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1950/12/08 第9回国会 参議院 参議院会議録情報 第009回国会 運輸委員会 第6号
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1950/12/08 第9回国会 参議院

参議院会議録情報 第009回国会 運輸委員会 第6号

#1
第009回国会 運輸委員会 第6号
昭和二十五年十二月八日(金曜日)
   午後三時零分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○日本国有鉄道の機構に関する調査の
 件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(植竹春彦君) これより委員会を開会いたします。先ず日本国有鉄道の機構に関する件を議題に供します。この際山縣委員より発言を求められておりますので、発言を許します。
#3
○山縣勝見君 国有鉄道の機構改革に関しましては、前臨時国会におきまして、七月二十二日の当委員会における私の質問に対し、山崎運輸大臣は、国鉄運営における二つの面、即ち企業性と公共性の二点を強調され、独立採算性による公共企業体としての能率経営を期すると共に、単に国鉄自体の企業性という見地のみからでなく、公共の福祉の増進、即ち国鉄の有する公共性という見地にも重点を置いて、その機構改革を見るべきものであり、その意味よりして、運輸大臣としては、機構は不動のものでも不変のものでもなく、実施後の情況を見て、必要なる場合はこれに対し適当なる措置を講ずべき旨の言明をされたのであります。
 当時本問題に関しましては、国鉄機構の改革に関する運輸大臣の監督権及び命令権に関して、本委員会においても論議が重ねられたのでありまして、即ち国有鉄道法第五十二条及び同法第五十四条に規定する国鉄に対する運輸大臣の監督権及び命令権が、今回の国鉄機構の改革に当つて存するものなりや否やについて種々論議せられましたが、これに対し運輸大臣は、前にも述べました通り、七月二十二日の本委員会において、国鉄の有する公共性よりして、機構は不動の竜のではなく、必要なる場合は適当なる措置を講じなければならぬ。そしてそれは、運輸大臣として監督上当然なすべきことと確信し、善処する旨明確なる言明をされ、これによつて本問題に関する運輸大臣の監督権及び命令権に関する疑点については、政府みずからこれを明確にせられたのでありまして、私はこの明確にされたるベースの上に立つて、只今この発言をいたしているものであることを先ず明らかにいたして置きたいのであります。
 而して国鉄機構の改革、特に鉄道監理局については、山崎運輸大臣が同日運輸大臣としての監督権に基き、公共性と企業性の見地よりして、全国的ではなく、只今問題となつている数カ所の県について十分に考慮善処して要望に応えたいと思う旨の御答弁があつたのであります。又大臣の御答弁に関連して、加賀山国鉄総裁の所見をも私より質しましたところ、総裁も大臣の答弁の通りに考えるとの答弁であつたのであります。
 今回の国鉄機構の改革に関しましては、すでに各委員より屡次に亘り詳細御意見の開陳があり、又機構改革実施後に驚ける各委員の実情調査の報告もなされ、我々といたしましては、運輸大臣の言明せられた政府の善処を待望いたしておる次第であります。つきましては、この際本委員会といたしましては、以上のごとき政府の言明に基いて、この問題に対しまして、速かに適切なる措置のとられるべき旨を要望する意思を政府に対して表明し、以て国鉄機構改革の万全を期することが適当ではないかと考えるのであります。この意味よりいたしまして、この趣旨の決議を提案いたしたいと思うものであります。案文を用意いたしましたので読上げます。
 我が国陸上交通の根幹をなす日本国有鉄道が能率的な運営をなし、公共の福祉を増進するため、政府は本委員会における運輸大臣の答弁の趣旨の通り必要なる箇所に鉄道監理局を設置するよう速かに措置すべきである。
  右決議する。
 以上読上げました決議に対し、何とぞ各委員の御賛成を得て、政府の速かなる善処を要望いたしたいと思うのであります。何とぞ御賛成を願います。
#4
○委員長(植竹春彦君) 山縣委員の意見に対し、各委員の意見がありましたら、どうぞお述べ下さい。
#5
○内村清次君 私はさかのぼつた国鉄の機構改革につきましては、すでに委員会において意見を述べているので省略いたしますが、今日の提案につき、一つ尋ねたいことがあります。今回の改革について、従来の機構の観点からして、機構の問題が地方の福祉の問題と繋がつていること、地方の福祉が関係深いことにより、地方の要望も強いのであります。この趣旨からして運輸大臣が当時言明されたのには、一定不変なものでないから、実情に徴して必要な箇所に監理局を設置するよう努力するとのことでありまして、そこで必要な箇所に設置するとなると、当時問題になつた地域に対する増設には賛成であるが、このために現在の状態を白紙に還して改廃をやると言うことでなく、ない所に増設をするという意味に了解していいか、発言者にお伺いいたします。現在ある所は現状のままに願いたいと思いますが、この点はどうでしようか。
#6
○山縣勝見君 内村委員の御質問にお答えいたします。国鉄機構を白紙に還元して、根本的に機構の再検討をするのであるかどうかとの御質問でありましたが、先ほども申述べました通り、本決議案は過日の政府の言明に基いて、その速かなる善処を要望する意味のものでありまして、今般の国鉄機構改革の基本を根本的に白紙に還元して再検討するということでなく、運輸大臣の言明にありました通り、必要なる数カ所の監理局の増設につき善処を要望して、以て今回の機構改革の万全を期したいという点にその重点があることを御了承願いたいのであります。
#7
○岡田信次君 提案者に二つの点についてお伺いします。一つは、昨年六月一日、日本国有鉄道は自主独立の形をとつたのに対して、かかる提案は有効であるかどうか、次に、七月二十二日の運輸大臣の答弁は、監理局だけのことと解しなかつたが、この点はどうなのですか。
#8
○山縣勝見君 岡田委員の御質問にお答えいたします。御質問の第一点につきましては、先きに提案の趣旨を申述べました際に、運輸大臣の監督権及び命令権に関して詳細に申述べました通りでありまして、私の提案は勿論法律的に見て何らの差支えのない内容のものであると思うのであります。
 次に、御質問の第二点につきましては、七月二十二日の運輸大臣の答弁を委員会会議録により見ますると、明らかに監理局の増設について御答弁があつたと明確に解することができるのでありまして、又当日の本委員会における岡田委員の御発言に徴しましても同様に理解すべきよう思われるのでありまして、七月二十二日の本委員会における運輸大臣の御答弁は、明らかに監理局の増設の問題に関してのものと解すべきであると思うのであります。
#9
○委員長(植竹春彦君) 右のような山縣委員よりの提案になりました決議を、政府に対して申入れることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○委員長(植竹春彦君) 御異議ないと認めます。只今の決議に対して運輸大臣より発言を求められましたから、これを許します。
#11
○国務大臣(山崎猛君) 日本国有鉄道の機構に関する決議が全会一致で採沢になつたが、その決議案に一貫している趣旨は、私が前国会において表明した趣意をとられたと思う。私は当時の意見に何らの相違も持つていないのであります、その点御了承を請う次第であります。従いまして、その後国鉄の公共性の面、独立採算性の面との両面から、国鉄当局者に支障ありや否やを調査させているのであります。七月二十二日当時において、その当時の数カ所と言明しているが、その後の状況では同趣旨の要求が更に出ていることを附して置きます。大体制度のことであるから、どうしても改めなければならないとなれば、前国会の発言の通り改革して行きたいし、その線に沿つて調査を進めでいるのが現在の状態であります。国有鉄道は昨年の六月一日から実施して一年半経過し、そして監理局は八月一日からであつて、全体として新らしいので、それらの欠点を発見することは、創立間もないことであるので、それが一時的か、何かの判断に暇どつている。独算性の面から経費の節約で制約されることもあろうかと存じます。又荷主、旅客に対する影響も考え、更に又その背後関係をなす地元者の相互扶助の関係も重大であるので、それらとの関係も考慮して行かねばなりません。又機構のできるには、関係当局の努力もあつたので、又改めるとなれば、そちらの意見も聞かねばならない。前国会の発言を今日具現化し得ないことは残念であるが、その線でおるので、この決議に副うように努力いたしたいと存じます。
#12
○委員長(植竹春彦君) 只今運輸大臣より発言がありましたが、この決議の趣旨を尊重せられ、大臣においては速かなる措置を願つて止みません。
#13
○委員長(植竹春彦君) 次に、本院規則第七十二条によりまして、調査報告を提出することになつておりますので、この報告書の案文等につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶものあり〕
#14
○委員長(植竹春彦君) それでは調査報告書には、慣例により多数意見者の署名が必要でありますので、御署名を願います。
  多数意見者署名
    内村 清次   菊川 孝夫
    小酒井義男   松浦 定義
    岡田 信次   山縣 勝見
    鈴木 清一
#15
○委員長(植竹春彦君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     植竹 春彦君
   理事
           岡田 信次君
           高田  寛君
   委員
           山縣 勝見君
           内村 清次君
           菊川 孝夫君
           小酒井義男君
           前田  穰君
           松浦 定義君
           鈴木 清一君
  国務大臣
   運 輸 大 臣 山崎  猛君
  政府委員
   運輸省鉄道監督
   局長      足羽 則之君
ソース: 国立国会図書館
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