見ますと、全国で苦情の件数が、平成十年で二万件に達しておるわけですけれども、今、環境庁からの資料によりますと、全国で千六百人臭気判定士がいるということですね。ところが、二万件の現実に対応はとてもできない現状だと思います。
 今後、どのように人をふやしていって、そして対応していくのでしょうか。
#79
○清水国務大臣 今、臭気判定士が十一年度末で約千六百人だということでございますけれども、これから市町村が臭気測定体制をきちんと確保するために、臭気判定士をさらに増加しなければならないというふうに私ども思っているわけでございます。今後、規制地域を拡大する自治体がどのくらいふえていくだろうかという見込みを立てなきゃいけないわけでございますけれども、そういうことを考えますと、おおむね五千人程度は必要ではないかというふうに考えているところでございます。
 なお、地方公共団体が直接測定を行う体制も充実させなきゃいけませんから、地方公共団体の職員を対象にした測定技術研修も行っているわけでございますけれども、これまでに千人の方々がそういう研修を終わっているところでございます。
 こうした方々を加えながら、今後とも臭気測定体制の充実強化を図ってまいりたいというふうに考えます。
#80
○武山委員 それでは、例えば、今二万件あるのですけれども、ちょっと時間がかかって、今千人がテストに受かっている状態だ、二千六百人になりますね。そうしますと、この二万件が、来年、再来年と短期の目安で見ますと、これは確実に減るという青写真があるのでしょうか。
#81
○清水国務大臣 それは、このたびの対応で確実に減るだろうというふうに考えております。
#82
○武山委員 そうしますと、規制区域を広げていくということですけれども、私は、もう危機管理で全部規制にしたらいいと思うのです。規制外だから、規制内だからというよりも、これだけ件数が多いということは、もう危機管理で全部規制にしてしまえば何も問題ないわけです。言葉一つかえればいいと思うのですよ、全部を規制区域とすれば。規制区域外だから何をしてもいいという発想で必ず起こり得ることだと思うんですね。その辺は、規制区域を少しずつふやしていこうとしているのか、あるいはもっと広く大きな目で見ようとしているのか。
 これだけ、平成九年から平成十年にかけて急激に五千件も苦情自体がふえているわけですよ。中には我慢している人もいると思いますので、潜在的に見ましたらもっと多いんじゃないかと思うんです。やはりその辺を大きな視点で見ないと、外だから、内だからという発想はいかがなものでしょうか。
#83
○清水国務大臣 この法律は事業活動に伴って起きます悪臭に関して地域を指定しているわけでございまして、考え方といたしましては、今先生のおっしゃるように、指定地域外でも悪臭苦情が問題になっているんだからもっと広げたらいいんじゃないかという御趣旨の御質問でございますけれども、私どもも、当然のことながら、そういった問題になったときには、当該地域を管轄する都道府県知事が地域の状況に応じて順次規制地域を拡大する、この方向で今まで進んできたわけでございますし、国といたしましても、自治体から状況を聞きまして、必要に応じて規制地域を拡大する方向で自治体に助言しているわけでございまして、今後ともそういった方向で進んでまいりたいというふうに思っております。
#84
○武山委員 そうしましたら、厚木基地の周辺のは自治体自体がほとんど対応していなかったんじゃないかと思うんですね。あんなひどい状態で今まで放置されていたというか、ほったらかしておいたというか、何しろ手をこまねいて何もしなかったという状態であろうと思うんです。それで、時間がかかればかかるほど悪臭というのはひどくなって、対応がおくれているというふうに私は認識しているんですけれども、環境庁は、その辺はどういうふうな指導をしたんでしょうか。
#85
○清水国務大臣 先生の御指摘でございますけれども、では、今具体的に苦情の状況がどうなっているかといいますと、エンバイロテックに関しましては、平成十年に一件ございました。十一年にはゼロでございます。養豚場に関しましては、平成十年で八件、それから十一年になりまして一件というふうなことでございます。
 この問題につきましては、当然のことながら、例えば、エンバイロテックに対しましても、悪臭の発生については注意して作業を行うように指導しておりましたり、養豚場のところでは遮へいしたり、いろいろ行政的に指導している。確かに指定地域ではございませんけれども、そういった問題が出たときに具体的な行政指導をしているということを申し上げたいと思います。
#86
○武山委員 今のお話を聞いて、エンバイロテックの方が一件で、養豚の方が八件だと。日本人は臭覚が劣ったんでしょうか。信じられない人数ですよね、無関心というか、人のことだと思っているのか。ぜひ環境委員会の委員長も行って現状を見ていただきたいと思います。申請がそれだけだからといってあれをほっておくんだとしたら、では日本の環境行政は何なんだと問われると思うんですね。申請されないから、されたからというよりも、現実にそうであるというものに対しては、やはり積極的に対応していくべきだと思います。これが日本の環境行政だと思うんです。
 それから、命令違反に対する罰則ですけれども、では、あそこが今後そういうことに対してきちっと対応しなかった場合はどんな罰則の規定があるんでしょうか。
#87
○清水国務大臣 これが指定地域になりますれば、罰則としまして一年以下の懲役それから百万円の罰金がございます。
#88
○武山委員 命令違反がそういう罰則があるということで、環境庁長官は百万円の罰則でそういう違反者が減ると思いますか。
#89
○清水国務大臣 罰則をつけたら減るかどうかというお尋ねでございますけれども、罰則があるからではなくて、やはり私どもといたしましては、こういった法改正をいたしまして、そして実効が上がるようにしていくわけでございますので、指定地域内の事業所の方々には、当然のことながら、この趣旨を徹底させながら、御協力いただくということをしていきたいというふうに思っております。
#90
○武山委員 この法改正を受けて、市町村、県、この対応がやはり一番大事だと思うんです。現実に国の方はやはりそこまで目を行き届かせるということは大変だと思うんです。地方に例えば環境庁の出先機関があるわけじゃありませんし、そういう意味では、市町村、県の対応がやはり一番大事だと思いますので、最後に環境庁長官がおっしゃった周知徹底させるということがやはりまず第一の役割だと思いますので、ぜひ環境行政上やっていただきたいと思います。
 以上です。ありがとうございます。
#91
○細川委員長 中川智子さん。
#92
○中川(智)委員 社会民主党・市民連合の中川智子です。
 悪臭防止法の一部を改正する法律案について質問したいと思います。
 私も、ここ半月ばかりの間に、近所といってもかなり離れているんですが、歩いて三十分ぐらいのところに工場が一つあって、近辺の何人かの友人が、中川さんはここに立っていてちょっと何かにおいを感じないかと言われたんです。くんくんやってみたんですけれども、そのときは余り感じなかったんです。だけれども、その人たちはやはり日常的にそこに暮らしていて、風の向きとかいろいろなことで非常ににおいが気になる、そして特に子供たちが臭いと言うとかというふうな感じで、においというのは人によっての感じ方。また、日本人というのは、だんだんうまくできてきたのかなと思うんですが、こんなふうに悪臭が問題になる時代になってきて、花粉症も一方でひどくなってきて、鼻がきかないとかいろいろそういうふうになってきて、人間の体というのは本当に複雑だし、においということに対しては非常に個人差もあると思うんです。
 私は、昔、私たちが子供のころというのは、非常に気になるにおいとか不快なにおいとかありましたが、なぜそのにおいがそこから発せられるのかとか、そのにおいの原因というのがある程度自然の循環の中でやむを得ないにおいとして、発生が割とわかる、目に見えるということで余り不安も抱かなかったと思うんですね。
 最近のにおいというのは、何のにおいだかよくわからない、そして心理的にそれが自分の体にとって非常によくないんじゃないか。非常に不快感とか嫌なにおいだということと、プラスアルファ、このにおいを自分が吸うことによって自分の健康にやはり被害が出てくるんじゃないか。根っこがわからない、何が原因になってこういうにおいが発せられるのかわからないというところが、やはり人々の不安を呼ぶ大きな原因だと思っています。
 ですから、今回のこの法律が、一歩前進ではありますけれども、やはり情報公開というか、においの不快感、そして健康被害のいろいろな不安とかということに対して、においを発する工場が一体何をつくっていて、何ゆえにこういうふうなにおいを近辺にばらまいているのかということと、敏感な人、鈍感な人、個人差があったとしても、やはりそれは、その苦情を訴える人たちの多くは我慢している。私もいろいろな人ににおいの苦情を聞いたときに、ほとんどは我慢しているのですね、みんな我慢しているのだろうと。これくらいで文句を言ったら、こういうふうなところに暮らしていて、余りそれが社会的に問題になったら土地の値段が下がるとか、家が売れなくなるとか、いろいろあります。ですから、後手後手に回ってこういうことを解決していくのではなくて、やはり環境行政、将来的に快適な環境づくりということでは先手先手を打っていかなければいけないというふうに、基本的に私はこの法案を審議するに当たって感じております。
 第一点目の質問なんですが、この今回の法律も中央環境審議会の答申を受けての政策決定があったと思われますけれども、その中環審の位置づけからまず大臣にお伺いしたいと思います。
#93
○清水国務大臣 中央環境審議会、これは環境庁が環境行政を進める上で非常に重要な委員会でございまして、そこでいただきます答申、重要な指針であるというふうに認識しているところでございます。
 御指摘のように、今回の悪臭防止法の改正にいたしましても、ことしの三月に中央環境審議会の答申をいただいたわけでございまして、この答申を踏まえて今回の法案をまとめたわけでございます。
#94
○中川(智)委員 答申の中身は大きくは四つの柱というのがあると思いますけれども、柱のうちの二つ、今の質問の関連ですが、大臣の答弁の中で、答申を踏まえて今回の法案がまとめられたとおっしゃいましたが、事業者の責務規定の部分と野外焼却の禁止規定の強化というものが盛り込まれていない、これが今回の法律になぜ盛り込まれなかったのかということが私は大いに疑問としてございますが、これに対してはどのようにお考えでしょうか。
#95
○清水国務大臣 まず一つ、事業者の責務規定をどうして設けなかったのかという御質問でございますけれども、実は環境庁におきまして、この法案作成に当たりまして、これを入れることを検討したわけでございますけれども、あらかじめ地域を指定して、そして規制を行う制度をとっております現行の悪臭防止法の体系とすべての事業者の責務規定を明定することについては、必ずしも法制上整合性がないというふうな御判断もございまして、そういった意味で、今回は改正案には盛り込まなかったということでございます。
 それから、もう一つの野外焼却の部分につきましては、これは、今回出されました廃掃法の方の手当てで十分対応できるという判断がございまして、盛り込まなかったということでございます。
#96
○中川(智)委員 廣瀬保全局長にちょっと伺いたいのですが、例えば、今大臣から御答弁ありましたみたいに、野外焼却の方は廃掃法の方と。今回いろいろ事故が起きているのは、自然発火なんかが多いですね。自然発火の部分がちょっと心配なので、野外焼却はあらかじめ禁止したとしても、意図しないで古タイヤなんかが自然発火で燃えた部分に関しては、今の法律でカバーできるのかというところはどうでしょうか。
#97
○廣瀬政府参考人 自然発火ということでございますが、今回、事故時の対応という形の中で十分拾っていけるというふうに考えております。ですから、そこを強化してございます。そして、市町村長の強い命令が出るという形がとられております。ですから、廃掃法の中で野外焼却という場合には、有価物というふうな見方はされてこない、今後の廃掃法の関係でくればそうなってくるということになりますから、先生のおっしゃるように、自然発火的、事故的な処理の仕方について悪臭を伴ってくる場合にはこれによって対応できる、そして、早いうちににおいを感知することができるわけですから、当然その措置体系を、直ちに市町村長が命令を出せるという形になります。
 それから、廃掃法の基本的な措置のところは県の方の権限に移っておりますので、当然、においを感じて、市町村長が住民の健康を守る形からも意見を申すことができるという形になりますから、今回の廃掃法の改正と悪臭防止法の改正をすることによって、市町村長の法の運用の仕方はより的確になるというふうに理解しております。
#98
○中川(智)委員 わかりました。
 では次に、今回、私もこの法案を伺ったときに、臭気判定士という仕事がこの世にあるのだというのを知ったのですが、もう既に千七百人近くの方がいらっしゃるということなんです。この臭気測定業務従事者、いわゆる臭気判定士に関する制度の法律への規定は、今年三月の中環審の答申にある臭気指数測定体制の充実強化を図るためというようなことで理解していいのかどうかを伺いたい。柳本政務次官にお願いいたします。
#99
○柳本政務次官 お答えいたします。
 この四月から、地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律の施行に伴いまして、悪臭防止法の規制及び測定に関する事務が市町村の自治事務となることから、市町村による測定体制の整備が求められているところでございます。
 このため、市町村長の測定業務の円滑な実施に資するよう、人の嗅覚を用いて悪臭の測定を適正に行うことのできる者に係る試験に関する事項などを規定することによりまして、臭気測定業務従事者、いわゆる臭気判定士でございますが、この位置づけを法律上明確にいたしまして、市町村が適切に活用を図ることができるように規定を置いたものでございます。
 この改正案の内容は、先生御指摘のとおりでございまして、中央環境審議会答申にある臭気指数測定体制の充実強化に対応したものでございます。
#100
○中川(智)委員 わかりました。五年前にこの悪臭防止法が改正されたときに、特定悪臭物質規制に加えて、ただいま次官がおっしゃったように、臭気指数規制というのが導入されていますけれども、このときに中環審の答申がありまして、その中に複合臭という言葉がありまして、複合臭に対応する必要があったためというふうに出されていますが、その複合臭というのがどういうものか、ちょっと言葉で説明していただきたいと思います。
#101
○廣瀬政府参考人 複合臭というのは、さまざまな原因物質がまじり合った臭気でございまして、悪臭原因物質が複数あると、相互作用することによって単独の悪臭原因物の場合よりも人の嗅覚に強く感じられる、つまり、単独のアンモニア臭よりは、別なものがまじった場合にはもっと強く人間は悪臭として感じることがあるということでございます。
 そして、複合臭に対する苦情については、アンモニア等の単独物質の濃度に対する規制では対応が困難ということになります。においを全体としてとらえる嗅覚測定法を用いた規制によって、的確な対応が可能になるということになります。
 ですから、より苦情に即応した形での対応がしやすい、それから、苦情を出した人たちも改善度を臭気判定の中でよくわかってくるという形になります。ですから、対策についても、より簡便な方法で臭気指数をとって臭気判定士が動きますので、対策一つ一つについての効果についてもかなり具体的に評価しやすくなるという形になります。
#102
○中川(智)委員 嗅覚測定法を導入しているのは地方自治体の方が先行しているというふうに伺っていますが、複合臭に嗅覚測定法という方式を導入している自治体というのは全国にどれぐらいあって、そして、条例等をきっちり定めているところもあると聞いていますが、地方自治体に関して、先行してやっているところの状況なり、現在やっているところの割合なり効果を教えていただきたいと思います。
#103
○廣瀬政府参考人 嗅覚測定法は、昭和五十七年に地方自治体に測定方法を示しました。そして、苦情実態によく適合する手法として普及を考えてきたわけでございまして、条例、要綱では、平成十一年度末時点で四十四の都それから道、県、市において取り入れられております。
 一方、悪臭防止法においては、平成七年に嗅覚測定法に基づく臭気指数規制が導入されまして、現在までに法律に基づく臭気指数規制を採用している自治体は三市でございます。
#104
○中川(智)委員 やはり住民の苦情とか、そして身近な環境の問題に対応するというのは地方自治体が本当に身近に対応できると思うんですが、今の局長の御答弁を伺っていますと、非常に少ないというふうに思います。
 中環審の答申によれば、「地方自治体が臭気指数規制の導入を円滑に実施できるよう国が適切な支援を行う必要がある。」というふうにしていますが、今どのように支援していらして、今後どのようにされていくのか、そこの明確な国の姿勢を問いたいと思います。
#105
○柳本政務次官 市町村に対する支援といたしましては、市町村職員に対する研修会の開催、また臭気指数測定マニュアルの作成による技術的支援等を行うことといたしております。
 また、市町村が必要に応じ測定を外部に委託できるようにするためには、平成十一年度末で約千六百人の臭気判定士を、今後、規制地域を拡大する自治体が増加をする見込みであることを勘案いたしまして、おおむね五千人程度の人数とする必要があるものと想定をいたしております。このため、パンフレットを活用した臭気判定士の役割についての広報活動等を行うことなどといたしまして、臭気判定士の確保に努めていきたいと考えております。
#106
○中川(智)委員 わかりました。臭気判定士の積極的な活用はぜひともお願いしたいし、国からの支援というのをもっと積極的にお願いしたいと思います。
 やはり参議院でも議論になりまして、きょうのこの審議でも問題になっておりますように、規制地域というのがあって、そして、私もこの間厚木には行ってまいりました。規制地域というのは、私は、後追いではなくて、このような悪臭に対する人々の不安及びさまざまな苦情を解決するには、まず日本全体で取り組むというのは当たり前のような気がしますし、厚木なども規制地域には入っていない。苦情に対しては今のところそういうふうに対応しているけれども、やはりそれはなっていく方向で、今回クローズアップされた厚木なら厚木で、なっていくというふうに長官はお考えなんでしょうか。そして、私が申しますように、やはり日本全土を対象にして、しっかりと今回の改正をきっかけに取り組んでいくべきだと思いますが、長官の御見解を伺いたいと思います。
#107
○清水国務大臣 悪臭防止法の性格がやはり事業活動に伴って起きます悪臭をいかにするかというようなことから発想しておりますし、地域を指定しながらやらなければいけないということもございますものですから、そういう規定になっているわけでございますが、先ほど来この問題は随分審議されました。したがいまして、私どもの答弁も、問題があるところについてはできるだけ都道府県で指定を広げていただくという方向で指導いたしますということを申し上げたわけでございまして、そういう方向に行こうかと思います。
 ただ、もう一つの問題は、先生も御指摘いただきました、臭気判定士がこれから活用されてくると思います。その問題は、今までそういった複合臭の基準がなかったわけですが、規制基準が六月には全部そろいますので、そういうことによりまして、臭気指数規制をする自治体がふえてくる可能性が非常に高うございます。
 こういうことで、やはり日本の全体的な悪臭をいかに規制していくのか。先ほど一番先に、悪臭だけでなくて、もっといい、アメニティーに富んだようなにおいをというようなこともございましたけれども、そういったような考え方にだんだん変わってくるのではないかというふうに思いますし、とりあえずは、問題があるところについては、できるだけ指定地域を広げていくという方向で進めていきたいというふうに考えます。
#108
○中川(智)委員 どうもありがとうございました。終わります。
#109
○細川委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#110
○細川委員長 この際、本案に対し、藤木洋子さんから修正案が提出されております。
 本修正案について、提出者から趣旨の説明を聴取いたします。藤木洋子さん。
    ―――――――――――――
 悪臭防止法の一部を改正する法律案に対する修正案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#111
○藤木委員 藤木洋子でございます。
 私は、日本共産党を代表して、議題となっております悪臭防止法の一部を改正する法律案に対する修正案の趣旨を説明いたします。
 修正案は、既にお手元に配付されておりますので、詳細な説明は省かせていただきます。
 その内容は、今回の法改正によるタイヤ火災等の悪臭を伴う事故等の措置の強化や現行法第十三条の規定では規制できない規制地域以外での野外の焼却を規制するため、何人も、ゴム、皮革、合成樹脂、廃油その他の燃焼に伴って悪臭が生ずる物を、公益上もしくは社会の慣習上やむを得ない場合または周辺地域の生活環境に与える影響が軽微な場合を除き、野外で焼却してはならないとして、同規定に違反した者に罰則を科すものです。
 以上、委員の皆様の御賛同をお願いして、趣旨説明を終わります。
#112
○細川委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#113
○細川委員長 これより原案及びこれに対する修正案を一括して討論に付するのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 内閣提出、参議院送付、悪臭防止法の一部を改正する法律案及びこれに対する藤木洋子さん提出の修正案について採決いたします。
 まず、藤木洋子さん提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#114
○細川委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。
 次に、原案について採決いたします。
 原案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#115
○細川委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#116
○細川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
#117
○細川委員長 次に、国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律案起草の件について議事を進めます。
 本件につきましては、先般来理事会等において協議してまいりましたが、本日、お手元に配付いたしておりますとおりの起草案を得ましたので、委員長から、本起草案の趣旨及び内容を御説明申し上げます。
 それでは、国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律案の起草案につきまして、私からその趣旨及び内容の概要を御説明申し上げます。
 御承知のように、今日、深刻化している廃棄物問題、地球温暖化問題などは、人類社会の持続可能性に対する脅威でありますと同時に、その原因が経済社会活動のさまざまな分野から発生する環境負荷の増大に由来するという特徴を有しております。
 これらの問題を解決するためには、経済社会のあり方を環境負荷の少ない姿に変革していく必要があります。
 こうした中にあって、需要側にある購入者が、環境負荷の低減に資する物品やサービスの積極的な購入、すなわちグリーン購入の拡大を図ることは、供給側にある生産者の環境負荷の低減のための行動を加速させ、持続可能な社会への変革を図る上で極めて有効な手段であります。
 折しも、今国会において審議中の循環型社会形成推進基本法案やリサイクル関係法案による循環型社会の形成を推進するためにも、需要側に関する施策は重要であります。
 とりわけ、環境保全という公益実現に大きな責任を持ち、かつ、購入者としても大きな地位を占める国等の公的部門が率先して、低公害車、低電力型のコピー機、再生コピー用紙などの環境物品等の調達を進め、これを呼び水として我が国全体の需要を転換していくことが有効であります。
 しかしながら、政府が平成七年の閣議決定により実施している率先実行計画による取り組みは、いろいろな制約からいま一つ十分な成果が上がっていない状況にあります。
 これらの状況にかんがみ、国等の公的部門による環境物品等の調達を推進するとともに、情報の提供等を通じ環境物品等への需要の転換を促進することを目的として、ここに、国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律案を起草した次第であります。
 次に、この起草案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、国や独立行政法人等における環境物品等の調達推進について、国が基本方針を定めることとしております。
 その上で、国会、裁判所、各省庁や独立行政法人等の各機関は、基本方針に即して作成する毎年度の調達方針の中で、具体的な環境物品等の調達の目標等を定めて、調達を行うとともに、年度の終了後、調達の実績概要を取りまとめ、公表することとしております。
 さらに、環境大臣は、各省各庁の長等に対し、調達の推進上特に必要な措置を要請することができること、各機関は、環境物品等の調達推進を理由として、物品等の調達量の増加をもたらすことのないよう配慮することとしております。
 第二に、地方公共団体については、地方分権という時代の要請を踏まえつつ、地域の実情に応じて、毎年度、環境物品等の調達方針を作成し、それに基づき物品等の調達を行うよう努めることとしております。
 第三に、民間部門における取り組みを促進するため、環境物品等に関する情報の提供について、まず、物品の製造事業者等は、その製造する物品等に係る環境負荷の把握に必要な情報を提供するよう努めることとしております。
 また、環境ラベル等の情報提供を行う者に対し、科学的知見及び国際的整合性を踏まえ、有効かつ適切な情報提供に努めることとしております。
 さらに、国は、環境物品等に関する情報提供の状況を整理、分析して提供するとともに、適切な情報提供体制のあり方について検討を行うこととしております。
 なお、この法律の全面施行は平成十三年四月一日からとし、その準備のための国の基本方針の策定等の施行は同年一月六日からとしております。
 以上が、本起草案の趣旨及び内容の概要であります。
    ―――――――――――――
 国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#118
○細川委員長 お諮りいたします。
 本起草案を委員会の成案と決定し、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#119
○細川委員長 起立総員。よって、本案は委員会提出の法律案とすることに決しました。
 なお、本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#120
○細川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
     ――――◇―――――
#121
○細川委員長 次に、内閣提出、循環型社会形成推進基本法案を議題といたします。
 本案に対する質疑は、去る四月二十八日に既に終局いたしております。
 この際、本案に対し、小林守君及び藤木洋子さんから、おのおの修正案が提出されております。
 順次趣旨の説明を聴取いたします。小林守君。
    ―――――――――――――
 循環型社会形成推進基本法案に対する修正案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#122
○小林(守)委員 ただいま議題となりました循環型社会形成推進基本法案に対する修正案につきまして、民主党を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 第一に、循環型社会形成推進計画について、その責任を明確化し、策定手続を民主化する観点から、その原案を環境省が策定し、中央環境審議会の審議を経て公告縦覧手続に付し、広く国民の意見を求めた上で、国会承認とすることであります。循環型社会形成推進計画の重要性から、このような手続を経ることが適当であると考えます。
 第二に、物質循環を技術的かつ経済的に可能な場合に限って行うこととなっているところを、技術的に可能であればそれを行うとすることであります。経済的な可能性を無原則に認めれば、環境負荷の増大が避けられません。技術的に可能な場合には極力リサイクルを進めるべきであります。
 第三に、経済的措置については、その必要性が認められる場合には、適切な措置を講ずることとしております。経済的措置の必要性、有効性については、特段異論のないところであると考えられるからであります。
 第四に、統計の整備についてであります。循環型社会の構築のためには、マテリアルフローを正確に把握する必要があることから、その統計の整備を法律上明確に位置づける必要があるからであります。
 第五に、廃棄物・リサイクル行政の一体化についてであります。廃棄物・リサイクル行政の縦割りによりさまざまな問題を引き起こしていることから、そのあり方について検討することとしております。
 以上が修正案を提出した趣旨と内容であります。
 民主党は、本来であれば廃棄物処理法と再生資源利用促進法の統合による総合的な法律の制定がベストであると考えますが、現在の基本法案で不備であると考えられるところに絞って修正案を作成させていただきました。
 何とぞ、趣旨を御理解いただき、御賛同いただきますよう、よろしくお願いいたします。
#123
○細川委員長 次に、藤木洋子さん。
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 循環型社会形成推進基本法案に対する修正案
    〔本号末尾に掲載〕
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#124
○藤木委員 私は、日本共産党を代表して、議題となっております循環型社会形成推進基本法案に対する修正案の趣旨を説明いたします。
 修正案は、既にお手元に配付されておりますので、詳細な説明は省かせていただきます。
 その内容は、第一に、廃棄物等の発生抑制が最優先され、有害物質を含む製品が流通に置けないようにするため、基本原則として、原材料、製品等が廃棄物等となることを抑制することが最も優先されなければならないこと。また、有害物質を含む製品が適正に循環的な利用または処分ができない場合、製造、販売等ができないこととするものです。
 第二に、拡大生産者責任による製造事業者等の責任を明確にするため、事業者の事業活動に当たって講ずべき措置を規定し、事業者がみずからの責任において、製造、使用、廃棄等に伴う環境への負荷を低減しなければならないこと。また、事業者は、デポジットにより製品、容器等の回収を促進し、処分または排出等による環境への支障の除去及び原状の回復措置を講じなければならないこととするものです。
 第三に、循環型社会形成の実効性を確保するため、循環型社会形成推進基本方針に廃棄物等になることを抑制するための施策、目標及びその達成すべき年度等を盛り込み、二〇〇二年一月までに策定すること。また、再生資源利用促進法等の基本方針その他の計画が本法の基本方針を基本として策定することとし、これと矛盾し、または抵触するものであってはならないこととするものです。
 第四に、循環型社会の形成を都道府県段階でも実効あるものとするため、都道府県が住民及び民間団体で組織する循環型社会形成推進委員会の意見を聞き、計画を策定するものとし、都道府県が事業者に廃棄物等の管理の改善措置等を命ずることができるものとすること。また、形成推進委員会は、調査、監視、勧告できるものとするものです。
 第五に、情報の公開と住民の参加による循環型社会の形成を促進するため、循環型社会形成推進委員会への民間団体等の参画、公聴会の設置により民間団体等の意見を聞き法令案の作成をしなければならないとするものです。
 以上、委員の皆様の御賛同をお願いして、趣旨説明を終わります。
 なお、民主党がお出しになった修正案についても、本法を一定前進させるものであるとの評価から、賛意を表するものです。
#125
○細川委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
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#126
○細川委員長 これより原案及びこれに対する両修正案を一括して討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、これを許します。近藤昭一君。
#127
○近藤委員 私は、ただいま議題となりました循環型社会形成推進基本法案に対して、反対の討論を行うものであります。
 本法案は、二〇〇〇年を循環型社会元年と称して、持続可能な循環型社会を目指す政府の目玉として閣議決定されたものであります。しかし、その内容は、精神的、訓示的な規定に終始し、環境基本法、基本計画の域を全く出ていないばかりか、廃棄物・リサイクルの縦割り行政を追認するだけであり、現在の廃棄物・リサイクルに関する問題点に正面からこたえることなく問題を先送りするなど、大量生産、大量消費、大量廃棄の社会からの脱却を真剣に目指している法律案とは到底思えないと言わざるを得ません。
 私たち民主党は、このような基本的枠組みを定める法律案を別途設けるのではなく、廃棄物処理法と再生資源利用促進法を統合した、資源循環・廃棄物管理法をつくるべきであるとの立場から、政策提言を発表し、現在パブリックコメントを行っております。
 私たちは、少なくとも、現在の廃棄物・リサイクルに関する各種の問題を解決するためには、廃棄物の定義を変更する必要があること、産業廃棄物と一般廃棄物の区分を見直す必要があること、リサイクル施設にも廃棄物処理施設と同等の環境関連規制を行うべきこと、排出者責任を徹底すること、製造者の責任を具体的に示し、規制のあり方について提示することが必要であるとの認識に立って政策提言を行っているところであります。
 このような具体的な問題点に対して、この基本法案はどの程度の解決能力を持っているのでありましょうか。豊島事件のような悲惨な事件を二度と起こさないような、各地での紛争を解決できるような、そんな法案になっているのでありましょうか。答えは残念ながらノーであります。
 かといって、国民の意見を十分に反映でき、民主的な手続による計画策定手続にもなっていないなど、この法案の核心とも言える基本計画が、国会の関与もないまま決められ、循環型社会のあり方を決定づける基本計画が、行政主導で決められていくなど、本当に循環型社会への転換を国全体として目指すつもりがないと言わざるを得ないような計画策定手続となっております。
 国民の皆さんが求めているものは、廃棄物とリサイクルを一体化したドイツの循環経済法のような法律であって、精神的、理念的な枠組み法ではありません。省庁縦割りを許し、環境庁の権限内で法案をつくってしまった与党の責任は大きいと言わざるを得ません。民主党政権が実現した場合には、廃棄物・リサイクルを一体化した資源循環・廃棄物管理法案を制定し、真の循環型社会をつくり上げることをお誓い申し上げて、私の反対討論とさせていただきます。(拍手)
#128
○細川委員長 これにて討論は終局いたしました。
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#129
○細川委員長 これより採決に入ります。
 内閣提出、循環型社会形成推進基本法案及びこれに対する両修正案について採決いたします。
 まず、藤木洋子さん提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#130
○細川委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。
 次に、小林守君提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#131
○細川委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。
 次に、原案について採決いたします。
 原案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#132
○細川委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#133
○細川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
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    〔報告書は附録に掲載〕
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#134
○細川委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時九分散会

ソース: 国立国会図書館
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