くにさくロゴ
1950/12/04 第9回国会 参議院 参議院会議録情報 第009回国会 運輸委員会 第3号
姉妹サイト
 
1950/12/04 第9回国会 参議院

参議院会議録情報 第009回国会 運輸委員会 第3号

#1
第009回国会 運輸委員会 第3号
昭和二十五年十二月四日(月曜日)
   午後二時二分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○公共企業体勞働関係法第十六條第二
 項の規定に基き國会の議決を求める
 の件(内閣提出・衆議院送付)(第
 七回國会継続)
○日本國有鉄道の機構に関する調査の
 件(滯貨問題に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(植竹春彦君) 只今より運輸委員会を開会いたします。公共企業体勞働関係法第十六條第二項の規定に基き、國会の議決を求めるの件を議題といたします。この問題につきましては、労働委員会におきましては、運輸委員会の各党議員にお任せするとのことでありましたので、時間もありません関係上、労働委員会との合同審査を要求することはいたさないことにいたしました。どうぞよろしく御了承をお願いいたします。それでは本問題につきまして御質疑のおありのかたはどうぞ質疑をお願いいたします。
#3
○内村清次君 本問題ということに今委員長は申されました。そういたしますると、私は大臣にお聞きいたしたいことは、又委員長としてこの取扱をして頂きたいことは、この衆議院から送付になつておりまするこの案件でございますが、この問題を中心にして質疑を交して頂きたいという意味であつたのであるか、その点を先ず確認いたしたいと思います。
#4
○委員長(植竹春彦君) 只今議題に供しておりまする案件は、政府から提出になりました議決を求める件を直接議題といたしております。参考のために申上げますると、本件におきましては、衆議院から、議決したものを送付して参つております。只今衆議院から送付になりましたものを読上げます。
#5
○專門員(古谷善亮君) 私から読上げます。公共企業体勞働関係法第十六條第三項の規定に基き、國会の議決を求めるの件。右件は本院において公共企業体仲裁委員会の裁定(昭和二十五年三月十五日仲裁裁定第三号)については昭和二十五年度において四十九億五千百八十一万二千円を限度としてこれを承認し、残余はこれを承認しないことを議決した。よつてこれを送付する。只今読上げましたのが衆議院から送付になりましたものの写でございます。
#6
○内村清次君 運輸大臣にお尋ね申上げまするが、只今この衆議院から回付になりました、政府が裁定に対し國会の承認を求める件に対しましての議決といたしまして、二十五年度において四十九億五千百八十一万三千円を限度としてこれを承認するというような議決が衆議院においてなされておるのでありまするが、これを実は具体的に先ずお尋ねいたしたいのは、政府といたしましてはこの金額をどのようなお考えで支拂おうとするのであるか。即ちこれは勿論裁定によりますると、その分配の方法につきましては明瞭に公社及び組合とがその意向を十分取入れて、そうして協定しなければならないということに書いてありまするが、併しながらこの四十九億余の金額は、大体政府におきましても、又公社自体が予算を組みます上について、どういうような使途にしたいというような内訳があつたろうと存じまするが、その点につきまして大臣からでも、或いは又政府委員をして言わしめて頂いてもよろしうございますが、どういうふうな御方針を持つておられるのであるか。その点を一つ先ず明確にして置きたいと思います。
#7
○國務大臣(山崎猛君) 只今のお尋ねでありまするが、政府委員より詳細にお答え申上げます。
#8
○政府委員(足羽則之君) 四十九億余の金は、これは裁定の履行に当てるものでありまして、これの配分方法につきましては裁定にございまするごとく國有鉄道と組合との間において配分を協定することになつております。
#9
○内村清次君 その点は私も先ほど申しましたようによく存じておりまするが、大体この内容につきましては裁定の、即ちこれは給與の改善、第一項のいわゆる平均八千二百円の給與改善費用、これにいたしまして、裁定通りに実施するといたしましたならば、一体どれくらいの費用が要るものであるか、その点を一つ明確にして頂きたいと思います。
#10
○政府委員(足羽則之君) それは裁定がございました当時、たしか國会で御説明申上げたかと存じますが、正確には少し計算は困難でございますが、この当時約五十七億余と記憶いたしております。
#11
○内村清次君 そうしますと第二項の問題につきましては、これは当然第一次裁定におきまするところの残額の給與ベースの引上げによる組合員たる職員の損失、即ち一千円ずつの損失をしておるというような事態や、或いは又現物給與、福利施設の問題につきましての費用といたしまして、当然公社は予算を組まなくてはなりませんが、この予算額は裁定を完全に実施するといたしまして、一体どのくらいの額に達しておつたのであるか。
#12
○政府委員(足羽則之君) 第二項につきましては裁定に金額が明示してございませんでしたが、いろいろその内容について検討をして、おおよその金額としてはたしか平均一人当り三百……、ちよつとはつきり覚えておりませんが、たしか三百七十円前後ではなかつたかと思うのでありますが、ちよつと実は、今その資料を持つて参つておりませんので……。
#13
○内村清次君 総額は……。
#14
○政府委員(足羽則之君) 総額もちよつと今、私失念いたしまして資料を持つて参つておりませんので、はつきりいたしかねます。
#15
○内村清次君 そういたしますると、この点につきましては、今回の衆議院の議決におきましても、なお且つ、この裁定を忠実に実行をするといたしましても、約十億以上の金額が残つたという結論に到達するのでありまするがそういたしますると、運輸大臣におかれましてはこの委員会におきましても、たびたび御答弁頂きましたように、大臣といたしまして、非常な御熱意を持つて、この裁定の履行に対しまして御努力をされたことにつきまして、私どもは十分認めておるのでありまするが、一体この裁定というものにつきまして、あとの残額は一体どうなるのであるか。この点につきまして裁定の重要性をおとりになりました大臣としてのお考えから出発されて、この衆議院の議決そのものにつきまして、どういうようなお考えを持つておられるのであるか。又実際におきまして、その残額の支拂の件につきましてはどういうようなお考えであるのであるか。この三点につきまして一つ御答弁をお願いしたいと思います。
#16
○前田穰君 関連しまして……、この残額のことの御質問でありましたが、たしか一日でありましたか、前々回の委員会のときに我々の考え方を実現するために、或いは運輸委員会としての決議をするとか。或いは大蔵省その他の関係方面にいろいろこれを御交渉を願う等、大臣も極力骨折るのだ。こういう御答弁がありまして、その後今日初めて会議が開かれたわけです。その後の大臣なり委員長なりの各方面の御交渉の模様とか何とか、そういつたことを今の七億円がどうなるのかという問題と併せてお聞きしたいと思います。
#17
○國務大臣(山崎猛君) 先ず以て内村委員のお尋ねにお答えいたします。只今お尋ねのありました通りに、四十九億五千百八十一万余円を以てしては、裁定によるところの月額八千二百円に給與を引上げることに割当てれば、只今御質問のお言葉の中にあつた通りの金の不足を見るのでありますけれども、國鉄公社当事者といたしましては、前回の委員会において当席において私よりも、國鉄総裁よりも縷々申述べて置きました通りに、企業上の努力によつてそのなし得たる資金上の可能の最高限度を以て、この裁定の義務を履行する方針を以て進んでおるということを申上げて置いたのでありますが、即ちそのその最高限度が今日この場合において、四十九億何がしという数字が出た次第なのであります。更に又、その残余は如何というお尋ねに対しましては、これは一に國会の御審議の結果に待つ。それを尊重して善処したい。かように考える次第であります。
#18
○鈴木清一君 ちよつと関連しまして……。
#19
○委員長(植竹春彦君) 鈴木さんの御発言の前に、前田さんの只今の御質問は、前々回の委員会に報告になつておるように記憶しておりますが……。
#20
○前田穰君 いや、前々回の委員会にあつたやつですね、日の暮に……、その後の経過です。ですから従つてここにある意味はどういうようなことに……。
#21
○委員長(植竹春彦君) 委員長からお答え申上げますが、前々回の委員会におきまして運輸委員会としての要望を決定せられまして、その取計らい方を委員長に御一任になりましたので、委員長といたしましてはその旨関係方面に伝達要望いたして置きました。
#22
○鈴木清一君 ちよつとお尋ねしたいのは、本日廻されて参りました案文によりますると、残余はこれを承認しないということを議決してあるのです。お尋ねしたいのは、実は十六條の二項によるところの処置について、國会に承認を求めて来たので、それでそれに対しまして國会ではその答えとして、この事案が可決されたという場合につき解釈いたしますると、予算上、資金上どうしても操作ができ得ないので、國会に承認を求めたということになるのであります。併し、今後資金上公社の中で予算が見積られたものに対してまで、國会が今後も、残余は支給しないというような議決はでき得るのか。それで今一つはいささか越権な考え方にもなりはしないか。裁定を真に尊重するという意味の建前から行けば、予算上、資金上國会に求められた範囲においての承認はこの議決においても満たされるけれども、併し、残余は残りまして予算上、又公社において資金上それができ得ると言つて、それで予算上の措置をこちらに求めて来なかつた場合、来なくてもいい場合、そうした場合に資金が出たならば、これは與えてもいいではないか、公社で出してもいいじやないか。従つて私はむしろ残余はこれを承認しないというような規定にしてはいささか疑義を持つものでありますが、この点に関しましては大臣、どういうふうにお考えになりますか。
#23
○國務大臣(山崎猛君) 只今のお尋ねの点は、実は大臣としてお答えをすることは、非常に当惑をいたしますので、これはどうぞ國会の御議論として御審議をお進め願いたいと思います。
#24
○鈴木清一君 尤ものお答えだと思いますので、その点大臣のお答えは了承いたします。私といたしましては、今申上げましたように、四十九億五千百八十一万円の資金が満たされておつて、それを予算上の措置を政府が承認し、それで國会でこれが議決になつたのでありまするけれども、裁定の差額十一億が不足になつております。従つて私どもの気持といたしましては、でき得るならば、あと公社で、資金上それを賄うことができ得るという機会があつたならば、公社でこれを支拂うべきものである。そういう意見をこれに一項加えて頂くというようなことがいいではないか。意見として申上げます。
#25
○小酒井義男君 私も大体において鈴木さんが今御指摘になつた点をお尋ねしようと思つておつたわけですが、やはり本委員会としては裁定の精神は尊重をされなければいけないという一貫した方針でやつて来たわけなんです。ところで、衆議院では残余は承認しないというような字句を入れた議決がなされておるわけなので、こういう議決を出して置くと非常に惡い先例になるのじやないか。例えば今度は組合側が拘束をされなきやならぬというような場合になつたときも、組合がこれを履行しなくてもいいというようなふうに解釈されぬこともない。こういうことからですね、今言われたように私は残余は承認しないというような字句は、本委員会の議決から抹消をするというようなことが考えらるべきではないかと思います。先ほども大臣が、國会でそういうことは決められるべきだというふうにおつしやつておりますが、大臣としては、そういうような考え方で委員会がこの問題を取扱つて行くということについて、一体衆議院の議決が好ましいものか、これを抹消するような議決をすることが、公共企業体労働関係法の上から正しいか、そういう点についての御見解を一つ伺いたい。
#26
○國務大臣(山崎猛君) 只今のお尋ねは前回のお尋ねと同一趣意のお尋ねでありまして、従つてこの場合大臣としてこの席に臨んでは、前回お答え申上げたと同じことを繰返す以外に方法はありません。御了承願います。
#27
○菊川孝夫君 公労法第十六條第二項の規定に基いて國会の議決を求めるの件につきまして、衆議院におきましては一応結論が出まして、最終的な結論が出ようといたしておりますので、私はこの際に、運輸大臣に仲裁制度について先ずはつきりした我々は理解を持たなければならぬと思いますので、
 一点お尋ねしたいと思うのであります。と申しますのは、仲裁制度は今更申上げるまでもなく、これはアメリカ、イギリス等の民主主義の最も発達した國においてこの仲裁制度が発達しておるのであります。従つて民主的な機関だと言わなければならぬと思います。これらの諸國の労働者も資本家も、この仲裁制度そのものを一つのスポーツマン・スピリットと申しますか、スポーツマン精神から考えておるように我々は受取るのであります。従つて仲裁委員会は労働双方のこれはアンパイヤーであると彼等は理解をしておる。アンパイヤーの下した判定に対しましては、労働組合も資本家側も一切不平も、異議も申さずにこれに従つて、そうして労働、産業平和を確立しておるのが、彼らの常識的な運用だと思うのであります。従いましてこれは判定があつた以上、これについて完全に履行されてこそ、私はこの仲裁制度の意義があると思うのであります。この点について大臣がいつも尊重するというようなことを言われましたけれども、完全に履行されてこそ初めて仲裁制度の本当の意義が発揮できるのだと思うのですが、八〇%或いは七〇%の尊重については、大臣は遺憾と思わないかどうか。この点一つお伺いしたい。
#28
○國務大臣(山崎猛君) 只今のお尋ねの根抵をなす御趣意につきましては、私も全然御同感で、同様の見解と趣意の上に立つておる次第であります。この仲裁裁定ということは公共企業体に従事するところの従事員に対して、その公共性より考えて特に設けられたる制度であるのでありますから、まあお説の通りに仲裁裁定に対しては労資共に一〇〇%の忠実を誓わなければならない、実施しなければならないと考える次第であります。従つて御趣意の通りこの裁定に対しては一〇〇%履行されることが、この法律の意図するところであると確く信じておると共に、御同感であります。ただ今回の場合は、先刻も申上げました通りに、國鉄の当事者が企業上の努力によつて剩し得たる最高可能の限度において、その義務の履行をなすという建前で参つて来たような次第で、その結果ここに四十九億何がしという具体的な事実が現われて来る。この裁定承認をその限度において行うという義務において満足せざるを得ないというふうに政府当局としては考えておる次第であります。
#29
○菊川孝夫君 第二点としてお伺いしたいのですが、大臣の今の仲裁制度に対する御認識についてはわかりましたが、次に國有鉄道総裁といたしましては、この仲裁制度はこれは法律によつて定められたものでありまするからして、法的にはやはりこれに服従する義務があると思うのであります。それで今、企業内の努力だ、経営の努力だということを言われましたけれども、企業内の経営努力というよりも、むしろ法的に、これは國有鉄道総裁としては全面的に履行する責任があると思いますが、その國有鉄道総裁から運輸大臣に対しましてこれを履行するに当つての要請があつたと思うのです。この裁定が下された直後に要請があつたと思います。その要請はこれについて実施するために幾ら必要であるからこういうふうにしたいという要請があつたと思いますが、この要請についての金額と、今のこの衆議院の議決の金額とを比較したいと思いますので、どれだけの要請があつたか、はつきりさして頂きたいと思います。次にそれから第三点をお伺いしたいと思うのですが、これは十六條の第二項ではつきりしておりまする通りに、これはその締結後十日以内に國会に出さなければならぬ。それから又國会の閉会中であつたならば、國会召集後五日以内に出さなければならぬという規定があることは御承知の通りであります。従いましてこれは早くやらなければならんということは法律的に……、早く結論を出さなければならぬということは法律的に要請されておることだ、義務付けられておることだと思うのであります。ところがこの裁定が下されましてから今日まで随分……。三月の十五日にこれは出されておるのであります。而ももう、年も大方終ろうとする今日まで引延されたということについては、この法律の趣旨から考えまして、私は著しく遺憾な問題だと思うのです。五日以内に政府は提出しなければならぬ、十日以内に提出しなければならぬというようなむずかしい制約のあることは、法律にはちよつと少いだろうと思います。こういうふうに義務付けられてあつて、これが國会に出て来たにもかかわらず、國会において継続審議その他で遅れたのでありますが、衆議院からも参議院のほうへは廻つて来なかつたのであります。國会が今日までの間、法律的には早くきめなければならぬということがはりきりしておるにもかかわらず、今日まで解決せなかつたということにつきましては、運輸大臣はどうお考えになるかつ私は参議院議員として、今日まで結論を得なかつたということについて極めて遺憾に考えるのですが、運輸大臣はどう思いますか。
#30
○政府委員(足羽則之君) 只今の菊川さんの御質問と、それから先ほどの内村さんの御質問とを併せまして、丁度資料がございますから御返答申上げます。この仲裁裁定がありましたあと三月に國有鉄道から第一項の分といたしましては総額六十七億九千六百万円余の追加予算を提出したいからという書面が参つております。それから先ほどの内村さんの御質問に関連するのでございますが、第二項の点につきましては同じく四十億八千三百万円余の金額でございますが、同様にそれを追加予算として欲しいという手続書面が参つております。
#31
○菊川孝夫君 六十七億九千六百万円、これは裁定実施に要する第一項だけですね。
#32
○政府委員(足羽則之君) そうです。
#33
○菊川孝夫君 第二項についてはまだ何とも言つて来ておりませんか。
#34
○政府委員(足羽則之君) 第二項については今申上げました四十億です。
#35
○菊川孝夫君 それはちよつと違うのじやないですか。
#36
○政府委員(足羽則之君) ちよつと訂正いたします。初めに申上げました六十七億九千余万円という数字は、これは給與ベースを八千二百円にするための最低の費用としての追加予算を提出するという額でございます。
#37
○菊川孝夫君 一カ年の予算ですね、四月から三月の……わかりました。
#38
○政府委員(足羽則之君) それから第二項につきましては四十億八千二百万円であります。
#39
○菊川孝夫君 四十億は間違いないですね。
#40
○政府委員(足羽則之君) 四十億八千三百万円であります。ただこれにつきましては、いささか説明を申上げる点がございますので、仲裁裁定の理由説明書にもございますごとく、第二項については仲裁裁定にも金額が明示してないのでありますが、第一項を実施することによつて相当カバーされる。こういうものもあり、或いは金額として算定することが不適当なものもある。或いは金額としては算定しにくいものもある。従つて第一項と第二項は当然ダブるわけでありますから、従つて金額としてはこういう金額が計算できるのでありますが、併し第一項を実施することによつて第二項の金額は相当これはダブる、こういう点は御了承を願つて置かなければならぬ数字だと思います。
#41
○菊川孝夫君 それはそうです。給料の何割というのは超過勤務手当なんかはそうなりますから……。それでは最後にもう一点これだけはつきりしておきたいと思いますが、衆議院におきまして議決がなされた日に、各新聞にはこの費用は京都駅の復旧費と、それから車両の増備費をこれに充てるということをでかでかと書いてありました。そうすると國民には如何にも……市都の人たちには非常に惡い感じを與えると思います。組合が要求されるために、大事な京都駅の復旧、それから貨車をこしらえることを抜いてそれに廻したというふうな私は新聞を読んで如何にも惡い印象を受けたのでありますが、この前の懇談会の席でも或る委員が指摘されましたように、こんなことを今政府が提出しておる、予算の原案には成るほどそういう項目があつたようでありまするが、大体今頃注文したり、京都駅の復興にかかつてみたところで年度内に決済のないようなものを組んでわざと國会へ提出しておるんだ、にもかかわらずそれはできないものを創るということにして非常に惡い印象を與えておると思いますが実際にこれに対してはつきりと、私は本委員会において、果して運輸大臣としてそういうつもりであれを承認してあつたものか。國会に提出してあつたものかどうか。そうしたら京都の駅の復興はできないというような、これは組合に取られてしまつたというようなことで非常に惡い印象を與えると思いますが、私はこの点は明確にされなければならんと思います。
#42
○國務大臣(山崎猛君) お尋ねのようなお疑いを新聞記事等によつてお起しになる。或いは國民もさような疑惑を持つであろう。御尤も千万であると考えるのであります。運輸大臣といたしましてはさようなことは筋違いであるという見地から断乎として排撃をいたしたのであります。そういうことでなしに、裁定を実施する上においては、優先的に四十九億何がしという可能な限度の金は手を付けずに無傷で裁定実施の面に充てらるべきであるということを固く信じて、主張して、そのような筋違いの論議は排撃した次第であります。でありますから、これがために京都駅ができなくなつてしまつたとか、或いは貨車を利用する面から言えば、國鉄労組の主張が通つて、貨車ができなくなつてしまつたというような紛争が起らないようにいたしたいと考えておる次第であります。
#43
○菊川孝夫君 それで了解しました。
#44
○鈴木清一君 先ほど菊川君からお尋ねになりました点に触れるのでありまするが、今の國有鉄道法によりますと、公社、コーポレーシヨンになつたけれども、いわゆる行政方面においては公社の性格は相当強力に現われておりまするけれども、残念ながら大元締であるところの財政的見地がどうしても公社としての性格上、万全な運営が成り立たない、國鉄法に縛られて成り立たない。従つてこうした賃金問題等が起りますと、どうしても國会に承認を求めるということに仲裁委員会の処分が公共企業体の関係法の中にも自然に含まれて来ておるのでありまするがこうした点につきまして、現在止むを得ないというような工合に大臣はお考えになつておられるのでしようか。勿論将来は、こうしたことは一日も早く改正したい意向には変りはないと私も思いますが、現在は止むを得ない。こういうようなお考えを持つておられますかどうか。先ずこの点から一つお聞きしたいと思います。
#45
○國務大臣(山崎猛君) 私も公労法はできるだけ理想的に発動するようにあらしめたいという点においては御同感でありますが、今日の財政状態或いは國情等を広く大観して、この程度を以て最善を盡したものと考えて進まなければならないかと、止むを得ずさように諦めざるを得ない。こう考えておる次第であります。
#46
○鈴木清一君 止むを得ないというようなお言葉がありましたので、私もその点同感でありまする。従つて私どもが実はこの議題が参議院の運輸委員会で今回の國会に最初かけられたときに、大臣の御出席がありませんでしたので、次官からも御答弁をお願いしたのでありまするが、一応繰返してお尋ね申上げたいのは、御承知のように、今回の給與改正は諸手当を含めまして官公吏に半カ月分を出すというようなことも、法案としてすでに提出されているのが実情でありまするので、従つて私は行政上は公社としての性格はあつても、財政的部面において公社としての性格が、どうしても國家の一般予算にも関係するから、而も國会の承認を求めなければならないという結論が出て来るのである。この事態が止むを得ない状態であれば、やはり公社の性格は公共企業体となつておりましても、本当の企業体にまだ性格が全部なつておらない。従つて待遇の諸條件等につきましても私は一般官吏と或る程度同じような姿を持たなければならないということも起り得るのではなかろうか。そうして又官業を公共企業体と変えたのは、業務の性格に相違があります点が重点となつて変えられたのであります。従つて我々が言ういわゆるホワイト・カラーの予算と、実際の業務に勤めるところの、労働者を以て呼ばれる従事員であるところの國鉄職員と、官公吏の諸君との間には待遇が幾分どうしても変つて来なければならないことは常識であります。その意味から行きますると、私は今の二重的な性格から言つて、官公吏に少くとも年末手当を出す法案が國会に出されるわけであれば、今までの官公労から行きましても公社の者に対しましてもそうしたことを考えなければいけないのではなかろうか。ましてや公社の従事員は今後暮になればなるほど輸送の重複も高まりますので、従つて労働も強化されますから、それに関するところの給與というものに対しても考慮しなければならぬのが常識であろうと思うのであります。そうしますと、私は今回の裁定につきまして、一番最初疑問に思いましたのは、なぜ裁定と官公吏にくれるところの年末手当をすり変えるような姿を以て、この問題を出されておるか。少くともこの問題が取上げられました頃におきましては、國鉄従事員に対しまする年末手当ということについては、何ら考慮に入れておらない。それにもかかわらず、すでに仲裁裁定が下されて、とつくに実施されなければならぬことが今日延びておるのであります。その延びておるものをくれるのが当然のことであるのに、ここに重要議題として取上げられておるということ自体が私は不可思議でならなかつたのであります。むしろ裁定は実施するのが当然であり、なお加えて官公職員と同様な程度の手当等を考えていいのではないか。それが当然だと思うのであります。にもかかわらずそうした点については一言も触れられなかつたという点に私は疑念を持つておつたので、その当時お尋ねしようかと思つておりましたが、なぜ、裁定を実施することのみを考えて、官公吏と同じような手当についてお考えになることができなかつたかということについて、私は今日出席されました大臣に対しましてちよつとその点お尋ねしておきたいのであります。というのは若し一般会計予算においてそうしたことを解決することが幾分可能な面でも現われるなり、又國会の意思がそこにあるようなことになりますれば、少くともその点については大臣としては、裁定とは別に考えるだけのお気持があられるのかどうか。その点につきまして、ちよつとお尋ねして置きたいと思うのであります。
#47
○政府委員(足羽則之君) 御意見は御尤もだと思うのでありますが、裁定の実施に対する財源といたしまして増收、並びに従事員の、國鉄内部の努力によつて漸くこれだけの財源の見通しがついた次第でありまして、それでこれを以て裁定の実施に充てるという点につきましても、極めて常識的には、ほかからは公務員とのバランスという問題がいろいろ言われたのでありますが、それに対しては、公務員と公共企業体職員とは給與体系が違うのである。従つてこの裁定という問題が別な要素があるのであつて、公共企業体の職員に対しては裁定の実施ということを、履行ということを主眼点として進まなければいけない、こういう考え方を非常に強く主張をして参つた次第であります。従つてそういう意味で公務員と給與体系も違うという点を強く主眼点といたします場合には、財源の見通し如何という問題になるのでありますが、初め申しましたように、財源としてはこれだけしかどうしても見出し得ない。こういう実情であることを御了承願つて、この國有鉄道の公共企業体の職員の年末給與というものを考慮する余地がない、なかなか考慮し得ない、こういう事情であることを御了承頂きたいと思うのであります。
#48
○鈴木清一君 監督局長は先ず最初私の質問に対しまして御尤もであるというお言葉を言われたのでありますが、私はむしろその御尤もであることをもつと具体化するような努力が欲しいということを申上げなければならぬ。というのは、今申上げましたように、今度公務員給與法案が提出されまして、予算は一般会計から出すのであります。又そこに特別な予算を作つて出すのであります。でありまするので、これは公社の資金において、これまで認められたのは公労法の仲裁裁定の性格からいつて公社の中にその予算上、資金上ない場合にのみ國会に予算を求める。従つて仲裁裁定の問題につきましては、これは当然の措置であるという解釈を持つのであります。でありますから一般会計から出されるところの予算を出して頂かないと……、私は今いろいろの事情から考えまして予算がないということはわかつております。併しながら少くともいろいろな理窟をつけましても、若し一般会計から出すような措置を講ずるという御熱意があるならば、十億程度のものでありますれば、私は或る程度公社と切り離して、少くとも公務員との関連に従うという意味合いにおいて、この程度の努力をする点には何ら変りはないではないか。勿論仲裁裁定に対しては四十九億はないということも、内部操作において予算上、資金上獲得できるはずであります。従つて一般公務員より以上の國鉄従事員の労務に対して、当局の親心を以て臨むのであれば……、今申上げましたように公務員は一般会計から出すことができるので、せめて十億という財源については一般会計から借入れてもこれを直ちに実施してやつて、本当に仲裁裁定の精神を尊重するということこそ、今後の運営に本当にいい影響を及ぼすのではなかろうか。こう思いましてその点を質問したのでありますが、この点につきましてどうでしようか。いま少し御努力を願うというような御気持の御返答は頂けないでしようか。
#49
○國務大臣(山崎猛君) 私は國有鉄道公社というもののあり方が、まだ十分に研究を遂げないのでありますけれども、就任後まだ日も浅いことでありますので、その僅かな期間の間にいろいろ起つて来た事柄を、事項によつて考えた場合に、この國有鉄道公社というもののあり方が一体宙ぶらりんのような、國営にもあらず、株式会社にもあらず、両棲類のような大体形になつております。どうも事業を経営して行く上においてぴつたり来ないところがあると平常考えておるような次第であります。そうして公共企業体として相当の制約を受けて義務付けられて経営に当つて行かなければならないような場合もあるし、而も独立採算制によつて財政の独立ということを建前として行かなければならぬというような形がありますので、これについて研究して、はつきりした自分の意見をきめたいと考えますけれども、只今のような御意見が起つて来るというのも、そういうところに割切れないものを抱いておる。國有鉄道公社のあり方が生み出す一つの結果ではなかろうかと、こういうふうに思う次第であります。又従事員の給與を一般会計から手伝つているというようなことは、独立採算制の建前、精神等から行くと、これは又相当議論の余地のあることではなかろうかと考えるような節もあるのであります。併し今日の場合は、ここに出ました案のようなことで結末をつけたのでありますが、今後の問題については、一つ私どもも研究いたします。委員諸君においても十分の御研究を願つていい御意見の発表を願えれば幸いであると考える次第であります。
#50
○委員長(植竹春彦君) ほかに御質疑はございませんか。
#51
○前田穰君 前々回もこの委員会でこの考えについてお尋ねしたのでありますが、それは一つには、この四十九億五千万円という数字が形式の上では突如として出てしまつておる形なのです。これが突然であります関係上、只今の鈴木委員のような御質問も出て来たわけではないかと考えるのでありますが、それはそれといたしまして、衆議院の決議を読みますると、残余についてはこれを承認しない。こういう意味でありますが、大体どういうことであろうかと先刻から私考えておつたのでありますが、公労法十六條の規定に基いて政府が國会に予算を附して議決を求めるという趣旨は一体どういうことなんでありましようか。その予算上の措置、金を出すという措置について國会の議決を單に求められるという趣旨なんでありまするか。或いはもう一つ考えれば、仲裁裁定の適否といつたようなことまで國会の議決を求めるという趣旨でありましようか。若しそれがあとのほうの趣旨で以て、公労法第十ろく條の議決の要求に合わせまするというと、この最後の文句はあたかも仲裁裁定を認めないというふうにも解釈ができるのであります。單に、予算上の措置、金を出すという議決だけを求めるためであるならば、そういう問題には触れないで、とにかく本年度は四十九億何がしの金は出してもいいという議決に解釈ができる、こう思うのであります。政府の御所見を伺いたいのであります。
#52
○政府委員(足羽則之君) 公労法第十六條第二項の規定に基いて國会に議決を求めるというのは裁定そのものの承認か否かを求めるのでございますが、それは只今お話のありましたあとの解釈、つまり予算の面からであると従来から考えられております。
#53
○前田穰君 そうしますと、その衆議院の議決の最後の文句は、とにかく本年度においては四十九億何がしを超えた支出は承認しない。こういう意味に解釈すべきだと思いますが、御同感でございますか。
#54
○政府委員(足羽則之君) 只今私申上げましたのは、ちよつと言葉が足りませんでしたが、初め裁定そのものの承認か否かを求めるのだというふうに、御説明申上げましたので、ただそれを、その予算の面からできるということを言いましたので、ちよつと誤解をされたかと思うのでありますが、裁定そのものの承認でありまして、従つてこの可か否かでありまして、この衆議院の議決につきましては、我々はこの裁定は一切結了をする。こういうふうに考えております。
#55
○前田穰君 そうですか。
#56
○鈴木清一君 今の御質問は非常に重要だと思います。只今監督局長が殊更に、まあ私のほうで聞けば、そういう御説明になつたように考えまするが、それならば何故ここで「昭和二十五年度において」という字句について、あなたがたは関心を持たないかということが不思議なんです。それをあなたがたのほうで説明なくして、今の監督局長のお答えはおかしいのであります。二十五年度ということが置いてある限りにおいては、二十五年度において四十九億あるわけであります。併しながらこれが残余が残つている限りは、三十六年度に公共企業体は必ずしもそれで実施しなければならぬというわけはないのです。それでまあ参議院の曾つての決議は御承知かも知れませんけれども、少くとも出たときにはという決議になつているはずであります。でありますので、二十五年度の予算の中においては、これがこれだけしかでき得ないで承認する。併し二十六年度の予算において若し資金上それが公社のうちに余裕がついたときにおいては、これは実施すべきことは当然であります。でありますから、今監督局長がお答えになりましたそのお言葉は、私どもが直訳する場合においては、少くともこの二十五年度という字句について御説明のない限りは、お言葉は私どもには考えられないのであります。この点について……。
#57
○内村清次君 ちよつと……、私があえて先ほど運輸大臣に質問をいたしましたのは、この点の重要さから質問したわけであります。そこで、運輸大臣の答えでは、この際、これは議院の御判定に待つ、即ち参議院の議決を待つて、政府は善処するというような含みのある言葉であると思つて、私は、その後質問の継続をいたしませんでした。ところが先ほどの政府委員の御説明でこの残額は結局打切りであるというようなはつきりした答弁があるとすれば、これはその監督の責任者でありまするところの運輸大臣から聞かなくては、我々はこの問題に対する考えを十分現わすことが、議決をすることができないような事態に直面したわけです。そこであえてこの衆議院が出しておりまする議決に対しましては、これは衆議院のお考えと、又我々の考えておりまするところと、実は衆議院の方方も、一つ寄つて来て貰つてこれをはつきりせなくてはならないというようなことに相成るのでありまするが、併しこれは、手続上、到底その面については不可能なことでありますし、そう考えて見ますると、当然先ほど鈴木委員が言われましたように、名目におきまして、はつきりと二十五年度ということが、この額の履行につきまして、明示してあるのであります。我々は、すでに運輸大臣がたびたび述べられておりまするように、裁定の内容は、これは法律によつて仲裁制度の確立された、その仲裁委員会が裁定したものであるからして、これに対しては、國会は触れるべき問題ではない、ただ当時の公社或いは又組合の協定内容について、履行ができかねるような部分は、これを平たく申しますれば、政府側において、即ち公社側の予算上、資金上におきまして、その履行ができないというような事態があつたときにおきましては、國会がその額についての承認をするというようなことに、これはやつてこそ初めて民主主義的なルールが確立される問題であるということは大臣みずからが、今までこの委員会で述べられた問題でありまして、又私たちも同感の意を表するばかりでなくして、今日までこの運輸委員会というものは、その線に従つて、そうしてこの労資の問題を平和的に解決するようにと努力したことは、もう申上げるまでもないことであります。而も又、一昨々日のあの委員会におきまして、決議をいたしましたこともあの決議文で見られる通りでありまして参議院の委員会は一致した、即ち終始変らないところの決意で、この問題を本当に公正に処理しようとしておる問題であります。それにつきましての、今の政府委員の御発言は余りに重大だと存じます。運輸大臣がこの問題につきまして、何か御所感がありますれば一つ伺いたいと存じます。
#58
○國務大臣(山崎猛君) 重ねてのお尋ねでありますが、私が前申上げた点は私がさように信ずるところを申上げたのであります。同時に又國会そのものといたしましては、従来のあり方から見まして、國会において、或いは全部を承認する場合もありましようし、或いは一部を承認するような場合もありましようし、或いは又全然承認せざる場合もあつたと思うのでありまするから、私どもはどこまでも運輸大臣としては、全部を承認して裁定の履行を実施しなければならないと信じておりまするけれども、そこは國会の権限に属するところでありますから、先刻来申上げたようなお答えをいたした次第であります。
#59
○鈴木清一君 そういたしますと大臣のお答えはですね、この條文の解釈は、衆議院と参議院は條文そのものは承認いたしましても、解釈の相違は確実につくわけですね、御覧の通り、それは違つた解釈になつて條文を議決した場合でも考え方は変らない。恐らく私は議決文の内容が……参議院と、衆議院の議決の相違というものは今までもあるのでございますけれども、併しこの場合だけは議決案でありまするので、少くとも両院の議決案でありまするので、両院が一致した條文をお互いに承認し、議決し合つたときのみにおいて効力が発生する。併し残念ながら字句で行きますると解釈はお互いに違う場合があるかも知れませぬ。そういたしますと、この議決が若し運輸大臣が言われるような解釈によつて衆議院は議決したのであるけれども、参議院の場合は解釈を、而も二十五年度において四十九億五千百八十一万三千円を限度として、これに繋がつて解釈する場合においては解釈が違う。こういう工合に議決した場合はどういうような工合に政府としてはお考えになられるか。この点だけをお聞かせ頂きたい。
#60
○國務大臣(山崎猛君) 只今のお尋ねでありますが、靜かに承わつたのでありますが私は前言を繰返してお答えとするという以外にお答えの方法がないのであります。
#61
○鈴木清一君 それでは、私は先ほど大臣が、それは國会によつてということを申されましたので、参議院の運輸委員会の委員各位にお願い申上げたいのでありまするが、若し國について参議院の運輸委員会において解釈をどうするかということを皆さんがお考えになつた場合に、少くとも私はこの條文の解釈においては二十五年度において四十九億の金額は承認するということであつて、残余のことについては二十五年度内に拂えるか、拂えないかということについては、残余の件をそういうふうに解釈して、二十六年度におきましては、少くとも資金上余裕が出た場合においては、公社は支拂うべきである、というようなお互いの確認をどうか持つて頂いて、この議案を審議して頂きたい。こういう工合に各位にお願いいたしたいのでありますが、私はこの点委員長に動議として御相談申上げます。
#62
○委員長(植竹春彦君) 御希望の御意見を一つ承わつておきまして……。
#63
○鈴木清一君 私は委員長の御発言があられるかと思つて続けなかつたのでありますが、できればその点につきまして参議院といたしましてはですね、ちよつと速記を中止でもして頂いて、懇談したいと思います。
#64
○委員長(植竹春彦君) これより速記を中止いたしまして懇談をいたします。
   午後二時十一分速記中止
   ―――――・―――――
   午後三時四十七分速記開始
#65
○委員長(植竹春彦君) それでは懇談会を閉じまして委員会を始めます。それでは御質疑もなければこれより討論に入ることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#66
○委員母(植竹春彦君) それではこれより本件の討論に入ります。御意見のおありのかたは賛否を明らかにしてどうぞお述べをお願いいたします。
#67
○高田寛君 公共企業体の仲裁委員会の裁定のこの問題につきましては我我は最初からこの仲裁を尊重するという建前を通して行きたいということを本委員会においては全員一致その考えで進めて参つたのでありますが、この臨時國会の当初に当つて提出されました予算の内容を見ますると、國鉄の従業員に対して来年の一月以降賃金ベースの改訂を行う。それから年末手当は一般公務員と同じ半カ月分を支給するということになつておつたのでありまするが、いろいろとその後この資金の点について検討を加えて参りますると、この際四十九億円余りの資金があるということがわかつたのであります。それでこの資金を一部は國鉄の職員の給與に廻し、又一部は他の急を要する項目に廻されておるのでありますが、私といたしましてはどこまでもこの資金の余裕が出ました場合にはこの仲裁の裁定の線に副つて、これを最も尊重して優先的に用いなければならんと考えるのであります。殊に今度のこの資金の余裕というものは、或いは石炭関係費の節約、或いは又貨物收入、旅客收入、この運輸收入の増收というようなことから主として出て来ておるのであります。このような資金というものは一般の國鉄従業員の努力の賜物として、ここに出て来ておるというような点を睨み合せれば、特にこれをこの仲裁の裁定の趣旨に副つて、従業員の給與に優先的に充当すべきものであるということを確信するのであります。それで私は本件につきましてはかようにきめて頂きたいと考えるのであります。「公共企業体仲裁委員会の裁定、(昭和二十五年三月十五日仲裁裁定第三号)については昭和三十五年度において四十九億五千百八十一万三千円を限度としてこれを承認」、残余はこれを承認しない。」かように議決されたいと思うのであります。どうぞ皆様の御賛同を得まして、かように決定して頂きたいということを希望いたします。
#68
○委員長(植竹春彦君) ほかに御意見のおありのかたは……。
#69
○内村清次君 私は次の二点を條件といたしまして、この裁定に対する只今の高田委員の案に対しまして、不満ではございますが、賛成をするものであります。その條件の一つでありまするが、本裁定はこれはなお効力があるものであつてこの残余の支拂の実施に当りましては、昭和二十六年度において日本國有鉄道は資金上余裕を生じたときにおいては速かにこれを実施するものである。第三は、日本國有鉄道は裁定第三項の基準外資金、現物給與、福利厚生その他の給與等において、前回の裁定に指摘した待遇の保障について適切な措置を講じ、実質的に賃金の充実を図るものであるという第二項の実施は、当然なすべきものであるという條件附であります。この國鉄公社と國鉄の労組間におきましての紛争問題につきまして、公労法の精神に従いまして仲裁制度において裁定が下されましたのは、第一次裁定におきましては、昭和二十四年十二月二日でありまして、すでに一年一カ月を経過しております。更に第二次裁定におきましては、昭和二十五年三月の十五日でありまして、すでに十カ月を経過いたしております。國会におきましても政府のこの裁定の履行、即ち公労法の十六條の第二項によりまして、公社の資金及び政府の予算の面におきまして、これを承認しないというような考え方の下におきまして提出いたしましたこの國会の議決の要求につきましては、我々は公労法の制定の趣意からいたしまして、この両者間の紛争を有効的、且つ平和的に調停を図つて団体交渉の慣行と手続とを確立するということ、而して公共の福祉を増進して、これを擁護するという建前からして、正常な運営を最大限に確保しようというようなこの精神、それから又國家の経済と國民の福祉に対する公共企業体の重要性に鑑みて、関係者は主張の不一致を有効的に最大限の努力を盡して、この問題を解決しなくてはならないという、この罷業権に代る即ち憲法の基本人権に代るところのこの公労法の精神に従つて、当然政府は忠実に施行しなければならないという見地に立つて、私どもはこれを判断上、政府の反省を求めて来たのでありますが、第五國会以来もうすでに回を重ねて今日に至つたわけであります。先ほどの経過月数及び年月の間におきましてこの公共福祉の増進にいそしんでおりますところの従事員の給與の問題が、今日まで非常な窮屈な面において制限せられたことにつきましては、誠に私たちは従業員の方々に対しまして、又仲裁制度の公正なる施行に対しまして、甚だ遺憾に存じておつたわけでありまするが、今回の公社の資金内容におきまして、而も又、公社自体におきましても、機構改革をなしまして、業務の最大限の運営につきましては、これは従業員に痛手を與えておるにかかわらず努力をいたしておる事態、又はその痛手をこうむりながら公共の福祉を守つておるところの従業員のその努力、この努力というものが今回この公労法の第二條にありまするような、関係者がいわゆる最大限の努力をするという一半がここに現われて来ましたことにつきまして、私は非常に喜び且つ敬意を表するものであります。併しながら、この議決になりましたのは、どこまでも本年度の資金の承認問題でありまして裁定というものは、その内容につきましては我々は干犯すべきものではない。法律に制定せられましたところのその関係者があらゆる観点から努力を拂つて、些細な検討をした後において裁定をせられたものでありますからして、これを國会自体が更に干犯するがごときになりましたならば、民主政治の実現というものは決して確立されないのでありまして、常に時の政府権力によつて労働運動というものが或いは激しく、或いは平穏というような関係に相成つて来ることは当然な帰結でありまして、而も又労働運動は経済問題に限定をさせるという大方針があるといたしましたならば、当然これが政治問題に干犯させるようなきつかけを作ることは、政府自体の罪であると私たちはここに断ぜざるを得ないのであります。こういう見地に立ちますると、即ち経済問題は同時に生活内容と最も近接し、而も又緊迫したところの時期を有するものであります。その点に立ちますと今日のごとく一年有余ケ月の日延べをしたということにつきましては誠に残念であると私は考えます。よつて私が先ほど申しましたような條件は当然如何なる議決の字句を引用いたしましても、これは二十五年度に限定されたものであるということは、これは字句の配列からいたしましても、精神からいたしましてもそうあるものであるという見地に立ちまして私はこれに賛成をするのでありまして、現実も、すでに経過いたしまして年末も近付いておりまして、ますます従業員の給與問題は逼迫いたしておる現状でありますし、而も又政府が提出をいたしておりますところの予算の修正というような、こういう切迫した問題に立至つておりまする現段階におきましては、誠に私はこの議決に対しましては、従来とつて参りました参議院の委員会として一貫した方針を貫きたいのでございますけれども、この情勢に鑑みまして不満ながら賛成をするものであります。
#70
○岡田信次君 私も高田委員の御提案に対しまして、次の見解を述べて賛成いたしたいと思います。この四十九億余の金額が今年度完全実施でないという事実に鑑みましてこの案文の「残余はこれを承認しない」ということは、今年度限りであるということの了解の下に賛成をするものであります。
#71
○小酒井義男君 引続いて、継続審議になつて来ました本問題が、二十五年度の予算においては四十九億五千百八十一万三千円という限度より出し得なかつた。完全に二十五年度においてこれが実施できなかつたということについては非常に本委員会としては遺憾だと思つております。この長く延びたことによつて有形無形の公企業体における損失というものは、私はあると思うのです。政府が今後こういう裁定のなされたときには、飽くまでも早急に解決をして裁定の精神を尊重して行くという建前に立つて、今後の問題を処理されるように私は要望を申上げて、本案に対しては賛成の意を表する次第であります。
#72
○山縣勝見君 本件は各委員から意見が出ておりますから、あえて蛇足を加えませんけれども、ただ皆さんの御賛成の中で、はつきりして置かなければならぬ点が一つあると思うのです。この裁定の尊重に対しては政府は屡次の、大臣その他の御発言によつて尊重されることはもう明瞭でありまして、ただ現実の問題として四十九億数千万円を限度としてこれを承認し、而も残余に関しては来年度においてもこれを支出することができない。支出しないというコンデイシヨナリーで……、この四十九億数千万円と残余の問題は、別の問題でなくして今年度の一つの問題として関係方面その他の折衝によつて、これが衆議院によつて議決され、参議院において今討議しているというように了解しているのです。それからもう一つ私が明らかにして置きたいと思うことは文字が同じでありましても、その議決をするに至つた経過において、各委員の発言がこの文字の解釈に重大な影響を及ぼすような今の解釈の下に、この文句を若しも採決決定した場合には相当の疑義が私は起ると思うのです。殊にこの残余については来年度において、或いはこの残余の問題に対しては、今後公労法第十六條第二項その他の問題の解釈に対して、今後政府その他と折衝して、その解釈を明確にするということを参議院の委員会においてステツプをとることに対しては、これは当然でありますけれども、この残余の問題に対して先ほど来の各委員の御発言の中で、この議決をするについて来年度においてこの残余に対しても出し得るというふうな今解釈の下においてこの議決に対して賛成をするというふうなことでありますなれば、よほどその点明確にして置かなければいかんのであつて、一応この議決に対しては、昭和二十五年度において四十九億数千万円を承認し、残余については一応関係方面その他、或いは衆議院において了解したあの線において議決されて、この残余に対しては、或いはこの公労法の解釈に対しては別個に参議院としては取上げる。一応形式的、実質的には残余の問題に対しては一応出ないということに解釈すべきものだと思うのですが、この点に対して多少アンビリーブの点があるので、一応来年度においては出ないという解釈の下に賛成をする。この点はそういうふうに解釈いたしたいと思います。
#73
○鈴木清一君 今自由党のほうから委員長に問われたことについて、委員長は何か御答弁をされるのではないですか。
#74
○山縣勝見君 答弁は取消します。
#75
○鈴木清一君 それでは私はこの議決案の採決に当りまして内村君と同様誠に不満足でありますが、賛成の意を先に表明しておきます。賛成するに当りまして私は條件を附したいのであります。
 先ず第一番は今回の裁定は、國会に審議を求められまして、今日まで参りまして、曾つてすでに第七國会から第八國会に及んで議題となつておつたのでありますが、その間におきまして決定が出でずして、今日まで参りました。その時期がはしなくも越年を控えまして各官公労、或いは公共企業体従事員諸君が年末資金の要求、或いは年末手当の要求をいたしております際に、たまたま議題の中心となつて来たのであります。従つてこの問題を國会で取扱いまするときに、曾つて越年の問題が起らない八、九月頃の精神を以て、この問題を取上げて、扱つておつたかと言いますと、残念ながら私は少くともこれを扱う國会の場合においては、やはり慣例として官公吏諸君の年末手当の給與と、当然又この支給を暫くべき立場にある國鉄労働組合の要求とを、いささか國鉄公社従事員に対してのみに裁定をすり替えて議題となつた傾向がありますることを誠に遺憾と思いまするので、今後こうした私は純粋な問題であるべきはずのときにおいてはこの見解を明らかにして、こうした問題を國会としては審議すべきであるということを先ず私は申上げたいのであります。議題はたまたまいろいろ期間を経まして、今日ここに提出されました公共企業体労働関係法十六條二項の規定に基くところの國会の議決を求める件、この件の字句の解釈に当りまして残念ながら私は委員会で議論になりましたように、衆議院といたしましても、又参議院といたしましても残念ながら議決議案に対しまする内容解釈に相違があつたということが参議院委員会の中心となつて議論されてそれが結局真に統一された意見の下にこれを議決する間がなかつたということを誠に遺憾に思います。少くとも今後におきましては、我々といたしましてはこの点を十分考えて今後の議決議案については考えなければならないということも私はお互いに十分反省したいと思うわけであります。それから又私は残念ではありまするが、これに賛成する気持は、先ずいつでも政府が労働行政において最近とりつつあります政策の一つの現われといたしまして、弱い労働者を追いつめて、そうして殊更にそれをもらわなければ越年もできない、生活もでき得ないという窮地に労働者を追い込んで、政府の案を不満足でも押し付けるところのやり方というものが、最近二、二年において非常に現われておるのであります。これに対しまする労働者は非常に反揆は持つておりまするが、残念ながら生活の前に弱いのでありまして、これに対しまする意見としては出ても、行動としてこれが反省を求める行為がなされないのが今の現状であります。それを事よしとしてか、いつもこうした態度によつて、機会を得ては問題を提出する政府の工作に対しまして、私は誠に不満の意を表わすものであります。従つて今回の議決に対しましてもそのように考えますれば、そのような政府の政策の一つの現われとして出たところに私は先ず不満があるのであります。残念ながらという言葉も止むを得ずに……、食えないところの労働者を思う意味において、私は今後我々は政府がこうした態度をとることに対しましては強力に反省を求むる行動を以て、この慣行を打破らんとする気持を持つことをここに私はお述べいたしまして、政府は今後こうした態度をとらないということを希望條件として申上げまして、この案に不満ではありまするが賛成する次第であります。
#76
○委員長(植竹春彦君) 他に御発言はございませんか。では御発言がないものと認めまして討論はこれにて終局したものとして、直ちに採決に入りたいと思います。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#77
○委員長(植竹春彦君) それでは採決に入ります。先ほど高田君より御提案になりました案を議題といたします。同君の案を読上げます。
 公共企業体仲裁委員会の裁定(昭
 和二十五年三月十五日仲裁裁定第三
 号)については昭和三十五年度丁にお
 いて四十九億五千百八十一万三千円
 を限度としてこれを承認し、残余は
 これを承認しない。
 こういう案であります。右の通り決することに御賛成のかたは挙手をお願いいたします。
   〔総員挙手〕
#78
○委員長(植竹春彦君) 全会一致であります。よつて本案に対しましては、右のように決定いたしました。
 本院規則第七十二條によりまして本案を可とされましたかたの順次御署名をお願い申上げます。
  多数意見者署名
    岡田 信次   高田  寛
    山縣 勝見   内村 清次
    菊川 孝夫   小酒井義男
    高木 正夫   前田  穰
    村上 義一   鈴木 清一
#79
○委員長(植竹春彦君) 次に委員長の本会議におきまする口頭報告の内容につきましては、本院規則の第百四條によりまして賛成意見者の承認を経ることになつておりまするので、その点御了承願います。
  ―――――――――――――
#80
○委員長(植竹春彦君) 本件はこれにて終了いたしましたが、次に質問の通告がございます。只今連載大臣は衆議院のほうの予算の会議に御出席になりますので御退席になります。大臣に御質問等ございませんか。……それでは滯貨の問題について小酒井岡田荷委員から、港湾の問題について小酒井委員から御質問がございまするが、港湾局長が御出席の関係上、港湾の問題から御質問をお願いいたしたいと思います。
#81
○小酒井義男君 ちよつとお尋ねいたします。或る方面から聞いた話なんですが、北海道地方において職業安定法が強行されている、そのことによつて港湾の荷役或いは港湾の荷役に従事している労働者の間に非常に、事変と言いますか、困つた問題ができているというふうのことを聞いておりますが、そういう事実があるかないか、ありましたらその内容について承わりたい。
#82
○説明員(黒田靜夫君) 職業安走法の実施によりまして、労働供給事業は政府だけができる。或いは許可を受けたる場合には労働組合もできるということに相成つていることは御案内の通りでございますが、港湾運送事業につきましては、これが労働力に依存する度合が非常に多いのでございます。又波上で繁閑の度合が非常に激しい、それらの事情、又労働自身が特殊な技術を要し、熟練を要します関係で、この職業安定法の解釈につきまして、港湾運送事業を営みます場合にはいろいろと細かい協定を労働者といたしまして、その協定が二十三年十二月にでき上りました。爾来その協定に基きまして港湾運送業が経営されておつて、各地とも大なるトラブルなり支障はなかつたのでございます。ところが、本年の十月の七日と思いますが、労働省の職業安定局のほうから、港湾に限りませず一般の労働供給事業の監査をやれ、或いは僞装された労働供給事業はこれを排斥するための監査を嚴にしろという通牒が、都道府県に向つて発せられたのでございます。北海道を除きまする他の都府県におきましては大なる問題はなかつたのでございますが、北海道におきましては一部の荷役作業が、当時の職業安定所から監査に参りました者によりまして、これは労働供給事業であるというような見解があつたのでございます。それにつきましては、当方の局といたしましても通牒がありました後に既定方針に則つて港湾運送業が作業されておる場合には問題がないということを事務的に打合せをやりました。ところが北海道でいろいろ特殊の荷役がございます。北海道の港湾であるために、それは石炭とかそういつたような國鉄或いは荷主の機械を使う場面が相当多くて、労働供給事業とみなされる懸念があつたのでございますが、この点につきましては、早速労働省のほうにあの解釈はどういうふうにいたしておるのかということの打合せをいたしまして、労働省としましては、目下現地からそういうふうな報告をとりまして、北海道の場合にはその現状に即応した解決を図つて行こうじやないかというような打合せを目下やつておりまして、そのような現在段階でございます。北海道におきましては荷役作業は單なる労働供給事業であるから作業会社がやつてはいけないという見解が一部にあるようでありまするが、これは従来のいろいろな協定に基きまして北海道の実状に合うように、労働当局と打合して解決を図つて行きたい。そういうつもりでございます。
#83
○小酒井義男君 現状においては差当つて荷役等に大きな支障を来たしておるということはなついということですか。
#84
○説明員(黒田靜夫君) そうでございます。
#85
○小酒井義男君 それは問題が早期に解決される見通しがありますかどうか。
#86
○説明員(黒田靜夫君) この点につきましては、大体北海道を除きまする都府県において大なる支障なしに參つておりますので、行くとは思いますが、北海道には今申上げましたように、石炭荷役という特別に荷主さんなり、國鉄の機械を借りて作業をやる場合がありますので、こういう点はやはり特殊の解決を図らなければいけませんので、多少の日時はかかるかと思います。なおこの問題とは無関係に、北海道の輪西だと思いますが、室蘭の輪西で労働供給事業であるという認定の下に、輪西の作業会社が道の労働部の勧告を受けて解散した例が一つだけございます。
#87
○委員長(植竹春彦君) それでは次に火災の問題に移ります。
#88
○岡田信次君 國有鉄道には約三百万坪の木造建築即ち燃え易い建築物があると私は記憶しておるのですが、最近頻々と各地に火事が起る。これに対する防火対策なり、或いは消火措置なりを如何にしておやりになつておるか。それを承わりたい。
#89
○政府委員(足羽則之君) 実は今日その御質問があることを予想しておりませんでしたので、数字的な資料は持つて参りませんでございますが、國有鉄道の木造建築物というのは非常に多うございます。つまり九〇%が木造建築物で、そうでない建物は非常に少いように承知いたしております。従つて火災の問題は、非常に國有鉄道としては年々相当な被害がございまして、相当関心を拂つておる問題なんでございます。これが対策もいろいろ考えなければならない問題なんでございますが、将来はできるだけ必要なものを耐震耐火構造にして参りたい、具体的な計画まではまだはつきりしておらないようでありますが、大体そういう考え方を非常に強く考えております。例えば今度の京都駅にいたしましても、やはりこれを耐火構造にしてやつて行かなければいかぬということで設計を計画しておるようでございます。それから全体としても、よく鉄道の建築物を火災保険にかけたらどうかという議論があるのでございますが、併し非常に大きなたくさんの建築物を火災保険に付するということは、むしろ自家保険と申しますか、火災保険に付するよりは、火災の損害を直接復旧して行くというほうがむしろいいのではないか。非常に数量が多いものでございますから、全体としては大体そういう考え方で考えておるようでございます。ただ特殊な建物につきまして、これを火災保険に付すべきや否やというような点については検討いたしております。非常に簡單でございますが、以上お答え申上げます。
#90
○岡田信次君 将来については勿論耐火構造にするということは望ましいですが、さつきも私申上げたように、大体現在足羽さんも言つたように、三百万坪の木造建築物がある。これを保護することが大切なんで、これに対する防火なり消火なりに努めて頂きたい。なお私の仄聞するところによりますと、折角、國有鉄道にある鉄道技術研究所において一両年の間に非常に有効な防火塗料と言いますか、防火剤が研究の結果は生まれておるということを聞いておるにもかかわらず、一向これが使われておらないというふうに承知しておるので、折角設けておる研究所の機能を十分発揮されぬということについても遺憾の点があるようでございますから、将来は十分御考慮を煩わしたいと思います。
#91
○小酒井義男君 前回だと思うのですが、委員のほうから滯貨の問題について、これは荷物の詰つておる滯貨のほうですが、御質問があつて、徐々に解決されつつあるというような御報告を承わつたのですが、その後滯貨はやはり相当あるらしいというふうなことも聞いておりますので、現在はどういう状態になつておるかということを一つ
 お尋ねしたい。
#92
○政府委員(足羽則之君) 前回、私極めて概略をお答え申上げたわけでございますが、最近の実状につきまして幸い國有鉄道から配車課長が參つておりますので、直接詳しく御説明を聞いてもらうようにいたしますので、御聴取を願います。
#93
○説明員(今村義夫君) 朝鮮動乱が勃発いたしましてから、非常に輸送が輻輳いたしまして、駅頭滯貨も非常に殖えて参つております。六月頃大体四十万トンでございましだものが、十月の末には百五十万トンを数えるという状況に立ち至つたのであります。こういう状況になりまして我々は大体秋冬繁忙期の予想からいたしますと、相当これは滯貨が殖えるというように非常に心配いたしまして、十月一日から貨物輸送能率向上運動という大運動を起しまして、相当能率を発揮いたしているんでございます。その結果と申しますか、大体一日平均三十万トン前後を六月頃輸送いたしまして、その後逐次土つては参りましたものの、三十二、三万トンくらいが一日の平均輸送であつたのでございますが、十月に入りましてからは三十五万トン平均、十一月に入りましてからは三十七万トン、三十八万トンで、最高三十九万トンまで出したのであります。こういうように成績が上つて参りましたので、その後十
 一月以降の滯貨の伸びはとまりまして、大体横這い状態を続けているのでございます。今朝現在では百四十一万トンという数字になつております。で恐らく私どもの見るところでは、三十七、八万トン輸送できれば、これ以上伸びないのではないか。輸送の申込がこれ以上殖えるということはなかろう。こういうように思つて、十二月に伺いましても相当上昇に重点を置きまして、今努力を重ねているところでございます。
#94
○小酒井義男君 年末を控えて、いろいろ産業界が滯貨の問題については問題があると思うのですが今御説明になつたような対策で、これからの荷捌きがそういう不安な状態にならないように捌いて行ける見通しか。それに対して又これらの根本的な解決策としてはどういうふうにして行こうかとお考えになつているか。こういう二つの面についてお伺いしたいと思います。
#95
○説明員(今村義夫君) 第一点につきましては、我々当面の問題といたしましては、どうしてもやはり能率を上げること以外にないと思つております。従つて十二月は相当出荷要請も強うございまして、我々が今考えられる最高の能率を発揮するといたしましても若干の輸送の残りはできるのじやないか。輸送不足ができるのではないかというふうに考えておりますが、今まで大体我々の目標を十一月が千二百万トンでございましたが、これを更に百万トン引上げて千三百万トンの輸送計画で今進んであります。これはなかなか容易なことではないと思いますが、いろいろ輸送技術的に細かい手を打つて行きまして、千三百万トンの輸送を是非完遂したいということで進んでいるようなわけでございます。併し根本的にはどういたしましても自由経済体制下におきましては、統制輸送時代と異なつて、平均輸送ができなくなつて秋冬繁忙期に貨物が輻輳するという傾向が見られ、これに対しましてはどうしても、やはりもう少し貨車を作るということが先決問題であろうと、かように考えております。この問題は来年度の問題になりますが、貨車の新造につきましては目下関係庁で練つておりますので、まだ具体的に、最後的に申上げるわけには行きませんが、そういう方向で進んで行つたならば大体切拔けるのではなかろうかと、かように考えております。
#96
○内村清次君 今の政府のほうで御答弁したことですが、来年度の貨車の新造計画ですね。これは来年度の予算にすでにもう提出されておられますが、聞くところによりますと関係方面からは年間一万輌ですか、要請は……。そこでその現在の資金計画におきましては、一体何輌ぐらい新造され得る余地があるかという問題ですね。これについて具体的にお話願いたいと思います。
#97
○政府委員(足羽則之君) 関係方面から相当数量の貨車の増備をやつたらどうかという話がにわかに持ち上りまして、非常に来年度の予算は窮屈だつたのでございますが、その点について重ねて今いろいろ折衝いたしておりまして、いろいろな案を私どもも承知いたしておりますが、実はまだ固まつた案として申上げるほどに私はつきり聞いておりませんので、後刻もう少し時日をおかし頂いて御報告申上げたいと思います。
#98
○内村清次君 その点は一つ後刻でもよろしうございますが、そういう現下の滯貨の処理といたしまして能率増進ということを第一に取上げておられる。これは細かい質問をしていますと、時間の関係からも申上げられませぬが、この貨車の停滯の短縮ですね、これを根本義として考えておられるのか、或いは又日通関係に対する積込時間の短縮だとか、どういう方面にその能率主義を集中せられておるのか。その点を一つお聞きしたいと思います。
#99
○説明員(今村義夫君) 貨車の能率を上げますといいますことは、結局貨車の回転率を高めるということでございます。貨車の回転率は、まあ総現在車に対しまする使用車の割合、これを貨車の運用効率と言つておりますが、これは戰前は三八%まで上つております。これは終戰後は最低一八%まで下りましたが、逐次上昇いたしまして最近では、この運動を始める前は、二四%ぐらいのところまで上つて来ておつたわけであります。これはもう少し戰前の姿まで帰る方法はないかということで、目下馬力をかけております。が、この運用効率が下つております第一の問題は、これは貨物の足が伸びておることでございます。これは船舶の関係でありますとか、或いは関門隧道が開通しているということで、貨車の足が伸びることは当然のことでございまして、この面から、この運用効率が下つておることは確かなことであります。次に考えられますことは、やはり貨車の発着駅におきます荷役時間が伸びておる問題であります。この問題は通運業者の方々に、或いは荷主の各位に御協力を願わなければならぬ面が多分にございます。この点からいろいろお願いしておるわけでありますが、やはり何と申しましても労働基準法の関係でありますとか、或いは通運業者の経営の問題というような観点から、或る程度伸びるのは止むを得ないと思います。まだ戰争前に比べますと延びております。この戰争前の停留時間にこれを近付けるということが問題であります。それには内部的な入替えの関係でございますとか、いろいろ問題が残つております。細かい点をやつておるわけであります。それから修繕貨車が非常に殖えております。その点から貨車の回転率が伸びていないという点もございましたので、これも今内部的に努力をしておるわけであります。それから全体としての輸送のスピードが戰前ほど伸びていなかつたのであります。この列車スピードの問題も中継駅が非常に多かつたためにその作業が合理的でなかつたりして、落ちておる面が多分にあるのであります。それは今年の時刻改正を期としまして列車網の整齊をいたしまして、いわゆる直通を作るというようなことで非常に効果があつた。こういう細かい点、いろいろ総合的にどれに重点を置くということじやなしに、いろいろ言い古されたことでございますが、細かい点に重点を置いて総合的に能率を上げて行こうということにしておるわけであります。
#100
○内村清次君 あと二点について伺いますが、その能率増進の点につきまして、どうも現在の配車関係におきましてのローカル線に対する考え方が非常にまだ落ちておる。これは事実におきまして、九州関係、或いは四國、或いは又ローカル線、こういうような線路関係で而も原産地関係、材木の原産地及び米穀の原産地関係、こういうような関係に対して配車が円滑に行かない。それは理屈を言わせれば、結局、その経由時間が非常に延びる。或いは又列車回数が少いから、いわゆる貨車の運行の時間と、それから停滯の時間が非常に延びるのだからという理由を付けてやつて行かれる。そのために非常に滯貨が著しく、売捌きができないという現状があると同時に、四國の貨物航送船にしても、四國の滯貨状態はこれは航送船の問題で、この航送船は今の宇野の岸壁に線路が出来たのでありますが、ああいうような関係が航送船を通して、そうして四國の貨車輸送を本州と直通でやるというような、そういう重要なポイントに対しての面がどうも欠けておるように感じて、而も原産地関係のたとえ閑散線区であろうとも非常に滯貨、即ち貨車をもらうのに困難をしておるというようなところでは、非常にこの鉄道に対する非難が寄せられているようですが、こういう点に関しまして本省関係としては目が屈いているかどうか。この点を至急に勘案されて、合理的な配車の計画をされたなら、まだ滯貨というものは減少するということになりはしないか。ただ本線けだを考えて、そうして今日の貨車の動きは何輌増加したということだけの統計面に現われたことだけで、本省は数字に眩惑されて、実際の滯貨に対しての親切さというものがまだ達しておらないというような現状を私は見地において見ておるのですが、そういう点に対して本省関係の計画を、考えを一つ及ぼしてもらいたいという希望意見があるのであります。これはもう御答弁にならんでも……、希望意見ですから。
#101
○小酒井義男君 先ほどのお答えの中に滯貨の数字がございましたが、先ほど百四十八万トンというお話がありましたが、これは駅頭に出ておる滯貨であつて、駅のホームが満載しておるために、そこへ持ち込めない品物も相当あるのではないかと思うのですが、こういうことはどうなさるか。
#102
○政府委員(足羽則之君) その点は駅で輸送をしてくれといつて申込まれた数字を想像されるのですが、我々としては提出になつた数の合計を、滯貨として毎日統計面に現われて来るのを見ておるわけであります。その数字が百四十八万トン、こういうことになつておるわけであります。
#103
○委員長(植竹春彦君) それではこれを以て本日は散会いたします。
   午後四時四十四分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     植竹 春彦君
   理事
           岡田 信次君
           高田  寛君
   委員
           山縣 勝見君
           内村 清次君
           菊川 孝夫君
           小酒井義男君
           高木 正夫君
           前田  穰君
           村上 義一君
           鈴木 清一君
  國務大臣
   運 輸 大 臣 山崎  猛君
  政府委員
   運輸省鉄道監督
   局長      足羽 則之君
  事務局側
   常任委員会專門
   員       古谷 善亮君
  説明員
   運輸省港湾局長 黒田 靜夫君
   日本國有鉄道輸
   送局配車課長  今村 義夫君
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト