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2000/03/10 第147回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第147回国会 労働委員会 第3号
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2000/03/10 第147回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第147回国会 労働委員会 第3号

#1
第147回国会 労働委員会 第3号
平成十二年三月十日(金曜日)
    午前九時三十二分開議
 出席委員
   委員長 赤松 広隆君
   理事 谷畑  孝君 理事 能勢 和子君
   理事 穂積 良行君 理事 森  英介君
   理事 鍵田 節哉君 理事 城島 正光君
   理事 河上 覃雄君 理事 笹山 登生君
      大村 秀章君    木村  勉君
      小林 多門君    白川 勝彦君
      田中 昭一君    棚橋 泰文君
      長勢 甚遠君    福永 信彦君
      松本 和那君    村岡 兼造君
      渡辺 具能君    石橋 大吉君
      中桐 伸五君    松本 惟子君
      西川 知雄君    桝屋 敬悟君
      青山  丘君    大森  猛君
      寺前  巖君    畠山健治郎君
      土屋 品子君
    …………………………………
   労働大臣         牧野 隆守君
   労働政務次官       長勢 甚遠君
   政府参考人
   (厚生省老人保健福祉局長
   )            大塚 義治君
   政府参考人
   (労働省職業安定局長)  渡邊  信君
   労働委員会専門員     渡辺 貞好君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月十日
 辞任         補欠選任
  西川 知雄君     桝屋 敬悟君
同日
 辞任         補欠選任
  桝屋 敬悟君     西川 知雄君
    ―――――――――――――
二月二十九日
 高齢者の雇用機会の創出に関する請願(大口善徳君紹介)(第二二一号)
三月二日
 リストラ・企業再編に伴う解雇を規制するための労働者保護の法制化に関する請願(大森猛君紹介)(第四六四号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第五号)

    午前九時三十二分開議
     ――――◇―――――
#2
○赤松委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として厚生省老人保健福祉局長大塚義治君及び労働省職業安定局長渡邊信君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○赤松委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
#4
○赤松委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。能勢和子君。
#5
○能勢委員 皆様おはようございます。この法律の最初の質問をさせていただきます能勢和子でございますが、大臣に二問ほどお尋ねしたいと思っております。
 最新の雇用情勢を見ますと、有効求人倍率が三カ月連続で上昇しまして〇・五二倍、決して高い水準ではございませんが、一年六カ月ぶりに〇・五倍を超えたわけであります。また、雇用の先行き指標であります所定外労働時間も三カ月連続して増加しております。一月を見ますと対前年度比三・三%と、少しずつ明るい動きも見えているのではないかなと思っております。このような動きの大きな要因の一つが介護分野の動きであります。
 介護分野では、介護保険制度の実施がいよいよ目前に迫り、民間企業が本格的にこの分野に新規に参入し、新たな雇用機会をつくり出しているところであります。また、我が国の高齢化のピークは二〇二五年ごろと言われておりますが、御案内のとおり、二〇二五年には六十五歳以上の人口は三千三百万人、現状の一・五倍でございます。その中で、推測しますと、寝たきり老人などいわゆる要介護者の数は五百二十万人、現状の一・九倍に増加するとされています。このように、介護分野は、介護保険制度のスタートに伴って一時的に労働需要が拡大しているだけでなくて、今後とも長期にわたって基本的に伸びていくものだろうと考えております。
 一方、そうした求職者に目を転じますと、福祉の仕事というのは大変やりがいがある、やりがいを感じる、そうした形で私どもかかわります施設には入ってきておりますし、また、将来性もある、大変イメージのよい職業として、私自身がかつて考えていた以上にこのことに明るいものを感じているわけであります。
 ですから、介護分野は求人も伸び、また求職者の人気もありまして、思いのほか動きが起こっている。そうなりますと、今後の見通しとしてもさらに拡大が見込まれるだろう、まさにこれからの雇用の受け皿として大変期待できる分野となっていると思っています。
 しかしながら、こうした現状に問題点がないわけではありませんで、その問題点としましては、介護分野で働く労働者の処遇や労働環境など、いわゆる雇用管理の面が出てくるのであります。
 介護労働は、人手に頼る部分が大変多く、重労働であります。また、二十四時間通してのサービスでありますので不規則な勤務になりがちでありますし、一方、パートタイマーの比率も極めて高くなってまいります。さらには、福利厚生面でも、本来、健康管理が極めて大切な分野であるにもかかわりませず、事業所内の健康診断の実施率なども他のサービス業に比べておくれているのではないかと思っています。ホームヘルパーや介護福祉士、介護支援専門員など、資格制度が整備されており、労働者が上の資格を目指して勉強しやすい分野でもありますけれども、事業所において、能力開発なども、他のサービス業に比べて本当にいい実施がされていないのじゃないかというふうに見ております。
 実際、せっかく求人が増加しても、そうした雇用管理面が不備で、不満を持って、求職者が応募をしり込みしてしまう、あるいは、就職してもすぐやめてしまうという状態もあるわけであります。
 だから、そうしますと、必ずしも希望者が就職に結びついていないということがあるわけでありますので、介護分野の雇用を伸ばしていくためにも、そのようなミスマッチを改善するための取り組みは欠かせないのじゃないかなと考えています。
 今申し上げましたような視点から介護労働の現状を見ますときに、この法案は基本的に大変時宜を得たものであろうと思っています。
 そこで大臣にお尋ねしたいわけでありますが、この法案ではどのような対策を講じようとしていらっしゃるのかということで、もう一度大臣に確認しておきたいと思っております。
 続けて質問させていただきます。きょう、ここが論点といいますか、一番お尋ねしたいのは、二番目としまして、この法案について確認しておきたいことは用語の問題であります。
 この法律では、まず、要介護者に対する介護、看護、いわゆる機能訓練などの業務を介護関係業務と定義しておりますね。介護関係業務などを行う労働者を介護労働者と呼んでいるわけです。そして、この法律の名前も、名称が介護労働となっているわけです。
 介護労働者というのは、通常、私たちは、ホームヘルパーとか寮母さんとか寮夫さんというイメージがありまして、これを指して使うことが多いわけであります。したがいまして、看護婦が介護労働者と呼ばれるとすれば、介護と看護の境界線がどうなるだろうか。あるいは、看護婦として自分が持っている専門性とか知識を生かして行う業務の範囲と介護労働との間に不安を感じないわけではありません。
 そこで二つ目の質問は、介護労働者について、具体的な範囲、範疇、そしてこの用語を用いた理由等々について、大臣に二つの質問をさせていただきたいと思います。
#6
○赤松委員長 質疑時間が超えておりますので、簡明に答弁を願います。
#7
○牧野国務大臣 おはようございます。
 ただいまの能勢先生の御意見並びに御質問でございますが、御承知のとおり、高齢化の進展やら介護保険制度の開始等を背景といたしまして、介護サービス需要が非常に増大してきておりまして、労働需要の大きな拡大が見込まれる大きな分野、このように考えております。
 こういう観点から介護労働者法を改正し、一つは、民間の営利企業のみならず、社会福祉法人、医療法人、それから特定非営利活動促進法に基づくNPO等も対象にいたしまして、また、労働者については短時間労働者も対象に加えて、介護分野における新たなサービスの提供や事業の開始に伴う労働者の雇い入れについて、賃金の二分の一を六名まで一年間助成する、こういう措置を創設いたしたいと思っております。もう一つは、ホームヘルパー二級、三級等の養成講習を離転職者を重点に実施する介護分野における能力開発の推進。これを主たる改正点として法案を提出させていただいた次第です。
 それからもう一つ、先生御質疑の、介護労働者というのはどういう定義かという御質問でございます。
 私どもとしては、介護労働者法では、法に基づく助成、援助等の対象となる労働者を介護労働者、このように総称いたしたいと考えております。これにつきましては、お医者さん、歯医者さん、看護婦さん、薬剤師、理学療法士、作業療法士、ホームヘルパー、こういう関係の方を全部まとめて介護労働者、こういうように総称いたしたい、こう考えているところであります。
#8
○能勢委員 どうもありがとうございました。
#9
○赤松委員長 桝屋敬悟君。
#10
○桝屋委員 おはようございます。私も、時間がありませんから、端的にお伺いしたいと思います。
 私は、九八年三月のこの委員会で、この法律、厚生省の法律とともに、大きな問題があるということも指摘をさせていただきました。したがいまして、今回の改正は私も念願するところでありましたので、高く評価したいと思っております。
 そこで、一点目は、今回の法律改正により行われます数々の支援措置、この支援措置と介護保険制度や福祉事業との関係であります。
 この改正によって、今まで対象となっていなかった社会福祉法人、医療法人、NPO等が支援措置の対象となるわけであります。それは結構でありますが、そうした場合、四月から始まります介護保険制度の介護報酬あるいはその他自治体が実施しているさまざまな福祉の支援措置、これとの関係はどうなるのか、どういうふうに整理されるのか。私は、役割分担が違うというふうに理解をして、介護報酬とこの制度の支援措置はともに行われるのだろうというふうに期待しておりますが、その点、いかがでしょうか。
#11
○牧野国務大臣 先生御指摘のとおり、四月一日から施行になるわけですが、当然のことながら、これを受け入れる体制に万全を期さなければなりません。
 そういう意味におきまして、一つは、現在存在する介護労働安定センター、この事務能力をどのように進めるかということでございますが、現在、本部に二十七人、これを三十一人に増員したい。各県にあります支部について、五人のところは六人に増員したい。あるいは、七人のところは八人に増員したい。こういう形で早急に体制を整備いたしたいと思っております。
 それから第二点でございますが、これらの業務は、今日まで、県だとか労働省関係の職安、こういうところで相談してやっておったわけですが、こういう関係の調整をどう行うかというのが、この法律改正後、円滑に実施されるかどうかという点が問題でございます。
 そういう点で、介護労働安定センターの各都道府県支部、各都道府県の福祉関係の部局、それから、計画を認定いたしますことをお願いしておりますから、これの都道府県の担当課、それから各都道府県労働局職業安定部局、これは四月一日から発足する労働省の各府県の統合機関でありますが、これらをメンバーとする雇用管理連絡会議というものを定期的に開催いたしたい。みんな知識、経験を持ち寄って、協議会を設定いたしまして、関係行政機関との連携に万遺漏なきを期したい、こう考えておるところであります。
#12
○桝屋委員 ありがとうございます。
 私、順番を間違えて質問通告をしたもので、二番目の質問に今お答えをいただいたわけであります。今大臣がお答えになったのは、介護労働安定センターは本当に大丈夫か、この支援措置の核になる、かなめであります介護労働安定センター、これが本当に機能するかどうか、今までの経緯も含めて私は大変心配しておったわけでありますが、今のお答えで、機能強化のためにスタッフもふやす、あるいは福祉関係ともしっかり連携を広げていく、こういうお答えをいただいたわけで、ぜひともそれはがっちりやっていただきたい。
 大臣、簡単にはいきませんから。今大臣がおっしゃったように簡単にいくんだったら、今までだってこの法律はうまくいっているのです。今までは、法律は決してうまくいっていません。ただし、今回の改正によって、今までの作業がまさに事前準備であったというふうに私は思っているのでありますが、ぜひ今お答えのような方向で御努力をいただきたい。機能強化ということは極めて大事な点だというふうに指摘をさせていただきます。
 もう一点。そうしましたら、今回の支援措置、さまざまな助成措置がありますけれども、その支援措置は、端的に言うと、人材確保助成金あたりは、常勤労働者をふやした場合助成をされるわけでありますから、人に対して労働省サイドからの助成措置がある。しかし、実際に介護サービスをやっていれば介護保険からも報酬が出る。二重取りになるのではないかという批判も世間から出てくるのじゃないかと思うのですが、私は、これは役割が違うという整理をして、ともにといいますか、介護保険本体の介護報酬はもちろんある、それに立ち上がり資金として今回の改正における支援措置が行われるんだろう、このように期待をしておりますが、もう一回確認させてください。
#13
○牧野国務大臣 御指摘の点は、私自身も、新制度発足に伴いまして、本当にうまくいくかどうか、いってほしいという願いはいっぱいですが、やはり気になるところは実はあるわけです。
 都道府県に認定業務を任せている、これは地方分権の関係からこのようになったわけですが、一応現在の法体系のもとでベストを尽くさせていただきたい。そして、もし現実にいろいろ問題が出てくれば、直すことはできるわけですから、まず今申しました二つの制度できちっと発足させたい、行政としては万全を期したい、こう考えております。
 それから、今回の助成金の出し方でございますが、営利法人に限らず、社会福祉法人、NPO等幅広い事業主に対して、新たなサービスの提供や事業の開始当初にかかわる助成措置として一年間助成する。まず人を雇用していただいて、事業主の皆さんも頑張っていただきたい、そのための助成ですよ。一年間頑張っていただいて、後は独立して円滑に業務が実施できるようにお願いして、あくまで一年間に限るいわゆるスタートダッシュの措置、こういうことで考えさせていただいているところです。
#14
○桝屋委員 一年間のスタートダッシュの部分に立ち上げ資金として支援をするということは結構でありますが、こういう事例があります。介護保険が四月から始まれば、既に実際に介護サービスをやっている方が新たに人をふやして体制を強化する、こういうこともありますから、そうした場合はぜひこの支援措置が適用できるように、恐らく適用できるというふうに理解をしておるのですが、それは本当に適用になるのかどうか、もう一度確認をさせていただきたいと思います。端的に、できるかできないか、お答えいただきたいと思います。
#15
○牧野国務大臣 今、先生、端的にというお言葉でございますが、私どもは、まさに端的に、そのとおり施行させていただく、できる、こう考えています。
#16
○桝屋委員 わかりました。こういう事例が多分あると思いますから、まだ介護保険が始まるばかりでありまして、体制は整えたけれども、労働者は需要をしっかり見ながら、ニーズを見ながらやっていこうという体制があるわけでありますから、ぜひその点は御留意いただきたい。
 最後に一点だけお願いをして終わりたいと思いますが、この法律、平成四年にできたもともとの動機づけといいますか、それは、実は厚生省と労働省がまだ仲が悪い時代でありまして、その時代に、介護労働力を確保しよう、あるいは介護労働者の雇用管理を進めようという観点で始まったわけであります。端的に言いますと、家政婦紹介所で働いておられるケアワーカーさん、こうした方々を地域の在宅サービス等でしっかりと活用していきましょう、こういうことでスタートしたわけでありまして、そのスタート時点の法律が端的に目指したものはこれからもなお必要だと私は思っておりますから、引き続き、厚生省と一緒にはなりますけれども、連携はその点で安心しておりますが、一等最初のスタートの原点もどうぞお忘れなきように法を進めていただきたい、施行していただきたいということをお願いをして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
#17
○赤松委員長 笹山登生君。
#18
○笹山委員 時間もございませんので、二点に絞ってお伺いしたいと思います。
 今回の改正案につきまして、まず事実確認でございますけれども、雇用保険に入っているNPOは拒まずというような位置づけだと思うんですよ。それにつきまして、現在、例えば介護業務にかかわるNPO的存在のものがどのくらいあって、そのうちNPO法に登録したもの、認可されたものがどのぐらい、そしてそのうちの雇用保険対象がどのくらい、その辺の実数なり実態をおつかみでございましょうか。
 というのは、何で私がこんなことを言うかといいますと、ホームページの中に、市町村から受託する場合、NPO法人の資格を取りなさいと勧めているような例があるんですよ。したがって、受託するためのNPO法人的なものがどんどんふえているような感じがありますので、インセンティブを与えるからには実態を把握してインセンティブを与える必要がある、そういう問題意識でもって御質問しているわけでございます。
#19
○渡邊政府参考人 今般のこの介護労働者法の改正に対しましては、助成の対象とします事業主については、医療法人等に加えまして、今御指摘のNPOも支援の対象に加えていこうということで考えているわけでありますが、その実態については、大変恐縮ですが、なかなかまだよく把握していないところがございます。
 現在、特定非営利活動促進法に基づいて認証を受けておりますNPOは約一千五百ぐらいあると思いますが、その中で保健医療分野の認証を受けたNPOというのは約一千ぐらいというふうに見ております。さらに、この中でどれくらいが介護の事業を行われ、助成の対象になり得るかということについては、大変恐縮ですが、正確な把握がまだできておりません。
 今後、制度の周知を行う中で実態の把握に努めたいと思いますし、また、そういったところでどういった労働条件でこの業務が行われることになるのか、そういったことも含めて、今後よく実態の調査にも努めてまいりたいと考えております。
#20
○笹山委員 緊急ということでやむを得ない面もございますが、これからでもよろしゅうございますから、十分な実態把握をひとつお願いしたいというふうに思います。
 第二点、これはややマクロの問題なんでありますけれども、労働省さんはかねてから、NPOと労働行政との連携というようなことで、非常に早くからその辺の問題意識をお持ちになられまして、研究会の開催とか、あるいは、委託研究でありますけれども調査報告書の作成とか、そういうことでずっと来ているわけですね。それが、一昨年の夏ぐらいから、産業界サイドの方を中心にしまして、雇用政策としてNPOを受け皿にというようなムード、機運が高まりまして、そして昨年の雇用対策、産業競争力強化策というような流れになったのですね。その辺、NPOの位置づけというものが色濃く盛り込まれているというような流れになっていると思うのですよ。
 私が一つ懸念しておりますのは、その間、あるいは今までの間におきまして、労働省さんとNPOサイドとの意思疎通の場というのがあったのかどうなのか、あるいは、NPOサイドの提案に対しまして、雇用政策の中に取り入れるというような一つのフィードバック回路といいますか、そういうようなものがあったのかどうなのか、その辺をひとつお伺いしたいと思います。
#21
○牧野国務大臣 NPOの皆さんが政策的にこういう仕事ができるよということになりますと、普通の事業主体と違いまして、やはりそれに対応するのに、私どもが考えている以上にいろいろな問題点が生じてくると思います。しかしながら、私どもとしては、雇用対策として考える場合に、単に事業者ではなくて、幅広くいろいろな関係の皆さんに、新たな雇用を確保するという見地からお願いいたしているわけであります。
 それで、トータル二千億円を出してやらせていただいております緊急地域雇用特別交付金事業、これにつきましては、その策定過程において、NPO関係者の意見も一応いただきまして策定されたものでございまして、各地方公共団体が民間企業やNPOに委託して事業を実施しようとする場合に、その事業に最も適応した委託先が選ばれるように、交付金事業の説明会の開催や入札にかかわる情報の公開等にも対応しておりまして、NPOも含め意思の疎通を図っており、今後も、具体的な事例に関しましていろいろ御意見が出てまいっておりますので、さらに地方自治体に、こういう問題提起があったよというような情報も提供いたしまして、円滑な運営がより完全になされるように私どもとしては努力をいたしたい、こう考えているところです。
#22
○笹山委員 現在は、緊急策と長期策との一つの過渡期のような時期にあると思うのでやむを得ない面はあるわけでございますけれども、ちょうど昨年の強化策が出たのと相前後しまして、日本NPOセンター、これは、山岡さんというNPO法の立て役者でございますけれども、この方を事務局長さんとする団体さんが緊急提言をされました。それと相前後しまして、昨年の八月ですか、日本NPOセンターさん、事業センターさん、サポートセンターさん、この三者で新たな提言をされました。
 これは労働省さんに対しましては何かあったのか、それとも労働省サイドで何らかのレスポンスといいますか反応があったのかどうなのか、その辺をちょっとお伺いしたいと思います。
#23
○渡邊政府参考人 今お話のありましたNPOサポートセンター等と、例えば私どもの労政局の部局等は接触しているようですが、安定局と特にこういった助成について具体的にお話を持ったということはございません。
#24
○笹山委員 ですから、そこが原点だと思うのですよ。
 NPOサイドからいいますと、何となく降ってわいたように、ある日突然、NPOを雇用の受け皿になんて大合唱が自分の知らないところでもってわき起こってきた、何だというような感じがするわけですよ。ですから、おくればせとはいいながら、せっかく緊急提言をされているわけでありますから、これに対応されるというお約束はできますか。
#25
○牧野国務大臣 私どもは、NPOが雇用創出に果たす役割は、先生お考えのとおり、非常に重要であると考えておりまして、先ほど申しましたとおり、緊急地域雇用特別交付金事業の実施に当たっても、NPOも事業の委託先の一つとして考えております。例えば、NPO人材バンク、これは東京と大阪に設置されているわけですが、この設置によりまして、NPOボランティア活動希望者及びNPO双方についての登録、情報提供事業を行っております。また、今回の介護分野における助成措置につきましては、当然NPOも助成の対象となり、緊急雇用対策という観点のみならず、今後の雇用制度全体の新たな動きの中長期的な観点から実施する、こういう雇用対策でございまして、NPO関係の皆さんにも十二分に情報を提供し、やりたいというはっきりした御意思があるのであればそのように行動していただきたい、どのような場合にでも御相談に応ずる、こういうものにいたしたい、こう考えております。
#26
○笹山委員 非常にいい御確認をいただきまして、ありがとうございました。
 ただ、さらに言わせていただきますと、県レベルにおきましても、労政担当課とNPO担当課というのがどうも有機的な連携ができていない、したがってNPOの方にはなかなか情報公開が来ない、したがって手を挙げるにも挙げられない。そういうような一つの不協和音といいますか、一つの対話不足といいますか、どうもそういうような現象が、県によって違いますよ、宮城とか岐阜とかいうところは非常にうまくいっているのでありますけれども、非常に県間のばらつきがある。その辺の方も、これを機会にうまく意思疎通ができるようにひとつ頑張っていただきたいというふうに思うわけでございます。
 それで、先ほどの緊急提言の中に幾つか貴重な提言があるわけでございます。
 一つは、緊急対策としての一時的交付金の大量投入によって、NPOの自発性、自立性を長期的には損ないはしないかというのが一点です。
 それから二点目に、行政提供の社会的サービスのNPOへの移行。いわば、行政主体的なサービスの移行じゃなくて、NPOならではの一つの社会サービス、それに対する雇用創出的な効果を期待する、そういうことが課題なんじゃないかというのが二点目です。
 それから三点目は、やはりNPOというものは今濫觴期でございまして、なかなか体力がないんですよ。だから、赤子に札束を渡すようなことはしないで、NPOを直接の雇用の場と期待するよりも、やはり間接雇用の効果というものをNPOに期待してほしい。その辺のソフトインフラ的なものあるいは研修システムとか、そういうような、一つの取り巻く社会インフラというものをつくりながら、やや迂回した格好での雇用効果というものを発現してほしい。
 そういう三つの提言をされまして、具体的な七つぐらいの提言をされているようでございます。
 私も、数年前にイギリスに参りまして、あるNPOなりトラストにお邪魔しまして非常に感心しましたのは、そこのプログラムの中に、イギリスのETという国の雇用トレーニングプログラムと連携して、例えば自然保護とか環境修復とか、そういう技術トレーニングとタイアップしての失業者枠というのをトラストなりNPOの中に設けていまして、それが約二百人ぐらいの枠があるんですね。
 こういうような労働行政とNPOなりトラスト等との有機的な連携というのが、やはりこれからの、二十一世紀の一つの大きな新しい雇用行政のキーワードになるんじゃないかというふうに私は確信しているわけでございます。
 どうか牧野労働大臣におかれましても、やはり二十一世紀の牧野行政をつくるぐらいの意気込みでもって、これを一つのキーワードにしまして、新しい格好での長期的な戦略というものをやっていただきたいとお願いすると同時に、それには、やはり今のNPO優遇税制の確立というのが体力をつくるためにも一つの条件でございますので、その辺も、ひとつ内閣として大蔵大臣等に牧野大臣の方からお願いをするとか、そういうような体制もひとつお願い申し上げまして、あとお答えいただきまして、私の質問を終わりたいと思います。
#27
○牧野国務大臣 先生御指摘のとおり、新しい制度を始める、助成を行うというときには、実は必ず手続が伴うわけなんですね。ですから、私自身は、いかに手続を簡素化するかということが念頭から離れないわけであります。
 そういう点で、先ほど申しました協議会の設置等、これが具体的にどう動くかということにつきましては実は大変な関心を持っておりまして、もし支障を来すようなところがあれば、すぐ直ちに是正措置をとりたいと思っています。
 それから、NPOの皆さんがここに入る場合に、現行の制度で、その幹部の方がどういう雇用管理をしたらいいかという点についてはその研修費用を助成するという制度があるわけですが、今度は、介護それ自体に働く人に対する研修制度ともう一つ深めまして、雇用確保の観点から、介護にかかわるお勤めの方の能力が上がるように、助成制度を追加いたしております。NPO関係の皆さんが、介護事業をぜひ自分がやりたいというときには積極的にこういう制度を御利用になっていただいて十二分に対処できるように、NPOの皆さんにもそのようなことをお願いさせていただき、私どもとしましては、ぜひ参画したいという方には参画できるようにいろいろな普及活動をさせていただきたい、こう考えております。
 先ほどおっしゃった雇用に対する考え方はどうかと、大変ありがたい御下問をちょうだいいたしたわけでありますが、私自身は、今の過剰三問題、過剰設備だとかあるいは過剰なる債務だとか、それに過剰労働というのを、いわゆる資源を同じように並べているという考え方、極めて不愉快でございまして、なぜ人間様が休まなきゃいけないのかと。どんどん磨けば磨くほど、お金や物とは違う貴重な存在でありますから、そういう観点から労働政策をしっかり見直していきたい。
 ですから、介護につきましても、例えば、若い新卒者の方々がやはり将来の日本の構図はこうなんですよ、生きがいなんだという形で入ってきていただける、あるいは中高年齢者が、あるいはシルバーセンターに登録されている方も遠慮なく生きがいとして介護分野に入ってきていただきたい、このように考えているわけです。
#28
○笹山委員 ありがとうございました。
#29
○赤松委員長 畠山健治郎君。
#30
○畠山委員 極めて限られた時間でございますので、明快に端的にお答えをいただきますようにお願いを申し上げたいというふうに思います。
 失業対策が本案の最大の眼目であることは提案理由の説明でもお伺いをいたしました。そうしますと、これによる雇用増はどの程度見込んでいらっしゃるのか。また、本案の目玉である助成金、給付金、奨励金による援助措置は省令事項とされておりますが、失業対策上最大の目的である以上、失業率がどの程度低下するまでこれが続けられていくのか。今後十年間の失業率について三%台後半と労働省は見込んでおる以上、当然この援助期間についても数字上の見通しを持っておると考えますが、いかがでしょうか。
#31
○牧野国務大臣 雇用機会の創出、こういう見地から介護事業にも助成措置を考えているわけでありますが、まず第一に、平成十二年度に予算上約一万人の直接的な雇用効果を見込んでおります。
 何分スタートなものですから、一応一万人と。例えば、六人以内で約一万人を助成するということになると、計算をしますと千六百団体ということになるわけです。果たしてこれで済むかどうか、そういう点は一応めどを立てましてやらせていただきます。
 それから第二点は、離転職者を重点としたホームヘルパー二級、三級の件でございますが、全体で三万人を超える方に実施いたしたい、こう考えております。
 数字的に申しますと、以上のとおりでございます。
#32
○畠山委員 次に、施行に伴う行政事務手続の問題についてお尋ねをいたしたいというふうに思います。
 現行法による介護労働者の雇用管理改善計画に関する認定事務は都道府県知事とされ、この点では本案でも変わっておりません。であれば、現行法での改善計画の認定事務は、性格上、当然全都道府県とも職業安定課で行われておるはずでありますが、この点を確認いたしたいと思います。
#33
○牧野国務大臣 先生がただいま御指摘になったとおり、介護労働者の雇用管理改善計画の認定事務は、すべて各都道府県の職業安定主務課が担当いたしております。
#34
○畠山委員 そこで、昨年の地方分権一括法によりまして、新地方自治法が施行されるのも四月の一日でございますよね。これによって雇用管理改善計画の認定事務は都道府県の自治事務となることは、御承知のはずでございます。
 ところが、労働の地方事務官制度を廃止し、職業安定行政を中央の直接執行事務としたのはほかならぬ労働省でございます。我が党の反対にもかかわらず、職業安定事務を中央の直接執行事務としたことで、四月一日からは職業安定課はなくなるわけであります。一体、この施行後、都道府県はどの課で認定事務を行おうとしているんですか。
#35
○牧野国務大臣 本年四月一日から、先生御指摘のとおり、従来の都道府県職業安定主務課はなくなります。雇用管理改善計画の認定事務は都道府県の自治事務として、これを実施する部門は、各都道府県の判断により、具体的に課だとか室、こういう形で決定されることになる、このように実は承知をいたしております。
 具体的には、各都道府県の労政担当課や職業能力開発担当課の所掌事務が再編され、そこで担当する場合と、雇用対策を担当する課室が設置され、そこで担当する場合、今申しましたとおり新しい課とか室で担当するというように私どもは考えております。
#36
○畠山委員 そんな答弁は私も十分考えて質問をしておるわけでございます。
 今言われた課は、本来はそういう事務執行のために設置されておるわけでもないし、性格上からしてもなじむものではありません。都道府県の事務所管規則を変えれば済むという問題ではないはずであります。職業安定行政は広域的対応が必要、だから中央が直接執行する、こう言って、機関委任事務である都道府県の職業安定行政を中央に召し上げたのは労働省でしょう。それが、本案に言う認定業務は労政課や職業能力開発課などと言われても、それは筋道が通るわけではございません。
 これは、いわゆる中小企業労働力確保法でも同じようでありますが、これでは行政制度についての一貫性はどこにも見出せない、そう言わざるを得ないわけでありますが、見解をお伺いいたします。
#37
○牧野国務大臣 介護労働者法におきましては、従来より、雇用管理改善に向けた各種支援の前提となる雇用管理改善計画にかかわる認定事務を機関委任事務として行ってまいりました。地方分権の推進を図るための関係法律の整備に関する法律、いわゆる地方分権一括法に基づき、本年四月一日より自治事務として行うこととされたところです。今回の改正においても、次に申し述べます理由により、雇用管理改善計画の認定は都道府県の自治事務といたしたところであります。
 一つは、今先生も御指摘になりましたが、既に地方分権一括法において自治事務と整理されている中小企業労働力確保法に基づく認定事務と非常に仕組みが類似いたしておりまして、都道府県で実施していただいた方が効率的ではないか。それから、改正介護労働者法の円滑な施行を図るためには、介護保険担当課等の各都道府県の福祉担当部局との密接な連携が必要であること。こういう二点、いろいろ考えましてこのように決めさせていただいたわけであります。
#38
○畠山委員 そのような答弁をおっしゃるなら、さらにお尋ねをいたしたいというふうに思うんです。
 認定事務は都道府県知事、認定事業主に対する教育訓練、給付金などは指定法人たる介護労働安定センターと、実に事務は錯綜しており、ワンストップサービスの原則を大いに損なうということになりはしないですか。
#39
○牧野国務大臣 先生御指摘のとおり、雇用管理改善計画の認定につきましては都道府県の自治事務としていることから、ワンストップサービスの実現という観点からは問題となる面がある、このように見ております。しかし、先ほど申し上げたとおり、福祉担当部局との密接な連携の必要性を考えますと、地方分権一括法の整理のとおり自治事務とすることが適当ではないか。
 当然、先生のおっしゃったワンストップサービス、今行政全体がそういう形で進展いたしておりまして、先ほど協議会というのを説明させていただきましたけれども、やはり、まず第一段階として協議会ということを見まして、さらに、おっしゃるようなワンストップサービスが事実上できるかどうか前向きに検討をさせていただきたい、こう考えています。
#40
○畠山委員 率直な御答弁が聞けなくてまことに残念でございますが、当初、労働省は、介護労働安定センターで認定、給付などの業務を一元化する構想であったんでしょう。しかし、それでは認定事務を自治事務とすることを認めた地方分権推進委員会の態度と矛盾をしてしまう。そのため、制度的な矛盾を承知で本案を性急に提出したと私は仄聞せざるを得ないというふうに考えますが、いかがでしょう。
#41
○牧野国務大臣 改善計画の認定につきましては、業務の一元化の観点から、介護労働安定センターに行わせるため、国の直接執行事務とするという考え方も選択肢の一つとしてあることは、先生も今御指摘のとおりであります。
 しかしながら、今回の改正法案は、介護保険法の施行等に伴い、労働者の雇い入れが見込まれる本年四月一日には施行できるようにきちっと期日を守ってやる必要があること等から、早急に法案を提出できるよう、四月一日に施行される地方分権一括法の考え方を基礎に事務を整理させていただいて準備を進めてきた、こういうことでございます。
#42
○畠山委員 現行法による認定申請件数は六件とお聞きいたしますが、本案では、単純計算ですが、千七百近い事業所が認定申請をすることになり、認定事務量ははるかに増大することになります。ところが、都道府県のこれまでの総合的労働行政は、その中核的事務である職業安定事務が中央の直接執行事務とされてしまったことで早くも大きく空洞化の傾向を見せております。
 そうした状況のもとで、自治体みずからの政策的判断によって運営されるべき自治事務に関して、本案は労働行政における派生的な事務を量的に拡大するにすぎません。これでは、新地方自治法の意義に沿うとはとても言えないのではないでしょうか。見解をお尋ねいたします。
#43
○牧野国務大臣 今回の介護労働者法の改正におきましては、介護分野における労働力確保と良好な雇用機会の創出を支援するため、幅広い範囲の事業主及び労働者を施策の対象といたしております。新たなサービスを提供する場合等に限り、計画認定制度の対象となるという限定も行っております。
 したがって、従来に比し雇用管理改善計画の申請件数が非常に増加する、こういうことも予想されるわけでありますが、仮にそうなったとしても、介護分野における良好な雇用機会の創出等が幅広く行われることは、各地方自治体にとっても大きな意味がある、こう考えているところです。
 しかし、都道府県の総合的な労働行政の展開についての先生の御懸念については、今後とも十分に留意すべき課題である、このように考えております。
#44
○畠山委員 現下の雇用失業状況を直視するなら、職業安定行政について中央と都道府県の協力関係を密にする必要性はますます高いものがあると考えます。
 そこでお尋ねをいたしますが、昨年の地方分権一括法の審議では附則二百五十二条で社会保険関係事務処理体制の見直し規定が盛られておりますが、職業安定行政についても、これまで指摘してきた制度矛盾を解消するためには、この附則規定に準じて見直すような措置が必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。
#45
○牧野国務大臣 ただいま先生御指摘のとおり、現下の厳しい雇用失業状況のもとでは、雇用対策に関する国と都道府県の協力関係が緊密に行われなければならない。これは、確かに各先生方も御了承いただけるところでございます。
 したがいまして、さきに説明させていただいた、各都道府県の改善計画認定担当課、労働局職業安定部、介護労働安定センターをメンバーとする協議会をつくりまして、国の介護対策、介護分野における雇用対策にかかわる情報提供を行うとともに、各地域の実情についての情報交換を行うなどしまして、関係機関間の緊密な連携をまず図っていきたい、こう考えております。
 なお、雇用対策にかかわる国及び地方の行政のあり方については、先ほども御返事いたしましたが、今後の時代の変化に応じ十二分に検討し、とらなければならない場合はそのような措置をとる、こういうように考えなければいけない、こう考えております。
#46
○畠山委員 こだわるわけではありませんが、今大臣が後段で述べられた部分、国と地方とのかかわり合い、地方分権とのかかわり合い、ここの点でやはりきっちり整理をしてもらわなければ、決してうまいぐあいに国と地方自治体の関係はすっきりしていかないというふうに思うのです。ぜひひとつ、くどいようでございますが、ここの部分についても十分なる見直しをも含めた検討を重ねて御要請申し上げておきたいというふうに思います。
 本案の施行問題ですが、一般に法施行について、その内容にもよるが、附則において確定的に定めるものと当該法令では規定せずに他の法令に委任するものとがあり、当該法令で確定的に規定する場合、公布の日から即日施行するものと一定の猶予期間を置いて施行するものとがあることは、申し上げるまでもございません。
 その場合、重要なことは法案の内容であり、この点から本案を見ると、財政的援助が主たる内容となっておることから、これを受給したいと考える事業主について一定の周知期間を置き、スタートラインを平等にする必要があろうかと考えます。また、これまでの認定事務に携わってきた職員はいなくなるわけでありますから、都道府県は新たに職員教育をする必要があろうかと思います。にもかかわらず、本案では事実上公布と同時施行とも言える四月一日となっておることは、極めて妥当性を欠くのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
 また、本案はもとより、雇用失業対策をも含めた都道府県の労働行政との協力関係はどうなっているのか。私の秋田県でも、そうした協議がなされているとは伺っておりません。そうしてみると、本案実施も一カ月程度の猶予期間を置いてしかるべきではないかというふうに考えますが、見解をお尋ねいたします。
#47
○牧野国務大臣 今回の改正法の施行は四月一日を予定しておりますが、二点をその主たる理由といたしております。
 一つは、介護保険法の本年四月一日の施行に合わせて、在宅介護分野を中心に民間事業者の参入が急増することが見込まれ、良好な雇用機会の創出の支援を内容とする改正法をこれに合わせる実体的必要があるということであります。二番目は、社会福祉法人は、介護保険法の施行を機に、実績に応じ介護報酬の支払いを受ける企業的運営に転換し新たなサービスを提供するため、必要な職員の新規雇用に積極的に取り組む法人もふえて、これに伴う雇用増が見込まれるということ。この二つの理由から、したがって、これに間に合うように支援を実施できなければ、四月一日からの雇用がおくれ、必要な介護サービスの提供に支障が生ずるおそれがございます。
 しかしながら、先生御指摘のとおり、この改正法案の成立後、施行までの間が短期間となることが予想されますので、四月一日の施行後の雇い入れ等から雇用管理改善計画の提出まで一カ月程度おくれてもよいとする猶予期間を実は設けることにいたしまして、この問題点を整理することができればと考えております。
#48
○畠山委員 時間が参りましたので終わりますけれども、いずれにしても、今大臣に最後にお答えをいただきました、遡及への道も一カ月程度だったら開くというふうな解釈でよろしいですね。
 同時に、本案の目的、趣旨について、私どもも高く評価をしたいというふうに思っておりますが、問題は、行政執行事務の部分について分権とのかかわり合いでひっかかる部分がたくさんあるということを御指摘させていただきました。このことを今後見直しをも含めて十分御検討いただくことを改めて要請しながら、質問を終わりたいというふうに思います。ありがとうございました。
#49
○赤松委員長 大森猛君。
#50
○大森委員 日本共産党の大森猛でございます。
 いよいよあと三週間ほどで、我が国における第五番目の保険制度、介護保険がスタートするわけでありますけれども、この間、私も、地方自治体あるいは社会福祉施設を初め関係の皆さんのお話を伺いましても、本当に四月一日から非常に深刻な事態になるのではないか、パニック状態になるのではないかというような声を共通して伺いました。この問題はきょうの主題ではありませんのでこれ以上踏み込みませんけれども、労働省としてもそういう点はぜひ知っておいていただきたいと思います。
 私は、きょう特にホームヘルパー、在宅介護の問題を中心に質問をする予定なのですが、介護労働の雇用の質、それの将来展望、こういう点についてまずお聞きをしたいと思います。
 介護分野における労働需要見込み、これは大変なもので、ホームヘルパーで、二〇〇〇年度で十七万、二〇〇五年度では三十五万人、介護労働、看護婦等を加えて同じように四十七万人から八十万人と大変な需要見込みが行われております。また、経済構造の変革と創造のための行動計画、いわゆる成長十五分野、この中でも、十五分野の第一に掲げてあるのが医療・福祉、こういうことになっているわけであります。
 一方、こういう介護労働の位置づけでありますけれども、やはり、今後の高齢化社会を支える介護にかかわるさまざまな行政の大きな柱の一つが在宅介護、ここにあると私は思うわけなのです。その仕事の内容も、丸ごと人間の生活を支えていくという点とか、あるいは老いても本当に最後まで人間らしく生きていく、それを支える、そういう仕事である。さらには人権にも深くかかわる。また他人の家にも入っていくわけでありますから、他人の家の文化にもかかわってくる。仕事の中身というのは、そういう崇高で重要な意義を持った仕事であると思います。
 ところが一方で、そういう本来の理念といいますか仕事の意義に比較して、労働条件その他が非常に劣悪な状況にあるのじゃないか。これは国民生活センターの報告書なのですが、月収十万円未満の方が半数以上である。あるいは、これは高齢社会をよくする女性の会の介護労働研究会の調査でありますが、同じくホームヘルパーの皆さん、民間の会社の場合には十一万円未満が七〇%を占める、さらに、社会保険にもほとんど入っていない、職業として選択したいが、雇用状態が不安定で何年続くかわからない、使い捨てという感じがするなどなど、こういう回答をされております。日本労働研究機構のホームヘルパー就業意識調査においても、これは端的に今の状況を示していると思うのですが、仕事はやりがいがあるので続けたい、しかし社会的評価が低く重労働である、こういうことになっているわけですね。
 ここで、大臣に簡潔に決意をお聞きしたいわけなのですが、確かに需要の面では大幅に見込まれている、では雇用の質の面でどうかという点で、多くのホームヘルパーさんが意義はあるけれども続けられない。こういう皆さんが本当に続けたいと思うような、そういう展望あるものにこれをしていく。そういう点での大臣の決意をごく簡潔にお聞きしたいと思います。
#51
○牧野国務大臣 介護分野につきまして、御承知のとおり、二十四時間サービスというような現実があるわけでございまして、またパートタイム労働者の比率も非常に高くなっているという状況でございます。また、事業所における健康診断などの健康管理措置等について、他のサービス業に比しましておくれがはっきりあるということも、私ども承知をいたしております。
 介護分野における雇用管理を改善して労働者が安心して働くことのできる環境づくりをする、これは非常に重要なことでございまして、良好な雇用機会の創出を図るためにも、環境づくりはきちっとしなければならないと思っております。
 そういう観点から、今回の法改正によりまして、民間の営利企業のみならず、社会福祉法人、医療法人、NPO等も対象にして、労働者については、短時間労働者、週所定労働時間二十時間以上三十時間未満の方々も対象に加えまして、一年間賃金の二分の一を、全部というわけにはまいりませんので、六人まで助成する。あるいは、ホームヘルパーの二級、三級の養成講習を……(大森委員「具体的な点は後でまた伺いますから、決意だけどうぞ」と呼ぶ)能力開発をやる。
 こういうこととあわせて、非常に安い賃金ということを御心配になっておられるわけですが、平均的に各地区どのような賃金が払われているか、こういうことも公表いたしまして、ホームヘルパーさんを含めて、働く介護労働者が自分の地位というものはどういう状況にあるかということを認識していただきまして、安定して活動できるようにいたしたい、こう考えております。
#52
○大森委員 現行法の第六条で、介護雇用管理改善等計画を策定することになっています。大臣が策定しなくてはならないというわけで現計画があるわけなんですが、今回介護保険法の実施、今お話にありましたような、民間事業者の大量の参入、進出など、在宅介護労働者をめぐる、ホームへルパーをめぐる環境というのは劇的に変化をしていくと思うのですね。
 今回、介護労働法の改正ということで、この介護雇用管理改善等計画は、そういう中で計画そのものを前倒し実施あるいは見直しを当然やらなくてはならないと思うわけなんですが、具体論は後で政府参考人の方に伺いますから、この改善計画前倒し実施あるいは見直しが必要かどうか、その点だけお聞きをしたいと思います。
#53
○牧野国務大臣 御承知のとおり、現行の介護雇用管理改善等計画の策定については、当然改正しなければならない、こう考えておりまして、今私どもが考えておりますのは、法改正の内容等を盛り込むために、介護雇用管理改善等計画の改定を三点について申し上げたいと思います。
 第一点は、介護労働者の雇用の動向、介護労働者の確保及び福祉の増進に関する事項を定めるということ。
 第二点は、介護労働対策の見直しによりまして、新たな助成制度の創設、離転職者を重点とする能力開発、公共職業安定機関と民間の職業紹介事業との相互協力を進めることとしており、これらの内容をきちっと計画の中に押し込みたい。
 第三点は、介護労働者の雇用の動向に関しては、昨年末に厚生省がゴールドプラン21を策定いたしましたが、本年四月の介護保険制度の開始以降五年間の高齢者保健福祉対策の方向が示されたところでありますので、これも改定計画に反映してよりよい改善計画ができるようにいたしたい、こう考えております。
#54
○大森委員 改善計画について本法案の改正点が盛り込まれる、これは当然のことなわけなんですが、私は、この改善計画見直しの上で、今の現状からいってそれだけでいいだろうかという点で、幾つか私の方から改善計画に盛り込むべき点を提案をしたいと思いますので、ぜひ、これは政府参考人の方から御回答をいただきたいと思います。
 一つは、まず介護労働者の研修、実習への支援の問題であります。これは、介護保険法の衆議院の厚生委員会での審議の中で附帯決議が平成九年五月二十一日、委員会でやられております。それによれば、ホームヘルパー等の潜在的な人材の掘り起こし、適切な養成研修システムの確立及び介護報酬上の評価等の措置を講ずること、こういうことが委員会の附帯決議で行われております。
 これは、介護を受ける人たちが本当に全幅の信頼を置いて、安心して介護を受けることができる、そういうことのためにも研修及び実習は欠くことのできない重要なことだと思いますが、まずその点、認識についてだけお聞きをしたいと思います。
#55
○渡邊政府参考人 介護労働に従事する方たちへの研修、実習についてのお尋ねでございますが、まず今回の改正におきまして、介護労働安定センターでホームヘルパーの二級、三級を中心にかなりの方の養成を行おうというふうに考えております。
 また、新しく介護事業に参入する方に雇い入れについての助成を行うこととしておりますが、それにあわせて、採用した方の教育訓練を行うという場合についても助成を行うというふうにしているわけでございます。
 また、求職者が介護労働に関する職場体験とかあるいは職場実習、こういったものを経験いたしまして介護の分野に入りやすくするというふうなことを目的にいたしまして、従来から各県に配置をしております福祉重点ハローワークにおきまして、介護関係の業務に興味はあるけれどもなかなかその実態がわからないのでちゅうちょしている、そういった方については福祉施設におきます実習などを行います介護労働講習というものを実施しておりまして、平成十年度の実績が全国で百十二回の開催というふうなことを行っているところでございます。
 今後とも、こういったことを活用しまして、また改正法が施行されます際には、先ほど申しましたような訓練というものに力点を置いて、介護分野へ就業しやすい環境の整備に努めてまいりたいというふうに考えております。
    〔委員長退席、鍵田委員長代理着席〕
#56
○大森委員 研修、実習が非常に重要だということで一定限行われているわけでありますけれども、実態は、教員養成課程あるいはホームヘルパーの一級、二級の資格を取得する上で実習というものが必修コースになっているわけですね。したがって、量的には全国百十二カ所のそういうものではとても追いつかない。現実にこの実習を受け入れているのはどこが受け入れているのか、これは民間の施設が中心だと思うのですね。民間の特別養護老人ホームなどがその受け入れ先になっているわけであります。
 この点で、私、幾つか特養ホームに聞いてまいりました。これは横浜市のある比較的大きな特養施設でありますけれども、実にさまざまな方面から実習に入っているわけですね。大学、福祉専門学校、ホームヘルパー一級の社協の研修の課程、それから農協、看護学校、医療短大、大学医学部公衆衛生学教室とかケアプラザとか県教育委員会、韓国の大学からもこの施設は受け入れている。平成十年でありますけれども、総計で実習人数二百七十人、実習総日数は千五百八十五人日になっているわけですね。大変なものなんですよ。こういうのが方々でやられている。
 ここの施設長の方にもお話を伺いました。この方のお話では、実習に来た人たちが着がえをしたり休憩をしたり、そういう場所がない、しようがない、やむを得ないから自分たちの費用で建物を建てた、専任に人も配置した、そういうことを言っておられるわけですね。本当に大変な苦労をしてこういう実習を受け入れられている。そういう苦労が報われて、実習をされた方から、後から実習が終わって感謝の手紙が来る、そのときは非常にうれしい、こういうことを語っておられたわけなんです。先ほど言いましたように、この施設の場合は比較的力のある大きな施設なわけなんですが、それでも相当努力をされてこういうことをやられているわけです。
 これが、さらに規模の小さい施設でも、実際に実習の受け入れの話は方々から来る。これは川崎のある特養施設でありますけれども、今年間大体七十人から八十人来られる。その対応にやはり大変だ、率直なところもう受け入れられない、しかし実習は必要だからということで、今一生懸命持ち出しその他も含めてやっていらっしゃるわけですね。
 こういうところに、それは個々にはお互い実習委託先とのいろいろなあれはある場合もあるかもわかりませんが、そういう点で、基本的には国の政治の光は全く当たっていないわけであります。
 したがって、こういう自主的に実習を受け入れている施設に対して、これは先ほどお話があった介護の分野に多くの人が入りやすい環境をつくるという位置づけで、今度の改善計画の中にそういうことをきちんと位置づけるべきじゃないか、労働省としても支援をすべきじゃないか。この点、どうでしょうか。
#57
○渡邊政府参考人 介護のための実習、研修にそういった施設を活用して、今そういったことが行われておるということは先ほど申したとおりでありますけれども、それに対する国からの助成ということは、現在は考えておりません。これからの介護の方向等を見ながら検討する課題であるというふうに思っております。
 ただ、今般の改正法におきまして三万人程度のホームヘルパー二級、三級の養成事業を行うということを考えておりますが、これは当然現場実習、研修というものは必要になるわけであります。そういった場合には、介護安定センターがみずからそういう施設を持っているわけではありませんから、これは従来と同様ですが、民間のそういった受け入れ機関に委託をしながら、もちろん委託費をお支払いしながら、そういったところで実習を積み重ねるということになると思いますので、そういったルートに乗る場合にはこれは国がそういったことをむしろお願いするということになりますが、一般的な支援措置ということにつきましては今後の検討課題であろうかというふうに考えております。
#58
○大森委員 研修一般ではなくて、今私が申し上げたのは、特に実習ということですね。実習については、三万人の場合に個々にどういうことをされるというのですか。三万人の場合に、実習を受け入れた施設に対して何らかの措置をとるということですか。
 それとあわせて、今私が初めて提案しているわけで、現在は考えていらっしゃらないかもわかりませんが、改善計画の中でぜひ具体的に検討していただきたい。
 この二点、重ねてお聞きをしたい。
#59
○渡邊政府参考人 介護労働安定センターにおきまして、現在もホームヘルパーの養成事業を行っておりますが、この規模を拡大いたしまして、離転職者を中心に年間三万人程度ホームヘルパー二級、三級の養成を行いたいというふうに考えております。
 その際の実習ということになりますと、先ほど申しましたようにセンターがみずから施設を持っているわけではありませんので、既存の施設において実習をお願いする、委託をするということになります。その際には、当然その委託費をお支払いするということになります。
 先ほど委員が申されました、もう少し一般的な支援措置については、今後の動向を見ながら検討する課題であろうかというふうに考えております。
#60
○大森委員 きょう厚生省もお見えになっていると思うのですが、病院では、例えば看護婦さんの実習の場合は、具体的に補助金等が制度化されているわけですね。
 そういう点で、介護報酬あるいはそれに準ずる形で、こういう実習をやっている施設に対して、厚生省のサイドからこれを検討することはないですか。
#61
○大塚政府参考人 私どもの行政の面からいたしますと、ホームヘルパーでありますとか介護福祉士などの一種の資格取得のための養成カリキュラムなどを設定しておるわけでございますが、その中に、おっしゃいますように介護実習というのは極めて重要な項目として位置づけておるわけでございます。
 ただ、養成研修という観点からいたしますと、そのプロセスに必要な経費、これは受講料でありますとか授業料という形で御負担をいただくというのが基本でございます。
 お話に出ました看護の場合につきましては、介護実習施設の確保は極めて困難だという実情もございまして、お話ございましたように、運営費補助金の中で介護実習施設に対する謝金などもその対象とし得るというような仕組みをとっておりますけれども、一方、ホームヘルパーあるいは介護福祉士の養成課程におきます実習施設の確保につきましては、それ自体公的な意義を持つ業務でございますし、これを受け入れる大宗でございます社会福祉法人それ自体の社会的役割を果たしていただくという熱意もございますし、現状におきまして、この実習施設の確保はおかげをもちまして円滑に進んでいるところでございます。
 したがいまして、介護実習の受け入れに対しまして、公的な助成でありますとか介護報酬上の評価を具体的に考えるということは、現時点におきましては考えておりません。
#62
○大森委員 大変冷たい御答弁でありますけれども、現実に、その委託先がどういう方であれ、おっしゃったように公的な位置づけをして、施設の側は人を配置したり、あるいは建物を建てたりしているわけですよ。そういうところに何の手当てもしないというのは、そういう意欲的にやっていらっしゃる皆さんに対して非常に冷たい答弁ではないかと思います。
 厚生省、労働省、協議して、幅広く行われている実習をもっと公的に位置づけて、何らかの措置をとるよう引き続きぜひ検討していただきたいと思います。
 したがって、厚生省、もう一度、現時点では考えていらっしゃらないということですが、今後検討されるかどうか。
#63
○大塚政府参考人 私どもも、介護の分野におきます研修の課程で介護実習というものの位置づけが重要でないと申し上げているわけではございません。当然、養成研修の課程でそういう技術を身につけていただくということは、介護サービスの質の向上のためにもどうしても必要なことでございます。
 ただ、私が申し上げましたのは、それらの養成研修にかかる経費は、資格を求めようとされます受講者でありますとか、場合によっては学生さんでありますが、そうした受講料、授業料でカバーをするというのが基本でございまして、特に政策的に、あるいは現実問題としてどうしても必要な場合に、例えばその例として看護がございますけれども、助成対象なりその他の方法を講ずるわけでございますけれども、現時点において、私どもはそういう認識を介護の分野においては持っておらないと申したわけでございます。
 あわせて、ついでに申し上げますならば、一方におきまして、受講生なり、特に介護福祉士など長期間の養成課程に入る職種につきましては、例えば修学資金の貸与、そういった面での助成措置は講じておるわけでございまして、そうした仕組みで必要な施策を遂行するのが当面する適切な方法ではないか、こう考えております。
    〔鍵田委員長代理退席、委員長着席〕
#64
○大森委員 ぜひ前向きに、労働省、厚生省とも今度とも検討していただきたい、重ねて申し上げておきたいと思います。
 改善計画の見直しの第二点でありますけれども、労働時間の問題であります。
 介護分野に民間企業が大量に参入していくという状況が、今マスコミでもいろいろ報道されたりもしているわけですが、いわゆる介護の市場化といいますか営利化といいますか、競争原理がもろに持ち込まれてきているわけであります。
 したがって、そういう中で、介護労働者の特殊性、特に中高年の方が多い、そして圧倒的に女性が多いという中で、こういう条件に着目して、これは実際にホームヘルパーをされている方にお話を聞いても、アンケートでも、せいぜい一日五時間か六時間が限度だ、こうおっしゃっているわけですね。こういう点も考慮に入れて、改善計画の見直しの中で、所定労働時間を例えば六時間にするとか、こういう労働時間についても考慮をされるべきではないかと思いますが、この点、いかがですか。
#65
○渡邊政府参考人 介護労働につきましては、今委員おっしゃいましたように、労働の実態になかなかきついものがあるということは事実でございまして、この職場を魅力あるものにして、雇用の創出の場にしていくということは大変重要なことであると思いますし、そういったことの一環として今回この改正法案を提案いたしまして、雇用管理の改善について努力をしていただく、そのために国も一定の援助を行うということにしているわけであります。
 労働時間について言いますと、これは平成九年の日本労働研究機構の調査ですが、介護労働者の週平均労働日数が四・四日となっておりまして、一日当たりの労働時間は八時間というものが二四・六%と最も多くなっているわけでございます。
 この労働時間につきましては、現行は、保健衛生事業等につきまして、事業規模十人未満の事業については週労働時間が四十六時間になっているわけでありますけれども、十三年の四月一日からは四十四時間に移行するということでございまして、現在、労働時間の短縮に向けて、奨励金制度がございますので、こういったものを活用しながら、こういった分野における時短についても努力をしているところでありますし、改善計画についても、当然こういったことにも触れることになるというふうに思っております。
#66
○大森委員 従来の労働時間の実態が今後は参考にならないということもあると思うんですね。冒頭に言いましたように、とにかく劇的に環境が変化する、いわゆる措置制度から保険制度に変わって、民間の企業にしたら、できるだけ少ない人数でできるだけたくさん働いてもらって利益を上げる、これは当然容易に想像できるところでありますので、本当に重要な位置づけをもって、労働時間の問題も改善計画の中で検討していただきたいと思います。
 次に、改善計画、その三つ目の問題でありますけれども、先ほども言いました、女性そして中高年の方が圧倒的に多いということにどう対応していくかという問題であります。
 男女雇用機会均等法上は、職業に男子向き、女子向き、こういう区別はなくしていく方向でありますけれども、今のいわゆるジェンダーバイアスですか、これは圧倒的に女性が占める、そういう中でどうこれに対応していくかということであります。特に四十代、五十代あるいは六十代の女性が雇用労働者でふえていく。これは、一定の就業の中断を置いてまた再度就職という方、こういう方も非常に今多いわけなんですが、こういう状況。
 これまで、労働省の女性労働行政という点では、いわゆるM字形雇用、この底の部分のボトムアップという点をやってきたわけなんですが、今これから起ころうとしている現象は、M字形のMの右肩の部分がぐっと上がってくる。これは本当に戦後の労働行政の中でも経験したことのないような、そういう状況が今生まれてくるわけであります。しかもそれが、冒頭にも言いましたような低賃金あるいは長時間労働、そして身分的にも非常に不安定だという中で、ミゼラブルな女性労働者が大量につくり出される危険性もあると思うんですね。
 そういう点で、これはやはり単にパート労働対策を強めればいいんだということにはならないということで、実はきょうは女性局長に御答弁をお願いしたわけなんですが、職安局長でかわりに答弁をするという話も伺っていますので、女性局長にかわってじゃありませんが、こういう事態をどう認識し、こういう視点で意識的に改善計画の見直しを行うべきではないか。この点、お願いします。
#67
○渡邊政府参考人 御案内のように、我が国はこれから大変なスピードで高齢化社会に入っていくわけでありまして、若い労働力も残念ながら減少していくというような見込みでありまして、あと五年ぐらいしますと労働力の絶対的供給量が減少に転じるという、我が国が経験したことのない事態になるわけであります。
 そういったことで、高齢者の雇用の場の確保ということも大変大事な問題でありますし、またさらに、一たん結婚、育児等で家庭に入られた女性の方が再度働きに出る、そういったときに、単にパートというだけでなくて、正規の労働者として、また十分にかつての経験等をさらに生かしながら働ける環境をつくっていくということは大変大きな課題ではないかというふうに考えておるわけであります。
 介護の分野につきましても、介護の経験があって一たん家庭に入るという方も現在も確かに多いわけでありますし、また、そういった方が介護分野に再度出てこられるという事例もかなり多いわけであります。現行の制度では、福祉重点ハローワークにおきまして、そういった方の登録をしておきまして求人の情報等を提供する、あるいは職業相談等をそういった方に行うというようなことにして、再び介護の分野にそういった方が参入してこられるときの便宜を図るというシステムをつくっているわけであります。
 こういったものをこれからどう充実できるか、それはさらに検討しまして、盛り込めるものがあれば計画の中に盛り込んでいきたいというふうに思います。
#68
○大森委員 もう時間が参りましたので、最後にもう一問だけ簡単な質問をしておきたいんです。
 今回の法案は、国のお金を使って賃金助成なり雇用を拡大していくという中身も入っているわけなんです。ところが、一方で、全国の特養施設等々で大変なリストラ等々が今進められております。常勤から非常勤へとかパート化とかという形が進められているのと同時に、地方自治体でもホームヘルパーを解雇する、こういう事例が相次いでいるわけであります。
 例えば、これは自治労連の調査でありますけれども、千葉県の館山市で二十六人全員解雇とか、全国各自治体でこういう現象が起こっております。
 これは、冒頭言いましたように、国のお金を使って雇用を拡大する、そういう政策をとりながら一方で地方自治体が解雇を行う、こういうのはどう考えてもおかしいんじゃないかと思うわけなんです。こういう現象について、やはりこれは大変おかしいと思うのですけれども、厚生省の方はどうお考えになるのか。
 同時に、全国的にこういう事態が相当進んでいるように聞いておりますけれども、そういう実態についてぜひ調査していただきたい。
 この二点をお聞きして、質問を終わりたいと思います。
#69
○大塚政府参考人 介護保険制度の施行を間近に控えまして、各市町村は住民のニーズを踏まえまして介護保険事業計画というのを定めます。それに基づいて介護サービス基盤の確保のための施策を講じるわけでございますが、ホームヘルパーにつきましても、在宅介護サービスの主要な柱となるものでございまして、基本的には、今後その拡充、拡大が必要だろうと考えております。
 ただ、ホームヘルプサービスも含めまして、各種の介護サービスの提供を公的な主体でやるのか民間事業者にゆだねるのか、これはそれぞれの地域の事情もございますし、いずれにいたしましても、地域の実情を踏まえた各市町村の判断ということでございます。
 私どもとしては、介護サービスの基盤整備のための全体的な必要な支援でありますとかさまざまな情報提供などはやってまいりますが、具体的なサービス提供のあり方、これはあくまで各市町村の御判断によるというふうに考えております。
#70
○大森委員 終わります。
#71
○赤松委員長 中桐伸五君。
#72
○中桐委員 民主党の中桐でございます。
 まず一番最初に、今までの質疑の中でも出てまいりましたが、ホームヘルパーに焦点を当てて、重複することも少しあるかもしれませんが、質疑をしたいというふうに思います。
 今回の改正で、特にホームヘルパー二、三級コースの教育訓練の実施ということで年間三万人という計画でありますけれども、現在ホームヘルパーの資格取得の状況がどうなっていて、資格取得者の就労状況というのはどうなっておるか、簡単で結構ですから、まず実態をお知らせいただきたいと思います。
#73
○渡邊政府参考人 ホームヘルパーにつきまして、現在のような資格が設定されました平成三年から平成十一年度末で、ホームヘルパーの一級課程の修了者が約五万五千人、二級課程の修了者は約二十六万人、三級課程の修了者は約二十三万人となり、合計で五十万人を超えるものと推計されております。
 その就労状況ですけれども、平成十年度の実績で約十六万人の方が就労しておられます。
#74
○中桐委員 その中で、今回の計画で二級、三級が三万人ということなんですが、先ほどはトータルの数字でございますが、手元にある年次推移で平成三年から九年まで見てみますと、当初は、二級と三級の養成修了者数は、平成三年度で見ますと、二級が一千三百十一人で三級が四千九百五人と三級にウエートが高くなっているわけでありますが、平成九年度にはこれが逆転をして、二級が四万四千三百二十二人、三級が四万一千八十五人となっております。
 この三万人の養成をどういうウエートを置いてやろうとされているか、お聞きしたいと思います。
#75
○渡邊政府参考人 三万人の養成計画の内容ですけれども、二級と三級をほぼ同数というふうに考えております。
#76
○中桐委員 二級と三級を同数というのでいいのかどうかという議論なんです。後ほどまた少し詳しい議論をしますが、私は、ヘルパー自身も、取得したい技術、研修、講習への参加意欲、そういったものは、多分三級の取得者に多いんじゃないかと思います、いわゆるパートヘルパーが、最もそういう意欲が強いわけであります。
 そういう意味において、ただ合計三万で、二級、三級同数という方向性だけではなくて、二級にウエートを置いていく方向も必要なんではないかと思いますが、いかがですか。
#77
○渡邊政府参考人 当面は、十二年度は二級で一万六千人、三級でこれも約一万六千人というふうに見込んでおりますが、今後の方向としては二級ヘルパーの養成に重点を移していきたいというふうに思っております。
#78
○中桐委員 そういう方向でぜひやっていただきたいと思います。
 次に、五十万人の資格者が推計で見込まれる、しかし、実際は十六万人の就業状況だという今の報告だったと思いますが、このギャップについて、今後のホームヘルパーに関しての需給見通しも関連させて、そのギャップをどのように考えているか、今後の見通しはいかがなものか、お聞きしたいと思います。
#79
○渡邊政府参考人 今後の需給見通しにつきましては、昨年末にいわゆるゴールドプラン21というものが厚生省で策定されておりますが、この計画によりますと、ホームヘルパーにつきましては、平成十二年度当初実際に労働している方が十七万人と見込んでおりまして、五年間で、平成十六年度には、要介護者の増大等によりまして三十五万人のホームヘルパーが必要になるというふうに推計をしております。
 この間のギャップが約十八万人ぐらいあるわけでありまして、先ほど申しましたように、私どもも、特にホームヘルパーを中心とした介護労働者の育成事業が大変大きな課題であると思いまして、介護労働安定センターにおいてこの事務を扱うことにしておりますが、厚生省におかれましてもこういったものについての育成事業をされる、そういったものをあわせて、必要なホームヘルパーの確保に努めたいというふうに思っております。
 これから大変大きく伸びていく職場ということでもありますし、また民間の事業者が来年度からはこれに新たに参入をして事業者間における競争も起こるというようなことで、やはり労働条件の向上というものに意が用いてこられるというふうに見ております。
 そういったことで、魅力ある職場をつくるということとあわせて、私どもとしても、この養成事業に力を入れて必要なホームヘルパーの養成確保ということに努力したいと思っております。
#80
○中桐委員 大臣、今の参考人との質疑の中で、資格者は需給見通しで五年間で三十五万人必要というものの、資格取得者はそういう数をオーバーしているんだけれども、実際上ギャップがあってそこに達していない。そういうことの中には、先ほどから議論があります労働条件とか就労条件とか、あるいは介護保険制度全体が、これからスタートすればそういう環境、基盤整備というのはより進んでいきますから、当然資格を持った人たちが就労をする機会が拡大する、それはそういうふうに考えることができると思いますが、労働省として、現在このホームヘルパーの資格取得をしている人の就労を促進するという役割と、そして養成をするということがあると思うのです。その点に関する認識はいかがお考えでしょうか。
#81
○牧野国務大臣 ただいま参考人からも御返事いたしましたが、ホームヘルパー養成研修修了者は既に相当の数に上っておりまして、また、この中には、家族の介護に備える家庭の主婦など、現に介護業に従事しておらず、将来も介護分野の労働市場に参入する可能性が高くない方々も実は含まれております。
 また、介護保険法の施行により、介護事業者間の競争が生まれ、新たな介護サービス需要が喚起されることも予想されるわけでありまして、介護需要は固定的なものとは考えておりません。今後一層増大が見込まれる、このように考えております。
 やはり資格を持っていただかなければ介護事業に参加できないわけですから、そういう点で今、私どもとしては、第一に有資格者にこの介護分野に入ってきていただきたいし、またそのように努力をいたしたい、こう考えております。
#82
○中桐委員 ヘルパーさんの訪問介護を中心とするサービスの向上という点からいっても、やはり有資格者で、しかも、先ほどから議論しております二級、三級でいえば、二級の養成コースを経た方、三級の人は二級の研修もさらに追加してそういうふうにするというふうな形で、有資格者でもさらに実習経験豊富な、技術、知識の豊富な方にシフトをさせていく、そういうことになろうかと思うのです。
 簡単ですが、そういう点について、大臣いかがお考えですか。
#83
○渡邊政府参考人 やはり、これから介護分野で質の高い労働力を確保するということは大きい課題であると思いますし、私どもも、先ほど申しましたが、二級のヘルパーの養成ということに重点を移しながらこの養成事業を進めていきたいと思っております。
#84
○中桐委員 そういう方向でやっていただきたいと思います。
 次に、介護保険のスタートによって就労機会は大きく拡大するというふうに期待をしておりますが、しかし、五十万人の資格者で十六万人の就労状況ということの中に、一つは、ヘルパーの方々の就労あるいは医療・福祉分野における就労条件というものにやはり問題があって、なかなかそういう就労のチャンスをとらえ切れないというふうなこともあるのではないかというふうに思います。
 そういう意味で、これからの介護労働者あるいはホームヘルパーの皆さんの確保のためには、先ほど質疑もありましたが、民間の活力を活用しながら、事業所の参入を拡大してサービスを提供する。その場合、雇用する側の事業所がどういった課題を抱えているか、その点について議論をしたいと思うのです。
 労働省が平成十年度に行っている産業労働事情調査結果報告書、サービス業の就業実態調査、この調査の結果を踏まえて、事業所において一体どういう課題があるというふうに認識しておりますか。
#85
○長勢政務次官 御指摘の平成十年に行ったサービス業就業実態調査によりますと、医療・福祉分野における事業所の課題として、一番大きく指摘されておりますのが研修等教育訓練の充実でございますし、またあわせて、就業意欲の維持・向上、賃金対策、さらに福利厚生の充実といったようなものが挙げられております。これらに十分対応していく必要があると考えております。
#86
○中桐委員 研修等から始まって、就業意欲の維持・向上、三番目が賃金、福利厚生、四番目まで相対的に高いのを挙げますと、そういうことになっていますね。それから人手不足の解消というのも五番目に来ている。
 そこで、問題として取り上げたいのは、一つは、福利厚生というものについて少し問題を取り上げてみたいと思うのです。私は、働いている人の安全と健康をずっとやってきたものですから、どうしてもこの福利厚生の面でちょっと議論をしておきたいと思っているのです。
 介護労働も含む福祉部門の施設あるいは在宅の健康問題ということからいいますと、腰痛というのが多発をしている。それから、最近では高齢者の方の結核の問題があって、そこに従事している労働者がそれに集団的に罹患をする。あるいは、古いものであれば疥癬というのもありますね。昔からずっとあった皮膚の病気ですが、疥癬というのも最近報告が結構なされている。あるいはビールス性の肝炎、これは血液それから体液、そういうものを通して感染をする。あるいは非常に難治性の、MRSAという抗生物質に耐性のある菌による肺炎、そういったMRSAの感染症などがあります。
 こういったものは、大体、今までの健康問題の把握でいえば施設が多くて、これから居宅サービス、つまり訪問介護を行うサービスが拡大してくると、家庭に出かけていってサービスを行うわけでありますので、施設よりもさらに安全衛生対策というのは難しい面があるという問題があって、ここは非常に重要なところではないかというふうに思うのです。
 こういった点についても、今後、雇用管理の改善というのが介護労働確保の一つの重要なポイントになっているわけなので、それに対する助成ということを行うわけですから、そういう点についてどうでしょうか、政務次官。
#87
○長勢政務次官 今中桐先生御指摘の問題にいろいろな観点から対応していく必要があると思っております。特に、介護に従事する方々を雇用する事業主において健康管理等に十分配慮をしていく必要があると思いますので、そのための健康診断等に対する費用その他についても今回の改正に基づく助成の対象にすることにいたしておりますが、その他、今後とも、今おっしゃったような問題について、いろいろな検討も進め、対応すべき点は対応していく必要がある、このように思います。
#88
○中桐委員 いわば一つの作業場で管理できない非常に難しい面を持っているので、この点については、就労の安定、介護労働力の確保という点から、先ほどの政務次官の答弁の方向でぜひよろしくお願いしたいと思います。
 次に、今度は事業主の調査だけではなくて、ホームヘルパー自身がどういうふうに現在の就労条件というものを考えておるか、仕事上の悩みや不満というふうな問題について、少し議論をしたいと思います。
 これは日本労働研究機構というところがホームヘルパーの就業実態と意識という報告書を一九九九年に出しているわけですが、ホームヘルパー自身が就労に当たっての問題点を指摘しているところによれば、これはパートのヘルパーと常勤のヘルパーと正規の職員という三つの雇用形態に分けてヘルパー自身の仕事上の問題点の指摘を調査しているわけでありますが、それぞれ仕事上の悩みや不満の内容が若干異なっております。
 しかし、上位に来ているものを見てみますと、パートヘルパーと常勤ヘルパーには、それぞれちょっと順位が違いますが、ともに雇用が不安定というのがありますね。それから、収入あるいは賃金が安いというふうなものがあります。パートヘルパーの場合には収入が不安定で、常勤ヘルパーは、これは一日六時間以上かつ週五日以上働いている正規職員ではないのだけれども正規職員に近いという方は、賃金が安いと指摘をしている。
 そういったものがあり、それぞれ正規職員まで含めて共通性があって第一位のものは、社会的評価が低いというのが、これは全員のヘルパーの、雇用形態の差がなく、非常に高い第一位であるということになっています。そういうことで、社会的評価の問題は有資格の問題ということだけでは解決していないのかなというふうに思うんですが……。
 そこで、次に、先ほどの事業者が指摘している第三位にある賃金の問題、そういった問題との関係で、パートヘルパーそして正規と、限りなく正規職員に近い、やや就労時間が短い常勤というものと、これらの雇用形態というものがそれぞれの雇用形態上のさまざまな問題を持っていると思うんですが、この点について、労働省としてはどう把握をして今後対処しようとしているのか、その認識を政務次官にお伺いしたいと思います。
#89
○長勢政務次官 調査の結果につきましては、先生今御指摘のとおりであると認識をしております。
 社会的評価が低いというのが第一順位にいずれもあるわけでございますが、ホームヘルパーさんのお仕事は、今後の高齢社会にとって、また介護保険法の適正な運営に当たっても、最も大事なポイントでございます。皆さん方の大変な御努力も含めて、社会的な評価がこれから高まると思いますし、自信と誇りを持って頑張っていただけるように我々も援助していかなきゃならぬ、このように思っております。
 雇用形態の問題でございますが、肉体的にも大変きつい仕事の部分もあるわけでございますし、それぞれ働く方々の状況に応じて、パートでしかやれないとか、あるいはできるときにやりたいとか、いろいろな方々もおられると思いますし、また、介護のニーズに応じた働き方というものも経営側としても考えていかなければ、円滑な介護保険法の実施はできない、このように思っております。
 ただ、そのことが、本当に十分な時間を確保できる人たちにそれが確保されないということであれば、これまた円滑な実施に支障を来す場合も出てまいりますので、これはしばらくこの状況を見ながら、問題があるかないか、あれば、それを解消するようにどうしたらいいかということを、さらに施策の推進を考えていかなきゃならぬ問題だなという認識でおります。
#90
○中桐委員 これは一年という期間に限って認定事業主に助成をするということで、いろいろな助成の内容があるわけですが、先ほどの、現状を見ながら今後対処するということなんですが、後ほど具体的な今回の助成の内容について議論をしたいと思いますので、後ほどその点についてはさらに議論をいたします。
 次に、今回、新しく民間の活力というものを大いに活用して、介護サービスの短期間での拡大を図るという方向があると思うんですが、その点、先ほどの労働力の需給見通しとの関連もありますが、官民の協力連携というものが非常に重要になってくると思うわけでありますが、その点について、労働省としては具体的にどういう施策を考えているか、お伺いしたいと思います。
#91
○長勢政務次官 介護分野の労働力需給調整につきましては、現在やっております一県一カ所ずつの福祉重点ハローワークを中心とした公共職業安定機関がそれをやっているわけでございますが、それだけではなくて、有料の職業紹介を行う家政婦紹介所ですとか、あるいは労働組合が行う労働者供給事業ですとか、こういうものも大きな役割を果たしていただいておるわけでございます。
 また、都道府県の社会福祉協議会が指定を受けてやっております無料職業紹介事業、福祉人材センターでもこの需給調整の役割を果たしていただいております。
 これに加えて、今回の法改正によりまして、介護労働安定センターで新たに創設される助成金の支給対象事業主を把握しまして、新たに創出された雇用機会に関する情報が集約されることになりますので、これらに基づきまして一層の需給調整機能を充実させていきたい、このように考えております。
 いずれにしても、このような状況の中で、介護分野における円滑な労働力需給調整を行っていくためには、地域の介護事業者の事業内容等に関する情報交換など、公共職業安定機関及び民間の家政婦紹介所が相互に協力するというようなこと、また、介護労働安定センターとの間においても、教育訓練の受講や求人情報等に関する情報の相互交換を綿密に行っていくということが効果的であると思いますので、今回の法改正を踏まえて一層の充実を図っていく、こういう方針で進めてまいりたいと思います。
#92
○中桐委員 先ほどの政務次官の答弁で、厚生省サイドの福祉人材センターと労働省サイドの福祉重点ハローワークの機能、それから各地のハローワーク、これらが連携をとってやるということをお答えいただいたわけですが、そのとおりだろうと思うのです。
 そこで、平成四年四月二十四日、この法律が最初に成立をしたときの附帯決議に、「労働行政と厚生行政との連携をはじめ関係行政の十分な連携の確保に努める」という附帯決議が第二項でついております。そこで、この問題についてもう少し突っ込んで、二〇〇一年から厚生労働省になりますね、厚生労働省になったときに、各都道府県に一カ所ずつある厚生省の福祉人材センターと、労働省サイドの福祉重点ハローワークとの連携はいかがなものにするのか。これは一つの省に統合するわけですから、それをどのようにしようとされていくのか、まず、そこをお聞きしたいと思います。
#93
○長勢政務次官 来年から両省統合されるわけでございますから、今まで以上に整合的な行政を進める必要があるということは御指摘のとおりであると思っております。
 そこで、福祉人材センターと重点ハローワークの関係という御質問でございますが、ハローワークは行政機関でございますし、福祉人材センターは、そういう意味では民間の機関という位置づけになると思います。ハローワークは、福祉人材センターの対象分野よりも広い範囲で、あらゆる分野を通じた総合的な紹介機能を果たしていかなければなりませんし、その一環として、自分の得意分野についてそれなりの役割を果たしていただく人材センターというものも、一連の紹介機能の一翼を担っていただけるものと思っております。
 そういう意味で、両者がそれぞれ必要であると思っておりますし、かつその連携が極めて大事である。これはもう縄張り争いをやっている問題ではございませんで、それぞれがしっかりやって、しかも連携をとっていくということが、介護労働力の需給調整に最もお役に立てると思っておりますので、その連携の強化については、さらに有効な方法を進めてまいる、こういう方針でやらせていただきたいと思います。
#94
○中桐委員 人材確保の促進をするために都道府県に一カ所つくる。しかし、厚生省サイドでのネットワークと労働省の基本的な職業紹介機能というものとは、別個にこれまで進んできた。それを都道府県それぞれに一カ所ずつ置くのかどうかという問題が残るわけです。その点については、厚生省と労働省がまだ別ですから、明快な答えを労働省だけですることはできないと思いますが、先ほどの答弁では、基本的には職業紹介、労働力需給調整のキーポイントは、公共機能としては公共職業安定所の機能だというふうに私は考えるわけであります。そういうことからいえば、これまでの労働省のネットワークというものを基本にして、連携強化のあり方を、厚生労働省になるときにもう一遍考えていただきたい、これは要望として言っておきます。
 その場合、やはり調査室が作成した資料を見ても、ホームヘルプサービスに限っての入職経路の統計を見てみますと、何といっても、市区町村の広報というのが断然多くて四五・三%を占めています。その次は知人であって、職安等求人案内というのは四・五%で相当落ちるわけであります。これは日本労働研究機構が行った調査の結果なのです。この結果がすべてを示すわけではありませんが、こういう調査はなかなかできないと思いますから、これは現実であろうから、そういうことからいいますと、これはやはり都道府県に一カ所の福祉人材センターや福祉重点ハローワークだけでカバーするのではなくて、もっと市町村に近いところで重点化を図る必要があると私は思うのです。
 これは、ILOとかそういったところでも、特にこういうホームヘルプ事業に参入する事業主というのは、中小の事業主というのがこれからたくさん参入してくるのだろうと思うので、そういうことを考えますと、やはりできるだけ市町村の身近なところに、しかも、介護保険制度がスタートすれば、当然そこに就労する人がふえてくるわけですから、そのときに、やはり基本は各地のハローワーク、ここを重点的に情報と人員を配置する必要があると私は思いますが、その点いかがでしょうか。
#95
○長勢政務次官 従来ハローワークが福祉分野で十分な役割が少なかったのではないかという御指摘もありましたが、これから介護分野は民間企業の参入が進められるわけでありますから、安定所の役割、ハローワークの役割もこれから大きくなっていくものと思っております。
 また、各ハローワークで重点的にこの問題に取り組むべきではないかという点はおっしゃるとおりだと思いますが、介護福祉分野の人材の労働市場がこれからどういうことになるかも見きわめなければなりませんけれども、重点ハローワークで情報の提供その他やっていく中で、当然、各ハローワークにおける福祉人材の求人、求職というものもふえていくでしょうから、それに対して重点ハローワークの機能のあり方、あるいはさらには、そういう労働市場の状況に応じたあり方の検討というものは、今後の状況を見据えて考えていかなければならないかな、このように思います。
#96
○中桐委員 これは、一般的な今の雇用の流動化の現象というものもあるし、こういった新しい制度の導入に伴う需要というものがふえてくるわけですから、やはり今の政務次官の答弁では私は極めて不満でありまして、人員が一定の限られた中でも、これから労働力需給のミスマッチを解消していくということは、ここしばらくの間の労働省の行政の非常に大きな課題だと思いますよ。
 そのときに、やはり原則は県に一つの重点ハローワークじゃなくて、特に市町村がどんどん雇用するわけですから、そうしますと、今度はいわゆる重化学工業を主体とする工業に伴う労働力需給の問題から、福祉分野、医療分野、そういったところの雇用の拡大というのは、これからまだふえるわけですよ。そのときに、地域によってサービスの提供の仕組みが濃淡があるということも十分あるわけです。例えば、人口のだんだん減ってきているところには、ハローワークが非常に遠いところにあるという問題もあるわけですよ。
 ですから、そういうことも考えた今後の公共職業紹介機能の、特にワンストップサービス化ということからいうと、中途半端な、都道府県にいろいろなものをつくるということにウエートを置くだけではなくて、そういうことよりも、各地域の公共職業安定所の充実を図るべきだと思うんですが、これについてはいかがですか。
#97
○長勢政務次官 各ハローワークにおける福祉人材の需給調整に対する役割はますます大きくなるであろう、また、やっていかなきゃならないというのはおっしゃるとおりでありますし、現在も、需給調整の基本は各ハローワークであります。ただ、その情報の収集あるいは連携の中心として重点ハローワークというものを一カ所設けておるということでございまして、重点ハローワークだけでやるという体制ではございません。
 ただ、今先生の御指摘もありますし、今後の各地域の福祉人材についての需給調整の必要性、労働市場の状況等も、いろいろこれから起こるでしょうから、先生の御指摘も踏まえて、福祉人材の需給調整について、各ハローワークがきちんとした対応ができるように検討はしていかなければならないな、このように思っておる次第でございます。
#98
○中桐委員 ぜひ、その方向でお願いいたします。
 それでは、次の質問に移ります。
 先ほど、事業主の課題として、介護あるいは医療、福祉面ですが、これは非常に幅広いんですけれども、ヘルパー事業だけやっているところだけが対象ではないんですけれども、賃金というのが問題だという指摘がかなり高かった、たしか三位だったと思いますが。
 そこで、現実に就労状況を見てみますと、福祉分野における、特に老人福祉事業における男性と女性は、一九九六年の総務庁の事業所・企業統計調査報告によれば、約二割、二二%が男性で、残り七八%が女性、こうなっております。
 女性が非常に優位を占める就業分野だ、かつ短時間労働者の比率が高い分野だというふうに聞いているんですが、この短時間労働者がどのぐらいを占めるか、今おわかりであれば、おおよその数字を教えていただきたいと思う。
#99
○長勢政務次官 短時間の方々の比率が、二二%というふうに承知をいたしております。
#100
○中桐委員 短時間労働者の比率が二二%。あとの七八%は短時間以外と。それは逆じゃないんですか。
#101
○長勢政務次官 どうもおかしいと思ったんですが、全くおっしゃるとおりでございます。申しわけありませんでした。
#102
○中桐委員 これは相当な格差がありますね。
 そこで、今回の法改正で、事業主に、常用労働者と短時間労働者、それぞれ賃金の助成率を分けて、年間約一万人という、人材確保助成金というのがあります。
 そこでお聞きしたいんですが、短時間労働者がますます大きな比重を占めていくという点については将来的に是正が必要だと私は思うんですが、しかし、この現状を見るにおいて、常用労働者で賃金の二分の一で、上限六人。それで、短時間労働者の場合にはその三分の一というふうにしていくという方向を出されているんですが、この助成率の格差を設ける趣旨はいかがなものか、お聞きしたいと思うんです。
#103
○長勢政務次官 介護労働に従事することを希望される方々には、働き方について、労働の内容その他の観点から、いろいろな御希望があるものと思っておりますが、先ほどは失礼いたしましたけれども、短時間勤務者の割合が高いというのは事実でございます。
 今回の改正によりまして、介護分野における労働力確保と良好な雇用機会の創出を支援するための助成措置を創設するということにいたしておりますが、そのために、賃金の一部を助成する介護人材確保助成金を設ける予定にしておるわけでございます。
 短時間勤務者が現実に多い、また、働き方についてどういう御希望があるかということも、これから変わってまいると思いますけれども、できる限り雇用が安定をした方がいいというふうには我々も考えておるわけでございます。そういう意味で、できる限り常用雇用のインセンティブを高めるために、常用労働者については二分の一ということにさせていただいております。
 あわせて、できる限りたくさんの方々が雇用されるようにしたいという考えでおりますので、常用労働者については六人までというふうにしておりますが、短時間の方々については、助成限度を十二人までというふうにふやしておるわけであります。
 こういう観点と、また支給額の財政的なバランスも考えまして、常用労働者につきましては六人まで賃金の二分の一、短時間勤務者につきましては十二人まで賃金の三分の一という仕組みにした次第でございます。
 繰り返し申しますが、常用雇用のインセンティブを高めたいという趣旨、また、できる限りたくさんの方々がこの恩恵にあずかれるようにしたいという趣旨、そしてその財政的なバランスも考えたい、こういう観点からこういう方針にしておるところでございまして、御理解を賜りたいと思います。
#104
○中桐委員 時間が余りないので、余りここを議論していると、ここで終わってしまう可能性があるんですが、私は、短時間の勤務者、この勤務者の皆さんがキャリア形成をやはりやっていくという意味を含めても、現状が、七割強が短時間勤務者で構成されている、この状況が急激にフルタイムにシフトするというふうにはなかなかならないだろうと思っている、女性の占める比率のことから考えて。
 そうしますと、就労の機会を安定させる、そして、できるだけ、キャリア形成をした短時間勤務者については賃金助成で格差をつけるんじゃなくて、短時間勤務なんだから、それだけ収入が少ないのは当然なんです。それをさらに労働省の施策で二分の一と三分の一に格差を設けるというのは、いわばジョブソサエティーというか、そういった資格も取った人なんですから、労働省のそういう将来ビジョンからいって、これは従来型の、いわば何でもやるという、オールマイティー型の企業中心社会の中でつくられてきた職能というものを、ジョブというものを考えるプランニングになるんじゃないかというふうに私は実は思っているわけでありまして、そこのところが随分大きなビジョンの方向性の違いではないかと思うんです。
 その点について、時間がないので、簡潔にお答えいただきたいと思います。
#105
○長勢政務次官 介護労働のキャリア形成も含めた体系を方向づけて助成の仕組みも考えたらどうかという御提言だと思います。
 一つの識見だと思いますが、先ほど御説明申し上げましたように、常用雇用の方にインセンティブをつけていくということが雇用の安定という観点からも必要なことではないか、そういうことで私どもは考えておりまして、このような方針で今おるところでございます。
 ちょっと時間もありませんので、十分な議論ができないのは申しわけなく思いますが、ぜひ御理解を賜りたいと思います。
#106
○中桐委員 これは私は納得できません。
 つまり、資格を持っている労働者なんですから、ジョブソサエティーにシフトを最も典型的にできる職場なんですよ。製造業のオン・ザ・ジョブ・トレーニングでキャリア形成をしていくというところとはまた違うんですよ。だから、そういう意味で言うと、全くそういうビジョンを持たないでこういう行政施策をするということについては、私は、この点についてはぜひ早急に是正をしてもらいたいというふうに要望して、次に進みます。
 次に、ちょっと時間がなくなりましたので、教育訓練給付の問題については飛ばしまして、ケアワーカーの福祉共済制度の問題についてお聞きをしたいと思います。
 加入状況については時間がありませんので省きまして、今回、ケアワーカーの福祉共済制度の傷害補償部分については労災保険の特別加入を認めるという方向を開くということでございますが、これはこれで一歩前進だと私は思っておりますが、ただ、これは労災補償の本体の制度に比べれば給付の内容はやや劣るわけであります。そういう意味で問題は残りますが、ここにシフトを変えるという方向をお出しになっているというふうにお聞きしておりますが、その理由を簡潔にお願いいたします。
#107
○長勢政務次官 個人家庭に雇用されて介護業務に従事する家政婦さんにつきまして、現在は労災保険の適用が除外をされておるわけでございます。御案内のとおり、労災保険は雇用関係のある方々にのみ適用されるということでそういうことになっておるわけでございますが、家政婦の方々は個人家庭の指揮命令のもとで労務を提供してその対償として賃金を得ておる、雇用関係ではありませんが実質的に労働基準法上の労働者と同様の実態にあるという観点から、このたび労災保険の特別加入を認めるということにした次第でございます。
#108
○中桐委員 この点は一歩前進として評価して、介護保険制度は四月一日から施行ということになっておりますが、私は、この労災保険の特別加入については、労働省令でつけ加えることによって解決することができると思いますので、できるだけ早急に、ことしの四月一日から実施すべきだと思いますが、どうでしょうか、いつごろから実施しようという予定なんでしょうか。
#109
○長勢政務次官 労災保険の特別加入は、家政婦紹介所の紹介などによって個人家庭に雇用される家政婦さんを対象に特別加入を認めるということでございます。一方、介護保険法の業務に従事なさる方々は、雇用関係にございますから当然労災保険が適用されるわけでございます。そういう意味で、この両者の問題は、従来から家政婦さんの問題は介護保険法の問題とは別に議論されてきた問題でございまして、このたびこれを解決することになったわけでございます。
 そういう関係でございますので、家政婦さんの労働実態を十分把握して、その保護の範囲をどうするかとか保険料率をどうするかということを十分検討して具体的な制度をきちんとつくる必要がございます。そういう意味で所要の準備が必要であると考えております。当然早くやりたいと思っておりますので、早急にこの準備を進め実施に移したい、このように考えております。
#110
○中桐委員 それはわかるんですが、将来家政婦さんの需要がどういうふうになっていくかということもありますけれども、しかし、少なくとも、四月一日から介護保険制度が立ち上がっていけば介護サービスの範囲が広がる、そこに家政婦さんが参入する、そういうことは十分考えられるわけですから、できるだけ早急にということしか言えないのかどうか。つまり、いつごろには実態把握してやりますよという具体的な答えができるのかどうか、その点についてお聞きしたいと思います。
#111
○牧野国務大臣 本問題につきましても、私ども検討をさせていただきました。ぜひ実行しなきゃいけない、こういうことで、私としましては、早急に所要の準備を整えるよう事務当局に命じさせていただき、平成十二年度中にできる限り早く開始できるようにいたしたい、このように考えております。
#112
○中桐委員 できるだけ早くお願いをしたいと思います。
 次に、同じく家政婦さんの問題との関係でございますが、将来の家政婦さんの就業状況がどういうふうになっていくかということは横に置いておきまして、当面の介護サービスの担い手として有資格者である家政婦さんの労働力の提供というのは、これは当然今のところ不可避の状況にあろうかと思います。その場合、今回労災保険の特別加入、これは一歩前進だと思いますが、先ほどから家政婦自身がアンケート調査にも答えておりますように、社会的評価が低いというのはみんな言っているんですが、パートヘルパーの場合には特に、収入が不安定だということを言っている。そういうパートヘルパーに近い就労状況というのがやはりあるだろうというふうに思うんですね。
 その点で、賃金の補償とか賠償責任、これでいくとパートタイマーの方なんかは早朝介護というのを結構やっておりますね、深夜は正規職員にウエートが高くなっておりますけれども。そういうことからいうと、サービスを提供するおうちに行くまでの間に交通事故を起こすかもしれないし、いろいろな問題で賠償責任の問題というのもあるわけですね。そういう問題については、これは家事使用人という範疇に入るものですから、賃金の確保を法律でうたっている賃金確保法のレベルから比べると今の福祉共済制度の賃金の補償水準というのは非常に低いということがある。賠償責任の問題もしかり。
 そこで、この点について、時間がありませんので、私、家政婦の問題も、介護保険サービスに参入するということは、国が四月一日から社会的な介護サービスの方向へ大胆にシフトを変えるわけですから、いわば国の介護保険制度のもとでの訪問介護のサービスに従事する家政婦の人たちというのは、共済制度では、事業主の負担が出せないものだから、家事使用人だから事業主がいないものだからその部分だけ保険料が財源がないので補償水準が低くなるということになっている。そこをやはり私は、公的介護保険制度に移行したときに、その介護保険のサービスを専ら提供している家政婦さんの待遇というのは、やはり国がある程度補償に対して責任を持つ必要があるんじゃないかと思うんですが、その点についていかがですか。
#113
○長勢政務次官 御理解を賜りたいと思いますが、家政婦紹介所の家政婦さんと言われる方々は、いわゆる個人家庭で家事サービスに従事される場合、それは個人契約になりますので、雇用関係は形式的にはないわけであります。この方々について労災保険の特別加入を認めようというのが今回の趣旨でございます。
 これが、いわゆる介護保険法の介護サービスに従事される場合には、個人契約というものはありませんので、法人とそのサービスを受けられる方々との関係になりますから、そこに従事する場合には当然雇用関係があるわけでありますので自動的に労災保険の適用がある、こういう関係で私どもは整理をさせていただいておるわけであります。
 それで、介護保険の業務に従事される方々の労働条件その他について国がよく考えるべきではないかという御指摘でございますが、御案内のように、介護保険の中での報酬体系を、別途、厚生省といいますか国で決めておるわけでございますので、その範囲の中で労使間でその体系が決められる、そこに不当なことがないようにいろいろな面での指導監督というものは必要であると思いますが、そういう体系の中で問題のないように指導していかなきゃならぬ、このように考えます。
#114
○中桐委員 時間がなくなってしまいました。私の認識にも若干不十分な点もあるようにも思いますので、この点については今後の課題として残させていただいて、最後に、大臣に、今議論いたしましたように、この介護労働の分野においてはなかなか就労条件もコントロールしにくい要因がある。訪問介護の場合には特にそういう要因がある、各家庭に行くという形になりますので。そういうことで、雇用管理のレベルを上げないといけない、また健康面でのきめ細かい対策も必要だ、しかし、事業主は多くは中小事業主というところに多くの人が参入してくる、そういう問題があるというふうに思います。
 そういう点で、ぜひ、この介護保険制度のスタート以降、早急に、一定の期間を置いて現場の労働条件の調査をしっかりやっていただいて、そしてこの対策を十分適切なものにしていただきたいというふうに思いますが、大臣の認識をお伺いして、質問を終わりたいと思います。
#115
○牧野国務大臣 先生御承知のとおり、介護分野は、今後の介護需要の増大に伴いまして労働力需要の拡大が大きく期待される分野であります。
 しかしながら、介護分野の実態を事業所サイドから見ますと、介護保険制度を利用して介護分野に新規に参入する場合、準備期間中はもちろん、事業開始後もすぐに介護報酬等の収入を得られるわけではなく、また介護サービスの人件費負担は非常に重くなっております。また、労働者のサイドから見ますと、労働の特殊性から身体介護を中心に肉体的に過重な負担がかかり、また二十四時間巡回介護への対応等のために就労時間も多様なものとなってまいります。一方、介護保険制度のもとで就労するためにはホームヘルパー等の資格が必要となってまいります。
 このような実態から、介護需要がふえれば当然に労働需要が増大するわけではなく、労働需要が増大するためには、介護分野で新たなサービスの提供等を行う事業主に対しまして雇用へのインセンティブを与える支援策が必要であります。
 一方、労働需要の増大に対応して必要な労働力を確保するためには、厳しい就業環境に対応した雇用管理改善や雇用環境の整備が必要であります。また、ホームヘルパー等の資格取得のための教育訓練システムを整備していく必要があります。さらに、労働力の需要及び供給を円滑にマッチングしていくために、労働安定機関と民間の職業紹介事業者、その他関係者の相互協力等の労働力需給調整体制の整備が必要であります。
 このように、介護分野においては、今後、労働力の確保と良好な雇用機会の創出、能力開発の推進、労働力需給調整機能の整備、こういった施策を強力に推し進める必要があると考えております。
 なお、介護労働者の賃金等に関しまして、やはり、御指摘のようにいろいろ問題がございます。したがいまして、賃金実態を調査し、業務内容別、地域別に標準的な賃金額を公表、周知徹底させたいと思っています。助成措置の運営主体である介護労働安定センターに設置する相談窓口において労働者からの賃金水準に関する相談を受け付け、
事業主に対し標準的な賃金額の情報を提供すること等により、賃金水準の改善について助言を行いたいと思います。
 このような助言等にかかわらず不当に低い水準の賃金の設定を続ける事業主に対しては、介護人材確保助成金等の支給対象とはいたさない、このように行いたいと思っております。
#116
○中桐委員 どうもありがとうございました。ちょっと時間が超過して、申しわけありません。
#117
○赤松委員長 この際、労働大臣が発言を求めておりますので、これを許します。牧野労働大臣。
#118
○牧野国務大臣 畠山先生の御質問への答弁でありますが、補足させていただきたいと思います。
 雇用管理改善計画の認定の実施主体を変更することにつきましては、軽々に国の立場でのみ議論できることではありませんが、今後の施行状況、都道府県の意見等を踏まえ、必要に応じ検討していくべき課題だ、こう考えます。
 また、雇用対策にかかわる国及び地方行政の事務、施策のあり方につきましては、今後、時代の変化に応じ必要な検討を行っていくべきもの、このように考えております。
 以上、補足させていただきます。
#119
○赤松委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#120
○赤松委員長 これより討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#121
○赤松委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#122
○赤松委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#123
○赤松委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時九分散会

ソース: 国立国会図書館
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