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2000/02/17 第147回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第147回国会 農林水産委員会 第2号
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2000/02/17 第147回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第147回国会 農林水産委員会 第2号

#1
第147回国会 農林水産委員会 第2号
平成十二年二月十七日(木曜日)
    午後零時十分開議
 出席委員
   委員長 松岡 利勝君
   理事 岸本 光造君 理事 松下 忠洋君
   理事 宮本 一三君 理事 小平 忠正君
   理事 鉢呂 吉雄君 理事 宮地 正介君
   理事 一川 保夫君
      赤城 徳彦君    大石 秀政君
      河井 克行君    木村 太郎君
      北村 直人君    熊谷 市雄君
      栗原 博久君    塩谷  立君
      園田 修光君    林  幹雄君
      宮島 大典君    矢上 雅義君
      谷津 義男君    安住  淳君
      石井 紘基君    石橋 大吉君
      佐藤謙一郎君    漆原 良夫君
      井上 喜一君    佐々木洋平君
      菅原喜重郎君    中林よし子君
      藤田 スミ君
    …………………………………
   農林水産大臣       玉沢徳一郎君
   農林水産政務次官     谷津 義男君
   農林水産政務次官     金田 勝年君
   農林水産委員会専門員   外山 文雄君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月十日
 委員前島秀行君が死去された。
同月十七日
 辞任         補欠選任
  稲葉 大和君     林  幹雄君
  木部 佳昭君     大石 秀政君
  二田 孝治君     宮島 大典君
  木幡 弘道君     石井 紘基君
同日
 辞任         補欠選任
  大石 秀政君     木部 佳昭君
  林  幹雄君     稲葉 大和君
  宮島 大典君     二田 孝治君
  石井 紘基君     木幡 弘道君
    ―――――――――――――
二月四日
 遺伝子組換え作物の表示と見直しに関する請願(山本譲司君紹介)(第一五五号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 農林水産業の振興に関する件(農林水産業の基本施策)

    午後零時十分開議
     ――――◇―――――
#2
○松岡委員長 これより会議を開きます。
 この際、御報告申し上げます。
 多年にわたり本委員会の委員として御活躍されておりました前島秀行君が、去る十日、逝去されました。まことに哀悼痛惜の念にたえません。
 ここに、委員各位とともに故前島秀行君の御冥福を祈り、謹んで黙祷をささげたいと存じます。
 御起立をお願いいたします。――黙祷。
    〔総員起立、黙祷〕
#3
○松岡委員長 黙祷を終わります。御着席願います。
     ――――◇―――――
#4
○松岡委員長 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。
 この際、玉沢農林水産大臣から、農林水産業の基本施策について発言を求められておりますので、これを許します。農林水産大臣玉沢徳一郎君。
#5
○玉沢国務大臣 農林水産委員会の開催に当たりまして、私の所信の一端を申し述べさせていただきます。
 農林水産業と農山漁村は、食料の安定供給はもとより、国土、自然環境の保全、良好な景観の形成、文化の伝承等の多面的な機能を有しております。その中でも、人間の生存に不可欠であり、そして健康で充実した生活の基礎となる食料を安定的に供給することは、国が果たすべき基本的な責務であります。
 こうした役割を担う農林水産業と農山漁村について、消費者との共生という考えのもとに、その健全な発展を図ることは、将来にわたり国民が安心して暮らせる豊かな社会を築いていくために不可欠なことであると確信しております。
 このため、二十一世紀における我が国農林水産業及び農山漁村が、希望にあふれ、活力に満ちたものとなるよう、各般の施策を積極的に展開してまいります。
 まず、食料・農業・農村施策についてでありますが、昨年七月十六日に施行された食料・農業・農村基本法は、二十一世紀における政策の基本指針となるものであり、今後、これに即した施策の具体化を着実に進めていくことが我々に課せられた使命であると考えます。
 とりわけ、食料・農業・農村基本計画は、基本法に掲げられた新たな理念や施策の基本方向を具体化し、それを的確に実施していくための計画として重要な位置づけを有するものであります。この中で、食料自給率の目標や総合的かつ計画的に講ずべき施策等を定めることとしており、食料・農業・農村政策審議会の御意見を踏まえながらその検討を急ぎ、本年度中に策定する考えであります。
 平成十二年度における食料・農業・農村施策といたしましては、以下に述べる施策を着実に推進していく考えであります。
 第一に、食料の安定供給の確保に関する施策であります。
 昨年十月末に取りまとめた水田を中心とした土地利用型農業活性化対策大綱に基づき、我が国農業の基幹である水田農業の活性化と食料自給率の向上を図る観点から、従来の米の生産調整対策を抜本的に見直し、需要に応じて米の計画的生産を推進するとともに、水田における麦、大豆、飼料作物等を積極的に生産することを柱とする総合的施策を講じてまいります。
 また、食料の安全性や品質に関して消費者の関心が高まっていること等を踏まえ、生産から消費に至る各段階において食料の安全性の確保や品質の改善を図るとともに、消費者の合理的な選択に資するよう、遺伝子組み換え食品を含む食品の表示・規格制度の充実強化を図ってまいります。
 さらに、望ましい食料消費の実現に資するよう、健全な食生活に関する指針を策定するとともに、必要な情報提供や啓発活動を積極的に展開してまいります。
 食料の安定供給に重要な役割を果たしている食品産業につきましては、その経営体質の強化を図るとともに、農業との連携の強化、環境問題への取り組み等を積極的に推進してまいります。
 このほか、世界の食料需給の安定に資するため、国際協力の推進に努めてまいります。
 第二に、農業の持続的な発展に関する施策であります。
 経営意欲にあふれる農業者が創意工夫を生かした農業を展開できるよう、担い手となる経営体の育成に資する施設整備等を総合的に行う新たな経営構造対策を創設するなど、経営施策の充実を図ってまいります。また、幅広い担い手を確保し、足腰の強い農業経営の展開を図るため、法人化を一層推進することとし、株式会社形態の導入を含む農業生産法人の要件の見直し等の取り組みを推進してまいります。
 また、我が国の農業経営を担う多様な人材を確保し、育成するため、他産業からの転職や農業外からの新規参入を含めた新規就農者等に対する支援の充実を図ってまいります。
 さらに、農地の確保及び有効利用を図るため、農業振興地域制度の円滑な運用を通じた計画的な土地利用の推進、担い手に対する農地の利用集積の促進を図るとともに、生産性の向上を促進する観点から、農地の区画の拡大、水田の汎用化、かんがい排水施設の整備など農業生産基盤の整備を環境との調和に配慮しつつ推進してまいります。
 生産性の向上等を図る上で重要な役割を果たす技術開発につきましては、麦の高品質品種の育成や大豆の省力生産技術の開発など現場を支える技術の開発や、我が国が世界をリードする取り組みを行っているイネゲノム研究を初め、バイオテクノロジー等の革新的技術の開発を積極的に推進をしてまいります。
 また、消費者ニーズに即した農業生産を推進するため、市場の評価や需給事情を適切に反映した価格が形成されるよう価格政策を見直すとともに、価格の著しい変動が担い手の経営に与える影響を緩和するための経営安定対策を講じてまいります。
 さらに、農業が本来有する自然循環機能が十分に発揮されるよう、土づくりを基本として化学肥料や農薬の使用の低減を図る生産方式の導入を促進するとともに、家畜排せつ物の管理の適正化と利用の促進等を図ってまいります。
 第三は、農村の振興に関する施策であります。
 農業者を含む地域住民の生活の場である農村が、豊かで住みよいものとなるよう農業生産基盤と生活基盤の総合的な整備、農業その他の産業の振興など、農村の総合的な振興のための施策を講じてまいります。また、農業・農村に対する国民の理解の増進等を図るため、グリーンツーリズムの普及、定着等を通じ、都市と農村の交流を促進してまいります。
 さらに、高齢化、少子化が進行する中で、農村の高齢者が生きがいを持って行う農業に関する活動や、農協による介護活動の強化等への支援を行うとともに、若い世代が喜びと生きがいを持って子供を生み育てることができ、女性が多様な活動に参加しやすい環境づくりを行い、魅力ある農村づくりを推進してまいります。
 地理的条件が悪く、農業の生産条件が不利な中山間地域等につきましては、冷涼な気候や標高差など地域の特徴を生かした新規作物の導入による農業の振興を図るとともに、生活環境の整備を通じた定住の促進等を図ってまいります。また、耕作放棄の発生を防止し、多面的機能を確保する観点から、直接支払い制度を導入し、その適切かつ円滑な実施を図ってまいります。
 次に、森林・林業・木材産業に関する施策について申し上げます。
 森林は、木材の供給を初め、国土、環境の保全、地球温暖化の防止など、国民生活にとってかけがえのない重要な役割を果たしております。また、森林は再生産可能な資源であり、その積極的活用を図ることは、循環型社会の構築に資するものであると考えます。しかし、近年、森林の管理水準が低下し、その多様な機能の発揮に支障が生じることが懸念されております。
 このため、緊急かつ計画的な間伐の実施など、多様な機能の発揮のための森林整備を推進するとともに、引き続き国有林野事業の抜本的改革に取り組んでまいります。
 また、昨年七月に取りまとめられた森林・林業・木材産業基本政策検討会の報告等を踏まえ、政策の基本的な考え方を、木材生産を主体としたもから、森林の多様な機能を持続的に発揮することを主体としたものに転換することとして、検討すべき課題の整理を行い、その具体化に向けた検討を進めているところであります。今後、広く国民の意見を聞きつつ、平成十二年中を目途に、基本法制のあり方を含む政策大綱等を取りまとめることとしております。
 次に、水産施策について申し上げます。
 我が国の水産業につきましては、本格的な二百海里時代を迎えたところであり、新たな海洋秩序にふさわしい基本政策の確立が必要となっております。このため、昨年十二月には、その具体的内容と実施手順を、水産基本政策大綱及び改革プログラムとして取りまとめたところであります。
 これを受けて、今後、基本法案の策定を初め施策の具体化の段階に入ることになりますが、この政策の改革が国民全体の十分な理解のもとに円滑に推進されるよう、万全を期してまいります。
 また、大綱に示された施策の方向に沿って、我が国周辺水域における資源管理施策の強化、漁業経営の改善と担い手対策の充実、流通・加工・消費対策の強化、漁村の振興と水産基盤整備の推進等各般の施策を講じてまいります。
 日韓、日中との漁業協定についてでありますが、韓国との間におきましては、新しい日韓漁業協定が昨年発効し、年末には、暫定水域の資源保護等の措置を新たに合意するとともに、本年の操業条件についても合意に達し、国連海洋法条約の趣旨を踏まえ、互いに資源管理に配慮した操業秩序が定着しつつあります。しかしながら、中国との間の新しい漁業協定につきましては、署名から既に二年以上が経過しているにもかかわらず、発効しておりません。政府といたしましては、韓国の場合と同様に、新たな資源管理の枠組みを実現するため、新協定の早期発効に向けて全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、WTO交渉への取り組みについて申し上げます。
 昨年末行われたシアトル閣僚会議は議論を凍結することとなりましたが、我が国としましては、包括交渉の早期立ち上げに向けて引き続き努力してまいる考えであります。
 農業分野につきましては、農業協定上、第二十条に基づき本年から交渉が開始されることとなっております。農業交渉の具体的な取り進め方につきましてはこれからの話し合いになりますが、この交渉におきましては、食料安全保障、環境の保護の必要などの非貿易的関心事項、すなわち農業の多面的機能への配慮、輸出入国間の不公平の是正が図られ、いずれの国にとっても公平で、かつ各国の農業が共存できる国際規律の確立が図られるよう、全力を尽くす考えであります。
 このため、我が国と立場を同じくする国々との連携を強化しつつ、農産物の輸出国や途上国とも積極的に意見交換を行い、我が国の考え方に対する理解が諸外国の間にさらに浸透するよう努めてまいります。
 また、林野、水産分野につきましては、引き続き、地球規模の環境問題や資源の持続的な利用といった観点を踏まえることが貿易問題を考える上で重要であるとの立場から、適切に対処していきたいと考えております。
 なお、今後の農林水産省の組織のあり方につきましては、中央省庁等改革の一環として、新たな農林水産施策の展開方向に的確に対応できる体制へと抜本的に再編することとしております。
 以上のような農林水産施策を展開するため、平成十二年度の農林水産予算の編成に際しましては、十分に意を用いたところであります。
 また、施策の展開に必要な法制の整備につきましては、今後、御審議をよろしくお願いを申し上げます。
 以上、所信の一端を申し上げました。
 委員各位におかれましては、農林水産行政の推進のため、今後とも一層の御支援、御協力を賜りますよう、切にお願いを申し上げます。
 ありがとうございます。(拍手)
#6
○松岡委員長 次に、平成十二年度農林水産関係予算について説明を聴取いたします。農林水産政務次官谷津義男君。
#7
○谷津政務次官 平成十二年度農林水産予算の概要を御説明申し上げます。
 平成十二年度一般会計予算における農林水産予算の額は、関係省庁計上分を含めて、三兆四千二百八十一億円となっております。その内訳は、公共事業費が一兆七千六百四十八億円、非公共事業のうちの一般事業費が一兆四千三百九十四億円、主要食料関係費が二千二百三十九億円となっております。
 平成十二年度の農林水産予算は、食料・農業・農村基本法が昨年七月に成立したことを受けた最初の予算編成であること等を踏まえ、従来の予算全体について、地域のニーズ、事業の効果等を勘案しつつ、徹底的な見直しを行い、新たな政策展開に即して予算の一層の重点化、効率化を行って編成いたしました。
 以下、予算の重点事項について御説明いたします。
 第一は、新基本法に即した農政改革の推進であります。
 食料の安定供給の確保、農業の持続的な発展及び農村の振興といった新基本法の基本的な理念に即した政策展開を図ってまいります。
 食料の安定供給の確保関係では、まず、従来の米の生産調整対策を抜本的に見直し、需要に応じた米の計画的生産の推進と水田における麦・大豆等の積極的な生産を行うための水田農業経営確立対策を創設するとともに、既存の生産振興対策についても、麦・大豆・飼料作物対策に重点化するなど、土地利用型農業の活性化対策を抜本的に強化してまいります。
 また、食べ残し等の食品のむだの削減や栄養バランスの改善に重点を置いた食生活の改善運動を推進するとともに、食品産業の競争力を強化するため、食品産業の技術開発に対する支援の充実等を図ってまいります。
 次に、農業の持続的な発展関係では、まず、農業生産基盤整備について、麦・大豆等の生産の定着、拡大や、農業水利施設の管理体制の整備、環境への配慮に重点を置いて新展開を図ってまいります。
 また、従来の農業構造改善事業にかえて、地域農業の実情に応じた多様な担い手の育成を図ることに着目した新たな経営構造対策を創設するなど、地域の創意工夫を生かす効率的な経営対策を推進してまいります。
 さらに、麦・大豆等の価格政策について、市場原理を重視した価格形成の実現とそれに伴う経営安定対策の実施の観点から見直しを行ってまいります。
 加えて、ミレニアムプロジェクトとして、稲の有用遺伝子の解析・活用、有機性資源の循環利用の促進、ダイオキシン類・内分泌攪乱物質対策の強化等を進めてまいります。
 次に、農村の振興関係では、農業生産基盤整備とあわせて集落排水等の生活環境整備を総合的に行うこと等により、農村の総合的な振興を図ってまいります。
 また、二十一世紀に向けた活気のある農村づくりを推進するため、情報通信技術の活用の促進、グリーンツーリズムの振興等を推進するとともに、景観形成活動、伝統文化継承活動等の美しい農山漁村の創出活動に対する支援を強化してまいります。
 さらに、中山間地域等における耕作放棄の発生を防止し多面的機能の確保を図る観点から、中山間地域等における直接支払い制度を導入いたします。
 第二は、ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策の着実な推進であります。
 農業生産基盤の整備等に要する経費として公共事業に六百十億円、経営近代化施設整備や農地流動化対策等に要する経費として非公共事業に六百九十五億円、合計千三百五億円を計上し、引き続き着実な推進を図ってまいります。
 第三は、持続可能な森林の管理・経営の確立であります。
 おくれている間伐の促進に向け市町村の役割等を強化した緊急間伐五カ年対策により間伐を緊急かつ重点的に実施するとともに、間伐材の利用促進対策等を推進してまいります。
 また、地域全体の林業経営の集約化と森林資源の循環的利用を推進する新たな林業構造改善事業を創設するとともに、木材産業の活性化と木材利用の推進に必要な施策の充実を図ってまいります。
 さらに、国有林野事業の抜本的な改革について、引き続き着実な推進を図ってまいります。
 第四は、新たな水産政策の方向に沿った資源の持続的利用の推進と水産業、漁村の活性化であります。
 昨年十二月に取りまとめられました新たな水産政策の方向に沿って、資源状況を的確に把握するための資源評価調査の充実など、資源管理施策の強化を図ってまいります。
 また、漁業者の自主的な努力による経営改善を助長するため、漁業者による資源管理型漁業への参加等の前向きな取り組みを支援する資金の創設や、自主的な減船に対する支援の充実など、漁業経営対策の強化を図ってまいります。
 さらに、流通・加工・消費対策を推進するとともに、新たな沿岸漁業構造改善事業の創設等により、漁村の振興や水産基盤の整備を推進してまいります。
 次に、特別会計については、食糧管理特別会計等について、それぞれ所要の予算を計上しております。
 最後に、財政投融資計画については、農林漁業金融公庫による資金運用部資金等の借入等総額四千四百二十七億円を予定しております。
 以上、平成十二年度農林水産予算の概要の説明を終わります。
#8
○松岡委員長 以上で説明は終わりました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時三十六分散会

ソース: 国立国会図書館
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