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2000/05/10 第147回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第147回国会 運輸委員会 第14号
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2000/05/10 第147回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第147回国会 運輸委員会 第14号

#1
第147回国会 運輸委員会 第14号
平成十二年五月十日(水曜日)
    午前九時三十分開議
 出席委員
   委員長 仲村 正治君
   理事 石破  茂君 理事 実川 幸夫君
   理事 菅  義偉君 理事 森田 健作君
   理事 高木 義明君 理事 玉置 一弥君
   理事 赤羽 一嘉君 理事 寺前  巖君
      衛藤 晟一君    小里 貞利君
      木村 隆秀君    久野統一郎君
      佐藤  勉君    坂本 剛二君
      中馬 弘毅君    桧田  仁君
      松本  純君    森  英介君
     吉田六左エ門君    渡辺 具能君
      奥田  建君    島   聡君
      永井 英慈君    前原 誠司君
      松崎 公昭君    久保 哲司君
      丸谷 佳織君    平賀 高成君
      松浪健四郎君    岩浅 嘉仁君
      達増 拓也君
    …………………………………
   運輸大臣         二階 俊博君
   運輸政務次官       中馬 弘毅君
   政府参考人
   (環境庁企画調整局長)  太田 義武君
   政府参考人
   (運輸省運輸政策局長)  羽生 次郎君
   政府参考人
   (運輸省自動車交通局長) 縄野 克彦君
   政府参考人
   (運輸省海上交通局長)  高橋 朋敬君
   政府参考人
   (運輸省海上技術安全局長
   )            谷野龍一郎君
   政府参考人
   (運輸省港湾局長)    川嶋 康宏君
   政府参考人
   (海上保安庁長官)    荒井 正吾君
   運輸委員会専門員     長尾 正和君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月十日
 辞任         補欠選任
  栗原 裕康君     森  英介君
  中野 正志君     桧田  仁君
  望月 義夫君     佐藤  勉君
  今田 保典君     島   聡君
  佐藤 敬夫君     松崎 公昭君
  石田幸四郎君     丸谷 佳織君
  遠藤 乙彦君     久保 哲司君
  岩浅 嘉仁君     達増 拓也君
同日
 辞任         補欠選任
  佐藤  勉君     望月 義夫君
  桧田  仁君     中野 正志君
  森  英介君     松本  純君
  島   聡君     今田 保典君
  松崎 公昭君     佐藤 敬夫君
  久保 哲司君     遠藤 乙彦君
  丸谷 佳織君     石田幸四郎君
  達増 拓也君     岩浅 嘉仁君
同日
 辞任         補欠選任
  松本  純君     栗原 裕康君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第四二号)(参議院送付)
 港湾運送事業法の一部を改正する法律案(内閣提出第四三号)(参議院送付)

    午前九時三十分開議
     ――――◇―――――
#2
○仲村委員長 これより会議を開きます。
 この際、運輸大臣から発言を求められておりますので、これを許します。二階運輸大臣。
#3
○二階国務大臣 去る五月三日に、西日本鉄道株式会社の佐賀発福岡行きの高速バスにおいて、バスジャック事件が発生いたしました。
 常軌を逸した犯人の行為により、まことに残念ながらとうとい人命が失われましたが、亡くなられた方に対し、心よりお悔やみを申し上げます。負傷された方々の一日も早い回復を、これまた心からお祈りを申し上げる次第であります。また、多数の乗客の皆さんが長時間人質として拘束されるような事態となったことは、極めて遺憾であります。
 運輸省としましては、今回の事件を十分分析し、バス業界及び関係行政機関とともに今後のバスジャック事件への対応のあり方を検討する必要があると考えています。
 このため、一昨日、日本バス協会に対し自動車交通局長より、バスジャックが発生した場合における統一的な対応マニュアルの策定や迅速な連絡通報手段の整備を中心に早急に検討を行うよう通達を発出しました。
 これを受けまして、日本バス協会においてはバスジャック対策検討会議が設置されるとともに、運輸省としても、同協会とともにバスジャック事件に対する適切な対応のあり方を検討してまいる所存であります。
 以上でございます。
     ――――◇―――――
#4
○仲村委員長 内閣提出、参議院送付、海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律案及び港湾運送事業法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 両案審査のため、本日、政府参考人として運輸省運輸政策局長羽生次郎君、自動車交通局長縄野克彦君、海上交通局長高橋朋敬君、海上技術安全局長谷野龍一郎君、港湾局長川嶋康宏君、海上保安庁長官荒井正吾君及び環境庁企画調整局長太田義武君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○仲村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
    ―――――――――――――
#6
○仲村委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。赤羽一嘉君。
#7
○赤羽委員 おはようございます。公明党の赤羽一嘉でございます。
 本日は港湾運送事業法の一部を改正する法律案外一案が議題となっておりますが、その法案の質疑に入る前に、今大臣から御報告がございました西鉄バスジャック事件につきまして、若干質問させていただきたいと思います。
 冒頭、五月三日発生いたしました今回のバスジャック事件でとうとい生命を落とされた方に対し、また御遺族の方々に対しまして、心よりお悔やみを申し上げますとともに、負傷されている皆さんに対して、一日も早い回復を私からもお祈り申し上げる次第でございます。
 さて、今お話がありましたが、今回、このバスジャック事件について、運輸省から、その対応についての検討ということで、日本バス協会会長あてのペーパーも出ているわけであります。改めて質問することでもないと思いますが、このペーパー一枚出したからといって対応が終わるというものでは多分ないと思うのです。今回のような、遠距離バスではない中で、日ごろ起こらないと思っていたようなことが起こったことに対する対応策というのは、どこまでやったらこういった事件が防げるのか、今後の対応というのは非常に難しいものだというふうに思っております。
 統一的対応マニュアルの策定をさせたからといってすべてが解決するような話ではないのではないかというふうに思いますが、この協会会長あてに出された以後の運輸省としてのフォローというか対応についてはどうお考えになられているのか、まず、どなたでも結構でございますがお答えをよろしくお願いします。
#8
○縄野政府参考人 お答え申し上げます。
 バスジャックにつきまして、とりあえずバス事業者による、特にその乗務員の対応についてのマニュアル、その見直し、整備、それから緊急にかつ迅速に警察なり運行管理センターに対する連絡の手段の点検整備、こういうことについてバス業界が検討するということを求めて、私どもとして通達を発出したわけでございます。
 私どもとしましては、現在この事件の全容については警察で取り調べ中でもございますので、その結果、それから警察を含めた、あるいは私どもも入りまして、ありとあらゆる切り口から、どのような対応が必要であるかということについて、バス業界を中心に、もちろん私どもも参加をしまして結論を出し、できることから実施をしていきたいというふうに考えておるところでございます。
#9
○赤羽委員 今後の検討になると思うのですが、その具体的な、例えば連絡通報手段の整備ということを求めた場合、今回のような西鉄を初めとする大手の事業者の場合には対応も可能だというふうに思っておりますが、中小事業者とか今後の規制緩和によって出てくる小規模なバス事業者が対応するというのは、ある意味ではかなりの制約もあるのではないかというふうに思っております。そういった大手以外の中小バス事業者に対する対策についてはどのようなお考えがあるのか、お聞かせいただきたいと思います。
#10
○縄野政府参考人 お答え申し上げます。
 一つは、今回のバスジャック事件は、報道で御承知のように我が国最大の西鉄というバス会社でございまして、連休中でありましても相当な人員体制をしきまして対応を行ったというふうに私どもとしても受け取っております。これが仮に中小の規模のバス会社であった場合に、同じような体制がとれるかどうかということについては、私どもも問題意識を持っております。
 今回、早急に検討する課題の一つとして、例えば地域のバス会社が連携をして、あるいはバス協会が役割を果たすというようなことも含めまして、そのような体制のとり方について勉強してまいりたいと思います。
 それから、連絡手段の整備も含めましたコストがかかるものについての対応でございますが、これは中小に限らず、効果とそのコストの兼ね合いを慎重に見きわめる必要があるというふうに私どもとしても考えております。
#11
○赤羽委員 大変難しい問題の対応でありますけれども、ぜひ万難を排しての対応をよろしくお願いしたいと思います。
 過日、全日空のハイジャックの事件がありました。また、ちょっと運輸省にお調べいただいたのですが、例えばタクシーの強盗についてもかなり凶悪な事件が年々ふえている、増加しているというような状況があります。かなり経済的にも不況だというような状況、もしくは、原因は余りよくつかめませんけれども、明らかに今までとは異質の、犯行をしている容疑者自身が自爆を覚悟のような、ああいう全日空のハイジャックとか今回のバスジャックとか。
 今までは、例えば国内線の飛行機では、預け荷物についてはそんなに金属探知器等々を通さないでもやってきた。しかし、前回のハイジャック事件があって、それもランダムにというか、無作為に抽出するようなこととか、それなりの対応がとられてきた。これまでの常識ではやらなくていいようなことをやらなければ未然に防げないような話になってきているのではないかというふうに思っております。
 本来的に言うと、今回のバスジャックなんかのことまで考えれば、すべてのバスの入り口に金属探知器をつけるような、そんな話じゃないと未然に防げないような、とてつもない費用、費用対効果という意味ではこれが適当であると僕は思いませんけれども、こういうように社会状況が変わっていく中で、かなり異質な事件が発生していく中で、公共交通機関を担っている部分の安全対策ということについて、今までの常識から一歩踏み込んだ発想で対応しなければ十分な対応というのはできないのではないかと大変危惧をしておるところなのでございます。
 その点について、答えは結構ですけれども、具体的にこうするああするという話は結構でありますが、今後の運輸省としての方針、考え方ということについて言及いただければというふうに思います。
#12
○縄野政府参考人 お答え申し上げます。
 一つは、確かに、今までマニュアルとして想定をしてきたバスジャックのようなものから、いわゆる過激派によるテロというようなものを中心に考えていたということも含めまして、今御指摘の今回の事件のようなことも広く想定をしたものに見直し、検討する必要があるというふうに私どもとしては考えております。
 今御指摘の点も含めて検討事項とするつもりでございますが、ただ、一点申し上げたいのは、バスは、御承知のように、低廉な価格で、どこからでも手軽に利用できるという交通手段、このようなバス輸送の特性と、それから今おっしゃられましたような金属探知器のようなチェック、これの手間と、事業者の、最終的には利用者にかかるコスト、そういうものをどのようにバランスするかということも私どもとして慎重に見きわめなければならないというふうに考えているところでございます。
 いずれにしましても、少なくとも、未然防止策も含めますが、事件が起きた場合の乗務員側の対応、会社側の対応、連絡手段、そういうものにつきまして早急に私どもとして結論を出し、徹底してまいりたいというふうに思っております。
#13
○赤羽委員 今御答弁ありましたように、未然の対応、また事故発生直後の対応ということについて、大変難しい問題であると思いますが、まさに官民挙げて、共同の問題意識でぜひお取り組みいただきたいというふうに思います。
 それでは、港湾運送事業法の一部を改正する法律案につきまして、御質問させていただきたいと思います。
 今回の法改正につきまして、相対的に日本の港湾の競争力の地位が低下している、その原因として港湾運送の高コストや船主等々に対するニーズに十分対応できない、サービスの欠如といったものが指摘されているがゆえに今回の法律改正に至ったのだ、こういう御説明を受けたわけでありますが、日本の港湾の競争力が低下してきた原因というのはいろいろあると私は思うのですね。もともとの日本の経済力の伸びと東アジア諸国全体の伸びについての違いもあるでしょうし、トランシップメントですとロケーションの問題ということももちろんあると思います。
 ですから、港湾の荷役料金が日本と他の国はどう違うのか。バースの使用料なんかも踏まえてぜひ御答弁いただきたいというのが一つ。あと、コンテナターミナルの運営時間、日曜荷役等々のぐあいが相対的地位の低下を招いたのかどうか、この辺についての御考察をいただきたいということ。あとは港湾設備、ガントリークレーンとかバースの深さとか、こういったことについての比較ではどうなのかということ。あと、港湾のEDIシステム、入港にかかる日数等々のシステム的な問題についてはどうなのか。また、これはポートチャージの中に入っているのだと思うのですが、人件費についての比較は、日本と国際的な対応はどうなのかということについて、余り細かくは答弁しにくいかもしれませんが、今言った諸点につきまして、局長の方から御答弁をいただければと思います。
#14
○高橋政府参考人 お答えいたします。
 コンテナの取扱量などにおきまして、我が国の港湾の東アジアにおける相対的地位が大きく低下してきているわけでありますが、その原因といたしまして、今先生いろいろと例を挙げて御指摘いただきましたけれども、私どもも幾つかの点を感じております。
 まず一つは、東アジアの各国における近年の高い経済成長、これを背景といたしまして、この地域で発着する輸出入の貨物量が大きく増加しているということがございます。特に雑貨などの海上輸送に適した、比較的運賃負担力の低いと申しますか、そういった輸出貨物の発生量が飛躍的に伸びたということが量的な面では大きな原因ではないか、こう思います。
 それから次に、中国などの港の整備が進んでおります。その結果、従来、これらの港から神戸など日本の港を経由いたしまして輸出入していた貨物が中国などに転移してしまうというようなことも原因としてあろうかと思います。
 そういう中で、やはり日本の港が、これらの東アジアの港と比較いたしまして、岸壁使用料だとか港湾荷役料金などの港湾諸料金が相対的に高いこと、それから、日曜荷役や港湾諸手続などサービス面において、必ずしも船会社や荷主のニーズに十分こたえてこなかったこともその原因を占めているのではないかと考えております。それから、港湾諸料金が相対的に高いことに関しましては、人件費や建設コストの相違がその要因となっているとも考えているところでございます。
 このため、まず港湾運送の分野におきましては、規制緩和を行いまして事業者間の競争を促し、船会社、荷主のニーズに応じた、料金面も含めたサービスの効率化が行われるようにするとともに、港湾整備の分野におきましても、中枢・中核港湾の整備を重点的に進めたり、港湾諸手続の情報化、EDI化を進めたりなどいたしまして、その利用コストの削減を図るなど、いわゆる総体的な取り組みを展開する必要があると思っておりまして、これによりまして、将来にわたって我が国の港が東アジアの主要港に伍して、その機能を十分に発揮していくことができるようにしたいと考えているところでございます。
#15
○赤羽委員 ポートチャージにおける人件費、主要九港においての人件費の占める割合というのはどのくらいなんですか。
#16
○高橋政府参考人 お答えいたします。
 聞き取り調査によるもののデータが今あるのでございますが、日本と東アジアの国々の人件費とを比べてみた場合、大体二倍ないし四倍というような数字がございます。
#17
○赤羽委員 そうじゃなくて、全体のコストに占める人件費の割合は何%ぐらい。
#18
○高橋政府参考人 いわゆる荷役料金の中で人件費相当分の占める割合ですが、大体六割程度というふうに思っております。
#19
○赤羽委員 そうしますと、その六割の算出の仕方というのもあると思いますが、今回規制緩和を実施する、参入自由ということで競争が始まる、荷役料金がそれぞれが安くなっていく。しかし、基本的には、人件費が六割も占めるコストの中で、人件費を安くするということは、今回の法律の中身を見ましても配慮しているわけで、そこを大胆に切り込むという発想にはないというふうに思うのですね。
 それ以外のチャージの部分についての費用軽減効果というのはどのぐらい期待されるのか。ここについて切り込むことが本当に、目的にあるような国際競争力、相対的な地位の低下を防ぐためにどのぐらいのインパクトがあるのか、どのように運輸省としては見通されているのか。
 ちょっと抽象的な質問でありますけれども、私は、規制緩和を幾ら進めても、人件費部分が六割も占めているようなコストの状況であるならば、その効果というのは限られたものになるのではないかというふうに思うのですが、その辺はどうですか。
#20
○高橋政府参考人 お答えいたします。
 人件費のシェアの問題でございますけれども、これは個々の事業者の取り扱う数量の問題とも関連してくるわけでございまして、中小の事業者が大変数が多いということからもわかりますように、どうしても人件費の比率が高くなってくるのだろうと思います。
 そこで、規制緩和を機に事業規模の拡大といったものをすることによりまして、相対的には量がふえてくる、そうすると単位当たりのコストの中に占める比率も下がってくる可能性があるということで、いろいろと工夫の余地が出てくるのではないかと思っております。
 そういったことを通じて、単に労働コストを切るという意味ではなくて、規模の拡大を通じたシェアの低下といったようなことなどが図られるのではないかというふうに考えているところでございます。
#21
○赤羽委員 今、港湾運送事業者というのは中小のところが物すごく多いわけですね。今回の規制緩和によって恐らく集約化されていく、私なんかはそういうふうになるんではないかと読んでいるのですけれども、その辺を運輸省としてはどういうふうに想定されているのか、それが一つの質問。また、集約、大型化していくことによって、労働効率というのは上がっていくというふうに考えられるのかどうか。その二点。
#22
○高橋政府参考人 お答えいたします。
 今度の規制緩和を機にいたしまして、私どもとしては、事業協同組合などの形をとりまして規模の拡大というものを図っていただくことを期待しているわけでありますが、具体的に、規制緩和が行われる港ごとに、その可能性を模索したり、あるいはモデルプランをつくったりということで、事業協同組合化を促進するための措置を講じてまいりたいと思っております。
 そういう規模の拡大を通じて、例えば波動性の吸収だとかいったことが可能となってまいる余地があるわけでございますので、相対的に労働コストの占めるシェアというものを下げていく方向に働いていくのではないかというふうに期待しているところでございます。
#23
○赤羽委員 私は、細かい質問については一応この辺にしますけれども、要するに、日本である限り、人件費というのは、東アジア諸国と比べると現状は日本の方がかかるというのはやむを得ないというか、今の状況だとそこに余り切り込むことはできないというふうに思っておりますが、それとは別に、先ほど言いました港湾のEDIシステムとか、相当改善もされていると思いますが、やはり単位時間当たりのコストの削減というか効率化を図っていくということが私は大事なのじゃないか。縦割り行政であるがゆえに通関とか入港に非常に時間がかかっているようなことが、ある意味ではコスト高を船主側の立場から見れば招いているというような状況から考えますと、その辺のことについても十分対応していかなければいけないのではないかというふうに私は思います。
 また、神戸港についても、十五メートルバースなんかもできましたし、ガントリークレーンの数等々で設備が劣っているというふうには、そこが主な原因ではないというふうに思うのです。その設備が十分稼働しているかどうかというところが問題なのではないかというふうにも思います。
 これは、かねてより言っておりますが、私は地元が神戸ということで申し上げているのではないのですが、やはり主要九港について、もうちょっと整備というか注力、今回こういう規制緩和が主要九港にまず行われるわけでありますけれども、全般的に全国の中規模以上の港湾の整備ということの発想より、私は、メーンポートを強くするということに力点を置くことが、国際競争力を高める、相対的な地位を高めるということにつながるのではないかというふうに思っておりますので、ぜひ御検討いただきたいというふうに思います。
 それで、もう一点。最後に、運賃・料金変更命令制度、こういうものがこの法律の中に入っておりますが、ダンピングと認定するのは非常に難しいのではないかというふうに思うのです。ある意味では、そういう国際競争力をつけるために規制緩和を実施する。それが、船主側から見た感覚と、立場立場によって、この価格設定がダンピングかどうかというのは、非常に客観的な物の見方ができるのかどうか。私は非常に難しい問題なのではないかというふうに思うのですが、その辺について、ダンピングだというふうにどのような根拠をもって判断をしようとするのか、お答えを願いたいと思います。
#24
○高橋政府参考人 お答えいたします。
 今回の改正法案におきまして、届け出られました料金が、不当な競争を引き起こすおそれがあるようなダンピングが行われている場合には変更命令を発することができるとされているわけでございますが、具体的には、労働コストを含むところの変動費を下回っているような場合を過度のダンピングとして料金変更命令をかけるという方向で検討していきたいと思っておりまして、その詳細については今後詰めてまいりたいと思っております。
 その料金変更命令をかけるか否かを判断するに当たりまして、まず、当然、料金の届け出を行いました事業者の方の御意見を聞きたいと思っております。さらに、事業者の方に提出を求めました原価計算書をも判断の材料にいたしたいと思います。それから、私どももふだんから経営状況についての調査もしておりますから、平均的な事業者の原価というものも把握していくことになると思います。
 そういったようなことを踏まえまして、料金設定の原価構成が合理的かどうかということを判断いたすわけでございます。それについてはケース・バイ・ケースでやはり判断していかなきゃいけないと思いますが、今申し上げた考え方をもとに、具体的なケースごとに判断してまいりたいと思っております。
#25
○赤羽委員 船主、荷主、また港湾運送事業者の関係各者ともよく相談をしながら、国益をどう確保していくかという立場に立って、私は、日本という国のロケーションとして、日本の国際競争力を高めていくということは大事だというふうに思っておりますので、国際競争力が高まるように、また同時に、難しい問題ではありますが、港湾労働者の皆さんの立場が損なわれないように、ぜひ関係各者が知恵を出し合って前向きに進めていっていただきたいということを念願しまして、質問を終了させていただきます。
 どうもありがとうございました。
#26
○仲村委員長 次に、菅義偉君。
#27
○菅(義)委員 自由民主党の菅であります。早速質問をいたします。
 私もバスジャック事件について、簡単に触れさせていただきたいと思います。
 まず最初に、亡くなられた方の御冥福をお祈り申し上げますとともに、負傷されました方の一日も早い回復を願うものであります。
 この事件、まさにバスの盲点をつかれた事件ではなかったかなというふうに思っております。そして、この事件の時間を検証してみますと、三日の十三時三十五分に事件が発生をした。そして解決までに十五時間半かかった。ただ、非常に幸いなことは、トイレを理由に女性の方がバスから出ることができて、そのことによって事件が発生をしたということがわかった。もし事件発生がわからなかったら、あのバスの中にいらっしゃる方は大変不安と脅威の状況であったと思いますね。当時もそうだったと思いますけれども。そして、取り調べによれば、犯人が乗客全員を殺害して自分も自殺をするつもりだった、そういう中でこの事件があったわけであります。
 そうしたことを考えるときに、先ほど大臣から四点のバスジャック事件についての意見表明がありましたけれども、いかに早く事件があったことを知ることができるか、バスの中に防犯灯みたいなものを設置するということが極めて重要なことであろうと思うんですね。現在、タクシーにはこれがついているということでありますけれども、タクシーは運輸省の通達でつけられているんですか。
#28
○縄野政府参考人 お答え申し上げます。
 私どもが本省から一律に全国すべてのタクシーについてつけろということを指示したものではございませんが、それぞれの地域において、運輸局の判断で推奨した結果であるというふうに考えております。
#29
○菅(義)委員 運輸省からの指示じゃないということですけれども、タクシーには現実についていて、そのことを採用しておるわけであります。バスに対して通達も出しておりますけれども、これは具体的にはどんなことを考えていらっしゃるのか、お尋ねします。
#30
○縄野政府参考人 お答え申し上げます。
 タクシーの防犯灯も、本来のタクシーであるということを表示するための灯火を防犯灯に兼用しておるわけでございます。バスには一般的にそういうものはございませんで、バスに仮にタクシーの防犯灯のようなものをつけようとしますと、どこに新たにつけるのか、例えば行き先表示、あるいは全く新たな灯火のようなものをつけるのか、その辺が、表示による効果とそれからコストとの見合いで、検討の課題であるというふうに思っております。
 タクシーと同じようなものをということではないのかなというふうに思っておりますが、検討してまいりたいと思います。
#31
○菅(義)委員 こういう事件が発生をした場合に、迅速な通報ができるように、ぜひ創意工夫をして早急に設置をしていただきたいなというふうに思います。
 本題に入らせていただきます。
 港湾運送法の改正、この提案理由説明の中にもありますけれども、日本の港は、東アジアの港と比較をして、ここ数年間著しく地位が低下をいたしております。九九年の二十フィートのコンテナ換算によれば、第一位が香港、千六百十万個、二位シンガポール、千五百九十万個。日本に至っては、東京が二百四十万個、横浜が二百十三万個、神戸が百九十九万個。まさにこの数、そしてここ数年間の伸び率を見ても、日本の港は、口の悪い評論家によれば、既に「こだま」の駅である、「のぞみ」とか「ひかり」は、香港とかシンガポールとか高雄に行ってしまう、そういうことさえ公言する人がいるほど日本の港の地位が低下をしている。
 しかし、日本は国全体が島国でありますし、食料も自給率が四〇%強、ほとんどは輸入をしている。あるいは資源もない国でありますし、この国に一億二千五百万人が住んでいますから、ある意味では港というのは国民の生活基盤であって、日本の経済基盤であることも間違いないんですね。
 私、市会議員時代に、オーストラリアから牛肉を輸入した場合、コストはどのぐらいかかるんだということを質問しました。今また改めて聞いてきたんですけれども、約一キロの牛肉を輸入するのにコストが十七円五十銭ぐらいで来るというんですね、コンテナです。これは全部入れて十七円五十銭。あるいは五万トンの船が日本の港に入港すると経済波及効果は八千八百万ほどある、こういう計算も実はしております。こういうことを考えても、やはり、日本にとって極めて重要であるということは否定することができないと思います。
 その中で、総括政務次官に、こうした日本の港の現状についてどんな認識を持っておられるのか、さらに、やはり、東アジアのこうした港と十分対抗できるように、集中的な投資を含めて、港に対してもっともっと国家として、予算も含めて重要政策として取り上げていくべきである、私はこう考えますけれども、御見解を伺います。
#32
○中馬政務次官 まさに菅委員御指摘のとおりでございまして、周りを海に囲まれた日本といたしまして、港湾の重要性は未来永劫変わらないと私は思っております。
 しかし、現実問題として、バブル崩壊後日本の経済が停滞しておった、あるいは逆に、東南アジアは後進から先進へという大きな経済の流れで、もちろん経済の発展スピードも大きいわけでございます。特に、中国などの貿易量は大変飛躍的に伸びております。地理的な関係では、日本よりも東アジア、東南アジアの方が有利性もあったかもしれません。それと同時に、日本がこうした成熟社会になりまして人件費は非常に高くなっております。一方、東アジア、東南アジアは非常に安い。そういった非常にいろいろな要素が絡み合って、今おっしゃいましたような形、東京や神戸が十三位、十七位とかいったような低い取扱量のランクになってしまっていることは御指摘のとおりでもございます。
 その原因といたしましては、先ほど言いましたようなことのほかに、バースの整備が少しおくれておったとか、あるいはそれ以外の、公共投資の方に少しウエートがかかっておったといったこともありましょう。
 それから、今回こうして皆様方にもお願いしております港湾運送の方の関係にしましても、それまでにはやはり、料金を認可制にするとか、あるいは新規参入を少し制限するといったようなことでの港湾の秩序、これに対しましてはそれなりの必要性があったかもしれません。しかし、それが逆に、現在におけるサービス面の低下だとか、あるいは効率的な荷役ができないといったようなことになっております。
 そういったことを一つ反省の上、こうして今回法改正をお願いしているようなことでもございます。
 今後のことといたしまして、港湾の重要性を我が運輸省としましても大いに認識しまして、ハード、ソフトの面からの整備を図っていきたい、このように思っているところでもございます。
#33
○菅(義)委員 いわゆる北米、欧州航路の船が、ここ十年間で日本に寄港しなくなってきている。完全に日本抜きのコンソーシアムが形成をされているんじゃないか、そういう心配さえ実はありますので、ぜひ日本の港の活性化のために運輸省として全力を尽くしていただきますことを強く要望いたします。
 今度のこの法律改正でありますけれども、需給調整が廃止をされることになります。港は、ほかの場所と違って、今まで、実はいろいろな歴史もあるわけでありますし、一時は大変混乱したときもありました。しかし、今、港それぞれに、自分の港をよくして利用しやすいものにする、お客さんに来てもらう、そういう運動が実は行われております。私の横浜市でも、関東運輸局から、横浜市、管理者です、あるいは労働組合、港湾運送協会、全部が入ってそういうものをやっています。
 もし混乱が今度の改正で生じた場合、そうした解決には地元の自主性というものを重んじていくべきじゃないかな、こう思いますけれども、これについてはいかがですか。
#34
○高橋政府参考人 お答えいたします。
 規制緩和を実施するに当たりまして、主要九港、それぞれ港の事情がおありになりまして、港ごとにいろいろな問題が生じてくると予想されるわけでありますが、この対応につきましては、それぞれの港ごとにケース・バイ・ケースで解決されるべきものも多いというふうに思っております。
 また、国としても、必要に応じまして、事業者の意見を聞きながら、問題解決に向けて、各地方運輸局において適切に対応してまいりたいと考えているところでございます。
 それで、先生今御指摘がございましたけれども、現在、主要九港のほとんどの港におきまして、港湾管理者が主体となりまして、港湾のサービス向上などを目的としまして、港運事業者、労働組合それから船会社、荷主などをメンバーとする協議会的なものが設けられております。それぞれ活発に活動いたしておりまして、具体的な施策の実施も含めて、見るべき成果が上がっているというふうに考えております。
 運輸省もこの協議会に入っておるところでございますが、この協議会の場も使わせていただき、事業者など関係者の意見を十分に聞くなどいたしまして、規制緩和の円滑な実施を図ってまいりたいと考えております。
#35
○菅(義)委員 ぜひそういう方向でお願い申し上げたいと思います。
 さらに今度、料金が、認可制から届け出制になるわけであります。港には今まで、これもさまざまな歴史が実はありまして、港湾労働対策等審議会あるいは港湾審議会の中で、いわゆる元請と下請の料金についてさまざまな検討をしてこられました。そして現在は、下払い制度、そういう中で、財団法人の近代化促進協議会、日本港運協会が、割賦率とでもいいましょうか、そういうものを含めて今内々に決めてやってきている、これが実情であると私は思っております。
 運輸省は、この下請と元請の関係について、どのように考えておられるのか。そして、現在まで歴史的に続いてきております割賦率について、今度の改正によってどのように考えられるのか、お尋ねをします。
#36
○高橋政府参考人 お答えいたします。
 港湾運送事業法という視点から申し上げますと、運賃・料金規制というのは、利用者保護それから港湾運送秩序の維持という観点から行われておりまして、運賃・料金というのは、事業者が船会社、荷主から受け取る運賃・料金を指しているというふうに考えておりまして、これは認可制から届け出制に変わっても変わらないというふうに思っております。
 したがいまして、元請事業者と下請事業者の間の下請料金、先生、今、割賦率というふうに申されましたけれども、これにつきましては、基本的には従来どおり当事者間の交渉で決まっていく性格のものと考えているところでございます。
#37
○菅(義)委員 従来どおりという話であります。それなりに今まで歴史的に来ていたわけでありますけれども、本来、実際仕事をする下請の人たちの料金の上に元請の人が管理費等を上乗せしたのが私は基本的な料金体系になるべきだと思うのですよね。そういう形でやはり届け出料金というのを決めていってほしい。
 さらに、これは参議院の質疑の中で、高橋局長は、下請料金はダンピングの対象外、こういう答弁をされておるようでありますけれども、この規制緩和が進むことによって、しわ寄せが下請事業者だけに来るのではないか、こういう心配を実は下請事業者の人たちは持っております。
 こうした下請、元請の関係について、やはり運輸省は透明な形でしっかりと監督していく必要があるのではないか、私はこう思います。これについてはいかがですか。
#38
○高橋政府参考人 お答えいたします。
 参議院の私の答弁で、少し舌足らずな点があったのかと思っております。
 今般の規制緩和で、主要九港におきます運賃・料金規制を認可制から届け出制に改めるわけでありますが、元請の事業者にとって、下請の事業者を使用した場合の下請料金というのは、事業を営む上での当然の必然的なコストということになろうかと思います。当然、このコストをカバーするように元請料金が設定されるべきものというふうに考えるわけでございます。
 港湾運送事業法で言うところの運賃・料金というのは、先ほど申し上げましたように、船会社、荷主から受け取る運賃・料金を指しているという性格のものでありまして、下請料金に直接の規制をかけるということは難しいわけであります。
 ただ、運輸省といたしましても、下請の事業者やその労働者に規制緩和の過度のしわ寄せが行くというような事態は、港湾運送の安定化の観点から避けなければいけないというふうに思っておりまして、料金変更命令制度や緊急監査制度を適切に運用いたしまして元請料金の過度のダンピングを防止することを通じまして、下請料金が確保されるように配慮してまいる所存でございます。
 なお、規制緩和ということを口実に、元請事業者が下請事業者に支払う料金をいたずらに切り下げるということがもしあるならば、必要に応じて元請事業者に対して指導も行ってまいるという考え方でございます。
#39
○菅(義)委員 届け出られた料金が適正に守られているかどうか、そういうことについて運輸省としてはどのような形で対応していくのか。
 従来ですと監査で対応されてきましたけれども、ある意味では、この監査というのは、いいかげんとは言いませんけれども、何となく厳正を欠くようなところもあったわけであります。この点についても、この法改正に伴ってどのような考え方をしておられるのか、お尋ねをします。
#40
○高橋政府参考人 お答えいたします。
 規制緩和の実施に当たりましては、労働関係など港湾運送の安定化のために、届け出料金が適正に遵守されるということが重要だというふうに思っております。
 そのために、料金につきましては、従来の定例監査に加えまして、新たに緊急監査制度を設けることにいたしております。
 緊急監査制度というのは、過度のダンピングがあった旨の申告など一定の要件があれば発動することといたしておりまして、発動基準の明確化も図りたい、こう思っております。
 それから、監査体制も強化したいと思っておりまして、これらの措置によりまして、届け出料金の遵守を担保するようにしていきたいと考えております。
#41
○菅(義)委員 法改正に伴い、緊急監査制度を設置して対応するということでありますけれども、ぜひ従来と全く違うような形できっちりとこの制度を適用していただきたいなというふうに思います。
 さらに、監査されてそういうダンピングがあった場合、従来ですと、指導が行われるのは港湾運送事業者だけでありました。これはやはり、当然、支払い者側、ユーザー側にも私は責任があると思いますから、そこにも何らかの形の指導を行うべきであると思いますし、ある意味では第三者機関のようなものを設置すべきでないか、こういう思いもあるわけですけれども、これについてはどうですか。
#42
○高橋政府参考人 お答えいたします。
 料金のダンピング防止のために今回新たに設けました緊急監査制度を運用していくに当たりまして、船会社、荷主がダンピングを強要していることが原因であると考えられる場合には、事業者だけではなく、船会社、荷主に対しても再発防止の要請を行っていくことにいたしたいと考えておりまして、その後も繰り返しダンピングを強要していたことが明白な場合にはその事実の公表を行うということも検討していきたいと思っております。
 今回の規制緩和を機に、新たにそういったような措置を船会社、荷主に対しても講じることにしておりまして、これによりまして、過度のダンピング防止策の実効性がより確保されるようにしていきたいと思っております。
#43
○菅(義)委員 ぜひ厳正な運用を強く望むものであります。この法律改正によって、外から見てわかりやすい効率的な料金体系、そしてまた労働の集約が進んで、非常に港の効率が上がるような、そういうものを私は期待いたしております。
 二点ほど、地元の関係について質問をしたいと思います。
 先ほど、日本の港が東アジアの港と比べてここ数年間地盤沈下が著しいと。それはさまざまな理由があって、今の港湾運送法改正もその一つでありますけれども、やはり大型船化に日本が立ちおくれてきました。大水深バースの建設が東アジアの港と比べて非常におくれてしまった。あるいは、縦割り行政の中で、手続が余りにも煩雑過ぎるし、時間がかかり過ぎる。あるいは、料金が高い、二十四時間三百六十五日、日本はオープンしていない。そういう中で、日本からどんどんと東アジアの方に北米航路や欧州航路の船が行き始めてしまっている。
 今、世界の船の潮流はさらに大型化されてきています。通常ですと八万トンクラス、もっと大きなものさえ実は建造をされているということも明らかでありますし、東アジアにおきましては、既に十六メートルから十七メートルの水深バースを建設しておるところもあります。日本でもやはりこうした大型船化に対応するために十六メートルのバースの建設というものも私は実行に移していくべきだろう、こう考えておるものであります。
 現在、横浜市の南本牧というところで、大水深バース、十五メートルの建設をしておりますけれども、これは埋めるわけですから、ある意味では、十六メートルにしてもそんなに料金はかからない。そういうところについては積極的に十六メートルの大水深バースというものを私は建設をしていくべきじゃないか、整備をしていくべきじゃないか、こう考えますけれども、これについてはいかがですか。
#44
○川嶋政府参考人 先生御指摘のとおり、国際航路に就航しておりますコンテナ船につきましては、大型化が進んできておるところでございまして、特に最近では、御指摘のように、二十フィートのコンテナで六千個以上積みますような、そして岸壁水深につきましても十六メーター以上の水深を必要とする超大型のコンテナ船が出現してきているところでございます。また、船社の建造計画を見ましても、このような超大型船の隻数が今後さらにふえていくだろうというふうに見込まれております。また、欧州の港湾あるいはアジア、アメリカの港湾においても、水深十六メーターのバースについて整備が進められているというところでございます。
 そういった関係で、我が国の港湾におきましても、例えば横浜港におきましては、水深十五メートルから十六メートルという形でコンテナバースの港湾計画をさせていただいているところでございます。超大型船の建造状況でありますとか、あるいは海外等の港湾の整備状況を見きわめながら、我が国の港湾の競争力を確保するという観点からも、そういうおくれがないように適切に対応していきたいというふうに考えております。
#45
○菅(義)委員 今六千個と言いましたが、もう一万個のコンテナ船なんかも計画されているようですね。そんな時代でありますから、ぜひ十六メートルの大水深バースの建設を望むものであります。
 強制水先でありますけれども、これもやはり世界と比べて料金が高過ぎる。横浜港というのは今三千トン以上から強制水先案内人が必要であります。東京は実は一万トンです。神戸も一万トンであります。そういう中で、私はこの制度について実はかなり不満を持っておる者の一人であります。しかし、現実としては、一昨年でありますか、審議会の中で、横浜を三百トンから三千トンまで緩和をされました。そして、十七年までに再度一万トンまでの緩和について検討していく、そういうことになっておりますけれども、現在どのような状況に、そしてこれからどんな形で取り組んでいくのかお尋ねをしたいと思います。
#46
○谷野政府参考人 お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、強制水先制度は、船舶交通の安全の確保と船舶の運航能率の増進を目的に設けられているものでございます。
 横浜港の強制水先の範囲につきましては、海上安全船員教育審議会の答申を踏まえまして、安全規制の合理化等の観点から、昨年の七月に、危険物積載船を除きまして、総トン数三百トン以上から総トン数三千トン以上に緩和をいたしたところでございます。そして、これも御指摘がございましたが、総トン数一万トン以上への緩和につきましては、同審議会の答申においても、現港湾計画の最終年次でございます平成十七年までに再度一万トン以上への緩和について検討することが適当であるとされております。
 この横浜の強制水先問題につきましては、常々先生から御指導いただいております。また本日も御指摘を受けたわけでありますが、その趣旨は十分認識していることを申し上げた上で、今後答申の提言に沿いまして、平成十三年に一部供用開始と承っております南本牧地区の港湾整備の進捗状況や、あるいは船舶交通の変化の状況等を十分踏まえながら適切な機会に検討を進めてまいりたい、こういうふうに考えております。
#47
○菅(義)委員 ぜひよろしくお願い申し上げます。
 さらに、この水先人の待遇や制度のあり方、私はこれも非常に問題があると思っております、これも法律で決まっているようでありますけれども。平均年収が二千万円を超えている。漏れ聞くところによれば、一番多い人はその倍以上の人もいるという話さえ実はあるわけであります。そして、船長を退職された方がなっていますから、どうしても平均年齢も六十二・七歳、非常に高いわけであります。こうしたことについても、私は、日本の港を、世界の競争に勝つために、太刀打ちができるようにするためにも、この制度というものを見直しするべきじゃないか、こう考えますけれども、これについてはいかがですか。
#48
○谷野政府参考人 お答えを申し上げます。
 御指摘の水先人の待遇やあるいは制度のあり方につきましては、水先人の資格制度のあり方に係る課題と私ども認識をいたしております。これにつきましても、現在、海上安全船員教育審議会において、水先人の免許要件でありますとか、あるいは資格制度のあり方に関しまして幅広く検討を進めているところでございます。
 今後とも、御指摘の点を念頭に置きながら、利用者を含め関係者の方々にわかりやすく、そして正しい理解をもって容認していただける制度のあり方について検討を進めてまいりたい、こういうふうに考えております。
#49
○菅(義)委員 最後に、大臣がお戻りになりましたから大臣に、私は、今大臣がいらっしゃらない間に、日本の港がいかに東アジアの港と比較して地盤沈下をしてきているか、港というのは生活の基盤であって我が国の経済基盤である、運輸省を挙げて積極的な日本の港湾整備に努めてほしい、そういう発言をずっとしたわけですけれども、大臣のお考えを伺って終わりたいと思います。
#50
○二階国務大臣 菅議員は、港の問題につきまして大変御専門でございますが、私も、かねて出張先でシンガポールの港の開発の状況等を見るにつけまして、これでは我が国は太刀打ちできないのではないかというふうな不安に駆られたことがございます。
 今、御承知のとおり、我が国では横浜、神戸等を中心に、ある程度の港湾の整備が進められておりますが、やはり東アジア各地域の、各国の港湾に対する意気込みからいたしますと、はるかにおくれているのではないかという危惧をいまだに抱いております。
 我が国の貿易の九九%以上を担うこの港を今後、国際的な水準にかなう、そして先進国らしい港としての役割を果たすことができるような、そういう内外の期待にこたえ得るような港湾開発につきまして、運輸省として懸命に取り組んでまいりたいと考えております。
#51
○菅(義)委員 どうもありがとうございます。以上で終わります。
#52
○仲村委員長 次に、永井英慈君。
#53
○永井委員 おはようございます。民主党の永井英慈でございます。
 先ほど二階大臣もお触れになりました、去る五月三日に、西日本鉄道株式会社のバスがバスジャックされまして犠牲者が出ました。犠牲者に対し心から御冥福をお祈りすると同時に、けがをされた皆さんにもお見舞い申し上げ、一日も早い回復を祈る次第でございます。今後、運輸省におかれましては、こういう悲惨な残酷な事件が起きないように万全の体制をとっていただきますように、まずお願いを申し上げる次第であります。
 そこで、議題になっております海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。これは大変専門的な法案でございまして、正直言って悪戦苦闘しました。でも、大事なことでございますので、まず若干の質問をさせていただきたいと思います。
 この法律案は、既に御案内のとおり、参議院において全会一致で可決され、本日当委員会で審議されているわけであります。したがって、私の質問も、どちらかというと質問というよりは事実の確認をさせていただくような形になってしまうのかな、こんな思いがしております。
 そこで、二階運輸大臣、運輸行政のトップにおられる方でございますので、ちょっと議題と外れるんですけれども、所見を伺えればと思っております。
 それは、私は、ちょうどことし節目がよく、政治の世界に入りまして二十五年たちました。二十五年たった中で、一番印象深いというか思い出深い年が一九八九年なんです。一九八九年、これは平成でいえば元年、昭和でいえば六十四年ということになるんですが、物すごいこだわりと思い出があるんです。二階大臣、この年にどんな思いを持っておられるか、ちょっとお伺いをしたいと思います。恐縮でございます。
#54
○二階国務大臣 まず、冒頭にお述べになりました西鉄のバスジャックの問題でございます。このことについて一言申し上げておきたいと思います。
 実は、あの事件が発生以来逮捕に至るまでの間、ずっとテレビ等で状況が流されておりましたので、ほとんどの国民の皆さんはあの事件にくぎづけになっておられたと思います。
 私も、事態容易ならざることを認識いたしまして運輸省に出向きまして、ほどなく事務次官、官房長、自動車交通局の幹部相そろいまして、いろいろ協議をすると同時に、私たちは、とりあえず九州運輸局の局長と連絡をとり、最初の対応に入ったわけでありますが、舞台は九州運輸局を超えてまいりまして、次々といろいろな県を渡ってきたわけでございます。
 森総理海外出張中でもございますので、当然青木内閣官房長官が臨時代理でございまして、青木臨時代理ともいろいろ打ち合わせをさせていただくなど対応をいたしてまいりましたが、死亡者を出してしまったということは、返す返すも残念であると同時に、バス事業等を監督する立場にある運輸省の、私の立場からも、まことに申しわけないという思いでございます。
 月曜日の日に早速西鉄の社長を招きましていろいろ事情を伺うと同時に、お互いになし得ること、いろいろ思いがあるだろうが、できることから順番に再発防止に向けての努力をしようではないかということで、例えば、タクシー等にはああいう事件が起こった場合に危険を知らせるスイッチが準備されておるわけでありますが、バスには残念ながらそれがなされていない。このことをなすのに、これは私、素人でございますが、一台に一万円もあったらできるんではないか、それぐらいのことをやったらどうだということを西鉄にも申し上げたんです。同時に、全国のバス業界の皆さんに呼びかけまして、西鉄、日本バス協会、運輸省一体となって、また他の関係の省庁の協力も得ながら、再発防止に向けて万全の体制をとってまいりたいと思っております。
 しかし、この事件は多くの教訓、多くの問題を私たち国民に投げかけたと思います。一つは少年法の問題であります。同時に、精神病院に入院されている方をみだりにうちへ帰す、その間の責任は一体どうするのかということに対しましても、全く無防備な状態の中でそういうことが行われておった。
 数々あります。永井委員のお時間もございますのでこれ以上申し上げませんが、私どもは、当委員会の委員の皆様のいろいろな御指導もちょうだいしながら、こういうことが再び起こることのないようにできるだけのことをこの際考えてまいりたいと思っておりますので、御協力のほどをまず最初にお願い申し上げておきたいと思います。
 ただいまの御質問でございますが、先ほど廊下でちょっとヒントのようなお話を伺ったんですが、なかなか内容に立ち至っていただけませんでしたので、今お時間をちょうだいして、委員長のお許しを得て、私は、参議院で交通バリアフリーの法案の議決がございましたので行ってまいりましたが、ひな壇の上で私はそればかり考えておりました、永井委員は何をおっしゃるんだろうかなと。
 国際的な感覚からいうと、アメリカのブッシュ大統領が一月二十日に就任された、そんなことも思いにあるだろうか。また、昭和天皇の大喪の礼がこれまた二月二十四日でございます。それから、六月の四日には中国の天安門の事件が発生しております。八月の十日には海部内閣が誕生しました。十一月の十九日にはベルリンの壁が崩壊しました。そういう政治、経済、社会の大きな動きがあるわけでございます。
 ちょうど運輸省も五十年になりますので、運輸省としまして、先般五十年史というものを編さんいたしました。その中から主なるものを考えてみますと、盛んに当委員会でも御議論をいただいてまいりましたテクノスーパーライナーの研究を開始したのがこの年でございます。また、今噴火が問題になっておりますが、阿蘇山の噴火もございました。そしてまた、超電導磁気浮上式鉄道検討委員会におきまして例のリニア新実験線の建設適地に山梨県を選定したのもこの年でございます。
 今、大体その程度でよかろうという合図がありましたので、これで一応答弁とさせていただきますが、どうぞまた引き続きいろいろ御議論をいただきたいと思います。
#55
○永井委員 大臣から御懇篤な御説明やら御発言をいただいたわけでございまして、大体そのような事件やら事故がいろいろ次から次へと一九八九年は起きました。
 ふと考えてみますと、ちょうどことし十年たっているわけですね。この十年をある人は、あるいは無責任にと言っていいか、失われた十年なんというようなことを言う人もおります。しかし、この一九八九年を境にして物すごい変化が起きております。今日の危機的な状況あるいは変化の引き金を引いた年が一九八九年かな、私はそんな思いでこだわりを持っておるわけでございます。
 その激動、激変の中で、とりわけハイテクの進展が目覚ましいですね。インターネット元年が一九九五年という話を聞きましたから、まだ五年です。五年で社会にこれだけのインパクトを与え、変化を与えている。大変なことです。
 また、バイオテクノロジー、これも私たちの知らないところで社会に、私たちの生活や仕事に大きな変化をもたらしているのではないかな、そんな感じもいたしております。
 さらに、金融、経済中心、あるいは人事、文化等も含めて、とめどもない国際化の進化というか進展、これもまたすごいですね。先ほど大臣が触れましたように、一九八九年、東西の冷戦が終わった直後からえらい勢いで世界規模の交流というか国際化、グローバリゼーションが起きておるわけです。
 もう一つは、我が国にとって特に特徴的なことは、超少子高齢化社会ですね。これも日本の経済や社会にすごいインパクトを与えております。
 そこで、最後にもう一点私が気になることは、地球環境の悪化であります。私たちの日常生活や仕事の中では意識しない、意識の外で地球環境が物すごい勢いで悪化をしているというか破壊をされている、そんな思いを私は非常に強くしているんです。でも、きょう、ちょうどこの海洋汚染、環境問題でございますので環境庁の局長さんにも来ていただいたんですが、どうも環境庁が国民や世界に対して地球環境の危険、危機、こういったものを強く発信していない、国民にぴんぴんはね返ってこない、私はそういう思いを強くしているんです。
 ですから、この海洋汚染に関連して、地球環境の破壊あるいは悪化に対してどういう認識を持っているか、どういうサインあるいは発信を国民にしているか。あるいは、世界各国に対して、とりわけ後進国、これからも化石燃料をどんどん使ってくるような時代がやってこようと思うんです、その速さは私たちの想像を超える速さだと思うんです、そういう視点からして、環境庁はどう国民や世界に対してアピールしているか。同時に、環境庁自身がどういうビヘービアを世界に向けてとっているか。
 そのことについてぜひこの際お聞きしておきたいと思って、あえておいでをいただいた次第であります。どうぞよろしくお願いします。
#56
○太田政府参考人 お答えいたします。
 ただいま先生お話がございましたように、現在地球環境問題、我々は十ぐらい大きな問題があると思いますが、その中でも地球温暖化問題、これが言うなればより時間的というか将来世代にも大きな影響を及ぼすし、あるいは空間的な広がりを持っている、あるいは原因がより根源的であるという点で、地球温暖化、オゾン層、酸性雨、いろいろありますが、地球温暖化の問題が一つの大変大きな問題であろうというふうに思っております。
 それで、これに対して、私どもは、いわゆる現在の世代だけじゃなくて、将来の世代も同じようにこの環境を享受するということが大原則だと思いますので、従来のような形の大量生産、大量消費あるいは大量廃棄という社会構造システムを、最適な規模の生産、消費あるいは最少の廃棄というような形の構造のシステムに持っていきまして、それで言うなれば持続可能な社会を築いていくことが大事である、こういうふうに認識しております。
 それで、私どもは、こういう問題を解決するには、いろいろな国際的、国内的対応もありますが、もう一つ大事なのは、国民一人一人のライフスタイルといいますか、いわゆる足元から改革ということを実行していくことも、一つの大きなインパクトといいますか力になるのであろうということを考えておりまして、例えば温暖化に関しましては、国民の方々に、四つのチャレンジということで、例えば一日一万歩にチャレンジするとか、アイドリングストップということにチャレンジするとか、環境家計簿というのにチャレンジするとか、あるいは、エコオフィスといいますか、オフィスの中でエコ製品を使う、そういうようなチャレンジをやっていきましょうというようなことを呼びかけております。
 より基本的には、私は、環境教育あるいは環境学習というような小さいときからの教育も大事だと思いますので、環境庁といたしましては、例えばこどもエコクラブというものがございますけれども、文部省とも連携した形のいろいろな対応を考えて、環境学習あるいは環境教育というものに力を入れていきたいというふうに思っています。
 それから、先生お話しの、発展途上国に対してどういう対応をするかということですけれども、COP6が今度オランダで十一月にございます、こういうものに向けましていろいろなリーダーシップをとっていかなきゃいかぬということで、一つは、発展途上国、アジアに関しましては、環境庁が中心になりましてエコ・アジアという組織をつくってございまして、そこでいろいろな我が国の経験等をそちらの皆さんの方に支援するというような形の場を設けております。
 そのほかにもいろいろな、東アジア関係の会議とか、あるいは日本、中国、韓国の大臣の会合とか、そういう形で、できるだけ日本の経験を各国にもお伝えしようというような形でやっております。
 それから、世界全体に対しては、先ほど申し上げました十一月の温暖化に関するCOP6というのがございますので、こういうのがぜひとも成功して、二〇〇二年に、京都議定書というのがございますけれども、これが発効できますように、いろいろな場面で、たくさんの会議がございますが、環境庁からもみんな出てきまして、積極的なリーダーシップを発揮して、その成功に導くように、今大臣以下みんな一生懸命になって努力しておるということでございます。
 以上でございます。
#57
○永井委員 環境委員会ではございませんので、この辺にさせていただきますが、しかと承りました。
 しかし、どうもいま一つインパクトが弱いというか、国民的な関心事に昇華していない、そういう感じは否めないのですね。ですから、環境庁は率先して、環境を守る、温暖化を防止するさまざまな手だてを、環境庁自身がひとつ先導的な役割を果たしていただきますように心から御期待を申し上げておきたいと思います。
 さて、時間が大分過ぎてしまいまして、本題のこの法案でございます。
 この法律は、油や化学物質の海洋への投棄などによる海洋環境の破壊を未然に防止するとともに、事故が発生したときにはその処理を的確に行うことにより、地球環境を保全しようとすることを目的としてつくられたのであります。いわゆるMARPOL条約を国内法にしたものでありますが、その内容は、先ほども申し上げましたように極めて技術的な事柄が多く、私ども素人の理解を超える難しい問題でございますが、法律そのものは非常に重要であり、意義深いものであると思いますので、どうかわかりやすく御説明をいただければと思っております。
 そこで、私が申し上げるまでもなく、海洋は人類が共有する貴重な財産であって、魚をとって生活をするだけでなくして、御承知のように、海洋にあるさまざまな資源をいかに次の世代、後世が利用していくかという、資源の宝庫とも言われているのが海洋だと私は考えております。
 そこで、海洋は、有名な言葉に、林子平の「海国兵談」、御承知だと思うのですが、江戸日本橋よりオランダまでも境目なき水路である、国境を隔てることなくつながっており、船舶も世界じゅうを動き回っております。したがって、海洋汚染の防止は、世界各国が協調して取り組むことによってのみ初めて効果が期待できるわけでございます。
 早くから我が国は、有数の海運先進国としての役割を果たすべく、IMO、国際海事機関等で国際的に貢献してきていると承知をしております。そこで、このMARPOL条約がその中心的な役割を果たしていると思うのでありますが、この条約のほかに、現在、我が国が締結している海洋環境保全にかかわる国際条約にはどのようなものがあるか、ぜひわかりやすく御説明をお願いしたいと思います。
#58
○羽生政府参考人 お答えいたします。
 先生御指摘のとおり、海洋の汚染の防止というのは一国でできるものではなくて、世界で協力してやらなければならないものでございます。そういった意味から、我が国も率先して、海洋汚染の防止のために御指摘のIMO等において積極的な活動をしているところでございます。
 御質問のございました、MARPOL条約以外の条約でございますが、主に二つあると考えております。
 一つは、陸上から発生した廃棄物を海洋に投げ捨てる、これについての規制をしたロンドン・ダンピング条約という条約がございます。これは、一九七二年にストックホルムで開かれた国連人間環境会議の決議に基づいてIMOでつくられた条約でございまして、一九七五年に発効して、八〇年に我が国が締約国になって、現在、締約国数は七十八と考えております。
 この条約というのは、陸上で発生した廃棄物を海洋に投棄する際、ある一定の物質は禁止をする、その他の物質については一定の条件をつける、それから、投棄するときにはこういうことを考えなさいという指示をする、この三点から成っております。
 禁止物質としては、例えば水銀とか高レベルの放射性廃棄物、こういったものは禁止いたします。それから、特別に許可をするけれども条件がある、こういったものについては、例えば銅とか鉛とか巨大な廃棄物等がございます。
 そういった、陸上廃棄物によります海洋の汚染を避けるために設けられた条約でございます。
 それからもう一つは、OPRC条約というのがございまして、これは、先生図らずも御指摘になったように、一九八九年に非常に大きな海洋汚染事故がアラスカでございました。エクソン・バルディーズ号というタンカーがアラスカ湾で大きな事故を起こしまして、その結果海洋の生態に影響を与えるような大きな事故でございました。これが先進国首脳会議、いわゆるサミットで取り上げられて、第十五回のサミットで海洋環境を守るための決議が行われ、この決議をもとに、またIMOで条約化されたものでございます。
 この内容は、海洋汚染が生じた際、油によって汚染が生じた場合、これに対する準備、対応それから各国の国際協力を定めた条約でございます。国際協力体制の整備を図るこの条約は一九九〇年に採択されまして、九五年に発効し、我が国も九五年から締約国となっております。
 それから、今回の御審議にも関係するわけでございますが、このOPRC条約は油を対象としておりますけれども、最近、油以外の液体有毒物質の流出事故に対応するための、このOPRC条約の兄弟分といいますか、HNS議定書というのがだんだん採択の運びになりつつある、このように聞いております。
#59
○永井委員 そこで、MARPOL条約は、船舶からの油、有害液体物質など廃棄物の排出等について規制しておるものでありまして、海洋の汚染を防止することを目的にしておりますが、この条約はどのようなことを契機として採択されるに至ったものか、その採択に至る経緯について、その背景について御説明をいただきたいと思います。
 また、今回この法律案が国会に提出されることになった背景であるMARPOL条約附属書II、いわゆるばら積みの有害液体物質による汚染の防止のための規則が昨年改正されておりますが、これもどのような経緯で改正に至ったものか、御説明をいただきたいと思います。
#60
○羽生政府参考人 お答えいたします。
 海洋汚染の問題につきましては、まず、一九六〇年代以降、特に油の問題が中心でございました。六〇年代以降、エネルギー革命等によりまして急速にタンカーが大型化しまして、その結果、そのタンカーの中に空荷のときに積んでいくバラスト水の排出であるとか、そういった問題が出てまいりまして、大型化に伴う原油等による海洋汚染がまず中心でございました。
 それで、当初の段階、一九六〇年代後半は、これに対していかに補償をするか、お金を払うかというのが中心でございましたが、七〇年代になりますと、汚染をさせない、汚染に対する補償ではなくて、いかに規制をするかというのが世界的な傾向になりまして、そのいかに規制をするかという観点から採択されたのが海洋汚染防止条約でございます。
 その際に、先見の明といいますか、単に油だけではなくて、ほかにも汚染物質はあるはずだと。一つは有害化学物質、もう一つはごみの類、それからもう一つは生活排水、トイレ等の類、こういったものについてもそれぞれ規制をしなければならないということで、当初は、たしか四つから成る議定書、それからふえたのだと思いますが、出ております。それがMARPOL条約が制定される経緯でございまして、この条約自体は七三年に採択されております。
 それで、先生の二番目の御質問でございまして、どういう経緯でこの附属書IIを改正し、今回の法律の改正とどう関係があるかという点でございます。
 先ほどもちょっと触れましたが、有害液体物質の汚染対策というのは、MARPOL条約の附属書IIで、ばら積みの有害液体物質に関する規制というのがございます。この附属書は、実は一九八七年に既に発効しておりまして、世界の多くの国、百六カ国が締約国となっております。
 ただ、ばら積みの有害物質に対する規制の場合は油よりは若干弱くなっておりまして、油の場合ですと、汚染が開始されたら直ちに初動操作にかかるときにこういうマニュアルでやらなければいけないというマニュアルを船舶につけることが義務づけられておりました。ところが、このばら積みの有害物質に対する汚染のための規則については、まだ船舶にそういったマニュアルをつけるというところまではいっておりませんでした。
 ところが、先ほど申し上げましたように、一九八九年のアラスカの事故を契機に、OPRC条約という国際協力の条約ができまして、さらに、その議定書で、油だけではなくて化学物質も取り締まろうという空気が出てきた。その結果、IMOの締約国の中にも、油と比べて有害液体物質の規制が弱いというのは問題かもしれないということで、油について義務づけられているのと同様なマニュアル、一たん液体物質が汚染を引き起こした場合、その初動対策についてのマニュアルをMARPOL条約の附属書と同様船舶についても義務づける必要があるということから、IMOにおいて附属書IIの改正が審議されて、九九年の七月に採択されまして、現在、二〇〇一年、来年一月には発効する見込みとなっております。
 そういった現下の情勢を踏まえまして、今回、この海洋汚染防止法を改正してMARPOL条約附属書IIの改正に合わせる、こういう内容の改正案の御審議をお願いしているところでございます。
#61
○永井委員 大変専門的なことで理解の難しいところでございますが、有害液体物質は、油以外の液体物質のうち、海洋環境の保全の見地から有害である物質として、政令で、クレゾール等のA類物質から塩酸等のD類物質まで、実に五百六十三の物質が定められておるというのです。よくこの内容はわかりません。
 これらの物質は、どのような基準によりAからDまでに分類されているのか。また、我が国周辺海域で海上輸送されている有害液体物質にはどのようなものがあり、どれだけの量が運ばれているのか、お示しをいただきたい。そのうち、これは海域を分けるのは大変難しいと思うのですが、東京湾あるいは日本の近海全域、あるいは私の地元の川崎港、こういうところでこういった物質がどのくらい運送されているのか、把握していたらひとつお教えいただきたいと思います。
#62
○谷野政府参考人 お答え申し上げます。
 まず最初に、先生から御指摘のありました、A類からD類まで分かれております有害液体物質の、いわゆる海洋環境に与える悪さかげんをどういう基準で考えているのかということでありますが、これは、国際的な場において海洋環境あるいは海洋生物等についての識者を集めていただきまして、その中で、それぞれの物質のいわゆる生物蓄積性をベースにして、その毒性といいますか有害性というものを決めている。つまり、生き物の中にそれを取り込んでたまっていったときに、どれだけその生き物の本来の生き方に対して悪い影響を与えるか、そのレベルによってAからDまで決めている、こういうことでございます。
 それから、第二点目の輸送実績でございますが、全国内航タンカー組合の調査によりますと、我が国における有害液体物質の年間輸送量は、約一千六百七十万トンでございます。
 ベストスリーぐらいをちょっと申し上げますと、キシレンというのが一番多く運ばれておりまして、これは染料とか塗料、医薬品の材料になるものでございます。それから、ベストツーがベンゼンでございまして、これはやはり染料とか合成ゴムとか合成樹脂の材料になるもの。それから、ベストスリーがスチレンというもので、やはり合成樹脂とかポリエステル樹脂の材料になるもの、こんなものが輸送量としては多いものでございます。
 それから、その千六百七十万トンのうち、東京湾を航行する量というのは、大体全体の三分の一の五百八十万トンぐらいでございます。
 それから、先生の御指摘の川崎港、一生懸命調べたのでありますが、同じ統計ベースではございません。ただ、港湾統計で、ちょっとケミカルの対象範囲も広くなりますが、積みおろし量ベースで見ますと年間四百九十万トン積みおろしていまして、これは日本でも多い方の一つの港になっております。
#63
○永井委員 ありがとうございました。大変難しい。
 そこで、我が国の周辺海域では、今御説明いただきましたように、キシレンとかベンゼンとかスチレンとか、極めて多種の有害液体物質が海上輸送されているということでありますが、有害液体物質は、その種類も多く、性状とか取り扱いも多岐にわたっていることから、これらの物質の流出事故が発生した場合には、それぞれの物質に応じた適切な防除措置が講ぜられる必要があろうかと思うのです。種類によっていろいろな対応をしていかなければならぬじゃないかと私、素人は考えているのです。
 まず、我が国における有害液体物質による事故件数、これは統計がありましたら、多分あると思うのですが、お示しをいただきたい。また、世界的に見るとどのくらい発生しているのか、これも参考までにお教えいただければありがたいと思います。
 次に、有害液体物質の流出事故が起きたときにはどのような処理を行っているのか。例えば、平成四年に瀬戸内海の釣島水道で、ケミカルタンカー・マスダイク号の乗り上げ事故により、約二百六十キロリットルのスチレンモノマーが流出したという事故がございましたが、これについてはどんな対応をされたのか。まだ最近のことでございますので、お教えをいただきたい。
 それから、また地元のことになって恐縮なんですが、例えば川崎港において有害液体物質流出事故が発生したような場合、地元自治体とはどういう取り組みの体制が話し合われているか、除去体制や防除の方法などについておわかりの範囲で御説明をいただきたいと思います。
#64
○荒井政府参考人 有害液体物質の過去の事故件数、あるいは防除体制その他の御質問にお答え申し上げます。
 有害液体物質の過去の事故例でございますが、日本近海におきましては、過去十八年に十一件の流出事故が発生しております。最近の事故は平成五年九月でございます。大阪港外で発生したものでございますが、その後の流出事故はございません。
 世界の統計でございますが、現在世界的な統計はございませんが、今後調査を進めて、入手、あるいは統計の勉強をしたいと思っておりますが、現在手元にございません。
 それで、事故発生時の防除処理でございますが、先ほどからの御議論のように種類が大変多岐的でございますが、その有害液体物質の有害性の強弱、あるいは性質、例えば引火性があるかどうかなどに応じまして処理方法が異なってくるわけでございます。大半の有害液体物質につきましては、揮発性、溶解性が高いと言われておりますので、海に流出した場合には、必要に応じて、付近の航行船舶に被害が及ばないような警戒をするということが海上保安庁の役目の一つでございます。
 また、そのような性格でございますと、現在までの流出事故から見ますと、被害を拡大しないで自然拡散を図るというのが最も効果的である場合が多い状況でございます。
 それから、過去の例で、愛媛県沖の釣島水道で発生した事故の処理の状況を簡単に御説明申し上げます。
 平成四年五月二日午後八時に発生いたしました流出事故でございますが、海上保安庁におきましては、巡視船艇六隻、航空機一機を出動させました。スチレンモノマーでございましたが、水面に浮遊いたしまして、揮発性、引火性を有する有害液体物質でございましたことから、出動船艇によりましてガス検知を行いまして、付近航行船舶が近づかないような警戒を実施いたしました。また、沿岸市町村、漁協等へ情報提供を行って、警戒していただきました。それから、流出したスチレンモノマーの自然拡散を図るということを基本に除去いたしました。その結果、翌三日の午前七時ごろには、ガス検知反応及びスチレンモノマーの臭気は消滅したという事例でございます。
 なお、最後になりますが、川崎港で同種の事故が発生した場合でございますが、基本的には過去の事例に応じた防除体制をするわけでございますが、沿岸に近いわけでございますので、防除処理に当たりましては、関係自治体及び関係機関等の連携を密にして、迅速かつ効果的に作業を実施するということを注意しておるところでございます。
 以上でございます。
#65
○永井委員 質問時間が終了しましたという紙が回ってきたんですが、一言お聞きしたいんです。
 今までに、この有害物質の流出事故によって甚大な事件、事故が世界で起きた典型的な例があったら教えていただきたいというのが一つ。それから、流出して被害が出ている、しかし、被害は大体どのケースも小さいというようなことを聞いておりますが、問題は船員さんですね。船員さんの健康をそういったときにどう守るか、これも大事な仕事だと思うんです。
 その二点について御説明をいただいて、私の質問を終わりとさせていただきます。
#66
○荒井政府参考人 過去の事故発生被害の経験からいたしますと、幸いにいたしまして、油流出に見られますような大規模な被害、数百億にわたるような被害の発生の事例は現在までのところございません。したがいまして、海洋の汚染は、幸いというべきか、そういう経緯でございます。
 なお、二つ目の御質問の船員の健康、船上での健康というのは大変重要でございます。船上のことでございますが、そういう有害物質から隔離するとか触れないようにするとか、基本的な動作が船員さんの注意事項としてあるものと思っております。
#67
○永井委員 以上で終わります。ありがとうございました。
#68
○仲村委員長 次に、奥田建君。
#69
○奥田(建)委員 民主党の奥田建でございます。
 永井議員に続きまして、今度私の方、そしてその次に高木議員の方から、港湾運送事業法の一部改正に関する法律案について質問をさせていただきたいと思います。
 過去の資料を見せていただきましても、この港湾運送事業法は、港湾の荷役に関する安定、そして効率化、そのはざまでの法改正が行われていたと思います。最近のものとしては、運輸政策審議会の昨年六月の答申を中心に今回の改正案がまとめられているということになりますけれども、欧米やアジア主要港のコンテナターミナルの荷役作業というものは、大手の一社あるいは二社といった大規模な組織体で運営されている、日本の今の業界というものは小さな荷役作業体制であって是正しなければならない、この構造改革ができてこそグローバルスタンダードが可能だという答申を受けての運輸省の見解がございます。
 今回の法改正でも、労働者の最低保有基準の引き上げあるいは事業協同組合化の推進といったことによって事業の拡大を図りたいという方向性は見えますけれども、他国と比べまして、運送事業自体をターミナルオペレーターのような規模の事業者にまで育てるといったところまではまだ踏み込んでいないのではないかというふうに感じられる次第でございます。
 運輸省として、ターミナルオペレーターに育てるまでの大きな事業者の育成といったこと、それを政府の方針として明確に持っているのかという点、そして、このような大きな事業者を養成するという視点があるのであれば、今回の参入の規制緩和というだけでなく、大きな事業者育成のための支援策といったものも必要ではないかといった二点につきまして大臣の答弁を求めたいと思います。
#70
○二階国務大臣 今回の規制緩和の実施とあわせまして、事業者の集約、協業化を進めて波動性を吸収したり効率的な就労体制の導入を図って、日曜荷役等に柔軟に対応できる体制づくりを行うことも必要だというふうに考えております。
 このためには事業規模の拡大を図ることが必要でありますが、一気に大規模な合併を進めることには難しい面もあると考えられますので、まず、事業協同組合の結成の促進を図ることから始めることにより、事業者の意識改革を図りながら着実に集約、協業化を積み重ねていくことが現実的であると認識をいたしております。
 具体的には、集約、協業化を進めるため、労働者の最低保有基準を一・五倍に引き上げるに当たって、事業協同組合に加盟した場合には、新たに労働者を雇用することなく新基準をクリアすることができるようにして、事業協同組合の結成を促進することとしているほか、平成十二年度予算により、規制緩和を行う各港におけるそれぞれの港湾の運送事業者の集約、協業化を後押しするために、調査支援事業等を実施するところといたしているわけであります。
#71
○奥田(建)委員 続きまして、もう一つ大臣の方にお聞きしたいと思います。
 審議会の答申でも、昔に戻りますれば、先ほどからお話に出ております平成九年の行政改革委員会の最終意見、その前には運輸政策審議会に対する諮問として、陸海空の需給調整規制を廃止したときの意見といったものが問われております。
 大体二年半から三年のいろいろな議論を通じて今日に至っているということになりますが、そういった審議会の答申の中でも、事業活動の効率化あるいは活性化を通じたサービスの向上、多様化、あるいは料金の低コスト化といったものは効果として当然求められることでありますけれども、これまでの、規制によって維持をされていた安全の面、あるいは経営の面、そして雇用への諸問題、こういったものには十分な対応と環境整備が必要であるということは多くの文面を割いて述べられておるところでもございます。
 今回の法改正に対しても、全国の港湾労働組合協議会などからは、労働者の雇用の安定化策といった面について欠落しているのではないかというような御意見も出ております。そういった雇用安定化策につきまして、労働省の担当となる部分もあるかと思いますけれども、大臣の御返答をお願いいたしたいと思います。
#72
○二階国務大臣 規制緩和の実施に当たっては、労働関係等、港湾運送の安定化を図りながら進めていくことが重要と考えておりますが、港湾労働者に行き過ぎたしわ寄せが行かないようにしたい、これが極めて重要なことだと認識をいたしております。
 このためには、中小事業者の集約、協業化等を進めることによって経営基盤の強化を図り、労働者の雇用に悪い影響が出ないようにしたいと考えております。また、料金のダンピングによる事業者の共倒れや、労働コストの大幅な削減がなされぬように、料金変更命令や緊急監査制度を用いてこれを防止することにいたしております。
 これらの施策によりまして、できる限り港湾労働者の雇用の安定を図りながら、円滑に規制緩和を実施していきたいと考えております。
#73
○奥田(建)委員 規制緩和を中心にしまして新規参入を促し、活性化、業界の中にも競争の論理を持ち込みたいというのが法改正の中の一つの趣旨かと思います。
 ただ、荷主の方の雑誌の記事の意見によりますと、このような競争原理が表向きは導入されたように見えるかもしれないけれども、こういった一貫責任制度というものが現行のまま維持され、また、労働者の保有基準が一・五倍といった中で、免許から許可といいながら、ある部分ではそういった認定が強化されている。こういった厳しいたががはめられたままでは、この基準というものをクリアできるのは大手の企業だけであり、そしてその大手がまた進出しようとすれば、多くの事業者が存在するこの業界からは猛反発が出て、混乱しかあり得ないのではないかというような意見も記事として載っております。
 こういった法改正により、新規参入の競争促進というものは実際に実現できるのかどうかという点につきまして、大臣の見解といったものを聞かせていただきたいと思います。
#74
○二階国務大臣 規制緩和が実施された場合には、新たに参入してくることが予想されるものとしては、港湾運送事業が港ごとの免許となっていることから、まず既存の事業者が他の港に進出することが考えられております。また、港湾運送事業に隣接する総合物流業者、トラック業者等からの進出も予想されております。
 業界の体質を云々する向きはありますが、やはり免許制が新規参入を困難にしてきたのは事実であります。これが廃止されれば、経済原則にのっとりまして、新規に参入してくる方々が多く出てくるものと考えているところであります。
#75
○奥田(建)委員 もう一つ、大臣の方に伺いたいと思います。
 一つ、日本の港湾の競争力の低下の中で、今伸びているアジアの各ハブ港なんかとサービスの状況で負けているというような意見がございます。
 その中で、日曜荷役あるいは休日、夜間の荷役といったもの、先ほど赤羽議員の方からも質問がございましたけれども、こういった日曜荷役の現状、労働組合の方では、しっかりと対処できる、あるいはやっておるというような意見がございますし、運輸省や、あるいは船主さんの方からは、その点がまだ弱いといった意見が出ております。
 まず、この休日、あるいは三百六十五日二十四時間体制といったものについての現状を少し教えていただきたいと思います。
#76
○二階国務大臣 ただいまの奥田委員の御指摘のことは、小渕内閣の当時でございましたが、産業競争力会議等、経済界の皆さんからもいろいろな御指摘がたびたびございました。
 日曜荷役については、過去、労使協定が切れたことにより一時的に中断した時期がありましたが、現在は、外航コンテナ船を中心に既に実施をされているところであります。したがいまして、産業競争力会議におきましても、現在は、多くの関係者の御努力によりまして、日曜荷役サービスは我が国では主要港湾においては既にできておるということを私は説明した次第であります。
 夜間荷役につきましても、一部の時間、つまり明け方の四時から八時までの間を除き、従来から既に実施されているところであります。ただし、御承知のとおり中小事業者が多いために、労働者の交代要員の確保が難しいことから日曜の夜間荷役が行われないなど、実施時間帯などにおいて制約があることも事実であります。
 ただ、御指摘の、そのための労働者の交代制の導入に関しては、労使交渉マターでありますし、政府の立場からの発言は控えさせていただきたいと思いますが、いずれにしましても、政府としても、集約、協業化を推進し、事業者の規模拡大を進めることによって、交代要員が確保され、日曜荷役あるいは夜間荷役がより柔軟に実施されるよう、その環境整備に努力をしてまいりたいと考えております。
#77
○奥田(建)委員 ただいまの御答弁の中にも、三交代制の必要性というものはしっかりと認識しておるが、労使交渉の中には入らないという御発言がありました。
 ただ、組合の方、労働者からも、そういった三交代制という当然の労働基準といったものを満たしていただけるのであれば、それは幾らでも前向きに対処するという回答も出ておりますので、そういった一つの業界指導、それには体質の改善が必要かもしれませんけれども、そういったことが当然の条件であるといった指導の方は、港湾の行政に携わる省庁としてぜひともお願いしたい部分であると思います。また、できれば、会社の方あるいは組合の方からも、そういった個々の企業に対するものでなく、そういう体制をつくるというための支援策といったものが要望されるときには、ぜひとも前向きに取り組んでいただきたいとお願いする次第でございます。
 続きまして、中馬政務次官にお尋ねします。
 ただいまの規制緩和の方策、主要九港、十二港といえばいいのですか、主要九港について先行実施をするといった文言が運輸省からの資料の中に入っております。あるいは答申の中でも先行して実施するという一文が入っております。
 今、需給調整が行われている港湾が九十四あるいは九十五と聞いておりますけれども、そのほかの地方港につきましては、こういった規制緩和といったものが、自分たちの職場に、いつごろ、どのように入ってくるのかということが一つの関心事でもございます。
 まず、主要九港の実施状況を見てからの判断になる部分もあるかと思いますけれども、現在においては、一つの国の中で二つの制度が並行して、地域によって二つの制度が存在するという状況になりますけれども、こういったものを統一化するスケジュール、あるいは方法といったものについてのお考えを聞かせていただきたいと思います。
#78
○中馬政務次官 奥田委員御指摘のとおりに、平成十一年六月の運政審の答申で、まず十二年内に九港先行して実施すべし、こういう答申が出たわけでございまして、それに基づいてこうしてやっております。その答申でも指摘しましたように、事業者の規模の小さいところ、この九港以外をこれで急にやってしまいますと、規制緩和による影響が大きいということでございますので、まずこの九港から先行させているようなことでございます。
 この港湾運送の安定化策も、主要九港とそれ以外の港の状況の違い、歴史的な、あるいはまた業者の形態等もそれぞれ違うようでもございますが、それと九港と同じ方法でいいのかどうかといった検討をすることも必要である、このように思っております。このために、今回は主要九港において先行して規制緩和を行いますが、残りの港の扱いについては、これら九港における規制緩和後の状況を踏まえて検討していく所存でございます。
 しかし、目的とするところは、先生も御指摘のように、しっかりとしたターミナルオペレーターがそれぞれの港をちゃんと管理するという形に将来は持っていけるものと思っているところでございます。
#79
○奥田(建)委員 もう一度政務次官に聞きますけれども、何年後に再見直しをするというような項目に関しては、今はないということですか。
#80
○中馬政務次官 特に何年までにどういう結論を出そうといったことは、今のところは考えておりません。
 先ほど申しましたように、まず九港で先行させて、その問題点や、またそれに応じて、地方港湾といいましょうか、それ以外の港がどのような、方向としては決まっているわけでございますが、反応があるのか、そういったことも踏まえて、スケジュールは考えていきたいと思っております。
#81
○奥田(建)委員 続きまして、もう一度中馬政務次官の方にお尋ねいたします。
 この運賃・料金の変更命令といった部分が、現行法では二十一条、あるいは改正案の方では二十二条の二に書かれておるかと思います。ただ、現行法の上でもこういった運賃の変更命令といったものは発動されてはいないと聞いておりますし、また、規制緩和できました陸運、トラックの方の、貨物自動車の運送事業法でも同じような制度があります。これは一つのダンピングの防止策といったことで法が形づくられているというふうに聞いておりますけれども、こちらの方もやはり発動といったものはされていない。
 条文の方には、不当差別的取り扱い及び不当競争のおそれがある場合発動されるというふうに書かれておりますけれども、先ほどもありましたかもしれませんけれども、何が不当差別であり何が不当競争なのかといった基準が条文にしっかりと書かれていないと、こういうものを発動されても一つの訴訟ざたにしか、発動された方も抵抗するだけのものではないかと思います。
 料金変更命令が大変大きな力を持つ条文であるということは、ダンピングを懸念する人たちの中でも当然有効な条文であるということは理解できますけれども、不当差別、不当競争といった判断の基準というものがどこにあるのかということについて、御説明をお願いしたいと思います。
#82
○中馬政務次官 今回の改正法案におきましては、船会社、荷主が不当に差別的に扱われて不利益をこうむったりする場合、あるいは届け出られた料金の著しいダンピングが行われているというようなことが判断された場合に、料金の変更命令を発することができることとしているところでございます。
 特に問題となるケースといいましょうか、過度のダンピングが行われる、その具体的な変更命令の基準でございますけれども、やはり労働コストが非常に多うございますから、この労働コストを割るような価格、労働コストを含む変動費を下回っているような場合には変更命令を行う方向で検討しておりますけれども、その詳細については、今後詰めていくことといたしております。
 なお、規制緩和の実施に当たっては、労働関係等港湾運送の安定化を図りつつ進めていくことが重要と考えているところでありまして、特に料金のダンピングは、労働者の労働条件に影響を与えますし、労働問題を生じさせる懸念があるために、運輸省としても、料金変更命令や緊急監査によってきちんと対応していくつもりでもございます。
#83
○奥田(建)委員 料金の方が今の認可制のもとにありますときには、料金の原価計算書といったものの提出もあると聞いております。監査制度と並行しまして、ぜひとも、こういったダンピングの防止、あるいは、時によりましては水増しといったこともあるかと思います、そういったものの監視といったものをしっかりと行っていただきたいと思います。
 また、料金制度の方が、仕事の形態によりまして大変多岐にわたっておる業界でもございますので、その点でもぜひ、そういった荷役業務、数々の船の上あるいは沿岸での業務に基づいての現状の把握といったものもしっかりと行っていただきたいとお願いする次第でございます。
 続きまして、政務次官の方に、拠出金関係について御質問をしたいと思います。
 運輸政策審議会の答申では、拠出金の使途である港湾労働者の福利厚生施設の整備運営に関する資金、こういったものは、一般には労働者を雇用する事業者が自己の責任と判断のもとで自己の収益から支出することが当然の性格のものである。そして、船主あるいは荷主さんの方からは、こういった港湾労働者と直接の雇用関係にない自分たちが負担するということは必ずしもなじまないという意見、そして、労働者側からの意見とすれば、こういった拠出金というものは自分たちの福利厚生に対して重要な役割を果たしており、まだ労働環境というものがしっかりと整備されていない中で、こういった拠出金の根拠というものを失うことは大変困る、あるいは事業者側がしっかりとそれを拠出するというような担保がとれるのか、こういった両方のサイドからの意見が出ておるわけでございます。そして、答申では、分割納入あるいは三年後の見直しといった意見も出ておるわけでございます。
 運輸省の方としましては、この方向性というものをどういうふうに見ておるのか、拠出金の将来像というものをどう見ておるのかということ。そして、答申に出ております三年後の見直しというのは、答申が十一年の六月でございますから十四年の六月を指すのか、あるいは法施行から三年後という形になるのか。拠出金の将来像とその見直しの時期といった二点について、お答えいただきたいと思います。
#84
○中馬政務次官 港湾運送事業者は大変弱小な企業が多うございます。そうしますと、そこで働く労働者の処遇の問題等もございまして、年金や宿舎等、福利厚生にこの拠出金が非常に重要な役割を果たしていることは議論をまたないところでもございます。
 それに関しまして御心配の向きもあるやに聞いておりますが、今度の運政審の答申にもありましたけれども、拠出の仕組みが、船社、荷主の方から港湾運送事業者の方に直接払われるのではなくて、拠出金の方は港湾近代化促進協議会の方に分割して支払われるという形になりました。それも含めて若干疑念を生じているところがあるかもしれません。
 しかし、運輸省としましても、三年後にこれを見直すということは、この方向でいいかどうかということも含めて、改善すべき点があれば必要な措置を講じていくという意味を含めての三年後の見直しでございまして、法施行から三年後にそのようなことをしますが、これをなくしてしまうとかそういうことではないので、そのことは誤解のないようにしていただきたいと思います。
 現時点におきましては分割支払い制度の円滑な立ち上げがまず重要と考えておりまして、将来の見直しのあり方については、今後検討すべき問題と認識している次第でもございます。
#85
○奥田(建)委員 もう一つ政務次官に確認だけさせていただきますけれども、料金制度が認可料金といったものから届け出料金になったときにもこの拠出金の部分というものはしっかりと確保される、そのための分割納入という一つの方策である、そう考えてよろしいでしょうか。
#86
○中馬政務次官 当面、トン当たり九円という拠出金の額等も含めて、今ここでそれも含めて見直すとか廃止するといったようなことは一切考えておりません。
#87
○奥田(建)委員 続きまして、高橋海上交通局長さんにお尋ねしたいと思います。
 こういった法改正に関しては、規制緩和ということで欧米からの強い要請というものが最初にはあったかと思います。そして、昨年の六月の答申が出てからもまたアメリカ政府の方からいろいろな意見といったものが出されておりますし、また局長さんの方もそういった交渉の場に先頭に立って臨んできたことと思います。
 こういった規制緩和の中で、セーフティーネット、一貫責任制度あるいは労働者の最低保有基準の引き上げといったものに関してアメリカ政府の方から一つの反対意見といったものも、新聞で読みましたけれども出されておりました。こういった協議について、どのようなやりとりがあったかということを少し教えていただければと思います。
#88
○高橋政府参考人 お答えいたします。
 米国政府の方では港湾運送の規制緩和について大変強い関心を持っておるわけでございます。私どもの検討作業という意味で申し上げれば、運政審の中間報告を出した時点におきまして、つまり、報告を出した後、昨年の一月にアメリカの方では中間報告に対するパブリックコメントということで意見を言ってきております。それから、昨年の十月に、答申が出た後でございますけれども、日米海運協議というのをやっております。アメリカの海事局長と私とで協議をいたしておりますが、その中でアメリカが強く懸念を表明しておりますのが、規制緩和とあわせて行います港湾運送の安定化策、例えば労働者の最低保有基準の引き上げでありますとか、荷役料金の分割支払いでありますとか、一貫責任制度の維持、こういったことにつきまして、これが効率化を阻害するのではないかという懸念を表明いたしております。
 これにつきまして、私も一日半費やして議論をいたしましたけれども、やはりまだ日本の事情をよく御存じない、誤解に基づくものであったり、それから日本の港湾運送の過去からの経緯、現状などに対して理解が足らないということによって生じているものであるというふうに思っておりまして、それについてはよく説明してきたつもりでございます。
 この協議の場におきまして規制緩和そのものについては一定の理解を得たというふうに思っておりますが、今回のこの案というものは多くの関係者が十分な議論を行った上でまとめられたものでございますので、日本といたしましては、アメリカに対して、引き続き今回の規制緩和の内容について十分今後とも説明してまいるというつもりでおります。
#89
○奥田(建)委員 局長さんにもう一度、一貫責任制度というものについてお聞きしたいんですけれども、これは昭和四十一年の法改正によって制定されたと聞いております。昭和四十一年のころの時代背景というものの中に、やはり港湾運送事業の中に悪質事業者の参入といったものが多く見受けられる、秩序の確保というものが行政の一つの使命であったというふうにも聞いておりますけれども、この法制度を導入しましたときの状況、そして、現在、そういった悪質事業者というものが淘汰されたといいますか、その業界が少しずつ体質変換をしていっているのかといった状況についてお尋ねしたいと思います。
#90
○高橋政府参考人 お答えいたします。
 戦後しばらくの間、港湾運送におきましては、規制が自由化されたこともございまして、悪質事業者が暴力的な労務手配師として、あるいは単にピンはねを行う事業者として港湾運送事業に介入していたことは事実でございます。
 その後、昭和四十年代になりまして、関係行政機関の協力によりまして暴力団排除が徹底的に行われたということもございます。港湾労働法の制定だとか、先生今御指摘になりました港湾運送事業法の改正によって、日雇い労働者の使用が制限されたり下請の制限が行われたことによりまして、悪質な事業者が港湾運送の世界から姿を消したというふうに認識しておるところでございます。
 しかし一方、今回、主要九港におきまして需給調整規制を廃止することで、参入規制を緩めることによりまして港湾運送サービスの向上ということをねらうわけではございますが、一方で、再び悪質な事業者が参入する懸念が生じるところでありまして、一貫責任制度による下請の制限を維持することなどによりまして、悪質事業者の出現というものを防止する必要は引き続きあると考えているところでございます。
#91
○奥田(建)委員 こちらの法の十六条になります一貫責任制度というものを私も少し勉強させてもらいましたけれども、その時々の状況によって解釈が変わるといいますか、定義が変わるといったような部分もあって、ほかの業態の人から見ると少しわかりにくい制度ではないかな、あるいは、法の適用において恣意的なものが入る余地が多分にあるんではないかなというような気もいたします。
 こういった一貫責任制度というものは日本だけの制度なのか、あるいは、海外においてはこういった制度も、類似のものとして港湾運送事業の一つの保護策といったものの中で導入されているのか、その点だけお尋ねしまして、質問を終わらせていただきたいと思います。
#92
○高橋政府参考人 お答えいたします。
 この一貫責任制度というのは、港湾労働というのは悪質労務手配師が入りやすいという歴史的経緯があるわけでございますが、そういう意味で、できるだけ常用労働者を持って仕事をしてもらう、あるいは密接な関連を持った事業者に下請してもらうといったようなことで、この事業の健全性を守っていこうという考え方から出たものでございます。
 私が承知する限りでは、日本以外で余り例は聞かないのでございますが、日本の港における、そういう意味では歴史的な経緯、特殊性からきた知恵ではないかと思っております。
 これを大事にしながら、この一貫責任制度というものを適切に運用しながら、港湾事業の健全なる発展というものを考えていきたいと思っております。
#93
○奥田(建)委員 どうもありがとうございます。
 労働省の方も、年が明けましたら厚生労働省という形に変わりますし、運輸省の方も国土交通省となりますけれども、こういった港湾運送の労働の環境整備などにもぜひともこれからも力を注いでいただきたいとお願いする次第でございます。
 どうもありがとうございました。
#94
○仲村委員長 次に、高木義明君。
#95
○高木委員 民主党の高木義明でございます。
 質問の前に、さきに起こりましたバスジャック事件で、亡くなられた方に心からお悔やみを申し上げます。負傷された方々には、一日も早い御回復をお見舞い申し上げたいと思います。
 既に当局といたしましても、バス関係の皆さん方にはそれぞれの対応を要請しておるところでございますが、この機会に、私は、海におけるいわゆるシージャック、かつて私は海賊対策についてこの場で質問させていただきましたけれども、海賊対策はもとより、国内の旅客航路における安全ということについても、この際、ひとつ関係当局は万全を期していただきたい、このことを強く要請しておきたいと思います。
 では、時間が限られておりますから、私は、できるだけ重複を避けて、まず各論の方から入ってまいりたいと思います。
 現行の運賃・料金制度は認可料金という制度でありまして、いわゆる適正な原価を償って適正な利潤を含むものであるということは当然のことでございます。利用者に対して運賃・料金の割り戻しをしてはならない、そして、認可を受けた運賃・料金は営業所にきちっと掲げておく、こういうことになっておるわけであります。
 しかし、現実に、港運事業者というのは中小零細企業が非常に多いのですね。したがって、荷主や船会社に対しては、ある意味では力関係で運賃・料金が決まっておるという現実がございます。私の調査によりましても、認可料金の値引き、これはダンピングと言っていいのでしょうか、現在でも三割引きぐらいの運賃・料金になっておるのではないか、こういうふうなことが指摘をされております。
 現行制度ではあるはずがないダンピングが一体なぜ行われておるのか、当局はこういう状況を十分に把握をしておられるのか、この点についてまずお伺いをしておきたい。
    〔委員長退席、実川委員長代理着席〕
#96
○高橋政府参考人 お答えいたします。
 運輸省におきましては、認可料金どおりの料金が収受されているかどうかをチェックするために、港湾運送事業法に基づきまして、事業者に対して料金監査を行っているところでございますが、この結果によりますと、残念ながら、認可料金を割って料金を収受しているという場合があることは事実でございます。したがって、その都度、改善について指導してまいったところでございます。
 この要因といたしましてはさまざまなものが考えられるわけでございますが、港湾運送におきましては、荷役量に波動性があることから、需給のギャップが生じるということがございまして、場合によっては認可料金割れでも仕事を引き受けざるを得ないというような事情が生じることなどによるものではないかと考えているところでございます。
#97
○高木委員 過度のダンピングという表現もございますが、これは不当な競争を引き起こすおそれのある場合と言った方がいいかもわかりませんけれども、港湾運送の混乱を防ぐために、今度料金変更命令あるいは緊急監査制度を導入するとなっておりますが、これはどういうときに発動していくのか、その発動基準はどういうふうに考えておられるのか、この点について明らかにしていただきたい。
 また、元請料金をチェックする際には、必ず下請の料金も含めてチェックをしなければ、非常に混乱が出てくるのではないか、このように思います。ぜひそうしていくべきだと思うのですが、この点についての御見解を賜りたい。
#98
○高橋政府参考人 お答えいたします。
 今回の規制緩和に関しましては、港湾運送の安定化を図りながら実施していくということが大事だと思っておりますが、そのためには、料金変更命令制度や緊急監査制度等によって、料金の過度のダンピングを防止することが大事だというふうに考えております。
 まず、料金変更命令についてでございますけれども、今回の改正法案によりまして、届け出られた運賃・料金が不当に差別的であるときや不当な競争を引き起こすおそれがあるときに行うことができるというふうになっております。ダンピングにつきましては、届け出られました料金が労働コストなどを含む変動費を下回ったような場合を過度のダンピングとして、料金変更命令をかける方向で今検討しているところでございます。
 緊急監査制度につきましては、過度のダンピングがあるといった申告でありますとか、あるいは、前年と比較いたしまして一定割合以上の荷役量が減っているといったような場合には、その可能性があるということで、そういう一定の要件を契機として発動していきたい、こう思っておるところでございます。
 今先生御指摘の下請料金の関係でございますが、基本的には元請事業者と下請事業者との間の交渉によって決まっていくべきものと考えております。下請事業者やその労働者に規制緩和の過度のしわ寄せが行くような事態は、港湾運送の安定という観点から避けなければいけないと思っておりまして、料金変更命令制度や緊急監査制度を適切に運用いたしまして元請料金の過度のダンピングを防止するということを通じまして、下請料金の確保が図られるように配慮してまいりたいと思っております。
 それから、元請料金をチェックする際に下請料金もチェックできないかという話もございましたが、元請事業者の料金につきましては、過度のダンピングをしているかどうかの判断をする場合に、下請料金を含む変動費を下回っているかどうか、そういったことも判断基準にする方向で検討してまいりたいというふうに考えております。
#99
○高木委員 私は、自由競争、いわゆる競争力強化という観点については、むしろ今から取り組むべき課題だと思っております。これを前提にして、やはり、事業者の経営、あるいはそこに働く労働者の方々の健康と安全ということを思うばかりに、まさにセーフティーネットとしての立場というのはきちっと確立していかなければならぬ、こういうことから申し上げておるわけです。
 さて、タクシーの規制緩和の場合にも導入されました緊急調整措置の件です。
 これは、平成九年十二月の行政改革委員会の最終意見では、この免許制度の見直しに当たりましては、考慮すべき事項として、港湾荷役の秩序の混乱も予想されるので、緊急調整措置の導入などの防止策を検討すべきではないか、それから、荷主、船社への勧告制度などのこれまた防止策を検討すべきである、こういうことを言っておりますけれども、この点について政府としてどのように考えておられるのか、お尋ねをしておきます。
#100
○高橋政府参考人 お答えいたします。
 行政改革委員会の意見で、一定の御意見が示されていることは承知しております。
 まず、緊急調整措置でございますけれども、港湾運送事業を行うに当たりましては、上屋だとか荷役機械でありますとか一定の施設を確保しなければいけないということ、それから、数十人以上の熟練した労働者が要るということで、タクシーとは状況が異なるかなというふうに思っております。
 また、タクシーの場合は、乗客は車を選べないということがございまして、後発の者であっても一定の仕事は確保できるということがありまして、市場が飽和しているような状態でも新規参入してくる者がいると考えられるわけであります。
 これに比べまして港湾運送事業は、市場が飽和しているような場合には、新規参入というよりもむしろ過度のダンピングが行われているといったようなことが予想されるわけでございまして、新規参入の余地は考えにくいというふうに思っているところでございます。
 したがいまして、港湾運送の規制緩和に関しましては、緊急調整措置という参入を一時ストップするという規制措置を設けるということよりも、緊急監査制度など過度のダンピング対策など、港湾運送事業の特性に応じた対応策を講じていくことが適切だと考えているところでございます。
 それから、船会社、荷主への勧告制度でございますが、港湾運送事業法は、船会社、荷主ではなく、港湾運送事業者を規制する法律となっているところでございます。
 法律上、荷主などへの勧告制度を設けているものとしてトラックの例があるわけでございますが、これは、荷主から過労運転や過積載といった公道における一般交通の安全を阻害する行為などを強要されるということを避ける、防止するというために設けられたものというふうに承知しております。
 したがいまして、このようなことを考えますと、法的に制度として船会社、荷主に対する勧告制度を設けるということは困難だと思っております。
 ただ、緊急監査制度におきまして、船会社、荷主の要求により過度なダンピングが行われていたということが判明した場合には、船会社、荷主に対しまして再発防止の要請を行うとともに、その後も繰り返しダンピングの強要を行っていたことが明白な場合には、その事実の公表を行うことも検討しております。これによりまして、勧告制度と同様の効果が確保できるのではないかというふうに考えているところでございます。
#101
○高木委員 次に、拠出金のことについてお伺いをします。
 現行では、いわゆる港湾労働者の福利厚生、あるいは仕事の波動性に対応するために、港湾労働安定基金などの拠出金が認可料金制度の中できちっと位置づけられておるわけですね。例えば、港湾福利分担金、トン当たり四円、港湾労働安定基金、トン当たり三・五円、港湾労働関係付加金、これは五大港でございますが、トン当たり一・五円。認可料金制度が届け出制度になりますと、この拠出金という根拠は当然にして失われるわけでございます。
 そういうことで、運輸省としては、今回、荷主、船社の理解と協力を求めて新たな荷役料金の分担、支払いについて考えておられる、そして、この新しい荷役料金の導入についての支援を行う、こういうことを伺っておりますけれども、この点について、今日までの経過と、そしてどのようにこのことを考えておられるのか、この点を明らかにしていただきたい。
    〔実川委員長代理退席、委員長着席〕
#102
○二階国務大臣 現在の拠出金は、港湾労働者の年金や福利厚生施設の管理等に使われており、運輸省もその重要性にかんがみ、認可料金制度のもと、拠出金を適正なコストとして認めてきたところでございます。
 高木委員もお述べになりましたとおり、認可料金制度の廃止に伴いまして、この制度はその根拠を失うわけでありますが、運輸政策審議会におきましても、規制緩和後の港湾運送の安定化のため、拠出金の確保について、従来の制度にかえて新たに荷役料金の分割支払いの制度を導入すべきことを提言しているところであります。
 この制度は、本来港湾運送事業者と船会社等との間におけるものでありますが、運輸省としても、日本港運協会などとともに、現在、荷役料金の分割支払い制度の具体的な仕組みの検討を行っているほか、船会社、荷主に対しまして、いろいろな機会に、分割支払いの制度の趣旨等について説明を行うなどして、理解と協力を得られるように積極的に努めておるところであります。
#103
○高木委員 今回の改正案では、いわゆる主要九港を特定港湾に指定しております。しかし、この九港以外の港の規制緩和は今後どうなっていくのかということは、先ほどからも議論があっております。特に地方では二十人以下の事業者が六四%、そういったことで非常に規制緩和の影響が大きいのではないか。こういうことがあって、この主要九港に限定された経過がございます。
 これによって、例えば一・五倍の労働者保有基準、運賃・料金の届け出制と認可制という二制度と、そして二重価格という制度に今後なっていくわけでありますが、この点について、むしろ地方においては集約、協業化の名のもとに、いわゆる大企業の独占的な状況になっていくのではないかという懸念が今現実にあります。これについてどうお思いになるのか。
 そして、効率のよい港湾あるいは国際競争力のある働きやすい港湾をつくるためには、港湾建設、管理運営、また労働対策を総合的に話し合う関係者の協議機関がぜひ必要であろう、このように私は考えておりますが、この点についてどのように対応していかれるのか、お答えをお願いします。
#104
○高橋政府参考人 お答えいたします。
 主要九港以外の港につきまして今後どういうふうに考えるのかという御質問でございますが、主要九港と比較しまして、先生御指摘のように、荷役量が少のうございます。それから、事業者の規模も小さいところが多いということでございますので、規制緩和をしたとした場合にその影響は大きいものというふうに考えております。
 また、地方の港について規制緩和をする場合のいろいろセーフティーネットの考え方というものも九港と同じでいいかどうか、そういったことも検討する必要があろうかと思っております。
 今回は主要九港を先行して規制緩和を行うわけでありますが、残りの港につきましては、これらの九港における規制緩和後の状況を踏まえて今後検討していきたいというふうに思っているところでございます。その影響等については、慎重に見守ってまいりたいと思っております。
 それから、御指摘のいわゆる港の協議会の件でございますが、主要九港のほとんどの港におきまして、港の効率化ということに関しまして関係者が総合的に議論を行って実行に移す場ということで、港湾管理者が主体となりまして、港湾運送事業者、労働組合、船会社、荷主、運輸省など、関係省庁のメンバーが入りました協議会があるわけでございます。それぞれ活発に活動しておられまして、具体的な施策の実施も含めまして、見るべき成果が上がっているというふうに思っております。
 この協議会を活用しながら、それぞれの港の効率化とか活性化、そういったことを図っていくことが適切ではないかというふうに考えているところでございます。
#105
○高木委員 今回の港湾運送事業法に係る今日までの経過、大変なものがあったようでございます。
 運輸政策審議会が平成十一年六月十日に最終答申を取りまとめておりますけれども、第一回の平成十年六月から十三回もかけて激しい議論があっております。特に、船社、荷主は当然にして、市場競争原理の導入が港湾運送事業の効率化とサービス向上を促進する、そういう立場。これに対して、当然にしてセーフティーネットを強く望む港湾労組側は、従来の規制緩和反対論を唱えまして、労働者の雇用安定化方策の検討は中央職業安定審議会と別個には議論ができない、こういう当初からの激しいやりとりがあった中で、双方、本当に真剣な議論がなされてきたと私は思うんです。
 そういう意味で、四十一年ぶりの大改革に当たりまして、関係者の努力に私は敬意を表したいと思います。それぞれ言い分があろうとも、妥協を求めて今日まで来られました。そういう意味で、港湾運送法が今後、本当の意味でニーズに合ったサービスと料金、こういうことを主眼とする、これが一つの出発点であろう、私はこういうふうに考えております。
 先ほど私が各論について申し上げたことは、当局におかれても、とりわけ十分な考慮をして対応していただきたい、このように思います。
 さて、何はともあれ、我が国の港湾の地位向上というのが今叫ばれております。アジアにおける諸外国の港湾を見るにつけ、物流分野においてもコストを含めて国際的に遜色のない水準に改める、こういうことが関係者の努力でこれから新たな挑戦になってくるわけであります。
 各港におきましても、いかにして使いやすい港をつくっていくか、こういうことでかなり議論がなされておる経過も知っております。例えば、ハードの部分では港湾施設の整備、そしてソフトの面では二十四時間オープンの実現、こういった論点を中心として真剣な対応がなされておることを私は承知いたしております。
 そこで、この日本の港湾の問題については、昨年十二月九日、港湾審議会管理部会が、岸壁の公共整備あるいは運営の公社委託、岸壁の従来の算定方式にこだわらない料金の設定、そして今後のターミナルの整備、管理運営のあり方について、新しい方式を答申しておられます。五月十日、きょうでありますが、運輸省では、森地茂東大教授を座長といたしまして、新世紀港湾ビジョン懇談会が設置をされ、初会合があると聞いております。
 せんだって森内閣誕生の折にも、二階運輸大臣は、改めて港湾の今後のあり方について会見をしておられますけれども、この際、我が国の港湾の改革について将来を含めてどういうふうにやっていくのか、このビジョンについて御認識をお伺いしておきたいと思います。
#106
○二階国務大臣 近年、経済のグローバル化の進展等によりまして経済社会の構造変化が急速に進行してまいりまして、経済構造改革等の取り組みが進められる中で、港湾におきましても、国際競争力を備えた活力ある社会の構築等の要請に的確にこたえていくことが求められております。
 しかし、近年、我が国港湾の国際的地位が相対的に低下しつつあることは事実であります。国際的に遜色のない水準のサービスの実現が課題になっているために、ハード、ソフト、両面から施策を進めてまいりたいと考えております。
 先般御審議をいただきました改正港湾法によりまして、今後とも、全国的、広域的な視点から、効率的に、しかも重点的な港湾整備等を図るとともに、港湾サービスの向上、港湾施設の利用コストの低減に努め、物流コストのより一層の低減を図ることにより、我が国経済の国際競争力や国民生活の一層の向上に努めてまいりたいと考えておるものであります。
 一方、港湾運送事業については、規制緩和を行うことによって、事業者間の競争を促し、事業の効率化を図り、船会社や荷主のニーズに合ったサービスの提供を図っていくことが必要だと考えております。
#107
○高木委員 私は、先ほども申し上げましたように、この改正によって厳しい環境に置かれるであろうそれぞれの事業者あるいは働く方々、こういった方々が意欲を持って、夢を持って頑張れる、そういうふうな環境を整えるために、当局としても最善の力を尽くしていただきたいと強く要請をしておきたいと思います。
 時間があと少々でありますが、最後に一点、港湾運送ではありませんけれども。
 先日、四月二十七日に、総務庁の船員行政観察結果が運輸省に勧告をされております。こういう報道が出ております。これは、まさに今我が国の船員が減ってきた、これによって、これまであった海運支局とか海員学校、海技大学校あるいは航海訓練所、こういったところを、いわゆる事務に見合った体制に効率化していこう、これは私は当然のことだと思っております。
 しかし、やはり、ここで忘れてはならないのは、運輸省としてこれにどのように対応していくかというのが今からあるのです。だから簡素化、効率化をします、こういうことではなくて、むしろ、こういった日本人の船員が減っておる、これに対して本当に、今後さらにこの減少に歯どめをかけるためにはどうしていくのか。むしろ、先ほどの法案にもありました、例の海洋汚染防止条約、MARPOL条約、こういったことでも対処能力の向上も必要でありますし、あるいは国際的にもポートステートコントロール、こういった強化もあって、地球環境を守る、こういう時代の流れにあります。また、我が国は海洋国家として、海上輸送を抜きには考えられない。後継者の養成等々もございます。
 そういったときに、この勧告をもちろん真摯に受けとめながら、もう一歩進んで、新たな政策的な課題として、我が国の船員をいかにして今後養成していくのか、そういう観点を私は大切にしなければならぬのではないかと思っておりますが、この点について大臣の御所見を賜って、私の質問を終わりたいと思います。
#108
○二階国務大臣 我が国の海運問題につきまして大変造詣の深い高木委員からのただいまの御指摘、私も全く同感であります。
 海洋国家日本を今後どのように進展させていくかということは、運輸省に課せられた大きな課題の一つでございます。
 我が国にとりまして、国民生活に必要な物資の安定的な輸送を行う日本海運、これは極めて重要な役割を担っておるわけでありまして、これまで我が国の経済発展を支えてきたこの日本海運、しかも我が国の貿易の九九%以上を担っておるのであります。したがいまして、その中心的な役割を、日本人船員がこれまた大きな役割を果たしてこられたということを認識いたしております。
 しかし、近ごろの国際競争が激化する中で、我が国海運を取り巻く環境はこれまた極めて厳しいわけでありまして、我が国海運産業の中核となるべき優秀な日本人船員の確保、育成は大変重要な課題だというふうに思っております。また、海技の伝承を図る上におきましても大切な課題であると認識をいたしております。
 このため、運輸省としまして、外航海運における国際競争力の強化対策、内航海運における若年船員不足対策などを通じて、今後とも優秀な日本人船員の確保、育成に全力を傾けてまいりたいと考えております。
 海技大学校あるいは航海訓練所、海員学校、商船大学、商船高等専門学校等が教育機関としてございますが、今、商船大学の十二年度の応募者そして入学者等の、いわゆる倍率を申し上げますと、四・一倍ということになってございます。商船高等専門学校、これが一・六倍でございます。海員学校が二・二倍、このような状況でございます。
 私は、今後こうした教育機関とも十分連携をとり、そして日本の青少年の皆さんに対しましてもパンフレットの配布等を積極的に行って、我が国の海運を担う、そして日本の国の産業を担っていく重要な責務を持っておる日本人船員でありますので、私たちは、練習船の一般航海や練習船の見学会、あるいは体験航海、海洋教室、これは小学生、四年生以上を対象とするものでありますが、そうしたことなども今懸命に取り組んでおるところでございます。
 日本船主協会、全日本海員組合、日本海事広報協会、練習船教育後援会その他の教育機関等と連携を図りながら、ただいま高木委員御指摘の趣旨を踏まえて、今後積極的に日本人船員の育成、確保に一層の努力を、この際お約束を申し上げておきたいと思います。
#109
○高木委員 時間が来ましたので、終わります。ありがとうございました。
#110
○仲村委員長 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時二十八分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時開議
#111
○仲村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。寺前巖君。
#112
○寺前委員 昨年六月の運政審答申では、アジアの諸港に比べて日本の港湾の地位が低下している、日本の港湾は料金が高く、日曜荷役など使い勝手に問題がある、したがって、競争原理を導入してユーザーのニーズに十分応じ得る港湾運送事業に脱皮すべきだ、こう述べています。その一方で、規制緩和により参入が容易となり、価格規制も緩和される結果、事業者間の競争、特に価格競争が激化することを予測しています。
 港湾運送事業者の九三%が中小零細企業、船主、荷主に対し圧倒的に弱い立場にあります。また、全体のコストの六割が人件費。規制緩和で価格競争が激化すれば、とりもなおさず中小事業者の経営と労働者の雇用労働条件に重大な影響が及ぼされる。中小事業者の経営と労働者の雇用労働条件を守るために、適正な運賃が支払われることが決定的になってきています。そこで、この問題に中心を置いて一つは聞きたいというふうに思っています。
 現行法では、適正な原価に適正な利潤を含む認可運賃が守られなければならないと決めていますが、先ほどからいろいろ質疑がありましたように、運輸省の処分を受けた事業者、この五年間処分が減っていく方向にあるのかどうか、実態を御説明いただきたいと思います。
#113
○高橋政府参考人 お答えいたします。
 運輸省といたしましては、これまで料金監査等を通じまして認可料金の遵守を事業者に指導してまいりましたけれども、残念ながら、御指摘のとおり、認可運賃・料金を収受していないことによって指導を受けている事業者が存在していることは事実でございまして、必ずしも減っているという状況ではございません。
#114
○寺前委員 私が調べた資料によると、認可料金に対する収受が九〇%以下の場合、文書警告、事業者名を公表するということで、九四年度は、監査を行った百十九事業者のうち八十四事業者が処分、七〇・五%です。九五年、八十事業者のうち三十七事業者、四六・二%。九六年、百五事業者のうち六十三事業者、六〇%。九七年、百二事業者のうち五十四事業者、五二%。九八年、八十八事業者のうち六十三事業者、七一・五%。
 調べたら、必ず四割から七割は公然たる違反がずっと年々続いている、減っていない。なぜダンピングが防げないのか。違反した事業者は改善しているのか、どのように見届けているんでしょうか。
#115
○高橋政府参考人 これにはさまざまな要因が考えられると思いますけれども、主として、港湾運送におきましては荷役量に波動性があるということから、需給ギャップが生じる可能性があるわけでありまして、そういう状況の中で、場合によっては認可料金割れでも仕事を引き受けざるを得ない事情が生じることによるものと考えているところでございます。
#116
○寺前委員 すっきりせぬのや、話を聞いておって。監査のときのように帳簿をチェックするんですか。
#117
○高橋政府参考人 帳簿をチェックして事実を解明し、判断して、必要な場合には指導を行う、こういうことをやっております。
#118
○寺前委員 あなたのところの局の人に聞いたら、そんなこともできません、こう言っている。事業者が改善しましたと報告すれば済んでしまうという事の経過で来ておるんだ。処分を受けた人が明くる年もう一回処分を受けるということをするのかと言うたら、やらないと言うんだ、大体五年に一遍ぐらいだと。対象がたくさんありますから行けません、現実にそう言うておるのだからはっきりせなあかん。何でこれを調べるたびに、五割から六割、七割と、いつもダンピングの実態が繰り返しになってきているということは、改善点はどこにあるのかということをはっきりせぬと、次への措置はできないんじゃないか。私は、本当に怠慢だと言いたくなるよ。あなた、わかっておるのかなと、私はそういうふうに思うんです。
 そこで具体的に、政府がかかわった輸送でも公然と認可運賃の破壊、違法なダンピングが行われているという事実を、私自身が調べた内容だから、提起したいと思います。
 九八年に政府が行ったインドネシアへの支援米輸送に際して、外務省の外郭団体が認可運賃を無視した競争入札を行い、ダンピングが発生した。支援米は全国で延べ百四十九港、合計七十万トンが十一回にわたり輸送された。認可料金割れの実態はどうだったのか、運輸省はだれにどのような指導をしたのか、外務省はどのような態度だったのか、改善はされたのか、簡単に説明してください。
#119
○高橋政府参考人 九八年度に行われましたインドネシア政府に対する支援米輸送につきましては、インドネシア政府の依頼によりまして、外務省が所管する財団法人日本国際協力システムがインドネシア政府を代行して輸送に係る諸契約を行うことになりまして、同財団が入札を行って支援米輸送を行う商社を選定したという経緯がございます。
 この入札につきましては、認可料金となっている港湾運送を含んで行われていたために、認可料金違反ということを助長するおそれがあるということで、外務省及び財団法人日本国際協力システムに対して改善するよう要請を行ったところでございます。
 同時に、運輸省としても、支援米輸送に係る荷役を行った港湾運送事業者から料金に関する聞き取り調査を行ったところ、一部の事業者が認可料金割れを起こしておりまして、運輸省はこの一部の事業者に対しまして改善方の指導を行ったところでございます。
#120
○寺前委員 はっきりせぬのだわ。私が調べた状況では、指導はしたけれども結果は認可料金を割っておった、事の経過はそうじゃないんですか。私が言うのが間違っておるのか。どうです。
#121
○高橋政府参考人 運輸省が外務省及び国際協力システムに対して、入札制度によって行う場合には、認可料金違反ということを助長する可能性があるということで、その改善の要請を行ったところでございますが、その財団法人の方は、そういう要請があった旨を認識した上で行ったというふうには聞いておりますが、結果としては一部に認可料金割れがあったという事実がございます。
#122
○寺前委員 何を言うたのか、私はさっぱりわからへん。私はちゃんととっているのだ、課長名のものも。指導はしますと言うておるのだ。そうだけれども、結局無視されたという結果になっています、こう言うておるのだ。
 大臣、知っていますか。これについてどう思いますか。今の話を聞いておっても、私、わからぬのだ。
#123
○二階国務大臣 御指摘の対インドネシア支援米輸送につきましては、結果としては、まことに残念ではありますが、一部の事業者において認可料金が完全に収受されなかったところであります。このため、関係事業者に対し改善指導をしてまいりました。
 今後、同様のケースについては、再発防止の観点から、政府関係の荷主に対しても料金制度の遵守について必要な場合には要請を行ってまいりたいと考えております。
 なお、今後は、今回の規制緩和の実施に当たり新たに導入することにいたしました緊急監査制度を十分に活用するなどして、荷主が原因となる場合も含めて、ダンピングの防止の徹底に努めてまいりたいと思っております。
#124
○寺前委員 今の認可料金の制度の中においても、認可料金を割ることが公然と行われてきていた。そのことをすかっと言えない。政府自身がやっておった事業でもそのことが公然と行われて、結果として措置できなかった。この反省をどこに求めているのか、はっきりしなければいかぬと思う。そういうことがはっきりできないものを、規制緩和をやって、今後は指導しますと言うたって、指導の責任を任すわけにいかぬじゃないか。これは、局長さん、はっきりしてくれないと困ると思うのです。
 そこで、聞きますけれども、港湾事業者に対して認可運賃どおり受け取るようにと指導はしていますよ。けれども、事業者は荷主の求めに応じて引き下げざるを得ない立場に置かれている。荷主に対する指導こそ必要になってきているとどの事業者に聞いたってみんな言います。審議会の内容を読んだってそういうことが書いてあるのですよ。
 大切なのは、大きな力を持っているのはだれかといえば荷主の方だ。それで、事業者の方はみんな弱い力の連中ですよ。拒否するわけにいかない人間が闘おうということになったら大変なことなんだ。そうすると、荷主に対する問題を意識してどう指導するのかということを基本に法改正をやらなかったら値打ちは出てこないよというのが、このダンピングをめぐるところの問題になっている。
 先ほども、質問の中に出てきていましたよ。トラックの過積載の場合にはどうしているのだ。九三年に道路交通法の改正をやって、荷主に対するところの措置をちゃんとすることができるように法改正をやっていますよ、この際には。
 だから、本当にきちんと港の安定を図ろうというのだったら、ここにメスを入れるということを考えなければいかぬ話になるのじゃないだろうか。だから、荷主に対する問題をどうするのか、大臣、一番の勘どころはここへ来ると思う。それについて、どう思われますか。
#125
○二階国務大臣 御指摘の趣旨を関係者一同に徹底すべく一層努力をしてまいりたいと思います。
 ただいまのインドネシアの問題等につきましても、関係省庁とも、改めて厳重に我々の意向を伝えたいと思っております。
#126
○寺前委員 それでは、法律の改正の問題でもそこのところにメスを入れることを検討していただきたいと思います。
 次に、下請事業者への支払いの保障の問題です。
 運賃ダンピングが日常化しており、その大もとである荷主にメスを入れる仕組みをつくらなければこの問題は解決しないと思うのです。
 運輸省は九一年の認可料金改定のときに、下請事業者の労働者を含むすべての労働者について、原価に算入したとおり、週休二日制、労働時間の短縮等を実施することの確約書を提出させました。下請を行う場合に、下請事業者への下払い費の支払いにおいてもその内容を反映させるとしています。こうした労働コストを含む認可料金どおりに支払いを受け、決められた労働条件改善を図ることを求める立場に今も変わりありませんか、局長さん。
#127
○高橋政府参考人 元請と下請の関係でございますけれども、元請事業者が下請事業者を使用した場合の下請料金につきましては、事業を営む上で必然的に生じるコストでございますから、当然このコストをカバーした上で、それにみずからの費用を加えて元請料金が設定されるようになるべきものと思っております。
#128
○寺前委員 荷主から買いたたかれて、元請事業者が認可料金の七、八割で仕事をやっています。下請事業者はさらに一割低く、認可料金の六割、七割で仕事をしてきているというのが今日の実態です。
 港湾運送事業では、認可運賃の六割が人件費だから、運賃ダンピングは人件費に直接影響を与えることになるのです。やみ雇用の増加、港湾運送の安定や安全の低下に結びつく重大問題になるのです。価格破壊が進み、やみ雇用がばっこしている、社会保険も労災保険も入っていない、退職金もない労働者が一日八千円で働けばとても競争にならないと下請事業者が叫んでいます。
 具体的に聞きますが、船内荷役を行う事業者が直接荷主から作業を請け負うときの認可料金が決められております。同じ作業を元請事業者から丸ごと請け負う場合、作業内容は同じだが、認可料金の六割、七割しか払われない実態になっています。下請事業者の労働コストが保障されない重大な問題として見なければならないと思うのです。
 下請事業者に認可料金に沿った形で労働コストを保障する料金が払われるのがあるべき姿ではないでしょうか。下請事業者への支払いの保障がなければ、労働コストが保障されないということにならないか。局長さん、いかがですか。
#129
○高橋政府参考人 元請の料金につきましては、今お答え申し上げましたように、下請事業者を使用して事業を行う場合には、その下請料金のコストプラスみずからの荷役に係る費用や管理費用を加えたものとして元請料金が設定されるべきものと思っております。
 それで、その元請料金につきまして、規制緩和の結果過度のしわ寄せが中小事業者や労働者に行かないようにするために、料金変更命令制度や緊急監査制度を適切に運用いたしまして、元請料金の過度のダンピングを防止することによって労働コストの確保が図られるように配慮していきたいというのが今回の趣旨でございます。
#130
○寺前委員 時間がないので次へ進みます。
 今度の法改正の審議をした過程でも、二十四時間三百六十五日の港湾を実現するためにということが問題になっていました。
 今度の規制緩和で、アジアの諸港に劣らない二十四時間三百六十五日フル稼働の港湾を目指すということになる。実は今でも夜間、日曜荷役が行われております。交代制がとられていないので、同じ労働者が朝八時半から夕方五時半まで働いて、さらに夜六時半から深夜三時半まで徹夜で働くという長時間労働が行われています。
 運輸省の各国のコンテナターミナルの運営時間等比較を見ると、諸外国の主な港ではどこも皆交代制がとられています。
 二十四時間三百六十五日フル稼働の港湾を目指すならば、当然交代制を導入しなければなりません。この費用負担をどうするのか。交代制になれば、その分労働コストはふえるが、当然適正な原価として料金に組み入れることになるのでしょうか。そこの指導はどうなっているのか、御説明いただきたいと思います。
#131
○高橋政府参考人 お答えいたします。
 御指摘の労働者の交代制の導入そのものにつきましては、労使交渉マターでありますので私どもの方からの発言は控えさせていただきますけれども、届け出料金につきまして変更命令をかけるか否かの判断に当たりまして、変動費の内訳としてもろもろの労働コストについて判断するわけでありますが、個々の事業者の個別の事情に基づきまして判断していきたい、こう思っております。
#132
○寺前委員 それでは、大臣に聞きます。
 アジアの主な諸港をとってみると、運輸省の資料で、交代制をとっていないのは日本だけになっています。このままの姿をよしとするんですか、しないんですか。私は、二十四時間三百六十五日を云々すると言うならば、指導方向として何をするのかはっきりする必要があると思います。いかがですか。
#133
○二階国務大臣 二十四時間三百六十五日の運用を求められているとすれば、そのことを実行していくために、ただいま委員から御指摘がありましたような労働者の交代制の導入等につきまして、あくまでも労使交渉のマターではありますが、政府の立場からもいろいろな面で、それぞれの組合代表あるいはまた関係者、協会の代表等、しょっちゅう連携をとっておるわけでありますから、個々の事業ごとに御判断をいただくことになりますが、政府としても十分関心を持って見守っていきたいと思っております。
#134
○寺前委員 それでは、次に移ります。
 もう一つの問題は、港湾の整備の問題なんです。現状で二十四時間三百六十五日フル稼働するだけの貨物量があるんだろうか、港湾整備との関係で明らかにしなければならないと思うんです。
 現在の第九次港湾整備七カ年計画、九六年度から二〇〇二年度、投資規模七兆四千九百億円では、外貿コンテナ整備を最重点にして、七カ年で一兆五千七百億円をかけて全国の中枢・中核港湾に外貿コンテナの大水深バース五十バースを整備する計画になっています。
 ところが、中核港湾七港湾の九八年の実績を調べてみると、外貿コンテナ取り扱いは十九バースで、取扱量が八百十万トン、一バース当たり四十一万トンにしかならない。運輸省は、一バース当たり年間百五十万トンという計算をやっています。中核港湾全体で二千八百五十万トン扱わなければならないのが、二千万トン以上も結果として現実は余裕が出ています。中核港湾の既にできている分でもこれだけ過剰なんです。さらに、九次計画中に中核港湾で整備、計画中の大水深の公共岸壁が八バースも残っています。
 私は、この計画自体を全面的に見直す必要があると思います。中核港湾の一つ、常陸那珂港に最近行ってきました。そこで、具体的に聞きたいと思うんです。
 常陸那珂港では、九八年十二月に北埠頭の内貿バース九バースが供用開始されました。また、ことし四月から、十四メートルと十二メートルの外貿コンテナバースも供用開始されました。その運用状況はどうなっているんだろう、どれだけの船が入り、どれだけの貨物を取り扱っているんだろう、これが一つ聞きたい点です。
 二番目に、四月に国際海上コンテナターミナルとして外貿埠頭が供用されました。一基九億円のガントリークレーン二基が整備されています。しかし、月二回、唯一の定期船であるロシア船はコンテナ船ではありません。これまでにコンテナ船は入港していますか、これからコンテナ船が入港する予定というのは具体的にあるんでしょうか、お答えをいただきたいと思います。
#135
○川嶋政府参考人 常陸那珂港に対する御質問でございますが、常陸那珂港は、首都圏の都市交通の混雑でありますとか、東京湾の海上交通の混雑を緩和いたしますために、ナショナルプロジェクトといたしまして、北関東地区の物流拠点の役割を果たすものとして期待をされ整備を進めてきているものでございます。北関東自動車道等の北関東周辺の広域幹線道路のネットワークの整備と連携いたしまして、国際的な物流ターミナルの整備を進めておりますし、その効果が期待されているものでございます。
 御指摘の北埠頭の内貿埠頭につきましては、複合一貫輸送等に対応いたしますためにターミナルを整備して、昨年、平成十一年の五月から週六便のロールオン・ロールオフ船の就航がされているところでございます。
 貨物についてのお尋ねでございますが、港湾統計集計中でございまして、今お答えをするデータは手元にございませんので、御容赦をいただきたいと思います。
 また、北埠頭の外貿埠頭についてでございますが、基幹的な国際物流基盤の整備に対応するために海上コンテナターミナルの整備をいたしまして、本年四月に供用を開始したところでございます。実際に、北埠頭につきましては、本年の四月の一日に、ジャパン・ナホトカ・ラインが定期寄港指定港といたしまして常陸那珂港を指定して在来船の定期航路が開設されたわけでございます。四月には延べ六隻の船が入港しておりまして、一部コンテナ貨物についても取り扱いがなされたというところでございます。
#136
○寺前委員 私はこの間見に行って本当に驚いたんですよ。要するに、今お話があったように、大阪泉大津と北海道苫小牧の間に航路が週六便で一日一便が入ってくる。それから、日立に入っておった船が隣のこちらへ来てもらって、栃木かどこかへ持っていくところのロシアの船が一隻入っておった。これが月に二回来てくれるんだと。それ以外にコンテナを持ってくる船がどこか具体的にあるかと聞いてみたけれども、黙して語らず。新しく出発するんならそれは万々歳で何か騒ぎがありそうなものなのに、本当に寂れている。こんなことでは何の当てもなくつくったと言われたって仕方がないんじゃないだろうか。
 これまで常陸那珂港の建設には二千九百億円が投資されて、うち県の負担が二千三十億円、約七割です。県は、施設使用料を八大港の七割の水準に抑えて何とか利用してもらおうと必死になっているけれども、利用めどが立たない。十分な使用料収入がないままで港湾運営は赤字が続いていく。
 ところが、今度は、常陸那珂港では水深二十五メートルの外海に総延長六千七百五十メートルの防波堤をつくって、総額六千八百億円を投入して四十二バースを整備する全体計画になっている。北埠頭の整備に続いて、中央埠頭に十五メートルと十四メートルの外貿コンテナバースをつくる計画がある。
 既に供用を開始した北埠頭でコンテナ船の利用が一度もないのに新たにコンテナバースをつくって、利用の見込みはないのに新たなコンテナバースの整備の予算の補助を国もつけるということになるんだけれども、こんなものに補助をつけるということを平気で言える人がおるならば堂々と出てきて国民の前に言ってほしいと私は思うわ。ちょっと待ってくれよ、北埠頭の問題がこんな状況のままで事を進めるわけにはいかぬのじゃないかというのが常識的な見方だと思うんですが、いかがですか。
#137
○川嶋政府参考人 お話にございました六千メートルの防波堤でございますけれども、この防波堤につきましては、産業関連事業、エネルギー関連事業ということで、そこに立地をする予定でございます発電関係のいわゆる燃料を輸入するための施設もあわせて整備をしているものでございまして、一つコンテナターミナルのためにということではなしに、それらをすべてあわせて、北埠頭、中央埠頭、南埠頭を含めた全体計画に対応した形で六千メートルという防波堤が計画されているものでございます。
 それから、コンテナ定期航路の誘致でございますが、その誘致につきましても、港湾管理者であります茨城県においては、ことしの四月から供用を開始したものでありまして、今、新しい航路の誘致に県としては最大限の努力を払っていただいて、航路誘致に努めていただいているところでございます。
 私どもとしては、内貿あるいは外貿、そしてエネルギー関連、それらをあわせて全体としての事業を適切に実施していきたいというふうに思っております。
#138
○寺前委員 あきれて、私は物も言えぬわ。見に行ってみないな。見に行かへんから言えるのか、あるいは、そのポストにおるさかいそう言わざるを得ぬのか。国民は泣きますよ、これは。莫大な、だれの金を使ってやっていると思っているんだ、無責任もいいところだと私は思うな。
 それで、今中核の話をしたけれども、中枢港湾の事態はどうだろうか。アジアの諸国並みにと言うけれども、アジアの諸国のバースの状況はどうなっているんだと思って調べてみたら、韓国の釜山では約六百万トン、シンガポールでは約六百三十万トン、香港では九百六十万トンを扱っている。
 日本は今百五十万トンで計算をして一つのところを出していこうとするんだけれども、例えば大阪を見てみましょうか。九八年の公共コンテナバースの取扱実績を見ると、六バースで六百六十五万トン、一バース当たり百十万トンですよ。運輸省の言っている百五十万トンに照らしても、一・五バース分の余裕がある。アジア諸国並みに効率的活用をすればもっと多くの貨物が扱える状況にあるにもかかわらず、大阪港ではさらに大水深コンテナ二バースが整備中であるし、四バースが計画中である。大丈夫か、こんなやり方をしておって。
 また、現行の港湾整備計画ではコンテナ一バース当たり百五十万トンの取扱計画でやっているけれども、二十四時間三百六十五日フル稼働ということから言うたら、この港湾計画自身はフル稼働を前提にするという仕事の計画じゃないですわな。フル稼働を前提として建設をやっていくんですか。そこはどうなっているんですか。
#139
○川嶋政府参考人 二十四時間三百六十五日フル稼働ということが前提かというお尋ねでございますが、港湾の利用の仕方といたしまして、実際には、最適な利用条件、そういったものを考慮しながら一バース当たりのものを決めておるわけでございまして、三百六十五日二十四時間フル稼働というのはサービスのレベルを指しているものでございまして、現実に三百六十五日二十四時間を連続して船がそこにずっとついているということについては、必ず待船等が生じるというようなことにもなりまして現実的ではないというふうに考えております。
 そういう意味で、サービスのレベルとして、二十四時間三百六十五日フル稼働ということができるということで考えさせていただいているものでございます。
#140
○寺前委員 ばかばかしくて、私はもうよう質問せぬわ、本当。要するに、フル稼働されたら、あんな港、あんなようけ要らぬということになる。そうしたら、労働者の労働条件の整備の仕方も変わってくるんだ。フル稼働を前提にしないという整備やったら、むだなことをやっておるなと言わざるを得ぬがな。私は、一番基本問題で、本当に日本の港湾行政のあり方の基本が狂っていると言わざるを得ないと思う。これは大臣、どういうふうにお考えになるのか、ちょっと一回検討してほしいと思うな。
 この間、「海運」という本、九八年の一月のものを読んでおったら、こんなことが書いてある。大手外航海運会社の責任者というのかな、大阪商船三井船舶の社長さんですよ、生田さん。
 現在の港湾整備は壮大な税金むだ遣い、発想の原点に建設ありきだ、第九次五カ年計画は見直した方がいい、二〇一〇年に政府予測どおりコンテナ貨物が倍になったとしても、今のハードで余りがあります、阪神・淡路大震災で神戸港の三十五ないし三十六あった国際ターミナルがつぶれてしまった、緊急対応として九つのターミナルを修復して、日曜を含め二十四時間対応し、それで神戸港の七割の貨物が十分に処理できた、十ないし十二のターミナルがあれば神戸の貨物量は一〇〇%処理できることを証明した、国民の税金を使うわけだから、なぜそういうことを志向されないのか。
 これが九八年の本に書いてあった。船舶の社長さんが、あんなやり方をしておったらあかんのやと。だから、港湾の基本的あり方について再検討していかなかったならば、この働く労働者の権利の問題でも無責任な姿になってくるのは当然じゃないか。大臣、いかがですか。
#141
○二階国務大臣 ただいまの生田さんの御意見はたびたび御紹介をいただいておりますので、私も伺っておりますが、今後、港湾の問題につきまして、私は、こういう時代でありますから、当然、謙虚にさまざまな方々の御意見を拝聴しながら進めていくべきだということはよく理解するところでありますが、港湾の性格からいいまして、先ほどから局長も答弁申し上げておりますように、電車の駅のように常にフル稼働してやれるというふうなものではありませんので、ある程度のゆとりを持って対応していかなくてはならない。そのための方策として、ただいま寺前委員から厳しく御指摘のあったような点につきましては、我々としても十分今後検討してまいりたいと思います。
 思いますが、全くむだなことをあちこちでやっておるようなことを言われますが、私たちはやはり計画に基づいて、我が国の産業、そして地域の発展、国際社会における我が国の港湾行政のあり方等を十分勘案しながら、今後もしっかりとした対応をしてまいりたいと思っております。
#142
○寺前委員 素直にひとつ意見を聞いてもらって、よく検討してくださいよ。心から申し上げたいと思います。
 次に、バスジャック問題について、最近起こったことでありますので、亡くなられた方に哀悼の意を表明するとともに、この事態は極めて遺憾だったと思うんです。
 既に、バスジャックというのは過去にもありました。七七年の長崎市で起こったことを初め、六件も起こっているんです。私の知るところでは、多くのバス事業者ではバスジャック等の対策がとられていないというふうに聞いています。
 既に、高速バスの利用状況は、九八年度では延べ路線数千五百八十九、利用人員は六千六百六十九万一千人、この十年間で路線数で二倍強、輸送人員で一・二倍と急成長をしている公共輸送機関であります。高速バスは、国民生活に根差した公共輸送機関として、その公共性はますます高まってきているから、その安全対策というのが緊急に求められます。
 改めて聞きたいと思うんですが、高速バスの公共輸送機関としての安全を確保する立場から、バスジャック対策のあるなしについて、日本のそれぞれの路線についてどうなっているのか、運行管理や通報制度はどうなっているのか、バス監視のあり方についてはどうなっているのか、運輸省として実態を知っておられるのだろうか。実態を知っておられるのだったら、御説明をいただきたい。これが一つ。
 第二番目に、知っておられないのだったら、実態を調査し、再発防止に取り組むべきだと思うのですが、いかがでしょうか。
#143
○縄野政府参考人 バスの役割、特にその中での高速バスの役割については、委員御指摘のとおりだと思います。その運行の実態について、私どもの出先も含めて、必要な限りの把握をしているつもりでございます。
 ただ、遺憾ながら、今回のバスジャックの発生に当たりまして、このような事件に対応するマニュアルが、すべての事業者について、かつ、現時点で適切なマニュアルの作成、徹底ができていたかどうかということにつきましては、私どもとしても十分反省をしなければならないというふうに思っております。
 バスの特性から見まして、このような事件の発生をバス事業の側から未然に防止するということにつきましては、かなり難しい問題であると思いますけれども、少なくとも、このような事件が起きました場合の対応につきまして、今おっしゃられましたようなバス事業の実態、それから運行管理の実態、そういうものを十分もう一度点検をし、識者の意見も聞きまして、どのような対策をとれるか検討してまいりたいというふうに考えております。
#144
○寺前委員 もう時間になりましたので、最後に大臣にだけお願いをしたいと思うのです。
 一つは、今度は海洋汚染の法律がかかっていますけれども、これはMARPOL条約附属書のIIの改正に基づくものであって、私どもは賛成をするという態度を表明したいと思うのです。いろいろ国際的に決められ、また国会でも決めて、それを実のあるように生かしてくださることを私はぜひ期待をしたいと思うのです。
 十年前のことになりましたが、京都の経ケ岬で事故が起こって、その後、この三年ほど前にナホトカ号の問題が起こってくる。そうすると、緊急に対応しなければならないということで、法律をつくっておきながら、緊急対応を後から調べてみると、必ずしもそうはなっていないという結果になっていると思うのです。私どもは、事が起こったときにだけ改めて問題にして、それから後また忘れていくというような、天災は忘れられた時分に生まれるという話が、だれかが言われましたけれども、そういうことに政治の社会ではならないように、大臣にひとつ要望をしておきたいというのが一つです。
 それから、今のバスジャックの問題についても、大臣の御決意を聞かせていただいて終わりとしたいと思います。ありがとうございました。
#145
○二階国務大臣 ただいま寺前委員から、今回政府が提出しております海洋汚染及び海上災害の防止に関する一部改正につきまして、御賛成をいただけるという御意見の開陳がございました。心から感謝を申し上げるとともに、ただいま寺前委員御指摘の点を十分胸に刻んで、しっかりと海洋汚染防止についても努めてまいる決意であります。
 なお、ただいまバスジャックの問題につきましてもお話がございました。私も、バスジャック発生以来、テレビを通じ、あるいはまた警察等の情報等を伺いながら、さらに九州陸運局と、九州運輸局との間で連携をとって、いろいろと対応につきましても協議をしてまいりました。何せ、ああいう凶悪犯罪、しかも、テレビ等で放映されるのはかなり後でございましたが、私どもはかなり早い段階で、これは精神病院からきのう帰ってきたばかりの人だということがわかって、改めて大きなショックでございました。しかし、私もずっと状況を眺めておりまして、いろいろなことを考えてみました。
 したがいまして、バス事業者の専門家は専門家として、運転をされる人は運転をされる人として、今度のことを通じていろいろなことをみんなで考えているわけでありますから、私は、こうした意見を早急にまとめて、やれるものから順次対応してまいりたい。費用対効果ということももちろんありますが、何にもまさる人命の尊重ということにつきまして、私たちは、バス事業者の皆さんとともに、その責めを担っていかなくてはならないと思っております。
 私は、とりあえずは、ああした危険が発生したということを、外部の皆さんに全然連絡することができずに、ただ車だけが漫然と走っておるというこの姿、そして、機転をきかせたということになりますか、あの御婦人の方が一人おりてこられたことによって、バスジャックの状況がようやく警察当局にも通報できたわけでありますから、そうしたことをもっとスピーディーに通報できるような機械的な開発を考えていかなくてはならない。タクシーで既になされておるわけでありますから、バスでこんなことができないわけはないわけでありまして、これは早急にやれるようなことを検討してまいりたいと思っております。
 なお、長距離バスになりましても、インターチェンジ、あるいはまたバスの停留所、またトイレ休憩等、いろいろさまざまなところでバスが停車するわけでありますから、そうしたときに、警備の関係でそこに何か立ち入り、接触する方法がないだろうかというようなことも考えております。鉄道におけるそうした警備体制とあわせて、あるいはまた、飛行機の空港における警備体制とあわせまして、どのような方法をとることが一番いいのか。
 この際、こういうことが発生したことは大変不幸なことでありましたが、このことを機会に、我々は徹底的にバスジャック対策に取り組んでまいりたい。そして、再発防止、二度とこういうことを起こしてはならない、そういう固い決意のもとに、運輸省を挙げて対応してまいることをここでお約束しておきたいと思います。
#146
○寺前委員 どうもありがとうございました。
#147
○仲村委員長 これにて両案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#148
○仲村委員長 ただいま議題となっております両案中、海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律案について議事を進めます。
 本案につきましては、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#149
○仲村委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#150
○仲村委員長 次に、港湾運送事業法の一部を改正する法律案について議事を進めます。
 これより討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、これを許します。平賀高成君。
#151
○平賀委員 私は、日本共産党を代表して、港湾運送事業法の一部を改正する法律案に対する反対討論を行います。
 港湾運送事業は、波動性、労働集約性などの特徴を持ち、供給過剰による事業秩序の混乱と悪質事業者や劣悪な労働条件の横行などのもとで、港湾運送事業者の安定化と港湾労働者の労働条件確保のために、事業免許制の導入や認可運賃・料金制度の確立などの規制が行われてきました。
 港湾運送事業の規制緩和は、これまでの産別労使協定を中心とした港湾労働秩序と労働環境改善を図ってきた基盤を崩し、米国と我が国の大手船社、荷主の思いのままになる港湾づくりを目指すものです。
 反対の第一の理由は、港湾運送事業者のほとんどが中小零細業者であり、現行の認可制のもとでも、荷主等による優越的地位の乱用や、恒常的な過当競争の状態のもとで、認可料金さえも守られていないのが現状です。認可料金から届け出料金に規制緩和することによって、一層の競争激化、料金・運賃ダンピングの横行など、中小零細業者の経営困難や労働者の雇用悪化、労働条件の切り下げを生み出すことは必至です。運賃ダンピングの防止策として変更命令制度が盛り込まれているとしていますが、同じ規定のあるトラック事業において過去に一度も発動されていないことからも、この制度の実効性は極めて乏しいものです。このような方策をもって安定化策などとは到底言えないものです。
 反対の第二の理由は、日本経済の生命線を担っている港湾運送事業における需給調整の廃止、新規参入、退出の自由化によって、安定的な港湾運送の確保ができなくなる可能性があります。さらに、規制緩和の段階的実施として、今回は主要九港が対象とされていますが、周辺港、地方港にも際限のない運賃競争がもたらされるものです。
 最後に、港湾を二十四時間三百六十五日稼働させるというのであれば、ばらまきと言われるむだな港湾整備を見直し、効率的な港湾運営、労働者の八時間交代制など労働条件の保障など、物流政策としての総合的な検討が不可欠です。
 ところが、今回の規制緩和は、こうした検討も保障もないまま、米国や大手船社、荷主の要求に沿って行われるものであり、我が国の港湾運送事業者と労働者の安定と安全を損ない、港湾運送事業の安定的発展の基盤を崩すものであることを指摘し、反対討論を終わります。
#152
○仲村委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#153
○仲村委員長 これより採決に入ります。
 港湾運送事業法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#154
○仲村委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#155
○仲村委員長 この際、本案に対し、石破茂君外四名から、自由民主党、民主党、公明党・改革クラブ、保守党及び自由党の五派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。提出者より趣旨の説明を求めます。高木義明君。
#156
○高木委員 ただいま議題となりました港湾運送事業法の一部を改正する法律案に対し、附帯決議を付すべしとの動議につきまして、自由民主党、民主党、公明党・改革クラブ、保守党及び自由党の五会派を代表し、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    港湾運送事業法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、次の点に配慮し、所要の措置を講ずるべきである。
 一 規制緩和が実施されても、労働関係等港湾運送の安定化が保たれるよう努めるとともに、問題が生じた場合には、関係者の意見を十分聞いた上、必要に応じ、適切に対応すること。
 二 規制緩和の実施に伴い、港湾労働者に過度のしわ寄せが及ばないよう配慮し、料金変更命令制度や緊急監査制度を厳正かつ機動的に運用することによって、ダンピングの防止を図ること。また、このため関係各省が連携して、船会社、荷主にも必要な指導を行うこと。
 三 港湾労働者の福利厚生等に使われている関係者の拠出金について、その安定した維持・運営が図られるよう努めること。
 四 日曜荷役や夜間荷役等港湾サービスの更なる向上を図るため、港湾運送事業者の集約・協業化を進めるとともに、港湾労働者の良好な労働条件の確保に配慮する等必要な環境の整備に努めること。
 五 規制緩和を行う九港以外の港においては、現行の事業免許制度及び認可料金制度が遵守されるよう法の適切な運用に努めること。
以上であります。
 本附帯決議案は、ただいまの法案審査の過程におきまして、委員各位からの御意見及び御指摘のありました問題点を取りまとめ、政府において特に留意して措置すべきところを明らかにしたものであります。
 何とぞ委員各位の御賛成を賜りますようお願いを申し上げます。(拍手)
#157
○仲村委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 石破茂君外四名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#158
○仲村委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 この際、運輸大臣から発言を求められておりますので、これを許します。二階運輸大臣。
#159
○二階国務大臣 ただいま海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律案並びに港湾運送事業法の一部を改正する法律案につきまして、慎重な御審議の結果、御可決をいただきまして、まことにありがとうございました。
 ただいま御決議のありました港湾運送事業法の一部を改正する法律案の附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重し、運輸省として努力をしてまいる所存であります。
    ―――――――――――――
#160
○仲村委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#161
○仲村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#162
○仲村委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後一時五十七分散会

ソース: 国立国会図書館
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