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2000/04/21 第147回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第147回国会 厚生委員会 第10号
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2000/04/21 第147回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第147回国会 厚生委員会 第10号

#1
第147回国会 厚生委員会 第10号
平成十二年四月二十一日(金曜日)
    午前十時四分開議
 出席委員
   委員長 江口 一雄君
   理事 安倍 晋三君 理事 木村 義雄君
   理事 金田 誠一君 理事 山本 孝史君
   理事 福島  豊君 理事 児玉 健次君
      伊吹 文明君    石崎  岳君
      鴨下 一郎君    下地 幹郎君
      鈴木 俊一君    砂田 圭佑君
      田中 和徳君    田村 憲久君
      竹本 直一君    戸井田 徹君
      根本  匠君    桧田  仁君
      堀之内久男君    松本  純君
      宮腰 光寛君    山下 徳夫君
      家西  悟君    石毛えい子君
      五島 正規君    土肥 隆一君
      中桐 伸五君    古川 元久君
      小沢 辰男君    大野由利子君
      桝屋 敬悟君    瀬古由起子君
      岡島 正之君    吉田 幸弘君
      武山百合子君    中川 智子君
    …………………………………
   厚生大臣         丹羽 雄哉君
   厚生政務次官       大野由利子君
   政府参考人
   (厚生大臣官房障害保健福
   祉部長)         今田 寛睦君
   政府参考人
   (厚生省社会・援護局長) 炭谷  茂君
   政府参考人
   (厚生省老人保健福祉局長
   )            大塚 義治君
   厚生委員会専門員     杉谷 正秀君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十一日
 辞任         補欠選任
  遠藤 利明君     宮腰 光寛君
  大村 秀章君     下地 幹郎君
  宮島 大典君     竹本 直一君
  遠藤 和良君     桝屋 敬悟君
同日
 辞任         補欠選任
  下地 幹郎君     大村 秀章君
  竹本 直一君     宮島 大典君
  宮腰 光寛君     遠藤 利明君
  桝屋 敬悟君     遠藤 和良君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 社会福祉の増進のための社会福祉事業法等の一部を改正する等の法律案(内閣提出第五〇号)


    午前十時四分開議
     ――――◇―――――
#2
○江口委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、社会福祉の増進のための社会福祉事業法等の一部を改正する等の法律案を議題といたします。
 趣旨の説明を聴取いたします。丹羽厚生大臣。
    ―――――――――――――
 社会福祉の増進のための社会福祉事業法等の一部を改正する等の法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#3
○丹羽国務大臣 ただいま議題となりました社会福祉の増進のための社会福祉事業法等の一部を改正する等の法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 社会福祉制度につきましては、少子高齢化、核家族化の進展など社会構造の変化に対応して、だれもが家庭や地域の中で自立し、尊厳を持った生活を送ることができる制度の構築が求められております。こうした状況を踏まえ、措置制度など、社会福祉の仕組み全般にわたって見直しを行うこととした次第であります。
 以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、利用者の立場に立った社会福祉制度の構築であります。身体障害者などの福祉サービスについて、行政が内容を決定する制度から利用者が選択して利用する制度へ改めるとともに、直接、利用者に対し支援費を支給する方式を導入することにしております。また、利用者が適切に福祉サービスを選択できるよう、利用者からの苦情を解決するための仕組みを導入するなど、利用者保護のための規定を設けることにしております。
 第二に、社会福祉事業の充実及び活性化であります。福祉需要の多様化に対応し、福祉サービス利用援助事業、手話通訳事業、盲導犬訓練施設を経営する事業などの九事業を社会福祉事業として追加することとしております。また、地域におけるきめ細かな福祉活動を推進するため、政令で定める社会福祉事業について人数規模要件を緩和し、社会福祉法人の設立を容易にすることにしております。
 第三に、福祉サービスの質の向上と事業経営の透明性の確保であります。社会福祉事業の経営者は、福祉サービスの質の向上に努めなければならないこととするとともに、社会福祉法人の財務諸表などの開示義務、国、地方公共団体などによる福祉サービスに関する情報提供の責務などを定めることにしております。
 第四に、地域福祉の推進であります。市町村地域福祉計画の策定手続を整備するとともに、社会福祉協議会、共同募金会、民生委員及び児童委員について、機能の強化を図るなどの改正を行うこととしております。
 このほか、社会福祉施設職員等退職手当共済制度を見直すとともに、関係法律についても所要の規定の整備を行うこととしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#4
○江口委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#5
○江口委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本案審査のため、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その日時、人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○江口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として厚生大臣官房障害保健福祉部長今田寛睦君、厚生省社会・援護局長炭谷茂君及び老人保健福祉局長大塚義治君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○江口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
#8
○江口委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鴨下一郎君。
#9
○鴨下委員 大臣、政務次官、おはようございます。連日お疲れさまでございます。
 きょうは、社会福祉の増進のための社会福祉事業法等の一部を改正する等の法律案の審議でありまして、今大臣がお話しになりましたが、昭和二十六年に社会福祉事業法が制定されまして、そのころ私は二歳ぐらいでありますから、当時のことは覚えておりませんけれども、いろいろな事情を思い起こしてみますと、例えば結核が多かったり、乳児死亡率が高かったり、今の状況から見ますと本当に想像ができないような、ある意味で日本はまだまだ貧しい状況の中でそれぞれの事業が行われ始めたんだろうというふうに思います。
 特に社会福祉事業だとか社会福祉法人のあり方だとか、当時は措置制度というようなことから始まったわけでありますけれども、今の提案理由説明の中で、世の中が変わりました、そして、だれもが家庭や地域の中で自立して尊厳を持った生活を送ることができる制度の構築が必要だ、そのとおりであります。特に、そういう中で例えば障害を持った方でもそれぞれ自己実現ができるような社会ができていく、そのために我々がどういうサポートができるのか、こういうようなことなんだろうと思いまして、きょうはそういう観点から私は質問をさせていただきます。
 まずは、私たち、昨年のちょうど今ごろでありますけれども、党内でもプロジェクトチームをつくりまして、社会福祉の基礎構造改革に対してどういうふうにあるべきか、こういう議論を大変濃密にしてきたわけであります。そういう中で、最終的には社会福祉事業法の改正等をするべきだ、こういうような結論に至ったわけでありまして、言ってみれば党内の議論を受けて今回こういうような法案が提出されてきたというふうに理解しておりますけれども、大臣におかれましては、この社会福祉基礎構造改革を進める上で、今回の法案についての所感と申しますか、法案の趣旨、内容について概略をお話しいただければというふうに思います。
#10
○丹羽国務大臣 まず、今回の法案でございますが、自民党のプロジェクトチームの検討結果を十分に踏まえて具体化したものと考えておるような次第でございます。
 先ほど提案理由説明の中でもお話を申し上げさせていただきましたけれども、どちらかと申しますと、これまでの社会福祉というものは限られた特定の方を中心とする救貧制度からスタートしたわけでございます。
 社会保障というものは、お互いに支え合う中において、いわゆる国民のセーフティーネットと申しますか、真の意味で老後が豊かになるようにするためにどうするかとか、それから、例えば医療であるとかというようなものに対する国民のニーズが大変高まってきている、そういう中において、これまではどちらかというとサービスを施される立場であったわけでございますけれども、今回の社会福祉事業法の最大のねらいはあくまでも福祉サービスを受ける者と事業者との間が対等の関係にならなければならない。これまでは措置制度であったわけでございますけれども今後は契約をする、こういうような立場に立ちまして、今後の社会福祉サービスについては対等な中で国民の皆さん方の福祉全体の向上を図ろう、概略このように考えているような次第でございます。
#11
○鴨下委員 これからの福祉制度は、大臣がおっしゃるように、言ってみれば個人の自立や自己決定を基本とした二十一世紀型の福祉制度になっていかなければいけない、そのとおりだというふうに思います。
 大野次官にお伺いをさせていただきます。
 大野次官は公明党から政務次官になっていらっしゃるわけでありまして、公明党のポスターの中に、福祉の達人というようなポスターがコピーとしてありますけれども、そういう意味では、大野次官、こういう法案を推進していらして、ある思いがあると思いますけれども、この法案に対しての期待、それから、こういうことはもっと進めなければいかぬというようなことがおありでしたら、お教えいただきたいと思います。
#12
○大野(由)政務次官 今回の法案は、障害者福祉サービスにつきまして措置制度から契約による利用制度へと大きく転換が行われるわけでございますが、地域福祉権利擁護制度とか苦情解決制度の創設と相まって、利用者――利用者ということは生活者でございますので、生活者本位の社会福祉制度が確立をする、このように考えております。
 また、盲導犬訓練施設とか手話通訳事業など九項目が社会福祉事業に追加されることによって、これまでこうした事業を必要としてまいりました障害者や取り組んできた福祉団体の長年の御苦労と御要望が具体化されるものとして、今後の事業の発展を期待しております。
 また、障害者福祉サービスについてでございますが、平成十四年度の目標を今掲げておりますが、この十四年度の目標達成に向けましてさらに積極的に充実に努めてまいりたい、このように思っております。
#13
○鴨下委員 今大野次官から地域福祉権利擁護事業があるというようなお話がありました。きょうは各論に入らせていただきますけれども、まず、この地域福祉権利擁護事業についてお伺いをいたします。
 地域福祉権利擁護事業がこの法案では制度化されるわけですが、この内容についてまずお伺いし、さらに、成年後見制度が今回成立したわけでありますけれども、そういう意味での整合性はどうなっているのか、利用者の権利擁護の仕組みがどのように整備されていくのか、この地域福祉権利擁護事業と成年後見制度の言ってみれば役割分担についてぜひわかりやすく話をしていただきたいと思います。
#14
○炭谷政府参考人 まず、地域福祉権利擁護事業でございますけれども、痴呆性高齢者などの方のように判断能力が不十分な方について、日常生活を営むのに支障がある場合、福祉サービスの申し込みや契約の締結などの代理や代行または援助などを行うものでございます。
 一方、昨年の民法改正によって制度化された成年後見制度は、これは今月からスタートいたしますけれども、まず家庭裁判所が関与する点、また財産管理など、例えば家の売却などのようなケースがありますけれども、そのような契約などの重要な法律行為について代理するものと承知いたしております。
 したがいまして、両制度はそれぞれ相補い合うというものでございます。例えば私どもの方に来ていらっしゃった相談では、家の売却などがあるという場合は成年後見制度に御紹介をし、また、私どもが契約を結ぼうと思っても相手がその契約能力がないという場合は、まず成年後見制度に行っていただくという形にして権利擁護制度に入っていくという形で、お互いに相補い合い、連携をとっていくという制度になっておるわけでございます。
#15
○鴨下委員 そのサービスの内容の中に日常的なお金の管理といいますかそういうようなことが含まれているということでありますけれども、このサービスの利用者によってはそれこそ数百万円のお金を持っているような場合があるのだろうと思いますけれども、こういうような大金を生活支援員がどのように扱っていくのかというようなことと、万が一いろいろな問題が起きたときにそれをどうするのか、この問題についてはいかがでしょうか。
#16
○炭谷政府参考人 地域福祉権利擁護事業において扱いますお金は、比較的少額、大体想定では五十万程度を上限にするのではないのかなというふうに私ども想定しておりますけれども、その金銭管理におきましても、専用の口座をつくっていただくという形にして適正を図りたい。また、生活支援員について、社会福祉協議会の中で内部牽制作用をしてその運営の適正化を図ってまいりたいと思っております。
 また、先生御指摘のような多額な預貯金を管理する場合、数百万円とかというものはこれに該当すると思いますけれども、これについては先ほど御指摘されました成年後見制度を利用していただくという形になるわけでございます。
 また、万一事故があった場合については、これは社会福祉協議会などの実施主体が利用者に対して責任を負うということになると考えております。
#17
○鴨下委員 地域の社協なんかがそういう事業を推進していくというような話でありますけれども、一つは、地域福祉権利擁護事業の内容は、それはそれで大変結構だと思いますけれども、大都市なんかでは、社会福祉協議会だけではなく、むしろ地域の実情に合わせて例えば消費者センターだとか福祉関係のNPOだとかいろいろな団体がそれを実施するようなことができないだろうか。こういうようなことがございますけれども、厚生省としてはどういうふうにお考えになっているか、お聞かせをいただきたいと思います。
#18
○炭谷政府参考人 ただいま先生がおっしゃるとおりでございまして、私ども、この権利擁護事業につきましては、社会福祉協議会だけではなくて、他の団体、例えば障害者自身の団体、障害者の家族の会というような方々、また、NPOもこれに携わっていただくことも非常に結構なことではないのかなというふうに思っております。
 そのための手当てといたしまして、今回提案させていただいております法案の中では、この権利擁護事業は第二種の社会福祉事業として位置づけているわけでございます。
#19
○鴨下委員 具体的にお伺いするのですけれども、例えば、八十一条の「都道府県社会福祉協議会の行う福祉サービス利用援助事業等」ということで、「都道府県社会福祉協議会は、」云々とあって、「福祉サービス利用援助事業が実施されるために必要な事業を行う」、さらに、「当該事業に従事する者の資質の向上のための事業並びに福祉サービス利用援助事業に関する普及及び啓発を行うものとする。」これは、都道府県の社協に限定しているように見えるのですが、八十一条についてはいかがでしょう。
#20
○炭谷政府参考人 ただいま指摘されました八十一条につきましては、都道府県社協が行う場合の手続を書いているわけでございまして、この福祉サービス利用援助事業自身は、先ほど申しましたように、他の団体が行うことをむしろ私どもとしては期待いたしているわけでございます。それを制限するものではございません。
#21
○鴨下委員 八十一条はそういうことでよろしいですね。
 それでは続きまして、八十三条の「運営適正化委員会」についての条項がございますけれども、その中で、「都道府県社会福祉協議会に、」「運営適正化委員会を置くものとする。」運営適正化委員会についての話はさらに後ほど伺いますけれども、この八十三条の解釈はどういうふうに考えたらよろしいでしょうか。
#22
○炭谷政府参考人 八十三条につきましては、都道府県社協におきます適正化委員会について書いておるわけでございます。これにつきましては、福祉サービスの利用が適正に行われるよう、その苦情の解決を行う仕組みという形で都道府県社協にお願いするというふうにしたわけでございます。
 この趣旨は、各都道府県においてこのような苦情解決についてひとしく体制を整える必要があるという形でこのような条文を設けたものでございます。ただ、都道府県社会福祉協議会がこの適正化委員会の委員を選考するに当たりましては、社会福祉団体、NPO等の団体の御意見を十分聞いて、適正な委員の選考に努めてまいりたいというふうに思っております。
#23
○鴨下委員 運営適正化委員会についての話ですが、苦情解決のあっせん機関として運営適正化委員会が設置されるわけでありますけれども、言ってみれば社協というのは事業者の集まりでありますから、そういうようなところで中立公正な解決が図られるのだろうか、こういうような疑問が投げかけられているのですが、このことについて厚生省はいかが考えていますか。
#24
○炭谷政府参考人 まず、福祉サービスに係る苦情については多様なものがございます。利用者の嗜好や好みにかかわるもの、例えば食事については朝はおかゆがいいとか、レクリエーションについてはもう少しメニューをふやしてくれというような個人の嗜好や選択に係るものから、おむつ交換についてはもう少し他人の目に触れないように気をつけてほしいとか、洗髪、つめ切りのようなものについてもう少しきめ細かくやってほしいというようなケアに関するもの、また、本当にこれは違法的なことでございますけれども、虐待などというようなさまざまな問題がございます。
 そのような問題につきましては、まず第一義的には事業者の段階で解決していただこうというふうに考えておりますけれども、ここで解決できないものについては、都道府県社会福祉協議会の中に設置いたします運営適正化委員会で解決をしていただくのが望ましいのではないのかなと思っているわけでございます。
 先ほど申しましたように、いろいろな苦情がございます。好みに関するもの、ケアに関するもの、いろいろございます。ただ、虐待とか、寄附金を強制、強要されたといったような違法的なものは直ちに都道府県に通報いたしまして、速やかに解決を図っていくというふうにいたしているわけでございます。
 そこで、都道府県社会福祉協議会の中立性、公正性が果たして保てるのかなということでございますけれども、私どもは、まずこの委員につきましては、選考委員会というものをつくりまして、その中で幅広い関係者の御意見、福祉関係団体の御意見などを反映した形で選考していただくように政令で規定するということも考えております。また、この運営適正化委員会の事務局は社会福祉協議会に置きますけれども、事務的なところは社会福祉協議会が行いますけれども、社会福祉協議会がこれの判断に対して指示を与えることはしませんで、あくまで独立した運営ということを考えているわけでございます。
#25
○鴨下委員 もう一つ、八十八条について伺います。
 要するに、事業者が利用者に提供したサービスの公費負担分については市町村への請求事務が必要となるわけでありまして、請求件数も相当大きくなるだろうというふうに言われています。そういうような中で、例えば介護保険において国保の団体連合会が実施しているように、措置費の支払いについて一部の都道府県では財団等によって実施されているというようなこともあるわけでありますけれども、八十八条には、都道府県社協は、「福祉サービスの提供に要した費用に関して地方公共団体に対して行う請求の事務の代行」、その事業を実施するように努めなければならないとありますが、これも社協だけがこういうような事業を行うというふうに考えるのでしょうか、それともやや弾力的な話があるんでしょうか。
#26
○炭谷政府参考人 八十八条につきましては、ただし書きにも書いてございますように、他に適切な団体がある場合はこの限りではないというふうな規定を置いておりますように、他の団体が行う場合ももちろん想定しておりますし、現実にこのようなことを行っている社会福祉協議会以外の法人、団体もあるわけでございますので、他の団体が行うことを排除する趣旨ではございません。
#27
○鴨下委員 もう一つ、百八条の第一項に、同様に、「社会福祉協議会は、」「次に掲げる事業を行うことにより地域福祉の推進を図ることを目的とする団体であつて、」云々と書いてあって、二に「社会福祉を目的とする事業に従事する者の養成及び研修」、三に「社会福祉を目的とする事業の経営に関する指導及び助言」、こういうことを社協はと限定的に書いてあるわけでありますけれども、これも弾力的な運用が可能なのかどうか、お聞かせをいただきたいと思います。
#28
○炭谷政府参考人 百八条の規定は都道府県社会福祉協議会の業務について書いてあるわけでございまして、先生ただいま指摘されました第一項第二号の従事する者の養成及び研修とか、第三号の社会福祉を目的とする事業の経営に関する指導助言というものにつきましては、他のいろいろな団体、このようなノウハウなり経験をたくさん積み重ねている団体は存在いたしますし、そのような団体に積極的に参加していただく、このような業務に従事していただくということがむしろ望ましいことだろうと私どもは考えておりまして、必ずしも社会福祉協議会だけがこのようなことを行うものではございません。
#29
○鴨下委員 局長さん、ぜひそういうことで、社協だけが言ってみれば地域の福祉事業を独占的に管理していくというようなことについては、できるだけ柔軟に対応をしていただきたい、このことをお願いをしたいと思います。
 それから、今回の社会福祉事業法の改正に伴って、措置から利用へと、これが私は一番大きなことなんだろうなというふうに思うわけでありますけれども、障害者福祉のための法案というような観点からいえば、このことがどのように障害者福祉の充実に寄与するのか、このことについてお聞かせをいただきたいと思います。
#30
○今田政府参考人 御指摘のように、今回の改正では、障害者のノーマライゼーションと自己決定権の尊重という流れを踏まえまして、障害者の福祉サービスについて、従来は行政がサービスの内容や事業者を決めていた措置制度であったわけでありますが、これを利用者がサービス提供者と対等な関係のもとで契約によってサービスを利用するという新しい仕組みに変えるということを大きな柱としている次第でございます。
 御指摘のように、利用者が直接に契約をするということは、サービスを提供する側と対等の関係で自分の希望を言い、そして、個々の利用者が思うさまざまな苦情、そういったものに対して直接参画をして解決できる、あるいはまさに自分がその利用方式によって自己負担分を直接事業者にお払いをするということで、サービスのやりとりあるいはそのサービスの質の確保という意味から、直接利用者とサービス提供者が対峙する関係をつくり上げることが、まさにノーマライゼーションあるいは自己決定権の尊重の流れに立った大変重要な内容として私ども位置づけている次第でございます。
 ただ、知的障害者のようにみずからの意思を必ずしも十分に結果として示すことができない場合も当然想定されるわけであります。そういった観点からすれば、先ほど来御議論のございます地域権利擁護制度の活用といったものを通して、障害者ができるだけみずからの意思によってサービスが利用できるような仕組みへの転換を期待する次第でありますし、今後ともこの円滑な実施ができるように私どもも努めていかなければならない、このように考えております。
#31
○鴨下委員 時間がなくなりましたので、最後に大臣にお伺いをしたいと思います。
 冒頭申し上げましたように、大臣の提案理由説明の中にもございましたが、だれもが家庭や地域の中で自立して、ある意味で自己決定して自己実現できるような社会をつくっていくために今回の法改正があるというふうに私は考えておりまして、それぞれの皆さんが尊厳を持った生活を送ることができる制度を実現していくことなんだろうというふうに思いますが、特にこの法案を早期に成立させて、早くそういうような環境整備をしていくことについて大臣のお考えをいただきたいというふうに思いますし、その決意について伺いたいというふうに思います。
#32
○丹羽国務大臣 今回の法案につきましては、多くの福祉関係者から強い、熱い要望がなされているところでございます。また、先ほど来委員から御指摘がございました権利擁護の制度など福祉サービスの利用者の利益を保護する仕組みを盛り込んでおるわけでございますし、今後の社会福祉の根幹にかかわるものを盛り込ませていただいておるわけでございますので、早期の成立をお願いし、御理解をいただきまして改革の着実な実施に努めていく決意でございます。
 何とぞよろしくお願いいたします。
#33
○鴨下委員 どうもありがとうございます。終わります。
#34
○江口委員長 砂田圭佑君。
#35
○砂田委員 自由民主党の砂田圭佑でございます。
 きょうは、議題になっております社会福祉事業法の一部改正について質問をしたいと思います。よろしくお願いを申し上げます。
 戦後五十年、この法律は変わらないといいますか大きな改革のないまま今日にまで至ったわけでございます。その間に社会福祉はいろいろな形に変遷をしてまいりました。
 戦後は、戦火で傷ついた方々あるいは戦災孤児、また貧困者が対象でありましたから、行政を中心とした画一的な措置制度が日本の福祉であったというふうに考えているわけであります。戦後五十有余年たって日本は大変に変貌をいたしました。今日では少子化あるいは高齢化社会が目前に迫っているわけでありますし、社会の中から生まれてくるいろいろな障害者というものも、交通事故を象徴的に――たくさんの問題が起こっておるわけで、いわばフェース・ツー・フェースで解決していかなければならないところに迫られている。そういう社会の変化の中で、これまでの与えられた社会福祉から、障害者本位に、障害者が自分でサービスを選択できる方向へと福祉が変わってきたわけであります。
 そういう意味で、五十年前の社会福祉事業法が改正されるのはやや遅きに失した嫌いはありますけれども、このたびの改正で障害者のニーズにこたえあるいは幅広い福祉サービスが可能になることは、障害者にとっても大変な福音であり、また障害者の自立意識を高めるという意味でも大変な励みになるのではないかと確信をしているものでございます。
 そういう中で、ただいま大臣の趣旨の御説明にもありましたが、この法案は社会福祉の基本制度を抜本的に改革するものである、そういうふうに私も認識をしているものでありますけれども、制度改革を行う場合、その根本にしっかりとした理念があってこそ制度が生きてくるというものであります。社会福祉の理念は時代の変遷とともにいろいろに移り変わっていくと思いますけれども、大臣は今後の社会福祉の理念というものをどのようにとらえておられるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
#36
○丹羽国務大臣 委員からも御指摘のように、これまでの社会福祉のあり方そのものが社会全体の変化に伴いまして変わりつつあるわけでございます。そして、今後の社会福祉は、少子高齢化社会を迎える中におきまして、国民の理解と合意を得ながら給付と負担のあり方、公的サービスのあり方などについて検討をしていかなければならない、このように考えているような次第でございます。
 そして、最も大切なことは、国民全体を対象として、社会連帯の考え方に立ちまして、個人が一人の人間としての尊厳を持って、家庭や地域の中において安心して生活を送ることができるようにしていかなければならない、このことに尽きるのではないか、このように考えているような次第でございます。障害者福祉の問題につきましては、とりわけ社会的な弱者でもございます障害者の皆さん方の自立と社会参加を進め、そして、サービスの充実を図っていかなければならない、このように考えているような次第でございます。
 今回の法改正におきましては、提案理由説明の中でも申し上げさせていただきましたけれども、行政が利用者の選択とは別に福祉サービスを決めるものである現行の措置制度というものを、障害者福祉につきまして、まず利用者と事業者との対等な関係を確立して、障害者のノーマライゼーションと自己決定の実現を目指していきたい、このようなものでございます。
#37
○砂田委員 ありがとうございます。
 そのようなお考え、理念をこの日本の社会の中で具体化していく、そのための一つの道具が社会福祉事業であろうという気がするわけでございます。
 今回、この法案を見直すことによって利用者によりよいサービスを提供していく、今お話にありましたように国民全体を対象とするセーフティーネットを提供していく、それを向上させていくことが大変意欲的にうかがえる本法案の改正ではないかというふうに考えるわけでございますが、この社会福祉事業の範囲あるいはその内容というものをどんなふうに見直していくのか、そこのところをお答えいただきたいと思います。
#38
○炭谷政府参考人 社会福祉事業につきましても、福祉サービスに対する国民のニーズの変化に対応して見直していかなければいけないというふうに考えております。
 このため、今回の改正におきましては九つの事業を追加しております。例えば福祉サービスの利用援助事業とか盲導犬の訓練施設、また手話通訳事業など九事業を追加しております。一方、公益質屋業については、今日においては低所得者階層などのための福祉施策が充実いたしてまいりましたので、必要性が乏しくなっているため廃止することといたしたわけでございます。
 また、今回の改正では、障害者の通所授産施設については、利用人員の要件を法律上二十人から十人に引き下げることとしており、これによって地域においてきめ細かな福祉活動を展開している小規模作業所が社会福祉事業となり得る道が開けるものと考えております。
#39
○砂田委員 社会福祉の理念であります、障害者を部屋に閉じ込めるあるいは施設に閉じ込めるのではなくて、あくまでも健常者と同じように社会の中で生活をしていくことを進めていく、いわゆるノーマライゼーションを実現する上で、私は、今回新しい事業が九つ事業化されていくということは大変ありがたいことでもありますし、それなりに障害者にとってもいろいろな利用の仕方がある。
 健常者と同じようにやっていくためにはその補助的な部分もたくさん要るのではないかという気がするわけですが、視覚障害者を取り上げてみますと、視覚障害者が表を歩くあるいは車に乗ったりバスや電車に乗ったりするときに盲導犬が大変有効に働く、機能する。社会復帰をするためにも、社会の中で健常者と一緒にやっていく上でも、盲導犬の助けは障害者にとっては大変ありがたい存在ではないか。しかし、その盲導犬というものも、需要に応じて供給があるという状況にはなかなかなっていません。
 この盲導犬の事業を法定化されることは関係者が長年非常に待ち望んでいたことのようでありますけれども、平成六年に厚生省は盲導犬育成計画を発表されているそうであります。平成十三年度までに二千六百頭を実働させる体制をつくるということでありますけれども、平成十年度末では八百五十三頭、ですから、計画達成はなかなか難しいのではないかという気がいたします。そして、盲導犬を必要とする人々の潜在的な需要は、五千頭から約七千頭ぐらい求められている。
 そこで、そのために、現在全国に四十名ぐらいしか盲導犬の訓練士あるいは指導員がいないし、それではなかなか盲導犬の需要を満たすわけにもいかないことから、人材確保が大変必要に迫られているという実態もあるということでありますし、障害者が盲導犬の訓練に容易に受け入れられるという制度も必要とされているところでございます。
 本案では、身体障害者の訓練面で新しく事業化をするものがいろいろあるわけでありますけれども、盲導犬の訓練施設を経営する事業を今回その中に加えていただいたということですが、現在の盲導犬の訓練状況はどんな実態になっているのか、お聞かせをいただきたいと思います。
#40
○今田政府参考人 盲導犬につきましては、御指摘のように、視覚障害者が道路を歩く、社会へ出ていくといった意味で大変重要な役割を担っているわけでございますし、地域で自立した生活を維持していくという面から見ても極めて有効な手段だというふうに思っております。また、盲導犬につきましては、近年、社会あるいは国民の皆さんからも理解が行き届いてまいりまして、それらの受け入れについても逐次充実がなされているものと理解をしております。
 したがいまして、盲導犬を必要とされていらっしゃる方々にぜひともこの利用が図られるようにという視点から、私どもも、十分な育成というものは大変大事な課題だというふうに認識をいたしております。
 御質問の現在の育成状況でございますが、現在八団体において行われておりまして、この八団体については、道路通行上の安全という観点から、国家公安委員会の指定を受けている法人として今機能いたしております。
 盲導犬は一般に二年間かけて訓練をするわけでありますし、さらに、訓練を終了した後は使用者との共同訓練をしていかなきゃならないといった意味から、必ずしもこれが十分に確保できているかということについては十分とは言いがたい面はございますが、平成十年度末の実働頭数については、御指摘いただきました約八百五十頭と把握をいたしております。
#41
○砂田委員 事業化されればそういう盲導犬の事業の中で当然税制上の措置を受けるわけでありますけれども、この事業をもう少し活性化させていくという意味でも格段の御援助あるいは財政上の措置が必要なのではないかという気がするわけでありますけれども、その前に、本法案で社会福祉事業に盲導犬の育成を追加することの効果、それがどんなふうに盲導犬をふやすことにプラスになっていくか、その効果のほどについてお聞かせをいただきたいと思います。
#42
○今田政府参考人 今回盲導犬訓練施設を経営する事業を社会福祉事業に位置づけるということにいたした効果を御質問いただいているわけでありますが、社会福祉法人になりますと、一つは税制上の優遇措置が受けられることから、これまでも御苦労いただいている八団体のほかに新たな事業者の参入が期待されるのではないか、このことがひいては供給の増加につながるのではないかといった期待もございます。さらには、この施設を法定化することによりまして施設基準を設けることになります、そういたしますと、各都道府県の指導監督を受けることになりますので、盲導犬の質の確保が一層図られるものと思われます。
 いずれにいたしましても、御指摘のように、数の確保というものが大変重要な視点でもございますので、現在助成を行っておりますし、平成十二年度の予算におきましても二百七十頭を育成するための予算を確保しております。今後とも一層推進をしていかなければならない、このように考えております。
#43
○砂田委員 この法案の理念を生かしていくためには、盲導犬の育成というのは非常に象徴的なものではないかという気がいたします。ぜひとも、税制上の措置はもちろんでありますけれども、予算措置についても御配慮をいただくように御検討いただきたい、このことを要望申し上げておきたいと思います。
 次に、聴覚障害者が社会参加をする上で最大の課題は、やはりコミュニケーションがどうやったらとれるかということが一番の問題であろうという気がいたします。
 本法案では手話通訳事業も新しく事業として位置づけるということでありますが、現状の手話通訳者の養成状況はどんな状況になっているんでしょうか、お伺いをいたします。
#44
○今田政府参考人 聴覚障害者の社会参加の観点から申し上げますと、御指摘のように、手話通訳というのは大変貴重な手段であろう、このように認識をしている次第でございます。
 手話通訳者あるいは手話奉仕員の養成につきましては、従来から都道府県、指定都市、それから市町村において養成事業が行われておりますが、現在約二万人の派遣可能な手話通訳者等が確保されているという状況にございます。
#45
○砂田委員 手話通訳者の養成については今後も積極的に支援をしていくべきだと考えるものでありますけれども、本法案で手話通訳事業を社会福祉事業に位置づける趣旨、そしてその効果についてお伺いをいたしたいと思います。
#46
○今田政府参考人 手話通訳でありますが、最近、例えばテレビにおける手話通訳、あるいは演劇や講演会などでも手話通訳が大変普及をしているという実情にございまして、聴覚障害者の重要なコミュニケーション手段として非常に普及が図られてきているという状況にあろうかと思います。さらに、教育の分野、医療の分野、司法の分野、当然私ども福祉の分野、あるいは就労の分野など、あらゆる場面で手話通訳に対する需要というのは大変高まってきている、このように思います。
 このようなことから、さらなる普及を図る必要があるということでこのたび社会福祉事業に位置づけたわけでございますが、これによって手話通訳事業に対する国民の皆さん方の認識が高まり、さらには多様な方々が手話通訳事業に取り組んでいただけることを期待しているわけでございます。さらに、質的な面から申し上げますと、都道府県知事の指導監督を受けることになりますので、より一層の質の確保につながる、このように理解をいたしております。
 従来からやっておりますように、都道府県等が社会参加促進のための補助事業ということでこの養成、派遣事業を位置づけておりますが、今年度から、都道府県で行うコミュニケーション手段の確保という取り組みの充実のために、障害者生活訓練・コミュニケーション支援等事業というものを創設させていただきました。こういったことを通しましてさらに手話通訳事業が拡充されることに努めていきたい、このように考えております。
#47
○砂田委員 いずれにいたしましても、本法案の理念を生かしていくという意味では、盲導犬も手話通訳者も、障害者が本当に社会の中に溶け込んでコミュニケーションを持ちながら社会生活を健常者と同じようにやっていくという意味では大変重要なことではないか。計画倒れにならないように願いたいと思う気持ちでいっぱいであります。
 そして、障害者が社会の中で日常の生活を送る上で必要な技術の習得が必要になると考えますけれども、本法案で身体障害者生活訓練等の事業がこれまた新たに追加をされるわけですが、この事業の中身、内容はいかがなものか、ぜひお聞かせをいただきたいと思います。
#48
○今田政府参考人 身体障害者生活訓練等事業でございますが、この事業につきましては、障害者が地域で自立して生活が送れるようにみずからの障害を克服していくための訓練を目的としている事業でございます。
 主な内容は、例えば視覚障害者に対して点字図書館など幾つかの情報手段があるわけですけれども、そういう点字を理解できる障害者のためのサービス、これがまさにこの生活訓練事業の大きな柱でございます。そういった視点から申し上げますと、視覚障害者がみずから歩行できるように訓練をする、あるいは点字を理解できるように点字習得のための訓練を行う。あるいは、聴覚・言語障害者に対しましては、手話を理解していただけるあるいは発声できるように訓練をする。さらには、オストメート、人工肛門や人工膀胱を設置していらっしゃる方々にどういう形で食事をすればいいのか、あるいは排せつのためのいろいろな訓練をする。こういったものを訓練することで現実にその障害を克服できるよう、障害者自身の努力に対して少しでも御援助できないかということからこれを実施しているわけでございます。
 この事業につきまして今回法案で追加をさせていただいたわけでありますが、この具体的な内容につきましては、平成十三年度の施行時に向けて検討していきたい、このように考えております。
#49
○砂田委員 一口に障害者といっても、その障害の程度、内容あるいは生活状況等はいわば千差万別であります。障害者がみずからの状況に応じた福祉サービスの利用ができるよう、医療と各福祉施設、さらには地方公共団体などとの連携が大変重要であると考えているものでありますけれども、本法案で障害者の相談支援事業というのがこれまた新しい事業に加えられて位置づけられているところであります。これはそのような連携に資するものと考えていいものかどうか。この相談支援事業の内容はいかがな内容でありましょうか、伺います。
#50
○今田政府参考人 このたび、措置制度から利用制度に移行していく中で、いろいろなニーズをお持ちの障害者の方々の自己決定を尊重する、あるいは地域での生活を支援していくということからいたしますと、障害者の方にできるだけ必要な情報提供を行う必要があります。と同時に、そういうニーズに対応した、さまざまな相談に適切に対応する仕組みが必要ではないかということから、この相談支援事業が果たす役割は大変重要になっていくのではないか、このように思っております。
 今回、この相談支援事業を法律上位置づけることにいたしておりますが、これは、障害者あるいは障害者を支えている方々からの相談に応じ、必要な情報の提供あるいは助言指導を行う。さらには、多様なニーズに対応したサービスが一体的に提供できるようにするためには、市町村あるいはサービス提供者、さらには御指摘の医療機関その他の関係機関との連携が必要になろうかと思います。こういったことも総合的に調整、相談していただく仕組みとして、この相談支援事業を活用していただくように今考えている次第でございます。これによって円滑な利用が図られることを私どもも期待いたしております。
#51
○砂田委員 ぜひとも障害者の相談等についてはきめ細かく、そして各機関との連絡を十分にとって、障害者がその相談で満足できる体制を整えていただきたいと思います。御要望をしておく次第でございます。
 最後に、今回の法改正で新しい事業が九つ社会福祉事業として法律上位置づけられてきたわけでありますが、これに伴いまして、当然非課税の恩恵を受けられるというようなこともあるわけでございます。あわせて障害者福祉サービスに対する助成の充実などの支援策がなければ、今回立派な理念と法律ができましたけれども、それがいわば絵にかいたもちにならないように、中身のある、本当に食べられる、意味のある福祉サービスの充実に向けた備えをこれからもしていただきたいと思います。ぜひとも政務次官にその辺の御決意のほどをお聞かせいただきたいと思います。
#52
○大野(由)政務次官 私も、障害のある方もない方も、互いに支え合い、生き生きと暮らしていける社会を実現していかなければいけない、このように考えております。このようなノーマライゼーションの理念を実現するために、厚生省といたしましては、障害者プランに基づいて、ホームヘルパーやデイサービスなど在宅福祉サービスの整備や、グループホームや授産施設など社会福祉施設の整備などに積極的に取り組んできたところでございます。
 今後とも、ハード面、ソフト面のバリアフリーを心がけながら、障害者の方々が障害のない方と同等に生活し活動する社会をつくるために、委員の御指摘の面も含めて、障害者の方々の御意見を十分聞きながら障害者施策の充実に積極的に取り組んでまいりたい、このように思います。
#53
○砂田委員 時間になりましたので、終わります。ありがとうございました。
#54
○江口委員長 桝屋敬悟君。
#55
○桝屋委員 公明党・改革クラブの桝屋敬悟でございます。
 久々に当厚生委員会に帰ってきたような気がしておりますが、質疑をさせていただきたいと思います。
 私は、ただいま地方行政委員会の理事をやっておりまして、警察行政をずっと所管をしておりまして、きな臭いことばかりやっておりますから、きょうはかなり激しい議論になるかもしれませんが、御容赦いただきたいと思います。
 今から審議をされます社会福祉事業法等の改正でございますが、私自身も大変に期待をして待っておりました。本来であれば、今回の改正は、この四月から始まりました介護保険と同時にスタートするぐらいの仕込みがされていたのではないかと思っておるのでありますが、個人名を出して恐縮ですが、私の地元の山口県の大泉副知事さんも、厚生省から来ていただいておりますが、この法案にも携わったということで、今は現場におられますけれども、社会福祉の構造改革ということはぜひとも進めなくてはならぬ、こういう話を前から私も聞いていたものですから、大変に待望久しいものがあるわけであります。
 ただ、この四月に介護保険が始まったばかりでありまして、市町村、県あるいはさまざまな福祉団体におかれても、今大変に混乱をしているわけでありまして、その混乱の上にまた大変な改革が、改革というのはある意味ではもちろん混乱を伴うわけでありまして、本当に大丈夫かなという気持ちも半分あるわけであります。本当は、一気にこの四月に全部スタートするというようなことがよかったのではないかと思ったりしているわけでありますが、さらには、もっと改革をしなければいけない高齢者医療の問題でありますとか、年金の問題でありますとか、大きな改革がまだ求められている部分や残っている部分も見えるわけであります。
 そうした状況の中で、我が国の社会福祉制度の抜本改革であります今回の法律改正、これを前にされた厚生大臣の御所見を本来伺いたいところでありますけれども、大野政務次官に率直なお気持ちをぜひ最初にお伺いしたいと思います。
#56
○大野(由)政務次官 今回の改正は社会福祉制度の抜本的な改革である、このように委員から今御指摘がございました。まさにそのとおりではないか、このように思っているわけでございます。
 今回の法改正の趣旨は、社会福祉事業の発展を踏まえまして、利用者がサービスを選択できる制度にするなど利用者本位の社会福祉制度を確立する、こういうところにございます。
 二十一世紀におきまして、国民の皆さんの期待にこたえることができる社会福祉制度の実現に向けまして、福祉サービスの充実とあわせて全力を尽くしてまいりたい所存でございます。
#57
○桝屋委員 力強いお言葉をいただきました。本当に全力でやっていただかなきゃなりません。容易な改革ではないというふうに私は思っております。介護保険が混乱の中にも一歩ずつ今進んでいるわけでありますから、ある意味では、介護保険も走りながら考える、問題を是正する、改革をしながら進んでいくという点がありますけれども、今回のこの一連の改革も、法が成立いたしまして改革が進むにいたしましても、ある意味では走りながら考えるという点があるだろうというふうに私は思っておりまして、まさに今政務次官おっしゃったように、厚生省を挙げて全力で取り組んでいただく難事業だろうというふうに思っております。ぜひとも頑張っていただきたいと思います。
 そこで、具体的な話に入りたいと思いますが、最初に社会福祉協議会の問題であります。
 今回の法律改正案の中で、社会福祉協議会というものがかなりさま変わりをしてくるように私は感じております。
 一つは、成年後見制度の補完システムも含めまして、地域福祉権利擁護事業を都道府県社会福祉協議会においてやっていただくということであります。これは、既に昨年の十月から事業としては取り組まれていることも理解をしておりますから、それはまことに結構なことでありますが、それに加えて、この四月から始まった介護保険も含めて、福祉サービスに対する利用者の苦情解決の仕組みまで担わせることにされているわけであります。果たしてこれで大丈夫かなというのが率直な私の感じであります。少し無理があるのではないかというふうに感じるところであります。
 先ほど御説明もありましたけれども、特に苦情の受け付けでありますとか事情調査、さらには結果の伝達あたりの苦情処理、これはまことに大事な機能だろうと私は思うのですね。
 もう一点は、ある意味では、本来苦情処理なんというのは市町村や都道府県の行政が直接担わなければならない部分ではないかというふうにも思うわけで、それを都道府県社協に担わせるということは、私も実は都道府県社協に二年仕事をしたことがあるものですから、本当に大丈夫かなと。先ほどの御説明で運営適正化委員会というものが独立した形でやっていくんだという御説明もありましたけれども、委員会というのはあくまで委員会でありまして、国家公安委員会の話じゃありませんが、スタッフが大事でありまして、やはり事務スタッフがどれだけ機能するかということが、その運営適正化委員会の機能をどのようにするかということをまさに左右するのではないか。そういう意味では、私は、都道府県社協に全部お任せするということではなくて、都道府県当局も本気になってこの仕組みが成功するようにやらなきゃいかぬのではないか、こう思っておりますけれども、都道府県社協をこの苦情処理のシステム、三段階の最後の部分に持ってきたその背景、理由と、それから本当に大丈夫ですかということを、率直なところを聞かせていただきたいと思います。
#58
○炭谷政府参考人 福祉サービスの苦情については、本当に種々雑多なものがあるわけでございます。特に利用者の好みに属する問題とか実際の現実のケアに属する問題につきましては、まさに事業者みずからが解決していただくということが望ましいわけでございます。
 しかし、事業者段階で解決できない福祉サービスに関する苦情については、まず都道府県社会福祉協議会の中で解決をしていただくというふうに考えたわけでございます。ただし、虐待とか寄附金の強要といったような違法な問題、または著しく不当な問題につきましては、これは直ちに都道府県みずからが乗り出すということが必要でございます。このような分担に考えているわけでございます。
 社会福祉協議会の場合は、その性格上、社会福祉を目的とする事業の健全な発達を図るために必要な事業を行う、そして、地域福祉の推進を図ることを目的として全都道府県に設立されている団体ということで、このような苦情解決をお願いすることにいたしたわけでございます。ただし、繰り返しになりますけれども、虐待等の事例につきましては、都道府県社協は都道府県に直ちに通報するという仕組みもあわせて入れているわけでございます。
 また、都道府県社協の事務体制の問題でございます。
 独立的に運営適正化委員会において運営されますけれども、これを支えるスタッフにつきましては、私ども、これを国庫補助事業として費用の助成を行うことにいたしております。
#59
○桝屋委員 今のお話でスタッフは国庫補助ということでありますから、その辺の内容もまたおいおい聞かせていただきたいんですが、今の都道府県の社会福祉協議会は、実態としてはいろいろな事業を国や県から委託を受けて、それで人をいっぱい雇っているみたいなところがありまして、国庫補助がつくから大丈夫だというのは、私は簡単にああそうですか、安心しましたとは言えないわけでありまして、その辺の内容はこれからも我々もしっかりと検証させていただきたい。
 これはお願いでありますけれども、先ほど言われた虐待とか御説明があったものは当たり前でありまして、福祉事業の苦情処理というのはそれに比べたらみやすい仕事ではないですよ。これは大変な仕事でありまして、私は、今までの社会福祉協議会、都道府県社協の体制からして簡単にできることではないというふうに思います。ぜひともその辺は、どういう補助になるかでありますけれども、それから、都道府県社協は都道府県によって随分格差があります、大変に立派な都道府県社協もあれば本当に補助金や委託料だけで運営されているようなところもあるわけでありまして、それもよく見ていただいて対応をお願いしておきたいと思います。
 それからもう一点、質問の順番をちょっと変えますけれども、例えば厚生省はこれから社会福祉協議会にどういうものを期待するのかという観点でお尋ねをするわけであります。
 私の記憶では、今まで社会福祉協議会については、とかくどういう機能を地域で果たしているのかということがなかなか理解されていなくて、ここ数年は介護保険も視野に入れながら事業型社協、社協そのものにしっかり事業をやっていただきましょうということで、社会福祉協議会みずからが例えばデイサービスをやったり、ホームヘルパーは昔からやっておりますけれども、介護保険のサービスも含めて事業そのものを運営する、実施するという流れが一つはあったと思います。
 今回は、この改正の中で、例えば今話がありました地域権利擁護事業でありますとか、あるいは、これは説明をいただいて理解できたんですが、例えば在宅介護支援センターの基幹型については市町村が直営でやることが望ましいけれども、場合によっては市町村の社協だったらお任せしていいよ、委託をしていいよという仕掛けもある。
 今の地域権利擁護事業を都道府県がやって、それをさらに市町村社協にお願いをする、それを受けた社協、それから基幹型の在宅介護支援センターをやるような社協、それがあわせて事業型社会福祉協議会として実際にデイサービス等の事業もやっているということになりますと、今の地域権利擁護とか在宅介護支援センターというのは、言ってみればサービスのコーディネーター役、調整役でありまして、あるいは苦情処理という話の流れも出てきますと、本当に事業をやる社協、あるいは地域のさまざまなサービスの資源といいますかそうしたものを調整する役割としての社協、厚生省としてはどっちを社会福祉協議会に期待をされているのか。両方やってもらいたいということなのか。両方の場合は言ってみれば利害が相反するようなこともあるわけでありまして、そこはどういう期待をこれからされているのか、今されているのか、その辺を伺わせていただきたいと思います。
#60
○炭谷政府参考人 これからの社会福祉協議会に対しましては、今回の法案の中でも規定させていただいておりますけれども、地域福祉の中心的な担い手ということを期待いたしております。いわば、これまでの事業者の集まっているだけの協議機関的な社協ではなくて、ここに住民も参加する、ボランティアも参加していただくといったような地域福祉の推進役として位置づける。これは、主に市町村社協の場合がそのようになるだろうというふうに思っております。
 都道府県社協の場合は、それらを集めた、また県内全体の福祉の推進という観点から、例えば社会福祉従事者の養成とか全体の市町村社協に対する支援とかというような県内全体の仕事をやっていただくというふうに考えているわけでございます。
#61
○桝屋委員 私がお尋ねしたことにお答えになっているのかどうかちょっと疑問なんですが、今の御答弁だと、市町村社協は地域福祉の担い手、だから事業型社協としてがんがんやってください、どんどん事業をしていただく、それから、地域権利擁護とか支援センターなんかの機能、コーディネーターの機能、そうしたものは都道府県社協がやるという御答弁なんです。
 それと、多分僕の理解が違っているんだろうと思うんだけれども、一つの社協で二つの機能になるようなことになった場合に注意することがあるんじゃないですかということを聞いたわけでありまして、もうちょっと丁寧に教えていただけますか。
#62
○炭谷政府参考人 これからの社会福祉協議会の役割というのは非常に大きくなっていくだろうと思っております。問題は、社会福祉協議会が事業をやった場合の問題、特に、今回地域福祉権利擁護事業とか苦情解決の仕組みも担当していただくということになった場合、利益相反行為とかお互いに矛盾することが起こらないだろうかという心配でございます。
 私ども、この部分につきましては、特に学識経験者から成る検討会をそれぞれにおいてつくりまして、厳密に議論をしていただきました。そして、例えば地域福祉権利擁護事業については、まず担当部局をかえる、必ず分離する、またそれを監視する第三者から成る委員会を設けるというような手当てをすることが必要だろうということでやっております。また、苦情解決につきましては、先ほども御説明いたしましたけれども、事務局から離れて独立的に運営する、つまり、都道府県社協の方から指示は受けない形の運営ということで、適正な運営を図ってまいりたいというふうに考えております。
#63
○桝屋委員 私が尋ねていることは極めて難しい話ですからそういう御答弁になるんだろうと思うんですが、もっとありていに言いますと、私どものところへよく入ってくる声は、この四月から介護保険が始まって、社会福祉協議会がやっている介護保険のサービスメニュー、例えばデイサービスあたりは、全部根こそぎお客さんを持っていく、社協というのは市町村と直結しているから強い、公平なサービスの競争になっていない、こういう指摘もあるわけであります。
 そのことをさらに議論するつもりはありませんが、私は個人的には、この四月から始まりました介護保険は、ある意味では事業者間でサービスの競争がなされるということは結構だと思います。サービスの競争があって、まさにサービスの質の高いところが勝つということが私は大事だと思います。
 ただ、その場合に、公平な、フェアな環境で競争していただくということが大事なわけでありまして、特に市町村社協でありますが、行政と直結をしているということからいたしますと、民間の事業者から見ると、公平でないということも感じられるんじゃないかと思います。私は、逆に、民間の事業者に負けずに頑張れと言いたいわけでありますけれども、特に基幹型の支援センターでありますとかあるいは今の地域権利擁護事業あたりのサービスは、こういうふうに競争する場合は多くの機能を持ったところの方がやはり強いわけでありまして、そういうところでは今介護保険が始まった現場の状況をつぶさに見ていただいて、きめ細かな御指導をぜひともお願いをしておきたいというふうに思います。
 それから、具体的な話に入りたいと思うんですが、地域権利擁護事業でございますが、さっきも言いましたように、昨年の十月から事業化されて、この四月からは成年後見制度の仕組みが入ってきたというふうに思っております。予算化されている事業費を見ると、地域権利擁護事業の中で、支援計画等をつくられる専門員の人件費は国庫補助の中にあるようでありますけれども、一番頑張られる生活支援員の費用というのはどうなるのかな。あわせて、サービス提供の際、利用者が利用する場合の利用料はどういう考え方になっているのか、交通費等については実費相当になるのか、その辺は全部現場に任せているのか、その辺の考え方。
 だから、生活支援員の費用をどうするのか、サービスを利用する場合の利用料の考え方はどうなっているのかということを伺いたいんです。
#64
○炭谷政府参考人 まず、地域福祉権利擁護事業に対する国庫補助の仕組みでございますけれども、地域福祉権利擁護事業に要する経費のうち、わかりやすく申しますと、生活支援員が行う業務、例えば直接利用者に対していろいろな福祉サービスの利用の援助というような実際に行動する部分については国庫補助は計上しておりません。ただし、生活保護世帯につきましては国庫補助を行うことにしております。したがって、他の経費、例えば社協において相談を受けるとか委員会を置くとか、また、社協の事務局の人件費につきましては、すべて国庫補助の対象になっております。
 そして、問題は利用料金でございますけれども、利用料金は、生活支援員の業務につきまして利用者負担ということにいたしております。この趣旨は、本来、この権利擁護事業は利用者の利益のために行われるものでございますので、利用料については自己負担を原則といたしております。ただし、繰り返しになりますが、生活保護世帯につきましては公費で負担をするという形になっております。
 利用料につきましては、それぞれの社会福祉協議会で利用者の状況を勘案して設定していただくということで決めておりますので、利用料の負担によって、生活保護世帯でない、ややボーダーラインにいらっしゃるような低所得者の方々が利用できない事態が生じないように対応することが可能になっているんじゃないかなというふうに思っております。
#65
○桝屋委員 利用料の低所得者対策については今から聞こうと思ったんですが、今お答えがありました。
 まだ内容がよくわからないんですが、要するに、現場に任せる形で、生活支援員の活動等については国庫補助の対象ではなくて利用料で転嫁をする、こういう理解でいいんですか。その場合、国庫補助精算するときは、入ってくる利用料については、国庫補助基準額から利用料がその他収入として除かれるのですか、どうですか。
#66
○炭谷政府参考人 生活支援員の業務に伴う利用料につきましては、そもそも国庫補助の対象にしておりませんので、その利用料について私どもが報告を求め、それを控除するというような扱いはいたしません。
#67
○桝屋委員 それは結構なことでございます。それで安心いたしました。
 低所得世帯への対策については、生活保護世帯はゼロということでありますが、それ以外は各都道府県社会福祉協議会で決めるという判断でいいんですね。具体的にこういう考え方で利用料を取りなさいというような考え方はありますか。
#68
○炭谷政府参考人 本事業につきましては、既にたくさんの社会福祉協議会で現実にやっていらっしゃるという実績がございます。その中で、大体利用料金の相場といいますか、それぞれの社会福祉協議会でお決めになっておるようでございますが、それにつきまして、国としてこうでなければならないという基準については示しておりません。
#69
○桝屋委員 もう既に昨年の十月から始まっておりまして、いろいろ私も聞いてみました、非常に高いところから低いところまで、千円から千八百円とかという数字も聞いておるのでありますが、一時間当たりの単価でありますから必要によっては低所得者対策も考えなければならぬかな、こんなことも思っております。それは、なお現状を見ていただいて適切な対応をお願いしておきたいと思います。
 それからもう一点、この生活支援による援助の事業でありますけれども、それの対象者の問題であります。
 これも現場で伺った話でありますが、この地域福祉権利擁護事業といいますか、去年の十月から始まっております福祉サービスの利用援助事業でありますが、このサービスの対象者は、サービスを利用するという意向、思い、ニーズがないとどうしてもこの対象にならない。それで、サービスの利用意向がある方を対象にしてさまざまにサービスをする中で、必要であれば金銭管理、日常的な金銭管理までしてさしあげましょうという仕組みになっているわけでありますが、現場に聞きますと、今のところサービスの利用意向というのはないのだけれども、とりあえずこの世帯は金銭管理をしてあげなければならぬというケースもある、そういうものについてはサービスの利用意向がないのだからこの福祉サービス利用援助事業の対象ではないというような議論があるやに聞いております。
 私は、出かけていくといいますか積極的にアプローチするという観点からは、まずは金銭管理から始まって生活その他のさまざまなサービスの提供ということにつながっていくケースもあるのではないかと思うのですが、その辺はどうなんでしょうか。余りうるさく言うことはないのではないかというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。
#70
○炭谷政府参考人 この地域福祉権利擁護事業というのは、本来的な事業といたしましては、福祉サービスの利用援助ということが本来的な事業でございます。ただ、実際に現場で利用者がいらっしゃる場合は、先生が御指摘されましたような日常の金銭管理をやってほしいということも多いだろうと思います。
 したがいまして、実際の運営に当たりましては、社会福祉協議会で相談を受ける際に、他のニーズ、多分金銭管理だけではなくてほかの福祉ニーズもあるのではないか、そういうものも含めてお聞きをして、全体の支援計画をつくるという形でこのような幅広いニーズにこたえていくことが重要ではないかなと思っております。
 ただ、建前からいいますと、金銭管理のみを行うサービスはこの地域福祉権利擁護事業では行えないわけでございますけれども、ただ、将来このような福祉サービスの利用も当然必要になってくるだろうというものを含めて支援計画をつくることによって、当面は必要ないけれども将来必要になってくるということであれば、支援計画の中にそのようなことを盛り込むことによって対象になっていくのではないのかなというふうに思っております。
#71
○桝屋委員 今局長がおっしゃった、私の言葉を理解していただいたような御答弁もあったのだけれども、繰り返して確認された、やはり金銭管理のみではこの事業の対象にはならない。これは理念はわかりましたけれども、実際に介護保険が始まりまして、介護保険の仕組みによって相当サービスの利用が伸びているという事実も聞いておりますし、今まさに、地域によってはこれからサービスの利用の仕方ということを一から教えてあげなければいかぬ状況もあるわけでありまして、その取っかかりが金銭管理で、これから入るケースもあろうかと思うのですね。そういうケースについて、のみということだけを強調されますと、せっかくの事業が現場においてうまく進まないのではないかというように私は思っております。ぜひとも現場の状況も聞いていただいて、制度、法律が動き出しましたらそうしたことも御配慮願いたい、お願いをしておきたいと思います。
 それからもう一点、障害者の通所授産施設の話に移らせていただきたいと思います。
 今回の法改正によりまして、念願でありました施設の要件緩和、二十人が十人ということになります。あわせて、社会福祉法人の認可要件も緩和されるということでありまして、ある意味では大変に期待をされていた改正であります。
 ちょっと確認をさせていただきたいのですが、現場においては、この社会福祉法人と施設の要件緩和が若干混同されているような状況もあります。と申しますのは、団体の方々と意見交換をいたしますと、今回の社会福祉法人の認可要件の緩和も、これは言ってみれば小規模作業所のみを対象とした要件緩和だ、したがって、ある意味では今回緩和される部分は小規模作業所用の限定法人ではないのかというような誤解をされている――誤解かどうかわかりません、確認をしたいのですが、そういう声があります。
 小規模作業所の皆さん方の思いとしては、小規模作業所でスタートをし、今回緩和によって社会福祉法人になってスタートするわけでありますが、その通所授産施設だけではなくて、例えばグループホームとかデイサービス、地域生活支援センターなどさまざまな地域型の施設もぜひとも取り組んでいきたい、こんな声もあるようでありまして、今の社会福祉法人の認可要件と施設の認可要件の緩和、この関係を御説明いただきたいと思います。
#72
○炭谷政府参考人 今回の社会福祉法人の設立要件の緩和につきましては、小規模作業所を想定いたしておりますが、ただ、今先生が御指摘されましたように、この認可された法人が小規模作業所事業しか行えないのかどうかというところが論点になるのではないのかなというふうに思います。これにつきまして、いろいろな団体、この小規模作業所をやっていらっしゃる団体からも御要望を受けております。
 これにつきましては、私ども、小規模作業所と一体的に行うことが障害者の福祉の増進に資するような事業、例えば今回加えております障害者の相談支援事業などが代表的なものですけれども、そのような事業もあわせて行えることについて、その実態を踏まえまして前向きに検討させていただきたいと考えております。
#73
○桝屋委員 ぜひ御検討をお願いしておきたいと思います。
 今まで小規模作業所が我が国で果たしてきた役割というのは、年々多くの箇所がふえているわけでありまして、極めて重要な役割を持ってきたわけでありまして、今回の法改正によって新たな局面を迎える。今までの流れを十分踏まえていただいて、我が国の社会福祉の制度の中でさらに大きな役割を果たしていただくような取り扱いをぜひともお願いをしておきたいと思います。
 もう一点、現在五千二百カ所ぐらいあると言われております小規模作業所が、この法改正によって大体どのぐらい社会福祉法人となりあるいは通所授産施設、法定の施設になると想定されているか、厚生省のただいまの検討の状況を教えていただきたいと思います。
#74
○今田政府参考人 御指摘のように、小規模作業所は、地域に根差した活動ということで大変貴重な活動をいただいているわけでありますが、全国で約五千二百カ所ございまして、そのうち定員が十名以上、今回の要件にも関係いたしますが、十名以上の施設が約七五%。問題は、この七五%のうちどれだけの施設が法人格を持つ授産施設に移行するのかということでありますが、そこは、現に営んでいらっしゃる方々の意向等もありますので、現時点で明確な移行数を見込むことはちょっと難しいと思っております。
 ただ、社会福祉法人化しやすいようにという本来のねらいが今回の改正にあるわけでありますので、そういった意味からいたしますと、先ほど社会局長の方からも御説明あったかと思いますが、資産要件を緩和するとか施設の基準について緩やかな基準を定めることにいたしておりますので、この七五%のうちの相当数の施設が移行することを期待しているというふうに考えております。
#75
○桝屋委員 私も全く同じ思いでありまして、ただ、多くの施設にそうした移行をしてもらいたいんだけれども、これは現場の判断があると思うのですね。やはり法定の施設ではなくて法定外施設として地域の中でニーズに対応して柔軟な運営をしていくということがあるわけでありまして、昔、通所授産施設ができたときに、福祉作業所あたりが通所授産施設になって、その法の枠組みのかたさに大変悩んだというケースもあるわけでありまして、これは、これから現場が御判断をされるんだろう。
 まずは七五%ぐらいが規模要件としては対象になっている、こういうお話でありました。最大の問題は現場がどうやって判断するか、要するに、法定の施設になったときに、二十名以下の施設、十名から十九名の施設に対してどれだけの措置が、今までは措置費でありますが、出てくるのかということが最大の関心事だろうと私は思うのですね。それで判断をする。今までそれぞれ市町村から独自にいただいていた助成金等々、助成の内容とあわせて国がどの程度まで踏み込んでくれるのかということを検討するのではないか、それが私は極めて大きな要素だろうと思います。
 これは支援費とは別な形で支給されるお考えのようでありますが、いずれにしても、現行の措置費の支弁基準、支弁の考え方、支弁の内容からいきますと、どういうふうにこの金額は設定されるのか、そのお考えをまず伺いたいと思います。
#76
○今田政府参考人 今回の法改正におきまして、まず、規模要件として二十人以上を十人以上に引き下げる、それからさらに、小規模通所授産施設へ移行する際に、小規模作業所のよさというものを失うことがないよう、あるいは、法人格が取れるようにもっと移行しやすいようにということから、現在の通所授産施設に比べて緩やかな施設基準として規定をする必要があるのではないか、このように考えております。
 したがって、この緩やかな施設基準という考え方に立って、その特性あるいはマンパワーといったものを定めて助成のあり方を決めなければならないと考えております。来年度の予算案に向けまして、その詳細について検討していきたいと考えておる状況でございます。
#77
○桝屋委員 緩やかな施設基準だから二十名以上と必ずしも同じ理屈ではありませんよという御説明かもしれませんが、ぜひここはしっかり検討していただきたいと思います。現行の通所授産施設、知的障害でありますと一人当たり月額二十万とか、あるいは身体障害の場合十四万ぐらいという数字がありますが、それと必ずしも同じではないという御説明がありました。
 私は、現行制度のそれぞれの施設がどういう運営をされているのか、どの程度でやられているのかということはよく実態を把握していただいて、本当に移行しやすいような形でぜひとも御検討いただきたい、お願いをしておきたいと思います。
 もう一点お願いしたいのは、まことに私自身残念なのは、支援費とは別の形でということには私も疑問があります。したがって、これは十五年ぐらいがめどになりますでしょう、ぜひともその体系についてお考えいただきたい。そのときに、あわせて、障害者プランのときにも議論になりましたけれども、施設体系の見直しということがまだ大きな課題としてあるわけでありますから、その辺をしっかり踏まえて検討をお願いしたいというふうに思います。ともかくも、第一段階、立派なスタートができるような対応をお願いしておきたいと思います。
 最後に、時間がありません、一問だけお尋ねをしたいと思いますが、社会福祉法人の運営の弾力化であります。
 介護保険が始まりまして、さまざまな声を私も現場で聞いておるのですが、評議員会の問題であります。これは税制の問題もあるようでありますけれども、現場の声を率直にお届けしますと、ぜひ大野政務次官から大臣にお伝えいただきたいのですが、特別養護老人ホームは、通常の場合、評議員会を持っておりません、理事会で運営しておりますが、この状態から、いわゆる公益事業、訪問入浴を始めるとした場合は評議員会をつくらなければならないことになっているわけです。それが指導であります。
 そこで、訪問入浴を始めるだけで、今までは理事会でオーケーだったものが理事会の倍の数で評議員会をつくらなきゃいかぬというのは、いかにも現実的ではない。今回の制度改正の中で外部評価でありますとかあるいは情報のディスクロージャーということがどんどん行われるわけでありますから、私は、社会福祉法人の評議員会というのはもう一回見直しをした方がいいのではないか、税制改革もあるかもしれませんが、そのように強く検討をお願いしたいと思うのですが、最後にお尋ねをいたします。
#78
○炭谷政府参考人 ただいま先生が言われた評議員会の問題でございます。
 私ども、今回の改正におきましては、社会福祉法人の経営責任を充実するという観点から、評議員会がいわば屋上屋のような存在になってはいけないわけでございます。また一方、私どもの今回の改正では、社会福祉法人の事業経営の透明性を確保する観点から、財務諸表等の開示を法律上義務づけるというような手当てもしております。
 このような見直しを踏まえまして、社会福祉法人の評議員会につきましては、理事会の運営責任を明確化するとともに、効率的な法人運営を図る観点から、例えば評議員会の同意に係る事項の縮小を図るなど、できる限り簡素化を図る方向で検討していきたいというふうに思っております。
#79
○桝屋委員 ありがとうございました。
 評議員会を今のような形でやりますと、屋上屋の上に機能しなくなる、形だけのものができてしまうという心配をいたします。必要なところもあるでしょうが、必要がない部分もあるのではないか、私はこう思っております。
 今、大臣がお帰りになりました。大臣、きょうはいっぱい大事なことを言っておきましたので、どうぞ政務次官から聞いていただいて、御検討のほど最後にお願いして、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#80
○江口委員長 吉田幸弘君。
#81
○吉田(幸)委員 保守党の吉田幸弘でございます。
 今回の社会福祉事業法等の改正は、実に五十年ぶりの大改正であるということでもありますが、この間の社会経済情勢や社会福祉をめぐる情勢の変化は極めて大きなものがございました。
 最近の動きでは、児童福祉の分野では平成九年に児童福祉法が改正され、保育所の入所方式等が利用者の選択に基づくものに改められ、また、高齢者介護においてはこの四月から介護保険制度が導入されたわけでございます。
 利用者が選ぶ福祉は個別分野において既に進んでいるわけでございますが、今回の社会福祉事業法等の改正は、こうした改革の流れを踏まえてそれを集大成したものであるべきだと思いますし、そうであると私自身も理解をさせていただいております。今回の改正によって、社会福祉の概念と社会福祉を行うに当たっての理念がこれまでの変化に対応したものとなったということも再認識させていただいております。
 では、今までの考え方と比較をした場合、どのように変わるのか、またどのような部分で大きく今後の福祉に関して影響が出るのか、このことを対比していただいて、少し詳しく御説明いただきたいと思います。
#82
○炭谷政府参考人 現在の社会福祉制度は、戦後の復興期につくられた制度をそのまま基本的に維持してきたわけでございます。
 その特色は、戦後の復興期の状況を色濃く反映いたしまして、貧困者や身体障害者、また戦災孤児など、困窮した人を対象に行われているという点が特色ではないかなというふうに思います。そして、当時は社会資源が不十分でございましたので、行政がだれが優先かというのを決めるいわゆる措置制度という形になっていたわけでございます。これはわかりやすく申しますと、いわば上から下への与える福祉、また、言葉が適当かどうかわかりませんけれども、施す福祉というようなことが色濃く出ているのではないのかなというふうに思っております。
 しかし、戦後五十年以上たちまして、今日、少子高齢化の進展、また、国民の間には自立の意識というものが高まっております。したがって、福祉サービスも特定の人だけではなくて国民全部が普遍的に必要になってきている、だれでも必要になってきている状況でございます。
 このような状況を踏まえまして、今回の改正では、個人の尊厳というものに基本を置きまして個人が選択をする、これによって、利用者と事業者が上下の関係ではなくて対等の関係になるということにいたしております。これによって、利用者の自立を支援していくという形の社会福祉の理念を追求したいというふうに考えているわけでございます。
#83
○吉田(幸)委員 もう少し詳しくお伺いしたいのですが、今までの福祉供給体制というのは効果が余り上がらなかったのかという部分に対して少し言及していただきたいと思います。
#84
○炭谷政府参考人 現在の福祉サービスの基本的な仕組みであります措置制度のもとにおきましては、まず利用者の立場に立ちますと、利用者がみずから選択ができない、自分の好むサービスもしくは事業者が選べないという問題がございます。
 それから二番目に、一方のサービスを提供する立場に立ちますと、あくまでサービスの提供は行政からの業務委託を受けている形になっておりますので、その行動といたしましては、どうしても行政から言われたままの画一的なサービスを無難にこなす形になっており、質の高いサービスをしても余り評価されないところがあります。
 今回の改正におきましては、利用者の立場に立てば、利用者がみずから自分の好むサービスを選択できるという点が第一点でございます。一方、サービスの提供者も、それぞれ創意工夫を生かして質の高いサービスを行うことができるようになるというような長所があるわけでございます。
 一方、事業者と利用者が対等の関係になったからといって、利用者はあくまで弱い立場にあるわけでございますので、これを保護する仕組みとして、地域福祉権利擁護制度や苦情解決等の制度を導入いたしているわけでございます。
#85
○吉田(幸)委員 対等の立場とか弱い立場という言葉が出たりして、何となくその部分が私自身すんなりと入ってこないのですが、いずれにしても前進をしたということで理解をさせていただいて、次の質問に入らせていただきます。
 福祉サービスの措置制度から利用制度への移行について、少し詳しく説明をさせていただきます。
 保育分野、高齢者介護分野は既に利用制度へ移行しているため、今回の改正は主に障害者関係の福祉サービスの供給について措置制度から利用制度に改めることになるということで承知していますが、利用者が選択によってサービスを選べるというのは当然のことでもあります。また一方で、今回の改正で気になるところは、対象者が障害者であるにもかかわらず、保育分野より一層進んだほぼ完全な当事者間の契約による利用方式となっていることが懸念されるというか気になるところでありまして、保育所方式とせず、なぜこのような利用契約方式とすることとしたのか、この理由についてお伺いしたいと思います。
#86
○今田政府参考人 保育所方式ではなくて一般の利用方式を障害者に対してもなぜ適用したのかという御趣旨かと思います。
 私ども、障害者福祉の理念から申し上げますと、結局、障害のある方もない方も一緒に支え合って地域で生活していこうという社会、いわゆるノーマライゼーションあるいは平等な社会を目指すという考え方に一つは立っていること。さらに、障害者が子供に対する親というような保護の対象としてではなくて、一人の生活者としてみずからの生活をみずからの意思で選択、決定していきたいという自己決定権の尊重という観点から、障害者のサービス利用に当たっても、事業者との間で直接契約を結ぶ形でのサービスの提供の仕組みをつくった次第でございます。
#87
○吉田(幸)委員 契約による利用制度に変更されるわけでありますから、利用者が施設等を選べなければ意味がないわけでございます。実際に選べるだけの施設が整備をされているのか、また、その需要とそれに対する施設の整備状況、この点についてお伺いしたいと思います。
#88
○今田政府参考人 一つは、この利用制度化が成った時点で円滑な利用が図られるかという御指摘かと思います。
 現在、この仕組みを導入する時期を平成十五年度からということにしているわけでございます。したがいまして、その間、そのためのサービス基盤の充実は大変重要なことだ、このように思っております。
 現在、平成十四年を目標に、障害者プランの最終年を目指しまして、例えば身体障害者の療護施設については二万五千人分、あるいは知的障害者の更生施設については九万五千六百人分の目標を立てまして、その整備を進めているところでございます。十年度末の整備実績で申し上げますと、身体障害者の療護施設については二万一千五百人分、知的障害者更生施設については九万五千三百人分ということで、その目標に向けて着実な整備を進めてきているのが現状でございます。
 なお、こういった入所のための施設の整備は当然していかなければならないわけでありますが、一方で在宅サービスの充実との相関になっていく。つまり、在宅サービスが充実すれば、その一方で施設はむしろ必ずしもファーストチョイスにならないという事例もあろうかと思います。
 そういった意味からいたしますと、今後、こういった利用制度化を平成十五年に向けて取り組まなければならないのは、一つはそういう施設サービス、さらには、それにあわせて在宅サービスの整備充実というものを図ることによって、できるだけ利用者に円滑なサービスの利用が図られるように今後も努めていかなければならない、このように思っております。
#89
○吉田(幸)委員 次に、支援費の支給についてお伺いをしたいと思います。
 支援費は、実際は原則としてサービス供給事業者が代理受領することとされております。なぜ代理受領とすることを原則としたのか、この理由をお伺いしたいと思います。
#90
○今田政府参考人 支援費でありますけれども、この代理受領方式と申しますのは、まさに今回の利用料方式が、障害者みずからが契約をしてそこで必要な費用を払うという形で一つの対等な関係をつくろうという考え方が基本にあるわけであります。ただ、個人が全額お払いをするということになりますと、結局その後でそれにかかる費用が返ってくるわけでありますけれども、障害者本人が利用料を一時立てかえておかなきゃならないということにもなりかねない、あるいは低所得の障害者にはサービスの円滑な利用が難しくなるというような観点から、代理受領方式によって施設の側がそのかかる利用料の自己負担を除く部分について請求していただくというふうな形をとらせていただきました。つまり、それを利用される方々の便宜が一つございます。
 一方、事業者にとっても、個々の利用者からではなくて市町村から支援費を受け取ることになりますので、個人に対応するよりも一括した対応が可能だという意味から、事業者にとっても効率的ではなかろうか。
 このように、利用者、事業者、市町村それぞれの利便を考えまして代理受領方式をとることとした次第でございます。
#91
○吉田(幸)委員 最後に、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
 今回の改正で社会福祉の構造改革は形が整ってきたと思うわけでありますが、社会保障制度における年金、医療等の制度全般の構造改革の行方はどのようになっていくのであろうか、今後の方向性について、また、いつもお伺いしているんですが、大体どれぐらいの時間的なスケジュールで進めていくお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
#92
○丹羽国務大臣 委員御案内のように、私どもが想像する以上の少子高齢化の波が我が国に押し寄せておるわけでございます。しかも、経済情勢が一時の高成長から低成長に来た。こういう中におきまして社会保障に関する費用は増大を続けておる、こういうような背景があるわけでございます。今まさに社会保障制度そのものが大きな曲がり角に達しているのではないか、このような認識に立つものでございます。
 こうした実態を踏まえまして、この制度改革そのものは避けては通れない課題でございます。国民の皆様方に、時には痛みを伴うこともございますけれども、率直に御理解をいただきまして、一歩一歩その改革を進めていかなければならない、こういうふうに考えておるような次第でございます。
 年金制度につきましては、既にこの国会で成立をお願いしたところでございますし、また、医療制度につきましても、現在国会に法案を提出しお願いをいたしておるような次第でございます。それから、いわゆるお年寄りの介護保険制度につきましては、関係者の方々の御努力もございまして本年の四月からスタートしたわけでございますが、まずまず大きな混乱もなくスタートしておるところでございます。
 いずれにいたしましても、これまではこうした医療であるとか年金であるとか介護であるとか、どちらかというと縦割り行政の中で行われてきたのではないか、こういうような御指摘もございます。そういうことで、総理のもとに社会保障構造の在り方について考える有識者会議というものが設置されました。これはまだ時期は具体的に決まっておらないわけでございますけれども、私としては、大体ことしの秋ごろまでには一定の方向、道筋をつけまして、そしてその中において、今度の健保法の改正の問題であるとか、あるいは年金の問題であるとか、さまざまな問題につきまして国民の皆さん方の理解と合意を得ながら一歩一歩進めていく問題だ、こう考えております。
 いつまでにすべてを行うかとか、そういうことはなかなか現実問題として、先生も医療に従事なさっていらっしゃるからよくおわかりと思いますが、やはり現場の御理解も十分にいただかなければなりませんし、時には国民の皆さん方の御負担もお願いをすることもあり得るかもしれない。そういうことを含めまして、とにかく一定の方向性を見出して、将来に向けて長期的、安定的で、真の意味で豊かな老後を過ごせるような強いメッセージを送ることが何よりも大切だ、このように考えているような次第でございます。
#93
○吉田(幸)委員 ありがとうございます。これで終わります。
#94
○江口委員長 次回は、来る二十六日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時六分散会

ソース: 国立国会図書館
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