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2000/04/20 第147回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第147回国会 逓信委員会 第9号
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2000/04/20 第147回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第147回国会 逓信委員会 第9号

#1
第147回国会 逓信委員会 第9号
平成十二年四月二十日(木曜日)
    午前九時三十一分開議
 出席委員
   委員長 前田 武志君
   理事 荒井 広幸君 理事 遠藤 利明君
   理事 佐藤 剛男君 理事 伊藤 忠治君
   理事 福留 泰蔵君 理事 矢島 恒夫君
      石崎  岳君    今村 雅弘君
      江渡 聡徳君    大石 秀政君
      小坂 憲次君    佐藤  勉君
      坂井 隆憲君    園田 修光君
      虎島 和夫君    野田 聖子君
      山口 俊一君   吉田六左エ門君
      小沢 鋭仁君    渋谷  修君
      中田  宏君    富田 茂之君
      西田  猛君    中井  洽君
      横光 克彦君
    …………………………………
   郵政大臣         八代 英太君
   郵政政務次官       小坂 憲次君
   政府参考人
   (郵政省電気通信局長)  天野 定功君
   参考人
   (東日本電信電話株式会社
   代表取締役社長)     井上 秀一君
   参考人
   (東日本電信電話株式会社
   代表取締役副社長)    三浦  惺君
   逓信委員会専門員     大久保 晄君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十日
 辞任         補欠選任
  野中 広務君     野田 聖子君
同日
 辞任         補欠選任
  野田 聖子君     野中 広務君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 電気通信事業法の一部を改正する法律案(内閣提出第九一号)
 電子署名及び認証業務に関する法律案(内閣提出第九六号)

    午前九時三十一分開議
     ――――◇―――――
#2
○前田委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、電気通信事業法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として郵政省電気通信局長天野定功君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○前田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
#4
○前田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小沢鋭仁君。
#5
○小沢(鋭)委員 おはようございます。昨日に引き続きまして、電気通信事業法の法案につきまして質問をさせていただきます民主党の小沢鋭仁でございます。
 まず一つ、思い出話を申し上げるのでありますが、この接続問題、私にとっても実は思い出が一つございます。
 平成八年のときに、いわゆるNTTの分離分割問題、こういう話があって、それにどう対応したらいいか、こういうある意味では大詰めの議論がありました。そのとき私は新党さきがけにおりまして、新党さきがけの代表で出させていただいて、そして平成八年の三月の時点では、少し時間をかけようということで、推進する側からしたらきっと、先送りをされた、こういうような話だったかもしれません。私たちの立場としては、もう少ししっかり時間をかけてこの協議をやったらいいではないかということでございました。
 そのときの条件の文章が接続問題だったのですね。この接続問題をしっかりと解決していくことが必要だ、こういう話でございました。その文章を私がある意味では、当時は三党でありましたが、案文を書かせていただいて、そしてそれを当時の自民党それから社民党の皆さんと議論をさせていただいたときに、大方それで通ったのですけれども、文章を一カ所書き直しをされました。書き直しをされたというか、御本人が、これは野中広務さんでありますが、野中広務さんが私が持っていった案文を、万年筆をこうくるくると回して出して書き直しをいたしまして、こうじゃないと自民党は通らない、こういう話があって、そういう意味では、そこの内容がどのような内容だったかに関してはここでは申し上げる必要もないのであれなんですけれども、接続問題というのは、私にとっても本当にそういう意味では思い出の問題であります。
 その当時から、要するにこの問題というのはある意味では大変重要な課題としてあって、そして今日、平成十二年の現時点においてこのような形で審議になっている、こういうことだと思います。
 さて、そこで一点、接続問題の経緯ということで私の思い出話もさせていただいたのですが、確認をさせていただきたいと思っています。
 それは、今どちらかというと、接続問題というのは日米交渉の中で話題になる機会が多いように思います。しかし、もともとは、今私が申し上げましたように、我が国の中に本来存在していた問題でありまして、でありましたので、電通審のところでもずっとそういう議論がなされてきていたわけですね。ですから、電通審の流れというのが一つあって、そして、日米間の問題に関しては後で確認をさせていただきますが、そこに日米間の交渉がある意味では加わってきたといいますか、そんなように糸が二本になっている、こういうことなんだろうと思います。
 そこでお尋ねでございますけれども、電通審の中ではいつの時点でこのことが話題になり、それはなぜ話題になって、どういう視点からこの問題が議論をされてきたのか、そしてつい二月ですか、最終の答申になるわけでありますけれども、そこのところを一回ちょっと振り返らせていただきたいと思います。御説明をいただけませんでしょうか。
#6
○天野政府参考人 お答え申し上げます。
 電通審での論議の流れでございますが、これは最初に平成八年の接続ルールのあり方を論議する場がございました。ここで、結論と申しますと、接続料を安くするための手段として長期増分費用方式の導入が検討に値するといった趣旨の答申がなされているわけであります。
 そして、昨年の秋に、具体的に接続料の算定のあり方につきまして諮問したわけでございますが、そこでは、長期増分費用方式の導入を図ることは、基本的には事業者間接続料の引き下げを促進して長距離通話等の従量制通信料金の引き下げの可能性を生むものであり、競争を通じた利用者の利便向上を実現する重要な意義を有する、しかしその一方、その導入いかんによっては、基本料金の引き上げなど利用者間の負担変動、ユニバーサルサービスへの影響を生じるおそれがあり、このことについて社会的コンセンサスが得られていない当面の状況下において、そのような事態の生じないよう配慮すべきである、したがって、具体的な導入方策としては、利用者間の負担変動やユニバーサルサービスへの影響の生じるおそれのあるケースBは適当でなく、ケースAを段階的に実施するのが適当といった趣旨の答申が出されているところでございます。
#7
○小沢(鋭)委員 最後の結論の部分は、天野局長、それでいいのですけれども、そうではなくて、一たんここの場で確認をさせていただきたいと思っているのは、これが日米交渉の中で米国からのいわゆる外圧的になされている話ではなくて、我が国本来の中でもともとあった議論というのを確認させていただきたい、こういうことなんですね。
 それはどういうことかというと、きのうも同僚の伊藤議員が質問で申し上げましたが、この接続料金というのはある意味では、ほかの業種で考えると卸売価格みたいなものだ、民間が自分のところで卸売価格を決めるのを、何で政府がそんなことに口を出さなければいかぬのか、ましてやアメリカが何でそんなことを言ってこなければいけないのか、こういう根本問題があるわけですね。
 それに対して、要は、NTT改正の事業法でNTTの地域網を指定電気通信設備にして、そして、指定電気通信設備だから、そこのところはやはりある程度公共的な話というのに乗ってくるんだ、こういうのが基本的な考え方なんじゃないか。
 ですから、まさに根本のところはそういうことですよね。卸売価格にもかかわらずなぜこの議論がなされるのか、そこを聞きたいのです。
#8
○天野政府参考人 まさに先生おっしゃいますとおり、我が国におきます地域通信市場におきますネットワークは、事実上NTTの独占に近い状況になっておりまして、そこに他の事業者は依存せざるを得ないという実態がございます。
 そこで、接続のルールのあり方を平成八年の審議会で議論いたしまして、そして接続料を安くする一つの手段として、長期増分費用方式の導入の検討と、そしてまた、おっしゃいます接続のルールとしての指定電気通信設備の制度を提言している、そういう趣旨でございます。
#9
○小沢(鋭)委員 今まさに局長がおっしゃっていただいたように、せんじ詰めて言いますと、独占的だからこの話がやはり必要なんだということだと思うのです。
 そこで、後にもうちょっと話を広げたいと思っておりますが、ここでは一点だけ申し上げておきたいのは、きのうからの、これは郵政省の答弁にもありました、我々の伊藤議員も指摘をしました、それからほかの議員の人たちもありました、現在は本当に独占的なんだろうかと。だから、これからも独占的であり続けるんだろうかというのは物すごく重要なポイントになるんですよ。
 きのう、小坂さんがおっしゃったのは、携帯電話のマーケットもと言いましたね。もちろん、市内の通信網という話でいえば、いわゆる固定電話の通信網という話であれば、今はそうかもしれない。しかし、新たな参入が始まっているじゃないですか。ケーブルテレビが発展をしていっているじゃないですか。
 ですから、本当にNTTの市内網というのは独占的かどうかという議論がこの議論の中の最大ポイントで、そこのところを、これからそれがどうなっていくだろうかということを判断するというのは物すごく重要なんじゃないかということを御指摘申し上げたいのですが、感想はいかがでございますか。
#10
○天野政府参考人 現在の地域通信市場におきましては、まだNTTがトラフィックで見ますと九割以上のシェアを占めております。そういう意味では独占に近い実態はあろうかと思いますが、おっしゃいますように、通信の実態が、電話からインターネットのようなデータ通信の方に急速に変わってきております。そういう世界におきましては、今、私どもは、競争促進のためにDSL政策だとかあるいは加入者系の無線ネットワークを整備するとか、そういった新しい技術、手段を講じまして、NTT依存の仕組みから、一種事業者が自前のネットワークをつくる方向に動くように私どもも促進しておりまして、これが急速に今進んでおります。
 そしてまた、今御指摘ありましたように、まさに携帯電話からもインターネットにアクセスできる、そういうような実態にもなってきておりますので、従来の電話ネットワークから、インターネットのようなIPネットワークへ変わってきておる実態を考えますと、NTTの独占の状況も急激に変わってきている、そういう非常に流動的な状況を迎えつつあるという認識でございます。
#11
○小沢(鋭)委員 まさに今天野局長がおっしゃられたこと、私も同じ認識なんですね。ですから、私は、この問題を考えるときにそういうこれからの見通しを持って考えないといけない。一言で言いますと、要は、もうNTTが電話代で生きていける時代じゃないんですよ。これはまさに電話代で生きていく時代の発想で今の問題に対応しているんじゃないか、こういうことなんだと僕は思っているのです。
 後にNTTの内容の話に入らせていただきますので、とりあえずここは一たんそれをおいて、経緯ということの中で、米国との交渉をちょっと振り返らせていただきたいと思います。
 今申し上げたように、この問題は、もともとは我が国固有の問題としてあったところに米国との交渉が起こったというのが私の認識でありますが、それもお尋ねしておきたいと思います、そういう認識でいいかということでございます。
 それで、ちょっと調べてみましたが、一九九八年の五月二十五日にバーミンガムで行われた日米次官級会合、この会合の中で、接続料の算定方式として長期増分費用方式の早期導入を目指し、二〇〇〇年春に関連法案を提出することで合意、こういうふうに聞いているわけであります。これは何かまとまった文書がきちっと外交文書として出ているのかどうか、この会合のいわゆる国際法的な効力といいますか、それはどんなものなのか、あわせて御質問をさせていただきたいと思います。
#12
○天野政府参考人 九八年のバーミンガム・サミットの直前に、日米規制緩和対話の話し合いの結果がまとめられまして、今先生が御指摘されましたように、長期増分費用方式の導入に向け、所要の電気通信事業法改正案を二〇〇〇年春の通常国会へ提出する意図を有するといった表現の報告書がまとめられまして、これが両国の首脳に報告されました。
 この報告の内容につきましての国際法的な位置づけにつきまして正確に申し上げる立場にはございませんが、私どもの理解としましては、この報告の内容は、二国間のいわゆる行政協定やWTOのような多国間合意のように、法的な拘束力があるものとは理解しておりません。
 しかしながら、規制緩和につきまして、両国政府が考え方をまとめて対外的に発表し、そして両国の首脳に報告されるという形式をとっているものですから、その内容は誠意を持って実施していくことが必要であるというふうに考えております。
#13
○小沢(鋭)委員 もちろん、米国と我が国の同盟関係を考えれば、誠実に対応するというのは私も当たり前のことだ、こういうふうに思います。そこは私も同意をさせていただきますが、しかし同時に、法的拘束力がない、こういう今答弁もございました。ですから、あくまでもこの日米交渉はそういうものだ、こういう構えで政府は対応していただかないといけないというふうに思うのですね。
 ですから、あくまでも、これはお互い本当に親しい国同士、信頼関係を持った同盟国同士の交渉ではあるけれども、別に決して、これを決めてしまって、すべてそれを聞かないと日本が国際的な責任を追及されるというようなものではないですねという点は、今確認をさせていただいたところでございます。
 そういう中で交渉に当たられていらっしゃって、皆さん方の受けとめ方を聞かせていただきたいのですが、まず一つは、私は、この問題はどう考えても、米国がこのようにある意味ではかなり強い主張をするという理由が思い当たらないんですよ。一般論として、そういう卸売料金が安いというのは、参入にとっては大事なことですからそれはいいんですが。
 要するに、せんじ詰めていったときの、例の二二・五%を四年でやる、こういう話が、いや、それじゃ全然話にならない、こういう話で、二年でやれ、そして、その後はもう一回、また別な例のB方式も考えるんだ、こういう話。このあたりは、米国のベネフィット、経済交渉ですから、通常はこれによって米国が経済的にこれくらい利益があり得ますねというのはあるわけでありますが、どうも見当たらないですね。どのくらい利益があるんでしょうか。それで何でここまでこうやるんでしょうね。感想で結構です。
#14
○天野政府参考人 日本の電気通信市場といいますのは、やはり世界的に見ますと大きなマーケットになっておりまして、アメリカを初めヨーロッパにとっても大変魅力的な市場だろうと映っていると思います。
 そこで、接続料が高いというのは、これまでのいろいろな話し合いの中でも、あるいは文書でされた中でも、いわば参入障壁であるというような言い方もしております。ですから、接続料を安くすることが有利な投資機会を生じさせるということだと私どもは受けとめておりますが、現実に日本の市場にアメリカ系の事業者が接続料として払っているのは数億円にすぎません。
#15
○小沢(鋭)委員 今、別に具体的な数字まで聞くつもりはなかったんですが、天野局長、数億円というお話をいただいたから、そうすると、もし今払っている接続料、数億円で、これが二二・五%下がったとして、年間幾らくらいになるんですか。ほんのわずかでしょう。
#16
○天野政府参考人 おっしゃるように、下げ率にもよるんですけれども、私どもが主張しているAであればそんなに大きな引き下げ額にはならないと思います。
#17
○小沢(鋭)委員 簡単に二二・五を二五%と考えれば四分の一ですから、数億円のうちの四分の一、多くても二億円ぐらいが少なくなるのかな。経済で考えたときに、二億円が減るかどうかで、まさにサミットの直前の日米首脳会談の課題になるんですか、二億円の問題で。どうですか。
#18
○八代国務大臣 今のやりとりを聞いておりました。
 一九九八年のバーミンガム・サミットのとき、そしてまた、かつては、平成八年、自社さの時代、小沢委員も含めていろいろ、従量制から、こうした一つの接続料の算定方式というものは我々も国内で議論をしてきたわけでありますので、タイミングとすれば、これからの将来の情報通信時代を考えますと、あのバーミンガム・サミットでそういうものが提起されたことは、やはりこれは一つのチャンスであったろうと思います。そこから、いち早くこういう形の今日までのプロセスになってくるわけでございますけれども、アメリカはアメリカとしての将来を展望した戦略もあるでしょうし、私たちは私たちの国益ということを考えますと、そこには相入れないものも幾つか今までの交渉の中にはございます。
 ですから、大した額じゃないかもしれないけれども、アジアの市場全体等々を考えてみましても、よくアメリカが言うのは、NTTは非常に支配的である、こういう言葉をよく使うところを見ましても、ここにやはり、アメリカのそうした通信市場への日本に対する魅力というものは、大変大きなものが未来に向かって包含していると思います。それを一つのターゲットにしながら、交渉の中においても、我々ともなかなか相入れない、お互いの言葉も含めた、あるいは考え方も含めた、また文化の違いも含めたもろもろのものがある中で、天野局長を初め大変対話には苦労してきたということを私の今率直な前半の感想として申し述べさせていただいておきます。
#19
○小沢(鋭)委員 大臣の御感想の中にもありましたが、NTTが支配的である、こういうアメリカの認識というのは恐らくそうで、そこのところを含めて、接続料の問題そのものは大した金額ではないけれども、中長期的な戦略論としてこの問題が重要なんだろうというふうにアメリカはかなり認識している。ということは、逆に我々も、中長期的な産業政策論としてこの問題は物すごく重要なんだということを認識しなきゃいかぬということですね、裏返して言うと。ということだと私は思っているんです。
 そこで、今まさに話題になったことですから申し上げるんですが、二番目のNTTの内容について少し入らせていただきたいと思います。
 NTTというのは、依然として特殊会社ですね。そこで、NTTに課せられている制約、そこを確認させていただきたいと思うんです。いわゆるユニバーサルサービスの義務が条文の中にある。それから、例えば市内網、東と西の会社に関しては、きのう伊藤議員が言ったように、インターネット事業等に入っていけない、こういうようなこともあるやに思われる。
 どうでしょう、NTTの、普通の民間と違いますよ、こういう制約があるとすればどんなところが挙げられますか。
#20
○小坂政務次官 NTTが民間会社と違うのはどのようなことがあるか。株式の発行あるいは役員あるいは定款変更、いろいろな形の中で認可が必要になるとかいったものがございます。
 しかし、その中で、特殊会社としてのNTTとして、ほかの特殊会社と違う点もございます。それは、ほかの特殊会社、例えば空港、関西の関空の公団のように、役員の選任、解任に当たっても認可が必要だという場合と、東西NTTの場合にはこれは非規制になっておりますし、利益処分等についても非規制になっている。このような、民間会社に近い部分あり、また特殊会社としての認可の必要な部分あり等があるわけでございます。
 その中で、先ほどの小沢委員の御質問の中にありました独占状態ということについて、私も考えますと、いわゆるハードウエアの独占状態ということでありますのと、それからサービスの上でのという昨日の伊藤委員の御質問のように、そういう区分があるかと思うわけでございます。
 そういった中で、回線事業者としてのNTTということを考えますと、ユニバーサルサービスの提供義務があります。そういう中で、いわゆるインターネット・サービス・プロバイダーのような業務に進出できるかという点については、これはできないというような制約がある。この辺のところをとりあえずお答えしておきたいと思います。
#21
○小沢(鋭)委員 もうちょっと後で総合して聞かせていただきたいんですが、もう一つ、きのうの議論の中で、NTTがこれをやれるかどうか、この判断は、ある意味では合理化が進むかどうか、それがかなり大きな要因の一つだ、当然そうですね。卸売価格を値下げして、今まで入ってきた収入を減らしてもやれるかどうかというのは、社内のコストをその分下げる、こういう話でありますから。
 そこで、どの議員の質問だったかちょっと記憶がありませんが、だれがどういう根拠で合理化というのはするのか、こういう話があったように思います。本来は、会社はみずからの意思でみずからの経営責任の中で合理化も行い、そして同時に、卸売価格あるいはまた小売価格、それを決定する、こういうことでありますが、卸売価格の話をこうやって決められようとしているわけですから、その中で、合理化もやれよ、こういうふうに言われている。しかし、その合理化というのは、これでもうぎりぎりなのか、それともまだやれる、こういう話なのか。これは一体だれがどういう根拠で判断するんだろう。
 ついでに、もう一つ踏み込んで聞いておきますが、これでもし経営が立ち行かなくなったら、だれが責任をとるんだろう。卸売価格を決められ、そして合理化もこれじゃ足りないとかなんとか言われ、それで、実際にやって赤字になって、例えば倒産に直面するような話になったら、一体だれが責任をとるのか。ちょっとここをお答えいただきたいと思います。
#22
○小坂政務次官 これはやはり特殊会社であっても経営者が責任を負う、こういうふうに考えております。
#23
○小沢(鋭)委員 その前に、では、合理化の判断というのはだれがして、どういう根拠でするのかということについて。
#24
○小坂政務次官 合理化につきましても、これは経営者であります。
 既に東西NTTは、平成十二年から十四年にかけまして三カ年の中期経営改善施策を実行するという旨、公表いたしております。この内容につきましては、もう御存じかと思いますが、新規採用の二年間の凍結あるいは人員の二万一千人の削減、また九千億の設備投資の節減等の内容でございます。このような経営判断をし、そして改善策を提示しているわけでございまして、これらはすべて経営者の判断としてなされているところでございます。
#25
○小沢(鋭)委員 何かすごくゆがんでいませんか。というのは、価格決定はこうやって国会でも審議になって、政府がやる。合理化や何かは会社でやれ。倒産しても会社でやれ。何かゆがんでいないでしょうか。
#26
○小坂政務次官 料金についてもというお話ですが、料金というものの中にも、今のお話の事業者間の接続料とかいろいろな料金があるわけでございます。ユーザーとの間の料金等は、これは全体の事業計画の認可ということはございますけれども、基本的には会社が決定をすることができるわけでございます。
 そういう中で、今ゆがんだとおっしゃいますが、これは先ほど来いろいろ話が出ておりますように、現在の市場におきましては独占的とも言えるような市場支配力を持っているということからくる制約としての部分で、経営者としても配慮しなきゃいけない事項というふうに考えるわけでございまして、そういった意味での判断が働いている、このように考えております。
#27
○小沢(鋭)委員 政府の御答弁としてはそういう御答弁しかないですよね、現時点では。
 ただ、本当に、これからのNTTという企業のあり方ということで考えていったときに、少しここはやはり改善をしていかないといかぬのじゃないか。これはそういう視点も持っていただけるんだろうと思うんですね。そうしないと、現時点では、先ほど小坂さんが御答弁なさったような御答弁しかあり得ない。それは私も、今の法体系あるいは制度の中では、そうだというのはわかるし、しかし、これはやはり少し変えていかなきゃいかぬのだな、こういうふうに思うものですから、幾つか御提案も含めてさせていただきたいな、こういうふうに思います。
 そこで、きのうからこれも議論が出ているところでありますけれども、まず、先ほど来話が出ているユニバーサルサービス。これはきのう小坂次官の御説明の中でも、ユニバーサルサービスのあり方というのが、携帯電話が普及してきている中で考えられなければいけない、こういうお話がありました。固定電話のユニバーサルサービスという話だけでユニバーサルサービスを考えるという時代はもうそろそろ変わった、こういう判断なんでしょうね。そこはいかがでしょうか。
#28
○小坂政務次官 時代の変化とともに、概念というものも変わるものだと思っております。そういう意味では、ユニバーサルサービスは、当初の音声による通話という部分だけで考えていた時代から見ると、大変に拡大しているというふうに思います。それでは今何がということを一言で言うには、まだ過渡期であって、これは十分に慎重に検討して、本来のユニバーサルサービスというのは何かという部分を検討する必要性がある、このように認識しております。
 それから、この際、先ほどの話の接続料の部分、事業者間接続料でございますけれども、昨日の東日本の社長の答弁で、接続料収入は約一兆円であるという話がありました。これのうちに占める米国事業者のという先ほどの話でございましたが、二億円というものは現在の支払い額ですから、これは事業が拡大する、参入業者がふえるに従って拡大していく性格のものであります。ですから、いわゆるゲートウエーの通過料みたいなものですから、この部分がそういった意味で重要視をされるという部分はあるんだろうという認識を持っております。
#29
○小沢(鋭)委員 一点、今の御答弁をさらにちょっと聞かせていただきたいんですが、慎重に検討する、こういうおっしゃり方でありましたが、要は、慎重に検討するというのは、私から見ると、ユニバーサルサービスのあり方を見直していく検討をするというふうに受け取るんですが、それでよろしいですか。
#30
○小坂政務次官 そのようにいろいろな有識者の意見、また事業者の意見、また郵政としての意見を踏まえて検討させていただきたい、このように思っているところでございますし、また、そのユニバーサルサービスというものの一つの枠組みが決まりましたら、それをどのような形で負担をしていくかということについてもあわせて、これは検討課題としていきたい、こういうことでございます。
#31
○小沢(鋭)委員 ありがとうございました。
 私どもも検討申し上げながら、また、適宜、必要なときには意見も申し上げさせていただきたい、お願いをしておきます。
 そこで、ユニバーサルサービスの見直しをしていく中で、同時に出てくるのがいわゆるクリームスキミングの話ですね。片やユニバーサルサービス、片やクリームスキミング、こういう話。
 この接続料金問題に関しては、私はいろいろな皆さんと実はヒアリングをさせていただいているんですが、一つだけ大変、ある意味ではアグレッシブな意見を紹介しておきたいと思っているんです。これは、NTTが接続料金の問題で、ある意味では頑張って下げないというか、日米交渉も含めて、頑張れば頑張るほどありがたい。それは、新規参入を考えている方々からそういう意見が出るんですよ。いいですか。NTTがこれで頑張って料金を下げなければ、我々はそのもっと下につけられる、それの方がいいんだ、そういう意見ですよ。ですから、これはNTTの皆さんも、本当にある意味では心して聞いていただく必要がある議論だと思う。
 かなりこの分野は、御承知のように熾烈な戦いになってきていますから、ですから、我が民主党がとにかくみずからの意思で、同時にまた、これからの時代のことを考えると通信料金の低廉化というのはやっていかなければいけないということを鳩山代表がみずからクエスチョンタイムでも言い、代表質問でも言っているのはまさにそこにあるわけでありまして、そこは本当にお互い真意をわかって理解をし合わないと、逆に倒れてしまうんですよね。クリームスキミングでやられてしまうんですよね、やられてしまうというか、逆に、守ろうとしているものも守れなくなる、こういう話が一方であるんだということなんだろうと思うんです。
 ですから、そういった意味で、先ほどのユニバーサルサービスの問題、あるいはまた業務の規制緩和の問題、それを政府にもぜひ考えていただきたい。
 あと、具体的に言うと、先ほど天野局長からもお話がありましたし、小坂次官からも話がありましたが、DSLの問題であるとか、あるいは無線網でのインターネットの接続の問題であるとか等々、あとケーブル、これが進んでいきますと、必ずしもこれからの時代、独占的であるという話が、電話網という、それは独占的にハードは持っておるのかもしれませんが、本当に、サービスの側からいったときに、そういう時代ではなくなっているというふうに私は思うし、まさに新規参入者はそういうのを使ってやろうとしているわけですね。
 ですから、ぜひそこのところは、逆に言うと、NTTの業務の縛りを外してあげないと、これはもう、とにかく固定電話に縛りつけて、電話料だけで生きていけ、値段は政府が決めるという話ではもたないと思うんですけれども、いかがですか。
#32
○小坂政務次官 NTTの再編は、御存じのように、昨年から始まったところでございます。そういった意味で、この枠組み、また、東西NTT、地域会社としての業務、その内容等につきましての見直しという点につきまして、ここで議論をするにはまだ時期尚早であると思いますが、お説のとおりに、この分野は大変に変化の激しい、進歩の激しい分野でございますので、その辺には注意しながら、いつまでも余り時間があると思っているわけではなく、そういう点も検討したいと思っております。
 東西NTTは、また分割前のNTTとしても、私の認識では、常にいろいろな分野でのユニバーサル、すなわち、デジタル交換機の導入とかISDNの普及とか、こういう意味においても大変な努力をして、世界に先駆けてきた。
 しかしながら、この分野は、その先見性のために、逆に、別の技術進歩によって、それが逆の意味を持つこともある。すなわち、おっしゃったようなDSL、ADSLといいますか、DSLの導入に関しましては、ISDNが入っていったために、逆に技術的な検討を強いられたということもあるわけでございますので、そういった点にも注意しながら、次のステップでの光ファイバーの導入に向けておくれをとらないように、しっかりとした体力をつけておくことも必要だ、そのように基幹的事業者としての認識を持っております。
#33
○小沢(鋭)委員 まさにその光の話も次に聞かせていただきたいと思っていますが、その前に一点だけ、日米交渉との関係も含めて聞かせていただきたいのが残っています。
 今言ったように、規制緩和をして手足を自由にさせてあげるということが一つ方向性としてある。その中で、今次官が、再編論というか、機能論も含めて検討を、こういうお話があったわけだけれども、ここは、ではちょっと、一点だけ聞いておきます。今までの再編論も含めて、見直しをある意味では考えていただけますか、きのう伊藤議員が言った垂直統合とかそういう話を含めて。
#34
○小坂政務次官 これはむしろ大臣から御答弁いただくべきかもしれませんが、再編について議論をする、どこの部分についてというのはまだ時期尚早だというふうに思っております。
#35
○小沢(鋭)委員 それでは、お願いだけ申し上げておきますが、もちろん、今の政府の立場はそう簡単には言えないんだろうと思いますが、きのうも議論が出ていますように、アメリカもAT&Tの分割が行われて、その後のまた新たな再編が起こっておりますから、これは決して、平成九年に決め、昨年実施したNTTの分離分割、これが未来永劫ずっとこのままでいかなきゃいかぬという話ではない、もう世界的に見てもそういう時代ではないということを民主党としては考えているというのをまず申し上げておきたいと思います。
 それから、もし、ある程度今のままの形で恒常的にいくのであればという前提で考えますと、そうすると、きのうも話がちらっと出ておりましたが、連結納税制度、これをどうするかというのがあるんですね。
 これは、御承知のように、我が国では持ち株会社方式が導入されて、当然、持ち株会社方式というのが出てくれば、連結納税というのもそれに付随して出される議論なんだけれども、ここは中断されている。NTTだけじゃなくて、一般論として検討はされているけれども、導入はされていないという大変不可思議なことが起こっていると私は思っているんです、そのことそのものが。
 例えば、今のNTTグループの形態が進むのであれば、連結納税制度は当然想定される話だった、こういうふうに思っていて、それがあると経営としてやり方がかなりまた違うんですね。アメリカは、当然のことながら、連結納税制度が全部一般的に行われていますから、ですから、日米交渉の中でも、別に、では、それはわかった、連結納税制度でこっちはやる、こう言っても、アメリカがそれで反対することはないと思う。ですから、これはどうですか。前向きに考えませんか。
#36
○八代国務大臣 私たちも現在の税制では連結納税ができないという状況なんですけれども、IT革命等々いろいろビジョンを、将来展望なんかを考えていきますと、郵政省としては、これまでの通信事業者の分社化というのもこれから活発化していくでしょうし、あるいは新規事業分野への進出や事業の再構築を行いやすい環境という点を考えましても、やはり連結納税制度の導入を積極的に税務当局には要望していきたいと思っているんですね。
 政府税制調査会の答申では、「連結納税制度の導入を目指し、鋭意検討を進めることが適当」、こういう文言がありますし、意見が述べられておるわけでございまして、ちょっと心強く思っているんですが、アメリカのそういう御指摘のような意図についてはコメントは差し控えるといたしましても、連結納税制度は既に米国でも導入されているわけでありますから、郵政省としては、引き続きこの点は、今後の展望を考えても、そういう方向を私たちの気持ちとしてはしっかり要望はしていきたい、こんなふうに思っております。
#37
○小沢(鋭)委員 もう本当に、ぜひ大臣、ここは頑張ってやっていただきたいな、こういうふうに思います。
 それで、振り返ってみますと、NTTの持ち株会社を中心とした分離分割法は、実は全体の持ち株会社を決めた、これは商法なんですか、その改正より前にやっているんですよね。
 あの当時、僕は本当に不思議だった、不思議というか、日本の全体の制度に持ち株会社制度がないのに、何でそれができるんだろう、こう一瞬思ったけれども、そのくらいこの法案は特殊な形でできているんですよ。だから、連結納税制度だけが、まずここから始まってもおかしくないくらいのいわゆるプロセスだと私は思いますよ。だから、ぜひそこはそれで頑張っていただきたいと御要望申し上げます。
 それから、先ほどの小坂さんの答弁の話にも入っていくのですが、要は、そうなってきますと、あとはNTTが今抱えている課題として、光ファイバーの敷設という話があります。これは平成五年の電気通信審議会で、民間が主導して行う、こういう基本方針があって、NTTがみずからの力でやっているわけですが、もう時間も余りありませんから端的にお尋ねしますが、こんなことをやっていて光ファイバーを敷設していく力が残るんですか。
#38
○天野政府参考人 先生御指摘のように、光ファイバー整備は重要な国策になっておりまして、民間主導の原則のもとに、政府としましても特別融資措置など積極的な支援策を講じておりまして、NTTもこれに対して積極的に取り組んでおりまして、十一年度末までで全国の加入者系の光ファイバー整備は三六%をカバーするぐらいになってきている状況でございます。
 今回、NTTは中期経営改善施策を発表したわけでありますが、この発表時におきましても、光ファイバーへの対応は十分できるというふうにNTTのトップの方の話が出ておりまして、私どもは引き続きNTTとしても積極的に取り組んでいくということを期待しているわけであります。
#39
○小沢(鋭)委員 今のNTTの方もできる、こう言っているところに水を差すつもりはないのですが、これは改善施策の概要を見ても、かなりしばらく赤字で苦しむわけですよね。もともと、西日本はつらいですし、それに今回の接続料の話が加わって、かなり赤字になるわけです。そして、その赤字になって苦しんでいく会社に、我が国情報通信政策の根幹とも言える光ファイバーの敷設を本当に託していけるのかということですね。
 私は、ここは民主党も実は最終的にまだ意思決定ができておりませんが、いろいろな議論をしている中で、政策転換が必要だ、こう思っているのですね。光に関しては今はいわゆる低利子融資で国が援助する、こういう形だけになっているわけでありますけれども、もう少し国が大胆に関与をしていかないといけないのではないか。
 それから、先ほど天野局長のできるというお言葉がありましたが、そのできるというお言葉をもう少し中を詰めていきますと、何年でできるのか、こういう話になるのですね。十年たったらできるという話では、ドッグイヤーと言われるまさに情報通信分野では遅いわけで、まさにそのスピードが競われているわけですから、どこよりも早くできるというのが日本の目標にならなければ私はいけないと思う。光ファイバーの全国展開はどの国よりも早くできるというのが日本の目標にしなければいけないと思っているのですね。まず、そういう民主党の意見を申し上げておきます。
 それから今度は、では、世界の例を見てみると、やはり都市でやってきていますね。ストックホルムの例をよく申し上げますが、ストックホルムなんかは、都市としてスウェーデンがやってきていますよ。ですから、恐らくこれから、私は、日本の中の自治体も、かなり自治体としてやってくるところが出てくると思いますよ、都市基盤整備として。そこに民主党はきちっと資金をつける、それからそれは事業者として敷設をするところに資金をつける、これが一つと、それから、あと引き込みですね、各団地が引き込む、企業が引き込む、あるいは個人が引き込む、引き込むときにそこは補助金をつける、こういう形が僕はあり得ると思うんですが、いかがですか。
#40
○天野政府参考人 光ファイバー整備につきましては、私どもは当初二〇一〇年に全国整備を達するという目標を掲げておりましたけれども、その後のいろいろな経済政策によりまして、これを前倒ししまして、できるだけ二〇〇五年までに全国整備を図るというふうになっておりまして、それに取り組んでいる状況でございまして、これまでは比較的順調に来ていたと思っております。
 NTTも、これからの戦略的なことを考えますと、光ファイバーによりましてよりハイレベルのサービスを提供していくことがこれからの生き残りにとっても非常に重要であろうという認識があろうという意味で、積極的な取り組みを考えていると思いますが、しかしながら、大きな需要が見込まれない地域等いわゆる不採算地域におきます光ファイバー整備は、民間主体で完全にやっていくのはなかなか難しい問題であるということも理解されます。そのため、先生が御指摘のように、自治体が整備する場合の課題やあるいは補助金の必要性など、関係省庁とも十分連絡をとりながら、全国的に均衡のとれた情報通信基盤整備の促進策を検討してまいりたいと思っております。
#41
○小沢(鋭)委員 ぜひやりましょう。
 それで、民主党としてはかなり具体的な案も実は持っておりますけれども、きょうはまだ発表しないことにいたします。近いうちに発表をさせていただきますが、バシンとすさまじいパンチのある提案をさせていただこうと思っておりまして、予告編みたいな話で恐縮でありますけれども、とりあえず、それはしませんが、そういう方向転換といいますか政策転換をしていって、やっていくべきということだけ申し上げておきます。
 それから最後に、情報主権という考え方についてちょっとお尋ねをしたいと思います。
 これは大臣にぜひお答えをいただければありがたいと思いますが、先ほど来いろいろと話をしてきましたが、情報通信分野はかなり戦略論、戦略性が高まっているわけですね。これは次の時代に物すごく重要だ、こういうことでしょうから、かつてのいわゆる自動車とか、かつての繊維とか、まさにそういった意味での恐らく産業政策論があるのだろうと思います。
 そういう中で、一つあり得るのは、やはり情報通信分野ですから、これはすさまじい経済的な活動の中であっても守らなければいけないものというのはあるのではないかな、他の通常の経済活動とは違って。例えば、先ほど来話題になっているNTTの地域電話網もそうですけれども、NTTに関しては外国資本の参入は二〇%のたしかあれがNTT法としてはあると思いますけれども、要は第一種電気通信事業ではないのですね。全く参入規制はない。それはそれでいいのですけれども、では、全部一〇〇%通信基盤が外国資本になってしまって、それでもいいのだろうか、こういうふうに単純に思うものですから、そこに関しての、いわゆる情報主権ということで何か大臣の所見をお聞かせいただきたいと思います。
#42
○八代国務大臣 きのうも議論がございましたけれども、テレビ等々を含めましたこういう情報の最も重要な部分におきましては、外資規制というものを設けておりまして、二〇%を超えてはならない。これに見合うように情報戦略時代というものが到来してまいりますから、日本も鎖国するわけにはまいりませんので、これは日本からも出ていくと同時に、日本のナショナルセキュリティー的なものの戦略も一方では考えながら、情報通信に関しましてはNTTがやはり基盤整備のために依存しているところはここ当分はしっかりと私たちは期待をしていかなければならないだろうというふうに思います。
 そのための経営改善計画とかいろいろやっておりますけれども、しかしまた、国も、一方では、こういう時代の競争の中で、やはり時間の問題もございますから、バックアップすべきはバックアップをし、民主党さんがすばらしいアイデアをお持ちだということでございますが、我々も二〇一〇年をさらに前倒しをしてという思いの中で、そこにはそれなりの、私たちもまたあっと驚くようなアイデアを持ちながら、いろいろ考えていくことが必要だというふうに思っております。
 そういう意味におきましても、東西NTTの株式の一〇〇%を保有するNTTに対しては一定の外資規制もかけていくことも必要でありましょうし、また我が国がこれから情報通信分野で世界に羽ばたいていくということを考えますと、それぞれの国にどんどん出ていくためには、それぞれの国の、日米の今回の接続料に関しましても、九項目の、アメリカもこうじゃないか、アメリカももっと規制を撤廃しろよ、日本だけに言ってくれるな、こうこうこういうことがあるよということもやりとりはしておるわけでありますが、そういうことを含めますと、ある程度は規制緩和をしていかなければならない、しかし、規制緩和する以上に相手にもそれを求めていくということをやりながら、積極的にこれから海外展開ということも戦略としては図っていくことが必要だというふうに思います。
 二十一世紀はまさにアジアの時代だと私たちは思うときに、郵政省としては、相手国の参入の障壁があるとしたならば、海外進出を図る事業者の活動を積極的に支援しながら、また国際間の協調も図って、情報通信分野の、日本の二十一世紀のまさにリーディング産業としての立場は、時間との競争、技術力の向上、競争力の向上も含めて全面的なバックアップを私たちも政策の中でも展開していきたい、このように思っておるところでございます。
#43
○小沢(鋭)委員 時間ですから終わりますが、まさに今大臣に御披瀝をいただいたように、本当にやはりここは夢のある分野であります。ですから、そういった意味では、この接続料の問題、これも先ほど来申し上げてきたように、米国からのプレッシャーで仕方なくやるというような話があってはいけないし、そしてまたその手法も、合理化を徹底してとにかく人を減らしていく中でやれればいい、こういう話であってもいけなくて、そこはさらにリーディングカンパニーとしてのNTTが、新しい時代にまたそれは姿を変えながらも雄々しく生き残っていけるような、そういう話もしっかりとまさに考えながら、とにかく明るいビジョンを描けるような形でこの問題は解決すべきだ、こういうふうに私は思っておりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 どうもありがとうございました。
#44
○前田委員長 渋谷修君。
#45
○渋谷委員 民主党の渋谷修でございます。
 先日の質問の際に、今回の政権の移行の件について、予算委員会とかその他の場ではないのに、こういう専門技術的な委員会でなぜ取り上げるのかというようなお話も実はあるわけではありますけれども、私は、政治というのは、やはり基本は人々の政治に対するあるいは政権に対する、政府に対する信頼というものが原点にありませんと、私どもがここでいろいろな国民生活にかかわる法律の審議をいたしましても、その成立をいたしました法律を具体的に行政が執行しようというときに、政府を国民が信頼していなければその実効性を上げることはできないわけでありまして、その意味で今度の政権の交代劇というのは非常に重要な問題を含んでいるという観点から取り上げさせていただきました。
 たまたま、私が取り上げた後、中井先生が改めて若干指摘をいたしまして、そのときの答弁で、私に対する答弁と中井先生に対する答弁とで、その後思いつかれて訂正をされた部分がございましたが、大臣に改めてそのあたりを、正確なところをお願いいたします。
#46
○八代国務大臣 先日は失礼をいたしました。私が三日と四日のちょっと記憶違いがあったりいたしました。もう一度整理して申し上げさせていただきます。
 小渕前総理の入院につきましては、四月二日日曜日の、日曜は私は政務がございました、夜二十三時三十分ごろに報道された青木官房長官の記者会見の模様を自宅のテレビで見て知ったという次第でございます。四月三日月曜日でございますが、臨時閣議の招集がございまして、そして総理の病状及び臨時代理指定の報告を行ったと、青木官房長官が国会答弁されているとおりでございまして、時間的な形を申しますと、四月三日は十一時に官房長官の会見があり、十二時四十分が臨時閣議でございました。四月四日九時に通常閣議がございまして、十九時に内閣総辞職をした、これが二日、三日、四日に至る経緯でございます。
#47
○渋谷委員 この間の繰り返しの話はもちろん申し上げません。
 臨時閣議が、私とのやりとりは四日という話だったのですが、もちろん新聞記事等では三日ということでは出ていたわけでありますけれども、改めて訂正されて、三日の十二時四十分ということでございますが。もちろんその間の空白の時間ですね、小渕さんから直接任命された大臣に直ちに急変の連絡が行かずに、自民党の幹部だけ集まって、後のことを含めたいろいろ相談をされたのでありましょう、報道されているところもそうでありますけれども。
 そのことの重大性ということは一つありますが、この間指摘をしたところでありますが、この間のやりとりの中で、その臨時閣議で官房長官のその中での口上、どういう発言をされたのかということについては、大臣は、気が動転していたので記憶が余り定かではないというお話でありまして、事前にそのことの通告があればきちんと記憶を思い起こして誠意を持ってお答えしますよというお話でございました。その時点で、官房長官からどういうお話があって、そして臨時代理ということで就任するわけでありますけれども、そのことの経過についてどういう説明があったのか、お願いをいたします。
#48
○八代国務大臣 これも先日御質問があってお答えをいたしたところでございますが、十二時四十分の臨時閣議がございまして、総理の病状及び臨時代理指定の報告を行うとともに、衆参両院議長に対して通知して、官報公布手続もあわせてするということでございました。
#49
○渋谷委員 官房長官が臨時代理につくということについての根拠というのは、どのように官房長官はおっしゃったのでしょうか。
#50
○八代国務大臣 これは内閣法の第九条でございますが、「内閣総理大臣に事故のあるとき、又は内閣総理大臣が欠けたときは、その予め指定する国務大臣が、臨時に、内閣総理大臣の職務を行う。」という内閣法に基づくものと思っております。
#51
○渋谷委員 ということは、記者会見で官房長官が言っておりました、総理と会って、そのときに総理から、まず最初は、何かあったら臨時代理としてやってくれという指示、これは私どもは記者会見で官房長官からあったわけでありますから、それは総理のそのままの言葉を繰り返したものだというぐあいに認識しておりましたが、その後それは撤回をされまして、何かあったらよろしく頼むという抽象的な話だということだったのですが、総理から臨時代理を頼むというぐあいに言われたというくだりは、その閣議の場ではあったのですか、なかったのですか。
#52
○八代国務大臣 先ほど申し上げたことがすべてでございますし、青木官房長官の御答弁がすべてだということでございます。
#53
○渋谷委員 私は閣議の中での話を伺っているのですが、要は、官房長官から、法的手続を踏んだ云々というのはそれは何とでも言えるわけでありますが、その前に、小渕さんから後を頼むと言われたと、法的な問題については関係者、つまりそれを専門にする人間がいますから、それを確認して、それで自分が臨時代理につくというような口上なのか、小渕さんから頼まれたということのその口上の部分はなかったのか、そこの確認です。イエスかノーかで。
#54
○八代国務大臣 今お話しいただいたことも含めまして、内閣のスポークスマンは官房長官でございますから、官房長官の発言どおりでございます。
#55
○渋谷委員 そうすると、それは官房長官が発言したとおりであって、大臣としては、そこで聞かれたこと、知ったことはここでは言えないという話ですか。
#56
○八代国務大臣 そのためのスポークスマンが官房長官でございます。
#57
○渋谷委員 ということは、そこの証言ということは、説明していないということですね。もう一回、ここは大事な部分ですから。
 つまり、大臣として、臨時閣議に参加をしてそこで聞いたことは、それは官房長官がスポークスマンで言っているのであって、八代大臣が直接聞いたことを大臣がみずからの責任においてここでお話しするというわけにはいかないということですね。
#58
○八代国務大臣 いろいろな意見が閣僚懇とかいろいろなものの中にございますので、それらをまとめて、青木官房長官がスポークスマンとして記者会見をして、あるいは国会御答弁を通じて語られることがすべてでございます。
#59
○渋谷委員 今のお話を聞いていてわかるのでありますが、他の国のメディアから、この政権交代劇について旧ソ連のクレムリンのようだという話がありましたけれども、今のお話を伺って、小渕総理から直接任命された大臣が、これほど重大な政権の交代の問題について、官房長官が一人で主役になって、小渕さんから話を聞いた、臨時閣議をみずから招集して、さらにもちろん総辞職にまで至るわけでありますけれども、その間のことは官房長官が全部やるわけですね。証明する第三者がいない。これはクレムリンのようだじゃなくて、旧ソ連のクレムリンそのままじゃありませんか。
#60
○八代国務大臣 お答えはございません。クレムリンというのはクレムリンでしょうから。日本は日本でございます。
#61
○渋谷委員 閣議の中でいろいろもちろん取り上げられること、国益にかかわること、そのことが結果として表に出て、国益を損なってはならないなどという、それは常識的な話はわかるのです。
 ところが、私どものこの国の、そしてまた議会制民主主義という点では一番原点の政権の交代ということについて、小渕さんに任命された大臣みずからがそのことをきちっと責任を持ってその場であったことが証言できないという話になりますと、当然のことながら、この間マスコミでも報じられているように、政権自体に対する信頼性ということが問われることになるわけです。
 小信を守って大信を失うという言葉があります。小信を守って大信を失うというのは、小さな信義を守って大きな信義を失うということなんですが、私どもの普通の庶民の生活の中では、自分の身を守る、自分の家族を守る、自分に親しい仲間のことを大事にしてあげる、一緒に共有する組織を守るというのは、あるときにはこれは美徳でもあるのですね。そういう形で社会というのはでき上がっています。
 ところが、公的な立場につく人間あるいは政治家がこうした形で、いわば自分の身を守ることが第一、自分の懐に金を入れることが第一、自分の身を守ることが、身内を守ることが第一ということになりますと、これは権力の乱用につながって、さらに腐敗につながっていくのです。
 ですから、小さな信義を守って国民の信頼を失うということが一番大きな信義を失うということでありますから、そういうことを絶対に行ってはならないというのは、これは公的な立場にある人間、政治家であれば当然の話でありまして、私どもから言わせれば、この間の政権の交代劇はどう考えても、皆さんももちろんそれぞれ憲法等勉強されてきているとは思いますし、国民主権と言いながら、国民にとって一番関心の高い政権の交代の経過について、そのことが透明性高くきちんと報道もされない、医師団のきちんとした公式な発表もないということになれば、国民主権というのは皆さんの頭の中にあるのですか。自民党主権じゃありませんか。
#62
○八代国務大臣 主権は国民にあるわけでございますし、私たちもその国民から選ばれて国政を担当させていただいております。
 渋谷委員のお説はお説として今拝聴いたしておるわけでございますが、いろいろな考え方、また取り上げ方があるだろうと思いますが、私も、内閣総辞職した後、また森内閣がプロセスを正式に踏んで誕生して、衆参の国会におきまして、本会議場におきまして首班指名されて、それから私どもがまた再任という流れになったわけでございます。
 そういう意味でも、引き続き郵政行政の推進のために一生懸命頑張っていきたいと思いますので、よろしく御指導のほどお願い申し上げます。
#63
○渋谷委員 根源的なところが間違っていれば、その後の手続はもちろんそれぞれ公のところで踏まれたわけでありますけれども、その根源のところに大うそがありますと、これは信頼されないということになるわけでありまして、もうこの繰り返しはやめにしましょう。いずれにせよ、せっかくの法案の審議の場でありますから。
 私どもとすれば、あるいは私とすれば、きのうの森さんの党首討論でのやりとりを聞いていましても、公と私の区別があるのは私だって知っているのですよ。これは私のレベルでいえば、家族の思いとかその他は当然考えなきゃなりませんし、その公と私の間にグレーゾーンがあるわけですね。そのグレーゾーンの問題でいろいろな問題が起こるから、公務員倫理法もつくらなければならない、いろいろなルールもつくってそれを明確にしましょう、その情報を明らかにするために情報公開法もつくりましょうということに時代としてはなってきているわけですね。
 我々の立場でいえば、したがって、私というよりも公を大事にしなければならないということでこの場に集まっているわけでありますから、やはり誠意を持った姿勢、これがありませんと、選挙区がお隣同士でありますから、ぜひ大臣、ここの厳しい思いがありませんと、やはり世間の常識が国会の中では非常識で、私は、私個人に対して、どうも納得がいかない、うさん臭い政権のもとで皆さんが提案される法案を審議するというのは、私自身に対して、今どきの若者の言葉で言えば非常にむかついているのです、正直な話。こういうところで私が法案審議をするのは果たして正しいのかどうかということを感じながらやらざるを得ない。そういう政治家もいるということはぜひ理解しておいてください。
 そこで、法案の審議ですが、今回提起されている問題でありますけれども、一般にちょっと誤解された部分もありまして、先ほど小沢委員からもお話がありましたが、要は、今回の問題は事業者間の接続料金の問題である。一部誤解もあって、どうも、インターネットの接続料金が他の国から比べると高いのでこれを削減する、それは大いに結構な話じゃないかというようなことで誤解された向きもあったようです。
 業者間の接続料金の問題につきましては、それぞれ専門の方々が取り上げてやっております。先ほどわかりやすく、それは卸売価格というぐあいに言いましたが、事業者の方がその卸売価格で当然仕入れをいたしまして、仕入れ価格が安くなりますと、結果は小売価格に当然はね返ってくるわけでありまして、インターネットの接続料金の問題とは違うという話でありますが、これはそういうインターネットの接続料金等を払う最終ユーザーの料金に対してどのようにはね返ってくるのでしょうか、あるいは全くそれは影響のない話なんでしょうか。
#64
○小坂政務次官 事業者間の接続料に関しましては、インターネットとの関係でいいますといろいろな接続形態が考えられます。
 最近、定額の低廉なサービスを導入いたしましたNTTのISDN定額サービスは、いわゆる加入者の回線から局に入りまして、局の主配電盤というものを通過して交換機へ行くわけでありますが、その主配電盤でこれを接続しているという形をとっておりますので、いわゆる今問題になっております交換機の部分を通過する事業者間接続料には関係ない部分で起こっているわけでございます。
 そんな意味で、ISMという、交換機に相当するISDNの分配機といいますか、接続機といいますか、こういった部分、あるいは、同じように、ADSL、DSLという非対称の新しい技術のデジタル通信技術でございますが、この接続の方法も、同じように、MDFと呼んでおります、メーン・ディストリビューション・フレームといいますが、このMDFのところで接続している。したがって、この部分でやっている限りにおいては、接続料はインターネットとの関係においてははね返ってこない。
 しかしながら、それ以外の通常の接続方法をとれば、これは通話と同じでございますので、そういう場合に関係してくる、このように理解しております。
#65
○渋谷委員 はね返ってくる部分で言いますと、日米の格差というのは今どんなふうになっていますか。
#66
○小坂政務次官 日米の格差といいますか、御質問の趣旨がいま一つ理解しがたいんですが、格差というのが料金的な……(渋谷委員「料金格差」と呼ぶ)
 料金格差、これは先ほど話がございましたが、東西NTTの収入の中で見ますと、接続料収入というのは現在約一兆円というふうに昨日の東日本の社長の答弁がございました。それをはかって計算をしまして、米国の接続業者が日本に支払っている額が約二億円程度であろうという話も先ほど出ておりました。そういった部分でございまして、何を米国との比較にするかというところで基準がないものですから、もう少し細分化した御質問をいただければ幸いであります。
#67
○渋谷委員 きょうは私も資料は持ってきていませんが、それぞれ統計が幾つか出ておりまして、その中では――後ろにあるんでしょう、資料。
 だから、具体的に、一般的に言われているような意味でインターネットの接続料について日米の比較というのが、限定的でいいですよ、一般論ではなかなかそれは難しいでしょうから。限定的にこのくらいの格差がありますということがわかりましたらお願いします。今資料やりとりしているから、あるんだったらお願いします。
#68
○小坂政務次官 今出ました資料は、定額の料金は米国と日本では幾らかという資料が出てまいりましたので、それを御質問ではないというふうに言いましたところでございます。御質問は、接続料に関してでございますので、今あると言った後ろの方で何か紙を出しておりましたのは、インターネットの定額の料金は米国と日本は幾らかというだけでございます。
#69
○渋谷委員 余り中身のない話をやりとりしていても仕方がないので、きのうでしたか、アメリカのクリントン大統領の報道が、それは正確かどうかということは一つありますけれども、インディアンなどのマイノリティーに対して、社会的弱者あるいは少数者という意味になりますが、クリントンは、月のインターネットの接続料を一ドルにするという発言をされたニュースなどが出ておりました。同じことを日本に導入するとかなんとかというそんな話をしているわけではありません。
 ただし、これだけ情報通信を中心にいたしまして日本の社会の変化というものが激しく速く進んでいるという状況でいいますと、実は、私どもの後から来る世代の広範なこの問題に対する関心、認識というのを高める意味でも、例えば学校とか大学とか、あるいはこういう問題を専門にやっている研究室とか、二十四時間やはり接続していかなければならないような施設などがありますね。例えば図書館などでもこういうものを置いておくとか、だれでもそれにアクセスできるとかいうことでいえば、こういったところについては、そういう意味での接続料金、最終小売価格という意味ですが、その接続料金を思い切って政策的に安くしてやる、あるいはただにしたっていいというぐあいに僕は思います。
 全然比較にはなりませんけれども、将来の私どもにとってはプラスにもならない長銀の処理に四兆円もの金をつぎ込むんであれば、科学技術に対する予算が三兆円ですからね、皆さん、理解してくださいよ。そういう状況でいえば、こういう分野に思い切った支援を行うということは、考え方としてあっていいのではないかというぐあいに思いますが、いかがでしょうか。
#70
○小坂政務次官 基本的には、委員の御意見と同感でございまして、この分野においてはぜひとも予算を増額して、そして国民だれもがこういったインターネットのようなものに接する機会をふやすべきだ、このように考えております。
 ただいま委員のおっしゃいましたように、米国におきましては、学校等においてもインターネット接続が日本よりは約倍ぐらいのスピードで進んでおりました。日本も今追っかけておりますので、必ずしも最後までおくれるつもりは毛頭ございませんけれども、現状においてはそのような形になっております。
 委員が御指摘の、接続料とおっしゃいましたが、それを区別する意味でいいますと、利用料とでもいいましょうか、電話通話料とプロバイダーの料金と合わせたもののインターネット利用料、この部分では現在の日本はまだ若干高いレベルにありますので、学校等における利用料金は、いろいろな補助施策をもって今低廉化を図っておりますし、NTTもその旨特別料金を導入しております。
 そんな中で、小中高等学校におけるインターネット接続は飛躍的に拡大をいたしておりまして、これは御質問になかった部分でありますが、これから御質問されると思いますので時間の関係で若干申し上げておけば、現在では約四〇%程度まで上がってきております。学校のレベルでいえば約五〇%近くまで上がってくると思いまして、あと二年程度でこれを追っかけて全校に、こういうことで頑張っております。
#71
○渋谷委員 来週また電子認証法の審議の時間がありますので、通信技術の分野、これからのそういった分野での振興育成策、郵政省がそれなりに責任を持ってやらなければならない点等々はまた改めてやることにいたします。
 先ほど来の小沢さんの話も聞きながら実は思ったんですが、日米の交渉で、これは役所の方々も当然皆さんおわかりだろうと思うんですが、一番彼らがともかく頭にくるのは、物事を小出しにして処理することなんですよ、日本の交渉の一番下手なのは。それで、まだ奥があるんじゃないか、たたけばまだ出てくるんじゃないかというイメージを持たれるというのが一番最悪なんです。
 ですから、きちんと交渉して物事を言うんであれば、根拠を示して、理屈を示してここまで、後は市場にゆだねるなら市場にゆだねるということでちゃんとわかりやすく交渉しなくちゃいけないんですね。ところが、ついついお役所のレベルに任せると、物事を小出しにして、それで次から次へと何だか知らないけれどもまた新しいものが出てくるということになりますので、そうはならないように、もちろんこれは実際の窓口は外務省がやるんでしょうけれども、しかし、事務方は、これは郵政省なりあるいは他の関連の省庁も一緒になってやるんでありましょう。
 このことも含めて、この間の議論を聞いていると、どうしても内向きの話が多いので、先ほど大臣が最後のところで答弁されておりましたけれども、要は、日本の企業がこれからそれではアメリカに対してどんどん参入していこうじゃないか、これは大いにやっていくべきですね。その可能性のある企業というのは今どのくらい挙げられるのか。さらに、それらの企業が具体的に既にアメリカに対して参入という行動を起こしているのかどうなのか。起こしているとすれば、アメリカとの関係において例えば何らかの問題点、こういう点、ああいう点、日本だけじゃない、こういうアメリカの参入障壁というのはあるんだという指摘があって、役所の方にそうした問題点というのは上がってきているかどうか。
 その問題点等があるとすれば、その解決に対して、外務省はきょうは呼んでいませんから、郵政省としてはどういう交渉をしていて、何回やっていて、どこまでそれが進展しているか、時間がないものでちょっとまとめて言いましたが、よろしくお願いします。
#72
○八代国務大臣 では、時間つなぎにちょっと申し上げておきますと、まさに情報通信分野は、もう国境はなくなっていくだろうと思っておりますし、守るべきものは私たちは守っていかなければなりません。しかしまた、守る以上は、相手も規制緩和をしていくということをやりながら、しかし、結構アメリカにもそういう意味では大変規制のバリアが強うございまして、私どもの参入のいろいろなことの手続の中にも、八カ月待たされているとか、それはだめよとか、あるいはお金を吹っかけられるとか、幾つかいろいろなものが実はあるわけですね。そういうものも、お互いに対話をしながら、協調しながら、そして規制緩和すべきは規制緩和する、しかし一線の守るべきものはしっかり守っていく国益という視点、これらも組み合わせながらやっていくことが大切だと思います。
 たしかさっき言われたように、余り懐にたくさん持って小出しに出すというのは日本の外交の下手なところでありますから、最初からワシントンへ臨む人たちに申し上げたのは、もう全部あけっ広げ、中身を何も持たずに交渉するぐらいの形をやらないとアメリカに予断を与えるよということを私も申し上げたんです。これからも、そういう国際社会の外交の手練手管も我々勉強することが非常に重要な時代だ、こんなふうに思っております。
#73
○小坂政務次官 渋谷委員とは初当選が一緒でございますので、何とか資料を探し出してお答えしようと思ったんでございますが、どのような企業が今外国へ出ていてそれがどういう状態になっているか、これは質問通告もいただいておりませんものですから、残念ながら資料がどうしてもございません。
 申しわけございませんが、その部分は省略させていただきまして、対米交渉の上での参入障壁になっているような部分、この点につきましてまずお答えを申し上げたいと思います。
 私ども、日米の対話、規制緩和の中で要望している事項が九つございます。米国市場への参入に関しまして、外国事業者等の米国市場参入に関する審査基準が、通商上の懸念とかあるいは外交政策とか、あるいは競争に対する非常に高い危険というような、言ってみれば裁量の幅が広くて恣意的な運用が可能な審査基準を設けている。こういうことはやめてもらいたい、こういうことを申し上げております。
 また、ベンチマークに関するFCC規則というのがありまして、ITUにおいて国際精算料金の勧告案が作成されているわけでありますが、米国政府は、一方的に決めている自分たちの参入規制となるような基準、ベンチマーク関連のFCC規則を持っておりまして、これを削除せよという要求を出しております。
 また、州レベルの規制がございまして、州ごとに異なる免許申請手続を定め、あるいは申請者の過度な負担を強いるようないろいろな規定を設けております。これは統一してもらいたい。そうしないと、州ごとに全部調査をしてその書類をそろえる、米国全体に参入しようとすると大変な書類の量になって、これは参入障壁である、このように申しております。
 それから、相互接続に関しましても、州際アクセスチャージ、州と州にまたがるアクセスチャージにつきまして、米国政府は我が国の方の政策決定と同時期に州際アクセスチャージへの長期増分費用の導入をするべきだ、こんなふうに私ども言っておるわけです。この部分に入っていないのに我々日本に要求するのは不当である、このように主張いたしております。
 また、モデル作成の透明性という意味で、米国政府は、FCCにおける長期増分モデルの作成作業をやっているはずなんでありますが、その作業の内容について透明性が確保されておりませんので、これをもっと明らかにしてほしい、このようにも主張いたしております。
 さらに申し上げますと、接続料算定方式へのアクセス、速記がちょっと追っつかないかもしれませんのであれでございますが、米国政府は、各州における接続料及びその算定につきまして、外国の関心の有する者の容易なアクセスを確保するようにしてもらいたい。
 そして、あと簡単に申し上げますが、インターネットサービスに係る国際回線費用の負担のあり方について、あるいはドメインネーム登録・管理の、ドメインという、何といいますか、インターネットに接続されたコンピューターの住所みたいなものでございますが、このドメインの登録・管理の公正な国際競争環境を整備しろ、こういうこと。また、商用の衛星等に係る規制ということでございまして、我が国の企業が発注した商用衛星に係る技術情報を速やかに入手できるように、さらに輸出許可及びTAA許可に係る処理等を改善してほしい。
 このように、九つにわたります要望を、私どもとしては至極当然のことと思っておりますが、これらの要求を出して、交渉に当たっているところでございます。
#74
○渋谷委員 時間が参りましたので終わりますが、今のお話を伺いながら、そういうことを、やはり国民の皆さんにわかるようにきちんともっとアピールする必要があるだろう。ついついアメリカからたたかれているという内向きの雰囲気ばかり広がるというのは、決していいことじゃありません、このことは。やはり事実は事実として、こういうことはきちんと物を言っているよということでやはり行政に対する信頼というのは高めていかなければならないというぐあいに思います。
 以上、申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございます。
#75
○前田委員長 次に、矢島恒夫君。
#76
○矢島委員 日本共産党の矢島恒夫でございます。
 この間、当委員会におきまして、長期増分費用方式という問題でいろいろと論議されてまいりました。現時点で利用可能な最も効率的設備と技術を利用する前提でネットワークのコストを算定する仮想モデルということでありますけれども、アメリカでは、これを導入すると接続料金が低下し過ぎて地域会社に打撃を与える、そのために、アメリカ全体のトラフィック量の三%程度にしかこれが導入されていないというお話もありました。そういうモデルだ。それだけ接続料金を劇的に引き下げるための仮想モデルということであります。
 日本では、その方式を導入して、まず接続料金の劇的引き下げ、これによって打撃を受けるのが、ユニバーサルサービス提供の義務を負っているNTTだ。一方、利益を受けるのは、接続料金が下がって経費が減る日本テレコムなど、このNTTのネットワークに接続している接続事業者だ。こういうことなど論議されてきたわけです。
 接続料金引き下げがいわゆるエンド料金の引き下げなどのユーザーの利益になるかどうか、この点について検証していきたいと思うのです。
 そこで、郵政省にまずお聞きしますが、NTTが接続料金を受け取っている事業者について、上位十社ぐらい、社名と金額を教えていただきたい。
    〔委員長退席、荒井委員長代理着席〕
#77
○天野政府参考人 東西NTTに支払われている個別の会社十社、上位十社につきましてのお尋ねでありますが、具体的な社ごとの接続料金額は、個別企業の経営情報ということになっておりますので、社別の数字をお答え申し上げるのは差し控えさせていただきたいと思います。
 なお、接続料の支払い額が大きい上位十社につきまして平成十年度の状況を概括的に申し上げますと、最も多額の支払いになっている額は約千七百億円、逆に最も少額の支払いは約百四十億円、上位十社の中での状況は以上のとおりでございます。
#78
○矢島委員 接続料金の問題で今までずっと論議が進んでまいりました。そして、私も、今の答弁から接続料金問題についてさらに質問したい、こう思っていたわけなんですが、今局長が言われるように、答えられない。この先、それを使っての質問というのができなくなってきているわけですけれども、答えられないのですか、答えないのですか。答えない方ですね。
#79
○天野政府参考人 社別の接続料につきましては、各企業から公表しないという条件で私ども入手しておりますので、お答えすることはできません。
#80
○矢島委員 この間の論議の中でも、もう少し情報が公開されればいろいろと論議も深まるのじゃないかというような意見もございました。まさにこういう重要な問題を論議している状況の中で、できるだけ情報公開をお願いしたいし、このままこの問題をやっていても仕方がありませんから、少し先へ進みます。
 それでは、それがお答えいただけないということですから、NTTに接続料を払ってサービスを行っている事業所名、サービスごとに示していただけますか。
#81
○天野政府参考人 NTTに接続料を支払っている事業所でございますが、まず、長距離・国際系事業者としましては、第二電電、日本テレコム、KDD、NTTコミュニケーションズ社など十二社でございます。そして、携帯電話事業者としましては、NTTドコモ各社、セルラーグループ各社、IDO、Jフォン各社、ツーカーセルラー各社の三十社でございます。さらに、地域系事業者としましては、東京通信ネットワーク、大阪メディアポートなど九社、そして、その他CATVや第二種事業者などが七十六社ございます。
#82
○矢島委員 これまで、今のお答えにもありましたけれども、中継系の業者そのほか挙げられましたが、日本テレコムなどの中継系NCCというのは、NTTへの接続料金の支払いが全経費の五割とか、あるいは四割というのもございますけれども、そんなふうに言われております。今回郵政省にいただいた資料によりますと三八・七%、こうなっております。
 今答弁いただいたそれぞれのサービスごとに、各事業者の全経費に占める接続料金の割合はどうなっているか、お答えいただきたい。
#83
○天野政府参考人 個々の会社別の状況は、先ほど同様お答えは控えさせていただきたいと思いますが、概括的に申し上げますと、長距離系事業者三社につきましては、事業者間接続料の支払い額は、売上高に対し、ただいま先生がおっしゃいましたように三八・七%、約三九%。それから、携帯電話事業者三十社では五%程度。それから、地域系事業者七社につきましては、五六%程度でございます。
 これは、先生は経費に占める割合とおっしゃいましたが、ちょっと私どもの集計はすぐは出ませんので、売上高に対する比率でございます。そんなに変わらないと思います。
    〔荒井委員長代理退席、委員長着席〕
#84
○矢島委員 お答えいただきましたが、私たちはこれは有価証券報告書で調べる以外にないので、日本テレコム、KDD、DDI、それぞれ私も調べてみました。
 そうしますと、実際にはどれがどういうふうにつながっているかというのは公開されておりませんから、一応、営業費用というものと通信設備使用料、この中の全部じゃないとは思うのですが、大部分は接続料金だ、こう解釈できると思いますので、例えば、日本テレコムでいいますと、営業費用が二千九百七十四億円に対して通信設備使用料は千百九十一億円で、四〇%ぐらい。以下、KDDが三千三十四億円に対して千百億円、これは三六%ぐらいになります。DDIでいきますと、二千二百八十四億円で通信設備使用料は千三億円ですから、四四%。移動通信でNTTドコモを調べてみますと、営業費用というのが九千九百二十億円、通信設備使用料というのが千四百九十九億円で、一五%。必ずしもぴったりと、私の知りたい資料とは幾分異なりますが、そう大きなずれはないだろう、こう思って幾つか調べてみたわけです。今、局長の方からは、長距離や携帯や地域でそれぞれ分けてお答えいただいたわけですが、それほど違いはないと思います。
 この各社の通信設備使用料というのは、今言いましたように、いろいろなものが含まれているのでそれだけとは限りませんけれども、大半を占めているだろうと思います。日本テレコム、KDD、DDI、この三社の通信設備使用料を合わせますと三千二百九十四億円、九八年度のNTTの接続料金が五千百九十五億円、六三%とこれでは出てきてしまいますけれども、もう少しいろいろなものをきちんと精査すれば違った数字は出てくると思いますが、一応そういうような数字が出てくる。ドコモの通信設備使用料というものの約半分が接続料ということですから、ドコモと比べてみれば相当接続料金の割合が大きい、こんなことがわかったわけです。
 そこで、私、次の問題でお聞きしたいのですが、日本テレコムなどの中継系のNCCは、NTTへの接続料金の支払いが、全経費の五割まではいかないかと思われますが、三八・七%ぐらい、四割と言われてきていました。しかし、個別に幾ら接続料金を払っていて、この間の接続料金の低下で幾ら経費が削減できたのか、こういうことを私は知りたいというのでいろいろ四苦八苦したのですが、なかなかそういうぴったりしたものがないから局長にお尋ねしたわけなんです。
 前の問題もそうですけれども、やはりこういう情報を公開していただく中でより突っ込んだ議論ができるわけですから、ぜひその辺もまた検討していただきたい。個別の企業の中身の問題だからできないと言うだけではなくて、何か工夫をしてもらいたい。工夫をされた一部を言われましたけれども、それだけだとなかなか論議が進まないと思いますので、またそういう点で、この資料は出すことができるというような何か事態がありましたら、ぜひそういう資料を私はいただきたいと思います。お願いしておきます。
 さて、この間、長距離料金というのは下がってきたと言われております。郵政省にいただいた資料によりますと、接続料金については、中継交換機接続、いわゆるZC接続で、九四年度の三分間で十九・七八円から、九九年度ですと十・六四円と約半分になっているという資料をいただきました。それから、最遠距離料金もその間、百八十円から九十円と半分になっております。しかし、九四年度から九五年度にかけて、接続料金は値下げになっておりますけれども、この間は長距離通話料金は値下げになっておりません。また、九六年度には、加入者交換機接続、いわゆるGC接続も一気に六・三一円と約三分の一以下になっております。それからドル箱の東京―大阪間の遠距離通話には、中継交換機接続、いわゆるZC接続ではなくて、この加入者交換機接続、GC接続も利用されているはずですが、接続料金引き下げ分がユーザーに本当に還元されたかどうか、大変疑問であります。
 そこで、いろいろとその間に報道されていることなどを調べてみました。これは三月一日付の日経の朝刊に書かれている記事ですけれども、ちょっと読んでみますと、「今期接続費減少 テレコム二〇%増益」というのが見出しです。そういう記事の中で、
  日本テレコムは二十九日、二〇〇〇年三月期の経常利益が二百八十億円と前年同期に比べ二〇%増える見通しだと発表した。
 売上高は四%増の四千億円と従来予想並みだが、日本電信電話(NTT)がほかの通信事業者から徴収している市内電話回線への接続料を引き下げたことで利益が膨らむ。
  テレコムの場合、回線接続料の引き下げ率は一二%程度となった模様。すでにNTTに支払い済みの接続料の払い戻しを含め、通期で百九十億円の費用が減る。このうち、四十億円はテレコムの販売代理店に還元する。
こういう記事なんです。
 接続料金は下がったが、その分、利用者に還元されるという話はこの記事の中に出ていない。つまり、百九十億円というものが、実はこのことでもうかったわけであります。そのうち四十億円は、利用者ではなくてテレコムの販売代理店に還元するという記事ですね。
 そこで、郵政省にお聞きしたいのですが、接続料金の引き下げがユーザーに還元されたという客観的なデータがありましたら、ひとつお答えいただきたいと思うのです。
#85
○天野政府参考人 NTTはここ数年、毎年接続料金を引き下げておりまして、先生がおっしゃいますように、ZC接続料は過去五年間で四六%、GC接続の場合は過去三年間で一二%の引き下げになっております。この期間中に長距離通信や国際通信の料金の値下げが行われておりまして、例えば、長距離事業者三社の平均で見ますと大体五割ぐらい長距離料金は下がっております。また、KDDの国際料金は七割程度下がっておりますので、一般的には、利用者料金の引き下げは接続料の引き下げもその要因の一つに入っているものと推察いたしております。
 しかしながら、先生おっしゃいましたように、接続料金の引き下げは、GC、ZCと二つの引き下げ率の違った状況もありますし、また利用者料金の引き下げ時期も違っておりまして、必ずしも期間的な対応もありません。そして、一般に利用者料金の引き下げはさまざまな要因が絡み合って実現しているものと考えられますので、具体的に接続料の引き下げがどれだけこの利用者料金の引き下げにつながっているのかを明確に示すのは困難でございます。
#86
○矢島委員 結局、接続料金は下がったけれども、ユーザーに対してどれだけ下がったかという明確なデータもないし、いろいろな条件が絡み合っているのでという答弁ですが、なかなか還元されていないんですよね、実際に。それは料金は下がった、しかし本当に接続料金の引き下げがユーザーに還元されているかというと、調べてみますと、いろいろな条件がありますけれども、やはりそのことでこれだけ下がったなということはなかなか確定しにくいというのが状況だろうと思います。接続料金支払いが経費の多くの部分を占めている中継系のNCCですら、実際にどれだけ下がったかという確証を得るようなデータが得られないでいるわけですね。
 これは、九九年、去年の十一月十五日の通信興業の社説です。「接続料金の低廉化論議」、こういう表題で社説が載っております。その中で、こう書いているわけですね。郵政省に提出された意見を見ても、電気通信事業者の中で接続料金が郵政省モデルのとおり値下げされたら、ユーザーに対してさらにみずからの貢献分も追加して、自社のユーザー料金を引き下げます、こう明確に宣言する会社は見当たらなかった、自分の都合のいい要求だけをしているのかと疑問が生じてくる、結局、接続料金の低廉化論議はユーザー不在のエゴ論争でしかなかったのではと疑わざるを得ない、こんなふうな社説が通信興業には載せられていたわけです。
 そこで、大臣、この問題は前からいろいろ論議されているので、それなりの大臣のお考えもあろうかと思うんですけれども、この接続料金が下がった分を、本当にユーザーの料金が下がる、こういう保証はないんですか。
#87
○八代国務大臣 いろいろな還元の仕方があると思いますが、今矢島委員がおっしゃったように、お金としての還元サービスもありましょうし、あるいはいろいろな意味での、情報サービスを含めた、コンテンツも含めた、いろいろな中身のサービスという点もありましょうし、そのサービスの基準というのはなかなか難しいだろうと思います。
 しかし、情報通信は非常に競争化時代になってまいりますし、東西NTTの事業者間接続料が低廉化されれば、NCCはその支払いが軽減されることになってまいりますから、経営に余裕が生じることとなりますね。経営に余裕が生じることになってきますと、その財源でNCCにおいて、利用者料金引き下げや、あるいはまた新たな設備投資を行うことによる新サービスの提供、こういうものに振り向けることも可能なんですが、その辺をお金として還元することをユーザーが求めるのか、あるいはまた新しい技術開発のためのものに求めるかというのは、なかなか判定は難しいだろうと思います。
 いずれにしましても、競争原理がおのずと働いてまいりますから、恐らくいろいろな角度によって、面によって、ユーザーへの還元は果たされていくだろう、このように私たちも考えております。
 郵政省としては、NCCが電気通信事業者としての社会的責務を認識していただいて、通信料金の引き下げや新サービスの提供によって、事業者間の接続料金の引き下げのメリットを結果として国民利用者に着実に還元することを私どもは期待いたしておりまして、また、そのように促してまいりたいものだ、こんなふうに思っているところでございます。
#88
○矢島委員 いろいろと期待されているということだろうと思います。
 接続事業者というのが、NTTのこれまでの非効率的なコストの部分を払うのは嫌だ、こういう主張をして、もっと接続料金を下げろ、こうやっているわけです。見方を変えれば国民利用者も同じだと思うんですよ。つまり、電気通信事業者に長期増分費用方式というのを認めるならば、加入者線部分あるいは市内通話部分も、もっと効率的なネットワークにしたときの料金で算定して料金を下げたらどうか、こういう意見が出てくることも、これまた一つの理屈だろうと私は思います。
 これまでのこの委員会での審議で明らかになってきましたけれども、接続料金が下がったからといってインターネット料金がそれに連動して下がるという仕組みではないと先ほどの答弁にもありました。接続料金が下がることによっていろいろな競争が展開されるという。その競争が起こるのは、いわゆるもうかる部分だ。つまり、都市部とか大企業を対象としたビジネス。国民すべてがその恩恵を受けるというわけではないというのが一つの状況であろうと思うんです。それは、いろいろ理屈をつければ、大臣の述べられたようなことがありますけれども、直接的な還元は得られない。
 そこで、接続料金の引き下げがどれだけユーザーに還元されているか、先ほどの局長の答弁でもはっきりしないわけです。そういう中で、一方は経費が減って、例えば中継系のNCC、日本テレコムなどですね、こういうところはもうけがふえる。もう一方、NTTの方は収入が減って、もうけが減るわけです。それだけなら単なる大企業間の取り分の問題ですけれども、NTTというのは、もうこの委員会でも前から論議されているように、今日、生活に欠くことのできない電気通信インフラを日本じゅうに張りめぐらしている唯一の、いわゆるユニバーサルサービスを提供している事業者だ、こういうことになる。そのNTTの収入の少なくない部分、大きな部分を占めるこの接続料金を劇的に引き下げる今回の長期増分費用方式について、このモデルを作成した長期増分費用モデル研究会の報告書があるわけですけれども、その中でも、「モデルの性格から、本モデルで算定された長期増分費用が算定対象となった現実の設備投資の費用を下回り、投下資本の接続料による回収が困難となるということも場合によっては起こり得る。」こういうことが書いてあります。
 そして現在、電気通信審議会でこのモデル研究会のケースAというのが採用されて、日米交渉で、ケースAというのを新しい接続データで計算したものを四年間実施する、こういうことを提案しているわけです。
 そこで、郵政省にお聞きしたいのですが、この結果、東西NTTに支払われる事業者接続料金は、四年後の二〇〇三年度、東西会社でどうなるのか。つまり、現行の制度のもとでの接続料金の収入、それが二〇〇三年になったときにはこう変わるということを東西会社ごとにお示しいただけますか。
#89
○天野政府参考人 長期増分費用方式に基づくケースAの考え方を四年間で実施するとした場合に、現行の実際費用方式に基づく場合と比較しまして、東西NTTの事業者間接続料の収入がどのぐらい違いがあるのかということのお尋ねでございますので、まず東NTTの四年間での累計でいきますと、現行方式に比べまして九百七十億円ほどの接続料収入の減少が見込まれます。また、西NTTにつきましては、四年間で累計で九百五十億円程度の減少が見込まれますので、東西を合計しますと、四年間で千九百二十億円の収入の減少ということになろうかと思います。
#90
○矢島委員 NTTは、分割から四カ月経過した十一月に、二万一千人の人員削減あるいは約一兆円の設備投資等の削減、こういうことを柱とする中期経営改善施策というのを発表いたしました。その具体化に取りかかっているわけですけれども、この計画には接続料問題は織り込まれていない、こういうことを聞いております。私は、NTTが接続料金引き下げを理由にしてこの計画をさらに前倒しし、あるいは現在の目標を上乗せするのではないかということを危惧しているわけです。
 そこで、その中身についてNTTにお聞きする前に、郵政大臣にまず基本的な見解で確認しておきたいんですが、それは、NTTの分割再編問題で、分割再編によってユニバーサルサービスや利用者サービスが後退してはならない、こういう質問に対して、あの分割再編の国会の中では堀之内郵政大臣ですが、そのとおりだと答弁されました。野田郵政大臣もそうでした。八代郵政大臣も、参議院の方の宮本議員の質問に対して、やはり、「私は、NTTの再編成を契機としまして、一方の地域会社において料金の値上げが行われるなど、料金水準が現在よりも悪化する形で東西格差が生じることや、サービス水準が全体として低下することがあってはならないと考えており、これは歴代の郵政大臣も同様のお考えだったと理解いたしております。」
 結局このことは、昨年の六月三十日から七月一日と分割再編が行われたわけですが、その間に後退が起こらなければいいということじゃないと思うんですね。つまり、この分割再編の各会社が競争することでサービスが向上するというお考えのもとにお答えになったんだと思いますが、確認のためですが、大臣、そのとおりですか。
#91
○八代国務大臣 参議院の交通・情報通信委員会で、宮本委員でしたか、そういうお尋ねがございました。そして、今矢島委員がお述べいただいたとおり、全くそのとおり私もお答えを申し上げたわけでございまして、まさに今緒についた日本の情報通信時代ということを考えますと、基幹産業として、また国も大きな株主でございますから、郵政省としても行政指導を当然していくことも必要だと思っております。
 そういうことをもろもろ考えていきますと、このユニバーサルサービスを含めて、まさに東であれ西であれ、確かに経営状況は厳しいし、そしてまたリストラ等々も含めた経営改善もしていかなければならない苦しみがあるにいたしましても、サービス低下というようなことがあってはならないという私たちの考えは不変でございます。
#92
○矢島委員 そこで、NTT東日本の社長さん、いらっしゃっていただきまして、ありがとうございます。
 この中期経営改善施策ということについて、これから幾つかお尋ねしたいわけであります。その中で、業務運営効率化施策ということで、窓口サービス拠点の統合計画が含まれております。
 そこで、その問題でお聞きしたいんですが、実は私、埼玉県の出身であります。地元が埼玉県であります。NTTの埼玉支店お客様サービス部営業企画担当、こういうQアンドA、つまり、窓口がなくなるので、ひとつお客さんからいろいろ問い合わせがあったらこういうように答えてもらいたいというので、「大宮営業窓口(お客様サービス担当)閉鎖に伴うQ&A」つい最近、ことしの四月六日に出されたものであります。
 この中をいろいろ見てみますと、例えば、こういういろいろな質問に対してこう答えなさいというのがあるんですが、まず、名義変更したいがどうすればいいのか、こういう質問に対しては、郵送していただくか、上尾営業所などほかの窓口に行っていただきます、こういう答えになっている。では、臨時電話の申し込みはどうするのか、こういうのに対して、口座振り込みか上尾営業所に御足労願う、こういうふうになっていますね。それからまた、電話機の購入をしたいがどこへ行けばいいのかということに対しては、これも上尾営業所。それから、電話帳を見たいがどこに行けば見ることができるか、これも上尾営業所に御来店いただきたい。以下、料金明細を確認したいがどこへ行けばいいか、上尾営業所。テレホンカードによる料金支払いはどこで扱うか、上尾営業所。テレホンカードの磁気が消失したがどこで扱うか、上尾営業所。結局、いわゆる窓口サービスが閉鎖されれば、ほかの窓口に行くしかないわけなんですね。
 そこで、NTTにお聞きしますけれども、この営業窓口業務の拠点が、九八年度末で東会社が三百三十五、それから西日本で三百八拠点だと思うんですが、それだけあるものを中期経営改善施策では、それぞれ百拠点ずつですから合計で二百拠点、六百四十三を二百拠点にする、大体三分の一ぐらいに集約する計画になっていると思いますけれども、それでよろしいですか。
#93
○井上参考人 中期改善計画そのものは、端的に言えば、市場の競争、市場の変化とか、先ほどもちょっと触れました接続料金の将来的なものも含めまして事業をしっかりしたものにしていかなきゃいかぬということで、今までも当然いろいろな形で効率的な経営をやってきたつもりでございますが、そういう市場の変化が非常に激しいので、それに対応してきちっとしたものにしていこうということで進めているわけです。
 今お話のありました営業窓口の集約そのものについては、お客様の利用の実態だとか地域の立地条件、こういうものを考えまして、お客様のサービス品質も考えまして計画をしているところでございまして、おっしゃるように平成十四年度までに現在の三分の一ぐらいに集約する計画でございます。
 ただ、具体化そのものは、どのところをどうするかというのはまだ社内でいろいろ検討を進めている段階でございます。
#94
○矢島委員 二百ぐらいに統合をされるわけですが、今社内でこれから具体化するということですから、各県別でこの集約状況はどうなっているのか、あるいはこれからどうしようとしているのか。あるいはその計画ができ上がった段階で、今ここでお答えいただくのは大変ですから、ぜひそういう資料をいただきたい、資料ができた段階でお願いしたいと思います。
 ただ、先ほども申したように、私は地元が埼玉県なんですが、埼玉県の計画はどんなふうになっているか、わかりますか。
#95
○井上参考人 今具体化していないと御説明しましたように、まだ埼玉県でもかっちり固まっているわけではございません。
 ただ、ちょっと付言しますと、サービス的に、営業窓口へ実際に来られる方の内容が大分昔と変わってきておりますので、そのあたりも踏まえてやっておりますので、よろしくお願いします。
#96
○矢島委員 いろいろと変わってきているということはわかりますが、実際にその地域の窓口がなくなってしまうわけです。ですから、これは住民にとっては大変なことなんです。
 まだこれから計画だとおっしゃられますが、私は埼玉なんで、いろいろと調べてみましたら、二十四を七にするんじゃないかということで、これは確定かどうかは別として、後で資料をいただければというときに確認させていただきますけれども、二十四あるのが今七つに減らされようとしている。北海道だと二十五が九、富山が八が二、石川が八が三、福井が六が二、兵庫県は三十二を十一、徳島は七あるところを三つ、それから高知県が九つを三つ、こういうふうに大変削減される計画があるんだろうと思うんです。ただし、具体化された段階で教えていただきたい。
 私はここで、郵政大臣あてにこの問題での意見書が来ていると思うんですよ。「NTT須崎営業所窓口の閉鎖計画をとりやめ、存続を求める意見書」というので、高知県須崎市議会議長の名前で議会が行ったというんです。そのことを聞こうとするわけじゃないですから、意見書はお持ちにならなくて結構です。
 この意見書を読みますと、
  NTTは七月に、東日本、西日本、長距離、持ち株会社に四分割しました。高知県では「黒字構造への転換」、「営業力強化」などを理由に、現在ある九か所の営業窓口の内「六か所を閉鎖」し、わずかに「三か所を残す」という計画を進めており、須崎営業所は十一月末に閉鎖予定です。
  高知県は、東西に長く、山間部が圧倒的に多く、その上交通の便が悪くて窓口で手続きするには半日仕事どころか、一日つぶさないとできない地域が相当増えると推定されます。特に、高齢者には大仕事になりそうです。
  営業窓口の廃止は利用者に不利益を強いるだけでなく、過疎化に拍車をかけ、地域の活性化に逆行し、地域生活に多大の負担を強いるものです。
  よって、NTT須崎営業所窓口の閉鎖計画をとりやめ、存続させるよう求めるものです。
こういう大臣あての意見書が送られているだろうと思います。
 そこで、こういう、過疎化にも拍車をかける、それから地域の活性化に逆行する、こういう状況も地域によっては生まれてくるわけです。そういう点を十分考えなきゃならないだろう。
 とりわけ、こういうのもあるわけです。ことし三月に入ってから、佐渡島にある営業窓口がなくなると地元紙で報道され、佐渡島でも、市と九カ村のうち七議会で営業窓口存続の請願が採択されました。
 この請願書によりますと、中期事業計画の業務改善施策では、佐渡営業所は廃止され、新潟支店に統合されるということです。こうした計画がそのまま実施されますと、地元の行政、企業、住民へのサービス低下はもとより、情報化時代に対応する施策のおくれ、職場の減少そして災害時の不安など、そのマイナスははかり知れませんというのが、この佐渡の状況の請願書の中身です。
 先ほど、一番最初に埼玉の問題を挙げましたが、上尾の営業所から大宮だといえば、これは交通の便からいったってすぐ行けますから、まあまあ住民が我慢すればそれなりの我慢ができないわけじゃない。ところが、今挙げた高知県の問題も、それから、とりわけ佐渡の場合には、佐渡が閉鎖されたら船で行かなきゃならないですよ、新潟まで行ったり来たり。これは地域の住民の皆様にとっては非常に重大な問題だと思うんです。
 そこで大臣、ユニバーサルサービスの観点からいっても、サービスの低下というのはやはり避けなきゃいけないし、むしろ競争によってサービスが向上するという方向での分割再編という事態で予想したわけですよ。しかし、こういう事態が起こっているので、このことは、つまり全国にある窓口が三分の一に減ってしまうということは、私は明らかにサービスの低下だなと思うんですが、大臣どのように。
#97
○八代国務大臣 須崎を初め具体的な例をお示しいただきながらお述べになっておりますけれども、昨年の十一月にNTTが発表した中期経営改善施策では、業務運営体制の効率化という観点から、営業拠点を統廃合して現在の三分の一程度に削減するということになっているわけですね。
 全体を見ますと、今までが過剰なサービス過ぎたのかなというところが、これも考えなきゃいけませんね。それでまた、非常に都市化されていく、そういう時代の状況の中、あるいは道路網もよくなった。何といったって電話屋さんですから、これはもう電話で済むことは電話で済むじゃないのというものもあって、過剰なサービスというところもあったかもしれません。その辺は経営の問題ですから多くは語ることはできませんけれども、いずれにしましても、NTTからの報告は、営業拠点の統廃合は、NTTとして低廉かつ良質なサービスを維持するために必要な効率化施策の一環であるということでございます。
 それから、営業拠点の減少によるお客様の不便を軽減するためには、まず電話、それからISDN、専用その他のサービスの新規申し込み及び電話等の端末機器の販売等については、これは一一六、こうやっていただくと懇切丁寧に、その機能によって、窓口までわざわざおいでいただかずとも、こちらの方から出かけていってそうした端末機器等々も含めて営業活動もするというふうな話をしておりまして、むしろNTTが経営努力によってかえって今まで太り過ぎが細くなってフットワークを生かすようになって、お客様がわざわざ出かけていることの手間が省けるという逆のいい効果も出てくるんじゃないかというような気がしますので、その辺を見ながら、いろいろそういう地域の御苦情、御陳情等々に対しましても私たちもしっかり耳を傾けてはいきたいと思っております。
    〔委員長退席、荒井委員長代理着席〕
#98
○矢島委員 今までが過剰サービスだった、あるいは状況の変化の中で今度はNTTの方からはサービスの提供のために出張する、いろいろお話はありましたけれども、実際に地域の住民の皆さん方にとっては、今までが過剰サービスなのかどうかは別として、不便になることだけは間違いないんですよ。だから、やはりサービスが低下したな、こう思うし、それからこの営業窓口というのは、やはりお客様にとっては一つの地域の中心的な部分であって、いろいろの交流の場でもあったり、いろいろな効果を果たしてきていたんですよ、今まで。そういうものがなくなってしまうということに対するいろいろな御意見があるということはぜひ心にとめておいていただきましょう。
 郵政省は、一九九七年のあの郵政民営化攻撃、これが吹き荒れたときに、郵便局ビジョン二〇一〇、これを発表しました。郵便局ネットワークは、ユニバーサルサービスの一環として、民営化されればその維持ができなくなる、郵便局を民間企業ベースで運営したら大変なことになるということをその中で述べているんですね。こういうふうに言っているわけです。
 「郵便局は、郵便・貯金・保険等の国民生活に必要不可欠な身近に利用できる生活基礎サービスを、全国あまねく、いつでも、公平に提供しているが、仮に「営利性、収益性」が重視される市場原理のみに基づく運営を行った場合には、不採算地域におけるサービスの維持が不可能になるものと考える。」
 つまり、市場原理による競争というのは、サービス一般を向上させるのではなくて、もうかる分野ではもうけを追求するけれども、もうからない分野では、その分野からいかに撤退しサービスを切り捨てるか、そういうものだというようなことを書いているわけです。
 そこで、そのときの答申の中に、資料として資料番号で七十九というのがあるんですね。その資料番号七十九に、「NTTの民営化後の支店数の推移」というのを載せているんですよ。それは、NTTの支店が民営化前の八四年には千七百あった。ところが、九五年にはわずかに百十になってしまったんですね。こういう資料を今のビジョン二〇一〇の中で郵政省が載せているわけなんです。つまり、民営化すれば郵便局も減るぞ、NTTだってこうだったんだ、こういう資料として載せているわけなんですよ。
 つまり、郵便局ネットワークと同じように、電気通信インフラを、これもネットワークですね、全国すべての地域とつながっている、このことが意味があるんですね。コストから見ますと、インフラを整備し維持するコストが高い地域もあれば低い地域もあります。コストが高いからといってそこを切り捨ててしまったら、それはネットワーク自身が成り立たないということになるわけですね。
 今NTTがやっていることは、この電気通信ネットワークに不可分なサービス、窓口の問題、こういうものを削減するということですから、NTTが、電気通信インフラを全国に張りめぐらせる唯一の電気通信事業者として、まさしくユニバーサルサービス提供者の義務を法律で義務づけられている。国民生活に不可欠な電話の役務のあまねく日本全国における適切、公平かつ安定的な提供の確保に寄与し、そのことを通じて公共の福祉の増進に資するよう努めなければならない、こうなっているわけですよ。
 そこで私たちは、こうした事態を予想して、利用者サービスが低下するような分割再編ということにならないよう主張し、大臣も利用者サービスの低下ということはあってはならないと答弁している。しかし、こういう状況を見ますと、どうも私たちの指摘したことが現実の問題になり、実際にこの国会で約束されたことがほごになっているのではないかと思うのです。
 そこで、窓口の問題はこれくらいにしまして、時間がなくなりますので保守の問題に入っていきます。
 今も私申しましたように、もうからない分野でのサービスの撤退、こういう一つの例として、ネットワーク維持経費、つまり保守費用、これを削減していくという問題があるわけです。
 今回の長期増分費用方式モデルをめぐって、日本のNTTの設備の耐用年数、これが諸外国に比べて半分だということが問題になりました。これは逆に、償却し切った資産は、実際に使っているけれども経費はかからないということになるわけです。
 そこで、NTTの有価証券報告書をちょっと調べてみました。九九年三月末現在のNTTの有形固定資産税、建物や機械設備などの取得原価は二十六兆三千五百二十八億円、このうち既に十七兆八千三百八十四億円は減価償却しております。簿価は、既に取得価格の三分の一、八兆五千百四十一億円、こうなっています。
 NTTの中でも、また利用者の中でも、一雨苦情五千件という言葉があるのですよ。社長あたりは知らないと思いますけれども、職場の中ではそういう話があるのです。これはどういうことかといいますと、雨季になりますと極端に電話の故障というのが増加するんです。だから、一雨降りますと五千件も苦情が寄せられる、こういうのをあらわした言葉なんです。
 つまり、電話局から家庭の電話をつないでいるあのメタルケーブル、これがいわゆる耐用年数を過ぎてもそのままになっている。雨季に入ると絶縁状態が悪くなって、電話の故障が次々と起こる。だから、古いケーブルを張りかえないでそのまま使っているというところに問題があるんだから、これは早く張りかえることが必要だという意見はこれまでも多分NTTには寄せられていると思うのです。
 長期増分費用モデル研究会は、光ファイバー、デジタル交換機の経済的耐用年数が、光ファイバーだと十一・二年、デジタル交換機だと十一・九年、こう報告していますが、このネットワークのほとんどを形成しているメタルケーブルの実質的な耐用年数というものがこの報告になかったのですね。
 そこで、調べてみましたら、このメタルケーブルを、NTTでは法定では十三年、こうしていると思うのです。現実に一体どれくらいこのメタルケーブルを使用しているのか、お答えいただきたい。
    〔荒井委員長代理退席、委員長着席〕
#99
○井上参考人 メタルケーブルが量的には非常に多いわけでございますが、これは建設後も非常に長く使っているものも確かにございますし、また、道路の掘削その他によって比較的早くするというようなものもございます。実態は、非常に量が多いので、きちっとした数字は整理してはございませんが、大体、この法定耐用年数の十三年程度じゃないかというふうに我々は考えております。
#100
○矢島委員 平均しますと大変な数字だろうと思うのですが、私、調べてみました。一九七三年、ですから二十七年間張りっ放しのがあるのです。それから、その次のだと、一九七五年に張ったものがそのまま今使っています。一九七七年に張られたメタルケーブルもいまだに使っています。いろいろ私調べてみまして、そういう事実を知りました。今社長が答えた十三年前後かというようなものじゃなくて、大体倍ぐらいですね、二十七年とか二十五年とか、こういうメタルケーブルがいまだに使われているというわけですよ。
 既にこれは償却済みの資産ですね。ですから、NTTにとっては、経費はかからない、収益だけは上がってくる。国民利用者にとっては、故障の原因となり、苦情のもととなっている。こうしたケーブルはぜひ張りかえていくべきだと思うのですが、しかし、この長期増分費用方式の導入で経費削減がより一層迫られる、こうした張りかえは一層行われなくなってしまうんじゃないかという心配を私はするわけです。
 もっと重要な問題は保守の問題で、私は阪神・淡路大震災のときにやはりこの問題を取り上げました。重大な事故が発生したときの状況です。
 もう一つ、最近では、九八年五月五日に、大阪淡路ビルの電力故障、これは十時間以上通信が途絶えました。これによって、一一〇番の緊急連絡がだめになりました。銀行のATMもだめになりました。飛行機の管制もだめ。電話だけでなくて、多くの生活インフラに多大な影響を与えたのがこの大阪淡路ビルでの電力故障だったと思います。ここの淡路局というのは、いわゆる有人保守体制のない無人局だったのですね。ですから、一たび事故が起こりますと、現代社会でいえば神経のような電気通信ネットワークが麻痺してしまう、社会生活にさまざまな重大な影響を与えるのですね。
 この長期増分費用方式で計算された検証のしようもない仮想の保守経費、これと競争して現実のネットワークの保守経費を切り縮める、こういうことが要求されているわけですけれども、ネットワークの保守を後退させない、こういう保証はどこにあるのですか、社長。
#101
○井上参考人 確かにメタルのケーブルなんかで長く使えば補修費がかかる、それを平均値的に先ほど数字的に言ったわけでございますが、今回の長期モデル方式では、確かに最新の設備を入れるという部分をベースにして、それに移転補修経費を掛けてやるということでございますから、現実の保守経費と離れているところはございます。
 したがって、その体制に向けて我々も効率的な保守体制をつくっていくということが必要だというふうに考えておりますので、例の四年というのも、そういう経過の中で効率的な体制をつくるための時間的な余裕というふうに御理解いただければ、そうすればサービスは落とさないで済むというふうに思っております。
#102
○矢島委員 いろいろなサービス低下の問題の中で、研究開発の問題で一つ聞きたいのです。
 研究開発の問題で、実は、ここに「NTT R&Dの系譜」という本を持ってまいりましたが、私はこれを読んでみました。いかに今まで電気通信サービスを支えていくための最新技術というものが地道な研究によって開発されてきたかということがよくわかる本です。
 この前文のプロローグのところに、武蔵野研究開発センタの庭に、一九五〇年ですか、建てられた石碑の文章、これが載っているのです。「知の泉を汲んで研究し実用化により世に恵を具体的に提供しよう」、この文章は、初代所長の言葉がそこに刻まれているわけです。この言葉は、五十年たった今でも研究者たちの精神的バックボーンとして生きているのだということが述べられています。
 NTT法では、もちろん御案内のとおり、今後の社会経済の発展に果たすべき電気通信の役割ということで、「公共の福祉の増進に資するよう努めなければならない。」こういう文章が書かれております。
 そこで、今NTTの研究所というのは、持ち株会社に置かれていますから、その費用は各事業所から拠出されている。東では八百五十億円負担していると思います。今まで日本の電気通信の基盤技術、こういうものを支えてきた、これからも支えることが期待されるのがこのNTTの研究開発だと思うのです。
 ところが、どうも最近、競争政策の進展を理由に目先のもうけ本位の研究開発、こういう方向に傾いているのではないかと私は心配しているわけです。そうなってしまっては、今読み上げましたNTT法の精神、あるいは、碑に書かれた世に恵みを与えていくのだというこの精神、こういうもの等に相反することになって、長い目で見たときにはNTT自身のためにもならないのではないかと私は思うのです。
 そこで、東日本会社の社長さんにお伺いしますが、こういう研究を進めていくという法の精神や目的、これについてどういうふうにお考えですか。
#103
○井上参考人 今回の再編の一番の目玉の一つがこの研究開発体制の維持だと思っております。したがって、これを持ち株に置きまして、基礎、基盤の研究体制をきちっとつくっていくということで、研究部隊の大きなところはここに入っております。その基礎、基盤についてバランスのいい研究開発をしておりまして、その成果の普及、それから我が国の電気通信のそれに伴う発展、これについては、我々としても従来以上に意識してやっておるところでございます。
#104
○矢島委員 時間になりました。
 私は、NTTの方には労働条件の問題でお聞きしたいということを通告しておりました。私は実は、九八年のこの逓信委員会で、あれは三浦人事労働部長だったと思いますけれども、単身赴任が五千九百名、それから自殺者も十七人いるというようなやりとりをやったわけですが、そういう数字について、最新の数字、これは後で結構でございます、もう時間がございませんので。せっかく御用意いただいた答弁だろうと思いますが、お願いしたい。
 それから、NTTの先ほどの研究所の問題ですが、配転が行われております。その中でも、病気のために配転に対して何とか配慮してくださいという、医者の診断書も提出してあるのですが、しかし、配転させられるという話も聞いているので、やはり、働いている労働者がいい環境で伸び伸びと仕事ができるというのをつくるのが、効率ある会社運営のためにも必要だと思うのです。ただ、単身赴任で、言ってしまいますと、あのときには、労働部長は何とかこれは改善する方向で取り組むというお話も承ったのです。
 いずれにいたしましても、長期増分費用方式の導入を前提として、先ほど来言われている日米交渉の問題、NTTの公共性、あるいは労働者の労働条件、サービスの問題、私はいろいろ挙げてまいりましたけれども、こういういろいろな状況の中でできるだけ情報公開をするということ、それからやはり、国民利用者の側から検証していくことができるような状況をつくるということ、それから、日本の電気通信インフラの維持、こういうものに大変いろいろな懸念がこの委員会の中で今までもあったわけです。そういう意味で、この長期増分費用モデル方式導入というのは問題があると私たちは認識しております。
 そのことだけ申し上げて、終わります。
     ――――◇―――――
#105
○前田委員長 次に、内閣提出、電子署名及び認証業務に関する法律案を議題といたします。
 趣旨の説明を聴取いたします。八代郵政大臣。
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 電子署名及び認証業務に関する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#106
○八代国務大臣 電子署名及び認証業務に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 近年、インターネット等の急速な普及に見られるように、国民生活一般にまでネットワーク化が進展していることに伴い、電子商取引を初め、電子政府の構築、教育分野におけるインターネットの活用、在宅勤務、在宅医療等、国民の多様なライフスタイルの実現に向け、情報通信は二十一世紀における我が国の重要な社会経済基盤として大きく期待されております。
 このように情報通信に対する期待が高まる中、インターネットでは相手方と対面せずに情報がやりとりされるため、情報の受信者が、発信者が本当に本人であるかどうか、情報が途中で改変されていないかどうかを確認できる仕組みが必要とされており、現在、その有効な手段として電子署名及び認証業務が利用され始めております。
 しかしながら、電子署名及び認証業務につきましては、その法的な位置づけについて明文の規定がなく、電子商取引等の普及の妨げになっているのではないかとの指摘がある一方、国際的には既に各国で法整備が進められており、我が国においても早急に法整備を行うことが必要とされております。
 そこで、電子署名及び認証業務の円滑な利用を確保し、ネットワークを利用した社会経済活動の一層の推進を図り、国民生活の向上と国民経済の健全な発展に寄与する観点から、今般、この法律案を提案した次第でございます。
 次に、この法律案の概要について申し上げます。
 第一に、電磁的記録に記録された情報について本人による一定の電子署名がされているときは、その電磁的記録は真正に成立したものと推定する旨の規定を設けております。
 第二に、認証業務のうち一定の基準を満たす特定認証業務について、これを行おうとする者は、主務大臣の認定を受けることができることとし、その認定に関する要件、認定を受けた者の義務及び表示に関する規定を整備しております。
 また、外国において特定認証業務を行う者についても主務大臣の認定を受けることができることとするほか、主務大臣は、特定認証業務の認定に当たり、その指定する指定調査機関に認定に関する調査の全部または一部を行わせることとしております。
 第三に、認定の制度の円滑な実施を図るため、主務大臣は、電子署名及び認証業務に係る技術の評価に関する調査及び研究を行うとともに、特定認証業務を行う者等に対し、必要な情報の提供、助言その他の援助を行うよう努めることとするほか、電子署名及び認証業務に関する国民の理解を深めるため、国は、教育活動、広報活動に努めることとしております。
 以上のほか、利用者が認定認証事業者等に不実の証明をさせる行為についての罰則を規定するほか、必要な規定を整備することといたしております。
 なお、この法律は、一部を除き、平成十三年四月一日から施行することといたしております。
 以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要でございます。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
 ありがとうございました。
#107
○前田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 次回は、来る二十六日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時九分散会

ソース: 国立国会図書館
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