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2000/03/29 第147回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第147回国会 商工委員会 第6号
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2000/03/29 第147回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第147回国会 商工委員会 第6号

#1
第147回国会 商工委員会 第6号
平成十二年三月二十九日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 中山 成彬君
   理事 伊藤 達也君 理事 小林 興起君
   理事 河本 三郎君 理事 山本 幸三君
   理事 大畠 章宏君 理事 吉田  治君
   理事 久保 哲司君 理事 塩田  晋君
      石崎  岳君    小野 晋也君
      岡部 英男君    奥田 幹生君
      奥谷  通君    粕谷  茂君
      小島 敏男君    古賀 正浩君
      桜井 郁三君    新藤 義孝君
      砂田 圭佑君    田中 和徳君
      竹本 直一君    中野  清君
      中山 太郎君    細田 博之君
      宮島 大典君    茂木 敏充君
      山口 泰明君    北村 哲男君
      渋谷  修君    島津 尚純君
      樽床 伸二君    中山 義活君
      山本 譲司君    赤羽 一嘉君
      西川 知雄君    青山  丘君
      小池百合子君    藤井 裕久君
      鰐淵 俊之君    金子 満広君
      中林よし子君    吉井 英勝君
      北沢 清功君
    …………………………………
   議員           枝野 幸男君
   通商産業大臣       深谷 隆司君
   国務大臣
   (経済企画庁長官)    堺屋 太一君
   経済企画政務次官     小池百合子君
   通商産業政務次官     細田 博之君
   通商産業政務次官     茂木 敏充君
   政府参考人
   (通商産業省基礎産業局長
   )            岡本  巖君
   商工委員会専門員     酒井 喜隆君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月二十九日
 辞任         補欠選任
  小野 晋也君     石崎  岳君
  奥谷  通君     砂田 圭佑君
  森田  一君     宮島 大典君
  渋谷  修君     北村 哲男君
  青山  丘君     鰐淵 俊之君
  吉井 英勝君     中林よし子君
同日
 辞任         補欠選任
  石崎  岳君     小野 晋也君
  砂田 圭佑君     奥谷  通君
  宮島 大典君     森田  一君
  北村 哲男君     渋谷  修君
  鰐淵 俊之君     青山  丘君
  中林よし子君     吉井 英勝君
    ―――――――――――――
三月二十三日
 中小企業金融安定化特別保証制度の延長等に関する請願(佐々木陸海君紹介)(第八二四号)
同月二十九日
 愛知万博計画の抜本的見直しに関する請願(瀬古由起子君紹介)(第八四七号)
 実効性のある消費者契約法の早期制定に関する請願(松本善明君紹介)(第八九五号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 アルコール事業法案(内閣提出第四一号)(参議院送付)
 消費者契約法案(内閣提出第五六号)
 消費者契約法案(菅直人君外三名提出、第百四十六回国会衆法第一八号)

    午前九時開議
     ――――◇―――――
#2
○中山委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、参議院送付、アルコール事業法案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として、金子満広君及び北沢清功君の質疑の際にそれぞれ通商産業省基礎産業局長岡本巖君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○中山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
#4
○中山委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。奥谷通君。
#5
○奥谷委員 おはようございます。自由民主党の奥谷通でございます。
 深谷通産大臣におかれましては、大臣就任早々に、阪神・淡路大震災の被災の中心でありました神戸の長田区においでいただきまして、まだ震災の後遺症にあえぐ地元の産業あるいは商業について、本当に熱心に御視察をいただきました。こういった姿勢が各般に浸透いたしまして、着実な成果を上げられている源泉だと思っております。
 きょうは非常にタイトな時間でございまして、早速にアルコール事業法案についての質疑に入りたいと思います。
 平成十年の三月に、規制緩和三カ年計画におきましてあらゆる規制緩和が行われております。現在もそれが続いておるわけでございますけれども、その規制緩和の一つとしてこのたびのアルコール事業法案が提出されております。この内容を見ておりますと、この緩和は特別さした問題があるわけではないと思いますので、早く撤廃されるべきだろうと私は思う次第でございます。
 アルコール専売法の歴史をひもといてみますと、昭和十二年の第七十回の帝国議会にさかのぼるわけでございます。同年の四月より施行されておりますが、そもそもその当時は、燃料政策の一環としてアルコールを製造いたしております。これがガソリンに混入されることによりましてガソリンの消費の節約を図ったという事情、これは非常に軍事的な目的があったわけでございます。自給可能な燃料としてのアルコールが大いに注目をされました。また当時の農村経済も、慢性的な経済不況のもとに非常に危機的な状況にありました。カンショやバレイショからアルコールが製造されるということは、農村にとりましても国にとってもこれは大きな福音であったと思われます。
 アルコール専売制度は当時のこのような時代背景のもとに制定されたのでありますけれども、戦後は、燃料の確保というよりも、むしろ酒類原料への不正使用を防止するための適切な管理という観点から、引き続き専売制度が維持されております。昭和三十二年には発酵アルコールと同一物質である合成アルコールの製造も可能となりました。これらの調整をいかに図るかというのが大きな問題でありましたけれども、昭和三十五年より数々の場でアルコール専売制度の不必要性というものがうたわれております。民営化に早く移管すべきではないかというような意見が強まっておったわけでございますけれども、このたびのアルコール事業法案によって初めてこの制度が廃止になっていくわけであります。
 例えば専売制度では、しょうのうが昭和三十七年の三月二十三日、たばこは昭和六十年の四月一日、また塩は平成九年の四月一日というような形でこの制度が廃止されております。こういった中でなぜ今までアルコールだけが民営化が実現しなかったかということについて、まず最初にお伺いをいたします。
#6
○深谷国務大臣 おはようございます。奥谷委員の御質問にお答え申し上げます。
 ただいまもお話がありましたように、アルコール専売制度というのは六十年という長い年月の間続いてきたわけでございます。これは、広く工業用途に使用される基礎物質であるアルコールについて、国が製造、輸入、販売、一手に引き受けまして一元的に実施するということで、まず、安定的な供給を図るという、そういう必然性があったというふうに思います。また、酒税が課されていない工業用アルコールについての流通を厳格に管理するということも大事で、そして同時に、低廉な価格で提供する、それを確保していく、そういう役割を果たしてきたわけでございます。
 ただ、この間、専売制度についていろいろな御意見がございまして、例えば、もっと効率化したらいいではないかとか、合理化すべきではないかというようなことから、昭和五十七年に国営工場をNEDOに移管いたしまして、いわゆる五現業としての取り扱いをやめるというような形になりました。
 今般は、行政改革という大きな時代の要求に沿うて、平成九年に行政改革会議最終報告で、アルコールの専売については積極的に民営化すべきである、そういう御指摘を受けて、またその後、産業構造審議会アルコール部会の審議におきましても、専売制度を廃止することが望ましいということの答申を受けまして、その方向に歩み始めて、今日の法律案の提案ということになったわけであります。
#7
○奥谷委員 非常に長い歴史の中で、我が国特有のいろいろな事情というものが、民営化に至るまでの、今日に至った原因だと思うわけでございますけれども、今回のこういった民営化によりまして、メリット、デメリット、両方あると思います。もちろんメリットの方が多いのでこういうことになったと思うわけでありますけれども、例えば、同じ専売制度による塩やたばこの販売が民営化されたときは、暫定期間というものを置いております。余り急激に転換するときの混乱を避けるためだと思いますが、今回のアルコール専売廃止によっての混乱、つまりデメリット部分での対策、あるいはまたメリットとして考えられる経済効果について、少し御意見を伺いたいと思います。
#8
○深谷国務大臣 ただいま申し上げましたように、専売制度のもとでのアルコールの製造、販売、輸入、これは国が独占していた。このことで、供給と需要の両面をきちっと見ながら安定供給を続けてきたわけでありますが、これからそういうことがなくなる。
 まずメリットの点を考えれば、アルコールの製造、販売等の事業に新しい人たちが参入できる。参入すれば、まず第一に、国が直接販売していたのですから行政コストが削減される、またアルコール業界の競争が促進されて、結果としてユーザーの方々がより安い値段でアルコールを入手できるような環境をつくっていく。また、最近ではバイオ技術というのが非常に盛んになってまいりましたので、これらの技術を利用した新しいアルコール製造技術というのが恐らく開発、促進されていくであろう。
 また一方で、全国同一価格で売られていた物が、製造拠点だとか流通拠点からの距離でアルコールの価格が高くなったりする可能性がある。そのために、そういうことのないように、激変緩和ということで、五年間の暫定措置では、NEDOが全国的に設置された流通基地までは一律の値段で出すといったようなことで地域の格差をなくす、あるいは比較的中小のユーザーにマイナスになるようなことについての激変を緩和する、そういうようなことを配慮しているわけであります。
 メリット、デメリット、いろいろありますけれども、少なくとも、デメリットの部分については、このような激変緩和の措置によって、それを抑えることが可能であろうというふうに思います。
#9
○奥谷委員 ありがとうございました。
 今回の法案によりまして、専売制度の品目はすべてなくなるということも聞いております。さらなる経済活性化のために、ひとつ御尽力を賜りますようにお願い申し上げまして、質問を終わります。
#10
○中山委員長 大畠章宏君。
#11
○大畠委員 民主党の大畠章宏でございます。
 今回の法律案について質問をするわけでありますが、私自身、アルコール専売制度というものをいろいろ調べさせていただきましたけれども、非常に奥深いといいますか、日本の歴史とも大変強い関係を持った事業でございまして、これは大臣御存じのとおり、昭和十二年、アルコール専売法が施行されまして以来、太平洋戦争勃発、終戦、その後さまざまな日本の変革の中で、アルコール専売事業というものが日本の社会状況に非常に翻弄されてきたというのが実態だと思います。
 しかし、このアルコール事業というのが、日本の社会あるいは日本の産業界にとっても大変大きな影響を与えるものでありますから、きちっとした形でやろうということで、さまざまな工夫もされてまいりました。先ほど奥谷委員からもお話がありましたが、日本の経済的、社会的な変化の中で、このたびの法律案というのが提出をされたところであります。
 最初に、先ほど奥谷委員からもお話ございましたが、アルコール専売制を廃止するということについてお伺いしたいと思うんです。
 諸外国の例を見ますと、相変わらず専売制というものを維持しているところもございます。ドイツ、スイス、オーストリア、ここでは専売制を維持していますし、アメリカ、イギリス、フランス等では許可制でありますけれども、私は、専売制というもののいいところも非常にあったのではないか。
 先ほど言いましたように、昭和十二年から始まったアルコール専売法というものが、日本の社会あるいは経済の変化に伴って今日の形になろうとしているわけでありますが、なぜ専売制を廃止するのか。奥谷委員の視点とはちょっと違うかもしれませんが、改めてその点を御確認させていただきたいと思います。いわゆる専売制を廃止するメリットは何かということについて、お伺いしたいと思います。
#12
○深谷国務大臣 大畠委員が、アルコール専売労働組合友好議員懇談会の事務局長として、大変ここに力を入れて対応してこられたことは承知しております。
 先ほども申し上げましたけれども、このアルコールの専売制度によって、少なくとも、安定供給、特に価格についてもそうでありますけれども、これは製造から輸入から販売まで国が一元的にやっておったものでありますから、そういう点では、きちっとそれらのメリットは守られてきたというふうに思います。そういう意味では専売制度の必要性というのはあったわけでありますけれども、今日のように時代が大きく変わりまして、もちろん行政改革ということもございましょうが、適正な競争の中で需要者にとって低廉なアルコールが供給される、そういう必要性の求められる時代に入ったというふうに私は思います。
 これから、アルコールの製造、販売等の事業への参入が原則自由となるわけでありますから、これによって、それぞれの段階での競争というのが促進されてまいります。結果として、ただいま申し上げたような、アルコールの需要者の方々に対して、全体として、より安い価格でアルコールが供給できるようになるだろうと思います。
 また、バイオ技術等が最近では非常に進んでいるわけでありまして、これらについての創意工夫で、アルコールの製造技術開発については一層活発化していくのではないか。そして、ニーズに応じたアルコールの品質の多様化といったような、そういう分野でも魅力あるアルコール市場がつくられていくのではないか。
 ただ、そうはいいましても、全国共通の一定した価格で維持されるか、あるいは供給は安定的にいくのかというような問題がありますから、そういう点では、暫定期間を置きながら激変の緩和にも努めていこう、そう考えているところであります。
#13
○大畠委員 今大臣がお話しされましたけれども、そういうところも理解できるわけでありますが、先ほど申しましたように、このアルコール専売事業に携わってきた方々にとっては、前回NEDOに製造部門が移されて、さまざまな形で変遷をしているわけでありますが、さらに今度、特殊会社化するということでは、そこで働いている人にとっては、これからどうなるんだろうかという、非常に不安が伴うんですね。
 私は、日本の社会が規制緩和の中で変遷していくことは社会の流れとしていたし方ないのかなとは思うんですが、そのときに大事にしなければならないのは、世の中の流れだからといって、そこで働いている人、あるいはその事業体というのが、後は野となれ山となれみたいな話になってしまったのではいけないのではないか。
 特に、アルコール事業というのは、大臣もよく御存じのとおり、戦争中には燃料として使われるとか、さまざまな歴史がありました。そして、戦後は、日本経済、産業界に安い値段で供給しよう、飲料のアルコールとは違う形なんだということで、きちっと区別をして、全体を管理しようということでやってきたわけでありまして、こういう秩序正しい流れというものが、今日の日本の経済というもの、あるいは社会というものを支えてきたことは事実でありまして、そういう意味では、国が全体的なアルコール事業の管理というものをきちっとしていくという基本的な姿勢は保っていかなければならないんじゃないか。
 そこら辺は、今回の法改正の中で、何となく自由化の流れだからといってあいまいになってきている、あるいは、時代の流れだからといって全部民営化しようということであってはならないんじゃないかと私は思うんですね。
 私自身も、いろいろな、先ほど大臣からお話ありましたように、事務局長というものをさせていただいているわけでありますが、非常に懸念しているのは、国鉄の千四十七人のあの闘争がもう十三年も続いているんです。民営化するというときに、働いている方々の協力を得なければならないということは事実でありますが、非常にあいまいな形になりますと、いろいろな労使紛争というのが発生します。
 今、労働組合の方々も、廃止される工場ですとか、移転をしなければならない方々、あるいはどうしても移転できないという方々の、組合員と一対一で話し合いながら、どうしたらいいのかということを知恵を集めているところであります。
 私は、労働組合の役員の方々の御苦労というのもよくわかりますし、ましてや、国の事業の変遷というものに伴って、労働組合の、従業員の方々が生活環境もごろっと変えた形でやらなければならないというので、非常に大変だろうと思っておりまして、そこら辺、そういう方々にとっても、このアルコール事業というものがこういう展望を持つんだということを明確にすることが今必要なのではないかと思っています。
 そこで、このNEDOアルコール製造部門の特殊会社化というもののタイミングについて、なぜ法施行開始五年後としたのか。一つの目安にはなるのですが、先ほどもお話があったかもしれませんが、五年後とした根拠について確認をしておきたいと思います。
#14
○細田政務次官 大畠委員の御質問につきましては、私どもも心を痛めつつこの法案を提出させていただいているわけでございます。また、関係者の皆様方も御心配されて、きょうは傍聴もされておられるようでございますけれども、私どもとしてはしっかりとした雇用対策を初めとする対策をとっていきたいと思っております。
 御質問の、特殊会社に十八年四月一日をもって移行するということにつきましては、特殊会社にとどまるものではなくて、その後速やかに政府保有株を売却いたしまして、平成二十年から株売却を開始いたしまして完全民営化を目指すことといたしておりますので、暫定措置期間中の五年間はNEDOの中で民営化の準備をしっかりと行いまして、先々、民間企業と伍して事業を継続していけるような基盤を固めることが必要と考えたところでございます。
 こういう進め方をした方が職員の雇用問題への対応もより円滑に行い得ると判断いたしまして、五年間の暫定期間終了後に移行することとしたわけでございます。
 また、そのほかにも要因がございまして、遠隔地とか中小零細のユーザーには、民営化後への対応として、共同購入、他の食品原料等との一括購入の準備を行うというようなこともございますので、これにも五年程度の期間が必要だという判断をしたものでございます。
#15
○大畠委員 一つの方向性を示すためにもという話がございましたけれども、この間、五年間という貴重な時間を使って、そこで働いている方々との意見のやりとりあるいは理解を求めるということも含めて、十分な対策をしていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 そこで、今のお話にも出ましたけれども、JTとかNTTというものは法による株の持ち分義務が規定されているわけでありますけれども、NEDOのアルコール製造部門の特殊会社化については、国による株式持ち分規定というものがございません。今のお話にもちょっとございましたけれども、なぜ早期に株式売却を図ろうとしているのか、その理由についてお伺いしたいと思います。
#16
○細田政務次官 特殊会社の株式の一定割合を政府が保有する義務は、例えばNTTでありますと、我が国の基幹的電気通信事業体としての強い公共的性格にかんがみて、特定の者に経営が支配されたり株主権が乱用されたりすることのないようにするという趣旨であると承知いたしておりまして、それぞれの特殊会社が担う事業の強い公共的性格によるものであると認識しております。
 NEDOアルコール製造部門が移行する特殊会社は、政府全額出資の株式会社としてスタートすることとしておりますが、それはあくまで暫定的な姿であり、アルコールの安定供給の確保という見地からは本法に基づく一連の流通管理に服することとしつつも、事業体としては一つの完全な民間企業として同業他社と競争していくことを期待していることから、政府が所有する株式を早期に完全売却することを予定しているものでございます。
#17
○大畠委員 そこら辺も、先ほど私も申し上げましたけれども、世界には、ドイツ、スイス、オーストリアのように専売制をとっている国もありまして、すべて民営化すればいいという話では私はないのではないかと思いますね。そこら辺、国としては一つの方針も打ち出したわけでありますが、アルコール事業というのは安易に考えているとつまずくんじゃないかと思うのですね。
 私も前は企業に勤めておりまして、物づくりの世界にいましたが、見かけは非常に小さなものでも侮ると事故を起こすということがあります。設計変更なんかも、例えば、なぜこんなところにこんなRが入っているんだろうか、表面仕上げが入っているんだろうか、こんなのはもう時代が違うから取ってもいいんじゃないかなんという、安易に図面変更をしますと、システムといいますか、機械そのものがトラブることがあるわけであります。
 このアルコール事業についても、これまでの、先ほども申し上げましたように昭和十二年からのものでありまして、太平洋戦争でも戦後の経済の中でも、非常に国がきちっと管理をしようとしてやってきたわけでありまして、今日でもこのアルコール事業というものは日本の産業界の中でも重要な位置づけを示していると思いますので、今答弁がありましたけれども、十分そういう状況を見ながら、実際の状況を見ながら、国としても慎重に進めていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 その次に、JTはたばこ製造というものを独占しているわけでありますが、特殊会社がアルコール独占製造としないのはなぜか。
 今のお話でも、民営化したいという話がございましたけれども、改めて、どういうことでアルコールの独占製造とはしないのか、そのところを明確にお答えいただきたいと思います。
#18
○茂木政務次官 JTとの比較での御質問でございますが、JTの場合、製造たばこの独占製造を行っている。これは、日本の国内の葉たばこが国際価格と比べて割高である、こういう状況から、JTがすべての国内葉たばこの買い入れを行っている。これはたばこ事業法の第三条で定めてあるわけですが、輸入品との関係でJTの競争力を確保するためにこういった独占製造の規定がされているわけであります。
 これに対しまして、アルコールの場合におきましては、先ほど大臣の方からも冒頭ありましたように、アルコール産業における競争の導入、促進、これにより、全体としてより安い価格でアルコールを供給する、このことが専売制度廃止の大きな目的の一つでありますので、NEDOアルコール製造部門が移行いたします特殊会社が我が国のアルコール製造を独占して今後行っていくということは適切ではない、このように考えております。
#19
○大畠委員 今のお話は一つの考えだと思うのですけれども、この件についても申し上げておきたいと思いますが、社会的な状況、実際にそういうふうにした場合にどういう変化が起こるのか、そういうことを十分勘案しながら、先ほど大臣からもお話ありましたが、アルコールの安定供給それから市場の安定というのも大変重要ですから、そういうことを十分注意しながらすべきであろうということを指摘しておきたいと思います。
 それから、酒類メーカーは工業用アルコール分野に参入可能ということになっていますけれども、特殊会社は酒類分野に参入はできないのかという話がございます。
 これは、民営化するのであれば、民営化の中で生きていかなければならないわけでありまして、民営化はした、しかしそれは非常に拘束した形で、あとは自由に生きなさいというのでは、片っ方の手しか使ってはいけませんという形で、あとは自由に生きなさいというのと同じような話になってしまうんじゃないかという感じがしますので、ちゃんと特殊会社も酒類の分野に参入可能なことを考えるべきじゃないかと私は思うんですが、そこら辺の解釈はどういうふうになっているでしょうか。
#20
○茂木政務次官 自由化の基本原則というのは、相互参入、こういうことになってくるんだと思います。現行では、NEDOが業務上の制約から酒類分野へ参入ができない。しかし、特殊会社になりますと参入の可能性は出てまいります。
 ただ、委員よく御案内のとおり、しょうちゅうなどの酒類を製造するためには酒税法の免許が必要になってくるわけであります。そして、この酒税法の免許の要件の中には、過去に酒税法に違反していないか等遵法精神を問う要件に加えまして、需給調整条項が存在しておりますことから、例えば近隣で同じようなものをつくっているのがあるのかないのかとか、こういったことがありますので、特殊会社が酒類分野に実際に参入しようとした場合に、それが可能か否かにつきましては、これらの酒税法の要件を踏まえた上で判断されることになってくるだろう。ただ、基本的には可能性は出てまいります。
#21
○大畠委員 今のお話だと、そういう法律に抵触していないかどうかということは事前にチェックすると言うんですが、アルコール専売事業をやっていたところが法律に抵触しているような事業をするということは考えられません。基本的に、もしも、民営化する、あとは自分で自立してやっていきなさいと言うんであれば、大いに可能な範囲はどんどんやれるように私は環境を整備してあげるべきだと思いますね。それをぜひ政府としても考えておいていただきたいと思います。
 今の御答弁をもう一回確認しますが、そうすると、特殊会社というのは、申請をして認可されれば酒類分野に参入可能になるということですね。もう一回お答えいただきたいと思います。
#22
○茂木政務次官 委員御指摘のとおりでございます。
#23
○大畠委員 それから、JTは、専売、特殊会社、民営化に至るまでが法案に書いてあったわけでありますけれども、アルコール事業については、五年後に設置に関する法律をつくり直すというようなことになっていると受けとめています。
 これは、専売公社の民営化と同じように、アルコール事業についても一つの流れというものをきちっと整理をして始めるべきではないかと思いますが、一体的な措置にすべきだと思うんですけれども、このことについて政府の方の考えをお伺いしたいと思います。
#24
○細田政務次官 専売の廃止に伴いまして民間企業の参入を図ることとしておるわけですが、NEDO製造部門におきましても、将来、完全民営化に向けてこのような民間企業と伍して事業を継続していけるような基盤を固めることが必要であります。このためにも、直後に特殊会社化するのではなく、五年間の暫定期間を設けて、まずNEDOの中でしっかりと民営化のための準備を行うことが重要であり、これがまた、職員の雇用問題への対応もより円滑にできることのゆえんであると考えておるわけでございます。
 また、移行する特殊会社につきましては、附則の第八条で、暫定期間終了後の設立と、その後早期に民営化するために必要な措置を講ずる旨を規定しておりまして、専売制度の廃止から特殊会社の設立とその民営化に至る大きな道筋を一体化して示しておるものと考えております。
 また、もう一つ平たく申しますと、JTの場合は、日本専売公社からもうすぐに会社組織に移行するという措置をとりました。そしてアルコールについては、ずっと長い間通産省が直轄で、国が事業を行っておりましたね。通産省職員としてやっておりまして、昭和二十年度には三千五百四十九人もの人が働いておった。それが、いろいろな経緯がございまして、昭和五十七年度からNEDOでやっておる。しかも、NEDOは、より大きな特殊法人としてさまざまな業務がございますので、これをJTのように一体化して民営組織にするということが適当であるかというと、そうではなくて、むしろ、現在の組織を維持しながら準備過程をとれるという意味では、逆に、JTよりもソフトランディングを図る意味もあるのではないかと思っております。
#25
○大畠委員 細田政務次官のお話もよく理解できるところでありますが、逆に言いますと、アルコール事業というのが、非常に世の中の変化に伴って翻弄されてきたという感じも否めないんですね。そこの中で働いている人にとっては、一体これからアルコール事業というのはどうなっちゃうんだろうかと。さあNEDOに行きなさい、NEDOの管轄のところでやりましょうと言うのでNEDOに行った。それで十数年働いたら、今度は民営化しますという話で、私は、どんな事業でも、どんな会社でもそうですが、そこの会社あるいは事業体の中の人の気持ちがなえるような事業であっては絶対うまくいかないと思うんですね。
 そこで働いている方も、経営者の方も、よし、これはこういうことでやろうというきちっと意欲が保てるような体制をとることが必要でありまして、そういう意味では、細田政務次官からも経緯のお話がありましたが、もうちょっと国としても先の見通しを次々と展望を明らかにしながら施策というものは進めていかなければならないんじゃないか。そういう意味では、アルコール事業というのは世の中の流れに非常に翻弄されてきたんじゃないかというような感じを受けます。
 今後、この法律案が通った後、五年後に民営化ということでありますが、この五年間を有効に利用して、経営の方々にも、それから従業員の方々にも、アルコール事業というものに携わる誇り、あるいは責任感、あるいはまたやりがい、そんなものをきちっと保つことができるように、先の展望を示しながら行動していただきたいということも申し上げておきたいと思います。
 それでは次に、アルコール製造という、言ってみれば危険物の製造ということになりますが、これまでの、従来の安全対策というものと特殊会社化した後の安全対策というものについてはどういうふうに変化が起こるのか。あるいは、この安全対策というのは、茨城県の東海村のあの事故もございましたけれども、安全というのは何ものにもかえがたいものなんですね。ですから、民営化あるいは特殊会社化というものがあったとしても、安全対策というのはきっちりと担保しなければならないと思いますが、この安全性確保に関する具体策についてお伺いしたいと思います。
#26
○茂木政務次官 大畠委員は工場での経営管理とか大変よく御存じでありまして、そういった観点から、アルコールの流通管理体制を含めての安全の体制をどうしていくか、こういう話でございますが、専売制度の廃止後もしっかりした流通管理体制をとっていく、継続していく、こういうことが基本的に必要だと私は考えております。
 御指摘のように、アルコールは消防法に定める危険物でございますから、その製造や運送等に当たりましては安全面や労働衛生面での万全の意を用いることが重要だと考えております。
 専売制度の廃止、そして、NEDOアルコール製造部門が工場の再編など合理化を進めていく過程におきましては、委員御指摘のように、こうした面がおろそかになることのないよう、政府といたしましても、必要に応じてNEDOに対しまして助言、指導等をしていきたいと考えております。
#27
○大畠委員 茂木政務次官からもお話がありましたが、安全はすべてに優先するという姿勢で、特殊会社化、いろいろ変遷があったとしても、安全性については、より確保していくように政府としても御努力をお願いしたいと思います。
 それでは次に、いわゆるアルコールの事業というものは社会的な変化でいろいろ変わるんですが、緊急時に、緊急時といいますか、例えば、いろいろな社会事象があって殺菌とかあるいは消毒等の用途がふえたというときに、そういう急増した要求に対応できるような体制ができるんだろうか。
 通産大臣がアルコール製造予定数量の増加等必要な措置を勧告することができるということでありますが、今回の法改正があった以降も、殺菌あるいは消毒等の用途が急増した場合も勧告の対象になるのかどうかを伺いたいと思います。
#28
○深谷国務大臣 本法案の第四十一条、緊急時、アルコール供給が大幅に不足した場合、または不足するおそれのある場合、アルコールの供給を緊急に増加させる必要があるというふうに経済産業大臣が認めたときが緊急時の増産勧告ということになるわけであります。
 例の病原菌の、大腸菌のO157のように、ああいう感染症の集団発生が多発したような場合、医療分野での殺菌剤の需要が急増するというようなことになります。そういう場合、アルコールの供給が大幅に不足するような事態につながるような場合、こういうときには、ただいま申し上げたような条文によって増産勧告が発動されるというふうになると認識しています。
#29
○大畠委員 わかりました。
 その次に、今回、四工場が閉鎖されるわけでありますが、この事業運営の展望等々、あるいは雇用経営の拡充に努めなければならないと思います。この特殊会社の競争体制の準備あるいは経営基盤の拡大等々を含めて、今考えていることを御答弁いただきたいと思います。
 それと同時に、私の選挙区の、選挙区ではありませんが、茨城県の鹿島の方に新しい工場が建設される予定になっておりますけれども、このアルコール製造工場の現状の計画あるいは今後の進め方等について、あわせてお答えをいただきたいと思います。
#30
○深谷国務大臣 まず、四工場の閉鎖に関連することについて申し上げます。
 NEDOのアルコール製造部門の将来にとってまず肝心なことは、先々競争の中で十分伍していけるような、しっかりとした事業の基盤を構築することでございます。
 御指摘の三工場の閉鎖及び一工場のスクラップ・アンド・ビルドは、そうした意味での合理化の重要な一環として実施されてまいります。
 また、アルコールの新たな需要開拓だとか事業の多角化の可能性について勉強していくことも非常に大事でありまして、特殊会社になってからもこのような努力が継続されるものと期待しています。このような努力の継続によって、特殊会社はアルコールの安定的かつ円滑な供給の主要な担い手の一つとなっていくというふうに思います。
 政府といたしましても、こういう方向で、NEDOに対しては助言やら指導を行うとともに、技術開発等の面で必要な支援を行ってまいりたいと考えます。
 それから、暫定期間の特殊会社の競争体制準備、これは特に大事なことでございまして、既にNEDOでは、特殊会社化というのが閣議決定された昨年の四月直後から、将来にわたる民間企業との競争に伍していけるように、工場の整理再編を含めた合理化策を策定して、もうその一部は既にスタートしています。
 具体的にちょっと申し上げますと、平成十三年度には愛媛県の近永工場及び鹿児島県の鹿屋工場を閉鎖します。茨城県の石岡工場を同県の鹿島の新工場に移転する予定であります。また、平成十六年度には熊本県の肥後大津工場を閉鎖するということを予定しております。将来の問題を常に勉強しながら、アルコールの需要開拓とか製造コストの低減等を目指した研究開発等をしていかなければなりません。
 それから、民営化される新会社は、現在のNEDOにいる職員の多くの方にとって将来にわたる職場でございますから、暫定措置期間中に特殊会社への移行に向けた十分な準備を進めていく、民間企業との競争において十分伍していけるような、そういう事業基盤を構築していくということがとても大事だと思います。こういう方向でNEDOが努力をしてまいりますが、それを期待すると同時に、我々も全面的な指導と支援を行っていきたいというふうに考えます。
#31
○茂木政務次官 大畠委員御地元の鹿島工場について多少補足をさせていただきますと、今大臣の方からもございましたが、茨城県の鹿島地区における新工場につきましては、昨年末に着工いたしまして、平成十三年度には本格製造が開始できるよう工事を進めているところであります。できましたら七月から、そのように考えているところでございます。工場が完成いたしますと、年間六万キロリットルという我が国最大規模の製造能力を有する近代的な工場となる予定でございます。
 なお、石岡工場との距離が大体六十キロということでありまして、従業員の規模、これが三十一人ぐらいになるのではないか。そういった移行に伴う措置についても万全を期してまいりたいと思っております。
#32
○大畠委員 今大臣からもあるいは政務次官からもお話ございましたけれども、この三工場の閉鎖あるいは一工場の、言ってみますと拡大する形で鹿島地区に移転するわけでありますが、これまで日本のアルコール事業に一生懸命努力をしてきた、そういう従業員の方々の、人間というのは地域に生活しますとそこに一つの生活圏ができますから、民間企業でもいろいろな事業体の変更がありますが、法施行に当たっては、雇用の問題あるいは従業員の家族の問題等々にも十分目配りをした体制、対策をとっていただきたいということを申し上げたいと思います。
 そこで、今の雇用問題に移ります。
 職員の雇用、処遇について、また今後の事業展望にいろいろと不安を感じている従業員の方がおるわけでありますが、これまでの所管官庁として、これらの職員の雇用、処遇についてどのように対応しようとしておられるのか、お伺いしたいと思います。
#33
○深谷国務大臣 NEDOのアルコール製造部門から移行する株式会社の具体的な姿については、今後詳細に検討していかなければならぬことだと思います。その会社に移るNEDOの職員の雇用、処遇についても、その過程で今委員のおっしゃるような配慮を十分していく、そういう意味での検討を続けていくべきだと思います。
 暫定措置期間に行われる合理化についても、NEDOの理事者側に対しましては、職員の希望を踏まえて、他の部門への配置転換であるとかあるいは再就職あっせん等のきめの細かい対応をするように、きちっと指示をしていきたいというふうに思います。
 また、民営化される会社、新しい会社は、今申したようにNEDOの職員の多くの方々の将来にわたる職場でございますから、そういう意味では、この会社が先々民間企業として十分に対抗できるような、そういう効率的な事業基盤を築いていくということがとても大事であるというふうに考えます。
 いずれにいたしましても、そういう方向で労使の間で真剣な協議が行われるように、きちっと見守っていきたいと思います。
#34
○大畠委員 質問時間まであと二分ですという紙が回ってまいりましたので、最後の質問にしたいと思いますが、今回、日本の中で非常に長い歴史を持つ専売制度というものを廃止するに当たり、今後のアルコール産業の展望についてお伺いしたいと思います。
 さらに、先ほど大臣からもお話がありましたが、雇用問題については、日本の雇用問題も非常に大きな問題を抱えていまして、国の政策の転換に伴う雇用問題が発生しないように、結局、一人一人の従業員の方の話、環境というものはどうかということをよくよく話し合って、信頼関係を保ちながら移行できるように十分注意をしながらやっていただきたいということも、あわせて申し上げたいと思います。
 それでは、先ほど言いましたように、専売制を廃止するに当たり、今後のアルコール産業の展望について改めてお伺いして、質問を終わります。
#35
○深谷国務大臣 長年にわたって専売制度の中で努力してきた従業員の皆さんが先々不安のないような対応をすることは、委員おっしゃるとおりでありまして、そのために全力を挙げていきたいというふうに考えます。
 また、専売制度が廃止されるということで、アルコールの製造、販売等の事業に参入するということが原則自由になるわけであります。そうなりますと、製造、販売等のそれぞれの分野で競争が促進されて、結果として、アルコールの需要者の方々に対しては、全体的により安い価格で購入できるということになるというふうに思います。
 それから、事業者がそういう競争の中でそれぞれ創意工夫をいたしてまいりますから、例えば、近年注目されているバイオ技術の開発などによって、新しいアルコールの製造技術開発の活発化であるとか、アルコールの品質の多様化といったようなさまざまな改善がなされるものと思います。
 このように、専売制度の廃止というのは、我が国のアルコール産業全体にとりましてプラスの効果があるものと考えております。
#36
○中山委員長 午前十時五十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午前九時五十二分休憩
     ――――◇―――――
    午前十時五十五分開議
#37
○中山委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。北村哲男君。
#38
○北村(哲)委員 民主党の北村でございます。私は商工委員会のメンバーではございませんが、お願いをして質問させていただくことにいたしました。
 私は千葉市の稲毛に住んでおります。稲毛駅のすぐそばでございますが、今回民営化の対象となる千葉工場はその稲毛駅のすぐそばで、まさに私の家と目と鼻の先でございます。そこで多くの人たちが、千葉工場の人たちが働いておる。私の地域の仲間でございます。その人たちが、今回の民営化の法案によって自分たちの生活は一体どうなるんだろうかという不安にも駆られておるという実態もあります。
 午前中の今までの話にあったように、この工場は、専売制度が始まった昭和十二年、その翌年の十三年にできて以来六十年の歴史を持っており、まさに戦争を経て、そして五十七年のNEDOへの組織変更、そういうことを経て今日に至っております。そして、まさにその工場も本当に地域に溶け込んで、地域そのものというか、そういう中で多くの人たちが地域になじんで仕事をしてきたという経過があります。
 そこで、私はどうしても確認しておきたいことがあるわけですが、それは、昭和五十七年に国営工場をNEDOに移管した経緯とそのときの政府の認識、そして今日の事態に対する合理的かつ納得のいく説明が必要であろうと思っているんです。
 と申しますのは、当時の政府の見解は、民営化が適切でないという判断を持って特殊法人にした、NEDOにしたということ、あるいは、将来の再度の経営形態の変更のための経過措置ではないということをその当時確認され、さらに、将来的にNEDOから引き離してまた再び民営に戻すことは毛頭考えていないということをはっきりと政府答弁で言われておる、そういう経過がありました。
 そのときも、国営から特殊法人に変わるときに、多くの人たちが、これから自分たちはどうなるんだろうかということを再三確認して、そのときの説明で納得をされ、再び民営化はないんだよということを確認しながら、そこで落ちつくことを決心して、そして地域とともにこの工場を育ててきた、そういう経過がございます。
 そこで、その昭和五十七年に国営工場をNEDOに移管した際に、再度の経営形態の変更のための経過措置ではないという答弁があったということ、にもかかわらず、今回専売制度を廃止してNEDOの製造部門を民営化するという措置を講ずることになった、それについて、きっちりと納得のいく説明をしていただきたいと存じます。
#39
○深谷国務大臣 北村委員の御指摘のように、昭和五十七年の国営工場からNEDOアルコール製造部門への移管に関する国会の審議で、当時の安倍通産大臣から、NEDOの将来の再度の経営形態の変更のための経過措置ではない、そういう言い方をしておりますが、そういう答弁がございました。NEDOアルコール製造部門の職員はこうした認識の中で国家公務員から特殊法人職員に身分変更したということは御指摘のとおりで、私どももよく承知しているところであります。
 ただ、その後十八年が経過をした。そして、行政改革という観点から、国の行政組織等の大きな変革が行われ、減量、効率化等を今日進めるという時代の流れになってまいりまして、そういう大きな時代の流れの要請にこたえて、今般は、アルコール専売を民営化するということの方向が示されたわけでございます。
 ただ、民営化に当たりましては、安倍大臣の発言というのを重く受けとめまして、特にNEDOのアルコール製造部門に在籍する職員の雇用の継続という点については十分な配慮がなされるべきだと考えます。
 こうした見地から、例えば民営化の進め方にいたしましても、かつて二十年、三十年代というのは単に切り捨てていったわけでありますが、そういう形でなしに、あるいは工場の切り売りというような方式はとらないで、将来にわたる事業継続の基盤を構築するために暫定的な措置期間を設定して、その期間終了後に事業全体を国全額出資の特殊会社にし、そしてさらに、やがては政府保有株の売却を進めるということで民営化する、こういう方式をとることにいたしたわけでございます。
 暫定措置期間内の合理化につきましても、NEDOの理事者側からは、職員の希望を踏まえて十分な配置がえや再就職あっせん等を行い、きめ細かい対応にするのだ、こういう報告もあり、そのように私どもは承知しております。政府といたしましても、NEDOのアルコール製造部門が移行する特殊会社というのは、現在そこに働いている職員の多くの方が将来の職場となる場所でありますから、民間企業との競争に十分伍していけるような、そういう体制をきちっと固めていくということがとても大事なことだろうというふうに思います。
 いずれにしても、こういう方向でNEDOの労使間での協議というものを、あるいは真剣な話し合いというものを期待しますとともに、そのことについての必要なことがあれば、NEDOに対しまして指導や支援を我が省としても行っていきたいと考えます。
#40
○北村(哲)委員 大変丁寧な御説明というか御答弁、ありがとうございました。
 私は、千葉発としまして、あの千葉工場の立地条件のよさから、関東一円の需要を賄う工場の一つとして、あの工場が多くのユーザーの要望に沿う安定した商品づくりに努めてきたという経過、そしてあの立地条件のよさ、すなわち地域への溶け込み、地域との融合、テニスコートを貸したり、あるいは緑化に協力したり、そういう工場の存在そのもの、四万平米というかなり大きい土地が高台にあります。地域としては非常に、あそこがあるだけでほっとするような場所であります。そこで働く人たちもいます。競争原理あるいは効率化、その他の国際競争に勝つようにという中で合理化とか効率化を始めますと、そういうよさというものがなくなってしまうような気がする。私は、あそこにあることそのもの、千葉工場の行く末が非常に心配でございます。
 あるときに口を滑らせて、こんないい場所はマンションかホテルにしたらどうだろうかと言ってしまったこともあります。恐らく効率から見るとそういう目で見られるかもしれません。そういうことのないように、あそこの働く場所そのものも、私は、確かにリストラに遭う地方の工場がありますけれども、今までもアルコール産業の中ではまさに中心的な役割を担ってきて、しかも研究機関を持っております。研究機関も、立地条件のよさから非常に発展性があります。ですから、ぜひ大臣、このものを切り売りするようなことはなく、ああいうところの場所を十分に、場所とともに従業員の地位も必要でありますけれども、場所そのもの、存在そのものも大事にしていただきたいと思っております。
 ところで、この専売廃止に伴って、NEDOに一手購入、一手販売をさせるというふうに言われております。なぜNEDOに行わせるのか。また、五年間というふうな期限を切っておりますけれども、一体五年間でどういう体制をつくっていこうとしているのだろうか。
 午前中のお話ですと、同一価格維持の期間を五年間にするというお話もありました。これは、激変緩和のためというふうに言われておりますけれども、五年間同一価格維持を保っておって、そして五年後にぽんと民営化してしまうと、そのときにまた激変があってしまうのじゃないかということも考えられますけれども、その間の経過ということはどういうふうに考えておるのか、まずそのあたりから聞きたいと思っております。
#41
○深谷国務大臣 暫定措置期間中のNEDOの一手購入販売の業務、これは、専売制を廃止しての激変緩和という措置の一つでございます。
 これは、全国に配置された保管庫あるいはそういった流通基地をまず持っていて、全国一律の価格でアルコールが供給できる、そういう体制がまずあると思うのです。このような一手購入販売の業務を行うに当たって、業務遂行の例えば公正であるとか、あるいは民間アルコール製造事業者とのコスト状況はどうなんだといったようなことなどの情報を手に入れるということも含めて、なかなか民間で即進めるということはなじまないのではないか。やはり公的機関が必要だというふうに考えます。
 NEDOは、国の一定の監督下に置かれる特殊法人であることに加えて、昭和五十七年に国から移管されたアルコール製造工場を流通基地として活用するということが可能でありますので、一手購入販売の業務はNEDOに行わせるということが適切であると判断したわけでございます。
 また、暫定期間、五年間ということでありますが、六十年以上の長きにわたって続けてまいりましたこういう専売制を廃止する、民間に移行するについては、これに影響を受ける遠隔地であるとかあるいは小口の需要家への対応の準備という点を考えますと、一定の期間が必要である。それから、NEDOのアルコール製造部門がやがて民営化後にも存続していけるような事業基盤をこの期間に固めていくということなども、大変大事であります。
 遠隔地、中小零細のユーザーには、民営化後への対応として、共同購入とかあるいは他の食品原料などとの一括購入の準備をこれからやっていただこうと期待しているわけでありますが、こういうことにはやはり五年程度は必要ではないだろうかというふうに考えます。またさらに、NEDOの製造部門の民営化をにらんで、一部工場の閉鎖及びスクラップ・アンド・ビルドを計画していますが、これは、お話にありますように、職員のきめ細かい雇用問題への対応等々、あるいは地域の調整等々がございますので、五年程度の期間が必要とされるのではないか。
 あわせて、塩の場合も五年というふうに今進めているものでありますから、このような期間を設けているわけであります。
#42
○北村(哲)委員 五年間の御説明を受けましたが、この五年間は、民営化へのならし運転期間というふうにも言えると思います。そうすると、そのならし運転の期間、今さまざまなことを言われましたけれども、市場の自由化という方面でその五年間のうちにどういうことをおやりになろうとしているのか。今の状態を五年の間そのまま固定して続けるのではなくて、さまざまな自由化への試みということがあると思いますけれども、その具体的なもの、具体的な指針、そういうものについてはどうでしょうか。
#43
○茂木政務次官 今、大臣の方の答弁にもありましたように、まず、専売制度廃止後の五年間につきましては、流通基地までは一律の価格で供給をしていくということでありまして、このために、NEDOが一手にアルコールを購入して、全国各地、十四カ所の流通基地まで運ぶということになっております。これは、一挙にアルコール市場の自由化が図られた場合に、民間の流通網がまだ未整備でありますので、これによりまして、遠隔地のユーザーや小規模なユーザーを中心に流通面、価格面での影響が生じることを懸念しているわけでございます。
 ただし、この流通基地から先につきましては、販売事業者間で競争が行われるものと考えておりまして、また、暫定措置期間中から、五年後をにらみまして、製造、輸送等に要するコストの低減であったりとか、顧客の獲得に向けてのさまざまな働きかけなんかも起こってまいりまして、そこに競争原理が働いていく、そして結果として、今は未整備であります民間の流通網もこの五年間で順次整備をされていく、このように考えております。
#44
○北村(哲)委員 専売制度のもとでは酒類としての販売はできない、しかし酒類の原料としてはいいというふうに聞いておりますけれども、そうすると、五年間のNEDOの一手購入、一手販売のもとでもその体制は同じなんでしょうか。私の質問はわかりますか。
#45
○茂木政務次官 御質問の趣旨がもしかするときちっととれていないのかもしれませんが、酒類への不正使用防止の方法につきましては、現行とっております変性措置については暫定期間等々におきましてはとらない形をとっていきたい。
 ただし、現在ございますアルコールの製造、輸入、販売、使用を行う者についての遵法精神の有無等々の確認であったりとか、アルコールの適正な管理可能性を事前にチェックするために、許可制を採用して、立入検査、報告徴収を通じた事後的なチェックは実施をしてまいります。同時に、用途が限定できないなど流通管理になじまない一部のケースにつきましては、酒類原料への不正使用を防止する価額を付加したアルコールをNEDOから供給することとしております。
 そういったことを、暫定期間、そして五年後以降も続けてまいりたいと考えております。
#46
○北村(哲)委員 これは今言われたことに重なるかもしれませんけれども、さっきの質問はちょっと変則でしたので失礼しました、四番目の質問に行きたいと思いますが、酒類への不正使用防止の方法は、現在と、暫定期間中の五年間と、それから暫定期間終了後と比べてみると、どのように違ってくるのか、あるいは同じなのかという質問に対しては、どういうふうにお答え願えるでしょうか。
#47
○茂木政務次官 アルコール専売法のもと、現在におきましては、酒類原料への不正使用を防止するための価額が価格に付加されない安価な価格で供給されるアルコール、すなわち一般の工業用アルコールにつきましては、原則としてすべて変性措置を命じておりまして、その上で立入検査等の事後的なチェックも行ってきたところであります。また、流通管理になじまないアルコールにつきましては、酒税に相当する額を付加した価格で販売してきたところでございます。
 それで、専売制を廃止した後にどういう形になっていくかということでありますが、まず、アルコールは致酔性を有する、つまり飲むと酔うということでありますけれども、こういう点で酒類と同一の特性を有していること、さらに、酒類には酒税法により高額な税金が課せられる分、市場に流通している酒類はアルコールに比べ非常に高額となっている、この二点にかんがみまして、アルコールが酒類の原料に不正に使用されることを防止しつつ、工業用へ廉価な価格で確実に供給されることを確保するためには、アルコールの流通管理が今後も基本的には必要不可欠であると考えております。
 そこで、先ほど若干フライングぎみに申し上げましたように、本法案におきましては、暫定期間中はもとより、暫定期間後におきましても流通管理を行っていく。具体的に申し上げますと、アルコールの製造、輸入、販売、使用を行う者に対しまして、許可を与える形をとっていく。同時に、その業者に対しまして立入検査、報告徴収を通じた事後的なチェックも行ってまいります。
 もう一方で、用途が限定できないなどの流通管理になじまない一部のケースにつきましては、例えば試薬の原料に使ったりとかそういうものにつきましては、酒類原料への不正使用を防止する価額を付加したアルコールをNEDOから供給することといたしております。
 そこで、今とっております変性措置についてでありますが、以上のようなしっかりした流通管理を前提といたしまして、使用者の負担軽減に配慮して、廃止することといたしております。
#48
○北村(哲)委員 ちょっと最後の部分をもう一回確認したいんですが、現在は、酒類への不正使用防止のために、売り出すときに、酒屋さんに対しては工業用と同じようにリッター百円ならば百円の原価で出して、そして酒屋さんから蔵出しするときに九倍にして、酒税をそこで徴収する形になるから原価で出しているんですが、工業用に対しては、どういうふうに使われるかわからないので九倍で売り出しているというふうな体系をとっているらしいんですけれども、その現在のやり方はこの暫定期間の五年間も同様なやり方で続けるんですかということが一つ。そして、民営化の場合は全く同じように考えるのか、それとも別なのか。そういう区分けでお答えを願いたいと思うんです。
#49
○深谷国務大臣 その後も同じでございます。
#50
○北村(哲)委員 それは、暫定期間中は同じということですね。(深谷国務大臣「暫定期間後も同じ扱いです」と呼ぶ)後も同じ、暫定期間後民営化しても同じということになるんでしょうか。オーケーですか。それで聞いてよろしいですね。(細田政務次官「民営化後も同じでございます」と呼ぶ)私の方も完全に理解した上じゃないから、そのお答えでよければいいんです。民営化後も同じということで確認した。
 それから、アルコールの安定供給の要請への対応というものについては、これは変わりはないのかどうかについてお答え願いたいと思います。
#51
○細田政務次官 アルコールは非常に殺菌性、溶解性、安全性等すぐれた性質を持っておりまして、食品分野、医薬品分野、消毒の分野、試薬、精密機械洗浄、化学工業分野等々幅広い分野に使用される、産業活動そして国民生活に不可欠な基礎物資であります。その量も極めて大きく、二十七万七千キロリットルの供給が行われておるわけでございます。
 専売制度のもとでは、政府によるアルコールの製造計画の機動的な変更等を通じて、アルコールの供給不足が生じることのないよう適切に対処してきたところでございます。大分以前に、平成九年のことでございましたけれども、ガス管破裂などによりまして事故がございましたが、そのときも増産指示等による対応をしてきたわけでございます。
 専売制廃止後におきましてもアルコールの安定供給確保の必要性は何ら変わるところがございませんので、このたびの法案におきましても、第四十一条の規定を設けまして、緊急時における増産勧告措置を規定するなど、引き続き安定供給の確保を図ることとしております。
#52
○北村(哲)委員 重ねてなんですが、ここの安定供給の問題と自由競争というのは若干矛盾するような気がするんです。
 例えば、専売制度のもとでアルコールは全国一律価格であるということ、しかし、民営化のプロセスの中では他の基礎素材と同じように価格変動が当然予想されるわけですよね。特に今、輸入の割合が大きくなると為替との関係もかなり大きくなってくると思うんですけれども、そうすると、全国一律価格、安定供給という問題も自由競争の中では地域によって崩れていく可能性も大いにあるんですけれども、そのあたり。それから、余りそこを強くすると、自由競争とかあるいは民営化ということにたがをはめてしまうようなことになるんじゃないかという気がするんですけれども、そのあたりのバランスとかそういうものについてはどういうふうにお考えなんでしょうか。
#53
○細田政務次官 需給調節機能というのは、あらゆる物資においても大変難しい問題でございます。ただ、これからは、民営化もされてまいりますと、投資等も行われて、供給能力をある程度持つという体制の中で何割稼働するかということでまた行われていくだろうと思いますし、輸入に対する道も開けますので、いわゆる物不足対策としては、いざとなればいろいろな体制がとれるようにはしておかなきゃいけない。ただ、逆に、生産、供給が過剰になって、価格面等でいろいろ問題があって採算の問題があるという逆の問題もございますので、その点にも配慮していかなきゃならない。両面から十分配慮しなきゃならないと思っております。
#54
○北村(哲)委員 それでは、先ほど大畠議員からも同様の質問がありましたが、NEDOの製造部門の工場を整理再編するということになりますが、廃止工場の施設と人は具体的にどういう状況であるのか。何人が異動に同意し、何人が転職を希望しているということまで把握しておられるように聞いております。このような方々に対してはどのような対応が図られるのでしょうか。
 先ほどのお話ですと、例えば石岡工場から鹿島工場に行って、生産能力が三万から六万キロリットルに飛躍的にふえる、しかし人間はほぼ同じ三十人体制でやるということになりますと、当然、リストラ対象の人たちに対しては、場合によっては必要ないじゃないかということがぽんと頭に浮かぶのです。そうすると、不安を感じている人たちは、では我々は不要というふうに思われているんだろうかという、逆に期待感もないような目で見られている感じがするかもしれません。そのあたりを配慮した対応ということが必要だと思うのですけれども、いかがでしょうか。
#55
○深谷国務大臣 北村委員の御質問、具体的に数字を挙げてまず申し上げます。
 NEDOアルコール製造部門は全国で七工場ございますが、それを四工場にしていくという体制に今予定をしているわけでございます。具体的に申しますと、平成十三年度に愛媛県の近永工場、これは従業員が四十六名でございますが、そこと鹿児島県の鹿屋工場、従業員三十七名、これを閉鎖する。そのほかに、茨城県の石岡工場、これは従業員が三十四人でありますが、同県の鹿島の新工場へ移転するということになっております。また、平成十六年度には、熊本県の肥後大津工場、従業員三十七名、これを閉鎖するというふうに予定しています。
 これらの職員につきましては、全職員の中から、移転の可能性のある者、あるいは転職を希望している者等々詳しく希望を聞いておりますが、数で申しますと、全職員数の百五十四名のうち、移転が可能としているのは百四十名、それから転職を希望しているのは四十三名であるというふうに聞いています。ただ、百四十と四十三を足すと全体の数より多くなってまいりますが、これは、地元によい再就職先があれば地元に残っていたい、しかし再就職先がなければ移転してもいいという数も加えていますから多くなっているわけでございます。
 そこで、転職を希望している人に対しましては、今NEDOで個々の職員の希望を丁寧に聞いていて、それとあわせて、NEDOの他部門への配置がえあるいは再就職のあっせん等の対策についての検討を行っているというふうに報告を受けています。
 いずれにしても、個々の職員の希望を踏まえた上で適切に対処するように、NEDOに私どもから指導、支援をしてまいりたいと思います。
#56
○北村(哲)委員 確かに今の配慮は大変行き届いた配慮だと思うし、よく調査をしておられると思います。
 ところで、工場の統廃合によって、それでも人が余るのではないかという感じがしてならない。そうすると、暫定期間の五年間に、民営化でスリムになっていく途中に、自分たちはせっかく移っても人員整理が行われるのではないかという気持ちが残ると思うのですけれども、そのあたりは、五年間はそういうことはしないというふうにきちっと言えるかどうか。いかがでしょうか。
#57
○細田政務次官 五年間の暫定措置期間中におきまして、NEDOのアルコール製造事業部門は、民営化に備えるべく、現在の七工場から四工場体制への転換を軸とする合理化計画を進めつつあると承知しております。
 もとより、こうした合理化を進めるに当たりましては、NEDO製造部門に在籍する職員の雇用の安定という点に十分に配慮する必要があると考えております。NEDOの理事者側からは、職員の希望を踏まえて、他部門への配置がえや再就職あっせん等のきめ細かい対応をするというふうに聞いております。
 政府といたしましても、NEDOアルコール製造事業部門が移行する特殊会社が、民間企業との競争において十分に伍していけるよう、効率的な事業基盤を固めることが肝要と考えておりまして、こういう方向でNEDOの労使間で真摯な話し合いが行われることを期待いたしますとともに、NEDOに対して必要な指導、支援を行ってまいりたいと思いますし、また自治体とか関係の機関とも話をしてまいりたいと思っております。
#58
○北村(哲)委員 人に対する配慮は、この間のいろいろな組織変更に伴う問題でありますので、ぜひきちっと配慮をしてやっていただきたいと思います。
 ところで、今の仕事の中で人員は必要にして十分かという質問、ちょっと抽象的なんですけれども、先ほどの大畠議員の質問に対して大臣からも、スクラップ・アンド・ビルドということで、スクラップについてはかなり具体的ですけれども、ビルドの内容について、技術開発面での指導、多角化の必要性等をいろいろ言われました。
 余りにも今までの体制を守ること、そして人を、働き場所を守ることを重視しているためか、この数年新しい採用がないというふうに聞いております。そうすると、今の著しい技術革新の時代、ハイテクの時代、それに対して、このビルドの部分で技術開発なんかをどんどん行わなくちゃいけない、新しい人材を入れてやらなくちゃいけない。そういう面では、人は、片や余っているけれども、必要な部分というか、不足な部分が相当あるのではないか、そこでどんどんバイオなんかの開発をしていかないと新しい仕事はできないと思うのですけれども、そのあたりはどのようなお考えを持っておられるのでしょうか。
#59
○細田政務次官 現在のNEDOのアルコール事業の人員あるいは製造工程というものを考えますと、現在の七カ所のアルコール工場においては、これまでも技術革新等に対応して十分な数の職員数であると考えておりますが、今後、おっしゃいますように情報化時代を迎え、さまざまな、コンピューター管理による自動化ですとか、事務部門における各事業所のパソコンを通信ネットワークで結んで効率化を図るなど、新しい展開も必要なことであると思っております。
 このような技術の高度化に対応するために、NEDOにおきましては、研修や実地訓練などによりまして専門的知識を有する職員を養成してきております。このように、採用の抑制や採用停止によって技術の高度化に影響が生じることがないように努めていかなければならないと考えております。
#60
○北村(哲)委員 私は、何度か千葉の工場に行き、見学をしております。そこでは、地域に根差した工場を目標に、特に安全面とか環境面に配慮した工場づくりに取り組んでおる姿を見てきております。
 今回のNEDOの工場の整理再編では、千葉工場は残存工場に位置づけられております。将来にわたり、地域との共存の中でアルコール事業を担っていくことになると思いますけれども、まずそこを聞いていきたいと思います。そこの地域との共存の中でアルコール事業を担っていくということを考えておいてよいのかという問題でございます。
#61
○深谷国務大臣 北村委員の御指摘の千葉工場の件に関して申し上げたいと思いますが、千葉工場は、現在残しておく工場の一つであることは御承知のとおりであります。
 今後、特殊会社がアルコール産業をめぐる市場環境の変化で臨機応変に対応していく中で、将来にわたって千葉工場が残るのかということについては、なかなか断定的なことは申し上げることはできないのですが、ただ、千葉工場が最大需要地である関東地区の担当であるということ、そこに立地しているということ、そういう意味で、恵まれた流通面での立地環境にあるなというふうに私どもは思います。だから、現時点では、引き続き主力工場として存続していくのではないかというふうに見ております。
#62
○北村(哲)委員 さらに、NEDOの千葉工場では、都会という地域性、あるいは交通の便の地域性を生かして、アルコールの製造技術に関する研究開発が行われております。どのような研究開発が行われているのか、また、その成果はどのように生かされているのかということ。研究開発センターの予算とか経費、機能、特許レベル、他の企業における同種の研究等の現状との関連で御答弁をいただきたいと思います。また、研究機関の将来展望についてもお伺いしたいと存じます。
#63
○茂木政務次官 御指摘いただきましたNEDOの千葉工場内に設置されております研究開発センターでございますが、発酵技術や省エネ蒸留技術など、アルコール製造技術に関して多岐にわたる研究を現在行っております。こうした研究開発の重要性にかんがみまして、これらに年間で八千万円程度の資金を投じておりまして、これらの研究の成果は、例えば、通常は一回の工程にしか使用できない酵母を、遺伝子組み換え等によりまして、バイオ技術を用いて改良することにより複数回の工程で使用できるようにするなど、アルコール製造の効率化に生かされております。
 また、同センターにおける研究のレベルはどうか、こういうことでありますが、例えば、特許という観点から見てみますと、今申し上げました改良酵母の育成方法など、海外を含めて七件の特許を取得しておりまして、ある程度の水準を維持していると考えております。
 それから、研究開発センターの将来展望はどうかということでありますが、これは基本的にNEDOがどう考えるか、こういうことになってまいるかと思いますが、現在のNEDOの考え方といたしましては、研究開発は、事業の継続的発展、さらには業務の多角化を図っていくために必要不可欠でありまして、従来行っているアルコール製造技術の研究開発に加えまして、アルコール製剤であったりとか、アルコール利用製品の開発、発酵技術の海外への指導、移転など、業務の多角化に向けた研究開発をこれからも行っていく計画だ、このようにNEDOの方から報告を受けております。
#64
○北村(哲)委員 ほぼ時間も終わりましたので、最後に一点なのですが、これは午前中の大畠議員の御質問の五番目で、将来に特殊会社は酒類分野に参入可能かという御質問がありました。
 茂木政務次官がお話しになって、最終的には可能だと言われたのですが、その前に酒税法の要件が必要だとか、需給調整の対象になるとかというお話をされて、何やら口ごもったような御見解なのですけれども、政府の期待としては、それはどんどんやれ、酒類の仕事もやればいいではないかというふうな方向で指導されるのか。いや、それはとても民間は大きいから、かなわないから、それはやらないで、こっちの方で、工業用だけでやったらいいのではないかというふうなことで期待しないのか。そういうことについてはどういう期待を持っておられるのでしょうか。
#65
○茂木政務次官 酒類の方に参入が可能になる、こういう機会が開かれるということですから、NEDOの方で判断して、そちらの分野に進出をしたい、そういうことであれば全く問題はない、このように考えております。
#66
○北村(哲)委員 どうもありがとうございました。これで終わりたいと思います。
#67
○中山委員長 久保哲司君。
#68
○久保委員 公明党・改革クラブの久保哲司でございます。
 深谷大臣、せんだっては大阪での国際会議場のオープニングに御出席いただきましてありがとうございました。
 端的に三点ほどお伺いをしたいと思っております。
 今回のアルコール事業法案、この法案は、平成十一年四月二十七日の閣議決定、すなわち、国の行政組織等の減量、効率化等に関する基本的計画に盛り込まれているさまざまな措置を実施するためのもの、私はそのように理解をしております。その上に立って、株式会社化のスケジュールを具体化しよう、このようにされていると聞いていますけれども、今回この措置によって、法案には法案なりの目的というのは書かれていますけれども、要はこの今回の措置、昨年の四月二十七日の閣議決定に基づく措置を実施しようとする今回の法案というのは、大きく言って何を目指そうとしているのか、また何を目標にされておるのか、その点についてちょっと御見解をお伺いしたい。
 もう一点は、アルコール製造事業法、これが五年をめどに政府全額出資の特殊会社に引き継がれる。この五年をめどとする暫定期間というのは、いわば、民間事業者として、国の内外にわたる自由競争に対抗し得る体力をつけてもらわないといかぬ、こういうことでこの五年という措置をとられたのかな、このように思うのですけれども、この点についてもいかがか。
 この二点について、大臣の方から御所見を伺えればと思います。
#69
○深谷国務大臣 こういうような方向を示して具体的に歩み出していく最大の目的は何かと聞かれますと、いろいろございますから断定的には申せませんが、やはり一つは、行政改革、行政のスリム化という一つの大きな時代の流れというものであろうと思います。
 同時に、そういう流れの中で、今まで国が製造から輸入から販売まで一元的にやっていたものをやめて、専売制度をなくしていくということになっていきますから、アルコールの製造、販売等の事業への民間の参入が可能になって、そこで当然のことながらいわゆる競争が行われ、そこで効率化であるとか価格の安定、低廉化とか、いろいろな形が生まれてまいるのではないか。そして、結果としては、ユーザーが全体としてより安い価格でアルコールを手に入れることができるようになる、そういうようなことであろうと思いますし、また、バイオ技術等の開発によって注目されておりますけれども、アルコールの製造技術開発が活発になっていくということなども大事なことではないだろうかというふうに思います。
 つまり、今度のこのような措置によって、いろいろな角度からプラス効果が上がってくるということを期待しているわけでございます。
 それからもう一つは、NEDOの製造部門が、五年間の暫定措置期間中、自由競争に対抗し得る体力を養うために何をすればいいのかという久保委員のお話でありますが、特殊会社化が閣議決定されたのは去年の四月でございますが、その直後から、将来にわたって他の民間事業者と競争していけるような、つまり十分に伍していけるような状況になるために、工場の閉鎖であるとか再編を進めた合理化策を策定して、その一部はもう既に進んでいるというような状態でございます。
 また、アルコールの需要開拓だとか、製造コストの低減などを目指した研究開発、将来の業務多角化の可能性を探るための勉強などなどは、この期間では大いにやっていかなければならないわけであります。
 いずれにしても、暫定措置期間の五年の間に、合理化の準備を含めて特殊会社に向けての十分な準備を行い、民間企業との競争において伍していけるような効率的な事業基盤を固めるということが最も大事なことだというふうに考えております。
#70
○久保委員 わかりました。ありがとうございました。
 それでは次に、民営化に伴う影響といいますか、先ほどの御質問にもあったように思いますけれども、今大臣のお話にもありました工場等の整理合理化、こういったことによって、そこで今働いておられる方々の雇用あるいは待遇、こういった点について何らかの影響が当然出るのだろうと思いますけれども、こういった点をどのようにお考えになっておられるのか。
 また、少なからず、仮に従業員が減ったとすれば、地域経済に消費という観点からも与える影響があるのだろう、こんなふうに思います。これについてもあわせてお伺いをしたい。
 さらに、原材料というのは今はもうほとんど輸入品に頼っているというふうにお伺いをしておりますけれども、それでもなお、四国、九州あたりで、一部、原材料をこの事業に供給しておられる生産農家等がおいでだと聞いていますが、そこに与える影響というものもこれまたあろうかと思います。
 ここらあたりについて、通産省としてどのような対処をお考えになっておられるのか、次官にお伺いをしたいと思います。
#71
○細田政務次官 職員の雇用や待遇、あるいは地域経済への影響に関します御心配の御質問でございますが、NEDOアルコール製造部門から特殊会社に移りますNEDO職員の雇用や処遇につきましては、設立されます特殊会社の全体像を検討していく過程で具体的に検討していかなければならないと考えております。その際、その職員の雇用や処遇につきましては、NEDOの理事者側においても、不利益が生じないようしかるべき配慮がされるものと承知しております。
 他方、民営化される新会社は、現在NEDOにおられます職員の多くにとって将来にわたる職場でありますから、新会社が先々とも民間企業との競争において十分に伍していけるよう、効率的な事業基盤を固めることも肝要であると考えております。こういうことにつきましては、労使の間で真剣な協議が行われることを期待しております。
 また、閉鎖予定工場の立地する地域経済への影響につきましては、予想される影響を調査し、跡地を活用した地域振興策を検討するため、本年二月から、近永と鹿屋において、NEDO、財団法人日本立地センター、県、地元市町、通産局が参加した研究会をスタートしたところでございます。そういったようないろいろな知恵を出しながら対応してまいりたいと思っております。
 それから後段の御質問でございまして、いわゆる原料問題でございます。
 御指摘のとおり、かつてはアルコールの原料といたしまして、国産のカンショ、糖みつなどが使用されておりましたが、より低廉な価格でアルコールを供給するため、現在では原料の大部分は、より製造コストが低くて済む輸入粗留アルコールとなっております。
 この結果、現在では国内のカンショ、バレイショは使用しておらず、また、糖みつ、果汁みつの使用もごく少量となっております。加えまして、糖みつ、果汁みつを原料とします発酵工程を有している近永工場の閉鎖後においても、しばらくは出水工場で同様の発酵工程を有しておりますので、専売制度を廃止しても国内農家に対する影響はほとんどないようにいたしたいと考えております。
#72
○久保委員 それでは済みません、三点目に、暫定期間終了後に特殊会社にする、その特殊会社について「二年以内に民間への株式売却を開始し、できるだけ早期に完全売却を図る。」このように基本的計画の中で書かれています。この法律案そのものは、当然のことながらこれを実行しよう、こういう法律だろうと思うのですが、この株式売却というのはどのようなタイミングで、またどういう条件が満たされれば実施されるとお考えになっておられるのか、簡略にお願いをしたいと思います。
#73
○茂木政務次官 特殊会社の株式売却のタイミングについてお尋ねをいただきましたが、昨年四月の閣議決定に従いまして、NEDOの製造部門が政府全額出資の特殊会社に移行した後、二年以内に開始をいたしまして、早期に完全売却を図る予定にしております。
 ただ、この株式の売却のタイミングという問題でありますが、これはその時々の株式市場の動向という問題もありますし、また、特殊会社の経営動向がどうなっていくか、こういうことも勘案しつつ、適切なタイミングを判断してまいりたいと考えております。
#74
○久保委員 以上で終わります。ありがとうございました。
#75
○中山委員長 塩田晋君。
#76
○塩田委員 自由党の塩田晋でございます。
 昭和十二年から始まりましたアルコール専売事業は六十年にわたって行われてまいっておりますが、その間に、中曽根康弘内閣による行政改革の目玉として、三公社五現業の中で、特に五現業の中では唯一の国営企業の改革を率先して進めた結果、以前は国営工場においてアルコールを製造していたところを、昭和五十七年にNEDOに製造事業を移管した。これに伴いまして、労使関係も民間ベースとなって、新たに団体交渉権、団体協約締結権の上に、加えてストライキ権、いわゆる争議権が付与されたということでございまして、賃金の問題につきましても、雇用の問題につきましても、労使間でこれが交渉して決定できるという事態になっておるわけでございます。
 この行政改革の趣旨をさらに進めて、アルコール専売法を廃止して、これに伴いましてアルコール特別会計も廃止ということのほか、特殊法人NEDOのアルコール事業部門も、五年間の暫定措置期間を経まして特殊会社となり、またその後は民営化するということになっております。
 今般、本法案によってアルコール専売法を廃止するに至った経緯につきまして大臣にお伺いしたいと思いますが、私もかつて公労委におきまして三公社五現業の賃金の調停、仲裁等にかかわってまいりました者といたしまして、非常に感慨深いものがございます。
 このNEDOのアルコール製造部門を、平成十八年以降は特殊会社を経て完全に民営化するということになるわけでございます。行政改革という観点からの取り組みとして、これを着実に進めていただきたいわけでございますが、我が党の政策はフリー、フェア、オープンということを基本にしておりまして、こういった行政改革が進み、また規制緩和が進んでいく、そして自由競争ができるだけ達成される状況を市場においてもつくっていくということが必要だと思っております。
 ところが、今回のこの法案を見ますと、申請によるものがかなり手続的に書いてありますし、許可、認可、指定等の規定がかなりあるわけでございます。これにつきましては、フリーの原則からいって、できるだけ許認可等の規制を廃止していくという方向ではないかと思うのですが、これを将来に向かって徹底をしていっていただきたいと思うわけでございます。
 これにつきまして、深谷通産大臣のお考えをお伺いいたします。
#77
○深谷国務大臣 規制に関して申し上げれば、必要最低限のものだけ残しておいて、それ以上のものは復帰しないというふうに気を使っているつもりでございます。
 それから、今日までの流れについてのお話がありまして、塩田委員も感慨深いとおっしゃいましたが、まさにそのとおりであります。
 やはり行政改革という大きな時代の流れに沿うて、平成九年の行政改革会議の最終報告で、まず民営化を検討する必要があるという話が出て、それでアルコール専売事業の民営化についての具体的な検討が開始をされ、その後、産業構造審議会アルコール部会で検討を進めた末に、昨年の一月には、アルコール専売の民営化が望ましいという結論が得られたわけであります。さらに、昨年の四月に閣議で、国の行政組織等の減量、効率化等に関する基本的計画が定められましたが、その中で、アルコール専売を廃止し、新たな事業法制の整備等を行う旨の閣議決定がなされた。
 アルコール専売事業の民営化というのは、六十年以上続いてきた専売制度を廃止するという大きな改革でございまして、そのためには相当困難が予想されますけれども、これは何としてでもなし遂げなければならない大きな事業であるというふうに受けとめ、今後も一層努力してまいる覚悟です。
#78
○塩田委員 アルコールは、国民生活や産業活動の幅広い分野で用いられる基礎物質でありますし、またある意味では危険な物質であります。この専売制度の廃止に際しまして、今規制緩和のお話をいたしましたけれども、やはり規制すべきものは規制しなければならない分野は残ると思います。
 それから、安全性の確保という観点、また不正を防止するということ、あるいは安定需給の維持という観点からそういったある程度の規制はやむを得ない、しかしそれは最小限度にしてもらいたいということを申し上げておるわけでございますが、アルコール専売制度の廃止がなされましても、アルコールの調達とか供給において安定化が図られるようにどのように配慮しておられるか、お考えをお伺いいたします。
#79
○細田政務次官 アルコール専売制度の廃止に伴う調達面、供給面における安定性についての御質問でございます。
 まず、調達面についての安定性でございますけれども、我が国の発酵アルコールのほとんどは輸入粗留アルコールを原料として製造されております。海外における粗留アルコールの生産は、サトウキビ、トウモロコシなどの農産物を原料としていることから、こうした穀物の作付や気象状況などに大きく左右される面があります。
 NEDOにおきましては、このような特性のある海外からの粗留アルコールをより安価にかつ安定的に調達するため、毎年、海外の原料事情の調査を行っておりますほか、輸入実務を行う商社などから世界の需給動向、価格動向などのヒアリングを実施したり、調達先の分散などの措置を講じております。さらに、調達コストを抑えるため、NEDOでは、輸入を委託する商社の選定に当たりまして入札方式を実施し、最も低い見積もりを提出した業者と契約を締結していると承知しております。
 これらの措置によりまして、NEDOは安価でかつ安定した原料調達を行っております。かかる原料調達の方法は、専売制が廃止された後も引き続き行われるものと考えております。かつ、製品におきましては、精度の高いものでございますので余り貿易に適さない、専用船等、なかなか技術的に難しいものですから、輸入障壁がかなり高いという面もあるわけでございます。
 それから、アルコールの供給面における安定性につきましては、六十年の長きにわたりまして専売制度を行っており、距離にかかわらずほぼ全国一律価格により供給する体制をとってまいりましたが、専売制度の廃止に伴いまして一挙に自由化が図られた場合に、遠隔地のユーザーや中小零細ユーザーを中心に、流通面、価格面での悪影響が生ずることが懸念されますので、こういった激変に対する緩和措置といたしまして、専売制度廃止後五年間につきまして暫定措置期間として、NEDOが一手にアルコールを購入し、全国に設置された流通基地までは一律価格で供給するということによって、影響を緩和することといたしております。
 いずれにしても、アルコールは最近は需要が非常に堅調でございます。成長産業として従来ずっと来ておりますが、これは国民が健康分野その他で非常にいいアルコールへ志向する、合成保存料からアルコールへというふうに志向が高まっておるということでございますので、今後とも、需要面では安定的にまた成長するものと考えております。
#80
○塩田委員 ありがとうございました。終わります。
#81
○中山委員長 金子満広君。
#82
○金子(満)委員 日本共産党の金子です。
 アルコール事業法案に関連して、今後これを実施する場合に、こういうことは改善していった方がいいと思われる幾つかの点について、質問をしたいと思います。
 まず、本法案が三月十六日に参議院で可決の際の附帯決議があります。これは御承知のことと思いますが、四項目挙がっています。そこで、「政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。」そういう中で、雇用問題や処遇問題、きょう各委員からもその点は質問をされましたが、その附帯決議の四項目めに「NEDOのアルコール製造事業の株式会社への移行の際及び移行後、職員の雇用と処遇については、不利益となることがないように十分配慮すること。」これは五年先のことだけではなくて、現に目前に迫っている閉鎖する工場があるし、移転する工場があることは、もう既に御承知のとおりですね。
 そこで、閉鎖する工場、移転する工場の場合にも、この雇用問題と処遇問題は同じ精神、つまりこの附帯決議の同じ精神でやっていかなけりゃならないと思います。言うまでもないことですけれども、職員の雇用それから労働条件、つまり賃金とか諸手当は現行の水準を維持することだ、これはもう最低限の義務であり、必要なことだと思うのですね。
 そこで、まず初めに深谷大臣にお伺いしたいと思うのは、この附帯決議、これは、当面している工場閉鎖とか移転の場合にも当然適用されるものだし、そういう精神でやっていかなきゃならぬというように思いますが、いいですね。
#83
○深谷国務大臣 附帯決議は国会のいわば具体的な意思のあらわれでありますから、その趣旨を体してきちっと対応していくということは当然だと思います。
#84
○金子(満)委員 そこで、私はきのう茨城県の石岡のアルコール工場を見てまいりました。そしてまた、ここでいろいろのことも聞いてまいりました。
 石岡工場は、来年の二月まで操業はして、そして四月から鹿島臨海の方に移転する、こういうことになっている。それから、言われているように、鹿児島県の鹿屋工場は来年、熊本県の肥後大津工場は二〇〇四年、そしてまた愛媛県の近永工場は来年、それぞれ閉鎖をされますが、今多くの労働者は、身の振り方、そして家族を含めて今後どうするかという点ではみんな大きな問題になっていると思いますが、現状がどうなっているのか、どのような対策を講じているのか。これは大臣でなくても結構です、細かい点ですから、伺いたいと思います。
#85
○岡本政府参考人 NEDOが、来るべき民営化に備えて、民間との競争に十分伍していけるような効率的な事業基盤を目指すということで、今の七工場から四工場の体制に切りかえていくということで、先生御指摘のような工場について閉鎖あるいは移転の計画を進めているところでございますが、それを実施するに当たりましては、先ほど大臣からも御答弁申し上げましたように、職員の方々のこれからの雇用ということについては、NEDOの理事者側において十分に配慮するように私どもからも促しているところでございます。
 現に、NEDOの理事者側においては、個々の職員の方々の御意向を一人一人丁寧にお聞きをして、NEDOの中の他の工場とか、あるいはNEDO全体の他の部門への配置転換でありますとか、あるいはどうしても地元に残りたいという方々については、いろいろな再就職の可能性ということを勉強しながら、そのあっせんに向けての準備を今いたしているところでございます。
#86
○金子(満)委員 職員の意見、希望を聞くということは今後の問題としては当然だし、今急速にやらなくちゃならぬということもわかりますけれども、この問題が出てからもう二年目になるわけですね。そうすると、閉鎖される工場の職員というのは訴える場所がなかなかない。これから聞くということももちろん大事ですけれども、現在までにどんな希望が出ているか、ここをつかんでいたら知らせてもらいたいと思うんです。
#87
○岡本政府参考人 今、閉鎖を予定しております三工場で職員の現在数が百五十四名でございますが、その中で、転職を希望している職員の方が四十三名、それから移転が可能だというふうにお答えをいただいている方が百四十名でございます。
#88
○金子(満)委員 今後具体的に、しかもきめ細かく対応してもらうということは当然必要ですけれども、その閉鎖される工場の中には経験豊かな職員がたくさんいると思うんですね。ですから、そういう職員が残っている工場に異動する、転職する、これが今なら可能だと思うんですね。そういう点についてはどのような状況であり、どういう方向がとられていますか。
#89
○岡本政府参考人 NEDOにおいては、これまで各工場長が職員の方々の御意向を聞くということを続けてまいりましたが、それに加えまして、NEDOのアルコール事業本部の理事以下、責任者がそれぞれ個別にお話を伺うということで、文字どおりきめ細かな、一人一人の御意向の把握あるいは相談に今乗っているところでございます。
 そういう中におきまして、せっかくこれまで経験を積まれてきた職員の方々の技能とかあるいはその経験を活用するということは、御指摘のとおり大変意義のあることだと存じますし、NEDOの理事者側におきましては、極力職員の方々の御意向に即しながら、配置転換その他の対応を今個別に相談を申し上げているところでございます。
#90
○金子(満)委員 そこで、次の問題ですが、アルコール事業法案に関連する、つまりNEDOの製造工場の閉鎖、移転、これは先ほど申し上げるように二年前から公表されているわけですね。特に、閉鎖、移転する工場はここ二、三年の間にできたんじゃないんですね。つまり、昭和十二年、一九三七年、アルコール専売制度が始まってから、数えると六十三年になるわけですね。そうしますと、地域に相当密着をし、地方自治体や地域経済の中でも大きな役割を果たしてきたと思うんです。それからまた地方自治体から、俗に言えばいろいろ面倒を見てもらった、そういう点で配慮がなされてきたことは事実だと思うんですね。
 そうした点について、移転を含めると四つあるわけですが、各工場関係者や工場が存在する自治体についていつどのような説明を行ったのか。そしてまた、自治体や工場側からはどういうような希望、要望、要請というようなものが出ているのか。そういう点でいろいろ陳情書とか要請とかもあると思いますが、その点はいかがですか。
#91
○岡本政府参考人 閉鎖を予定しております地元の地方自治体に対しまして、平成十年八月から平成十一年五月にかけまして、それぞれの地元につき二回から三回にわたってNEDOから説明を行いました。また、その後におきましても、NEDO及び当省の担当者が現地を訪れ、あるいは地元の方々が上京されました際にお会いすることなどを通じまして、地元の御理解をいただく努力を重ねてまいってきております。
 こうした中で、地方自治体の側からは、おおむね、工場閉鎖につきましては、それが地元に与える影響が懸念されるものの、NEDOが置かれております現下の状況及び昨今の経済社会情勢にかんがみれば、工場閉鎖それ自体はやむを得ないという御理解をいただいてきているところでございます。
 その上で、先ほど先生御指摘ありましたように、これからそれにかわる、跡地の活用を含めました地元の活性策ということについて、NEDOなりあるいは国においてもいろいろ協力をしてもらいたいという御要望が寄せられておりまして、そういう事情もございますので、先ほど大臣からもお答え申し上げましたように、鹿屋及び近永につきまして、ことしに入りまして、NEDO、地元の自治体あるいは通産局、それから立地の専門家であります財団法人日本立地センターの職員の方々から成る研究会をそれぞれの地元において設置して、具体的にどういう地域活性化の方途があり得るかということを探るべく、関係者が今英知を絞っているところでございます。
#92
○金子(満)委員 その点はわかります。
 そこで、私はきのう茨城の石岡工場で、NEDOの理事の方及び工場長とも会っていろいろ実情を聞いてきました。
 石岡工場の場合、鹿島臨海への移転については希望者は全員雇用を継続する方針だ、これははっきり言われました。また、既に住宅も確保はしてある、これは全員の住宅を確保してあるという話もありました。そういう点で、通勤は非常に時間がかかるという問題で、通勤可能な職員あるいは家族全部引っ越す場合どうするかとか、それは今後の問題になると思いますが、そういう準備が進んでいるということも聞きました。
 それから、五年後に民営に移管していくけれども、それまでの五年間に閉鎖する工場についてNEDOの理事の方は、他の工場で受け入れるような体制もとっていきたいということを言われました。これは参議院の決議をそのまま実行するということになりますけれども、やはり五年先のことも大事だけれども、もう来年のことですからね。こういう点では、政府初めNEDOの関係者も意欲的に、積極的にやらないと大変なことになると思うんですね。そういう意味で、先ほど最初に申し上げた参議院の附帯決議については深谷大臣も言われているとおりですから、これをぜひやっていただきたいと思うんです。
 それから、アルコールの需要と供給の問題です。これは若干話もあり、いろいろなものにも文書で出ていますけれども、アルコールの需要というのは、現在は緩やかであるけれども拡大しているということが言えると思うんですね。
 そこで、工場を現在の七つから四つに減らすわけですけれども、まず一つは、供給の見通しがどうなっているのか、それが一つ。それから、四つの工場で七工場分の生産ができるのかどうなのかということ。もう一つは、生産が上がった場合に日本のアルコールを外国に輸出するようなことを今考えているのかどうなのか、この点も伺っておきたいと思うんです。
#93
○岡本政府参考人 アルコールは、先生御案内のとおり、洗剤、化粧品、香料といった化学工業分野の基礎原料として使用されておりますほかに、食酢、みそ、しょうゆといった飲食料工業の分野、さらには医薬品の分野に幅広く利用されておりまして、過去十年間の実績で見ますと、GDPの伸びが平均年率一・六四ということですが、アルコールの需要の方は三・四一%という、GDPの伸びを上回るペースで需要が伸びてきております。したがいまして、今後においても、大まかに年平均二%から三%程度の需要の増加が見込まれるものと私ども考えております。
 これに向けての供給でございますが、今の七工場の中で閉鎖をいたします工場は、比較的規模が小さくて、したがって製造コストも高い、そういう工場について閉鎖を予定しておりまして、石岡につきましては、非常に市街に近いところにあって、内陸ということもございますので、原料の粗留アルコールは船で海外から持ってまいりますので、鹿島という地において、より少し規模を大きくした新鋭工場をつくるということで予定しております。
 需要の伸びに対しましては、鹿島の新鋭工場の追加投入ということ、さらには、今現在でもNEDOのアルコール製造工場全体として稼働率の面で多少の余裕がありますので、そういう面から、供給力はNEDOに関しても相当のものを持っておりますし、それからさらに、専売を廃止して製造の分野に民間の企業の方々が自由に参入できるということになりますので、酒類原料をつくっておりますいわゆるしょうちゅうメーカーその他の方々の参入ということも十分見込めますことから、供給の方については、私ども、十分な対応ができるものと考えております。
 それから、最後に御指摘の輸出の件でございますが、今、NEDOにおいても、あるいは私どもにおいても、そこまでの大胆な検討には及んでいないところでございまして、これからの勉強のテーマにさせていただけたらと存じます。
#94
○金子(満)委員 お話にもありましたように、アルコールの原料が、大部分というよりもっと、ほとんどがと言ってもいいと思いますが、粗留アルコールで、全部輸入。今度、鹿島灘にできるのも、船で持ってきて、今まで全部内陸にありますから、鉄道とかあるいは車で運んだのが、今度はパイプで船から揚げるようになるという説明も聞いてまいりました。大体生産が倍になりますから、六万キロリットルという話も伺いましたけれども。
 そういう中で、もう一つ聞きたいのは、かつて戦中戦後の一時期は、アルコール原料はカンショ、バレイショ、糖みつが中心だったと思うのですよ。しかし、その後大きく変化して、今申し上げたように、粗留アルコールが圧倒的にほとんどだ。現在では国産の糖みつ、果汁などはごくわずかだ。しかも輸入先はアメリカ、ブラジル、東南アジアが中心だ。そして原料は、アメリカはトウモロコシ、ブラジル、東南アジアはサトウキビなどということが言われておるわけです。
 そこで、一つ古い話、でもまだ新しいのですけれども、これは参議院の経済・産業委員会調査室が今度のこの審議の中で出されたものですけれども、昭和五十四年七月五日、一九七九年ですね、アルコール専売事業制度問題懇談会報告というのが出されております。
 その中で、かなり長いのですけれども、「国産原料の活用」というところがあります。これは、やはりなるほどと思うところがたくさんあるのですが、「国営アルコール工場がその立地する農村地域及び原料生産地域の経済振興面で果たすべき役割は重要と考えられるので、今後とも経済性に留意しつつそれぞれの立地条件を活かして、甘藷、ミカン果汁廃みつ、沖縄糖みつなどの国産原料の使用を推進すること。 また、政府において現在処理が進められつつある余剰米についても、その処理の推進を図る見地から、工業用アルコール製造原料として使用を進めること。」こう、はっきり書いてあるわけですね。
 例えば米の問題について、去年は政府の計画より米がとれたわけです。米がとれたら十七万トンをえさに回す。幾らですかと言ったら、六十キロを一俵とすると、安いのが六百円で、高いのが千二百円だという話も出ていましたが、一俵がラーメン一杯か、すしの並の一人前ぐらいかと例え話にも使われましたけれども、そういう十七万トンといえば二百八十三万俵なんですよね。私は、これはえさよりも工業用アルコールにしたらどうかなというようなことも考えていいと思うのですね。
 それから、沖縄のサトウキビというのは、今大変な苦境の中にあると思うのですね。生産能力も、それから耕地もあるけれども、価格の問題その他がいろいろあると思う。
 こういうことを考えると、私は、アルコールの国産原料という点について検討し、考えてもいいんじゃないか。もうこれは高いから切り捨てるというのではなくて、国が一定の援助をしても、農業振興という立場から考えられないか。この点については、これは深谷さんの方がいいかな、考え方を聞かせてもらいたいと思うのです。
    〔委員長退席、小林(興)委員長代理着席〕
#95
○深谷国務大臣 専売事業制度問題懇談会で、金子委員が今指摘されたような報告書が出たというのは私も承知していますが、時代の移り変わりというのは本当に早いもので、この二十年の間にいろいろな分野が変化をしてしまいました。
 例えば国産原料について申し上げますと、カンショとか糖みつというのが盛んに利用されていた時代があったのですけれども、現在はほとんど大部分、輸入した粗留アルコールになっているわけでありますが、これは原因は、ほとんど価格が倍ぐらいかかってしまうということにあります。
 それから、余剰米をアルコールにしていけばどうだというので検討された時代がありましたけれども、これもやはり粗留アルコールと比べて三倍の値段になってしまう。これは、発酵の過程とか製造過程でもそうでありますし、一般にくず米と言われているものでも価格というのは一定の価格でありますから、これらを実用化するということになると、粗留アルコールと比べて価格の面でどうしようもないぐらい差があるということでございまして、なかなか国産原料というわけにはいかないわけでございます。
 ただ、最近のバイオの研究というのは非常に盛んでありまして、先ほど申したんですが、これが民営化されていきますと、アルコール製造技術に係る研究開発が非常に活発化していくのではないか。こうした研究が進んでいきますと、あるいはこれから国産原料の活用ということの可能性も出てくるかなとは思いますが、現状では、遺憾ながら今申し上げたような状態です。
#96
○金子(満)委員 時の流れが早いとか時代がといえば、それはそうだと思うんですね。しかし、ヨーロッパも日本も時の流れは同じだと思うんです。それは、その国の歴史的な経過から経済状況、いろいろな変化はありますけれども。
 これは衆議院の調査局商工調査室の資料なんですけれども、「諸外国のアルコール管理制度の変更事例」というのがあるんです。ここでドイツ、オーストリアがありますけれども、ドイツでは専売制は維持しているわけですけれども、大事な指摘がここにあるんですね。農業アルコールは農業保護のため専売制を維持。政府はアルコールを高価格で買い上げ、低価格で販売し、その差は国庫が助成。影響として、補助金の負担が増しておる。それから、オーストリアも同じなんです。製造は、農業保護のため製造専売は維持。ここでも補助金の負担増とあるわけですね。
 ですから、価格だけでいうと、日本はみんな買っちゃえと。ですから、米の輸入自由化を機会にして全部自由化されちゃう、安ければみんな買う。考えてみたら、食料の自給率はカロリーベースで四一%、計算によっては三九%になるわけですね。みんな安いから輸入、安いから輸入。
 そうではなくて、私は、政府が助成しても、補助金を出しても一定のものを支えていくということは大事じゃないか。例えば糖みつ。沖縄だったら可能性がうんとある。沖縄の経済の発展のためにも、沖縄の農業のためにも、ああそれはいい考えだなと思うけれども、高いからだめです、問題があります、みんな外国から買いますというやり方では、私は、今後、経済の自立というのが大変な苦境に立つと思う。
 ですから、そういう意味からも、ここでばっさり切り捨てて、だめというんじゃなくて、そういうことも検討していくということが必要だと思うけれども、どうですか。
#97
○深谷国務大臣 頭からだめと決めつけているわけではないんですけれども、現状として、例えば今NEDOが買っているのは糖みつぐらいなんですね、カンショの方はもう買っていませんが。糖みつは沖縄等でもできますが、それはほんのわずかのようですね。供給が続かないという背景もあるようでございます。
 しかし、いずれにしても、かつては利用したものでありますから、もう一回よく見詰める必要があるかと思います。
#98
○金子(満)委員 確かに、これは検討してもらった方がいいだけじゃなくて、我が国農業の、そしてまた、北海道から沖縄まであるわけですから、それぞれの地域の特徴も生かして、アルコール原料も今後五年先にはどんどんもっと広がるわけですから、そういう点では、政府が一定の援助をしながらもやっていくように、今、切り捨てたわけじゃないと言うから、ぜひそこのところはやってほしいと思うんですね。
 それから、時間がありませんから終わりの方の質問になりますけれども、移転する工場、閉鎖する工場というのは土地があいちゃうわけですよ。その工場跡地の利用問題というのは大変大きい問題だと思うんですね。
 私は現地に問い合わせてみました。石岡は後で申し上げますけれども、鹿屋の状況というのは、一つは、NEDO、通産省、鹿児島県、鹿屋市、四者で研究会をつくって跡地活用について今検討中だ、これが現状だそうです。そして、用途地域としては準工業地域指定に鹿屋の工場の地域はなっており、工場誘致を考えているが、市として、今のところない。そういう中で、結論は、格安で市に払い下げてほしいというのが鹿屋市の要望だ。これが一つですね。
 それから二番目の、熊本の大津工場の場合。要約しますと、住みなれた地から引っ越し、単身赴任など、子供さんが小さい家庭は耐えがたいものがある。議会でも存続の意見書を提出したが、関心は今跡地に集中している。町の中心部の広大な敷地であるので、閉鎖になった場合、町づくりにとって欠くことができない位置にあるので、ぜひ自治体にという意見も出ている。
 そういうように幾つもの意見が関係のところから出ていますし、愛媛の近永工場の場合も、労働者の身の振り方、特に中高年の方が不安を持っている。家族を含めると約百五十人ほどの生活が、これは先ほどの答弁でよろしいですけれども。そこで、一番大きな、跡地の利用をどうするかが決まっていない。広大な土地をどうするか、町の経済を大きく左右する、こういうことが言われているわけですね。
 私も全く同感なんですけれども、六十数年間にわたってそこに位置してやってきたわけですから、もう同じ呼吸をしているわけです、そこの地域では。しかも、アルコール工場というのは戦時中は過疎地帯だったところです。大きな市の真ん中につくるのじゃなくて、農村地帯、そういう過疎的なところにつくったんだと思うんですね。地元に密着してやってきているわけだし、今、公有地なんですよね。だから、私は、公有地は営利企業に売り渡すというのではなくて、関係自治体に適切な価格で譲渡をする方向でぜひ考えてもらいたい、これを中心に考えてもらいたいと思うんですね。
 これは、介護保険の問題もありますし、文化都市建設の問題もありますし、いろいろな点から見て、この工場跡地は関係の自治体に、低価格が一番いいんですけれども、低い高いは別として、適切な価格で譲渡するようなことが考えられないかどうか。その点、今どんなことになっていますか。
#99
○岡本政府参考人 閉鎖予定工場の跡地につきましては、先ほどお話し申し上げましたが、各地元で、近永及び鹿屋について既に発足しております研究会の中で、地元の自治体、NEDO、それから通産局も入って相談をしているところでございますが、地点によってかなり事情は変わってこようかと思います。
 いずれにしましても、四万とか五万平米ぐらいのまとまった土地を、それも市街地の中心部からそう遠くない地点に有しているという今のアルコール工場の実態ということから、その活用ということについてはいろいろな方途が考えられるかと思います。
 そういう中にあって、地元での雇用機会の創出につながりますような工場の立地に使いたいということも、具体的な立地を、進出を予定する企業がいればそれも一つの方向として考えられるかと思いますが、そういうものに加えて、今先生御指摘の、地元の公共団体において公共的な施設の整備等に使っていただくということもあろうかと思います。
 いずれにしましても、私ども、これはNEDOのアルコール事業本部におきまして、今後、関連の法令、内規に照らしまして、適切な跡地の活用あるいは処分ということについて検討を進めてまいりたいと考えております。
#100
○金子(満)委員 大事な問題ですから、もう一度念を押したいと思うのですけれども、適切という言葉の中に、まず進出する企業があるならばが中心になっているのですよ。それで、なおそのほかに地方自治体で云々、こうなっている。ですから、頭の中には、進出企業が先なのです。公有地なのだから、ここを改めてほしいと思うのです。そして、地方自治体から六十年以上にわたっていろいろの恩恵を受けたと思うのです。地域社会に対する責任もあると思うのです。ですから、どこからか大きい企業が来たら、高く買ってくれればそっちへやります、こういうのではなくて、高く買わなくとも適当な価格で自治体に譲渡する。
 実はきのう、石岡の市役所も行って、助役以下担当者の方にも会いました。まだNEDOの方からも何も言ってきていないし、私の方も、これから考えていきますという意味のことは言われました。だから、決定しないで、そして、来年の二月で終わりになるわけです。どうするのですかと言ったら、今言われるように、進出企業があるならそっちへと言ったら、これでもうお手上げなのです。そうではなくて、今から自治体にこれは優先的に譲渡しますと。もし自治体が要らないと言うのだったらこれはしようがない。
 ですから、今どこでも文化都市、町づくり、そして老後の問題、介護保険、いろいろの施設を必要とするし、学校施設もそうだし、こういう点で私は本当に考え直してほしいと思うのですね。何事もないなら、それは進出企業があればみたいに言われると、それが流れになったら大変だと思うのです。だから、そういう意味で、その点はぜひ考え直してもらいたい。
 まず最初に関係自治体の意見を聞いたらどうですか。こっちから何かしてこうだというのではなくて、自治体の意見を聞くことが今後のアルコール工場問題についても非常に大事だと私は思いますが、その点どうですか。
#101
○岡本政府参考人 地元の自治体の御意向を伺うという点につきましては、先ほどの研究会の中心的なメンバーとして、地元の市町村あるいは県にお入りいただくということにいたしております。
 それから、私は先ほど進出企業があればということでもお話し申し上げましたが、地元の御要望の中に、やはり雇用機会を地元で創出していただきたいという御要望もかなり強くございます。
 それから、企業にとどまりませんで、今閉鎖を予定している工場の中にも、まだ確定したものではございませんが、例えば、学校を持ってくるとか、あるいは魚市場のような市場を持ってくるとか、種々の利用の方途というのがこういう研究会の議論の中で検討されているところでございまして、そういうこともあわせ視野に入れながら、いずれにいたしましても、地元の御意見も十分私ども拝聴しながら、跡地の活用の適切な方途について鋭意検討を進めてまいりたいと考えております。
#102
○金子(満)委員 あと二分だそうですから、最後に、今の答弁で県や関係自治体の意見を聞いているということがありました。石岡はまだ聞かれていない、何も言ってきていない。だから、どこに行き違いがあるか私は知りませんけれども、これを機会に、まず自治体にどういう希望があるかというのを聞いてほしいと思うのですよ。これを聞けば、意見なしなんというところはないと思うのですよ。みんな意見を持っていると思うから、それを中心に、今後閉鎖及び移転する工場のところは考えていく。それから、残る工場についても、工場面積をふやすのか、今のままなのか、いろいろなことがあると思いますよ。
 いずれにしても、廃止、閉鎖、移転という点については、今言った点をもっと太く出して、公にした方がいいと思うのです。そうすれば、関係自治体は、自治体の議会にどうするかをかけますよ。そして、公募することもできるわけです。そういうことをやるのが、私は、地域経済を発展させる上にも、そしてまた、せっかく通産相を深谷さんがやっているわけですから、そういうのをぐっとくみ上げてくることをぜひやってほしいと思うのです。最後にそれを伺って終わります。
#103
○深谷国務大臣 跡地をどう活用するかということは、その地域にとっての将来を含めて大変重要なことであることは金子委員御指摘のとおりであります。
 今いろいろ担当者から答弁いたしましたが、私は、鹿児島の研究会というのは一つの具体的な姿だというふうに思います。石岡の場合にはまだそういう状態になっていないようでありますから、いずれにしても、NEDOあるいは県あるいはその他の関係者を集めた、通産省も加わる形の研究会方式で、地元の意見が生かされるようにしていくことは大事なことで、そのような指導をしてみたいと思います。
#104
○金子(満)委員 終わります。
#105
○小林(興)委員長代理 北沢清功君。
#106
○北沢委員 社民党の北沢でございます。
 アルコール事業法については、私が最終回でございますので、それぞれ先任の皆さんから適切な御質問がございました。そういう面で、私は十五項目質問を用意したのですけれども、若干省きたいと思います。それから、質問もダブる面もございますので、簡潔に御答弁をいただきたいというふうに思っております。
 私は、先ほどから御質問を聞いておりまして、議員の皆さんが非常に、六十年というアルコール専売法から、新たに市場原理といいますか合理化をするということの中で、若干の不安を持っております。また、当事者も、実際に現地で働いている皆さんも、私も鹿児島のアルコール工場を実は四、五年前に見学したことがございまして、いろいろ移り変わりをするわけでありますから、廃止をするということであれば皆さん不安もありますし、また、遠く転勤をするということの中では、一家を挙げて転居をしなければいけない、うちを移らなければいけない。たしか、新家屋は用意はしてあるけれども、そういう面もございますし、また、地域の官署を含めて、産業というか地域との結びつきも大変あるわけであります。
 私は、ここで一つ基本的な考え方を実は申し上げておかなければいけないと思うのですが、去年、おととしとヨーロッパのフランスとイギリスへ行ってまいりまして、日本は今米の減反で、三割ないしは四割減反ということでありますから、三割、四割は、土地を持っていてもつくることができないわけです。したがって、米の過剰が、それでも多いわけでございますが。
 あちらの方では、ずっと歩いてみると小さなヒマワリを実は植えてあるのです。黄色で美しいけれども、何のためにヒマワリがあっちこっちで植えられているかというと、やはりヨーロッパそのものも減反をしなければいけないわけでありまして、普通ですと、同じ食物の中の食油という形でヒマワリを処理すると、これは過剰になるわけです。かの地では、これを高級なアルコールに実は転換していく。飛行機の燃料等にもするんだというふうに説明をしていただいたのですが、そうなると、全く過剰というものの意味が日本の米の過剰と違うわけです。
 したがって、そういうことも念頭に置きながら、日本の、今回の通産省の皆さんの説明をお聞きして、私は深い配慮を感じ取っているのですけれども、いわゆる民間の分野ではまさに切り捨てで合理化がされているということを見て、それでさえもなおかつ不安を持っているということだけはこの際申し上げておきたいというふうに私は思っております。したがって、質問を略する面もございますので、お間違いのないように、ひとつ御答弁を簡潔にお願いしたいわけです。
 新しい、新エネルギー・産業技術総合開発機構、いわゆるNEDOのアルコール製造部門の特殊会社化に当たっては、このアルコール事業法施行時と同時というのと、法施行開始五年後という二通りの選択があったように聞いておるわけでありますが、後者の五年後ということになった理由、その選択の経過についてお尋ねをいたしたいと思います。
#107
○岡本政府参考人 NEDOのアルコール製造部門を特殊会社に移行することにいたしておりますが、これは特殊会社にとどまるものではございませんで、その後速やかに政府保有株を売却して完全民営化を目指すことといたしております。
 したがいまして、暫定措置期間五年の間にNEDOのアルコール部門は民営化のための準備をしっかり行って、先々民間の企業と十分に伍していけますような事業の基盤を固めるということがどうしても大事かと考えております。そういう進め方をすることが、先ほど来御議論になっておりました職員の方々の雇用の問題への対応もより円滑に行い得るゆえんではないかと考えております。
 こういう民営化に向けての努力をいたしますためには、どうしても、先ほど来の工場閉鎖でありますとか新しい工場のビルドでありますとか、そういう対応に時間を要しますし、もう一方、この暫定措置期間というものは、先生御案内の専売廃止に伴う中小あるいは遠隔地ユーザーにとっての激変を緩和するという面からも、暫定措置というのが五年程度は必要ということで、塩の専売廃止の場合にも五年間の暫定措置を設けたという先例も視野に入れながら、私ども、五年間の暫定措置期間が終わった後に特殊会社に移行するということにすべく御提案をさせていただいているものでございます。
#108
○北沢委員 たばこのJTとか、NTTなどは、いわゆる法によって国の株式の持ち分の義務が規定をされているわけですが、今回のこのNEDOについては、特殊会社化に当たってはそのような規定がない上に、二年以内に民間への株式売却を開始し、できるだけ早期に完全売却を図るというふうにされておりますが、それはどういう理由だろうか。それまで経営の安定化の見通しはあるのか。安定化の見通しのないままでそうした処置だけが決められているようになると、国としての責任逃れになりかねないと思うわけですが、その点はいかがでしょうか。
#109
○岡本政府参考人 特殊会社の株式の一定割合を政府が保有するという例は、例えば御指摘のNTTについてはそのとおりになっておりますが、これは、我が国の基幹的電気通信事業体としての強い公共的性格にかんがみて、特定の者に経営が支配されたり株主権が乱用されたりすることのないようにという観点から設けられているものかと存じます。
 他方で、NEDOのアルコール製造部門は、今回専売を廃止して民営化をするということで、その暫定的な姿として特殊会社を予定しているものでございますが、閣議決定にございますように、速やかにあるいは早期に民営化に移行するということにされております。
 したがいまして、純粋民間会社としてやっていただくということを目指す以上において、私ども、政府が株を保有するというような関与はしない方がいいのではないか。むしろ、完全民営化した後においても他の民間の同業者との間で十分競争に伍していけるだけの強靱な事業体制を構築する、それを暫定措置期間の間にぜひやっていただきたいという趣旨から、こういう御提案を申し上げているところでございます。
#110
○北沢委員 重ねて申し上げますけれども、五年間という民営化の準備に向けた暫定期間中に、実際に将来の市場の競争に参入するための基盤が拡充するという具体策はあるのかないのか。特殊会社という枠の中で、従来どおりのアルコール製造、研究開発という業務を行わないならば、市場競争のための流通、営業等の面では全く整備できず、おくれをとったままの参入となることを心配するわけでありますが、市場競争参入のための体制での具体策はいかがでありましょうか。
#111
○岡本政府参考人 NEDOが、暫定措置期間の間におきまして先々の民営化に備えて効率的な事業体制を構築するという趣旨に即しまして、既に一部、製造コストの高い工場の閉鎖、あるいはより生産コストの安い新鋭工場の建設といったような取り組みを始めているところでございますが、それに加えまして、新たな需要の開拓のための勉強でありますとか、あるいは技術開発のための勉強でありますとか、先々の民営化を迎えた段階において事業の多角化のための勉強も今からやっていくということであります。
 多面的なアプローチのもとに、効率的な事業体としてのありようを今真剣に準備をいたしているところでございます。
#112
○北沢委員 私は、やはり私どもの立場上、雇用の面でぜひ全きを期していただきたい。これはそれぞれ御質問ございましたけれども、そのことは強く要望しておきたいと思いますが、雇用を確保するための経営の拡充といった事業運営の将来展望は描けないのかどうか。アルコール事業の将来展望とあわせて、それに対応できる民間会社となれるよう、やはり支援をしていく必要があるのではないか。
 このたびの専売法から事業法に変更されることで、アルコール事業部門に従事している職員の皆さんは、その雇用、処遇において大きな不安を感じているわけでありますが、昭和五十七年の国会答弁の例もございますので、今回の措置に当たっては不安は当然だと思います。私も、実際に従業員の皆さんにもお行き会いをして実情をお聞きしたのですが、四工場が閉鎖ということで、そうした身分の不安に対してはどのようにこたえられていくのか、重ねてお聞かせをいただきたいと思います。
    〔小林(興)委員長代理退席、委員長着席〕
#113
○深谷国務大臣 NEDOの製造部門が将来にわたって同業の民間企業と競争が十分やっていけるような状態になるためには、お説のように、暫定期間中に必要な合理化等の努力あるいはその他もろもろの努力をしていかなければならないというふうに思いますし、やがて特殊会社になりましてもその努力は当然継続されていって、しっかりとした基盤が確立されるということが肝心であるというふうに思います。NEDO製造部門がどういう形になっていくかについては今後の検討になってまいりますけれども、いずれにしても、アルコールを安定的かつ低廉で供給できるような担い手の一つになっていくというふうに考えます。
 そういう過程の中で、職員に御迷惑がかからないような対応をするということは非常に大事なことでありまして、ただいまお話がありましたように、かつて、民営化はしないということで職員の人たちが安心して働いてきたのが、今度は立場が変わる、こういうような状態で、その人たちのことを考えますと、本当にしっかりした対応をしていかなければならないと思っております。
 先ほどから答弁や質問の中にもありましたように、NEDOの幹部を中心にいたしまして、配置転換であるとかあるいは新しい職業のごあっせんだとか、本当にきめ細かく職員の希望を聞きながら徹底してこれからも進めていくように、私どもからも強く指導してまいりたいと考えます。
#114
○北沢委員 ぜひひとつ、雇用については不安のなくなるように御努力をいただきたいということを強く要望しておきたいと思います。
 昨年の四月に閣議決定をされた国の行政組織等の減量、効率化等に関する基本計画の中で、一月に出された産業構造審議会アルコール部会の答申を受けて、特殊会社とすることになったわけでありますが、工業アルコールに係る事業法制の整備、暫定措置期間等、特殊会社に関する一体的な立法措置を講ずることとなっておるわけでありますが、本事業法案においては具体的なものは示されておりません。したがって、検討課題と思われるわけでありますが、どのような内容にあるか、見通しについてお尋ねをいたしたいと思います。
#115
○岡本政府参考人 本法案の附則八条にございますように、NEDOは、五年後を目途に、政府がそのすべての株を保有する特殊会社に移行して、その後早期に民営化を進める、そのために必要な措置を講ずるという趣旨を附則第八条に規定いたしているところでございます。特殊会社の具体的な姿はこれから五年後に向けて詳細検討していくことになろうかと思いますが、民営化に向けての大きな道筋は、この附則八条によって示されているかと存じます。
 特殊会社の少なくとも当初のイメージにつきまして、政府がその全株を保有する特殊会社としてスタートをして、そこからできるだけ早期に政府保有株の売却を進めて民営化を図るということで、その具体的な中身をこれから鋭意検討してまいりたいと考えております。
#116
○北沢委員 この法律のもとにおいては、酒類メーカーは、許可をとることで工業用アルコール分野に参入することが容易に可能になると思われるわけでありますが、逆に、特殊会社はどうなのか、酒類の分野に参入ができるのかどうか、お尋ねをいたしたいと思います。
#117
○岡本政府参考人 特殊会社が酒類原料の製造をするということは、もとより法律的には可能でございますが、先ほどの御議論の中にもございましたように、酒税法に基づく製造の免許を取る必要がございますので、その要件を十分に満たしているということの吟味がなされた上に、具体的な扱いが決められていくものと考えております。
#118
○北沢委員 アルコール工場というのは一面では非常に危険物の製造工場でもあるわけでありますが、そういう中で合理化を推進して、企業一辺倒になって、危険性が増大する懸念が心配をされるわけですが、そういう点、安全性について十二分に配慮をしていただきたい、そのことをお尋ねします。
 また、緊急時の措置として、大臣がアルコールの製造予定数量の増加その他必要な措置を勧告することができるというふうにされておりますが、例えば、三年前に、O157によるものなどで緊急に殺菌、消毒の用途に供給する事態の発生があったわけでありますが、その場合も勧告対象となるのかどうか、お尋ねをいたしたいと思います。
#119
○深谷国務大臣 第一点は、合理化を追求する余り、安全性やその他におろそかになるような点が出ないように気をつけろということでありますが、全くそのとおりでございます。
 NEDOアルコール製造部門が工場の再編などを進める場合に、当然合理化を進めていくわけでありますが、その合理化は、こうした面をおろそかにするという意味では全くなく、その効率性、安全性を含めた徹底した体制をつくるということでなければなりませんから、委員の御指摘については、NEDOにきちっと指導助言を今後ともしていくつもりでございます。
 それから、緊急時の措置として、大臣が増産勧告を行うということが発動されることにこれからなるわけでありますが、御指摘のO157の発生等のときに、これは殺菌剤としての需要の急増で、アルコールの供給が大幅に不足するというような事態になりかねない、そんな場面でありましたが、当然こういうときには増産勧告が大臣から発動され得るものだというふうに思っております。
#120
○北沢委員 最後に、六十年以上にわたった専売制を廃止するに当たって、今後のアルコール産業についての展望はどうかということでありますが、先ほどは輸入に原料その他を依存するという御答弁がありましたが、また、廃止によって、基礎原料であるアルコールを価格や量の面で国民に安定的に供給できるのかどうか、こうした面での状況はどうなのか、最後にお尋ねをいたしたいと思います。
#121
○深谷国務大臣 専売制度が廃止をされるということで、アルコールの製造販売に関して民間の事業の参入というのが原則自由になってまいります。そのことでそれぞれの段階における競争が促進されて、結果として、アルコール事業者の方々に対して全体的に安い価格のアルコールが供給できるというような効果があります。特に、先ほどから何回か申し上げておりますが、バイオ技術等の開発に関しては、これから民間の事業者がそれぞれ参入自由になることによって研究開発が一層進むのではないか。そうなってまいりますと、製造技術開発の活発化等々を含めて、アルコールの品質の多様化であるとか、今よりも魅力あるアルコール市場というのができ上がっていくのではないだろうかというふうに思います。
 つまり、専売制度の廃止というのは、我が国のアルコール産業全体にとって大きなプラスになると思いますし、安定供給という点でも各般の配慮をいたしてまいりますから、心配なきような状態が生まれるものと確信をいたします。
#122
○北沢委員 アルコールの需要の拡大等を含めて、供給も安全であるというふうに御答弁がございました。ぜひそういう面で努めていただきたいと思います。
 これをもって質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
#123
○中山委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#124
○中山委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 内閣提出、参議院送付、アルコール事業法案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#125
○中山委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#126
○中山委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、伊藤達也君外四名から、自由民主党、民主党、公明党・改革クラブ、自由党及び社会民主党・市民連合の五派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。吉田治君。
#127
○吉田(治)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表し、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    アルコール事業法案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、アルコールの円滑かつ安定的な供給に一層努めつつ、新エネルギー・産業技術総合開発機構のアルコール製造事業を株式会社への移行に向けて積極的かつ効率的に展開するよう督励し、その株式会社化に当たっては、中長期的視点から経営の見通しを十分確認した上で実施するとともに、職員の雇用と待遇について、当該職員が不当に不利益を被ることがないよう十分配慮する等、適切な措置を講ずべきである。
  なお、新エネルギー・産業技術総合開発機構の組織・業務が今後いたずらに肥大化することとならないよう、同機構の業務等を不断に見直し、その合理化・効率化に努めるべきである。
以上であります。
 附帯決議案の内容につきましては、審査の経過及び案文によって御理解いただけるものと存じますので、詳細な説明は省略させていただきます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#128
○中山委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#129
○中山委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付すことに決しました。
 この際、深谷通商産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。深谷通商産業大臣。
#130
○深谷国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重し、本法律案の実施に努めてまいる所存でございます。
    ―――――――――――――
#131
○中山委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#132
○中山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
#133
○中山委員長 次に、内閣提出、消費者契約法案及び第百四十六回国会、菅直人君外三名提出、消費者契約法案の両案を一括して議題といたします。
 これより両案について順次趣旨の説明を聴取いたします。堺屋経済企画庁長官。
    ―――――――――――――
 消費者契約法案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#134
○堺屋国務大臣 消費者契約法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 現在、我が国では、国民の自由な選択を基礎とした公正で自由な競争が行われる市場メカニズム重視の社会の実現を目指し、構造改革が推進されています。こうした中、政策の基本原則を行政による事前規制から市場参加者が遵守すべき市場ルールの整備へと転換することが求められており、消費者のための新たなシステムづくりが大きな課題となっております。
 その一方で、構造改革の進展に伴う商品、サービスの多様化の一層の進展による消費者の選択の自由が拡大する反面、消費者と事業者との間にある情報、交渉力の格差を背景に、消費者が事業者との間で締結する契約、いわゆる消費者契約に係るトラブルが増加しております。
 こうした認識のもと、政府といたしましては、これまで国民生活審議会及び幅広い関係各方面との議論を重ねてまいりましたが、昨年末の国民生活審議会の報告の趣旨に沿い、公正で予見可能性の高い新たな民事ルールを整備すべきとの結論が得られましたので、本法案を提出することといたした次第であります。
 この法律の制定により、消費者利益が擁護されるとともに、消費者、事業者双方の契約当事者としての自己責任に基づいた行動が促されることによって、消費者と事業者との信頼感が増し、新たな経済活動や業態の創造が容易になり、活発化するものと確信しております。
 次に、この法案の要旨を御説明申し上げます。
 この法律は、消費者が事業者との間で締結する契約に係る紛争を公正かつ円滑に解決するため、次の二点について定めることとしております。
 第一に、消費者契約の締結について勧誘をするに際し、重要事項について事実と異なることを告げたり、事業者に対し消費者がその住居等から退去すべき旨の意思を示したにもかかわらず退去しないなど、事業者の一定の行為により消費者が誤認し、または困惑した場合について、契約の申し込みまたはその承諾の意思表示を取り消すことができることとしております。
 第二に、事業者の損害賠償の責任を免除する条項、消費者が支払う損害賠償の額の予定または違約金が一定の限度を超えることとなる条項のほか、消費者の利益を一方的に害する条項について、その全部または一部を無効とすることとしております。
 そのほか、法の目的、消費者契約の範囲、事業者及び消費者の努力規定、取り消し権の行使期間等所要の規定を置くこととしております。
 以上が、この法案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、御賛同いただきますようお願い申し上げます。
#135
○中山委員長 次に、提出者枝野幸男君。
    ―――――――――――――
 消費者契約法案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#136
○枝野議員 私は、ただいま議題となりました消費者契約法案について、提案者民主党を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 私たち民主党は、経済社会においては市場原理を徹底する一方で、あらゆる人々に安心、安全を保障し、公平な機会の均等を保障する共生社会の実現を目指しています。このため、行政による経済的規制の撤廃を推進する一方で、公正な経済取引ルールの確立に努力してまいりました。
 とりわけ、消費者と事業者との間に存在する情報力や交渉力の格差を是正し、実質的な公平公正を確保するためのルールづくりは、共生社会を実現する上で不可欠な最重要課題として位置づけ、党を挙げて取り組んでおります。
 まず、結党から四カ月後の一九九八年八月、党内に消費者保護プロジェクトチームを設置し、消費者政策全般について検討を開始いたしました。その結果、近年における消費者トラブルの増加、経済のサービス化、国際化の進展、高齢成熟社会の到来などの動向をも踏まえ、個別法による対応や行政指導型の規制ではなく、消費者取引における契約締結過程及び契約条項についての包括的な民事ルールの立法化が必要であるとの認識に至りました。
 すなわち、これまで消費者契約を規律してきた民法は、対等な力関係にある個人間の取引を前提としてつくられておりますが、施行から既に百年が過ぎ、私たちを取り巻く環境が大きく変化しています。個人とは比較しようのない大規模な企業が商品やサービス提供の中心となり、また、商品流通の過程が複雑化するとともに、商品やサービスそのものの性質も著しく複雑化しています。もはや、商品やサービスについての情報を独占し、流通過程にアクセスできる事業者と、一個人としての消費者とでは、取引の場面に立った時点で、情報力や交渉力において決定的な格差があることを否定できません。民法だけでは、実質的な不公平、不公正が生じており、民法そのもののルールを包括的、本質的に改める必要があるのです。
 こうした視点から、私たちは、経済企画庁にとどまらず、消費者団体や弁護士会などからヒアリングを行い、一般消費者の声も尊重しながら、党独自の消費者契約法について詰めの作業を進めてまいりました。
 その結果、昨年十月のネクストキャビネット発足を経て、足立消費者・産業担当ネクスト大臣のもと、消費者問題調査会で最終的に法案を取りまとめ、昨年十二月十日、百四十六国会に提出するに至ったのが本法案であります。
 以下に、本法案の概要を説明いたします。
 第一は、法案の目的であります。
 消費者が事業者と対等な立場において契約を締結することができるよう、消費者契約の効力等に関し必要な事項を定め、消費者契約の締結過程及び内容の適正化を図るとともに、実効性を確保するための措置を講ずることにより、消費者の利益を確保し、国民の消費生活の安定及び向上を図ることを目的としております。消費者と事業者との実質的な対等性の確保という本法案の趣旨を可能な限り明示した目的となっております。
 第二は、定義であります。
 まず、消費者契約を、個人が主として事業に関連しない目的で事業者と締結する契約と位置づけ、消費者をこの場合における個人と定義しております。主として事業に関連しない目的であるならば、付随的に事業に関連して使用される場合についても消費者契約に含まれることを、条文上明確にしております。なお、労働契約は消費者契約から除外しております。
 第三は、消費者契約における契約締結過程の適正化についてであります。
 事業者が、消費者に対し、重要事項について消費者が理解することができる程度に情報を提供しなかったり、不実のことを告げた場合、威迫した場合、消費者の判断力不足に乗じて勧誘した場合などについて、消費者は、意思表示の取り消しができることとしております。取り消しの時効は、追認が可能になったときから三年、契約締結から十年と定めております。
 第四は、消費者契約における契約内容の適正化についてであります。
 まず、事業者には、契約内容の明示、契約条項の明確化等の義務を課すことといたしました。また、内容が社会通念上異常であるためその存在を消費者が予測できない事項、すなわち不意打ち条項は無効とします。さらに、事業者が一方的に法律関係の設定または変更を可能にすることなど、いわゆる不当条項も無効としております。
 第五は、実効性確保の措置などであります。
 内閣総理大臣による不当条項削除等の勧告及び内閣総理大臣への申し出などの規定を盛り込んでおります。さらには、政府に対し、法施行後三年を目途に、消費者団体による差しとめ訴訟などについて検討し、必要な措置を講ずるよう求めています。
 なお、政府からも消費者契約法案が提出されておりますが、民主党案から三カ月もおくれての提出であります。後から出てきた政府案との違いを詳細に述べるつもりはありませんが、若干違いを説明いたします。
 まず、政府案が消費者に情報提供すべき重要事項の範囲を殊さら限定しているのに対し、民主党案は必要十分な範囲としております。また、契約取り消しの対象となる悪質な契約締結過程について、政府案が不退去罪または監禁罪に該当するような著しく狭い範囲で定義しているのに対し、威迫された場合や困惑させられた場合を広く対象としております。さらには、不意打ち条項を無効としていること、契約取り消しの時効を長くとっていること、実効性確保のための制度を盛り込んでいることなどにおきまして、政府案よりもすぐれた内容になっております。また、不当条項に関する一般条項についても、政府案よりも明確な規定になっております。なお、政府案にある「消費者の努力」という法的に無意味な規定は盛り込んでおりません。
 以上が本法案の趣旨と概要であります。委員会審議における委員各位の御理解と御協力をお願い申し上げまして、趣旨の説明とさせていただきます。ありがとうございました。
#137
○中山委員長 これにて両案の趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#138
○中山委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 両案審査のため、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その日時、人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#139
○中山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 次回は、来る四月四日火曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後一時十五分散会

ソース: 国立国会図書館
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