くにさくロゴ
2000/01/25 第147回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第147回国会 農林水産委員会 第1号
姉妹サイト
 
2000/01/25 第147回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第147回国会 農林水産委員会 第1号

#1
第147回国会 農林水産委員会 第1号
本国会召集日(平成十二年一月二十日)(木曜日)(午前零時現在)における本委員は、次のとおりである。
   委員長 松岡 利勝君
   理事 稲葉 大和君 理事 金田 英行君
   理事 松下 忠洋君 理事 宮本 一三君
   理事 小平 忠正君 理事 鉢呂 吉雄君
   理事 宮地 正介君 理事 一川 保夫君
      赤城 徳彦君    麻生 太郎君
      今村 雅弘君    小野寺五典君
      河井 克行君    木部 佳昭君
      木村 太郎君    岸本 光造君
      北村 直人君    熊谷 市雄君
      栗原 博久君    塩谷  立君
      園田 修光君    野呂田芳成君
      藤本 孝雄君    二田 孝治君
      御法川英文君    矢上 雅義君
      谷津 義男君    安住  淳君
      石橋 大吉君    木幡 弘道君
      佐藤謙一郎君    上田  勇君
      漆原 良夫君    井上 喜一君
      佐々木洋平君    菅原喜重郎君
      中林よし子君    藤田 スミ君
      前島 秀行君
平成十二年一月二十五日(火曜日)
    午後一時開議
 出席委員
   委員長 松岡 利勝君
   理事 稲葉 大和君 理事 金田 英行君
   理事 岸本 光造君 理事 松下 忠洋君
   理事 宮本 一三君 理事 小平 忠正君
   理事 鉢呂 吉雄君 理事 宮地 正介君
   理事 一川 保夫君
      赤城 徳彦君    麻生 太郎君
      今村 雅弘君    大石 秀政君
      木村 太郎君    北村 直人君
      熊谷 市雄君    栗原 博久君
      塩谷  立君    園田 修光君
      滝   実君    二田 孝治君
      御法川英文君    矢上 雅義君
      谷津 義男君    安住  淳君
      石井 紘基君    佐藤謙一郎君
      漆原 良夫君    井上 喜一君
      佐々木洋平君    菅原喜重郎君
      中林よし子君    藤田 スミ君
      保坂 展人君    前島 秀行君
    …………………………………
   農林水産大臣       玉沢徳一郎君
   農林水産政務次官     谷津 義男君
   農林水産政務次官     金田 勝年君
   政府参考人
   (農林水産大臣官房長)  竹中 美晴君
   政府参考人
   (農林水産省構造改善局長
   )            渡辺 好明君
   農林水産委員会専門員   外山 文雄君
    ―――――――――――――
委員の異動
一月二十日
 辞任         補欠選任
  上田  勇君     長内 順一君
同日
 委員小野寺五典君が退職された。
同月二十五日
 辞任         補欠選任
  河井 克行君     滝   実君
  木幡 弘道君     石井 紘基君
  前島 秀行君     保坂 展人君
同日
 辞任         補欠選任
  滝   実君     大石 秀政君
  石井 紘基君     木幡 弘道君
  保坂 展人君     前島 秀行君
同日
 辞任
  大石 秀政君     河井 克行君
同日
 理事稲葉大和君同日理事辞任につき、その補欠として岸本光造君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の辞任及び補欠選任
 国政調査承認要求に関する件
 政府参考人出頭要求に関する件
 農林水産業の振興に関する件

    午後一時開議
     ――――◇―――――
#2
○松岡委員長 これより会議を開きます。
 理事辞任の件についてお諮りいたします。
 理事稲葉大和君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○松岡委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 引き続き、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。
 ただいまの理事辞任に伴うその補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○松岡委員長 御異議なしと認めます。
 それでは、理事に岸本光造君を指名いたします。
     ――――◇―――――
#5
○松岡委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 農林水産業の実情を調査し、その振興を図るため
 農林水産業の振興に関する事項
 農林水産物に関する事項
 農林水産業団体に関する事項
 農林水産金融に関する事項
及び
 農林漁業災害補償制度に関する事項
について、本会期中調査をいたしたいと存じます。
 つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○松岡委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
     ――――◇―――――
#7
○松岡委員長 次に、農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として農林水産大臣官房長竹中美晴君及び農林水産省構造改善局長渡辺好明君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○松岡委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
#9
○松岡委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松下忠洋君。
#10
○松下委員 自由民主党の松下忠洋であります。
 本日は今国会最初の農林水産委員会であります。農林水産行政につきまして幾つか幅広く御質問申し上げますので、よろしくお願いいたします。時間も限られておりますので、簡潔明瞭にお願いしたいと存じます。
 まず冒頭に、昨年開催されましたシアトルの閣僚会議についてお伺いをいたします。
 この会議は言うなれば決裂いたしました。閣僚宣言が採択されなかったということでございます。農林水産委員会といたしましても、さきの国会で委員会決議をいたしました。真に公平、公正な貿易ルールの確立が必要である、そのもとにこれからのWTO体制をつくっていくべきだという主張でありました。これをもとに、議員外交の大きな柱として、松岡委員長を初めシアトルにも乗り込み、議員外交を展開してまいったわけでありました。日本、韓国、フランス、スイス、NGO団体、農業関係団体との共同宣言も含めて、玉沢大臣を支援する活動をしてきたというふうに自負をしておるわけであります。この会議において玉沢大臣は、国益を代表して見事にその職責を果たされたと、身近にその活動を見ていて、その発言、そして行動を深く、高く評価するものでございました。日本の主張を各国が十分に理解し、多くの国々も受け入れたというふうに考えているわけであります。
 そこで、ただいまも谷津総括政務次官から、理事会において、シアトルの閣僚会議、これをどのように評価し、そして分析し、政府の統一見解としてどう考えるかということをお伺いいたしましたけれども、改めて、政府として今回のシアトル閣僚会議の評価についての統一見解、そして、今後の対応について玉沢大臣にお伺いをいたします。
#11
○玉沢国務大臣 まず、今回のシアトル閣僚会議におきまして松下委員初め各党の先生方から御支援をいただきましたこと、心から感謝申し上げる次第であります。
 今回のシアトル閣僚会議におきましては、農業を初め各分野ごとに議論が行われましたが、農業のみならずアンチダンピング措置、貿易との関連での労働問題の扱い等の分野で各国の立場が大きく異なり、結局、いずれの分野においても合意には至らないという結果を生じました。しかしながら、農林水産分野につきましては、世界各国の農林水産行政の責任者とお会いし、文字どおり昼夜の別なく真剣な話し合いができましたことは、有意義であったと考えております。
 まず、農業については、各国が相互にそれぞれの農業の特性を理解し合うことが重要であることを主張しました。その結果、農産物を工業製品と同じ貿易ルールのもとに置くことは不適切であり、非貿易的関心事項として、多面的機能の具体的内容である食料安全保障や環境保護、農村地域の活性化、食品の安全性に配慮すべきことについて、多くの国の理解を深めることができたと考えております。また、林産物、水産物につきましては、環境資源問題に配慮して貿易交渉を行うべきであるとの我が国の主張に対して、各国の理解が深まったと考えております。
 次に、今後の我が国の対応につきましては、シアトルで合意がなかった以上、農業交渉はあくまでも農業協定第二十条に基づいて行われるべきと考えており、その際におきましては、合意済み課題としての農業交渉の実施、包括交渉の早期立ち上げに向けての努力、WTOの意思決定プロセスの改善という三つの作業をバランスよく進めることが重要と考えております。
 農業交渉の見通しはまだ立っていない状況でありますが、我が国としましては、農業の多面的機能や食料安全保障の重要性への配慮、輸出国と輸入国との間の権利義務バランスの回復等が確保され、公平で、かつ各国の農業が共存できる国際規律が確立されるよう積極的な主張を行っていく必要があると考えております。
 特に農業の多面的機能につきましては、シアトル会議におきましては、ケアンズ・グループを中心に、まだ概念規定が明確でないという意見が強く出されたことも踏まえ、OECD等の国際機関における多面的機能の具体的内容についての検討に積極的に参加するなど、我が国の主張をさらに強固なものとするための理論的作業を進めていくこととしております。
 さらに、我が国と立場を同じくする国々との連携を強化しつつ、農産物輸出国や途上国とも積極的に意見交換を行い、我が国の考え方に対する国際的理解のさらなる浸透を図っていくことが必要であると考えております。
 以上です。
#12
○松下委員 玉沢大臣には、新年になりましてからも、ブリュッセルに出かけて、閣僚会議の中での我が国の主張も十分発言してこられたというふうに伺っておりますし、私も、松岡委員長と一緒になってジュネーブに行きましてWTOのムーア局長とも改めて会談して、我が国の主張をしっかりと伝えてきたところでありました。これからも、議員外交と相まって、我が国の考え方が通るように一緒に努力していきたい、そのように考えております。
 次に、昨年来マスコミ等において提起されている農業構造改善事業等の問題についてお伺いいたします。
 この農林水産委員会におきましても、新しい農業基本法のもとで最も重要なことの一つである基本計画の策定を初めとして、二十一世紀に向けた農政の諸課題について審議していかなければいけないと考えておるところでありますけれども、よいスタートを切る上でも、また、来年から新しく中央省庁再編になり、新しい組織のもとで仕事をしていく上でも、この問題についてきちんとした対処が必要だと考えております。
 農政の大改革を推進しようとするこの時期に、その推進母体である農林水産省においてこのような不祥事が出ている事態は、国民に農政に対する不信感を抱かせることになりかねない、極めて遺憾なことだと考えております。私は、この問題について、その事実関係を明らかにしていただきたい、正すべきところは正して、農業関係者を初めとする国民の信頼回復を図っていくことが何よりも大切である、そのように考えております。
 そこで、まず調査委員長でもありました構造改善局長に、この問題の経緯と調査の結果について簡潔に明瞭にお答えいただきます。
#13
○渡辺政府参考人 近年、農業構造改善事業等の実施につきまして投書などがございました。このことから、昨年一月六日に、農林水産大臣の訓令に基づきまして省内に調査委員会を設置いたしまして、調査を実施したところでございます。二月の十九日には中間報告を取りまとめまして、事業基準の明確化、第三者委員会の設置等による適正な事業実施、そして倫理規程の遵守についての注意喚起、他の専門分野との大幅な人事交流を指摘いたしまして、これに沿った改善措置を逐次実施してきたところでございます。
 その後、平成十一年十月に、担当職員が関係業者と海外旅行等を行った旨の報道がなされましたので、玉沢大臣から再調査が指示をされまして、過去五カ年に関係するポストに在職をいたしました職員百六名を対象といたしまして、職員倫理規程に照らした調査を実施いたしました。
 この調査は、十二月の二十四日に結果が取りまとめられまして、職員倫理に係る事実関係につきましては、その事実を確認するとともに、事業につきましても、関係公益法人を含めまして、実施についての改善措置をとるよう指摘をしたところでございます。
 調査報告を受けまして、十二月二十七日には、十八名につきまして減給その他の処分を行うと同時に、同日、全職員に対しまして、職員倫理の保持の周知徹底について事務次官通達を発出いたしました。
 なお、本年一月一日に新たな事実関係について報道がなされましたので、緊急に追加調査を実施いたしまして、一月十一日に、二名につきまして停職、減給の処分を行ったところでございます。
 今後は、調査報告を踏まえまして、事業についての手続の透明化など、実施の改善と公益法人の業務や組織の見直しを徹底するとともに、職員を対象とする倫理研修、そして倫理管理体制の強化を行うことといたしております。
 なお、調査委員会でございますが、これは存続をさせまして、仮に新たな事実が判明した場合には、改めて調査を行い、適正な措置を講ずる方針でございます。
#14
○松下委員 この問題について、玉沢大臣はどのように考え、どのように対応しようとしているのか、所感をお伺いいたします。
#15
○玉沢国務大臣 今回の問題に関しましては、訓令に基づく調査委員会におきまして、職員の自己申告を基本としつつ、でき得る限りの調査を行ったところであります。
 この調査結果を踏まえまして、職員倫理上の問題につきましては、厳正な処分を行うとともに、全職員に対して倫理の保持の周知徹底を図るとともに、職員の倫理研修及び倫理管理体制の強化を図ることといたしました。
 また、農業構造改善事業のシステムに係る問題につきましては、事業の実施については、事業執行手続の透明化の徹底、競争条件の導入を図るとともに、農業構造改善事業等に関係する法人については、コンサルタント業務の見直し、透明化、業務内容等の情報公開、組織のあり方の検討を行うこととしております。
 いずれにいたしましても、このような事態を招いたことはまことに遺憾でありまして、二度とこのようなことが起こらないよう、全省挙げて綱紀の粛正と事業実施の改善に取り組んでまいりたいと考えております。
#16
○松下委員 ただいま大臣が答弁されましたけれども、この問題には、職員の倫理、それから農業構造改善事業の事業執行体制、この両面があります。どちらか一方だけでも、真の意味での国民の信頼回復にはつながらない、こう考えます。
 まず、職員倫理の問題でありますけれども、農政改革を進める上で国民や農家の理解を求めていかなければならない中にあって、農政推進に努める国家公務員として、高い使命感や倫理観が強く求められます。農林水産省の調査委員会としてできる限りの調査を行ったとして、昨年十二月に職員の処分を行ったということですけれども、職員が関係業者等と海外旅行や会食を繰り返していたということはまことに遺憾であります。今後このようなことが二度と起こらないように、農林水産省全体として、職員倫理の徹底を図っていく必要があるというふうに考えますけれども、改めて大臣の見解をお伺いいたします。
#17
○玉沢国務大臣 職員の倫理観につきましては、年頭訓辞の場におきまして、私の方からも、服務上の不適切な行為は行政に対する国民の信頼を著しく損なうものであり、社会的な使命感と高い倫理観を持って国民のために尽くしてもらいたい、その旨を申し述べたところでございます。
 先日処分を行った職員の行為はまことに遺憾なものでありまして、職員を対象とする倫理研修及び倫理管理体制を強化し、職員の倫理の保持について一層周知徹底を図っていく考えであります。
#18
○松下委員 職員倫理の関係でもう一つお伺いしたいのであります。
 大臣の今の答弁でございますけれども、本年一月の追加処分についてお伺いしたい。
 昨年十二月に、農林水産省としては、網羅的に調査をして処分したにもかかわらず、その直後に、関係業者等との海外旅行など、申告していなかった事実関係が明らかになって、本年一月初めに追加的処分を行わざるを得なかったということであります。十二月までの調査が甘かったのではないかという指摘を受けてもやむを得ないということです。この点について、大臣の所感を改めてお伺いいたします。
#19
○玉沢国務大臣 調査委員会の調査は、国家公務員としての自覚に基づく本人の申告を前提とするものでありまして、強制権限がない中でできる限りの調査を行って、昨年末に報告を取りまとめたものでございます。調査に当たりましては、その同伴者にも事実関係を確認するなど、クロスチェックを行うとともに、調査対象者との個別面談や関係業者等から聞き取りを行うなど、可能な限り事実関係の確認に努めたところと聞いております。
 こうした調査手法におきまして、本人が事実関係の一部につき申告をしていなかったこと、また、そのために追加処分を行わざるを得なかったことは極めてゆゆしきことであると認識をいたしておる次第でございます。
#20
○松下委員 しっかりと倫理の徹底をお願いしたいということであります。
 もう一つの面をお伺いいたします。
 農業構造改善事業の執行体制の問題についてであります。農業改善事業は、昭和三十七年に創設されました。生産、流通、加工施設の整備や農村への情報施設の導入等によって農業の生産性の向上と地域の農業構造の改善に大きな成果を上げてきたものと私は評価をしております。また、農村の現場からも強い期待があります。しかし、事業執行体制について、疑念が抱かれているような構造的な問題があるのではないか。
 農林水産省として、どのように実態を把握し、認識し、またどのような改善を行っていくのか。大事なところでありますけれども、谷津総括政務次官に具体的にお伺いしたい。
#21
○谷津政務次官 御指摘のございました構造改善事業の執行体制についてでありますが、これにつきましては、調査委員会の中間報告や十二月の報告におきまして、事業実施に当たり、地区の認定、事業費配分についての基準が不明確であったこと、コンサルタント活動に対して競争原理が働きにくかったこと、農業構造改善事業という限定された分野で、長期にわたり人事が固定的であったこと、関係する公益法人のコンサルタント業務の実施方法、情報公開に問題があったこと等の問題点を指摘しているところであります。
 これらの調査結果を踏まえまして、平成十一年より、学識者から成る第三者委員会を設置いたしまして、地区認定等の基準の設定等につき意見を聞いた上でその内容を公表するなど事業の適正化、透明化を図るとともに、コンサルタント業務について、委託を予定している市町村名を公表することにより競争原理の導入を図るなどの措置を講じてきたところであります。
 また、人事についても、公正で円滑な事業推進と組織の活性化を図るため、他の専門分野との大幅な人事交流を実施したところでもあります。
 今後、十二年度からは、新たに開始する経営構造対策及び新山村振興等農林漁業特別対策事業についても同様の措置を講じまして、国民の誤解を招くことのないよう厳正な事業執行を確保してまいりたいと考えております。
#22
○松下委員 今の谷津総括政務次官の答弁の中に、公益法人の改善についての言及がありました。五つの公益法人があります。構造改善協会、農林漁業体験協会、日本農村情報システム協会、そして二十一世紀村づくり塾、ふるさと情報センターといった公益法人がありますけれども、今回の問題では、特にこの公益法人が、いわゆるソフト事業の受託、それから、外注を通して疑惑の温床になったという報道もあります。きょうの新聞にもあります。
 農林水産省として、公益法人の業務の見直しだけではなくて、組織のあり方も検討するということであるけれども、具体的にどのような検討を行っていくのか、新しい仕組みづくりに向けて、構造改善局長にお伺いをいたしたい。
#23
○渡辺政府参考人 御指摘のございました関係五公益法人でありますが、調査委員会の報告を踏まえまして、次のように早急に具体的な改善策を検討することとしております。
 すなわち、十二年度からスタートいたします経営構造対策につきましては、コンサルタント業務を廃止するといった抜本的な見直しと業務発注の透明化をいたしたいと思っております。それから、業務内容等の情報公開を徹底いたします。それから、スリム化等組織体制の合理化、そして、組織のあり方の検討に着手をしたいと考えております。
 この中で、組織のあり方につきましては、今後、三年ないし五年を目途といたしました再編を視野に置いて検討することが必要でございます。現在、関係五公益法人との議論を進めているところでございます。
#24
○松下委員 来年からは、いわゆる中央省庁の改編に従って新しい仕組みの中で農林水産省の事業も執行されるわけですから、しっかりと気合いを入れて倫理の確立、そして、事業執行体制の明快な、透明性のある仕組みをつくっていただきたい、これを強く期待するものであります。
 もう一つ、いわゆる非公共事業である農業構造改善事業の問題に関連いたしまして、構造改善局の公共事業についても、手続が不透明であるとか、業者との癒着があるのではないかという懸念がありますけれども、この点について、大臣から明確に御答弁をお願いしたい。
#25
○玉沢国務大臣 土地改良事業の実施に当たりましては、土地改良法に基づきまして事業計画書の公告、縦覧、異議申し立てなどの手続を経ることと明確にされております。また、事業計画の妥当性等の一層の向上を図るために、事前評価並びに事業採択後に一定期間ごとに行う再評価を実施しておりまして、平成十二年度からは事業完了後の事後評価を実施することといたしております。
 さらに、農林水産省における公共工事の発注は、会計法等に基づきまして一般競争入札、公募型指名競争入札の導入によりまして透明性の確保を図るとともに、第三者から構成されます入札監視委員会によりその妥当性について御審議いただいているところであります。このように、公共事業は透明性や客観性を十分に確保して適正に執行されており、御指摘のような実態はありません。
 今後とも、事業の一層の透明性、客観性を高める努力を続けてまいりたいと考えているところであります。
#26
○松下委員 年初にもかかわらず、大臣と政策論議ではなくて、このようなやりとりを行うのは大変残念でありますけれども、農林水産省全体として身を引き締めて今後の事業執行に当たってもらいたい。また、これ以上の不祥事がないことを信じておりますけれども、今後、万が一新たな事実が明らかになった場合には、早急にまた事実の解明を行い、処分すべきは処分し、改善すべきは改善するという厳正な姿勢で臨んでいただきたい、これを強く望むものであります。
 最後にもう一言、大臣の方から決意をお伺いして質問を終わることにいたします。
#27
○玉沢国務大臣 新しい事実等が生じた場合におきましては厳正な処置をとる、これは再三申し上げているところでありますが、今後、二度とこのようなことがないよう万全を期してまいりたい、このように考えております。
#28
○松下委員 終わります。
#29
○松岡委員長 次に、安住淳君。
#30
○安住委員 一時間の持ち時間で、今松下委員が言った問題について、私はちょっと質問いたします。基本的には大臣にお答えをいただきますので、よろしくお願いをいたします。
 今の話の中で、一つちょっと気になったことがありまして、今度の問題は、農林省の構造改善局が抱えている構造的な問題なのか、それとも、あくまで処分を受けた、百六人の個人の倫理の問題なのか。大臣はどういう感想を持っていらっしゃるのですか。
#31
○玉沢国務大臣 まずは、やはりこれは倫理の問題である、このように考えます。それからまた、先ほどからお話をしてまいったわけでございますが、透明性のなかったこと、人事交流の点で停滞があったこと、こういう点が指摘されているわけでございまして、すべて構造上の問題だというふうには考えておりません。
#32
○安住委員 そうでしょうか。十八人もの職員が処分をされて、疑わしくて処分をしなかった人間を含めると、相当な数に上ると。これは、あくまでみんな個人の問題ということだったらば、構造改善局はどういう人間を雇ったのかという話になるんじゃないですか。ちゃんとこれは構造的に政官業の非常にあしき体質があったということをまず最初に認めてもらわなければなりませんけれども、いかがですか。
#33
○玉沢国務大臣 問題があったところは、調査の上で処分をしたわけでございますから、委員のおっしゃられることだけではないと思います。
#34
○安住委員 よくわからないのですけれども、構造的な問題が含まれているということですね。イエスかノーかだけ言ってください。
#35
○玉沢国務大臣 構造的という意味が明確にできません。ここは構造改善局でございますから。構造というところが、委員のおっしゃられる趣旨がちょっとわかりませんので、もっと明確にしていただければと思います。
#36
○安住委員 今あなたもシステムと言ったんじゃないですか。
 では、言葉を変えて、構造改善事業を執行する中でのシステムの問題に起因するところがあるんじゃないかと聞いているのです。いかがですか。
#37
○玉沢国務大臣 システムということで、例えば透明性の問題であるとか手続の問題、こういう点で遺憾な点があれば改めるにやぶさかではない、こういうふうに考えておるわけです。
#38
○安住委員 こんなことをやっていると時間のむだだから、それでは、本当にこれがシステムの問題であるかないかということを今からやっていきます。
 まず、この問題を話すときに、前段がある。この問題は、実は一昨年の三月ぐらいから、いわゆる怪文書や投書がいろいろなところに出回った。私も前の委員会で言いましたが、私の手元にもこれだけ来ているのです、領収書の写しから何から含めて。
 要するに、農水省は、そうはいっても、一昨年の三月ぐらいから来ているんだけれども、実際に調査を始めたのが、今調査委員長の構造改善局長が言ったけれども、去年の一月でした。去年の一月に調査が始まって、とりあえず中間報告という形で二月十九日に出した。
 このときの報告書には、実はいろいろなおもしろいことも書いてある。人事問題についてのところでいうと、職員が二手に分かれて対立し、互いに中傷し合ってきた、そういうのが風評につながっている、しかし、いろいろな物的証拠の提出を求めても十分な証拠が得られず、事実確認ができなかった云々。大臣、読んだでしょう。これは、二月十九日でしたか、当時の中川大臣に出された報告書。
 これがあって、一応これは確認のために私の方から言いますけれども、マスコミを含めて、農水省は一切公表しなかった。ある政党の機関紙が七月になってこのことを書いたから、慌てて農水省は世間にこのことを報告した。
 その後、十月に入って新たな事実が出てきた。この新たな事実というのが、またすさまじい会食と接待漬けだ。そこで再調査を求めて今回やったわけですけれども、私は、一回、十一月に質問したときに、大臣はこうおっしゃった。今度出す報告書は、いわば最終のものと考えている、網羅的なものだと考えている、この最終報告に対しては一切私自身の責任においてやると言った、そのことについては間違いないですね。
#39
○玉沢国務大臣 責任ある対応を行いまして、万全を期してまいりたい、こういうことを申し上げました。
#40
○安住委員 そして、十二月の二十七日に処分十八人ですか、やって、年末のごたごたして、国会議員も、我々もみんな選挙区に帰って、いないときに、いわば国会も開かれていないからばんと出したというふうにとられてもおかしくないような時期です、大臣。そうしたら、新聞社が今度は一月にぼんと二人また出した。
 そこで、具体的なことを聞きますけれども、先ほどから私はちょっと気になるのですよ、調査の内容。自己申告、自己申告と言っているけれども、自己申告以外あたかもできないような話しぶりですよ。自己申告に基づいてやっている、クロスチェックもやったと言った。
 では、聞きますけれども、この自己申告というのはどういうやり方でやらせたのですか。具体的に言ってください。例えば、ペーパーを出させたとか、どういうことをやったとか、書かせたのか、チェックしたのか、大臣、ちょっと言ってくださいよ。大臣が指示して委員長にやらせたのでしょう。まず大臣、それを言ってください。
#41
○玉沢国務大臣 再三申し上げておりますように、強制的な捜査の権限とかそういうことはないわけですから、幅広く調査を行いまして、そしてこれは、職員としての自覚に基づく自己申告を中心として調査を行った。
 その仕方につきましては、いろいろあるでしょう。委員長から具体的なところは答弁をさせていただきます。
#42
○渡辺政府参考人 大臣からの指示を受けまして、私が委員長となって調査をいたしました。
 調査の対象は百六名、これは、過去五カ年間における農林水産省構造改善局の構造改善事業課と地域振興課の山村振興関係事業に在籍した係長以上の職員、それから構造改善局長、農政部長等でございます。加えまして、関係業者、団体等二十一名からも聞き取りを行いました。
 自己申告は、一定の項目について質問を発するという形で実施をいたしました。まず、会食でありますけれども、会食等につきましては、農林水産省の倫理規程三条二項の各号に該当する行為があったかどうか、行為の名前、行為のあった日時、場所、同伴者、目的、理由、経費の額、負担方法、領収書の有無、受領物品等の品の名前、倫理規程上の届け出があったかどうか。
 それから、旅行につきましては、旅行の目的、動機、日程、経費の負担方法、同伴者の氏名、職業、役職、旅行に関しての便宜供与、金銭授受の有無、海外渡航承認の有無、それから倫理規程上の届け出、パスポートの写しなどでございます。
#43
○安住委員 自己申告に基づいて調査をしたということは、それでは伺いますけれども、いろいろな投書や風評がありましたが、これについては農水省は調べなかったのですか。
#44
○渡辺政府参考人 投書や報道等で取り上げられた事項につきましても、職員、関係者からヒアリングを行う等によりまして、調査委員会としてできる限りの事実確認に努めたところでございます。
#45
○安住委員 関係者というのは具体的に名前を挙げてください。職員だけじゃなくて、公益法人とか民間企業とかあるんでしょう。具体的にどういうところをどれだけ調査して、クロスチェックというのは今から私の質問では非常にかぎになる言葉なので。
#46
○渡辺政府参考人 関係業者、団体に対するヒアリングは、非公表を前提に調査の協力をお願いしたものでございます。したがいまして、具体的な関係業者、団体名を公表することは差し控えたいと存じます。
 なお、このヒアリングを行いました関係業者、団体の総数につきましては、昨年の二月の報告書におきましては十四名、十二月の報告書におきましては二十一名という数になっております。
#47
○安住委員 私の認識がもしかしたら違うかもしれないから聞きますけれども、業者の中には、一昨年の三月にこういう便宜供与を図りました等の文書と領収書等々をつけて、農水省の方に資料を提出している人がいませんか。いるんじゃないですか。いかがですか、大臣。
#48
○渡辺政府参考人 その種の文書が出され、そしてこれについて調査を行い、職員本人にも確認を行ったということはそのとおりでございます。しかし、非公表を前提に調査協力をお願いしておりますので、関係事業者等の相手先の名称、調査の具体的な内容につきましては申し上げることができません。
#49
○安住委員 つまり、関係業者、今のお話を聞くと、自己申告に基づいた調査をやったけれども、それ以外にも風評や投書と言われるものに対してもできる限りの調査をやったというふうにおっしゃるわけですね。そうですね。それでなおかつ、この報告書によると、自己申告に基づいてクロスチェックも行った。
 私は国会議員になる前は報道機関にいたから、よくこういう言葉を使う、裏をとるという話ですか、クロスチェックというのは。裏をちゃんととって、現地に行って、証言が正しいかどうか、接待を受けたというのだったらば、その関係会社にまで行って領収書も見せてもらって、そうやって裏をとったということでいいですか、認識として。そういうことまでやったということですか。
#50
○渡辺政府参考人 調査の目的が職員を基本的に対象としておりますので、裏をとるという表現が必ずしも適切かどうかわかりませんけれども、正確を期するために、ある職員からの申告の中に他の職員が同伴者として出ていた場合、その同伴者に当たる職員にも事実関係を確認する、これを私どもクロスチェックと言っているわけでございます。
 同時に、調査対象者と個別面談を行う、それから先生から御指摘がございました、可能な限り関係業者等の聞き取りや会合の裏づけ資料を求めるということも、聞き取りをしたり足を運んだり、そういうことはいたしました。
#51
○安住委員 それでは、具体的なお話をさせていただきます。
 ファームインという会社は、この調査の調査内容の中に入っていますか。また、このファームインに勤めている社員なり関係者に対して事情聴取をした経過はありますか。
#52
○渡辺政府参考人 先ほどお答え申し上げましたように、非公表を前提に関係業者等に対し調査協力をお願いをしておりますので、調査の相手先名、それから調査の具体的な内容についてはお話をすることができません。
#53
○安住委員 いや、ちょっとそれはおかしいんじゃないか。つまり、この会社のことを聞いたときに、必ずその人はあなた方の省の職員に対して便宜供与を図った旨の話をするわけだから、職員に関係する話ですよ。そうでしょう。
 では、この名前を、例えば、仮にSとしましょう。Sという職員に対して、このことは聞きましたか、聞きませんでしたか。確認はとれましたか、とれませんでしたか。
#54
○渡辺政府参考人 特定の名称は申し上げることはできませんが、その種の文書に掲載をされました便宜供与の問題につきましては、職員及び関係者へのヒアリングを行い、でき得る限りの事実確認を行ったところでございます。
#55
○安住委員 やったというふうに認識して、私は話を進めます。
 つまり、このファームインという会社からいろいろな資料が出ている。何ぼ言ったってどうせ言わないだろうから、私の方から細かく説明しますよ。この会社は、ある農水省の今回処分を受けた職員との接点がある。この会社は一昨年三月に、ここの会社のIという人が農水省に対して文書をちゃんと提出しましたと実は言っているんですよ。
 その中で何が書いてあるか。特定の職員との交際について事細かく書いています。まず一つ、平成四年の末にゴルフクラブの購入をしました、金銭の授受は農水省の中で行いました、その年の四月と翌年の平成五年に、実はこの会社はコンサルタントの指定を受けていると言っているんですよ。証拠がないと言うけれども、これはあるんです。
 なぜこういうことを言うかというと、委員の皆さんでも、ゴルフをやる人はわかると思うんです。ゴルフクラブを買ってもらった。ところが、私もゴルフをやるのだけれども、普通、ゴルフの素人は二番アイアンなんて使わないんですよ。三番アイアンを使うのも大変だ。ところが、この人はゴルフが好きで、二番アイアンを欲しいと言うから、ゴルフクラブを売った会社は覚えていたんです、素人で二番アイアンを欲しいなんていうのは珍しいから。そうなんですよ。いろいろなことがあるんですよ。
 まずこういうことを、あなた方は自己申告で受け付けてやっていると言うけれども、私に言わせれば、こんなこと、六本木のゴルフ屋なんですよ、行って聞けばわかる話じゃないか。これは調査しているんですか。
#56
○渡辺政府参考人 今幾つか御指摘がございましたその文書の中における便宜供与の問題については、現地調査もいたしました。
 具体的に申しますと、ゴルフクラブの贈与につきましては、職員、コンサルタント業者、関係者数人、ゴルフクラブ販売店からヒアリング、それから現地調査を行いましたが、確証は得られませんでした。
#57
○安住委員 認めているんじゃないの。早く最初からそう言えばいいんですよ、話は早いんだから。
 事実関係は認められませんでした、これは事実関係を認められなかったのですか、それとも、告訴に足る事実関係を立証できなかったのですか。どっちですか。
#58
○渡辺政府参考人 事実が事実として確認をされなかったということでございます。
#59
○安住委員 ツケ回しの領収書の写し、実は私も手元に持っているのですよ。
 大臣、いいですか。今言った件と、もう一つだけ挙げましょう。その問題でいうと、その会社からその職員に対して架空の講演料が支払われていませんか。その架空の講演料を支払ったという当時のその会社の会計係の女性が、自分の証言をもとに、自分の手で書いた証書と領収書の写しをおたくに届けていませんか。いかがですか。
#60
○渡辺政府参考人 結論から申し上げますと、講演名義の報酬につきましては、職員や関係業者等からヒアリング調査を行いましたが、確証は得られなかったわけでございます。
 もう少し具体的に申し上げますと、架空の講演料があると主張した方、架空の講演料を支払ったかどうかわからないというふうに主張された方、領収書はあるけれども講演はしているというふうにおっしゃられた方、以上を総合いたしまして、やはり調査の結果、確証は得られなかったということでございます。
#61
○安住委員 そんなばかな調査があるか。だって、あなたはそれを認めているでしょう。いるということでしょう、関係者の中に。
 大臣、WTOに行ったりいろいろ大変で、こういう話を細かく聞くあれはないかもしれないけれども、でも、あなたが指示をしてやった委員会です。第三者として私が聞いたって、こんなのは調査と言えるのですか。こういうのを徹底的に調査したというのですか。つまり、今の調査委員長の話を聞いたって、認めている人もいるけれども、認めない人もいた、だから事実関係がわからないと言っているのですよ。そんなばかな話はないでしょう。大臣、いかがですか。
#62
○玉沢国務大臣 正確を期して、それに基づいて調査をし、実証されたものがあれば倫理規程に照らして処分をする、こういうことで臨んだわけでありますから、個々の点を取り上げて今委員がおっしゃられているわけでございますけれども、しかし、そういうことも含めた上で、事実が明らかになったところで処分をしているわけでありますから、全然処分していないというわけじゃないのですから、そういう点を正確を期すというところに力を入れて調査したものと思います。
#63
○安住委員 これは国民、聞いていますからね。いいですか。今の話を聞いたら、大臣、おかしいでしょう。何十回も接待を、五十回以上、三十回か、接待を受けて、ゴルフクラブをもらって、架空の講演料をもらって着服した職員が、この処分を見ると、何ですか、減給二カ月、十分の一、それで処分したからいいんですか、そういうことをやって。それでいいんですか、そういう話ですよ、私が言っているのは。こんなもの、本当に最終答申だというのだったら、あなた、本当に責任問題になる、いかがですか。そんなことは世間じゃ通らないでしょう。
#64
○玉沢国務大臣 正確を期して、事実として認められたものを中心として処分をした、こういうふうに聞いておりますので、これだと思います。
#65
○安住委員 正確を期してと、これは正確を期していないじゃない。認めた側と認めていない側とがいろいろあって、それで正確を期すのだったら、それはもう立証するのが当たり前の話でしょう。捜査機関でなくたってこんなことをやるのは当たり前ですよ、捜査機関でなくたって、身内の不祥事に、そうだったら、あなた方が本当に甘いと言われるのは当たり前でしょう。自分のところの社員だったら徹底的にそういうことをやって、事実関係をまず知りたいと思うのがまともな組織のやること。いかがですか。そう思いませんか。
 これで調査をやめていいんですか。調査委員会、これでやめるんですか。私が今言った二つ、再度調査したらいいんじゃないですか。
#66
○玉沢国務大臣 調査委員会は存続をいたしておるわけでありますから、決して甘い処分を行ったということではないと考えております。
#67
○安住委員 処分が甘いとか甘くないと言っているんじゃないでしょう。あなた、それは事実関係をちゃんと確認するまで徹底的に聴取すればいいじゃないですか。それからでしょう、処分の話は。それでもし刑事告発するような事案があったら、それをやればいいじゃないですか。それが自浄能力というのじゃないですか。それも何にもやらないで、事実関係が認められなかったからこれでおしまいという話でしょう、今言ったのは。私は具体的に言っているのですよ、名誉のために名前を言わないけれども。
 私がこうやって具体的に言っているのに、それに対して、まして認めているんじゃないですか、今一部。架空の領収書があったと、講演会、それを言った人もいると言っているんじゃないですか。何でそれで調査を適当にやめるんですか。それはおかしいんじゃないですか。大臣、あなたの責任でもう一回このことを調査しないとだめ。
#68
○玉沢国務大臣 今話をしておりますのは、特定の名前を挙げたわけではございませんし、どの事例に当てはまるかということについては私はわかりません。したがいまして、今までの点については、やはり調査委員長から答弁をしていただくのが正しいと思います。
#69
○安住委員 別にそれだったら私は名前を全部言ったっていいのですよ。名前も日付も何も全部言ったっていいのですよ、大臣。そうしたら、そのことについてもう一回調査しますか。
#70
○玉沢国務大臣 調査委員長からまず答弁してもらいます。
#71
○安住委員 いやいや、答弁はいいですよ、それはあなたがもう一回やるかやらないかだから。
 つまり、調査委員長が言ったことは、それはそれで要するに報告書を出したのだから、報告書に対してあなたが責任を持つと言ったのでしょう。責任を持っているから言っているのであって、私はそれに対して不十分だと言っているんですよ、具体的に事例を挙げて。
 だから、それだったら、あなたがもう一回調査をするかしないのか。いや、これで終わりだったら、終わりと言ってください。そうしたら、我々もそれからまたやりようがありますから。
#72
○玉沢国務大臣 委員が持っておられるものが調査に値するということで、再調査に値するものであるという認識があった場合におきましては、行うことはやぶさかではない。
#73
○安住委員 調査委員長、では、私の持っているこのコピーをお渡しするから、それで調査しますか。でも、本当は手元に同じものを持っていらっしゃるのでしょう。
#74
○渡辺政府参考人 二点のお答えをさせていただきます。
 一つは、多分、安住先生がお持ちの資料は私が持っているものと同じだろうと想像いたします。それに基づいて調査をしたことも事実であります。その際、その資料を持ち込まれた方の主張と、その資料についての上司の方の主張と、それからその資料について指摘をされた方の主張、これが大きく食い違っていたということでございます。
 我々は、やはり確証に基づいて対策なり処分をするというのが大原則でございますので、その確証が得られない以上、私どもの自己申告に基づく制度としてはその時点で限界があろうかと思いますけれども、できる限りのことは、確認の形でさせていただきましたということは重ねて申し上げます。
#75
○安住委員 これは公式な農水委員会という公の場で議事録に残る話でありますから、農水省の委員会で確認ができないのだったらば、委員長、委員会にぜひ呼んでください、このファームインの関係者、それから処分を受けた本人、Sという職員、そのまた担当者。ここで徹底的にやっても私は構わないと思いますから、どうぞひとつこれは理事会へかけていただけないですか。いかがですか。
#76
○松岡委員長 ただいまの安住委員の御要請につきましては、理事会で協議をしたいと思います。
#77
○安住委員 よろしくお願いします。
 それでは、この話は、続きで言いますと、一月に出た話、大臣、調査が終わった後に出ましたですね。名前は言わないけれども、Jという補佐とSという補佐が四国の大川農協の幹部らとの飲食、それから海外旅行、こういうことが新たに見つかって、さらなる追加措置を一月十二日にやったと。この事案というのは、どういうふうに説明なさるのですか。クロスチェックをした結果、さらに出てきたということですか。
#78
○渡辺政府参考人 一月十一日付の追加調査の件でありますけれども、報道に基づきまして職員から事情を聴取いたしました。同時に、農協関係団体の幹部からもヒアリング等を行いました。その意味では、クロスチェックというふうに言えるかと思います。
#79
○安住委員 それは、渡辺さん、このあれが新たに出る前でなくて、出た後ということですか。
#80
○渡辺政府参考人 海外旅行等につきましては、十二月段階で本人から申告がございませんでした。したがって、その部分についての先生が言うところのクロスチェックは、当然、本人からの申告がないわけでございますので、しておりません。
 ただ、その際、会食につきましては申告がございましたので、これは職員を対象としておりますから、同伴職員の申告が正しかったかどうかの裏づけの観点からのクロスチェックは行いました。
#81
○安住委員 四国の大川農協は、農業構造改善事業を利用していろいろな物をつくっていて、平成に入ってからでも十二億円ぐらいの補助金をもらっている組合だそうでございます。
 そこで、Jという職員は、私が聞いている範囲では、会食をしました、四国のこの大川農協の幹部か何かと。それも数回にわたってやったということは報告しているわけですよね。このことについてちゃんとチェックしているんですか。チェックしていないのじゃないですか。
#82
○渡辺政府参考人 重ねて申し上げますけれども、職員のそうした事象について調べております。今先生がおっしゃったようなことについてのチェックはいたしておりません。
#83
○安住委員 それは調査といわないのですよ。調査というのは、だれかと御飯を食べたら、そのだれかと御飯を食べた作業を自己申告させて、三十回以上報告しているんだったら、それについてちゃんと相手方に食事をしたんですねということを確認するのが調査というんじゃないですか、大臣。何でしないのですか、こんなことを。
#84
○玉沢国務大臣 調査をしたわけでありますけれども、本人が自己申告をしなかったと……(安住委員「いやいや、しているんだって。自己申告はしている」と呼ぶ)自己申告はしていない、後で事実が判明したと……(安住委員「違う、違う。いや、会食についてはしているのですよ」と呼ぶ)事実を明らかにします。
#85
○松岡委員長 では、事実関係について、渡辺構造改善局長。
#86
○渡辺政府参考人 重ねて申し上げますが、会食につきましては、十二月の調査の段階でも申告をしております。海外旅行等について申告がなされていなかった。そういうことが前提でございますので、一月に入りまして、その会食の分も含めまして、職員から事情を聴取すると同時に、相手方にも確認を行ったということでございます。
#87
○安住委員 大臣、聞いたでしょう。僕は会食のことを言っているのです。会食をした先に対して確認していないのですよ。大川農協について問い合わせの電話は一切なかったというようなことを、新聞報道に対して、聞くと、大川農協が答えているのです。
 だから、私は言ったでしょう。自己申告をした職員の話だけ一方的に聞いて、そのことを裏をとっていなかったんじゃないですかと。ダブルチェックというのは、あなた方の言っているダブルチェックというのは、二人で飯食いに行って、あのときは確実だったかと言っているだけで、大臣、私が言っているのは違うのですよ。食った先の相手に対してちゃんと確認をしていないでしょうと言っているんですよ。いかがですか。認めたらいいんじゃないですか。
#88
○玉沢国務大臣 大川農協との件でありますけれども、会食をしたという事実は確認しておったわけでありますけれども、委員の言われるように、相手側にチェックしなかったか、チェックしなかったと思われますが、しかし、会食の事実は事実として認めて、その点においては処分を行っておるわけでありますから。
#89
○安住委員 いやいや、だから、それをちゃんと調べれば海外旅行までみんな出てくるはずなんですよ。大臣、もしかして、事実関係を正式に聞いていないんじゃないですか。
#90
○玉沢国務大臣 海外旅行等についてまで本人からの申告はなかったわけでありますから、その点については調査は行き届いていなかったという点は認めざるを得ないと思います。
#91
○安住委員 調査がずさんだったと自分たちで認めているようなものですよ。そうじゃないですか。こんなにぼろぼろ後から出てきて、私がさっき言った話もそうだし、つまり、ただ自己申告を聞いて確認したら、それで済むんですか。国民がそれで納得すると本当に大臣は思っているんですか。そうではないでしょう。
#92
○玉沢国務大臣 すべて完璧であれば委員の納得を得られるとは思いますが、当初から申し上げておりますように、やはりこれは職員の倫理規程上の問題でございます。農林水産省としましては捜査権限とか強制力があって調査をしているわけではございませんので、その点については不十分だとは思いますけれども、しかし、幅広く調査をしまして、本人の自己申告も得た上でやってきたわけでございますから、確かにそれは不十分なところはあったかと思います。
 しかしながら、みずからの姿勢を正しくするということと、今後こういう事案がないようにしていくという点については、熱心に取り組んできたということはお認めを賜りたいと思います。
#93
○安住委員 いやいや大臣、私が最初に聞いたでしょう。あくまでも個人の倫理に関する問題だという話であれば、あなたの言っているとおりかもしれない。しかし、私は、この問題の根の深さというのはどうも違うんだと思っているから言っているんですよ。構造的な問題なのかどうか、システムの問題だとあなた自身が認めているから僕は言っているんですよ。
 例えばこの大川農協についていえば、ある職員は構造改善事業課に所属をしていた。もう一人長く接待を受けていたのは、中国四国地方農政局の構造改善課長だったというじゃないですか。つまり、補助金を受ける側とは非常に近くて、また密接な関係にあったんではないですか。だからこそでしょう、これ。
 ちょっと形を変えて伺いますけれども、癒着という言葉を大臣はどういうふうに解釈しているんですか。紙なんか見ないで自分の言葉で答えてください。
#94
○玉沢国務大臣 正確に答える必要がありますので、広辞苑を見たわけでございますけれども……(発言する者あり)盲腸の癒着というのもありますけれども、「分離しているべき組織面が線維性の組織で連結・融合すること。」これは医学上の言葉であります。次に、比喩的に、本来関係のない者同士が深く手を結び合うこと。今回の事案でいえば、本来密接な関係を築いてはならない関係業者等と公務員との間に、密接な人間関係が生ずることを指すものと理解します。
#95
○安住委員 素直に認めているんじゃないですか。全くそうですよ。今、自民党の方から盲腸の癒着だと言うけれども、これは盲腸じゃなくて非常に根の深い深刻な問題、こういう問題を盲腸だともし思っているんだったら、お門違いも甚だしいと私は思います。
 大臣、こういうことは癒着というんじゃないですか、あなたが今言ったことからいったら。補助金を受ける側と、また仕事、コンサルタント業務を受けている会社と農水省の職員が、それも一人や二人じゃない、何十人にわたって接待を受けたりなんかしている。こういうのを癒着と言わないんですか。
#96
○玉沢国務大臣 ある面においては癒着という言葉もあるわけでありますけれども、そればかりじゃないんですね。だから、いろいろな関係があって、こういう事案になったということが言えると思うわけでございまして、まあそういうことです。
#97
○安住委員 だから癒着なんでしょう。この癒着をただすときに、今からいろいろな事業の改善のことを聞くけれども、大臣、やはり事実関係をきっちり調べなかったら、あなた方、神奈川県警と一緒だ。事実関係を調べる熱意を感じられないということです、私が言っているのは。だって、そうじゃないか。食い違う点をそのまま羅列するんだったら、だれでもできますよ。
 大臣、あなた、本当に構造改善事業のことをただそうとするんだったらば、あなたが直接指揮をしても、あなたが事情聴取してもいい。このことに関しては、さっき私が言ったファームインのことについても、中国四国のこの農協の接待の問題についても、もっと徹底的にあなた自身が裏をとって、その核心に迫るようなことをやればいいじゃないですか。何でやらないんですか。私はやるべきだと思いますよ、調査委員会を残しているんだったら。いかがですか。
#98
○玉沢国務大臣 これは職員の倫理規程の問題でございますから、調査委員会を設けて行うということが方針であります。
#99
○安住委員 何となくわかってきましたよ。職員の倫理規程というのは一つの防波堤ですね。それに抵触するかしないかだけで調査をすれば、確かにあなた方の言うとおりだ。
 しかし、私が言っているのはそうじゃない。構造改善事業の政官業の癒着だと言われていることに対して本当に根本的にメスを入れるんだったらば、それを超えたエネルギーで、つまり、役所をコントロールしているあなた方自民党の政治家がこのことを徹底的に究明すればいいんですよ。簡単な話じゃないですか。なぜそれをやらないんだという話を私は聞いているわけです。
#100
○玉沢国務大臣 公共事業の問題については、既に明確なる規定、基準、手続等があるわけでございます。
 これは非公共の問題等でございまして、当初不明確なところがございまして、そういうところがこうした事案に結びついたと思うわけでありますが、今後はそういう点を、透明性の問題であるとか人事の交流の問題であるとか、そういうところで是正をしていくということを明確にいたしておるわけでありますから、この点を御理解賜りたいと思います。
#101
○安住委員 いや、私は、はっきり言うけれども、半分信用していないからこういうことを言っているんですよ。
 ちょっと話題がそれるから、質問じゃなくて言います、本当に、公共の部門も透明にやっているとさっき松下委員の質問に答えていたから。
 私は、実は委員会が始まる前に資料要求したんですよ。全部の、構造改善局が持っている公益法人の資料を、これと同じものを出していただけますか、公共部門についても。今回、非公共を全部出してもらった。出向している民間企業の名前、それから天下りをしている職員全部。事業、補助金を幾らもらっているか。やましいことがないんだったら、登録されている構造改善局所管公益法人一覧にもある公益法人について、全部これを出してください。出すか出さないかだけ言ってください。
#102
○玉沢国務大臣 委員はもう既に持っておられるわけですから、だからそれは、出せといえばいつでも出します。
#103
○安住委員 いやいや、私は持っていないですよ。非公共は持っているんだけれども、公共の部分も全部出してくれと言っているんです。いいですね。
#104
○玉沢国務大臣 院がお求めいただければ、いつでも出す用意がございます。
#105
○安住委員 ありがとうございます。
 それでは、調査委員長の渡辺局長にあと一点伺います。
 タクシー券の利用については、利用したと見られるけれども特定できなかったというのは、どういうことでございますか。
#106
○渡辺政府参考人 関係団体の確認あるいは職員に対する調査の過程で、一部団体から職員が提供を受けているという事実がわかったわけでございます。その際、残業のときの帰宅などに使用したということも判明いたしましたけれども、タクシー券という性格上、枚数だとか利用者だとか利用の時期について、団体側が整理をしていなかったということ、それから、もう過去のことでもあるということで、事実はあったけれども、その全容を詳細には解明することはできなかったということでございます。少なくとも平成十一年度からは、この関係団体は一切そういうことはしていないというふうに聞いております。
 それから、先生、済みません。さっき四国の特定の農協の名前を挙げられましたが、本件は農協そのものではなくて、農協が出資をした関係団体でございますので、ちょっとそこを申し添えておきます。
#107
○安住委員 時間が非常になくなってきたので、タクシー券のことについてはまた別途やりますけれども、大臣、こういう公益法人や民間企業なんかからのタクシー券の利用はもうやめるんでしょう。やめたらいいじゃないですか、こんなの。やめないとおかしいじゃないですか。
#108
○玉沢国務大臣 それは当然のことです。
#109
○安住委員 全部ですよ、農水省全体。
#110
○玉沢国務大臣 もちろん。はい。
#111
○安住委員 それでは、一つシステムの問題をやらせていただきます。
 前聞いたときも、私は非常にしつこく聞いたんだけれども、特に今回は公益法人の改善案をるる出した、これは比較的前向きなところもあるから、評価をするところは率直に評価します。つまり、公益法人に対する、座席を有していない幽霊社員を出している民間会社、これに対する給与の支払いをやめるということ、これはいいですね、まずこれだけ確認します。
#112
○渡辺政府参考人 座席がある等の実態を有する場合を除き、出向契約による業務発注は禁止するということでございます。
#113
○安住委員 つまり、大臣、公益法人とは名ばかりで、名ばかりとは言わぬけれども、コンサルタント業務の委託のときに、公益法人がまさに談合の巣になっていたという話ですから、出向している企業がみんなで仕事を割り振って。これをやめるべきだということを私は前も言いました。
 しかし、一つだけ、ちょっと大臣に関係のある話なのでさせてもらいますと、農林漁業体験協会というのはどういう経緯でつくった協会でございますか。
#114
○渡辺政府参考人 農林漁業体験協会、節目が二つございます。最初の節目は昭和五十七年、従来、任意団体であった全国体験農業協会が発展をして、財団法人としての設立認可を受けた時期でございます。またこの法人は、平成七年の五月に、いわゆる農山漁村休暇法に基づきまして全国民宿業団体として指定をされているわけでございます。
 この法人は、日本の農業の発展というのは広く国民の理解が不可欠でありますし、一方、都市の住民は自然との触れ合いが乏しいということで人間形成の面から農林漁業との触れ合いが必要であるとの認識に基づきまして、都市と農村の交流を促進することを目的として設立され、それに即した事業をやっているわけでございます。
#115
○安住委員 今回問題になっている非公共の公益法人の中の一つだけをちょっと取り上げます。
 大臣、大臣の政務秘書官は一月十二日付で岩倉具三さんになっていますね。これはどういう方でございますか。
#116
○玉沢国務大臣 党本部の政調会の、我が自由民主党ですよ、審議役をやっている人でございまして、長い間政策を担当してきた、こういう方でございます。
#117
○安住委員 秘書官になられたばかりでございますが、伺いますけれども、この方は農林漁業体験協会の理事をやっていませんか。いかがでございますか。大臣、聞いたことはございますか。
#118
○玉沢国務大臣 確かに理事のところに名前がありますが、政務秘書官を行うに当たりまして辞任をいたしております。
#119
○安住委員 農林漁業体験協会をなぜ取り上げたかというと、私は岩倉さんとはおつき合いはないんですが、岩倉さんはある席でこういうふうに申しております。私が自民党にいて、農林漁業体験協会は私のアイデアでできた財団で、そうした思いやり、愛着から理事として名を残した、しかし、運営には直接タッチしていないと。
 大臣、このことについては本人から伺っていますか。
#120
○玉沢国務大臣 これは本人にも確認をいたしたところでございまして、今までの岩倉氏の経験に照らしても、同協会から依頼をされまして、非常勤無報酬で理事となっているもの、こういうふうに考えております。
#121
○安住委員 いや、公益法人の理事をやっていらっしゃるということが問題なのではなくて、大臣、私は前の委員会でこういうふうに質問したでしょう。例えばこの農林漁業体験協会にしたって、幽霊社員を出向させている会社が二十社強あるんですよ、コンサルタント業務で。そこに補助金をつけて、その職員の給与を払っているわけです。
 今度の問題で、システムとして一番何が問われているかというと、大臣、この協会をそもそもなぜつくったのかという表向きの理由は、今渡辺構造改善局長から聞いた。しかし、出向者を出している会社、民間企業、つまり、この企業は設計コンサルタント会社だ、これは農水省からいただいた資料ですけれども、だれがどういう目的で、どういう選定基準でこの民間会社を選んだのですか。実はそのことを聞かないと、構造的な問題にメスを入れるという話にならないんですよ。大臣、私は前も聞いているんですよ、この話。いかがですか。ちゃんと説明ができるように言わないとだめですよ。
#122
○玉沢国務大臣 御指摘の公益法人が従来、農業構造改善事業等のコンサルタント業務の一部について、特定分野に関して専門的な知見を有する民間業者から出向を受け入れていたことは事実であります。
 これは、全国的な情報を有する公益法人の職員と専門的知見を有する民間コンサルタントからの出向職員が共同で活動することにより、より効果的なコンサルタントが可能となると考えられたことによるものであると思います。
 なお、公益法人への出向企業は、各公益法人の内部における検討を通じて、知見と経験を有する企業を選定しておったものと承知をいたしておるわけでございます。
#123
○安住委員 わかりました、表向きの話は。それは十一月に答えたのをそのまま棒読みしているだけ。
 だから、聞いているじゃないですか。五つの公益法人があるでしょう。その中で、とにかくなぜこの農林漁業体験協会を出したか。私がさっき言ったファームインが入っているんですよ。ファームインという会社が入っている。つまり、だれに聞いても表向きはそう言うんだけれども、実際、何でこの会社は入って、名前はちょっと言えないけれども、同じような設計業務をやっているほかの会社は入れないんだ。この会社は何で、どういう基準で入っているんだ。だれが入れたのか、そのことを知らないとだめなんですよ。
 わからないでしょう。大臣、わからないじゃないですか。しかし、大臣、あなたの秘書官になった岩倉さんは、自分で言っているんですよ、おれのアイデアでつくった財団だと。
 ということは、あなたが答えられないんだったらば、この農林漁業体験協会の今の理事長、当時、つくったときの理事長、なおかつ、理事をなさっていた大臣の秘書官の岩倉さん、委員会に来てちょっと証言してもらいたいと思いますけれども、委員長、取り計らってください。
#124
○松岡委員長 今の安住委員の要請の件も、先ほどの件と同じく理事会で協議をさせていただきます。
#125
○安住委員 大臣笑っていらっしゃるけれども、あなた、今この民主主義の社会で、競争社会なんて言っているときに、民間へのコンサルタント業務の発注率、八年度は七七%ですよ。九年度は七四、十年度は六四。つまり、特定の業者で、丸投げした仕事を分捕っているんだから、言葉は非常に悪いけれども。言ってみれば、企業の仲間に入っているインナーサークルです。だれがこの会社を入れたのかということが実はそもそもの話になるんですよ。公益法人にはこういうことがいっぱいあるんです。不透明だ。
 つまり、大臣自身が認めているんじゃないですか、こういう不透明なことをやらないために改善するんでしょう。公益法人のあり方を三年から五年の期間で見直すとみずからおっしゃっている以上は、この会社がどういう経緯でメンバーズシップに入って、ほかの会社はなぜ適格でなくて、この会社が適格だったか、当時の事情を知る人にちゃんと話を聞くしかないじゃないですか。いかがですか。
#126
○玉沢国務大臣 この体験協会の趣旨は、私はなかなかいい趣旨だと思いますよ。ですから、それを、コンサルタント業務をやるに当たっての会社をどういうような選定基準でやったか私に聞かれても、そこまではわかりませんね。
#127
○安住委員 いや、だから、調べてくださいと言っているんですよ。全く素直な大臣で大変結構だと思いますが、だから、調べたらいいんじゃないですかと言っているんです。
 大臣、あなた自身がさっき松下理事の質問に答えているんですよ、透明性を図っていかないといけないと。つまり、透明性を図っていかないといけないという言葉をかりれば、透明でなかったということを自分で証明しているようなものだ。その透明でないことを証明するというのは、まさに透明でないんですよ、私、今言ったとおり。
#128
○玉沢国務大臣 今後のことが大事ですから……(安住委員「いや、だから調べてくださいと言っているんです」と呼ぶ)ですから、まず考え方を申し上げますよ。
 公益法人が市町村からの委託を受けて行うコンサルタント業務については、今後、世の中から誤解を受けることのないよう、座席の実態がある場合を除き出向契約を禁止することとします。
 さらに、この経営構造対策について、コンサルタント業務を廃止する等の改善措置を講ずることにより、公益法人に対し厳しく指導してまいりたいと考えております。
#129
○安住委員 だから、そこに至る経緯をもうちょっとあなた、検証しないと、よくわかっていないと、何を改善するかというのは結局役人任せになるということでしょう。そうでしょう、大臣。そんなもの、新聞とか、いろいろな今までのことを、情報を集めれば、私の言ったぐらいのことはすぐわかるんですよ。
 大臣、私が言っているのは、つまり、今年度の予算だって補助金をもらっている公益法人ですよ、全部。そうですよ。問題になっている、なっていると言うけれども、今年度だってこの業者は仕事をもらって、とっているわけです。つまり、言っているけれども、実際にはまだそのあしき体質というのは残っているわけですよ。それが今まで当たり前だというのは、私はおかしいと思いますよ。いやしくも直すなんということを大臣がこの国会の場で国民に向かって言っている以上、何を反省しているのかをちゃんと言うためには、こういうふうにすべての公益法人に、出向者がいる、会社がいる、そういうのはどういう経緯でなぜ入ったのか、また、この公益法人の、公共を含めて、理事長と言われているのは農業土木の次長さんだ。そういう人が三つも四つも渡り歩いて、そのたびに何千万という退職金をもらっているという話もある。そういうシステムを全部直していくという話じゃないんですかと言っている。非公共だけこんなことをやればいいという話じゃないんですよ。非公共は単なる入り口の話だから、私から言わせれば。だけれども、少なくとも肝心かなめの、悪く言えばこれは国家的横領ですよ。だって、特定のだれが決めたんですか、こんな会社。この会社が何十億もの金を、いわば利益を受けるわけでしょう。少なくとも、これまでずっとあった、七、八、九、十と。この金をみんなで山分けしたという話じゃないですか、競争原理のないところで、コンサルタント業務を丸投げして。
 こういうことに対する厳しい反省があるんだと言っていらっしゃる以上は、こういう会社がどういうふうな経緯で選ばれて、それでインナーサークルというか仲間をつくってやったのかは、やはりあなた、検証しないと、説得力のある言葉は私は出てこないということを言っているわけです。いかがですか。
#130
○渡辺政府参考人 済みません、ちょっと前後関係に多少混乱があると思われますので、一言申し上げておきます。
 今先生がおっしゃられたように、特定の会社がどういう経緯で入ってきたかというのは、また私も勉強してみたいと思いますけれども、今御指摘にありました会社は、十一年度は入っておりません。
 それから、十一年度から既に補助事業に係る業務発注の適正化というものを実施しておりまして、公益法人の中に学識経験者から成る中立的、専門的な選定委員会を設けまして、業者選定を透明化しております。
 それから、市町村がそうした発注をいたします場合には、この市町村がこういうコンサルを欲しがっているということを公表いたしまして、日本じゅうのコンサルがそこにアクセスできる、そういうふうな競争原理の世界に改善をいたしておるところでございます。
#131
○安住委員 もう時間がなくなったのであれだけれども、濁った水を汚いから閉めちゃって新しいものにかえますと、あなた方は言っている。私が言っているのは違うんです。濁ったのはなぜかということをもっと調べてから、そういうことを言えと言っているんですよ。そんなこともやりもしないで、新しいことを今からやります、今からやりますと言ったってだめ。
#132
○玉沢国務大臣 お言葉を返すようでございますが、この調査に当たりまして、厳正に調査をして行うということでこの委員会にも報告いたしておるわけでありますから、何か汚いものを全部濁流としてみんな隠してしまって、清流だけあればいい、そんなようなことは言っていません。ちゃんとそれは、要するに、今までの反省を踏まえた上で、いかにしていくかという観点からやったことでございますので、委員の御理解を賜りたいと思います。
#133
○安住委員 だったらば、農林漁業体験協会なんて、あなたに一番身近なところにいる人に話を聞いてちゃんとやったらどうですかと言っているんですよ。あなたは、そんなことは知らないと言ったじゃないですか。だから、私は気色ばんで言っているんであって、そのことについてはあなたは反省しないとだめですよ。
#134
○玉沢国務大臣 そのコンサルタントの協会、その協会の理事は確かに私の政務秘書官がやっておったわけですね。聞きましたけれども、本人がそういうことをやるわけじゃありませんから、だからつまり、どういう会社を入れるかという基準については、後でまた聞いてみたいと思いますが、(安住委員「ぜひ聞いてください」と呼ぶ)そういうふうにしたいと思います。
#135
○安住委員 それで、最後に、人事異動がありました、一月。ちょっととっぴな感じもします。癒着疑惑に対する責任をとったんではないかといううわさもされている。
 森田次長は、いろいろな、新治の村長から植木をもらったりということがありましたね。このことについてはちゃんと事務次官が事情を聞いたということでございますが、最後に、このことについて、その事情を聞いた経緯を大臣の方から説明してください。
#136
○玉沢国務大臣 本件につきましては、前構造改善局次長と村長との個人的友人関係に基づくものであって、村の公費の支出もないとの報告を受けておりまして、農林水産省職員倫理規程に照らして問題はないものと考えております。
 本件に関する事実関係につきましては、構造改善局の服務管理官である総務課長がヒアリングを行っております。また、農林水産省倫理監督官たる事務次官も、前次長と村長の両者から説明を受けております。
#137
○安住委員 終わりますけれども、委員長、やはり私は納得がいきません。もっと徹底的にこの問題というのは調べないといけないので、どうぞ委員長のもとで、先ほど私が要求した等々の問題について理事会で取り計らっていただいて、この問題について徹底的に国会で解明していく、農水省ができないんだったら農水委員会がそういう自浄能力を示していくべきだと思いますので、取り計らいを含めて今後の処理をよろしくお願いしたいと思います。終わります。
#138
○松岡委員長 御趣旨の点については、理事会で十分協議をいたしたいと思います。
#139
○安住委員 ありがとうございました。
#140
○松岡委員長 次に、漆原良夫君。
#141
○漆原委員 公明党の漆原でございます。
 農水大臣におかれましては、新年早々、ベルギーのブリュッセルで開催されました日本・欧州連合閣僚会議に参加されるなど、大変活発な御活躍に敬意を表するものでございます。
 ここで私は、WTO閣僚会議最終日の様子を掲載した日本農業新聞の記事をぜひ御紹介したいと思っております。
 こんなふうに書いてありました。
 各国が激しい舌戦を繰り広げた。緊迫の場面は、八時間近い議論を続けた午後一時半過ぎに訪れた。バシェフスキー議長、論点は輸出補助金、市場アクセス、国内支持、食料の安全の四点に絞られた、取りまとめに入りたい。しばしの沈黙の後、玉沢徳一郎農相が声を張り上げた。議長、農業の多面的機能が抜け落ちている、入れるべきだ。この一言で場の雰囲気は一変をした。午後二時四十五分に再開。案の定、バシェフスキー議長は最終の議長案を持ち出してきた。だが、ここで予想外にもEUのラミー、フィシュラー両委員が欠席した。このため、最終案は全く議論されず、協議は打ち切られたというふうに記事にございました。
 私は、この記事を読んで、世界のひのき舞台で米国、ケアンズ・グループの大きな圧力を大臣の一言で一変させたというこの迫力に胸のすくような思いをして、この記事を読ませていただきました。心から敬意を表するものでございます。
 そこで、お尋ねしたいのでございますが、議長の最終案では、日本がこれまで主張してきました農業の多面的機能の文言が消えておるというふうに言われております。しかし、米国、ケアンズ・グループは、議長案でほぼ合意したというふうに強調して、今後の農業交渉ではこの議長案をスタート台にして議論をすべきだというふうに主張しておりますが、そのような主張に対して、日本はどのようなスタンスで今後の農業交渉に臨もうとしているのか、大臣のお考えをお尋ねしたいと思います。
#142
○玉沢国務大臣 新聞の記事を引用されたわけでございますけれども、必ずしもその新聞の記事が正確を期しているわけではございませんが、おおむね会議が七時間にも及びまして、論点が四点ばかりになってまいりました。
 その四点ばかりでなくして、私が主張したのは、多面的機能という言葉が適切であるということで、これの挿入を主張したわけでありますが、それに対しまして、ケアンズ・グループからは、農業と工業一体化論というものも、もう一度そこに出すよという形で六点になったわけでございます。ところが、会議の進行が、前に言った四点の問題だけに限られてそのまま終わるような形になったものでありますから、私としましては、多面的機能という言葉を入れない以上はこの宣言案に賛成するわけにはいかない、こういう発言をいたしました。
 それに対しまして、EUの方からも、我が国は加盟国がたくさんあるわけでございますので、やはりこれは加盟国と十分相談をしまして、宣言案に対して賛成するかしないかという態度を決めたい、こういうことになりまして、休憩に入ったわけでございます。休憩した後に、一時四十五分に終了しまして一時間の休憩ですから二時四十五分になったわけでございますが、我々はそれに出席したわけでございますが、EUは出席しないで、会議が再開されなかったわけです。
 そして、別の分科会に入ったものですから、農業委員会だけで七時間かかったわけですね、最終日に。そうしますと、あと四つあるわけでございますから、四つの分科会を夜の十時までにやるなんというのはとてもできないという判断になりまして、途中から包括的な観点からはとてもこれはまとめにならない、こういう形になったわけでございます。
 そういうような経過でございましたが、一応総会が開かれまして、バシェフスキー議長から、今回は時間的な制約もございまして、これは凍結とする、こういう形になったわけです。
 しかし、具体的に次の会合がどういう形で開かれるかということについては何らの合意もなされておりません。したがいまして、我が国とEUの共通の認識でございますけれども、まず全体的な、包括的な会議をできるだけ早く行うようにすべきではないかというのが第一点であります。
 しかしながら、今回の会合には途上国の国々も、百三十五カ国のうちの四分の三を占めるということで、いろいろな意見がございまして、宣言案そのものが仮に採択されたとしましても、我々は反対をすると決議した国が五十五カ国ございました。
 そういうようなこともあり、あるいはアメリカの大統領選挙等もありまして、本当に全体的な会合というものが整々と行われていくかどうかということを考えますと、これはまだまだ時間がかかるのじゃないか。WTOの一般理事会はジュネーブで行われるわけでございますけれども、まず手続とか透明性、いわゆるグリーンルームというのがありますね、これは主要国が一応やっているんですが、その持ち方とか、そういうようなものがお互いに合意をした上で全体会議というものが行われるという見通しを立てておるわけでございます。
 しかしながら、農業協定上は本年の一月から農業問題をめぐりまして交渉を行うということが明記されておるわけでございます。また同時に、これはサービスも同じようにそうなっているわけでございます。
 したがいまして、農業交渉だけが先行して行われるかどうかということについても、まだ明確な見通しはございませんが、やはりこれも、百三十五カ国も参加しておるわけでございますから、同様の会議の持ち方とか、そういうことについて、手続上の問題も含めて、やはり全体が合意をして農業交渉に入るものと考えられるわけでございます。その場合におきましては、全体会議ではございませんから、全体会議における宣言案というものは採択されておりませんから、農業交渉だけで行われるということを想定した場合におきましては、この農業協定の第二十条に基づいて行われるというふうに考えておるわけでございます。
 以上です。
#143
○漆原委員 大臣が、ある新聞で、この議長の最終案というのは議論もされなかったのだから幻の最終案なのだというふうな発言をされたと聞いておるんです。したがって、何も議長の出した最終案に日本としては拘束される必要はないのだ、日本は日本の立場で、二十条を中心にして、多面的機能重視という観点からいくのだというふうに記者会見で述べられていたということを聞いておりますが、その点はそれでよろしいのでございましょうか。
#144
○玉沢国務大臣 休憩が行われたわけでございますが、休憩が行われる前に問題点が整理をされまして、それぞれの、その問題に関しての関心を持っている国々が一応集まりまして、いろいろな意見があったわけでございます。しかしながら、一応最終案というようなものは出されたわけでございますけれども、例えば、この中には輸出補助金の撤廃という言葉がまだ残っているわけでございますね。そうすると、EUはどういう態度をとるか、最後まで反対だと私は思いますよ。
 ですから、最終案は示されましたけれども、それは最終案ではございませんで、これは議論されなかった最終案でございまして、合意をされた最終案ではない、こういうことであるわけでございますから、我々も多面的機能という言葉が入っていない最終案に対しては、何らこれに対して拘束される必要はないわけでございます。
 しかし、全体会議が行われる場合におきまして、もう一回その宣言案の案文に入るかどうかというようなことはまだ一切決まっておりませんので、あえて言えば、これはあってなかったもの、こういうふうに解釈しておるわけでございます。
#145
○漆原委員 農業の多面的機能重視という日本の主張を今後とも貫いていくためには、一部から言われておりますそもそもこの多面的機能という言葉の定義の明確化、この辺をきちっと明確化していくとともに、EUとか開発途上国に働きかけるなどして、日本の提案の理由について、理解について、一層の戦略強化を求められるところだと思いますが、この点に関する大臣の御感想はいかがでございましょうか。
#146
○玉沢国務大臣 会議におきまして、多面的機能を入れるべきだということに対して発言をしたことに対しまして、ケアンズ・グループからは、概念規定がまだ明確になっていない、お互いにまだコンセンサスは得られていない、こういうような発言がございました。
 実際上、FAOにおきましても多面的機能という言葉は今までも使われてきておるわけでございますが、シアトル会議の直前に行われましたFAOの総会におきましては、多面的機能を認めるべきであると高く評価した国が二十一カ国、多面的機能という言葉を声明文に入れるということに対して反対した国が十一カ国、こういうことでございまして、残念ながらコンセンサスには至らなかったというのが現状です。ただ、OECDは多面的機能の概念規定について作業に入るということを既に決めておるわけでございまして、ことしの一月からお互いにそういう努力をしていくということになりました。
 したがいまして、EUとの話し合いも、これをぜひ共同してお互いに進めていくということを打ち合わせをいたしたわけでございます。しかし、宣言案の中におきましても、非貿易的関心事項という言葉の中に、食料の安全保障、環境の保護、これは前の農業協定の中にも入っているわけでございますけれども、そのほかにも食の安全、それから農村の開発、こういう大きな役割を農業が果たしておるということは認識をされたわけでございまして、そういう認識、十分それに配慮して農業貿易協定というものをつくるべきだという認識が深まってきておるというのが私の感想でございます。
#147
○漆原委員 それでは、本年一月十一日、ベルギーのブリュッセルで開催された日本とEUの閣僚会議についてお尋ねしたいと思うのです。
 まず、この会議で大臣は、WTO問題についてどのような日本としての立場、意見を述べられたのか、そしてまた、大臣の意見に対してEU側はどのような見解を示したのか、双方の意見をお聞きしたいと思います。
#148
○玉沢国務大臣 会議の持ち方につきましては、先ほど言ったとおりでございまして、全体会議の早期立ち上げというものを双方でやっていく、そして農業協定は、協定上は本年から交渉を開始するということになっておりますので、仮にそれが行われるというような場合におきましては、農業協定第二十条において行われるべきではないか、こういうことを申し上げたわけでございます。それから同時に、多面的な機能等につきましても、先ほど申し上げましたように、これを両者の共同声明の中にも入れましてその実現を期す、こういうことも申し上げたわけでございます。
#149
○漆原委員 その大臣の見解に対して、EU側の反応はいかがでございましたでしょうか。
#150
○玉沢国務大臣 これは合意したことでございます。ただ、EUの方におきましては、シアトルの会合でも申し上げておったわけでございますが、やはり彼らの最大の関心事項は、輸出補助金の撤廃というところが、平和条項とかなんとかとあるわけですが、期限の二〇〇三年には廃止するかしないかという問題が提起されておるわけでございます。EUは非常にこれにこだわっておる感じを受けました。
 したがいまして、私は、この輸出補助金の問題と、アメリカ等が行っておりますところの国内の支持、昨年は例えば八十九億ドルも、国内の所得補償といいますか、価格の保証といいますか、支出しておるわけでございますから、これは形を変えた輸出補助金と言えるのではないか、こういうところもやはり議論しなければならない問題だと思うのです。
 ですから、輸出補助金も国内支持も、それから国境措置も、やはり同じような観点から取り上げて議論していく必要があるのではないか。日本の関心事項としましては、国境措置と国内支持というところが加わってくるわけでございますから、そういうことに関連して、多面的機能を果たす農業というものがそれぞれのものにどういうような影響を与えるかということのより詳しい議論をしながら、協定を結んでいく必要があるのではないかという感じであります。
#151
○漆原委員 この閣僚会議での共同声明では、「新ラウンド交渉の早期立ち上げは引き続き、WTOの優先事項であるべきである。そのために、双方は、可能な限り速やかにプロセスを元の軌道に戻すべく緊密な協力を継続していくことに合意した。」こう記載されております。
 自由で公正な貿易の新ルールづくりを一日も早く開催すべきことは、言うまでもないというふうに思っております。しかし、昨年十二月、一応決裂で終わってしまったシアトル会議の延長線での再開では意味がない。この点、朝日新聞の社説では、「決裂の教訓を生かせ」というふうな見出しで種々の問題点の指摘をしております。政府はこの点に関して、シアトル閣僚会議が不調に終わってしまった原因についてどのように分析をされておるのか。大臣のお考えを聞きたいと思います。
#152
○玉沢国務大臣 農業問題が全体の分科会の中で、五つの分科会、そのほかに労働問題も協議したわけでございます。何か農業問題だけで行き詰まったかのように言われておるわけでございますけれども、当時の会合を顧みますと、バシェフスキー議長さんは、農業分科会は一時間半で終わる、ほかの委員会は、ほぼ一日で終わるというような趣旨だったと思うのです。六時半から会合を開いたのですから、それが延々と、とにかく一時四十五分まで会議をやったわけでございますので、それでも合意できなくてほかの分科会に移っていったわけでございますが、ほかの分科会におきましても、例えばアンチダンピングの問題については、十三対一で、グリーンルームの会合等におきましてはアメリカが一で十三がアメリカに反対、こういう態度をとって、これはとてもまとまるような雰囲気ではございませんでしたという点が一つあります。
 もう一つは、労働問題があるわけでございます。今回は、百三十五カ国のうちの四分の三の開発途上国が参加したわけでございますが、会議の最中にアメリカのクリントン大統領が参りまして、大会で演説をした、また記者会見もした。その中で五万人の労働者のデモが行われたわけでございます。つまり、急激な自由化はアメリカの利害を損なうものであるという観点から反対のデモが行われた。その点も意識したのかどうかわかりませんが、クリントン大統領は、つまり、労働問題においては、児童労働をやっている国であるとか低賃金労働をやっているような国に対してはアメリカは明確に制裁を行う、こういうようなことが伝えられたわけです。そこで開発途上国の国々の反発を招いて、これが先ほど言いましたように五十五カ国が、仮に宣言案がまとまったとしましても絶対に反対、こういうことになったと思うわけでございます。
 農業問題だけではなくして、それらが総合的に、問題点が多々ありまして、やはり当日は延期という、一日延期するかという話もありましたが、これは、クリスマスシーズンの中に警備が大変であるというようなシアトル市の判断もございまして、警備から一切手を引く、こういうことになったこともありまして、時間的に極めて制限されたということから、凍結というような判断が下されたと考えております。
    〔委員長退席、松下委員長代理着席〕
#153
○漆原委員 WTOのムーア事務局長は、シアトル閣僚会議が不調に終わったことを踏まえて、「シアトルの教訓」と題する論文、文章を日経新聞などに寄稿をされておりますが、この中でムーア事務局長は、シアトル会議の最大の失敗は「後発途上国からの輸出品に対する障壁の撤廃という目的を果たせなかったことだ」、こう言っております。もう一点、また意思決定方法の見直しの必要性が「シアトルの教訓」であると指摘して、「交渉参加国の範囲を広げながら、決定の効率性を高め、しかも全会一致の原則を保つという方法を、時間をかけて分析していくことになろう」、こう述べておりますが、大臣はこのムーア事務局長の「シアトルの教訓」についてどのような御感想をお持ちか、お尋ねしたいと思います。
#154
○玉沢国務大臣 一応は私どもの考えていることと同じところもあるわけです。しかしながら、ムーア事務局長は、途上国の問題と今申し上げたもう一つの問題、この二つを挙げているわけですね。しかし、私どもは、そのほかにも問題点があったということを指摘せざるを得ないと思います。
 農業協定の、例えば農業委員会における宣言案については、かなり途上国には配慮をする案文が入っておりまして、途上国においても食料を輸出する国もありますし、それから島嶼国のように小さい国で食料を確保できない国々もあります。そういう国々も含めて、やはり途上国に対しましては関税の問題とかそういうことについては特別の措置を講ずる必要があるんじゃないかというような点で言っておりましたから、途上国、農業問題においてはかなり理解が深まったとは思うわけでございますけれども、先ほど言いました労働問題等においては、アメリカの大統領の発言等には途上国の国々は非常に反発をしておった。
 それからまた、手続の問題がありましたが、これは全くそのとおりでございまして、百三十五カ国から代表が来ておって、わずか三十カ国に満たない国々が朝から晩まで会議をしているのに、ほかの国々の大臣はただ会場の外で待っているというようなことでは、何が行われているかという透明性が明確になっておりませんので、やはりそういう点については、例えば地域の代表としてこういうところの見解を申し述べるとか、類型的に輸出国と輸入国のバランスをとった主要国会合にするとか、いろいろな工夫が凝らされて、会議を遅滞なく進めていけるような手続がとられるということが大事だと思いますが、それは今後検討されなければならぬことだと思います。
#155
○漆原委員 今回、日本とEU閣僚会議でも、途上国対策と意思決定の透明性の確保という点について合意されておるわけですが、今大臣のおっしゃったような観点で、ぜひともそれを進めていっていただきたい、こういうふうに思っております。それがこのWTOを円滑に、しかも実効性ある実りあるものにする唯一の方法だろうというふうに思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 また、農業交渉については、多くの分野を対象にした包括交渉の中で農業も交渉すべきであるというふうな確認がなされておりますが、私も、農業交渉だけの突出は、農業で失うものが多い、包括交渉のように、ほかの分野での利害関係も含んだ交渉を進めるという駆け引きがある意味ではできなくなってしまうので、日本の立場からすれば、やはり単独の交渉というのは決して有利な進め方ではないだろうというふうに思っております。
 新聞報道によりますと、大臣は、十四日の閣議後の記者会見でWTO次期交渉についてこう言っておられます。農業とサービスが先行することがあり得るんだ、こういうふうに将来の見通しを明らかにしたというふうに報じられております。政府は、これまで包括交渉こそ国益というふうに位置づけてこられたものと私は理解しておりますが、大臣の今回の御発言は、従来の政府の方針に変更を来したことになるのかどうか。また、農業交渉を先行させることによって日本が不利な立場に立つことを余儀なくされる事態になるんじゃないかという心配をしておりますが、この二点についていかがでございましょうか。
#156
○玉沢国務大臣 まず、全体会議の問題につきましては、先ほどから申し上げておりますように、今すぐの事態ではなく、例えばアメリカに限って言いますならば、大統領選挙が終わりまして向こう側の事情が固まったころでなければ、なかなか日本、EUが呼びかけてもできないんじゃないかという点があると思います。
 したがいまして、場合によっては農業協定上の取り決めによりまして本年から農業交渉が先行することもあり得るという見通しといいますか観測を申し上げたわけでございまして、それについて別に政府の方針が変わったとかということではなくして、どういうような見通しのもとにこちらが対応していくかという心構えを示したものだ、こう御理解をいただきたいと思います。
 同時に、先行した場合のプラス・マイナスでございますけれども、全体会議における閣僚案でございますが、これは第二十条を何とか飛び越えて、その枠を壊して、つまり、自分たちに有利に持っていこうというケアンズ・グループの考え方もかなり入っておると認めなければなりません。それであるならば、第二十条で交渉をしていくということになってまいりますと、例えば、二十条の中におきましては今までやってきたことを反省した上でやるということもありますし、書いています。それから、将来やることにおいて、例えば自由化を進めていくという過程においてどういう影響があるかということをあらかじめ想定をして協定上の問題を話をするということもありますし、明確に食料の安全保障、環境の保護、非貿易的関心事項に配慮して協定をつくるべきである、こういうこともあるわけでございますので、忠実にやっていった場合におきましては、それぞれメリットがあるという面もあるかなと。
 しかし、その中には、多面的機能という言葉は二十条には入っておりません。我々は、非貿易的関心事項と食料の安全保障及び環境の保護、農村の開発、EUのラミー貿易委員も言っておりましたが、こういうものは近代的な表現方法でやれば多面的機能である、こういうような考え方、これは全く考え方を共有するものでございまして、いずれにせよ、農業の持つ特質に十分配慮して貿易協定というものをつくるという点についてはいささかも揺るぎない考えで臨んでいきたいと思っておるわけであります。
#157
○漆原委員 最後に一点だけお尋ね申し上げます。
 農水省の構造改善局の不祥事について申し上げますが、新農業基本法が制定されて日本の農政が新しく大変換をしようとするこの時期に、不祥事が発覚をして国民の信頼を失うような事態になったことについてまことに残念に思っております。
 しかも、その不祥事の多くが官庁の綱紀粛正の通達に加えて服務規律をさらに強化した農林水産省倫理規程の制定以降のことであります。三兆四千億と言われる農水省予算の四割という巨額な財源を執行している構造改善局の不祥事であります。国民の納得できる調査、国民の納得できる処分、そして、国民の納得できる再発防止策がぜひとも必要であります。
 この点に関する大臣の所見を尋ねて、私の質問を終わりたいと思います。
#158
○玉沢国務大臣 委員のおっしゃられるとおり、いろいろと御指摘を受けた点につきましては幅広い調査を行いまして処分を決定いたしたところでございます。
 農林水産省としまして、農林水産政策を進めるに当たりましては、いささかでもこういう点について疑念がないようにすべきでありまして、今後このようなことが起こらないようにいろいろ改善を行いまして、国民の皆様におこたえをしてまいりたい、こう考えておりますので、よろしくお願いを申し上げたいと存じます。
#159
○漆原委員 以上で終わります。ありがとうございました。
#160
○松下委員長代理 一川保夫君。
#161
○一川委員 自由党の一川でございますけれども、今ほど漆原委員の方からWTOに関連しての質問がちょっとございましたので、それに関連しまして一、二点大臣ないしは政務次官に確認しておきたいと思います。
 最後の方の御答弁の中で、WTO農業交渉、今後の取り組み方なんですけれども、早期に交渉を立ち上げることがいいのか悪いのかという判断があろうかと思いますが、日本政府として、今後農業交渉を早期に立ち上げたいということでいろいろな交渉事に入るのか、あるいは様子を見ながら我が方の言い分をあらゆる機会に主張していくのか、そのあたりをもう少しわかりやすく御説明願いたいと思います。
#162
○谷津政務次官 農業交渉は、農業協定第二十条に基づき本年から開始されることになっておりますことは、先生も御承知のとおりだと思います。我が国もこれに参加することになりますけれども、他方、我が国としては、今後の交渉は鉱工業品やルールの策定等も含めた包括的なものにすべきとの立場であります。包括交渉の早期立ち上げに向けて努力を継続することが重要と考えております。
 また、昨年のシアトル閣僚会議で提起されたWTOの意思決定プロセスの改善も並行して論議していくべき課題であり、これら三つの作業をバランスよく進めることが重要と考えているところでございます。
 我が国としては、包括交渉の早期立ち上げのための議論やWTOの意思決定プロセスの改善のための議論が十分行われないまま、農業、サービスといった合意済み課題の交渉のみが進展する事態は避けなければならない、こういうふうに考えております。
#163
○一川委員 それで、先ほどの議論を聞いておりましても、特に農業交渉に関連しての話でございますけれども、要するに、国際世論をしっかりととらまえながら、我が方の主張を理解させていくということが非常に大事なポイントになるわけです。先ほどの大臣のお話の中にも、百三十五カ国出席される、そういった中でも四分の三を開発途上国が占めている。開発途上国のいろいろな言い分というのは我が国と割と共通する部分があるというふうに聞いておりますけれども、特に、我が国がこれまで会合等で主張してきました農業の多面的機能なり食料の安全保障、こういった考え方というのは開発途上国等にどれぐらい理解されてきているか、そのあたりの認識、どのようにお持ちですか。
#164
○谷津政務次官 農業が生産以外のさまざまな役割あるいは多面的機能を果たしていることにつきましては、多面的機能フレンズ拡大会合にモーリシャス、マダガスカル、ジャマイカ、セントルシアといった国々が参加をいたしました。またFAO総会において、政府代表演説で、コンゴ、マリ、エチオピアといったアフリカの国々が多面的機能を評価する演説を行いました。シアトルにおける農業分科会においても、ドミニカ、モーリシャス、スワジランドといった国々が多面的機能への支持を表明いたしました。
 こうした途上国間にも理解を示す国々が出てきておりまして、また、飢餓、栄養不良問題を抱える途上国にとりましては、食料安全保障問題が最優先の課題となっておりまして、インド、エジプト、カリブ諸国など途上国における食料安全保障の重要性を強く言っておりますことを認識しております。
 一方、途上国の多くは農産物輸出国であり、先進国の一層の市場アクセスの改善を求めており、このような観点から、特にブラジル、アルゼンチン、チリ等の中南米諸国やタイ、インドネシアなどケアンズ・グループに属する途上国からは、農業の多面的機能等の主張に対しましては、概念規定が明確でない、貿易歪曲的な措置に利用されるおそれがあるといった理由で、強い反対意見が出されているところでもあります。
 いずれにしても、WTO加盟国の大半を占める途上国をいかに取り込んでいくかということが、我が国が交渉を行っていく上で極めて重要であると認識しております。このような観点から、各途上国の実態を分析いたしまして、相手国の重点化を図りつつ、ODAをも活用しながら働きかけを実施していきたいというふうに考えております。
    〔松下委員長代理退席、委員長着席〕
#165
○一川委員 開発途上国を初め世界各国のいろいろな国々、あるいはいろいろな組織の方に我が国の考え方を理解させていくという努力は、これからも当然引き続きやるべきだというふうに考えておりますし、政府の方の考え方もこれからあらゆる国際会議等を通じてそういうことを主張してまいりたいということでもございますので、ぜひそういう方向で努力をしていただきたいと思います。また、我々議員サイドでも、議員が出席するような国際会議もたくさんあるわけでございますので、そういう場で日本の考え方を大いにまた主張すべきだなということも痛感いたしている次第でもございます。
 さて、ちょっと話題を変えますけれども、きょうも大変農業構造改善事業等に関係するいろいろな質疑があるわけでございます。昭和三十六年に農業基本法が制定されて以降、農業構造改善事業は昭和三十七年からスタートしたというふうに聞いております。第一次とか第二次構造改善事業、あるいは新農業構造改善事業、そのときそのときの農政に対するいろいろな社会経済的な動きに対応して、事業の名称も含めて多少事業内容も恐らく変わってきたのだろうというふうに思っておりますけれども、今回のようなこういう疑惑を招く事態に至ったということはまことに残念でございますし、当然ながらそういうことに対する処分というのは厳格になされるべきだというふうに思っております。
 一方では、農政の中で農業構造改善事業というものがそれなりの役割を私は果たしてきたのだろうというふうに思います。特に、きめ細かな生産規模の小さいものから、生産、加工、流通等も含めて、それぞれの地域のニーズに即したようなものを割と柔軟に対応できるような制度であったというふうに思っておりますけれども、話題になっている農業構造改善事業という事業が、今日の我が国の農政上どういった役割を果たしてきたというふうにお考えですか。そのあたりの見解をちょっと聞かせていただきたいと思います。
#166
○渡辺政府参考人 御指摘の農業構造改善事業でありますけれども、我が国の農業、農村が置かれている社会的、地理的、経済的な困難性を克服しながら生産性の高い農業を実現する、担い手を育成するということを最終目的にいたしまして、その手法の特徴は、地域の関係者の合意に基づいて、総合助成事業といいますか総合メニュー事業の中でいろいろなものを選択をしていくという特徴点がございます。三十七年以来、延べ一万地区、事業費総額で三兆円の事業を実施してまいりました。
 最近の事例を具体的に見ますと、平成六年以来実施をされています経営基盤確立農業構造改善事業ですが、これが七百二十二地区ございますけれども、いわゆる生産性の高い認定農業者の数は約三倍に増加をしております。それから、この認定農業者への農地の集積率も一〇ポイント程度増加をしておりますし、農業生産にかかる労働時間という点で見ますと、水稲の育苗あるいは乾燥調製という時間が半減をしております。また、販売の額も各種の処理加工施設の整備によって二割増加をするというふうな成果を上げてきているわけでございまして、地元はこの総合助成事業に対する期待が非常に高いものと認識をいたしております。
#167
○一川委員 今局長の方から、この事業のこれまでの成果的なもののお話がございました。農政上それなりの効果があったという御説明でございますけれども、私自身も、この事業、それぞれの地域において各市町村等の要望が非常に強かったというふうな印象が残っております。これだけ各地域で相当要望の強い事業がこういうような疑惑を招いてきたということは非常に残念なことなんですけれども、なぜこういうふうになってきたかというのは、いろいろな、たくさん要因があろうかと思うのです。特に、俗に言われておるように、割と狭い範囲の担当者の中でこの事業を従来担当してきた、一方では非常に要望が強いという中で競争が激化したということも言えるのかもしれませんけれども、そういうことについて大臣はどういうお考えですか。
#168
○玉沢国務大臣 調査委員会の中間報告において指摘しておるわけでございますが、まず、地区の認定とか事業費の配分についての基準が不明確であるということ、それからコンサルタント活動に関して競争原理が働きにくいということ、関係公益法人のコンサルタント業務の実施方法、情報公開に問題がある、以上の点を指摘しているところであります。
 これらの調査結果を踏まえまして、平成十一年より第三者委員会を設置し、地区認定等の基準の設定等につき御意見を聞いた上でその内容を公表するなど、事業の適正化、透明化を図るとともに、コンサルタント業務の委託を予定している市町村名の公表による競争原理の導入などの措置を講じてきたところであります。
 今後、十二年度から新たに開始する経営構造対策及び新山村振興等農林漁業特別対策事業につきましても同様の措置を講じまして、国民の皆様の誤解を招くことのないよう、厳正な事業執行を確保してまいりたいと考えております。
#169
○一川委員 そういう客観性なり、透明性なり、公平性という観点でいろいろな基準等を見直していくというのは当然、大変大事なことでございますけれども、やはり私は人事管理上の問題も一方で非常にあるような気もいたします。特定の担当者にいろいろな大事な情報が集中し過ぎているということが一つの、こういうことを招いた大きな要因にもなっているのではないかというふうに思います。これからこういった事業、農水省の制度はすべて皆そうだと思いますけれども、専門官なり事務官なり、技術系の人たちも含めたもっと幅広い人事交流の中で、農政全体の経験を踏まえながら、それぞれの事業の役割なり位置づけというものにしっかりと問題意識を持って取り組めるような人事管理をぜひやっていただきたいと思うのですけれども、そのあたりはいかがでしょうか。
#170
○玉沢国務大臣 御指摘のとおり、調査委員会の指摘にもありますように、農業構造改善事業等の執行に当たりましては、専門的な知識、経験を必要とするため、従来においては専門家集団を育成する観点から、ともすれば人事が一定の範囲内で行われ、固定化する傾向があったことは否定できないと思います。
 このため、中間報告を踏まえまして、昨年四月におきまして他の専門分野との大幅な人事交流を行ったところでありまして、今後におきましても、できるだけ広範囲に他の専門分野と人事交流を実施してまいりたいと考えております。
#171
○一川委員 最後に、大臣にお伺いしたいと思っておりますけれども、御案内のとおり、今、食料・農業・農村基本法という新しい基本法が制定されて、いよいよこの新しい基本法の理念に基づいてのいろいろな政策をこれから具体的に展開するという大変大事な時期でもございます。また一方では、中央省庁の再編という、行政改革の一環として、農林水産省という省庁の枠組みは一応従来のとおり残っているという格好になっておりますけれども、そういうことからすれば、やはりほかの省庁以上に、農林水産行政をこれから執行する上での自己改革、農水省みずからが、時代のいろいろな流れに即して、国民の期待にこたえるような改革をしていく必要があるというふうに私は思います。
 そういう観点で、今回の、構造改善事業がいろいろな不信を招いたということはまことに残念なわけでございますけれども、これをしっかりと反省する中で新しい農政改革に向けて、また行政の効率化という観点で、農水省の担当されている若い職員の方々がやはり仕事のやりがいといいますか生きがいを感ずる、そういう農政をぜひ展開していただきたい、そのように思いますけれども、大臣の決意のほどをお聞かせ願いたいと思います。
#172
○玉沢国務大臣 新基本法の理念の実現を図っていくという上におきまして、信頼を維持していくということは極めて大事なことだと考えております。食料・農業・農村政策は、農業者、消費者を含めた国民全体の合意に基づき、その推進を図っていくことが必要であると考えております。
 今後の農政の展開に当たりましては、私が先頭に立ちまして、現場の方々を初め国民の皆様の声を最大限尊重し、自己改革の精神に立ちまして、信頼される政策の構築に全力を尽くしてまいりたいと考えております。
#173
○一川委員 以上で終わります。ありがとうございました。
#174
○松岡委員長 次に、中林よし子君。
#175
○中林委員 昨年七月二十八日、私の質問に対して当時の大臣、中川大臣が、構造改善事業の問題で「調査をした結果、甘い汁を吸っているとか、あるいは農家を食い物にしている、そういう事実はなかったことだけははっきり申し上げたいと思います。」「この後出るということが全くないということを私は信じておるわけでございまして、仮に新たな事実が出るとするならば、そのときに私の責任においてまた徹底的にやるということでございますが、現段階では、徹底的にやった結果を公表し、処分を行ったところでございます。」こういう答弁で、その当時も非常に厳格な調査をやったのだ、このように自信を持ってお答えになっております。
 ところが、これは、とても自信を持ってお答えになるような代物ではなかった。その後、一連の新聞報道で次々と重大な事実が明らかになり、この新聞報道などで後押しされるような状況の中で、農水省が再調査と処分を行わざるを得なかった。しかも、一度処分を行ったものを、昨年暮れ行ってきたものをもう一度ことしになって、漏れていたということでまたまた新たなものをつけ加えざるを得なかったということでは、私は、先ほどからいろいろお話を聞いておりますけれども、調査の姿勢そのものがやはり大変不十分であったのではないかというふうに思わざるを得ません。
 この調査委員長の任に当たられた局長にお伺いしますけれども、一月に訓令を受け、それで調査を始め、二月に報告書が出て、中間報告ということが出ておりますけれども、昨年の調査の段階で、実は今回発表になった、十二月と一月に発表になったような事実はつかんでいたのではありませんか。
#176
○渡辺政府参考人 二月の中間報告でありますけれども、調査の手法の点におきまして、その段階で投書などにおいて提起をされていた事実関係を中心に調査をいたしました。その結果とるべき改善措置をとったわけでありまして、今から考えれば確かに範囲が狭かったかなという気はするのでありますけれども、今回のような網羅的な調査を通じて明らかになった、百六人、農林水産省OBも含めまして百六人という調査ですが、そういう網羅的な調査を通じて明らかになった新たな事実関係については、当時把握をしておりませんでした。
 先生が議事録を引用されましたけれども、七月の二十八日の衆議院農林水産委員会でも、中川大臣から、調査委員会の当分の間の存続と、新たな事態が発生した場合には再度調査をする旨表明をしておりましたので、その後、十月に新たな事実関係が提起をされましたから、玉沢大臣から再調査の指示を受けたわけでございます。
#177
○中林委員 私は、それはおかしいというふうに思うのですね。それは、現に農水省に投書などのたぐいがあっての調査だったはずです。
 これは読売新聞の去年の十月二十一日付の報道ですけれども、農水省には一昨年三月以降、構造改善局職員と業者との癒着を告発する文書が何通も寄せられていた、問題の投書は、この構図を指摘した上で、韓国旅行に行っていた課長補佐や業者のイニシアルや具体的な接待ぶりも記していた、これを重視した調査委員会は、約一カ月をかけて職員や業者ら二十四人から聞き取りを実施したというようなことが書かれております。
 さらに、毎日新聞、ことしの一月十六日付の記事を見ますと、
  「平成十年三月四日」と記された農水省の内部文書がある。A4判で四ページ。業者との癒着がうわさになった一職員から上司が四回にわたって事情聴取し、まとめた報告書だ。
  それによると、職員は業者から講演料、原稿料、せんべつとして度々カネを受け取っていた。文書は額を伏せる。しかし「補助金配分等事業執行のプロセスで、個人が不当に介入できぬよう、審査体制を作る」とも書かれ、この職員が業者に便宜を図った可能性を示唆する。
  同省は「本人も自覚・反省している」と処分を見送った。
  「仕事のために業者の接待を受けて何の問題があるのか。相手も会社のカネで飲み食いするのに」と言ってはばからない職員もいる。それが現実だ。
  職員の一人は内部調査にこう開き直ったという。
  「私が知っていることをすべて話したら、大変なことになりますよ」。
 それから、「現代産業情報」、これは昨年の七月十五日付ですけれども、ここでは、先ほどから問題になっているイニシアル入りの名前が書いてあって、イカサマかけマージャンだとかそういうことで金が動いている事実も述べられているわけです。
 だから、私は、投書のたぐいあるいは農水省の内部文書、こういう報道があるのですけれども、具体的にお聞きしますけれども、この平成十年三月四日付の内部文書、これはありますか。
#178
○渡辺政府参考人 内部文書とおっしゃられましたが、メモ自体は存在していると承知いたしております。
#179
○中林委員 私は、こういったものを本当にすべて国民の前に明らかにしていくこと、これが一番の出発点であるというふうに思います。
 今、メモがある、このようにおっしゃっておりますので、当然当委員会に資料として提出していただきたい、このように思いますが、いかがでしょうか、委員長。
#180
○渡辺政府参考人 私は、今メモと申し上げました。それから、先生の方から幾つかの投書などがあったという御指摘もございました。平成十年当時、この農業構造改善事業に関して投書その他の問題提起があったことを踏まえまして、構造改善事業課の内部で調査を行って、その時点で整理をいたしました検討過程における非公式なメモでございます。検討段階の資料でもございますし、省や局としてオーソライズされたものではございませんので、提出をするわけにはまいりません。
 それから、今お話がありましたように、十年三月の投書以降もいろいろな情報が提供をされるという事態が続きましたので、農林水産省としてきちんとした対応をする必要があると判断をいたしまして、十一年の一月六日に訓令に基づく調査委員会を設置したわけでございます。
#181
○中林委員 内部で聞き取り調査をしたメモだから出せないというようなことをおっしゃるのだけれども、私は、本当に今回の調査というものが、そういう投書だとか風評だとかに基づいて徹底的な調査をやっていく、厳正な対応をしていくという姿勢があるならば、あの中間報告のような甘い甘い報告にはならなかったはずだと。だからこそ、そこに出ているA4判の四ページにもわたる内部文書、これは当然この委員会に提出すべきものだというふうに思います。委員長、取り計らいを願いたいと思います。
#182
○松岡委員長 ただいまの中林よし子議員の御趣旨につきましては、十分理事会で協議の上、整理をしたいと思います。
#183
○中林委員 私は、こういう事実を全部本当に表に出さないと、この中間報告での結論づけで、これらの中傷の中で、事業の採択やコンサルのあっせん等に伴い便宜供与が行われ、その一部は、公務員としてあるまじき行為に該当するのではないかという指摘があったが、関係者から聞き取り調査した範囲内では、物的証拠の提出を求めても十分な証拠は得られず、事実は確認できなかったと強引に結論づけられております。この結論が間違いであったということが今回の新たな調査でわかったわけですから、私は、大臣、こういう投書だとかメモだとかそういうものは包み隠さずこの委員会に提出して、判断するのは国民やこの国会そのものだというふうに思うのですけれども、大臣の御見解をお聞きします。
#184
○玉沢国務大臣 委員会において正しい御審議をいただくということは大事なことだと思いますが、うわさとか中傷とかの文書はこの世の中にたくさんあるわけでございます。それを一々委員会に提出をするということは正確を期さないという点もございまして、これはいかがなものかと思います。
#185
○中林委員 大臣のそういう認識では、私は本当に解明はできないというふうに思います。
 というのは、小西構造改善局総務課長が、去年の七月五日の記者会見で、農水省に寄せられた告発の投書について、大きいものは三回だ、平成九年三月、同十二月、それから平成十年三月ごろ、局長あてで、一部は雑誌「現代産業情報」にも載ったものもある、こういうふうに答えておられるわけです。つまり、大きいものは三回あったと。それに基づいた調査だったはずですよ。それであるのならば、この大きい三回というのは当然私は委員会に提出すべきものだと。どの程度たくさん投書があるのか、私、知りませんよ。そんなにあるのですか。いろいろあるとおっしゃったのだけれども、そんなにあるのならそれも出した方がいいのじゃないかと思うのですが、少なくとも、去年の七月五日の記者会見で言っておられる三回大きいものがあったとおっしゃっている投書、これは当然明らかにすべきだというふうに思います。
 あわせて、調査委員会設置の直前の時期に起こった重大な事実も報道されております。これは、九八年末に、都心のうなぎ屋で業界団体幹部と会食した構造改善局職員二人の会話がひそかに録音され、メモにつづられて農水大臣に送りつけられてきた、職員の取り込みを競う業界の思惑や省内のポスト争いが絡んだ密告合戦だった、このまま問題がキャリア組まで及ばずに済むかどうかと同局幹部は気をもむ、これも新聞報道ですけれども、こういうぐあいに載っております。
 だから私は、これは前中川大臣に送られたものだろうというふうに思いますけれども、玉沢農水大臣は、この録音メモというものはごらんになっていますか。大臣に聞いているのです、大臣に送られたものだから。
#186
○玉沢国務大臣 当該メモのかなりな部分について関係者が否定しており、その真偽については定かでないこと、当該メモの中には個人名が相当程度引用されておりプライバシーにかかわることなどから、提出することは差し控えたいと思います。
#187
○中林委員 全然聞いていることと違う答弁なんですよ。
#188
○玉沢国務大臣 メモが存在しているかどうかということでしたかな。
#189
○松岡委員長 食い違っておりますので言いますが、中川大臣のときのあてられたその投書というものを玉沢大臣も見られたかどうかということですから、否かどうか。
#190
○玉沢国務大臣 御無礼しました。その種のメモが存在していることは承知しております。
#191
○中林委員 承知しているかどうかというのじゃなくて、見たのかどうなのかと聞いているのですよ。
#192
○玉沢国務大臣 残念ながら、見ておりません。
#193
○中林委員 それで、再調査を言われ、もう一回やられて、今回のような事態になっているわけでしょう。最高責任者の大臣がこういう重大な問題、少なくともマスコミで取り上げられているような重大な問題を、存在は知っているけれども見ないなんという手はないと思いますよ。これでは厳正な処分だとか厳正な農水省の改善方向というのは出てこないというふうに思います。
 だから、重ねて私は、あの大きな三つの投書、それから前の大臣に送られたと言われている録音メモ、これをこの委員会に提出されることを求めます、委員長。
#194
○松岡委員長 その点につきましては、その扱いについて理事会で協議をしたいと思います。
 その件に関して何か答弁ありますか。渡辺構造改善局長。
#195
○渡辺政府参考人 済みません、事実関係だけ。
 大臣あてにその種のメモが送られてきたということではございません。その種のメモが存在をし、出回ったということでございます。
 それから、当然のことながら、大臣から先ほどちょっとお答え申し上げて、先生からちょっと答弁が違うとおっしゃられましたけれども、このメモについて関係者に確認を求めましたところ、内容のかなりの部分が否定をされましたし、その真偽については確認をする手だてもない、真偽は定かでないということなものですから、そういったものを、大臣にそのままあらあらのものをお見せすることが適当かどうかという私の判断で大臣にはお見せしていないわけでございます。
#196
○中林委員 私は、ここまで大きな問題になっているし、国民が注視している中で、これ以上構造改善局あるいは農水省全体で隠そう、隠そうとされるのはよくないというふうに思いますから、もう徹底的に皆国民の皆さんに見ていただきたいという形で問題に対処していただきたいというふうに思います。
 調査委員会の設定が九九年の一月六日の訓令によってですけれども、最終の投書からいえば、調査委員会の設置まで約十カ月間間があいているわけですね。この間、一体、農水省は何をされていたのでしょうか。
#197
○渡辺政府参考人 今三つの投書などとおっしゃられました。十年三月の投書以降、構造改善事業課を中心に内部において事実関係を調査するとともに、改善措置の検討を行ってきたものでございます。しかしながら、その後もこの問題について情報が提供されるという事態が続きましたので、農林水産省としてきちんとした対応をする必要があると判断をいたしまして、平成十一年一月六日に大臣訓令に基づく調査委員会を設置したものでございます。
#198
○中林委員 既に内部調査が始まっていたということのようですけれども、私どもは、本来これだけ重要な問題ならば、あの十カ月間の空白時間というのはやはりどうしても納得がいかない。ある報道によると、時効を考えていたのではないかというような話まで出てきているわけですので、その点は、局長が内部でやっていたとおっしゃるならば、それはまた後ほどの論議にしたいというふうに思います。
 今回、疑惑の中身なんですけれども、私、ずっと聞いていて、やはり非常に奇異に感じたのは、倫理規程に違反している、もうそれのみで済ませる、そういうような感じに受けられて仕方ないわけです。癒着という意味まで問いただすこともありました。私は、現在明らかになったような事実を見ると、これは、倫理規程違反、それで済まされるような軽い問題ではないというふうに思うわけですけれども、この点についての大臣の御見解を聞きたいと思います。
#199
○玉沢国務大臣 調査には時間をかけまして、それぞれの職員の自己申告に基づきまして厳正に行ったわけでございまして、強制権限等がない中でできるだけの事実が明らかになった、それに基づいて処分を行ったわけでございます。
 そして、仮にそれ以上の問題が生じた場合におきましては、これは農林水産省が扱う問題ではなく、それなりの機関が扱うものと考えておるわけでございます。我々としましては、職員の倫理規程に基づいてこの事実を究明した、こういうことでございます。
#200
○中林委員 それならば、例えば、便宜供与に関して収賄罪に値するような問題は農水省では扱わない、こういうことですか、大臣。
#201
○玉沢国務大臣 私どもは司法機関ではないわけです。
#202
○中林委員 それでは、農水省の予算にかかわり、そして事業にかかわる者の中に、いろいろな癒着の問題、不正問題があったということを倫理規程だけで済ます。私は、もっと農水省自身がそこのところをえぐって、本来ならば、刑事問題にもなりかねないような問題もあるという認識に立っていくならば、こういう甘い処分で終わらなかったはずだろうというふうに思うわけですよ。今の大臣の発言は大変問題があるということを指摘しておきたいと思います。
 そこで、倫理規程の違反だけの問題ではなくて、本当に便宜供与があったと言われるような事実が次々に明らかになっております。新聞報道に基づくものですけれども、少し事例を挙げていきたいというふうに思います。
 班長行政と言われているわけですけれども、これは課長補佐の問題です。接待問題に関する農水省の内部報告書にはこう記されていた。別の職員は、実力のある班長、これは課長補佐ですけれども、公益法人が受注した事業をそのまま丸投げする業者も選別していた、業者はこうした力のある班長に近づき、それが接待と結びついている、こういう証言をしております。
 それから、接待するということは、仕事をとるために必要だった、役人から情報をとるためにOB一人を受け入れれば年間一千万円かかる、それを年五百万円の接待で済ませただけだ、こういう報道もあります。
 まさに補助金、二分の一の補助をするような構造改善事業にこういう癒着構図が出されております。挙げれば切りがありませんけれども、これはある業者の話ですが、会社が不況下で経費節約のため接待をやめたところ、業務の受注はたちまち半減した、こういうことを証言して、接待の効果がこれほど大きいのかと驚いたと言っているわけですね。
 だから、職務に関して業者から接待を受けて、当該事業に便宜を図った、まさに収賄罪にも匹敵するような問題ではないか、こういうふうに思うわけですけれども、大臣、いかがでしょうか。
#203
○玉沢国務大臣 調査は幅広く行ったわけでございまして、必ずしもそれが収賄罪につながったものであるかどうかということについては、先ほど来申し上げておりますように、そういう事実はなかった、こういう報告を受けておるわけであります。
#204
○中林委員 問題は、ただ農水省の倫理規程に違反した、公務員倫理規程に違反した、そこをもう逸脱しているじゃないか、いわば、職務権限が及ぶようなところの便宜が図られているという事実がいろいろ指摘されているんですから、もっとそういうところまでしっかりした調査が必要ではないか。私はその決意を大臣から聞きたかったということなんですけれども、どうもその辺は、もう農水省には関係ないんだというようなことをおっしゃっていて、これは甚だ遺憾だということを指摘しておきたいと思います。
 こうした癒着の中で行われる構造改善事業、一体どういう事業だったのか。先ほど、いい成果が上がりましたと局長は報告しておられましたけれども、私はここに非常に大きな問題があるというふうに思います。
 この中身に入る前に確認しておきますけれども、農水省の天下りの公益法人が請け負うコンサルタント業務について、異常な実態というのはもう明らかになっているんですが、今回の、コンサルタント業務の見直しと業務発注の透明化を図るという方向の中で、ずっとそこに籍を置いていないような出向契約については行わないと言っているんですけれども、いかにその出向契約というものが人数が多かったか、癒着がひどかったかということを明らかにするために、ぜひ局長、このコンサル業務に係る所属別短期出向状況、今までは何社ぐらいあったのか、平成十年度で結構でございますので、農林漁業体験協会とふるさと情報センター、この二つについて数をお答えいただき、そして、今後は一切それがないということなのかということを確認させていただきたいというふうに思います。
#205
○渡辺政府参考人 ただいま、十年という数字でございますので、まず、財団法人農林漁業体験協会ですが、平成十年度は、十八社、二十六名が出向契約を結んでおります。財団法人ふるさと情報センターは、平成十年度、十七社九十二名となっております。
 もちろん、出向そのものは、全国的な情報を持つ公益法人と専門的知見を有する民間コンサルタントの共同活動ということで、効果的なコンサルタント活動が可能になることは考えられるわけでございますけれども、この業務につきましては、調査委員会の報告書に基づきまして、真にやむを得ない場合を除きまして各公益法人みずからがやることを基本とする、それから、この公益法人への出向につきましても、法人の長の指揮下に法人内で活動する者を除き行わないということにしたいと考えております。
#206
○中林委員 では、この構造改善事業の中身に入りますが、平成九年九月に、総務庁行政監察局の方から行政監察結果報告書というのが出ております。この報告書を見ると、かなりの問題が指摘をされております。
 もう時間がありませんので逐一言えませんけれども、例えば、長野のある地区では、農村景観活用交流施設というものがつくられたんだけれども、本施設は会議室の名目で整備されたものであるが、実際には温泉施設のパンフレットにおいて同温泉の宴会場、休憩所として紹介されており、このような利用が相当多いものと見受けられるという指摘がございます。
 また、北海道の、これは同じように農林漁業体験実習館というものの施設ですけれども、同センターのパンフレットには、百二十名まで使用できる宴会場として紹介されて、そういう利用が非常に多かったというふうに紹介をしております。
 さらに、岐阜県のあるところでは、構造改善センターというところで、利用目的のところが、本来の目的のためには余り使われなくて、書道教室、カラオケ、民謡教室、こういうものが全体の約八割近くを占めていたというような報告がずうっと、六十二件ですか、構造改善事業にかかわる監査の報告が出ているわけですね。
 私は本当に、こういうものが不必要だとは、全面否定はいたしません。しかし、本来の役割からかなりそれているということであるならば、これはやはり構造改善事業そのものの目的に沿った中身に見直す必要があるという点が一点です。
 それからもう一つは、非公共だということを盛んにおっしゃるわけですけれども、それならば、公共事業の方、土地改良事業だとか、そこについてもやはりメスを入れないと、もっと深い癒着があるのではないかというふうに思えてならないわけですから、今回の構造改善事業のこの教訓から得て、土地改良事業だとかそういう公共部門のところにもメスを入れる、その決意を大臣からぜひお聞きしたいと思います。
#207
○玉沢国務大臣 このたび新たな基本法が制定されたことに伴いまして、農業構造改善事業を抜本的に見直し、地域農業の担い手となる経営体の育成と地域農業の変革を目的とした新たな対策として経営構造対策を創設することといたしております。
 従来の農業構造改善事業におきましては、便利な施設整備の点のみが強く意識される傾向がありましたが、新たな経営構造対策におきましては、経営体の育成を目的として集中的に事業を行うこととしております。
 このため、経営体育成に直結するメニューに限定するとともに、経営体育成に関する数値目標を掲げ、計画に基づき進行管理、評価を行うこととし、加えて、過剰と思われがちな施設整備を防止するため、施設別に上限コストを設定することといたしております。
 これらにより、より効果的で透明性の高い事業執行に努めてまいりたいと考えております。
 公共事業も、全く同じ考えで取り組んでまいりたいと思います。
#208
○中林委員 終わります。
#209
○松岡委員長 次に、保坂展人君。
#210
○保坂委員 社会民主党の保坂展人です。
 まず、私、時間が限られておりますので、大臣に端的に伺いたいんですが、構造改善局の次長だった森田前次長が、これは報道によると、部長に昇進した際に、地方自治体の有力者から数百万円のお祝い金が贈られた、こうした自治体との極めて密接な関係、植木をもらったり、旅行に招かれたり、橋に名前が刻まれていたり、こういうことが指摘されておりました。突然やめられたわけです。
 このやめられたということは、こうした前次長の行動と今回の一連の不祥事等々の関係を含め、いわばやめられたということだったのか。つまり、そういった問題と関連があったのかなかったのか。これだけ端的に大臣に伺いたいと思います。
#211
○玉沢国務大臣 一月十二日付の構造改善局次長に係る人事は、次長に就任以来一年半になること、省庁再編に伴い、来年一月には新しい農林水産省として大幅な組織再編が予定されていることといった一つの節目において、組織の新陳代謝による活性化を図ったものでございます。
#212
○保坂委員 そうすると、大臣、一月十四日付の読売新聞が、植木、旅行の農水前局次長、不問が一転して最後は注意だった、高木次官が、国民の誤解を招きかねない行為だったと異例の口頭注意をしたという新聞記事があるんですね。これは事実ですか。大臣に答えてもらいます。
#213
○玉沢国務大臣 注意をしたのは事実であります。
#214
○保坂委員 注意をしたということは、問題があったということと理解してよろしいですか。
#215
○玉沢国務大臣 農林水産省の職員倫理規程の違反ではないのでありますが、国民の目線から見て誤解を招きかねない面があったことから、事務次官が前次長を呼んで注意を喚起したところであると聞いております。
#216
○保坂委員 それでは、ここから先は局長の方に伺いますが、かなり細かい点も伺いたいと思います。
 この自治体とは群馬県の新治村ですね。燦々橋、さんさんと輝くという意味でしょうか、この橋に、鈴木和雄村長と森田昌史次長のお二人の名前が石碑になって刻まれているんです。こんな橋があるんですね。そして、開通記念の式典が約八百万円かけて行われた。このうち五百四十一万円が何と土地改良事業費で支払われているそうですね。七十二万円が記念品、設営業務委託料が四百六十九万円。これは村の決算にもあったようです。
 こういう事実を確認していますか。今の、石碑は有名だから確認しませんけれども、その八百万円の記念式典のうち、土地改良事業費で五百四十一万円も出しちゃった、こんなことがあっていいんですか。
#217
○渡辺政府参考人 名前が刻まれていた問題につきましては……(保坂委員「それは聞いてない」と呼ぶ)ええ。前次長の本意ではなく、村長が村長の判断として行ったということでございます。
 それから、式典の費用は、ちょっと数字が一致をいたしませんけれども、パーティー代について村費を支出したということと聞いております。
#218
○保坂委員 だから、村の決算を見ると、土地改良事業費から五百四十一万支出になっているんです。もう一個、ライトアップというのがあって、橋をライトアップしちゃう。七百五十万かけている。知っていますか。
#219
○渡辺政府参考人 村の会計上どういう費目に分けるかというのは、その村々によって違います、大ぐくりしたり小さくしたりすることがありますから。
 私どもは、これはあくまでも村費の中からパーティー費用をその項目に計上したというふうに聞いておりまして、例えば私どもの補助金がそこに流用されたというふうなものではないというふうに聞いております。
#220
○保坂委員 聞いてないじゃなくて、こっちは書類があるんだから、いいかげんなことを言ってもらっちゃ困るんですね。
 問題は、一番最初、冒頭言いましたけれども、もう既にこの地を離れて久しい方が部長に昇進された際に、数百万円単位のお祝い金が集められたという指摘があるんですね。
 それと、この地域に大型公共土木工事が集中しているわけです。例えば一点挙げますと、合瀬橋という橋があるそうです。これは局長に伺いますけれども、総工費三十四億円だ、受益者は数世帯。もちろん数世帯だからだめだと言っているんじゃないですよ。その橋がなければ命にかかわるというのなら問題は別です。しかし、回り道して行けば行けるわけです。そうやって三十四億円の橋をつくる。しかも、畜産基地事業ですね。これはその集落に一軒だけ養鶏家があるそうです。集落地といっても数世帯、そこに二億円以上の債務保証を村がしている。これはやはり過剰な投資じゃないですか。
#221
○渡辺政府参考人 恐縮ですが、村の農業振興全部を農林水産省がやっているわけじゃございません。
 それでまず、一部の報道でお祝い金の話が出ましたが、これは全く事実無根でありまして、報道を行った新聞社に厳重に抗議を申し入れました。
 それから、二つ目の御指摘の合瀬橋ですが、これは御存じだと思いますけれども、いわゆる地方単独事業でございまして、農林水産省の補助事業ではございません。もう少し常識的に言えば、自治省の関連する事業でございます。
#222
○保坂委員 これはもう枚挙にいとまがないんですね。構造改善事業の中で、例えば太助の郷だとかフィッシングパーク等々いろいろつくられている中で、一点、村営住宅についてもちょっと伺いたいんです。
 土地改良事業の非農地で、砂利を採掘した後村営住宅をつくる、こういうことになっているようですけれども、私が聞いているところによりますと、二メートルぐらいの採掘をしてその上につくるというはずが、それ以上採掘をしたという指摘が住民の方から上がっているんですね、かなり深く掘ったんではないかということで、堤防が傾いてきたり、ゆがんだという現象も起こっていると。このことについて、きのう質問予告をしてあるので、知らないとは言えないと思うので、答えてください。
#223
○渡辺政府参考人 要するに、この砂利の採掘は、土地改良総合整備事業の中で非農用地を創出するという手法の一つとしてやられたというふうに聞いております。
 砂利をとること自身は、例えば砂利採取法に基づいて……(保坂委員「二メートル以上掘ったかどうか」と呼ぶ)それは、群馬県のこの地域での砂利採取の基準は五メーターまでやれるわけです。それで、二メーターというのは、多分組合とその砂利採取業者との間の契約なんだろうと思いますけれども、それは契約に従ってそれぞれきちんと行われる。そして、砂利採取については、この河川の管理をする当該地域の管理者である群馬県が立ち会いをして、確認をした上で、その上に土砂を覆土しているというのが実情でございます。
#224
○保坂委員 ちゃんと正面から答えてほしいんですね。
 要するに、二メートルという範囲で掘ったのか、あるいはそれ以上、採掘すれば売れますよね、この砂利は。これは事実として確認しているかどうか、これだけイエスかノーで答えてください。確認してないなら確認してないでいい。
#225
○渡辺政府参考人 県からの事情聴取では、実績は一・八メートルと聞いております。
#226
○保坂委員 それでは、堤防が傾いたなど住民の不安があるんなら、ボーリング調査をしたらどうですか。
#227
○渡辺政府参考人 恐縮でございますが、この事業は県営事業でございます。したがって、その事業を行うのが県でございますから、安全の問題、各種法令との調整の問題、それは県が全責任を持って調整をし、実行するというのが建前でございますし、地方分権の時代でございますので、そこまで国が全部口を出すのはいささかどうかと考えております。
#228
○保坂委員 今るるこの問題を聞いたのは、これは一・八メートルと聞いているけれども、確認はしてないということを今ここで確認しているわけですね。
 では、もう一回戻ります。植木をもらった件について、前次長は、大体もらったものを計算して十数万円で、費用を渡しているので問題はない、こういうふうに言っているというのは間違いないですか。
#229
○渡辺政府参考人 お金を払ったから問題がないということを言っているわけではなくて、要するに、個人的、友人的関係の中からのこういった行為であったので倫理規程には触れない、しかし、やはりお金は払った方が適切であろうと彼が判断をして代価を、言ってみると世間一般の相場といいますか、それを参考にしながらお支払いをしたというふうに承知しております。
#230
○保坂委員 ところが、この役場の中で、植木代として四十万円支払うということで、職員がこれを持ち歩いていたという証言があります。これについて調査をされましたか。つまり、十数万円というふうに前次長が積算して払ったものが少なかったかもしれない。どうですか。
#231
○渡辺政府参考人 本件に関しましては、植木の送り手である村長、それから受け手である前次長から事情を聴取いたしました。今先生が御指摘の件は、私は、事実ではないという指摘でございますので、その点を事改めて調査をすることはいたしておりません。
#232
○保坂委員 大臣に伺います。
 大臣、非常に細かく聞きましたけれども、やはり国民の疑惑を大きく招きかねない。村長個人と次長との関係だと言ったって、橋に名前は刻まれているわ、公費でパーティーはやるわ、さまざまな疑惑があるわけですよ、植木の問題についても。そして、高木次官は注意までされているわけです。こういうことはやはり再調査されてはいかがでしょうか。
#233
○玉沢国務大臣 十分調査をしたと私は承っておるわけでございます。今後、しかしながら、いろいろな点が指摘されるというのであるならば、それは調査をするのにやぶさかではないとは思いますが、私の方への報告では、一応、個人的な関係で行った、誤解を生んだところはありますが、その点は注意をした、こういうふうに報告を聞いております。
#234
○保坂委員 大臣、今の一番最初の局長の答弁の中で、八百万円のうち五百四十一万円の支出について、これは村の支出でありますけれども、土地改良事業費で支払われたという記録が手元にあるんですね。土地改良事業費で五百四十一万円の支出です。七十二万円は記念品で、その他がテントをつくったり、そういう設営費だ。こういうこともやはりチェックされるべきじゃないかという指摘をしたんですが、この点についてはいかがですか。もう局長は聞いたので、大臣の印象だけです。
#235
○松岡委員長 では、まず事実関係から。渡辺構造改善局長。
#236
○渡辺政府参考人 恐縮ですが、国の補助事業費、それから、それの裏負担ということとは別に、パーティーの費用を村費の中から出した、その結果、それの計上を、これが適切かどうかは私、わかりませんが、土地改良費という費目に整理をしたということになりますと、はてこれが私どもの補助事業の遂行の上でまずいことなのかどうか、ちょっとなかなか判断し得ない問題でございます。
#237
○保坂委員 それでは、これは重大だというふうに指摘をして、大臣も新たな事実が出てくれば調査をするという姿勢を示されたので、出向の問題に移ります。
 きょうの毎日新聞でも触れられていましたけれども、ふるさと情報センター、これは、私に出してもらった資料、実態なき出向者というのは私、初めてのいわばイメージで、座席を有さない出向者というのは果たしてどういうことなのかときのういろいろ聞いて、会社には来ないでまさに自分の会社で仕事をしている人だということがようやくわかったんですが、ふるさと情報センターには平成九年に百二十八人、平成十年に九十二人の実態なき出向者がいたというデータをいただいています。
 ところが、これは突き合わせてみますと、読売新聞社、近畿日本ツーリスト、協同宣伝の三社は実態があったという、つまり、実態なき出向者のリストに入っていないんですが、この三社は席を有して仕事をしていたというふうに理解していいんですか。簡単に答えてください。
#238
○渡辺政府参考人 そのとおりでございます。
#239
○保坂委員 それで、突き合わせをしてみてちょっと驚いたんですが、このふるさと情報センター、ここに何と全国農業構造改善協会、日本農村情報システム協会、農林漁業体験協会、林政総合調査研究所、公益法人が四つ入っているんですね、これは実態なき幽霊出向者で。平成九年が十八人、平成十年が十一人。一体、これはどういうことですか。公益法人がどうして出てくるわけですか。
#240
○渡辺政府参考人 団体の経緯からいいますと、構造改善協会というのは非常に古い協会でして、かなり自分でいろいろな調査をしたりする実力もありますし、そのノウハウ、それから蓄積もあるわけです。したがって、ふるさと情報センターは比較的後発なものですから、村のビジョンなんかをつくるときに、構造改善協会に事業の一部を助けてもらう、手伝ってもらうということで、長い間そういった実態があったわけです。
 しかし、この点につきましては、やはり私どもは公益法人間の外部発注というのは望ましくないだろうということで、今後はやらないということに、既に十一年度から実施をいたしているところでございます。
#241
○保坂委員 民主党の安住議員の資料要求に対して、出向している会社名と書いているのは、ちゃんと公益法人と書いたらいいじゃないですか。何で書かないんですか。書いていないでしょう。正確に書きなさい。
#242
○渡辺政府参考人 出向元の民間企業、団体名という書き方をした資料もございまして、特段その点を隠すつもりはございませんし、現にその点を十分認識をして平成十一年度からやめているわけでございます。
#243
○保坂委員 それでは、玉沢大臣、もう一点だけお聞きします。
 同僚議員からの指摘もありましたけれども、去年のこの中間報告書、大変奇異に私ども感じます。各省庁の不祥事の後、いろいろな反省によって出された文書が多々ございました。しかし、そのたぐいの文書と比べても大変奇異なのは、内部の対立は行政の遂行上問題だと書いていることなんですね。内部対立があったからこそ、その内部に相反する利害の関係者がいたからこそ、いわばこの実態がわかったわけですね、不祥事が。
 ですから、こういった報告で、行政のトータルな遂行のためには内部対立はやっちゃいかぬみたいなことを書いちゃいけないんじゃないかと思うんです。むしろ、勇気を持って諸君は内部告発をしたまえ、こういうふうに、大臣、示していただけないですか。
#244
○玉沢国務大臣 仕事をするに当たりましては、みんなで協力して、団結して、しっかりやるということが大事でありまして、内部告発それ自体を否定するものではありませんが、それよりは、行政の調査手法として、国家公務員としての自覚に基づく自己申告による調査を基本としつつ、できる限りの調査を行い、これを踏まえて厳正な処分を行ったところでありまして、処分すべきものは厳正に処分し、改善すべきものは改善する、こういう観点に立って、二度とこのようなことが起こることのないよう全省挙げて綱紀の粛正と事業実施の改善に取り組んでまいりたいと考えております。
#245
○保坂委員 今の内部告発の問題なんですが、一般的に、内部で争っているのはよくないですよ。しかし、国民の疑惑を招きかねないということで処分も出しているわけです。その契機を、端緒をつくったこういった一連の投書、動機やその目的はともあれ、こういう投書あるいは指摘に対して、大臣、感謝されたらどうです、これは勇気ある告発だったと。要するに、腐っている部分、表に出せない部分にこうやってメスが入りつつあるわけですから、こういう証言をいただいたことはよかったというふうにお感じですか、どうです。それだけちょっと一言言ってください。
#246
○玉沢国務大臣 これはなかなか難しい問題でございます。やはり、厳正に処置をするという趣旨でやったわけでございますが、それぞれが自分たちの考え方を通すためにやってきたところもあるわけでしょう、動機が不純であると。しかし、私は、これが一つの契機になったことは認めますが、感謝することはしません。
#247
○保坂委員 大臣がそういう姿勢では、私はここで、不純な動機じゃいかぬけれども、正当な動機をもって内部告発をどんどんやれ、農水省の職員が信頼回復をかち取るためにどんどん内部告発しろ、こう檄を放ってくださいよ、こうお願いをして終わります。
#248
○松岡委員長 これにて質疑は終了いたしました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時九分散会

ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト