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2000/05/12 第147回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第147回国会 厚生委員会 第14号
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2000/05/12 第147回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第147回国会 厚生委員会 第14号

#1
第147回国会 厚生委員会 第14号
平成十二年五月十二日(金曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 江口 一雄君
   理事 安倍 晋三君 理事 木村 義雄君
   理事 田中眞紀子君 理事 金田 誠一君
   理事 山本 孝史君 理事 福島  豊君
   理事 児玉 健次君
      伊吹 文明君    大石 秀政君
      大村 秀章君    鴨下 一郎君
      菅  義偉君    鈴木 俊一君
      砂田 圭佑君    田中 和徳君
      田村 憲久君    戸井田 徹君
      根本  匠君    桧田  仁君
      古屋 圭司君    堀之内久男君
      松本  純君    宮腰 光寛君
      宮本 一三君    村田 吉隆君
      山下 徳夫君    山本 公一君
      渡辺 具能君    渡辺 博道君
      石毛えい子君    河村たかし君
      小林  守君    五島 正規君
      渋谷  修君    土肥 隆一君
      中桐 伸五君    古川 元久君
      遠藤 和良君    大野由利子君
      並木 正芳君    瀬古由起子君
      岡島 正之君    吉田 幸弘君
      武山百合子君    中川 智子君
    …………………………………
   参議院国民福祉委員長   狩野  安君
   厚生大臣         丹羽 雄哉君
   厚生政務次官       大野由利子君
   政府参考人
   (外務省総合外交政策局国
   際社会協力部長)     高須 幸雄君
   政府参考人
   (文部省体育局長)    遠藤 昭雄君
   政府参考人
   (厚生省生活衛生局水道環
   境部長)         岡澤 和好君
   政府参考人
   (厚生省児童家庭局長)  真野  章君
   政府参考人
   (厚生省保険局長)    近藤純五郎君
   政府参考人
   (厚生省年金局長)    矢野 朝水君
   厚生委員会専門員     杉谷 正秀君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月十二日
 辞任         補欠選任
  伊吹 文明君     古屋 圭司君
  石崎  岳君     大石 秀政君
  遠藤 利明君     山本 公一君
  田村 憲久君     菅  義偉君
  戸井田 徹君     渡辺 博道君
  宮島 大典君     渡辺 具能君
  家西  悟君     河村たかし君
  中桐 伸五君     小林  守君
  小沢 辰男君     並木 正芳君
同日
 辞任         補欠選任
  大石 秀政君     石崎  岳君
  菅  義偉君     田村 憲久君
  古屋 圭司君     伊吹 文明君
  山本 公一君     村田 吉隆君
  渡辺 具能君     宮腰 光寛君
  渡辺 博道君     戸井田 徹君
  河村たかし君     渋谷  修君
  小林  守君     中桐 伸五君
  並木 正芳君     小沢 辰男君
同日
 辞任         補欠選任
  宮腰 光寛君     宮本 一三君
  村田 吉隆君     遠藤 利明君
  渋谷  修君     家西  悟君
同日
 辞任         補欠選任
  宮本 一三君     宮島 大典君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び産業廃棄物の処理に係る特定施設の整備の促進に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第八三号)
 社会保障に関する日本国とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する法律案(内閣提出第八六号)(参議院送付)
 母体保護法の一部を改正する法律案(参議院提出、参法第一一号)


    午前九時開議
     ――――◇―――――
#2
○江口委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び産業廃棄物の処理に係る特定施設の整備の促進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として文部省体育局長遠藤昭雄君、厚生省生活衛生局水道環境部長岡澤和好君及び保険局長近藤純五郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○江口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
#4
○江口委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石毛えい子さん。
#5
○石毛委員 おはようございます。連日、大詰めを迎えた審議が続いておりますが、きょう一番目にさせていただきます。
 私は、関連しまして、きょうは容器包装リサイクル法につきましてお伺いしたいと思います。
 まず最初に、PETボトルでございますけれども、多くの論調の中で、容器包装リサイクル法によってPETボトルがむしろ生産、消費を加速されているのではないかというような論点が指摘されるようになってきておりますけれども、九七年度にPETボトルの回収がスタートして以来、この回収、リサイクル量はどのように推移しておりますか、その点をお尋ねいたします。
#6
○岡澤政府参考人 PETボトルのリサイクルにつきましては、平成九年の四月から容器包装リサイクル法に基づきましてリサイクルが実施されているわけでございますけれども、分別収集を実施した市町村の数で申し上げますと、平成九年度には六百三十一市町村、十年度には千十一市町村となっておりまして、分別収集、リサイクルされた量につきましては、九年度で二万一千三百六十一トン、十年度で四万七千六百二十トンという数字になっております。
 また、このうち、リサイクルを指定法人に委託して実施した状況につきましては、九年度に四百四十三の市町村が委託をしておりますし、十年度に七百六十四の市町村、それから、引き取って再商品化した量につきましては、九年度に一万四千十四トン、十年度に三万五千六百六十四トンというふうになっておりまして、七割くらいが指定法人に委託されて再商品化が進んでいるという状況になっております。
#7
○石毛委員 そうしますと、十年度、九八年度でも、三割は独自のルートで何らかの形で処理されているということになろうかと思います。いただきましたデータを拝見しましても、この法律に基づいてリサイクルされておりますガラスですとかアルミ缶、紙パック等々の収集量に比べますと、例えば無色ガラスですと一・一〇倍、PETボトルですと二・二三倍ということで、非常に多くの量が回収に回っている、したがって、消費量も非常にふえているというようなことが明らかになってきております。
 今御指摘いただきました指定法人がかかわっている仕組みについてお尋ねしたいと思います。
 指定法人はまず特定事業者の方から処理やほかに要する費用として、どういうふうに表現したらいいんでしょうか、料金という表現が適切なのか、そこは御判断いただきたいと思いますけれども、どれぐらいの金額を受け取り、また、指定法人が介在して再商品化事業者の方が受け取る料金といいましょうか費用はどれぐらいになっているのか。指定法人をめぐってPETボトルが回収、リサイクルされております全体の仕組みを踏まえた会計状況と言ったらよろしいんでしょうか、それについてお教えいただきたいと思います。
#8
○岡澤政府参考人 まず、容器包装リサイクル法の仕組みでございますけれども、市町村が分別収集をいたしまして、事業者が再商品化するという役割分担をしておりまして、そういう役割分担のもとで、再商品化義務を負う事業者の委託を受けて指定法人が、これは今日本容器包装リサイクル協会というところが指定法人になっておりますけれども、そこが実際の再商品化を行う仕組みになっているわけでございます。
 指定法人では、事業者や市町村の委託を受けて、これらの委託契約に基づいて支払われた再商品化費用を財源として、その後、競争入札等により選定した再商品化事業者に実際の再商品化を実施させるというふうな仕組みをとっているわけでございます。
 このうち、事業者からの費用徴収につきましては、事業者と年度ごとに契約を交わしまして、その契約に基づいて当初に費用が支払われるということになっております。この費用は、例えば十年度について見ますと、事業者からの委託を受けて収入として入ってきたお金が二十八億二千万円になっております。
 それから、それ以外に市町村から指定法人が委託を受けて再商品化を進めるルートもあるわけでございますけれども、市町村の場合にはいわゆる単価契約というふうなことになりまして、一トン当たり幾らということで、市町村の納入した実績に基づいて市町村がその費用を支払うということになっております。十年度には、市町村からの委託によりまして、市町村が払った費用というのは一億六千万円でございます。
 費用の精算の話があろうかと思いますけれども、年度ごとに再商品化の事業を行いますと、お金は前段階で取りますが、最終的に精算が必要になるわけでございまして、これは市町村については単価で調整しておりますので、量に応じて、量が少なくなれば費用が少なくなりますし、量が多くなればそれだけ払う費用も多くなるということになります。事業者の方は、最初に包括的に契約をいたしまして、全体の処理を行った上で、再商品化が終了した段階での精算額が出ますが、その額と受託した額との金額に乖離が生じた場合には、翌年度にこれを精算するというふうな方式をとっております。
#9
○石毛委員 今の御説明では、事業者の方が年度当初に契約を結ばれる総額が二十八億二千万円、市町村の単価契約が一億六千万円、約三十億円という御説明をいただき、そして再商品化事業者の方との精算関係で、そこに余剰が出たらという表現で適切かどうかと思いますけれども、出たら、翌年度にそれをフィードバックするというような御説明をいただきましたけれども、もう少し詳しく、再商品化事業者の方と指定法人との間では、競争入札によって単価といいますか料金を決めているというふうに伺っておりますけれども、それが総額で例えば十年度は幾らになっているのかというようなことはいかがでございましょうか。
#10
○岡澤政府参考人 御指摘のように、指定法人からは、実際に再商品化事業を行う業者に対して、入札されているわけですけれども、その結果、再商品化事業者に支払われた費用の総額は平成十年度の場合二十六億八千万円、それから指定法人自身の再商品化の関連経費が約一億五千万円ございます。合計いたしますと、二十八億三千万円が支出された経費ということになるわけでございます。
 この結果、先ほどの収入との差ですけれども、平成十年度については約一億五千万円の余剰が生じているわけでございまして、先ほど申し上げましたように、この一億五千万円の余剰につきましては、十一年度にこれを精算しているということでございます。
#11
○石毛委員 確認させていただきたいのですが、再商品化の事業者が競争入札の結果受け取られている金額が二十六億八千万、指定法人の事務処理その他経費が一億五千万、その御説明というふうに確認させていただいてよろしいでしょうか。
 これは御感想などを承れればというふうに思いますけれども、私がある方から伺いました結果ですと、PETボトルを回収して受け取られた再商品化事業者の方が、チップにしたり洗浄したり、そういうコストが一キログラム四十円、トン当たり四万円ということになりますでしょうか、そして、入札価格はトン当たり五万一千円から五万二千円ぐらいというふうに伺っております。それに関しまして、昨日の説明でも伺ったのですけれども、特定事業者の方が御負担なさっている金額はトン当たり九万円。
 これは、私のいただきました情報とはかなりの開差があるのでございますけれども、ただいまの政府参考人の御説明ですと余り開差がない。市町村の単価契約の方を含めればもうちょっと開きますけれども、私の方の情報というのは情報として余りにも個別的過ぎる、そういう判断になりますでしょうか、そのあたりの御所見を伺えればと思います。
#12
○岡澤政府参考人 私どもで把握しておりますPETボトルの再商品化の単価を平成十年度で見てみますと、実際には一トン当たりで七千九百円かかっております。これは、収集運搬の費用と再商品化の費用を含めて一トン当たりに直したものでございます。
 先生が今お話しになりました金額が運搬まで含めたものかどうかちょっとわかりかねますので、この数字と比較するのが適当なのかどうかよくわからないのですが、四千円、五千円というような数字ですと、処理の費用、再商品化の費用が大体そのぐらいの金額に相当するのではないかというふうに考えております。
 入札のときには再生業者は再商品化の部分で札を入れるわけですし、収集運搬業者は収集運搬の費用がこれに乗りますので、ケース・バイ・ケースで、収集運搬の費用を足しますと、地域とか状況によってこれより高いケースもあるし安いケースもあるというふうなことになるのではないかと思っております。
#13
○石毛委員 一トン当たり七千九百円ですか。
#14
○岡澤政府参考人 大変失礼いたしました。七万九千円の間違いでございました。
#15
○石毛委員 私が教えていただきました情報といいますのは個別の事例でございますから、それをもって普遍化するには幾つかのハードルがあるのかとも思いますけれども、この指定法人の経理状況といいますのは情報公開、情報開示されておりますでしょうか。あるいは、していただけますでしょうか。
#16
○岡澤政府参考人 指定法人から毎年度事業報告書を提出させておりますので、これは公表されますから、そういう形で経理内容等については明らかになっているものと思います。
 それからまた、単価が適切がどうかというお尋ねについては、例えば市町村が指定法人に対して契約するときに、いわゆる単価契約だというふうに申し上げたわけですけれども、その金額につきましては厚生省初め関係省庁が事業者からのヒアリングを行いまして、その金額の妥当性についてチェックした上で金額を設定しておりますので、適切な金額によって運営されているというふうに私どもは考えております。
#17
○石毛委員 御説明については理解させていただきました。また、この点につきましては、私も報告書などを拝見させていただきまして、引き続き勉強をさせていただきたいと思います。
 政務次官にお尋ねしたいのですけれども、ただいまの政府参考人の御答弁の、指定法人にかかわる全体のコストの状況でございます。当然のことながら、これには市町村自体がPETボトルを回収する資源回収費用あるいはストックヤードに運ぶまでの運搬料などは含まれていないということは、そのとおりだと御確認いただけると思います。
 先ほど来の政府参考人の御答弁で、容器包装リサイクル法が稼働し始めて以降、世の中の消費動向ともかかわって、PETボトルの生産、利用がどんどんふえている、それに伴って市町村の費用負担もどんどんふえていく、こういう状況にあるわけです。新聞報道によりますと、一リットルのPETボトルの資源回収、運搬費用に、ある専門家の計算では二十六円要しているというような報道がございます。
 私は、PETボトルの使用がどんどんふえていくということに疑問を持っているものでございますけれども、市町村が負担する費用の増大というようなことも含めまして、政務次官、どのように御所見をお持ちかということをお尋ねさせていただきたいと思います。
#18
○大野(由)政務次官 今委員が御指摘のように、PETボトルが今、軽くて利便性があるということで、生産量、消費量が大変増加をしておりまして、PETボトルのリサイクルにつきましては、回収量にリサイクル能力が追いついていない、こういう現状がございます。
 そして、このリサイクルのシステムでございますが、リサイクルが進んで回収をすればするほど市町村の負担が重くなる、こういう問題点があるという委員の御指摘はそのとおりじゃなかろうかと思っております。回収コストを事業者にも負担してもらうべきだ、こういう御意見があるということも承知をしておりますし、その必要性についても同感をするところがございますが、これは関係者の皆さんの合意がなければ進まない、こういう問題でもございますので、今後こうした問題についてはしっかりと検討をしていきたい。そして、リサイクルがきちっと社会で定着をしたシステムとしてつくり上げられるように今後いろいろ努力をしてまいりたい、このように思っております。
#19
○石毛委員 政務次官が御答弁くださいましたように、生産者の方の責任の持ち方といいましょうか、日本のリサイクルを含めましたごみの処理の問題につきましては、拡大生産者責任が非常に弱いというような指摘はつとにされているところでございますから、ぜひ、拡大生産者責任をきちっと確立する方向で引き続き早急な御検討をいただきたいというふうに要請を申し上げます。
 次の質問でございますけれども、この四月から同じように指定法人が介在してその他プラスチック類、紙類の回収、リサイクルがスタートをしておりますけれども、どれぐらいの自治体が参加をしておりますでしょうか。また、それに対して、余り多くないというふうに報道等ではされておりますけれども、担当省庁とされましてはどのように評価をなさっていらっしゃいますでしょうか、その点をお伺いいたします。
#20
○岡澤政府参考人 この四月から容器包装リサイクル法が完全施行されまして、紙製及びプラスチック製の容器包装についてもリサイクルの対象となったことは御指摘のとおりでございます。
 平成十二年度、今年度からプラスチック製の容器包装の分別収集を実施することを計画している市町村の数は当初千三百四十八あったわけでございますけれども、このうち容器包装リサイクル法に基づく指定法人に引き取りを申し込んだ市町村の数は四百九十三にとどまっております。これは計画を大きく下回っている状況になっているわけです。
 その理由でございますけれども、指定法人に引き取りを申し込まずに、直接市町村から業者に持ち込むケースも多少はあるというふうに考えられます。しかし、主に、住民に対する分別収集の方法の周知とかストックヤード等の施設整備に時間がかかってこの体制ができなかったということが主な事情だというふうに考えておりまして、十三年度以降は分別収集を実施する市町村がふえてくるというふうには考えておりますけれども、とりあえず、市町村の中では延期したところが多かったということではないかと思っております。
#21
○石毛委員 今の御答弁の最後のところで、これから分別収集する市町村がふえてくるだろうという評価をされていると伺いましたけれども、それは何か論拠があっての御答弁でしょうか。
#22
○岡澤政府参考人 容器包装リサイクル法の施行につきまして市町村に意向調査も行っておりますし、先ほど申し上げましたように、約千三百数十の市町村が紙製及びプラスチック製の容器包装については分別収集を実施するというふうな計画を持っているわけでございます。ただ、実際に申し込んだ市町村の数は少なかったわけでございますけれども、それは体制が整わなかったから延期したということが主な理由というふうに聞いておりますので、当初の予定に比べると時間が多少かかるかなという感じはいたしますけれども、予定している市町村が逐次これに参加してくるだろうというふうに期待しております。
#23
○石毛委員 体制が整わなかったということは、分別収集の問題、それからストックヤードの問題もあるかと思います。
 そのストックヤードに関連してお尋ねしたいと思いますけれども、御承知のように、杉並区の下井草に設置されておりますごみ収集の中継処理施設でありますけれども、その周辺の住民の方々が被害を受けておられるというような事実がございまして、東京都及び杉並区もこれに関して取り組みを進めております。そしてまた、その原因についてもさまざまに指摘されておりますし、これから解明しなければならないというような課題も継続しているわけでございますが、私自身は、その他プラスチック類の回収に関しまして、中継処理施設、ストックヤードの施設のあり方に対して、各地で、その地域の方々が大きな不安と疑問をお持ちになっているというふうに受けとめているところがございます。
 そこで、とりわけその他プラスチック類に関連して、中継処理施設に補助金が出されていると思いますけれども、その補助金の施行の中身について御説明いただきたいということ。それから、施設としての処理基準ですとか、あるいは施設基準というのでしょうか、そういう基準についてどのような定めがありますかどうか、その点についてお尋ねしたいと思います。
#24
○岡澤政府参考人 お尋ねの中継施設でございますけれども、ごみの破砕や圧縮などを行う施設は廃棄物の処理施設ということになりますので、こうした圧縮破砕施設に対しては国庫補助を行っております。
 それから、当然、こうした廃棄物処理施設については法律でも廃棄物処理施設としての規制を受けますので、具体的に申し上げますと、ごみから生じる粉じんや汚水などによって周辺環境が悪化することを予防するための適切な処理が必要というふうに規制の対象になっておるところでございます。
#25
○石毛委員 粉じんとか汚水について適切な処理が必要というのはかなり漠然としたガイドラインだと思います。もう少し詳しく、例えば定期的な分析値として、まだ建てていない自治体ではそれは計画の話になっていくのだと思いますけれども、厚生省としまして、例えば建築の仕様によって、こうした圧縮による気体の中に含まれるさまざまな化学物質はどの程度であるべきであるというようなもう少し具体的なガイドラインのようなものはないのでしょうか。
#26
○岡澤政府参考人 規制内容の具体的な例でございますけれども、ごみの飛散、悪臭の発散等を防止する構造を採用すること、あるいは排水処理設備を設置すること、それから、施設の設置に際して生活環境影響調査を実施することなどが規定されております。また、その施設から出ます排水につきましては、定期的にこれを検査しなければならないというふうなことが義務づけられておるところでございます。
#27
○石毛委員 昨日担当の方にお伺いしましたところでは、例えば、家電のリサイクルですとか自動車のリサイクルなどにつきましては、厚生省としましてもさまざまな研究もされているというふうに伺っておりますし、それから、RDFにつきましても、ダイオキシンの発生などと関連しまして調査研究がされているというふうに伺いました。
 私は、その他プラスチックといいますのは、本当に多種多様、もうどれぐらいの種類に上るかわからないというように種類がたくさんあって、自動車とか家電というような、ある意味では非常にグルーピングされた消費財とは違うたぐいのものだと思います。ぜひとも厚生省で、そうしたその他プラスチック類が例えば圧縮をされた場合にどういうような問題が出てくるのか、影響が出てくるのかというようなことに関しまして、粉砕についてもそうでございますけれども、もう少し綿密な調査を事前にしていただきまして、消費者が安心できるような中継処理施設の建設に進むように、厚生省としての特段の取り組みを要請したいと思いますけれども、いかがでございましょうか。
#28
○岡澤政府参考人 さまざまな化学物質が商品に使用されておりますし、それが廃棄物になって混入されてまいります。こうした廃棄物の処理やリサイクルの過程で生じます化学物質については、私どもの方としてもできるだけの知見を集積いたしまして、市町村に情報提供する、あるいは、必要があれば基準の見直しなどを図っていくというふうに考えております。
#29
○石毛委員 よろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
#30
○江口委員長 小林守君。
#31
○小林(守)委員 民主党の小林でございます。
 厚生委員会の方に出席をさせていただきまして質問の機会を与えていただきましたことを、まず感謝を申し上げたいと思います。
 時間の関係で、まず大臣の方からお聞きをしておきたいというふうに思います。大臣、何か予定があるようでございますので、質問が終わりましたらば退席されて結構です。
 まず、今回の法改正では、公共関与による適正な処理施設の設置というものが大きな取り組みの一つに挙げられるわけであります。
 公共関与によって適正な処理施設を設置しなければならなくなっている現状については、いただいた資料の中に、産業廃棄物については毎年四億二千六百万トンの排出がなされている、そして、それを最終処分する残存容量については一億四百十万立米、残余年数は、平成十一年の十月でありますけれども、一・六年というような数値が示されているところであります。
 年々最終処分場の残余年数の逼迫が急迫しているというふうに言えると思いますし、なおかつ、新しい最終処分場の設置というものが許可件数が減っているというような形で、もちろん規制強化ということがあろうかと思いますけれども、しかしながら、処分施設に対する国民の不信、そして怒りというものが非常に高まっていてどうにもならない状況になっている、このようなことを背景にして、公的関与による適正な処理施設の設置ということが課題として取り上げられてきたのだろう、このように思います。
 産業廃棄物の処理施設を公的関与によって都道府県が行うことができるというように改正がされたり、あるいは廃棄物処理センターの設置数を、従来は都道府県一カ所ということになっておりましたけれども、この数を制限しないようにするなど、そういう点では公共関与による適正な処理施設の設置などが改正の柱になっているわけであります。
 そのほか、そういうことになりますと、今後、現状を改革していくために、不法投棄の監視活動の強化等都道府県の組織や人員の充実が必要になってこようかと思います。現在の法制度の中でも環境衛生指導員の配置というものがあるのですけれども、これらについてもどうなっていくのか、増員等についてはどうなるのか。
 このようなことをまずお聞きしたいと思いますが、観点といたしまして、なぜ公共関与しなければ適正な処理施設の設置が進まないのかというようなことを視点に置いて、お聞きしたいと思います。
#32
○丹羽国務大臣 廃棄物の適正処理を確保しながら循環型の社会を構築していくためには、都道府県の役割というものは今後ますます増大していくものと考えているような次第でございます。国といたしましても、これまで、都道府県が行います不法投棄監視員などの監視活動に対しまして財政支援を行ってまいったところでございます。
 いずれにいたしましても、委員が御指摘のように、環境衛生指導員の増大など、さまざまな形で監視体制というものも十分に整えていかなければならないわけでございます。今後とも、都道府県による不法投棄の監視体制を強化するために、私どもといたしましても、最善の努力をする決意でございます。
#33
○小林(守)委員 そういう方向でぜひ取り組みをお願いしたい、このように思います。
 一般廃棄物については、現在の清掃行政が十分な人員で行われているのかどうか。例えばPETボトルの回収、再資源化の問題についてもいろいろな問題があると先ほど石毛委員の方からもございましたけれども、これから循環基本法などが制定される方向で進んでおりますし、さらに、再生資源利用促進法、いわゆるリサイクル法も強化改正をされるというような方向で、ごみの排出抑制とか減量化、そういう方向で相当の取り組みが強化されてくる方向は間違いないとは思うのです。
 そうなった場合に、自治体の清掃行政とか都道府県の産廃に対する行政が、今日までの行政から性質が変わっていくのではないか。ただ単に出たものをどうやって回収して再資源化をしていくかというだけの行政ではなくて、要は、もっと発生抑制とか減量化とか不法投棄の監視とか、そういう方向に仕事の中身が変わっていくのではないか、このように私は考えているのです。
 これは、大臣は退席されましたので、政務次官あるいは政府参考人で結構ですので、御答弁をいただきたいと思います。
#34
○岡澤政府参考人 御指摘のように、従来廃棄物の処理というのは、衛生処理ということで、環境というよりは、生活、身近な部分の環境について問題を起こさないということを中心に取り組んでまいりましたけれども、ダイオキシン問題等を契機に広く環境問題全般とのかかわりということも指摘されておりますし、また、循環型社会を形成していくためにリサイクルを進めていくことも必要であり、これは資源行政との連携も含まれてくると思います。
 そうした意味で、廃棄物行政そのものが大きく転換しているというふうな状況がございますので、私ども、そうした社会状況に即して法制度の組みかえもいたしますし、また、廃棄物の処理あるいはリサイクルのあり方についても、そういう方向に誘導させていきたいというふうに考えております。
#35
○小林(守)委員 その点では共通認識に立っているなというふうに確認をさせていただきました。
 それでは、次に移りますけれども、今回の基本法の制定に向けて、既に衆議院では法案を採決して参議院に送った段階でございますけれども、廃棄物の問題をとらえていくためには、やはり川上対策というか上流対策がなされなければ、下流で幾らリサイクルだ減量化だといっても、どうにもならない現実があるわけであります。
 出口が本当に逼迫している状況の中で、最終処分場あるいは焼却施設の問題等を考えるならば、やはり発生抑制、減量化というものに真っ先に取り組んでいくということは、今回の法案でもあるいは環境基本計画の中でも当然のごとく優先順位も含めて位置づけられているわけでありますけれども、まず、廃棄物の処理に当たって、物の製造とか輸入とか流通の段階の規制も極めて重要だというふうに考えます。そこで、廃棄物処理法においてはこの点をどう取り組もうとしているのか。
 上流の対策なくして下流のリサイクル対策は不可能であるし、適正処理も不可能であるというようなことを指摘させていただきまして、この上流対策について、廃棄物処理法はどうしても出たものをどうするかというだけの発想になりがちだというふうに思いますけれども、下流から上流へ逆流させるような静脈経済というか、そのような循環システムが形成されないならばどうにもならないわけでありますから、そういう点で、下流のリサイクル対策を可能にするためにも上流対策をどうするかということを、これは政務次官の方にお聞きしたいと思います。
#36
○大野(由)政務次官 委員が御指摘のように、まさに上流対策から廃棄物処理はきちっとしなければいけない、そのとおりであろうと思っております。
 この廃棄物処理法は、廃棄物をいかに適正処理をするかというようなところに特化した法律になっておりますが、今、国会で審議をされております循環型社会形成推進法、この中の個別法の一つとして廃棄物処理法が位置づけられるようになる、このように思っておりますが、この循環型社会形成推進法と相まって、上流から下流までの一貫した廃棄物の適正処理にしっかり取り組んでいかなければいけない、このように思っております。
 現在の廃棄物処理法の中におきましては、廃棄物の減量化とか適正処理を進めていくために、製造、流通段階で事業者の取り組みが重要である、こういうことから、国が基本方針を定めまして、そして都道府県の廃棄物処理計画を定めて、廃棄物の減量化や適正処理を計画的に進めていく、そういう仕組みをつくる、このようにしております。また、多量に廃棄物を排出する事業者につきましては、処理計画の作成を義務づけて、その実施状況を公表することによって事業者の取り組みを促してまいりたい、このような内容のものを盛り込んだところでございます。
 また、ほかのリサイクル関連法におきましても、事業者によります製造工程等における減量化の推進が位置づけられているところから、こうした法制度と相まって、先ほどの循環型社会形成推進法とも相まって、効果的な施策の推進を図ってまいりたい、このように思っております。
#37
○小林(守)委員 関連しますけれども、廃棄物処理法では、排出抑制とか再使用とか再利用、あるいは適正処理、三Rの原則とよく言われますけれども、この優先順位については法律には特別どこにも規定はされておりません。
 そういうことでございますが、基本的に厚生省の認識として共通理解できるものではないかと私は思うのですけれども、排出抑制とか再使用、再利用については、従来の省庁所管の関係からいうと、これは通産省の所管ですよというようなことで省庁縦割りの弊害が相当今まであったのではないか。そのことによってさまざまな問題が、資源や廃棄物の区分の問題も含めて、三Rの原則があるいは循環型社会のサイクルがうまく回らなかったというふうにも言えると思うのですけれども、廃掃法を基本的に所管する厚生省の立場から、このリサイクル法を所管する通産省の排出抑制とか再使用とか再利用について、具体的にどういうレベルで、どういう行政機構の中でこれを相互調整しながら円滑な循環ができるように進めようとしているのか、その辺の認識をお聞きしたいと思います。
#38
○大野(由)政務次官 御指摘のとおり、排出抑制、再使用、再利用、こういう問題につきましては、今回の廃棄物処理法には明記をされていないわけでございますが、循環型社会形成推進法の中に明記をされておりますし、この法律と相まって、この廃棄物処理法もその個別法の一環と位置づけて、しっかりと進めてまいりたい。
 大量生産、大量消費、大量廃棄型の日本のこの制度、システムのあり方を見直していかなければいけないのであって、大量生産、大量消費、大量廃棄の中にただ大量リサイクルが入るだけであっては意味がないのじゃないか。おっしゃるように、まず排出抑制というものがなきゃいけない、再使用また再利用がなければならない。こういうことと一体的に講ずることによって、まず最初の段階から限りなく廃棄物が出ることを少なくする、排出そのものを少なくして、そして、最終処分をする廃棄物の最終的な処分場だとか適正処理ということをしっかりとやってまいりたい、この辺が大変重要である、このように思っております。
 ただ、今回の厚生省所管の廃棄物処理法は、先ほども申しましたけれども、まずは廃棄物の処理について生活環境保全上の規制措置を講じて、廃棄物をどう適正処理するか、こういう特化した法律なものですが、これだけじゃなくて、今国会でもほかに五つの法案がかかっておりますので、このほかの法律とともに総合的にこれは進めていく問題である、このように思っております。
#39
○小林(守)委員 その辺の認識については、共通理解に立っているものと考えます。
 それでは、もう一つ政務次官にお聞きしたいのですが、有害化学物質移動登録法、PRTR法も制定されました。有害物質対策が進められようとしているわけですけれども、特別管理廃棄物、特管、一般廃棄物あるいは産業廃棄物があるわけですけれども、これらについての指定がまだ進んでいないのではないか。
 今後どのように追加して、いわゆる有害物質対策をどう進めていくのか。国際条約であるバーゼル条約との整合性も図るべきではないかというふうに考えますけれども、現状をどのように考えておられるか、お聞きしたいと思います。
#40
○大野(由)政務次官 特別管理廃棄物の指定につきましては、平成七年に、ジクロロメタン、四塩化炭素等の化学物質を基準を超えて含みます汚泥とか廃酸とか廃アルカリ等を追加したところでございます。また、本年一月には、ダイオキシン類対策特別措置法の成立に伴いまして、廃棄物処理施設から排出されます焼却灰のうち、一定量のダイオキシン類を含むものを特別管理廃棄物に追加したところでございます。
 今後とも、委員が御指摘のように、バーゼル条約や環境基準の制定状況等を踏まえまして、特別管理廃棄物の追加について積極的に取り組んでまいりたい、このように思っております。
#41
○小林(守)委員 政務次官、ありがとうございました。これからは細かい詰めの議論をしたいと思いますので、御退席で結構でございます。
 まず、今回の法改正の中で、排出事業者責任が廃掃法ではかなり具体的に徹底されたな、このように私は評価をしている一人であります。その中で、条文の読み方、どこまで読んだらいいのかなかなかわからないような部分がありますので、確認をしておきたいと思うんです。
 いわゆる排出事業者責任の中で、不法投棄をした事業者に第一義的な責任があるのは当然でありますけれども、しかし、それを委託をしたもともとの排出事業者まで不適正なやり方をしていると原状回復の措置命令がかかりますよという、かなり突っ込んだ法文の改正が十九条あたりにあるようであります。
 問題は、私の方の地元でもいろいろあるんですけれども、不法投棄の現状が放置されていて、行政が措置命令をかけようかかけまいか大変迷う、そして、例えば行政代執行というんですか、不法投棄者そのものが行方不明になってしまったり所在が確認できない、あるいは回復するための資力がない、費用負担ができない、このような場合に行政が代執行せざるを得ないというような状況があるわけなんです。
 実は、その不法投棄または不適正管理をしている土地そのものを貸している方がある場合、自分で持っている土地にやっている場合もあるでしょうし、どこかに借りてやる場合があるんですね。それで、借りてやった場合にはその土地の管理責任というんですか――その方はその投棄のためにある業者から金をもらっている。それが不法投棄だということになった場合に、行政代執行で都道府県なりが国民の税金できれいにする、元に戻す。土地管理責任者は金をもらっていて、税金できれいになっているのに不法投棄の実態に責任を持たない、それで済んでいいのか、社会的な公正からいっておかしいんじゃないかということが、私の地元の栃木県などでも問題が幾つかありました。
 そういう点で、今度の法改正でこれはどういうふうに措置ができるようになるのか、お聞きしたいと思います。
#42
○岡澤政府参考人 今回の法改正におきましては、御指摘のように、排出事業者責任を徹底するために、最終処分までの適正な処理を確保する注意義務を排出事業者に課した上で、不法投棄等が行われた場合の原状回復の責任を強化することとしているわけでございます。
 排出事業者の原状回復責任につきましては、不適正処分を行った者等に資力が不足している場合であって、適正な処理料金を負担していないなど、最終処分までの適正な処理を確保するための注意義務を怠っているような場合、あるいは、産業廃棄物の管理票に係る義務に違反したときなどにつきまして、排出事業者に対して原状回復のための措置命令の対象とするというふうにしたところでございます。
 また同時に、不法投棄をあっせんするブローカーとか、不法投棄を知りながら土地を提供した土地所有者、今質問のあったようなケースでございますけれども、そういう土地所有者に対しましても措置命令の対象に含めるということになっておりますので、行政代執行をする以前に、こういう措置命令の対象者に対して命令を発して原状回復措置を行わせることができるというふうになったわけでございます。
#43
○小林(守)委員 時間が迫ってまいりましたので進みたいと思いますが、先月の二十八日に、環境委員会で、私も、廃棄物と資源の定義の問題、判断基準ですか、そういう問題について、非常にあいまいであるし、実際の現場で法を適用するのに迷いがある、なかなか明快な判断がしづらい、これが長期間にわたって不法投棄の現実を生んできてしまったというようなことを指摘させていただきました。
 要は、有価物であるかどうかにかかわらず、例えば今後再生資源化できるものである、資源として有用物であると見たとしても、資源の適正保管とか管理の、これは廃棄物の不適正管理とか不法投棄と区分できる明確な客観的な判断基準を示すべきである、明らかにすべきだということを迫りました。
 それに対して環境庁の水質保全局長の方から、リサイクルと称して不適正処理を行ったり、または、有価物であっても有害物質を流出するなど管理方法に問題がある場合については、厚生省、通産省とも連携して対応を協議していきたい、省庁の連絡会議を設定して一種のガイドライン的なもの、判断基準みたいなものを示していきたいというような御回答をいただいておるわけなんですけれども、そのことに関連して、昭和五十二年の三月に、厚生省の環境整備課長通知が、廃棄物の定義の中の不要物とは何だというようなことを説明するための通知が出されております。
 これは、今回の基本法や改正を見るならば、やはり従来型のこのままの通知ではおかしいのではないか、このままでいいのかどうか。私は、廃掃法の中で廃棄物の定義、不要物の解釈の仕方について当然今後変更されるべきである、このように考えますが、それらについてどう考えているか、お聞きしたいと思います。
#44
○岡澤政府参考人 廃棄物の定義についてのお尋ねでございますけれども、現行の廃棄物処理法では、廃棄物を「汚物又は不要物」といたしまして、通知の中でも示されておりますように、主として、占有者が有償で売却できるか否かを基準として規制を講じている、廃棄物に該当するか否かは占有者の意思、その性状等を総合的に勘案して実態に即して判断するというふうにしているところでございます。
 しかし、先生の御指摘にもありますように、これが有価物と廃棄物との境をあいまいにして、結果的に有価物というものを隠れみのにした不適正処理につながっているのではないかというふうな御指摘もありますし、私どもも、ある程度そうしたことがあるということは認めざるを得ないように考えております。
 問題は、やはり有価物と廃棄物との境が非常にわかりにくいということで、これは、占有者の意思、その他いろいろな概念が入ってまいりますので、いわば外側から見ただけではわからないところが問題ではないかというふうに考えておりまして、なかなか難しい問題ではあると思いますけれども、有価物と廃棄物をできるだけ客観的に区分できるようなマニュアルなりガイドラインなり判断基準なり、そうしたものを、環境庁とも連携をとりまして早急に取り組んで、現場の指導や監督の際にできるだけ混乱が生じないような措置を講じていきたいというふうに考えております。
#45
○小林(守)委員 時間が来てしまったんですが、今の御答弁を今度は裏側から確認する意味で。例えば不要物という一つのガイドライン、マニュアルをつくって考え方を整理する。そうすると、裏返しとして、有用物であっても廃棄物である混合物があるわけですね、有用物であっても廃棄物である限り廃棄物処理法の規制はかかるのかどうか。かかるということを確認したいんですが、いかがですか。
#46
○岡澤政府参考人 御指摘のとおりでございます。
#47
○小林(守)委員 終わります。
#48
○江口委員長 午前十一時十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午前九時五十九分休憩
     ――――◇―――――
    午前十一時十分開議
#49
○江口委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。児玉健次君。
#50
○児玉委員 日本共産党の児玉健次です。
 最初に、今回の改正案に即して一、二お聞きをします。
 第八条の二第二項、一般廃棄物、第十五条の二第二項、産業廃棄物、ここに関する部分、いわゆる立地規制ですが、所沢市のように市の条例によってダイオキシンについて国の暫定基準より厳しい基準を設定している自治体もあります。政令で定める基準とはどのような基準となるのか、そして、都道府県知事は許可しないことができると明記されておりますが、それはどのような場合なのか、具体的に示していただきたいと思います。
#51
○岡澤政府参考人 今回の法改正におきましては、焼却施設の設置許可の要件の特例といたしまして、施設の過度の集中立地により大気の汚染に係る環境上の基準の確保が困難となるような場合には、当該施設の許可をしないことができるというふうにしたところでございます。また、周辺の施設への適切な配慮を行うことを許可の要件として明確にしたということもございます。
 それで、大気の汚染に係る環境上の基準といたしましては、ダイオキシン類対策特別措置法に基づきますダイオキシン類の大気環境基準、これは一立方メートル当たり〇・六ピコグラムという数字になっておりますけれども、これと同等として定めることを予定しております。
 これによりまして、廃棄物処理法上の排出基準を満たす焼却施設、あるいは市町村が独自に条例で制定した厳しい排出基準を満たす焼却施設でありましても、施設が過度に集中して立地して大気の環境基準の確保が難しいというふうな状況になれば、都道府県知事は当該施設を不許可とすることができるということになります。
#52
○児玉委員 次に、厚生大臣に伺いますが、法案の第十条の三項、「都道府県は、産業廃棄物の適正な処理を確保するために都道府県が処理することが必要であると認める産業廃棄物の処理をその事務として行うことができる。」とあります。私は、本来、産業廃棄物の処理は、廃棄物を製造し、排出した企業の責任だと考えています。産業廃棄物処理施設の建設に国、自治体が関与することは、製造企業、排出企業の責任をあいまいにさせるのではないかという指摘もあります。
 私は、大臣に次の点をはっきりさせていただきたいと思うんですが、このことによって住民に新たな負担を強いることがあってはならないと考えます。その点、いかがでしょうか。
#53
○丹羽国務大臣 委員御指摘のように、産業廃棄物につきましては、これまでどちらかというと公共団体というものは一歩下がって民間にお任せをしていた、こういう嫌いがあったわけでございます。そういう中におきまして、さまざまな問題点が指摘をされてきている。特に、平成四年に法改正をいたしまして、全国各県にセンターをつくるという問題も、率直に申し上げてなかなか使い勝手が悪いのじゃないかということで遅々として進まなかった、こういうような嫌いもあったわけでございます。
 こういうことを踏まえまして、今回、私どもでは、都道府県など公共が関与する安心して信頼できる産業廃棄物処理の整備を進めなければならないということで、実はこれは一歩前へ出てきた、こういうことであるわけでございます。
 そこで、先生が御懸念をなさっていることは、これによって住民の負担がふえるのではないか、こういうことでございますけれども、産業廃棄物の処理につきましては、あくまでも排出事業者責任が原則であります。これには変わりはないわけでございまして、公共関与の施設につきましても、当然のことながら、適正な処理費用につきましては排出事業者に負担させるということでございまして、住民の皆さん方にこの負担を転嫁するようなことがあってはならない、こう考えているような次第でございます。
#54
○児玉委員 そのことはぜひ厳格にこの後進めていただきたい。あわせて、今大臣もおっしゃったけれども、あくまで産業廃棄物についての責任は製造者及び排出者にある、そこの点も揺るがないようにしていただきたい。この点は強く要望しておきます。
 次の問題に入ります。
 産業廃棄物管理票、以下私はマニフェストと呼ばせていただきます、ひな形をいただきました。このマニフェストを実効あるものにさせる問題、そして排出者責任について質問をしたいと思います。
 この際ちょっと一言言えば、一九九一年、平成三年の九月に、この廃掃法の改正が行われたとき、日本共産党を代表して、私は、このマニフェストの問題に触れて、すべての産業廃棄物にマニフェストを適用する、こういう修正案を提出しました。その後の改正を経て、この問題について以下行うような議論が可能になったことを私は喜んでいます。
 そこで第一の問題は、法第十二条の三で、事業者は産業廃棄物の運搬、処分を他人に委託する場合には、産業廃棄物管理票、マニフェストを交付しなければならないと明記しています。また、十二条の四では、虚偽の記載をして管理票を交付してはならないとあります。それぞれについて罰則が付されている。この「交付しなければならない。」というのは、これまでマニフェストを交付しなかった排出者がいるから罰則も付してこのように盛り込んだのではないか。虚偽記載についても、虚偽の記載をする例があったから、今回「虚偽の記載をして管理票を交付してはならない。」このように法で明記したのだ、私はそう理解しています。
 マニフェストの不交付、虚偽記載でどのような実例があったのか、典型的なものを一、二示していただきたいと思います。
#55
○岡澤政府参考人 マニフェストの虚偽記載あるいは不交付がどのような場合にあるかというお尋ねでございますけれども、我々、実態的に把握しておりますのは、不法投棄が行われたような際には、それに絡んでマニフェストの虚偽記載とか不交付等の違法行為が行われているケースが非常に多いというふうに理解しております。
 しかし、個々の事件としては、警察が捜査の際に証拠物件としてマニフェストを押収するというふうなことをされておりますので、ただいま厚生省として正確な状況を把握しているわけではございませんけれども、もし先生の方でお許しいただけるのであれば、代表的な事例を都道府県から聴取いたしまして、先生の方にお届けするというふうにさせていただきたいと思いますが、よろしいでございましょうか。
#56
○児玉委員 その点はこの後の取り組みの問題もありますから、後日でいいですから、典型的な事例を幾つかお示しいただきたい、こう思います。
 そこで、私は、マニフェストの実効性をどうやって確保していくか、この問題について、全国の医療廃棄物の問題を例にしながら、以下質問をしていきたいと思います。
 医療廃棄物についていえば、専門家、関係者の指摘にありますが、全国の医療廃棄物の年間排出量は推定八十万トン、その中で感染性廃棄物は三十万トンに上る。全体の排出量の巨大な量に比べれば一部ですけれども、それがどのような危険性を持っているか、どのように細心の注意が必要であるかということについては、私はあれこれ述べる必要はないと思うんです。
 これを例にして若干の質問をいたします。
 厚生省が昨年六月二十五日に出された廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアルの一部改正について拝見しました。なかなか詳細なものです。その中で医療廃棄物を、感染性一般廃棄物、もちろんこれは特別管理一般廃棄物の中の感染性一般廃棄物です、そして、感染性産業廃棄物、特別管理産業廃棄物の中の感染性産業廃棄物と分けていらっしゃる。当然、前者は市町村が処理することになる。
 いろいろ区分けを見ていて、そして病院の実態などを聞きますと、例えば、血液が付着した紙くず、繊維くず、脱脂綿、ガーゼ、包帯等、これらは一般廃棄物となっていて、そして、血液等が付着した実験、手術用の手袋等、こちらの方は感染性産業廃棄物に分類されている。実際に医師が医師の専門家性に基づいて医療廃棄物を処理することについて指示するとき、手袋はこっち、ガーゼはあっちなんというようなことはやっていないですね。これは明らかに実態に合っていない。
 そして、ここで区分けしているものに感染性にどのような違いがあるのか。この一般廃棄物の中には、例えば臓器だとかそういったものも含まれている。亡くなられた方がどのような疾病で亡くなられたかということにもしさかのぼれば、こういった区分けが適切であるかどうかといえば、私はむしろ適切でないと言わなきゃならない。
 そこで、厚生省に私は求めたいんですが、これらについて言えば、病院の現場での実態に即して、そして感染性の強い、弱いという点でほとんど特別な意味がありませんから、全体を感染性産業廃棄物に統合していくことが今必要ではないか、そう考えます。いかがですか。
#57
○岡澤政府参考人 御指摘のように、医療機関等から排出される廃棄物につきましては、廃棄物処理法上、一般廃棄物と産業廃棄物というふうに区分されまして、感染性の有無によりまして、それぞれ、特別管理一般廃棄物あるいは特別管理産業廃棄物というふうな区分けをしているところでございます。
 しかし、今御指摘のとおり、医療機関の現場におきましては、まずは公衆衛生上の観点から感染性の有無というものを判断するということが重要でありまして、発生の時点で感染性廃棄物を、一般廃棄物であるのか産業廃棄物であるのかということを区分することはさほど重要な問題ではございません。そのために、現実的な問題として、一般廃棄物と産業廃棄物を区分しないで、感染性のあるものについては感染性廃棄物として扱うように厚生省としては指導しておりまして、その旨、感染性廃棄物処理マニュアルにも記載しているところでございます。
 また、実際の処理を民間に委託して行うということがなされているわけですけれども、特別管理産業廃棄物の許可業者に特別管理一般廃棄物をあわせて委託することを可能にもしておりますし、市町村に委託する場合であれば、市町村に対し特別管理産業廃棄物もあわせて委託することを可能にする、相互乗り入れを可能にしております。このことによって、一般廃棄物と産業廃棄物を医療機関等で区分する必要はない、そういう措置をとっているところでございます。
 こういうことによりまして、法律上の概念としては一般廃棄物と産業廃棄物に区分されますけれども、実態的には両者を一括して処理する、取り扱うことが可能な仕組みとしておりますので、現実に医療機関等の現場で大きな問題が生じていることはないというふうに考えております。今後とも、感染性廃棄物の適正な処理の確保のために、実態把握その他適切な対応をとっていきたいというふうに考えております。
#58
○児玉委員 私の質問に端的に答えていただきたいんですが、実態がそうなっているというのはお認めになった。まさにそのとおりだからです。
 私が言いたいのは、それを区別するのに余り意味がないのだとすれば、全体として感染性産業廃棄物、そちらの方に統合していくことが急務ではないか。その点どうですか。
#59
○岡澤政府参考人 取り扱いの明確さから考えますと、今のような御指摘はもっともなことではないかと思います。
 ただ、一般廃棄物、産業廃棄物の区分は、だれが処理責任を負うかということで全体的に整理しているところがございまして、ほかの廃棄物の区分や定義の話とも密接に絡む話でございますので、我々としては、長期的にどういう廃棄物の定義、どういう区分で法体系というものを整備していくかということを考えていくことが課題だというふうに考えておりますので、そうした御指摘も踏まえまして、今後の検討課題とさせていただきたいというふうに考えております。
#60
○児玉委員 昨年、全国産業廃棄物連合会が厚生省の職員、病院の関係者その他を含めて開催された医療廃棄物処理実務研修会というのがありました。その報告書、なかなか大きいものですし、そして、個々の部分の報告について言えば、その道の専門家が担当されています。
 この中に、非常に率直な質問と答えが出ておりまして、医療機関が委託業者の選択をどうするかという部分でこういう質問が出ている。二者契約が原則と言われるが、従来多く行われている三者契約は違法なのか。この質問にはっきり答える必要があるし、そして、今度の法改正に伴って、ますますその点についての方向というのを明示する必要があると思う。
 これは医療廃棄物に限られたことではありませんが、排出者がすべてを収集運搬者に任せてしまって後はもう関知しない。その収集運搬者がそれを中間の業者、さらに中間の業者、そして処分業者。先日フィリピンに持って行かれた場合も、間に幾つもの業者その他が介在していて、責任が全体としてあいまいになってしまう。これは非常に問題ですね。二者契約が実態的に厳守されなければならないと思う。その点について厚生省の見解をお聞きします。
#61
○岡澤政府参考人 平成三年に行いました廃棄物処理法の改正によりまして、医療機関に限らず廃棄物の排出事業者が廃棄物の運搬または処分を他人に委託する場合には、当事者間での二者契約を結ぶことを義務づけたところでございます。
 したがいまして、医療機関でも、当然、収集運搬業者、処分業者それぞれと契約を結ぶ必要があるわけでございまして、実態がそういうふうになっていないというふうな御指摘かと思いますけれども、この基準につきましては、厳正に適用させるようにこれから努めてまいりたいと思います。
#62
○児玉委員 では、次の問題ですが、マニフェストとそれに伴う契約書には、医療廃棄物の処理をゆだねるわけですから、委託費が金額的にも明示された形で記入されると思うが、いかがですか。
#63
○岡澤政府参考人 マニフェストの中には、委託費の金額を記入してはおりません。
#64
○児玉委員 私が聞いているのは、マニフェストを交付するとき契約書が交わされる、その契約書の中に、委託費が幾らであったか、その金額が明記されるべきだと思うのですが、どうですかと聞いているのです。
#65
○岡澤政府参考人 契約書の中では、当然委託金額が明記されるべきでございます。
#66
○児玉委員 そこで、契約書の中に委託費が明記される、医療機関の医療廃棄物委託費では、とりわけ適正な対価が保証される必要があります。そこのところが安ければいいという形でもし議論が進むとすれば、医療廃棄物の処理についてどこかで不都合が生じるということは、これは推測にかたくありません。
 この点で、医療機関の経営の中で、例えば診療報酬における評価だとか、それらがどのようになっているか、近藤保険局長からお答えいただきたいと思います。
#67
○近藤政府参考人 医療経済実態調査の中で医療廃棄物の委託費用というのを把握いたしておりますけれども、昨年実施しましたものにつきましてはまだまとまっておりませんので、平成九年の九月実施分につきまして数字を申し上げたいと存じます。
 その委託費でございますけれども、一般病院全体で申し上げますと、一病院当たりの平均の委託費は、一カ月分で二十一万二千五百四円ということになっているわけでございます。
 当然のことながら、これは病床数で違うわけでございます。大きな病院が多い法人その他、これは公立病院等が入っているわけですが、法人その他で、病床規模別に申し上げますと、総平均では二十三万四千八百二十九円でございますが、四十九床未満では六万四千二百三円、五十床から九十九床では八万六千八百二十二円、百床から二百九十九床では二十万七千九百八十四円、三百床から四百九十九床では四十九万六千二百十三円、五百床以上では百四万九千九十四円ということで、総平均は先ほど申し上げました二十三万四千八百二十九円となっているわけでございます。
 診療報酬の考え方でございますけれども、診療報酬は、人件費とか物件費とか、こういった医療機関に生じます費用を個別に補てんするという性格のものではございませんで、患者に対しまして提供いたします医療サービスの対価、こういう形で決められているわけでございます。御指摘の医療廃棄物の処理費などにつきましては、直接的に診療報酬上評価するということはしていないわけでございまして、入院料それから技術料、技術料の中には手術料、処置料、注射料ということになろうかと思いますけれども、こういったものの個々の点数で薄く広くという形で評価してきているわけでございます。
 先ほど申し上げましたように、こういった医療経営のコストにつきましては、医療経済実態調査を大体二年に一回行っているわけでございまして、こういう実態を踏まえて中医協で御審議をいただきまして、全体の診療報酬の中に反映させていく、こういう手法をとっているわけでございまして、これからも、経営コストの正確な把握に努めまして、全体の収支バランス、こういうことも当然そういう費用を出すために大事でございますから、そういう点も十分見ながら、中医協の御議論を踏まえまして適切に改定してまいりたい、こういうふうに考えております。
#68
○児玉委員 大臣、ここのところは大臣の考えも聞きたいのですが、業者に委託するとき、それも先ほど厚生省が明言しましたように二者契約が原則で、それを厳守しなければ、茨城県でもいろいろな不法投棄の問題が出てきていますけれども、多くはやはり二者契約でない、マニフェストが交付されていなかったりと、いろいろなケースの結果だと私は理解しております。
 そういう中で、これも私が聞いているところなんですが、医療廃棄物についていえば、キログラム当たり最低二百円程度の対価が保証されなければ責任のある処理が困難だと言われます。多くの場合、それは契約時、入札することになる。安ければ安いほどいいというので、甚だしい例で言えば、一キロ当たり五十円で処理させるケースもあるというふうに私は聞きます。
 それで、今の厚生省のお答えだと、診療報酬で直接的に評価の対象とはしていない、薄く広く入院料や手技料やその他に包含させている。私は、そこが問題だと思うのですね。そうなってくると、全体としての病院経営のことを考えていけば、もし近視眼的に物を見る経営者であれば、そこのところでどれだけ安く入札させるかというところに力が行ってしまう。これではやはり医療廃棄物をめぐる事故というのは今後もなくならないだろうと思う。
 その点について、病院経営に対するどのような保証、例えば院内感染のときに、いろいろ議論はあったけれども、現在ではこれは入院患者に対する診療報酬上の評価が行われています。そして、さっき厚生省がお示しいただいたように、四十九床の病院では六万四千二百三円、五百床では百万何がし、規模によって違って当たり前です。そして、五百床で百万何がしだとすれば、仮にキログラム二百円として、これは五千キログラムに当たりますね。やはり病床の数によってはっきりした差が出てきているんだから、それに対して厚生省としてもきちんとした、病院経営に対する医療廃棄物の委託についての保証を検討すべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
#69
○丹羽国務大臣 先ほど保険局長から答弁申し上げました我が国医療機関に対する評価でございますけれども、御案内のように、今、基本的には、医療サービスに対する技術料、そのほか医療の従事者に対する評価、こういうことを中心にいたしまして、総合的に私どもが評価をしている。その中でさまざまな創意工夫をしながら実際問題として病院経営というのはなされているというのが実態ではないか、こう思っておるような次第であります。
 問題は、例えば医療の廃棄物に対して評価すべきだ、こういうことも一つの考えでございますけれども、率直に申し上げて、まだまだ、例えば薬剤の管理コストの問題であるとか、非常に逼迫している保険財政の中で私どもが評価をしておらない問題もさまざまあることも、紛れもない事実でございます。
 私どもは、今回の法改正において、これを診療報酬上で評価する前に、まず廃棄物の排出者責任、先ほど委員が御指摘になりましたけれども、これがもうひとつ徹底しておらなかった嫌いが、反省を含めて申し上げますとなきにしもあらずであったわけでございます。いわゆる中間処理から最終処理まで一貫して把握をする、こういうものがなくて、今委員からも御指摘がありましたような、明らかにこれはコスト的に見て非常に安過ぎるのではないか、こういうものに対する委託をしてきたところに問題があるのではないか。
 そういうことの反省の上に立ちまして、今回の改正法案におきましては、きちんと排出者責任というものを打ち出すとともに、産業廃棄物、医療廃棄物がきちんと処理できるかどうかということを把握することに目的があるわけでございまして、まずそのことをきちんとするということが今御心配のような問題の解消につながる、このように考えているような次第でございます。
#70
○児玉委員 把握するのは当然必要ですし、今まで十分把握されていないところに問題もありますが、速やかに把握した上で、今私が指摘している問題が重要な検討課題だと私は考えるんですが、ぜひ積極的な検討をしていただきたい。大臣、いかがでしょう。
#71
○丹羽国務大臣 これが診療報酬の問題としてなじむのかどうか、先ほども申し上げましたけれども、いわゆる収入というものの中において総合的に病院経営が行われていることも紛れもない事実でございます。
 例えば、病院経営の中において差益の部分と差損の部分があるわけでございますが、基本的にはこういうものを縮小する方向にあるわけでございます。例えば薬価なんかにつきましては、これはどちらかというと差益の部分でございます。その一方におきまして、例えば看護婦に対する人件費などは、どちらかというと、非常にこの供給というものが逼迫化している中において差損の部分である。そういうことで総合的に病院経営がなされておる。こういう中においてこの問題をどう位置づけるか、このことではないかと考えておりますけれども、御提案としてテークノートさせていただきたいと思っています。
#72
○児玉委員 この点は努力を私は重ねて求めます。
 次の問題ですが、マニフェストの保存期間についてです。
 現在事故を起こしている処分場、全国随所にあります。例えば硫化水素の発生が問題になっている滋賀県栗東町の安定型処分場。安定型処分場で硫化水素が出てくるということ自身理解に苦しむわけですが、そこでは硫化水素の発生が問題になっていて、現在、調査委員会の手で調査が行われている。硫化水素を大量に発生させるようないかなる廃棄物が、どの排出企業からどのような運搬業者の手でいつこの処分場に搬入されたか、現在の仕組みではそれがわかるでしょうか、お答えください。
#73
○岡澤政府参考人 現在の廃棄物処理法の規定ではマニフェストの保存期間が五年になっておりますし、また、マニフェスト制度自体がすべての産業廃棄物に適用されましたのが平成九年からでございますので、過去の埋め立て状況についてそういう資料で把握するということが非常に困難な状況になっております。
#74
○児玉委員 困難だからこそ今からどうしていくかが問題なんで、そこでもう方向は示されていると思うんです。
 先ほどの、いかなる廃棄物が、どのような製造業者、排出業者から出て、そして、どのような運搬業者によっていつどの場所にどの量搬入されたか、そこを確実に記録しておくことが重要であって、そのためにも、マニフェストの保存期間の延長と、前回から皆さんが提起している電子化、ここに向けての努力が非常に急がれるし、重要ではないか、私はそう考えますが、どうですか。
#75
○岡澤政府参考人 御指摘のように、マニフェストを電子化するということになりますと、虚偽の記載とか、そういうことをしにくくなるということもございますし、携行の負担が軽減されるというメリットもございますし、また、今委員御指摘のように、過去の廃棄物の排出実績等を調べる場合にも、電子情報化されていれば、作業が効率的に調べられるというふうなメリットがあると思います。
 特に、過去の埋め立ての状況というようなことが問題になるケースも多々ございますので、廃棄物の処理情報の保存という観点で、電子マニフェストを進めまして、この電子マニフェストを活用して過去の状況を保存しておくということは非常に有益な考え方ではないかというふうに考えております。
#76
○児玉委員 次の問題に入ります。製造者責任についてです。
 法の第三条の二項に、「事業者は、」として、以下の叙述があります。
 物の製造、加工、販売等に際して、その製品、容器等が廃棄物となつた場合における処理の困難性についてあらかじめ自ら評価し、適正な処理が困難にならないような製品、容器等の開発を行うこと、その製品、容器等に係る廃棄物の適正な処理の方法についての情報を提供すること等により、その製品、容器等が廃棄物となつた場合においてその適正な処理が困難になることのないようにしなければならない。
長い引用ですが、これは廃棄物処理法の骨格の一つだと思うから、私はあえてその部分を引用しましたが、法第三条二項のこの部分は製造者の責任について規定していると私は理解します。それでいいですね。
#77
○岡澤政府参考人 この法律の制定当時には製造者責任というような考え方は余りまだ出ておりませんで、当時の考え方とすれば、排出者責任の原則というものを徹底していくためにそういう規定を盛り込んだものと認識しております。
#78
○児玉委員 部長、聞いたことに答えていただきたいんですが、排出者がどうして製品、容器等の開発をしますか。違うんじゃないですか、あなたの答えは。
#79
○岡澤政府参考人 申しわけございません。これは、製造者に対して一般的な義務規定を設けたものでございます。
#80
○児玉委員 その点が肝心なことですよ。
 そこで、さきに紹介した医療廃棄物処理実務研修会の報告書の中に、抗悪性腫瘍剤に関して記載した部分があります。これは、厚生省にあらかじめ資料もお示ししているから検討されたと思う。一九七九年、フィンランドで、シクロフォスファミド、ビンクリスチンなどの化学療法に携わった看護婦が変異性物質で汚染された事実がこの中に紹介されています。
 日本では大量の抗悪性腫瘍剤、抗がん剤が使用されている。使用済みの薬剤容器、容器に残っている薬剤等、これらは感染性がないという理由で一般の産業廃棄物に日本では扱われることになりませんか。なるかならないか、そのことだけ答えてください。
#81
○岡澤政府参考人 通常の産業廃棄物ということになると思います。
#82
○児玉委員 そこが大きな問題です。
 欧米では、既に十七カ国が、これらの薬剤の取り扱いにガイドラインを作成して敏速に対応しています。
 中央環境審議会廃棄物部会の「総合的体系的な廃棄物・リサイクル対策の基本的考え方に関するとりまとめ」、随分長い報告書ですが、次のような箇所があります。「製品が使用済みとなった後について、当該使用済み製品に係る環境負荷の低減のための努力・役割を一に排出者のみに委ねることは適当でない場合がある。特に、主として製品の設計や素材選択、仕様決定等の生産段階における取組が重要な役割を占めるようなものについては、汚染者負担原則を踏まえれば、製品生産者が最も大きな役割を担うべきものと考えられる。」まさに私は同感ですね。
 この立場から今後の廃棄物の問題について真剣に検討すべきだと私は考えます。先ほどの抗がん剤のことも含めて、厚生省の答弁を求めます。
#83
○岡澤政府参考人 廃棄物には、新しい化学物質の使用など、非常にさまざまな形、あるいはさまざまな性状のものが出てくるわけでございまして、従来の廃棄物処理法の体系では、そうしたものに対して、廃棄物の処理という観点で対応しようということで処理基準を設けたりして、環境に出す際には安全にして環境に出そうという立場で基準を設けることで対応してきたわけでございます。
 しかしながら、御指摘のように、医療機関、あるいは医療機関だけではなくて化学工場とかということもあるかもしれませんけれども、そうした特定の事業所から特定のものが出てくる、またそれは、そういうものの取り扱いによくなれているというか、知識、情報がそういう特定のところにあるというふうなものもあるかと思います。
 そういうものについて、どういうふうに対応していくかということでございますけれども、例えば、医療廃棄物のお話がございましたが、医療機関とか処理業者において処理が困難と考えられるような薬剤の処理というふうなことを考えてみますと、医薬品メーカーがその処理に対して一定の役割を果たすべきではないかというふうな考え方も当然あり得るかと思います。
 この問題は、どういうふうに費用負担を関係者の間でしていくのかとか、その処理がうまくいかなかった場合に責任はどうなるのかとか、それから、今は医療廃棄物の話をしているわけですけれども、ほかのものでもそういう同じ扱いをすべきではないかとか、どこまでそうするべきなのかというふうな、関連して検討しなければならない問題が非常に多いというふうには考えますけれども、一つの方向づけとして、特に最近では拡大生産者責任というふうな議論もなされているわけでございますので、そうした枠の中で、廃棄物の対応につきましても、今言ったようなお話を含めて、今後の検討課題として認識していきたいと思います。
#84
○児玉委員 この問題は、現在の廃棄物に関する法律の骨格に関する問題ですからね。医療廃棄物について、感染性の有無だけをメルクマールにして分けていくやり方の欠陥がここに出ていますよ。
 感染性は確かにないかもしれないけれども、しかし、明らかに変異性物質を看護婦にうつしている。そういうときに、製造者が、この製品についてはどのような危険性を持つか、どのような処理が必要であるかということを明示しなければ、フィンランドの事態は日本だって起きるでしょう。DNAその他、いろいろ問題が出ています。
 そこで、私は最後に厚生大臣にお伺いしたいのですが、以前私は、当時スウェーデンにあった自動車のボルボがどのようにこの製造者責任を果たすかということについて、スウェーデンの大使館を通して詳細な資料をいただいたことがあった。なかなかよく考えていますね。この車が十年乗られた後、どう資源を利用し、かつ、廃棄していくとき環境に対する負荷を少なくするか、そのことを製造、設計の哲学にしていますね。
 そういった先進的な努力に学ぶ、法第三条の二項で明示されてもおりますし、中央環境審議会の指摘もあります、製造者責任を今後明確にしていくこと、そのことが同時に排出量の抑制の課題とも直接関連していくわけですから、製造者責任を廃棄物処理のスキームの中ではっきり示していく、この点で厚生省の重要な課題があると思うのです。
 そのことについて、厚生大臣の考えを伺って、質問を終わります。
#85
○丹羽国務大臣 今回提出させていただいておりますこの改正案は、御案内のように、循環型社会を実現するためには、まず廃棄物の減量化を促進し、そして安全で適正な廃棄物の処理をする、こういうような整備をしなければならない、その幾つかの中の一つとして今度の問題があるわけでございます。
 私も、先ほど委員の御質問に対しまして申し上げましたけれども、いわゆる排出者の責任というものをきちんとしなければ結局実効性をなさないのではないか、こういうようなことにつきましては、全く同じ認識を持つわけでございます。
 これまで、どちらかというと市町村であるとかそれぞれの民間団体にお任せをしてきたわけでございますけれども、私どもといたしましても、この問題について積極的に取り組んでいく、その一環としてこの法案を出させていただいたわけでございます。
 国際的に見ましても、OECDの場において一九九四年からこの問題につきまして議論がなされておるところでございますし、加盟国政府が、いわゆる拡大生産者責任の手法を導入する場合のさまざまな留意する点をガイダンスとしてマニュアルの取りまとめを行っていく、こういうことでございますし、私どもといたしましても、例えば容器包装リサイクル法あるいは家電のリサイクル法の制定に見られますように、廃棄後の製品のリサイクルに関しまして、製造事業者が一定の役割分担と責任を果たして、そして市町村の負担の軽減を図るためにやっていくということが何よりも必要である、このように考えているような次第でございます。
#86
○児玉委員 終わります。
#87
○江口委員長 中川智子さん。
#88
○中川(智)委員 社会民主党・市民連合の中川智子です。
 私は、今の休憩で部屋に戻ったときに、大阪の能勢の焼却場でずっと長いこと作業員として仕事をしていらした方からお話を伺ってきました。お一人の方は、もうがんになられて、今抗がん剤を打っていて、その副作用でとてもつらい中を上京していらして、もう一人の方は、ダイオキシンの典型的な症状である皮膚障害に苦しんでいらっしゃいます。
 こんなふうに、いろいろな対策が後手後手に回り、結局それの被害を受けた方々、きょうお会いした方は本当にその代表的な方々なんですけれども、これから二〇〇〇年、新しい二十一世紀に向けて日本がどうきっちりと環境問題に取り組んでいくかということがすごく大事なわけです。
 私も、環境委員会のメンバーでもありまして、循環型社会形成推進法の審議にも当たりましたが、やはりあれを理念法にとどめるのではなくて、本当に個別法が大事であって、特に今回のこの廃掃法の一部改正というのが大きなキーワードになると私は思いますし、これに対して厚生省がかなりの努力をして、一歩大きく踏み出そうということでは大いに評価したいとは思いますが、この改正案そのものは、前回の改正時に積み残された課題があります。
 改正案では、法律に違反したときの許可の取り消し要件や欠格要件というのが追加されて、今回罰則も強化されています。また、大変な御苦労がこれからも想定できるわけですが、暴力団関係者も排除されることになりました。排出者も、処分を委託したときには一応最終処分まで確認しなければいけないということになってはいます。そのことに対しては全く同感で、お互いに頑張っていきたいというふうな思いがあります。
 そこで、これらの問題を整理する意味で幾つか質問をしたいのですが、前回の法改正、三年前の法改正でどこに不備や欠陥、積み残した部分があったのか、そしてまた、厚生省はどのような反省から今回の改正案を提出したか、この改正案で具体的にどこがどうきっちりと改善されていくというふうに認識されているのか、お伺いしたいと思います。
#89
○大野(由)政務次官 平成九年に廃棄物処理法を改正したわけでございますが、その後も悪質な不法投棄が依然としてなくならないということ、そしてまた廃棄物の適正処理に必要な施設の整備が進まない、こういう現下の状況に対応をするために、こうした反省点から今回の法改正をお願いしている次第でございます。
 今回の改正では、今議員も御指摘になりましたけれども、マニフェストの規制強化とか原状回復等の措置命令の拡充、排出事業者の責任の徹底の観点からこれらの制度の拡充を図ること、そしてまた、公共関与によります産業廃棄物処理施設の整備の促進など、平成九年の中では具体的に講じられていなかったものを今回の改正の中では具体的に盛り込んでいる、こういう次第でございます。
 もう少し具体的に申しますと、一つは、廃棄物の減量化や適正処理に関しまして、国や都道府県の役割また目標を明確にいたしまして、公共関与によります産業廃棄物の適正処理に必要な施設整備を確実に進めることにいたしました。
 また、廃棄物処理業や処理施設の許可の要件などを強化することによって信頼できる廃棄物処理を確保できるようにするとともに、さらに、悪質な産業廃棄物処理業者だけじゃなくて、排出者責任なんですが、明らかにきちんと処理されていないということを認識しながら、知りながら排出事業者が処理業者に委託した場合には、その排出事業者の責任を問える、このようにしたものでございます。
 こうしたことから、現下の廃棄物問題の解決に向けた取り組みを着実に進めてまいりたい、このように思っております。
#90
○中川(智)委員 それではマニフェスト制度について質問したいんですが、今回の改正案では排出者は最終処分まで確認することになりましたが、マニフェストの偽造が横行しているというのは周知のとおりなんです。このマニフェストの偽造が横行する原因というのは一体どこにあるとお考えでしょうか。そして、罰則の強化だけではこのような偽造が横行することを取り締まれないと思うんですが、防止の手だてについてどのように考えていらっしゃるか、伺います。
#91
○岡澤政府参考人 マニフェスト制度は、排出者が廃棄物の流れを把握して不適正処理を防止することを目的としたものでございますけれども、委員御指摘のとおり、マニフェストの虚偽の記載などがかなり横行しております。そうした違法行為が不法投棄などの不適正処理に結びついているということではないかと思いますし、そうしたことが起きるのは、廃棄物処理に携わっている関係者の中に、廃棄物の適正処理に対する十分な認識に欠ける人たちが少なからずいるということが背景ではないかというふうに考えております。
 今回の改正では、ただいまお話がありましたように、排出者が排出時から最終処分までの流れを一貫して把握するとともに、処理業者によるマニフェストの虚偽の記載とか、マニフェストの不交付あるいは保管義務違反などに対しても罰則をかけるというふうにしているわけです。
 さらに、この管理票にかかわる義務に違反した場合には、不法投棄された廃棄物の原状回復のための措置命令の対象にも加えるということとしておりまして、そうした罰則あるいは義務の強化によりまして、マニフェストの悪用や偽造の防止の抑止につながるのではないかというふうに我々としては期待しております。
 また、この制度の周知徹底あるいは制度の適正かつ積極的な運用につきましては、都道府県に対して十分な指導助言をしてまいりたいと思います。
#92
○中川(智)委員 それでは、廃棄物の一貫した把握、管理を徹底するためには排出者の責任を徹底するということ以外にないというのは、それはもう共通した認識だと思いますが、循環型社会形成推進基本法では排出者の責任が明確に盛り込まれています。個別法であるこの改正案でも排出者の責任を明確に問う条文にすべきだと思いますが、こちらの方はどのように考えていらっしゃいますか。
 それと同時に、不法投棄や廃棄物の不適正処理を根絶するには排出者に無過失責任の原則を適用すべきだと考えていますが、これに対して部長の御見解を伺いたいと思います。
#93
○岡澤政府参考人 不法投棄等の防止のためには、お話のありますように、排出事業者責任の強化ということが一番根本的な解決策だろうと思います。
 今回の法律改正の中でも、排出事業者に廃棄物を最後まで、最終処分まで見届けるような義務を課している。それから、そうした注意義務に違反した場合には、原状回復の措置命令の対象にも含めるという形で、従来から廃棄物の処理というのは排出者責任という原則で行うということでやってまいりましたけれども、その排出者責任の範囲というものを、ここまではやらなきゃならないということでかなり広げたということで御理解いただきたいと思います。
 先生の御意見では、さらに、こうした注意義務とは別に、無過失であっても原状回復のための負担をさせるべきではないかという御意見かと思いますけれども、一般的に言えば、こうした注意義務に基づかずに、過失のないすべての事業者を措置命令の対象とするというふうなことになりますと、予見不可能な負担を事業者に負わせるということにもなりまして、事業者の経済活動を著しく不当に制約するおそれがあると考えておりまして、現時点ではこうした枠組みを導入することが適当というふうには考えておりません。
#94
○中川(智)委員 では、次に移ります。
 今度の産業廃棄物管理制度に関する条文の第十二条の三の七項に、管理票交付者は、環境省令で定める期間内に、管理票の写しの送付を受けないとき、または規定する事項が記載されていない管理票の写しもしくは虚偽の記載のある管理票の写しの送付を受けたときには、速やかに状況を把握するとともに、適切な措置を講じなければいけないというふうに書かれてありますが、環境省令で定める期間というのがどれぐらいの期間を考えていらっしゃるのか。そしてまた、それぞれの廃棄物の期間とその期間の根拠を明らかにしてください。
#95
○岡澤政府参考人 今回の法律改正では、排出事業者が排出から最終処分までの適正処理を確保するための義務を負うということを明確にいたしまして、これまで中間処理の前と後で相互に関連なく交付されてきたマニフェストについて、最終処分まで一貫して把握が可能なようにしたわけでございます。
 御質問の管理票写しの送付を受けるまでの期間でございますけれども、現在の規定では、産業廃棄物の運搬、積みかえ保管、処分、管理票の送付等にそれぞれ日数を要するわけでございまして、そうした時間を考慮いたしまして、産業廃棄物については九十日、特別管理産業廃棄物については六十日としております。
 ただ、産業廃棄物の発生から中間処理を経て最終処分が終了するまでのプロセスというものは産業廃棄物の種類等によってかなり多様でございますので、もう一度処理の実態等を十分に踏まえて、不適正処理を防止するために、これは不適正処理を防止する観点からはできるだけ早目がいいかと思いますけれども、実際の動きの実態なども把握いたしまして、先ほどの数字をもう一回確認させていただきたいというふうに考えております。
#96
○中川(智)委員 先ほど虚偽のマニフェストの話をしましたが、虚偽の記載のあるマニフェストというのは具体的にどんな虚偽のマニフェストが想定されているのかということを伺いたいと思います。
 排出者側にマニフェストに記載された事項を逐一確認する義務を課さなければ、やはりこれに関してまだまだそれが横行する、これの歯どめにならないというふうに思うのですが、これはどのように考えていらっしゃいますか。
#97
○岡澤政府参考人 マニフェスト制度でございますけれども、産業廃棄物処理業者が例えば処理を受託していないにもかかわらず処理が終了した旨の虚偽の記載をした管理票を作成するということがございました。この作成した管理票を販売するというような違法行為が行われております。また、そういうことによって廃棄物が適正に委託され処理されたかのように装いながら不法投棄をしてしまうというふうな使われ方といいますか、そういう違法行為があるということでございます。
 今回の改正では、こうした不法投棄の温床となる行為に適正に対処するために、産業廃棄物処理業者が処理を終了した旨の虚偽の記載をした管理票の交付を行ってはならないというふうに改めて規定したわけでございます。
 また、今回の改正では、排出事業者が管理票に虚偽の記載をして交付した場合などには、先ほどからお話しになっておりますけれども、原状回復等の措置命令や罰則の対象とする、あるいは、最終処分までの適正な処理を確保する義務を負うものとして、処理業者から送付された管理票の写しに不審がある場合などには適正処理の確保に必要な適切な措置を講ずるというふうに規定しております。
 これは、最終的に送付されてまいりました管理票で処分が終了したことが明示されることになりますけれども、それについて一々現場まで行って確認するという義務をすべての産業廃棄物の排出者にというのは、物ごとに契約がありますので、それは大変な負担になるということから、今回そうしたことまではしておりませんけれども、日数がおかしいとか様子がおかしいとか、当然疑うべきような事由があった場合には、それに対して適切な措置をとらなければ、これは排出事業者に求められた注意義務を怠っていることになるだろうというふうに考えているわけでございます。そこはどこからどこまでというふうに具体的な規定はありませんが、一般的に申し上げれば、排出事業者がみずからの判断の中で、最終処分が適切に終了したと自分が判断できるというふうな状況であることを確認するという趣旨になっております。
#98
○中川(智)委員 やはりそれは事前防止というか確認というのが非常に大事だと思いますので、そのあたりのチェックはきっちりしていただきたいと思います。
 文部省さんにも来ていただいていますので伺いたいのですが、私はずっと市民運動で、子供たちの食を守るということで学校給食の活動なんかに取り組んできたわけですけれども、私は廃棄物というのは発生抑制というのが原則だと思いますし、拡大生産者責任という部分で、国、官が最初にその規範を示すというのが大事だと思います。
 にもかかわらず、学校給食の現場などでは、明らかに廃棄物になるであろうメラミン食器とかポリプロピレンとかポリカーボネート、ポリカーボネートなんかに関しましてはビスフェノールAの溶出など、環境ホルモンが非常に心配されているにもかかわらず、多くの小中学校、公立学校で使用されています。これに対しては、父母の心配もありまして、このような化学物質を使った食器の使用に反対運動というのが起きているのですが、結局敗北してしまって、食器持参運動なんかもやっています。
 ちょっと古い話になりますが、福岡県の飯塚などでは、メラミン食器反対運動で強化磁器に変わりました。私は、子供たちにも、割れるものは大事に使わなきゃいけない、形あるものはいつかは壊れるのだということで、物を大事にするとかいろいろなことで教育効果もあると思うにもかかわらず、わざわざ非常に大量な廃棄物になるメラミンとかポリカーボネート、そういうものを使い続けているわけなのですが、このような現状に対して文部省はどういうふうな指導をしているのか、どう考えているのか、伺いたいと思います。
#99
○遠藤政府参考人 お答えいたします。
 学校給食におきましては、どういった材質の食器を使うかということについては、食品衛生法の基準を満たしたもので安全性が確保されているものであれば、学校給食の実施者でございます地方公共団体が地域の実情などに応じて判断すべきものだというふうに考えております。
 その食器を廃棄する場合も、学校給食の実施者でございます地方公共団体が関係の法令の規定に基づいて処理をされておりまして、ポリカーボネート製等の食器を学校給食に使用するということについては問題はないというふうに考えております。
#100
○中川(智)委員 私が質問したことに対して的確に答えてくださっていないと思います。明らかに廃棄物になるであろうそういうものを大量に学校で使い、そして健康にも影響がある、文部省の方は安全基準を満たしているとおっしゃいますけれども、明らかにあれはビスフェノールAが出るということもわかっていながらこれを使い続けていくことを是としているのかどうか。文部省はどのように考えているのか。今のようなお答えは、私の問いに対しての答えになっていませんけれども、いかがですか。
#101
○遠藤政府参考人 メラミン製あるいはポリカーボネート製、それらにつきましては、いずれも厚生省で定めました基準の中でございますので、そういった健康上の問題ということは、私どもとしてはクリアされているというふうに考えております。
 また、大量にそういう廃棄物が出るのではないかという点でございますが、これは、例えば対比として強化磁器というものがございます。これは長くもつのじゃないかという御意見もございます。確かに割れるまで使いますので、そういう意味では、樹脂製の食器は一定の耐用年数がございますから短い、陶磁器の方は長く使える可能性があるということなのですが、強化磁器につきましても実際には毎年一定量の破損が出ております。学者の調査でございますが、それによりますと、一年間の破損率というのは一〇%から二〇%程度あるということでございまして、そうなるとそう大して変わらないのではないかということがございます。
 それから、では強化磁器を使えばいいのじゃないかという御意見もございますが、家庭で一般的に使っている食器と同じであることから子供たちに親しみが持てるといったことなどメリットもございますが、磁器ですから重いため、業者によっては身体的な負担が大きくなるとか、あるいは、より広い収納場所が必要であるといったデメリットもあるわけでございます。ただ、平成九年度の調査を見ますと、磁器を一三・二%の学校で使用しておりまして、まだ率は少ないんですが、徐々にふえてはきている、そういった状況でございます。
 いずれにしましても、冒頭に申し上げましたように、実施者である地方公共団体がその実情に応じて判断すべきものであるというふうに考えております。
#102
○中川(智)委員 今の文部省さんのお答えの中で、破損率が一〇%から二〇%と。これはどういう学者の報告なのかと思いますけれども、現場では、最初の年はやはり割れる数も多いけれども、子供たちが割れるんだからといって大事にしていって、破損率なんというのは確実にどんどん減っているというのが現場の事実の声です。
 そして、私が質問しましたのは、やはり公の施設から廃棄物を出さないというふうな形で指導していくべきだということです。いわゆる実施者に任せるということですが、文部省の通達というのは非常に重い意味を持っていて、八五年に、民間委託とかセンター方式とか、そういうふうなものに移行すべきだという通達は物すごく全国を揺るがしたわけで、やはりこの食器に関しても文部省は再考を願いたいと思います。
 最後に、大臣、これで今国会は大臣答弁の最後ですから、力を入れて答弁をしていただきたいと思いますが……(発言する者あり)最後になるような感じですよ、そうでもないですか、それならいいんですけれども。
 最後に、この廃掃法に関連しまして、処理施設とか最終処分場に対する国民の不信というのはとても根強いものがあります。これは一部では嫌悪施設みたいに言われて、みんなが喜んでそれを受け入れない、そういうふうな施設という認識がもう定着しています。
 その中で、今回の改正案では、廃棄物処理センターの指定要件の緩和とか、都道府県の設置数の撤廃が打ち出されています。処理施設や最終処分場の不足がとても深刻な状況であることはわかっていますけれども、施設や処分場の建設は、住民の信頼というものが基盤、基本にならなければならないということがはっきりしています。政府は、国民の信頼と納得を得るためにこの法改正で十分だと考えていらっしゃるのか、また、国民の不信払拭と信頼獲得へ向けて他にどのような施策を考えていらっしゃるのか、また、この廃掃法の改正案を出すに当たっての大臣の決意を最後に伺って、質問を終わります。
#103
○丹羽国務大臣 中川委員が御指摘のように、やはり廃棄物対策というのは何といっても国民の皆さん方の理解と合意、そして信頼を得るということが極めて重要な問題である、私自身も同じような考え方に立つものでございます。
 今回の廃棄物処理法の改正のみならず、御案内のような建設資材のリサイクルを促進、推進する、こういうような仕組みもあわせて整備することになっておるわけでございます。さらに、最大の眼目でございます循環型社会の構築を図るために総合的な対策を行っていく、こういうような位置づけをさせていただいておるような次第でございます。
 こういうようなさまざまな対策と申しますか措置によりまして、循環型社会を確立していくためには、国民の皆さん方にまさに信頼されるような最終処分場等の廃棄物処理施設の確保が喫緊の課題となっておるわけでございます。こうした考え方に立ちまして、今回の法改正におきましては、要件の緩和であるとか高度な技術を擁しているようなモデル的なところの施設に対しましては国庫補助というものを、先ほども申し上げたわけでございますが、どちらかというと、こうした問題については民間の事業者にお任せという嫌いがなきにしもあらずであったわけでございますけれども、要するに前面に積極的に出まして、廃棄物処理センター、現在はまだ四つしか動いておらないわけでございますけれども、こういったものがさらに稼働していくようにしなければならない。
 それと同時に、廃棄物処理業の信頼性の確保、委員がまさに御指摘のように、これが住民の皆さん方に大変大きな問題であるわけでございますが、法律違反になった場合に関しましては許可の取り消しの要件に加えたり、あるいは、暴力団が関与しているのではないか、こういうことが盛んに指摘されておるわけでございますが、暴力団を排除するための規定というものを今回の法改正の中に整備をいたしておるようなところでございます。
 このようなさまざまな取り組みによりまして、私は、国民に信頼される廃棄物処理体制の確保について一歩も二歩も三歩も前進することができた、このように確信をいたしておるような次第でございます。
#104
○中川(智)委員 では、本当に徹底した情報公開ということが基本だと思いますので、それをよろしくお願いして、質問を終わります。ありがとうございました。
#105
○江口委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#106
○江口委員長 これより討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び産業廃棄物の処理に係る特定施設の整備の促進に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#107
○江口委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#108
○江口委員長 この際、本案に対し、安倍晋三君外六名から、自由民主党、民主党、公明党・改革クラブ、日本共産党、保守党、自由党及び社会民主党・市民連合の七派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。中桐伸五君。
#109
○中桐委員 私は、自由民主党、民主党、公明党・改革クラブ、日本共産党、保守党、自由党及び社会民主党・市民連合を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。
 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。
    廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び産業廃棄物の処理に係る特定施設の整備の促進に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずるべきである。
 一 政府一丸となって循環型社会の実現を期すため、環境省等関係省庁間の十分な連携を図り、廃棄物・リサイクル関係法案との有機的かつ整合的な運用を行うとともに、今後とも諸外国の例も踏まえつつ、望ましい法体系のあり方につき検討すること。
 二 リサイクル名目で不適正な処理が行われている事例が発生していることから、環境面での現行の規制を徹底するとともに、さらに規制のあり方について検討すること。
 三 廃棄物の定義及び区分について、処理責任との関係、適正かつ効率的な処理の推進、発生抑制やリサイクルの推進などの観点から検討すること。
 四 必要な廃棄物処理施設の確保のため、公共関与による施設整備の促進などを含め、国民の理解を得ながら安心できる施設整備を図ること。
 五 安定型処分場に搬入される廃棄物については、分別を徹底し、環境を汚染するおそれのある廃棄物を混入させないよう監視を強化し、措置を徹底すること。
 六 最終処分場等から化学物質等の拡散を防止するため、有害化学物質などについて、それを含む製品の製造段階から廃棄後の回収・無害化処理までの一貫した対策を強化すること。また、過去の負の遺産であるPCBについて、当面の安全かつ適正な保管を徹底するとともに、早急に処理体制の整備を図ること。
 七 廃棄物の発生抑制やリサイクルを推進する立場からデポジット制度等の経済的手法について製品毎の特性や実態を踏まえながら検討すること。
 八 産業廃棄物管理票(マニフェスト)制度の信頼性を高め、円滑な運用を図るため、電子化の一層の推進を図ること。
 九 多量排出事業者が実効ある処理計画を作成することができるよう、国又は地方公共団体は事業者に対して適切な情報提供を行うとともに、業種の特性も踏まえたガイドラインを作成するなど支援を図ること。
 十 容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律(容器包装リサイクル法)及び特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)について、その施行状況につき不断の検討を行い、必要な見直しを行うとともに、使用済み自動車のリサイクル措置について事業者への義務づけを含む措置など新たな仕組みの構築について検討すること。
 十一 既に廃止されたものを含め、焼却施設や最終処分場周辺の土壌及び地下水に係る汚染の実態を把握し、結果を公開するとともに土壌汚染の防止と回復措置のあり方について検討すること。
以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#110
○江口委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#111
○江口委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 この際、丹羽厚生大臣から発言を求められておりますので、これを許します。丹羽厚生大臣。
#112
○丹羽国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を十分に尊重いたしまして、努力をいたします。
    ―――――――――――――
#113
○江口委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#114
○江口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#115
○江口委員長 午後一時二十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時三十三分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時二十四分開議
#116
○江口委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 内閣提出、参議院送付、社会保障に関する日本国とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する法律案を議題といたします。
 趣旨の説明を聴取いたします。丹羽厚生大臣。
    ―――――――――――――
 社会保障に関する日本国とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#117
○丹羽国務大臣 ただいま議題となりました社会保障に関する日本国とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、社会保障に関する日本国とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の協定を実施するため、厚生年金保険法を初めとする公的年金各法について、被保険者の資格に関する特例などを設けるものであります。
 以下、この法律案の概要について御説明申し上げます。
 まず第一は、日英両国の年金制度への二重適用についての調整に関する特例であります。
 英国から我が国に一時的に派遣された者などは、公的年金各法においては、被保険者としないなどの特例を設けることにしております。
 第二は、被保険者の加入に関する特例であります。
 日本国から英国に一時的に派遣された者が、派遣期間が長期に及んだことなどによって、イギリスの年金法令の適用を受けることになった場合、申し出により厚生年金保険の被保険者などとなることができる特例を設けることとしております。
 最後に、施行期日でありますが、協定の効力発生の日といたしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#118
○江口委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#119
○江口委員長 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として厚生省年金局長矢野朝水君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#120
○江口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
#121
○江口委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山本孝史君。
#122
○山本(孝)委員 早速、今回の法案について質問させていただきます。
 まず、日英の年金協定、大変御苦労さまでございました。しかし、まだほかの国との交渉がございますので、今後アメリカ等ほかの国との交渉を進めて年金協定の早期締結を目指していただきたいということと、その際に、ぜひ年金の加入期間の通算ということについて配慮をしていただきたいという点、まずお伺いをします。
#123
○丹羽国務大臣 委員御指摘のように、我が国の年金制度を国際的時代に対応していくものにしていかなければならない、こういうような視点から、各国と年金協定の締結に向けた取り組みを進めていく決意であります。
 その際には、加入期間の通算措置を含めましたことが基本になると考えております。イギリスの場合は、委員御指摘のような事情がございまして、残念ながら、この問題についてはさらに検討を進めていくということでございますが、基本的にはそういう考え方に立って進めていくものでございます。
#124
○山本(孝)委員 アメリカあるいは東南アジア諸国等々年金制度がございますけれども、違いはありましてもぜひ早期に協定を結ぶように御尽力をいただきたいと思います。
 次の質問でございますけれども、参議院で議論になりました厚生年金からの脱退という問題です。
 働いている人たちの年金権の保障という観点から、税金は払っているけれども社会保険料は払っていないという事業者が幾らかあるのではないかと私は思っています。そういう点で、ぜひ税務当局と社会保険庁との間の連携を強めていただいて、そういった事態を防いでいただきたいという御要望でございます。よろしくお願いしたいと思います。
#125
○丹羽国務大臣 これは、申し上げるまでもなく、常時従業員を使用する法人事業所は強制適用ということで厚生年金に必ず加入していただかねばならない、こういうことになっておるわけでございますが、御指摘のように、近年、企業経営の悪化などを理由にいたしまして、一部でございますけれども未加入の事業所があるということを承知いたしておるわけでございます。
 これは、私どもは国民皆年金制度そのものの崩壊にもつながりかねない、こう考えて大変深刻に受けとめておるわけでございます。
 御指摘のような、源泉徴収を行っている事業所の情報を利用するということも一つの考え方ではございますけれども、これは、個人情報の保護というようなプライバシーの問題にも関係するわけでございます。
 いずれにいたしましても、未加入問題の解消に向けて、どういうような方策があるかということを真剣に私どもは受けとめていかなければならない、こう考えておるわけでございますし、委員御指摘のような、関係機関との連携を含めまして、さらに事業主、従業員に対する制度の周知徹底、こういうさまざまな工夫を行うことによってこのような事態を避けたい、このように考えているような次第でございます。
#126
○山本(孝)委員 少ない費用でできるだけ効果の上がる方法を考えるという点でも、ぜひ税務当局との連携を考えていただきたいと思います。
 質問時間が大変短うございまして、少し離れてしまうかもしれません。
 私、平成五年の選挙で当選させていただいて七年、厚生委員会でずっと発言をさせていただきました。この七年間に厚生大臣が七人おかわりになりました。大内、井出、森井、菅、小泉、宮下、そして丹羽大臣。七人おられまして、今回の年金改正は矢野年金局長がずっと御担当なんですが、局長が平成八年七月から御担当されておられるこの四年間で、実は厚生大臣は四人かわっております。
 そういうふうに見ておりますと、私は、社会保障制度の改革が、今後、分配から分担へというふうに議論の焦点が変わっていく中で、社会保障制度を再構築するには政治のリーダーシップというのは不可欠だと思うわけです。そういう意味では、腰を据えて改革に取り組む大臣がおられるか、あるいは……(発言する者あり)静かにしていただけませんでしょうか。
#127
○江口委員長 静粛に願います。
#128
○山本(孝)委員 みずから自分のスタッフを連れて役所に乗り込んで改革をするぐらいの意気込みがありませんと、社会保障制度改革はできないのではないかと私は思います。
 そういう意味で、ちょうど七年前、私の当選する前まで丹羽先生は厚生大臣でおられたわけで、政務次官等々も御経験される中で、この社会保障制度改革、あるいは大臣として今回御担当なさっておられる中での年金改革等々、さまざま御意見があろうかと思います。ぜひ御所見を、心情をお聞かせいただければというふうに思います。
#129
○丹羽国務大臣 私が申し上げることが適当かどうかよくわからないわけでございますけれども、ただ言えますことは、今我が国においては、一つは財政の問題であり、もう一つは社会保障の問題というものが大変大きな問題でございます。
 率直に申し上げて、これは何も厚生省だけではございません。縦割り行政ということが指摘されておるわけでございまして、まさに政治のリーダーシップが問われておるわけでございますが、法案も多いし懸案も多くて山積みであります。率直に申し上げて、目配りして、朝の新聞を見るだけでも精いっぱいでございまして、何が起きたかなということでありまして、リーダーシップを発揮することが非常に難しい状況にあります。
 しかし、それは政治家としてのあるべき姿ではありません。日本の役人というのは大変優秀であるけれども、これまでのかじ取りというのはなかなか変えない傾向があるのではないか、こう私は思っておるわけでございますし、基本的なかじ取りというものは、私たち政治家がリーダーシップを持って、国民の皆さん方のニーズ、さらに将来を見据えてきちんとしていくことが大事ではないか、こう考えているような次第でございます。
 私が今回二度目の厚生大臣を拝命いたしまして、一番大きな問題は、さまざまな御議論がございましたけれども、一つは介護対策の問題でございます。これにつきましても、市町村長さんの御理解、大変な御努力、関係者の御努力によりまして、まずは順調にスタートしたのではないか、このように私どもは考えておるわけでございますが、完璧なものではありませんので、当然のことながら、今後、手直しをするときには私どもが勇気と蛮勇を持って手直ししていかなければならない、こう考えているような次第でございます。
 それから、この委員会におきまして、年金法のときに、繰り上げ減額率の問題を大変大きな問題とさせていただきました。これも初めてのことでございますけれども、これまでの四二%から三〇%まで引き下げさせていただいたわけでございます。この委員会を通じましてのさまざまな御意見を尊重しながら、最終的に私が判断をさせていただいたような次第でございます。
 前回のときは余り大きな法案がなかったものですから、予防接種の問題であるとか生活保護の問題であるとか、私なりの一つの理念と理想に燃えてかなり発揮する機会があったわけでございますが、何せ今回は大変な山積みでございます。これが理由にはなりませんけれども、私は、任期が長いか短いかということよりは、政治家というのは常に国民に対して御理解をいただけるように自分の言葉で話しかけて、要するに永田町や霞が関だけで通用するような会話ではなくて、そして、そういう中においてどういうかじ取りをしていくかということがまさに大事なことではないかな、こう考えているような次第でございます。
 要は、私は、やはりその任に当たった者のやる気、姿勢の問題ではないか、このように考えているような次第でございます。
#130
○山本(孝)委員 大野政務次官にもお伺いしようと思いましたが、質問時間がなくなってしまいまして、申しわけありませんでした。
 この委員会で我が党議員が大分丹羽厚生大臣とどんぱちやったという記憶もありますが、それは、ともにいい社会保障制度をつくろうという思いで我々も質問しておりますので、御理解をいただいて、丹羽先生並びに大野さん、ますますの御活躍をお祈りして、質問を終わります。ありがとうございました。
#131
○江口委員長 瀬古由起子さん。
#132
○瀬古委員 日本共産党の瀬古由起子でございます。
 諸外国で働く労働者にとって、年金保険料の負担が重い二重払いの解消は切実な問題です。今回の提案はその面では前進です。九八年のドイツとの協定に続いて、今回の日英協定の実現までに長時間を要していますけれども、予備交渉、本交渉を通じまして、難航した問題点は一体何だったのでしょうか。
#133
○矢野政府参考人 実は、イギリスとの年金協定の必要性が痛感されたのは一九九四年でございます。それまでは、イギリス政府の外資導入政策ということで外国企業に対しては事業主負担分を免除する、こういう有利な取り扱いをやっておったわけです。ところが、九四年四月から、外国企業につきましても事業主負担を取るということになりまして、大変な保険料負担が求められたということで、イギリスに進出している在英の日本企業の間で大変問題になったわけでございます。
 それで、イギリス政府と本格的な交渉を始めたわけでございますけれども、その際、イギリス政府は、二重適用に絞った協定を結びたいということでございまして、私どもは、二重適用の排除だけでなく通算措置を含めた協定を結ぶべきだ、こう主張したわけでございます。ただ、イギリス政府の方針が非常にかたい、一方では日本企業が大変な負担を強いられておるということから、私どもとしては、二重適用の排除に絞った協定でやむを得ない、こういう判断をしたわけでございます。
 その際さらに、イギリス政府としましては、一時派遣される者の免除期間を最長三年に絞りたい、こういう話があったわけでございますけれども、私どもは、二重適用の防止に限る以上は、実質的にほとんどの方が救われるような形じゃないと困るということで、五年プラス三年、トータル八年間はイギリスの制度に入らなくてもいい、こういう制度にしてほしいということで交渉いたしました。
 最終的には私どものそういう考え方が認められたということで、ようやくイギリス政府との間で交渉がまとまったということでございます。
#134
○瀬古委員 期間の通算という問題は年金制度にとって大変重要な問題でございます。
 ILO百十八号条約、百五十七号条約は、社会保障全般に及ぶ条約ですけれども、二国間協定との関係では、通算等による受給権の確立などが定められております。条約の遵守が国際間の信頼にもつながってまいります。
 今後、各国との協定では、通算が重視されるべきだと考えますし、イギリスともさらにこの点も踏まえて努力をするべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
#135
○丹羽国務大臣 日本とイギリスとの年金制度の二重加入を防止するとともに、両国制度に加入した者の年金加入期間を通算して年金の受給権を確保するということは、先ほども申し上げましたけれども、大変重大な課題であった、このように認識をいたしておるような次第でございます。
 年金の加入期間の通算問題につきましては、残念なことでございますが、イギリス側の事情によりまして今回の協定に含めることはできませんでしたけれども、日英両国とも、将来においてさらに検討していく、こういうことについては合意をいたしておるわけでございます。
 私どもといたしましては、本協定の締結後、さらに時期を見まして意見の交換を行っていく決意でございます。
#136
○瀬古委員 調査室の資料によりますと、ドイツ、英国のほかに、現在までに日本に対して協定交渉を持ちかけている国は、アメリカほか八カ国あるというふうに載っております。
 今後の協定締結までの具体的な計画はどのようになっているのでしょうか、お示しいただきたいと思います。
#137
○丹羽国務大臣 当然のことながら、今後の年金制度というものを国際化時代に対応するものにしていくために、今後順次各国と年金協定の締結に向けて取り組みを進めていく必要がある、このように考えているような次第でございます。
 具体的には、これまで従来から予備的な協議を行ってきた経緯がございまして、また永住者を除く海外在留邦人の四割を占めておりますアメリカとの間で政府間交渉を開始したい、こう考えておるような次第でございます。
 また、フランスでございますが、昨年の十二月の日仏首脳会談におきまして、予備的協議を開始するということで既に合意をいたしておるわけでございます。年内に日仏両国で情報交換を開始するよう調整していきたいと思っています。
 このほか七カ国から協定の締結交渉開始の申し入れを既に受けておるわけでございます。私どものスタッフも強化をいたしました。外務省とも十分に相談をいたしまして、当然のことながら優先度の高いものから順次取り組み、できるだけ早く協定を締結しながら、国際化社会に十分通用するような年金制度の充実に当たっていきたい、このように考えているような次第でございます。
#138
○瀬古委員 今御報告ありました社会保障協定の締結交渉の申し入れの国がいつ申し込んだかといいますと、アメリカでいいますと昭和四十年代、ベルギーでいいますと昭和六十一年、ルクセンブルクは昭和六十二年とか、もう随分長く前から申し入れがあるわけですね。いろいろ事情があるかもしれないけれども、ぜひ一つ一つ体制をとって積極的にお進みいただきたいと思います。
 時間がございませんので、最後の質問をいたします。
 すべての法人企業が強制加入になっております厚生年金に、加入しない企業がふえている。これが四月二十一日の朝日新聞でも報道されております。過去一年間の新設の対象事業所は全体で約一万六千カ所に対して、加入に積極的だった企業は一五%の二千五百事業所だけだ。否定的な反応は半数を超えている。
 国税庁の統計によりますと、事業所数と加入事業所数の乖離は八十万事業所にも及んでいるということなんですね。加入しない事業所というのは、保険料が高いのに給付がどんどん切り下げられて信用できない、こう言っている。強制加入させられたら倒産する企業が多い、こういう実態です。こんな状態を放置していれば、年金制度そのものが成り立たない。不信感が増大する。国際的にも信用が得られない。
 大臣、国の責任で、中小零細業者への保険料負担の軽減のための措置だとか、また、給付に信用できないと言われているわけですから、やはり給付をどんどん引き下げて不信感を生むようなやり方はやめるべきだと思うのですけれども、いかがでしょうか。
#139
○丹羽国務大臣 保険料でございますが、これは、事業の規模によって、例えば同じ賃金であるにもかかわらず保険料を変えることは公平性の観点で問題があるのではないかと私は思っております。
 問題は、保険料負担の引き下げでございますけれども、これはひいては御案内のような給付水準の低下にもつながるわけでございますので、いわゆる事業規模によって給付水準が異なるということではなくて、あくまでも被用者の所得に着目して決められるべきものである、こう考えておるわけでございますし、事業規模を対象とした保険料負担の軽減というものは、本来のこれまでの厚生年金のあり方の筋からは、私は必ずしも妥当なものと考えておらない次第でございます。(瀬古委員「給付の切り下げについて、こういう不信を呼ぶようなことはいいのか、答弁漏れですから」と呼ぶ)
 答弁を申し上げたつもりでございますが、保険料の引き下げというものは当然のことながら給付の水準の引き下げにつながるんだ、こういうこともどういうふうにお考えになるのか、こういう問題ではないかと考えております。
#140
○瀬古委員 やはりもっと国がこの事業に対してきちんと責任を持つということなんですよ。
 そういう点で、以前から、社会保障全体の水準が世界的に比べても大変低い、そして事業所の中でも、お金を払っても実際には給付が受けられない、こういう不安定な状況について、国民の中でやはり不信を生んでいるわけですね。そういう点ではやはり国の社会保障の負担をうんとふやして、どういう形で援助するかというのはいろいろ考え方はあると私は思うのですよ。
 そういう面では、中小零細業者に対して、今実際に入れないような状態になっている、そして、事実上この制度が崩れていっているわけですから、国がきちんと責任を持ってこの制度についてもやれるような、予算措置も含めて何らかの抜本的な対策を立てることが重要だというふうには考えています。
 以上、質問を終わります。ありがとうございました。
#141
○江口委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#142
○江口委員長 これより討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 社会保障に関する日本国とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#143
○江口委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#144
○江口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
#145
○江口委員長 次に、参議院提出、母体保護法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 趣旨の説明を聴取いたします。参議院国民福祉委員長狩野安さん。
    ―――――――――――――
 母体保護法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#146
○狩野参議院議員 ただいま議題となりました母体保護法の一部を改正する法律案につきまして、その内容を御説明申し上げます。
 現行の母体保護法では、都道府県知事の指定を受けて受胎調節の実地指導を行う者が受胎調節のために必要な医薬品を販売することができる期限を本年七月三十一日までとしております。
 本法律案は、この期限を平成十七年七月三十一日まで五年間延長しようとするものであります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。
#147
○江口委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#148
○江口委員長 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として外務省総合外交政策局国際社会協力部長高須幸雄君、文部省体育局長遠藤昭雄君及び厚生省児童家庭局長真野章君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#149
○江口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
#150
○江口委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石毛えい子さん。
#151
○石毛委員 民主党の石毛えい子でございます。
 母体保護法の改正法案につきまして、法案の内容は大変シンプルな内容でございますが、せっかくの折でございますから、質問をさせていただきたいと思います。
 この母体保護法に規定されております受胎調節実地指導員、こういう職名ですとか、されておられます内容については余り知られていないのではないか、そういう実感を持ちますが、どのような職種の人がどこでどのような内容を指導しておられて、そしてどんな成果を上げておられるのかということについて、御説明をお願いしたいと思います。
#152
○真野政府参考人 受胎調節実地指導員でございますが、厚生大臣が指定する避妊具の器具を使用いたしまして受胎調節を行うものということでございまして、実地指導は主として助産所または病院の産科外来で行われているというふうに承知をいたしております。
 その活動の資格でございますが、助産婦、保健婦、看護婦で、厚生大臣の指定する基準を満たした都道府県の講習を終了した者というふうになっております。
 活動の状況でございますが、平成九年に厚生科学研究で「受胎調節実地指導員活動の実態について」の実態調査を行っておりますが、受胎調節の実地指導につきましては五二・六%が実際に指導しており、四カ月間の避妊指導の延べ回数につきましては指導者一人平均十七・八回、指導した人数につきましては指導者一人平均二十四・八人という調査になっております。
 また、実地指導の効果につきましては、同調査によりますと、望まない妊娠の予防などの母体の保護を挙げる者が七二・四%、知識の啓蒙を挙げる者が六七・一%、生命尊重の意義を挙げる者が四九・四%というような調査になっております。
#153
○石毛委員 質問通告外で恐縮でございますけれども、法律には、この実地指導ができる職種として医師も記載されてございます。恐らく多くの女性の方は診療所に行かれることが多いのではないかと思いますけれども、診療所は今の受胎調節の実地指導の場としては御指摘がなかった、病院というふうにおっしゃられたかと思いますけれども、診療所の医師を含めまして実際にどんな状況であるかということを簡単に御説明いただけますでしょうか。
#154
○真野政府参考人 この受胎調節実地指導員は、いわば医師法の特例といいますか、例外として、お医者さんでなければそういう行為ができないというものを、今申し上げました一定の都道府県知事の指定する方にそういう行為を解除しているということでございまして、当然のことながらお医者さんはそういうことを担当していただいておりますし、今私は病院の産科外来と申し上げましたが、助産所または診療所、病院の産科外来、そういうところで行われているというふうに思います。
#155
○石毛委員 時間がありませんので、これ以上詳しくお伺いすることはやめますけれども、私は、この受胎調節実地指導が非常に重要な意味、役割を持っているのだと思いますので、御答弁で、医師がどれぐらい実際に実地指導に当たっておられるのかというようなこともお教えいただければ、この仕事がどれだけ意味があるのか、どういう成果を発揮しているのかということがわかったのではないかというふうに思いますので、申し述べさせていただきます。
 これに携わる職種の方に、リプロダクティブヘルス・ライツに関する研修のプログラムというのは組まれておりますかどうか、簡単にお答えいただきたいと思います。
#156
○真野政府参考人 講習を受けていただくということになっておるわけでございますが、その講習のテキストもございますし、そのテキストでは、総論のところでリプロダクティブヘルス・ライツの概念でございますとか普及の経緯でございますとか日本における課題というようなものを教えているところでございます。
#157
○石毛委員 本日は文部省の体育局長にも政府参考人として御出席いただいておりますので、お尋ねをしたいと思います。
 児童手当法の改正法案の審議のときにも指摘をされていた事態でございますけれども、日本の場合には若年の方の人工妊娠中絶が非常に多いという、国際的にも非常に特徴ある事態を指摘できるわけです。ですから、受胎調節に関しましても、若年層の方に適切に対応できるということが大切であろうと私は考えるところですけれども、そうした中で、学校教育では広くリプロダクティブヘルス・ライツについて、この受胎調節というようなことも含みまして、どのような教育がなされているのかということを御指摘いただきたいと思います。
#158
○遠藤政府参考人 お答えいたします。
 学校におきましては、人間尊重を基盤としまして、子供たちの発達段階に応じて性と生殖に関します科学的知識をまず理解をさせる、それとともに、児童生徒が健全な異性観を持ち、これに基づいて望ましい行動がとれるようにすることをねらいといたしまして、性教育を実施いたしております。
 具体的には、体育科とか保健体育科、特別活動、道徳等々の教科を中心に学校教育活動全体を通じて指導をいたしております。
 平成十年度に新しい学習指導要領が告示されたわけでございますが、中学校段階で申し上げますと、性衝動が生じたり、異性への関心が高まる時期であることに配慮いたしまして、新たに、妊娠が可能となる生殖機能の成熟の正しい理解、異性の尊重、性情報への適切な対処などについて指導することといたしております。高等学校段階では、家族計画の意義、この中には避妊等も含まれるわけですが、そういったことや人工妊娠中絶の心身への影響などについて指導をいたしておるところでございます。
#159
○石毛委員 少し踏み込んだ質問になるかとも思いますけれども、ただいま、高等学校では家族計画に対する教示とか、それから人工妊娠中絶に対しての教育といいますか、知識、情報の提供というようなことをお伺いしましたけれども、例えば、一九七九年、国連で採択されました女性差別撤廃条約の中で、子供を産む人数ですとか産む間隔は女性の自己決定権、そういう確認がされておりますこととか、そうした性と生殖に関する女性の自己決定権を踏まえまして、広くリプロダクティブヘルス・ライツについて教えておられるかどうかということ。
 それからもう一点は、一九九六年に優生保護法が母体保護法に変わっておりまして、その中で優生条項が削除されてきているという経緯などもございます。こうした点を含めまして、私は、人工妊娠中絶に対する知識の教示とともに、産む、産まないを自己決定する、その支援の施策として、産み育てる環境について、例えば、ただいま申し上げました優生保護法から母体保護法への改正の問題ですとか保育の課題ですとか、そうした子供を育てる条件についても教えることが学生さんたちの判断あるいは自己決定を支えるための情報提供として非常に重要だと考えるところですけれども、その辺はいかがでございましょうか。繰り返しお尋ねいたします。
#160
○遠藤政府参考人 お答えします。
 先生おっしゃいましたリプロダクティブヘルスあるいはライツ、そういった観点に関しましては、繰り返しになりますけれども、性教育を教えるに当たっては、そういう科学知識をまず理解させる、それから子供たちが健全な異性観を持って、これに基づいて望ましい行動がとれるようにすることをねらいとしている、これを後はそれぞれの発達段階に応じて、中学校ではこういうことを教える、それから高校ではもっと進んだ家族計画まで教えるというふうにいたしておりまして、やはり年齢段階に応じてそれぞれの内容を教えるようにしていきたいというふうに思っております。高校になりますと、適切な意思決定あるいは行動選択ができる能力や態度を育てるということも指導することになっております。やはり発育段階に応じて適宜やっていくべきだというふうに考えております。
#161
○石毛委員 私も、質問させていただきますときに、それぞれの段階での保健体育の教科書あるいは養護教諭の方に対する、指導要領というんでしょうか、そういうものの内容を確認させていただければよかったんだと思いますけれども、そこまでさせていただく時間がございませんでしたので、今の局長の御答弁に対して、私は、ちょっと不足しているんじゃないかなと。もしかして一番不足しているのは、子供を産み育てる環境についてまできちっと教えられて、それで判断力等々を育てるようにということではないかというふうに思います。これ以上は細かい話になりますので、質問はこれでとどめさせていただきますけれども。
 時間がもうなくなってしまいました、もう一点だけお聞きしたいのですけれども、母体保護法の今回の改正の中身は受胎調節実地指導に関しての内容でございますけれども、今、一部には、母体保護法を改正して、例えば妊娠中絶にかかわる経済条項を見直していくというような動きもございますけれども、所管庁といたしまして、今申し上げましたような母体保護法の動向についてはどのように受けとめておられるかということについて確認させていただきたいと思います。
#162
○真野政府参考人 人工妊娠中絶の問題につきましては、ことし二月一日の参議院本会議におきまして、前総理から、「胎児の生命尊重、女性の自己決定についての考え方などをめぐり、国民各層に多様な意見が存在いたしております。また、国際的にも対応は分かれているものと承知をいたしております。国民個々人の倫理観、道徳観、宗教観とも深く関係しており、国民各層における議論の深まりが重要であると考えております。」という答弁がなされておりまして、私ども、その答弁のとおりに考えております。
 先生御指摘の、日本母性保護産婦人科医会から母体保護法の改正につきましての提言が出されたということは承知をいたしております。こういう提言なども踏まえまして、国民各層における議論の深まりを期待したいと思っております。
#163
○石毛委員 最後に一言だけ申し添えさせていただきたいと思います。
 委員の皆様のお手元にも、「国会議員のための人口ファイル3」というのがジョイセフから届いていると思いますけれども、これは昨年の調査結果でございますから、その後変わっているとは思いますけれども、全国会議員にリプロダクティブヘルス・ライツについてどの程度知っているかというアンケートをしましたら、男性議員の方は、内容まで知っているというふうにお答えになられましたのは二五%という報告がございます。
 前総理が、国民各層の意見を広く交わし合ってというふうに御答弁になられたと今お伺いいたしましたけれども、ぜひ国会議員も十分にこのリプロにつきましての認識、議論を交わし合って、母体保護法が次に議論になりますときには十分深めた討論ができますようにということを要請させていただきまして、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#164
○江口委員長 瀬古由起子さん。
#165
○瀬古委員 人工妊娠中絶がどれほどつらく屈辱的なことか、女性の生涯にわたって心身に深い傷を残します。望まぬ妊娠をなくしたいというのが女性の切実な願いです。受胎調節実地指導などの成果で減少しているものの、年間三十三万三千二百件もの中絶がございます。この問題は、女性の自立という問題だけでは解決しないことは明らかになっています。四十代の中絶というのも多いわけで、性の知識も十分ある、しかし夫婦の関係でも協力が得られないという状況もございます。中絶問題は、日本における女性の地位というものが端的にあらわれていると思うんです。
 外務省にお聞きしますけれども、国連の女性の地位委員会やカイロの世界人口会議、北京世界女性会議等で確認されたリプロダクティブヘルス・ライツの定義、理念とはどのようなものか、また、WHOの憲章前文で健康という問題を定義しておりますけれども、これについて確認をしたいと思います。
#166
○高須政府参考人 お答え申し上げます。
 まず、世界保健機構、WHOと申しますけれども、その憲章の前文には「健康とは、」という定義がございます。読ませていただきます。「完全な肉体的、精神的及び社会的福祉の状態であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない。」これが定義でございます。
 その上で、お尋ねのリプロダクティブヘルスあるいはリプロダクティブライツということでありますけれども、定義につきましては、国際的に一番包括的に定義されておりますのは、一九九四年九月、カイロで開催されました国際人口・開発会議がございます、ここで行動計画が定義しておりまして、まず読ませていただきます。リプロダクティブヘルスとは、人間の生殖システム、その機能と過程のすべての側面において、身体的、精神的、社会的に完全に良好な状態にあることを指すものである、つまり、人々が安全で満ち足りた性生活を営むことができ、生殖能力を持ち、子供を産むか産まないか、いつ産むか、何人産むかを決める自由を持つことを意味すると言っております。
 その上で、このカイロ行動計画におきましてはリプロダクティブライツについても定義しております。読ませていただきます。人権の一部をなすものであり、すべてのカップルと個人が自分たちの子供の数や出産するときを決定し、そのための情報と手段を得る基本的権利並びに最高水準の性に関する健康及びリプロダクティブヘルスを得る権利を認めることにより成立するものであるというふうに書いております。
 なお、このカイロ行動計画におきましては、いかなる場合にも妊娠中絶を家族計画の手段として奨励すべきではない、すべての政府、関連政府間組織及びNGOは、女性の健康への取り組みを強化し、安全でない妊娠中絶が健康に及ぼす影響を公衆衛生上の主要な問題として取り上げ、家族計画サービスの拡大と改善を通じ、妊娠中絶への依存を軽減するよう強く求めるというふうに述べております。
 その後、九五年に北京で開催されました世界女性会議、ここでも同じような定義が再確認されておりまして、女性のリプロダクティブヘルス、リプロダクティブライツの確保が女性の教育的、経済的、政治的な能力の向上の実現に不可欠なものであるという理解が示されていると思います。
#167
○瀬古委員 この理念を踏まえまして、望まない妊娠、中絶を持続的に減少させるために、リプロダクティブヘルス・ライツの理念を貫いた具体的な年次プログラムを策定すべきだというように考えますけれども、どうでしょうか。
#168
○真野政府参考人 リプロダクティブヘルス・ライツの観点からも、望まない妊娠を予防するということは大変重要だと考えておりまして、平成十年の五月に生涯を通じた女性の健康施策に関する研究会というものを開催いたしまして、昨年の七月に報告書を取りまとめていただいております。
 この報告書におきましては、人工妊娠中絶に関しましては、今後十年間の目標として、人工妊娠中絶を半減させること、それから十代の人工妊娠中絶を減少傾向に転じさせること、このために実施すべき施策といたしまして、思春期の子供たちに対する性教育の推進、女性が主体的に避妊をするための支援というような御提言をいただいているところでございまして、今後とも、この報告書の提言を踏まえまして施策を推進していきたいというふうに考えております。
#169
○瀬古委員 今御報告ありましたこの研究会の報告書では、十代の中絶が高く、また大変増加傾向にあるということが指摘されていまして、大変深刻だというように思います。昨年七月に出されましたこの研究会の報告書は、この原因をどのように分析しているでしょうか。
#170
○真野政府参考人 先生御指摘いただきましたように、全体の人工妊娠中絶は、女子の人口千対でございますが、昭和三十年の五十・二から平成十年に十一・〇というふうに減少しているわけでございますが、二十未満の人工妊娠中絶は、昭和三十年の三・四から平成十年には九・一というふうに増加をいたしております。
 この増加の理由につきましては、いろいろ議論があろうかと思いますが、先ほど申し上げました研究会報告書におきましては、まず、初交年齢が低年齢化する一方で、十代の若者の間に適切な避妊方法や人工妊娠中絶が心身に及ぼす影響などに関する知識が普及していないのではないか、また女性が主体的に利用できる避妊方法がほとんどないのではないか、そういうようなことから、適切かつ継続的な避妊が行われていないということが原因ではないかというふうに分析をいたしております。
    〔委員長退席、田中(眞)委員長代理着席〕
#171
○瀬古委員 この報告書の中で、先ほど御報告ありましたように、十代の妊娠中絶を減少傾向に転じさせるという目標を示していますけれども、具体的な考え方、どういうようにするのかという点はどのように検討されているでしょうか。
#172
○真野政府参考人 今申し上げましたけれども、まず、なるべく早期から正確な情報を提供するための性教育の推進が必要だということでございまして、具体的には、小中学校、高校におきます性教育の推進。それから、小中高の保健、特別活動、総合学習などにおきまして、医師、保健婦、助産婦などの専門家を活用いたしまして授業を行うなど、指導方法の工夫改善を図る。また、性やその相談につきまして養護教諭などの研修を推進するという提言をいただいております。
 それから、もう一つの女性が主体的に避妊するための支援ということに関しましては、低用量の経口避妊薬など女性が主体的に使うことができる避妊具に関する知識の普及や正しい使用方法についての指導が受けられるよう努力するとともに、フィーメールコンドーム等を含め避妊具の選択肢の拡大を図るということ。さらには、避妊や人工妊娠中絶についての情報提供等を盛り込んだ小冊子の配布を行うとともに、保健所、市町村保健センターや医療機関におきます保健指導やカウンセリングを推進すること。それから、反復中絶を避けるためにも、母体保護法指定医等の研修等を通じて中絶後の指導の推進を図ることというような提言をいただいておりまして、これらの提言を踏まえて施策の推進を図ってまいりたいと考えております。
#173
○瀬古委員 全体の妊娠中絶を減らしていくという方向では今言われた内容でいいんですけれども、十代の妊娠中絶を減少傾向に転じさせるという問題は、これはまた特別な取り組みも必要だというように思うんですね。
 この報告書によりますと、これは東京都の研究会の調査なんですけれども、例えば高校三年生の性交経験率が約四割ですよ。しかも、性に関する知識はポルノ雑誌やアダルトビデオ、深夜のテレビ番組から得ているという状態で、本当に悲しいというか情けないような状態になっています。十代の中絶というのはやはり大人の責任だということが明らかだと私は思うんです。現場で先生たちが随分努力されているということは私も承知していますけれども、しかし、今までの延長線上ではやはりだめだと思うんですね。
 そういう点では、性行動が低年齢化していて、これにふさわしい必要な教育的な位置づけ、リプロダクティブヘルス・ライツの理念や子どもの権利条約に則したプログラム、それから実施体制の保障も今十分されていないわけですね。必要な知識とかいろいろ言うけれども、本当に今、それこそ十代の妊娠中絶がどんどんふえているという問題について、それにふさわしい知識の提供になっているのかというと、やはりそれについてもまだまだ問題だと思います。マスコミのあり方も問われています。そして、青少年が気軽に性の相談ができるところはどこにあるのかというと、これまたなかなか大変なんですね。
 そういう点では、私は、特別に十代の子供たちのために、助産婦さんだとか産婦人科医とか養護教諭など専門家や関係者を加えた、例えば十代のリプロダクティブヘルス・ライツプロジェクトといったような対策と計画、施策の実施、こういうものに取り組めるような体制を今本格的につくる必要があるのではないかと思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。
#174
○真野政府参考人 現在におきましても、思春期の男女を対象にいたしまして、市町村保健センターなどにおきまして、性や避妊に関する知識の普及や人工妊娠中絶の影響などについての相談指導を行います健全母性育成事業、また、保育所などにおきまして、乳幼児と触れ合う体験学習の機会を与えることなどによりまして、生命尊重の教育や、父性、母性の涵養を図ります思春期における保健・福祉体験学習事業、それから、医師等が性に関するさまざまな相談に応じます思春期保健相談事業などを実施しているところでございます。
 私ども、今後の母子保健というものを考えます場合に、やはり総合的な検討が必要だということで、今、健康日本21というのが目標として出されておりますが、その一環といたしまして健やか親子21というものの検討会を開催いたしまして、今後の、いわば二十一世紀の母子保健の検討をしていただこうと思っておりますが、その中の大きな柱の一つとして、思春期の保健対策と健康教育の強化というものを考えております。そういうところでも幅広く御検討いただきまして、適切な対応を図りたいというふうに考えております。
#175
○瀬古委員 ぜひ、思春期の子供たちの今置かれている状況に見合った提言など、関係者に集まっていただいて、具体的に行動計画も含めて私はつくるべきだと思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。
#176
○真野政府参考人 今申し上げましたように、健やか親子21は、今年度中を目途に策定することを目指しまして検討をいたしております。いわば二十一世紀の母子保健の分野の国民運動にしたいというふうに思っております。今申し上げましたように、その柱の一つに立っているわけでございますので、その検討の中でそういうことも考えてまいりたいというふうに思っております。
#177
○瀬古委員 ニューヨークの研究所が行った妊娠の結果という調査がございまして、これが全妊娠に占める望まれた妊娠の割合を国際比較しています。望まれた妊娠の方で、フランスが六六%、アメリカが四三%、日本は三六%で、この数値は世界でも最も低い割合だと言われております。
 望まない妊娠の割合は非常に高いわけです。女性にとって、矛盾と苦痛の大きな社会になっています。そして、この結果が中絶や児童虐待にも結びついているというふうに指摘をされています。望まない妊娠の割合は、フランスが一二%、アメリカは一九%、日本は三六%。望まない妊娠の割合は、本当に非常に高い状況です。そういう点で、今、日本は女性にとっても大変深刻な実態にあるということを痛感します。
 また、特に若者の中にもクラミジアなど性感染症が急増しているということも大変深刻です。ですから、生涯を通じた女性の健康を脅かす深刻な問題になっていますので、リプロダクティブヘルス・ライツの理念から、今の人工妊娠中絶の問題、そして今子供たちの置かれている状況、女性の置かれている立場などをぜひ積極的に検討して対応するべきだということを指摘して、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#178
○田中(眞)委員長代理 中川智子さん。
#179
○中川(智)委員 社会民主党・市民連合の中川智子です。
 まず、一番最初に伺いたいんですが、受胎調節指導員、ここの中に受胎調節のためのということがありますが、この指導員というのはどのような仕事をしていらっしゃるのか、伺いたいと思います。
    〔田中(眞)委員長代理退席、委員長着席〕
#180
○真野政府参考人 受胎調節実地指導員でございますが、必要な講習を受講いたしまして、都道府県知事の指定を受けた保健婦さん、助産婦さん、看護婦さんでございますが、この方々は母体保護法に基づきまして、女性に対する厚生大臣が指定した避妊器具を使用する実地指導と、受胎調節のために必要な医薬品で厚生大臣が指定したものの販売ができることになっております。
 またさらに、講習を受けていただいておりますので、その講習の中で、性の問題でございますとか、先ほど来出ておりますリプロダクティブヘルス・ライツの問題でありますとか避妊に関する問題、そういうものも研修を受けていただいておりまして、そういう専門家でございますので、性に関する知識、コンドーム等の避妊方法の一般的な普及指導等も行っているところでございます。
#181
○中川(智)委員 今の御答弁の中で、避妊器具などの実地指導とかと言われましたが、日本では女性の避妊具としていわゆるペッサリーというものがありまして、これに対してかなり実地指導というのが有効だったと思うのです。現場の産婦人科のお医者さん数名にお話を伺いましたら、今ペッサリーが足りなくて、そして国内生産がストップしたように聞いているけれども、実際そういうものがないという割と深刻な状況があるということなんですが、それに対してはどのようになっているのでしょう。本当になくて困るという話なんですけれども。
#182
○真野政府参考人 実地指導員の指導できる避妊用具につきましては、ペッサリーなど現在五種類が指定されているわけですが、私どもの調べでは、ペッサリーの販売総数は平成十年では四百二十九個ということになっております。その前は販売実績が不明だというようなこともございまして、そういう意味では、先生おっしゃられますように、本当にこれがないと困るのかという議論とすれば、なかなかこの数で、四百二十九個でいわば受胎調節が全部賄っているということは言えないのだろうと思いますが、先ほど来申し上げておりますように、受胎調節実地指導員は、性の問題、それから受胎調節の専門家として、いわば実地指導とあわせて指導を行っていただいているわけでございまして、そういう意味では、ペッサリーの販売数だけをもって指導員の活動というものを判断してはいけないのではないかと思っております。
#183
○中川(智)委員 今、看護婦、助産婦、そして保健婦の方たちの仕事ということで、専門家が実際にいろいろな家庭を回って一生懸命お仕事をしてくださっているわけですが、実地指導というのは、装着とか使い方とかそのほかに相談業務、そういうふうに理解していいのでしょうか。そして、お一人で回られるのですか。
#184
○真野政府参考人 大体先生の御指摘のとおりだというふうに聞いております。
#185
○中川(智)委員 わかりました。
 私も、中絶が、本当に十代の中絶がふえているということに関してはいろいろな思いがございます。でも、約二年ほど前から、一番中絶が多いのが、二十代と三十代が交代して、今度は一位が二十代になりまして、それで三十代、四十代、そして十代と。ふえてはいるけれども、二十代、三十代、四十代、そしてその後に十代が来るわけです。
 これは通告していないんですけれども、三十代、四十代の既婚者の中絶がやはり圧倒的に多いわけですね。三十代、四十代の既婚者の中絶が全然減らない、ふえているということをどのように考えていらっしゃるのか、お伺いしたい。厚生省の方にお願いします。
#186
○真野政府参考人 私どものとっておりますいわゆる母体保護統計により人工妊娠中絶の年齢別の件数は把握をいたしておりますが、既婚、未婚別の把握はいたしておりませんので、そこのところはちょっとわかりかねます。
#187
○中川(智)委員 ですから、やはり既婚者の中絶もふえているということは、基本的に避妊のノウハウなりしっかりした思想というのがこの国でなかなか根づかない。性教育などでも、この後文部省に伺いますけれども、きのうもある省の方とちょっと話していたら、やらないのが一番ですよみたいな話がありました。こういうふうに、何というのか純潔教育で来ている。純潔教育、結婚する前はそういうことはしちゃいけませんよじゃなくて、もうこれだけ性ということに対して情報が過多になっていて、結局、正しい知識を身につけていないからいろいろな悲しいことが起きるわけですね。中絶の現場で産婦人科のお医者様にいろいろ伺いますと、やはり涙を流さない人はいないと。私も二人目を流産したんですが、流産でさえ命を失うというのはつらい。
 ですから、健やか親子21とかいろいろな議論の中で、人工妊娠中絶数を二分の一に減少させる、それはいいかもわかりませんが、具体的に日本として性教育の思想というものをきっちり文部省はお持ちなのかということと、純潔教育というのがいまだにあるというのが現場の先生たちの指摘なんですが、そのあたりに対してどのようにお考えでしょうか。
#188
○遠藤政府参考人 お答えします。
 学校におきまして、性教育というものにつきましては、人間尊重を基盤としまして、子供たちの発達段階に応じて性に関する科学的知識を理解させる、そして健全な異性観に基づいた望ましい行動がとれるようにすることをねらいとして、体育、保健体育、道徳等の時間を中心に学校教育活動全体を通じて指導するというふうにいたしております。
 平成十年度に告示がされました新しい学習指導要領におきましては、中学校の段階では、最近いろいろな問題が出ていますので、性衝動が生じたり異性への関心が高まる時期であることに配慮し、新たに、妊娠が可能となる生殖機能の成熟についての正しい理解、それから異性の尊重、性情報への適切な対処などについて指導することといたしております。高等学校の段階では、避妊の方法、あるいは人工中絶の話も含めまして、家族計画の意義について指導をいたしているところでございます。
#189
○中川(智)委員 今のお答えの中で、避妊方法というのは高校でやるというふうにおっしゃいましたが、一〇〇%高校に行くわけじゃないということと、不登校とかいろいろな問題があって、避妊方法というのは中学、義務教育の現場で教えるべきだと私は思いますが、これについてどのようにお考えかということ。
 それから、それだけもうおやりになっているとおっしゃりながら、全然きっちりした避妊方法なり性教育というのがないからこそ、これだけやはり中絶がふえているし、神奈川県でのああいう悲惨な事件のようなことが起きてくるわけです。だれが学校現場ではきっちりそれを教えるのか、各学校に適切にその職員が配置されているのか、文部省は性教育なり避妊教育というのが徹底されているかどうかということをどのような形で今把握しているか、ケアですね、それはどうなっているか教えてください。
#190
○遠藤政府参考人 お答えいたします。
 まず、義務教育段階から避妊教育というものを徹底していくべきじゃないかという御意見もあることは、私どもも承知いたしております。
 ただ、中学校では避妊の教育と申しますよりは、それ以前の段階として、生殖機能の成熟についての正しい理解とか異性の尊重といったことをまずきちっと教えていく、それが大変重要じゃないか、つまり、発達段階に応じて対応していくということが重要ではないかというふうに考えております。
 それから、性教育が十分に実施されていないんじゃないかというお話でございますが、私どもにおきましては、教員の方々がより実践的に取り組んでいただけますよう、モデル地域を設けたり、そこで実践的な研究を実施してもらうということとか、教師用の参考資料を最近もつくりましてそれを各学校に配布いたしまして、性教育のより一層の充実を図っていきたいというふうに思っております。
 それから、だれが中心になって教えていくかということでございますが、まず第一義的には体育、保健体育担当の先生が中心になりますが、養護教諭、保健主事が学校に置かれておりますから、こういった先生方が連携を組んで指導していくという形をとっておるわけでございます。
#191
○中川(智)委員 学校で教えることはたくさんありますけれども、やはり人生を生きていくことに対して一番基本のところを教えていくというところが本当に抜け落ちていると思うし、今局長の御答弁の中で発達段階に応じてとおっしゃいましたが、余りにも子供たちの成長とずれているなと思います。ぜひとも中学までの期間できっちりした性教育、避妊教育を徹底していくような形で進めていただきたいと思います。
 これは厚生省と連携してやっていくべきもので、いわゆる縦割り行政のはざまの中で、結局子供たちが悲しい目に遭うし、二十代、三十代、四十代さえいまだに――若いときに、雄しべと雌しべとかという感じで、カーテンを閉められてという教育の中では徹底していないので、やはり地域の中で情報や教育やカウンセリングやサービス提供の場がとても大事だと思います。
 厚生省に伺いますけれども、地域の中での相談所ということに対してもっと徹底すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#192
○真野政府参考人 先ほど来御答弁申し上げておりますように、確かに地域での状況は、市町村保健センターでの相談事業、そういうようなことを行っておるわけでございまして、大切でございます。
 また、文部省との関係でまいりますと、私どもの例えば保健婦さんや助産婦さんが保健体育の授業の時間にそういう説明をさせていただく、そういうような機会を文部省と共同で持つというようなことも行っているわけでございます。
#193
○中川(智)委員 コンドーム教育というか、厚生省は感染症関係で非常にこれに積極的だというふうに認識していますが、文部省がもう一つ積極的じゃなくて、性教育とかいろいろな形の中でもこれに対しての姿勢が弱いというふうに聞いていますが、文部省はどういうふうに考えていますか。
#194
○遠藤政府参考人 お答えいたします。
 学校におきましては、中学校の保健体育の教科におきまして、エイズ、それから性感染症の予防の観点から、中学生にもコンドームの有効性について指導することといたしておりまして、これもパンフレットなどをつくりまして指導をいたしております。また、高等学校の保健体育科におきましては、中学生でやっているエイズの指導のほかに、中学校の指導内容を踏まえ、コンドームによる避妊の方法を含む家族計画の意義について指導をすることといたしております。
#195
○中川(智)委員 時間ですから終わりますが、やはりリプロの理念というのがきっちり根づいて、かけ声や概念的なものに終わらないように、中身の具体的な政策の実現をぜひともお願いしたいと思います。
 終わります。
#196
○江口委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#197
○江口委員長 これより討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 母体保護法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#198
○江口委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#199
○江口委員長 この際、本案に対し、安倍晋三君外六名から、自由民主党、民主党、公明党・改革クラブ、日本共産党、保守党、自由党及び社会民主党・市民連合の七派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。石毛えい子さん。
#200
○石毛委員 私は、自由民主党、民主党、公明党・改革クラブ、日本共産党、保守党、自由党及び社会民主党・市民連合を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。
 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。
    母体保護法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について、適切な措置を講ずるべきである。
 一 国連の国際人口・開発会議で採択された行動計画及び第四回世界女性会議で採択された行動綱領を踏まえ、男女共同参画社会基本法による男女共同参画社会の実現に向けて、リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康・権利)の観点から、女性の生涯を通じた身体的、精神的及び社会的な健康にかかわる総合的な施策を展開すること。
 二 リプロダクティブ・ヘルス/ライツについて、女性のライフ・ステージに対応して正しい知識の普及に努めるとともに、きめ細かな相談・指導体制の整備を図ること。
 三 女性の主体的な避妊を図る観点から、技術の進歩など情勢の変化も踏まえ、受胎調節実地指導員の養成・活用について検討を進めること。
 四 高齢社会を迎えるに当たり、高齢女性の健康に特別に配慮した施策を推進するとともに、そのための調査・研究を促進すること。
以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#201
○江口委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#202
○江口委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 この際、大野厚生政務次官から発言を求められておりますので、これを許します。大野厚生政務次官。
#203
○大野(由)政務次官 ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重して、努力をいたします。
    ―――――――――――――
#204
○江口委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#205
○江口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#206
○江口委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後二時四十五分散会

ソース: 国立国会図書館
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